JP2019520553A - 子宮頸部細胞を含む膣分泌物などの検体採取器具 - Google Patents

子宮頸部細胞を含む膣分泌物などの検体採取器具 Download PDF

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Abstract

本発明の検体採取器具は検体採取パッド及び細胞保存容器からなり、検体採取パッドのフィルタ部は膣分泌物に含まれた細胞、ウイルス、DNAなどがよく吸収されて吸着されるだけでなく、フィルタ部が分離されて保存液に漬けられた以後には、フィルタ部に吸着されていた細胞、ウイルス、DNAなどが保存液によく脱落できる材質及び構造を有しなければならない。このために、本発明のフィルタ部は少なくとも1つの吸着層を含んでなり、このような吸着層は疏水性材質の小さい纎度(fineness)を有し、レジリエンス(resilience)の大きい材質からなることが好ましい。

Description

本発明は女性疾患、特に子宮頸部疾患検診のために子宮頸部細胞を含む膣分泌物などを自家採取して検診機関に送ることができるようにする検体採取器具に関するものである。
子宮は体部(corpus)と頸部(cervix)とから構成されるが、膣に連結された子宮頸部に発生する悪性腫瘍を子宮頸癌という。子宮頸癌は全世界的に女性に発病する癌のうち、2番目にありふれた癌であり、子宮頸癌の約80%はアジア、南米、アフリカなどの開発途上国で発生すると知られている。
女性の最もありふれた癌である子宮頸癌は発病機転が比較的よく知られた腫瘍であって、性病の一種であるヒトパピローマウイルスにより発生する。性交時、女性生殖器の上皮細胞がヒトパピローマウイルスにより感染されれば、ヒトパピローマウイルスのDNAが細胞核内のDNAに侵入して増殖しながら上皮細胞癌を起こす。ヒトパピローマウイルスの感染有無を検査する方法には、子宮頸部細胞診塗抹法など、さまざまな方法があるが、現在、重合酵素連鎖反応(PCR、Polymerase chain reaction)検査方法を用いてヒトパピローマウイルス感染有無を検査することが子宮頸癌の早期診断用選別検査法のうち、最も敏感で、正確な方法として認められている。重合酵素連鎖反応検査方法は非常に敏感な検査方法であって、ただ1つの細胞だけでも正確に子宮頸癌有無を検査することができる。しかしながら、この検査のためには女性の子宮頸部細胞を含む膣分泌物が採取されなければならない。このために、女性は病院を訪問しなければならず、また、医師が直接女性の生殖器から子宮頸部細胞を採取しなければならないが、この過程で女性は病院を訪問しなければならないので、時間的、経済的な負担を有するようになり、また医師に自身の生殖器をさらけ出さなければならないので、羞恥心を感じるようになる。
また、従来の子宮頸部細胞採取器具は細胞を採取する部分の端部がとがっていて、熟練した医師が子宮頸部細胞を採取しても膣壁や子宮頸部には傷が生じることがあり、これによる細菌感染が引起こされることがある。
このような問題点を解決するために、出願人は子宮頸部細胞を含む膣分泌物自家採取パッドを開発した(韓国特許10−524665号及びPCT/KR2014/009286)。このような自家採取パッドは、女性が下着に付けて一定期間着用した後、膣分泌物が吸収されたフィルタ部を分離して保存液が詰められたキットに入れて、検査機関(病院など)に送るようになり、検査機関では細胞が脱落している保存液を遠心分離した後、PCR方法を用いてHPVウイルスやSTDウイルスなどを検出して感染有無を判別するようになる。
より信頼性ある検査結果を保証するためには、自家採取パッドのフィルタ部は膣分泌物に含まれた細胞、ウイルス、DNAなどがよく吸収されて吸着されていなければならないだけでなく、フィルタ部が分離されて保存液に盛られた以後には、フィルタ部に吸着されていた細胞、ウイルス、DNAなどが保存液によく脱落されていなければならない。
したがって、このような機能を全て満たすフィルタ部の開発が求められる。
本発明は、前記のような要求を解決するために案出したものであって、本発明の目的は、膣分泌物に含まれた細胞、ウイルス、DNAなどがよく吸収されて吸着されるだけでなく、フィルタ部が分離されて保存液に盛られた以後には、フィルタ部に吸着されていた細胞、ウイルス、DNAなどが保存液によく脱落できるフィルタ部を有する検体採取器具を提供することにある。
また、本発明の更に他の目的は、フィルタ部の切取及び分離構造を改善することによって、ユーザのフィルタ部分離動作が簡単になされるようにすることは勿論、検体採取パッドの生産性を高めて、生産コストを低めることができる検体採取器具を提供することにある。
前述した課題を解決するために、本発明に係る検体採取器具は、子宮頸部細胞を含む膣分泌物を捕集するフィルタ部;及び前記フィルタ部を通過した膣分泌物を吸収する吸収部を含み、前記フィルタ部は分離されて細胞保存液に盛られる検体採取器具であって、
前記フィルタ部は以下の数式のy値より小さい値の纎度とx値より大きい値の圧縮弾性回復率を有する材質からなる少なくとも1つの吸着層を含んでなり、
yは吸着層を構成する繊維の纎度であり、単位はデニール(denier)であり、xは吸着層の圧縮弾性回復率であり、単位はパーセンテージ(%)である。
前記吸着層は、前記纎度が5.1denier以下では疏水性材質であることが好ましく、標準水分率5%以下の疏水性材質であることがより好ましい。
また、前記吸着層は前記纎度が5.1denierを超過する場合には圧縮弾性回復率が50%以上であることが好ましい。
前記吸着層は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアクリル繊維からなるか、これらの混合繊維からなることが好ましい。
また、前記フィルタ部は前記吸着層の上部に親水性材質からなる透水層を備えることが好ましく、前記透水層は、レーヨン、コットン、粉砕木材パルプ、羊毛、絹、セルロース繊維からなることができ、0.1mm〜1mmサイズの孔隙が構成されることが好ましい。
また、前記フィルタ部は前記吸着層の下部に前記吸着層に比べて高強度高弾性を有する材質からなる支持層を備えることが好ましく、前記支持層はメッシュ構造からなることがより好ましい。
また、本発明の前記検体採取器具は前記フィルタ部が分離されて入れられる細胞保存容器がさらに含まれて、前記細胞保存容器は極性溶液からなる細胞保存液が入っている。
前記細胞保存液は、アルコール性溶液、またはアルコール性溶液と重合酵素連鎖反応検査結果を最適化することができる溶液を混合した溶液が好ましい。アルコール性溶液には、エタノール、メタノールなどがあり、重合酵素連鎖反応検査結果を最適化することができる溶液には、PBS緩衝溶液、パラホルムアルデヒドなどがある。
また、前記検体採取器具は前記フィルタ部が前記吸収部の表層からなり、切開線が備えられて、前記吸収部から分離できるものでありうる。
本発明によれば、検体採取パッドのフィルタ部に膣分泌物に含まれた細胞、ウイルス、DNAなどがよく吸収されて吸着されるだけでなく、フィルタ部が分離されて保存液に盛られた以後には、フィルタ部に吸着されていた細胞、ウイルス、DNAなどが保存液によく脱落されて、より信頼性ある子宮頸部疾患検査が可能になる効果がある。
また、フィルタ部の切取及び分離構造を改善することによって、ユーザのフィルタ部分離動作が簡単になされるようにすることは勿論、検体採取パッドの生産性を高めて、生産コストを低めることができる効果もある。
本発明の一実施例に係る検体採取器具に関する図である。 本発明の一実施例に係る検体採取器具に関する図である。 本発明の一実施例に係る検体採取器具に関する図である。 本発明の一実施例に係る検体採取器具に関する図である。 本発明の一実施例に係る検体採取器具に関する図である。 本発明の一実施例に係る検体採取パッドのフィルタ部の条件を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施例に係る子宮頸部細胞を含む膣分泌物などの検体採取器具を説明する。
図1から図5は、本発明の一実施例に係る検体採取器具に対する図である。本発明の検体採取器具は、ユーザが生理用ナプキンのように着用して子宮頸部細胞を含む膣分泌物などを自家採取する検体採取パッド10と、着用後に検体採取パッドからフィルタ部11を分離して細胞保存液52に漬けて検査機関に送られる細胞保存容器50からなる。
図1から図3を参照すると、子宮頸部細胞Cは自然的に子宮頸部から脱落するが、脱落した子宮頸部細胞Cは膣分泌物Sに混ざって膣の外に排出される。排出された子宮頸部細胞Cと膣分泌物Sが先にフィルタ部11に到達すると、微細な粒子からなる液状の膣分泌物はフィルタ部11を通過して吸収部12に吸収され、フィルタ部11の格子サイズより大きいサイズの子宮頸部細胞Cはフィルタ部11を通過できなくてフィルタ部11に残るようになる。即ち、膣分泌物の粒子サイズと子宮頸部細胞のサイズとの差により子宮頸部細胞がフィルタ部上に採取されるものである。
その後、採取された子宮頸部細胞を含む膣分泌物の保存のためにフィルタ部11は吸収部12から分離され、細胞保存液52が入っている細胞保存容器50の中に入れられる。
図1及び図2に示すように、本発明に係る検体採取パッド10は、膣分泌物は通過することができ、子宮頸部細胞は通過できないサイズの格子に形成されたフィルタ部11と、前記フィルタ部11の下部に設けられ、フィルタ部11を通過した膣分泌物を吸収する吸収部12を含んで構成できる。そして、追加的に、このようなフィルタ部11及び吸収部12を上部に支持し、不透水性からなって、吸収された膣分泌物が外部に漏水されないようにするシート部(図示せず)がさらに含まれることができる。
そして、前記検体採取パッドから分離されたフィルタ部11を入れて保管できるように細胞保存液52が入っている細胞保存容器50を含むことによって、子宮頸部疾患検診のための検体採取器具がなされるようになる。
フィルタ部11を通過した膣分泌物を吸収する吸収部12は、フィルタ部11を通過した膣分泌物を吸収しなければならないので、吸収性の高い材質で製造されることが好ましい。例えば、綿、パルプ、または綿とパルプとが混合された材質などが可能であり、特に吸収された膣分泌物をその内部に吸収貯蔵していなければならないので、吸収貯蔵空間が良好な素材である不織布(Air-laid)とパルプ素材からなることができる。また、吸収部12の形状は、膣分泌物の量が生理血の量に比べて少ないことを勘案した時、一般的に商用化された女性用パッドより薄い厚さのパッド形状であることが好ましい。
ここで、検体採取パッド10はフィルタ部11及び吸収部12のみに簡素化されて構成されることができ、ユーザの身体条件及び膣分泌物の量によってシート部(図示せず)がさらに含まれて構成できる。
検体採取パッド10を保存させるために、前述したフィルタ部11及び吸収部12の構成時、吸収部12の後面に付着されるか、またはフィルタ部11、吸収部12、及びシート部で構成時、シート部の後面に接着部材が具備できる。この接着部材は、例えば着用者のパンティの内面に接着されて子宮頸部細胞を含む膣分泌物を採取する期間の間、検体採取パッド10が保存状態を維持することができるようにする。
シート部は吸収された膣分泌物が外部に漏水しないように湿気は排出するが、水は排出しないようにする不透水性のシートを使用する。このような機能の素材には通気性のあるポリエチレン素材のカバーが使用できる。シート部は、吸収部12と同一または大きいサイズの形態に形成されて、その縁部で吸収部12と融着結合される。
前記細胞保存液52は、アルコール性溶液、またはアルコール性溶液と重合酵素連鎖反応検査結果を最適化することができる溶液を混合した溶液が好ましい。アルコール性溶液には、エタノール、メタノールなどがあり、重合酵素連鎖反応検査結果を最適化することができる溶液には、PBS緩衝溶液、パラホルムアルデヒドなどがある。
本発明の検体採取パッド10のフィルタ部11は膣分泌物に含まれた細胞、ウイルス、DNAなどがよく吸収されて吸着されるだけでなく、分離されて保存液に漬けた以後には、フィルタ部に吸着されていた細胞、ウイルス、DNAなどが保存液によく脱落できる材質及び構造を有しなければならない。
このために、本発明のフィルタ部11は少なくとも1つの吸着層を含んでなることができ、このような吸着層は小さい纎度(fineness)を有する天然繊維または合成繊維からなる織物であることが好ましい。また、疏水性材質を有していれば、より好ましい。
小さい纎度を有する繊維からなって、微細な吸着空間を提供することができ、疏水性材質からなる場合、膣分泌物に含まれた水分は繊維の微孔の間によく拡散され、微細な吸着空間による毛細管現象によって、細胞、ウイルス、DNAは、繊維の間の空間によく吸着できるようになる。また、検体採取パッドのフィルタ部が分離されて細胞保存容器に盛られて検査機関に送られる場合、疏水性材質からなる吸着層はアルコール(エタノールなど)が主成分からなる細胞保存液内でも極性溶媒であるアルコールが疏水性を有する吸着層に吸収されず、繊維の微孔の間によく拡散されるようになって、検査機関で行うボルテックス(vortex)過程で細胞、ウイルス、DNAがよく脱落できるように助けるようになる。このような疏水性材質が有する長所は、吸着層をなす繊維の纎度が小さい場合(太さが細い場合)に効果的である。
一方、図3に示すように、ユーザが検体採取パッドを一定期間の間着用した後、膣分泌物が吸収されたフィルタ部を分離して、これを巻くか折り畳んで細胞保存液が入っている保存容器に盛って検査機関に送るようになるが、フィルタ部を巻くか折り畳むようになる時、吸着層には圧力が加えられて、細胞保存容器に盛られた後や、ボルテックス過程では吸着層に加えられた圧力が解除される(図3の(b))。この場合、吸着層をなす繊維のレジリエンス(resilience)が大きければ保存液に漬けられて繊維に加えられた圧力が解除される時、弾性回復力により繊維の間に吸着された細胞、ウイルス、DNAが容易に脱落できるようになる。
レジリエンスは、曲げ、歪み、圧縮強度に対する弾性回復率であるが、これは基本的に繊維の弾性や繊維の形態と関連がある。また、レジリエンスは細い繊維(纎度の小さい繊維)より太い繊維(纎度の大きい繊維)が大きい値を有するようになるが、前述したように、吸着層は細胞などの吸着のために小さい纎度を有することが好ましいが、保存液内で弾性回復による細胞などの脱着のためには、むしろ纎度の大きい繊維が有利である。
したがって、本発明では多様な実施例を通じて、膣分泌物に含まれた細胞などがよく吸収されて吸着されるだけでなく、フィルタ部が分離されて保存液に漬けられた以後にはフィルタ部に吸着されていた細胞などが保存液によく脱落できる吸着層の条件を探し出した。
本発明の吸着層は、以下の数式でのy値よりは小さい値の纎度を有し、x値よりは大きい値の圧縮弾性回復率(compression resilience、RC)を有する繊維からなることが好ましい。
yは吸着層を構成する繊維の纎度であり、単位はデニール(denier)であり、xは吸着層の圧縮弾性回復率であり、単位はパーセンテージ(%)である。
<表1>及び<表2>で表示される本発明の実施例によれば、前記数式を境界にしてy値よりは大きい値の纎度を有し、x値よりは小さい値の弾性回復率を有する繊維でフィルタ部の吸着層がなされる場合、DNA回収率が前記数式を境界にして相対的に格段に劣ることが分かる。
図6のグラフで、曲線は前記数式で表示される曲線であり、点は<表1>及び<表2>の実施例のうち、DNA回収率が70%以上であることを表示したものである。<表1>及び<表2>で、サンプル18、20、23、25、29、35、37、40、43、46、48、51、54、55、58、59は、図6の数式を境界にしてy値よりは大きい値の纎度を有し、x値よりは小さい値の弾性回復率を有するものである(即ち、図6の曲線左側に位置)。このようなサンプルは、図6の曲線右側に位置するサンプルに比べてDNA回収率が相対的に格段に劣ることを確認することができる。
即ち、図6を参考して説明すると、本発明でフィルタ部を構成する吸着層は、図6で前記数式を示す曲線の右側に位置する纎度及び弾性回復率値を有することが好ましい。即ち、図6の曲線のy値より小さい値の纎度とx値より大きい値の弾性回復率を有する材質からなることが好ましい。
また、本発明でフィルタ部の吸着層は纎度5.1denierを超過する場合には、圧縮弾性回復率が50%以上であることがより好ましい。
また、本発明でフィルタ部を構成する吸着層は疏水性材質を有することが好ましい。疏水性繊維としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアクリルなどの合成繊維、及びこれらの混合物などが好ましく、親水性繊維にコーティングなどを用いて疏水性処理をした繊維も可能である。
<表1>及び<表2>で、サンプル4、7、9、11、14は標準水分率(standard moisture regain、SMR)の大きい親水性素材であって、他のサンプルに比べてDNA回収率が格段に劣ることが分かる。
ところが、<表1>及び<表2>に記載された実施例によれば、このような疏水性材質がDNA回収率に及ぼす影響は吸着層を構成する繊維の纎度が5.1denier以下のみで有効であると表れており、その以上では標準水分率が大きい場合にもDNA回収率が70%以上を示している。したがって、吸着層の纎度が5.1denier以下では、これを構成する繊維の材質が疏水性を有することが好ましい。
具体的には、疏水性材質は標準水分率7%以下であることが好ましく、標準水分率5%以下がより好ましい。
本発明で、検体採取パッド10のフィルタ部11は前述した吸着層のみからなることもでき、図4の(b)、(c)に図示したように、吸着層11bの上部に透水層11aが備えられることがより好ましい。
透水層10aは膣から分泌される分泌物をよく吸収する役割をし、親水性材質からなることが好ましい。親水性繊維としては、レーヨン(従来のノーマルレーヨン及び異型レーヨンも含み)、コットン、粉砕木材パルプ、羊毛、絹、化学的に変性、修飾、または架橋されたセルロースファイバー、合成繊維、ティッシュ、ピートモスなど、吸収材として一般的に使われる繊維を使用することができる。また、これらの繊維を混合して使用してもよい。前記親水性繊維を用いて製造された不織布が使われることがより好ましい。透水層は膣分泌物がよりよく通過して吸収できるように0.1mm〜1mmサイズの孔隙が構成されることが好ましい。大きい細胞は透水層で濾されることもできる。
図4の(c)に図示したように、本発明のフィルタ部は吸着層11bの下部に支持層11cが具備できる。支持層11cは纎度が小さく、レジリエンスが良い吸着層11bを支持するために、吸着層に比べて高強度、高弾性を有する繊維からなることが好ましく、微細なマッシュ構造からなることが好ましい。支持層11cは、ポリエチレン、ポリプロピレンからなることが好ましい。
支持層は高強度・高弾性のメッシュ構造で吸着層に接着されて、纎度が小さくて膣分泌物や細胞保存液で流動性が大きくなることがある吸着層を支持するようになり、フィルタ部が巻かれるか折り畳まれて細胞保存容器に入れた後、加えられた圧力がより容易に解除できるように助ける役割をして、フィルタ部に吸着された細胞、ウイルス、DNAがよく脱落できるようにしてくれる。
本発明の検体採取パッドは、図5に示すように、フィルタ部11が吸収部の上に付着されるものでなく、吸収部12の表層からなることができ、このような表層の切開線を備えてフィルタ部が分離できるように構成されることもできる。この場合、切開線部位に分離を容易に始めることができる分離部をさらに備えることが好ましい。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
<実施例>
フィルタ部の吸着層を構成することができる材質のサンプル(smaple 1〜smaple 60)を求めて、各サンプルの纎度(fineness)、圧縮弾性回復率(compression resilience、RC)、標準水分率(standard moisture regain、SMR)を測定した。
纎度はサンプルで提供される纎度を活用しており、繊維の長さと質量を測定して、以下の数式によりdenier単位で計算した。
圧縮弾性回復率はKES-FB systemを用いて5回測定して求めた。圧縮弾性回復率は標準偏差が10以下の測定データのみを基準に、平均値で<表1>及び<表2>に記載した。Presser footは直径2cmの円柱であり、最大圧力(Pm)は500gf/cm2であり、各試料の同一な地点を5回ずつ測定し、測定後、次の測定までの時間は10秒以内にした。厚さは、荷重0.5gf状態で測定した。
標準水分率は試料を乾燥させた状態で標準状態(温度20±2℃、湿度65±2%RH)試験室に放置して恒量になった状態の水分率を測定した。
DNA回収率を測定するための試料として、大腸菌を用いた。
大腸菌2mlのLB培地に接種して37℃、250rpm、8時間の間1次培養を実施した。2次培養は70ml LB培地に200ulを添加して37℃、250rpm 16時間追加培養して、総3−4x10cells/mlの大腸菌培養液を30mlのエタノールを添加して不活性化された大腸菌を獲得した。
総10枚のハンドタオルの上に各々のフィルタを上げておいて、不活性化された1mlの大腸菌(E.coli)をフィルタ部に塗布後、室温で10時間静置した。
10時間後、30%のエタノールが含まれた燐酸緩衝食塩水(phosphate buffer saline(PBS))20mlが入っている容器にフィルタを巻いて入れた後、48時間を静置した。
48時間後、フィルタが盛られた容器をフルスピード(full speed)で1分間ボルテックス(vortex)した後、PBS溶液12.5mlを15mlチューブに移して、室温で2500rpm、10分間遠心分離を遂行した。上層液を捨てて、1mlのPBSを入れて再浮遊して10,000×gで1分間遠心分離を1.5mlチューブで進行した。上層液が除去された沈殿物はExgentTMClinic SV(GeneAll、 Korea)の抽出法に準して実施し、最終200ulで大腸菌gDNAを獲得した。
濃度はEpoch(BioTek、VT)を用いて測定し、本結果は3回の独立的な実験に起因して導出した。
フィルタ処理前、1mlの大腸菌から抽出されたDNAを基準に前記過程を経て抽出されたDNAを大腸菌DNA回収率(E.coli DNA collect rate(%))値で<表1>及び<表2>に記載した。本結果は、3回実験の平均値を記載したものであり、標準偏差が20(%)以下の実験例のみを採択した。
以上のように図面と明細書で最適の実施例が開示された。ここで、特定の用語が使われたが、これは単に本発明を説明するための目的で使われたものであり、意味限定や特許請求範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使われたものではない。したがって、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解するはずである。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は添付した特許請求範囲の技術的思想により定まるべきである。
前記フィルタ部は以下の数式の曲線より下に位置する繊度及び圧縮弾性回復率を有する材質からなる少なくとも1つの吸着層を含んでなり、
は繊維の纎度であり、単位はデニール(denier)であり、xは吸着層の圧縮弾性回復率であり、単位はパーセンテージ(%)である。
前記吸着層は、纎度が5.1denier以下では疏水性材質であることが好ましく、標準水分率5%以下の疏水性材質であることがより好ましい。
本発明の吸着層は、纎度が5.1denierを超過する場合には圧縮弾性回復率が50%以上であることが好ましい。
本発明の吸着層は、以下の<数1>の曲線より下に位置する纎度及び圧縮弾性回復率(compression resilience、RC)を有する繊維からなることが好ましい(即ち、以下の<数1>のy値よりは小さい値の繊度を有し、x値よりは大きい値の圧縮弾性回復率を有する繊維からなることが好ましい。)
は繊維の纎度であり、単位はデニール(denier)であり、xは吸着層の圧縮弾性回復率であり、単位はパーセンテージ(%)である。
<表1>及び<表2>で表示される本発明の実施例によれば、前記<数1>の曲線より上に位置する纎度及び圧縮弾性回復率を有する繊維でフィルタ部の吸着層がなされる場合、DNA回収率が前記数式を境界にして相対的に格段に劣ることが分かる。
図6のグラフで、曲線は前記<数1>で表示される曲線であり、点は<表1>及び<表2>の実施例のうち、DNA回収率が70%以上であることを表示したものである。一方で、<表1>及び<表2>で、サンプル18、20、23、25、29、35、37、40、43、46、48、51、54、55、58、59は、図6で、<数1>の曲線より上に位置する(即ち、図6で、<数1>の曲線より左側に位置すると説明することもできる)纎度及び弾性回復率を有するものである。このようなサンプルは、図6で、<数1>の曲線の下に位置するサンプルに比べてDNA回収率が相対的に格段に劣ることを確認することができる。
即ち、図6を参考して説明すると、本発明でフィルタ部を構成する吸着層は、図6で前記<数1>を示す曲線より下に位置する(曲線より右側に位置すると説明することもできる。)纎度及び弾性回復率値を有することが好ましい。即ち、図6の<数1>のy値より小さい値の纎度とx値より大きい値の弾性回復率を有する材質からなることが好ましい。

Claims (12)

  1. 子宮頸部細胞を含む膣分泌物を捕集するフィルタ部と、
    前記フィルタ部を通過した膣分泌物を吸収する吸収部とを含み、
    前記フィルタ部は分離されて細胞保存液に漬けられる検体採取器具であって、
    前記フィルタ部は以下の数式のy値より小さい値の纎度とx値より大きい値の圧縮弾性回復率を有する材質からなる少なくとも1つの吸着層を含んでなり、
    yは吸着層を構成する繊維の纎度であり、単位はデニール(denier)であり、xは吸着層の圧縮弾性回復率であり、単位はパーセンテージ(%)であり、
    前記吸着層は、前記纎度が5.1denier以下では疏水性材質であることを特徴とする、検体採取器具。
  2. 前記吸着層は、
    前記纎度が5.1denierを超過する場合には圧縮弾性回復率が50%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取器具。
  3. 前記吸着層は、
    標準水分率5%以下の疏水性材質であることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取器具。
  4. 前記吸着層は、
    ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアクリル繊維からなるか、またはこれらの混合繊維からなることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取器具。
  5. 前記フィルタ部は、
    前記吸着層の上部に親水性材質からなる透水層を備えることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取器具。
  6. 前記透水層は、
    レーヨン、コットン、粉砕木材パルプ、羊毛、絹、セルロース繊維からなることを特徴とする、請求項5に記載の検体採取器具。
  7. 前記透水層は0.1mm〜1mmサイズの孔隙が構成されることを特徴とする、請求項5に記載の検体採取器具。
  8. 前記フィルタ部は、
    前記吸着層の下部に前記吸着層に比べて高強度・高弾性を有する材質からなる支持層を備えることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取器具。
  9. 前記フィルタ部は、
    前記吸着層の下部にメッシュ構造からなる支持層を備えることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取器具。
  10. 前記検体採取器具は、
    前記フィルタ部が分離されて入れられる細胞保存容器がさらに含まれて、
    前記細胞保存容器は極性溶液からなる細胞保存液が入っていることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取器具。
  11. 前記細胞保存液は、
    アルコール性溶液に緩衝溶液とホルムアルデヒドが含まれたことを特徴とする、請求項10に記載の検体採取器具。
  12. 前記検体採取器具は、
    前記フィルタ部が前記吸収部の表層からなり、切開線が備えられて前記吸収部から分離できることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取器具。
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