JP2019526632A - 固形腫瘍の治療のための投薬レジメン - Google Patents

固形腫瘍の治療のための投薬レジメン Download PDF

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Abstract

固形腫瘍がんを治療するための4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を、規定の用量投与の期間での指定の負荷用量の後に、維持用量で投与し、任意選択で、負荷用量の投与の間にコルチコステロイドを投与することを含む、用量投与レジメンを提供する。

Description

Notchシグナル伝達は、発達および組織の恒常性維持の間に重要な役割を果たす。リガンドおよび/または受容体の変異、増幅、または過剰発現に起因するNotchシグナル伝達の調節不全は、数多くの悪性病変に関係している。Notchシグナル伝達経路のガンマセクレターゼ切断の阻害を通じたNotchシグナル伝達の阻害は、がん治療法の開発のための有望な標的である。4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物、ならびにこの化合物を製造および使用する方法は、T細胞性急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、赤白血病、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、扁平上皮細胞癌(口腔)、皮膚がん、および髄芽腫の治療のためのものを含めて、国際公開第2013/016081号パンフレットに開示されている。4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物は、第1相臨床試験、および規定の分子経路の変化または組織系の悪性腫瘍を有する拡大コホートで、ならびに指定の腫瘍のタイプに対する具体的に特定された他の抗がん剤との組合せで、ならびにT細胞性急性リンパ芽球性白血病またはT細胞性リンパ芽球性リンパ腫(T−ALL/T−LBL)の患者の臨床試験で、検討中である。
がんを治療するためのNotch経路を標的とするガンマセクレターゼ阻害剤に付随する最も重篤な毒性は、粘膜性腸症または粘膜性胃腸症を含めた下痢などの胃腸毒性である。ガンマセクレターゼ阻害剤の投与後、腸陰窩における前駆細胞から分泌性杯状細胞への急速な分化が生じる。Notchシグナル伝達は、腸管上皮の正常な構造の維持に必要である。In vivoモデルを使用して、間欠的な用量投与およびコルチコステロイドの共投与によるガンマセクレターゼ阻害剤の投与によって胃腸毒性を寛解させる方法が評価されてきた Bender et al., Cancer Res., 2013, 73(8) Supplement, Abstract 1131。いくつかの成功を収める一方で、許容される胃腸毒性を有する固形腫瘍がんに対する適切な有効性は、分かり難いままである(Takebe et al., Pharmacology & Therapeutics, 2014, 141: 140-149)。
当業者は、「負荷用量」の薬物とは、治療コースの開始時に与えられる初期のより高い用量の薬物であり、その後、より低い「維持用量」に低下されるものであることを理解するであろう。負荷用量は、典型的には、治療閾値レベルを比較的緩やかに達成する薬物に有用である。単回または複数回の初期の負荷用量は、より低い固定用量でのみ投与される場合よりも速やかに、薬物が適正な治療レベルに到達するように投与される。
本発明は、固形腫瘍がんの治療で活性(有効性)を示すとともに胃腸毒性を緩和するという治療剤の用量レジメンの必要性のバランスをとるものである。また、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物が、固形腫瘍がん患者で、有効性に影響を不利に及ぼすかまたは用量を制限もしくは用量スケジュールを制限する胃腸毒性を引き起こすことなく、治療有効性および耐久的な応答を明示する、用量レジメンが求められている。
本発明の一態様は、固形腫瘍がん患者を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を投与することを含み、
a)75〜150mg/用量で少なくとも1用量かつ最大12用量の負荷用量を、28日間サイクルの間に週に2回または3回投与し、その後
b)50mg/用量の維持用量を週に3回投与し;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドを投与する、
方法を提供する。
本発明の別の態様は、固形腫瘍がんの治療での使用のための、化合物4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物であって、前記化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物が、
a)28日間サイクルの間に週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大12用量の負荷用量の後に、
b)週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与される、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を提供する。
本発明のさらに別の態様は、固形腫瘍がんを治療するための医薬の調製のための、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の使用であって、前記医薬が、
a)28日間サイクルの間に週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大12用量の負荷用量の後に、
b)週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与される、
使用を提供する。
本発明の別の態様は、固形腫瘍がんを治療する方法であって、治療を必要とする患者に、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を投与することを含み、
a)75〜150mg/用量で少なくとも1用量かつ最大12用量の負荷用量を、28日間サイクルの間に週に2回または3回投与し、その後
b)50mg/用量の維持用量を週に3回投与し;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドを投与し、
固形腫瘍がんが、トリプルネガティブ乳がん、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肺がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、口腔扁平上皮細胞癌、皮膚がん、髄芽腫、肝細胞癌、肝内および肝外の胆管癌、類腱腫、軟部組織肉腫、平滑筋肉腫、ならびに腺様嚢胞癌からなる群から選択される、方法を提供する。
本発明のさらに別の態様は、固形腫瘍がんの治療での使用のための、化合物4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物であって、前記化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物が、
a)28日間サイクルの間に週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大12用量の負荷用量の後に、
b)週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与され、
固形腫瘍がんが、トリプルネガティブ乳がん、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肺がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、口腔扁平上皮細胞癌、皮膚がん、髄芽腫、肝細胞癌、肝内および肝外の胆管癌、類腱腫、軟部組織肉腫、平滑筋肉腫、ならびに腺様嚢胞癌からなる群から選択される、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を提供する。
本発明の別の態様は、固形腫瘍がんを治療するための医薬の調製のための、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の使用であって、前記医薬が、
a)28日間サイクルの間に週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大12用量の負荷用量の後に、
b)週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与され、
固形腫瘍がんは、トリプルネガティブ乳がん、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肺がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、口腔扁平上皮細胞癌、皮膚がん、髄芽腫、肝細胞癌、肝内および肝外の胆管癌、類腱腫、軟部組織肉腫、平滑筋肉腫、ならびに腺様嚢胞癌からなる群から選択される、
使用を提供する。
本発明の別の態様は、固形腫瘍がんを治療する方法であって、治療を必要とする患者に、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を投与することを含み、
a)75〜150mg/用量で少なくとも1用量かつ最大6用量の負荷用量を、28日間サイクルの間に週に2回または3回投与し、その後
b)50mg/用量の維持用量を週に3回投与し;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドを投与し、
固形腫瘍がんが、トリプルネガティブ乳がん、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肺がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、口腔扁平上皮細胞癌、皮膚がん、髄芽腫、肝細胞癌、肝内および肝外の胆管癌、類腱腫、軟部組織肉腫、平滑筋肉腫、ならびに腺様嚢胞癌からなる群から選択される、方法を提供する。
本発明のさらに別の態様は、固形腫瘍がんの治療での使用のための、化合物4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物であって、前記化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物が、
a)28日間サイクルの間に週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大6用量の負荷用量の後に、
b)週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与され、
固形腫瘍がんが、トリプルネガティブ乳がん、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肺がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、口腔扁平上皮細胞癌、皮膚がん、髄芽腫、肝細胞癌、肝内および肝外の胆管癌、類腱腫、軟部組織肉腫、平滑筋肉腫、ならびに腺様嚢胞癌からなる群から選択される、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を提供する。
本発明の別の態様は、固形腫瘍がんを治療するための医薬の調製のための、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の使用であって、前記医薬が、
a)28日間サイクルの間に週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大6用量の負荷用量の後に、
b)週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与され、
固形腫瘍がんが、トリプルネガティブ乳がん、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肺がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、口腔扁平上皮細胞癌、皮膚がん、髄芽腫、肝細胞癌、肝内および肝外の胆管癌、類腱腫、軟部組織肉腫、平滑筋肉腫、ならびに腺様嚢胞癌からなる群から選択される、
使用を提供する。
本発明の別の態様は、固形腫瘍がんを治療する方法であって、治療を必要とする患者に、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を投与することを含み、
a)75〜150mg/用量で少なくとも1用量かつ最大3用量の負荷用量を、28日間サイクルの間に週に2回または3回投与し、その後
b)50mg/用量の維持用量を週に3回投与し;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドを投与し、
固形腫瘍がんが、トリプルネガティブ乳がん、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肺がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、口腔扁平上皮細胞癌、皮膚がん、髄芽腫、肝細胞癌、肝内および肝外の胆管癌、類腱腫、軟部組織肉腫、平滑筋肉腫、ならびに腺様嚢胞癌からなる群から選択される、方法を提供する。
本発明のさらに別の態様は、固形腫瘍がんの治療での使用のための、化合物4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物であって、前記化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物が、
a)28日間サイクルの間に週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大3用量の負荷用量の後に、
b)週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与され、
固形腫瘍がんは、トリプルネガティブ乳がん、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肺がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、口腔扁平上皮細胞癌、皮膚がん、髄芽腫、肝細胞癌、肝内および肝外の胆管癌、類腱腫、軟部組織肉腫、平滑筋肉腫、ならびに腺様嚢胞癌からなる群から選択される、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を提供する。
本発明の別の態様は、固形腫瘍がんを治療するための医薬の調製のための、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の使用であって、前記医薬が、
a)28日間サイクルの間に週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大3用量の負荷用量の後に、
b)週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与され、
固形腫瘍がんは、トリプルネガティブ乳がん、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肺がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、口腔扁平上皮細胞癌、皮膚がん、髄芽腫、肝細胞癌、肝内および肝外の胆管癌、類腱腫、軟部組織肉腫、平滑筋肉腫、ならびに腺様嚢胞癌からなる群から選択される、
使用を提供する。
本発明のさらにいっそう別の態様は、平滑筋肉腫を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を投与することを含み、
a)75〜150mg/用量で少なくとも1用量かつ最大3用量の負荷用量を、28日間サイクルの間に週に2回または3回投与し、その後
b)50mg/用量の維持用量を週に3回投与し;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドを投与する、
方法を提供する。
本発明のさらに別の態様は、平滑筋肉腫の治療での使用のための、化合物4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物であって、前記化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物が、
a)28日間サイクルの間に週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大3用量の負荷用量の後に、
b)週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与される、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を提供する。
本発明の別の態様は、平滑筋肉腫を治療するための医薬の調製のための、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の使用であって、前記医薬が、
a)週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大3用量の負荷用量の後に、
b)週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され;任意選択で
c)上記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与される、
使用を提供する。
化合物4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド(「化合物1」)、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物は、Notch阻害剤であることが国際公開第2013/016081号パンフレットに教示されている。
「有効量」とは、固形腫瘍がん患者でNotchシグナル伝達を阻害し、標的がん細胞を破壊するかまたは患者でのがんの進行を遅らせるもしくは阻止するかのどちらかに必要な化合物1、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物、または化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を含有する医薬組成物の用量を意味する。有効量は、固形腫瘍がん患者でNotchシグナル伝達を阻害し、標的がん細胞を破壊するかまたは患者でのがんの進行を遅らせるもしくは阻止するかのどちらかに必要な化合物1、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物、または化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を含有する医薬組成物の、負荷用量または第1の用量と維持用量または第2の用量との両方を包含する。化合物1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の成人患者での負荷用量は、週7日中に2回(2日)または週7日中に3回(3日)(TIW)投与される75から150mg/用量の範囲にある。少なくとも1回の負荷用量が投与され、1周回の28日間サイクルにわたって12回もの負荷用量が投与される。好ましくは、1回から6回の負荷用量が、28日間サイクルのうち14日間にわたって投与される。また好ましくは、少なくとも1負荷用量かつ最大3負荷用量が、28日間サイクルのうち7日間にわたって投与される。負荷用量の数は、投与レジメンが週に2回であるかまたは週に3回であるかに依存することが認識されるものとなる。用量当たり50mgの維持用量または第2の用量が、単回または複数回の負荷用量に続いてTIWで投与される。好ましくは、維持用量は、最初の28日間サイクルのうち任意の残りの日程から追加の1周回または複数周回の28日間サイクルにわたって投与される。任意選択で、負荷用量の投与の間、1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与される。
用語「治療」、「治療する」、および「治療する」とは、がんが実際に取り除かれないとしても、症状のうち1つまたは複数を軽減するか遅らせるかまたは逆転させるための、およびがんの進行を遅延させるための、活性化合物の投与など、固形腫瘍がんに対する全範囲の介入を含むことを意図されている。
本願の用量レジメン(負荷用量の投与後に維持用量を投与し、任意選択でコルチコステロイドを投与する)が寛解させるかまたは緩和することがある「胃腸毒性」としては、下痢、悪心、嘔吐、粘膜性腸症、および/または大腸炎が挙げられる。用量が高いほど、用量投与が頻回であるほど、週数または治療サイクル数が多いほど、患者にさらにグレードの高い胃腸毒性を引き起こす傾向がある。これらの毒性を緩和するかまたは寛解させることによって、患者ががんのための追加の用量および/または週もしくは治療サイクルを受けることが容易になることがある。
「コルチコステロイド」とは、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、ピバリン酸チキソコルトール、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、およびプレドニゾン、好ましくはプレドニゾンを意味する。1〜50mg/日の用量が想定されるが、用量を最大80mg/日に増加させることが可能である。
本明細書で使用される際に、用語「患者」とは、哺乳動物を意味し、「哺乳動物」とは、高等脊椎動物の哺乳綱を意味し、用語「哺乳動物」としては、以下に限定されないが、ヒトが挙げられる。
予め設定された用量投与レジメンが有効性を有するとともに胃腸毒性を緩和する固形腫瘍がんとしては、トリプルネガティブ乳がん、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肺がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、口腔扁平上皮細胞癌、皮膚がん、髄芽腫、肝細胞癌、肝内および肝外の胆管癌、類腱腫、軟部組織肉腫、平滑筋肉腫、ならびに腺様嚢胞癌が挙げられる。
本発明では、28日間サイクルの間の週7日中に2回(2日)または週7日中に3回(3日)(TIW)の、少なくとも1用量で最大12用量の、75から150mg/用量の負荷用量(第1の用量)の投与が使用される。患者が受ける用量の数は、より最適な治療ベネフィットを患者にもたらすように、および/または観察される毒性もしくは腫瘍崩壊症候群に関連する症状を緩和するもしくは寛解させるように、調整されることがある。用量当たり50mgのTIWでの維持用量(第2の用量)投与が、最初の28日間サイクルのうちもしあれば残りの日程に好適であり、追加の1周回または複数周回の28日間サイクルに延長されることがある。維持用量または第2の用量は、医師の裁量で1周回または複数周回の部分的または全体的な28日間サイクルを通じて投与される。任意選択で、そして好ましくは、胃腸毒性を緩和するまたは寛解させるための化合物1の負荷用量投与の間の、コルチコステロイドの、そして最も好ましくはプレドニゾンの、投与(化合物1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の前投与、同時投与、または後投与)が想定される。
当業者は、本発明の用量レジメンが、より最適な治療有効性をもたらすとともに胃腸毒性を寛解させるもしくは緩和することができることを認識するものとなる。このレジメンは、例えば腎臓または肝臓の機能障害を有する患者などのために、または個々の患者の変動性および活性医薬物に対する応答に基づいて毒性を緩和するために、定型的に使用されている公知の用量調整または投与調整を医師の裁量で医師が行って、固定用量を投与することとは対照的である。
本発明の化合物は、好ましくは、薬学的に許容される担体を用いて医薬組成物として製剤化され、種々の経路によって投与される。好ましくは、そのような組成物は、経口投与用である。そのような医薬組成物およびそれらを調製するためのプロセスは、当技術分野に周知である(例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, L. V. Allen, Editor, 22nd Edition, Pharmaceutical Press, 2012を参照)。具体的な実施形態では、医薬組成物は、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンゾアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と、薬学的に許容される担体とを含む。
本発明の化合物は、いくつかの無機酸および有機酸と反応して薬学的に許容される酸付加塩を形成することが可能である。そのような薬学的に許容される塩およびそれらを調製するための一般的な方法論は、当技術分野に周知である、例えばP. Stahl, et al., HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL SALTS: PROPERTIES, SELECTION AND USE, (VCHA/Wiley-VCH, 2002); S.M. Berge, et al., “Pharmaceutical Salts, “Journal of Pharmaceutical Sciences, Vol. 66, No. 1, January 1977を参照されたい。
化合物1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物は、当技術分野に公知の、ならびに国際公開第2013/016081号パンフレットに記載の種々の手順によって、調製されることがある。化合物1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を調製するために、特定の合成ステップが、異なる方式で組み合わされることがある。
化合物1は、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドという名称であり、N−[(1S)−2−[[(7S)−6,7−ジヒドロ−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−5H−ピリド[3,2−a][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソエチル]−4,4,4−トリフルオロブタンアミドという名称であることもあり、化合物1を明瞭に特定するために他の名称が使用されることがある。
化合物1は、単一の立体異性体として称される。4つの立体異性体を生じる2つのキラル中心がある。本明細書で使用される際に、化合物1への言及は、化合物1を含む立体異性体混合物を含むことも意図される。本明細書では、カーン−インゴルド−プレローグ名称の(R)−および(S)−を使用して、特定の異性体に言及する。特定の立体異性体は、鏡像異性的に純粋であるかまたは濃縮されている出発物質を用いた立体特異的合成によって調製することができる。出発物質、中間体、または化合物1を含むラセミ混合物のうちの特定の立体異性体は、例えばStereochemistry of Organic Compounds, E. I. Eliel and S. H. Wilen (Wiley 1994)およびEnantiomers, Racemates, and Resolutions, J., Jacques, A. Collet, and S. H. Wilen (Wiley 1991)に見られるものなど、当技術分野に周知の手法によって分割することができ、そのような手法としては、キラル固定相上でのクロマトグラフィー、酵素的分割、または分別晶析もしくはその目的のために形成されたジアステレオマー塩などのジアステレオマーのクロマトグラフィーが挙げられる。本発明の化合物を含有する混合物は全て、本発明の中にあるものと想定されるものの、好適な実施形態は化合物1である。
化合物1は、アトロプ異性体または特定の配座異性体として存在することも見出されている。水溶液中では、8〜9%のアトロプ異性体2(少ない方のアトロプ異性体)が、アトロプ異性体1(多い方のアトロプ異性体)との周囲温度での24時間後の平衡下で、HNMRおよびLC−MSによって検出される。有機溶媒では、周囲温度で24時間後、およそ1〜2%のアトロプ異性体2が、アトロプ異性体1との平衡下で、HNMRおよびLC−MSによって検出される。HNMRおよびLC−MS分析によって検出されるとはいえ、アトロプ異性体2は単離不能である。
本発明の化合物の合成における初期の出発物質として採用された化合物は、周知であり、商業的に入手可能ではない程度には、当業者により一般に採用されるかまたは一般参考書に見出される標準的な手順によって、提供されている特定の文献を用いて容易に合成される。
公知の手順および方法の例としては、例えばComprehensive Organic Transformations, VCH Publishers Inc, 1989; Compendium of Organic Synthetic Methods, Volumes 1-10, 1974-2002, Wiley Interscience; Advanced Organic Chemistry, Reactions Mechanisms, and Structure, 5th Edition, Michael B. Smith and Jerry March, Wiley Interscience, 2001; Advanced Organic Chemistry, 4th Edition, Part B, Reactions and Synthesis, Francis A. Carey and Richard J. Sundberg, Kluwer Academic / Plenum Publishers, 2000などの一般参考書、およびそれらに引用された参考文献に記載されたものが挙げられる。
がんは、疾患の不均一な集まりとして次第に認識されるようになっており、その開始と進行は、細胞および組織の微小環境で、DNA修復、ゲノム安定性、細胞増殖、細胞死、接着、血管新生、浸潤、および転移を調節する1つまたは複数の遺伝子の異常な機能によって誘導される。「がん」遺伝子の異型または異常な機能は、天然に発生したDNAの多型、(増幅、欠失、染色体喪失、または重複を通じた)ゲノムのコピー数の変化、(遺伝子発現の調節解除に繋がる染色体の転座、逆位、または他の再構成を通じた)遺伝子および染色体の構造の変化、および点変異による結果であることがある。がん性の新生物は、1つの異常な遺伝子の機能によって誘導され、同じ異常な遺伝子の機能によって維持され、あるいは維持および進行は追加の異常な遺伝子の機能によって悪化することがある。
上述の遺伝的な染色体異常以外に、それぞれのがんはまた、ゲノムのエピジェネティック修飾を含むことがあり、そのようなものとしては、DNAメチル化、ゲノムインプリンティング、およびアセチル化、メチル化、またはリン酸化によるヒストン修飾が挙げられる。エピジェネティック修飾は、悪性病変の誘導および/または維持で役割を果たすことがある。
生検、免疫表現型検査、および他の検査によるがん性の悪性病変の診断は、公知であり、定型的に使用されている。高分解能の染色体バンド検査、および先端的な染色体イメージング技術に加えて、細胞遺伝学的な分析、例えば蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、核型分析、スペクトル核型分析(SKY)、多重FISH(M−FISH)、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)、一塩基多型アレイ(SNP Chips)、ならびに公知であり当業者に使用される他の診断検査および分析検査を通じて、がんが疑われる症例で染色体異常を決定することができる。
陽電子放射断層撮影(PET)スキャナーおよびX線コンピュータ断層撮影(CT)スキャナーと組み合わせたがんのPET/CTイメージングは、腫瘍学の診断およびステージ分類の標準的なコンポーネントになりつつある。放射標識トレーサーである2−デオキシ−2−[18F]フルオロ−D−グルコース(FDG)の使用は、全PET/CTイメージング手順のうち大部分に用いられる。PET/CTイメージングの利点の1つは、治療の間の極めて早期に、腫瘍の化学感受性の査定の代用として、グルコース代謝の有意な変化または新生物細胞の代謝の完全な遮断さえ検出する能力である。がんの検出およびステージ分類に加えて、PET/CTイメージングは、療法に対する個々の応答の定量的なモニターおよび新しい薬物療法の評価ツールとして、ますます重要になりつつある。FDG蓄積の変化は、療法に対する応答を査定するためのイメージングマーカーとして、有用であることが示されてきている。RECIST基準は、療法に対する腫瘍の応答をCTイメージ中の腫瘍のサイズ/寸法の変化の測定によって従来査定してきたものであり、療法に対する早期の応答の証明にはならないことがある。療法の結果としての腫瘍のサイズの変化は、発達するのに長期間かかることがある。最も広く用いられているパラメーターは、標準化取込値(SUV)であり、これは目的の領域における最大のSUV値(SUVMAX)として定義されるものであり、SUVMAXの低減は、一般に、代謝活性の遮断の最も信頼性のある指標であるものと考えられている。
異常な恒常的なNotchシグナル伝達が、数多くの固形腫瘍の悪性病変(がん)に関係しており、そのようなものとしては、乳がん、卵巣がん(Park et al. Cancer Research, 2006(66):6312-6318)、メラノーマ(Gast et al. Genes, Chromosomes & Cancer, 2010(49):733-745)、肺がん、非小細胞肺がん(Westhoff et al. PNAS, 2009(106):22293-22298)、膵臓がん、神経膠芽腫、大腸がん、頭頸部がん、子宮頸がん、前立腺がん、肝臓がん、扁平上皮細胞癌(口腔)、皮膚がん、および髄芽腫[Ranganathan et al., Nature Review Cancer, 2011(11):338-351 and Supplementary Information S1(表)]が挙げられる。異常なNotchシグナル伝達は、ある種の軟部組織肉腫で活性化されることがある Guijarro et al. Am J Pathol, 2013(182(6)):2015-2027。
前臨床の評価
2週間に毎日1回の0、1.3、もしくは4.3mg/kgの、または2週間に3回/週の1、3、10、もしくは30mg/kgの、経口胃管栄養による用量を与えたラットにおいて、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドの毒性および毒物動態を査定するための試験を実施する。
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドを、1%カルボキシメチルセルロースナトリウム、0.25%ポリソルベート80、および0.05%Dow Corning(登録商標)Antifoam 1510−USを純水中に含む媒体と合わせる。Sprague Dawley CD(登録商標)/IGSラット[crl:CD(SD)]、すなわち国際遺伝子型標準[International Genetic Standardization(IGS)]である7〜9週齢のラット、3頭/性別/群、Charles River Laboratories,Incを、試験に使用する。動物を、換気付きのステンレス鋼のラックにて、周囲温度22.2+/−8℃かつ相対湿度30%から70%で、12時間の明期と12時間の暗期とのサイクルを維持しながら、自由に給餌する。被験化合物を表1に従って用量投与する。被験化合物を、10mL/kg体重の体積で、経口胃管栄養によって投与する。全群について試験の期間を14日間とする。
Figure 2019526632
群01、群06、および群07について最小限での観察を、用量投与前の毎日、用量投与のおよそ1(1)時間後、および午後に記録する。但し、週末は午後の観察を記録しない。群02、群03、群04、および群05についての観察を、3日目の開始で記録する。最小限で、用量投与日に、記載されるように観察を記録する。用量投与のない日には、毎日の用量投与を受ける群とほぼ同じ時間に観察を記録する。動物を、1日目、3日目、6日目、10日目、および14日目に秤量する。予定されている剖検時に、終了時の体重を収集する。摂餌消費重量を、1日目、3日目、6日目、10日目、および14日目に記録する。
追加の3頭/性別/群(群08、群09、および群12)ならびに雌3頭/群(群10、群11、および群13)の動物の群を、毒物動態学的評価のために用量投与する。群08、群09、および群10については、3日目および14日目での用量投与に関連する以下の時間:用量投与後0時間(用量投与前;14日目のみ)、0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、30時間、および48時間で、血液を各動物から採集する。群11については、3日目での用量投与に関連する以下の時間:用量投与後0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、30時間、および48時間で、血液を各動物から採集する。群12については、1日目および14日目での用量投与に関連する以下の時間:用量投与後0時間(用量投与前;14日目のみ)、0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間、および24時間で、血液を各動物から採集する。群13については、1日目での用量投与に関連する以下の時間:用量投与後0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間、および24時間で、血液を各動物から採集する。群08から群13を、毒物動態学的評価に使用する。他の評価の中では、血液試料を、吸収、分布、代謝、および排泄の分析の薬物動態パラメーターに使用する。
単回用量投与および複数回用量投与の両方に続いて、曝露(AUC0−24時間)が、概ね線形でかつ用量に比例して増加した。性別間で蓄積の差または大きな差は特定されなかった。罹患率および/または死亡率のために、複数回用量投与後の曝露データは、毎日1.3mg/kgおよび所与の3回/週で10mg/kgの用量レベルで、限られた数の動物について利用できたに過ぎず、毎日4.3mg/kgまたは所与の3回/週で30mg/kgの用量レベルでは利用できなかった。体重および摂餌消費量パラメーターの変化が、毎日投与された1.3および4.3mg/kgの用量レベルで、および3回/週で投与された10および30mg/kgの用量レベルで、観察される。実質的な体重減少が、毎日与えられた4.3mg/kgの、または3回/週で与えられた30mg/kgの用量レベルで観察される。毎日与えられた1.3mg/kgの、または3回/週で与えられた10mg/kgの用量レベルでは、体重の平均は、処置前と概ね同等であるかまたはそれよりも大きいが、対照群に比べて僅かにないし中程度に低下した。また、摂餌消費量の最小限ないし極度の低下は注目に値し、体重上昇および/または体重減少の低下に関連がある。
3回/週で30mg/kgを与えた全ての非毒物動態学用動物は、状態が悪いため10日目に安楽死させる。3回/週で10mg/kgを与えた3頭の毒物動態学(TK)用動物のうち2頭は、状態が悪いため10日目に安楽死させ、残りのTK動物は、16日目で48時間のTK時点になる前に死亡が認められた。4.3mg/kgの毎日用量を与えたTK動物は、7日目、8日目、または10日目に死亡が認められたことから、4.3mg/kgの毎日用量を与えた動物は、状態が悪いため10日目に安楽死させる。さらに、1.3mg/kgの毎日用量を与えた3頭の雌のTK動物のうち2頭は、状態が悪いため10日目に安楽死させる。1.3mg/kgの毎日用量を与えた全ての非TK動物、雄TK動物、および3頭の雌のTK動物のうち1頭は、予定されていた試験の終了まで生存した。3回/週で≦10mg/kgを与えた全ての非TK動物および≦3mg/kgを与えたTK動物は、予定されていた試験の終了まで生存した。安楽死を要する状態の悪さは、炎症、摂餌消費量の低下、ストレス、および脱水も観察されるとはいえ、胃腸毒性に起因するものである。化合物に関連する毒性は、3回/週投与の10mg/kgを与えた双方の性別の非TK動物および3回/週で3mg/kgを与えた雌に見られ、腸管の複数のレベルに関与する粘膜性腸症と、3回/週で10mg/kgを与えた雄における最小限ないし僅かな腎尿細管の変性とに限定される。
同じ総量の毎週用量を(毎日1.3mg/kgまたは3回/週で3mg/kg;および毎日4.3mg/kgまたは3回/週で10mg/kgで)受けているラットは、毎日の用量投与では、この試験での3回/週の用量投与に比べてさらに重度の胃腸毒性を有していた。
毎日1回の0もしくは1.3mg/kgの6日間で、または隔日の0.3もしくは3mg/kgの計3用量投与で、経口胃管栄養による用量を与えたイヌにおいて、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドの毒性および毒物動態を査定するための試験を実施する。
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドを、1%カルボキシメチルセルロースナトリウム、0.25%ポリソルベート80、および0.05%Dow Corning(登録商標)Antifoam 1510−USを純水中に含む媒体と合わせる。イヌ(ビーグル)、Covance Research Products、動物1頭/性別/群を、毎日(用量投与後すぐに)給餌し、予定されている化学血液採集および剖検の前に終夜、絶食させる。被験化合物を、2mL/kg体重の体積で、経口胃管栄養によって投与する。全群について試験の期間を6日間とする。
Figure 2019526632
試験パラメーター
毒物動態
試料採集:
群01および群04、1日目での用量投与に関連する以下の時間:用量投与後0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間、および24時間で、血液を採集する。
群02および群04:2日目および6日目での用量投与に関連する以下の時間:用量投与後0時間(用量投与前;6日目のみ)、0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、30時間、および48時間で、血液を採集する。
代謝産物分析
試料採集:6日目に用量投与後2時間で、群03の動物1頭/性別から、血液を採集する。
観察
群01および群04:最小限で、用量投与前、用量投与のおよそ1時間後、および午後に、観察を毎日記録するが、以下を除外する:週末は午後の臨床を記録しない。
群02および群03:最小限で、2日目および6日目は用量投与前、用量投与のおよそ1時間後、および午後に;4日目は用量投与前、および用量投与のおよそ1時間後に;ならびに3日目、5日目、および7日目は群01および/または群04とほぼ同じ時間に、観察を記録する。
体重:
動物を1日目および7日目に秤量する。
摂餌消費量:
摂餌の残りの量を視覚的に見積もることによって、摂餌消費量の定量的な査定を各日で行う(増分25%で記録する)。
病理学:
試料の採集:
群01および群04:1日目の用量投与前および7日目に(7日目には用量投与せず)、血液試料を採集する。
群02および群03:1日目および6日目の用量投与前に、血液試料を採集する。
予定されていた剖検時に、尿管穿刺(cystocentesis)により全ての動物から尿試料を採集する。
1.3mg/kgを与えた動物は、6回の毎日用量投与後に、状態が悪いため安楽死させる。3回/週(2日目、4日目、および6日目)で0.3または3mg/kgを与えた動物は、予定されていた終了まで生存した。化合物に関連する徴候は、6回の1.3mg/kgの毎日用量を与えた動物に限定され、そのようなものとしては、7日目の雌における横臥位および努力性呼吸、6日目および7日目の両動物における活動性の低下、ならびに7日目の両動物における脱水(皮膚の弾力の低下)が含まれていた。この用量レベルでの他の症状としては、赤色便、暗色便(雌のみ)、粘膜性便、および水様便(雌のみ)が含まれていた。3回/週で3mg/kgを与えた動物についての化合物に関連する徴候としては、赤色便(雄のみ)、粘膜性便、および水様便(雄のみ)が含まれていた。3回/週で0.3mg/kgを与えた動物では、徴候は雌に限定され、そのようなものとしては、粘膜性便および水様便が含まれていた。
全ての化合物処置群で体重減少が生じ、3回/週で3mg/kg、または6日間にわたり毎日1.3mg/kgを与えた動物では有害であると考えられる。摂餌消費量の低下も、全ての化合物処置群で生じた。
週3回3mg/kgおよび毎日1.3mg/kgを与えた動物に、有害な胃腸(GI)変化が生じ、その結果、1.3mg/kgを与えた両動物を早期に安楽死させることになった。週3回0.3mg/kgを与えた雄は、大腸での有害な炎症性の変化と、化合物に関連する可能性がある全身性の炎症の形跡とを有したが、上記のさらに特徴的な粘膜性腸症の徴候はなかった。
胃腸管の全ての層で、胃腸の変化が生じ、粘膜上皮の変化(粘膜性腸症)、びらん、潰瘍、および腸壁の粘膜下層およびさらに深い層に関わる炎症を含んでいた。腸管の変化は、毎日1.3mg/kgを与えた動物に最も顕著であり、最大で赤い流体の腸管内容物を伴う著明な粘膜性腸症と、びらんと、潰瘍と、主に好中球性混合性炎症とを含んでいた。粘膜性腸症は、粘膜の全ての層で杯状細胞数が増加するという特徴を有し、さらに顕著である際には、組織崩壊、陰窩の拡張、ならびに粘液と剥脱した腸細胞および細胞残骸の混じった多数の好中球とから構成される管腔内容物を伴う。
Figure 2019526632
Figure 2019526632
1.3mg/kgの毎日用量を受けているビーグル犬を、6用量投与後に安楽死させる。3回/週で0.3または3mg/kgを受けているビーグル犬は、予定されていた剖検まで生存した。毎日用量投与を受けているイヌは、この試験での3回/週の用量投与に比べて、さらに重度の胃腸毒性を有した(この場合では、毎日の用量投与のイヌと3回/週のイヌは、同じ総量の毎週用量を受けた)。
これらの前臨床のラットおよびイヌのデータは、同じ総量の毎週用量について、毎日1回投与は耐容性がないことを示す。両方のレジメンで、24時間での薬物濃度は最小であるが、TIWの用量投与を用いると、用量投与と用量投与との間に24〜48時間あり、その際に系には薬物がない。これらのデータは、毒性を最小にするためにはいくらかの薬物の休止が必要であることを示唆する。
In−vivoでの有効性および標的阻害の試験−動物試験
Notchプロセッシングの薬力学(PD)の阻害に及ぼされる4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドのin vivoでの有効性および効果を評価するため、いくつかの細胞株由来および患者由来の異種移植モデルを使用する。A2780は、ヒト卵巣細胞株(Sigma−Aldrich、番号93112519)であり;SW480は、ヒト大腸細胞株(ATCC番号CCL−228)であり;HCT116は、ヒト大腸細胞株(ATCC番号CCL−247)であり;U−87MGは、ヒト神経膠芽腫細胞株(ATCC番号HTB−14)であり;A375は、ヒト悪性メラノーマ細胞株(ATCC番号CRL−1619)であり;K−562は、Bcr遺伝子およびAbl1遺伝子から構成される融合転写物が存在するという特徴を有するヒト慢性骨髄性白血病(CML)細胞株(ATCC番号CCL−243)であり;Jurkat;HEL92.1.7は、ヒト赤白血病細胞株(ATCC番号TIB−180)である。これらの細胞株はそれぞれ、アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)から所定のATCC番号で得られ、例外としてA2780細胞株は、Sigma−Aldrichから所定のカタログ番号で得られる。細胞を、大気中、湿度を保ち、37℃、5%CO下、それらのそれぞれの推奨培地中で培養する。マトリゲルとの1:1混合物(0.2mL体積)中のA2780細胞(2×10)、SW480細胞(6×10)、HCT116細胞(6×10)、U−87MG細胞(6×10)、およびA−375細胞(10×10)を、6〜8週齢の雌の無胸腺ヌードマウス(Harlan Laboratories)の後肢に、皮下注射によって移植する。マトリゲルとの1:1混合物(0.2mL体積)中のK−562(6×10)細胞を、6〜8週齢の雌のCD1nμ/nμマウス(Charles River Laboratories)の後肢に、皮下注射によって移植する。マトリゲルとの1:1混合物(0.2mL体積)中のHEL92.1.7(7×10)を、6〜8週齢の雌のCB17重度重複免疫不全マウス(Taconic Farms)の後肢に、皮下注射によって移植する。患者由来の腫瘍を1〜2mm片に切り刻み、0.2ml体積のマトリゲルと混合し(1:1)、6〜8週齢の雌の無胸腺ヌードマウス(Harlan Laboratories)の後肢に皮下注射によって移植する。患者由来の腫瘍モデルとしては、IU Health、メソジスト病院、インディアナポリス、インディアナ州、米国46206から患者の同意および病院の承認の後に得た試料を用いた、ヒト結腸癌(EL2144)、ヒトトリプルネガティブ浸潤性乳管癌(EL1997)、ヒト結腸癌(EL1989、EL1986)、およびヒト神経膠芽腫(EL2056)が挙げられる。総数で7頭から10頭のマウスを各群に使用する。A2780、SW480、HEL92.1.7、A−375、K−562、および患者由来の腫瘍モデルについての移植の直前に、動物を放射線照射する(450の全身照射)。マウスを通常の餌で自由に給餌する。腫瘍サイズが150±50mmに到達した際に、0.2mL体積の化合物または媒体[0.25%Tween(登録商標)−80中1%Na−CMC]の経口投与(胃管栄養)を用いて処置を開始する。処置後の指定された時点で、動物をCO窒息および頸部脱臼によって屠殺する。腫瘍を取り出して、PD応答分析に使用する。有効性および毒性の徴候を評価するために、腫瘍成長および体重を経時でモニタリングする。腫瘍の2次元測定を週2回実施し、以下の式:(腫瘍体積)=[(L)×(W2)×(Π/6)]に基づいて腫瘍体積を算出し、上式では、Lは中軸長であり、Wは中軸幅である。腫瘍体積データをlogスケールに変換して、時間および処置群にわたる分散を平準化する。SAS(商標)ソフトウェア(バージョン8.2)のMIXED(商標)工程を使用して、時間および処置による分散の2元配置反復測定分析を用いて、log体積データを解析する。反復測定に用いる相関モデルは、空間べき乗である。処置群を各時点で対照群と比較する。MIXED(商標)工程も各処置群に別々に使用して、調整平均および標準誤差を各時点で算出する。両解析は、各動物内の自己相関と、大きな腫瘍を有する動物が早期に試験から取り除かれた際に生じるデータの損失とを説明する。調整平均および標準誤差を、各処置群対時間についてプロットする。抗腫瘍活性を腫瘍成長阻害のパーセンテージ(TGI%)として表し、処置群の腫瘍体積を媒体処置群と比較することによって算出する。4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドの腫瘍成長阻害のパーセンテージ(%TGI)および統計的有意性値(p値)を、実質的に上に記載されたように測定し、表5にまとめる。
N1ICD分析
腫瘍中のN1ICDレベルを評価するために、およそ75mgを凍結腫瘍から切り出し、切り刻んだ後に均質化する(実際の質量を記録する)。凍結腫瘍試料をLysing Matrix−D(商標)チューブに移し入れ、1×Complete錠[Roche Complete(登録商標)番号11697 498 001]および1×プロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma−Aldrich P8340)を75mg/mL緩衝液の質量:体積比で含有する氷冷XY溶解緩衝液[25mMトリスpH7.5、10μg/mlトリプシン/キモトリプシン阻害剤、10μg/mlアプロチニン、60mMベータ−グリセロールリン酸、1%Triton(登録商標)X−100、10mM NaF、2.5mMピロリン酸、150mM NaCl、15mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)pH8.0、5mMエチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)pH8.0、1mMバナジン酸Na、10μg/mlロイペプチン、1mMジチオスレイトール、1μMミクロシスチンLR、10μg/ml N−p−トシル−L−フェニルアラニンクロロメチルケトン(TPCK)、2mM Nα−p−トシル−L−アルギニンメチルエステル塩酸塩(TAME)、15mM 4−ニトロフェニルリン酸ジ(トリス)塩(PNPP)、0.1mMフッ化4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホニル塩酸塩(AEBSF)、5mMベンザミジン、1μMオカダ酸]に再度懸濁する。組織を、Fast Prep FP120ホモジナイザー(Thermo Scientific、ロックフォード、イリノイ州)中、スピード6.0にて4℃で30秒間均質化した後、氷上で15分間インキュベーションする。均質化が完了するまで、これを総数2〜3サイクル繰り返す。溶解物を4℃のEppendorf遠心分離機にて30,000rpmで15分間スピンし、残骸を除去する。400μlの上清を除去して、新しいEppendorfチューブに移し入れて、凍結/融解サイクルに供する。試料を4℃のEppendorf遠心分離機にて30,000rpmで30分間、再スピンし、120μlの上清を分析用に採集する。Thermomax(商標)プレートリーダー(Molecular Devices、サニーベール、CA)を使用して、Pierce BCAタンパク質アッセイキット(商標)(Thermo Scientific、ロックフォード、イリノイ州)を用いて、総タンパク質濃度を決定する。特別仕様のN1ICD ELISAを用いて、N1ICDレベルを決定する。分析物を、切断型Notch1(Val1744)特異的な特別仕様のウサギモノクローナル抗体を用いて捕捉し、C末Notch1 SULFO−TAG(商標)(Meso Scale Discovery、ゲイザースバーグ、メリーランド州)ヒツジポリクローナル抗体(R&D Systems、ミネアポリス、ミネソタ州)を用いて検出する。1×Complete錠[Roche Complete(商標)ミニ、番号11 836 153 001]および1×プロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma−Aldrich、P8340)を含有する氷冷ELISAトリス溶解緩衝液(R6OTX)(Meso Scale Discovery、ゲイザースバーグ、メリーランド州)中に、溶解物を2μg/μlに希釈し、25μlをELISAプレートに添加する。50μgのタンパク質溶解物のインキュベーションを室温で、分析物の捕捉のために各1時間、検出抗体を用いて行う。プレートを、Sector Imager 6000(商標)(Meso Scale Discovery、ゲイザースバーグ、メリーランド州)上で読み取る。バックグラウンドを差し引いたN1ICDを、総タンパク質に正規化して、媒体処置群に対し相対的な%阻害として提示する。最後の用量投与の4時間後に回収された腫瘍でダネット法によって測定した際の4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドについてのN1ICDの%阻害および統計的有意性(p値)を、実質的に上に記載されたように解析し、表5にまとめる。
Figure 2019526632
表5のデータは、ヒト腫瘍の様々な異種移植モデルにおける、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドによる腫瘍成長の阻害およびN1ICDの切断の阻害を示す。表5のデータはまた、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドによる腫瘍成長の阻害への代替の用量投与レジメンの効果を示す。データはまた、用量投与の頻度が高いほど、大きな有効性をもたらすことを示す。
第1相の用量漸増試験で患者から得た前臨床データおよび薬物動態/薬力学データを使用して、PK/PDモデルを、患者における様々な用量投与レジメンをシミュレーションするために開発したが、その目的は、患者応答の平均に基づいて、遺伝子発現を50%超阻害する時間を最大化し、かつ薬物を休止することである。
臨床評価
進行性または転移性の固形腫瘍がんの患者における4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の試験
試験デザイン
この試験は、多施設無作為非盲検用量漸増試験であり、その後、進行性または転移性の固形腫瘍がんの外来患者における4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の経口用量投与のコホート拡大を行う。
試験の目的
この研究の第1の目的は、プレドニゾンの共投与を伴う2つの代替の用量投与スケジュールに従って患者に安全に投与され得る4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の第2相の推奨用量を決定すること、および抗腫瘍活性を文書化することである。
本試験の第2の目的は、米国国立がん研究所(NCI)有害事象共通用語規準(CTCAE)v4.0によって査定されるような4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の安全性および毒性のプロファイルの特徴を明らかにすること;4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の薬物動態(PK)パラメーターを見積もること;および4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物を用いて観察されたいかなる抗腫瘍活性も文書化することである。
探索の目的は、血漿中および尿中の4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の腎クリアランスおよびPK代謝産物を探索すること;4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物に関連する予測バイオマーカーを探索すること;サイトケラチン18を含めたNotch活性を標示するバイオマーカー(免疫組織化学または代替のバリデーション済みの方法によるNotch細胞内ドメイン)またはRules Based Medicineに及ぼされる、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の薬力学(PD)効果を探索すること;4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物を用いた治療効果を査定するために、陽電子放射断層撮影(PET)スキャンまたはPET/CTの有用性を探索すること:4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物を用いた治療効果を査定するために、ダイナミック造影磁気共鳴イメージング(DCE−MRI)の有用性を探索すること;およびダイナミック造影超音波検査DCE−USの有用性を探索することである。
治験薬
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物が、経口的にカプセルとして、28日間サイクルにわたって週に3回;または14日間にわたって週に2回の後、第3週および第4週にわたってTIWの用量投与とするサイクル1と、サイクル2および28日間サイクル以降にわたるTIWで与えられる。
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物は、経口消費のためボトル中に25mgカプセルおよび50mgカプセルとして供給される。これらのカプセルは、ラベルに明示された温度範囲内の室温で保管されるべきである。
プレドニゾンは、適宜かつ必要なときに、局所的に提供されるかまたは得られるかのどちらかであり、1日目から14日目まで20mgの用量で毎日投与されるものとし、これはサイクル1の28日目まで延長されてもよい。
治療の予定期間
患者は、中断の基準のうち1つまたは複数が満たされなければ、1サイクル(28日間)の4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物を受けるものとする。患者は、1)満たされている中断の基準がない場合、および2)患者が治療から臨床ベネフィットを受けていることを、試験担当医が決定する場合に限り、1サイクルを超える治療を受けることがある。
予定期間は固定されない。そして、患者は、試験中断の基準のうち1つ(1)を満たすまで、試験に留まるものとする。中断後のフォローアップ期間は、患者がもはや試験治療を続けないものとすることを患者および試験担当医が同意してからその翌日に始まり、それに続く期間によって規定される。すなわち、短期のフォローアップ期間は、試験治療の中断の1日後に始まり、およそ30日間続く。長期のフォローアップ期間は、短期のフォローアップ期間が完了してから1日後に始まり、死亡までまたは生存率データを収集するための試験の終結まで継続する。中断後は、腫瘍の測定および他の試験の手順を実施する。
この試験は、最後の患者が登録された日からおよそ12か月で終結するものと考えられる。治療からベネフィットを受けている患者は、試験が終結した後であっても、試験薬物を長期間にわたって受け続けることがあり、最終的なデータベースのロックは、アクセス期間の継続中に起こっている。
用量投与
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物を、以下のスケジュールのうち1つ(試験担当医の裁量で決定)に従って、経口投与する。
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物を、これらのスケジュールのうち1つ(試験担当医の裁量で決定)に従って、TIWで経口投与する。
28日間サイクルにわたって毎週月曜日、水曜日、金曜日
28日間サイクルにわたって毎週火曜日、木曜日、土曜日
28日間サイクルにわたって毎週水曜日、金曜日、日曜日
28日間サイクルにわたって毎週木曜日、土曜日、月曜日
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物は、これらのスケジュールのうち1つ(試験担当医の裁量で決定)に従って、サイクル1での2週間にわたる週2回の後、TIWの用量投与にて、経口投与する。
サイクル1について:第1週および第2週の月曜日および金曜日の後に、第3週および第4週の月曜日、水曜日、金曜日。サイクル2およびそれ以降について:28日間サイクルにわたって毎週月曜日、水曜日、および金曜日。
サイクル1について:第1週および第2週の火曜日および土曜日の後に、第3週および第4週の火曜日、木曜日、土曜日。サイクル2およびそれ以降について:28日間サイクルにわたって毎週火曜日、木曜日、土曜日。
サイクル1について:第1週および第2週の水曜日および日曜日の後に、第3週および第4週の水曜日、金曜日、日曜日。サイクル2およびそれ以降について:28日間サイクルにわたって毎週水曜日、金曜日、日曜日。
サイクル1について:第1週および第2週の木曜日および月曜日の後に、第3週および第4週の木曜日、土曜日、月曜日。サイクル2およびそれ以降について:28日間サイクルにわたって毎週木曜日、土曜日、月曜日。
プレドニゾンは、20mgの投薬量で、サイクル1の1日目から14日目まで毎日投与する。
用量漸増相
用量漸増は、3+3方法を用いて安全性により進める。
Figure 2019526632
用量漸増試験であるという性質から、最大耐用量(MTD)が決定されるまで、データを継続的に評価する。MTDが、予め指定された最も高い用量レベルに依然として達成されていない場合には、安全性と利用可能なPKデータの両方に基づいて、試験担当医と協議した後に、追加の用量レベルを精査することがある。
MTDが規定されていれば、コホート拡大相を開始する。
この研究は、2つの代替の用量投与スケジュールを探索するものとし、これらの代替スケジュールのそれぞれについてMTDが規定されていれば、免疫組織化学(IHC)と、例えばNotch経路に関連する変異、増幅、または遺伝子発現などのNotch経路の変化とをスクリーニング済みの、切除不能なまたは転移性の平滑筋肉腫の組織学的なエビデンスを有するおよそ15人の平滑筋肉腫患者で、コホート拡大を各用量投与スケジュールについて開始するものとする。
評価のための基準
安全性:NCI CTCAE、バージョン4.0、有害事象(AE)および用量制限毒性(DLT);化学、血液学、凝固、および尿分析を含む標準的な臨床検査のための血液試料および尿試料の採集。
生体分析(PKおよびPDを含む):4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の血漿中濃度。
有効性:
有効性を、固形腫瘍の応答評価基準[Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)]v1.1を用いて、固形腫瘍について査定するものとする。各患者を、腫瘍の測定のための以下の放射線学的試験:X線コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴イメージング(MRI)、胸部X線、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン、ダイナミック造影磁気共鳴イメージング(DCE−MRI)、PET/CTイメージング標準化取込値(SUVMAX)、ダイナミック造影超音波検査(DCE−US)のうち、1つまたは複数によって査定するものとする。
また、各患者の疾患の全体の程度を、RECIST 1.1(Eisenhauer et al., Eur J Cancer. 2009, 45(2): 228-247)およびChoi et al., J Clin Oncol. 2007, 25(13): 1753-1759による適用可能な腫瘍測定、ならびにECOG, Oken et al., Am J Clin Oncol. 1982, 5: 649-655による全身状態(performance status)の評価を用いて査定する。客観的奏功(objective response)を確認するために、全ての病変を放射線学的に査定すべきであり、初期の応答を決定するのに使用されるものと同じ放射線学的方法を、初期の客観的奏功の観察の後、ベースライン時に使用された試料法を用いて、少なくとも4週間、繰り返すべきである。PETスキャンによる一部の代謝応答は、1サイクルの療法後に腫瘍の[18F]−FDG SUVで最小15±25%であり、1周回を超える治療サイクル後に25%を超えるものとして定義され、欧州がん研究治療機構のPET応答基準(Young et al., Eur J Cancer, 1999, Dec, 35(13): 1773-82)に従って、少なくとも4週間後に確認すべきである。
統計方法
安全性:用量漸増は、3+3方法を用いて安全性により進める。用量−毒性曲線に関する事前予想を組み込んだモデルベースの解析を、各コホートの終点でのデータにフィッティングさせるが、このデータは、試験担当医およびLillyの臨床研究医が次の用量レベルを決定するために使用するものとなる。最大耐用量を、サイクル1の間にDLTを引き起こす可能性が33%未満である最高試験用量として規定する。
有効性:腫瘍応答データを試験パート別に表にしてまとめる。
薬物動態:4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物のPKパラメーターを、標準的な非コンパートメント分析法によって分析する。
薬力学:全PDデータを査定する。曝露−バイオマーカー応答関係を特定するために、探索的なPK/PD分析を実施してもよい。
探索試料:治療前後の循環アミロイドベータ(Aβ)ペプチドの探索的な分析のために、血液試料を採集する。登録日から2年以内に予め得た必須腫瘍組織試料および皮膚パンチ試料、または保管試料がなければ新鮮試料を、様々なバイオマーカーを測定するために配することができ、そのようなマーカーとしては、遺伝子発現プロファイリングバイオマーカーならびに他の探索バイオマーカーが可能性として挙げられる。また、用量投与前後の腫瘍および皮膚の生検も、分析のために採集する。

Claims (9)

  1. 固形腫瘍がん患者を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を投与することを含み、
    a.75〜150mg/用量で少なくとも1用量かつ最大12用量の負荷用量を、28日間サイクルの間に週に2回または3回投与し、その後
    b.50mg/用量の維持用量を週に3回投与し、任意選択で
    c.前記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドを投与する、
    方法。
  2. 少なくとも1かつ最大6用量の負荷用量が投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1かつ最大3用量の負荷用量が投与される、請求項1に記載の方法。
  4. 固形腫瘍がんの治療での使用のための、化合物4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物であって、前記化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物が、
    a.28日間サイクルの間に週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大12用量の負荷用量の後に、
    b.週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され、任意選択で
    c.前記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与される、
    化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
  5. 前記負荷用量が、少なくとも1用量かつ最大6用量である、請求項4に記載の治療。
  6. 前記負荷用量が、少なくとも1用量かつ最大3用量である、請求項4に記載の治療。
  7. 固形腫瘍がんを治療するための医薬の調製のための、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンザゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の使用であって、前記医薬が、
    a)28日間サイクルの間に週に2回または3回投与される、75〜150mg/用量での少なくとも1用量かつ最大12用量の負荷用量の後に、
    b)週に3回投与される50mg/用量の維持用量で投与され、任意選択で
    c)前記負荷用量の投与の間に1〜50mg/日のコルチコステロイドが投与される、
    使用。
  8. 前記負荷用量が、少なくとも1用量かつ最大6用量である、請求項7に記載の使用。
  9. 前記負荷用量が、少なくとも1用量かつ最大3用量である、請求項7に記載の使用。
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