JP2019514380A - 凍結乾燥コーヒー粉末及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、凍結乾燥コーヒー粉末を製造する方法であって、40重量%〜55重量%の固形物を有するコーヒー抽出物を用意することと、コーヒー抽出物に、1NL/kg〜5NL/kgコーヒー抽出物の量でガスを添加して、大気圧を超える圧力のガス含有コーヒー抽出物をもたらすことと、ガス含有コーヒー抽出物を減圧して、発泡コーヒー抽出物を形成することと、発泡コーヒー抽出物を、せん断せずに、又は低せん断で−40℃未満まで冷却して、凍結コーヒー抽出物を形成することと、凍結コーヒー抽出物を粉末に粉砕することと、粉末を乾燥させることと、を含み、発泡コーヒー抽出物を−40℃未満まで冷却する工程が、(i)発泡コーヒー抽出物を第1の温度まで冷却することと、(ii)発泡コーヒー抽出物を、第1の温度から、第1の温度よりも低い第2の温度まで冷却することと、(iii)発泡コーヒー抽出物を、第2の温度から−40℃未満まで冷却することと、を含み、第1の温度が、発泡コーヒー抽出物の氷点よりも1℃高く、第2の温度が発泡コーヒー抽出物の氷点よりも3℃低く、工程(ii)が、5〜90分、好ましくは10〜60分の持続時間を有する、方法を提供する。

Description

本開示は、再構成時にクレマを提供する凍結乾燥コーヒー粉末及びその製造方法に関する。特に、本開示は、0.25mL/gを超える、好ましくは0.75mL/gを超えるクレマを生成することができる凍結乾燥粉末を製造するための方法を提供する。
インスタント又は可溶性コーヒー粉末は、家庭内でのコーヒー飲料の好都合な生成のために周知である。本質的に、インスタントコーヒーは、焙煎して挽いたコーヒーの水抽出物を乾燥させたものである。インスタントコーヒーを製造するために使用される豆は、レギュラーコーヒーの製造において行われるように、ブレンドし、焙煎して挽く。インスタントコーヒーを製造するために、焙煎して挽いたコーヒーは、次いで、温水が圧送されるパーコレーターと呼ばれるカラムに投入して、濃縮コーヒー抽出物を得る。次いでこの抽出物を乾燥させて、消費者に販売される最終コーヒー組成物を得る。
しかしながら、可溶性コーヒー粉末は、カフェ及びコーヒー店で焙煎して挽いたコーヒー豆から作られる豊かな味わいのあるコーヒー製品を作り出すことにはかなわないと一般的に考えられている。このようなカフェ製のコーヒー製品は、コーヒー豆を勢いよく抽出することから、豊かなコクのある香り及び表面上の小さな泡のクレマを有する。クレマ層は、消費者が可溶性コーヒー飲料と比較して、その飲料が改善された品質であると知覚することから消費者にとって望ましい。
可溶性コーヒー粉末は、これらがどのように生成されたかによって、一般的に、噴霧乾燥粉末と凍結乾燥粉末とに分けることができる。両方の乾燥技術は当該技術分野において周知である。噴霧乾燥されたコーヒー粉末は、高温処理がコーヒー揮発物の損失につながるために、凍結乾燥された粉末に対して品質が劣ると考えられることが多い。これとは対照的に、凍結乾燥は、低温及び昇華に依っているため、揮発性のコーヒアロマプロファイルをより多く保持することが可能である。しかしながら、いずれの乾燥技術で製造された従来の市販の可溶性コーヒー粉末も、満足のいくクレマを概ね作り出していない。
可溶性コーヒーにクレマをもたらすための課題に取り組むために、ここ数年多くの開発が行われてきた。この開発は、粉末が溶解されたときにガスが放出されるように、粉末内の気孔中にガス、典型的には加圧ガスを捕捉することに焦点を当てている。
クレマを形成するガスを捕捉するための多くの技術が知られているが、これらは、通常、噴霧乾燥に焦点を当てており、なぜなら、この方法が閉気孔の形成に適しているためである。例えば、欧州特許第839457号は、自己発泡性噴霧乾燥多孔質コーヒー粉末の製造プロセスを記載している。溶解時に、粉末は別個のクレマ層を形成するといわれている。
これとは対照的に、凍結乾燥の昇華乾燥により、粒子は、開気孔を有する。これらは、昇華により粒子から離れる湿分の損失によって引き起こされる。
より望ましい凍結乾燥コーヒーに類似するが泡をもたらす粉末を提供するために、凍結乾燥粉末様の噴霧乾燥粉末を製造するための多くの試みがなされている。国際公開第2010112359号は、多孔質基材粉末を焼結して多孔質スラブを形成するプロセスを記載している。このスラブは次に、造粒生成物を形成するようにテクスチャ化される。溶解時に、多孔質基材粉末が泡層を発生させる。この生成物は、凍結乾燥様の生成物であるが、市場において凍結乾燥とは呼ばれ得なかった。
国際公開第2010115697号は、多孔質基材粉末が噴霧凍結によって製造されるプロセスを記載している。この粉末は次に、溶解時にクレマ層を形成する造粒構造を形成するために低温焼結及び凍結乾燥される。
更なる発泡効果をもたらすために凍結乾燥粉末を噴霧乾燥粉末で補う、発泡凍結乾燥粉末を製造するための他の試みが行われてきた。例えば、国際公開第2015096972号は、部分的に溶融した凍結生成物の表面に多孔質粉末が付着されており、この生成物が次に再凍結及び凍結乾燥されるプロセスを記載している。この多孔質粉末は、溶解時に泡層をもたらす。このプロセスは非常に高価であり、泡層は噴霧乾燥製品とは比べものにならない。
欧州特許第2100514号は、多孔質コーヒー粉末を冷却し、次いで、部分的に凍結したコーヒー抽出物と配合するプロセスを記載している。次いで、多孔質粉末が溶解する前に、この混合物を凍結させる。次いで、凍結した混合物を凍結乾燥する。この生成物の溶解時、クレマ層が形成される。
米国特許出願公開第2013230628号及び米国特許出願公開第2010215818号は、水で再構成すると泡状の上面を形成するインスタント飲料顆粒の製造方法に関する。
欧州特許第1627568号は、乾燥可溶性コーヒーを十分な圧力下で加熱することによって、ガスを乾燥コーヒーの内部空隙中に押し込むことを含むプロセスが提供されている、インスタント飲料を調製するためのプロセスに関する。
上記の開示は全て、クレマ層を供給するために多孔質粉末に依存する。これらの多くは、一部の場合には、2μm未満の開口部を伴う空隙を含む閉気孔又は空隙を主として構成される粒子体積の割合である、いわゆる「発泡気孔率」を引用する。更には、上記プロセスは、著しい複雑さ及びコストを凍結乾燥コーヒープロセスに与える。
米国特許第3309779号は、固形物含有液体の脱水方法に関する。
英国特許第1102587号及び英国特許第1367616号は、凍結乾燥前に、不活性ガスを用いて水性コーヒー抽出物を発泡させることによって製造されたコーヒー抽出粉末に関する。英国特許第1288758号は、細粒分のリサイクルを伴う同様な方法に関する。英国特許第1199564号は、代替的な凍結乾燥方法に関する。
欧州特許第839457号明細書 国際公開第2010112359号 国際公開第2015096972号 欧州特許第2100514号明細書 米国特許出願公開第2013230628号明細書 米国特許出願公開第2010215818号明細書 欧州特許第1627568号明細書 米国特許第3309779号明細書 英国特許第1102587号明細書 英国特許第1367616号明細書 英国特許第1288758号明細書 英国特許第1199564号明細書
したがって、実用的なクレマを伴う凍結乾燥コーヒー及びその製造方法を提供し、並びに/又は従来技術に関連する問題の少なくともいくつかに取り組む、若しくは採算が合うその代替品を少なくとも提供することが望ましい。
第1の態様では、凍結乾燥コーヒー粉末を製造する方法であって、
40重量%〜55重量%の固形物を有するコーヒー抽出物を用意することと、
コーヒー抽出物に、1NL/kg〜5NL/kgのコーヒー抽出物の量でガスを添加して、大気圧を超える圧力のガス含有コーヒー抽出物をもたらすことと、
ガス含有コーヒー抽出物を減圧して、発泡コーヒー抽出物を形成することと、
発泡コーヒー抽出物を、せん断せずに、又は低せん断で−40℃未満まで冷却して、凍結コーヒー抽出物を形成することと、
凍結コーヒー抽出物を粉末に粉砕することと、
粉末を乾燥させることと、を含み、
発泡コーヒー抽出物を−40℃未満まで冷却する工程が、
(i)発泡コーヒー抽出物を第1の温度まで冷却することと、
(ii)発泡コーヒー抽出物を、第1の温度から、第1の温度よりも低い第2の温度まで冷却することと、
(iii)発泡コーヒー抽出物を、第2の温度から−40℃未満まで冷却することと、を含み、
第1の温度が、発泡コーヒー抽出物の氷点よりも1℃高く、第2の温度が氷点よりも3℃低く、
工程(ii)が、5〜90分、好ましくは5〜60分、好ましくは10〜60分、最も好ましくは10〜30分の持続時間を有する、方法が提供される。
本発明を、ここで更に説明する。以下の節において、本発明の異なる態様がより詳細に定義される。このように定義された各態様は、反対のことが明示されない限り、他の態様又は他の複数の態様と組み合わせることができる。特に、好適であるか又は有利であることが示されるいずれかの特徴は、好適であるか又は有利であることが示される他の特徴又は他の複数の特徴と組み合わせることができる。
ここで、本発明を下記の非限定的な図面との関連で説明する。
従来の凍結乾燥コーヒー粒子の断面のSEM画像である。 氷結晶気孔15による接続点10を示す気泡5の拡大図である。 本明細書に開示される方法を用いて製造された凍結乾燥コーヒー粒子の断面のSEM画像である。 氷結晶気孔15による接続点10を示す気泡5の2つの拡大図である。 従来の凍結乾燥コーヒーで生成されたクレマを示す。 本明細書に開示される方法に従って製造された凍結乾燥粉末で生成されたクレマを示す。 x軸上のHg圧力(Psia)に対するy軸上のHg侵入(%)のプロットを示す(対数スケールで)。x軸値は、0.25、2.5、25及び250である。y軸値は、0%から20%の値で増加する。3つの従来技術の粉末と、1つの本開示による粉末とを含む4つのプロットが示されている。三角形は本発明のプロットを示す。従来技術の試料I、ii及びiiiは、それぞれ、明色の丸、暗色の菱形、及びバツ印で示されている。本開示による粉末は、最後に完全に侵入される。 図4Aと同じプロットであるが、非対数圧力スケールで示す。x軸値は、0、50、100、150、200及び250である。y軸値は、0%から20%の値で増加する。この場合もやはり、三角形は本発明のプロットを示す。従来技術の試料I、ii及びiiiは、それぞれ、明色の丸、暗色の菱形、及びバツ印で示されている。 3つの従来技術の粉末及び1つの本開示による粉末についての再構成されたコーヒー飲料に関する経時的(分)な泡被覆率(%)を示す。三角形は本発明のプロットを示す。従来技術の試料I、ii及びiiiは、それぞれ、明色の丸、明色の菱形、及び暗色のバツ印で示されている。 3つの従来技術の粉末及び1つの本開示による粉末についての再構成されたコーヒー飲料についての泡量をmL/gで示す。 形成されたクレマ量を測定するための例示的な装置を示す。 本明細書で議論される工程(ii)を強調する例示的な冷却プロファイルの一部分を示す。y軸は、曝気された凍結コーヒー抽出物温度(℃)であり、0から−10に降下する。x軸は時間(分−2分単位で増加する)である。Aは、速冷凍工程(i)内のポイントを示す。Cは氷点温度を表し、見て分かるように、このポイントを超えて過冷却の度合は低い。試料は、約25分間、BとE(−5℃と−10℃)との間で保持され、約15分間、CとDとの間で保持される。 本明細書に記載の方法の実用的な実施形態のフローチャートを示す。
本方法は、40重量%〜55重量%の固形物を有するコーヒー抽出物を用意することを必要とする。好ましくは、コーヒー抽出物は、45〜53%の固形物、最も好ましくは48〜51重量%の固形物を有する。固形物とは、元の抽出物の重量パーセントとしての、抽出物が完全に脱水される場合に残存する材料の量を意味する。したがって、50重量%の固形物の抽出物は、50重量%の水が存在する。好ましくは、固形物は、溶解したコーヒー固形物である。任意選択で、固形物はまた、焙煎して挽いたコーヒー粒子及び/又はココア粉末を抽出物の最大20重量%、より好ましくは15重量%未満、最も好ましくは10重量%未満の量で含有してもよい。しかしながら、好ましくは、固形物は、溶解したコーヒー固形物からなる。
固形物のレベルが低い場合には、凍結乾燥プロセスは、除去される必要がある水蒸気の量のために、エネルギー集約型となる。固形物のレベルが高い場合には、発泡凍結乾燥コーヒー粉末を形成するのに要求される必要な氷結晶空隙構造を形成するのに十分な水が抽出物中に存在し得ない。
このプロセスにおいて出発原料として使用されるコーヒー抽出物は、任意の望ましい抽出技術によって調製することができる。例えば、水性抽出物が、コーヒーの向流パーコレーター抽出によって調製されてもよい。このような抽出物は、可溶性コーヒー固形物の望ましいレベルを達成するために濃縮する必要があり得る。例えば、10〜20重量%の可溶性コーヒー固形物を含有する抽出物が、次に、例えば蒸発又は凍結によって40〜55%の固形物質の濃度に達するまで濃縮される。濃縮が蒸発により行われる場合には、まず、希釈抽出物から揮発性芳香族化合物を分離することが好ましいことがある。このように回収された芳香族化合物は、任意選択で、抽出前の挽かれたコーヒーから分離された芳香族化合物の全部又は一部と組み合わせてもよく、乾燥前の濃縮抽出物にその後添加してもよく、若しくは粉末製品にコーティングしてもよい。
第1の工程によれば、コーヒー抽出物にガスを添加して、大気圧を超える圧力のガス含有コーヒー抽出物をもたらす。ガスは、通常は、圧力下で、既に加圧済みの抽出物に注入される。ガスの圧力は、ガス添加ラインにおける背圧を防止するために、抽出物のものよりもわずかに高い。好ましくは、抽出物は、少なくとも5バール、好ましくは5〜250バール、より好ましくは10〜150バール、最も好ましくは50〜100バールの圧力にある。ガスがこれらの高圧で添加される場合には、ガスは、通常、以下で論じられる噴霧ノズル(複数可)に直接至る高圧管中で添加される(すなわち、インラインガス注入)。
好ましくは、ガスは、窒素、空気、アルゴン、亜酸化窒素及び二酸化炭素又はこれらのうちの2つ以上の混合物から選択される。窒素及び二酸化炭素の不活性ガスは、最終的な粉末の貯蔵中のコーヒー風味の劣化を回避するために好ましい。窒素は、より小さくより安定な気泡を形成する傾向があるため、更に好ましい。
ガスは、1NL/kg〜5NL/kgのコーヒー抽出物の量で、より好ましくは、3〜4.5NL/kgのコーヒー抽出物の量で添加される。添加されるガスのこの量は、ガスのコーヒー抽出物への計量添加を用いて容易に決定することができる。ガス添加量は、最終構造内の気泡構造及び気泡空隙量を決定する。ガス添加方法は、異なるレベルのガス損失があり得、したがって、上記範囲は、最小の損失しか有さないプロセスにおける望ましいガス添加レベルを表す。より高い損失のプロセスについては、より多くのガスを必要とする場合がある。ガス添加の圧力に関係なく使用されるガスの絶対的な測定が可能であるので、ガスは、1気圧及び20℃で決定される、キログラム当たりの正規化リットルで測定される。
加圧済み抽出物への圧力下での注入への代替的なアプローチは、ミキサー内で抽出物と添加ガスとを混合することである。好適なミキサーには、Mondoミキサーなどの高せん断ミキサーが含まれる。この添加は、ガス含有抽出物が例えばポンプを用いてその後加圧されるような低圧で行うことができる。とはいえ、ミキサーは、ガス損失を防止するためのある程度の圧力下にはあるであろう。好ましい実施形態によれば、1.25〜5バールで、好ましくは1.5〜3バールの圧力で作動するミキサー内で、抽出物は、ガスを好ましくは上記のような種類及び量で混合される。ガス含有抽出物は次に、混合の後にポンプで少なくとも5バール、好ましくは5〜250バール、より好ましくは10〜150バール、最も好ましくは50〜100バールの圧力に加圧される。
更なる工程によれば、ガス含有コーヒー抽出物は減圧されて、発泡コーヒー抽出物を形成する。すなわち、ガス含有コーヒー抽出物に印加された圧力は、添加されたガスが膨張して複数の微細な気泡を抽出物中に形成するように、少なくとも部分的に解放される。したがって、減圧が、小さく均質で豊富な気泡が形成する、溶液から出る可溶化ガスをもたらす。減圧の工程は、上述した圧力から低圧までの圧力降下、典型的には急激な圧力降下を含む。好ましくは、この圧力は、5バール未満まで降下し、好ましくは大気圧まで降下する。大気圧とは、泡がいかなる追加の圧力にも曝されず、開放された容器内にあることを意味する。
好ましくは、減圧される前には、コーヒー抽出物は、少なくとも5バール、例えば5〜250バール、好ましくは10〜150バール、より好ましくは50〜100バールの圧力にある。コーヒー抽出物が、少なくとも10倍の圧力降下(例えば、50バールから5バールまで)、好ましくは少なくとも50倍(例えば、50バールから大気圧まで)の圧力降下を有することが最も好ましい。本発明者らは、この降下が大きいほど、得られた泡がより安定していることを見出した。
ガス含有コーヒー抽出物の減圧は、オリフィス、又は噴霧ノズルなどのノズルの使用によって行われ得る。噴霧技術は当該技術分野において周知であり、噴霧乾燥ノズルなどの任意の噴霧ノズルを使用することができる。ガス含有抽出物は、噴霧前に更に加圧されてもよい。好ましくは、ガス含有コーヒー抽出物をノズルから30〜150バールの圧力で噴霧して、発泡コーヒー抽出物を形成する。
発泡コーヒー抽出物が大気圧にある場合、次にガスの添加される量によって、この抽出物は、典型的には500〜800g/Lの密度を有するであろう。好ましくは、発泡コーヒー抽出物は、650〜750g/Lの密度を有する。
好ましくは、曝気工程は、上述した加圧工程及び減圧工程から構成され、好ましくはガスは加圧済み抽出物へ注入される。これは小さい気泡が急激に拡散する安定した泡をもたらすために、特に有利である。解決されるべき問題は、氷結晶の形成を抑制する温度で安定した泡を生成するということである。代替的な実施形態によれば、上述のように、欧州特許第839457号に記載されたように、高せん断ミキサーを使用して、約5μmの平均サイズの気泡を伴う安定的な泡を生成する。このような高せん断ミキサーは、通常は、最大5Barg、好ましくは2Barg〜4Barg、より好ましくは3Barg〜4Bargの圧力下で作動するであろう。しかしながら、この泡調製方法の最終生成物によって達成される最終泡レベルは、インライン注入に関連する事前加圧工程の高いレベルによって生成されたものよりも低い場合がある。
更なる工程によれば、発泡コーヒー抽出物は、−40℃未満に冷却されて、凍結コーヒー抽出物を形成する。この工程の前のコーヒー抽出物が、一般的に、噴霧などの取り扱いを容易にするために、10〜50℃の温度にあり、室温を超えるいかなる高温も、通常、先行する処理工程の結果であることが理解されよう。発泡抽出物は、泡のいかなる損失も最小にするために、冷却容器又は冷却ベルトを直接通過させることが望ましい。
−40℃未満に冷却し、凍結コーヒー抽出物を形成する工程は、凍結乾燥における従来の工程である。理解されるように、冷却は、−45℃以下の最終温度、例えば−50℃又は−60℃に達することができる。しかしながら、従来の凍結乾燥とは異なり、この工程が発泡コーヒー抽出物に高せん断を適用することなく行われることが重要である。実際には、冷却は、せん断を適用することなく実行されることが好ましい。代替的な実施形態では、低せん断を適用して、低速混合によってなど、又は抽出物を単純な熱交換器(すなわち、バッフルなし)を通過することなどを経る熱伝達を改善し得る。実際には、発泡コーヒー抽出物が、冷却行程中に、特に氷結晶が形成される冷却工程中に、発泡コーヒー抽出物が激しく混合、かき混ぜ、撹拌、振盪されないことが重要である。撹拌が大きな氷結晶の破損につながり、望ましい大きな氷結晶の成長を抑制し、また氷結晶が気泡を貫通することを促し、その結果より強い相互連結性につながるように見えると考えられている。
上述のように、せん断のレベルはゼロであることが好ましい。しかしながら、特定の実施形態では、低レベルのせん断が許容される。せん断の測定方法又は算出方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、「CFD analysis of the flow pattern and local shear rate in a scraped surface heat exchanger」Chemical Engineering and Processing,Yataghene et al.47(2008)1550〜1561は、SSHEにおけるせん断(sheer)を説明している。許容される低レベルのせん断は、50s−1未満、好ましくは25s−1未満、より好ましくは15s−1未満、好ましくは5s−1未満であると考えられる。対照的に、SSHEなどの典型的な処理装置におけるせん断のレベルは、少なくとも200s−1であるだろう。
発泡コーヒー抽出物を−40℃未満まで冷却する工程は、一般には、様々な方法で実施されてもよい連続プロセスである。例えば、発泡コーヒー抽出物は、トレー内で噴霧され得、冷却速度を制御するために異なる温度で保持された冷却室又はゾーンの間を、例えばコンベアで又は手動で移動される。あるいは、発泡抽出物は、冷却容器及び内容物が制御された冷却速度で冷却される冷却容器内に保持されてもよい。あるいは、発泡抽出物は、冷却速度が制御され得るように、熱交換器を通過してもよい。
好ましくは、冷却工程(i)、(ii)及び(iii)のうちの1つ以上は、コンベアを使用した連続プロセスとして行われる。好ましくは、冷却工程(i)、(ii)及び(iii)のうちの1つ以上は、保持容器内で又はポンプ付き冷却システム内で行われる。例えば、工程(i)及び(iii)は、コンベアによって行われてもよく、一方で、工程(ii)の低速冷却は、最適な冷却制御のために、冷却ドラムなどの冷却容器に依存し得る。好ましくは、冷却工程(i)、(ii)及び(iii)の全ては、コンベアを使用した連続プロセスとして行われる。
冷却工程が冷却容器内で行われる場合、好ましい冷却容器は、冷却ジャケットによって緩やかに撹拌される容器であり、冷却ジャケットは−10〜−16℃の流体を含む。せん断を最小限にするために、撹拌機速度は約15rpm未満、好ましくは12rpm未満である。冷却容器内の滞留時間は、少なくとも工程(ii)によって定義された必要とされる冷却時間を含むべきである。
発泡コーヒー抽出物の−40℃未満への冷却工程は、コーヒー抽出物の少なくとも氷点範囲で冷却されるというように発泡コーヒー抽出物の冷却が低速で制御される。これにより、制御された結晶成長が確実となる。一般に、工業的なプロセスボリュームにとって急速冷却が最も有用であること以外は、氷点まで降下させる冷却の速度及び一旦抽出物を凍結させることは、特に重要でない。
本明細書で使用される場合、「氷点」という用語は、同じ凍結コーヒー抽出物の融点と同義であることを意図している。理解されるように、抽出物全体が凍結する正確な温度は、冷却の速度に応じて、融解温度と必ずしも厳密に等しくなくてもよい。しかしながら、特定の抽出物の融点は、より容易に測定することができる。更に、本明細書に記載の方法の目的は、抽出物が、抽出物の氷点/融点温度に極めて近い状態で凍結することである。
したがって、発泡コーヒー抽出物の冷却工程は、3つの別個の工程として見なされてもよい。これらは、抽出物が発泡コーヒー抽出物の氷点よりも1℃高い第1の温度に冷却される第1の工程と、発泡コーヒー抽出物を、第1の温度から、第1の温度よりも低く、発泡コーヒー抽出物の氷点よりも3℃低い第2の温度まで冷却する、第2の制御された冷却工程と、次に、発泡コーヒー抽出物を第2の温度から−40℃未満まで冷却する第3の工程と、を含む。制御された第2の冷却工程は、5〜90分、好ましくは5〜60分、好ましくは10〜60分、より好ましくは10〜30分、最も好ましくは20〜30分の持続時間を有する。冷却が速くなり過ぎる場合、氷結晶は十分なサイズではない。冷却が遅すぎる場合(工程(ii)が60分を超えて持続し確実に90分を超えて持続する場合)、次に、氷結晶は、粒子の構造的一体性がくずれ、より急速な溶解につながるほど非常に大きくなることがある。商業的に実施可能な凍結時間で好ましい製品品質をもたらすので、5〜30分が好ましくは選択される。しかしながら、工程(ii)の30〜90分、好ましくは30〜60分の凍結時間が、同程度の製品性能を与えるだろうと考えられている。冷却された低せん断撹拌容器などの連続した凍結プロセスを考慮する場合、工程(ii)の持続時間は、上記温度の容器内に曝気された抽出物の滞留時間を指すことに留意されたい。
好ましくは、冷却の第1及び第3の工程における冷却の速度は、少なくとも−5℃/分、好ましくは少なくとも−10℃/分であるだろう。この工程は、冷却工程(i)において氷結晶が形成されない熱交換器又は冷凍ベルトにおいて達成され得る。理解されるように、第1及び第3の工程における冷却はまた、第2の冷却工程に当接する温度において、遅い制御された冷却であり得る。
コーヒー抽出物の氷点は、抽出物に含まれる可溶性コーヒー固形物のレベルに応じて変化する。氷点は、DSCによって決定することができ、文献文書で十分に立証されている。コーヒー抽出物が40〜45重量%の溶解したコーヒー固形物を有する場合、氷点は−5〜−7℃である。コーヒー抽出物が45〜50重量%の溶解したコーヒー固形物を有する場合、氷点は−7〜−8℃である。コーヒー抽出物が50〜55重量%の溶解したコーヒー固形物を有する場合、氷点は−8〜−10℃である。
第2の冷却工程における冷却の速度は、通常は、−1℃/分未満、好ましくは−0.5℃/分未満であろう。この低速冷却は、少数のより大きな結晶の成長を促すために実施される。より高速な冷却は、多数のより小さな結晶の形成を招く危険性がある。低速冷却は、望ましい結晶成長のための原動力になる低い過冷却度で達成される。過冷却は、抽出物が凍結前の氷点未満の温度に達する度合を示す。低レベルの過冷却は、冷却中の抽出物よりもそれほど冷たくない冷媒の使用によって達成される。好ましくは、凍結が完了する前に、抽出物の温度が、氷点よりも1℃超低い温度にはならないようにする。過冷却を示す冷却プロファイルの例を、図8に示す。最初に温度が氷点未満に降下したことにより、ある程度の過冷却が系の内部に存在するようになり、これが氷結晶の自発性核形成に必要とされる原動力がもたらされ、氷結晶が形成されかつ成長を始めるにつれ、抽出物の温度が融解エンタルピーにより上昇する。
低速冷却は、好ましくは、工程(ii)中に、熱交換器によるなど、冷媒を使用して達成することができる。当該技術分野において既知であるように、製品流によって経験される壁温度は、冷媒温度とは等しくないであろうし、熱交換器の壁厚、構造材料の熱伝導率、並びに冷媒の流動様式に依存するであろう。目安として、冷媒は、好ましくは、−16℃以上の温度であり、好ましくは氷点よりも7℃未満冷たく、より好ましくは、氷点よりも5℃未満冷たい。明らかに、冷媒は、工程(ii)中に氷点より高くなり得ず、そうでなければ、結晶成長は達成されないであろう。氷点にかなり近い温度の冷媒を使用することにより、冷媒と抽出物との間の界面(熱交換器又は晶析装置界面など)で過冷却することなく氷結晶成長を促進する助けとなる。コンベアベルトを用いる場合、冷媒は冷却ガス流の形態をとってもよく、この場合、空気の温度と速度との関数である伝熱を算出して、過冷却を回避することができる。
発泡コーヒー抽出物が−40℃未満に冷却され、凍結コーヒー抽出物を形成すると、凍結コーヒー抽出物は、従来の方法を用いて挽かれて乾燥されて、凍結乾燥コーヒー粉末を形成する。
例えば、一旦凍結されると、抽出物は連続した硬質シートとして得られてもよく、このシートは、粉砕に好適な断片に破砕することができる。これらの断片は、例えば、0.5〜3.5mmの範囲内であることが好ましい粒径に粉砕することができる。粉砕技術は、当該技術分野において周知である。
粉砕した凍結粉末を、昇華によって乾燥させる。例えば、これは、従来のキャビネット内の、例えば25mmの層厚に積載されたトレー上であってもよい。氷結晶の昇華は、<1ミリバールの高真空下で行われ、一般に最長7時間まで持続する。その後、必要に応じて製品を梱包することができる。
本発明者らは、圧力下で抽出物中にガスを添加することが、ガスの可溶化及び改変された泡構造をもたらすことを見出した。このことは、低せん断を用いるか、又は好ましくはせん断を用いないこの新しい凍結プロセスと適合して新しい氷結晶構造を生成する。この組み合わせは、予想外の改良された泡性能につながる。
理論に束縛されるものではないが、曝気及び冷却方法が、氷の早期核形成を生じさせないことを確実にすると考えられている。更に、新しい冷却方法は、工程(ii)の凍結プロセス中の高い過冷却度を抑制する。高い過冷却度は、氷結晶の核形成、急速な核形成及び小さな平均結晶サイズへの高い原動力につながる。したがって、この過冷却工程を制御することにより、新しい凍結方法は、低速の凍結工程中の大きな氷結晶の成長を可能にする。この改変された氷結晶構造は、ガスの可溶化から形成される新しいガス構造と結合して、新しい微細構造をもたらす。この構造は、氷結晶気孔と気泡との相互連結を減少させる(図1B及び図2Bを参照)。これが、次には、構造体への水の浸入を遅くさせて、溶解中に分離した気泡が定常的に放出されることを可能にして、その後、溶解しているコーヒー物質によって安定化されるように思われる。これにより、ガスは制御された方法で放出され、従来技術製品で生じていた再構成の際に、ガスの大きなポケットが、溶解しているコーヒー粒子から迅速に出ていくことが見受けられた、大気中への早期におけるガスの損失ではなく、泡層を生成する。
実際に、本方法は、粒子内部の構造操作を介した真の凍結乾燥製品を創造し、この真の凍結乾燥製品は、クレマ層をもたらすことを可能にする。これは、気泡及び氷結晶微細構造を操作することによって、顆粒が溶解する方法を変化させることにより達成される。驚くべきことに、15%未満(即ち、15体積%未満の閉気孔、表4を参照)又は10%未満の「気泡気孔率」であっても、粒子が望ましいクレマ層を提供することが見出された。これは、従来技術で採用されているアプローチとは矛盾している。
凍結乾燥コーヒー工程において従来は、コーヒー抽出物をかき取り表面熱交換器(SSHE)を用いて冷却して、ガス中でスパージングして、せん断運動を印加してガスを分散させることによって曝気する。SSHEは、5分未満などの短い滞留時間で高い冷却レベルを達成する。SSHEの使用は、熱伝達の限界により、利用可能な滞留時間内に必要な冷却を行うために、低い冷媒温度を必要とする。この効果は、熱交換面での高い過冷却度を生じさせるためのものであり、熱交換面で多くの小さな氷結晶の核形成をもたらすことになる。SSHEの内部では、表面スクレーパーがこれらの結晶を表面から取り外し、これらをコーヒー抽出物のバルク中に混ぜる。更には、ガスを分散させるためのSSHE内部の高せん断ロータはまた、氷結晶の破損をもたらし、平均サイズを更に減少させて、溶液全体にわたってこれらを混ぜる。したがって、SSHEは、気泡の構造を破壊し、より多くの相互連結性に至らしめる。このせん断運動により、氷結晶が高粘度の部分的に凍結した発泡抽出物中の泡を貫通することにつながると仮定される。新しい凍結アプローチは、この核形成及び混合プロセスを除去し、従来技術製品で見られるような、氷結晶が気泡を横断することよりも、気泡周辺に氷結晶の成長を促進するように思われる(図1B及び図2Bを参照)。
コーヒー抽出物内の氷結晶の成長に影響を及ぼさせるための試みが以前から多く行われてきた。たいていの例は、製品の色の暗色化に目的を定めている。米国特許第3682650号は、コーヒー抽出物を氷点未満に急激に凍結させて、その後抽出物の凍結濃縮を可能にする>0.5mmまで氷結晶の成長に影響を与えるように−6.7〜−10℃で保持する、プロセスを記載している。
国際公開第2013064893A1号は、その後、焙煎して挽いたコーヒーと配合される事前凍結中間体コーヒー抽出物を形成するプロセスを記載している。この特許は、凍結抽出物中の氷結晶の成長を可能にする晶析装置タンク内での−6〜−10℃での保持を記述している。
米国特許第3443963号は、氷結晶の播種及び撹拌を用いて、小さな氷結晶を発生させる過冷却を抑制するプロセスを記載しており、コーヒー抽出物を氷点未満に急速に冷却し、−3.9〜−12℃で10分間保持して、暗色の最終製品を製造する。
米国特許第3373042号は、コーヒー抽出物を−6.7〜−9.4℃に凍結して、氷含有物を生成し、暗色の最終製品を生成するプロセスを記載している。凍結抽出物は、次いで、冷凍ベルト上に押し出される。
米国特許第3438784号は、コーヒー抽出物を発泡させ、次いでゆっくりと凍結させて、暗色の製品、具体的には、不規則な氷結晶形態を生成するプロセスを記載している。これは非曝気系で行われるが、曝気を用いて密度を制御することができることが記述されている。
米国特許第4565706号は、コーヒー抽出物を0℃未満に冷却し、次いでガスを添加し、その後ガスを抽出物と混合するプロセスを記載している。次いで、凍結した曝気抽出物を、ベルト上で更に凍結させる。
コーヒー抽出物の曝気もまた周知である。通常、密度を制御するために、噴霧又は凍結乾燥する前に、空気、CO、又はNをコーヒー抽出物と混合する。凍結乾燥では、通常、凍結と同時に又はその直後に、ガスを注入し、これは、二次ベルト凍結工程の前に安定的な泡を生成するためのものである。気泡構造は、一般的に、せん断、通常はSSHEの内部のせん断を利用して作成される。
欧州特許第2194795号は、噴霧乾燥に先立ってコーヒー抽出物を曝気する方法を記載している。抽出物を50〜400バールに加圧し、ガスを注入して可溶化させ、最後にノズルを介して圧力を解除し、コーヒー液滴内部に微細泡構造を形成する。
米国特許第3749378号は、発泡コーヒー抽出物を製造するための方法を記載している。ここでは、噴霧乾燥又は凍結乾燥に先立って、新規のガス混合装置を用いてガス混合を改善する。
欧州特許第839457号は、噴霧乾燥に先立ってコーヒー抽出物を曝気する別の方法を記載している。この方法は、コーヒー抽出物にガスを添加し、その後、高せん断ミキサーを用いて、泡サイズを5μm未満に減少させることを含む。曝気抽出物は、次に、噴霧乾燥する前に高圧ポンプに送られる。
米国特許第3682650号は、窒素ガスがSSHEに注入されて、密度を制御するプロセスを記載している。続いて、暗色の製品を形成する目的で、凍結抽出物中に大きな泡を形成するためにガスを合一する。
これらの文献のいずれも、混合などのせん断力が加えられていない、曝気されたコーヒー抽出物中の氷結晶の緩慢な成長について教示してはいない。
好ましい態様によれば、本方法は、
45重量%〜50重量%の固形物を有するコーヒー抽出物を、高せん断ミキサー内に好ましくは5〜15℃で用意する工程と、
高せん断ミキサー内のコーヒー抽出物に、1NL/kg〜5NL/kgのコーヒー抽出物の量でガスを添加して、1.5〜3バールの圧力のガス含有コーヒー抽出物をもたらす工程と、
ガス含有コーヒーを1つ以上のスプレーノズルにポンプ圧送し、これによって噴霧前の抽出物の圧力を、50〜100バールの圧力にする工程と、
ガス含有コーヒー抽出物を1つ以上のスプレーノズルを介して噴霧して抽出物を減圧し、発泡コーヒー抽出物を、好ましくは大気圧で形成する工程と、
発泡コーヒー抽出物を、せん断なしで又は低せん断で−40℃未満に冷却して、凍結コーヒー抽出物を形成する工程と、
凍結コーヒー抽出物を粉末に粉砕する工程と、
粉末を乾燥させる工程と、を含み、
発泡コーヒー抽出物を−40℃未満まで冷却する工程は、
(i)発泡コーヒー抽出物を、任意選択で保持タンク内で、第1の温度まで冷却することと、
(ii)発泡コーヒー抽出物を、第1の温度から、第1の温度よりも低い第2の温度まで、好ましくは晶析装置内で冷却することと、
(iii)発泡コーヒー抽出物を、第2の温度から−40℃未満まで冷却することと、を含み、
第1の温度は、発泡コーヒー抽出物の氷点よりも1℃高く、第2の温度が氷点よりも3℃低く、
工程(ii)は、10〜30分の持続時間を有する。
この好ましい実施形態の一例は、図8に示されており、図中のボックスは、次のように対応している。
A:45〜50重量%の固形物を有する濃縮コーヒー抽出物を、5〜15℃で用意する。
B:窒素源を用意する。
C:ガスと抽出物とを、Mondoミキサー内で1.5〜3バール、かつ10〜20℃で混合する。
D:タンクを10〜20℃で保持する。
E:ヒーターを用いて抽出物を35〜40℃に上昇させて、粘度を低減させる。
F:高圧でポンプ圧送し、圧力を50〜100バールに上昇させる。
G:混合物を、大気圧で保持タンク内に噴霧する。
H:混合物を−3〜−5℃、目標−5℃まで冷却する。
I:晶析装置内に混合物を−8℃まで保持し、この晶析装置が、好ましくは、晶析装置の内表面上の結晶化を低減するための低速攪拌器を含む。
J:−50℃の空気での急速凍結のための冷凍ベルトに冷却した混合物を通過させる。
K:コーヒーの粉砕、篩分け、乾燥(昇華)を行う。
更なる態様によれば、水での再構成時に少なくとも0.25mL/gのクレマ、好ましくは少なくとも0.75mL/gのクレマを有するコーヒー飲料を提供するための凍結乾燥コーヒー粉末であって、コーヒー粉末が、開気泡及び氷結晶空隙を有し、かつ15%未満、好ましくは10%未満の閉気孔率を有する粒子を含み、この開気泡及び氷結晶が、粒子への侵入が2psiaで開始すると考えられるHgポロシメトリーによって測定されるとき、90psia Hgの圧力下で92%未満の侵入が達成されるように、低相互連結性を有する、凍結乾燥コーヒー粉末が提供される。
好ましくは、本粉末は、粒子への侵入が2psiaで開始すると考えられるHgポロシメトリーによって測定されるとき、90psia Hgの圧力下で90%未満の侵入を示す。典型的には、この侵入は、70〜92%であり、より好ましくは80〜90%である。従来技術と比較しての低い侵入は、より遅い溶解及び泡生成の増加につながる低相互連結性を表す。
好ましくは、粒子への侵入が2psiaで開始すると考えられるHgポロシメトリーによって測定されるとき、80%の侵入を達成するために必要とされる圧力は、少なくとも45psia、より好ましくは少なくとも50psiaである。
本発明者らはまた、「侵入スパン」を用いて粉末の粒子の内部構造を特徴付けるための良好な方法も見出した。侵入スパンは、粒子への侵入が2psiaで開始すると考えられるHgポロシメトリーによって測定されるとき、
として定義される。好ましくは、スパンは、少なくとも2、より好ましくは2〜10、最も好ましくは約3〜約8である。
好ましくは、本粒子は、少なくとも50%、好ましくは60〜80%、最も好ましくは60〜70%の開気孔率を有する。
低相互連結性はまた、粒子への侵入が0.3psiaで開始すると考えられるHgポロシメトリーによって測定されるとき、40psia Hgの圧力下で80%未満の侵入が達成されるように評価することもできる。好ましくは、80%未満の侵入は、45psia Hgの圧力下で達成される。好ましくは、80%未満の侵入は、47.5psia Hgの圧力下で達成される。
更なる態様によれば、水での再構成時に少なくとも0.25mL/gのクレマ、好ましくは少なくとも0.75mL/gのクレマを有するコーヒー飲料を提供するための凍結乾燥コーヒー粉末であって、コーヒー粉末が、開気泡及び氷結晶空隙を有し、かつ15%未満、好ましくは10%未満の閉気孔率を有する粒子を含み、この開気泡及び氷結晶は、40psia Hgの圧力下で80%未満の侵入が達成されるように、低相互連結性を有する、凍結乾燥コーヒー粉末が提供される。この態様では、Hg侵入のための作動圧力は、0.3psia〜60,000psiaであった。理解されるように、この態様における全ては、上述した態様に同様に適用することができる。
好ましくは、上記態様において議論された製品は、本明細書に記載の方法によって得られる。
本明細書で議論されている文書に例証されているように凍結乾燥コーヒー粉末は、当該技術分野において周知である。この用語は、製品がこのような技術によって製造された場合に、製品が凍結乾燥とだけラベル付けされ得るような更なる商業的制約を有する。本明細書に開示される方法は、最終粉末が完全に凍結乾燥されるような技術である。
これらの粒子は、本明細書に記載の方法に従って製造されることが好ましい。
気泡及び氷結晶空隙は、SEM画像の精査によって決定することができる。気泡は、通常、丸みを帯びた滑らかな表面を有しているが、氷結晶空隙は鋭角を有し、かつ樹状であることが多い。本明細書に記載の凍結乾燥コーヒー粉末が、従来の凍結乾燥粉末と比べて低下した気孔相互連結性を有すると考えられている。すなわち、形成する氷結晶は、粉末中の気泡を貫通しかつ相互連結させるが、これら粒子中には接続部がほとんどない。これは、最終製品が望ましいクレマを生成することを意味している。本発明者らは、水銀ポロシメトリーを用いることによってこの望ましいレベルのクレマを達成し得る凍結乾燥粉末を特定することが可能であることを見出した。
好ましくは、本コーヒー粉末は、可溶性コーヒー固形物、並びに任意選択で、20重量%未満の焙煎して挽いたコーヒー粒子及び/又はココア粉末からなる。より好ましくは、本コーヒー粉末は、可溶性コーヒー固形物の粒子のみからなる。したがって、クリーマー又は糖などの他の材料の封入はない。
好ましくは、本粒子は開気孔を含み、これら開気孔の実質的に全てが少なくとも5μmの平均直径を有する状態である。気孔径は、SEM画像の精査によって決定することができる。
これらの粒子は、D10が少なくとも300μmである粒径分布を有することが好ましい。粒径分布は、Helos乾式システムを用いて、レーザー回折法によって又は乾式篩分けによって測定される。このような測定技術は、当該技術分野において周知である。
好ましくは、開気孔は、複数の氷結晶気孔と複数の気泡とを含み、氷結晶気孔は、6〜10μmの平均気孔径を有する、及び/又は気泡は、10〜60μmの平均気孔サイズを有する。これらのサイズは、製品の試料から撮影された代表的なSEM画像の観察によって測定することができる。
SEM画像から気孔サイズを算出するために、3つのコーヒー粒子を、内部構造を明らかにするように切断し、次いで、SEMに載置される前に、内表面が上を向く状態で接着面上に差し込む。1μmまで気孔を解像可能である任意の市販のSEM装置を使用することができる。400倍の倍率で、各粒子からの1枚の写真を撮影する。この画像を解析する。ガス気孔は、主として球状の気孔であると考えられる。氷の気孔は、主として角ばっているか、又は樹状の形状(すなわち、最短直径よりもかなり大きい最長直径、例えば少なくとも2:1を有する)であると考えられる。他の気孔の内部に存在する気孔(主にガス気孔を横断する氷気孔)は、測定に含まれる。気孔のサイズを測定するために、測定値は最も長い側で取られる。写真内の全ての気孔をガス又は氷気孔のいずれかとして割り当て、3組の画像からの各気孔タイプについての数平均を、各気孔対応についての平均気孔径とする。
クレマの測定
従来技術の凍結乾燥コーヒー粉末は、それらの開気孔系のために、クレマを形成することができないと考えられる。これは、3つの従来技術の粉末と比して本明細書に開示される粉末を用いて達成されたクレマを比較する以下の表1で立証されている。
これらの実施例において、クレマのレベルを、4gのコーヒーが85℃の脱イオン水200mLで、容器内で再構成される場合形成される全泡として測定した。これにより、2%のコーヒー濃度を提供する。
泡量
泡量測定を容易にするための装置を図7に示す。4gのコーヒーを、85℃の脱イオン水200mLで、容器内で再構成する。計量シリンダを、再構成容器の頂部のガスケット上に配置し、定位置にクランプする。リザーバと容器との間を徐々に開けて、クレマ層を計量シリンダ内に押し上げる。クレマの全体が計量シリンダのメモリ内に位置したら、弁を閉じて、クレマ容積を、メモリから読み出す(1d.pまで正確に)。リザーバは、室温以下の水を含有することが好ましい。全ての測定は3回行い、平均化して1d.pとした。
好ましくは、生成されたクレマは、少なくとも0.4mL/g、より好ましくは少なくとも0.5mL/g、より好ましくは少なくとも0.7g/mL、最も好ましくは、0.25mL/g〜2.5mL/g、最も好ましくは0.75mL/g〜1.5mL/gの量である。
被覆率
泡被覆率は、写真編集ソフトウェアを使用して推定することができる。この技術を使用して、飲料表面の写真を白黒写真に変換し、白黒写真についての相対的なピーク高さを読み取り、泡被覆率のパーセンタイルを提供することができる。経時的な被覆率を測定するために、3枚の写真を0分、2分、及び5分の間隔で撮影する。クレマ被覆率レベルは、コーヒー粉末単独を用いて、すなわち、ミルクなしで測定されねばならず、なぜならミルクは方法の精度に影響を与えるからである。
あるいは、被覆率は、表面を被覆された正方形と非被覆の正方形とに近似するために、少なくとも10×10の規則的な格子を用いた精査により決定することができる。
気孔率
本粒子は、15%未満、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満の閉気孔率を有し、最も好ましくは、実質的に閉気孔率を有さない。
閉気孔容積は、下記の方法により測定することができる。
総粒子容積(V)は、コーヒー基質(V)、閉気孔(V)及び開気孔(V)から構成されている。
コーヒーの所定の質量については、文献からのコーヒー基質の密度についての既知の値を用いれば、コーヒー基質の容積を算出することは簡単である。インスタントコーヒーは、通常、1.488g/mLの基質密度を有する。このため、比容積は、簡単に密度の逆数、又は0.672mL/gである。
次に、閉気孔容積を測定する必要がある。これについては、ヘリウムピクノメータ(Micromeritics AccuPyc 1330)を用いて粉末又は造粒物の秤量した量の容積を測定し、重量を容積で割ることによって、材料の骨格密度(g/cm)を測定する必要がある。骨格密度は、大気に対して密封されている粒子中に存在する任意の空隙の容積を含み、かつ粒子間の間隙容積及び大気に対して開放されている粒子内に存在する任意の空隙の容積を除外する密度の尺度である。本明細書では閉気孔容積と称される密封された空隙の容積もまた、乳棒と乳鉢で粉砕し、全ての内部空隙を除去するか、又は大気に対して開放した後に、粉末又は造粒物の骨格密度を測定することから導出される。本明細書では真密度(g/cm)と称されるこの種の骨格密度は、粉末又は造粒物からなる固形物のみの実密度である。閉気孔容積、V(cm/g)は、真密度の逆数(cm/g)を骨格密度の逆数(cm/g)から引くことによって決定される。
次に、開気孔容積を測定する必要があり、このためには、水銀ポロシメトリーを使用する(次のセクションの方法を参照)。侵入曲線を作成したら、これを解析して、開気孔の容積についての値を与えることができる。2psi未満の侵入(100μmを超える気孔径に等しい)は無視され、なぜなら、これらの空隙は、間隙空隙と見なされるためである(SEM画像から裏付けられる)。次に、2psiを超える侵入圧力からの侵入容積が試料中の開気孔の全容積と等しいと見なされる。
好ましくは、本粒子は、少なくとも50%、好ましくは60〜80%、最も好ましくは60〜70%の開気孔率を有する。
閉気孔率は、下記により算出することができる;
閉気孔率(%)=V/(V+V+V
2μm未満の気孔径を有する開気孔を測定することも既知であり、これらを閉気孔に加えて、いわゆる「発泡気孔率」になる。好適な測定方法は、欧州特許第2194795号に説明されている。総侵入容積から100psiの侵入圧力未満で生じる侵入容積(2μmの気孔径に等しい)を引くことによって、2μm未満の開口を有する気孔から導出された侵入容積(Vo<2μm)となる。
したがって、「発泡」気孔率は、下記により算出することができる;
「発泡」気孔率(%)=(V+Vo<2μm)/(V+V+V
好ましくは、本明細書で議論される凍結乾燥粉末は、25%未満、より好ましくは20%未満の発泡気孔率を有する。
水銀ポロシメトリー
水銀ポロシメトリーは、上昇する圧力下で試料中への水銀の侵入を分析することを含む。試料の気孔が完全に充填されると、圧力の上昇は、更なる減容化をもたらすことはない。本発明者らは、気孔内への水銀侵入量を検討することにより、低相互連結性を定量化することができることを見出した。水銀ポロシメトリープロットが得られると、圧力の異なる値での侵入の程度を測定し、異なるレベルの侵入に必要な圧力を決定することができる。
本発明者らは、侵入が、気孔構造の特徴であり、40psia Hg及び90sia Hgの圧力において検討される侵入を有し、並びに以下に議論される侵入スパンを有することを見出した。典型的な凍結乾燥粉末は、40psiaにおいてHgが実質上完全に貫通するが、本明細書に記載の粉末は、80%未満の貫通が達成されるに過ぎない。これは、Hgが粒子の低い相互連結性を貫通することの難しさを裏付けている。これが、別々に評価された閉気孔率の結果ではないことに留意するべきである。
上述のように、水銀ポロシメトリーはまた、微細構造を評価するために用いることもできる。本明細書に記載の試料は、MicroActive AutoPore V 9620バージョン(Micromeritics Inc.Norcrose,GA,USA)を使用して分析した。この機械は、99.999%の純度の水銀を使用し、前進及び後退条件の両方に、140度の水銀接触角及び480ダイン/cmの表面張力を適用する。Hg侵入のための作動圧力は、0.3psia〜60,000psiaであった。この圧力で測定可能な気孔径は、1000μm〜0.00356μmの範囲にある。
本発明者らは、Hg侵入についての測定値が、ベースラインを2psiaとして取るとき、最も信頼性が高いことを見出した。このことは、いかなる粒子間間隙空間も(これを考慮すれば、測定値の不必要なバラツキにつながり得る)無視する助けとなる。表2及び3の以下の結果は、このばらつきを示している。このため、粒子内への侵入は2psiaで開始すると考えられる(表2のように)。あまり好ましくない実施形態によれば、侵入は0.3psiaで開始すると考えられる(表3のように)。いずれかのベースラインについての値は、同じ水銀ポロシメトリープロットから算出することができる。
0.15gの公称の試料質量を有する試料を、試験前に、真空下で室温にて10時間脱気した。
試験用に、0.1g〜0.4gの試料を正確に秤量し、貫入試験機(容積3.5mL、ネック又はキャピラリーステム径0.3mm、及びステム容積0.5mL)内に詰め込んだ。
貫入試験機を低圧ポートに挿入後、試料を1.1psia/分で真空排気し、次いで0.5psiaの中速及び900μm Hgの高速に切り替えた。真空排気の目標は60μm Hgである。目標に到達した後、Hgが充填される前に真空排気を5分間継続した。
測定を、設定時間平衡化で行った。すなわち、データが採取されるべき圧力点及びこの圧力での経過時間が設定時間平衡化(10秒)モードで行われる。大まかに言うと、140のデータ点を、この圧力範囲で収集した。
侵入グラフを用いて、コーヒー粒子の内部構造を判定することができる。上述のように、水銀ポロシメトリーは、約1000μmからサブミクロン範囲に至るまでの広範囲の気孔径をカバーする。コーヒー粉末中の気孔が、100μm未満の直径であることがSEM画像から既知である。粉末の内部構造を判定する際には、2psiaを超えて発生する侵入が、100μmの気孔径に相関すると考えられる。
図4は、本発明及び3つの従来技術の製品についての全侵入グラフ(全侵入%)を示している。従来技術の製品の内部構造を充填するのに必要な圧力と比べると、より大きな圧力が本発明の内部構造を充填するために必要であることは明らかである。理論に束縛されるものではないが、これが、本発明における気孔の連結の低減に起因しており、すなわち、従来技術の製品では、内部気孔を充填するために多くの経路が存在する一方で、本発明においては、内部気孔を充填するためには比較的少ない経路が存在するために、本発明では、水銀は気孔の全てを充填するためには既に減少したサイズの気孔を通って移動する必要があり、その結果上昇した圧力が必要となると仮定される。
表2を参照すると、実施例1は、完全実施例として以下により詳細に記載される。実施例6〜9は、以下の追加の変更を伴って、以下の実施例5の方法に従って作製した。実施例6では、晶析装置の容器に転送された曝気した抽出物の温度は、+5℃(すなわち、比較的暖かい)であった。実施例7では、晶析装置のジャケットにおける冷媒温度は−10℃であった。実施例8では、晶析装置の容器内の攪拌器の速度は、12rpmであった。実施例9では、抽出物が「Mondo」ミキサーを用いて高圧ポンプに送り込まれる前にNを添加し、凍結工程より前の泡密度は、780g/Lであった。
以下の表3における実施例は、0%の侵入が0.3psiaにおける値であることを考慮した場合の(すなわち、0.3psiaのベースラインである場合の)結果を示している。
なお、本明細書中に記載の凍結乾燥コーヒー粉末の内部気孔径は、主に開放された構造により、X線マイクロトモグラフィーなどの従来の方法では特性評価することは困難である。X線断層撮影法は、統計的データを与えるために、構造の「閉鎖」に依存している。この場合、氷結晶気孔の細部を失わせるために、これは適切ではない。水銀ポロシメトリーは、内部構造のいくつかの特徴の指標を供与するが、平均気孔径を算出するためには、算出で使用されるモデルの制限のために、適用することができない。例えば、水銀ポロシメトリーでは、全気孔面積は、横断していない円筒状気孔のモデルに基づいた気孔容積データの連続要素から算出される。
表面積の測定
気孔面積データは、慎重に見なされるべきであり、比較目的により信頼性の高いBET表面積値と混同するべきではない。N吸着が、平均気孔径の概念を与えるために用いられている。より高い表面積は、より小さい内部気孔を示す。
BET表面積は、一定の密度を想定し、平均気孔径という概念を与える。ここで、本発明は、従来技術よりも高い内部表面積を呈する。SEM画像は、本発明における氷結晶気孔が、従来技術のものよりも大きいことを示している。したがって、本発明における平均気泡サイズが、従来技術のものよりも小さいと想定することは妥当である。これは新しい曝気方法によって引き起こされるために、曝気方法が本発明の重要な部分と見なされる。
Micromeritics TriStar II Plus(3020)は、容積法による窒素吸着データの収集に用いられる。分析に先立って、1gの試料を、通常、室温において真空下で少なくとも10時間脱気する。
十分な試料が分析用に提供されるように試料を秤量して、試験管に入れる。ヘリウム(N5グレード)を用いた分析手順の一部として、空きスペースが自動的に測定される。分析は極低温:77Kの液体窒素で行われる。窒素吸着データをBET範囲内の相対圧力(およそ0.05〜0.30)で収集する。
BET表面積レポートに適用される相対圧力範囲は、吸着等温線及びBET変換プロットの精査によって選択される。収集されたデータ点は、BET変換プロットがBET範囲(試料のタイプが許容する)内で線形であり、C値が正であるように含まれる。可能であれば、0.999又はそれ以上の変換プロットの相関係数が求められる。上記試料に適用された公称BET範囲は、0.05〜0.20であった。
本発明を、ここで、下記の非限定的な実施例との関連で説明する。
(実施例1)
従来の向流パーコレーションセットで製造したロブスタコーヒーノキ抽出物を、50質量%の固形物まで濃縮した。抽出物を35℃に加熱し、高圧ポンプに送り込んだ。抽出物の圧力を50バールに上昇させた。抽出物に、Nを、圧力下で4.5NL/kgの量で注入した。加圧されガス化された抽出物に静的ミキサーを通過させて、気泡のサイズを減少させて、Nガスを確実に抽出物中に実質的に溶解させた。溶解ガスを含む抽出物に、噴霧システムのSKシリーズスプレーノズル(67/20)を通過させて、大気圧までの圧力降下をもたらした。得られた発泡抽出物は、710g/Lの密度を有した。発泡抽出物をトレーに定置させて、−35℃の温度の冷気を発泡抽出物の表面に吹き付けて、発泡抽出物を−5℃に急冷させた。−5℃に達したら、ファンをオフにして、抽出物を35分の時間をかけて、−11℃までゆっくりと冷却させた。50質量%の固形物でのコーヒー抽出物の氷点は、およそ−7.5℃である。その結果、抽出物の温度は、約25分間にわたって、発泡コーヒー抽出物の氷点よりも1℃高い温度と発泡コーヒー抽出物の氷点よりも3℃低い温度との間にあった。−11℃に達したときに、ファンを再びオンにして、発泡抽出物の温度を−35℃に更に10分間かけて降下させた。トレーを−50℃に更に冷却させた。凍結した発泡抽出物を、続いて粉砕し、篩分けして、その後凍結乾燥させた。得られた生成物を、泡量装置を用いて試験した。凍結乾燥造粒物は、3.5mL(0.875mL/g)の泡量を生成した。
(実施例2)
従来の向流パーコレーションセットで製造したロブスタコーヒーノキ抽出物を、50質量%の固形物まで濃縮した。抽出物を35℃に加熱し、高圧ポンプに送り込んだ。抽出物の圧力を50バールに上昇させた。抽出物に、Nを、圧力下で4.2NL/kgの量で注入した。溶解ガスを含む抽出物に、噴霧システムのSKシリーズスプレーノズル(67/20)を通過させて、大気圧までの圧力降下をもたらした。得られた発泡抽出物は、640g/Lの密度を有した。発泡抽出物をトレー内に定置させて、制御された温度の冷凍機内に置いた。−5℃に急冷させるために、周囲の冷凍機の温度を−35℃に設定し、コーヒーの温度が−5℃に達したら、周囲の室温を−12℃に設定し、30分後に、コーヒーの温度が−10.5℃と記録されたら、続いて冷凍機の温度を−35℃に設定して、曝気したコーヒー抽出物を更に凍結させた。最後に、曝気して凍結されたコーヒー抽出物を、−50℃の冷蔵室に移した。50質量%の固形物でのコーヒー抽出物の氷点は、およそ−7.5℃である。抽出物の温度は、28分間わたって氷点よりも1℃高い温度(およそ−6.5℃)と氷点よりも3℃低い温度(およそ−10.5℃)との間にあった。トレーを冷蔵室に移し、更に−50℃まで冷却して、完全に凍結させた。凍結した発泡抽出物を、続いて粉砕し、篩分けして、その後凍結乾燥させた。得られた生成物を、泡量装置を用いて試験した。凍結乾燥造粒物は、4.2mL(0.775mL/g)の泡量を生成した。
(実施例3)(比較)
従来の向流パーコレーションセットで製造したロブスタコーヒーノキ抽出物を、50質量%の固形物まで濃縮した。抽出物を35℃に加熱し、高圧ポンプに送り込んだ。抽出物の圧力を50バールに上昇させた。抽出物に、Nを、圧力下で4.3NL/kgの量で注入した。加圧されガス化された抽出物に静的ミキサーを通過させて、気泡のサイズを減少させて、Nガスを確実に抽出物中に実質的に溶解させた。溶解ガスを含む抽出物に、噴霧システムのSKシリーズスプレーノズル(67/20)を通過させて、大気圧までの圧力降下をもたらした。得られた発泡抽出物は、715g/Lの密度を有した。発泡抽出物をトレー内に定置させて、−50℃の周囲温度の冷蔵室に置き、発泡抽出物を急冷させた。これを、生成物が−45℃周辺の温度に達するまで放置した。50質量%の固形物でのコーヒー抽出物の氷点は、およそ−7.5℃である。抽出物の温度は、4.5分間にわたって氷点よりも1℃高い温度(およそ−6.5℃)と氷点よりも3℃低い温度(およそ−10.5℃)との間にあった。凍結した発泡抽出物を、続いて粉砕し、篩分けして、その後凍結乾燥させた。得られた生成物を、泡量装置を用いて試験した。凍結乾燥造粒物は、0.5mL(0.125mL/g)の泡量を生成した。
(実施例4)
従来の向流パーコレーションセットで製造したロブスタコーヒーノキ抽出物を、50質量%の固形物まで濃縮した。抽出物を35℃に保持し、Haas Mini Mondomixに送り込んだ。Nガスをミキサー内に注入し、ミキシングヘッドの速度を1200rpmにして、オーバーランを87%に設定した。Mini Mondo内の圧力は2.8バールであった。発泡抽出物がMini Mondomixを出る際の温度は、38℃であった。得られた発泡抽出物は、640g/Lの密度を有した。発泡抽出物を大気圧下でトレー内に定置させ、次いで制御された温度のキャビネット冷凍機に入れ、ここで、−5℃の温度に急冷させた。その後、冷凍機の周囲温度を−12℃に設定して、抽出物を氷形成の点を経てゆっくりと冷却し、30分後、コーヒー温度が−11℃と記録され、続いて冷凍機の温度を−35℃に設定し、曝気したコーヒー抽出物を更に冷凍した。最後に、曝気して凍結されたコーヒー抽出物を、−50℃の冷蔵室に移した。50質量%の固形物でのコーヒー抽出物の氷点は、およそ−7.5℃である。抽出物の温度は、25分間にわたって氷点よりも1℃高い温度(およそ−6.5℃)と氷点よりも3℃低い温度(およそ−10.5℃)との間にあった。凍結した発泡抽出物を、続いて粉砕し、篩分けして、その後凍結乾燥させた。得られた生成物を、泡量装置を用いて試験した。凍結乾燥造粒物は、2.35mL(0.59mL/g)の泡量を生成した。
(実施例5)
従来の向流パーコレーションセットで製造したロブスタコーヒーノキ抽出物を、48質量%の固形物まで濃縮した。抽出物を35℃に加熱し、高圧ポンプに送り込んだ。抽出物の圧力を50バールに上昇させた。1.05質量%のNを、圧力下で抽出物中に注入した。加圧され、ガス化された抽出物に、噴霧システムのSKシリーズスプレーノズル(67/20)を通過させて、大気圧にした。得られた発泡抽出物は、640g/Lの密度及び34℃の温度を有した。この発泡抽出物を、−5℃のグリコール温度を有する熱交換器に送り出し、抽出物を0℃に急冷した。抽出物が急冷されると、抽出物を次いで、グリコールジャケット突きタンク及び内部スクレーパーからなる晶析装置の容器に移した。グリコール温度を−12℃に、表面スクレーパーを10rpmの速度に設定した。発泡抽出物を、晶析装置内で−7.5℃の温度に90分間かけてゆっくりと冷却した。続いて、抽出物を容器から取り出し、トレー上に定置させた。トレー内の抽出物を、−50℃に噴射凍結させた。抽出物の温度は、33分間にわたって氷点よりも1℃高い温度(およそ−6.5℃)と氷点よりも3℃低い温度(およそ−10.5℃)との間にあり、33分間のうちのおよそ30分間は晶析装置内にあり、3分間は噴射冷凍機内にあった。凍結した発泡抽出物を、続いて粉砕し、篩分けして、その後凍結乾燥させた。得られた生成物を、前述した泡量装置を用いて試験した。凍結乾燥造粒物は、3.8mL(0.95mL/g)の泡量を生成し、泡構成時に100%、2分で100%、及び5分後に66.4%の被覆率を生じた。
本実施例の生成物はまた、その気孔率も評価され、以下の値が観測された。
特に明記しない限り、本明細書における全ての百分率は重量によるものであり、全ての圧力は、ゲージ圧ではなく絶対圧力である。
本発明の好ましい実施形態を本明細書に詳細に記載したが、当業者であれば、本発明の範囲又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなくこれらに変更がなされてもよいことを理解するであろう。

Claims (19)

  1. 凍結乾燥コーヒー粉末を製造する方法であって、
    40重量%〜55重量%の固形物を有するコーヒー抽出物を用意することと、
    前記コーヒー抽出物に、1NL/kg〜5NL/kgのコーヒー抽出物の量でガスを添加して、大気圧を超える圧力のガス含有コーヒー抽出物をもたらすことと、
    前記ガス含有コーヒー抽出物を減圧して、発泡コーヒー抽出物を形成することと、
    前記発泡コーヒー抽出物を、せん断せずに又は低せん断で−40℃未満まで冷却して、凍結コーヒー抽出物を形成することと、
    前記凍結コーヒー抽出物を粉末に粉砕することと、
    前記粉末を乾燥させることと、を含み、
    前記発泡コーヒー抽出物を−40℃未満まで冷却する工程が、
    (i)前記発泡コーヒー抽出物を第1の温度まで冷却することと、
    (ii)前記発泡コーヒー抽出物を、前記第1の温度から、前記第1の温度よりも低い第2の温度まで冷却することと、
    (iii)前記発泡コーヒー抽出物を、前記第2の温度から−40℃未満まで冷却することと、を含み、
    前記第1の温度が、前記発泡コーヒー抽出物の氷点よりも1℃高く、前記第2の温度が前記発泡コーヒー抽出物の前記氷点よりも3℃低く、
    工程(ii)が、5〜90分、好ましくは5〜60分、より好ましくは10〜30分の持続時間を有する、方法。
  2. 前記コーヒー抽出物が、
    (a)40〜45重量%の固形物を有し、前記氷点が−5〜−7℃である、又は
    (b)45〜50重量%の固形物を有し、前記氷点が−7〜−8℃である、又は
    (c)50〜55重量%の固形物を有し、前記氷点が−8〜−10℃である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記コーヒー抽出物が、48〜51重量%の固形物を有する、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記低せん断が、50s−1未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ガスが、窒素、空気、アルゴン、亜酸化窒素及び二酸化炭素、又はこれらのうちの2つ以上の混合物から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記コーヒー抽出物は、前記ガスが前記コーヒー抽出物に添加される前に、少なくとも2バールの圧力、より好ましくは少なくとも5バール、最も好ましくは10〜250バールの圧力にある、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ガス含有コーヒー抽出物を減圧することが、前記コーヒー抽出物の前記圧力を、5バール以下、好ましくは大気圧に低減することを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ガス含有コーヒー抽出物を減圧することが、前記ガス含有コーヒー抽出物を噴霧することを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記発泡コーヒー抽出物が、前記冷却工程の前に大気圧にあり、500〜800g/Lの密度を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程(i)及び(iii)のそれぞれにおける冷却の平均速度が、少なくとも−5℃/分である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記冷却工程(i)、(ii)及び(iii)のうちの1つ以上が、コンベアを使用した連続プロセスとして行われる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記冷却工程(i)、(ii)及び(iii)のうちの1つ以上が、保持容器内で又はポンプ付き冷却システム内で行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 水での再構成時に少なくとも0.25mL/gのクレマを有するコーヒー飲料を提供するための凍結乾燥コーヒー粉末であって、前記コーヒー粉末が、開気泡及び氷結晶空隙を有し、かつ15%未満の閉気孔率を有する粒子を含み、前記開気泡及び氷結晶空隙が、前記粒子への侵入が2psiaで開始すると考えられるHgポロシメトリーによって測定されるとき、90psia Hgの圧力下で92%未満の侵入が達成されるように、低相互連結性を有する、凍結乾燥コーヒー粉末。
  14. 前記粒子の侵入スパンが、少なくとも2であり、前記侵入スパンは、前記粒子への侵入が2psiaで開始すると考えられるHgポロシメトリーによって測定されるとき、
    として定義される、請求項13に記載の凍結乾燥コーヒー粉末。
  15. 可溶性コーヒー固形物、並びに任意選択で、20重量%未満の焙煎して挽いたコーヒー粒子及び/又はココア粉末からなる、請求項13又は請求項14に記載の凍結乾燥コーヒー粉末。
  16. 前記粒子が、D10が少なくとも300μmである粒径分布を有する、請求項13〜15のいずれか一項に記載の凍結乾燥コーヒー粉末。
  17. 氷結晶気孔が、6〜10μmの平均気孔径を有する、及び/又は前記気泡が、10〜60μmの平均気孔径を有する、請求項13〜16のいずれか一項に記載の凍結乾燥コーヒー粉末。
  18. 前記開気泡及び氷結晶空隙が、40psia Hgの圧力下で80%未満の侵入が達成されるように、低相互連結性を有する、請求項13〜17のいずれか一項に記載の凍結乾燥コーヒー粉末。
  19. 水での再構成時に少なくとも0.25mL/gのクレマを有するコーヒー飲料を提供するための凍結乾燥コーヒー粉末であって、前記コーヒー粉末が、開気泡及び氷結晶空隙を有し、かつ15%未満の閉気孔率を有する粒子を含み、前記開気泡及び氷結晶空隙が、40psia Hgの圧力下で80%未満の侵入が達成されるように、低相互連結性を有する、凍結乾燥コーヒー粉末。
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