JP2019530577A - 金属イオンを結合させるための方法及び溶解有機物画分の使用 - Google Patents
金属イオンを結合させるための方法及び溶解有機物画分の使用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019530577A JP2019530577A JP2019530524A JP2019530524A JP2019530577A JP 2019530577 A JP2019530577 A JP 2019530577A JP 2019530524 A JP2019530524 A JP 2019530524A JP 2019530524 A JP2019530524 A JP 2019530524A JP 2019530577 A JP2019530577 A JP 2019530577A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dom
- fraction
- phytoplankton
- complex
- chlamydomonas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F1/00—Treatment of water, waste water, or sewage
- C02F1/68—Treatment of water, waste water, or sewage by addition of specified substances, e.g. trace elements, for ameliorating potable water
- C02F1/683—Treatment of water, waste water, or sewage by addition of specified substances, e.g. trace elements, for ameliorating potable water by addition of complex-forming compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F1/00—Treatment of water, waste water, or sewage
- C02F1/58—Treatment of water, waste water, or sewage by removing specified dissolved compounds
- C02F1/62—Heavy metal compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P1/00—Preparation of compounds or compositions, not provided for in groups C12P3/00 - C12P39/00, by using microorganisms or enzymes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F2101/00—Nature of the contaminant
- C02F2101/10—Inorganic compounds
- C02F2101/20—Heavy metals or heavy metal compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F2103/00—Nature of the water, waste water, sewage or sludge to be treated
- C02F2103/10—Nature of the water, waste water, sewage or sludge to be treated from quarries or from mining activities
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F2103/00—Nature of the water, waste water, sewage or sludge to be treated
- C02F2103/20—Nature of the water, waste water, sewage or sludge to be treated from animal husbandry
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F3/00—Biological treatment of water, waste water, or sewage
- C02F3/32—Biological treatment of water, waste water, or sewage characterised by the animals or plants used, e.g. algae
- C02F3/322—Biological treatment of water, waste water, or sewage characterised by the animals or plants used, e.g. algae use of algae
Abstract
Description
本出願は、同時係属中の、2016年8月19日に出願された米国仮出願第62/377,323号及び2017年5月31日に出願された同第62/513,018号による優先権の利益を主張し、これらの仮出願それぞれの内容は、それら全体が参照により本明細書に援用される。
水を、溶解有機物(DOM)の画分と接触させて、DOM画分と金属イオンとの間で錯体を形成する工程、及び
任意選択で、錯体を水から分離する工程
を含む、方法を含む。
別途指示のない限り、本セクション及び他のセクションにおいて記載される定義及び実施形態は、当業者によって理解されるようにそれらが好適である、本明細書に記載される本出願のすべての実施形態及び態様に対して適用可能であることが意図される。
溶解有機物(DOM)は、天然系において水銀の行く末を支配し得る特性を有する、動的配位子である。モノメチル水銀の生成が無酸素性の条件下において起こる一方で、HgIIはまず、大気から沈着すると、酸素を含んだ条件下においてDOMと相互作用する。しかし、そのような相互作用について調査する研究は少なかった。本実施例では、HgII取り込みを定量化するように設計された全細胞バイオセンサと結び付けた、DOMの分子量分離のための非対称流れ流動場分離法、分解組成評価のための高分解能質量分析法に依拠する多方向アプローチを使用することで、DOM(Suwannee River(SRFA)及びPony Lake(PLFA)フルボ酸)の、Hgバイオアベイラビリティに対する役割について調査した。サイズ画分がHgIIバイオアベイラビリティに影響を及ぼしており、小さい脂肪族材料が豊富な、SRFAのより低分子量(MW)のサイズ画分が、HgIIの取り込みを支持し、理論によって束縛されることを意図するものではないが、DOMの低分子量(LMW)化合物が微生物へのHgIIシャトルとして作用する役割を支持していることが示された。より大きい芳香族材料で構成される高分子量(HMW:1800〜3500Da)画分は、SRFA及びPLFAの両方に関して、HGIIバイオアベイラビリティを有意に低減した(p<0.05)。本実施例は、酸素を含んだ環境においてHgIIバイオアベイラビリティを強化するLMW脂肪族DOMの有用性を実証しており、理論によって束縛されるものではないが、HgIIバイオアベイラビリティにおける差異が、窒素及び硫黄含有量によってのみ生み出されるのではなく、MW及び芳香族性特性によっても生み出されることが示唆される。
水を、溶解有機物(DOM)の画分と接触させて、DOM画分と金属イオンとの間で錯体を形成する工程、及び
任意選択で、錯体を水から分離する工程
を含む、方法を含む。
溶解有機物サイズ画分及び組成の、好気性水銀取り込みに対する役割
DOMの分子量(MW)及び組成がHgバイオアベイラビリティに対して有する役割を評価するために、分子量に基づいてDOMを分離するための非対称流れ流動場分離法(AF4)、MW画分の分解組成評価のためのフーリエ変換イオンサイクロトロン質量分析(FT ICR-MS)、及び全細胞バイオセンサの使用に依拠する多方向アプローチを展開して、有機配位子のサイズ及び組成が、酸素を含んだ条件下においてどのようにHgIIバイオアベイラビリティに影響を及ぼすかについて調査した。多方向アプローチにおいてこれらの技法を使用することで、Suwannee River(外来性入力に支配されている)及びPony Lake(微生物に基づく南極地方の水生生態系)に由来する2つのフルボ酸参照標準を比較して、DOMのサイズ画分及び組成がどのようにHgIIバイオアベイラビリティに影響を及ぼすかについて研究した。
(a)標準及び非対称流れ流動場分離法
SRFA及びPLFAを、国際腐植物質学会から入手し、超純水(MQW、18mΩ)中に溶解し、0.7μmのガラス繊維フィルタを通して濾過した。SRFA及びPLFAは様々な精製処理に供されたが、これらの標準は、Hgバイオアベイラビリティに対して影響を及ぼすことにおけるDOMのMW及び構造の役割に対する初期調査にとって好適なDOM源として働き、金属のバイオアベイラビリティについて研究するための参照材料として広く使用されていた20。オンラインUV-可視分光光度計(Shimadzu社、SPD-M20A)及びフラクションコレクタ(Varian ProStar 701)を備えたAF2000 Focus分画システム(Postnova Analytics社)を使用して、DOMのサイズ画分を単離した。軸流、焦点流、及び交差流に関して、それぞれ0.25、2.2、及び2.45mL/分の流れ設定を伴う、300Daのポリエーテルスルホネート(PES、Postnova Analytics社)。高分子タンパク質の較正溶液を利用して、SRFA及びPLFAの分子量を較正した21〜23。およそ2mLの200ppm-CのSRFA及びPLFAを、300μLの試料ループに注入し、溶離段階中に1分間隔で画分を収集した。それぞれのサイズ画分の溶解有機炭素(DOC)の濃度を、254nmでのUV-可視吸光度を使用して決定し、ここでは、公知のSRFA及びPLFAの濃度と、対応するUV-可視吸光度の値の較正曲線を決定した。更なる分析のために、低(LMW、300〜900Da)、中(MMW、900〜1800Da)、及び高MW(HMW、1800〜3500Da)の分子量画分を収集した。LMW画分及びMMW画分は、それぞれ、SRFA及びPLFAの両方に関して、AF4フラクトグラムにおいてピーク最大値が一致した。
大腸菌の全細胞バイオセンサを使用して、HgIIバイオアベイラビリティを評価した24。ここで、アッセイ条件については、Chiasson-Gouldら(2014年)25に記載されていた。培養物をシングルプレートコロニーから得て、カナマイシンの存在下、37℃で5mLのLB培地(LB)に播種し、対数期に至るまで6〜7時間掛かった。50マイクロリットルの培養物を、5mLのグルコース最小培地(GMM)を含有する25mLの血清ボトルに移し、一晩インキュベートした。朝に、20mLの新鮮なGMMを添加し、振盪しながら細胞を2時間インキュベートした。次いで、4mLの培養物を10,000rpmで90秒間遠心分離した後、67mMのリン酸緩衝液中に再懸濁させた。600nmでの光学密度(OD600)として測定した最終細胞密度を0.4(細胞3.0×108個/mL)に設定し、1/10希釈液をアッセイのために使用した。
エレクトロスプレーイオン化(ESI)イオン源及びParaCellイオンサイクロトロン共鳴(ICR)セルを備えた、Bruker社の7T SolariX XR FT ICR-MS(Billerica、Massachusetts)を使用して、超高分解能質量スペクトルを得た。SRFA及びPLFAのバルク試料及び画分を、pH2において、1ppm-Cに希釈した。メタノール対水/試料の比(40:60)を、それぞれ、ブランク及び試料のために、FT ICR-MSに注入した。FT ICR-MSは、サンプル注入の前に、NaTFAチューニングミックス(Thermo Scientific社)で外部較正し、3つのロック質量(すなわち、248.9603、656.8848、及び928.8344 m/z)で内部較正した。試料は、4500Vのキャピラリー電圧、120μL/時間の連続的注入速度、及び2秒のイオン蓄積時間を用いて、ネガティブESIにおいて進めて、吸着モードで200回のスキャンを蓄積した26。
(a)Hgバイオアベイラビリティに対するDOC濃度の効果
HgIIバイオアベイラビリティはまず、1から20ppm-Cの範囲の濃度のSRFA(図2)及びPLFA(図3)のバルク画分の存在下において試験した。HgIIの取り込みは、DOMを含まない試料と比較した場合、1ppm-CのSRFAの存在下において有意に増加した(一元配置ANOVA、p<0.05)が、[DOC]>5ppmにおいては減少した。PLFAの存在下においては、HgIIバイオアベイラビリティは、1ppm-Cから20ppm-Cに向かって減少した。これらのデータは、DOM濃度がHgの取り込みに影響を及ぼす平衡条件下でこれまでに観察されたこと25、32と一致している。
AF4フラクトグラムによって、SRFA及びPLFAの両方に関して、LMW画分におけるUV 254nmのピーク最大値が明らかにされ(図4)、続いてサイズ範囲が増加するにつれて、UV応答は減少した(図2)。HgIIの取り込みは、SRFAに由来するLMW及びMMWの存在下においては、それぞれ18.1%及び4.95%増加したが(図5)、すべてのPLFA画分がHgIIの取り込みを阻害した。これは理論によって束縛されることを意図するものではないが、HgIIの取り込みを促進する可能性が高い化合物が、SRFAのLMW及びMMWには存在するが、PLFAでは不在であることが示唆される(図2)。すべての場合において、HMW画分は、HgIIバイオアベイラビリティの減少において最も有効であり、SRFA及びPLFAに関して、LMW画分と比較した場合、バイオアベイラブルなHgIIにおける18.6%及び37.1%の有意な低減(p<0.05、一元配置ANOVA)をもたらした。
SRFAのLMW及びMMW画分の存在下におけるHgII取り込みの増加は、理論によって束縛されることを意図するものではないが、PLFAのLMW及びMMW画分と比較して、SRFAのH含有量が多く、O含有量が少ないことに起因するものであり得る(図6〜図11、Table 1(表1)及びTable 2(表2)、図12)。これらの結果から、理論によって束縛されることを意図するものではないが、水素化DOMが、高度に酸素化されたDOM成分とは対照的に、優先的に取り込みを促進することが示唆される33。更に、SRFAのLMW及びMMW画分に関する芳香族性指数(AI)は、PLFAのLMW画分に関するものよりも低かった(図11)。AIとバイオアベイラビリティとの間のこの逆相関は、SRFA(r2=0.97)及びPLFA(r2=0.99)の両方に関して観察され、AIがHgIIバイオアベイラビリティのための有用な予測ツールとなり得ることが示唆された(図11)2、34。HMW画分におけるAIの増加は、Hg結合に関与する、高度に分極性の配位子である芳香族フェニル官能基の存在の増加を示唆している35。HMW画分はまた、有意により低いC含有量(p<0.05)、H含有量(p<0.05)、より高いO含有量(p<0.01)、及び最大のAI値(p<0.05)を有しており、SRFA及びPLFAの両方のLMW及びMMW画分よりも酸素化された芳香族DOMであることが示された。SRFA及びPLFAの試料では、N及びS含有量における有意差は観察されず(p>0.05、図9〜図10)、理論によって束縛されることを意図するものではないが、HgIIバイオアベイラビリティにおける差異が、N及びS含有量によってのみ生み出されるのではなく、MW及び芳香族性特性によっても生み出されることが示唆された。
画分と組成の差異との間における関係性を調べるために、組成パーセントの主成分分析(PCA)及びAIを実行した(図13)。主成分1(PC1)が、脂肪族材料を示す負の値及び強化された芳香族特性の正の値によって、分散全体の52.6%を規定している一方で、主成分2(PC2)は、N/C比及びS/C比に対する相関関係によって、分散の31.5%を規定した。脂肪族材料を示す高いH/C比9は、SRFA(H/C=1.46)及びPLFA(H/C=1.31)の両方のLMW画分に対して寄与した。より大きいMWの画分がAIと関連付けられるとはいえ、これらの寄与率について、それらが本質的に関連すると叙述することはできない36。
高分解能質量分析法を使用した水銀-溶解有機物錯体の検出
水銀は、その無機形態(HgII)において、自然の酵素プロセスを撹乱し、細胞ストレスを引き起こす可能性を有する、毒性金属である。最近の人間によるプロセスは、水生系における水銀濃度の増加をもたらしており、Hgの化学種決定についての現在の理解に対して更なる調査が促されている。大気から水生系へとHgIIが沈着する際、植物プランクトンによって生成される複合溶解有機物(DOM)との即時の相互作用が、結果として生じる錯体の錯体形成、可動性、及びバイオアベイラビリティに影響を及ぼす25。DOMは、0.45μm未満の材料として操作的に定義することができる、複合有機分子の広範な混合物である。淡水環境中でのHgとDOMとの間の相互作用について理解することは、可動性及び水生生物相に対する毒性の理解にとって有用である。本研究は、Hg植物プランクトンDOM錯体を検出するための、Orbitrap質量分析法の使用に関する。いくつかの公知の研究が、これまでに、公知の配位子とのHgの相互作用を調べるためにHRMSを利用しているが、これがHRMSを使用してHg-DOMの相互作用を調べる初めての研究である。バルク植物プランクトンDOMに対するHRMSの実行及びHg相互作用の研究という前提は、分画法について検証するためであった。
高分解能質量分析法(HRMS)は、複合不均質混合物の正確な特性評価を可能にした。本研究は、HRMSを利用して、淡水環境中で植物プランクトンによって生成されるDOM、及びそれがどのようにして環境的に関連性のある濃度のHg(II)と相互作用するかについて調べた。通常のHg同位体シフトを特定することによって、Hgのピークを特定することができ、Hgに対して結合する、対応する有機配位子及び官能基について同時に特定することができる。クラミドモナス・ラインハーティ、クロレラ・ブルガリス、及びユーグレナ・グラシリスに由来する植物プランクトンDOMを、0.2μmフィルタを通して培養物を濾過することによって入手した。L-システイン(ThermoScientific社)を、Hgに対して2:1のモル比で利用して、公知の結合配位子の存在下においてHgを検出した。
(a)水銀-システイン相互作用
図15に提示されている結果から確認することができるように、モル比が2:1のシステイン及びHgの溶液中では、Hg(Cys)2錯体が検出され(上)、50:50のMeOH対水マトリックスにおいて、理論上の同位体分布(下)に対して94%の類似度で同等であった。
図16は、Hgの不在下における、クロレラ(左)、クラミドモナス(中央)、及びユーグレナ(右)由来の植物プランクトン由来DOMに関する結果を示している。スペクトルは、CH2ケンドリックマスシフトを伴う正規分布である。植物プランクトンDOMの加重平均m/zは、それぞれ、394、267、及び298である。内側にあるバンクレベレンプロットは、クロレラにおける脂質材料、クラミドモナスにおける不飽和炭化水素、及びユーグレナによって生成されたタンパク質の、相対的により大きい寄与率を示している44,28。これは、バンクレベレン図によって描写されているO/C比及びH/C比に基づいていた。植物プランクトン由来DOM中に存在する低分子量材料(900Da未満)の存在量は、理論によって束縛されることを意図するものではないが、高度に不安定な化合物が生成されることを示唆する。Hgに対して環境的に関連性のある濃度及び比のDOMでは、多くの割合のHgが、植物プランクトンDOM中の窒素及び硫黄含有ヘテロ原子に対して結合しているのが見出された。Hg-DOM相互作用、並びに平衡条件及び偽平衡条件の両方について調べることで、Hgの場所における全体的変化が示された。Hgの即時の大気沈着の際における、植物プランクトン由来DOMとの相互作用を理解することは、例えば、淡水系におけるHgの可動性及びバイオアベイラビリティを予測するのに役立ち得る。
図17は、測定された錯体を描写するスペクトル(上)、及び下にある理論上の同位体分布との比較を示している。観測されたスペクトルでは、観測対予測m/zにおいて、±5ppmの差異が見出された。Winnowによるピークの逆重畳は、Hgの7つの同位体パターンの存在を更に強固にした。例えば、理論上の同位体分布と、式C37H66OHgを有する錯体(クロレラ由来)は72%の類似度を有し、式C38H62ONHgS2を有する錯体(クラミドモナス由来)は69%の類似度を有し、式C4H11O4HgS2を有する錯体(ユーグレナ由来)は62%の類似度を有した。
図18は、質量スペクトル、並びにHgと錯体形成していることが見出された、検出された有機配位子と関連するボックス、すなわち、C37H66OHg(クロレラ由来、左)、C38H62ONHgS2(クラミドモナス由来、中央)、及びC4H11O4HgS2(ユーグレナ由来、右)を示している。他の研究で、DOM源における差異が、Hgの取り込み及びバイオアベイラビリティに対してどのように影響を及ぼし得るかについて調べてもよい(例えば、実施例1を参照されたい)。ChemSpiderにおける構造との比較に基づいて、これらの式に関する提案された構造を、それぞれ、スキーム1に示す。
Hgに結合する有機配位子を特定するために、高分解能質量分析法を利用することができる。バイオアッセイの結果に基づけば、可変性を決定する場合、DOMのサイズは重要な変項である。したがって、HRMSによる、検出されたHg-DOM錯体の相対的存在量及びm/zを使用して、バイオアベイラビリティを予測することができる。後続のHg-DOM錯体の分画を促進することができる。以前の方法が化学種決定に関する最小限の情報しか提供しないのに対して、本方法は、Hg結合に関する、植物プランクトンによって生成された有機配位子の元素情報及び構造情報を提供することができる。
水銀の可動化のための分画されたLMW化合物
非対称流れ流動場分離法(AF4)を使用して、Suwannee Riverフルボ酸(SRFA)、クロレラ・ブルガリス、クラミドモナス・ラインハーティ、及びユーグレナ・グラシリスに由来する溶解有機物を、分子量に基づいて3つの別個の画分へと分離した(図19)。低分子量(LMW:300〜900Da)、中分子量(MMW:900〜1800Da)、及び高分子量(HMW:1800〜3500Da)の画分を収集し、250pMのHg(NO3)2に対して曝露した。棒グラフの結果が、(図20)に示されている。これらの知見は、例えば、分画されたLMW有機化合物を、汚染水域における水銀の可動化を制御するために利用できることを示している。
水銀結合LMW化合物の特定:高分解能質量分析法によって明らかになった、植物プランクトン系DOMと水銀との間における分子相互作用
植物プランクトンDOMの組成、及びHgとのその相互作用は、無機Hgがメチル化を行う生物によってどのように吸収されるかを理解するための基本的な工程である。高分解能質量分析法(HRMS)が、国際腐植物質学会(IHSS)の標準、藻類、及びDOMに関する化合物レベルの情報を提供するために使用されてきた。この作業の目的は、例えば、(1)HRMSを使用して、植物プランクトンDOM-Hg相互作用を評価すること、及び(2)異なる光サイクル中の、Hg結合DOMの構造特性を調査することである。Orbitrap質量分析法の感度及び分解能が、DOM-Hg錯体の検出を可能とする。
(a)藻類成長及びDOC濃度
ユーグレナ・グラシリス・クレブス(Euglena gracilis Klebs)を、Boreal Laboratory Supplies Ltd社(St. Catharines、ON、Canada)から入手した。ユーグレナ・グラシリスを、ボールド基本培地(BBM)を使用して、pH5.65において、16:8時間の明対暗サイクルの下で成長させた。DOM分析のために、細胞を、細胞およそ1.0×106個/mLで収集した。クラミドモナス・ラインハーティ、クロレラ・ブルガリス、及びセネデスムス・オブリクスの実験室で成長させた培養物を、Waterloo、OntarioのCanadian Phycological Culture Center(CPCC)から入手し、クラミドモナスには高塩培地(HSM)を、クロレラ及びセネデスムスにはBBMを使用して成長させた。成長条件には、フォトン90〜100μmol/m/秒の一定の光強度及び21℃の一定の温度における、標準光レジーム及び高光レジームの光周期(それぞれ、16:8時間及び20:4時間の明対暗)が含まれた。培養物を、細胞密度が細胞1×106個/mLとなった、指数成長期の中頃に収集し、予燃焼した0.7μmのガラス繊維フィルタ(GF/F Whatman)を通して濾過し、酸洗浄及び予燃焼したガラス器具内に入れた。植物プランクトン由来DOMの生物学的デュープリケートを、両方の光レジームにおいて収集した。濾過した植物プランクトン由来DOCの濃度を、全有機炭素(TOC)分析計を使用して測定し、更なる分析のために、1mg C/Lに固定した(Table 3(表3))。
0.001MのqBBrの新鮮な貯蔵液(Sigma Aldrich社)を、アンバーガラス瓶に毎日準備し、アルミニウム箔で覆った。一連のqBBr標準添加溶液は、5mLのDOM試料を、異なる体積のqBBr(0、25、50、100、250、400、500、600、750、900μL)と混合することによって調製し、0、4.98、9.90、19.61、47.62、74.07、90.91、107.14、130.43、152.54μMの対応する最終qBBR濃度が結果としてもたらされた。混合物をアルミニウム箔で覆い、室温で1時間混合した。qBBr当量チオール濃度を、1cmのクォーツキュベットを備えたFluoromax4分光光度計(Horiba Jobin Yvon社)を使用して、この標準添加によって決定した。380nmの励起波長を使用し、試料の発光を、400から500nmで監視した。qBBr発光バックグラウンドを補正した後、470nmでの最大発光(λ470)が測定された。qBBr溶液のバックグラウンド蛍光を得るために、DOM試料の代わりにmilliQを用いて、一連の溶液について同様に調べた。qBBrタグはチオールに対して1:1のモル比で結合するため、試料におけるqBBrの飽和レベルは、チオール濃度に対応する。総チオール濃度を、非線形区分回帰(SigmaPlot、v10)を使用して決定した(0.97<R2<0.99、p<0.05)21。
植物プランクトン由来DOMの分子組成を、加熱エレクトロスプレーイオン化(HESI)源を備えたOrbitrap Q Exactive(Thermo Fisher Scientific社、Bremen、Germany)を使用して決定した。注入前に、超高純度MeOH(99.9% HPLCグレード、Sigma Aldrich社)を用いて50:50の試料対MeOH比に試料を希釈し、超高純度NaOH(Sigma Aldrich社)を用いてpHを6.8に調整した。ポジティブイオン化モード[M+H]+を利用し、50μL/分の一定の流速で試料を注入し、エレクトロスプレーニードル電圧は4kVであり、加熱キャピラリー温度は300℃であった。Chenら、2017年によれば、高分解能質量分析法を使用した場合、Hg含有化合物はネガティブモードでは検出されなかった一方で、細菌由来DOMを調べた際にポジティブESIが利用されていた53ことから、ESIにはポジティブイオン化を利用した。140,000の分解能(m/z 200における半値全幅)が見出され、それぞれの試料に対して、トリフルオロ酢酸ナトリウム(NaTFA、Sigma-Aldrich社、98%)を内部標準として添加して、200〜1000m/zの質量範囲の間における精密質量精度を確保した。Thermo Xcalibur Qual Browser(3.0.63)ソフトウェアのデータ事後解析段階において共付加するための200回のスキャンが可能となるように、試料を最低5分間得た。式の帰属の前に、植物プランクトン成長培地及びMeOH:超高純度の混合物に対して、バックグラウンド除去法を実行した。式の帰属に関する元素の制約は、:12C(0〜50)、1H(0〜100)、16O(0〜30)、14N(0〜2)、32S(0〜2)、13C(0〜1)、34S(0〜1)、及び23Na(0〜1)であり、奇窒素ルールを使用した。分子式を、相同系列のケンドリックマスディフェクトシフト(CH2)、炭素及び硫黄の同位体(13C及び34S)に基づいて検証して、シグナル・ノイズ比が4以上であり、精密質量誤差が±2ppm以内の式にした(それぞれ、図21及び図22)28、49。0.67を上回る改変された芳香族性指数(AImod)を有する分子式は、更なる分析から省略した30。MatLabスクリプトを使用して、バンクレベレン図に基づいて、高分解能質量分析法による化合物クラスの数を決定した。簡潔に述べれば、脂質材料(0.01≦O/C≦0.1、1.5≦H/C≦2.0)、不飽和炭化水素(0.01≦O/C≦0.1、0.75≦H/C≦1.5)、縮合芳香族構造(0.01≦O/C≦0.65、0.25≦H/C≦0.75)、タンパク質(0.1≦O/C≦0.65、1.5≦H/C≦2.3、N≧1)、ヘテロ原子を伴わない(CHOのみ)リグニン(0.1≦O/C≦0.65、0.75≦H/C≦1.5)、タンニン(0.65≦O/C≦0.85)、(0.75≦H/C≦1.5)、及び炭水化物(0.65≦O/C≦1.0、1.5≦H/C≦2.5)28、29、49を見出すことができた。また、O/Cwa、H/Cwa、S/Cwa、%Cwa、%Hwa、%Owa、%Nwa、%Swaの強度加重平均、m/zwa、改変された芳香族性指数(AImod)、及び見かけの炭素の酸化状態(NOSC)も、両方の光レジームにおいて、植物プランクトン由来DOMに関して計算した50〜52。
2.5×10-6mol/LのHg(NO3)(AASグレード)及び1ppmの有機配位子(すなわち、植物プランクトンDOM又はL-システイン)を混合することによってHg溶液を調製し、分析の前に少なくとも24時間暗中で保持した。Orbitrap質量分析法を使用してHg-硫黄相互作用を調べる先行研究において、同等のHg濃度を利用した47。pH溶液を、超高純度NaOHを用いて、pH6.8に固定した。L-システイン(SigmaAldrich社)又はDOMにHgを添加した後、24時間の接触時間の後、Orbitrap質量分析計において試料を分析した。Hg含有化合物を検出するために、以前のESI高分解能質量分析法によるHg研究46と同様に、202Hg及び200Hg同位体を、式の帰属に関する元素の制約に加えた。Winnowソフトウェア45を使用して、7種のHgの同位体置換体を検出した(196Hg、198Hg、200Hg、201Hg、202Hg、及び204Hg)。70%を上回るWinnowスコアを有するピークのみ、202Hg及び200Hgの天然のHg同位体存在量に基づいて検証して、Xcalibur同位体シミュレーション(3.0.63)を使用して、Hg含有DOM化合物を確信的に特定した。Hg結合DOMの間の構造的差異を比較するために、16:8時間及び20:4時間のサイクルにおいて、双方向の階層型クラスター分析及びノンパラメトリックなスピアマンの相関行列を、JMP(バージョン11)を使用して、O/C、H/C、N/C、S/C原子比の加重平均、%C、%H、%N、%O、%Sに関する元素の組成百分率、並びにAImod、NOSC、及びm/zに基づいて実行した。クラスターは、95%信頼区間でのBray-Curtis類似度測定に基づいた。また、加重平均、m/z分布における変化、及び化合物クラスの差異を比較するために、生物学的デュープリケートについて、一元配置分散分析(ANOVA)を実行した。
推定上の配位子-Hg錯体を特定するために、Hgと錯体形成している有機配位子を、2ppm以下の誤差でのm/z比較及び同位体パターンの比較に基づき、公知の細菌のシデロフォアのデータベース、京都遺伝子ゲノム百科事典(KEGG)データベース及びMetlin Metaboliteデータベースからの配位子と更に比較した45、54〜58。同様のアプローチを、高い度合いの精度での代謝物の高スループット検出を可能にするために、FT ICR-MSを組み込んだメタボロミック操作を実行した59。シデロフォア及び配位子の潜在的な精密質量特定を可能にするために、構造をデータベースと比較する際に、14Nの範囲を3未満から7未満に増加させた。これらの化合物の構造は、例えば、タンデムMS/MS分析を実行することによって確認することができる。Hg結合化合物の精密質量及び同位体確認を可能にするために、これらの推定上の同位体の理論上の同位体分布を調べた。
(a)光曝露の増加によるDOM組成における変化
図23〜図26は、Hgの不在下(図23及び図25)及びその存在下(図24及び図26)における、光曝露の増加による、クロレラ由来のDOM組成の変化を示している。図27〜図30は、Hgの不在下(図27及び図29)及びその存在下(図28及び図30)における、光曝露の増加による、クラミドモナス由来のDOM組成の変化を示している。図31〜図34は、Hgの不在下(図31及び図33)及びその存在下(図32及び図34)における、光曝露の増加による、セネデスムス由来のDOM組成の変化を示している。総計で482〜1541の質量ピークを、2つの光周期中の、これらの3つの分類群の間で帰属させた。質量ピークは主に、単荷電ピークで構成されており(図23〜図34)、CH2相同系列でシフトを検証した(図23〜図34、内側のグラフ)。16:8時間の明:暗光周期の持続期間において、これらの3つの植物プランクトン分類群のそれぞれが、生成されたDOMにおける組成の差異を呈した。第1に、クロレラは、セネデスムス及びクラミドモナスよりも低い平均m/zwaを示した(643対731及び676、図35、上の行右から2番目のプロット)。クロレラは、他の分類群と比較した場合、より大きいH/Cwa、N/Cwa、及びS/Cwaを示し、理論によって束縛されることを意図するものではないが、より小さい、脂肪族の硫黄含有タンパク質の放出が示唆された(図35、上の行左から2〜4番目のプロット)60。クラミドモナスDOMが最大の%Cwa(70.8%)を有し、セネデスムス(68.7%)及びクロレラ(67.7%)が続いた(図35、下の行左端のプロット)。光周期の持続期間を20時間に増加させた後、植物プランクトンDOMの平均元素比は、より高いH/Cwa及びより低いAImodへとシフトしており、これは、すべての植物プランクトンに関して、より多くの脂肪族水素化材料の分泌と一貫性があった(図35、それぞれ、上の行左から2番目のプロット及び上の行右端のプロット)。%Nwaは、クロレラ(2.89±0.08%対2.32±0.14%)、セネデスムス(2.08±0.13%対1.98±0.02%)、及びクラミドモナス由来DOM(1.79±0.07%対1.97±0.28%)に関して、有意に変化しなかった(図35、下の行左から3番目のプロット)。%Sは、クロレラ(3.33±0.06%対3.81±0.17%)及びクラミドモナス(3.37±0.02%対4.05±0.22%)に関して有意に増加したが、一方でセネデスムスについては、%Sにおける有意な変化は見出されなかった(3.21±0.07%対3.45±0.11%、ANOVA、p>0.05)。qBBr滴定は、クロレラ及びクラミドモナスに関して、qBBr活性チオール濃度における有意な増加を明らかにしたが(ANOVA、p<0.05)、これらの傾向は、HRMSの結果と同等に、セネデスムスについては観察されなかった(Table 4(表4))。NOSCwa値は、すべての植物プランクトンDOMに関して増加し、理論によって束縛されることを意図するものではないが、光の持続期間が増加するにつれて、無極性からより極性の化合物へとシフトすることが示唆された(図35、下の行右端のプロット)。光酸化ストレスは明示的に測定されなかったが、光酸化ストレスによって引き起こされる、より高い度合いの光呼吸が、理論によって束縛されることを意図するものではないが、植物プランクトンにおいて増加した炭素損失のメカニズムとして提案されており、これは、より高い光の培養物において測定された、増加したDOC濃度と合致している(Table 3(表3))61。
Hg錯体形成は、モデル配位子、すなわちシステインの存在下において観察された。ここでは、精密質量は、単純なMeOH:H2Oマトリックスにおいて、すべてのHg同位体に関して±5ppm未満であった46。6種のHg含有式の中でも、202HgC6H13N2O4S2 +が、Hg-システイン試料(モル比は1:2)において、ポジティブモードで特定された(図40、上)。Hg同位体の全体的分布は、理論上の同位体分布の天然存在量(図40、下)と一貫性があった46。実験由来のスペクトルは、最も豊富なピークとして、それぞれ理論上の分布から-2.25ppm及び-2.26ppm異なる、202Hg及び200Hg同位体を明らかにした。202Hgと200Hgとの間のピーク強度比は、検出されたHg-Cys錯体に関して0.81:1であり、これは、天然の同位体比(0.77:1)46と同等であった。15Tフーリエ変換イオンサイクロトロン質量分析(FT ICR MS)を組み込んだ他の研究において、Hg同位体の精密質量は±1ppmを達成しているが、これらの結果は、錯体混合物においてOrbitrap質量分析法を使用することで、Hg同位体を有用に特定できることを示している75。FT ICR-MSは、DOMの特性評価に関して一般的に好まれる独立型の方法となっているが、支配的なHg同位体に関する確信的情報を提供しながら、DOMの分子組成を正確に決定するために、Orbitrap質量分析法を利用してもよい75。
植物プランクトン由来DOMのスペクトル全体は、Hg添加の前後で同様であり、理論によって束縛されるものではないが、ESI Orbitrap HRMS中のイオン抑制が限定されていることが示唆された(図23〜図34)。総計で44、61、及び52種のHg-DOM錯体が、16:8時間光レジームにおいて検出され、それぞれ、クロレラ、クラミドモナス、及びセネデスムスの20時間光培養物において85、121、及び53種に増加した。検出されたHg-DOM錯体は、すべての試料にわたって帰属された総ピークのうち、およそ1.6〜2.6%を占めた。植物プランクトンDOMに対するHgの添加は、金属を含まない試料においても同様のピークを保持しながら、Hgの同位体置換体の特定を可能にした(図41)。実験的に検出された、[202HgC35H60O7N2S]+、[202HgC39H82O6NS2]+、及び[202HgC37H64O6N]+の元素式を、それぞれ、クロレラ、クラミドモナス、及びセネデスムスにおける精密質量及び理論上のHg同位体分布に基づいて検証した(図42、それぞれ、上から2番目、下から3番目、下)。200Hg及び202Hg同位体については、Hgの同位体確認のためにチェックした一方で、より低い存在量のHg同位体(すなわち、196Hg、198Hg、201Hg、及び204Hg)もまた観察されたが(図42)、15T FT ICR-MS46と比較すると相対的強度は遥かに低かった。
Hg結合DOMの構造特性が、分類群の間で、また光曝露によってどのように異なるかを評価するために、相関ヒートマップによる双方向の階層型クラスター分析を実行した(図44〜図45)。3つのクラスターが、それぞれの光レジームに関して、95% Bray-Curtis類似度測定に基づいて見出された(図44〜図45)。グループ1は主に、分泌されたHg結合DOMの%Nwa、N/Cwa、m/zwa、%Hwa、H/Cwa、及び%Cwaの間における類似度によって結び付けられるセネデスムス及びクロレラに由来する、16:8時間光レジームにおける分子式化合物クラスの70%を含んだ。クラミドモナスのCHOS、CHOS2、CHO、及びCHON2S Hg結合DOM化合物は、主として、%Owa、O/Cwa、NOSCwa、及びAImodの強力な影響に起因して、グループ2にクラスター化された。グループ3は、主として高い%Swa、S/Cwa、O/Cwa、及びNOSCwaに影響を及ぼされた、クロレラ及びセネデスムスのCHOS2化合物を含んだ。クラミドモナスによって放出された、より大きく、より芳香族であり、且つ酸化されたDOMと比較した場合、クロレラ及びセネデスムスは、より小さく、Nが豊富であり、且つ極性のHg結合配位子を生成した。光周期の持続期間における変化が、Hg結合分子の数及び割合における変化をもたらした一方で、Hg結合DOMの全体的構造特性(AImod、%Cwa、%Hwa、%Owa)は有意に変化しなかった。16:8から20:4でのCHO及びCHONSの割合における有意な変化(p<0.05)は観察されたが、Hg結合DOMの全体的構造特性(AImod、O/Cwa、N/Cwa)は、光レジーム間において有意に変化しなかった。
本研究は、Hg-植物プランクトン由来DOM錯体の確信的な特定を可能とするために、Orbitrap高分解能質量分析法を組み込む。低分子量DOMは、少なくとも、クロレラ由来のデスフェリオキサミン、環状トリクリソバクチン、カルボキシマイコバクチン一水和物、エキソケリン、クラミドモナス由来のフェリオキサミン、セネデスムス由来のデスフェリオキサミン、デスフェリオキサミン一水和物、ビブリオフェリン、及びアシネトフェリン、並びにユーグレナ由来のシデロケリンA、ベナルチン、クリソバクチン、ジヒドロキシ安息香酸、リゾバクチン、及びシゾキネンを含むように特定された。Table 5(表5)は、クロレラ、クラミドモナス、セネデスムス、及びユーグレナ・グラシリス由来のLMW DOM化合物の独自性を示している。
本研究は、Hg-植物プランクトン由来DOM錯体の特定を可能とするために、Orbitrap高分解能質量分析法を組み込む。Hg結合DOMの分子組成は、Orbitrap HRMSを使用して確信的に決定することができる。本研究は、異なる光周期での分類群間における植物プランクトンDOM組成の多様性、及びこれらのDOM-Hg錯体を、HRMSを使用してどのように検出及び特性評価することができるのかについて強調している。植物プランクトンにおける分類学的差異が、Hg結合において役割を果たしていること、及びセネデスムスとクロレラHg結合DOMとの間には、クラミドモナスよりも大きい類似度が存在することが示された。Orbitrap HRMSの使用は、Hg結合DOM分子の推定上の特定のために利用することができる。
細菌のHgバイオアベイラビリティに対するDOM濃度の効果
I.材料及び方法
実施例1に記載されているようなバイオレポーターアッセイを使用して、クロレラ、クラミドモナス、セネデスムス、及びユーグレナ・グラシリスに由来する植物プランクトン有機物の増加する濃度の影響を評価した。酸素を含んだ条件及び無酸素性の条件の両方において、DOMの不在下の5nMのHgを較正として利用して、DOMを欠いた系を観察した。クロレラ、クラミドモナス、セネデスムスに関しては、0.1、0.5、及び1ppmの増加する濃度のDOMを、アッセイ前に1時間、Hgと結合させた。ユーグレナに関しては、1ppm未満の濃度はHgの可動性に対して有意に影響を及ぼさなかったため、1、5、10、20、及び30ppmの範囲の濃度のDOMを使用した。
DOM濃度が増加するにつれて、好気性アッセイのユーグレナ・グラシリスを除き、好気性アッセイ及び嫌気性アッセイの両方において、すべての植物プランクトンに関してHgの可動性が減少するという、一貫性があり且つ有意な傾向が存在する。10ppmを上回って増加するDOMの濃度は、大腸菌細胞内へのHgの可動性を強化することが示された(図52)。Orbitrap高分解能質量分析法のスペクトルは、一部のより高い分子量のDOM分子が1ppmのDOMでユーグレナ・グラシリスによって生成されているものの、これらの化合物は、30ppmのDOMというより高いDOM濃度では優先的には放出されないことを明らかにしている(図53)。理論によって束縛されることを意図するものではないが、これらの結果は、より高いDOM濃度においてユーグレナ・グラシリスによって選択的に放出される低分子量の分子の強化が、これらの位置エネルギー源に結合したHgイオンをより小さい細菌に対して輸送し得ることを示している。
フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析法を使用した、セネデスムス・オブリクスによって生成された溶解有機物中の有機配位子の特定
実験室で成長させたセネデスムス・オブリクスの培養物を、Waterloo、OntarioのCanadian Phycological Culture Center(CPCC)から入手した。細胞を、成長チャンバにおいて恒常的に通気しながら、フォトン90〜100μmol/m/秒の一定の光強度及び21℃の一定の温度における標準的光レジーム(16:8時間、明対暗)で、ボールド基本培地(BBM)を使用して成長させた。
(参考文献)
Claims (25)
- 水中の金属イオンを結合させる方法であって、
水を、溶解有機物(DOM)の画分と接触させて、DOM画分と金属イオンとの間で錯体を形成する工程、及び
任意選択で、錯体を水から分離する工程
を含む、方法。 - DOMの画分が、DOMの低分子量有機化合物画分(LMW-DOM)である、請求項1に記載の方法。
- LMW-DOMが、150〜900Da、任意選択で300〜900Daの範囲の分子量を含む、請求項2に記載の方法。
- LMW-DOMが、3-メチルジオキシインドール、ベレンジン、リノレオイル、グルコナピン、N-アセチルロイシル-ロイシル-メチオニアナール、アミノペントール、モモルジシリン、スルファニルアミド、ジヒドロキシペンタトリアコンタ-2,4-ジエン酸、オリゴペプチド(例えば、Ala-Thr-Leu-His、L-ロイシル-L-アスパラギニルグリシル-L-リジル-L-アラニル-L-ロイシル-L-バリル-L-グルタミン酸、L-ロイシル-L-アスパラギニルグリシル-L-リジル-L-アラニル-L-ロイシル-L-バリル-L-グルタミン酸、及び/又はL-バリル-L-アスパラギニル-L-イソロイシル-L-グルタミニル-L-リジル-L-α-グルタミル-L-イソロイシン)、2-ヒドロキシヘプタン酸、(E)-ペンタ-1,3-ジエン-2-オール、ジグリセリド、
トリカプリル酸グリセロール、5,7,3',4'-テトラヒドロキシ-3,6,5'-トリメトキシフラボン、9-オクタデセン酸、1,2,3,4-テトラキス-o-(4-ニトロベンゾイル)ペントピラノース、セラミド、セフスロジンモノバクタム、2,7,9-トリカルボキシピロロ(2,3-f)キノリン-4-オール-5-オン、テトラデカン-1、1-(O-アルファ-D-グルコピラノシル)-3-ケト-(1,25R,27R)-オクタコサントリオール、2,4-ビス[4,5-ビス(ペンチルアミノ)イソキノリン-1-イル]シクロブタン-1,3-ジオン、バクテリオホパンテトロールシクリトールエーテル、アザスピラシド-3、ブルンスビカミドA、シデロケリンA、ベナルチン、クリソバクチン、ジヒドロキシ安息香酸、リゾバクチン、シゾキネン、デスフェリオキサミン、環状トリクリソバクチン、カルボキシマイコバクチン、エキソケリン、ビブリオフェリン、アシネトフェリン、フェリオキサミン、又はそれらの混合物を含む、請求項2又は3に記載の方法。 - DOMの画分が、DOMの高分子量有機化合物画分(HMW-DOM)である、請求項1に記載の方法。
- HMW-DOMが、1800〜3500Daの範囲の分子量を含む、請求項5に記載の方法。
- 方法が、除去されるべき金属イオンを有する廃水の浄化のためのものであり、水が廃水である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- 廃水が、生活廃水、都市廃水、産業廃水、又はそれらの組合せである、請求項7に記載の方法。
- 産業廃水が、採掘作業からの流出液を含む、請求項8に記載の方法。
- 分離が、錯体を微生物と接触させて、錯体を捕捉することを含む、請求項1から4及び7から9のいずれか一項に記載の方法。
- DOMが、植物プランクトンに由来する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
- 植物プランクトンが、クロレラ種、クラミドモナス種、ユーグレナ種、ケイ藻類、ラン藻類、原生生物、又はそれらの混合物である、請求項11に記載の方法。
- 植物プランクトンが、クロレラ・ブルガリス、クラミドモナス・ラインハーティ、ユーグレナ・グラシリス、ユーグレナ・ミュータビリス、セネデスムス・オブリクス、タラシオシラ・ワイスフロギイ、又はそれらの組合せである、請求項12に記載の方法。
- 植物プランクトンが、ユーグレナ・グラシリスである、請求項13に記載の方法。
- DOM画分が、化学的に合成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
- DOM画分が、水素化窒素含有化合物を含み、前記化合物の水素対炭素の元素比(H/C)が、1.65を上回る、請求項1から3及び5から15のいずれか一項に記載の方法。
- DOM画分が、流動場濾過、限外濾過、又は超遠心分離によってDOMから単離される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
- DOM画分が、流動場濾過を含む方法によってDOMから単離される、請求項17に記載の方法。
- DOMが、DOM画分中において増加した百分率の1種又は複数の所望される金属イオン結合化合物を得るのに好適な条件下で生成される、請求項17又は18に記載の方法。
- 条件が、DOM画分中において増加した百分率の1種又は複数の所望される金属イオン結合化合物を得るのに好適な条件下で植物プランクトンの培養物を成長させることを含む、請求項19に記載の方法。
- 条件が、所望される培地、温度、光、pH、イオン強度、及び金属濃度のうちの1つ又は複数を含む、請求項20に記載の方法。
- 条件が、光レジームを変えることを含む、請求項21に記載の方法。
- 金属イオンが、希土類元素、二価金属、遷移金属、又は二価遷移金属である、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
- 金属イオンが、Hg2+又はCd2+である、請求項22に記載の方法。
- 水中の金属イオンを結合させるための、溶解有機物(DOM)の画分の使用。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201662377323P | 2016-08-19 | 2016-08-19 | |
US62/377,323 | 2016-08-19 | ||
US201762513018P | 2017-05-31 | 2017-05-31 | |
US62/513,018 | 2017-05-31 | ||
PCT/CA2017/050984 WO2018032115A1 (en) | 2016-08-19 | 2017-08-18 | Methods and uses of dissolved organic material fractions for binding metal ions |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019530577A true JP2019530577A (ja) | 2019-10-24 |
Family
ID=61196042
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019530524A Pending JP2019530577A (ja) | 2016-08-19 | 2017-08-18 | 金属イオンを結合させるための方法及び溶解有機物画分の使用 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US10773978B2 (ja) |
EP (1) | EP3494093B1 (ja) |
JP (1) | JP2019530577A (ja) |
BR (1) | BR112019003361A2 (ja) |
CA (1) | CA3034122A1 (ja) |
MX (1) | MX2019001971A (ja) |
WO (1) | WO2018032115A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111137945A (zh) * | 2020-01-13 | 2020-05-12 | 中国科学院南京土壤研究所 | 利用微生物-光催化耦合去除污水中抗生素的方法及其上转换-二氧化钛复合材料 |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018032115A1 (en) | 2016-08-19 | 2018-02-22 | Gueguen Celine | Methods and uses of dissolved organic material fractions for binding metal ions |
WO2018184120A1 (en) | 2017-04-07 | 2018-10-11 | Winters Cameron | Methods and uses of encapsulated exudates and dried euglena biomass for binding metal |
DE102018107923B4 (de) * | 2018-04-04 | 2022-03-31 | Helmholtz-Zentrum Dresden - Rossendorf E. V. | Verfahren und Verwendung von Siderophoren zur Rückgewinnung von Nichteisenmetallen aus Industrieabwässern |
CN110794008A (zh) * | 2019-10-18 | 2020-02-14 | 天津大学 | 一种快速测定溶解性有机物电子转移能力的方法 |
CN113443722B (zh) * | 2021-07-29 | 2022-11-08 | 中国科技开发院广西分院 | 一种高效药剂、制备工艺及其在水产养殖废水处理中的应用 |
CN115758690B (zh) * | 2022-11-07 | 2023-11-24 | 中国科学院烟台海岸带研究所 | 一种场地土壤砷生物有效性预测模型及其构建方法和应用 |
CN117185499B (zh) * | 2023-11-08 | 2024-01-30 | 北京大学 | 一种耐受磺胺类抗生素的集胞藻pcc 6803及其应用 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4939951A (ja) * | 1972-08-25 | 1974-04-15 | ||
JPH0283093A (ja) * | 1988-09-20 | 1990-03-23 | Fumio Onuki | クラミドモナス属単細胞緑藻を利用する産業廃水の浄化法 |
JPH09263751A (ja) * | 1996-03-27 | 1997-10-07 | Agency Of Ind Science & Technol | 重金属イオン捕捉剤及びその製造方法 |
JP2012501244A (ja) * | 2008-08-29 | 2012-01-19 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 廃水その他の液体流から水銀を除去する方法 |
JP2016036784A (ja) * | 2014-08-08 | 2016-03-22 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 排水処理方法及び排水処理装置 |
Family Cites Families (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL7309212A (ja) | 1972-07-07 | 1974-01-09 | ||
DE3713882A1 (de) | 1987-04-25 | 1988-11-03 | Kernforschungsanlage Juelich | Verfahren zur biologischen desulfonierung von sulfonierten organischen verbindungen in abwaessern |
US5055402A (en) * | 1989-01-04 | 1991-10-08 | Bio-Recovery Systems, Inc. | Removal of metal ions with immobilized metal ion-binding microorganisms |
FR2698350B1 (fr) | 1992-11-23 | 1994-12-23 | Commissariat Energie Atomique | Dispositif d'épuration d'un effluent liquide chargé en polluants et procédé d'épuration de cet effluent. |
DE4322743C2 (de) | 1993-07-08 | 1997-07-10 | Peter Prof Dr Pohl | Verfahren zur Gewinnung und Anwendung von Adsorptionsmaterial |
JP2005529621A (ja) | 2002-06-19 | 2005-10-06 | デーエスエム イーペー アセッツ ベスローテン フェンノートシャップ | 微生物細胞及び微生物油の低温殺菌方法 |
CA2801065C (en) | 2003-10-02 | 2020-04-28 | Dsm Ip Assets B.V. | Production of high levels of dha in microalgae using modified amounts of chloride and potassium |
DE602004029090D1 (de) | 2003-12-30 | 2010-10-21 | Dsm Ip Assets Bv | Entlüftungsverfahren |
US20080197075A1 (en) * | 2006-09-07 | 2008-08-21 | Musale Deepak A | Removing mercury and other heavy metals from industrial wastewater |
US20110153213A1 (en) * | 2008-09-29 | 2011-06-23 | Catherine Lynn Buchanan | Method to evaluate plants and soils to optimize conditions for phytoremediation |
US8911630B2 (en) * | 2009-01-14 | 2014-12-16 | Savannah River Nuclear Solutions, Llc | Process for treating waste water having low concentrations of metallic contaminants |
CA2756035A1 (en) | 2009-03-20 | 2010-09-23 | Algal Scientific Corporation | System and method for treating wastewater via phototactic heterotrophic microorganism growth |
DE102010001907A1 (de) | 2010-02-12 | 2011-08-18 | Gesellschaft zur Förderung von Medizin-, Bio- und Umwelttechnologien e.V., 06120 | Verfahren und Vorrichtung zur Produktion von Biogas |
JP2011246605A (ja) | 2010-05-26 | 2011-12-08 | Hitachi Plant Technologies Ltd | バイオ燃料製造方法 |
WO2012151673A1 (en) | 2011-05-10 | 2012-11-15 | Noble Adam J | Use of algae in recovery |
SG10201605966TA (en) | 2011-07-21 | 2016-09-29 | Dsm Ip Assets Bv | Eicosapentaenoic acid-producing microorganisms, fatty acid compositions, and methods of making and uses thereof |
WO2013138899A1 (en) | 2012-03-23 | 2013-09-26 | Noble Adam J | Euglena biofilter |
US20140242676A1 (en) | 2013-02-01 | 2014-08-28 | Los Alamos National Security, Llc | Artificial leaf-like microphotobioreactor and methods for making the same |
US10920187B2 (en) * | 2014-03-25 | 2021-02-16 | Boise State University | Ultraviolet radiation pre-treatment of wastewater, improving its utility for algal cultivation |
MX2017012103A (es) | 2015-03-24 | 2018-11-12 | Terravia Holdings Inc | Composiciones de microalgas y sus usos. |
US20170210641A1 (en) | 2015-12-14 | 2017-07-27 | The Governors Of The University Of Alberta | Biosorbents for removal of contaminants from waste/oil sand process-affected water (ospw) and consolidation of oil sands tailings |
US10464852B2 (en) * | 2016-05-13 | 2019-11-05 | University Of Maryland, Baltimore County | Phosphorus extraction and recovery system (PEARS) |
WO2018032115A1 (en) | 2016-08-19 | 2018-02-22 | Gueguen Celine | Methods and uses of dissolved organic material fractions for binding metal ions |
WO2018184120A1 (en) | 2017-04-07 | 2018-10-11 | Winters Cameron | Methods and uses of encapsulated exudates and dried euglena biomass for binding metal |
CN107673483B (zh) | 2017-10-09 | 2020-06-26 | 浙江省海洋水产研究所 | 一种铜污染海水的生物处理方法 |
-
2017
- 2017-08-18 WO PCT/CA2017/050984 patent/WO2018032115A1/en unknown
- 2017-08-18 BR BR112019003361A patent/BR112019003361A2/pt active Search and Examination
- 2017-08-18 CA CA3034122A patent/CA3034122A1/en not_active Abandoned
- 2017-08-18 US US16/326,541 patent/US10773978B2/en active Active
- 2017-08-18 MX MX2019001971A patent/MX2019001971A/es unknown
- 2017-08-18 EP EP17840680.7A patent/EP3494093B1/en active Active
- 2017-08-18 JP JP2019530524A patent/JP2019530577A/ja active Pending
-
2020
- 2020-09-11 US US17/017,894 patent/US11440822B2/en active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4939951A (ja) * | 1972-08-25 | 1974-04-15 | ||
JPH0283093A (ja) * | 1988-09-20 | 1990-03-23 | Fumio Onuki | クラミドモナス属単細胞緑藻を利用する産業廃水の浄化法 |
JPH09263751A (ja) * | 1996-03-27 | 1997-10-07 | Agency Of Ind Science & Technol | 重金属イオン捕捉剤及びその製造方法 |
JP2012501244A (ja) * | 2008-08-29 | 2012-01-19 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 廃水その他の液体流から水銀を除去する方法 |
JP2016036784A (ja) * | 2014-08-08 | 2016-03-22 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 排水処理方法及び排水処理装置 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
DIEGUEZ C. MARIA(外5名): "INFLUENCE OF DISSOLVED ORGANIC MATTER CHARACTER ON MERCURY INCORPORATION BY PLANKTONIC ORGANISMS: AN", JOURNAL OF ENVIRONMENTAL SCIENCES, vol. 25, no. 10, JPN6021025339, 2013, pages 1980 - 1991, XP055469769, ISSN: 0004544841, DOI: 10.1016/S1001-0742(12)60281-2 * |
MILLER L. CARRIE(外3名): "INFLUENCE OF DISSOLVED ORGANIC MATTER ON THE COMPLEXATION OFMERCURY UNDER SULFIDIC CONDITIONS", ENVIRONMENTAL TOXICOLOGY AND CHEMISTRY, vol. 26, no. 4, JPN7021002409, 2007, pages 624 - 633, XP055469766, ISSN: 0004544840, DOI: 10.1897/06-375R.1 * |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111137945A (zh) * | 2020-01-13 | 2020-05-12 | 中国科学院南京土壤研究所 | 利用微生物-光催化耦合去除污水中抗生素的方法及其上转换-二氧化钛复合材料 |
CN111137945B (zh) * | 2020-01-13 | 2022-07-05 | 中国科学院南京土壤研究所 | 利用微生物-光催化耦合去除污水中抗生素的方法及其上转换-二氧化钛复合材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA3034122A1 (en) | 2018-02-22 |
EP3494093B1 (en) | 2022-05-18 |
US11440822B2 (en) | 2022-09-13 |
US20190210898A1 (en) | 2019-07-11 |
US20200407252A1 (en) | 2020-12-31 |
MX2019001971A (es) | 2019-08-29 |
BR112019003361A2 (pt) | 2019-05-28 |
EP3494093A4 (en) | 2020-01-22 |
US10773978B2 (en) | 2020-09-15 |
EP3494093A1 (en) | 2019-06-12 |
WO2018032115A1 (en) | 2018-02-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2019530577A (ja) | 金属イオンを結合させるための方法及び溶解有機物画分の使用 | |
Mangal et al. | Aerobic and anaerobic bacterial mercury uptake is driven by algal organic matter composition and molecular weight | |
Kiran et al. | Chromium binding capacity of Lyngbya putealis exopolysaccharides | |
Janssen et al. | Fractionation of mercury stable isotopes during microbial methylmercury production by iron-and sulfate-reducing bacteria | |
Cosio et al. | Effects of macrophytes on the fate of mercury in aquatic systems | |
Wang et al. | Analysis on the formation condition of the algae-induced odorous black water agglomerate | |
Fang et al. | Formation of carbonaceous and nitrogenous disinfection by-products from the chlorination of Microcystis aeruginosa | |
Diéguez et al. | Influence of dissolved organic matter character on mercury incorporation by planktonic organisms: an experimental study using oligotrophic water from Patagonian lakes | |
Ábalos et al. | Determination of volatile alkyl sulfides in wastewater by headspace solid-phase microextraction followed by gas chromatography–mass spectrometry | |
Wu et al. | Quantitative relationship between cadmium uptake and the kinetics of phytochelatin induction by cadmium in a marine diatom | |
Mangal et al. | Molecular characterization of mercury binding ligands released by freshwater algae grown at three photoperiods | |
Mangal et al. | An untargeted metabolomic approach for the putative characterization of metabolites from Scenedesmus obliquus in response to cadmium stress | |
Torstensson et al. | Elevated temperature and decreased salinity both affect the biochemical composition of the Antarctic sea-ice diatom Nitzschia lecointei, but not increased pCO2 | |
Garcia-Calleja et al. | Determination of the intracellular complexation of inorganic and methylmercury in cyanobacterium Synechocystis sp. PCC 6803 | |
Yang et al. | Transcriptomic analysis dissects the regulatory strategy of toxic cyanobacterium Microcystis aeruginosa under differential nitrogen forms | |
Bastida et al. | Assimilation of benzene carbon through multiple trophic levels traced by different stable isotope probing methodologies | |
Ogra et al. | Biotransformation of organic selenium compounds in budding yeast, Saccharomyces cerevisiae | |
Bluemlein et al. | Selenite enhances arsenate toxicity in Thunbergia alata | |
Li et al. | Regulation strategy for nutrient-dependent carbon and nitrogen stoichiometric homeostasis in freshwater phytoplankton | |
Angeles-de Paz et al. | Assembled mixed co-cultures for emerging pollutant removal using native microorganisms from sewage sludge | |
Gutensohn et al. | The combined effect of Hg (ii) speciation, thiol metabolism, and cell physiology on Methylmercury Formation by Geobacter sulfurreducens | |
Zhang et al. | Effect of phosphate loading on the generation of extracellular organic matters of Microcystis aeruginosa and its derived disinfection by-products | |
Yan et al. | Comparative effects of inorganic and organic nitrogen on the growth and microcystin production of Microcystis aeruginosa | |
Lewis et al. | Molecular characterization of water extractable Euglena gracilis cellular material composition using asymmetrical flow field-flow fractionation and high-resolution mass spectrometry | |
Du et al. | Effect of external phosphate addition on solid-phase iron distribution and iron accumulation in Mangrove Kandelia obovata (SL) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200814 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210610 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210705 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20210924 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211220 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220509 |