JP2019530922A - 音波フィルタ・デバイスの2次元有限要素法シミュレーションにおける階層的カスケード - Google Patents

音波フィルタ・デバイスの2次元有限要素法シミュレーションにおける階層的カスケード Download PDF

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Abstract

マイクロ波音波(AW)構造を解析する方法は、AW構造の物理的モデルを規定するステップと、物理的モデルを複数の単位ブロックに分割するステップと、複数のオリジナル単位ブロック内で少なくとも1つのコア・ブロックを特定するステップと、少なくとも1つのコア・ブロックのそれぞれの特徴を計算するステップと、コア・ブロック(1つまたは複数)の計算した特徴から、オリジナル単位ブロックのそれぞれの特徴を導出するステップと、オリジナル単位ブロックを結合して、これらの単位ブロックの特徴から導出した計算した特徴を有する1つのブロックにして、この1つのブロックが上記の複数のオリジナル単位ブロックを包含するようにするステップと、物理的モデルの少なくとも1つの電気的特徴を、少なくとも部分的には上記の1つのブロックの計算した特徴から導出するステップとを含む。【選択図】図12

Description

関連出願の相互参照
本願は、代理人整理番号RES−022により2016年8月29日に出願された「HIERARCHICAL CASCADING IN TWO−DIMENSIONAL FINITE ELEMENT METHOD SIMULATION OF ACOUSTIC WAVE FILTER DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/380931号の優先権を主張するものである。本願は、また、代理人整理番号RES−022USにより2017年1月13日に出願された「HIERARCHICAL CASCADING IN TWO−DIMENSIONAL FINITE ELEMENT METHOD SIMULATION OF ACOUSTIC WAVE FILTER DEVICES」と題する米国仮特許出願第15/406600号の優先権を主張するものである。上記の特許出願の内容は、参照によりその全体が明示的に本明細書に組み込まれる。
本発明は、一般にマイクロ波フィルタに関し、さらに詳細には、音響マイクロ波フィルタの設計プロセスに関する。
電気的フィルタは、電気信号の処理に長く使用されている。特に、そのような電気的フィルタは、所望の信号周波数は通過させる一方で、その他の望ましくない電気信号周波数は阻止する、または減衰させることによって、入力信号から所望の電気信号周波数を選択するために使用される。フィルタは、低域通過フィルタ、高域通過フィルタ、帯域通過フィルタ、および帯域阻止フィルタなど、フィルタが選択的に通過させる周波数の種類を示すいくつかの大まかなカテゴリに分類することができる。さらに、フィルタは、バターワース、チェビシェフ、逆チェビシェフ、および楕円など、理想的な周波数応答に対するフィルタが提供する周波数応答(遮断周波数特性)の種類を示す種類によって分類することもできる。
多く使用されるフィルタの種類は、所期の用途によって決まる。通信応用分野では、帯域通過フィルタおよび帯域阻止フィルタが、携帯電話基地局、携帯電話ハンドセット、およびその他の電気通信機器で使用されて、1つまたは複数の既定の帯域以外の帯域のRF信号をフィルタによって除去する、または阻止する。特に最も重要なのは、約400から3500MHzの周波数範囲である。米国では、携帯電話通信に使用される標準帯域がいくつかある。これらは、バンド2(約1800〜1900MHz)、バンド4(約1700〜2100MHz)、バンド5(約800〜900MHz)、バンド13(約700〜800MHz)、およびバンド17(約700〜800MHz)であり、他のバンドも登場している。
マイクロ波フィルタは、一般に、2つの回路構成ブロック、すなわちエネルギーを共振周波数(基本共振周波数fであってもよいし、より高次の様々な共振周波数f〜fのうちのいずれか1つであってもよい)で非常に効率的に格納する共振器と、共振器間で、また入力/出力ポートと共振器の間で電磁エネルギーを結合して、複数の反射零点を有する周波数選択的スペクトル応答を生じる結合素子とを用いて構成される。例えば、4共振器フィルタは、4つの反射零点を含むことがある。所与の結合の強度は、そのリアクタンス(すなわちインダクタンスおよび/またはキャパシタンス)によって決まる。結合の相対強度が、フィルタ帯域幅を決定し、結合のトポロジが、そのフィルタが帯域通過機能を実行するか、帯域阻止機能を実行するかを決定する。共振周波数fは、それぞれの共振器のインダクタンスおよびキャパシタンスによって大部分決定される。従来の帯域通過フィルタおよび帯域阻止フィルタの設計では、フィルタがアクティブである周波数は、そのフィルタを構成する共振器の共振によって決まる。各共振器は、上記の理由から、フィルタの応答を鋭敏にし、高い選択性を持たせることができるように、内部実効抵抗が小さくなければならない。この低抵抗の要件により、所与の技術では、共振器のサイズおよびコストが増大する傾向がある。
複数の入力/出力ポートを有する特殊な種類のフィルタであるマルチプレクサは、モバイル・デバイスのフロント・エンドの重要な構成要素である。現代のモバイル通信デバイスは、(LTE、WCDMA(登録商標)、またはCDMAを用いて)送信および受信を同時に行い、同じアンテナを使用する。3ポート・マルチプレクサであるデュプレクサは、最大0.5ワットの電力になる可能性がある送信信号を、1ピコワットまで低くなる可能性がある受信信号から分離するために使用される。送信信号と受信信号とを異なる周波数帯域にして、デュプレクサがそれらを選択できるようにする。デュプレクサは、モバイル・デバイスに使用される場合にはしばしばわずか2平方ミリメートルほどの非常に小さいサイズで、周波数選択、隔離、および低挿入損を実現しなければならない。
フロント・エンド受信フィルタは、受信信号周波数に近い周波数の干渉性の強い信号によって生じる様々な悪影響を排除するために、厳密に定義された帯域通過フィルタの形態をとることが好ましい。フロント・エンド受信フィルタはアンテナ入力に直接接続されているので、受信器の雑音指数を劣化させないように、挿入損は非常に低くなければならない。ほとんどのフィルタ技術では、低い挿入損を実現するためには、フィルタの峻度または選択性において相応の折り合いをつける必要がある。
実際には、携帯電話ハンドセット用のほとんどのフィルタは、表面弾性波(SAW)技術、バルク音波(BAW)技術、フィルム・バルク音響共振器(FBAR)技術などの音響共振器技術を用いて構築される。音響共振器は、並列LC共振器または直列LC共振器より複雑な周波数依存インピーダンスを有する。音響共振器は、「共振」周波数と呼ばれる周波数における直列共振に対応する鋭い極小値、および「反共振」周波数と呼ばれるより高い周波数における並列共振に対応する鋭い極大値を特徴とする周波数依存インピーダンスを有する(K.S.Van Dyke、Piezo−Electric Resonator and its Equivalent Network Proc. IRE、Vol.16、1928、742〜764頁参照)。このような音響共振器は、電磁インダクタ/キャパシタ共振器と比較して、低い通過帯域挿入損(中心周波数で1dB程度)、小さなサイズ、高い無負荷Q、および低いコストという利点を有する。こうした理由から、音響共振器は、マイクロ波フィルタリングの応用分野で、モバイル・デバイスのフロント・エンド受信フィルタに使用されることが多い。
音響共振器を備える現代のマイクロ波フィルタの設計は、フィルタの周波数応答を予測するための詳細なモデルを必要とする。現代の高性能SAWデバイスは、薄膜技術を利用して、損失、熱安定性、電気機械的結合、および製造感度を最適化する。少なくともSAWフィルタに関しては、さらに複雑になりつつある音響フィルタを迅速に開発するためには、より精密かつ汎用的なシミュレーション・ツールが求められる。現代のパーソナル・コンピュータ(PC)の並列処理能力および利用可能なメモリでは、有限要素法(FEM)がSAW構造のシミュレーションを行うのに魅力的である。SAWデバイスの複雑な構造に対処するのが容易でない有限要素法/境界要素法(FEM/BEM)のハイブリッド式の方法(M.Solal、T.Abboud、S.Ballandras、S.Chamaly、V.Laude、R.Lardat、T.Pastereaud、J.Ribbe、W.Steichen、およびP.Ventura、「FEM/BEM analysis for SAW structures」、Second International Symposium on Acoustic Waves Devices for Future Mobile Communication Systems、Chiba University、2004年参照)と比較すると、FEMの利点は、不変性が顕著であることである。FEMは、任意の材料および結晶カット、様々な電極形状、ならびに複数の金属層および誘電体層を含む様々な構造を扱うことができる。
従来は、FEMをSAW構造に適用する際に、主として次の2つの問題があった。(1)開境界条件を記述するのが困難であること、(2)高い精度を得るために必要な自由度が多数であること。これらの問題は、大きなメモリ消費、および長い計算時間という形で顕在化する。
第1の問題は、完全整合層(PML)(J.P.Berenger、「A perfectly matched layer for the absorption of electromagnetic waves」、Journal of Computational Physics、114、185〜200頁(1994年、F.D.Hastings、J.B.Scheider、およびS.L.Broschat、「Application of the perfectly matched layer (PML) absorbing boundary condition to elastic wave propagation」、Journal of Acoustical Society of America、100、3061〜3069頁、1996年、ならびにY.B.ZhengおよびX.J.Huang、「Anisotropic perfectly matched layers for elastic waves in Cartesian and curvilinear coordinates」、MIT Earth Resources Laboratory Industry Consortium Report、Massachusetts Institute of Technology、Earth Resources Laboratory、2002年参照)の導入によって大部分解決されている。
例えば、図1に示すように、導電性電極2の有限アレイ(例えば共振器のインターデジタル金属フィンガ)と、電極2の下方、上方、または間に1つまたは複数の誘電体層または圧電層を含むことがある半有限基板結晶3とを含む、SAW構造1(フィルタ、共振器、結合要素、またはそれらの一部分であることがある)をモデル化することができる。SAW構造1は、電極2および基板3の上に堆積させたパッシベーション層(例えばSiO)4を含むこともある。電極2、電極2に隣接する基板3の一部分、および電極2の上方の真空5の一部分からなる局所領域6を、規定することができる。この局所領域6は、モデル化領域と滑らかに界面を接し、入射する伝搬音波が指数関数的に減衰する音波に変換される性質を有する、基板PML7および真空PML8からなる人口の計算材料で取り囲むことができる。従来の方法では、この局所領域6を基板PML7および真空PML8とともに計算によってメッシュ化し、FEMを用いて周波数応答を計算する。この手法は、不適当な異方性を有するいくつかの基板では不安定である(E.Becache、S.Fauqueux、およびP.Joly、Stability of perfectly matched layers、group velocities and anisotropic waves、J.Comput.Phys.、188、399〜433頁、2003年参照)が、その他の点では、PMLを使用することは、開境界問題に対する非常に効率的な解決策である(D.Karim、S.Ballandras、T.Laroche、K.Wagner、J.M.Brice、およびX.Perios、「Finite element analysis in combination with perfectly matched layer to the numerical modeling of acoustic devices in piezoelectric materials」、Applied Mathematics、vol.4、64〜71頁、2013年5月参照)。
PMLの使用により開境界条件の問題には対処するが、多数の自由度に対処するという第2の問題は残っている。単一電極の周りの領域の実際のFEMモデルは、数千個の有限要素、1000から10000個程度の未知変数を含むこともある。したがって、数百個の電極を有するSAW構造全体のFEMモデルは、最大で数百の方程式を含むなど、巨大になる可能性がある。
K.S.Van Dyke、Piezo−Electric Resonator and its Equivalent Network Proc. IRE、Vol.16、1928、742〜764頁 M.Solal、T.Abboud、S.Ballandras、S.Chamaly、V.Laude、R.Lardat、T.Pastereaud、J.Ribbe、W.Steichen、およびP.Ventura、「FEM/BEM analysis for SAW structures」、Second International Symposium on Acoustic Waves Devices for Future Mobile Communication Systems、Chiba University、2004年 J.P.Berenger、「A perfectly matched layer for the absorption of electromagnetic waves」、Journal of Computational Physics、114、185〜200頁(1994年) F.D.Hastings、J.B.Scheider、およびS.L.Broschat、「Application of the perfectly matched layer (PML) absorbing boundary condition to elastic wave propagation」、Journal of Acoustical Society of America、100、3061〜3069頁、1996年 Y.B.ZhengおよびX.J.Huang、「Anisotropic perfectly matched layers for elastic waves in Cartesian and curvilinear coordinates」、MIT Earth Resources Laboratory Industry Consortium Report、Massachusetts Institute of Technology、Earth Resources Laboratory、2002年 E.Becache、S.Fauqueux、およびP.Joly、Stability of perfectly matched layers、group velocities and anisotropic waves、J.Comput.Phys.、188、399〜433頁、2003年 D.Karim、S.Ballandras、T.Laroche、K.Wagner、J.M.Brice、およびX.Perios、「Finite element analysis in combination with perfectly matched layer to the numerical modeling of acoustic devices in piezoelectric materials」、Applied Mathematics、vol.4、64〜71頁、2013年5月
したがって、依然として、SAWフィルタなどの音響マイクロ波フィルタをモデル化するときに多数の自由度に対処する、より効率的かつ正確な技術を提供する必要がある。
本発明によれば、マイクロ波音波(AW)構造(例えば音響共振器)を解析する方法が提供される。この方法は、AW構造の物理的モデルを規定するステップと、物理的モデルを複数の単位ブロックに分割するステップと、複数のオリジナル単位ブロック内で少なくとも1つのコア・ブロックを特定するステップとを含む。複数の単位ブロックは、互いに同じであることもあり、その場合には、1つのコア・ブロックのみを特定すればよく、あるいは、複数の単位ブロックのうちの少なくとも2つが、互いに異なることもあり、その場合には、少なくとも2つのコア・ブロックを特定すればよい。AW構造の物理的モデルは、AW構造の2次元断面および開口を規定することがあり、その場合には、物理的モデルを、各オリジナル単位ブロックが2次元断面の一部分およびAW構造の開口の一部分を含むように分割すればよい。1実施形態では、AW構造の物理的モデルは、少なくとも1つの電極と、基板層と、真空層と、基板層に隣接する吸収体層と、真空層に隣接する吸収体層とを含む。コア・ブロック(1つまたは複数)のうちの1つが、電極を含むこともある。
この方法は、コア・ブロック(1つまたは複数)のそれぞれの特徴(例えば音場および電場)を計算するステップと、コア・ブロック(1つまたは複数)の計算した特徴から、オリジナル単位ブロックのそれぞれの特徴を導出するステップとをさらに含む。この方法は、複数のオリジナル単位ブロックとの電気的接続を特定するステップをさらに含むことがあり、その場合には、オリジナル単位ブロックのそれぞれの電気的応答を、特定した電気的接続から導出することができる。
この方法は、オリジナル単位ブロックを結合して、単位ブロックの特徴から導出した計算した特徴を有する1つのブロックにして、その1つのブロックが複数のオリジナル単位ブロックを包含するようにするステップと、その後に物理的モデルの少なくとも1つの電気的特徴(例えば周波数応答、静電容量、または共振周波数)を、少なくとも部分的には上記1つのブロックの計算した特徴から導出するステップとをさらに含む。この方法は、任意選択で、物理モデル層を、上記の1つのブロックの左側および右側をそれぞれ成端する2つの吸収体ブロックにさらに分割するステップと、2つの吸収体ブロックのそれぞれの応答を計算するステップと、上記の1つのブロックと2つの吸収体ブロックとを結合して、計算した特徴を有する包括的なブロックにするステップとをさらに含むこともある。物理的モデルの電気的特徴(1つまたは複数)は、少なくとも部分的には包括的なブロックの計算した特徴から導出することができる。
1実施形態では、オリジナル単位ブロックを結合して上記の1つのブロックにするステップは、隣接単位ブロックのセット(例えば隣接オリジナル単位ブロックの対)を階層的にカスケードして1つのブロックにするステップを含む。一例として、隣接単位ブロックのセットは、(a)現在の階層レベルの隣接単位ブロックのセットを結合して、次の階層レベルのカスケード単位ブロックを作成し、(b)上記の1つのブロックが作成されるまで、次の階層レベルの隣接単位ブロックのセットについてステップ(a)を繰り返すことによって、階層的にカスケードして上記の1つのブロックにすることができる。各単位ブロックは、オリジナル単位ブロック、または以前にカスケードされた単位ブロックである。現在の階層レベルで結合されていない単位ブロックのうちのいずれかは、現在の階層レベルから次の階層レベルに移行される。単位ブロックのうちの1つが、以前に計算した特徴を有し、単位ブロックのうちの少なくとも1つの他の単位ブロックが、物理的および電気的に上記の1つの単位ブロックと同じである場合には、この方法は、現在の階層レベルで隣接単位ブロックのセットを結合するときに、上記の1つの単位ブロックを参照して、他の単位ブロック(1つまたは複数)の以前に計算した特徴を仮定するステップをさらに含むことができるので、好都合である。
1実施形態では、各コア・ブロック(1つまたは複数)の特徴は、有限要素法(FEM)を用いて、例えば左側境界DOF、右側境界DOF、および内部DOFを有するAマトリクスを生成し、Aマトリクスから内部DOFを除去して、左側境界DOFおよび右側境界DOFのみを含むBマトリクスを生成することによって、計算することができる。FEMを使用してコア・ブロック(1つまたは複数)を計算する場合には、オリジナル単位ブロックのそれぞれの特徴を、コア・ブロック(1つまたは複数)のBマトリクス(1つまたは複数)から導出されるBマトリクスによって表すことができる。
FEMを使用する場合には、オリジナル単位ブロックを結合するステップは、隣接オリジナル単位ブロックの第1のセットを特定するステップと、第1のセットの隣接オリジナル単位ブロックそれぞれのBマトリクスを結合して、隣接オリジナル単位ブロックのうちの左の単位ブロックの左側境界DOFに対応する左側境界DOF、隣接オリジナル単位ブロックのうちの右の単位ブロックに対応する右側境界DOF、および隣接オリジナル単位ブロックの間の少なくとも1つの共有縁部に対応する内部DOFを有する第1のCマトリクスにし、第1のCマトリクスから内部DOFを除去することによって、第1のCマトリクスを、左側境界DOFおよび右側境界DOFのみを含む第1のカスケード単位ブロックの第1の新たなカスケードBマトリクスに縮約することによって、隣接オリジナル単位ブロックの第1のセットをカスケードして第1のカスケード単位ブロックにするステップとを含むことがある。
この場合、オリジナル単位ブロックは、隣接オリジナル単位ブロックの第2のセットを特定することと、第2のセットの隣接オリジナル単位ブロックそれぞれのBマトリクスを結合して、隣接オリジナル単位ブロックのうちの左の単位ブロックの左側境界DOFに対応する左側境界DOF、隣接オリジナル単位ブロックのうちの右の単位ブロックに対応する右側境界DOF、および隣接オリジナル単位ブロックの間の少なくとも1つの共有縁部に対応する内部DOFを有する第2のCマトリクスにし、第2のCマトリクスから内部DOFを除去することによって、第2のCマトリクスを、左側境界DOFおよび右側境界DOFのみを含む第2のカスケード単位ブロックの第2の新たなカスケードBマトリクスに縮約することによって、隣接オリジナル単位ブロックの第2のセットをカスケードして第2のカスケード単位ブロックにすることによって、さらに結合することができる。
この場合、オリジナル単位ブロックは、第1および第2のカスケード単位ブロックを隣接カスケード単位ブロックのセットであるものとして特定することと、カスケード単位ブロックのセットの隣接カスケード単位ブロックそれぞれのBマトリクスを結合して、隣接カスケード単位ブロックのうちの左の単位ブロックの左側境界DOFに対応する左側境界DOF、隣接カスケード単位ブロックのうちの右の単位ブロックに対応する右側境界DOF、および隣接カスケード単位ブロックの間の少なくとも1つの共有縁部に対応する内部DOFを有する第3のCマトリクスにし、第3のCマトリクスから内部DOFを除去することによって、第3のCマトリクスを、左側境界DOFおよび右側境界DOFのみを含む第3のカスケード単位ブロックの第3の新たなカスケードBマトリクスに縮約することによって、隣接カスケード単位ブロックのセットをさらにカスケードして第3のカスケード単位ブロックにすることによって、さらに結合することができる。このプロセスは、全ての単位ブロックを包含する1つのブロックが作成されるまで、繰り返すことができる。
周波数応答要件に従ってマイクロ波音波(AW)フィルタを構築する方法は、上述の方法に従ってAW構造を解析するステップと、AW構造を含むAWフィルタを設計するステップと、AW構造のシミュレーションに基づいて、AWフィルタの周波数応答を決定するステップと、AWフィルタの周波数応答を周波数応答要件と比較するステップと、この比較に基づいてAWフィルタを作製するステップとを含むことがある。
本発明のその他のさらなる態様および特徴は、本発明を限定ではなく例示するための以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
これらの図面は、本発明の好ましい実施形態の設計および有用性を例示するものであり、これらの図面では、同様の要素は、共通の参照番号で示してある。本発明の上記その他の利点および目的がどのようにして得られるかがよりよく理解されるように、上記で簡単に説明した本発明のさらに詳細な説明を、添付の図面に図示する詳細な実施形態を参照して提供する。これらの図面は本発明の代表的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって本発明の範囲を限定するものとはみなされないということを理解した上で、これら添付の図面を使用して、本発明についてさらに具体的かつ詳細に記述および説明する。
表面弾性波(SAW)構造の従来技術の物理的モデルを示す2次元(2D)断面図である。 ワイヤレス電気通信システムを示すブロック図である。 階層的カスケード技術によってシミュレートした同期SAW共振器を示す2D平面図である。 FEM階層的カスケード技術によって複数の単位ブロックに分割された図1のSAW構造の物理的モデルを示す2D断面図である。 階層的カスケード技術によってシミュレートした結合共振器フィルタ(CRF)を示す2D断面図である。 FEM階層的カスケード技術によって実行される有限要素法(FEM)解析中にメッシュ化された図5のCRFの3つのコア・ブロックを示す2D断面図である。 座標系内のオイラー角を示す斜視図である。 階層的カスケード技術によって実行されるFEM解析中にメッシュ化された、電極を含むSAW構造の一部分の物理的モデルを示す2D断面図である。 図8のSAW構造の物理的モデルのFEMシステム・マトリクスの疎プロットを示す図である。 内部自由度(DOF)を有する完全にメッシュ化されたコア・ブロックから、内部DOFがなく、電圧vおよび正味の表面電荷qを有する単一電極節を有し、LおよびRの境界節セット上の複数のDOFを有するコア・ブロックへの変換を示す2D断面図である。 内部自由度(DOF)を有する完全にメッシュ化されたコア・ブロックから、内部DOFがなく、電圧vおよび正味の表面電荷qを有する単一電極節を有し、LおよびRの境界節セット上の複数のDOFを有するコア・ブロックへの変換を示す2D断面図である。 熱圧縮および熱膨張による局所的変形がある完全にメッシュ化されたコア・ブロックを示す2D断面図である。 熱圧縮および熱膨張による局所的変形がある完全にメッシュ化されたコア・ブロックを示す2D断面図である。 FEM階層的カスケード技術によってSAW構造をシミュレートする1つの方法を示す流れ図である。 図12に示すFEM階層的カスケード技術によるSAW構造の隣接するブロック対の特定およびカスケードを具体的に示す、SAW構造の平面図である。 図12に示すFEM階層的カスケード技術によるSAW共振器のシミュレーションと、従来技術のFEM/BEM解析によるSAW共振器のシミュレーションとの間の、Yパラメータについての比較を示すプロットである。 FEM階層的カスケード技術を用いた実際のAWフィルタの設計および構築を示す流れ図である。 図12に示すFEM階層的カスケード技術による結合共振器フィルタ(CRF)のシミュレーションと、従来技術のFEM/BEM解析によるCRFのシミュレーションとの間の、挿入損についての比較を示すプロットである。 図12のシミュレーション方法の計算ステップを実施することができるコンピュータ化AW構造シミュレーション・システムを示すブロック図である。
本開示は、音波(AW)マイクロ波フィルタ(表面弾性波(SAW)フィルタ、バルク音波(BAW)フィルタ、フィルム・バルク音響共振器(FBAR)フィルタ、微小電子機械システム(MEMS)フィルタなど)を設計する技術について述べる。この技術は、300MHzから300GHzの周波数範囲、特に300MHzから10.0GHzの周波数範囲、さらに特定すれば400から3500MHzの周波数範囲のAWマイクロ波フィルタに適用することができる。このようなAWマイクロ波フィルタは、固定周波数フィルタおよび/またはチューナブル・フィルタ(周波数、および/または帯域幅、および/または入力インピーダンス、および/または出力インピーダンスが調整可能)のいずれであってもよく、シングルバンドまたはマルチバンドの帯域通過フィルタリングおよび/または帯域阻止フィルタリングに使用することができる。このようなAWマイクロ波フィルタは、携帯電話、スマートフォン、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータなどのモバイル通信デバイスの無線周波(RF)フロント・エンド、あるいはM2Mデバイス、ワイヤレス基地局、衛星通信システムなどの固定位置または固定経路通信デバイスのRFフロント・エンドに見られる応用分野など、厳しい電気的および/または環境的性能要件ならびに/あるいは厳しいコスト/サイズ制約を有する応用分野で有利である。
本明細書に記載する例示的なAWマイクロ波フィルタは、1つの通過帯域を有する周波数応答を呈し、これは特に電気通信システムのデュプレクサで有用である。例えば、図2を参照すると、モバイル通信デバイスで使用される電気通信システム10は、ワイヤレス信号を送信および受信することができるトランシーバ12と、トランシーバ12の機能を制御することができる制御装置/プロセッサ14とを含むことがある。トランシーバ12は、一般に、広帯域アンテナ16と、送信フィルタ24および受信フィルタ26を有するデュプレクサ18と、デュプレクサ18の送信フィルタ24を介してアンテナ16に結合された送信器20と、デュプレクサ18の受信フィルタ26を介してアンテナ16に結合された受信器22とを含む。
送信器20は、制御装置/プロセッサ14から提供されるベースバンド信号を無線周波(RF)信号に変換するように構成されたアップコンバータ28と、RF信号を増幅するように構成された可変利得増幅器(VGA)30と、制御装置/プロセッサ14によって選択される動作周波数帯域内でRF信号を出力するように構成された帯域通過フィルタ32と、フィルタリングされたRF信号を増幅するように構成された電力増幅器34とを含み、このフィルタリングされたRF信号は、その後、デュプレクサ18の送信フィルタ24を介してアンテナ16に供給される。
受信器22は、受信フィルタ26を介してアンテナ16および送信器20から入力されるRF信号による信号干渉を阻止するように構成されたノッチ・フィルタまたは帯域阻止フィルタ36と、帯域阻止フィルタ36からのRF信号を比較的低雑音で増幅するように構成された低雑音増幅器(LNA)38と、増幅されたRF信号を、制御装置/プロセッサ14によって選択される動作周波数帯域内で出力するように構成された帯域通過フィルタ40と、RF信号を制御装置/プロセッサ14に供給されるベースバンド信号にダウンコンバートするように構成されたダウンコンバータ42とを含む。あるいは、帯域阻止フィルタ36によって行われる信号干渉を阻止する機能は、デュプレクサ18が、帯域阻止フィルタ36に代わって、または帯域阻止フィルタ36とともに、実行することもできる。これに加えて、または別法として、送信器20の電力増幅器34は、受信器22への信号干渉を低減するように設計することもできる。
図2に示すブロック図は、本質的に機能的なものであり、いくつかの機能が1つの電子構成要素によって実行されることもあるし、あるいは1つの機能がいくつかの電子構成要素によって実施されることもあることを理解されたい。例えば、アップコンバータ28、VGA30、帯域通過フィルタ40、ダウンコンバータ42、および制御装置/プロセッサ14によって実行される機能は、1つのトランシーバ・チップまたはデバイスによって実行されることが多い。帯域通過フィルタ32の機能は、電力増幅器34、およびデュプレクサ18の送信フィルタ24によって実行することができる。
本明細書に記載する例示的な技術は、デュプレクサ18、送信器20、および受信器22で構成される電気通信システム10のRFフロント・エンドならびに特にデュプレクサ18の送信フィルタ24用の音響マイクロ波フィルタを設計するために使用されるが、同じ技術を使用して、デュプレクサ18の受信フィルタ26、およびワイヤレス・トランシーバ12の他のRFフィルタ用の音響マイクロ波フィルタを設計することもできる。
本明細書に記載する音響マイクロ波フィルタを設計するという文脈で、図1に示すSAW構造1などの音響デバイスの物理モデルをシミュレートする際の多数の自由度(DOF)に関連する問題に対処する解決策について述べる。上記から分かるように、SAW構造は通常は高い周期性を呈するということが、多くのSAW構造の特徴である。特に、このようなSAW構造は、通常は、各ブロック内に同じ反復電極パターン、メタライゼーション比、および層構造を有する複数の構成ブロックからなる。SAW構造のこの周期的またはブロック周期的な性質により、FEM連立方程式は非常に冗長であり、したがってFEMモデル化の労力は、(a)本明細書で吸収体ブロックと呼ぶ計算的に一意的な音波吸収構造成端ブロックと、(b)本明細書でコア・ブロックと呼ぶSAW構造の物理的に一意的な部分とに限定することができる。
シミュレーション/解析の観点から、同一のブロックを記述する方程式は同じであるので、所与の周波数について一度だけそれぞれの一意的な単位ブロック(すなわち物理的に同一の単位ブロックのセットのうちの任意の1つ)を表す1つのコア・ブロックをモデル化して解き、階層的カスケード技術を使用してSAW構造を一連のカスケード演算として記述すれば十分であることは重要である。
FEM階層的カスケード技術の概念は、AW構造を一連のカスケード演算として記述するというものである。最下レベルでは、AW構造は、通常は1つの電極を含むか、または電極をまったく含まないコア・ブロックに分解される。目指すのは、使用するコア・ブロック、吸収体ブロック、およびカスケード演算を可能な限り少なくすることである。この目標を実現するためには、電極構造を解析して、様々な長さスケールで反復パターンを特定することが必要である。構造をより小さな下位構造に分解していくことによって、デバイスの木表現を構築することができる。最下レベルの下位構造、すなわち単位ブロックは、通常は、1つの電極またはギャップのみを含む。表現において必要とされる一意的なブロックが少なくなるほど、メモリ消費および計算時間が大きく節約される。
図3に一例を示すように、FEM階層的カスケード技術は、段面で示す同期共振器50に適用することができる(破線の下に示す)。この例では、同期共振器50は、13個の電極56からなるインターデジタル変換器(IDT)52と、IDT52のそれぞれの端部を成端する、それぞれ6個の電極56からなる1対の反射器(または格子)54aおよび54bとを含み、総数で25個の電極56がある。共振器50は同期型であるので、1つのコア・ブロックのみをFEMでモデル化すればよい。それぞれの一意的な電圧状態によってさらに差別化されるコア・ブロックを、「単位ブロック」と呼ぶ。したがって、単位ブロック「a」、「b」、および「c」は、図3において横方向バス・バー「a」、「b」、および「c」への電極の電気的接続によって決定される3つの異なる電圧の1つのコア・ブロックを指している。黒枠はオリジナル単位ブロックであり、この場合は、3つの異なる電位にある1つの電極を記述している。白枠はカスケード単位ブロックであり、この場合は、カスケードによって得られる複数の電極を記述している。灰色枠は、既知のカスケード単位ブロックである。同期共振器50の解析は、図3に示す10個のカスケード演算(1から10)と、吸収体ブロックを組み込むための追加の2つのカスケード・ステップとに分解することができる。
以上を踏まえて、任意のAW構造の物理的モデルは、複数のオリジナル単位ブロックに分割することができ、それらのオリジナル単位ブロック内で少なくとも1つのコア・ブロックを特定することができる。各コア・ブロックは、通常は、1つの電極を含むことになる。ただし、デバイス構造内のギャップおよびその他の不連続性を取り扱うために、無電極の単位ブロックが必要になることもある。各コア・ブロックの特徴は、(例えばFEMを用いて)計算することができ、各単位ブロックの特徴は、コア・ブロック(1つまたは複数)の特徴およびコア・ブロックの様々な電圧状態を生じる電気的接続から導出することができ、単位ブロックを階層的にカスケードして各階層レベルのカスケード・ブロック(またはより大きなブロック)を漸進的に規定していき、全てのオリジナル単位ブロックを包含する1つのブロックを得ることができる。デバイス構造の端部では、通常は特殊な吸収体ブロックが必要になるが、場合によっては、吸収体ブロックが1つしか必要ないことや、または3つ以上の吸収体ブロックが必要になることもある。したがって、上記の全てを包含する1つのブロックを、吸収体ブロックとさらにカスケードして、AW構造のモデルを完成させることができる。特殊な吸収体ブロックは、本明細書ではPMLブロックと称するが、吸収体ブロックにはグリーン関数を使用することもできる。どちらの場合も、FEMを使用して吸収体ブロックをモデル化することができる。
図1に示すSAW構造1などの音響構造の物理的モデルは、図4に示すように規定し、複数のオリジナル単位ブロック100aから100fに分割することができる。この物理的モデルは、2次元断面(導電性電極2(この場合には6個の電極)と、基板層3と、パッシベーション層4と、真空層5と、基板層3に隣接するPML6と、真空層5に隣接するPML7と含む)を規定し、各オリジナル単位ブロック100aから100fが、このSAW構造1の2次元断面の一部分(この場合には1つの電極2、基板層3の一部分、パッシベーション層4の一部分、真空層5の一部分、およびPML6、7の一部分)と、SAW構造の開口の一部分とを含むようになっている。図示の実施形態では、オリジナル単位ブロック100aから100f(それぞれ電極からなる)は、互いに物理的に同じであり、したがって反復的であるので、SAW構造1の周期性を反映している。SAW構造1の周期性が複数電極程度である(すなわち各周期に複数の電極がある)場合には、複数の電極2が1つのオリジナル単位ブロック100に含まれることもあることを理解されたい。ただし、効率のためには、可能な限り各オリジナル・ブロック100を1つの電極のみに限定することが有利である。単純かつ完結にするために、本明細書で述べるオリジナル単位ブロックには、電極は1つしか含まれない。2つのPML吸収体ブロック102aおよび102b(一方はSAW構造1の左側、他方はSAW構造1の右側にある)も含まれる。
この場合には、全てのオリジナル単位ブロック100aから100fと物理的に同じであり、したがってそれらを代表することができる、ただ1つのコア・ブロック100を特定し、モデル化し、FEMを用いてシミュレートすれば、コア・ブロック100の特徴を得ることができる。各オリジナル単位ブロック100aから100fの特徴は、このコア・ブロック100の特徴、およびオリジナル単位ブロック100aから100fとの電気的接続から導出することができる。特定した隣接するオリジナル単位ブロック100aから100fのセットの特徴を階層的にカスケードして各階層レベルのカスケード単位ブロック(より大きな単位ブロック)の特徴を漸進的に規定していき、全ての単一電極のオリジナル単位ブロック100aから100fの特徴を包含する1つの多電極ブロックの特徴を得ることができる。例えば、コア・ブロック100をFEMを用いてモデル化およびシミュレートした後で、隣接するオリジナル単位ブロック100aおよび100bの対、隣接するオリジナル単位ブロック100cおよび100dの対、ならびに隣接するオリジナル単位ブロック100eおよび100fの対をカスケードして、第1の階層レベルに3つのさらに大きな2電極カスケード単位ブロック(1つはオリジナル単位ブロック100aから100bを包含し、もう1つはオリジナル単位ブロック100cから100dを包含し、さらにもう1つはオリジナル単位ブロック100eから100fを包含する)を作成することができる。次いで、これらの第1のレベルの2電極カスケード単位ブロックのうち第1の隣接する対になっているものをカスケードして、さらに大きな4電極のカスケード単位ブロック(オリジナル単位ブロック100aから100dを包含するもの)を第2の階層レベルに作成することができる。次いで、この第2のレベルの4電極のカスケード単位ブロックと、残っている第1のレベルの2電極のカスケード単位ブロックとをカスケードして、1つの6電極のブロック(全てのオリジナル単位ブロック100aから100fを包含するもの)を第3の階層レベルに作成することができる。1つの周期を特徴とする1つのコア電極パターンのみからなる同期共振器では、この階層的カスケードの複雑さは、電極の数とともに対数関数的にしか増加しない。結合共振器フィルタ(CRF)などのより複雑なデバイスでは、複雑さは周期性の程度によって決まる。
上述のように、SAW構造などの音響構造の物理的表現におけるコア・ブロックのみを、FEMによってシミュレートすればよい。FEMは、2次元(断面)の任意のコア・ブロックをシミュレートするために使用することができるが、電流のスケーリングおよび抵抗損失の推定においてコア・ブロックの開口を考慮に入れることができる。ただし、導波またはバス・バー放射などの3次元現象は、モデル化することができない。FEMは、弾性論、圧電弾性、および準静的近似のマクスウェルの法則に基づいて厳密であることが好ましい。コア・ブロックのFEMシミュレーションの結果は、コア・ブロックの電気的特徴、通常はアドミタンス行列を、周波数の関数として計算するものである。簡潔にするために、本明細書に記載するSAW構造は、一定の金属厚さと、規則的な層構造とを有するものと仮定する。ただし、電極の幅、周期性、およびバス・バーとの電気的接続は、デバイスに沿って変化することもある。
実際的な例として、図5に示す結合共振器(CRF)設計120は、5つのインターデジタル変換器(IDT)122aから122eと、IDT122のグループの各端部に1つずつある2つの反射器124aおよび124bとを含む。この特定のCRF設計120は、図6に示す3つの異なる種類の単一電極コア・ブロック150aから150c(IDT122a、122c、および122dの各電極(フィンガ)について1つのコア・ブロック150a、IDT122bの各フィンガについて1つのコア・ブロック150b、ならびにIDT122dの各フィンガについて1つのコア・ブロック150c、これら3つのコア・ブロックは、それぞれのIDTにおいてそれぞれ異なる電極ピッチを表す)、および2つの吸収体ブロック(例えばPML吸収体ブロック)(図6には図示せず)の、総数で5つのFEMモデル化ブロックに縮約することができる。図6に示す例示的な実施形態では、コア・ブロック150aから150cは、それぞれ1.277、1.263、および1.1370の電極ピッチを有し、それぞれ0.6822、0.7578、および0.7662の電極幅を有する。
図6から分かるように、各コア・ブロックは、FEMにより、調和電気的励起下でメッシュ化およびシミュレートすることができる。各FEMモデルのDOFは、音場(例えば3次元機械的変位)およびメッシュの節の電場の値である。この問題の2Dの性質は、電極に沿った抵抗および電流が両方とも記述されない無限小長に対応する。2D表現では抵抗は無視されるが、抵抗の影響は、後述するように集中素子として再度導入される。ただし、G.L.Matthaei、「A simplified means for computation for interconnect distributed capacitances and inductances」、IEEE Trans.、Comput.−Aided Design Integr. Circuits Syst.、513〜524(1992年)に記載されるように、抵抗およびインダクタンスは両方とも考慮することができる。
コア・ブロック150は、場合によっては追加の圧電または誘電体層(図6には図示せず)で被覆されていることもある圧電基板152a、152b、152cと、場合により存在する基板152a、152b、152c上の金属電極154a、154b、154cと、場合により存在する誘電体コーティング層(図6には図示せず)と、周囲の真空156a、156b、156cとからなるように取ることができる。簡略化のための近似として、基板は半無限であるものと仮定する。すなわち、基板152の有限の厚さを考慮せず、これにより、普通なら「平板モード」を生じる可能性があるSAWデバイスを位置付けることができる基板152の反対側からの反射を無視することができる。基板、電極、およびコーティング層は、弾性論(D.H.Love、「A Treatise on the Mathematical Theory of Elasticity、Dover、1994年、ならびにL.D.LandauおよびE.M.Lifshitz、「Theory of Elasticity」、Pergament Press、1986年参照)、圧電性の熱力学理論(T.Ikeda、「Fundamentals of Piezoelectricity」、Oxford University Press、1996年参照)、およびマクスウェル方程式を用いて扱うことができる。この処理は2次元であり、場は、1つの座標軸に沿って不変であると仮定されている。
圧電基板について、弾性論では、均一な連続媒体を考える。注目する場の量は、機械的変位場
Figure 2019530922


、電場
Figure 2019530922


、および磁場
Figure 2019530922


である。線形の圧電媒体では、応力テンソル
Figure 2019530922


、および電気的変位場
Figure 2019530922


が、歪みテンソルおよび電場に1次結合される。音波の速度は光速と比較すれば低いので、磁場は無視することができる。その結果として、電場は、以下のように電気スカラー・ポテンシャルの勾配として近似することができる。
Figure 2019530922


この準静的近似内で、圧電基板の構成関係は、以下のようになる。
Figure 2019530922

ここで、Tijは、2階応力テンソルの構成要素であり、
Figure 2019530922


は、4階剛性テンソルの構成要素であり、ekijは、3階圧電テンソルの構成要素であり、
Figure 2019530922


は、2階誘電率テンソルの構成要素である。剛性テンソル、圧電テンソル、および誘電率テンソルの構成要素は、材料のパラメータである。上付きのEおよびSは、それらのテンソルの構成要素が、それぞれ一定電場および一定歪みで測定されることを示している。圧電材料は、異方性が強く、結晶カットおよびデバイス配向を規定しなければならない。これらは、一般に、図7に示すようにオイラー角によって指定される。
結晶のZ軸(x軸)の周りの第1の回転λおよび
Figure 2019530922


軸の周りの第2の回転μが、表面平面(ここでは網掛けした長方形として示すウェハ・カット)を決定する。
Figure 2019530922


軸の周りの第3の回転θが、デバイス配向(ウェハ上の1次SAW伝搬方向)を指定する。オイラー角を規定する一般に認められている方法はないことに留意されたい。選択は、工学分野および個人の好みによって決まる。
各均一なサブ領域において、支配方程式は、運動方程式
Figure 2019530922


およびマクスウェル方程式
Figure 2019530922


である。
誘電体膜については、圧電基板の場合と同じ方程式が当てはまるが、圧電テンソルの構成要素が消滅する点が異なる。薄膜の異方性および材料パラメータは、製造プロセスによって決まることがある。それらは、単に等方性と仮定されることが多い。単結晶のテクスチャ付きの膜も存在し、これも本発明の枠内でモデル化することができる。
金属電極については、応力と機械的変位の間の構成関係が、圧電基板と同様である。多結晶電極は、巨視的には等方性である。圧電結合はなく、抵抗率を無視すれば、電位は電極で一定である。
機械的変位は、真空では消滅する。電気的変位場は、
Figure 2019530922


で与えられ、ここで、ε0は、真空の誘電率であり、マクスウェル方程式は、
[6]∇φ=0
となる。
機械的変位場と、応力テンソルの法線成分とは、界面にわたって連続であり、真空では消滅する。電位は、あらゆる箇所で連続であり、各電極で一定である。電気的変位の法線成分は、非金属の(基板/真空、基板/誘電体、誘電体/真空)界面にわたって連続である。金属界面では、表面電荷が発生し、これにより電流
Figure 2019530922


が生じることがある。ここで、被積分関数は、界面の非金属側にわたって評価される。表面電荷の積分も含めたこれらの連続性条件は、選択したFEMの定式化で自動的に考慮される。
上述のように、開境界は、PML(J.P.Berenger、「A Perfectly Matched Layer for the Absorption of Electromagnetic Waves」、Journal of Computational Physics、114、185−200、1994年参照)で近似することができ、これは、現実の材料の表面インピーダンスを有するが、その層に入射する全ての放射を吸収する、合成計算材料である。
ただし、音響および圧電の問題へのPMLの一般化はさらに問題があることが分かったので、コンボリューション完全整合層(C−PML)(F.D.Hastings、J.B.Scheider、およびS.L.Broschat、「Application of the Perfectly Matched Layer (PML) Absorbing Boundary Condition to Elastic Wave Propagation」、Journal of Acoustical Society of America、100、3061〜3069、1996年、W.C.ChewおよびQ.H.Liu、「Perfectly Matched layers for Elastodynamics: A New Absorbing Boundary Condition」、Journal of Computational Acoustics、4、341〜359、1996年、ならびにY.B.ZhengおよびX.J.Huang、「Anisotropic Perfectly Matched Layers for Elastic Waves in Cartesian and Curvilinear Coordinates」、MIT Earth Resources Laboratory Industry Consortium Report、Massachusetts Institute of Technology、Earth Resources Laboratory、2002年参照)の導入によって技術的突破口が開けた。この手法は、COMSOLなどの商用FEMプラットフォームでも容易に実装するのに適しており、時間領域および周波数領域のシミュレーションの両方に適用可能である(O.Bou Matar、E.Galopin、Y.Li、およびO.Ducloux、「An Optimized Convolution−Perfectly Matched Layer (C−PML)、 Absorbing Boundary Condition for the Second−Order Elastic Wave Equation−Application to Surface and Lamb Waves Propagation」、Proceedings of the COMSOL Users Conference 2007、2007年参照)。この方法の適用は、専門的SAWデバイス・モデル化でも示されている(D.Karim、S.Ballandras、T.Laroche、K.Wagner、J.M.Brice、およびX.Perois、「Finite Element Analysis in Combination with Perfectly Matched Layer to the Numerical Modeling of Acoustic Devices in Piezoelectric Materials」、Applied Mathematics、4、64〜71、2013年参照)。
PML内で、物理的座標{x、x}は、
Figure 2019530922


の形態の複素数値で置換される。この演算は、複素座標ストレッチと呼ばれる。さらに一般化すると、ストレッチ因子σは、複素数値であり、周波数依存性であることがある。時間領域の解析では、これらは、因果律から生じる追加の制約を受ける。ストレッチは、吸収が必要な方向にのみ適用される。分かりやすいように、基板が半空間x≦0を満たし、真空が正方向x→∞に存在し、x方向が基板表面と平行になるように、座標を固定する。基板中に伝搬するバルク波に対する座標ストレッチの影響
Figure 2019530922


を考える。σ<0では、この波はx→−∞で消滅する。これが、座標ストレッチの目的である。すなわち、伝搬波を減衰波に変換する。ストレッチ因子が適切に選択され、PMLが十分に深いものとすると、この層に入射する基本的に全てのエネルギーが吸収されることになる。ストレッチ因子は、慎重に選択しなければならない。通常の基板における解を乱すことを避けるためには、ストレッチは、滑らかでなければならず、かつ基板とPMLの間の境界で消滅しなければならない。境界では、少なくとも2次プロファイルが推奨される。同時に、この層の深さ内で十分な減衰が得られなければならない。C−PMLのパラメータは、この手法で最適化されることが好ましい。
C−PMLは、真空には適していない。真空中のマクスウェル方程式の解が静的であるので、伝搬波がなく、したがって座標ストレッチが減衰を生じない。しかし、実施が容易であり、かつ極めて効率的でもある1つの手法では、次のように強い人工異方性を真空に導入する(I.Bardi、O.Biro、およびK.Preis、「Perfectly Matched Layers in Static Fields」、IEEE Transactions on Magnetics」、Vol.34、2433〜2436、1998年参照)。
Figure 2019530922


ここで、q(x)は、パラメータである。数値問題を回避するために、このパラメータは、q=1から開始するが、法線方向に沿った誘電率テンソルの成分が1より(はるかに)小さくなるように、PML内で深くなるにつれて急速に増加する。
図8を参照すると、上記の方程式を使用して、1つの導電性電極202と、基板結晶204と、パッシベーション層206と、真空208とを含むSAW基板200の一部分に、FEMを適用することができる。この問題をFEMを用いてモデル化して解くためには、シミュレーション領域210を、有限要素212および節点214のセットに細分(メッシュ化)する。最も一般的に使用される要素は、3角形または4角形である。最低次の要素(直線要素)は、それらの要素の各角部に節点を有する。高次の要素は、それらの要素の境界上、または内部に追加の節を有する。図示の場合では、各有限要素212は、4次の4角形の形状をとるが、3次の3角形要素など、その他の次数の要素を使用することもできる。
FEMの実施および使用は周知であり、従来技術であるので、本明細書の説明では、形状関数が各節点214に関係することが分かっていれば十分である。注目する基本場は、形状関数の1次結合として表現される。節点214におけるこれらの場の値が、解くべき変数、すなわちこのモデルの自由度(DOF)となる。発明者等は、基本変数として、機械的変位場
Figure 2019530922


およびスカラー・ポテンシャルφを選択する。これらは、以下の形態をとる。
Figure 2019530922


ここで、総和は、全ての節についてのものであり、N(x、x)は、節nに属する形状関数を示し、節点
Figure 2019530922


における場の値が、解くべきDOFとなる。形状関数の構造により、機械的変位および電位は、シミュレーション領域のあらゆる箇所で連続である。電極では、電位(電圧)は、定数に設定される。
この問題を解くためには、上記の数式を、構成関係および支配方程式に代入する。これらの方程式は、それらに各形状関数を乗算し、シミュレーション領域全体にわたって積分することによって離散化する。その結果として、
[12][K−ωM](x)=(s)
の形態の連立一次方程式が得られる。ここで、マトリクスKおよびMは、剛性マトリクスおよび質量マトリクスと呼ばれ、これらが合わさってシステム・マトリクスを形成する。ωは、角周波数を表し、ベクトルxは、解くべき全ての自由度を集めたものであり、ベクトルsは、ソース・ベクトルと呼ばれる。通常は、ソース・ベクトルの非ゼロ要素のみが、金属表面上の電荷密度を表す。
このシステム・マトリクスの正確な形態は、ここでは無関係である。しかし、このマトリクスが対称であること、および質量マトリクスの要素が、形状関数
[13]Mnm〜∫ρNdA
にわたる整数からなることが分かっていると有利である。剛性マトリクスの要素は、
Figure 2019530922


の形態の整数からなる。隣接する要素内に位置するDOFのみが結合される。任意のかなりのサイズのFEM問題では、図9に示す疎なパターンが示すように、システム・マトリクスの要素の圧倒的多数がゼロである。この具体的なモデルは、520個の要素と、2766個の節と、7113個のDOFとからなる。システム・マトリクスは、490215個の非ゼロ成分を有する。これらのマトリクスの要素のうち99.0%が、ゼロである。原理的には、システム・マトリクス内の変数の順序付けは、任意である。実際には、マトリクスがどのように結合されているかを示す指標であるシステム・マトリクスの帯域幅を最小にする変数の順序付けが好ましい。図9に示すように、システム・マトリクス要素の帯域幅は、比較的狭い。
損失をモデルに組み込む簡単な方法は、小さな材料依存の虚数成分を剛性係数に付加することである。その結果として、剛性マトリクスは、以下のように2つの成分に分割される。
[15]K→K+iωQ
C−PMLの実施については、ストレッチ因子が、剛性マトリクスの要素を介して数式に入る。方程式[14]は、
Figure 2019530922


の形態をとることができる。ここで、システム・マトリクスおよびソース・ベクトルの成分は、積(1+iσ)(1+iσ)で正規化される。
内部自由度(この場合には音場および電場)を単位ブロックから除去することによって単位ブロックのカスケードを容易にすることができることは重要である。特に、各単位ブロックを分離してモデル化することができ、異なる単位ブロックの間の相互作用は、側壁および電気的境界条件を通じてしか起きない。それぞれの一意的なブロック、すなわちコア・ブロックは、FEMによってメッシュ化およびモデル化することができ、これによりそのブロックをFEMモデル300a(図10a)に変換することができる。FEMにより、コア・ブロック内の自由度(DOF)を結合する、すなわちメッシュの節点において機械的変位および電位の成分を結合する、完全連立一次方程式が得られる。節には、FEMモデル300aの左縁部に位置する節、FEMモデル300aの右縁部に位置する節、およびFEMモデル300aの内部に位置する節という、3種類がある。本明細書に記載するカスケード手法と両立するためには、連続する単位ブロックの間の境界におけるメッシュ構造は、同じでなければならない。(例えばシューアの補行列を計算することによって、またはKron縮約によって)内部DOFを除去することにより、FEMモデル300aを、電極との電気的接続、ならびに左境界(L)および右境界(R)に位置するDOFが電位および力を入力として有する「ポート」として機能するネットワーク300b(図10b)に変換することができる。
特に、左縁部、内部、および右縁部に対応するものに分類することができる節および対応するDOFを有する、代表的なコア・ブロックのFEMシステム・マトリクスを考える。したがって、1つの周波数での調和励振では、図9aのFEMモデル300aは、以下のように表現することができる連立一次方程式を生じることができる。
Figure 2019530922


ここで、成分Ajkは、マトリクスの成分であり、ベクトル(x、x、x)は、それぞれコア・ブロックの左縁部、内部、および右縁部に位置する節DOFを含み、スカラーvは、電極に接続された電位であり(コア・ブロックに電極が存在する場合)、qは、(場合により存在する)電極境界における正味の表面電荷である。コア・ブロックに複数の電極が存在する場合には)、スカラーvおよびqをベクトルに拡張することができる。
それぞれの代表的なコア・ブロックのFEMモデルは、係数縮約境界マトリクス(Bマトリクス)の形態に形成され、係数縮約境界マトリクス(Bマトリクス)は、FEMマトリクス・システムから内部DOFを除去して、DOFが電極電位および電荷(電極が存在する場合)、ならびに左側および右側の界面節における場の値のみであるBマトリクスを生じることによって、これらの界面における場の間の関係を記述する。
Figure 2019530922


が、縮約マトリクス方程式
Figure 2019530922


を生じる。左縁部および右縁部が界面であると解釈して、発明者等は、以下のように、この係数マトリクスを境界マトリクス(Bマトリクス)として特定する。
Figure 2019530922

図9に例示されている数式[17]中のFEMシステム・マトリクスAは、本質的に対称であり、非常に疎であるが、数式[20]中の係数マトリクスBは、やはり対称ではあるが、疎ではない。したがって、AマトリクスおよびBマトリクスの上側の3角形部分または下側の3角形部分を記憶するだけで十分である。Bマトリクスは、ネットワーク理論のアドミタンス行列(Y)、ならびに境界要素法で得られるシステム・マトリクスとある程度の類似性を共有する。電極に流れ込む電流は、以下のように表現することができる。
Figure 2019530922


ここで、Wは、音響開口を表す。
単一電極における抵抗損失は、電極とバス・バーの間に電気的に接続された集中直列抵抗Rとしてモデル化される。その影響は、以下のようにBマトリクスに包含させることができる。
Figure 2019530922


その結果得られるBマトリクスは、依然として対称のままである。
SAW構造は、少なくとも2つの電気的接続を有していなければならず、そのうちの一方は、接地(基準)として規定されなければならず、残りは電気ポートとみなされる。したがって、電極は、地面または電極ポートのうちの1つに接続されるか、あるいは浮遊状態のままに残されるか、いずれかの可能性がある。SAW構造をシミュレートするためには、他の全ての電気ポートを接地状態に保ったまま、1つの電極ポートと地面の間に単位電圧を印加することによって、その1つの電極ポートを励起すればよい。各電極ポートを順番に励起し、励起するたびに、全ての電気ポートに流れる電流を収集する。したがって、各電極の電気的状態を指定しなければならない。デバイス・モデル化では、全ての電気ポートをカバーし、各電極を正しい電位に接続する拡張Bマトリクスが必要である。この目的のために、全ての電気的接続の電位を収集してベクトルV≡(v…vとし、対応する正味の表面電荷を含むベクトルQ≡(q…qを定義する。以下のように連結性ベクトルΓをK×1ベクトル
Figure 2019530922


として定義すると、以下のように単位ブロック対称な拡張Bマトリクスが得られる。
Figure 2019530922

温度変化は、材料パラメータ、特にSAW速度の変化を通じて、またデバイスの幾何学的形状を変形させる熱膨張を通じて、SAWデバイスの周波数応答に影響を及ぼすことに留意されたい。FEMは、両機構のモデル化によくて期している。FEMは、コア・ブロックをモデル化するときに、このような熱的影響を考慮することができるので、熱的影響によるコア・ブロックの局所的変形は、FEMモデルに表現されている。例えば、±1℃の温度変化を仮定すると、熱圧縮状態のFEMモデル300cおよび熱膨張状態のFEMモデル300dの局所的変形は、それぞれ図11aおよび図11bに示すように起こる。これらの図では、説明のために、局所的変形を100倍に強調してある。階層的カスケードの原理との両立を維持するためには、同じ単位ブロックは同様の膨張しかできないという制約を加える必要がある。これにより、変形がデバイス全体で変化するデバイスの反りなどの影響を排除する。基板結晶は、自由に膨張することができる。単位ブロックの平面次元は、基板結晶に従うものと仮定する。各単位ブロック内部の局所的変形は、熱的FEM解析によってモデル化される。これにより得られる変形後のメッシュを、その後は電気的シミュレーションのメッシュとして使用する。
計算したコア・ブロックの特徴から導出した単位ブロックの特徴をカスケードする際には、各単位ブロック・メッシュの辺上のDOF、ならびに電極(1つまたは複数)(存在する場合)の電位および正味の表面電荷を、界面として扱う。特に、2つの隣接する単位ブロックを記述する拡張Bマトリクスをカスケードして、両ブロックを記述する結合Bマトリクスを得ることができる。この結合Bマトリクスでは、第1の単位ブロックの左縁部および第2の単位ブロックの右縁部が、新たな界面となり、中央の共有される縁部は除去される。このプロセスを、デバイス全体をカバーするまで継続することができる。このようにして、大きな手の施しようのないモデル化の問題を、より小さな扱いやすい小問題に分解することができる。
例えば、2つの隣接する単位ブロック、例えばそれぞれ2つの電極を含む2つの隣接する単位ブロックを特徴付ける2つの拡張または結合BマトリクスBおよびBを考える。上述のように、隣接する単位ブロックのメッシュは、共有される界面B∩Bで互換性がなければならない。xが単位ブロックBの左縁部のDOFを表し、xが単位ブロックBの右縁部のDOFを表し、xが単位ブロックBとBの間の共有縁部のDOFを表すものとすると、それらの結合システム・マトリクスCABは、
Figure 2019530922


という形態をとる。この場合も、以下のように、共有縁部に関係するDOFを除去することができる。
Figure 2019530922


結合システム・マトリクスへの後退代入により、カスケードBマトリクス
[27]
Figure 2019530922


が得られる。このカスケードBマトリクスは、
Figure 2019530922


を満たす。このカスケードBマトリクスは、電気励起および境界条件に対する結合またはカスケード単位ブロックの応答を完全に記述している。また、このカスケードBマトリクスは、対称である。このカスケードBマトリクスのサイズは、電気的接続、および縁部におけるDOFの数のみによって決まる。全てのメッシュ縁部が互いに互換性がある場合には、カスケードBマトリクスは、それが導出された元の拡張および/またはカスケードBマトリクスと同じサイズを有する。さらに、カスケードBマトリクスをさらにカスケードして、さらに大きな構造を記述することもできる。したがって、このBマトリクスの形式は、いくつかの電極を有するコア・ブロック、1つの電極を有するコア・ブロック、または電極を有していないコア・ブロックから、任意の多数の電極の集約シーケンスからなるカスケード単位ブロックまでのSAW構造を記述することができる。これが、FEM階層的カスケード技術の力である。したがって、個々の電極から始まって多電極デバイスの全体まで、より小さな構造を記述するBマトリクスを結合して、より大きな構造を記述するBマトリクスを得ることができる。
2つのBマトリクスのみを結合して方程式[25]によってCマトリクスを作成し、その後数式[26]から[28]によって縮約してカスケードBマトリクスを作成するものとして説明したが、3つ以上のBマトリクスを結合してCマトリクスにし、その後縮約してカスケードBマトリクスを作成することもできることを理解されたい。例えば、3つの隣接するBマトリクスを、それらのうちの2つの隣接するものを結合することによってカスケードしてCマトリクスを作成し、そのCマトリクスを隣接するBマトリクスと結合して、さらに大きなCマトリクスを作成し、このCマトリクスを、3つのBマトリクスの応答を完全に記述するBマトリクスに縮約することもできる。実際には、得られるCマトリクスを必要とされるまで縮約することなく、任意数の隣接するBマトリクスのカスケードを行うことができる。
Bマトリクスを構築してカスケードする計算コストは、かなり高いことを指摘しておく。ただし、この手法を非常に効率的なものにしているのは、カスケード演算を階層的に実行することができることである。つまり、1対の電極を記述する2つのBマトリクスを結合して、4つの電極を記述するBマトリクスを得ることができ、4つの電極を記述する2つのBマトリクスを結合して、8個の電極を記述するBマトリクスを得ることができ、以下同様に行うことができる。周期構造では、計算コストは、電極数に対して対数関数的に増大する。
FEM階層的カスケード技術で得られるものは、SAW構造全体を記述する1つのカスケードBマトリクスである。このモデルを解くためには、構造は、上述のようにPML吸収体ブロックなどの吸収体ブロックで終端し、外部電気励起に対して解く必要がある。
所望の電圧励起は、以下のように表現することができる。
[29]V=ΔV+eref
ここで、eは、1×Nportマトリクスであり、Nportは、電圧の数である。電荷的中性は、全ての表面電荷の和がゼロである、すなわちeQ=1であることを求めることによって実現される。これらの置換の後で、最終的な連立方程式は、以下の形態をとる。
Figure 2019530922


ここで、BPMLは、左側および右側のPML吸収体ブロックのBマトリクスを表す。PML吸収体ブロック以外の吸収体ブロックについての任意の連立方程式は、方程式[30]と同様の形態をとることになる。注目する電流、場の量、およびその他の観測量は、後処理ステップとして計算することができる。
上記より、本明細書に記載するFEM階層的カスケード技術により、周期ブロック構造を有するAW構造を、FEMの汎用性を維持しながら、ただしメモリ要件および計算速度を劇的に減少させて、FEMによって2次元でシミュレートすることができることが分かる。
図12を参照して、マイクロ波音波(AW)構造、特に図13に示すSAW構造500をシミュレートする1つの方法400について説明する。SAW構造500は、23個の電極(これらの電極は、1つおきに12個が信号バス・バー506に接続され、1つおきに11個が、接地バス・バー508に接続されている)と、それぞれが9個の電極(全て接地バス・バー508に接続されている)からなる、IDT502のそれぞれの端部を成端する1対の反射器504aおよび504bとからなるインターデジタル変換器(IDT)502を含む同期共振器の形態をとり、総数で41個の電極がある。全ての電極は、同じ形状および同じ周期を有するものと仮定する。
最初に、AW構造500の物理的モデルを規定し(ステップ402)、複数のオリジナル単位ブロック510に分割する(ステップ404)。図示の実施形態では、各オリジナル単位ブロック510は、1つの電極を含み、したがって、同数の41個のオリジナル単位ブロック510がある。次に、複数のオリジナル単位ブロック510内で少なくとも1つのコア・ブロック512を特定する(ステップ406)。図13に示す実施形態では、1つのコア・ブロック512のみを特定するが、このコア・ブロックは、全てのオリジナル単位ブロック510と物理的に同じである。例示的な例として、このコア・ブロック512の2D断面は、図4のブロック100の2D断面と似ていることがある。もちろん、複数のコア・ブロック512を特定してもよく、それらが図6に示すコア・ブロック150aから150cに似ていることもある。
FEM解析を実行して、コア・ブロック(1つまたは複数)512の電気的特徴を計算し(ステップ408)、各コア・ブロック512について、疎な対称なFEMシステム・マトリクスAを生成する。例示的な例として、コア・ブロック512のFEMメッシュ化は、図10aのブロック300AのFEMメッシュ化と似ていることもある。図示の実施形態では、FEMを使用して、コア・ブロック(1つまたは複数)512内の電極(存在する場合)の電位(存在する場合)によって励起されるコア・ブロック(1つまたは複数)512内の音場および電場、ならびにコア・ブロック(1つまたは複数)512の境界で生じる力および電場の形態のDOFを計算する。次に、メッシュ化したコア・ブロック(1つまたは複数)512のそれぞれから内部DOFを除去して(ステップ410)、図10bのブロック300bに似ていることがある縮約コア・ブロックを表す、密な対称な「境界マトリクス」である縮約システム・マトリクスBを生成する。
好ましい実施形態では、FEMを使用して各コア・ブロック512の応答を計算することは、方程式[17]によって、左側境界DOF、右側境界DOF、および内部DOFを有するAマトリクスを生成すること(ステップ408)、ならびに方程式[18]から[20]によって、Aマトリクスから内部DOFを除去して、左側境界DOFと、右側境界DOFと、電極(1つまたは複数)(存在する場合)の電位および正味の表面電荷とを含むBマトリクスを生成すること(ステップ410)を含む。さらに、ステップ410の一部として、方程式[22]によって、電極の抵抗損失をBマトリクスに含めることもできる。
次に、図3および図13の横方向バス・バーによって表されるような指定された電気的接続を利用して、各コア・ブロックBマトリクスから1種類または複数種類のオリジナル単位ブロック510を規定する拡張Bマトリクスを形成する(ステップ412)。好ましい実施形態では、ステップ412は、方程式[23]から[24]によって実行される。
図13に示す実施形態では、2種類のオリジナル単位ブロック510、すなわち信号バス・バー508に接続された「高温」電極を含む単位ブロック「b」(510b)、および接地バス・バー510に接続された「低温」電極を含む単位ブロック「a」(510a)を特定する。この一連のオリジナル単位ブロック510は、最低の(または第1の)階層レベルで規定されるものとみなすことができ、結合して、さらに大きなカスケード単位ブロック514を形成することができる。
オリジナル単位ブロック510の数を最小限の種類数(各種類が独自の一意的な電圧を有する)まで減少させて、単位ブロックをより効率的に1つのブロックまでカスケードできるようにすると有利であるが、全てのオリジナル単位ブロック510をある種のオリジナル単位ブロック510に分類する必要はなく、さらにはオリジナル単位ブロック510を1つもある種のオリジナル単位ブロック510に分類する必要もないことを理解されたい。むしろ、各オリジナル単位ブロック510は、種類に関係なく規定することができる(すなわち、23個のオリジナル単位ブロック510のそれぞれが一意的であるとみなす)。FEM解析は、この場合には、その物理的構造が同じであることから1つのコア・ブロック512のみについて実行すればよいが、各オリジナル単位ブロック510は、FEM階層的カスケード・プロセスにおいて他の単位ブロックに対して一意的であるものとして(例えば「a」、「b」、「c」、「d」など)扱われる。この場合には、方程式[23]で定義される連結性マトリクスは、カスケード・プロセス中に、Nをオリジナル単位ブロックの数としてN×Nマトリクスまで構築し、最終的に全てを包含する1つのブロックに適用して、拡張Bマトリクスを得ることができる(ステップ412)。
オリジナル単位ブロック510の種類を、コア・ブロック(1つまたは複数)512、ならびに各コア・ブロック(1つまたは複数)512が物理的に表すオリジナル単位ブロック510の電気的接続の両方から決定した後で、オリジナル単位ブロック510の性質およびパターンから階層的カスケード・パターンを決定し(ステップ414)、決定した階層的カスケード・パターンに従って、全てのオリジナル単位ブロック510を包含する1つのブロック516が得られるまで、単位ブロック「a」および「b」から始まる隣接する単位ブロックのセットを現在の階層レベルから次の階層レベルに結合または移行させていく。隣接するブロックのセットは、例えば、オリジナル単位ブロック510しか含まないことも、少なくとも1つのオリジナル単位ブロック510と少なくとも1つのカスケード単位ブロック514とを含むことも、あるいはカスケード単位ブロック514しか含まないこともある。
特に、隣接するオリジナル単位ブロック510および/またはカスケード単位ブロック514の一意的なセットを、任意の「隔離」オリジナル単位ブロック510またはカスケード単位ブロック514とともに、現在の階層レベルで特定し(ステップ416)、この現在の階層レベルの各隣接するブロック・セットの応答(電気的特徴)をカスケード(結合)して次の階層レベルのより大きなブロックの応答を決定し、この階層レベルの「隔離」ブロックを、そのまま次の階層レベルに移行させる(ステップ418)。
好ましい実施形態では、隣接する単位ブロック(オリジナル単位ブロックまたは以前にカスケードされた単位ブロック)の各セットの応答をカスケードすることは、方程式[25]によって、隣接する単位ブロックの各セットの拡張および/またはカスケードBマトリクスを結合して、隣接する単位ブロックの各セットの左の単位ブロックの左側境界DOFに対応する左側境界DOF、隣接する単位ブロックの各セットの右の単位ブロックに対応する右側境界DOF、および単位ブロックのうちの隣接するものの間の1つまたは複数の共有縁部に対応する内部DOF(隣接する単位ブロックのセットが単位ブロックを2つしか含まない場合には中央DOF)を有する1つの新たな結合Cマトリクスにすることと、方程式[26]から[28]によって、この1つの新たな結合Cマトリクスから内部DOFを除去して、左側境界DOFおよび右側境界DOFのみを含む新たなカスケードBマトリクスを作成することとからなる。
さらに、オリジナル単位ブロック510またはカスケード単位ブロック514の特徴を計算した後、同じ階層レベルまたは次の階層レベルでの後続のカスケード演算中に、これらの計算したオリジナル単位ブロック510またはカスケード単位ブロック514を参照することができるので好都合であることにも留意されたい。例えば、図13に示すように、共有単位ブロック510/514の特徴は、計算を必要とする単位ブロック510/514のみであるが、共有されていない単位ブロック510/514の特徴の計算は不要である。さらに言えば、共有単位ブロック510/514の以前に計算した特徴は、共有されていない単位ブロック510/514にそのまま使用することができる。もちろん、上述のように全てのオリジナル単位ブロック510が一意的であるものとして扱われる場合には、これらの一意的なオリジナル単位ブロック510から導出される全てのカスケード単位ブロック514も一意的であり、したがって、後続のカスケード演算で参照することができるものはない。例えば、この場合には、各カスケード演算で計算を実行する必要があるので、図13の全ての単位ブロック510/514が共有されるものとして示される。
ステップ416における現在の階層レベルが第1の階層レベルである場合には、隣接するオリジナル単位ブロック510のセット(この場合には、隣接する単位ブロック対)を、全てのオリジナル単位ブロック510から特定することになり、各単位ブロック対は、コア・ブロック512のうちの少なくとも1つの計算した特徴から導出される個々のブロックの計算した特徴をそれぞれ有する。例えば、図13の同期共振器500では、8個の隣接単位ブロック対「a/a」(各反射器504に4対ずつ関連する)を第1の階層レベルで特定し、第2の階層レベルで、単位ブロック「a」からより大きなカスケード単位ブロック「aa」にカスケードし、IDT502に関連する11個の隣接単位ブロック対「b/a」を第1の階層レベルで特定し、第2の階層レベルで、単位ブロック「a」および単位ブロック「b」からより大きなカスケード単位ブロック「ba」にカスケードする。2つの「隔離」単位ブロック「a」(各反射器504に1つずつ関連する)と、IDT502に関連する1つの「隔離」単位ブロック「b」とは、そのようにして特定し、カスケードせずに第1の階層レベルから第2の階層レベルに移行させる。もちろん、この場合には、カスケード演算の前に、隣接単位ブロック対「a/a」の2つのブロックの応答(電気的特徴)は、互いに同じであり(すなわち、それらはそれぞれ単位ブロック「a」の計算した応答と同じである)、隣接単位ブロック対「b/a」の2つのブロックの応答は、互いに異なる(すなわち、それらはそれぞれ、単位ブロック「b」および単位ブロック「a」の計算した応答と同じである)。
次に、FEM階層的カスケード・プロセスによって全てのオリジナル単位ブロック510を包含する1つのブロック516が得られたかどうかを判定する(ステップ420)。得られていない場合には、プロセスはステップ416に戻り、現在の階層レベルで隣接単位ブロック対を特定し、次いでステップ418に進み、この現在の階層レベルの各隣接単位ブロック対の応答をカスケードして次の階層レベルのより大きなブロックを規定し、現在の階層レベルの隔離単位ブロックを、そのまま次の階層レベルに移行させる。こうして、ステップ416および418で、隣接単位ブロック対を特定してカスケードし、かつ隔離単位ブロックを特定して移行させて、AW構造全体を表す1つのブロック516が得られるまでブロック数を徐々に減少させていく。
例えば、図13の同期共振器500では、4つの隣接単位ブロック対「aa/aa」(各反射器504に2対ずつ関連する)を第2の階層レベルで特定し、第3の階層レベルで、ブロック「aa」からより大きな単位ブロック「aaaa」にカスケードし、IDT502に関連する5つの隣接単位ブロック対「ba/ba」を第2の階層レベルで特定し、第3の階層レベルで、ブロック「ba」からより大きな単位ブロック「baba」にカスケードし、1つの隣接単位ブロック対「ba/b」を第2の階層レベルで特定し、第3の階層レベルで、単位ブロック「ba」および以前に隔離された単位ブロック「b」をより大きな単位ブロック「bab」にカスケードする。以前に隔離された単位ブロック「a」は、隔離されたままであり、カスケードせずに第2の階層レベルから第3の階層レベルに移される。
次いで、2つの隣接単位ブロック対「aaaa/aaaa」(各反射器504に1対ずつ関連する)を第3の階層レベルで特定し、第4の階層レベルで、単位ブロック「aaaa」からより大きな単位ブロック「aaaaaaaa」にカスケードし、IDT502に関連する2つの隣接単位ブロック対「baba/baba」を第3の階層レベルで特定し、第4の階層レベルで単位ブロック「baba」からより大きな単位ブロック「babababa」にカスケードし、1つの隣接単位ブロック対「baba/bab」を第3の階層レベルで特定し、第4の階層レベルで単位ブロック「baba」およびブロック「bab」からより大きな単位ブロック「bababab」にカスケードする。以前に隔離された単位ブロック「a」は、隔離されたままであり、カスケードせずに第3の階層レベルから第4の階層レベルに移される。
次いで、2つの隣接単位ブロック対「aaaaaaaa/a」(各反射器504に1対ずつ関連する)を第4の階層レベルで特定し、第5の階層レベルで、単位ブロック「aaaaaaaa」および以前に隔離された単位ブロック「a」からより大きな単位ブロック「aaaaaaaaa」にカスケードし、IDT502に関連する2つの隣接単位ブロック対「babababa/babababa」を第4の階層レベルで特定し、第5の階層レベルで、単位ブロック「babababa」からより大きな単位ブロック「babababababababa」にカスケードする。IDT502に関連する1つの隔離単位ブロック「bababab」を、そのようにして特定し、カスケードせずに第4の階層レベルから第5の階層レベルに移す。
次いで、1つの隣接単位ブロック対「aaaaaaaaa/babababababababa」を第5の階層レベルで特定し、第6の階層レベルで、単位ブロック「aaaaaaaaa」および単位ブロック「babababababababa」からより大きな単位ブロック「aaaaaaaaababababababababa」にカスケードし、別の隣接単位ブロック対「bababab/aaaaaaaaa」を第5の階層レベルで特定し、第6の階層レベルで、単位ブロック「aaaaaaaaa」および単位ブロック「babababababababa」からより大きな単位ブロック「babababaaaaaaaaa」にカスケードする。次いで、残りの隣接単位ブロック対「aaaaaaaaababababababababa/babababaaaaaaaaa」を第6の階層レベルで特定し、最後の第7の階層レベルで、単位ブロック「aaaaaaaaababababababababa」および単位ブロック「babababababababa」から1つのより大きなブロック「aaaaaaaaababababababababababababaaaaaaaaa」にカスケードする。この1つのカスケード・ブロックは、全てのオリジナル単位ブロックを包含することが分かる。41個の(単一電極の)オリジナル単位ブロック510から1つの(41電極の)カスケード単位ブロックに移行するのに、わずか13回のカスケード演算で済む。
次に、FEM階層的カスケード・プロセスによって全てのオリジナル単位ブロック510を包含する1つのブロック516が得られているとステップ420で判定された場合には、その1つのブロック516の左側および右側を吸収体ブロックで成端し(ステップ422)、各吸収体ブロックの応答を計算し(ステップ424)、1つのブロック516および吸収体ブロックの応答(電気的特徴)をカスケード(結合)する(ステップ426)。これにより、PML吸収体ブロックの場合には、方程式[30]が得られる。なお、吸収体ブロックの応答は、プロセス中の任意の時点で計算することができ、ステップ424で計算しなくてもよいことに留意されたい。また、ステップ412で方程式[23]の連結性マトリクスをコア・ブロック512に適用してオリジナル単位ブロック510を作成しなかった場合には、ステップ420の直後に、累積した連結性マトリクスを1つのブロック516に適用すればよいことにも留意されたい。次に、SAW構造の少なくとも1つの電気的特徴(例えば周波数依存のアドミタンス・パラメータ)を、PML吸収体ブロックの場合には方程式[30]を解くことによって導出することができる、上記の1つのブロックおよび2つの吸収体ブロックのカスケードした電気的特徴から導出する(ステップ428)。方程式[30]から、逆カスケード・プロセスによって、完全な場の解を回復することができる。すなわち、ブロックの縁部の場の値から遡って内部自由度が算出される。
本明細書に記載するFEM階層的カスケード技術を市販のMatlabプラットフォームで実施して、42°YXカットLiTaO基板と、IDTと、1対の反射器とからなる同期共振器をシミュレートした。この同期共振器の幾何学的形状は、電極ピッチが1.23μmであり、アルミニウム電極が0.55のメタライゼーション比および181nmの厚さを有し、音響開口の幅が49.2μmであり、IDTが241個の電極および2つの反射器を有し、各反射器が40個の電極を有するものであった。この基板を、Kovacs定数を用いてシミュレートした(G.Kovacs、M.Anhorn、H.E.Engan、G.Visintini、およびC.C.W.Ruppel、「Improved material constants for LiNbO and LiTaO」、Proceedings 1990 IEEE Ultrasonics Symposium.、435〜438頁、1990年参照)。粘性損失は、弾性定数に付加される虚数成分によってモデル化した。電極の抵抗率は、現象論的にモデル化した。
FEMシミュレーションが必要だったのは、1つのコア・ブロック(単一電極、単一周期)、および2つのPML吸収体ブロックのみであった。2次要素を用いるFEMモデル、および3次要素を用いるFEMモデルでは、それぞれ6636個のDOF、および14625個のDOFを用いた。なお、従来のFEMであれば、これは、それぞれ270万個の変数、および590万個の変数を用いたデバイス・モデルを意味することになることに留意されたい。このシミュレーションは、デスクトップPC(CPUはi7−2600k、3.4GHz、16GB RAM)を用いて実行し、計算は4つの並列なスレッドに分散した。得られたシミュレーション速度は、それぞれ周波数点当たり2.4秒および9.6秒であった。
シミュレーションの精度を検証するために、同じ同期共振器を、FEM/BEMに基づくシミュレーション・ツールFEMSAWも用いてシミュレートし、FEM階層的カスケード技術によって行ったシミュレーションと比較した。図13に示すように、FEM階層的カスケード技術および参照用のFEM/BEMのそれぞれのシミュレーション(stimulations)(この場合には、1500MHzから1800MHzの周波数範囲のアドミタンスの実数部(Re(Y))および計算したアドミタンスの絶対値|Y|)の間の差は、非常に小さい。これらの小さな差は、ほとんどが抵抗率のモデル化の差によるものである。
いくつかの応用分野では、密接な関係にある複数のAW構造の群の応答をAW構造の有限サイズの変化に応じて計算することが望ましいことがある。これは、以前に計算したコア・ブロックまたは以前に計算したカスケード単位ブロックを再利用することによって、効率的に実施することができる。例えば、同期共振器の変換器の電極の数を比較的広い範囲にわたって変化させることができるパラメータ・スイープがある。別の例として、AW構造のアドミタンスの小さなリプルの周波数および振幅に影響を及ぼすように、同期共振器の変換器または反射器の電極の有限数をわずかに変動させることもできる。以前に計算したコア・ブロックを使用して、同じコア・ブロックの計算を行わなくても、密接な関係にある完全な有限サイズのAW構造の応答のセット全体のカスケード応答を構築することもできる。さらに別の例として、固定した変換器を維持しながら、反射器電極の幾何学的形状(ピッチまたは電極幅)を変化させることもできる。この場合には、追加の新たなコア・ブロックの応答を計算する必要があることもあるが、以前に計算したコア・ブロックを効率的に再利用することができる。
好ましい実施形態では、コア・ブロック、および中間の「既知のカスケード単位ブロック」の応答をメモリに格納し、密接な関係にあるAW構造の群の応答を生成するためのカスケード演算のセットにおいて再利用することができる。ただし、代替の実施形態では、コア・ブロックの応答のみを格納しておけば、後にカスケード演算で再利用するのに十分であることもある。コア・ブロックの応答を適当な記憶媒体(例えばソリッド・ステート・ドライブ、ハード・ドライブ、ネットワーク、クラウド・ストレージまたはその等価物、あるいはデータベース)に格納するのに要する時間は、AW構造の幾何学的形状からコア・ブロックの応答を計算するのに必要な時間より短くすることができる。
次に図15を参照して、FEM階層的カスケード技術を使用してAWマイクロ波フィルタを設計する1つの例示的な技術600について述べる。最初に、周波数応答要件(通過帯域、反射減衰量、挿入損、阻止帯、線形性、雑音指数、入力および出力インピーダンスなど)、サイズおよびコストの要件、ならびに動作温度範囲、振動、故障率などの環境的要件を含むフィルタ要件を、フィルタの応用分野を満足するように規定する(ステップ602)。
次に、AWフィルタで使用する回路要素の構造的種類を選択する。例えば、AW共振器および/または結合要素(SAW、BAW、FBAR、MEMSなど)といった構造的種類、ならびにインダクタ、キャパシタ、およびスイッチといった種類を、フィルタを作製するためのパッケージングおよび組立て技術も含めて、これらの回路要素を作製するために使用する材料とともに選択する(ステップ604)。例えば、上述のように、結晶水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)の結晶などの圧電基板上にIDTを堆積させることによって作製することができるSAW共振器、BAW(FBARも含む)共振器、あるいはMEMS共振器が選択されることがある。本明細書に記載する特定の例では、選択した回路要素の種類は、42°XYカットLiTaOからなる基板上に構築したSAW共振器およびキャパシタである。
次いで、フィルタ回路のトポロジを選択する(ステップ606)。例えば、選択したフィルタ回路のトポロジが、N次のラダー型トポロジであることもある(この場合には、N=6は、共振器の数が6であることを意味する)。N次のラダー型トポロジは、参照によりその全体を明示的に本明細書に組み込む、米国特許第8751993号および第8701065号、ならびに「Acoustic Wave Filter with Enhanced Rejection」と題する米国特許出願第14/941451号に記載されている。インライン非共振ノード、またはインライン、またはクロス・カップリングを有するインライン、またはクロス・カップリングを有するインライン非共振ノードなど、他のフィルタ回路のトポロジを選択してもよい。
次いで、例えば材料、いくつかのフィンガ対のうちの1つまたは複数、開口サイズ、マーク対ピッチ比、および/または変換器の金属厚さを選択することによって、フィルタのAW構成要素の初期物理的モデルを規定(または修正)し(ステップ608)、このAW構成要素の物理的モデルを、FEM階層的カスケード技術を用いてシミュレートして、それらの周波数依存の電気的特徴を決定する(ステップ610)。次に、AW構成要素のこれらの電気的特徴を、フィルタ・ネットワーク全体の回路モデルに組み込み(ステップ612)、このフィルタ・ネットワークの回路モデルをシミュレートして(任意選択で非AW構成要素のパラメータを最適化する)、フィルタの周波数特性を決定する(ステップ614)。AWフィルタのシミュレートした周波数応答を、次いで、ステップ602で規定した周波数応答要件と比較する(ステップ616)。シミュレートした周波数応答が周波数応答要件を満たさない場合には、プロセスは、ステップ608に戻り、AWの物理的モデルを修正する。シミュレートした周波数応答が周波数応答要件(ステップ602)を満たす場合には、AW構成要素の最新の物理的モデルに基づいて、実際の音響フィルタを構築する(ステップ614)。実際の音響フィルタの回路要素の値は、最新の最適化したフィルタ回路の設計の対応する回路要素の値と一致することが好ましい。
本明細書に記載するFEM階層的カスケード技術を、市販のMatlabプラットフォームで実施して、42°YXカットLiTaO3基板からなるCRFをシミュレートした。CRFは、電極数が60−31−43−49−43−31−60である対称なR−T2−T1−T2−T1−T2−R構造を有する。周期性は、1.26から1.28μmの範囲で変化し、電極の厚さは8%であり、メタライゼーション比は0.6であり、音響開口の幅は90μmである。この基板を、Kovacs定数を用いてシミュレートした(G.Kovacs、M.Anhorn、H.E.Engan、G.Visintini、およびC.C.W.Ruppel、「Improved material constants for LiNbO and LiTaO」、Proceedings 1990 IEEE Ultrasonics Symposium.、435〜438頁、1990年参照)。粘性損失は、弾性定数に付加される虚数成分によってモデル化した。電極の抵抗率は、現象論的にモデル化した。
FEMシミュレーションが必要だったのは、3つのコア・ブロック(3つの電極タイプ、3つの周期)、および2つのPML吸収体ブロックであった。それぞれのモデルは、6643から7749個のDOFを有していた。さらに、PMLブロックは、両方とも15184個のDOFを有していた。このシミュレーションは、デスクトップPC(CPUはi7−2600k、3.4GHz、16GB RAM)を用いて実行し、計算は4つの並列なスレッドに分散した。得られたシミュレーション速度は、周波数点当たり3.6秒であった。
シミュレーションの精度を検証するために、同じCRFを、FEM/BEMに基づくシミュレーション・ツールFEMSAWも用いてシミュレートし、FEM階層的カスケード技術によって行ったシミュレーションと比較した。図16に示すように、FEM階層的カスケード技術および参照用のFEM/BEMのそれぞれのシミュレーション(stimulations)の間の挿入損の差は、非常に小さい。これらの小さな差は、ほとんどが抵抗率のモデル化の差によるものである。
本明細書では、FEM階層的カスケード技術を厳密な周期性を有するSAW構造に適用するものとして開示したが、このFEM階層的カスケード技術は、「アコーディオン部分」を有する「ヒカップ」共振器またはデバイスなど、周期性に切れ目があるデバイスに適用することもできることを理解されたい。このような共振器またはデバイスの例は、J.Meltaus、V.P.Plessky、およびS.S.Hong、「Non−Synchronous Resonators on Leaky Substrates」、Proc. Of the 2005 IEEE Ultrasonics Symposium、2153〜2156頁、P.V.Wright、「A Review of SAW Resonator Filter Technology」、1992 Ultrasonics Symposium、29〜38頁、ならびにV.PlesskyおよびJ.Koskela、「Coupling−of−Modes Analysis of SAW Devices」、International Journal of High Speed Electronics and Systems」、Vol.10、No.4、(2000)、867〜947頁に記載されている。)このようなデバイスの場合には、FEM階層的カスケード技術は、厳密に周期的な構造には適用することができるが、周期部分と周期部分の間に「単発」セルまたは少数の非周期セルを挿入することができる。また、本明細書で使用する「SAW」という用語は、準レイリー波、「漏洩」SAW、表面横波STW、ラム・モードなど、全ての種類の音響波を含む、すなわち、バルク中に放射される成分が望ましくない「2次」効果を現す、主として限られた深さの層の表面付近、またはその層内を伝搬する全ての種類の音波を含むことは、当業者には明らかであるはずである。
図17を参照すると、コンピュータ化フィルタ設計システム700を使用して、設計手順400を用いてAW構造を、また設計手順600を用いてAWフィルタを、シミュレートすることができる。コンピュータ化フィルタ設計システム700は、一般に、ユーザから情報およびデータ(例えばステップ402でAW構造の物理的モデルを規定するパラメータ値、およびステップ602でAWフィルタ要件を規定するパラメータ値)を受信し、AW構造およびAWフィルタの周波数依存特性を(それぞれステップ528および614で)ユーザに対して出力するように構成されたユーザ・インタフェース702、フィルタ設計プログラム708(限定されるわけではないが、特定の機能を実行する、または特定の抽象データ型を実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、手続き、モジュール、および機能などを含む可能性があるソフトウェア命令の形態をとることもある)と、ユーザ・インタフェース702を介してユーザから入力された情報およびデータとを格納するように構成されたメモリ704、ならびにこのシミュレーション・ソフトウェア・プログラムを実行するように構成されたプロセッサ706を含む。
シミュレーション・ソフトウェア・プログラム708は、サブプログラム、特に、従来のFEMプログラム710(このプログラムを使用して、ステップ408でコア・ブロックの特徴を計算し、ステップ426でPML吸収体ブロックの特徴を計算することができる)と、階層的カスケード・プログラム712(このプログラムを使用して、ステップ404で物理的モデルを分割し、ステップ406でコア・ブロックを特定し、ステップ408でコア・ブロックの特徴を計算し、ステップ410でコア・ブロックからDOFを除去し、ステップ412で単位ブロックの種類を規定し、ステップ414で階層的カスケード・パターンを決定し、ステップ416から5418で隣接する単位ブロックのセットを特定してカスケードし、ステップ420で全てのオリジナル単位ブロックを包含する1つの単位ブロックを認識し、ステップ422でこの1つのブロックを吸収体ブロックで成端し、ステップ424で吸収体ブロックの特徴を計算し、ステップ426でこの1つの包含するブロックと吸収体ブロックとをカスケードし、ステップ426で成端したAW構造全体の周波数依存の電気的特性を決定することができる)と、従来のフィルタ・オプティマイザ714(これを使用して、614でフィルタ・ネットワークの回路モデルを最適化してシミュレートすることができる)とに分割される。
本発明の特定の実施形態を図示して説明したが、上記の説明は、本発明をこれらの実施形態に限定するためのものではないことを理解されたい。本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な変更および修正を加えることができることは、当業者には明らかであろう。例えば、本発明は、1つの入力および出力を有するフィルタをはるかに超えた応用分野も有し、本発明の特定の実施形態を使用して、低損失周波数選択性回路が使用されることもあるデュプレクサ、マルチプレクサ、チャネライザ、リアクティブ・スイッチなどを形成することもできる。したがって、本発明は、特許請求の範囲に定義される本発明の趣旨および範囲内に含まれる可能性がある代替形態、修正形態、および均等物をカバーするものとして意図されている。

Claims (24)

  1. マイクロ波音波(AW)構造を解析する方法であって、
    前記AW構造の物理的モデルを規定するステップと、
    前記物理的モデルを複数の単位ブロックに分割するステップと、
    前記複数のオリジナル単位ブロック内で少なくとも1つのコア・ブロックを特定するステップと、
    前記少なくとも1つのコア・ブロックのそれぞれの特徴を計算するステップと、
    前記少なくとも1つのコア・ブロックの前記計算した特徴から、前記オリジナル単位ブロックのそれぞれの特徴を導出するステップと、
    前記オリジナル単位ブロックを結合して、前記単位ブロックの前記特徴から導出した計算した特徴を有する1つのブロックにして、前記1つのブロックが前記複数のオリジナル単位ブロックを包含するようにするステップと、
    前記物理的モデルの少なくとも1つの電気的特徴を、少なくとも部分的には前記1つのブロックの前記計算した特徴から導出するステップとを含む、方法。
  2. 前記複数のオリジナル単位ブロックとの電気的接続を特定するステップをさらに含み、前記オリジナル単位ブロックのそれぞれの電気的応答を、前記特定した電気的接続からさらに導出する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つのコア・ブロックの前記計算した特徴が、音場および電場を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記単位ブロックの全てが、互いに物理的に同じである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記オリジナル単位ブロックのうちの少なくとも2つが、互いに物理的に異なり、前記少なくとも1つのコア・ブロックが、少なくとも2つのコア・ブロックを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記オリジナル単位ブロックを結合して前記1つのブロックにするステップが、隣接単位ブロックのセットを階層的にカスケードして前記1つのブロックにするステップを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 隣接オリジナル単位ブロックの前記セットのうちの少なくとも1つが、1対の隣接オリジナル単位ブロックである、請求項6に記載の方法。
  8. 隣接する単位ブロックのセットを階層的にカスケードして前記1つのブロックにするステップが、
    (a)現在の階層レベルの隣接単位ブロックのセットを結合して、次の階層レベルのカスケード単位ブロックを作成するステップと、
    (b)前記1つのブロックが作成されるまで、次の階層レベルの隣接単位ブロックのセットについてステップ(a)を繰り返すステップとを含み、前記単位ブロックのそれぞれが、オリジナル単位ブロック、または以前にカスケードされた単位ブロックである、請求項6に記載の方法。
  9. 現在の階層レベルで結合されていない単位ブロックのうちのいずれかが、現在の階層レベルから次の階層レベルに移行される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記単位ブロックのうちの1つが、以前に計算した特徴を有し、前記単位ブロックのうちの少なくとも1つの他の単位ブロックが、物理的および電気的に前記1つの単位ブロックと同じであり、前記方法が、現在の階層レベルで隣接単位ブロックの前記セットを結合するときに、前記1つの単位ブロックを参照して、前記少なくとも1つの他の単位ブロックの以前に計算した特徴を仮定するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つのコア・ブロックの前記特徴が、有限要素法(FEM)を用いて計算される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記FEMを用いて前記少なくとも1つのコア・ブロックのそれぞれの特徴を計算するステップが、
    左側境界DOF、右側境界DOF、および内部DOFを有するAマトリクスを生成するステップと、
    前記Aマトリクスから前記内部DOFを除去して、前記左側境界DOFおよび前記右側境界DOFのみを含むBマトリクスを生成するステップとを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記オリジナル単位ブロックのそれぞれの特徴が、前記少なくとも1つのコア・ブロックの前記少なくとも1つのBマトリクスから導出されるBマトリクスによって表される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記オリジナル単位ブロックを結合するステップが、
    隣接オリジナル単位ブロックの第1のセットを特定するステップと、
    前記第1のセットの隣接オリジナル単位ブロックそれぞれのBマトリクスを結合して、前記隣接オリジナル単位ブロックのうちの左の単位ブロックの左側境界DOFに対応する左側境界DOF、前記隣接オリジナル単位ブロックのうちの右の単位ブロックに対応する右側境界DOF、および前記隣接オリジナル単位ブロックの間の少なくとも1つの共有縁部に対応する内部DOFを有する第1のCマトリクスにし、
    前記第1のCマトリクスから前記内部DOFを除去することによって、前記第1のCマトリクスを、左側境界DOFおよび右側境界DOFのみを含む第1のカスケード単位ブロックの第1の新たなカスケードBマトリクスに縮約することによって、
    隣接オリジナル単位ブロックの前記第1のセットをカスケードして第1のカスケード単位ブロックにするステップとを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記オリジナル単位ブロックを結合するステップが、
    隣接オリジナル単位ブロックの第2のセットを特定するステップと、
    前記第2のセットの隣接オリジナル単位ブロックそれぞれのBマトリクスを結合して、前記隣接オリジナル単位ブロックのうちの左の単位ブロックの左側境界DOFに対応する左側境界DOF、前記隣接オリジナル単位ブロックのうちの右の単位ブロックに対応する右側境界DOF、および前記隣接オリジナル単位ブロックの間の少なくとも1つの共有縁部に対応する内部DOFを有する第2のCマトリクスにし、
    前記第2のCマトリクスから前記内部DOFを除去することによって、前記第2のCマトリクスを、左側境界DOFおよび右側境界DOFのみを含む第2のカスケード単位ブロックの第2の新たなカスケードBマトリクスに縮約することによって、
    隣接オリジナル単位ブロックの前記第2のセットをカスケードして第2のカスケード単位ブロックにするステップとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記オリジナル単位ブロックを結合するステップが、
    前記第1および第2のカスケード単位ブロックを隣接カスケード単位ブロックのセットであるものとして特定するステップと、
    カスケード単位ブロックの前記セットの隣接カスケード単位ブロックそれぞれのBマトリクスを結合して、前記隣接カスケード単位ブロックのうちの左の単位ブロックの左側境界DOFに対応する左側境界DOF、前記隣接カスケード単位ブロックのうちの右の単位ブロックに対応する右側境界DOF、および前記隣接カスケード単位ブロックの間の少なくとも1つの共有縁部に対応する内部DOFを有する第3のCマトリクスにし、
    前記第3のCマトリクスから前記内部DOFを除去することによって、前記第3のCマトリクスを、左側境界DOFおよび右側境界DOFのみを含む第3のカスケード単位ブロックの第3の新たなカスケードBマトリクスに縮約することによって、
    隣接カスケード単位ブロックの前記セットをさらにカスケードして第3のカスケード単位ブロックにするステップとをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記AW構造の前記物理的モデルが、前記AW構造の2次元断面および開口を規定し、前記物理的モデルが、各オリジナル単位ブロックが前記2次元断面の一部分と前記AW構造の前記開口の一部分とを含むように、分割される、請求項1に記載の方法。
  18. 前記AW構造の前記物理的モデルが、少なくとも1つの電極と、基板層と、真空層とを含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記AW構造の前記物理的モデルが、前記基板層に隣接する吸収体層と、前記真空層に隣接する吸収体層とをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記少なくとも1つのコア・ブロックのうちの1つが、電極を含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記物理的モデルを、前記1つのブロックの左側および右側をそれぞれ成端する2つの吸収体ブロックにさらに分割するステップと、
    前記2つの吸収体ブロックのそれぞれの応答を計算するステップと、
    前記1つのブロックと前記2つの吸収体ブロックとを結合して、計算した特徴を有する包括的なブロックにするステップとをさらに含み、
    前記物理的モデルの前記少なくとも1つの電気的特徴が、少なくとも部分的には前記包括的なブロックの前記計算した特徴から導出される、請求項1に記載の方法。
  22. 前記AW構造が、音響共振器を含む、請求項1に記載の方法。
  23. 前記少なくとも1つの電気的特徴が、周波数応答、静電容量、および共振周波数のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
  24. 周波数応答要件に従ってマイクロ波音波(AW)フィルタを構築する方法であって、
    請求項1に記載の方法に従ってAW構造を解析するステップと、
    前記AW構造を含むAWフィルタを設計するステップと、
    前記AW構造のシミュレーションに基づいて、前記AWフィルタの周波数応答を決定するステップと、
    前記AWフィルタの周波数応答を周波数応答要件と比較するステップと、
    前記比較に基づいて、前記AWフィルタを作製するステップとを含む、方法。
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