JP2019528056A - ポンペ病用アンチセンスオリゴマー化合物 - Google Patents

ポンペ病用アンチセンスオリゴマー化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、GAA遺伝子のc.546突然変異の存在下で利用されるc.546+184の潜在スプライス部位の近傍の領域を標的とするアンチセンスオリゴマー化合物を含む。かかるオリゴヌクレオチドはポンペ病の治療に使用しうる。また、化合物を必要とする者へのかかる化合物の投与を含むポンペ病の治療方法も特許請求される。

Description

発明の分野
本発明は、ポンペ病の治療に有用なアンチセンスオリゴヌクレオチド及びアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物に関する。本発明はまた、GAA遺伝子のプレmRNAのスプライシングをモジュレートする方法及びポンペ病の治療に関する。
発明の背景
酸性マルターゼ欠損症又はII型グリコーゲン貯蔵病としても知られるポンペ病は、体全体にわたり筋肉及び神経細胞に損傷を与える常染色体劣性代謝障害である。それはリソソーム酸性α−グルコシダーゼ酵素の欠損に起因してリソソームにグリコーゲンが蓄積することにより引き起こされる。グリコーゲンが蓄積すると体全体にわたり進行性筋力低下(筋症)が起こり、各種生体組織、とくに心臓、骨格筋、肝臓、及び神経系が影響を受ける。
ポンペ病では、リソソームヒドロラーゼである酸性マルターゼとしても知られるタンパク質の酸性α−グルコシダーゼ(EC3.2.1.20)が欠損する。このタンパク質は、通常はグリコーゲン、マルトース、及びイソマルトースのα−1,4結合及びα−1,6結合を分解し細胞グリコーゲンの1〜3%の分解に必要とされる酵素である。この酵素の欠損の結果として、罹患者のリソソーム及び細胞質に通常構造のグリコーゲンが蓄積する。リソソーム内に過剰のグリコーゲンが貯蔵すると他のオルガネラの通常機能が妨害され細胞傷害が起こるおそれがある。欠損タンパク質は、17q25.2−25.3(塩基対chr17:80,101,526対80,119,882ビルドGRCh38/hg38)にある17番染色体の長腕上のGAA遺伝子の突然変異により引き起こされる選択的スプライシングの結果である。この遺伝子は約20kbに及び、最初のエクソンを非コードとして20個のエクソンを含有する。
460を超えるGAA突然変異が記載されてきたが(http://cluster15.erasmusmc.nl/klgn/pompe/mutations.html)、ごく少数のスプライシング突然変異が特徴付けられているにすぎない。GAA酵素活性を完全に抑止する重度の突然変異では、肥大型心筋症、全身性骨格筋力低下、及び呼吸不全を伴う古典的乳児病経過を辿り、1.5年以内の生存年数で死に至る。より軽度の突然変異では、部分的GAA酵素活性が残存し、より軽度の表現型で小児期から成人期までのさまざまな時期に発症する。一般的には、初代線維芽細胞のより高い残存酵素活性はポンペ病の後期発症に関連する。組換えヒトGAAタンパク質を2週間ごとに静脈内投与する酵素補充療法(ERT)がポンペ病に対して開発されてきた。この治療では、古典的乳児患者の生命の救済及び後期発症患者の疾患進行の遅延が可能であるが、効果は不均一である。
アンチセンスオリゴヌクレオチド(アンチセンスオリゴマー化合物)は、スプライシングをモジュレートする能力に関して臨床試験で現在試験中である。古典的例は、デュシェンヌ筋ジストロフィー(の治療)である。この疾患では、ある特定のエクソンに突然変異ホットスポットが存在する。アンチセンスオリゴマー化合物を用いて、突然変異エクソンがスキップされ、突然変異がバイパスされる。この結果、依然として部分的に機能するわずかに短いタンパク質が得られる。アンチセンスオリゴマー化合物を関連スプライス部位に標的化しなければならないことは明らかであるので、アンチセンスオリゴマー化合物を用いてエクソンスキッピングを誘導することは容易である。表皮水疱症(国際公開第2013053819号)及びレーバー先天性黒内障症状(国際公開第2012168435号)でも、アンチセンスオリゴヌクレオチドがエクソンスキッピングに使用される。
しかしながら、ポンペ病の非常に一般的な突然変異、いわゆるIVS1突然変異では、かかるストラテジーは機能しない。IVS1突然変異は、エクソン2のスキッピングを引き起こしてカノニカル翻訳開始側の欠失をもたらすとともに、ナンセンス媒介崩壊を招いてタンパク質の転写を行わなくする。ポンペ病のIVS1突然変異に対してアンチセンス療法を機能させるためには、エクソンインクルージョン即ちエクソンスキッピングとは正反対の作用を誘導する必要がある。しかしながら、確実に予測することができないスプライシングリプレッサー配列を標的とすることに依拠するので、エクソンインクルージョンを誘導するのは非常に難しい。スプライシングリプレッサー配列は、遺伝子のどこにでもエクソン(エクソンスプライシングサイレンサー若しくはESSと称される)にもイントロン(イントロンスプライシングサイレンサー若しくはISSと称される)にも存在しうるとともに、突然変異の近傍若しくは遠隔にあるかもしれないし又は影響を受けるスプライス部位の近傍若しくは遠隔にあるかもしれない。
他の突然変異c.546G>Tは、アジアの患者で一般的なサイレント突然変異であり、且つ異常スプライシングを引き起こすことが知られる(Maimaiti, et al., 2009)。Maimaiti et al.にまた、Hermans et al.で帰属された他の突然変異546G>Aが記載されている。さらなる変異546G>Cは、Gort et al.に記載されている。これらの研究から、この酵素の野生型スプライシングがリークしやすくそのmRNA発現が低減されることが分かった。しかしながら、異常スプライシングを引き起こす因子やスプライス部位は、解明されなかった。
in vitroで標的遺伝子のスプライシングをモジュレート可能ないくつかのアンチセンス化合物が報告されてきたが(たとえば、国際公開第2015/190922号)、とくにc.546突然変異に対してGAA遺伝子のスプライシングをモジュレートしうる化合物を同定する必要性が残っている。
したがって、本発明の目的は、とくに突然変異c.546G>Tにより引き起こされるポンペ病の治療のために、GAAの野生型スプライシングを回復可能なアンチセンス化合物を提供することである。本発明の他の目的は、ヒト疾患の天然潜在スプライス部位の利用を同定してからそれを用いてその利用を防止するAONを設計し(突然変異により弱められた)カノニカルスプライス部位をスプライシング機構が利用できるようにすることである。本発明のさらに他の目的は、c.546G>T突然変異に起因する潜在スプライシングを標的としうるアンチセンス化合物を提供することである。本発明はこうした目的の1つ以上を満たす。
発明の概要
一態様では、本発明は、GAA遺伝子のc546G>T突然変異に起因して使用される天然潜在スプライス部位の周りの領域、より特定的には配列番号1の配列、より特定的には配列番号2〜90から選択される配列、さらにより特定的には配列番号2及び5〜23から選択される配列を標的とするアンチセンスオリゴマー化合物を含む。
特定的な実施形態では、本発明は、好ましくはホスホルアミデート、ホスホロジアミデート、モルホリノ、ペプチド、ロックド核酸(LNA)、ホスホロチオエートオリゴマー、トリシクロ−DNA、トリシクロ−ホスホロチオエート、2’O−Me−ホスホロチオエート、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される非天然化学骨格を含む本発明に係るアンチセンスオリゴマー化合物を含む。
さらなる実施形態では、本発明に係る前記アンチセンスオリゴマー化合物は、10から40ヌクレオチド又はヌクレオチドアナログを含む。
より特定的には、本発明に係るアンチセンスオリゴマー化合物は、任意のチミン(T)残基をウラシル(U)と交換しうる配列番号91〜179からなる群の配列から選択される配列を有する。本発明の他の実施形態では、本発明に係るアンチセンスオリゴマー化合物は、配列番号91〜179のいずれかに対して少なくとも80%の同一性を有する。さらなる実施形態では、本発明に係るアンチセンスオリゴマー化合物は、配列番号91〜179からなる群から選択される配列のアナログである。好ましくは、アンチセンスオリゴマー化合物は、配列番号91〜111から選択されるか、それらに対して少なくとも80%の同一性を有するか、又はそれらから選択される配列のアナログである。
さらなる態様では、本発明は、ポンペ病の治療に使用するための本発明に係るアンチセンスオリゴマー化合物に関する。
さらなる態様では、本発明は、本発明に係るアンチセンスオリゴマー化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物に関する。好ましくは、前記医薬組成物は送達剤をさらに含む。
さらなる態様では、本発明は、GAA遺伝子のゲノム核酸配列に結合可能で且つ配列番号1に標的化された、より好ましくは配列番号2〜90の配列の1つ以上さらにより特定的には配列番号2及び5〜23から選択される配列に標的化された化合物を含む。
さらなる態様では、本発明は、本発明に係るアンチセンスオリゴマー化合物又は本発明に係る医薬組成物の投与を含むポンペ病患者の治療方法に関する。
図面の簡単な説明
A)すべてのGAAエクソンのフランキングエクソンRT−PCR。これから健常対照者由来細胞に存在していないエクソン2の2つの異常スプライス産物(36及び37)が明らかにされた(Bergsma et al., Hum. Mutat. 36(1):57-68, 2015)。 B)配列解析では、c.486の潜在スプライスアクセプター部位の利用を介するエクソン2の完全スキップとして産物37及びエクソン2の部分スキップとして産物36を同定した。産物35は、エクソン2の野生型スプライシングを示した。 C)コードエクソン2〜20のエクソン−インターナルRT−qPCR。 D)シクロヘキシミドで細胞を処理した後のすべてのGAAエクソンのフランキングエクソンRT−PCR。 E)産物38は、イントロン2リテンション及びc.546+184の潜在スプライスドナー部位の利用を示した。産物39は、c.1798C>G対立遺伝子に由来する野生型エクソン2スプライシングを示した。同一異常スプライシングがエクソン3の増幅から検出された。産物40は、イントロン2の同一部分リテンションを有する産物38のカウンターパートであり、産物41は、野生型エクソン3スプライシングを示す。 F)c.546G>T変異体に関連するエクソン2のスプライスドナー部位のスプライス予測。 G)c.546+184に同定された潜在スプライスドナーを標的とするAONイントロン2(配列番号106)を設計した。AONの配列が示されている。c.546+184の周りの領域のスプライス予測と共にゲノム領域も示される。 H)未処理、エンドポーター処理のみ、又はエンドポーター+AONイントロン2(配列番号106)処理のいずれかの患者4由来初代線維芽細胞のGAA酵素活性。データは、モックトランスフェクションを基準にして表され、3回の生物学的レプリケートの平均±SDを示す(***p=0.001)。 A)産物38のスプライス接合のシーケンシング解析。 B)産物40及び40’の解析。産物40’は、PCRサンプルを急冷したときは目に見えるが徐冷したときは消失することから、二次構造の形成を示唆する。 C)Alamutを用いたc.546+184に存在する天然潜在スプライス部位を含有する領域のin silico予測。 A)GAA遺伝子のエクソン1とエクソン3との間の領域を表す略画図。c.546G>T変異体の存在下で利用される潜在スプライスドナー部位(c.546+184)を取り囲む領域が拡大されている。左側に示される5つのアルゴリズムのうち4つは、図1Eに示される我々の実験結果に一致するこのスプライスドナー(5’)部位の存在を予測可能であることが、in silico予測の結果から示される。標的領域(矢印で示される配列番号1)の境界を決定するために5つのAONを作製した。B)作製したAONの配列及び対応する配列番号が示される。C)(B)に示されるAONのトランスフェクション後のc.546G>T変異体を有するポンペ病患者由来の初代線維芽細胞のGAA酵素活性。活性は、4MU活性アッセイで測定されるモックトランスフェクションを基準にする。
詳細な説明
アンチセンス技術を裏付ける原理は、標的核酸にハイブリダイズするアンチセンス化合物が転写、スプライシング、翻訳などの遺伝子発現活性をモジュレートすることにある。こうした配列特異性のおかげで、アンチセンス化合物は、標的検証及び遺伝子機能付与のツールとしてさらには疾患に関与する遺伝子発現又は遺伝子産物を選択的にモジュレートする治療剤としてきわめて魅力的なものとなる。
いくつかの真核生物mRNA転写物は直接翻訳されるが、多くは、翻訳前に転写物から切除される「イントロン」として知られる1つ以上の領域を含有する。残留する(したがって翻訳される)領域は、「エクソン」として知られ、スプライスにより一体化されて連続mRNA配列を形成するので、エクソンが連結された部位にエクソン−エクソン接合をもたらす。エクソン−エクソン接合を標的とすることは、異常レベルの正常スプライス産物が疾患に関与する状況又は異常レベルの異常スプライス産物が疾患に関与する状況に有用でありうる。また、スプライス部位即ちイントロン−エクソン接合又はエクソン−イントロン接合を標的とすることは、異常スプライシングが疾患に関与する状況又は特定のスプライス産物の過剰産生が疾患に関与する状況にとくに有用でありうる。再構成又は欠失に起因する異常融合接合もまた、好適な標的である。異なる遺伝子源由来の2つ(又はそれ以上)のmRNAのスプライシングプロセスにより産生されるmRNA転写物は、「融合転写物」として知られ、好適な標的でもある。また、たとえばDNA又はプレmRNAに標的化されたアンチセンス化合物を用いてイントロンに効果的に標的化しうることが知られている。RNアーゼH機序を介して機能するオリゴヌクレオチド化合物などの一本鎖アンチセンス化合物は、プレmRNAを標的とするのに有効である。占有ベースの機序を介して機能するアンチセンス化合物は、たとえばmRNAのRNアーゼH切断を誘発しないがmRNAをインタクトな状態のまま所望のスプライス産物の収率を向上させるので、スプライシングをリダイレクトするのに有効である。
また、DNAの同一ゲノム領域から代替RNA転写物を産生可能であることも当技術分野で知られている。こうした代替転写物は、「代替スプライス転写物」として一般に知られる。これらは、同一ゲノムDNAから産生される他の転写物と開始位置又は停止位置のいずれかが異なりイントロン配列及びエクソン配列の両方を含有する同一ゲノムDNAから産生される転写物である。1つ以上のエクソン領域若しくはイントロン領域又はそれらの一部がスプライシング時に切除されると、プレmRNA転写物はより小さなmRNA転写物を産生する。したがって、mRNA代替スプライス転写物は、プロセシングを受けたプレmRNA転写物であり、各ユニークプレmRNA転写物は、スプライシングの結果として常にユニークmRNA転写物を産生するはずである。プレmRNA転写物のスプライシングが行われなければ、プレmRNA転写物はmRNA転写物と同一である。
また、転写を開始又は停止する代替シグナルを用いてかかる代替スプライス転写物を産生可能であること並びにプレmRNA及びmRNAが2つ以上の開始コドン又は停止コドンを有しうることも当技術分野で知られている。代替開始コドンを用いたプレmRNA又はmRNAに由来する代替スプライス転写物は、そのプレmRNA又はmRNAの「代替開始転写物」として知られる。代替停止コドンを用いたそうした転写物は、そのプレmRNA又はmRNAの「代替停止転写物」として知られる。代替停止転写物の特異的タイプの1つは、産生される複数の転写物が転写機構による「ポリA停止シグナル」の1つの代替選択から生じる「ポリA転写物」であり、それによりユニークポリA部位を末端に有する転写物を産生する。また、転写を開始又は停止する代替シグナルを用いてかかる代替スプライス転写物を産生可能であること並びにプレmRNA及びmRNAが2つ以上の開始コドン又は停止コドンを有しうることも当技術分野で知られている。代替開始コドンを用いたプレmRNA又はmRNAに由来する代替スプライス転写物は、そのプレmRNA又はmRNAの「代替開始転写物」として知られる。代替停止コドンを用いたそうした転写物は、そのプレmRNA又はmRNAの「代替停止転写物」として知られる。代替停止転写物の特異的タイプの1つは、産生される複数の転写物が転写機構による「ポリA停止シグナル」の1つの代替選択から生じる「ポリA転写物」であり、それによりユニークポリA部位を末端に有する転写物を産生する。本明細書で用いられる場合、「アンチセンス機序」とは、化合物と標的核酸とのハイブリダイゼーションを含み、ハイブリダイゼーションの結果又は効果が、たとえば転写又はスプライシングを含む細胞機構のストーリングを伴う標的分解又は標的占有のいずれかであるものすべてある。
本明細書で用いられる場合、「to comprise(〜を含む)」とは、その非限定的な意味で用いられ、その単語に続くアイテムを含むが特定的に挙げられていないアイテムを除外するものではないことを意味する。そのほか、動詞の「to consist(〜からなる)」は、「to consist essentially of(〜から本質的になる)」で置き換えうる。つまり、本明細書に定義される化合物又は補助化合物は、主題の発明のユニークな特徴を変化させない追加の成分であれば特定的に明記された以外の追加の成分を含みうる。本明細書で用いられる場合、「include(〜を含む)」及び「comprise(〜を含む)」という用語は同義的に用いられる。
冠詞の「a」及び「an」は、本明細書では、冠詞の文法上の目的語の1つ以上(即ち少なくとも1つ)を意味するものとして用いられる。代替物の使用(たとえば「or(又は)」)は、代替物の1つ、全部、又はそれらの任意の組合せのいずれかを意味するものと理解すべきである。
「個体」、「患者」、及び「被験者」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、哺乳動物とくに霊長動物、好ましくはヒトを意味する。
「エクソン」という用語は、mRNAの成熟形に存在する遺伝子の一部を意味する。エクソンは、ORF(オープンリーディングフレーム)即ちタンパク質をコードする配列さらには5’及び3’UTR(非翻訳領域)を含む。UTRはタンパク質の翻訳に重要である。DNA配列のエクソンの予測にアルゴリズム及びコンピュータープログラムを利用可能である(Grail、Grail2、及びGenscan、並びにエクソン−イントロン接合の決定に関しては米国特許出願公開第20040219522号)。
本明細書で用いられる場合、「タンパク質コードエクソン」という用語は、タンパク質(又はタンパク質の一部)をコード(少なくとも部分的にコード)するエクソンを意味する。mRNAの最初のタンパク質コードエクソンは、開始コドンを含有するエクソンである。mRNAの最後のタンパク質コードエクソンは、停止コドンを含有するエクソンである。開始コドン及び停止コドンは、当技術分野での周知の任意の数のプログラムを用いて予測可能である。
本明細書で用いられる場合、「内部エクソン」という用語は、その5’末端及び3’末端の両方に他のエクソンがフランキングするエクソンを意味する。n個のエクソンを含むmRNAでは、エクソン2からエクソン(n−1)は内部エクソンである。本明細書では、mRNAの最初及び最後のエクソンを「外部エクソン」という。
「天然潜在スプライス部位」又は「天然偽スプライス部位」とは、プレmRNAスプライシングに通常は使用されないがカノニカルスプライシングが弱まったときに利用されうる部位のことである。それはイントロン又はエクソンのいずれにも位置しうる。「誘導スプライス部位」という用語は、(誘導)突然変異による変化の結果としてプレmRNAスプライシングに使用される新規スプライス部位を生じたRNA配列を意味する。「天然偽エクソン」又は「天然潜在エクソン」という用語は、スプライシング時にエクソンとして機能しうるとともにプレmRNAのイントロン領域に位置するプレmRNAの領域を意味する。天然偽エクソンは、正常健常細胞では利用されないが遺伝子の突然変異を有する疾患細胞では利用される。天然潜在スプライス部位の強度は、かかる突然変異の存在又は不在に通常は影響を受けないが、いくつかの場合には、その予測強度は、近接突然変異に起因して変化しうる。
「イントロン」という用語は、タンパク質に翻訳されない遺伝子の部分を意味し、それはゲノムDNA及びプレmRNAに存在するが成熟mRNAの形成時に除去される。
「メッセンジャーRNA」又は「mRNA」という用語は、ゲノムDNAから転写されたタンパク質合成用コード配列を有するRNAを意味する。プレmRNA(前駆体mRNA)はゲノムDNAから転写される。真核生物では、プレmRNAはプロセシングを受けてmRNAとなる。これにはイントロンの除去即ち「スプライシング」と5’末端及び3’末端の修飾(たとえばポリアデニル化)とが含まれる。mRNAは、典型的には、5’→3’方向に5’キャップ(修飾グアニンヌクレオチド)、5’UTR(非翻訳領域)、コード配列(開始コドンで始まり停止コドンで終わる)、3’UTR、及びポリ(A)テールを含む。
「核酸配列」又は「核酸分子」又は「ヌクレオチド配列」又は「ポリヌクレオチド」という用語は、同義的に用いられ、一本鎖若しくは二本鎖の形態のDNA若しくはRNAの分子(又はDNA若しくはRNAの非天然変異体)を意味する。「単離された核酸配列」とは、もはや単離される前の天然環境にはない、たとえば、細胞内の核酸配列ではない核酸配列を意味する。
核酸分子の「突然変異」とは、野生型配列と比較したときの1つ以上のヌクレオチドの変化、たとえば、1つ以上のヌクレオチドの交換、欠失、又は挿入による変化のことである。「点突然変異」とは、単一ヌクレオチドの交換又は単一ヌクレオチドの挿入若しくは欠失のことである。
「配列同一性」及び「配列類似性」は、グローバル又はローカルなアライメントアルゴリズムを用いて2つのペプチド配列又は2つのヌクレオチド配列のアライメントを行うことにより決定可能である。その際、たとえば、プログラムGAP若しくはBESTFIT又はEmbossプログラム「Needle」(デフォルトパラメーター使用、以下参照)により最適アライメントを行って少なくともある特定の最小限の配列同一性パーセント(以下にさらに定義される)を共有した場合、配列は「実質的に同一である」又は「本質的に類似している」といいうる。これらのプログラムでは、ニードルマン・ブンシュグローバルアライメントアルゴリズムが使用され、マッチ数を最大化するとともにギャップ数を最小化するように2つの配列の全長にわたるアライメントが行われる。一般に、ギャップ生成ペナルティー=10及びギャップ伸長ペナルティー=0.5(ヌクレオチド及びタンパク質のアライメントの両方)のデフォルトパラメーターが使用される。ヌクレオチド用デフォルトスコア行列はDNAFULLであり、タンパク質用デフォルトスコア行列はBlosum62である(Henikoff & Henikoff, 1992, PNAS 89, 10915- 10919)。配列のアライメント及び配列同一性パーセントのスコアは、たとえば、EMBOSS(http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/)などのコンピュータープログラムを用いて決定しうる。代替的に、配列の類似性又は同一性は、FASTA、BLASTなどのデータベース検索により決定しうるが、ヒットは、配列同一性を比較するためにペアワイズに検索及びアライメントを行うべきである。配列同一性パーセントが少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、又はそれ以上、好ましくは少なくとも90%、95%、98%、99%、又はそれ以上である場合(デフォルトパラメーター、即ち、ギャップ生成ペナルティー=10、ギャップ伸長ペナルティー=0.5を用いて、スコア行列として核酸用DNAFULL、タンパク質用Blosum62を用いて、Emboss「needle」により決定したとき)、2つのタンパク質又は2つのタンパク質ドメイン又は2つの核酸配列は、「きわめて均一」であるか又は「実質的配列同一性」を有する。かかる配列は、本明細書では「相同配列」、たとえば、アンチセンスオリゴマー化合物の他の変異体又はホモログともいう。実質的配列同一性を有する配列は、必ずしも同一の長さを有するとは限らず長さが異なりうることを理解すべきである。たとえば、同一のヌクレオチド配列を有するが3’側及び/又は5’側に追加のヌクレオチドを有する配列は、共有配列部に関する限り100%同一である。
本明細書で用いられる「ハイブリダイゼーション」という用語は、当業者には容易に分かることであろうがプローブ配列及び標的配列の性質に依存する適切なストリンジェンシー条件における核酸のハイブリダイゼーションを意味するものとして一般に用いられる。ハイブリダイゼーション及び洗浄の条件は当技術分野で周知であり、インキュベーション時間、温度、及び/又は溶液のイオン強度を変化させることによる所望のストリンジェンシーに依存する条件の調整は容易に達成される。たとえば、Sambrook, J. et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989を参照されたい。条件の選択は、ハイブリダイズされる配列の長さとくにプローブ配列の長さ、核酸の相対G−C含有率、及び許容されるミスマッチ量により決定される。より低い相補度を有する鎖間の部分ハイブリダイゼーションが望まれる場合、低ストリンジェンシー条件が有利である。完全又はほぼ完全な相補性が望まれる場合、高ストリンジェンシー条件が好ましい。典型的な高ストリンジェンシー条件では、ハイブリダイゼーション溶液は、6×S.S.C.、0.01M EDTA、1×デンハルト溶液、及び0.5%SOSを含有する。ハイブリダイゼーションは、クローンDNAの断片では約68℃で約3〜4時間及び全真核細胞DNAでは約12〜約16時間行われる。より低いストリンジェンシーでは、ハイブリダイゼーションの温度は、二本鎖の融解温度(TM)よりも約42℃低い温度に低下させる。TMは、G−C含有率及び二本鎖の長ささらには溶液のイオン強度の関数であることが知られている。
「対立遺伝子」という用語は、特定の遺伝子座における遺伝子の1つ以上の代替形態のいずれかを意味し、対立遺伝子はすべて、特異的遺伝子座において1つの形質又は特徴に関連する。相同染色体対の各染色体上には1つの対立遺伝子が存在する。これらは遺伝子の同一対立遺伝子(ホモ接合)又は2つの異なる対立遺伝子(ヘテロ接合)でありうる。
「突然変異対立遺伝子」とは、本明細書では、野生型対立遺伝子と比較して配列(mRNA、cDNA、又はゲノムの配列)に1つ以上の突然変異を含む対立遺伝子を意味する。かかる突然変異(たとえば、1つ以上のヌクレオチドの挿入、反転、欠失、及び/又は交換)は、たとえば、タンパク質がトランケートされたり又はアミノ酸配列の1つ以上のアミノ酸が欠失、挿入、若しくは交換されたりするなどが原因で、in vitro及び/若しくはin vivoの機能性が低減された(機能低下)コードタンパク質又はin vitro及び/若しくはin vivoの機能性がない(機能喪失)コードタンパク質をもたらしうる。かかる変化は、異なるコンフォメーションを有するタンパク質、異なる細胞下の区画に標的化されたタンパク質、触媒ドメインが改変されたタンパク質、核酸又はタンパク質への結合活性が改変されたタンパク質などをもたらしうるとともに、異なるスプライシングイベントももたらしうる。
遺伝子配列又はヌクレオチド配列又はアンチセンスオリゴマー化合物の「断片」とは、それらの分子の任意のサブセット、たとえば、より短いポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドを意味する。
「AON誘導体」とは、アンチセンスオリゴマー化合物又はその断片に実質的に類似した分子、たとえば、1つ以上の置換ヌクレオチドを有するが特定の遺伝子にハイブリダイズする能力を維持するヌクレオチド置換変異体を意味する。好ましくは、AON誘導体は本発明により同定される突然変異を含む。誘導体はまた、より長い配列を含みうる。
「analogue(アナログ)」又は「analog(アナログ)」とは、全分子、その誘導体又は断片のいずれかに実質的に類似した非天然分子又はそれらに関連する機能を発揮する非天然分子を意味する。
本明細書で用いられる場合、「前駆体mRNA」又は「プレmRNA」という用語は、1つ以上の介在配列(イントロン)を含有するメッセンジャーリボ核酸(mRNA)の未成熟一本鎖を意味する。プレmRNAは、細胞核内でRNAポリメラーゼによりDNA鋳型から転写され、イントロンとコード領域(エクソン)との交互配列で構成される。スプライシングによりイントロン除去及びエクソン連結が行われてプレmRNAが完全にプロセシングされると、それは「メッセンジャーRNA」又は「mRNA」というイントロン配列が完全に排除されたRNAとなる。真核生物のプレmRNAは、完全にプロセシングされてmRNAになる前に一過的に存在するにすぎない。プレmRNAが適正にプロセシングされてmRNA配列になると、それは核から搬出されて最終的には細胞質内のリボソームによりタンパク質に翻訳される。
本明細書で用いられる場合、「スプライシング」及び「(プレ)mRNAプロセシング」という用語は、イントロンが除去されてエクソンが連結される転写後のプレmRNAの改変を意味する。プレmRNAスプライシングは、2つの逐次生化学反応を含む。両反応とも、RNAヌクレオチド間のスプライセオソームエステル交換を含む。第1の反応では、スプライセオソームアセンブリー時に規定されるイントロン内の特異的分岐点ヌクレオチドの2’−OHは、5’スプライス部位のイントロンの最初のヌクレオチドに求核攻撃を行ってラリアット中間体を形成する。第2の反応では、放出された5’エクソンの3’−OHは、3’スプライス部位のイントロンの最後のヌクレオチドに求核攻撃を行うことによりエクソンの連結及びイントロンラリアットの放出を行う。プレmRNAスプライシングは、イントロンサイレンサー配列(ISS)、エクソンサイレンサー配列(ESS)、及び末端ステムループ(TSL)配列によりレギュレートされる。
本明細書で用いられる場合、「イントロンサイレンサー配列」(ISS)及び「エクソンサイレンサー配列」(ESS)という用語は、それぞれ、プレmRNA内へのトランス作用タンパク質因子の結合によりスプライス部位の使用に差を生じさせて選択的スプライシングを制御するイントロン内及びエクソン内の配列エレメントを意味する。典型的には、イントロンサイレンサー配列は、エクソン−イントロン接合のスプライス部位ほど保存されない。
本明細書で用いられる場合、「スプライシングのモジュレーション」とは、1つ以上のスプライス産物の増加若しくは減少又は2つ以上のスプライス産物の比の変化を生じるようにプレmRNA転写物のプロセシングを改変することを意味する。また、スプライシングのモジュレーションとは、エクソンスキッピング若しくはエクソンインクルージョン、1つ以上のエクソンの欠失、又はスプライシングを受けたmRNAには通常は見いだされない追加の配列(たとえばイントロン配列)の結果として、スプライシングを受けたmRNA分子がエクソンの異なる組合せのいずれかを含有するようにプレmRNA転写物のプロセシングを改変することを意味する。
本明細書で用いられる場合、「スプライス部位」とは、プレmRNA(スプライシングを受けていないRNA)分子のエクソンとイントロンとの間の接合(「スプライス接合」としても知られる)を意味する。「潜在スプライス部位」とは、典型的には使用されないが通常スプライス部位がブロックされたり若しくは利用できなかったりしたときに又は突然変異により通常休止部位が活性スプライス部位になったときに使用しうるスプライス部位のことである。「異常スプライス部位」とは、天然のDNA及びプレmRNAの突然変異により生じるスプライス部位のことである。
本明細書で用いられる場合、「スプライス産物」又は「スプライシング産物」とは、プレmRNAのスプライシングプロセスから生成される成熟mRNA分子のことである。代替的に、スプライシングを受けたプレmRNAは、少なくとも2つの異なるスプライス産物を有する。たとえば、第1のスプライシング産物は、第2のスプライシング産物と比べて追加のエクソン又はエクソンの一部を含有しうる。所定のプレmRNAのスプライス産物は、当業者に周知の多種多様な技術により同定可能である(たとえば、Leparc, G.G. and Mitra, R.D. Nucleic Acids Res. 35(21): e146, 2007)。
本明細書で用いられる場合、「スプライスドナー部位」とは、イントロンの5’末端又は代替的にエクソンの3’末端に見いだされるスプライス部位を意味する。スプライスドナー部位は、「5’スプライス部位」と同義的に用いられる。本明細書で用いられる場合、「スプライスアクセプター部位」とは、イントロンの3’末端又は代替的にエクソンの5’末端に見いだされるスプライス部位を意味する。スプライスアクセプター部位は、「3’スプライス部位」と同義的に用いられる。
本明細書で用いられる場合、「targeting(〜を標的とする)」又は「targeted to(〜に標的化された)」とは、所定の核酸分子又は核酸分子の領域に化合物がハイブリダイズするようにオリゴマー化合物を設計するプロセスを意味する。特定の標的核酸分子へのオリゴマー化合物の標的化は、多工程プロセスでありうる。プロセスは、通常、発現がモジュレートされる標的核酸の同定から始まる。本明細書で用いられる場合、「標的核酸」及び「GAAをコードする核酸」という用語は、GAAをコードするDNA、かかるDNAから転写されたRNA(プレmRNA及びmRNAを含む)、さらにはかかるRNAから誘導されたcDNAを包含する。たとえば、標的核酸は、発現が特定の障害若しくは疾患状態に関連する細胞遺伝子(又は遺伝子から転写されたmRNA)又は感染因子由来の核酸分子でありうる。本明細書に開示されるように、標的核酸はGAAをコードする。GAAタンパク質は、任意の哺乳動物酵素でありうるが、好ましくはヒトGAAである。
標的化プロセスはまた、通常、所望の効果たとえば発現のモジュレーションを生じるようにアンチセンス相互作用が行われる標的核酸内の少なくとも1つの標的領域、セグメント、又は部位を決定することを含む。
本明細書で用いられる場合、「標的mRNA」とは、本明細書に提供されるオリゴマー化合物がハイブリダイズするように設計される核酸分子を意味する。本開示との関連では、標的mRNAは、通常、スプライシングを受けていないmRNA又はプレmRNAである。本発明との関連では、標的mRNAは、GAAmRNA又はGAAプレmRNAである。
「領域」とは、少なくとも1つの同定可能な構造、機能、又は特徴を有する標的核酸の部分として定義される。標的領域は、たとえば、特定のエクソン若しくはイントロンを含みうるか、又は適切な標的領域として同定されるエクソン内又はイントロン内の所定のヌクレオチドのみを含みうる。標的領域はまた、スプライシングリプレッサー部位でありうる。標的核酸の領域内にはセグメントがある。「セグメント」は、標的核酸内の領域のより小さな部分又はサブ部分として定義される。本発明で用いられる「部位」は、標的核酸内のユニークヌクレオ塩基位置として定義される。本明細書で用いられる場合、オリゴマー化合物の「標的部位」は、化合物が結合する標的核酸の最も5’側のヌクレオチドである。
標的分解は、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を切断する細胞エンドヌクレアーゼのRNアーゼH(の性能)を含みうる。「DNA様」の一本鎖アンチセンス化合物は、RNアーゼHによる切断を誘発することが当技術分野で知られている。アンチセンス化合物がハイブリダイズしても標的の切断を誘発しない占有ベースのアンチセンス機序は、翻訳の阻害、スプライシングのモジュレーション、ポリ(A)部位選択のモジュレーション、及びレギュレートRNA構造の破壊を含む。本発明では、占有ベースのアンチセンス機序に使用される「RNA様」アンチセンス化合物が好ましい。
本開示との関連では、「スプライス部位に標的化された」オリゴマー化合物とは、mRNAのスプライシングがモジュレートされるように、スプライス部位をコードする核酸の領域の少なくとも一部にハイブリダイズする化合物、又はスプライス部位に近接するイントロン若しくはエクソンにハイブリダイズする化合物を意味する。
「オリゴマー化合物」という用語は、核酸分子の領域にハイブリダイズ可能な高分子構造を意味する。この用語は、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチドアナログ、オリゴヌクレオチドミメティクス、及びこれらのキメラ組合せ物を含む。オリゴマー化合物は、ルーチンで線状に調製されるが、連結させたりさもなければ環状に調製したりすることが可能である。さらに、分岐状構造が当技術分野で公知である。オリゴマー化合物は、一本鎖、二本鎖、環状、分岐状、又はヘアピンの形態で導入しうるとともに、構造要素たとえば内部又は末端のバルジ又はループを含有しうる。オリゴマー二本鎖化合物は、二本鎖化合物を形成するようにハイブリダイズされた2本の鎖又はハイブリダイゼーション及び完全二本鎖若しくは部分二本鎖の化合物の形成を可能にする十分な自己相補性を有する1本の鎖でありうる。
「アンチセンスオリゴヌクレオチド、AON、又はアンチセンスオリゴマー化合物」という用語は、相補的ヌクレオチド配列を有するプレmRNA若しくはmRNAとの相互作用及び/又はそれらへのハイブリダイゼーションにより遺伝子発現及び/又はスプライシングを改変可能なオリゴヌクレオチドを意味する。酵素依存性アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的mRNAを分解するRNアーゼH活性に依存する且つ一本鎖のDNAアンチセンス、RNAアンチセンス、及びホスホロチオエートアンチセンスを含む形態を含む。ステリックブロッキングアンチセンスオリゴヌクレオチド(RNアーゼH非依存アンチセンス)は、mRNAの標的配列に結合することにより遺伝子発現又は他のmRNA依存細胞プロセスを妨害する。ステリックブロッキングアンチセンスは、2’−Oアルキルアンチセンスオリゴヌクレオチド、モルホリノアンチセンスオリゴヌクレオチド、及びトリシクロ−DNAアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。本発明ではステリックブロッキングアンチセンスオリゴヌクレオチドが好ましい。
本明細書で用いられる場合、「RNアーゼH非依存」のアンチセンスオリゴヌクレオチドとは、標的核酸にハイブリダイズされたときにRNアーゼHによる切断を誘発しない化合物のことである。RNアーゼH非依存オリゴマー化合物は、標的占有ベースの機序によりスプライシングなどの遺伝子発現をモジュレートする。本発明ではRNアーゼH非依存アンチセンスオリゴヌクレオチドが好ましい。
本明細書で用いられる場合、「ハイブリダイゼーション」とは、オリゴマー化合物の相補鎖の対合を意味する。本開示との関連では、オリゴマー化合物は、非標的核酸配列へのオリゴマー化合物の非特異的結合を回避するのに十分な相補度が存在する場合、特異的にハイブリダイズ可能である。当業者であれば、オリゴマー化合物が特異的にハイブリダイズ可能な場合を決定しうるであろう。
本明細書で用いられる場合、「相補的」とは、相補的なヌクレオシド間又はヌクレオチド間の伝統的ワトソン・クリック塩基対合又は他の非伝統的タイプの対合(たとえば、フーグスティーン水素結合若しくは逆フーグスティーン水素結合)のいずれかにより他の核酸分子との水素結合を形成可能な核酸分子を意味する。本開示のアンチセンスオリゴマー化合物に関しては、アンチセンスオリゴマー化合物とその相補的配列との結合自由エネルギーは、アンチセンスオリゴマー化合物の関連機能を発揮させるのに十分であり、而も特異的結合が望まれる条件下で、即ち、ex vivo又はin vivoの治療処置の場合には生理学的条件下で、非標的配列へのアンチセンスオリゴマー化合物の非特異的結合を回避するのに十分な相補度が存在する。核酸分子の結合自由エネルギーの決定は当技術分野で周知である(たとえば、Turner et ah, CSH Symp. Quant. Biol. 1/7:123-133 (1987)、Frier et al, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 83:9373-77 (1986)、及びTurner et al, J. Am. Chem. Soc. 109:3783-3785 (1987)を参照されたい)。そのため、「相補的」(又は「特異的にハイブリダイズ可能」)とは、アンチセンスオリゴマー化合物とプレmRNA標的又はmRNA標的との間で安定且つ特異的な結合が行われるような十分な相補度又は正確な対合を示唆する用語である。当技術分野では、核酸分子は、特異的にハイブリダイズ可能な標的核酸配列に100%相補的である必要はないものと理解される。即ち、2つ以上の核酸分子は、完全に相補的な状態には至らないこともありうる。相補性は、第2の核酸分子との水素結合を形成可能な核酸分子中の隣接残基のパーセントにより示される。たとえば、第1の核酸分子が10ヌクレオチドを有し且つ第2の核酸分子が10ヌクレオチドを有する場合、第1及び第2の核酸分子間の5、6、7、8、9、又は10ヌクレオチドの塩基対合は、それぞれ、50%、60%、70%、80%、90%、及び100%の相補性を示す。オリゴマー化合物と標的核酸の領域との相補性パーセントは、当技術分野で公知のBLASTプログラム(basic local alignment search tools)及びPowerBLASTプログラムを用いてルーチンで決定可能である(Altschul et al., J. Mol. Biol., 1990, 215, 403-410、Zhang and Madden, Genome Res., 1997, 7, 649-656)。相同性パーセント、配列の同一性又は相補性は、たとえば、スミス・ウォーターマンアルゴリズム(Adv. Appl. Math., 1981, 2, 482-489)を使用するGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix, Genetics Computer Group, University Research Park, Madison Wis.)によりデフォルト設定を用いて決定可能である。「完全に」又は「十分に」相補的な核酸分子とは、第1の核酸分子のすべての隣接残基が第2の核酸分子の同数の隣接残基と水素結合するものを意味し、この場合、核酸分子は両方とも同数のヌクレオチドを有するか(即ち同一の長さを有するか)又は2つの分子は異なる長さを有するかのいずれかである。
本明細書で用いられる場合、「均一に改変」又は「十分に改変」とは、本質的に各ヌクレオシドが均一な改変を有する糖改変ヌクレオシドであるオリゴマー化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、又はヌクレオチドの領域を意味する。
本明細書で用いられる場合、「キメラオリゴマー化合物」、「キメラアンチセンス化合物」、又は「キメラアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物」とは、それぞれ少なくとも1つのモノマー単位(即ち、オリゴヌクレオチド化合物の場合にはヌクレオチド)を含む2つ以上の化学的に異なる領域を含有する化合物のことである。「キメラアンチセンス化合物」という用語は、特定的には、同一オリゴマー化合物内の他の糖、ヌクレオチド、及びヌクレオシド間結合と比較して示差的に改変された少なくとも1つの糖、ヌクレオ塩基、及び/又はヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物を意味する。糖、ヌクレオチド、及びヌクレオシド間結合の残りの部分は、独立して改変しうるか又は未改変でありうる。一般的には、キメラオリゴマー化合物は、孤立位置にありうる又は特定のモチーフを規定する領域内に一体的にグループ化しうる改変ヌクレオシドを有するであろう。キメラオリゴマー化合物は、典型的には、ヌクレアーゼ分解に対する耐性の増加、細胞内取込みの増加、及び/又は標的核酸に対する結合親和性の増加を付与するように改変された少なくとも1つの領域を含有する。本開示との関連では、「キメラRNアーゼH非依存アンチセンス化合物」とは、少なくとも2つの化学的に異なる領域を有するアンチセンス化合物のことであるが、ただし、標的核酸にハイブリダイズされたときにRNアーゼHによる切断を受けにくいものである。
本明細書で用いられる場合、「ヌクレオシド」とは、塩基−糖の組合せのことであり、「ヌクレオチド」とは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合されたリン酸基をさらに含むヌクレオシドのことである。
本明細書で用いられる場合、改変糖残基を有するヌクレオシドとは、ヌクレオシドのリボース糖が化学改変糖部分で置換された任意のヌクレオシドのことである。本開示との関連では、化学改変糖部分は、限定されるものではないが2’−O−メトキシエチル、2’−フルオロ、2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ、2’−グアニジニウム、2’−O−グアニジニウムエチル、2’−カルバメート、2’−アミノオキシ、2’−アセトアミド、及びロックド核酸を含む。
本明細書で用いられる場合、「RNアーゼH分解に耐える」化合物とは、RNアーゼH切断に対する化合物の耐性を増加させる少なくとも1つの化学改変を有するアンチセンス化合物のことである。かかる改変としては、限定されるものではないが糖改変を有するヌクレオチドが挙げられる。本明細書で用いられる場合、改変糖を有するヌクレオチドとしては、限定されるものではないが2’−デオキシリボース糖が化学改変糖部分で置換された任意のヌクレオチドが挙げられる。本発明との関連では、化学改変糖部分としては、限定されるものではないが、2’−O−(2−メトキシエチル)、2’−フルオロ、2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ、2’−グアニジニウム、2’−Oグアニジニウムエチル、2’−カルバメート、2’−アミノオキシ、2’−アセトアミド、ロックド核酸(LNA)、及びエチレン架橋核酸(ENA)が挙げられる。RNアーゼH切断に耐える改変化合物は、本明細書に十分に記載されており、当業者には周知である。
本開示との関連では、「細胞内取込み」とは、細胞内へのオリゴマー化合物の送達及び内在化を意味する。オリゴマー化合物は、たとえば、培養下で成長させた細胞により(in vitro)、動物から採取された細胞により(ex vivo)、又は動物への投与後に組織により(in vivo)、内在化可能である。
「被験者」とは、外植細胞のドナー若しくはレシピエントの生物又は細胞自体を意味する。また、「被験者」とは、本開示の核酸分子を投与可能な生物を意味する。本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、被験者は哺乳動物又は哺乳動物細胞である。他の実施形態では、被験者はヒト又はヒト細胞である。
本明細書で用いられる場合、「治療有効量」という用語は、投与対象の被験者(たとえばヒト)において明記された疾患、障害、又は病態を治療又は予防するのに十分なアンチセンスオリゴマー化合物の量を意味する。本開示のアンチセンスオリゴマー化合物は、個別に、組み合わせて、又は他の薬剤と併用して、本明細書で考察される疾患又は病態を治療するために使用可能である。たとえば、特定の疾患、障害、又は病態を治療するために、アンチセンスオリゴマー化合物は、治療に好適な条件下で単独で若しくは1つ以上の薬剤と組み合わせて患者に投与可能であるか又は当業者に明らかな他の適切な細胞に投与可能である。本発明では、疾患は好ましくはポンペ病である。
本明細書で用いられる場合、「薬学的に許容可能」という語句は、生理学的に耐容性がある且つ典型的にはヒトに投与したときに胃の不調、眩暈などのアレルギー性又は類似の有害反応を引き起こさない分子エンティティー及び組成物を意味する。好ましくは、本明細書で用いられる場合、「薬学的に許容可能」という用語は、連邦政府若しくは州政府の監督官庁により承認されているか、又は米国薬局方、若しくは動物で、より特定的にはヒトで使用するための他の一般に公認された薬局方に列挙されていることを意味する。
本明細書で用いられる場合、「単離された」という用語は、参照された物質がその天然環境たとえば細胞から取り出されたことを意味する。そのため、単離された生体物質は、いくつかの又はすべての細胞成分、即ち、当然ながら天然物質が存在する細胞の成分(たとえば、細胞質成分又は膜成分)がフリーでありうる。
本明細書で用いられる「精製された」という用語は、物質が取得される天然物質(たとえば組織培養物)を含めて非関連物質即ち汚染物質の存在を低減又は排除する条件下で単離された物質を意味する。たとえば、精製されたDNAアンチセンスオリゴマー化合物は、好ましくは、組織培養成分、汚染物質などを含めて細胞成分又は培養物成分が実質的にフリーである。本明細書で用いられる場合、「実質的にフリー」という用語は、操作上、物質の分析試験との関連で用いられる。好ましくは、汚染物質が実質的にフリーである精製された物質は、少なくとも50%の純度、より好ましくは少なくとも90%の純度、さらにより好ましくは少なくとも99%の純度である。純度は、クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、免疫アッセイ、組成分析、生物学的アッセイ、及び当技術分野で公知の他の方法により評価可能である。
本明細書では、濃度範囲、パーセント範囲、比範囲、又は整数範囲はいずれも、とくに指定がない限り、挙げられた範囲内の任意の整数値+適切であればその一部(たとえば、整数の1/10及び1/100)を含むものと理解すべきである。また、ポリマーサブユニット、サイズ、厚さなどのいずれかの物理的特徴に関連する本明細書に列挙された数範囲はいずれも、とくに指定がない限り、挙げられた範囲内の任意の整数を含むものと理解すべきである。
「about(約)」又は「approximately(約)」という用語は、統計的に有意な値の範囲内を意味する。かかる範囲は、所与の値又は範囲の桁数内、好ましくは50%以内、より好ましくは20%以内、さらにより好ましくは10%以内、さらにより好ましくは5%以内でありうる。「about(約)」又は「approximately(約)」という用語に包含される許容偏差は、試験下の特定の系に依存し、当業者であれば容易に認識可能である。
一態様では、本発明は、配列番号1(ただし、前記配列番号1は5’−agcagtggggacaccacggtgacaggtactccagaaggcagggctcgggg−3’である)又はこの配列のRNA等価体(即ち、チミン残基がウラシルと交換される)又は混合DNA/RNA配列(ただし、かかる交換はチミン残基のうちごく少数に対してのみ行われる)を標的とするアンチセンスオリゴマー化合物に関する。より特定的には、この標的部位は、5’−acggtgacaggtactccagaaggca−3’(配列番号2)である。
他者によるこれまでの研究の結果として、デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)をはじめとするいくつかのヒト障害でエクソンエクスクルージョンを促進するアンチセンスオリゴマー化合物が設計された。ストラテジーは単純明快であり、明確に規定されたスプライス部位のブロッキングに依拠する。この結果として、病原性遺伝子変異体を含有するエクソンがエクソンスキッピングにより除去される。得られるmRNAはわずかに短く、少なくとも部分的には疾患を軽減するのに十分なかなりの残存活性を有するトランケートタンパク質の発現をもたらす。実質的にすべての遺伝子に対してカノニカルスプライス部位が知られているので、ストラテジーは単純である。唯一の要件は、プレmRNAのカノニカルスプライス部位に結合してその部位のブロッキング及び関与するエクソンのスキッピングをもたらすアンチセンスオリゴマー化合物を設計することである。
はるかに困難な課題は、エクソンのエクスクルージョンではなくインクルージョンを促進するリバースプロセスである。エクソンインクルージョンを促進するために、アンチセンスオリゴマー化合物を用いてスプライスリプレッサーをブロックしうる。しかしながら、スプライスリプレッサーがどこに位置するか不明である。これらはイントロン又はエクソンに存在しうるとともに、イントロンスプライスサイレンサー又はエクソンスプライスサイレンサー(それぞれISS又はESS)と名付けられている。かかるサイレンスの存在の予測に利用可能なソフトウェアが存在するが、これらは非常に信頼性が低い。
他者によるこれまでの研究から、カノニカルスプライス部位又は潜在スプライス部位をブロックしてスプライシングをモジュレートすることは容易であることが示された。たとえば、カノニカルスプライス部位をブロックすることによりエクソンスキッピングを誘導可能であり、これはスキップされたエクソンが病原性突然変異を含有する場合に有益でありうる。かかるスキッピングの最終結果はリーディングフレームの回復でありうる。たとえば、デュシェンヌ筋ジストロフィーでは、かかるストラテジーは臨床試験に入っている。他の例は、病原性突然変異により形成された潜在スプライス部位をブロックすることにより提供される。かかる新たに形成された潜在スプライス部位を単に回避するだけで、カノニカルスプライシングを回復可能である。それほど直接的でないシナリオはカノニカルスプライス部位を弱化させることであり、それにより通常は使用されない天然潜在スプライス部位が利用できるようになる。カノニカルスプライス部位は突然変異により弱化されるので、天然潜在スプライス部位をブロックしてもカノニカルスプライシングが回復されるかは明らかでなく、それは機能しない可能性があるか又は代替天然潜在スプライス部位がより強力である可能性もある。かかる場合には2つの課題に取り組む必要がある。第1に、異常スプライシングイベントを正確に同定することが必要である。これは非常に困難でありうる。なぜなら、異常にスプライシングされた転写物は、細胞内に存在する豊富なRNアーゼにより分解されてかかる転写物の存在率が非常に低くなる可能性があるからである。第2に、潜在スプライス部位の利用を防止するAONを設計することが必要であり、カノニカルスプライシングにどのような効果を及ぼしうるかは、対象遺伝子及びおそらく対象細胞型にも依存するであろう。いずれの場合にも、AON媒介干渉とスプライシング解析とを組み合わせて異常スプライシングを注意深く同定することが必要とされる。c.546位置の突然変異の場合には、もしあったとしてもどのような異常スプライシングイベントであるかは明らかでなかった。我々は、あまり豊富でない異常スプライシングを検出し、新規なスプライシングイベントを同定した。これは、c.546+184に位置する天然潜在アクセプタースプライス部位を利用するものであり、イントロンの一部のインクルージョンをもたらすものであった。その際、カノニカルスプライス部位が突然変異により著しく弱化されていたので、この潜在部位をブロックすることによりカノニカルエクソン2スプライシングが回復されるかも明らかでなかった。驚くべきことに、AONを用いて天然潜在スプライス部位の利用を防止することによりカノニカルスプライシングが促進された。
そのほか、我々は、c.546の突然変異がエクソン2のスキッピングも誘導することを見いだした。かかるイベントは、他の突然変異IVS1でも起こることが知られているが、そうしたことがc.546突然変異で起こることは知られていなかった(それはかなり異なる位置にある。即ち、IVS1はエクソン2の前にあるpYトラクトに位置し、c.546はエクソン2のスプライスドナー部位に位置する)。我々が最近出願した他の特許(オランダ特許第2017294号)には、IVS1突然変異に起因するエクソン2のスキッピングがイントロン1に存在する天然偽エクソンの利用をもたらすことが記載されている。AONを用いて偽エクソンをブロックするとカノニカルエクソン2スプライシングが回復する。偽エクソンをブロックするAONとc.546+184の天然潜在スプライス部位をブロックするAONとを組み合わせれば、c.546の近傍の突然変異との関連でカノニカルエクソン2スプライシングがさらに改善されるであろうと、我々は予想している。
配列番号1への標的化に利用可能なアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)は、5’−TGCCTTCTGGAGTACCTGTCACCGT−3’(配列番号106)である。このAONはGAAエクソン2のインクルージョンを増強することによりGAA酵素の発現を修正可能であることが分かった。標的化とは、たとえば、配列番号1の配列の少なくとも一部若しくはその配列にハイブリダイズする配列又は配列番号1の少なくとも一部に結合する配列が、好ましくは潜在スプライス部位c.546+184を含めて配列番号1の配列の少なくとも一部に標的化されることを意味する点に留意すべきである。標的化される配列は、標的配列よりも短くても長くてもよい。
好適には、配列番号1を標的とする配列は、配列番号1の少なくとも一部にハイブリダイズする。ハイブリダイズする配列は、標的配列よりも短くても長くてもよい。
一態様若しくは態様の一実施形態及び/又はそれらの実施形態では、本発明は、表1に示される配列番号2〜27、好ましくは配列番号2又は配列番号5〜23を含む群から選択される標的配列並びに少なくとも80%の同一性を有するそれらの変異体及び断片に結合可能なアンチセンスオリゴマー化合物(AON)に関する。
Figure 2019528056
配列番号2〜27の全長を標的とする必要がないこともあり、より短い又はより長い配列を有する断片も想定されることに留意すべきである。とくに、より短い断片、たとえば配列番号2〜27、好ましくは配列番号2又は配列番号5〜23の18、19、20、21、22、23、又は24ヌクレオチドを有する断片、たとえば以下の表2及び3に示されるものが想定される。
Figure 2019528056
Figure 2019528056
上述したように、本出願においてポンペ病の原因となる突然変異はc.546G>T点突然変異である。突然変異は、エクソン2のカノニカルスプライスドナーに位置する。この突然変異によりカノニカルエクソン2スプライスドナー部位が弱化されるため、c.546+184の潜在スプライスドナー部位が利用される。アンチセンスオリゴマー化合物は、突然変異の位置ではなくc.546+184の潜在スプライスドナー部位を標的とするものと理解される。我々の知見を裏付ける原理は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いてc.546+184のこの潜在スプライスドナー部位の利用を防止することにより、c.546G>T突然変異により弱化されているにもかかわらずエクソン2のカノニカルスプライスドナー部位が利用可能になることにある。アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の上流のヌクレオチド及び下流のヌクレオチドを含む配列に標的化しうる。好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の2〜50ヌクレオチド上流及び/又は2〜50ヌクレオチド下流を含む配列を標的とし、より好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の3〜45ヌクレオチド上流及び/又は3〜45ヌクレオチド下流を含む配列を標的とし、より好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の5〜40ヌクレオチド上流及び/又は5〜40ヌクレオチド下流を含む配列を標的とし、より好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の6〜35ヌクレオチド上流及び/又は6〜35ヌクレオチド下流を含む配列を標的とし、より好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の7〜33ヌクレオチド上流及び/又は7〜33ヌクレオチド下流を含む配列を標的とし、より好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の8〜30ヌクレオチド上流及び/又は8〜30ヌクレオチド下流を含む配列を標的とし、より好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の9〜28ヌクレオチド上流及び/又は9〜28ヌクレオチド下流を含む配列を標的とし、より好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の10〜25ヌクレオチド上流及び/又は10〜25ヌクレオチド下流を含む配列を標的とし、より好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の11〜22ヌクレオチド上流及び/又は11〜22ヌクレオチド下流を含む配列を標的とし、より好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の12〜20ヌクレオチド上流及び/又は12〜20ヌクレオチド下流を含む配列を標的とし、より好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の13〜18ヌクレオチド上流及び/又は13〜18ヌクレオチド下流を含む配列を標的とし、より好適には、アンチセンスオリゴマー化合物は、c.546+184の潜在スプライスドナー部位の位置の14〜16ヌクレオチド上流及び/又は14〜16ヌクレオチド下流を含む配列を標的とする。
また、エクソン2が(完全に及び部分的に)スキップされることも図から分かる。したがって、c.546+184配列を標的とするAONと偽エクソン(同時係属のオランダ特許第2017294号を参照されたい)を標的とするAONとの組合せは、単一AONよりも良好に機能する可能性がある。
命名法は当業者には周知であり、Dunnen and Antonarakis Human mutation 15:7-12(2000) 、及びAntonarakis SE, the Nomenclature Working Group. 1998. Recommendations for a nomenclature system for human gene mutations. Hum Mutat 11:1-3、及びウェブサイト(http://www.dmd.nl/mutnomen.html)に見いだしうる。ゲノム位置は、www.pompecenter.nlにも見いだしうる。これらはすべて参照により組み込まれる。
好ましくは、ゲノム核酸配列はプレmRNAである。
これらのアンチセンスオリゴマー化合物は、II型グリコーゲン貯蔵病/ポンペ病の治療に有用である。
好ましくは、標的配列は、配列番号1の配列:5’−agcagtggggacaccacggtgacaggtactccagaaggcagggctcgggg−3’である。配列番号1、特定的には配列番号2〜90を標的とするアンチセンスオリゴマー化合物は、ポンペ病患者の治療に非常に好適である。配列番号1〜90を標的とする例示的なアンチセンスオリゴマー化合物は、以下に提供される配列番号91〜179、特定的には配列番号91〜111の配列、より特定的には配列番号106である。しかしながら、本発明はこれらの配列に限定されるものではない。当業者であれば、配列番号1〜90の標的配列に対するアンチセンスオリゴマー化合物を設計可能である。配列番号1〜90の標的配列に対するアンチセンスオリゴマー化合物は、10〜100ヌクレオチド、好ましくは11〜75ヌクレオチド、好ましくは12〜73ヌクレオチド、好ましくは13〜70ヌクレオチド、好ましくは14〜65ヌクレオチド、好ましくは15〜60ヌクレオチド、好ましくは16〜55ヌクレオチド、好ましくは17〜50ヌクレオチド、好ましくは18〜45ヌクレオチド、好ましくは19〜40ヌクレオチド、好ましくは20〜38ヌクレオチド、好ましくは21〜35ヌクレオチド、好ましくは22〜33ヌクレオチド、好ましくは23〜30ヌクレオチド、好ましくは24〜29ヌクレオチド、好ましくは25〜28ヌクレオチド、好ましくは26〜27ヌクレオチドの長さを有しうる。
以下に、配列番号1〜90を標的とする例示的なアンチセンスオリゴマー化合物が与えられる。
Figure 2019528056
Figure 2019528056
Figure 2019528056
これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドでは、存在するチミン(T)残基のそれぞれ又はすべてをウラシル(U)残基と交換しうる。配列番号1〜90の1つ以上の配列に対する配列番号91〜179の1つの配列のかかる誘導体オリゴヌクレオチドの結合親和性は、以上の表に挙げたオリゴヌクレオチドと異ならないであろう。
以上の例では、配列は18、21、及び25ヌクレオチド長であるが、より長い誘導体又はより短い断片も想定される。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明の好ましいいくつかの実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴマー化合物は、配列番号91〜179、好ましくは配列番号91〜111、並びに少なくとも80%の配列同一性を有するそれらの断片及び誘導体からなる群から選択される。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明の好ましいいくつかの実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴマー化合物は、配列番号91〜179、好ましくは配列番号91〜111、並びに配列番号91〜179に対して少なくとも80%、83%、85%、87%、90%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%の配列同一性を有するそれらの断片及び誘導体からなる群から選択される。
又は配列番号91〜179に対して少なくとも80%同一、好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも85%同一、より好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも88%同一、より好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも90%同一、より好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも91%同一、より好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも92%同一、より好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも93%同一、より好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも94%同一、より好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも95%同一、より好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも96%同一、より好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも97%同一、より好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも98%同一、より好ましくは配列番号91〜179に対して少なくとも99%同一である配列。
本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明の好ましいいくつかの実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴマー化合物は、断片配列番号91〜179、好ましくは配列番号91〜111からなる群から選択される。ただし、断片は、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24ヌクレオチド長である。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明の好ましいいくつかの実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴマー化合物は、断片配列番号91〜179からなる群から選択される。ただし、断片は、17、18、19、20、21、又は22ヌクレオチド長である。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明の好ましいいくつかの実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴマー化合物は、断片配列番号91〜179、好ましくは配列番号91〜111からなる群から選択される。ただし、断片は、19、20、又は21ヌクレオチド長である。
最も好ましいのは、配列番号1を標的とするGAA遺伝子のゲノム核酸配列に相補的なアンチセンスオリゴマー化合物である。agcagtggggacaccacggtgacaggtactccagaaggcagggctcgggg(配列番号1)。
本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴマー化合物は、8〜80ヌクレオチド長、9〜50ヌクレオチド長、10〜30ヌクレオチド長、12〜30ヌクレオチド長、15〜25ヌクレオチド長、又は約20ヌクレオチド長である。これには8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、又は80ヌクレオチドのアンチセンス化合物が含まれることは、当業者であれば分かるであろう。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は13〜80ヌクレオチドを含む。これには13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29 30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、又は80ヌクレオチドのアンチセンス化合物が含まれることは、当業者であれば分かるであろう。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は13〜50ヌクレオチドを含む。これには13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29の30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50ヌクレオチドのアンチセンス化合物が含まれることは、当業者であれば分かるであろう。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は13〜30ヌクレオチドを含む。これには13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30ヌクレオチドのアンチセンス化合物が含まれることは、当業者であれば分かるであろう。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は20〜30ヌクレオチドを含む。これには20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30ヌクレオチドのアンチセンス化合物が含まれることは、当業者であれば分かるであろう。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は15〜25ヌクレオチドを含む。これには15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25のアンチセンス化合物が含まれることは、当業者であれば分かるであろう。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は20ヌクレオチドを含む。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は19ヌクレオチドを含む。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は18ヌクレオチドを含む。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は17ヌクレオチドを含む。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は16ヌクレオチドを含む。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は15ヌクレオチドを含む。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は14ヌクレオチドを含む。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は13ヌクレオチドを含む。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、化合物は、特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも8連続ヌクレオチド、好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも9連続ヌクレオチド、より好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも10連続ヌクレオチド、より好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも11連続ヌクレオチド、より好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも12連続ヌクレオチド及びより好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも13連続ヌクレオチド、より好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも14連続ヌクレオチド、より好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも15連続ヌクレオチド及びより好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも16連続ヌクレオチド、より好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも17連続ヌクレオチド、より好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも18連続ヌクレオチド、より好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも19連続ヌクレオチド、より好ましくは特許請求されたアンチセンス化合物の1つに由来する少なくとも20連続ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む。
オリゴヌクレオチドの残りのヌクレオチドはいずれも、RNアーゼHに対する耐性を向上させるオリゴヌクレオチド、細胞標的化配列、細胞透過性配列、マーカー配列、又は任意の他の配列でありうる。
本明細書に開示されるアンチセンス化合物を備える当業者であれば、過度の実験を行うことなくさらなるアンチセンス化合物を同定可能であろう。
アンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療の成功を達成するために、オリゴヌクレオチド化学は適正な細胞内取込みを可能にするものでなければならない(Kurreck, J. (2003) Eur. J. Biochem. 270:1628-1644)。スプライシングオリゴヌクレオチドは、伝統的には、オリゴヌクレオチドをRNA様にしてRNアーゼHによる切断に耐えるようにした均一改変体で構成されてきた。これはスプライシングのモジュレーションの達成に重要である。本明細書にはスプライシングをモジュレートするためのアンチセンス化合物が提供される。
本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は、RNA様及びDNA様の化学領域を有するキメラである。DNA様の化学領域にもかかわらず、キメラ化合物は、好ましくはRNアーゼH耐性であり、in vitro及びin vivoで標的mRNAのスプライシングを効果的にモジュレートする。他の好ましい実施形態では、開示されたアンチセンスオリゴマー化合物は、均一改変オリゴヌクレオチドと比較して向上した細胞内取込み及びより大きな薬理活性を示す。
アンチセンス化合物の活性を排除することなくミスマッチを含みうることは、当業者であれば分かる。したがって、本明細書に提供される化合物は、標的へのアンチセンス化合物の塩基対合を破壊する約20%までのヌクレオチドを含有しうるアンチセンス化合物に関する。好ましくは、化合物は、約15%以下、より好ましくは約10%以下、最も好ましくは5%以下のミスマッチを含有するか、又はミスマッチを含有しない。残りのヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションを破壊しない(たとえばユニバーサル塩基)。
ヌクレオチド親和性改変の組込みは、非改変化合物と比較してより多数のミスマッチを許容しうるものと当技術分野で理解される。同様に、ある特定のオリゴヌクレオチド配列は、他のオリゴヌクレオチド配列よりもミスマッチに対してより許容性がありうる。当業者であれば、融解温度の決定などによりオリゴヌクレオチド間又はオリゴヌクレオチドと標的核酸との間の適切なミスマッチ数を決定可能である。
標的mRNAへのハイブリダイゼーションが条件に依存することは、当業者に公知である。「ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」又は「ストリンジェント条件」とは、オリゴマー化合物がその標的配列にはハイブリダイズするが他の配列には最小限の数でハイブリダイズする条件を意味する。ストリンジェント条件は配列依存であり、且つ異なる状況では異なるものとなろう。また、オリゴマー化合物が標的配列にハイブリダイズする「ストリンジェント条件」は、オリゴマー化合物の性質又は組成及び研究に用いられるアッセイにより決定される。
アンチセンス化合物又はその一部は、配列番号への規定の同一性パーセントを有しうる。本明細書で用いられる場合、配列は、同一のヌクレオ塩基対合能力を有する限り、本明細書に開示される配列と同一である。たとえば、開示される配列のチミジンの代わりにウラシルを含有するRNAは、両方ともアデニンと対合するので、同一であるとみなされよう。この同一性は、オリゴマー化合物の全長にわたりうるか、又はアンチセンス化合物の一部でありうる(たとえば、27マーのヌクレオチド1〜20と20マーとを比較して配列番号へのオリゴマー化合物の同一性パーセントを決定しうる)。アンチセンス化合物が本明細書に記載のアンチセンス化合物と同様に機能するために本明細書に記載のものと同一の配列を有する必要はないことは、当業者であれば分かる。本明細書に教示されるアンチセンス化合物の短縮体又は本明細書に教示されるアンチセンス化合物の非同一体も企図される。非同一体とは、各塩基が本明細書に開示されるアンチセンス化合物と同一の対合活性を有していないもののことである。塩基は、より短ければ又は少なくとも1つの脱塩基部位を有していれば、同一の対合活性を有していない。代替的に、非同一体は、異なる対合活性を有する異なる塩基と交換された少なくとも1つの塩基を含みうる(たとえば、Gは、C、A、又はTと交換可能である)。同一性パーセントは、比較される配列番号又はアンチセンス化合物に対応する同一の塩基対合を有する塩基数に従って計算される。非同一塩基は、互いに隣接していてもよいし、オリゴヌクレオチド全体にわたり分散していてもよいし、又はその両方であってもよい。
たとえば、20マーのヌクレオチド2〜17と同一の配列を有する16マーは、20マーに対して80%同一である。代替的に、20マーと同一ではない4つのヌクレオチドを含有する20マーもまた、20マーに対して80%同一である。18マーのヌクレオチド1〜14と同一の配列を有する14マーは、18マーに対して78%同一である。かかる計算は、十分に当業者の能力の範囲内にある。
同一性パーセントは、改変配列の部分に存在する元の配列のヌクレオチドを基準にしたパーセントに基づく。したがって、20ヌクレオ塩基活性標的セグメントの相補体の全長配列を含む30ヌクレオ塩基アンチセンス化合物は、20ヌクレオ塩基活性標的セグメントの相補体に対して100%の同一性の部分を有するであろうが、追加の10ヌクレオ塩基部分をさらに含む。活性標的セグメントの相補体は単一部分を構成しうる。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、本明細書に提示される活性標的セグメントの少なくとも相補体部分に対して少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約85%、さらにより好ましくは少なくとも約90%、最も好ましく少なくとも95%同一である。
活性を排除することなくアンチセンス化合物の長さを増加若しくは減少させたり及び/又はミスマッチ塩基を導入したりできることは、当業者に周知である。たとえば、Woolf et al.(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7305-7310, 1992(参照により本明細書に組み込まれる)では、標的RNAの切断を誘導する能力に関して13〜25ヌクレオチド長の一連のアンチセンスオリゴマー化合物が試験された。アンチセンスオリゴマー化合物の末端近傍に8又は11ミスマッチ塩基を有する25ヌクレオチド長のアンチセンスオリゴマー化合物は、ミスマッチを含有しないアンチセンスオリゴマー化合物ほどではないが標的mRNAの特異的切断を誘導可能であった。同様に、1又は3ミスマッチを有するものを含めて13ヌクレオ塩基アンチセンスオリゴマー化合物を用いて標的特異的切断が達成された。Maher and Dolnick(Nuc. Acid. Res. 16:3341-3358,1988(参照により本明細書に組み込まれる))では、ウサギ網状赤血球アッセイでヒトDHFRの翻訳を停止させる能力に関して、一連の14ヌクレオ塩基タンデムアンチセンスオリゴマー化合物並びにタンデムアンチセンスオリゴマー化合物の2つ又は3つの配列でそれぞれ構成された28及び42ヌクレオ塩基アンチセンスオリゴマー化合物が試験された。3つの14ヌクレオ塩基アンチセンスオリゴマー化合物は、それぞれ単独で、28又は42ヌクレオ塩基アンチセンスオリゴマー化合物よりも控えめのレベルであるが翻訳を阻害可能であった。アンチセンス化合物は、所望の活性が維持される限り長さ及び標的に対する相補性パーセントを変化させうるものと理解される。所望の活性の決定方法は、本明細書に開示されており、当業者には周知である。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴマー化合物は、標的mRNAに対して少なくとも80%の相補性、より好ましくは標的mRNAに対して少なくとも85%の相補性、より好ましくは標的mRNAに対して少なくとも90%の相補性、より好ましくは標的mRNAに対して少なくとも95%の相補性、より好ましくは標的mRNAに対して少なくとも96%の相補性、より好ましくは標的mRNAに対して少なくとも97%の相補性、より好ましくは標的mRNAに対して少なくとも98%の相補性、より好ましくは標的mRNAに対して少なくとも99%の相補性、より好ましくは標的mRNAに対して少なくとも100%の相補性を有する。
当技術分野で公知のように、ヌクレオシドは塩基−糖の組合せ物である。ヌクレオシドの塩基部分は、通常、ヘテロ環式塩基(「ヌクレオ塩基」又は単に「塩基」ということもある)である。かかるヘテロ環式塩基の2つの最も一般的なクラスはプリン及びピリミジンである。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合されたリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドでは、リン酸基は、糖の2’、3’、又は5’ヒドロキシル部分に結合可能である。オリゴヌクレオチドを形成する際、リン酸基は、隣接ヌクレオシドを互い共有結合して線状高分子化合物を形成する。オリゴヌクレオチド内では、リン酸基は、通常、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間骨格を形成するものとして参照される。RNA及びDNAの通常の結合又は骨格は、3’→5’ホスホジエステル結合である。それらの活性を改変するために、多くの場合、オリゴヌクレオチドに化学改変を含むことが好ましい。化学改変は、たとえば、標的RNAへのアンチセンスオリゴヌクレオチドの親和性を増加させたり、ヌクレアーゼ耐性を増加させたり、及び/又はオリゴヌクレオチドの薬動学を改変したりすることにより、オリゴヌクレオチド活性を改変可能である。標的へのオリゴヌクレオチドの親和性を増加させる化学を用いて、より短いオリゴヌクレオチド化合物を使用できるようにしうる。
本明細書に提供されるアンチセンス化合物はまた、糖部分を改変した1つ以上のヌクレオシドを含有しうる。ヌクレオシドのフラノシル糖環は、いくつかの方法により、たとえば、限定されるものではないが置換基の付加、2個の非ジェミナル環原子の架橋による二環式核酸(BNA)の形成、及び−S−、−N(R)−、−C(R1)(R2)などの原子又は基による4’位の環酸素の置換により、改変可能である。改変糖部分は周知であり、標的へのアンチセンス化合物の親和性の改変、典型的には増加及び/又はヌクレアーゼ耐性の増加に使用可能である。好ましい改変糖の代表的なリストには、LNA及びENA(4’−(CH−O−2’架橋)をはじめとする二環式改変糖(BNA)、並びに置換糖、とくに2’−F、2’−OCH、又は2’−O(CH−OCHの置換基を有する2’−置換糖が含まれるが、これらに限定されるものではない。糖はまた、とくに糖ミメティック基と交換可能である。改変糖の調製方法は当業者に周知である。好適な化合物は、次のもの、即ち、OH、F、O−、S−、若しくはN−アルキル、O−、S−、若しくはN−アルケニル、O−、S−、若しくはN−アルキニル、又はO−アルキル−O−アルキル、(式中、アルキル、アルケニル、及びアルキニルは、置換若しくは非置換のC〜C10アルキル若しくはC〜C10アルケニル及びアルキニルでありうる)の1つを2’位に含みうる。そのほかに好適なのは、O((CHO)CH、O(CHOCH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHONH、及びO(CHON((CHCH(式中、n及びmは1〜約10である)である。他のオリゴヌクレオチドは、次のもの、即ち、C1〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O−アルカリール又はO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリ−アルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬動学的性質を向上させるための基、又はオリゴヌクレオチドの薬力学的性質を向上させるための基、及び類似の性質を有する他の置換基の1つを2’位に含む。1つの改変は、2’−メトキシエトキシ(2’−O−(2−メトキシエチル)又は2’−MOEとしても知られる2’−O−CHCHOCH)(Martin et al., Helv. Chim. Acta, 1995, 78, 486-504)、即ち、アルコキシアルコキシ基を含む。さらなる改変は、2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、即ち、2’−DMAOEとしても知られるO(CHON(CH基、及び2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(当技術分野では2’−O−ジメチル−アミノ−エトキシ−エチル又は2’−DMAEOEとしても知られる)、即ち、2’−O−(CH−O−(CH−N(CHを含む。他の改変は、2’−メトキシ(2’−O−CH)、2’−アミノプロポキシ(2’−OCHCHCHNH)、2’−アリル(2’−CH−CH−CH)、2’−Oアリル(2’−O−CH−CH−CH)及び2’−フルオロ(2’−F)を含む。2’−改変は、アラビノ(上)位又はリボ(下)位でありうる。2’−アラビノ改変の1つは2’−Fである。オリゴヌクレオチドの他の位置、とくに、3’末端ヌクレオチド又は2’−5’結合オリゴヌクレオチドの糖の3’位及び5’末端ヌクレオチドの5’位にも類似の改変を行いうる。アンチセンス化合物はまた、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分などの糖ミメティックを有しうる。かかる改変糖構造の調製を教示する代表的な米国特許としては、米国特許第4,981,957号、同第5,118,800号、同第5,319,080号、同第5,359,044号、同第5,393,878号、同第5,446,137号、同第5,466,786号、同第5,514,785号、同第5,519,134号、同第5,567,811号、同第5,576,427号、同第5,591,722号、同第5,597,909号、同第5,610,300号、同第5,627,053号、同第5,639,873号、同第5,646,265号、同第5,658,873号、同第5,670,633号、同第5,792,747号、同第5,700,920号、及び同第6,147,200号が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の一態様では、オリゴマー化合物は、3’−エンド糖コンフォメーションを誘導するように改変されたヌクレオシドを含む。ヌクレオシドは、所望の3’−エンド糖コンフォメーションを誘導するようにヘテロ環式塩基、糖部分、又はその両方の改変を組込み可能である。こうした改変ヌクレオシドを用いてRNA様ヌクレオシドをミミックすることにより、望ましい3’−エンドコンフォメーショナルジオメトリーを維持しつつオリゴマー化合物の特定の性質を増強可能である。
本発明では、RNアーゼH耐性であることからRNA型二本鎖(A型ヘリックス、主に3’−エンド)を優先する。より安定な3’−エンドヌクレオシドを用いて増強可能な性質としては、限定されるものではないが、タンパク質結合、タンパク質オフ速度、吸収、及び排除の改変による薬動学的性質のモジュレーション、ヌクレアーゼ安定性さらには化学的安定性のモジュレーション、オリゴマーの結合親和性及び特異性(酵素さらには相補的配列に対する親和性及び特異性)のモジュレーション、並びにRNA切断の有効性の増加が挙げられる。
ヌクレオシドコンフォメーションは、ペントフラノシル糖の2’、3’、又は4’位の置換をはじめとする各種因子による影響を受ける。電気陰性置換基は、一般に、アキシアル位が有利であり、一方、立体的に嵩高い置換基は、一般に、エクアトリアル位が有利である(Principles of Nucleic Acid Structure, Wolfgang Sanger, 1984, Springer-Verlag)。3’−エンドコンフォメーションに有利な2’位の改変は、2’−OHを認識エレメントとして維持しつつ達成可能である(Gallo et al., Tetrahedron (2001), 57, 5707-5713、Harry-O’kuru et al., J. Org. Chem., (1997), 62(6), 1754-1759、及びTang et al., J. Org. Chem. (1999), 64, 747-754)。代替的に、3’−エンドコンフォメーションの優先性は、3’−エンドコンフォメーションを採用して電気陰性フッ素原子をアキシアル位に配置する2’−デオキシ−2’−F−ヌクレオシド(Kawasaki et al., J. Med. Chem. (1993), 36, 831-841)により例証されるように2’−OHの欠失により達成可能である。得られる二本鎖にA型コンフォメーション性(3’−エンド)を与える本発明に適した代表的な2’−置換基としては、2’−O−アルキル、2’−O−置換アルキル、及び2’−フルオロ置換基が挙げられる。他の好適な置換基は、各種のアルキル及びアリールのエーテル及びチオエーテル、アミン、並びにモノアルキル置換及びジアルキル置換のアミンである。
リボース環の他の改変、たとえば、4’−F改変ヌクレオシドを与える4’位の置換(Guillerm et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters (1995), 5, 1455-1460及びOwen et al., J. Org. Chem. (1976), 41, 3010-3017))、又はたとえば、メタノカルバヌクレオシドアナログを生成する改変(Jacobson et al., J. Med. Chem. Lett. (2000), 43, 2196-2203及びLee et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters (2001), 11, 1333-1337)もまた、3’−エンドコンフォメーションの優先性を誘導する。類似の方針に沿って、C3’−エンド型コンフォメーション、即ち、ロックド核酸(LNA、Singh et al, Chem. Commun. (1998), 4, 455-456)及びエチレン架橋核酸(ENA(TM)、Morita et al, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2002), 12, 73-76)にコンフォメーションをロックするように、1つ以上のヌクレオシドを改変可能である。
糖の好ましい改変は、2’−O−メチル、2’−O−メトキシエチル、2’−フルオロ、2’―ジメチルアミノオキシエトキシ、2’―ジメチルアミノエトキシエトキシ、2’−グアニジニウム、2’−Oグアニジニウムエチル、2’−カルバメート、2’−アミノオキシ、2’−アセトアミド、及びロックド核酸からなる群から選択される。好ましい一実施形態では、糖改変は2’−O−メチル又は2’−O−メトキシエチルである。
オリゴマー化合物はまた、ヌクレオ塩基(当技術分野ではヘテロ環式塩基又は単に「塩基」ということが多い)の改変又は置換を含みうる。本明細書で用いられる場合、「非修飾」又は「天然」のヌクレオチドは、プリン塩基のアデニン(A)及びグアニン(G)並びにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)、及びウラシル(U)を含む。「置換」とは、非改変塩基又は天然塩基と他の非改変塩基又は天然塩基との交換のことである。「改変」ヌクレオチドとは、他の合成及び天然のヌクレオチド、たとえば、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6−メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2−プロピル及び他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン、及び2−チオシトシン、5−ハロウラシル及びシトシン、5−プロピニル(−C[identical to]C−CH)ウラシル及びシトシン、並びにピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6−アゾウラシル、シトシン、及びチミン、5−ウラシル(プソイドウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル、及び他の8−置換アデニン及びグアニン、5−ハロとくに5−ブロモ、5−トリフルオロメチル及び他の5−置換ウラシル及びシトシン、7−メチルグアニン及び7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノ−アデニン、8−アザグアニン及び8−アザアデニン、7−デアザグアニン及び7−デアザアデニン、並びに3−デアザグアニン及び3−デアアデニンを意味する。さらなる改変ヌクレオチドは、三環式ピリミジン、たとえば、フェノキサジンシチジン(1H−ピリミド(5,4−b)(1,4)ベンゾオキサジン−2(3H)−オン)、フェノチアジンシチジン(1H−ピリミド(5,4−b)(1,4)ベンゾチアジン−2(3H)−オン)、置換フェノキサジンシチジン(たとえば、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド(5,4−b)(1,4)ベンゾオキサジン−2(3H)−オン)などのG−クランプ、カルバゾールシチジン(2H−ピリミド(4,5−b)インドール−2−オン)、ピリドインドールシチジン(H−ピリド(3’,2’:4,5)ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オン)を含む。改変ヌクレオチドはまた、プリン塩基又はピリミジン塩基が他のヘテロ環、たとえば、7−デア−ザアデニン、7−デアザグアノシン、2−アミノピリジン、及び2−ピリドンと交換されたものを含みうる。さらなるヌクレオチドは、米国特許第3,687,808号に開示されるもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering, pages 858-859、Kroschwitz, J. I., ed. John Wiley & Sons, 1990に開示されるもの、Englisch et al., Angewandte Chemie, International Edition, 1991, 30, 613に開示されるもの、及びSanghvi, Y. S., Chapter 15, Antisense Research and Applications, pages 289-302、Crooke, S. T. and Lebleu, B., ed., CRC Press, 1993に開示されるものを含む。これらのヌクレオチドのいくつかは、本発明の化合物の結合親和性の向上に好適なものとして当業者に公知である。これらは、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、並びにN−2、N−6、及びO−6置換プリン、たとえば、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、及び5−プロピニルシトシンを含む。5−メチルシトシン置換は、核酸二本鎖安定性を0.6〜1.2℃向上させることが示されており、さらにより特定的には2’−O−メトキシエチル糖改変と組み合わせたとき、現在のところ好適な塩基置換である。核酸配列置換の生成に関する塩基の改変は、かかる化学改変を必要としないものと当技術分野で理解される。
いくつかの上述の改変ヌクレオチドさらには他の改変ヌクレオチドの調製を教示する代表的な米国特許としては、限定されるものではないが、米国特許第4,845,205号、さらには上述の米国特許第3,687,808号、同第5,130,302号、同第5,134,066号、同第5,175,273号、同第5,367,066号、同第5,432,272号、同第5,457,187号、同第5,459,255号、同第5,484,908号、同第5,502,177号、同第5,525,711号、同第5,552,540号、同第5,587,469号、同第5,594,121号、同第5,596,091号、同第5,614,617号、同第5,645,985号、同第5,830,653号、同第5,763,588号、同第6,005,096号、同第5,681,941号、及び同第5,750,692号が挙げられる。
本発明のオリゴマー化合物はまた、1つ以上の天然に存在するヘテロ環式塩基部分の代わりに多環式ヘテロ環式化合物を含みうる。いくつかの三環式ヘテロ環式化合物は以前に報告されている。これらの化合物は、標的鎖への改変鎖の結合性を向上させるためにアンチセンス用途にルーチンで使用される。最も研究された改変は、グアノシンに標的化されるため、G−クランプ又はシチジンアナログと称されてきた。第2の鎖のグアノシンと3つの水素結合を生成する代表的なシトシンアナログとしては、1,3−ジアザフェノキサジン−2−オン(Kurchavov, et al., Nucleosides and Nucleotides, 1997, 16, 1837-1846)、1,3−ジアザフェノチアジン−2−オン(Lin, K.-Y.; Jones, R. J.; Matteucci, M. J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 3873-3874)及び6,7,8,9−テトラフルオロ−1,3−ジアザフェノキサジン−2−オン(Wang, J.; Lin, K.-Y., Matteucci, M. Tetrahedron Lett. 1998, 39, 8385-8388)が挙げられる。オリゴヌクレオチドに組み込まれると、これらの塩基改変は相補的グアニンにハイブリダイズすることが示されるとともに、後者は、アデニンにもハイブリダイズして拡張されたスタッキング相互作用によりヘリックスの熱安定性を向上させることが示された(米国特許出願公開第2003/0207804号及び同第2003/0175906号も参照されたい)。
シトシンアナログ/代替物が剛性1,3−ジアザフェノキサジン−2−オンスキャフォールドに結合されたアミノエトキシ部分を有する場合、さらなるヘリックス安定化性が観測された(Lin, K.-Y.; Matteucci, M. J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 8531-8532)。単一改変で親和性を大きく向上させる5−メチルシトシンと比べて18℃までのΔTmを伴って相補的標的DNA又はRNAへのモデルオリゴヌクレオチドの結合親和性を単一組込みにより向上可能であることが、結合試験から実証された。一方、ヘリックス安定性の向上は、オリゴヌクレオチドの特異性を損なわない。
本発明の使用に適したさらなる三環式ヘテロ環式化合物及びその使用方法は、米国特許第6,028,183号及び同第6,007,992号に開示されている。
配列特異性を損なうことなくフェノキサジン誘導体の結合親和性が向上するため、より強力なアンチセンスベースの薬剤の開発用として価値あるヌクレオ塩基アナログが得られる。実際に、フェノキサジン置換を含有するヘプタヌクレオチドがRNアーゼHを活性化し、細胞内取込みを増強し、且つ増加したアンチセンス活性を呈しうることを実証するin vitro実験から、有望なデータが得られている(Lin, K-Y; Matteucci, M. J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 8531-8532)。単一置換が20マーの2’−デオキシホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのin vitro効力を有意に向上させることが示されたので、G−クランプの場合には活性向上がさらに顕著であった(Flanagan, W. M.; Wolf, J. J.; Olson, P.; Grant, D.; Lin, K.-Y.; Wagner, R. W.; Matteucci, M. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1999, 96, 3513-3518)。
ヘテロ環式塩基として有用なさらなる改変多環式ヘテロ環式化合物は、限定されるものではないが、上述の米国特許第4,845,205号、さらには米国特許第3,687,808号、同第5,130,302号、同第5,134,066号、同第5,175,273号、同第5,367,066号、同第5,432,272号、同第5,434,257号、同第5,457,187号、同第5,459,255号、同第5,484,908号、同第5,502,177号、同第5,525,711号、同第5,552,540号、同第5,587,469号、同第5,594,121号、同第5,596,091号、同第5,614,617号、同第5,645,985号、同第5,646,269号、同第5,750,692号、同第5,830,653号、同第5,763,588号、同第6,005,096号、及び同第5,681,941号、並びに米国特許出願公開第20030158403号に開示されている。
本明細書に記載の化合物は、ヌクレオシドさもなければ改変モノマー単位を結合一体化させてアンチセンス化合物を形成するヌクレオシド間結合基を含みうる。ヌクレオシド間結合基の2つの主要なクラスは、リン原子の存在又は不在により規定される。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないがホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホルアミデート、及びホスホロチオエートが挙げられる。代表的なリン非含有ヌクレオシド間結合基としては、限定されるものではないが、メチレンメチルイミノ(−CH−N(CH)−O−CH−)、チオジエステル(−O−C(O)−S−)、チオノカルバメート(−O−C(O)(NH)−S−)、シロキサン(−O−Si(H)−O−)、及びN,N’−ジメチルヒドラジン(−CH−N(CH)−N(CH)−)が挙げられる。改変ヌクレオシド間結合は、天然ホスホジエステル結合と比較してアンチセンス化合物のヌクレアーゼ耐性の改変、典型的には向上に使用可能である。キラル原子を有するヌクレオシド間結合は、ラセミ、キラル、又はそれらの混合として調製しうる。代表的なキラルヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないがアルキルホスホネート及びホスホロチオエートが挙げられる。リン含有結合及びリン非含有結合の調製方法は当業者に周知である。
好適な改変ヌクレオシド間結合基は、たとえば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキル−ホスホトリエステル、メチル及び他のアルキルのホスホネート、たとえば、3’−アルキレンホスホネート、5’−アルキレンホスホネート、及びキラルホスホネート、ホスフィネート、ホスホルアミデート、たとえば、3’−アミノホスホルアミデート及びアミノアルキルホスホルアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、ホスホノアセテート、及びチオホスホノアセテート(Sheehan et al., Nucleic Acids Research, 2003, 31(14), 4109-4118及びDellinger et al., J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 940-950を参照されたい)、通常の3’−5’結合を有するセレノホスフェート及びボラノホスフェート、これらの2’−5’結合アナログ、及び1つ以上のヌクレオチド間結合が3’→3’、5’→5’、又は2’→2’結合である逆極性を有するものである。逆極性を有するオリゴヌクレオチドは、最も3’側のヌクレオチド間結合に単一3’→3’結合、即ち、脱塩基でありうる単一反転ヌクレオシド残基(ヌクレオ塩基は、欠失しているか又はその代わりにヒドロキシル基を有する)を含む。また、各種塩、混合塩、及び遊離酸形も含まれる。
N3’−P5’−ホスホルアミデートは、相補的RNA鎖への高い親和性及びヌクレアーゼ耐性の両方を呈することが報告された(Gryaznov et al., J. Am. Chem. Soc., 1994, 116, 3143-3144)。N3’−P5’−ホスホルアミデートの研究が行われ、c−myc遺伝子の発現を特異的にダウンレギュレートするのにin vivoでいくらかの成功を収めている(Skorski et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 1997, 94, 3966-3971、及びFaira et al., Nat. Biotechnol., 2001, 19, 40-44)。
以上のリン含有結合の調製を教示する代表的な米国特許としては、限定されるものではないが、米国特許第3,687,808号、同第4,469,863号、同第4,476,301号、同第5,023,243号、同第5,177,196号、同第5,188,897号、同第5,264,423号、同第5,276,019号、同第5,278,302号、同第5,286,717号、同第5,321,131号、同第5,399,676号、同第5,405,939号、同第5,453,496号、同第5,455,233号、同第5,466,677号、同第5,476,925号、同第5,519,126号、同第5,536,821号、同第5,541,306号、同第5,550,111号、同第5,563,253号、同第5,571,799号、同第5,587,361号、同第5,194,599号、同第5,565,555号、同第5,527,899号、同第5,721,218号、同第5,672,697号、及び同第5,625,050号が挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態では、オリゴマー化合物は、1つ以上のホスホロチオエートヌクレオシド間結合及び/又はヘテロ原子ヌクレオシド間結合、特定的には−CH−NH−O−CH−、−CH−N(CH)−O−CH−(メチレン(メチルイミノ)又はMMI骨格として知られる)、−CH−O−N(CH)−CH−、−CH−N(CH)−N(CH)−CH−、及び−O−N(CH)−CH−CH−(ただし、天然ホスホジエステルヌクレオチド間結合は、−O−P(−O)(OH)−O−CH−として表される)を有しうる。MMI型ヌクレオシド間結合は、以上で参照した米国特許第5,489,677号に開示されている。アミドヌクレオシド間結合は、以上で参照した米国特許第5,602,240号に開示されている。
リン原子を中に含まないいくつかのオリゴヌクレオチド骨格は、短鎖アルキル若しくはシクロアルキルのヌクレオシド間結合、ヘテロ原子とアルキル若しくはシクロアルキルとの混合ヌクレオシド間結合、又は1つ以上の短鎖ヘテロ原子若しくはヘテロ環式のヌクレオシド間結合により形成される骨格を有する。これらは、モルホリノ結合を有するもの(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成される)、シロキサン骨格、スルフィド、スルホキシド、及びスルホン骨格、ホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格、メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格、リボアセチル骨格、アルケン含有骨格、スルファメート骨格、メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格、スルホネート及びスルホンアミド骨格、アミド骨格、及び混合N、O、S、及びCH構成部分を有する他のものを包む。
以上のオリゴヌクレオシドの調製を教示する代表的な米国特許としては、限定されるものではないが、米国特許第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,185,444号、同第5,214,134号、同第5,216,141号、同第5,235,033号、同第5,264,562号、同第5,264,564号、同第5,405,938号、同第5,434,257号、同第5,466,677号、同第5,470,967号、同第5,489,677号、同第5,541,307号、同第5,561,225号、同第5,596,086号、同第5,602,240号、同第5,610,289号、同第5,602,240号、同第5,608,046号、同第5,610,289号、同第5,618,704号、同第5,623,070号、同第5,663,312号、同第5,633,360号、同第5,677,437号、同第5,792,608号、同第5,646,269号、及び同第5,677,439号が挙げられる。
本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート又はホスホロジアミデートである。
本発明のオリゴマー化合物の1つ以上に対して、限定されるものではないが所定の用途における活性などの性質を向上させるために、1つ以上のモノマーサブユニット及び/又はヌクレオシド間結合の複数の部位(ヌクレオシドが好適である)に複数の改変を行いうることがさらに意図される。
本発明に適した多くの改変ヌクレオシドの合成は、当技術分野で公知である(たとえば、Chemistry of Nucleosides and Nucleotides Vol 1-3, ed. Leroy B. Townsend, 1988, Plenum pressを参照されたい)。改変ヌクレオシド及びそのオリゴマーのコンフォメーションは、分子動力学計算、核磁気共鳴分光法、CD測定などの当業者にはルーチンの各種方法により推定可能である。
本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴマー化合物は、モルホリノホスホロチオエート又はホスホロジアミデートモルホリノである。
他のグループのオリゴマー化合物としては、オリゴヌクレオチドミメティックが挙げられる。本明細書で用いられる場合、「ミメティック」という用語は、糖、ヌクレオ塩基、及び/又はヌクレオシド間結合が置換されたグループを意味する。一般に、ミメティックは、糖又は糖−ヌクレオシド間結合の組合せの代わりに使用され、ヌクレオ塩基は、所定の標的へのハイブリダイゼーションのために維持される。糖ミメティックの代表的な例としては、限定されるものではないがシクロヘキセニル又はモルホリノが挙げられる。糖−ヌクレオシド間結合の組合せのミメティックの代表的な例としては、限定されるものではないが非荷電アキラル結合により結合されたペプチド核酸(PNA)及びモルホリノ基が挙げられる。いくつかの場合には、ヌクレオ塩基の代わりにミメティックが使用される。代表的なヌクレオ塩基ミメティックは当技術分野で周知であり、限定されるものではないが三環式フェノキサジンアナログ及びユニバーサル塩基を含む(Berger et al., Nuc Acid Res. 2000, 28:2911-14(参照により本明細書に組み込まれる))。糖、ヌクレオシド、及びヌクレオ塩基のミメティックの合成方法は当業者に周知である。ヘテロ環塩基部分又は改変ヘテロ環塩基部分は、好ましくは、適切な標的核酸とのハイブリダイゼーションのために維持される。
本明細書に記載の化合物は、1つ以上の不斉中心を含有しうるので、アミノ酸などに対して(R)若しくは(S)、[α]若しくは[β]、又は(D)若しくは(L)として絶対立体化学により定義しうる鏡像異性体、ジアステレオマー、及び他の立体異性配座を生成しうる。本開示は、かかる可能な異性体さらにはそれらのラセミ形態及び光学的に純粋な形態をすべて含むものとみなされる。
かかるオリゴマー化合物の1つ、即ち、優れたハイブリダイゼーション性を有することが示されたオリゴヌクレオチドミメティックは、ペプチド核酸(PNA)という(Nielsen et al., Science, 1991, 254, 1497-1500)。PNAは、有利なハイブリダイゼーション性、高い生物学的安定性を有し、且つ静電的に中性の分子である。PNA化合物は、トランスジェニックマウスモデルにおいて異常スプライシングの修正に使用されてきた(Sazani et al., Nat. Biotechnol., 2002, 20, 1228-1233)。PNAオリゴマー化合物では、オリゴヌクレオチドの糖骨格は、アミド含有骨格とくにアミノエチルグリシン骨格と交換される。ヌクレオチドは、骨格のアミド部分のアザ窒素原子に直接的又は間接的に結合される。PNAオリゴマー化合物の調製を教示する代表的な米国特許としては、限定されるものではないが米国特許第5,539,082号、同第5,714,331号、及び同第5,719,262号が挙げられる。PNA化合物は、Applied Biosystems (Foster City, Calif., USA)から市販品として入手可能である。基本PNA骨格への多くの改変が当技術分野で公知であり、とくに有用なのは、一方又は両方の末端にコンジュゲートされた1つ以上のアミノ酸を有するPNA化合物である。たとえば、PNA分子の末端にコンジュゲートする場合、1〜8個のリシン残基又はアルギニン残基が有用である。細胞透過を向上させるためにポリアルギニンテールが好適である。
研究されてきた他のクラスのオリゴヌクレオチドミメティックは、モルホリノ環に装着されたヘテロ環式塩基を有する結合モルホリノ単位(モルホリノ核酸)に基づく。モルホリノ核酸のモルホリノモノマー単位を結合するいくつかの結合基が報告されている。結合基の1クラスは、非イオン性オリゴマー化合物を与えるように選択されてきた。モルホリノ系オリゴマー化合物は、細胞タンパク質との望ましくない相互作用を生成する可能性が低いオリゴヌクレオチドの非イオン性ミメティックである(Dwaine A. Braasch and David R. Corey, Biochemistry, 2002, 41(14), 4503-4510)。モルホリノ系オリゴマー化合物は、ゼブラフィッシュ胚で研究されてきた(Genesis, volume 30, issue 3, 2001 and Heasman, J., Dev. Biol., 2002, 243, 209-214を参照されたい)。モルホリノ系オリゴマー化合物のさらなる研究も報告されている(Nasevicius et al., Nat. Genet., 2000, 26, 216-220、及びLacerra et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 2000, 97, 9591-9596)。モルホリノ系オリゴマー化合物は、米国特許第5,034,506号に開示されている。オリゴマー化合物のモルホリノクラスは、モノマーサブユニットを連結する多種多様な結合基を用いて調製されてきた。結合基は、キラルなものからアキラルなものまで及び帯電したものから中性のものまでさまざまでありうる。米国特許第5,166,315号には、−O−P(−O)(N(CH)−O−を含む結合が開示されており、米国特許第5,034,506号には、アキラルモルホリノ間結合が開示されており、そして米国特許第5,185,444号には、リン含有キラルモルホリノ間結合が開示されている。
オリゴヌクレオチドミメティックのさらなるクラスは、シクロヘキセン核酸(CeNA)という。CeNAオリゴヌクレオチドでは、DNA又はRNA分子に通常存在するフラノース環はシクロヘキセニル環と交換される。CeNA DMT保護ホスホロアミダイトモノマーは、古典的ホスホロアミダイト化学に従ってオリゴマー化合物の合成のために調製及び使用されてきた。CeNAで改変された特定位置を有する完全改変のCeNAオリゴマー化合物及びオリゴヌクレオチドの調製及び研究が行われてきた(Wang et al., J. Am. Chem. Soc., 2000, 122, 8595-8602)。一般的には、DNA鎖にCeNAモノマーを組み込むと、DNA/RNAハイブリッドの安定性が増加する。CeNAオリゴアデニレートは、天然複合体に類似した安定性を有するRNA及びDNAの核酸相補体との複合体を形成した。容易なコンフォメーション適合化を進めるために、CeNA構造を天然核酸構造に組み込む研究がNMR及び円二色性により示された。さらに、RNAを標的とする配列へのCeNAの組込みは、血清に対して安定であり、E.コリ(E.coli)RNアーゼHを活性化して標的RNA鎖の切断をもたらしうる。
さらなる改変は、リボシル糖環の2’−ヒドロキシル基を糖環の4’炭素原子に結合することにより2’−C,4’−C−オキシメチレン結合を形成して二環式糖部分を形成した「ロックド核酸」(LNA)などの二環式糖部分を含む(Elayadi et al., Curr. Opinion Invens. Drugs, 2001, 2, 558-561、Braasch et al., Chem. Biol., 2001, 8 1-7、及びOrum et al., Curr. Opinion Mol. Ther., 2001, 3, 239-243にレビューされており、米国特許第6,268,490号及び同第6,670,461号も参照されたい)。結合は、2’酸素原子と4’炭素原子とを架橋するメチレン(−CH−)基でありうるとともに、LNAという用語は、この二環式部分に対して用いられており、この位置がエチレン基の場合には、ENA(TM)という用語が用いられる(Singh et al., Chem. Commun., 1998, 4, 455-456、ENA(TM): Morita et al., Bioorganic Medicinal Chemistry, 2003, 11, 2211-2226)。LNA及び他の二環式糖アナログは、相補的DNA及びRNAとの非常に高い二本鎖熱安定性(Tm=+3から+10[度]C)、3’−エキソヌクレアーゼ分解に対する安定性、及び良好な溶解性を示す。LNAは、ProLigo(Paris, France and Boulder, Colo., USA)から市販されている。
同様に研究されてきたLNAの異性体は、3’−エキソヌクレアーゼに対する優れた安定性を有することが示されているα−L−LNAである。α−L−LNAは、強力なアンチセンス活性を示すアンチセンスギャップマー及びキメラに組み込まれた(Frieden et al., Nucleic Acids Research, 2003, 21, 6365-6372)。
調製及び研究が行われてきた他の類似の二環式糖部分は、単一メチレン基を介して3’−ヒドロキシル基から糖環の4’炭素原子に及ぶ架橋を有し、これにより3’−C,4’−C−オキシメチレン結合を形成する(米国特許第6,043,060号を参照されたい)。
LNAは、きわめて安定なLNA:LNA二本鎖を形成することが示されている(Koshkin et al., J. Am. Chem. Soc., 1998, 120, 13252-13253)。LNA:LNAハイブリダイゼーションは、最も熱安定性の良い核酸型二本鎖系であることが示され、LNAのRNAミミック特性は、二本鎖レベルで確立された。3つのLNAモノマー(T又はA)の導入によりDNA相補体に対する融点が有意に増加した(Tm=+15/+11℃)。LNA媒介ハイブリダイゼーションの普遍性は、きわめて安定なLNA:LNA二本鎖の形成により強調されてきた。LNAのRNAミミック性は、モノマーのN型コンフォメーション制限及びLNA:RNA二本鎖の二次構造に関して反映された。
LNAはまた、高い熱親和性を有して相補的DNA、RNA、又はLNAと二本鎖を形成する。完全改変LNA(とりわけLNA:RNA)に関与する二本鎖は、構造的にA型RNA:RNA二本鎖に類似していることが、円二色性(CD)スペクトルから示された。LNA:DNA二本鎖の核磁気共鳴(NMR)検査からは、LNAモノマーの3’−エンドコンフォメーションが確認された。二本鎖DNAの認識もまた実証されたことから、LNAによる鎖侵入が示唆される。LNAは、対応する非改変参照鎖と比較して一般に向上した選択率でワトソン・クリック塩基対合則に従うことが、ミスマッチ配列の研究から示される。DNA−LNAキメラは、ルシフェラーゼmRNA内のさまざまな領域(5’非翻訳領域、開始コドン領域、又はコード領域)に標的化されたときに遺伝子発現を効率的に阻害することが示されている(Braasch et al., Nucleic Acids Research, 2002, 30, 5160-5167)。
LNAを含有する強力で非毒性のアンチセンスオリゴヌクレオチドが記載されている(Wahlestedt et al., Proc. Natl. Acad. Sc U.S.A., 2000, 97, 5633-5638)。著者らは、LNAがいくつかの所望の性質を付与することを実証した。LNA/DNAコポリマーは、血清中及び細胞抽出物中で容易に分解されなかった。LNA/DNAコポリマーは、生きているラット脳におけるGタンパク質共役レセプターシグナリング及びエシェリキア・コリ(Escherichia coli)におけるレポーター遺伝子の検出と同様にまったく異なるいくつかのアッセイシステムで強力なアンチセンス活性を呈した。生きているヒト乳癌細胞へのLNAのリポフェクチン媒介の効率的送達も達成された。LNAを含むさらなる成功したin vivo研究では、毒性を伴うことなラットδオピオイドレセプターのノックダウンが示され(Wahlestedt et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 2000, 97, 5633-5638)、他の研究では、RNAポリメラーゼIIの大サブユニットの翻訳をブロックすることが示された(Fluiter et al., Nucleic Acids Res., 2003, 31, 953-962)。
LNAモノマーのアデニン、シトシン、グアニン、5−メチルシトシン、チミン、及びウラシルの合成及び調製が、それらのオリゴマー化及び核酸認識性と共に記載されている(Koshkin et al., Tetrahedron, 1998, 54, 3607-3630)。LNA及びその調製もまた、国際公開第98/39352号及び国際公開第99/14226号に記載されている。
LNAアナログ、ホスホロチオエート−LNA、及び2’−チオ−LNAも調製されてきた(Kumar et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 1998, 8, 2219-2222)。核酸ポリメラーゼの基質としてオリゴデオキシリボヌクレオチド二本鎖を含有するロックドヌクレオシドアナログの調製も記載されている(Wengel et al.,国際公開第99/14226号)。さらに、2’−アミノ−LNAの新規なコンフォメーション制限高親和性オリゴヌクレオチドアナログの合成が当技術分野で記載されている(Singh et al., J. Org. Chem., 1998, 63, 10035-10039)。そのほか、2’―アミノ−LNA及び2’−メチルアミノ−LNAが調製され、それらと相補的RNA鎖及び相補的DNA鎖との二本鎖の熱安定性が以前に報告されている。
調製及び研究が行われてきた他のオリゴヌクレオチドミメティックはトレオース核酸である。このオリゴヌクレオチドミメティックは、リボースヌクレオシドの代わりトレオースヌクレオシドに基づく。(3’,2’)−α−L−トレオース核酸(TNA)への初期の関心は、TNAをコピーするDNAポリメラーゼが存在するかという問題に向けられていた。ある特定のDNAポリメラーゼは、TNA鋳型の限られたストレッチをコピー可能であることが分かった(Chemical and Engineering News, 2003, 81, 9に報告された)。他の研究では、TNAは、相補的DNA、RNA、及びTNAオリゴヌクレオチドとの逆平行ワトソン・クリック塩基対合が可能であることが確認された(Chaput et al., J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 856-857)。
一研究では、(3’,2’)−α−L−トレオース核酸が調製され、2’及び3’アミデートアナログと比較された(Wu et al., Organic Letters, 2002, 4(8), 1279-1282)。アミデートアナログは、RNA/DNAと同程度の強度でRNA及びDNAに結合することが示された。
二環式及び三環式のヌクレオシドアナログを含むようにさらなるオリゴヌクレオチドミメティックが調製されてきた(Steffens et al., Helv. Chim. Acta, 1997, 80, 2426-2439、Steffens et al., J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 3249-3255、Renneberg et al., J. Am. Chem. Soc., 2002, 124, 5993-6002、及びRenneberg et al., Nucleic acids res., 2002, 30, 2751-2757を参照されたい)。これらの改変ヌクレオシドアナログは、ホスホロアミダイト法を用いてオリゴマー化され、三環式ヌクレオシドアナログを含有する得られたオリゴマー化合物は、DNA、RNA、及びそれ自体にハイブリダイズしたときに向上した熱安定性(Tm)を示した。二環式ヌクレオシドアナログを含有するオリゴマー化合物は、DNA二本鎖に近い熱安定性を示した。
他のクラスのオリゴヌクレオチドミメティックは、骨格にリン基が組み込まれたホスホノモノエステル核酸というものである。このクラスのオリゴヌクレオチドミメティックは、核酸検出用のプローブとして及び分子生物学用途の補助剤として、遺伝子発現阻害の分野(アンチセンスオリゴヌクレオチド、センスオリゴヌクレオチド、及び三本鎖形成オリゴヌクレオチド)で有用な物理的及び生物学的及び薬理学的な性質を有すると報告されている。天然に存在するフラノシル環とシクロブチル環とを交換した本発明に適したさらなるオリゴヌクレオチドミメティックが調製されてきた。
本発明のオリゴマー化合物の他の改変は、オリゴマー化合物の性質を向上させる1つ以上の部分又はコンジュゲート、たとえば、オリゴマー化合物の活性、細胞内分布、又は細胞内取込みを向上させる1つ以上の部分又はコンジュゲートをオリゴマー化合物に化学的結合することを含む。これらの部分又はコンジュゲートは、第1級又は第2級ヒドロキシル基などの官能基に共有結合されたコンジュゲート基を含みうる。本発明のコンジュゲート基は、インターカレーター、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール、ポリエーテル、オリゴマーの薬動学的性質を向上させる基、及びオリゴマーの薬力学的性質を向上させる基を含む。典型的なコンジュゲート基は、コレステロール、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、ホレート、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及び染料を含む。薬力学的性質を向上させる基は、本発明との関連では、取込みを向上させる基、耐分解性を向上させる基、及び/又は標的核酸との配列特異的ハイブリダイゼーションを強化する基を含む。薬動学的性質を向上させる基は、本発明との関連では、本発明の化合物の取込み、分布、代謝、又は排泄を向上させる基を含む。代表的なコンジュゲート基は、1992年10月23日出願の国際出願第PCT/US92/09196号並びに米国特許第6,287,860号及び同第6,762,169号に開示されている。
コンジュゲート部分としては、限定されるものではないが、脂質部分、たとえば、コレステロール部分、コール酸、チオエーテル、たとえば、ヘキシル−S−トリチルチオール、チオコレステロール、脂肪族鎖、たとえば、ドデカンジオール残基若しくはウンデシル残基、リン脂質、たとえば、ジ−ヘキサデシル−rac−グリセロール若しくはトリエチル−アンモニウム1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホネート、ポリアミン鎖若しくはポリエチレングリコール鎖、又はアダマンタン酢酸、パルミチル部分、又はオクタデシルアミン部分若しくはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部分が挙げられる。本発明のオリゴマー化合物はまた、薬剤物質、たとえば、アスピリン、ワルファリン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、スプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、(S)−(+)−プラノプロフェン、カルプロフェン、ダンシルサルコシン、2,3,5−トリヨード安息香酸、フルフェナム酸、ホリン酸、ベンゾチアジアジド、クロロチアジド、ジアゼピン、インドメタシン(indomethicin)、バルビツレート、セファロスポリン、サルファ剤、抗糖尿病剤、抗細菌剤、又は抗生物質にコンジュゲートしうる。オリゴヌクレオチド−薬剤コンジュゲート及びその調製は、米国特許第6,656,730号に記載されている。
かかるオリゴヌクレオチドコンジュゲートの調製を教示する代表的な米国特許としては、限定されるものではないが、米国特許第4,828,979号、同第4,948,882号、同第5,218,105号、同第5,525,465号、同第5,541,313号、同第5,545,730号、同第5,552,538号、同第5,578,717号、同第5,580,731号、同第5,580,731号、同第5,591,584号、同第5,109,124号、同第5,118,802号、同第5,138,045号、同第5,414,077号、同第5,486,603号、同第5,512,439号、同第5,578,718号、同第5,608,046号、同第4,587,044号、同第4,605,735号、同第4,667,025号、同第4,762,779号、同第4,789,737号、同第4,824,941号、同第4,835,263号、同第4,876,335号、同第4,904,582号、同第4,958,013号、同第5,082,830号、同第5,112,963号、同第5,214,136号、同第5,082,830号、同第5,112,963号、同第5,214,136号、同第5,245,022号、同第5,254,469号、同第5,258,506号、同第5,262,536号、同第5,272,250号、同第5,292,873号、同第5,317,098号、同第5,371,241号、同第5,391,723号、同第5,416,203号、同第5,451,463号、同第5,510,475号、同第5,512,667号、同第5,514,785号、同第5,565,552号、同第5,567,810号、同第5,574,142号、同第5,585,481号、同第5,587,371号、同第5,595,726号、同第5,597,696号、同第5,599,923号、同第5,599,928号、及び同第5,688,941号が挙げられる。
オリゴマー化合物はまた、たとえばヌクレアーゼ安定性などの性質を向上させるためにオリゴマー化合物の一方又は両方の末端に一般に装着された1つ以上の安定化基を有するように改変可能である。安定化基にはキャップ構造が含まれる。「キャップ構造又は末端キャップ部分」とは、オリゴヌクレオチドのいずれかの末端に組み込まれた化学改変を意味する(たとえば、Wincottらの国際公開第97/26270号を参照されたい)。こうした末端改変は、末端核酸分子を有するオリゴマー化合物をエキソヌクレアーゼ分解から保護し、細胞内への送達及び/又は局在化を向上させることが可能である。キャップは、5’末端(5’キャップ)若しくは3’末端(3’キャップ)のいずれかに存在可能であるか、又は一本鎖の両方の末端若しくは二本鎖化合物の両方の鎖の1つ以上の末端に存在可能である。このキャップ構造は、天然mRNA分子の5’末端に存在する反転メチルグアノシン「5’キャップ」と混同してはならない。限定されるものではないが例として、5’キャップは、反転脱塩基残基(部分)、4’,5’−メチレンヌクレオチド、1−(β−D−エリトロフラノシル)ヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、炭素環式ヌクレオチド、1,5−アンヒドロヘキシトールヌクレオチド、L−ヌクレオチド、α−ヌクレオチド、改変塩基ヌクレオチド、ホスホロジチオエート結合、threo−ペントフラノシルヌクレオチド、非環式3’,4’−secoヌクレオチド、非環式3,4−ジヒドロキシブチルヌクレオチド、非環式3,5−ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、3’−3’−反転ヌクレオチド部分、3’−3’−反転脱塩基部分、3’−2’−反転ヌクレオチド部分、3’−2’−反転脱塩基部分、1,4−ブタンジオールホスフェート、3’−ホスホルアミデート、ヘキシルホスフェート、アミノヘキシルホスフェート、3’−ホスフェート、3’−ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、又は架橋若しくは非架橋メチルホスホネート部分(より詳細については、WincottらのPCT国際公開第97/26270号を参照されたい)を含む。
とくに好適な3’キャップ構造は、たとえば、4’,5’−メチレンヌクレオチド、1−(β−D−エリトロフラノシル)ヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、炭素環式ヌクレオチド、5’−アミノ−アルキルホスフェート、1,3−ジアミノ−2−プロピルホスフェート、3−アミノプロピルホスフェート、6−アミノヘキシルホスフェート、1,2−アミノドデシルホスフェート、ヒドロキシプロピルホスフェート、1,5−アンヒドロヘキシトールヌクレオチド、L−ヌクレオチド、α−ヌクレオチド、改変塩基ヌクレオチド、ホスホロジチオエート、threo−ペントフラノシルヌクレオチド、非環式3’,4’−secoヌクレオチド、3,4−ジヒドロキシブチルヌクレオチド、3,5−ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、5’−5’−反転ヌクレオチド部分、5’−5’−反転脱塩基部分、5’−ホスホルアミデート、5’−ホスホロチオエート、1,4−ブタンジオールホスフェート、5’−アミノ、架橋及び/又は非架橋5’−ホスホルアミデート、ホスホロチオエート及び/又はホスホロジチオエート、架橋又は非架橋メチルホスホネート、並びに5’−メルカプト部分(より詳細については、Beaucage and Tyer, 1993, Tetrahedron 49, 1925を参照されたい)を含む。
オリゴマー化合物の一方又は両方の末端をキャップしてヌクレアーゼ安定性を付与するために使用可能なさらなる3’及び5’安定化基としては、2003年1月16日公開の国際公開第03/004602号に開示されるものが挙げられる。
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、多種多様な異なる正荷電ポリマーにコンジュゲートしうる。正荷電ポリマーの例としては、アルギニン(argine)リッチペプチドなどのペプチドが挙げられる。本発明の実施に使用しうる正荷電ペプチドの例としては、RC、(RXR)XB(式中、Xは任意のアミノ酸でありうる)、RC、(RFF)3、Tatタンパク質、たとえば、TAT配列CYGRKKRRQRRR、及び(RFF)R、カチオン性ポリマー、たとえば、デンドリマーオクタグアニジン(octaguanindine)ポリマー、並びにアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物へのコンジュゲーション用として当技術分野で公知の他の正荷電分子が挙げられる。本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、約1,000〜20,000ダルトン、好ましくは約5,000〜10,000ダルトンの分子量を有するポリマーを含む正荷電ポリマーにコンジュゲートされる。正荷電ポリマーの他の例は、分岐状又は非分岐状の鎖に複数の正荷電アミン基を有するポリエチレンイミン(PEI)である。PEIはそのほかに、遺伝子及びオリゴマーの送達ベシクルとして幅広く使用されてきた。
本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、オリゴマー化合物は細胞透過性配列で改変される。好適な細胞透過性配列としては、TATペプチド、MPG、Pep−1、MAP、膜融合性ペプチド、抗微生物性ペプチド(AMP)、殺細菌性ペプチド、殺真菌性ペプチド、殺ウイルス性ペプチドなどの細胞透過性ペプチドが挙げられる。
細胞透過性ペプチド(CPP)は、本発明の粒子の細胞内取込みを促進する短鎖ペプチドである。本発明の粒子は、共有結合による化学結合又は非共有結合相互作用のいずれかを介してCPPペプチドに関連付けられる。CPPの機能は、粒子を細胞内に送達することであり、通常、生きている哺乳動物細胞のエンドソームに送達されたカーゴのエンドサイトーシスを介して行われるプロセスである。CPPは、典型的には、リシンやアルギニンなどの正荷電アミノ酸を高い相対存在率で含有するか又は極性/荷電アミノ酸と非極性疎水性アミノ酸との交互パターンを含有する配列を有するかのいずれかのアミノ酸組成を有する。これらの2つの型の構造は、それぞれ、ポリ陽イオン性又は両親媒性という。第3のクラスのCPPは、正味電荷の少ない無極性残基のみを含有する疎水性ペプチドであるか又は細胞内取込みに重要な疎水性アミノ酸基を有する。
例示的な細胞透過性ペプチドは、培養下で多くの細胞型により周囲培地から効率的に取込み可能なヒト免疫不全ウイルス1(HIV−1)由来のトランス活性化転写アクチベーター(Tat)である。他の細胞透過性ペプチドは、MPG、Pep−1、トランスポータン、ペネトラチン、CADY、TP、TP10、アルギニンオクタマー、ポリアルギニン配列、Arg8、VP22 HSV−1構造タンパク質、SAPプロリンリッチモチーフ、Vectocell(登録商標)ペプチド、hCT(9−32)、SynB、Pvec、及びPPTG1である。細胞透過性ペプチドは、その一次配列にポリアルギニンのクラスターを本質的に含有してカチオン性でありうるか又は両親媒性でありうる。CPPは、一般に、天然又は非天然のタンパク質又はキメラ配列に由来する30アミノ酸未満のペプチドである。
好適な実施形態では、オリゴマー化合物は、ナノ粒子への組込みさもなければ関連付けが行われる。ナノ粒子は、好適には、特異的細胞を標的とするように改変しうるとともに細胞を透過するように最適化しうる。当業者であれば、オリゴマー化合物を細胞に送達するためのナノ粒子の利用方法を心得ている。
本発明の好適な実施形態では、オリゴマー化合物は、エンドソーム脱出剤部分を用いて改変される。エンドサイトーシス経路は、細胞の主要取込み機序である。エンドサイトーシス経路により取り込まれた化合物は、エンドソームに閉じ込められた状態となり、リソソームにおいて特異的酵素により分解されうる。これは、目的に依存して望まれることもあれば望まれないこともある。エンドソームによる取込みが望まれない場合、エンドソーム脱出剤を使用しうる。好適なエンドソーム脱出剤は、クロロキン、TATペプチドでありうる。
所与のオリゴマー化合物のすべての位置で均一に改変を行う必要があるわけではなく、而も実際には、単一化合物に上述した改変を2つ以上組み込んでもよいし、さらにはオリゴマー化合物内の単一ヌクレオシド内に組み込んでもよい。
本発明はまた、キメラ化合物であるオリゴマー化合物を含む。キメラアンチセンスオリゴヌクレオチドはオリゴマー化合物の一形態である。こうしたオリゴヌクレオチドは、典型的には、ヌクレアーゼ分解に対する耐性の増加、細胞内取込みの増加、電荷の変化、安定性の増加、及び/又は標的核酸への結合親和性の増加をオリゴヌクレオチドに付与するように改変された少なくとも1つの領域を含有する。
本発明のキメラオリゴマー化合物は、2つ以上のオリゴヌクレオチド、改変オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチドミメティック、又はそれらの領域若しくは部分の複合構造として形成可能である。かかる化合物は、当技術分野ではハイブリッド又はギャップマーともいわれてきた。かかるハイブリッド構造の調製を教示する代表的な米国特許としては、限定されるものではないが、米国特許第5,013,830号、同第5,149,797号、同第5,220,007号、同第5,256,775号、同第5,366,878号、同第5,403,711号、同第5,491,133号、同第5,565,350号、同第5,623,065号、同第5,652,355号、同第5,652,356号、及び同第5,700,922号が挙げられる。
アミダイト及びその中間体を含めて、次の前駆体化合物は、当業者にはルーチンの方法により調製可能である。5−メチルdCアミダイト用の5’−O−ジメトキシトリチル−チミジン中間体、5−メチル−dCアミダイト用の5’−O−ジメトキシトリチル−2’−デオキシ−5−メチルシチジン中間体、5−メチルdCアミダイト用の5’−O−ジメトキシトリチル−2’−デオキシ−N4−ベンゾイル−5−メチルシチジンペナルティメート中間体、(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−2’−デオキシ−N4−ベンゾイル−5−メチルシチジン−3’−O−イル)−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(5−メチルdCアミダイト)、2’−フルオロデオキシアデノシン、2’−フルオロデオキシグアノシン、2’−フルオロウリジン、2’−フルオロデオキシシチジン、2’−O−(2−メトキシエチル)改変アミダイト、2’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジン中間体、5’−O−DMT−2’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジンペナルティメート中間体、(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−2’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジン−3’−Oイル)−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(MOE Tアミダイト)、5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルシチジン中間体、5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(2−メトキシエチル)−N<4>−ベンゾイル−5−メチルシチジンペナルティメート中間体、(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−2’−O−(2−メトキシエチル)−N<4>−ベンゾイル−5−メチルシチジン−3’−O−イル)−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(MOE 5−Me−Cアミダイト)、(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−2’−O−(2−メトキシエチル)−N<6>−ベンゾイルアデノシン−3’−O−イル)−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(MOE Aアミダイト)、(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−2’−O−(2−メトキシエチル)−N<4>−イソブチリルグアノシン−3’−O−イル)−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(MOE Gアミダイト)、2’−O−(アミノオキシエチル)ヌクレオシドアミダイト及び2’−O−(ジメチルアミノオキシエチル)ヌクレオシドアミダイト、2’−(ジメチルアミノオキシエトキシ)ヌクレオシドアミダイト、5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−O<2>−2’−アンヒドロ−5−メチルウリジン、5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−2’−O−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルウリジン、2’−O−((2−フタルイミドキシ)エチル)−5’−t−ブチル−ジフェニルシリル−5−メチルウリジン、5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−2’−O−((2−ホルマドキシミノオキシ)エチル)−5−メチルウリジン、5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−2’−O−(N,Nジメチルアミノオキシエチル)−5−メチルウリジン、2’−O−(ジメチルアミノオキシエチル)−5−メチルウリジン、5’−O−DMT−2’−O−(ジメチルアミノオキシエチル)−5−メチルウリジン、5’−O−DMT−2’−O−(2−N,N−ジメチルアミノオキシエチル)−5−メチルウリジン−3’−((2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)、2’−(アミノオキシエトキシ)ヌクレオシドアミダイト、N2−イソブチリル−6−O−ジフェニルカルバモイル−2’−O−(2−エチルアセチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン−3’−((2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)、2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(2’−DMAEOE)ヌクレオシドアミダイト、2’−O−(2−(2−N、N−ジメチルアミノエトキシ)エチル)−5−メチルウリジン、5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(2−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−エチル)−5−メチルウリジン及び5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(2(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−エチル)−5−メチルウリジン−3’−O−(シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト。
オリゴヌクレオチド合成用のかかる前駆体化合物の調製は、当技術分野ではルーチンであり、米国特許第6,426,220号及びPCT国際公開第02/36743号に開示されている。
2’−デオキシ及び2’−メトキシβ−シアノエチルジイソプロピルホスホロアミダイトは、供給業者から購入可能である(たとえば、Chemgenes, Needham, Mass. or Glen Research, Inc. Sterling, Va.)。他の2’−O−アルコキシ置換ヌクレオシドアミダイトは米国特許第5,506,351号に記載されるように調製可能である。
5−メチル−2’−デオキシシチジン(5−Me−C)ヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチドは、市販のホスホロアミダイト(Glen Research, Sterling Va. or ChemGenes, Needham, Mass.)を用いて既報の方法(Sanghvi, et. al., Nucleic Acids Research, 1993, 21, 3197-3203)に従ってルーチンで合成可能である。
2’−フルオロオリゴヌクレオチドは、(Kawasaki, et. al., J. Med. Chem., 1993, 36, 831-841)及び米国特許第5,670,633号に記載のようにルーチンで合成可能である。
2’−Oーメトキシエチル置換ヌクレオシドアミダイトは、Martin, P., Helvetica Chimica Acta, 1995, 78, 486-504の方法に従ってルーチンで調製可能である。
アミノオキシエチル及びジメチルアミノオキシエチルのアミダイトは、米国特許第6,127,533号の方法に従ってルーチンで調製可能である。
ホスホロチオエート含有オリゴヌクレオチド(P−S)は、当業者にはルーチンの方法により合成可能である(たとえば、Protocols for Oligonucleotides and Analogs, Ed. Agrawal (1993), Humana Pressを参照されたい)。ホスフィネートオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,508,270号に記載されるように調製可能である。
アルキルホスホネートオリゴヌクレオチドは、米国特許第4,469,863号に記載されるように調製可能である。
3’デオキシ3’メチレンホスホネートオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,610,289号又は同第5,625,050号に記載されるように調製可能である。
ホスホロアミダイトオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,256,775号又は米国特許第5,366,878号に記載されるように調製可能である。
アルキルホスホノチオアートオリゴヌクレオチドは、公開PCT出願国際公開第94/17093号及び国際公開第94/02499号に記載されるように調製可能である。
3’−デオキシ−3’−アミノホスホルアミデートオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,476,925号に記載されるように調製可能である。
ホスホトリエステルオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,023,243号に記載されるように調製可能である。
ボラノホスフェートオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,130,302号及び5,177,198に記載されるように調製可能である。
4’ーチオ含有オリゴヌクレオチドは、米国特許第5,639,873号に記載されるように合成可能である。
MMI結合オリゴヌクレオシドとしても同定されるメチレンメチルイミノ結合オリゴヌクレオシド、MDH結合オリゴヌクレオシドとしても同定されるメチレンジメチルヒドラゾ結合オリゴヌクレオシド、及びアミド−3結合オリゴヌクレオシドとしても同定されるメチレンカルボニルアミノ結合オリゴヌクレオシド、及びアミド−4結合オリゴヌクレオシドとしても同定されるメチレンアミノカルボニル結合オリゴヌクレオシド、さらには混合骨格化合物、たとえば、MMIとP−O又はP−Sとの交互結合を有するものは、米国特許第5,378,825号、同第5,386,023号、同第5,489,677号、同第5,602,240号、及び同第5,610,289号に記載されるように調製可能である。
ホルムアセタール結合オリゴヌクレオシド及びチオホルムアセタール結合オリゴヌクレオシドは、米国特許第5,264,562号及び同第5,264,564号に記載されるように調製可能である。
エチレンオキシド結合オリゴヌクレオシドは、米国特許第5,223,618号に記載されるように調製可能である。
ペプチド核酸(PNA)は、Peptide Nucleic Acids (PNA): Synthesis, Properties and Potential Applications, Bioorganic & Medicinal Chemistry, 1996, 4, 5-23で参照される各種手順のいずれかに従って調製可能である。また、それらは米国特許第5,539,082号、同第5,700,922号、同第5,719,262号、同第6,559,279号、及び同第6,762,281号に従って調製しうる。
オリゴマー化合物は、当技術分野のルーチンの方法に従って調製される少なくとも1つの2’−O−保護ヌクレオシドを組込み可能である。組込み及び適切な脱保護の後、2’−O−保護ヌクレオシドは、組込み位置でリボヌクレオシドに変換されよう。最終オリゴマー化合物中の2−リボヌクレオシドユニットの数及び位置は、任意の部位に1つのものからさまざまでありうるか、又は完全2’−OH改変オリゴマー化合物のものまで調製するストラテジーを使用可能である。
現在商用されている主要RNA合成ストラテジーは、5’−[β]−DMT−2’−O−t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、5’−O−DMT−2’−[1(2−フルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−4−イル](FPMP)、2’−O−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(2’−O−CH−O−Si(iPr)3(TOM)、及び5’−O−シリルエーテル−2’−ACE(5’−O−ビス(トリメチルシロキシ)シクロドデシルオキシシリルエーテル(DOD)−2’−Oビス(2−アセトキシエトキシ)メチル(ACE)を含む。RNA製品を現在提供しているいくつかの会社としては、Pierce Nucleic Acid Technologies (Milwaukee, Wis.)、Dharmacon Research Inc. (a subsidiary of Fisher Scientific, Lafayette, Colo.)、及びIntegrated DNA Technologies, Inc. (Coralville, Iowa)が挙げられる。1つの会社即ちPrinceton Separationsは、とくにTOM及びTBDMSの化学を用いたときにカップリング時間が削減されるという謳い文句でRNA合成アクチベーターを市販している。かかるアクチベーターはまた、本発明のオリゴマー化合物にも適しているであろう。
上述したRNA合成ストラテジーはすべて、本発明のオリゴマー化合物に適している。一方のストラテジーによる5’−保護基と他方のストラテジーによる2’−O−保護とを用いた以上のハイブリッドのストラテジーもまた、本明細書で企図される。
キメラオリゴヌクレオチド、キメラオリゴヌクレオシド、及び混合キメラオリゴヌクレオチド/オリゴヌクレオシドは、米国特許第5,623,065号に従って合成可能である。
向上した細胞内取込み及びより大きな薬理活性を呈するキメラオリゴマー化合物は、米国特許第8,501,703号に従って作製しうる。
オリゴマー化合物の他の形態は、トリシクロ−DNA(tc−DNA)アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。トリシクロ−DNAヌクレオチドとは、骨格のコンフォメーション柔軟性を制限し捩れ角γの骨格ジオメトリーを最適化するためにシクロプロパン環の導入により改変されたヌクレオチドのことである。ホモ塩基のアデニン及びチミンを含有するtc−DNAは、相補的RNAとの並外れて安定なA−T塩基対を形成する。6〜22トリシクロヌクレオチド長、特定的には8〜20トリシクロヌクレオチド長、より特定的には10〜18又は11〜18トリシクロヌクレオチド長を含有するアンチセンスオリゴマー化合物が好適である。トリシクロ−DNA(tc−DNA)アンチセンスオリゴヌクレオチドの例については、たとえば、国際公開第2010115993号を参照されたい。つまり、本発明では、以上の表のいずれかに示される8〜20、好ましくは10〜18、より好ましくは11〜18、より好ましくは12、13、14、15、16、又は17ヌクレオチドの配列はいずれも、かかる配列がtc−DNAの形である場合に有用でありうることを意味する。
改変ヌクレオシド及び非改変ヌクレオシドのオリゴマー化は、DNA(Protocols for Oligonucleotides and Analogs, Ed. Agrawal (1993), Humana Press)及び/又はRNA(Scaringe, Methods (2001), 23, 206-217、Gait et al., Applications of Chemically synthesized RNA in RNA: Protein Interactions, Ed. Smith (1998), 1-36、Gallo et al., Tetrahedron (2001), 57, 5707-5713)の文献に記載の手順に従ってルーチンで実施可能である。
アンチセンス化合物は、適宜、固相合成の周知の技術によりルーチンで作製可能である。かかる合成用の装置は、たとえばApplied Biosystems (Foster City, Calif.)をはじめとするいくつかの販売業者により販売されている。当技術分野で公知のかかる合成用の任意の他の手段を追加的又は代替的に利用しうる。ホスホロチオエートやアルキル化誘導体などのオリゴヌクレオチドの類似の調製技術を使用することは周知である。本開示は、アンチセンス化合物の合成方法により限定されるものではない。
オリゴヌクレオチドの精製及び分析の方法は当業者に公知である。分析方法としては、キャピラリー電気泳動(CE)及びエレクトロスプレー質量分析が挙げられる。かかる合成及び分析の方法は、マルチウェルプレートで実施可能である。本明細書に記載の方法は、オリゴマーの精製方法により限定されるものではない。
本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、本明細書に提供されるアンチセンス化合物はRNアーゼH分解に対して耐性がある。
本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は少なくとも1つの改変ヌクレオチドを含む。他の実施形態では、アンチセンス化合物は各位置に改変ヌクレオチドを含む。さらに他の実施形態では、アンチセンス化合物は各位置が均一に改変される。
スプライシングのモジュレーションは、当技術分野で公知のさまざまな方法によりアッセイ可能である。標的mRNAレベルは、たとえば、ノーザンブロット分析、競合ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、又はリアルタイムPCRによる定量可能である。RNA分析は、当技術分野で公知の方法により全細胞RNA又はポリ(A)+mRNAで実施可能である。RNAの単離方法は、たとえば、Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, Volume 1, pp. 4.1.1-4.2.9 and 4.5.1-4.5.3, John Wiley & Sons, Inc., 1993に教示されている。
ノーザンブロット分析は、当技術分野ではルーチンで行われ、たとえば、Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, Volume 1, pp. 4.2.1-4.2.9, John Wiley & Sons, Inc., 1996に教示されている。リアルタイム定量(PCR)は、適宜、PE-Applied Biosystems, Foster City, Calif.から入手可能な市販のABI PRISM(TM) 7700 Sequence Detection Systemを用いて達成可能であり、製造業者の取扱い説明書に従って使用可能である。
標的mRNAによりコードされるタンパク質のレベルは、当技術分野で周知のさまざまな方法により、たとえば、免疫沈降、ウェスタンブロット分析(免疫ブロッティング)、ELISA、又は蛍光活性化細胞選別(FACS)により、定量可能である。標的mRNAによりコードされるタンパク質に対する抗体は、MSRS抗体カタログ(Aerie Corporation, Birmingham, Mich.)などのさまざまな供給元から同定・取得可能であるか、又は従来の抗体産生方法により調製可能である。ポリクローナル抗血清の調製方法は、たとえば、Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, Volume 2, pp. 11.12.1-11.12.9, John Wiley & Sons, Inc., 1997に教示されている。モノクローナル抗体の調製は、たとえば、Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, Volume 2, pp. 11.4.1-11.11.5, John Wiley & Sons, Inc., 1997に教示されている。
免疫沈降法は、当技術分野で標準的であり、たとえば、Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, Volume 2, pp. 10.16.1-10.16.11, John Wiley & Sons, Inc., 1998に見いだしうる。ウェスタンブロット(免疫ブロット)分析は、当技術分野で標準的であり、たとえば、Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, Volume 2, pp. 10.8.1-10.8.21, John Wiley & Sons, Inc., 1997に見いだしうる。酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)は、当技術分野で標準的であり、たとえば、Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, Volume 2, pp. 11.2.1-11.2.22, John Wiley & Sons, Inc., 1991に見いだしうる。
本発明のオリゴマー化合物の効果は、RT PCT、qPCR、フランキングエクソンPCR、及び/又はmRNAに対応する各内部エクソンに対してフランキングエクソンPCRを行って1つ以上のフランキングエクソン増幅産物を得ることと、前記フランキングエクソン増幅産物の存在及び長さを検出することと、さらに前記mRNAの各タンパク質コードエクソンを定量することと、を含む方法により分析しうる。
本明細書に提供されるオリゴマー化合物は、治療又は研究に利用しうる。さらに、遺伝子発現の阻害又はスプライシングのモジュレーションを特異的に行うことが可能なアンチセンス化合物を用いて、特定の遺伝子又は遺伝子産物の機能を解明したり生物学的経路の各種メンバーの機能を識別したりしうる。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、オリゴマー化合物はポンペ病の治療に使用される。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、オリゴマー化合物はGAA遺伝子の機能の研究に使用される。
本明細書に記載の化合物は、後生動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいて標的mRNAのスプライシングをモジュレートするために使用可能である。限定されるものではないが本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、本方法は、標的mRNAのスプライシングをモジュレートする有効量のアンチセンス化合物を前記動物に投与する工程を含む。
たとえば、標的mRNAのスプライシングのモジュレーションは、動物の体液、組織、器官、又は細胞においてmRNAスプライシング産物のレベルを決定することにより測定可能である。体液としては、限定されるものではないが、血液(血清又は血漿)、リンパ液、脳脊髄液、精液、尿、滑液、及び唾液が挙げられ、当業者にはルーチンの方法により取得可能なものである。組織、器官、又は細胞としては、限定されるものではないが、血液(たとえば、造血細胞、たとえば、ヒト造血前駆細胞、ヒト造血幹細胞、CD34+細胞CD4+細胞)、リンパ球及び他の血液系列細胞、皮膚、骨髄、脾臓、胸腺、リンパ節、脳、脊髄、心臓、骨格筋、肝臓、結合組織、膵臓、前立腺、腎臓、肺、口腔粘膜、食道、胃、腸骨、小腸、結腸、膀胱、頸、卵巣、精巣、乳腺、副腎、及び脂肪(白色及び褐色)が挙げられる。組織、器官、及び細胞のサンプルは、生検によりルーチンで取得可能である。いくつかの代替状況では、組織又は器官のサンプルは、死後の動物から回収可能である。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、スプライシングのモジュレーションは、線維芽細胞、好ましくは初代線維芽細胞、好ましくはポンペ病に罹患している患者由来の初代線維芽細胞で測定される。
本明細書に記載の単一オリゴマー化合物の使用にほぼ準じて、以上に記載のAONと以上に記載の任意の他のAONとの組合せの使用も可能である。さらに、本発明のAONは、ポンペ病の他のスプライス突然変異に対する1つ以上のAON、たとえば、次の突然変異、即ち、c.−32−13T>G、c.−32−3C>Gc.−32−102T>C、c.−32−56C>T、c.−32−46G>A、c.−32−28C>A、c.−32−28C>T、c.−32−21G>A、c.7G>A、c.11G>A、c.15_17AAA、c.17C>T、c.19_21AAA、c.26_28AAA、c.33_35AAA、c.39G>A、c.42C>T、c.90C>T、c.112G>A、c.137C>T、c.164C>T、c.348G>A、c.373C>T、c.413T>A、c.469C>T、c.476T>C、c.476T>G、c.478T>G、c.482C>T、c.510C>T、c.515T>A、c.520G>A、c.546+11C>T、c.546+14G>A、c.546+19G>A、c.546+23C>A、c.547−6、c.1071、c.1254、c.1552−30、c.1256A>T、c.1551+1G>T、c.546G>T、.17C>T、c.469C>T、c.546+23C>A、c.−32−102T>C、c.−32−56C>T、c.11G>A、c.112G>A、c.137C>Tの1つ以上に対するAONと容易に組み合わせうる。これらの突然変異に対するAONは、同時係属出願の国際公開第2015/190922号に開示されており、より特定的にはそこに開示されている配列番号2〜33、37〜40、及び41〜540である。
本発明のAONに基づくさらなる療法は、ポンペ病の治療を改善するために酵素補充療法(ERT)と容易に組み合わせうる。ERT用化合物は、一般に知られ使用されており、同時係属出願の国際出願第PCT/NL2015/050849号に挙げられた化合物、たとえば、GAA、Myozyme(登録商標)、Lumizyme(登録商標)、neoGAA、GiltGAA(BMN−701)、又はオキシラン(oxyrane)であり、任意選択的に、ゲニステイン、デオキシノジリマイシン−HCl、N−ブチル−デオキシノジリマイシン、C1019NO、C1223NO(この同時係属出願に開示される)、リツキシマブとメトトレキセートとの組合せと組み合わされる。本発明のAONと組み合わされる国際出願第PCT/NL2015/050849号に挙げられたERTスケジュールはすべて、そこに挙げられた投与スキーム及び量で使用しうる。
オリゴマー化合物による治療の効果は、当技術分野で公知のルーチンの臨床方法により1種以上の化合物に接触させた動物から採取される上述した流体、組織、又は器官において標的mRNAのスプライシングのモジュレーションに関連するバイオマーカーを測定することにより評価可能である。これらのバイオマーカーとしては、限定されるものではないが、グルコース、コレステロール、リポタンパク質、トリグリセリド、遊離脂肪酸、並びにグルコース及び脂質代謝の他のマーカー、肝トランスアミナーゼ、ビリルビン、アルブミン、血中尿素窒素、クレアチン、クレアチニン、並びに腎機能及び肝機能の他のマーカー、インターロイキン、腫瘍壊死因子、細胞内接着分子、C反応性タンパク質、及び炎症の他のマーカー、テストステロン、エストロゲン、及び他のホルモン、腫瘍マーカー、ビタミン、ミネラル、及び電解質が挙げられる。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、バイオマーカーはグリコーゲンである。
本明細書に開示される化合物は、有効量の化合物を好適な薬学的に許容可能な希釈剤又は担体に添加することにより医薬組成物として利用可能である。化合物はまた、スプライシングの改変に関連する疾患及び障害の治療用医薬の製造に使用可能である。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、疾患はポンペ病である。
体液、器官、又は組織を有効量の1つ以上の本開示のアンチセンス化合物又は組成物に接触させる方法も企図される。体液、器官、又は組織を1つ以上の本開示の化合物に接触させることにより、体液、器官、又は組織の細胞において標的mRNAのスプライシングのモジュレーションを引き起こすことが可能である。有効量は、標的核酸又はその産物に及ぼす1つ又は複数のアンチセンス化合物又は組成物のモジュレート効果を当業者にはルーチンの方法でモニターすることにより決定可能である。細胞又は組織を被験者から単離し、有効量の1つ又は複数のアンチセンス化合物又は組成物に接触させ、そして当業者に公知のルーチン法により被験者に再導入するex vivo治療方法がさらに企図される。
投与されるアンチセンスオリゴマー化合物の十分量は、望ましくない疾患症状の寛解を誘導するのに十分な量であろう。かかる量は、患者の性別、年齢、体重、全身の健康状態などの因子にとくに依存して異なりうるとともに、個別症例ごとに決定しうる。量は、治療される病態のタイプ及び治療プロトコルの他の要因(たとえば、ステロイドなどの他の医薬の投与など)によっても異なりうる。量は、全身的又は局所的などの投与方法によっても異なりうる。
医薬製剤でのアンチセンスオリゴヌクレオチド分子の典型的な投与量は、約0.05〜1000mg/kg体重、特定的には約5〜500mg/kg体重の範囲内でありうる。本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、投与量は、2週間に1回、1週間に1回若しくは2回、又は治療効果を達成するのに必要な任意の頻度で約50〜300mg/kg体重である。好適には、量は、3〜50mg/kg、より好適には10〜40mg/kg、より好適には15〜25mg/kgである。
投与される投与量は、当然ながら、使用及び既知の因子、たとえば、活性成分の薬力学的特性、レシピエントの年齢、健康、及び体重、症状の性質及び程度、併用治療の種類、治療頻度、並びに所望の効果に依存して異なるであろう。レシピエントは、任意のタイプの哺乳動物、好ましくはヒトである。本発明の一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物の投与製剤(組成物)は、1ユニット当たり約1マイクログラムから50,000マイクログラムの活性成分、特定的には1ユニット当たり約10〜10,000マイクログラムの活性成分を含有しうる。(ここで1ユニットが1回の注射用のバイアル又はパッケージを意味する場合、患者の体重が50kgのときは15gまでかなり多くなるであろう。)静脈内送達では、医薬製剤のユニット用量は、一般的には0.5から500マイクログラム/kg体重を含有するであろうし、好ましくは5から300マイクログラム、特定的には10、15、20、30、40、50、100、200、又は300マイクログラム/kg体重([μ]g/kg体重)のアンチセンスオリゴヌクレオチド分子を含有するであろう。好ましい静脈内投与量は、10ngから2000μg、好ましくは3から300μg、より好ましくは10から100μgの化合物/kg体重の範囲内である。代替的に、ユニット用量は、2から20ミリグラムのアンチセンスオリゴヌクレオチド分子を含有しうるとともに、上記の一日用量を与えるように所望により複数回投与される。これらの医薬組成物では、アンチセンスオリゴヌクレオチド分子は、組成物の全重量を基準にして約0.5から95重量%の量で通常存在するであろう。
特定の一実施形態では、個別の患者の反応に基づいて投与量を増減可能であることを認識すべきである。使用されるアンチセンスオリゴヌクレオチド分子の実際量は、利用される特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド分子、製剤化される特定の組成物、適用形態、及び特定の投与部位によって異なることは、分かるであろう。
好ましくは、化合物は、毎日、2日に1回、3日に1回、週1回、2週間に1回、又は月1回投与される。
他の好ましい実施形態では、投与は、たとえばウイルスベクターを使用する場合には1回のみである。
ウイルスベースのアンチセンスオリゴマー化合物の送達が選択される場合、好適用量が、利用されるウイルス株、送達経路(筋肉内、静脈内、動脈内など)などの因子に依存することは、当業者であれば分かるであろう。かかるパラメーターが通常は臨床試験時に算出されることとは、当業者であれば分かるであろう。さらに、本明細書に記載の治療により疾患症状が完全に軽減されうるが、これが必要とされない場合もあることとは、当業者であれば分かるであろう。症状の部分的又は間欠的な軽減であっても、レシピエントにきわめて有益なこともある。そのほか、患者の治療は通常は単一イベントではない。より正確には、本発明のアンチセンスオリゴマー化合物は、おそらく複数回投与されるであろう。それは、得られる結果に依存して、数日間隔、数週間隔、又は数ヶ月間隔、さらには数年間隔でありうる。
タンパク質の機能のレベルを決定又は測定したり治療プロトコルなどに反応して機能が増加又は減少するレベルを決定したりする方法が多く存在することは、当業者であれば分かるであろう。かかる方法としては、限定されるものではないが、タンパク質の活性の測定や検出などが挙げられる。かかる測定は、一般に、標準又は対照又は「正常」サンプルと比較して行われる。そのほか、タンパク質の機能の欠如が疾患プロセスに関与している場合、疾患症状は、適正に機能するタンパク質の存在若しくは不在を間接的に検出するために、又はタンパク質の機能の欠如を取り除くことが意図された治療プロトコルの成功を評価するために、監視及び/又は測定を行いうる。好ましい実施形態では、GAAタンパク質の機能が測定される。これは、当業者には周知の酵素活性アッセイを用いて好適に実施される。
本発明の特定の実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、in vivoで単独で又はベクターを併用して送達しうる。最広義の意味では、「ベクター」とは、細胞への本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドの導入を促進可能な任意の媒体のことである。好ましくは、ベクターは、ベクターの不在下で生じる思われる分解の程度と比べて低減された分解を有して細胞に核酸を輸送する。一般的には、本発明に有用なベクターとしては、限定されるものではないが、ネイキッドプラスミド、非ウイルス送達系(エレクトロポレーション、ソノポレーション、カチオン性トランスフェクション剤、リポソーム剤など…)、ファージミド、ウイルス、アンチセンスオリゴヌクレオチド核酸配列の挿入又は組込みにより操作されたウイルス源又は細菌源に由来する他の媒体が挙げられる。ウイルスベクターは好ましいタイプのベクターであり、限定されるものではないが、次のウイルス、即ち、RNAウイルス又はDNAウイルス、たとえば、レトロウイルス(たとえば、モロニーネズミ白血病ウイルス及びレンチウイルスに由来するベクター)、ハーベイネズミ肉腫ウイルス、ネズミ乳房腫瘍ウイルス、及びラウス肉腫ウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、SV40型ウイルス、ポリオーマウイルス、エプスタイン・バーウイルス、パピローマウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルスに由来する核酸配列が挙げられる。挙げられていないが当技術分野で公知の他のベクターを容易に利用可能である。
本発明に係る好ましいウイルスベクターとしては、遺伝子療法でヒトでの使用がすでに承認されているDNAウイルスであるアデノウイルス及びアデノ随伴(AAV)ウイルスが挙げられる。実際に、12の異なるAAV血清型(AAV1から12)が知られており、それぞれ異なる組織指向性を有する(Wu, Z Mol Ther 2006; 14:316-27)。組換えAAVは、依存パルボウイルスAAVに由来する(Choi, VW J Virol 2005; 79:6801-07)。1〜12型アデノ随伴ウイルスは、複製欠損になるように工学操作可能であり、広範にわたる細胞型及び種に感染可能である(Wu, Z Mol Ther 2006; 14:316-27)。それは熱安定性及び脂質溶媒安定性、造血細胞をはじめとするさまざまな系列の細胞での高いトランスダクション頻度、及び複数の一連のトランスダクションを可能にする重感染阻害の欠如などの利点をさらに有する。そのほか、選択圧の不在下で100継代超の組織培養で野生型アデノ随伴ウイルス感染が継続されたことから、アデノ随伴ウイルスのゲノム組込みが比較的安定なイベントであることが示唆される。アデノ随伴ウイルスはまた、染色体外でも機能しうる。
他のベクターとしては、プラスミドベクターが挙げられる。プラスミドベクターは、当技術分野で広範囲に記載されており、当業者に周知である。たとえば、Sambrook et al, 1989を参照されたい。それは多くのウイルスベクターと同じ安全上の問題がないので、とくに有利である。しかしながら、宿主細胞に適合可能なプロモーターを有するこうしたプラスミドは、プラスミド内に機能的にコードされた遺伝子からペプチドを発現可能である。いくつかの通常使用されるプラスミドとしては、pBR322、pUC18、pUC19、pRC/CMV、SV40、及びpBlueScriptが挙げられる。他のプラスミドは、当業者に周知である。そのほか、プラスミドは、DNAの特異的断片の除去及び付加を行う制限酵素及びライゲーション反応を用いてカスタム設計しうる。プラスミドは、さまざまな非経口経路、粘膜経路、及び局所経路により送達しうる。たとえば、DNAプラスミドは、筋肉内、真皮内、皮下、又は他の経路により注射可能である。それはまた、鼻腔内スプレー剤又は滴剤、肛門坐剤、及び経口で投与しうる。好ましくは、前記DNAプラスミドは、筋肉内又は静脈内に注射される。また、遺伝子銃を用いて表皮又は粘膜表面にも投与しうる。プラスミドは、水性溶液中に与えうるか、金粒子上に乾式付着しうるか、又は限定されるものではないがリポソーム、デンドリマー、コクリエート、及びマイクロカプセルをはじめとする他のDNA送達系を併用しうる。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチド核酸配列は、異種プロモーターなどの異種レギュレート領域の制御下にある。プロモーターはまた、たとえば、CMVプロモーターや任意の合成プロモーターなどのウイルスプロモーターでありうる。
本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、ベクターは、2つ以上のアンチセンスオリゴマー化合物をコードしうる。各アンチセンスオリゴマー化合物は、異なる標的に方向付けられる。
本明細書に記載のアンチセンス化合物を含む医薬組成物は、任意の薬学的に許容可能な塩、エステル、若しくはかかるエステルの塩、又はヒトをはじめとする動物に投与したときに生物学的活性代謝物又はその残基を(直接的又は間接的に)提供可能な任意の他の機能性化学等価体を含みうる。したがって、たとえば、本開示はまた、アンチセンス化合物のプロドラッグ及び薬学的に許容可能な塩、かかるプロドラッグの薬学的に許容可能な塩及び他のバイオ等価体に関する。
「プロドラッグ」という用語は、内因性酵素、化学剤、及び/又は条件の作用により体内又はその細胞内で活性形態(即ち薬剤)に変換される不活性又は低活性の形態で調製された治療剤を意味する。特定的には、オリゴヌクレオチドのプロドラッグ体は、国際公開第93/24510号又は国際公開第94/26764号に開示される方法に従ってSATE((S−アセチル−2−チオエチル)ホスフェート)誘導体として調製される。プロドラッグはまた、(たとえば、末端にホスホジエステル骨格結合を組み込むことにより)切断されて活性化合物を生成するヌクレオチドを一方又は両方の末端に含むアンチセンス化合物を含みうる。
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、化合物の生理学的及び薬学的に許容可能な塩、即ち、親化合物の所望の生物学的活性を保持するとともに望ましくない毒性作用を付与しない塩を意味する。アンチセンスオリゴヌクレオチドのナトリウム塩は有用であり、ヒトへの治療的投与が十分に許容される。本発明の他の実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、dsRNA化合物のナトリウム塩もまた提供される。
本明細書に記載のアンチセンス化合物はまた、混合、カプセル化、コンジュゲート化、又は他の分子、分子構造、若しくは化合物の混合物との併用を行いうる。
本開示はまた、本明細書に記載のアンチセンス化合物を含む医薬組成物及び製剤を含む。医薬組成物は、局所治療又は全身治療が望ましいか及び治療される領域に依存して、いくつかの方法で投与しうる。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、投与は筋肉内又は静脈内である。
適宜、ユニット製剤で提供しうる医薬製剤は、医薬品産業で周知の従来技術に従って調製しうる。かかる技術は、活性成分と医薬担体又は賦形剤とを一体化させる工程を含む。一般的には、製剤は、活性成分と、液体担体、微細化固体担体、又はその両方と、を均一且つ密接に一体化させることにより、次いで、必要であれば、生成物を造形することにより(たとえば、送達のために特定の粒子サイズに)調製される。本発明の好ましい一実施形態及び/又は本発明のいくつかの実施形態では、医薬製剤は、水や正常生理食塩水などの適切な溶媒に入れて筋肉内投与に供すべく、おそらく担体又は他の作用剤を含む無菌製剤として調製される。
「医薬担体」又は「賦形剤」は、薬学的に許容可能な溶媒、懸濁化剤、又は1つ以上の核酸を動物に送達するための任意の他の薬理学的に不活性な媒体でありうるとともに、当技術分野で公知である。賦形剤は、液体であっても固体であってもよく、核酸と所与の医薬組成物の他の成分とを組み合わせたときに所望のバルク、稠度などを提供するように、計画された投与方式を踏まえて選択される。
本明細書に提供される組成物は、2つ以上のアンチセンス化合物を含有しうる。他の関連実施形態では、組成物は、配列番号1に標的化された1つ以上のアンチセンス化合物とくにオリゴヌクレオチドと、治療される患者に適しうる第2の核酸標的に標的化された1つ以上の追加のアンチセンス化合物と、を含有しうる。代替的に、本明細書に提供される組成物は、同一の核酸標的の異なる領域に標的化された2つ以上のアンチセンス化合物を含有しうる。2つ以上の組み合わされる化合物は、一緒に又は逐次的に使用しうる。組成物はまた、他の非アンチセンス化合物治療剤と組み合わせることも可能である。
本明細書に記載のアンチセンスオリゴマー化合物は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合状態でありうる。かかる賦形剤は、懸濁化剤、たとえば、ポリビニルピロリドン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、ナトリウムアルギネート、トラガカントガム、アカシアガムであり、分散剤又は湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、たとえば、レシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、たとえば、ポリオキシエチレンステアレート、又はエチレンオキシドと長鎖状脂肪族アルコールとの縮合生成物、たとえば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、たとえば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、たとえば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートでありうる。水性懸濁液はまた、1つ以上の保存剤、たとえば、エチル又はn−プロピルのp−ヒドロキシベンゾエートを含有しうる。水の添加による水性懸濁液の調製に好適な分散性の粉末剤及び顆粒剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1つ以上の保存剤と混合して活性成分を提供する。アンチセンスオリゴマー化合物の組成物は、無菌注射剤の水性又は油性の懸濁液の形態でありうる。サスペンジョン剤は、以上に挙げた好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて公知の技術に従って製剤化しうる。無菌注射用製剤はまた、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒に入れた無菌の注射用の溶液剤又はサスペンジョン剤、たとえば、1,3−ブタンジオールの溶液剤でありうる。利用しうる許容可能な媒体及び溶媒は、とくに、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液である。そのほかに、無菌固定油が溶媒又は懸濁媒体として従来から利用されている。この目的では、合成モノ又はジグリセリドをはじめとする任意の無刺激性固定油を利用可能である。そのほか、オレイン酸などの脂肪酸が注射剤の調製に使用される。
本開示はまた、薬学的に許容可能な担体又は希釈剤の中に薬学的有効量の所望の化合物を含む貯蔵用又は投与用のアンチセンスオリゴマー化合物の組成物を含む。治療に使用される許容可能な担体又は希釈剤は、製薬技術分野で周知であり、たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Co., A.R. Gennaro edit., 1985)に記載されている。たとえば、保存剤及び安定化剤を提供可能である。これらは、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、及びp−ヒドロキシ安息香酸エステルを含む。そのほか、抗酸化剤及び懸濁化剤を使用可能である。
本開示の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態をとることも可能である。油性相は、植物油又は鉱油又はこれらの混合物でありうる。好適な乳化剤は、天然に存在するガム、たとえば、アカシアガム又はトラガカントガム、天然に存在するホスファチド、たとえば、ダイズ、レシチン、及び脂肪酸とヘキシトール、その無水物とから誘導されるエステル又は部分エステル、たとえば、ソルビタンモノオレエート、及び前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、たとえば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートでありうる。
本開示のアンチセンスオリゴマー化合物は、治療に好適な組成物を形成するための安定化剤、緩衝液などを用いて又は用いずに任意の標準的手段により患者に投与しうる。リポソーム送達機序の使用が望ましい場合、リポソーム剤形成用の標準プロトコルに従いうる。そのため、本開示のアンチセンスオリゴマー化合物は、任意の形態で、たとえば、筋肉内注射により、又は局所、全身、若しくは脊髄内の注射により投与しうる。
本開示はまた、ポリ(エチレングリコール)脂質(PEG改変又は長期循環性のリポソーム又はステルスリポソーム)を含有する表面改質リポソームを含むアンチセンスオリゴマー化合物の組成物の使用を特徴とする。こうした製剤は、標的組織へのアンチセンスオリゴマー化合物の蓄積を増加させる方法を提供する。このクラスの薬剤担体は、単核食細胞系(MPS又はRES)によるオプソニン化及び排除に対して耐性があるので、カプセル化アンチセンスオリゴマー化合物は、血液循環時間が長くなり組織暴露が増加する(Lasic et al, Chem. Rev. 95:2601-2627 (1995) and Ishiwata et al, Chem. Pharm. Bull. 43:1005-1011 (1995)。長期循環性リポソームは、とくに、MPSの組織に蓄積することが知られる従来のカチオン性リポソームと比較して、アンチセンスオリゴマー化合物の薬動学及び薬力学を向上させる(Liu et al, J. Biol. Chem. 42:24864-24870 (1995)、ChoiらのPCT国際公開第96/10391号、AnsellらのPCT国際公開第96/10390号、HollandらのPCT国際公開第96/10392号)。長期循環性リポソームはまた、肝臓や脾臓などの代謝的侵攻性MPS組織への蓄積を回避する能力に基づいて、カチオン性リポソームと比較してヌクレアーゼ分解からアンチセンスオリゴマー化合物を保護する可能性が高い。
本開示の製剤及び方法に係るアンチセンスオリゴマー化合物の組成物の投与後、試験被験者は、プラセボ治療被験者又は他の好適な対照被験者と比較して、治療された疾患又は障害に関連付けられる1つ以上の症状が約10%から約99%までの低減を呈するであろう。
実施例
細胞培養、シクロヘキシミド処理、及びAONトランスフェクション
皮膚生検により初代線維芽細胞を取得し、5%CO2中37℃で10%FBS(Hyclone)及びペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン(Gibco)を含む高グルコース(Lonza)DMEM中で培養した。48時間にわたり100μg/mlシクロヘキシミド(Sigma)の濃度でシクロヘキシミド処理を行った。AONのトランスフェクションは、4.5μlエンドポーター試薬(Gene Tools)/ml培地を用いて実施した。ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー骨格を有するAON(Gene Tools)を20μMでトランスフェクトした。
mRNA分析
すでに記載されているようにmRNA分析を実施した(Bergsma, et al., 2015)。簡単に言えば、RNAを採取し、製造業者のプロトコルに従ってRNAeasyミニプレップキット(Qiagen)を用いて精製した。製造業者の取扱い説明書に従ってiScript(Biorad)を用いて800ngのRNAに対してcDNA合成を実施した。さらなる分析の前にcDNAを5倍希釈した。FastStart Taqポリメラーゼ(Roche)を用いてサンプルに対してRT−PCRを実施した。BigDye Terminator v3.1(Thermo)を用いてPCRサンプルに対して配列解析を直接実施した。産物が非常に低レベルで存在した場合、TOPO(登録商標)TA Cloning Kit (Thermo)を用いてTOPOクローニングを実施した。ITaq universal SYBR Green Supermix (Biorad)を用いてRT−qPCRを行った。β−アクチンをRT−qPCR分析用の内部対照として使用した。使用したプライマーはすべて、表A及びBに示される。
スプライシング予測
5つのアルゴリズム、即ち、SpliceSiteFinder-like (SSF)、MaxEntScan (MES)、NNSplice (NNS)、GeneSplicer (GS)、及びHuman Splicing Finder (HSF)を適用するAlamut Visual v. 2.4.2 (Interactive Biosoftware)を用いてスプライシング予測を実施した。設定は、Molecular Diagnostics at the Department of Clinical Genetics, Erasmus MC, Rotterdam, The Netherlands and are published in Bergsma et al., 2015で標準的診断に使用されるものと同一であった。5つのアルゴリズムで異なる最大スコアが使用される。比較のために、最大スコアを基準にした%としてスコアを計算した。2つ以上のアルゴリズムで≧10%の変化を有意な閾値として使用した。200ベースのウィンドウ範囲を用いて相対スプライス部位強度も予測した(Mucaki et al., 2013)を有するASSEDA (http://splice.uwo.ca/; version August 2014)。
シーケンシング
Molecular Diagnostics at the Department of Clinical Genetics, Erasmus MC, Rotterdam, The NetherlandsでゲノムDNA変異体を同定した。Big Dye Terminator kit v3.1 (Applied Biosystems)を用いてフランキングエクソンPCR産物のダイレクトシーケンシングを実施した。純粋DNAサンプルを取得するために、ゲル上に見えるPCR産物を20μlピペットチップで突き刺し、チップ上のDNAを10μl H2Oに再懸濁させた。単一鋳型由来のDNAを取得するために、続いて1μlアリコートを新しいPCR(以上に記載の通り)で使用した。製造業者のプロトコルに従ってFastAP Thermosensitive Alkaline Phosphatase (Thermo Scientific)を用いて過剰のプライマー及びdNTPを除去した。セファデックスG-50 (GE Healthcare)を用いてサンプルを精製し、AB3130 Genetic Analyzer (Applied Biosystems, Hitachi)で配列を決定した。
Figure 2019528056
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タンパク質活性アッセイ
標準溶解緩衝液(50mMトリス(pH7.5)、100mM NaCl、50mM NaF、1%Tx−100、プロテアーゼ阻害剤)中で細胞を溶解させた。BCA Protein Assay (Thermo)を用いてタンパク質定量を行った。すでに記載されているように(Kroos, et al., 2007)、GAA酵素活性を測定するために4−メチルウンベリフェロン(4−MU)−α−D−グルコピラノシドアッセイを実施した。
残存GAA酵素活性が低いが不在ではない日本人患者由来の初代線維芽細胞の分析を行って調べた。ここに記載の患者はポンペ病と診断されており、2つの病原性GAA変異体c.546G>T及びc.1798C>Gを含有する。c.1798C>G変異体はp.Arg600Hisミスセンス変異体である。c.546G>T変異体はサイレントGAA変異体である。in silico予測分析では、エクソン2のスプライスドナー部位を弱化しうることが示された(Maimaiti et al., 2009; Figure 1F)。以前の分析ではGAAの低レベルのリーキー野生型発現を引き起こすことが示されたが、これまでのところ異常スプライシング産物は報告されていない(Maimaiti et al., 2009)。我々は、この度、以下に記載される我々のスプライシングアッセイを用いてこれらを検出した。以下の記載では、文字A、B、Cなどは、図1のパネルを意味する。図1A)では、すべてのGAAエクソンのフランキングエクソンRT−PCRを実施した。これから健常対照者由来細胞に存在していないエクソン2の2つの異常スプライス産物(36及び37)が明らかにされた(Bergsma et al., 2015)。図1B)配列解析では、c.486の潜在スプライスアクセプター部位の利用を介するエクソン2の完全スキップとして産物37及びエクソン2の部分スキップとして産物36を同定した。産物35は、エクソン2の野生型スプライシングを示した。エクソン2のこうしたスプライシングイベントは、通常のc.−32−13C>T(IVS1)GAA変異体を有する患者で観測されるものに類似していていた(Bergsma et al., 2015)。しかしながら、異常産物36及び37のレベルは、IVS1患者と比較してかなり低いことから、エクソン2の部分スキッピング及び完全スキッピングは、c.546G>T変異体の病原作用の主な原因ではないことが示唆される。図1C)コードエクソン2〜20のエクソン−インターナルRT−qPCRでは、エクソンはすべて、健常対照者由来細胞で観測されるものの50%のレベルで発現されることが示された。GAA発現の大多数は、エクソン13の配列解析(データは示されていない)により示唆されるようにc.1798C>G対立遺伝子に由来する。このことから、c.546G>T対立遺伝子は、適正なmRNA発現を妨害してきわめて病原性であることが示唆される。図1D)では、ナンセンス媒介崩壊経路によるmRNA分解を阻害するために、我々はRNA単離及びフランキングエクソンRT−PCR分析の前にシクロヘキシミドで細胞を処理した。これによりA)で観測されなかったいくつかの追加の産物が同定された。図1E)産物38は、イントロン2リテンション及びc.546+184の潜在スプライスドナー部位の利用を示した(図2Aの配列も参照されたい)。この産物は、c.546G>T変異体によりエクソン2のカノニカルスプライスドナー部位が弱化されることにより次に利用可能なc.546+184のスプライスドナーの利用をもたらすとして説明可能である。産物38は、フレーム外にありmRNA分解を受ける可能性が高いので、シクロヘキシミド処理を行わない細胞内でなぜ検出されなかったが説明される。産物39は、c.1798C>G対立遺伝子に由来する野生型エクソン2スプライシングを示した。同一異常スプライシングがエクソン3の増幅から検出された。産物40は、イントロン2の同一部分リテンションを有する産物38のカウンターパートであり、産物41は、野生型エクソン3スプライシングを示す。産物40’は、産物40と同一であり、変性/再生のサイクル後に消失したPCR産物のコンフォメーション変化の結果であった(図2B)。図1F)では、c.546G>T変異体との関連でエクソン2のスプライスドナー部位のスプライス予測を実施した。このことから、c.546G>T変異体に起因して予測スプライス部位強度の顕著な弱化が示された。図1G)では、c.546+184に同定された潜在スプライスドナーを標的とするAONイントロン2を設計した。AONの配列が示されている。図2Cでは、c.546+184の近傍の領域のスプライス予測と共にゲノム領域が示されている。このことから、c.546+184潜在スプライス部位は強い天然スプライスドナー部位であると予測されることが示された。図1H)患者4由来の初代線維芽細胞は、未処理、エンドポーターのみで処理、又はエンドポーター+AONイントロン2で処理のいずれかであった。48時間後、細胞を採取し、記載されるように4−MUを基質として用いてGAA酵素活性を決定した(Bergsma et al., 2015)。このことから、AONイントロン2はGAA酵素活性を3倍に増加させることが示された。
c.546+184の潜在スプライス部位を取り囲む標的領域を明確化するために、5つのAONを作製した(図3A及び3B)。AONは、c.546G>T変異体を有する患者に由来する初代線維芽細胞にトランスフェクトした。AON2及び3(それぞれ、配列番号93及び106)は、それぞれ、GAA活性を1.8倍及び2.2倍に増加させることが、結果から示唆される(図3C)。さらに、AON1は、GAA活性の変化をなんら示さず、AON4及び5は、両方ともGAA活性をわずかに減少させた(1.3倍)。これによりc.546+162とc.546+205との間の好ましい標的領域が決定され、前記領域の少なくとも一部を標的とする好ましいAONが得られる。
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Maimaiti M,Takahashi S,Okajima K,Suzuki N,Ohinata J,Araki A,TanakaH,Mukai T,Fujieda K.2009.Silent exonic mutation in the acid−alpha−glycosidase gene that causes glycogen storage disease type II by affecting mRNA splicing.JHum Genet 54(8):493−6.

Claims (12)

  1. c546G>T突然変異に対する天然潜在スプライス部位の近傍の領域を標的とするアンチセンスオリゴマー化合物であって、前記潜在スプライスがGAA遺伝子のc.546+184に位置し、より特定的には配列番号1を標的とし、より特定的には配列番号2〜90から選択される配列を標的とし、さらにより特定的には配列番号2及び5〜23から選択される配列を標的とするアンチセンスオリゴマー化合物。
  2. 配列番号1に結合可能である、請求項1に記載のアンチセンスオリゴマー化合物。
  3. 非天然化学骨格、好ましくは、ホスホルアミデート、ホスホロジアミデート、モルホリノ、ペプチド、ロックド核酸(LNA)、ホスホロチオエートオリゴマー、トリシクロ−DNA、トリシクロ−ホスホロチオエート、2’O−Me−ホスホロチオエート、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択されるものを含む、請求項1又は2に記載のアンチセンスオリゴマー化合物。
  4. 10から40ヌクレオチド又はヌクレオチドアナログを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンチセンスオリゴマー化合物。
  5. 前記アンチセンスオリゴマー化合物が、配列番号91〜179からなる群から選択される配列を有し、任意のチミン(T)残基がウラシル(U)と交換されていてもよく、より特定的には前記配列が配列番号91〜111から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンチセンスオリゴマー化合物。
  6. 配列番号91〜179に対して少なくとも80%の同一性を有し、より特定的には前記配列が配列番号91〜111から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンチセンスオリゴマー化合物。
  7. 前記オリゴマー化合物が、配列番号91〜179からなる群から選択される配列のヌクレオチドアナログを含み、より特定的には前記配列が配列番号91〜111から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアンチセンスオリゴマー化合物。
  8. ポンペ病、より特定的には患者がc.546突然変異を有するポンペ病の治療に使用するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアンチセンスオリゴマー化合物。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のアンチセンスオリゴマー化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
  10. 送達剤をさらに含む、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. GAA遺伝子の核酸配列、特定的には配列番号1に結合可能な化合物、より好ましくは配列番号2〜90の配列のいずれかに結合可能な化合物。
  12. ポンペ病の患者、より特定的には患者がc.546突然変異を有するポンペ病の患者の治療方法であって、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアンチセンスオリゴマー化合物又は請求項9若しくは10に記載の医薬組成物の投与を含む、治療方法。
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