JP2019531008A - 量子ハードウェア上でのフェルミオン・ハミルトニアンのシミュレーションのためのリソースの効率的な削減 - Google Patents

量子ハードウェア上でのフェルミオン・ハミルトニアンのシミュレーションのためのリソースの効率的な削減 Download PDF

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Abstract

【課題】 量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減する方法及びシステムを提供する。【解決手段】 技術は、量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減することに関する。フェルミオン系は、ハミルトニアンに関して特徴付けられる。フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含み、フェルミオン・モードの総数は2Mである。ハミルトニアンは、上向きスピン及び下向きスピンパリティ演算子によってコード化されるパリティ対称性を有する(1005)。フェルミオン・モードは、2Mモードの第1の半分が上向きスピンに対応し、2Mモードの第2の半分が下向きスピンに対応するようにソートされる(1010)。パリティ演算子を量子ビットM上の第1の単一量子ビット・パウリ演算子及び量子ビット2M上の第2の単一量子ビット・パウリ演算子に変換する、フェルミオンから量子ビットへの写像を利用して、ハミルトニアン及びパリティ演算子が変換される(1015)。第1の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された量子ビットM及び第2の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された量子ビット2Mが、除去される(1020)。【選択図】 図11

Description

本発明は、一般に量子計算に関し、より詳細には量子ハードウェア上でのフェルミオン・ハミルトニアン(fermionic Hamiltonian)のシミュレーションのためのリソースの効率的な削減に関する。
素粒子物理学において、フェルミオンは、フェルミ−ディラック統計によって特徴付けられる任意の粒子である。これらの粒子は、パウリの排他原理に従う。フェルミオンは、全てのクォーク及びレプトン、並びに奇数のそれらで構成された全てのバリオン及び多くの原子及び原子核のような任意の複合粒子を含む。フェルミオンは、ボーズ−アインシュタイン統計に従うボゾンとは異なる。フェルミオンは、電子のような素粒子である場合もあり、又は陽子のような複合粒子である場合もある。任意の合理的な相対論的量子場理論におけるスピン統計定理によれば、整数スピンを有する粒子はボゾンであり、一方、半整数スピンを有する粒子はフェルミオンである。
スピン特性に加えて、フェルミオンは、保存されたバリオン又はレプトン量子数も有する。従って、通常、スピンと統計性の関係と称されるものは、実際には、スピン統計−量子数の関係である。パウリの排他原理の帰結として、任意の所与の時間に特定の量子状態を占めることができるのは1個のフェルミオンのみである。複数のフェルミオンが同じ空間確率分布を有する場合、各フェルミオンの少なくとも1つの性質、例えばそのスピンが異ならなければならない。フェルミオンは、通常、物質に関連付けられるのに対し、ボゾンは一般に力を運ぶ粒子であり、とはいえ素粒子物理学の現状において2つの概念間の区別は不明確である。弱く相互作用するフェルミオンは、極端な条件下ではボゾンのような挙動も示し得る。低温において、フェルミオンは、非荷電粒子の場合は超流動を示し、荷電粒子の場合は超伝導を示す。陽子及び中性子のような複合フェルミオンは、日常の物質の重要な構成ブロックである。
Jacob T Seeley、Martin J Richard、及びPeter J Love、「The Bravyi-Kitaev transformation for quantum computation of electronic structure」、The Journal of Chemical Physics、2012年、137(22):224109 S. Bravyi及びA.Kitaev.、「Fermionic quantum computation」、Ann. of Phys.、2002年、298(1):210-226 E. Wigner及びP. Jordan、「Ueber das Paulische Aeguivalenzverbot」、Z. Phys、1928年、47:631 D. Wecker、M. B.Hastings、及びM .Troyer、「Towards practical quantum variational algorithms」、arXivpreprint arXiv:1507.08969、2015年 R. Gallager、「Low-density parity-check codes」、Information Theory、IRE Transactions、1962年、8(1):21-28 R.Darling、M. Penrose、A. Wade、及びS. Zabell、「Rank deficiency in sparse random GF(2) matrices」、Electron. J. Probab、2014年、19(83):1-36
本発明は、量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減する方法及びシステムを提供する。
1つ又は複数の実施形態によれば、量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減するコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付けることを含む。フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含み、フェルミオン・モードの総数は2Mである。ハミルトニアンは、上向きスピン及び下向きスピンパリティ演算子によってコード化されるパリティ対称性を有する。この方法は、ハミルトニアン上のフェルミオン・モードを、2Mモードの第1の半分が上向きスピンに対応し、2Mモードの第2の半分が下向きスピンに対応するようにソートすることと、フェルミオンから量子ビットへの写像を利用してハミルトニアン及びパリティ演算子を変換することを含み、ここでフェルミオンから量子ビットへの写像は、パリティ演算子を、量子ビットM上の第1の単一量子ビット・パウリ演算子及び量子ビット2M上の第2の単一量子ビット・パウリ演算子に変換する。さらに、この方法は、第1の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された量子ビットM、及び第2の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された量子ビット2Mを除去することを含む。
1つ又は複数の実施形態によれば、量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減するコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付けることを含む。フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含む。この方法は、フェルミオンから量子ビットへの写像を利用してハミルトニアンを変換することと、ハミルトニアンのパウリ対称性演算子を見いだすことと、パウリ対称性演算子を単一量子ビット・パウリ演算子に変換することと、単一量子ビット・パウリ演算子が作用しているあらゆる量子ビットを除去することと、を含む。
1つ又は複数の実施形態によれば、量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減するコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付けることを含む。フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含み、フェルミオン・モードの総数はMであり、ハミルトニアンは、粒子数対称性及びN粒子を有する。この方法は、Mフェルミオン・モードからM量子ビットへ変換するフェルミオンから量子ビットへの写像を利用して、ハミルトニアンを変換することを含み、ここでM量子ビットは、計算基底(computational basis)においてMビットストリングによって表される。さらに、この方法は、圧縮写像を、M量子ビットを有するハミルトニアンがQ量子ビットの変換ハミルトニアンに写像されるようにハミルトニアンに適用することを含み、ここでQ<Mであり、圧縮写像は、ハミング重みNを有する、計算基底においてM量子ビットをラベルするMビットストリングを、Qビットストリングに写像する。
1つ又は複数の実施形態によれば、システムが提供される。システムは、量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減するためのコンピュータ実行可能命令を含むメモリと、コンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサと、を含む。コンピュータ実行可能命令は、プロセッサに動作を行わせる。動作は、フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付けることを含む。フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含み、フェルミオン・モードの総数は2Mであり、ハミルトニアンは、上向きスピン及び下向きスピンパリティ演算子によってコード化されるパリティ対称性を有する。動作は、ハミルトニアン上のフェルミオン・モードを、2Mモードの第1の半分が上向きスピンに対応し、2Mモードの第2の半分が下向きスピンに対応するようにソートすることを含む。また、動作は、フェルミオンから量子ビットへの写像を利用してハミルトニアン及びパリティ演算子を変換することを含み、ここでフェルミオンから量子ビットへの写像は、パリティ演算子を、量子ビットM上の第1の単一量子ビット・パウリ演算子及び量子ビット2M上の第2の単一量子ビット・パウリ演算子に変換する。さらに、動作は、第1の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された量子ビットM、及び第2の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された量子ビット2Mを除去することを含む。
1つ又は複数の実施形態によれば、システムが提供される。システムは、量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減するためのコンピュータ実行可能命令を含むメモリと、コンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサと、を含む。コンピュータ実行可能命令は、プロセッサに動作を行わせる。動作は、フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付けることを含む。フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含む。動作は、フェルミオンから量子ビットへの写像を利用してハミルトニアンを変換することと、ハミルトニアンのパウリ対称性演算子を見いだすことと、パウリ対称性演算子を単一量子ビット・パウリ演算子に変換することと、単一量子ビット・パウリ演算子が作用しているあらゆる量子ビットを除去することと、を含む。
本発明の実施形態をここで、添付の図面を参照して例示のみの目的で説明する。
1つ又は複数の実施形態による削減1のフローチャートである。 1つ又は複数の実施形態による削減2のフローチャートの1部分を示す。 1つ又は複数の実施形態による削減2のフローチャートの別の部分を示す。 1つ又は複数の実施形態による削減3のフローチャートの1部分を示す。 1つ又は複数の実施形態による削減3のフローチャートの別の部分を示す。 1つ又は複数の実施形態による小さいM及びNについて数的に計算されたQ(M,N)の値を示す表である。 1つ又は複数の実施形態による、充填関数ν=N/Mの関数としての量子ビット対モード比Q/M上の上界を有する圧縮ヨルダン−ウィグナー変換のグラフを示す。 1つ又は複数の実施形態による単一量子ビットについての二次ホッピング項についての測定回路を示す。 1つ又は複数の実施形態によるN=3粒子を伴うM=14フェルミ・モードからQ=10量子ビットへの削減を示すグラフである。 1つ又は複数の実施形態による、削減1、2、及び/又は3を実行するように構成されたコンピュータの例である。 1つ又は複数の実施形態による削減1、2、及び/又は3の出力を実行するように構成された量子コンピュータの例である。 1つ又は複数の実施形態による量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数及び/又は量子コンピュータ上でのシミュレーションに必要とされる量子ビットの数を削減する(削減1)方法のフローチャートである。 1つ又は複数の実施形態による量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数及び/又は量子コンピュータ上でのシミュレーションに必要とされる量子ビットの数を削減する(削減2)方法のフローチャートである。 1つ又は複数の実施形態による量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数及び/又は量子コンピュータ上でのシミュレーションに必要とされる量子ビットの数を削減する(削減3)方法のフローチャートである。
量子機構において、ハミルトニアンは、大部分の場合、系の全エネルギーに対応する演算子である。これは通常、Hで表され、
Figure 2019531008

でも表される。そのスペクトルは、系の全エネルギーを測定したときの可能な成果の集合である。これは系の時間発展と密接に関係するので、量子論の大部分の公式において基本的に重要である。
量子情報処理は、従来の古典的ハードウェアでは難しすぎると思われる特定の計算問題を解く可能性を秘めている。量子コンピュータに特に適した計算タスクは、量子力学系のシミュレーションである。ここでの中心的な用途は、例えば量子化学、材料科学、及び核物理学において見いだすことができる、強く相互作用するフェルミオン系のシミュレーションである。量子コンピュータ上でフェルミオン度(Fermionic degree)を表すために、フェルミオン・モードは、量子計算の基本論理単位である量子ビットに写像される必要がある。
フェルミオン自由度を量子ビット自由度に写像するためのいくつかの変換が従来技術において知られている。最も卓越しているのはヨルダン−ウィグナー(Jordan−Wigner)変換であり、次いで計算がより効率的な一般化ヨルダン−ウィグナー変換(Bravyi−Kitaev写像)及びパリティ表現である。
これら全ての変換に共通するのは、1フェルミオン自由度(すなわち1モード)が厳密に1量子ビット自由度(すなわち1量子ビット)に写像されることである。それゆえ、この写像において必要な量子ビットの数は、モード(すなわちフェルミオン・モード)の数に等しい。
しかしながら、物理的フェルミオン系は常にパリティの保存に従い、場合によっては、さらに強い粒子数の保存に従うことが知られている。これらの対称性ゆえに、量子ビットシミュレーションにおける全ての自由度が必ずしも必要であるわけではなく、実際いくつかの量子度は、冗長な情報をコード化している。これらの自由度(すなわち過剰の量子ビット)を計算効率的(computationally efficient)な方式でどのように正確に排除できるかということは未解決の問題であり、それはシミュレーションにおける冗長な量子ビット自由度の除去に直接的につながる。シミュレーションは、量子ビットを有する量子コンピュータ上で実行される。量子ビットは、量子コンピュータにおける量子ハードウェアの物理的ピースであり、量子ビットは、超伝導量子デバイスであることに留意されたい。ハミルトニアンにおいて、量子ビットは、物理的量子ビットを表す用語として用いられる。
1つ又は複数の実施形態は、スピン軌道相互作用を無視できる任意の化学的ハミルトニアンに対して、常に2量子ビット自由度を除去する効率的なスキームを提供する。1つ又は複数の実施形態は、隠れた対称性を見いだすスキームを提供し、ここで相互に互換性の各対称性がハミルトニアンにおける単一量子ビットの除去を可能にする。1つ又は複数の実施形態は、粒子数保存に依拠して量子ビットの数を削減する圧縮スキームを提供し、この圧縮スキームは、実行が効率的であるとともに、漸近的に最適である。
いくつかの特定の例において、情報の損失を伴わずに個別の量子ビットをシミュレーションから除去することができることが観測されていた。これらの観測は、従来技術においては、非常に特異的なモデル・ハミルトニアン、例えば水素分子の量子化学ハミルトニアン並びに4フェルミオン・モードを有するフェルミ−ハバード(Fermi−Hubbard)モデルに限られていた。これらの例においては、従来技術においてはハミルトニアンの厳密なブロック対角構
造(block diagonal structure)が既知であることが必要であった。どちらの場合も、通則的なモデルのための、量子自由度を排除する計算効率的な方法を表すものではないので、この排除は非スケーラブルなものとなり、量子ビットの除去を従来技術において考慮された特定のモデル系に制限している。
しかしながら、実施形態は、量子化学及び材料科学、並びに核物理学のシミュレーションにおいて見いだされ得る通則的なフェルミオン量子多体ハミルトニアンに対するフェルミオン量子シミュレーションにおける、量子ビットの除去のための計算効率的なスキームを論じる。実施形態は、ハミルトンにおける量子ビット自由度を除去するために、標準ヨルダン−ウィグナー写像並びに一般化ヨルダン−ウィグナー写像のような異なるフェルミオン写像を利用する。ハミルトンにおける量子ビット自由度を除去することによって、実施形態は、(量子ビット上での)ハミルトンの実行の際に量子コンピュータ(量子ハードウェア、量子機械等とも称される)において必要とされる量子ビットの数を除去する。量子コンピュータにとって、量子ビットは貴重で高価なリソースである。量子シミュレーションに必要とされる量子ビットの数の削減は、利用可能なリソースのより効率的な使用につながる。削減は、同じ量子計算リソースを用いて、削減を伴わないシミュレーションよりも複雑な系のシミュレーションを可能にする。1つ又は複数の実施形態によれば、削減プロセスは、量子シミュレーションにおいて広く適用可能なものとなるためには効率的である必要があり、なぜなら非効率的なスキームは、量子コンピュータの使用から得られる計算の利点を減ずることになるからである。
実施形態によれば、スキームの入力は、シミュレーションされる系をコード化するハミルトニアンである。出力は、実施形態により自由度が削減された(すなわち、より少数の量子ビットを必要とすることに対応する)ハミルトニアンである。次いでこの出力ハミルトニアンを量子アルゴリズムに提供することができ、次いでその量子アルゴリズムは量子コンピュータ上でより少数のリソースを使用する。量子アルゴリズムは、特定の問題を解くために量子コンピュータに送られる有限列のステップ・バイ・ステップ命令である。本明細書では、実験者は、出力ハミルトニアンの基底状態エネルギーについての推定量を得ることに興味がある。従って、この出力ハミルトニアンは、量子コンピュータ上での量子シミュレーションのための入力データの集合をもたらす。限定ではなく説明の目的で、量子自由度の除去のための3つのスキーム(それは量子コンピュータのハードウェアにおいて必要とされる、より少数の量子ビットをもたらす)が提示され、各スキームは、それぞれの利点を有し、実施形態に従って異なるシナリオにおいて上手く働く。図10におけるコンピュータ800は、削減(Reduction)1、2、及び3を実行するようにプログラムされ及び構成される。1つ又は複数のソフトウェアアプリケーション860は、それぞれの削減1、2、及び3のコンピュータ命令を伴ってプログラムされ、プロセッサ810がそれらを実行することができるようになっている。それぞれの削減1、2、及び/又は3を実行した後、それぞれの削減1、2、及び/又は3の出力(すなわち、出力ハミルトニアン)は、次いで元の入力より必要とする量子ビットが少数の(すなわち、元のハミルトニアンより必要とする量子ビットが少数の)ハミルトニアンとして図11の量子コンピュータ900に適用され、実行される。従来技術の量子コンピュータは、その上で動作する量子ビットを、限定された数、例えば8量子ビットしか有さないことを認識されたい。従って、10量子ビットを必要とするハミルトニアンは、8量子ビット量子コンピュータ上では量子ハードウェアが8量子ビットのみに限定されているので、シミュレーション/実行されることができない。実施形態は、削減(例えば、削減1、2、及び/又は3)を、削減ハミルトニアンが元の10量子ビットの代わりに8量子ビットのみを必要とするようになるように行うよう構成され、それにより今や量子コンピュータの限定された8量子ビット上でシミュレーション/実行されることができる削減ハミルトニアンを作り出す。従って、実施形態は、より少ない量子ハードウェア(より少数の量子ビット)を必要とする技術を提供することによって、量子コンピュータ自体の機能を改善する。実施形態は、ハミルトニアンが量子コンピュータの限定されたリソースに適用されるには大きすぎる(すなわち、より多数の量子ビット(すなわち量子ハードウェア)を必要とする)であろう場合に、ハミルトニアンが量子コンピュータ上で動作することを可能にすることによって、技術を改善する。実施形態は、複雑なハミルトニアンのサイズを、量子コンピュータに適用するために削減することを可能にする。さらに、実施形態は、ハミルトニアンが利用可能な計算リソースより多くの計算リソースを必要とするのに対して限定された数の計算リソース(すなわち限定された数の量子ビット)しか有さない量子コンピュータという、技術に根ざした明白な課題に対処し、これを解決する。ハミルトニアンをより少数の量子ビット(量子ハードウェア)を利用するサイズまで削減することができなければ、そのハミルトニアンによって代表される系をその量子コンピュータ上でシミュレーションすることはできない。
以下、限定ではなく説明の目的で、見出し及び/又は小見出しを本明細書において利用することに留意されたい。
1)削減1:一般化ヨルダン−ウィグナー変換におけるパリティが保存された量子ビットの除去
ここで削減1の上位の説明を提供するが、削減1の詳細な説明は後述する。削減1は、一般化ヨルダン−ウィグナー変換後のハミルトニアンにおけるパウリ演算子の局所性、すなわち重みを保存し、電子のスピン−パリティを保存する任意のフェルミオン・ハミルトニアンから(厳密に)2量子ビットを排除し、それにより量子コンピュータにおける2量子ビットの必要性を排除する。これは、特に、スピン軌道カップリングを伴わない電子構造問題について化学的ハミルトニアンに適用される。削減1は、以下のように働く:ハミルトニアンは、2=2(k=1,2,...)スピン軌道の空間に対して作用する。実験者は、軌道をソートして、最初のラベル1からMまでが全て上向きスピンに対応し、残りのラベルM+1から2Mまでが下向きスピンに対応するようにする。ここで最初のM個の下向きスピン軌道に対するパリティ演算子P1、及び残りのM個の上向きスピン軌道に対するP2を表現することができる。一般化ヨルダン−ウィグナー変換を用いてフェルミオン・モード演算子をスピン自由度に変換することによって、第1のパリティ演算子P1が量子ビットM上で単純なパウリZ行列として作用すること、すなわちP1=Zであること、一方、第2の演算子P2がサイトM及び2Mにおける2つのパウリZ行列の単純積であること、すなわちP2=Z2Mであることを示すことができる。実験者は、ハミルトニアンのあらゆる項においてスピンパリティの保存を仮定しているので、P1及びP2は両方とも変換ハミルトニアンにおけるあらゆる項と可換である。このことは、このサイト(例えば、サイトM及び/又は2M)上のパウリ演算子が各項において単位行列又はパウリZ行列にしかなり得ないことを含意しており、なぜならこれらは、それらの位置においてP1及びP2と可換な唯一の可能な演算子であるからである。ハミルトニアンにおけるあらゆる項の構造は、シミュレーションにおけるこれらの量子ビットの作用が予め既知である(すなわち事前定義されている)ので、今やより単純になる。それゆえ、実験者は予め電子のスピンパリティを知っているので、実験者は、これらの2量子ビットを除去して、パリティに依存した固有値(+/−1)で項を置き換えることができる。これら2量子ビットは、シミュレーションにおいてスピンパリティの値をコード化していただけであり、それは実験者がシミュレーションを開始する前に既知の(すなわち事前定義された)情報である。量子ビットの除去は、量子ハードウェアにおいて必要とされる量子ビットがより少数であることを意味し、結果として、これは要するに冗長な情報の直接除去ということになる。
図1は、1つ又は複数の実施形態による削減1のフローチャート100である。削減1の技術は、コンピュータ800上で(アプリケーション860として)実行することができる。式(1)に匹敵する2Mモードの初期フェルミオン・ハミルトニアンHを仮定し、実験者は、変換1−3のシーケンスを適用して、このハミルトニアンを2M−2量子ビット上での量子シミュレーションのための量子ビット・ハミルトニアンに変換する。削減1は、コンピュータ800上で実行され、一方、量子シミュレーション(より少数の量子ビットが実行されることを必要とするハミルトニアンである、削減ハミルトニアンを介する)は、量子コンピュータ900の量子ハードウェア上で実行される。
ブロック105において、コンピュータ800上の(アプリケーション806を介した)入力は、2Mフェルミオン・スピン軌道ハミルトニアンH(式(1))である。これは2Mモードのフェルミオン・ハミルトニアンHである。
ブロック110において、コンピュータ800は、スピン軌道をソートし、1...Mを上向きスピン軌道としてラベルし、M+1...2Mを下向きスピン軌道としてラベルすることによって、ハミルトニアンHからハミルトニアンH’に変換(H→H’)するように構成される。これは、2Mフェルミオン・モードをソートすることであり、ブロック115においてハミルトニアンH’をもたらす。
ブロック120において、コンピュータ800は、一般化ヨルダン−ウィグナー(Bravyi−Kitaev)変換を適用することによってハミルトニアンH’をHに変換(H’→H)するように構成され、2M量子ビット・ハミルトニアンHを得る(ブロック125において)。引用により本明細書に組み入れられる非特許文献1を参照することができる。
ブロック130において、コンピュータ800は、ハミルトニアンHのあらゆる項においてラベルMを有する量子ビットを除去し、及びラベル2Mを有する量子ビットを除去し、除去操作後、次いでその項に適切な固有値+/−1を乗ずることによって、ハミルトニアンHからHq,−2に変換(H→Hq,−2)するように構成される。固有値は、実験者がシミュレーションを開始する前に利用可能な(事前定義された)データであるスピンパリティの値をコード化するのみであるので、適切な固有値+/−1は既知である。ブロック135において、出力は、2M−2量子ビット・ハミルトニアンHq,−2(下記の式(6)参照)であり、これが量子コンピュータ900に適用される。
2)削減2:非局所可換パウリ行列の構築による量子ビット自由度のアルゴリズム的削減
ここで削減2の上位の説明を提供するが、削減2の詳細な説明は後述する。削減2は、変換ハミルトニアンのパウリ演算子の局所性を高めることができる。しかしながら、削減2は、ハミルトニアン不変量における加数の総数はそのままにする。量子ビット・ハミルトニアンは、パウリ行列の和として記述される。この削減は、和の形を変化させず、変換後に合計することを必要とする新たな項を導入しない。しかしながら、これは個別の項の形を変化させ、パウリ演算子を、それ自体で今やより多数の量子ビットに対して共同で作用しているパウリ演算子に対して写像する。削減2は、全ての考慮されたフェルミオンから量子ビットへの変換、特に一般化ヨルダン−ウィグナー変換並びに標準ヨルダン−ウィグナー変換に適用することができる。削減2は、以下のように働く:N量子ビット・パウリ群は、2を法とする整数の2N+2コピーの直接群積(direct group product)に対して同型であることは周知の事実である。(数学において、同型写像とは、逆を許容する準同型写像又は射(すなわち数学的写像)である。)この同型写像を用いて、あらゆるパウリを、位相依存性を省略し、従って2ビット省略して、2Nビットストリングにコード化することができる、
パウリ行列に対するフェルミオン・モード演算子の写像が行われた後、表現を二進行列に配置することが可能である。詳細な削減2で説明されるように、これからブロックを交換し移項することによって二重パリティ検査行列を構築することができる。ビットの有限体上のこのパリティ検査行列の核(kernel)は、ハミルトニアンにおけるあらゆる項と可換なパウリ行列をコード化するビットストリングに対応する(2つの要素は、オペランドの順序を変えることが結果を変えないときに可換である)。核は、この行列の零空間であり、核は、その行列によってゼロに写像される全ての因数で形成された集合であることに留意されたい。核は、単純なガウスの消去法によって決定することができ、これは効率的な削減であり、ハミルトニアンにおけるモード及び項の数において多項式的にスケール変更する(scales polynomially)。ひとたび核が決定されると、核内のあらゆる線形独立ビットストリングに対してクリフォード(Clifford)群要素を容易に構築することができるので、対応する非局所的パウリ演算子が単一量子ビット・パウリ行列上に写像されるようになる。このクリフォード群要素は、詳細な削減2において定義される。この単一量子ビット・パウリ演算子(すなわち非局所的パウリ演算子)は、今やハミルトニアンにおける全ての項と、構築により可換であり、それゆえ実験者は再び削減1のシナリオの中にいる。この量子ビットは、今や除去することができ、除去された量子ビットを対応する(+/−1)固有値で置き換えることができるが、それは削減1の場合とは異なり、シミュレーションによって決定する必要がある。削減1においては、この値は、各スピン軌道内の粒子を数えることによって、実験者がシミュレーションを開始する前に計算することができた。実験者が予め知られていない対称性も発見することができるこの削減2においては、この数は、シミュレーションの完了後、全エネルギーが最小になるように決定される。
図2及び図3は、1つ又は複数の実施形態による削減2のフローチャート200を示す。削減2の技術は、コンピュータ800上で(アプリケーション860として)実行することができる。2Mモードの初期フェルミオン・ハミルトニアンH(本明細書中の式(1)に匹敵する)を仮定し、変換1、2、及び3のシーケンスを適用して、このハミルトニアンを2M−k量子ビット上での量子シミュレーションのための量子ビット・ハミルトニアンに変換し、ここでkは現在のZ2対称性によって決定される。上記のように、削減2は、コンピュータ800上で実行され、一方、量子シミュレーション(より少数の量子ビットが実行されることを必要とするハミルトニアンである、削減ハミルトニアンを介する)は、量子コンピュータ900の量子ハードウェア上で実行される。
ブロック205において、コンピュータ800上の(アプリケーション806を介した)入力は、2Mフェルミオン・スピン軌道ハミルトニアンH(本明細書中の式(1)参照)である。これは2Mモードのフェルミオン・ハミルトニアンHを意味する。
ブロック210において、コンピュータ800は、標準ヨルダン−ウィグナー変換又は一般化ヨルダン−ウィグナー変換を適用してハミルトニアンHからハミルトニアンHに変換(H→H)するように構成され、2M量子ビット・ハミルトニアンを得る(ブロック215において)。これは量子ビットに対するフェルミオンの写像である。標準ヨルダン−ウィグナー変換及び/又は一般化ヨルダン−ウィグナー(Bravyi−Kitaev)変換を論じているが、他の写像技術、例えばパリティ基底(parity basis)で又は任意の他の二進基底(binary basis)で働くものを利用することができることを認識されたい。
ブロック215から分岐して、コンピュータ800は、ブロック220においてHにおけるパウリ演算子をFパリティ検査行列Eにコード化し、Eの核におけるパウリ演算子の最大可換集合{g}を決定する(ブロック225において)。k>0の場合、パウリ演算子は見いだされており、フローはブロック225に進む。パウリ演算子が見いだされなかった場合、コンピュータ800は、ブロック221においてこの削減スキームをアボートする。パウリ演算子{g}は、ハミルトニアンにおける項の対称演算子であり、冗長量子ビットを除去するための演算子の集合を構築するために用いられる。対称性を見いだすことができない場合、すなわちk=0の場合、スキームは、ハミルトニアンから更なる量子ビットを除去することはできない。
ブロック230において、コンピュータ800は、あらゆる可換パウリベクトル{g}(ここでj=1...kである)に対してCとラベルされたクリフォード写像を構築し、クリフォード変換をHに適用して、ブロック235においてgをサイトm...m上の単一量子ビット・パウリに写像する、H’を得る。
ブロック235において、コンピュータ800は、ハミルトニアンにおけるZ2対称性を見いだし、クリフォード変換を構築することによって、ハミルトニアンHからH’に変換(H→H’)するように構成される。Z2対称性は、ハミルトニアンにおける対称性のことをいう。
ブロック235の結果は、ブロック240における2M量子ビットハミルトンH’である。
ブロック245において、コンピュータ800は、ハミルトニアンH’のあらゆる項からラベルm...mを有する量子ビットを除去し、その項に適切な固有値+/−1を乗ずることによって、ハミルトニアンH’からH’q,−kに変換(H’→H’q,−k)するように構成される。
ブロック250において、出力は2M−k量子ビット・ハミルトニアンHq,−k(本明細書における式(10)参照)であり、これが量子コンピュータ900に適用される。
3)削減3:粒子数を保存するフェルミオン・ハミルトニアンのための圧縮ヨルダン−ウィグナー変換
ここで削減3の上位の説明を提供するが、削減3の詳細な説明は後述する。削減3は、粒子の数を保存する局所的フェルミオン演算子を、局所的パウリ演算子と非局所的対角演算子との積として表すことができる非局所的量子ビット演算子に写像する。削減3は、ハミルトニアンにおける各項に別個に適用される。シミュレーションされるフェルミオン系がN個の電子で占有されたM個の軌道からなると仮定すると、変換ハミルトニアンは、Q量子ビットの系を記述し、ここでQ<Mは、M及びNの特定の関数である。実験者は、小さい値のM及びNについての関数Q(M,N)の値の表(図6の表1)、並びに詳細な削減2においてQに対する漸近的上界を提供する。特に、実験者は、削減3が、シミュレーションを(量子コンピュータ900上で)M−2量子ビット未満で達成することを可能にすることを示す。削減3は、標準ヨルダン−ウィグナー変換と、ハミング重みNを有するMビットストリングをQビットストリングに送る線形単射圧縮写像とを構成することによって働く。実験者は、圧縮写像の逆を計算するための実用的アルゴリズムを利用する。変換ハミルトニアンは、上述の局所的性質を有し、圧縮写像を記述する二進行列は、M−Qビットを最小距離2N+1でMビットにコード化する低密度パリティ検査(LDPC)コードのパリティ検査行列である。変換ハミルトニアンは、それゆえ一定のコード化率及び一定の相対距離を伴う既知構造のLDPCコードを有し、一定の分率Q/M及びN/Mを伴う圧縮ヨルダン−ウィグナー変換を生じる。最後に、実験者は、量子コンピュータ(例えば量子コンピュータ900)を使用して所与のQ量子ビット変分状態のエネルギーを測定する変分手法に基づく量子シミュレーションアルゴリズムにおいて、変換ハミルトニアンをどのように使用するかを示す。
図4及び図5は、1つ又は複数の実施形態による削減3のフローチャート300を示す。削減3の技術は、コンピュータ800上で(アプリケーション860として)実行することができる。上記のように、削減3は、コンピュータ800上で実行され、一方、量子シミュレーション(より少数の量子ビットが実行されることを必要とするハミルトニアンである、削減ハミルトニアンを介する)は、量子コンピュータ900の量子ハードウェア上で実行される。
図4は、1つ又は複数の実施形態によるハミルトニアン圧縮(パート1)を示す。図4において、ブロック305において、コンピュータ800は、N占有フェルミオンを有する初期Mフェルミオン・スピン軌道ハミルトニアンH(本明細書の式(11)参照)を(アプリケーション806を介して)受け取るように構成される。これは、Mモード及び総計Nフェルミオンを有するハミルトニアンHである。
ブロック310において、コンピュータ800は、標準ヨルダン−ウィグナーをHに適用することによってハミルトニアンHをHに変換(H→H)し、M量子ビット・ハミルトニアンHを得るように構成され、それによりブロック315においてNフェルミオンを有するHM量子ビット・スピン・ハミルトニアンをもたらす。
ブロック320において、コンピュータ800は、式(16)におけるLDPC圧縮から生じる、等長変換Uをハミルトニアンに適用するように構成される。LDPC圧縮の結果として、コンピュータ800は、ブロック325において本明細書における式(13)からQ(M,N)量子ビット・ハミルトニアン
Figure 2019531008

を出力するように構成される。
Figure 2019531008

例えば、ブロック325において、コンピュータ800は、式(12)のように漸近的スケール変更を伴って、図6の表1(例えば、コンピュータ800に格納された及び/又はコンピュータ800によりアクセスされる)からQ(M,N)についての値を読むことができ、これにより図5で利用される圧縮ハミルトニアンHチルダがもたらされる。この場合、圧縮ハミルトニアンHチルダ()は、図5で論じるスキームを用いて、量子コンピュータ900上でのシミュレーションのために利用される。
図5は、1つ又は複数の実施形態による圧縮測定スキーム(パート2)を示す。(ブロック340)の測定スキームを量子コンピュータ900上で行って、シミュレーションの一部として測定値を得る。コンピュータ800を用いて、得られた値を最終結果に加算する。図1、図2、図3、図4とは異なり、図5は、量子コンピュータ900上でシミュレーションを行う。
図5において、ブロック330において、コンピュータ800は、圧縮ハミルトニアン
Figure 2019531008

の入力を受け取るように構成され、j=1 ...r項である。コンピュータ800は、j=0及び<H>=0に設定する。実験者は、<H>を、測定データから計算することが必要とされる期待値として定義する。この値は、初期にはゼロに設定され、スキームの一部として計算される。
ブロック335において、コンピュータ800は、j=j+1に設定し、ハミルトニアン項Dを選ぶように構成される。
量子コンピュータ900は、ブロック340において式(14)(本明細書における)の測定期待値を測定し、次にコンピュータ800に適用される<D>を返すように構成される。古典的コンピュータ800は、量子コンピュータ900にシミュレーションを行うための入力データを提供する。量子コンピュータ900は、測定結果をサンプリングして期待値<D>を推定する。期待値を得るための測定スキームは、詳細な削減3において後述する。量子コンピュータ900上で(ブロック340において)行われたこの出力測定データは、ブロック345においてコンピュータ800にフィードバックされる。
ブロック345において、コンピュータ800は、<H>に加算するように構成され、ここで
Figure 2019531008

である。
ブロック350において、コンピュータ800は、j<rであるかどうかチェックするように構成される。yesすなわちj<rであれば、プロセスはブロック335に戻って進行する。noであれば、コンピュータ800は、else j=rで進行し、ブロック355において推定量<H>を出力する。出力は、ハミルトニアンHチルダのエネルギー推定量<H>である。
削減1、2、及び3の上位の考察を上記で論じ、削減の更なる詳細は下記で論じることを認識されたい。最初に削減1の更なる詳細を論じる。
詳細な削減1
実験者は、ここで一般化ヨルダン−ウィグナー変換後のスピン−パリティを保存する分子ハミルトニアンにおける2量子ビットの除去を考える。引用により本明細書に組み入れられる非特許文献2を参照することができる。
扱う分子ハミルトニアンの分子軌道は、第二量子化において考えられる。ここで最も一般的な非相対論的フェルミオン・ハミルトニアンを考えると、これは、
Figure 2019531008

と記述することができ、ここで
Figure 2019531008

は、妥当な分子ハミルトニアンについての正しい対称性に従う1電子及び2電子フェルミオン積分であり、根底にフェルミオン・モードについての反交換法則
Figure 2019531008

を有する。各分子軌道αは、ここでは二重スピン縮退であり、σ={↑,↓}がスピン状態をラベルし、式(1)のハミルトニアンがスピンの総数を保存するようになっている。スピンパリティの保存は、演算子
Figure 2019531008

がハミルトニアンの対称性であり、[P↓↑,H]=0であるという事実に対応する。Hを量子コンピュータ(例えば、量子コンピュータ900)上でシミュレーションするために、実験者は一般化ヨルダン−ウィグナー変換を使用する。変換は、フェルミオン演算子
Figure 2019531008

をP2M=<i1,X,Z,...,X2M,Z2M>のパウリ行列の低次線形結合に写像し、ここでX、Zは、総計2Mの量子ビットについてi番目の量子ビットに対する単一量子ビット・パウリX行列及びパウリZ行列として作用する。この変換はその元の公式化において、モードの総数2Mが2のべき乗であることを要し、すなわちk=1,2,...について2M=2である。実験者は、以後この仮定を用いる。この一般化ヨルダン−ウィグナー写像は、
Figure 2019531008

と記述することができ、ここで実験者は、2Mフェルミオン・モードの順序を、
Figure 2019531008

となるように選んだ。量子ビットのアップデート(update)、パリティ、及び剰余(remainder)の部分集合U(i)、P(i)及びρ(i)の定義については、非特許文献1を参照のこと。この変換は、ハミルトニアンHをエルミート・パウリベクトルの和に対して写像するので、実験者は、Hを量子ビット自由度に関して、
Figure 2019531008

と記述することができ、ここでσ∈P2M及びh∈Rは、ハミルトニアン係数hα,β、Uαβγμから線形結合として計算することができる。対称性演算子p↓↑は、式(3)に従って
=Z 及び p=Z2M 式(5)
に変換することを立証することができる。
実験者は[p↓↑,H]=0を持っており、p=Z並びにp=Z2Mは単一量子ビット演算子であるので、これらはハミルトニアンにおけるあらゆる項と可換であり、それゆえ全てのAについて[p↓↑,σ]=0となる。これらの演算子が単一量子ビット演算子であるという事実は、2Mが2のべき乗であるという事実に強く依存することに留意されたい。しかしながら、場合によっては、この基準をもはや満たさないモード数に対する一般化ヨルダン−ウィグナー変換のバージョンを実装することが可能である。この場合、p↓↑のパウリ表現は、非局所化され、より高い重みのパウリ演算子を含むことになる。しかしながらこの場合、以下の削減2についてのセクションで説明されるように、これらの対称性を局所的パウリに再び写像することができるクリフォード変換を見いだすことができる。削減1に戻ると、この対称性をコード化する最終的なパウリ演算子は、いずれの場合でも単一量子ビット・パウリであるので、実験者は、これらの演算子を、上向きスピン↑軌道及び下向きスピン↓軌道の電子の数Nのみに依存するその固有値で置き換えることができる。実験者は、スピンカップリングを伴わない分子ハミルトニアンの場合におけるこの数を知っており、ここで↑、↓状態における全スピン自由度の数は、Hの対称性である。p、pについての固有値は±1であり、従って各パウリ演算子において
Figure 2019531008

として求められ、かつ記述されるので、2M量子ビット・ハミルトニアンを2M−2量子ビット上のHq,−2
Figure 2019531008

に削減することができる。
ここで
Figure 2019531008

は、量子ビットM、2Mがσから除去されることを意味する。認識されるように、式(6)は、削減1のブロック135の最終結果である。
ここで、削減2に移ると、削減2の上位の考察は上記で提供され、ここで削減2の更なる詳細が下記で提供される。
詳細な削減2
この削減スキームは、スキーム削減1の一般化として見ることができる。削減2は、標準ヨルダン−ウィグナー変換又は一般化ヨルダン−ウィグナー変換のいずれかに対して適用することができる。標準ヨルダン−ウィグナー変換に対する言及は、引用により本明細書に組み入れられる非特許文献3において見いだすことができる。この刊行物はドイツ語のみで入手可能であるが、英訳するとEugene P. Wigner及びP. Jordanによる「About the Pauli exclusion principle」、Z. Phys 47.631 (1928): 14-75である。Mモードのフェルミオン・ハミルトニアンがあると仮定すると、実験者はこれを前述の変換によって
Figure 2019531008

に写像することができ、ここでh∈R及びσ∈Pである。実験者は、ここで[g,σ]=0,∀A,jかつ[g,g]=0,∀i,jとなるように、ハミルトニアンHの部分集合対称性を構築するkエルミート可換パウリ演算子g,...,g∈Pを探す。いくつかの対称性gが見いだされたならば、実験者は、それら(g)の各々に対して、gをサイトjにおいて単一量子ビット・パウリ行列に写像するクリフォード変換Cを構築する。次いであらゆるgについて、実験者は、σmj∈{Xmj,Ymj,Zmj}として{g,σmj}=0かつ[g,σmi]=0,∀i≠jになるようにサイトmに対して作用する単一量子ビット・パウリ行列を探索する。
あらゆる対(g,σmj)に対して、実験者はクリフォード演算子C
Figure 2019531008

として定義する。
実験者は、ここでハミルトニアンHを
Figure 2019531008

に写像することができ、これは、ここで単一量子ビット・パウリ演算子σm1,...,σmkを対称性として有する。削減1の場合と同じ議論によって、σm1,...,σmk上でサポートされる量子ビットをHから除去して、それらの固有値(±1)で置き換えることができる。それゆえ、元々はM量子ビット上で作用するものとして定義されたハミルトニアンを、ここでM−k量子ビット上で表すことができる。すなわち、実験者は、
Figure 2019531008

と記述することができる。削減2スキームは、削減1を特殊な場合として包含する。しかしながら、興味のある特定の問題に依存して、クリフォード演算子Cが、一般化ヨルダン−ウィグナー変換から得られた低い重みのハミルトニアンを非局所的演算子に対して写像することが起こり得る。ブロック250における2M−K量子ビット・ハミルトニアンは、式10におけるHq,−kのように定義されることを認識されたい。
演算子gは、パウリ行列の集合{σ{A∈Hq}に関連付けられたパリティ検査行列Eからら構築することができる。
Figure 2019531008

を用いて、(2M)×#{A∈H}次元二進コード行列G=[G,G]を構築することができる。この行列G=[G,G]は、列空間内の全てのσのコード化ビットストリングの集まりである。二重パリティ検査行列
Figure 2019531008

上の核は、次に可換パウリ演算子{gj=1, ...,kによって張られる。
最後に、削減3の上位の考察は上記で提供され、削減3の更なる詳細は下記で提供されない。
詳細な削減3
この削減は、粒子の総数を保存する一般的なフェルミオン・ハミルトニアンに適用される。M及びNをそれぞれフェルミオン・モードの数及び粒子の数(占有モード)とする。実験者は、基底の状態|x,x、...,x>によって張られたフォック(Fock)空間のN粒子セクタを考え、ここでxα=0,1はモードαの占有数であり、
Figure 2019531008

である。
Mは、ここでモード(スピンを含む)の総数を示すことに留意されたい。我々の目標は、フェルミオン・ハミルトニアン
Figure 2019531008

をシミュレーションすることである。
ここで各項Vは、ある1≦α≦β≦γ≦δ≦Mについて
Figure 2019531008

の形を有し、hは実係数である。一般性を失うことなく、N≦M/2である。そうでなければ、全てのαについて、粒子とホールとを交換する変換
Figure 2019531008

を行う。本明細書において、実験者は、圧縮ヨルダン−ウィグナー変換を、Hを、Q<M量子ビットの系を記述する新たなハミルトニアンHチルダに対して写像するものとして説明し、ここでQ=Q(M,N)はM及びNの特定の関数である。Hチルダの基底状態エネルギーは、N粒子セクタに制限されたHの基底状態エネルギーと一致する。図6は、小さいM及びNについて数的に計算されたQ(M,N)の値を示す。図6は、圧縮ヨルダン−ウィグナー変換を表す表1である。表1は、Mモード及びN粒子を有するフェルミ系を、Q+1量子ビットを有する量子コンピュータ上でシミュレーションすることができることを示し、ここでQ=Q(M,N)である。Qは、圧縮後のハミルトニアンを表すのに必要とされる量子ビットの数を示すことを想起されたい。一方、Mは、Nフェルミオンで占有されることができる又は総計でNフェルミオンの、フェルミオン・モードの元の数を示す。表1は、左列内のNと上の行内のMとの対の集合に対するQ(M,N)の値を示す。
実験者はまた、M、Nが無限に近づいて充填分率(filling fraction)ν=N/Mが一定のままになる場合におけるQ(M,N)上の漸近的上界を誘導する。すなわち、実験者は、任意の定数0<ν<1/4について、
Q≦6νM exp[h(2ν)/3ν−1] 式(12)
を有することを示す。
ここでh(x)=−xlog(x)−(1−x)log(1−x)は、シャノン(Shannon)エントロピー関数である(ここでは実験者は自然対数を使用する)。量子ビット対モード比Q/Mは、重点分率νの関数として図7に示される。図7は、極限M,N→∞における充填分率ν=N/Mの関数として式(12)からの量子ビット対モード比Q/M上の上界を有する圧縮ヨルダン−ウィグナー変換のグラフを示す。見て分かるように、νが閾値
Figure 2019531008

を下回るときはいつもQ/M<1である。実験者は、式(12)における限界がタイトであることを期待しない。量子化学ハミルトニアンに特化すると、シミュレーションに必要な量子ビットの数はQ(M,N)+Q(M,N)であり、ここでMは空間軌道の数(すなわちモードの数の半分)であり、N↑↓は上向きスピン及び下向きスピンの電子の数である。新たなハミルトニアンHチルダを説明するために、実験者は、更なる記法を導入する。各項Vについて、ν=0,1,2をVによって動かされることができる粒子の最大数とする。換言すれば、全ての対角演算子はν=0を有し、ホッピング及び制御ホッピング演算子はν=1を有し、二重ホッピング演算子はν=2を有する。そのとき以下の性質:
(1)Dは、行列要素0、±1を有する対角演算子である。
(2)Pは、重みが高々6νのXタイプのパウリ演算子である。
(3)P=Dである。
を有するいくつかのエルミート演算子D、Pについて、
Figure 2019531008

である。
式(13)における係数hは式(11)の場合と同じである。目標はHチルダの基底状態エネルギーを推定することであると仮定する。実験者は、利用可能な量子ハードウェア(すなわち量子コンピュータ)上で準備することができる、ある固定されたQ量子ビット状態ψのエネルギー<ψ|Hチルダ|ψ>を測定するために量子コンピュータ900が使用される変分手法を考える。(例示的な変分手法として、引用により本明細書に組み入れられる非特許文献4を参照することができる)。エネルギー<ψ|Hチルダ|ψ>は、次いで適切な古典的最適化アルゴリズムを用いて変分状態ψのいくつかのクラスにわたって最小化される。線形性により、各jについて(すなわちハミルトニアンにおけるあらゆる項について)別個にエネルギー<ψ|D|ψ>を測定することで十分である。いくつかの固定項Dを考え、量子ビットをPが最初のw量子ビットに対して作用するように再ラベルし、ここでw≦6νである。このときP=X・・・Xである。上記で論じたように量子コンピュータ900上で行われるブロック340の更なる詳細として、実験者は、|+>状態に初期化される1つの補助的量子ビットAを導入する。量子コンピュータ900を用いて、実験者は、制御量子ビットAと各j=1,...,wについての標的量子ビットjとを有するCNOTゲートを適用する。CNOTゲートは、制御ノットゲートと呼ばれる2量子ビットユニタリ演算であり、ソース量子ビットが1であれば標的量子ビットにノット(not)を適用する。次に、実験者は、X基底において量子ビットAを測定する。σ=±1を測定成果とする。CNOTは、量子ビットA上の単一量子ビットXを量子ビット1,...,w上のX’の積に伝搬するので、σはPの固有値と一致することに留意されたい。第2に、Z基底において全ての量子ビット1,...,Qを測定する。この測定の成果は、ビットストリングx∈{0,1}である。D及びPは可換であるので、
Figure 2019531008

を得、ここで期待値は、x及びσの測定統計量にわたって取得される。全体として、図5における圧縮測定スキームは、Q+1量子ビットを必要とする。Q量子ビットは、量子計算によって変分状態ψを準備するために必要とされ、余分の量子ビットは、一定数のCNOTゲートを適用して量子コンピュータ900上で測定成果を得るために用いられる。
新たなハミルトニアンは、Hチルダ=UHUとして定義され、ここでUは、Mモードフォック空間のN粒子セクタをQ量子ビットのヒルベルト空間に写像する等長変換(ユニタリ埋込み)である。実験者は、
Figure 2019531008

を設定し、ここでAは、後で選択されるサイズQ×Mの二進行列である。ここでs=0,1であり、|s,...,s>はQ量子ビットの基底の状態である。W(M,N)を、ハミング重みNを有する全てのMビットストリングの集合とする:
W(M,N)={x∈{0,1}:|x|=N}
以下、実験者は、簡略表記U|x>=|s>及びs=Axを使用し、ここでx∈W(M,N)である。Uが等長変換であるためには、行列Aは、異なるベクトルx∈W(M,N)を異なるQビットベクトルsに写像しなければならない。換言すれば、以下の単射条件(injectivity condition):
あるx,y∈W(M,N)についてAx=Ayであれば、x=y 式(16)
を必要とする。
式(16)は、
全ての1≦K≦Nについてker(A)∩W(M,2K)=φ 式(17)
と等価であることを容易にチェックすることができる。
ここでker(A)は、Aの核(kernel)であり、すなわちAx=0となるようなMビットベクトルxの集合である。例えば、行列Aが式(16)又は式(17)を満たすならば、これはN単射である。N単射条件は、Aが、M−Qビットを最小距離2N+1でMビットにコード化する二進線形コードを記述するパリティ検査行列であるときはいつでも、満たされる。実際、この場合、Nまでの全ての重みの誤りは、異なるシンドロームを有さなければならず、これによりシンドロームs=Axは、重みNの誤りxを一意に識別する。
Hチルダを計算するためには、Uについての明示的な式を必要とする。集合Ω=A・W(M,N)を定義する。換言すれば、あるx∈W(M,N)についてs=Axであるときかつそのときのみs∈Ωである。χ(s)をΩの特性関数とし、すなわちs∈Ωであればχ(s)=1であり、そうでなければχ(s)=0である。f:Ω→W(M,N)を「デコーディング」写像とし、
全てのx∈W(M,N)についてf(Ax)=x
となるようにする。
このデコーディング写像は、式(16)の単射条件に起因して、良い(well-defined)。実験者は、全てのx∈W(M,N)及び全てのs∈{0,1}について、
U|x>=|Ax>かつU|s>=χ(s)|f(s)> 式(18)
に到達する。(ここでf(s)は、
Figure 2019531008

について随意に定義することができる。)c(A)をAの列の最大重み
Figure 2019531008

とする。
最初にホッピング項
Figure 2019531008

を考える。一般性を失うことなくα≦βである。
Figure 2019531008

を定義する。演算子Z(α,β)及びΠα,βは、Q量子ビットのヒルベルト空間に作用する。Z(α,α)=I及びΠα,α=|1><1|αであることに同意するものとする。式(18)を用いて
Figure 2019531008

であることを容易にチェックすることができ、ここでA,...,Aは、Qビットストリングと考えられるAの列であり、
Figure 2019531008

はビットに関するXORを示し、
Figure 2019531008

である。
実験者は、UV=Pであると結論し、ここでDは、<s|D|s>=d(s)となるような対角演算子であり、Pは、
Figure 2019531008

をサポートして、パウリXを各量子ビットに適用する。演算子Pは、高々2c(A)の重みを有する。式(19)参照。
Figure 2019531008

なので、D=Pであることに留意されたい。Vが制御ホッピング項である場合、
Figure 2019531008

は、Πα,βを|1><1|γΠα,βで置き換えたならば、上記と類似である。
最後に、二重ホッピング項
Figure 2019531008

を考え、ここでα<β<γ<δである。
式(18)を用いて、
Figure 2019531008

であることを容易にチェックすることができ、ここで
Figure 2019531008

及び
Figure 2019531008

である。
d(s)は値0、±1を取ることに留意されたい。実験者は、UV=Pであることを結論し、ここでDは、<s|D|s>=d(s)となるような対角演算子であり、Pは、
Figure 2019531008

をサポートして、パウリXを各量子ビットに適用する。演算子Pは、高々4c(A)の重みを有する。それゆえ新たなハミルトニアンHチルダは上述のような形である((1)Dは、行列要素0、±1を有する対角演算子である;(2)Pは、重みが高々6νのXタイプパウリ演算子である;(3)P=Dである、ことを想起されたい)。
パウリ演算子Pは、重み
|P|≦2νc(A) 式(25)
のXタイプのパウリ演算子である。
Uは等長変換なので、ハミルトニアンH及びHチルダの非ゼロ固定値は同じである。従って、実験者は、Hの基底状態エネルギーは負であると常に仮定することができる(そうでなければHをH−λHで置き換え、ここでλは大きい正の定数である)。それゆえH及びHチルダは同じ基底状態エネルギーを有する。
エネルギー測定のために必要とされるCNOTの数を最小化するために、実験者は、演算子Pの重み、すなわち制御ノットゲートと呼ばれる2量子ビットユニタリ演算の数を最小化する必要がある。言い換えると、実験者は、列の重みc(A)を小さく保つ必要がある。式(25)参照。それゆえ残りのタスクは、小さい一定の列重みc(A)及び可能な限り小さい数の列Qを有するN単射行列Aを構築することである。式(17)から、Aの全ての列は相異ならなければならないことを推論し、これはc(A)≧2のときにのみ可能である。最初にc(A)=2、すなわちAの各列が高々2つの非ゼロ要素を有することを想定する。このような行列は、第j辺が第i頂点に接続しているときかつそのときのみAi,j=1であるような、Q頂点及びM辺を有するグラフGの接続行列として見ることができる。(−1の重みを有するAの列は、1つの端点のみを有する「ダングリング」辺を表す。)式(17)を用いて、グラフGが長さ2,4,...,2Nのサイクルを有さないときかつそのときのみAはN単射であることをチェックすることができる(辺の部分集合Cは、いずれかの頂点がCからの偶数の接続辺を有するときサイクルと呼ばれることを想起されたい)。この条件は、しかしながら厳密過ぎる。実際、グラフGの平均頂点度は、d≧2M/Qである。一定の量子ビット対モード比Q/M<1を達成するために、実験者は、平均頂点度d>2を有するグラフの族を使用する。ムーアのバウンド(Moore’s bound)[6]を用いて、このようなグラフG内の頂点の数はNにおいて指数関数的でなければならないことを容易に示すことができる。換言すれば、一定の量子ビット対モード比Q/M<1は、N=O(log(M))のときにのみ達成することができ、これが有する実用上の興味は限定される。
以下、実験者は、その次に単純な場合、すなわちc(A)=3に注目する。これは、式(25)により|P|≦6νを与える。一定比Q/M<1、N/M>0、及びc(A)=3を有するN単射行列Aの無限の族を、一定のコード化率及び線形距離を有する低密度パリティ検査(LDPC)コードから構築することができる。(LDPCコードの例として、引用により本明細書に組み入れられる非特許文献5を参照することができる。)この例では低密度パリティ検査コードを利用しているが、当業者には理解されるように他の圧縮コードを利用することができることを認識されたい。詳細には、実験者は、任意の定数0<ν<1/4について、全ての(事前定義された)十分に大きいM、及び全てのN<νMについて、c(A)=3かつサイズQ×MのN単射行列Aが存在することを主張し、ここでQは式(12)を満たす。実際、ある固定の対Q、Mを考え、Aを、Aの各列がW(Q,3)上の一様分布から得られるようなサイズQ×Mのランダム二進行列とする。Aの全列は独立である。ユニオン限界(union bound)により、AがN単射ではない確率は、
Figure 2019531008

のように上に有界であり得、ここでP(Q,2K)は、W(Q,3)上の一様分布から得られる2Kの独立ベクトルの和が2を法としてゼロに等しい確率である。実際、式(17)は、1≦K≦Nで、あるx∈W(M,2K)についてAx=0でない限り、AがN単射であることを含意する。それゆえ、xをサポートしたAの列の和はゼロに等しい。ユニオン限界は、そのとき式(26)を含意する。引用により本明細書に組み入れられる非特許文献6の補題3.1を用いて、
Figure 2019531008

が得られ、
Figure 2019531008

である。
ここで0≦k≦nでない限り、
Figure 2019531008

であることが理解される。スターリングの公式を用いて、限界
Figure 2019531008

を得ることができる。
ここでe≡exp(1)である。式(28)を式(27)に代入すると
Figure 2019531008

が得られ、ここでh(x)はシャノン・エントロピー関数である。その結果、h(2ν)+3νlog(η)<0であるときはいつもPfail<1となり、これは式(12)に等しい。Pfail<1なので、c(A)=3及びQ列を有する少なくとも1つのN単射行列Aが存在しなければならず、ここでQは式(12)を満たす。
十分に大きい定数c(A)を選ぶことで、ギルバート−バルシャモフ(Gilbert−Varshamov)限界に随意に近づくことができ、すなわちQ≦M(h(2N/M)+ε)であり、ここでh(x)=xlog(x)−(1−x)log(1−x)は、二進シャノン・エントロピー関数であり、ε>0は、十分に大きいc(A)を選ぶことによって随意に小さくすることができる。この主張は、(事前定義された)良いLDPCコードの存在の結果生じ、例えば非特許文献5の定理A.3を参照のこと。
図6の表に示されるQ(M,N)の値は、c(A)=3及び可能な限り最小のQを有するN単射行列Aについて数的に探索することによって得られたものである。詳細には、実験者は、集合A・W(M,N)内の相異なる要素の数として定義される目的関数F(A)を最大化した。Aは、集合A・W(M,N)の全ての要素が相異なるときときかつそのときのみN単射であること、すなわち
Figure 2019531008

であることに留意されたい。関数F(A)は、シミュレーションされたアニーリング・アルゴリズムのバージョンを用いて、c(A)=3を満たす全ての二進行列の集合の上で最大化された。
最後に、実験者は、デコーディング写像f(s)をどのように計算するかを示す。AをサイズQ×Mの固定N単射行列と想定する。ストリングs∈{0,1}を仮定すると、s=Axとなるようなx∈W(M,N)を見いだすか、又はそのようなストリングxは存在しない、すなわち
Figure 2019531008

であると決定しなければならない。N=N+Nに分解しなければならず、ここで偶数NについてN1,2=N/2であり、奇数NについてN1,2=(N±1)/2である。各i=1,2について、Tを、各u∈W(M,N)についてシンドロームt=Auを格納するルックアップ表とする。Tのエントリは、辞書式順序で格納される。Uを、各t∈Tをt=Auとなるようにストリングu∈W(M,N)に写像するルックアップ表とする。式(17)によりAはN単射であるので、上記のようなuは一意であることに留意されたい。表T、Uは、Aのみに依存するので、(量子コンピュータ900上での)量子シミュレーションの前にコンピュータ800によって計算することができる。最初に、あるx∈W(M,N)についてs=Axであると想定する。u∈W(M,N)で任意の分解
Figure 2019531008

を考え、t=Auとする。このとき、表T及びTは、エントリt及び
Figure 2019531008

をそれぞれ含むことになる。各t∈Tについて、T
Figure 2019531008

を含むかどうかをチェックする。これは、表Tがソートされるので二分探索を用いて時間O(|T|log|T|)において行うことができる。上記のようなt、tを見いだしたと想定し、表Uを使用してt=Auとなるようにuを見いだす。このとき
Figure 2019531008

である。その結果、
Figure 2019531008

2と2Nとの間の偶数の重みを有することになる。式(17)から、
Figure 2019531008

であることを推論し、そして行われる。残りの場合には、上記のような対t、tが見いだされなければ、Ax=sはx∈W(M,N)で解を有さないと推論することができる。上記のアルゴリズムは、中程度のサイズの系に対して実用的であり、例えば一例としてM≦50を挙げるがこの例に限定されない。実際、M≦N/2なので、表T、Uは、M=50について、高々
Figure 2019531008

のサイズを有する。一般にデコーディング写像f(s)を計算することは難しい計算問題だと思われ得るので、限定ではなく説明の目的で2つの例を以下で提示する。
削減3:例1
実験者は、この削減の最も単純な例を考える。実験者は、図6の表1の左上の角に示すような8つの軌道M=8を有する単一電子N=1を考える。このセクションの削減3の後、
Figure 2019531008

上のこれらの8状態(すなわちM=8)は、図6の表1に示されるように、3量子ビット、すなわち
Figure 2019531008

上の8状態に圧縮されることができる。これは、下記の式(30)の圧縮行列Aを適用して8状態を3量子ビットに圧縮した結果得られる。この事例は、特に簡単に処理できるという利点を有するが、実験者は、圧縮として8モードの単一粒子状態の二進コード化を構築しただけなので、少し誤解を招きかねないように思われる。一般に、上で説明したように、これは事実とは違い、結果はLDPCコードに大きく依存して低い重み及び効率を保証する。ここで実験者は、詳細にこの圧縮を通じて進行を続けた。
そのため実験者は、Q(8,1)量子ビット上でのW(8,1)におけるビットストリングの圧縮を考える。これは、あらゆるx∈W(8,1)にパリティ検査行列A∈M3×8(F2)を適用して集合Ωを得ることによって行われる。関連する基底の状態は、この例では、W(8,1)におけるビットストリングによって第二量子化でコード化されたちょうど8の単一粒子状態である。
Figure 2019531008

このコードに対する最も単純な行列Aは、単に上記の8ビットストリング内の0,...,7から数えた粒子の位置の二進コード化によって与えられるので、
Figure 2019531008

と記述する。これから、実験者は、集合Ωを即座に読み取ることができ、これはAの二進列ベクトルによって与えられる。二進列ベクトルは、二進代数を満たすエントリ0、1を有するAの列である。あらゆるs∈Ωについて、デコーディング写像fは、二進数sの十進表現を計算し、正しいスポットにおける1を有する8ビットストリングを選ぶことによって定義される。それゆえ、等長変換Uは、例えばx=(00000100)上に|101>=U|00000100>として作用し、一方、W(8,1)内にない他の全てのビットストリングは、U|10100000>=0のようにゼロに写像される。共役Uが同様に構築される。
所定位置におけるこの写像により、実験者は、ここでハミルトニアンH=Σにおいて生じる項、及び図8の測定回路600を論じることができる。このコード化が働く方式を例証するために、実験者は、単純二次ホッピング要素
Figure 2019531008

を考え、すなわち実験者は、第5番のモードからモード数3及び共役への粒子のホッピングを考える。s∈Ωによってラベルされた状態に対するUVの作用は、sの異なる値に対して
Figure 2019531008

であることを想起されたい。
簡約化のために、回路600は、量子ビット(例えばこの例では4量子ビット)と、各量子ビットの出力を個別に測定する4つの測定デバイス(例えば光子測定デバイス)とを備えた量子コンピュータと考えられる。説明の目的で、回路600は、理解を容易にするために単純な量子コンピュータとして示されているが、量子コンピュータ900も等しく利用できることを認識されたい。回路600は、上で説明したように、期待値<ψ|V|ψ>=E[σ・<s|D|s>]を測定する。実験者は、Q(M,N)+1量子ビットを必要とするので、ここでは回路600内に4量子ビットが示されているが、回路600において4量子ビットより多くを利用することができることを認識されたい。最初に、実験者は、PにおけるパウリXのサポートを決定することになり、これはビット値
Figure 2019531008

として与えられる。それゆえ、上で導入した規約により、パウリX寄与は、P=Xによって与えられる。従って、図8は、Dを測定し、実験者にE[σ・<s|D|s>]をサンプリングさせる例示的な回路600として与えられる。図8は、W(8,1)によって与えられるビット表現を有し、Q(8,1)=3量子ビットに圧縮される、8モードの単一量子ビットについての二次ホッピング項
Figure 2019531008

に対する測定回路600である。回路600内のあらゆるラインは、単一量子ビットに対応する。下の3つの量子ビットは変分状態プサイψにあり、一方、上の量子ビットはプラス(+)状態に初期化される。次いで、2つの制御ノット演算子(CNOT)が、制御量子ビット(上の量子ビット)上の黒丸から始まり標的量子ビットとしての下2つの量子ビット上で終止する水平ラインによって示されるように適用される。次いでアダマール(Hadamard)ゲートが、全ての量子ビットが計算基底で測定される前に、上の量子ビットに適用される。アダマール・ゲートは、アダマール変換として知られるユニタリ変換を行う単一量子ビットゲートHである。
図8の回路600の測定成果は、4ビット
Figure 2019531008

によって与えられ、ここで補助的ビットsは、
Figure 2019531008

を計算するために用いられ、残りの3ビット(s,s,s)=sは、式d(s)=χ(s)<f(s)|Z(α,β)Πα,β|f(s)>を通じてd(s)=<s|D|s>を決定し、ここでf(s)はデコーディング写像である。この場合、デコーディング写像は、上で説明したようにむしろ単純である。
実験者は、ここで回路600のいくつかの可能な測定成果を論じる。回路600から得られる第1の測定成果は
Figure 2019531008

であると仮定することができる。実験者は、次に(コンピュータ800上で)σ=1及びd(1,1,0)=<0001000|Z3,5Π3,5|0001000>=1を計算し、それで実験者はσ・<s|D<s|=1を平均に追加することができる。第2の測定のために、実験者が回路600からストリング
Figure 2019531008

を得ることを仮定し、これに対して実験者は(コンピュータ800上で)同じやり方でσ=−1を計算することができるが、d(1,0,0)=0であり、なぜならデコードされた状態|f(1,0,0)>=|01000000>はΠ3,5によって消滅されるので、この測定成果は期待値に寄与しないからである。一般に、実験者は、回路600(又は量子コンピュータ900)によって準備された圧縮状態U|ψ>からのサンプリングを、期待値E[σ・<s|D|s>]が十分な統計的確度(これは予め事前定義することができる)で推定されるまで進める。
削減3:例2
もう少し複雑な例を考えるために、実験者は、M=14フェルミ・モードの系からQ=10量子ビットの系への削減を明示的に説明する。実験者は、粒子の数をN=3と仮定する。図9のグラフにおいて示される10頂点及び14辺を有するグラフを考える。図9は、N=3粒子を有するM=14フェルミ・モードからQ=10量子ビットへの削減を説明するグラフ700である。(従来技術においては、14フェルミ・モードが存在するので回路600又は量子コンピュータ900のような量子コンピュータにおいて14量子ビットが必要とされる。)しかしながら、実施形態は、削減3のため、より少数の量子ビット(例えば、この場合は10量子ビット)を利用するように設計される。フォック(Fock)基底ベクトル|x,...,x14>は、量子ビット状態|s,...,s10>に写像され、ここでsは、sに接続する全ての辺上のxの和(2を法とする)に等しい。単射条件式(17)は、グラフ700が長さ2、4、又は6のサイクルを有さないときにはいつも満たされる。
図9において、各頂点は量子ビットi∈{1,...,Q}を表すのに対し、各辺はフェルミ・モードj∈{1,...,M}を表す。実験者は、シンドロームs及びフェルミオン占有数xを、それぞれグラフの頂点及び辺に関連付ける。次に式(15)のパリティ検査行列Aをグラフ700の接続行列として選ぶ。換言すれば、シンドロームsは、頂点iに接続する辺上に位置する変数xの和(2を法とする)に等しい。例えば、s=x+x(mod2)、s=x+x+x(mod2)等である。実験者は、Aが単射条件式(16)を満たすことをチェックする必要がある。上で言及したように、Aの核が重み2、4、又は6のベクトルを含まないことをチェックすることで十分である。式(17)参照。直接検査は、図9に示すグラフは長さ2、4、又は6のサイクルを含まないことを示す(辺の部分集合xは、任意の頂点がxからの偶数の接続辺を有する場合サイクルと呼ばれることを想起されたい)。Aがグラフ700の接続行列として選ばれるので、式Ax=0は、xがサイクルであることと等価である。従って、Ax=0は、|x|≠2,4,6であることを含意し、単射条件式(17)が満たされる。この例は非常に大きく、従って理解を容易にするために、削減行列は、最も単純な観点で、すなわちグラフ700に関して与えられることを認識されたい。これは、図6の表1におけるN=3及びM=14でQ=10になるような圧縮の例を提供する。回路測定は、図10の古典的コンピュータ800から生成される必要があり、次いで図11の量子コンピュータ900上で実行される。
見出し及び/又は小見出しは中断される。図12は、1つ又は複数の実施形態による量子コンピュータ900上で必要とされる量子ビットの数(及び/又はその上でのシミュレーションに必要とされる量子ビットの数)を削減する(削減1)方法1000のフローチャートである。
ブロック1005において、コンピュータ800は、フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付ける(又は説明する)ように構成され、フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含み、フェルミオン・モードの総数は2Mであり、ここでハミルトニアンは、上向きスピン及び下向きスピンパリティ演算子によってコード化されるパリティ対称性を有する。
ブロック1010において、コンピュータ800は、ハミルトニアン上のフェルミオン・モードを、2Mモードの第1の半分が上向きスピンに対応し、2Mモードの第2の半分が下向きスピンに対応するようにソートするように構成される。
ブロック1015において、コンピュータ800は、フェルミオンから量子ビットへの写像を利用してハミルトニアン及びパリティ演算子を変換するように構成され、ここでフェルミオンから量子ビットへの写像は、パリティ演算子を、量子ビットM上の第1の単一量子ビット・パウリ演算子及び量子ビット2M上の第2の単一量子ビット・パウリ演算子に変換する。
ブロック1020において、コンピュータ800は、第1の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された量子ビットM、及び第2の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された量子ビット2Mを除去するように構成される。
さらに、フェルミオンから量子ビットへの写像は、一般化ヨルダン−ウィグナー変換である。
量子ビットM上の第1の単一量子ビット・パウリ演算子は、量子ビットM上のパウリZ行列である。量子ビット2M上の第2の単一量子ビット・パウリ演算子は、量子ビットM及び量子ビット2Mのサイトにおける2つのパウリZ行列の積である。
第1の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された量子ビットMを除去することは、量子ビットMを量子ビットMのパリティに従って固有値+1又は−1で置き換えることを含む。第2の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された量子ビット2Mを除去することは、量子ビット2Mを量子ビット2Mのパリティに従って固有値+1又は−1で置き換えることを含む。量子ビットMは、量子ビットMのパリティをコード化し、量子ビット2Mは、量子ビット2Mのパリティをコード化する。量子ビットM及び量子ビット2Mのパリティは、予め既知である。
量子コンピュータ900は、削減された量子ビットを有するハミルトニアンを実行/シミュレーションするように構成される。
図13は、1つ又は複数の実施形態による量子コンピュータ900上で必要とされる量子ビットの数(及び/又はその上でのシミュレーションに必要とされる量子ビットの数)を削減する(削減2)方法1100のフローチャートである。
ブロック1105において、コンピュータ800は、フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付ける(又は説明する)ように構成され、フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含む。
ブロック1110において、コンピュータ800は、フェルミオンから量子ビットへの写像を利用してハミルトニアンを変換するように構成される。ブロック1115において、コンピュータ800は、ハミルトニアンのパウリ対称性演算子を見いだすように構成される。
ブロック1120において、コンピュータ800は、パウリ対称性演算子を単一量子ビット・パウリ演算子に変換するように構成される。ブロック1125において、コンピュータ800は、単一量子ビット・パウリ演算子が作用しているあらゆる量子ビットを除去するように構成される。
フェルミオンから量子ビットへの写像は、一般化ヨルダン−ウィグナー変換又は標準ヨルダン−ウィグナー変換である。
ハミルトニアンのパウリ対称性演算子を見いだすことは、ハミルトニアンに対してパリティ検査行列を実行してパウリ対称性演算子を決定することと、パウリ対称性演算子が見いだされなかった場合、更なる削減は実行できないことを決定することと、パウリ対称性演算子が見いだされた場合、パウリ対称性演算子の可換集合を決定することと、を含む。パウリ対称性演算子を単一量子ビット・パウリ演算子に変換することは、パウリ対称性演算子の可換集合に対するクリフォード変換を構築して、パウリ対称性演算子の可換集合を単一量子ビット・パウリ演算子に写像することを含む。
図14は、1つ又は複数の実施形態による量子コンピュータ900上で必要とされる量子ビットの数(及び/又はその上でのシミュレーションに必要とされる量子ビットの数)を削減する(削減3)方法1200のフローチャートである。
ブロック1205において、コンピュータ800は、フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付ける(又は説明する)ように構成され、フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含み、フェルミオン・モードの総数はMであり、ここでハミルトニアンは、粒子数対称性及びN粒子を有する。
ブロック1210において、コンピュータ800は、Mフェルミオン・モードからM量子ビットへ変換するフェルミオンから量子ビットへの写像を利用して、ハミルトニアンを変換するように構成され、ここでM量子ビットは、計算基底においてMビットストリングによって表される。
ブロック1215において、コンピュータ800は、圧縮写像を、M量子ビットを有するハミルトニアンがQ量子ビットの変換ハミルトニアンに写像されるようにハミルトニアンに適用するよう構成され、ここでQ<Mであり、圧縮写像は、ハミング重みNを有する、計算基底においてM量子ビットをラベルするMビットストリングを、Qビットストリングに写像する。
計算基底は、M量子ビットの各々に対して0及び1である。量子コンピュータ900は、Q量子ビットの変換ハミルトニアンのエネルギーを測定するように構成され、量子コンピュータは、Q+1量子ビット上の量子測定回路を含む。量子コンピュータ900によって測定された測定エネルギーの結果として、コンピュータ800は、変換ハミルトニアンの各圧縮項について測定エネルギーを受け取るように構成され、測定エネルギーに対してデコーディングを行ってハミルトニアンにおける各未圧縮項の測定結果を得、測定結果を組み合わせて、圧縮写像を適用する前のハミルトニアンのエネルギーを得る。
変換ハミルトニアンは、圧縮項を含み、圧縮写像を適用する前のハミルトニアンは、未圧縮項を含む。
図11は、実施形態による削減1、2、及び/又は3の出力を処理することができる量子コンピュータ900(量子ハードウェア)の例である。一般に、量子コンピュータは、DiVincenzoの基準を満たす、量子力学の法則に従う任意の物理系である。これらの基準は、量子コンピュータとみなすべき量子力学系に対する要件を設定する。基準は、(1)良く特徴付けられた量子ビットを有するスケーラブルな物理系、(2)量子ビットの状態を単純な基準状態に初期化する能力、(3)長く妥当なデコヒーレンス時間、(4)量子ゲートの「ユニバーサル」セット、(5)量子ビット特異的測定能力、(6)静止量子ビットと飛行量子ビットとを相互転換する能力、(7)指定された位置間で飛行量子ビットを忠実に伝送する能力、を含む。
図11の量子コンピュータ900は、制御プログラムとしての入力905、制御信号910、量子ビット915、読出し信号920、及び出力としての測定データ925を示す。これらの要件を満たす量子力学系として、量子コンピュータ900(並びに量子コンピュータ600)は、制御信号910を入力905情報(すなわち、削減1、2、及び/又は3)として受け取って、量子ゲートのシーケンスを適用し、測定演算を適用するように構成される。異なる量子ビット915間の量子ゲートは、それらの相互作用930を通して媒介される。測定演算子は、系、すなわち量子コンピュータ900を制御する実験者が読むことができる古典的信号(測定データ925)を生成する。
ここで図10を参照すると、一例は、コンピュータ800、例えば、本明細書で説明される削減1、2、及び/又は3を実行するように構成され、その結果、削減1、2、及び/又は3の結果を量子コンピュータ600、900に入力することができる、任意のタイプのコンピュータ・システムを示す。コンピュータ800は、1つより多くのコンピュータにわたる分散型コンピュータ・システムとすることができる。本明細書で説明される種々の方法、手順、モジュール、フロー図、ツール、アプリケーション、回路、要素、及び技術は、コンピュータ800の能力を組み込むこと及び/又は利用することもできる。実際、コンピュータ800の能力を用いて、本明細書で説明される例示的な実施形態の要素を実施することができる。
一般に、ハードウェア・アーキテクチャに関して、コンピュータ800は、ローカル・インタフェース(図示せず)を介して通信可能に結合される、1つ又は複数のプロセッサ810、コンピュータ可読ストレージ・メモリ820、及び1つ又は複数の入力及び/又は出力(I/O)デバイス870を含むことができる。ローカル・インタフェースは、例えば、これらに限定されるものではないが、当該技術において知られているように1つ又は複数のバス又は他の有線若しくは無線接続とすることができる。ローカル・インタフェースは、通信を可能にするための、コントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、中継器及び受信機のような付加的な要素を有することができる。さらに、ローカル・インタフェースは、上述のコンポーネントの間の適切な通信を可能にするためのアドレス、制御、及び/又はデータ接続を含むことができる。
プロセッサ810は、メモリ820内に格納することができるソフトウェアを実行するためのハードウェア・デバイスである。プロセッサ810は、コンピュータ800に関連づけられるいくつかのプロセッサの中で、事実上、あらゆるカスタムメイドの又は市販のプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、データ信号プロセッサ(DSP)、又は補助プロセッサとすることができ、プロセッサ810は、半導体ベースのマイクロプロセッサ(マイクロチップの形態の)又はマクロプロセッサとすることができる。
コンピュータ可読メモリ820は、揮発性メモリ要素(例えば、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)等のようなランダムアクセスメモリ(RAM))及び不揮発性メモリ要素(例えば、ROM、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、テープ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、ディスク、ディスケット、カートリッジ、カセット等)のいずれか1つ又は組み合わせを含むことができる。さらに、メモリ820は、電子、磁気、光学、及び/又は他のタイプのストレージ媒体を組み込むことができる、メモリ820は、種々のコンポーネントが、互いに遠隔に位置するが、プロセッサ810によってアクセスすることができる、分散型アーキテクチャを有し得ることに留意されたい。
コンピュータ可読メモリ820内のソフトウェアは、1つ又は複数の別個のプログラムを含むことができ、その各々は、論理機能を実装するための実行可能命令の順序付きリストを含む。メモリ820内のソフトウェアは、適切なオペレーティングシステム(O/S)850、コンパイラ840、ソースコード830、及び例示的な実施形態の1つ又は複数のアプリケーション860を含む。示されるように、アプリケーション860は、例示的な実施形態の要素、プロセス、方法、機能、及び動作を実装するための多数の機能コンポーネントを含む。
オペレーティングシステム850は、他のコンピュータプログラムの実行を制御し、スケジューリング、入力・出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。
アプリケーション860は、実行されるべき命令のセットを含むソースプログラム、実行可能プログラム(オブジェクトコード)、スクリプト、又は他の任意のエンティティとすることができる。ソースプログラムである場合、プログラムは通常、メモリ820内に含めることができる、コンパイラ(コンパイラ840など)、アセンブラ、インタープリタ等を介して、O/S850と関連して適正動作するように翻訳される。さらに、アプリケーション860は、データ及びメソッドのクラスを有するオブジェクト指向プログラミング言語として、又はルーチン、サブルーチン、及び/又は関数を有する手続き型プログラミング言語として記述することができる。
I/Oデバイス870は、例えば、これらに限定されるものではないが、マウス、キーボード、スキャナ、マイクロフォン、カメラ等のような入力デバイス(又は周辺機器)を含むことができる。さらに、I/Oデバイス870は、例えば、これらに限定されるものではないが、プリンタ、ディスプレイ等のような出力デバイスを含むこともできる。最後に、I/Oデバイス870は、入力と出力の両方を通信するデバイス、例えば、これらに限定されるものではないが、NIC若しくは変調器/復調器(遠隔デバイス、他のファイル、デバイス、システム、若しくはネットワークにアクセスするための)、無線周波数(RF)トランシーバ若しくは他のトランシーバ、電話インタフェース、ブリッジ、ルータ等をさらに含むことができる。また、I/Oデバイス870は、インターネット又はイントラネットなどの様々なネットワーク上で通信するためのコンポーネントも含む。I/Oデバイス870は、Bluetooth接続及びケーブル(例えば、Universal Serial Bus(USB)ポート、シリアルポート、パラレルポート、FireWire、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)等を介する)を利用して、プロセッサ810に接続すること及び/又はこれと通信することができる。
例示的な実施形態において、アプリケーション860がハードウェアの形で実装される場合、アプリケーション860は、各々が従来技術において周知の以下の技術、すなわち、データ信号に対する論理関数を実装するための論理ゲートを有する離散的論理回路、適切な組合わせ論理ゲートを有する特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能ゲートアレイ(PGA)、フィールド・プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)等のいずれか1つ又はその組合わせで実装することができる。
本発明の種々の実施形態の説明は、例示の目的のために提示されているが、網羅的であること、又は、開示される実施形態に限定されることは意図されない。当業者には、説明される実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形が明らかになるであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実用的用途若しくは市場で見出される技術に対する技術的改善を最も良く説明するために、又は当業者が本明細書で開示される実施形態を理解することを可能にするために選択された。
本発明は、いずれかの可能な技術的詳細レベルの統合における、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品とすることができる。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有する、コンピュータ可読ストレージ媒体(単数又は複数)を含むことができる。
コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスによって用いるための、命令を保持し格納できる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、これらに限定されるものではないが、例えば、電子ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、光学ストレージデバイス、電磁気ストレージデバイス、半導体ストレージデバイス、又は上記のいずれかの適切な組み合わせとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体のより特定の例の非網羅的なリストは、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカード若しくは命令がそこに記録された溝内の隆起構造のような機械的にコード化されたデバイス、及び上記のいずれかの適切な組み合わせを含む。本明細書で使用される場合、コンピュータ可読ストレージ媒体は、電波、又は他の自由に伝搬する電磁波、導波管若しくは他の伝送媒体を通じて伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通る光パルス)、又はワイヤを通って送られる電気信号などの、一時的信号自体として解釈されない。
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読ストレージ媒体からそれぞれの計算/処理デバイスに、又は、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、及び/又は無線ネットワークなどのネットワークを介して外部コンピュータ又は外部ストレージデバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、及び/又はエッジサーバを含むことができる。各計算/処理デバイスにおけるネットワークアダプタカード又はネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受け取り、コンピュータ可読プログラム命令を転送して、それぞれの計算/処理デバイス内のコンピュータ可読ストレージ媒体内に格納する。
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又は、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、又は、「C」プログラミング言語若しくは類似のプログラミング言語などの通常の手続き型プログラミング言語を含む1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で実行される場合もあり、一部がユーザのコンピュータ上で、独立型ソフトウェアパッケージとして実行される場合もあり、一部がユーザのコンピュータ上で実行され、一部が遠隔コンピュータ上で実行される場合もあり、又は完全に遠隔コンピュータ若しくはサーバ上で実行される場合もある。最後のシナリオにおいて、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(WAN)を含むいずれかのタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続される場合もあり、又は外部コンピュータへの接続がなされる場合もある(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いたインターネットを通じて)。いくつかの実施形態において、例えば、プログラム可能論理回路、フィールド・プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、又はプログラム可能論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を用いて電子回路を個人化することによりコンピュータ可読プログラム命令を実行し、本発明の態様を実施することができる。
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装できることが理解されるであろう。
これらのコンピュータ可読プログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに与えてマシンを製造し、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロック内で指定された機能/動作を実装するための手段を作り出すようにすることができる。これらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイスを特定の方式で機能させるように指示することができるコンピュータ可読媒体内に格納し、それにより、そのコンピュータ可読媒体内に格納された命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実装する命令を含む製品を製造するようにすることもできる。
コンピュータプログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイス上にロードして、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイス上で行わせてコンピュータ実装プロセスを生成し、それにより、コンピュータ、他のプログラム可能装置、又は他のデバイス上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実装するようにすることもできる。
図面内のフローチャート及びブロック図は、本発明の種々の実施形態による、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装の、アーキテクチャ、機能及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことができる。いくつかの代替的な実装において、ブロック内に示される機能は、図に示される順序とは異なる順序で生じることがある。例えば、連続して示される2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には実質的に同時に実行されることもあり、又はこれらのブロックはときとして逆順で実行されることもある。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャート図内のブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行する、又は専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する、専用ハードウェアベースのシステムによって実装できることにも留意されたい。
600、900:量子コンピュータ
800:コンピュータ

Claims (25)

  1. 量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減する、コンピュータ実装方法であって、
    フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付けることであって、前記フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含み、フェルミオン・モードの総数は2Mであり、前記ハミルトニアンは、上向きスピン及び下向きスピンパリティ演算子によってコード化されるパリティ対称性を有することと、
    前記ハミルトニアン上の前記フェルミオン・モードを、2Mモードの第1の半分が上向きスピンに対応し、2Mモードの第2の半分が下向きスピンに対応するようにソートすることと、
    フェルミオンから量子ビットへの写像を利用して前記ハミルトニアン及び前記パリティ演算子を変換することであって、前記フェルミオンから量子ビットへの写像は、前記パリティ演算子を、量子ビットM上の第1の単一量子ビット・パウリ演算子及び量子ビット2M上の第2の単一量子ビット・パウリ演算子に変換することと、
    前記第1の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された前記量子ビットM、及び前記第2の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された前記量子ビット2Mを除去することと、
    を含む、方法。
  2. 前記フェルミオンから量子ビットへの写像は、一般化ヨルダン−ウィグナー変換である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記量子ビットM上の前記第1の単一量子ビット・パウリ演算子は、前記量子ビットM上のパウリZ行列である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記量子ビット2M上の前記第2の単一量子ビット・パウリ演算子は、前記量子ビットM及び前記量子ビット2Mのサイトにおける2つのパウリZ行列の積である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された前記量子ビットMを除去することは、前記量子ビットMを前記量子ビットMのパリティに従って固有値+1又は−1で置き換えることを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された前記量子ビット2Mを除去することは、前記量子ビット2Mを前記量子ビット2Mのパリティに従って固有値+1又は−1で置き換えることを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記量子ビットMは、量子ビットMの前記パリティをコード化し、前記量子ビット2Mは、量子ビット2Mの前記パリティをコード化する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記量子ビットM及び前記量子ビット2Mの前記パリティは、予め既知である、請求項7に記載の方法。
  9. 削減された量子ビットを有する前記ハミルトニアンを量子コンピュータ上で実行することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減する、コンピュータ実装方法であって、
    フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付けることであって、前記フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含むことと、
    フェルミオンから量子ビットへの写像を利用して前記ハミルトニアンを変換することと、
    前記ハミルトニアンのパウリ対称性演算子を見いだすことと、
    前記パウリ対称性演算子を単一量子ビット・パウリ演算子に変換することと、
    前記単一量子ビット・パウリ演算子が作用しているあらゆる量子ビットを除去することと、
    を含む方法。
  11. 前記フェルミオンから量子ビットへの写像は、一般化ヨルダン−ウィグナー変換又は標準ヨルダン−ウィグナー変換である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ハミルトニアンのパウリ対称性演算子を見いだすことは、
    前記ハミルトニアンに対してパリティ検査行列を実行して前記パウリ対称性演算子を決定することと、
    パウリ対称性演算子が見いだされなかった場合、更なる削減は実行できないことを決定することと、
    パウリ対称性演算子が見いだされた場合、前記パウリ対称性演算子の可換集合を決定することと、
    を含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記パウリ対称性演算子を前記単一量子ビット・パウリ演算子に変換することは、前記パウリ対称性演算子の前記可換集合に対するクリフォード変換を構築して、前記パウリ対称性演算子の前記可換集合を前記単一量子ビット・パウリ演算子に写像することを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減する、コンピュータ実装方法であって、
    フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付けることであって、前記フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含み、フェルミオン・モードの総数はMであり、前記ハミルトニアンは、粒子数対称性及びN粒子を有することと、
    Mフェルミオン・モードからM量子ビットへ変換するフェルミオンから量子ビットへの写像を利用して、前記ハミルトニアンを変換することであって、前記M量子ビットは、計算基底においてMビットストリングによって表されることと、
    圧縮写像を、前記M量子ビットを有する前記ハミルトニアンがQ量子ビットの変換ハミルトニアンに写像されるように前記ハミルトニアンに適用することであって、ここでQ<Mであり、前記圧縮写像は、ハミング重みNを有する、計算基底において前記M量子ビットをラベルする前記Mビットストリングを、Qビットストリングに写像することと、
    を含む、方法。
  15. 前記計算基底は、前記M量子ビットの各々に対して0及び1である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記量子コンピュータが前記Q量子ビットの前記変換ハミルトニアンのエネルギーを測定したことに応答して、前記変換ハミルトニアンの各圧縮項について測定エネルギーを受け取ることであって、前記量子コンピュータは、Q+1量子ビット上の量子測定回路を含むことと、
    測定されたエネルギーに対してデコーディングを行って、前記ハミルトニアンにおける各未圧縮項の測定結果を得ることと、
    前記測定結果を組み合わせて、前記圧縮写像を適用する前の前記ハミルトニアンのエネルギーを得ることと、
    をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記変換ハミルトニアンは、圧縮項を含み、
    前記圧縮写像を適用する前の前記ハミルトニアンは、未圧縮項を含む、
    請求項16に記載の方法。
  18. 量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減するためのコンピュータ実行可能命令を含むメモリと、
    前記コンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサと、
    を含むシステムであって、前記コンピュータ実行可能命令は、前記プロセッサに動作を行わせ、前記動作は、
    フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付けることであって、前記フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含み、フェルミオン・モードの総数は2Mであり、前記ハミルトニアンは、上向きスピン及び下向きスピンパリティ演算子によってコード化されるパリティ対称性を有することと、
    前記ハミルトニアン上の前記フェルミオン・モードを、2Mモードの第1の半分が上向きスピンに対応し、2Mモードの第2の半分が下向きスピンに対応するようにソートすることと、
    フェルミオンから量子ビットへの写像を利用して前記ハミルトニアン及び前記パリティ演算子を変換することであって、前記フェルミオンから量子ビットへの写像は、前記パリティ演算子を、量子ビットM上の第1の単一量子ビット・パウリ演算子及び量子ビット2M上の第2の単一量子ビット・パウリ演算子に変換することと、
    前記第1の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された前記量子ビットM、及び前記第2の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された前記量子ビット2Mを除去することと、
    を含む、システム。
  19. 前記フェルミオンから量子ビットへの写像は、一般化ヨルダン−ウィグナー変換である、請求項18に記載のシステム。
  20. 前記量子ビットM上の前記第1の単一量子ビット・パウリ演算子は、前記量子ビットM上のパウリZ行列である、請求項19に記載のシステム。
  21. 前記量子ビット2M上の前記第2の単一量子ビット・パウリ演算子は、前記量子ビットM及び前記量子ビット2Mのサイトにおける2つのパウリZ行列の積である、請求項20に記載のシステム。
  22. 前記第1の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された前記量子ビットMを除去することは、前記量子ビットMを前記量子ビットMのパリティに従って固有値+1又は−1で置き換えることを含む、請求項18に記載のシステム。
  23. 前記第2の単一量子ビット・パウリ演算子によって作用された前記量子ビット2Mを除去することは、前記量子ビット2Mを前記量子ビット2Mのパリティに従って固有値+1又は−1で置き換えることを含む、請求項22に記載のシステム。
  24. 前記量子ビットMは、量子ビットMの前記パリティをコード化し、前記量子ビット2Mは、量子ビット2Mの前記パリティをコード化し、
    前記量子ビットM及び前記量子ビット2Mの前記パリティは、予め既知である、
    請求項23に記載のシステム。
  25. 量子コンピュータ上で必要とされる量子ビットの数を削減するためのコンピュータ実行可能命令を含むメモリと、
    前記コンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサと、
    を含むシステムであって、前記コンピュータ実行可能命令は、前記プロセッサに動作を行わせ、前記動作は、
    フェルミオン系をハミルトニアンに関して特徴付けることであって、前記フェルミオン系は、フェルミオン及びフェルミオン・モードを含むことと、
    フェルミオンから量子ビットへの写像を利用して前記ハミルトニアンを変換することと、
    前記ハミルトニアンのパウリ対称性演算子を見いだすことと、
    前記パウリ対称性演算子を単一量子ビット・パウリ演算子に変換することと、
    前記単一量子ビット・パウリ演算子が作用しているあらゆる量子ビットを除去することと、
    を含む、システム。
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