JP2019516929A - 圧力作動可能な回転シールを有する回転シールアセンブリ、及び回転シール - Google Patents

圧力作動可能な回転シールを有する回転シールアセンブリ、及び回転シール Download PDF

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Abstract

【課題】機械部品が偏心していても、より優れた応答性及びシール能力を有すると共に、同時に生産及び組立てが容易な圧力作動可能な回転シール、及び圧力作動可能な回転シールを有する回転シールアセンブリを提供する。【解決手段】本発明は、回転シールアセンブリ(10)の高圧領域Hを低圧領域Nからシールするための回転シール(24)を備える回転シールアセンブリ(10)、及び回転シールアセンブリ(10)のための回転シール(24)に関する。回転シールは、ゴム弾性材料で作られた組立スリーブ(34)と、シールエッジ(44)を有する少なくとも1つの圧力作動可能な回転シール要素(38)とを有する。高圧領域Hと低圧領域Nとの間の所定の差圧値PDiffを越えた場合、回転シール要素のシール縁部は、機械部品(12,14)のシール面(40)に封止的に支承されて、ゴム弾性アセンブリスリーブ上に弾性的に支持された支持要素(46)を直接変位させる。所定の差圧値PDiffに達しない場合、回転シール要素(38)のシール縁部(44)がシール縁部の支承位置に戻されて、支持要素(46)は、回転シール要素(38)が接触面圧なし若しくは実質的に接触面圧なしでシール面(40)に支承されるか又はシール面(40)から間隔を空けて配置されるように、高圧領域Hの方向に軸方向に後方に戻される。【選択図】図1

Description

本発明は、圧力作動可能な回転シールを有する回転シールアセンブリ、及びこの種の回転シールに関する。
少なくとも1つの回転又は振動機械部品を有する回転シールアセンブリは、一般に、潤滑液をシステム内に保持し、汚れ及び水の侵入を防止するために、回転シールとして知られているものを備える。加えて、回転シールは、流体によって加圧され得る高圧領域を低圧領域からシールすることを可能にし、例えば回転装置として使用することができる。この種の回転装置によって、固定された機械部品と回転可能に取り付けられた機械部品との間で加圧流体が移送され得る。
機能上の観点から、実際に使用される回転シールは、常時シーリングシステムと「圧力作動可能」システムとに分けることができる。例えば、特許文献1(米国特許第5,174,839号明細書)に開示されているような、常時シールする回転シールの場合、使用される回転シール要素のシーリング縁部は、回転シールアセンブリの2つの機械部品のうちの関連する1つのシール面に、高圧領域を確実にシールするために必要な接触面圧で常時支承されている。従って、回転シールは機械的及び熱的摩耗が増加する。これは、重要な用途において、及び回転シールが長い耐用年数を有する必要がある場合に、特に問題となる。実際には、回転シール要素のシーリング縁部が、必要に応じて、2つの機械部品の1つに関連するシール面に対してのみ支承される圧力作動回転シールが確立される。これは、一般に、回転シールによってシールすることを意図した高圧領域を加圧することによって、すなわち、加圧媒体によって制御される形で行われる。その結果、回転シールは同等の常時シーリングシステムよりも極めて長い耐用年数を有することが可能である。
圧力作動可能な回転シールを有する回転シールアセンブリは、例えば、特許文献2(欧州特許第2529134号明細書)から知られている。既知の回転シールアセンブリは回転装置として設計されている。回転シール要素は、それぞれ、支持要素上の低圧側で支持されたゴム弾性的に変形可能な支承本体に直接支承されている。シールされるべき高圧領域又は回転装置領域の非加圧状態では、回転シール要素のシーリング縁部は支承本体によってシール面から押し離されることによって、又は無視できるほど小さい接触面圧でシール面に支承されることにより、支承本体によってシール面から押し離されて非作動状態に維持される。回転シールが確実に機能するためには、ゴム弾性的に変形可能な支承要素の輪郭がかなり正確であることが不可欠である。これは製造の観点からは非常に厳しい要求であり、従って非常に高価である。加えて、システムが加圧された場合、支承本体と回転シール要素との間に摩擦接触が生起し、回転シールの応答性が潜在的に低下する。更に、機械部品の偏心は回転シールの機能障害を引き起こす可能性がある。例えば、特許文献3(欧州特許出願公開第2655941号明細書)に提案されているように、既知の回転シールアセンブリが、取付けの簡単化のために、鋼鉄製のそれ自体で既知の取付けスリーブ内に配置される場合には、金属取付けスリーブが、シール保持構造を備える機械部品から確実に静的にシールされることを確保するために、追加のシール要素を設けることも一般に必要である。
米国特許第5,174,839号明細書 欧州特許第2529134号明細書 欧州特許出願公開第2655941号明細書
従って、本発明が対処する課題は、機械部品が偏心していても、より優れた応答性及びシール能力を有すると共に、同時に生産及び組立てが容易な圧力作動可能な回転シール、及び圧力作動可能な回転シールを有する回転シールアセンブリを提供することである。
回転シールアセンブリに関する課題は、請求項1に示す特徴を有する回転シールアセンブリによって解決される。本発明に係る回転シールは、請求項20に示す特徴を有する。本発明の有利な発展形態は明細書及び従属請求項に示されている。
本発明に係る回転シールアセンブリは、第1の機械部品と、第1の機械部品に対して回転軸線の周りを回転可能な(回転可能に取り付けられた)第2の機械部品とを備える。2つの機械部品の一方はシール保持構造を備え、2つの機械部品の他方はシール面を備える。圧力作動可能な回転シールはシール保持構造上に構成される。回転シールは、回転シールアセンブリの高圧領域Hを低圧領域Nからシールすることができ、またゴム弾性材料で作られた取付けスリーブと、取付けスリーブの中又は上に構成された少なくとも1つの回転シール要素とを備える。特に、回転シール要素は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は粘塑性複合材料などの粘塑性材料で構成されてもよい。特に、ゴム弾性的に変形可能な取付けスリーブはゴム又は合成ゴムで構成されてもよい。言うまでもなく、取付けスリーブの材料は強化、特に繊維強化されていてもよい。回転シール要素は、取付けスリーブからシール面に向かって、例えば回転可能な機械部品のシール面に向かって延びている。
回転シール要素は、ラジアルシール要素として、又は軸方向シール要素として設計されてもよい。前者の場合、回転シール要素は環状であり、取付けスリーブから半径方向に延びている。後者の場合、回転シール要素は取付けスリーブから軸方向に延びている。回転シール要素は、回転シール要素の自由端又は自由端部分に、取付けスリーブから離れる方向に向いた少なくとも1つのシーリング縁部を備える。
回転シールは、更に、低圧領域側で、ゴム弾性的に変形可能な取付けスリーブの弾性的に変形可能な支持領域に直接的又は間接的に支承される支持体を含む。低圧領域側では、回転シール要素は、回転シール要素のシーリング縁部が非圧力作動の動作状態において、シーリング縁部がシール面から間隔を空けているか、又は接触面圧なし若しくは実質的に接触面圧なしでシール面に支承される非作動位置に配置されるように、支持体上で直接支持されている。後者の場合、回転シール要素のシーリング縁部は、低い接触面圧でシール面に支承されているので、シーリング縁部には、いかなる大きな熱的及び機械的負荷がかからない。この場合、シーリング縁部の接触面圧は、好ましくは、回転シール要素の加圧されるか又は圧力作動された動作状態でシーリング縁部がシール面に支承される接触面圧の10%未満である。従って、非加圧状態では、冒頭で述べた既知の回転シールアセンブリとは対照的に、回転シール要素は、そのシーリング縁部と共に、支持体によって、その非作動位置に直接保持される。なお、回転シール要素は支持体上に直接支承される。
高圧領域Hと低圧領域Nとの間の所定の差圧値PDiffを越えた場合、支持体は回転シール要素によって低圧側に向かって(シーリングギャップに沿って)移動することができ、これにより、ゴム弾性取付けスリーブの支持領域は、回転シールのシーリング縁部がシール面に対して封止的に押圧されるか又は押圧され得るように弾性的に変形する。従って、回転シール要素は、そのシーリング縁部によってシール面上の所定のシールシート内に位置する。半径方向にシールする回転シール要素、すなわちラジアルシール要素として設計された回転シール要素の場合は、支持体は回転軸線に関して軸方向に低圧領域に向かって移動することができる。軸方向にシールする回転シール要素の場合は、支持体は回転軸線に対して半径方向に移動することができる。従って、高圧領域が加圧されると、回転シール要素は支持体を回転シールアセンブリの低圧領域に向かって、いずれの場合もシール面に平行な方向に変位させ、これにより、回転シール要素のシーリング縁部はシール面に対して封止的に支承され得る。加圧動作状態では、回転シール要素のシーリング縁部は、回転シールアセンブリの高圧領域Hに作用する(流体)圧力Pに比例する圧力でシール面に押圧される。
所定の差圧値を下回った場合、支持領域はその形状を弾性的に復元して、支持体は高圧領域に向かって戻る。その結果、回転シールのシーリング縁部は、シール面に対して封止的に支承されるシーリング縁部の位置から移動するか、又はシーリング縁部のシール面に対する摩耗を生起する接触面圧がなくなる。従って、回転シールは、支持体によって、ゴム弾性的に変形可能な支持領域から空間的に切り離され、支持領域の弾性復元力によって回転シールはその非作動位置に戻される。結果として、回転シールの応答性は、既知の回転シールアセンブリと比較して更に改善され得る。回転シール要素と、支持領域のゴム弾性的に変形可能な材料との間の望ましくない摩擦効果がなくなる。加えて、支持体により、回転シール要素の横方向ガイドを改善することができる。更に、回転シール要素は、2つの機械部品間の並進相対運動を、特に、半径方向にシールする回転シールの場合は回転可能な機械部品の偏心を、より効果的に補正することができる。更に、取付けスリーブは、そのゴム弾性材料特性によって、第1の機械部品のシール保持構造の上の、又はその中のシールシート内に自己封止式に配置されるか又は配置され得ることにも留意すべきである。取付けスリーブを、シール保持構造を含む機械部品から静的にシールするためには、Oリングなどの追加のシール要素はもはや必要ではない。よって全体として、簡単かつ費用効果の高い方法で回転シールアセンブリを生産し組み立てることができる。
本発明によれば、支持体は粘塑性的に変形可能な材料で構成されるか又は剛体として設計される。
前者の場合、支持体は、少なくとも部分的に変形させ得るので、回転シールが圧力作動されたときに低圧領域に向かって移動する。この場合、支持体上に重ねて置かれた全体の並進運動が十分に可能である。上述のように、ゴム弾性取付け補助具の支持領域がその形状を回復すると、その逆が起こる。
後者の場合、回転シールアセンブリの動作中に生じる(圧縮)力によって、支持体を変形させることはできないか又は無視できる程度にしか変形させることはできない。特に、支持体はプラスチック材料、金属、又は工業用セラミックで構成されてもよい。回転シール又はその回転シール要素が軸方向にシールするように設計されている場合、剛体として設計された支持体は、好ましくは複数の部分から成る。このようにして、支持体のセグメント、特にリングの片方は、回転シール要素を圧力作動させ且つその復元位置に戻すために、回転軸線に対して半径方向に互いに移動させることができる。
支持体及び回転シール要素の双方は、ゴム弾性取付けスリーブの中又は上に緩く配置することができる。これは、製造上の観点から、ある種の利点を有しており、回転シール又は回転シールアセンブリの簡単な取付けを可能にしている。加えて、回転シール要素が摩耗した場合には、必要に応じて、コスト的に効率よく回転シール要素のみを新しい回転シール要素に交換することができる。
本発明によれば、ゴム弾性取付けスリーブは、有益には、回転シール要素に対して低圧領域に向かってずらして配置されると共に、少なくとも1つの動的にシールするシール要素又は動的シーリングリップを備えてもよい。シール要素又はシーリングリップは、第2の機械部品のシール面に、すなわち回転シールアセンブリの加圧及び非加圧の双方の動作状態において常時支承されている。特に、シーリングリップは、取付けスリーブ上に一体形成されてもよく、すなわち取付けスリーブと一体として形成されてもよい。シール要素又はシーリングリップは、例えばオイルシール又は「ワイパ」であってもよい。このようにして、回転シールアセンブリを高圧領域に入り込む汚れから、より良好に保護することができる。
本発明の好ましい発展形態によれば、支持体は、高圧領域側に、α<90°の鋭角αで、シール面に対して、又はラジアルシール要素として設計された回転シール要素の場合は回転軸線に対して、傾斜して延びる側部フランク(肩部)を有する。このようにして、回転シール要素のシーリング縁部は、シーリング縁部がシール面から間隔を空けているか、又は接触面圧なし若しくは極めて大きな接触面圧なしでシール面に支承される非作動位置に移動させるために、支持体によって、第2の機械部品のシール面から離れる方向の力が回転シール要素に作用することができる。
本発明の特に好ましい実施の形態によれば、支持体は、回転シールアセンブリの非加圧状態において、回転シール要素を越えてシール面に向かって突出させることによって二重の機能を果たすことができる。2つの機械部品の1つ、特にシール面を備える機械部品が偏心している場合、支持体はストッパとして機能し、これにより、例えば、回転シール要素を損傷から保護することができる。回転シール又は回転シール要素が軸方向にシールするように設計されている場合、支持体は、シール保持構造を備える機械部品に対するシール面を備える機械部品の望ましくない軸方向移動を制限するか又は減衰させることができる。
本発明によれば、支持体は、好ましくは遊びのない状態で、シール面と直交する方向に、ゴム弾性取付けスリーブに支承され且つ支持されてもよい。従って、半径方向にシールする回転シールの場合は、支持体の周囲が取付けスリーブに支承され且つ支持される。これにより、全体として、2つの機械部品の双方又は一方の上述した偏心を、効果的な程度まで減衰させることができる。加えて、半径方向にシールする回転シールの場合には、取付けスリーブは支持体上で半径方向に、特に支持体の内側で支持され、従って支持体とシール保持構造との間に応力が付与されて保持(クランプ)されてもよい。このようにして、回転シールは簡略化した形態で、シール保持構造を備える機械部品に回転可能に固定され得る。
本発明の特に好ましい発展形態によれば、支持体はシール面を備える機械部品のための軸受部品として直接的に設計される。支持体は、回転シールアセンブリの加圧及び非加圧の双方の動作状態において、機械部品のシール面に支承される。このようにして、回転可能に取り付けられた機械部品のフローティング軸受を実現することができる。回転シール要素が半径方向にシールする場合、すなわち回転シール要素がラジアルシール要素として設計される場合、支持体は、内部封止の回転シールの場合にはその内側に、外部封止の回転シールの場合には外側に、シール面を備える機械部品のための滑り軸受を形成する。回転シールがシール面に対して軸方向にシールするように設計されている場合、支持体は回転可能な機械部品のための軸方向軸受を形成する。特に、支持体は、ゴム弾性取付けスリーブによって、回転可能な機械部品のシール面に対して予め応力を付与して支承させることができる。
支持体と、シール面を備える機械部品との間の摩擦抵抗を可能な限り小さくする目的で、支持体又はシール面に潤滑剤コーティングが施されてもよい。加えて、シール面側では、支持体は、回転シールアセンブリが動作時に、高圧領域に入り込んだ汚れを低圧側に(外側に)移送することができる「トライボ構造(tribosruction)」を備えることができる。トライボ構造は、例えば、シール面に支承される支持体の接触面に形成された溝、又は断面がV字状に傾斜し、その脚部が低圧領域に向かって広がっている少なくとも1つの構造を含んでもよい。
本発明によれば、支持体は、原則として、円形、楕円形、又は多角形の断面形状を有してもよい。可能な限り少ない材料を使用する観点から、支持体は、好ましくは動的にシールされることを意図した第2の機械部品のシール面に向かって広がる断面形状を有する。
第1の機械部品のシール保持構造上において、ゴム弾性取付けスリーブのシールシートの信頼性を高めるために、取付けスリーブは、シール保持構造に面する取付けスリーブの側に、すなわち例えば半径方向にシールする回転シールの場合は外周側(=外側)に、シール保持構造を備える機械部品に対して封止的に支承され、特に第1の機械部品のシール保持構造に対して直接封止的に支承される少なくとも1つの静的シーリングリップを備えてもよい。シーリングリップは、有益には、回転シールアセンブリの高圧領域に流体的に接続され、圧力作動可能であってもよい。この場合、シーリングリップはシール保持構造を含む機械部品に対して、又はシール保持構造に対して、高圧領域に作用する流体圧力によって、その流体圧力に比例した圧力で押圧され得る。このようにして、取付けスリーブと、シール保持構造を備える機械部品との間の摩擦による係合が、同時に自動的に調整され得る。従って、回転シールアセンブリが、回転可能に取り付けられた機械部品と共に、不必要に共回転するのを防止することができる。言うまでもなく、上記の場合、取付けスリーブは、例えば支持体上の支持物、すなわちシール保持構造を含む機械部品上で、シール面に直交する方向に支持されなければならない。
本発明によれば、取付けスリーブと、シール保持構造を備える第1の機械部品との間に、シール面と直交する方向にギャップが形成されてもよい。本発明によれば、ギャップは高圧領域に流体的に接続されてもよい。このギャップ内に、取付けスリーブを高圧領域内の流体圧力に応じて第1の機械部品に摩擦的に固定するために、高圧領域内に作用する流体圧力によって、取付けスリーブ又はシール保持構造の外部傾斜面に対向して軸方向に移動することができる圧力付与要素が取り付けられると好ましい。特に、圧力付与要素は圧力付与リングとして、好ましくはテーパ状の断面形状を有するテーパリングとして設計されてもよい。これにより、全体として、回転シールアセンブリが、回転可能に取り付けられた機械部品と共に、不必要に共回転することを更に確実に抑制することができる。
ゴム弾性取付けスリーブが支承されてしっかりと支持されるためには、シール保持構造は低圧領域側に肩部を備えることが好ましい。
特に、回転シール要素は、ゴム弾性取付けスリーブ内の保持溝に保持されてもよい。これにより、回転シールの取付けが更に簡単になる。保持溝は、半径方向にシールする回転シール又は半径方向にシールする回転シール要素の場合にはラジアル溝として、軸方向にシールする回転シールの場合には軸方向溝として設計される。
本発明によれば、取付けスリーブは、好ましくは軸方向に、好ましくは直接的に第2の支持体に支承され且つ支持される追加の回転シール要素を含んでもよい。
本発明によれば、回転シールアセンブリは、特に回転装置として設計されてもよい。この場合、第1の実施形態の代案形態によれば、回転シールアセンブリは、取付けスリーブが第2の支持体に直接支承され且つ支持される第2の回転シール要素を備えるように、回転シールを備えてもよい。高圧領域は、2つの回転シールの間にシール面に平行な方向に形成され、流体用の回転装置領域として機能する。半径方向にシールする回転シール、すなわち半径方向にシールする回転シール要素(=ラジアルシール要素)の場合は、高圧領域は2つの回転シール要素の間に軸方向に形成される。従って、軸方向にシールする回転シールの場合、回転装置領域として機能する高圧領域は、2つの回転シール要素の間に半径方向に形成される。双方の場合において、高圧領域は、少なくとも部分的に回転シール要素によって側面で直接区切られている。その上、ゴム弾性取付けスリーブは少なくとも1つの通路(例えば、貫通孔)を備え、これにより、第1の機械部品内に配置された第1の流体流路が、高圧領域又は回転装置領域を介して、第2の機械部品内に配置された第2の流体流路に流体的に接続されるか又は接続され得る。本実施の形態では、2つの回転シール要素及び2つの支持体に対して単一の取付けスリーブが設けられている。
第2の実施形態の代案形態によれば、回転シールアセンブリは、上述の回転シールを2つを備え得る。この場合、2つの回転シールは、シール面に平行な方向に互いにずらして配置される。回転シール要素がラジアルシール要素として設計されている場合、すなわち半径方向にシールする回転シールの場合は、回転シール要素は回転軸線に対して軸方向に連続的に配置される。回転シール要素が軸方向シール要素として設計されている場合、回転シールは回転軸線と同軸に配置される。2つの取付けスリーブは、互いに支承されていてもよく、又は互いに間隔を空けていてもよい。いずれの場合も、2つの取付けスリーブの一方に、又は2つの取付けスリーブの間に通路が形成される。前述の通路によって、第1の機械部品に配置された第1の流体流路は、第2の機械部品に配置された第2の流体流路に流体的に接続されるか又は流体的に接続され得る。この実施の形態の変形形態においても、回転装置領域として機能する回転シールアセンブリの高圧領域は2つの回転シール要素の間に配置され、2つの回転シール要素によって直接的に側面にて区切られる。
本発明によれば、回転シールアセンブリは、複数の回転装置領域を含んでもよい。この場合、回転シールアセンブリの追加の回転装置領域の各々は、第1の回転装置領域に対応する形態で、同一の回転シール又は複数の回転シールの回転シール要素によって区切られる。前者の場合、ゴム弾性取付けスリーブは、上述したように、回転装置又は高圧領域Hの各々のための半径方向通路を備える。後者の場合、複数の回転シールが、回転軸線に対して連続的に又は同軸で配置される。
本発明によれば、1つの機械部品のシール保持構造は、好ましくはプレス嵌めで機械部品に保持される金属スリーブとして設計されてもよい。言うまでもなく、2つの機械部品の間のシーリングギャップ内に金属スリーブを容易に配置するために、回転シールを金属スリーブ内に予め組み込んで設けてもよい。
上述の回転シールアセンブリは広範囲の用途を有し、特に、例えば自動車又は航空機におけるタイヤ空気圧制御システムで使用することができる。この場合、2つの機械部品の1つは、駆動軸又は車軸として設計されてもよい。言うまでもなく、この場合、回転シールアセンブリは更に必要な構成要素、例えば1つ以上のバルブを備えてもよい。例えば、機械又は化学のプロセス工学機械、又は家庭用装置における技術応用の他の分野も考えられる。
要約すると、本発明は、回転シールアセンブリの高圧領域Hを低圧領域Nからシールするための回転シールを有する回転シールアセンブリに関する。回転シールは、ゴム弾性材料で作られた取付けスリーブと、シーリング縁部を有する少なくとも1つの圧力作動可能な回転シール要素とを含む。高圧領域Hと低圧領域Nとの間の所定の差圧値PDiffを越えた場合、回転シール要素のシーリング縁部が機械部品のシール面に封止的に支承され、これにより、ゴム弾性取付けスリーブに弾性的に取り付けられている支持体を直接変位させる。所定の差圧値PDiffを下回った場合、回転シール要素のシーリング縁部は、回転シール要素が、接触面圧なし若しくは実質的に接触面圧なしでシール面に支承されているか又はシール面から間隔を空けている非作動位置に戻されるように、支持体は高圧領域Hに向かって軸方向に戻される。本発明は更に、この種の回転シールアセンブリ用の回転シールに関する。
回転軸線の周りに回転可能に取り付けられた機械部品を備え、回転装置領域として機能する高圧領域を半径方向にシールするための圧力作動可能な回転シールを含む回転シールアセンブリの部分断面図である。回転シールは回転シール要素を有するゴム弾性取付けスリーブを備え、回転シール要素は、回転可能に取り付けられた機械部品のシール面に対して圧力制御された形で押圧されることができて支持領域が変位するように、回転シール要素は支持体によって取付けスリーブの支持領域上に軸方向に弾力的に支持される。 回転シールがシール位置にある図1の回転シールアセンブリの部分断面図である。 図1の回転シールアセンブリと同様の回転シールアセンブリの部分断面図である。この回転シールアセンブリは、取付けスリーブ上に一体形成され、回転可能な機械部品のシール面に対してばね要素によって応力が付与された追加のオイルシールを含む。 双方向に作動可能な回転シールを有する更なる回転シールアセンブリの部分断面図である。 取付けスリーブの支持領域が取付けスリーブとは別個に形成されたゴム弾性的に変形可能な環状要素によって形成される回転シールアセンブリの部分断面図である。 回転シールが圧力作動可能な圧力付与リングを含む回転シールアセンブリの部分断面図である。 取付けスリープが、機械部品の1つにおけるシール保持構造に対して、高圧領域に作用する圧力に比例した圧力で押圧されることができる静的シーリングリップを備える回転シールアセンブリの部分断面図である。 取付けスリーブが非加圧の非作動状態にある2つの回転シール要素を備える更なる回転シールアセンブリの部分断面図である。 回転シールが加圧、すなわち圧力作動の動作状態にある図8の回転シールアセンブリの部分断面図である。 回転シールが第2の機械部品のシール面に対して軸方向にシールする回転シールアセンブリの部分断面図である。
本発明は、図において再現される実施の形態に基づいて、以下により詳細に説明される。図面では、対応する構成要素には同じ参照符号が付されている。
図1は、第1の機械部品12と、第1の機械部品12に対して回転軸線16の周りに回転可能に取り付けられた第2の機械部品14とを備える回転シールアセンブリ10を示す。図1に示すように、回転シールアセンブリ10は回転装置として設計されてもよく、この場合、固定された第1の機械部品12と、回転可能に取り付けられた第2の機械部品14との間で流体をシールして移送することができる。シーリングギャップ18が2つの機械部品12,14の間に形成される。2つの機械部品12,14は流体用の各流体流路20,22を備え、流体流路20,22は、Hでラベル表示された高圧領域によって流体的に相互接続され得る。軸方向のいずれの側においても、シーリングギャップ18の高圧領域Hは、回転シール24によって軸方向外側の低圧領域Nからシールされ得る。この場合、回転シールは、半径方向内側にシールする。図1は、2つでもあり得る回転シール24が1つの場合の部分図である。回転シール24は、第1の機械部品12の各シール保持構造26上に配置されている。特に、シール保持構造26は、第1の機械部品12内の保持溝として設計されてもよい。この場合、保持溝は溝底部32によって相互接続された2つの対向する溝フランク28,30を含む。回転シール24は、特に、予め応力が付与されるように2つの溝フランク28,30に対して軸方向に支承され得る。低圧領域側のシール保持構造26の溝フランク30は、ここでは、高圧領域Hが加圧された場合に回転シールをシール保持構造26内で軸方向に固定するために、回転シール24のための支承肩部として機能する。
図示した回転シール24は、ゴム弾性材料で作られた取付けスリーブ34を備える。ゴム弾性的に変形可能な取付けスリーブ34は、圧力作動可能な回転シール要素38が保持される第1の保持溝36aを備える。回転シール要素38は、ラジアルシール要素として設計され、取付けスリーブ34から回転可能な第2の機械部品14のシール面40に向かって延びる。回転シール要素38は、取付けスリーブ34から離れる方向に向いた、回転シール要素の自由端42に、シーリング縁部44を備える。回転シール要素38は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、又は繊維複合材料などの、好ましくは低い摩擦係数を有する、好ましくは粘塑性材料で構成される。
回転シール24は、回転シール要素38が回転シール24の非加圧及び加圧の動作状態の双方において軸方向に支承且つ支持されている環状の支持体、すなわち支持リング46を備える。支持体46は、粘塑性的に変形可能な材料で構成されてもよく、又は剛体として設計されてもよい。後者の場合、支持体は、回転シールアセンブリ10の高圧領域Hで生じる作動力によって、半径方向に変形させ得ない。支持体46は、好ましくは、プラスチック材料、金属、複合材料又は工業用セラミックで構成される。
支持体46は、ゴム弾性取付けスリーブ34内の第2の保持溝36bの中に延びていてもよい。支持体46は高圧領域Hに面する側部フランク(肩部)48を備え、側部フランク(肩部)48に対して回転シール要素38が軸方向に直接支承される。従って、側部フランク48は、回転シール要素38のための支承面として機能する。支持体46の側部フランク48は、シール面40又は回転軸線16に対して、好ましくはα<90°の鋭角αで傾斜して延びている。この場合、角度αは約80°である。図1に示すように、支持体はシール面40に半径方向に向かって広がる断面形状を有してもよい。環状の支持体46の内側50は、図1に示すように、第2の機械部品14のシール面40から完全に間隔を空けていてもよい。代案として、支持体46はまた、シール面40に直接支承され、シール面を含む機械部品14のための(滑り)軸受を形成してもよい。特に、後者の場合には、回転可能に取り付けられた機械部品14が偏心している場合に、回転シール24のシーリング縁部44の過負荷を相殺することが可能である。
低圧領域側では、支持体46は、取付けスリーブ34のゴム弾性的に変形可能な支持領域52によって軸方向に覆われている。支持体46は、支持領域52に軸方向に直接支承されている。
回転シールの非加圧動作状態では、回転シールは、図1に示す回転シールの非作動位置にある。この非作動位置では、回転シール24のシーリング縁部44は支持体46によって、シール面から間隔を空けているか、又は接触面圧なし若しくは無視できるほど小さい接触面圧でシール面40に保持されている。
回転装置領域として機能している高圧領域Hの中に加圧流体が供給され、低圧領域Nに作用する圧力Pに対する高圧領域Hに作用する圧力Pの差圧値PDiffを越えた場合、支持体が低圧側Nに向かって軸方向外側に押し付けられるように回転シール要素38は比例する圧力で支持体46に軸方向に押圧される。これにより、ゴム弾性取付けスリーブ34の支持領域52が変形し、回転シール要素38のシーリング縁部44が第2の機械部品14のシール面40に対して半径方向に封止的に支承されるに至る。支持体が粘塑性材料で構成されている場合、その変位移動は、少なくとも部分的には、支持体46が低圧領域Nに向かって部分的に(弾性的に)変形することによりもたらされ得る。これにより、図2に示すように、高圧領域Hは液密にシールされる。従って、回転シール24の加圧動作状態では、シーリング縁部44は所定のシールシート内の第2の機械部品14の関連するシール面40に封止的に支承される。
所定の差圧値PDiffを下回った場合、支持体46は、ゴム弾性取付けスリーブ34の支持領域52の弾性復元力によって、図1に示す非作動位置に軸方向に戻される。その結果、シール面40に対する回転シール要素38のシーリング縁部44の圧力が緩和され、換言すると、シーリング縁部が接触面圧なし若しくは摩耗を誘発する接触面圧なしでシール面に対して再び支承されるか、又は第2の機械部品14のシール面40から半径方向に間隔を空けるように回転シール要素はシール面40から再び押し離される(図1)。
回転シール24の非加圧動作状態では、支持体46は、第2の機械部品14のシール面40に半径方向に回転シール要素38を越えて突出してもよい。このようにして、支持体46は、回転シール要素38を、特に広い領域にわたって支持することができる。これにより、高圧用途においてさえ、回転シール要素38がシール面40と支持体46との間に軸方向に押し出されるのを防止することができる。更に、2つの機械部品12,14の一方が偏心している場合には、支持体46は停止要素として機能することができ、これにより、非加圧動作状態において、回転シール要素38が第2の機械部品14のシール面40に対して不必要に擦れるのを防止することができる。回転シール24の加圧動作状態では、回転シール要素38のシーリング縁部44の過度な(局所的な)負荷も確実に相殺され得る。この目的のために、環状の支持体46は、好ましくは、遊びのない形態で、好ましくは、ゴム弾性取付けスリーブ34に半径方向に支承されて支持される。これにより、支持体46の半径方向の移動を確実に減衰させることができる。支持体46はまた、その内側50において、シール面40に支承されて回転可能な機械部品14のための(滑り)軸受を形成してもよい。
ゴム弾性取付けスリーブ34の外側54は、第1の機械部品12のシール保持構造26、又は、この場合は溝底部32に摩擦的に支承されて、取付けスリーブ34が、回転可能に取り付けられた第2の機械部品14と共に、不必要に共回転するのを防止する。このために、取付けスリーブ34は、好ましくは、第1の機械部品12のシール保持構造の内径に関連して、半径方向に寸法が大きい。このようにして、第1の機械部品12上での取付けスリーブ34の半径方向のシールシートを実現することができる。特に高い(静的な)シール能力のために、取付けスリーブ34は、その外側に、図1に破線で示されている無負荷状態の1つ以上の静的シーリングリップ56を備えてもよい。言うまでもなく、シーリングリップ56は、取付けスリーブ34の全周にわたって延びている。更に、取付けスリーブ34は、支持体46の適切な寸法設定によって、第1の機械部品12のシール保持構造26に対して半径方向に応力が付与されてもよい。
回転シール要素38に加えて、回転シール24は、取付けスリーブ34の回転シール要素38に対向して低圧領域Nに向かって軸方向にずらして配置される少なくとも1つの動的シーリングリップ58を備えることができる。シーリングリップ58は、好ましくはゴム弾性取付けスリーブ34上に一体形成される。回転シールアセンブリ10の加圧及び非加圧の双方の状態において、シーリングリップ58のシーリング縁部58aは第2の機械部品14のシール面40に封止的に支承されている。特に、シーリングリップ58は、オイルシールとして機能してもよく、又はオイルシールとして設計されてもよい。図には更に詳細には示していない回転シールアセンブリ10の実施の形態では、シーリングリップ58は取付けスリーブ34とは別個に設計されてもよい。
図3は、更なる回転シールアセンブリ10の部分図であり、オイルシールとして機能する取付けスリーブ34のシーリングリップ58が、ばね要素60、又はこの場合にはガータースプリングによって、シール面40に対して半径方向に応力が付与されている点で、実質的に、図1の回転シールアセンブリ10とは異なる。シーリングリップ58が軸線長手方向に延長しているため、シーリングリップは、第2の機械部品14の偏心の程度がより高くても追従し、これによりシーリングギャップ18を汚れ等の侵入から確実にシールすることができる。一例として、支持体46の内側50はシール面40に支承されている。このようにして、支持体46は、回転可能な機械部品14のための(滑り)軸受を形成する。
図4は、図示の回転シール24が、2つの回転シール要素38,38’を有する取付けスリーブ34を備える回転シールアセンブリ10の部分図である。2つの回転シール要素38,38’は、それぞれ、支持体46のどちらかの側で軸方向に配置されている。この設計では、支持体46は、回転シール要素38,38’によって、ゴム弾性取付けスリーブ34の各側面上で軸方向に支持されてもよい。
取付けスリーブ34の2つの回転シール要素38,38’は、同一に設計されてもよい。追加の回転シール要素38’は、図の左側に示される回転シール要素38の場合のように、同様に圧力作動可能である。低圧領域N(機能的に高圧領域の意味において)の高圧領域Hに対する所定の差圧値よりも大きい圧力が、低圧領域Nに加えられると、追加の回転シール要素38’は、第2の機械部品14のシール面40に半径方向に押圧されることができ、これにより、支持体46はゴム弾性取付けスリーブ34の第2の支持領域52’に対して高圧領域H(機能的に言えば、低圧領域となる)に向かって軸方向に移動し、よって圧力の逆転が生じるとシーリングギャップはシールされる。回転シールアセンブリのこの動作状態では、高圧領域H及び低圧領域Nは機能的に交換される。従って、図4に示す回転シール24は、それぞれの側で圧力作動され得る。これにより、回転シールアセンブリ10の可能な使用範囲が更に広がる。
ゴム弾性取付けスリーブ34は、異なる弾性率を有する部分を含んでもよい。例えば、取付けスリーブは、半径方向におけるよりも軸方向において、より小さい弾性係数を有し得る。これは、例えば、取付けスリーブの2つの構成要素の構造によって達成することができる。取付けスリーブはまた、複数の部品で構成され得る。例えば、取付けスリーブ34の支持部52は、図5に示すように、取付けスリーブの本体とは別々に形成されたゴム弾性的に変形可能な支持要素を備えてもよい。特に、支持要素はゴム、シリコン、又は他の好適なゴム弾性的に変形可能な材料で構成されていてもよい。
図6は、取付けスリーブ34と、シール保持構造26を含む機械部品12との間に、半径方向にギャップ62が形成された回転シールアセンブリ10を示す。ギャップ62は、この場合、取付けスリーブ34内の軸方向チャネル64によって、高圧領域Hに流体的に接続されている。テーパ状リングの形状に形成された軸方向のクランプリング又は応力付与リング66がギャップ62内に軸方向移動可能に取り付けられている。取付けスリーブ34を第1の機械部品12に圧力に比例して摩擦的に固定するために、応力付与リング66は、高圧領域Hに作用する流体圧力によって、取付けスリーブ34の円周方向の傾斜面68に対して半径方向に移動させることができる。言うまでもなく、代案として、シール保持構造26はまた、応力付与リング66のための適切な傾斜面を備えていてもよい。応力付与リング66は、テーパ形状とは異なる断面形状を有していてもよい。
図7に示す回転シールアセンブリ10では、取付けスリーブ34の外側54は、高圧領域Hに流体的に接続された静的シーリングリップ70を含む。シーリングリップ70は、高圧領域H内に構成された流体によって加圧され、流体によって、圧力に比例して第1の機械部品のシール保持構造26に押圧され得る。これにより、第1に、取付けスリーブ34と第1の機械部品12との間を特に確実にシールすることができ、第2に、高圧又は超高圧の用途であっても、取付けスリーブ34が、回転可能に取り付けられた機械部品14と共に、不必要に共回転することを確実に相殺することができる。なお、取付けスリーブ34は、支持体46によって半径方向内側で支持されている。
図8は、更なる回転シールアセンブリ10の部分図である。この場合も、回転シールアセンブリは回転装置として設計されている。回転装置領域として機能する高圧領域Hをそれぞれの側でシールするために、ゴム弾性取付けスリーブ34は2つの回転シール要素38,38’を備える。取付けスリーブ34は、軸方向に位置が固定されるように、サークリップ72等によって第1の機械部品12上に保持されてもよい。2つの回転シール要素38,38’は、それぞれ、図1〜図7の回転シールアセンブリ10に対応する形態で設計されてもよい。この場合、回転シール要素38,38’は、例として矩形の断面形状を有する。取付けスリーブ34には、貫通孔74が(壁面上に)設けられており、これにより、機械部品12,14の2つの流路20,22が流体的に相互接続されている。よって、貫通孔74は半径方向に延びている。非加圧状態では、2つの回転シール要素38,38’は、回転軸線16に対して実質的に直交するように延びている。高圧領域Hに作用する圧力Pと低圧領域に作用する(大気)圧力Pとの間の所定の差圧値PDiffを超えた場合、2つの回転シール要素は、それぞれの低圧領域Nに向かって軸方向に撓み、すなわち移動し、これにより2つの回転シール要素38のシーリング縁部44が第2の機械部品14のシール面40に封止的に支承される。このプロセスでは、既に上述したように、図9に示すように、支持体46はゴム弾性取付けスリーブ34のそれぞれの支持領域52に対して軸方向に移動する。
高圧領域H内の所定の差圧値PDiffを下回った場合、ゴム弾性取付けスリーブ34の各支持領域52の弾性復元力によって、環状の支持体46は再び高圧領域Hに向けて押し付けられる。よって、回転シール要素38は、支持体46によって、それぞれの非加圧の開始位置に戻される。この開始位置では、回転シール要素38のシーリング縁部44は、第2の機械部品14のシール面40に支承されていないか、又は摩耗を伴う接触面圧でシール面40上に支承されていない。
図10は、回転装置として設計された、更なる回転シールアセンブリ10を示す。回転シールアセンブリ10は、図1〜図9に関連して上述した回転シールアセンブリとは、回転シール24が、この場合、実質的に軸方向にシールするという点で異なる。従って、第2の機械部品14のシール面40は、第2の機械部品の外周面ではなく、第2の機械部品の端面によって形成される。従って、回転シール24は、第2の機械部品14の回転軸線16に対して軸方向にシールする、すなわち、軸方向シール要素として設計された環状回転シール要素38を備える。支持体46は環状であり、回転シール要素38の外側の周囲に係合する。従って、支持体46及び回転シール要素38は、回転軸線16と同軸である。この場合、支持体46は一体として形成され、粘塑性的に変形可能な材料で構成されている。支持体46はまた、剛体として設計されてもよい。この場合、支持体46は複数の部分、特に2つの部分で構成され、その部分(例えばリングの半分)は回転軸線16に対して半径方向に並進することができ、よって上述したように、回転シール要素38を圧力作動させ、再びその非作動位置に戻すことができる。
図に示した回転シールアセンブリ10の実施の形態では、回転シール要素38は、それぞれの関連する支持体46に対して、好ましくは緩く支承されている。高圧領域H内の圧力上昇に対して、回転シールは特に敏感に応答することを考慮して、特定の支持体46と、支持体46上で横方向に支持される回転シール要素38との材料の組合せは、2つの構成要素間の滑動時の遊びを最小の摩擦で可能とするように設計されることが好ましい。
上述の回転シールアセンブリ10又は回転シール24は、広範囲の技術的用途に好適である。例えば、それらは、特に自動車のタイヤ空気圧制御システムに使用することができる。この場合、第2の機械部品14は、自動車の駆動軸又は車軸(図示せず)であってもよく、第1の機械部品12は、第2の機械部品14を取り付けるために使用されてもよい。
10 回転シールアセンブリ
12 第1の機械部品
14 第2の機械部品
26 シール保持構造
40 シール面
44 シーリング縁部
46 支持体

Claims (20)

  1. 第1の機械部品(12)と、前記第1の機械部品(12)に対して回転軸線(16)の周りに回転可能な第2の機械部品(14)とを有し、前記2つの機械部品(12,14)の一方はシール保持構造(26)を備え、前記2つの機械部品(12.14)の他方はシール面(40)を備え、前記回転シールアセンブリ(10)の高圧領域Hを低圧領域Nからシールするために、前記機械部品(12,14)の一方における前記シール保持構造(26)上に配置された回転シール(24)を有する回転シールアセンブリ(10)であって、
    ゴム弾性材料で作られた取付けスリーブ(34)と、
    シーリング縁部(44)を有し、前記取付けスリーブ(34)の中又は上に配置され、前記取付けスリーブから前記シール面(40)に延びる少なくとも1つの圧力作動可能な回転シール要素(38,38’)と、
    前記低圧領域側でゴム弾性的に変形可能な前記取付けスリーブ(34)の支持領域(52,52’)に支承される支持体(46)であって、前記シーリング縁部(44)が非加圧の動作状態においては前記シーリング縁部(44)が前記シール面(40)から間隔を空けているか、又は接触面圧なし若しくは実質的に接触面圧なしで前記シール面(44)に支承されて非作動位置に配置されるように、前記回転シール要素(38)が前記低圧領域側で直接支持される支持体(46)とを備え、
    前記高圧領域Hと前記低圧領域Nとの間の所定の差圧値PDiffを越えた場合は、
    前記回転シール要素(38,38’)は、前記支持体(46)を前記低圧領域Nに向かって移動させて、前記支持領域(52,52’)は、前記回転シール要素(38,38’)の前記シーリング縁部(44)が前記シール面(40)に封止的に押圧されるように弾性的に変形し、
    前記所定の差圧値PDiffを下回った場合は、
    前記支持体(46)は、前記支持領域(52,52’)が前記支持領域の形状を弾性的に復元して、前記回転シール要素(38,38’)の前記シーリング縁部(44)が、前記シール面(40)に対する前記シーリング縁部が封止的に支承されている位置から前記シーリング縁部の前記非作動位置に戻るように、前記高圧領域Hに向かって戻ることを特徴とする回転シールアセンブリ(10)。
  2. 前記回転シール要素(38、38’)は、ラジアルシール要素として、又は軸方向シール要素として設計されていることを特徴とする請求項1に記載の回転シールアセンブリ。
  3. 前記支持体(46)は、前記シール面(40)を備える前記機械部品(12,14)のための軸受部品として設計され、前記シール面(40)に、好ましくは、直接的に支承されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転シールアセンブリ。
  4. 前記支持体(46)は、金属、硬質プラスチック材料、複合材料、又は工業用セラミックで構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  5. ゴム弾性的な前記取付けスリーブ(34)は少なくとも1つの動的シーリングリップ(58)を備え、前記シーリングリップは、前記回転シール要素(38,38’)に対して前記低圧領域Nに向かってずらして配置され、前記回転シールアセンブリ(10)の前記非加圧状態及び加圧状態の双方において、前記第2の機械部品(14)の前記シール面(40)に封止的に支承されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  6. 前記支持体(46)は、前記高圧領域側に、α<90°の鋭角αで、好ましくはα<80°で前記シール面(40)に対して傾斜して延びる側部フランク(48)を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  7. 前記支持体(46)は、前記非加圧の動作状態において、前記回転シール要素(38、38’)を越えて前記シール面(40)に向かって突出していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  8. 前記支持体(46)の周囲は、好ましくは遊びのない状態で、ゴム弾性的な前記取付けスリーブ(34)に支承され且つ支持されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  9. 前記支持体(46)は、前記シール面に向かって広がる断面形状を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  10. ゴム弾性的な前記取付けスリーブ(34)は、ゴム弾性的な前記取付けスリーブの外側に、前記第1の機械部品(12)に封止的に支承される少なくとも1つの静的シーリングリップ(56)を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  11. 前記シーリングリップ(56)は、前記高圧領域Hに流体的に接続され、前記高圧領域Hに作用する流体圧力によって前記第1の機械部品(12)に押圧され得ることを特徴とする請求項10に記載の回転シールアセンブリ。
  12. 前記シール保持構造(26)は、保持溝として設計され、低圧側にゴム弾性的な前記取付けスリーブ(34)が支承される溝フランク(30)を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  13. 前記取付けスリーブ(34)と前記第1の機械部品(12)との間に、前記高圧領域Hに流体的に接続された間隙(62)が形成され、前記取付けスリーブ(34)を前記第1の機械部品(12)に摩擦的に固定するために、前記間隙(62)内に、前記高圧領域Hに作用する流体圧力Pによって、前記取付けスリーブ(34)又は前記シール保持構造(26)の傾斜面(68)に対して軸方向に移動することができる応力付与要素(66)が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  14. 前記回転シール要素(38,38’)は、ゴム弾性的に変形可能な前記取付けスリーブ(34)内の保持溝(36a,36b)内に保持されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  15. 前記取付けスリーブ(34)は、第2の支持体(46)に対して軸方向に、好ましくは直接的に支承され且つ支持されている追加の回転シール要素(38,38’)を備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  16. 前記回転シールアセンブリ(10)は回転装置として設計され、前記高圧領域Hは前記2つの回転シール要素(38,38’)の間に配置されて、第1の回転装置領域を形成し、前記取付けスリーブ(34)は、前記第1の機械部品(12)内に配置された第1の流体流路(20)を、前記第2の機械部品(14)内に配置された第2の流体流路(22)に、前記回転装置領域によって流体的に接続されるために少なくとも1つの貫通孔(74)を備えることを特徴とする請求項15に記載の回転シールアセンブリ。
  17. 前記回転シールアセンブリ(10)は回転装置として設計されると共に、追加の回転シール(24)を備え、前記高圧領域Hは前記2つの回転シール(24)の間に形成されると共に、第1の回転装置領域を形成して、これにより、前記第1の機械部品(12)内に配置された第1の流体流路(20)が、前記第2の機械部品(14)内に配置された第2の流体流路(22)に流体的に接続されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  18. 複数の回転装置領域を備え、前記複数の回転装置領域の各々がいずれかの側で、同一の回転シール(24)又は複数の回転シール(24)の回転シール要素(38,38’)によって軸方向に区切られていることを特徴とする請求項16又は17に記載の回転シールアセンブリ。
  19. 前記機械部品(12,14)の一方における前記シール保持構造(26)は、前記機械部品(12,14)上にプレス嵌めで直接保持された金属スリーブによって形成されていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の回転シールアセンブリ(10)のための回転シール(24)。
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