JP2019529030A - 中耳内へと媒体を投与するためのカテーテル - Google Patents

中耳内へと媒体を投与するためのカテーテル Download PDF

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Abstract

【解決手段】 中耳内へと媒体を投与するためのカテーテルであって、このカテーテルが、遠位端部と近位端部とを有するシャフトを備え、膨張可能な第1のバルーンを備え、その際、この第1のバルーンの内部が第1の膨張ルーメンと接続しており、前記第1のバルーンに対して遠位に配設されている膨張可能な第2のバルーンを備え、その際、この第2のバルーンの内部が第2の膨張ルーメンと接続しており、入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する投与ルーメンを備え、その際、前記入口開口部が前記シャフトの外側に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、および、入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する排気ルーメンを備え、その際、前記入口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部が、前記シャフトの外側に配設されている。そのようなカテーテルによって、媒体は、この媒体が耳管を通って流出可能であること無しに、および、耳小骨が損傷を与えられること無しに、中耳内へと投与され得る。

Description

本発明は、中耳内へと媒体を投与するためのカテーテルに関する。
中耳は、耳管を介して鼻室および咽頭室と接続されており、その際、この耳管が、これら領域の間の圧力の平衡を可能にする。中耳が、狭小な耳管を通って、ただ困難に外から接近できるだけなので、中耳内への投与は、通常、鼓膜を通しての注入によって行われる。
投与カテーテルは、従来技術において公知である。これら従来技術において公知の投与カテーテルは、主に、泌尿器学、放射線医学、および、更に別の医療の領域内において使用され、しかしながら、中耳内への媒体の投与のために適していない。
従来技術から公知の投与カテーテルにおいて、これら投与カテーテルが、精確に位置決めされ得ないこと、これら投与カテーテルが、中耳内における耳小骨を損傷可能であること、これら投与カテーテルが、耳管を密閉しないこと、および、これら投与カテーテルが、もしそうだとしても、媒体に対してただ少しの容積の投与だけを可能にすることは欠点である。
本発明の課題は、鼓室の内側でのカテーテルの遠位端部の正確な位置決めを可能にし、耳小骨損傷のリスクを最小限に減らし、媒体の投与を可能にし、且つ、耳管を通っての媒体の流出を防止する、カテーテルを提供することである。
この課題を解決するために、
中耳内へと媒体を投与するためのカテーテルが提案され、このカテーテルが、
遠位端部と近位端部とを有するシャフトを備え、
膨張可能な第1のバルーンを備え、
その際、この第1のバルーンの内部が第1の膨張ルーメンと接続しており、
前記第1のバルーンに対して遠位に配設されている膨張可能な第2のバルーンを備え、
その際、この第2のバルーンの内部が第2の膨張ルーメンと接続しており、
入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する投与ルーメンを備え、
その際、前記入口開口部が前記シャフトの外側に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、および、
入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する排気ルーメンを備え、
その際、前記入口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部が、前記シャフトの外側に配設されている。
本発明によって達成される利点は、特に、近位の第1のバルーンが、膨張の後に耳管を密閉し、従って、投与された媒体が中耳内において残留することにある。それに加えて、カテーテルは、このバルーンによって、このバルーンの位置において安定化される。
膨張された遠位の第2のバルーンは、カテーテルの遠位端部が近位のバルーンの膨張によって中耳から戻って耳管内へと引っ張られることを防止し、且つ、それに加えて、耳小骨を、例えばシャフトの遠位端部による損傷から保護する。更に、この遠位のバルーンは、同様に耳管を密閉する。投与ルーメンによって、媒体は投与され得る。予想外に、更に、中耳の排気を投与の間じゅう保証する排気ルーメンが存在する場合に、媒体の投与が著しく容易にされていることが確認された。本発明の更に別の利点は、従属請求項から与えられる。
カテーテルは、中耳内への、特に内耳へと通じる膜への媒体、特に液体または懸濁液の投与を意図している。この目的のために、カテーテルは、シャフトの遠位端部によって、挿入器具を用いて、咽頭耳管口(pharyngealen Tubenostium)から耳管を通って、このシャフトの遠位端部が遠位の第2のバルーンをも含めて、鼓室に到達するまで押し込まれる。
近位の第1のバルーンは、この位置において、少なくとも部分的に、耳管の内側に位置している。この位置において、カテーテルは、第1のバルーンおよび第2のバルーンの膨張によって固定され、且つ、空気が排気ルーメンを通って逃散可能である間じゅう、投与媒体が投与ルーメンを通って注入される。挿入器具は、近位のシャフト端部を介して再び除去可能である。
投与の間じゅう、患者の頭部が側方に横たえられている場合、従って治療されるべき耳が耳介によって床の方向を指向する場合は、有利である。投与および排気は、これに伴って、「シャワーヘッド原理(Duschkopfprinzip)」に従い行われる。
本発明に従い、これに伴って、シャフトの遠位端部は、先ず第一に耳管内へと押し込まれる端部と理解されるべきである。従って、シャフトの遠位端部に対して極めて小さな間隔を有するバルーンは、遠位のバルーンを称される。シャフトの近位端部は、従って、遠位端部の反対側に位置する、シャフトの端部を形成する。
本発明に従い、対象物がそれぞれの基準点から近位のシャフト端部の方向に配設されている場合、1つの対象物は、近位と称される。本発明に従い、対象物がそれぞれの基準点から遠位のシャフト端部の方向に配設されている場合、1つの対象物は、遠位と称される。
カテーテルは、本発明に従い、これに伴って、遠位端部と近位端部とを有する、1つのシャフトを備えている。シャフトは、カテーテルのルーメンの少なくとも一部分を囲繞している。
カテーテルは、更に、膨張可能な第1のバルーンを備えている。この第1のバルーンの内側は、第1の膨張ルーメンと接続している。それに加えて、このカテーテルは、膨張可能な第2のバルーンを備えており、この第2のバルーンの内側が、第2の膨張ルーメンと接続されている。第2のバルーンは、第1のバルーンに対して、遠位に配設されている。
本発明に従うカテーテルの第1および第2のバルーンは、本発明に従い膨張ルーメンと称される、これらバルーンと接続されたルーメンを通っての、流体、有利には液体、特に有利には塩溶液、特に等張なNaCL溶液(0.9%)の導入によって、膨張、即ち拡大され得る。収縮のために、膨張媒体は、これらバルーンと接続するルーメンを通って、再び逃がされ得る。
第1および第2の膨張ルーメンは、第1もしくは第2のバルーンから、これら膨張ルーメンの近位の開口部に至るまで延在しており、これら近位の開口部が、シャフトの外側に配設されている。第1および第2の膨張ルーメンは、シャフトの内側または外側で、共通の1つの膨張ルーメンへと統合可能であり、従って、これら第1および第2の膨張ルーメンが、共通の1つの近位の開口部を有している。
有利には、第1および第2の膨張ルーメン、または、共通の膨張ルーメンは、第1および第2のバルーンから、シャフトの内側で、このシャフトの近位端部の方向に伸びており、且つ、少なくとも1つのシャフト開口部、有利にはこのシャフトの近位端部における少なくとも1つのシャフト開口部を通って、このシャフトから外へと案内されている。
投与ルーメンは、入口開口部、出口開口部、および、この入口開口部から出口開口部に至るまで延在する中間部分を有している。この入口開口部は、シャフトの外側に配設されている。
この入口開口部を出発点として、中間部分は、有利にはシャフトの近位端部における、シャフト開口部を通ってシャフト内部内へと延びており、この中間部分が、シャフトの内側で、このシャフトの遠位端部の方向に延在し、且つ、一方のシャフト開口部を通ってこのシャフト内部から再び抜け出し、且つ、第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されている、出口開口部において終端している。
投与されるべき媒体は、入口開口部内へと与えられ得、中間部分を通って進行し、且つ、出口開口部において、再びルーメンから抜け出す。
媒体として、この目的のために、本発明に従い、有利には、液体、および、懸濁液が考慮に値する。生物学的に活性の化合物は特に有利であり、薬剤が極めて特に有利である。
排気ルーメンは、入口開口部、出口開口部、および、この入口開口部から出口開口部に至るまで延在する中間部分を有している。この出口開口部は、シャフトの外側に配設されている。
この出口開口部を出発点として、中間部分は、有利にはシャフトの近位端部における、シャフト開口部を通ってシャフト内部内へと延びており、この中間部分が、シャフトの内側で、このシャフトの遠位端部の方向に延在し、且つ、一方のシャフト開口部を通ってこのシャフト内部から再び抜け出し、且つ、第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されている、入口開口部において終端している。
排気ルーメンは、投与の間じゅうの、中耳の排気のために利用され、且つ、内耳内において、投与媒体の投与を阻止するまたは中耳の要素を損傷する如何なる超過圧力も発生しないことのための働きをする。この排気ルーメンを通って、これに伴って、空気、投与媒体、または、その他の中耳内において存在する液体は、入口開口部内へと流入し、中間部分を通って出口開口部へと到達し、且つ、この出口開口部を通って逃散する。
投与ルーメンの出口開口部と排気ルーメンの入口開口部とは、第2の、即ち遠位の、バルーンの近位端部から、シャフトの遠位端部に至るまで延在する、このシャフトの領域内において配設されている。これに伴って、投与ルーメンと排気ルーメンとは、第2のバルーンの高さで、または、この第2のバルーンから遠位で終端している。
第1の膨張ルーメン、第2の膨張ルーメン、または、共通の膨張ルーメンは、シャフトの外側に位置する領域内において、同様に、投与ルーメンおよび排気ルーメンが、このシャフトの外側で、この投与ルーメンの場合に入口開口部の方向に、および、この排気ルーメンの場合に出口開口部の方向に延在する領域内において、1つの装置、例えば弁、滑り弁、フラップ弁、または、コック有していることは可能であり、この装置によって、流量が制御可能である。
全てのルーメンが、シャフトの外側でのこれら領域内において、同様に、カテーテル継手のための接続可能性を有していることは可能である。
先に記載された第1の膨張ルーメン、第2の膨張ルーメン、投与ルーメン、排気ルーメンと並んで、カテーテルが、それに加えて、更に別のルーメンを備えていることは可能である。同様に、本発明に従うカテーテルが、更に別のバルーンを、第1および第2のバルーンと並んで備えていることは可能である。
本発明の有利な構成において、第1の膨張ルーメンと第2の膨張ルーメンとは、互いに流体接続していない。
それに従って、第1の膨張ルーメンと第2の膨張ルーメンとは、別個のそれぞれに1つのルーメンによって膨張可能である。このことは、先ず第一に第2のバルーンが、および、引き続いて第1のバルーンが膨張され得ることを可能にし、このことによって、近位の第1のバルーンが膨張するやいなや、シャフトの遠位端部が耳管内へと逆戻りすることは可能ではない。
本発明の有利な構成において、カテーテルは、これに伴って、総じて4つのルーメンを有している。第1および第2の膨張ルーメンにより、第1もしくは第2のバルーンは別個に膨張され得、投与ルーメンによって、媒体が投与され得、且つ、排気ルーメンによって、中耳がこの投与の間じゅう排気され得る。
本発明の有利な構成において、投与ルーメンの出口開口部と排気ルーメンの入口開口部とは、シャフトの遠位端部において配設されている。
そのような構成において、このルーメンの中間部分は、遠位のシャフト端部におけるシャフト開口部内において終端している。この配設により、患者の治療されるべき耳が、媒体の投与の間じゅうまたは後に、耳介によって床の方向に指向せず、且つ、この媒体が、これに伴って、遠位の第2のバルーンの周囲の鼓室内において集積する場合に関して、この集積された媒体が、直接的に排気ルーメンもしくは投与ルーメンを通って逃散可能でないことは保証される。
本発明の有利な構成において、投与ルーメンと排気ルーメンとは、遠位のシャフト端部におけるシャフト開口部から、シャフトの内側の近位のシャフト端部へと延びており、且つ、近位のシャフト端部の外側で、投与ルーメンの場合に入口開口部によって、もしくは、排気ルーメンの場合に出口開口部によって終端しており、その際、排気ルーメンの場合に出口開口部が、もしくは、投与ルーメンの場合に入口開口部が、遠位のシャフト端部におけるシャフト開口部に配設されている。
本発明の有利な構成において、遠位の、本発明に従い第2のバルーンと称されるバルーンは、シャフトの遠位端部において配設されている。そのような有利な構成において、これに伴って、投与ルーメンの出口開口部、および、排気ルーメンの入口開口部、並びに、第2のバルーンは、シャフトの遠位のシャフト端部に配置されている。
1つのバルーンは、このバルーンが膨張された状態において、少なくとも1つの端部によって、シャフトの長手軸線に沿ってシャフトの遠位端部に至るまで延在している場合に、本発明に従い、シャフトの遠位における端部として配設されている。そのような構成は、遠位に配設されているバルーンに基づいて、中耳を損傷可能な如何なるカテーテル構成要素も突出しないことの利点を有している。
本発明の有利な構成において、第1および第2のバルーンは、これら第1および第2のバルーンが、その領域内においてシャフトの長手軸線に沿って延在している該領域内において、シャフトの外套面を完全に包囲している。
排気ルーメンが投与ルーメンよりも大きな直径を有している場合、中耳内への媒体の投与が著しく容易にされることは、予想外に認められた。本発明の有利な構成において、排気ルーメンは、投与ルーメンよりも大きな直径を有している。
有利には、排気ルーメンの直径は、少なくとも5%だけ、特に有利には、少なくとも10%だけ、極めて特に有利には、少なくとも20%だけ、投与ルーメンの直径よりも大きい。本発明の有利な構成において、これらカテーテルルーメンは、それぞれに、0.05と0.5mmとの間の直径を有している。
本発明の有利な構成において、シャフトの直径は、2mm以下、有利には1.5mm以下、特に有利には1.2mm以下、特に1mm以下の値である。
本発明に従い、シャフト直径のもとで、直径は、このシャフトの長手軸線に対して垂直であると理解される。そのような小さなシャフト直径を有するカテーテルは、このカテーテルが、高い圧力無に挿入され得、且つ、耳管を通って押し込まれ得ることを保証する。
本発明の有利な構成において、第1及び/または第2のバルーンは、低圧バルーンである。本発明に従い、カテーテルは、これに伴って、第1及び/または第2のバルーンを備え、このバルーンが、1bar以下、有利には0.75bar以下、極めて特に有利には0.5bar以下の超過圧力によって膨張可能である。
この様式の低圧バルーンは、高圧バルーンに比して、これら低圧バルーンが、耳管の粘膜をより良好に損傷から保護し、耳管を、バルーンの増大された可撓性に基づいてより良好に密閉し、且つ、十分な安定性を保証することの利点を有している。
本発明の有利な構成において、第1のバルーンは、膨張された状態において、5から30mmまで、有利には8から20mmまで、特に有利には10から16mmまでの長さ、及び/または、3から12mmまで、有利には5から10mm、特に有利には7から8mmまでの直径を有している。
本発明の有利な構成において、第2のバルーンは、膨張された状態において、2から8mmまで、有利には4から6mmまでの長さ、及び/または、2から8mmまで、有利には4から6mmまでの直径を有している。
バルーンの長さは、本発明に従い、カテーテルの長手軸線に対して平行に測定され、それに対して、直径が、このカテーテルの長手軸線に対して垂直に測定される。
本発明の有利な構成において、第1のバルーンは、3から10mm、有利には5から8mm、第2のバルーンから離間されている。
この間隔の決定のために、本発明に従い、第1のバルーンの遠位端部と第2のバルーンの近位端部との間の間隔は、膨張された状態において測定される。本発明のそのような構成において、これらバルーンは、これに伴って、投与ルーメンと、排気ルーメンと、第2のバルーンのための膨張ルーメンとを備えるシャフトによって、相互に分離されている。このようにして、カテーテルは、良好に投与位置において固定され得ると同様に、耳管を密閉可能である。
本発明の更に別の構成において、第1バルーンは、ウェブによって、第2のバルーンと接続されており、従って、この第1バルーンとこの第2バルーンとは、同じバルーン外皮によって形成されている。
ウェブのもとで、これに伴って、バルーン外皮が理解され、このバルーン外皮は、シャフトを、第1のバルーンの遠位端部と第2のバルーンの近位端部との間の領域内において包囲している。ウェブを含めてのシャフトの直径は、そのような構成において、膨張された状態におけるバルーンにおいて、最大15%だけ、有利には最大10%だけ、極めて特に有利には最大5%だけ、特に0.5%だけ、この領域内におけるウェブを除いてのシャフト直径よりも大きい。
本発明に従い、バルーンが種々の形状を有していることは可能である。本発明の有利な構成において、遠位の第2のバルーンは、膨張された状態において、バルーンの近位端部の直径がこのバルーンの遠位端部の直径よりも小さい形状を有している。
有利には、第2のバルーンは、円錐、円錐台、角錐、または角錐台の形状を有しており、その際、先端もしくは天井面が、シャフトの近位端部の方向を指向している。そのような、または、類似の形状は、カテーテルの遠位端部が、バルーンの膨張の際に鼓室内へと引き入れられることの利点を提供する。
本発明の有利な構成において、第2のバルーンは、膨張された状態において、シャフトの長手軸線に沿って、部分的に、このシャフトの遠位端部を越えて延在している。
そのようなカテーテルにおいて、投与ルーメンの出口開口部と排気ルーメンの入口開口部とは、長手軸線に対して垂直のシャフトの注視において、カテーテルの遠位端部を越えて出るバルーン部分の後ろに引き戻されて配設されている。これによって、更に別の改善された保護作用が与えられ、従って、耳小骨の損傷の危険は最小限に減らされている。
本発明に従うシャフトは、それに加えて、レントゲンマーカーを有しており、これらレントゲンマーカーによって、シャフトの位置は決定され得る。有利には、これらマーカーは、シャフトの遠位端部、第1のバルーンと第2のバルーンとの間、及び/または、第2のバルーンの近位に配置されている。
従って、本発明は、中耳内へと媒体を投与するためのカテーテルを目指しており、このカテーテルが、
遠位端部と近位端部とを有するシャフトを備え、
膨張可能な第1のバルーンを備え、
その際、この第1のバルーンの内部が第1の膨張ルーメンと接続しており、
前記第1のバルーンに対して遠位に配設されている膨張可能な第2のバルーンを備え、
その際、この第2のバルーンの内部が第2の膨張ルーメンと接続しており、
入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する投与ルーメンを備え、
その際、前記入口開口部が前記シャフトの外側に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、および、
入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する排気ルーメンを備え、
その際、前記入口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部が、前記シャフトの外側に配設されており、
このカテーテルにおいて、
― 前記第1の膨張ルーメンと前記第2の膨張ルーメンとが、互いに流体接続してなく、
― 前記第1および第2のバルーンが、それぞれに1つのルーメンによって膨張可能であり、
― 前記投与ルーメンの前記出口開口部と前記排気ルーメンの入口開口部とが、前記シャフトの前記遠位端部において配設されており、
― 前記第2のバルーンが、前記シャフトの前記遠位端部において配設されており、
― 前記排気ルーメンが、前記投与ルーメンよりも大きな直径を有しており、
― 前記シャフトの直径が、2mm以下、有利には1.5mm以下、特に有利には1.2mm以下、特に1mm以下の値であり、
― 前記第1及び/または第2のバルーンが、1bar以下、有利には0.75bar以下、極めて特に有利には0.5bar以下の超過圧力によって膨張可能であり、
― 前記第1のバルーンが、膨張された状態において、5から30mmまで、有利には8から20mmまで、特に有利には10から16mmまでの長さ、及び/または、
3から12mmまで、有利には5から10mm、特に有利には7から8mmまでの直径を有しており、
― 前記第2のバルーンが、膨張された状態において、2から8mmまで、有利には4から6mmまでの長さ、及び/または、
2から8mmまで、有利には4から6mmまでの直径を有しており、
― 前記第1のバルーンが、3から10mm、有利には5から8mm、前記第2のバルーンから離間されており、
― 前記第1および第2のバルーンが、ウェブによって互いに接続されており、
― 前記第2のバルーンが、膨張された状態において、前記バルーンの前記近位端部の直径がこのバルーンの前記遠位端部の直径よりも小さい形状を有しており、
― 前記第2のバルーンが、膨張された状態において、前記シャフトの長手軸線に沿って、部分的に、このシャフトの遠位端部を越えて延在している。
課題の解決のために、これに伴って、媒体の投与のためのカテーテルが設けられており、このカテーテルが、第1の膨張ルーメンと、第2の膨張ルーメンと、投与ルーメンと、排気ルーメンと、第1のバルーンと、この第1のバルーンに対して遠位に配設されている第2のバルーンとを備えており、その際、この第1のバルーンが第1の膨張ルーメンによって、および、この第2のバルーンが第2の膨張ルーメンによって膨張可能であり、および、その際、この投与ルーメンと排気ルーメンとが、カテーテルの遠位端部に至るまで伸びている。
本発明を、以下で、図に基づいて更に説明する。
本発明に従うカテーテルの実施形態の一部の部分図である。 本発明に従うカテーテルの実施形態の、長手軸線に沿っての横断面の概略図である。 本発明に従うカテーテルの実施形態の、長手軸線に沿っての横断面の概略図である。
図1は、そのシャフトの遠位端部3と図示されていないそのシャフトの近位端部4とを有する該シャフト2を備える、本発明に従うカテーテル1の実施形態の一部分を示している。
図示された実施形態において、カテーテル1は、膨張可能な第1のバルーン5を備えており、この第1のバルーンの内部が、第1の膨張ルーメン6と接続している。第1のバルーン5の遠位に、第2のバルーン7が配設されており、この第2のバルーンの内部は、第2の膨張ルーメン8と接続している。第1および第2の膨張ルーメンは、シャフト2の内側の図示されたカテーテル部分において、延びている。
それに加えて、このカテーテルは、シャフトの外側の図示されていない入口開口部10と、出口開口部12と、この流入開口部から出口開口部に至るまで延在する中間部分11とを有する投与ルーメン9を有している。投与ルーメンの出口開口部12は、第2のバルーン7の近位端部の遠位に配設されている。
同様に、カテーテル1は、入口開口部14を有する排気ルーメン13を備えており、この入口開口部が、第2のバルーン7の近位端部の遠位に配設されている。入口開口部14とシャフトの外側の図示されていない出口開口部16との間に、中間部分15が延在している。
図2は、カテーテル1の長手軸線に沿っての、本発明に従うカテーテル1の概略的な横断面図を示しており、このカテーテルが、遠位端部3と近位端部4とを有するシャフト2を備えている。カテーテル1は、更に、第1の膨張ルーメン6によって膨張可能な第1のバルーン5と、第2の膨張ルーメン8によって膨張可能な第2のバルーン7とを備えている。
第2のバルーン7の近位端部の遠位に、投与ルーメン9の出口開口部12と、排気ルーメン13の入口開口部14とが配設されている。投与ルーメン9の出口開口部12から、この投与ルーメン9の中間部分11は、シャフトの近位端部を通って延在し、且つ、出口開口部16において終端している。
図3は、図2内におけるような本発明に従うカテーテル1の概略的な横断面図を示しており、このカテーテルの場合に、第2のバルーン7が、膨張された状態において、バルーンの近位端部の直径がこのバルーンの遠位端部の直径よりも小さい形状を有している。
第2のバルーン7は、図示されているように膨張された状態において、カテーテルの長手軸線方向において、部分的に、シャフトの遠位端部3を越えて延在している。
1 カテーテル
2 シャフト
3 シャフトの遠位端部
4 シャフトの近位端部
5 第1のバルーン
6 第1の膨張ルーメン
7 第2のバルーン
8 第2の膨張ルーメン
9 投与ルーメン
10 投与ルーメンの入口開口部
11 投与ルーメンの中間部分
12 投与ルーメンの出口開口部
13 排気ルーメン
14 排気ルーメンの入口開口部
15 排気ルーメンの中間部分
16 排気ルーメンの出口開口部
本発明は、中耳内へと媒体を投与するためのカテーテルに関する。
中耳は、耳管を介して鼻室および咽頭室と接続されており、その際、この耳管が、これら領域の間の圧力の平衡を可能にする。中耳が、狭小な耳管を通って、ただ困難に外から接近できるだけなので、中耳内への投与は、通常、鼓膜を通しての注入によって行われる。
投与カテーテルは、従来技術において公知である。これら従来技術において公知の投与カテーテルは、主に、泌尿器学、放射線医学、および、更に別の医療の領域内において使用され、しかしながら、中耳内への媒体の投与のために適していない。
従来技術から公知の投与カテーテルにおいて、これら投与カテーテルが、精確に位置決めされ得ないこと、これら投与カテーテルが、中耳内における耳小骨を損傷可能であること、これら投与カテーテルが、耳管を密閉しないこと、および、これら投与カテーテルが、もしそうだとしても、媒体に対してただ少しの容積の投与だけを可能にすることは欠点である。
本発明の課題は、鼓室の内側でのカテーテルの遠位端部の正確な位置決めを可能にし、耳小骨損傷のリスクを最小限に減らし、媒体の投与を可能にし、且つ、耳管を通っての媒体の流出を防止する、カテーテルを提供することである。
この課題を解決するために、
中耳内へと媒体を投与するためのカテーテルが提案され、このカテーテルが、
遠位端部と近位端部とを有するシャフトを備え、
膨張可能な第1のバルーンを備え、
その際、この第1のバルーンの内部が第1の膨張ルーメンと接続しており、
前記第1のバルーンに対して遠位に配設されている膨張可能な第2のバルーンを備え、
その際、この第2のバルーンの内部が第2の膨張ルーメンと接続しており、
入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する投与ルーメンを備え、
その際、前記入口開口部が前記シャフトの外側に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、および、
入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する排気ルーメンを備え、
その際、前記入口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部
が、前記シャフトの外側に配設されており、
その際、前記投与ルーメンの前記出口開口部と前記排気ルーメンの入口開口部とが、前記シャフトの前記遠位端部において配設されている。
本発明によって達成される利点は、特に、近位の第1のバルーンが、膨張の後に耳管を密閉し、従って、投与された媒体が中耳内において残留することにある。それに加えて、カテーテルは、このバルーンによって、このバルーンの位置において安定化される。
膨張された遠位の第2のバルーンは、カテーテルの遠位端部が近位のバルーンの膨張によって中耳から戻って耳管内へと引っ張られることを防止し、且つ、それに加えて、耳小骨を、例えばシャフトの遠位端部による損傷から保護する。更に、この遠位のバルーンは、同様に耳管を密閉する。投与ルーメンによって、媒体は投与され得る。予想外に、更に、中耳の排気を投与の間じゅう保証する排気ルーメンが存在する場合に、媒体の投与が著しく容易にされていることが確認された。本発明の更に別の利点は、従属請求項から与えられる。
カテーテルは、中耳内への、特に内耳へと通じる膜への媒体、特に液体または懸濁液の投与を意図している。この目的のために、カテーテルは、シャフトの遠位端部によって、挿入器具を用いて、咽頭耳管口(pharyngealen Tubenostium)から耳管を通って、このシャフトの遠位端部が遠位の第2のバルーンをも含めて、鼓室に到達するまで押し込まれる。
近位の第1のバルーンは、この位置において、少なくとも部分的に、耳管の内側に位置している。この位置において、カテーテルは、第1のバルーンおよび第2のバルーンの膨張によって固定され、且つ、空気が排気ルーメンを通って逃散可能である間じゅう、投与媒体が投与ルーメンを通って注入される。挿入器具は、近位のシャフト端部を介して再び除去可能である。
投与の間じゅう、患者の頭部が側方に横たえられている場合、従って治療されるべき耳が耳介によって床の方向を指向する場合は、有利である。投与および排気は、これに伴って、「シャワーヘッド原理(Duschkopfprinzip)」に従い行われる。
本発明に従い、これに伴って、シャフトの遠位端部は、先ず第一に耳管内へと押し込まれる端部と理解されるべきである。従って、シャフトの遠位端部に対して極めて小さな間隔を有するバルーンは、遠位のバルーンを称される。シャフトの近位端部は、従って、遠位端部の反対側に位置する、シャフトの端部を形成する。
本発明に従い、対象物がそれぞれの基準点から近位のシャフト端部の方向に配設されている場合、1つの対象物は、近位と称される。本発明に従い、対象物がそれぞれの基準点から遠位のシャフト端部の方向に配設されている場合、1つの対象物は、遠位と称される。
カテーテルは、本発明に従い、これに伴って、遠位端部と近位端部とを有する、1つのシャフトを備えている。シャフトは、カテーテルのルーメンの少なくとも一部分を囲繞している。
カテーテルは、更に、膨張可能な第1のバルーンを備えている。この第1のバルーンの内側は、第1の膨張ルーメンと接続している。それに加えて、このカテーテルは、膨張可能な第2のバルーンを備えており、この第2のバルーンの内側が、第2の膨張ルーメンと接続されている。第2のバルーンは、第1のバルーンに対して、遠位に配設されている。
本発明に従うカテーテルの第1および第2のバルーンは、本発明に従い膨張ルーメンと称される、これらバルーンと接続されたルーメンを通っての、流体、有利には液体、特に有利には塩溶液、特に等張なNaCL溶液(0.9%)の導入によって、膨張、即ち拡大され得る。収縮のために、膨張媒体は、これらバルーンと接続するルーメンを通って、再び逃がされ得る。
第1および第2の膨張ルーメンは、第1もしくは第2のバルーンから、これら膨張ルーメンの近位の開口部に至るまで延在しており、これら近位の開口部が、シャフトの外側に配設されている。第1および第2の膨張ルーメンは、シャフトの内側または外側で、共通の1つの膨張ルーメンへと統合可能であり、従って、これら第1および第2の膨張ルーメンが、共通の1つの近位の開口部を有している。
有利には、第1および第2の膨張ルーメン、または、共通の膨張ルーメンは、第1および第2のバルーンから、シャフトの内側で、このシャフトの近位端部の方向に伸びており、且つ、少なくとも1つのシャフト開口部、有利にはこのシャフトの近位端部における少なくとも1つのシャフト開口部を通って、このシャフトから外へと案内されている。
投与ルーメンは、入口開口部、出口開口部、および、この入口開口部から出口開口部に至るまで延在する中間部分を有している。この入口開口部は、シャフトの外側に配設されている。
この入口開口部を出発点として、中間部分は、有利にはシャフトの近位端部における、シャフト開口部を通ってシャフト内部内へと延びており、この中間部分が、シャフトの内側で、このシャフトの遠位端部の方向に延在し、且つ、一方のシャフト開口部を通ってこのシャフト内部から再び抜け出し、且つ、第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されている、出口開口部において終端している。
投与されるべき媒体は、入口開口部内へと与えられ得、中間部分を通って進行し、且つ、出口開口部において、再びルーメンから抜け出す。
媒体として、この目的のために、本発明に従い、有利には、液体、および、懸濁液が考慮に値する。生物学的に活性の化合物は特に有利であり、薬剤が極めて特に有利である。
排気ルーメンは、入口開口部、出口開口部、および、この入口開口部から出口開口部に至るまで延在する中間部分を有している。この出口開口部は、シャフトの外側に配設されている。
この出口開口部を出発点として、中間部分は、有利にはシャフトの近位端部における、シャフト開口部を通ってシャフト内部内へと延びており、この中間部分が、シャフトの内側で、このシャフトの遠位端部の方向に延在し、且つ、一方のシャフト開口部を通ってこのシャフト内部から再び抜け出し、且つ、第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されている、入口開口部において終端している。
排気ルーメンは、投与の間じゅうの、中耳の排気のために利用され、且つ、内耳内において、投与媒体の投与を阻止するまたは中耳の要素を損傷する如何なる超過圧力も発生しないことのための働きをする。この排気ルーメンを通って、これに伴って、空気、投与媒体、または、その他の中耳内において存在する液体は、入口開口部内へと流入し、中間部分を通って出口開口部へと到達し、且つ、この出口開口部を通って逃散する。
投与ルーメンの出口開口部と排気ルーメンの入口開口部とは、第2の、即ち遠位の、バルーンの近位端部から、シャフトの遠位端部に至るまで延在する、このシャフトの領域内において配設されている。これに伴って、投与ルーメンと排気ルーメンとは、第2のバルーンの高さで、または、この第2のバルーンから遠位で終端している。
第1の膨張ルーメン、第2の膨張ルーメン、または、共通の膨張ルーメンは、シャフトの外側に位置する領域内において、同様に、投与ルーメンおよび排気ルーメンが、このシャフトの外側で、この投与ルーメンの場合に入口開口部の方向に、および、この排気ルーメンの場合に出口開口部の方向に延在する領域内において、1つの装置、例えば弁、滑り弁、フラップ弁、または、コック有していることは可能であり、この装置によって、流量が制御可能である。
全てのルーメンが、シャフトの外側でのこれら領域内において、同様に、カテーテル継手のための接続可能性を有していることは可能である。
先に記載された第1の膨張ルーメン、第2の膨張ルーメン、投与ルーメン、排気ルーメンと並んで、カテーテルが、それに加えて、更に別のルーメンを備えていることは可能である。同様に、本発明に従うカテーテルが、更に別のバルーンを、第1および第2のバルーンと並んで備えていることは可能である。
本発明の有利な構成において、第1の膨張ルーメンと第2の膨張ルーメンとは、互いに流体接続していない。
それに従って、第1の膨張ルーメンと第2の膨張ルーメンとは、別個のそれぞれに1つのルーメンによって膨張可能である。このことは、先ず第一に第2のバルーンが、および、引き続いて第1のバルーンが膨張され得ることを可能にし、このことによって、近位の第1のバルーンが膨張するやいなや、シャフトの遠位端部が耳管内へと逆戻りすることは可能ではない。
本発明の有利な構成において、カテーテルは、これに伴って、総じて4つのルーメンを有している。第1および第2の膨張ルーメンにより、第1もしくは第2のバルーンは別個に膨張され得、投与ルーメンによって、媒体が投与され得、且つ、排気ルーメンによって、中耳がこの投与の間じゅう排気され得る。
本発明の有利な構成において、投与ルーメンの出口開口部と排気ルーメンの入口開口部とは、シャフトの遠位端部において配設されている。
そのような構成において、このルーメンの中間部分は、遠位のシャフト端部におけるシャフト開口部内において終端している。この配設により、患者の治療されるべき耳が、媒体の投与の間じゅうまたは後に、耳介によって床の方向に指向せず、且つ、この媒体が、これに伴って、遠位の第2のバルーンの周囲の鼓室内において集積する場合に関して、この集積された媒体が、直接的に排気ルーメンもしくは投与ルーメンを通って逃散可能でないことは保証される。
本発明の有利な構成において、投与ルーメンと排気ルーメンとは、遠位のシャフト端部におけるシャフト開口部から、シャフトの内側の近位のシャフト端部へと延びており、且つ、近位のシャフト端部の外側で、投与ルーメンの場合に入口開口部によって、もしくは、排気ルーメンの場合に出口開口部によって終端しており、その際、排気ルーメンの場合に出口開口部が、もしくは、投与ルーメンの場合に入口開口部が、遠位のシャフト端部におけるシャフト開口部に配設されている。
本発明の有利な構成において、遠位の、本発明に従い第2のバルーンと称されるバルーンは、シャフトの遠位端部において配設されている。そのような有利な構成において、これに伴って、投与ルーメンの出口開口部、および、排気ルーメンの入口開口部、並びに、第2のバルーンは、シャフトの遠位のシャフト端部に配置されている。
1つのバルーンは、このバルーンが膨張された状態において、少なくとも1つの端部によって、シャフトの長手軸線に沿ってシャフトの遠位端部に至るまで延在している場合に、本発明に従い、シャフトの遠位における端部として配設されている。そのような構成は、遠位に配設されているバルーンに基づいて、中耳を損傷可能な如何なるカテーテル構成要素も突出しないことの利点を有している。
本発明の有利な構成において、第1および第2のバルーンは、これら第1および第2のバルーンが、その領域内においてシャフトの長手軸線に沿って延在している該領域内において、シャフトの外套面を完全に包囲している。
排気ルーメンが投与ルーメンよりも大きな直径を有している場合、中耳内への媒体の投与が著しく容易にされることは、予想外に認められた。本発明の有利な構成において、排気ルーメンは、投与ルーメンよりも大きな直径を有している。
有利には、排気ルーメンの直径は、少なくとも5%だけ、特に有利には、少なくとも10%だけ、極めて特に有利には、少なくとも20%だけ、投与ルーメンの直径よりも大きい。本発明の有利な構成において、これらカテーテルルーメンは、それぞれに、0.05と0.5mmとの間の直径を有している。
本発明の有利な構成において、シャフトの直径は、2mm以下、有利には1.5mm以下、特に有利には1.2mm以下、特に1mm以下の値である。
本発明に従い、シャフト直径のもとで、直径は、このシャフトの長手軸線に対して垂直であると理解される。そのような小さなシャフト直径を有するカテーテルは、このカテーテルが、高い圧力無に挿入され得、且つ、耳管を通って押し込まれ得ることを保証する。
本発明の有利な構成において、第1及び/または第2のバルーンは、低圧バルーンである。本発明に従い、カテーテルは、これに伴って、第1及び/または第2のバルーンを備え、このバルーンが、1bar以下、有利には0.75bar以下、極めて特に有利には0.5bar以下の超過圧力によって膨張可能である。
この様式の低圧バルーンは、高圧バルーンに比して、これら低圧バルーンが、耳管の粘膜をより良好に損傷から保護し、耳管を、バルーンの増大された可撓性に基づいてより良好に密閉し、且つ、十分な安定性を保証することの利点を有している。
本発明の有利な構成において、第1のバルーンは、膨張された状態において、5から30mmまで、有利には8から20mmまで、特に有利には10から16mmまでの長さ、及び/または、3から12mmまで、有利には5から10mm、特に有利には7から8mmまでの直径を有している。
本発明の有利な構成において、第2のバルーンは、膨張された状態において、2から8mmまで、有利には4から6mmまでの長さ、及び/または、2から8mmまで、有利には4から6mmまでの直径を有している。
バルーンの長さは、本発明に従い、カテーテルの長手軸線に対して平行に測定され、それに対して、直径が、このカテーテルの長手軸線に対して垂直に測定される。
本発明の有利な構成において、第1のバルーンは、3から10mm、有利には5から8mm、第2のバルーンから離間されている。
この間隔の決定のために、本発明に従い、第1のバルーンの遠位端部と第2のバルーンの近位端部との間の間隔は、膨張された状態において測定される。本発明のそのような構成において、これらバルーンは、これに伴って、投与ルーメンと、排気ルーメンと、第2のバルーンのための膨張ルーメンとを備えるシャフトによって、相互に分離されている。このようにして、カテーテルは、良好に投与位置において固定され得ると同様に、耳管を密閉可能である。
本発明の更に別の構成において、第1バルーンは、ウェブによって、第2のバルーンと接続されており、従って、この第1バルーンとこの第2バルーンとは、同じバルーン外皮によって形成されている。
ウェブのもとで、これに伴って、バルーン外皮が理解され、このバルーン外皮は、シャフトを、第1のバルーンの遠位端部と第2のバルーンの近位端部との間の領域内において包囲している。ウェブを含めてのシャフトの直径は、そのような構成において、膨張された状態におけるバルーンにおいて、最大15%だけ、有利には最大10%だけ、極めて特に有利には最大5%だけ、特に0.5%だけ、この領域内におけるウェブを除いてのシャフト直径よりも大きい。
本発明に従い、バルーンが種々の形状を有していることは可能である。本発明の有利な構成において、遠位の第2のバルーンは、膨張された状態において、バルーンの近位端部の直径がこのバルーンの遠位端部の直径よりも小さい形状を有している。
有利には、第2のバルーンは、円錐、円錐台、角錐、または角錐台の形状を有しており、その際、先端もしくは天井面が、シャフトの近位端部の方向を指向している。そのような、または、類似の形状は、カテーテルの遠位端部が、バルーンの膨張の際に鼓室内へと引き入れられることの利点を提供する。
本発明の有利な構成において、第2のバルーンは、膨張された状態において、シャフトの長手軸線に沿って、部分的に、このシャフトの遠位端部を越えて延在している。
そのようなカテーテルにおいて、投与ルーメンの出口開口部と排気ルーメンの入口開口部とは、長手軸線に対して垂直のシャフトの注視において、カテーテルの遠位端部を越えて出るバルーン部分の後ろに引き戻されて配設されている。これによって、更に別の改善された保護作用が与えられ、従って、耳小骨の損傷の危険は最小限に減らされている。
本発明に従うシャフトは、それに加えて、レントゲンマーカーを有しており、これらレントゲンマーカーによって、シャフトの位置は決定され得る。有利には、これらマーカーは、シャフトの遠位端部、第1のバルーンと第2のバルーンとの間、及び/または、第2のバルーンの近位に配置されている。
従って、本発明は、中耳内へと媒体を投与するためのカテーテルを目指しており、このカテーテルが、
遠位端部と近位端部とを有するシャフトを備え、
膨張可能な第1のバルーンを備え、
その際、この第1のバルーンの内部が第1の膨張ルーメンと接続しており、
前記第1のバルーンに対して遠位に配設されている膨張可能な第2のバルーンを備え、
その際、この第2のバルーンの内部が第2の膨張ルーメンと接続しており、
入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する投与ルーメンを備え、
その際、前記入口開口部が前記シャフトの外側に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、および、
入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する排気ルーメンを備え、
その際、前記入口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部が、前記シャフトの外側に配設されており、
このカテーテルにおいて、
― 前記第1の膨張ルーメンと前記第2の膨張ルーメンとが、互いに流体接続してなく、
― 前記第1および第2のバルーンが、それぞれに1つのルーメンによって膨張可能であり、
― 前記投与ルーメンの前記出口開口部と前記排気ルーメンの入口開口部とが、前記シャフトの前記遠位端部において配設されており、
― 前記第2のバルーンが、前記シャフトの前記遠位端部において配設されており、
― 前記排気ルーメンが、前記投与ルーメンよりも大きな直径を有しており、
― 前記シャフトの直径が、2mm以下、有利には1.5mm以下、特に有利には1.2mm以下、特に1mm以下の値であり、
― 前記第1及び/または第2のバルーンが、1bar以下、有利には0.75bar以下、極めて特に有利には0.5bar以下の超過圧力によって膨張可能であり、
― 前記第1のバルーンが、膨張された状態において、5から30mmまで、有利には8から20mmまで、特に有利には10から16mmまでの長さ、及び/または、
3から12mmまで、有利には5から10mm、特に有利には7から8mmまでの直径を有しており、
― 前記第2のバルーンが、膨張された状態において、2から8mmまで、有利には4から6mmまでの長さ、及び/または、
2から8mmまで、有利には4から6mmまでの直径を有しており、
― 前記第1のバルーンが、3から10mm、有利には5から8mm、前記第2のバルーンから離間されており、
― 前記第1および第2のバルーンが、ウェブによって互いに接続されており、
― 前記第2のバルーンが、膨張された状態において、前記バルーンの前記近位端部の直径がこのバルーンの前記遠位端部の直径よりも小さい形状を有しており、
― 前記第2のバルーンが、膨張された状態において、前記シャフトの長手軸線に沿って、部分的に、このシャフトの遠位端部を越えて延在している。
課題の解決のために、これに伴って、媒体の投与のためのカテーテルが設けられており、このカテーテルが、第1の膨張ルーメンと、第2の膨張ルーメンと、投与ルーメンと、排気ルーメンと、第1のバルーンと、この第1のバルーンに対して遠位に配設されている第2のバルーンとを備えており、その際、この第1のバルーンが第1の膨張ルーメンによって、および、この第2のバルーンが第2の膨張ルーメンによって膨張可能であり、および、その際、この投与ルーメンと排気ルーメンとが、カテーテルの遠位端部に至るまで伸びている。
本発明を、以下で、図に基づいて更に説明する。
本発明に従うカテーテルの実施形態の一部の部分図である。 本発明に従うカテーテルの実施形態の、長手軸線に沿っての横断面の概略図である。 本発明に従うカテーテルの実施形態の、長手軸線に沿っての横断面の概略図である。
図1は、そのシャフトの遠位端部3と図示されていないそのシャフトの近位端部4とを有する該シャフト2を備える、本発明に従うカテーテル1の実施形態の一部分を示している。
図示された実施形態において、カテーテル1は、膨張可能な第1のバルーン5を備えており、この第1のバルーンの内部が、第1の膨張ルーメン6と接続している。第1のバルーン5の遠位に、第2のバルーン7が配設されており、この第2のバルーンの内部は、第2の膨張ルーメン8と接続している。第1および第2の膨張ルーメンは、シャフト2の内側の図示されたカテーテル部分において、延びている。
それに加えて、このカテーテルは、シャフトの外側の図示されていない入口開口部10と、出口開口部12と、この流入開口部から出口開口部に至るまで延在する中間部分11とを有する投与ルーメン9を有している。投与ルーメンの出口開口部12は、第2のバルーン7の近位端部の遠位に配設されている。
同様に、カテーテル1は、入口開口部14を有する排気ルーメン13を備えており、この入口開口部が、第2のバルーン7の近位端部の遠位に配設されている。入口開口部14とシャフトの外側の図示されていない出口開口部16との間に、中間部分15が延在している。
図2は、カテーテル1の長手軸線に沿っての、本発明に従うカテーテル1の概略的な横断面図を示しており、このカテーテルが、遠位端部3と近位端部4とを有するシャフト2を備えている。カテーテル1は、更に、第1の膨張ルーメン6によって膨張可能な第1のバルーン5と、第2の膨張ルーメン8によって膨張可能な第2のバルーン7とを備えている。
第2のバルーン7の近位端部の遠位に、投与ルーメン9の出口開口部12と、排気ルーメン13の入口開口部14とが配設されている。投与ルーメン9の出口開口部12から、この投与ルーメン9の中間部分11は、シャフトの近位端部を通って延在し、且つ、出口開口部16において終端している。
図3は、図2内におけるような本発明に従うカテーテル1の概略的な横断面図を示しており、このカテーテルの場合に、第2のバルーン7が、膨張された状態において、バルーンの近位端部の直径がこのバルーンの遠位端部の直径よりも小さい形状を有している。
第2のバルーン7は、図示されているように膨張された状態において、カテーテルの長手軸線方向において、部分的に、シャフトの遠位端部3を越えて延在している。
1 カテーテル
2 シャフト
3 シャフトの遠位端部
4 シャフトの近位端部
5 第1のバルーン
6 第1の膨張ルーメン
7 第2のバルーン
8 第2の膨張ルーメン
9 投与ルーメン
10 投与ルーメンの入口開口部
11 投与ルーメンの中間部分
12 投与ルーメンの出口開口部
13 排気ルーメン
14 排気ルーメンの入口開口部
15 排気ルーメンの中間部分
16 排気ルーメンの出口開口部

Claims (13)

  1. 中耳内へと媒体を投与するためのカテーテルであって、このカテーテルが、
    遠位端部と近位端部とを有するシャフトを備え、
    膨張可能な第1のバルーンを備え、
    その際、この第1のバルーンの内部が第1の膨張ルーメンと接続しており、
    前記第1のバルーンに対して遠位に配設されている膨張可能な第2のバルーンを備え、
    その際、この第2のバルーンの内部が第2の膨張ルーメンと接続しており、
    入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する投与ルーメンを備え、
    その際、前記入口開口部が前記シャフトの外側に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、および、
    入口開口部と、出口開口部と、この入口開口部からこの出口開口部に至るまで延在している中間部分とを有する排気ルーメンを備え、
    その際、前記入口開口部が前記第2のバルーンの近位端部の遠位に配設されており、前記中間部分が少なくとも部分的に前記シャフト通って延在しており、且つ、前記出口開口部が、前記シャフトの外側に配設されている、
    ことを特徴とするカテーテル。
  2. 前記第1の膨張ルーメンと前記第2の膨張ルーメンとは、互いに流体接続していないことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記投与ルーメンの前記出口開口部と前記排気ルーメンの入口開口部とは、前記シャフトの前記遠位端部において配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカテーテル。
  4. 前記第2のバルーンは、前記シャフトの前記遠位端部において配設されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のカテーテル。
  5. 前記排気ルーメンは、前記投与ルーメンよりも大きな直径を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のカテーテル。
  6. 前記シャフトの直径は、2mm以下、有利には1.5mm以下、特に有利には1.2mm以下、特に1mm以下の値であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のカテーテル。
  7. 前記第1及び/または第2のバルーンは、1bar以下、有利には0.75bar以下、極めて特に有利には0.5bar以下の超過圧力によって膨張可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のカテーテル。
  8. 前記第1のバルーンは、膨張された状態において、5から30mmまで、有利には8から20mmまで、特に有利には10から16mmまでの長さ、及び/または、
    この第1のバルーンが、膨張された状態において、3から12mmまで、有利には5から10mm、特に有利には7から8mmまでの直径を有していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のカテーテル。
  9. 前記第2のバルーンは、膨張された状態において、2から8mmまで、有利には4から6mmまでの長さ、及び/または、
    この第2のバルーンが、膨張された状態において、2から8mmまで、有利には4から6mmまでの直径を有していることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載のカテーテル。
  10. 前記第1のバルーンは、3から10mm、有利には5から8mm、前記第2のバルーンから離間されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載のカテーテル。
  11. 前記第1および第2のバルーンは、ウェブによって互いに接続されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載のカテーテル。
  12. 前記第2のバルーンは、膨張された状態において、前記バルーンの前記近位端部の直径がこのバルーンの前記遠位端部の直径よりも小さい形状を有していることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載のカテーテル。
  13. 前記第2のバルーンは、膨張された状態において、前記シャフトの長手軸線に沿って、部分的に、このシャフトの遠位端部を越えて延在していることを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載のカテーテル。
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