JP2019525995A - 酸素脱分極カソードを用いた塩素及び苛性アルカリを製造するための方法並びにシステム - Google Patents
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Abstract
塩素及び苛性アルカリを製造するための方法並びにシステムは、酸素脱分極カソード(ODC)の面に対して配置された水酸化物安定性アニオン交換膜を使用する。アニオン交換膜は、ホスホニウム、第一級、第二級、第三級若しくは第四級アンモニウム、グアニジニウム又は正に荷電した環状アミンのうちの1つ以上を含むポリマーを含有する。
Description
関連出願への相互参照
本出願は、「酸素脱分極カソードを用いた塩素及び苛性アルカリの製造方法並びにシステム」という発明の名称の2016年7月25日に出願された米国仮特許出願第62/366,610号に関連し、その優先権を主張する。'610号仮出願は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本出願は、「酸素脱分極カソードを用いた塩素及び苛性アルカリの製造方法並びにシステム」という発明の名称の2016年7月25日に出願された米国仮特許出願第62/366,610号に関連し、その優先権を主張する。'610号仮出願は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
発明の分野
本開示は、一般に電気化学反応の分野に関し、より詳細には塩化ナトリウムなどのアルカリ金属塩化物から塩素、苛性アルカリ化合物及び関連化合物を製造するための方法及びシステムに関する。
本開示は、一般に電気化学反応の分野に関し、より詳細には塩化ナトリウムなどのアルカリ金属塩化物から塩素、苛性アルカリ化合物及び関連化合物を製造するための方法及びシステムに関する。
発明の背景
塩素及び苛性アルカリ(水酸化ナトリウム)の電気化学的製造は重要な工業プロセスであり、年間数百万トンの塩素及び苛性アルカリを製造しており、これらは数多くの化学薬品及びファインケミカルの製造に使用されている。典型的にクロルアルカリ法と呼ばれる電気化学的方法は大量の電力を消費する。膜、電極触媒及びセル設計の分野において、クロルアルカリセル技術において長年にわたり様々な改良がなされており、製造される塩素及び苛性アルカリ1トン当たりの消費電力の大幅な削減という改良をもたらした。長年にわたって行われてきた追加の電圧低下方法は、カソード反応を変更する分野にあり、その結果、カソード反応は典型的な反応よりも低い電圧(電位)で起こり得る。これはカソードでの水の還元から水素を発生させる。最も有望な技術の1つは、ガス拡散電極(GDE)構造を利用する酸素脱分極カソード(ODC)としても知られる酸素消費カソードの実装である。例えば、Moussalemらの「酸素脱分極カソードを用いたクロル-アルカリ電解:歴史、現状及び将来の展望」、J. Appl. Electrochem. 38 (2008) 1177-1194及びBulanらの米国特許出願公開第2013/0236797号明細書を参照されたい。
塩素及び苛性アルカリ(水酸化ナトリウム)の電気化学的製造は重要な工業プロセスであり、年間数百万トンの塩素及び苛性アルカリを製造しており、これらは数多くの化学薬品及びファインケミカルの製造に使用されている。典型的にクロルアルカリ法と呼ばれる電気化学的方法は大量の電力を消費する。膜、電極触媒及びセル設計の分野において、クロルアルカリセル技術において長年にわたり様々な改良がなされており、製造される塩素及び苛性アルカリ1トン当たりの消費電力の大幅な削減という改良をもたらした。長年にわたって行われてきた追加の電圧低下方法は、カソード反応を変更する分野にあり、その結果、カソード反応は典型的な反応よりも低い電圧(電位)で起こり得る。これはカソードでの水の還元から水素を発生させる。最も有望な技術の1つは、ガス拡散電極(GDE)構造を利用する酸素脱分極カソード(ODC)としても知られる酸素消費カソードの実装である。例えば、Moussalemらの「酸素脱分極カソードを用いたクロル-アルカリ電解:歴史、現状及び将来の展望」、J. Appl. Electrochem. 38 (2008) 1177-1194及びBulanらの米国特許出願公開第2013/0236797号明細書を参照されたい。
塩素セルのカソード反応における酸素の潜在的な使用は、過去30年間にわたり広く研究されてきた。酸素還元反応は、水素の代わりに水酸化物イオン(OH−)をカソードで生成するが、はるかに低いカソードハーフセル電位で作動する。これにより、塩素全体セル電圧が有意に低下する。酸素還元カソードは、典型的には、ガス拡散電極(GDE)又はカソードを利用して、GDE上の電極触媒層でのカソード反応において酸素の還元を効率的に実施する。GDEは、典型的には、ガスが触媒又は電極触媒層(CL)の中へ通過するガス拡散層(GDL)を含む。酸素還元反応は、電極触媒層中の三相気液固領域で起こる。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの疎水性材料を電極触媒反応層に導入するなどの様々な製造方法が採用されているので、電極触媒反応層への酸素の質量移動は、反応ゾーンをフラッドさせ、そのようにして反応の効率を制限する水又はNaOH水溶液などの液体なしで起こり得る。ナノサイズの電極触媒は反応のための表面積を増大させるために使用されてきたので、GDEは高電流密度での塩素セルの運転を可能にする。ODCを使用する塩素セルのいくつかの短期間及び長期間の運転は注目されており、ここでは、ODCにおける老化又は不純物の蓄積による電極触媒層の疎水性の喪失によりODCがフラッドし始めることがある。加えて、電解槽の高さ及び全表面積は、静水圧がガス拡散層を通して液体を押し戻し、やはりGDEをフラッドさせるという問題のために制限される可能性がある。
発明の概要
塩素及び苛性アルカリの製造のための方法並びにシステムは、酸素脱分極カソード(ODC)の面に対して配置された水酸化物安定性組成物ポリマーアニオン交換膜を使用し、ガス拡散電極(GDE)構造がカソーライトコンパートメントの液体静水圧下でフラッドさせないことを確保する。アニオン交換膜は、GDEからの水酸化物(OH-)イオンの輸送を可能にすることができ、そして膜を通るGDE反応触媒表面への水の輸送を可能にすることができる。幾つかの実施形態において、GDEに供給される酸素は、アニオン膜が十分に水和したままであるように、水蒸気で適切に加湿され得る。
塩素及び苛性アルカリの製造のための方法並びにシステムは、酸素脱分極カソード(ODC)の面に対して配置された水酸化物安定性組成物ポリマーアニオン交換膜を使用し、ガス拡散電極(GDE)構造がカソーライトコンパートメントの液体静水圧下でフラッドさせないことを確保する。アニオン交換膜は、GDEからの水酸化物(OH-)イオンの輸送を可能にすることができ、そして膜を通るGDE反応触媒表面への水の輸送を可能にすることができる。幾つかの実施形態において、GDEに供給される酸素は、アニオン膜が十分に水和したままであるように、水蒸気で適切に加湿され得る。
図面の簡単な説明
図1は酸素脱分極ガス拡散電極、カソード側ポリマーアニオン交換膜、中央フローコンパートメント及びアノード側カチオン交換膜を利用する、塩素及び苛性アルカリの電気化学的製造のためのシステムを示す概略図である。
例示的な実施形態の詳細な説明
本明細書中に示される任意の数値範囲は、任意のより低い値と任意のより高い値との間に少なくとも2単位の隔たりがあるとすると、1単位の増分でより低い値からより高い値までのすべての値を含む。例として、成分の濃度又はプロセス変数の値、例えばサイズ、角度、圧力、時間などが、例えば1〜98、特に20〜80、より特定的には30〜70であると記載されるならば、15〜85、22〜68、43〜51、30〜32などの値が明示的に本明細書に列挙されていることが意図される。1未満の値については、1単位は、適宜、0.0001、0.001、0.01又は0.1であると考えられる。これらは具体的に意図されていることの単なる例であり、最小値と最大値との間の数値の全ての可能な組み合わせは同様に扱われるべきである。
本明細書中に示される任意の数値範囲は、任意のより低い値と任意のより高い値との間に少なくとも2単位の隔たりがあるとすると、1単位の増分でより低い値からより高い値までのすべての値を含む。例として、成分の濃度又はプロセス変数の値、例えばサイズ、角度、圧力、時間などが、例えば1〜98、特に20〜80、より特定的には30〜70であると記載されるならば、15〜85、22〜68、43〜51、30〜32などの値が明示的に本明細書に列挙されていることが意図される。1未満の値については、1単位は、適宜、0.0001、0.001、0.01又は0.1であると考えられる。これらは具体的に意図されていることの単なる例であり、最小値と最大値との間の数値の全ての可能な組み合わせは同様に扱われるべきである。
定義
用語「ポリマー電解質膜」は、一般に、複数の共有結合した負に荷電した基を有するポリマーを含むカチオン交換膜、及び、一般に、複数の共有結合した正に荷電した基を有するポリマーを含むアニオン交換膜の両方を指す。典型的なカチオン交換膜としては、Wilmington, DEのE.I. du Pont de Nemours and Company(DuPont)から商品名NAFIONで入手可能なペルフルオロスルホン酸ポリマーなどのプロトン伝導膜が挙げられる。
用語「ポリマー電解質膜」は、一般に、複数の共有結合した負に荷電した基を有するポリマーを含むカチオン交換膜、及び、一般に、複数の共有結合した正に荷電した基を有するポリマーを含むアニオン交換膜の両方を指す。典型的なカチオン交換膜としては、Wilmington, DEのE.I. du Pont de Nemours and Company(DuPont)から商品名NAFIONで入手可能なペルフルオロスルホン酸ポリマーなどのプロトン伝導膜が挙げられる。
用語「アニオン交換ポリマー」は、複数の共有結合した正に荷電した基を有するポリマーを指す。
用語「アニオン交換膜」及び「アニオン膜」は、本明細書で使用されるときに、複数の共有結合した正に荷電した基を有するポリマーを含む膜を指す。
用語「アニオン交換膜電解槽」は、本明細書で使用されるときに、アノードとカソードとの間にアニオン伝導性ポリマー電解質膜を有する電解槽を指す。
用語「イミダゾリウム」は、本明細書で使用されるときに、イミダゾール基を含む正に荷電した配位子を指す。これは裸のイミダゾール又は置換イミダゾールを含む。次の形態の配位子:
(式中、R1〜R5は各々独立して、水素、ハロゲン、直鎖状アルキル、分岐状アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、環状アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール及びそれらのポリマー、例えば、本明細書に記載のビニルベンジルコポリマーから選ばれる)が特に含まれる。
用語「ピリジニウム」は、本明細書で使用されるときに、ピリジニウム基を含む正に荷電した配位子を指す。これはプロトン化された裸のピリジン又は置換ピリジン若しくはピリジニウムを含む。下記の形態の配位子
(式中、R6〜R11は各々独立して水素、ハロゲン、直鎖状アルキル、分岐状アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、環状アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール及びそれらのポリマー、例えば本明細書に記載のビニルベンジルコポリマーから選ばれる)が特に含まれる。
用語「ピラゾリウム」は、本明細書で使用されるときに、ピラゾリウム基を含有する、正に荷電した配位子を指す。これは裸のピラゾリウム又は置換ピラゾリウムを含む。下記の形態の配位子
(式中、R16〜R20は各々独立して水素、ハロゲン、直鎖状アルキル、分岐状アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、環状アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール及びそれらのポリマー、例えば本明細書に記載のビニルベンジルコポリマーから選ばれる)が特に含まれる。
用語「ホスホニウム」は、本明細書で使用されるときに、リンを含有する正に荷電した配位子を指す。これは置換リンを包含する。下記の形態の配位子
P+(R12R13R14R15)
(式中、R12〜R15は各々独立して水素、ハロゲン、直鎖状アルキル、分岐状アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、環状アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール及びそれらのポリマー、例えば本明細書に記載のビニルベンジルコポリマーから選ばれる)が特に含まれる。
P+(R12R13R14R15)
(式中、R12〜R15は各々独立して水素、ハロゲン、直鎖状アルキル、分岐状アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、環状アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール及びそれらのポリマー、例えば本明細書に記載のビニルベンジルコポリマーから選ばれる)が特に含まれる。
用語「グアニジニウム」は本明細書で使用されるときに、グアニジニウム基を含有する、正に荷電した配位子を指す。これはプロトン化された裸のグアニジン又は置換グアニジン若しくはグアニジニウムを含み、下記の形態の配位子
(式中、R21〜R26は各々独立して水素、ハロゲン、直鎖状アルキル、分岐状アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、環状アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール及びそれらのポリマー、例えば本明細書に記載のビニルベンジルコポリマーから選ばれる)が特に含まれる。
用語「正に荷電した環状アミン」は、本明細書で使用されるときに、環状アミンを含有する正に荷電した配位子を指す。これは具体的にはイミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウム、ピロリジニウム、ピロリウム、ピリミジウム、ピペリジニウム、インドリウム、トリアジニウム、4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン誘導体及び本明細書に記載されるビニルベンジルコポリマーなどのポリマーを含む。
用語「電気化学デバイス」は、本明細書で使用されるときに、化学反応から電気エネルギーを発生させることができるか、又は、電気エネルギーの導入を通して化学反応を促進することができるかのいずれかであるデバイスを指す。電池、燃料電池、電解槽及び電気化学反応器が特に含まれる。
用語「ビニルベンジル誘導体」は、本明細書で使用されるときに、下記の形態の化学物質
又はそのポリマー(式中、Xは水素、ハロゲン、直鎖状アルキル、分岐状アルキル、環状アルキル、ヘテロアルキル、アリール、環状アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘテロアルキルアリール、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウム、ピロリジニウム、ピロリウム、ピリミジウム(pyrimidiums)、ピペリジニウム、インドリウム又はトリアジニウムである)を指す。本明細書に記載されるビニルベンジルコポリマーなどのポリマーが特に含まれる。
用語「無液体カソード」は、電気分解中にカソードと直接接触するバルク液体が存在しない電気分解装置を指す。しかしながら、カソードの上又は中に薄い液体フィルムが存在してもよく、時折の洗浄又は液体によるカソードの再水和は使用されてもよく又は起こり得る。
具体的な説明
塩素及び苛性アルカリを製造するための方法及びシステムは、酸素脱分極カソード反応を利用するGDEと併せてアニオン膜を利用することを伴うことができる。
塩素及び苛性アルカリを製造するための方法及びシステムは、酸素脱分極カソード反応を利用するGDEと併せてアニオン膜を利用することを伴うことができる。
フィードストックとして塩であるNaClを使用し、ODCカソード反応を使用しない従来のクロルアルカリセル反応は以下のとおりである:
2NaCl + 2H2O → Cl2 + 2NaOH + H2 [1]
2NaCl + 2H2O → Cl2 + 2NaOH + H2 [1]
全体的なカソードとアノードの反応及びそれらの標準E°電位は以下のとおりである:
アノード: 2Cl- → Cl2 + 2e- E° = -1.36 V [2]
カソード: 2H2O + 2e- → H2 + 2OH- E° = -0.86 V [3]
正味セル電圧: E° = -2.19 V [4]
アノード: 2Cl- → Cl2 + 2e- E° = -1.36 V [2]
カソード: 2H2O + 2e- → H2 + 2OH- E° = -0.86 V [3]
正味セル電圧: E° = -2.19 V [4]
代わりのカソード反応-酸素脱分極:
酸素カソード: O2 + 4e- + 2H2O → 4OH- E° = 0.40 V [5]
正味セル電圧: E° = (-1.36 + 0.40) = -0.96 V [6]
酸素カソード: O2 + 4e- + 2H2O → 4OH- E° = 0.40 V [5]
正味セル電圧: E° = (-1.36 + 0.40) = -0.96 V [6]
これらの反応は、水素を生成する代わりにカソードでの酸素反応を使用して−1.23Vの電位の低下が可能であることを示している。
図1を参照すると、電気化学デバイス用のシステム100の概略図が示されている。システム100は、塩化ナトリウムフィードを用いて塩素及び水酸化ナトリウムを製造するように構成することができる電気化学セル102を示す。システム100は、電気化学セル(容器、電解槽又はセルとも呼ばれる)102を含むことができる。電気化学セル102は、分割セルとして実装することができる。分割セルは分割電気化学セルであってもよい。電気化学セル102は、3つのコンパートメント又は領域:すなわちアノーライトコンパートメント161、中央フローコンパートメント105及びカソードコンパートメント141を含むことができる。幾つかの実施形態において、ポリマーカチオン交換膜110は、アノードコンパートメント161をカソードコンパートメント141から分離し、及び/又は、アニオン交換膜130は、カソードコンパートメント141を中央フローコンパートメント105から分離する。
電気化学セル102及び本明細書に記載の他の電気化学セルは、アノードとカソードとの間に電位差を生じさせることができるエネルギー源(図示せず)を使用する。電位差は直流電圧とすることができる。エネルギー源はまた、電気化学セル102又は他の電気化学デバイスに可変電圧又は定電流を供給するように構成され得る。
アノードコンパートメント161は、アノード120、アノード集電体又は分配器125及びアノーライト溶液を含むことができる。アノーライトコンパートメントは、アノードコンパートメントに出入りする溶液及び/又はガス流のためのポートを有することができる。図1において、アノード溶液インレット流は矢印162で示されている。アノード溶液流の流れ方向は矢印167で示されている。アノード溶液アウトレット流は矢印164で示されている。アノーライト溶液はNaClなどのアルカリ金属塩化物を含有する溶液であってもよい。アノーライト溶液アウトレットを通って排出されるアノーライト溶液生成物は、塩素ガス及び消耗したNaClブライン溶液を含むことができる。図1に示すように、アノードスタンドオフ168は、アノード120をアノード集電体125に電気的に接続する。
カソードコンパートメント141は、カソードガスGDE147、カソード集電体又は分配器115、及び図示の実施形態では酸素であるカソード溶液流を含むことができる。カソードコンパートメントは、カソードコンパートメント141に出入りする酸素流のためのポートを有することができる。図1において、酸素インレット流は矢印142で示されている。酸素流の流れ方向は矢印162で示されている。酸素アウトレット流は矢印144で示されている。図1は、カソードコンパートメント導体141に配置されたマイクロチャネル又は溝148を示し、ここで、酸素ガス流142はカソードGDE147に入り、そこで酸素は電気化学的に還元され、カソードGDE147からの消耗した酸素ガス流147として出る。カソードGDE147は酸素の電気還元を促進する電極触媒を含む。カソード導体内のカソードガス流プレナム141は、酸素ガスを、カソードGDE 147に位置するマイクロ溝チャネル148内に分配する(カソード集電体115の中央の破線を参照されたい)。カソードガス流プレナム141は、酸素流をチャネル148及びカソードGDE 147に分配する。
中央フローコンパートメント105は、中央フローコンパートメント104に出入りする中央フローコンパートメント溶液流のためのポートを有することができる。図1において、中央コンパートメント溶液インレット流は矢印152で示されている。中央コンパートメント溶液の流れ方向は矢印156で示されている。中央コンパートメント溶液アウトレット流は矢印154で示されている。
図1はまた、セルコンパートメントのシーリングを提供するために電気化学セル102の周囲にガスケット170を配置することを示している。
アノードに直接隣接しているカチオン交換膜110は、アノードから中央フローコンパートメントへのナトリウムイオンなどのカチオンの流れを選択的に制御することができる。カチオン膜は、好ましくは、過フッ素化スルホン酸型膜のように、耐酸化性であってもよい。フッ素化炭化水素骨格を有するこれらの膜タイプの例は、過フッ素化スルホン酸系カチオンイオン交換膜、例えば、非補強型N117及びN120シリーズ、より好ましいPTFE繊維強化N324及びN424タイプを含む、DuPont(Wilmington, Delaware)から商品名NAFIONで入手可能なもの、並びにFLEMIONなどの供給業者商品名で日本企業によって製造されている類似の関連膜である。クロルアルカリ工業で使用される他の多層過フッ素化イオン交換膜は、カルボン酸系膜層に結合したスルホン酸系膜層の二層構造を有し、これは約2以上のpHを超えるアノーライト及びカソーライトで効率的に作動する。これらの膜ははるかに高いアニオン排除効率を有する。これらは、DuPontにより、N90209、N966、N982などのN900シリーズ、及び、N2010、N2020、N2030などの2000シリーズ、並びにそれらのタイプ及びサブタイプとして商品名NAFIONで販売されている。
中央フローコンパートメントは、アノードコンパートメントで生成されたナトリウムイオンなどのカチオンがカチオン膜を通過し、カソードコンパートメントから生成された水酸化物イオンと化合して水酸化ナトリウム(苛性アルカリ)生成物を生成する領域であってもよい。幾つかの実施形態において、中央フローコンパートメントは溶液インレットポート及びアウトレットポートを有する。インレット溶液は、弱苛性アルカリ溶液、又は、高濃度を達成するために溶液を再循環することから生成される濃縮苛性アルカリ溶液であってもよい。コンパートメントは、厚さなどのコンパートメントの寸法を画定又は維持するためにフィラー又はスペーサを含むことができる。フィラー材料は、苛性アルカリ安定プラスチックなどのポリマー材料から作られたスクリーン、メッシュなどの三次元材料から形成することができる。あるいは、イオン交換ポリマーなどのポリマーを使用することができ、これはアニオン又はカチオンイオン交換型材料であってもよい。幾つかの好ましい実施形態において、フローコンパートメントは、コンパートメント内のIR降下を減らすために最小の厚さであってもよい。フローは上向き又は下向きの方向であってもよいが、垂直の上向きの流れ方向が好ましい。NaOH生成物濃度を制御するために、脱イオン水を中央フローコンパートメントに加えることができる。
カソードコンパートメントは、酸素消費GDEカソード、カソード電流分配器、酸素分配のためのプレナム、並びに、ガスインレット及び消耗したガスアウトレットを含むことができる。GDE構造は、好ましくは、アニオン交換膜に面する側に触媒層(図示せず)と、酸素が水酸化物イオンに還元される触媒領域に酸素を拡散させることができるガス拡散層とを有することができる。幾つかの好ましい実施形態において、GDEカソードに供給される酸素は水により加湿される。反応のための種々の触媒を使用することができ、それらは文献においてよく知られている。幾つかの実施形態において、好ましい触媒は、Ag及びAg酸化物触媒並びにそれらの合金及び他の金属との混合物である。追加の金属及び酸化物触媒は、白金族金属に加えて、ニッケル、銅及び他の遷移金属を含むことができる。触媒は薄い層又は厚い層で堆積させることができ、非反応性バインダと触媒との混合物から製造することができ、これは疎水性であってもよい。バインダはアニオン交換ポリマーを含むこともできる。GDE構造はまた、GDE構造における良好な電流分布を可能にするために金属ワイヤメッシュ又はスクリーンを含むことができる。さらに、追加の導電性及び強度のために、金属又は他の導電性繊維をバインダ混合物に添加することができる。GDE及びカソード集電体115に使用される金属は、ニッケル及びニッケル系合金を含むことができる。GDEはまた、Ag又はAg合金の金属スクリーンなどを組み込むことができる。カソードバインダ混合物中に炭素又はグラファイトを使用することができるが、カソード反応における過酸化物ラジカルの生成のために好ましくないことがある。グラフェン、ホウ素ドープされたダイヤモンド及び他の炭素形態もまた有用であり得る。
幾つかの好ましい実施形態において、中央フローコンパートメントとカソードGDEとの間に取り付けられたアニオン交換膜は、電気化学セルの動作条件下でアルカリ金属水酸化物に対して化学的に耐性であってもよい。中央フローコンパートメント内のアルカリ金属水酸化物濃度は、NaOHとして1wt%〜50wt%の範囲であってもよい。幾つかの好ましい実施形態において、濃度は2wt%〜40wt%の範囲であってもよい。アニオン膜ポリマーは、これらの濃度で安定するように設計することができる。
アニオン交換膜は、GDEカソードに面する膜側に、選択された電極触媒の層、堆積物、又はコーティングを有することができる。電極触媒は、粒子をアノード表面に結合するのを助けるためにアニオン膜と同じ又は類似の組成のバインダを使用することができるミクロ又はナノ粒子サイズの堆積物を含むことができる。バインダは0.1wt%〜30wt%のコーティング層を含むことができる。電極触媒は、Ag及び/又はAgxOy並びに本開示に記載されるような他の金属との合金の組成を有するナノ粒子サイズの粒子であってもよい。組成は、GDEカソード上の電極触媒コーティング層と同じであってもよく又は異なっていてもよい。追加の成分をバインダに添加することができ、そしてカソード還元反応を促進し、かつ、気-液-固物質移動反応界面の性能を制御するのを助けることができる、より少量の中性又は荷電疎水性若しくは親水性型の成分を含むことができる。バインダへの成分添加の例は、PTFE、PVDF及びポリエチレンワックスなどのポリマー、並びにTiO2、ZnO2などの無機粒子を含むことができる。
アニオン交換膜は、ホスホニウム、第一級、第二級、第三級若しくは第四級アンモニウム、グアニジニウム、又は正に荷電した環状アミンのうちの1つ以上を含むことができる。
幾つかの好ましい実施形態において、アニオン交換膜は、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウム、グアニジニウム又はホスホニウムのうちの1つ以上を含むことができる。幾つかの好ましい実施形態において、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウム、又はグアニジニウム中の窒素はどれも水素に結合していない。幾つかの好ましい実施形態において、前記イミダゾリウム、ピリジニウム、又はピラゾリウム中の全ての環炭素は、CH3又はCF3基に結合している。
アニオン交換膜は、ポリスチレン、スチレンと塩化ビニルベンジルとのコポリマー、ポリ(フェニレンオキシド)、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミン、ポリオレフィン、又は、フェニレン及びフェニル基を含むポリマーのうちの1つ以上を含むポリマーも含むことができる。
アニオン交換膜は架橋剤を含むこともできる。
幾つかの実施形態において、好ましいアニオン交換膜は、スチレンとビニルベンジル-Rsとのコポリマーを含むイオン伝導性ポリマー膜であり、該コポリマーは、
(a)線状又は置換ポリオレフィン;
(b)環状アミン基を含むポリマー;
(c)フェニレン基及びフェニル基のうちの少なくとも1つを含むポリマー;
(d)ポリアミド;及び、
(e)2つの炭素-炭素二重結合を有する成分の反応生成物、
からなる群より選ばれる少なくとも1つの構成要素とポリマーブレンドを形成し、ここでRsはイミダゾリウムであり、コポリマーは10〜90質量%のビニルベンジル-Rsを含む。幾つかの好ましい実施形態において、イミダゾリウムはテトラ-メチルイミダゾリウム又はテトラ-フルオロメチルイミダゾリウムである。
(a)線状又は置換ポリオレフィン;
(b)環状アミン基を含むポリマー;
(c)フェニレン基及びフェニル基のうちの少なくとも1つを含むポリマー;
(d)ポリアミド;及び、
(e)2つの炭素-炭素二重結合を有する成分の反応生成物、
からなる群より選ばれる少なくとも1つの構成要素とポリマーブレンドを形成し、ここでRsはイミダゾリウムであり、コポリマーは10〜90質量%のビニルベンジル-Rsを含む。幾つかの好ましい実施形態において、イミダゾリウムはテトラ-メチルイミダゾリウム又はテトラ-フルオロメチルイミダゾリウムである。
アニオン交換膜は、中央フローコンパートメントからのバルク流体の通過が妨げられるか又は少なくとも低減される、無液体状態での電気化学的102カソードコンパートメントGDEの操作を可能にし、結果として、中央フローコンパートメント内でバルク流体流に直接さらされるGDEと比較して、GDEの長期操作を可能にする。アニオン交換膜は、バルク溶液流にさらされた場合に発生する可能性がある、鉄及び有機物などの不必要な堆積物の蓄積を防止又は少なくとも低減するのに役立つ。アニオン膜130は、アノーライトフィード及び中央フローコンパートメント内に存在するFeなどの微量カチオン金属がGDE上に堆積するのを効果的に阻止することができる。アニオン膜は、カソード反応が効率的に進行するのに十分な水をGDE反応表面に通過させることができる。アニオン交換膜は、アニオン交換膜を使用しないODCセルと比較して、電気化学セル102の有意に長期間の操作を可能にすることができる。
電気化学セル操作条件
アノーライト及びカソーライト操作温度は2℃〜90℃の範囲であってもよい。幾つかの好ましい実施形態において、その範囲は5℃〜85℃である。操作温度は、使用される電解質及びそれらの溶解度及び凝固点並びに使用されるアニオン膜の温度操作限界によって制限され得る。
アノーライト及びカソーライト操作温度は2℃〜90℃の範囲であってもよい。幾つかの好ましい実施形態において、その範囲は5℃〜85℃である。操作温度は、使用される電解質及びそれらの溶解度及び凝固点並びに使用されるアニオン膜の温度操作限界によって制限され得る。
電気化学セル102の設計は、アニオン膜及びカチオン膜とそれぞれのカソード及びアノードとの接触における有限ギャップ又はゼロギャップ構成を含むことができる。バイポーラスタックセル設計及び高圧セル設計も電気化学セルに使用することができる。
電気化学セル102の操作セル電圧は、セル操作電流密度に加えて、使用されるアノード及びカソードの化学的性質によって約0.5〜約10ボルトの範囲であってもよい。電気化学セルの操作電流密度は、10mA/cm2〜15,000mA/cm2又はそれ以上の高さまでの範囲であってもよい。
操作アノーライトアルカリ金属塩化物濃度は10〜300g/Lの範囲であってもよい。幾つかの好ましい実施形態において、その範囲はNaClとして約20〜280g/ Lである。幾つかの好ましい実施形態において、KClは電気化学セル102用の別のアルカリ金属塩化物であり、これは次いで中央フローコンパートメント内でKOH生成物を生成することができる。
任意のアノード化学構造
他の実施形態において、アノード化学構造は、臭素を生成することができるNaBrなどの他のハロゲン化アルカリ金属を使用し得るようになっていてもよい。臭素及びアノード酸化化学構造について、炭素及びグラファイトはアノードとしての使用に適している場合がある。アノードは、ベースアノード構造の表面に適用された電極触媒コーティングを含むことができる。アノーライト流中のNaBrの使用において、幾つかの好ましい電極触媒コーティングは、ルテニウム及びイリジウム酸化物などの貴金属酸化物、並びに白金及び金並びにそれらの金属及び酸化物としての組み合わせを、チタン、タンタル、ジルコニウム又はニオブなどの弁金属基材に含むことができる。臭素及びヨウ素のアノード化学構造では、炭素及びグラファイトはアノードとしての使用に適している。ポリマー結合炭素材料も使用することができる。アノード表面での反応を促進するのを助けるであろう高表面積アノード構造が使用できる。高表面積アノードベース材料は、繊維、焼結粉末、焼結スクリーンなどからなる網状形態であってもよく、バイポーラ電気化学セルアセンブリにおいて一般的に使用される電流分配器バックプレートに焼結、溶接又は機械的に接続されてもよい。さらに、高表面積網状アノード構造は、アノード表面構造の電極触媒活性表面上及びその近傍に追加の触媒を適用して、アノーライト中に導入する臭素と炭素系反応体との間の反応など、アノード表面から離れたバルク溶液中で起こり得る反応を強化及び促進することができる領域も含むことができる。アノード構造は、アノード構造材料の密度を垂直方向又は水平方向に変化させることができるように傾斜させることができ、それにより、アノード構造からのガスをより容易に逃がすことができる。この傾斜において、他の遷移金属酸化物触媒に加えて、白金などの貴金属及び酸化ルテニウムなどの貴金属酸化物などの触媒を含むことができる、アノード構造において混合された材料の粒子の分布が存在してもよい。
他の実施形態において、アノード化学構造は、臭素を生成することができるNaBrなどの他のハロゲン化アルカリ金属を使用し得るようになっていてもよい。臭素及びアノード酸化化学構造について、炭素及びグラファイトはアノードとしての使用に適している場合がある。アノードは、ベースアノード構造の表面に適用された電極触媒コーティングを含むことができる。アノーライト流中のNaBrの使用において、幾つかの好ましい電極触媒コーティングは、ルテニウム及びイリジウム酸化物などの貴金属酸化物、並びに白金及び金並びにそれらの金属及び酸化物としての組み合わせを、チタン、タンタル、ジルコニウム又はニオブなどの弁金属基材に含むことができる。臭素及びヨウ素のアノード化学構造では、炭素及びグラファイトはアノードとしての使用に適している。ポリマー結合炭素材料も使用することができる。アノード表面での反応を促進するのを助けるであろう高表面積アノード構造が使用できる。高表面積アノードベース材料は、繊維、焼結粉末、焼結スクリーンなどからなる網状形態であってもよく、バイポーラ電気化学セルアセンブリにおいて一般的に使用される電流分配器バックプレートに焼結、溶接又は機械的に接続されてもよい。さらに、高表面積網状アノード構造は、アノード表面構造の電極触媒活性表面上及びその近傍に追加の触媒を適用して、アノーライト中に導入する臭素と炭素系反応体との間の反応など、アノード表面から離れたバルク溶液中で起こり得る反応を強化及び促進することができる領域も含むことができる。アノード構造は、アノード構造材料の密度を垂直方向又は水平方向に変化させることができるように傾斜させることができ、それにより、アノード構造からのガスをより容易に逃がすことができる。この傾斜において、他の遷移金属酸化物触媒に加えて、白金などの貴金属及び酸化ルテニウムなどの貴金属酸化物などの触媒を含むことができる、アノード構造において混合された材料の粒子の分布が存在してもよい。
酸素の発生を伴うアノード反応について、チタン、タンタル又はニオブなどの弁金属基材上の、白金などの貴金属、並びにルテニウム及びイリジウム酸化物などの貴金属酸化物、並びに、金属及び酸化物としてのそれらの組み合わせの電極触媒コーティングは適切であり得る。高表面積アノード構造も使用することができる。
幾つかの実施形態において、アノーライトはアノード化学における他のアルカリ金属化合物を利用して、代替アノーライト生成物を生成することができる。一例は亜硫酸ナトリウムの使用であり、結果として、副生成物NaOHを生成することに加えてアノーライト生成物としてSO2を生成することができる。アノード操作電位はまた、酸素生成アノード反応の電位よりも有意に低くなってもよい。
開示された方法における工程の特定の順序又は階層は例示的な手法の例である。設計上の選好に基づいて、開示された主題の範囲内に留まりながら、方法における工程の特定の順序又は階層を再構成することができることが理解される。添付の方法請求項は、様々な工程の要素を例示的な順序で提示しており、提示された特定の順序又は階層に限定されることを必ずしも意味していない。
本発明の特定の要素、実施形態及び用途を示しそして説明してきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、特に上述の教示に照らして、当業者によって修正がなされ得るので、本発明はそれらに限定されないことが理解される。
Claims (12)
- アルカリ金属塩化物を塩素及び対応するアルカリ金属水酸化物に転化させるための電気化学デバイスであって、該システムは、
(a)ある量のアノード触媒を有するアノードを含むアノードコンパートメントであって、前記アノードは、アノード反応体フローチャネルを介してそこへ導入されるアノード反応体を有する、アノードコンパートメント;
(b)ある量のカソード触媒を有する無液体カソードを含むカソードコンパートメントであって、前記カソードは、カソード反応体フローチャンネルを介してそこへ導入されるカソード反応体を有する、カソードコンパートメント;
(c)前記アノードコンパートメントと前記カソードコンパートメントとの間に配置される、溶液フィードインレット及び溶液生成物アウトレットを有する、中央フローコンパートメント;
(d)前記アノードと前記中央フローコンパートメントとの間に介在しているカチオン交換膜;及び、
(e)前記カソードと前記中央フローコンパートメントとの間に介在しているアニオン交換膜;
を含み、
前記カソードはカソードチャンバに収納されており、前記カソード触媒の少なくとも一部は電気分解の間に気体酸素に直接さらされる、電気化学デバイス。 - 前記アニオン交換膜は、ホスホニウム、第一級、第二級、第三級若しくは第四級アンモニウム、グアニジニウム、又は、正に荷電した環状アミンのうちの1つ以上を含むポリマーを含む、請求項1に記載のデバイス。
- 前記アニオン交換膜は、ポリスチレン、スチレンと塩化ビニルベンジルとのコポリマー、ポリ(フェニレンオキシド)、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミン、ポリオレフィン、フェニレン及びフェニル基の両方を含むポリマー、又は、スチレンとビニルベンジル-Rsとのコポリマー(ここでRsはホスホニウム、第一級、第二級、第三級若しくは第四級アンモニウム、グアニジニウム、又は、正に荷電した環状アミンである)のうちの1つ以上を含む、請求項2に記載のデバイス。
- 前記正に荷電した環状アミンは、イミダゾリウム、ピリジニウム、又はピラゾリウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のデバイス。
- 前記イミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウム、グアニジニウム、又はホスホニウム中の窒素原子又はリン原子のいずれも水素に結合していない、請求項4に記載のデバイス。
- 前記イミダゾリウム、ピリジニウム、又はピラゾリウム中の全ての環炭素は、-CH3又は-CF3基に結合している、請求項5に記載のデバイス。
- 前記アニオン交換膜は、スチレンとビニルベンジル-Rsとのコポリマーを含むイオン伝導性ポリマー膜であり、該コポリマーは、
(a)線状又は置換ポリオレフィン;
(b)環状アミン基を含むポリマー;
(c)フェニレン基及びフェニル基のうちの少なくとも1つを含むポリマー;
(d)ポリアミド;及び、
(e)2つの炭素-炭素二重結合を有する成分の反応生成物、
からなる群より選ばれる少なくとも1つの構成要素とポリマーブレンドを形成し、
ここでRsはイミダゾリウムであり、前記コポリマーは10〜90質量%のビニルベンジル-Rsを含む、請求項5に記載のデバイス。 - 前記無液体カソードは、介在するアニオン交換膜のために中央フローコンパートメントのバルク流体と接触しないガス拡散電極カソード構造を含む、請求項1に記載のデバイス。
- 前記アノードと前記カソードとの間に電圧が印加されると、酸素ガスは気体酸素とのカソード反応に供給され、水は水酸化物イオンを生成する、請求項8に記載の無液体カソード。
- 前記イミダゾリウムは、テトラメチルイミダゾリウム及びテトラフルオロメチルイミダゾリウムからなる群より選ばれる1つの構成要素を含む、請求項7に記載のデバイス。
- 前記アニオン交換膜は、前記アニオン交換膜の面上に表面触媒コーティングを含む、請求項7に記載のデバイス。
- 前記触媒コーティングは、Ag、並びに、遷移金属及び白金族金属を含むAgの合金を含む、少なくとも1つの触媒組成物からなる、請求項11に記載のデバイス。
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