JP2017505173A

JP2017505173A - 気管チューブ

Info

Publication number: JP2017505173A
Application number: JP2016548125A
Authority: JP
Inventors: チェインバーススティーブ
Original assignee: スミスズメディカルインターナショナルリミテッド
Priority date: 2014-01-24
Filing date: 2014-12-24
Publication date: 2017-02-16
Also published as: EP3096823B1; WO2015110775A1; US20160331919A1; US11235117B2; GB201401231D0; EP3096823A1

Abstract

気管チューブにおける封止用のカフ１０は、患者側端部にカフの膨張可能部分３２内に反転したカラー３１を有する。カフ１０は、シャフトの軸線に対して約３０°の角度をなして傾斜し、また膨張可能部分における長さの約半分の長さにわたって延在する截頭円錐形の患者側端部領域３３を有する。【選択図】図２

Description

本発明は、シャフトと、及び使用中に気管壁に対して封止を生ずるよう前記シャフトの外側かつ患者側端部辺りで膨張可能な封止用のカフであり、両側の対向端部でカラーによって前記シャフトに取り付けた、該カフと、を備える種類の気管チューブに関する。

気管チューブは、外科手術中のような患者に対して換気及び麻酔ガスを供給するのに使用する。気管チューブは、気管内チューブの場合、口又は鼻を通して挿入する、又は気管切開チューブの場合、首に外科的に形成した気管開口部を通して挿入することができる。すべてではないが多くの場合、気管チューブは、気管チューブ外側に何らかのシールの形態を有し、このシールはチューブ外側と気管内面との間に封止を形成し、ガス流をチューブのボアに閉じ込めて、またチューブと気管との間でチューブ外側周りにガス流が流れることができないようにする。シールの最も共通した形態は膨張可能なカフによって得られ、カフは、チューブに沿って後方に延在しかつ膨張インジケータ、バルブ及びコネクタで終端する膨張ラインに接続した小孔ルーメン（管腔）により膨張及び収縮する。これら膨張可能なカフは、膨張ラインにより供給される比較的低圧のガスによって伸張することなく膨張する自然な環状又はドーナツ状の形状となるよう成形した可撓性材料で形成した高容量／低圧の種類とすることができる。代案として、カフは、非膨張状態のときにチューブシャフトに近接する弾性材料であり、膨張ラインにより供給される比較的高圧によってより大きい直径に膨張及び伸張する低容積／高圧の種類とすることができる。異なる形状及び形態のカフは、例えば、特許文献１〜４に記載されている。

米国特許第７，９８７，８５１号明細書英国特許第２，３５６，５７１号明細書米国特許第８，３０７，８３０号明細書米国特許第８，４３４，４８８号明細書

気管チューブ、とくに、気管切開チューブにおける１つの問題点は、チューブの先端部が使用中に気管壁に接触し、気管組織を損傷するおそれがある点である。

本発明の目的は代替的気管チューブを得るにある。

本発明によれば、上述で特定した種類の気管チューブを提供し、この気管チューブにおいて、少なくとも患者側端部のカラーは、前記カフの膨張可能部分内に反転させて、前記カフの前記膨張可能部分を越えて突出することがないようにし、前記患者側端部のカラーは前記シャフトの前記患者側端部にすぐ隣接して前記シャフトに取り付けて、前記シャフトのいかなる部分も、前記カフの前記膨張可能部分から突出することがほぼないようにし、また前記カフは、患者側端部領域でテーパ付きのほぼ截頭円錐形の膨張形状を有する、ことを特徴とする。

好適には、前記封止用のカフは、テーパ付きの装置側端部領域、及び前記テーパ付きの患者側端部領域と前記テーパ付きの装置側端部領域との間におけるほぼ円筒形の中間領域を有する。前記カフの前記テーパ付きの装置側端部領域は、好適には、前記テーパ付きの患者側端部領域よりも大きな角度をなして傾斜する。前記カフの前記テーパ付きの装置側端部領域は、好適には、前記テーパ付きの患者側端部領域におけるよりも２倍の角度をなして傾斜する。前記テーパ付きの患者側端部領域は、好適には、前記シャフトの軸線に対して約３０°の角度をなして延在する。前記封止用のカフは、高容量／低圧力の種類とすることができる。前記カフの前記装置側端部におけるカラーは、前記カフの前記膨張可能部分の外側で前記シャフトに取り付けることができる。前記カフの前記テーパ付きの患者側端部領域は、好適には、前記カフの前記膨張可能部分における長さの約半分の長さを占める。

本発明による気管切開チューブを、以下に、例として添付図面を参照して説明する。

気管チューブお側面図である。図１に示す気管チューブの患者側端部における拡大縦断面図である。従来型気管チューブの患者側端部における側面図である。

図１及び２につき説明すると、気管切開チューブは、シャフト長さに沿って延在するボア２を有する管状のシャフト１を備える。チューブには、機械的真直ぐな患者側端部部分３、及び比較的真直ぐな装置側端部部分４を形成し、チューブの患者側端部６及び装置側端部７は、互いに約１００゜の角度をなすよう湾曲した中間部分５によって結び付ける。シャフト１は、ＰＶＣ又はシリコーンのようなプラスチック材料から押出成形又は型成形する。患者側端部６付近で、チューブは、シャフト１を包囲する膨張可能なカフ１０によって得られるシール手段を有する。カフ１０は高容量／低圧の種類とし、収縮した状態にあるとき、比較的柔軟な形状を有するが、膨張した状態にあるとき、低圧力により気管の内径よりも少しだけ大きい直径まで膨らみ、低圧力で気管の内面に接触する。カフ１０は、ＰＶＣ又はポリウレタンのようなプラスチック材料から所望の膨張形状となるよう成形する。カフ１０は、カフの両側における対向端部でシャフト１に対して取り付け、シャフトに沿ってシャフトの壁厚内に延在する膨張ルーメン１２のシャフト外側表面における開口１１上に取り付ける。膨張ルーメン１２は、チューブの後端部７付近で小ボアを有する膨張ライン１３に接続し、この膨張ライン１３は膨張インジケータ、バルブ及びコネクタによる複合体１４で終端する。

チューブ後部の装置側端部７において、チューブは、ネックストラップ（図示せず）を取り付けるフランジ２０と、及び標準１５ｍｍの雌形継手２１とを有する。

チューブは、普通の着脱可能な内側カニューレ（図示せず）を有することができる。

カフ１０は、装置側端部カラー３０及び患者側端部カラー３１によってシャフト１の外側に取り付ける。装置側端部カラー３０は、通常のやり方でシャフト１に取り付け、この取付けは、カフ１０の膨張可能部分３２を越えてカラーが外方に突出し、カフ内面がシャフト外面に対して、接着剤若しくは溶剤により結合する、又は熱結合方法によって結合するように行う。

しかし、患者側端部カラー３１は異なる様態で取り付け、すなわち、膨張可能部分３２内部に反転させ、カラーの元々の外側表面をシャフト１の外側面に結合する。このようにして、患者側端部カラー３１はカフ１０の膨張可能部分３２を越えて突出しない。

カフの装置側端部カラーは、とくに、チューブがカフ上方に溜まった分泌物を吸引するための吸引ラインを有する場合、米国特許第５，２０１，３１０号に記載のように、膨張可能部分の内側に反転させることもできる。

カフ１０の膨張した状態の膨張可能部分３２は、３つの領域、すなわち患者側端部領域３３、装置側端部領域３４、及び中間領域３５を有する。患者側端部領域３３は、膨張可能部分３２の長さの約半分を占め、またシャフト１の患者側端部６から離れるにつれて増加する直径を有し、シャフトの軸線に対して約３０°の角度をなすテーパ付き円錐状又は截頭円錐形の形状を有する。患者側端部領域３３は、必ずしも正確に截頭円錐形の形状にする必要はないが、砲弾形となるよう外方に僅かに湾曲した、又は僅かにフレア付きの形状となるよう僅かに内方に湾曲させることができる。中間領域３５は、患者側端部領域３３の後部に隣接し、また膨張した膨張可能部分３２の長さの約１／４を占める。中間領域３５は、その長さに沿ってほぼ一定の直径で円筒形の形状を有する。装置側端部領域３４は、膨張した膨張可能部分３２の長さの約１／４を占め、また中間領域３５の後端部と装置側端部カラー３０の前端部との間にわたり延在する。装置側端部領域３４は、円錐形又は截頭円錐形の形状を有し、また患者側端部領域３３よりもシャフト１に対してより大きな角度、患者側端部領域におけるよりも約２倍の角度である約６０゜の角度をシャフト１に対してなす。したがって、カフ１０は、その長さに沿って非対称形状を有する。上述のカフ１０の形状は、気管の外部で膨張したとき、すなわち、制約がないときの形状である。当然のことながら、カフ１０が気管内で膨張したとき、その形状は上述しまた図示した形状とは僅かに異なる。

患者側端部カラー３１は、シャフト１の外側でシャフトの患者側端部６に近接して、すなわち、患者側端部から約１ｍｍ以内に取り付け、カフの膨張可能部分３２がシャフトの患者側端部に対して直角をなす、又はシャフトの約１ｍｍ以内に延在するようにする。この構成により、シャフト１の患者側端部６は、使用中に膨張したカフ１０の患者側端部によって気管に接触することから確実に保護され、膨張したカフ１０はシャフト端部周りのバンパーとして作用する。図３に示す対称的なドーナツ形状の従来型カフ１１０をシャフト１０１の患者側端部１０６に対して直角をなすよう配置する場合、カフの膨張した膨張可能部分１３２がシャフトの端部を越えて突出し、シャフトの通過を塞ぐおそれがある。このリスクは、カフ１１０が低圧力で膨張した場合、患者の外方にシャフト１０１を引っ張る力が加わる場合に増大することになり、これはすなわち、カフの患者側端部がシャフトの患者側端部６に対して前方に転動しようとするからである。このことから、これら従来形状のカフ１１０の膨張可能部分１３２は、図３に示すように、常にシャフト１０１の患者側端部１０６から少なくとも約５ｍｍ離間させる。これに対して、本発明のカフ１０の患者側端部領域３３におけるテーパ付き形状はシャフト１に対して前方に同程度に変位させることはできず、またこれにより、シャフトの患者側端部６は閉塞のリスクなくカフによって保護することができる。

本発明は、気管切開チューブだけでなく、任意の気管チューブに使用することができ、また人間用のチューブに限らず、動物用気管チューブにも使用することができる。

１シャフト
２ボア
３（チューブ）患者側端部部分
４（チューブ）装置側端部部分
５（チューブ）中間部分
６（チューブ）患者側端部
７（チューブ）装置側端部
１０カフ
１１開口
１２膨張ルーメン
１３膨張ライン
１４膨張インジケータ、バルブ及びコネクタによる複合体
２０フランジ
２１雌形継手
３０（カフ）装置側端部カラー
３１（カフ）患者側端部カラー
３２（カフ）膨張可能部分
３３（膨張可能部分）患者側端部領域
３４（膨張可能部分）装置側端部領域３４
３５（膨張可能部分）中間領域
１０１シャフト
１０６患者側端部
１１０従来型カフ
１３２膨張可能部分

Claims

シャフト（１）と、及び使用中に気管壁に対して封止を生ずるよう前記シャフトの外側かつ患者側端部（６）辺りで膨張可能な封止用のカフ（１０）であり、両側の対向端部でカラー（３０，３１）によって前記シャフト（１）に取り付けた、該カフ（１０）と、を備える気管チューブであって、少なくとも患者側端部のカラー（３１）は、前記カフ（１０）の膨張可能部分（３２）内に反転させて、前記カフの前記膨張可能部分（３２）を越えて突出することがないようにし、前記患者側端部のカラー（３１）は前記シャフトの前記患者側端部（６）にすぐ隣接して前記シャフト（１）に取り付けて、前記シャフトのいかなる部分も、前記カフ（１０）の前記膨張可能部分（３２）から突出することがほぼないようにし、また前記カフ（１０）は、患者側端部領域（３３）でテーパ付きのほぼ截頭円錐形の膨張形状を有する、ことを特徴とする気管チューブ。
請求項１記載の気管チューブにおいて、前記封止用のカフ（１０）は、テーパ付きの装置側端部領域（３４）、及び前記テーパ付きの患者側端部領域（３３）と前記テーパ付きの装置側端部領域（３４）との間におけるほぼ円筒形の中間領域（３５）を有する、気管チューブ。
請求項２記載の気管チューブにおいて、前記カフ（１０）の前記テーパ付きの装置側端部領域（３４）は、前記テーパ付きの患者側端部領域（３３）よりも大きな角度をなして傾斜する、気管チューブ。
請求項３記載の気管チューブにおいて、前記カフ（１０）の前記テーパ付きの装置側端部領域（３４）は、前記テーパ付きの患者側端部領域（３３）におけるよりも２倍の角度をなして傾斜する、気管チューブ。
請求項１〜４のうちいずれか一項記載の気管チューブにおいて、前記テーパ付きの患者側端部領域（３３）は、前記シャフト（１）の軸線に対して約３０°の角度をなして延在する、気管チューブ。
請求項１〜５のうちいずれか一項記載の気管チューブにおいて、前記封止用のカフ（１０）は、高容量／低圧力の種類とする、気管チューブ。
請求項１〜６のうちいずれか一項記載の気管チューブにおいて、前記カフ（１０）の前記装置側端部におけるカラー（３０）は、前記カフの前記膨張可能部分（３２）の外側で前記シャフト（１）に取り付ける、気管チューブ。
請求項１〜７のうちいずれか一項記載の気管チューブにおいて、前記カフ（１０）の前記テーパ付きの患者側端部領域（３３）は、前記カフの前記膨張可能部分（３２）における長さの約半分の長さを占める、気管チューブ。