JP2019530743A - 筋萎縮の治療におけるトリプトファン代謝物質の使用 - Google Patents

筋萎縮の治療におけるトリプトファン代謝物質の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、哺乳類における筋肉量および/または筋力の増加および/または維持を目的とした薬としての使用のための、キヌレン酸、アントラニル酸、キノリン酸、ピコリン酸、キナルジン酸およびそれらの混合物の中で選択されるトリプトファン代謝物質、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物もしくは薬学的に許容される塩に関しており、特に哺乳類における筋萎縮の治療および/または予防、かつ/またはサルコペニアの症状の出現の予防としてもしくは筋肉の減少に続くリハビリテーションとして運動を行って筋肉量および/または筋質および/または筋力を増加させることを目ざす哺乳類の筋肉の成長を促進すること、かつ/または激しい肉体的負荷の後の回復時間を改善することを目的としている。【選択図】なし

Description

本発明は、筋萎縮に関連した疾患の治療および予防のために有用なトリプトファン代謝物質に関するものである。
機能面において、多くの基本動作(立ち−座りの切り替え、階段の登り、歩行)において関係する筋力と、持久力(持続する負荷の際に最大収縮レベルを維持するための能力)と、筋質(単位筋肉量当たりの力の測定値)とを分けて考えることが重要であり、これらは筋肉の脆弱または萎縮と直結している特定の疾患(悪液質、サルコペニア、サルコペニア肥満、癌、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋強直性ジストロフィー(MD)、心不全など)におけるような状況に応じて、または過度の肉体的負荷の結果として生じる筋肉損傷の際に低下し得る。等運動性持久係数(最初の3回の短縮性筋収縮と最後の3回の短縮性筋収縮との間の力関係)および筋パワー減少の変化は一般的に、状況にかかわらず有効な指標である。
サルコペニアとも呼ばれる、筋肉量および筋肉の性能および/または筋パワーの漸減による筋肉機能の老化または筋肉の衰えは、転倒数の増加、身体的自立の低下、免疫系の変化といった重大な合併症の原因となる。関係するメカニズムは多様で複雑であり、例えば引きこもった生活、身体活動の減少、栄養不良状態、潜在する炎症状態が挙げられるが、それらだけでなく筋線維の萎縮および力を生み出す能力の低下を最後には導く、筋タンパク質の分解と合成との間の不均衡といったホルモン要因や神経性要因も挙げられる。これらの同じメカニズムはまた、その影響は状況に応じて異なるが、癌、心不全や腎不全、あるいは他の慢性または急性の重大疾患(悪液質、サルコペニア肥満、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋強直性ジストロフィー(MD))の際の、また同様に筋肉損傷すなわち過度の肉体的負荷の結果としての、長く続く不動化の場合において認められる。
例えば高齢者において、アミノ酸が筋肉から奪われると、加齢に伴い罹患率が上昇するインスリン抵抗性は、筋肉量および筋パワーの減少を導く筋タンパク質のタンパク質分解を増加させることによって好ましくない役割を果たす(Bauerら、2013年;Bioloら、2014年)。同様に、タンパク同化ホルモン(テストステロン、GH−IGF1、DHEA)の比率の減少も炎症性サイトカイン(とりわけIL−6およびTNF−α)の比率の増加も、タンパク質分解のプロセスを増幅させる(Bosuttiら、2008年;Bioloら、2008年;Guilletら、2009年)。また、筋肉の再生を担当する衛星細胞の活性化の減少、骨格筋において発現し筋肉の成長および発達を阻害する役割を果たすことで知られているミオスタチン(またはGDF−8)(Lee、2010年)、atrogin−1(またはMAFbx)、およびMURF−1の比率の増加、ミトコンドリアの老化およびアポトーシス(プラグラムされた細胞死に至らせる)もまたこの現象の原因になるが、この現象はサルコペニア肥満の場合における筋肉内脂肪の増加によっても亢進し得る(Beyerら、2012年)。反対に、例えばミオスタチン遺伝子における遺伝子の突然変異は、筋線維の過形成性ならびに肥大性の成長を起因として、動物における骨格筋の量を増加させる(McPherronおよびLee、2002年および2003年;Bassら、1999年)。
筋肉の強化を、身体活動の増強によって、また食物のタンパク質の補給によって少なくとも部分的に補うことができる(Deutzら、2014年)のに対し、今日、サルコペニアの予防または治療は、各自に適した定期的な身体活動プログラムおよびタンパク質エネルギーの供給の監視にのみに基づいている。現在の推奨事項としては、持久力に関わる身体活動(エアロビクス)だけでなく、筋肉強化活動(負荷に対する)、また特に平衡性に働きかける運動が奨励されている。治療的観点から見ると、テストステロンおよび成長ホルモン(GH)は、性腺機能低下症の患者またはGHが欠乏している患者についてしか筋肉の性能を改善しない。DHEAは残念ながら、筋肉の性能という観点においてはいかなる効用も示さない。ビタミンDは転倒のリスクを減少させるが、筋パワーまたは筋力を直接改善することはない。このように、治療的および予防的な新しいアプローチを定義するために、他の研究路線が現在推し進められている。現在研究中の特定の選択的アンドロゲン受容体のモジュレーター、言い換えるとSARM、ならびにミオスタチン阻害剤は、特に栄養不良の高齢者達のもとに栄養補助食品の形態で提供される特定のアミノ酸のように有益であることが明らかになることも考えられるであろう。
トリプトファン(TRP)は、タンパク質の生合成に必要な必須アミノ酸の一つであり、また複数の生体分子の前駆体でもある。トリプトファンは、主としてキヌレニン経路(KP)によって代謝され、とりわけキヌレニン(KYN)、キヌレン酸(KA)、アントラニル酸(AA)、キサンツレン酸、キノリン酸(QUIN)、ピコリン酸(PICO)、キナルジン酸(QL−Dic)、3−OH−キヌレニンのような(少なくともおよそ100の)多数の代謝物質を生成し(Widner Bら、1997年)、またNADすなわちニコチンアミドアデニンジヌクレオチドのde novo合成のための重要な源ともなる。
低タンパク食餌療法を受けているマウスにおけるTRPの補給が、筋肉におけるIGF−1の含有量を増大させ、かつタンパク質合成、筋肉の発達または線維の大きさにおいて重要な役割を果たす遺伝子の発現を変更することによって、筋肉量の減少を減らすことができることが示された(Dukes A.ら、2015年)。一方、L−キヌレニンの効果は、テストされた用量に応じて異なる(有益なまたは否定的な効果)。以前の研究により、筋肉、その形態学、およびタンパク質合成についてのTRPの有益な効果は既に明らかになっている(Sanfilippoら、1995年;Linら、1988年)。
しかしながら、キヌレン酸、アントラニル酸、キノリン酸、ピコリン酸およびキナルジン酸の中から選択されるトリプトファン代謝物質が筋肉量について肯定的な効果を得ることができることを記述またはほのめかす文献は一つもない。それどころか、本発明にかかる実施例1において、トリプトファン代謝物質のうちの一つである3−OH−キヌレニンが、C2C12細胞におけるタンパク質合成について効果を示さないことが証明された。
目下のところ有効な治療法がないので、筋肉の性能の低下、および/または筋パワー/筋力の低下を呈する個人、また広義には哺乳類は、筋肉組織の同化作用を最大にし、また異化作用を減少させることを目的とした薬物療法、強化食品または栄養補助食品を大いに享受し得ることを考えることが必要である。
ミオスタチンは、例えばヒトのような複数の種においては筋肉の発達の負の調節因子であるが、酵素の活性およびその発現の阻害は、実際には筋肉機能不全の治療および予防に対して有益な治療的アプローチまたは医療処置を成す。
本発明はしたがって、哺乳類における筋肉量および/または筋力の増加および/または維持を目的とした薬としての使用のための、キヌレン酸(KA)、アントラニル酸(AA)、キノリン酸(QUIN)、ピコリン酸(PICO)、キナルジン酸(QL−Dic)およびそれらの混合物から選択される単数または複数のトリプトファン(TRP)代謝物質(本発明によると生成物とも呼ばれる)、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物もしくは薬学的に許容される塩に関している。
本発明の範囲内で最も有利な代謝物質はキヌレン酸(KA)であり、これは単独で、またはアントラニル酸(AA)、キノリン酸(QUIN)、ピコリン酸(PICO)およびキナルジン酸(QL−Dic)の単数または複数と組み合わせて使用することができる。
本発明は特に、哺乳類における筋肉量および/または筋力の増加および/または維持を目的とした薬としての使用のための、キヌレン酸(KA)またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物もしくは薬学的に許容される塩に関している。
本発明はさらに、哺乳類における筋肉量および/または筋力の増加および/または維持を目的とした薬としての使用のための、アントラニル酸(AA)またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物もしくは薬学的に許容される塩に関している。
本発明はさらに、哺乳類における筋肉量および/または筋力の増加および/または維持を目的とした薬としての使用のための、キノリン酸(QUIN)またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物もしくは薬学的に許容される塩に関している。
本発明はまた、哺乳類における筋肉量および/または筋力の増加および/または維持を目的とした薬としての使用のための、ピコリン酸(PICO)またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物もしくは薬学的に許容される塩に関している。
本発明はさらに、哺乳類における筋肉量および/または筋力の増加および/または維持を目的とした薬としての使用のための、キナルジン酸(QL−Dic)またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物もしくは薬学的に許容される塩に関している。
本発明は最後に、哺乳類における筋肉量および/または筋力の増加および/または維持を目的とした薬としての使用のための、キヌレン酸(KA)、アントラニル酸(AA)、キノリン酸(QUIN)、ピコリン酸(PICO)およびキナルジン酸(QL−Dic)から成る群から選択される少なくとも2つの生成物、有利には少なくとも3つの生成物、とりわけ少なくとも4つの生成物の混合物、より有利にはこれら全ての生成物の混合物、またはそれらのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物もしくは薬学的に許容される塩の混合物に関している。
有利には、本発明にかかる単数または複数の代謝物質/生成物は、哺乳類における筋萎縮の治療および/または予防、かつ/または哺乳類における筋萎縮の抑制、かつ/またはサルコペニアの症状の出現の予防としてもしくは筋肉の減少に続くリハビリテーションとして運動を行って筋肉量および/または筋質および/または筋力を増加させることを目ざす哺乳類の筋肉の成長を促進すること、かつ/または激しい肉体的負荷の後の回復時間を改善することを目的としている。
筋萎縮は特に、年齢、および/または薬物療法の影響、および/またはジストロフィンの異常に関係した疾患、および/または不動化、および/または悪液質、および/または神経性無食欲症、および/または栄養失調状態、および/または病的状態からの嚥下困難に関連している。
筋萎縮とは有利には、プレサルコペニア、サルコペニアまたは重症サルコペニアである。有利には、プレサルコペニア、サルコペニアまたは重症サルコペニアは、老化、肥満、または糖尿病や心不全のような慢性疾患に関連している。
特定の実施態様において、筋萎縮はジストロフィンの異常に関係した疾患に関連しており、該疾患はとりわけ、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、および筋強直性ジストロフィー(スタイナート病)から選択される。
さらに別の特定実施態様において、筋萎縮は不動化に関連しており、不動化はとりわけ、その原因は限定されないが例えば年齢に関連した衰弱、筋障害や入院(例えば骨折後の回復、肥満外科手術前/後のサポート、熱傷)、事故、または例えば人工膝関節や人工股関節の設置のような外科手術に起因するものである。
別の特定実施態様において、筋萎縮は悪液質に関連しており、悪液質はとりわけ、癌、後天性免疫不全症候群(AIDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心不全、肝不全、結核、末期慢性腎不全(ESRD)および慢性炎症性腸疾患(IBD)から選択される慢性疾患と結びついた悪液質である。
別の特定実施態様において、筋萎縮は、神経性無食欲症のような摂食行動障害に関連している。
別の特定実施態様において、筋萎縮は、病的状態(例えば脳血管発作(CVA)後、パーキンソン病、眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD))からの嚥下困難に関連している。
特に、本発明にかかる代謝物質/生成物が投与される哺乳類は、さらに糖尿病、肥満、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のような代謝性疾患、慢性炎症性腸疾患(IBD)、癌、腎不全や心不全、神経変性疾患、または鬱病のような精神障害を患っている。
実際に哺乳類が、糖尿病、肥満、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などのこれらの代謝性疾患、慢性炎症性腸疾患(IBD)、癌、腎不全や心不全、神経変性疾患、または鬱病のような精神障害を患っている場合には、本発明にかかる代謝物質は、上記の効果に加えてこの疾患について有利な効果をさらに有することになる。
本発明による代謝物質/生成物はまた、例えば年齢に関連したサルコペニアの症状の出現の予防としてもしくは筋肉の減少に続くリハビリテーションとして、運動を行って筋肉量および/または筋質および/または筋力を増加させることを目ざす哺乳類の筋肉の成長を促進するためにも、かつ/または激しい肉体的負荷の後の回復時間を改善するためにも有利である。
哺乳類は、動物(犬や猫のような愛玩動物)、もしくは別の動物(牛類、イノシシ類、羊類、ヤギ類、ウマ科)、またはヒトであり得、有利にはヒトである。
発明者らは、本発明による代謝物質/生成物がC2C12筋細胞におけるタンパク質合成を増加させること、C2C12筋細胞におけるミオスタチン遺伝子の発現を減少させること、および/またはC2C12細胞の筋管の直径、したがってこれらの筋線維の大きさを増大させることを可能にすることを発見した。
本発明はさらに、哺乳類における筋肉量および/または筋力の増加および/または維持、かつ/または哺乳類における筋萎縮の治療および/または予防、かつ/または哺乳類における筋萎縮の抑制、かつ/またはサルコペニアの症状の出現の予防としてもしくは筋肉の減少に続くリハビリテーションとして運動を行って筋肉量および/または筋質および/または筋力を増加させることを目ざす哺乳類の筋肉の成長を促進すること、かつ/または激しい肉体的負荷の後の回復時間を改善することを目的とした薬の製造のための、上に定義されたような本発明にかかるトリプトファン代謝物質/生成物の使用に関している。
本発明は最後に、治療および/または予防的処置のために哺乳類における筋肉量および/または筋力を維持および/または増加させるための、かつ/または哺乳類における筋萎縮の出現を遅らせるための、かつ/または哺乳類における筋萎縮を抑制するための、かつ/またはサルコペニアの症状の出現の予防としてもしくは筋肉の減少に続くリハビリテーションとして運動を行って筋肉量および/または筋質および/または筋力を増加させることを目ざす哺乳類の筋肉の成長を促進するための、かつ/または激しい肉体的負荷の後の回復時間を改善するための方法に関しており、該方法は、必要としている患者に対する本発明にかかるトリプトファン代謝物質/生成物の有効量の投与を含む。
有効量は、治療すべき症状の性質および重症度、投与経路、また同様に患者の体重および年齢に応じて調整されることになる。一般に平均用量単位は、患者がヒトである場合、1日につき単数回または複数回の服用で代謝物質/生成物、特にキヌレン酸(KA)50〜300mgの用量の値をとる。
本発明はこのように有利には、サルコペニア(老化、肥満、または糖尿病や心不全のような慢性疾患に関連している)、特定の疾患(とりわけ癌、後天性免疫不全症候群(AIDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、末期慢性腎不全(ESRD)のような疾患)と結びついた悪液質、病的状態(例えば脳血管発作(CVA)後、パーキンソン病、眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD))からの嚥下困難、筋障害や入院(例えば骨折後の回復、肥満外科手術前/後のサポート、熱傷)、神経性無食欲症、希少疾患(デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋強直性ジストロフィー(MD)など)といった、さまざまな栄養失調状態、または筋肉の脆弱もしくは萎縮に結びついた状態において使用可能である。
本発明はまた、例えば激しい肉体的負荷後の回復時間を改善するためのスポーツ医学において役立てることもできるし、また特定の動物の筋肉の量および/または質を増大させるための動物用医薬品組成物に用いることもできる。
有利な実施態様において、本発明にかかる代謝物質/生成物は、例えば化学合成によって得られた精製された形態であるか、または極性溶媒や有機溶媒やこれらの混合物において当業者に非常に知られている方法(浸漬、パーコレーションなど)によって得られた(天然または部分的に精製された)植物エキスの形態である。
実際に、トリプトファンおよび例えばキヌレン酸などのその代謝物質は、薬草、ブロッコリー、蜂蜜、ジャガイモ塊茎のような特定の草や伝統食品の中に比較的豊富である(Turski MPら、2011年;Turski MPら、2012年;Donarskiら、2010年)。
このように、天然もしくは合成の精製された活性物質またはエキスを伴う強化食品(例えば乳製品や飲料)の摂取によって、または栄養補助食品の消費によって、本発明によるTRP活性代謝物質/生成物の有効な用量を提供することが可能である。
本発明にかかる代謝物質/生成物は有利には、薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物または獣医用組成物の形態をしている。それはまた、経口投与を目的とする栄養補助食品または機能性食品組成物の形態をしていてもよい。
有利な実施態様において、本発明にかかる医薬組成物、獣医用組成物、機能性食品組成物または栄養補助食品はさらに、有利には相補的効果または相乗作用効果を有する別の活性物質を含む。
この第2の活性物質は、本発明の代謝物質と同じ医薬組成物または機能性食品組成物または獣医用組成物または同じ栄養補助食品において投与されることができる。この第2の活性物質はまた、同時にあるいは時間をずらして、別々に投与されることもできる。
この活性物質は、筋肉機能不全や筋肉量の減少の予防もしくは治療において一般に用いられている単数または複数の薬剤または栄養補助食品または食品または動物用医薬品または抗体であり得、これにより、状態(サルコペニア、サルコペニア肥満、心不全や腎不全、無食欲症、癌もしくは他の慢性疾患に関連した悪液質、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋強直性ジストロフィー(MD)、特定の病変に関連した嚥下困難、筋障害や入院、肥満外科手術、激しい肉体的負荷など)に応じて、本発明にかかる代謝物質とともに有用な薬理学的相乗作用を生み出すことが可能になる。
この活性物質は、タンパク質(クレアチンなど)の混合物もしくはアミノ酸(例えばリジン、アルギニン、ロイシン、β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸、シトルリンなど)の混合物、ビタミン(ビタミンD、ビタミンBなど)、ミネラル(マグネシウム、カルシウムなど)、またはその抗炎症特性で知られている他の機能性食品用物質(ω−3系多価不飽和脂肪酸(DHA、EPA)など)、またはその細胞作用を容易にする、リン脂質(例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン)のような他の活性栄養素などの栄養製品に相当し得る。
この活性物質はまた、特定のホルモン(成長ホルモン(GH)、インスリン様成長因子(IGF−1)など)に相当し得、それらの効果を最適化しそれらの副作用を潜在的に減少させる。
この活性物質はさらに、薬物療法(アンジオテンシンII受容体拮抗薬、またはアンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)、あるいはまたミオスタチン阻害剤もしくは抗ミオスタチン抗体など)に相当し得る。
この活性物質はさらに、変形性関節症を患う人々における不動化状態によって減少した筋肉量を増加させる目的で、軟骨保護剤(グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸または加水分解コラーゲンなど)に相当し得る。
本発明の範囲内で、「薬学的に許容される」とは、ヒトに関する薬学的用途についても獣医学的用途についても許容される、概して安心な、非毒性の、また生物学的見地からも他の見地からも望ましい医薬組成物または獣医用組成物の調合において有用であることを意味する。
本発明の範囲内で、「薬学的に許容される代謝物質または生成物の塩」とは、親代謝物質の望ましい薬理学的活性を有する、ここで定義されたような薬学的に許容される塩を意味する。それはしたがって、ヒトまたは動物に投与されたときに、いかなるアレルギー反応も、めまいのような同類の有害な反応も引き起こさない、生理学的に許容される有機酸付加塩および無機酸付加塩ならびに塩基付加塩である。塩の例としては以下を含むがそれらに限定されない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエチルメタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカン酸塩、および類似化合物。塩の他の例は、Na、NH4+やNW4+(ここでWは、C1〜4のアルキル基である)などの適切な陽イオンと混合された本発明の化合物の陰イオンを含む。
本発明の範囲内で、「代謝物質または生成物の溶媒和物」とは、本発明にかかる代謝物質/生成物へ不活性溶媒分子を付加することによって得られるあらゆる化合物を意味し、溶媒和物は分子の相互引力で形成される。溶媒和物は例えば、化合物のアルキシドである。水和物は、用いられる不活性溶媒が水である溶媒和物である。水和物は、一水和物、二水和物または三水和物であり得る。
本発明の範囲内で、「互変異性体」とは、互変異性化と呼ばれる可逆化学反応によって相互転換できる、本発明にかかる代謝物質のあらゆる構造異性体を意味する。大抵の場合、反応は、二重結合の位置決定の変更を伴う水素原子移動によって生じる。互変異性化の可能な化合物の溶液において、2つの互変異性体間の平衡状態が作り出される。互変異性体比はそのときの溶媒、温度およびpHによって決まる。互変異性はしたがって、たいていの場合、水素原子とπ結合(二重結合または三重結合)の同時に起こる移動による、ある官能基から別の官能基への変換である。一般的な互変異性体は例えば、アルデヒド/ケトン−アルコール、またはより具体的にはエノール;アミド−イミド酸;ラクタム−ラクチム;イミン−エナミン;エナミン−エナミンの対である。それは特に、プロトンの動きが開かれた構造から環への変換を伴う際に起こる、環鎖互変異性を含むことができる。
語句「賦形剤」は、医薬組成物、機能性食品組成物または獣医用組成物または栄養補助食品のために使用し得る形態および/または媒質を提供するために、医薬組成物、機能性食品組成物または獣医用組成物または栄養補助食品の製剤において使用される非毒性物質を意味する。ビヒクルは、安定剤や緩衝化されたpHの水溶液などのこれらの物質のうちの単数または複数を含み得る。機能性食品組成物または栄養補助食品において用いられ得る、または薬学的に許容される賦形剤の例としては、リン酸塩やクエン酸塩、他の有機酸を含む水性または固形の緩衝成分;アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(およそ10残基未満)のポリペプチド;血清アルブミンやゼラチンや免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシンやグルタミン、アスパラギン、アルギニン、リジンなどのアミノ酸;グルコースやマンノース、デキストリンを含む単糖類、二糖類および他の糖質;EDTAなどのキレート剤;マンニトールやソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの塩を形成する対イオン;および/またはTWEEN(登録商標)やポリエチレングリコール(PEG)、PLURONICS(登録商標)などの非イオン界面活性剤を含む。
医薬組成物、機能性食品組成物または獣医用組成物または栄養補助食品は、投与形態に適合するように調合される。許容される医薬賦形剤または機能性食品用賦形剤は、投与される組成物によって部分的に、ならびに組成物を投与するために用いられる特定の方法によって決定される。したがって、ここで記述される代謝物質/生成物を含み得る医薬組成物、機能性食品組成物または獣医用組成物または栄養補助食品の適切な多種多様の製剤が存在する。投与すべきこれらの代謝物質/生成物の投与量は個々のケースに左右され、従来通りに治療的有効量および最適な効果が得られるように個々の状況に適合されなければならない。このように投与量は、治療すべき症状の性質および重症度、疾患の進行、ならびに患者の年齢、全身の健康状態、および治療すべきヒトまたは動物の個々の反応によって決まる。1日の用量は単回投与されてもよく、とりわけ多量に投与される場合には、個々に複数の用量に分けられてもよい。
組成物は、さまざまな投与経路(口、直腸、鼻、眼内、局所−例えば局部用、経皮、口腔、膣や舌下)、非経口投与(例えば皮下、筋肉内、静脈内または真皮内)に適合された固体状、液体状または半固体状であり得る。経口投与が好ましく、この経路は、慢性的治療に最も適している。しかしながら他の経路、例えば静脈内経路や経皮経路による投与が可能である。
静注製剤は、場合によっては乳化剤、安定剤、緩衝剤や他の従来の添加剤の存在下で、無菌ビヒクルの中に混濁した、または乳化した溶解活性物質を含む。静注製剤は通常、点滴注入のための容器またはガラス瓶の中に分配され、使用時に適切なビヒクルまたは水を用いて再構成する乾燥製品の形態で保管することができる。固体医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、丸薬、再構成すべき粉末などであり得る。それらは、結合剤、増量剤、希釈剤、圧縮剤、滑沢剤、洗浄剤、着色剤、着香剤や湿潤剤などの従来の賦形剤を含み得る。錠剤は、当該技術分野において公知の方法にしたがってコーティングされてよい。適切な増量剤は、セルロース、マンニトール、ラクトース、および他の同類の物質を含む。経口投与のための液体組成物は、水性懸濁液または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であり得、あるいは使用時に適切なビヒクルまたは水を用いて再構成する乾燥製品の形であってもよい。経口投与のための液体組成物は例えば、ソルビトール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムのゲルや水素添加された食用脂肪性物質などの懸濁剤、レシチン、ソルビタンモノオレエートやアラビアガムなどの乳化剤;アーモンド油、分別ヤシ油、グリセリンエステルやプロピレングリコールエステルやエチルアルコールエステルのような油性エステルなどの非水性輸送体(食用油を含み得る);p−ヒドロキシ安息香酸メチルやp−ヒドロキシ安息香酸プロピルやソルビン酸などの防腐剤といった、従来の添加剤を含み得、また必要であれば従来の着香剤や着色剤を含み得る。
「予防」なる用語は、疾患の発現前に、病原に曝されるおそれのある患者、または疾患にかかりやすい体質の患者における疾患や障害を負うリスクまたは疾患や障害を進展させるリスクの減少を指すものである(例えば疾患の臨床症状の少なくとも1つが進展することができないようにする)。
疾患や障害の「治療」なる用語は、一実施態様において、疾患や障害の改善を意味する(例えば疾患を克服することによるもの、またはその臨床症状のうちの少なくとも1つの徴候もしくは広がり、重症度の低下)。
天然分子または合成分子が、適切な医薬担体と組み合わせて用いられることができる。そのような組成物は、本発明にかかる有効な量のTRP代謝物質または生成物、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む。
本発明は、参考までに非制限的に与えられる、以下に続く実施例および図面の説明を読むことによってより良く理解されるであろう。
C2C12筋細胞におけるタンパク質合成についてのキヌレン酸(KA)の効果を、使用された用量に応じて示している。 C2C12筋細胞におけるタンパク質合成についてのアントラニル酸の効果を示している。 C2C12筋細胞におけるタンパク質合成についてのキノリン酸の効果を示している。 C2C12筋細胞におけるタンパク質合成についてのピコリン酸の効果を示している。 C2C12筋細胞におけるタンパク質合成についての3−OH−キヌレニンの効果を示している。 C2C12筋細胞におけるミオスタチン遺伝子の発現についてのキヌレン酸の効果を示している。 C2C12筋線維の形態学的パラメータについてのキヌレン酸の効果を示している(図7A−B)。 正常なマウスにおける7日間の不動化によって誘発された筋萎縮についてのキヌレン酸の効果を示している。
C2C12細胞におけるタンパク質合成の測定
細胞をカウントし、DMEM培地において24ウエルプレートに1つのウエルにつき20000個の細胞密度で播種する。該培地は、4.5g/Lの割合でグルコースを含有し、ウシ胎児血清(10%)および抗生物質(ペニシリンおよびストレプトマイシン)が添加されている。48時間後、5日間部分血清枯渇(10%ではなく2%)により、筋芽細胞を分化誘導する。その後、37℃で1時間、グルコースもロイシンもない媒質(Krebs媒質)に細胞を入れ、次いでロイシンを高比率2.5μCi/mLで含有する無血清のDMEM培地において、試験製品(DMSO(対照)、キヌレン酸もしくはアントラニル酸もしくはキノリン酸もしくはピコリン酸もしくは3−OH−キヌレニン)、または参照(IGF−1、100ng/mL)の存在下、150分細胞をインキュベートする。インキュベートの終わりに、上清を取り除き、細胞を30分間NaOH溶液0.1Nで溶解する。放射能を細胞分画で測定し、総タンパク質量をローリー法による定量によって決定する。各条件は少なくともn=6で評価する。IGF−1、100ng/mLは、タンパク質合成を刺激する対照である。結果は、150分のインキュベート後に、タンパク質をcpm/μgで表すか、または対照条件に対する百分率で表す。結果を対照の%で表し、統計的検定を行う。ダネット検定またはダン検定(対照と比べてp<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。キヌレン酸、アントラニル酸、キノリン酸、ピコリン酸および3−OH−キヌレニンを用いて得られた結果を、図1から図5に示す。結果は、キヌレン酸、アントラニル酸、キノリン酸およびピコリン酸がタンパク質合成を有意に誘導することを示している。タンパク質合成の用量依存的刺激が、キヌレン酸の存在下、150分のインキュベート後に観察される。それに反して、別のトリプトファン代謝物質である3−OH−キヌレニンは、タンパク質合成について効果を示さない。
C2C12細胞におけるミオスタチンの遺伝子発現の測定
C2C12筋芽細胞(ATCC CRL−1772)を、1つのウエルにつき30000個の細胞密度で24ウエルプレートに播種し、4.5g/Lの割合でグルコースを含有し、ウシ胎児血清(10%)および抗生物質(ペニシリンおよびストレプトマイシン)を添加したDMEM培地で培養する。48時間後、5日間部分血清枯渇(10%ではなく2%)により、筋芽細胞を分化誘導する。その後、試験分子(DMSO(対照)もしくはIGF−1(100ng/mL)もしくはキヌレン酸)または参照(100ng/mLの濃度のIGF−1)の存在下、6時間、無血清およびグルコース枯渇培地(1g/Lのグルコースを含有するDMEM)に細胞を入れる。実験の終わりに、フェノールおよびクロロホルムを用いる従来の方法により伝令RNA(mRNA)を抽出する。簡潔に述べると、細胞を強酸およびフェノールを含有するTRIzol(登録商標)溶液(Sigma T9424)で溶解する。クロロホルムの添加後、遠心分離によりmRNAをタンパク質から分離する。mRNAは次に、イソプロパノールで析出された後、RNaseフリーおよびDNaseフリー超純水に1μg/μLの濃度で懸濁される。その後、供給元(Applied Biosystems 4368814)によって示されるプロトコールにしたがって、プライマーおよびヌクレオチド混合物の存在下、AMV酵素により、1μgのmRNAを逆転写によって相補的DNAに変換する。連鎖反応により遺伝子発現を調査するが、この連鎖反応は、ポリメラーゼ酵素を開始点とし、通常定量的条件のPCRと呼ばれるため、明確な名称はqPCRである。qPCRを、7900HT Fast Real−Time PCR検出システム(Applied Biosystems)によって実施する。プログラム条件は標準であり、95℃で15分間の1サイクル、続いて95℃で15秒間および60℃で1分間の40サイクルから成り、そして60℃〜95℃の融解曲線工程で終了する。分析サンプルは100ngのcDNA、酵素を含むqPCRバッファー、オリゴヌクレオチド混合物、およびインターカレータ(サイバーグリーン)と、戦略的に2つのエキソン配列から選択され最終濃度が200nMの、被験遺伝子に特異的なプライマー対を全て含む。蛍光プローブは二本鎖DNAに結合し、DNAに結合したときのみ蛍光を発する。蛍光閾値は、機械のプログラムにより設定する。DNA量により蛍光プローブがこの閾値を超えるとき、PCRサイクル数が得られるが、該サイクル数は「Ct」と呼ばれ、これは「Cycle Threshold」の略語でありサイクル閾値を意味する。DNAを相対的に定量する計算の基礎となるのが、この値である。サンプルおよび対照間の初発DNA量間の比Rが求められ(すなわち、R=2−(Ctサンプル−Ct対照))、この測定値は、処置により変調されないことが知られているハウスキーピング遺伝子に関係する(すなわち、R=2−△△Ct)。
使用するプライマーを以下の表1に示す。
Figure 2019530743
インキュベートの終わりに、ミオスタチン遺伝子発現を、RT−QPCRにより測定し、βアクチンのハウスキーピング遺伝子によって標準化する。統計的検定を行う。ダネット検定またはダン検定(対照と比べてp<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。キヌレン酸を用いて得られた結果を図6に示す。ミオスタチン遺伝子発現の有意な用量依存的阻害が、キヌレン酸を用いた6時間のインキュベート後に観察される。
C2C12筋線維の直径の評価
C2C12筋芽細胞(ATCC CRL−1772)を、グリセロールで処理された8ウエルプレートに1つのウエルにつき10000個の細胞密度で播種し、4.5g/Lの割合でグルコースを含有し、ウシ胎児血清(10%)および抗生物質(ペニシリンおよびストレプトマイシン)を添加したDMEM培地で培養する。48時間後、3日間、部分血清枯渇(10%ではなく2%)により、筋芽細胞を分化誘導する。その後、試験分子(DMSO(対照)もしくはキヌレン酸)または参照(10ng/mLの濃度のIGF−1もしくはデキサメタゾン10μM)の存在下、3日間、無血清およびグルコース枯渇培地(1g/Lのグルコースを含有するDMEM)に細胞を入れる。培養の終わりに、室温で1時間、グルタルアルデヒド2.5%/Triton0.1%の溶液を用いて細胞を洗浄し固定する。細胞層を、DAPI(細胞核の蛍光標識)で覆う。冷暗所で16時間保管の後、スライドグラスを蛍光顕微鏡(Carl Zeiss、AxioVert200)下で観察し、ソフトウェアAxiovision4.1を用いて画像を解析して線維の直径を測定する。
各条件を表す画像を示す。統計的検定を行う。ダネット検定またはダン検定(対照と比べてp<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。キヌレン酸を用いて得られた結果を図7に示す。キヌレン酸(100μM)の存在下での3日間のインキュベート後に、C2C12筋線維の大きさが増大しているのが観察される。
マウスにおける不動化によって誘発された筋萎縮についてのキヌレン酸の効果
四肢の不動化は、タンパク質の劣化、筋線維タイプの変化、酸化ストレスや炎症性機序に関連したメカニズムに関係する骨格筋の萎縮を誘発することで知られている。簡潔に述べると、この調査において、生後8〜9週の雄マウスCD1を使用した。Caronら(2009年)によって記述された方法に従い、左後脚の足部を、外科用ステープルによって後部頸骨屈曲位置で7日間不動化した。他方の足部(右後脚)は対照として使用する。不動継続時間の間、動物群(n=12)は、飲料水でキヌレン酸による処置を受けた(1日3mg/kg)。別の動物群は対照の役目を果たした(n=動物16匹)。7日間の調査後、動物から、両後脚の前脛骨筋を採取した。各動物につき、不動化された脚と自由な脚の筋肉の重さの差を算定した後、体重に関係づけた。結果を、対照脚と比べた不動化脚の重量減少で表し(単位は体重1g当たりのmg)、統計的検定を行う。スチューデントのt検定(対照群と比べてp<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。得られた結果は、キヌレン酸が、未処置の対照群と比べて不動化により誘発される(前脛骨筋の)筋肉量減少を有意に低下させることを示している(図8)。

Figure 2019530743

Claims (12)

  1. 哺乳類における筋肉量および/または筋力の増加および/または維持を目的とした薬としての使用のための、キヌレン酸、アントラニル酸、キノリン酸、ピコリン酸、キナルジン酸およびそれらの混合物から選択されるトリプトファン代謝物質、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物もしくは薬学的に許容される塩であって、有利にはそれはキヌレン酸に関わっている、トリプトファン代謝物質またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物もしくは薬学的に許容される塩。
  2. 薬が、哺乳類における筋萎縮の治療および/または予防、かつ/または哺乳類における筋萎縮の抑制、かつ/またはサルコペニアの症状の出現の予防としてもしくは筋肉の減少に続くリハビリテーションとして運動を行って筋肉量および/または筋質および/または筋力を増加させることを目ざす哺乳類の筋肉の成長を促進すること、かつ/または激しい肉体的負荷の後の回復時間を改善することを目的としていることを特徴とする、請求項1に記載の使用のための代謝物質。
  3. 筋萎縮が、年齢、および/または薬物療法の影響、および/またはジストロフィンの異常に関係した疾患、および/または不動化、および/または悪液質、および/または神経性無食欲症、および/または栄養失調状態、および/または病的状態からの嚥下困難に関連していることを特徴とする、請求項2に記載の使用のための代謝物質。
  4. 筋萎縮がプレサルコペニア、サルコペニアまたは重症サルコペニアであることを特徴とする、請求項2または3に記載の使用のための代謝物質。
  5. プレサルコペニア、サルコペニアまたは重症サルコペニアが、老化、肥満、または糖尿病や心不全のような慢性疾患に関連していることを特徴とする、請求項4に記載の使用のための代謝物質。
  6. ジストロフィンの異常に関係した疾患が、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、および筋強直性ジストロフィー1型(スタイナート病)から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の使用のための代謝物質。
  7. 悪液質が、癌、後天性免疫不全症候群(AIDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心不全、肝不全、結核、末期慢性腎不全(ESRD)および慢性炎症性腸疾患(IBD)から選択される疾患と結びついていることを特徴とする、請求項3に記載の使用のための代謝物質。
  8. 哺乳類はさらに、糖尿病、肥満、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のような代謝性疾患、慢性炎症性腸疾患(IBD)、癌、腎不全や心不全、神経変性疾患、または鬱病のような精神障害、とりわけ糖尿病を患っていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1つに記載の使用のための代謝物質。
  9. 哺乳類がヒトであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1つに記載の使用のための代謝物質。
  10. 精製された形態であるかまたは植物エキスの形態であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1つに記載の使用のための代謝物質。
  11. 薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物または獣医用組成物の形態であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1つに記載の使用のための代謝物質。
  12. 経口投与を目的とする栄養補助食品または機能性食品組成物の形態であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1つに記載の使用のための代謝物質。
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