JP2019514405A - プログラム可能ヌクレアーゼのあるゲノム編集及びプログラム可能ヌクレアーゼのないゲノム編集のための改善された方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、単離細胞内又は生物内のゲノム編集のための組成物及び方法を含む。本編集オリゴヌクレオチドは、標的核酸を修飾するために適切な位置に編集部分を位置付けるリンカーと、標的核酸塩基の脱アミノ化を引き起こすcrisprRNAドメイン及び不活性化型Cas9ドメインとを含有し得るオリゴヌクレオチド鎖を含有する。本編集オリゴヌクレオチドはまた、ゲノム内の標的配列からのヌクレオチド配列変化を少なくとも1つ含有し得る。本方法の特定の実施形態は、編集プロセスを補助する外因性タンパク質なしに、編集オリゴヌクレオチドを利用して細胞内のゲノム配列を修飾することを含む。本編集オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ安定性を、未修飾オリゴヌクレオチドと比較して増加させる、骨格修飾を含んでもよい。

Description

関連出願の相互参照
以下の出願は、2016年5月6日出願の米国仮特許出願第62/333,004号及び2016年10月20日出願の同第62/410,487号の優先権を主張するものである。
連邦政府資金による研究開発の記載
該当なし
共同研究契約の当事者の名称
該当なし
コンパクトディスクで提出された資料の参照による援用
該当なし
本発明は、ヒト及び動物の治療薬(インビボ及びエクスビボの治療用途を含む)、美容手技、前臨床開発、基礎研究の分野における用途のため、また、農業における備蓄食糧の改善、畜産における望ましい特徴を与えるための動物(農業用動物及び他の家畜化された動物)の品種改良、及びエネルギー生産のために、ゲノム又はRNAの配列を修飾するタンパク質を含む、オリゴヌクレオチド又はポリペプチドを含む、ポリヌクレオチドを使用することに関する。
代謝酵素などの主要な機能タンパク質の喪失をもたらす単純な遺伝子変異を持って生まれた患者には、現在、矯正治療の選択肢はほとんどない。少数の代謝の先天異常については、外因性タンパク質送達が、治療のための置換酵素を提供するために上首尾に使用されており、生涯治療を必要とする。残念ながら、たいていの遺伝的欠陥は、タンパク質が患者の特定の細胞型内で生成されることを必要とし、タンパク質の投与によって簡単に治療することができないので、タンパク質置換に適した病気の数は、限定されている。
遺伝子置換療法(「遺伝子療法」)は、遺伝子欠損を機能的に補正するより一般的に有用な方法となる潜在性を有する。しかしながら、ほとんどの場合、(遺伝子全体ではなく)cDNAが細胞内に挿入され、欠陥遺伝子が置換されるのではなく、むしろ野生型cDNAが細胞内に染色体外に又は内在性遺伝子とは異なる部位内に挿入されるので、遺伝子置換療法は、不適切な名前である。
この技術のとてつもない潜在性に対する初期の熱狂は、数十年間の臨床治験によって和らぎ、薬剤としての遺伝子療法というより現実的な見方になった。明らかになったことは、遺伝子療法には、1)ウイルスベクターに対する不都合な免疫応答の潜在性、2)ウイルスベクターを組み入れて発がん遺伝子を活性化させ、がんをもたらす潜在性、3)導入遺伝子の後成的な発現停止、及び4)発現した導入遺伝子が細胞免疫応答を誘導する潜在性、を含む、いくつかの限界があるという認識である。過去10年間にわたるオリゴヌクレオチド化学及びインビボ核酸送達技術の進歩は、DNA及びRNA修飾療法の潜在性を開いてきた。多数の臨床治験における肯定的なデータ、及び米国における初めての全身用アンチセンス薬、ミポメルセン(Ionis Pharmaceuticals,San Diego,CA)の認可は、オリゴヌクレオチド薬の臨床有用性をさらに実証している。
RNAレベルの調整によりタンパク質発現を阻害するために治療用オリゴヌクレオチドを使用することの臨床的利益は実証されているが、核酸編集又は修復手法の治療的潜在性はおそらく、これらの阻害手法の利益を上回るであろう(Woolf,et al.,PNAS 92:8298−8302,1995、及びWoolf,Nat.Biotech 16:341−344,1998)。堅固な編集技術プラットフォームは、変異DNAの部位特異的な補正、保護的アレルの創生、又は、研究、治療、美容、もしくは農業目的で望ましい、生物全体、細胞、もしくは組織のゲノム内の変化を別法で創生することを可能にする。
そのようなプラットフォームは、遺伝子点変異及び他の遺伝子病変により生じる広範な疾患のための治療介入及び潜在的な治療法として、幅広い有用性を有するであろう。遺伝子療法とは異なり、ゲノム編集は、実際の病変(複数可)を修復する潜在性を有し、野生型配列で編集された染色体を、ベクター配列、他の部位における組み入れ、又は無作為の挿入もしくは欠失なしにする。この「足跡なし」手法は、不自然な配列による潜在的な副作用が起こらないようにするので、治療適応に非常に望ましい。また、ゲノム編集治療が患者の生殖細胞系をうっかり編集してしまった場合でも、野生型に対する精密な「足跡なし」編集は、子孫中に不自然な配列を創生しないであろう。
核酸を用いた配列編集には、2つの一般的機構が存在する。それらは、化学修飾、及び標的への核酸配列の組み込みである。化学修飾機構では、編集オリゴヌクレオチドは、標的核酸塩基のコーディングが変化するような標的核酸塩基の化学修飾を引き起こす。第2の一般的機構は、1個以上のオリゴヌクレオチドを標的RNA又はDNA配列に組み込むことによる。この機構では、オリゴヌクレオチドは、「ドナー」DNAと称されることが多い。この機構は、漠然と相同組換え(HR)又は相同指向修復と称されるが、遺伝子変換、ミスマッチ修復((PCT/US2015/65348の図1を参照されたい)の誘導、及びトランススプライシング、又は鎖侵入、その後の核酸合成のプライミングなどの、他の機構を含む場合もある。
次世代シーケンシング及びSNP分析に推進された、遺伝経路及び分子経路に関する情報の急増は、一遺伝子性及び多遺伝子性の疾患を治療するための治療的編集に関する多数の標的を提供している(PCT/US2015/65348を参照されたい)。DNA編集修復の治療的潜在性は、有望なデータによって実証されてきた。改変されたジンクフィンガーヌクレアーゼ(Sangamo Biosciences,Inc.,Richmond,CA)は、HIVの治療に使用されており、mRNAが修復され、エクソンスキッピングアンチセンスモルホリノ(Sarepta Therapeutics,Inc.,Cambridge,MA)は、筋ジストロフィーの治療に使用されている。プログラム可能ヌクレアーゼを用いて編集効率を向上するCRISPR/Cas−9及び他の遺伝子編集手法は、治療用途におけるいくつかの研究成果及び大型投資を生み出している。
治療的なmRNA編集は、Woolfらによって脊椎動物モデル系で初めて示された(PNAS 92:8298−8302,1995)。この系では、デュシェンヌ型筋ジストロフィーmRNAにおける標的となる終止コドン変異が、標的部位における酵素による標的核酸塩基の化学修飾を誘導する編集アンチセンスRNAとの二重鎖形成によって修飾された。酵素は、標的アデノシンを主としてグアニンとして翻訳されるイノシンに修飾する内在性アデノシンデアミナーゼであった。Woolfらによる研究は、特異性が限定された編集を誘導した。
Montielら(PNAS 110(45):18285−90,2013)は、嚢胞性線維症のmRNA修復の関連機構を実証し、哺乳動物細胞において20%の補正が達成された。これは治療的編集の原理を示すことに成功したが、Montielの方法は、臨床使用するには複雑である。この主要な理由は、Montielらの方法が、修飾遺伝子、mRNA、又はタンパク質を、遺伝子療法、mRNA療法、又は他の方法によって細胞内に導入することを必要とすることである。このため、遺伝子療法及びmRNA療法に認められる既知の不利点の全てが、Montielの治療的編集方法にも関連する。
別の手法において、Singerら(Nucleic Acids Research,27(24):38−45,1999)は、RecAタンパク質に補助され、標的鎖にハイブリダイズした、アルキル化オリゴマーを有するDNAを標的にした。しかしながら、しかしながら、侵入オリゴヌクレオチドを標的DNAに架橋することは、典型的に、DNAのある領域にわたって分布する様々な変異をもたらし、複製の阻害をもたらし得る。オリゴヌクレオチドに対する反応性の塩基修飾性化学構造の接合、及び標的dsDNA配列の配列特異性修飾が達成されている(Nagatsugi,et al.Nucleic Acids Research,Vol.31(6):e31 DOI:10.1093/nar/gng031,2003)。この研究は、標的塩基に対するいくらかの特異性、そして低いが有意な効率(1回の処置で0.3%)と共に、標的配列の部位特異性を実証した。しかしながら、この方法は、架橋をもたらすため、Singerらと同じ不利点を有する。
Sasakiら(J.Am.Chem.Soc.,126(29):8864−8865,2004;米国特許第7,495,095号も参照されたい)は、一酸化窒素(NO)をDNA配列の特異的なシトシン部位に送達し、続いてシトシン塩基を特異的に脱アミノ化するための方法を開発した。この技術は、反応の発生を可能にするための非生理学的なpH、及び長いインキュベーション時間を必要としたが、これは治療介入に必ずしも適用可能ではないであろう。加えて、化学反応性のオリゴヌクレオチドによる方略は、細胞内で効率的にされたとしても、複雑な化学合成を必要とし、DNAを含む非標的細胞成分と反応性であり得、これは理想的ではない。それらはまた、塩基変化毎に異なる標的化学構造を必要とし、たいていトランスバージョンではなくトランジションに好適であり、これにより、それらの全体的な有用性が限定される。さらに、この方法は、欠失及び挿入を修復せず、これは、何らかの変異を補正することに対するその一般的な適用形態をさらに限定するものである。とはいえ、編集に対するこの化学修飾手法は、編集を促進するために細胞に外因性タンパク質を添加することを必要とせず、原理上は、1個以上の未修飾DNA結合を有するオリゴヌクレオチドより大きいヌクレアーゼ耐性、より良好な組織分布及び細胞取り込みを可能にし得る、高度に修飾されたオリゴヌクレオチド骨格と共に使用され得るという利点を有する。
一本鎖編集オリゴヌクレオチドを用いた編集は、一貫した再現可能な編集をもたらしたが、効率は比較的低かった(約0.1〜1%)。最も活性な一本鎖編集オリゴヌクレオチドは未修飾のDNA内部領域を有し、これが、細胞内での急速なヌクレアーゼ分解をもたらし、また、Toll様受容体活性化をもたらしたと思われる。編集効率は、以下の手法によって上昇した:
1. 3個のホスホロチオエート残基を編集オリゴヌクレオチドの各端部に付加すること(しかしながら、細胞内での急速なエンドヌクレアーゼ消化に依然として影響されやすい場合の結果として生じる編集オリゴヌクレオチド、そしてホスホロチオエートはそれらの毒性を増加させる);
2. 細胞がS期の間に編集オリゴヌクレオチドで処置されるように細胞周期を同調させること。残念ながら、これは編集効率をある程度上昇させたが、この手法は煩雑であり、必ずしもインビボ治療に実用的とは限らない;
3. 複製フォークの進行を減速させ、かつ/又は細胞内でDNA鎖切断を誘導する試薬で、細胞を処置し、これにより細胞内のDNA修復の増加をもたらすこと(しかしながら、これは編集効率をある程度上昇させたが、この手法も煩雑であり、必ずしもインビボ治療に実用的とは限らない;そして
4. PNAクランプ、すなわち標的編集の近傍に結合する鎖侵入一本鎖PNAを付加すること(Bahal et al.Current Gene Therapy 14(5):331−42(2014)、Chin et al.PNAS 105(36):13514−13519(2008)、Rogers et al.PNAS 99(26):16695−16700(2002)、米国特許第8,309,356号。
これらの改善点は、インビトロの細胞系モデルにおいて編集効率を最大およそ約8%上昇させたが、各手法は上述の制限を有した(Kmiec,Surgical Oncology 24:95−99,2015)。
ジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALEN、及びI−CreIホーミングエンドヌクレアーゼに基づくエンドヌクレアーゼ(Precision BioSciences,Durham,NCによるARCUS(登録商標)など)などのプログラム可能ヌクレアーゼは、編集標的部位の近傍で染色体を切断することによるドナーDNA配列の染色体内への組み込みを向上させるために使用されている。CRISPR−Cas9系による標的切断が、近年では、CRISPR−Cas9系が、ゲノム編集の効率を向上させるために使用されている。しかしながら、プログラム可能ヌクレアーゼは、オフターゲット修飾を引き起こし、潜在的に危険かつ望ましくない染色体内の一本鎖及び二本鎖切断を必要とすることが多い。プログラム可能ヌクレアーゼを使用することの1つの特に望ましくない結果は、切断部位(複数可)における無作為な挿入及び欠失(挿入欠失)の生成である。ドナーDNAによる所望の精密編集は、挿入欠失の創生と競合し、精密に編集された染色体と様々な挿入欠失を有する染色体との混合物が残される。この系はまた、外来性の改変されたタンパク質が発現されるか、又は機能的な形態で細胞に送達されることを厳密に必要とする。この改変されたタンパク質すなわちCas9は免疫原性であり、したがって治療用途にあまり望ましくない。加えて、タンパク質の発現又は細胞へのその送達は、臨床開発における重要課題である。1つの配列から別の規定の配列への特異的変更を行うために、CRISPR−Cas9系は、Cas9に加えて、70ヌクレオチドを超えるgRNAと、ゲノム内の挿入のための1個又は2個の追加のオリゴヌクレオチドとを必要とする。このように、CRISPR/Cas9編集系は高度に複雑であり、この複雑性が臨床開発における課題を生み出す。
その結果、より効率的に機能し、かつ、作用の方法として標的核酸の核酸塩基に編集薬剤を架橋すること;又は編集を得るために外因性プログラム可能ヌクレアーゼによって標的核酸内の切断を誘導する挿入欠失を導入することを厳密に必要としない、核酸編集化合物が、生物医学及びバイオテクノロジー産業で必要とされている。加えて、これらの編集薬剤は、ほとんどの点変異ならびに場合によっては小さな挿入及び欠失を修復することができ、編集オリゴヌクレオチドの場合は薬物動態を向上させる化学修飾を含有し、編集活性を実質的に低減させることなく体内分布及び細胞内ヌクレアーゼ安定性を有し、任意選択により、Toll様受容体の活性化を低減させ、かつ、標的DNA配列を、そしていくつかの実施形態ではRNA配列を編集することにより、潜在する遺伝的病因を補正することが望ましい。
本発明の一態様は、配列編集のために、ゲノムのDNA鎖のうちの1本又はRNAに相補的な一本鎖オリゴヌクレオチドを利用する方法である(Woolf,T.M.et al.Nature Reviews Drug Discovery 16,296(2017))。本方法は、該標的配列の編集を補助する外因性タンパク質を厳密に必要とすることなく、細胞又は生物に、一本鎖オリゴヌクレオチドを導入するステップを含む。ある特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、標的配列に対する、挿入又は欠失を含む1つ以上のミスマッチを例外として、標的配列に実質的に相補的である。そのようなオリゴヌクレオチドは、本明細書において、オリゴヌクレオチド、本発明のオリゴヌクレオチド、又は編集オリゴヌクレオチドと称され得る。
ある特定の実施形態において、標的認識ドメインは、標的配列に結合し、標的配列に実質的に相補的であり、かつ1個以上の化学修飾を含む、編集オリゴヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、標的配列認識ドメイン(例えば表Iを参照されたい)は、標的配列上のヌクレオチドに非共有結合するか、標的配列上のヌクレオチドと反応する核酸塩基修飾活性を活性化するか、又は標的配列上のヌクレオチドとの反応を促進する(例えば、図1)。核酸塩基修飾活性は、反応性化学物質、触媒、又は酵素であり得る。このような反応の例としては、アルキル化、アセチル化、架橋、アミノ化、又は脱アミノ化が挙げられる。
これらの編集オリゴヌクレオチドは、各オリゴヌクレオチドが、前記標的核酸に実質的に相補的であり、約10〜約50又は10〜約200ヌクレオチドであり、前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、crisprRNAと、修飾活性を有する塩基に結合された不活性ヌクレアーゼドメインを有し、標的核酸塩基に近接して位置するCas9とを含み得、前記塩基修飾活性が、標的核酸塩基の脱アミノ化を引き起こす、構造、を含み得る。標的核酸は、RNAであってもよく、又はDNAであってもよい。標的がRNAであるとき、標的は、好ましくはmRNAである。
オリゴヌクレオチドはまた、本明細書において、オリゴヌクレオチド、本発明のオリゴヌクレオチド、又は編集オリゴヌクレオチドと称され得る。オリゴヌクレオチドは、好ましくは1つ以上の化学修飾を有することができる。この/これらの化学修飾(複数可)修飾(複数可)は、1個以上の骨格修飾(複数可)、糖修飾(複数可)、核酸塩基修飾(複数可)、リンカー、及び/又は接合体を含み得る。
オリゴヌクレオチドは、以下に記載されるように、ゲノム内の標的配列に相補的であり、標的配列に対するミスマッチを有する場合がある。修飾は、未修飾オリゴヌクレオチドと比較して、又は各末端上に3個のホスホロチオエートを有するオリゴヌクレオチドと比較してヌクレアーゼ安定性を増加させることによって、編集の効率を上昇させ得る。
一実施形態において、編集オリゴヌクレオチド配列は、編集が完了した後に所望される配列である。所望される編集は、トランジションもしくはトランスバージョン、又は欠失もしくは挿入であり得る。特定の理論又は機構に束縛されることを望むものではないが、編集オリゴヌクレオチドは、転写又は複製などの細胞プロセス中に標的配列が反対側のゲノム鎖から分離するとき、部分的又は完全に相補的な標的ゲノムDNA配列に結合する。いくつかの場合では、二本鎖ゲノムDNA標的に対する編集オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、標的DNAの「ブリージング」又は過渡的な融解の間に起こり得る。いくつかの実施形態では、二重鎖ゲノムDNA内への編集オリゴヌクレオチドの浸入は、任意選択により、Cas−9(もしくはCas−9相同体)もしくはRecA及び一本鎖DNA結合タンパク質、又は表VIIIに列記されるものなどの鎖侵入を向上させる他のタンパク質などのタンパク質(複数可)によって促進される。
一実施形態では、編集オリゴヌクレオチドと標的ゲノムDNA鎖との間にヘテロ二重鎖が形成されたら、不完全な相補性の領域が、細胞DNA修復によって補正される。編集オリゴヌクレオチドが修復のための「補正」鋳型として使用される場合、所望の編集が、標的ゲノムDNA鎖又はRNA鎖に組み込まれる。同様に細胞内で起こり得る第2の機構において、編集オリゴヌクレオチドは、DNAなどの標的核酸に相同組換え(HR)によって組み込まれるか、又は、編集オリゴヌクレオチド配列が標的DNA又はRNAに組み込まれることをもたらす他のプロセスによって組み込まれる。
一実施形態では、各編集オリゴヌクレオチドは、それぞれ表II及びIVに列記されるヌクレオチド間結合又は糖修飾のうちの少なくとも1つを含む。編集効率を向上させるために、タンパク質又は触媒性核酸を、編集オリゴヌクレオチドと組み合わせてもよい(表VIII)。
他の実施形態は、薬学的担体又は送達ビヒクル、及び編集オリゴヌクレオチドのうちの1つ以上を含む、薬学的組成物(該担体は、水、食塩水、又は生理緩衝食塩水であり得る)、ならびに、編集オリゴヌクレオチドのうちの1つ以上を含有する細胞を含む。
本発明の別の態様は、医学的状態の治療を必要とする個体の健康を改善するか、あるいは、医学的状態の治療を必要とする個体における該状態を低減させるか、又は排除するか、又は防止する方法であって、少なくとも1つの編集オリゴヌクレオチドを含有する組成物を個体に投与することを含む、方法である。いくつかの投与方法及び標的適応症が、(PCT/US2015/65348)に列記されている。
本発明の他の態様は、少なくとも1つの編集オリゴヌクレオチドを、その投与によって治療され得る状態を有する疑いのある個体に投与する方法を含み、その状態は、標的核酸内の変異ヌクレオチドを野生型ヌクレオチドに復帰させること;標的核酸内の変異コドンの非変異ヌクレオチドを修飾して野生型コドンを生成すること;標的核酸内の中途終止コドンをリードスルー非野生型コドンに変換すること;又は、標的核酸内の変異コドンを修飾して、疾患を引き起こさないアミノ酸をもたらし、また、いくつかのヌクレオチド(すなわち、いくつかの場合では、約10個未満、約5個未満、又は3個未満)を挿入又は欠失させる編集をもたらす、非野生型コドンを生成すること、によって、低減されるか、防止されるか、又は排除され得る((PCT/US2015/65348)を参照されたい)。
本発明の別の態様は、タンパク質もしくは機能性RNAをコードする核酸を修飾するか、又は、遺伝子の転写レベルを制御して、該タンパク質もしくはRNAの活性を調整するか、又は、変異タンパク質を修飾して、その疾患を引き起こす情動を抑制するための方法であって、細胞又は個体に、少なくとも1つの編集オリゴヌクレオチド又はタンパク質を投与するステップを含む、方法である。これらの方法において、編集のための標的核酸はDNAである。
本発明の編集オリゴヌクレオチド又はタンパク質は、以下を含む機能のうちの1つ以上を実行し得る:変異塩基から、野生型DNA又はRNA配列のコーディング特異性を有する塩基への、正確な復帰;変異コドンを変化させて、疾患を引き起こさないアミノ酸を生じる非野生型コドンをコードすること;終止コドンを、非野生型のリードスルーコドン、すなわち標的タンパク質の活性又は部分的活性を依然として許容するコドンにする修飾;野生型コドン又は非疾患アミノ酸コドンを生じる、変異コドンの非変異塩基を変化させること;タンパク質の核酸配列を変化させて、そのタンパク質のあるドメインの活性を増加又は減少させる(もしくは排除する)こと;RNA又はDNAの配列を変化させて、疾患を防ぐことで知られるアレルを生成すること;変異遺伝子の疾患を引き起こす作用を抑制する、標的変異タンパク質内にある変異又は疾患異型コドン以外の部位を変化させること;変異遺伝子の疾患を引き起こす作用を抑制する、遺伝子もしくはRNA内にある変異又は疾患異型以外の部位を変化させること(第2部位サプレッサー);病的状態が低減されるように、疾患関連遺伝子の発現を調整する、遺伝子のプロモーター、エンハンサー、又はサイレンシング領域を変化させること(環境の変化に対する遺伝子発現の応答の上方もしくは下方の制御又は調整);標的配列のエピジェネティック状態を変化させる、DNA内の糖のメチル化、ならびに/あるいは、スプライス部位配列をDNAもしくはRNAレベルで変化させて、疾患状態を治療するスプライシングパターンを得ること。
自己送達性オリゴヌクレオチドとは、送達ビヒクルなしで細胞の内側に効率的に侵入する化学構造、例えば、Gal−NAC接合オリゴヌクレオチド、親油性基接合編集オリゴヌクレオチド(米国特許出願第20120065243 A1号)、又は、ホスホロチオエート尾部を有するか、さもなければ約8個以上のホスホロチオエート結合を有するオリゴヌクレオチド(米国特許出願第20120065243 A1号)などを指す。
標的核酸塩基を化学修飾することによって作用する編集オリゴヌクレオチドの実施形態の成分(大きな三角形はピリミジンを表し、より小さな三角形はプリンを表す)。 編集オリゴヌクレオチド及びヘルパーオリゴヌクレオチドの例示的一覧。4つのテキスト文字列(塩基修飾(もしあれば)、配列、糖、及び骨格)は、修飾オリゴヌクレオチドの概要を形成する。以下の略語が、骨格部分のために提供されている:o=ホスホジエステル;s=ホスホロチオエート;及びm=メチルホスホネート。以下の略語が、配列のために提供されている:RNA又はRNA類似体の場合、「T」は「U」であると理解される;P=末端ホスフェート。以下の略語が、糖部分のために提供されている:D=DNA;R=RNA;M=2’−O−メチル;F=2’F;L=LNA;及びU=ロック解除された核酸。以下の略語が、塩基部分のために提供されている:A=アデニン;T=チミジン;U=ウラシル;G=グアニン;C=シトシン;及び5=5メチルC。以下の文字が、リンカーを示すために使用されている 「−」=リンカー。他の略語としては、以下が挙げられる:ND=データなし;PNAは、配列文字列において「N末端」で始まる;K=リジン、O=8−アミノ−2,6−ジオキサオクタン酸リンカー;及びJ=偽イソシトシンを表す。下線のサブユニットは、以下の通りである。ETAGEN通し番号100197については、=ガンマminiPEG(PNA BIO,Thousand Oakes,California)、ETAGEN通し番号100198及び100199については、=グルタミン酸(PNA BIO,Thousand Oakes,California)。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される用語は全て、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の開示全体にわたって参照される特許、特許出願、ウェブサイトの投稿、及び刊行物は全て、それらの全体において参照により援用される。本明細書における用語に複数の定義が存在する場合には、本節の定義が優先する。
本明細書で使用される場合、「G」、「C」、「A」、「T」、及び「U」という文字は各々、概して、それぞれグアニン、シトシン、アデニン、チミン、及びウラシルを塩基として含有するヌクレオチドを表す。しかしながら、「ヌクレオチド」という用語が、以下にさらに詳述されるように、修飾されたヌクレオチドを指す場合があることは理解されよう。配列において、用いられる化学構造がRNA又は修飾RNAである場合、「T」は「U」を指すと理解される。同様に、配列において、「U」は、DNA又は修飾DNAでは「T」であると理解される。当業者は、グアニン、シトシン、アデニン、チミン、及びウラシルが、置換部分を保有するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの塩基対合特性を実質的に変更することなく、他の部分で置き換えられ得ることを熟知している。例えば、限定されないが、イノシンをその塩基として含むヌクレオチドは、アデニン、シトシン、又はウラシルを含有するヌクレオチドと塩基対合を形成し得る。また、例えば、5−メチルCが、Cの代わりに、標的部位DNA内、又は編集オリゴヌクレオチド内に存在し得る。
本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチド(RNA)、デオキシリボヌクレオチド(DNA)、又はペプチド核酸(PNA)(γPNA及びカイラルγPNA)などの他の代替物のいずれかの、ポリマー形態のヌクレオチドを指し、これは、TriLink Biotechnologies(San Diego,CA)、Exiqon(Woburn,MA)、又はPNA BIO(Thousand Oakes,California)、あるいはより長いオリゴヌクレオチドについてはIntegrated DNA Technologies(Coralville,Iowa)を含む、多くの供給元から商業的に入手され得、当該技術分野で既知の方法(Oligonucleotide Synthesis:Methods and Applications,In Methods in Molecular Biology Volume 288(2005)Piet Herdewijn(Editor)ISBN:1588292339 Springer−Verlag New York,LLC)を用いて作製され得る、少なくとも8、又は概して約5〜約200、又は化学的に作製された場合は最大500、又はより一般的には最大約100の範囲の長さの天然及び非天然ヌクレオチドを組み込んだ、ポリマー形態の核酸塩基である。特殊な合成法が用いられる場合、例えば、一本鎖ベクターDNA、又はインビトロ転写プラスミドmRNAからの逆転写cDNAといった一本鎖DNAの非化学的合成源が用いられる場合、一本鎖の編集「オリゴヌクレオチド」又はドナーDNAは、最大2,000ヌクレオチドになり得る。したがって、この用語は、二本鎖及び一本鎖のDNAならびに一本鎖RNAを含む。加えて、オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ抵抗性であり得、2’−O−メチルリボヌクレオチド、拘束された(constrained)又はロックド核酸(LNA)、2’フルオロ、ホスホロチオエートヌクレオチド(キラル富化(chirally enriched)ホスホロチオエートヌクレオチドを含む)、ホスホロジチオエートヌクレオチド、ホスホロアミデートヌクレオチド、及びメチルホスホネートヌクレオチド(キラル富化メチルホスホネートを含む)を含むが、これらに限定されない。オリゴヌクレオチドはまた、PNA又はモルホリノ核酸(MNA)中にあるような非天然のヌクレオシジル間(internucleosidyl)結合を含有してもよい。上記の定義は、「編集オリゴヌクレオチド」という表現に含まれる場合、標的配列上のヌクレオチドと反応するか、又はそれとの反応を促進する、1個以上の化学修飾(例えば、ニトロソアミン)をさらに含み得る、オリゴヌクレオチドを指す。
「5’」及び「3’」という用語は、PNAへの言及において、それぞれN末端又はC末端を意味すると理解される。
本明細書で使用される「核酸」という用語は、標準的なホスホジエステル結合もしくは他の結合によって共有結合した、窒素性の複素環式塩基もしくは塩基類似体を有する、ヌクレオシド又はヌクレオシド類似体を含む、オリゴヌクレオチドを含む、ポリヌクレオチド化合物を指す。核酸には、2’修飾糖を有する核酸、DNA、RNA、キメラDNA−RNAポリマー、又はそれらの類似体が含まれる。核酸において、骨格は、糖−ホスホジエステル結合、ペプチド−核酸(PNA)結合(PCT出願国際公開第95/32305号)、ホスホロチオエート結合、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、様々な結合(表II)によって構成され得る。核酸内の糖部分は、リボース、デオキシリボース、又は、置換、例えば、2’メトキシ及び2’ハロゲン化物(例えば、2’−F)、LNA(又は他の立体構造的に制限された修飾オリゴヌクレオチド)、及びUNA(非連結核酸)の置換を有する、同様の化合物であってもよい(表IV)。
核酸に関して本明細書で使用される「2’修飾糖」という用語は、2’F、2’アミノ、2’−O−Xを指す(式中、Xは、限定されないが、アルキル基(例えば、メチル、エチル、もしくはプロピル)、又はメトキシエトキシなどの置換アルキル基、あるいは、限定されないが、LNA及びcET−BNA、架橋3’−CH−もしくは5’−CH−、架橋3’−アミド(−C(O)−NH−)もしくは5’−アミド(−C(O)−NH−)、又はそれらの任意の組み合わせを含む、2’リボースを4’リボース位に架橋する基(すなわち、拘束ヌクレオチドとしばしば称される)を含む、ハイブリダイゼーション可能オリゴヌクレオチドをもたらすことが当該技術分野で既知である修飾である(追加の例については表IVを参照されたい)。
本明細書で使用される「標的配列」という用語は、編集オリゴヌクレオチドによって修飾される、細胞内のDNA配列又は細胞内のRNA配列のヌクレオチド配列の隣接部分を指す。
「crisprRNA」という用語は、本明細書で使用されるとき、crRNA又はCRISPR RNAを指す。
「相補的」という用語は、第2のヌクレオチド配列に関する第1のヌクレオチド配列(例えば、編集オリゴヌクレオチド及び標的核酸)を説明するために使用される場合、当業者には理解されるように、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドが、ある特定の条件下で、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドとハイブリダイズし、二重鎖(又は三重鎖)構造を形成する能力を指す。好ましいハイブリダイゼーション条件は、生物内部で経験され得るような生理的に適切な条件であり、適用することができる。当業者であれば、ハイブリダイズされたヌクレオチドの最終用途に従って2つの配列の相補性を試験するための最も適切な条件一式を決定することができるであろう。
ハイブリダイゼーションは、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドと、第1及び第2のヌクレオチド配列の全長にわたって塩基対合を形成することを含む。そのような配列は、本明細書では互いに対して「完全に相補的」と称される場合があるが、本発明の編集オリゴヌクレオチドのいくつかの場合では、1個以上の塩基が、標的配列の相補的塩基とは異なる。
本明細書で使用される「実質的に相補的」という用語は、オリゴヌクレオチドのうち十分な割合のヌクレオチドが標的配列のヌクレオチドと対合を形成してハイブリダイゼーションを促進する、本発明のオリゴヌクレオチドと標的ゲノム配列との間の関係を指す。いくつかの実施形態では、その割合は、99パーセント超、95パーセント超、又は90パーセント超である。いくつかの実施形態では、その割合は、80パーセント超、70パーセント超、又は60パーセント超である。
本明細書で使用される「相補的配列」という用語は又はイブリダイズするそれらの能力に関する上記の要件が満たされる限り、非ワトソン−クリック塩基対、ならびに/又は、非天然及び修飾ヌクレオチドから形成される塩基対を含むか、又は完全にそれらから形成されてもよい。
本明細書で使用される「ハイブリダイゼーション」、「ハイブリダイズする」、「アニールする」、又は「アニーリング」という用語は、適切な条件下で、実質的に相補的な配列を有する核酸が、ワトソン&クリック塩基対合によって互いに結合する能力を指す。核酸アニーリング又はハイブリダイゼーション技術は、当該技術分野で周知である(例えば、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Press,Plainview,N.Y.(1989)、Ausubel,F.M.,et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Secaucus,N.J.(1994)、又は細胞内の生理的条件を参照されたい)。
本明細書で使用される「細胞に導入すること」、「細胞への導入」という用語は、当業者に理解されているように、細胞内への取り込み又は吸収を促進することを指す。編集オリゴヌクレオチドの吸収又は取り込みは、補助のない拡散性又は活発な細胞プロセスを通して、又は補助的な薬剤もしくはデバイスによって起こり得る。この用語の意味はインビトロの細胞に限定されず、編集オリゴヌクレオチドは、細胞が生きている生物の一部である場合にも「細胞に導入され」得る。そのような事例において、細胞への導入は、生物への投与を含む。例えば、インビボ送達の場合、編集オリゴヌクレオチドは、組織部位に注入するか、又は全身投与することができる。インビトロでの細胞への導入は、電気穿孔、微量注入、核酸の遺伝子注入、リポフェクション、又は弾道的方法などの、当該技術分野で既知の方法を含む。
「編集する」という用語は、標的配列に関して使用されるとき、本明細書では、標的遺伝子内の配列の変化によって顕在化する、標的遺伝子の少なくとも部分的な編集を指す。編集の範囲は、標的遺伝子が転写され、かつ、第1の細胞又は細胞群と実質的に同一であるが同様に処置されていない第2の細胞又は細胞群(対照細胞)と比較して編集オリゴヌクレオチドで処置されている、第1の細胞又は細胞群から、RNA又はDNAを単離することによって、決定され得る。
あるいは、編集の程度は、標的遺伝子の転写に機能的に関連付けられたパラメータ、例えば、細胞により分泌される標的遺伝子によってコードされるタンパク質の量、又は、ある特定の表現型、例えばアポトーシスを提示する細胞の数の、低減もしくは増加の観点から示されてもよい。原理上、編集は、標的を発現する任意の細胞内で、任意の適切なアッセイによって決定され得る。
例えば、ある特定の事例では、標的遺伝子は、本発明の編集オリゴヌクレオチドの投与により、標的細胞の少なくとも約0.1%、1%、3%、5%、10%、20%、25%、35%、又は50%において編集される。具体的な実施形態では、標的遺伝子は、発明の編集オリゴヌクレオチドの投与により、標的細胞の少なくとも約60%、70%、又は80%において編集される。標的細胞は、多くの場合、標的遺伝子の2つのコピーを含有し、これらのコピーの一方又は両方が編集され得る。いくつかの場合では、標的細胞は、編集の標的とされる遺伝子のコピーを1個しか含有せず、その結果、細胞毎に所望の編集1個しか発生しない場合がある。
「治療する」、「治療」などの用語は、ある状態の緩和又は軽減を指す。本発明の文脈では、本明細書で以下に列挙される他の状態のいずれかに関連する限りにおいて、「治療する」、「治療」などの用語は、そのような状態に関連する少なくとも1つの症状を緩和もしくは軽減すること、又はそのような状態の進行を減速もしくは逆転させること、又は将来の疾患の形成を防ぐことを意味する。治療は、農業及び工業用途の事例において、生物の特性を改変することを含んでもよい。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」及び「予防有効量」という表現は、ある状態もしくはその状態の顕性症状の治療、防止、又は管理において治療利益を提供する量を指す。治療上有効である具体的な量は、通常の医師によって容易に決定することができ、例えば、疾患の種類、患者の病歴及び年齢、疾患の段階、ならびに他の治療剤の投与の可能性などの、当該技術分野で既知の要因に応じて異なり得る。
本明細書で使用される場合、「薬学的組成物」は、薬理学的有効量の編集オリゴヌクレオチド、及び薬学的に許容される担体を含む。本明細書で使用される場合、「薬理学的有効量」、「治療有効量」、又は単に「有効量」とは、意図される薬理的、治療的、又は予防的な結果をもたらすのに有効な、編集オリゴヌクレオチドの量を指す。例えば、疾患又は障害に関連する測定可能なパラメータが少なくとも25%低減するときに、所与の臨床治療が有効と見なされる場合、その疾患又は障害の治療のための薬物の治療有効量は、そのパラメータの少なくとも25%の低減をもたらすのに必要な量(可能性のある複数用量を含む)である。
「薬学的に許容される担体」という用語は、治療剤の投与のための担体を指す。そのような担体としては、(PCT/US2015/65348)に記載の担体が挙げられるが、これらに限定されない。
標的配列部位を具体的に編集するために、編集薬剤は、標的核酸配列(表Iを参照されたい)を認識するドメインを有さなければならない。ある特定の実施形態において、標的認識ドメインは、標的配列に結合し、標的配列に実質的に相補的であり、かつ1個以上の化学修飾を含む、編集オリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、改変された配列特異性核酸結合タンパク質(例えば、改変された転写因子)によって認識される。
相同組換え及びDNA複製モードはRNA標的に当てはまらないので、RNA編集モードは、標的核酸塩基モードの化学修飾又はエクソンスキッピングの誘導に限定される。
本発明の一態様では、ゲノムのDNA鎖のうちの1本に相補的な一本鎖オリゴヌクレオチドが、配列編集のために利用される(PCT/US2015/65348の図1を参照されたい)。所望される編集は、トランジションもしくはトランスバージョン、又は欠失もしくは挿入であり得る。本発明のこの態様において、編集オリゴヌクレオチド配列は、編集が完了した後に所望される配列である。特定の理論又は機構に束縛されるものではないが、編集オリゴヌクレオチドは、転写又は複製などの細胞プロセス中に標的配列が反対側のゲノム鎖から分離するとき、部分的に相補的又は完全に賛辞的な標的ゲノムDNA配列に結合する。DNA複製中に結合が発生するとき、編集オリゴヌクレオチドは、DNA合成をプライミングし、したがって新生ゲノムDNA鎖内に組み込まれ得る。いくつかの場合では、二本鎖ゲノムDNA標的に対する編集オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、標的DNAの「ブリージング」、過渡的な融解、又は巻き戻しの間に起こり得る。編集オリゴヌクレオチドと標的ゲノムDNA鎖との間にヘテロ二重鎖が形成されたら、不完全な相補性の領域が、細胞DNA修復(相同組換え(HR)を含む)によって補正される。編集オリゴヌクレオチドが修復のための鋳型として使用されるとき、所望の編集が、標的ゲノムDNA鎖に組み込まれる。
自己送達性編集オリゴヌクレオチドは、非カプセル化の自己送達性編集オリゴヌクレオチドよりはるかに大きいナノ粒子(リポソームなど)による組織浸透と比較して向上した組織浸透を可能にするために特に有用である。例えば、ナノ粒子が組み込まれた編集オリゴヌクレオチドは、入手しやすい細胞培養液及び鼻粘膜上皮においてCFTRデルタF508変異をより効率的に編集することができたが、肺深部でははるかに低い編集効率をもたらした(McNeer et al.,Nature Comm.DOI:10.1038/ncomms 7952 pgs.1−11,2015)。具体的には、CF患者の肺には追加の粘液があり、粘液をナノ粒子で浸透することは困難であるが、粘液は、20〜70ヌクレオチドの範囲の長さの編集オリゴヌクレオチドの分子で浸透することができる。実際、他の形態の自己送達性治療用オリゴヌクレオチド(例えば、均一にホスホロチオエートで修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチド)は、吸入により肺内深くに送達された。
本発明の編集オリゴヌクレオチドは、5’から3’の順序で列記される次のセグメントのいくつか又は全てを含む:5’末端セグメント、5’近位セグメント、5’編集セグメント、編集部位、3’編集セグメント、3’近位セグメント、及び3’末端セグメント。これらのセグメントは、それらの位置及び/又は化学修飾によって区別されるが、修飾されているか、又は天然のDNAもしくはRNAかを問わず、核酸骨格によって隣接して連結することができる。これらのセグメントの各々におけるヌクレオチドは、任意選択により、編集オリゴヌクレオチドの次の特性のうちの1つ以上を改善するように修飾されてもよい:編集の効率;薬物動態特性;体内分布;血清中のヌクレアーゼ安定性;エンドソーム/リソソーム経路内のヌクレアーゼ安定性;細胞質及び核細胞質内のヌクレアーゼ安定性;効率的な編集に必要な毒性(例えば、Toll様受容体の免疫刺激)及び最小の長さ(例えば、より短いオリゴヌクレオチドは一般的に作製費用がより低く、インビボで細胞に送達するのがより容易である)。そのような修飾の非限定的な例が、以下の表で提供される。




編集オリゴヌクレオチドは、上に列記した7つのセグメントの部分集合又は全てを含み得、編集部位と、編集部位に対して5’及び3’の少なくとも1つのセグメントとを含む。これらのセグメントの各々は、任意選択により、編集オリゴヌクレオチドの特性を向上させるために、同じか又は異なる化学修飾を含有してもよく、この修飾は、いくつかの場合では、セグメント全体で均一であってもよく、他の場合では、セグメント内のヌクレオチドの一部分でのみ起こる。
他の実施形態は、PCT/US2015/65348に記載のように、可逆的に電荷を中和するホスホトリエステル骨格修飾を有する編集オリゴヌクレオチドを含む。
I. 編集オリゴヌクレオチド
ある特定の実施形態において、本発明の編集オリゴヌクレオチドは、式(I)に従う構造を有する。
A. 5’末端セグメント(T
3’末端はDNA延長のプライミングにおいて機能し、これがある特定の文脈において3’末端セグメントを概して遊離した3’ヒドロキシルを有する修飾に限定し得るため、5’末端セグメントは、多数の異なる種類の修飾に3’末端よりも適している。このプライミング機能は、5’末端において通常は必要ではない。0〜5ヌクレオチド長であり得る任意選択の5’末端セグメントは、さもなければ体液(例えば、血液もしくは間質液)、培養培地、飲食作用経路、又は細胞質もしくは核細胞質において編集オリゴヌクレオチドを容易に分解し得る、5’エキソヌクレアーゼを遮断するよう機能する。このセグメントは、5’近位セグメントよりもヌクレアーゼ抵抗性である非ヌクレオチド末端ブロッキング基及び/又は修飾ヌクレオチド(複数可)(例えば、逆位Tなどの逆位塩基)を含んでもよい。5’ホスフェートは、編集効率を上昇させることができ、ある特定の実施形態ではチオホスフェート修飾なしに(Radecke et al.The Journal of Gene Medicine 8(2):217−28,2006)又はチオホスフェート修飾と共に含有される(細胞ホスファターゼに対する安定性を向上させるために)。編集オリゴヌクレオチドの5’末端で使用することができる別のヌクレアーゼ安定な5’ホスフェート類似体が、5′−(E)−ビニルホスホネートである。5′−(E)−ビニルホスホネート修飾は、アルゴノート内に充填される編集オリゴヌクレオチドのために特に有用である(R.Parmar,J.L.S.Willoughby,et al.ChemBioChem 17:85.2016)。5’末端セグメントが用いられない場合、5’近位セグメントは単純に、編集オリゴヌクレオチドの最も5’側の部分である。非ヌクレオチド末端ブロッキング基は、この作業の実行に使用するための当業者に既知の任意のリンカーを含んでもよい(これら、及び他のこの位置に有用なリンカーについては、表Vを参照されたい)。リンカー長は、炭素1個から炭素約20個、又は他の化学構造の同等の長さに及び得るが、好ましくは、炭素10個未満又は10個の炭素と同等の長さである。リンカーは、コレステロールなどの送達部分又は1−3 Gal−Nac部分を結合するために使用することができる。
5’末端ヌクレオチドエキソヌクレアーゼ抵抗性セグメントは、1個、2個、3個、又は4個のホスホロチオエート修飾を含み得る。これら1個以上のホスホロチオエート修飾に加えて、又はそれらの代わりに、5’末端エキソヌクレアーゼ抵抗性ヌクレオチドは、エキソヌクレアーゼ安定性を向上させることで知られる2’糖修飾を含んでもよい。さらに、メチルホスホネート、モルホリノ、又はPNAなどの中性ヌクレオチド類似体は、エキソヌクレアーゼに対して高度に抵抗性であり、5’末端におけるそのような修飾のうちの1個、2個、3個、4個、又は5個は、エキソヌクレアーゼ末端ブロッキング基として利用されてもよい。特に有用な実施形態において、5’末端は、2個のメチルホスホネートである(PCT/US2015/65348の図2を参照されたい)。これらの末端基は、必ずしも標的に相補的である必要はない。
B. 5’近位セグメント(P
5’近位セグメントは、上記の5’末端セグメントに関して前述したものと同じ理由のうちのいくつかのために、特定の種類の修飾に3’末端よりも適している。それは、1〜150ヌクレオチド長、又は最大1500ヌクレオチド長、好ましくは約5〜約20ヌクレオチド長であり得る。5’近位セグメントの主な機能は、標的配列にハイブリダイズする編集オリゴヌクレオチドの親和性及び能力を向上させることである。したがって、このセグメントは、任意選択により、編集セグメントよりも実質的に修飾されていてもよい。5’近位セグメントは、本明細書で言及されるオリゴヌクレオチド修飾のいずれを含有してもよい。このセグメントは、DNA又はRNA(任意選択により、LNA及び他の拘束された骨格を含むよう広く定義されている2’修飾RNA)から構成されていてもよい。この領域内の代替的なホスホロチオエート(例えば、向上したキラル純度を有するジホスホロチオエート及びホスホロチオエート)は、ヌクレアーゼ安定性のために厳密には必要とされないが、これらの代替的なホスホロチオエートは、RNA及びDNA結合のヌクレアーゼ安定性を向上させるために有用である。また、このセグメント内のホスホロチオエートがヌクレアーゼ安定性に必要でない場合であっても、それらは、全体的なホスホロチオエート含有量を増加させ得、これは、ホスホロチオエートの化学的に「粘着性の」性質に起因して、血清タンパク質結合及び細胞結合を増加させ、動物及びヒトにおける血清中半減期の増加につながり、細胞質取り込みを向上させる。これらの理由のため、特に有用な実施形態において、編集オリゴヌクレオチドの全ホスホロチオエート含有量は、5個、10個、15個、又は20個を上回り得る。約20個のホスホロチオエートの含有量は、多くの場合、優れた血清タンパク質結合及び細胞結合/取り込みをもたらす。しかしながら、編集オリゴヌクレオチドの相補的領域内の多くの数(例えば、6個超)のホスホロチオエート結合は編集効率を抑制し得るため、ホスホロチオエートの尾部が、標的DNAに相補的な領域の5’又は3’末端に付加され得る。この尾部は、1〜約4、約5〜約9ヌクレオチド、又は約10〜約25ヌクレオチドの長さであり得、好ましくは、標的に非相補的であり得る。ANA又はFANA修飾ヌクレオチドなど、本明細書に記載される他の修飾は、ヌクレアーゼ安定性を向上させ、免疫刺激を低減させ、かつ/又は標的DNA結合親和性を増加させるために、5’近位セグメントに組み込むことができる。編集オリゴヌクレオチドを「自己送達性」様式(非カプセル化)で使用するとき、オリゴヌクレオチドは、高いエンドヌクレアーゼ活性を有するエンドリソソーム経路を通る通過を生き延びなければならない。したがって、「自己送達性」様式では、編集オリゴヌクレオチドの大部分又は全てのヌクレオチドにおいてエンドヌクレアーゼ抵抗性の修飾を有する編集オリゴヌクレオチドが、特に有用である。これは、様々な修飾で達成することができるが、ホスホロチオエート及び/又は2’−O−メチル修飾が、5’近位セグメントでは特に有用である。例えば遊離5’OH又は5’ホスフェートを露出させるために、5’末端セグメントを細胞内で離間させることが所望される場合、1個〜数個の未修飾のDNAもしくはRNA結合、又は細胞内の動揺性の他の結合を、任意選択により、このセグメントの大部分の5’領域内に配置することができる。
C. 5’編集セグメント(E
5’編集セグメントは、1〜約10ヌクレオチド、又は1〜約100ヌクレオチド、又は1〜約200ヌクレオチドの長さであり、編集部位の5’末端に位置付けられ、この位置は、対向するゲノム標的DNA鎖の編集をもたらすように細胞機構に影響を及ぼすのに十分に編集部位に近い。いかなる理論にも束縛されるものではないが、このDNAミスマッチ修復系は、編集セグメント(これは5’編集セグメント、編集部位、及び3’編集セグメントである)を、標的鎖の編集のための、又は複製フォーク内への編集オリゴヌクレオチドの組み込み後の後続の染色体DNA複製のための、鋳型鎖として使用する場合がある。したがって、5’編集セグメント及び3’編集セグメント内のヌクレオチドの大部分は、天然DNA又は天然DNA化学構造と好ましくは実質的に同様であり(例えば、編集オリゴヌクレオチド100013は、編集部位の5’に約8個の未修飾ヌクレオチドを有し(図2を参照されたい)、これは、親化合物と比較して全体的な編集効率を抑制しなかった)、また、未修飾であってもよく、又は、ホスホロチオエート(Radecke et al.The Journal of Gene Medicine 8:217−28,2006)、5’S、2’F、2’アミノ、もしくは3’S、可逆的に電荷を中和するホスホトリエステル及び核酸塩基修飾などの、1個以上の修飾を含んでもよい。
本発明の特に有用な一実施形態では、編集オリゴヌクレオチド内のデオキシ−シトシンのうちの1つ、いくつか、又は全てが、5メチルシトシン、特に、編集部位(複数可)の5’又は3’の約5〜約10個の塩基内のシトシンヌクレオシドになるように修飾される。5メチルシトシンを編集オリゴヌクレオチドに組み込む理由の1つは、複製、続いてミスマッチ修復の間、ミスマッチ修復機構が非メチル化シトシンを新生鎖と認識し、5メチルシトシンを含有するDNA鎖を修復のための鋳型鎖として優先的に使用することである。加えて、編集オリゴヌクレオチドが5メチルシトシンをほとんど又は全く含有しない場合、修復機構は、編集を引き起こすDNA修復反応の間の鋳型として、この鎖を選択しない可能性が高い。当該技術分野における編集オリゴヌクレオチドが複数の5−メチルシトシンを含有していないという事実は、それらの編集における効率が比較的低い理由のうちの1つである。
D. 編集部位(S
編集部位は、標的ゲノムDNAに相補的でないヌクレオチド(複数可)を含有し、1〜6ヌクレオチド長であり得るが、必要に応じてより長くてもよい。トランジション/トランスバージョン修飾の場合、編集部位は、ミスマッチ塩基の数(例えば、1個〜約6個、特に1個のヌクレオチド)に等しい。欠失を作り出すための編集の場合、編集部位は、ゲノムDNA内の塩基対合を形成しないヌクレオチドのちょうど反対側で標的ゲノムDNA鎖と塩基対合を形成する、2個の5’及び3’ヌクレオチド間の接合部である。挿入を作り出すための編集の場合、編集部位は、挿入を含有するヌクレオチドになる。いくつかの場合では、1つの編集オリゴヌクレオチドが、集団内の異なる患者において発生し得る、標的DNAに対する相補性領域内にある近隣部位における異なる変異を治療するために使用され得る。この場合、患者の変異体遺伝子型に応じて、異なる編集部位が存在することになる。これらの場合において、編集部位は、最も5’側及び最も3’側の変異、ならびにこれらの変異間の領域を含むことになる。特に有用な一実施形態において、編集部位は、標的遺伝子中のエクソン全体、又は変異の部位であることが多いイントロ/エクソン境界領域を含むエクソンに及ぶ。あるいは、化学修飾法を用いるとき、塩基修飾活性は、編集の標的とされる核酸塩基に近接して配置される。この場合、塩基修飾活性は、オリゴヌクレオチド沿いの任意の位置で編集オリゴヌクレオチドに共有接合することができるか、又は編集オリゴヌクレオチドと非共有結合的に関連付けることができる(Woolf et al.PNAS USA 92(18):8298−302,1995,Woolf Nature biotechnology.16(4):341−4,1998、Montiel−Gonzalez et al.PNAS 110(45):18285−90,2013、及びKomor et al.Nature,2016;advance online publication(Komor et al.Nature.April 20 2016;advance online publication doi:10.1038/nature17946)。編集部位におけるホスホロチオエート修飾は、有意な編集活性と一致している(Radecke et al.The Journal of Gene Medicine 8:217−28,2006及びPapaioannou et al.The Journal of Gene Medicine 11:267−74,2009)。
特に有用な実施形態において、編集オリゴヌクレオチドは、編集部位のCpG配列内に5−メチルシトシンを有する。より有用な実施形態において、編集部位のこのCpGは、標的配列内のTpGと不対合形成する。この場合、細胞の5−メチル結合タンパク質は、ミスマッチメチル化CpGに結合し、細胞ミスマッチ修復系を導いてミスマッチTをマッチCに変換する。5’編集セグメントは、修飾ヌクレオチドを含有しなくてもよく、又は1個以上かつセグメント内のヌクレオチド数までの修飾ヌクレオチドを含有してもよい。
編集オリゴヌクレオチドが標的DNA鎖に結合され、標的配列と編集オリゴヌクレオチドとの間のミスマッチが発生すると、細胞ミスマッチ修復機構は、編集オリゴヌクレオチド配列にマッチするように標的DNA配列を修復することができるか(「生産的修復」)、又は細胞ミスマッチ修復機構は、編集オリゴヌクレオチドを「修復」することができる(「非生産的修復」)。非生産的修復は、編集オリゴヌクレオチドを変異体又は他の点で望ましくない標的DNA配列に変更する。特定の理論又は機構に束縛されることを望むものではないが、「非生産的修復」を回避する1つの方法は、編集オリゴヌクレオチドの「編集部位」ならびに/又は5’編集セグメント及び/もしくは3’編集セグメント内の「編集部位」の側面に位置するヌクレオチドを、「非生産的修復」を抑制する修飾によって化学修飾することである(PCT/US2015/65348を参照されたい)。細胞ミスマッチ修復機構による「非生産的」修復を抑制することが示されている修飾ヌクレオチドとしては、2’F(Rios,X.et al.PLoS ONE 7,e36697,2012 doi:10.1371/journal.pone.0036697)及びLNA(van Ravesteyn,T.W.et al.PNAS USA 113,4122−4127,2016 doi:10.1073/pnas.1513315113)が挙げられていた。「編集部位」に対して3’及び/又は5’の他の有用な修飾としては、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド化学修飾、具体的には本明細書に記載されるヌクレアーゼ抵抗性化学修飾、具体的にはANA、FANA、より具体的には本明細書に記載される2’修飾、具体的には化学的に2’FとLNAとの「間」にあり、製造するのがより容易であり、2’F及びLNAより毒性が少ない2’−O−アルキル修飾、より具体的には本明細書に励磁される2’−O−メチルが挙げられる(図2の例を参照されたい)。cET化学構造などの標準LNAに加えて、拘束核酸も、この位置(複数可)で用いることができる。
編集されているミスマッチ(複数可)の場合、ミスマッチ塩基を修飾することができるか(「編集部位」)、又はミスマッチ塩基(複数可)と「編集部位」に対して3’及び/もしくは5の次のヌクレオチド(複数可)を修飾することができる(PCT/US2015/65348,Rios,X.et al.PLoS ONE 7,e36697,2012 doi:10.1371/journal.pone.0036697及びvan Ravesteyn,T.W.et al.,Proc Natl Acad.Sci.USA 113,4122−4127,2016 doi:10.1073/pnas.1513315113)。ヌクレオチド(複数可)を挿入している編集オリゴヌクレオチドの場合(例えば、嚢胞性繊維症デルタF508のための修復オリゴヌクレオチド(本明細書の例4及び嚢胞性繊維症デルタF508オリゴヌクレオチド配列を参照されたい)、挿入される配列が修飾されてもよく、又は「編集部位」に対して3’及び/又は5の次のヌクレオチド(複数可)が修飾されてもよい(van Ravesteyn,T.W.et al.PNAS USA 113,4122−4127,2016 doi:10.1073/pnas.1513315113)。これらの修飾パターン(PCT/US2015/65348)は、特にミスマッチ修復の能力がある細胞が編集の標的になっている場合、編集の著しい向上につながり得る(van Ravesteyn,T.W.et al.PNAS USA 113,4122−4127,2016 doi:10.1073/pnas.1513315113)。
E. 3’編集セグメント(E
3’編集セグメントは、その位置が編集部位の3’にあることを除いて、Eの3’編集セグメントと同じ範囲の特徴、特性、化学修飾、及びパラメータを有し得る。
F. 3’近位セグメント(P
3’近位セグメントは、他のセグメントに対するその位置を除いて、5’近位セグメントと同じ範囲の特徴及びパラメータを有する。特に有用な実施形態において、3’近位セグメントは、2’修飾ヌクレオチドから構成され、より好ましい実施形態では、2’F修飾ヌクレオチドから構成される。特に有用な一実施形態において、それは、8個の2’F修飾ヌクレオチドを含む(PCT/US2015/65348の図2及び本明細書の図2)。ANA又はFANA修飾ヌクレオチドなど、本明細書に記載される他の化学修飾は、ヌクレアーゼ安定性を向上させ、免疫刺激を低減させ、かつ/又は標的DNA結合親和性を増加させるために、3’近位セグメントに組み込むことができる。
G. 3’末端セグメント(T
3’末端セグメントは、以下に詳解することを除いて、5’末端セグメントと同じ範囲の特徴及び特性を含み得る。3’末端セグメントは、DNA複製及び修復間にDNA合成のプライマーとして機能し、ひいては編集オリゴヌクレオチドがゲノムDNA内に隣接して組み込まれることを可能にし得る。その結果、一実施形態において、このセグメントは、遊離3’ヒドロキシを有することになり、天然様の修飾又は未修飾のDNAもしくはRNAから成ってもよい。
3’末端における非ヌクレオチド末端ブロッキング基は、いくつかの場合では、編集活性を低減させるか、又は排除し得るが、編集部位と編集オリゴヌクレオチドの3’末端との間に、編集オリゴヌクレオチドを標的DNAにハイブリダイズするとRNアーゼHによって切断されるRNAの領域が存在する場合、鎖延長のプライマーとして好適な遊離3’ヒドロキシルが作り出される。Moniaらが細胞中のオリゴヌクレオチド内の内部ホスホジエステルDNA結合のエキソヌクレアーゼ分解を明らかに証明したように(Monia et al.J.Biol.Chem.271(24):14533−40,1996)、遊離3’ヒドロキシルを遊離させる他の設計としては、核内のエンドヌクレアーゼによって分解される未修飾DNAの領域(例えば、1〜10ヌクレオチドの長さ)が挙げられる。遊離3’ヒドロキシルを遊離させる別の方法は、様々な温度、好ましくは生理的温度で緩やかに分解して3’ヒドロキシル基を遊離させるように調節することができる熱動揺性の結合又は末端ブロッキング基の使用である(Lebedev et al.Nucleic Acids Res.36(20):e131,2008)。また、ミスマッチ修復として知られる別の編集機構は、遊離3’ヒドロキシル、又は3’末端において標的と塩基対合を形成する編集オリゴヌクレオチドの領域を必要としない場合がある(PCT/US2015/65348)。
式(I)のオリゴヌクレオチドは、20〜2000個のヌクレオチド又は最大約3000個のヌクレオチドを含み得る。一実施形態において、このオリゴヌクレオチドは、100〜250個のヌクレオチドを含んでもよい。別の実施形態では、このオリゴヌクレオチドは、250〜2000個のヌクレオチドを含んでもよい。具体的な実施形態では、このオリゴヌクレオチドは、20〜100個のヌクレオチドを含む。具体的な実施形態では、このオリゴヌクレオチドは、25〜90個のヌクレオチドを含む。特に有用な実施形態では、このオリゴヌクレオチドは、19〜50個のヌクレオチドを含む。編集オリゴヌクレオチドの標的DNAに対する親和性を向上させる修飾化学構造を用いるとき、12ヌクレオチドもの短い編集オリゴヌクレオチドが有用である。
Brachman及びKmiecの方法を使用する一本鎖編集オリゴヌクレオチドの現行の設計は、編集にはあまり効率的でない未修飾DNAか、又は、各末端上に3個のホスホロチオエートを有し、編集オリゴヌクレオチドの残部が未修飾DNAを含むものを用い、後者は編集により効率的であり、両方の場合において、およそ72ヌクレオチドの最適な長さを有する。Brachman及びKmiecは、S期に処置された同調細胞が最も効率的に編集されたことを見出したが(Engstrom and Kmiec,Cell Cycle 7(10):1402−1414,2008)、上述のKmiecの編集オリゴヌクレオチド設計は、細胞エンドヌクレアーゼに非常に影響されやすいことが現在分かっている。編集効率を上昇させ、かつ(例えば、細胞がS期に自然に入るまで、安定な編集オリゴヌクレオチドが各細胞内で持続することから)細胞同調の必要をなくすために、本発明は、向上したヌクレアーゼ抵抗性を有する編集オリゴヌクレオチドの実施形態を提供する。図2は、これらの編集オリゴヌクレオチドの例を提供する。細胞エンドヌクレアーゼに対する抵抗性の増加は、ヌクレオチド結合のうちの1個以上を修飾して、5’及び/又は3’末端の近くに位置付けられるホスホロチオエート結合にすることによって達成され得る。一実施形態において、一末端又は両末端にある4個以上のホスホロチオエート結合が特に有用である。抵抗性は、「編集セグメント」を除いて、ヌクレオチド結合の全てをホスホロチオエート結合で置き換えることによっても達成され得る。いくつかの実施形態では、ホスホロチオエート修飾は、編集塩基(例えば、標的配列と異なる塩基)を包囲するヌクレオチド結合を、1個から最大7個まで含み得る。一実施形態において、編集オリゴヌクレオチドの結合は全て、ホスホロチオエートDNAである。他の実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、(PCT/US2015/65348)の表2に示されるホスホロチオエートパターン及び長さの構成を有する。ホスホロチオエート結合はまた、1個おきの結合がホスホロチオエート結合であるか、又は3個おきの結合がホスホロチオエート結合であるか、又は2個のホスホロチオエート結合が1個もしくは2個のホスホジエステル結合と交互するなど、完全に又は部分的に交互してもよい。編集オリゴヌクレオチドは、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%のホスホロチオエート結合を含み得る。約50%以上のホスホロチオエートDNAを含む細胞培養液中で試験した編集オリゴヌクレオチド(ETAGEN100007、100010、及び100022)は、我々の細胞培養GFP標的システムではバックグラウンドを上回るGFP細胞数が少ないか、又は全くなかったが、これらの化学構造は、標的RNAの活性アンチセンスを切断するものでもある。活性アンチセンス化学構造は、過渡的に(数日)アンチセンスによってGFPを抑制するであろうが、したがってこれは、このアッセイにおけるこれらの化合物の編集効率分析を混乱させる。編集オリゴヌクレオチドをセンス配向で用いた他の細胞標的システムでは、約半分のホスホロチオエート置換がオリゴヌクレオチドの3’半分上にあるセンスDNA編集オリゴヌクレオチドが、高いゲノム編集効率を有し、100%のホスホロチオエートDNA編集オリゴヌクレオチドでさえ、低いが有意な編集効率を保持していた(Radecke,et al.The journal of gene medicine 8,217−28,2006))。100%のホスホロチオエート置換は編集効率を低減させたが、分子は、組織に分散し、細胞の内部に効率的に「自己送達」するために十分にヌクレアーゼ安定であり、このことは、ネイキッド(非カプセル化)編集オリゴヌクレオチドを動物及びヒトで用いるとき大きな利点である。これらのホスホロチオエート構成は、本明細書に記載されるように、他の修飾又は天然糖と組み合わせることができる。具体的には、DNA糖の一部が、RNA糖で置き換えられてもよい。好ましくは、RNA置換は、3’末端で始まり、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、又は10個の塩基にわたって5’の方向に延びる、RNA結合ブロックを含む。これは、3’末端を天然のOkazaki断片又はDNAプライマーのようにするためであり、これは、より自然な合成のプライミング及びRNアーゼHによる除去をもたらす。しかしながら、RNアーゼHによって編集セグメントが除去されるのは望ましくないため、一続きの3つ以上の未修飾RNAヌクレオチドは、「編集セグメント」においては好ましくない。
相同組換え又はプライマー延長によって作用する編集オリゴヌクレオチドの上記の説明にかかわらず、編集オリゴヌクレオチドが、標的核酸塩基を修飾する反応化学基又は酵素活性を含むことのみのおかげで編集するように設計されている場合、編集オリゴヌクレオチド修飾パターンの要件は、より簡単である。このクラスの編集オリゴヌクレオチドは、全てPNA、又は全てホスホロチオエート、ならびに全て2’修飾(すなわち、全てホスホロチオエートと全て2’−O−メチル、又は全てホスホロチオエートと全てLNA)などの、1個又は2個の均一な化学修飾で作製することができる。
H. 他の修飾及び修飾パターン
編集オリゴヌクレオチドをより効率的にする手法は、化学修飾によって親和性を増加させることである。本明細書に記載される修飾は、編集オリゴヌクレオチド内で組み合わされてもよく、2’−O−メチルRNA、2’F RNA、及びLNAを含む拘束核酸を含む。これらの修飾は、それらが免疫刺激を低減させることもできるという追加の利点を有する。修飾は、ハイブリダイゼーションのための高親和性「シード」領域を形成するようにグループ化され得る。特に有用な実施形態において、このシード領域は、約2個〜約12個の連続した修飾と共に、5’近位セグメント内に位置付けられることになる。他の実施形態では、シード領域は、3’近位セグメント内に位置付けられてもよい。修飾は、5’セグメント、編集セグメント、及び/又は3’セグメントにおいて、交互の、すなわち、3個おき又は4個おきの結合であってもよい。5’セグメント、3’セグメント、又は編集セグメント内にある化学修飾された核酸塩基の全割合は、独立して、約20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の範囲であり得る。一実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、一続きの8個以上の交互する2’F及び2’−O−メチル結合を含む。これらは、標的に対するハイブリダイゼーション速度を向上させて効力を上昇させることができるアルゴノートタンパク質と良好に相互作用することが知られているからである。
本明細書では、式(I)のオリゴヌクレオチドの様々な実施形態が提供される。例えば、式(I)は、RNA、DNA、一本鎖、未修飾、及び/又は化学修飾であり得、化学修飾は、糖修飾(具体的には、例えば、2’−O−メチル及び2’−フルオロ)を含み得る。式(I)は、本明細書に記載される1個以上の骨格修飾及び/又はリンカーを含み得る。式(I)は、接合分子(例えば、gal−nac又は親油性修飾)をさらに含む。前述の修飾は、様々な組み合わせで存在してよい。例えば、1個、2個、又は3個の骨格修飾が、1個、2個、又は3個の糖修飾、及び/又はリンカー、及び/又は接合分子と共に存在してもよい。
本発明のある特定のオリゴヌクレオチドは、標的配列上のヌクレオチドと反応するか、又はそれとの反応を促進する、1個以上の化学修飾を含む。そのような反応の例としては、アルキル化、アセチル化、架橋、アミノ化、脱アミノ化、遊離(非共有結合)反応性化合物の生成が挙げられる。編集オリゴヌクレオチドにとって有用な様々なクラスの配列修飾部分が、表VIIに記載されており、これらの部分のうちのいくつかの構造、合成、及び接合は、PCT/US2015/65348に詳述されている。
オリゴヌクレオチドを用いて編集を行う代わりに、(表VIIからの)核酸塩基修飾活性を、タンパク質のみの標的配列認識ドメイン(表VIIIのこのようなタンパク質の例を参照されたい)に結合、接合、又は融合してゲノム編集を達成することができる。
特定の実施形態では、化学修飾法を、編集の「HR」方法と組み合わせて、標的ゲノムDNA鎖を修復するように内因性ミスマッチDNA修復機構を付勢することができる。この実施形態では、標的DNA鎖の化学修飾は、編集の標的になる核酸塩基、又は編集されるべき核酸塩基に近接する核酸塩基もしくはヌクレオチド(例えば、1−10又は1−50塩基以内)を標的にすることができ、単純に標的鎖に損傷(内転)を引き起こすことにより、編集オリゴヌクレオチドを鋳型として使用してDNA損傷及び損傷の近傍のミスマッチを修復するように、内因性修復機構を作動させることができる(生産的編集)。
本発明のオリゴヌクレオチドは、保護基を含んでもよい。好適な保護基は、合成、精製、貯蔵、及び使用中の間に化学反応基を保護する(例えば、酸性、細胞内エステラーゼ、又は還元条件を含む条件からオリゴヌクレオチドを保護する)ものとして、当業者に既知である。
編集を達成するために単一のオリゴヌクレオチドのみを使用することは簡便であるが、本明細書の実施形態を向上させるものとしては、追加のオリゴヌクレオチドが挙げられる。「ヘルパー」オリゴヌクレオチド又は「ヘルパー」オリゴヌクレオチド(複数)の使用、ここで、「ヘルパー」オリゴヌクレオチド(複数)とは、編集オリゴヌクレオチドに(例えば、3’末端、5’末端、又は2個のヘルパーオリゴヌクレオチドの場合は両端、又は、編集オリゴヌクレオチド結合部位から、例えば編集部位の5’もしくは3’に200ヌクレオチド以内のさらに離れた位置でタンデム結合する、オリゴヌクレオチドを指す。ヘルパーオリゴヌクレオチドは、標的部位の構造を開くのに役立つか、又は別様に編集オリゴヌクレオチドの結合効率を改善する。ワトソン/クリック結合による鎖侵入によって全部又は一部が結合するヘルパーオリゴヌクレオチドについては、高親和性の化学構造が特に有用である。具体的には、標的DNAの天然の対向DNA鎖に対する親和性よりも、標的DNAに対して高い親和性を有する化学構造が特に有用であり、その結果、形成される置換ループがエネルギー的に好まれる。LNA(Geny et al.Nucl.Acids Res.(2016)doi:10.1093/nar/gkw021First published online:February 8,2016)又はR mini−PEGγPNAを含むPNAによって得ることができるような、より高い親和性でさえ、より高効率の鎖侵入を可能にすることができる(Sahu et al.Journal of Organic Chemistry 76(14):5614−27,2011、Bahal et al.Current Gene Therapy 14(5):331−42,2014)及びBahal, R.et al.Nat.Commun.7,13304(2016)。ヘルパーオリゴヌクレオチドの別の標的は、編集配列により標的とされるDNA鎖の反対側の鎖であり得る。この場合、ヘルパーオリゴヌクレオチド(複数可)は、編集オリゴヌクレオチド自体に強くハイブリダイズしないように、編集オリゴヌクレオチドの結合部位のちょうど5’側及び/又は3’側に結合することが好ましい。他の実施形態では、5’及び/又は3’のヘルパーオリゴヌクレオチドは、編集オリゴヌクレオチド結合部位と、約1〜5個、約5〜10個、又は約1〜15個の塩基だけ重複する。このようにすれば、ヘルパーオリゴヌクレオチドが編集オリゴヌクレオチドに過度に密接に結合して、標的に結合する編集オリゴヌクレオチドに悪影響を与えることはないであろう。これらのヘルパーオリゴヌクレオチドは、任意選択により、ホスホジエステルもしくは修飾ホスホジエステル結合によって、又は他の共有結合リンカーによって、編集オリゴヌクレオチドに共有結合させてもよい(リンカーの例については、表V、編集オリゴヌクレオチド及びヘルパーオリゴヌクレオチドに有用なリンカー、を参照されたい)。別の実施形態では、三重鎖形成オリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド類似体が、約200ヌクレオチドの編集部位内の標的DNAに結合し、編集効率の上昇をもたらす(McNeer,N.A.et al.,Nature Comm.DOI:10.1038/ncomms 7952 pgs.1−11,2015)、Bahal et al.Current Gene Therapy 14(5)pp331−42(2014)、Chin et al.PNAS 105(36):13514−13519(2008)、Rogers et al.PNAS 99(26):16695−16700(2002)、米国特許第8,309,356号、及びBahal,R.et al.Nat.Commun.7,13304(2016)。
いくつかのヘルパーオリゴヌクレオチドは、編集オリゴヌクレオチドに相補的なオリゴヌクレオチドを保護し、一本鎖特異的ヌクレアーゼによるヌクレアーゼ分解を遮断する(PCT/US2015/65348)。
本明細書に記載される自己送達性化学構造を含むヘルパーオリゴヌクレオチドを、作製することができる。PNAなどの中性骨格ヘルパーオリゴヌクレオチドについては、当該技術分野で既知の一群又は一続きの自己送達性荷電アミノ酸を用いることができる(Natee Jearawiriyapaisarn et al.Molecular Therapy 16:1624−1629,2008、Sazani et al.Nature Biotechnology,20:1228−1233,2002)。例えば、図2において、細胞培養液中及びインビボにおけるネイキッドオリゴヌクレオチドの送達を可能にするために、リジンがPNAオリゴヌクレオチドの末端に配置されるヘルパーオリゴヌクレオチドを参照されたい。
標的DNAを切断しないことは臨床安全性の観点から有用であるが、標的DNAの切断は編集効率を向上させることができることが知られている。より高い編集効率が望まれる場合、編集活性をさらに向上させるために、化学DNA切断部分(例えば、キレート剤、Simon et al.Nucleic Acids Research 36(11):3531−3538,2008.doi:10.1093/nar/gkn231.)を編集オリゴヌクレオチド又はヘルパーオリゴヌクレオチドに接合して、標的DNAの一方又は両方の鎖を切断することができる。この方法は改変された免疫原性タンパク質の送達又は発現を必要としないため、かつ切断活性は編集オリゴヌクレオチドに共有結合され、編集オリゴヌクレオチドを切断部位に近接して配置するため、この手法は、当該技術分野で既知のプログラム可能ヌクレアーゼ法に勝る利点を有する。
I. 外因性タンパク質及び内因性タンパク質による編集の向上
編集組成物中に外因性タンパク質を厳密に必要としないことが有利である一方で、ある特定の外因性タンパク質は、編集オリゴヌクレオチドをヌクレアーゼ分解から保護することによって、また標的ゲノムDNAに対する編集オリゴヌクレオチドの結合を強化することによって、上述の実施形態を向上させることができる。本明細書に記載される化学修飾された編集オリゴヌクレオチドは、編集効率及び正確さを改善するためのプログラム可能ヌクレアーゼと共に、相同組換え編集のためのドナーオリゴヌクレオチドとして使用することができる(Renaud et al.,2016,Cell Reports 14,2263−2272 March 8,2016)。次のタンパク質又はリボ核タンパク質のうちの1つ以上が、編集オリゴヌクレオチドと併せて添加され得る(表VIII及び表IXも参照されたい)。ジンクフィンガーヌクレアーゼ(Carroll D.Genetics 188:773e82.(2011))、TALEN、メガTALEN、他のホーミングエンドヌクレアーゼを含む、プログラム可能ヌクレアーゼ、CRISPR−Cas9(Jinek et al.Elife 2013;2:e00471)、又は、相同のもしくは同様に作用するリボ核タンパク質(すなわち、Cpf1、C2C1、又はC2C3)(DNA結合親和性を低減させることによって標的特異性を増加させるように選択されているそれらの変異形態(eSpCas9、Slaymaker et al.Rationally Engineered Cas9 Nucleases with Improved Specificity,Science(2015))と、「crRNA」が編集のためのドナーDNAとして作用し得るように、crRNA領域内のより多くのDNA置換に耐えるよう選択されている変異形態と、Cas9ヌクレアーゼが不活性化されている変異形態とを含む)、アルゴノート(Argonaut)(ナトロノバクテリウム・グレゴリー・アルゴノートなど、Argonauteとも綴られる((Gao et al.Nat Biotech.2016;advance online publication doi:10.1038/nbt.3547)及びDNAガイドを使用する関連アルゴノート、ならびにDNA欠失活性を欠くこのようなアルゴノートの変異形態(「デッドアルゴノート」)。デッドアルゴノートを用いる場合、編集は、所望の編集配列を有するか、又は編集のために核酸塩基修飾活性に結合された、編集オリゴヌクレオチドであるガイドDNAを使用することによって達成されることになる。デッドDNAによりガイドされるアルゴノートを使用する利点は、所望の編集配列に対応するDNAガイドを作製することができること、したがって標的DNAの切断の必要性及び別々の編集オリゴヌクレオチド(「ドナーDNA」)の必要性なしにDNAガイドが編集を達成することができることである。あるいは、アルゴノートをRNAガイド又はDNAガイドと共に使用する場合、ガイドは、標的DNAに完全に一致する編集オリゴヌクレオチドであってもよく、編集オリゴヌクレオチドは、編集を達成するために標的核酸塩基修飾活性に結合されている(表VIIを参照されたい)。

タンパク質は、編集オリゴヌクレオチドから別々に製造し、精製し、次いで編集オリゴヌクレオチド(複数可)と前複合体化する(pre−complexed)ことができ(Kim et al.Genome Res.24:1012e9(2014))、又は、タンパク質は、標的細胞/組織内で発現させてもよい。細胞又は組織内での外因性タンパク質の発現は、遺伝子療法ベクター、ネイキッドDNAトランスフェクション、又はmRNAトランスフェクションを含む、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。
Cas9を用いる場合、特に有用な実施形態は、両方のヌクレアーゼドメインが当該技術分野で既知の変異によって不活性化されたCas9(デッドCa9又はdCas9として知られる)を用いる。crRNAは、好ましくはtracRNAとは別であり、所望の編集された配列を有する。crRNAはまた、本明細書に定義される編集部位内及び任意選択により編集部位の周りに、1個から最大約15個の置換されたDNA結合を有し得る(以下の参考文献は、DNA置換をtracrRNAのガイド領域内で作製することができることを示している:Zachary Kartje et al.Abstract 12th Annual Meeting of the Oligonucleotide Therapeutics Society.September,2016、https://custom.cvent.com/F89D960A94384DDB8049882DD4DFBD4E/files/cdb733770e9e4c14ac0a51b7386a9462.pdf)。このようにして、Brachman Kmiec型ゲノム編集、又は本明細書に記載されるような標的核酸塩基を修飾してそのコーディングを変更する化学反応基を含有するオリゴヌクレオチドを用いる編集の特異性及び非染色体性切断の利点が、ヌクレアーゼが不活性化されたCas9(dCas9)によって推進される向上した標的ハイブリッド形成により、有効性において向上する。別の実施形態では、crRNA又はtracRNAの約18ヌクレオチドのガイドRNA部分は、編集オリゴヌクレオチドにより、5’又は3’方向に延長される。編集オリゴヌクレオチドは、未修飾であっても、又は本明細書に記載される様々な修飾を有してもよい。編集オリゴヌクレオチドは、crRNA又はtracRNAガイドに、ホスホジエステル(又はホスホジエステル類似体)結合、もしくは化学リンカーによって共有結合するか、又は、CRISPRガイドRNAの一部分との塩基対合形成、もしくはCRISPRガイドRNAの延長によって非共有結合することになる。特に有用な実施形態において、編集オリゴヌクレオチド部分は、tracRNA又はcrRNAのガイド部分に対して賛辞的な配列に隣接してハイブリダイズし、標的DNAを有する二重鎖を標的変異の領域内まで延長する。Cas−9/CRISPRは鎖侵入の効率を向上させるため、この手法は、CRISPR−Cas9を使用しないオリゴヌクレオチド指向ゲノム手法よりも効率的となるであろう。この手法は、標的染色体を切断し、かつ別々のドナーオリゴを必要とする一般的なCas−9/CRISPR手法よりも、選択的かつ簡素となるであろう。上述の我々の編集手法と、正確な編集を得るためにCRISPR/Cas9を使用する一般的な方法との間の決定的な区別は、CRISPR/Cas9を使用する一般的な方法が、標的DNA鎖に対して完全に相補的なgRNA又はcrRNAのガイド部分(鎖侵入部分)を含む一方、本明細書における我々の手法は、所望の編集配列(例えば、所望の編集が点変異から野生型への変化であるとき、野生型配列)を有するcrRNA又はgRNAのガイド部分を含むことである。現在の編集手法はまた、編集のために、変異に結合して、ドナーDNAとして機能することができる編集部位内及び任意選択により編集部位の周りにDNA置換を食い止める(修復の鋳型として機能することによって、又はHRによって)、crRNA又はgRNAガイドセグメント内の領域を有する。
別の実施形態では、crRNA(tracrRNAとは別々の、又はgRNAのセグメントとしての)は、核酸塩基修飾部分と関連付けられており、したがってcrRNAは、本発明ならびに我々の以前の出願PCT/US15/65348及び本発明を実証する最近の研究(Komor et al.Nature,2016 Apr 20.doi:10.1038/nature17946,Epub ahead of print)の編集オリゴヌクレオチドとして機能する。
J. 編集を向上させる小分子
小分子は、編集頻度を向上させることもできる。小分子の追加は、プログラム可能ヌクレアーゼの追加よりもはるかに扱いやすい(表X、編集効率を向上させるために編集オリゴヌクレオチドと組み合わせ得る非触媒性薬剤、を参照されたい)。各事例において、編集効率は、任意選択により、編集オリゴヌクレオチドへの曝露中又はその前にS期の細胞を同調させるか(アフィディコリンなど)、複製フォークを減速させるか(Erin E.Brachman and Eric B.Kmiec DNA Repair 4:445−457,2005)、又は別様に相同DNA修復機構の発現及び/又は活性を増加させる薬剤、例えばヒドロキシル尿素、HDAC阻害薬、又はカンプトテシン(Ferrara and Kmiec Nucleic Acids Research,32(17):5239−5248,2004)などで、標的となる細胞又は生物を処置することによって、向上させることができる(表X、編集効率を向上させるために編集オリゴヌクレオチドと組み合わせ得る非触媒性薬剤、を参照されたい)。
化学修飾された「ドナー」編集オリゴヌクレオチドの相同組換えの効率を向上させるための別の方法は、標的変異近くへのPNAクランプの付加である(Schleifman et al.,Chem.Biol.18(9):1189−1198,2011)。Glazerは、この技術を第2世代編集化学(例えば、ドナーDNAオリゴヌクレオチドの両端のうちの一方における3個のホスホロチオエート修飾)に用いたが、PNAクランプは、本明細書に記載及び参照される、第3世代のより重度に修飾されたドナーDNAには用いられていない。(Bahal et al.Current Gene Therapy 14(5):331−42,2014、Chin et al.PNAS 105(36):13514−13519,2008、Rogers et al.PNAS 99(26):16695−16700,2002、及び米国特許第8,309,356号)。本発明の別の実施形態は、本明細書に記載される内部修飾された編集オリゴヌクレオチド(末端又は末端近くの修飾だけではない)をPNAヘルパーオリゴヌクレオチド(PNAクランプ、テールクランプ、及び鎖侵入PNAを含む)と組み合わせる。
K. 合成
本発明の編集オリゴヌクレオチドとして利用されるべき特定のオリゴヌクレオチドの合成に関する教示は、PCT/US2015/65348及び(PCT/US2015/65348)中の引用文献を含め、当該技術分野で見出され得る。
ホスホジエステル又はホスホジエステル類似体編集オリゴヌクレオチドは、当該技術分野で既知の方法によって、PNA(例えば、PNAヘルパーオリゴヌクレオチド、又は編集オリゴヌクレオチドのセグメントを形成するPNA)に接合することができる(例えば、Rogers et al.PNAS 99(26):16695−700,2002)。
L. ヌクレオシド間結合
特に有用な修飾ヌクレオシド間結合又は骨格が、本明細書に記載されている(表II及び(PCT/US2015/65348)を参照されたい。様々な塩、混合塩、及び遊離酸形態も含まれる。
M. ヌクレオシド模倣物
他の特に有用なオリゴヌクレオチド模倣物において、ヌクレオシド単位の糖とヌクレオシド間結合との両方、すなわち骨格が、新規の基で置き換えられる。核酸塩基単位は、適切な核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのために維持される。優れたハイブリダイゼーション特性を有することが示されているそのようなオリゴヌクレオチド、すなわちオリゴヌクレオチド模倣物の1つは、ペプチド核酸(PNA)と称される。PNA化合物において、オリゴヌクレオチドの糖骨格は、アミド含有骨格、具体的にはアミノエチルグリシン骨格で置き換えられる。核酸塩基は保持され、骨格のアミド部分の原子に直接的又は間接的に結合している。PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許としては、米国特許第5,539,082号、同第5,714,331号、及び同第5,719,262号が挙げられるが、これらに限定されない。PNA化合物のさらなる教示は、Nielsen et al.,Science,254:1497,1991に見出すことができる。
本発明のいくつかの特に有用な実施形態は、ホスホロチオエート結合を有するオリゴヌクレオチド、ならびに、ヘテロ原子骨格、具体的には−CH−NH−O−CH−、−CH−N(CH)−O−CH−(メチレン(メチルイミノ)すなわちMMI骨格として知られる)、−CH−O−N(CH)−CH−、−CH−N(CH)−N(CH)−CH−、及び上記に参照した米国特許第5,489,677号の−O−N(CH)−CH−CH−(ここで、天然ホスホジエステル骨格は−O−P−O−CH−と表される)、及び上記に参照した米国特許第5,602,240号のアミド骨格を有する、オリゴヌクレオシドを用いる。上記に参照した米国特許第5,034,506号のモルホリノ骨格構造を有するオリゴヌクレオチドも特に有用である。
N. 核酸塩基修飾
本発明の編集オリゴヌクレオチドに用いられるオリゴヌクレオチドは、追加又は代替として、核酸塩基修飾又は置換を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「未修飾」又は「天然」の核酸塩基は、プリン塩基であるアデニン(A)及びグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基であるチミン(T)、シトシン(C)、及びウラシル(U)を含む。修飾された核酸塩基は、他の合成及び天然の核酸塩基を含む(核酸塩基修飾及び合成については、PCT/US2015/65348を参照されたい)(表III、オリゴヌクレオチドに有用な核酸塩基修飾、も参照されたい)。
O. 相補性
編集オリゴヌクレオチドと標的核酸とは、所望の作用が起こる(例えば、ハイブリダイゼーション後に所望の塩基修飾が起こることを許容する)ように、オリゴヌクレオチドの十分な数の核酸塩基が、標的核酸の対応する核酸塩基と水素結合することができるとき、互いに相補的である。
編集オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の非相補的な核酸塩基は、編集オリゴヌクレオチドが標的核酸に特異的にハイブリダイズ可能なままであるならば、耐用され得る。特定の実施形態では、本明細書に提供されるオリゴヌクレオチド、又はその特定の部分は、標的核酸、標的領域、標的セグメント、もしくはその特定の部分に対して相補的であるか、又は少なくとも70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%相補的である(可能な核酸塩基修飾のリストについては、表III、オリゴヌクレオチドに有用な核酸塩基修飾、を参照されたい。ある特定の実施形態において、本明細書に提供される編集オリゴヌクレオチド、又はその特定の部分は、標的核酸又はその特定の部分に対して相補的であるか、又は少なくとも70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%相補的である。編集オリゴヌクレオチドの標的核酸との相補性パーセントは、日常的な方法を使用して決定することができる。例えば、20個の核酸塩基のうち16個が標的核酸に相補的であり、したがって特異的にハイブリダイズするであろう編集オリゴヌクレオチドは、80%の相補性となる。この例において、残りの非相補的な核酸塩基は、クラスター状であっても、又は相補的な核酸塩基が散在していてもよく、互いにもしくは相補的な核酸塩基に隣接している必要はない。それらは、編集オリゴヌクレオチドの5’末端、3’末端、又は内部位置にあってもよい。別の例では、標的核酸との完全な相補性を持つ2個のオリゴヌクレオチドが側面に位置する、1個の非相補的な核酸塩基を有する18個の核酸塩基の長さである編集オリゴヌクレオチドは、標的核酸と94.4%の全体的な相補性を有することになり、したがって本発明の範囲内に含まれる。
標的核酸のある領域との編集オリゴヌクレオチドの相補性パーセントは、当該技術分野で既知のBLASTプログラム(塩基局所配列検索ツール)及びPowerBLASTプログラムを使用して日常的に決定することができる(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,215:403 410,1990、Zhang and Madden,Genome Res.,7:649−656,1997)。Smith及びWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.,2:482−489,1981)を利用し、デフォルト設定を使用した、Gapプログラム(Wisconsin配列分析パッケージ、Unix用バージョン8、Genetics Computer Group,University Research Park,Madison WI)などもまた、使用され得る。
II. 作用様式
A. ハイブリダイゼーション
編集オリゴヌクレオチドと標的核酸とのハイブリダイゼーションは、異なるストリンジェントな条件下で起こり得、配列依存性であり、ハイブリダイズされる核酸分子の性質及び組成によって決定される。最も一般的なハイブリダイゼーション機構は、核酸分子の相補的な核酸塩基間の水素結合(例えば、ワトソン−クリック型、フーグスティーン型、又は逆フーグスティーン型の水素結合)を伴う。
配列が標的核酸に特異的にハイブリダイズ可能かどうかを判定する方法は、当該技術分野で周知である。ある特定の実施形態において、本明細書に提供される編集オリゴヌクレオチドは、標的核酸と特異的にハイブリダイズ可能である。
B. 標的結合
本発明の編集オリゴヌクレオチドは、DNA又はRNAを標的にするように設計される。編集ヌクレオチド(複数可)の片側又は両側には、標的核酸に対して完全に相補的又は実質的に相補的なオリゴヌクレオチドが位置してもよい。
特に有用な結合方法は、DNAのワトソンもしくはクリック鎖のいずれかに対するハイブリダイゼーションをもたらす鎖置換によるものか、又はRNAが標的である場合は、センスRNA鎖に対するアンチセンス編集オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによるものである。
C. 編集オリゴヌクレオチド
編集オリゴヌクレオチドは、任意選択により、送達部分をオリゴヌクレオチドに共有結合させる「リンカー」を含有してもよい。リンカー結合は、編集オリゴヌクレオチド内の任意の核酸塩基に対するもの、5’末端に対するもの、3’末端に対するもの、糖残基に対するもの、又は骨格に対するものであってもよい。リンカーは、この作業の実行に使用するための、当業者に既知の任意のリンカーであってよい。(これら及び追加のリンカーについては、表V、編集オリゴヌクレオチド及びヘルパーオリゴヌクレオチドに有用なリンカー、を参照されたい)。リンカー長は、炭素1個から炭素約20個、又は他の化学構造の同等の長さに及び得るが、好ましくは、炭素10個未満又は10個の炭素と同等の長さである。
D. 標的核酸塩基の化学修飾による編集
Nucleobase
図1は、化学修飾様式の編集のために本発明の編集オリゴヌクレオチドを利用する編集の機構を示す。編集オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載されるように、様々な長さであり得る。
編集の化学修飾法において使用される編集オリゴヌクレオチドは、「ガイドオリゴヌクレオチド」、「配列修飾部分」をガイドオリゴヌクレオチドに結合させる「リンカー」又は非共有結合を含む、少なくとも3つの成分を含む。核酸塩基化学修飾様式によって作用する編集オリゴヌクレオチドの合成方法、使用方法、例、及び組成は、PCT/US2015/65348に記載されている。図1中、リンカーは、編集オリゴヌクレオチドの核酸塩基に結合した状態で示されている。しかしながら、この結合は、編集オリゴヌクレオチド内の任意の核酸塩基に対するもの、5’末端に対するもの、3’末端に対するもの、糖残基に対するもの、又は骨格に対するものであってもよい。リンカーは、この作業の実行に使用するための、当業者に既知の任意のリンカーであってよい。本明細書に記載されるリンカーは、「配列修飾部分」に対する非共有結合を含み得る(Montiel et al.,PNAS 110(45):18285−90,2013.Woolf,et al.,PNAS 92:8298−8302,1995.)あるいは、リンカーは、編集オリゴヌクレオチドにおけるその性能を決定するために利用及び試験されてもよい。例えば、本発明で利用され得るリンカーとしては、表Vのものが挙げられる。リンカー長は、炭素1個から炭素約20個、又は他の化学構造の同等の長さに及び得るが、好ましくは、炭素10個未満又は10個の炭素と同等の長さである)。化学共有リンカーに代わる選択肢として、編集オリゴヌクレオチドと配列修飾部分との間の非共有接続を作製することができる(例については、(Montiel et al.,PNAS 110(45):18285−90,2013、Woolf,et al.,PNAS 92:8298−8302,1995、及びWoolf,Nat.Biotech 16:341−344,1998を参照されたい)。
化学修飾様式における編集オリゴヌクレオチドを用いた成功裏の処理は、「標的核酸」のいくらかの割合が修飾されることをもたらす。図1中、「化学修飾」(三角形)は、化学部分(例えば、メチル基)の付加を表すが、本明細書に記載される修飾は、化学基の様々な付加、又は標的核酸配列の標的核酸塩基からの除去のうちの1つ(例えば、脱アミノ化)であってもよい。
編集をもたらし得る化学修飾については、表VII、核酸塩基化学修飾のための配列修飾部分、及びPCT/US2015/65348を参照されたい。
E. 化学構造
核酸塩基修飾による編集につながり得る化学反応については、表VII及びPCT/US2015/65348を参照されたい。
F. 編集作用
本発明は、様々な変異から生じる作用を低減させるか、又は排除することのできる、編集オリゴヌクレオチドを提供する。編集は、所望により、本明細書の方法及び組成物を使用してそのお編集を元の配列に戻す編集オリゴヌクレオチドを投与することによって、逆戻りさせることができる。編集をすぐ逆戻りさせることが可能であることは、治療用途のためのゲノム編集の安全性を向上させる重要な選択肢である。
本発明の一実施形態において、西洋の人口において嚢胞性線維症を引き起こす一般的な変異配列である、デルタF508が補正され得る。デルタF508のような欠失変異の修復は、編集オリゴヌクレオチドを用いて、欠失した3個のヌクレオチドを挿入し直すことによって達成され得る。McNeerら(Nature Comm.DOI:10.1038/ncomms 7952 pgs.1−11,2015)は、3個のホスホロチオエート修飾を各端部に有する編集オリゴヌクレオチドを用いる一例を提供する。改善された化学修飾パターンを有するオリゴヌクレオチド、及び同じ領域を標的にする本発明の編集オリゴヌクレオチドの構成は、3個のホスホロチオエート修飾を各端部に有し、かつMcNeerらによって使用されたものと同様の編集オリゴヌクレオチドに置き換えることができる。しかしながら、単一塩基のトランジション又はトランスバージョンは、挿入と比較して、編集によってより効率的に達成され得、したがって、デルタF508変異の有害作用を抑制するCFタンパク質コード配列におけるR553からM(R553M)への変化は、この変異の表現型作用を補正することに対する代替的な手法である(Liu et al.Biochemistry 51(25):5113−5124,2012.doi:10.1021/bi300018e。CFタンパク質コード配列における、R555からK(R555K)への別の変化は、デルタF508変異の有害作用を抑制する(Liu et al.前出)。
本明細書の方法及び組成物によって補正することができる一般的なCFTR変異の他の非限定的な例としては、M470V、W1282X、G542X、Y122X、及び3849+10Kb C−>Tが挙げられる。
本発明の別の態様は、1つ以上の疾患に対して保護的であるアレル配列を個体のDNA又はRNA内に作り出すために、個体に編集オリゴヌクレオチドを投与することを含む(例については、及びPCT/US2015/65348を参照されたい)。
III. 治療
A. 疾患
いくつかの標的疾患、適応症、ならびに本発明の方法及び組成物によってこのような疾患及び適応症を治療するための編集クラスについては、(PCT/US2015/65348)の図22を参照されたい。
(PCT/US2015/65348)の図22に列記されていない限り、標的適応症、遺伝子、ならびに米国特許第7,258,854号、同第7,226,785号、ならびに米国特許出願第20150118311号及び同第20150232881号に記載の編集オリゴヌクレオチド配列を含む編集オリゴヌクレオチド配列
代表的な疾患及び障害に関連する遺伝子を標的にする編集オリゴヌクレオチドの非限定的な例は、図にある。
代表的な疾患及び障害に関連する遺伝子を標的にする編集オリゴヌクレオチドの例示的(非限定的)な一覧は、(PCT/US2015/65348)の図24に示されている。
B. 薬学的組成物
本発明の薬学的組成物は、標的遺伝子の発現をもたらすのに十分な投与量で投与される。概して、編集オリゴヌクレオチドの好適な用量は、受容者の体重1キログラム毎に1日に0.01〜5.0ミリグラムの範囲、又は必要であれば1キログラム毎に最大50ミリグラム、好ましくは体重1キログラム毎に1日に0.1〜200マイクログラムの範囲、より好ましくは体重1キログラム毎に1日に0.1〜100マイクログラムの範囲、さらにより好ましくは体重1キログラム毎に1日に1.0〜50マイクログラムの範囲、最も好ましくは体重1キログラム毎に1日に1.0〜25マイクログラムの範囲である。本薬学的組成物が1日1回投与されてもよく、あるいは、編集オリゴヌクレオチドが、1日を通して適切な間隔における2回、3回、4回、5回、6回、もしくはそれを超える部分用量で、又はさらには継続的輸注を使用して投与されてもよい。その場合、各部分用量に含有される編集オリゴヌクレオチドは、1日の全投与量を達成するために、相応により少量でなければならない。投与量単位は、例えば、数日の期間にわたって編集オリゴヌクレオチドの徐放をもたらす従来の徐放性製剤を使用した、数日間にわたる送達のために調合することもできる。徐放性製剤は、当該技術分野で周知である。この実施形態において、投与量単位は、対応する複数の1日用量を含む。
i. 投与量
疾患又は障害の重症度、以前の治療、被検者の全体的な健康及び/又は年齢、ならびに存在する他の疾患を含むがこれらに限定されない、ある特定の要因が、被検者を効果的に治療するために必要とされる投与量及びタイミングに影響し得る。さらに、治療有効量の組成物を用いた被検者の治療は、単一の治療又は一連の治療を含むことができる。プログラム可能ヌクレアーゼによる編集は、プログラム可能ヌクレアーゼ及びベクタータンパク質に対する免疫応答のため、ならびにプログラム可能ヌクレアーゼによる切断は無作為な挿入及び欠失を引き起こすことによって大部分の標的配列を破壊するため、今まで1回又は数回の処理で設計されてきた。本明細書に記載される編集オリゴヌクレオチドの低減された免疫原性及び編集の精度(無作為な挿入及び欠失が少ない、又はない)は、最大3、最大20、最大50、又は最大100投与以上の、複数回の投与を可能にする。複数回の投与は、編集が継時的に進行するにつれて患者を監視することができるので、安全上の利点を有する。また、複製細胞はゲノム編集により適しているため、複数回の投与は、細胞が分裂しているとき、細胞を編集するためのより長い処理期間を可能にする。本発明に包含される個別の編集オリゴヌクレオチドの有効な投与量及びインビボ半減期の推定は、従来の方法論を使用して、又は本明細書の他の箇所に記載される適切な動物モデルを使用したインビボ試験に基づいて、行うことができる。
ii. 投与経路
本発明に包含される薬学的組成物は、当該技術分野で既知の任意の手段によって投与されてよい(非限定的な例については、及びPCT/US2015/65348を参照されたい)。
本発明による有用な薬学的組成物はまた、身体からの急速な排除から編集オリゴヌクレオチドを保護するカプセル製剤、例えばインプラント及びマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤などを含む(非限定的な例については、PCT/US2015/65348を参照されたい)。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号、PCT出願国際公開第91/06309号、及び欧州特許公開第EP−A−43075号に記載される、当業者に既知の方法に従って調製するか、又は、Northern Lipids(Burnaby,British Columbia)、Avanti Polar Lipids(Alabaster,Alabama)、もしくはArbutus BioPharma(Burnaby,British Columbia)から商業的に入手することができる。ナノ粒子送達を使用してもよく、例は、Zhou et al.Pharmaceuticals,6:85−107,2013、doi:10.3390/ph6010085,McNeer et al.,Gene Ther.20(6):658−669,2013、doi:10.1038/gt.2012.82,McNeer et al.,Nature Comm.DOI:10.1038/ncomms 7952 pgs.1−11,2015、及びYuen Y.C.et al.Pharmaceuticals,5:498−507,2013、doi:10.3390/pharmaceutics5030498に記載されている。本発明のオリゴヌクレオチドはまた、製造業者が記載するようにInvivofectamine 3.0内に(Thermo Fisher,Waltham,MA)、又は製造業者が記載するようにLUNARナノ粒子内に(Arcturus,San Diego,California,米国特許出願第20150141678号)、カプセル化されてもよい。細胞培養での使用については、Lipofectamine 2000は血清の存在下ではたらき、細胞が分裂している間何時間又は何日もの期間にわたってオリゴヌクレオチドを供給することを可能にするので、Lipofectamine 2000が、編集オリゴヌクレオチドを供給するために特に有用である。(Thermo Fisher,Waltham,MA)。
iii. 毒性及び有効性
かかる化合物の毒性及び治療有効性は、細胞培養液又は実験動物における標準的な薬学的手順によって決定することができる(及びPCT/US2015/65348を参照されたい。
iv. 組成物及び方法
本発明のオリゴヌクレオチドは、以下の組成物及び方法において提供される。
一態様において、生物内の単離細胞(複数可)内の核酸配列を修飾する方法であって、相補的な細胞核酸の修飾(複数可)が生じるようにオリゴヌクレオチドを該細胞に導入するステップを含む方法が、本明細書に提供され、該修飾は、疾患を防ぐアレルを作り出すか、変異を修復するか、又は遺伝子を不活性化する。
別の実施形態では、疾患を防ぐアレルは、標的遺伝子の機能を不活性化させないが、標的遺伝子の機能を調整する。
なおも別の実施形態において、本方法は、標的遺伝子の機能の調整をもたらす。標的遺伝子の機能の調整は、遺伝子産物の活性又は発現を増加させ得る。標的遺伝子の機能の調整は、遺伝子産物の活性又は発現を部分的に減少させ得る。
標的遺伝子の機能の調整は、遺伝子産物の活性又は発現を、修飾された細胞において50パーセント以下、部分的に減少させ得る。標的遺伝子の機能の調整は、遺伝子産物の活性又は発現を、修飾された細胞において75パーセント以下、部分的に減少させ得る。標的遺伝子の機能の調整は、遺伝子産物の活性又は発現を、修飾された細胞において90パーセント以下、部分的に減少させ得る。
本方法のある特定の実施形態において、標的遺伝子産物は、プロテアーゼ切断によって翻訳後に修飾されたタンパク質である。具体的な実施形態では、標的遺伝子タンパク質はAPPであり、遺伝子の修飾は、APPの配列を変化させて、それをβセクレターゼによる切断に影響されにくくする。APPにおける673位をコードする配列は、アラニンからスレオニンに変化させられ得る。
本明細書に提供される別の態様は、本発明のオリゴヌクレオチドを含む組成物である。本組成物は、本明細書に記載の方法において使用され得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドが、製剤(例えば、編集オリゴヌクレオチド製剤)中に存在する。一実施形態において、編集オリゴヌクレオチド製剤は、編集効率を上昇させる外因性タンパク質又はリボ核タンパク質(又は該タンパク質もしくはリボ核タンパク質を発現する核酸)を含む。編集効率を上昇させる外因性タンパク質又はリボ核タンパク質は、プログラム可能ヌクレアーゼであり得る。編集効率を上昇させる外因性タンパク質又はリボ核タンパク質は、CRISPR−Cas9、ジンクフィンガー、又はTalenプログラム可能ヌクレアーゼであり得る。編集オリゴヌクレオチドは、一本鎖の未修飾DNAであり得る。編集オリゴヌクレオチドは、一本鎖であり、少なくとも10個のデオキシリボース糖を含有してもよい。編集オリゴヌクレオチドは、化学修飾されていてもよい。一実施形態では、切断部位に近接する編集オリゴヌクレオチドの局所濃度を上昇させ、そのようにして挿入欠失の頻度と比較してHRの頻度を上昇させるために、編集オリゴヌクレオチドは、当該技術分野で既知の方法によって、プログラム可能ヌクレアーゼ(例えば、Talen又はCas−9)に(非共有又は共有)結合される。挿入欠失は修復のための標的遺伝子の機能を破壊することが多いので、挿入欠失の割合を減らすことは、HR及び正確な編集が所望の帰結である場合に有用である。
編集オリゴヌクレオチドの化学修飾は、ホスホロチオエートを含み得る。編集オリゴヌクレオチドの化学修飾は、各末端における3個のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み得る。編集オリゴヌクレオチドの化学修飾は、末端における合計1〜5個のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み得る。編集オリゴヌクレオチドの化学修飾は、合計7個以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み得る。一実施形態において、編集オリゴヌクレオチドの化学修飾は、合計7個以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含むが、ホスホロチオエート修飾されていない少なくとも10個のヌクレオチド間結合が残存する。一実施形態では、修飾は、毒性を低減するためにいかなるホスホロチオエート修飾も含有せず、このことは、カプセル化が編集オリゴヌクレオチドを血清及びエンドリソソームのヌクレアーゼから保護するため、カプセル化編集オリゴヌクレオチドを使用するときに特に有用である。一実施形態において、修飾は、ホスホロチオートではないエキソヌクレアーゼ末端ブロッキング基を含む。
ある特定の実施形態において、本組成物は、化学修飾された核酸塩基を有するオリゴヌクレオチドを含む。化学修飾された核酸塩基(複数可)は、5メチルデオキシシチジンとすることができる。いくつかの実施形態では、1個〜約500個の5メチルデオキシシチジンが存在する。他の実施形態では、1個〜約50個の5メチルデオキシシチジンが存在する。他の実施形態では、1個〜約10個の5メチルデオキシシチジンが存在する。他の実施形態では、1個〜約5個の5メチルデオキシシチジンが存在する。他の実施形態では、1個〜約5個の5メチルデオキシシチジンが存在する。他の実施形態では、1個の5メチルデオキシシチジンが存在する。他の実施形態では、5メチルデオキシシチジンのうちの1個は、ミスマッチ5’TGにハイブリダイズされた5’CpG配列内にあり、この修正は、編集を標的鎖に方向付ける。具体的な実施形態では、この5’TG標的部位が、メチオニン開始コドンのTGであり、編集は、機能性標的タンパク質の産生を低減させるか、又は排除する。他の実施形態では、標的ヌクレオチドからの修飾は、ほとんど又は全く配列制限なしに編集を標的鎖に導くことができ、該化学構造は、一実施形態では2’F、2’−O−アルキル、又はLNAである。より具体的な一実施形態では、毒性を最小限に低減するために、編集を標的鎖に導く編集オリゴヌクレオチドの編集部位又はその近くの修飾は、いかなるホスホロチオエートもなしに編集オリゴヌクレオチド上にある(例については、図2を参照されたい)。他の実施形態では、ヌクレアーゼ安定性をさらに向上させ、インビボ体内分布を上昇させるために、編集を標的鎖に導く修飾化学構造は、ホスホロチオエート結合と組み合わされる(例については、図2を参照されたい)。いくつかの実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、>15個のホスホロチオエート、及び編集部位又はその近くの標的鎖に導くための修飾を含む(例については、図2を参照されたい)。いくつかの実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、欠失を修復するように設計され、編集を標的鎖に導く化学修飾は、欠失を補正するために挿入される編集オリゴヌクレオチド配列のすぐ5’及び3’のヌクレオチドに配置される(LNA、2’−O−メチル、及び2’Fをそれぞれ使用するこの修飾パターンの例については、図2のETAGEN通し番号100243〜100245を参照されたい。これは、この場合、嚢胞性繊維症デルタF508変異を標的にしている)。いくつかの実施形態では、編集を標的鎖に導く標的核酸塩基からの化学修飾を有する編集オリゴヌクレオチドは、編集効率も向上させる複合5’ホスフェート修飾である。
いくつかの実施形態では、低毒性及び高ヌクレアーゼ安定性が所望される場合、編集オリゴヌクレオチドは、大部分の結合が2’修飾で修飾され、ホスホロチオエートを有さず、編集を標的鎖に導く編集部位からの2’−O−アルキル、2’F、又はLNAなどの化学修飾を有する(例については、図2を参照されたい)。いくつかの実施形態では、上文に記載の編集オリゴヌクレオチドはまた、自己送達性接合体を有し、自己送達性接合体は、特に有用な一実施形態ではGal−NAcを含む。
いくつかの特に有用な実施形態では、この組成物及び方法のセクションの編集オリゴヌクレオチドは、表VIIIのプログラム可能ヌクレアーゼと組み合わせてインビトロ又はインビボで細胞に供給される。
本明細書に記載される方法及び組成物の具体的な実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、2’糖修飾を含む。本明細書に記載される方法及び組成物の別の具体的な実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、2’修飾のみを含む。具体的な実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、編集部位の5’側に2’F、及び編集部位の3’側に2’−O−mt、又はその両方を含む。別の具体的な実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、編集部位近くの親和性を増加させる修飾塩基を含み、該修飾塩基は、5メチルCではない。
本明細書に記載される方法及び組成物の他の具体的な実施形態では、オリゴヌクレオチドは、送達ビヒクル内でカプセル化され(核酸の送達ビヒクルの説明については、Yin et al.Nature Reviews,Genetics.15:541−555,2014を参照されたい)、編集のために使用されるオリゴヌクレオチドは、表XIVに列記するヘルパーオリゴヌクレオチドを含むか、又は表XIVに列記するヘルパーオリゴヌクレオチドのうちの1つの配列を含む。
オリゴヌクレオチドは、任意選択セグメントのうちの4個以上、又はこれらの任意選択セグメントのうちの5個、又はこれらの任意選択セグメントのうちの6個、又はこれらの任意選択セグメントのうちの全7個を含有し、オリゴヌクレオチドは、主として以下の表XIに記載する様式のうちの1つによって作用する。
本明細書に記載される方法及び組成物の具体的な実施形態では、オリゴヌクレオチドは、向上した細胞取り込みを与える接合分子をさらに含む。
本明細書に記載される方法及び組成物の具体的な実施形態では、本方法及び組成物は、ヘルパーオリゴヌクレオチド(複数可)をさらに含む。
ここに記載される方法及び組成物の特定の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、本明細書に列記され、かつ/又は表XIIに引用される1つ以上の改善特性及び利点を有する。
本明細書に記載される方法及び組成物の特定の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、本明細書に列記され、かつ/又は表XIIIに列記される送達ビヒクルを使用して送達される。
一態様において、編集オリゴヌクレオチドが本明細書に提供され、この編集オリゴヌクレオチドは、細胞内の相補的な標的配列を編集することができ、この編集オリゴヌクレオチドは、表IIに列記される修飾から選択される1種類の骨格修飾、又は表IIに列記される2種類の修飾、又は表IIに列記される3種類以上の修飾を含む。
編集オリゴヌクレオチドの一実施形態において、骨格修飾は中性である。骨格修飾は、1個〜約20個の中性修飾を含むことができる。具体的な実施形態では、骨格修飾は、2個〜約4個の中性修飾を含む。
別の実施形態では、骨格修飾は、メチルホスホネートである。骨格修飾は、1個〜約20個のメチルホスホネートを含み得る。具体的な実施形態では、骨格修飾は、2〜4個のメチルホスホネートを含む。具体的な実施形態では、骨格修飾は、2個のメチルホスホネートを含む。より具体的な実施形態では、骨格修飾は、2個のメチルホスホネートを5’末端上に含む。
別の実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、1個〜約20個の骨格修飾を、単一の修飾骨格編集オリゴヌクレオチド内に含み得る。一実施形態において、修飾のうちの少なくとも2個は、末端セグメント内にある。具体的な実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、2個の修飾を5’末端に含む。
別の態様では、本明細書に記載される編集オリゴヌクレオチドを使用して、細胞又は生物内の遺伝子を編集する方法が、本明細書に提供される。一実施形態において、細胞は、単離されたヒト細胞である。一実施形態において、生物は、ヒトである。ある特定の実施形態において、本方法は、(PCT/US2015/65348)の図23に列記される適応症から選択される適応症を治療するために使用される。具体的な実施形態では、この適応症は、(PCT/US2015/65348)の図24に列記される適応症から選択される。
一実施形態において、遺伝子は、(PCT/US2015/65348)の図23に列記される標的遺伝子である。具体的な実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、(PCT/US2015/65348)の図24に列記される配列の少なくとも25パーセントを含む。別の具体的な実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、(PCT/US2015/65348)の図24からの配列の少なくとも51パーセントを含む。
別の態様において、編集オリゴヌクレオチドが本明細書に提供され、該編集オリゴヌクレオチドは、細胞内の相補的な標的配列を編集することができ、該編集オリゴヌクレオチドは、表III、オリゴヌクレオチドに有用な核酸塩基修飾、に列記される1個以上の核酸塩基修飾を含む。一実施形態において、編集オリゴヌクレオチドは、表IIIからの修飾核酸塩基を、1個〜約100個含む。一実施形態において、編集オリゴヌクレオチドは、表IIIからの修飾核酸塩基を、1個〜約30個含む。一実施形態において、編集オリゴヌクレオチドは、表IIIからの修飾核酸塩基を、1個〜約10個含む。具体的な実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、表IIIの修飾パターン種による修飾核酸塩基を、1個以上含む。
編集オリゴヌクレオチドの別の実施形態では、修飾核酸塩基は、哺乳動物において、編集オリゴヌクレオチドによって免疫刺激を減少させる。具体的な実施形態では、修飾核酸塩基は、5’メチルC化学修飾を含む。別の具体的な実施形態では、核酸塩基修飾は、編集オリゴヌクレオチドの、その賛辞的な標的に対する親和性を増加させる。
別の態様において、編集オリゴヌクレオチドが本明細書に提供され、該編集オリゴヌクレオチドは、細胞内の相補的な標的配列を編集することができ、この編集オリゴヌクレオチドは、表IV、オリゴヌクレオチドに有用な糖、に列記される1個以上の糖修飾を含む。一実施形態において、糖修飾は、2’糖修飾から選択される。2’糖修飾は、2’Fとすることができる。2’糖修飾は、2’O−メチルであり得る。2’糖修飾は、2’Fと2’O−メチル修飾との組み合わせであってもよい。
編集オリゴヌクレオチドの一実施形態において、2’F修飾の過半数(例えば、50%超)は、編集部位の3’にある。編集オリゴヌクレオチドの別の実施形態では、2’O−メチル修飾の過半数(例えば、50%超)は、編集部位の5’にある。
2’糖修飾は、オリゴヌクレオチドの、その標的核酸に対する親和性を増加させることができる。一実施形態において、編集オリゴヌクレオチドは、1〜75個の糖修飾を含む。別の実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、2〜30個の糖修飾を含む。別の実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、2〜16個の糖修飾を含む。
一実施形態において、編集オリゴヌクレオチドは、約5〜100%化学修飾された塩基を含む。別の実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、約25〜75%化学修飾された塩基を含む。別の実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、約40〜60%化学修飾された塩基を含む。具体的な実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、2個の修飾を含む。具体的な一実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、2’F及び2’O−メチル修飾を含有する。
一実施形態において、編集オリゴヌクレオチドは、(PCT/US2015/65348)の図23に列記される遺伝子を標的にする。
別の態様において、ゲノム編集によってヒト疾患を治療する方法であって、かかる治療を必要とする個人に、本明細書に記載される編集オリゴヌクレオチドを投与するステップを含む方法が、本明細書に提供される。
さらに別の態様では、1つ以上の送達接合体を含む編集オリゴヌクレオチドが、本明細書に提供される。具体的な実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、1つの送達接合体を含む。送達接合体は、オリゴヌクレオチドの細胞取り込みを促進することができる。送達接合体は、生物における細胞内へのオリゴヌクレオチドの取り込みを向上させることができる。送達接合体は、編集オリゴヌクレオチドに直接的あるいは間接的に共有結合している化学部分であり得る。直接的な共有結合は、例えば、オリゴヌクレオチドに対する化学部分の共有結合を含む。間接的な共有結合は、例えば、オリゴヌクレオチドと化学部分との両方に共有結合しているリンカーの使用を含む。一実施形態において、編集オリゴヌクレオチドは、生物における細胞内の取り込みを向上させる送達ビヒクルによってカプセル化されていない。
一実施形態において、送達接合体は、受容体のリガンドである。特に有用な実施形態では、リガンドは、1〜10個のGal−Nacである。別の具体的な実施形態では、リガンドは、3個のGal−Nacである。一実施形態において、送達接合体は、親油性基である。親油性基は、約10個〜約50個の炭素を有し得る。親油性基は、ある形態のコレステロールであってもよい。
1つ以上の送達接合体を含む編集オリゴヌクレオチドは、疾患の治療に有用である。一態様において、ヒト疾患を治療又は防止する方法であって、かかる治療を必要とする患者に、本明細書に記載される1つ以上の送達接合体を含む編集オリゴヌクレオチドを投与することによる方法が、本明細書に提供される。一実施形態において、本方法は、遺伝子を編集の標的にし、標的遺伝子は、(PCT/US2015/65348)の図23に列記されるものである。別の実施形態では、治療のための標的遺伝子は、(PCT/US2015/65348)の図24に列記されるものである。本方法の一実施形態において、編集オリゴヌクレオチド配列は、(PCT/US2015/65348)の図24の配列のうちの1つを含む。
カプセル化編集オリゴヌクレオチドを用いた組成物及び方法。一実施形態は、ゲノムDNA標的配列と比較して8個以下の配列差異を有する編集オリゴヌクレオチドである。配列差異の各々は、標的配列と比較してヌクレオチド(複数可)のトランジションもしくはトランスバージョン、挿入及び/又は欠失をもたらすであろうミスマッチであり、編集オリゴヌクレオチドは、標的ゲノムDNA配列を編集オリゴヌクレオチドの配列へと編集し、得られる編集は、編集オリゴヌクレオチドによって治療される生物(もしくはエクスビボ治療細胞)に対する治療効果を有するか、又は標的細胞もしくは生物を研究するために有用な望ましい変化を有する。この編集オリゴヌクレオチドはさらに、その5’末端及び/又は3’末端に1〜4個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)を有し、かつ/又は;8個未満のホスホロチオエート修飾を有し;ナノ粒子内にカプセル化され;免疫刺激を低減する1つ以上の核酸塩基化学修飾を有し;かつ/又は標的ゲノムDNAとの配列差異もしくはその近位にある、内因性ミスマッチ修復機構が編集オリゴヌクレオチドを編集するのを阻止する化学修飾を有し得る。
特定の実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、ゲノムDNA標的配列と比較して、6個以下の配列差異、4個以下の配列差異、2個以下の配列差異を有するか、又は1個の配列差異を有する。上記の実施形態のいずれにおいても、ゲノムDNA標的配列と比較した配列差異がミスマッチである編集オリゴヌクレオチドは、トランジション(複数可)及び/又はトランスバージョン(複数可)をもたらすDNA標的配列と相互作用するとき、編集オリゴヌクレオチドである。あるいは、ゲノムDNA標的配列と比較した編集オリゴヌクレオチド配列差異が、標的ゲノムDNA内へのヌクレオチド(複数可)の挿入又は標的ゲノムDNAにおけるヌクレオチド(複数可)の欠失をもたらすDNA標的と相互作用するとき、編集オリゴヌクレオチドである、編集オリゴヌクレオチド。
編集オリゴヌクレオチドは、その5’末端に1〜4個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその3’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基;その5’末端に3個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその3’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基;その5’末端に2個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその3’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基;その5’末端に1個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその3’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基;その3’末端に1〜4個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその5’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基;その3’末端に3個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその5’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基;その3’末端に2個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその5’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基;又はその3’末端に1個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその5’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基、を有し得る。
さらに、エキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)は、ホスホロチオエート結合、非ホスホロチオエート結合、非ヌクレオチドリンカー、アミノリンカー、C2〜C9アミノリンカー、C3アミノリンカー、又は拘束核酸である。エキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)は、2’糖修飾(拘束核酸を含む)を有し得る。ヌクレアーゼブロッキング基が拘束核酸である場合、それは、2’,4’−BNA、cET、又は非LNA、もしくはLNAである。
内因性ミスマッチ修復機構が編集オリゴヌクレオチドを修復するのを阻止する編集オリゴヌクレオチド化学修飾(複数可)は、拘束核酸を含む2’糖修飾(複数可)、拘束核酸を含むがLNA(複数可)を除く2’糖修飾(複数可)、2’Fを除く2’糖修飾(複数可)、LNA、又は2’F糖修飾である。
カプセル化編集オリゴヌクレオチドは、生物に対して静脈内で;治療的に重要な編集を達成するために10回以上;又は治療的に重要な編集を達成するために20回以上、投与され得る。
編集オリゴヌクレオチドは、編集オリゴヌクレオチドによって治療される生物(もしくはエクスビボ治療細胞)又は該編集オリゴヌクレオチドによって治療されるヒト(もしくはエクスビボ治療ヒト細胞)に対して治療効果をもたらすために使用され得る。
編集オリゴヌクレオチド又は編集オリゴヌクレオチドを使用する方法は、追加として、末端又は末端エキソヌクレアーゼブロッキング基と、標的ゲノムDNAとの配列差異の近位にある、内因性ミスマッチ修復機構が編集オリゴヌクレオチドを修復するのを阻止する修飾との間に2’糖修飾を有する。追加の2’糖修飾は、編集部位に対して5’及び3’の両方、編集部位に対して3’のみ、又は編集部位に対して5’のみ、である。特定の実施形態では、編集部位に対して3’の2’糖修飾は2’Fであるか、又は編集部位に対して5’の2’糖修飾は2’−O−メチルである。
編集オリゴヌクレオチドはさらに、5’ホスフェートもしくはそのヌクレアーゼ安定類似体を有し、編集部位の200ヌクレオチド以内のゲノムDNAを結合して編集オリゴヌクレオチドの編集効率を向上させる追加のオリゴヌクレオチドと組み合わせられるか、又は編集部位の200ヌクレオチド以内のゲノムDNAを結合して編集オリゴヌクレオチドの編集効率を向上させるPNAオリゴヌクレオチドと組み合わせられ得る。
本発明の方法で利用される編集オリゴヌクレオチドの編集効率は、標的部位の200ヌクレオチド以内をプログラム可能ヌクレアーゼで切断することによって向上される編集効率を有する。
編集オリゴヌクレオチド及び本発明の編集オリゴヌクレオチドを使用する方法は、βサラセミア、嚢胞性繊維症又はデュシェンヌ型筋ジストロフィー、アルツハイマー病、2型糖尿病、鎌状赤血球症、及びβサラセミアを含む疾患を治療するために利用され得る。
編集オリゴヌクレオチドは、ゲノムDNAのセンス鎖又はゲノムDNAのアンチセンス鎖を標的にし得る。
非カプセル化編集オリゴヌクレオチドを用いる組成物及び方法は、ゲノムDNA標的配列と比較して8個以下の配列差異を有する編集オリゴヌクレオチドを含み、配列差異の各々は、トランジションもしくはトランスバージョン、標的配列と比較してヌクレオチドの挿入及び/又は欠失をもたらすであろうミスマッチであり、編集オリゴヌクレオチドは、標的ゲノムDNA配列を編集オリゴヌクレオチドの配列へと編集し、得られる編集は、編集オリゴヌクレオチドによって治療される生物(もしくはエクスビボ治療細胞)に対して治療効果を有するか、又は標的細胞もしくは生物を研究するために有用な望ましい変化を有する。さらに、編集オリゴヌクレオチドは、その5’末端及び/又は3’末端に1〜4個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)を有し、ナノ粒子又は他の送達ビヒクル内にカプセル化されておらず、免疫刺激を低減する1つ以上の核酸塩基化学修飾と、標的ゲノムDNAとの配列差異又はその近位にある、内因性ミスマッチ修復機構が編集オリゴヌクレオチドを編集するのを阻止する化学修飾とを有する。
上記の実施形態の編集オリゴヌクレオチドは、ゲノムDNA標的配列と比較して6個以下の配列差異、ゲノムDNA標的配列と比較して4個以下の配列差異、ゲノムDNA標的配列と比較して2個以下の配列差異を有するか、又はゲノムDNA標的配列と比較して1個の配列差異を有する。ゲノムDNA標的配列と比較した編集オリゴヌクレオチドの配列差異:トランジション(複数可)及び/又はトランスバージョン(複数可)をもたらす;標的ゲノムDNA内へのヌクレオチド(複数可)の挿入をもたらすであろう;標的ゲノムDNA内のヌクレオチド(複数可)の欠失をもたらすであろう、ミスマッチを有することによって。
編集オリゴヌクレオチドは、その5’末端に1〜4個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその3’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基、その5’末端に3個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその3’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基、その5’末端に2個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその3’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基、その5’末端に1個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその3’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基、その3’末端に1〜4個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその5’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基、その3’末端に3個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその5’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基、その3’末端に2個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその5’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基、又はその3’末端に1個のエキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)及びその5’末端に0個のエキソヌクレアーゼブロッキング基、を有し得る。
エキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)は、ホスホロチオエート結合、非ホスホロチオエート結合、非ヌクレオチドリンカー、アミノリンカー、C2〜C9アミノリンカー、又はC3アミノリンカーであり得る。エキソヌクレアーゼブロッキング基(複数可)は、2’糖修飾(拘束核酸を含む)又は拘束核酸を有し得る。拘束核酸は、2’,4’−BNA、LNA、cET、又は非LNA拘束核酸であってもよい。
内因性ミスマッチ修復機構が編集オリゴヌクレオチドを修復するのを阻止する化学修飾(複数可)が、2’糖修飾(複数可)を含み、拘束核酸をさらに含有し得るがLNA(複数可)及び/又は2’Fを締め出し得る編集オリゴヌクレオチド。あるいは、内因性ミスマッチ修復機構が編集オリゴヌクレオチドを修復するのを阻止する化学修飾(複数可)は、LNA又は2’F糖修飾であり得る。
本発明の編集オリゴヌクレオチドは、皮下注射、静脈内注射もしくは点滴、硝子体内注射、又は吸入によって生物に投与されてもよい。編集オリゴヌクレオチドは、治療的に重要な編集を達成するために10回以上、又は治療的に重要な編集を達成するために20回以上、投与され得る。編集オリゴヌクレオチドから得られる編集は、編集オリゴヌクレオチドによって治療される生物(もしくはエクスビボ治療細胞)又は該編集オリゴヌクレオチドによって治療されるヒト(もしくはエクスビボ治療ヒト細胞)に対して治療効果を有し得る。
本発明の方法及び組成物は、末端又は末端エキソヌクレアーゼブロッキング基と、標的ゲノムDNAとの配列差異の近位にある、内因性ミスマッチ修復機構が編集オリゴヌクレオチドを修復するのを阻止する修飾との間に2’糖修飾を追加として有する編集オリゴヌクレオチドを含む。追加の2’糖修飾は、編集部位に対して5’及び3’の両方、編集部位に対して3’のみ、又は編集部位に対して5’のみ、であり得る。他の実施形態では、編集部位に対して3’の2’糖修飾は2’Fであるか、又は編集部位に対して5’は2’−O−メチルである。編集オリゴヌクレオチドは、5’ホスフェートもしくはそのヌクレアーゼ安定類似体を、あらゆるヌクレオチド間結合においてホスホロチオエート修飾を、ヌクレオチド間結合の>90%においてホスホロチオエート修飾を、ヌクレオチド間結合の>40%においてホスホロチオエート修飾を、8個以上のヌクレオチド間結合においてホスホロチオエート修飾を、又は非ホスホロチオエート結合の40%以上において他のエンドヌクレアーゼ抵抗性修飾を、含有し得る。編集オリゴヌクレオチドは、非ホスホロチオエート結合の40%以上における2’糖修飾エンドヌクレアーゼ抵抗性修飾;非ホスホロチオエート結合の40%以上における2’−O−メチル修飾エンドヌクレアーゼ抵抗性修飾;又は非ホスホロチオエート結合の20%以上におけるBNA修飾エンドヌクレアーゼ抵抗性修飾、を有し得る。一実施形態では、BNA修飾は、LNA又はcETである。
他の実施形態では、編集オリゴヌクレオチドは、標的細胞及び/もしくは組織への送達を促進するリガンド;標的細胞及び/もしくは組織への送達を促進するリガンドであって、該リガンドは1つ以上のGal−Nac残基を含む、リガンド;標的細胞及び/もしくは組織への送達を促進するリガンドであって、該リガンドは親油性基を含む、リガンド;又は標的細胞及び/もしくは組織への送達を促進するリガンドであって、該リガンドはコレステロールもしくはコレステロール類似体を含む、リガンド、に接合され得る。さらに、編集オリゴヌクレオチドは、編集部位の200ヌクレオチド以内のゲノムDNAを結合して編集オリゴヌクレオチドの編集効率を向上させる追加のオリゴヌクレオチドと、又は編集部位の200ヌクレオチド以内のゲノムDNAを結合して編集オリゴヌクレオチドの編集効率を向上させるPNAオリゴヌクレオチドと、組み合わせられ得る。
編集オリゴヌクレオチドの編集効率は、プログラム可能ヌクレアーゼで標的部位の200ヌクレオチド以内を切断することによって向上され得る。本発明の編集オリゴヌクレオチド及び方法で治療され得る疾患としては、βサラセミア、嚢胞性繊維症もしくはデュシェンヌ型筋ジストロフィー、アルツハイマー病、2型糖尿病、鎌状赤血球症、又はβサラセミアが挙げられる。
編集オリゴヌクレオチドは、ゲノムDNAのセンス鎖又はゲノムDNAのアンチセンス鎖を標的にし得る。
V. 結果
図2に提示されるオリゴヌクレオチド構造物及び修飾パターンは、細胞培養液中のそれらの活性が親化合物未満であり得るとしても、本明細書に記載される研究、治療、及び他の用途に有用であるが、それは、これらのオリゴヌクレオチドの各々が、未修飾DNA又は各末端上に3個のホスホロチオエートを有するDNAと比較して、免疫刺激の低減、ヌクレアーゼ安定性の上昇、標的特異性の上昇、化学毒性の低減、及び/又は親和性の上昇といった、予測される治療利益に寄与するからである。
図2に列記される編集オリゴヌクレオチドの例は、ゲノム編集におけるそれらの有用性を改善する様々な特徴を有する。ホスホロチオエート結合は、血清タンパク質結合が血清半減期及び組織分布を向上させること、末端ブロックのみと比較して増大したヌクレアーゼ安定性、ならびに送達ビヒクルなしの細胞質内への細胞取り込み、を可能にする。より多くのホスホロチオエートは、ヌクレアーゼ安定性の増大をもたらす。均一な(全)ホスホロチオエート置換オリゴヌクレオチドは、送達ビヒクルなしに効率的に取り上げられるために十分に安定であり、高ヌクレアーゼエンドリソソーム区画を通る通過を効果的に生き延びる。しかしながら、均一なホスホロチオエート置換はまた、細胞の内部に送達される1つ編集効率を減少させ、ゆえにホスホロチオエート塩の数とホスホジエステルとの間にはトレードオフが存在する。広範なホスホロチオエート置換は、編集部位までの編集オリゴヌクレオチドの3’半分上の編集に対してより寛容であり、これが、編集オリゴヌクレオチドの3’略半分上でホスホロチオエート結合を有する例示的なオリゴヌクレオチドの理論的根拠である。編集オリゴヌクレオチドの3部分に向かって2’Fホスホジエステルセグメントを有する設計で例示されるように、ホスホロチオエート結合を低減するための別の設計は、編集に対して寛容な他の修飾をホスホジエステル結合に配置する。編集部位における、又はその近隣のホスホロチオエート置換も、非生産的ミスマッチ修復を抑制することになる。
5個の主要な(5’)ホスフェートは、全てのホスホロチオエートのように、特に短い配列(<30mer)及び安定した配列の場合に編集効率を向上させるように設計されている(Radecke et al.2006)。5’チオホスフェートは、細胞ホスファターゼによる除去に対してさらに安定化するように設計されている。より短いオリゴヌクレオチドは、細胞内への向上した自由な取り込みを有し、合成を単純化し、合成のコストを低減し、これは、いくつかのより長いオリゴヌクレオチドの向上した編集効率に対してバランスが取れている。5メチルC修飾は、標的に対する親和性を向上させ、免疫刺激を低減し、編集を標的鎖に導く。リンカー又は蛍光性接合体を含むリンカーなどの5’非ホスホロチオエート末端ブロック(例えば、6FAM)は、ホスホロチオエート末端ブロックより毒性が低く、編集に対して寛容である。標的DNAに賛辞的ではない4個の3’ホスホロチオエート末端ブロックが、細胞機構によって刈り取られ、天然の3’OH末端を可能にする。2個〜5個の非賛辞的な3’末端ブロックが、特に有用である。
コレステロール接合体は、特にエンドリソソームのヌクレアーゼを生き延びることができる高度にヌクレアーゼ安定なオリゴヌクレオチドに対して使用されるとき、細胞取り込みを向上させる。肝臓取り込みについては、当該技術分野でsiRNA及びアンチセンスと共にインビボで機能すると知られているGal−NAc接合体が、送達接合体としてコレステロールを置き換えることができる。一続きの3’未修飾核酸塩基は、細胞ヌクレアーゼが接合体を切断することを可能にし、最も効率的な編集のために要求される遊離3’OHを遊離させるように、接合部の隣の末端に挿入することができる。
「編集部位」又はその近位にある2個の主要な(2’)修飾(すなわち、2’F、LNA、2’−O−メチル)は、編集オリゴヌクレオチドの非生産的ミスマッチ修復を抑制して、編集効率を向上させ、又はイブリッド親和性を増大させ(有効性を向上させ)、ヌクレアーゼ安定性を増大させ、免疫刺激を低減する。
3個の主要な(3’)Fセグメントは、編集効率を向上させ(親和性を増大させ)、免疫刺激を低減する。LNA末端修飾は、ヌクレアーゼ安定性を向上させ、ハイブリッド親和性を増大させ、より高い編集効率及び低減された免疫刺激をもたらし、毒性を低減する。しかしながら、末端における2つ以上のLNA結合は、編集効率を低減し得る。
本明細書の図2に列記されるヘルパーPNA編集オリゴヌクレオチドの例は、ゲノム編集におけるそれらの有用性を改善する様々な特徴を有する。PNA結合は、ヌクレアーゼ安定性及び標的との高親和性を付与する。高い標的親和性は、鎖侵入を促進する。末端におけるリジンは、溶解度を向上させ、鎖侵入を向上させ、送達ビヒクルなしに培養中及びインビボの細胞に「自己送達性」を可能にする。ガンマminiPEG又はガンマグルタミン酸PNAの置換は、溶解度及び標的親和性を向上させる。グルタミン酸は、正帯電した送達ビヒクルと共に使用されるとき効率的なカプセル化を可能にする負電荷を付与する(例については図2を参照されたい)。
編集オリゴヌクレオチド100034は、5’及び3’の2’Fアーム(5’及び3’近位セグメント)を有し、低いが有意な編集を示す。2’Fは2’−O−メチルよりも立体的にDNAに類似しているため、これは予想外であり、2’Fは、3’アームに組み込まれると編集において高度に活性であった。5’アームでは、2’−O−メチル修飾が2’F修飾よりも良好に耐用され、これも同様に予想外であった。これは、編集オリゴヌクレオチド100058のような構造物が、各アーム内に同じ修飾を有する構築物と比べて特に有用であることを暗示する。
編集オリゴヌクレオチド100047で見られるような広範な修飾は編集と適合性があったが、これは、修飾の各々が、当該技術分野で使用されることの多い親オリゴヌクレオチド(5’及び3’のホスホロチオエートDNAエキソヌクレアーゼブロッキング末端セグメントが、当該技術分野で一般的に使用されている)と比べて、予測される毒性を低下させるため、有用である。この毒性の低減の一部は、DNA内の2’H又はRNA内の2’OHと比較して、2’修飾結合による、Toll様受容体の活性化の低減に起因すると考えられる。アームが効率的な編集部位として機能せず、したがってオフターゲット編集の潜在性が低いため、より高い標的特異性が達成される。
5’のメチルホスホネートエキソヌクレアーゼブロッキング末端セグメントがかなり活性であった一方で、5’と3’の両方のメチルホスホネート末端セグメントを使用することは、有用ではあったが活性は低かった。この構造物は、多くのインビトロアッセイで細胞増殖の遮断に関連する全てのホスホロチオエートを除去した。
編集部位近くの単一の5メチルC修飾は、複数の5メチルC修飾がそうであったように、比較的高い編集効率と一致した。
3’近位セグメント修飾の区間を3’編集セグメントに向かって延長することは、編集反応への干渉のためにあまり好ましくない場合があるが、これらの追加の修飾は、ヌクレアーゼ安定性をさらに増加させ、免疫刺激を低減させると予測される(例えば、編集オリゴヌクレオチド100062)。このことは、5’修飾にも当てはまる(例えば、編集オリゴヌクレオチド100066)。
より長い編集オリゴヌクレオチドは、5’もしくは3’編集セグメント、又は編集部位から離れた位置で修飾され得る結合を、より多く有する(例えば、編集オリゴヌクレオチド100072)。
メチルホスホネートは優れた5’末端ブロックとなったが。編集オリゴヌクレオチド100074は、CY3の5’末端ブロック、及び3’末端上に3つの賛辞的なホスホロチオエートDNAを有し、別の有用な修飾の組み合わせを提供する。
ロックド核酸(LNA)も末端ブロッキング基として用いられ得るが、それらは、インビボ毒性を増加させる場合がある。この理由のため、ヌクレアーゼ末端ブロックとして、末端の一方もしくは両方に、アンロックド核酸(UNA)(例えば、編集オリゴヌクレオチド100078)又は簡素なリンカーを用いる実施形態が特に有用である(表Vを参照されたい)。エキソヌクレアーゼはDNAの単一の修飾を飛び越えることができるが、2’修飾末端残基と組み合わせれば(例えば、編集オリゴヌクレオチド100080)、この問題は軽減され得る。末端ブロッキングリンカーは、編集オリゴヌクレオチドに接合体を連結させるために使用することもできるという追加の利点を有する。これらの接合体(例えば、コレステロール(米国特許出願第20130131142 A1号)及びGal−Nacとの接合(米国特許第8,106,022号)は、培養液中及び動物生体内での細胞へのオリゴヌクレオチドの取り込みを増加させることが示されている。編集オリゴヌクレオチドとのこれらの部分の接合体は、当該技術分野で既知の方法を利用して調製することができ、費用及び/又は毒性を付加する送達ビヒクル(例えば、リポソーム)の必要性を排除するであろう。
編集オリゴヌクレオチド100082は、編集オリゴヌクレオチド100005、100031、及びこの修飾系列における他のものオリゴヌクレオチドに対して賛辞的な末端ブロックを含有する。編集オリゴヌクレオチドは、賛辞的なオリゴヌクレオチドとは別々に細胞に付加されてもよく、又は、二重鎖を形成するように、本明細書に記載される任意の修飾化学構造の賛辞的な編集オリゴヌクレオチドとプレハイブリダイズされてもよい。事前形成された二重鎖の利点は、二本鎖DNAは一本鎖ヌクレアーゼに抵抗性があることである。しかしながら、二重鎖に認められる不利点は、何らかの細胞修復/組換え機構が標的結合を促進しない限り、塩基が標的DNAと自由にハイブリダイズできないことであり得る。標的遺伝子、細胞型、及び投与経路に応じて、一本鎖又は二本鎖の編集オリゴヌクレオチドが編集により好適となり得る。
編集オリゴヌクレオチド100083は、編集オリゴヌクレオチド100005、100031、及び本明細書に開示される化学修飾された編集オリゴヌクレオチド標的GFPの系列における他のものに対して賛辞的な末端ブロックを有する、RNAプロテクターオリゴヌクレオチドである。このオリゴヌクレオチドは、賛辞的な編集ガイドオリゴヌクレオチドを、血清、エンドリソソーム経路、及び細胞質におけるヌクレアーゼから保護する。細胞質又は核細胞質内にあるとき、RNA鎖は、内因性RNアーゼHによって最終的には分解され、一本鎖編集オリゴヌクレオチドが標的DNAへのハイブリダイゼーションのために遊離する。これは、おそらくは標的DNAへのハイブリダイゼーションに干渉することによって編集オリゴヌクレオチドの活性を低減させた、2’−O−メチル保護オリゴヌクレオチドを改善するものである。
編集オリゴヌクレオチド100085は、5’近位領域がプロテクターオリゴヌクレオチド10086にハイブリダイズされると、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)内に充填することのできる二重鎖を形成するように、設計されている。相補的な標的核酸(RNAとDNA両方の標的;Saloman,et al.Cell 162:84−96,2015)に対するガイド鎖のハイブリダイゼーション速度は、アルゴノート内に充填される結果として劇的に上昇する。RISCによるハイブリダイゼーションオン速度のこの向上は、siRNAを対応するアンチセンスよりも約10〜100倍強力にするものである(例えば、アンチセンスではRISCによる向上が観察されない)。したがって、アルゴノート内に充填された編集オリゴヌクレオチドの5’末端は、より急速に標的染色体DNAにハイブリダイズし、ゲノム編集の効力及び/又は効率を上昇させる。この機構は、内因性細胞機構を使用して標的結合を向上させ、したがって、標的結合を促進向上させるためにCas9又はナトロノバクテリウム・グレゴリー・アルゴノートのような外因性タンパク質の付加を必要としない。本発明のこの実施形態の利点は、それが外因性タンパク質を細胞に送達するという課題を回避することである。標的DNAへの結合が、アルゴノートと複合体形成した編集オリゴヌクレオチドの5’近位領域によってシーディングされると、残りの二重鎖が急速に生じる。
編集オリゴヌクレオチド100037に関する本明細書のデータに基づくと、編集オリゴヌクレオチドの5’末端領域は、編集効率を維持しながら2’−O−メチルRNAで修飾され得、2’−O−メチル修飾でのオリゴヌクレオチドの部分修飾は、RISC充填の要件と適合性がある(米国特許出願第20130317080号、同第20150267200号、同第20150105545号、同第20110039914号、及び米国特許出願第12/824,011号)。プロテクターオリゴヌクレオチド(パッセンジャー鎖)は、好ましくは10〜50個のヌクレオチド、より好ましくは12〜30個のヌクレオチド、最も好ましくは19〜27個のヌクレオチドであり、標的に対して完全又は実質的に相補的である。この構造物において、編集オリゴヌクレオチドは、RNAi又はマイクロRNA(miRNA)の調製に関する一般的に許容されるいくつかの設計規則に従って設計されている。例えば、パッセンジャー鎖の2塩基対3’オーバーハングが特に有用であるが、RNAiと適合性のある平滑末端及び他の末端構造も有用である。ガイド(編集鎖)上の遊離5’ヒドロキシル又はリン酸化5’ヒドロキシルも提供される。RNAiと適合性のある、ある範囲の化学修飾及び構造が、この編集方略に用いられ得る。パッセンジャーRNAと二重鎖を形成する編集オリゴヌクレオチドの5’末端は、パッセンジャー鎖のRNアーゼH切断を活性化し、RISC充填を低減させ得る、パッセンジャー鎖内のRNAに結合したDNA結合を、約4個より多く有しないことが特に有用である。特に有用な実施形態において、ダイサー基質として機能するために十分に長い編集オリゴヌクレオチド内のRISC充填二本鎖領域を用いるとき、ダイサー切断部位(複数可)における2’−O−メチル修飾(複数可)の組み込みなどの、ダイサー切断を低減させるか又は排除することが当該技術分野で既知の様式で、化学修飾又はミスマッチが挿入されてもよい(Salomon et al.Nucleic Acids Research,38(11):3771−9 Feb.2010)。ダイサー切断の低減が有益であるのは、編集部位に最も近い二重鎖の側面における編集オリゴヌクレオチドのダイサー切断が、編集オリゴヌクレオチドの残りからRISC充填領域を切り離し、これが標的DNA二重鎖内への鎖侵入の前に起こった場合、RISC充填の利点が排除されるからである。
RISC内に充填することのできる二本鎖構造体は当該技術分野で既知であり、STEALTH RNAi化合物(Life Technologies,San Diego CA及び米国特許第8,815,821号)、ダイサー基質(米国特許第8,349,809号、同第8,513,207号、及び同第8,927,705号)、rxRNA ori(RXi Pharmaceuticals,Marlborough,Massachusetts)、短縮二重鎖を有するRNAiトリガ(2009年出願の米国特許出願第20120065243号)、及びsiRNA(米国特許第7,923,547号、同第7,956,176号、同第7,989,612号、同第8,202,979号、同第8,232,383号、同第8,236,944号、同第8,242,257号、同第8,268,986号、同第8,273,866号、及び米国特許出願第13/693,478号)を含む。これらのRNAiトリガ構成は、RISC充填を支持し、またいくつかの場合では組織及び細胞取り込みを向上させることで知られる、様々な化学修飾パターンにより、編集鎖上の遊離5’ヒドロキシル又はリン酸化5’ヒドロキシルが維持されるか、又は細胞内で遊離する限り、本明細書に記載のRISC充填編集オリゴヌクレオチド(ETAGEN整理番号100085を100086にハイブリダイズしたもの)におけるsiRNAで行われているように、編集オリゴヌクレオチドに組み込むことができる。
編集オリゴヌクレオチドオリゴヌクレオチドの追加の例が図2に、ヘルパーオリゴヌクレオチドが表XIVに列記されており、これらは上記の様々な特徴を含む。図2に記載される編集オリゴヌクレオチド及び任意選択のヘルパーオリゴヌクレオチドの化学修飾パターン、長さ、及び構成は、本明細書に列記されるものを含む様々な編集標的に、本明細書に記載される方法を使用して、適用することができる。各化学修飾の数及び位置は、本明細書に記載されるように様々とすることができる。
VI. 利点
Kmiec法は、化学反応基が編集オリゴヌクレオチドに結合することを必要とせず、塩基を任意の他の天然塩基にする編集を達成し、挿入又は欠失を作成することを可能にするため、Kmiec法を用いる本発明の実施形態は、化学修飾法に勝るいくつかの利点を有する。これらの「足跡なし」編集は、必要に応じて、元の配列に戻る追加の「足跡なし」編集を実行することによって、より容易に逆戻りさせることができる。ゲノム編集治療にとって重要な安全特徴である。
化学修飾法は、標的核酸塩基の塩基対合特異性を変化させるための特定の基の付加又は除去(すなわち、メチル化、エチル化、又は脱アミノ化)を含み、したがって活発な細胞組換え機構を必要としないため、化学修飾法を用いる本発明の実施形態は、Kmiec法に勝るいくつかの利点を有する。
本発明の編集オリゴヌクレオチドは、CRISPR、又はジンクフィンガーもしくは改変されたプログラム可能ヌクレアーゼなどのタンパク質を伴わずに利用され得る。CRISPR及び/又はジンクフィンガーを利用する方法は、CRISPR内のガイドRNAではないが別々の一本鎖オリゴヌクレオチドである一本鎖オリゴヌクレオチドを、部位を修復するためのドナーとして使用している。しかしながら、本発明の方法及び組成物は、これらの他の外因性タンパク質成分を厳密に必要とせず、現行の方法と同様又は実質的に同様の効率の精確な編集をもたらす。
本発明は、潜在的に危険な切断をDNA内に作り出すことを必要とすることなく変異体配列を直接かつ正確に修復するため、CRISPR/Cas9、ジンクフィンガー、及びTalen DNAヌクレアーゼを厳密に必要とする手法とは異なる核酸修復手法である。加えて、本発明のいくつかの実施形態は、任意選択により、送達粒子又は免疫原性タンパク質を用いずに投与されてもよい。
本発明は、翻訳を防止する所望の位置において、部位特異的変異、例えば終止コドンを作り出すことによって、任意の遺伝子を永久的に不活性化するために利用され得る。本発明の独自の適用形態の1つは、他の既知のサイレンシング方法では対処することができない、遺伝子の機能を調整又は補正する点変異(例えば、優性変異により生じる機能獲得型変異)を標的にすることである。
競合遺伝子療法及びmRNA置換方略などの他の手法は、変異遺伝子産物を置き換えることができる。しかしながら、本発明のある特定の実施形態は、ベクター配列の組み込み、又はベクター挿入部位における染色体の損傷を引き起こすことなく、完全に正常な遺伝子の制御及び発現レベルを達成するという利点を有する。
上述の方法のいずれも、本明細書におけるある特定の他の方法と組み合わせて使用しても、又はそのような組み合わせで使用しなくてもよいことは理解されよう。さらに、上述の組成物のいずれも、任意選択により、本明細書に記載のある特定の方法と共に使用し、かつ/又は本明細書中の他の組成物と組み合わせることができる。さらに、本明細書に記載される編集オリゴヌクレオチド及び任意選択のヘルパーオリゴヌクレオチド組成物の改善された特徴(すなわち、化学修飾、ヘアピン及び送達ビヒクルなどの構造体)は、本明細書に記載される編集オリゴヌクレオチド及び任意選択のヘルパーオリゴヌクレオチド組成物の他の改善された特徴と組み合わせて使用することができる。
VII. 実施例
図2は、本発明の編集オリゴヌクレオチドの実施例を記載する。図2における編集オリゴヌクレオチド配列のいくつかは、緑色蛍光タンパク質中のヌル変異を標的にし、この変異を補正して、蛍光のアッセイにより容易に監視することのできる機能性配列にする(Erin E.Brachman及びEric B.Kmiec前出)。図2の他のオリゴヌクレオチドは、他の遺伝子を標的にする。しかしながら、図2の化学修飾パターンは、変異を標的にする編集オリゴヌクレオチド、保護的アレルを作り出す編集オリゴヌクレオチド、又は他の標的遺伝子中に他の望ましいゲノムの変化を作り出す編集オリゴヌクレオチドに適用することができる。これらの実施例の各事例において、開示される配列により既に決定されていない場合、また本発明の他の実施形態において、編集部位は、編集オリゴヌクレオチドの中央領域内にあってもよく、又は、5’末端もしくは3’末端の方に片寄っていてもよい。特に有用な実施形態において、編集部位は、いずれかの末端から5ヌクレオチド超離れている。未修飾であるDNAの領域内に、又は修飾されている場合は、標的DNAを修復する細胞機構及び/又は複製機構により依然として鋳型DNAと認識される修飾(すなわち、ホスホロチオエート、2’F、LNA、2’−O−メチル、又は5’メチルC)を有するDNAの領域内に、編集部位を有することも好ましい。
編集オリゴヌクレオチドは、ゲノムDNAのいずれかの鎖に相補的であるように設計され得る。それらは、ラギング鎖合成のために鋳型鎖に結合するように設計されることが特に有用であり、それは、これがより効率的な編集をもたらす傾向があるためである。しかしながら、各鎖が標的にされてもよく、どの鎖がより効率的な編集をもたらすかは容易に判定することができる。本発明に有用なホスホロチオエート骨格修飾パターン及び編集オリゴヌクレオチドの長さは、PCT/US2015/65348に見出され得る。
図2の編集効率データを生成するために使用された実験に用いられた一般的方法。
A. 細胞株及び培養条件
GFP標的には、遺伝子修飾されたHCT116細胞を用いた。HCT116細胞は、ATCC(American Type Cell Culture,Manassas,VA)から取得した。HCT116−19は、変異eGFP遺伝子を含有するpEGFP−N3ベクター(Clontech,Palo Alto,CA)を組み入れることによって作り出された。変異eGFP遺伝子は、非機能性eGFPタンパク質を生じる167位のナンセンス変異を有する。これらの実験では、10%のウシ胎仔血清、2mMのL−グルタミン、及び1%のペニシリン/ストレプトマイシンを補充したマッコイ5A改変培地(Thermo Scientific,Pittsburgh,PA)中で、HCT116−19細胞を培養した。細胞は、37℃及び二酸化炭素5%に維持した。
B. HCT116−19細胞のトランスフェクション
同調細胞を利用した実験では、HCT116−19細胞を100mmの皿に2.5×10細胞で播種し、標的化の前に6mMアフィディコリンで24時間同調させた。細胞を4時間(又は指示された時間)にわたって遊離させ、その後、PBS(2/2)で洗浄し、完全増殖培地を添加することによって、トリプシン処理及びトランスフェクションを行った。HCT116−19細胞を同調させたものと同調させていないものとに、4mmギャップのキュベット(BioExpress,Kaysville,UT)内で5×10細胞/100ulの濃度において、約1ugの編集オリゴヌクレオチドを使用して、トランスフェクションを行った。Bio−Rad Gene Pulser XCell(商標)電気穿孔システム(Bio−Rad Laboratories,Hercules,CA)を使用して、一本鎖オリゴヌクレオチドを電気穿孔した(250V、LV、13msパルス長、2パルス、1秒間隔)。次いで、完全増殖培地を含む6ウェルプレートにおいて、細胞を37℃で指示された時間にわたって回復させ、その後分析した。遺伝子編集された細胞の分析。Guava EasyCyte 5 HT(商標)フローサイトメーター(Millipore,Temecula,CA)によって、蛍光(eGFP)を測定した。細胞をトリプシン処理により採取し、PBSで1回洗浄し、緩衝液(0.5% BSA、2mM EDTA、2mg/mLヨウ化プロピジウム(PI)を含むPBS)中に再懸濁させた。ヨウ化プロピジウムを使用して、細胞生存率をそのように測定し、生存細胞はPI(取り込み)に対して陰性に染色する。補正効率は、各試料中の全生細胞と比べた全eGFP陽性生細胞の割合として計算した。エラーバーは、標準誤差の計算値を使用して3セットのデータ点から生成される(方法については、以下を参照されたい:Bialk P,Rivera−Torres N,Strouse B,Kmiec EB.PLoS One.2015;10(6):e0129308)。
編集オリゴヌクレオチドの長さ及び位置を最適化する方法の例は、及びPCT/US2015/65348に見出すことができる。
例1
細胞内で最適化された編集活性を有する編集オリゴヌクレオチドを調製する方法
編集オリゴヌクレオチドは、以下のステップを使用して最適化された編集オリゴヌクレオチド配列を得るように、細胞内の編集について容易に試験される。
A. 編集標的の核酸塩基の3ヌクレオチド5'側の編集オリゴヌクレオチド(又は、2個以上の標的がこの領域内に存在する場合は、最も3'側の標的ヌクレオチド)を、編集オリゴヌクレオチド配列の5’末端相補的ヌクレオチドとして定義し、1ヌクレオチドのインクリメントで移動して、編集オリゴヌクレオチドの単一の5’ヌクレオチド伸張を付加し、上記のプロセスを30回、又は最大50回、又は最大200回繰り返す。
B. 編集オリゴヌクレオチドの3’末端を定義し、編集標的の核酸塩基の3'(又は、複数の標的がこの領域内に存在する場合、最も5’側の標的ヌクレオチド)に対してを除き上記と同じプロセスを実行し、1、2、5、又は10ヌクレオチドのインクリメントで移動し、編集オリゴヌクレオチドの1、2、5、又は10個の3’ヌクレオチド伸張を付加し、上記のプロセスを30回、又は最大50回、又は最大200回繰り返す。
C. 編集オリゴヌクレオチドの全ての得られる5’及び3’末端ヌクレオチドの行列を作製し、12ヌクレオチド未満の編集オリゴヌクレオチド配列を、これらはゲノム内で一意的である見込みがないので排除する。次いで、30、50、又は200ヌクレオチド以下の全ての残存配列を選択し、それらの細胞内での編集活性を試験して最も効率的な編集オリゴヌクレオチド配列を決定する。
例3
ヘルパーオリゴヌクレオチド配列の設計
ヘルパーオリゴヌクレオチド配列を設計することは、少なくとも8塩基の長さであるヘルパーオリゴヌクレオチドで開始して実行される。ヘルパーオリゴヌクレオチドについては、W/C結合領域の特に有用な長さは、25ヌクレオチド未満又は50ヌクレオチド未満である。ヘルパーオリゴヌクレオチドについては、配列は、結合部位が編集部位から100ヌクレオチド超、又は200ヌクレオチド超、又は400ヌクレオチド超遠くなるまで、1ヌクレオチドのインクリメントで5’又は3’(PNAの場合はN末端又はC末端)にシフトされ得る。ヘルパーオリゴヌクレオチド上の三重鎖形成領域については、それらは一般に、全てのプリン部位もしくは75%以上プリンである部位、又は全てのピリミジン部位もしくは75%以上ピリミジンである部位を標的にする。ヘルパーオリゴヌクレオチド上の三重鎖形成領域については、部位は、部位が所望の塩基組成を維持する限りにおいてのみ、シフト又は延長することができる。三重鎖領域は、クランプのアンチセンス領域に一致してもよく(ビス−PNAと呼ばれることがあるPNAの場合)、又はアンチセンス配列は、5’もしくは3’方向への標的との相補性の延長によって、三重鎖領域より長くてもよい(クランプの例については、McNeer,2013前出、McNeer 2015上記、Bahal et al.Current Gene Therapy 14(5):331−42,2014、Nielsen et al.Current Issues in Molecular Biology 1(1−2):89−104,1999、及びGaddis et al.Oligonucleotides,2006 Summer;16(2):196−201。三重鎖結合部位を同定するための検索エンジンを提供するhttp://spi.mdanderson.org/tfo/、及び表XIVを参照されたい)。
例4
CFTRを標的にする最適化された編集オリゴヌクレオチドを選択する
A. 細胞培養液中の編集オリゴヌクレオチドを最適化する
1.最適な編集オリゴヌクレオチド配列のための初期細胞培養液スクリーニング
20個の編集オリゴヌクレオチド配列が、変異配列の対照編集オリゴヌクレオチドと共に、初期細胞培養液有効性スクリーニング用に選択される。編集オリゴヌクレオチドは、嚢胞性繊維症を引き起こすデルタF508変異を補正するように設計される。CFTRを標的にする既存の活性な編集オリゴヌクレオチドを陽性対照及び基準配列として使用する(McNeer et al.2015前出を参照されたい)。これらのスクリーニングは、ヒト細胞株において行われる。スクリーニングは、デルタF508変異部位の中心に置いた約40ヌクレオチドの長さを有する編集オリゴヌクレオチドで開始し、これは、一般に有効性と製造容易性との間の良好なバランスを提供する。文献中の大部分の例において、編集部位は、編集オリゴヌクレオチドのほぼ中央にある。これにより、ある水準の編集効率がもたらされるが、それんは必ずしも最適ではない。したがって、編集ヌクレオチドの長さ、標的鎖(アンチセンス又はセンス)、及び5’−3’位置を変化させる。PCR/次世代シーケンシングによってアッセイされるように、編集オリゴヌクレオチドは、リポフェクション又は電気穿孔法によって細胞内での編集活性を試験して、最適な編集オリゴヌクレオチド配列を決定する(以下の方法を参照されたい)。第1回目の最適化から所望の編集効率範囲の編集オリゴヌクレオチド配列で開始すると、編集オリゴヌクレオチド配列は、5’末端、3’末端、又は両末端の標的に相補的な塩基を追加又は除去することによって、長さがさらに修飾される。細胞内における追加の編集有効性試験は、リード編集オリゴヌクレオチド配列及び予備のリード編集オリゴヌクレオチド配列を生じさせることになる。同様に、ヘルパーオリゴヌクレオチドPNAクランプは、本明細書に記載のように様々であり、最も活性のヘルパーオリゴヌクレオチドを同定するために最良の編集オリゴヌクレオチドで試験される。シーケンシングによってアッセイされるように、インビトロ治療毎にDNAレベルで2%以上のベースライン編集効率を達成することができる。
2.化学構造及び構成の最適化、ならびに配列の微調整
細胞及び動物における編集への化学修飾末端ブロックドナーの上首尾な適用にかかわらず、末端ブロック編集オリゴヌクレオチドの予測半減期は、細胞内でわずか10〜30分である。したがって、それらは高用量を必要とし、結果として中程度の編集頻度になる。哺乳類細胞における高いDNAエンドヌクレアーゼ活性は、アンチセンスgapmersで証明されており、1個又は小数個の未修飾DNA結合でさえ、より低い細胞内半減期及び有効性の低減をもたらした(Monia et al.,1995前出)。アンチセンスの場合、エンドヌクレアーゼ安定性は、任意選択の末端ブロックに加えて、オリゴヌクレオチドの全体を通じて内部修飾を用いることによって解決された。多数のエンドヌクレアーゼ抵抗性の修飾核酸化学構造が存在するが、大部分は、細胞組換え/修復機構によって認識されず、したがって編集部位の近くに内部に配置されると編集をサポートしない。本発明は、編集オリゴヌクレオチドをその長さ沿いのいくつかの位置で修飾して核酸の治療特性を改善するものであり、これには、炎症を低減すること;ヌクレアーゼ安定性を増大させること;標的結合を増大させること−有効性の向上;送達リガンドを接合することによって自由な取り込み(カプセル化なしの自己送達)を増大させること;及びエンドリソソーム経路を通る通過中ヌクレアーゼに対して安定させること、が含まれる。
ある特定のエキソヌクレアーゼ安定化修飾を編集オリゴヌクレオチドの内部に用いることができることが見出されている(ここでは第3世代の編集オリゴヌクレオチドと称される)。第3世代の化学修飾の道具箱を利用して、細胞内及びインビボで使用するための編集オリゴヌクレオチドを最適化する。配備される先進の化学修飾パターン及び構成の例は、以下の通りである。
1.PCT/US2015/65348の図2の世代(Gen)3A、3B、及び3C。
2. 編集効率を向上させることが見出されている様々な構成及び化学構造のヘルパーオリゴヌクレオチドPNAを編集オリゴヌクレオチドと組み合わせること(初期の試験は、ベースライン活性を有することが既に示されているPNA−クランプ、具体的にはMcNeer et al.,2015前出のhCFPNA−2を用いている)。
3. DNAに対するハイブリダイゼーション速度を向上させることが示されている内因性RNAi細胞機構と相互作用する編集オリゴヌクレオチド構造化学構造を実装すること;及び
4. エンドリソソーム経路を通る通過を生き延びてカプセル化なしに送達を可能にする、より重度に修飾された編集オリゴヌクレオチドと組み合わせて、編集オリゴヌクレオチドの自己送達性接合体を利用する。
5.編集オリゴヌクレオチドのミスマッチ修復を抑制するために、2’F、LNA、又は2’−O−メチルなどの化学修飾を編集部位又はその近くで用いる(図2の編集オリゴヌクレオチドを標的にするCFTRデルタF508を参照されたい。
6.本明細書に記載され、図2に例示される5’ホスフェート又は5’ホスフェート類似体を含めること。
これは、PCRによってアッセイされ、標的タンパク質アッセイによって確認されるように、治療毎にゲノムDNAレベルで2〜8%以上の編集を達成することになる。編集オリゴヌクレオチドは、所望の累積的なレベルの編集を得るために、動物及び最終的な臨床治験において複数の投与と共に用いられる(製剤、トランスフェクション、ならびにDNA及び機能アッセイについては、McNeer,2015前出を参照されたい)。編集オリゴヌクレオチド及びヘルパーオリゴヌクレオチドは、噴霧療法のために製剤化され、患者は、吸入によって治療される。CFの影響を受ける二次組織を標的にするために、体系的な製剤化が使用される。
3.編集オリゴヌクレオチド合成
より良好な編集有効性が、より高品質の化合物に観察された。したがって、高品質の対照ゲル単離編集オリゴヌクレオチドは、1uモル規模で合成され、質量分析計を用いて同一性を確認し、分析HPLCを用いて純度を確認することになる。高品質の編集オリゴヌクレオチドは、スケーラブルかつ再現可能な様式で>80%の純度(>1mgの量)であり、その結果、リード編集オリゴヌクレオチドの将来のバッチは、同様の活性で、かつ動物試験及び最終的なヒト治験のためにより大規模に、調製され得る。
4.編集効率のためのアッセイ
i. 標的核酸
核酸標的配列のためのアッセイは、スプライススキッピングをアッセイするために、ゲノムPCR及びRT−PCRゲルを利用して実行される。シーケンシングについては、ゲノムDNA PCRのためのプライマーが、編集効率をアッセイするために、設計及び合成されることになる。真の編集と環境ヒトDNAによる潜在的な汚染とを区別するために、ゼロ時間復元制御、及び所望の補正に加えてサイレント変異を加える編集を含む、潜在的なPCRアーチファクトを制御する確立されたプロトコルが、用いられることになる。次世代シーケンシングは、ゲノム編集をアッセイするために以前確立されたように、実行される。
ii. 標的タンパク質のためのアッセイ
タンパク質標的のためのアッセイは、ウェスタンブロット分析、免疫組織化学、及び機能NPDを利用して実行される(McNeer,2015前出を参照されたい)。
5.培養細胞におけるオフターゲット編集のためのアッセイ
特異性を測定することは、治療的ゲノム編集のための重要なステップである。ドナーDNAを用いる場合、オフターゲット編集の最も劇的な結果は、ドナーDNAの非標的部位内への潜在的な挿入である。ドナーDNAの完全又は部分的な挿入は、FISH、PCR、又はゲノムワイドシーケンシングによって容易にアッセイされる。オフターゲット編集のための最も相同な10個のゲノム部位を試験して、治療毎に各部位で0.1%未満のオフターゲット編集を得る。編集オリゴヌクレオチド配列のオフターゲット組み入れがないかゲノムDNAを調査して、1000個の細胞毎に1個未満のオフターゲット組み入れ事象を達成する。次いで、確認試験を一次標的細胞内で実行する。これらの研究は、動物研究の基礎を提供する。
6.インビボ組織浸透における編集を最適化する
マウス及び製剤研究における動物有効性は、細胞培養液スクリーニングで開発されたリード編集オリゴヌクレオチドによって実行される。次いで、予備PK ADME及び毒性研究を実施した。
これらの研究は、インビボ編集効率を最大化するために製剤又は自己送達化学構造を最適化し、インビボ治療毎に標的DNAの2〜5%を編集するリード編集オリゴヌクレオチドを同定し、標的ゲノムシーケンシングによってオフターゲット効果を評価し、予備毒性評価を実行する。1つの考慮事項は、編集オリゴヌクレオチド配列は一般に種特異的であり、ゆえに1個の編集オリゴヌクレオチド配列がヒト細胞培養及びマウス動物試験のために使用されるべきである場合、改変されたノックイン遺伝子組換え動物が用いられることである。
2つの供給様式を試験する。自己送達性(遊離又はネイキッドオリゴマーとしても知られる)は、ヌクレアーゼ安定化内部化学修飾と組み合わせて送達接合体を用いて、自由な取り込み(カプセル化なしの自己送達性)を得ることになる。エンドリソソーム経路を通じた取り込みは、編集オリゴヌクレオチドを強力なヌクレアーゼに暴露し、ゆえにヌクレアーゼ抵抗性修飾は、修飾パターンが内因性修復系との保持型相互作用と矛盾しない限り、編集オリゴヌクレオチドに沿って利用される。編集オリゴヌクレオチドと同様の大きさ及び電荷のオリゴマーで自己送達性を達成することが示されている化学構造(すなわち、Byrne et al.2013前出及びAlterman et al.2016前出)が、用いられる。ナノ粒子又は直接編集オリゴヌクレオチド接合のための潜在的な肺特異的接合体としては、受容体リガンド、保持時間を増大させるための結合標的、及び/又はglycolaxにより良好に浸透するための拡散エンハンサーが挙げられる。
ナノ粒子は血清によって不安定化されてはならず、ナノ粒子は標的組織内に拡散しなければならないので、ナノ粒子によるインビボ送達は困難である。幸い、カプセル化核酸は、標的細胞へ行く途中でヌクレアーゼから完全に保護される。エール大学のSaltzman、Glazer、及びEganのグループの初期結果は、マウスにおける鼻腔内滴下によって、中程度の編集効率で編集オリゴヌクレオチドを鼻及び肺の繊毛性上皮細胞に送達するために好適なナノ粒子製剤を特定した(McNeer et al.,2015前出)。インビトロ及びインビボでゲノム編集オリゴヌクレオチドを供給するために有用な具体的な送達ビヒクルとしては、PLGA及び15(重量)%ポリ(βアミノエステル)(PBAE)が挙げられる。これらのポリマーは、中性又は正帯電ヘルパーオリゴヌクレオチドを負帯電編集オリゴヌクレオチドと共にこれらの粒子内に容易かつ効率的に充填することができるため、PNAクランプなどの中性ヘルパーオリゴヌクレオチドを使用するとき、特に有用である。PEG化リン脂質リンカー(DSPE−PEG2000)を介してMPGで誘導体化されたPLGA/PBAEナノ粒子はまた、インビボで、特に肺において、取り込みを向上させることが示されている。(McNeer,et al.,Gene Ther.20(6):658−669,2013.doi:10.1038/gt.2012.82、McNeer,et al.,Nature Comm.DOI:10.1038/ncomms 7952:1−11,2015)
当初は、McNeer et al.,2015前出によって以前用いられた動物モデル及び投与プロトコルが、陽性対照としての編集オリゴヌクレオチド及び送達ポリマーと共に、利用されてもよい。編集オリゴヌクレオチドの標的上皮細胞及び上皮細胞前駆細胞の送達を増大させ、それによって編集効率を増大させることを目的として、送達粒子及び代替的な送達粒子(上記の自己送達性セクションに列記した代替的なリガンド接合体を含む)の組成のばらつきを評価する。編集オリゴヌクレオチドをインビボで供給すること及びインビボにおける上首尾の編集の例として、Bahal,R.et al.Nat.Commun.7,13304(2016)も参照されたい。
例5
オリゴヌクレオチドのない改変された転写因子を含む標的核酸塩基化学修飾による編集
我々の核酸塩基修飾によるゲノム編集方法の別の具体的な例示は、デアミナーゼ核酸塩基修飾活性(配列修飾又は編集部分としても知られる)が、改変された転写因子(例えば、ジンクフィンガー又はTALEN)に融合され、培養中の哺乳類細胞において高度に正確な点編集を得るために使用される、Yang et al.2016(Yang,L.et al.bioRxiv,doi:10.1101/066597,2016。Yang,L.et al.Nat.Commun.7,13330(2016)doi:10.1038/ncomms13330としても出版されている)による。この方法は、様々なクラスの編集、配列、標的適応症及び対応する標的遺伝子ならびに本明細書に記載される遺伝子内の標的編集の変更をもたらす核酸塩基化学修飾について、使用することができる。酵素変化の場合、関連する核酸塩基修飾酵素は、改変された転写因子に繋留又は融合することができる。反応性化学物質の場合、反応性化学物質は、改変された転写因子に接合され得る。脱アミノ化に加えて、本明細書に記載される他の化学修飾を用いることができる(表VIIを参照されたい)。

Claims (2)

  1. 塩基修飾活性に関連付けられるcrisprRNAドメイン及び不活性化型Cas9ドメインを含む編集オリゴヌクレオチドであって、前記crisprRNAドメイン及び前記不活性化型Cas9ドメインはゲノム配列中の標的核酸塩基の近傍に配置され、前記塩基修飾活性により前記標的核酸塩基の脱アミノ化が生じる、編集オリゴヌクレオチド。
  2. 塩基修飾活性に関連付けられるcrisprRNAドメイン及び不活性化型Cas9ドメインを含む編集オリゴヌクレオチドによって導かれる、ゲノム配列中の標的核酸塩基の部位特異的な脱アミノ化の、以下のステップを含む方法:
    前記標的核酸塩基の編集を補助するための追加の外因性タンパク質もしくは核酸なしに細胞又は生物中に請求項1に記載の前記編集オリゴヌクレオチドを導入するステップ、ここで前記編集オリゴヌクレオチドは1つ以上の修飾(複数可)を含み、該修飾(複数可)は1つ以上の骨格修飾(複数可)、糖修飾(複数可)、及び/又は核酸塩基修飾(複数可)であり、
    前記編集オリゴヌクレオチドは前記標的核酸塩基を含有する前記ゲノム配列に実質的に相補的であり、該編集オリゴヌクレオチドの前記修飾は、編集の効率を上昇させるものであり、
    前記標的核酸塩基の前記部位特異的な脱アミノ化は前記編集オリゴヌクレオチドのcrisprRNA及び前記不活性型Cas9によって導かれるシトシン核酸塩基のウラシル核酸塩基への脱アミノ化である。
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