JP2019523052A - 化粧品アプリケーター - Google Patents

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Abstract

化粧品アプリケーター(1)は、厳密に10.0μmを上回るアプリケーターの少なくとも1つの部分Aのアプリケーターの表面の算術平均高さSaを呈し、この高さは、次の式に従って計算される:【数1】Aは、アプリケーターの対象となっている部分であり、x,yおよびzは、直交デカルト座標系でのアプリケーターの表面の座標を表し、zが高さの測定軸に対応する。【選択図】図6A

Description

本発明は、化粧品のアプリケーターに関する。
マスカラの商品、すなわち「マスカラ」は、ケースと、マスカラのリザーバーと、アプリケーターを通常含む。いくつもの種類のアプリケーター、ボトルブラシ型のもの、射出されたもの、アディティブ・シンセシスによって製造されたもの、がある。ボトルブラシ型アプリケーターは、アプリケーターのコアを構成する螺旋状金属ワイヤに捕らえられた繊維によって構成される毛を含むブラシを備える。射出アプリケーターは、単一部品であり、例えばプラスチックの毛または歯を備える。アディティブ・シンセシスによって製造されたアプリケーターも、一般に単一部品であり、例えば熱可塑性ポリマーの粉末から形成されることができる。そのようなアプリケーターは、ユーザーに満足のゆく結果を与える。しかし、ユーザーは、より優れた化粧の効果を常に求める。
発明の目的は、従って、化粧品のアプリケーターを改良することである。
そのために、発明によって、化粧品のアプリケーターを提供し、そのアプリケーターでは、アプリケーターの少なくとも1つの部分Aのアプリケーターの表面の算術平均高さSは、厳密に10.0μmを上回り、この高さは、次の式に従って計算される:
Figure 2019523052
Aは、アプリケーターの対象となっている部分であり、
x,yおよびzは、直交デカルト座標系でのアプリケーターの表面の座標を表し、zが高さの測定軸に対応する。
この算術平均高さSは、ISO25178規格に従って計算される。
化粧品がつけられる身体の化粧領域の表面は、粗さがμmのオーダーの表面状態を一般に有する。発明による算術平均高さSを呈するアプリケーターの表面は、従来のアプリケーターに比べてその表面状態を増加させることができるようにし、従って、化粧を施す領域(例えば、ユーザーの皮膚、まつ毛、眉、または唇)との相互作用を増加させることができるようにする。この相互作用の増加は、アプリケーターの表面から化粧を施す表面の方へ製品をより良く移動させることができるようにし、これは、化粧の動作を、特に同じ動きの繰り返しを回避することで、容易にする。
発明によるアプリケーターの算術平均高さSの大きさのオーダーは、従って、まつ毛、眉、毛および表皮のそれに対応し、これは、アプリケーターと化粧領域との間の接触の摩擦を改善することを可能にする。
好ましくは、部分Aのアプリケーターの表面の算術平均高さSは、15.0μmを上回り、好ましくは15.0〜30.0μmの間に含まれる。
これらの値は、求められる有益な効果と、これらの特徴を得るのに必要なコストとの間のよい妥協を提供する。
有利には、アプリケーターの部分Aのアプリケーターの表面の溝の最大高さSは、200μmより少なく、好ましくは80〜150μmの間に含まれる。
従って、製品を捕らえ得る非常に大きいくぼみの存在を回避する。製品の一部は、この場合、無駄になる。それは、化粧に用いられないからである。さらに、これらのくぼみの中の製品のこの堆積は、アプリケーターをより効果的でなくし得る、およびアプリケーターの早めの摩耗を引き起こし得る。発明によるアプリケーターは、従って、より長い寿命を有する。
有利には、次の式に従って計算されるアプリケーターの部分Aのアプリケーターの表面の展開境界面積比(rapport de surface interfaciale de´veloppe´e)Sdr
Figure 2019523052
は、70%を上回り、好ましくは100%を上回る。
この特徴は、アプリケーターの表面が増大し、従って化粧領域とのより大きな接触面積を作り出し、従ってアプリケーターとこの化粧領域との間の製品のより効果的な移動を生じさせるということを、示す。
好ましくは、アプリケーターは、まつ毛、眉、唇または皮膚用の化粧品のアプリケーターである。
例えば、アプリケーターは、マスカラのアプリケーター、口紅またはグロスのアプリケーター、あるいはまたアイライナーを想定することができる。
有利には、アプリケーターは、本体および突起を含み、部分Aが、1つ以上の突起または突起の部分を含んでいる。
実際、化粧領域と主に接触するように意図されているのは、これらの部分であり、従って、この出願で説明されるような表面状態の特徴を好ましくは呈するべきである。当然、これらの特徴は、アプリケーターの他の部分(例えば、時には化粧をする役割もするようにされるアプリケーターの本体)にも関係し得る。
有利には、アプリケーターは、アディティブ・シンセシス(synthe`se additive)によって、好ましくは粉末ベッドでの融合によって、製造される。
発明に従って、先の請求項のいずれか1つによるアプリケーターを含む化粧用品も提供する。
さらに、発明に従って、アプリケーターの少なくとも1つの部分Aのアプリケーター表面の算術平均高さSが10.0μmを上回るアプリケーターを得るように実行される、粉末ベッドでの融合による化粧品のアプリケーターの製造方法を提供し、この高さは、次の式に従って計算される:
Figure 2019523052
Aは、アプリケーターの対象となっている部分であり、
x,yおよびzは、直交デカルト座標系でのアプリケーターの表面の座標を表し、zが高さの測定軸に対応する。
これらの特徴の利点は、アプリケーターに関連して先に提示したものと同じである。特に、それらは、アプリケーターの最終的な表面状態のより優れた制御を可能にする。
粉末ベッドでの融合方法は、閉じたチャンバーで、層ごとに、粉末ベッドの表面で粉末の粒子を選択的に溶かすために1つ以上のレーザーを用いて粉末材料から物体を作り出すことからなる。使用される粉末の種類は、そのような方法で使用されるのに適したあらゆる種類の粉末であってよい。
アプリケーターは、粉末ベースの積層造形(fabrications additives)の方法によって製造されることができる。粉末ベッドでの融合による製造は、アプリケーターを製造するのに使用されることができる粉末ベースの積層造形の方法の1つである。粉末結合による方法を経由して進めることも可能である。粉末結合の方法は、粉末ベッドの表面で粉末の粒子を選択的に固めるために結合剤を用いて粉末材料から物体を作り出すことからなる。使用される粉末の種類は、そのような方法で使用されるのに適したあらゆる種類であってよい。
アプリケーターの表面の算術平均高さが15.0〜30.0μmに含まれ得る。
好ましくは、方法は、最大寸法が80μmより少ない粉末の粒子の選択ステップを少なくとも含む。
従って、粉末について、それ故にアプリケーターの形成の前に(前処理)、実行されるこの選択ステップは、アプリケーターの最終的な表面状態をよりよく制御することを可能にし、特にアプリケーターの粗さを減らすことを可能にする。120μmより少ない、好ましくは70μmより少ない、例えば60.0μmより少ない、さらに50.0μmより少ない、最大寸法を有する粒子のみを選択し得る。
好ましくは、粒子の選択は、ふるいによって行われる。
80.0μmを上回る最大寸法を有する粒子を他の粒子から分けるために、いくつもの種類のふるいが想定されることができる。例えば、超音波による、微小振動による、および/または吹付による、ふるいを使用することができる。
有利には、方法は、少なくともサンドブラストステップを含む。
そのようなステップは、アプリケーターの最終的な表面状態のよりよい制御も可能にする。このサンドブラストは、一般に、後処理で、すなわち、アプリケーターが形成された後で、実行される。このサンドブラストは、特に、研磨媒体(マイクロビーズ、重炭酸塩、圧縮された果物の種等)を使用してアプリケーターをクリーニングすることを可能にする。
好ましくは、サンドブラストは、ドラムによる自動サンドブラストブースで実行され、好ましくはサンドブラストがマイクロビーズによって実行される。
改めて、この特徴は、アプリケーターの最終的な表面状態のよりよい制御を可能にする。
さらに好ましくは、粒子が4.0〜140.0μmに含まれる最大寸法を呈する研磨媒体が、使用される。最大寸法が40.0〜100.0μm、例えば60.0〜80.0μmに含まれる粒子を有する研磨媒体が使用され得る。有利には、使用される研磨媒体は、少なくとも以下のうちから選ばれる:
−マイクロビーズ、例えばガラスまたはセラミックスのマイクロビーズ;
−重炭酸ナトリウム;または
−圧縮された果物の種。
サンドブラストステップは、ノズルを備えている回転ドラムで、好ましくは1000ブラシまでで、実行され、そのノズルは、4〜45μmのシリカビーズを、5bar(5・10Pa)〜7bar(7・10Pa)に含まれる、好ましくは6bar(6・10Pa)の圧力下で、少なくとも20分間、さらに30分間、噴射する。
ノズルからドラムの底までの距離は、検討すべきパラメーターである。ここでは、ノズルは、底から350mmに位置する。
回転ドラムは、側方ノズルも含み、それは、混合を改善するために底からブラシを取り外すことを可能にする。側方ノズルの圧力は、2bar(2・10Pa)〜4bar(4・10Pa)にあり、好ましくは3bar(3・10Pa)である。
ブラシは、ドラムの中で所定速度で回転する。速度は、3〜6rpmに含まれ、好ましくは4rpmである。
有利には、吹付ステップは、ブラシが回転するサンドブラスト機のドラムで、サンドブラストステップの前に実行される。この吹付ステップは、サンドブラストステップの前に、材料(PA11)の粒子の多くを取り除くことを可能にする。
選択的に、方法は、超音波によるクリーニングの代替ステップを含む。
このようにして、アプリケーターの粗さをより細かく制御することができる。さらに、製造を望むアプリケーターの種類に応じて粗さを調整することが可能である。
有利には、使用される超音波は、25kHz〜45kHzに含まれる周波数を呈する。
周波数のこの範囲は、特に満足のゆくクリーニングの結果を与える。超音波は、一般に、適切な溶液に、例えばイソプロピルアルコールの50%溶液に、アプリケーターを浸した後で、後処理で適用される。当然、他の解決策を使用することができる。
好ましくは、粉末は、脂肪族ポリアミド群からの熱可塑性ポリマーのうちから選ばれる。
当然、いくつもの種類の粉末を、単独でまたは混合で、使用することができる。
図を参照し、非限定的例として発明の実施形態をこれから提示する。
発明によるアプリケーターの実施形態の透視図である。 発明の実施形態によるアプリケーターの自由端の透視図である。 射出によって作られたシリコンのアプリケーターの自由端の透視図である。 発明による方法の実施形態のダイアグラムである。 射出によって製造されたプラスチック材料のアプリケーターの3次元図である。 図4Aのアプリケーターの粗さのプロフィールを表すグラフである。 図4Aのアプリケーターの粗さのプロフィールを表すグラフである。 図4Aのアプリケーターの粗さのプロフィールを表すグラフである。 アディティブ・シンセシスによる製造の際にサンドブラストステップがなかった、発明によるアプリケーターの3次元図である。 図5Aのアプリケーターの粗さのプロフィールを表すグラフである。 図5Aのアプリケーターの粗さのプロフィールを表すグラフである。 図5Aのアプリケーターの粗さのプロフィールを表すグラフである。 アディティブ・シンセシスによる製造の際にサンドブラストステップがあった、発明によるアプリケーターの3次元図である。 図6Aのアプリケーターの粗さのプロフィールを表すグラフである。 図6Aのアプリケーターの粗さのプロフィールを表すグラフである。 図6Aのアプリケーターの粗さのプロフィールを表すグラフである。
図1〜6Dを参照し、発明によるアプリケーターのおよび方法の実施形態をこれから提示する。ここではマスカラのアプリケーターを説明するが、当然、別の化粧品のアプリケーター(例えば、唇、眉、または皮膚用の化粧品のアプリケーター)であり得る。
発明によるマスカラのアプリケーター1は、ロッド2によって支えられ、ロッド2は、化粧品では、アプリケーターをキャップに接続する。アプリケーターは、その長手方向軸3に沿った細長い卵形の全体形状を有する。ロッドは、円筒形のまっすぐな全体形状を呈し、その長手方向軸は、アプリケーターの長手方向軸3と一致する。ロッドとアプリケーターとは、それらの端の1つで接続される(図1参照)。
アプリケーター1は、他の全体形状(例えば、球形、平行6面体、曲線あるいはまた立方体の全体形状)を呈することができる。
アプリケーターは、本体またはコアを含み、そこから突起4が延びる。当然、発明によるアプリケーターは、コアのないアプリケーターであり得る。これらの突起は、ここでは軸に平行な列および軸に垂直な平面に位置づけられるリングを構成する。
製造方法は、図3のダイアグラムに記載されたステップに従って実行される。当然、他のステップをこのステップに加えることができ、あるステップが別のステップによって置き換えられることができる。
ここではアディティブ・シンセシスによるマスカラのアプリケーターの製造方法を取り上げ、具体的には粉末ベッドでの融合方法を取り上げる。この方法は、閉じたチャンバーで、層ごとに、粉末ベッドの表面で粉末の粒子を選択的に溶かすために1つ以上のレーザーを用いて粉末材料から物体を作り出すことからなる。この実施形態では、使用される粉末の種類は、脂肪族ポリアミド群からの熱可塑性ポリマーに属する。特に、ポリアミド粉末PA11またはPA12を挙げることができる。当然、いくつもの他の種類の粉末を、単独でまたは混合で、使用することができる。
アプリケーターの最終的な表面状態を制御し、それに求められる特徴を与えるために、最大寸法が80.0μmを上回る粉末の粒子を取り除くために、前処理が粉末上で行われる。この場合、この前処理は、従来の粉末ベッドでの融合の機械の中での粉末の使用の前に実行される粉末のふるいを含む。ここでは、超音波によるふるいが使用される。当然、最大寸法が80.0μmより少ない粉末の粒子を選び出すことができるあらゆるふるいの技術を、使用することができる。これらの粒子の選択は、従って、アプリケーターの表面の最終的な粗さをより良く制御することを可能にする。
ふるいにかけられた粉末は、その後で従来の粉末ベッドでの融合を受ける。その理由で、アディティブ・シンセシスの機械は、アプリケーターを幾何学的に表すデジタルファイルを使用する。ファイルは、コンピュータ支援設計(CAD)のソフトウェアでアプリケーターを設計した後で得られる。このファイルは、STLフォーマット、または粉末ベッドでの融合によるアディティブ・シンセシスに利用できる標準ファイルのあらゆる他のフォーマットであってよい。ファイルは、その後でアディティブ・シンセシスのために使用される機械の製造業者によって提供されるソフトウェアによって処理される。このソフトウェアは、断面でファイルをSLIまたはBFFフォーマットの約100のデジタル画像の形にし、画像のそれぞれが、プリントされるモデルの層に、すなわちその長手方向軸に垂直な平面で取られたアプリケーターの断面に、対応する。このデータは、その後で、アプリケーターを製造するためにプリンターに送信される。
好ましい範囲に近い表面状態を有する得るために、アプリケーターの合成に続く後処理ステップが、実行される。
この場合、サンドブラストステップは、研磨材を使用して、作られるアプリケーターをクリーニングするために、ドラムの自動マイクロビーズサンドブラストブースの中で実行される。ここでは、4.0〜140.0μmに含まれる直径のガラスのマイクロビーズが使用される。この技術は、求められる特徴があるアプリケーターを得ることができるようにする。当然、他のサンドブラスト技術が使用され得る。
サンドブラストステップは、ノズルを備えている回転ドラムで、好ましくは1000ブラシまでで、実行され、そのノズルは、4〜45μmのシリカビーズを、5bar(5・10Pa)〜7bar(7・10Pa)に含まれる、好ましくは6bar(6・10Pa)の圧力下で、少なくとも20分間、好ましくは30分間、噴射する。
ノズルからドラムの底までの距離は、ここでは350mmである。
回転ドラムは、側方ノズルも含み、それは、混合を改善するために底からブラシを取り外すことを可能にする。側方ノズルの圧力は、2bar(2・10Pa)〜4bar(4・10Pa)に含まれ、好ましくは3bar(3・10Pa)である。
ブラシは、ドラムの中で所定速度で回転する。速度は、3〜6rpmに含まれ、好ましくは4rpmである。
有利には、吹付ステップは、ブラシが回転するサンドブラスト機のドラムで、サンドブラストステップの前に実行される。この吹付ステップは、サンドブラストステップの前に、材料(PA11)の粒子の多くを取り除くことを可能にする。
粗さの制御をより正確にするために、超音波によるクリーニングが、その後で行われる。その理由で、アプリケーターは、イソプロピルアルコールの50%溶液に浸され、25kHz〜45kHzに含まれる超音波が適用される。当然、他のクリーニング技術が使用され得る。
この特有のクリーニングステップは、オプションであり、サンドブラストサイクルに含まれている従来のクリーニングステップだけを考えることができる。それは、追加の作業を必要としないという利点を呈する。さらに、それは、乾燥した環境で実行されるという利点を呈する。
追加的にまたは代替的に、微小振動および/または吹付によるふるいも考えることができる。それは、乾燥した環境で実行されるという利点も呈する。
最後に、水性環境でのクリーニングも考えることができる。
上記の方法によって製造されたアプリケーターの表面状態の特徴は、CL4プローブが備えられたAltimetによって販売されるAltiSurf520の機械を用いて測定される。測定は、コンフォーカル−クロマティック原理に基づき、それは、非接触の測定方法であり、テストは、ISO25178規格に従って行われた。測定は、異なる3つのアプリケーターの突起で行われた。指標の役目を果たす第1のアプリケーターは、プラスチック材料からなり、射出によって作られた(図4A〜4D参照)。第2のアプリケーターは、上記で説明された方法によって製造されたが、後処理ステップを受けていない(図5A〜5D参照)。最後に、第3のアプリケーターは、サンドブラストステップおよび超音波によるクリーニングステップと、上記で説明された方法によって製造された(図6A〜6D参照)。テストする各表面は、プローブによってスキャンされ、それは、xおよびy方向で4μmのピッチによる点によって点を読み取る。露光は、この場合では200Hzに定められた測定周波数によって定められる。
アプリケーターの粗さのプロフィールを表す図4B〜4D、5B〜5Dおよび6B〜6Dのグラフで、縦座標は、マイクロメートルで表示された高さに対応し、横座標は、対象となっているアプリケーターの部分のアプリケーターの長さに対応する。
アプリケーターの表面の部分Aの算術平均高さSの値、および展開境界面積比Sdrの値は、次の式で計算された:
Figure 2019523052
Aは、アプリケーターの対象となっている部分であり、
x,yおよびzは、直交デカルト座標系でのアプリケーターの表面の座標を表し、zが高さの測定軸に対応する。
さらに、溝の最大高さSも測定された。
これらの測定の結果は、下記の表1に示される。
Figure 2019523052
それぞれの場合に、3つのサンプルが使用された。これらの3つのサンプルは、3つの状況のそれぞれの3つのグラフに対応する(図4B〜4D、図5B〜5D、図6B〜6D参照)。
これらの結果は、上記で説明した方法が、突起の表面が10.0μmを厳密に上回る算術平均高さSを呈するアプリケーターを得ることを可能にすることを、示す。具体的には、この方法は、15.0〜30.0μmの好ましい範囲にある算術平均高さを得ることを可能にする。
さらに、これらの結果は、上記で説明した方法が、突起の表面が70%を上回る展開境界面積比Sdrを呈するアプリケーターを得ることを可能にすることを、示す。具体的には、展開境界面積比は、151〜318%に含まれる。そのような値は、射出によって製造されたプラスチック材料からなるアプリケーターについては得られないことに、気づく。後処理の使用は、得られる値をより良く制御することを可能にするように思われ、それは従って200%に近いことにも、気づく。
最後に、これらの結果は、上記で説明した方法が、くぼみの高さとも称される、溝の最大高さSが200μmより少ないアプリケーターを得ることを可能にすることを、示す。具体的には、この方法は、80〜150μmに含まれる溝の最大高さSを得ることを可能にする。実際、請求項に係る方法によって製造されたアプリケーターの場合、テストされた6つのサンプルのうち4つが好ましい値にある一方で、射出によって製造されたアプリケーターについては3つのサンプルのうち1つだけがそうである。
従って、上記で説明したような方法は、アプリケーターの表面の算術平均高さR、溝の最大高さS、およびアプリケーターの表面の展開境界面積比の値が、それぞれの好ましい値の範囲に含まれる、アプリケーターを得ることを可能にした。
従って、特に有利なアプリケーターが得られる。その表面状態の特徴は、マスカラ容器に浸けられるときに化粧品の十分な量を載せるのに十分な粗さであり、化粧をする領域の方にマスカラを移すのを容易にするようにおよびユーザーに使用の快適さを保証するように粗すぎないことを、可能にするからである。さらに、得られる境界面積比の値は、アプリケーターと化粧領域との間の交換を最適化することを可能にする。最後に、説明した溝の最大高さは、化粧に有用なマスカラのリザーブの形成を可能にするが、マスカラが化粧のために入れない領域の形成を、アプリケーター上で回避する。
後処理の実施は、くぼみの最大高さを減少させることを可能にし、従ってくぼみの中でのマスカラの堆積を回避するので、有利であることに、気づく。
発明によるアプリケーターと、射出アプリケーターとの間のそのような相違は、特に図2Aおよび2Bに、ならびに図4A、5Aおよび6Aに、見られる。
当然、発明の範囲を出ることなく、発明に多くの変更を加えることができる。
上記で提示された実施形態は、マスカラのアプリケーターに関する。それが化粧品の他のアプリケーター(例えば、唇用の、皮膚用のまたは眉用の化粧品のアプリケーター)であることを想定することができる。
ここではアディティブ・シンセシス、粉末ベッドでの融合による製造の方法を説明した。アディティブ・シンセシスによる製造の他の方法が使用されることを想定することができる。
ここでは化粧品のアプリケーターの場合を説明したが、発明によるアプリケーターが、他の液体または半液体製品(すなわち、粘度が0.01Pa・S〜100Pa・S近くの製品)に使用されることを想定することができる。

Claims (18)

  1. 化粧品のアプリケーター(1)であって、前記アプリケーターの少なくとも1つの部分Aの前記アプリケーターの表面の算術平均高さSは、厳密に10.0μmを上回り、この高さは、次の式:
    Figure 2019523052
    に従って計算されることを特徴とし、
    Aは、前記アプリケーターの対象となっている部分であり、
    x,yおよびzは、直交デカルト座標系での前記アプリケーターの表面の座標を表し、zが高さの測定軸に対応する、アプリケーター。
  2. 請求項1に記載のアプリケーター(1)であって、部分Aの前記アプリケーターの表面の算術平均高さSは、15.0μmを上回り、好ましくは15.0〜30.0μmの間に含まれる、アプリケーター。
  3. 請求項1または2に記載のアプリケーター(1)であって、部分Aの前記アプリケーターの表面の溝の最大高さSは、200μmより少なく、好ましくは80〜150μmの間に含まれる、アプリケーター。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアプリケーター(1)であって、次の式:
    Figure 2019523052
    に従って計算される前記アプリケーターの部分Aの前記アプリケーターの表面の展開境界面積比Sdrは、70%を上回り、好ましくは100%を上回る、アプリケーター。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアプリケーター(1)であって、前記アプリケーターは、まつ毛、眉、唇または皮膚用の化粧品のアプリケーターである、アプリケーター。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のアプリケーター(1)であって、前記アプリケーターは、本体および突起を含み、部分Aが、1つ以上の突起または突起の部分を含んでいる、アプリケーター。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアプリケーター(1)であって、前記アプリケーターは、アディティブ・シンセシスによって、好ましくは粉末ベッドでの融合によって、製造される、アプリケーター。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のアプリケーター(1)を含む化粧用品。
  9. アプリケーターの少なくとも1つの部分Aのアプリケーター表面の算術平均高さSが10.0μmを上回るアプリケーターを得るように実行される、粉末ベッドでの融合による化粧品のアプリケーター(1)の製造の方法であって、この高さは、次の式:
    Figure 2019523052
    に従って計算され、Aは、アプリケーターの対象となっている部分であり、x,yおよびzは、直交デカルト座標系でのアプリケーターの表面の座標を表し、zが高さの測定軸に対応する、方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、最大寸法が80.0μmより少ない粉末の粒子の選択ステップを少なくとも含む、方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、粒子の選択は、ふるいによって行われる、方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法であって、少なくともサンドブラストステップを含む、方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、サンドブラストは、自動ドラムサンドブラストブースで実行され、好ましくはサンドブラストがマイクロビーズによって実行される、方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、粒子が4.0〜140.0μmに含まれる最大寸法を呈する研磨媒体が、使用される、方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、使用される研磨媒体は、少なくとも以下:
    −マイクロビーズ、例えばガラスまたはセラミックスのマイクロビーズ;
    −重炭酸ナトリウム;または
    −圧縮された果物の種、
    のうちから選ばれる、方法。
  16. 請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法であって、超音波によるクリーニングのステップを含む、方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、使用される超音波は、25kHz〜45kHzに含まれる周波数を呈する、方法。
  18. 請求項9〜16のいずれか1項に記載の方法であって、粉末は、脂肪族ポリアミド群からの熱可塑性ポリマーのうちから選ばれる、方法。
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