JP2019529592A - セルロースエーテルアセテートフタレート - Google Patents

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Abstract

フタリル基の置換度が、0.02〜0.25であり、フタリル基の中和度が、0.5以下であり、アセチル基の置換度が、0.02〜0.40であり、フタリル基とアセチル基との総置換度が、0.50以下である、セルロースエーテルアセテートフタレートが提供される。2℃で少なくとも2.0重量パーセントの水への溶解度を有する、セルロースエーテルアセテートフタレート。

Description

本発明は、新規のセルロースエーテルアセテートフタレート、及びカプセルシェルもしくは固体薬物分散体を製造するための、または剤形をコーティングするためのそれらの使用に関する。
様々なエステル化セルロースエーテルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(HPMCAP)、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)などの医薬分野で有用である。国際特許出願第WO2014/137777号は、水性NaOHまたはアセトン中の低粘度のそのようなエステル化セルロースエーテルを開示している。
いくつかのエステル化セルロースエーテルは、医薬剤形用の腸溶性ポリマーとして知られている。腸溶性ポリマーは、胃の酸性環境での溶解に対して耐性のあるポリマーである。そのようなポリマーでコーティングされた剤形は、酸性環境における不活性化もしくは分解から薬物を保護する、または薬物による胃の刺激を防止する。
低溶解性薬物を含む固体非晶質分散体を形成するためにHPMCAPを使用することが示唆されている。多数の現在知られている薬物は、水への溶解度が低いので、剤形を調製するために複雑な技術が必要とされる。1つの既知の方法は、このような薬物を、HPMCAPなどの薬学的に許容されるポリマーと一緒に有機溶媒中に溶解させ、溶液を噴霧乾燥させることを含む。HPMCAPは、薬物の結晶性を低下させることによって、薬物の溶解に必要な活性化エネルギーを最小限に抑え、さらに薬物分子の周囲に親水性条件を確立するとによって、薬物自体の溶解度を改善して、そのバイオアベイラビリティ、すなわち、摂取時の個体によるその生体内への吸収を高めることを目的としている。
国際特許出願第WO2006/082518号は、フタリル基の置換度が少なくとも0.05、好ましくは少なくとも0.10であり、アルカニル基の置換度が少なくとも0.3、好ましくは少なくとも0.4であるヒドロキシプロピルメチルセルロースアルカニルフタレートポリマーを開示している。0.09〜0.20のフタリル基の置換度及び0.61〜0.90のアセチル基の置換度を有するHPMCAPポリマーが例示される。HPMCAP及び薬物は、メタノールまたはアセトンに溶解され、噴霧乾燥されて、HPMCAP中の薬物の噴霧乾燥固体分散体を製造する。しかしながら、有機溶媒は、多くの場合、医薬または栄養用途には望ましくない。さらに、有機溶媒の取り扱いは、複雑さを増す。
H.Kokuboらは、Chem.Pharm. Bull.45(8)1350−1353(1997),Vol.45,No.8.において「Development of Cellulose Derivatives as Novel Enteric Coating Agents Soluble at pH3.5−4.5 and Higher」を開示している。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、pH約4で溶解することができる酸保護のための新規の腸溶性コーティング剤を開発するためのベースポリマーとして選択された。HPMCをトリメリット酸、フタル酸、マレイン酸、またはコハク酸で様々な置換度で修飾した。ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテート(HPMCT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートマレエート(HPMCAM)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)の中和度による水への溶解度を試験した。H.Kokuboらの論文に開示されているように、解離していない形態のカルボキシル基を有する腸溶性コーティングポリマーは、水への溶解度が非常に低い。中和度は、脱プロトン化カルボキシル基とプロトン化カルボキシル基との合計に対する、脱プロトン化カルボキシル基の比を定義し、すなわち、中和度が低いほど、解離していない形態でより多くのカルボキシル基が存在する。滴定によってpHを上昇させると、カルボキシル基の中和度が増加し、ポリマーの水溶性が増加する。HPMC誘導体の溶解度は、カルボキシル基のタイプ及びそれらの置換度に依存するが、試験されたHPMC誘導体はすべて、その中和度が0.3未満である場合、精製水に不溶性であった。HPMCPグレードHP−50の溶解度は、その中和度が0.8までは精製水に不溶性であった。残念なことに、十分な中和度を有して水溶性であるそのようなHPMC誘導体から製造されたコーティングまたはカプセルは、胃における溶解に対して十分に耐性ではなく、酸性環境における不活性化もしくは分解から薬物を保護する、または薬物による胃の刺激を防止することができない。
したがって、低い中和度であっても水溶性である新規のタイプのエステル化セルロースエーテルを見出すことが望ましい。水溶性であるが、それでも胃の酸性環境での溶解に対して耐性を示す新規のタイプのエステル化セルロースエーテルを見出すことがよりいっそう望ましい。
驚くべきことに、フタリル基の少なくとも半分が非中和であるが水に溶解することができる新規のセルロースエーテルアセテートフタレートが見出された。さらに、新規のセルロースエーテルアセテートフタレートは、胃の酸性環境での溶解に対して耐性を示す。
本発明の一態様は、フタリル基の置換度が、0.02〜0.25であり、フタリル基の中和度が、0.5以下であり、アセチル基の置換度が、0.02〜0.40であり、フタリル基とアセチル基との総置換度が、0.50以下である、セルロースエーテルアセテートフタレートである。
本発明の別の態様は、水性希釈剤に溶解した少なくとも1つの上記セルロースエーテルアセテートフタレートを含む液体組成物である。
本発明のさらに別の態様は、少なくとも1つの上記セルロースエーテルアセテートフタレート及び有機希釈剤を含む液体組成物である。
本発明のさらに別の態様は、上述した液体組成物を剤形と接触させるステップを含む、剤形をコーティングするためのプロセスである。
本発明のさらに別の態様は、上述した液状組成物を浸漬ピンと接触させるステップを含む、カプセルシェルを製造するためのプロセスである。
本発明のさらに別の態様は、コーティングが、少なくとも1つの上記セルロースエーテルアセテートフタレート含むコーティングされた剤形である。
本発明のさらに別の態様は、少なくとも1つの上記セルロースエーテルアセテートフタレートを含むポリマーカプセルシェルである。
本発明のさらに別の態様は、上述したカプセルシェルを含み、薬物もしくは栄養補助食品、またはそれらの組み合わせをさらに含むカプセルである。
本発明のさらに別の態様は、少なくとも1つの上記セルロースエーテルアセテートフタレート中の少なくとも1つの活性成分の固体分散体である。
驚くべきことに、本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートが2℃で少なくとも2.0重量パーセントの水への溶解度を有することが見出された。少量の沈降物のみを有する、または好ましい実施形態では、沈降物がない透明もしくは濁った溶液が、2℃以下の温度で得られる。調製した溶液の温度を15℃または20℃に上昇させても、沈殿は起こらない。さらに、本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートの好ましい実施形態の水溶液は、わずかな高温でゲル化する。これは、本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートを、例えば、カプセルを製造するため、または剤形をコーティングするための様々な用途において非常に有用にする。本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートの利点を以下により詳細に説明する。
セルロースエーテルアセテートフタレートは、本発明の文脈においてアンヒドログルコース単位と称されるβ−1,4−グリコシド結合D−グルコピラノースの繰り返し単位を有するセルロース主鎖を有する。セルロースエーテルアセテートフタレートは、好ましくはアルキルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシアルキルセルロースアセテートフタレート、またはヒドロキシアルキルセルロースアセテートフタレート、より好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレートである。これは、本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートにおいて、アンヒドログルコース単位のヒドロキシル基の少なくとも一部が、アルコキシル基もしくはヒドロキシアルコキシル基、またはアルコキシル基とヒドロキシアルコキシル基との組み合わせで置換されていることを意味する。ヒドロキシアルコキシ基は、典型的には、ヒドロキシメトキシル、ヒドロキシエトキシル、及び/またはヒドロキシプロポキシル基である。ヒドロキシエトキシル及び/またはヒドロキシプロポキシル基が好ましい。典型的には、1種または2種類のヒドロキシアルコキシ基がセルロースエーテルアセテートフタレート中に存在する。好ましくは、単一の種類のヒドロキシアルコキシル基、より好ましくはヒドロキシプロポキシルが存在する。アルコキシル基は、典型的には、メトキシル、エトキシル、及び/またはプロポキシル基である。メトキシル基が好ましい。上記で定義したセルロースエーテルアセテートフタレートの実例は、アルキルセルロースアセテートフタレート、例えばメチルセルロースアセテートフタレート及びプロピルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシアルキルセルロースアセテートフタレート、例えばヒドロキシエチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート、及びヒドロキシブチルセルロースアセテートフタレート、ならびにヒドロキシアルキルメチルセルロースアセテートフタレート、例えばヒドロキシエチルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシメチルエチルアセテートフタレート、エチルヒドロキシエチルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルエチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシブチルメチルセルロースアセテートフタレート、及びヒドロキシブチルエチルセルロースアセテートフタレート、ならびに2つ以上のヒドロキシアルキル基を有するもの、例えばヒドロキシエチルヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレートである。最も好ましくは、セルロースエーテルアセテートフタレートは、ヒドロキシアルキルメチルセルロースアセテートフタレート、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレートである。
ヒドロキシアルコキシル基によるアンヒドログルコース単位のヒドロキシル基の置換度は、ヒドロキシアルコキシ基のモル置換基、MS(ヒドロキシアルコキシル)で表される。MS(ヒドロキシアルコキシル)は、セルロースエーテルアセテートフタレート中のアンヒドログルコース単位当たりのヒドロキシアルコキシル基の平均モル数である。ヒドロキシアルキル化反応の間、セルロース主鎖に結合したヒドロキシアルコキシ基のヒドロキシル基は、アルキル化剤、例えばメチル化剤、及び/またはヒドロキシアルキル化剤によってさらにエーテル化することができる。無水グルコース単位の同じ炭素原子位置に対する複数のその後のヒドロキシアルキル化エーテル化反応により側鎖が生じ、複数のヒドロキシアルコキシル基が、エーテル結合によって互いに共有結合され、各側鎖が、全体としてセルロース主鎖にヒドロキシアルコキシ置換基を形成する。
したがって、「ヒドロキシアルコキシ基」という用語は、上記に概説したような単一のヒドロキシアルコキシル基または側鎖のいずれかを含む、ヒドロキシアルコキシ基の構成単位としてヒドロキシアルコキシ基を言及する場合には、MS(ヒドロキシアルコキシ)の文脈で解釈しなければならず、2つ以上のヒドロキシアルコキシ単位がエーテル結合によって互いに共有結合されている。この定義の範囲内で、ヒドロキシアルコキシル置換基の末端ヒドロキシル基が、さらにアルキル化、例えばメチル化されるかどうかは重要ではなく、アルキル化及び非アルキル化ヒドロキシアルコキシル置換基の両方がMS(ヒドロキシアルコキシ)の決定のために含まれる。本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートは、一般に、0.05〜1.00、好ましくは0.08〜0.70、より好ましくは0.15〜0.60、最も好ましくは0.15〜0.40、特に0.20〜0.40の範囲のヒドロキシアルコキシル基のモル置換度を有する。
無水グルコース単位当たりのメトキシル基などのアルコキシル基で置換されたヒドロキシル基の平均数は、アルコキシル基の置換度、DS(アルコキシル)と称される。上記DSの定義において、「アルコキシル基によって置換されるヒドロキシル基」という用語は、本発明の範囲内でセルロース主鎖の炭素原子に直接結合したアルキル化ヒドロキシル基だけでなく、セルロース主鎖に結合したヒドロキシアルコキシル置換基のアルキル化ヒドロキシル基も含むと解釈されるべきである。本発明によるセルロースエーテルアセテートフタレートは、一般に、1.0〜2.5、好ましくは1.2〜2.2、より好ましくは1.6〜2.05、最も好ましくは1.7〜2.05の範囲のDS(アルコキシル)を有する。
最も好ましくは、セルロースエーテルアセテートフタレートは、DS(アルコキシル)について上に示した範囲内のDS(メトキシル)及びMS(ヒドロキシアルコキシル)について上に示した範囲内のMS(ヒドロキシプロポキシル)を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(HPMCAP)である。
本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートの本質的な特徴は、フタリル基のその置換度である。フタリル基の置換度は、少なくとも0.02、好ましくは少なくとも0.03、より好ましくは少なくとも0.04、最も好ましくは少なくとも0.05である。フタリル基の総置換度は、0.25以下である。本発明のいくつかの実施形態では、フタリル基の置換度は、最大0.18、または最大0.15、またはさらにわずか最大0.10である。本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートは、水中のその濃度に応じて、実施例の項に記載したように高温でゲル化することが見出されている。
本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートは、0.02〜0.40のアセチル基の置換度を有する。アセチル基の置換度は、好ましくは少なくとも0.04、より好ましくは少なくとも0.05、最も好ましくは少なくとも0.07である。本発明のいくつかの実施形態では、アセチル基の置換度は、少なくとも0.10である。セルロースエーテルアセテートフタレートは、好ましくは最大0.35、より好ましくは最大0.30、最も好ましくは最大0.25のアセチル基の置換度を有する。
フタリル基及びアセチル基の総置換度は、0.50以下、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.40以下、最も好ましくは0.35以下である。フタリル基及びアセチル基の総置換度は、好ましくは少なくとも0.10、より好ましくは少なくとも0.15、いくつかの実施形態では少なくとも0.20である。
セルロースエーテルアセテートフタレート中のフタリル基の含有量は、ヒプロメロースフタレート中のフタリル基について、Hypromellose phthalate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF 33,pp.6701−6702に記載されたように決定される。
アセチル基の含有量は、「Hypromellose Acetate Succinate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF 29,pp.1548−1550」に記載されているのと同様に決定される。
セルロースエーテルアセテートフタレート中のエーテル基の含有量は、「Hypromellose」、United States Pharmacopeia and National Formulary,USP 35,pp 3467−3469に記載されているのと同様に決定される。
上記分析により得られたエーテル基及びエステル基の含有量は、以下の式に従って個々の置換基のDS及びMS値に変換される。これらの式は、他のセルロースエーテルエステルの置換基のDS及びMSを決定するために類似の様式で使用されてもよい。
慣例により、重量パーセントは、すべての置換基を含むセルロース繰り返し単位の総重量に基づく平均重量パーセントである。メトキシル基の含有量は、メトキシル基(すなわち、−OCH)の質量に基づいて報告される。ヒドロキシアルコキシ基の含有量は、ヒドロキシアルコキシ基(すなわち、−O−アルキレン−OH)、例えばヒドロキシプロポキシル(すなわち、−O−CHCH(CH)−OH)の質量に基づいて報告される。アセチル基の含有量は、アセチル基(すなわち、−C(O)−CH)の質量に基づいて報告される。フタリル基の含有量は、フタリル基(すなわち、−C(O)−C−COOH)の質量に基づいて報告される。
本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートでは、フタリル基の中和度は、0.5以下、一般に0.45以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下、最も好ましくは0.1以下、特に0.05以下、またはさらに0.01以下である。中和度は、本質的にゼロであっても、それよりわずかに上、例えば最大10−3、またはさらに最大10−4でさえあり得る。本明細書で使用される「中和度」という用語は、脱プロトン化カルボキシル基とプロトン化カルボキシル基との合計に対する脱プロトン化カルボキシル基の比、すなわち、中和度=[−C(O)−C−COO ̄]/[−C(O)−C−COO ̄+−C(O)−C−COOH]を定義する。
中和度は、Chem.Pharm.Bull.45(8)1350−1353(1997),Vol.45,No.8,at page 1350における「Development of Cellulose Derivatives as Novel Enteric Coating Agents Soluble at pH 3.5−4.5 and Higher」において、H.Kokuboらに記載されているように滴定によって評価することができる。中和されたフタリル基では、カウンターカチオンは、好ましくは、アンモニウムカチオン、例えばNH 、またはアルカリ金属イオン、例えばナトリウムもしくはカリウムイオン、より好ましくはナトリウムイオンである。
驚くべきことに、本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートは、2℃で少なくとも2.0重量パーセントの水への溶解度を有すること、すなわち、2℃で水中の少なくとも2.0重量パーセント溶液、好ましくは少なくとも3.0重量パーセント溶液、より好ましくは少なくとも5.0重量パーセント溶液、最も好ましくは少なくとも10.0重量パーセント溶液として溶解することができることが見出された。一般に、本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートは、2℃の温度で水中の最大20重量パーセント溶液として、または最も好ましい実施形態では、最大30重量パーセント溶液としてさえ溶解することができる。本明細書で使用される「2℃で水中のx重量パーセント溶液」という用語は、セルロースエーテルアセテートフタレートのxgが2℃で(100−x)gの水に溶解することを意味する。
実施例の項に記載したように水溶性を決定するとき、本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートは、好ましくは、少なくとも85重量%、典型的には少なくとも90重量%、より典型的には少なくとも95重量%、多くの場合少なくとも99重量%のセルロースエーテルアセテートフタレートが、2℃で2.5重量部のセルロースエーテルアセテートフタレートと97.5重量部の水との混合物に可溶性である溶解度特性を有する。典型的には、この溶解度はまた、2℃で5もしくは10重量部のセルロースエーテルアセテートフタレートと、95もしくは90重量部の水との混合物中で、またはさらに2℃で20重量部のセルロースエーテルアセテートフタレートと80重量部の水との混合物中で観察される。
より一般的な用語では、驚くべきことに、本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートは、フタリル基の中和度が低いにも関わらず、セルロースエーテルアセテートフタレートが、0.5超、または上に列挙した好ましい範囲にセルロースエーテルアセテートフタレートの中和度を増加させない水性液体とブレンドされる場合、例えば、セルロースエーテルアセテートフタレートが、脱イオン水または蒸留水などの水のみとブレンドされる場合であっても、2℃の温度で水性液体に可溶性であることが見出された。沈降物がない透明または濁った溶液が、2℃で得られる。
さらに、本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートの水溶液は、高温、典型的には25〜70℃、より典型的には30〜60℃でゲル化することが見出された。これは、本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートを、例えば、カプセルを製造するため、及び剤形をコーティングするための様々な用途において非常に有用にする。高温でのヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(HPMCAP)などのこれらのセルロースエーテルアセテートフタレートの水溶液のゲル化は、セルロースエーテルアセテートフタレートを製造するための出発物質として使用されるセルロースエーテルの水溶液がゲル化しなくても観察される。例えば、本発明の実施例は、本発明のゲル化HPMCAPを例証しているが、それらを調製するための出発物質として使用される対応するヒドロキシプロピルメチルセルロースは、かなりの程度ゲル化しない。本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートのゲル化は、典型的には、セルロースエーテルアセテートフタレート及び水性液体の総重量に基づいて、2〜30重量パーセント、より典型的には5〜20重量パーセントの濃度で生じる。ゲル化は可逆的であり、すなわち、20℃に冷却するとゲルは、液体水溶液に変換される。
本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートが可溶性である水性液体は、少量の有機液体希釈剤をさらに含んでもよいが、水性液体は、一般に、水性液体の総重量に基づいて、少なくとも80重量パーセント、好ましくは少なくとも85重量パーセント、より好ましくは少なくとも90重量パーセント、特に少なくとも95重量パーセントの水を含むべきである。本明細書で使用される「有機液体希釈剤」という用語は、有機溶媒または2つ以上の有機溶媒の混合物を意味する。好ましい有機液体希釈剤は、1つ以上のヘテロ原子、例えば酸素、窒素、または塩素のようなハロゲンを有する極性有機溶媒である。より好ましい有機液体希釈剤は、アルコール、例えばグリセロールなどの多官能性アルコール、または好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、もしくはn−プロパノールなどの単官能性アルコール、エーテル、例えばテトラヒドロフラン、アセテート、例えばエチルアセテート、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、もしくはニトリル、例えばアセトニトリルである。より好ましくは、有機液体希釈剤は、1〜6個、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有する。水性液体は、塩基性化合物を含んでもよいが、得られるセルロースエーテルアセテートフタレートと水性液体とのブレンド中のセルロースエーテルアセテートフタレートのフタリル基の中和度は、さらに上に記載されるように0.50未満または好ましい上限を超えてはならない。好ましくは、水性液体は、実質量の塩基性化合物を含まない。より好ましくは、水性希釈剤は、塩基性化合物を含有しない。さらにより好ましくは、水性液体は、水性液体の総重量に基づいて、80〜100パーセント、好ましくは85〜100パーセント、より好ましくは90〜100パーセント、最も好ましくは95〜100パーセントの水と、0〜20パーセント、好ましくは0〜15パーセント、より好ましくは0〜10パーセント、最も好ましくは0〜5パーセントの有機液体希釈剤とを含む。最も好ましくは、水性液体は、水、例えば脱イオン水または蒸留水からなる。最も好ましくは、水性液体は、水、例えば脱イオン水または蒸留水からなる。
本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートは、一般に、20℃で0.43重量%の水性NaOH中のセルロースエーテルアセテートフタレートの2.0重量%溶液として測定される、最大200mPa・s、好ましくは最大100mPa・s、より好ましくは最大50mPa・s、最も好ましくは最大5.0mPa・sの粘度を有する。一般に、粘度は、20℃で0.43重量%の水性NaOH中のセルロースエーテルアセテートフタレートの2.0重量%溶液として測定される、少なくとも1.2mPa.s、より典型的には少なくとも1.8mPa・s、さらにより典型的には少なくとも2.4mPa・s、最も典型的には少なくとも2.8mPa・sである。
本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートの製造の詳細は、実施例に記載されている。以下に、製造プロセスのいくつかの態様が記載されている。本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートは、さらに上に記載されるアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースなどのセルロースエーテルをエステル化することによって製造することができる。セルロースエーテルは、好ましくは、さらに上に記載されるようにDS(アルコキシル)及び/またはMS(ヒドロキシアルコキシル)を有する。エステル化のための出発物質として使用されるセルロースエーテルは、一般に、ASTM D2363−79(再承認2006)に従って、20℃で2重量%の水溶液として測定される、1.2〜200mPa・s、好ましくは1.8〜100mPa・s、より好ましくは2.4〜50mPa・s、特に2.8〜5.0mPa・sの粘度を有する。このような粘度のセルロースエーテルは、より高粘度のセルロースエーテルを部分解重合プロセスに供することによって得ることができる。部分解重合プロセスは、当技術分野において周知であり、例えば、欧州特許出願第1,141,029号、同第210,917号、同第1,423,433号、及び米国特許第4,316,982号に記載されている。あるいは、部分解重合は、例えば、酸素または酸化剤の存在によって、セルロースエーテルの製造中に達成することができる。
セルロースエーテルを無水フタル酸及び無水酢酸と反応させる。無水フタル酸とセルロースエーテルのアンヒドログルコース単位とのモル比は、一般に少なくとも0.05:1、好ましくは少なくとも0.08:1、より好ましくは少なくとも0.10:1、最も好ましくは少なくとも0.12:1である。無水フタル酸とセルロースエーテルのアンヒドログルコース単位とのモル比は、一般に0.30:1以下、好ましくは0.25:1以下である。無水酢酸とセルロースエーテルのアンヒドログルコース単位とのモル比は、一般に少なくとも0.08:1、好ましくは少なくとも0.10:1、より好ましくは少なくとも0.18:1である。本発明の最も好ましい態様では、無水酢酸とセルロースエーテルのアンヒドログルコース単位とのモル比は、少なくとも0.25:1である。無水酢酸とセルロースエーテルのアンヒドログルコース単位とのモル比は、一般に最大0.85:1、好ましくは最大0.80:1、より好ましくは最大0.70:1である。フタリル基及びアセチル基の総置換度が、0.50以下であるように無水フタル酸及び無水酢酸の合計量が選択される。無水フタル酸とセルロースエーテルのアンヒドログルコース単位とのモル比が、上に開示された範囲の上端であるとき、典型的には無水酢酸とセルロースエーテルのアンヒドログルコース単位との選択モル比は、上に開示された範囲の上端ではなく、その逆もまた同様である。
このプロセスで利用されるセルロースエーテルのアンヒドログルコース単位のモル数は、DS(アルコキシル)及びMS(ヒドロキシアルコキシル)からの置換アンヒドログルコース単位の平均分子量を計算することにより、出発物質として使用されるセルロースエーテルの重量から決定することができる。
セルロースエーテルのエステル化は、酢酸、プロピオン酸、または酪酸などの反応希釈剤としての脂肪族カルボン酸中で実施される。反応希釈剤は、室温で液体であり、ベンゼン、トルエン、1,4−ジオキサン、もしくはテトラヒドロフランのような芳香族もしくは脂肪族溶媒などのセルロースエーテルと反応しない少量の他の溶媒もしくは希釈剤、またはジクロロメタンもしくはジクロロメチルエーテルのようなハロゲン化C−C誘導体を含むことができるが、脂肪族カルボン酸の量は、一般に、反応希釈剤の総重量に基づいて、50パーセント超、好ましくは少なくとも75パーセント、より好ましくは少なくとも90パーセントであるべきである。最も好ましくは、反応希釈剤は、脂肪族カルボン酸、より好ましくは酢酸からなる。モル比[脂肪族カルボン酸/セルロースエーテルのアンヒドログルコース単位]は、一般に、9.5:1〜11:1、好ましくは10.0:1〜10.5:1である。
エステル化反応は、エステル化触媒の存在下、好ましくはアルカリ金属カルボン酸塩、例えば酢酸ナトリウムまたは酢酸カリウムの存在下で実施される。モル比[アルカリ金属カルボン酸塩/セルロースエーテルのアンヒドログルコース単位]は、一般に、[2.0/1.0]〜[3.0/1.0]、好ましくは[2.3/1.0]〜[2.6/1.0]である。
エステル化のための反応温度は、一般に、75℃〜95℃、好ましくは80℃〜90℃である。エステル化反応は、典型的には2.5〜4時間以内に完了される。エステル化反応の完了後、既知の様式、例えば、米国特許第4,226,981号、国際特許出願第WO2005/115330号、欧州特許出願第EP0219426号、または国際特許出願第WO2013/148154号に記載されているように、セルロースエーテルアセテートフタレートを反応混合物から沈殿させることができる。沈殿したセルロースエーテルアセテートフタレートは、典型的には70〜100℃の温度において水性液体で洗浄される。好適な水性液体は、上にさらに記載されている。
本発明の別の態様は、水性液体に溶解した本発明の上記セルロースエーテルアセテートフタレートのうちの1つ以上を含む水性組成物である。水性液体は、上にさらに記載されている。本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートは、水性組成物を−2℃〜10℃未満、好ましくは0℃〜8℃未満、より好ましくは0.5℃〜5℃未満、最も好ましくは0.5℃〜3℃の温度に冷却することによって水溶液にすることができる。水性組成物は、水性組成物の総重量に基づいて、好ましくは、少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、好ましくは最大30重量%、より好ましくは最大20重量%の本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートを含む。
水性液体に溶解した本発明の上記セルロースエーテルアセテートフタレートのうちの1つ以上を含む水性組成物は、液体組成物を浸漬ピンと接触させるカプセルの製造に有用である。典型的には、20℃未満、より典型的には15℃未満、またはいくつかの実施形態では10℃未満の温度を有する水性組成物は、水性組成物よりも高い温度を有し、少なくとも21℃、より典型的には少なくとも25℃、最大95℃、好ましくは最大80℃の温度を有する浸漬ピンと接触させる。
水性液体に溶解した上記セルロースエーテルアセテートフタレートのうちの1つ以上を含む水性組成物はまた、錠剤、顆粒、ペレット、カプレット、ロゼンジ、坐剤、腟坐剤、または移植可能な剤形などの剤形をコーティングするのに有用である。
本発明の別の態様は、有機希釈剤と、本発明の上記セルロースエーテルアセテートフタレートのうちの1つ以上とを含む液体組成物である。有機希釈剤は、液体組成物中に単独で存在してもよく、または水と混合されてもよい。好ましい有機希釈剤は、上にさらに記載されている。液体組成物は、液体組成物の総重量に基づいて、好ましくは、少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、好ましくは最大30重量%、より好ましくは最大20重量%の本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートを含む。
上記のような水性液体または有機希釈剤と、上記セルロースエーテルアセテートフタレートのうちの1つ以上とを含む本発明の組成物はまた、活性成分のための賦形剤系として有用であり、特に、肥料、除草剤、または農薬などの活性成分、またはビタミン、ハーブ、及びミネラルサプリメントまたは薬物などの生物学的に活性な成分のための賦形剤系を調製するための中間体として有用である。したがって、本発明の組成物は、好ましくは、1つ以上の活性成分、最も好ましくは1つ以上の薬物を含む。「薬物」という用語は、従来のものであり、動物、特にヒトに投与したときに有益な予防的及び/または治療的特性を有する化合物を意味する。本発明の別の態様では、本発明の組成物は、薬物、少なくとも1つの上記のセルロースエーテルアセテートフタレート、及び任意選択で1つ以上の補助剤などの少なくとも1つの活性成分を含む固体分散体を製造するために使用される。固体分散体を製造する好ましい方法は、噴霧乾燥による方法である。噴霧乾燥プロセス及び噴霧乾燥装置は、一般に、Perry´s Chemical Engineers´ Handbook,pages 20−54〜20−57(Sixth Edition 1984)に記載されている。あるいは、本発明の固体分散体は、i)a)上記の少なくとも1つのセルロースエーテルアセテートフタレート、b)1つ以上の活性成分、及びc)1つ以上の任意選択の添加剤をブレンドすることと、ii)ブレンドを押出に供することとによって調製されてもよい。本明細書で使用される「押出」という用語は、射出成形、溶融鋳造、及び圧縮成形として知られるプロセスを含む。薬物などの活性成分を含む組成物を押出、好ましくは溶融押出するための技術は、既知であり、Joerg Breitenbach,Melt extrusion:from process to drug delivery technology,European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 54(2002)107−117、または欧州特許出願第EP0872233号に記載されている。本発明の固体分散体は、好ましくは、セルロースエーテルアセテートフタレートa)及び活性成分b)の総重量に基づいて、a)上記のように20〜99.9パーセント、より好ましくは30〜98パーセント、最も好ましくは60〜95パーセントのセルロースエーテルアセテートフタレートと、b)好ましくは0.1〜80パーセント、より好ましくは2〜70パーセント、最も好ましくは5〜40パーセントの活性成分b)とを含む。セルロースエーテルアセテートフタレートa)及び活性成分b)の総計量は、固体分散体の総重量に基づいて、好ましくは少なくとも70パーセント、より好ましくは少なくとも80パーセント、最も好ましくは少なくとも90パーセントである。残りの量は、存在する場合、以下に記載するような補助剤c)のうちの1つ以上からなる。少なくとも1つの活性成分を少なくとも1つのセルロースエーテルアセテートフタレート中に含む固体分散体が形成されると、ストランド、ペレット、顆粒、丸薬、錠剤、カプレット、微粒子、カプセルの充填もしくは射出成形カプセル、または粉末、フィルム、ペースト、クリーム、懸濁液、もしくはスラリーの形態で剤形への分散体の組み込みを容易にするために、乾燥、造粒、及びミリングなどのいくつかの処理操作を使用することができる。
本発明の水性組成物、有機希釈剤を含む液体組成物、及び固体分散体は、着色剤、顔料、乳白剤、風味改良剤、酸化防止剤、及びそれらの任意の組み合わせなどの任意選択の補助剤をさらに含んでもよい。
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例において詳細に記載する。
特に言及しない限り、すべての部及びパーセンテージは、重量基準である。実施例では、以下の試験手順が使用される。
エーテル及びエステル基の含有量
セルロースエーテルアセテートフタレート中のエーテル基の含有量は、「Hypromellose」、United States Pharmacopeia and National Formulary,USP 35,pp 3467−3469に記載されているのと同様に決定される。
フタリル基の含有量は、Hypromellose phthalate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF 33,pp.6701−6702に従って決定される。
アセチル基の含有量は、「Hypromellose Acetate Succinate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF 29,pp.1548−1550」に記載されているのと同様に決定される。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(HPMCAP)の水溶性
定量的決定:乾燥重量に基づいて、2℃の温度を有する97.5重量部の脱イオン水に2.5重量部のHPMCAPを添加し、続いて、2℃で6時間撹拌し、2℃で16時間保存した。秤量したこの混合物を秤量した遠心分離機バイアルに移して、移した混合物の重量をgでM1として記録した。移したHPMCAPの重量[M2]は、(g/100gx2.5gの移した混合物の重量)として計算した。混合物を2℃で5000rpm(Thermo Scientificからの2823×g,Biofuge Stratos遠心機)で60分間遠心分離した。遠心分離後、アリコートを液相から取り出し、乾燥秤量したバイアルに移した。移したアリコートの重量をgでM3として記録した。アリコートを105℃で12時間加熱した。残りのHPMCAPのgを乾燥後に秤量し、gでM4として記録した。
以下の表2中の「2.5%で%の水溶性」という用語は、2.5重量部のHPMCAPと97.5重量部の脱イオン水との混合物に実際に溶解したHPMCAPのパーセンテージを表す。それは、
(液体アリコート中のHPMCAPg/遠心分離バイアルに移したHPMCAPg)×(遠心分離バイアルに移した混合物g/遠心分離後の液体アリコートg)×100に相当する(M4/M2)×(M1/M3)×100として計算される。上記の式において、「×」は乗算演算子を表す。
定性的決定:HPMCAPと水との2重量の混合物は、その乾燥重量に基づいて、2.0gのHPMCAPを0.5℃で16時間、激しく撹拌しながら98.0gの水と混合することによって調製した。次いで、HPMCAPと水との混合物の温度を冷蔵庫で4℃に上昇させた。4℃で可溶性のHPMCAPも2℃で可溶性であり、2℃での溶解度は、少なくとも4℃と同程度に高い。HPMCAPの水溶性は、目視検査によって決定した。HPMCAPが2℃で2%の水溶性であるか否かの決定は、以下のように行った。「2%の水溶性−有り」は、上記の手順に従って沈降物のない溶液が得られたことを意味する。「2%の水溶性−無し」とは、乾燥重量に基づいて、2.0gのHPMCAPを上記の手順に従って、98.0gの水と混合すると、HPMCAPの少なくともかなりの部分が溶解せず残存して沈降物を形成したことを意味する。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(HPMCAP)の粘度
0.43重量%の水性NaOH中のHPMCAPの2.0重量%溶液を、「Hypromellose Phthalate,United States Pharmacopia and National Formulary,NFに記載されているように調製した。DIN 51562−1:1999−01(1999年1月)に従ってウベローデ粘度測定を行った。測定は20℃で行った。0.43重量%の水性NaOH中のHPMCAPの2.0重量%溶液を、以下の表2に「0.43%NaOH中の2.0%粘度」として列挙する。
ジクロロメタンとメタノールとの重量比1:1の混合物中のHPMCAPの10重量%溶液を、10.0gのHPMCAPを45.0gのジクロロメタン及び45.0gのメタノールと室温で激しく撹拌しながら混合することによって調製した。混合物をローラーミキサーで約24時間圧延した。Heraeus Holding GmbH,Germanyから市販されているMegafuge 1.0遠心機を使用して、溶液を2000rpmで3分間遠心分離した。DIN 51562−1:1999−01(1999年1月)に従ってウベローデ粘度測定を行った。測定は20℃で行った。
HPMCAP水溶液のゲル化温度及びゲル強度
水中のHPMCAPの2重量%、5重量%、または10重量%の溶液は、(HPMCAPの含水量を考慮しながら)対応する量のミリング、粉砕、及び乾燥されたHPMCAPを3−ウィング(ウィング=2cm)ブレードスターラーを用いて750rpmでオーバーヘッドラボ撹拌機で撹拌しながら、室温で水(温度20〜25℃)に添加することによって製造した。次いで、溶液を約1.5℃に冷却した。1.5℃の温度に達した後、溶液を500rpmで120分間撹拌した。各溶液は、特徴付けの前に冷蔵庫に保存した。
水中のHPMCAP溶液のレオロジー測定は、カップ及びボブ固定具(CC−25)を備えたHaake RS600(Thermo Fisher Scientific)レオメーターを用いて実施した。試料は、2%の一定の歪み(変形)及び2Hzの一定の角周波数で5〜85℃の温度範囲にわたって毎分1℃の速度で加熱した。測定収集率は、4データポイント/分となるように選択した。レオロジー測定から得られた貯蔵弾性率G´は、溶液の弾性特性を表し、貯蔵弾性率G´が損失弾性率G´´よりも高いときの高温領域におけるゲル強度を表す。
振動測定値から得られた貯蔵弾性率G´´の得られたデータを最初に対数化し、G´(min)をゼロに、G´(max)を100に正規化した。線形回帰曲線を、これらの貯蔵弾性率データのサブセット(5データポイントの増分)に適合させた。回帰曲線の最も急峻な斜面に接線を当てはめた。この接線とx軸との交点をゲル化温度として報告する。ゲル化温度を決定する方法の詳細は、段落「Determination of the gelation temperature of aqueous compositions comprising methyl cellulose」における18及び19ページの国際特許出願第WO2015/009796号に記載されている。
このレオロジー測定により、65℃における貯蔵弾性率G´によるゲル強度も得られた。
実施例1〜8及び比較例A〜FのHPMCAPの製造
700.0gの酢酸を反応器に充填し、撹拌した。次いで、230.0gの酢酸ナトリウム(水を含まない)及び230.0gのHPMC(水を含まない)を添加した。HPMCは、1.98のメトキシル置換度(DS)、0.25のヒドロキシプロポキシル置換度(MSHP)、及び3.0mPa・sの粘度を有し、ASTM D2363−79(再承認2006)に従って20℃で水中2%溶液として測定した。HPMCの重量平均分子量は、約20,000ダルトンであった。HPMCは、Methocel E3 LV PremiumセルロースエーテルとしてThe Dow Chemical Companyから市販されている。窒素による不活性化を行った。混合物を撹拌しながら85℃に加熱した。85℃の温度に達した後、反応混合物を10分間撹拌した。次いで、以下の表1に列挙された無水フタル酸及び無水酢酸を添加して、反応混合物を3.5時間反応させた。エステル化反応後、混合物を50℃の温度を有する318gの脱イオン水でクエンチした。次いで、2Lの脱イオン水(温度50℃)を撹拌しながら反応器に添加して、HPMCAPを沈殿させた。沈殿したHPMCAPを約50℃まで冷却し、反応器から取り出した。HPMCAPを5000rpmで60秒間回転するUltra−Turrax撹拌機S50−G45を使用して高剪断混合を適用することにより1.7Lの温水(温度約95℃)で数回洗浄した。濾過後、フィルターケーキを1.7Lの温水で数回洗浄した。洗浄されたHPMCAPを、真空濾過により単離し、55℃で一晩乾燥させた。
実施例1〜8及び比較例A〜FのHPMCAPの特性を以下の表2に列挙する。表2において、略語は以下の意味を有する:
DS=DS(メトキシル):メトキシル基の置換度
MSHP=MS(ヒドロキシプロポキシル):ヒドロキシプロポキシル基のモル置換
DSac=アセチル基の置換度
DSPh:フタリル基の置換度。
以下の表2の結果は、実施例1〜8のセルロースエーテルアセテートフタレートは、水に可溶性であるが、比較例A〜Fのものは、水に不溶または不十分に溶解することを例証する。さらに、実施例1〜8のセルロースエーテルアセテートフタレートは、いくつかの極性溶媒、例えばジクロロメタンとメタノールとの混合物に可溶性である。10重量%の溶液でさえ、粘度は、比較例Aのものと同様である。
HPMCAPの水溶液の加温
2重量%のHPMCAPの水溶液を、上の段落「水溶解度」、定性的決定」に記載されるように調製した。その後、混合物は、それを40℃で1時間、次いで50℃で1時間、次いで60℃で1時間、次いで70℃で1時間、次いで80℃で1時間保存することにより徐々に加温させた。温度上昇の溶液への影響を目視検査した。結果を以下の表3に列挙する。
実施例1〜8の水溶液のウォームアップのみを評価した。比較例は、水溶性が不十分であり、沈降物が形成されたために評価しなかった。
ゲル化
本発明のHPMCAPの水溶液は、高温、典型的には25〜70℃、より典型的には30〜60℃でゲル化する。本発明のHPMCAPの水溶液は、2重量%程度の低濃度でもゲル化する。低いエステル置換度にもかかわらず、セルロースエーテルアセテートフタレートがゲル化することは非常に驚くべきことである。HPMCAPを調製するための出発物質として使用されるHPMCは、2重量%の濃度でゲル化しない。65℃に加熱した後の水中のMethocel E3 LV Premiumセルロースエーテルの2重量%溶液は、ゲルを形成せず、固まりになるだけである。
上にさらに記載するように、実施例1、2、4、及び5のHPMCAPの水中の2重量%、5重量%、及び/または10重量%の溶液の65℃での貯蔵弾性率G´に従って、ゲル化温度及びゲル強度を測定するために、レオロジー測定を行った。結果を以下の表4に列挙する。
HPMCAPの腸内特性
胃におけるHPMCAPの溶解度を試験するために、1重量%の濃度の粉末形態のHPMCAPを37℃の温度で2時間0.1N HCl中で撹拌して胃液をシミュレートした。
腸または結腸におけるHPMCAPの溶解度を試験するために、1重量%の濃度の粉末形態のHPMCAPを37℃の温度及び3.0、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、または6.8のpHをそれぞれ有するMcIlvaineの緩衝液(一リン酸二ナトリウム及びクエン酸を含有する)中で撹拌した。
結果を以下の表5に列挙する。
上記表5の結果は、本発明のセルロースエーテルアセテートフタレートが、水溶性であるだけでなく(上記の表2参照)、それらが、腸溶性も示し、すなわち、それらが、胃の酸性環境での溶解に対して耐性を示すが、腸または結腸に可溶性であることを例証する。

Claims (15)

  1. セルロースエーテルアセテートフタレートであって、
    フタリル基の置換度が、0.02〜0.25であり、フタリル基の中和度が、0.5以下であり、
    アセチル基の置換度が、0.02〜0.40であり、
    フタリル基とアセチル基との総置換度が、0.50以下である、セルロースエーテルアセテートフタレート。
  2. 2℃で少なくとも2.0重量パーセントの水への溶解度を有する、請求項1に記載のセルロースエーテルアセテートフタレート。
  3. フタリル基の置換度が、0.04〜0.15である、請求項1または2に記載のセルロースエーテルアセテートフタレート。
  4. アセチル基の置換度が、0.07〜0.25である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロースエーテルアセテートフタレート。
  5. ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレートである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロースエーテルアセテートフタレート。
  6. 前記セルロースエーテルアセテートフタレートの少なくとも85重量%が、2℃で2.5重量部のセルロースエーテルアセテートフタレートと97.5重量部の水との混合物に可溶性である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセルロースエーテルアセテートフタレート。
  7. 水性液体中に溶解した請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つのセルロースエーテルアセテートフタレートを含む、液体組成物。
  8. 15℃未満の温度を有する、請求項7に記載の液体組成物。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つのセルロースエーテルアセテートフタレート及び有機希釈剤を含む、液体組成物。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の液体組成物を剤形と接触させるステップを含む、剤形をコーティングするための方法。
  11. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の液体組成物を浸漬ピンと接触させるステップを含む、カプセルシェルを製造するための方法。
  12. 前記コーティングが、請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つのセルロースエーテルアセテートフタレートを含む、コーティングされた剤形。
  13. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つのセルロースエーテルアセテートフタレートを含む、ポリマーカプセルシェル。
  14. 請求項13に記載のカプセルシェルを含み、薬物もしくは栄養補助食品、またはそれらの組み合わせをさらに含む、カプセル。
  15. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つのセルロースエーテルアセテートフタレート中の少なくとも1つの活性成分の固体分散体。
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