JP2019523351A - スパンデックス紡糸溶液からのシリコーン油の除去 - Google Patents

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Abstract

ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有する、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)マクログリコールをジイソシアネートと反応させて、プレポリマーを形成するステップと、(b)プレポリマーをジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(c)紡糸溶液を紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、i.ステップ(a)において、ジオール−ポリジメチルシロキサンが、マクログリコールおよびジイソシアネートと反応されるか、ii.ステップ(b)において、プレポリマーとジアミンとの反応前に、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、プレポリマーと反応されるか、またはiii.ステップ(b)において、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、プレポリマーおよびジアミンと同時に反応され、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、6重量%以下のシロキサンを含む、方法、ならびにそれによって作製された弾性繊維。一緒に束ねられたポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中にシロキサンを含む、2つ以上のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を含む弾性繊維であって、シロキサンが、繊維の重量に基づいて、0.01重量%以上〜4.0重量%以下の量で存在する、弾性繊維。いくつかの態様において、シロキサンは、ウレタンラジカルを含まない。

Description

本発明は、シリコーン油(「ポリジメチルシロキサン」もしくは「PDMS」)またはステアリン酸マグネシウム(「MgSt」)などの紡糸加工助剤の不在下で紡糸したときに、改善された紡糸性能および繊維または糸特性を有する、乾式紡糸、湿式紡糸、または溶融紡糸のスパンデックスポリマーに関する。より具体的には、本発明は、ウレタン形成キャッピング反応に使用されるヒドロキシル末端シロキサン、または尿素形成鎖延長反応に使用されるアミン末端シロキサンを介して、スパンデックスポリマー鎖主鎖の不揮発性構成成分として、PDMSなどのシロキサンを組み込むことに関する。
スパンデックスは、従来の非弾性繊維と比較して、増加した粘着性を呈することが知られている。それらの増加した粘着性のために、スパンデックスフィラメントは、互いに凝集するか、または製造中もしくは製造後に様々な表面に接着することがある。
紡糸時混シリコーン油(PDMS)または紡糸時混ステアリン酸マグネシウム(MgSt)などの紡糸助剤の不在下で、紡糸プロセスを介して、スパンデックスポリマー溶液からスパンデックス繊維を調製する試みが、過去になされてきた。これらの試みは、許容できない紡糸性能(例えば、早期フィラメント双晶化、セル破断、紡糸セル壁への繊維の固着、合体ジェットからの糸、および合体ジェット内での糸のフリック)ならびに不良な糸特性(不良な引張特性、不良な凝集、および端に沿ったデニールの高い変動性)のために、成功していない。紡糸セル内の繊維表面を被覆する少量のPDMSまたはMgStの添加は、繊維表面エネルギーおよび摩擦特性を変化させる。
約0.5%の紡糸時混PDMSまたはMgStの存在は、早期フィラメント双晶化、紡糸セル壁への繊維の固着、合体ジェットからの糸、および合体ジェット内の糸のフリックを大幅に低減することが見出されている。残念ながら、ポリマー紡糸溶液へのPDMSの添加は、スラリーの構成および安定性の問題(特に、ステアリン酸を含有するスラリー)をもたらしている。加えて、PDMSは、ポリマー溶液から生じ、紡糸セルの出口でジメチルアセトアミド(DMAc)溶媒凝縮物中に現れる。DMAc回収プロセスにおいて、DMAcからのPDMSの除去は、エネルギー集約的かつ高価なプロセスである。
現在、スパンデックス繊維製造業者は、紡糸溶液にPDMSまたはMgStのいずれかを添加している。上記に考察したように、紡糸時混シリコーン油アプローチは、スラリー品質およびDMAc回収費用の増加に関する問題をもたらす。
紡糸時混MgStアプローチは、早期フィラメント双晶化、紡糸セル壁への繊維の固着、合体ジェットからの糸、および合体ジェット内の糸のフリックを大幅に低減することが見出されている。紡糸セル内の繊維表面を被覆する(繊維表面エネルギーおよび摩擦特性を変化させる)MgStは、不揮発性添加剤である。しかしながら、MgStアプローチの不利な点は、MgStが低い融点を有し、約50℃で注入しなければならず、MgStを液体状態で維持するために約50℃の紡糸溶液温度で紡糸しなければならないことである。更に、MgSt含有紡糸溶液は、加熱してから冷却してはならず、これは、MgStの溶解およびそれに続く再結晶化をもたらし、これは、許容できないほど高速の溶液−フィルター汚れおよび許容できないほど短い溶液−フィルター寿命をもたらす。これらのMgStの温度限界は、特定のスパンデックス紡糸プロセスには好適ではない。加えて、紡糸加工助剤としてのMgStの使用は、(紡糸口金毛細管中の不溶性材料の堆積のために)紡糸口金寿命を短くし、不良な紡糸連続性(糸紡糸セル破断)を引き起こすことが示されている。
米国特許第3,725,000号は、シロキサンである潤滑仕上げ剤を反応させたスパンデックス組成物を開示している。使用されるシロキサンは、一般式、
を有し、式中、yは、整数であり、Rは、
であり、cは、1または2である。したがって、使用されるシロキサンは、ウレタンラジカル、すなわち、
を含有しなければならない。更に、本開示は、単独でまたは完全にメチル置換されたケイ素原子対R(ウレタンラジカルを含む)置換されたケイ素原子の比が、「約300:1を超える場合、シロキサンと繊維との間の不十分な量の反応が明らかに原因となる変色が問題になる」ことを示す(Col.5,ll.47−56)。
シリコーン油(「ポリジメチルシロキサン」もしくは「ポリジメチルシロキサン」)またはステアリン酸マグネシウム(「MgSt」)などの紡糸加工助剤の不在下で紡糸される、改善された紡糸性能および繊維または糸の特性を有する、乾式紡糸スパンデックスポリマーから弾性繊維または糸を作製する方法、ならびにそのような方法から生成される弾性繊維または糸を有することが望ましい。
所望の方法および弾性繊維または糸を提供するために、キャッピング反応に使用されるヒドロキシル末端PDMS、または鎖延長反応の直前もしくは最中の希釈されたキャップドグリコール中のアミン末端PDMS、あるいはそれらの両方を介して、スパンデックスポリマー鎖の不揮発性構成成分として、PDMSが組み込まれた。
本発明の一実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)マクログリコールをジイソシアネートと反応させて、プレポリマーを形成するステップと、(b)プレポリマーをジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(c)紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、i.ステップ(a)において、ジオール−ポリジメチルシロキサンが、マクログリコールおよびジイソシアネートと反応される、かつ/またはii.ステップ(b)において、プレポリマーとジアミンとの反応前に、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、プレポリマーと反応される、かつ/またはiii.ステップ(b)において、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、プレポリマーおよびジアミンと同時に反応され、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、6重量%以下のシロキサンを含む、方法が提供される。
本発明の別の実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールをメチレンジフェニルジイソシアネートと混合して、プレポリマーを形成するステップと、(b)アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンをプレポリマーと反応させて、シロキサン反応プレポリマーを形成するステップと、(c)シロキサン反応プレポリマーをエチレンジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(d)紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、約0.01重量%〜4重量%のシロキサンを含み、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンが、1モル当たり約1,460〜約5,600グラムの分子量を有する、方法が提供される。
本発明の更なる一実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)マクログリコールをジイソシアネートと反応させて、プレポリマーを形成するステップと、(b)プレポリマーをジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(c)紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、i.ステップ(a)において、ジオール−ポリジメチルシロキサンが、マクログリコールおよびジイソシアネートと反応されるか、ii.ステップ(b)において、プレポリマーとジアミンとの反応前に、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、プレポリマーと反応されるか、またはiii.ステップ(b)において、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、プレポリマーおよびジアミンと同時に反応され、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、6重量%以下のシロキサンを含み、シロキサンが、ウレタンラジカルを全く含まない、方法が提供される。
本発明の更に別の実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールをメチレンジフェニルジイソシアネートと混合して、プレポリマーを形成するステップと、(b)アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンをプレポリマーと反応させて、シロキサン反応プレポリマーを形成するステップと、(c)シロキサン反応プレポリマーをエチレンジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(d)紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、約0.01重量%〜4重量%のシロキサンを含み、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンが、1モル当たり約1,460〜約5,600グラムの分子量を有し、シロキサンが、ウレタンラジカルを全く含まない、方法が提供される。
本発明の一実施形態において、一緒に束ねられたポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中にシロキサンを含む、2つ以上のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を含む弾性繊維であって、シロキサンが、繊維の重量に基づいて、0.01重量%以上〜4.0重量%以下の量で存在する、弾性繊維が提供される。
本発明の更なる一実施形態において、一緒に束ねられたポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中にシロキサンを含む、2つ以上のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を含む弾性繊維であって、シロキサンが、繊維の重量に基づいて、0.01重量%以上〜4重量%以下の量で存在し、シロキサンが、ウレタン基を全く含まない、弾性繊維が提供される。
本発明の更に別の実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)マクログリコールをジイソシアネートと反応させて、プレポリマーを形成するステップと、(b)プレポリマーをジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(c)紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、i.ステップ(a)において、単官能性ヒドロキシアルキル−PDMSなどの単官能性ヒドロキシアルキル−シロキサンが、マクログリコールおよびジイソシアネートと反応されるか、ii.ステップ(b)において、プレポリマーとジアミンとの反応前に、単官能性アミノアルキル−PDMSなどの単官能性アミノアルキル−シロキサンが、プレポリマーと反応されるか、またはiii.ステップ(b)において、単官能性アミノアルキル−PDMSなどの単官能性アミノアルキル−シロキサンが、プレポリマーおよびジアミンと同時に反応され、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、6重量%以下のシロキサンを含む、方法が提供される。
本発明の更に別の実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)マクログリコールをジイソシアネートと反応させて、プレポリマーを形成するステップと、(b)プレポリマーをジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(c)紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、i.ステップ(a)において、単官能性ヒドロキシアルキル−PDMSなどの単官能性ヒドロキシアルキル−シロキサンが、マクログリコールおよびジイソシアネートと反応されるか、ii.ステップ(b)において、プレポリマーとジアミンとの反応前に、単官能性アミノアルキル−PDMSなどの単官能性アミノアルキル−シロキサンが、プレポリマーと反応されるか、またはiii.ステップ(b)において、単官能性アミノアルキル−PDMSなどの単官能性アミノアルキル−シロキサンが、プレポリマーおよびジアミンと同時に反応され、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、6重量%以下のシロキサンを含み、シロキサンが、ウレタンラジカルを全く含まない、方法が提供される。
本開示をより詳細に記載する前に、記載される特定の実施形態は、当然のことながら変動し得るため、本開示は、それらに限定されないことを理解されたい。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定を意図するものではないこともまた理解されたい。
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本開示が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料もまた、本開示の実施または試験に使用することができるものの、好ましい方法および材料が、これより記載される。
本明細書に引用される全ての刊行物および特許は、あたかも個々の各刊行物または特許が参照により具体的かつ個々に組み込まれることが示されており、かつ出版物が引用されているものとの関連で、方法および/または材料を開示し、記載するために参照により本明細書に組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。いかなる刊行物の引用も、出願日前のその開示のためのものであり、本開示に先行する開示のためにそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、提供される出版日は、実際の出版日と異なる可能性があり、これは、独立して確認する必要があり得る。
本開示の閲読時に当業者にとって明らかとなるように、本明細書に記載され、例示される個々の実施形態の各々は、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態の特徴から容易に分離され得るか、またはそれらと組み合わされ得る個別の構成要素および特徴を有する。引用される任意の方法は、事象が引用される順序で、または論理的に可能である任意の他の順序で実行され得る。
別段示されない限り、本開示の実施形態は、化学、布地、および織物などの技術を用い、それらは、当該技術分野の技術の範囲内である。そのような技術は、文献において完全に説明されている。
以下の実施例は、本方法を実行し、本明細書に開示され、主張される組成物および化合物を使用する方法の完全な開示および説明を当業者に提供するために提示されている。数(例えば、量、温度など)に関する正確さを確実にするための努力がなされているが、いくらかの誤差および偏差が考慮されるべきである。別段示されない限り、部は重量部であり、温度は℃であり、圧力は大気圧である。標準温度および圧力は、25℃および1気圧と定義される。
本開示の実施形態を詳細に説明する前に、別段示されない限り、特定の材料、試薬、反応材料、または製造プロセスなどは変動し得るため、本開示はそれらに限定されないことを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定を意図するものではないこともまた理解されたい。本開示において、論理的に可能である場合、ステップは、異なる順序で実行されてもよい。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その」は、別段文脈が明らかに指示しない限り、複数の参照対象を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、「支持体」への言及は、複数の支持体を含む。本明細書およびそれに続く特許請求の範囲において、参照は、反対の意図が明らかでない限り、以下の意味を有すると定義されるいくつかの用語に対してなされるだろう。
定義
本明細書で使用される場合、「鎖」または「繊維」という用語は、モノフィルまたは合体したフィラメントの群であり得るフィラメント状材料を指し、それは、布地および糸ならびに織物製造に使用することができる。1つ以上の鎖または繊維を使用して、布地または糸を製造することができる。糸は、当該技術部において既知である方法に従って、完全に延伸または質感付けすることができる。「鎖」および「繊維」は、本明細書において互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、「スパンデックス」は、繊維形成物質が約85重量%以上のセグメント化ポリウレタンからなる長鎖合成エラストマーである、合成ポリウレタンまたはポリウレタン尿素繊維を指し、ポリウレタン尿素は、そのようなポリウレタンのサブクラスと見なされる。そのような合成繊維を円筒形コアに巻き付けて、供給パッケージを形成してもよい。スパンデックス組成物は、溶融紡糸プロセス、湿式紡糸プロセス、または乾式紡糸プロセスによって調製することができ、円形断面または平坦な「テープ様」断面などの様々な断面のうちのいずれを有してもよい。あるいは、ポリウレタン溶液を流延させ、乾燥させて、「テープ」構成を形成してもよい。
本明細書で使用される場合、「ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖」は、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素繊維の大部分を構成するセグメント化ポリウレタンまたはポリウレタン尿素を指す。
本明細書で使用される場合、「シロキサン」という用語は、シリコーン−酸素−シリコーン結合を含む組成物、例えば、
を指す。シロキサンは、ポリマーシロキサンおよび分岐シロキサンを含み得る。好ましいシロキサンは、PDMSである。好ましいシロキサンは、ウレタンラジカルを全く含まないものである。
本明細書で使用される場合、「ウレタンラジカル」という用語は、カルバミン酸のエステルであるラジカル、すなわち、
を指す。
考察
本開示の実施形態は、繊維主鎖に組み込まれたシロキサンを含有する弾性繊維、この繊維の調整方法、この繊維の使用方法、この繊維を含む積層体、この繊維を含む布地、ならびにこの繊維を含む衣類および織物などを提供する。本開示の実施形態は、糸の紡糸性能を改善する。本開示の実施形態は、糸の白色度保持を改善する。本開示の実施形態は、伸張状態での熱処理による電力損失に対する耐性を改善する。
本発明の一実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)マクログリコールをジイソシアネートと反応させて、プレポリマーを形成するステップと、(b)プレポリマーをジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(c)紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、i.ステップ(a)において、ジオール−ポリジメチルシロキサンが、マクログリコールおよびジイソシアネートと反応される、かつ/またはii.ステップ(b)において、プレポリマーとジアミンとの反応前に、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、プレポリマーと反応される、かつ/またはiii.ステップ(b)において、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、プレポリマーおよびジアミンと同時に反応され、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、6重量%以下のシロキサンを含む、方法が提供される。
一実施形態において、本発明の方法によって作製されるポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖は、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、約6重量%以下のシロキサンを含む。本発明の実施形態において、本発明の方法によって作製されるポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖は、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、約0.01重量%〜約4重量%のシロキサンを含む。本発明の実施形態において、本発明の方法によって作製されるポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖は、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、約0.025重量%〜約2重量%のシロキサンを含む。本発明の実施形態において、本発明の方法によって作製されるポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖は、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、約0.05重量%、0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、または約5重量%のシロキサンを含む。
本開示のポリウレタン鎖を作製するために使用されるポリウレタンポリマーは一般に、「1ステップ」または「2ステップ」ポリマープロセスで形成され得る。1ステップ重合プロセスでは、ポリマーグリコール(すなわち、高分子グリコール)の混合物を、例えば、ジイソシアネートおよびジオール鎖延長剤と反応させて、ポリウレタンポリマーを形成する。2ステップポリマープロセスでは、NCO末端プレポリマー(すなわち、キャップドグリコール)の混合物を、例えば、ジオール鎖延長剤と反応させる。ポリウレタンは、溶媒なしで調製され、溶融紡糸されてもよい。加えて、ポリウレタンは、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンなどの溶媒と、乾式紡糸(窒素、空気、もしくは他の好適な吸引ガス中)または湿式紡糸のいずれかとを用いて調製され得る。
本開示のポリウレタン尿素鎖を作製するために使用されるポリウレタン尿素ポリマーは一般に、例えば、マクログリコール(すなわち、高分子グリコール)を、例えば、ジイソシアネートでキャッピングして、プレポリマーを形成することによって調製され得る。その後、プレポリマー(すなわち、キャップドグリコール)は、好適な溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン、およびジメチルホルムアミドなど)に溶解または希釈され得る。その後、キャップドグリコールは、ジアミンなどの鎖延長剤で鎖延長されて、紡糸溶液を形成するためのポリウレタン尿素を形成し得る。ポリウレタン尿素紡糸溶液は、乾式紡糸(窒素、空気、もしくは任意の他の好適な吸引ガス中)または湿式紡糸のいずれであってもよい。
繊維または長鎖合成ポリマーの調製に有用なポリウレタン尿素組成物は、少なくとも85重量%のセグメント化ポリウレタンを含む。典型的には、これらは、ジイソシアネートと反応してNCO末端プレポリマー(「キャップドグリコール」)を形成するポリマーグリコールを含み、これはその後、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンなどの好適な溶媒中に溶解され、二次的に二官能性鎖延長剤と反応される。
ポリウレタンのサブクラスであるポリウレタン尿素は、鎖延長剤がジアミンであるときに形成される。スパンデックスへと紡糸され得るポリウレタン尿素ポリマーの調製において、グリコールは、ヒドロキシ末端基とジイソシアネートおよび1つ以上のジアミンとの連続反応によって延長される。いずれの場合も、粘度を含む必要な特性を有するポリマーを提供するために、グリコールは、鎖延長を受けなければならない。所望される場合、ジブチルスズジラウレート、第一スズオクトエート、鉱酸、三級アミン(トリエチルアミンなど)、およびN,N’−ジメチルピペラジンなど、ならびに他の既知の触媒を使用して、キャッピングステップを補助することができる。
本発明の一実施形態において、シロキサンは、1)(1ステッププロセスで)最終ポリマーの形成中にジオール−シロキサンをマクログリコールと、およびジイソシアネートをジオール鎖延長剤と反応させること、または2)(2ステッププロセスで)(ジオール鎖延長剤なしで)プレポリマーの形成中にジオール−シロキサンをマクログリコールおよびジイソシアナートと反応させ、プレポリマーをジオール鎖延長剤と反応させて、紡糸溶液を形成すること、または3)(2ステッププロセスで)(グリコール鎖延長剤なしで)プレポリマーの形成中にマクログリコールおよびジイソシアナートを反応させ、プレポリマーをジオール−シロキサンおよびジオール鎖延長剤と反応させて、紡糸溶液を形成すること、または4)(2ステッププロセスで)(ジオール鎖延長剤なしで)プレポリマーの形成中にジオール−シロキサンをマクログリコールおよびジイソシアナートと反応させ、プレポリマーをジオール−シロキサンおよびジオール鎖延長剤と反応させて、紡糸溶液を形成することによって、ポリウレタン鎖の主鎖に導入される。
本発明の一実施形態において、シロキサンは、1)プレポリマーの形成中にジオール−シロキサンをマクログリコールおよびジイソシアネートと反応させ、プレポリマーをジアミン鎖延長剤と反応させて、紡糸溶液を形成すること、または2)プレポリマーの形成中にジオール−シロキサンをマクログリコールおよびジイソシアネートと反応させ、プレポリマーとジアミン鎖延長剤との反応前に、プレポリマーをジアミン−シロキサンと反応させて、紡糸溶液を形成すること、または3)プレポリマーの形成中にジオール−シロキサンをマクログリコールおよびジイソシアネートと反応させ、プレポリマーとジアミン鎖延長剤との反応中にプレポリマーをジアミン−シロキサンと反応させて、紡糸溶液を形成すること、または4)プレポリマーの形成中にジオール−シロキサンをマクログリコールおよびジイソシアネートと反応させ、プレポリマーとジアミン鎖延長剤との反応前および最中にプレポリマーをジアミン−シロキサンと反応させて、紡糸溶液を形成すること、または5)プレポリマーの形成中にマクログリコールおよびジイソシアネートを反応させ、ジアミン鎖延長剤の前にプレポリマーをジアミン−シロキサンと反応させて、紡糸溶液を形成すること、または6)プレポリマーの形成中にマクログリコールおよびジイソシアネートを反応させ、プレポリマーとジアミン鎖延長剤との反応中にプレポリマーをジアミン−シロキサンと反応させて、紡糸溶液を形成すること、または7)プレポリマーの形成中にマクログリコールおよびジイソシアネートを反応させ、プレポリマーとジアミン鎖延長剤との反応の前および最中にプレポリマーをジアミン−シロキサンと反応させて、紡糸溶液を形成することによって、ポリウレタン尿素鎖の主鎖に導入される。
本発明の一実施形態において、ジオール−シロキサン(例えば、ジオール−PDMS)が、プレポリマーの形成中、プレポリマーを好適な溶媒(ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンなど)で希釈する前に添加される。本発明の一実施形態において、ジアミン−シロキサン(例えば、ジアミン−PDMS)は、プレポリマーを好適な溶媒(ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンなど)で希釈する最中または直後に添加される。本発明の一実施形態において、ジアミン−シロキサン(例えば、ジアミン−PDMS)は、プレポリマーとジアミン鎖延長剤との反応の前、最中、または前と最中との両方に添加される。本発明の一実施形態において、ジオール−シロキサン(例えば、ジオール−PDMS)は、プレポリマーの形成中、プレポリマーを好適な溶媒(ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンなど)で希釈する前に添加され、ジアミン−シロキサン(例えば、ジアミン−PDMS)は、プレポリマーを好適な溶媒(ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンなど)で希釈する最中または直後に添加される。本発明の一実施形態において、ジオール−シロキサン(例えば、ジオール−PDMS)は、プレポリマーの形成中、プレポリマーを好適な溶媒(ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンなど)で希釈する前に添加され、ジアミン−シロキサン(例えば、ジアミン−PDMS)は、プレポリマーとジアミン鎖延長剤との反応中、プレポリマーを好適な溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドン)およびジアミン−シロキサン(例えば、ジアミン−PDMS)で希釈する最中または直後に添加される。本発明の一実施形態において、ジオール−シロキサン(例えば、ジオール−PDMS)は、プレポリマーの形成中、プレポリマーを好適な溶媒(ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンなど)で希釈する前に添加され、ジアミン−シロキサン(例えば、ジアミン−PDMS)は、プレポリマーとジアミン鎖延長剤との反応の前、最中、またはその前後に添加される。
本発明の一実施の形態において、ジオール−シロキサンは、ジオール−PDMSである。本発明の一実施の形態において、ジオール−PDMSは、ヒドロキシアルキル末端PDMSである。
本発明の一実施の形態において、ジアミン−シロキサンは、ジアミン−PDMSである。本発明の一実施の形態において、ジアミン−PDMSは、アミノアルキル末端PDMSである。本発明の一実施形態において、アミノアルキル末端PDMSは、アミノプロピル末端PDMSである。
本発明の一実施の形態において、ジオール−PDMSまたはジアミン−PDMSは、1モル当たり約15,000グラム以下の分子量を有する。本発明の一実施の形態において、ジオール−PDMSまたはジアミン−PDMSは、1モル当たり約500〜約15,000グラムの分子量を有する。本発明の一実施の形態において、ジオール−PDMSまたはジアミン−PDMSは、1モル当たり約1,000〜約10,000グラムの分子量を有する。本発明の一実施の形態において、ジオール−PDMSまたはジアミン−PDMSは、1モル当たり約1,460〜約5,600グラムの分子量を有する。
本発明の他の実施形態において、シロキサンは、1)最終ポリマー(1ステッププロセスでは鎖延長剤ジオールを含む)もしくはプレポリマー(2ステッププロセスでは鎖延長剤ジオールを含まない)のいずれかの形成中に、単官能性ヒドロキシアルキル−PDMSなどの単官能性ヒドロキシアルキル−シロキサンをマクログリコールおよびジイソシアネートと反応させること、ならびに/または2)プレポリマーとジアミンもしくはジオールとの反応前および/もしくは最中に、プレポリマーを単官能性アミノアルキル−PDMSなどの単官能性アミノアルキル−シロキサンと反応させて、紡糸溶液を形成することによって、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の主鎖に導入される。
本発明の別の実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)マクログリコールをジイソシアネートと反応させて、プレポリマーを形成するステップと、(b)プレポリマーをジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(c)紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、i.ステップ(a)において、単官能性ヒドロキシアルキル−PDMSなどの単官能性ヒドロキシアルキル−シロキサンが、マクログリコールおよびジイソシアネートと反応される、および/またはii.ステップ(b)において、プレポリマーとジアミンとの反応前に、単官能性アミノアルキル−PDMSなどの単官能性アミノアルキル−シロキサンが、プレポリマーと反応される、および/またはiii.ステップ(b)において、単官能性アミノアルキル−PDMSなどの単官能性アミノアルキル−シロキサンが、プレポリマーおよびジアミンと同時に反応され、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、6重量%以下のシロキサンを含む、方法が提供される。
ポリマー主鎖中にシロキサンを有するポリウレタンは、溶媒なしで作製されても、溶融紡糸されても、かつ/または溶融紡糸混合物中の添加剤として使用されてもよい。ポリマー主鎖にシロキサンを有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素は、紡糸溶液を構成する溶媒(ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンなど)の存在下で作製されても、かつ/または紡糸溶液混合物中の添加剤として使用されてもよい。その後、溶融ポリマーまたは紡糸溶液を紡糸することによって、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が形成される。紡糸溶液は、湿式または乾式紡糸プロセスであり得る。乾式紡糸において、紡糸溶液は、多数の孔を有する紡糸口金(ダイ)を通してポンピングされる。鎖が紡糸口金を出るとき、繊維が固化し、収集され得るように、空気または窒素などのガスを使用して、溶媒を除去する。湿式紡糸において、鎖は、液浴中に直接押し出される。液体中への押し出しは、空気中に直接押し出される鎖よりも大きな抗力をフィラメントに提供するため、押し出し速度は、乾式紡糸の場合よりも遅い。紡糸溶液は液体中に押し出され、それが溶媒を引き出し、ポリマーのみを残す。湿式紡糸は、ポリマーが紡糸口金を通して非溶媒中に引き込まれるときのポリマーの沈殿に基づく。紡糸は、(Steven W.SmithらのUS2012/0034834 A1に言及されるような)複数構成成分の紡糸であり得る。複数構成成分の乾式紡糸繊維は、断面を含み、該断面の少なくとも第1の領域は、エラストマーポリウレタンもしくはポリウレタン尿素、またはそれらの混合物を含み、エラストマーポリウレタンもしくはポリウレタン尿素、またはそれらの混合物と、少なくとも1つの不揮発性重合時混PDMS構成成分とを含む、少なくとも1つの追加領域を含む。湿式、乾式、または複数構成成分の紡糸プロセスによって生成される鎖は、単一のモノフィラメント、二重(2つのフィラメント)、3つのフィラメントなどの1つ以上のフィラメントを有し得る。繊維が2つ以上のフィラメントを有する場合、各フィラメントは、2つ以上の領域を有する複数構成成分の断面を含み得る。
一実施形態において、好適なマクログリコールとしては、約600〜3,500の数平均分子量のポリエーテルグリコール、ポリカーボネートグリコール、およびポリエステルグリコールが挙げられるが、これらに限定されない。2つ以上のポリマーグリコールの混合物またはコポリマーが、含まれ得る。
一実施形態において、使用され得るポリエーテルグリコールの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、および3−メチルテトラヒドロフランの開環重合および/もしくは共重合から、またはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、および1,12−ドデカンジオールなどの、各分子内に12個未満の炭素原子を有するジオールもしくはジオール混合物などの多価アルコールの縮合重合からの、2つのヒドロキシル基を有するグリコールが挙げられるが、これらに限定されない。2の官能価を有するTerathane(登録商標)1800(Wichita,Kans.のINVISTA)などの約1,700〜約2,100の分子量のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールは、特定の好適なグリコールの一例である。コポリマーは、ポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコールを含み得る。
一実施形態において、使用され得るポリエステルポリオールの例としては、脂肪族ポリカルボン酸とポリオールとの縮合重合によって生成される、2つのヒドロキシル基を有するエステルグリコール、または各分子内に12個以下の炭素原子を有する低分子量のそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリカルボン酸の例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、およびドデカンジカルボン酸が挙げられるが、これらに限定されない。ポリエステルポリオールを調製するのに好適なポリオールの例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、および1,12−ドデカンジオールが挙げられるが、これらに限定されない。約5℃〜50℃の溶融温度を有する線状二官能性ポリエステルポリオールは、特定のポリエステルポリオールの一例である。
一実施形態において、使用され得るポリカーボネートポリオールの例としては、ホスゲン、クロロギ酸エステル、炭酸ジアルキル、または炭酸ジアリルと脂肪族ポリオールとの縮合重合によって生成される、2つ以上のヒドロキシ基を有するカーボネートグリコール、または各分子内に12個以下の炭素原子を有する低分子量のそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリカーボネートポリオールを調製するための好適なポリオールの例としては、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、および1,12−ドデカンジオールが挙げられるが、これらに限定されない。約5℃〜約℃の融解温度を有する線状二官能性ポリカーボネートポリオールは、特定のポリカーボネートポリオールの一例である。
本発明の一実施形態において、好ましいマルコグリコールは、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンアジペート)グリコール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(ε−カプロラクトン)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ポリ(1,2−オキシプロピレン)グリコール、ポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレン−コ−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(エチレンエーテル)グリコール、ポリ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリエステルグリコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明の一実施の形態において、マルコグリコールは、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールである。本発明の一実施形態において、マルコグリコールは、1モル当たり約600〜約3,500グラム、または1モル当たり約1,600〜約2,300グラム、または1モル当たり約1,800〜約2,000グラムの分子量を有するポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールである。
一実施形態において、ジイソシアネートは、単一のジイソシアネート、または4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)および2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)を含有するジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の異性体混合物を含む、異なるジイソシアネートの混合物を含み得る。任意の好適な芳香族または脂肪族ジイソシアネートが、含まれ得る。使用され得るジイソシアネートの例としては、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリメチルキシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ジイソシアナート−4−メチル−ベンゼン、2,2’−トルエンジイソシアネート、2,4’−トルエンジイソシアネート、およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の一実施の形態において、ジイソシアネートは、メチレンジフェニルジイソシアネートである。
一実施形態において、鎖延長剤は、水、またはポリウレタン尿素用のジアミン鎖延長剤のいずれかであり得る。ポリウレタン尿素および得られる繊維の所望の特性に応じて、異なる鎖延長剤の組み合わせが、含まれ得る。好適なジアミン鎖延長剤の例としては、エチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、フェニレンジアミンブタンジアミン、ヘキサメチルジアミン、プロピレンジアミン、キシレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ヒドラジン;1,2−エチレンジアミン;1,4−ブタンジアミン;1,2−ブタンジアミン;1,3−ブタンジアミン;1,3−ジアミノ−2,2−ジメチルブタン;1,6−ヘキサメチレンジアミン;1,12−ドデカンジアミン;1,2−プロパンジアミン;1,3−プロパンジアミン;2−メチル−1,5−ペンタンジアミン;1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン;2,4−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン;N−メチルアミノ−ビス(3−プロピルアミン);1,2−シクロヘキサンジアミン;1,4−シクロヘキサンジアミン;4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン);イソホロンジアミン;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン;メタ−テトラメチルキシレンジアミン;1,3−ジアミノ−4−メチルシクロヘキサン;1,3−シクロヘキサンジアミン;1,1−メチレン−ビス(4,4’−ジアミノヘキサン);3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン;1,3−ペンタンジアミン(1,3−ジアミノペンタン);m−キシリレンジアミン;およびJeffamine(登録商標)(Huntsman)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の一実施の形態において、ジアミンは、エチレンジアミン、またはエチレンジアミンとメチルペンタメチレンジアミンとの混合物である。
ポリウレタンが所望される場合、鎖延長剤は、ジオールである。使用され得るそのようなジオールの例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、および1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、ポリマーの分子量を制御するために、単官能性アルコールまたは一級/二級単官能性アミンが、任意で含まれ得る。1つ以上の単官能性アルコールと1つ以上の単官能性アミンとのブレンドもまた、含まれ得る。本開示で有用な単官能性アルコールの例としては、1〜18個の炭素を有する脂肪族および脂環式の一級および二級アルコール、フェノール、置換フェノール、エトキシル化アルキルフェノール、およびエトキシル化脂肪アルコール(500未満の分子量を含む、約750未満の分子量を有する)、ヒドロキシアミン、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチル置換三級アミン、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチル置換複素環式化合物、ならびにそれらの組み合わせ(フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、N−(2−ヒドロキシエチル)スクシンイミド、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、メタノール、エタノール、ブタノール、ネオペンチルアルコール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、ベンジルアルコール、オクタノール、オクタデカノール、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2−ジメチルアミノエタノール、および4−ピペリジンエタノール、ならびにそれらの組み合わせを含む)からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーが挙げられるが、これらに限定されない。好適な単官能性ジアルキルアミンブロッキング剤の例としては、N,N−ジエチルアミン、N−エチル−N−プロピルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン、N−tert−ブチル−N−メチルアミン、N−tert−ブチル−N−ベンジルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、N−エチル−N−イソプロピルアミン、N−tert−ブチル−N−イソプロピルアミン、N−イソプロピル−N−シクロヘキシルアミン、N−エチル−N−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエタノールアミン、および2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の別の実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールをメチレンジフェニルジイソシアネートと混合して、プレポリマーを形成するステップと、(b)アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンをプレポリマーと反応させて、シロキサン反応プレポリマーを形成するステップと、(c)シロキサン反応プレポリマーをエチレンジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(d)紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、約0.01重量%〜4重量%のシロキサンを含み、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンが、1モル当たり約1,460〜約5,600グラムの分子量を有する、方法が提供される。
本発明の更なる一実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)マクログリコールをジイソシアネートと反応させて、プレポリマーを形成するステップと、(b)プレポリマーをジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(c)紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、i.ステップ(a)において、ジオール−ポリジメチルシロキサンが、マクログリコールおよびジイソシアネートと反応される、かつ/またはii.ステップ(b)において、プレポリマーとジアミンとの反応前に、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、プレポリマーと反応される、かつまたはiii.ステップ(b)において、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、プレポリマーおよびジアミンと同時に反応され、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、6重量%以下のシロキサンを含み、シロキサンが、ウレタンラジカルを全く含まない、方法が提供される。
本発明の更に別の実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含有するポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、(a)ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールをメチレンジフェニルジイソシアネートと混合して、プレポリマーを形成するステップと、(b)アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンをプレポリマーと反応させて、シロキサン反応プレポリマーを形成するステップと、(c)シロキサン反応プレポリマーをエチレンジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、(d)紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップとを含み、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、約0.01重量%〜4重量%のシロキサンを含み、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンが、1モル当たり約1,460〜約5,600グラムの分子量を有し、シロキサンが、ウレタンラジカルを全く含まない、方法が提供される。
本発明の一実施形態において、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖にシロキサンを含む2つ以上のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を合体させて、シロキサン含有ポリウレタンまたはポリウレタン尿素繊維を形成する。
本発明の一実施形態において、一緒に束ねられたポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中にシロキサンを含む2つ以上のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を含む弾性繊維であって、シロキサンが、繊維の重量に基づいて、0.01重量%以上〜6重量%以下の量で存在する、弾性繊維が提供される。
本発明の更なる一実施形態において、一緒に束ねられたポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中にシロキサンを含む2つ以上のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を含む弾性繊維であって、シロキサンが、繊維の重量に基づいて、0.01重量%以上〜6重量%以下の量で存在し、シロキサンが、ウレタンラジカルを全く含まない、弾性繊維が提供される。
本発明の一実施形態において、弾性繊維の2つ以上のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖のポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中のシロキサンは、複数のポリシロキサンドメインの形態であり、ポリシロキサンドメインは各々、1モル当たり約15,000グラム以下の分子量を有する。本発明の一実施形態において、弾性繊維の2つ以上のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖のポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中のシロキサンは、複数のポリシロキサンドメインの形態であり、ポリシロキサンドメインは各々、1モル当たり約500〜15,000グラムの分子量を有する。本発明の一実施形態において、弾性繊維の2つ以上のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖のポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中のシロキサンは、複数のポリシロキサンドメインの形態であり、ポリシロキサンドメインは各々、1モル当たり約1,000〜約10,000グラムの分子量を有する。本発明の一実施形態において、弾性繊維の2つ以上のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖のポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中のシロキサンは、複数のポリシロキサンドメインの形態であり、ポリシロキサンドメインは各々、1モル当たり約1,460〜約5,600グラムの分子量を有する。
一実施形態において、本開示のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖は、酸化防止剤、熱安定剤、粘着防止剤(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、またはエチレンビス(ステアラミド)など)、UV安定剤、顔料および艶消し剤(例えば、二酸化チタン)、染料および染料増強剤、ならびに塩素分解に対する耐性を増強する添加剤(例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、およびハンタイトとヒドロマグネサイトとの混合物)などの特定の目的のために添加される追加の従来の添加剤(そのような添加剤が、本開示のポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖に拮抗作用を生成しない限り)を含有し得る。
本開示の実施形態は、本開示の弾性繊維を含む製品を含む。これらの製品としては、布地および積層構造が挙げられるが、これらに限定されない。
積層構造は、接着剤、超音波接着、熱接着、またはそれらの組み合わせによって接着してもよい。積層構造は、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁物品、または女性用衛生物品などの使い捨て衛生物品を含み得る。
本開示の実施形態を説明してきたが、一般に、以下の実施例は、本開示のいくつかの追加の実施形態を説明する。本開示の実施形態は、以下の実施例ならびに対応する本文および図面に関連して説明されるが、本開示の実施形態をこの説明に限定する意図は存在しない。それどころか、本開示の実施形態の趣旨および範囲内にある全ての代替物、修正物、および等価物を網羅することが、その意図である。
1.評価用試料の生成
初期スカウト試験を実行して、紡糸性能および糸の特性に対する重合時混PDMSの影響を調査した。表1に報告されるように、初期スカウト試験のスパンデックスポリマーを、実験室規模のバッチプロセスで調製し、一糸条乾式紡糸プロセスで紡糸した。ヒドロキシアルキル末端PDMS(「HATS」)を、キャッピング反応容器に添加した。鎖延長反応の前に、アミン末端PDMS(「APTS」)を、希薄キャップドグリコールに添加した。これらの実験に使用したグリコールは、名目上分子量が1800のPTMEGであった。延長剤は、EDAからなった。共延長剤は、Dytek(登録商標)Aからなった。終結剤は、DEAからなった。分岐剤は、DETAからなった。
試験部分A1は、0.5%の紡糸時混PDMSで作製した。試験部分B1は、紡糸時混PDMSなしで作製した。試験部分C1およびC2(表1)は、1モル当たり約2,850グラムの分子量を有するAPTSを用いて調製した。試験部分D1(表1)は、1モル当たり約27,000グラムの分子量を有するAPTSを用いて調製した。試験部分E1(表1)は、1モル当たり約5,600グラムの分子量を有するHATSを用いて調製した。
表1に報告される全てのポリマー試料を、一糸条紡糸機で、典型的なスパンデックス乾式紡糸条件下、毎分2500フィートで、40デニールの3フィラメント糸として紡糸した。糸試料中の残留DMAcレベルは、1%未満であった。糸表面に適用されたシリコーン含有仕上げ剤は、3〜4%の範囲内であった。
初期スカウト試験に続いて、規模拡大試験を実行して、合体ジェット内のフリックおよびDMAc凝縮物に対する重合時混PDMSの影響を更に調査した。表2に報告されるように、規模拡大試験のスパンデックスポリマーは、Tech Lab Continuous Polymerizer(「TLCP」)で調製し、24糸条乾式紡糸プロセスで紡糸した。鎖延長反応の前に、APTSを、希薄キャップドグリコールに添加した。これらの実験に使用したグリコールは、名目上分子量が1,800のPTMEGであった。延長剤は、EDAからなった。共延長剤は、Dytek(登録商標)Aからなった。終結剤は、DEAからなった。分岐剤は、DETAからなった。試料A2は、0.5%の紡糸時混PDMSを含有し、紡糸時混MgStおよび反応時混APTSを含有しなかった。試料B2は、紡糸時混PDMS、紡糸時混MgSt、および反応時混APTSを含有しなかった。試験部分C3、C4、およびC5(表2)に使用したAPTSは、1モル当たり約2,750グラムの分子量を有するNH40Dであった。
表2に報告される全てのポリマー試料を、典型的なスパンデックス乾式紡糸条件下、毎分2,850フィートで、40デニールの4フィラメント糸として紡糸した。糸試料中の残留DMAcレベルは、1%未満であった。糸表面に適用されたシリコーン含有仕上げ剤は、3〜4%の範囲内であった。
Tech−Lab規模の連続重合試験が完了した後、第3の試験シリーズを実行して、名目上約0.3%および約0.1%のレベルで作製した異なる供給業者のAPTS型の影響を調査した。供給業者−APTS型の試験シリーズのポリマー組成を、以下の表3に報告する。表3に報告される全てのポリマーを、実験室規模のバッチプロセスで調製した。鎖延長反応の前に、APTSを、希薄キャップドグリコールに添加した。これらの実験に使用したグリコールは、名目上の分子量が1,800のPTMEGであった。延長剤は、EDAからなった。共延長剤は、Dytek(登録商標)Aからなった。終結剤は、DEAからなった。分岐剤は、DETAからなった。
表3に報告される全てのポリマー試料を、一糸条紡糸機で、典型的なスパンデックス乾式紡糸条件下、毎分2500フィートで、40デニールの3フィラメント糸として紡糸した。糸試料中の残留DMAcレベルは、1%未満であった。糸表面に適用されたシリコーン含有仕上げ剤は、3〜5%の範囲内であった。
供給業者−APTS型のシリーズが完了した後、一連の乾式紡糸スパンデックス−ポリマー組成試験を実行して、様々なNCO%、延長剤/共延長剤の種類(EDA、MPMD、PDA)および延長剤/共延長剤のモル比、終結剤の種類(DEA、CHA)およびレベル、ならびにAPTSのレベルの影響を調査した。ポリマー組成を、下記の表4に報告する。表4に報告されるポリマーの全てを、実験室規模のバッチプロセスで調製した。鎖延長反応の前に、APTSを、希薄キャップドグリコールに添加した。これらの実験に使用したグリコールは、名目上の分子量が1,800のPTMEGであった。分岐剤は、DETAからなった。この一連の実験で使用したAPTSは、(1モル当たり約2,850グラムの分子量を有する)AldrichのAPTSであった。
表4に報告される全てのポリマー試料を、一糸条紡糸機で、典型的なスパンデックス乾式紡糸条件下、毎分2500フィートで、40デニールの3フィラメント糸として紡糸した。糸試料中の残留DMAcレベルは、1%未満であった。糸表面に適用されたシリコーン含有仕上げ剤は、2.5〜5%の範囲内であった。
乾式紡糸スパンデックス−ポリマー組成試験が完了した後、一連の試験を実行して、増加するレベルのAPTS中反応の影響を調査した。ポリマー組成を、以下の表5aに報告する。表5に報告される全てのポリマーを、実験室規模のバッチプロセスで調製した。鎖延長反応の前に、APTSを、希薄キャップドグリコールに添加した。これらの実験に使用したグリコールは、名目上の分子量が1,800のPTMEGであった。この一連の実験で使用したAPTSは、(1モル当たり約2,850グラムの分子量を有する)AldrichのAPTSであった。
表5に報告される全てのポリマー試料を、一糸条紡糸機で、典型的なスパンデックス乾式紡糸条件下、毎分2500フィートで、40デニールの3フィラメント糸として紡糸した。糸試料中の残留DMAcレベルは、1%未満であった。糸表面に添付されたシリコーン含有仕上げ剤は、3〜5%の範囲内であった。
乾式紡糸スパンデックスポリマーの増加したレベルの反応時混APTS試験が完了した後、一連の試験を実行して、減少するレベルの反応時混APTSの影響、および紡糸時混MgStの影響を調査した。ポリマー組成を、以下の表6に報告し、TLCPで、紡糸時混PDMSを用いずに調製した。鎖延長反応の前に、APTSを、希薄キャップドグリコールに添加した。これらの実験に使用したグリコールは、名目上の分子量が1,800のPTMEGであった。この一連の実験で使用したAPTSは、(1モル当たり約2,750グラムの分子量を有する)NH40Dであった。紡糸時混MgStを有する選択された試料を、反応時混APTSを有しないポリマーから調製した。ポリマーの合成完了後かつ紡糸前に、MgStをポリマー紡糸溶液に注入し、混合した。
表6に報告される全てのポリマー試料を、円形セルまたは矩形セル紡糸機で、典型的なスパンデックス乾式紡糸条件下、様々な紡糸速度で、40デニールの3フィラメント糸として紡糸した。糸試料中の残留DMAcレベルは、1%未満であった。糸表面に適用されたシリコーン含有仕上げ剤は、3〜5%の範囲内であった。
乾式紡糸スパンデックスポリマーの減少したレベルの反応時混APTS試験が完了した後、一連の試験を実行して、UV白色度保持に対する、反応時混顔料添加剤ありおよびなしの反応時混APTSおよびHATSの影響を調査した。顔料添加剤なしで作製した試料は、1.35重量%の紡糸時混トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネートを有した。顔料添加剤ありの試料は、1.35重量%の紡糸時混トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、加えて0.17重量%のTiO2、加えて1.5重量%のハンタイトとヒドロマグネサイトとの混合物を有した。ポリマー組成を、以下の表7に報告する。表7に報告される全てのポリマーを、実験室規模のバッチプロセスで調製した。鎖延長反応の前に、キャップドグリコールプレポリマーのために、HATSをグリコールとジイソシアネートとの混合物に添加した。鎖延長反応の前に、APTSを希薄キャップドグリコールに添加した。これらの実験に使用したグリコールは、名目上の分子量が1,800のPTMEGであった。この一連の実験で使用したHATSは、(1モル当たり約5,600グラムの分子量を有する)AldrichのHATSであった。この一連の実験で使用したAPTSは、(1モル当たり約2,850グラムの分子量を有する)AldrichのAPTSであった。
表7に報告される全てのポリマー試料を、一糸条紡糸機で、典型的なスパンデックス乾式紡糸条件下、毎分2500フィートで、40デニールの3フィラメント糸として紡糸した。糸試料中の残留DMAcレベルは、1%未満であった。糸表面に適用されたシリコーン含有仕上げ剤は、3〜5%の範囲内であった。
2.試料の評価
試験方法
スパンデックスのポリマー主鎖に重合したPDMSの有効性を、以下のものを調製することによって決定した。
A)1)紡糸時混PDMSなし、2)紡糸時混MgStなし、および3)重合時混PDMSなしのスパンデックスポリマー、
B)紡糸時混PDMSのみを有するスパンデックスポリマー、
C)紡糸時混MgStのみを有するスパンデックスポリマー、
D)重合時混PDMSのみを有し、顔料添加剤ありまたはなしのスパンデックスポリマー。
その後、ポリマー試料を、一糸条紡糸機で40デニールの3フィラメント糸、または24糸条円形セル紡糸機で40デニールの4フィラメント糸、または24糸条円形セル紡糸機で40デニールの3フィラメント糸、または24糸条矩形セル紡糸機で40デニールの3フィラメント糸として紡糸した。試験ポリマーの紡糸中、目視観察を行って、合体ジェット内の「フリック」の有無および紡糸セル壁への糸の固着の有無を決定した。
紡績糸の試料ケーキを収集し、糸の引張特性、フィラメントの凝集、および端に沿ったデニールの均一性を測定した。連続重合機の24糸条紡糸試験の場合、紡糸破断の頻度を記録し、無仕上げ糸試料を収集し、紡糸時混添加剤またはポリマー主鎖の重合時混構成成分のいずれかとしてのPDMSの有無について試験し、各ポリマー試験部分については、紡糸プロセスの出口から試料DMAc凝縮物を収集し、PDMSの有無について試験した。
試験結果
初期実験室規模のバッチプロセス試験の結果を、表8に示す。紡糸時混PDMSのみを有する試験部分A1は、合体ジェット内でフリックを呈さず、許容できる繊維特性を有した。紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混PDMSなしの試験部分B1は、合体ジェット内でのフリックおよび許容できる糸特性を呈した。(約2,850の分子量を有する)重合時混APTSのみを有する試験部分C1およびC2は、合体ジェット内でフリックを呈さず、許容できる糸特性を呈した。(約27,000の分子量を有する)重合時混APTSのみを有する試験部分D1は、合体ジェット内ではフリックを呈さなかったが、比較的低いが許容可能なフィラメント間凝集(「COH」)および許容限界を超えるデニール変動係数(「CDV」)を有した。(約5,600の分子量を有する)重合時混HATSのみを有する試験部分E1は、合体ジェット内でのフリックを呈さず、許容できる糸特性を呈した。
これらの結果から、以下が明らかになった。
1)紡糸時混PDMSのみを有するポリマーは、合体ジェット内でフリックを呈さなかった。
2)紡糸時混MgStのみを有するポリマーは、合体ジェット内でフリックを呈さなかった。
3)重合時混PDMSのみを有するポリマーは、合体ジェット内でフリックをもたらさなかった。
4)紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混PDMSなしのポリマーは、合体ジェット内でフリックを呈した。
規模拡大TLCP試験の結果を、表9aおよび9bに示す。この試験の目的は、スカウト試験から生じる合体ジェット内のフリックを確認すること、紡糸セル壁に固着している糸の有無を観察すること、DMAc凝縮物中のPDMSの相対レベルを定量化すること、紡績糸中のPDMSの相対レベルを定量化すること、および紡糸性能を定量化し繊維特性を測定することであった。
表9aに示されるように、紡糸時混PDMSのみを有する試験部分A2は、合体ジェット内でのフリック、紡糸セル壁への糸の固着、および紡糸破断を呈さなかった。紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混PDMSなしの試験部分B2は、合体ジェット内でのフリック、紡糸セル壁への糸の固着、および1日当たり4回の紡糸破断を呈した。重合時混PDMSのみを有する試験部分C3、C4、およびC5は、合体ジェット内でのフリック、紡糸セル壁への糸の固着、および紡糸破断を呈さなかった。
試験部分A2の分析は、DMAc凝縮物中に901ppmのPDMSおよび無仕上げ糸中に12.3ppmのPDMSが存在することを示した。試験部分B2の分析は、DMAc凝縮物中に1ppm未満のPDMSおよび無仕上げ糸中に2.9ppmのPDMSが存在することを示した。試験部分C3の分析は、DMAc凝縮物中に1ppm未満のPDMSおよび無仕上げ糸中に29.1ppmのPDMSが存在することを示した。試験部分C4の分析は、DMAc凝縮物中に1ppm未満のPDMSおよび無仕上げ糸中に18.9ppmのPDMSが存在することを示した。試験部分C5の分析は、DMAc凝縮物中に1ppm未満のPDMSおよび無仕上げ糸中に11.4ppmのPDMSが存在することを示した。
これらの結果は、PDMSのポリマー主鎖への重合の利点、すなわち、1)合体ジェット内でフリックがないこと、2)許容できる紡糸破断、3)紡糸セル壁に糸が固着しないこと、および4)PDMSのポリマー鎖への永久的結合のためにDMAc凝縮物中にPDMSがないことを明らかに実証する。
表9bに示されるように、繊維引張特性は、許容できないほど高いCDVを有する試験部分B2を除いて、その試験部分の合体ジェット内でのフリックの頻度が高いため、全ての試験部分について許容できる。
供給業者APTS型の実験室バッチポリマーシリーズの結果を、表10に示す。この試験の目的は、名目上0.3および0.1%の反応物レベルで作製した異なる供給業者のAPTS型の性能を決定することであった。
これらの実験の結果は、様々な供給業者が、良好な紡糸性能、許容できる糸特性をもたらし、ジェット内でフリックをもたらさない、異なる種類のAPTSを提供することを示す。対照試験部分V0(紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混APTSなしで作製)は、合体ジェット内でフリックを呈した。試験試料V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、およびV8(それぞれ、C6252、C5379、NH40D、ならびに名目上0.3%および0.1%の反応物レベルのAldrich供給のAPTS)は、許容できる結果をもたらした。これらの試料は、許容できる糸特性をもたらし、合体ジェット内でのフリックをもたらさなかった。試験試料V9およびV10(それぞれ、名目上0.3%および0.1%の反応物レベルのDMSA15 APTS)は、許容できる結果をもたらさなかったが、これは一部には、おそらくDMSA15中の不純物の存在が原因であった。これらの試験部分は、対照と比較して改善を有することなく、ジェット内でフリックを呈した。
様々なスパンデックスポリマー組成の実験室バッチポリマーシリーズの結果を、表11に示す。この試験の目的は、NCO%、鎖延長剤/共延長剤の種類(EDA、MPMD、PDA)および鎖延長剤/共延長剤のモル比、終結剤の種類(DEA)およびレベル、ならびにAPTSレベルを変更することによって、一連のスパンデックス−ポリマー組成物の性能を決定することであった。
これらの実験の結果は、紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混APTSなしの様々なポリマー組成物から作製された繊維が、合体ジェット内でフリックを呈することを示す。対照的に、名目上0.3および0.1%の反応物レベルでポリマー主鎖に反応させたAPTSを有する様々なポリマー組成物から作製された繊維は、合体ジェット内でフリックを呈さず、許容できる糸特性を呈する。
したがって、APTSは、広範囲のNCO%(約2.2〜約3.8%)、延長剤/共延長剤のレベルおよび種類(約1.56〜約0.75%のEDAおよび約0.68〜0%のMPMDおよび約0.33〜約0%のPDA)、ならびに終結剤レベルおよび種類(約0.31〜約0%のDEAおよび約0.4〜約0%のCHA)にわたって有効であることが見出された。この実験研究の経過にわたって、いくつかの例外が観察され、すなわち、1)試験部分IV1は良好に紡糸せず、分析から除外され、2)反応時混APTSを有しないJV0はジェット内でフリックを呈さず、および3)0.1%の反応時混APTSを有するFV1はジェット内でフリックを呈した。
増加するレベルの反応時混APTSの影響を研究した一連の実験の結果を、表12に示す。この試験の目的は、APTSレベルを変化させることによって、一連のスパンデックス−ポリマー−組成物の性能を決定することであった。
これらの実験の結果は、紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混APTSありのポリマー組成物から作製した繊維が、合体ジェット内でフリックを呈さなかったことを示す。0.25%〜6.04%以下のレベルでポリマー主鎖に反応させたAPTSを有するポリマー組成物から作製した繊維は、許容できる糸特性および許容できるCOHを呈した。4.04%のレベルでポリマー主鎖に反応させたAPTSを有するポリマー組成物から作製した繊維は、許容できる境界線のCDVを有し、6.04%のレベルでは、許容限界を超えるCDVを有した。したがって、重合時混APTSは、ジェット内でのフリックを除去するのに有効であり、許容できる糸特性をもたらし、最大6%のレベルまでの許容できるCOHをもたらすことが見出された。
減少するレベルの反応時混APTSの影響を研究する一連の実験の結果を、円形セル紡糸機については表13aに、および矩形セル紡糸機については表13bに示す。この試験の目的は、APTSレベルを変化させることによって、一連のスパンデックス−ポリマー−組成物の性能を決定することであった。
円形セル紡糸実験の結果は、紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混APTSなしで作製した繊維が、合体ジェット内でのフリックおよびセル壁への固着を伴う、許容できない紡糸性能を有することを示す。紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混APTSありの様々なポリマー組成物から作製した繊維は、合体ジェット内でフリックを呈さなかった。0.025%以上の重合時混APTSを有するポリマー組成物から作製した繊維は、許容できる糸特性をもたらし、0.025%を超える重合時混APTSを有するポリマー組成物は、許容できる紡糸性能をもたらした。0.025%の重合時混APTSを有するポリマー組成物から作製した繊維試料は、許容できる糸特性を有したが、糸が紡糸セル壁に固着するために不良な紡糸性能を有した。これらの試験部分のいずれにおいても、早期フィラメント双晶化の証拠は存在しなかった。
矩形セル紡糸実験の結果は、紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混APTSなしで作製した繊維が、合体ジェット内でのフリックおよび目標を超えるCDVを伴う(が、セル壁への固着は伴わない)許容できない紡糸性能を有することを示した。紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStあり、および重合時混APTSなしで作製した繊維は、ジェット内でのフリックもセル壁への固着もなく、許容できる紡糸性能を有した。紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混APTSありのポリマー組成物から作製した繊維は、合体ジェット内でのフリックもセル壁への付着も呈さなかった。0.025%以上の重合時混APTSを有するポリマー組成物から作製した繊維は、許容できる糸特性および紡糸性能をもたらした。これらの試験部分のいずれにおいても、早期フィラメント双晶化の証拠は存在しなかった。これらの試験結果は、セル壁への固着が、円形セル紡糸機にとっては懸念であるが、矩形セル紡糸機にとっては懸念ではないことを示している。矩形セル紡糸機は、円形セル紡糸機と比較して、紡糸糸条と加熱紡糸セル壁との間の距離がより大きい。したがって、重合時混APTSは、ジェット内のフリックを除去するのに有効であり、0.025%のレベルで良好な紡糸性能および許容できる繊維特性を提供する。
減少するレベルのAPTSの影響についての紡糸性能試験の完了後、糸試料を伸張状態で保持しながら熱処理に供することによって、糸試料を熱回復力損失または「出力保持」について試験することを決定した。繊維の回復力の変化は、紡糸したままの繊維の回復力を、糸を3.0倍に伸張した後の繊維の回復力と比較し、それを190℃で2分間加熱し、その後それを130℃で30分間蒸気処理し、その後30分間水中で沸騰させることによって決定した。結果を表13cに示し、紡糸時混MgStありおよび重合時混APTSなしの糸では、重合時混APTSありおよび紡糸時混MgStなしのポリマーから作製した繊維よりも、熱処理後に回復力の大きな減少が生じることを示す。
伸張下にある間の熱処理による繊維の回復力のより大きな減少は、布地の回復力のより大きな損失、ならびにヒートセットおよび染色処理ステップ後のより大きな布地の傾きを示す。したがって、重合時混APTSを有するポリマーから紡糸した糸は、紡糸時混MgStで作製した糸と比較して、ミル布加工ステップ後に優れた布地性能(スパンデックスの重量当たりのより大きな回収率)を有する糸をもたらすと予想される。
反応時混APTSおよびHATSの白色度保持に対する影響を研究する一連の実験からの繊維特性の結果を、表14aに示す。この試験の目的は、APTSおよびHATSレベルを変化させることによって、一連のスパンデックス−ポリマー−組成物の糸の白色度保持を決定することであった。
これらの実験の結果は、紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混APTSまたはHATSなしのポリマー組成物から作製した繊維は、合体ジェット内でフリックを呈することを示す。紡糸時混PDMSなし、紡糸時混MgStなし、および重合時混APTSまたはHATS(0.01%〜4.02%以下の範囲)ありのポリマー組成物から作製した繊維は、合体ジェット内でフリックを呈さないことを示す。0.01%〜4.02%以下のレベルでポリマー主鎖に反応させた、APTSまたはHATSを有するポリマー組成物から作製した繊維は、顔料添加剤の有無に関わらず、許容できる糸引張特性ならびに許容できるCOHおよび許容できるCDVを呈した。したがって、重合時混APTSまたはHATSは、ジェット内でのフリックを除去するのに有効であり、許容できる糸特性をもたらし、顔料添加剤の有無に関わらず、0.01%〜最大4%までのレベルまで、許容できるCOHおよびCDVをもたらす。
表14aに列挙された試料を、キセノンUVランプに12時間曝露した後、AtlasのUV耐候試験機において白色度保持について評価した。繊維試料をカードに巻き付け、ヒートセットし、精練し、疑似染色した。その後、試料をDatacolor650分光光度計に置き、(Bat Gant−Griesser白色度式を使用して)初期白色度レベルを測定した。その後、カードを耐候試験機内に吊り下げ、UV光源に12時間曝露した。その後、試料を分光光度計に置き、(Bat−Gant−Griesser白色度式を使用して)最終白色度レベルを測定した。最終白色度値から初期白色度値を差し引くことによって、白色度保持を計算した。最終白色度値と初期白色度値との間の差がより小さいほど、白色度保持はより大きくなる。白色度保持試験の結果を表14bに示し、プロット1に示す。
これらの結果は、顔料添加剤の有無に関わらず、0.5〜4%の反応時混APTSまたはHATSが、0.5〜0%の反応時混APTSまたはHATSを有する糸試料よりも優れた白色度保持を有することを示す。0.5〜4%の反応時混APTSまたはHATSを有する糸試料は、反応時混APTSまたはHATSを有しない試料と比較して、約10単位の白色度保持の改善を示した。これらのデータから、反応時混APTSまたはHATSの白色度保持の利点は、0.5%を超えると横ばいになるようである。
本発明の特定の望ましい実施形態であると現在考えられているものを説明してきたが、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、それらに変更および修正がなされ得、全てのそのような変更および修正を、本発明の真の範囲内にあるものとして含むことが意図されることを理解するだろう。

Claims (37)

  1. ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中にシロキサンを含有する、前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、以下、
    (a)マクログリコールをジイソシアネートと反応させて、プレポリマーを形成するステップと、
    (b)前記プレポリマーをジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、
    (c)前記紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップと、を含み、
    i.ステップ(a)において、ジオール−ポリジメチルシロキサンとマクログリコールとの混合物が、前記ジイソシアネートと反応されるか、
    ii.ステップ(b)において、前記プレポリマーと前記ジアミンとの前記反応前に、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、前記プレポリマーと反応されるか、または
    iii.ステップ(b)において、ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、前記プレポリマーおよびジアミンと同時に反応され、
    前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、6重量%以下のシロキサンを含む、方法。
  2. 前記シロキサンが、ウレタンラジカル、すなわち、
    を全く含まない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、0.01重量%超〜4重量%以下のシロキサンを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ジアミン−ポリジメチルシロキサンまたはジオール−ポリジメチルシロキサンが、1モル当たり約1,460〜約5,600グラムの分子量を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記シロキサン含有ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖のうちの2つ以上を一緒に合体して、シロキサン含有ポリウレタンまたはポリウレタン尿素繊維を形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記マクログリコールが、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンアジペート)グリコール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(ε−カプロラクトン)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ポリ(1,2−オキシプロピレン)グリコール、ポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレン−コ−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(エチレンエーテル)グリコール、ポリ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリエステルグリコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ジイソシアネートが、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリメチルキシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ジアミンが、エチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、フェニレンジアミンブタンジアミン、ヘキサメチルジアミン、プロピレンジアミン、キシレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、アミノアルキル末端ポリジメチルシロキサンである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ジオール−ポリジメチルシロキサンが、ヒドロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサンである、請求項1に記載の方法。
  11. ステップ(b)の前に、前記プレポリマーをジメチルアセトイミドで希釈するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、前記プレポリマーの希釈中または希釈直後に添加されるか、または前記ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、ステップ(b)中に添加される、請求項11に記載の方法。
  13. ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中にシロキサンを含有する、前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、以下、
    (a)ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールをメチレンジフェニルジイソシアネートと混合して、プレポリマーを形成するステップと、
    (b)アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンを前記プレポリマーと反応させて、シロキサン反応プレポリマーを形成するステップと、
    (c)前記シロキサン反応プレポリマーをエチレンジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、
    (d)前記紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップと、を含み、
    前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、約0.1重量%〜1重量%のシロキサンを含み、
    前記アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンが、1モル当たり約1,460〜約5,600グラムの分子量を有する、方法。
  14. 前記シロキサンが、ウレタンラジカル、すなわち、
    を全く含まない、請求項13に記載の方法。
  15. ステップ(b)の前に、前記プレポリマーをジメチルアセトイミドで希釈するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、前記プレポリマーの希釈中または希釈直後に添加されるか、または前記ジアミン−ポリジメチルシロキサンが、ステップ(b)中に添加される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記シロキサン含有ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖のうちの2つ以上を一緒に合体させて、シロキサン含有ポリウレタンまたはポリウレタン尿素繊維を形成することを更に含む、請求項13に記載の方法。
  18. 一緒に束ねられたポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中にシロキサンを含む、2つ以上の前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を含む弾性繊維であって、前記シロキサンが、前記繊維の重量に基づいて、0.01重量%超〜6.0重量%未満の量で存在する、弾性繊維。
  19. 前記シロキサンが、ウレタンラジカル、すなわち、
    を全く含まない、請求項18に記載の弾性繊維。
  20. 前記シロキサンが、前記繊維の重量に基づいて、約0.05重量%〜約4重量%の量で存在する、請求項18に記載の弾性繊維。
  21. 前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中の前記シロキサンが、複数のポリシロキサンドメインの形態であり、前記ポリシロキサンドメインが各々、1モル当たり約1,460〜約5,600グラムの分子量を有する、請求項18に記載の弾性繊維。
  22. ポリウレタンまたはポリウレタン尿素主鎖中にシロキサンを含有する、前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を作製する方法であって、以下、
    (a)マクログリコールをジイソシアネートと反応させて、プレポリマーを形成するステップと、
    (b)前記プレポリマーをジアミンと反応させて、紡糸溶液を形成するステップと、
    (c)前記紡糸溶液を乾式紡糸して、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖を形成するステップと、を含み、
    i.ステップ(a)において、単官能性ヒドロキシアルキル−PDMSなどの単官能性ヒドロキシアルキル−シロキサンが、前記マクログリコールおよび前記ジイソシアネートと反応されるか、
    ii.ステップ(b)において、前記プレポリマーと前記ジアミンとの前記反応前に、単官能性アミノアルキル−PDMSなどの単官能性アミノアルキル−シロキサンが、前記プレポリマーと反応されるか、または
    iii.ステップ(b)において、単官能性アミノアルキル−PDMSなどの単官能性アミノアルキル−シロキサンが、前記プレポリマーおよびジアミンと同時に反応され、
    前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、6重量%以下のシロキサンを含む、方法。
  23. 前記シロキサンが、ウレタンラジカル、すなわち、
    を全く含まない、請求項22に記載の方法。
  24. 前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖が、前記ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖の重量に基づいて、0.01重量%超〜4重量%以下のシロキサンを含む、請求項22に記載の方法。
  25. 単官能性ヒドロキシアルキル−シロキサンまたは単官能性アミノアルキル−シロキサンが、1モル当たり約1,460〜約5,600グラムの分子量を有する、請求項22に記載の方法。
  26. 前記シロキサン含有ポリウレタンまたはポリウレタン尿素鎖のうちの2つ以上を一緒に合体させて、シロキサン含有ポリウレタンまたはポリウレタン尿素繊維を形成することを更に含む、請求項22に記載の方法。
  27. 前記マクログリコールが、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンアジペート)グリコール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(ε−カプロラクトン)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ポリ(1,2−オキシプロピレン)グリコール、ポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレン−コ−2−メチルテトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(エチレンエーテル)グリコール、ポリ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリエステルグリコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  28. 前記マクログリコールが、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールが、1モル当たり約1,800〜約2,000グラムの分子量を有する、請求項27に記載の方法。
  30. 前記ジイソシアネートが、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリメチルキシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  31. 前記ジイソシアネートが、メチレンジフェニルジイソシアネートである、請求項30に記載の方法。
  32. 前記ジアミンが、エチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、フェニレンジアミンブタンジアミン、ヘキサメチルジアミン、プロピレンジアミン、キシレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  33. 前記ジアミンが、エチレンジアミン、またはエチレンジアミンとメチルペンタメチレンジアミンとの混合物である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記単官能性ヒドロキシアルキル−シロキサンが、単官能性ヒドロキシアルキル−PDMSである、請求項22記載の方法。
  35. 前記単官能性アミノアルキル−シロキサンが、単官能性アミノアルキル−PDMSである、請求項22に記載の方法。
  36. ステップ(b)の前に、前記プレポリマーをジメチルアセトイミドで希釈するステップを更に含む、請求項22に記載の方法。
  37. 前記単官能性アミノアルキル−シロキサンが、前記プレポリマーの希釈中または希釈直後に添加されるか、または前記単官能性アミノアルキル−シロキサンが、ステップ(b)中に添加される、請求項22に記載の方法。
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