本明細書では、ピペラジンベンゾチアゾールまたはベンゾオキサゾール骨格からなる新規なNAAA阻害剤について記載する。
複数の実施形態では、本開示の化合物は、効力があり、NAAAに対して選択的であり、経口的に利用可能である。
複数の実施形態では、本開示の化合物は、非共有結合性及び非競合性機序を通じてNAAA活性を阻害する。
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、血液脳関門を通過し、中枢神経系におけるパルミトイルエタノールアミド(PEA)及びオレオイルエタノールアミド(OEA)レベルを上昇させ、病的状態、例えば、炎症性疾患、神経変性疾患、疼痛、角膜血管新生、糖尿病網膜症、乾性黄斑変性症、片頭痛、神経障害、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、灼熱痛、糖尿病性神経障害、慢性疼痛、侵害受容性疼痛、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、神経原性疼痛(神経障害性疼痛、中枢性疼痛及び求心路遮断痛を含むが、これらに限定されない)、末梢性もしくは多発神経障害性疼痛(peripheral or polyneuropathic pain)、中毒性神経障害、化学療法剤及び抗ウイルス剤により引き起こされる慢性神経障害、侵害受容性疼痛、もしくは尿毒症により誘発される掻痒症、がんに関連する疼痛、様々な原因の悪性疾患、赤血球増加症、黄疸もしくは胆汁うっ滞、鉄欠乏症、水虫、乾皮症、創傷治癒、甲状腺疾患、副甲状腺機能亢進症、もしくは閉経、舌咽神経痛、後頭神経痛、疼痛、帯状疱疹後神経痛、未熟児網膜症、副鼻腔炎に伴う頭痛、三叉神経痛、または湿性黄斑変性症などの処置において顕著な治療効果をもたらす。
複数の実施形態では、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛及び慢性的な健康状態(そのような状態は、多くの場合、相当なストレス要因である)に関連する慢性疼痛または間欠痛、ならびに神経炎症または神経変性障害(例えば、多発性硬化症及びパーキンソン病)を含む慢性疼痛疾患の処置方法が本明細書において提供される。
I.定義
本開示では、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含有する(containing)」及び「有する(having)」などは、米国特許法に基づく意味を有することができ、「含む(includes)」、「含む(including)」などを意味することができる。「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」または「本質的に〜からなる(consists essentially)」は、同様に米国特許法に基づく意味を有し、該用語は、オープンエンドであり、列挙されているものの基本的または新規な特徴が、列挙されているもの以外の存在によって変化しない限り、列挙されているもの以外の存在を可能にするが、従来技術の実施形態は除外する。
本明細書で使用される略語は、化学的及び生物学的な技術の範囲内でこれらの従来の意味を有する。本明細書に記載の化学構造及び式は、化学技術において既知である化学の原子価の標準規則に従って構成される。
置換基が、従来の化学式によって記載される場合、左から右に書かれるが、これらの置換基は、構造を右から左に書くことにより得られる化学的に同一と思われる置換基を等しく包含する。例えば、−CH2O−は、−OCH2−と同等である。
用語「アルキル」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に指定のない限り、直鎖状(すなわち、非分枝)もしくは分枝状の炭素鎖(または炭素)またはこれらの組み合わせを意味し、それは、完全飽和、モノもしくはポリ不飽和であってよく、所定の炭素原子数を有する一価、二価及び多価基を含むことができる(すなわち、C1〜C10は、1〜10個の炭素を意味する)。アルキルは、非環式鎖である。飽和炭化水素基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルの同族体及び異性体などの基が含まれるが、これらに限定されない。不飽和アルキル基は、1つ以上の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、ならびに高級同族体及び異性体が含まれるが、これらに限定されない。アルコキシは、酸素リンカー(−O−)を介して分子の残りに付加するアルキルである。
用語「アルキレン」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に指定のない限り、アルキルから誘導された二価基を意味し、−CH2CH2CH2CH2−が例として挙げられるが、これに限定されない。典型的には、アルキル(またはアルキレン)基は、1〜24個の炭素原子を有し、本明細書では10個以下の炭素原子を有する基が好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、より短い鎖のアルキルまたはアルキレン基であり、一般に、8個以下の炭素原子を有する。用語「アルケニレン」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に指定のない限り、アルケンから誘導された二価基を意味する。
用語「ヘテロアルキル」は、それ自体でまたは別の用語と組み合わせて、特に指定のない限り、少なくとも1個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、N、P、S、B、AsまたはSi)を含む、安定した直鎖もしくは分枝鎖、またはこれらの組み合わせを意味し、窒素及び硫黄原子は、任意に酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子は、任意に四級化されてもよい。ヘテロ原子(複数可)(例えば、O、N、P、S、B、AsまたはSi)は、ヘテロアルキル基の任意の内部位置、またはアルキル基が分子の残りに付加される位置に置かれてもよい。ヘテロアルキルは、非環式鎖である。例としては、以下が含まれるが、これらに限定されない:−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2、−S(O)−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、−Si(CH3)3、−CH2−CH=N−OCH3、−CH=CH−N(CH3)−CH3、−O−CH3、−O−CH2−CH3及び−CN。最大2または3個のヘテロ原子が、例えば、−CH2−NH−OCH3及び−CH2−O−Si(CH3)3のように、連続してもよい。ヘテロアルキル部分は、1個のへテロ原子(例えば、O、N、P、S、B、AsまたはSi)を含んでもよい。ヘテロアルキル部分は、任意の異なる2個のへテロ原子(例えば、O、N、P、S、B、AsまたはSi)を含んでもよい。ヘテロアルキル部分は、任意の異なる3個のへテロ原子(例えば、O、N、P、S、B、AsまたはSi)を含んでもよい。ヘテロアルキル部分は、任意の異なる4個のへテロ原子(例えば、O、N、P、S、B、AsまたはSi)を含んでもよい。ヘテロアルキル部分は、任意の異なる5個のへテロ原子(例えば、O、N、P、S、B、AsまたはSi)を含んでもよい。ヘテロアルキル部分は、任意の異なる最大8個のへテロ原子(例えば、O、N、P、S、B、AsまたはSi)を含んでもよい。
同様に、用語「ヘテロアルキレン」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に指定のない限り、ヘテロアルキルから誘導された二価基を意味し、−CH2−CH2−S−CH2−CH2−及び−CH2−S−CH2−CH2−NH−CH2−が例として挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子は、鎖末端(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)の一方または両方を占めることもできる。またさらに、アルキレン連結基及びヘテロアルキレン連結基の場合、連結基の配向性は、連結基の式が記述される方向を意味しない。例えば、式−C(O)2R’−は、−C(O)2R’−及び−R’C(O)2−の両方を表す。上述したように、ヘテロアルキル基は、本明細書で使用する場合、−C(O)R’、−C(O)NR’、−NR’R’’、−OR’、−SR’及び/または−SO2R’などの、ヘテロ原子を介して分子の残りに付加される基を含む。「ヘテロアルキル」が列挙され、その後に、例えば、−NR’R’’などの特定のヘテロアルキル基の列挙が続く場合、ヘテロアルキルという用語と−NR’R’’は、重複しない、または相互排他的ではないことが理解されるであろう。むしろ、特定のヘテロアルキル基は、明確さを加えるために列挙される。したがって、用語「ヘテロアルキル」は、本明細書において−NR’R’’などの特定のヘテロアルキル基を含まないものとして解釈されるべきではない。
用語「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」は、それ自体でまたは他の用語と組み合わせて、特に指定のない限り、それぞれ、「アルキル」及び「ヘテロアルキル」の環状バージョンを意味する。シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは、芳香族ではない。加えて、ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロ原子は、複素環が分子の残りに付加される位置を占めることができる。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルの例としては、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどが含まれるが、これらに限定されない。「シクロアルキレン」及び「ヘテロシクロアルキレン」は、単独で、または別の置換基の一部として、それぞれ、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから誘導された二価基を意味する。
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に指定のない限り、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことが意図される。例えば、用語「ハロ(C1〜C4)アルキル」としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどが含まれるが、これらに限定されない。
用語「アシル」は、特に指定のない限り、−C(O)Rを意味し、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである。
用語「アリール」は、特に指定のない限り、ポリ不飽和、芳香族の炭化水素置換基を意味し、それは、単環もしくは共に縮合された(すなわち、縮合環アリール)または共有結合的に連結した多環(好ましくは、1〜3環)であることができる。縮合環アリールは、該縮合環のうち少なくとも1つがアリール環である、共に縮合された多環を指す。用語「ヘテロアリール」は、N、OまたはSなどの少なくとも1個のヘテロ原子を含有するアリール基(または環)を指し、窒素及び硫黄原子は、任意に酸化され、窒素原子(複数可)は、任意に四級化される。したがって、用語「ヘテロアリール」は、縮合環ヘテロアリール基(すなわち、該縮合環のうち少なくとも1つが芳香族複素環である、共に縮合された多環)を含む。5,6−縮合環ヘテロアリーレンは、一方の環が5員を有し、他方の環が6員を有し、少なくとも1つの環がヘテロアリール環である、共に縮合された2つの環を指す。同様に、6,6−縮合環ヘテロアリーレンは、一方の環が6員を有し、他方の環が6員を有し、少なくとも1つの環がヘテロアリール環である、共に縮合された2つの環を指す。そして、6,5−縮合環ヘテロアリーレンは、一方の環が6員を有し、他方の環が5員を有し、少なくとも1つの環がヘテロアリール環である、共に縮合された2つの環を指す。ヘテロアリール基は、炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りに付加されることができる。アリール及びヘテロアリール基の非限定的な例としては、フェニル、ナフチル、ピロリル、ピラゾリル、ピリダジニル、トリアジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラジニル、プリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾイル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラン、イソベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾチオフェニル、イソキノリル、キノキサリニル、キノリル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル及び6−キノリルが含まれる。上記のアリール環系及びヘテロアリール環系のそれぞれに対する置換基は、下記の許容可能な置換基の群から選択される。「アリーレン」及び「ヘテロアリーレン」は、単独で、または別の置換基の一部として、それぞれ、アリール及びヘテロアリールから誘導された二価の基を意味する。ヘテロアリール基の置換基は、環ヘテロ原子の窒素に結合している−O−でもよい。
スピロ環式環は2つ以上の環であり、隣接環は、単一の原子を介して付加している。スピロ環式環内の個々の環は、同一であっても異なっていてもよい。スピロ環式環内の個々の環は、置換または非置換であってよく、一組のスピロ環式環内に他の個々の環とは異なる置換基を有していてもよい。スピロ環式環内の個々の環の適当な置換基は、スピロ環式環の一部ではない場合、同一環に対して適当な置換基である(例えば、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環の置換基)。スピロ環式環は、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキレン、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキレンであってよく、スピロ環式環基内の個々の環は、1種類のすべての環(例えば、すべての環は、置換ヘテロシクロアルキレンであり、各環は、同一または異なる置換ヘテロシクロアルキレンであってよい)を有することを含む、直前のリストのいずれかであってよい。スピロ環式環系に言及する場合、複素環式スピロ環式環は、少なくとも1つの環が複素環であり、各環は、異なる環であってもよいスピロ環式環を意味する。スピロ環式環系に言及する場合、置換スピロ環式環は、少なくとも1つの環が置換されており、各置換基が任意に異なっていてもよいことを意味する。
記号「
」は、分子または化学式の残りへの、化学的部分の付加点を示す。
用語「オキソ」は、本明細書で使用する場合、炭素原子に二重結合する酸素を意味する。
用語「アルキルアリーレン」は、アルキレン部分(本明細書ではアルキレンリンカーとも称される)に共有結合したアリーレン部分である。複数の実施形態では、アルキルアリーレン基は、式:
を有する。
アルキルアリーレン部分は、アルキレン部分またはアリーレンリンカーにおいて(例えば、炭素2,3,4または6で)、ハロゲン、オキソ、−N3、−CF3、−CCl3、−CBr3、−CI3、−CN、−CHO、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO2CH3−SO3H、−OSO3H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC(O)NHNH2、置換もしくは非置換C1〜C5アルキル、または置換もしくは非置換2〜5員のヘテロアルキルで置換されていてもよい(例えば、置換基で)。複数の実施形態では、アルキルアリーレンは非置換である。
上記の各用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」)には、示された基の置換及び非置換の形態の両方が含まれる。各種類の基の好ましい置換基を以下に示す。
アルキル及びヘテロアルキル基(アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロシクロアルケニルと多くの場合称される基を含む)の置換基は、以下に限定されるわけではないが、0から(2m’+1)(m’は、かかる基の炭素原子の総数である)の範囲の数の、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)2R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−NRSO2R’、−NR’NR’’R’’’、−ONR’R’’、−NR’C(O)NR’’NR’’’R’’’’、−CN、−NO2、−NR’SO2R’’、−NR’C(O)R’’、−NR’C(O)−OR’’、−NR’OR’’から選択される種々の基の1つ以上とすることができる。R、R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、それぞれ好ましくは独立して、水素、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール(例えば、1〜3個のハロゲンにより置換されたアリール)、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ(thioalkoxy)基、またはアリールアルキル基を指す。本明細書に記載される化合物が2つ以上のR基を含む場合、例えば、2つ以上のこれらの基が存在する場合、各R基は、独立して、それぞれR’、R’’、R’’’及びR’’’’基として選択される。R’及びR’’が同一窒素原子に付加する場合、これらは該窒素原子と組み合わさって4,5,6または7員環を形成することができる。例えば、−NR’R’’には、以下に限定されるわけではないが、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルが含まれる。置換基の上記考察から、当業者であれば、用語「アルキル」が、例えばハロアルキル(例えば、−CF3及び−CH2CF3)及びアシル(例えば、−C(O)CH3、−C(O)CF3、−C(O)CH2OCH3など)のような水素基以外の基に結合した炭素原子を含む基を含むことが意図されることが理解されるであろう。
アルキル基について記載した置換基と同様に、アリール及びヘテロアリール基の置換基は様々であり、芳香族環系上で0から空いた原子価(open valences)の総数までの範囲の数において、例えば−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)2R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−NRSO2R’、−NR’NR’’R’’’、−ONR’R’’、−NR’C(O)NR’’NR’’’R’’’’、−CN、−NO2、−R’、−N3、−CH(Ph)2、フルオロ(C1〜C4)アルコキシ及びフルオロ(C1〜C4)アルキル、−NR’SO2R’’、−NR’C(O)R’’、−NR’C(O)−OR’’、−NR’OR’’、から選択され、R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、好ましくは、独立して、水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール及び置換または非置換ヘテロアリールから選択される。本明細書に記載される化合物が2つ以上のR基を含む場合、例えば、2つ以上のこれらの基が存在する場合、各R基は、独立して、それぞれR’、R’’、R’’’及びR’’’’基として選択される。
環(例えばシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレンまたはヘテロアリーレン)の置換基は、環の特定の原子上ではなく、環上の置換基として図示されてもよい(一般に浮動置換基(floating substituent)と称される)。そのような場合、該置換基は、環原子のいずれかに付加してもよく(化学原子価の規則に従う)、縮合環またはスピロ環式環の場合、縮合環またはスピロ環式環の1つの員に関連して図示された置換基(単環上の浮動置換基)は、縮合環またはスピロ環式環のいずれかの置換基(多環上の浮動置換基)であってよい。置換基が、特定の原子ではなく環に付加する場合(浮動置換基)及びその置換基の添え字が1よりも大きい整数である場合、前記複数の置換基は、同一原子、同一環、異なる原子、異なる縮合環、異なるスピロ環式環上にあってもよく、各置換基は任意に異なっていてもよい。分子の残りへの環の付加点が単一原子に限定されない場合(浮動置換基)、該付加点は、化学原子価の規則に従いながら、環の任意の原子とすることができ、縮合環またはスピロ環式環の場合、縮合環またはスピロ環式環のいずれかの任意の原子とすることができる。環、縮合環またはスピロ環式環が、1個以上の環ヘテロ原子を含有し、かつ該環、縮合環またはスピロ環式環が1つ以上の浮動置換基(分子の残りへの付加点を含むが、これに限定されない)と共に示される場合、該浮動置換基は、ヘテロ原子に結合していてもよい。環ヘテロ原子が、浮動置換基を有する構造または式中において、1個以上の水素に結合して示されている場合(例えば、環原子への2つの結合及び水素への第3の結合を有する環窒素)、該ヘテロ原子が、浮動置換基に結合していると、置換基は、化学原子価の規則に従いながら、水素を置きかえることが理解される。
2つ以上の置換基は、任意に一緒になって、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基を形成してもよい。このような、いわゆる環形成置換基は、通常、必ずしも必要ではないが、環式基本構造に付加していることが見いだされる。一実施形態では、環形成置換基は、基本構造の隣接する員に付加している。例えば、環式基本構造の隣接する員に結合している2つの環形成置換基は、縮合環構造を作る。別の実施形態では、環形成置換基は、基本構造の単一の員に付加している。例えば、環式基本構造の単一の員に付加している2つの環形成置換基は、スピロ環式構造を作る。さらに別の実施形態では、前記環形成置換基は、基本構造の非隣接員に付加している。
アリール環またはヘテロアリール環の隣接原子上の置換基のうちの2つは、任意に、式−T−C(O)−(CRR’)q−U−の環を形成してもよく、式中、T及びUは、独立して、−NR−、−O−、−CRR’−または単結合であり、qは、0から3の整数である。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上の置換基のうちの2つは、任意に、式−A−(CH2)r−B−の置換基により置きかえられてもよく、式中、A及びBは、独立して、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2NR’−または単結合であり、rは、1から4の整数である。こうして形成される新しい環の単結合の1つは、任意に、二重結合により置きかえられてもよい。あるいは、アリール環またはヘテロアリール環の隣接原子上の置換基のうちの2つは、任意に、式−(CRR’)s−X’−(C’’R’’R’’’)d−の置換基により置きかえられてもよく、式中、s及びdは、独立して、0から3の整数であり、X’は、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−または−S(O)2NR’−である。置換基R、R’、R’’及びR’’’は、好ましくは、独立してハロゲン、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール及び置換または非置換ヘテロアリールから選択される。
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロ原子」または「環ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)、ホウ素(B)、ヒ素(As)及びケイ素(Si)を含むことが意図される。
「置換基」は、本明細書で使用する場合、以下の部分から選択される基を意味する:
(A)オキソ、ハロゲン、−CF3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF3、−OCHF2、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、及び
(B)以下から選択される少なくとも1つの置換基により置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール:
(i)オキソ、ハロゲン、−CF3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF3、−OCHF2、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、及び
(ii)以下から選択される少なくとも1つの置換基により置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール:
(a)オキソ、ハロゲン、−CF3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF3、−OCHF2、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、及び
(b)以下から選択される少なくとも1つの置換基により置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール:オキソ、ハロゲン、−CF3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF3、−OCHF2、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール。
「サイズが制限される置換基(substituent)」または「サイズが制限される置換基(substituent group)」は、本明細書で使用する場合、「置換基」に関する上記の置換基のすべてから選択される基を意味し、各置換または非置換アルキルは、置換または非置換C1〜C20アルキルであり、各置換または非置換ヘテロアルキルは、置換または非置換2〜20員のヘテロアルキルであり、各置換または非置換シクロアルキルは、置換または非置換C3〜C8シクロアルキルであり、各置換または非置換ヘテロシクロアルキルは、置換または非置換3〜8員のヘテロシクロアルキルであり、各置換または非置換アリールは、置換または非置換C6〜C10アリールであり、各置換または非置換ヘテロアリールは、置換または非置換5〜10員のヘテロアリールである。
「低級置換基(substituent)」または「低級置換基(substituent group)」は、本明細書で使用する場合、「置換基」に関する上記の置換基のすべてから選択される基を意味し、各置換または非置換アルキルは、置換または非置換C1〜C8アルキルであり、各置換または非置換ヘテロアルキルは、置換または非置換2〜8員のヘテロアルキルであり、各置換または非置換シクロアルキルは、置換または非置換C3〜C7シクロアルキルであり、各置換または非置換ヘテロシクロアルキルは、置換または非置換3〜7員のヘテロシクロアルキルであり、各置換または非置換アリールは、置換または非置換C6〜C10アリールであり、各置換または非置換ヘテロアリールは、置換または非置換5〜9員のヘテロアリールである。
ある実施形態では、本明細書の化合物において記載されている各置換基は、少なくとも1つの置換基により置換されている。より具体的には、ある実施形態では、本明細書における化合物中に記載されている、各置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン及び/または置換ヘテロアリーレンは、少なくとも1つの置換基により置換されている。他の実施形態では、これらの基の少なくとも1つ、またはすべてが、少なくとも1つのサイズが制限される置換基により置換されている。他の実施形態では、これらの基の少なくとも1つ、またはすべてが、少なくとも1つの低級置換基により置換されている。
本明細書における化合物の他の実施形態では、各置換または非置換アルキルは、置換または非置換C1〜C20アルキルであってよく、各置換または非置換ヘテロアルキルは、置換または非置換2〜20員のヘテロアルキルであり、各置換または非置換シクロアルキルは、置換または非置換C3〜C8シクロアルキルであり、各置換または非置換ヘテロシクロアルキルは、置換または非置換3〜8員のヘテロシクロアルキルであり、各置換または非置換アリールは、置換または非置換C6〜C10アリールであり、及び/または、各置換または非置換ヘテロアリールは、置換または非置換5〜10員のヘテロアリールである。本明細書における化合物のある実施形態では、各置換または非置換アルキレンは、置換または非置換C1〜C20アルキレンであり、各置換または非置換ヘテロアルキレンは、置換または非置換2〜20員のヘテロアルキレンであり、各置換または非置換シクロアルキレンは、置換または非置換C3〜C8シクロアルキレンであり、各置換または非置換ヘテロシクロアルキレンは、置換または非置換3〜8員のヘテロシクロアルキレンであり、各置換または非置換アリーレンは、置換または非置換C6〜C10アリーレンであり、及び/または、各置換または非置換ヘテロアリーレンは、置換または非置換5〜10員のヘテロアリーレンである。
ある実施形態では、各置換または非置換アルキルは、置換または非置換C1〜C8アルキルであり、各置換または非置換ヘテロアルキルは、置換または非置換2〜8員のヘテロアルキルであり、各置換または非置換シクロアルキルは、置換または非置換C3〜C7シクロアルキルであり、各置換または非置換ヘテロシクロアルキルは、置換または非置換3〜7員のヘテロシクロアルキルであり、各置換または非置換アリールは、置換または非置換C6〜C10アリールであり、及び/または、各置換または非置換ヘテロアリールは、置換または非置換5〜9員のヘテロアリールである。ある実施形態では、各置換または非置換アルキレンは、置換または非置換C1〜C8アルキレンであり、各置換または非置換ヘテロアルキレンは、置換または非置換2〜8員のヘテロアルキレンであり、各置換または非置換シクロアルキレンは、置換または非置換C3〜C7シクロアルキレンであり、各置換または非置換ヘテロシクロアルキレンは、置換または非置換3〜7員のヘテロシクロアルキレンであり、各置換または非置換アリーレンは、置換または非置換C6〜C10アリーレンであり、及び/または、各置換または非置換ヘテロアリーレンは、置換または非置換5〜9員のヘテロアリーレンである。ある実施形態では、当該化合物は、下記の実施例のセクション、図または表に記載された化学種である。
本発明のある種の化合物は、不斉炭素原子(光学中心またはキラル中心)または二重結合を有しており;エナンチオマー、ラセミ体、ジアステレオマー、互変異性体、幾何異性体、絶対立体化学の観点からアミノ酸について(R)−もしくは(S)−として、または(D)−もしくは(L)−として定義され得る立体異性体及び個々の異性体が、本発明の範囲内に包含される。本発明の化合物は、当該技術分野において、合成及び/または単離するには不安定すぎることが公知であるものを含まない。本発明は、ラセミ及び光学的に純粋な形態にある化合物を含むことが意図される。光学活性な(R)−及び(S)−または(D)−及び(L)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製され得る、または従来技術を使用して分離され得る。本明細書に記載される化合物がオレフィン結合、または幾何学的不斉の他の中心を含有する場合、特に指定がない限り、該化合物は、E及びZ両方の幾何異性体を含むことが意図されている。
本明細書で使用する場合、用語「異性体」とは、同一の原子数及び原子の種類、したがって、同じ分子量を有するが、原子の構造的な配列または配置に関して異なる、化合物を指す。
用語「互変異性体」とは、本明細書で使用する場合、平衡で存在する2つ以上の構造異性体のうちの1つを指し、一方の異性体から他方の異性体に容易に変換される。
本発明のある種の化合物は、互変異性形態で存在することができることが当業者に明白であり、該化合物のかかる互変異性形態のすべてが本発明の範囲内にある。
特に指定のない限り、本明細書に図示された構造は、該構造のすべての立体化学形態、すなわち、各不斉中心に関して(R)配置及び(S)配置を含むことも意図される。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学異性体、ならびに鏡像異性体混合物及びジアステレオマー混合物が、本発明の範囲内にある。
特に指定のない限り、本明細書に図示された構造は、1つ以上の同位体が豊富な原子の存在しか違いのない化合物を含むことも意図される。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置きかえ、または13Cもしくは14Cが豊富な炭素による炭素の置きかえを除き、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。
特に指定のない限り、本明細書に図示された構造は、1つ以上の同位体が豊富な原子の存在しか違いのない化合物を含むことも意図される。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置きかえ、または13Cもしくは14Cが豊富な炭素による炭素の置きかえを除き、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。
本発明の化合物はまた、かかる化合物を構成する1個以上の原子において、非天然比の原子同位体を含有してもよい。例えば、該化合物は、例えば、三重水素(3H)、ヨウ素−125(125I)または炭素−14(14C)のような放射性同位体により放射性標識されてもよい。本発明の化合物のすべての同位体の変形形態は、放射性であるかどうかに関わらず、本発明の範囲内に包含される。
本出願を通じて、代替物がマーカッシュ群で書かれていることに留意すべきである(例えば、2つ以上の適当なアミノ酸を含む各アミノ酸位置)。マーカッシュ群の各メンバーは別々に考慮されるべきであり、それにより別の実施形態を含み、マーカッシュ群は単一のユニットとして読み取られるべきではないと特に考えられる。
「類似体(Analog)」または「類似体(analogue)」は、化学及び生物学におけるその明白な通常の意味に従って使用され、別の化合物と構造的に類似しているが(すなわち、いわゆる「参照」化合物)、組成が異なる化学化合物(例えば、異なる元素の原子により1個の原子が置きかえられている、または特定の官能基が存在している、または1つの官能基が別の官能基により置きかえられている、または参照化合物の1つ以上のキラル中心の絶対立体化学である)を指す。したがって、類似体は、参照化合物に対して、機能及び外観の点で類似または同等であるが、構造または起源の点で類似または同等ではない、化合物である。
用語「a」または「an」は、本明細書で使用する場合、1つ以上を意味する。加えて、「により置換された」という語句は、本明細書で使用される場合、記載の基が指定された置換基の1つ以上のいずれか、またはすべてにより置換されていてもよい。例えば、アルキルまたはヘテロアリール基などの基が、「非置換C1〜C20アルキルまたは非置換2〜20員のヘテロアルキルにより置換された」場合、当該基は、1つ以上の非置換C1〜C20アルキル及び/または1つ以上の非置換2〜20員のヘテロアルキルを含み得る。
本発明の化合物の説明は、当業者に既知の化学結合の原理により制限される。したがって、ある基が多数の置換基の1つ以上により置換され得る場合、かかる置換基は化学結合の原理に従うように選択され、本質的に不安定ではなく、及び/または水性、中性及びいくつかの既知の生理学的条件のような周囲条件下で不安定である可能性があると当業者には既知である化合物をもたらすように選択される。例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、当業者に既知の化学結合の原理に従って環ヘテロ原子を介して分子の残りに付加され、それにより本質的に不安定な化合物を回避する。
用語「薬学的に許容可能な塩」は、本明細書に記載される化合物において見出される特定の置換基に応じて、比較的非毒性の酸または塩基を用いて調製される活性化合物の塩を含むことが意図される。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、かかる化合物の中性形態と十分な量の所望の塩基を、そのままで、または好適な不活性溶媒中のいずれかで接触させることにより得ることができる。薬学的に許容可能な塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウム塩または類似の塩が含まれる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸付加塩は、そのままで、または好適な不活性溶媒中のいずれかで、かかる化合物の中性形態を十分な量の所望の酸と接触させることにより得ることができる。薬学的に許容可能な酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸(monohydrogencarbonic)、リン酸、一水素リン酸(monohydrogenphosphoric)、二水素リン酸(dihydrogenphosphoric)、硫酸、一水素硫酸(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸または亜リン酸などのような無機酸から誘導されるもの、及び酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、メタンスルホン酸などのような比較的非毒性の有機酸から誘導される塩が含まれる。また、アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸またはガラクツノル(galactunoric)酸などのような有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al.,”Pharmaceutical Salts”,Journal of Pharmaceutical Science,1977,66,1−19)を参照)。本発明のある特定の化合物は、該化合物が塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに変換されることを可能にする、塩基性及び酸性の両方の官能基を含有する。
したがって、本発明の化合物は、薬学的に許容可能な酸などとの塩として存在し得る。本発明は、かかる塩を含む。かかる塩の非限定的な例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩(proprionate)、酒石酸塩(例えば、(+)−酒石酸塩、(−)−酒石酸塩またはラセミ混合物を含む、これらの混合物)、コハク酸塩、安息香酸塩及びグルタミン酸などのアミノ酸との塩、ならびに四級アンモニウム塩(例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチルなど)が含まれる。これらの塩は、当業者に既知の方法により調製してよい。
化合物の中性形態は、好ましくは、塩を塩基または酸と接触させ、親化合物を従来の様式で単離することによって再生される。化合物の親形態は、極性溶媒中での溶解度など特定の物理的特性において、種々の塩形態とは異なり得る。
塩形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、生理条件下で化学的変化を容易に受けて、本発明の化合物を提供する化合物である。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、投与後、インビボで変換され得る。加えて、プロドラッグは、エクスビボ環境において化学的または生化学的方法によって本発明の化合物に変換されることができる(例えば、好適な酵素または化学試薬と接触させた場合に)。
本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態及び水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。一般的に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に包含される。本発明の特定の化合物は、複数の結晶性または非晶質形態で存在してもよい。一般的に、すべての物理的形態は、本発明によって企図される使用に対して同等であり、本発明の範囲内に包括されることが意図される。
「薬学的に許容可能な賦形剤」及び「薬学的に許容可能な担体」は、対象への活性剤の投与及び対象による吸収を助け、患者に対して著しく有害な毒性効果を引き起こすことなく、本発明の組成物中に含まれることができる物質を指す。薬学的に許容可能な賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、生理食塩水、乳酸リンゲル液、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング剤、甘味剤、香料、塩溶液(リンゲル液など)、アルコール、油、ゼラチン、ラクトース、アミロースまたはデンプンなどの炭水化物、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチセルロース(hydroxymethycellulose)、ポリビニルピロリジン及び着色剤などが含まれる。かかる調製物は、滅菌され得、所望により、本発明の化合物と有害に反応しない、潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝液、着色剤及び/または芳香物質などの助剤と混合され得る。当業者は、他の薬学的賦形剤が、本発明において有用であることを理解するであろう。
用語「調製物」は、カプセル剤を提供する担体としての封入材料を伴う活性化合物の製剤を含むことを意図し、その中では、他の担体を伴うか、または伴わない活性成分が担体により取り囲まれ、かくしてそれと会合する。同様に、カシェ剤(cachets)及びトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤及びトローチ剤は、経口投与に好適な固体剤形として使用することができる。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書では互換的に使用され、アミノ酸残基のポリマーを指し、該ポリマーは、アミノ酸で構成されない部分に、任意にコンジュゲートしてもよい(例えば、ブロックコポリマー)。該用語は、1つ以上のアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工的な化学模倣物であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマー及び非天然に存在するアミノ酸ポリマーにも適用される。
ポリペプチドまたは細胞は、それが人工的であるか、もしくは操作されている場合、または人工的もしくは操作されたタンパク質もしくは核酸(例えば、非天然、または野生型ではない)に由来するか、もしくは含む場合、「組換え」である。例えば、天然に見出されるポリヌクレオチドに通常隣接するヌクレオチド配列に関連しないように、ベクターまたは他の任意の非相同の位置(例えば組換え生物のゲノム中)に挿入されるポリヌクレオチドは、組換えポリヌクレオチドである。組換えポリヌクレオチドからインビトロまたはインビボで発現するタンパク質は、組換えポリペプチドの例である。同様に、天然に現れないポリヌクレオチド配列、例えば天然に存在する遺伝子の変異体は、組換え体である。
「接触させる」は、その明白な通常の意味に従って使用され、少なくとも2つの別個の種(例えば、生体分子または細胞を含む化学化合物)が、反応、相互作用または物理的に接触するのに十分に近位となることを可能にするプロセスを指す。しかしながら、得られる反応生成物は、添加される試薬間の反応から直接的に、または反応混合物中で生成することができる、1種以上の添加される試薬からの中間体から生成可能であることが理解されるべきである。
用語「接触させる」は、2つの種が反応、相互作用または物理的に接触することを可能にすることを含んでもよく、該2つの種は、本明細書に記載される化合物、及びタンパク質または酵素であってもよい。ある実施形態では、接触させることは、本明細書に記載される化合物が、シグナル伝達経路に関与するタンパク質または酵素と相互作用することを可能にすることを含む。
本明細書で定義される場合、タンパク質に関して、用語「活性化」、「活性化する(activate)」、「活性化する(activating)」などは、最初の不活性な、または非活性化状態からタンパク質を生物学的に活性な誘導体へ変換することを指す。該用語は、シグナル伝達または酵素活性または疾患において減少したタンパク質の量を、活性化もしくは活性化すること、感度を高めること、または上方調節することを指す。
本明細書で定義される場合、タンパク質−阻害剤相互作用に関して、用語「阻害」、「阻害する(inhibit)」、「阻害する(inhibiting)」などは、阻害剤の不存在下でのタンパク質の活性または機能と比較して、タンパク質の活性または機能に負の影響を与える(例えば、低減させる)ことを意味する。複数の実施形態では、阻害は、阻害剤の不存在下でのタンパク質の濃度またはレベルと比較して、タンパク質の濃度またはレベルに負の影響を与える(例えば、低減させる)ことを意味する。複数の実施形態では、阻害は、疾患または疾患の症状の軽減を指す。複数の実施形態では、阻害は、特定のタンパク質標的の活性の低下を指す。したがって、阻害は、少なくとも部分的に、刺激を部分的もしくは全体的に遮断すること、活性化を低減、防止もしくは遅延させること、またはシグナル伝達もしくは酵素活性もしくはタンパク質の量の、不活性化、感度の低下、もしくは下方調節することを含む。複数の実施形態では、阻害は、直接的相互作用(例えば、阻害剤が標的タンパク質に結合する)により生じる標的タンパク質の活性の低下を指す。複数の実施形態では、阻害は、間接的相互作用(例えば、阻害剤が標的タンパク質を活性化するタンパク質に結合することにより、標的タンパク質の活性化を妨げる)からの標的タンパク質の活性の低下を指す。
用語「処置する」または「処置」は、寛解;緩解;症状の減少、または患者にとってより耐えられる損傷、病状もしくは状態にすること;変性もしくは衰退速度の減速;変性の最終点をより衰弱ではないようにすること;患者の身体的もしくは精神的健康状態の改善、などの任意の客観的または主観的パラメータを含む、損傷、疾患、病状もしくは疾病(例えば、病的状態、炎症性疾患または神経変性疾患)の治療もしくは改善の成功の任意の兆候を指す。症状の処置または改善は、身体検査、神経精神医学的検査及び/または精神医学的評価の結果を含む、客観的または主観的パラメータに基づくことができる。用語「処置する」及びその活用は、損傷、病状、疾病または疾患(例えば、病的状態、炎症性疾患または神経変性疾患)の予防を含んでもよい。複数の実施形態では、処置は、予防することである。複数の実施形態では、処置は、予防することを含まない。複数の実施形態では、処置は、対照と比較して、バイオマーカー(例えば、タンパク質、PEAまたはOEA)のレベルの増加をもたらす。
「患者」または「それを必要とする対象」は、本明細書に提供されるように医薬組成物の投与によって処置することができる疾患または疾病を罹患する、またはその傾向のある生体を指す。非限定的な例としては、ヒト、他の哺乳類、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、雌ウシ、シカ及び他の非哺乳類動物が含まれる。ある実施形態では、患者はヒトである。
「有効量」は、化合物の不存在下と比較して記載の目的を達成する(例えば、それが投与される効果の達成、疾患の処置、酵素活性の低下、酵素活性の増加、シグナル伝達経路の低減、または疾患もしくは疾病の1つ以上の症状の軽減)化合物にとって十分な量である。「有効量」の例は、損傷もしくは疾患(例えば、病的状態、炎症性疾患または神経変性疾患)の症状(複数可)の処置、予防または軽減に寄与するのに十分な量であり、「治療的有効量」とも称することができる。症状(複数可)(及びこの語句の文法上の同等物)の「軽減」は、症状(複数可)の重症度もしくは頻度の軽減または症状(複数可)の排除を意味する。薬物の「予防有効量」は、対象に投与されたときに、例えば、損傷、疾患、病状、もしくは疾病の発症(もしくは再発)の予防もしくは遅延、または損傷、疾患、病状もしくは疾病、もしくはこれらの症状(例えば病的状態、炎症性疾患または神経変性疾患)の発症(もしくは再発)の可能性の低減といった意図される予防効果を有するであろう薬物の量である。完全な予防効果は、1用量の投与によって必ずしも生じるとは限らず、一連の用量の投与後にのみ生じる場合もある。したがって、予防有効量は、1回以上の投与で投与してもよい。「活性低下量」は、本明細書で使用する場合、拮抗剤の不存在下と比較して、酵素の活性を低下させるのに必要とされる拮抗剤の量を指す。「機能破壊量」は、本明細書で使用する場合、拮抗剤の不存在下と比較して、酵素またはタンパク質の機能を破壊するのに必要とされる拮抗剤の量を指す。正確な量は、処置の目的、損傷または疾患の症状(複数可)の重症度(例えば梗塞サイズ及び場所)によって異なり、既知の技術を使用して当業者によって確認可能であろう(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1−3, 1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkins参照)。
本明細書に記載される任意の化合物の場合、治療的有効量は、細胞培養アッセイから初めに決定することができる。標的濃度は、本明細書に記載され、当該技術分野において既知である方法を使用して測定する場合に、本明細書に記載の方法を達成することができる活性化合物(複数可)の濃度となる。
当該技術分野において周知であるとおり、ヒトにおける使用のための治療的有効量は、動物モデルから決定することもできる。例えば、ヒトのための用量は、動物において有効であることが見出された濃度を達成するように処方することができる。ヒトにおける投薬量は、上述のように、化合物の有効性を観察し、投薬量を上方または下方調整することによって調整することができる。上述の方法及び他の方法に基づく、ヒトにおける最大有効性を達成するための用量の調整は、十分に普通の当業者の能力の範囲内である。
投薬量は、患者及び用いられる化合物の要件に応じて変化してよい。患者に投与される用量は、本発明の文脈において、患者において有益な治療応答を経時的にもたらすのに十分であるべきである。用量のサイズもまた、有害な副作用の存在、性質及び程度によって決定される。特定の状況に対する適切な投薬量の決定は、実務者技能の範囲内である。一般に、処置は、化合物の最適用量より少ない少量の投薬量で開始される。その後、投薬量は、その状況下で最適な効果に到達するまで少しずつ増加される。投薬量及び間隔は、処置される特定の臨床兆候に有効な投与化合物レベルをもたらすように個別に調整することができる。これにより、個々の疾患状態の重症度に見合った治療レジメンが提供されるであろう。
「共投与」は、1つ以上の追加療法の投与と同時、直前に、または直後に、本明細書に記載される組成物が投与されることを意味する。本発明の化合物は、患者に単独で投与することができ、または共投与することができる。共投与は、個別の、または組み合わせた(2つ以上の化合物)化合物の同時または連続投与を含むことが意図される。したがって、調製物は、所望により、他の活性物質(例えば、PEA、コルチコステロイド、抗炎症剤)と組み合わせることもできる。本発明の組成物は、局所経路によって経皮的に送達することができ、またはアプリケータスティック、溶液、懸濁液、乳濁液、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、ペースト剤、ゼリー剤、塗布剤、粉末剤及びエアロゾル剤として製剤化することができる。
ある実施形態では、共投与は、1つの活性剤を、第2の活性剤の0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20または24時間以内に投与することを含む。共投与は、2つの活性剤を、同時に、ほぼ同時(例えば、互いに約1、5、10、15、20または30分以内)に、または任意の順番で連続して投与することを含む。ある実施形態では、共投与は、共製剤化、すなわち、両活性剤を含む単一の医薬組成物を調製することによって達成することができる。他の実施形態では、活性剤は、別々に製剤化することができる。別の実施形態では、活性剤及び/または補助剤は、互いに連結またはコンジュゲートされてもよい。
「対照」または「対照実験」は、その明白な通常の意味に従って使用され、実験の対象または試薬が、実験の手順、試薬または変数の省略を除いて、並列実験として扱われる実験を指す。場合によっては、対照は、実験効果の評価における比較の基準として使用される。ある実施形態では、対照は、本明細書(実施形態及び実施例を含む)に記載される化合物の非存在下でのタンパク質の活性の尺度である。
本明細書で使用する場合、用語「約」は、当業者が、記載の値に類似していることが妥当であるとみなし得る、記載の値を含めた値の範囲を意味する。複数の実施形態では、約は、当該技術分野において一般に許容可能な測定を用いた標準偏差内であることを意味する。複数の実施形態では、約は、記載の値の+/−10%まで広がる範囲を意味する。複数の実施形態では、約は、記載の値を含む。
「疾患」または「疾病」は、本明細書に提供される化合物または方法で処置することができる、患者または対象の存在状態または健康状態を指す。複数の実施形態では、疾患は、病的状態、炎症性疾患または神経変性疾患である。
本明細書で使用する場合、用語「投与する」は、経口投与、坐剤としての投与、局所接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、髄腔内、鼻腔内もしくは皮下投与、または例えば、小型浸透圧ポンプなどの持続放出デバイスの対象への埋め込みを意味する。投与は、調製物と適合する、非経口及び経粘膜(例えば、頬、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸または経皮)を含む、任意の経路による。非経口投与としては、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内及び頭蓋内が含まれる。他の送達の様式としては、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
「細胞」は、本明細書で使用する場合、ゲノムDNAを保存または複製するのに十分な代謝または他の機能を果たす細胞を指す。細胞は、当該技術分野において周知の方法によって同定することができ、例えば、インタクトな膜の存在、特定の色素による染色、子孫を産生する能力または配偶子の場合、生存可能な子孫を産生するために第2の配偶子と合体する能力を含む。細胞は、原核細胞及び真核細胞を含み得る。原核細胞としては、バクテリアが含まれるが、これに限定されない。真核細胞としては、酵母細胞、ならびに植物及び動物由来の細胞(例えば、哺乳類、昆虫(例えば、spodoptera)及びヒト細胞)が含まれるが、これらに限定されない。細胞は、天然に非接着性であるか、または例えばトリプシン処理によって表面に接着しないように処理されている場合に有用であり得る。
「調節する」という用語は、その明白な通常の意味に従って使用され、1つ以上の性質を変化または変更する行為を指す。「調節」は、1つ以上の性質を変化または変更するプロセスを指す。例えば、標的タンパク質に対するモジュレーターの効果に適用されるように、調節は、標的分子の性質もしくは機能、または該標的分子の量を増加もしくは減少させることによって変化させることを意味する。
本明細書で使用する場合、「病的状態」は、炎症性疾患、神経変性疾患、疼痛、角膜血管新生、糖尿病網膜症、乾性黄斑変性症、片頭痛、神経障害、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、灼熱痛、糖尿病性神経障害、慢性疼痛、侵害受容性疼痛、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、神経原性疼痛(神経障害性疼痛、中枢性疼痛及び求心路遮断痛を含むが、これらに限定されない)、末梢性もしくは多発神経障害性疼痛、中毒性神経障害、化学療法剤及び抗ウイルス剤により引き起こされる慢性神経障害、侵害受容性疼痛、もしくは尿毒症により誘発される掻痒症、がんに関連する疼痛、様々な原因の悪性疾患、赤血球増加症、黄疸もしくは胆汁うっ滞、鉄欠乏症、水虫、乾皮症、創傷治癒、甲状腺疾患、副甲状腺機能亢進症、もしくは閉経、舌咽神経痛、後頭神経痛、疼痛、帯状疱疹後神経痛、未熟児網膜症、副鼻腔炎に伴う頭痛、三叉神経痛、または湿性黄斑変性症を指す。複数の実施形態では、疼痛、特に重度の疼痛は、ストレス要因となり得る。複数の実施形態では、神経障害性疼痛及び慢性的な健康状態(そのような状態は、多くの場合、相当なストレス要因である)に関連する慢性疼痛もしくは間欠痛を含む慢性疼痛疾患の処置方法が本明細書において提供される。
複数の実施形態では、「神経障害性疼痛」には、神経系の一次的病変または機能異常により引き起こされる疼痛が含まれ得る。かかる疼痛は、慢性であり得、疼痛感覚が増加した異常状態が維持されることを含み得、神経、神経叢、または周囲の軟部組織の損傷もしくは変性から引き起こされる持続的な機能異常のために、疼痛閾値の低下などが続く。このような損傷もしくは変性は、創傷、圧迫、感染、がん、虚血、または糖尿病などの代謝もしくは栄養障害により引き起こされ得る。神経障害性疼痛には、以下に限定されるわけではないが、通常は疼痛、神経障害性痛覚過敏(過度の疼痛が、通常経験されるよりも少ない苦痛の刺激に応答して生じる)を引き起こさない機械的、熱的または他の刺激によって、疼痛感覚が誘導される神経障害性アロディニアが含まれ得る。神経障害性疼痛の例には、糖尿病性多発神経障害、絞扼性神経障害、幻肢痛、脳卒中後の視床痛、帯状疱疹後神経痛、抜歯などの後の非定型顔面神経痛、脊髄損傷、三叉神経痛及びモルヒネなどの麻薬性鎮痛薬に耐性があるがん疼痛が含まれる。複数の実施形態では、該神経障害性疼痛には、中枢または末梢神経損傷のいずれかによって引き起こされる疼痛が含まれる。複数の実施形態では、該疼痛には、単神経障害または多発神経障害(例えば、家族性アミロイド多発神経障害)のいずれかによって引き起こされる疼痛が含まれる。複数の実施形態では、炎症性疼痛と比較して、神経障害性疼痛は、非ステロイド性抗炎症剤及びオピオイド物質(例えば、モルヒネ)による治療に対して耐性がある。神経障害性疼痛は、鏡像位置において両側性であってもよく、または損傷神経の神経支配にほぼ従って分布していてもよく、それは数ヶ月または数年間持続することがあり、灼けるような(burning)、刃物で突き刺されるような(stabbing)、ビーンと走るような(shooting)、ずきんずきんする(throbbing)、突き通すような電撃痛(piercing electric shock)または他の不快な感覚として経験することがある。
本明細書で使用する場合、用語「炎症性疾患」は、異常な炎症を特徴とする疾患または疾病を指す(例えば、疾患に罹患していない健康なヒトのような対照と比較して炎症のレベルが上昇している)を指す。炎症性疾患の例としては、以下が含まれる:術後認知機能障害、外傷性脳損傷、関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性特発性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、若年発症糖尿病、1型糖尿病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎(Hashimoto’s encephalitis)、橋本甲状腺炎、強直性脊椎炎、乾癬、シェーグレン症候群、血管炎、糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎、ベーチェット病、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、魚鱗癬、グレーブス眼症、炎症性腸疾患、アジソン病、白斑、喘息、アレルギー性喘息、尋常性ざ瘡、セリアック病、慢性前立腺炎、炎症性腸疾患、骨盤内炎症性疾患、再灌流傷害、サルコイドーシス、移植拒絶、間質性膀胱炎、アテローム性動脈硬化症及びアトピー性皮膚炎。
本明細書で使用する場合、用語「神経変性疾患」は、対象の神経系の機能が損なわれる疾患または疾病を指す。本明細書に記載の化合物、医薬組成物または方法で処置され得る神経変性疾患の例には、以下が含まれる:アレキサンダー病、アルパーズ病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、毛細血管拡張性運動失調症、バッテン病(シュピールマイアー−フォークト−シェーグレン−バッテン病としても知られる)、ウシ海綿状脳症(BSE)、カナバン病、慢性疲労症候群、コケイン症候群、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト・ヤコブ病、前頭側頭型認知症、ゲルストマン−ストロイスラー−シャインカー症候群、ハンチントン病、HIV関連認知症、ケネディ病、クラッベ病、クールー病、レビー小体型認知症、マチャド−ジョセフ病(脊髄小脳失調症3型)多発性硬化症、多系統萎縮症、筋痛性脳脊髄炎、ナルコレプシー、神経ボロリア症、パーキンソン病、ペリツェウス−メルツバッハー病、ピック病、原発性側索硬化症、プリオン病、レフサム病、サンドホフ病、シルダー病、悪性貧血に伴う亜急性連合性脊髄変性症、統合失調症、脊髄小脳失調症(様々な特徴を有する複数の型)、脊髄性筋萎縮症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー病、進行性核上性麻痺または脊髄癆。
用語「N−アシルエタノールアミン酸アミダーゼ」、「NAAA」及び「hNAAA」は、当該技術分野における明白な通常の意味に従って使用され、非ペプチドアミドの加水分解に関係のある同名の31kDa酵素を指す。用語「NAAA」は、ヒトNAAAのヌクレオチド配列またはタンパク質配列を指すことができる(例えば、Entrez 27163,Uniprot Q02083,RefSeq NM_014435またはRefSeq NP_055250)。用語「NAAA」は、野生型形態のヌクレオチド配列またはタンパク質の両方、及びその任意の変異体が含まれる。ある実施形態では、「NAAA」は、野生型のNAAA受容体である。ある実施形態では、「NAAA」は、1つ以上の変異形態である。用語「NAAA」XYZは、変異体NAAAのヌクレオチド配列またはタンパク質を指し、野生型では通常Xアミノ酸を有する、Yが付されたNAAAのアミノ酸は、変異体では代わりにZアミノ酸を有する。複数の実施形態では、NAAAは、ヒトNAAAである。複数の実施形態では、NAAAは、参照番号GI:109148549に対応するヌクレオチド配列を有する。複数の実施形態では、NAAAは、RefSeq NM_014435.3に対応するヌクレオチド配列を有する。複数の実施形態では、NAAAは、参照番号GI:109148550に対応するタンパク質配列を有する。複数の実施形態では、NAAAは、RefSeq NP_055250.2に対応するタンパク質配列を有する。複数の実施形態では、NAAAは、酸性条件(例えば、pH約4.5〜5.0)で機能する。
II.化合物
一態様では、式(I):
を有する化合物を本明細書で提供する。R
1は、独立して、ハロゲン、−CF
3、−CCl
3、−CI
3、−CBr
3、−CHF
2、−CHCl
2、−CHI
2、−CHBr
2、−OCH
2F、−OCH
2Cl、−OCH
2I、−OCH
2Br、−OCHF
2、−OCHCl
2、−OCHI
2、−OCHBr
2、−OCF
3、−OCCl
3、−OCI
3、−OCBr
3、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである。R
2は、独立して、ハロゲン、−CF
3、−CCl
3、−CI
3、−CBr
3、−CHF
2、−CHCl
2、−CHI
2、−CHBr
2、−OCH
2F、−OCH
2Cl、−OCH
2I、−OCH
2Br、−OCHF
2、−OCHCl
2、−OCHI
2、−OCHBr
2、−OCF
3、−OCCl
3、−OCI
3、−OCBr
3、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである。R
3は、独立して、ハロゲン、−CF
3、−CCl
3、−CI
3、−CBr
3、−CHF
2、−CHCl
2、−CHI
2、−CHBr
2、−OCH
2F、−OCH
2Cl、−OCH
2I、−OCH
2Br、−OCHF
2、−OCHCl
2、−OCHI
2、−OCHBr
2、−OCF
3、−OCCl
3、−OCI
3、−OCBr
3、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである。記号Yは、SまたはOである。記号z1は、独立して、0〜4の整数である。記号z2は、独立して、0〜8の整数である。
複数の実施形態では、R1は、独立して、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CI3、−CBr3、−CHF2、−CHCl2、−CHI2、−CHBr2、−OCH2F、−OCH2Cl、−OCH2I、−OCH2Br、−OCHF2、−OCHCl2、−OCHI2、−OCHBr2、−OCF3、−OCCl3、−OCI3、−OCBr3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールである。
複数の実施形態では、R1は、ハロゲン、−CCl3、−CBr3、−CF3、−CI3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC(O)NHNH2、−NHC(O)NH2、−NHSO2H、−NHC(O)H、−NHC(O)OH、−NHOH、−OCCl3、−OCF3、−OCBr3、−OCI3、−OCHCl2、−OCHBr2、−OCHI2、−OCHF2、R4−置換もしくは非置換アルキル(例えば、C1〜C8アルキル、C1〜C6アルキル、またはC1〜C4アルキル)、R4−置換もしくは非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員のヘテロアルキル、2〜6員のヘテロアルキルまたは2〜4員のヘテロアルキル)、R4−置換もしくは非置換シクロアルキル(例えば、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルまたはC5〜C6シクロアルキル)、R4−置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員のヘテロシクロアルキル、3〜6員のヘテロシクロアルキルまたは5〜6員のヘテロシクロアルキル)、R4−置換もしくは非置換アリール(例えば、C6〜C10アリール、C10アリールまたはフェニル)、またはR4−置換もしくは非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員のヘテロアリール、5〜9員のヘテロアリールまたは5〜6員のヘテロアリール)である。
複数の実施形態では、R1は、ハロゲンである。複数の実施形態では、R1は、−Fである。複数の実施形態では、R1は、−Clである。複数の実施形態では、R1は、−Brである。複数の実施形態では、R1は、−Iである。複数の実施形態では、R1は、−F、−Cl、−Br、−CH3、−CF3、−CN、−OCH3、−NO2、−NH2、−N(CH3)2、−NHC(O)CH3またはフェニルである。複数の実施形態では、R1は、−CH3である。複数の実施形態では、R1は、−CF3である。複数の実施形態では、R1は、−CNである。複数の実施形態では、R1は、−OCH3である。複数の実施形態では、R1は、−NO2である。複数の実施形態では、R1は、−NH2である。複数の実施形態では、R1は、−N(CH3)2である。複数の実施形態では、R1は、−NHC(O)CH3である。複数の実施形態では、R1は、非置換フェニルである。
複数の実施形態では、R2は、独立して、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CI3、−CBr3、−CHF2、−CHCl2、−CHI2、−CHBr2、−OCH2F、−OCH2Cl、−OCH2I、−OCH2Br、−OCHF2、−OCHCl2、−OCHI2、−OCHBr2、−OCF3、−OCCl3、−OCI3、−OCBr3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールである。
複数の実施形態では、R2は、ハロゲン、−CCl3、−CBr3、−CF3、−CI3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC(O)NHNH2、−NHC(O)NH2、−NHSO2H、−NHC(O)H、−NHC(O)OH、−NHOH、−OCCl3、−OCF3、−OCBr3、−OCI3、−OCHCl2、−OCHBr2、−OCHI2、−OCHF2、R5−置換もしくは非置換アルキル(例えば、C1〜C8アルキル、C1〜C6アルキルまたはC1〜C4アルキル)、R5−置換もしくは非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員のヘテロアルキル、2〜6員のヘテロアルキルまたは2〜4員のヘテロアルキル)、R5−置換もしくは非置換シクロアルキル(例えば、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルまたはC5〜C6シクロアルキル)、R5−置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員のヘテロシクロアルキル、3〜6員のヘテロシクロアルキルまたは5〜6員のヘテロシクロアルキル)、R5−置換もしくは非置換アリール(例えば、C6〜C10アリール、C10アリールまたはフェニル)、またはR5−置換もしくは非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員のヘテロアリール、5〜9員のヘテロアリールまたは5〜6員のヘテロアリール)である。
複数の実施形態では、R2は、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換または非置換C1〜C8アルキル、置換または非置換2〜8員のヘテロアルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換または非置換C1〜C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、非置換C1〜C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、非置換メチレンである。複数の実施形態では、R2は、R5−置換または非置換アルキル、R5−置換または非置換ヘテロアルキルである。複数の実施形態では、R2は、R5−置換または非置換C1〜C8アルキル、R5−置換または非置換2〜8員のヘテロアルキルである。複数の実施形態では、R2は、R5−置換または非置換C1〜C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、非置換C1〜C3アルキルである。複数の実施形態では、R2は、非置換C1〜C2アルキルである。複数の実施形態では、R2は、非置換メチルである。複数の実施形態では、R2は、−OH置換メチルである。複数の実施形態では、R2は、−OH置換エチルである。
複数の実施形態では、R3は、ハロゲン、−CCl3、−CBr3、−CF3、−CI3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC(O)NHNH2、−NHC(O)NH2、−NHSO2H、−NHC(O)H、−NHC(O)OH、−NHOH、−OCCl3、−OCF3、−OCBr3、−OCI3、−OCHCl2、−OCHBr2、−OCHI2、−OCHF2、R6−置換もしくは非置換アルキル(例えば、C1〜C8アルキル、C1〜C6アルキルまたはC1〜C4アルキル)、R6−置換もしくは非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員のヘテロアルキル、2〜6員のヘテロアルキルまたは2〜4員のヘテロアルキル)、R6−置換もしくは非置換シクロアルキル(例えば、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルまたはC5〜C6シクロアルキル)、R6−置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員のヘテロシクロアルキル、3〜6員のヘテロシクロアルキルまたは5〜6員のヘテロシクロアルキル)、R6−置換もしくは非置換アリール(例えば、C6〜C10アリール、C10アリールまたはフェニル)、またはR6−置換もしくは非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員のヘテロアリール、5〜9員のヘテロアリールまたは5〜6員のヘテロアリール)である。
複数の実施形態では、R3は、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CI3、−CBr3、−CHF2、−CHCl2、−CHI2、−CHBr2、−OCH2F、−OCH2Cl、−OCH2I、−OCH2Br、−OCHF2、−OCHCl2、−OCHI2、−OCHBr2、−OCF3、−OCCl3、−OCI3、−OCBr3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、R6−置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、R6−置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、R6−置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、R6−置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、R6−置換もしくは非置換フェニル、またはR6−置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールである。
複数の実施形態では、R3は、R6−置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、R6−置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、R6−置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、R6−置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、R6−置換もしくは非置換フェニル、またはR6−置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールである。複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換C1〜C8アルキルである。複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換C1〜C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換C1〜C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、R6−置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、またはR6−置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換C3〜C8シクロアルキルである。
複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換アルキル(例えば、C1〜C8アルキル、C1〜C6アルキルまたはC1〜C4アルキル)である。複数の実施形態では、R3は、R6−置換アルキル(例えば、C1〜C8アルキル、C1〜C6アルキルまたはC1〜C4アルキル)である。複数の実施形態では、R3は、非置換アルキル(例えば、C1〜C8アルキル、C1〜C6アルキルまたはC1〜C4アルキル)である。複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換C1〜C6アルキルである。複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換C1〜C4アルキルである。
複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員のヘテロアルキル、2〜6員のヘテロアルキルまたは2〜4員のヘテロアルキル)である。複数の実施形態では、R3は、R6−置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員のヘテロアルキル、2〜6員のヘテロアルキルまたは2〜4員のヘテロアルキル)である。複数の実施形態では、R3は、非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員のヘテロアルキル、2〜6員のヘテロアルキルまたは2〜4員のヘテロアルキル)である。
複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換シクロアルキル(例えば、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルまたはC5〜C6シクロアルキル)である。複数の実施形態では、R3は、R6−置換シクロアルキル(例えば、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルまたはC5〜C6シクロアルキル)である。複数の実施形態では、R3は、非置換シクロアルキル(例えば、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルまたはC5〜C6シクロアルキル)である。複数の実施形態では、R3は、R6−置換C3〜C6シクロアルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C3〜C6シクロアルキルである。複数の実施形態では、R3は、R6−置換C3〜C6シクロアルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C3シクロアルキルである。複数の実施形態では、R3は、R6−置換C4シクロアルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C4シクロアルキルである。
複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員のヘテロシクロアルキル、3〜6員のヘテロシクロアルキルまたは5〜6員のヘテロシクロアルキル)である。複数の実施形態では、R3は、R6−置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員のヘテロシクロアルキル、3〜6員のヘテロシクロアルキルまたは5〜6員のヘテロシクロアルキル)である。複数の実施形態では、R3は、非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員のヘテロシクロアルキル、3〜6員のヘテロシクロアルキルまたは5〜6員のヘテロシクロアルキル)である。複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換3〜6員のヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換4員のヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換4員のヘテロシクロアルキルである。
複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換アリール(例えば、C6〜C10アリール、C10アリールまたはフェニル)である。複数の実施形態では、R3は、R6−置換アリール(例えば、C6〜C10アリール、C10アリールまたはフェニル)である。複数の実施形態では、R3は、非置換アリール(例えば、C6〜C10アリール、C10アリールまたはフェニル)である。
複数の実施形態では、R3は、R6−置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員のヘテロアリール、5〜9員のヘテロアリールまたは5〜6員のヘテロアリール)である。複数の実施形態では、R3は、R6−置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員のヘテロアリール、5〜9員のヘテロアリールまたは5〜6員のヘテロアリール)である。複数の実施形態では、R3は、非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員のヘテロアリール、5〜9員のヘテロアリールまたは5〜6員のヘテロアリール)である。
複数の実施形態では、R3は、−CH2CH3、−OH、−CH3、−CH2CH2OH、−CH2CH2CH2OH、イソプロピル、プロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、オキセタン−3−イル、ヘキシル、4−ピペリジル、−N(CH3)2または−N(CH2CH3)2である。複数の実施形態では、R3は、−CH2CH3である。複数の実施形態では、R3は、−OHである。複数の実施形態では、R3は、−CH3である。複数の実施形態では、R3は、−CH2CH2OHである。複数の実施形態では、R3は、−CH2CH2CH2OHである。複数の実施形態では、R3は、イソプロピルである。複数の実施形態では、R3は、プロピルである。複数の実施形態では、R3は、ブチルである。複数の実施形態では、R3は、tert−ブチルである。複数の実施形態では、R3は、ペンチルである。複数の実施形態では、R3は、オキセタン−3−イルである。複数の実施形態では、R3は、ヘキシル、4−ピペリジルである。複数の実施形態では、R3は、−N(CH3)2である。複数の実施形態では、R3は、−N(CH2CH3)2である。複数の実施形態では、R3は、非置換C3シクロアルキル、非置換C4シクロアルキル、非置換4員のヘテロシクロアルキルまたは非置換C2アルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C4シクロアルキルまたは非置換4員のヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C3シクロアルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C2アルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C3アルキルである。
複数の実施形態では、YはSである。複数の実施形態では、YはOである。
複数の実施形態では、R4、R5及びR6は、独立して、オキソ、ハロゲン、−CCl3、−CBr3、−CF3、−CI3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC(O)NHNH2、−NHC(O)NH2、−NHSO2H、−NHC(O)H、−NHC(O)OH、−NHOH、−OCCl3、−OCF3、−OCBr3、−OCI3、−OCHCl2、−OCHBr2、−OCHI2、−OCHF2、非置換アルキル(例えば、C1〜C8アルキル、C1〜C6アルキルまたはC1〜C4アルキル)、非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員のヘテロアルキル、2〜6員のヘテロアルキルまたは2〜4員のヘテロアルキル)、非置換シクロアルキル(例えば、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルまたはC5〜C6シクロアルキル)、非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員のヘテロシクロアルキル、3〜6員のヘテロシクロアルキルまたは5〜6員のヘテロシクロアルキル)、非置換アリール(例えば、C6〜C10アリール、C10アリールまたはフェニル)、または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員のヘテロアリール、5〜9員のヘテロアリールまたは5〜6員のヘテロアリール)である。
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、血液脳関門を通過することができる。
複数の実施形態では、前記化合物は、式(Ia):
(式中、R
1、R
2、R
3、z2及びYは、本明細書で記載の通りである)を有する。
複数の実施形態では、前記化合物は、式(Ib):
(式中、R
1、R
2、R
3、z2及びYは、本明細書で記載の通りである)を有する。
複数の実施形態では、前記化合物は、式(Ic):
(式中、R
1、R
2、R
3、z2及びYは、本明細書で記載の通りである)を有する。
複数の実施形態では、前記化合物は、式:
を有する。
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複数の実施形態では、前記化合物は、式:
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複数の実施形態では、前記化合物は、式:
を有する。
複数の実施形態では、前記化合物は、式:
を有する。
複数の実施形態では、前記化合物は、式:
を有する。
複数の実施形態では、前記化合物は、式:
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複数の実施形態では、前記化合物は、式:
を有する。
複数の実施形態では、前記化合物は、式:
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複数の実施形態では、前記化合物は、式:
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複数の実施形態では、前記化合物は、式:
を有する。
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複数の実施形態では、前記化合物は、式:
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を有する。
複数の実施形態では、前記化合物は、式:
を有する。
複数の実施形態では、前記化合物は、式:
を有する。
複数の実施形態では、前記化合物は、式:
を有する。
複数の実施形態では、z2は、0〜2である。複数の実施形態では、z2は、0〜4である。複数の実施形態では、z2は、1〜2である。複数の実施形態では、z1は、0である。複数の実施形態では、z1は、1である。複数の実施形態では、z1は、2である。複数の実施形態では、z1は、3である。複数の実施形態では、z1は、4である。複数の実施形態では、z2は、0である。複数の実施形態では、z2は、1である。複数の実施形態では、z2は、2である。複数の実施形態では、z2は、3である。複数の実施形態では、z2は、4である。複数の実施形態では、z2は、5である。複数の実施形態では、z2は、6である。複数の実施形態では、z2は、7である。複数の実施形態では、z2は、8である。
複数の実施形態では、前記化合物は、式:
を有さない。
複数の実施形態では、前記化合物は、式:
を有さない。
III.医薬組成物
別の態様では、実施形態を含む本明細書(例えば、態様、実施形態、実施例、図、表または特許請求の範囲)に記載される、薬学的に許容可能な賦形剤及び化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物が提供される。該医薬組成物の実施形態では、該化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、治療的有効量の中に含まれる。
前記医薬組成物の実施形態では、該医薬組成物は、第2の薬剤(例えば、治療薬)を含む。該医薬組成物の実施形態では、該医薬組成物は、治療的有効量中に第2の薬剤(例えば、治療薬)を含む。複数の実施形態では、該医薬組成物は、PEAを含む。
IV.使用方法
一態様では、N−アシルエタノールアミン酸アミダーゼを阻害する方法が提供され、該方法は、N−アシルエタノールアミン酸アミダーゼと、実施形態を含む本明細書(例えば、態様、実施形態、実施例、図、表または特許請求の範囲)に記載される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を接触させることを含む。複数の実施形態では、前記化合物は、N−アシルエタノールアミン酸アミダーゼと可逆的に(例えば、非共有的に)接触する。
別の態様では、疼痛、炎症性疾患または神経変性疾患を含むがこれらに限定されない病的状態の処置方法が提供され、該方法は、実施形態を含む本明細書(例えば、態様、実施形態、実施例、図、表または特許請求の範囲)に記載される、有効量の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を、それを必要とする対象に投与することを含む。
複数の実施形態では、前記病的状態は、角膜血管新生、糖尿病網膜症、乾性黄斑変性症、片頭痛、神経障害性疼痛、神経障害、舌咽神経痛、後頭神経痛、帯状疱疹後神経痛、未熟児網膜症、副鼻腔炎に伴う頭痛、三叉神経痛または湿性黄斑変性症である。
複数の実施形態では、前記病的状態は、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、慢性疼痛、神経障害、舌咽神経痛、後頭神経痛、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、灼熱痛、糖尿病性神経障害、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、神経原性疼痛、末梢性疼痛、多発神経障害性疼痛、中毒性神経障害、慢性神経障害または掻痒症を含むがこれらに限定されない疼痛である。複数の実施形態では、前記方法は、抗侵害受容作用を示す。複数の実施形態では、実施形態を含む本明細書(例えば、態様、実施形態、実施例、図、表または特許請求の範囲)に記載される化合物またはその薬学的に許容可能な塩の投与は、化学的刺激物、神経損傷または炎症によって誘発される疼痛行動を緩和する。
複数の実施形態では、前記病的状態が、急性炎症、急性呼吸窮迫症候群、成人呼吸器疾患、関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、手根管症候群、慢性気管支炎、慢性炎症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、大腸炎、結晶誘発性関節炎、嚢胞性線維症、皮膚炎、脂質異常症、気腫、線維筋痛症、胆嚢疾患、歯肉炎、高酸素誘発性炎症(hyperoxia−induced inflammation)、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、狼瘡、筋膜炎、腎炎、眼炎症、変形性関節症、歯周炎、多発性筋炎、サルコイドーシス、再狭窄、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎または血管炎を含むがこれらに限定されない炎症性疾患である。
複数の実施形態では、前記病的状態が、多発性硬化症、認知症、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、ハンチントン病または筋萎縮性側索硬化症を含むがこれらに限定されない神経変性疾患である。複数の実施形態では、前記神経変性疾患が、多発性硬化症である。複数の実施形態では、前記神経変性疾患が、アルツハイマー型認知症である。複数の実施形態では、前記神経変性疾患が、パーキンソン病である。複数の実施形態では、前記神経変性疾患が、ハンチントン病である。複数の実施形態では、前記神経変性疾患が、筋萎縮性側索硬化症である。複数の実施形態では、前記神経変性疾患が、認知症である。複数の実施形態では、前記神経変性疾患が、筋痛性脳脊髄炎または慢性疲労症候群である。
複数の実施形態では、本明細書の特定の方法は、症状を処置することによって神経変性疾患を処置する(例えば、レビー小体の産生の軽減、α−シヌクレインの蓄積の軽減、細胞死の軽減、ドパミン産生細胞の消失の軽減、黒質における細胞消失の軽減、ドパミン産生消失の軽減、パーキンソン病の症状の軽減、運動機能喪失の軽減、ふるえの低減もしくはふるえ(振戦)の増加の鈍化、強剛もしくは強剛の増加の軽減、動作の緩慢さ(運動緩徐)もしくは動作の緩徐化の軽減、感覚症状の軽減、不眠症の軽減、眠気の軽減、精神的健康の向上、精神機能の向上、精神機能低下の緩徐化、認知症の軽減、認知症の発症の遅延、認知能力の向上、認知能力喪失の軽減、記憶の改善、記憶低下の軽減、または生存期間の延長)。
複数の実施形態では、該方法は、本明細書に記載される有効量の化合物または医薬組成物を、それを必要とする対象に経口投与することを含む。複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物または医薬組成物は、錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤またはトローチ剤である。
別の態様では、疼痛、炎症性疾患または神経変性疾患を含むがこれらに限定されない病的状態の処置方法が提供され、該方法は、有効量のNAAA阻害剤及び追加薬剤を、それを必要とする対象に投与することを含む。複数の実施形態では、前記NAAA阻害剤は、実施形態を含む本明細書(例えば、態様、実施形態、実施例、図、表または特許請求の範囲)に記載される化合物またはその薬学的に許容可能な塩である。複数の実施形態では、前記NAAA阻害剤は、公開WO/2013/078430または公開WO/2009/049238に記載のとおりである。複数の実施形態では、前記追加薬剤は、コルチコステロイド、グルココルチコイド、ステロイド、パルミトイルエタノールアミド(PEA)または抗炎症剤(例えば、非ステロイド性抗炎症剤)を含む。複数の実施形態では、前記追加薬剤は、PEAである。
本明細書に記載されている実施例及び実施形態は、単に例示することが目的であり、その種々の変更または変形が当業者に示唆され、本出願の趣旨及び範囲、ならびに添付の特許請求の範囲に含まれるべきであることが理解されよう。本明細書において引用したすべての刊行物、特許及び特許出願は、あらゆる目的のためにその全体を参考として本明細書に組み込む。
V.実施例
実施例1 第2世代非共有結合性NAAA阻害剤及び多発性硬化症におけるこれらの使用
NAAAは、PEA及びOEAの生分解を触媒するリソソームのシステイン加水分解酵素であり(図1)[1]、該PEA及びOEAは、リガンド作動性転写因子、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体−α(PPAR−α)を活性化することにより、炎症を抑制する2つの内因性脂質アミドである[2]。常在マクロファージ及び他の宿主防御細胞は、PPAR−αに完全に結合するのに十分な量でPEA及びOEAを恒常的に生成する[3]。しかしながら、このプロセスは、炎症の間中断され、PPAR−α媒介シグナル伝達の減少及び炎症反応の加速をもたらす[3]。したがって、小分子NAAA阻害剤は、治療の有望な標的としてNAAAを狙い、炎症性組織において正常なPEA及びOEAレベルを回復し、動物モデルにおいて十分な抗炎症効果を発揮する[4]。
図2は、NAAA阻害剤の代表的な例を表す。各クラスは、NAAAの触媒性システイン(ヒトではC126、齧歯類ではC131)と共有結合的に反応して加水分解可能なチオエステル結合を形成することができる化学的ウォーヘッド(warhead)であるβ−ラクトン、β−ラクタムまたはイソチオシアネートの存在によって定義される[5]。効力があり、且つ、場合により、全身的に活性である一方で、これらの分子は、経口薬物としての、これらの使用を制限する2つの特徴を共有する。第一に、反応性ウォーヘッドの存在は、これらの代謝安定性を低下させる(例えば、β−ラクトン3の場合)[6]、またはアレルギー反応のリスクを増加させる(例えば、β−ラクタム4及びイソチオシアナート6の場合)[7];そして、第二に、これらの薬剤による標的認識を確実にする柔軟な疎水性フラグメントは、これらの薬剤類似性に負の影響を及ぼす。
実施形態において、NAAAを非共有的に阻害する一連の新規なピペラジンベンゾチアゾール誘導体(図2)が本明細書に記載されている。インビトロ及びインビボの実験では、化合物8(表9の化合物19として図示されるこのクラスの代表的メンバー)が効力があり、NAAAに対して選択的であり、経口的に利用可能であることを示す。さらに、化合物8は、血液脳関門を通過し、CNSにおけるPEA及びOEAレベルを上昇させ、MSのマウスモデルにおいて顕著な防御効果をもたらす。
NAAA阻害のための新しい化学的骨格の発見を目的としたスクリーニング活動では、ヒットした化合物7が生成された(表1)。効力向上のために、ベンズアミドフラグメントの修飾により開始する特化した構造活性相関(SAR)研究を実施した。o−メチル基(9)の除去またはハロゲンによるかかる基の置換(10,11)は、活性を低下させた。対照的に、メトキシ(12)、メチルスルホニル(13)またはエチルスルホニル(14)基による置換は、より効力のある化合物を生成した。エチルスルホニル置換基をフェニル環のメタ位またはパラ位に移動させることは、活性に強い悪影響を及ぼしたため(15,16)、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を含有するo−スルホニル誘導体での探索に焦点を当てた(表2)。この結果は、阻害効力が、アルキル基の長さ及びサイズに対して非常に敏感であり、よりかさ高い置換基がより弱い阻害を生じることを示した(例えば、化合物18,23)。
[a]値は3回以上の測定の平均値±SEMまたは1回の実験における3回繰り返し測定の平均値である。
[b]100μMで<30%阻害
ベンゾチアゾール(benothiazole)誘導体の合成(表3)。6−Fフェニル置換基の除去は、効力に影響しなかった(24)が、その一方で、電子求引性(25,26)または電子供与性(27,28)基の挿入は有害であった。環の様々な位置にハロゲンを導入することにより、効力に軽度の影響または低下のいずれかが生じた(29〜32)。
表4に見られるさらなる誘導体化後、得られた化合物は、活性レベルの範囲を示した。ピペラジン環における立体配座の変化の影響を調べるために、この構造の種々の位置に1つまたは2つのメチル基を導入した(36〜39)。これらの試みにより、2,2−ジメチル置換基(38)に起因する活性の低下によって示されるように、この位置におけるモノ置換ピペラジンの重要な役割が確認された。かかる役割をさらに裏付けるために、本発明者らは、阻害効力が、メチル基の絶対配置に対して非常に敏感であり、40と共に、ラセミ体の(R)−エナンチオマー36は、(S)−エナンチオマー8よりも15倍効力が弱いことに着目した。
8、及び水性緩衝液中でより大きな溶解度を有する化合物に関する後続の機構的研究を、他の同様に効力がある化合物と比較して(表5;表7)実施した。
本研究をサポートするために、スキーム1に記載されているように、収束的且つスケーラブルが容易な合成が開発された。
スキーム1.a)(2S)−2−メチルピペラジン、NaHCO
3、EtOH/H
2O、還流、15時間、quant.;b)EtI、2M NaOH、EtOH、室温、15時間、quant.;c)オキソン、H
2O、40℃、15時間、96%;d)HATU、Et
3N、CH
3CN、室温、15時間、43%。
現在のNAAA阻害剤は酵素の触媒性システインと共有結合的に反応する。8とNAAAとの相互作用を調べるために、4つのアプローチを利用した。第1に、精製したヒト(h)NAAA(2μM)を8(50μM)とインキュベートし、該試料をトリプシンで消化し、液体クロマトグラフィー質量分析(LC−MS)を用いて共有結合性付加物について調べた。β−ラクタム4(20μM)を、NAAAとのその共有結合性相互作用が実証されている陽性対照として含んだ[8]。hNAAAを4とインキュベートすると、予想されたアシル化ペプチドが得られた一方で、該酵素を8またはそのビヒクルのいずれかに曝露した際には付加物は見つからなかった(図3A)。同様に、NAAAのペプチドマップ全体を通じた調査によって、共有結合性付加物は取得できなかった(図6)。第2に、精製したhNAAA(4.0μM)を4または8(1.0μM)とインキュベートし、タンパク質を沈殿させ、次いで、LC−MSにより上清中の化合物を測定した。4は、NAAAへのその共有結合から予想されるように酵素と共に定量的に沈殿したが、8は上清中で完全に回収された(図3B)。第3に、本発明者らは、8によって、共有結合活性ベースのプローブ5のNAAAへの結合が阻害されるのかどうかを評価した[9]。5は、細胞抽出物中のhNAAAを強く標識し、この効果は、4とのプレインキュベーションによってブロックされた(図3C)。対照的に、5によって標識したNAAAに拮抗する化合物8とのプレインキュベーションは、部分的及び短時間のインキュベーション時間のみで(図3C)、可逆的相互作用と再び一致する。最後に、動態分析により、非競合性機序を介して8がNAAAを阻害することを明らかにした(図8)。まとめると、これらの結果により、化合物8が非共有結合性NAAA阻害剤として同定された。
8の前例のない作用機序は、経口剤としての化合物について予想外の驚くべき有用性をもたらした。インビトロ研究は、8が水性緩衝液(pH7.4)に可溶性であり、マウス血漿中で安定であることを示した(表5)。同様に、8は、適切な補因子を補充したマウス肝ミクロソーム(MLM)において安定である。
マウスでの実験は、経口投与後に8が迅速且つ広範囲に吸収されることを示した(図5A)。表6に列挙した薬物動態パラメーターは、優れた経口バイオアベイラビリティ及び適切な終末相半減期を示す。脳のPEA及びOEAレベルを一時的に上昇させるのに十分であるため、終末相半減期は適切であると考えられる。
重要なことに、化合物8は血液脳関門を通過し、脳対血漿比0.25に達し、脳組織におけるPEA及びOEAの実質的な可逆的蓄積を引き起こした(図5A〜5B)。その代わりに、アナンダミド(NAAAではなく脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)によって分解されるエンドカンナビノイド脂質アミド)のレベルでは変化は見られなかった[3]。
最初の標的選択スクリーニングでは、8(10μM)が、50超の共通受容体、イオンチャネル及び神経伝達物質トランスポータのパネルに、ほとんど、または全く影響を及ぼさなかったことが示された(表8)。さらに、図5Bに報告された標的結合研究から予想されるように、8はFAAHに対して弱い阻害効果を有し
[10]、NAAAと33〜34%の配列同一性を有する酸性セラミダーゼ、システインアミダーゼ[1]、エンドカナビノイドエステル、2−アラキドノイル−sn−グリセロールを分解するモノアシルグリセロールリパーゼ、セリンエステラーゼにも影響を及ぼさない[11]。
MSは、PEA及びOEAの脳脊髄及び血漿レベルの変化を伴う慢性神経炎症性疾患である[8,12]。PEA投与は、MSの実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)モデルにおいて痙縮を減弱させるため[13]、本発明者らは、化合物8での処置による内因性PEA/OEAシグナル伝達の発生がこのモデルにおいて有益であるかどうかを試験した。EAEマウス及び偽免疫化対照を、臨床スコア及び体重増加を記録しながら8(30mg/kg、1日2回)またはそのビヒクルで28日間処置した。化合物8による処置は、偽免疫したマウスには効果がなかったが、一方で、EAE動物では、疾患症状の発症が遅れ、これらの強度が減弱し、体重増加が正常化した。さらに、EAEマウスの脊髄における単核細胞の浸潤及びミクログリアの活性化を低減した(図8)。これは、疾患の2つの重要な神経解剖学的相関である。
複数の実施形態では、本実施例は、NAAA活性を阻害する新規なクラスのベンゾチアゾールピペラジン誘導体について記載する。複数の実施形態では、該化合物は、非共有結合性及び非競合性機序を通じてNAAA活性を阻害する。本クラスの代表的メンバーである8は、MSのバリデーション済みマウスモデルにおいて、優れた経口PK特性、良好な脳浸透度(例えば、血液脳関門を通過する能力)及び強力な防御活性を示す。この薬剤は、MSなどの神経炎症性疾患の処置において治療的適用を見出し得る新世代の非共有結合性NAAA阻害剤を例示する。
実施例2 一般的な実験の詳細
溶媒及び試薬を市販の業者から入手し、それ以上精製することなく使用した。簡潔にするために、溶媒及び試薬を以下のように示す:アセトニトリル(CH3CN)、塩化アンモニウム(NH4Cl)、1−[ビス−(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)、ブチルリチウム(nBuLi)、炭酸セシウム(Cs2CO3)、シクロヘキサン(Cy)、ジクロロメタン(DCM)、ジエチルエーテル(Et2O)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノール(EtOH)、酢酸エチル(EtOAc)、塩酸(HCl)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)、メタンスルホニルクロリド(MsCl)、メタノール(MeOH)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、炭酸カリウム(K2CO3)、ペルオキシ一硫酸カリウム(Oxone(商標))、カリウムtert−ブトキシド(tBuOK)、室温(rt)、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン(Tol)、トリエチルアミン(Et3N)、水(H2O)。
異なるサイズ(4gから120gまで)の充填済みシリカゲルカラムを備えたTeledyne ISCO装置(CombiFlash(登録商標)Rf)を使用して、自動化カラムクロマトグラフィー精製を行った。Cy及びEtOAcまたはDCM及びMeOHの極性を増加させる混合液を、溶離液として使用した。TLC分析は、蛍光指示薬254nmを含む、TLC Al箔0.2 mm上のSupelcoシリカゲルを使用して実施した。
BBIプローブ及びZ−勾配を備えるBruker Avance III 400システム(1Hでは400.13MHz及び13Cでは100.62MHz)で、NMR実験を行った。スペクトルは、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)を溶媒として使用して、300Kで取得された。1H及び13Cスペクトルの化学シフトは、残存非重水素化溶媒を内部標準として使用してパーツ・パー・ミリオンで記録した(DMSO−d6について:2.50ppm,1H;39.52ppm,13C)。データは、以下のように報告される:化学シフト(ppm)、多重性(bs,ブロードシグナル;s,一重線;d,二重線;t,三重線;q,四重線;p,五重線;sx,六重線;m,多重線及びこれらの組み合わせとして示される)、ヘルツ(Hz)での結合定数(J)及び積分強度。
正確な質量測定は、ESIイオン源を備えたSynapt G2四重極−ToF装置(Waters、USA)で実施し;化合物は、H2O/CH3CNで50μMまで希釈し、分析された。ロイシンエンケファリン(2ng/mL)を、スペクトル較正のためのロックマス基準化合物として使用した。
エレクトロスプレーイオン化インターフェース及びフォトダイオードアレイ検出器を備えるSQD(シングル四重極検出器)質量分析計からなるWaters ACQUITY UPLC/MSシステムで、UPLC/MS分析を行った。PDA範囲は、210〜400nmであった。分析は、VanGuard BEH C18プレカラム(5×内径2.1mm、粒径1.7μm)を備えたACQUITY UPLC BEH C18カラム(50×内径2.1mm、粒径1.7μm)で実施した。移動相は、AcOHで調節したpH5のH2O中の10mMのNH4OAcのいずれかであった。ポジティブ及びネガティブモードでのエレクトロスプレーイオン化が適用された。分析は、3分間で5〜95%Bのグラジエントで実施した。流量0.5mL/分。温度40℃。
旋光性は、光源としてナトリウムランプ(589nm);溶媒としてCHCl3、及び1dmのセルを用いてg/100mlで表される濃度で、Rudolf Research Analytical Autopol II自動旋光計で測定した。すべての最終化合物は、NMR及びUPLC/MS分析によって決定され、≧95%の純度を示した。
基本手順A。EtOH(5mL)中に適切なピペラジン(1.0当量)を溶解した溶液に、H2O(3mL)中のNaHCO3(3.0当量)を加え、続いて、適切な2−クロロベンゾチアゾール(1.0当量)を加えた。反応混合物を還流状態で15時間撹拌し、次いで、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をEtOAcとH2Oとの間で分配し、有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗製物をカラムクロマトグラフィー(各場合において記載のように、Cy/EtOAcまたはDCM/MeOHにより溶出)によって精製した。
基本手順B。CH3CN(5mL)中に、対応する安息香酸(1.0当量)、Et3N(1.1当量)及びHATU(1.0当量)を溶解した溶液に、適切なピペラジン(0.5当量)を5分後に加えた。反応物を室温にて15時間撹拌し、次いで、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をEtOAcとH2Oとの間で分配し、前記有機相をNaHCO3、H2O、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗製物をカラムクロマトグラフィー(各場合において記載のように、Cy/EtOAcにより溶出)によって精製した。
基本手順C。EtOH(5mL)中に2−スルファニル安息香酸(1.0当量)を溶解した溶液に、対応する臭化アルキルまたはヨウ化アルキル(2.0当量)及び2MのNaOH(2.0当量)を加えた。混合物を室温にて15時間撹拌し、次いで、溶媒を減圧下で蒸発させた。次いで、残留物を2MのHCl中で粉砕し、濾過し、減圧下で乾燥させて、対応する2−アルキルスルファニル安息香酸を得た。
基本手順D。H2O(5mL)中の適切な2−アルキルスルファニル安息香酸(1.0当量)の懸濁液に、オキソン(2.5当量)を加えた。混合物を40℃で15時間撹拌し、次いで、室温まで冷却し、EtOAcで抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗製物をさらに精製することなく、次工程にて使用した。
[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]−(o−トリル)メタノン(本明細書では7または化合物7と称される):
。
化合物7は、43及び2−メチル安息香酸(34mg、0.25mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、50:50)、7を白色固体(60mg、68%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.74 (dd, J=8.7, 2.7, 1H), 7.46 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.33 (ddd, J=7.6, 6.7, 1.8, 1H), 7.29 (dd, J=7.6, 1.8, 1H), 7.25 (dd, J=6.7, 1.6, 1H), 7.23 (dd, J=7.5, 1.8, 1H), 7.13 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.82 (bs, 2H), 3.74 − 3.60 (m, 2H), 3.60 − 3.47 (m, 2H), 3.32 − 3.27 (m, 2H), 2.24 (s, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.7, 168.0, 157.3 (d, J=237.4), 148.9, 136.0, 133.8, 131.4 (d, J=11.2), 130.2, 128.8, 125.8, 125.8, 119.3 (d, J=8.8), 113.5 (d, J=23.7), 108.1 (d, J=27.5), 48.1, 47.7, 45.5, 40.2, 18.6.UPLC−MS:2.58分, 356 [M+H]+.HRMS C19H19FN3OS [M+H]+:計算値356.1233 測定値:356.1241 Δppm2.2.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[(2S)−4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において8または化合物8と称される):
。
化合物8は、54及び60(56mg、0.26mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、99:1)、8を白色固体(43mg、43%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.03 − 7.90 (m, 1H), 7.90 − 7.79 (m, 1H), 7.78 − 7.65 (m, 2H), 7.63 − 7.46 (m, 1H), 7.46 − 7.39 (m, 1H), 7.16 − 7.07 (m, 1H), 5.03 − 3.07 (m, 9H), 1.33 − 1.07 (m, 6H).13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 168.5, 167.5, 166.7, 158.4, 156.0, 149.0, 136.6, 136.4, 135.1, 134.4, 134.3, 131.3, 131.2, 130.6, 130.5, 130.2, 129.7, 129.6, 127.65, 127.0, 125.4, 123.1, 119.1, 119.0, 118.7, 115.3, 114.7, 113.6, 113.4, 111.8, 110.2, 108.2, 108.1, 107.7, 52.1, 51.8, 51.6, 51.1, 50.5, 50.4, 47.0, 46.9, 44.6, 44.2, 41.6, 41.5, 16.5, 15.7, 15.4, 14.6, 13.7, 6.8, 6.7.UPLC−MS:2.26分, 448 [M+H]+.HRMS C21H23FN3O3S2 [M+H]+:計算値448.1165 測定値:448.1177 Δppm2.7.[α]20 D=+39° (c 1.0, CHCl3).
[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]−フェニル−メタノン(本明細書では9または化合物9と称される):
。
化合物9は、43及び安息香酸(26mg、0.21mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、50:50)、9を白色固体(64mg、88%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.74 (dd, J=8.7, 2.7, 1H), 7.52 − 7.42 (m, 6H), 7.14 (td, J=9.1, 2.8, 1H), 3.90 − 3.42 (m, 8H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 169.79, 168.53, 157.76 (d, J=237.3), 149.37, 135.98, 131.82 (d, J=11.5), 130.23, 128.97, 127.50, 119.80 (d, J=9.5), 114.06 (d, J=23.1), 108.62 (d, J=27.7), 48.89 − 47.81 (m), 47.42 − 46.48 (m), 41.75 − 41.15 (m).UPLC−MS:2.38分, 342 [M+H]+.HRMS C18H17FN3OS [M+H]+:計算値342.1076 測定値:342.1076 Δppm0.
(2−クロロフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において10または化合物10と称される):
。
化合物10は、43及び2−クロロ安息香酸(78mg、0.5mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、70:30)、10を白色固体(150mg、68%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.73 (dd, J=8.7, 2.7, 1H), 7.56 (dd, J=6.8, 1.7, 1H), 7.51 − 7.40 (m, 4H), 7.13 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.82 (dq, J=13.1, 7.8, 6.6, 2H), 3.67 (t, J=5.2, 2H), 3.61 − 3.52 (m, 2H), 3.33 − 3.26 (m, 2H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.0, 165.8, 157.4 (d, J=237.7), 148.9, 135.4, 131.4 (d, J=11.3), 130.7, 129.5, 129.2, 128.1, 127.7, 119.4 (d, J=8.9), 113.6 (d, J=23.9), 108.2 (d, J=27.4), 48.0, 47.6, 45.5, 40.5.UPLC−MS:2.34分, 376 378 [M+H]+.HRMS C18H16ClFN3OS [M+H]+:計算値376.0687 測定値:376.0692 Δppm1.3.
[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−フルオロフェニル)メタノン(本明細書では11または化合物11と称される):
。
化合物11は、43及び2−フルオロ安息香酸(35mg、0.25mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、50:50)、11を白色固体(69mg、76%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.74 (dd, J=8.7, 2.7, 1H), 7.54 (dddd, J=8.5, 7.3, 5.5, 1.8, 1H), 7.50 − 7.43 (m, 2H), 7.37 − 7.28 (m, 2H), 7.13 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.82 (t, J=5.2, 2H), 3.67 (t, J=5.3, 2H), 3.55 (dd, J=6.5, 4.0, 2H), 3.40 (t, J=5.2, 2H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.0, 164.2, 157.6 (d, J=246.1), 157.3 (d, J=237.7), 148.9, 131.7 (d, J=8.1), 131.4 (d, J=11.1), 128.9 (d, J=3.6), 125.0 (d, J=3.2), 123.7 (d, J=18.0), 119.3 (d, J=8.8), 115.9 (d, J=21.3), 113.6 (d, J=23.7), 108.2 (d, J=27.4), 48.1, 47.6, 45.8, 40.7.UPLC−MS:2.52分, 360 [M+H]+.HRMS C18H16F2N3OS [M+H]+:計算値360.0982 測定値:360.0982 Δppm0.
[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−メトキシフェニル)メタノン(本明細書では12または化合物12と称される):
。
化合物12は、43及び2−メトキシ安息香酸(32mg、0.21mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、30:70)、12をオフホワイト固体(60mg、78%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.73 (dd, J=8.7, 2.7, 1H), 7.46 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.42 (ddd, J=8.3, 7.4, 1.8, 1H), 7.24 (dd, J=7.4, 1.7, 1H), 7.13 (td, J=9.2, 2.8, 1H), 7.11 (dd, J=8.5, 0.8, 1H), 7.02 (td, J=7.4, 0.9, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.80 − 3.72 (m, 2H), 3.68 − 3.60 (m, 2H), 3.53 (t, J=5.2, 1H), 3.29 (t, J=5.8, 1H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.5, 167.2, 157.8 (d, J=237.5), 155.3, 149.3, 131.8 (d, J=9.6), 131.1, 128.3, 125.6, 121.2, 119.8 (d, J=9.6), 114.0 (d, J=24.2), 111.8, 108.6 (d, J=26.4), 55.9, 48.6, 48.2, 46.1, 40.9.UPLC−MS:2.48分, 372 [M+H]+.HRMS C19H19FN3O2S [M+H]+:計算値372.1182 測定値:372.118 Δppm−0.5.
[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−メチルスルホニルフェニル)メタノン(本明細書では13または化合物13と称される):
。
化合物13は、43及び2−メチルスルホニル安息香酸(66mg、0.33mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、90:10)、13をオフホワイト固体(80mg、60%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.02 (dd, J=7.9, 1.2, 1H), 7.84 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 7.74 (td, J=7.7, 1.3, 1H), 7.74 (dd, J=8.8, 2.7, 1H), 7.58 (dd, J=7.5, 1.3, 1H), 7.47 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.14 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.89 (ddd, J=12.8, 6.8, 3.5, 1H), 3.74 (td, J=12.1, 5.3, 2H), 3.67 − 3.48 (m, 3H), 3.43 − 3.19 (m, 2H), 3.30 (s, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 167.5, 167.2, 157.5 (d, J=237.9), 149.0, 137.5, 135.9, 134.4, 131.5 (d, J=11.4), 130.1, 129.5, 127.7, 119.5 (d, J=8.9), 113.8 (d, J=23.7), 108.3 (d, J=27.7), 47.4, 46.3, 45.1, 40.8.UPLC−MS:2.06分, 420 [M+H]+.HRMS C19H19N3O3FS2 [M+H]+:計算値420.0852 測定値:420.085 Δppm−0.5.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において14または化合物14と称される):
。
化合物14は、43及び60(45mg、0.21mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、95:5)、14をオフホワイト固体(52mg、57%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.96 (dd, J=7.9, 1.2, 1H), 7.84 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 7.76 − 7.71 (m, 2H), 7.58 (dd, J=7.5, 1.3, 1H), 7.47 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.13 (td, J=9.1, 2.8, 1H), 3.92 − 3.81 (m, 1H), 3.78 − 3.68 (m, 2H), 3.66 − 3.58 (m, 1H), 3.60 − 3.52 (m, 2H), 3.49 − 3.38 (m, 2H), 3.38 − 3.33 (m, 1H), 3.23 (dt, J=13.4, 4.9, 1H), 1.12 (t, J=7.4, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 167.9, 167.2, 157.3 (d, J=237.6), 148.9, 136.2, 135.2, 134.3, 131.4 (d, J=11.7), 130.4, 129.7, 127.7, 119.4 (d, J=8.7), 113.5 (d, J=23.7), 108.1 (d, J=27.6), 50.4, 47.2, 46.1, 40.7, 6.8.UPLC−MS:2.32分, 434 [M+H]+.HRMS C20H21FN3O3S2 [M+H]+:計算値434.1008 測定値:434.1015 Δppm1.6.
(3−エチルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において15または化合物15と称される):
。
化合物15は、43及び3−エチルスルホニル安息香酸(54mg、0.12mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、90:10)、15を白色固体(79mg、73%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.00 (dt, J=7.7, 1.5, 1H), 7.95 (t, J=1.7, 1H), 7.84 (dt, J=7.6, 1.4, 1H), 7.77 (t, J=7.7, 1H), 7.74 (dd, J=8.7, 2.6, 1H), 7.47 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.14 (td, J=9.1, 2.8, 1H), 3.81 (bs, 2H), 3.69 (bs, 2H), 3.61 (bs, 2H), 3.49 (bs, 2H), 3.36 (q, J=7.4, 2H), 1.13 (t, J=7.4, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.5, 168.0, 157.8 (d, J=237.5), 149.4, 139.4, 137.2, 132.6, 131.9 (d, J=11.1), 130.4, 129.3, 126.8, 119.8 (d, J=8.9), 114.0 (d, J=23.8), 108.7 (d, J=27.5), 49.5, 48.3 (bs), 46.2, 41.5, 7.6.UPLC−MS:2.29分, 434 [M+H]+.HRMS C20H21FN3O3S2 [M+H]+:計算値434.1008 測定値:434.101 Δppm0.5.
(4−エチルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において16または化合物16と称される):
。
化合物16は、43及び4−エチルスルホニル安息香酸(54mg、0.12mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、90:10)、16を白色固体(79mg、73%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.00 − 7.96 (m, 2H), 7.77 − 7.70 (m, 3H), 7.47 (dd, J=8.9, 4.8, 1H), 7.14 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.81 (bs, 1H), 3.70 (bs, 1H), 3.59 (bs, 1H), 3.45 (bs, 1H), 3.36 (q, J=7.4, 1H), 1.13 (t, J=7.3, 2H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.0, 167.8, 157.3 (d, J=237.3), 148.9, 140.6, 139.3, 131.4 (d, J=11.4), 128.2, 127.9, 119.4 (d, J=8.8), 113.6 (d, J=23.6), 108.2 (d, J=27.3), 49.0, 47.7 (bs), 46.0 (bs), 40.7 (bs), 7.1.UPLC−MS:2.3分 434 [M+H]+.HRMS C20H21FN3O3S2 [M+H]+:計算値434.1008 測定値:434.1017 Δppm2.1.
[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−プロピルスルホニルフェニル)メタノン(本明細書では17または化合物17と称される):
。
化合物17は、43及び2−プロピルスルホニル安息香酸(47mg、0.21mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、85:15)、17をオフホワイト固体(50mg、54%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.97 (dd, J=7.9, 1.2, 1H), 7.84 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 7.77 − 7.70 (m, 2H), 7.57 (dd, J=7.5, 1.3, 1H), 7.46 (dd, J=8.9, 4.8, 1H), 7.13 (td, J=9.1, 2.8, 1H), 3.91 − 3.82 (m, 1H), 3.79 − 3.68 (m, 2H), 3.65 − 3.58 (m, 1H), 3.56 (t, J=5.6, 2H), 3.46 − 3.35 (m, 2H), 3.31 (s, 1H), 3.23 (dt, J=13.5, 5.0, 1H), 1.75 − 1.59 (m, 1H), 1.58 − 1.41 (m, 1H), 0.92 (t, J=7.4, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.1, 167.3, 157.4 (d, J=237.2), 149.0, 136.2, 135.9, 134.4, 131.5 (d, J=11.0), 130.2, 129.8, 127.8, 119.4 (d, J=8.6), 113.6 (d, J=24.3), 108.2 (d, J=27.2), 57.5, 47.3, 46.2, 40.7, 15.9, 12.7.UPLC−MS:2.54分, 448 [M+H]+.HRMS C21H23FN3O3S2 [M+H]+:計算値448.1165 測定値:448.1185 Δppm4.5.
(2−ブチルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において18または化合物18と称される):
。
化合物18は、43及び2−ブチルスルホニル安息香酸(64mg、0.26mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、30:70)、18をオフホワイト固体(65mg、56%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.97 (dd, J=7.9, 1.2, 1H), 7.84 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 7.78 − 7.68 (m, 2H), 7.57 (dd, J=7.5, 1.2, 1H), 7.46 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.13 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.87 (ddd, J=12.7, 6.9, 3.6, 1H), 3.80 − 3.68 (m, 2H), 3.66 − 3.58 (m, 1H), 3.56 (t, J=5.2, 1H), 3.49 − 3.38 (m, 2H), 3.38 − 3.29 (m, 1H), 3.23 (dt, J=13.5, 4.9, 1H), 1.73 − 1.58 (m, 1H), 1.50 − 1.38 (m, 1H), 1.38 − 1.27 (m, 2H), 0.83 (t, J=7.2, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.2, 167.5, 157.5 (d, J=237.5), 149.0, 136.2, 135.9, 134.5, 131.5 (d, J=10.1), 130.3, 130.0, 127.9, 119.6 (d, J=8.8), 113.8 (d, J=23.7), 108.3 (d, J=27.5), 55.7, 47.4, 46.3, 40.9, 24.1, 21.0, 13.5.UPLC−MS:2.73分, 462 [M+H]+.HRMS C22H25FN3O3S2 [M+H]+:計算値462.1321 測定値:462.1325 Δppm0.9.
[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]−(2 イソプロピルスルホニルフェニル)メタノン(本明細書では19または化合物19と称される):
。
化合物19は、43及び2−イソプロピルスルホニル安息香酸(64mg、0.28mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、90:10)、19をオフホワイト固体(84mg、67%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.94 (dd, J=7.9, 1.2, 1H), 7.84 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 7.79 − 7.68 (m, 2H), 7.58 (dd, J=7.5, 1.2, 1H), 7.47 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.13 (td, J=9.1, 2.8, 1H), 3.91 − 3.80 (m, 1H), 3.77 − 3.71 (m, 2H), 3.71 − 3.65 (m, 1H), 3.65 − 3.58 (m, 1H), 3.58 − 3.53 (m, 2H), 3.39 − 3.28 (m, 2H), 3.22 (dt, J=13.6, 5.0, 1H), 1.29 (d, J=6.9, 3H), 1.04 (d, J=6.8, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.3, 167.5, 157.5 (d, J=237.8), 149.0, 136.6, 134.5, 134.3, 131.5 (d, J=11.7), 131.1, 129.8, 128.0, 119.5 (d, J=8.8), 113.8 (d, J=22.6), 108.3 (d, J=28.4), 55.1, 47.4, 46.3, 40.9, 16.5, 13.1.UPLC−MS:2.53分, 448 [M+H]+.HRMS C21H23FN3O3S2 [M+H]+:計算値448.1165 測定値:448.1177 Δppm2.7.
(2−シクロプロピルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において20または化合物20と称される):
。
THF(4mL)中に54(108mg、0.20mmol)を溶解した溶液に、tBuOK(34mg、0.30mmol)を加え、混合物を室温にて2時間撹拌した。反応物をNH4Cl溶液(5mL)でクエンチし、化合物をEtOAcで抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発させて残留物を得、これをカラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH 99:1)、20を白色固体(60mg、67%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.91 (dd, J=7.9, 0.9, 1H), 7.82 (td, J=7.5, 1.2, 1H), 7.74 (dd, J=8.7, 2.7, 1H), 7.71 (td, J=7.8, 1.3, 1H), 7.57 (dd, J=7.5, 1.0, 1H), 7.47 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.13 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.87 (ddd, J=13.6, 6.5, 3.6, 1H), 3.79 − 3.69 (m, 2H), 3.63 (ddd, J=12.4, 7.5, 3.7, 1H), 3.56 (t, J=5.3, 2H), 3.35 (dt, J=13.4, 5.3, 1H), 3.24 (dt, J=13.7, 5.0, 1H), 3.02 (tt, J=8.0, 4.8, 1H), 1.37 − 1.25 (m, 1H), 1.17 − 1.06 (m, 1H), 1.05 − 0.97 (m, 1H), 0.97 − 0.88 (m, 1H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 167.9, 167.3, 157.3 (d, J=237.4), 148.9, 137.1, 135.9, 134.0, 131.4 (d, J=11.3), 129.9, 129.3, 127.6, 119.3 (d, J=8.9), 113.5 (d, J=23.9), 108.1 (d, J=27.5), 47.3, 46.1, 40.6, 32.9, 6.2, 5.0.UPLC−MS:2.2分, 446 [M+H]+.HRMS C21H21FN3O3S2 [M+H]+:計算値446.1008 測定値:446.1022 Δppm 3.1.
(2−シクロブチルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において21または化合物21と称される):
。
化合物21は、43及び2−シクロブチルスルホニル安息香酸(130mg、0.54mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、90:10)、21をオフホワイト固体(149mg、60%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.96 (dd, J=7.9, 1.2, 1H), 7.82 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 7.76 − 7.67 (m, 2H), 7.56 (td, J=7.5, 7.0, 1.3, 1H), 7.46 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.13 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 4.28 (p, J=8.0, 1H), 3.89 − 3.79 (m, 1H), 3.78 − 3.66 (m, 2H), 3.65 − 3.58 (m, 1H), 3.55 (t, J=5.3, 2H), 3.31 (dt, J=13.5, 5.8, 5.2, 1H), 3.21 (dt, J=13.5, 5.1, 1H), 2.54 − 2.43 (m, 1H), 2.29 − 2.14 (m, 2H), 2.04 − 1.83 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.0, 167.2, 157.3 (d, J=237.3), 148.9, 136.4, 134.4, 134.4, 131.4 (d, J=11.2), 130.5, 129.8, 127.8, 119.4 (d, J=8.9), 113.6 (d, J=23.6), 108.2 (d, J=26.6), 56.3, 47.3, 46.2, 40.7, 23.0, 20.6, 16.3.UPLC−MS:2.31分, 460 [M+H]+.HRMS C22H23FN3O3S2 [M+H]+:計算値460.1165 測定値:460.1174 Δppm 2.
(2−シクロペンチルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において22または化合物22と称される):
。
化合物22は、43及び2−シクロペンチルスルホニル安息香酸(127mg、0.5mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、50:50)、22を白色固体(183mg、77%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.98 (dd, J=7.9, 0.9, 1H), 7.83 (td, J=7.5, 1.2, 1H), 7.76 − 7.69 (m, 2H), 7.56 (dd, J=7.5, 1.0, 1H), 7.46 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.13 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 4.01 − 3.93 (m, 1H), 3.84 (ddd, J=13.4, 6.6, 3.7, 1H), 3.73 (ddd, J=18.0, 8.0, 3.4, 2H), 3.62 (ddt, J=11.0, 7.2, 3.8, 1H), 3.55 (t, J=5.4, 2H), 3.37 − 3.27 (m, 1H), 3.20 (dt, J=13.4, 4.8, 1H), 2.16 − 2.02 (m, 1H), 1.96 − 1.83 (m, 1H), 1.78 − 1.46 (m, 6H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.0, 167.3, 157.3 (d, J=237.4), 148.9, 136.2, 135.5, 134.2, 131.4 (d, J=11.7), 130.5, 129.7, 127.8, 119.3 (d, J=8.8), 113.5 (d, J=24.0), 108.1 (d, J=27.3), 63.5, 47.2, 46.1, 40.7, 28.0, 25.6, 25.4, 24.9.UPLC−MS:2.42分, 474 [M+H]+.HRMS C23H25FN3O3S2 [M+H]+:計算値474.1321 測定値:474.133 Δppm 1.9.
(2−シクロヘキシルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において23または化合物23と称される):
。
化合物23は、43及び2−シクロヘキシルスルホニル安息香酸(56mg、0.21mmol)を使用して基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、30:70)、23を白色固体(75mg、73%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.91 (dd, J=7.9, 1.2, 1H), 7.84 (td, J=7.5, 1.2, 1H), 7.77 − 7.69 (m, 2H), 7.57 (dd, J=7.6, 1.2, 1H), 7.46 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.13 (td, J=9.1, 2.8, 1H), 3.92 − 3.82 (m, 1H), 3.80 − 3.67 (m, 2H), 3.66 − 3.58 (m, 1H), 3.56 (t, J=5.4, 2H), 3.44 (tt, J=12.4, 3.5, 1H), 3.32 (dt, J=13.5, 5.0, 1H), 3.22 (dt, J=13.5, 5.0, 1H), 2.09 (d, J=12.7, 1H), 1.85 (d, J=12.4, 1H), 1.71 (d, J=10.9, 1H), 1.61 (d, J=9.6, 1H), 1.57 − 1.42 (m, 2H), 1.41 − 1.29 (m, 1H), 1.29 − 1.00 (m, 3H).13C NMR (151 MHz, DMSO−d6) δ 168.2, 167.5, 157.5 (d, J=237.1), 149.0, 136.6, 134.5, 134.3, 131.5 (d, J=10.9), 131.2, 129.7, 128.0, 119.6 (d, J=8.5), 113.8 (d, J=24.0), 108.3 (d, J=28.4), 62.6, 47.4, 47.4, 46.3, 40.9, 26.3, 24.9, 24.6, 24.5, 22.9.UPLC−MS:2.83分, 488 [M+H]+.HRMS C24H27FN3O3S2 [M+H]+:計算値488.1478 測定値:488.1487 Δppm 1.8.
[4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−エチルスルホニルフェニル)メタノン(本明細書では24または化合物24と称される):
。
化合物24は、44及び2−クロロ−1,3−ベンゾチアゾール(58mg、0.34mmol)を使用して、基本手順Aにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、90:10)、24を白色固体(60mg、54%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.96 (dd, J=7.9, 1.2, 1H), 7.85 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 7.78 (dd, J=8.0, 1.2, 1H), 7.73 (td, J=7.7, 1.3, 1H), 7.58 (dd, J=7.5, 1.3, 1H), 7.48 (dd, J=8.2, 1.1, 7H), 7.29 (ddd, J=8.2, 7.3, 1.3, 1H), 7.09 (td, J=7.6, 1.2, 1H), 3.92 − 3.81 (m, 1H), 3.82 − 3.68 (m, 2H), 3.68 − 3.60 (m, 1H), 3.58 (t, J=5.2, 2H), 3.49 − 3.36 (m, 2H), 3.36 − 3.32 (m, 1H), 3.23 (dt, J=13.5, 5.0, 1H), 1.12 (t, J=7.4, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 152.2, 136.3, 135.3, 134.3, 130.4, 130.4, 129.7, 127.8, 126.0, 121.5, 121.3, 118.7, 50.4, 47.3, 46.2, 40.7, 6.8.UPLC−MS:2.33分, 415 [M+H]+.HRMS C20H22N3O3S2 [M+H]+:計算値416.1103 測定値:416.1103 Δppm0.
[4−(6−クロロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−エチルスルホニルフェニル)メタノン(本明細書では25または化合物25と称される):
。
化合物25は、44及び2,6−ジクロロ−1,3−ベンゾチアゾール(61mg、0.3mmol)を使用して、基本手順Aにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、70:30)、25を白色固体(83mg、65%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.96 (dd, J=7.9, 1.1, 1H), 7.94 (d, J=2.3, 1H), 7.85 (td, J=7.5, 1.2, 1H), 7.73 (td, J=7.7, 1.2, 1H), 7.58 (dd, J=7.5, 1.2, 1H), 7.45 (d, J=8.6, 1H), 7.30 (dd, J=8.6, 2.3, 1H), 3.87 (ddd, J=11.9, 6.7, 2.8, 1H), 3.81 − 3.68 (m, 2H), 3.67 − 3.60 (m, 1H), 3.58 (t, J=6.3, 2H), 3.48 − 3.34 (m, 2H), 3.34 − 3.27 (m, 1H), 3.24 (dt, J=13.3, 4.9, 1H), 1.12 (t, J=7.4, 2H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 169.1, 167.8, 151.5, 136.6, 135.6, 134.8, 132.4, 130.8, 130.3, 128.2, 126.7, 125.7, 121.4, 120.1, 50.9, 47.7, 46.6, 41.2, 7.2.UPLC−MS:2.65分, 450 [M+H]+.HRMS C20H21ClN3O3S2 [M+H]+:計算値450.0713 測定値:450.072 Δppm 1.6.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[4−[6−(トリフルオロメチル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル]ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において26または化合物26と称される):
。
化合物26は、44及び2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)−1,3−ベンゾチアゾール(140mg、0.59mmol)を使用して、基本手順Aにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:EtOAc、80:20)、26を白色固体(120mg、51%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.28 (s, 1H), 7.97 (dd, J=7.9, 1.2, 1H), 7.85 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 7.74 (td, J=7.7, 1.3, 1H), 7.63 − 7.56 (m, 3H), 3.94 − 3.84 (m, 1H), 3.84 − 3.78 (m, 1H), 3.79 − 3.73 (m, 1H), 3.73 − 3.67 (m, 1H), 3.67 − 3.58 (m, 2H), 3.49 − 3.37 (m, 2H), 3.37 − 3.32 (m, 1H), 3.29 − 3.21 (m, 1H), 1.13 (t, J=7.4, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 170.3, 167.2, 155.2, 136.2, 135.2, 134.3, 130.9, 130.4, 129.7, 127.7, 123.1, 121.6 (q, J=30.5), 120.7 (q, J=245.0), 119.1, 118.5, 50.4, 47.3, 46.1, 40.7, 6.8.UPLC−MS:2.38分, 483 [M+H]+.HRMS C21H21FN3O33S2 [M+H]+:計算値484.0976 測定値:484.098 Δppm 0.8.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[4−(6−メチル−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において27または化合物27と称される):
。
化合物27は、44及び2−クロロ−6−メチル−1,3−ベンゾチアゾール(56mg、0.31mmol)を使用して、基本手順Aにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、50:50)、27を白色固体(71mg、57%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.96 (dd, J=7.9, 1.2, 1H), 7.84 (td, J=7.5, 1.2, 1H), 7.73 (td, J=7.7, 1.3, 1H), 7.63 − 7.54 (m, 2H), 7.37 (d, J=8.2, 1H), 7.10 (dd, J=8.2, 1.7, 1H), 3.85 (dt, J=11.8, 4.6, 1H), 3.78 − 3.67 (m, 2H), 3.66 − 3.57 (m, 1H), 3.54 (t, J=5.3, 2H), 3.49 − 3.36 (m, 2H), 3.36 − 3.27 (m, 1H), 3.23 (dt, J=13.5, 5.0, 1H), 2.34 (s, 3H), 1.12 (t, J=7.4, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 167.5, 167.3, 150.1, 136.3, 135.3, 134.4, 130.8, 130.6, 130.4, 129.8, 127.8, 127.2, 121.2, 118.5, 50.5, 47.3, 46.2, 40.8, 20.8, 6.9.UPLC−MS:2.52分, 429 [M+H]+.HRMS C21H24N3O3S2 [M+H]+:計算値430.1259 測定値:430.1267 Δppm 1.9.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[4−(6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において28または化合物28と称される):
。
化合物28は、44及び2−クロロ−6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール(61mg、0.31mmol)を使用して、基本手順Aにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、30:70)、28を白色固体(49mg、35%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.96 (dd, J=7.8, 1.2, 1H), 7.84 (td, J=7.4, 1.2, 1H), 7.73 (td, J=7.7, 1.4, 2H), 7.58 (dd, J=7.5, 1.2, 1H), 7.43 (d, J=2.6, 1H), 7.39 (d, J=8.8, 1H), 6.89 (dd, J=8.8, 2.7, 1H), 3.85 (ddd, J=13.5, 6.8, 3.7, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.69 (m, 2H), 3.57 (ddd, J=12.0, 7.6, 3.8, 1H), 3.52 (t, J=5.3, 2H), 3.47 − 3.36 (m, 2H), 3.36 − 3.27 (m, 1H), 3.22 (dt, J=13.4, 4.9, 1H), 1.12 (t, J=7.4, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 167.6, 167.0, 154.9, 146.4, 136.4, 135.4, 134.6, 131.7, 130.6, 130.0, 128.0, 119.5, 114.1, 105.7, 55.8, 50.7, 47.5, 47.5, 46.4, 41.0, 7.0.UPLC−MS:2.3分, 445 [M+H]+.HRMS C21H24N3O4S2 [M+H]+:計算値446.1208 測定値:446.1214 Δppm1.3.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[4−(4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において29または化合物29と称される):
。
化合物29は、44及び2−クロロ−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(67mg、0.36mmol)を使用して、基本手順Aにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、50:50)、29を白色固体(74mg、59%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.96 (dd, J=8.0, 1.2, 1H), 7.85 (td, J=7.6, 1.3, 1H), 7.74 (td, J=7.7, 1.3, 1H), 7.62 (dd, J=7.8, 1.2, 1H), 7.59 (dd, J=7.5, 1.3, 1H), 7.15 (ddd, J=11.2, 8.1, 1.2, 1H), 7.08 (td, J=8.0, 4.8, 1H), 3.92 − 3.83 (m, 1H), 3.83 − 3.70 (m, 2H), 3.69 − 3.63 (m, 1H), 3.60 (t, J=5.6, 2H), 3.49 − 3.38 (m, 2H), 3.38 − 3.28 (m, 1H), 3.24 (dt, J=13.8, 5.0, 1H), 1.13 (t, J=7.4, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.3, 167.3, 152.5 (d, J=248.6), 140.3 (d, J=13.3), 136.2, 135.3, 134.4, 133.1 (d, J=4.4), 130.4, 129.8, 127.8, 122.0 (d, J=6.8), 117.4 (d, J=3.7), 112.2 (d, J=17.9), 50.5, 47.4, 47.3, 46.1, 40.7, 6.8.UPLC−MS:2.39分, 433 [M+H]+.HRMS C20H21FN3O3S2 [M+H]+:計算値434.1008 測定値:434.1013 Δppm 1.2.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[4−(5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において30または化合物30と称される):
。
化合物30は、44及び2−クロロ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(49mg、0.26mmol)を使用して、基本手順Aにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、50:50)、30を白色固体(40mg、35%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.96 (dd, J=7.9, 1.1, 2H), 7.85 (td, J=7.5, 1.2, 1H), 7.80 (dd, J=8.7, 5.5, 1H), 7.73 (td, J=7.7, 1.3, 1H), 7.58 (dd, J=7.5, 1.2, 2H), 7.29 (dd, J=10.4, 2.5, 1H), 6.95 (td, J=9.0, 2.6, 1H), 3.92 − 3.82 (m, 1H), 3.82 − 3.68 (m, 2H), 3.70 − 3.60 (m, 1H), 3.61 − 3.55 (m, 2H), 3.49 − 3.36 (m, 2H), 3.36 − 3.27 (m, 1H), 3.24 (dt, J=13.5, 4.9, 1H), 1.12 (t, J=7.4, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 170.2, 167.4, 161.6 (d, J=238.9), 153.6 (d, J=12.4), 136.3, 135.3, 134.5, 130.5, 129.9, 127.9, 126.1, 122.4 (d, J=10.1), 109.0 (d, J=24.2), 105.3 (d, J=24.1), 50.6, 47.3, 46.2, 40.8, 6.9.UPLC−MS:2.37分, 433 [M+H]+.HRMS C20H21FN3O3S2 [M+H]+:計算値434.1008 測定値:434.1012 Δppm0.9.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[4−(7−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において31または化合物31と称される):
。
化合物31は、44及び2−クロロ−7−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(50mg、0.27mmol)を使用して、基本手順Aにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、50:50)、31を白色固体(66mg、56%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.97 (dd, J=7.7, 1.0, 1H), 7.86 (td, J=7.5, 0.8, 1H), 7.75 (t, J=7.6, 1H), 7.60 (dd, J=7.8, 1.0, 2H), 7.39 − 7.29 (m, 2H), 7.00 (ddd, J=9.5, 6.3, 2.7, 1H), 3.88 (dd, J=8.5, 3.9, 0H), 3.85 − 3.71 (m, 1H), 3.71 − 3.65 (m, 0H), 3.65 − 3.58 (m, 2H), 3.48 − 3.37 (m, 2H), 3.37 − 3.29 (m, 1H), 3.26 (dt, J=8.3, 4.6, 0H), 1.13 (t, J=7.4, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.5, 167.5, 156.2 (d, J=244.7), 155.3 (d, J=2.5), 136.3, 135.3, 134.5, 130.5, 130.0, 127.9, 127.6 (d, J=7.7), 116.4 (d, J=16.1), 115.2 (d, J=2.2), 107.6 (d, J=18.4), 50.6, 47.6, 46.2, 40.9, 6.9.UPLC−MS:2.49分, 433 [M+H]+.HRMS C20H21FN3O3S2 [M+H]+:計算値434.1008 測定値:434.1011 Δppm 0.7.
[4−(7−クロロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−エチルスルホニルフェニル)メタノン(本明細書では32または化合物32と称される):
。
化合物32は、44及び2,6−ジクロロ−1,3−ベンゾチアゾール(101mg、0.5mmol)を使用して、基本手順Aにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、50:50)、32を白色固体(103mg、46%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.98 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.86 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.75 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 3.96 − 3.55 (m, 6H), 3.50 − 3.17 (m, 4H), 1.14 (t, J = 7.4 Hz, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 167.5, 167.3, 153.2, 136.2, 135.3, 134.4, 130.4, 130.0, 129.8, 127.8, 127.6, 124.8, 121.0, 117.4, 50.4, 47.3 (2xC), 46.1, 40.7, 6.8.UPLC−MS:2.65分, 450 [M+H]+.HRMS C20H21ClN3O3S2 [M+H]+:計算値450.0713 測定値:450.0713 Δppm 0.9.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において36または化合物36と称される):
。
化合物36は、46及び60(125mg、0.58mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、50:50)、36を白色固体(120mg、42%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.00 − 7.91 (m, 1H), 7.89 − 7.79 (m, 1H), 7.77 − 7.68 (m, 2H), 7.63 − 7.46 (m, 1H), 7.46 − 7.41 (m, 1H), 7.16 − 7.08 (m, 1H), 5.03 − 3.05 (m, 9H), 1.36 − 1.05 (m, 6H).13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 168.5, 167.5, 166.7, 158.4, 156.0, 149.0, 136.6, 136.4, 135.1, 134.4, 134.3, 131.3, 131.2, 130.6, 130.5, 130.2, 129.7, 129.6, 127.65, 127.0, 125.4, 123.1, 119.1, 119.0, 118.7, 115.3, 114.7, 113.6, 113.4, 111.8, 110.2, 108.2, 108.1, 107.7, 52.1, 51.8, 51.6, 51.1, 50.5, 50.4, 47.0, 46.9, 44.6, 44.2, 41.6, 41.5, 16.5, 15.7, 15.4, 14.6, 13.7, 6.8, 6.7.UPLC−MS:2.22分, 448 [M+H]+.HRMS C21H23FN3O3S2 [M+H]+:計算値448.1165 測定値:448.1172 Δppm 1.6.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−3−メチル−ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において37または化合物37と称される):
。
化合物37は、50及び60(39mg、0.18mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、30:70)、37を白色固体(30mg、43%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.02 − 7.92 (m, 1H), 7.90 − 7.78 (m, 1H), 7.78 − 7.50 (m, 3H), 7.45 (dt, J=8.8, 4.4, 1H), 7.17 − 7.06 (m, 1H), 4.54 − 2.82 (m, 9H), 1.42 − 1.05 (m, 6H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.6, 168.4, 167.4, 158.4, 156.1, 156.0, 149.0, 148.9, 136.5, 136.3, 136.2, 135.5, 135.0, 134.9, 134.4, 134.3, 134.2, 131.2, 131.1, 130.3, 130.2, 130.1, 129.7, 128.0, 127.9, 119.3, 119.2, 119.1, 113.6, 113.4, 108.2, 108.0, 51.9, 51.3, 51.1, 50.8, 50.5, 50.4, 46.3, 45.3, 44.9, 42.6, 42.3, 41.0, 26.3, 13.9, 6.8.UPLC−MS:2.28分, 448 [M+H]+.HRMS C21H23FN3O3S2 [M+H]+:計算値448.1165 測定値:448.1165 Δppm0.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において38または化合物38と称される):
。
化合物38は、51及び60(50mg、0.23mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、99:1)、38を白色固体(30mg、34%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.93 (d, J=7.8, 1H), 7.82 (t, J=7.4, 1H), 7.72 (dd, J=8.6, 2.5, 1H), 7.69 (t, J=7.8, 1H), 7.52 (d, J=7.4, 1H), 7.44 (dd, J=8.7, 4.8, 1H), 7.12 (td, J=9.3, 1.6, 1H), 3.80 (s, 2H), 3.63 − 3.50 (m, 2H), 3.49 − 3.16 (m, 4H), 1.61 (s, 3H), 1.54 (s, 3H), 1.11 (t, J=7.3, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.0, 167.2, 157.0 (d, J=236.5), 149.3, 138.0, 134.4, 134.3, 131.0 (d, J=11.3), 130.1, 129.3, 127.2, 118.9 (d, J=8.8), 113.4 (d, J=23.7), 108.1 (d, J=27.3), 58.2, 55.1, 50.5, 46.7, 43.1, 23.3, 21.9, 6.8.UPLC−MS:2.38分, 462 [M+H]+.HRMS C22H25FN3O3S2 [M+H]+:計算値462.1321 測定値:462.1322 Δppm 0.2.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−2,6−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において39または化合物39と称される):
。
化合物39は、52及び60(45mg、0.21mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、99:1)、39を白色固体(11mg、12%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.97 (td, J=7.9, 1.0, 1H), 7.84 (tt, J=7.5, 1.3, 1H), 7.77 − 7.57 (m, 3H), 7.43 (ddd, J=8.8, 4.8, 1.9, 1H), 7.12 (tt, J=9.2, 2.2, 1H), 5.11 − 3.07 (m, 8H), 1.40 − 1.20 (m, 6H), 1.16 − 1.07 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.6, 167.4, 157.2 (d, J=233.9), 149.1, 136.9, 135.9 (d, J=26.8), 134.3, 134.3, 134.0, 130.9, 130.2, 129.6, 129.5, 128.3, 127.1, 119.0 (d, J=8.5), 113.5 (d, J=23.3), 108.1 (d, J=27.3), 51.9, 51.6, 51.3, 51.0, 50.7, 50.2, 50.0, 50.0, 44.6, 43.9, 20.1, 19.8, 19.0, 18.9, 6.8, 6.8.UPLC−MS:2.37分, 448 [M+H]+.HRMS C22H25FN3O3S2 [M+H]+:計算値462.1321 測定値:462.1319 Δppm −0.2.
(2−エチルスルホニルフェニル)−[(2R)−4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において40または化合物40と称される):
。
化合物40は、53及び60(64mg、0.3mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、99:1)、40を白色固体(81mg、70%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.03 − 7.90 (m, 1H), 7.90 − 7.79 (m, 1H), 7.78 − 7.65 (m, 2H), 7.63 − 7.46 (m, 1H), 7.46 − 7.39 (m, 1H), 7.16 − 7.07 (m, 1H), 5.03 − 3.07 (m, 9H), 1.33 − 1.07 (m, 6H).13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 168.5, 167.5, 166.7, 158.4, 156.0, 149.0, 136.6, 136.4, 135.1, 134.4, 134.3, 131.3, 131.2, 130.6, 130.5, 130.2, 129.7, 129.6, 127.65, 127.0, 125.4, 123.1, 119.1, 119.0, 118.7, 115.3, 114.7, 113.6, 113.4, 111.8, 110.2, 108.2, 108.1, 107.7, 52.1, 51.8, 51.6, 51.1, 50.5, 50.4, 47.0, 46.9, 44.6, 44.2, 41.6, 41.5, 16.5, 15.7, 15.4, 14.6, 13.7, 6.8, 6.7.UPLC−MS (2.26分, 448 [M+H]+).HRMS C21H23FN3O3S2 [M+H]+:計算値448.1165 測定値:448.117 Δppm 1.1.[α]20 D = −36° (c 1.0, CHCl3).
[(2S)−4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−(2−プロピルスルホニルフェニル)メタノン(本明細書では41または化合物41と称される):
。
化合物41は、54及び4−プロピルスルホニル安息香酸(170mg、0.7mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、50:50)、41を白色固体(250mg、74%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.00 − 7.96 (m, 2H), 7.77 − 7.70 (m, 3H), 7.47 (dd, J=8.9, 4.8, 1H), 7.14 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.81 (bs, 1H), 3.70 (bs, 1H), 3.59 (bs, 1H), 3.45 (bs, 1H), 3.36 (q, J=7.4, 1H), 1.13 (t, J=7.3, 2H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.0, 167.8, 157.3 (d, J=237.3), 148.9, 140.6, 139.3, 131.4 (d, J=11.4), 128.2, 127.9, 119.4 (d, J=8.8), 113.6 (d, J=23.6), 108.2 (d, J=27.3), 49.0, 47.7 (bs), 46.0 (bs), 40.7 (bs), 7.1.UPLC−MS:2.3分, 434 [M+H]+.HRMS C22H25FN3O3S2 [M+H]+:計算値462.1321 測定値:462.1328 Δppm 1.5.[α]20 D = +35° (c 1.0, CHCl3).
(2−シクロプロピルスルホニルフェニル)−[(2S)−4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]メタノン(本明細書において42または化合物42と称される):
。
THF(7mL)中に58(185mg、0.33mmol)を溶解した溶液にtBuOK(56mg、0.50mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。反応物をNH4Cl溶液(5mL)でクエンチし、化合物をEtOAcで抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発させて残留物を得、これをカラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc 30:70)、42を白色固体(135mg、88%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.96 − 7.86 (m, 1H), 7.87 − 7.76 (m, 1H), 7.77 − 7.66 (m, 2H), 7.65 − 7.46 (m, 1H), 7.46 − 7.40 (m, 1H), 7.19 − 7.04 (m, 1H), 5.10 − 2.83 (m, 8H), 1.38 − 0.86 (m, 7H).13C NMR (101 MHz, DMSO−d6) δ 168.6, 168.5, 168.4, 168.3, 167.6, 167.0, 166.9, 166.8, 158.4, 156.1, 149.0, 137.4, 137.0, 136.2, 136.1, 135.8, 134.1, 134.0, 133.8, 131.3, 131.2, 129.9, 129.8, 129.6, 129.4, 129.2, 128.0, 127.6, 127.5, 126.9, 119.2, 119.1, 113.6, 113.4, 108.2, 108.0, 52.2, 51.8, 51.6, 51.1, 50.4, 50.1, 47.4, 47.1, 46.9, 44.6, 44.2, 41.6, 41.5, 40.1, 35.5, 35.4, 33.0, 32.9, 15.7, 15.4, 14.5, 13.7, 6.3, 6.2, 5.1, 5.0, 4.9.UPLC−MS:2.28分, 460 [M+H]+.HRMS C22H23FN3O3S2 [M+H]+:計算値460.1165 測定値:460.1173 Δppm 1.7.[α]20 D = +49° (c 1.0, CHCl3).
6−フルオロ−2−ピペラジン−1−イル−1,3−ベンゾチアゾール(本明細書では43または化合物43と称される)。化合物43は、2−クロロ−6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(374mg、2.0mmol)及びピペラジンを使用して、基本手順Aにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、1:1)、43を白色固体(384mg、81%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.7 (dd, J=8.8, 2.7, 1H), 7.4 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.1 (td, J=9.1, 2.8, 1H), 3.5 − 3.4 (m, 4H), 2.8 − 2.8 (m, 4H).UPLC−MS:1.51分, 237 [M+H]+.
(2−エチルスルホニルフェニル)−ピペラジン−1−イル−メタノン(本明細書において44または化合物44と称される)。化合物44は、60(1.07g、5.00mmol)及びピペラジンを使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH、99:1)、44を白色固体(1.28g、91%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.9 (d, J=7.9, 1H), 7.8 (td, J=7.5, 1.2, 1H), 7.7 (td, J=7.7, 1.2, 1H), 7.5 (d, J=7.4, 1H), 3.6 (ddd, J=12.9, 6.2, 3.7, 1H), 3.5 (ddd, J=9.2, 6.9, 3.5, 1H), 3.4 − 3.3 (m, 2H), 3.0 (ddd, J=13.1, 6.4, 3.5, 1H), 3.0 (ddd, J=13.0, 7.0, 3.3, 1H), 2.8 − 2.6 (m, 3H), 2.6 (ddt, J=10.6, 7.0, 3.5, 1H), 1.1 (t, J=7.4, 3H).UPLC−MS:1.08分, 283 [M+H]+.
6−フルオロ−2−(4−ピペリジル)−1,3−ベンゾチアゾール(本明細書では45または化合物45と称される)。
ステップ1:DCM(xxmL)中に1−tert−ブトキシカルボニルピペリジン−4−カルボン酸(2.29g、10mmol)を溶解した溶液に、塩化オキサリル(1.03mL、12mmol)を0℃で加え、溶液を室温で30分間撹拌した。次いで、2,4−ジフルオロアニリン(1.02mL、10mmol)を加え、続いてピリジン(0.81mL、10mmol)を滴下して加えた。混合物を室温にて1時間撹拌し、次いで、減圧下で蒸発させた。残留物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、70:30)、tert−ブチル4−[(2,4−ジフルオロフェニル)カルバモイル]ピペリジン−1−カルボキシラートを白色固体(2.43g、71%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 9.68 (s, 1H), 7.76 (td, J=9.0, 6.4, 1H), 7.28 (ddd, J=11.4, 9.1, 2.8, 1H), 7.09 − 6.99 (m, 1H), 3.97 (d, J=12.7, 2H), 2.76 (s, 2H), 2.63 (tt, J=11.3, 3.5, 1H), 1.77 (d, J=11.1, 2H), 1.46 (qd, J=12.3, 4.0, 2H), 1.40 (s, 9H).UPLC−MS:2.47分, 283 [M−C4H9]+, 339 [M−H]−.
ステップ2:Tol(14mL)中にステップ1の化合物(2.43g、7.14mmol)を溶解した溶液に、ローソン試薬(2.89g、7.14mmol)を加え、混合物を還流状態にて6時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEt2Oで洗浄し、白色固体を得、さらに精製することなく、次工程にて使用した。該固体をNMP(28ml)及びK2CO3(0.99g、7.14mmol)中に溶解し、混合物を100℃で2時間撹拌した。該懸濁液をH2Oに注ぎ、EtOAcで抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発させて45を黄色固体(0.51g、39%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.96 (dd, J=8.9, 2.6, 1H), 7.95 (dd, J=8.8, 5.1, 1H), 7.34 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.18 (tt, J=11.5, 3.7, 1H), 3.03 (dt, J=12.4, 3.2, 2H), 2.63 (td, J=12.1, 2.0, 2H), 2.01 (dq, J=13.1, 3.4, 2H), 1.66 (qd, J=12.1, 3.9, 2H).UPLC−MS:1.51分, 237 [M+H]+.
(2−エチルスルホニルフェニル)−(4−ピペリジル)メタノン(本明細書において46または化合物46と称される)。
ステップ1:DMF(9mL)中に2−ブロモチオフェノール(0.50g、0.31mL、2.64mmol)を溶解した溶液に、Cs2CO3(0.86g、2.64mmol)、続いてヨードエタン(0.53mL、6.61mmol)を加えた。反応物を室温にて15時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、H2Oを加えた。2層を分離し、水相をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥させて、褐色油として1−ブロモ−2−エチルスルホニル−ベンゼン(0.53g、93%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.60 (dd, J=7.9, 1.1, 0H), 7.38 (td, J=7.5, 7.0, 1.2, 1H), 7.34 (dd, J=7.9, 1.8, 0H), 7.09 (ddd, J=8.0, 7.1, 1.8, 0H), 3.01 (q, J=7.3, 2H), 1.28 (t, J=7.3, 3H).UPLC−MS:2.85分。
ステップ2:オーブン乾燥フラスコ中で、ステップ1の化合物(188mg、0.75mmol)を乾燥THF(4mL)中に溶解し、該溶液を−78℃まで冷却した。nBuli(0.48mL、1.21mmol)を加え、混合物を窒素下にて−78℃で30分間撹拌した。次いで、tert−ブチル 4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシラート(107mg、0.50mmol)を乾燥THF(2mL)中に溶解した溶液を加え、反応物を4時間撹拌した。溶媒は減圧下で除去され、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、80:20)、tert−ブチル 4−[(2−エチルスルホニルフェニル)−ヒドロキシ−メチル]ピペリジン−1−カルボキシラート(48mg、27%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.42 (dd, J=7.1, 2.2, 1H), 7.32 (dd, J=7.5, 1.7, 1H), 7.25 − 7.16 (m, 2H), 5.21 (d, J=4.5, 1H), 4.78 (t, J=5.0, 1H), 3.92 (bs, 2H), 2.96 (q, J=7.3, 2H), 2.55 (bs, 2H), 1.62 (s, 2H), 1.58 − 1.49 (m, 1H), 1.38 (s, 9H), 1.34 − 1.26 (m, 2H), 1.17 (t, J=7.1, 3H).UPLC−MS:2.90分, 352 [M+H]+.
ステップ3:ステップ2の化合物(38mg、0.10mmol)を乾燥DCM(2mL)中に溶解し、デス−マーチンペルヨージナン(61mg、0.14mmol)を加え、反応物を室温にて12時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、H2Oを加えた。2相を分離し、水層をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥し、蒸発させてtert−ブチル 4−(2−エチルスルホニルベンゾイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(38mg、quant.)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.98 (dd, J=7.8, 1.3, 1H), 7.85 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 7.77 (dd, J=7.7, 1.4, 1H), 7.75 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 3.97 (d, J=13.3, 2H), 3.38 (q, J=7.5, 2H), 3.20 (tt, J=11.5, 3.8, 1H), 2.76 (bs, 2H), 1.80 (d, J=12.8, 2H), 1.43 (qd, J=12.9, 3.9, 2H), 1.40 (s, 9H), 1.14 (t, J=7.4, 3H).UPLC−MS:2.54分, 381 [M+H]+, 380 [M−H]−.
ステップ4:ステップ3の化合物(68mg、0.18mmol)をジオキサン(1mL)中4M HCLに溶解し、混合物を室温にて12時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて46を白色固体(57mg、quant.)として得た。UPLC−MS:1.29分, 282 [M+H]+.
2−エチルスルホニルベンズアルデヒド(本明細書において47または化合物47と称される)。
ステップ1:THF(3mL)中に60(50mg、0.24mmol)を溶解した溶液に、2MのLiAlH4(0.24mL、0.48mmol)を加え、得られた混合物を室温にて3時間撹拌した。反応物をH2O(2mL)でクエンチし、30分間攪拌した。形成された固体は、セライトパッドに通して濾過され、該濾液をEtOAcで希釈し、H2Oで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発させて(2−エチルスルホニルフェニル)メタノール(46mg、quant.)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.00 (dd, J=7.9, 1.3, 1H), 7.67 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 7.60 (dd, J=7.6, 1.5, 1H), 7.53 (td, J=7.6, 1.4, 1H), 4.93 (s, 2H), 3.26 (q, J=7.4, 2H), 1.31 (t, J=7.5, 3H).UPLC−MS:1.39分, 201 [M+H]+, 218 [M+NH4]+.
ステップ2:Et2O(5mL)中にステップ1の化合物(46mg、0.24mmol)を溶解した溶液に、二酸化マンガン(83mg、0.96mmol)を加えた。該懸濁液を室温にて15時間撹拌し、次いで、セライトパッドに通して濾過され、DCMで洗浄した。該濾液を蒸発させて47を黄色油(45mg、quant.)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 10.84 (s, 1H), 8.17 − 8.09 (m, 2H), 7.90 − 7.78 (m, 2H), 3.33 (q, J=7.5, 2H), 1.36 (t, J=7.4, 3H).UPLC−MS:1.62分, 199 [M+H]+, 216 [M+NH4]+.
6−フルオロ−2−(3−メチルピペラジン−1−イル)−1,3−ベンゾチアゾール(本明細書では48または化合物48と称される)。化合物48は、2−クロロ−6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(187mg、1.00mmol)及び2−メチルピペラジンを使用して、基本手順Aにしたがって作製し、48を黄色固体(251mg、quant.)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.68 (dd, J=8.7, 2.7, 1H), 7.41 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.10 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.83 (d, J=10.5, 1H), 3.78 (d, J=12.3, 1H), 3.05 (td, J=12.0, 3.3, 1H), 2.95 (d, J=12.2, 1H), 2.79 − 2.63 (m, 3H), 1.02 (d, J=5.8, 3H).UPLC−MS:1.40分, 252 [M+H]+.
tert−ブチル 4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシラート(本明細書において49または化合物49と称される)。化合物49は、2−クロロ−4−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(88mg、0.5mmol)及びtert−ブチル 3−メチルピペラジン−1−カルボキシラートを使用して、基本手順Aにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(Cy:EtOAc、95:5)、49を白色固体(58mg、35%)として得た。UPLC−MS:2.69分, 352 [M+H]+.
6−フルオロ−2−(2−メチルピペラジン−1−イル)−1,3−ベンゾチアゾール(本明細書では50または化合物50と称される)。DCM中に49(58mg、0.16mmol)を溶解した溶液に、トリフルオロ酢酸(0.1mL、1.31mmol)を0℃で加え、混合物を室温にて3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcに溶解し、飽和Na2CO3溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発させて50を褐色油(40mg、quant.)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.69 (dd, J=8.7, 2.8, 1H), 7.44 − 7.37 (m, 1H), 7.10 (td, J=9.1, 2.8, 1H), 4.13 − 4.02 (m, 1H), 3.72 − 3.60 (m, 1H), 3.25 (qd, J=12.8, 3.8, 1H), 3.02 − 2.93 (m, 1H), 2.87 (dd, J=12.4, 3.9, 1H), 2.80 (d, J=12.4, 1H), 2.66 (td, J=12.3, 3.7, 1H), 1.28 (d, J=6.7, 3H).UPLC−MS:1.49分, 352 [M+H]+.
2−(3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(本明細書では51または化合物51と称される)。化合物51は、2−クロロ−6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(187mg、1.00mmol)及び2,2−ジメチルピペラジンを使用して、基本手順Aにしたがって作製し、51を黄色固体(265mg、quant.)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.66 (dd, J=8.7, 2.7, 1H), 7.38 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.09 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.47 − 3.42 (m, 2H), 3.26 (s, 2H), 2.86 − 2.81 (m, 2H), 1.07 (s, 6H).UPLC−MS:1.51分, 266 [M+H]+.
2−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(本明細書では52または化合物52と称される)。化合物52は、2−クロロ−6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(187mg、1.00mmol)及び2,6−ジメチルピペラジンを使用して、基本手順Aにしたがって作製し、52を黄色固体(265mg、quant.)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.67 (dd, J=8.7, 2.7, 1H), 7.41 (dd, J=8.8, 4.9, 1H), 7.10 (td, J=9.2, 2.8, 1H), 3.81 (dd, J=12.2, 2.3, 2H), 2.87 − 2.72 (m, 2H), 2.62 (dd, J=12.0, 10.9, 2H), 1.03 (d, J=6.3, 6H).UPLC−MS:1.54分, 266 [M+H]+.
6−フルオロ−2−[(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−1,3−ベンゾチアゾール(本明細書では53または化合物53と称される)。化合物53は、2−クロロ−6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(187mg、1.00mmol)及び(2R)−2−メチルピペラジンを使用して、基本手順Aにしたがって作製し、53を黄色固体(251mg、quant.)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.68 (dd, J=8.7, 2.7, 1H), 7.41 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.10 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.83 (d, J=10.5, 1H), 3.78 (d, J=12.3, 1H), 3.05 (td, J=12.0, 3.3, 1H), 2.95 (d, J=12.2, 1H), 2.79 − 2.63 (m, 3H), 1.02 (d, J=5.8, 3H).UPLC−MS:1.40分, 252 [M+H]+.[α]20 D = +66° (c 1.0, CHCl3).
6−フルオロ−2−[(3S)−3−メチルピペラジン−1−イル]−1,3−ベンゾチアゾール(本明細書では54または化合物54と称される)。化合物54は、2−クロロ−6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール(187mg、1.00mmol)及び(2S)−2−メチルピペラジンを使用して、基本手順Aにしたがって作製し、54を黄色固体(251mg、quant.)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.68 (dd, J=8.7, 2.7, 1H), 7.41 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.10 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 3.83 (d, J=10.5, 1H), 3.78 (d, J=12.3, 1H), 3.05 (td, J=12.0, 3.3, 1H), 2.95 (d, J=12.2, 1H), 2.79 − 2.63 (m, 3H), 1.02 (d, J=5.8, 3H).UPLC−MS:1.40分, 252 [M+H]+.[α]20 D = −64° (c 1.0, CHCl3).
[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−イル]−[2−(3−ヒドロキシプロピルスルホニル)フェニル]メタノン(本明細書では55または化合物55と称される)。化合物55は、43及び2−(3−ヒドロキシプロピルスルホニル)安息香酸(244mg、1.0mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(EtOAc)、55を白色固体(383mg、83%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.97 (dd, J=7.9, 0.9, 1H), 7.84 (td, J=7.5, 1.1, 1H), 7.78 − 7.70 (m, 2H), 7.58 (dd, J=7.5, 0.9, 1H), 7.47 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.13 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 4.63 (t, J=5.4, 1H), 3.92 − 3.81 (m, 1H), 3.79 − 3.68 (m, 2H), 3.67 − 3.58 (m, 1H), 3.56 (t, J=5.3, 2H), 3.50 − 3.38 (m, 4H), 3.35 (dd, J=14.5, 6.0, 1H), 3.23 (dt, J=13.4, 4.8, 1H), 1.87 − 1.73 (m, 1H), 1.67 − 1.54 (m, 1H).UPLC−MS:1.95分, 464 [M+H]+, 522 [M+AcO]−.
3−[2−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]フェニル]スルホニルプロピルメタンスルホナート(本明細書では56または化合物56と称される)。DCM(6mL)中に55(232mg、0.5mmol)を溶解した溶液に、MsCl(46μL、0.6mmol、1.2当量)及びEt3N(84μL、0.60mmol、1.2当量)を加え、混合物を室温にて3時間撹拌した。溶液をDCMで希釈し、2M HCl及びH2Oで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて56を白色固体(255mg、94%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.00 (dd, J=7.9, 1.0, 1H), 7.87 (td, J=7.5, 1.2, 1H), 7.75 (td, J=7.7, 1.3, 1H), 7.74 (dd, J=8.6, 2.8, 1H), 7.60 (dd, J=7.5, 1.0, 1H), 7.47 (dd, J=8.8, 4.8, 1H), 7.13 (td, J=9.1, 2.7, 1H), 4.25 (t, J=6.2, 2H), 3.88 (ddd, J=12.4, 6.6, 3.4, 1H), 3.80 − 3.68 (m, 2H), 3.65 − 3.48 (m, 5H), 3.40 − 3.35 (m, 1H), 3.24 (ddd, J=13.5, 5.9, 4.1, 1H), 3.16 (s, 3H), 2.14 − 2.01 (m, 1H), 1.98 − 1.86 (m, 1H).UPLC−MS:2.16分, 542 [M+H]+, 600 [M+AcO]−.
[(2S)−4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−[2−(3−ヒドロキシプロピルスルホニル)フェニル]メタノン(本明細書では57または化合物57と称される)。化合物57は、54及び2−(3−ヒドロキシプロピルスルホニル)安息香酸(244mg、1.0mmol)を使用して、基本手順Bにしたがって作製した。該粗製物は、カラムクロマトグラフィーによって精製し(EtOAc)、57を白色固体(215mg、45%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.03 − 7.92 (m, 1H), 7.91 − 7.80 (m, 1H), 7.80 − 7.68 (m, 2H), 7.67 − 7.47 (m, 1H), 7.45 (ddd, J=7.6, 4.8, 2.6, 1H), 7.24 − 7.07 (m, 1H), 5.12 − 3.00 (m, 12H), 1.34 − 1.18 (m, 3H), 1.18 − 1.06 (m, 2H).UPLC−MS:2.03分, 478 [M+H]+, 536 [M+AcO]−.
3−[2−[4−(6−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ピペラジン−1−カルボニル]フェニル]スルホニルプロピルメタンスルホナート(本明細書では58または化合物58と称される)。DCM(7mL)中に58(215mg、0.4mmol)を溶解した溶液に、MsCl(70μL、0.9mmol、2.0当量)及びEt3N(125μL、0.90mmol、2当量)を加え、混合物を室温にて3時間撹拌した。溶液をDCMで希釈し、2M HCl及びH2Oで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて残留物を得、これをカラムクロマトグラフィー(EtOAc)によって精製し、58を白色固体(201mg、80%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.06 − 7.94 (m, 1H), 7.91 − 7.80 (m, 1H), 7.80 − 7.67 (m, 2H), 7.67 − 7.46 (m, 1H), 7.48 − 7.38 (m, 1H), 7.21 − 7.06 (m, 1H), 5.06 − 3.02 (m, 14H), 2.16 − 1.83 (m, 2H), 1.34 − 1.16 (m, 3H).UPLC−MS:2.24分, 556 [M+H]+, 614 [M+AcO]−.
2−エチルスルファニル安息香酸(本明細書において59または化合物59と称される)。化合物59は、2−スルファニル安息香酸(1.0g、6.4mmol)及びヨウ化エチルを使用して、基本手順Cにしたがって作製し、59を白色固体(1.09g、quant.)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 12.95 (s, 1H), 7.86 (dd, J=7.8, 1.5, 1H), 7.51 (ddd, J=7.9, 7.3, 1.6, 1H), 7.39 (dd, J=8.1, 1.1, 1H), 7.19 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 2.93 (q, J=7.3, 2H), 1.27 (t, J=7.3, 3H).UPLC−MS:1.37分, 183 [M+H]+, 181 [M−H]−.
2−エチルスルホニル安息香酸(本明細書において60または化合物60と称される)。化合物60は、59(300mg、1.6mmol)を使用して、基本手順Dにしたがって作製し、60を白色固体(340mg、96%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ = 13.72 (s, 1H), 7.95 (dd, J=7.6, 1.3, 1H), 7.82 (td, J=7.6, 1.4, 1H), 7.75 (td, J=7.7, 1.6, 1H), 7.73 (dd, J=7.3, 1.3, 1H), 3.52 (q, J=7.4, 2H), 1.16 (t, J=7.4, 3H).UPLC−MS:0.78分, 197 [M−OH]+, 215 [M+H]+, 232 [M+NH4]+, 169 [M−COOH]−, 231 [M−H]−.
2−プロピルスルファニル安息香酸(本明細書において61または化合物61と称される)。化合物61は、2−スルファニル安息香酸(1.54g、10.0mmol)及びヨウ化プロピルを使用して、基本手順Cにしたがって作製し、61を白色固体(1.89g、96%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 12.95 (s, 1H), 7.85 (dd, J=7.8, 1.6, 1H), 7.51 (ddd, J=8.6, 7.3, 1.6, 1H), 7.40 (dd, J=8.2, 1.1, 1H), 7.20 (td, J=7.5, 1.1, 1H), 2.90 (t, J=7.3, 2H), 1.64 (h, J=7.3, 2H), 1.02 (t, J=7.3, 3H).UPLC−MS:1.58分, 179 [M−OH]+, 197 [M+H]+, 151 [M−COOH]−, 195 [M−H]−.
2−プロピルスルホニル安息香酸(本明細書において62または化合物62と称される)。化合物62は、61(1.89g、9.2mmol)を使用して、基本手順Dにしたがって作製し、62を黄色油(1.90g、91%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ = 13.71 (s, 1H), 7.96 (dd, J=7.7, 1.3, 1H), 7.81 (td, J=7.5, 1.4, 1H), 7.75 (td, J=7.6, 1.6, 0H), 7.73 (dd, J=7.3, 1.2, 2H), 3.55 − 3.46 (m, 2H), 1.68 − 1.58 (m, 2H), 0.94 (t, J=7.4, 3H).UPLC−MS:0.95分, 211 [M−OH]+, 229 [M+H]+, 246 [M+NH4]+, 183 [M−COOH]−, 227 [M−H]−.
2−ブチルスルファニル安息香酸(本明細書において63または化合物63と称される)。化合物63は、2−スルファニル安息香酸(300mg、2.2mmol)及びヨウ化ブチルを使用して、基本手順Cにしたがって作製し、63を白色固体(426mg、93%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 12.94 (s, 1H), 7.85 (dd, J=7.8, 1.6, 1H), 7.50 (ddd, J=8.8, 7.3, 1.6, 1H), 7.39 (dd, J=8.2, 1.1, 1H), 7.19 (td, J=7.5, 1.1, 1H), 2.93 − 2.87 (m, 2H), 1.66 − 1.52 (m, 2H), 1.51 − 1.36 (m, 2H), 0.91 (t, J=7.3, 3H).UPLC−MS:1.86分, 193 [M−OH]+, 211 [M+H]+, 165 [M−COOH]−, 209 [M−H]−.
2−ブチルスルホニル安息香酸(本明細書において64または化合物64と称される)。化合物64は、63(1.89g、9.2mmol)を使用して、基本手順Dにしたがって作製し、64を白色固体(370mg、70%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 13.71 (s, 1H), 7.99 (dd, J=7.6, 1.5, 1H), 7.85 (td, J=7.6, 1.6, 1H), 7.81 − 7.78 (m, 1H), 7.77 − 7.73 (m, 2H), 3.50 − 3.44 (m, 2H), 1.69 − 1.52 (m, 4H), 1.47 − 1.28 (m, 4H), 0.85 (t, J=7.3, 4H).UPLC−MS:0.95分, 225 [M−OH]+, 243 [M+H]+, 260 [M+NH4]+, 197 [M−COOH]−, 241 [M−H]−.
2−イソプロピルスルファニル安息香酸(本明細書において65または化合物65と称される)。化合物65は、2−スルファニル安息香酸(334mg、2.2mmol)及びヨウ化イソプロピルを使用して、基本手順Cにしたがって作製し、65を白色固体(410mg、96%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ = 12.95 (s, 1H), 7.79 (dd, J=7.7, 1.5, 1H), 7.50 (ddd, J=8.4, 6.8, 1.5, 1H), 7.46 (dd, J=8.2, 1.5, 1H), 7.21 (ddd, J=8.1, 6.9, 1.5, 1H), 3.58 (hept, J=6.6, 1H), 1.27 (d, J=6.6, 6H).UPLC−MS:1.49分, 179 [M−OH]+, 197 [M+H]+, 151 [M−COOH]−, 195 [M−H]−.
2−イソプロピルスルホニル安息香酸(本明細書において66または化合物66と称される)。化合物66は、65(410mg、2.1mmol)を使用して、基本手順Dにしたがって作製し、66を黄色固体(350mg、70%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 13.72 (s, 1H), 7.93 (dd, J=8.1, 1.3, 1H), 7.84 − 7.79 (m, 1H), 7.77 − 7.71 (m, 2H), 3.89 (hept, J=6.9, 1H), 1.20 (d, J=6.9, 6H).UPLC−MS:0.94分, 211 [M−OH]+, 229 [M+H]+, 246 [M+NH4]+, 183 [M−COOH]−, 227 [M−H]−.
2−(3−ヒドロキシプロピルスルファニル)安息香酸(本明細書において67または化合物67と称される)。化合物67は、2−スルファニル安息香酸(1.54g、10.0mmol)及び3−ヒドロキシプロピルブロミドを使用して、基本手順Cにしたがって作製し、67を白色固体(2.0g、95%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.85 (dd, J=7.8, 1.5, 1H), 7.50 (ddd, J=8.2, 7.2, 1.6, 1H), 7.40 (dd, J=8.2, 1.0, 1H), 7.19 (td, J=7.4, 1.0, 1H), 4.61 (bs, 1H), 3.52 (t, J=6.2, 2H), 2.94 (t, J=7.4, 2H), 1.75 (p, J=6.4, 2H).UPLC−MS:0.98分, 195 [M−OH]+, 213 [M+H]+, 211 [M−H]−.
2−(3−ヒドロキシプロピルスルホニル)安息香酸(本明細書において68または化合物68と称される)。化合物68は、67(2.12g、10.0mmol)を使用して、基本手順Dにしたがって作製し、68を白色固体(2.05mg、84%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ = 13.70 (bs, 1H), 7.96 (dd, J=7.6, 1.0, 1H), 7.81 (td, J=7.5, 1.4, 1H), 7.75 (td, J=7.6, 1.6, 1H), 7.73 (dd, J=7.3, 1.2, 1H), 4.64 (bs, 1H), 3.58 − 3.51 (m, 2H), 3.44 (t, J=6.2, 2H), 1.78 − 1.68 (m, 2H).UPLC−MS:0.50分, 227 [M−OH]+, 245 [M+H]+, 262 [M+NH4]+, 199 [M−COOH]−, 243 [M−H]−.
2−シクロブチルスルファニル安息香酸(本明細書において69または化合物69と称される)。化合物69は、2−スルファニル安息香酸(250mg、1.6mmol)及びシクロブチルブロミドを使用して、基本手順Cにしたがって作製し、69を褐色油(134mg、40%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ = 13.49 (s, 1H), 8.02 (dd, J=7.7, 1.5, 1H), 7.62 (dd, J=8.2, 1.2, 1H), 7.56 (ddd, J=8.3, 7.1, 1.5, 1H), 7.34 (td, J=7.4, 1.3, 1H), 3.95 (p, J=7.8, 1H), 2.59 − 2.51 (m, 2H), 2.10 − 1.87 (m, 4H).UPLC−MS:1.71分, 191 [M−OH]+, 209 [M+H]+, 207 [M−H]−.
2−シクロブチルスルホニル安息香酸(本明細書において70または化合物70と称される)。化合物70は、69(134g、0.6mmol)を使用して、基本手順Dにしたがって作製し、70をオフホワイト固体(147mg、94%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 13.64 (s, 1H), 7.95 (dd, J=7.8, 1.3, 1H), 7.79 (td, J=7.5, 1.4, 1H), 7.76 − 7.67 (m, 2H), 4.47 (p, J=8.2, 1H), 2.45 − 2.33 (m, 2H), 2.20 − 2.08 (m, 2H), 2.04 − 1.85 (m, 2H).UPLC−MS:1.03分, 223 [M−OH]+, 241 [M+H]+, 258 [M+NH4]+, 195 [M−COOH]−, 239 [M−H]−.
2−シクロペンチルスルファニル安息香酸(本明細書において71または化合物71と称される)。化合物71は、2−スルファニル安息香酸(1.54g、10.0mmol)及びシクロペンチルブロミドを使用して、基本手順Cにしたがって作製し、71を黄色油(2.22g、quant.)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 12.93 (s, 1H), 7.83 (dd, J=7.8, 1.4, 1H), 7.50 (ddd, J=8.3, 6.9, 1.5, 1H), 7.45 (dd, J=8.2, 1.5, 1H), 7.19 (ddd, J=8.0, 6.9, 1.5, 1H), 3.69 (tt, J=7.5, 5.9, 1H), 2.14 (dq, J=12.7, 6.7, 2H), 1.77 − 1.54 (m, 4H), 1.50 (dq, J=13.0, 6.3, 2H).UPLC−MS:1.70分, 205 [M−OH]+, 223 [M+H]+, 177 [M−COOH]−, 221 [M−H]−.
2−シクロペンチルスルホニル安息香酸(本明細書において72または化合物72と称される)。化合物72は、71(2.12g、10.0mmol)を使用して、基本手順Dにしたがって作製し、72を白色固体(2.41g、95%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 13.67 (s, 1H), 7.96 (dd, J=7.7, 1.3, 1H), 7.79 (dd, J=7.4, 1.3, 1H), 7.76 − 7.69 (m, 2H), 4.19 (tt, J=8.8, 6.6, 1H), 1.94 (dq, J=12.9, 6.5, 2H), 1.87 − 1.65 (m, 4H), 1.65 − 1.52 (m, 2H).UPLC−MS:0.50分, 239 [M−OH]+, 255 [M+H]+, 272 [M+NH4]+, 209 [M−COOH]−, 237 [M−OH]−, 253 [M−H]−.
2−シクロヘキシルスルファニル安息香酸(72)。化合物72は、2−スルファニル安息香酸(250mg、1.8mmol)及びシクロヘキシルヨージドを使用して、基本手順Cにしたがって作製し、72を褐色油(125mg、29%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 13.50 (s, 1H), 8.02 (dd, J=7.7, 1.5, 1H), 7.62 (dd, J=8.2, 1.2, 1H), 7.56 (ddd, J=8.3, 7.1, 1.5, 1H), 7.34 (td, J=7.5, 1.3, 1H), 3.34 (tt, J=6.5, 3.3, 1H), 2.02 − 1.90 (m, 2H), 1.78 − 1.67 (m, 2H), 1.66 − 1.54 (m, 1H), 1.47 − 1.16 (m, 5H).UPLC−MS:2.01分, 219 [M−OH]+, 237 [M+H]+, 191 [M−COOH]−, 235 [M−H]−.
2−シクロヘキシルスルホニル安息香酸(本明細書において74または化合物74と称される)。化合物74は、73(125mg、0.5mmol)を使用して、基本手順Dにしたがって作製し、74をオフホワイト固体(120mg、85%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 13.21 (s, 1H), 7.90 (dd, J=7.7, 1.6, 1H), 7.85 − 7.76 (m, 1H), 7.76 − 7.70 (m, 2H), 3.63 (tt, J=12.1, 3.3, 1H), 1.90 − 1.75 (m, 4H), 1.68 − 1.58 (m, 1H), 1.43 (qd, J=12.8, 11.5, 3.5, 2H), 1.26 − 1.08 (m, 3H).UPLC−MS:1.27分, 251 [M−OH]+, 269 [M+H]+, 286 [M+NH4]+, 223 [M−COOH]−, 267 [M−H]−.
3−エチルスルファニル安息香酸(本明細書において75または化合物75と称される)。化合物75は、3−スルファニル安息香酸(250mg、1.6mmol)及びヨウ化エチルを使用して、基本手順Cにしたがって作製し、75を白色固体(285mg、96%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.82 (t, J=1.8, 1H), 7.73 (dt, J=7.6, 1.4, 1H), 7.49 (ddd, J=7.8, 2.0, 1.2, 1H), 7.40 (t, J=7.7, 1H), 3.01 (q, J=7.3, 2H), 1.25 (t, J=7.3, 3H).UPLC−MS:1.59分, 181 [M−H]−.
3−エチルスルホニル安息香酸(本明細書において76または化合物76と称される)。化合物76は、75(280mg、1.5mmol)を使用して、基本手順Dにしたがって作製し、76を黄色固体(300mg、96%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 13.53 (s, 1H), 8.35 (t, J=1.8, 1H), 8.28 (dt, J=7.8, 1.4, 1H), 8.13 (ddd, J=7.8, 2.0, 1.2, 1H), 7.81 (t, J=7.8, 1H), 3.36 (q, J=7.3, 2H), 1.10 (t, J=7.3, 3H).UPLC−MS:0.90分, 232 [M+NH4]+, 213 [M−H]−.
4−エチルスルファニル安息香酸(本明細書において77または化合物77と称される)。化合物77は、4−スルファニル安息香酸(250mg、1.6mmol)及びヨウ化エチルを使用して、基本手順Cにしたがって作製し、77を黄色固体(250mg、86%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 12.83 (s, 1H), 7.84 (d, J=8.5, 1H), 7.36 (d, J=8.5, 1H), 3.06 (q, J=7.3, 1H), 1.28 (t, J=7.3, 2H).UPLC−MS:1.68分, 183 [M+H]+, 200 [M+NH4]+, 181 [M−H]−.
4−エチルスルホニル安息香酸(本明細書において79または化合物79と称される)。化合物79は、77(280mg、1.5mmol)を使用して、基本手順Dにしたがって作製し、79を黄色固体(300mg、96%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ = 13.53 (s, 1H), 8.17 (d, J=8.5, 2H), 8.01 (d, J=8.5, 2H), 3.36 (q, J=7.3, 3H), 1.10 (t, J=7.3, 3H).UPLC−MS:0.79分, 232 [M+NH4]+, 213 [M−H]−.
NAAAアッセイ。酵素濃縮ライセートの調製。細胞を0.32Mのスクロースを含む20mMトリスHCl(pH7.4)に懸濁し、超音波処理し、4℃で15分間800×gで遠心分離した。次に、上清を4℃で30分間12.000×gで超遠心分離した。ペレットをPBS緩衝液(pH7.4)に再懸濁し、−80℃で3回の凍結融解サイクルを実施した。懸濁液を4℃で1時間105.000×gで最終的に超遠心分離し、上清を回収し、タンパク質濃度を測定し、試料を分取し、使用するまで−80℃で保存した。
蛍光発生h−NAAAアッセイ。ヒト脾臓cDNAライブラリー(カタログ番号639124,Clontech,Mountain View,CA,USA)からクローニングされたヒトNAAAコード配列で安定的にトランスフェクトされたHEK293細胞は、酵素源として使用された。96ウェルマイクロプレート(Black OptiPlate(商標)−96 F;PerkinElmer,Massachusetts,USA)において、200μLの全反応体積でアッセイを行った。hNAAAタンパク質調製物(4.0μg)を、3.0mMのDTT、0.1% NP40 0.1%、0.05%のBSA、150mM NaClを含有する100mMクエン酸/リン酸緩衝液(pH4.5)中で様々な濃度の試験化合物またはビヒクル対照(5%DMSO)と10分間プレインキュベートした。N−(4−メチル−2−オキソ−クロメン−7−イル)−ヘキサデカンアミド(PAMCA)を基質(5.0μM)として使用し、37℃で50分間、反応を継続した。EnVision 2014マルチラベルリーダー(PerkinElmer,Massachusetts,USA)によって、340nmの励起波長及び450nmの発光を使用して蛍光を測定した。IC50値は、標準勾配カーブフィッティングを適用するGraphPad Prism 5(GraphPad Software Inc.,CA−USA)を使用して、log[濃度]/阻害カーブの非線形回帰分析により計算した。
In vitroの代謝安定性。ミクロソーム安定性実験。マウスミクロソーム(NADPH及びUDPG系)を用いたin vitroインキュベーション。化合物を100mMのTRIS緩衝液pH7.4中で15分間ミクロソームとプレインキュベートした。0時点で、補因子を加えた。各試料の最終インキュベーション条件は:1.25mg/mLの肝ミクロソーム、5mMの化合物(最終DMSO 0.1%)及び1mMのNADP、20mMのG6P、2mMのMgCl2、G6Pデヒドロゲナーゼ2ユニット(NADPH系)または5mMのUDPグルカル酸、5mMのサッカリン酸1,4ラクトン及び2mMのMgCl2補因子(UDPG系)であった。混合物を振とう下で37℃に保った。様々な時点で、アリコート(50mL)を分取し、500nMのワルファリン(内部標準)を添加した0.15mLのCH3CNを用いて粉砕した。基準インキュベーションは、ミクロソームを用いたが補因子は用いず、37℃に維持し、タイムコースの終わりにサンプリングした。ボルテックス及び遠心分離後、3mLの上清をLC MS/MSにより分析し、多重反応モニタリング(MRM)により検出した。
血漿安定性実験。化合物を、37℃でプレインキュベートしたブランクラット血漿に加えた。最終分子濃度は2mMであった。最終DMSO濃度は2.5%であった。混合物を振とう下で37℃に保った。様々な時点で、アリコート(50mL)を分取し、500nMのワルファリン(内部標準)を添加した150mLのCH3CNを用いて粉砕した。ボルテックス及び遠心分離後、3mLの上清を、LC MS/MSにより多重反応モニタリング(MRM)によって分析した。
動力学的水溶解度(Aqueous kinetic solubility)。pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の試験化合物の10mM DMSO原液から動力学的水溶解度を測定した。この研究は、250μMの標的濃度でPBS(pH7.4)中の10mM DMSO原液のアリコートをインキュベートすることにより実施し、最終濃度2.5% DMSOとした。このインキュベーションは25℃で24時間、振とう下で行い、続いて遠心分離し、上清中の溶解化合物をUPLC/MSにより定量した。特定の波長(215nm)でのUV定量により最終的な動力学的水溶解度を測定し、上清のピーク面積を試験化合物標準のピーク面積で割ることにより算出し、さらに、試験化合物標準の濃度と希釈係数を掛けた。エレクトロスプレーイオン化インターフェース及びフォトダイオードアレイ検出器を備えるSQD(シングル四重極検出器)質量分析計からなるWaters ACQUITY UPLC/MSシステムで、UPLC/MS分析を実施した。PDA範囲は、210〜400nmであった。分析は、VanGuard BEH C18プレカラム(5×内径2.1mm、粒径1.7μm)を備えたACQUITY UPLC BEH C18カラム(50×内径2.1mm、粒径1.7μm)で実施した。移動相は、AcOHで調整したpH5のH2O中の10mM NH4OAc(A)及びpH5のMeCN−H2O(95:5)中の10mM NH4OAc(B)であった。
ポジティブモードでのエレクトロスプレーイオン化は、以下の一般的なMS調整パラメータ:キャピラリー3.0kV;コーン電圧25V;イオン源温度125℃;コーンガス100L/h;デソルベーションガス800L/h;デソルベーション温度400℃を用いて質量スキャン範囲100〜500Daで適用した。
動物モデル。動物のハンドリング。雄のC57BL/6マウス(20〜35g,Charles River)を換気ケージで群飼育し、餌及び水は自由摂取とした。これらを12時間の明/暗サイクル下(8時に点灯)に、制御された温度(21℃±1℃)及び相対湿度(55%±10%)で維持した。動物の苦しみを最小限に抑え、信頼できる結果を生み出すために必要な最小限の数の動物を使用するために、あらゆる努力がなされた。すべての手順は、欧州評議会(European Communities Council)の倫理ガイドライン(2010年9月22日の指令2010/63/EU)に従って実施され、イタリア保健省によって承認された。
EAEの誘導及び臨床的疾患の評価。実験的アレルギー性脳脊髄炎は、Stromnes I.M. & Goverman J.M., 2006により記載された方法に従って、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質35−55(MOG35−55)(Hooke laboratories Inc.Lawrence、MA)を用いて10週齢の雌C57BL/6マウス(Charles River)において活発に誘導された。各マウスに、8mg/mlのMycobacterium tuberculosis(H37Ra株;Difco)を含有する不完全フロイントアジュバント中で乳化した200μgのMOG35−55を与えた。百日咳毒素(200ng、Sigma)を、免疫化の日及び2日後に注射した。対照マウス(偽免疫した)には、MOG35−55を除いて同じ処置をした。MOG35−55免疫化マウス及び対照マウスを、8(15%PEG、15%TWEEN80食塩水に溶解した30mg/kg)またはビヒクルで、免疫化の1日後から開始して1日2回処置した。体重及び臨床スコア(0=臨床的徴候なし;0.5=部分的な尾の引きずり;1=尾の麻痺;2=協調運動の喪失、後肢の不全麻痺;2.5=片後肢の麻痺;3=両後肢の麻痺;3.5=後肢の麻痺及び前肢の脱力;4=前肢が麻痺した;5=瀕死)を毎日観察した。
組織病理及び免疫蛍光。免疫化の15日後にマウスを安楽死させ、PBS(pH7.4)中の氷冷した4%パラホルムアルデヒドで経心腔的灌流を行った。脊髄を取り出し、4℃で一晩同じ固定液で後固定し、凍結し、20μmの連続的な矢状切片を回収した。免疫細胞浸潤の評価は、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色切片で実施した。Iba1免疫蛍光染色切片を、ミクログリア/マクロファージ活性化状態について分析した(Iba−1,Wako,Richmond,VA,USA)。Iba1の免疫染色を546 Alexa Fluor二次抗体(Thermo Fischer Scientific、Waltham、MA)で可視化した。
薬物動態研究。化合物をC57B6/Jマウスに、それぞれ3mg/kg及び3mg/kgの用量で経口または静脈内投与した。ビヒクルは、容量がそれぞれ15/15/70%のPEG400/Tween80/生理食塩水であった。1用量あたり3匹の動物を使用した。経口投与後、0,15,30,60,120,240,480分の血液及び脳試料を回収した。静脈内投与後、0,15,30,60,120及び240分の血液及び脳試料を回収した。ビヒクルで処置した対照動物もまた研究に含めた。動物を複数の時点で犠牲死させ、血液及び脳試料を回収した。血液から血漿を、3.270×g、4℃で15分間遠心分離することにより分離し、エッペンドルフチューブに回収し、凍結(−80℃)した。脳試料をRIPA緩衝液(150mM NaCl、1.0%Triton X−100、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、50mM Tris、pH8.0)中でホモジナイズし、分析まで−80℃に保った2つのアリコートに分割した。1つのアリコートは、血漿試料について以下に記載されているのと同じ手順に従って化合物の脳中レベルの評価に使用した。第2のアリコートは、ビシンコニン酸(BCA)アッセイによるタンパク質含量評価のために保持した。試料(血漿及び脳ホモジネート)を氷浴で解凍し、次いで20分間遠心分離し、各アリコート(50μL)を96ディープウェルプレートに移し、内部標準として分析物自体と近接して溶出する200nMの分析物(14)の構造類似体が添加された冷アセトニトリルからなる150μlの抽出溶液を加えた。攪拌後(3分)、該プレートを3000×gで20分間4℃で遠心分離した。次いで、上清80μlを96ウェルプレートに移し、80μLのH2Oを加えた。標準化合物を純溶媒(20%CH3CNを加えたPBS pH7.4)中に添加し、1nM〜10μMの範囲で検量線を作成した。ブランクマウス血漿中で化合物を20、200及び2000nMの最終濃度になるまで添加して3つの品質対照試料も調製した。キャリブレータ及びQCは、血漿試料に使用されたのと同じ抽出溶液を用いて粉砕した。純溶媒で100000倍に事前に希釈した投与溶液もまた該試料に含まれ、試験した。血漿及び脳中レベルを、エレクトロスプレーイオン化インターフェースを備えたTQD(トリプル四重極検出器)質量分析計からなるWaters ACQUITY UPLC/MSTQDシステムで観察した;3μLの各試料を逆相カラム(Acquity UPLC BEH C18 2.1×50mm、1.7μm粒度)に注入し、直線的なCH3CNグラジエントにより分離した。カラム及びUPLC−MSシステムは、Waters Inc.Milford, USAから購入した。流量は0.5mL/分に設定した。溶離液は、A=H2O及びB=CH3CNであり、両方とも0.1%ギ酸が添加された。10%のBで0.5分後、Bの直線グラジエントが、2分間で10%から100%まで適用され、次いで100%で10秒間保持した。グラジエント後、システムを10%Bで1分間再調整した。MRMピーク面積を観察して化合物を定量した:(親:40eVの衝突エネルギーでm/z=448−>169及び、25eVの衝突エネルギーでm/z=448−>197;内部標準:40eVの衝突エネルギーでm/z=434−>169及び、40eVの衝突エネルギーでm/z=434−>197)及び内部標準ピーク面積に基づいて算出されたレスポンスファクターを検量線上にプロットした。MSパラメーターは、ポジティブイオンモード;キャピラリー2.5kV;コーン35V;供給源温度130℃;コーンガス100L/h;デソルベーションガス800L/h;デソルベーション温度400℃。次いで、上記システムで測定した時間/濃度プロファイルをPK Solutions Excelアプリケーション(Summit Research Service, USA)を用いて分析し、薬物動態学的データを得た(最高観察濃度(Cmax)、最高時間(Tmax)、実験時点の累積曲線下面積(AUC)、分布容積(Vd)、全身クリアランス(Cl))。
阻害の機序。hNAAAの精製及び活性化。hNAAAは、記載のhNAAA過剰発現HEK293細胞株より産生され、精製された(A. Armirotti, et al., ACS Med Chem Lett 2012, 3, 422−426)。該精製酵素を、37℃で3時間、活性化緩衝液[100mMリン酸ナトリウム/クエン酸ナトリウム緩衝液、3mM DL−ジチオトレイトール(DTT)、0.1%Triton X100、pH4.5]中でインキュベートし、該酵素の活性化をSDS−PAGE及びクマシーブルー染色によって調べた。
LC−MS/MSによる共有結合性付加物の分析。hNAAA上に、適当な阻害剤共有結合性付加物の存在を、高分解能ナノLC−MS/MS分析によって調べた。精製されたhNAAAの溶液(2μM)を、37℃で1.5時間、8(2%DMSO中50μM、最終濃度)とインキュベートした。4(20μM)をC126アシル化の陽性対照として用いた。非阻害剤対照(DMSO 2%)も含んだ。反応時間の後、試料を10倍量の冷アセトンで沈殿させ、12000xgで10分間遠心分離した。ペレットを50μlの50mM NH4HCO3 pH8中に再懸濁し、トリプシン(1:50 w/w)を37℃で16時間加えた。該ペレットを50μlのNH4HCO3 pH8中に再懸濁し、プロテオームグレードトリプシン(1:50 w/w)を37℃で16時間加えた。得られたペプチドを、BEH C18逆相カラム(1×100mm)を備えたUPLCクロマトグラフシステムで分析した。ペプチドは、水中CH3CN(両方に0.1%ギ酸を添加)の直線グラジエント、8分間で3〜50%で溶出した。流量は0.09mL/分であった。溶出したペプチドは、Synapt G2 qTOF質量分析計(UPLC、カラム及びqTOF装置は、Waters, Milford MA,USAから購入した)での高分解能タンデム質量分析によってポジティブイオンモードで分析した。直線傾斜の15〜45eVの衝突エネルギーを用いて、溶出ペプチドの骨格断片化を誘導した。500nL/分で注入した500nMのグルコフィブリノペプチド(gluco−fibrino peptide)をロックスプレーマスとして使用した。MS/MSデータは、MassLynxソフトウェアスイートに埋め込まれたBioLynxソフトウェアを使用して分析した。MassLynx及びProteinLynxソフトウェア(Waters,USA)をLC−MSデータの解釈に使用した。
競合活性ベースのタンパク質プロファイリング(ABPP)。競合ABPPについて、hNAAA過剰発現HEK293細胞株の50μlのリソソーム濃縮物(0.5mg/mL)を、最終濃度20μM(DMSO 2%)の示された阻害剤と37℃で2時間インキュベートした。このプレインキュベーション時間の最後に、活性ベースのプローブ5(S. Romeo et.al.ACS Chem.Biol.2015, 10, 2057−2064)を、37℃で15分間または3.5時間、20μMで加えた。次に、クリックケミストリー反応を、示された最終濃度で以下の試薬を添加することにより実施した:100μM Azide−PEG3−Alexa Fluor 545 (CLK−AZ109, Jena Bioscience)、1mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩、100μM トリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]アミン(TBTA)、1mM CuSO4.5H2O(A. E. Speers, B. F. Cravatt.Curr Protoc.Chem.Biol.2009, 1, 29−41)。TBTAを、まず83.5mMでDMSOに溶解し、次いで、4倍量のt−ブタノールで希釈した。反応物をボルテックスにより混合し、25℃で2時間インキュベートした。試料(10μL)をSDS−PAGEで分析し、ゲル蛍光を532nmの波長でスキャンした(Fuji Film FLA−9000装置)。
阻害剤回収アッセイ。hNAAA(4μM溶液の25μL)を、示された阻害剤と、37℃で2時間、活性化緩衝液中1μMの濃度でインキュベートした。次に、試料を10倍量のアセトニトリルで沈殿させ、12000×gで10分間遠心分離した。上清を回収し、LC−MS/MSにより、加えた阻害剤の存在について分析した。無タンパク質対照試料(緩衝液のみ)を100%回収基準として使用した。阻害剤は、薬物動態研究について上記したのと同一の方法を使用して検出及び定量した。
実施例4 競合アッセイ
競合アッセイ結果は図10A〜10Dに見出すことができる。アッセイ条件には、HEK29−hNAAAリソソーム調製物(0.5mg/mL)が含まれる。化合物濃度は500μMであった。プローブ濃度は5μMであった。クリックケミストリーによりAzide Fluor 545を加え、蛍光検出は532nmでなされた。
実施例5 パーキンソン病の6−ヒドロキシドパミン(6−OHDA)モデルにおけるNAAAの役割。
パーキンソン病の6−ヒドロキシドパミン(6−OHDA)モデルにおけるNAAAの役割について、フレームシフトした触媒的に不活性な形態でタンパク質を発現する遺伝子改変マウス(NAAA−/−マウス)を使用して調査した。NAAA−/−マウスは、NAAA mRNA、タンパク質及び酵素活性を構成的に欠き、同機能酵素(脂肪酸アミド加水分解酵素及び酸性セラミダーゼなどの脂質アミダーゼ)またはPEA生成酵素(N−アシル−ホスファチジルエタノールアミンホスホリパーゼD、NAPE−PLD)の変化した発現を伴うこの欠如を補わない。ホモ接合型のNAAA欠損は、6−OHDA投与の細胞学的、神経化学的及び行動の影響からマウスを保護した:毒素注射の3週間後、野生型同腹仔との比較は、NAAA−/−マウスでは、(i)黒質TH+ニューロンの生存が向上し(図22A);(ii)ドパミンの線条体でのレベルがより高まり(図22B);及び(iii)線条体TH+線維の密度がより大きい(図22C)ことが示された。さらに、野生型対照と比較により、NAAA−/−マウスでは、(iv)ドパミン作動性アゴニストであるアポモルヒネ(0.1mg−kg−1、皮下;図22D)への運動反応(反対側回転)が著しく減弱し;(v)ロータロッドパフォーマンス試験における落下までの潜時が延長され(図22E);及び(vi)死亡率が著しく低い(図22F)。ヘテロ接合型NAAA+/−マウスにおいては、わずかに弱いが同等の6−OHDAに対する耐性が観察された(図22A〜F)。遺伝的NAAA欠損に伴う顕著な神経保護表現型は、6−OHDAに対する神経毒性反応におけるこの酵素にとって重要な役割を明らかにする。
19702(化合物19)による処置は、遺伝的NAAA除去を表現型模写したことが見出された。6−OHDAに曝露された野生型マウスにおいて、化合物19702(30mg−kg−1、腹腔内)を用いた3週間1日2回レジメンにより、SNでは、TH+ニューロンの生存が向上し(図22A)、線条体では、ドパミン及びドパミン代謝産物の含量が増加し(図22B)、TH+繊維密度が増加する(図22C)ことを含む、一連の神経保護効果が発揮された。加えて、NAAA阻害剤での処置は、アポモルヒネへの行動応答を減弱させ(図22D)、ロータロッド試験において落下までの潜時が延長され(図22E)、死亡率を低下させた(図22F)。より低用量の19702(10mg−kg−1)による同様のレジメンも致死率を低下させるが、アポモルヒネへの応答に著しい影響を与えなかった(図示せず)。したがって、NAAA遺伝子の部分的または完全な切除で見られるように、細胞内NAAA活性の薬理学的阻害は、6−OHDA神経毒性に強く対抗する。
実施形態
実施形態1
実施形態1の式を有する化合物であって
式中、
R
1は、独立して、ハロゲン、−CF
3、−CCl
3、−CI
3、−CBr
3、−CHF
2、−CHCl
2、−CHI
2、−CHBr
2、−OCH
2F、−OCH
2Cl、−OCH
2I、−OCH
2Br、−OCHF
2、−OCHCl
2、−OCHI
2、−OCHBr
2、−OCF
3、−OCCl
3、−OCI
3、−OCBr
3、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
R
2は、独立して、ハロゲン、−CF
3、−CCl
3、−CI
3、−CBr
3、−CHF
2、−CHCl
2、−CHI
2、−CHBr
2、−OCH
2F、−OCH
2Cl、−OCH
2I、−OCH
2Br、−OCHF
2、−OCHCl
2、−OCHI
2、−OCHBr
2、−OCF
3、−OCCl
3、−OCI
3、−OCBr
3、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
R
3は、独立して、ハロゲン、−CF
3、−CCl
3、−CI
3、−CBr
3、−CHF
2、−CHCl
2、−CHI
2、−CHBr
2、−OCH
2F、−OCH
2Cl、−OCH
2I、−OCH
2Br、−OCHF
2、−OCHCl
2、−OCHI
2、−OCHBr
2、−OCF
3、−OCCl
3、−OCI
3、−OCBr
3、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
Yは、SまたはOであり;
z1は、独立して、0〜4の整数であり;
z2は、独立して、0〜8の整数であり;
前記化合物は、式:
を有さない化合物。
実施形態2
実施形態1の化合物であって、式中、
R1は、独立して、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CI3、−CBr3、−CHF2、−CHCl2、−CHI2、−CHBr2、−OCH2F、−OCH2Cl、−OCH2I、−OCH2Br、−OCHF2、−OCHCl2、−OCHI2、−OCHBr2、−OCF3、−OCCl3、−OCI3、−OCBr3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールであり;
R2は、独立して、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CI3、−CBr3、−CHF2、−CHCl2、−CHI2、−CHBr2、−OCH2F、−OCH2Cl、−OCH2I、−OCH2Br、−OCHF2、−OCHCl2、−OCHI2、−OCHBr2、−OCF3、−OCCl3、−OCI3、−OCBr3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールであり;
R3は、独立して、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CI3、−CBr3、−CHF2、−CHCl2、−CHI2、−CHBr2、−OCH2F、−OCH2Cl、−OCH2I、−OCH2Br、−OCHF2、−OCHCl2、−OCHI2、−OCHBr2、−OCF3、−OCCl3、−OCI3、−OCBr3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールである化合物。
実施形態3
実施形態1または2の化合物であって、該化合物は、式:
を有する化合物であり、式中、z2は0〜2である化合物。
実施形態4
実施形態1または2の化合物であって、該化合物は、式:
を有する化合物であり、式中、z2は0〜2である化合物。
実施形態5
実施形態1または2の化合物であって、該化合物は、式:
を有する化合物であり、式中、z2は0〜2である化合物。
実施形態6
実施形態1または2のいずれか1項の化合物であって、式中、z1が1である化合物。
実施形態7
実施形態1〜6のいずれか1項の化合物であって、式中、R1がハロゲンである化合物。
実施形態8
実施形態1〜7のいずれか1項の化合物であって、式中、R1が−Fである化合物。
実施形態9
実施形態1〜8のいずれか1項の化合物であって、式中、YがSである化合物。
実施形態10
実施形態1〜8のいずれか1項の化合物であって、式中、YがOである化合物。
実施形態11
実施形態1〜5のいずれか1項の化合物であって、式中、z2が1〜2である化合物。
実施形態12
実施形態1〜5のいずれか1項の化合物であって、式中、z2が2である化合物。
実施形態13
実施形態1〜12のいずれか1項の化合物であって、式中、R2が、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換ヘテロアルキルである化合物。
実施形態14
実施形態1〜12のいずれか1項の化合物であって、式中、R2が、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、または置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキルである化合物。
実施形態15
実施形態1〜12のいずれか1項の化合物であって、式中、R2が、置換または非置換C1〜C4アルキルである化合物。
実施形態16
実施形態1〜12のいずれか1項の化合物であって、式中、R2が、非置換C1〜C4アルキルである化合物。
実施形態17
実施形態1〜12のいずれか1項の化合物であって、式中、R2が、非置換メチレンである化合物。
実施形態18
実施形態1〜17のいずれか1項の化合物であって、式中、R3が、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールである化合物。
実施形態19
実施形態1〜17のいずれか1項の化合物であって、式中、R3が、置換または非置換C1〜C8アルキルである化合物。
実施形態20
実施形態1〜17のいずれか1項の化合物であって、式中、R3が、置換または非置換C1〜C4アルキルである化合物。
実施形態21
実施形態1〜17のいずれか1項の化合物であって、式中、R3が、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールである化合物。
実施形態22
実施形態1〜17のいずれか1項の化合物であって、式中、R3が、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、または置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキルである化合物。
実施形態23
実施形態1〜17のいずれか1項の化合物であって、式中、R3が、置換または非置換C3〜C8シクロアルキルである化合物。
実施形態24
実施形態1の化合物であって、前記化合物が、式:
を有する化合物。
実施形態25
実施形態1〜24のいずれか1項の化合物及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物。
実施形態26
N−アシルエタノールアミン酸アミダーゼを阻害する方法であって、該方法が、N−アシルエタノールアミン酸アミダーゼと式:
[式中、
R
1は、独立して、ハロゲン、−CX
1 3、−CHX
1 2、−OCH
2X
1、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCX
1 3、−OCHX
1 2、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
R
2は、独立して、ハロゲン、−CX
2 3、−CHX
2 2、−OCH
2X
2、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCX
2 3、−OCHX
2 2、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
R
3は、独立して、ハロゲン、−CX
3 3、−CHX
3 2、−OCH
2X
3、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCX
3 3、−OCHX
3 2、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
Yは、SまたはOであり;
X
1、X
2及びX
3は、独立して、−F、−Cl、−Brまたは−Iであり;
z1は、独立して、0〜4の整数であり;
z2は、独立して、0〜8の整数である]を有する化合物とを接触させることを含む、方法。
実施形態27
病的状態を処置する方法であって、該方法は、それを必要とする対象に、有効量の式:
[式中、
R
1は、独立して、ハロゲン、−CX
1 3、−CHX
1 2、−OCH
2X
1、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCX
1 3、−OCHX
1 2、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
R
2は、独立して、ハロゲン、−CX
2 3、−CHX
2 2、−OCH
2X
2、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCX
2 3、−OCHX
2 2、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
R
3は、独立して、ハロゲン、−CX
3 3、−CHX
3 2、−OCH
2X
3、−CN、−OH、−NH
2、−COOH、−CONH
2、−NO
2、−SH、−SO
3H、−SO
4H、−SO
2NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−NHC=(O)NH
2、−NHSO
2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCX
3 3、−OCHX
3 2、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
Yは、SまたはOであり;
X
1、X
2及びX
3は、独立して、−F、−Cl、−Brまたは−Iであり;
z1は、独立して、0〜4の整数であり;
z2は、独立して、0〜8の整数である]を有する化合物を投与することを含む、方法。
実施形態28
実施形態26または27の方法であって、式中、R1は、独立して、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CI3、−CBr3、−CHF2、−CHCl2、−CHI2、−CHBr2、−OCH2F、−OCH2Cl、−OCH2I、−OCH2Br、−OCHF2、−CHCl2、−OCHI2、−OCHBr2、−OCF3、−OCCl3、−OCI3、−OCBr3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールであり;R2は、独立して、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CI3、−CBr3、−CHF2、−CHCl2、−CHI2、−CHBr2、−OCH2F、−OCH2Cl、−OCH2I、−OCH2Br、−OCHF2、−CHCl2、−OCHI2、−OCHBr2、−OCF3、−OCCl3、−OCI3、−OCBr3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールであり;R3は、独立して、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CI3、−CBr3、−CHF2、−CHCl2、−CHI2、−CHBr2、−OCH2F、−OCH2Cl、−OCH2I、−OCH2Br、−OCHF2、−CHCl2、−OCHI2、−OCHBr2、−OCF3、−OCCl3、−OCI3、−OCBr3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールである、方法。
実施形態29
実施形態26〜28のいずれか1項の方法であって、該化合物は、式:
を有し、式中、z2は0〜2である方法。
実施形態30
実施形態26〜28のいずれか1項の方法であって、該化合物は、式:
を有し、式中、z2は0〜2である方法。
実施形態31
実施形態26〜28のいずれか1項の方法であって、該化合物は、式:
を有し、式中、z2は0〜2である方法。
実施形態32
実施形態26〜28のいずれか1項の方法であって、式中、z1が1である方法。
実施形態33
実施形態26〜32のいずれか1項の方法であって、式中、R1がハロゲンである方法。
実施形態34
実施形態26〜33のいずれか1項の方法であって、式中、R1が−Fである方法。
実施形態35
実施形態26〜34のいずれか1項の方法であって、式中、YがSである方法。
実施形態36
実施形態26〜34のいずれか1項の方法であって、式中、YがOである方法。
実施形態37
実施形態26〜31のいずれか1項の方法であって、式中、z2が1〜2である方法。
実施形態38
実施形態26〜371のいずれか1項の方法であって、式中、z2が2である方法。
実施形態39
実施形態26〜38のいずれか1項の方法であって、式中、R2が、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換ヘテロアルキルである方法。
実施形態40
実施形態26〜39のいずれか1項の方法であって、式中、R2が、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、または置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキルである方法。
実施形態41
実施形態26〜39のいずれか1項の方法であって、式中、R2が、置換または非置換C1〜C4アルキルである方法。
実施形態42
実施形態26〜39のいずれか1項の方法であって、式中、R2が、非置換C1〜C4アルキルである方法。
実施形態43
実施形態26〜39のいずれか1項の方法であって、式中、R2が、非置換メチレンである方法。
実施形態44
実施形態26〜43のいずれか1項の方法であって、式中、R3が、置換もしくは非置換C1〜C8アルキル、置換もしくは非置換2〜8員のヘテロアルキル、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールである方法。
実施形態45
実施形態26〜43のいずれか1項の方法であって、式中、R3が、置換または非置換C1〜C8アルキルである方法。
実施形態46
実施形態26〜43のいずれか1項の方法であって、式中、R3が、置換または非置換C1〜C4アルキルである方法。
実施形態47
実施形態26〜43のいずれか1項の方法であって、式中、R3が、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換5〜6員のヘテロアリールである方法。
実施形態48
実施形態26〜43のいずれか1項の方法であって、式中、R3が、置換もしくは非置換C3〜C8シクロアルキル、または置換もしくは非置換3〜6員のヘテロシクロアルキルである方法。
実施形態49
実施形態26〜43のいずれか1項の方法であって、式中、R3が、置換または非置換C3〜C8シクロアルキルである方法。
実施形態50
実施形態26または27の方法であって、前記化合物が、式:
を有する化合物である、方法。
実施形態51
実施形態26の方法であって、前記化合物が、N−アシルエタノールアミン酸アミダーゼと可逆的に接触する方法。
実施形態52
実施形態27の方法であって、前記病的状態が、疼痛である方法。
実施形態53
実施形態27の方法であって、前記病的状態が、炎症性疾患である方法。
実施形態54
実施形態27の方法であって、前記病的状態が、神経変性疾患である方法。
実施形態55
実施形態27の方法であって、前記病的状態が、角膜血管新生、糖尿病網膜症、乾性黄斑変性症、片頭痛、神経障害性疼痛、神経障害、舌咽神経痛、後頭神経痛、疼痛、帯状疱疹後神経痛、未熟児網膜症、副鼻腔炎に伴う頭痛、三叉神経痛または湿性黄斑変性症である方法。
実施形態56
実施形態52の方法であって、前記疼痛が、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、慢性疼痛、神経障害、舌咽神経痛、後頭神経痛、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、灼熱痛、糖尿病性神経障害、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、神経原性疼痛、末梢性疼痛、多発神経障害性疼痛、中毒性神経障害、慢性神経障害または掻痒症である方法。
実施形態57
実施形態53の方法であって、前記炎症性疾患が、急性炎症、急性呼吸窮迫症候群、成人呼吸器疾患、関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、手根管症候群、慢性気管支炎、慢性炎症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、大腸炎、結晶誘発性関節炎、嚢胞性線維症、皮膚炎、脂質異常症、気腫、線維筋痛症、胆嚢疾患、歯肉炎、高酸素誘発性炎症(hyperoxia−induced inflammation)、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、狼瘡、筋膜炎、腎炎、眼炎症、変形性関節症、歯周炎、多発性筋炎、サルコイドーシス、再狭窄、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、血管炎である方法。
実施形態58
実施形態54の方法であって、前記神経変性疾患が、多発性硬化症、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、ハンチントン病または筋萎縮性側索硬化症である方法。
実施形態59
実施形態54または58のいずれか1項の方法であって、前記神経変性疾患が、多発性硬化症である方法。
実施形態60
実施形態54または58の方法であって、前記神経変性疾患が、パーキンソン病である方法。
実施形態61
実施形態27〜60のいずれか1項の方法であって、前記方法が、実施形態1〜24のいずれか1項の有効量の化合物を、それを必要とする対象に経口投与することを含む方法。
参考文献
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