本発明が記載される特定の実施形態に限定されず、したがって、言うまでもなく、変化し得ることを理解されたい。本明細書に使用される専門用語が特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、限定するよう意図されないことも理解されたい。
値の範囲が提供される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、下限値の単位の10分の1までの、その範囲の上限値から下限値の間の各介在値も具体的に開示されることを理解する。いずれかの記載値、または記載範囲内の介在値からいずれかの他の記載値またはその記載範囲内の介在値の間のそれぞれのより小さな範囲を本発明内に含む。これらのより小さい範囲の上限値及び下限値は、この範囲内に独立して含まれてもよいし、含まれなくてもよく、またこれらのより小さい範囲内に、これら限界値のいずれか一方を含む、いかなる限界値も含まない、またはこれらの限界値の両方を含む各範囲は、この記載範囲内のいずれかの具体的に除外された制限に従い、本発明内に含まれる。記載範囲がそれらの上限値及び下限値のうちの一方または両方を含む場合、それらの包含される上限値及び下限値のいずれか一方または両方を除外する範囲も本発明に包含される。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様若しくは同等の任意の方法及び物質が本発明の実施または試験において使用され得るが、例示的な方法及び材料は、以下に記載される。本明細書で言及されるすべての刊行物は、それらの刊行物が引用されることに関連した方法及び/または物質を開示し、説明するために、参照により本明細書に援用される。矛盾がある限り、本開示が援用された刊行物のいかなる開示にも優先することを理解する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数指示対象を含むことに留意しなければならない。したがって、たとえば、「細胞(a cell)」への言及は、複数のそのような細胞を含み、「このポリペプチド(the polypeptide)」への言及は、1つ以上のポリペプチド及び当業者に既知のそれらの均等物などへの言及を含む。
特許請求の範囲が任意選択であることができるいずれかの要素を除外するように作成されてもよいことにさらに留意する。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関して「単に」、「のみ」などの排他的な専門用語の使用、または「否定的な」制限の使用のための先行する基準として役立つことが意図される。
本明細書で考察される刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示に対してのみ提供される。本明細書におけるいかなる内容も、本発明が先行発明によりそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の刊行日とは異なる場合があり、別々に確認される必要があり得る。
定義
III型IFN(IFNλ)。IFNは、多面的な抗ウイルス応答の確立に重要なサイトカインである。IFNの構造上の特徴、受容体用途及び生物学的活性に基づき、IFNの3個の別個の型を現在認識する(I型、II型、及びIII型)。IFN及びIL−10関連のサイトカインのすべては、クラスIIサイトカイン受容体ファミリー(CRF2)として知られている、それらの細胞外ドメイン内の共通のモチーフを共有する、受容体を介してシグナル伝達する。ヒトにおいて、異なるが、密接に関連したIFNλタンパク質のファミリーは、IFNλ1、λ2、λ3、λ4(それぞれIL−29、IL−28A、IL−28Bとしても知られている)は、III型IFNファミリーを形成する。
ヒト及びマウスのIFNλタンパク質の配列を配列表に、また図11に参照のために提供する。図11に記述されるように、野生型タンパク質の参照配列をタンパク質の成熟形態として提供することができる。参照配列は、ヒトIFNλ1(配列番号1)、ヒトIFNλ2(配列番号2)、ヒトIFNλ3(配列番号3)、及びヒトIFNλ4(配列番号4)を含む。本明細書に提供されるマウスの参照配列は、マウスIFNλ3(配列番号5)、マウスIFNλ2(配列番号6)である。ヒトIFNλ3の配列は、Genbank参照XP_005258822.1に対応する。成熟変異型タンパク質の親和性は、適切なアミノ酸置換を有する、すべての、または一部の参照配列を含むことができる。ある一定の実施形態において、タンパク質は、参照IFNλ3タンパク質の残基1から11の欠失によって切断される。
本発明のいくつかの実施形態において、IFNλ変異型ポリペプチドを提供し、このポリペプチドは、IFNλ3に関するものを含むが、これに限定されない、野生型IFNλタンパク質と比較して1個以上のアミノ酸変化を有し、これらの変化は、IL−10Rβへの結合を抑止する。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化は、配列番号3に関する、1箇所、2箇所または3箇所の位置、Q26、Q99、H102における置換である。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化は、アミノ酸置換を含み、3箇所すべてのQ26、Q99、H102において行われる。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化は、非保存的置換、たとえば、A、G、S、F、L、I、Vなどの残基への置換などである。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化は、Q26A、Q99A、H102Aのうちの1箇所以上である。
いくつかの実施形態において、IFNλ変異型ポリペプチドを提供し、このポリペプチドは、IFNλR1への結合を増強する、IFNλ3に関するものを含むが、これに限定されない、野生型IFNλタンパク質と比較して1個以上のアミノ酸変化を有する。これらの変化を、IL−10Rβへの結合を抑止するアミノ酸置換と任意選択で組み合わせる。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化は、配列番号3に関する、1箇所、2箇所、または3箇所の位置、H131、T161、V174における置換である。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化は、置換を含み、3箇所すべてのH131、T161、V174において行われる。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化は、置換H131R、T161A、V174Eである。これらのようなIFNλ変異体をシンセカインのIFNλR1結合腕として使用するが、これに限定されないことができる。
H11における変異の特異的なセットは、配列番号3に関して、Q26R、E84D、H131R、T161A、V174Eである。優性陰性変異体H11DNは、IL−10RβではなくILFλR1に結合し、変異Q26A、Q99A、H102A、H131R、T161A、V174Eのセットを含む。
IFNλタンパク質は、IFNλR1鎖(IL−28RAとしても知られている)、ならびにIL−10、IL−22、及びIL−26についての受容体複合体の一部でもある共有されたIL−10Rβ鎖から構成される受容体複合体を介して結合し、シグナル伝達する。IFNλまたはIFNαのいずれか一方の受容体複合体を介するシグナル伝達は、Jak−STATシグナル伝達カスケードの活性化をもたらす。IFNλは、IFNλR1鎖へ最初に結合し、二成分複合体は、IFNλのIFNλR1鎖との会合によって形成され、この複合体への第二受容体鎖、IL−10Rβの漸増を促進する急速な立体構造変化を引き起こす。三成分複合体の会合体が完成すると、受容体関連のヤヌスチロシンキナーゼ、Jak1及びTyk2は、受容体鎖のトランスリン酸化を媒介し、このトランスリン酸化は、STAT1及びSTAT2を含む、細胞質STATタンパク質について一過性のドッキング部位を提供する、IFNλR1鎖の細胞内ドメイン(ICD)上にリン酸化チロシン含有ペプチドモチーフをもたらす。生物学的活性は、III型IFNによって誘発され、抗ウイルス活性の誘導、及び主要組織適合抗原複合体(MHC)のクラスI抗原発現の増加を備える。
上皮由来の細胞は、白血球と異なり、それらが有意なIFNλR1レベルを発現するため、IFNλについて一次標的であるようにみえる。IFNλR1の膜発現パターンは、IL−22R1に非常に類似しているようにみえ、IL−22R1鎖のように、IFNλR1を白血球上に発現しない。
IFNλは、ある一定の腫瘍の増殖を抑制する宿主抗腫瘍機構を活性化することが可能である。メラノーマ、腸上皮細胞及びヒト膠芽腫細胞株、LN319を含む、いくつかの標的細胞型を使用して、IFNλの抗増殖活性を実証している。標的細胞中の抗増殖活性を誘導するIFNλの能力は、相対的なIFNλR1レベルによることができる。
I型IFN。ヒトI型IFNファミリーは、複数のIFNαメンバー、単一のIFNβ、イプシロン、カッパー、及びオメガ亜型からなる。これらのサイトカインは、多種多様な細胞型上に発現する、共通の受容体、IFNAR1/IFNAR2を結合することによって、抗ウイルス応答を誘導する。IFNαタンパク質を白血球によって産生する。それらは、ウイルス感染症に対して自然免疫応答に主に関与している。それらの合成の原因である遺伝子は、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17、IFNA21と称される13亜型に入る。これらの遺伝子を9番染色体上のクラスターにまとめて見出す。IFN−βタンパク質を線維芽細胞によって大量に産生する。それらは、自然免疫応答に主に関与している抗ウイルス活性を有する。2種類のIFN−β、IFN−β1(IFNB1)及びIFN−β3(IFNB3)を記述している。今回、IFNε、κ、ωは、ヒトにおいて単一のイソ型に入るようにみえる。ウイルス感染部位における白血球、または腫瘍によって、IFN−ωを遊離する。
他のサイトカイン受容体として、IFNAR1及びIFNAR2と名付けられた2成分の、I型インターフェロン(IFN)受容体(IFNAR)を含む。それは、同族リガンド数において、サイトカイン受容体の中でユニークである。I型IFN受容体は、II型IFNλ(IFNGR1及びIFNGR2)及びIII型IFN(IFNλR及びIL10Rβ)に必要なものと異なる。ほとんどの細胞型は、結合部位数(200から10,000/細胞)及び結合親和性にかなりの差異を有する、IFNを結合する。さまざまなI型IFNは、ほとんどnM範囲(0.1から1000nM)中のKd値を有するIFNAR2に結合し、ほとんどμM範囲(0.05から10μM)中のKdを有するIFNAR1に結合する。
クラスIIhCRに特有の、I型IFN受容体は、固有のキナーゼ活性を欠くため、会合したヤヌスキナーゼ(JAK)に依存し、リガンド誘導受容体のクラスター化後に、受容体、及びSTATタンパク質などのシグナル伝達分子をリン酸化する。IFNAR1は、Tyk2と予め会合し、またIFNAR1細胞表面発現レベルを安定化させる。
簡便さのために、成熟ヒトIFNωタンパク質の参照配列を配列番号21としてこの配列表に提供する。いくつかの実施形態において、IFNAR2への結合を抑止しているIFNωポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化は、配列番号21に関する、1箇所、2箇所、3箇所または4箇所の位置、R14、L32、R35、K152における置換である。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化は、アミノ酸置換を含み、4箇所すべてのR14、L32、R35、K152において行われる。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化は、非保存的置換、たとえば、A、G、S、F、L、I、Vなどの残基への置換などである。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化は、4箇所すべての変化を含む、R14A、L32A、R35A、K152Aのうちの1箇所以上である。
特異的なIFNω変異型ポリペプチドは、IFNAR2への結合を低下させており、配列番号22としてこの配列表に提供され、この変異体は、IFNWDN2と称されることができる。IFNWDN2におけるアミノ酸変化のセットは、配列番号21に関して、R14A、L32A、R35A、K152Aである。
用語「特異的結合」、「特異的に結合する」及び同様のものは、溶液または反応混合物(たとえば、同族受容体に結合するインターフェロンなど)中の他の分子または部分に関する分子への非共有または共有の優先的結合を指す。いくつかの実施形態において、分子が特異的に結合する、一方の分子の他方の分子についての親和性は、10−5M以下(たとえば、10−6M以下、10−7M以下、10−8M以下、10−9M以下、10−10M以下、10−11M以下、10−12M以下、10−13M以下、10−14M以下、10−15M以下、または10−16M以下)のKD(解離定数)を特徴とする。「親和性」は、結合の強度を指し、増加した結合親和性は、より低いKDと相関している。
本明細書に使用されるような用語「特異的結合メンバー」は、特異的結合対のメンバーを指す(すなわち、2分子、通常2個の異なる分子、そこで分子のうちの1個、たとえば、第一特異的結合メンバーなどは非共有結合手段を介して他の分子、たとえば、第二特異的結合メンバーなどへ特異的に結合する)。
用語、結合の「切断」は、リガンドの存在下で受容体からのシグナル伝達がたとえば、同一濃度の天然リガンドの存在下でのシグナル伝達レベルと比較して少なくとも約10分の1の低下、少なくとも約100分の1の低下、少なくとも約103分の1の低下、またはそれを上回る低下などの、実質的にバックグラウンドレベルまで低下するように、受容体へのリガンドの結合における低下を指す。
本明細書で使用されるように、用語「感染」は、感染体によって感染する、生物(すなわち、被検体)の少なくとも1個の細胞におけるいずれかの状態を指す。本明細書に使用されるように、用語「感染体」は、感染した生物の少なくとも1個の細胞内で繁殖する外来生物学的実体、すなわち、病原体を指す。たとえば、感染体は、バクテリア、ウイルス、原生動物、及び菌類を含むが、これらに限定されない。細胞内病原体は、特に興味深い。感染症は、感染体によって引き起こされる疾患である。いくつかの感染体は、ある一定の条件下で、認識できない症状または疾患を引き起こすが、変化した条件下で、症状または疾患を引き起こす可能性を有する。
肝炎ウイルス。肝炎ウイルスは、無関係で、多くの場合に非常に珍しいヒト病原体の範囲を含む。ヘパトウイルス属として分類される、A型肝炎ウイルス(HAV)は、ピコルナウイルス科の多くの特性を共有する、小さな、非エンベロープ型対称的RNAウイルスであり、糞口経路によって伝染する感染症または流行性肝炎の原因である。B型肝炎ウイルス(HBV)は、ヘパドナウイルス群のメンバーであり、逆転写によって、異常に複製される二本鎖DNAウイルスである。B型肝炎ウイルスは、人類に固有であり、世界の多くの地域で高侵淫性である。このウイルスの多数の変異体を記述している。C型肝炎ウイルス(HCV)は、C型肝炎が媒介節足動物によって伝染しないが、フラビウイルス属に遠位に関連する(おそらくその進化において)ようにみえるエンベロープ型一本鎖RNAウイルスである。いくつかの遺伝子型を識別している。ごく最近になって識別されたウイルスによる感染は、多くの国で一般的である。C型肝炎ウイルスは、慢性肝疾患と関連し、またいくつかの国で原発性肝癌と関連する。D型肝炎ウイルス(HDV)は、ある一定の植物ウイルスサテライト及びウイロイドに対する多数の類似性を有する、異常な、一本鎖の環状RNAウイルスである。このウイルスは、肝細胞における増殖のためにヘパドナウイルスヘルパー機能を必要とし、世界の多くの地域で急性及び重篤な慢性肝損傷の重要な原因である。腸管に伝染した非A型、非B型肝炎の原因である、E型肝炎ウイルス(HEV)は、別の非エンベロープ型、一本鎖RNAウイルスであり、このウイルスは、カリシウイルスによる多くの生物物理学的特徴及び生化学的特徴を共有する。E型肝炎ウイルスは、インド、中央及び東南アジア、中東、アフリカの地域及び他の地域の亜大陸における急性肝炎の大流行の重要な原因である。
用語「C型肝炎ウイルス」、「HCV」、「非A型、非B型肝炎」、または「NANBH」は、本明細書において互換的に使用され、C型肝炎ウイルスのRNAによって符号化される、または天然アレル変異により発生する、ウイルス粒子のいずれかの「遺伝子型」若しくは「サブゲノムタイプ」(「サブタイプ」とも称される)、またはその部分(たとえば、HCVの遺伝子型IaのE2タンパク質の一部)を含む。HCVゲノムは、5’非翻訳領域を含み、その後、約3,010個のアミノ酸にコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を伴う。ORFは、ヌクレオチド塩基対342から8,955まで続いた後に、3’末端に別の非翻訳領域を伴う。コアタンパク質中の変異によってカテゴリー化される約6種の別個のHCV遺伝子型(たとえば、遺伝子型1、2、3、4、5及び6)があり、また各遺伝子型内でさらに変異を示す80種超のサブゲノムタイプがあり、これらのいくつかは、Ia、Ib、Ic、2a、2b、2c、3a、3b、4a、4b、4c、4d、4e、5a、及び6aを含む。
用語「癌」、「新生物」、及び「腫瘍」は、本明細書で互換的に使用され、それらが細胞増殖に勝る制御の有意な喪失を特徴とする異常な増殖表現型を示すような、自律的な、未制御の増殖を示す細胞を指す。本出願において検出、解析、または処置の対象となる細胞は、前癌性の(たとえば、良性の)、悪性の、転移前の、転移性の、及び非転移性の細胞を含む。実質的にすべての組織の癌は、知られている。語句「癌量」は、被検体中の癌細胞量または癌体積を指す。したがって、癌量を減少させることは、被検体中の癌細胞数または癌体積を減少させることを指す。本明細書に使用されるような、用語「癌細胞」は、癌細胞である、または癌細胞に由来する(たとえば、癌細胞のクローン)、いずれかの細胞を指す。多くの種類の癌は、当業者に知られており、細胞腫、肉腫、膠芽腫、メラノーマ、リンパ腫、骨髄腫などの固形腫瘍、及び白血病のような循環癌を含む。癌の例は、卵巣癌、乳癌、結腸癌、肺癌、前立腺癌、肝細胞癌、胃癌、膵癌、子宮頚癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、尿路癌、甲状腺癌、腎癌、細胞腫、メラノーマ、頭頸部癌、及び脳癌を含むが、これらに限定されない。
用語「有効量」または「有効用量」は、所望の効果を達成する、または少なくとも部分的に達成するのに十分な量として定義される。用語「治療上の有効量」は、疾患をすでに患う患者における疾患及びその合併症を治療する、または少なくとも部分的に静止させるのに十分な量として定義される。この用途に効果的な量は、治療される疾患の重症度、及び患者自身の免疫系の一般的な状態に依存する。
本明細書で互換的に使用される「ポリペプチド」及び「タンパク質」は、ペプチド類及びオリゴペプチド類を含むことが可能である。自然起源のタンパク質分子のアミノ酸配列を指す「ポリペプチド」を本明細書に列挙する場合に、「ポリペプチド」及び同様の用語は、必ずしも列挙されたタンパク質分子と関連する完全に、天然なアミノ酸配列へのアミノ酸配列に限定されないが、代替に、本明細書に提供されるアミノ酸配列に関して識別される、実質的な配列類似性、または配列を含むポリペプチド類を含有する、生物学的活性変異体またはフラグメントを含むことが可能である。一般に、フラグメントまたは変異体は、それらの配列が由来する、親ポリペプチドの生物学的活性を保持する。
本明細書に使用されるように、「ポリペプチド」は、i)天然ポリペプチド、ii)ポリペプチドの生物学的活性フラグメント、またはiii)ポリペプチドの生物学的活性変異体、のアミノ酸配列を含む、組換え、または非組換えポリペプチドのアミノ酸配列を指す。使用に適しているポリペプチド類は、いずれかの種、たとえば、天然、合成、半合成または組換えであろうといずれかの供給源からの、哺乳類、または非哺乳類(たとえば、爬虫類、両生類、鳥類(たとえば、ニワトリ))、特にヒト、齧歯類(たとえば、マウスまたはラット)、ウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、またはウマを含む哺乳類、特にラットまたはヒトから得られることが可能である。一般に、ヒトポリペプチドの配列を含むポリペプチド類は、特別な興味の対象である。
用語「に由来する」は、指示された供給源(たとえば、タンパク質が細胞から直接に精製されるときに、このタンパク質はこの細胞「に由来する」)から得られる分子を示し、または情報は、供給源、たとえば、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列などから得られ、供給源からの分子は、情報供給源以外の材料から合成されることが可能である。
用語「単離された」は、列挙された材料(たとえば、ポリペプチド、核酸など)が自然に(たとえば、細胞内で)発生する他の材料から実質的に分離される、またはこれらの材料と比較して濃縮されることを示す。単離される材料(たとえば、ポリペプチド、核酸など)は、所与の試料中の同一の種類の総材料の少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、または少なくとも約5重量%を占める。
用語「被検体」及び「患者」は、本明細書で互換的に使用され、本明細書に記載される製薬方法、医薬品組成物及び薬学的処置に必要性を有する可能性がある、いずれかの哺乳類または非哺乳類の種の単数のメンバーまたは複数のメンバーを意味する。したがって、被検体及び患者は、霊長類(ヒトを含む)、イヌ、ネコ、有蹄動物(たとえば、ウマ、ウシ、ブタ(swine)(たとえば、ブタ(pig)))、鳥類、及び他の被検体を含むが、これらに限定されない。ヒト、及び商業的重要性を有する非ヒト動物(たとえば、家畜及び飼育動物)は、特別な興味の対象である。用語が使用される文脈から明らかであるように、被検体及び患者は、癌を含む、ウイルスなどによって感染した被検体または患者を指すことができる。
「哺乳類」は、いずれかの哺乳類の種の単数のメンバーまたは複数のメンバーを意味し、例として、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、齧歯類など、及び霊長類、特にヒトを含む。非ヒト動物モデル、特に哺乳類、たとえば、霊長類、マウス、ウサギなどを実験的調査のために使用することができる。
本明細書に使用されるように、用語「単位投与量形態」は、ヒト及び動物被検体についての単位投与量として適している物理的に別個の単位を指し、各単位は、薬学的に許容可能な希釈剤、担体または媒体と関連する所望の効果を生じるのに十分な量で計算された化合物の所定量を含有する。新規の単位投与量形態についての仕様は、用いられる特定化合物及び達成される効果、ならびに宿主における各化合物と関連する薬力学に依存する。
「薬学的に許容可能な賦形剤」、「薬学的に許容可能な希釈剤」、「薬学的に許容可能な担体」、及び「薬学的に許容可能なアジュバント」は、一般的に安全であり、非毒性であり、生物学的にもその他の点でも望ましくないものではない医薬組成物を調製する際に有用である、賦形剤、希釈剤、担体、及びアジュバントを意味し、ヒトの医薬用途と同様に、獣医学的用途に許容可能である、賦形剤、希釈剤、担体、及びアジュバントを含む。本明細書及び特許請求の範囲で使用されるような、「薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、担体及びアジュバント」は、賦形剤、希釈剤、担体及びアジュバントなどの、1つ以上のこのようなものを包含する。
本明細書で使用する「医薬組成物」は、哺乳類などの被検体、特にヒトへの投与に好適な組成物を含むことを意味する。一般に、「医薬組成物」は、滅菌であり、被検体内の望ましくない反応を誘発することができる汚染物質を通常含まない(たとえば、医薬組成物中の化合物(複数可)は医薬品等級である)。医薬組成物は、経口、バッカル、直腸、非経口、腹腔内、皮内、気管及び同様のものを含む、複数の異なる投与経路を介してそれらを必要とする被検体または患者への投与のために設計されることが可能である。
本明細書で使用されるとき、「標識」という語は、抗体へ直接的に、または間接的にコンジュゲートされる、検出可能な化合物または組成物を指す。標識自体は、それ自体(たとえば、放射性同位体標識または蛍光標識)によって検出可能であり得る、または酵素標識の場合、検出可能である基質化合物若しくは組成物の化学変成を触媒し得る。
「固相」とは、本発明の抗体が接着することが可能である非水系マトリクスを意味する。本明細書に含まれる固相の例は、ガラス(たとえば、コントロールドポアガラス)、多糖類(たとえば、アガロース)、ポリアクリルアミド類、ポリスチレン、ポリビニルアルコール及びシリコーンの部分に、または全体に形成された固相を含む。ある一定の実施形態において、文脈により、固相は、アッセイプレートのウェルを含むことが可能であり、他のものにおいて、それは、精製カラム(たとえば、アフィニティークロマトグラフィーカラム)である。また、この用語は、離散粒子の不連続固相、たとえば、米国特許第4,275,149号に記載されるものなどを含む。
変異体。またIFNポリペプチド類、たとえば、IFNλシンセカイン中に結合ドメインを提供するIFN配列などは、上述されるポリペプチドの誘導体、変異体、及び生物学的活性フラグメント、たとえば、天然物リガンドの変異体などを含むことができる。「変異型」ポリペプチドは、以下に定義されるような、提供された配列に関して100%未満の配列相同性を有する、生物学的活性ポリペプチドを意味する。これらのような変異体は、たとえば、1個以上のアミノ酸残基を自然配列の、または自然配列内のN−またはC−終端に加え、約1個から40個までのアミノ酸残基を欠失して、任意選択で1個以上のアミノ酸残基によって置換する提供された配列と比較して、またアミノ酸残基が共有結合修飾されたため、得られた生成物が非自然発生アミノ酸を含む上記のポリペプチド類の誘導体と比較して、1個以上のアミノ酸修飾、たとえば、挿入、欠失または置換などを有するポリペプチド類を含む。通常、生物学的活性変異体は、自然配列ポリペプチドを含む少なくとも約90%のアミノ酸配列相同性を有する、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約99%のアミノ酸配列を含む。
配列の「機能誘導体」は、初期配列と共通の定性的な生物学的特性を有する化合物である。「機能誘導体」は、それらが共通に生物学的活性を有する限り、配列のフラグメント、及び配列の誘導体を含むが、これらに限定されない。用語「誘導体」は、ポリペプチドのアミノ酸配列変異体、及びその共有結合修飾の両方を包含する。
通常の分子生物学技術及び合成化学を使用して、本発明の組成物及び方法における使用のための結合ドメインを改変することができるので、タンパク質分解へのそれらの抵抗性を改善する、または溶解性を最適化する、またはそれらを治療薬としてより適切にすることができる。これらのようなポリペプチド類の類似体は、自然発生するL−アミノ酸以外の残基、たとえば、D−アミノ酸または非自然発生する合成アミノ酸などを含む類似体である。D−アミノ酸をいくつかの、またはすべてのアミノ酸残基について置換することができる。
IFNλシンセカインを追加のポリペプチド配列へ融合する、または結合することができる。例は、シンセカインを免疫グロブリン配列、特にFc配列と結合させるイムノアドヘシン、及び「タグポリペプチド」に融合される、天然の阻害剤ポリペプチドまたはその部分を含むエピトープタグ付きポリペプチドを含む。タグポリペプチドは、それが天然ポリペプチドの生物学的活性を妨げないように十分短い。適切なタグポリペプチドは、少なくとも6個のアミノ酸残基、及び通常約6から60個の間のアミノ酸残基を一般的に含む。また、シンセカインまたはIFNλを製剤中に融合する、若しくは結合する、または活性、たとえば、サイトカイン、増殖因子、化学療法剤、免疫抑制剤などを増強する薬剤と同時投与することができる。
リンカー。リンカー、たとえば、ポリペプチドリンカー、または非ペプチドリンカーなどによってシンセカインの結合ドメインを分離することができる。ドメインを連結するアミノ酸リンカーは、マルチドメインタンパク質の構造及び機能において重要な役割を演じることが可能である。触媒活性が適切なリンカー組成物を必要とするタンパク質の複数の例がある。一般に、ドメインを接合するリンカーの長さを変えることにより、タンパク質安定性、フォールディング率及びドメイン間配向に影響することを示している(George and Hering(2003)Prot.Eng.15:871−879参照)。シンセカイン中のリンカーの長さ、したがって結合ドメイン間のスペーシングを使用して、シンセカインのシグナル強度を改変することが可能であり、シンセカインの所望の用途により選択することが可能である。シンセカインの結合ドメイン間で実施された距離は、変わることが可能であるが、ある一定の実施形態において、約100オングストローム未満、約90オングストローム未満、約80オングストローム未満、約70オングストローム未満、約60オングストローム未満、約50オングストローム未満、約40オングストローム未満、約30オングストローム未満、約20オングストローム未満であることができる。
いくつかの実施形態において、リンカーは、剛性リンカーであり、他の実施形態において、リンカーは、可撓性リンカーである。いくつかの実施形態において、リンカー部分は、ペプチドリンカーである。いくつかの実施形態において、ペプチドリンカーは、2から100個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドリンカーは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99個のアミノ酸を含むが、100個より多いアミノ酸を含まない。いくつかの実施形態において、ペプチドリンカーは、5から75、5から50、5から25、5から20、5から15、5から10、または5から9の間のアミノ酸長である。例示的なリンカーは、Gly−Gly、Gly−Ala−Gly、Gly−Pro−Ala、Gly−Gly−Gly−Gly−Serなど、少なくとも2個のアミノ酸残基を含有する直鎖ペプチドを含む。適切なリンカーペプチド類は、アラニル及び/またはセリニル及び/またはプロリニル及び/またはグリシルアミノ酸残基からなる、ポリグリシン、ポリセリン、ポリプロリン、ポリアラニン及びオリゴペプチド類を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドリンカーは、Gly9、Glu9、Ser9、Gly5−Cys−Pro2−Cys、(Gly4−Ser)3、Ser−Cys−Val−Pro−Leu−Met−Arg−Cys−Gly−Gly−Cys−Cys−Asn、Pro−Ser−Cys−Val−Pro−Leu−Met−Arg−Cys−Gly−Gly−Cys−Cys−Asn、Gly−Asp−Leu−Ile−Tyr−Arg−Asn−Gln−Lys、及びGly9−Pro−Ser−Cys−Val−Pro−Leu−Met−Arg−Cys−Gly−Gly−Cys−Cys−Asnからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。1つの実施形態において、リンカーは、アミノ酸配列GSTSGSGKSSEGKG、または(GGGGS)nを含み、そこでnは、1、2、3、4、5などであるが、多くのこれらのようなリンカーは、当該技術分野において知られており、使用され、この目的を果たすことができる。
シンセカインは、一本鎖形態で提供されることが可能であり、このことは、リンカーペプチドを介するペプチド結合によって結合ドメインを連結することを意味する。他の実施形態において、結合ドメインは、個々のペプチドであり、非ペプチドリンカーを介して連結されることが可能である。
結合ドメインを連結する際に用途を見出す化学基は、当該技術分野において知られているような、カルバメートと、アミド(アミンとカルボン酸)と、エステル(アルコールとカルボン酸)、チオエーテル(ハロアルカンとスルフヒドリル、マレイミドとスルフヒドリル)、Schiff塩基(アミンとアルデヒド)、尿素(アミンとイソシアン酸塩)、チオ尿素(アミンとイソチオシアネート)、スルホンアミド(アミンとスルホニルクロリド)、ジスルフィドと、ヒドラゾン(hyrodrazone)、脂質類、及び同様のものを含む。
結合ドメイン間のリンケージは、スペーサー、たとえば、アルキルスペーサーなどを含むことができ、これらのスペーサーは、直鎖または分岐鎖であり、通常直鎖であることができ、1つ以上の不飽和結合を含むことができ、通常、1から300個までの炭素原子を含み、さらに通常、約1から25個までの炭素原子を含み、約3から12個までの炭素原子であることができる。またこの種類のスペーサーは、アミン類、エーテル類、リン酸ジエステル類、及び同様のものを含有する、ヘテロ原子または官能基を含むことができる。対象となる特異的構造は、(CH2CH2O)nを含み、そこでnが1から約12であり、(CH2CH2NH)nを含み、そこでnが1から約12であり、[(CH2)n(C=O)NH(CH2)m]zを含み、そこでn及びmが1から約6であり、zが1から約10であり、[(CH2)nOPO3(CH2)m]zを含み、そこでn及びmが1から約6であり、zが1から約10である。これらのようなリンカーは、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい、ポリエチレングリコールを含むことができる。
結合ドメインは、親水性ヘッドグループへ安定リンケージを形成することができる一端における基、及び標的部分へ安定リンケージを形成することができる対向端における基を含む、ホモまたはヘテロ二官能性リンカーを介して連結されることができる。例示的な実体は、アジドベンゾイルヒドラジド、N−[4−(p−アジドサリチルアミノ)ブチル]−3’−[2’−ピリジルジチオ]プロピオンアミド)、ビス−スルホスクシンイミジルスベラート、アジプイミド酸ジメチル、酒石酸ジスクシンイミジル、N−γ−マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジド安息香酸、N−スクシンイミジル[4−アジドフェニル]−1,3’−ジチオプロピオネート、N−スクシンイミジル[4−ヨードアセチル]アミノ安息香酸、グルタルアルデヒド、NHS−PEG−MALと、スクシンイミジル4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボン酸塩と、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SPDP)と、N,N’−(1,3−フェニレン)ビスマレイミドと、N,N’−エチレン−ビス−(ヨードアセトアミド)と、または4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SMCC)と、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、及びスクシンイミド4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB)、MBSの伸びきり鎖類似体を含む。これらの架橋剤のスクシンイミジル基は、一級アミンと反応し、チオール反応性マレイミドは、システイン残基のチオールと共有結合を形成する。
この目的のために有用な他の試薬は、p,p’−ジフルオロ−m,m’−ジニトロジフェニルスルホン(アミノ及びフェノール基と不可逆的架橋反応を形成する)と、ジメチルアジピミダート(アミノ基に特異的である)と、フェノール−1,4−ジスルホニルクロリド(アミノ基と主に反応する)と、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、またはアゾフェニル−p−ジイソシアネート(アミノ基と主に反応する)と、ジスジアゾベンジジン(disdiazobenzidine)(チロシン及びヒスチジンと主に反応する)と、O−ベンゾトリアゾールイルオキシテトラメチルウロニウム(tetramethuluronium)ヘキサフルオロリン酸塩(HATU)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(carbodiimde)、ブロモ−トリス(ピロリジノン)ホスホニウムブロミド(PyBroP)と、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)と、4−ピロリジノ(pyrrolidino)ピリジンと、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールと、同様のものとを含む。ホモ二官能性架橋剤は、ビスマイレイミドヘキサン(「BMH」)を含む。
抗体:本明細書で使用されるような、用語「抗体」は、特定の標的抗原への特異的結合を与えるのに十分な標準免疫グロブリン配列要素を含むポリペプチドを指す。受容体のうちの1つ以上の細胞外ドメインに結合する抗体:IL−10Rβ、IFNλR1、IFNAR1、IFNAR2は、対象となる。いくつかの実施形態において、抗体は、IFNλR1及びIFNAR1、またはIFNλR1及びIFNAR2の細胞外ドメインへの二重特異性抗体結合である。
当該技術分野において知られているように、天然に産生されるようなインタクト抗体は、「Y字型」構造と一般的に称される、互いに会合する、2個の同一の重鎖ポリペプチド(各約50kD)、及び2個の同一の軽鎖ポリペプチド(各約25kD)から構成される、約150kDの四量体薬剤である。各重鎖は、少なくとも4箇所のドメイン(それぞれ約110アミノ酸長)から構成され、アミノ末端可変(VH)ドメイン(Y構造の先端に位置している)と、その後、CH1、CH2、及びカルボキシ末端CH3(Yのステムの塩基に位置している)の3箇所の定常ドメインを伴う。「スイッチ」として知られている、短い領域は、重鎖可変領域及び定常領域を接合させる。「ヒンジ」は、CH2及びCH3ドメインを抗体の残りに接合させる。このヒンジ領域中の2箇所のジスルフィド結合は、インタクト抗体中で2個の重鎖ポリペプチドを互いに接合させる。各軽鎖は、2箇所のドメインから構成され、アミノ末端可変(VL)ドメインと、その後にカルボキシ末端定常(CL)ドメインを伴い、これらのドメインは、別の「スイッチ」によって互いから分離される。インタクト抗体四量体は、2個の重鎖−軽鎖二量体から構成され、その中で、重鎖及び軽鎖は、単一のジスルフィド結合によって互いに結合され、他の2箇所のジスルフィド結合は、重鎖ヒンジ領域を互いに連結するため、二量体は、互いに連結され、四量体を形成する。また、一般的にCH2ドメイン上で、自然に産生する抗体をグリコシル化する。自然抗体中の各ドメインは、圧縮された逆平行ベータバレル中で互いに接して詰め込まれる、2枚のベータシート(たとえば、3本鎖、4本鎖、または5本鎖シートなど)から形成される「免疫グロブリンフォールド」を特徴とする構造を有する。各可変ドメインは、「補体決定領域」(CDR1、CDR2、及びCDR3)として知られている3つの高頻度可変性ループ、及び4箇所の若干の不変「フレームワーク」領域(FR1、FR2、FR3、及びFR4)を含む。自然抗体がフォールドするときに、FR領域は、ドメインに構造フレームワークを提供するベータシートを形成し、重鎖及び軽鎖の両方からのCDRループ領域は、3次元空間にまとめられるため、それらは、Y構造の先端に位置している単一の高頻度可変性抗原結合部位を作製する。
自然発生する抗体のFc領域は、補体系の要素に結合し、またエフェクター細胞上で受容体に結合し、これらのエフェクター細胞は、たとえば、細胞毒性を媒介するエフェクター細胞を含む。当該技術分野において知られているように、Fc受容体についてのFc領域の親和性及び/または他の結合属性を糖鎖付加または他の修飾を介して改変することが可能である。いくつかの実施形態において、本発明に従い産生される、及び/または利用される抗体は、グリコシル化などの改変された、または工学的に設計された、Fcドメインを含む、グリコシル化されたFcドメインを含む。
自然抗体中に見出されるものとして、十分な免疫グロブリンドメイン配列を含む、いずれかのポリペプチド、またはポリペプチドの複合体は、このようなポリペプチドが自然に産生される(たとえば、抗原に反応する生物によって生成される)か、遺伝子組み換え工学、化学合成、または他の人工システム若しくは方法論によって産生されるかどうかにかかわらず、「抗体」と称される、及び/または「抗体」として使用されることが可能である。いくつかの実施形態において、当該技術分野において知られているように、抗体配列要素は、ヒト化、霊長類化、キメラ化などである。
さらに、本明細書に使用されるように、用語「抗体」は、適切な実施形態(別段に記載されない限り、または文脈から明らかでない限り)において、代替の提示において抗体の構造及び機能特徴を利用するために当該技術分野において知られている、または開発された構築物または形態のいずれかを指す。たとえば、実施形態の、本発明に従い利用される抗体は、インタクトIgG、IgE及びIgM、二重特異性抗体または多特異性抗体(たとえば、Zybodies(登録商標)など)、単鎖Fvs、Fabs、小モジュラー免疫医薬品(「SMIPs(商標)」)、単鎖またはタンデム型二重特異性抗体(TandAb(登録商標))、VHHs、Anticalins(登録商標)、Nanobodies(登録商標)、ミニボディ、BiTE(登録商標)、アンキリンリピートタンパク質またはDARPINs(登録商標)、Avimers(登録商標)、DART、TCR様抗体、Adnectins(登録商標)、Affilins(登録商標)、Trans−bodies(登録商標)、Affibodies(登録商標)、TrimerX(登録商標)、MicroProteins、Fynomers(登録商標)、Centyrins(登録商標)、及びKALBITOR(登録商標)から選択される形態にあるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、抗体は、天然に産生した場合に有する共有結合的修飾(たとえば、グリカンの付着)を欠く可能性がある。いくつかの実施形態において、抗体は、共有結合的修飾を含む可能性がある(たとえば、グリカン、ペイロード(たとえば、検出可能な部分、処置部分、触媒部分など)、または他のペンダント基(たとえば、ポリエチレングリコールなど)の付着)。
小分子組成物。またシンセカインは、有機分子、好ましくは、50超から約20,000ダルトン未満の分子量を有する小有機化合物を含む。有用なシンセカインは、たとえば、IL−10Rβ、IFNλR1、IFNAR1、IFNAR2の細胞外ドメインの一方または両方への高親和性結合について分子をアッセイする、スクリーニングアッセイなどによって識別される。いくつかの実施形態において、IFNλR1及びIFNAR1、またはIFNλR1及びIFNAR2の細胞外ドメインへの分子結合は、対象となる。分子は、結合部分を提供することが可能であり、この結合部分は、別の結合部分に連結される、またはポリペプチド薬について上述されるような結合ドメインに連結される。
候補のシンセカインは、受容体ECDとの構造的相互作用、特に水素結合に必要な官能基を含み、一般的に、少なくとも1個のアミン、カルボニル、ヒドロキシルまたはカルボキシル基、好ましくは、これらの化学官能基のうちの少なくとも2個を含む。候補のシンセカインは、上記の官能基のうちの1つ以上と置換される環式炭素または複素環式構造及び/または芳香族または多環芳香族構造を含むことが多い。また候補の薬剤は、ペプチド類、糖類、脂肪酸類、ステロイド類、プリン類、ピリミジン類、誘導体類、構造類似体またはそれらの組み合わせを含む、生体分子間に見出される。
候補のシンセカインは、合成または天然化合物のライブラリーを含む、多種多様な供給源から得られる。たとえば、複数の手段は、ランダムに利用可能であり、ランダム化オリゴヌクレオチド類及びオリゴペプチド類の発現を含む、多種多様な有機化合物及び生体分子の合成を対象とする。代替に、天然化合物ライブラリーは、細菌、真菌、植物及び動物抽出物の形態で利用可能である、または容易に作製される。加えて、天然で、または合成で作製されたライブラリー及び化合物を、従来の化学的手段、物理的手段及び生化学的手段を介して容易に改変し、これらを使用して、コンビナトリアルライブラリーを作製することができる。既知の薬理学的な薬剤は、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化などの、直接または無作為化学修飾を受け、構造類似体を産生することができる。たとえば、天然物ライブラリーまたはコンビナトリアルライブラリーなどのライブラリーから試験剤を得ることが可能である。これらのようなライブラリーを調製するために複数の異なる種類のコンビナトリアルライブラリー及び方法は、たとえば、PCT公開WO93/06121、WO95/12608、WO95/35503、WO94/08051及びWO95/30642などに、記述されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に援用される。
スクリーニングアッセイが結合アッセイである場合、分子のうちの1個以上を標識に連結することができ、この標識は、検出可能なシグナルを直接的に、または間接的に提供することが可能である。さまざまな標識は、放射性同位元素、蛍光剤(fluorescers)、化学発光剤、酵素、特異的結合分子、磁性粒子などの粒子、及び同様のものを含む。特異的結合分子は、ビオチン及びストレプトアビジン、ジゴキシン及び抗ジゴキシンなどのような、対を含む。特異的結合メンバーについて、相補的メンバーは、既知の手順に従い、検出用に提供する分子によって通常標識付けされる。
さまざまな他の試薬をスクリーニングアッセイに含むことができる。これらは、塩類、アルブミンなどの中性タンパク質、界面活性剤などのような試薬を含み、これらの試薬を使用して、最適なタンパク質間結合を促進する、及び/または非特異的またはバックグラウンド相互作用を減少させる。アッセイの効率を改善する試薬、たとえば、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗菌剤などを使用することができる。成分の混合物を、必要な結合を提供する、いずれかの順序で加える。インキュベーションを、いずれかの適切な温度、一般的に4から40℃の間で実施する。インキュベーション期間を最適な活性のために選択するが、またインキュベーション期間を最適化し、迅速なハイスループットスクリーニングを容易にすることができる。典型的に0.1から1時間の間で十分である。
対象となる受容体ポリペプチド(複数可)に結合することが可能である化合物についてスクリーニングすることによって、予備的スクリーニングを行うことが可能である。結合アッセイは、受容体ECDを1個以上の試験化合物と接触させること、及びタンパク質及び試験化合物が結合複合体を形成するのに十分な時間を許容することを通常伴う。形成されるいずれかの結合複合体を、複数の確立された解析技術のいずれかを使用して検出することが可能である。タンパク質結合アッセイは、共沈殿、非変性SDS−ポリアクリルアミドゲル上の共遊走、及びウエスタンブロット上の共遊走を測定する方法を含むが、これらに限定されない(たとえば、Bennet,J.P.and Yamamura,H.I.(1985)“Neurotransmitter,Hormone or Drug Receptor Binding Methods”,in Neurotransmitter Receptor Binding(Yamamura,H.I.,et al.,eds.),pp.61−89.参照)。
ある一定のスクリーニング方法は、シグナル伝達活性を調節する化合物についてスクリーニングすることを備える。これらのような方法は、細胞ベースアッセイを行うことを備えることができ、これらのアッセイにおいて、試験化合物を1個以上の細胞と接触させ、発現した後に、応答性遺伝子の発現の増加を検出し、さまざまなアダプタータンパク質、Jak、STAT(複数可)、及び同様のものにおける変化を検出する。
発現または活性のレベルを基線値と比較することが可能である。上記に示されるように、基線値は、対照試料についての値、または対照集団についての発現レベルを表す統計値であることが可能である。また、受容体を発現しない細胞についての発現レベルを、陰性対照として決定することが可能である。一般的に、これらのような細胞は、他の点では実質的に試験細胞と遺伝的に同一のものである。さまざまな対照は、レポーター構築物を欠く細胞と並発反応を行うことを有する、またはレポーター構築物を内部にもつ細胞を試験化合物と接触させないことによって、観察された活性が真であることを確保するように行われることが可能である。また化合物は、下記のように、さらに妥当性確認されることが可能である。
前述のスクリーニング方法のいずれかによって最初に識別される化合物をさらに試験し、見かけの活性を妥当性確認することが可能である。これらのような方法の基本的な形式は、動物への最初のスクリーニング中に、またはヒトについてモデルとして機能する細胞培養モデルにおいて、識別されたリード化合物を投与することを備える。妥当性確認研究に利用される動物モデルは、一般的に哺乳類である。適した動物の特異的な例は、霊長類、マウス、及びラットを含むが、これらに限定されない。
本明細書に記述されるスクリーニング方法によって識別される活性試験剤は、類似体化合物の合成のためのリード化合物として機能することが可能である。一般的に、類似体化合物は、リード化合物に類似する、電子配置及び分子立体構造を有するように合成される。自己無撞着場(SCF)解析、配置間相互作用(CI)解析、及びノーマルモードのダイナミクス解析などの技法の使用を介して、類似体化合物の識別を実施することが可能である。これらの技法を実装するコンピュータプログラムは、利用可能である。たとえば、Rein et al.,(1989)Computer−Assisted Modeling of Receptor−Ligand Interactions(Alan Liss,New York)参照。
他の用語の定義は、本明細書全体を通して現れる。
タンパク質組成物
それらに由来する変異型IFNλポリペプチド及びシンセカインを提供する。シンセカインは、天然リガンドに関して異なるシグナルプロファイルを活性化するという条件で、標的経路によるシグナル伝達レベルにおける測定可能な増加をもたらす。重要な特徴は、シンセカインが細胞表面受容体の2箇所以上の別個の細胞外ドメイン(ECD)に特異的に結合することである。本明細書に使用されるような、IFNλシンセカインは、IFNλR1またはIL−10Rβのうちの1個に結合する。いくつかの実施形態において、第二ECDは、IFNAR1またはIFNAR2である。
シンセカインは、たとえば、タンパク質、または所望の結合タンパク質を含む医薬品などの、いずれかの分子であることが可能であり、変異型IFNλ及びI型IFNポリペプチド類を含むことができる。小分子は、約15Kd未満であることができ、対象となり、本明細書に記載されるような化合物スクリーニングを介して発生することが可能である。またポリペプチド類は、対象となる。加えて、ある一定のサイトカインは、ポリペプチド領域またはドメインと、非ポリペプチド領域またはドメインとの両方を含むことができる。シンセカインは、ポリペプチドであることが可能であり、そこで2箇所の異なる受容体の細胞外ドメインについて結合ドメインを結合する。ポリペプチドシンセカインは、単鎖、二量体、またはより高次の多量体であることができる。結合ドメインは、直接連結されることができる、またはリンカー、たとえば、ポリペプチドリンカー若しくは非ペプチドリンカーなどによって分離されることができる。
いくつかの実施形態において、1箇所の、またはすべての結合ドメイン(複数可)は、III型IFN、すなわち、IFNL1、IFNL2、IFNL3、及びIFNL4に連結される、天然リガンド、すなわち、I型IFN、たとえば、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17、IFNA21、IFNβ、IFNε、IFNκ、IFNωの結合ドメインを含み、そこで結合ドメインは、リガンドについて天然受容体を活性化させない。たとえば、結合ドメインは、天然受容体ポリペプチド類の一方への結合の欠如をもたらすが、他方への結合の欠如をもたらさない、標的アミノ酸置換を有することができる。多くのこれらのような修飾された結合ドメインは、当該技術分野において知られており、たとえば、天然受容体配置に関してドミナントネガティブ変異をもたらすことが可能である。これらのようなポリペプチド類の特異的実施形態は、本明細書に記載され、配列番号3に関する残基Q26、Q99、H102のうちの1個以上におけるアミノ酸変化の結果としてIL−10Rβへの抑止された結合を有するIFNλポリペプチドと、配列番号21に関する残基R14、L32、R35、K152のうちの1個以上におけるアミノ酸変化の結果としてIFNAR2への抑止された結合を有するIFNωポリペプチドとを含むが、これらに限定されない。
さまざまな他の実施形態において、結合ドメインは、受容体の一方の鎖に特異的に結合する、抗体、またはそれに由来する結合部分であることができる。
ある一定の実施形態において、IFNλシンセカインは、IFNλ変異型ポリペプチドを含む融合タンパク質であり、このIFNλ変異型ポリペプチドは、IFNAR1に結合するがIFNAR2に結合しない、IFNω変異型ポリペプチドを含むが、これに限定されない、IFNλR1に結合するが、IL−10Rβ及びI型IFNに結合しない。配列番号20(H11DN)に記載される、IFNλタンパク質を含むハイブリッドタンパク質と、短いポリペプチドリンカーを介して融合されることができる、配列番号22(IFNWDN2)に記載されるIFNω変異体とを例として提供する。したがって、シンセカインは、作製された後に、IFNλR1/IFNAR1受容体二量体の形成を強いる。この二量体は、それがIL−10RβのTyk2をそのIFNAR1と置換させることを除き、天然IFNλR1二量体によって使用されるJAK1/TYK2対合を再現する。IFNλへのIL−10Rβの結合、及びIFNωへのIFNAR2の結合の切断は、変異をそれぞれの受容体結合部位に導入することによって成し遂げられることができる。他の実施形態において、IFNλへのIL−10Rβの結合、及びI型IFN、たとえば、IFNωなどへのIFNAR1またはIFNAR2の一方の結合を切断するように、IFNλシンセカインを工学的に設計し、また新規のTyk2/Jak1対合をもたらす。
他の実施形態において、IFNλシンセカインは、IFNλR1またはIL−10Rβの1つと、JAK/STATシグナル伝達のために提供する受容体のECDとに結合し、この受容体のECDは、βc、γc、IL−3Rα、βIL−3R、GM−CSFRα、IL−5Rα、CNTFα、CRLF1、LIFRα、gp130、IL−6Rα、IL−11Rα、OSMRβ、IL−2Rα、IL−2Rβ、IL−2Rγ、IL−4Rα、IL−7Rα、IL−9Rα、IL−13Rα、IL−15Rα、IL−21Rα、IFNAR2、IL−23R、EpoR、IL−12Rβ、IFNAR1、G−CSFR、c−MPLRを含むが、これらに限定されない。参照により本明細書に具体的に援用される、同時係争中の出願米国仮第62/479,993号を参照する。
また、親和性成熟(変異型)III型インターフェロンに関する組成物及び方法を提供する。変異型インターフェロンは、野生型タンパク質に関して、たとえば、配列番号1から6に記載される参照配列などに関して、1箇所以上のアミノ酸置換を有し、これらの変化は、同族受容体について変異型インターフェロンの親和性を変える。変異型タンパク質は、本明細書に提供される野生型配列に関して、配列全長を含むことができる、またはフラグメント若しくは切断型バージョンであることができる。ある一定の実施形態において、配列番号3の残基1から11は、タンパク質の最終形態から切断される。
変異型インターフェロンは、天然タンパク質と比較して、親和性における少なくとも5倍の増加、親和性における少なくとも10倍の増加によって、増加した結合を有することができ、親和性における、若しくはIFNλR1かIL−10Rβに対して、少なくとも20倍の増加を有することができ、または親和性における少なくとも5分の1の減少、親和性における少なくとも10分の1の減少を有することができ、親和性における、若しくはIFNλR1かIL−10Rβに対して少なくとも20分の1の減少を有することができる。最適化された結合定数を達成するように、1個以上のアミノ酸残基は、結合を修飾するように変えられ、より好都合な結合の結合速度、より好都合な結合の解離速度、若しくは両方を達成することができる。親和性成熟技術は、当該技術分野において周知であり、親和性成熟技術を使用して、結合領域(複数可)を変えた後に、結合における所望の変化について得られた結合分子のスクリーニングを伴うことが可能である。
いくつかの実施形態において、変異型III型インターフェロンは、ヒトIFN−λ3に由来する。いくつかの実施形態において、IL−10Rβについて親和性を増加させるアミノ酸置換を行う。IL−10Rβについての変異型インターフェロンの親和性は、約5μM Kd未満、約1μM Kd未満、約750nM Kd未満、約500nM Kd未満であることができる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換を、残基Q26、E84、H131、T161及びV174のうちの1個以上に行い、配列番号3に関して番号付けを行う。修飾を配列番号3以外の配列に行う場合、行われた参照を、図11に提供された配列アライメントへ行い、配列番号1、2、4、5または6において対応するアミノ酸を決定する。
いくつかの実施形態において、1箇所以上のアミノ酸置換は、III型インターフェロンとIL−10Rβとの間の接触に関与する少なくとも1個の残基によって行われる。ある一定の実施形態において、アミノ酸置換は、Q26及びE84の一方または両方にある。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、Q26R及び/またはE84Dである。追加の置換は、H131R、T161A及びV174Eを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、変異体は、配列番号19の配列、またはそのフラグメント、たとえば、アミノ酸残基1から11のトランケーションなどを含む。
いくつかの実施形態において、1箇所以上のアミノ酸置換は、III型インターフェロンとIFNλR1受容体との間の接触に関与する少なくとも1個の残基によって行われる。ある一定の実施形態において、アミノ酸置換は、位置T161にある。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、T161Aである。
修飾されたインターフェロンは、配列番号7から20のいずれかに記載される配列を含むことができ、配列番号3の参照配列と比較して、配列番号7から20に記載される1箇所以上のアミノ酸置換を有することができる。いくつかの実施形態において、タンパク質は、アミノ酸残基1から11の欠失によって配列番号7から20のいずれかに関して切断される。
変異型タンパク質の増強した親和性は、増加した活性において明らかにされることができる。たとえば、ウイルス負荷を低下させる生物システムにおいて、変異型インターフェロンは、約5から10日の期間にわたり、野生型タンパク質と比較して約2分の1まで、約5分の1まで、約10分の1以上までウイルス力価、たとえば、肝炎ウイルス力価などを減少させることができる。細胞培養系において、変異型インターフェロンは、野生型タンパク質と比較して、約2倍まで、約5倍まで、約10倍以上まで、誘導された遺伝子発現、pSTAT1シグナル伝達、及び/または減少したウイルス複製における増加を提供することが可能である。
本発明の実施形態は、単離されたIFNλシンセカイン、変異型インターフェロンと誘導体及びそのフラグメント、IFNλシンセカインまたは親和性成熟型インターフェロンのうちの1個以上を含む医薬品製剤、ならびにこれらのIFNλシンセカインまたは親和性成熟型インターフェロンを産生する細胞株を含む。
IFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドは、1箇所以上のポリエチレングリコール部分によって化学的に修飾される、すなわち、PEG化されることができる、または類似した修飾によって、たとえば、PAS化されることができる。PEG分子またはPAS分子は、インターフェロンの1本以上のアミノ酸側鎖にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態において、PEG化またはPAS化インターフェロンは、PEGまたはPAS部分を1個のアミノ酸上のみに含む。他の実施形態において、PEG化またはPAS化インターフェロンは、たとえば、2個以上、5個以上、10個以上、15個以上、または20個以上などの異なるアミノ酸残基に接着される、2個以上のアミノ酸上にPEGまたはPAS部分を含む。いくつかの実施形態において、PEGまたはPAS鎖は、2000、2000超、5000、5000超、10,000、10,000超、10,000超、20,000、20,000超、及び30,000Daである。ポリペプチドは、アミノ基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基、またはカルボキシル基を介してPEGまたはPASに直接に(すなわち、結合基を含まずに)共役されることができる。
本発明のIFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチド製剤を使用して、さまざまな状態、たとえば、肝炎ウイルス感染、ウイルス感染と関連する肝疾患、及びIFN−λに応答性の癌を含むがそれに限定されない、ウイルス感染などを処置することができる。IFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチド製剤は、たとえば、2個以上のIFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドのカクテルなどの本明細書に記載されるような1個以上のIFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチド、IFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドとα−IFN、β−IFNまたはγ−IFNのうちの1個以上との組み合わせなどを含むことができる。また、これらの組み合わせは、抗ウイルス薬、化学療法剤、免疫腫瘍剤、及び同様のものによって作製されることができる。抗ウイルス剤は、ペグ化インターフェロンα、リバビリン(ribivarin)などを含む。別の例において、ポリクローナルガンマグロブリン(たとえば、ヒトガンマグロブリン)と共に抗体を投与する。別の例において、HCVワクチン前、この後、またはこれと同時に抗体を投与する。これらは、概して、それまでに使用されたような投与量及び投与経路で、またはそれまでに用いられた投与量の約1〜99%で使用される。
IFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチド製剤は、非経口、皮下、腹腔内、肺内、及び鼻腔内を含む、いずれかの適した手段によって投与される。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与を含む。加えて、インターフェロン製剤は、パルス注入によって、特にインターフェロンの用量を減少させながら適切に投与されることができる。
疾患の予防または治療のために、IFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドの適切な投与量は、治療される疾患の種類、疾患の重症度及び経過、予防目的でインターフェロンを投与するかどうか、以前の療法、患者の病歴及びインターフェロンへの応答、ならびに主治医の裁量に依存するだろう。IFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドは、一度に、または一連の治療にわたって患者に適切に投与される。
本発明の別の実施形態において、上記に説明される疾患の処置に有用な物質を含有する製品を提供する。製品は、容器及びラベルを含む。適した容器は、たとえば、ボトル、バイアル、シリンジ、及び試験管を含む。これらの容器は、ガラスまたはプラスチックなどのさまざまな材料から形成され得る。容器は、病態を治療するのに有効である組成物を保持し、滅菌アクセスポートを有してもよい(たとえば、容器は、静注液バッグ、または皮下注射針によって穿刺可能な栓を有するバイアルであり得る)。組成物中の活性剤は、上述されるような本発明の製剤中の1個以上のIFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドである。容器上の、または容器と関連するラベルは、組成物が、選択される病態を治療するために使用されることを示す。製品は、薬学的に許容可能である緩衝液、たとえば、リン酸緩衝食塩水、リンゲル溶液、及びブドウ糖液などを含む第2の容器をさらに含み得る。製品は、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用に関する指示を有する添付文書を含む、商業的観点及び使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
本発明の1個以上のタンパク質を含む治療用製剤は、所望の純度を有するインターフェロンを、凍結乾燥した製剤または水溶液の形で、任意選択的な生理的に許容される担体、賦形剤、または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))と混合することによって貯蔵用に調製される。インターフェロン組成物は、良好な医療行為と一致した様式で処方、投薬、及び投与される。この背景で検討する因子には、治療される特定の疾患、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、疾患の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医療従事者に既知である他の因子が含まれる。投与されるIFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドの「治療上有効量」は、このような考慮によって決定され、感染者においてウイルス力価を減少させる、癌細胞の増殖を減少させる、腫瘍負荷を減少させるなどのために必要な最低量である。
治療量は、少なくとも約0.01μg/kg体重、少なくとも約0.05μg/kg体重、少なくとも約0.1μg/kg体重、少なくとも約0.5μg/kg体重、少なくとも約1μg/kg体重、少なくとも約2.5μg/kg体重、少なくとも約5μg/kg体重、及び約100μg/kg体重以下であることができる。当業者は、これらのようなガイドラインがたとえば、インターフェロンフラグメントの用途において、またはIFNλシンセカイン若しくはIFNλ変異型ポリペプチドの用途などにおいて、活性剤の分子量について調節されることを理解するであろう。また投与量は、たとえば、i.m.、i.p.、i.v.、及び同様のものなどの、局所投与のために、または全身投与のために変えることができる。
例示的な治療計画は、毎日、週に2回、毎週、2週間に1回、1ヶ月に1回などの投与を伴う。別の例において、治療は、持続注入として与えられることが可能である。本発明の治療実体は、通常、複数の機会に投与される。単回投与の際の間隔は、毎週、毎月または毎年であることができる。また間隔は、患者の治療実体の血中レベルを測定することによって指定される場合、不定期でもあり得る。あるいは、本発明の治療実体は、徐放性製剤として投与されることが可能であり、その場合、あまり頻繁な投与を必要としない。用量と頻度は、患者におけるポリペプチドの半減期によって変化する。
許容される担体、賦形剤、または安定剤は、レシピエントに対し、用いられる投薬量及び濃度で無毒であり、緩衝液(リン酸、クエン酸、及び他の有機酸など)、アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤、保存剤(オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチル若しくはベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル若しくはプロピルパラベンなど)、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3−ペンタノール、及びm−クレゾールなど)、低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリンなど)、親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど)、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、若しくはリジンなど)、単糖類、二糖類、及び他の炭水化物(グルコース、マンノース、若しくはデキストリンを含む)、キレート剤(EDTAなど)、糖類(スクロース、マンニトール、トレハロース若しくはソルビトールなど)、塩形成対イオン(ナトリウムなど)、金属錯体(たとえば、Zn−タンパク質錯体)、及び/または非イオン性界面活性剤(TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)若しくはポリエチレングリコール(PEG)など)を含む。生体内投与に使用される製剤は、滅菌されていなければならない。これは、滅菌ろ過膜を通すろ過によって容易に達成される。
活性成分はまた、たとえば、コアセルベーション技術によって、または界面重合によって調製されたマイクロカプセル、たとえば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセル及びポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中に、コロイド薬物送達系(たとえば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)中に、あるいはマクロエマルジョン中に、封入されてもよい。かかる技法は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。
薬学的な有効量は、疾患状態を防止する、その発生を阻害する、または治療する(少なくともある程度まで症状を緩和する)ために、たとえば、感染した個体のウイルス力価を低下させる、癌細胞の増殖を減少させるなどのために、必要とされる用量である。薬学的な有効量は、疾患の種類、使用される組成物、投与経路、処置される被検体の種類、考察中の被検体依存特性、併用薬物療法、及び当業者が認識するであろう他の因子に依存する。一般的に、0.1mg/kgから100mg/kg体重/日の間の量の活性成分を投与する。
製剤、及び肝臓への薬剤送達方法は、当該技術分野において知られており、たとえば、Wen et al.,2004,World J.Gastroenterol.10:244−9;Murao et al.,2002,Pharm.Res.19:1808−14;Liu et al.,2003,Gene Ther.10:180−7;Hong et al.,2003,J.Pharm.Pharmacol.54;51−8;Herrmann et al.,2004,Arch.Virol.149:1611−7;及びMatsuno et al.,2003,Gene.Ther.10:1559−66.を参照する。
製剤、及び皮膚または粘膜への薬剤送達方法は、当該技術分野において知られている。これらのような送達系は、たとえば、水性及び非水性ゲル、クリーム、多重エマルション、マイクロエマルション、リポソーム、軟膏、水溶液及び非水溶液、ローション、パッチ、座薬、及び錠剤などを含み、溶解剤、浸透促進剤(たとえば、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコール及びアミノ酸)、及び親水性ポリマー(たとえば、ポリカルボフィル及びポリビニルピロリドン)などのような賦形剤を含むことが可能である。
経口投与は、錠剤、トローチ剤、水性若しくは油性懸濁液、分散性散剤若しくは顆粒剤、エマルション、硬若しくは軟カプセル剤、またはシロップ若しくはエリキシル剤として対象となる処方された薬剤を含む薬学的組成物を使用して達成されることが可能である。これらのような経口用組成物は、薬剤的に洗練され味の良い調製を提供するために、1つ以上の甘味剤、香味剤、着色剤または保存剤などを含むことが可能である。錠剤は、コーティングされる、またはコーティングされないことが可能であり、無毒の薬学的に許容可能な賦形剤、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤と、コーンスターチまたはアルギン酸などの造粒剤及び崩壊剤と、デンプン、ゼラチンまたはアカシアなどの結着剤と、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸または滑石などの滑沢剤となどと混合している活性成分を含むように処方されることが可能である。コーティングを使用する場合、コーティングは、消化管中で崩壊及び吸収を遅らせることにより、長期間にわたる持続作用を与える。
製剤が水性懸濁剤である場合、このような製剤は、適切な賦形剤(複数可)との混合物中に活性剤を含むことが可能である。これらのような賦形剤は、適宜、懸濁剤(たとえば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピル−メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガム及びアカシアガム)、分散または湿潤剤、保存剤、着色剤、及び/または香味剤であることが可能である。
たとえば、薬剤の直腸投与などのための坐薬は、これらの薬剤を、常温で個体であるが直腸温度で液体であるため直腸内で融けて薬物を放出する、適切な非刺激性賦形剤と混合することによって、調製されることが可能である。これらのような材料は、カカオバター、及びポリエチレングリコールを含む。
投薬量レベルは、当業者によって容易に決定されることが可能であり、必要に応じて、たとえば、治療への被検体の応答を修正するために必要とされるように、修正されることが可能である。一般に投薬量レベルは、1日、体重キログラムあたり約0.1mgから約140mgのオーダーである。単一剤形を製造するために担体材料と組み合わせることが可能である活性成分の量は、治療する宿主及び特定の投与様式に応じて異なる。一般的に単位剤形は、約1mgから約500mgの間の活性成分を含む。
使用方法
本発明は、ウイルス感染または複製を抑制するために、腫瘍細胞成長、増殖など、たとえば、感染、ウイルスまたは腫瘍媒介症状または病的状態などを抑制するために、有効な量に本明細書に記載されるような、IFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドを被検体へ投与することによって、被検体中の疾患を処置する方法を含む。これらのような疾患は、肝炎ウイルス感染と関連するさまざまな肝臓状態を含むことができる。肝臓または腎臓移植前、移植中、及び/または移植後の患者の治療に含まれる。治療は、単剤として、または薬物、追加の抗体、ワクチン、及び同様のものを含む、追加の抗ウイルス若しくは抗癌剤と組み合わせた薬剤として、本発明のIFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドの使用を有することができる。
いくつかの実施形態において、感染症は、慢性感染症、すなわち、1週間、2週間などまでの期間内に宿主免疫系によって除去されない感染症である。いくつかの事例において、慢性感染症は、病原体の、たとえば、レトロウイルス、レンチウイルス、B型肝炎ウイルスなどの宿主ゲノム中への遺伝的要素の組み込みを伴う。他の事例において、慢性感染症、たとえば、ある一定の細胞内バクテリアまたは原虫の病原体などは、宿主細胞内に存在する病原体細胞に起因する。加えて、いくつかの実施形態において、感染は、ヘルペスウイルスまたはヒト乳頭腫ウイルスに関するような、潜伏期にある。
対象となるウイルス病原体は、レトロウイルス、ヘパドナ、レンチウイルスなど、病原体(たとえば、HIV−1、HIV−2、HTLV、FIV、SIVなど)、肝炎ウイルス(A型、B型、C型、D型、E型)などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、感染症を罹患している患者の診断、または感染症を罹患すると以前に診断された患者の選択、変異型III型インターフェロン治療、任意選択で追加の治療と組み合わせた、レジメンによって患者を治療すること、及び治療の有効性について患者を監視することを備える。監視することは、感染の臨床徴候、たとえば、発熱、白血球数などを測定する、及び/または病原体の存在について直接監視することができる。治療を他の活性剤と組み合わせることができる。またサイトカインは、たとえば、インターフェロンγ、腫瘍壊死因子α、インターロイキン12などを含むことができる。また抗ウイルス剤、たとえば、アシクロビル、ガンシクロビルなどを治療に使用することができる。HCV感染症を含む感染症を有すると疑われる被検体を治療する前にスクリーニングすることが可能である。さらに、治療を受ける被検体は、治療の活性及び有効性をアッセイするために試験されることができる。1つ以上のパラメータにおける有意な改善は、有効性を示す。さまざまな要因(たとえば、疾患などの重症度のような患者に依存する要因、投与される化合物、及び同様のものなど)に従い患者に最適な利益を提供するように投与計画及び投与量を調整することは、十分に普通の医療従事者(たとえば、臨床医)の技術の範囲内である。たとえば、個体内のHCV感染症は、血中のHCV RNAの存在によって、及び/またはそれらの血清中に抗HCV抗体を含むことによって検出される、及び/または監視されることが可能である。診断、及び/または治療の監視において有用であることが可能である、他の臨床徴候及び症状は、肝機能の評価、及び肝線維症の評価(たとえば、慢性ウイルス感染症を伴う可能性がある)を含む。
本明細書に記載される治療を投与することが可能である被検体は、ナイーブな個体(たとえば、感染症と診断されるが、以前に処置されていない個体)、及び以前の処置に失敗した個体(「治療の失敗した」患者)を含む。HCV治療について、以前の治療は、たとえば、IFN−α単剤治療(たとえば、IFN−α及び/またはPEG化IFN−α)、またはIFN−α併用療法などを有し、この併用療法は、IFN−α、及びリバビリンなどの抗ウイルス剤の投与を備えることができる。治療の失敗した患者は、非レスポンダー(すなわち、臨床上有意な奏効を提供するHCVについての以前の治療、たとえば、以前のIFN−α単剤治療、以前のIFN−α及びリバビリン併用療法、または以前のペグ化IFN−α及びリバビリン併用療法などによって減少したHCV力価が有意または十分ではなかった個体)、及び再発者(すなわち、HCVについて以前に治療された(たとえば、以前のIFN−α単剤治療、以前のIFN−α及びリバビリン併用療法、または以前のペグ化IFN−α及びリバビリン併用療法を受けた)、臨床上有意な奏効を提供するHCV力価が低下したが、低下したHCV力価がその後のHCV力価における増加により維持されなかった個体)を含む。
本明細書に開示される治療が対象となる、他の被検体は、HCV感染症の性質により「治療するのが困難」な被検体である被検体を含む。「治療するのが困難」な被検体は、1)1ミリリットルの血清あたり、少なくとも約105 、少なくとも約5×105 、または少なくとも約106 以上のHCVゲノムコピーのHCV力価として通常定義される、高い力価のHCV感染症を有する被検体、2)治療失敗と関連していると当該分野で認識される遺伝子型(たとえば、HCV遺伝子型1、それらのサブタイプ(たとえば、1a、1bなど)、及びそれらの疑似種)のHCVに感染する被検体、または3)両方の被検体である。
他の実施形態において、方法は、IFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドの治療上有効量または有効用量と治療を必要とする被検体を接触させることを備えるレジメンにおける原発癌または転移癌を治療する、または減少させるために提供される。癌の治療のための有効用量は、投与手段、標的部位、患者の生理的状態、患者がヒトであるか動物であるか、投与される他の薬剤、及び処置が予防的なものであるか治療的なものであるかを含む多くの異なる要因によって変化する。通常、患者は、ヒトであるが、また非ヒトの哺乳動物、コンパニオンアニマル(たとえば、イヌ、ネコ、ウマなど)、実験用哺乳動物(たとえば、ウサギ、マウス、ラットなど)、及び同様のものを処置することができる。処置投薬量は、安全性および有効性を最適化するために滴定されることが可能である。
予防的適用において、比較的低い投薬量は、比較的低頻度の間隔で長い期間にわたって投与されることができる。一部の患者は、残りの彼らの生涯にわたって治療を受け続ける。他の治療的適用において、比較的短い間隔での比較的高い投薬量は、疾患の進行が低減するか若しくは終止するまで、及び好ましくは患者が疾患の症状の部分的な若しくは完全な寛解を示すまで、ときに必要とされる。それ以降、患者は、予防的投与計画を施与され得る。
さらに他の実施形態において、本発明の方法は、細胞腫、血液癌、メラノーマ、肉腫、神経膠腫、特にIFNλR1及びIFNAR1またはIFNAR2、またはIL−10Rβ及びIFNAR1またはIFNAR2を発現する上皮由来の癌を含む癌の腫瘍増殖、腫瘍転移または腫瘍浸潤を治療する、減少させる、または防止することを備える。いくつかの実施形態において、シンセカインが活性化する同族受容体を癌が発現するかどうかを判定すること、たとえば、IFNλR1、及びIFNAR1またはIFNAR2の発現を判定することなどによって、IFNλシンセカインへの応答性について癌を評価する。IFNλR1を発現することで知られている組織は、たとえば、肺、心臓、肝臓(肝細胞)、前立腺、ケラチノサイト及びメラノサイトなどを含む。IFNλ及びIFNλシンセカインに応答性の癌は、とりわけ、メラノーマ、線維肉腫、肝細胞癌、膀胱癌、バーキットリンパ腫、大腸癌、膠芽腫、非小細胞肺癌、食道癌、及び骨肉腫を含むが、これらに限定されないことができる。
予防的適用について、医薬品の組成物または薬物は、疾患の生化学的、組織学的及び/または行動学的症状、その合併症及び疾患の発生中に提示する中間の病理学的表現型を含む、リスクを除去する、若しくは減少させる、重症度を減らす、または疾患の発端を遅らせるのに十分な量で、疾患になりやすい、またはその他の点で疾患のリスクのある患者へ投与される。
ポリヌクレオチド類
また本発明は、本発明のIFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドを符号化する、単離された核酸、この核酸を含むベクター及び宿主細胞、ならびにIFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドの産生のための組換え技術を提供する。例示的なポリヌクレオチド類は、本明細書に記載されるタンパク質配列、たとえば、配列番号7から19、20、22及び23を符号化する。
対象となる核酸は、配列番号7から19、20、22及び23を符号化する配列と、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%同一である、または同一であることができる。いくつかの実施形態において、連続したヌクレオチド配列は、少なくとも約20nt、少なくとも約25nt、少なくとも約50nt、少なくとも約75nt、少なくとも約100ntであり、完全なコード配列まで使用されることができる。
IFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドの組換え産生について、それを符号化する核酸は、さらなるクローニング(DNAの増幅)のために、または発現のために、複製可能ベクターに挿入され得る。IFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドを符号化するDNAは、容易に単離され、従来の手順を使用して配列決定され得る。多くのベクターは、利用可能である。ベクター成分は、一般に、シグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。
本発明のIFNλシンセカインまたはIFNλ変異型ポリペプチドは、直接のみならず、異種または相同ポリペプチドとの融合ポリペプチドとしても組換え的に産生され得、この異種または相同ポリペプチドは、成熟タンパク質またはポリペプチドのN末端に特異的切断部位を有するシグナル配列または他のポリペプチド、及び同様のものを含む。選択された異種シグナル配列は、好ましくは、宿主細胞によって認識され、プロセシングされる(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものであることができる。天然タンパク質シグナル配列を認識せず、プロセシングしない原核宿主細胞について、シグナル配列は、選択される原核シグナル配列によって置換される。この目的のために異種ポリペプチドは、治療部分、たとえば、アポトーシス、細胞死、抗ウイルス活性、及び同様のものの誘導などの所望の生物学的活性を提供するポリペプチドなどを含む。
「単離された」核酸分子は、通常、核酸の天然源中で会合する、少なくとも1つの混入核酸分子から識別され、分離される核酸分子である。単離された核酸分子は、それが天然にみられる形態または状況にあるもの以外のものである。単離された核酸分子は、したがって、天然細胞中に存在する核酸分子とは区別される。しかしながら、単離された核酸分子は、たとえば、核酸分子が天然細胞のものとは異なる染色体位置にある場合、通常は抗体を発現する細胞中に含有される核酸分子を含む。
「制御配列」という表現は、特定の宿主生物における作動可能に結合されたコード配列の発現に必要なDNA配列を指す。たとえば、原核生物に適している制御配列は、プロモーター、任意選択でオペレーター配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、及びエンハンサーを利用することが知られている。
核酸は、別の核酸配列との機能的関係に置かれた場合に「作動可能に結合」される。たとえば、プレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、ポリペプチドの分泌に関与する前タンパク質として発現する場合に、ポリペプチドのためのDNAに作動可能に結合され、プロモーターまたはエンハンサーは、配列の転写に影響する場合に、コード配列に作動可能に結合され、あるいはリボソーム結合部位は、翻訳を促進するように位置付けられる場合に、コード配列に作動可能に結合される。一般に、「作動可能に結合される」は、結合されるDNA配列が連続的であり、分泌リーダーの場合には、連続的であり、かつリーディングフェーズにあることを意味する。しかしながら、エンハンサーは、連続的である必要はない。結合は、簡便な制限部位でのライゲーションによって達成される。かかる部位が存在しない場合には、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが従来の慣例に従って使用される。
本明細書で使用されるとき、「細胞」、「細胞株」、及び「細胞培養物」という表現は、同義に使用され、全てのかかる指名は、子孫を含む。このため、「形質転換体」及び「形質転換細胞」という語は、移行の数にかかわらず初代対象細胞及びそれ由来の培養物を含む。また、すべての子孫が意図的な、または想定外の変異に起因してDNA量において厳密に同一でない場合があることを理解する。最初に形質転換された細胞についてスクリーニングされたものと同じ機能または生物活性を有する変異子孫を含む。別個の指定が意図される場合には、それは文脈から明確となるであろう。
DNAのクローニングまたは発現に好適な宿主細胞は、原核生物、酵母、またはより高次の真核生物細胞である。有用な哺乳類宿主細胞株の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS−7、ATCC CRL 1651)、ヒト胚腎臓株(懸濁培養液中での成長のためにサブクローニングされた293または293細胞、Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977))、ベビーハムスター腎細胞(BHK、ATCC CCL 10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO、Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))、マウスセルトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod.23:243−251(1980))、サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL−1587)、ヒト子宮頸癌腫細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳房腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51)、TR1細胞(Mather et al., Annals N.Y.Acad.Sci.383:44−68(1982))、MRC5細胞、FS4細胞、及びヒト肝細胞癌株(Hep G2)である。
宿主細胞は、インターフェロン産生のための上述の発現またはクローニングベクターによって形質転換され、プロモーターの誘導、形質転換体の選択、または所望の配列をコードする遺伝子の増幅に適切になるように修飾された従来の栄養培地中で培養される。
細胞から調製されたインターフェロン組成物は、たとえば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及び親和性クロマトグラフィーなどを使用して精製されることが可能であり、親和性クロマトグラフィーが好ましい精製技法である。イオン交換カラム上での分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上でのクロマトグラフィー、ヘパリンSEPHAROSE(商標)上でのクロマトグラフィー、アニオンまたはカチオン交換樹脂(ポリアスパラギン酸カラムなど)上でのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、及び硫酸アンモニウム沈殿などのタンパク質精製のための他の技法も、回収される抗体に応じて利用可能である。
任意の予備精製ステップ(複数可)後、対象とするインターフェロン及び混入物を含む混合物は、約2.5〜4.5のpHの溶出緩衝液を使用して、低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーを受けることができ、好ましくは、低塩濃度(たとえば、約0〜0.25Mの塩)で行われることができる。
ここで十分に説明されている本発明は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、さまざまな変更及び修正を行うことができることが当業者に明らかとなるであろう。
実施例1
工学的に設計するサイトカインと関連するラムダ−IFN受容体三成分複合体の構造
III型IFN(IFN−λとしても知られている)は、内皮起源の組織、及びバリア表面に制限された抗ウイルス及び抗増殖活性をもつ。高親和性ヒトIII型IFN三成分複合体の結晶構造は、IL−10RβがIL−10スーパーファミリーについて共有された受容体である機構を明らかにする。IL−10サイトカイン間の配列相同性の欠如にもかかわらず、IL−10Rβによる受容体−リガンド認識は、すべてのIL−10サイトカイン上で疎水性「アンカーポイント」として作用する3個のチロシン残基のネットワークを介して可能になる。我々は、I型及びIII型IFNの両方を親和性成熟させ、2つのサイトカインファミリーについてのシグナル伝達への影響を探索した。高親和性IFN−λは、B型肝炎に感染したマウスにおける、シグナル伝達、標的遺伝子誘導、抗増殖性及び抗ウイルス活性の効力を有意に増強するが、野生型I型IFNの抗ウイルス効力は、最大であり、親和性増強によって改善されない。我々の結果は、サイトカインのIL−10スーパーファミリーへの共有されたIL−10Rβの結合機構上で構造的洞察を提供し、I型及びIII型IFNファミリーの抗ウイルス及び抗増殖の効力の相対的な可塑性を強調している。
III型IFNとしても知られている、ラムダインターフェロン(IFN−λ)は、最近報告されたインターフェロンサイトカインのファミリーである。I型IFNと同様に、これらの分泌型サイトカインは、自然免疫応答を誘発し、ウイルス感染と戦い、また癌に対する細胞分裂停止(抗増殖)活性を示す。III型IFNは、I型IFNとの重要な差異を標的特異性及び効力の両方において示し、それらの発現において内皮及びバリア組織に限定される。IFN−λファミリーは、脊椎動物の進化全体を通して保存され、本来であればI型IFNによって誘発される全身応答を誘導せずに、感染のリスクが高い内皮組織を特異的、かつ局所的に保護する。IFN−λの局所作用は、IFN−λの投与がIFN−αなどのI型IFNと関連する既知の毒性を回避することができるという点で、治療用途のために魅力的である。実際に、最近の研究は、持続的なノロウイルス感染症を治療する際の、III型IFNの重要で、重複しない役割を強調しており、またIFN−λは、インフルエンザ、サイトメガロウイルス、C型肝炎(HCV)及びB型肝炎(HBV)を含む、他のウイルス病原体数に対して有効性を実証している。IFN−λのこの見込みのある抗ウイルス(AV)活性は、HCV、HBV、及びD型肝炎(HDV)における使用について臨床治験にそれらの評価を導いた(たとえば、ClinicalTrials.gov identifier NCT02765802参照)。
ヒトにおけるIII型IFNの3つのサブタイプ、IFN−λ1から3(それぞれIL−29、IL−28A、及びIL−28Bとも称される)があり、これらのすべては、多面発現性IL−10スーパーファミリーのメンバーである。I型及びIII型IFNは、全く異なる細胞表面受容体を認識する。16個のヒトサブタイプI型IFNは、IFN−αR1及びIFN−αR2から構成されるヘテロ二量体の受容体を結合する。I型三成分複合体の結晶構造は、「アンカーポイント」として作用する保存された残基のネットワーク、及びサブタイプ特異的親和性及び機能性を加える保存されない残基のネットワークを有する、異なるIFNサブタイプによって形成される、類似した全体的な結合の幾何学的形状を明らかにする。このシステムにおいて、異なるIFNサブタイプの受容体との化学的相互作用は、重複性の機能、及び非オーバーラップの機能の両方として現れる別個の複合体安定性をもたらす。
ラムダIFNは、IL−10Rβ及びIFN−λR1から構成される、別個のヘテロ二量体受容体に結合する。IL−10Rβは、IL−10スーパーファミリーメンバー、IL−10、IL−22及びIL−26について共有された受容体として機能するが、IFN−λR1は、型に特異的な受容体である。不十分な配列保存(<25%の同一性)にもかかわらず、IL−10スーパーファミリーサイトカインは、構造的に保存され、この構造的類似性は、共有されたIL−10Rβの会合を促進すると信じられている。高親和性二成分IFN−λ1/IFN−λR1複合体の結晶構造は、シグナル伝達の開始に重要なIFN−λR1のドメイン間の「肘部」付近での分子接触を明らかにした。IFN−λ1/IFN−λR1二成分複合体の他のIL−10スーパーファミリーメンバーとの比較は、IFN−λ二成分複合体とIL−22/IL−22R1とIL−10/IL−10R1二成分複合体構造との間で、類似したリガンド−受容体ドッキングの幾何学的形状を示した。
リガンド未結合のIL−10Rβの結晶構造が報告されながら、この結晶構造は、おそらく、これらの相互作用の非常に低い親和性のために、そのサイトカインリガンドのいずれかと、または完全な三成分シグナル伝達複合体内で、複合体を形成するIL10Rβを結晶化することが不可能であった。生化学データは、三成分複合体形成が配列プロセスであることを示唆する。この会合体における第一ステップは、IFN−λ1とIFN−λR1との間の高親和性相互作用である(KD=73nM)。次にIFN−λ1/IFN−λR1複合体は、IL−10Rβをリクルートし、三成分複合体を形成し、この三成分複合体は、受容体の細胞内ドメインとすぐ近くで構成的に会合するJakキナーゼに、シグナル伝達を開始させる。IFN−λ/IFN−λR1二成分複合体についてのIL−10Rβの親和性は、報告されなかったが、それぞれIL−22/IL−22R1及びIL−10/IL−10R1複合体へのSPR測定に基づき12から234μMの間に入ると推定される。計算上のドッキングモデルと組み合わされる変異原性試験は、IL−10スーパーファミリー三成分複合体のいくつかの提案されたモデルを導いたが、実験的に決定された構造は、とらえどころのないままであった。
I型及びIII型インターフェロンサイトカインは、別個の細胞表面受容体を認識するが、それらのそれぞれの受容体の細胞内ドメインは、同一のヤヌスキナーゼ、Jak1及びTyk2と会合し、共通のJAK/STAT経路を介してシグナル伝達し、インターフェロン刺激遺伝子を誘導し、類似した免疫調節活性を誘発する。しかしながら、IFN−λは、I型IFNと比較してより低い効力及び有効性を有する、これらの応答を誘導するように示されている。より強力なI型応答についての1つの根拠は、III型複合体と比較して、リガンド−受容体の複合体がより高い親和性、及びより大きな安定性を示すことである。原則として、より強力なIII型IFNを作製することは、I型IFNと比較して、より低い毒性プロファイルを維持するために天然の組織特異性に影響しながら、臨床において改善された活性に翻訳することが可能である。
本明細書で、我々は、より高い親和性のIFN−λを工学的に設計し、我々は、このIFN−λを使用して、IFN−λ/IL−10Rβ/IFN−λR1複合体を結晶化し、生体外及び生体内で増強された機能的効力を特徴づけた。また、我々は、親和性成熟型IFN−λと比較するために、多様な活性プロファイルを有するI型IFNを工学的に設計する、ハイスループット(HTP)機能スクリーニングを開発した。IFN変異体のこの大きなパネルは、下流側STATシグナル伝達、抗ウイルス(AV)活性、抗増殖(AP)活性、及び受容体複合体安定性について特徴づけられた。これら全体の構造−機能研究を通じて、我々は、I型IFNシグナル伝達及び抗ウイルス活性がすでに最大であり、親和性成熟が多様なAP活性を提示したが、AV効力における増強がほとんどなかったことを見出す。対照的に、III型IFNシグナル伝達及び機能的効力は、親和性成熟によって改善されることが可能である。さらに、親和性増強されたIII型IFNは、HBVに対して、増強された生体内抗ウイルス活性を示した。
結果
例及び図面におけるアミノ酸置換の番号付けを、11個の残基をアミノ末端で欠くインターフェロンの切断型に関して行う。明確さのために、説明及び特許請求の範囲は、完全な、成熟タンパク質を表す、配列番号3に関して番号付けされた置換を有する。したがって、番号付けにおいて、11個のアミノ酸のオフセットがある。
高親和性III型インターフェロンの工学的設計。我々は、より高い親和性のIFN−λを工学的に設計するために、酵母表面ディスプレイをプラットフォームとして使用した。我々は、結晶構造が報告され、それが3個の天然のラムダの中で最高のAV効力を有するので、IFN−λ3について我々の工学的設計の試みに着目した。我々は、それがIFN−λR1に結合するIFN−λ3よりはるかに低い親和性であるので、親和性成熟についてIFN−λ3とIL−10Rβとの間の相互作用を標的とした。酵母上に提示されるIFN−λ3は、約400nM(図7a、b)の滴定中間点に関して、IFN−λR1に結合した。酵母上に提示されたIFN−λ3に対して、我々は、単量体、及び結合活性増強四量体形態(IFN−λR1の非存在下で)の両方のIL−10Rβに結合することについて試験したが、結合を観察しなかった(図1a、左側パネル)。しかしながら、IFN−λR1四量体の存在下で、IL−10Rβが四量体として提示された(図1a、右側パネル)が、IL−10Rβが単量体として提示されなかった(図1a、中央パネル)ときに、酵母上に提示されるIFN−λ3への結合を観察した。このデータは、IFN−λ3が適切にフォールドされ、酵母上に提示され、IL−10Rβと、IFN−λ/IFN−λR1二成分複合体の複合体界面との間の低親和性協同相互作用であることを示す(図1a)。したがって、我々は、酵母上でIFN−λ3に結合した溶解性IFN−λR1の存在下で親和性成熟実験を実施した。
我々がIL−10Rβに会合するIFN−λ3中の特異的なアミノ酸上に我々を導く構造を欠いたため、我々の方針は、エラープローンPCR及び遺伝子シャッフリングを伴った後に、IL−10Rβ上での選択を伴った。最初に、我々は、1×108クローンを含むエラープローンIFN−λ3ライブラリーを作製した。4ラウンドの選択は、IL−10Rβの次第にストリンジェントな濃度に対して実施された(400nMのIL−10Rβ四量体によって開始し、1μMのIL−10Rβ単量体で終了した)。濃縮されたライブラリーは、1μMのIL−10Rβ単量体へある程度の結合を示した(図1b、上の2つのヒストグラム)。96個のクローンを1μMのIL−10Rβ単量体結合についてスクリーニングし、IL−10Rβ受容体を用いた酵母表面滴定によって相互作用するクローンの親和性を測定した。次に6個の最も高い親和性のクローン(これらのすべてはIL−10Rβについて>1μMの親和性を有する)をDNAシャッフリング反応における親鋳型として使用した(図1c)。得られた第二世代ライブラリーは、1×108個のクローンを含み、1μMから125nMに及ぶIL−10Rβ単量体の減少する濃度に対して3ラウンドの選択を受けた。96個のクローンをIL−10Rβに結合するためにスクリーニングし、酵母表面滴定によって経過観察し、親和性を測定した。最も高い親和性のクローンは、「H11」で表され、IL−10Rβに対して200nMの「酵母上」KDを含むことがわかった(図1c)。H11の配列解析は、遺伝子が野生型と比較して5箇所の変異を含み、DNAシャッフリング反応からの4個の第一世代配列の組み合わせであったことを明らかにした(図1c、図7c)。H11を組換えで発現し、固定化H11/IFN−λR1二成分複合体へのIL−10Rβの親和性を表面プラズモン共鳴によって決定した。H11/IFN−λR1複合体は、野生型IFN−λ3/IFN−λR1二成分複合体と比較して、IL−10Rβ親和性(KD=560nM)において30倍の増加を示した(図1d)。H11変異のうちの1箇所、Thr150Alaは、IFN−λR1結合部位の中央に位置し、IFN−λR1(850nM)についての野生型IFN−λ3親和性に対して、IFN−λR1(150nM)についてのH11の約5倍より高い親和性をもたらす(図1d)。
IFN−λ3受容体三成分複合体の構造。IL−10ファミリーサイトカインの三成分複合体の完全な構造の欠如は、IL−10Rβの低親和性による可能性が高い。実際に、我々が三成分複合体を野生型IFN−λ3、IFN−λR1、及びIL−10Rβの間に形成したときに、我々は、安定な三成分複合体を示唆するゲルろ過についてのクロマトグラフィーシフトを観察しなかった。しかしながら、IFN−λ3 H11は、安定した三成分複合体をIFN−λR1及びIL−10Rβと形成することができた(図7e)。我々は、脱グリコシル化三成分複合体を結晶化し、2.85Åのデータを得た(表1)。三成分複合体の構造は、IFN−λ1/IFN−λR1、PDB 3O6Gの二成分構造と、IL−10Rβ、PDB 3LQMの非結合構造とによる分子置換を使用して解析された(図2a)。IFN−λ1/IFN−λR1二成分複合体からも、アポリポタンパク質IL−10Rβ構造からも、ドメイン配向における変化を観察しなかった。IL−10Rβは、H11/IFN−λR1二成分複合体と広範で連続的な接触を行い、部位2a及び2bを介してH11と、また部位3においてIFN−λR1ステムと相互作用する(図2a、左側パネル)。興味深いことに、共有されたIL−10Rβ受容体は、サイトカイン/受容体結合界面に一般的であるような、ヘリックス束のさらに面心上よりもむしろ、H11をヘリックス束の末端でユニークに結合する(図2a、中央及び右側パネル)。
複合体構造において、3つのIL−10Rβループ2、3及び5は、芳香族残基を含み、これらの芳香族残基は、IFN−λ/IFN−λR1二成分複合体を結合すると、大きな立体構造変化(2.4〜6.5Å)を受ける(図2)。注目すべきことに、IL−10Rβのループ5中の残基は、水素結合をサイトカイン及び受容体間残基の両方と部位2b及び3において共有する位置にある。IL−10Rβのループ2中のTyr59は、IFN−λ3 H11をサイトカインのらせん体C及びDによって形成されるポケット中で結合する(図2、3aからc、拡張データ図2)。アポリポタンパク質IL−10Rβ立体構造に関する4.3Å置換に加えて、Tyr59は、2軸周囲で約90°回転する(図2b)。注目すべきことに、H11特異的変異Glu73Asp(ヘリックスC)は、水素結合をTyr59のヒドロキシル基と形成し、H11/IFN−λR1二成分複合体とIL−10Rβとの間の相互作用を安定化させる(図3c)。IL−10Rβのループ3上のTyr82は、IFN−λ3 H11に部位2aで結合し、N末端と、サイトカインのらせん体A及びDとの間に形成されるポケットに位置する(図2、3aからc)。この位置において、Tyr82は、2箇所の水素結合をサイトカインと共有する。1箇所目は、Tyr82のバックボーンカルボニルと、His91(H11)のNεとの間であり、2箇所目は、Tyr82のヒドロキシル基とSer13(H11)の窒素バックボーンとの間である(図3c)。
部位2bにおいて、ループ5(IL−10Rβ)のTyr140及びTrp143は、ヘリックスAのN末端を「挟む」ことによってIFN−λ3 H11を結合する(図3aからc)。Tyr140及びTrp143の両方は、アポリポタンパク質IL−10Rβ 構造と比較して、それぞれ6.5Å及び3.6Åに移動する残基のCβと、IFN−λ3 H11/IFN−λR1二成分複合体を結合させると、大きな移動を受ける(図2b)。三成分複合体構造において、Tyr140(IL−10Rβ)は、2箇所の水素結合をH11残基Gln18及びGln15Argと形成し、これらの後者は、IFN−λ3の操作された変異である(図3c)。Trp143は、ヘリックスAの疎水性バックボーンに対してパッケージングし、N末端残基Ser11(H11)のバックボーンカルボニルによって共有される水素結合と同様に、ファンデルワールス相互作用に寄与する(図3c)。
部位3は、IFN−λR1の受容体ステムドメインD2と、IL−10RβのSD2との間の共有された界面を表す。部位3の界面は、部位2bから、膜−近位受容体ドメインのC末端へ広がる(図2a、3a、b及びd)。この接触領域は、表面積(1900Å2)において、サイトカイン−受容体界面(それぞれ1700Å2)のいずれかよりも大きい(図3b)。部位3は、界面の長さ沿いにファンデルワールス相互作用から構成されるが、水素結合も複合体を安定化させる際に重要な役割を果たす。水素結合は、バックボーンカルボニルGln163(IFN−λR1)へのArg130(IL−10Rβ)の側鎖と、側鎖水素結合への側鎖との間で観察され、この側鎖水素結合への側鎖は、His128(IL−10Rβ)とGln163(IFN−λR1)との間、Glu141(IL−10Rβ)とTyr189(IFN−λR1)との間、及びThr142(IL−10Rβ)とThr183(IFN−λR1)との間にある(図3d)。この構造は、IL−10RβのIFN−λ3 H11/IFN−λR1二成分複合体への協同的結合における受容体ステム間接触の重要性を強調する。
サイトカインのIL−10ファミリーへの共有されたIL−10Rβ結合モードのための意味。我々のIFN−λ三成分複合体の構造は、IL−10RβのIL−10スーパーファミリーの他のメンバーとの相互作用への洞察を提供する。IFN−λ三成分複合体を構造鋳型として使用して、我々は、IL−10Rβ結合及び認識の分子基盤を解明するために、IL−10Rβを、IL−22/IL−22R1(pdb 3DLQ)及びIL−10/IL−10R1(1J7V)の二成分構造上にドッキングする(図4a、左側)。我々のIFN−λ3 H11/IFN−λR1/IL−10Rβ三成分複合体の構造に基づき、IL−10Rβは、3つのサイトカインらせん体A、C、及びDと接触する。構造−機能研究は、共有されたIL−10Rβ受容体に結合する複数のIL−10ファミリーメンバーに重要であると信じられている識別された変異を有する。これらの変異のすべては、受容体のIFN−λ3 H11結合領域内に入り、IL−10RβのホットスポットTyr残基に接触する(図4a、右側、赤い表面)。3つのサイトカインの構造に基づく配列アライメントは、IL−10Rβ結合部位への残基マッピングが非常に多様であることを示す(図4b)。保存のこの欠如にもかかわらず、部位2の界面内のIFN−λ3、IL−10、及びIL−22残基の構造比較は、極性残基によって囲まれる、IL−10Rβチロシンドッキング(図4c)の部位に疎水性パッチの保存されたパターンを3つのサイトカインが含むことを明らかにする。したがって、IL−10ファミリーメンバーは、IL−10Rβに関して化学的相補性を進化させたようにみえるが、それは、別個の対相互作用を通してである。
高親和性IFN−λの機能的挙動。IFN−λ三成分複合体の安定化がIII型IFNシグナル伝達及び機能を増強することが可能であるかどうかを判定するために、我々は、野生型III型IFN(IFN−λ3)及びI型IFN(IFNω)と比較して、生体外でH11の、ホスホ−STAT1シグナル伝達、ISG遺伝子誘導、ならびに抗ウイルス及び抗増殖活性を測定した。H11は、IFN−ωの効力と適合した、野生型IFN−λ3と比較して、I型及びIII型IFN応答性Hap1細胞上のホスホ−Stat1についてEC50を100倍まで改善した。EC50におけるこの改善にもかかわらず、しかしながら、IFN−λ3及びH11の両方についてのEmax値は、IFN−ωのその30%に過ぎなかった(図5a)。同様に、H11は、Hap1細胞中の野生型IFN−λ3よりも強力にISGを誘導したが、遺伝子誘導は、I型IFNによって誘導されたレベルをかなり下回ったままであった(図5b、図10a)。H11は、HCVに感染したHuh7.5細胞上のI型IFNより10分の1やや効力が低いが、野生型IFN−λ3より効力が12倍高く、AV活性を改善した(図5c)。
IFN−λ3及び工学的に設計された高親和性H11変異の両方は、以前に生体外で観察された最小のAP活性を誘発した(図5d)。我々は、AP活性の欠如がHuh7.5細胞上のIFN−λR1の限られた発現に起因する可能性があると仮定した。実際は、IFN−λR1をHuh7.5またはWISH細胞に形質導入したときに、ラムダIFN非応答性細胞株、III型IFNは、I型IFNの効力を超えても、AP効果を強く誘導した。期待されたように、高親和性H11の効果は、野生型IFN−λ3の効果より強く、この違いの大きさは、IFN−λR1発現レベルの相対的レベルに依存した(図10b)。まとめると、これらの実験は、III型IFN AP活性がIFN−λR1受容体発現とラムダ−IFNシグナル伝達複合体の安定性との両方によって制限されることができることを示唆し、この後者は、親和性成熟を介して対処されることが可能である(図5d、e、図10)。
野生型IFN−λ3を超えるH11の改善された生体外効力が増強された生体内抗ウイルス治療をもたらすかどうかを試験するために、我々は、B型肝炎ウイルス(HBV)及びD型肝炎ウイルス(HDV)のヒト肝臓キメラマウスモデルに我々が工学的に設計したインターフェロンを試験した。我々は、Grompe及び同僚らによって開発された肝臓キメラモデルの使用を行い、このモデルにおいて、マウスは、フマリルアセト酢酸ヒドラーゼ欠乏性(fah−/−)であり、肝損傷は、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロ−メチル−ベンゾイル)−1,3シクロヘキサンジオン(NTBC)の投与及びXuらによって制御され、この中で、NOGマウスは、チミジンキナーゼ導入遺伝子をそれらの肝臓中で発現し、肝損傷を簡単なガンシクロビル投与(REF)によって制御することを可能にする。ヒト胎児胚芽細胞のFRGマウス中への移植後、我々は、マウス肝損傷を保護薬NTBCの断続的な中止によって誘導した。代替に、マウス肝損傷をTK−NOGマウスへのガンシクロビル投与によって誘導した後、初代成人肝細胞による移植を伴った。両方の事例において、血清中のヒトアルブミン(hAlb)レベルを測定することによって、経時的な生着レベルを監視した(図5f)31。マウスは、hAlbレベルが定常に達すると、HBVに曝露された後に、慢性的に感染したマウスは、IFN−λ3に基づく抗ウイルス処置を受けた。IFN−λ3 H11は、IFN−λ3野生型レジメンより効果的に、HBVウイルス量を抑制した(図5g)。またHBV表面抗原(sAg)レベルは、野生型処置と比較してH11に応答してさらに深刻に低下したが、応答振幅及び基間差の両方は、ウイルス量について観察されたものより小さかった(図10c)。ヒトアルブミンレベルは、毒性の代用として機能し、処置の最中に安定したままであり、ヒト肝細胞減少の可能性を排除し、より高い親和性のIFN−λを示唆したため、野生型より毒性がなかった(図10d)。同様に、ヒト化肝臓を含むTK−NOGマウスは、HBVを最初に接種された後に、HDVによる重複感染を伴った。次にマウスを野生型またはH11 IFN−λ3によって処置した。野生型処置されたマウスと比較して、H11においてより重度であった、有意な抗HDV効果を観察した。したがって、H11は、明白な毒性なしで改善された治療有効性を実証し、ここで三成分複合体の結晶構造をガイドとして使用して、親和性改善が治療的に改善されたIFN−λを抗ウイルス及び抗癌治療の両方に対して産生することが可能であることを示唆する。
構造がガイドされたタンパク質の工学的設計を通したI型インターフェロン機能の探索。III型IFN、IFN−λ3のAV及びAP効力を親和性増強が改善させたことを示したため、我々がIFN−λ3に使用したときに、コンビナトリアル工学的設計手法を使用して、我々は、受容体親和性へのI型IFNのAV及びAP機能の感受性を探索したいと望んだ。エラープローン手法を行うことよりもむしろ、我々は、IFN−αR1及びIFN−αR2の受容体を含む複合体中の、I型インターフェロン、IFN−ωの構造によってガイドされた(図6a)。我々は、修正された抗ウイルス及び抗増殖活性によって変異体を作製する手段として、そのIFN−αR1結合界面、より低い親和性部位を多様化した、IFN−ωの部位特異的変異原性ライブラリーを作製した(図6a)。我々は、野生型IFN−αR1親和性(KD=1μM)への結合剤のためにライブラリーを濃縮した。最も興味深い変異体(多様な活性)をみつけるために、我々は、ハイスループット機能スクリーニングを開発し、ライブラリーから288個のランダムに選択されたクローンの特性を明らかにした(図6b)。我々のスクリーニングについて、別個のI型IFN変異体は、酵母細胞から切断され、上澄みに放出されたサイトカインは、ろ過によって酵母から離れて精製された。次にIFN含有上澄みを使用して、細胞を処置した(図6b)。それらの多様な抗増殖及び抗ウイルス活性に基づき、4個のIFN−ω変異体を組換え発現及び特徴づけのために選択した。先に、我々は、野生型サイトカインより100倍高いIFN−αR2受容体についての親和性を有する、IFN−ω変異体(Lys152Arg)を合理的に設計した。したがって我々は、HTPスクリーニングからの、我々の工学的に設計されたIFN−αR1界面変異体のそれぞれの上へLys152Arg変異を加えた。これらの変異体に加えて、我々は、野生型IFN−ω、IFN−ω(Lys152Arg)、及びAV活性に偏っていると以前に報告された、シャッフルされたIFNα変異体(Maxygen9×25)を生物物理学的に、また生化学的に特徴づけた。
我々は、野生型IFN−ωと比較して工学的に設計されたインターフェロンの我々のパネルの、シグナル伝達効力(ホスホ−STAT1)、遺伝子誘導、ならびに抗ウイルス及び抗増殖活性を測定した(図6c)。また我々は、表面プラズモン共鳴を介して、IFN−αR1及びIFN−αR2サブニットについての各サイトカインの親和性を決定した(表2)。受容体親和性を変異体の選択のための判断基準として使用しなかったが、我々は、複合体安定性(各受容体サブニットを結合するためのサイトカインK
Dsの積)とサイトカイン活性との間の相関を調べることを目標とした。IFN−αR1についての親和性は、20nMから300μM(野生型IFN−ω、K
D=1.2μM)に及んだ。IFN−αR2についての親和性は、未修飾IFN−ωについての2nMから、Lys152Argバックボーンにおける200pMの間にあった。全体で、我々のIFN変異体は、5.7log範囲の複合体安定性を構成する(表2)。STATシグナル伝達及び抗ウイルス活性について我々の変異体のEC
50は、野生型EC50を越える最小の改善と、広範囲の複合体安定性に対する挟範囲のEC50(それぞれ0.85及び1.2log)との両方によって図示されるように、親和性における変更へ非感受性であることがわかった(図6c、左側パネル及び中央パネル、表2)。対照的に、抗増殖活性は、3.5logまで変化し、複合体安定性と相関した(R=0.67)(図6c、右側)。我々は、Huh7.5細胞上の我々のIFN変異体のうちの7個による、代表的な1セットのインターフェロン刺激遺伝子(ISG)の誘導を測定した(図6d)。AV及びAP活性についての複合体安定性の微分効果によって観察されるように、高親和性変異体は、遺伝子誘導(ISG15及びMX1など)において、野生型を上回る改善をほとんど提示しなかった(図6d、2つの左側パネル)が、他の遺伝子(APOL3及びSAM9DLのような)は、複合体安定性にさらに感受性であった(図6d、2つの右側パネル)。この観察は、いくつかの以前の研究と一致する。
考察
この研究において、我々は、タンパク質工学的設計計画を実施し、ラムダ−IFN/IFN−λR/IL−10Rβ三成分複合体への構造的アクセスを得て、III型対I型IFNの機能的有効性を増強するために相対的な可能性を評価した。三成分複合体は、非常に低い親和性であるため、それらの有効治療用途へ障壁を提示する、IL−10ファミリーサイトカインのIL−10Rβ相互作用を支配している、いくつかの重要な分子特徴を説明する。以前に、IL−10スーパーファミリーサイトカイン内の多様な配列は、より強力なIL−10ファミリー治療を工学的に設計する我々の能力における実質的な制限を課した。手元のこの構造に関して、我々は、IL−10Rβのドメイン間ループ上の芳香族残基と連動させる、3つの疎水性パッチをIL−10スーパーファミリーサイトカインがそれらの表面上に提示する方法を観察する。加えて、この構造は、三成分複合体を安定化させる際に、広範なIFN−λR1/IL−10Rβステム間相互作用の重要性を明らかにし、IL−10ファミリーサイトカイン複合体の形成における協同性の役割についての分子論的根拠を提供する。
III型IFNのAV活性を改善することが可能である徴候は、IFN−λ2と3との間のAV EC50において固有の60倍の差を確立する研究から収集された。我々は、III型IFNがIL−10Rβをほぼ検出不可能な親和性によって生体外で結合することを考慮に入れると、この効果が分子工学的設計手法を介してさらにきわだたせられる可能性があると期待した。定向進化を用いて、我々は、変異体を150倍まで増加した複合体安定性によって識別することができ、pSTAT1シグナル伝達についてのEC50において100倍の改善、及びAV活性についてのEC50において12倍の改善をもたらした。B型肝炎ウイルスに感染したヒト肝臓キメラマウスの研究は、工学的に設計されたIFN−λがさらにI型のようである野生型サイトカインの有効性において改善することが可能であることを実証することによって、生体内状況においてこの改善された効力を妥当性確認し、最近の臨床治験の品質は、臨床的に望ましいとして公開されている。さらに強力なIFN−λは、I型IFNと比較して低毒性プロファイルを維持し、B型肝炎、C型肝炎、ならびにB型肝炎及びD型肝炎の同時感染などのような持続性ウイルス感染の処置について、また広域性抗ウイルス薬として、新規の手段を提供する。
生体外で、ラムダは、鈍化したAP活性を有し、その効果は、IFN−λR1受容体の発現過剰によって回復されることが可能である。実際に、工学的に設計されたラムダは、野生型よりさらに強力であった。形質導入されなかった細胞株上の最小AP効果は、III型IFNが抗癌剤として制限された可能性を有してもよいことを示唆するようにみえる可能性があるが、生体内研究は、異なる実体を表している。マウス癌モデルは、IFN−λがI型IFN処置と比較して毒性において著しい低下を有しながら、腫瘍増殖を有意に阻害することが可能であることを実証している。まとめると、これは、継続した癌に関連する試みについて希望を与える。
また我々は、I型対III型IFNの抗ウイルス及び抗増殖効力において観察された差の根底にある分子機構を探索するための、親和性の範囲を有するI型IFNタンパク質のパネルを開発した。生体外AV研究は、最近のHCV、HBV臨床治験において観察されるように、臨床においてより低い有効性に翻訳する、I型IFNよりあまり強力ではないIII型IFNを確立している。I型IFNの以前の構造−機能研究は、IFN−α2などのより低い親和性のリガンドと比較して、最も高い親和性の天然IFN(IFN−β)、またはIFN−α2 YNSなどの工学的に設計されたIFNの間でAV効力において大きくはない2倍の差を実証している。しかしながら、1つの研究は、>20倍の改善されたAV活性を有するが、相対的に変化しなかったAP活性を有する、工学的に設計されたI型IFNを報告した。この研究は、AP効果へさらに感受性であり、おそらく異常なAP:AV比を導く、Daudi細胞株を使用して、AP活性を測定した。本明細書で、構造に基づく工学的設計を使用して、我々は、STATシグナル伝達効力、及びAV活性が複合体安定性に非感受性であり、野生型レベルと比較して安定していることを実証する。対照的に、AP活性を複合体安定性と直接相関する。この観察は、野生型IFNを超えて、AV活性において20倍の改善を有すると以前に報告されたDNAシャッフリングから工学的に設計された、合成IFN、9×25のために保持した。この研究において、シャッフルしたIFN(EC50=140pM)のAV活性は、IFN−ω(EC50=100pM)に類似し、複合体安定性において3logの改善と一致している野生型を超えて、AP活性において48倍の改善を有する。まとめると、これらの実験は、主に変化した受容体親和性の結果としてリガンド間のAP効力における差により、I型IFNがそれらのAV:APプロファイルにおいて変わることを実証する。
我々は、改善されたシグナル伝達及びAV活性を有するIII型IFNを工学的に設計することが可能であった。さらにIII型IFN三成分複合体は、I型IFNとIII型IFNとの間の有効性における間隙を縮めることが可能である、さらに多くの強力なサイトカインを工学的に設計する試みをガイドすることができる。
材料及び方法
IFN−ω及びIFN−λ3の酵母ディスプレイ。I型及びIII型IFNの両方について、サイトカインは、以前に記載されるが、N末端に3Cライノウイルスプロテアーゼタグを含むように、酵母上に提示された。ストレプトアビジン−フィコエリトリン標識受容体を介して、常磁性の抗フィコエリトリンミクロビーズ(Miltenyi;MACS)による受容体−酵母集団の分離によって、染色及び選択を実施した。Alexa647(細胞シグナル伝達)にコンジュゲートされたMycタグ抗体により染色したことによって、酵母表面上の発現をアッセイした。フローサイトメトリー(BD Accuri)により染色した受容体酵母によって、濃縮の進行を監視した。I型IFNを工学的に設計するために、部位特異的ライブラリーを使用した。第二世代のラムダ変異体のために1ラウンドのエラープローンPCR及びDNAシャッフリングを使用した。
IFN−ωについての機能スクリーニング。ライブラリーからの個々のクローンをSD−CAAプレート上に蒔き、96ディープウェルフォーマット中で増殖させた。3Cプロテアーゼを使用して、各クローンについてのタンパク質を酵母から切断し、ろ過によって酵母から分離させ(Whatman Unifilter800)、そしてHuh7.5細胞中のHCVウイルス複製を追跡することによって抗ウイルス活性についてアッセイし、また先に記載されるように細胞密度を測定することによってPVN53で処置した細胞における抗増殖活性についてアッセイした。組換え発現及び特徴づけのために、多様な活性を有する変異体を選択した。
タンパク質発現、精製、及び構造決定。Hi5昆虫発現系において、I型IFNサイトカイン、I型IFN受容体、III型IFN及びIII型受容体を発現し、先に記載されるように精製し、10%のグリセリン中に貯蔵した。結晶学について、IL−10Rβ中の4個すべての糖鎖付加部位は、Yoon et.al.に記載されるように、AsnからGlnへ変異した。HEK293 Gnti−細胞中にIFN−λR1を発現し、EndoF及びEndoHによる処置によって脱糖鎖付加した。S75カラム(GE)上のSECによって、メチル化された「H11」/IFN−λR1/IL−10Rβ複合体を精製した。24時間内に20℃で、MCSG3スクリーニング(Anatrace)から結晶を得て、添加物として、0.2MのCaアセテート、0.1M、pH8.0のイミダゾール、10%のPEG8000、及び3%のショ糖(カタログ#HR2−138,Hampton)に最適化した。凍結保護物質は、ショ糖、グルコース、及びキシリトールのそれぞれ8%を加えた母液であった。
結晶学的データをAdvanced Light Source(ALS)Beamline8.2.1.で収集した。XDSまたはHKL2000プログラムスイートを使用して、データをインデックス付けし、統合し、スケーリングした。プログラムPHASERによる分子置換によって、IFN−λ1/IFN−λR1二成分複合体(PDB ID:3OG6)及びアポリポタンパク質IL−10Rβ(PDB ID:3LQM)構造を検索モデルとして使用して、結晶構造を解明した。PHENIX及びBUSTERによる逆格子空間精密化、及びCOOTによる手動再構築の反復サイクルによって、最終構造を構築した。このプロジェクトに使用された結晶学ソフトウェアをSBGridによってインストールし、設定した。
配列、構造、及びFACS解析。Promals3Dを使用して、構造に基づく配列アライメントを実施した。JalView(the University of Dundee)によって、配列アライメント及びパーセント同一性計算を実施した。構造アライメント、相同性モデル、表面積と距離の計算、及び図面をPymol(Schrodinger,LLC)に生成した。FACSデータの図面は、Bioconductorソース(R−project)またはPrism(GraphPad Software,Inc)のいずれか一方に関するRを含む。
表面プラズモン共鳴法。GE Biacore T100を使用し、動態(I型IFN)方法または平衡(III型IFN)方法のいずれか一方によって、KDを測定した。各受容体の約100RUを、無関係のサイトカイン受容体(IL−2Rβ)の参照チャネルを含むBiotin CAP−chip(GE)上で捕捉した。
生体外特徴づけ。I型IFNについて、先に記載されるような、シグナル伝達、抗ウイルス及び抗増殖アッセイを実施した。遺伝子誘導を測定するために、Huh7.5細胞を6ウェルフォーマット中に蒔き、1nMのI型IFNによって24時間処置し、Hap1細胞(Jan Caretteからの寄贈)を5pMのI型またはIII型IFNによって6時間処置し、RNAをRNeasy Microキット(Qiagen)によって抽出し、RT−PCR反応(HC RNA−to−cDNAキット、Thermo Fisher Scientific)によってcDNAに変換され、未処置の対照と比較して、18Sレベルに正規化されたISG誘導を、製造指示書に従いStepOnePlus機器(Thermo Fisher Scientific)上でTaqman qPCRアッセイシステムによって測定した。III型IFNについて、前述されるように固定して染色する前に、トリプシン(Gibco)によって5分間インキュベートすることによるIFN処置後、Hap1細胞を剥離したことを除き、前述されるようにpSTAT1シグナル伝達を実施した。
III型IFNの抗増殖活性。ヒトIFN−λR1、HIV−1 gag−pol、及びVSV−Gをそれぞれ1.1/0.7/0.2の割合で符号化するpLX304プロウイルスDNAを発現するプラスミドと、ポリ−L−リジンでコーティングされた6ウェルプレート中の4×105Lenti−X 293T細胞(Clontech)を同時導入することによって、レンチウイルス偽粒子を生成した。各遺伝子導入について、5μlのリポフェクタミン2000(Thermo Fisher Scientific)を2.0μgの全DNAと100μlのOpti−MEM(Gibco)中で混合させた。遺伝子導入を6時間実行した後に、3%のFBSを含むDMEMへの培地変更を伴った。上澄みを24時間と48時間に採集し、プールして、0.45μmのフィルターに通し、−80℃で貯蔵した。3×105Huh7.5及びWISH細胞を、1.5mlの総容量中で10%のFBS、500μlのレンチウイルス、及び8μg/mlのポリブレンを含むDMEM中で再懸濁し、12ウェルプレート中に1.5時間、850×gでスピノキュレーションした(spinocualted)。形質導入後48時間、細胞を2.5μg/mlのブラストサイジンによって選択した。Huh7.5及びWISH細胞をPBS+5mMのEDTA中で収集し、冷たいPBS+0.5%のBSAによって2回洗浄した。次に細胞を抗IL−28RA(R&D Systems;cat# AF5260)によって1×106個の細胞あたり5μgの抗体で0.4ml容積中に30分間インキュベートし、3回洗浄し、FITCコンジュゲート抗ヒツジIgG(Abcam;cat# ab6743)による1:2000希釈に30分間インキュベートし、BD FACSAriaフローサイトメトリーを使用して、低、中、及び高IFN−λR1発現集団に細胞選別する前に3回洗浄した。HepG2、Huh7.5及びWISH細胞を、1×103細胞/ウェルで96ウェルプレート中に播種した。翌日、培地を100μl/ウェルのIFN含有培地と交換した。IFN処置後4日目に、製造元のプロトコルに従い、CellTiter−Glo(Promega)を使用して、細胞密度を測定した。
HBV感染したヒト肝臓キメラマウス作製及びIFN−λ3処置。記述されるように、Advanced Bioscience Resources(ABR),Inc.から調達された、ヒト胎児肝臓からヒト肝芽細胞を単離した。イソフルランによる麻酔下で、Jackson Laboratoriesから得られたオスfah−/−rag2−/−il2rgnull(FRG)中の脾臓内に、ヒト肝細胞懸濁液を注入した(マウス1匹あたり0.5−1×106個の細胞)。移植日に開始し、他の人に記載されるように、マウスに肝臓保護薬NTBC(Yecuris)を循環させた。ELISA(Bethyl Laboratories,Montgomery,TX)によって、ヒトアルブミンレベルをマウス血清中で測定した。遺伝子型CのeAg陰性患者由来の血漿によって最初に感染したHBVの2×108DNAコピー/mlを含有する、100μmのマウス血清を、ヒト肝臓キメラマウスの静脈内に注入した。HBVウイルス量測定について、DNA抽出キット(QIAamp DNA Blood Mini,Qiagen)を使用して、25μLのマウス血清からDNAを単離し、前述されるように院内Taqmanアッセイによって、コピー数を解析した。製造元の指示でCLIAによって、HBsAg(Autobio Diagnostics)レベルをマウス血清中で決定した。溶媒(PBS中の15%のグリセリン)、IFN−λ3wt、または10ug/kg体重で「H11」の腹腔内注入による4週間の毎日の処置のために、8匹のマウスをランダム化した(それぞれ2、3、及び3匹のマウス)。すべての時点で、基線値に正規化され、対照と比較したデータをプロットした。Graphpad PrismにおけるBonferroni多重比較事後検定を用いる、通常の二元配置分散分析(two−way ANOVA)を使用して統計解析を実施した。
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実施例2
シンセカイン2は、I型及びIII型IFN受容体を二量体化するハイブリッドインターフェロンである。
図1に示されるように、IFNλR1結合配列(H11DN)を含むシンセカイン、及びIFNAR1結合配列(IFNWDN2)を生成した。完全なシンセカイン配列を配列番号23に提供する。シンセカインをこのように生成し、シンセカイン2は、IFNAR1及びIFNλR1受容体ならびにそれらのそれぞれのJAKを二量体化する、ハイブリッドインターフェロンである。
図12Cに示されるように、シンセカイン2によるホスホ−STAT1活性化のEmaxは、I型IFNのそれに等しく、III型IFNによって誘導されるシグナルの2倍に等しい。エラーバーは、±SEM(n=3)を表す。
重要なことに、図12Dに示されるように、I型IFN、III型IFNまたはI型及びIII型IFNの組み合わせの処置が無効であるが、シンセカイン2は、抗増殖効果を強く誘導する。エラーバーは、±SEM(n=3)を表す。ホスホ−STAT1シグナル伝達、及び抗増殖アッセイを、I型及びIII型IFNの両方に自然応答性であるHap1細胞中で実施した。
また、シンセカイン2などのハイブリッドポリペプチド中で結合されない限り、I型及びIII型インターフェロンの組み合わせがこの活性を提供しないことに留意することが重要である。シンセカインの活性及び特異性は、抗増殖及び抗ウイルス活性に強力な薬剤を提供し、この薬剤は、作用の選択性を提供するため、I型インターフェロンの望ましくない副作用を避ける。
方法
生体外特徴づけ。実施例1に記載したように、遺伝子誘導を測定するための実験を行った。I型、III型IFN、及びシンセカイン2、ならびにI型及びIII型IFNの組み合わせについて、固定して染色する前に、トリプシン(Gibco)によって5分間インキュベートすることによるIFN処置後、Hap1細胞を剥離した修正を除き、記載されるようにpSTAT1シグナル伝達を実施した。
I型IFN、III型IFN、シンセカイン2、ならびにI型及びIII型IFNの組み合わせを比較する抗増殖活性について、Hap1細胞を10,000細胞/ウェルで96ウェルフォーマット中に蒔いた修正を含む、III型IFNの抗増殖活性を実施例1に記載されるように実施した。翌日、培地を100μl/ウェルのIFN含有培地と交換し、細胞密度を測定する前に72時間インキュベートした。
実施例は、当業者に本発明をどのように作製し、使用するかの完全なる開示及び説明を提供するように提示され、本発明者らが彼ら自身の発明とみなすものの範囲を限定するようには意図されておらず、以下の実験がすべてまたは唯一の実行される実験であると表すようにも意図されていない。使用される数値(たとえば、量、温度など)に対する正確さを確保する努力がなされているが、いくつかの実験によるエラー及び偏差が計上されるはずである。別途示されない限り、部は、重量部であり、分子量は、重量平均分子量であり、温度は、摂氏温度であり、圧力は、大気圧であるか、またはそれに近い。
本発明をその特定の実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、本発明の真の主旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われてもよく、均等物が置き換えられてもよいことを理解されたい。また、特定の状態、材料、物質の組成、プロセス、単数または複数のプロセスステップを、本発明の目的、主旨、および範囲に適応させるために、多くの修正が行われてもよい。すべての係る修正は、本明細書に添付される特許請求の範囲内となるように意図されている。