JP2019521133A - 3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−n−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの多形形態の生成方法 - Google Patents

3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−n−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの多形形態の生成方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの形態Bを調製する方法に関する。本明細書に記載の方法により得ることができる、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの形態Bまたはその医薬組成物も、本明細書で開示される。

Description

化合物3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの特定の結晶多形を選択的に生成する方法が、本明細書で開示される。
固体は非晶質形または結晶形のいずれかで存在する。結晶形の場合、分子は三次元の格子サイトに位置する。例えば、所望の化合物を適量の溶媒または溶媒の混合物に混合し、加熱して溶解させ、冷却して生成物を沈殿させることによって、溶液から固体を結晶化することは、当技術分野で公知である。
化合物が溶液またはスラリーから再結晶化する場合、化合物は様々な空間格子の配置で結晶化する可能性があり、この特性は「多形」と呼ばれ、様々な結晶形態はそれぞれ「多形体」と呼ばれる。所与の物質の様々な多形形態はまた、溶解度、真密度、結晶形状、圧密挙動、流動性、および/または固体状態安定性などの、1つまたは複数の物理的特性に関して互いに異なり得る。
異なる熱力学的安定性を有する2つ(またはそれを超える)の多形形態で存在する化学物質の場合、より不安定な形態は、通常、十分な時間の後、所与の温度でより熱力学的に安定な形態に変換する。この転換が急速でない場合、熱力学的に不安定な形態は「準安定な」形態と呼ばれる。一般に、安定な形態は、様々な多形形態のうち融点が最も高く、溶解度が最も低く、化学的安定性が最大である。しかし、準安定な形態でも通常の保管条件で十分な化学的および物理的安定性を呈し、市販の形態でそれを使用することが可能となり得る。さらに、準安定な形態は、最も熱力学的に安定な多形形態より安定でないが、より良好な製剤化能力(formulative ability)、改善した水への分散性など、より安定な形態のものより望ましい特性を呈し得る。
化合物3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドは、多数の多形形態で存在することが発見されている。これらの形態の多くは、薬学的に許容される組成物の生成の観点から、望ましくない。これには、安定性の欠如、高い吸湿性、低い水溶解度、および取扱いの困難さを含む、様々な理由がある。
本開示の結晶化の方法により、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶多形の結晶化を選択的に制御できる。具体的には、本発明は、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの特定の多形形態(以後、形態Bと記す)の生成の方法を含む。
形態Bは、融点が約216℃の無水結晶形態であり、非吸湿性である。
様々な溶媒からの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの再結晶化により、溶媒和物、水和物、無水物などを含む、異なる多形形態の混合物がもたらされる。再結晶化の過程で得られる3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの他の多形形態が形態Bに変換できない場合は処分しなければならず、収益減で非効率の生成過程となる。
形態Bは、薬学的な製剤化および取扱いの点で特に優れている。形態Bは、非吸湿性で熱力学的に安定であり、好ましい溶解度プロファイルを有しているので特に優れており、これら全てにより、製剤化が容易になり、好ましい溶解度、したがって生物学的利用能プロファイルが提供される。本発明の方法は、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを含む薬学的な製剤を生成するのに取扱いおよび加工が容易な易流動性粉末を生成する。
現在まで、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶多形の結晶化を制御する簡易な方法は存在しない。ゆえに、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶多形の結晶化を選択的に制御する効率的な方法に対する、当技術分野で、喫緊で未対処の必要性が存在する。
本明細書に開示される実施形態は、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶多形の結晶化を選択的に制御する方法を提供することに対する、従来対処されていないこの必要性を満足することが見出された。特に特許請求される本方法は、粒径などの粒子の特性の制御を改善でき、具体的な多形体の収率を改善でき、残留溶媒による汚染を低減する。
第1の態様において、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶多形の形態Bを調製する方法であって、
(a)3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを、少なくとも40℃の温度で非水系溶媒または非水系溶媒の混合物に溶解して溶液を得るステップであって、1種または複数の溶媒が、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミド出発物質に対して約5wt%未満の水を含有する、ステップ、
(b)溶液を冷却するステップ、
(c)結晶を単離するステップ、
(d)得られた結晶を1分超の期間75℃超に加熱して、形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを生成するステップ
を含む、方法を提供する。
第2の態様において、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶多形の形態Bを調製する方法であって、
(a)3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを、少なくとも40℃の温度で非水系溶媒または非水系溶媒の混合物に溶解して溶液を得るステップ、
(b)溶液を冷却するステップであって、方法ステップ(b)の温度が100℃を超えない、ステップ、
(c)結晶を単離するステップ、
(d)得られた結晶を1分超の期間75℃超に加熱して、形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを生成するステップ
を含む、方法を提供する。
第3の態様において、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶多形の形態Bを調製する方法であって、
(a)3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを、40℃以上、好ましくは100℃以上の温度で非水系溶媒または非水系溶媒の混合物に溶解して溶液を得るステップ、
(b)任意選択で、溶液をろ過して、100μm超の、好ましくは10μm未満の最大直径を有する粒子を実質的に除去するステップ、
(c)溶液を、100℃未満、好ましくは90℃未満であるが80℃超に冷却するステップ、
(d)3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの形態Bの結晶を、溶液にシーディングするステップ、
(e)任意選択で、溶液をさらに冷却するステップ、
(f)任意選択で、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの形態Bの結晶を、溶液にさらにシーディングするステップ、
(g)溶液を70℃未満に冷却するステップ、
(h)形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶を単離するステップ
を含む、方法を提供する。
本明細書に記載される実施形態のある特定の態様は、限定されないが本発明を説明することを意図する図面を参照することでより明確に理解され得る。
3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの形態Bの多形体のDSCにより得られるサーモグラムのグラフである。 3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの形態Bの多形体のXRPDスペクトルである。 3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの形態Bの多形体のラマンスペクトルである。 3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの形態Bの多形体のFT−IRスペクトルである。 図5aおよび5bは、本発明の方法により再結晶化された未粉砕の形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドのSEM画像である。これは良好な流動性を有する球状凝集体を示す。 形態Bへの転換を示す形態Aの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの、様々な温度におけるXRPD試験である。 様々な加熱率で実施されたDSC実験を示す(10℃/分)。これは形態Bへの転移を示す。 形態Bは形態Aより溶出速度が速いことを示す。大きさ1のカプセル(原薬50mg/カプセル)で形態Aおよび形態Bの比較を示す。生成物をD50、1〜10μmに粉砕する。
本発明の任意の態様での出発物質は、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの任意の供給源であり得る。例えば、本発明による形態Bを生成する方法用の出発物質は、粗製の3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミド、非晶質の3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミド、多形の3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミド(純粋な形態Bを除く、または形態Bを含む)、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの多形体の混合物、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。例えば、国際公開第2005/009973号パンフレット(その実施例161など)に開示される方法にしたがって形態Bを調製するために使用される、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミド出発物質。
本発明の任意の態様の方法により、純粋な形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドが生成される。
本明細書で使用する場合、「純粋な形態B」は、10重量%未満の3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの任意の他の多形形態、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%未満の3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの他の多形形態を含む、結晶多形の形態Bを意味する。
多形形態Bに対する粉末XRDパターンおよびデータは、明白に3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの他の多形形態と異なる。形態Bは、1つまたは複数の以下の位置での特徴的なピーク(度2θ(+/−0.2°θで表される)を有する、以下の表に実質的に示される通りのX線粉末回折パターンを呈する。
3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの形態Bはまた、実質的に図1に示す示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを呈する。このサーモグラムは約216℃での主な吸熱ピークを特徴とする。
形態Bを含有する組成物の有用な製剤は、従来の方法で調製できる。これらは、粉剤、ペレット剤、溶液剤、縣濁剤、乳剤、水和剤などとしての調製剤を含む。
好ましくは、本発明の第1の態様において、方法ステップ(a)および(b)の温度は、140℃を超えず、好ましくは100℃を超えず、好ましくは90℃を超えない。
好ましくは、本発明の第1の態様において、方法ステップ(d)の温度は、80℃超であり、好ましくは85℃超であり、好ましくは90℃超であり、好ましくは100℃超である。好ましくは、本発明の第1の態様において、方法ステップ(d)の温度は、210℃未満であり、好ましくは180℃未満であり、好ましくは140℃未満であり、好ましくは120℃未満である。
好ましくは、本発明の第1の態様において、方法ステップ(d)の温度は、5分間超、好ましくは15分間超、好ましくは1時間超、好ましくは4時間超、維持される。加熱は、好ましくはオーブンで行う。
例えば、本発明の第1の態様において、方法ステップ(d)の温度は、5分間超、好ましくは15分間超、好ましくは1時間超、好ましくは4時間超、80℃超である。
好ましくは、本発明の第1の態様において、ステップ(b)の冷却は、好ましくは約1〜0.01℃/分、好ましくは0.5〜0.05℃/分、好ましくは0.2〜0.08℃/分、好ましくは約0.1℃/分の冷却速度である。これは、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの他の多形体の形成を防止または低減する助けとなる。
好ましくは、本発明の第1の態様において、ステップ(b)の冷却では、溶液は90℃未満に冷却される。
本発明の第1または第2の態様のステップ(b)の間、逆溶媒を添加して、所望の結晶の沈殿を促進し得る。好ましい逆溶媒として、t−ブチルメチルエーテルおよびニトロメタンなどの、C1〜6エーテルおよびC1〜6ニトロアルカンが挙げられる。しかし、当業者は、どの溶媒を本方法で使用するかに応じて逆溶媒を容易に選択することができる。
逆溶媒:溶媒の比は、好ましくは0.1:1〜1:0.1の範囲にある。
本発明の第1の態様のステップ(a)および(b)の間、水が、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの重量に対して、約5%超の水で存在する場合、許容できない量の3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの水和物が形成され、それにより不純物を構成する。
本発明の第1の態様によると、用語「非水系溶媒または非水系溶媒の混合物」は、好ましくは水が実質的に存在しない状態で、C1〜6アルコール、C4〜10環状エーテル、C1〜6ニトリル、C1〜6ハロアルカン、C1〜6ケトン、ジアルキルホルムアミド、ジアルキルスルホキシド、C3〜10アリール、C5〜10アルカン、酢酸C1〜6アルキルからなる群から選択される1種または複数の溶媒を意味する。好ましい非水系溶媒は、好ましくは水が実質的に存在しない状態で、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、塩化メチレン、イソプロピルアルコール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、ベンゼン、n−ヘキサン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルムおよび四塩化炭素からなる群から選択される。特に好ましい非水系溶媒は、好ましくは水が実質的に存在しない状態で、エタノール、イソプロピルアルコール、およびイソブタノールからなる群から選択される。
好ましくは、本発明の第2の態様において、方法ステップ(d)の温度は、80℃超であり、好ましくは80℃超であり、好ましくは90℃超であり、好ましくは100℃超である。好ましくは、本発明の第2の態様において、方法ステップ(d)の温度は、210℃未満であり、好ましくは180℃未満であり、好ましくは140℃未満である。
好ましくは、本発明の第2の態様において、ステップ(a)で使用される1種または複数の溶媒は、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミド出発物質に対して約5wt%未満の水を含有する。
好ましくは、本発明の第2の態様において、方法ステップ(d)の温度は、5分間超、好ましくは30分間超、好ましくは1時間超、好ましくは4時間超、維持される。
例えば、本発明の第2の態様において、方法ステップ(d)の温度は、5分間超、好ましくは30分間超、好ましくは1時間超、好ましくは4時間超の期間、80℃超である。
好ましくは、本発明の第2の態様において、ステップ(b)の冷却は、好ましくは約1〜0.01℃/分、好ましくは0.5〜0.05℃/分、好ましくは0.2〜0.08℃/分、好ましくは約0.1℃/分の冷却速度である。これは、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの他の多形体の形成を防止または低減する助けとなる。この冷却速度を選択することで、結晶生成物中の形態Bの収率および形態Bの純度を改善する助けとなる。
特に、本発明の上記の番号付けた態様のいずれも、出発物質の80wt%超の純度、通常は90wt%超、好ましくは95wt%、例えば98wt%超で、形態Bの結晶を生成することができる。
本発明の第2の態様によると、用語「非水系溶媒または非水系溶媒の混合物」は、好ましくは水が実質的に存在しない状態で、C1〜6アルコール、C4〜10環状エーテル、C1〜6ニトリル、C1〜6ハロアルカン、C1〜6ケトン、ジアルキルホルムアミド、ジアルキルスルホキシド、C3〜10アリール、C5〜10アルカン、石油エーテル、酢酸C1〜6アルキル、C1〜6エーテルからなる群から選択される1種または複数の溶媒を意味する。好ましい非水系溶媒は、好ましくは水が実質的に存在しない状態で、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、塩化メチレン、イソプロピルアルコール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、ベンゼン、n−ヘキサン、石油エーテル、酢酸エチル、エーテル、ジクロロメタン、クロロホルムおよび四塩化炭素からなる群から選択される。特に好ましい非水系溶媒は、好ましくは水が実質的に存在しない状態で、エタノール、イソプロピルアルコール、およびイソブタノールからなる群から選択される。
好ましくは、本発明の第3の態様において、ステップ(a)の1種または複数の溶媒は、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミド出発物質に対して約5wt%未満の水を含有する。
本発明の第3の態様の方法は、好ましくは、物質の大規模な生成(5kg超)で使用される。形態Bの種は、好ましくは、本発明の第1もしくは第2の態様による方法により、または本発明の第3の態様の方法の先の処理により生成される。形態Bの結晶は、XRPDスペクトルおよび本明細書に記載される他の方法により容易に特性決定され、同定される。
好ましくは、本発明の第3の態様のステップ(a)の溶液の温度は、90℃〜200℃であり、好ましくは100℃〜180℃であり、好ましくは103℃〜125℃であり、好ましくは約105℃である。
本発明の第3の態様のろ過ステップ(b)は、好ましくは、50μm超、好ましくは20μm超、好ましくは10μm超、好ましくは5μm超、好ましくは1μm超の最大直径を有する粒子が除去される。好ましくは、溶液はチャコールを通してろ過する。
本発明の第3の態様の冷却ステップ(c)は、好ましくは85℃超、好ましくは約88℃である。好ましくは、この温度を少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、好ましくは少なくとも5時間、維持する。
本発明の第3の態様のステップ(c)および/または(e)の間、所望の結晶の沈殿を促進するために、逆溶媒を添加してもよい。好ましい逆溶媒として、t−ブチルメチルエーテルなどのC1〜6エーテルが挙げられる。しかし、当業者は、どの溶媒を本方法で使用するかに応じて逆溶媒を容易に選択することができる。
本発明の第3の態様のステップ(d)は、好ましくは、ステップ(a)で溶解した3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの重量に対して、0.1wt%超、好ましくは1wt%超、好ましくは3wt%超、好ましくは4wt%超の形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドをシーディングする。
本発明の第3の態様の冷却ステップ(g)は、好ましくは、50℃未満であるが0℃超、好ましくは30℃未満、好ましくは約20℃の温度である。好ましくは、この温度を少なくとも30分間、好ましくは1時間、好ましくは少なくとも2時間、好ましくは少なくとも5時間、維持する。
好ましくは、溶媒は、本発明の第3の態様のステップ(h)において、40〜120℃の真空下、好ましくは60〜100℃の真空下で乾燥することにより除去される。
本発明の第3の態様の冷却ステップ(c)は、好ましくは、少なくとも5分間、好ましくは30分超、好ましくは1時間超の期間、80℃超であるが100℃未満で維持される。
本発明の第3の態様によると、用語「非水系溶媒または非水系溶媒の混合物」は、好ましくは水が実質的に存在しない状態で、C1〜6アルコール、C4〜10環状エーテル、C1〜6ニトリル、C1〜6ハロアルカン、C1〜6ケトン、ジアルキルホルムアミド、ジアルキルスルホキシド、C3〜10アリール、C5〜10アルカン、石油エーテル、酢酸C1〜6アルキル、C1〜6エーテルからなる群から選択される1種または複数の溶媒を意味する。好ましい非水系溶媒は、好ましくは水が実質的に存在しない状態で、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、塩化メチレン、イソプロピルアルコール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、ベンゼン、n−ヘキサン、石油エーテル、酢酸エチル、エーテル、ジクロロメタン、クロロホルムおよび四塩化炭素からなる群から選択される。特に好ましい非水系溶媒は、好ましくは水が実質的に存在しない状態で、イソブタノールおよびn−ペンタノールからなる群から選択される。
好ましくは、ステップ(a)における3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの濃度は、80℃超、好ましくは約85℃の温度でシーディングがより効果的であったようなものである。好ましくは、シーディングは、80℃〜90℃で2wt.%を2回と規定された。
本発明の第3の態様のステップ(g)での冷却を改善するために、好ましい最大速度0.05℃/分を使用した。これは、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの他の多形体の形成を防止または低減する助けとなる。
本発明の第3の態様のステップ(g)での最終温度は、20℃が最も好ましく、その理由は0℃に冷却すると場合によって他の微量の多形体が生じたからである。
本発明の第3の態様のステップ(g)で3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを溶解するのに特に好ましい溶媒は、n−ペンタノールである。好ましくは20℃への冷却を、好ましくは0.05℃/分で行った。ゆえに、この方法により、他の溶媒よりも高い収率および頑健性が得られる。
好ましくは、本発明の任意の態様によるシーディングを、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを溶解するのに使用されるのと同じ溶媒中に種を分散させることによって行う。
好ましくは、本発明の任意の態様による形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶の単離は、方法の最初のステップでの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを溶解するのに使用されるのと同じ溶媒で洗浄することを含む。好ましくは、洗浄することは、30℃未満の温度で溶媒を使用して行われる。
70℃の温度で、特により長期間にわたって、他の多形体による著しい汚染を伴うが、形態Bへの変換が引き起こされることが分かる。また、溶媒中に水を含む場合、より低い温度でさえ水和物が形成されることが分かる。
本発明の第3の態様によると、80℃の温度で、著しい汚染を伴わずに形態Bへの変換が引き起こされることが分かる。
本発明の全ての態様において、本明細書で使用する場合、用語「水が実質的に存在しない」は、方法で使用される3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドに対して、5wt%未満、好ましくは1wt%未満、好ましくは0.5wt%未満、好ましくは0.1wt%未満、好ましくは0.05wt%未満、好ましくは0.001wt%未満を意味する。
さらに、図1に示す通り、形態Bはまた、約215℃での主な吸熱ピークを特徴とする、1分当たり10℃のスキャン速度で示差走査熱量測定計により測定された、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを呈する。
本発明の方法により、好都合なことに、400μm未満、好ましくは300μm未満、好ましくは200μm未満のD50粒径を有する形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドが生成される。
本発明の方法により、好都合なことに、10μm超のD10粒径を有する形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドが生成される。
形態Bの結晶は、当技術分野で公知の従来の任意の方法、例えば、ろ過、遠心分離などにより単離する。
本発明の上記の番号付けた態様のいずれかによる任意の冷却ステップの前またはその間、例えば蒸留により、溶媒の量を減少させて、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの溶液を濃縮してもよい。
これから、以下の実施例を参照して本発明をさらに記載するが、これは添付の特許請求の範囲を例示することを意図するものであり、制限するものではない。
比較例1
形態Aのプロセスの記載
3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを、75℃でエタノールに溶解した。得られた溶液を、粒子フィルターを通して第2の反応器へとろ過する。IT(内部温度)=40℃に冷却後、エタノール中に3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの種懸濁液を添加する。反応混合物をIT=40℃でさらに2時間保持した後、IT=−10℃へと緩やかな冷却勾配(0.1K/分)を開始する。IT=−10℃で少なくとも5時間、懸濁液を保持する。生成物をろ過乾燥機で分離する。ろ過ケークは反応器で、エタノールを3回に分けて使用して撹拌せずに洗浄する。湿ったろ過ケークの乾燥を、2つの操作ステップで実施する。JT(ジャケット温度)=50℃、圧力=10〜20mbarで5時間、第1のステップを行う。このステップの間、撹拌器は使用しない。JT=60℃、圧力=10〜20mbarで5時間、第2のステップを行う。このステップの間、撹拌器を1分間作動し、14分間そのままにする。この期間後、0.5%m/m以下のエタノール含有量が達成される。
1.原材料の利用可能性
方法では種結晶を使用し得るが、これは必ずしも必要ではない。種結晶を使用する場合は、粉砕する(より高い粒子表面積にするため)。
[実施例1]
本方法は、本発明の第3の態様の実施形態である。
3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを、IT105℃でイソブタノールに溶解した。得られた溶液を、粒子フィルターを通して第2の反応器へとろ過する。IT=85℃に冷却後、イソブタノール中に形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの種懸濁液を添加する。得られた懸濁液をIT=85℃で1時間保持した後、IT=82℃へと緩やかな冷却勾配(0.05K/分)を開始する。この温度で、イソブタノール中に形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの第2の種懸濁液を添加する。IT=82℃をさらに1時間保持した後、かなり緩やかな勾配(0.04K/分未満)を開始する。IT=20℃で少なくとも5時間、懸濁液を保持する。
形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの生成物をろ過乾燥機で分離する。過ケークは反応器で、イソブタノールを3回に分けて使用し撹拌せずに洗浄する。湿ったろ過ケークの乾燥を、2つの操作ステップで実施する。JT=60℃、p=10〜20mbarで5時間、第1のステップを行う。このステップの間、撹拌器は使用しない。JT=80℃、p=10〜20mbarで10時間、第2のステップを行う。このステップの間、撹拌器を1分間作動し、14分間そのままにする。この期間後、0.5%m/m以下のイソブタノールの含有量が達成される。
形態Bの粒子は、図5aおよび5bで示されるSEM画像で示される通り、比較的滑らかな面の結晶の良好な流動凝集体(平均直径約250μm)である。
[実施例2]
本実施形態は、本発明の第1および第2の態様による実施例である。
3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを、75℃でエタノールに溶解した。得られた溶液を、粒子フィルターを通して第2の反応器へとろ過する。IT(内部温度)=40℃に冷却後、エタノール中に3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの種懸濁液を添加する。反応混合物をIT=40℃でさらに2時間保持した後、IT=−10℃へと緩やかな冷却勾配(0.1K/分)を開始する。IT=−10℃で少なくとも5時間、懸濁液を保持する。生成物をろ過乾燥機で分離する。ろ過ケークは反応器で、エタノールを3回に分けて使用して撹拌せずに洗浄する。湿ったろ過ケークの乾燥を、2つの操作ステップで実施する。JT(ジャケット温度)=50℃、圧力=10〜20mbarで5時間、第1のステップを行う。このステップの間、撹拌器は使用しない。JT=60℃、圧力=10〜20mbarで5時間、第2のステップを行う。このステップの間、撹拌器を1分間作動し、14分間そのままにする。この期間後、0.5%m/m以下のエタノール含有量が達成される。
これらの結晶は、180℃で真空乾燥機中で加熱することにより、形態Bに変換した。
2.器具および方法の詳細
2.1 X線粉末回折(XRPD)
2.1.1 Bruker AXS社のC2 GADDS
CuKα線(40kV、40mA)、自動化XYZステージ、自動サンプル位置決め用のレーザビデオマイクロスコープ、およびHiStar2次元領域検出器を使用して、X線粉末回折パターンをBruker AXS社のC2 GADDS回折装置で収集した。X線光学系は、0.3mmのピンホールコリメータに連結された、1つのGobel多層膜ミラーからなる。認証標準NIST1976コランダム(平板)を使用して、性能チェックを週1回行う。
サンプルのビーム発散、すなわち、X線ビームの効果的なサイズは、およそ4mmであった。θ−θ連続走査モードを、3.2°〜29.7°の効果的な2θ範囲を提供する、サンプル−検出器の距離20cmで利用した。典型的には、120秒間、サンプルをX線ビームに曝露した。データ収集に使用したソフトウェアはXP/2000 4.1.43用のGADDSであり、Diffrac Plus EVA v15.0.0.0を使用してデータを解析し、提示した。
入手したままの粉末を摩砕することなく使用して、周囲条件下で処理されたサンプルを平板の検体として調製した。およそ1〜2mgのサンプルを、スライドガラス上で軽く押して、平らな表面を得た。
2.1.1 Bruker AXS社のD8 Advance
CuKα線(40kV、40mA)、θ−2θゴニオメーター、ならびにV4の発散および受光スリット、Geモノクロメーター、ならびにLynxeye検出器を使用して、X線粉末回折パターンをBruker社のD8回折装置で収集した。認証コランダム標準(NIST1976)を使用して、器具を性能チェックする。データ収集に使用したソフトウェアはDiffrac Plus XRD Commander v2.6.1であり、Diffrac Plus EVA v15.0.0.0を使用してデータを解析し、提示した。
入手したままの粉末を使用して、平板の検体としてサンプルを周囲条件下で処理した。研磨したゼロバックグラウンド(510)シリコンウエハに切断した空洞に、サンプルを穏やかに充填した。解析の間、サンプルはそれ自身の面で回転した。データ収集の詳細は以下の通りである。
・角度の範囲:2〜42°2θ
・ステップサイズ:0.05°2θ
・収集時間:0.5秒/ステップ
サンプルのスクリーニングのために簡潔な方法を使用した。データ収集の詳細は以下の通りである。
・角度の範囲:2〜31°2θ
・ステップサイズ:0.05°2θ
・収集時間:0.5秒/ステップ
非周囲条件
25℃でAnton−Paar社のTTK450チャンバーにサンプルを設置した。測定ファイルを通して温度をその場で制御した:p2853−vt、LRP−1301−39−01.dql、LRP−1301−42−01.dql、LRP−1301−42−02.dql。サンプルを1℃/分で25℃から200℃まで加熱した。XRPDデータを30℃から200℃まで10℃ごとに収集した。およそ40mgのサンプルを、周囲条件下で、Niコーティングされたサンプルホルダーに設置した。25℃でサンプルをのせた。
3.単結晶X線回折(SCXRD)
Rigaku Oxford DiffractionのSupernovaデュアルソース、0でのCu、Oxford Cryosystems社のCobra冷却装置を搭載したAtlas CCD回折装置で、データを収集した。CuKα線を使用してデータを収集した。典型的には、SHELXSプログラムまたはSHELXDプログラムのいずれかを使用して構造を解析し、Bruker社のAXS SHELXTL suite(V6.10)の一部としてSHELXLプログラムでリファインした。別段の記載がない限り、炭素に結合する水素原子を幾何学的に配置し、ライディング等方性変位パラメーターでリファインさせた。ヘテロ原子に結合した水素原子を差フーリエ合成に置き、等方性変位パラメーターで自由にリファインさせた。
4.示差走査熱量測定(DSC)
5.1 TA Instruments社のQ2000
50ポジション自動サンプラーを搭載したTA Instruments社のQ2000で、DSCデータを収集した。サファイアを使用して熱容量の較正を行い、認証インジウムを使用してエネルギーおよび温度の較正を行った。典型的には、ピンホールの開いたアルミニウムパンにおいて0.5 3mgの各サンプルを10℃/分で25℃から300℃まで加熱した。サンプル上で、50ml/分で乾燥窒素のパージを維持した。
2℃/分の基礎加熱速度および60秒(期間)ごとに±0.318℃(振幅)の温度変調パラメーターを使用して温度変調DSC法を行った。
器具制御ソフトウェアは、Advantage for Q Series v2.8.0.394およびThermal Advantage v5.5.3であり、データは、Universal Analysis v4.5Aを使用して解析した。
5.2 TA Instruments社のDiscovery DSC
50ポジション自動サンプラーを搭載したTA Instruments社のDiscovery DSCで、DSCデータを収集した。サファイアを使用して熱容量の較正を行い、認証インジウムを使用してエネルギーおよび温度の較正を行った。典型的には、ピンホールの開いたアルミニウムパンにおいて0.5 3mgの各サンプルを10℃/分で25℃から300℃まで加熱した。サンプル上で、50ml/分で乾燥窒素のパージを維持した。
器具制御およびデータ解析のソフトウェアは、TRIOS v3.2.0.3877であった。
5.熱重量分析(TGA)
6.1 TA Instruments社のQ500
16ポジション自動サンプラーを搭載したTA Instruments社のQ500 TGAで、TGAデータを収集した。認証アルメルおよびニッケルを使用して器具を温度較正した。典型的には、5〜10mgの各サンプルを、事前に風袋計量した(pre-tared)アルミニウムDSCパンにのせ、10℃/分で周囲温度から350℃まで加熱した。サンプル上で、60ml/分で窒素パージを維持した。
器具制御ソフトウェアは、Advantage for Q Series v2.5.0.256およびThermal Advantage v5.5.3であり、データは、Universal Analysis v4.5Aを使用して解析した。
6.2 TA Instruments社のDiscovery TGA
25ポジション自動サンプラーを搭載したTA Instruments社のDiscovery TGAで、TGAデータを収集した。認証アルメルおよびニッケルを使用して器具を温度較正した。典型的には、5〜10mgの各サンプルを、事前に風袋計量したアルミニウムDSCパンにのせ、10℃/分で周囲温度から350℃まで加熱した。サンプル上で、25ml/分で窒素パージを維持した。
器具制御およびデータ解析のソフトウェアは、TRIOS v3.2.0.3877であった。
6.偏光顕微鏡法(PLM)
画像取込み用にDSカメラ制御ユニットDS−L2に接続されたデジタルビデオカメラを有するNikon社のSMZ1500偏光顕微鏡でサンプルを検査した。少量の各サンプルを浸漬油中に固定したスライドガラス上に置き、それぞれの粒子を可能な限り分離した。適切な倍率で部分偏光で、λ偽色フィルターに連結させてサンプルを調べた。
7.走査電子顕微鏡法(SEM)
Phenom Pro走査電子顕微鏡でデータを収集した。導電性両面粘着テープを使用して少量のサンプルをアルミニウムスタブ上に固定した。スパッタコーター(20mA、120秒)を使用して金の薄層を適用する。
8.カールフィッシャー滴定(KF)による水分測定
ハイドラナール−クーロマットAGオーブン試薬および窒素パージを使用して、851 Titrano Coulometerを有するMetrohm社の874 Oven Sample Processorを用いて、150℃で各サンプルの含水量を測定した。計量された固体サンプルを密閉されたサンプルバイアルに導入した。およそ10mgのサンプルを滴定ごとに使用し、二重反復測定とした。データ収集および解析にはTiamo v2.2を使用した。
9.HPLCによる化学的純度測定
ダイオードアレイ検出器を搭載したAgilent社のHP1100シリーズシステムを用いて、以下に詳述する方法を使用するChemStationソフトウェアvB.04.03を使用して、純度解析を実施した。
様々な温度におけるXRPD(図6を参照)により、本明細書で形態Aと記される多形形態が100℃超に加熱すると形態Bに変換することが示された。200℃で、高い2θ領域でのピーク位置での変化(シフト)を観察した。これは、熱膨張効果に起因し得る。しかし、この熱効果は可逆的であり、形態Bは室温(20℃)に冷却した後、XRPDにより変化しないままであった。

Claims (19)

  1. 3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶多形の形態Bを調製する方法であって、
    (a)3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを、少なくとも40℃の温度で非水系溶媒または非水系溶媒の混合物に溶解して溶液を得るステップであって、1種または複数の前記溶媒が、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミド出発物質に対して約5wt%未満の水を含有する、ステップ、
    (b)前記溶液を冷却するステップ、
    (c)結晶を単離するステップ、
    (d)得られた前記結晶を1分超の期間75℃超に加熱して、形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを生成するステップ
    を含む、方法。
  2. 3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶多形の形態Bを調製する方法であって、
    (a)3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを、少なくとも40℃の温度で非水系溶媒または非水系溶媒の混合物に溶解して溶液を得るステップ、
    (b)前記溶液を冷却するステップであって、方法ステップ(b)の温度が100℃を超えない、ステップ、
    (c)結晶を単離するステップ、
    (d)得られた前記結晶を1分超の期間75℃超に加熱して、形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを生成するステップ
    を含む、方法。
  3. 3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶多形の形態Bを調製する方法であって、
    (a)3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを、90℃以上、好ましくは100℃以上の温度で非水系溶媒または非水系溶媒の混合物に溶解して溶液を得るステップ、
    (b)任意選択で、前記溶液をろ過して、100μm超の最大直径を有する粒子を実質的に除去するステップ、
    (c)前記溶液を、100℃未満、好ましくは90℃未満であるが80℃超に冷却するステップ、
    (d)3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの形態Bの結晶を、前記溶液にシーディングするステップ、
    (e)任意選択で、前記溶液をさらに冷却するステップ、
    (f)任意選択で、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの形態Bの結晶を、前記溶液にさらにシーディングするステップ、
    (g)前記溶液を70℃未満に冷却するステップ、
    (h)形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドの結晶を単離するステップ
    を含む、方法。
  4. 方法ステップ(a)の温度が100℃超である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 方法ステップ(d)の温度が、80℃超であり、好ましくは85℃超であり、好ましくは90℃超であり、好ましくは100℃超である、請求項1に記載の方法。
  6. 方法ステップ(d)の温度が、5分間超、好ましくは15分間超、好ましくは1時間超、好ましくは4時間超、維持される、請求項1、2または5に記載の方法。
  7. ステップ(b)の前記冷却が、好ましくは約1〜0.01℃/分、好ましくは0.5〜0.05℃/分、好ましくは0.2〜0.08℃/分、好ましくは約0.1℃/分の冷却速度である、請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記非水系溶媒または非水系溶媒の混合物が、好ましくは水が実質的に存在しない状態で、C1〜6アルコール、C4〜10環状エーテル、C1〜6ニトリル、C1〜6ハロアルカン、C1〜6ケトン、ジアルキルホルムアミド、ジアルキルスルホキシド、C3〜10アリール、C5〜10アルカン、酢酸C1〜6アルキルからなる群から選択される、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 1種または複数の前記非水系溶媒が、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、塩化メチレン、イソプロピルアルコール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、ベンゼン、n−ヘキサン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルムおよび四塩化炭素からなる群から選択され、最も好ましくはエタノール、イソプロピルアルコールおよびイソブタノールから選択される、請求項8に記載の方法。
  10. ステップ(a)の1種または複数の前記溶媒が、3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミド出発物質に対して約5wt%未満の水を含有する、請求項3に記載の方法。
  11. ステップ(a)の前記溶液の温度が、90℃〜200℃であり、好ましくは100℃〜180℃であり、好ましくは103℃〜125℃であり、好ましくは約105℃である、請求項3または10に記載の方法。
  12. 前記ろ過ステップ(b)が、好ましくは、50μm超、好ましくは20μm超、好ましくは10μm超、好ましくは5μm超、好ましくは1μm超の最大直径を有する粒子を除去する、請求項3、10または11に記載の方法。
  13. 前記冷却ステップ(c)が、好ましくは85℃超、好ましくは約88℃であり、好ましくは、この温度を少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、好ましくは少なくとも5時間、維持する、請求項3、10、11または12に記載の方法。
  14. 任意の冷却ステップの間、逆溶媒を添加し、好ましくは前記逆溶媒がC1〜6エーテルから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記冷却ステップ(g)が、50℃未満であるが0℃超、好ましくは30℃未満、好ましくは約20℃の温度であり、好ましくは、この温度を少なくとも30分間、好ましくは1時間、好ましくは少なくとも2時間、好ましくは少なくとも5時間、維持する、請求項3に記載の方法。
  16. 前記溶媒が、本発明の第3の態様のステップ(h)において、40〜120℃の好ましくは真空下、好ましくは60〜100℃の好ましくは真空下で乾燥することにより除去される、請求項3に記載の方法。
  17. ステップ(g)において、冷却速度が最大で0.05℃/分である、請求項3に記載の方法。
  18. 請求項1から17のいずれかに記載の方法により得ることができる、形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミド。
  19. 請求項18に記載の形態Bの3−[5−アミノ−4−(3−シアノベンゾイル)−ピラゾール−1−イル]−N−シクロプロピル−4−メチルベンズアミドを含む、医薬組成物。
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