JP2019520830A - 含浸および水蒸気爆発によりリグノセルロース系バイオマスを処理するための方法 - Google Patents

含浸および水蒸気爆発によりリグノセルロース系バイオマスを処理するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、酵素加水分解の前にリグノセルロース系バイオマスを処理するための連続方法に関し、本方法は、粉砕され、次いで加圧されたバイオマスを酸液による含浸工程に移送することと、含浸バイオマスを含浸液を含む領域に滴下することと、生成された湿潤バイオマスが加圧されて、水蒸気爆発工程に送られることと、を含む。含浸液は、爆発工程の前に、滴下操作および/または加圧操作により、使用済み液から、専用の領域において調製される。本発明はまた、その方法を実施するための設備に関する。【選択図】図3

Description

本発明は、第二世代(2G)の糖汁を生産するためのリグノセルロース系バイオマスを処理するためのプロセスに関する。これらの糖汁は、生化学的経路を介して他の製品(例えば、エタノール、ブタノールまたは他の分子などのアルコール、例えば、アセトンなどの溶媒など)を生産するために使用することができる。このプロセスは、液の調製、バイオマスの含浸、および水蒸気爆発による含浸バイオマスの前処理の3つの工程を含む。
リグノセルロース系バイオマスは、地球上で最も豊富にある再生可能資源の一つを代表する。考慮される基質は非常に多様であり、これらは様々な木材(広葉樹および針葉樹)などの木質性基質、農業(トウモロコシ茎、トウモロコシなど)、または他の農業食品、紙などの産業に由来する副産物の両方に関する。
リグノセルロース材料を2G糖汁に生化学的に転化するプロセスは、特に前処理工程および酵素カクテルによる酵素加水分解工程を含む。これらのプロセスはまた、通常、前処理の前に含浸工程を含む。次いで、加水分解の結果得られる糖汁は、例えば発酵によって処理され、かつそのプロセスには、分離工程および/または最終生成物の精製工程も含まれる。
リグノセルロース系バイオマスは、3つの主なポリマーで構成されている:ヘキソースから本質的に構成されている多糖類であるセルロース(35%〜50%)、ペントースから本質的に構成されている多糖類であるヘミセルロース(20%〜30%)、複雑な構造であり、かつ高分子量のポリマーであり、エーテル結合により連結された芳香族アルコールで構成されているリグニン(15%〜25%)。これらの様々な分子は、植物壁の固有の性質に関与しており、これによりまとまって複雑に絡み合うことになる。
リグノセルロース系バイオマスを構成する3つのベースポリマーのうち、セルロースおよびヘミセルロースは、2G糖汁の生産を可能にするものである。
通常、ヘミセルロースは、前処理中に主に糖に分解され、セルロースは、酵素加水分解によってグルコースに転化される。しかし、酵素にとって、粗セルロースへ接近することは依然として困難であるため、前処理が必要とされる。この前処理により、セルロースの酵素への接近可能性および酵素加水分解に対するその反応性を改善するために、リグノセルロース材料の物理化学的性質を改変することが可能になる。
最も効果的な前処理のうちの1つは、水蒸気爆発であり、これによりヘミセルロースのほぼ完全な加水分解、並びに酵素に対するセルロースの接近可能性および反応性の大幅な改善が可能になる。この前処理の前に、他の処理(複数可)を行ってもよい。
米国特許第8057639号明細書および米国特許第8512512号明細書は、温和な条件下でヘミセルロースを加水分解してC5糖を得て、これらをその分解から保護する第1の工程を含むプロセスを提唱している。この工程は、1.5バール以上の圧力下で、水蒸気の注入により、110℃以上の温度で、および任意により弱酸の存在下で、第1の反応器中で行われる。この工程の後、セルロースおよびリグニンに富む残りのバイオマスを、水蒸気爆発が起こる第2の工程(第2の反応器)に送る前に、C5糖汁を抽出および回収するために洗浄が行われる。この第2の反応器は、第1の反応器よりも高い圧力で作動し、バイオマスの急激な膨張を引き起こす高圧水蒸気の噴射(水蒸気爆発)を伴う。
また、米国特許出願公開第2012/0104313号明細書は、バイオマスを100〜210℃で1分〜24時間、水または水蒸気と接触させることによる水蒸気爆発の前の処理工程を提唱している。ヘミセルロースに富んだ液相を分離した後、固体を水蒸気爆発工程に移す。
欧州特許第2610346号明細書は、100〜150℃の温度において液体中で処理し、続いて液体/固体を分離し、続いて、1分〜24時間水または水蒸気の存在下において、100〜210℃で、得られた固体部分を前処理し、最後に液体/固体を分離することで完結する4工程によってリグノセルロース系バイオマスを処理するためのプロセスについて記載している。
多くの特許が、高温での含浸、加圧下での、酸の存在下での含浸、同じ条件または異なる条件でのこれらの工程の繰り返しなど、水蒸気爆発におけるバイオマスのより良好な反応性をもたらす、ヘミセルロースを可溶化することで前処理を改善するための様々な解決法を提唱してきた。
国際公開第2013/141776号明細書は、製紙分野における、塩基性含浸液を含む縦型装置(含浸器)における含浸プロセスについて記載しており、したがって含浸が行われる第1の区域を規定している。リグノセルロース材料は含浸器の底部で受けられ、2本の移送スクリューによって含浸器の頂部に移送される。液面より上に配置されている含浸器の第2の区域に移送される間に、バイオマスが流し出され、液体が第1の区域に入る。この構成では、液面は塩基性液を導入することにより制御される。
改善された構成では、バイオマスの移動方向と反対の向流を作り出すように、液体が含浸器の底部から抽出され、濾過され、次いで含浸器の頂部に再循環される。このことにより、そうでなければ含浸器の底部に堆積する不純物(砂など)をバイオマスから排出できるようになる。液体は、濾過システムを通ってループ内に流れており、新鮮な液を加えてもよい。
米国特許第8057639号明細書 米国特許第8512512号明細書 米国特許出願公開第2012/0104313号明細書 欧州特許第2610346号明細書 国際公開第2013/141776号明細書
本出願では、国際公開第2013/141776号明細書に記載されている含浸器を使用するプロセスが提案されており、これは操作条件を制御しながら連続的な工業規模での使用に適合されている。本発明によるプロセスおよびそれに関連するユニットは、リグノセルロース系バイオマスから糖汁またはアルコールでさえ生産するためのプロセスに特に適用可能である。
本プロセスは、糖汁生産分野における従来技術のプロセスよりも簡素であり、かつ安価である。このプロセスは、中程度の温度および/または大気圧で、好ましくは単一の含浸工程で操作される。
より具体的には、本発明によるプロセスは、酵素加水分解の前に実施される、糖汁の生産のために、リグノセルロース系バイオマスを処理するための連続プロセスに関し、本プロセスは、
1)粉砕バイオマスを含浸工程の第1の含浸区域に移送させるための第1の移送区域であって、第1の含浸区域から移送区域への液体の上向きの流れを防ぐバイオマスのプラグによって分離されている第1の移送区域と、
2)10〜95℃の温度で操作される2つの重ね合わせた含浸区域において行われる大気圧下での含浸工程であって、含浸工程におけるバイオマスの滞留時間は1分〜60分であり、
− 第1の含浸区域では、移送区域から生じる加圧されたバイオマスを受け入れ、かつ0.1〜7のpHを有する含浸液を含み、
かつ
− このバイオマスは、第1の含浸区域の上に配置される第2の含浸区域に移送され、含浸バイオマスが流し出され、15重量%〜40重量%の全固形分を有する、生成された湿潤バイオマスが生産されるとともに、液が第1の含浸区域から分離される、含浸工程と、
3)湿潤バイオマスを水蒸気爆発工程に移送させるための第2の移送区域であって、
− 第2の移送区域が、一方は、含浸工程の含浸区域、他方は、水蒸気爆発工程の区域から分離されたチャンバ内に位置付けられており、
− 第2の含浸区域および水蒸気爆発工程の区域が、バイオマスのプラグによって気密様式で分離されており、
− 湿潤バイオマスを加圧して、バイオマスの全固形分を40重量%以上まで増加させ、かつ生成された液を生産するようにする、第2の移送区域と、
4)水蒸気爆発工程であって、
− 区域に入るバイオマス全固形分1トンあたり0.05〜10トンの比水蒸気消費量を有する水蒸気を注入することによって1〜30分間バイオマスを蒸解するための蒸解区域であって、蒸解区域は、150〜250℃の温度であり、0.5〜4MPaの圧力である蒸解区域と、
− 次いで、蒸解区域から生じるバイオマスを膨張させるための膨張区域と、
− バイオマスから水蒸気を分離するための分離区域と、を含む、水蒸気爆発工程と、
5)
− 第2の移送区域および/または第1の含浸区域から抽出された液を受け入れることと、
− 第1の含浸区域の入口のpHを0.1〜7の値に維持するように決定された酸および/または水の投入を受け入れることと、に好適である液調製装置を用いて液を調製する工程であって、
調製された液は第1の含浸区域に導入される、液を調製する工程と、を含む。
頭字語「TS」は、標準ASTM E1756−08(2015)「Standard Test Method for Determination of Total Solids in Biomass」に従って測定される全固形分を表す。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいて、含浸工程は単一の工程で行われる。
有利なことに、
− 含浸工程が、上下におよび同軸上に沿って垂直に位置付けられた2つの含浸区域で行われ、2つの区域では、第2の区域からの液が第1の含浸区域まで通過することができ、かつバイオマスを第2の区域において保持するように分離されており、第1の含浸区域の液体の面が、2つの区域間の分離を確実にし、
− バイオマスが、スクリューによって第1の含浸区域から第2の含浸区域に移送される。
第2の含浸区域では、液の一部分が、含浸バイオマスから分離され、好ましくは、含浸バイオマスの液の一部分は、第1の含浸区域に流し出される(流出によって分離される)。
酸液を投入することによって液面を実質的に一定に保つことが好ましい。一般に、酸液は硫酸溶液のみである。
好ましくは、酸液は0.1〜2のpHを有する。
酸液を調製する工程の一実施形態では、装置は、第2の移送区域から抽出された液、および任意により第1の含浸区域からの液を受け入れる。好ましい一実施形態では、酸液を調製する工程は、第1の含浸区域から液、および第2の移送区域から抽出された液を受け入れる。
一般に、液を調製する工程は、水蒸気爆発工程中またはその後に分離された液を受け入れることはない。
一般に、蒸解区域は水平管状反応器であり、バイオマスを移送区域の上流から膨張区域の下流に輸送するための1つ以上のスクリューを備えている。用語「水平」は、液体の流れを可能にするわずかな傾斜があることを意味すると理解される。
好ましくは、水蒸気爆発工程から生じるバイオマスの少なくとも一部分は、酵素加水分解に供され、糖汁が得られる。
好ましくは、糖汁の少なくとも一部分は、一般的にはエタノールを生産しながらアルコール発酵に供される。
本発明はまた、酵素加水分解の前にリグノセルロース系バイオマスを連続処理するためのユニットに関し、本ユニットは、
1)粉砕バイオマスを加圧しながら、含浸反応器の第1の含浸区域に移送させるための第1の移送区域であって、第1の含浸区域から第1の移送区域への液体の上向きの流れを防ぐバイオマスのプラグによって分離されている第1の移送区域と、
2)2つの重なり合った含浸区域を含み、第2の含浸区域が第1の含浸区域の上に配置されている含浸反応器であって、
− 第1の含浸区域には、
酸液を含み、かつ第1の移送区域から生じる加圧されたバイオマスのための入口開口部を備え、
− 反応器は、バイオマスを第1の移送区域の入口開口部から第2の含浸区域の出口開口部に移送するスクリューを備え、
− 第1の含浸区域の液体の上に配置されている第2の含浸区域には、液体を第2の含浸区域から第1の含浸区域に流すことができ、第2の含浸区域において湿潤バイオマスを保持するスクリーン(複数可)を備えている、含浸反応器と、
3)湿潤バイオマスを加圧しながら水蒸気爆発区域に移送させるための第2の移送区域であって、
− 第2の移送区域が、一方は含浸区域から、他方は水蒸気爆発区域から分離されたチャンバ内に位置付けられており、
− バイオマスの全固形分を40重量%以上まで増加させるために、第2の含浸区域および水蒸気爆発区域が、加圧されたバイオマスのプラグによって分離されており、プラグは、水蒸気爆発区域から第2の移送区域への液体の上向きの流れを防ぎ、
− 加圧中に湿潤バイオマスから分離された使用済み液を放出するためのラインを備える、第2の移送区域と、
4)水蒸気爆発区域であって、
− 第2の移送区域から生じる加圧されたバイオマスを運搬するためのラインと、水蒸気注入ラインと、を備えたバイオマス蒸解区域と、
− 蒸解区域から生じるバイオマスを膨張させるための膨張区域と、
− バイオマスから水蒸気を分離するための分離区域と、の連続した区域を通してバイオマスを移送させるためのスクリューを含む水蒸気爆発区域と、
5)酸調製区域であって、
− 第2の移送区域から排出された使用済み液を爆発まで運搬するためのラインおよび/または第1の含浸区域から放出された使用済み液を運搬するためのライン、
− 酸を運搬するラインおよび/または水を運搬するライン、
− 調製された酸液を第1の含浸区域に再循環させるためのライン、
− 撹拌システム、および任意により加熱手段を備える、酸液調製区域と、を備える。
本発明によるプロセスは、酵素加水分解の前にリグノセルロース系バイオマスを処理するための連続的プロセスである。
このプロセスは、多くの生化学的経路が酸素化分子(例えば、エタノール、ブタノールなどのアルコール)を得ることを可能にする第二世代の糖を生産することを目的とするプロセスに統合されている。
したがって、本出願は、酸含浸液の再循環および制御を伴い、水蒸気爆発による前処理が後に続く、酸含浸の統合プロセスに関する。
このプロセスは、2G糖(即ち、リグノセルロース系バイオマスから得られるもの)またはより広くバイオ系分子(即ち、天然基質の分子若しくは天然基質から誘導された分子)を生産するためのプロセスと適合する。
バイオマスおよび移送区域
バイオマス(藁、木材など)に応じて、技術的手段および工程の操作条件に適合する粒径を有するために粉砕工程が必要である。このためには、単純なチップ化で十分ではあり得るが、微粉砕を伴うか、または伴わない粉砕が必要とされる場合もある。
一般に、粉砕バイオマスは、最大300mmの粒径(最大サイズ)を有する。通常、藁の粉砕は5〜100mmのスクリーンで行われ、木材は長さ20〜160mm、幅10〜100mm、厚さ2〜20mmの平行六面体チップにチップ化される。
粉砕バイオマスは、第1の移送区域を通って含浸工程の第1の区域に運搬される。有利には、これらの区域は、第1の区域から移送区域へ、またはさらなる上流への液体の上向きの流れを防止するバイオマスのプラグによって分離されている。
本発明によれば、本文中に記載された加圧を伴う移送区域は、スクリューを備え、気密プラグの形成を可能にする円錐形の圧縮区域と、任意により穿孔区域を備えて、液の排出を可能にする。処理されたバイオマスが70%未満の初期TS含有量を有する場合、バイオマスから生じる汁は、圧縮の効果下で第1の移送区域において生産されてもよく、次いでこの汁は、第1の含浸区域に移送されるバイオマスとは別に収集されてもよい。
この目的のために慣用的に使用される1つの手段は、当業者に公知である密閉スクリューまたはプラグスクリューと呼ばれるスクリューである。
このスクリューは円錐形部分を有し、この円錐形部分は第1の含浸区域の底部に接続される。バイオマスのプラグは、この円錐形部分の端部であり、第1の含浸区域への入口の直前に作られる。
したがって、このスクリューは、次の二重の役割を果たす:1つは、バイオマスを連続的に含浸反応器に導入することであり、もう1つは、漏れ防止性を達成し、かつ含浸反応器からスクリューおよびスクリューの上流への液の漏出を防ぐためにプラグを形成すること、である。
含浸工程
含浸は、大気圧下で10〜95℃の温度で行われる。含浸工程におけるバイオマスの滞留時間は、通常1分〜60分、好ましくは少なくとも2分、好ましくは少なくとも5分、好ましくは最大で45分、通常2〜35分である。好ましくは、これは単一工程で行われる。
この工程は、垂直であるかまたは垂直に対して60°未満の角度で傾斜している管形状の含浸反応器(または含浸器)中で行われる。この反応器は、好ましくは同軸に配置された2つの重ね合わせた含浸区域を含む。底部区域は、第1の含浸区域と呼ばれ、開口部を通して、第1の移送区域から生じる加圧されたバイオマスを受け入れる。上に配置されている区域(頂部区域)は第2の含浸区域と呼ばれ、第1の含浸区域から生じるバイオマスを受け入れる。
反応器(含浸器)には、第1の含浸区域の底部を通り、バイオマスを第2の含浸区域の頂部を通って出口開口部に移送する1つ以上のスクリューが備えられている。
第1の含浸区域(よって含浸が行われる区域)は、含浸液によって満たされた空間に相当する。第2の含浸区域は、連続液相を含まない。第1の含浸区域と第2の含浸区域との間で一定の分布を維持することが特に有利である。これを行うために、反応器は検出システム(レベルセンサ)、好ましくは所望のレベルへの充填を確保し得るように液面を調節するためのシステムを備えている。
含浸液は、0.1〜7.0、好ましくは0.1〜6、またはさらに好ましくは0.1〜2のpH、および10〜95℃の温度を有する水溶液である。酸は一般に硫酸である。この種の液は当業者には周知であり、含浸のために慣用的に使用される酸はいずれも好適である。酸の量および液の温度は、一般に固定されている。温度を得て、その温度を維持するための手段は、当業者に公知である。
プラグの形成中に(移送スクリューにおいて)バイオマスを圧縮すること、および液が充填された第1の含浸区域の入口で減圧することの効果は、バイオマスをより良好に飽和させ得る(スポンジ効果)。バイオマスは、含浸されている第1の区域を通り、液面より上に配置されている第2の含浸区域に向かって移送される。
第2の含浸区域では、含浸液の一部分は、第2の含浸区域へ上昇する間に流し出されることによって含浸バイオマスから分離され、流し出された液は、第1の含浸区域に逆戻りする。
好ましくは、第2の含浸区域は、第2の含浸区域において湿潤バイオマスを保持するスクリーン(複数可)を備えており、したがってこのスクリーンにより、液体が第2の含浸区域から第1の含浸区域に流れることができるようになる。
含浸され、かつ流し出されたバイオマスは、第2の含浸区域および含浸反応器を離れると、回収され、遊離水をほとんどまたは全く含まない。その全固形分は、一般に15〜40重量%の間で変動する。
分離された液は、多くの場合、使用済み液と呼ばれ、第1の含浸区域の液体中に見出される。
含浸器は、液調製区域から生じる液を運搬するための1つ以上のラインと、液を放出するための1つ以上のラインとを備えている。液入口ラインおよび液出口ラインは、一般に、第1の含浸区域の底部と頂部との間で向かい合うように設置され、これによって並流または向流再循環で操作することが可能になる。
含浸液の調製
含浸により、液および酸度の損失がある。したがって、定期的に新鮮な酸液を追加する必要がある。
これらを追加することにより、含浸反応器内の液面を正確に調整することが可能になる。
液調製はまた、例えば温度、pHまたは任意の他の特性などの操作パラメータを調整することを可能にする工程でもある。適切な酸濃度は、酸および/または水の投入量に基づいて調節される。
これはまた、均質な液の生産を可能にする。
この工程は、液調製区域で行われる。
例えば、撹拌システムを備えた混合タンクまたはミキサー(好ましくはスタティックミキサー)などの種々の装置を使用することができる。
好ましくは、装置は、水、酸、使用済み液および調製液などについてのpHおよび流速を測定するためのセンサを備えている。
これらのセンサの全てにより、所望の条件下で安定している連続的な動作が行われるように流速と酸性度とを釣り合わせる制御を取り入れることが可能になる。
液調製装置および/または含浸器は、再循環ループ(後述)上に位置付けられた、例えば、ジャケット、コイルおよび/または交換器によって加熱を行うために、例えば装置(タンク、ミキサーなど)の隣にまたは直接装備されている。
液を調製するために使用される装置は、液を輸送する1つ以上のラインによって含浸器に接続されている。
このように、制御などのための設定値となり得る決められたpH(または他の任意の特性)を得ることを可能にする適切な濃度および適切な流速で液を調製することができる。当業者に公知である制御手段は、詳細には説明しない。
一般に、酸液調製区域には、
− 第2の移送区域から放出された使用済み液を水蒸気爆発区域まで運搬するライン、および/または第1の含浸区域から放出された使用済み液を運搬するためのラインと、
− 酸を運搬するラインおよび/または水を運搬するラインと、
− 調製された酸液を第1の含浸区域に再循環させるためのラインと、
− 撹拌システム、および任意により加熱手段と、が備えられている。
再循環ループの例を以下に示す。
ポンプアラウンド再循環ループと称される単一の再循環ループ
液再循環ループは、含浸工程の第1の区域の周りに有利に配置することができ、これは同じ区域での回収および再循環の問題であるため、一般にポンプアラウンドループと呼ばれる。
2つの再注入が可能である:並流(底部での注入および頂部での放出)または向流(頂部での注入および底部での放出)。このループにより、液のより良好な均質性および安定性、液とバイオマスとのより良好な接触を得ることができ、また第1の含浸区域の液面の調整も可能にする。
好ましくは、バイオマスの分離後に、液が第1の含浸区域の液面付近で放出される。この液は使用済み液の濃度が高い場所で放出されるため、液調製区域においてはその液の特性が新鮮な液の特性に対して調節される。
具体的には、使用済み液は、戻る前に、液調製工程を通過し、そこで酸および/または水が適当な割合でその液に加えられる。
この配置により、第1の含浸区域における液の均質性がかなり改善され、バイオマスと液との間の接触をより効果的にし、かつ第1の区域においてより高い温度を有することができるようになる。この場合の利点は、新鮮な液の特性と使用済み液の特性との間の差を低減することである。
例えば、調製工程に入る液の特性(pH、流速など)は、センサによって測定され、第1の含浸区域に再循環させる液体のpHなどの設定値(複数可)に達するために添加される水および/または酸の量は、制御系によって決定される。
以下の参照を使用して、図面の説明を行う:
単一ポンプアラウンド(並流)再循環1:粉砕バイオマス2:第1の移送区域/工程3a:含浸器、第1の区域3b:含浸器、第2の区域5:並流ポンプアラウンドの再循環のために含浸器から放出される液4:並流ポンプアラウンドの再循環のために含浸器へ注入される液6:液調製装置(タンク)7:液調製タンクへの水の補給8:液調製タンクへの酸の補給9:第2の移送区域/工程10:含浸プロセスの下流(水蒸気爆発による前処理) 含浸下流の加圧後の単一の再循環1:粉砕バイオマス2:第1の移送区域/工程3a:含浸器、第1の区域3b:含浸器、第2の区域4:並流ポンプアラウンドの再循環のために含浸器へ注入される液6:液調製タンク7:液調製タンクへ水を補給するためのライン8:液調製タンクへ酸を補給するためのライン9:第2の移送区域/工程10:含浸プロセスの下流(水蒸気爆発による前処理)11:第2の移送区域における含浸後に加圧(圧搾)することにより放出される液 二重ポンプアラウンド(並流)および圧搾再循環1:粉砕バイオマス2:第1の移送区域/工程3a:含浸器、第1の区域3b:含浸器、第2の区域4:並流ポンプアラウンドの再循環のために含浸器へ注入される液5:並流ポンプアラウンドの再循環のために含浸器から放出される液6:液調製タンク7:液調製タンクへの水の補給8:液調製タンクへ酸を補給するためのライン9:第2の移送区域/工程10:含浸プロセスの下流(水蒸気爆発による前処理)11:第2の移送区域における含浸後に加圧(圧搾)することにより放出される液図1は、このループの動作を例解している。
粉砕バイオマスはライン1を通ってプロセスに導入され、含浸器3、より具体的には含浸器の第1の含浸区域3aに移送される(第1の移送区域2)。この区域は、ライン4によって運搬され、液調製装置(工程)6から生じる液体を含む。この装置6は、ライン5を介して、含浸器の第2の含浸区域3bから生じる、バイオマスから分離された液を受け入れ、それぞれ水および酸を添加するためのライン7および8を備えている。液体の分離後に得られた湿潤バイオマスは、第2の移送区域9からプロセスの次の工程(通常は例えば区域10で行われる水蒸気爆発による前処理の工程)に移送される。
1つ以上の他の下流液体流を有する単一再循環ループ
含浸工程の後(または含浸器の後)、より具体的にはこの工程の第2の含浸区域の後に分離された他の液体流もまた、液調製工程(装置)を通過した後に含浸として再循環され得る。有利には、流れの特性は、流れを調製工程に導入する前に(流速、pHなどの)センサによって測定される。装置を制御することにより、適切な特性を有する液を調製するために正しい割合で水および/または酸を添加することが可能になる。好ましくは、流れは圧搾液(湿潤バイオマスを水蒸気爆発工程に移送させるための第2の移送区域から生成された液体)である。確かに、この流れは依然として回収可能な酸を含む使用済みの液である。
含浸の下流での液体の再循環操作は以下のとおりである(図2を参照)。図1に関して述べられた説明および参照はそれらが同一であるときには繰り返されない。
図2において、ライン11は圧搾液を液調製工程に運搬する。圧搾液は、(湿潤バイオマスを水蒸気爆発区域に移送させるための)第2の移送区域9から生じる。
しかし、図2のこの配置では、含浸器の第2の含浸区域においてバイオマスから分離された使用済み液は液調製工程には送られない。
この配置は、好ましくは、第1の区域に入る新鮮な液と圧搾液中(またはより一般的にはこの他の流れにおいて)のバイオマスから分離された使用済みの液との間にほとんど差がないときに使用される。
二重再循環ループと呼ばれる再循環ループ
前述の2つの再循環ループを組み合わせて、これらの組み合わせられた利点から恩恵を得る。
図3には、二重再循環操作を例解する。同一の先行する図の説明は繰り返さないものとする。
したがって、図1および図3において、含浸器の第1の含浸区域の使用済み液5は、液調製区域を通過することによってループが形成される。この再循環は、含浸器の第1の含浸区域におけるバイオマスの循環に対して並流または向流で起こり得る。
同様に、下流の液11(例えば第2の移送区域から生じる圧搾液である)は、調製区域に送られる。このように、液調製区域は2つ(またはそれ以上)の使用済み液を受け入れ、それらを混合することができる。
上記に引用したセンサは、含浸器の第1の区域にとって望ましいpHおよび流速を有する再循環液を得るために、添加する水および酸の適切な量を決定するために必要な情報を送る。
したがって、本発明によれば、液調製工程は種々の方法で実施することができる:
− 含浸器から液を回収する、および含浸器の第1の含浸区域へ液を再循環させる。
− 含浸の下流に存在する1つ以上の液体(圧搾液など)を回収し、含浸器の第1の含浸区域に再循環させる。この配置は、特に下流の液と新鮮な液との間に特性の差がほとんどない場合に有利である。
− 二重再循環させる。即ち含浸器からの液の回収および含浸器の第1の含浸区域への液の再循環、並びに含浸の下流に存在する1つ以上の液体の回収、および含浸器の第1の含浸区域への再循環。この配置が幅広く好ましい。
加圧しながら水蒸気爆発工程に移送させるための区域
含浸工程の第2の含浸区域から生成された湿潤バイオマスは、第2の移送区域を介して水蒸気爆発工程に連続的に移送される。
第2の移送区域は、含浸区域とは分離されており、含浸区域のうちの1つまたは他のチャンバ内には位置付けられていない。例えば、2つの区域(含浸および流出区域)を含む含浸器の場合、移送区域は含浸器の外側にある。
この第2の移送区域もまた、水蒸気爆発区域から分離されている。
バイオマスを含浸工程に運搬する第1の移送区域と同様の方法で、第2の含浸区域と水蒸気爆発工程が行われる反応器とは、バイオマスのプラグによって分離されている。このプラグは、水蒸気爆発区域の第1区域から移送区域への、またはさらなる上流への液体の上向きの流れを防ぐ。
この気密性は、含浸工程の第2の含浸区域と水蒸気爆発工程の第1の区域との間の第2の移送区域において確保される。
この目的のために慣用的に使用される1つの手段は、当業者に公知であるプラグスクリューと呼ばれるスクリューである。スクリューの円錐形部分は、本明細書では第1の水蒸気爆発区域に接続されている。非円錐形部分は、第2の含浸区域に接続されている。
バイオマスのプラグの形成により、水蒸気爆発反応器の圧力に対する気密性が確保され、それにより危険な水蒸気の逸出を防ぐ。
第2の移送区域では、バイオマスのTS含有量を増加させるように湿潤バイオマスの加圧が行われる。達成されるバイオマスの全固形分は、一般に少なくとも40重量%、好ましくは40重量%を超え、さらにより好ましくは40重量%〜70重量%である。
第2の移送区域には、加圧中に湿潤バイオマスから分離された使用済み液(圧搾液と呼ばれる)を放出するためのラインも備えられている。
使用済み液は、上述したように、有利にも、含浸工程に再循環される。
流し出されたバイオマスは、サイズを縮小することを目的とする加水分解の前に、機械的処理を受けないことに留意すべきである。
水蒸気爆発区域で行われる水蒸気爆発工程
本工程では、概して、以下を用いる:
− バイオマスがバイオマス全固形分1トンあたり0.05〜10トンの比水蒸気消費量で1〜30分間水蒸気と接触するようにさせる蒸解区域であって、温度150〜250℃、圧力0.5〜4MPaである蒸解区域、
− 次いで、蒸解区域から生じるバイオマスを膨張させるための膨張区域、
− バイオマスから水蒸気を分離するための分離区域。
回収された水蒸気は、有利にも、圧縮後に水蒸気爆発工程に再循環させるか、若しくは任意により現場のユーティリティに再循環させる。
好ましくは、この工程は水平である(即ち、液体の流れについては、非常にわずかに傾斜していてもよい)管状反応器内で行われる。
バイオマス蒸解区域は、第2の移送区域から生じる加圧されたバイオマスを運搬するためのラインおよび水蒸気注入ラインを備えている。蒸解は、高温かつ加圧下で行われる。この加圧は、0.5〜4MPaの圧力を達成するように、水蒸気の注入によって行われる。蒸解温度は、通常150〜250℃である。好ましくは、蒸解時間が1〜30分に制限されるように条件が調節される。
この工程では、連続区域を通ってバイオマスを移送させるためのスクリューを備えた反応器を使用する。スクリューは、確実にバイオマスの連続輸送を行い、スクリューの速度は、滞留時間条件を満たすように調節される。
バイオマスは、スクリューの端部(反応器の端部)で、蒸解区域と比べて縮小された直径を有するブローラインと呼ばれるラインにおける膨張区域に、水蒸気によって非常に急速に巻き込まれる。
膨張区域は、バイオマスが循環して断面制限部材を通過し、制限を取り除いた後に急激な膨張を受け入れるラインを含む。
ブローラインは断面積制限部材を有し、これはオリフィスまたは調節可能な開口部を有する弁(例えばダイヤフラム弁)であってもよく、これにより小さい流れ面積が可能になる。この制限では、バイオマスは非常に速い輸送速度で到着し、急速に、大きい圧力変動を受け、制限が取り除かれた後に急激な膨張を受け入れることで、蒸解されたバイオマスを破壊する。このために、水蒸気爆発と呼ばれる。
こうした制限により、水蒸気流速、したがって比水蒸気消費量(水蒸気流速/乾燥バイオマス流速)が設定される。一般に、この比水蒸気消費量は、全固形物1トンあたり0.05〜10トンである。
一旦膨張区域を通過すると、バイオマスは、制限よりも大きい直径を有する(または制限の上流でその直径に戻る)ブローラインの残りの部分を通って水蒸気によって巻き込まれ、バイオマスを、例えばサイクロンを介して、水蒸気を分離するための区域に運搬する。
分離区域から生じる爆発させたバイオマスは、2G糖を生産するために酵素加水分解によって処理されるため、セルロースが酵素に十分に接近しやすいようになっている。
酵素加水分解および連続的または自発的発酵の条件は、所望の生成物にとって好適であり、かつこれらの条件は、当業者に公知である。
本発明によるこのプロセスは、リグノセルロース系バイオマスから糖を調製するためのプロセスおよび糖汁からエタノールを生産するためのプロセスにおいて、特に有利な用途を見出す。
このようなプロセスは、公知である。リグノセルロース系バイオマスから糖を調製するためのプロセスは、有利には水蒸気爆発である前処理と、それに続く酵素加水分解とを含む。糖からエタノールを生産するためのプロセスは、糖のアルコール発酵をさらに含む。
本発明のプロセスでは、水蒸気爆発工程から生じるバイオマスの少なくとも一部分は、酵素加水分解に供され、糖汁が得られる。好ましくは、バイオマスは、中間の機械的工程なく、酵素加水分解反応器に導入される。
本発明によるプロセスでは、水蒸気爆発工程から得られるバイオマスの少なくとも一部分を酵素加水分解に供し、糖汁を得て、糖汁の少なくとも一部分をアルコール発酵に供する。
実施例
下記の実施例において、頭字語「TS」は、標準ASTM E1756−08(2015)「Standard Test Method for Determination of Total Solids in Biomass」に従って測定される全固形分を表す。
(比較例)
この実施例1では、処理されるバイオマスは、50mmスクリーン上で予め粉砕された藁である。粉砕された藁は、TSが90.2%であり、グルコース含有量がTS100gあたり39.9gと推定され、キシロース含有量がTS100gあたり26.6gと推定される。
藁は、本発明によらないプロセスに従って処理される。
第1の工程では、粉砕された藁をタンク内で4時間かけて70℃に予熱した酸液と接触させる。接触操作(液の含浸)は次の様式でバッチ式で行われる:1mの容量を有するタンクに62.1kgの粉砕された藁(即ちTS56kg)を充填し、次いでスクリーンを粉砕された藁の上に位置付け、各々2kgの4つのおもりで秤量した。次いで、4.72kgのHSO酸および水の残部を含有する685kgの酸液をタンクに導入する。4時間接触させた後、タンクは重力による流し出しにより空にする。抽出された液の平均量は、469kgである。次いで、流し出されたバイオマスを緩衝ホッパーに移送し、次いでコンベアベルト上に注ぎ、最後に203.2kg/hの平均流速で蒸解器具に連続的に移送させるために円錐スクリューコンベアに導入する。供給速度を維持するために、82分毎にタンクを調製する。円錐スクリューコンベア内を通過する間に、バイオマスのプラグが形成され、蒸解用反応器が190℃に維持された状態で、気密性が確保される。液体は、円錐形スクリューコンベア内におけるバイオマスの圧縮中に、平均133.6kg/hの速度でバイオマスから抽出される。蒸解反応器は、平均流速384.7kg/hで水蒸気を添加することにより190℃に維持される。反応器を出ると、バイオマスは急速に減圧され、大気圧でタンクに収集される。蒸解反応器と収集タンクとの間での移送中に、前処理された基質はサイクロン内で気相から分離される。このようにして前処理されたバイオマスの収集流速は85.5kg/hである。そのTSは、40.7%と測定される。サイクロンの頂部で分離された蒸気は凝縮され、凝縮物は平均流速368.8kg/hで収集される。
前処理されたバイオマスは、TS100gあたり20.2gの潜在的キシロース含有量を有し、そのうちのTS100gあたり17.5gは、キシロースモノマーおよび可溶性オリゴマーの形態である。
したがって、キシロースのバランスは、最初に存在するキシロースの91.3%の転化率を示す。
本発明によらない実施例1のプロセスは、(処理されたTS1kgに対して)以下の特定の消費量を必要とする。
− 水:処理されたTS1kgあたり水12.14kg
− 硫酸:処理されたTS1kgあたり84.3g
− 水蒸気:処理されたTS1kgあたり9.4kg
さらに、実施例1のプロセスは、考慮すべき設備要件を有する:接触のための最小容積2.2m。接触タンクを満たすために圧送される容積は、約0.5m/hである。
(本発明による)
実施例2では、処理されたバイオマスは、実施例1のものと同一の藁である。粉砕バイオマスは、圧縮される第1の移送区域を介して含浸器具に45.4kg/hの平均流速で導入される。圧縮されたバイオマスを、106m/hの等価線速度でバイオマスを垂直方向に運搬することができる2本の平行スクリューを備えた、2mの作業高さを有する含浸器具に導入する。含浸器具の全作動容積は78リットルであり、第1の含浸区域(水浸区域と呼ばれる)の容積は45リットルである。液面より5cm下において、412kg/hの酸液が添加され、この酸液は液を調製するための区域から生じる。注入された酸液の温度は80℃である。したがって、第1の含浸区域では、バイオマスは酸液と接触するようになる。第1の含浸区域の平均温度は、73.5℃である。
含浸器具の底部で、232.1kg/hの流速で液体が放出される(使用済み液)。本発明によれば、この液体は液調製区域に送り戻される。含浸バイオマスは、225.3kg/hの流速で含浸反応器の頂部から出る。
酸液を調製するための区域には、3つの流れ、含浸器具から放出された使用済み液(速度232.1kg/h)、流速2.52kg/hでの硫酸(100重量%相当として表される)、および流速177.4kg/hでの水が運搬されている。これらの入ってくる流れを560リットルの単位容積を有する撹拌タンク中で混合し、調製された液を(速度412kg/hで)放出し、80℃の温度まで加熱するために熱交換器に送り、次いで上記のように含浸器具に注入する。
酸液を含浸させた藁は次にベルト上で運搬され、次に円錐形スクリューの移送区域を通って蒸解器具に移送される。この移送中、液体(使用済み液)は流速127.8kg/hで流れる。
蒸解反応器には、水蒸気が347kg/hの流速で注入される。こうした水蒸気を注入することにより、反応器の温度を190℃に維持することが可能になる。反応器を出ると、バイオマスは急速に減圧され、大気圧でタンクに収集される。蒸解反応器と収集タンクとの間での移送中に、前処理された基質はサイクロン内で気相から分離される。このようにして前処理された基質の収集流速は、92.8kg/hである。そのTSは、38.5%と測定される。サイクロンの頂部で分離された蒸気は、351.8kg/hの凝縮物流速で、凝縮物を生成するように凝縮される。
前処理された基質は、TS100gあたり19.8gの潜在的キシロース含有量を有し、そのうちTS100gあたり17.3gは、キシロースモノマーおよび可溶性オリゴマーの形態である。したがって、キシロースのバランスは、最初に存在するキシロースの91.7%の転化率を示す。
本発明による実施例2のプロセスは、(処理されたTS1kgに対して)以下の特定の消費量を必要とする。
− 水:処理されたTS1kgあたり水4.34kg
− 硫酸:処理されたTS1kgあたり61.5g
− 水蒸気:処理されたTS1kgあたり8.5kg
したがって、実施例2の本発明によるプロセスは、前処理工程において、実施例1と同じ程度のキシロースの転化を達成することができ、かつ水および酸の消費の大幅な低減、それぞれ、水の消費において64%の低減および酸の消費において27%の低減を確実に行う。
さらに、実施例2のプロセスでは、設備要件を減少させ、液調製タンクおよび含浸器具など、酸液の含浸のための最小容量を1m未満とした。含浸の周囲での液の圧送および放出のために圧送される容積は、約0.6m/hである。
(本発明による)
実施例3では、長さ50mm、厚さ10mmの平均サイズを有し、その初期TS含有量が55.7%であるチップの形態のポプラ材をバイオマスとして使用する。その処理の前には、バイオマスは周囲温度、即ち約20℃である。
バイオマスは、第1の移送区域を通って、平均流速140.2kg/hで、実施例2と同じ含浸器具に導入される。圧縮されたバイオマスを、106m/hの等価線速度でバイオマスを垂直方向に運搬することができる2本の平行スクリューを備えた、2mの作業高さを有する含浸器具に導入する。含浸器具の底部に、163.9kg/hの酸液が添加され、この酸液が調製区域から生じる。注入された酸液の温度は80℃である。したがって、第1の含浸区域では、バイオマスは酸液と接触するようになる。第1の含浸区域の平均温度は55.9℃である。含浸器具を離れると、含浸バイオマスは流速304kg/hで抽出される。そのTSは、規格ASTM E1756に従って、TS27.1%と測定される。
含浸バイオマスは、次にベルト上で運搬され、次に円錐形スクリュー内の移送区域を通って蒸解器具に移送される。この移送中、液体(使用済み酸液)は、流速161.7kg/hで流れる。本発明によれば、圧搾液と呼ばれるこの液体は収集され、酸液調製区域に圧送される。蒸解反応器では、水蒸気は、流速416.9kg/hで注入される。こうして水蒸気を注入することにより、反応器の温度および圧力をそれぞれ200℃および1.49MPaで維持することが可能になる。蒸解反応器を出ると、バイオマスは急速に減圧され、大気圧でタンクに収集される。蒸解反応器と収集タンクとの間での移送中に、前処理された基質はサイクロン内で気相から分離される。このようにして前処理された基質の収集流速は、145.9kg/hである。そのTSは、49.9%と測定される。サイクロンの頂部で分離された蒸気は、約413.3kg/hの流速で、凝縮物を生成するために凝縮される。
蒸解反応器に移送させるために第2の移送区域から抽出された圧搾液は、液調製区域に送られる。この区域は、混合タンクおよび熱交換器で構成されている。混合タンクは、水を補給するためのライン、濃HSO酸溶液を補給するためのライン、および再循環された圧搾液を運搬するラインによって供給され、かつ調製された液を放出するためのラインを有する。熱交換器は、混合タンクから含浸器へ向かう調製液ライン上に配置され、このためにタンクを出る液体を再加熱することができ、かつ混合タンクの温度および投入量とは関係なく、含浸器具に導入される液の温度を制御することができる。使用された配置において、水およびHSO(100%)の補給は、それぞれ1.2kg/hおよび1kg/hである。酸液について、交換器の出口温度は、80℃である。したがって、本発明によるプロセスを実施することで、酸および水の消費を最小限に抑えて木材を処理することができる。酸の比消費は、入ってくるTSあたり12.8g/kgであり、水の比消費はTS1kgあたり15.4gである。
(本発明による)
実施例4では、実施例3と同じポプラ材を処理する。このようにして、本プロセスでは、長さ50mm、厚さ10mmの平均サイズを有するチップの形態でポプラ材の公称流速140.2kg/hを処理し、その初期TS含有量は55.7%であり、処理前には20℃の温度で貯蔵された。バイオマスは、第1の移送区域を通って実施例2と同じ含浸器具に導入される。圧縮されたバイオマスを、106m/hの等価線速度でバイオマスを垂直方向に運搬することができる2本の平行スクリューを備えた、2mの作業高さを有する含浸器具に導入する。含浸器具の底部に、570kg/hの酸液が添加され、この酸液が液調製区域から生じる。注入された酸液の温度は80℃である。したがって、含浸器具では、移送されたバイオマスは酸液と接触するようになる。液面より15cm下において、使用済みの液が流速407kg/hで放出される。この使用済み液は、本発明に従って液調製区域に送られる。
第1の含浸区域での平均温度は70.1℃である。含浸器具を離れると、含浸バイオマスは流速303.1kg/hで抽出される。そのTSは、規格ASTM E1756に従って、27.2%と測定される。
含浸バイオマスは、次にベルト上で運搬され、次に円錐形スクリュー内の移送区域を通って蒸解器具に移送される。この移送中、液体(使用済み液)は流速161.7kg/hで流れる。圧搾液と呼ばれるこの液体は収集され、酸液調製区域に圧送される。蒸解反応器には、水蒸気は、流速414.2kg/hで注入される。こうして水蒸気を注入することにより、反応器の温度および圧力をそれぞれ200℃および1.49MPaで維持することが可能になる。反応器を出ると、バイオマスは急速に減圧され、大気圧でタンクに収集される。蒸解反応器と収集タンクとの間での移送中に、前処理されたバイオマスはサイクロン内で気相から分離される。前処理されたバイオマスの収集流速は、142.5kg/hである。そのTSは、51.1%と測定される。サイクロンの頂部で分離された蒸気は凝縮されて、流速413.1kg/hを有する凝縮物となる。
本発明によれば、蒸解反応器に移送するために第2の移送区域から抽出された圧搾液は、液調製区域に送られる。この区域は、混合タンクおよび熱交換器で構成されている。混合タンクには、水を補給するためのライン、濃HSO酸溶液を補給するためのライン、再循環された圧搾液を運搬するライン、および第1の含浸区域から放出された液を運搬するラインが供給されている。このタンクはまた、調製された液を放出するためのラインを有する。混合タンクの内容物は、1100kgに維持されている。熱交換器は、混合タンクから含浸器へ向かう調製液ライン上に配置され、このためにタンクを出る液体を再加熱することができ、かつ混合タンクの温度および投入量とは関係なく、含浸器具に導入される液の温度を制御することができる。使用された配置において、水およびHSOの補給は、それぞれ1.2kg/hおよび1kg/hである。酸液について、交換器の出口温度は、80℃である。
したがって、第1の含浸区域での使用済み液の放出および液調製タンクへの使用済み液の再循環を伴う圧搾液の放出の設定により、第1の含浸区域での温度を14.2℃上昇させることができ、かつ温度を80℃(即ち液の沸点未満)で調製した液を加熱しながら、その温度を維持する。

Claims (14)

  1. 酵素加水分解の前に行われる、糖汁生産のためのリグノセルロース系バイオマスを処理するための連続プロセスであって、
    1)粉砕バイオマスを含浸工程の第1の含浸区域に移送するための第1の移送区域であって、前記第1の含浸区域から前記第1の移送区域への液体の上向きの流れを防ぐバイオマスのプラグによって分離されている、第1の移送区域と、
    2)10〜95℃の温度で操作される2つの重なり合った含浸区域において行われる大気圧下での含浸工程であって、前記工程における前記バイオマスの滞留時間は1分〜60分であり、
    − 前記第1の含浸区域では、前記第1の移送区域から生じる前記加圧されたバイオマスを受け入れ、かつ0.1〜7のpHを有する含浸液を含み、
    かつ
    − 前記バイオマスが、前記第1の含浸区域の上に配置されている第2の含浸区域に移送され、15重量%〜40重量%の全固形分を有する生成された湿潤バイオマスおよび分離液が生産されるように前記含浸バイオマスが流し出される、含浸工程と、
    3)前記湿潤バイオマスを水蒸気爆発工程に移送するための第2の移送区域であって、
    − 前記第2の移送区域が、一方は、前記含浸工程の前記含浸区域、他方は、前記水蒸気爆発工程の前記区域から分離されたチャンバ内に位置付けられており、
    − 前記第2の含浸区域および前記水蒸気爆発工程の反応器がバイオマスのプラグによって気密様式で分離されており、
    − 前記湿潤バイオマスを加圧して、前記バイオマスの前記全固形分を40重量%以上まで増加させ、かつ生成された液を生産するようにする、第2の移送区域と、
    4)水蒸気爆発工程であって、
    − 前記区域に入るバイオマス全固形分1トンあたり0.05〜10トンの比水蒸気消費量を有する水蒸気を注入することによって1〜30分間前記バイオマスを蒸解するための蒸解区域であって、150〜250℃の温度であり、0.5〜4MPaの圧力である蒸解区域と、
    − 次いで、前記蒸解区域から生じる前記バイオマスを膨張させるための膨張区域と、
    − 前記バイオマスから前記水蒸気を分離するための分離区域と、を含む、水蒸気爆発工程と、
    5)
    − 前記第2の移送区域および/または前記第1の含浸区域から抽出された液を受け入れることと、
    − 前記第1の含浸区域の入口の前記pHを0.1〜7の値に維持するように決定された酸および/または水の投入を受け入れることと、に好適である調製装置を用いて前記液を調製する工程であって、
    前記調製された液は前記第1の含浸区域に導入される、液を調製する工程と、を含む、プロセス。
  2. 前記含浸工程が単一の工程で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  3. 請求項1または2に記載のプロセスであって、
    − 前記含浸工程が、上下におよび同軸上に沿って垂直に位置付けられた2つの含浸区域で行われ、前記2つの区域は、前記第2の区域からの前記液が前記第1の含浸区域まで通過することができ、かつ前記バイオマスを前記第2の区域において保持するように分離されており、前記第1の含浸区域の前記液体の前記面が、前記2つの区域間の前記分離を確実にする、含浸工程と、
    − 前記バイオマスが、スクリューによって前記第1の含浸区域から前記第2の含浸区域に移送される、プロセス。
  4. 前記液面が酸液の投入によって実質的に一定に保たれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 前記酸液が硫酸溶液のみである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. 前記酸液が0.1〜2のpHを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 前記酸液を調製する工程が、前記第2の移送区域から抽出された液および任意により前記第1の含浸区域からの液を受け入れる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 前記酸液を調製する工程が、前記第1の含浸区域からの液および任意により前記第2の移送区域から抽出された液を受け入れる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 前記湿潤バイオマスを移送させるための前記第2の移送区域において、加圧後の前記バイオマスの前記全固形分が40〜70重量%、好ましくは40重量%を超える、請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 前記蒸解区域は水平管状反応器であり、前記バイオマスを前記第2の移送区域の上流から前記膨張区域の下流に輸送する1つ以上のスクリューを備えている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 前記粉砕バイオマスが最大300mmのサイズを有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記水蒸気爆発工程から生じる前記バイオマスの少なくとも一部分は、酵素加水分解に供され、糖汁が得られる、請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
  13. 前記糖汁の少なくとも一部分は、アルコール発酵に供される、請求項12に記載のプロセス。
  14. 酵素加水分解の前にリグノセルロース系バイオマスを連続処理するためのユニットであって、
    1)粉砕バイオマスを、含浸反応器の第1の含浸区域に加圧しながら移送するための第1の移送区域であって、前記第1の含浸区域から前記第1の移送区域への液体の上向きの流れを防ぐバイオマスのプラグによって分離されている、第1の移送区域と、
    2)2つの重なり合った含浸区域を含み、第2の含浸区域が前記第1の含浸区域の上に配置されている含浸反応器であって、
    − 前記第1の含浸区域は、酸液を含み、かつ前記第1の移送区域から生じる前記加圧されたバイオマスのための入口開口部を備え、
    − 前記反応器は、前記バイオマスを前記第1の移送区域の前記入口開口部から前記第2の含浸区域の出口開口部に移送するスクリューを備え、
    − 前記第1の含浸区域の前記液体の上に配置されている前記第2の含浸区域には、前記液体を前記第2の含浸区域から前記第1の含浸区域に流すことができ、前記第2の区域において前記湿潤バイオマスを保持するスクリーン(複数可)を備える、含浸反応器と、
    3)前記湿潤バイオマスを加圧しながら水蒸気爆発区域に移送させるための第2の移送区域であって、
    − 前記第2の移送区域が、一方は前記含浸区域から、他方は前記水蒸気爆発区域から分離されたチャンバ内に位置付けられており、
    − 前記バイオマスの前記全固形分を40重量%以上まで増加させるために、前記第2の含浸区域および前記水蒸気爆発区域が、加圧されたバイオマスのプラグによって分離されており、前記プラグは、前記第1の区域から前記第2の移送区域への液体の上向きの流れを防ぎ、
    − 前記加圧中に前記湿潤バイオマスから分離された前記使用済み液を放出するためのラインを備える、第2の移送区域と、
    4)前記水蒸気爆発区域であって、
    − 前記第2の移送区域から生じる前記加圧されたバイオマスを運搬するためのラインと、水蒸気注入ラインと、を備えたバイオマス蒸解区域と、
    − 前記蒸解区域から生じる前記バイオマスを膨張させるための膨張区域と、
    − 前記バイオマスから前記水蒸気を分離するための分離区域と、の連続した区域を通して前記バイオマスを移送するためのスクリューを含む前記水蒸気爆発区域と、
    5)酸調製区域であって、
    − 前記第2の移送区域から放出された前記使用済み液を前記爆発まで運搬するライン、および/または前記第1の含浸区域から放出された前記使用済み液を運搬するためのライン、
    − 前記酸を運搬するラインおよび/または前記水を運搬するライン、
    − 前記調製された酸液を前記第1の含浸区域に再循環させるためのライン、
    − 撹拌システム、および任意により加熱手段、を備える、酸調製区域と、を備える、ユニット。
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