JP2019521783A - 管状構造のための硬化性充填材料 - Google Patents

管状構造のための硬化性充填材料 Download PDF

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Abstract

中空構造への適用または充填のための、低粘度で、光重合性が増加した放射線不透過性組成物を開示する。また、組成物の適用および/または光重合を適用および監視するための方法を提示する。

Description

本発明は、生物医学的な適用のための充填材料の分野に関係する。
骨セメントまたは歯科用セメントなどの軟組織および硬組織を置き換えるための組織充填剤および充填材料、異なる適用のための液体塞栓剤または組織封止剤は、通常、液体、モノマーもしくは予備重合状態で、注入または配置され、化学的もしくは物理的に誘導された反応に基づいて経時的に硬化され、典型的には、操作者による反応中の不十分な制御をもたらす。重合を能動的に制御するための1つの選択肢は、感光性材料、および注入された材料を光重合する照射のためのシステムを使用することによる。例えば、特許文献1に提示されるように、充填材料を重合するために使用される可視光源は、注入プロセス、光重合の前、間もしくは後の材料および/または周囲の組織の光重合の状態についての情報を得るために使用することもできる。しかしながら、材料/環境を効率的に照射し、そのようなプロセスを監視するためのいくつかの技術的課題を克服しなければならず;特に、実質的に円形の空洞と比較して著しく相違した管状または分枝状の構造などの形態的に複雑な身体の構造の場合において、このような監視プロセスだけでなく、材料の適用は、非常に困難になる。
いくつかの手法が、典型的には閉塞などの歯根管の処置のために、過去に提案されている。例えば、特許文献2は、特に、ポリマー材料単独または生物活性剤もしくは細胞との組合せの、開腹手術、低侵襲もしくは経皮経壁的または経柔組織的な適用による、内壁の領域中の組織の処置、または修復、置き換え、移植もしくは補強術のための方法、デバイスおよび材料を記載している。これらの方法およびシステムは、固形臓器もしくは管状の身体構造の中心または内壁の側面の修復、機能の変化、機能の置き換え、または機能の増大に有用である。
特許文献3は、歯の間に樹脂などの光硬化材料を配置して、歯の隣接した頂端領域から開始する、すなわち、充填物の底部で、光による樹脂の重合を誘導するための装置を開示している。これは、使用される光線を通し、歯の間への挿入に適合するウェッジを含み、ウェッジは、光源によって軸方向で供給された集束光を横方向に偏向させることにより屈折または反射させて、空洞の隣接部分で、充填材料を、可能な最高強度で照射して、隣接した頂端層から開始する充填材料の硬化を可能にする手段を有する。
特許文献4は、光ファイバが束ねられ、光ファイバ束の形状を維持する取り付け具を保持する、光ファイバ束を備えた歯根管処置の機器を記載している。光ファイバ束は、ブラシ様の形状を有し、光重合性密封剤を含むことができる。光ファイバ束の先端が根管に挿入され、光をベース端に照射すると、光重合性密封剤は、光ファイバの先端から発せられた光によって硬化し、根管処置の機器は、根管と一体化される。
特許文献5は、根管の内表面に化学的に結合された後に弾力のある、生物学的に適合性の非多孔性材料で構成される細長い本体を含む、歯内で調製された歯の根管に埋め込まれるように構成されたプラグ、および前記細長い本体の表面に提供される接着化合物を記載している。プラグは、根管中に配置され、光硬化接着剤を管に適用し、プラグを光源に曝露してプラグを根管に結合させることによって、根管と結合する。1つの実施形態において、充填材料は、加熱され、半液体状態で根管に注入され、光に曝露されて接着剤が硬化する。
特許文献6は、架橋性材料を含む根管の充填に有用な、特に、根管の再処置に有用な、歯内の機器のための、改善されたキャリア組成物を記載している。
特許文献7は、歯内の器具に関し、誘起蛍光分光法を使用する、歯の根管を、調製、密封および復元するための方法に関する。その中心を通る光ファイバを有する根管プローブは、励起光を、歯の根管中に伝達する。励起光によって根管内の組織が蛍光を発する。蛍光は、光ファイバによって集められ、所定の波長域内の光の強度を示す電気信号を発生するセンサに返送される。電気信号は、根管内の組織を識別するために処理される。歯の組織の構成要素の蛍光発光性を使用して、根管の入口を位置付ける。根管は、消毒および成形され、根管の頂端は、頂端および根管の蛍光スペクトルの間の相違を使用して、位置付けられる。根管は、密封され、管を通して根管に送達された光硬化修復剤によって充填される。光硬化修復剤は、光ファイバによって根管内に送られた光によって活性化される。光硬化修復剤の光活性化および重合は、修復剤の蛍光スペクトルの強度を監視することによって、制御することができる。
上述のすべての先行技術の発明は、とりわけ、身体構造上の管状構造(特に、分枝したもの)の非常に特有な形態、および使用される材料に関する、いくつかの欠点を示す。実際に、管状体の空洞のコーティング、置き換え、または充填に関連する適用における使用のための今日の材料は、それらが指定された目的を果たす機能性マトリックスとして、および適切な適用(例えば、注入)プロセス、特定の場合において、硬化プロセスを監視するためのツールとして、同時に作用することを意図していない。また、材料の吸収および散乱性に直接関する硬化効率は、特に、それらが注入のための低粘度および画像化のための高い放射線不透過性を必要とする場合、現在の製品では不十分である。
特に、歯根管などの極めて小さな構造のためには、材料の適用のプロセス、およびその監視は、困難な課題である。歯根は、髄腔(歯の冠状部分内)、主根管、および根管を互いに、または歯根の表面に連結しうる、より複雑な身体構造上の分枝部によって構成される。歯あたりの根管の総数は、1から4、場合によっては5またはそれ以上の範囲の歯根の数に依存する。根あたりに2つ以上の根管が存在することがある。いくつかの歯は、他の歯よりも可変性の内部の身体構造を有する。
歯根の内部空間は、しばしば、中央領域(円形、楕円形または不規則な断面形状を有する根管)、および側面部(フィン、吻合および副根管)で構成される複雑系である。実際には、この側面の構成要素は、比較的大きな体積を示し、これは、生活歯髄または壊死歯髄の組織残留物だけでなく感染性要素も、これらの領域では容易に除去されないという点で、器具使用手順の消毒段階に挑戦する。このように、滑らかで円錐形の形状を有する根管の画像は、通常、理想的すぎるものであり、根管の器具使用が届く範囲を過小評価している。
副根管と呼ばれる、より小さな分枝部は、根端(頂端)の近くで、最も頻繁に見られるが、歯根の長さに沿ったどこでも遭遇する。普通ではない根管の形状、複雑な分枝部(特に、水平方向の分枝部の存在)、および複数の根管は、根管の処置の失敗の主な原因として考えられ;例えば、二次根管が、歯科医によって気付かれずに、消毒および密封されない場合、それは、感染したままで、根管治療の失敗を引き起こす。
摘出された(取り除かれた)根管を閉塞させる(充填する)現在の方法は、一般に、根管の空間が熱可塑性材料で充填されるように、根管を、グッタペルカ(例えば、トランス1−4ポリイソプレン、ベクトラ(商標)またはポリスルホン)などの熱可塑性材料を詰めることを含む。好ましくは、空間は、根管および組織の周辺の間で漏出を防ぐ密封を形成する熱可塑性材料で充填される。
加えて、密封材料を添加して、熱可塑性材料および歯の間の界面を改善することができる。しかしながら、これらの密封剤は、別々に配置され、熱可塑性材料が上端に添加されると、頂端を越えてその領域に押し出される。歯および熱可塑性材料の間の界面を改善するための別の方法は、この後者を加熱することによる。
効率的に働かせるために、根管の処置における使用のための材料は、歯根のあらゆる空間に完璧にフィットしていなければならない。そうするためには、すべての分枝部に効率的に注入され、それらに適切に接着し、X線検査または断層撮影法で可視化され、場合によっては硬化のプロセスで完全に硬化されなければならない。実施にあたり、これらの要件のすべてに応じることは非常に困難であり、これらは、最終的に、機能的組織の(再)確立、病態の再発、または感染症などのさらに望ましくない二次的効果の観点から、乏しい最終的な臨床結果に至らせる。したがって、上述の欠点を克服するための新規な生物医学材料についての技術の必要性が存在する。
国際特許出願第2016/038515号 米国特許公開第2002/0176849号 米国特許第4631030号 国際公開第2013/128952号 米国特許公開第2009/0047634号 米国特許第9023917号 米国特許第5503559号
現在利用可能な手法について列挙されたすべての欠点を念頭に置いて、それらを解決するために、本発明者らは、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載の、場合によっては分枝した管状構造を充填するための、新たな生体材料、およびそれを使用するための方法を開発した。
本発明の1つの目的は、極めて小さな(好ましくは、直径が10から1000μmの範囲内)分枝した管状構造、および血管または髄腔などの直径が1mmを上回るより大きな構造に確実に送達するのに適合した材料を開発することであった。
本発明の別の目的は、適切に送達(すなわち、注入)、重合および同時に監視するための、高い放射線不透過性および低粘度、ならびに高効率の光重合性(紫外または可視波長での低い全減衰係数)の観点から、最適な特性を有する材料を開発することであった。
本発明のさらなる目的は、上述の課題を解決し、それを安全に実行するための最良の構成、および生物医学適用において有用な生体適合性材料を特定することであった。
本発明のよりさらなる目的は、ユーザーに優しく、患者に優しく、低侵襲の方法における送達に適合する材料を開発することであった。
最後に、別の目的は、上記の材料をデバイスと組合せること、注入された材料の量、プローブおよび管状構造もしくは管状構造内の分岐点の近接端の間の距離を、送達および測定するための方法、または前記管状構造の分岐点の量を、測定、計数および/もしくは画像化することであった。
具体的には、開発した生体材料は、注入デバイスとともに、例えば、本出願人によって所有され、参照によってその全体が本明細書に組み入れられる、国際特許出願第2016/038515号に開示されているデバイスなどの硬化性材料を光重合させるのに適合するデバイスと場合によっては組合せて使用することを、排他的ではないが特に意図する。本発明によって取り組まれる重要な技術的課題は、材料の光重合をさらに可能にする、紫外または可視波長で、低粘度、高い放射線不透過密度および低い全減衰係数の、1つの単一製品と組合せることが可能な、適切な組成物の製造に依存している。
実際に、例えば、歯根の処置のために利用可能な組成物において観察される共通の問題は、キャリア組成物中に放射線不透過性の要素を含むことによるという事実に依存し、この後者は、粘度の増大に起因して、低侵襲の適用を意図する、30ゲージ針などの注射針を通じて注入することを困難にする。したがって、通常は非効率的なバランスの組成物の他のすべてのパラメータを導入しなければならない。一方、そのような組成物の良好な注入性の探索は、特に、組成物の標的の管状(分枝状)の空洞における非効率的な分布に起因して、不十分な監視および/または光重合の結果をもたらすことがある。
したがって、本発明の目的は、液体キャリア;架橋性ポリマー材料;架橋剤;および放射線不透過性剤を含む中空構造のための充填剤としての使用のための、液体または半固体組成物であって、
i)少なくとも3mmAl/mm、理想的には少なくとも6mmAl/mmの不透過密度であって、不透過密度は、1ミリメートルのアルミニウムのウェッジと比較して、1ミリメートルの材料によって吸収されるX線の量を意味し(例えば、6mmAl/mmは、1mmの材料が、厚さ6ミリメートルのアルミニウムのウェッジと同じ放射線不透過性の厚さ/同じX線吸収を有することを意味する)、および
ii)2×10−4から1×10Pa*sの間の粘度
を有する、組成物を提供することである。
1つの実施形態において、液体キャリアは、350から600nmの間の波長で1000cm−1未満の吸収係数をもたらす光学密度を有する架橋性材料を含む。前記吸収係数は、合計の吸収係数であるか、または散乱寄与を除いた材料の吸収である。
1つの実施形態において、架橋性材料は、組成物100mlあたり約0.5gから約40gの間、好ましくは、組成物100mlあたり約5gから約15gの間、より好ましくは組成物100mlあたり約10gの量で存在する。好ましい実施形態において、架橋性材料は、熱硬化性材料を含む。1つの実施形態において、キャリアは、ハイドロゲルとして製剤されている。
1つの実施形態において、架橋剤は、光開始剤である。これは、組成物の、少なくとも約0.001重量%、好ましくは、少なくとも約0.05重量%の量で存在することができる。さらにまた、硬化剤は、組成物の、約15重量%未満、好ましくは、約5重量%未満の量で存在することができる。例えば、硬化剤は、組成物の、約0.001重量%から約15重量%、好ましくは、約0.05重量%から約5重量%、例えば、約0.1重量%から約1重量%の範囲で存在することができる。
1つの実施形態において、組成物は、光開始剤に対するモル比(光開始剤/共開始剤)が約100:1から約1:100の間、好ましくは、約1:1から約1:10の間で存在する共開始剤をさらに含む。
1つの実施形態において、放射線不透過性材料は、1つまたはいくつかの種類の放射線不透過性原子またはその分子を含む。1つの実施形態において、放射線不透過性材料は、組成物100mlあたり約1gから約200gの間を含む量で存在する。好ましい実施形態において、放射線不透過性材料は、組成物100mlあたり約60gから約90gの間の量で存在する。
好ましい実施形態において、放射線不透過性材料は、非金属の放射線不透過性原子を含む。別の好ましい実施形態において、放射線不透過性材料は、1つまたはいくつかの金属原子を含む。また別の好ましい実施形態において、放射線不透過性材料は、非金属の放射線不透過性原子を有する放射線不透過性材料、および金属の放射線不透過性原子を有する放射線不透過性材料の組合せである。さらに好ましい実施形態において、放射線不透過性材料は、ヨウ素系材料(ヨウ素それ自体を含む)、ならびに金属系材料(金属それ自体を含む)、それらの塩および/またはそれらの酸化物の混合物を含む。好ましい実施形態において、金属系材料、それらの塩またはそれらの酸化物は、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、タングステン酸カルシウム、金、ガドリニウム、銀、白金、タンタル、および前述のものの組合せを含む非網羅的なリストから選択される。1つの実施形態において、ヨウ素系材料および他の放射線不透過性材料の間の比率は、重量で、約2:1から1:2の間である。
1つの実施形態において、中空構造は、10μmから20mmの間、好ましくは、50μmから1000μmの間の直径を有する。1つの実施形態において、管状構造または空洞は、歯根管および副根管、髄腔、血管、動脈瘤、リンパ管、気管支および細気管支、ならびに天然または人工的に作成された管状構造である。
管状構造内に配置された、光開始、材料の送達および監視のためのプローブを表す図である。 光学的性質が変化した照射される組成物、および管状構造内の光照射の実験を表す図である。 管状構造を変化させるまたは/およびマシニングすることによって、管状構造内での導光が向上した1つの実施形態を表す図である。 管状構造内で、本発明の組成物および/または他の液体もしくは粘性材料の流れを停止させるための遮断機構の1つの実施形態を表す図である。 ゴム管内に注入されたハイドロゲル対他の密封剤およびグッタペルカのX線画像を示す図である。 本発明の組成物の使用のためのプロセスのフロー図である。 第1の消毒工程を含む、本発明の組成物の使用のためのプロセスの別の実施形態のフロー図である。
本開示は、本開示の一部を形成する添付の図面と関連して提示される、以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解することができる。本開示は、本明細書に記載および/もしくは示される特定の条件またはパラメータに限定されないこと、ならびに本明細書において使用される専門用語は、例として特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであって、特許請求の範囲に係る開示を限定することを意図していないことが理解されるべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに他の指示がない限り、複数形を含む。したがって、例えば、「管状構造(a tubular structure)」への言及は、複数のこのような構造を含む。
また、「または」の使用は、他に指定がない限り、「および/または」を意味する。同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(includes)」および「含む(including)」は、互換可能であり、限定を意図するものではない。様々な実施形態の説明で「含む(comprising)」という用語を使用する場合、当業者は、いくつかの特定の例において、実施形態を、「から実質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」という語を使用して、代替として説明することができることが、さらに理解されるべきである。
本発明は、以下の定義の助けにより、より良く理解されるだろう。
本開示の枠内では、「組成物」という用語は、「製剤」という用語と互換可能に使用される。本明細書で使用される場合、「組成物」は、ある特定の方法で製造され、特定の目的のために使用される、原料または化合物の混合物を指す。この概念はまた、異なる化合物を組合せて最終製品を製造するプロセスと、明確に関連付けられる。通常、原料は、それが使用されるときに、最終製品(すなわち、最終組成物)に特定の性質を付与するので、前記原料は、最終組成物のための特徴的な構成、例えば、それらが単独で使用される場合にその成分から得ることができない効果の達成、それらの成分の任意の可能性のある相乗的作用を促進し、エンドユーザーなどのためのハンドリングもしくは画像化性および/または安全性を改善するための高度の有効性を得るために、特定の処方にしたがって混合される。
本発明の組成物は、様々な形態をとることができ、好ましいものは、通常、意図される投与方法および/または意図される適用に依存する。好ましい実施形態において、組成物は、注入可能な形態に製剤される。必要であれば、組成物は、注入のための所望の濃度で作成するのに十分な量の水または生理学的に混合可能な緩衝液とさらに混合することができる。本発明による好ましい組成物は、30ゲージ針の注射器を通ることが可能でなければならない。32−28−25−18−16−14または12ゲージの注射器、または中間もしくはこれを上回る厚さの注射器などの他のゲージの注射器、ならびにカテーテルもしくはカニューレなどのより大きな構造を使用することもできる。小ゲージ針を通って流れる能力は、本発明の組成物のため、とりわけ、対象への低侵襲性の処置のための前記組成物の使用のために、想定される適用の枠内において好ましい。また、例えば、管状または円筒状の体積の代わりに、二重円筒状(内側および外側の円筒内の流れ)、円錐状または長方形の体積などの、任意の種類の配置を使用することができる。
組成物は、通常、製剤中に含まれる化合物のための(場合により、希釈手段としての役割を果たすこともできる)少なくとも1つの許容されるキャリア、賦形剤などを含む。本明細書で使用される場合、「キャリア」とは、その適切な送達を可能にする、本発明の組成物の要素のため、特に、架橋性ポリマー材料のための分散手段として機能する任意の物質である。この用語は、エンドユーザーと生理学的に適合性の、ありとあらゆる溶媒、液体希釈剤、吸収遅延剤などを含む。適切なキャリアの例は、本分野において周知であり、水性溶液(例えば、塩化ナトリウム溶液、リン酸緩衝塩化ナトリウム溶液など)、水、油、油/水エマルジョンなどのエマルジョン、様々な種類の湿潤剤、ゲル、ハイドロゲルなどが挙げられる。本発明のいくつかの好ましい実施形態において、キャリアは、液体キャリア、好ましくは、水を含む水性溶液である。
本開示による組成物は、液体形態で提供することができる。液体組成物は、キャリアが液体キャリアであり、任意の別の添加された賦形剤の存在にもかかわらず、液体または粘性の形態を維持する、組成物である。液体製剤としては、例えば、水性溶液、非極性溶液またはエマルジョンが挙げられる。「水性溶液」とは、溶媒が、実質的に水で構成される溶液である。本開示の枠内では、「水性」という用語は、水に、関係する、関連する、類似する、または溶解することを意味する。この表現は、高濃度および/または粘性のある溶液も含み、その水の含有量は、例えば、総溶液の重量に対して、5%未満である。「非極性溶液」は、溶媒が、非極性化合物である、溶液である。非極性溶媒は、低い比誘電率を有し、水と混和性ではない化合物であることを意図する。非極性溶液は、例えば、油を含むことができる。「油」は、周囲温度で粘性の液体であり、疎水性および親油性の両方である、任意の非極性化学物質である。「エマルジョン」は、通常混和しない(混合不可能)2つ以上の流体の混合物である。エマルジョンは、コロイドと呼ばれる、より一般的な種類の物質系の一部である。コロイドおよびエマルジョンという用語は、互換可能に使用されることがあるが、本開示の枠内では、エマルジョンという用語は、分散相および連続相の両方が、流体、例えば、液体であるような場合に使用される。エマルジョン中では、1つの流体(「分散相」)は、他の流体(「連続相」)の中で分散される。
いくつかの実施形態において、本開示による組成物は、ゲルまたはハイドロゲルの場合などの半固体の形態で提供することができる。本明細書で使用される場合、「ゲル」という用語は、流体によってその全体積にわたって広がる、非流体コロイドネットワークまたはポリマーネットワークを指す。ゲルは、液体媒体の体積にわたって、それが、表面張力効果を通じてもつれた、半固形の三次元ネットワークである。ゲルは、軟質材料であり、すなわち、ゲルは、圧縮性、展性、延性および/または可塑性であり、ポリマーマトリックス、すなわち、組織化されたか、もしくは非晶質の単量体要素のネットワークを含むか、またはそれらからなることができる。内部のネットワーク構造は、物理的な結合(物理ゲル)または化学的な結合(化学ゲル)をもたらすことができる。
本明細書で使用される場合、「ハイドロゲル」という用語は、膨張剤が水性溶液であるゲルを指す。ハイドロゲルは、架橋したポリマー鎖のネットワークで構築された、高分子のポリマーゲルである。これは、水が分散媒であるコロイドゲルとして見られることがある、親水性モノマーから合成される。ハイドロゲルは、高い吸収性の(それらは90%を超える水性溶液を含むことができる)、天然または合成ポリマーネットワークである。それらの特徴の結果として、ハイドロゲルは、数Paから数MPaの間の弾性率、最大で数十または数百MPaの範囲の最終強度、および最大で数千倍の範囲の変形を有する、典型的には、堅く、さらに弾性の機械的性質が生じる。
本発明の組成物は、2×10−4から1×10Pa*sの間の、重合前の粘度によって特徴付けられる。理想的には、前記粘度は、約10−2Pa*sから約10Pa*sの間である。本発明者は、後で詳述するように、組成物を、1)注入手段を通して、好ましくは、小さなゲージ針を介して、2)薄い身体の管状構造または空洞内に、3)好ましくは、加圧方法で、送達することを提供する観点で、そのような粘度値を、最適な値として特定することができた。
使用される架橋性ポリマー材料は、いくつかの実施形態において、天然のポリマー材料(すなわち、非合成ポリマー、天然に見出すことができないポリマー)および/または、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン、寒天/アガロース、キトサン、フィブリン、プロテオグリカンのような細胞外マトリックス(ECM)に由来するポリマー;ポリアミノ酸またはその誘導体、好ましくは、ポリリジンもしくはゼラチンメチルセルロース、カルボメチルセルロース、ポリサッカライドおよびそれらの誘導体、好ましくは、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸もしくはアルギン酸塩などのグリコサミノグリカン、ヌクレオチド、ポリ脂質、脂肪酸、ポリ乳酸、乳酸、ならびにこれらの任意の誘導体、これらのフラグメントおよびこれらの組合せを含む、非網羅的なリストから選択される、1つまたはそれ以上の化合物を含むことができる。
ポリマー材料は、1つもしくはいくつかの、合成または半合成の、生分解性材料を含むこともできる。材料の分解速度に応じて、細胞は、その中に移動し、おそらく、それと置き換わることができる。このような材料の例は、ヒドロキシアパタイト、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ラクチドおよびグリコリドポリマー、カプロラクトンポリマー、ヒドロキシ酪酸、ポリ酸無水物、ポリエステル、ポリホスファゼン、ポリホスホエステル、ポリカプロラクトン(PCL)またはPCLの組合せ、カプロラクトン、ウレイド−ピリミジノン、ビスウレアおよびポリ(セバシン酸アクリル酸グリセロール)(poly(glycerol sebacate acrylate))の組合せである。
1つの実施形態において、組成物は、セファロスポリン、ペニシリン、アミノグリコシド、ゲンタマイシン、バンコマイシンもしくはウンデシレン酸などの抗菌または抗真菌材料、ポリ(D,l−ラクチド)(PDLLA)、銀ナノ粒子、キトラック(chitlac)もしくはカプセル化銀ナノ粒子を用いて製造された微粒子などの抗菌ペプチドまたは他の抗菌材料を含む。
本発明による好ましい実施形態において、架橋性ポリマー材料は、熱硬化性材料(例えば、ゴムおよび/またはプラスチック)である。「熱硬化性」は、硬化によって、不融性の不溶性ポリマーネットワークに不可逆的に変化する、軟性の固体または粘性状態のプレポリマーである。硬化は、しばしば高圧下で、熱または適切な放射線の作用によって引き起こされる。硬化プロセスは、ポリマーの個々の鎖を架橋することによって、樹脂を、プラスチックまたはゴムに変換する。架橋は、不飽和部位またはエポキシ部位である、化学的に活性な部位でエネルギーまたは触媒によって促進され、例えば、堅い三次元構造につながる。これは、大きな分子量を有する分子を生じ、溶融する前に通常分解する材料中において生じる。したがって、熱硬化性樹脂は、それが硬化した後に、溶融して再成形することはできない。
熱硬化性材料の例としては、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂(例えば、ベークライト)、ポリイミド、ホルムアルデヒド樹脂(例えば、尿素ホルムアルデヒドまたはメラミンホルムアルデヒド)、熱硬化性ポリエステル、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ビスマレイミド(BMI)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などのシリコーン材料、およびこれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明によるさらに適切な材料は、ポリプロピレン、ポリプロピレンオキシドまたはそれらの誘導体、ポリメチレンオキシドまたはその誘導体、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリエチレンまたはその誘導体、ポリエチレンオキシドまたはそれらの誘導体、ポリアクリレートまたはその誘導体、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)およびコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ならびにこれらの組合せを含む非網羅的なリストから選択される1つまたはそれ以上の化合物を含むことができる。
(ハイドロ)ゲルのいくつかの物理的性質は、濃度に依存する。(ハイドロ)ゲルの濃度の増加は、その細孔の半径、形態、または異なる分子に対するその透過性を変化させることができる。当業者は、(ハイドロ)ゲルの体積または寸法(長さ、幅および厚さ)が、例えば、(ハイドロ)ゲルが移植される領域もしくは環境など、または生分解性を有していなければならないか否かなど、または細胞もしくは細菌が内部に移動するか否かなどの、即時の必要性に基づいて選択できることを理解するだろう。
材料の機械的性質は、それらの物理的または化学的性質(分子鎖の長さ、架橋速度、水の含有量など)を変化させることによって、前記必要性にしたがって調整することができる。この文脈において、本発明の組成物の機械的性質を最適化するために、100mLあたり0.5から90gの間のポリマー密度が検討され、これは、本発明によるキャリア材料に対して、適切な密度であると考えられる。好ましい実施形態において、架橋性材料は、組成物100mlあたり約0.5gから約40gの間の量、好ましくは、組成物100mlあたり約5gから約15gの間の量、より好ましくは組成物100mlあたり約10gの量で存在する。
最も好ましい実施形態において、ポリマーキャリア材料は、適切な注射針で注入可能な形態で組成物を維持するために、架橋されないか、または最小限で架橋される。必要であれば、架橋剤およびそれらの量は、操作者の裁量で選択することができ、当業者は、一般的な慣行に基づいて、そのようなパラメータを容易に想定するだろう。組成物の重合を助ける目的で、1つの好ましい実施形態において、メタクリレート基、ジアクリレート基などは、キャリア内に存在するポリマー架橋性材料とカップリングする。キャリアに結合し、キャリアの重合もしくは架橋を可能にする、任意の他の分子または末端基を使用することができる。
ポリマー材料は、それらの機械的性質を(排他的ではないが、主に)改良および改善するために、無機粒子(通常、ガラスなどの長繊維、またはマイカ、タルクおよびクレイなどの粒子の形態)と混合することができる。有機繊維(例えば、ケブラー(ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド))、セルロース繊維または炭素繊維)を使用する補強材も可能である。
1つの特定の実施形態において、ポリエチレングリコールジメタクリレートおよびセルロース繊維を含むハイドロゲル複合材料を、キャリアとして使用することができる。
本発明のいくつかの実施形態において、架橋性材料は、得られた圧力が管状構造の壁に力を加えてそれらを密封するような方法で、それが分散する管状構造または空洞内で、光重合後に高い浸透圧を引き起こすための、このようなポリマー濃度および鎖の長さを有する、例えば、天然ポリマー材料および/または細胞外マトリックスに由来するポリマーなどの親水性の架橋性ポリマー材料である。これらの実施形態に関する1つの好ましい態様は、弾性係数、多孔性、膨潤性、水の含有量、浸透圧、平衡係数、極限圧縮強度もしくは引張強度および/または所与の組織を特徴付ける生体分子の態様の観点から、細胞外マトリックスの性質を模倣する、このような性質を有する組成物を得ることである。
1つの実施形態において、親水性の架橋性ポリマー材料の濃度は、組成物の容積あたり0.01から95重量%の間、好ましくは、組成物の容積あたり5から30重量%の間である。
1つの実施形態において、親水性の架橋性ポリマー材料を含む組成物は、1Paから1GPaの間、好ましくは、1から1000kPaの間の弾性係数を有する。材料の極限圧縮強度または引張強度は、少なくとも、10GPa、好ましくは、少なくとも100MPa、さらにより好ましくは、少なくとも1MPaである。
1つの実施形態において、親水性の架橋性ポリマー材料の鎖の長さは、約1Daから約500kDa、好ましくは、700Daから25kDaの間の範囲である。得られる浸透圧は、管状構造または空洞を通る、細菌、血液もしくは体液などの材料または流体の移動を制限し、前記の密封または遮断効果をもたらす。密封または遮断は、材料の内部の浸透圧によって引き起こされる外力によって達成される。この力は、空洞壁の方向に向かい、前記ポリマー材料および空洞壁の間の隙間を密封する。上述のポリマー材料の構造/機械的な機能、およびその量の結果として、生じる浸透圧(または、内圧)は、典型的には、100Paから50MPaの間であり、好ましくは、50kPaから10MPaの間である。
上述の本発明の組成物の態様は、前記組成物が、治療用ドレッシング手段によって残った歯髄組織の活力を維持する意図で、歯髄の歯冠部の完全または部分的に除去に続いて、薬剤を配置することによって特徴付けられる技術である歯髄切断による歯髄の処置における使用を意図する場合に特に有用である。健康な歯は、その内部に、軟部組織−神経、血管および結合組織で満たされた「髄腔」と呼ばれる空間を有する。歯が大きな空洞を得ると、腐敗させる細菌が歯髄を損傷することができ、これが、しばしば歯痛を引き起こす。現在、酸化亜鉛、グルタルアルデヒドおよび硫酸第二鉄が、処置の一部として使用され;しかしながら、これらの材料の主な不利益は、それらの毒性、移植後の炎症、周囲の組織への不十分な接着または組織生着、歯の成長中に適応する能力の不足、および部分的歯髄切断の場合に天然の歯髄組織の組織生着および模倣である。これらの組織は、本発明による、膨潤性で、生体適合性の天然の組織を模倣し、かつ耐久性のハイドロゲル系材料を使用することによって解決することができる。
1つの好ましい実施形態において、組成物は、表面の接着を強化する材料を含む。これは、分散粒子(例えば、シグマアルドリッチ社製のLUDOX(登録商標)TM−40コロイド状シリカなどのSiO)、前述のものなどの繊維性材料、および/または管状構造の表面などの隣接する要素への、連結、拡散、架橋または接着を促進する、任意の他の適切な材料である。
管状構造に注入されるとすぐに、またはその間に硬化させるために、本発明の組成物は、本明細書において「硬化剤」とも呼ばれる架橋剤をさらに含む。硬化剤は、架橋性(例えば熱硬化性)材料を化学的に架橋するために用いることができることが理解される。適切な架橋剤は、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリアクリルアミド、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキイソシアネート)、1,4−フェニレンジアクリロイルクロリド、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレートまたはテトラエチレングリコールジメチルエーテルを含むことができる。
好ましい実施形態において、硬化剤は、光開始剤である。「光開始剤」は、UVまたは可視光などの電磁放射線に曝露されたときに、反応種(フリーラジカル、カチオンまたはアニオン)を作り出す分子である。適切な可視光または紫外光活性化光開始剤の例としては、ITX 4 イソプロピル−9−チオキサンテノン、ルシリン TPO 2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、イルガキュア184 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア2959 1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、イルガキュア819 ホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)、LAP リチウム フェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィネート、リボフラビン 7,8−ジメチル−10−((2R,3R,4S)−2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル)ベンゾ[g]プテリジン−2,4(3H,10H)−ジオン、ローズベンガル 4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,5’,7’−テトラヨードフルオレセイン、PL−BDK ベンジルジメチルケタール、PL−CPK 1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニル−ケトン、PL−HMPP 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、カンファキノン、3−(4−カンタキュアBPQ ベンゾイルフェノキシ)−2−ヒドロキシ−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウム−クロリド、APi−180 ヒドロキシアルキルプロパノン、ビスアシルホスフィンオキシド−またはモノアシルホスフィンオキシド系開始剤が挙げられる。好ましい実施形態において、ビス(1,3,5−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸(BAPO−OH)などのビス(アシル)ホスフィンオキシド由来(BAPO)光開始剤が使用される。適切なBAPO光開始剤の他の例は、例えば、以下の参照中に与えられる。K.Dietliker、A compilation of photoinitiators commercially available for UV today、SITA Technology Ltd、Edinbergh、London、2002年;J.V.Crivello、K.Dietliker、G.Bradley、Photoinitiators for free radical cationic & anionic photopolymerisation、John Wiley & Sons、Chichester、West Sussex、England、New York、1998年;S.Benedikt、J.Wang、M.Markovic、N.Moszner、K.Dietliker、A.Ovsianikov、H.Grutzmacher、R.Liska、J.Polym.Sci.,Part A:Polym.Chem.2016年、54巻、473〜479頁;T.Majima、W.Schnabel、W.Weber、Makromol.Chem.1991年、192巻、2307〜2315頁;S.Li、F.Wu、M.Li、E.Wang、Polymer 2005年、46巻、11934〜11939頁;M.A.Tasdelen、B.Karagoz、N.Bicak、Y.Yagci、Polymer Bulletin 2008年、59巻、759〜766頁;B.D.Fairbanks、M.P.Schwartz、C.N.Bowman、K.S.Anseth、Biomaterials 2009年、30巻、6702〜6707頁;A.Huber、A.Kuschel、T.Ott、G.Santiso−Quinones、D.Stein、J.Brauer、R.Kissner、F.Krumeich、H.Schonberg、J.Levalois−Grutzmacher、H.Grutzmacher、Angew.Chem.2012年、124巻、4726〜4730頁;G.Muller、M.Zalibera、G.Gescheidt、A.Rosenthal、G.Santiso−Quinones、K.Dietliker、H.Grutzmacher、Macromol.RapidCommun.2015年、36巻、553〜557頁。
硬化剤(例えば、光開始剤)は、組成物の、少なくとも約0.001重量%、好ましくは、少なくとも約0.05重量%の量で存在することができる。さらにまた、硬化剤は、組成物の、約15重量%未満、好ましくは、約5重量%未満の量で存在することができる。例えば、硬化剤は、組成物の、約0.001重量%から約15重量%、好ましくは、約0.05重量%から約5重量%、例えば、約0.1重量%から約1重量%の範囲で存在することができる。
ある特定の場合において、アミンなどの共開始剤が使用され(例えば、トリエチルアミン)、または光重合の間に、共開始剤として使用される本分野において公知の任意の他の化合物が使用される。好ましくは、共開始剤は、光開始剤に対するモル比(光開始剤/共開始剤)が、100:1から1:100の間、好ましくは、1:1から1:10の間で存在する。
本発明の組成物の特定の機能は、放射線不透過性材料の存在に依存する。「射線不透過性材料」は、本発明の組成物の放射線不透過性の、少なくとも70%、好ましくは、少なくとも90%に寄与する材料であることが理解される。ほとんどの場合において、前記放射線不透過性材料は、分子、化合物もしくは材料内で最も高い原子量を有する原子を含む、原子または化合物である(いくつかの場合では、2番目に高い前記放射線不透過性材料など)。本開示の枠内では、「放射線造影剤」という用語は、放射線不透過性材料を示すために、互換可能に使用することができる。放射線造影剤の一般的な定義は、コンピュータ断層撮影法(CT)、放射線撮影法、および蛍光透視法などのX線に基づく画像化技術において、身体の内側の構造の視感度を改善するために使用される、医療用造影媒体の一種である。別の実施形態において、磁気共鳴画像法(MRI)などの他の画像技術のための造影剤が使用される。
放射線不透過性材料は、組成物100mlあたり少なくとも約1g、好ましくは、組成物100mlあたり少なくとも約10gの量で存在することができる。さらにまた、放射線不透過性材料は、組成物100mlあたり約200g未満、好ましくは、組成物100mlあたり約150g未満の量で存在することができる。例えば、放射線不透過性材料は、組成物100mlあたり約1gから約150g、好ましくは、組成物100mlあたり約10gから約150gの範囲(例えば、組成物100mlあたり約60gから約90gの間)で存在することができる。1つの実施形態において、放射線不透過性材料は、金属を含み、例えば、放射線不透過性材料は、金属もしくは半金属分子、それらの酸化物および/または塩からなるか、またはこれらを含むことができる。金属または金属系放射線不透過性材料の例は、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、タングステン酸カルシウム、金、ガドリニウム、銀、白金、タンタル、および前述のものの組合せまたはそれらの誘導物を含む非網羅的なリストから選択することができる。このような誘導物は、分子もしくは原子を取り囲むかまたはそれらに結合した、任意の種類の分子または原子構造を含むことができる。このような構造は、疎水性、親水性、溶解度(水または任意の他の溶媒中)、生体適合性などのような、広い範囲または材料の性質を、放射線不透過性材料に与えることができる。
好ましい実施形態において、放射線不透過性材料は、ヨウ素またはヨウ素系材料を含む。市販のヨウ素系造影剤についての例は、シストグラフィン(Cystografin)、ダットスキャン(DaTscan)、イソビュー(Isovue)またはジアトリゾエート(diatrizoate)である。さらに好ましい実施形態において、放射線不透過性材料は、前に列挙されたものとして、ヨウ素(ヨウ素系材料を含む)、ならびに金属もしくは金属系材料、それらの塩および/またはそれらの酸化物の混合物を含む。1つの好ましい実施形態において、ヨウ素および他の放射線不透過性材料の間の比率は、重量で、約2:1から1:2の間である。放射線不透過性材料は、例えば、約0.25ミクロンから約10ミクロンの間、例えば、約1.25ミクロンから約2ミクロンの間などの平均粒子径を有する粒子の形態で提供することができる。放射線不透過性材料の組合せおよびそれらの比率の適切な例を、表1に示す。
Figure 2019521783
好ましい実施形態において、光学的に透明な架橋性材料は、水性溶液キャリア中で分散され、これは、高い放射線不透過性、および同時に高い透明性の最終組成物を作成することを可能にし、ここで、高い放射線不透過性は、厚さ1mmの組成物の放射線不透過性が、少なくとも3mmのアルミニウム、さらに6mmのアルミニウムの放射線不透過性に相当することを意味し、ここで、高い透明性は、厚さ1cmのサンプルを、少なくとも1%または10%、好ましくは、50%、さらにより好ましくは、95%または99.9%の可視光が通過することを意味する。
当業者は、組成物1mmあたりのアルミニウムのmmで記載される放射線不透過性が、限定されるものではないが、ハウンズフィールド(Houndsfield)単位、ならびに材料の質量吸収係数、または長さ、容積もしくは質量あたりの吸収または散乱の確率を使用する、吸収断面積(例:バーン/原子)の測定などの吸収の他の記載などの他の放射線不透過性単位を使用して、記載することができることを理解するだろう。
本発明の組成物の製造プロセスにおいて、例えば、2つの粉末系放射線不透過性材料は、架橋性材料を含む水性キャリアと混合することができる。あるいは、放射線不透過性材料を含む液体溶液は、ポリマー、および例えば、他の放射線不透過性マーカーが添加される、キャリアとして使用することができる。このような材料の設計における課題は、溶液内の大量の放射線不透過性材料であり;実際に、放射線不透過性材料は、通常、組成物の粘度を著しく増加させ、光(電磁放射線)を強く吸収する一方で、これは、光重合速度を著しく低下させるか、または光源の周辺の限られた体積、例えば、光源の近くの管状構造の一部のみに光重合を限定する。本発明において提供される材料およびそれらの相対量は、放射線不透過性の金属材料を、例えば、ハイドロゲルキャリアに添加した後であっても、最終組成物を、32、30、28、25または18ゲージ針(内径108μm以上)を通して、さらに注入可能であることを可能にする。さらにまた、組成物は、2分未満で、管状構造内の3cmの深さまで、(少なくとも70、好ましくは、少なくとも90の変換速度で)さらに光重合することができる(図5、中央のサンプルを参照のこと)。
組成物は、1つまたはそれ以上の任意選択の添加剤を含むことができる。添加剤としては、抗菌剤(例えば、酸化亜鉛または銀ナノ粒子)、抗生物質、治療効果を有する活性剤、消毒液、光重合の効率を向上させるための散乱添加剤、軟化剤、保水剤、潤滑剤、またはそれらの任意の組合せを挙げることができる。前記添加剤は、例えば、抗菌剤の長期効果および/または抗生物質の即時効果のために、使用することができる。いくつかの実施形態において、活性剤は、感染に対抗または回避するために、経時的に拡散することができる。添加剤は、例えば、最も一般的な失敗の原因が、根管腔内の細菌の残留、または外側から管内に戻る細菌の移動に起因する再感染である根管の処置の場合において、有用である。いくつかの実施形態において、好ましくは、0.001から1000cm−1の間の、懸濁液中での散乱係数を有する、光重合の効率を増加させることができる散乱添加剤を、組成物中で構想することができる。このような添加剤は、例えば、脂質粒子、小繊維化されたセルロースなどの繊維状粒子、前述の任意の放射線不透過性材料、または前述もしくは本分野において公知の散乱係数に適合する他の化合物である。
添加剤は、組成物の、少なくとも約0.001重量%、好ましくは、少なくとも約0.01重量%の量で存在することができる。さらにまた、添加剤は、組成物の、約50重量%未満、好ましくは、約25重量%未満の量で存在することができる。例えば、添加剤は、組成物の、約0.001重量%から約50重量%、好ましくは、約0.01重量%から約25重量%、(例えば、約0.05重量%から約10重量%)の範囲で存在することができる。
1つの実施形態において、光開始剤分子は、感光性材料で空洞を充填する前に、管状の空洞に配置される。光開始剤分子は、水、PBS、極性もしくは非極性のプロトン性または非プロトン性溶媒などの溶媒中に懸濁される。その親水性などの溶媒の性質は、タンパク質、脂質および他の生物学的分子に近い溶液の、このような分子またはそれらの凝集体を含む管状構造の小さな空洞または部分への拡散を増強する。これらの分子の近くに配置された光開始剤は、照射の際に、分子と反応するラジカルを生成する。感光性材料に関しては、一連の可能な光開始剤を、光開始剤溶液のために使用することができる。照射の際に、ラジカルは、前記分子の、少なくとも50%、少なくとも90%、少なくとも99%、少なくとも99.9%、少なくとも99.99%、または少なくとも100%を、5秒未満、30秒未満、1分未満、または5分未満で破壊する。
1つの実施形態において、組成物は、構造を消毒し、真菌を除去し、ウイルスまたは他の微生物を死滅させるための、抗菌処理として使用される。ラジカルは、細菌、真菌または他の微生物の破壊をもたらす、酸化ストレスを誘導する。溶媒の性質、その粘度、表面張力および親水性は、細菌膜などのいくつかの微生物の集団の近くで拡散すること、またはその中に浸透することを可能にする。したがって、光開始剤分子は、微生物の近くに導入され、照射の際に、微生物の、少なくとも50%、少なくとも90%、少なくとも99%、少なくとも99.9%、少なくとも99.99%、または少なくとも100%を、5秒未満、30秒未満、1分未満、または5分未満で破壊することができる。
したがって、明らかなように、好ましい態様において、感光性材料内の感光性分子は、架橋ならびに抗菌および/または抗真菌処理のために、同時に、使用される。
1つの実施形態において、組成物は、動的接触角法を使用して測定される親水性が、−30°から100°の間、−25°から50°の間、またはさらに−20°から10°の間の接触角を有するように、調整される。このような親水性は、組成物が、ミリメートルサイズ、マイクロメートルサイズ、またはさらにはナノメートルサイズの隙間、壁の凹凸、空洞壁上の中空空間、または細菌コロニーなどの壁上に位置する要素の間の隙間に流れることを可能にする。親水性はまた、例えば、移動自由エネルギー(kcal / モル)を使用して、表すことができることが理解される。さらなる情報は、Jennissen、2001年、Biomaterials、2巻、45〜53頁に見ることができる。
好ましい実施形態において、空洞壁は、液体組成物でさらに処理されて、前記隙間への前記流れをさらに増強する、壁の表面張力を変化させる。
充填される管状構造または空洞は、通常、30mmより小さい、典型的には、1mmより小さい、もしくはさらに100μmを下回る直径を有する、管または空洞からなる。これらの長さは、数十または数百ミリメートルから数ミリメートルの間で変化する。管状構造は、典型的には、互いの間で連結される、1つまたはいくつかの管状要素で形成される。これらは、いくつかの分枝部を有する分枝状構造を形成することができるが、連結されていない独立した管でもあることもできる。そのような構造の典型的な例は、歯根管および副根管、骨および歯の空洞(例えば、髄腔)、血管、動脈瘤、リンパ管または気管支および細気管支である。これらは、対象の体内に天然に存在するか(例えば、がんの血管)、または外科手術用アクセスルート、歯もしくは骨に穿孔された孔、またはそれらの組合せ、あるいは歯根端切除もしくは椎間板切除術などの臓器から抽出された部分のように人工的に作成される。加えて、管状構造は、例えば、(生物医学)研究の目的または外科手術の訓練のために使用される、完全に人工の構造であることもできる。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、哺乳動物、鳥、昆虫などの動物を指す。例えば、本発明によって検討される哺乳動物としては、ヒト、霊長類、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、実験用げっ歯類などのような家畜動物が挙げられる。
管状構造は、開いた末梢部または近接部の入口を有することができ、これらは、一方の端で開いて、他方の端で閉じていることができ、またはこれらは、両方の端で完全に閉じていることができる。1つまたはいくつかの開口部を有するか、有していない、分枝状構造または極めて小さな空洞についての場合も同じである。構造にアクセスするために、既存または人工的に作成された開口部を使用することができる。これらはまた、1つまたはいくつかの管状要素の外側壁に孔を開けることによって、管状または分枝状構造の末梢部および近接部の端の間のどこにでもアクセスすることができる。
このようなアクセスは、典型的には、組成物を、好ましくは、約2×10−4から約1×10Pa*sの間の粘度を有する液体または半液体製剤中に配置するために必要である。組成物を配置するために、典型的には、注入機構、または後でより詳細に記載する、詰め込む、加圧する、もしくは押し進める機構などの他の送達機構からなる、送達システムが必要である。
本発明の1つの態様は、上記に記載の管状構造内に送達された組成物の光活性化(本明細書において、「光重合」または「光硬化」とも呼ぶ)に関する。また、本発明は、線状または分枝状の管状構造に光を分配し、構造を疑似画像化し、および/または分枝部の量を決定し、そのような構造内の液体の流れを遮断し、ならびに充填された体積を決定する方法の使用を予測する。このために、注入デバイス内で組合わされるか、またはそれに別々に近づける(すなわち、注入された組成物に直接接触するか、注入された組成物内で、または注入された組成物から1cmを下回る距離で)照射システムを使用することができる。あるいは、または加えて、送達される放射線が、注入された組成物に達することが可能である限り、身体組織などの別の材料による適切な電磁放射線の送達が想定可能である。好ましい実施形態において、照射システムは、光を、典型的には、180から2000nmの範囲、例えば、300から650nmの間の範囲の波長で提供する、ランプ、LEDまたはレーザー源などの1つまたはいくつかの光源からなる。本明細書において「化学光」とも呼ぶこのような光は、管状構造への組成物の注入の際に、組成物の光化学重合反応を開始および持続させることが可能である。基本的に、本開示による組成物は、液体または半固体形態で、送達(例えば、注入)され、次いで、光化学反応によって、インサイチュで硬化する。化学光による照射の際に、組成物によって吸収される光子は、次いで、ポリマーの固化などの活性化を誘発する、フリーラジカル、カチオンまたはアニオンを生成することによって化学反応を引き起こす、電子のエネルギーレベルを変化させる。
対象の身体の管状構造または空洞の場合において、本発明の組成物を低侵襲の方法で配置するために、注入デバイス(例えば、細いゲージ針またはカテーテル)などの送達システムを用いて、標的構造にアクセスすることが好ましい。光源と接続された光ファイバなどの光送達システムは、注入可能な組成物の選択的な照射を確実にする。典型的には、注入された組成物を配置するための送達デバイスは、直径が、2mmより小さく、好ましくは、800μmより小さく、理想的には、300μmより小さい。照射デバイスは、注入デバイス内またはその隣に配置することができ、これは数μmから数百μmの間の直径を有することができる。
本発明による好ましい実施形態において、これらの目的のためのデバイスは、本出願人によって所有され、参照によってその全体が本明細書に組み入れられる、国際特許出願第2016/038515号に記載のものである。
1つの実施形態において、本明細書の以下で「照射される要素」と呼ぶ、注入された材料、管状要素の周囲、または管状要素の外側もしくは内側に、人工的に配置されるか、または既存の任意の他の構造から、情報を、画像化、スキャニングまたは回収するための、他の追加の光源が存在する。回収された情報は、化学構造、幾何学的配置または構造、照射される要素の液体、半液体または固体状態についてのデータで構成される。回収された情報は、例えば、照射システムおよび注入された組成物のプローブ先端の間の距離、前記プローブ先端および照射される組成物の間の距離ならびに/または2つの照射される要素の間の距離などの測定された距離で構成される。この後者の可能性は、根管、細気管支、毛細血管などのような分枝状の管状構造の場合において、特に有用な結果となる。
回収された情報を評価するための光学技術は、干渉分光法、ラマンもしくは蛍光分光法、多重モードもしくは多芯ファイバによる画像化、または内視鏡、および管状構造の外側から行われる、X線断層撮影法、蛍光透視法もしくはX線スキャンである。
図1を参照すると、身体101によって、および身体102によって遠位端で、横方向に取り囲まれた管状構造の断面図が示される。101および102は、同じ物理的構造および/または材料で構成されるが、そうである必要はない。組成物103は、注入チャネル105を使用して、管状要素に送達される。組成物103は、管状要素の全体に充填することができ、または113および104などの自由空間を残すこともできる。1つの好ましい実施形態において、自由空間104および/または113はまた、組成物で、あるいは例えば、水、リン酸緩衝液溶液もしくはDMSOなどの任意の他の液体または固体材料で、充填される。光が放射または集光される表面(108)を有する照射および光輸送要素106は、組成物103、周辺の身体102および101、空の空間113および104、ならびに前記材料および/または身体および/または空の空間の間の界面(110、114)に、電磁放射線109を送達するために使用される。身体106に返送される光線111は、化学組成物、材料の状態(液体、固体、気体)、温度、速度、屈折率に関する情報、または材料もしくは材料の間の界面を表す任意の他の種類の情報を含む。前述のように、この情報は、前記要素のいずれかの間の距離測定を構成することもできる。したがって、システムは、本明細書において機械的遮断要素(115)として図示される、停止機構を含むこともできる。これは、事前に穿孔されたか、開孔されたか、または他の方法で、管状構造に作られた形状である。遮断要素115は、管状要素内で、任意の形状をとることができる。これは、管状構造内に、追加、配置または構築することができる。図1に示された115の例は、説明の目的のためであることのみを意味する。1つの好ましい実施形態において、前記要素のいずれかの間の距離は、事前に測定された(例えば、113から115の間)。したがって、この事前の測定は、例えば、別の距離(例えば、106から110の間)を計算するために抽出された情報と組合せることができる。
1つの実施形態において、管状要素またはその小区画の1つの正確な寸法が、計算される。これは、使用されるデバイスの監視オプションを使用することによって達成される。断層撮影法、形状の測定などのような、このような測定を行うための他のオプションが利用可能であることが理解されるだろう。使用されるデバイスまたは方法とは独立して、使用されるデバイスは、組成物で、管状要素内を、正確な容積で充填する能力を有することが好ましい。これは、注入される組成物の量、管状要素の形状、およびプローブ先端の位置を制御することによって達成される。1つの好ましい実施形態において、デバイスは、空洞の小区画の特定の寸法に合うように調整される(例えば、デバイスが空間/要素115に合った、遮断要素115の場合において、図示される)。例えば、管状要素中に小さな段差を作る特定の穿孔機を使用することができる。この段差に、注入および照射デバイスを配置することができ、管状要素の遠位部の出口から段差の間の距離が公知であれば、注入される組成物の量は、厳密に計算することができる。管状要素の遠位部の出口が遮断されていない場合であっても、これは、材料のあらゆる漏出を回避する。
いくつかの実施形態において、注入および/または照射デバイスは、歯科において通常使用されるものなどの穿孔機または研磨機に統合することもできる。そのため、注入および/または照射システムは、このようして、穿孔デバイスの後または並行して、使用される。管状体は、操作者の要求にしたがって成形され、次いで、注入デバイス、および場合により、照射デバイスも使用して、組成物で充填される。また、穿孔の間、光学システムを使用して、穿孔機を誘導し、光学的なフィードバックを使用してその位置を推定することができる。
管状構造内への光の誘導は、管状構造内に分散した粒子の散乱、管状構造の壁上での光反射、または組成物内などの管状構造内の材料内での誘導などの異なる手法によって達成される。図2は、照射された管状構造の別の例を図示する。管状構造202内で、光201は、組成物103内を伝搬される。これは、管状構造203の壁によって反射される。これは、管状構造の反射性(201の波長で存在する場合)を使用することによって、または組成物103から周辺の材料101の間の屈折率の差を作り出すことによってのいずれかで、達成される。すべての内部反射は、光を伝搬するために使用することができる。これは、組成物103が、周辺の材料101と比較して、より高い屈折率(n)を有する液体を含有するか、またはそのような液体で構成されることを必要とする。例えば、水(nは約1.333)、フルオロキノロン(nは約1.627)、ジメチルスルホキシド(nは約1.479)、脂肪エマルジョン(nは約1.36)、流動パラフィン(nは約1.48)、パラアルデヒド(nは約1.405)、エチレングリコール(nは約1.43)、油(nは約1.47)またはヨウ化メチレン(1.737)は、高い屈折率に達する例である。括弧内の屈折率は、濃度、照射波長および材料の純度に非常に依存する近似値である。
さらにまた、本発明は、局所的に屈折率を増加させる重原子の添加も含む。放射線不透過剤として使用される重原子は、同様にして、本監視方法における散乱要素として使用することもできる。したがって、1つの好ましい実施形態において、これらの重原子は、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、タングステン酸カルシウム、硫酸バリウム、ヨウ素、金、ガドリニウム、白金、銀またはタンタル、およびこれらの組合せまたは誘導体である。前述のものなどの他の散乱材料も使用することができる。このように、204は、位置203で反射された光を表す。1つの実施形態において、管状構造内での光の伝搬は、散乱粒子205を組成物103に添加することによって達成される。ほとんどすべての種類の数nmから数mmの間の範囲の粒子は、可視光を照射すると、ある程度の量の散乱を引き起こす。当業者は、粒子のレイリー散乱またはミー散乱、弾性散乱または非弾性散乱、粒子内もしくは/および粒子の周辺で発生した電界に起因して引き起こされる散乱などを指すことができる。
好ましい実施形態において、これらの散乱粒子の濃度は、組成物103内で、異なる。典型的には、より散乱する分枝部(208)の周辺では必要であるが、一方で、管状構造207のより円筒状に成形された部分では、より少ない量の散乱粒子が必要である。散乱体205の濃度に応じて、散乱された光206は、管状構造内で、むしろ半径方向、または軸方向に伝搬される。このようにして、最適な、全体的な光活性化または光の監視を達成することができる。また、光を、他では達することができない、主な分枝部に対して、0°から180°の角度で、クラック、亀裂または分枝部などの方向および場所に伝播することができる。
1つの好ましい実施形態において、管状構造は、多量の散乱粒子(例えば、分枝部の近く)および少量の散乱粒子(例えば、分枝部が存在しない場合)を含む組成物で、段階的に充填される。このようにして、照射プローブは、ステップバイステップで引き戻すことができる。それぞれの工程で、組成物は、注入および光活性化される。組成物の散乱係数の絶対値は、管状構造それ自体の大きさに依存し、したがって、管状構造の大きさに依存し、組成物の散乱係数は、0.001cm−1から1000cm−1の間で変化する。
1つの実施形態において、プローブは、触覚フィードバックを与えるのに適合した機械的性質を有する。典型的には、10N/mを超える、好ましくは、10N/mを超える、弾性係数である。これは、管状構造の部分の光重合、および次いで、それが、プローブの触覚フィードバックを使用して重合されたか否かを検証することを可能にする。1つの好ましい実施形態において、この機構は、感光性材料の光活性化を使用して管状構造の遠位端でプラグを構築し、次いで、プローブの触覚フィードバックを使用してプラグの固化を検証するために使用される。
1つの実施形態において、処理は、光の伝搬を増強するために、管状構造に行われる。図3は、管状構造の壁への材料の適用、および管状構造の形状の変化を図示する。材料301の層は、管状構造の内壁上に配置することができる。これは、コーティングを適用することによって、灌注することによって、またはその壁に接着する管状構造を通して材料を流すことによって、行うことができる。1つの実施形態において、管状構造202は、その形状を適合させ、光の伝搬を増加させるために、機械的または化学的に処理される。このようにして、新たな形状の構造302が作成される。機械的処理のための例は、穿孔(穿孔機または研磨機を使用する)、材料の焼成、レーザー切断、超音波処理、吸引、吸上げ、または任意の他の除去方法である。材料の化学的除去は、例えば、酸もしくは塩基または任意の単の液体、気体、あるいは管状構造の壁と作用するペースト様材料を使用することによって、達成することができる。1つの好ましい実施形態において、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)、表面改質剤を有する次亜塩素酸ナトリウム、グルコン酸クロルヘキシジン、セトリミド、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、硫酸フラミセチン、クエン酸の混合物、ドキシサイクリンおよびポリソルベート80(界面活性剤)(MTAD)、水酸化カルシウム、塩化亜鉛、フッ化第一スズ、過酸化水素、静菌性すすぎ液、ドキシサイクリン、ポリソルベート、ショウノウモノクロロフェノール(CMCP)、ホルモクレゾール、クレサチン、もしくは水酸化カルシウム、抗菌剤、過酸化カルバミド、およびプロピレングリコール、エチレングリコール−ビス(b−アミノエチルエーテル−N,N,N’,N’−四酢酸)、タンニン酸、ポリアクリル酸、ビス−デカリニウム−アセテート、オキシンの誘導体、ドキシサイクリン(例えば、8−ヒドロキシ−キノリン)、テトラサイクリン、非イオン性界面活性剤、またはこれらの類似の化合物もしくは混合物もしくは水性溶液を、管状構造を処理するために使用することができる。
最終の架橋した組成物の細孔サイズは、細胞もしくは細菌の移動を促進または制限するために調整することができる。これは、使用されるポリマーの分子量を変更することによって、複合材料を添加することによって、または、例えば、光重合の前もしくは間に、材料に気体を導入することによって、細孔を作成することによって、達成される。
1つの実施形態において、送達プローブの遠位先端(105および106)または遠位端および近位端の間の領域は、それが浸漬されているか、もしくは接触している、媒体または周囲の身体の、電気伝導性、抵抗またはインピーダンスを測定するための要素を含む。この要素は、いくつかの金属層、コーティング電極もしくは集積電極、ワイヤ、または電気を通じることが可能な任意の他の形状の要素で構成される。1つまたはそれ以上のこれらの要素が存在することができる。これらは、プローブの壁上、その遠位端上、またはその内側に配置することができる。好ましい実施形態において、電気伝導性要素は、配置、組成物の注入、光学的監視、または任意の他の予備動作の間に、プローブの誘導または画像化を可能にする。
1つの実施形態において、プローブおよび管状要素の間の空間を一時的に密封するための機構を説明する。図4に示すように、クッションまたはバルーン様要素(401)が提示される。これは、プローブを管状構造に挿入する前に、プローブ(105および106)に接着するか、または管状要素内に配置することができる。これは、プローブの前方に配置された組成物103を除いて、任意の他の材料(例えば、血液もしくは任意の他の液体、粘性の材料または気体)を遮断するように、プローブ上および管状要素の内側壁上に力を及ぼす能力を有する材料で構成される。要素401は、例えば、拡張バルーン、拡張可能なカテーテル、膨潤性材料、形状記憶ポリマーもしくは合金、電気的に作動する材料および任意の他の材料、または上記条件を満たす構造である。
1つの実施形態において、組成物の送達のためのプローブは、市販の注射器システムなどの加圧機構を含む。1つの好ましい実施形態において、注射器は、液滴などの限定された量で材料の制御された段階的な送達を可能にし、注射器内の圧力を増加させることを容易に可能にする、スクリュー注射器である。
1つの好ましい実施形態において、プローブの遠位先端は、光を伝搬する接続要素、および組成物を送達する接続要素を含む、単回使用の要素である。1つの好ましい実施形態において、光誘導要素の先端のみが使い捨てである。この好ましい実施形態において、これは、(例えば、繊維の切断装置を使用して)切断され、このようにして、光誘導要素106の新たな先端が形成される。
1つの好ましい実施形態において、組成物は、1滴ずつ(または任意の他の適切な量で)注入され、連続的に光活性化される。例えば、1滴を管状構造の遠位端に配置して、その遠位出口を遮断することができる。あるいは、組成物は、照射の際に、管状要素内でプラグを構築する方法で、注入することができる。本明細書に開示のプロセスの一般的なワークフローを図6に示す。記載の方法は、図6に記載の、すべて、または1つのみ、もしくはいくつかの工程で構成される。好ましい実施形態において、穿孔または充填による調製などの行為のいずれかは必要ではない。これは、通常、最先端のシステムによって到達されない、隙間への流れを可能にする、注入された組成物の高い粘度に起因する。
1つの実施形態において、光開始剤溶液(溶媒+光開始剤)は、最初に、空洞に配置される。次いで、光活性化のためのプローブは、図7に示す非限定的な実施形態に提示されるように、管状構造の消毒のために使用される。光開始剤溶液は、最初に、空洞内に配置される。プローブによる照射の際に、その後空洞を消毒するラジカルが、生成する。照射の時間は、1から1000秒の間、好ましくは、20から200秒の間で変えることができる。管状構造への材料の拡散をさらに増強するため、または抗菌効果を改善するための添加剤を含む、前述の任意の光開始剤および溶媒を使用することができる。光開始剤溶液の光活性化の後、感光性材料は、空洞中に配置される。これは、光開始剤溶液を置き換えることによって、または光開始剤溶液を部分的に置き換えることによって、行うことができる。好ましい実施形態において、光開始剤溶液の一部は、管状構造中に保持され、感光性材料が添加される。このようにして、感光性溶液から置き換えられ、未反応の光開始剤の一部は、空洞の内部に残る。感光性材料の配置に続いて、これは、プローブを使用して活性化される。残った光開始剤溶液も活性化される。
例示的な実験の設定において、放射線不透過剤の異なる量および組合せを含む異なる組成物を試験した。サンプルを、2および4mm深さの型で調製し、5分の固定時間の間、上部から、365nm(1.25mW/cm付近)で照射した。放射線不透過性材料の金属粒子を希釈するために使用される溶媒(すなわち、キャリア)は水であり、または放射線不透過性材料が液体として利用可能である場合、水性の造影剤それ自体が溶媒であった。金属粒子、それらの製剤またはそれらの誘導体を、上記の表1に示す量で、液体溶液中に懸濁した。ポリエチレングリコールジメタクリレートの組成物100mlごとに10gを、ポリマー架橋性材料として使用した。要約すると、表1は、骨セメント中で使用されるものなどの少量の金属系添加剤は(8から10%)、1.5mmAl/mmを超える放射線不透過密度に達するには十分ではなく、マイクロCTスキャナー(使用電圧および電流:100kVおよび100uA)による検出にはさらに低すぎであった(「範囲外」)。多くの場合において、光は、光重合の間に放射線不透過剤によって吸収されるか(「光重合なし」)、または放射線不透過性粒子が凝集するかのいずれかであり、これは、サンプルの高い不均一性をもたらす(「低均一性」)。液体造影剤および分散粒子の組合せは、光重合性でありながら、3または6mmAl/mmを上回る放射線不透過性値に達することが可能であった。ヨウ素およびタングステン酸カルシウムの組合せを含む製剤は、高い放射線不透過性(>6mmAl/mm)、低粘度(30ゲージ針を通して注入可能)、および十分な光重合度に達することが可能であり、ここで、十分な重合度については、サンプルが、固化し、液体、粘性または半固体のいずれでもではなくなったことを意味する。
市販の密封剤およびグッタペルカと比較して、提案する製剤(表1の15および16)は、より高い放射線不透過密度を示す。図5は、2mmAlの測定放射線不透過性密度を有する市販の密封剤(TotalFill(登録商標)、BCシーラー(商標)、左側)のサンプル、6mmAl/mmの密度を有する本発明の組成物の1つの好ましい実施形態(中央;表1の製剤16)、および2.4mmAl/mmの測定不透過度を有する市販のグッタペルカ(右側)を示す。点線は、測定が行われた場所を示す。線上の最も高い(最も暗い)濃淡値を、所定の厚さを有するアルミニウムのウェッジと比較した。測定方法についてのさらなる情報は、ISO標準13116:2014に見ることができる。中央のサンプルを、内径1mmで長さ3cmの管状要素内で、2分以内で光重合させた。

Claims (18)

  1. 液体キャリア、架橋性ポリマー材料、架橋剤および放射線不透過性剤を含む中空構造のための充填剤としての使用のための、液体または半固体組成物であって、
    i)少なくとも3mmAl/mmの不透過密度、および
    ii)2×10−4から1×10Pa*sの間の粘度
    を有する、前記組成物。
  2. 液体キャリアは、350から600nmの間の波長で1000cm−1未満の吸収係数をもたらす光学密度を有する架橋性材料を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 架橋性材料は、組成物100mlあたり約0.5gから約40gの間、好ましくは、組成物100mlあたり約5gから約15gの間、より好ましくは組成物100mlあたり約10gの量で存在する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 架橋性材料は、熱硬化性材料を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. キャリアは、ハイドロゲルとして製剤されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 架橋剤は、光開始剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 光開始剤は、組成物の、少なくとも約0.001重量%、好ましくは、少なくとも約0.05重量%の量、および組成物の、約15重量%未満、好ましくは、約5重量%未満の量で存在する、請求項6に記載の組成物。
  8. 光開始剤に対するモル比(光開始剤/共開始剤)が約100:1から約1:100の間、好ましくは、約1:1から約1:10の間で存在する共開始剤をさらに含む、請求項6または7に記載の組成物。
  9. 放射線不透過性材料は、1つまたはいくつかの種類の放射線不透過性原子またはその分子を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 放射線不透過性材料は、組成物100mlあたり約1gから約200gの間、好ましくは、組成物100mlあたり約60gから約90gの間の量で存在する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 放射線不透過性材料は、非金属の放射線不透過性原子を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 放射線不透過性材料は、1つまたはいくつかの金属原子を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 放射線不透過性材料は、非金属の放射線不透過性原子を有する放射線不透過性材料、および金属の放射線不透過性原子を有する放射線不透過性材料の組合せである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 放射線不透過性材料は、ヨウ素系材料(ヨウ素それ自体を含む)、ならびに金属系材料(金属それ自体を含む)、それらの塩および/またはそれらの酸化物の混合物を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 金属系材料、それらの塩またはそれらの酸化物は、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、タングステン酸カルシウム、金、ガドリニウム、銀、白金、タンタル、および前述のものの組合せを含む非網羅的なリストから選択される、請求項14に記載の組成物。
  16. ヨウ素系材料および他の放射線不透過性材料の間の比率は、重量で、約2:1から1:2の間である、請求項14または15に記載の組成物。
  17. 中空構造は、管状構造であり、10μmから20mmの間、好ましくは、50μmから1000μmの間の直径を有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 管状構造または空洞は、歯根管および副根管、髄腔、血管、リンパ管、気管支および細気管支、ならびに人工的に作成された管状構造である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
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