JP2019513797A - シャーガスに関する抗原および抗体および組成物、それらの方法および使用 - Google Patents

シャーガスに関する抗原および抗体および組成物、それらの方法および使用 Download PDF

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Abstract

本明細書は、トリパノソーマ抗原、当該トリパノソーマ抗原を含む免疫原性組成物および薬物、ならびにトリパノソーマ系疾患を治療するための当該トリパノソーマ抗原および免疫原性組成物に関する方法および使用に関する。【選択図】図12

Description

本願は、2016年4月14日に出願した米国仮特許出願第62/322,770号の優先権および出願日の利益を主張するものであり、この内容全体は本明細書中参照として援用されている。
トリパノソーマは、キネトプラスト類(キネトプラスト網)の属であり、単細胞の寄生型鞭毛性の原生生物の単系統群である。大部分のトリパノソーマは、多宿主性(生活環を完成させるために1超の必須の宿主を必要とする)であり、大部分は、ベクターを介して伝染する。この種の大部分は、吸血性無脊椎動物により伝染するが、様々な種において異なる機構が存在する。無脊椎動物の宿主では、これらは一般的に腸で見いだされているが、通常、哺乳類の宿主では血流または細胞内環境に存在する。
ステルコラリア類種(糞棲類)およびサリバリア類種(唾棲類)という2種類の異なるトリパノソーマが存在しており、これらの生活環は異なっている。ステルコラリア類のトリパノソーマは昆虫、ほとんどの場合オオサシガメ亜科のサシガメに感染し、この後腸で発育し、感染性生物が、糞便に排出され、宿主の皮膚に蓄積する。次に、この生物が浸透し、体内全体に散在する可能性がある。吸血する際に昆虫は感染する。サリバリア類のトリパノソーマは、昆虫、最も重要な事例ではツェツェバエの前腸で発育し、感染性生物は、昆虫の刺咬により宿主に播種された後、供給される。トリパノソーマは、自身の生活環を介して発育する際に、トリパノソーマ類の典型例である一連の形態的な変化を経る。この生活環は、多くの場合、脊椎動物の宿主では錐鞭毛型、および無脊椎動物の腸では錐鞭毛型もしくは前鞭毛型からなる。細胞内の生活環の段階は、通常、無鞭毛型で見いだされる。錐鞭毛型の形態は、トリパノソーマ属の種に固有である。
トリパノソーマは、様々な宿主に感染し、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)により引き起こされる致死性のヒトの疾患のシャーガス病、およびブルーストリパノソーマ(T.brucei)により引き起こされるアフリカ睡眠病を含む様々な疾患を引き起こす。
何年もの間、トリパノソーマ系の感染症は、治療の影響を受けやすい病態ではなかった。本明細書では、1つまたは複数のトリパノソーマ菌株に対する保護に有効な免疫応答を誘導する、トリパノソーマ抗原、免疫原性組成物、および抗体を開示する。
よって、本明細書中開示の態様は、トリパノソーマ抗原を提供する。本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、トリパノソーマに感染した細胞の表面に存在するエピトープに結合できるα―トリパノソーマ抗体を産生する免疫応答を引き起こし得る。
本明細書中開示の他の態様は、本明細書中開示の1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む免疫原性組成物を提供する。さらに組成物はアジュバントを含むことができる。
本明細書中開示の他の態様は、トリパノソーマ病原体に感染した個体またはトリパノソーマ系疾患を有する個体を治療する方法を提供する。開示される方法は、トリパノソーマ病原体に感染した個体またはトリパノソーマ系疾患を有する個体に、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物を投与することを含む。
本明細書中に開示の他の態様は、薬物の製造のための、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物の使用を提供する。
本明細書中開示の他の態様は、トリパノソーマ病原体に感染した個体の治療のための、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物の使用を提供する。
本明細書中開示の他の態様は、トリパノソーマ病原体に感染した個体の治療に使用するための、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物を提供する。
図1A〜Dは、in vitroで単一のペプチドへ48時間曝露した後の脾細胞によるIL−4およびINF−γの産生を示しており、ここで図1Aは、グループAの動物におけるIL−4の産生を示しており、図1Bは、グループBの動物におけるIL−4の産生を示しており、図1Cは、グループAの動物におけるINF−γの産生を示しており、図1Dは、グループBの動物におけるINF−γの産生を示している。 図2A〜Bは、ワクチン接種したマウスの血清における個々のペプチドに特異的な総イムノグロブリンの応答を示しており、ここで図2Aは、雄性の動物における総イムノグロブリンの応答を示しており、図2Bは、雌性の動物における総イムノグロブリンの応答を示している。 図3A〜Dは、ワクチン接種したマウスの血清における個々のペプチドに特異的なIgG1およびIgG2の応答を示しており、ここで図3Aは、雄性の動物におけるIgG2の応答を示しており、図3Bは、雌性の動物におけるIgG2の応答を示しており、図3Cは、雄性の動物におけるIgG1の応答を示しており、図3Dは、雌性の動物におけるIgG1の応答を示している。 図4A〜Bは、in vitroで単一のペプチドへ48時間曝露した後の脾細胞によるIL−4およびINF−γの産生を示しており、ここで図4Aは、IL−4の産生を示しており、図4BはINF−γの産生を示している。 図5は、単一のペプチドへ曝露した無処置のマウス由来の脾細胞によるINF−γの産生を示す。 図6A〜Fは、ワクチン接種したマウスの血清における個々のペプチドに特異的な総イムノグロブリン応答を示しており、ここで図6Aは、動物におけるCH47に対する総イムノグロブリン応答を示しており、図6Bは、動物におけるCH69に対する総イムノグロブリン応答を示しており、図6Cは、動物におけるCH72に対する総イムノグロブリン応答を示しており、図6Dは、動物におけるCH77に対する総イムノグロブリン応答を示しており、図6Eは、動物におけるCH84に対する総イムノグロブリン応答を示しており、図6Fは、動物におけるCH93に対する総イムノグロブリン応答を示している。 図7A〜Fは、ワクチン接種したマウスの血清における個々のペプチドに特異的なIgG1およびIgG2の応答を示しており、ここで図7Aは、動物におけるCH77に対するIgG1の応答を示しており、図7Bは、動物におけるCH47に対するIgG1の応答を示しており、図7Cは、動物におけるCH77に対するIgG2aの応答を示しており、図7Dは、動物におけるCH47に対するIgG2aの応答を示している。 図8A〜Fは、ワクチン接種したマウスの血清における個々のペプチドに特異的なIgG1およびIgG2の応答を示しており、ここで図8Aは動物におけるCH37に対するIgG1の応答を示しており、図8Bは、動物におけるCH77に対するIgG1の応答を示しており、図8Cは、動物におけるCH37に対するIgG2aの応答を示しており、図8Dは、動物におけるCH77に対するIgG2aの応答を示している。 図9A〜Hは、ワクチン接種したマウスの血清における個々のペプチドに特異的な総イムノグロブリンの応答を示しており、ここで図9Aは、動物におけるCH30に対する総イムノグロブリンの応答を示しており、図9Bは、動物におけるCH37に対する総イムノグロブリンの応答を示しており、図9Cは、動物におけるCH47に対する総イムノグロブリンの応答を示しており、図9Dは、動物におけるCH69に対する総イムノグロブリンの応答を示しており、図9Eは、動物におけるCH72に対する総イムノグロブリンの応答を示しており、図9Fは、動物におけるCH77に対する総イムノグロブリンの応答を示しており、図9Gは、動物におけるCH84に対する総イムノグロブリンの応答を示しており、図9Hは、動物におけるペプチド混合物に対する総イムノグロブリンの応答を示している。 グループA、B、C、およびDに関する投与レジメンを示す。 トリパノソーマ感染後の対照(A+C)、およびワクチン接種した(BおよびD)動物のグループにおける寄生虫血を示す(pi=感染後)。 トリパノソーマ感染後の対照(A+C)、およびワクチン接種した(BおよびD)動物のグループにおける死亡率を示す(pi=感染後)。 グループA、B、およびCに関する投与レジメンを示す。 トリパノソーマ感染後の対照(C)、およびワクチン接種した(AおよびB)動物のグループにおける死亡率を示す(pi=感染後)。 チャレンジ後17日目および22日目での、全てのグループにおける寄生虫血濃度の平均値および標準誤差を示す。単位は、寄生生物の数×10/ml血液である。 チャレンジ後少なくとも25日目で生存していた動物における、感染後17日目および22日目の全てのグループの寄生虫血濃度の平均値および標準誤差を示す。単位は、寄生生物の数×10/ml血液である。
トリパノソーマの生活環は、トリパノソーマが感染型の寄生生物をもたらすためにベクター内で増殖および分化するベクター段階と、トリパノソーマがヒトの宿主で分化および増殖するヒトの段階に分けることができる。ヒトの段階の間、ベクターは、ヒトの宿主に寄生し、発育終末型の錐鞭毛型と呼ばれている感染型のトリパノソーマを循環系へと移行させる。発育終末型の錐鞭毛型は、宿主細胞に侵入し、次に、無鞭毛型に分化し、細胞内で増殖を開始する。細胞内の無鞭毛型は錐鞭毛型に分化し、最終的に宿主細胞を破壊し、血流に入り、よって寄生生物は新たな宿主細胞に感染でき、かつ/または新規のベクターに移行することができる。
細胞内の無鞭毛型が宿主細胞に感染する際に、これら寄生生物由来の様々なタンパク質が細胞質に蓄積する。これらタンパク質は、プロテアソームという、細胞質のプロテアーゼ複合体により処理されることにより、概して8〜11個の長さのアミノ酸の小さなタンパク質フラグメントまたはペプチドがもたらされ得る。次に、これらペプチドは、小胞体の組織適合遺伝子複合体クラスI(MHC−I)の糖タンパク質の間隙に結合し、感染した細胞の細胞膜に輸送される。また、これらペプチドは、これらの配列に膜アンカーを含む場合、細胞膜の中に隆起または静置し得る。また、抗原提示細胞は、トリパノソーマまたはトリパノソーマに感染した細胞を貪食することができ、寄生生物のタンパク質を、MHCクラスII分子に結合する免疫系にも提示され得る12〜35個のアミノ酸のより大きなペプチドフラグメントに処理することができる。
本明細書は、感染した細胞の表面に発現したこれらペプチドフラグメントを、クラスIおよびIIのMHC複合体の中でこれらペプチドフラグメントを認識できるCD8T細胞およびCD4T細胞、ならびに、細胞膜およびクラスIIのMHC分子の中でこれらペプチドを認識できるB細胞を含む免疫原性組成物を提供することにより、利用する。本免疫原性組成物は、これら抗原に対するT細胞および抗体の産生を誘発し、次に、これら抗体は、感染した細胞の細胞表面に位置するトリパノソーマペプチドフラグメントを認識する。T細胞および/または抗体によるこれら細胞表面のペプチドフラグメントの認識により、細胞膜が破壊され、最終的に、これら感染した細胞の破壊、トリパノソーマの増殖の妨害、および細胞内無鞭毛型の死滅がもたらされる。
本明細書の重要な発見の1つは、免疫応答をもたらすために使用される開示のトリパノソーマ抗原が、寄生生物の細胞内タンパク質に由来している点である。このことは、結果として得られる免疫応答が、トリパノソーマ自体をどんな度合でも直接攻撃しないため、重要である。別の重要な発見は、免疫応答が、寄生生物が増殖している感染した細胞を標的とする際に、開示の治療がトリパノソーマの集団をより有効に制御できることである。
本開示の態様は、部分的に、トリパノソーマ抗原を含む。抗原は、免疫応答を誘発し、限定するものではないが、ペプチド、多糖、および脂質のコンジュゲート、たとえばリポタンパク質および糖脂質を含む分子である。トリパノソーマ抗原は、トリパノソーマ病原体またはトリパノソーマ病原体を含む成分に対する免疫応答を誘発できるいずれかの抗原である。トリパノソーマ病原体を含む成分として、限定するものではないが、トリパノソーマのゲノム、トリパノソーマのゲノムによりコードされるタンパク質、およびトリパノソーマ病原体の脂質膜の成分が挙げられる。この実施形態の一態様では、トリパノソーマ抗原は、単一のトリパノソーマ菌株またはトリパノソーマ菌株を含む成分に対する免疫応答を誘発できるいずれかの抗原である。この実施形態の別の態様では、トリパノソーマ抗原は、2つ以上のトリパノソーマ菌株または2つ以上のトリパノソーマ菌株を含む成分に対する免疫応答を誘発できるいずれかの抗原である。
トリパノソーマ抗原は、配列に実質的に固有であるように十分大きくなければならず、よって、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原以外の抗原に対して公差反応性である抗体を産生する可能性を下げなければならない。概して、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、約5〜約100個のアミノ酸の長さを有する。
この実施形態の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、たとえば約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、または約75個のアミノ酸の長さを有し得る。この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、たとえば少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、または少なくとも75個のアミノ酸の長さを有し得る。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、たとえば最大5、最大6、最大7、最大8、最大9、最大10、最大11、最大12、最大13、最大14、最大15、最大16、最大17、最大18、最大19、最大20、最大25、最大30、最大35、最大40、最大45、最大50、最大55、最大60、最大65、最大70、または最大75個のアミノ酸の長さを有し得る。
この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、たとえば約7〜約10個のアミノ酸、約7〜約12個のアミノ酸、約7〜約15個のアミノ酸、約7〜約18個のアミノ酸、約7〜約20個のアミノ酸、約7〜約25個のアミノ酸、約7〜約30個のアミノ酸、約7〜約35個のアミノ酸、約7〜約40個のアミノ酸、約7〜約45個のアミノ酸、約7〜約50個のアミノ酸、約7〜約55個のアミノ酸、約7〜約60個のアミノ酸、約7〜約65個のアミノ酸、約7〜約70個のアミノ酸、約7〜約75個のアミノ酸、約10〜約12個のアミノ酸、約10〜約15個のアミノ酸、約10〜約18個のアミノ酸、約10〜約20個のアミノ酸、約10〜約25個のアミノ酸、約10〜約30個のアミノ酸、約10〜約35個のアミノ酸、約10〜約40個のアミノ酸、約10〜約45個のアミノ酸、約10〜約50個のアミノ酸、約10〜約55個のアミノ酸、約10〜約60個のアミノ酸、約10〜約65個のアミノ酸、約10〜約70個のアミノ酸、約10〜約75個のアミノ酸、約12〜約15個のアミノ酸、約12〜約18個のアミノ酸、約12〜約20個のアミノ酸、約12〜約25個のアミノ酸、約12〜約30個のアミノ酸、約12〜約35個のアミノ酸、約12〜約40個のアミノ酸、約12〜約45個のアミノ酸、約12〜約50個のアミノ酸、約12〜約55個のアミノ酸、約12〜約60個のアミノ酸、約12〜約65個のアミノ酸、約12〜約70個のアミノ酸、約12〜約75個のアミノ酸、約15〜約18個のアミノ酸、約15〜約20個のアミノ酸、約15〜約25個のアミノ酸、約15〜約30個のアミノ酸、約15〜約35個のアミノ酸、約15〜約40個のアミノ酸、約15〜約45個のアミノ酸、約15〜約50個のアミノ酸、約15〜約55個のアミノ酸、約15〜約60個のアミノ酸、約15〜約65個のアミノ酸、約15〜約70個のアミノ酸、約15〜約75個のアミノ酸、約18〜約20個のアミノ酸、約18〜約25個のアミノ酸、約18〜約30個のアミノ酸、約18〜約35個のアミノ酸、約18〜約40個のアミノ酸、約18〜約45個のアミノ酸、約18〜約50個のアミノ酸、約18〜約55個のアミノ酸、約18〜約60個のアミノ酸、約18〜約65個のアミノ酸、約18〜約70個のアミノ酸、約18〜約75個のアミノ酸、約20〜約25個のアミノ酸、約20〜約30個のアミノ酸、約20〜約35個のアミノ酸、約20〜約40個のアミノ酸、約20〜約45個のアミノ酸、約20〜約50個のアミノ酸、約20〜約55個のアミノ酸、約20〜約60個のアミノ酸、約20〜約65個のアミノ酸、約20〜約70個のアミノ酸、約20〜約75個のアミノ酸、約25〜約30個のアミノ酸、約25〜約35個のアミノ酸、約25〜約40個のアミノ酸、約25〜約45個のアミノ酸、約25〜約50個のアミノ酸、約25〜約55個のアミノ酸、約25〜約60個のアミノ酸、約25〜約65個のアミノ酸、約25〜約70個のアミノ酸、約25〜約75個のアミノ酸、約30〜約35個のアミノ酸、約30〜約40個のアミノ酸、約30〜約45個のアミノ酸、約30〜約50個のアミノ酸、約30〜約55個のアミノ酸、約30〜約60個のアミノ酸、約30〜約65個のアミノ酸、約30〜約70個のアミノ酸、約30〜約75個のアミノ酸、約35〜約40個のアミノ酸、約35〜約45個のアミノ酸、約35〜約50個のアミノ酸、約35〜約55個のアミノ酸、約35〜約60個のアミノ酸、約35〜約65個のアミノ酸、約35〜約70個のアミノ酸、約35〜約75個のアミノ酸、約40〜約45個のアミノ酸、約40〜約50個のアミノ酸、約40〜約55個のアミノ酸、約40〜約60個のアミノ酸、約40〜約65個のアミノ酸、約40〜約70個のアミノ酸、約40〜約75個のアミノ酸、約45〜約50個のアミノ酸、約45〜約55個のアミノ酸、約45〜約60個のアミノ酸、約45〜約65個のアミノ酸、約45〜約70個のアミノ酸、約45〜約75個のアミノ酸、約50〜約55個のアミノ酸、約50〜約60個のアミノ酸、約50〜約65個のアミノ酸、約50〜約70個のアミノ酸、または約50〜約75個のアミノ酸の長さを有し得る。
別の実施形態では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、または配列番号12を含む。この実施形態の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、または配列番号12と、たとえば少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸同一性を有する。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、または配列番号12と、たとえば約75%〜約100%、約80%〜約100%、約85%〜約100%、約90%〜約100%、約95%〜約100%、約75%〜約99%、約80%〜約99%、約85%〜約99%、約90%〜約99%、約95%〜約99%、約75%〜約97%、約80%〜約97%、約85%〜約97%、約90%〜約97%、または約95%〜約97%の範囲のアミノ酸同一性を有する。
この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、または配列番号12のうちの連続したアミノ酸の部分配列からとられた、たとえば、少なくとも5個のアミノ酸、少なくとも6個のアミノ酸、少なくとも7個のアミノ酸、少なくとも8個のアミノ酸、少なくとも9個のアミノ酸、少なくとも10個のアミノ酸、少なくとも11個のアミノ酸、少なくとも12個のアミノ酸、少なくとも13個のアミノ酸、少なくとも14個のアミノ酸、少なくとも15個のアミノ酸、少なくとも16個のアミノ酸、少なくとも17個のアミノ酸、少なくとも18個のアミノ酸、少なくとも19個のアミノ酸、少なくとも20個のアミノ酸、少なくとも21個のアミノ酸、少なくとも22個のアミノ酸、少なくとも23個のアミノ酸、少なくとも24個のアミノ酸、少なくとも25個のアミノ酸、少なくとも26個のアミノ酸、少なくとも27個のアミノ酸、少なくとも28個のアミノ酸、少なくとも29個のアミノ酸、少なくとも30個のアミノ酸、少なくとも31個のアミノ酸、少なくとも32個のアミノ酸、少なくとも33個のアミノ酸、少なくとも34個のアミノ酸、少なくとも35個のアミノ酸、少なくとも36個のアミノ酸、少なくとも37個のアミノ酸、少なくとも38個のアミノ酸、少なくとも39個のアミノ酸、または少なくとも40個のアミノ酸の長さを有するアミノ酸配列を含む。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、または配列番号12のうちの連続したアミノ酸の部分配列からとられた、たとえば、最大5個のアミノ酸、最大6個のアミノ酸、最大7個のアミノ酸、最大8個のアミノ酸、最大9個のアミノ酸、最大10個のアミノ酸、最大11個のアミノ酸、最大12個のアミノ酸、最大13個のアミノ酸、最大14個のアミノ酸、最大15個のアミノ酸、最大16個のアミノ酸、最大17個のアミノ酸、最大18個のアミノ酸、最大19個のアミノ酸、最大20個のアミノ酸、最大21個のアミノ酸、最大22個のアミノ酸、最大23個のアミノ酸、最大24個のアミノ酸、最大25個のアミノ酸、最大26個のアミノ酸、最大27個のアミノ酸、最大28個のアミノ酸、最大29個のアミノ酸、最大30個のアミノ酸、最大31個のアミノ酸、最大32個のアミノ酸、最大33個のアミノ酸、最大34個のアミノ酸、最大35個のアミノ酸、最大36個のアミノ酸、最大37個のアミノ酸、最大38個のアミノ酸、最大39個のアミノ酸、または最大40個のアミノ酸の長さを有するアミノ酸配列を含む。
この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、たとえば、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、もしくは配列番号12と比較して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15個の連続したアミノ酸の欠失、付加、および/もしくは置換;または、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、もしくは配列番号12と比較して、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15個の連続したアミノ酸の欠失、付加、および/もしくは置換を有する。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、たとえば、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、もしくは配列番号12と比較して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15個の連続していないアミノ酸の欠失、付加、および/もしくは置換;または、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、もしくは配列番号12と比較して、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15個の連続していないアミノ酸の欠失、付加、および/もしくは置換を有する。
限定するものではないが、グローバルな方法、ローカルな方法、およびハイブリッドの方法、たとえばセグメントアプローチ法などを含む、様々な配列アライメント法のいずれかを使用して、パーセント同一性を決定することができる。パーセント同一性を決定するためのプロトコルは、当業者の範囲内にあり、本明細書中の教示由来の既定の手順である。
グローバルな方法は、分子の配列を最初から最後までアライメントし、個々の残基の対のスコアをまとめ、ギャップペナルティを課すことにより最良のアライメントを決定する。非限定的な方法として、たとえばCLUSTAL W(たとえばJulie D. Thompson et al., CLUSTAL W: Improving the Sensitivity of Progressive Multiple Sequence Alignment Through Sequence Weighting, Position−Specific Gap Penalties and Weight Matrix Choice, 22(22) Nucleic Acids Research 4673−4680 (1994)参照);およびiterative refinement(たとえばOsamu Gotoh, Significant Improvement in Accuracy of Multiple Protein Sequence Alignments by Iterative Refinement as Assessed by Reference to Structural Alignments, 264(4) J. Mol. Biol. 823−838 (1996)参照)が、挙げられる。
ローカルな方法は、入力した配列の全てが共有する1つまたは複数の保存されているモチーフを同定することにより配列をアライメントする。非限定的な方法として、たとえばMatch−box(たとえばEric Depiereux and Ernest Feytmans, Match−Box: A Fundamentally New Algorithm for the Simultaneous Alignment of Several Protein Sequences, 8(5) CABIOS 501−509 (1992)参照);ギブスサンプリング(たとえばC. E. Lawrence et al., Detecting Subtle Sequence Signals: A Gibbs Sampling Strategy for Multiple Alignment, 262(5131) Science 208−214 (1993)参照);Align−M(たとえばIvo Van Walle et al., Align−M − A New Algorithm for Multiple Alignment of Highly Divergent Sequences, 20(9) Bioinformatics,:1428−1435 (2004)参照)が、挙げられる。
ハイブリッドな方法は、グローバルアライメント法およびローカルアライメント法の機能的な側面を組み合わせている。非限定的な例として、たとえばセグメント―セグメント比較(たとえばBurkhard Morgenstern et al., Multiple DNA and Protein Sequence Alignment Based 0n Segment−To−Segment Comparison, 93(22) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 12098−12103 (1996)参照);T−Coffee(たとえばCedric Notredame et al., T−Coffee: A Novel Algorithm for Multiple Sequence Alignment, 302(1) J. Mol. Biol. 205−217 (2000)参照);MUSCLE(たとえばRobert C. Edgar, MUSCLE: Multiple Sequence Alignment With High Score Accuracy and High Throughput, 32(5) Nucleic Acids Res. 1792−1797 (2004)参照);およびDIALIGN−T(たとえばAmarendran R Subramanian et al., DIALIGN−T:An Improved Algorithm for Segment−Based Multiple Sequence Alignment, 6(1) BMC Bioinformatics 66(2005)参照)が、挙げられる。
本明細書は、1つのアミノ酸が別のものと置換されている様々なポリペプチド変異体、たとえば本明細書中開示のトリパノソーマ抗原などを記載する。置換は、たとえば置換されるアミノ酸の物理的な(physic)な特性(表1)、または元のアミノ酸がどのように置換を許容するか(表2)などの様々な要因により評価することができる。ポリペプチドにおいてどのアミノ酸を別のアミノ酸と置換できるかを選択することは、当業者に知られている。
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この実施形態の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原における1つの特定の位置にある親水性(hydrophic)アミノ酸は、別の親水性アミノ酸と置換することができる。親水性アミノ酸の例として、たとえばC、F、I、L、M、V、およびWが挙げられる。この実施形態の別の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原における1つの特定の位置にある脂肪族アミノ酸は、別の脂肪族アミノ酸と置換することができる。脂肪族アミノ酸の例として、たとえばA、I、L、P、およびVが挙げられる。この実施形態のさらなる別の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原における1つの特定の位置にある芳香族アミノ酸は、別の芳香族アミノ酸と置換することができる。芳香族アミノ酸の例として、たとえばF、H、W、およびYが挙げられる。この実施形態のさらなる別の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原における1つの特定の位置にあるスタッキングしたアミノ酸は、別のスタッキングしたアミノ酸と置換することができる。スタッキングしたアミノ酸の例として、たとえばF、H、W、およびYが挙げられる。この実施形態のさらなる態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原における1つの特定の位置にある極性アミノ酸は、別の極性アミノ酸と置換することができる。極性アミノ酸の例として、たとえばD、E、K、N、Q、およびRが挙げられる。この実施形態のさらなる態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原における1つの特定の位置にある極性の少ないまたは中性のアミノ酸は、別の極性の少ないまたは中性のアミノ酸と置換することができる。極性の少ないまたは中性のアミノ酸の例として、たとえばA、H、G、P、S、T、およびYが挙げられる。この実施形態のさらなる態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原における1つの特定の位置にある正に荷電したアミノ酸は、別の正に荷電したアミノ酸と置換することができる。正に荷電したアミノ酸の例として、たとえばK、R、およびHが挙げられる。この実施形態のさらなる態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原における1つの特定の位置にある負に荷電したアミノ酸は、別の負に荷電したアミノ酸と置換することができる。負に荷電したアミノ酸の例として、たとえばDおよびEが挙げられる。この実施形態の別の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原における1つの特定の位置にある小分子のアミノ酸は、別の小分子のアミノ酸と置換することができる。小分子のアミノ酸の例として、たとえばA、D、G、N、P、S、およびTが挙げられる。この実施形態のさらなる別の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原における1つの特定の位置にあるC−β分岐型アミノ酸は、別のC−β分岐型アミノ酸と置換することができる。C−β分岐型アミノ酸の例として、たとえばI、T、およびVが挙げられる。
担体と結合しない場合に免疫原性、非免疫原性、または弱い免疫原性であるトリパノソーマ抗原の免疫原性を強化するために、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原に、1つまたは複数の担体を結合させてもよい。非限定的な例として、たとえばキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、卵白アルブミン(OVA)、サイログロブリン(THY)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ダイズトリプシンインヒビター(STI)、多重結合タンパク質((multiple attachment peptide:MAP)が挙げられる。非抗原性または弱い抗原性の抗原は、担体に抗原を結合させることにより抗原性を課すことができる。担体に抗原を結合させるための様々な他の担体および方法が、たとえばHarlow and Lane, supra, 1998a; Harlow and Lane, supra, 1998b;およびDavid W. Waggoner, Jr. et al., Immunogenicity−enhancing carriers and compositions thereof and methods of using the sameの米国特許公開公報第20040057958号に記載されており、これら文献全体は、それぞれが参照として援用されている。本明細書中開示のトリパノソーマ抗原はまた、融合タンパク質として抗原を発現させることにより作製してもよい。ポリペプチドの融合物を発現させるための方法は、たとえばAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology (Supplement 47), John Wiley & Sons, New York (1999)に記載されており、文献全体は、それぞれが参照として援用されている。
本開示の態様は、部分的に、免疫原性組成物を含む。本明細書中開示の免疫原性組成物は、本明細書中開示の1つまたは複数のトリパノソーマ抗原と、任意に1つまたは複数のアジュバントとを含む。本明細書中開示の1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む免疫原性組成物は、個体に投与する際に、1つまたは複数のトリパノソーマ菌株に対する免疫応答を刺激し、これによりα―トリパノソーマ抗体が産生される。免疫応答は、本明細書中開示の免疫原性組成物に対する、個体の免疫系によるいずれかの応答である。例示的な免疫応答として、限定するものではないが、たとえば、C8+CTLの抗原特異的な誘導を含むCTL応答、T細胞の増殖応答およびサイトカインの放出を含むヘルパーT細胞応答、ならびにたとえば抗体産生応答を含むB細胞応答などの、細胞性免疫、ならびに局所性および全身性の液性免疫が挙げられる。この実施形態の一態様では、免疫原性組成物はワクチンである。この実施形態の別の態様では、本明細書中開示の1つのトリパノソーマ抗原を含む免疫原性組成物は、個体に投与する際に、1つのトリパノソーマ菌株に対する免疫応答を刺激し、これによりα―トリパノソーマ抗体が産生される。この実施形態の別の態様では、本明細書中開示の1つのトリパノソーマ抗原を含む免疫原性組成物は、個体に投与する際に、2つ以上のトリパノソーマ菌株に対する免疫応答を刺激し、これにより、各菌株に対するα―トリパノソーマ抗体が産生される。この実施形態の別の態様では、本明細書中開示の1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む免疫原性組成物は、個体に投与する際に、1つのトリパノソーマ菌株に対する免疫応答を刺激し、これにより、α―トリパノソーマ抗体が産生される。この実施形態の別の態様では、本明細書中開示の1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む免疫原性組成物は、個体に投与する際に、2つ以上のトリパノソーマ菌株に対する免疫応答を刺激し、これにより、各菌株に対するα―トリパノソーマ抗体が産生される。
この実施形態の一態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、配列番号6(CH47)、配列番号9(CH77)、配列番号5(CH37)、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む。この実施形態の好ましい態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、配列番号5(CH37)、および配列番号9(CH77)を含む1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む。別の好ましい実施形態では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、配列番号5(CH37)、配列番号6(CH47)、および配列番号9(CH77)を含む1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む。最も好ましい実施形態では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、配列番号6(CH47)を含む1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む。
この実施形態の一態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、配列番号2(CH30)、配列番号5(CH37)、配列番号6(CH47)、配列番号7(CH69)、配列番号8(CH72)、配列番号9(CH77)、配列番号11(CH84)、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む。この実施形態のこの態様のうち好ましい態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、配列番号2(CH30)、配列番号6(CH47)、配列番号7(CH69)、配列番号8(CH72)、配列番号9(CH77)、および配列番号11(CH84)を含む1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む。この実施形態のこの態様のうち好ましい態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、配列番号2(CH30)、配列番号5(CH37)、配列番号6(CH47)、配列番号7(CH69)、配列番号8(CH72)、配列番号9(CH77)、および配列番号11(CH84)を含む1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む。この実施形態の好ましい態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、配列番号2(CH30)、配列番号5(CH37)、配列番号6(CH47)、配列番号7(CH69)、配列番号8(CH72)、配列番号9(CH77)、および配列番号11(CH84)を含む1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む。
この実施形態の別の態様では、免疫原性組成物は、トリパノソーマ系疾患の治療のための薬物である。この実施形態の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原は、トリパノソーマ系疾患の治療のための薬物の製造に使用される。この実施形態の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の使用は、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を低減することによりトリパノソーマ系疾患を治療するために十分な量で行われる。この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の使用は、トリパノソーマ系の感染症または病態に対して個体に免疫化またはワクチン接種を行うために十分な量で行われる。
一実施形態では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、単一の、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原を含む。一実施形態では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、複数の、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原を含む。この実施形態の態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個の、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原を含む。この実施形態の他の態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、たとえば少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、または少なくとも15個の、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原を含む。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、たとえば、最大1、最大2、最大3、最大4、最大5、最大6、最大7、最大8、最大9、最大10、最大11、最大12、最大13、最大14、または最大15個の、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原を含む。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、たとえば、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜13、1〜14、1〜15、2〜3、2〜4、2〜5、2〜6、2〜7、2〜8、2〜9、2〜10、2〜11、2〜12、2〜13、2〜14、2〜15、3〜4、3〜5、3〜6、3〜7、3〜8、3〜9、3〜10、3〜11、3〜12、3〜13、3〜14、3〜15、4〜5、4〜6、4〜7、4〜8、4〜9、4〜10、4〜11、4〜12、4〜13、4〜14、4〜15、5〜6、5〜7、5〜8、5〜9、5〜10、5〜11、5〜12、5〜13、5〜14、5〜15、6〜7、6〜8、6〜9、6〜10、6〜11、6〜12、6〜13、6〜14、6〜15、7〜8、7〜9、7〜10、7〜11、7〜12、7〜13、7〜14、7〜15、8〜9、8〜10、8〜11、8〜12、8〜13、8〜14、8〜15、9〜10、9〜11、9〜12、9〜13、9〜14、9〜15、10〜11、10〜12、10〜13、10〜14、10〜15、11〜12、11〜13、11〜14、11〜15、12〜13、12〜14、12〜15、13〜14、13〜15、または14〜15個の、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原を含む。
免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、個体において適切な免疫応答を誘発するために十分な量である。概してこの量は、有意で有害な副作用を引き起こさない量でもある。このような量は、特定のトリパノソーマ抗原または複数の抗原のどれが使用されるかに応じて変動する。特定の免疫原性組成物に最適な量は、抗体の力価および個体における他の応答の観察を含む標準的な試験により解明することができる。基本的な免疫原性組成物の治療過程は、免疫保護性の応答を提供するために最適な間隔で提供される、免疫原性組成物の1回、2回、または3回の用量を含んでもよい。
一般的に、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の有効かつ安全な量は、約1μg〜1,000mgで変動する。この実施形態の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約15μg、約20μg、約25μg、約30μg、約35μg、約40μg、約45μg、約50μg、約55μg、約60μg、約65μg、約70μg、約75μg、約80μg、約85μg、約90μg、約95μg、約100μg、約110μg、約120μg、約130μg、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg、約250μg、260μg、約270μg、約280μg、約290μg、約300μg、約310μg、約320μg、約330μg、約340μg、約350μg、360μg、約370μg、約380μg、約390μg、約400μg、約410μg、約420μg、約430μg、約440μg、約450μg、460μg、約470μg、約480μg、約490μg、約500μg、約510μg、約520μg、約530μg、約540μg、約550μg、560μg、約570μg、約580μg、約590μg、約600μg、約610μg、約620μg、約630μg、約640μg、約650μg、660μg、約670μg、約680μg、約690μg、約700μg、約710μg、約720μg、約730μg、約740μg、約750μg、760μg、約770μg、約780μg、約790μg、約800μg、約810μg、約820μg、約830μg、約840μg、約850μg、860μg、約870μg、約880μg、約890μg、約900μg、約910μg、約920μg、約930μg、約940μg、約950μg、960μg、約970μg、約980μg、約990μg、または約1,000μgであってもよい。
この実施形態の他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば、少なくとも1μg、少なくとも2μg、少なくとも3μg、少なくとも4μg、少なくとも5μg、少なくとも6μg、少なくとも7μg、少なくとも8μg、少なくとも9μg、少なくとも10μg、少なくとも15μg、少なくとも20μg、少なくとも25μg、少なくとも30μg、少なくとも35μg、少なくとも40μg、少なくとも45μg、少なくとも50μg、少なくとも55μg、少なくとも60μg、少なくとも65μg、少なくとも70μg、少なくとも75μg、少なくとも80μg、少なくとも85μg、少なくとも90μg、少なくとも95μg、少なくとも100μg、少なくとも110μg、少なくとも120μg、少なくとも130μg、少なくとも140μg、少なくとも150μg、少なくとも160μg、少なくとも170μg、少なくとも180μg、少なくとも190μg、少なくとも200μg、少なくとも210μg、少なくとも220μg、少なくとも230μg、少なくとも240μg、少なくとも250μg、260μg、少なくとも270μg、少なくとも280μg、少なくとも290μg、少なくとも300μg、少なくとも310μg、少なくとも320μg、少なくとも330μg、少なくとも340μg、少なくとも350μg、360μg、少なくとも370μg、少なくとも380μg、少なくとも390μg、少なくとも400μg、少なくとも410μg、少なくとも420μg、少なくとも430μg、少なくとも440μg、少なくとも450μg、460μg、少なくとも470μg、少なくとも480μg、少なくとも490μg、少なくとも500μg、少なくとも510μg、少なくとも520μg、少なくとも530μg、少なくとも540μg、少なくとも550μg、560μg、少なくとも570μg、少なくとも580μg、少なくとも590μg、少なくとも600μg、少なくとも610μg、少なくとも620μg、少なくとも630μg、少なくとも640μg、少なくとも650μg、660μg、少なくとも670μg、少なくとも680μg、少なくとも690μg、少なくとも700μg、少なくとも710μg、少なくとも720μg、少なくとも730μg、少なくとも740μg、少なくとも750μg、760μg、少なくとも770μg、少なくとも780μg、少なくとも790μg、少なくとも800μg、少なくとも810μg、少なくとも820μg、少なくとも830μg、少なくとも840μg、少なくとも850μg、860μg、少なくとも870μg、少なくとも880μg、少なくとも890μg、少なくとも900μg、少なくとも910μg、少なくとも920μg、少なくとも930μg、少なくとも940μg、少なくとも950μg、960μg、少なくとも970μg、少なくとも980μg、少なくとも990μg、または少なくとも1,000μgであってもよい。
この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば、最大1μg、最大2μg、最大3μg、最大4μg、最大5μg、最大6μg、最大7μg、最大8μg、最大9μg、最大10μg、最大15μg、最大20μg、最大25μg、最大30μg、最大35μg、最大40μg、最大45μg、最大50μg、最大55μg、最大60μg、最大65μg、最大70μg、最大75μg、最大80μg、最大85μg、最大90μg、最大95μg、最大100μg、最大110μg、最大120μg、最大130μg、最大140μg、最大150μg、最大160μg、最大170μg、最大180μg、最大190μg、最大200μg、最大210μg、最大220μg、最大230μg、最大240μg、最大250μg、260μg、最大270μg、最大280μg、最大290μg、最大300μg、最大310μg、最大320μg、最大330μg、最大340μg、最大350μg、360μg、最大370μg、最大380μg、最大390μg、最大400μg、最大410μg、最大420μg、最大430μg、最大440μg、最大450μg、460μg、最大470μg、最大480μg、最大490μg、最大500μg、最大510μg、最大520μg、最大530μg、最大540μg、最大550μg、560μg、最大570μg、最大580μg、最大590μg、最大600μg、最大610μg、最大620μg、最大630μg、最大640μg、最大650μg、660μg、最大670μg、最大680μg、最大690μg、最大700μg、最大710μg、最大720μg、最大730μg、最大740μg、最大750μg、760μg、最大770μg、最大780μg、最大790μg、最大800μg、最大810μg、最大820μg、最大830μg、最大840μg、最大850μg、860μg、最大870μg、最大880μg、最大890μg、最大900μg、最大910μg、最大920μg、最大930μg、最大940μg、最大950μg、960μg、最大970μg、最大980μg、最大990μg、または最大1000μgであってもよい。
この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば約1μg〜約10μg、約1μg〜約20μg、約1μg〜約30μg、約1μg〜約40μg、約1μg〜約50μg、約1μg〜約60μg、約1μg〜約70μg、約1μg〜約80μg、約1μg〜約90μg、約1μg〜約100μg、約1μg〜約110μg、約1μg〜約120μg、約1μg〜約130μg、約1μg〜約140μg、約1μg〜約150μg、約5μg〜約10μg、約5μg〜約20μg、約5μg〜約30μg、約5μg〜約40μg、約5μg〜約50μg、約5μg〜約60μg、約5μg〜約70μg、約5μg〜約80μg、約5μg〜約90μg、約5μg〜約100μg、約5μg〜約110μg、約5μg〜約120μg、約5μg〜約130μg、約5μg〜約140μg、約5μg〜約150μg、約10μg〜約20μg、約10μg〜約30μg、約10μg〜約40μg、約10μg〜約50μg、約10μg〜約60μg、約10μg〜約70μg、約10μg〜約80μg、約10μg〜約90μg、約10μg〜約100μg、約10μg〜約110μg、約10μg〜約120μg、約10μg〜約130μg、約10μg〜約140μg、約10μg〜約150μg、約10μg〜約175μg、約10μg〜約200μg、約10μg〜約225μg、約10μg〜約250μg、約25μg〜約50μg、約25μg〜約75μg、約25μg〜約100μg、約25μg〜約125μg、約25μg〜約150μg、約25μg〜約175μg、約25μg〜約200μg、約25μg〜約225μg、約25μg〜約250μg、約50μg〜約75μg、約50μg〜約100μg、約50μg〜約125μg、約50μg〜約150μg、約50μg〜約175μg、約50μg〜約200μg、約50μg〜約225μg、約50μg〜約250μg、約75μg〜約100μg、約75μg〜約125μg、約75μg〜約150μg、約75μg〜約175μg、約75μg〜約200μg、約75μg〜約225μg、または約75μg〜約250μgの範囲であってもよい。
この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば、約100μg〜約125μg、約100μg〜約150μg、約100μg〜約175μg、約100μg〜約200μg、約100μg〜約225μg、約100μg〜約250μg、約100μg〜約275μg、約100μg〜約300μg、約100μg〜約325μg、約100μg〜約350μg、約100μg〜約375μg、約100μg〜約400μg、約100μg〜約425μg、約100μg〜約450μg、約100μg〜約475μg、約100μg〜約500μg、約100μg〜約525μg、約100μg〜約550μg、約100μg〜約575μg、約100μg〜約600μg、約125μg〜約150μg、約125μg〜約175μg、約125μg〜約200μg、約125μg〜約225μg、約125μg〜約250μg、約125μg〜約275μg、約125μg〜約300μg、約125μg〜約325μg、約125μg〜約350μg、約125μg〜約375μg、約125μg〜約400μg、約125μg〜約425μg、約125μg〜約450μg、約125μg〜約475μg、約125μg〜約500μg、約125μg〜約525μg、約125μg〜約550μg、約125μg〜約575μg、約125μg〜約600μg、約150μg〜約175μg、約150μg〜約200μg、約150μg〜約225μg、約150μg〜約250μg、約150μg〜約275μg、約150μg〜約300μg、約150μg〜約325μg、約150μg〜約350μg、約150μg〜約375μg、約150μg〜約400μg、約150μg〜約425μg、約150μg〜約450μg、約150μg〜約475μg、約150μg〜約500μg、約150μg〜約525μg、約150μg〜約550μg、約150μg〜約575μg、約150μg〜約600μg、約200μg〜約225μg、約200μg〜約250μg、約200μg〜約275μg、約200μg〜約300μg、約200μg〜約325μg、約200μg〜約350μg、約200μg〜約375μg、約200μg〜約400μg、約200μg〜約425μg、約200μg〜約450μg、約200μg〜約475μg、約200μg〜約500μg、約200μg〜約525μg、約200μg〜約550μg、約200μg〜約575μg、約200μg〜約600μg、約200μg〜約625μg、約200μg〜約650μg、約200μg〜約675μg、約200μg〜約700μg、約200μg〜約725μg、約200μg〜約750μg、約200μg〜約775μg、約200μg〜約800μg、約200μg〜約825μg、約200μg〜約850μg、約200μg〜約875μg、約200μg〜約900μg、約200μg〜約925μg、約200μg〜約950μg、約200μg〜約975μg、または約200μg〜約1,000μgの範囲であってもよい。
この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば、約250μg〜約275μg、約250μg〜約300μg、約250μg〜約325μg、約250μg〜約350μg、約250μg〜約375μg、約250μg〜約400μg、約250μg〜約425μg、約250μg〜約450μg、約250μg〜約475μg、約250μg〜約500μg、約250μg〜約525μg、約250μg〜約550μg、約250μg〜約575μg、約250μg〜約600μg、約250μg〜約625μg、約250μg〜約650μg、約250μg〜約675μg、約250μg〜約700μg、約250μg〜約725μg、約250μg〜約750μg、約250μg〜約775μg、約250μg〜約800μg、約250μg〜約825μg、約250μg〜約850μg、約250μg〜約875μg、約250μg〜約900μg、約250μg〜約925μg、約250μg〜約950μg、約250μg〜約975μg、約250μg〜約1,000μg、約300μg〜約325μg、約300μg〜約350μg、約300μg〜約375μg、約300μg〜約400μg、約300μg〜約425μg、約300μg〜約450μg、約300μg〜約475μg、約300μg〜約500μg、約300μg〜約525μg、約300μg〜約550μg、約300μg〜約575μg、約300μg〜約600μg、約300μg〜約625μg、約300μg〜約650μg、約300μg〜約675μg、約300μg〜約700μg、約300μg〜約725μg、約300μg〜約750μg、約300μg〜約775μg、約300μg〜約800μg、約300μg〜約825μg、約300μg〜約850μg、約300μg〜約875μg、約300μg〜約900μg、約300μg〜約925μg、約300μg〜約950μg、約300μg〜約975μg、約300μg〜約1,000μg、約400μg〜約425μg、約400μg〜約450μg、約400μg〜約475μg、約400μg〜約500μg、約400μg〜約525μg、約400μg〜約550μg、約400μg〜約575μg、約400μg〜約600μg、約400μg〜約625μg、約400μg〜約650μg、約400μg〜約675μg、約400μg〜約700μg、約400μg〜約725μg、約400μg〜約750μg、約400μg〜約775μg、約400μg〜約800μg、約400μg〜約825μg、約400μg〜約850μg、約400μg〜約875μg、約400μg〜約900μg、約400μg〜約925μg、約400μg〜約950μg、約400μg〜約975μg、または約400μg〜約1,000μgの範囲であってもよい。
この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば、約500μg〜約525μg、約500μg〜約550μg、約500μg〜約575μg、約500μg〜約600μg、約500μg〜約625μg、約500μg〜約650μg、約500μg〜約675μg、約500μg〜約700μg、約500μg〜約725μg、約500μg〜約750μg、約500μg〜約775μg、約500μg〜約800μg、約500μg〜約825μg、約500μg〜約850μg、約500μg〜約875μg、約500μg〜約900μg、約500μg〜約925μg、約500μg〜約950μg、約500μg〜約975μg、約500μg〜約1,000μg、約600μg〜約625μg、約600μg〜約650μg、約600μg〜約675μg、約600μg〜約700μg、約600μg〜約725μg、約600μg〜約750μg、約600μg〜約775μg、約600μg〜約800μg、約600μg〜約825μg、約600μg〜約850μg、約600μg〜約875μg、約600μg〜約900μg、約600μg〜約925μg、約600μg〜約950μg、約600μg〜約975μg、約600μg〜約1,000μg、約700μg〜約725μg、約700μg〜約750μg、約700μg〜約775μg、約700μg〜約800μg、約700μg〜約825μg、約700μg〜約850μg、約700μg〜約875μg、約700μg〜約900μg、約700μg〜約925μg、約700μg〜約950μg、約700μg〜約975μg、約700μg〜約1,000μg、約800μg〜約825μg、約800μg〜約850μg、約800μg〜約875μg、約800μg〜約900μg、約800μg〜約925μg、約800μg〜約950μg、約800μg〜約975μg、または約800μg〜約1,000μgの範囲であってもよい。
この実施形態の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、560mg、約570mg、約580mg、約590mg、約600mg、約610mg、約620mg、約630mg、約640mg、約650mg、660mg、約670mg、約680mg、約690mg、約700mg、約710mg、約720mg、約730mg、約740mg、約750mg、760mg、約770mg、約780mg、約790mg、約800mg、約810mg、約820mg、約830mg、約840mg、約850mg、860mg、約870mg、約880mg、約890mg、約900mg、約910mg、約920mg、約930mg、約940mg、約950mg、960mg、約970mg、約980mg、約990mg、または約1,000mgであってもよい。
この実施形態の他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも6mg、少なくとも7mg、少なくとも8mg、少なくとも9mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも110mg、少なくとも120mg、少なくとも130mg、少なくとも140mg、少なくとも150mg、少なくとも160mg、少なくとも170mg、少なくとも180mg、少なくとも190mg、少なくとも200mg、少なくとも210mg、少なくとも220mg、少なくとも230mg、少なくとも240mg、少なくとも250mg、260mg、少なくとも270mg、少なくとも280mg、少なくとも290mg、少なくとも300mg、少なくとも310mg、少なくとも320mg、少なくとも330mg、少なくとも340mg、少なくとも350mg、360mg、少なくとも370mg、少なくとも380mg、少なくとも390mg、少なくとも400mg、少なくとも410mg、少なくとも420mg、少なくとも430mg、少なくとも440mg、少なくとも450mg、460mg、少なくとも470mg、少なくとも480mg、少なくとも490mg、少なくとも500mg、少なくとも510mg、少なくとも520mg、少なくとも530mg、少なくとも540mg、少なくとも550mg、560mg、少なくとも570mg、少なくとも580mg、少なくとも590mg、少なくとも600mg、少なくとも610mg、少なくとも620mg、少なくとも630mg、少なくとも640mg、少なくとも650mg、660mg、少なくとも670mg、少なくとも680mg、少なくとも690mg、少なくとも700mg、少なくとも710mg、少なくとも720mg、少なくとも730mg、少なくとも740mg、少なくとも750mg、760mg、少なくとも770mg、少なくとも780mg、少なくとも790mg、少なくとも800mg、少なくとも810mg、少なくとも820mg、少なくとも830mg、少なくとも840mg、少なくとも850mg、860mg、少なくとも870mg、少なくとも880mg、少なくとも890mg、少なくとも900mg、少なくとも910mg、少なくとも920mg、少なくとも930mg、少なくとも940mg、少なくとも950mg、960mg、少なくとも970mg、少なくとも980mg、少なくとも990mg、または少なくとも1,000mgであってもよい。
この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば、最大1mg、最大2mg、最大3mg、最大4mg、最大5mg、最大6mg、最大7mg、最大8mg、最大9mg、最大10mg、最大15mg、最大20mg、最大25mg、最大30mg、最大35mg、最大40mg、最大45mg、最大50mg、最大55mg、最大60mg、最大65mg、最大70mg、最大75mg、最大80mg、最大85mg、最大90mg、最大95mg、最大100mg、最大110mg、最大120mg、最大130mg、最大140mg、最大150mg、最大160mg、最大170mg、最大180mg、最大190mg、最大200mg、最大210mg、最大220mg、最大230mg、最大240mg、最大250mg、260mg、最大270mg、最大280mg、最大290mg、最大300mg、最大310mg、最大320mg、最大330mg、最大340mg、最大350mg、360mg、最大370mg、最大380mg、最大390mg、最大400mg、最大410mg、最大420mg、最大430mg、最大440mg、最大450mg、460mg、最大470mg、最大480mg、最大490mg、最大500mg、最大510mg、最大520mg、最大530mg、最大540mg、最大550mg、560mg、最大570mg、最大580mg、最大590mg、最大600mg、最大610mg、最大620mg、最大630mg、最大640mg、最大650mg、660mg、最大670mg、最大680mg、最大690mg、最大700mg、最大710mg、最大720mg、最大730mg、最大740mg、最大750mg、760mg、最大770mg、最大780mg、最大790mg、最大800mg、最大810mg、最大820mg、最大830mg、最大840mg、最大850mg、860mg、最大870mg、最大880mg、最大890mg、最大900mg、最大910mg、最大920mg、最大930mg、最大940mg、最大950mg、960mg、最大970mg、最大980mg、最大990mg、または最大1000mgであってもよい。
この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば、約1mg〜約10mg、約1mg〜約20mg、約1mg〜約30mg、約1mg〜約40mg、約1mg〜約50mg、約1mg〜約60mg、約1mg〜約70mg、約1mg〜約80mg、約1mg〜約90mg、約1mg〜約100mg、約1mg〜約110mg、約1mg〜約120mg、約1mg〜約130mg、約1mg〜約140mg、約1mg〜約150mg、約5mg〜約10mg、約5mg〜約20mg、約5mg〜約30mg、約5mg〜約40mg、約5mg〜約50mg、約5mg〜約60mg、約5mg〜約70mg、約5mg〜約80mg、約5mg〜約90mg、約5mg〜約100mg、約5mg〜約110mg、約5mg〜約120mg、約5mg〜約130mg、約5mg〜約140mg、約5mg〜約150mg、約10mg〜約20mg、約10mg〜約30mg、約10mg〜約40mg、約10mg〜約50mg、約10mg〜約60mg、約10mg〜約70mg、約10mg〜約80mg、約10mg〜約90mg、約10mg〜約100mg、約10mg〜約110mg、約10mg〜約120mg、約10mg〜約130mg、約10mg〜約140mg、約10mg〜約150mg、約10mg〜約175mg、約10mg〜約200mg、約10mg〜約225mg、約10mg〜約250mg、約25mg〜約50mg、約25mg〜約75mg、約25mg〜約100mg、約25mg〜約125mg、約25mg〜約150mg、約25mg〜約175mg、約25mg〜約200mg、約25mg〜約225mg、約25mg〜約250mg、約50mg〜約75mg、約50mg〜約100mg、約50mg〜約125mg、約50mg〜約150mg、約50mg〜約175mg、約50mg〜約200mg、約50mg〜約225mg、約50mg〜約250mg、約75mg〜約100mg、約75mg〜約125mg、約75mg〜約150mg、約75mg〜約175mg、約75mg〜約200mg、約75mg〜約225mg、または約75mg〜約250mgの範囲であってもよい。
この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば、約100mg〜約125mg、約100mg〜約150mg、約100mg〜約175mg、約100mg〜約200mg、約100mg〜約225mg、約100mg〜約250mg、約100mg〜約275mg、約100mg〜約300mg、約100mg〜約325mg、約100mg〜約350mg、約100mg〜約375mg、約100mg〜約400mg、約100mg〜約425mg、約100mg〜約450mg、約100mg〜約475mg、約100mg〜約500mg、約100mg〜約525mg、約100mg〜約550mg、約100mg〜約575mg、約100mg〜約600mg、約125mg〜約150mg、約125mg〜約175mg、約125mg〜約200mg、約125mg〜約225mg、約125mg〜約250mg、約125mg〜約275mg、約125mg〜約300mg、約125mg〜約325mg、約125mg〜約350mg、約125mg〜約375mg、約125mg〜約400mg、約125mg〜約425mg、約125mg〜約450mg、約125mg〜約475mg、約125mg〜約500mg、約125mg〜約525mg、約125mg〜約550mg、約125mg〜約575mg、約125mg〜約600mg、約150mg〜約175mg、約150mg〜約200mg、約150mg〜約225mg、約150mg〜約250mg、約150mg〜約275mg、約150mg〜約300mg、約150mg〜約325mg、約150mg〜約350mg、約150mg〜約375mg、約150mg〜約400mg、約150mg〜約425mg、約150mg〜約450mg、約150mg〜約475mg、約150mg〜約500mg、約150mg〜約525mg、約150mg〜約550mg、約150mg〜約575mg、約150mg〜約600mg、約200mg〜約225mg、約200mg〜約250mg、約200mg〜約275mg、約200mg〜約300mg、約200mg〜約325mg、約200mg〜約350mg、約200mg〜約375mg、約200mg〜約400mg、約200mg〜約425mg、約200mg〜約450mg、約200mg〜約475mg、約200mg〜約500mg、約200mg〜約525mg、約200mg〜約550mg、約200mg〜約575mg、約200mg〜約600mg、約200mg〜約625mg、約200mg〜約650mg、約200mg〜約675mg、約200mg〜約700mg、約200mg〜約725mg、約200mg〜約750mg、約200mg〜約775mg、約200mg〜約800mg、約200mg〜約825mg、約200mg〜約850mg、約200mg〜約875mg、約200mg〜約900mg、約200mg〜約925mg、約200mg〜約950mg、約200mg〜約975mg、または約200mg〜約1,000mgの範囲であってもよい。
この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば約250mg〜約275mg、約250mg〜約300mg、約250mg〜約325mg、約250mg〜約350mg、約250mg〜約375mg、約250mg〜約400mg、約250mg〜約425mg、約250mg〜約450mg、約250mg〜約475mg、約250mg〜約500mg、約250mg〜約525mg、約250mg〜約550mg、約250mg〜約575mg、約250mg〜約600mg、約250mg〜約625mg、約250mg〜約650mg、約250mg〜約675mg、約250mg〜約700mg、約250mg〜約725mg、約250mg〜約750mg、約250mg〜約775mg、約250mg〜約800mg、約250mg〜約825mg、約250mg〜約850mg、約250mg〜約875mg、約250mg〜約900mg、約250mg〜約925mg、約250mg〜約950mg、約250mg〜約975mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約325mg、約300mg〜約350mg、約300mg〜約375mg、約300mg〜約400mg、約300mg〜約425mg、約300mg〜約450mg、約300mg〜約475mg、約300mg〜約500mg、約300mg〜約525mg、約300mg〜約550mg、約300mg〜約575mg、約300mg〜約600mg、約300mg〜約625mg、約300mg〜約650mg、約300mg〜約675mg、約300mg〜約700mg、約300mg〜約725mg、約300mg〜約750mg、約300mg〜約775mg、約300mg〜約800mg、約300mg〜約825mg、約300mg〜約850mg、約300mg〜約875mg、約300mg〜約900mg、約300mg〜約925mg、約300mg〜約950mg、約300mg〜約975mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約425mg、約400mg〜約450mg、約400mg〜約475mg、約400mg〜約500mg、約400mg〜約525mg、約400mg〜約550mg、約400mg〜約575mg、約400mg〜約600mg、約400mg〜約625mg、約400mg〜約650mg、約400mg〜約675mg、約400mg〜約700mg、約400mg〜約725mg、約400mg〜約750mg、約400mg〜約775mg、約400mg〜約800mg、約400mg〜約825mg、約400mg〜約850mg、約400mg〜約875mg、約400mg〜約900mg、約400mg〜約925mg、約400mg〜約950mg、約400mg〜約975mg、または約400mg〜約1,000mgの範囲であってもよい。
この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の量は、たとえば約500mg〜約525mg、約500mg〜約550mg、約500mg〜約575mg、約500mg〜約600mg、約500mg〜約625mg、約500mg〜約650mg、約500mg〜約675mg、約500mg〜約700mg、約500mg〜約725mg、約500mg〜約750mg、約500mg〜約775mg、約500mg〜約800mg、約500mg〜約825mg、約500mg〜約850mg、約500mg〜約875mg、約500mg〜約900mg、約500mg〜約925mg、約500mg〜約950mg、約500mg〜約975mg、約500mg〜約1,000mg、約600mg〜約625mg、約600mg〜約650mg、約600mg〜約675mg、約600mg〜約700mg、約600mg〜約725mg、約600mg〜約750mg、約600mg〜約775mg、約600mg〜約800mg、約600mg〜約825mg、約600mg〜約850mg、約600mg〜約875mg、約600mg〜約900mg、約600mg〜約925mg、約600mg〜約950mg、約600mg〜約975mg、約600mg〜約1,000mg、約700mg〜約725mg、約700mg〜約750mg、約700mg〜約775mg、約700mg〜約800mg、約700mg〜約825mg、約700mg〜約850mg、約700mg〜約875mg、約700mg〜約900mg、約700mg〜約925mg、約700mg〜約950mg、約700mg〜約975mg、約700mg〜約1,000mg、約800mg〜約825mg、約800mg〜約850mg、約800mg〜約875mg、約800mg〜約900mg、約800mg〜約925mg、約800mg〜約950mg、約800mg〜約975mg、または約800mg〜約1,000mgの範囲であってもよい。
本明細書中開示の免疫原性組成物は、任意におよびさらに、1つまたは複数のアジュバントを含んでもよい。アジュバントは、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原に対する免疫応答を増大または多様化するいずれかの物質または物質の混合物である。アジュバントは、保護的免疫化に必要とされる免疫化の回数または抗原の量を低下させるように作用し得る。非限定的なアジュバントとして、たとえば、限定するものではないが、フロイント型アジュバント、たとえば完全フロイントアジュバント(FCA);不完全フロイントアジュバント(FIA);たとえばサポニンなどのサポゲニングリコシド;カーボポール(carbopol);N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(一般的に、ムラミルジペプチドまたは「MDP」として知られている);およびリポ多糖(LPS)を含む、リポソーム、ウイルス様粒子(VLP)、ナノ粒子、油相が、挙げられる。このようなアジュバントは、一般に、水相、またはより一般的には水に不溶性の無機塩を含むエマルジョンの形態で使用されている。これらの無機塩として、水酸化アルミニウム、硫酸亜鉛、水酸化鉄コロイド、リン酸カルシウム、または塩化カルシウムが挙げられる。
アジュバントの別の例として、アルミニウムベースのアジュバント(またはミョウバンベースのアジュバント)がある。アルミニウムベースのアジュバントは、「デポ剤」を形成するために抗原を沈殿させることにより、共投与した抗原に対する免疫応答を刺激する。アルミニウムベースのアジュバントは、主にTH2免疫応答を刺激する。一般的に使用されるミョウバンベースのアジュバントとして、水酸化アルミニウム(Al(OH))、リン酸アルミニウム(AlPO)、ヒドロキシリン酸アルミニウム、非晶質水酸化リン酸硫酸アルミニウム(AAHS)、およびいわゆる「ミョウバン」KAl(SO)・12HOが、挙げられる。
特定のアジュバントならびに作製方法および使用方法は、たとえばGupta et al. Vaccine, 11: 993−306, 1993; Arnon, R. (Ed.) Synthetic Vaccines 1:83−92, CRC Press, Inc., Boca Raton, Fla., 1987;およびDavid W. Waggoner, Jr. et al., Immunogenicity−Enhancing Carriers and Compositions Thereof and Methods of Using the Same、米国特許公開公報第20040057958号(2004年3月25日)に記載されている。さらなるアジュバントとして、”Vaccine Design, The Subunit and Adjuvant Approach”(eds. Powell, M. F. and Newman, M. J.) Pharmaceutical Biotechnology, Volume 6, Plenum Press(New York)の第7章(pp 141−227)に記載されているいずれかの化合物が挙げられる。この一覧からの例として、ムラミルジペプチド(MDP)およびモンタニド720が挙げられる。ポリイノシン:シトシン(Poly I:C)またはプラスミドDNA含有CpGモチーフなどの分子もまた、微粒子に包有されている抗原と組み合わせたアジュバントとして投与することができる。別の例では、アジュバントは、リステリオシン、ストレプトリジン、またはそれらの混合物などの、抗原性化合物の細胞の細胞質へのエントリを促進する薬剤である。
一実施形態では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、単一の、本明細書中開示のアジュバントを含む。一実施形態では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、複数の、本明細書中開示のアジュバントを含む。この実施形態の態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、たとえば1、2、3、4、または5個の、本明細書中開示のアジュバントを含む。この実施形態の他の態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、たとえば少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5個の、本明細書中開示のアジュバントを含む。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、たとえば最大1、最大2、最大3、最大4、または最大5個の、本明細書中開示のアジュバントを含む。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物は、たとえば1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、2〜3、2〜4、2〜5、3〜4、3〜5、または4〜5個の、本明細書中開示のアジュバントを含む。
アジュバントは、概して、投与される用量の半分の容量を含む。概して、アジュバントを含む免疫原性組成物は、約0.25mL〜約1mlの用量で投与する。よって、免疫原性組成物が約1mlの用量で投与される場合、この組成物の約0.5mlがアジュバントである。同様に、免疫原性組成物が約0.5mlの用量で投与される場合、この組成物の約0.25mlがアジュバントである。
免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のアジュバントの量は、個体において標的化されたトリパノソーマ抗原の適切な免疫応答を増大させるのに有効な量である。概して、この量は、有意に有害な副作用を引き起こさない量でもある。このような量は、どのアジュバントまたは複数のアジュバントを使用するかに応じて変動する。特定の免疫原性組成物に最適なアジュバントの量は、個体における抗体の力価および他の応答の観察を含む標準的な試験により、解明することができる。
一般的に、本明細書中開示のアジュバントの有効かつ安全な用量は、約100μg/mL〜約1,500μg/mlの濃度で変動する。この実施形態の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のアジュバントの量は、たとえば、約100μg/mL、約200μg/mL、約300μg/mL、約400μg/mL、約500μg/mL、約600μg/mL、約700μg/mL、約800μg/mL、約900μg/mL、約1,000μg/mL、約1,100μg/mL、約1,200μg/mL、約1,300μg/mL、約1,400μg/mL、または約1,500μg/mLであってもよい。この実施形態の他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のアジュバントの量は、たとえば、少なくとも100μg/mL、少なくとも200μg/mL、少なくとも300μg/mL、少なくとも400μg/mL、少なくとも500μg/mL、少なくとも600μg/mL、少なくとも700μg/mL、少なくとも800μg/mL、少なくとも900μg/mL、少なくとも1,000μg/mL、少なくとも1,100μg/mL、少なくとも1,200μg/mL、少なくとも1,300μg/mL、少なくとも1,400μg/mL、または少なくとも1,500μg/mLであってもよい。この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のアジュバントの量は、たとえば、最大100μg/mL、最大200μg/mL、最大300μg/mL、最大400μg/mL、最大500μg/mL、最大600μg/mL、最大700μg/mL、最大800μg/mL、最大900μg/mL、最大1,000μg/mL、最大1,100μg/mL、最大1,200μg/mL、最大1,300μg/mL、最大1,400μg/mL、または最大1,500μg/mLであってもよい。
この実施形態のさらなる他の態様では、免疫原性組成物に含まれている本明細書中開示のアジュバントの量は、たとえば、約100μg/mL〜約200μg/mL、約100μg/mL〜約300μg/mL、約100μg/mL〜約400μg/mL、約100μg/mL〜約500μg/mL、約100μg/mL〜約600μg/mL、約100μg/mL〜約700μg/mL、約100μg/mL〜約800μg/mL、約100μg/mL〜約900μg/mL、約100μg/mL〜約1,000μg/mL、約100μg/mL〜約1,200μg/mL、約100μg/mL〜約1,300μg/mL、約100μg/mL〜約1,400μg/mL、約100μg/mL〜約1,500μg/mL、約200μg/mL〜約300μg/mL、約200μg/mL〜約400μg/mL、約200μg/mL〜約500μg/mL、約200μg/mL〜約600μg/mL、約200μg/mL〜約700μg/mL、約200μg/mL〜約800μg/mL、約200μg/mL〜約900μg/mL、約200μg/mL〜約1,000μg/mL、約200μg/mL〜約1,200μg/mL、約200μg/mL〜約1,300μg/mL、約200μg/mL〜約1,400μg/mL、約200μg/mL〜約1,500μg/mL、約300μg/mL〜約400μg/mL、約300μg/mL〜約500μg/mL、約300μg/mL〜約600μg/mL、約300μg/mL〜約700μg/mL、約300μg/mL〜約800μg/mL、約300μg/mL〜約900μg/mL、約300μg/mL〜約1,000μg/mL、約300μg/mL〜約1,200μg/mL、約300μg/mL〜約1,300μg/mL、約300μg/mL〜約1,400μg/mL、約300μg/mL〜約1,500μg/mL、約400μg/mL〜約500μg/mL、約400μg/mL〜約600μg/mL、約400μg/mL〜約700μg/mL、約400μg/mL〜約800μg/mL、約400μg/mL〜約900μg/mL、約400μg/mL〜約1,000μg/mL、約400μg/mL〜約1,200μg/mL、約400μg/mL〜約1,300μg/mL、約400μg/mL〜約1,400μg/mL、約400μg/mL〜約1,500μg/mL、約500μg/mL〜約600μg/mL、約500μg/mL〜約700μg/mL、約500μg/mL〜約800μg/mL、約500μg/mL〜約900μg/mL、約500μg/mL〜約1,000μg/mL、約500μg/mL〜約1,200μg/mL、約500μg/mL〜約1,300μg/mL、約500μg/mL〜約1,400μg/mL、約500μg/mL〜約1,500μg/mL、約600μg/mL〜約700μg/mL、約600μg/mL〜約800μg/mL、約600μg/mL〜約900μg/mL、約600μg/mL〜約1,000μg/mL、約600μg/mL〜約1,200μg/mL、約600μg/mL〜約1,300μg/mL、約600μg/mL〜約1,400μg/mL、約600μg/mL〜約1,500μg/mL、約700μg/mL〜約800μg/mL、約700μg/mL〜約900μg/mL、約700μg/mL〜約1,000μg/mL、約700μg/mL〜約1,200μg/mL、約700μg/mL〜約1,300μg/mL、約700μg/mL〜約1,400μg/mL、約700μg/mL〜約1,500μg/mL、約800μg/mL〜約900μg/mL、約800μg/mL〜約1,000μg/mL、約800μg/mL〜約1,200μg/mL、約800μg/mL〜約1,300μg/mL、約800μg/mL〜約1,400μg/mL、約800μg/mL〜約1,500μg/mL、約900μg/mL〜約1,000μg/mL、約900μg/mL〜約1,200μg/mL、約900μg/mL〜約1,300μg/mL、約900μg/mL〜約1,400μg/mL、約900μg/mL〜約1,500μg/mL、約1,000μg/mL〜約1,200μg/mL、約1,000μg/mL〜約1,300μg/mL、約1,000μg/mL〜約1,400μg/mL、約1,000μg/mL〜約1,500μg/mL、約1,100μg/mL〜約1,200μg/mL、約1,100μg/mL〜約1,300μg/mL、約1,100μg/mL〜約1,400μg/mL、約1,100μg/mL〜約1,500μg/mL、約1,200μg/mL〜約1,300μg/mL、約1,200μg/mL〜約1,400μg/mL、約1,200μg/mL〜約1,500μg/mL、約1,300μg/mL〜約1,400μg/mL、約1,300μg/mL〜約1,500μg/mL、または約1,400μg/mL〜約1,500μg/mLであってもよい。
本明細書中開示の免疫原性組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体をさらに含んでもよい。本明細書中開示の免疫原性組成物に有用な薬学的に許容可能な担体は、使用される用量および濃度で個体に無毒であるいずれかの適合可能な薬剤を含み、投与される際に長期間のまたは永久的な有害作用を実質的に有さず、薬理学的に許容可能なビヒクル、安定剤、可溶化剤、希釈剤、添加剤、補助剤、または賦形剤などの用語を包有する。このような担体は、一般的に、有効な化合物と混合され、または、有効な化合物を希釈または封入することができ、固体、半固体、または液体の薬剤とすることができる。有効成分は可溶性とすることができ、または望ましい担体もしくは希釈剤の懸濁剤として送達できることが理解されている。また本明細書中開示の担体は、アジュバントとして作用してもよい。限定するものではないが、たとえば水、生理食塩水、グリシン、ヒアルロン酸などの水性媒体;たとえばマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどの固体の担体;溶媒;分散媒体;コーティング剤;抗菌剤および抗真菌剤;等張剤および吸収遅延剤;または他のいずれかの不活性成分を含む、様々な薬学的に許容可能な担体のいずれかを使用することができる。薬理学的に許容可能な担体の選択は、投与形式に応じて変更することができる。いずれかの薬理学的に許容可能な担体が有効成分に不適合である場合を除き、薬学的に許容可能な組成物における担体の使用が考慮されている。このような薬学的な担体の特定の使用の非限定的な例は、PHARMACEUTICAL DOSAGE FORMS AND DRUG DELIVERY SYSTEMS (Howard C. Ansel et al., eds., Lippincott Williams & Wilkins Publishers, 7th ed. 1999);REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY (Alfonso R. Gennaro ed., Lippincott, Williams & Wilkins, 20th ed. 2000);GOODMAN & GILMAN’S THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS (Joel G. Hardman et al., eds., McGraw−Hill Professional, 10th ed. 2001);およびHANDBOOK OF PHARMACEUTICAL EXCIPIENTS (Raymond C. Rowe et al., APhA Publications, 4th edition 2003)で見出すことができる。
本明細書中開示の免疫原性組成物は、限定するものではないが、バッファー、保存剤、浸透圧調節剤、塩、抗酸化剤、浸透圧調節剤、生理的物質、薬理学的物質、増量剤、乳化剤、湿潤剤、甘味剤、または香料などを含む、1つまたは複数の薬学的に許容可能な成分(または複数の薬学的な成分)をさらに含んでもよい。pHを調節するための様々なバッファーおよび手段は、結果として得られる調製物が薬学的に許容可能であれば、本明細書中開示の医薬組成物を調製するために使用することができる。このようなバッファーとして、限定するものではないが、酢酸塩のバッファー、クエン酸塩のバッファー、リン酸塩のバッファー、中性緩衝生理食塩水、リン酸塩緩衝生理食塩水、およびホウ酸塩のバッファーが挙げられる。酸または塩基が、必要に応じて組成物のpHを調節するために使用できることが理解されている。薬学的に許容可能な抗酸化剤として、限定するものではないが、二亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチルヒドロキシアニソール、およびブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。有用な保存剤として、限定するものではないが、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、たとえばPURITE(登録商標)などの安定化したオキシクロロ組成物、ならびにキレート剤、たとえばDTPAまたはDTPA−ビスアミド、カルシウムDTPA、およびCaNaDTPA−ビスアミドなどが挙げられる。医薬組成物に有用な浸透圧調節剤として、限定するものではないが、たとえば塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトールまたはグリセリンなどの塩、および他の薬学的に許容可能な浸透圧調節剤が挙げられる。医薬組成物は、塩として提供されてもよく、限定するものではないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などを含む多くの酸と共に形成することができる。塩は、対応する遊離塩基形態よりも、水性溶媒または他のプロトン酸の溶媒により可溶である傾向がある。薬理学の分野で知られているこれらおよび他の物質は、医薬組成物に含まれ得ることが理解されている。
本明細書の態様は、トリパノソーマ系疾患を治療する方法を部分的に開示する。このような方法は、治療的方法(トリパノソーマ感染後)および予防的方法(トリパノソーマへの曝露、感染、または病態の前)を含む。たとえば、トリパノソーマ系感染症に関して個体を治療する治療的方法および予防的方法は、個体のトリパノソーマ系感染症の可能性を低下、抑制、もしくは排除するため、トリパノソーマ系感染症に対する個体の易罹患性を低下、抑制、もしくは排除するため、個体のトリパノソーマ系感染症を低減、抑制、もしくは排除するため、症候、罹患率、および/もしくは死亡率を低下、抑制、もしくは排除するため、または感染した個体から感染していない個体へのトリパノソーマの伝染を低減、抑制、もしくは排除するための、トリパノソーマ系の感染症または病態を有するもしくは有するリスクのある個体の治療、トリパノソーマ系感染症を伴う個体を治療すること、およびトリパノソーマ系感染症から個体を保護する方法を含む。このような方法は、トリパノソーマ系の感染症または病態を有するまたは有するリスクのある個体を治療的または予防的に治療(ワクチン接種または免疫化)するために、本明細書中開示の免疫原性組成物を投与することを含む。よって、方法は、トリパノソーマ系の感染症もしくは病態を治療することができ、または感染症からの保護(たとえば予防上の保護)を個体に提供することができる。
一実施形態では、トリパノソーマ系疾患を治療する方法は、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物を、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理学的な状態または症状を低減することにより、トリパノソーマ系疾患を治療するために十分な量で、それを必要とする個体に投与することを含む。この実施形態の態様では、免疫原性組成物は、本明細書中開示の1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む。
一実施形態では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物は、トリパノソーマ系疾患を治療するために使用される。本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物の使用は、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理学的な状態または症状を低減することにより、トリパノソーマ系疾患を治療する。この実施形態の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物の投与は、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理学的な状態または症状を低減することにより、トリパノソーマ系疾患を治療するために十分な量で行われる。この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物の投与は、トリパノソーマのクリアランスもしくは除去の増大、誘導、強化、増強、促進、もしくは刺激;またはトリパノソーマの別の個体への伝染の減少、低減、阻害、抑制、予防、制御、もしくは限定のために十分な量で行われる。
一実施形態では、トリパノソーマ系疾患を治療する方法は、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物を、トリパノソーマ系の感染症または病態に対して個体に免疫化またはワクチン接種を行うことにより、トリパノソーマ系疾患を治療するために十分な量で、それを必要とする個体に投与することを含む。この実施形態の態様では、免疫原性組成物は、1つまたは複数の、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原を含む。この実施形態の他の態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物の投与は、トリパノソーマに対する免疫応答を増大、誘導、強化、増強、促進、または刺激するために十分な量で行われる。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物の投与は、トリパノソーマのクリアランスもしくは除去の増大、誘導、強化、増強、促進、もしくは刺激;またはトリパノソーマの別の個体への伝染の減少、低減、阻害、抑制、予防、制御、もしくは限定のために十分な量で行われる。
一実施形態では、トリパノソーマ系疾患を治療する方法は、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物を、トリパノソーマ系の感染症または病態から個体を保護することにより、トリパノソーマ系疾患を治療するために十分な量で、それを必要とする個体に投与することを含む。この実施形態の態様では、免疫原性組成物は、1つまたは複数の、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原を含む。この実施形態の他の態様では、本明細書中開示の免疫原性組成物の投与は、トリパノソーマ系の感染症もしくは病態に対して個体に免疫化もしくはワクチン接種を行うため、またはトリパノソーマ系の感染症もしくは病態に対する易罹患性を低減、減少、限定、制御、もしくは阻害するために十分な量で行われる。
一実施形態では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物は、トリパノソーマ系疾患を治療するために使用される。この実施形態の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物の使用は、トリパノソーマ系の感染症または病態に対して個体に免疫化またはワクチン接種を行うために十分な量で行われる。
トリパノソーマ系疾患は、病態生理学の作用がトリパノソーマの存在によるものであるいずれかの病態、疾患、または障害を表す。2種類の異なるトリパノソーマ:ステルコラリア類種およびサリバリア類種が存在しており、それらの生活環は異なっている。ステルコラリア類種は、オオサシガメ亜科由来の昆虫(最も重要なものはブラジルサシガメ(Triatoma infestans))の糞便においてレシピエントに伝染するトリパノソーマである。この群は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)、ルイストリパノソーマ(T.lewisi)、羊トリパノソーマ(T.melophagium)、ナビアシトリパノソーマ(T.nabiasi)、ランゲルトリパノソーマ(T.rangeli)、テイレリトリパノソーマ(T.theileri)、テオドリトリパノソーマ(T.theodori)を含む。Herpetosoma亜属として、ルイストリパノソーマ(T.lewisi)種が挙げられ、Schizotrypanum亜属として、クルーズトリパノソーマ(T.cruzi)が挙げられる。サリバリア類は、Duttonella亜属、Trypanozoon亜属、Pycnomonas亜属、およびNannomonas亜属のトリパノソーマである。これらのトリパノソーマは、ツェツェバエ(Glossina属種)の唾液において、レシピエントに伝染する。抗原性のバリエーションは、サリバリア類に共通する特徴であり、特にブルーストリパノソーマ(T.brucei)において良好に研究されている。Trypanozoon亜属として、ブルーストリパノソーマ(T.brucei)、ローデシアトリパノソーマ(T.rhodesiense)および媾疫トリパノソーマ(T.equiperdum)の種が挙げられる。Duttonella亜属として、T.vivax種が挙げられる。Nannomonas亜属として、T.congolenseが挙げられる。
この実施形態の一態様では、トリパノソーマ系疾患はシャーガス病である。この実施形態の別の態様では、トリパノソーマ系疾患は、限定するものではないが、東アフリカ睡眠病および西アフリカ睡眠病を含む、アフリカ睡眠病である。
シャーガス病またはアメリカトリパノソーマ病は、南北アメリカ大陸でのみ見いだされている昆虫のベクターにより動物および人々に伝染する、寄生生物クルーズトリパノソーマ(T.cruzi)により引き起こされる。治療されていない場合、感染症は生涯にわたり、命に関わる可能性がある。田舎のメキシコ、中央アメリカ、および南アメリカにおいて、800万人もの人々がシャーガス病を有しており、そのうちの多くが、自分たちが感染していることを知らないと、推定されている。さらに、ラテンアメリカの田舎から都市部への大規模な集団移動、および世界の他の領域への大規模な集団移動が、この地域分布を増やしており、シャーガス病の疫学を変えている。たとえば、米国においてシャーガス病を有する人々の大部分が、エピデミックな国で当該感染症となっており、現在、300,000人超のクルーズトリパノソーマ(T.cruzi)感染症を有する人々が、米国で生活していると推定されている。
クルーズトリパノソーマ(T.cruzi)は、吸血性のオオサシガメ亜科のサシガメによりヒトへ伝染し得る、動物由来感染性疾患である。トリパノソーマ症でよくみられるオオサシガメ亜科のベクター種は、Triatoma属、Rhodnius属、およびPanstrongylus属に属している。オオサシガメ亜科のサシガメは、クルーズトリパノソーマ(T.cruzi)寄生生物の循環する錐鞭毛型を含むヒトまたは動物の血液を常食とすることにより、感染する。摂取した錐鞭毛型は、ベクターの中腸で上鞭毛型に形質転換し、ここで寄生生物は増殖および分化し、次に後腸に移動して、感染性の発育終末型の錐鞭毛型に分化する。ヒトまたは動物の宿主は、感染したオオサシガメ亜科のベクターが吸血を行った後に、咬創の近くで糞便し、その糞便に錐鞭毛型を放出する際に、クルーズトリパノソーマ(T.cruzi)に感染する可能性がある。錐鞭毛型は、皮膚の傷または他の破損部分を介して、または摂取により、または結膜などの無処置の粘膜を介して、宿主に入る。宿主の中で、錐鞭毛型は、播種部位の近くの細胞に侵入し、ここで細胞内無鞭毛型に分化する。この無鞭毛型は、二分裂で増殖し、錐鞭毛型に分化し、次に血流の錐鞭毛型として循環に放出される。錐鞭毛型は、様々な組織から細胞に感染し、新規の感染部位で細胞内無鞭毛型に形質転換する。臨床症状は、この感染サイクルからもたらされ得る。血流の錐鞭毛型は、複製しない(アフリカ型トリパノソーマとは異なる)。寄生生物が別の細胞に入るか、または別のベクターにより摂取される場合にのみ、複製が再開する。シャーガス病をもたらす主な手段は動物媒介型(vector−borne)の伝染であるが、クルーズトリパノソーマ(T.cruzi)は、感染したドナーからの輸血、臓器移植を介した混入している血液製剤を通して、母から子への経胎盤(先天性)を通して、混入している食品もしくは飲料の摂取を介して、および/または偶発的な曝露により、伝染する可能性もある。
シャーガス病は、急性期および慢性期を有する。急性シャーガス病は、感染直後に発症し、最大数週間または数カ月間持続し得、寄生生物は、循環血液中で見出すことが可能である。感染症は、軽度または無症候性であり得る。播種部位(寄生生物が皮膚または粘膜に入った場所)の周辺で発熱または腫脹が起こり得る。まれに、急性感染症は、心筋または脳および脳周辺の裏層の重篤な炎症をもたらし得る。急性期の後、感染した人々の多くは、血液中に寄生生物がほとんどまたは全くいない、長期間の無症候性型疾患(「慢性不定期(chronic indeterminate)と呼ばれる」に入る。この期間の間、大部分の人々は、自身の感染症に気づいていない。多くの人々が、生涯にわたり無症候性のままであり得、シャーガス関連の症状を発症しない場合がある。しかしながら、感染した人々のうち推定20〜30%が、生涯の中で、衰弱し、場合により命に関わる医学的な問題を発症する。慢性シャーガス病の合併症は、1)肥大心(心筋症)、血液のくみ出しが不十分である拡張した心臓、心不全、心拍リズムの異常、心拍の異常、および心停止(突然死)を含む心臓の合併症、ならびに/または、2)食道の拡大(巨大食道症)、食道結腸(esophagus colon)の拡大(巨大結腸症)、摂食困難、もしくは便の通過の困難を含む消化器系の合併症を、含み得る。(たとえばAIDSまたは化学療法により)免疫系が抑制された人々では、循環血液中で見いだされる寄生生物によりシャーガス病が復活する場合がある。この発症は、潜在的に重篤な疾患を引き起こし得る。
アフリカ睡眠病またはアフリカトリパノソーマ症は、形態的に区別がつかない、寄生生物ブルーストリパノソーマ(Trypanosoma brucei)のうちの2つの亜種により引き起こされる。しかしながら、この疾患の臨床的な特性は、関与する亜種に応じて変化する。ローデシアトリパノソーマ(T.b.rhodesiense)(東アフリカ睡眠病)は、東アフリカおよび南東アフリカの領域で見いだされている。毎年、数百もの東アフリカ睡眠病の症例が、世界保健機関に報告されている。ヒト感染症の症例のうち95%超が、タンザニア、ウガンダ、マラウイ、およびザンビアで起こっている。野生動物および家畜の動物が、感染症の主なリザーバー(保虫宿主)である。ウシは、新規領域への疾患の拡大および局所的なアウトブレイクに関与しており、野生動物のリザーバーは、自然保護公園への狩猟者および訪問者への孤発性の伝染に関与していると考えられている。ローデシアトリパノソーマ(T.b.rhodesiense)の国際旅行者への感染は、まれではあるが場合により起こる。米国では、平均して1年あたり1症例診断されている。米国に移入した睡眠病の大部分の症例が、東アフリカへ狩猟旅行に行った旅行者で起こっている。
ガンビアトリパノソーマ(T.b.gambiense)(西アフリカ睡眠病)は、主に中央アフリカおよび西アフリカの限定した領域で見いだされている。アフリカにおける睡眠病の大部分は、この形態の寄生生物により引き起こされている。睡眠病のエピデミックは、従来は、重要な公共上の健康問題であったが、この疾患は、現在は合理的に良好に制御されており、近年では毎年7,000〜10,000の症例が報告されている。ヒトの感染症の症例のうち90%超が、コンゴ民主共和国、アンゴラ、スーダン、中央アフリカ共和国、チャド、およびウガンダ北部で見いだされている。寄生生物は場合によっては家畜で見いだされる場合があるが、ヒトが、重要な感染リザーバーである。米国に流入した感染は、非常にまれであり、大部分の症例は、帰国した米国の旅行者よりは、移住してきたアフリカ国民で起こっている。
両ブルーストリパノソーマ(T.brucei)亜種は、ツェツェバエ(Glossina属種)に咬まれることにより伝染する。ツェツェバエは、ブルーストリパノソーマ(T.brucei)寄生生物の循環する錐鞭毛型を含むヒトまたは動物の血液を常食とすることにより、感染する。ツェツェバエの中腸では、摂取した錐鞭毛型は、循環型(procyclic)の錐鞭毛型に形質転換し、二分裂で増殖し、中腸を離れ、上鞭毛型に形質転換する。上鞭毛型は、ツェツェバエの唾液腺に到達し、二分裂に増殖し続け、ここで発育終末型の錐鞭毛型に形質転換する。ツェツェバエにおけるこのサイクルは、およそ3週間である。感染したツェツェバエが、宿主で吸血している間、ブルーストリパノソーマ(T.brucei)の発育終末型の錐鞭毛型を含む唾液を皮膚組織内に注入する際に、ヒトまたは動物の宿主が感染する可能性がある。この寄生生物はリンパ系に入り、血流へと移行する。宿主の中でこれらは、血流の錐鞭毛型に形質転換し、体内のあらゆる他の場所に運ばれ、他の血液系体液(blood fluid)(たとえばリンパ液、脊髄液)に到達し、二分裂で複製し続ける。感染する主な手段は動物媒介型(vectorbourne)の伝染ではあるが、ブルーストリパノソーマ(T.brucei)はまた、感染したドナーからの輸血、臓器移植を介した混入している血液製剤を通して、母から子への経胎盤(先天性)を通して、混入している食品もしくは飲料の摂取を介して、性交を通して、および/または偶発的な曝露により、伝染する可能性もある。
ヒトのアフリカ睡眠病の臨床経過は、2つの段階を有する。第1の段階では、寄生生物は、末梢の循環で見いだされるが、まだ中枢神経系を侵してはいない。寄生生物が血液脳関門を通り中枢神経系に感染すると、この疾患は第2の段階に入る。これら亜種は異なる疾患進行の速度を有し、臨床的な特徴は、どの寄生生物の形態:ローデシアトリパノソーマ(T.b.rhodesiense)またはガンビアトリパノソーマ(T.b.gambiense)が感染症を引き起こしているかどうかに応じて変動する。しかしながら、いずれの形態の感染症も、治療されない場合は結果的に昏睡および死をもたらす。ローデシアトリパノソーマ(T.b.rhodesiense)感染症(東アフリカ睡眠病)は急激に進行する。一部の患者では、ツェツェバエが咬んだ場所で激しい痛み(下疳)が発症する。大部分の患者は、咬まれて感染してから1〜2週間以内に、発熱、頭痛、筋肉痛および関節痛、ならびにリンパ節の拡大を発症する。一部の人々は発疹を発症する。感染から数週間後に、寄生生物は中枢神経系に侵入し、結果的に、精神機能低下および他の神経的な問題を引き起こす。後に、通常数ケ月以内に死亡する。ガンビアトリパノソーマ(T.b.gambiense)感染症(西アフリカ睡眠病)は、よりゆっくりと進行する。最初に、軽度の症状のみが起こり得る。感染した人々は、断続的な発熱、頭痛、筋肉痛および関節痛、ならびに倦怠感を有し得る。皮膚のかゆみ、リンパ節の腫脹、および体重減少が起こり得る。通常、1〜2年後に、人格の変化、夜間の睡眠障害を伴う日中での睡眠、および進行性の錯乱を伴う、中枢神経系への介入のエビデンスが認められる。他の神経性の兆候、たとえば部分的な麻痺、またはバランスもしくは歩行の問題が起こる場合があり、同様にホルモンのバランスの乱れが起こり得る。未処置の感染症の過程が、6〜7年超持続することは稀であり、たいていの場合は約3年以内に死亡する。
本発明の態様は、部分的に、個体を提供する。個体は、ヒトを含むいずれかの哺乳類を含み、ヒトは患者であり得る。
本明細書中開示の方法は、トリパノソーマ系疾患に関する治療を含む。治療は、特定の個体に提供される、いずれかの客観的または個々に測定可能なまたは検出可能な改善または利益を含む、いずれかの治療効果または有益な効果を含む。しかしながら、治療効果または有益な効果は、トリパノソーマの感染症、増殖、複製、または病態により引き起こされる、またはこれに関連するあらゆる特定の有害な状態、症状、障害、疾病、疾患、または合併症の完全な消失を必要とするものではない場合がある。よって、短期間または長期間にわたり、トリパノソーマの感染症、増殖、複製、もしくは病態により引き起こされるもしくはこれに関連する有害な状態、症状、障害、疾病、疾患、もしくは合併症の改善の増加もしくは部分的な低減、または、トリパノソーマの感染症、増殖、複製、もしくは病態により引き起こされるもしくはこれに関連する1つもしくは複数の状態、有害な症状、障害、疾病、疾患、もしくは合併症の悪化もしくは進行の阻害、減少、低減、抑制、予防、限定、もしくは制御が存在する場合に、良好な臨床上のエンドポイントは達成されている。
この実施形態の態様では、本明細書中開示の治療方法または使用は、トリパノソーマの感染症、増殖、複製、または病態を低減、減少、阻害、限定、遅延、または予防し得る。この実施形態の他の態様では、本明細書中開示の治療方法または使用は、トリパノソーマ病原体の数もしくは力価を低減、減少、抑制、限定、制御、もしく阻害してもよく;トリパノソーマ病原体の増殖もしくは複製を低減、減少、抑制、限定、制御、制御、もしくは阻害してもよく;合成されるトリパノソーマのタンパク質量を低減、減少、抑制、限定、制御、もしくは阻害してもよく;または、複製されるトリパノソーマ病原体の核酸の量を低減、減少、抑制、限定、制御、もしくは阻害してもよい。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示の治療方法または使用は、トリパノソーマの感染症、増殖、または複製、または病態により引き起こされる、またはこれに関連する1つまたは複数の有害な状態、症状、障害、疾病、疾患、または合併症を減少、低減、阻害、抑制、予防、制御、または限定し得る。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示の治療方法または使用は、トリパノソーマ系の感染症もしくは病態、またはトリパノソーマの感染症、増殖、もしくは複製、もしくは病態により引き起こされるもしくはこれに関連する1つもしくは複数の有害な症状、障害、疾病、疾患、もしくは合併症からの個体の回復を向上、加速、促進、強化、増強、または促進(hasten)し得る。
この実施形態の他の態様では、本明細書中開示の治療方法または使用は、トリパノソーマの感染症、病態、または、トリパノソーマの感染症、増殖、複製、もしくは病態により引き起こされるもしくはこれに関連する有害な状態、症状、障害、疾病、疾患、もしくは合併症を安定させることができる。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示の治療方法または使用は、感染した個体から感染していない個体へのトリパノソーマ病原体の伝染を減少、低減、阻害、抑制、限定、または制御し得る。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示の治療方法または使用は、トリパノソーマ系の感染症または病態を有する個体、または有するリスクのある個体を治療するために使用される別の薬物または他の薬剤などの併用治療またはその後の治療の必要性、投与頻度、または量を低減または排除し得る。たとえば、補助治療の量の低下、たとえばトリパノソーマ系の感染症もしくは病態に関する治療の低減もしくは減少、またはワクチン接種もしくは免疫化のプロトコルの低減もしくは減少が、有益な効果とみなされている。さらに、個体に保護を提供するための個体のワクチン接種または免疫化に使用されるトリパノソーマ抗原の量を低下または減少することは、有益な効果とみなされている。
本明細書の態様は、部分的に、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物を投与することを提供する。本明細書中使用される用語「投与する」は、臨床的、治療的、または実験的に有益な結果をもたらす可能性のある、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原または免疫原性組成物を個体に提供するいずれかの送達機構を表す。本明細書中開示の組成物を個体に投与するために使用される実際の送達機構は、限定するものではないが、トリパノソーマ系疾患の種類、トリパノソーマ系疾患の位置、トリパノソーマ系疾患の原因、トリパノソーマ系疾患の重症度、トリパノソーマ系疾患に関して望まれている軽減度合、トリパノソーマ系疾患に関して望まれている軽減の持続期間、使用される特定のトリパノソーマ抗原および/もしくは免疫原性組成物、使用される特定のトリパノソーマ抗原および/もしくは免疫原性組成物の排泄速度、使用される特定のトリパノソーマ抗原および/もしくは免疫原性組成物の薬力学、免疫原性組成物に含まれている他の化合物の性質、特定の投与経路、個体の特定の特徴、病歴、およびリスク因子、たとえば年齢、体重、一般的な健康状態など、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む要因を考慮して、当業者により決定することができる。
本明細書中開示の組成物は、細胞取り込み手法を使用して個体に投与することができる。細胞取り込み手法を使用した本明細書中開示の組成物の投与は、限定するものではないが、たとえば錠剤、液剤、カプセル剤、散剤、吸入可能な形態などのいずれかの許容可能な形態での経口投与;たとえば点滴剤、スプレー剤、クリーム、ゲル、もしくは軟膏などのいずれかの許容可能な形態での局所投与;たとえば静脈内注射、静脈内点滴、動脈内注射、動脈内点滴、および血管系へのカテーテルによる注入などのいずれかの許容可能な形態での血管内投与;たとえば腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、皮下点滴、眼内注射、網膜注射もしくは網膜下注射、または硬膜外注射などのいずれかの許容可能な形態での組織周辺および組織内への投与;たとえばカテーテルによる注入などのいずれかの許容可能な形態の小胞内投与;ならびに、たとえばインプラント、パッチ、ペレット、カテーテル、浸透圧ポンプ、坐薬、生体内分解性送達システム、非生体内分解性送達システム、または別の埋め込み型押出システムもしくは放出遅延システムなどの配置デバイスによるものを含む、様々な経腸性または非経口的な手法を含む。生物分解ポリマーおよび使用方法の例示的な列挙は、たとえばHandbook of Biodegradable Polymers(Abraham J. Domb et al., eds., Overseas Publishers Association, 1997)に記載されている。
本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物は、トリパノソーマ系疾患を治療するために十分な量で投与される。この実施形態の態様では、投与されるトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の量は、トリパノソーマ系の感染症もしくは病態に関連する1つもしくは複数の生理的な状態もしくは症状を低減するために十分な量、トリパノソーマ系の感染症もしくは病態に対して個体に免疫化もしくはワクチン接種を行うために十分な量、またはトリパノソーマ系の感染症もしくは病態から個体を保護するために十分な量である。本明細書中で使用される用語「十分な量」は、「有効量」、「有効な用量」、「治療上有効量」、または「治療上有効な用量」を含み、かつ、望ましい治療効果を達成するために必要なトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の最少量を表し、かつ、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を低減または阻害するために十分な量を含む。
この実施形態の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を、たとえば少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%、低減または阻害する。この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を、たとえば、最大10%、最大20%、最大30%、最大40%、最大50%、最大60%、最大70%、最大80%、最大90%、または最大100%、低減または阻害する。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を、たとえば約10%〜約100%、約10%〜約90%、約10%〜約80%、約10%〜約70%、約10%〜約60%、約10%〜約50%、約10%〜約40%、約20%〜約100%、約20%〜約90%、約20%〜約80%、約20%〜約20%、約20%〜約60%、約20%〜約50%、約20%〜約40%、約30%〜約100%、約30%〜約90%、約30%〜約80%、約30%〜約70%、約30%〜約60%、または約30%〜約50%、低減または阻害する。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を、たとえば少なくとも1週間、少なくとも1ケ月、少なくとも2ケ月、少なくとも3ケ月、少なくとも4ケ月、少なくとも5ケ月、少なくとも6ケ月、少なくとも7ケ月、少なくとも8ケ月、少なくとも9ケ月、少なくとも10ケ月、少なくとも11ケ月、または少なくとも12ケ月の間、低減または阻害する。
個体に投与される本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の実際の有効量は、限定するものではないが、トリパノソーマ系疾患の種類、トリパノソーマ系疾患の位置、トリパノソーマ系疾患の原因、トリパノソーマ系疾患の重症度、トリパノソーマ系疾患に関して望まれている軽減度合、トリパノソーマ系疾患に関して望まれている軽減の持続期間、使用される特定のトリパノソーマ抗原および/もしくは免疫原性組成物、使用される特定のトリパノソーマ抗原および/もしくは免疫原性組成物の排泄速度、使用される特定のトリパノソーマ抗原および/もしくは免疫原性組成物の薬力学、免疫原性組成物に含まれている他の化合物の性質、使用される特定の投与経路、個体の特定の特徴、病歴、およびリスク因子、たとえば年齢、体重、一般的な健康状態など、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む要因を考慮して、当業者が決定することができる。さらに、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の反復投与を使用する場合、実際の治療上有効量は、限定するものではないが、さらに、投与頻度、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/もしくは免疫原性組成物の半減期、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む要因に応じて変動する。本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、ヒトに投与する前に、in vitroでのアッセイおよび動物モデルを使用したin vivoでの投与試験から推定できることが、当業者に知られている。必要な有効量の幅広いバリエーションが、様々な投与経路の異なる効率の観点から予測されるべきである。たとえば、経口投与は、概して、静脈内注射または硝子体内注射により投与されるレベルよりも高い用量レベルを必要とすることが予測される。これら用量レベルのバリエーションは、当業者によく知られている最適な標準的な実験手順を使用して調節することができる。正確な治療上有効用量のレベルおよびパターンは、好ましくは、上記の同定された要因を考慮して担当医が決定する。
この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、概して、約0.001mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲である。この実施形態の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば少なくとも0.001mg/kg/日、少なくとも0.01mg/kg/日、少なくとも0.1mg/kg/日、少なくとも1.0mg/kg/日、少なくとも5.0mg/kg/日、少なくとも10mg/kg/日、少なくとも15mg/kg/日、少なくとも20mg/kg/日、少なくとも25mg/kg/日、少なくとも30mg/kg/日、少なくとも35mg/kg/日、少なくとも40mg/kg/日、少なくとも45mg/kg/日、または少なくとも50mg/kg/日であってもよい。
この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば約0.001mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.001mg/kg/日〜約15mg/kg/日、約0.001mg/kg/日〜約20mg/kg/日、約0.001mg/kg/日〜約25mg/kg/日、約0.001mg/kg/日〜約30mg/kg/日、約0.001mg/kg/日〜約35mg/kg/日、約0.001mg/kg/日〜約40mg/kg/日、約0.001mg/kg/日〜約45mg/kg/日、約0.001mg/kg/日〜約50mg/kg/日、約0.001mg/kg/日〜約75mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲であってもよい。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば約0.01mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約15mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約20mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約25mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約30mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約35mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約40mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約45mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約50mg/kg/日、約0.01mg/kg/日〜約75mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲であってもよい。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約15mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約20mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約25mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約30mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約35mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約40mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約45mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約50mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約75mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲であってもよい。
この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば約1mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約15mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約20mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約25mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約30mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約35mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約40mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約45mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約50mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約75mg/kg/日、または約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲であってもよい。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば約5mg/kg/日〜約10mg/kg/日、約5mg/kg/日〜約15mg/kg/日、約5mg/kg/日〜約20mg/kg/日、約5mg/kg/日〜約25mg/kg/日、約5mg/kg/日〜約30mg/kg/日、約5mg/kg/日〜約35mg/kg/日、約5mg/kg/日〜約40mg/kg/日、約5mg/kg/日〜約45mg/kg/日、約5mg/kg/日〜約50mg/kg/日、約5mg/kg/日〜約75mg/kg/日、または約5mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲であってもよい。
この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、概して、約0.001mg/日〜約100mg/日の範囲にある。この実施形態の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば少なくとも0.001mg/日、少なくとも0.01mg/日、少なくとも0.1mg/日、少なくとも1.0mg/日、少なくとも5.0mg/日、少なくとも10mg/日、少なくとも15mg/日、少なくとも20mg/日、少なくとも25mg/日、少なくとも30mg/日、少なくとも35mg/日、少なくとも40mg/日、少なくとも45mg/日、または少なくとも50mg/日であってもよい。
この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば約0.001mg/日〜約10mg/日、約0.001mg/日〜約15mg/日、約0.001mg/日〜約20mg/日、約0.001mg/日〜約25mg/日、約0.001mg/日〜約30mg/日、約0.001mg/日〜約35mg/日、約0.001mg/日〜約40mg/日、約0.001mg/日〜約45mg/日、約0.001mg/日〜約50mg/日、約0.001mg/日〜約75mg/日、または約0.001mg/日〜約100mg/日の範囲であってもよい。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば約0.01mg/日〜約10mg/日、約0.01mg/日〜約15mg/日、約0.01mg/日〜約20mg/日、約0.01mg/日〜約25mg/日、約0.01mg/日〜約30mg/日、約0.01mg/日〜約35mg/日、約0.01mg/日〜約40mg/日、約0.01mg/日〜約45mg/日、約0.01mg/日〜約50mg/日、約0.01mg/日〜約75mg/日、または約0.01mg/日〜約100mg/日の範囲であってもよい。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば約0.1mg/日〜約10mg/日、約0.1mg/日〜約15mg/日、約0.1mg/日〜約20mg/日、約0.1mg/日〜約25mg/日、約0.1mg/日〜約30mg/日、約0.1mg/日〜約35mg/日、約0.1mg/日〜約40mg/日、約0.1mg/日〜約45mg/日、約0.1mg/日〜約50mg/日、約0.1mg/日〜約75mg/日、または約0.1mg/日〜約100mg/日の範囲であってもよい。
この実施形態の他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば約1mg/日〜約10mg/日、約1mg/日〜約15mg/日、約1mg/日〜約20mg/日、約1mg/日〜約25mg/日、約1mg/日〜約30mg/日、約1mg/日〜約35mg/日、約1mg/日〜約40mg/日、約1mg/日〜約45mg/日、約1mg/日〜約50mg/日、約1mg/日〜約75mg/日、または約1mg/日〜約100mg/日の範囲であってもよい。この実施形態のさらなる他の態様では、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば約5mg/日〜約10mg/日、約5mg/日〜約15mg/日、約5mg/日〜約20mg/日、約5mg/日〜約25mg/日、約5mg/日〜約30mg/日、約5mg/日〜約35mg/日、約5mg/日〜約40mg/日、約5mg/日〜約45mg/日、約5mg/日〜約50mg/日、約5mg/日〜約75mg/日、または約5mg/日〜約100mg/日の範囲であってもよい。
投与は単回投与または累積的(段階投与)とすることができ、当業者が容易に決定することができる。たとえば、トリパノソーマ系疾患の治療は、本明細書中のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量の1回の投与を含んでもよい。非限定的な例として、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、たとえば単回の注射またはデポ剤として個体に一度投与することができる。あるいは、トリパノソーマ系疾患の治療は、たとえば毎日、数日ごとに1回、週に1回、月に1回、または年に1回などの、ある範囲の期間にわたり行われる、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量の複数回投与を含んでもよい。非限定的な例として、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物を、1年に1回、2回、3回、4回、5回、または6回、個体に投与することができる。投与のタイミングは、個体の症状の重症度などの要因に応じて個体間で変動し得る。たとえば、本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量は、決められていない期間の間、または個体が治療を必要としなくなるまで、3ケ月ごとに1回個体に投与することができる。個体の状態は、治療過程の間モニタリングすることができ、これに応じて投与される本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物の有効量を調節できることが、当業者に認識されている。
本明細書中開示のトリパノソーマ抗原および/または免疫原性組成物を含む組成物はまた、治療の総合的な治療効果を高めるために、他の治療化合物と併用して個体に投与することもできる。症状を治療するために複数の化合物を使用することは、副作用の存在を低減しつつ有益な効果を増大させることができる。
本明細書の態様は、以下の通りに記載することができる。
1.配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、もしくは配列番号12、または配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、もしくは配列番号12と75%のアミノ酸同一性を有するペプチド、または配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、もしくは配列番号12由来の少なくとも7個の連続したアミノ酸を含む、から本質的になる、またはからなる、トリパノソーマ抗原。
2.前記ペプチドが、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と75%のアミノ酸同一性を有し、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と比較して、少なくとも1つの連続したアミノ酸の欠失、付加、および/または置換を含む、実施形態1に記載のトリパノソーマ抗原。
3.前記ペプチドが、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と75%のアミノ酸同一性を有し、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と比較して、少なくとも1つの連続していないアミノ酸の欠失、付加、および/または置換を含む、実施形態1に記載のトリパノソーマ抗原。
4.前記ペプチドが、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と75%のアミノ酸同一性を有し、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と比較して最大11個の連続したアミノ酸の欠失、付加、および/または置換を含む、実施形態1に記載のトリパノソーマ抗原。
5.前記ペプチドが、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と75%のアミノ酸同一性を有し、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と比較して、最大11個の連続していないアミノ酸の欠失、付加、および/または置換を含む、実施形態1に記載のトリパノソーマ抗原。
6.実施形態1〜5のいずれか1項に定義されている1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む、から本質的になる、またはからなる免疫原性組成物。
7.前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号6(CH47)を含む、から本質的になる、またはからなる、実施形態6に記載の免疫原性組成物。
8.前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号9(CH77)を含む、から本質的になる、またはからなる、実施形態6または7に記載の免疫原性組成物
9.前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号5(CH37)を含む、から本質的になる、またはからなる、実施形態6〜8のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
10.前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号5(CH37)および配列番号9(CH77)を含む、から本質的になる、またはからなる、実施形態6に記載の免疫原性組成物。
11.前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号5(CH37)、配列番号6(CH47)、および配列番号9(CH77)を含む、から本質的になる、またはからなる、実施形態6に記載の免疫原性組成物。
12.前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号7(CH69)、配列番号8(CH72)、および配列番号11(CH84)を含む、から本質的になる、またはからなる、実施形態6〜11のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
13.前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号2(CH30)、配列番号7(CH69)、配列番号8(CH72)、配列番号9(CH77)、および配列番号11(CH84)を含む、から本質的になる、またはからなる、実施形態6または7に記載の免疫原性組成物。
14.前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号2(CH30)、配列番号5(CH37)、配列番号7(CH69)、配列番号8(CH72)、配列番号9(CH77)、および配列番号11(CH84)を含む、から本質的になる、またはからなる、実施形態6または7に記載の免疫原性組成物。
15.前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号2(CH30)、配列番号5(CH37)、配列番号6(CH47)、配列番号7(CH69)、配列番号8(CH72)、配列番号9(CH77)、および配列番号11(CH84)を含む、から本質的になる、またはからなる、実施形態6に記載の免疫原性組成物。
16.前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、それぞれ、約1mg〜約1,000mgの量で存在する、実施形態6〜15のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
17.前記免疫原性組成物が、1つまたは複数のアジュバントをさらに含む、から本質的になる、またはからなる、実施形態6〜16のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
18.前記1つまたは複数のアジュバントが、それぞれ、約100μg/mL〜約1,500μg/mlの量で存在する、実施形態17に記載の免疫原性組成物。
19.さらに、1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体を含む、から本質的になる、またはからなる、実施形態6〜18のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
20.トリパノソーマ系疾患を治療する方法であって、実施形態6〜18のいずれか1項に定義されている免疫原性組成物を、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を低減することにより、トリパノソーマ系疾患を治療するために十分な量で、その必要がある個体に投与するステップを含む、から本質的になる、またはからなる、方法。
21.前記免疫原性組成物の投与を、トリパノソーマのクリアランスもしくは除去を増大、誘導、強化、増強、促進、もしくは刺激するため、またはトリパノソーマの別の個体への伝染を減少、低減、阻害、抑制、予防、制御、もしくは限定するために十分な量で行う、実施形態20に記載の方法。
22.前記免疫原性組成物の投与を、トリパノソーマ病原体の数もしくは力価を低減、減少、抑制、限定、制御、もしくは阻害するため;トリパノソーマ病原体の増殖もしくは複製を低減、減少、抑制、限定、制御、もしくは阻害するため;合成されるトリパノソーマのタンパク質の量を低下、減少、抑制、限定、制御、もしくは阻害するため;または複製されるトリパノソーマ病原体の核酸の量を低下、減少、抑制、限定、制御、もしくは阻害するために十分な量で行う、実施形態20または21に記載の方法。
23.前記免疫原性組成物の投与が、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を、少なくとも10%低減する、実施形態20〜22のいずれか1項に記載の方法。
24.前記免疫原性組成物の投与が、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を、少なくとも1週間低減する、実施形態20〜23のいずれか1項に記載の方法。
25.トリパノソーマ系疾患が、シャーガス病またはアフリカ睡眠病である、実施形態20〜24のいずれか1項に記載の方法。
26.トリパノソーマ系疾患を治療するための、実施形態1〜5のいずれか1項に定義されているα―トリパノソーマ抗原、または実施形態6〜18のいずれか1項に定義されている免疫原性組成物の使用。
27.トリパノソーマ系疾患を治療する方法であって、実施形態1〜5のいずれか1項に定義されているトリパノソーマ抗原、または実施形態6〜19のいずれか1項に定義されている免疫原性組成物を、トリパノソーマ系の感染症または病態に対して個体に免疫化またはワクチン接種を行うことにより、前記トリパノソーマ系疾患を治療するために十分な量で、それを必要とする個体に投与するステップを含む、から本質的になる、またはからなる、方法。
28.トリパノソーマ系疾患を治療する方法であって、実施形態1〜5のいずれか1項に定義されているトリパノソーマ抗原、または実施形態6〜19のいずれか1項に定義されている免疫原性組成物を、トリパノソーマ系の感染症または病態から個体を保護するために十分な量で、それを必要とする個体に投与するステップを含む、から本質的になる、またはからなる、方法。
29.前記トリパノソーマ抗原または前記免疫原性組成物の投与を、トリパノソーマに対する免疫応答を増大、誘導、強化、増強、促進、または刺激するために十分な量で行う、実施形態27または28に記載の方法。
30.前記トリパノソーマ抗原または前記免疫原性組成物の投与を、前記トリパノソーマ系の感染症または病態に対して前記個体に免疫化またはワクチン接種を行うために十分な量で行う、実施形態27〜29のいずれか1項に記載の方法。
31.前記トリパノソーマ抗原または前記免疫原性組成物の投与を、トリパノソーマ系の感染症または病態に対する易罹患性を低減、減少、限定、制御、または阻害するために十分な量で行う、実施形態27〜30のいずれか1項に記載の方法。
32.前記トリパノソーマ抗原または前記免疫原性組成物の投与を、トリパノソーマのクリアランスもしくは除去を増大、誘導、強化、増強、促進、もしくは刺激するため、またはトリパノソーマの別の個体への伝染を減少、低減、阻害、抑制、予防、制御、もしくは限定するために十分な量で行う、実施形態27〜31のいずれか1項に記載の方法。
33.前記トリパノソーマ系疾患が、シャーガス病またはアフリカ睡眠病である、実施形態27〜32のいずれか1項に記載の方法。
34.薬物を製造するための、実施形態1〜5のいずれか1項に定義されているトリパノソーマ抗原の使用。
35.薬物を製造するための、実施形態6〜18のいずれか1項に定義されている免疫原性組成物の使用。
36.前記トリパノソーマ系疾患が、シャーガス病またはアフリカ睡眠病である、実施形態34〜35のいずれか1項に記載の使用。
実施例
以下の非限定的な実施例は、本開示の主題のより完全な理解を容易にするためにのみ、説明のため提供されている。これらの実施例は、トリパノソーマ系疾患を治療するためのトリパノソーマ抗原および/もしくは免疫原性組成物、または方法および使用に関連するものを含む、本明細書中に記載されている実施形態のいずれをも限定すると解釈するべきではない。
実施例1
トリパノソーマペプチドの同定
タンパク質配列のペプチドの中にあるT細胞反応性エピトープを予測できるコンピュータアルゴリズムを使用して、トリパノソーマ抗原を同定した。このin silicoモデルで、できるだけ多くの異なる菌株由来のタンパク質配列を、トリパノソーマ病原体から集めた。次に、特定のタンパク質に利用可能な配列を、Clustalを使用してアライメントし、コンセンサス配列を、Jalviewを使用して作製した。次に、この配列を、可能性のある全てのT細胞反応性エピトープを予測するアルゴリズムへとアップロードした。多数のエピトープを含む領域からペプチド配列を同定し、これらのT細胞免疫原性の高い領域を、異なる菌株間での保存に関してさらに解析した。見いだされた他の全ての配列の中で、連続したアミノ酸が少なくとも70%の配列同一性を共有する20〜40個の長さのアミノ酸である保存されたペプチド配列を選択し、さらに解析した。たとえば、ワクチン接種後の自己免疫性反応の誘導を回避するために、これらの保存されたペプチド配列を、これら配列が他のヒトおよびマウスのタンパク質配列と有意な同一性を共有しないことを確認するために評価した。さらに、これら保存されたペプチド配列を、これら配列がF−moc化学により合成的に製造できることを確認するために評価した。
この手法を使用して、異なる抗原由来の合計452個のペプチドを同定した。これらペプチドを、予測したエピトープの数に基づきランク付けし、この解析から上位100個のペプチドを、製造の実現可能性に関して評価した。最終的に、これらが含まれている予測したエピトープの数およびこれらの製造の実現可能性により、12個の候補ペプチドを同定した。配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12のアミノ酸配列を有するペプチドを、それぞれ、GMP(Good Manufacturing Practice)にしたがいF−moc化学(Bachem AG, Switzerland)により製造した。配列番号1(CH9)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来の副鞭毛桿(paraflagelar rod)の残基60〜99に対応する40個のアミノ酸ペプチドである。配列番号2(CH30)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来のADPリボシル化因子1の残基1〜30に対応する30個のアミノ酸ペプチドである。配列番号3(CH32)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来のトリパレドキシンタンパク質の残基1〜32に対応する32個のアミノ酸ペプチドである。配列番号4(CH36)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来のグルコース6リン酸イソメラーゼタンパク質の残基564〜588に対応する25個のアミノ酸ペプチドである。配列番号5(CH37)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来のピルビン酸リン酸ジキナーゼタンパク質の残基564〜588に対応する39個のアミノ酸ペプチドである。配列番号6(CH47)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来のTcp2bタンパク質の残基1〜34に対応する34個のアミノ酸ペプチドである。配列番号7(CH69)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来のDNAトポイソメラーゼ2タンパク質の残基441〜475に対応する35個のアミノ酸ペプチドである。配列番号8(CH72)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来のホスホイノシチドに特異的なホスホリパーゼCタンパク質の残基116〜145に対応する30個のアミノ酸ペプチドである。配列番号9(CH77)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来のジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼタンパク質の残基108〜140に対応する33個のアミノ酸ペプチドである。配列番号10(CH82)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来のヒストンH3タンパク質の残基43〜78に対応する36個のアミノ酸ペプチドである。配列番号11(CH84)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来のAGP2b2タンパク質の残基36〜68に対応する33個のアミノ酸ペプチドである。配列番号12(CH93)は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)由来のポリA結合タンパク質の残基514〜544に対応する31個のアミノ酸ペプチドである。これら配列は、複数の配列(ClustalW)、および国立生物工学情報センター(NCBI)データベースで利用可能な全てのトリパノソーマタンパク質配列の免疫原性解析を介して、in silicoで同定した(2006年1月)。各ポリペプチドは、5超の、ヒトのT細胞のエピトープを含む配列保存性の高い(70%以上)短い領域を表す。
実施例2
個々のトリパノソーマペプチドに対するサイトカインの応答
同定したペプチドのin vivoでの免疫原性を、配列に対するin vitroでの曝露の後にワクチン接種した動物の脾細胞におけるIFNγ、またはIgG2aの高い力価を誘導するペプチドの産生により評価した。1日目に各ペプチド10nmolでBALB/cマウスを免疫化し、15日目に追加免疫を行い、21日目に脾臓を単離し、末端で出血させた。
試験開始時に7〜9週齢のバリア育ち(barrier bred)(すなわち病原体フリー)のBALB/cマウスを、それぞれ6匹(3匹の雄性/3匹の雌性)を含む3つのグループに分割した。BALB/cマウスは急性シャーガス病に関するモデルを提供するため、これらマウスをこの試験に選択した。グループAのマウスに、以下のペプチド:CH9(配列番号1)、CH30(配列番号2)、CH32(配列番号3)、CH36(配列番号4)、CH37(配列番号5)およびCH47(配列番号6)の、10nmol/ペプチドの等モル混合物を投与した。グループBのマウスに、以下のペプチド:CH69(配列番号7)、CH72(配列番号8)、CH77(配列番号9)、CH82(配列番号10)およびCH84(配列番号11)の、10nmol/ペプチドの等モル混合物を投与した。グループCのマウスに、対照として関連しないペプチドの10nmol/ペプチドの等モル混合物を投与した。1日目に、全ての動物の尾の基底部にて皮下的に免疫化を行い、15日目に追加免疫を行った。21日目に、全ての動物を処分し、脾臓および血清を解析のために回収した。
T細胞の応答を、サイトカインELISAにより以下の通り評価した。マウスの脾臓をやさしく細胞濾過器を介して押圧し、赤血球を、赤血球溶解バッファー(9部、0.16MのNHCl、および1部、0.17Mのトリス、pH7.2)で除去した。各実験グループからの脾細胞の懸濁物を、50IU/50μg/mLのペニシリン/ストレプトマイシンおよび10%のFCSを補充したRPMI−1640培地中4×10細胞/ウェルの密度で、培地単独、コンカナバリンA(ConA)(5μg/mL)、2μMの単一のポリエピトープペプチドのいずれかを含む96ウェルプレートにプレーティングした。48時間のインキュベートの後、上清を回収し、免疫応答の誘導を評価するためにマウスのサイトカインELISAキット(BD Biosciences)を使用してIFN−γおよびIL−4の産生に関して解析した。このアッセイの検出閾値は、IFN−γで31.25pg/mLおよびIL−4で7.81pg/mLであった。応答を、シャーガスペプチドおよびそれらの応答性の対照で免疫化したグループ間のサイトカイン産生の差(pg/mL)としてプロットした。全てのグループの動物が、1000pg/mL超のIFN−γレベルおよび200pg/mL超のIL−4レベルでConAに反応した。動物は自発的な増殖を示さず、ここですべての培地単独の読み取りは、IFN−γおよびIL−4の両方に関して検出閾値未満またはおおよそ検出閾値であった。
予測されるように、脾細胞のConAの非特異的な刺激で観察された分泌と比較して、IL−4は、様々なペプチドに応答して、ほとんど分泌しないまたは全く分泌しなかった(図1Aおよび1B)。IFN−γの分泌では、この結果は、雌性が、雄性で行うよりも、IFN−γの量を多く分泌することにより応答するという事実を強調している。ペプチドCH9、CH47、CH77、CH82、およびCH84は、雌性ではIFN−γの分泌を誘導するが、雄性では誘導しなかった(図1Cおよび1D)。他方で、CH72は、雌性と比較して雄性において同様の適度なIFN−γの分泌を誘導し、CH69のみが、両方の性別で同様の強力な応答を誘導した(図1D)。雄性および雌性の間での異なる免疫応答およびクルーズトリパノソーマ(T.cruzi)感染症に対する性別の異なる易罹患性を考慮すると、これらの結果は非常に興味深い。IL−4産生の非存在下でのリコール抗原に対するin vitroでの曝露の後にワクチン接種したBALB/cマウスの脾細胞によるIFN−γの産生は、シャーガスペプチドでの免疫化がTh1応答を誘導すること明確に表している。BALB/cマウスにおけるCH30、CH32、CH36、およびCH37に対する応答の非存在は、この配列からのエピトープ産生の割合の有意な低下を反映している可能性がある(すなわちこの配列は分解に耐性がある)。
これらのペプチドでのワクチン接種により誘導された免疫応答をさらに解析するために、各ペプチドに特異的な総Igの力価を、全てのグループの動物の血清で測定した。ELISAの96ウェルプレートを、単一のシャーガスペプチド2μMで、+4℃で一晩コーティングした。プレートをPBST(0.05%のTWEEN 20を含むPBS)で2回洗浄し、PBS中1%のBSA Fraction Vで1時間ブロッキングした。プレートを、PBSTで3回洗浄した後、1:100〜1:3,200の2倍減少希釈(double decreasing dilutions)で試験血清試料を添加し、2時間インキュベートした。PBSTで6回洗浄した後、ウェルに、HRPコンジュゲート型ヤギ抗マウスIg血清を充填した。1時間インキュベートした後、プレートをPBSTで8回洗浄し、TMB基質を添加した。この反応を0.5MのHSOで停止させ、各ウェルの吸光度を450nmで読み取った。
この結果は、ワクチン接種した雄性と比較してワクチン接種した雌性でのより良好な抗体応答を示している。ペプチドCH47およびCH77は、両方の性別で最良の抗体応答を示しており、次に、CH69は、両方の性別で低い値ではあるが同様の抗体力価を誘導している(図2Aおよび2B)。
さらに抗体応答を詳細に分析するために、強力な抗体応答を示したペプチドに特異的なIgG1およびIgG2a抗体を測定した。この目的のため、ELISAの96ウェルプレートを、2μMの単一のシャーガスペプチドで、+4℃で一晩コーティングした。プレートをPBSTで2回洗浄し、PBS中1%のBSA Fraction Vで1時間ブロッキングした。プレートをPBSTで3回洗浄した後、試験血清試料を2時間添加した。PBSTで6回洗浄した後、ウェルに、ヤギ抗マウスIgG1または抗マウスIgG2aのいずれかを充填した。1時間インキュベートした後、HRPコンジュゲート型抗ヤギIgGを添加し、さらに1時間インキュベートした。次に、プレートを、PBSTで8回洗浄し、TMB基質を30分間添加した。この反応を、0.5MのHSOで停止し、各ウェルの吸光度を450nmで読み取った。
グラフでわかるように、ペプチドCH47およびCH77は、IgG2aおよびIgG1の両方の強力な抗体応答を呈した(図3A〜D)。これらELISAは定量的ではなく、定性的であるため、本発明者らは、抗体がTh1応答(高いIgG2a)またはTh2応答(高いIgG1)に向かう傾向があるかどうかを推定できなかった。
よって、この実施例の結果は、新規に合成したシャーガスに関するペプチドのin vivoでの試験が、良好なin vivoでの免疫原性および有意なTh1応答の誘導を表した6個のペプチドのグループを同定したことを示している。たとえば、CH9、CH47、CH69、CH72、CH77、およびCH84は、配列に対するin vitroでの曝露の後にワクチン接種した動物の脾細胞におけるINF−γの強力な産生を示し、CH47およびCH77はまた、高いIgG1およびIgG2aの力価により示されるように良好な抗体応答を誘導した。
実施例3
トリパノソーマペプチドに対するサイトカインの応答
CH47(配列番号6)、CH69(配列番号7)、CH72(配列番号8)、CH77(配列番号9)、CH84(配列番号11)、およびさらなるペプチドCH93(配列番号12)をさらに試験するために、さらなるin vivoでの免疫原性の試験を行った。試験開始時に7〜9週齢のバリア育ち(すなわち病原体フリー)のBALB/cマウスを、それぞれ6匹(3匹の雄性/3匹の雌性)を含む4つのグループに分割した。1日目および15日目に、0.1mlのMontanide ISA−51アジュバントで乳化したCH47、CH69、CH72、CH77、CH84、およびCH93のペプチド混合物水溶液0.1mlを含む0.2mlの組成物を、皮下注射として動物に投与した。グループ1は、各ペプチドに関して2.5nmolの等モル濃度を投与された3匹の雌性のマウスから構成されており、グループ2は、各ペプチドに関して2.5nmolの等モル濃度を投与された3匹の雄性のマウスから構成されており、グループ3は、各ペプチドに関して10nmolの等モル濃度を投与された3匹の雌性のマウスから構成されており、グループ4は、各ペプチドに関して10nmolの等モル濃度を投与された3匹の雄性のマウスから構成されていた。最後の投与から7日後に、全ての動物を処分し、末端で出血させ、脾臓を回収した。
T細胞の応答を、サイトカインELISAにより評価した。同一の性別およびグループの脾臓をまとめて集め、やさしく細胞濾過器を介して押圧し、赤血球を、赤血球溶解バッファー(9部、0.16MのNHCl、および1部、0.17Mのトリス、pH7.2)で除去した。各実験グループから単離した脾細胞の懸濁物を、50IU/50μg/mLのペニシリン/ストレプトマイシンおよび10%のFCSを補充したRPMI−1640培地中4×10細胞/ウェルの密度で、培地単独、コンカナバリンA(ConA)(5μg/mL)、2μMの単一のポリエピトープペプチドのいずれかを含む96ウェルプレートに、プレーティングした。48時間のインキュベートの後、上清を回収し、免疫応答の誘導を評価するためにマウスのサイトカインELISAキット(BD Biosciences)を使用してIFN−γおよびIL−4の産生に関して解析した。このアッセイにより決定されるサイトカインの検出閾値は、IFN−γで31.25pg/mLおよびIL−4で7.81pg/mLであった。
投与した用量および性別によるIFN−γおよびIL−4の分泌に関する結果は、図4Aおよび4Bに示されている。予測されるように、IL−4は、脾細胞のConAの非特異的な刺激で観察された分泌と比較して、様々なペプチドに応答してほとんど分泌しない、または全く分泌しなかった(図4A)。IFN−γの分泌では、2つの高いレスポンダーは、ペプチドCH47およびCH93であった(図4B)。CH69、CH77、およびCH84に対するIFN−γの応答は、以前の試験(たとえば実施例2)と比較してこの試験では少ない。この理由は、ペプチドCH47およびCH93が免疫優性であり、基本的に全てのペプチドが等モル量で投与される場合であっても、CH47およびCH93は、MHCに対する結合でより効率的であり、よって、残りのペプチドと比較して多く表されているためであり得る。実施例2では、ペプチドCH69、CH77、およびCH84は、CH47およびCH93に対して異なるグループであり、よって影響しなかった。2.5nmol用量または10nmol用量を投与した動物間では、サイトカイン発現の観点からの大きな差異は存在しなかった。CH93のみが、2.5nmol対10nmolでワクチン接種した両性別においてIFN−γの産生の明らかな増加を示した(図4B)。
観察されたIFN−γの応答が特異的であるかどうかを解明するために、本発明者らは、ワクチン接種していない(無処置)異なるマウス系統(C57BLK6)由来の脾細胞において単一のペプチドを試験した。合計10個の脾臓(5匹の雄性/5匹の雌性)を、上述したように処理し、単一の脾細胞の懸濁物として集めた。細胞を、50IU/50μg/mLのペニシリン/ストレプトマイシンおよび10%のFCSを補充したRPMI−1640培地中4×10細胞/ウェルで、培地単独、コンカナバリンA(ConA)(5μg/mL)、2μMの単一のポリエピトープペプチドのいずれかを含む96ウェルプレートに播種した。48時間のインキュベートの後、上清を回収し、免疫応答の誘導を評価するためにマウスのサイトカインELISAキット(BD Biosciences)を使用してIFN−γの産生に関して解析した。IFN−γに関する、アッセイにより決定されるサイトカインの検出閾値は31.25pg/mLであった。
この結果は、CH93で得た応答が、CH93に曝露した無処置の動物由来の脾細胞が、48時間のインキュベート後に非常に高レベルのIFN−γを分泌するため、非特異的であることを示している(図5)。CH93は、おそらくは、TLRなどのパターン認識受容体への結合を介した自然免疫を刺激する。
これらペプチドでのワクチン接種により誘導される免疫応答をさらに解析するために、総Igの力価を、異なるグループ由来の血清試料でELISAにより以下のように測定した。ELISAの96ウェルプレートを、2μMの単一のシャーガスペプチドで、+4℃で一晩コーティングした。プレートをPBSTで2回洗浄し、PBS中1%のBSA Fraction Vで1時間ブロッキングした。プレートをPBSTで3回洗浄した後、1:100〜1:3,200の2倍減少希釈での試験血清試料を添加し、2時間インキュベートした。PBSTで6回洗浄した後、ウェルに、HRPコンジュゲート型ヤギ抗マウスIg血清を充填した。1時間インキュベートした後、プレートをPBSTで8回洗浄し、TMB基質を添加した。反応を0.5MのHSOで停止し、各ウェルの吸光度を、450nmで読み取った。
ELISAの結果を解析した後、CH47は、雄性および雌性において優れた応答を示している(図6A)。しかしながらこの高い応答は、実施例2において顕著な抗体応答を示したペプチドCH69およびCH77(図6Bおよび6D)の抗体応答を弱めている。CH93は、抗体応答を誘導しなかった。
CH47およびCH77によりもたらされる抗体応答をさらに詳しく分析するために、各単一のペプチドに特異的なIgG1およびIgG2aの抗体を測定した。この目的のため、ELISAの96ウェルプレートを、2μMの単一のペプチドで、+4℃で一晩コーティングした。プレートをPBSTで2回洗浄し、PBS中1%のBSA Fraction Vで1時間ブロッキングした。プレートを、PBSTで3回洗浄した後、試験血清試料を2時間添加した。PBSTで6回洗浄した後、ウェルにヤギ抗マウスIgG1または抗マウスIgG2aのいずれかを充填した。1時間インキュベートした後、HRPコンジュゲート型抗ヤギIgGを添加し、さらに1時間インキュベートした。次にプレートをPBSTで8回洗浄し、TMB基質を30分間添加した。この反応を、0.5MのHSOで停止し、各ウェルの吸光度を450nmで読み取った。
図7A〜Dでわかるように、ペプチドCH47およびCH77は、Th2応答に特有の強力なIgG1抗体応答を呈している(図7Aおよび7B)。興味深いことに、CH47のみが、強力なIgG2aの応答を誘導でき、マウスにおけるTh1応答を表している(図7D)。
実施例4
CH47の免疫優性
他のペプチドの免疫原性に及ぼすCH47の作用を試験するために、CH47と共に試験した他のペプチド(実施例2および3に開示)を、2つのグループに分割し、1日目に、グループ1またはグループ2のペプチドで、マウスにワクチン接種を行った。次に各グループをAおよびBに分け、14日目に、下位グループAに、1日目に投与したものと同一のペプチドの用量を投与し、下位グループBに、1日目に投与したペプチド+CH47を投与した。投与レジメンは以下の通りである。グループ1A、1日目および14日目にCH9、CH30、CH32、CH36、およびCH37をそれぞれ10nmol;グループ1B、1日目にCH9、CH30、CH32、CH36、およびCH37をそれぞれ10nmol、および14日目に、同一のペプチドの組み合わせ+10nmolのCH47;グループ2A、1日目および14日目にCH69、CH72、CH77、CH82、およびCH84をそれぞれ10nmol;ならびにグループ2B、1日目にCH69、CH72、CH77、CH82、およびCH84をそれぞれ10nmol、14日目に同一のペプチドの組み合わせ+10nmolのCH47。
この試験を、試験開始時に7〜9週齢のバリア育ち(すなわち病原体フリー)のBALB/cマウスで行った。4グループは、それぞれ、4匹の動物(2匹の雄性/2匹の雌性)を含んでいた。全ての動物に、0.2mlの組成物(0.1mlのMontanide ISA−51アジュバントで乳化したペプチド混合物水溶液0.1ml)の2回用量を、1日目および14日目に皮下注射として投与した。脾臓および血清の試料を、実施例2および3に記載されるように解析した。
表3は、投与した用量および性別による、脾細胞培養物の上清におけるIL―4の産生(pg/ml)を表している。IL―4は、コンカナバリンA(ConA)で得た応答と比較して、試験されるペプチドのいずれに対しての応答でもほとんど産生しなかった。
Figure 2019513797
表4は、投与した用量および性別による、脾細胞培養物の上清におけるINF−γの産生(pg/ml)を表している。ペプチドCH30、CH69、CH72、CH77、およびCH84(ブラックボックスでマークされている)は、追加免疫のワクチンの調製においてCH47を有することにより増大した適度〜良好なIFN−γの応答を誘導した。CH9およびCH32は、IFN−γの強力な産生を誘導したが、ペプチドでワクチン接種していない動物由来の脾細胞であっても高かったため、非特異的であった。この非特異的な応答は、おそらくはこれらの溶解度の低さおよび微粒子化した(particulated)性質によるものである。
Figure 2019513797
抗体応答に関して、CH37およびCH77は、両方とも、抗体応答を誘導することができる(表5)。表5は、血清の1:400の希釈での抗体の力価(abs 450nm−570nm)を示している。CH77は、実行した全ての試験において一貫して高いレベルの抗体応答を示した。本発明者らは、CH37に関するこのような強い抗体応答をいままで測定していなかった。これは、過去の試験でCH37が常にCH47を含むペプチドの組み合わせで使用されており、よってこの抗体応答がCH47により発現停止されていたためであった。
Figure 2019513797
CH37およびCH77によりもたらされる抗体の応答をさらに詳細に分析するために、各単一のペプチドに特異的なIgG1およびIgG2aの抗体を測定した(図8A〜D)。結果は、対照グループの吸光度が試験グループから減算された相対的な吸光度として表されている。図8A〜Dでわかるように、IgG1の力価は、CH37およびCH77の両方に関してIgG2aの力価よりも高い。IgG2aの応答は、感染した細胞に対する補体の応答およびADCCの応答の活性化に関連する傾向があり、IgG1抗体は、中和応答を誘導する細胞外トリパノソーマの表面上で利用可能な抗原に結合し得る。
まとめると、この結果は、追加免疫におけるCH47の単回投与が、サイトカインおよび抗体の応答の両方を増大させることを表している。試験したペプチドの列挙から、本発明者らは、ワクチンが、これらの抗体の応答に関しては、CH37およびCH77からなるべきであり、これらのIFN−γ応答に関してはCH30、CH69、CH72、およびCH84からなるべきであり、他のペプチドの効果を増強するための追加免疫ワクチン接種においては、CH47を加えるべきであると考えている。
実施例5
ウサギの抗血清
ウサギにおける開示のシャーガスペプチドに対する抗体を作製するために、それぞれ体重約3kgの2匹の雄性のウサギ(New Zealand)を使用した。陰性対照として使用する血液を回収するため、試験開始時に1匹の末端を出血させた。もう1匹の雄性に、以下のスケジュールを使用して免疫化を行った。0日目に、動物に、免疫原性組成物600μlを皮下注射した。0日目の免疫原性組成物を、300μLのMontanide ISA−51アジュバント(Seppic)を伴い、水に溶解したCH30、CH37、CH69、CH72、CH77、およびCH84をそれぞれ30nmol含む300μLのペプチド混合物を乳化することにより作製した。14日目に、別の免疫原性組成物600μlを皮下注射した。14日目の免疫原性組成物を、300μLのMontanide ISA−51アジュバント(Seppic)を伴い、水に溶解したCH30、CH37、CH69、CH72、CH77、CH84、およびCH47をそれぞれ30nmol含む300μLのペプチド混合物を乳化することにより作製した。28日目に、第3の免疫原性組成物600μlの皮下注射を行った。14日目の免疫原性組成物を、300μLのMontanide ISA−51アジュバント(Seppic)を伴い、水に溶解したCH30、CH37、CH69、CH72、CH77、およびCH84をそれぞれ30nmol含む300μLのペプチド混合物を乳化することにより作製した。42日目に、動物に、第4の免疫原性組成物600μlの皮下注射を行った。42日目の免疫原性組成物を、300μLのMontanide ISA−51アジュバント(Seppic)を伴い、水に溶解したCH30、CH37、CH69、CH72、CH77、CH84、およびCH47をそれぞれ30nmol含む300μLのペプチド混合物を乳化することにより作製した。0.5mlの血液の試料を、0日目(ワクチン接種前)、14日目、25日目(第2の免疫化から11日後)、39日目(第3の免疫化から7日後)、および67日目(処分日の第4の免疫化から25日後)に、動物から得た。血液を室温で凝血させ、血清を回収し、抗体応答に関して解析した。
これらの免疫原性組成物により誘導される免疫応答を評価するために、総Igの力価を、異なるグループ由来の血清試料でELISAにより以下のように測定した。ELISAの96ウェルプレートのウェルを、個別に、2μMのシャーガスペプチドのうちの1つで、+4℃で一晩コーティングした。プレートをPBSTで2回洗浄し、PBS中1%のBSA Fraction Vで1時間ブロッキングした。プレートを、PBSTで3回洗浄した後、1:100〜1:3,200の2倍減少希釈の血清試料180μlを添加し、2時間インキュベートした。PBSTで4回洗浄した後、ウェルに、HRPコンジュゲート型ヤギ抗ウサギIg血清を充填した。暗室で1時間インキュベートした後、プレートをPBSTで6回洗浄し、TMB基質100μlを添加し、プレートを周囲温度、暗室で30分間インキュベートした。この反応を、0.5MのHSO50μlで停止した。各ウェルの吸光度を450nmで読み取り、570nmで吸光度を読み取ることによりバックグラウンド減算を行った。
図9A〜Hは、第4の免疫化を投与してから25日後の、67日目のIgGのレベルを示している。ペプチドCH30、CH37、CH47、およびCH77は、それぞれ個々に、陰性対照の血清および総ペプチド混合物の両方と比較して、強い免疫原性応答を誘発した。ペプチドCH69およびCH72もまた、個々に、良好な免疫原性応答を誘発した。
実施例6
トリパノソーマのマウスチャレンジにおけるワクチンの有効性
シャーガスに対する予防ワクチンとしての本明細書中開示のトリパノソーマ抗原の使用を評価するために、ワクチン組成物を、月齢2ケ月のBALB/cJマウスで試験した。組成物である指定されたCH−vは、アジュバントのMontanide ISA−51(Seppic)および以下のペプチド:CH30、CH37、CH69、CH72、CH77、およびCH84を含んでいた。CH−v+CH47からなるさらなる組成物も同様に使用した。免疫化を、月齢2ケ月の雄性のBALB/cJマウスで行った。最初に、動物を、BSL−3の研究室の設備に順化させた後、免疫化を行った。免疫化は、図10に表されるように行った。
免疫化した動物を、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)の血流の錐鞭毛型のRA菌株(進化系統/種類の単位(typing unit)=TcVI)(Risso, et al, J Infect Dis 189:2250,2004)でチャレンジするために、動物に、腹腔内注射(IP)を介して50個の錐鞭毛型を投与した。RA菌株は、機関の動物施設で雄性のCF1マウスの連続継代により維持されている。別の血漿試料を、免疫化した後およびチャレンジ前の各マウスから入手し保存した。循環する寄生生物の存在を、感染後10日目、13日目、および40日目(dpi)に、1滴の血液(光学顕微鏡下400倍での30個の領域)から寄生生物を計測することにより評価した。16dpiから、寄生虫血を、溶解性溶液(赤血球を溶解するため)45μlと混合した末梢血5μlから開始して、血球計数器(Neubauer)で寄生生物を計測することにより判定した。値は、mlあたりの寄生生物の数として表されている。死亡率は、毎日追跡調査した。
全てのグループに関する寄生虫血のデータを決定した。有意差が、寄生生物の数において、グループB対対照(A+C)において18dpiで観察された(p<0.00014)(図11)。驚くべきことに、CH−v単独でワクチン接種した動物(グループB)における寄生生物の数は、対照グループにおける寄生生物の数を上回った。
全てのグループに関する死亡率のデータを決定した(図12)。興味深いことに、グループD(CH47を併用したCH−v)における動物の40%は、チャレンジから25日後でこのチャレンジを生き抜いており、33%が50日目まで生存し続けた。この解析は、スチューデントt検定(寄生虫血の値)、ANOVA、次いでボンフェローニおよびGehan−Breslow−Wilcoxon(GraphPad Software)を使用して行った。また、死亡率の有意差を同定した:B対対照(A+C)、p<0.0005;D対対照(A+C)、p<0.0394(図11)。得られた結果は、CH−vで免疫化した動物(グループB)が多くの寄生虫血を発達させており、このことが、このグループで観察される早期の死亡率と相関していることを示した。このことは、この混合物またはその成分のうちの1つが、宿主の応答の結果に陰性的に影響することにより、観察される早期死亡率をもたらすこととなる調節因子として作用し得ることを示唆している。グループD(CH47と併用したCH−v)由来の動物の寄生虫血の値は、対照のマウスで観察された値と同様であるが、これにも関わらず、27dpiでの死亡率は、58.3%に減少し、40dpiまででは66.7%に減少し、対して対照は、24dpiで100%の死亡率に達した。総合的にみて、この結果は、CH―vでワクチン接種した動物に投与した追加免疫にペプチドCH47が含まれていることが、保護的な免疫応答を誘発するのに重要であることを示唆している。また、このペプチドの効果が、免疫応答におけるCH−v混合物により誘導される陰性的な作用を中和し得ることに留意することも重要である。
クルーズトリパノソーマ(T.cruzi)のRA菌株を用いた感染モデルは、評価されるワクチン候補物にとって難問を呈している。この理由は、100%の死亡率を引き起こし、膵臓、胸腺、および神経節の組織構造の変質および破壊を引き起こすためである。マウスにおける連続継代によるこの菌株の維持は、in vitroで培養する際に弱毒化する、その病原性などのこの菌株の生物学的な特徴の保存を支援している。
実施例7
トリパノソーマのマウスチャレンジにおけるワクチンの有効性
シャーガスに対する予防ワクチンとしての、CH47と併用したCH−vまたはCH47単独(2回用量)の有効性を評価するために、ワクチン組成物を、月齢2ケ月のBALB/cJマウスで試験した。この試験は、それぞれ月齢2ケ月の雄性BALB/cJマウス12匹を含む3つのグループ(A、B、およびC)からなるものであった。図13に表されているように、グループAの動物に、1日目および14日目に、アジュバント処理したCH47単独を2回用量で投与した。グループBの動物に、1日目にアジュバント処理したCH−v(CH30、CH37、CH69、CH72、CH77、CH84)、次いで14日目にアジュバント処理したCH−vをCH47と併用して投与した。グループC(対照)に、1日目および14日目に、水およびMontanide ISA−51アジュバントのエマルジョンを皮下投与として投与した。
免疫化した動物を、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)の血流の錐鞭毛型のRA菌株(進化系統/種類の単位(typing unit)=TcVI)(Risso, et al, J Infect Dis 189:2250, 2004)でチャレンジするために、動物に、腹腔内注射(IP)を介して50個の錐鞭毛型を投与した。RA菌株は、機関の動物施設で雄性のCF1マウスの連続継代により維持されている。寄生虫血を、溶解性溶液(赤血球を溶解するため)45μlと混合した末梢血5μlから開始して、血球計数器(Neubauer)で寄生生物を計測することにより判定した。値は、mlあたりの寄生生物の数として表されている。死亡率を、毎日追跡調査した。
図14でわかるように、CH47と併用したCH−vで得られた生存率は、試験1で得られた値と非常に類似している(33.3%)。驚くべきことに、CH47でのみ免疫化したグループの生存は、致死性のトリパノソーマチャレンジから60日後で、対照グループの83.5%と比較して、感染症に屈した動物が50%のみといった、高い生存を示した。
17日目の寄生虫血は、対照グループと比較してワクチン接種した両方のグループで低減した。グループCH−v+CH47で生存している動物は、さらに22日目で、寄生虫血のさらなる低減を経た(図15)。しかしながら、25日を経過して生存した動物のチャレンジ後17日目および22日目の寄生虫血を観察すると、寄生虫血は、対照のグループと比較してワクチン接種したグループの両方で低減している(図16)。最も可能性のある説明は、対照グループで急性感染を生き残った動物が、明らかな感染症よりは慢性的な感染に入ったとの説明である。
最後に、本明細書の態様は特定の実施形態を表すことにより強調されているが、当業者は、これら開示された実施形態が、単に本明細書中開示の主題の原則を表していることを容易に認識することが理解されている。よって、そのように明示されていない限り、開示の主題が、本明細書中記載の特定の化合物、組成物、物品、装置、方法、プロトコル、および/または試薬などに全く限定されないことを理解すべきである。さらに、それらの特定の変化、修正、再配列、変動、追加、減算、および部分的な組み合わせを、本明細書の趣旨から逸脱することなく本明細書中の教示にしたがい行うことができることを、当業者は認識するであろう。よって、以下の添付の特許請求の範囲およびその後に導入される特許請求の範囲が、本明細書の趣旨および範囲の中にあるように、このような変化、修正、再配列、変動、追加、減算、および部分的な組み合わせのすべてを含むと解釈されることが意図されている。
本発明を実施するために本発明者に知られているベストモードを含む本発明の特定の実施形態が本明細書中に記載されている。当然、記載されているこれら実施形態のバリエーションは、上記の説明を読むことにより当業者に明らかとなるであろう。本発明者らは、当業者が、このようなバリエーションを適宜使用することを予測しており、本発明者らは、本発明が、本明細書中特に記載されているもの以外で実施されることを意図している。よって本発明は、本明細書中添付の特許請求の範囲に列挙されている主題の全ての修正および均等物を、適用可能な法に準拠している限り含む。さらに、それらの見込みのあるバリエーションすべてにおける上述の実施形態のいずれかの組み合わせは、本明細書中特段他の記載がない限り、または文脈と明らかに矛盾していない限り、本発明に包有されている。
本発明の代替的な実施形態、要素、またはステップのグループ分けは、限定と解釈されるべきではない。各グループのメンバーは、個々に、または本明細書中開示の他のグループのメンバーとのいずれかの組み合わせで、表されてもよく、請求されてもよい。グループのうち1つまたは複数のメンバーが、簡便性および/または特許性の理由のため、グループに含まれてもよく、グループから削除されてもよいことが予想されている。このような何等かの包有または削除が起こる場合、本明細書は、修正したグループを含み、よって、添付の特許請求の範囲に使用されている全てのマーカッシュ群の記載を満たしていると、みなされている。
他の記載がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用されている特徴、項目、量、パラメータ、特性、用語などを表す全ての数は、用語「約」により全ての例で修正されることが理解されている。よって、本明細書中使用される用語「約」は、定量化した特徴、項目、量、パラメータ、特性、または用語が、記載した特徴、項目、量、パラメータ、特性、または用語の値の±10パーセント超および未満の範囲を含むことを意味している。よって、反対の意味が指摘されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載されている数字のパラメータは、変動し得る近似値である。たとえば、質量分析の器具が、所定の解析物の質量を決定する際にわずかに変動し得るため、イオンの質量、またはイオンの質量/電荷比の文脈での用語「約」は、+/−0.50原子質量単位を表す。少なくとも、ならびに特許請求の範囲の均等物の教義の使用を限定する試みとしてではなく、各数字表示は、少なくとも、記録されている有意な桁の数の観点から、通常の丸め技術を使用することにより解釈されるべきである。
実施形態または実施形態の態様に関する用語「may」または「can」の使用はまた、この用語を、別の意味の「may not」または「cannot」で用いることをも含む。同様に、本明細書は、実施形態または実施形態の態様が、本発明の主題の一部として含まれてもよく、または含むことができることを開示している場合、よって除くクレーム(negative limitation)または排他的条件(exclusionary proviso)も明示的に意味されており、実施形態または実施形態の態様が本発明の主題の一部として含まれていなくてもよく、含むことができないことも意味している。同様に、実施形態または実施形態の態様に関連した用語「任意に」の使用は、当該実施形態または実施形態の態様が、本発明の主題の一部として含まれていてもよく、または本発明の主題の一部として含まれていなくてもよいことを意味する。当該除くクレームまたは排他的な条件の適用は、除くクレームまたは排他的な条件が請求される主題に記載されているかどうかに基づく。
本発明の広い範囲を記載している数字の範囲および値は近似値ではあるが、特定の実施例に記載される数字の範囲および値は、可能な限り正確に記録されている。しかしながら、いずれかの数字の範囲または値は、本質的に、それぞれの試験の測定値で見いだされる標準偏差から必然的にもたらされる特定の誤差を含む。本明細書中の値の数字の範囲の記載は、単に、範囲内にあるそれぞれ別々の数字の範囲を個々に表す簡潔な方法として作用すると意図されている。本明細書中特段の記載がない限り、ある数字の範囲のうちのそれぞれ個々の値は、本明細書中個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれている。
本発明を記載している文脈(特に以下の特許請求の範囲の文脈)で使用されている用語「a」、「an」、「the」、および同様の言及は、本明細書中他の記載がない限り、または文脈と明確に矛盾していない限り、単数形および複数形の両方を含むと解釈すべきである。さらに、同定した要素に関する順序の指標―たとえば「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、要素間を区別するために使用されており、当該要素の必要数または限定数を表すまたは暗示するものではなく、特段明記されていない限り、当該要素の特定の位置または順序を表すものではない。本明細書中記載の全ての方法は、本明細書中特段記載されていない限り、または文脈と明確に矛盾していない限り、任意の適切な順序で行うことができる。本明細書中提供されているあらゆる例、または例示的な言語(たとえば「など」)の使用は、単に、本発明をより良く明らかにすることを意図しており、別の箇所で請求されている本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に重要な請求されていない要素を表すと解釈するべきではない。
特許請求の範囲に使用される場合、出願されるかまたは補正で追加されるかどうかに関わらず、オープンエンドの移行句の用語「comprising」(およびincluding、containing、およびhavingなどのこれと均等なオープンエンドの移行句)は、明記された要素、限定、ステップ、および/または特性のすべてを、単独、または記載されていない主題と組み合わせて含み;明記された要素、限定、および/または特性は重要ではあるが、他の明記されてない要素、限定、および/または特性を追加してもよく、さらに、特許請求の範囲内の構成を形成し得る。本明細書中開示の特定の実施形態は、「comprising」の代わりに、または「comprising」の補正として、クローズエンドの移行句「consisting of」または「consisting essentially of」を使用して、特許請求の範囲でさらに限定され得る。特許請求の範囲で使用される場合、出願されるかまたは補正で追加されるかどうかに関わらず、クローズエンドの移行句「consisting of」は、特許請求の範囲に明記されていないいずれの要素、限定、ステップ、または特性をも排除する。クローズエンドの移行句「consisting essentially of」は、明記された要素、限定、ステップ、および/または特性、ならびに請求される主題の基本的かつ新規な特徴(複数可)に実質的に影響しない他のいずれかの要素、限定、ステップ、および/または特徴に、特許請求の範囲を限定する。よって、オープンエンドの移行句「comprising」の意味は、特に記載されている全ての要素、限定、ステップ、および/または特性、ならびに何等かの任意の追加的な記載されていないものを含むと定義されている。クローズエンドの移行句「consisting of」の意味は、特許請求の範囲に特に記載されている要素、限定、ステップ、および/または特性のみを含むと定義されており、クローズエンドの移行句「consisting essentially of」の意味は、特許請求の範囲に特に記載されている要素、限定、ステップ、および/または特性、ならびに請求される主題の基本的かつ新規な特徴(複数可)に実質的に影響しない要素、限定、ステップ、および/または特性のみを含むと定義されている。よって、オープンエンドの移行句「comprising」(およびこれと均等なオープンエンドの移行句)は、この意味の中に、限定した場合として、クローズエンドの移行句「consisting of」または「consisting essentially of」により特定されている、請求される主題を含む。本明細書中に記載されている、または移行句「comprising」で請求されているこのような実施形態が、明らかにまたは本質的に明確に記載されている場合、文言「consisting of」および「consisting essentially of」は有効であり、立証されている。
本明細書中参照かつ同定されている全ての特許、特許公報、および他の刊行物は、個々におよび明らかに、たとえば本発明と関連して使用され得る当該刊行物に記載されている組成物および方法を説明および開示する目的のために、それら全体が参照として本明細書中に援用されている。これらの刊行物は、単に、本願の出願日より前のそれらの開示に関して提供されている。このことに関して、本発明者らが、従来の発明の効力または他のいずれかの理由により当該開示に先行する権利はないとの承認として解釈するべきではない。
これら文書の内容に関する日付または表明に関する全ての供述は、本出願人に利用可能な情報に基づくものであり、これら文書の日付または内容の正確性に関する承認を構成するものではない。
最後に、本明細書中使用される用語は、単に、特定の実施形態を説明する目的のためのものであり、特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲を限定するように意図されてはいない。よって、本発明は、正確に示され記載されている通りに限定されるものではない。

Claims (36)

  1. 配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、もしくは配列番号12、または配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、もしくは配列番号12と75%のアミノ酸同一性を有するペプチド、または配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、もしくは配列番号12由来の少なくとも7個の連続したアミノ酸を有するペプチドである、トリパノソーマ抗原。
  2. 前記ペプチドが、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と75%のアミノ酸同一性を有し、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と比較して、少なくとも1つの連続したアミノ酸の欠失、付加、および/または置換を含む、請求項1に記載のトリパノソーマ抗原。
  3. 前記ペプチドが、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と75%のアミノ酸同一性を有し、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と比較して、少なくとも1つの連続していないアミノ酸の欠失、付加、および/または置換を含む、請求項1に記載のトリパノソーマ抗原。
  4. 前記ペプチドが、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と75%のアミノ酸同一性を有し、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と比較して最大11個の連続したアミノ酸の欠失、付加、および/または置換を含む、請求項1に記載のトリパノソーマ抗原。
  5. 前記ペプチドが、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と75%のアミノ酸同一性を有し、配列番号6、配列番号9、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号11、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号10、または配列番号12と比較して、最大11個の連続していないアミノ酸の欠失、付加、および/または置換を含む、請求項1に記載のトリパノソーマ抗原。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に定義されている1つまたは複数のトリパノソーマ抗原を含む免疫原性組成物。
  7. 前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号6を含む、請求項6に記載の免疫原性組成物。
  8. 前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号9を含む、請求項6または7に記載の免疫原性組成物。
  9. 前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号5を含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  10. 前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号5および配列番号9を含む、請求項6に記載の免疫原性組成物。
  11. 前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号5、配列番号6、および配列番号9を含む、請求項6に記載の免疫原性組成物。
  12. 前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号7、配列番号8、および配列番号11を含む、請求項6〜11のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  13. 前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号2、配列番号7、配列番号8、配列番号9、および配列番号11を含む、請求項6または7に記載の免疫原性組成物。
  14. 前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号9、および配列番号11を含む、請求項6または7に記載の免疫原性組成物。
  15. 前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、および配列番号11を含む、請求項6に記載の免疫原性組成物。
  16. 前記1つまたは複数のトリパノソーマ抗原が、それぞれ、約1mg〜約1,000mgの量で存在する、請求項6〜15のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  17. 前記免疫原性組成物が、1つまたは複数のアジュバントをさらに含む、請求項6〜16のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  18. 前記1つまたは複数のアジュバントが、それぞれ、約100μg/mL〜約1,500μg/mlの量で存在する、請求項17に記載の免疫原性組成物。
  19. 1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体をさらに含む、請求項6〜18のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  20. トリパノソーマ系疾患を治療する方法であって、請求項6〜18のいずれか1項に定義されている免疫原性組成物を、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を低減することにより、トリパノソーマ系疾患を治療するために十分な量で、その必要がある個体に投与するステップを含む、方法。
  21. 前記免疫原性組成物の投与を、トリパノソーマのクリアランスもしくは除去を増大、誘導、強化、増強、促進、もしくは刺激するため、またはトリパノソーマの別の個体への伝染を減少、低減、阻害、抑制、予防、制御、もしくは限定するために十分な量で行う、請求項20に記載の方法。
  22. 前記免疫原性組成物の投与を、トリパノソーマ病原体の数もしくは力価を低減、減少、抑制、限定、制御、もしくは阻害するため;トリパノソーマ病原体の増殖もしくは複製を低減、減少、抑制、限定、制御、もしくは阻害するため;トリパノソーマのタンパク質の合成量を低下、減少、抑制、限定、制御、もしくは阻害するため;または複製されるトリパノソーマ病原体の核酸の量を低下、減少、抑制、限定、制御、もしくは阻害するために十分な量で行う、請求項20または21に記載の方法。
  23. 前記免疫原性組成物の投与が、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を、少なくとも10%低減する、請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記免疫原性組成物の投与が、トリパノソーマ系の感染症または病態に関連する1つまたは複数の生理的な状態または症状を、少なくとも1週間低減する、請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. トリパノソーマ系疾患が、シャーガス病またはアフリカ睡眠病である、請求項20〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. トリパノソーマ系疾患を治療するための、請求項1〜5のいずれか1項に定義されているα―トリパノソーマ抗原、または請求項6〜18のいずれか1項に定義されている免疫原性組成物の使用。
  27. トリパノソーマ系疾患を治療する方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に定義されているトリパノソーマ抗原、または請求項6〜19のいずれか1項に定義されている免疫原性組成物を、トリパノソーマ系の感染症または病態に対してそれを必要とする個体に免疫化またはワクチン接種を行うことにより、前記トリパノソーマ系疾患を治療するために十分な量で、前記個体に投与するステップを含む、方法。
  28. トリパノソーマ系疾患を治療する方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に定義されているトリパノソーマ抗原、または請求項6〜19のいずれか1項に定義されている免疫原性組成物を、トリパノソーマ系の感染症または病態からそれを必要とする個体を保護するために十分な量で、前記個体に投与するステップを含む、方法。
  29. 前記トリパノソーマ抗原または前記免疫原性組成物の投与を、トリパノソーマに対する免疫応答を増大、誘導、強化、増強、促進、または刺激するために十分な量で行う、請求項27または28に記載の方法。
  30. 前記トリパノソーマ抗原または前記免疫原性組成物の投与を、前記トリパノソーマ系の感染症または病態に対して前記個体に免疫化またはワクチン接種を行うために十分な量で行う、請求項27〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記トリパノソーマ抗原または前記免疫原性組成物の投与を、トリパノソーマ系の感染症または病態に対する易罹患性を低減、減少、限定、制御、または阻害するために十分な量で行う、請求項27〜30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記トリパノソーマ抗原または前記免疫原性組成物の投与を、トリパノソーマのクリアランスもしくは除去を増大、誘導、強化、増強、促進、もしくは刺激するため、またはトリパノソーマの別の個体への伝染を減少、低減、阻害、抑制、予防、制御、もしくは限定するために十分な量で行う、請求項27〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記トリパノソーマ系疾患が、シャーガス病またはアフリカ睡眠病である、請求項27〜32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 薬物を製造するための、請求項1〜5のいずれか1項に定義されているトリパノソーマ抗原の使用。
  35. 薬物を製造するための、請求項6〜18のいずれか1項に定義されている免疫原性組成物の使用。
  36. 前記トリパノソーマ系疾患が、シャーガス病またはアフリカ睡眠病である、請求項34または35のいずれか1項に記載の使用。
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