JP2019521088A - ビメソゲン化合物およびメソゲン性媒体 - Google Patents

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Abstract

本発明は式I、【化80】式中、R11、R12、MG1、MG2、X11、X12およびSp1は請求項1において与えられる意味を有する、で表されるビメソゲン化合物、液晶媒体における式Iで表されるビメソゲン化合物の使用、および特に、本発明による液晶媒体を含むフレキソエレクトリック液晶デバイスに関する。

Description

本発明は、式I
式中、R11、R12、MG1、MG2、X11、X12およびSp1は以下の本明細書において与えられる意味を有する、で表されるビメソゲン化合物、液晶媒体における式Iで表されるビメソゲン化合物の使用、および特に、本発明による液晶媒体を含むフレキソエレクトリック(flexoelectric)液晶デバイスに関する。
液晶ディスプレイ(LCD)は、情報を表示するために広汎に用いられている。LCDは直視ディスプレイに対し、ならびに投射型ディスプレイに対し用いられる。ディスプレイのためのなお広く用いられる電気光学方式は、ねじれネマチック(TN)方式とそのさまざまな改変形である。
この方式に加え、超ねじれネマチック(STN)方式および直近においては光学補償ベンド(OCB)方式および電気制御複屈折(ECB)方式が、垂直配向ネマチック(VAN)方式、パターン化ITO垂直配向ネマチック(PVA)方式、ポリマー安定化垂直配向ネマチック(PSVA)方式、およびマルチドメイン垂直配向ネマチック(MVA)方式などのこれらの改変形、ならびに他のものとともに、ますます採用されてきている。全てのこれらの方式は、基板に対し実質的に垂直な電界を、それぞれの液晶相に対して使用する。
これらの方式に加え、基板、それぞれの液晶層に対し実質的に平行な電界を採用する電気光学方式も、例えば平面内切替(IPS)方式、例えばDE 40 00 451およびEP 0 588 568において開示される、およびフリンジ電界切替(FFS)方式などもまた存在する。
特に後者で述べられた電気光学方式は、良好な視野角特性および改善された応答時間を有し、近年のデスクトップモニターのLCDのため、およびTV用およびマルチメディア用のディスプレイのために、ますます用いられており、それゆえTN−LCDと競合している。
これらのディスプレイ方式に加え、相対的に短いコレステリックピッチを有するコレステリック液晶を使用する新規の方式が、いわゆる「フレキソエレクトリック」効果を活用するディスプレイにおける使用に対して提唱されてきている。
フレキソエレクトリック効果は、とりわけ、Chandrasekhar, "Liquid Crystals", 2nd edition, Cambridge University Press (1992) andP.G. deGennes et al., "The Physics of Liquid Crystals", 2nd edition, Oxford Science Publications (1995)により記載される。
フレキソエレクトリック効果を使用するディスプレイにおいて、コレステリック液晶は「均質に位置するらせん」配置(uniform lying helix(ULH))で典型的に配向され、この表示方式にその名前を与えている。その中で、ネマチック材料と混合されたキラル物質はらせんねじれを誘発し、この材料を、コレステリック材料と等価であるキラルネマチック材料へと変形させる。キラル物質により誘発されるピッチ(P0)は第1近似において、用いられるキラル材料の濃度(c)と反比例である。この関係の比例定数はキラル物質のらせんねじれ力(HTP)と呼ばれ、方程式(1)
HTP≡1/(c・P0) (1)
式中
cは、キラル化合物の濃度である、
により定義される。
均質に位置するらせんテクスチャは、典型的には0.2μm〜1μmの範囲の、特に0.5μm以下の、短いピッチのキラルネマチック液晶を用いていると解され、これはそのらせん軸を以って、液晶セルの、例えばガラス板などの基板に対して平行に、一定方向に配向する。この構成において、キラルネマチック液晶のらせん軸は、複屈折板の光学軸に等価である。
電界がらせん軸に垂直にこの構成へと印加されるとき、表面安定化強誘電性液晶ディスプレイにおいて回転する強誘電性液晶のディレクターに類似して、光学軸はセル平面において回転する。フレキソエレクトリック効果を使用するかかるディスプレイは、速い応答時間およびグレースケール能力の観点で潜在的に利点を提供し得る。
印加される電界は、光学軸における傾きにより順応されるディレクターにおけるスプレイベンド構造を誘発し得る。軸の回転角は、第1近似において、電解強さに正比例および線形比例する。液晶セルが交差偏光板の間に、電力なしの状態における前記偏光板の1つの吸収軸に対して22.5°の角度の光学軸を以って配置される場合、光学効果は最も良好に見ることができる。22.5°のこの角度はまた電界の回転の理想角でもある。すなわち、電界の反転により、光学軸は45°回転し、らせん軸の優先方向の相対配向の適切な選択により、光学軸を1つの偏光板に平行から両方の偏光板の間の中心角へと切り替えることができる。および最適のコントラストは、光学軸の切替の合計角度が45°であるときに達成される。かかる場合、切替可能な4分の1波長板としての配置を用いることができ、ただし光学遅延、すなわち液晶の有効複屈折およびセルギャップの積が所定の波長の4分の1であるように選択される。
光学軸の回転角度(Φ)は、式(2)により良好な近似で与えられる。
式中
P0は、コレステリック液晶の不攪乱(undisturbed)ピッチであり、
は、スプレイフレキソエレクトリック係数(eスプレイ)およびベンドフレキソエレクトリック係数(eベンド)の平均
eスプレイ
eベンド
であり、
Eは、電界強さであり、および
Kは、スプレイ弾性定数(k11)およびベンド弾性定数(K33)の平均[K=2/1(k11+k33)]である。

は、フレキソ弾性比と称する。
この回転角は、フレキソエレクトリック切替素子における半分の切替角度である。
この電気光学効果の応答時間(τ)は、式(3)により良好な近似で与えられる。
τ=[P0/(2π)]2・γ/K (3)
式中
γは、らせんの変形に関連する有効粘性率である。
方程式(4)から得ることができる、らせんを解く臨界磁場(Ec)が存在する。
Ec=(π2/P0)・[k22/(ε0・Δε)]1/2 (4)
式中
k22は、ねじれ弾性定数であり、
ε0は、真空の誘電率であり、および
Δεは、液晶の誘電異方性である。
しかしこの方式において、とりわけ、必要とされる均等な配向を獲得する際の困難、一般の駆動電圧と互換性のない、アドレスに要する不利に高い電圧、コントラストを悪化させる、あまり暗くない「オフ状態」、および電気光学特性における顕著なヒステリシスという、いくつかの問題が未だに解決されずにいる。
例えばIPS方式に対する代替の方式として、相対的に新しい表示方式、いわゆる均質起立(uniformly standing)らせん(USH)方式が考えられる。広い視野角を提供する他の表示方式(例えば、IPS、VAなど)と比較さえしても、改善された黒色レベルを示すことができる。
USH方式、例えばULH方式のために、ビメソゲン液晶材料を用いる、フレキソエレクトリック切替が提唱されてきている。フレキソエレクトリック液晶材料、および特にビメソゲン化合物は、従来技術から一般に公知である、例えば、Hori, K., Iimuro, M., Nakao, A., Toriumi, H., J. Mol. Struc. 2004, 699, 23−29参照。
しかし、好ましくなく高い必要な駆動電圧、キラルネマチック材料の相対的に狭い相範囲、およびそれらの不可逆的な切替特性のため、従来技術からの材料は現行のLCD駆動スキームにおける使用にふさわしくない。
ULHおよびUSH方式のディスプレイのために、特に特徴およびパラメーターは機能、とりわけ複屈折(Δn)に寄与し得る。本明細書において複屈折Δnは、方程式(5)において定義される。
Δn=ne−no (5)
式中、neは異常屈折率でありおよびnoは通常屈折率である。
有効または平均屈折率nav.は以下の方程式(6)により与えられる。
nav.=[(2no2+ne2)/3]1/2 (6)
異常屈折率neおよび通常屈折率noは、Abbe屈折計を用いて測定することができる。Δnは、方程式(5)から計算することができる。
さらに、ULHおよびUSH方式を利用するディスプレイのために、液晶媒体の光学遅延d*Δn(有効)は好ましくは以下の方程式(7)
sin2(π・d・Δn/λ)=1 (7)
式中
dは、セルギャップであり、および
λは、光の波長である
を充足するようにあるべきである。方程式(7)の右手側に関する偏差の許容は、典型的には+/−3%である。
さらに、ULH/USH方式のために、eav.が(e½½+2e^)/3であり、(e½½−e^)として定義される誘電異方性(De)は、アドレス電圧の印加の際にらせんが解けるのを防ぐために、可能な限り小さくあるべきである。
フレキソエレクトリックデバイスのための短いコレステリックピッチを有する液晶組成物はEP0971016、GB2356629およびColes, H.J., Musgrave, B., Coles, M.J., and Willmott, J., J. Mater. Chem., 11, p. 2709−2716 (2001)から公知である。EP0971016はメソゲンエストラジオールを記載し、それはかかるように高いフレキソエレクトリック係数を有する。GB2356629はビメソゲン化合物の広い一般式、およびフレキソエレクトリックデバイスにおける、これらビメソゲン化合物の使用を記載する。ここでのフレキソエレクトリック効果はこれまで、純粋なコレステリック液晶化合物において、および均質な化合物のみの混合物において研究されてきた。これら化合物の大部分は、キラル添加剤および単純な従来のモノメソゲン材料であるかまたはビメソゲン材料であるネマチック液晶材料からなる二成分混合物において使用された。これら材料は、実際の用途のためには、キラルネマチックまたはコレステリック相の不十分な温度範囲、不十分なフレキソ弾性比、および不十分な小さい回転角度などの、いくつかの欠点を有する。
非対称に結合したビメソゲン化合物は、例えばWO2014/005672に提唱される。
EP0233688はベータアゴニストとして有用なビス(フェニルエタノールアミン)およびビス(フェノキシプロパノールアミン)を記載する。
Macro Rings. 11. Polynuclear Paracyclophanes' H. Steinberg, Donald J Cram, JACS, (1952), 74, p. 5388−91においてまた、関連化合物が記載される。
このように、ULHおよびUSHのディスプレイのために、有利および改善された特性を有する新規液晶物質および媒体のための技術における必要性が存在する。
本発明の目的は、所望の特性を提示する好適なメソゲン化合物を提供すること、および液晶媒体において使用されるときに化合物および媒体が、特にスイッチ角および速い応答時間の観点で、改善された特徴を有するフレキソエレクトリックデバイスにおいて有用、および貢献するように利益を提供することである。特に、本発明の目的は、フレキソエレクトリックディスプレイにおける使用、およびその中で作用温度範囲のチューニングを可能にし、一方ディスプレイセルの全面積にわたる総合的な好ましくは均質な配向が、好ましくは機械的分断プロセスの使用なしで、ならびに良好なコントラスト、高いスイッチ角、およびまた低い温度で速い応答時間で得られる、例えば
の好適な比の有利な特性を提示する液晶材料を提供することである。さらに、低い融点、広いキラルネマチック相範囲、短いおよび温度非依存的ピッチ長、ならびに好適に大きいフレキソエレクトリック効果を提示する液晶材料を提供することは目的である。好適に広い範囲のネマチック相に加えて、媒体は非常に小さい回転粘度、および少なくとも適度に高い比抵抗を提示するべきである。さらに本発明の目的は、以下の詳細な説明から、当業者に直ちに明白である。
独立請求項において定義される対象事項によって目的は解決されるのに一方、それぞれの従属項に係る好ましい態様は以下にさらに記載される。
本発明は特に、主要な側面、好ましい態様、および特別な特性を包含する以下の項目を提供し、それぞれ単独でおよび組み合わせて、上記の目的を解決し、および最終的にはさらなる利点を提供する。
本発明の最初の態様は、式I
式中、
R11およびR12はそれぞれ独立してH、F、Cl、CN、NCS、および1〜25個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基から選択される末端基を示し、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基により任意に置換されていてもよく、および任意に、各出現において互いに独立して−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、または−C≡C−によって、酸素原子が互いに直接結合しないように任意に置き換えられていてもよい1以上のCH2基を有し、
MG1およびMG2はそれぞれ独立して、芳香族、ヘテロ芳香族、非芳香族の炭素環および/または非芳香族のヘテロ環基から選択される1以上の環状基を含むメソゲン基を示し、それらは互いに直接および/または連結基(単数または複数)を介して結合し、ここでそれぞれの末端基R11またはR12はメソゲン基の環状基に直接結合しており、
Sp1は1、3、または5〜40個のC原子を有するアルキレン基を示し、ここで任意に1以上のCH2基が、それぞれ独立して−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−S−CO−、−CH(ハロゲン)−、−CH(CN)−、−CH=CH−または−C≡C−によって置き換えられていてもよく、ここでそれぞれ2つのO原子、2つの−CH=CH−基、および−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、および−CO−O−から選択される2つの基は相互に直接結合せず、ならびに
X11およびX12は、互いに独立して、単結合、−CO−O−、−O−CO−、−O−COO−、−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF2−O−、−O−CF2−、−CF2−CF2、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−S−、−S−CO−、−CS−S−、−S−CS−、−S−CSS−、および−S−から選択され、ここで−X11−Sp1−X12−において、それぞれ2つのO原子、2つの−CH=CH−基、ならびに−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、および−CO−O−から選択される2つの基は互いに直接結合しない、
ただし、R11およびR12の少なくとも1つがHであるか、
または、
ただし、R11およびR12の少なくとも1つが1〜25C原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基で任意に置換されていてもよく、および1以上のCH2基が、各出現において互いに独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CF、または−C≡C−によって、酸素原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、およびさらに、MG1およびMG2の少なくとも1つは、末端基に加えて、F、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdからそれぞれ独立して選択される1以上の置換基を提示し、ここでRcおよびRdは各々独立して1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を示し、前記アルキル基は任意に1以上のハロゲンおよび/またはCN基により任意に置換されていてもよい、
で表されるビメソゲン化合物を提供する。
好ましくは、R11、R12およびSp1のために定義されるとおりの、任意に置き換えられていてもよい1以上のCH2基は、非隣接のCH2基である。さらに、好ましくは、それぞれの基MG1、MG2、X11およびX12に直接隣接するR11、R12およびSp1のためのそれぞれのCH2基は置き換えられていない。
好ましくは、少なくとも1つの末端基として提供されるアルキル基は、1〜15個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、より好ましくは、1〜9個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、なおより好ましくは、1〜7個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基である。アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって任意に置換されてもよい。
ある態様により、好ましくはR11およびR12は、それぞれ独立して、H、F、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、C2F5、OC2F5、および1〜9個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基から選択される末端基を示し、ただしR11およびR12の少なくとも1つはHまたはアルキル基である。
驚くことに、上記に記載のとおりの本願式Iによるビメソゲン化合物は、特に液晶媒体において提供されるとき、それ自体で所望の特性を提示し得ることが見出された。特に少なくとも1つの末端基としての上記に記載のとおりのハロゲンの条件、または代わりに、少なくとも1つの末端基としての上記に記載のとおりのアルキル基の条件は、アルキル基の場合においては上記に定義されるとおりの少なくとも1つのメソゲンコア基上にF、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdから選択される少なくとも1つの極性置換基をさらに提供する一方で、メソゲン特性に好ましい影響を与え得る。本発明による化合物は、液晶材料の液晶相範囲が設定されおよび調節され得る一方同時に所望のフレキソエレクトリック特性を好ましく維持するという点で、特に有用である。それゆえこれら化合物は、例えばネマチックをねじれベンドネマチック(twist−bend nematic)転移温度に調節および最適化することによって、ならびにフレキソエレクトロオプティック(flexoelectro−optic)効果を使用するデバイスの作用温度範囲に好ましくは影響を与えることによって、好適に高いe/Kを有する混合物における使用のチューニングのために特に有利である。
さらにまた、本発明によるビメソゲン化合物の、特にキラルネマチック液晶混合物における条件は、低い融点および広いキラルネマチック相に導き、それは比較的高い値の弾性定数k11、低い値のベンド弾性定数k33、および好適なフレキソエレクトリック係数を提示する。
本発明において、ビメソゲン化合物および媒体の特性は、フレキソエレクトリック特性を包含し、分子形状および分子の双極子方向に高度に依存し得ることが有利に認識された。なかでも、極性だけでなく非極性基の位置、および、存在するかまたは存在しないかは、分極率、ならびに分子の双極子モーメントの方向および強さに影響を有し得る。これらの特性は、分子間相互作用、分子充填、および媒体の物理的特性に影響を有し得、および最終的にはとりわけフレキソエレクトリック特性に影響し得る。
本発明による、式Iで表される化合物の2つの末端基の少なくとも1つは、水素または定義されるとおりのアルキル基のいずれかであり、それはともに比較的非極性である。さらに、アルキル基の場合、2つのメソゲン基の少なくとも1つは、F、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdから選択される少なくとも1つの極性置換基を含み、ここでRcおよびRdは各々独立して1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を示し、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって任意に置換されていてもよい。双極子誘発基(dipole inducing group)としてのこの極性置換基はまた、少なくとも1つの末端基として水素を有している場合においても存在するとき、特に有利である。驚くことに、係るとおりの少なくとも1つの末端基に加えて、横の双極子を含むことによって、ビメソゲン材料のフレキソエレクトリック応答は好ましくは影響され得る。
別の側面において本発明は、本発明による1以上のビメソゲン化合物を含む液晶媒体に関する。
本発明のさらなる側面は、2以上の成分を含む液晶媒体を含む液晶デバイスであり、ここで1以上の成分は、本発明によるビメソゲン化合物である。
本発明によると、所定の元素、特にH、C、N、O、F、S、ClおよびBrに対して、全ての可能な同位体が含まれると理解される。かかるように水素、特に末端基(単数または複数)としての水素は、全ての同位体、特に1Hおよび2Hを含む。
「液晶」、「メソモルフィック化合物」、または「メソゲン化合物」、短く「メソゲン」と称される用語は、温度、圧力、および濃度の好適な条件下で、メソ相(ネマチック、スメクチックなど)として、または特にLC相として存在し得る化合物を意味する。非両親媒性化合物は、例えば、1以上の棒状の、バナナ形状の、または円盤状のメソゲン基を含む。
本明細書において使用される用語「ビメソゲン化合物」は分子において2つメソゲン基を含む化合物に関する。通常のメソゲンなど、それらはそれらの構造に依存して、多くのメソ相を形成し得る。特に、式Iで表される化合物は、ネマチック液晶媒体に添加されるとき、第2のネマチック相を誘発してもよい。
用語「メソゲン基」はこの文脈において、液晶(LC)相挙動を誘発する能力を有する基を意味する。本発明によるメソゲン基、特にビメソゲン化合物を含む化合物は、必ずしもLC相自体を提示する必要はない。それらはまた、他の化合物との混合物においてのみ、LC相挙動を示すことが可能である。単純化のために、用語「液晶」は以下ではメソゲンおよびLC材料のために使用される。
用語「キラル」は一般的に、その鏡像上に重ね合わせることのできない対象を記載するために使用される。「アキラル」(非キラル)対象は鏡像と同一の対象である。用語キラルネマチックおよびコレステリックは、他に明示的に記載されない限り、本出願において同義で使用される。
本願において言及される光の波長は、他に明示的に特定されない限り550nmである。
セルのセルギャップは、好ましくは1μm〜20μmの範囲であり、特に2.0μm〜10μmの範囲内である。
ULHおよびUSH方式に対し、誘電異方性(Δε)は、アドレス電圧の印加の際にらせんが解けるのを防ぐために、好ましくはできるだけ小さくあるべきであることが見出されている。好ましくは、0よりわずかに大きく、より好ましくは0.1以上であり、しかし好ましくは10以下、より好ましくは7以下、なおより好ましくは5以下である。本願において用語「誘電的に正」は、Δε>3.0を有する化合物または成分に対して用いられ、「誘電的にニュートラル」は−1.5≦Δε≦3.0を有するもの、および「誘電的に負」はΔε<−1.5を有するものである。Δεは、1kHzの周波数においておよび20℃において決定される。それぞれの化合物の誘電異方性は、ネマチックホスト混合物におけるそれぞれの個々の化合物の10%の結果から決定される。
ホスト媒体におけるそれぞれの化合物の溶解度が10%未満である場合、その濃度を2の倍数で、得られる媒体が安定して、その特性を決定できるようになるまで、低減させる。しかしながら、好ましくは、結果の優位性をできるだけ高く保つために、濃度は少なくとも5%に保たれる。それぞれの試験混合物の容量は、ホメオトロピック配向を有するおよびホモジニアス配向を有するセルの両方で決定される。この測定のために両方のタイプのセルのセルギャップは、約20μmである。印加電圧は1kHzの周波数を有する矩形波で、二乗平均平方根値は典型的に0.5V〜1.0Vであるが、常にそれぞれの試験混合物の容量しきい値の下となるように選択される。
Δεは(ε││−ε⊥)で定義され、およびεavは(ε││+2ε⊥)/3で定義される。化合物の誘電体誘電率は、対象の化合物を添加した際のホスト媒体のそれぞれの値の変化から決定される。値は、100%の対象の化合物の濃度へと外挿される。典型的なホスト混合物はH.J. Coles et al., J. Appl. Phys. 2006, 99, 034104に開示され、以下の表1に示される組成を有する。
表1:ホスト混合物組成
以下において、それによって本発明を限定することなしに、本発明は、側面、態様、および特別な特性の詳細な説明によって本発明は説明され、および特別な態様はより詳細に記載される。
最初の側面において、発明は上記のとおりの式Iで表されるビメソゲン化合物に関する。驚くことに、式Iによる化合物は好適に高いフレキソ弾性比を有する混合物のチューニングにおいての使用のために、特に全体のフレキソ弾性比および成分の溶解度に否定的な影響を与えることなしに、作用温度範囲を設定するまたは調節するために特に有利であり得る。
好ましくは、本発明によるビメソゲン化合物において、メソゲン基MG1およびMG2は、それぞれ独立して少なくとも1つの6−原子環および任意に1または2以上の5−原子環を含み、ここで2以上の環を含む場合、これらの環の少なくとも2つは、2−原子結合基、好ましくは−CO−O−、−O−CO−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CF2−O−、−O−CF2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、および−C≡C−、より好ましくは−CO−O−、−O−CO−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CF2−O−、および−O−CF2−の基から選択される、によって任意に結合してもよく、ならびに
ここでMG1およびMG2において、それぞれの末端基に直接連結されるそれぞれの環状基はそれぞれ独立して1,4−フェニレン、ここで1または2の非隣接のCH基は各々N原子によって置き換えられていてもよく、およびそれはそれぞれ独立してF、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdから選択される1以上の極性置換基によって任意に置換されていてもよく、ここでRcおよびRdは各々独立して、1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を示し、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって、および/または各々が独立して1〜9個のC原子を有する1以上のアルキル基によって、および/または各々が独立して1〜9個のC原子を有する1以上のアルコキシ基によって任意に置換されていてもよい、あるいは、1,4−シクロヘキシレン、ここで1または2の非隣接のCH2基はOおよび/またはSによって置き換えられていてもよく、およびそれは任意にそれぞれF、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdから選択される1以上の極性置換基によって任意に置換されていてもよく、ここでRcおよびRdは各々独立して、1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を示し、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって、および/または各々独立して1〜9個のC原子を有する1以上のアルキル基によって、および/または各々独立して1〜9個のC原子を有する1以上のアルコキシ基によって任意に置換されていてもよい。
ある態様において、MG1およびMG2の少なくとも1つは、末端基に加えて、環状基の横の位置において、F、Cl、CN、NCS、OCF3およびCF3から選択される少なくとも1つの極性置換基を提示する。
MG1およびMG2において、それぞれの末端基に直接連結されるそれぞれの環状基はそれぞれ独立して上記に記載のとおりの1、4−フェニレンであることが特に好ましい。この好ましい態様において、末端基R11およびR12はそれゆえ、それぞれのメソゲン基の末端環状環に、パラ位でつなげられている。
式Iで表される好ましい化合物は、−X11−Sp1−X12−が−Sp1−、−Sp1−O−、−O−Sp1−、−O−Sp1−O−、−Sp1−CO−O−、−O−CO−Sp1−、−O−Sp1−CO−O−、−O−CO−Sp1−O−、または−O−CO−Sp1−CO−O−、好ましくは−Sp1−、−Sp1−O−、−O−Sp1−、−O−Sp1−O−、−Sp1−CO−O−、−O−CO−Sp1−、または−O−CO−Sp1−CO−O−、より好ましくは−Sp1−、−O−Sp1−O−、−Sp1−CO−O−、または−O−CO−Sp1−CO−O−である化合物である。
Sp1は好ましくは1、3、または5〜40個のC原子、より好ましくは1、3、または5〜25個のC原子、なおより好ましくは1、3、または5〜15個のC原子、および最も好ましくは5〜15個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキレン基であり、ここで任意に、1以上のCH2基が、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−CO−O−、−CH(ハロゲン)−、−CH(CN)−、−CH=CH−または−C≡C−によって置き換えられていてもよい。
典型的なスペーサー基は、例えば−(CH2)o−、−(CH2CH2O)p−CH2CH2−であり、5〜40、好ましくは5〜25、より好ましくは5〜15の整数であるo、および1〜8の整数、特に1、2、3、または4であるpを有する。
好ましいスペーサー基は、例えば、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、ジエチレンオキシエチレン、ジメチレンオキシブチレン、ペンテニレン、ヘプテニレン、ノネニレン、およびウンデセニレンである。
式I、式中Sp1は5〜15個のC原子を有するアルキレンを示している、で表される本発明化合物は特に好ましい。直鎖アルキレン基は特に好ましい。
好ましいスペーサー基は、奇数のC原子を有する、好ましくは5、7、9、11、13、または15個のC原子を有する直鎖アルキレン、より好ましくは、7、9、および11個のC原子を有する直鎖アルキレンスペーサーである。
本発明の別の態様において、スペーサー基は、偶数のC原子を有する、好ましくは6、8、10、12および14個のC原子を有する直鎖アルキレンである。この態様は、X11およびX12の1つが、1個の原子、すなわち−S−または−O−からなるか、あるいは3個の原子の結合、例えば−S−CO−、−S−CO−S−、または−S−CS−S−であるからなり、その他が1または3個のC原子からならない場合において特に好ましい。
ある態様において、式Iで表される発明化合物は、5〜15個のC原子を有する部分的にまたは完全に重水素化されたアルキレンを示すSp1を含み、ここで重水素化された直鎖アルキレン基が好ましい。最も好ましいのは、部分的に重水素化された直鎖アルキレン基である。
特に好ましい態様により、Sp1は−(CH2)k−であり、kは1、3、または5〜15の整数、より好ましくは奇数すなわち偶数でない整数であり、および最も好ましくは7または9であり、ここで−(CH2)k−における1以上のH原子は任意に、および互いに独立してFまたはCH3によって置き換えられていてもよい。
式Iで表されるさらに好ましい化合物は、式中R11−MG1−が、(部分)式III
R11−A11−(Z11−A12)j− III
式中、
R11は上記に記載のとおりであり、
Z11は各出現において互いに独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−OCH2−、−CH2O−、−OCF2−、−CF2O−、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−CF2CF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、または−C≡C−、であり、任意に1以上のF、S、および/またはSiで置換されていてもよく、好ましくは単結合であり、
A11は1,4−フェニレン、ここで1または2の非隣接のCH基は各々N原子によって任意に置き換えられていてもよく、およびそれはF、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdから選択される1以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、ここでRcおよびRdは各々独立して、1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を示し、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって、および/または各々が独立して1〜9個のC原子を有する1以上のアルキル基によって、および/または各々が独立して1〜9個のC原子を有する1以上のアルコキシ基によって任意に置換されていてもよい、あるいは、トランス−1,4−シクロヘキシレン、ここでさらに、1または2の非隣接のCH2基はOおよび/またはSによって置き換えられていてもよく、
A12は、各出現において互いに独立して5−原子環であり、好ましくはチオフェン−2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイル、チアゾール−ジイル、チアジアゾール−ジイルから選択され、これら全ての基は、F、Cl、CNまたは1〜7個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、もしくはアルコキシカルボニル基で、非置換、1、2、3、もしくは4置換されることが可能である、ここで、1以上のH原子はFまたはCl、好ましくはF、Cl、CH3、CF3によって置換されていてもよい、あるいは、
6−原子環であり、好ましくは1,4−フェニレン、ここでさらに1以上のCH基はNによって置き換えられていてもよい、トランス−1,4−シクロヘキシレン、ここでさらに1または2の非隣接のCH2基はOおよび/またはSによって置き換えられていてもよい、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−ビシクロ−(2,2,2)−オクチレン、ピペリジン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロ−ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2,6−ジイル、シクロブタン−1,3−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、またはジスピロ[3.1.3.1]デカン−2,8−ジイルから選択される、これら全ての基は、F、Cl、CN、NCSまたは1〜7個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、もしくはアルコキシカルボニル基で、非置換、1−、2−、3−、もしくは4置換されることが可能である、ここで、1以上のH原子はFまたはCl、SCH3、NO2、NH2、NHRc、およびNRcRdによって置換されていてもよく、ここでRcおよびRdは各々独立して1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって置換されていてもよく、
jは0、1、2、3または4、好ましくは1、2、または3、最も好ましくは1または2である、
で表される化合物である。
R11およびMG1は、上記に記載されるとおりの意味を有するR12およびMG2によってそれぞれ置き換えられ得る。特に好ましいのは、R11−MG1−およびR12−MG2−が各々互いに独立して、(部分)式IIIで表される基であるときである。
6員環のみを含む好ましいメソゲン基に含まれる下位群は下記に列挙される。単純化の理由のため、これら群において、Pheは1,4−フェニレンであり、PheLは1〜4個の基Lで置換される1,4−フェニレン基であり、Lはそれぞれ独立してF、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdであり、ここでRcおよびRdは各々独立して1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、前記アルキル基は任意に1以上のハロゲンおよび/またはCN基で、好ましくはFまたはCNで、より好ましくはCNで任意に置換されていてもよく、ならびにCycは1,4−シクロヘキシレン、好ましくはトランス−1,4−シクロヘキシレン、およびそれらの鏡像体である。
−Phe−Z−Phe− IV−1
−Phe−Z−Cyc− IV−2
−Cyc−Z−Cyc− IV−3
−Phe−Z−PheL− IV−4
−PheL−Z−Phe− IV−5
−PheL−Z−Cyc− IV−6
−PheL−Z−PheL− IV−7
−Phe−Z−Phe−Z−Phe− IV−8
−Phe−Z−Phe−Z−Cyc− IV−9
−Phe−Z−Cyc−Z−Phe− IV−10
−Cyc−Z−Phe−Z−Cyc− IV−11
−Phe−Z−Cyc−Z−Cyc− IV−12
−Cyc−Z−Cyc−Z−Cyc− IV−13
−Phe−Z−Phe−Z−PheL− IV−14
−Phe−Z−PheL−Z−Phe− IV−15
−PheL−Z−Phe−Z−Phe− IV−16
−PheL−Z−Phe−Z−PheL− IV−17
−PheL−Z−PheL−Z−Phe− IV−18
−PheL−Z−PheL−Z−PheL− IV−19
−Phe−Z−PheL−Z−Cyc− IV−20
−Cyc−Z−Phe−Z−Cyc− IV−11
−Phe−Z−Cyc−Z−PheL− IV−21
−Cyc−Z−Phe−Z−PheL− IV−22
−PheL−Z−Cyc−Z−PheL− IV−23
−PheL−Z−PheL−Z−Cyc− IV−24
−PheL−Z−Cyc−Z−Cyc− IV−25
−Cyc−Z−PheL−Z−Cyc− IV−26
ここでZは上記に記載のとおりのZ11の意味の1つを有し、好ましくは各出現において互いに独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−OCH2−、−CH2O−、−OCF2−または−CF2O−である。
好ましい態様において、式Iで表されるビメソゲン化合物のMG1およびMG2の少なくとも1つは、
およびその鏡像体、
式中、
Lは各出現において互いに独立して、F、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdを示し、ここでRcおよびRdは各々独立して1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって置換されていてもよく、好ましくはFまたはCNを示し、より好ましくはCNを示す、
によって表される構造から選択される環状基を含む。
ある態様において、MG1およびMG2の両方は上記構造の1つを含む。
本発明によるビメソゲン化合物は、より好ましくは、
によって表される構造の1つを含み、なおより好ましくは、
式中、R11、R12、およびLは上記に係るとおりの意味を有し、およびここで好ましくはR11およびR12はHを示す、で表される構造の1つを含む。別の好ましい態様において、上記構造におけるR11およびR12は上記に定義されるとおりのアルキル基である。
ある態様において、本発明によるビメソゲン化合物の両末端はそれぞれ独立して、上記に表される構造の1つを提示する。
本発明によるビメソゲン化合物の好ましい態様において、MG1およびMG2の少なくとも1つは
で表される構造から選択される環状基、およびそれら鏡像体を含む。
好ましくは、前記環状基はそれぞれの末端基R11またはR12に直接連結している。
特に好ましい態様において、本発明によるビメソゲン化合物は、それゆえ
式中、R11はR12によって任意に置き換えられ得る、
で表される構造の1つを含む。
本発明によるビメソゲン化合物は、
で表される構造の1つを含むことが特に好ましく、
で表される構造の1つを含むことがより好ましく、
式中、R11およびR12はそれぞれ独立して、上記で定義されるとおりのHまたはアルキルを示し、ならびにLは上記で定義されるとおりの意味を有する。R11およびR12の両方はHであることが特に好ましい。
ある態様において、それぞれのメソゲン基のそれぞれの末端環状基につなげられた末端基R11またはR12をそれぞれ含む両末端は、上記の好ましい構造の1つから選択される。
特に好ましい態様において、本発明によるビメソゲン化合物は、
式中、R11およびR12はそれぞれ独立して、上記で定義されるとおりのHまたはアルキルを示し、Lは上記で定義されるとおりの意味を有し、ならびにrはそれぞれ独立して0、1、2、3、または4、好ましくは0、1、または2、より好ましくはrは0または1である、
で表される構造の1つを含む。
本発明によるビメソゲン化合物は、
式中、
R11およびR12はそれぞれ独立して、Hまたは上記で定義されるとおりのアルキルを示し、好ましくはHを示す、
で表される構造の1つを含むことが、なおより好ましい。
ある態様において、それぞれのメソゲン基につなげられる末端基R11またはR12をそれぞれ含む両末端は、上記の特に好ましい構造の1つから選択される。
式Iで表される化合物におけるある態様によると、R11およびR12の少なくとも1つは水素である。特定の態様において、両末端基は水素である。この場合において、式Iによるビメソゲン化合物の両末端基が、末端基としてそれぞれ水素を含み、各々が、上記で定義されるとおりの1,4−フェニレン基に対し、それぞれのメソゲン基のパラ位でつなげられ、好ましくは上記で表されるとおりに置換され、ここで好ましくは少なくとも1つのメソゲン基は、横の位置に(単数または複数)、特にそれぞれの末端の1,4−フェニレン基の横の位置に(単数または複数)、上記に記載されるとおりの1以上の極性基を提示するときはなおより好ましい。
両末端基が水素であるこの場合において、ビメソゲン化合物の分子特性は、所望のフレキソエレクトリック効果、および特に好適なフレキソ弾性定数を実質的に維持するまたはそれぞれを得る一方、液晶媒体におけるそれらの使用が例えば所望の通りの相挙動に影響し得るように、特に好ましくは調整または設定され得る。
式Iで表される化合物における別の態様によると、R11およびR12の少なくとも1つは、上記に記載のとおりのアルキル基である。この場合において、式Iによるビメソゲン化合物の両末端基は、各出現において互いに独立して、上記で定義されるとおりのアルキル基であることは好ましくあり得る。両末端基が水素である場合に類似し、ビメソゲン化合物における末端基として、上記で定義されるとおりの2つのアルキル基を提供することによって、上述の特に好ましい効果はまた得られ得る。
さらなる態様において、R11およびR12のどちらかは水素であり、一方末端基はアルキル基であり、これは同様に化合物および媒体の特性の好ましい調節になり得る。
式Iで表される化合物におけるある態様において、それぞれの副構造R11−MG1−X11−およびR12−MG2−X12−は互いに異なる。別の態様において、式Iにおける前記副構造R11−MG1−X11−およびR12−MG2−X12−は互いに同一である。
式Iで表される特に好ましい化合物は、式IA〜IO
式中、−(CH2)n−が表すアルキレンスペーサーは単なる例示であり、および、ここでのnは3または5〜15の整数、好ましくは5、7、または9であり、ならびに式中、R11およびR12は互いに独立して上記で定義されるとおりの意味を有する、
で表される化合物の群から選択される。
ある態様において、R11はHであり、好ましくはR11およびR12はHである。
別の態様において、R11は上記で記載されるとおりのアルキルであり、好ましくはR11およびR12はそれぞれ独立して、上記で記載されるとおりのアルキルである。化合物ILに関して、R11およびR12は両方n−プロピルであることが特に好ましい。
式Iで表される化合物は、それ自体で公知であり、および例えばHouben−Weyl、Methoden der organischen Chemie、Thieme−Verlag、Stuttgartなどの有機化学の標準的な著作物に記載でれている方法に従って、または類似して合成され得る。好ましい調製方法は、以下の合成スキームから採用され得る。
合成スキーム1:
の調製
対象の化合物は以下の合成スキームに従って調製され得る。
式中、−(CH2)n−が表すアルキレンスペーサーは単なる例示であり、および、ここでのnは3および5〜15から、好ましくは5、7、および9から選択される整数である。
変換ステップにおいて、
a)Pd(PPh3)2Cl2、Cu(I)I、DIPA、THF
b)H2、Pd/C、THF
c)Pd(PPh3)2Cl2、K2CO3、H2O、THF
d)ビスピナコラートジボロン、Pd[P(cy)3]2Cl2、KOAc、H2O、THF
e)Pd(PPh3)2Cl2、NaBO2、H2O、THF
が好ましく使用される。
合成スキーム2:
の調製
対象の化合物は以下の合成スキームに従って調製され得る。
式中、−(CH2)n−が表すアルキレンスペーサーは単なる例示であり、および、ここでのnは3および5〜15から、好ましくは5、7、および9から選択される整数である。
変換ステップにおいて、
a)Pd(PPh3)2Cl2、Cu(I)I、DIPA、THF
b)Pd(PPh3)2Cl2、Na2CO3、H2O、THF
c)H2、Pd/C、THF
が好ましく使用される。
合成スキーム3:
の調製
対象の化合物は以下の合成スキームに従って調製され得る。
式中、−(CH2)n−が表すアルキレンスペーサーは単なる例示であり、および、ここでnは3および5〜15から、好ましくは5、7、および9から選択される整数である。
変換ステップにおいて、
a)Pd(PPh3)2Cl2、Cu(I)I、DIPA、THF
b)Pd(dppf)Cl2、Na2CO3、H2O、ジオキサン
c)H2、Pd/C、THF.
が好ましく使用される。
合成スキーム4:
の調製
対象の化合物は以下の合成スキームに従って調製され得る。
式中、−(CH2)n−が表すアルキレンスペーサーは単なる例示であり、および、ここでnは3および5〜15の整数、好ましくは5、7、および9である。
変換ステップにおいて、
a)Pd(dppf)Cl2、Na2CO3、H2O、ジオキサン
b)DCC、DMAP、DCM
が好ましく使用される。
式Iで表される化合物は、好ましくは例示した反応スキームに従って入手できる。
本発明によるある態様において、好ましくは、式Iで表されるビメソゲン化合物が提供され、ここで化合物UIP−n−PU、5−UIP−7−PU−5、m−UIP−O−n−O−PU−k、m−CP−n−Z−GP−N、m−CP−n−Z−PGP−N、m−CP−n−Z−PUU−N、およびm−CPGI−O−n−O−GPP−kは式Iで表されるビメソゲン化合物から除かれる。使用される化合物の記号は表A−Cに説明され、および以下の表Dに例示される。
別の態様によると、MG1およびMG2は好ましくは、環状基として芳香環のみを含み、ここで最初および2番目の末端基に加えて、メソゲン基上の置換基として全体でわずか1つのFが提供される。
別の態様において、好ましくは、それぞれR11またはR12に加えて、MG1およびMG2の少なくとも1つ上に提供される少なくとも1つの置換基は、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRc、およびNRcRdから選択され、ここでRcおよびRdは各々独立して1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を示し、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって置換されていてもよく、より好ましくはCl、CN、NCS、OCF3、CF3、およびSCH3から選択され、なおより好ましくはCNである。
本発明によるビメソゲン化合物は、液晶媒体において有用であり、ここで前記化合物の1以上はそれぞれの媒体において使用されてもよい。
式Iで表される化合物は、ネマチック液晶混合物へと添加されるとき、ネマチックの下の層を生産してもよい。ネマチック液晶混合物に対するビメソゲン化合物の影響の最初の示唆は、Barnes, P.J., Douglas, A.G., Heeks, S.K., Luckhurst, G.R., Liquid Crystals, 1993, Vol.13, No.4, 603− 613により報告された。特にこの参考文献は、高度に極性なアルキルスペーサー性二量体を例示し、およびネマチックの下の相、推定でスメクチックの1タイプであると認識している。
ネマチック相の下に存在するメソ相の写真は、Henderson, P.A., Niemeyer, O., Imrie, C.T. in Liquid Crystals, 2001, Vol. 28, No.3, 463−472により刊行されたが、さらには調査されなかった。
Liquid Crystals, 2005, Vol. 32, No. 11−12, 1499−1513 Henderson, P.A., Seddon, J.M. and Imrie, C.T.において、ネマチックの下の新しい相が、いくつかの特別な例において、スメクチックC相に属することが報告された。第1のネマチックの下の追加のネマチック相が、Panov, V.P., Ngaraj, M., Vij, J.K., Panarin, Y.P., Kohlmeier, A., Tamba, M.G., Lewis, R.A. and Mehl, G.H. in Phys.Rev.Lett. 2010, 105, 1678011 −1678014により報告された。
式Iで表される進歩性のあるビメソゲン化合物を含む液晶混合物はまた、第2のネマチック相として割り当てられている新規のメソ相を表してよいことは注目される。このメソ相は、元のネマチック液晶相よりも下の温度において存在し、本願の混合物概念において観察されてもよい。
したがって、本発明による式Iで表されるビメソゲン化合物は、第2のネマチック相が、通常はこの相を有しないネマチック混合物において誘発せしめることを許容してもよい。さらに、式Iで表される化合物の量を変化させることにより、第2のネマチックの相挙動を必要な温度へと合わせることを許容し得る。
別の側面において、本発明はそれゆえ、本発明による1以上のビメソゲン化合物を含む液晶媒体に関する。
本発明による液晶組成および混合物の好ましい態様は以下に指摘される。
本発明による媒体は、好ましくは、1、2、3、4以上の、好ましくは1、2、または3種の式Iで表される化合物を含む。
液晶媒体における式Iで表される化合物の量は、全混合物の、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%、なおより好ましくは10〜30重量%である。
好ましい態様において、本発明による液晶媒体は加えて、GB 2 356 629から公知であるもの、またはそれから公知であるものに類似するものなどの、式II
R21−MG21−X21−Sp2−X22−MG22−R22 II
式中、
R21およびR22は、各々独立してH、F、Cl、CN、NCSまたは1〜25個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって任意に置換されていてもよく、各出現において互いに独立して、−O、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−または−C≡C−によって置き換えられている1以上の非隣接のCH2基を任意に有していてもよく、
MG21およびMG22は各々独立してメソゲン基であり、
Sp2は5〜40個のC原子を含むスペーサー基で、ここで1以上の非隣接のCH2基はまた−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−CO−O−、−CH(ハロゲン)−、−CH(CN)−、−CH=CH−または−C≡C−によって置き換えられていてもよく、ならびに
X21およびX22は各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−、または単結合である、
ただし、式Iで表される化合物は、式IIで表される化合物から除かれる、
で表される1以上の化合物をさらに含む。
メソゲン基MG21およびMG22は好ましくは(部分)式IIIにおいて定義されるとおりの構造から選択される。
ある態様において、式II、式中R21−MG21−X21−、およびR22−MG22−X22は同一である、で表される化合物は好ましい。
本発明の別の態様は、式II、式中R21−MG21−X21−、およびR22−MG22−X22は異なる、で表される化合物に関する。
とりわけ好ましいのは、式II、式中メソゲン基MG21およびMG22は1、2、または3つの6員環を含む、で表される化合物である。特に好ましいのは、副式IV−1、IV−4、IV−6、IV−7、IV−13、IV−14、IV−15、IV−16、IV−17、およびIV−18から選択されるメソゲン基である。これらの好ましい基において、Zは各々の場合において独立して、式IIIにおいて与えられるとおりのZ11の意味の1つを有する。好ましくは、Zは−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−C≡C−、または単結合である。
好ましくは、式IIで表される化合物は極性末端基を有する。特に、R21およびR22は、好ましくはCN、NO2、ハロゲン、OCH3、OCN、SCN、CORx、またはCOORxから選択され、ここでRxは1〜4個のC原子、好ましくは1〜3個のC原子を有する、任意にフッ素化されていてもよいアルキルである。ハロゲンは、好ましくはFまたはCl、より好ましくはFである。
とりわけ好ましくは、式IIにおけるR21およびR22は、F、Cl、CN、NO2、OCH3、COCH3、COC2H5、COOCH3、COOC2H5、CF3、C2F5、OCF3、OCHF2,およびOC2F5から、特にF、Cl、CN、OCH3およびOCF3から選択される。
式IIにおけるスペーサー基Sp2に関し、この目的に関し技術分野において公知の全ての基が使用され得る。スペーサー基Sp2は、好ましくは5〜40個のC原子、より好ましくは5〜25個のC原子、なおより好ましくは5〜15個のC原子を有する線状または分岐のアルキレン基、ここで、さらに、1以上の非隣接のCH2基は−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−CO−O−、−CH(ハロゲン)−、−CH(CN)−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよい、である。
典型的なスペーサー基は例えば−(CH2)o−、−(CH2CH2O)p−CH2CH2−、−CH2CH2−S−CH2CH2−または−CH2CH2−NH−CH2CH2−であり、oは5〜40からの、好ましくは5〜25からの、なおより好ましくは5〜15からの整数であり、およびpは1〜8からの整数、特に1、2、3または4である。
好ましいスペーサー基は、例えば、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、ジエチレンオキシエチレン、ジメチレンオキシブチレン、ペンテニレン、ヘプテニレン、ノネニレン、およびウンデセニレンである。
特に好ましくは式II、式中Sp2は5〜15個のC原子を有するアルキレンを示す、で表される化合物である。直鎖アルキレン基は特に好ましい。
本発明の別の好ましい態様において、式IIで表されるキラル化合物は、キラル基である少なくとも1つのスペーサー基Sp1を含む。
式IIにおけるX21およびX22は好ましくは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−または単結合を示す。
式II−1〜II−4から選択される以下の化合物が特に好ましい:
式中、R21およびR22は式IIのもとで与えられる意味を有し、Z21、Z21−I、Z22およびZ22−Iは式IIにおけるX21およびX22として定義される、あるいはそれぞれX21およびX22の置き換えた基であり、ならびにoおよびrは各々の出現において独立して上に定義されるとおりであり、これらの基の好ましい意味を包含し、ならびに式中Lは上記で定義されるとおりであり、ここで式Iで表される化合物は除かれる、
から選択される以下の化合物は特に好ましい。
本発明による特に好ましい混合物は、式II−1a〜II−1eおよびII−3a〜II−3b
式中、R21、R22、およびoは上に定義されるとおりである、
で表される1以上の化合物を含む。
本発明の好ましい態様において、液晶媒体は2〜25種、好ましくは3〜15種の式IIで表される化合物を含有している。
液晶媒体における式IIで表される化合物の量は、全体の混合物の、好ましくは10〜95重量%、より好ましくは15〜90重量%、なおより好ましくは20〜85重量%である。
好ましくは、全体として媒体における式II−1aおよび/またはII−1bおよび/またはIII−1cおよび/またはII−1eおよび/またはII−3aおよび/またはII−3bで表される化合物の割合は、好ましくは少なくとも70重量%である。
本発明による特に好ましい媒体は、少なくとも1以上のキラルドーパントを含み、自体は液晶相を表しても、または表さなくてもよく、および自体に良好な均質な配向を得てもよい、または得なくてもよい。
それぞれの(S,S)エナンチオマーを包含する式V
および式VI
式中EおよびFは各々独立して1,4−フェニレンまたはトランス−1,4−シクロヘキシレンであり、vは0または1であり、Z0は−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、または単結合であり、およびRは1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシまたはアルカノイルである、
から選択されるキラルドーパントが特に好ましい。
式Vで表される化合物およびこれらの合成は、WO 98/00428に記載される。特に好ましいのは、以下の表Dに表される、化合物CD−1である。式VIで表される化合物およびこれらの合成は、GB 2,328,207に記載される。
とりわけ好ましいのは、高度ならせんねじれ力(HTP)を有するキラルドーパント、特にWO 98/00428に開示されるものである。
さらに典型的に用いられるキラルドーパントは、例えば、商業的に利用可能なR/S−5011、CD−1、R/S−811およびCB−15である(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyから)。
上述のキラル化合物R/S−5011およびCD−1ならびに式VおよびVIで提示される化合物は、極めて高度ならせんねじれ力(HTP)を呈し、それゆえ本媒体において特に有用である。
液晶媒体は、好ましくは上の式V、特にCD−1、および/または式VIおよび/またはR−5011またはS−5011から選択される、好ましくは1〜5個の、より好ましくは1〜3個の、なおより好ましくは1個または2個のキラルドーパントを含む。最も好ましくはキラルドーパントはR−5011、S−5011またはCD−1である。
液晶媒体におけるキラル化合物の量は、全体の混合物の好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、なおより好ましくは1〜10重量%である。
以下の式VII
式中、
R5は12個までのC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル、またはアルケニルオキシであり、

または
であり、
L1〜L4は各々独立して、HまたはFであり、
Z2は、−COO−、−CH2CH2−または単結合であり、および
mは、1または2である、
から選択される1以上の添加剤を含む液晶媒体が、さらに好ましい。
式VIIで表される特に好ましい化合物は、以下の式
式中、Rは上記のR5としての意味の1つを有し、ならびにL1、L2およびL3は上記の意味を有する、
から選択される。
液晶媒体は式VII、好ましくは上記式VIIa〜式VIIfから選択される、で表される、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3、なおより好ましくは1または2種の化合物を含む。媒体は、特に好ましくは、式VIIfから選択される1以上の化合物を含む。
液晶媒体における式VIIで表される好適な添加剤の量は、好ましくは全体の混合物の1〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは1〜10重量%である。
本発明による液晶媒体は、さらなる添加剤を通常の濃度で含有してもよい。これらのさらなる成分の総濃度は、全体の混合物に基づき、0.1%〜10%の、好ましくは0.1%〜6%の範囲であり得る。各々用いられる個々の化合物の濃度は、好ましくは0.1%〜3%の範囲である。これらさらなる添加剤の濃度は、本願における液晶媒体の液晶成分および化合物の濃度の値および範囲に対し考慮に入れない。これはまた、ホスト媒体の成分のそれぞれの化合物の濃度が特定される場合にカウントされない、混合物において用いられる二色性色素の濃度にもあてはまる。それぞれの添加剤の濃度は常に、最終的にドープされた混合物に対して与えられる。
本発明による液晶媒体は各々、数種の化合物、好ましくは3〜30の、より好ましくは4〜20のおよび最も好ましくは4〜16の化合物からなる。これらの化合物は、慣用の方式で混合される。原則として、より少量で用いられる化合物の必要量を、より大量で用いられる化合物へと溶解させる。温度が、より高い濃度で用いられる化合物の透明点よりも上である場合、溶解のプロセスの完了を観察することは、特に容易である。しかし、例えば、例えば化合物の均質なまたは共融混合物であることができる、いわゆる予混合物を用いる、またはそれ自体すぐに使える混合物である成分である、いわゆるマルチボトルシステムを用いる、他の慣用の方法により、媒体を調製することもまた可能である。
ある態様において、液晶媒体は式Iで表される1以上の化合物、1以上のキラルドーパント、および1以上のさらなるビメソゲン化合物をブレンドすることによって調製される。
特に好ましい混合物概念を、以下に示す。:用いられる略号は、表Aにおいて説明する。
本発明による混合物は、好ましくは以下のもの:
−総濃度で全体の混合物の1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%、最も好ましくは10〜30重量%の範囲での式Iで表される1以上の化合物、
および/または
−総濃度で全体の混合物の10〜95重量%、より好ましくは15〜90重量%、最も好ましくは20〜85重量%での式IIで表される1以上の化合物、好ましくはこれらの化合物は式II−1a〜II−1eおよびII−3a〜II−3bから選択され、より好ましくは、これらは以下のものを含む:
−N−PGI−ZI−n−Z−GP−N、特に好ましくはN−PGI−ZI−7−Z−GP−Nおよび/またはN−PGI−ZI−9−Z−GP−N、好ましくは、全体としての混合物に基づいて、好ましくは>5%、特に10〜30%の濃度であり、
および/または
−F−UIGI−ZI−n−Z−GU−F、好ましくはF−UIGI−ZI−9−Z−GU−F、好ましくは、全体としての混合物に基づいて、>5%、特に10〜30%の濃度であり、
および/または
−F−PGI−O−n−O−PP−N、特に好ましくはF−PGI−O−9−O−PP−N、好ましくは、全体としての混合物に基づいて、≧1%、特に1〜20%の濃度であり、
および/または
−N−PP−O−n−O−PG−OT、特に好ましくはN−PP−O−7−O−PG−OT、好ましくは、全体としての混合物に基づいて、≧5%、特に5〜30%の濃度であり、
および/または
−N−PP−O−n−O−GU−F、特に好ましくはN−PP−O−9−O−GU−F、好ましくは、全体としての混合物に基づいて、≧1%、特に1〜20%の濃度であり、
および/または
−F−PGI−O−n−O−GP−F、特に好ましくはF−PGI−O−7−O−GP−Fおよび/またはF−PGI−O−9−O−GP−F、好ましくは、全体としての混合物に基づいて、≧1%、特に1〜20%の濃度であり、および/または
−N−GIGIGI−n−GGG−N、特にN−GIGIGI−9−GGG−N、好ましくは、全体としての混合物に基づいて、好ましくは>5%、特に10〜30%の濃度であり、
および/または
−N−PGI−n−GP−N、特に好ましくはN−PGI−9−GP−N、好ましくは、全体としての混合物に基づいて、好ましくは>5%、特に15〜50%の濃度である、
ならびに/あるいは
−総濃度で全体の混合物の1〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは1〜10重量%の範囲の式VIIで表される1以上の好適な添加剤、ここでこれらの化合物は好ましくは式VIIa〜VIIfから選択され、より好ましくは以下を含む:
−PP−n−N、好ましくは、全体としての混合物に基づいて、好ましくは≧1%、特に1〜20%の濃度である、
ならびに/あるいは
−1以上のキラル化合物、好ましくは総濃度で全体の混合物の好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、なおより好ましくは1〜10重量%の範囲であり、これらの化合物は好ましくは式V、VIおよびR−5011またはS−5011から選択され、より好ましくは以下を含む:
−R−5011、S−5011またはCD−1、好ましくは、全体の混合物に基づいて、≧1%、特に1〜20%の濃度である、
を含む。
式Iで表されるビメソゲン化合物およびこれらを含む液晶媒体は、液晶ディスプレイ、例えばSTN、TN、AMD−TN、温度補償、ゲストホスト、相変化または表面安定化もしくはポリマー安定化コレステリックテクスチャ(SSCT、PSCT)ディスプレイなどにおいて、特にフレキソエレクトリックデバイスにおいて、能動および受動光学素子、例えば偏光板、補償板、反射板、配向層、カラーフィルターまたはホログラフィック素子において、接着剤、異方性機械特性を有する合成樹脂、化粧品、診断薬、液晶顔料において、装飾および保安用途のために、非線形光学、光学式情報ストレージにおいて、またはキラルドーパントとして用いることができる。
式Iで表される化合物およびその得ることができる混合物は、フレキソエレクトリック液晶ディスプレイに特に有用である。
それゆえ本発明のさらなる側面は、2以上の成分を含む液晶媒体を含む液晶デバイスであり、ここで1以上の成分は本発明によるビメソゲン化合物である。
好ましくは、デバイスはフレキソエレクトリックデバイスである。
式Iで表される本発明のビメソゲン化合物およびそれらの混合物は、それらのコレステリック相において、当業者に公知の方法、例えば表面処理または電解により、配向の異なる状態へと整列させることができる。例えば、これらはプラナー(グラジャン(Grandjean))状態へと、フォーカルコニック状態へと、またはホメオトロピック状態へと整列させることができる。特に強力な双極子モーメントを有する、極性基を含む式Iで表される本発明の化合物はさらに、フレキソエレクトリック切り替えを施すことができ、それゆえ好ましくは電気光学スイッチまたは液晶ディスプレイにおいて用いることができる。
本発明の好ましい態様による異なる配向状態の間の切り替えは、以下において詳細に、式Iで表される本発明の化合物を含む試料について、例示的に記載される。
この好ましい態様によると、試料は電極層、例えばITO層で被覆された2つの平面平行ガラス板を含むセルへと配置され、コレステリックらせんの軸がセル壁に垂直に配向されるプラナー状態へとそのコレステリック相中に整列される。この状態はグラジャン状態としてもまた、そして例えば偏光顕微鏡で観察される試料のテクスチャはグラジャンテクスチャとして公知である。プラナー配向は、例えばセル壁の表面処理により、例えばポリイミドなどの配向層でのラビングおよび/または被覆により達成することができる。
高品質な配向およびわずかな欠陥のみを有するグラジャン状態はさらに、試料をアイソトロピック相へと加熱し、次いでキラルネマチック−アイソトロピック相転移近傍の温度でキラルネマチック相へと冷却し、そしてセルをラビングすることにより達成することができる。
プラナー状態において、材料のらせんピッチおよび平均屈折率に依存して、試料は、反射の中心波長で、入射光の選択的反射を示す。
電界が、例えば10Hz〜1kHzの周波数、および12Vrms/μmまでの振幅を有する電極へと印加されるとき、試料は、らせんが解かれ、分子が電界と平行に、つまり電極の平面と垂直に配向されるホメオトロピック状態へと切り替えられる。ホメオトロピック状態において、試料は通常の日光中で見るときは透過性であり、交差した偏光板の間に配置されるときは黒色に見える。
ホメオトロピック状態において電界が低減または除去されると、試料は、らせん軸が電界と垂直に、つまり電極の平面と平行に配向する、らせん状にねじれた構造を呈する、フォーカルコニックテクスチャを採る。フォーカルコニック状態はまた、そのプラナー状態において試料に弱い電界のみを印加することにより達成することができる。フォーカルコニック状態において、通常の日光中で見る際に試料は散乱し、交差偏光板中で明るく見える。
異なる配向状態における本発明の化合物を含む試料は、異なる光の透過を呈する。それゆえ、それぞれの配向状態、ならびにその配向の質は、印加する電界強さに依存して、試料の光透過を測定することにより、検査することができる。このようにして、特定の配向状態およびこれらの異なる状態の間の転移を達成するために要する電界強さもまた、決定することができる。
式Iで表される本発明の化合物を含む試料において、上述のフォーカルコニック状態は多くの無秩序な複屈折小ドメインからなる。好ましくはセルの追加のせん断を有する、フォーカルコニックテクスチャの核生成のための電界よりも大きな電界を印加することにより、広大な、良好に配向された領域において、らせん軸が電極の平面に平行である、均質に配向されたテクスチャが得られる。最先端のキラルネマチック材料の文献、例えばP. Rudquist et al., Liq. Cryst. 23 (4), 503 (1997)などによると、このテクスチャはまた均質に位置するらせん(ULH)テクスチャとも称する。このテクスチャは、本発明の化合物のフレキソエレクトリック特性を特徴付けるために適切である。
電界を増加または低減させる際のラビングしたポリイミド基板上の式Iで表される本発明の化合物を含む試料において典型的に観察されるテクスチャの順序を、以下に示す:
ULHテクスチャから開始して、本発明のフレキソエレクトリック化合物および混合物は、電界の印加によりフレキソエレクトリック切り替えに施すことができる。これにより、セル基板の平面における材料の光学軸の回転が引き起こされ、交差偏光板の間に材料を配置させる際に透過の変化を導き出す。本発明の材料のフレキソエレクトリック切り替えはさらに、上記の発明の背景および実施例において詳細に記載される。
フォーカルコニックテクスチャから開始して、例えば10kHzの、高周波数の電界を試料に印加し、一方でアイソトロピック相からコレステリック相へとゆっくりと冷却し、セルをせん断することにより、ULHテクスチャを獲得することもまた可能である。電界周波数は、異なる化合物に対し異なり得る。
式Iで表されるビメソゲン化合物は、顕微鏡的に均質な配向で容易に整列させ、高値の弾性定数k11および高いフレキソエレクトリック係数eを液晶媒体中に導くことができるので、フレキソエレクトリック液晶ディスプレイにおいて特に有用である。
液晶媒体は、好ましくは、
k11<1×10−10N、好ましくは<2×10−11N、およびフレキソエレクトリック係数e>1×10−11C/m、好ましくは>1×10−10C/mを呈する。
フレキソエレクトリックデバイスにおける使用に加え、本発明のビメソゲン化合物ならびにその混合物はまた、他のタイプのディスプレイならびに他の光学および電気光学用途、例えば光学補償膜または偏向膜、カラーフィルター、反射コレステリック液晶(reflective cholesterics)、旋光パワーシステム(optical rotatory power system)および光学式情報ストレージなどに好適である。
さらなる態様において、セル壁がハイブリッド配向条件を呈するディスプレイセルが提供される。用語「ハイブリッド配向」あるいはディスプレイセルにおけるまたは2つの基板の間の液晶またはメソゲン材料の配向(orientation)は、第1のセル壁に隣接するまたは第1の基板上のメソゲン基がホメオトロピック配向を呈し、第2のセル壁に隣接するまたは第2の基板状のメソゲン基がプラナー配向を呈することを意味する。
用語「ホメオトロピック配向」あるいはディスプレイセルにおけるまたは基板上における液晶またはメソゲン材料の配向は、液晶またはメソゲン材料におけるメソゲン基がそれぞれ、セルまたは基板の平面に対して実質的に垂直に配向することを意味する。
用語「プラナー配向」あるいはディスプレイにおけるまたは基板上の液晶またはメソゲン材料の配向は、液晶またはメソゲン材料におけるメソゲン基がそれぞれ、セルまたは基板の平面に対し実質的に平行に配向することを意味する。
本発明の好ましい態様によるフレキソエレクトリックディスプレイは、2つの平面平行基板、好ましくは内側表面にインジウムスズ酸化物(ITO)などの透明導電層で被覆されたガラス基板、および前記基板の間に設けられてなるフレキソエレクトリック液晶媒体を含み、ここで、液晶媒体に関し、内側基板表面の1つがホメオトロピック配向状態を呈し、反対側の内側基板表面がプラナー配向状態を呈することを特徴とする。
プラナー配向は、例えば、基板上に適用される、例えばラビングしたポリイミドまたはスパッタリングしたSiOxなどの配向層により、達成することができる。
代替的に、つまり追加の配向層を適用することなく、基板を直接的にラビングすることが可能である。例えば、ラビングは、ラビング布、例えばベルベット布により、またはラビング布で被覆した平棒で達成することが可能である。本発明の好ましい態様において、ラビングは少なくとも1つのラビングローラー、例えば基板にわたってブラシングする高速回転ローラーなどにより、または少なくとも2つのローラーの間に基板を置くことにより達成され、それぞれの場合においてローラーの少なくとも1つは任意にラビング布で被覆されている。本発明のもう1つの好ましい態様において、ラビングは、好ましくはラビング布で覆われているローラーの周りに、規定された角度で少なくとも部分的に基板を包むことにより達成される。
ホメオトロピック配向は、例えば、基板の最上部(top)に被覆された配向層により達成することができる。ガラス基板上に用いられる好適な配向剤は、例えば、アルキルトリクロロシランまたはレクチンであり、一方プラスチック基板に対しては配向剤としてレクチンの薄膜、シリカまたは高傾斜ポリイミド配向膜が使用され得る。本発明の好ましい態様において、シリカ被覆プラスチック膜が基板として用いられる。
プラナーまたはホメオトロピック配向を達成するためのさらなる好適な方法は、例えばJ. Cognard, Mol.Cryst.Liq.Cryst. 78, Supplement 1, 1−77 (1981) に記載される。
ハイブリッド配向状態を有するディスプレイセルを用いることにより、極めて高いフレキソエレクトリック切り替えスイッチ角、迅速な応答時間および良好なコントラストが得られる。
本発明によるフレキソエレクトリックディスプレイはまた、ガラス基板の代わりにプラスチック基板を含み得る。プラスチック膜基板は、上述のラビングローラーによるラビング処理に対し特に好適である。
式Iで表される化合物は、ネマチック液晶混合物へと添加されるときに、ネマチックの下の相を作り出し得る。したがって、本発明によるビメソゲン化合物は、第2のネマチック相を通常はこの相の兆候を示さないネマチック混合物において誘発させることを許容し得る。さらにまた、式Iで表される化合物の量を変化させることにより、第2のネマチック相の相挙動を要求される温度へと合わせることを許容してもよい。
したがって、ある態様において、式Iで表される1以上の化合物を含む、および第2のネメチック相を提示する液晶媒体が提供される。これらの得られる混合物は、フレキソエレクトリック液晶ディスプレイのために特に有用である。
本願による媒体における全ての化合物の総濃度は、100%である。
前述のおよび以下の例において、他に指摘されない限り、全ての温度は未修整でセルシウス度で設定され、全ての部およびパーセントは重量によってである。
以下の略号は、化合物の液晶相挙動を説明するために用いられる:K=結晶;N=ネマチック;N2=第2のネマチック;SまたはSm=スメクチック;Ch=コレステリック;I=アイソトロピック;Tg=ガラス転移温度。記号の間の数字は、℃での相転移温度を示す。
本発明においておよび特に以下の例において、液晶化合物の構造は、「頭文字(acronym)」とも称される、略号により表される。略号の対応する構造への変換は、以下の3つの表A〜Cにより単純明快である。
全ての基CnH2n+1、CmH2m+1およびClH2l+1は、好ましくはそれぞれn、mおよびl個のC原子を有する直鎖アルキル基であり、全ての基CnH2n、CmH2mおよびClH2lは、好ましくはそれぞれ(CH2)n、(CH2)mおよび(CH2)lであり、ならびに−CH=CH−は好ましくは、トランス−それぞれE−ビニレンである。
表Aは、環の要素に関して用いられる記号を、表Bは結合基に関するもの、および表Cは分子の左手側および右手側(末端)基に関する記号に関するものを列挙する。
表Dは、例示的な分子構造をそれらのそれぞれのコードとともに列挙する。
表A:環の要素
式中、n、m、およびkはそれぞれ整数であり、および3つの点「…」はこの表の他の記号のためのスペースを示す。
好ましくは、本発明による液晶は、式Iで表される化合物に加え、以下の表の式で表される化合物の群から選択される1以上の化合物を含む。
表D
この表において、nは、他に明確に定義しない限り3および5〜15から、好ましくは3、5、7および9から選択された整数であり、ならびにmおよびkは互いに独立して1〜9の整数、好ましくは1〜7の整数、より好ましくは3〜5の整数である。
以下の例は本発明の単なる例示であり、および任意の方法で本発明の範囲を限定するよう解されるべきではない。例および他のそれら等価体の改変は、本開示の観点から当業者に明らかになるだろう。
化合物および合成例
合成例1
の調製
対象の化合物
対象の化合物は以下のスキームにより調製する。
段階1
テトラヒドロフラン(30mL)を含有する丸底フラスコに、1−ブロモ−3−フルオロヨードベンゼン(27.5g、0.092mol)を加える。ジイソプロピルアミン(30mL)を加え、および反応を超音波浴に10分間設置する。触媒のビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.9g、1.28mmol)およびヨウ化銅(I)(0.2g、1.05mmol)を加え、および反応を水浴中で20℃まで冷却する。1,8−ノナジイン(5.0g、0.041mmol)を反応へゆっくり加え、さらに20時間撹拌する。反応を冷却し、および真空下でろ過し、沈殿物を除去する。ろ液を希塩酸で酸性にし、およびジエチルエーテルで抽出する。濃縮前に有機物を水で洗浄し、黒色固体として生成物を与える。ジクロロメタン/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィー後に純生成物を得る。
段階2
段階1の生成物(21.5g、0.040mol)をテトラヒドロフラン(600mL)中に溶解させ、ターレスナノ水添器(Thalesnano hydrogenator)へ通す。70バール圧および60℃という条件を使用し、淡色の固体として生成物を生産する。
段階3
窒素下で、テトラヒドロフラン(400mL)を含有するフラスコ中に、1−ブロモ−4−ヨード−ベンゼン(17.33g;61.25mmol)を入れる。20mLの水中の炭酸カリウム(12.70g;91.87mmol)。系を脱気し、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.9g;1.28mmol;0.02eq.)を加える。反応混合物を80℃で終夜撹拌する。水(50mL)および20mLの希塩酸を加える。有機相を分離し、および水相を酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、および減圧下で留去する。ジクロロメタンにより溶出するシリカゲルのプラグ(plug)による精製、続くIMSからの晶析により純生成物を与える。
段階4
200mLの無水ジオキサンへ、4’−ブロモ−ビフェニル−3−カルボニトリル(10.50g;40.68mmol)、4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](11.36g;44.75mmol)および酢酸カリウム(5.94g;60.65mmol)を加える。系を脱気し、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)(1.50g;2.03mmol)を加え、反応混合物を80℃で終夜撹拌する。水(30mL)を加え、有機相を分離する。水相を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、次いで水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。石油エーテル/ジクロロメタン(5:1比)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによる精製、続く石油エーテル/IMSからの再結晶により白色固体として純生成物を与える。
段階5
4’−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ビフェニル−3−カルボニトリル(9.65g;31.63mmol)および1−ブロモ−4−[9−(4−ブロモ−3−フルオロ−フェニル)ノニル]−2−フルオロ−ベンゼン(7.50g;15.82mmol)の100mLテトラヒドロフラン溶液に、20mLの水中のメタホウ酸ナトリウム八水和物(6.83g;24.78mmol)を加える。系を窒素でパージし、およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.28g;0.40mmol)を加え、反応混合物を80℃で終夜撹拌する。水(20mL)を加え、有機相を分離する。水相を酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、希塩酸で、続いて水で洗浄し、減圧下で留去する。ジクロロメタン/アセトニトリルからの晶析は純生成物を与える。
相シーケンス:K124I、e/K=1.96V−1。
合成例2
合成例2a
の調製
対象の化合物を以下のスキームにより調製する。
段階1
1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(25.00g;88.37mmol)の80mLテトラヒドロフラン溶液に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.20g;1.05mmol)およびジイソプロピルアミン(14.00ml;99.61mmol)を加える。反応混合物を窒素でパージする。次いで、ノナ−1,8−ジイン(5.00g;41.60mmol)の20mLテトラヒドロフラン溶液をゆっくり加える。反応を室温で終夜撹拌する。反応混合物をろ過し、固体をテトラヒドロフランで洗浄する。溶媒を減圧下で除去する。ジクロロメタンで溶出する粗生成物のシリカゲルカラムクロマトグラフィーは黄色固体として生成物を与える。
段階2
600mlのテトラヒドロフランを含有するフラスコに1−ブロモ−4−[9−(4−ブロモフェニル)ノナ−1,8−ジイニル]ベンゼン(30.00g;69.74mmol)、(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン酸(24.23g;153.43mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(2.45g;3.49mmol)を入れる。炭酸ナトリウム水溶液(2M、139.48ml;278.96mmol)を加える。反応混合物を脱気し、80℃で終夜撹拌する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、および減圧下で留去する。石油エーテル/ジクロロメタン(4:1比)で溶出する粗生成物のシリカゲルカラムクロマトグラフィーは生成物を与える。
相シーケンス:K115I、e/K=1.72V−1。
合成例2b
の調製
対象の化合物は以下のスキームにより調製する。
段階1および2は例2aのとおりに行われる。
段階3
100mlのメタノール/テトラヒドロフラン(1:1比)中の1−[4−[9−[4−(3,5−ジフルオロフェニル)フェニル]ノナ−1,8−ジイニル]フェニル]−3,5−ジフルオロ−ベンゼン(7.00g;1.00eq.)を、触媒として10%Pd/Cを使用し、H-Cube(登録商標)に4回ポンプで通す。系の圧力を10バールに、流速を10mL/minに、および温度を30℃に設定する。減圧下で溶媒を除去し、生成物を白色結晶として与える。
相シーケンス:K46I、e/K=2.0V−1。
合成例3
の調製
対象の化合物は以下のスキームにより調製する。
段階1は例2aのとおりに行われる。
段階2
1,4−ジオキサン(200.00mL)を含有するフラスコ中に、1−ブロモ−4−[9−(4−ブロモフェニル)ノナ−1,8−ジイニル]ベンゼン(8.00g;18.60mmol)および(3−シアノフェニル)ボロン酸(5.88g;40.00mmol)を入れる。[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.50g;0.68mmol)、炭酸ナトリウム(10.60g;100.00mmol)、および水(50.00ml)を加える。反応混合物を脱気し、および80℃で3時間撹拌する。反応を室温まで冷却し、および100mLの酢酸エチルを加える。有機相を分離し、ブライン、次いで水で洗浄し、減圧下で留去する。石油エーテル/ジクロロメタン(7:3比)で溶出する粗生成物のシリカゲルカラムクロマトグラフィーは生成物を与える。
段階3
100mLメタノール中の3−[4−[9−[4−(3−シアノフェニル)フェニル]ノナ−1,8−ジイニル]フェニル]ベンゾニトリル(1.50g;1.00eq.)を、触媒として10%Pd/Cを使用し、H-Cube(登録商標)にポンプで通す。系の圧力を30バールに、流速を3mL/minに、および温度を30℃に設定する。減圧下で溶媒を除去する。アセトニトリルからの晶析は純生成物を与える。
相シーケンス:K84I。
合成例4
の調製
対象の化合物は以下のスキームにより調製する。
段階1
1,4−ジオキサン(200.00mL)を含有するフラスコ中に、4−ブロモ−フェノール(11.77g;68.05mmol;1.00eq.)、(3−シアノフェニル)ボロン酸(10.00g;68.06mmol)を入れる。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.50g;0.68mmol)、炭酸ナトリウム(14.31g;0.14mol)、および水(50.00ml)を加える。反応混合物を脱気し、および80℃で終夜撹拌する。酢酸エチル(100mL)を加える。有機相を分離し、ブライン、次いで水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で留去する。ジクロロメタン/酢酸エチル(1:4比)からの再結晶は生成物を与える。
段階2
100mLのトルエンを含有するフラスコに、ウンデカン二酸(2.88g;13.30mmol)酸を加える。4’−ヒドロキシ−ビフェニル−3−カルボニトリル(5.20g;26.64mmol)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(5.57g;27.00mmol)、および4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(0.61g;5.00mmol)を加え、室温で終夜撹拌する。水(50mL)を加え、および有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、および減圧下で留去する。石油エーテル/ジクロロメタン(3:2比)で溶出する粗生成物のシリカゲルカラムクロマトグラフィー、続く石油エーテル/酢酸エチルからの再結晶は純生成物を与える。
相シーケンス:K125(N84)I、e/K=1.9V−1。
上記化合物は好適な相挙動、およびフレキソ弾性比を有し、下記に表すとおりの液晶媒体において有用な成分であり得、ならびにフレキソ弾性効果に関する高いe/K混合物の作用温度の調整のために特に有用であり得る。
使用例、混合物例
透明点を包含する相転移は、示差走査熱量測定(DSC)を使用して最初に測定される。
さらにまた、典型的に、逆平行のラビングしたPI整列層を有する厚さ5.6μmのセルを、ホットプレート上に、フレキソエレクトリック(flexoelectric)混合物がアイソトロピック相にある温度で満たす。
セルを満たした後、透明点を含む相転移を、光学的検査によって確認する。光学的相転移測定のために、FP82ホットステージに接続したMettlerFP90ホットステージコントローラーを使用して、セルの温度を制御する。温度を、周囲温度から毎分5℃の速度で、アイソトロピック相の開始が観察されるまで上昇させる。テキスチャ変化を、交差させた偏光子によって、オリンパスBX51顕微鏡を使用して観察し、それぞれの温度を書き留める。
ワイヤーを、次にセルのITO電極に、インジウム金属を使用して取り付ける。セルを、Linkam TMS93ホットステージコントローラーに接続したLinkam THMS600ホットステージ中に固定する。ホットステージを、オリンパスBX51顕微鏡中の回転ステージに固定する。
セルを、液晶が完全にアイソトロピックであるまで加熱する。セルを、次に試料が完全にネマチックであるまで印加した電場の下で冷却する。駆動波形を、Tektronix AFG3021B任意波形発生器によって供給し、それを、Newtons4th LPA400電力増幅器によって送り、その後セルに印加する。セル応答を、Thorlabs PDA55フォトダイオードでモニタリングする。入力波形および光学的応答の両方を、Tektronix TDS 2024Bデジタルオシロスコープを使用して測定する。
材料のフレキソ弾性応答を測定するために、光学軸の傾きのサイズにおける変化が上昇する電圧の関数として測定される。この関係において、以下の方程式が使用され、
式中、φは、もとの位置(つまりE=0である場合)からの光学軸における傾斜であり、Eは印加した電界であり、Kは弾性定数(K1およびK3の平均)であり、eはフレキソエレクトリック係数、ここでe=e1+e3である。印加した電界を、HP 34401Aマルチメーターを使用してモニタリングする。傾斜角を、前述の顕微鏡およびオシロスコープを使用して測定する。影響を受けないコレステリックピッチ、P0を、コンピューターに付けられたOcean Optics USB4000分光計を使用して測定する。選択的反射バンドを得、距離をスペクトルデータから決定する。
以下の例において表される発明による混合物はフレキソエレストリックディスプレイにおける使用に非常に好適である。好適なコレステリックピッチを達成するために、適切な濃度のキラルドーパント(単数)またはドーパント(複数)が使用され得る。
引用混合例1
ホスト混合物H−0は調製および調査され、とりわけその配向のための特性を研究する。
混合物の配向はプラナー配向のために、550nmの波長で10μmのセルギャップを有する、逆平行のラビングしたPI配列層を有する試験セルにおいて決定される。試料の光学遅延は、−60°から+40°までの範囲に及ぶ様々な入射角に、エリプソメーター器を使用して決定される。
H−0の結果は以下の表に編集され、ここで試料H−0は、垂直での観測下での、すなわち入射角0°での、25nmの光学遅延を表す。これはホモジニアス配向の存在をすでに示す。様々な入射角で、遅延の値は2nmから55nmまでの範囲に及ぶ。入射角の関数として、散乱が極めて重要であるが、入射角を上昇させることに伴い、遅延が上昇する傾向があるよう見える。しかしながら、遅延の値の重要な散乱は、ホメオトロピック配向の非常に乏しい品質を示す。
比較混合物例1
混合物C−1
混合物H−0において、2%のキラルドーパントR−5011を加え、混合物C−1を与え、その特性を調査する。
混合物C−1を、USHモードのために使用してもよい。それは、82℃の透明点および33℃のより低い遷移温度[T(N2,N)]を有する。それは、35℃で301nmのコレステリックピッチを有する。この混合物のe/Kは、34.8℃の温度で1.9Cm−1・N−1である。
混合物例1
混合物H−0に、10%の合成例1の化合物、および2%のキラルドーパントを含め、混合物M−1を与え、調査する。
本混合物M−1はUSHモードに非常に好適である。
それは40.2℃で307nmのコレステリックピッチを有する。
この混合物のe/Kは39.3℃の温度で1.96Cm−1N−1である。
混合物例2
混合物H−0において、10%の合成例2aの化合物、および2%のキラルドーパントを含め、混合物M−2を与え、調査する。
本混合物M−2はUSHモードに非常に好適である。それは40℃で311nmのコレステリックピッチを有する。この混合物のe/Kは39.3℃の温度で1.72Cm−1N−1である。
混合物例3
混合物H−0に、10%の合成例2bの化合物、および2%のキラルドーパントを含め、混合物M−3を与え、調査する。
本混合物M−3はUSHモードに非常に好適である。それは35℃で277nmのコレステリックピッチを有する。この混合物のe/Kは36.6℃の温度で2.00Cm−1N−1である。

Claims (15)

  1. 式I
    式中

    R11およびR12は各々独立してH、F、Cl、CN、NCS、および1〜25個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基から選択される末端基を示し、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基により任意に置換されていてもよく、および1以上のCH2基は、各出現において互いに独立して−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、または−C≡C−によって、酸素原子が互いに直接結合しないように任意に置き換えられていてもよく、
    MG1およびMG2は各々独立して、芳香族、ヘテロ芳香族、非芳香族の炭素環および/または非芳香族のヘテロ環基を含むメソゲン基を示し、それらは互いに直接および/または連結基(単数または複数)を介して結合し、ここでそれぞれの末端基R11またはR12はメソゲン基の環状基に直接結合しており、
    Sp1は1、3、または5〜40個のC原子を有するアルキレン基を示し、ここで1以上のCH2基が、任意に各々独立してO−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−S−CO−、−CH(ハロゲン)−、−CH(CN)−、−CH=CH−または−C≡C−によって置き換えられていてもよく、
    ここでそれぞれ2つのO原子、2つの−CH=CH−基、および−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−および−CO−O−から選択される2つの基は相互に直接結合せず、ならびに
    X11およびX12は、互いに独立して、単結合、−CO−O−、−O−CO−、−O−COO−、−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF2−O−、−O−CF2−、−CF2−CF2、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−S−、−S−CO−、−CS−S−、−S−CS−、−S−CSS−および−S−から選択され、ここで−X11−Sp1−X12−において、それぞれ2つのO原子、2つの−CH=CH−基、および−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、および−CO−O−から選択される2つの基は互いに直接結合しない、
    ただし、R11およびR12の少なくとも1つがHであるか、
    または、
    ただし、R11およびR12の少なくとも1つが1〜25C原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基で任意に置換されていてもよく、および1以上のCH2基が、各出現において互いに独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CF、または−C≡C−によって、酸素原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、およびさらに、MG1およびMG2の少なくとも1つは、末端基に加えて、F、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdからそれぞれ独立して選択される1以上の置換基を提示し、ここでRcおよびRdは各々独立して1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を示し、前記アルキル基は任意に1以上のハロゲンおよび/またはCN基で任意に置換されていてもよい、
    で表されるビメソゲン化合物。
  2. 請求項1に記載のビメソゲン化合物であって、MG1およびMG2が、各々独立して少なくとも1つの6−原子環および任意に1または2以上の5−原子環を含み、ここで2以上の環を含む場合、これらの環の少なくとも2つは、2−原子結合基、好ましくは−CO−O−、−O−CO−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CF2−O−、−O−CF2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、および−C≡C−、より好ましくは−CO−O−、−O−CO−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CF2−O−、および−O−CF2−から選択される、によって任意に結合されていてもよく、且つここでMG1およびMG2において、それぞれの末端基に直接連結されるそれぞれの環状基は各々独立して1、4−フェニレン、ここで1または2の非隣接のCH基は各々N原子によって置き換えられていてもよく、およびそれは各々独立してF、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdから選択される1以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、ここでRcおよびRdは各々独立して、1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を示し、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって、および/または各々が独立して1〜9個のC原子を有する1以上のアルキル基によって、および/または各々が独立して1〜9個のC原子を有する1以上のアルコキシ基によって任意に置換されていてもよい、であるか、あるいは、1、4−シクロヘキシレン、ここで1または2の非隣接のCH2基はOおよび/またはSによって置き換えられていてもよく、およびそれは任意にそれぞれF、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdから選択される1以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、ここでRcおよびRdは各々独立して、1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を示し、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって、および/または各々独立して1〜9個のC原子を有する1以上のアルキル基によって、および/または各々独立して1〜9個のC原子を有する1以上のアルコキシ基によって任意に置換されていてもよい、である、前記ビメソゲン化合物。
  3. 請求項1または2に記載のビメソゲン化合物であって、少なくとも1つのMG1およびMG2が、
    およびその鏡像体によって表される構造から選択される環状基を含み、式中Lは、各出現において互いに独立して、F、Cl、CN、NCS、OCF3、CF3、SCH3、NO2、NH2、NHRcおよびNRcRdを示し、ここでRcおよびRdは各々独立して1〜6個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって置換されていてもよく、好ましくはFまたはCNを示し、より好ましくはCNを示す、前記ビメソゲン化合物。

  4. 式中、R11は請求項1に記載のとおりの意味を有し、およびLは請求項3に記載のとおりの意味を有し、および式中、R11は請求項1に記載のとおりの意味を有するR12によって任意に置き換えられ得る、
    で表される構造の1つを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビメソゲン化合物
  5. 少なくとも1つのMG1およびMG2が
    およびその鏡像体で表される構造から選択される環状基を含み、ここで、好ましくは前記環状基がそれぞれの末端基R11またはR12に直接連結している、請求項1〜4のいずれか一項に記載のビメソゲン化合物。
  6. R11およびR12の少なくとも1つがHであり、好ましくはR11およびR12がHである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のビメソゲン化合物。
  7. R11およびR12の少なくとも1つが請求項1に記載のとおりのアルキル基であり、好ましくはR11およびR12が各出現において互いに独立して、請求項1に記載のとおりのアルキル基を示す、請求項1〜5のいずれか一項に記載のビメソゲン化合物。
  8. Sp1が−(CH2)k−であり、式中kは1、3、または5〜15の整数である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のビメソゲン化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の1以上のビメソゲン化合物の、液晶媒体における使用。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の1以上のビメソゲン化合物を含む液晶媒体。
  11. さらにキラルドーパントを含む、請求項10に記載の液晶媒体。
  12. 式II
    R21−MG21−X21−Sp2−X22−MG22−R22 II
    式中、
    R21およびR22は、各々独立してH、F、Cl、CN、NCSまたは1〜25個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、前記アルキル基は1以上のハロゲンおよび/またはCN基によって任意に置換されていてもよく、および各出現において互いに独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−または−C≡C−によって置き換えられている1以上の非隣接のCH2基を任意に有していてもよく、
    MG21およびMG22は各々独立してメソゲン基であり、
    Sp2は5〜40個のC原子を含むスペーサー基で、ここで1以上の非隣接のCH2基が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−CO−O−、−CH(ハロゲン)−、−CH(CN)−、−CH=CH−または−C≡C−によって置き換えられていてもよく、および
    X21およびX22は各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−、または単結合である、
    ただし、式Iで表される化合物は、式IIで表される化合物から除かれる、
    で表される化合物の群から選択される1以上の化合物をさらに含む、請求項10または11に記載の液晶媒体。
  13. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の液晶媒体の、液晶デバイスにおける使用。
  14. 2以上の成分を含む液晶媒体を含む液晶デバイスであって、少なくとも1つの成分が請求項1〜8に記載のビメソゲン化合物である、前記液晶デバイス。
  15. デバイスがフレキソエレクトリックデバイスである、請求項14に記載の液晶デバイス。

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