オン/オフスイッチ、速度制御装置、トルク制御装置、方向制御装置などのような様々なモータ制御装置を有する歯科用機器を提供することが有益である。歯科医療従事者が該機器および関連する制御装置を操作しているときに、所与の歯科的処置に必要な他の工具または装置を操作することが困難である場合が多い。したがって、歯科医療従事者にとってより有利なモータ制御を行うモータ制御装置を有するモータ駆動式歯科用工具機器を提供することが有利になるであろう。
例えば、使い捨てプロフィーアングル(DPA)を駆動する予防処置用(プロフィー(prophy))ハンドピース(例えば、DENTSPLY International社(ペンシルバニア州ヨーク)製のRDH Freedomブランドのプロフィーハンドピース)の場合、予防処置の間、必要に応じて、医師によって回転速度が調節されるのが望ましい。これは、通常、空気式ハンドピースへと流れる空気流を制御するフットペダル(レオスタット)によって行われる。医師は、このとき、必要な作業に対応する速度を見つけるためにフットペダルを調節しなければならない。速度がおおよそでしか調整されない通常の空気モータは、加えられた負荷に比例して速度がわずかに低下したときに、医師に負荷の可聴フィードバックを提供する。しかしながら、典型的な歯科用電動ハンドピースに見られるように、速度が非常に適切に調整されたモータにおいては、このようなフィードバックは得られない。
従来の回転モータ速度制御装置では、変化する負荷を受けた状態で(ほぼ)一定の速度を維持するために、負荷が監視されて、モータに送られるエネルギーを補償するのに使用される。このような速度調整挙動は、永久磁石電気モータ、または空気圧(空気)モータに固有のものであり、その速度は、(調整される)圧力にほぼ比例する。より精密な速度調整を行うために電子制御を適用するのが周知である。従来の機器は、加えられる負荷に基づいて速度を変化させるものではない。従来の機器は、空気圧式であるか、電動式であるか、追加の速度制御装置を有するか、または有さないかに関係なく、単にフットペダルによって指令された速度を維持するようにするだけである。
本発明によれば、プロフィーハンドピースのようなハンドピースは、電気モータによって駆動され、ハンドピースに加えられる負荷(トルク)の変化が監視される。この負荷は、その後、適切な目標速度に変換され、目標速度は、フットペダルなどを使用せずに、要求に応答して自動的に上昇され得る。速度は、臨床的に適切に、要求に応じて、段階的に、連続的もしくは比例的に、またはその両方の形で、負荷とともに上昇し得る。負荷から速度への移行が存在し、速度は負荷との何らかの関係で上昇する。さらに、本発明は、例えば、使い捨てプロフィーアングル(DPA)のような工具を駆動するためのモータ制御装置を有する歯科予防処置用ハンドピースであって、ハンドピースモータは、DPAモータの動作によってモータに加わるねじり負荷、および所定時間にわたる所定のヒステリシス電流閾値を超えるモータ電流の変化の維持に応答して作動される、または別の形で制御されるハンドピースに関する。提供される機器およびシステムは、好ましくはコードレス歯科予防処置用ハンドピースの内側モジュール内に配置されたモータ、マイクロプロセッサ、電流検出回路および電源を含む構成で統合され、動作可能に結合された構成要素上で構築される。上述したように、本発明はさらに、時間遅延およびヒステリシス電流閾値に従って歯科用ハンドピースのモータを駆動するためのモータ制御装置を有するハンドピースに関する。本発明によれば、プロフィーハンドピースのようなハンドピースは、電気モータによって駆動される使い捨てプロフィーアングル(DPA)を有する。DPAによって生じた可変ねじり負荷は、駆動ドッグによってハンドピースの内側モジュール内のモータのギアボックスに伝達される。その結果、モータは、減速し始める。比例・積分・微分(PID)速度制御ループは、モータ巻線への電流を増加させることによって、モータ速度を維持する。このモータ電流の増加は、所望のユーザ体験を提供するために事前設定の時間遅延およびヒステリシス閾値を使用して、モータ制御方法によって達成される。モータ電流の変化が著しい(すなわち、事前設定のヒステリシス閾値より大きい)場合、新たなモータ電流動作点に基づいて新たな速度が選択される。DPAは、例えば、歯の表面と相互作用したときに、またはプロフィーペーストのカップに突っ込まれている間に、ねじり負荷を生成する。DPAによって生成されるねじり負荷は、歯の形態および臨床的作用力によって引き起こされたスラスト摩擦およびカップの撓みから生じ得る。エラストマー要素であるDPAカップは、研磨されている表面に適合する。このカップの変形と、歯・カップ摩擦相互作用とが組み合わさって、モータ上でねじり負荷を生成し、このねじり負荷により、モータが減速し始める。PIDループは、モータへの電流を増加させて、モータ速度を維持し得る。モータ速度がそれ以上上昇することができない最大事前設定速度は、ハンドピースシステムにおいて実現され得る。この速度に達すると、徐々に速度をゼロもしくはアイドリング速度まで減速させる、または最大速度を維持する手段のような緩和手段が自動的に始動され得る。
上記では、本発明の詳細な説明がより十分に理解され得るように、また本発明の当該技術への貢献がより良く理解され得るように、本発明の特徴のいくつかの概要をかなり大まかに説明した。本発明のさらなる特徴について後述する。
この点に関して、本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用について、以下の説明で述べる、または図面に示す構成要素の構造または配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施され実行され得る。さらに、本明細書に使用されている表現および用語は、説明目的で使用されており、限定的な意味としてとらえるべきではないことを理解されたい。
1つの目的は、フットペダルが不要であるために、ハンドピースが従来の機器より単純で、使いやすく、安価であるハンドピースシステムを提供することである。フットペダルの必要性は、(プロフィーハンドピースの場合)クリーニング中に速度調節を医師がすでに行っていることと組み合わせることによって、排除されている。この点において、ハンドピースは使用者により対応したものとなる。
別の目的は、プロフィーハンドピースに関するハンドピースシステムであって、まだ回転が速すぎるのに口腔からプロフィーカップを取り外すことによって引き起こされるプロフィーペースト、唾液、および残骸の混合物の飛び散りまたは不注意な散布が低減または排除され得る、ハンドピースシステムを提供することである。これは、負荷がもはや加えられなくなったときに、自動的かつ速やかに減速することによって行われるが、以前であれば、医師によって手と足の両方の慎重な連携を必要とする動作である。
別の目的は、モータ速度を一定値に調整するのではなく、強力な空気モータのように、少なくともある程度の負荷でモータ速度が意図的に落とされる、または低減されるハンドピースシステムを提供することである。これは、負荷への速度応答の調整の問題であり、厳密に一定の速度が適切であるかもしれない場合であっても適用され得る。
さらに別の目的は、システムが電動式もしくは空気圧式であるか、または回転式(低速もしくは高速)、往復式(回転もしくは長手方向)もしくは振動式(音波もしくは超音波)などであるかに関係なく、任意の医療または歯科用機器に適用可能であるハンドピースシステムを提供することである。これは、コードレスドリル、ねじ回し、歯ブラシ、または鋸のような多くの種類の動力工具に適用され得る。
別の目的は、外側シースおよび内側モジュールを有するハンドピースであって、外側シースおよび内側モジュールはハンドピースシステム内への流体の浸入を防ぐために複数のシールを有する、ハンドピースを提供することである。
1つの目的は、モータ制御装置を有する歯科予防処置用ハンドピースであって、患者に円滑な治療を提供し、歯科医師に使用しやすさを提供するために、モータに加えられるねじり負荷を変化させることによってDPAの塗布速度が操作可能に制御され得るハンドピースを提供することである。モータ制御装置は、DPAを制御するのに、フットペダルの代わりに使用され得る。さらに、モータ制御装置は、安全なRFプロトコルを介するようなコードレスフットペダルとの無線通信を介してモータ制御装置を無効にすることによって、DPAを制御するためにフットペダルと併用され得る。
別の目的は、モータ制御装置を有するハンドピースシステムであって、モータ制御装置が電動式もしくは空気圧式であるか、または回転式(低速もしくは高速)、往復式(回転もしくは長手方向)もしくは振動式(音波もしくは超音波)などであるかに関係なく、任意の医療または歯科用機器に適用可能である、ハンドピースシステムを提供することである。これは、コードレスドリル、ねじ回し、歯ブラシ、または鋸のような多くの種類の動力工具に適用され得る。
別の目的は、複数の時間遅延値とヒステリシス電流閾値との任意の組み合わせによってモータ速度が管理可能に制御され得るハンドピースシステムであって、複数の時間遅延値およびヒステリシス電流閾値は一定または可変であり得る、ハンドピースシステムを提供することである。
本発明の他の目的および利点は、読者に明らかになるであろう。これらの目的および利点は、本発明の範囲内にあるものとする。上記の関連目的を達成するために、本発明は、添付図面に示されている形態で具現化され得るが、図面は単なる例に過ぎず、本願の範囲内で例示され説明されている特定の構造に変更が加えられ得ることに留意されたい。
本発明は添付図面と併せて考察されたときによりよく理解されるので、本発明の様々な他の目的、特徴、および付随する利点が十分に理解されるであろう。添付図面において、複数の図面にわたって同様の参照番号は同一または同様の部品を指すものとする。
図面について説明すると、複数の図面を通して同様の参照番号は同様の要素を示し、図は、工具を駆動するモータを有する歯科用機器を示しており、工具は、例えば、ある表面に工具を接触させることによって、工具を介してモータに加えられた負荷に応答して作動される、または別の形で制御される。
回転式プロフィーハンドピースのようなモータ駆動式歯科用ハンドピースは、速度×トルクとして動力を出力する。通常、従来技術では、モータ速度は、おおよそではあるが、調整される、すなわち、モータ速度は、負荷を受けた状態で維持されるか、または低下する。医師は、その後、回転器具と歯(または歯科装置など)との間に大なり小なり力を加えることによって、大なり小なり動力を要求することができる。この力は、回転器具の性質により、大なり小なり負荷(トルク)をモータに加える。
本発明によれば、変化する負荷を受けた状態で速度を一定値に調整するのではなく、速度は、増大する負荷に応答して上昇する。この上昇は、ほんの2段階(オン/オフ)もしくは多くの段階で、または負荷に対して一定の比率もしくは可変比率で、またはこれらのいずれかの組み合わせで生じ得る。
例えば、プロフィーハンドピースは、飛び散りを引き起こす速度をはるかに下回る非常に遅い速度で(図1のグラフの例では、300rpm)アイドリングし得る。プロフィーハンドピースは、加えられる負荷が、プロフィーペーストを充填するときの負荷を超えて、DPAプロフィー処置で受けるさらに高い値まで増大するまで、この速度で維持され得る。その時点で、速度は、アイドリング速度からクリーニング速度まで急上昇し、さらに速度は、増大する負荷に伴って上昇し得る。負荷が除去された瞬間に、速度は元の遅いアイドリング速度まで低下し得る。
本発明の別の実施形態では、ストロークを制御するCavitronブランドの超音波スケーラ(DENTSPLY International社(ペンシルバニア州ヨーク)製)と共に使用されるような超音波駆動工具は、先端が歯または他の作用面に接触した場合に、使用者にはほとんど感じることができないが、負荷が加えられたか否かを決定するためにコントローラに十分なフィードバックを返すのに十分である非常に小さいストロークでアイドリングし得る。その時点で、指令されたストロークは、作用値まで増加し、負荷が除去され、スケーリングが終了するまで維持される。
本発明のこのアプローチの利点は、モータ出力(速度、ストローク、角度、周波数など)が必要に応じて増加するので、アイドリング速度が非常に遅くなり得るということである。本発明は、負荷(トルクなど)と共に制御出力(速度、ストローク、角度など)を増加させるモータ制御プロファイルを提供することが理解されよう。
したがって、本発明は、利用可能な制御がオンオフ制御のみである場合でも、電動ハンドピース、さらには超音波スケーラにおいて具現化され得ることが理解されよう。さらに、本発明は、モータ速度が監視され得、モータを駆動する空気圧が制御され得る場合に、高速歯科用ハンドピースのような空気モータにおいて具現化され得る。
このイノベーションを組み込んだ歯科用ハンドピースのような動力器具は、より単純で、より安価で、より応答性が高く、より安全で、より信頼性が高く、より充電が長持ちする器具となり得る。その時点の臨床的必要性を満たすように出力(速度、角度、ストロークなど)を調節するのに、フットペダル、プッシュボタン、または圧力もしくは力センサのような追加の機器は必要でない。このことにより、設備要件が簡略化され、コストが低減される。医師が送られるエネルギーを絶えず調節することの遅延をなくすことにより、器具は、医師に対する応答性がより高くなり、臨床要件をより正確に反映し、より短い時間で臨床効果が得られる。
特に、プロフィーハンドピースでは、プロフィーペーストの飛び散りは不快であるだけでなく、深刻な二次汚染源でもある。しかし、モータが作業を終えた後の停止がより迅速であるほど、発生するプロフィーペーストの飛び散りが少なくなる。本発明においてこれを自動的に行う際に、該ハンドピースは飛び散りを最小限に抑える。
該器具は、低出力時のみアイドリングし、要求に応答して必要とされる分のみ出力を増加させるので、該器具は、より信頼性が高くなり、受ける摩耗が少なくなり、発生する熱を少なくすることにより、より安全になり、またバッテリ消耗などを最小限に抑えることにより、より長持ちする機器となり得る。
本発明は、電動式もしくは空気圧式であるか、または回転式(低速もしくは高速)、往復式(回転もしくは長手方向)もしくは振動式(音波もしくは超音波)などであるかに関係なく、任意の医療または歯科用機器に適用可能であることが理解されよう。さらに、本発明は、コードレスドリル、ねじ回し、または鋸のような多くの種類の動力工具にも適用され得る。
図を参照すると、図1は、モータに加えられた負荷に対する速度対負荷(トルク)を示すグラフであり、モータが定常状態で動作する速度である対応速度を見つけることができる。本発明は、グラフに示されているように、電気プロフィーハンドピースの一実施形態に対する負荷に対する速度応答の一例を示す。0.5重量オンスインチ未満の負荷では、モータ応答は、約300rpmの速度である。負荷が増大すると、速度も上昇する。
図2は、本発明の動作の一実施形態の例を示すフローチャートである。
図3は、内側モジュール10と、外側シース8と、使い捨てプロフィーアングル6と、LED13付きコードレスフットペダル12と、充電台11と、グリップ7と、電源(図示せず)とを備える本発明のプロフィーハンドピースの全体構造を示す図である。内側モジュールは、外側シース8によって部分的に覆われている。内側モジュールは、使い捨てプロフィーアングル6と取り外し可能に係合し、グリップ7により、ユーザはハンドピースを握ることができる。フットペダル12は、不要であるが、好ましくは、本発明のモータ制御機能が停止した場合に使用される場合がある。プッシュボタン9により、内側モジュールを作動させることができる。
図4は、前端23および後端24を備える内側モジュール10を示す側面図である。
図5〜図10は、内側モジュール10の前端23のハウジングの異なる表示の図である。ノーズ1は、使い捨てプロフィーアングル6を受容する。スナップリング2により、外側シースを内側モジュールにしっかりと留めることができる。近位端3は、内側モジュールへの流体の浸入を防止するオーバーモールドシール4を収容する。ラッチ5は、内側モジュールの後端24への接続を可能にする。外側シース8および内側モジュール10は、流体の浸入を防ぐために複数のシールを有する。外側シースシールは、近位端と遠位端とを有する外側シース8を示す図11に示されており、遠位端は駆動部を有し、駆動部は、駆動部とシースのハウジングとの間の封止と回転とを同時に可能にする標準Oリングシール14を含む。低抵抗シール15により、駆動部の内部要素は、流体が浸入することなく、回転することができる。図13は、内側モジュール10のシールを示している。気密シール17は、端部キャップと内側モジュールの前端23のプラスチック本体との間に形成される。別の気密シール18は、端部キャップと内側モジュールのモータとの間に形成される。シール19(シール4の断面図を示す)は、内側モジュールの前端23と後端24との間に形成される。さらに、オーバーモールドボタンが、好ましくは付着する形で、内側モジュールの後端の穴20を封止すると同時に、窓部21が内側モジュールの後端の穴を封止する。図15の内側シースハウジングの代替形態では、ハウジングを貫通する穴25は、例えば、内側モジュールの噴霧の間に、外側シースから取り外されたときに内側モジュールのノーズ1から流入する流体の排出を可能にする。図14は、内側モジュールの後端24の穴を封止する充電接点22を示す内側モジュールの側面図である。さらに、流体をモジュールの外側で保持する圧縮シールを形成するために内側モジュール内にエラストマー(図示せず)が使用され得る。当業者は、流体の浸入を防止するためにシールの多くの変形形態が、本発明の精神および範囲内で可能であることを理解するであろう。
本発明を具現化する別のハンドピースは、好ましくは、図19に示されているように、コードレス内側モジュールと、外側シースと、DPAと、コードレスフットペダルと、充電台と、ハンドピースクレードルと、電源とを備え得る。内側モジュールはさらに、モータと、ギアボックスアセンブリと、無線通信プロトコルを有するプリント基板(PCB)と、再充電バッテリとを備え得る。さらに、フットペダルは、無線通信プロトコルを有するプリント基板(PCB)と、再充電バッテリとから構成され得る。コードレスプロフィーハンドピース用のDPAは、滑らかに回転するように閉鎖システムの一部として設計され得る。DPAカップの速度は、本明細書に開示されているようなモータ制御装置によって制御され、DPAが歯と接触したときに事前設定の研磨速度に達するので、フットペダルを常時使用する必要性が低減または排除される。研磨速度は、ねじり負荷が増大するにつれて、事前設定の最大速度まで段階的に上昇し得ることに留意されたい。したがって、研磨速度は、ねじり負荷が減少するにつれて、アイドリング速度まで段階的に低下し得る。図20は、本発明の一実施形態の速度ートルク関係の一例を示している。処置の終了時に、DPAは廃棄される。内側モジュールは、好ましくは、再充電可能であり、モータ制御回路を収容する。
好適な実施形態では、プロフィーハンドピースは、モータ制御装置を始動させ、モータ制御装置の現在の状態を表示するためにボタンおよびインジケータを有し得る。フットペダルがハンドピース内のモータ制御機能を伴う場合、モータ制御機能とペダルの使用を同期させるために標準同期手段が使用され得、ペダルは、例えば、踏まれたときに、モータ制御機能をオーバーライドし得、モータ制御機能は、ボタンによって作動されたときにペダルをオーバーライドし得る。モータ制御機能は、安全なRFプロトコルを介してコードレスフットペダルと連動して動作し得る。
別の好適な実施形態では、モータ制御機能により、操作者は事前設定の遅い回転速度、トルク依存モータ速度、または無回転で、DPAにペーストを塗布することができるように、モータ速度を制御することができる。さらなる好適な実施形態では、トルク応答モード動作により、DPAが歯と接触したときに、またはDPAが歯から外されたときに、複数の事前設定研磨速度のうちの1つに達するように、制御された変化量でモータを加速または減速させることができ、事前設定速度は、モータに加えられたねじり負荷、時間遅延、およびヒステリシス電流閾値に依存する。
別の好適な実施形態では、内側モジュールは、例えば、60秒間の動作休止の後に低電流モードに入り、エネルギーを節約するために自動的に停止し得る。ハンドピースはさらに、加速力を検出して加速力を速度および/または向きの変化に変換する従来の加速度計手段を利用して、ハンドピースが手に取られたときに低電流モードから「起動」し得る。「スリープ」モードのような他のモードは、長期間(例えば、1時間)の動作休止の後に、組み込まれ得る。さらに、内側モジュールは、好ましくは、ハンドピースの様々なモードをオーバーライドし得るシャットダウンスイッチを有し得る。
さらに好適な実施形態では、始動時間遅延が観察され、その後に、システムがモータを作動させ、無負荷アイドリング電流を設定する。この較正は、増加電流および減少電流を比較する基準枠を形成するのに必要であり得る。
図17は、本明細書に記載されている概念を組み込んだ実施形態全体を示している。モータ制御(「トルク応答モード」とも呼ぶ)ボタンが押されると102、モータはアイドリング速度に等しい初期速度でオンになる104。アイドリング速度は、好ましくは、事前設定値であり、アイドリング速度に対応する無負荷モータ電流は、ハンドピースの始動時の較正の一部として求められる。このことにより、システム駆動摩擦(すなわち、モータ自身、ギアボックス、外側シース、およびDPAによって生成される摩擦)によって生成されるモータ電流をゼロにすることができる。事前設定時間遅延106は、モータ電流(Iモータ)が測定される前に観察される。ヒステリシス上限電流値(I_Hyst_Upper)およびヒステリシス下限電流値(I_Hyst_lower)の決定および更新に、所定のヒステリシス定値が使用される。例えば、ヒステリシス定値が10mAであり、モータ電流(Iモータ)が50mAである場合、I Hyst Upperは60mAであり、I_Hyst_lowerは40mAである。Iモータが70mAに変化した場合、I_Hyst_Upperは80mAとなり、I_Hyst_lowerは60mAとなる。ステップ108〜120に示されているように、例えば、DPAカップが歯と接触したときに見られるように、測定されたモータ電流がI_Hyst_Upperより大きい場合、モータの速度は必要に応じて上昇する。速度は、図25に示されているように、DPAをある表面(すなわち、歯)に当てることによってモータに加えられるトルクの量と相関関係がある。DPAの作用力は、DPAカップまたはブラシと研磨される表面との間にスラスト摩擦を生成する。このスラスト摩擦は、DPAのショートギア上のねじり負荷に変換され、DPAのショートギアはこのねじり負荷をロングギアに伝達し、その後、ギアボックスに機械的に結合された外側シースの駆動ドッグへと伝達し、ギアボックスが、その後、ねじり負荷をモータ駆動軸に直接伝達する。このねじり負荷は、モータの回転する能力を妨害して、自由に回転速度を減速させる。新たな速度は、PID制御ループによって維持される。あるいは、例えば、DPAカップが歯との接触から外されたときに見られるように、測定されたモータ電流がI_Hyst_lower未満である場合、モータの速度は必要に応じて減少する。したがって、新たな速度は、PIDによって維持される。
図18は、モータ制御装置がフットペダルと代わる代わる動作し、フットペダルがブルートゥースモードでのみ動作する、本発明の一実施形態を示している。ハンドピース200をオンにした後、システムはブルートゥースモード202になる。システムは、ハンドピースが充電中であるかどうかをチェックし206、それに応じてモータを停止させる208。ハンドピースが充電中でない場合、ボタンの短押し216により、システムにブルートゥースモードがまだオンであるかどうかを確認させる224。ブルートゥースモードがオンでない場合、トルク応答モードボタンが押されて、このトルク応答モード228が使用者に利用可能になる。トルク応答モードは、本明細書では、本発明のモータ制御機能を利用するモードを指す。好ましくは、フットペダルは、ブルートゥースモードがアクティブである場合のみ動作する。さらに、ボタンの長押しは、電力系統シャットダウン要求220を示し得る。
図19は、本発明のモータ制御技術を採用したプロフィーハンドピースの斜視図である。外側シース306は、ハンドピースのコードレス内側モジュール302と取り外し可能に係合する。内側モジュールは、回転式ハンドピースの回路を収容する。モードインジケータ312は、ハンドピースの現在の動作モードを示し得る。オン/オフ/モードボタン308は、ハンドピースの電源をオンにする、またはモード間の切り替えを行うのに使用され得る。充電台310および充電インジケータ314は、蓄積された電荷量を示し得る。ハンドピース用クレードル316およびワイヤレスフットペダル318は、ハンドピースと共に使用され得る。歯科医師がハンドピースの電源をオンにすると、ハンドピースは、最初に、基準モータ電流および対応するモータアイドリング速度になるように較正される。アイドリング速度より速くなるように速度を上昇させるために、プロフィーカップに加えられた圧力が駆動ドッグを介してハンドピースモータに伝達される。DPAカップの回転速度は、カップの回転速度を上昇させるために一定時間(例えば、1秒間)DPAカップと歯との間に加える圧力を次第に増大させ、またカップの回転速度を低下させるために一定時間(例えば、1秒間)DPAカップと歯との間に加える圧力を解除することによって、歯科医師によって管理可能に制御される。フットペダルは、モードスイッチボタンによって、または単にフットペダルを踏むことによって、モータ制御モードをオーバーライドし得る。所定の未使用時間経過後、ハンドピースは、自動的に停止する、または休止モードに入る。一実施形態では、これ以上上昇することができない最大モータ速度が観察され得る。この場合、モータ上にさらにねじり負荷を加えることにより、好ましくは、モータ速度をゼロまたはアイドリング速度まで徐々に低下させることができる。
図20は、本発明の実施形態の速度ートルク性能を示すグラフである。システムは、トルクが0.5重量オンスインチ〜1.3重量オンスインチで変化するときに、選択されたカップ速度を、例えば、300RPM〜3200PRMで維持する。性能は、例えば、300RPM未満の速度では必要でない場合がある。示されている図面は、単なる例として示されており、限定するものではないことは明確に理解されたい。したがって、さまざまな性能特性が実際の機器に組み込まれ得る。
図21は、モータ制御装置の一構成例を示すハイレベルブロック図である。この実施形態によれば、ワイヤレスプロフィーハンドピースの装置は、5Vの外部DC電源および内部充電回路を介して充電されるバッテリ418から電力供給される。バッテリは、主コントローラボードの回路からバッテリを切断するのに使用されるボタンコントローラ426およびP−FET420を介して、放電から保護される。
リチウムイオン電池は、充電状態に応じて広範囲のDC電圧を供給する。調整されたDC電力を供給するために、電圧レギュレータが使用される。所望のRPMでモータを駆動するために、DC−DCブースタ428が使用される。このブーストDC電圧は、Hブリッジ432および電流検出チップ430を介して、モータ434を駆動する。Hブリッジ432は、マイクロプロセッサ416からのPWM信号を使用して、フットペダル位置またはトルク応答モード状態に基づいて速度を調整する。電流検出チップ430は、モータに送られている電流の測定値を求めるマイクロプロセッサ416に信号を返す。
マイクロプロセッサには、無線機が装備され得、無線通信プロトコルの一例は、ブルートゥース・ロー・エナジー(Bluetooth(登録商標) low−energy)(BLE)であり得る。BLE無線機は、ハンドピースとフットペダルとの間の無線通信を行う。
好適な実施形態では、主コントローラボードには、温度センサ410および加速度計412のようなセンサが装備され得、その出力部は、モータ434を制御するために信号を供給し得る。温度センサは、例えば、内側モジュールの内部周囲温度を監視し得る。加速度計は、ハンドピースの状態を決定するためにマイクロプロセッサ416によって使用され得る。例えば、機器は、60秒間非作動状態である場合、スリープモードに入り得、この場合、モータ速度はゼロまで低下する。さらに、加速度計は、機器をスリープモードから起動するのにも使用され得る。
マイクロプロセッサ416は、燃料計422、温度センサ410、加速度計412、充電器404、およびHブリッジ432と通信し得る。A/Dコンバータは、電流検出チップ430からのモータ電流およびモータ逆起電力を測定する。
モータ速度は、PIDループを介して制御される。モータ速度によって生成された逆起電力電圧を監視することができるように、モータ電圧は、例えば、モータがアイドリングすることができる短時間で決定され得る。逆起電力電圧は、モータ速度情報をマイクロプロセッサに提供する。
モータ電流は、マイクロプロセッサによって、駆動機構のトルク負荷として解釈される。モータ電流は、トルク応答モードの間に、モータ速度を変更すべき時点を決定するのに使用される。さらに、検出されたモータ電流は、使用者が高トルクを加える時間が長すぎた場合にユニットを停止させるのに使用され得る。
したがって、本発明は、利用可能な制御がオンオフ制御のみである場合でも、電動ハンドピース、さらには超音波スケーラにおいて具現化され得ることが当業者には理解されよう。さらに、本発明は、モータ速度が監視され得、モータを駆動する空気圧が制御され得る場合に、高速歯科用ハンドピースのような空気モータにおいて具現化され得る。さらなる実施形態において、適切なモータ速度制御を達成するために、事前決定され、または事前決定されておらず、必要応じて変更され得る複数のヒステリシス閾値および時間遅延値が存在し得る。
本明細書では、本発明の好適な実施形態と、その変形形態のいくつかについて説明され、例示されている。本明細書内で使用されている用語、説明および図面は、単なる例として示されており、限定を意味するものではない。当業者は、多くの変形形態が本発明の精神および範囲内で可能であり、全ての用語は、別段の指示がない限り、最も広い妥当な意味であることを理解するであろう。本明細書内に使用されている見出しはいずれも、単に便宜的に使用されており、法律的効果または制限効果を示すものではない。