本出願は、「元鍵復元装置および方法」と題する、2016年2月29日に中国特許庁に出願された中国特許出願第201610115768.2号に基づく優先権を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明の実施形態は、量子通信分野に関し、特には、元鍵復元装置および方法に関する。
ネットワーク技術の急速な発展に伴い、ネットワークを通じて大量の機密情報が伝送される必要があり、機密情報が失われないよう、または攻撃されないように保護する必要がある。暗号化は、情報セキュリティを保証するための重要な手段の1つである。既存の古典的な暗号化システムは、計算複雑性に基づいて確立されており、解読されることがある。古典的な暗号システムでは、無条件安全性を実現するためにワンタイム鍵のみが使用され得るが、大量の乱数鍵をどのように生成するかが常に問題となっている。量子鍵配布(Quantum Key Distribution、略してQKD)技術がこの問題を解決する。
具体的には、QKDにおいては量子状態が情報単位として使用され、情報を伝送し保護するためにいくつかの量子力学の原理が使用される。通常、量子状態を情報担体として使用し、かつ量子力学の原理を使用することによって、2つの通信当事者が、量子チャネル伝送を通じて2つのセキュアな通信当事者間に共有の鍵を確立する。QKDのセキュリティは、量子力学の「ハイゼンベルグの不確定性関係」および「単一量子複製不可能定理」、または、もつれた粒子のコヒーレンスおよび非局在性などの量子の特性を使用することによって保証される。
図1aは、量子通信が適用されるシステムの概略構造図の例を示す。図1aに示すように、当該システムは、送信装置101と受信装置102とを備える。送信装置は、マスタ制御ユニット103と量子送信機104と同期クロック送信機105とネゴシエーション情報送受信機106とサービス情報送信機107とを有する。受信装置は、マスタ制御ユニット108と量子受信機109と同期クロック受信機110とネゴシエーション情報送受信機111とサービス情報受信機112とを有する。送信装置は、量子送信機を使用することによって、元鍵を保持する量子光信号を受信装置の量子受信機に送信し、これにより、受信装置は、量子光信号から元の量子鍵を復元する。送信装置は、同期クロック送信機を使用することによって、同期クロック信号を受信装置の同期クロック受信機に送信し、これにより、受信装置は、送信装置とのクロック同期を実装する。送信装置のネゴシエーション情報送受信機と受信装置のネゴシエーション情報送受信機との間でネゴシエーション情報が送受信され、これにより、送信装置および受信装置は、ネゴシエーション情報に基づいて元の量子鍵から最終的な量子鍵を決定する。送信装置は、サービス情報送信機を使用することによって、受信装置のサービス情報受信機にサービス情報を送信する。
量子鍵配布プロセスは具体的に、送信装置が量子光信号に元鍵を追加して、受信装置に量子光信号を送信することと、量子光信号を受信した後、受信装置が量子光信号から元鍵を復元することと、さらに、送信装置と受信装置との間でのネゴシエーションを通じて、最終的に使用される鍵が元鍵から決定されることとを備える。
従来技術においては、送信装置が局部発振器光信号を生成し、同じ光ファイバを通じて局部発振器光信号および量子光信号を伝送する。この場合、受信装置が元鍵を正確に復元する必要がある場合、局部発振器光信号および量子光信号が2:2結合器の入力端に到着する時間が厳密に保証される必要がある。具体的には、受信装置は、局部発振器光信号および量子光信号が通過する経路に対して厳密な等長制御を行う必要がある。この技術的解決手段をエンジニアリングで使用するは非常に困難である。
要約すると、受信された量子光信号からより簡単かつ正確に元鍵を復元するための元鍵復元装置および方法が至急必要である。
本発明の実施形態は、受信された量子光信号からより簡単かつ正確に元鍵を復元するための元鍵復元装置および方法を提供する。
本発明の実施形態は元鍵復元装置を提供する。当該装置は、コヒーレント結合ユニットと、コヒーレント結合ユニットに接続された参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットと、参照光平衡検出ユニットに接続された搬送波復元ユニットと、量子光平衡検出ユニットに接続された鍵復元ユニットとを備え、搬送波復元ユニットは鍵復元ユニットに接続され、コヒーレント結合ユニットは、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行うよう構成され、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含み、参照光平衡検出ユニットは、少なくとも1つの第1の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、搬送波復元ユニットに少なくとも1つの第1の電気信号を伝送するよう構成され、量子光平衡検出ユニットは、少なくとも1つの第2の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、鍵復元ユニットに少なくとも1つの第2の電気信号を伝送するよう構成され、搬送波復元ユニットは、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を少なくとも1つの第1の電気信号から決定し、鍵復元ユニットに位相周波数情報を送信するよう構成され、 鍵復元ユニットは、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元するよう構成される。
伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行う。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。この解決手段は、送信装置および受信装置の2本の光ファイバ間の長さの差に対する厳密な等長制御を必要とせず、それにより、技術的困難性を低減することが分かる。
任意選択で、参照光平衡検出ユニットに含まれるトランスインピーダンス増幅器の増幅係数は、量子光平衡検出ユニットに含まれるトランスインピーダンス増幅器の増幅係数より小さい。
任意選択で、参照光平衡検出ユニットの帯域幅は、量子光平衡検出ユニットの帯域幅より高く、参照光平衡検出ユニットの利得は、量子光平衡検出ユニットの利得より低い。
さらに、本発明のこの実施形態において、第1のコヒーレントに結合された光信号と第2のコヒーレントに結合された光信号とは、別々に増幅されてよい。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から、元鍵が復元される。ゆえに、第1のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、参照光信号から位相周波数情報をより正確に復元することができ、第2のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、量子光信号から元鍵もより正確に復元することができる。
任意選択で、当該装置は、搬送波復元ユニットおよびコヒーレント結合ユニットに接続された局部発振器ユニットをさらに備え、局部発振器ユニットは、搬送波復元ユニットによって送信された位相周波数情報を受信し、受信された位相周波数情報に基づいて局部発振器光信号を生成し、コヒーレント結合ユニットに局部発振器光信号を送信するよう構成される。
このように、伝送光信号に対してコヒーレント結合を行うために使用される局部発振器光信号は、より正確に変調され得る。具体的には、局部発振器光信号は、受信された位相周波数情報に基づいてより正確に生成され、次に、鍵復元ユニットは、コヒーレントに結合された量子光信号に基づいてより正確に元鍵を復元できる。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号よび量子光信号を含み、コヒーレント結合ユニットは、第1の光分割ユニットと、第1の光分割ユニットに接続された第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットとを有し、第1の結合ユニットは、参照光平衡検出ユニットに接続され、第2の結合ユニットは、量子光平衡検出ユニットに接続され、局部発振器ユニットは、具体的に、局部発振器光信号を2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第1の局部発振器光副信号をそれぞれ第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットに送信するよう構成され、第1の光分割ユニットは、伝送光信号を受信し、2つの光学的に分割された光信号を取得するよう、伝送光信号に対して光分割処理を行い、2つの光学的に分割された光信号をそれぞれ第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットに入力するよう構成され、第1の結合ユニットは、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの一方に対してコヒーレント結合を行うよう構成され、第2の結合ユニットは、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちのもう一方を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの他方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの他方に対してコヒーレント結合を行うよう構成される。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、コヒーレント結合ユニットは、第3の結合ユニットと、第3の結合ユニットに接続された第2の光分割ユニットおよび第3の光分割ユニットとを有し、第2の光分割ユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続され、第3の光分割ユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続され、第3の結合ユニットは、局部発振器光信号を使用して、伝送光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第1のコヒーレント光信号へと分割し、2つの第1のコヒーレント光信号をそれぞれ第2の光分割ユニットおよび第3の光分割ユニットに入力するよう構成され、第2の光分割ユニットは、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの一方に対して光分割処理を行うよう構成され、第1の比率と第2の比率との和は1であり、第3の光分割ユニットは、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの他方に対して光分割処理を行うよう構成され、各々が各第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
上述の2つの方式においては、たとえ伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送され、伝送光信号が時分割多重の参照光信号および量子光信号を含んでいたとしても、第1のコヒーレントに結合された光信号および第2のコヒーレントに結合された光信号は別々に増幅され得ることが分かる。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から、元鍵が復元される。
任意選択で、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送され、Nが1よりも大きい整数である場合、コヒーレント結合ユニットは、偏光光分割ユニットと、偏光光分割ユニットに接続されたコヒーレント結合サブユニットとを含み、コヒーレント結合サブユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続され、偏光光分割ユニットは、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行うよう構成され、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応し、コヒーレント結合サブユニットは、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいてN個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行うよう構成される。
任意選択で、N個の初期光信号は、各々が時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも2つの初期光信号を有するか、または、N個の初期光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号、参照光信号を含む初期光信号、または、量子光信号を含む初期光信号のうちの少なくとも何れか2つを有する。
任意選択で、コヒーレント結合サブユニットは具体的に、参照光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、参照光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第3の比率を占める局部発振器光信号を使用して、参照光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行うよう構成されるか、量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、量子光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第4の比率を占める局部発振器光信号を使用して、量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行うか、または、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、2つのコヒーレントに結合された光信号であって、その各々が参照光信号および量子光信号を含む2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行うよう構成される。
任意選択で、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、局部発振器ユニットは具体的に、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を2つの第2の局部発振器光副信号へと分割し、コヒーレント結合サブユニットに2つの第2の局部発振器光副信号を送信するよう構成され、コヒーレント結合サブユニットは具体的に、2つの光学的に分割された初期光信号を取得するよう、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対して光分割処理を行い、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの2つを取得するよう、受信された2つの第2の局部発振器光副信号を使用して、2つの光学的に分割された初期光信号の各々に対してそれぞれコヒーレント結合を行うよう構成される。ここで、一方の局部発振器光信号は、一方の光学的に分割された初期光信号に対応する。
任意選択で、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、当該装置は具体的に、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第2のコヒーレント光信号へと分割し、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、2つの第2のコヒーレント光信号の各々に対して光分割処理を行うよう構成され、ここで、第6の比率と第7の比率との和は1であり、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
任意選択で、搬送波復元ユニットは、参照光平衡検出ユニットに接続された第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)ユニットと、第1のADCユニットに接続された第1の処理ユニットとを有し、第1のADCユニットは、少なくとも1つの第1の電気信号を受信し、参照信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第1の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行い、第1の処理ユニットに参照信号サンプリング系列を送信するよう構成され、対応する第1の電気信号における、各第1のコヒーレントに結合された光信号に含まれる参照光信号に対応する、電気信号振幅は、第1のADCユニットの第1の事前設定された振幅範囲内にあり、第1の処理ユニットは、受信された参照信号サンプリング系列に基づいて、局部発振器光信号と参照光信号の間の位相周波数情報を決定し、鍵復元ユニットに位相周波数情報を送信するよう構成される。
任意選択で、鍵復元ユニットは、量子光平衡検出ユニットに接続された第2のADCユニットと、第2のADCユニットに接続された第2の処理ユニットとを有し、第2のADCユニットは、少なくとも1つの第2の電気信号を受信し、量子信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第2の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行い、第2の処理ユニットに量子信号サンプリング系列を送信するよう構成され、対応する第2の電気信号における、各第2のコヒーレントに結合された光信号に含まれる量子光信号に対応する、電気信号振幅は、第2のADCユニットの第2の事前設定された振幅範囲内にあり、第2の処理ユニットは、受信された量子信号サンプリング系列および受信された位相周波数情報に基づいて、元鍵を復元するよう構成される。
任意選択で、当該装置は、コヒーレント結合ユニットに接続された偏光制御ユニットをさらに備え、ここで、偏光制御ユニットは、伝送光信号を受信し、受信された伝送光信号の偏光状態を固定偏光状態に調整し、コヒーレント結合ユニットに固定偏光状態の伝送光信号を送信するよう構成される。
任意選択で、局部発振器光信号は、伝送光信号における参照光信号に適合させるために使用される第1の局部発振器光信号と、伝送光信号における量子光信号に適合させるために使用される第2の局部発振器光信号とを含み、第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値である。
上述の解決手段によると、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送されるとき、伝送光信号は、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットを使用することによって別々に処理され得て、さらに、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットのパラメータは、別々に設定され得ることが分かる。例えば、参照光信号を含む光信号に対応する増幅係数は、より小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。量子光信号を含む光信号に対応する増幅係数は、より大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵が復元される。
本発明の一実施形態は、元鍵復元方法を提供する。当該方法は、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階であって、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含む、段階と、少なくとも1つの第1の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、少なくとも1つの第2の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う段階と、少なくとも1つの第1の電気信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定し、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元する段階とを備える。
任意選択で、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して行われる光/電気変換および増幅中に使用される増幅係数は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して行われる光/電気変換および増幅中に使用される増幅係数より小さい。
任意選択で、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の帯域幅は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の帯域幅より高く、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の利得は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の利得より低い。
本発明のこの実施形態において、第1のコヒーレントに結合された光信号と第2のコヒーレントに結合された光信号とは別々に増幅されてよい。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵が復元される。ゆえに、第1のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、参照光信号から位相周波数情報をより正確に復元することができ、第2のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、量子光信号から元鍵もより正確に復元することができる。
任意選択で、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階の前に、当該方法は、位相周波数情報に基づいて局部発振器光信号を生成する段階をさらに備える。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、伝送光信号を受信し、2つの光学的に分割された光信号を取得するよう、伝送光信号に対して光分割処理を行う段階と、局部発振器光信号を2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、2つの第1の局部発振器光副信号を使用して、2つの光学的に分割された光信号に対してそれぞれコヒーレント結合を行う段階であって、一方の第1の局部発振器光副信号は、一方の光学的に分割された光信号に対応する、段階とを有する。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、局部発振器光信号を使用して、伝送光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第1のコヒーレント光信号へと分割する段階と、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの一方に対して光分割処理を行う段階であって、第1の比率と第2の比率との和は1である、段階と、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの他方に対して光分割処理を行う段階とを有し、各々が各第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
任意選択で、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送され、Nが1よりも大きい整数である場合、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行う段階であって、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応する、段階と、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいてN個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行う段階とを有する。
任意選択で、N個の初期光信号は、各々が時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも2つの初期光信号を有するか、または、N個の初期光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号、参照光信号を含む初期光信号、または、量子光信号を含む初期光信号のうちの少なくとも何れか2つを有する。
任意選択で、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいてN個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行う段階は、参照光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、参照光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第3の比率を占める局部発振器光信号を使用して、参照光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行う段階、量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、量子光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第4の比率を占める局部発振器光信号を使用して、量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行う段階、または、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、2つのコヒーレントに結合された光信号であって、その各々が参照光信号および量子光信号を含む2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階を含む。
任意選択で、2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階は、2つの光学的に分割された初期光信号を取得するよう、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対して光分割処理を行う段階と、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を2つの第2の局部発振器光副信号へと分割し、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの2つを取得するよう、2つの第2の局部発振器光副信号を使用して、2つの光学的に分割された初期光信号の各々に対してそれぞれコヒーレント結合を行う段階であって、一方の局部発振器光信号は、一方の光学的に分割された初期光信号に対応する、段階を含む。
任意選択で、2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階は、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第2のコヒーレント光信号へと分割する段階と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、2つの第2のコヒーレント光信号の各々に対して光分割処理を行う段階であって、第6の比率と第7の比率との和は1である、段階とを含み、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
任意選択で、少なくとも1つの第1の電気信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する段階は、少なくとも1つの第1の電気信号を受信し、参照信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第1の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行う段階であって、対応する第1の電気信号における、各第1のコヒーレントに結合された光信号に含まれる参照光信号に対応する、電気信号振幅は、第1の事前設定された振幅範囲内にある、段階と、受信された参照信号サンプリング系列に基づいて、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する段階とを有する。
任意選択で、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元する段階は、少なくとも1つの第2の電気信号を受信し、量子信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第2の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行う段階であって、対応する第2の電気信号における、各第2のコヒーレントに結合された光信号に含まれる量子光信号に対応する、電気信号振幅は、第2の事前設定された振幅範囲内にある、段階と、受信された量子信号サンプリング系列および受信された位相周波数情報に基づいて元鍵を復元する段階とを有する。
任意選択で、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階の前に、当該方法は、伝送光信号を受信し、受信された伝送光信号の偏光状態を固定偏光状態に調整する段階をさらに備える。
任意選択で、局部発振器光信号は、伝送光信号における参照光信号に適合させるために使用される第1の局部発振器光信号と、伝送光信号における量子光信号に適合させるために使用される第2の局部発振器光信号とを含み、第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値である。
本発明の実施形態において、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、ここで、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含む。少なくとも1つの第1の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅が行われ、少なくとも1つの第2の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅が行われる。局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報は、少なくとも1つの第1の電気信号から決定され、元鍵は、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から復元される。 伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行う。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。この解決手段は、送信装置および受信装置の2本の光ファイバ間の長さの差に対する厳密な等長制御を必要とせず、それにより、技術的困難性を低減することが分かる。
本発明の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するべく、実施形態を説明するために必要な添付の図面を以下で簡潔に説明する。
従来技術による、量子通信が適用されるシステムの概略構造図である。
本発明の一実施形態に適用可能なシステムの概略構造図である。
本発明の一実施形態に適用可能なシステムの概略構造図である。
本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態による別の元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるさらに別の元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態による伝送光信号の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまた別の元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるさらにまた別の元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態による別の伝送光信号の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるさらに別の伝送光信号の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまた別の伝送光信号の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまたさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまたさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまたさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまたさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまたさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態による元鍵復元方法の概略フローチャートである。
本発明の目的、技術的解決手段、および利点をより明確かつより分かり易いものにするべく、以下ではさらに、添付の図面および実施形態に関連して本発明を詳細に説明する。本明細書において説明される特定の実施形態は本発明を説明するために使用されるに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
本発明の一実施形態において、元鍵復元装置は受信装置に含まれ、受信装置側において、より簡単かつ正確な方法を使用することによって、受信された量子光信号から元鍵を復元するよう構成される。元鍵復元装置は、限定されないが、基地局、ステーションコントローラ、アクセスポイント(Access Point、略してAP)、または無線環境で動作できる任意の他のタイプのインタフェース装置を含む。
図2aは、本発明の一実施形態に適用可能なシステムの概略構造図の例を示し、図2bは、本発明の一実施形態に適用可能な別のシステムの概略構造図の例を示す。
図2aに示すように、本発明のこの実施形態に適用可能なシステムアーキテクチャにおいて、ノードAは送信装置1101のみを備え、ノードBは受信装置1102のみを備え、受信装置1102は、元鍵復元装置1103を有する。本システムアーキテクチャは、単方向システムアーキテクチャと称される。ノードAの送信装置1101は、量子光信号に元鍵を追加し、受信装置1102に量子光信号を送信する。受信装置1102に含まれる元鍵復元装置1103は、量子光信号から元鍵を復元する。これにより、送信装置1101および受信装置1102は、ネゴシエーションを通じて元鍵から最終的な量子鍵を決定する。さらに、ノードAの送信装置1101は、入力されたサービス情報を受信し、暗号化された信号を取得するよう、最終的な量子鍵を使用してサービス情報に対して暗号化プロセスを行い、受信装置1102に暗号化された信号を送信する。暗号化された信号を受信した後、受信装置1102は、サービス情報を復号して出力するよう、同じ最終的な量子鍵を使用して復号プロセスを行い、古典的なチャネルを通じて送信装置1101に情報を送信する。
具体的な実装例において、サービスは通常双方向であり、例えば、音声通話およびビデオ通話などのサービスである。双方向のサービスでは、各ノードは暗号化処理および復号処理を必要とし、それに対応して、各ノードはQKDシステムを必要とする。図2bに示すように、本発明の一実施形態に適用可能なシステムアーキテクチャにおいて、ノードAは、送信装置1201と受信装置1203とを備え、受信装置1203は元鍵復元装置1205を有する。ノードBは、受信装置1202と送信装置1204とを備え、受信装置1202もまた、元鍵復元装置1206を有する。送信装置1201と受信装置1202とはペアであり、送信装置1204と受信装置1203とはペアである。このシステムアーキテクチャは、双方向システムアーキテクチャと称される。このシステムアーキテクチャにおいて、複数の情報伝送方式が実装されてよい。送信装置1201と受信装置1202とのペアが、説明のための例として使用される。例えば、ノードAの送信装置1201は、量子光信号に元鍵を追加し、受信装置1202に量子光信号を送信する。受信装置1202の元鍵復元装置1206は、量子光信号から元鍵を復元する。これにより、送信装置1201および受信装置1202は、ネゴシエーションを通じて元鍵から最終的な量子鍵を決定する。
ノードAの送信装置1201は、最終的な量子鍵を使用して、受信されたサービス情報に対して暗号化を行い、次に、ノードBの受信装置1202に暗号化されたサービス情報を送信する。受信装置1202は、同じ最終的な量子鍵を使用することによって復号を行い、サービス情報を出力する。受信装置1202は、古典的なチャネルを通じて送信装置1201に情報を送信する。あるいは、受信装置1202は、送信装置1204および受信装置1203を使用することによって、送信装置1201に情報をフィードバックする。
本発明の実施形態は、QKD技術に適用可能である。QKD技術は、離散変数量子鍵配布(Discrete Variable−Quantum Key Distribution、略してDV−QKD)と、連続変数量子鍵配布(Continuous Variable−Quantum Key Distribution、略してCV−QKD)とを含む。CV−QKDは低温で動作する単一光子検出器を必要としないので、CV−QKDは、エンジニアリングにおいてより広く使用されている。ゆえに、本発明の実施形態では、CV−QKD技術が適用されるのが好ましい。
本発明の実施形態において言及されるコヒーレント結合、光/電気変換、および増幅は全て、コヒーレント通信の専門用語である。本発明の実施形態において、コヒーレント通信の動作原理は具体的に次の通りである。送信装置が、伝送のために、外部変調方式で信号を光搬送波に乗せて変調する。送信装置からの伝送光信号が受信装置に伝送されたとき、受信装置は、受信された伝送光信号および局部発振器光信号に対してコヒーレント結合を行う。次に、平衡検出器が検出を行うか、あるいは、平衡受信機が検出のために使用される。コヒーレント光通信は、局部発振器光信号の周波数と伝送光信号の周波数とが等しいかまたは等しくないかに基づいて、ヘテロダイン検出とホモダイン検出とに分類され得る。
上述のシステムアーキテクチャに基づいて、受信装置が量子光信号から元鍵をどのように復元するかという重要な問題について、次の可能な解決手段が提供される。
送信装置は、受信装置に伝送光信号を送信し、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。受信装置が伝送光信号を受信した後、受信装置は、局部発振器光信号を使用して、コヒーレント通信技術を通じて伝送光信号に対してコヒーレント結合および検出を行い、次に、コヒーレントに結合され、検出された光信号を、光/電気変換技術を通じて電気信号へと変換し、電気信号を増幅し、増幅された電気信号をアナログ/デジタル変換器(Analog−to−Digital Converter、略してADC)に入力して、電気信号における参照光信号に対応する部分から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定し、位相周波数情報に基づいて、電気信号における量子光信号に対応する部分から元鍵を復元する。
出願人は、この解決手段において、伝送光信号の量子光信号から元鍵を復元するために、増幅された電気信号における量子光信号に対応する部分に対して高ビット幅のサンプリング量子化を行うために高精度のADCが使用される必要があることを発見した。具体的には、増幅された電気信号における量子光信号に対応する部分からADCが確実に元鍵を復元できるようにするために、増幅された電気信号における量子光信号に対応する部分の電気信号振幅が、ADCの事前設定された振幅範囲と確実に一致することが必要である。加えて、伝送光信号における参照光信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定するために、増幅された電気信号における参照光信号に対応する部分の電気信号振幅が、ADCの事前設定された振幅範囲と確実に一致することが必要である。
上述の解決手段において、電気信号へと変換されるべき光信号はM倍増幅され、Mはゼロより大きい数であることが分かる。この場合、変換された電気信号における量子光信号と参照光信号とに対応する部分は、両方ともM倍増幅される。ある場合では、増幅された電気信号における量子光信号の振幅が、ADCの事前設定された振幅範囲と確実に一致するよう、Mは比較的大きな数に設定される。この場合、光信号に含まれる参照光信号の光強度は、元々、量子光信号の光強度よりはるかに高い。ゆえに、増幅された電気信号における参照光信号に対応する部分は飽和状態にあり、参照光信号における位相周波数情報および周波数情報は失われることがある。その結果、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を参照光信号から決定することができない。別の場合では、増幅された電気信号における参照光信号の振幅が、ADCの事前設定された振幅範囲と確実に一致するよう、Mは比較的小さい数に設定される。この場合、光信号に含まれる参照光信号の光強度は、元々、量子光信号の光強度よりはるかに高い。ゆえに、増幅された電気信号における量子光信号は、極めて弱い信号である。その結果、元鍵を量子光信号から復元することができない。
上述の問題に対して、本発明の実施形態は、元鍵復元装置および方法を提供する。 伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行う。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。具体的には、第1のコヒーレントに結合された光信号と第2のコヒーレントに結合された光信号とは別々に増幅されてよい。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から、元鍵が復元される。本発明の実施形態において提供される方法は、上述の解決手段に存在する問題を解決できることが分かる。以下では、本発明の実施形態についてのより詳細な説明を提供する。
図3aは、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。
上述のシステムアーキテクチャおよび関連する説明に基づいて、図3aに示すように、本発明のこの実施形態において提供される元鍵復元装置は、コヒーレント結合ユニット3101と、コヒーレント結合ユニット3101に接続された参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103と、参照光平衡検出ユニット3102に接続された搬送波復元ユニット3104と、量子光平衡検出ユニット3103に接続された鍵復元ユニット3105とを備え、搬送波復元ユニット3104は鍵復元ユニット3105に接続される。
コヒーレント結合ユニット3101は、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行うよう構成され、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含む。伝送光信号は具体的に、送信装置によって受信装置に伝送される光信号である。
参照光平衡検出ユニット3102は、少なくとも1つの第1の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、搬送波復元ユニット3104に少なくとも1つの第1の電気信号を伝送するよう構成される。任意選択で、参照光平衡検出ユニット3102は、参照光平衡検出器を有してよく、または、参照光平衡検出受信機を有してよい。
量子光平衡検出ユニット3103は、少なくとも1つの第2の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、鍵復元ユニット3105に少なくとも1つの第2の電気信号を伝送するよう構成される。任意選択で、量子光平衡検出ユニット3103は、量子光平衡検出器を有してよく、または、量子光平衡検出受信機を有してよい。
搬送波復元ユニット3104は、少なくとも1つの第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定し、鍵復元ユニット3105に位相周波数情報を送信するよう構成される。任意選択で、位相周波数情報は、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相差および周波数差などの情報を含んでよい。
鍵復元ユニット3105は、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元するよう構成される。
具体的には、本発明のこの実施形態において、受信された位相周波数情報に基づいて第2の電気信号から元鍵を復元するために鍵復元ユニット3105によって使用される動作原理は、次の通りである。検出を通じて、例えば参照光信号と局部発振器光信号との間の位相差といった位相周波数情報が取得され、次に、参照光信号と局部発振器光信号との間の位相周波数情報が局部発振器ユニットに送信され、これにより、局部発振器ユニットは、参照光信号と局部発振器光信号との間の位相周波数情報に基づいて、量子光信号と局部発振器光信号との間の推定位相周波数情報を推定する。次に、量子光信号と局部発振器光信号との間の推定位相周波数情報は、量子光信号に対してコヒーレント結合を行うために使用される局部発振器光信号に対して変調位相補償を行うために使用され、変調された局部発振器光信号と量子光信号とは、コヒーレント結合を行うために使用される。鍵復元ユニットはさらに、搬送波復元ユニットによってフィードバックされた位相周波数情報に準拠して補償を行い、コヒーレントに結合された量子光信号から元鍵を復元する。
本発明のこの実施形態において、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行う。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。
任意選択で、参照光平衡検出ユニットに含まれるトランスインピーダンス増幅器の増幅係数は、量子光平衡検出ユニットに含まれるトランスインピーダンス増幅器の増幅係数より小さい。
任意選択で、参照光平衡検出ユニットの帯域幅は、量子光平衡検出ユニットの帯域幅より高く、参照光平衡検出ユニットの利得は、量子光平衡検出ユニットの利得より低い。
本発明のこの実施形態において、第1のコヒーレントに結合された光信号と第2のコヒーレントに結合された光信号とは、別々に増幅されてよい。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から、元鍵が復元される。ゆえに、第1のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、参照光信号から位相周波数情報をより正確に復元することができ、第2のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、量子光信号から元鍵もより正確に復元することができる。
図3bは、本発明の一実施形態による別の元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図3bに示すように、コヒーレント結合ユニット3101と、コヒーレント結合ユニット3101に接続された参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103と、参照光平衡検出ユニット3102に接続された搬送波復元ユニット3104と、量子光平衡検出ユニット3103に接続された鍵復元ユニット3105とに加えて、元鍵復元装置はさらに、搬送波復元ユニット3104およびコヒーレント結合ユニット3101に接続された局部発振器ユニット3201を備える。ここで、局部発振器ユニットは、搬送波復元ユニットによって送信された位相周波数情報を受信し、受信された位相周波数情報に基づいて局部発振器光信号を生成し、コヒーレント結合ユニットに局部発振器光信号を送信するよう構成される。
任意選択で、局部発振器光信号は、伝送光信号における参照光信号に適合させるために使用される第1の局部発振器光信号と、伝送光信号における量子光信号に適合させるために使用される第2の局部発振器光信号とを含み、第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値である。
図3cは、本発明の一実施形態によるさらに別の元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図3cに示すように、コヒーレント結合ユニット3101と、コヒーレント結合ユニット3101に接続された参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103と、参照光平衡検出ユニット3102に接続された搬送波復元ユニット3104と、量子光平衡検出ユニット3103に接続された鍵復元ユニット3105とに加えて、元鍵復元装置はさらに、コヒーレント結合ユニット3101に接続された偏光制御ユニット3301を備える。ここで、偏光制御ユニット3301は、伝送光信号を受信し、受信された伝送光信号の偏光状態を固定偏光状態に調整し、コヒーレント結合ユニットに固定偏光状態の伝送光信号を送信するよう構成される。
具体的には、送信装置が、光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号は、まず、偏光制御ユニット3301に入り、偏光制御ユニット3301に入った伝送光信号の偏光状態はリアルタイムで変化する。この場合、伝送光信号の偏光状態は、偏光制御ユニット3301を使用することによってリアルタイムでトラッキングされ調整され得る。これにより、コヒーレント結合ユニット3101に出力された伝送光信号は、決定された偏光状態にあり、さらに、コヒーレント結合ユニット3101に出力された伝送光信号の偏光状態が局部発振器光信号の偏光状態と完全に同じであることが保証される。任意選択で、偏光制御ユニット3301は、動的な偏光制御器であってよい。
図3cは、本発明の一実施形態によるさらに別の元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図3cに示すように、図3aに基づいて、可能な搬送波復元ユニットの内部構造の概略図と、可能な鍵復元ユニットの内部構造の概略図とが追加される。
図3cに示すように、搬送波復元ユニット3104は、参照光平衡検出ユニット3102に接続された第1のADCユニット3302と、第1のADCユニット3302に接続された第1の処理ユニット3303とを有する。
第1のADCユニット3302は、少なくとも1つの第1の電気信号を受信し、参照信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第1の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行い、第1の処理ユニット3303に参照信号サンプリング系列を送信するよう構成され、対応する第1の電気信号における、各第1のコヒーレントに結合された光信号に含まれる参照光信号に対応する、電気信号振幅は、第1のADCユニット3302の第1の事前設定された振幅範囲内にある。
第1の処理ユニット3303は、受信された参照信号サンプリング系列に基づいて、局部発振器光信号と参照光信号の間の位相周波数情報を決定し、鍵復元ユニット3105に位相周波数情報を送信するよう構成される。
図3cに示すように、鍵復元ユニット3105は、量子光平衡検出ユニット3103に接続された第2のADCユニット3304と、第2のADCユニット3304に接続された第2の処理ユニット3305とを有する。任意選択で、第1の処理ユニット3303は、第2の処理ユニット3305に接続される。
第2のADCユニット3304は、少なくとも1つの第2の電気信号を受信し、量子信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第2の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行い、第2の処理ユニット3305に量子信号サンプリング系列を送信するよう構成され、対応する第2の電気信号における、各第2のコヒーレントに結合された光信号に含まれる量子光信号に対応する、電気信号振幅は、第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲内にある。
第2の処理ユニット3305は、受信された量子信号サンプリング系列および受信された位相周波数情報に基づいて、元鍵を復元するよう構成される。
具体的な実装例において、第1のADCユニット3302は、1または複数のADCを含んでよく、第2のADCユニット3304は、1または複数のADCを含んでよい。第1のADCユニット3302の第1の事前設定された振幅範囲は、第1のADCユニット3302に含まれるADCがサンプリング量子化を行うことができる振幅範囲であり、第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲は、第2のADCユニット3304に含まれるADCがサンプリング量子化を行うことができる振幅範囲である。
本発明のこの実施形態において、送信装置によって送信された光信号は、1つの偏光状態に基づいて送信されてよく、または、複数の偏光状態を使用することによって送信されてよい。種々のケースについて、本発明のこの実施形態において元鍵復元装置が別々に説明される。
ケース1:伝送光信号は、1つの偏光状態に基づいて伝送される。
伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。図4aは、本発明の一実施形態による伝送光信号の概略構造図の例を示す。図4aに示すように、横軸は時間軸4101であり、縦軸は光強度4102である。任意選択で、量子光信号4103と参照光信号4104とは、時間と共に交互に送信される。任意選択で、複数の参照光信号4104が続けて送信された後に1つの量子光信号4103が送信されてよく、または、複数の量子光信号4103が続けて送信された後に1つの参照光信号4104が送信されてよい。本発明のこの実施形態において、時分割多重の参照光信号および量子光信号の具体的な形は限定されない。
伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送されるとき、コヒーレント結合ユニットは、複数の形態を有してよい。以下では、実施形態a1および実施形態a2という2つの任意選択的な実施形態を列挙する。
[実施形態a1]
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号よび量子光信号を含み、コヒーレント結合ユニットは、第1の光分割ユニットと、第1の光分割ユニットに接続された第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットとを有し、第1の結合ユニットは、参照光平衡検出ユニットに接続され、第2の結合ユニットは、量子光平衡検出ユニットに接続される。
局部発振器ユニットは具体的に、局部発振器光信号を2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第1の局部発振器光副信号をそれぞれ第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットに送信するよう構成される。
第1の光分割ユニットは、伝送光信号を受信し、2つの光学的に分割された光信号を取得するよう、伝送光信号に対して光分割処理を行い、2つの光学的に分割された光信号をそれぞれ第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットに入力するよう構成される。
第1の結合ユニットは、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの一方に対してコヒーレント結合を行うよう構成される。
第2の結合ユニットは、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちのもう一方を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの他方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの他方に対してコヒーレント結合を行うよう構成される。
実施形態a1の元鍵復元装置の具体的な構造および動作原理をより明確に説明するべく、図4bは、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図4bに示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、第1の光分割ユニット4206と、第1の光分割ユニット4206に接続された第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208とを有し、第1の結合ユニット4207は参照光平衡検出ユニット3102に接続され、第2の結合ユニット4208は量子光平衡検出ユニット3103に接続される。
具体的には、第1の光分割ユニット4206の入力端が偏光制御ユニット3301に接続され、第1の光分割ユニット4206の2つの出力端がそれぞれ第1の結合ユニット4207と第2の結合ユニット4208とに接続され、第1の結合ユニット4207の2つの入力端がそれぞれ第1の光分割ユニット4206と局部発振器ユニット3201の局部発振器光分割ユニット4205とに接続され、第2の結合ユニット4208の2つの入力端がそれぞれ第1の光分割ユニット4206と局部発振器ユニット3201の局部発振器光分割ユニット4205とに接続される。第1の結合ユニット4207の2つの出力端は、参照光平衡検出ユニット3102に別々に接続され、第2の結合ユニット4208の2つの出力端は、量子光平衡検出ユニット3103に別々に接続される。任意選択で、第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208はそれぞれ2:2結合器であってよく、第1の光分割ユニット4206は、光分割器であってよい。
図4bに示すように、局部発振器ユニット3201は、局部発振器レーザ4201と、局部発振器レーザ4201に接続されたパルス整形変調器4202と、パルス整形変調器4202に接続された位相変調器4204と、位相変調器4204およびパルス整形変調器4202の両方に接続された信号生成器4203とを有する。信号生成器4203は、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303に接続される。局部発振器ユニット3201はさらに、局部発振器光分割ユニット4205を有し、局部発振器光分割ユニット4205の一端は位相変調器4204に接続され、局部発振器光分割ユニット4205の他端はそれぞれ第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208に接続される。局部発振器光分割ユニット4205は、光分割器であってよい。
図4bに示す元鍵復元装置の概略構造図に基づいて、以下では元鍵復元装置のワークフローを詳細に説明する。
図4bに示すように、送信装置が、光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号はまず偏光制御ユニット3301に入る。偏光制御ユニット3301は、伝送光信号の偏光状態をリアルタイムでトラッキングし調整し、これにより、第1の光分割ユニット4206に出力された伝送光信号は、決定された偏光状態にあり、さらに、第1の光分割ユニット4206に出力された伝送光信号の偏光状態が局部発振器光信号の偏光状態と完全に同じであることが保証される。偏光制御ユニット3301は、第1の光分割ユニット4206の入力端に、偏光状態の固定された伝送光信号を入力する。
局部発振器レーザ4201は、パルス整形変調器4202に連続的な局部発振器光パルスを出力する。パルス整形変調器4202は、受信された連続的な局部発振器光パルスを変調し、位相変調器4204にパルス光を出力する。受信されたパルス光にさらなる位相変調を行った後、位相変調器4204は、局部発振器光分割ユニットに位相周波数情報を運ぶ局部発振器光信号を出力する。コヒーレント結合ユニットは、第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208を有し、第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208は別々にコヒーレント結合操作を行う必要がある。ゆえに、第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208は共に、局部発振器光信号を必要とする。このことに基づいて、局部発振器光分割ユニットは、受信された局部発振器光信号を2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第1の局部発振器光副信号をそれぞれ第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208に送信する。
具体的には、局部発振器ユニット3201が1つの局部発振器光信号のみを出力すればよいとき、局部発振器ユニットは、局部発振器ユニット3201の位相変調器4204を使用することによってコヒーレント結合ユニット3101に1つの局部発振器光信号を直接出力してよい。局部発振器ユニット3201が複数の局部発振器光副信号を出力する必要がある場合、局部発振器ユニット3201の位相変調器4204は、局部発振器光分割ユニット4205に接続される必要があり、局部発振器光分割ユニット4205は、コヒーレント結合ユニット3101に接続される。この場合、局部発振器ユニット3201の位相変調器4204は、局部発振器光分割ユニット4205に局部発振器光信号を出力し、局部発振器光分割ユニット4205は、局部発振器光信号を複数の局部発振器光副信号へと分割し、コヒーレント結合ユニット3101に複数の分割された局部発振器光副信号を出力する。具体的には、局部発振器ユニット3201の局部発振器光分割ユニット4205は、コヒーレント結合ユニット3101の結合器に局部発振器光副信号を伝送する。
例えば、第1の光分割器は、偏光制御ユニット3301によって入力された受信された伝送光信号を、伝送光信号において10%を占める伝送光信号、および伝送光信号において90%を占める伝送光信号へと分割し、局部発振器光分割ユニットはまた、位相変調器4204によって入力された受信された局部発振器光信号を、2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、ここで、一方の第1の局部発振器光副信号は、局部発振器光信号において10%を占め、他方の第1の局部発振器光副信号は、局部発振器光信号において90%を占める。任意選択で、局部発振器光分割ユニットの光分割比率は、代替的に、第1の光分割器の光分割比率と異なっていてよい。本発明のこの実施形態において具体的な制限は課されない。
信号生成器4203は、パルス整形変調器4202に入力されるべき電気パルス信号と、位相変調器4204に入力されるべき位相変調信号とを生成するよう構成される。これにより、パルス整形変調器4202は、受信された電気パルス信号に基づいて、受信された連続的な局部発振器光パルスを変調し、位相変調器4204は、受信された位相変調信号に基づいて、受信されたパルス光に対して位相変調を行う。
任意選択で、偏光制御ユニット3301によって受信された伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含む。第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208が、伝送光信号に適合させるよう、2つの第1の局部発振器光副信号をそれぞれ使用するとき、2つの第1の局部発振器光副信号における各第1の局部発振器光副信号について、各第1の局部発振器光副信号は、伝送光信号における参照光信号に適合させるために使用される第1の局部発振器光信号と、伝送光信号における量子光信号に適合させるために使用される第2の局部発振器光信号とを含む。言い換えれば、局部発振器ユニット3201の位相変調器4204によって出力された局部発振器光信号は、時分割多重の第1の局部発振器光信号および第2の局部発振器光信号を含む。
第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値である。事前設定された固定位相値は、例えば0およびπ/2であってよい。第1の局部発振器光信号の位相が事前設定された固定位相値のうちの1つであることは具体的に、第1の局部発振器光信号の位相が全て、0またはπ/2であることを意味する。第2の局部発振器光信号の位相が事前設定された固定位相値のうちの無作為な値であることは具体的に、第2の局部発振器光信号の位相が、現時点では0であり、次の瞬間にはπ/2であるかまたは次の瞬間には再び0であることを意味する。
具体的に、第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、これにより、2:2結合器の入力端において偏光制御ユニット3301によって入力された光信号と、第1の局部発振器光信号との間で、例えば0またはπ/2といった固定差が維持される。第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値であり、これにより、2:2結合器の入力端において偏光制御ユニット3301によって入力された光信号と、第2の局部発振器光信号との間の位相差が、0およびπ/2のうちの無作為な数であり、0とπ/2とは、異なる測定基底に対応する。
さらに、理想的なケースでは、局部発振器ユニット3201によって出力される局部発振器光信号とコヒーレント結合ユニットによって受信される伝送光信号とは、同じ周波数および位相を有する。しかしながら、実際の動作システムでは、局部発振器ユニット3201と、伝送光信号を生成する送信装置とは、2つの位置に位置付けられ、局部発振器ユニット3201の出力周波数と送信装置の出力周波数とは別々に制御される。局部発振器ユニット3201の周波数と送信装置の周波数とが同一であることは保証され得ず、さらに、局部発振器ユニット3201の位相と送信装置の位相とが同一であることも保証され得ない。加えて、外部環境の温度変化が光ファイバの長さの変化を引き起こすことがあり、その結果、必然的にシステムの乱れが生じ、新しい位相差が生成される。コヒーレント結合ユニットの入力端において受信される局部発振器光信号と、偏光制御ユニット3301によって入力される伝送光信号との間の位相関係を保証するよう、局部発振器ユニット3201の信号生成器4203は、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303によって出力される、同期クロックパラメータと位相補償パラメータなどの位相周波数情報とを受信する必要があり、次に、信号生成器4203は、パルス整形変調器4202に入力される電気パルス信号と位相変調器4204に入力される位相変調信号とをリアルタイムで調整し、これにより、コヒーレント結合ユニットに入力される局部発振器光信号の位相周波数情報をリアルタイムで調整する。
第1の光分割ユニット4206は、伝送光信号を受信し、2つの光学的に分割された光信号を取得するよう、伝送光信号に対して光分割処理を行い、2つの光学的に分割された光信号をそれぞれ第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208に入力する。
任意選択で、量子光信号は極めて弱い光信号であり、伝送リンク全体における挿入損失値が量子光信号の伝送距離に深刻な影響を及ぼす。ゆえに、参照光信号に対して光/電気変換および増幅が行われた後、通常のサンプリングが保証され得ること、および正確な位相周波数情報が復元され得ることを前提として、量子光平衡検出ユニット3103に入力される光の強度比率はできる限り大幅に改善され得ることが好ましい。例えば、第1の光分割ユニット4206は、受信された伝送光信号を、伝送光信号において20%を占める伝送光信号、および伝送光信号において80%を占める伝送光信号へと分割し、20%を占める伝送光信号を第1の結合ユニット4207に送信し、80%を占める伝送光信号を第2の結合ユニット4208に送信する。
第1の結合ユニット4207は、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの一方に対してコヒーレント結合を行う。
第2の結合ユニット4208は、他方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの他方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの他方に対してコヒーレント結合を行うよう構成される。
この場合、伝送光信号は1つの偏光状態に基づいて伝送され、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含むことが分かる。ゆえに、第1の結合ユニット4207によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、第2の結合ユニット4208によって出力されるコヒーレントに結合された光信号もまた、参照光信号および量子光信号を含む。この場合、第1の結合ユニット4207によって出力されるコヒーレントに結合された光信号が第1のコヒーレントに結合された光信号として使用される場合、第2の結合ユニット4208によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、第2のコヒーレントに結合された光信号として使用される。
参照光平衡検出ユニット3102は、受信された第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。送信装置によって送信された光信号における参照光信号の光強度は、量子光信号の光強度よりはるかに高いので、通常、参照光平衡検出ユニット3102のトランスインピーダンス増幅器の増幅係数は、変換された電気信号に対して参照光平衡検出ユニット3102がトランスインピーダンス増幅を行った後、出力された第1の電気信号の振幅が第1のADCユニット3302の事前設定された振幅範囲内にあることを保証するよう、比較的小さい値である。ゆえに、第1のADCユニット3302は、第1の電気信号に対してサンプリング量子化を正確に行う。この場合、対応する第1の電気信号における、参照光信号に対応する、電気信号振幅は、第1のADCユニット3302の第1の事前設定された振幅範囲内にある。しかしながら、対応する第1の電気信号における、量子光信号に対応する、電気信号振幅は非常に小さい、すなわち、第1のADCユニット3302は、サンプリング量子化を通じて第1の電気信号から元鍵を抽出することができない。
量子光平衡検出ユニット3103は、受信された第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。送信装置によって送信される光信号における参照光信号の光強度は、量子光信号の光強度よりはるかに高いので、通常、参照光平衡検出ユニット3102のトランスインピーダンス増幅器の増幅係数は、変換された電気信号に対して量子光平衡検出ユニット3103がトランスインピーダンス増幅を行った後、出力された第2の電気信号の振幅が第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲内にあることを保証するよう、比較的大きい値である。ゆえに、第2のADCユニット3304は、第2の電気信号に対してサンプリング量子化を正確に行う。この場合、対応する第2の電気信号における、量子光信号に対応する、電気信号振幅は、第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲内にある。しかしながら、対応する第2の電気信号における、参照光信号に対応する、電気信号振幅は非常に大きく、トランスインピーダンス増幅器(Trans−Impedance Amplifier、略してTIA)の最大出力値によって制限され、既に飽和状態にある。すなわち、第2のADCユニット3304は、サンプリング量子化を通じて第2の電気信号から位相周波数情報を抽出することができない。
第1のADCユニット3302は、参照光平衡検出ユニット3102によって出力された第1の電気信号を受信し、受信された第1の電気信号に対してサンプリング量子化を行い、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303に参照信号サンプリング系列を出力する。搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303は、参照信号サンプリング系列から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する。任意選択で、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303は、参照信号サンプリング系列から、参照光信号のクロックサイクル情報等を決定する。
第2のADCユニット3304は、受信された第2の電気信号に対してサンプリング量子化を行い、搬送波復元ユニット3104の第2の処理ユニット3305に量子信号サンプリング系列を出力する。鍵復元ユニット3105の第2の処理ユニット3305は、受信された位相周波数情報に基づいて量子信号サンプリング系列から元鍵を復元する。具体的な実装例において、鍵復元ユニット3105は、搬送波復元ユニット3104によって入力された位相周波数情報に基づいて、受信された量子信号サンプリング系列の計算および補償を行い、これにより、量子信号サンプリング系列から元鍵を復元する。任意選択で、本発明のこの実施形態において、参照光信号および量子光信号は、同じ結合器において互いに干渉し合わない。ゆえに、第1の結合器および第2の結合器によってそれぞれ出力された結合された光信号間には固定位相差が存在する。元鍵の復元中、固定位相差が考慮される必要がある。
[実施形態a2]
伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、コヒーレント結合ユニットは、第3の結合ユニットと、第3の結合ユニットに接続された第2の光分割ユニットおよび第3の光分割ユニットとを有し、第2の光分割ユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続され、第3の光分割ユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続される。
第3の結合ユニットは、局部発振器光信号を使用して、伝送光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第1のコヒーレント光信号へと分割し、2つの第1のコヒーレント光信号をそれぞれ第2の光分割ユニットおよび第3の光分割ユニットに入力するよう構成される。
第2の光分割ユニットは、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの一方に対して光分割処理を行うよう構成され、ここで、第1の比率と第2の比率との和は1である。
第3の光分割ユニットは、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの他方に対して光分割処理を行うよう構成される。
各々が各第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
実施形態a2の元鍵復元装置の具体的な構造および動作原理をより明確に説明するべく、図4cは、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図4cに示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、第3の結合ユニット4301と、第3の結合ユニット4301に接続された第2の光分割ユニット4302および第3の光分割ユニット4303とを有し、第2の光分割ユニット4302は、参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103に接続され、第3の光分割ユニット4303は、参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103に接続される。
具体的には、第3の結合ユニット4301の2つの入力端がそれぞれ、偏光制御ユニット3301と局部発振器ユニット3201の位相変調器4204とに接続され、第3の結合ユニット4301の2つの出力端がそれぞれ、第2の光分割ユニット4302と第3の光分割ユニット4303とに接続される。第2の光分割ユニット4302の2つの出力端がそれぞれ、参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103に接続され、第3の光分割ユニット4303の2つの出力端がそれぞれ、参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103に接続される。任意選択で、第3の結合ユニット4301は2:2結合器であってよく、第2の光分割ユニット4302は光分割器であってよく、第3の光分割ユニット4303は光分割器であってよい。任意選択で、第2の光分割ユニット4302の光分割比率と第3の光分割ユニット4303の光分割比率とは同じである。
図4cに示すように、局部発振器ユニット3201は、局部発振器レーザ4201と、局部発振器レーザ4201に接続されたパルス整形変調器4202と、パルス整形変調器4202に接続された位相変調器4204と、位相変調器4204およびパルス整形変調器4202の両方に接続された信号生成器4203とを有する。信号生成器4203は、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303に接続される。
図4cに示す元鍵復元装置の概略構造図に基づいて、以下では元鍵復元装置のワークフローを詳細に説明する。
図4cに示すように、送信装置が光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号はまず偏光制御ユニット3301に入り、偏光制御ユニット3301は、第3の結合ユニット4301の入力端に、偏光状態の固定された伝送光信号を入力する。
図4bと比較して、図4cの局部発振器ユニット3201は、局部発振器光分割ユニット4205を有さない。図4bにおいて説明したように、局部発振器ユニット3201が1つの局部発振器光信号のみを出力すればよいとき、局部発振器ユニット3201において局部発振器光分割ユニット4205は必要ない。局部発振器ユニット3201の位相変調器4204は、コヒーレント結合ユニット3101の第3の結合ユニット4301に直接接続され得る。局部発振器ユニット3201の構成要素は、図4bで説明されており、ここで再び詳細は説明されない。
第3の結合ユニット4301は、2つの第1のコヒーレント光信号を取得するよう、受信された局部発振器光信号に基づいて、偏光制御ユニット3301によって入力された伝送光信号に対してコヒーレント結合を行い、2つの第1のコヒーレント光信号をそれぞれ第2の光分割ユニット4302および第3の光分割ユニット4303に入力する。任意選択で、第2の光分割ユニット4302の光分割比率と第3の光分割ユニット4303の光分割比率とは同じである。
例えば、第1の比率は10%であり、第2の比率は90%である。第2の光分割ユニット4302は、一方の受信された第1のコヒーレント光信号を、10%を占める第1のコヒーレント光信号および90%を占める第1のコヒーレント光信号へと分割する。第3の光分割ユニット4303は、受信された他方の第1のコヒーレント光信号を、10%を占める第1のコヒーレント光信号および90%を占める第1のコヒーレント光信号へと分割する。第2の光分割ユニット4302は、10%を占める第1のコヒーレント光信号を参照光平衡検出ユニット3102に入力し、第3の光分割ユニット4303は、10%を占める第1のコヒーレント光信号を参照光平衡検出ユニット3102に入力する。第2の光分割ユニット4302は、90%を占める第1のコヒーレント光信号を量子光平衡検出ユニット3103に入力し、第3の光分割ユニット4303は、90%を占める第1のコヒーレント光信号を量子光平衡検出ユニット3103に入力する。言い換えれば、各々が10%を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、一方のコヒーレントに結合された光信号であり、各々が90%を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、他方のコヒーレントに結合された光信号である。第1のコヒーレントに結合された光信号は、各々が10%を占める2つの第1のコヒーレント光信号であってよく、第2のコヒーレントに結合された光信号は、各々が90%を占める2つの第1のコヒーレント光信号であってよい。
本発明のこの実施形態において、第1の比率および第2の比率の具体的な値は限定されない。 任意選択で、量子光信号は極めて弱い光信号であり、伝送リンク全体における挿入損失値が量子光信号の伝送距離に深刻な影響を及ぼす。ゆえに、参照光信号に対して光/電気変換および増幅が行われた後、通常のサンプリングが保証され得ること、および正確な位相周波数情報が復元され得ることを前提として、量子光平衡検出ユニット3103に入力される光の強度比率はできる限り大幅に改善され得ることが好ましい。
さらに、伝送光信号は参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は少なくとも量子光信号を含む。言い換えれば、参照光平衡検出ユニット3102に入る一方のコヒーレントに結合された光信号は、第1のコヒーレントに結合された光信号であり、量子光平衡検出ユニット3103に入る一方のコヒーレントに結合された光信号は、第2のコヒーレントに結合された光信号である。
参照光平衡検出ユニット3102は、第2の光分割ユニット4302および第3の光分割ユニット4303によって出力された第1のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。量子光平衡検出ユニット3103は、第2の光分割ユニット4302および第3の光分割ユニット4303によって出力された第2のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。搬送波復元ユニット3104および鍵復元ユニット3105の具体的な処理手順については、上述の説明を参照されたい。
上述の内容は、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送されたときに元鍵復元装置によって使用されるいくつかの可能な構造の概略図を説明している。本発明のこの実施形態において、送信装置は、代替的に、複数の偏光状態を使用することによって伝送光信号を伝送してよい。詳細な説明が以下で提供される。
ケース2:伝送光信号は、N個の偏光状態に基づいて伝送され、Nは1よりも大きい整数である。
任意選択で、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送されるとき、各偏光状態の上述の伝送された光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号、参照光信号を含む初期光信号、または、量子光信号を含む初期光信号のうちの任意の1つであってよい。
例えば、送信装置は、2つの偏光状態に基づいて伝送光信号を送信し、各偏光状態において、時分割多重の参照光信号および量子光信号が含まれる。別の例では、送信装置は、2つの偏光状態に基づいて伝送光信号を送信し、一方の偏光状態に基づいて参照光信号を伝送し、他方の偏光状態に基づいて量子光信号を伝送する。別の例では、送信装置は2つの偏光状態に基づいて伝送光信号を送信し、一方の偏光状態に基づいて時分割多重の参照光信号および量子光信号を伝送し、他方の偏光状態に基づいて量子光信号を伝送する。任意選択で、送信装置は、代替的に、3つの偏光状態または4つの偏光状態等に基づいて伝送光信号を送信してよい。
図5aは、本発明の一実施形態による伝送光信号の概略構造図の例を示す。図5aに示すように、横軸は時間軸5101であり、縦軸は、偏光状態Xの光強度5102および偏光状態Yの光強度5105を含む。任意選択で、偏光状態Xに基づいて量子光信号5103が送信され、偏光状態Yに基づいて参照光信号5104が送信される。参照光信号と量子光信号とは時間的に互いに重なり合う。ゆえに、図5aに示す参照光信号および量子光信号は偏光多重に属する。
さらに、参照光信号と量子光信号との間の分離を増大させ、参照光信号の量子光信号に対する干渉を低減するよう、参照光信号と量子光信号との間に特定の相対遅延が設定されてよい。図5bは、本発明の一実施形態によるさらに別の伝送光信号の概略構造図の例を示す。図5bに示すように、横軸は時間軸5201であり、縦軸は、偏光状態Xの光強度5202および偏光状態Yの光強度5205を含む。任意選択で、偏光状態Xに基づいて量子光信号5203が送信され、偏光状態Yに基づいて参照光信号5204が送信される。参照光信号と量子光信号とは、時間的に交互に配列される。言い換えれば、図5bにおいて、偏光状態Yの参照光信号および偏光状態Xの量子光信号は、偏光多重信号に属すのみならず、時分割多重信号にも属する。
図5cは、本発明の一実施形態によるまた別の伝送光信号の概略構造図の例を示す。図5cに示すように、横軸は時間軸5301であり、縦軸は、偏光状態Xの光強度5302および偏光状態Yの光強度5305を含む。任意選択で、偏光状態Xに基づいて量子光信号5303が送信され、偏光状態Yに基づいて時分割多重の参照光信号5304および量子光信号5303が送信される。図5cにおいて、偏光状態Xの量子光信号と、偏光状態Yの参照光信号および量子光信号とは共に、時間的に交互に配列されることが分かる。
本発明のこの実施形態において、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送されるとき、偏光状態に基づいて伝送された光信号は、時間的に重なり合ってよく、または、時間的に重なり合わなくてよい。このことは、本発明のこの実施形態において限定されない。
任意選択で、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送され、Nが1よりも大きい整数である場合、コヒーレント結合ユニットは、偏光光分割ユニットと、偏光光分割ユニットに接続されたコヒーレント結合サブユニットとを有し、コヒーレント結合サブユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続され、偏光光分割ユニットは、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行うよう構成され、ここで、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応し、コヒーレント結合サブユニットは、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいて、N個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行うよう構成される。
図5dは、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図5dに示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、偏光光分割ユニット5401と、偏光光分割ユニット5401に接続されたコヒーレント結合サブユニット5402とを有し、コヒーレント結合サブユニット5402は、参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103に接続される。
任意選択で、偏光光分割ユニット5401は、偏光光分割器であってよい。任意選択で、N個の初期光信号は、各々が時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも2つの初期光信号を有するか、または、N個の初期光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号、参照光信号を含む初期光信号、または量子光信号を含む初期光信号のうちの少なくとも何れか2つを有する。
任意選択で、N個の初期光信号の各々について、コヒーレント結合サブユニット5402は具体的に、参照光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、参照光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第3の比率を占める局部発振器光信号を使用して、参照光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行うか、量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が含むとき、量子光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第4の比率を占める局部発振器光信号を使用して、量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行うか、または、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が含むとき、2つのコヒーレントに結合された光信号であって、その各々が参照光信号および量子光信号を含む2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行うよう構成される。
時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、複数の具体的な実装例が存在する。以下では、次の実施形態b1、実施形態b2、および実施形態b3を使用することによって、実装例を詳細に説明する。
[実施形態b1]
伝送光信号はN個の偏光状態に基づいて送信され、各偏光状態において量子光信号または参照光信号のみが含まれる。この場合、偏光光分割ユニット5401は、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行うよう構成され、ここで、各初期光信号は、量子光信号または参照光信号のみを含む。
図5eは、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。2つの偏光状態に基づいて送信装置が受信装置に伝送光信号を送信する。伝送光信号の具体的な構造が、図5bに示されている。偏光状態Xに基づいて量子光信号が送信され、偏光状態Yに基づいて参照光信号が送信される。この場合、図5eに示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、偏光光分割ユニット5401と、偏光光分割ユニット5401に接続されたコヒーレント結合サブユニット5402とを有し、コヒーレント結合サブユニット5402は、第4の結合ユニット5502と第5の結合ユニット5503とを含み、第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503はそれぞれ2:2結合器であってよい。第4の結合ユニット5502の2つの入力端はそれぞれ偏光光分割ユニット5401および局部発振器ユニット3201に接続され、第4の結合ユニット5502の2つの出力端は、参照光平衡検出ユニット3102に別々に接続される。第5の結合ユニット5503の2つの入力端はそれぞれ偏光光分割ユニット5401および局部発振器ユニット3201に接続され、第5の結合ユニット5503の2つの出力端は、量子光平衡検出ユニット3103に別々に接続される。
図5eに示すように、局部発振器ユニット3201の内部構造は、図4bに示す局部発振器ユニット3201の内部構造と同じである。詳細な内容については、上述の内容を参照されたい。局部発振器ユニット3201において、局部発振器光分割ユニット4205の一端は位相変調器4204に接続され、局部発振器光分割ユニット4205の他端はそれぞれ、第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503に接続される。
図5eに示す元鍵復元装置の概略構造図に基づいて、以下では、元鍵復元装置のワークフローを詳細に説明する。
図5eに示すように、送信装置は、光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号はまず偏光制御ユニット3301に入り、偏光制御ユニット3301は、偏光状態の固定された伝送光信号を偏光光分割ユニット5401に入力する。
伝送光信号は、N個の偏光状態に基づいて伝送され、偏光光分割ユニット5401は、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行い、ここで、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応する。
例えば、伝送光信号について、量子光信号が偏光状態Xに基づいて伝送され、参照光信号が偏光状態Yに基づいて伝送される場合、偏光光分割ユニット5401は、偏光状態Xに基づいて伝送された量子光信号を1つの出力ポートを通じて出力し、偏光状態Yに基づいて伝送された参照光信号の偏光状態を90度回転させる、すなわち偏光状態Xまで回転させ、次に、別の出力ポートから出力する。
偏光光分割ユニット5401は、参照光信号を含む1つの初期光信号を第4の結合ユニット5502に入力し、量子光信号を含む1つの初期光信号を第5の結合ユニット5503に入力する。第4の結合ユニット5502の他方の入力端および第5の結合ユニット5503の他方の入力端はさらに、局部発振器ユニット3201によって入力された局部発振器光信号を受信する。
コヒーレント結合サブユニット5402は、第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503を含み、第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503は別々にコヒーレント結合操作を行う必要がある。ゆえに、第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503は共に、局部発振器光信号を必要とする。このことに基づいて、局部発振器光分割ユニット4205は、受信された局部発振器光信号を2つの第3の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第3の局部発振器光副信号をそれぞれ第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503に送信する。
第4の結合ユニット5502は、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第3の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
第5の結合ユニット5503は、他方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第3の局部発振器光副信号のうちの他方を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行うよう構成される。
この場合、伝送光信号は2つの偏光状態に基づいて伝送され、各偏光状態に基づいて参照光信号または量子光信号のみが伝送され、第4の結合ユニット5502は、偏光状態Yに基づいて伝送された参照光信号を受信し、第5の結合ユニット5503は、偏光状態Xに基づいて伝送された量子光信号を受信することが分かる。ゆえに、第4の結合ユニット5502によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は参照光信号のみを含み、第5の結合ユニット5503によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、量子光信号のみを含む。この場合、第4の結合ユニット5502によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、第1のコヒーレントに結合された光信号として使用され、第5の結合ユニット5503によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は第2のコヒーレントに結合された光信号として使用される。
参照光平衡検出ユニット3102は、第4の結合ユニット5502によって出力された第1のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。量子光平衡検出ユニット3103は、第5の結合ユニット5503によって出力された第2のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。搬送波復元ユニット3104および鍵復元ユニット3105の具体的な処理手順については、上述の説明を参照されたい。
[実施形態b2]
伝送光信号はN個の偏光状態に基づいて送信され、偏光状態において、時分割多重の量子光信号および参照光信号が含まれる。この場合、偏光光分割ユニットは、伝送光信号を偏光光分割処理を通じてN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行うよう構成され、ここで、1つの初期光信号は、時分割多重の量子光信号および参照光信号を含む。
任意選択で、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、当該装置は具体的に、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第2のコヒーレント光信号へと分割し、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、2つの第2のコヒーレント光信号の各々に対して光分割処理を行うよう構成され、ここで、第6の比率と第7の比率との和は1であり、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
実施形態b2をより明確に説明するべく、以下では、図5f−1および図5f−2に関連して説明を提供する。図5f−1および図5f−2は、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。2つの偏光状態に基づいて送信装置が受信装置に伝送光信号を送信する。伝送光信号の具体的な構造が、図5cに示されている。量子光信号は、偏光状態Xに基づいて送信され、時分割多重の参照光信号および量子光信号は、偏光状態Yに基づいて送信される。この場合、図5f−1および図5f−2に示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、偏光光分割ユニット5401と、偏光光分割ユニット5401に接続されたコヒーレント結合サブユニット5402とを有し、コヒーレント結合サブユニット5402は、第6の結合ユニット5603と第7の結合ユニット5602とを含み、第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602はそれぞれ2:2結合器であってよい。第6の結合ユニット5603の2つの入力端がそれぞれ偏光光分割ユニット5401および局部発振器ユニット3201に接続され、第6の結合ユニット5603の2つの出力端が量子光平衡検出ユニット3103に別々に接続される。
具体的には、本発明のこの実施形態において、参照光平衡検出ユニット3102は、1または複数の参照光平衡検出器を有してよく、量子光平衡検出ユニット3103は、1または複数の量子平衡検出器を有してよい。参照光平衡検出ユニット3102の各参照光平衡検出器は、一方の第1のコヒーレントに結合された光信号を対応して検出する。具体的には、参照光平衡検出ユニット3102の各参照光平衡検出器は、一方の第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。量子光平衡検出ユニット3103の各量子光平衡検出器は、一方の第2のコヒーレントに結合された光信号を対応して検出する。具体的には、量子光平衡検出ユニット3103の各量子光平衡検出器は、一方の第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。
図5f−1および図5f−2に示すように、量子平衡検出ユニット3103は、第1の量子平衡検出器5609と第2の量子平衡検出器5608とを有する。次に、第6の結合ユニット5603の2つの出力端がそれぞれ、第1の量子平衡検出器5609の2つの入力端に接続される。第7の結合ユニット5602の2つの入力端がそれぞれ、偏光光分割ユニット5401および局部発振器ユニット3201に接続され、第7の結合ユニット5602の2つの出力端がそれぞれ、第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606に接続される。第4の光分割ユニット5605の2つの出力端がそれぞれ、参照光平衡検出ユニット3102および第2の量子光平衡検出器5608に接続され、第5の光分割ユニット5606の2つの出力端がそれぞれ、参照光平衡検出ユニット3102および第2の量子光平衡検出器5608に接続される。
さらに、各参照光平衡検出ユニット3102に含まれる参照光平衡検出器の数は、第1のADCユニット3302に含まれるADCの数と同じである。言い換えれば、1つの参照光平衡検出器が第1のADCユニット3302の1つのADCに接続される。同様に、各量子光平衡検出ユニット3103に含まれる量子光平衡検出器の数は、第2のADCユニット3304に含まれるADCの数と同じである。言い換えれば、1つの量子光平衡検出器が第2のADCユニット3304の1つのADCに接続される。
図5f−1および図5f−2に示すように、第1の量子平衡検出器5609は、第2のADCユニット3304のADC I 5611に接続され、第2の量子平衡検出器5608は、第2のADCユニット3304のADC II 5612に接続される。参照光平衡検出ユニット3102は、第1のADCユニット3302のADC III 5613に接続される。ADC I 5611およびADC II 5612は、鍵復元ユニット3105の第2の処理ユニット3305に接続され、第2の処理ユニット3305または第1の処理ユニット3303は1または複数の処理モジュールを含んでよく、1つのADCは1つの処理モジュールに対応する。例えば、ADC I 5611は、第2の処理ユニット3305の処理モジュールI 5614に対応し、ADC II 5612は、第2の処理ユニット3305の処理モジュールII 5615に対応する。ADC III 5613は、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303に接続される。局部発振器光分割ユニット4205の一端が位相変調器4204に接続され、局部発振器光分割ユニット4205の他端がそれぞれ、第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602に接続される。
図5f−1および図5f−2に示す元鍵復元装置の概略構造図に基づいて、以下では、元鍵復元装置のワークフローを詳細に説明する。
図5f−1および図5f−2に示すように、送信装置は光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号はまず、偏光制御ユニット3301に入り、偏光制御ユニット3301は、偏光状態の固定された伝送光信号を偏光光分割ユニット5401に入力する。伝送光信号は、N個の偏光状態に基づいて伝送され、偏光光分割ユニット5401は、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力し、ここで、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応する。
偏光光分割ユニット5401は、参照光信号を含む1つの初期光信号を第6の結合ユニット5603に入力し、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む1つの初期光信号を第7の結合ユニット5602に入力する。第6の結合ユニット5603の他方の入力端および第7の結合ユニット5602の他方の入力端はさらに、局部発振器ユニット3201によって入力された局部発振器光信号を受信する。
図5f−1および図5f−2に示すように、局部発振器ユニット3201の内部構造は、図4bに示す局部発振器ユニット3201と同じである。詳細な内容については、上述の内容を参照されたい。コヒーレント結合サブユニット5402は、第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602を含み、第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602は別々にコヒーレント結合操作を行う必要がある。ゆえに、第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602は共に、局部発振器光信号を必要とする。このことに基づいて、局部発振器光分割ユニット4205は、受信された局部発振器光信号を2つの第4の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第4の局部発振器光副信号をそれぞれ第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602に入力する。
第6の結合ユニット5603は、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第4の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
第7の結合ユニット5602は、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第4の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。第7の結合ユニット5602は、2つの第2のコヒーレント光信号をそれぞれ第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606に送信する。
第4の光分割ユニット5605は、第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号と、第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第2のコヒーレント光信号のうちの一方に対して光分割処理を行い、ここで、第6の比率と第7の比率との和は1である。
第5の光分割ユニット5606は、第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号と、第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第2のコヒーレント光信号のうちの他方に対して光分割処理を行う。
各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
例えば、第6の比率は10%であり、第7の比率は90%である。第4の光分割ユニット5605は、受信された一方の第2のコヒーレント光信号を、10%を占める第2のコヒーレント光信号および90%を占める第2のコヒーレント光信号へと分割する。第5の光分割ユニット5606は、受信された他方の第2のコヒーレント光信号を、10%を占める第2のコヒーレント光信号および90%を占める第2のコヒーレント光信号へと分割する。第4の光分割ユニット5605は、10%を占める第2のコヒーレント光信号を参照光平衡検出ユニット3102に入力し、第5の光分割ユニット5606は、10%を占める第2のコヒーレント光信号を参照光平衡検出ユニット3102に入力する。第4の光分割ユニット5605は、90%を占める第2のコヒーレント光信号を量子光平衡検出ユニット3103に入力し、第5の光分割ユニット5606は、90%を占める第2のコヒーレント光信号を量子光平衡検出ユニット3103に入力する。言い換えれば、各々が10%を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、一方のコヒーレントに結合された光信号であり、各々が90%を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、他方のコヒーレントに結合された光信号である。第1のコヒーレントに結合された光信号は、各々が10%を占める2つの第2のコヒーレント光信号であってよく、第2のコヒーレントに結合された光信号は、各々が90%を占める2つの第2のコヒーレント光信号であってよい。
さらに、各々が10%を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、一方のコヒーレントに結合された光信号であり、参照光平衡検出ユニット3102に入り、各々が90%を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、一方のコヒーレントに結合された光信号であり、量子光平衡検出ユニット3103の第2の量子平衡検出器5608に入る。
本発明のこの実施形態において、第6の比率および第7の比率の具体的な値は限定されない。 任意選択で、量子光信号は極めて弱い光信号であり、伝送リンク全体における挿入損失値が量子光信号の伝送距離に深刻な影響を及ぼす。ゆえに、参照光信号に対して光/電気変換および増幅が行われた後、通常のサンプリングが保証され得ること、および正確な位相周波数情報が復元され得ることを前提として、量子光平衡検出ユニット3103に入力される光の強度比率はできる限り大幅に改善され得ることが好ましい。
この場合、伝送光信号は2つの偏光状態に基づいて伝送され、第6の結合ユニット5603に入る光信号は量子光信号のみを含むことが分かる。ゆえに、第6の結合ユニット5603によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、量子光信号のみを含む。ゆえに、第6の結合ユニット5603によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、第1のコヒーレントに結合された光信号である。第7の結合ユニット5602に入る光信号は、時分割多重の量子光信号および参照光信号を含む。ゆえに、第7の結合ユニット5602によって出力される2つの第2のコヒーレント光信号の各々は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。次に、第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606による光分割処理を通じて、取得された2つのコヒーレントに結合された光信号の各々は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。この場合、第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606による光分割処理を通じて取得された2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方は、第1のコヒーレントに結合された光信号として使用され、他方は、第2のコヒーレントに結合された光信号として使用される。
参照光平衡検出ユニット3102は、第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606によって出力された第1のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。
量子光平衡検出ユニット3103は、第1の量子平衡検出器5609と第2の量子平衡検出器5608とを有する。
第1の量子平衡検出器5609は、第6の結合器5603によって出力された第2のコヒーレントに結合された光信号を受信し、出力された第2の電気信号の振幅が第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲内にあることを保証するよう、受信された第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。
第2の量子平衡検出器5608は、第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606によって出力された第2のコヒーレントに結合された光信号を受信し、出力された第2の電気信号の振幅が第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲内にあることを保証するよう、受信された第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。
第1のADCユニットのADC III 5613は、参照光平衡検出ユニットによって出力された第1の電気信号を受信し、受信された第1の電気信号に対してサンプリング量子化を行い、搬送波復元ユニットの第1の処理ユニット3303に参照信号サンプリング系列を出力する。これにより、第1の処理ユニット3303は、参照信号サンプリング系列から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する。
第2のADCユニット3304は、ADC I 5611およびADC II 5612を含み、ADC I 5611は第1の量子平衡検出器5609に接続され、ADC II 5612は第2の量子平衡検出器5608に接続される。
ADC I 5611は、第1の量子平衡検出器5609によって出力された第2の電気信号を受信し、受信された第2の電気信号に対してサンプリング量子化を行い、処理モジュールI 5614に量子信号サンプリング系列を出力する。
ADC II 5612は、第2の量子平衡検出器5608によって出力された第2の電気信号を受信し、受信された第2の電気信号に対してサンプリング量子化を行い、処理モジュールII 5615に量子信号サンプリング系列を出力する。処理モジュールI 5614および処理モジュールII 5615は、受信された位相周波数情報に基づいて、量子信号サンプリング系列から元鍵を復元する。
[実施形態b3]
任意選択で、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、局部発振器ユニットは具体的に、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を2つの第2の局部発振器光副信号へと分割し、コヒーレント結合サブユニットに2つの第2の局部発振器光副信号を送信するよう構成され、コヒーレント結合サブユニットは具体的に、2つの光学的に分割された初期光信号を取得するよう、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対して光分割処理を行い、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの2つを取得するよう、受信された2つの第2の局部発振器光副信号を使用して、2つの光学的に分割された初期光信号の各々に対してそれぞれコヒーレント結合を行うよう構成され、ここで、一方の局部発振器光信号は一方の光学的に分割された初期光信号に対応する。
実施形態b3をより明確に説明するべく、以下では、図5g−1および図5g−2に関連して説明を提供する。図5g−1および図5g−2は、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。2つの偏光状態に基づいて送信装置が受信装置に伝送光信号を送信する。伝送光信号の具体的な構造が、図5cに示されている。量子光信号は、偏光状態Xに基づいて送信され、時分割多重の参照光信号および量子光信号は、偏光状態Yに基づいて送信される。図5g−1および図5g−2に示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、偏光光分割ユニット5401と、偏光光分割ユニット5401に接続されたコヒーレント結合サブユニット5402とを有し、コヒーレント結合サブユニット5402は、第6の結合ユニット5603と第6の光分割ユニット5702と第8の結合ユニット5703と第9の結合ユニット5704とを含み、第6の結合ユニット5603、第8の結合ユニット5703、および第9の結合ユニット5704はそれぞれ2:2結合器であってよい。第6の結合ユニット5603の2つの入力端がそれぞれ偏光光分割ユニット5401および局部発振器ユニット3201に接続され、第6の結合ユニット5603の2つの出力端が量子光平衡検出ユニット3103に別々に接続される。
図5g−1および図5g−2に示すように、量子平衡検出ユニット3103は、第1の量子平衡検出器5608および第2の量子平衡検出器5609を有する。さらに、第6の結合器5603の2つの出力端はそれぞれ、第1の量子平衡検出器5609の2つの入力端に接続される。第6の光分割ユニット5702の入力端が偏光光分割ユニット5401に接続され、第6の光分割ユニット5702の2つの出力端がそれぞれ、第8の結合ユニット5703および第9の結合ユニット5704に接続される。
第8の結合ユニット5703の2つの入力端はそれぞれ、第6の光分割ユニット5702および局部発振器ユニット3201に接続され、第8の結合ユニット5703の2つの出力端は、参照光平衡検出ユニット3102に別々に接続される。第9の結合ユニット5704の2つの入力端はそれぞれ、第6の光分割ユニット5702および局部発振器ユニット3201に接続され、第9の結合ユニット5704の2つの出力端は、量子光平衡検出ユニット3103の第2の量子平衡検出器5608に別々に接続される。
図5eに示すように、局部発振器ユニット3201の内部構造は、図4bに示す局部発振器ユニット3201の内部構造と同じである。詳細な内容については、上述の内容を参照されたい。局部発振器光分割ユニット4205の一端は、位相変調器4204に接続され、局部発振器光分割ユニット4205の他端はそれぞれ、第6の結合ユニット5603、第8の結合ユニット5703、および第9の結合ユニット5704に接続される。局部発振器光分割ユニット4205は、光分割器であってよい。
図5g−1および図5g−2に示す元鍵復元装置の概略構造図に基づいて、以下では、元鍵復元装置のワークフローを詳細に説明する。
図5g−1および図5g−2に示すように、送信装置は光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号はまず、偏光制御ユニット3301に入り、偏光制御ユニット3301は、偏光状態の固定された伝送光信号を偏光光分割ユニット5401に入力する。伝送光信号は、N個の偏光状態に基づいて伝送され、偏光光分割ユニット5401は、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力する。
具体的に、偏光光分割ユニット5401は、量子光信号を含む1つの初期光信号を第6の結合ユニット5603に入力し、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む1つの初期光信号を第6の光分割ユニット5702に入力する。第6の光分割ユニット5702は、2つの光学的に分割された初期光信号を取得するよう、量子光信号を含む受信された初期光信号に対して光分割処理を行い、2つの光学的に分割された初期光信号をそれぞれ第8の結合ユニット5703および第9の結合ユニットに出力する。第6の結合ユニット5603の他方の入力端と、第8の結合ユニット5703の他方の入力端と、第9の結合ユニットの他方の入力端とはさらに、局部発振器ユニット3201によって入力された局部発振器光信号を受信し、次に、第6の結合ユニット5603、第8の結合ユニット5703、または第9の結合ユニットのうちの任意の1つが、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された一方の局部発振器光信号を使用して、受信された光学的に分割された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
この場合、局部発振器ユニット3201は、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を2つの第2の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第2の局部発振器光副信号をそれぞれ、第8の結合ユニット5703および第9の結合ユニットに送信する。
コヒーレント結合サブユニット5402は、第6の結合ユニット5603と第8の結合ユニット5703と第9の結合ユニットとを含み、第6の結合ユニット5603、第8の結合ユニット5703、および第9の結合ユニットはそれぞれ、コヒーレント結合操作を行う必要がある。ゆえに、第6の結合ユニット5603、第8の結合ユニット5703、および第9の結合ユニットは全て、局部発振器光信号を必要とする。このことに基づいて、局部発振器光分割ユニット4205は、受信された局部発振器光信号を3つの信号へと分割する。
第6の結合ユニット5603は、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、1つの局部発振器光信号を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
第8の結合ユニット5703は、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、1つの局部発振器光信号を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
第9の結合ユニットは、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、1つの局部発振器光信号を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
この場合、伝送光信号は2つの偏光状態に基づいて伝送され、第6の結合ユニット5603に入る光信号は量子光信号のみを含むことが分かる。ゆえに、第6の結合ユニット5603によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、量子光信号のみを含む。ゆえに、第6の結合ユニット5603によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、第1のコヒーレントに結合された光信号である。第6の光分割ユニット5702に入る光信号は、時分割多重の量子光信号および参照光信号を含む。ゆえに、第6の光分割ユニット5702によって第8の結合ユニット5703および第9の結合ユニットに出力される光学的に分割された初期光信号はそれぞれ、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。次に、第8の結合ユニット5703および第9の結合ユニットによるコヒーレント結合処理を通じて、取得された2つのコヒーレントに結合された光信号の各々は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。この場合、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方は、第1のコヒーレントに結合された光信号として使用され、他方は第2のコヒーレントに結合された光信号として使用される。
参照光平衡検出ユニット3102は、第4の結合ユニット5502によって出力された第1のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。量子光平衡検出ユニット3103は、第5の結合ユニット5503によって出力された第2のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。搬送波復元ユニット3104および鍵復元ユニット3105の具体的な処理手順については、上述の説明を参照されたい。
上述の内容から、本発明のこの実施形態において、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行うことが分かる。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。この解決手段は、送信装置および受信装置の2本の光ファイバ間の長さの差に対する厳密な等長制御を必要とせず、それにより、技術的困難性を低減することが分かる。
図6aは、本発明の一実施形態による元鍵復元方法の概略フローチャートの例を示す。
同じ考えに基づいて、図6aに示すように、本発明のこの実施形態において提供される元鍵復元方法は、以下の段階を備える。
段階601:少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階であって、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含む、段階。
段階602:少なくとも1つの第1の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、少なくとも1つの第2の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う段階。
段階603:少なくとも1つの第1の電気信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定し、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元する段階。
任意選択で、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して行われる光/電気変換および増幅中に使用される増幅係数は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して行われる光/電気変換および増幅中に使用される増幅係数より小さい。
任意選択で、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の帯域幅は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の帯域幅より高く、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の利得は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の利得より低い。
本発明のこの実施形態において、第1のコヒーレントに結合された光信号と第2のコヒーレントに結合された光信号とは、別々に増幅されてよい。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から、元鍵が復元される。ゆえに、第1のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、参照光信号から位相周波数情報をより正確に復元することができ、第2のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、量子光信号から元鍵もより正確に復元することができる。
任意選択で、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階の前に、当該方法は、位相周波数情報に基づいて局部発振器光信号を生成する段階をさらに備える。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、伝送光信号を受信し、2つの光学的に分割された光信号を取得するよう、伝送光信号に対して光分割処理を行う段階と、局部発振器光信号を2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、2つの第1の局部発振器光副信号を使用して、2つの光学的に分割された光信号に対してそれぞれコヒーレント結合を行う段階であって、一方の第1の局部発振器光副信号は、一方の光学的に分割された光信号に対応する、段階とを有する。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、局部発振器光信号を使用して、伝送光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第1のコヒーレント光信号へと分割する段階と、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの一方に対して光分割処理を行う段階であって、第1の比率と第2の比率との和は1である、段階と、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの他方に対して光分割処理を行う段階とを有し、各々が各第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
任意選択で、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送され、Nが1よりも大きい整数である場合、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行う段階であって、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応する、段階と、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいてN個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行う段階とを有する。
任意選択で、N個の初期光信号は、各々が時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも2つの初期光信号を有するか、または、N個の初期光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号、参照光信号を含む初期光信号、または、量子光信号を含む初期光信号のうちの少なくとも何れか2つを有する。
任意選択で、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいてN個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行う段階は、参照光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、参照光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第3の比率を占める局部発振器光信号を使用して、参照光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行う段階、量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、量子光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第4の比率を占める局部発振器光信号を使用して、量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行う段階、または、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、2つのコヒーレントに結合された光信号であって、その各々が参照光信号および量子光信号を含む2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階を含む。
任意選択で、2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階は、2つの光学的に分割された初期光信号を取得するよう、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対して光分割処理を行う段階と、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を2つの第2の局部発振器光副信号へと分割し、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの2つを取得するよう、2つの第2の局部発振器光副信号を使用して、2つの光学的に分割された初期光信号の各々に対してそれぞれコヒーレント結合を行う段階であって、一方の局部発振器光信号は、一方の光学的に分割された初期光信号に対応する、段階とを含む。
任意選択で、2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階は、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第2のコヒーレント光信号へと分割する段階と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、2つの第2のコヒーレント光信号の各々に対して光分割処理を行う段階であって、第6の比率と第7の比率との和は1である、段階とを含み、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
任意選択で、少なくとも1つの第1の電気信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する段階は、少なくとも1つの第1の電気信号を受信し、参照信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第1の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行う段階であって、対応する第1の電気信号における、各第1のコヒーレントに結合された光信号に含まれる参照光信号に対応する、電気信号振幅は、第1の事前設定された振幅範囲内にある、段階と、受信された参照信号サンプリング系列に基づいて、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する段階とを有する。
任意選択で、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元する段階は、少なくとも1つの第2の電気信号を受信し、量子信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第2の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行う段階であって、対応する第2の電気信号における、各第2のコヒーレントに結合された光信号に含まれる量子光信号に対応する、電気信号振幅は、第2の事前設定された振幅範囲内にある、段階と、受信された量子信号サンプリング系列および受信された位相周波数情報に基づいて元鍵を復元する段階とを有する。
任意選択で、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階の前に、当該方法は、伝送光信号を受信し、受信された伝送光信号の偏光状態を固定偏光状態に調整する段階をさらに備える。
任意選択で、局部発振器光信号は、伝送光信号における参照光信号に適合させるために使用される第1の局部発振器光信号と、伝送光信号における量子光信号に適合させるために使用される第2の局部発振器光信号とを含み、第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値である。
上述の内容から、本発明のこの実施形態において、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行うことが分かる。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。この解決手段は、送信装置および受信装置の2本の光ファイバ間の長さの差に対する厳密な等長制御を必要とせず、それにより、技術的困難性を低減することが分かる。
当業者であれば、本発明の実施形態が、方法またはコンピュータプログラム製品として提供されてよいことを理解すべきである。ゆえに、本発明は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみ実施形態、または、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによる実施形態の形式を使用してよい。加えて、本発明は、コンピュータが利用可能なプログラムコードを有する、(限定されないが、ディスクメモリ、CD−ROM、および光メモリ等を含む)1または複数のコンピュータが利用可能な記憶媒体において実装されるコンピュータプログラム製品の形式を使用してよい。
本発明は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図に関連して説明されている。コンピュータプログラム命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の各プロセスおよび/または各ブロック、ならびにフローチャートおよび/またはブロック図のプロセスおよび/またはブロックの組み合わせを実装するために使用されてよいことを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを生成するよう、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または任意の他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてよく、これにより、コンピュータまたは別のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令は、フローチャートの1または複数のプロセスにおける、および/またはブロック図の1または複数のブロックにおける特定された機能を実装するための装置を生成する。
特定の方式で作動するようコンピュータまたは別のプログラム可能なデータ処理装置に命令できるこれらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読メモリに記憶されてよい。これにより、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、命令装置を含むアーティファクトを生成する。命令装置は、フローチャートの1または複数のプロセスおよび/またはブロック図の1または複数のブロックにおける特定の機能を実装する。
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは別のプログラム可能なデータ処理装置にロードされてよい。これにより、一連の操作および段階がコンピュータまたは別のプログラム可能な装置において行われ、それにより、コンピュータ実装処理を生成する。ゆえに、コンピュータまたは別のプログラム可能な装置において実行される命令は、フローチャートの1または複数のプロセスおよび/またはブロック図の1または複数のブロックにおける特定の機能を実装するための段階を提供する。
本発明のいくつかの好適な実施形態が説明されてきたが、一たび基本的な発明概念を習得すれば、当業者であれば、これらの実施形態に変更および修正を施すことができる。ゆえに、以下の特許請求の範囲は、好適な実施形態ならびに本発明の範囲内に含まれる全ての変更および修正を包含するものと解釈されることが意図されている。
当業者であれば、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な修正および変形を施すことができるのは明らかである。本発明は、これらの修正および変形が以下の特許請求の範囲およびそれらの均等技術によって定義される範囲内に含まれるならば、当該修正および変形を包含することが意図されている。
本出願は、「元鍵復元装置および方法」と題する、2016年2月29日に中国特許庁に出願された中国特許出願第201610115768.2号に基づく優先権を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明の実施形態は、量子通信分野に関し、特には、元鍵復元装置および方法に関する。
ネットワーク技術の急速な発展に伴い、ネットワークを通じて大量の機密情報が伝送される必要があり、機密情報が失われないよう、または攻撃されないように保護する必要がある。暗号化は、情報セキュリティを保証するための重要な手段の1つである。既存の古典的な暗号化システムは、計算複雑性に基づいて確立されており、解読されることがある。古典的な暗号システムでは、無条件安全性を実現するためにワンタイム鍵のみが使用され得るが、大量の乱数鍵をどのように生成するかが常に問題となっている。量子鍵配布(Quantum Key Distribution、略してQKD)技術がこの問題を解決する。
具体的には、QKDにおいては量子状態が情報単位として使用され、情報を伝送し保護するためにいくつかの量子力学の原理が使用される。通常、量子状態を情報担体として使用し、かつ量子力学の原理を使用することによって、2つの通信当事者が、量子チャネル伝送を通じて2つのセキュアな通信当事者間に共有の鍵を確立する。QKDのセキュリティは、量子力学の「ハイゼンベルグの不確定性関係」および「単一量子複製不可能定理」、または、もつれた粒子のコヒーレンスおよび非局在性などの量子の特性を使用することによって保証される。
図1aは、量子通信が適用されるシステムの概略構造図の例を示す。図1aに示すように、当該システムは、送信装置101と受信装置102とを備える。送信装置は、マスタ制御ユニット103と量子送信機104と同期クロック送信機105とネゴシエーション情報送受信機106とサービス情報送信機107とを有する。受信装置は、マスタ制御ユニット108と量子受信機109と同期クロック受信機110とネゴシエーション情報送受信機111とサービス情報受信機112とを有する。送信装置は、量子送信機を使用することによって、元鍵を保持する量子光信号を受信装置の量子受信機に送信し、これにより、受信装置は、量子光信号から元の量子鍵を復元する。送信装置は、同期クロック送信機を使用することによって、同期クロック信号を受信装置の同期クロック受信機に送信し、これにより、受信装置は、送信装置とのクロック同期を実装する。送信装置のネゴシエーション情報送受信機と受信装置のネゴシエーション情報送受信機との間でネゴシエーション情報が送受信され、これにより、送信装置および受信装置は、ネゴシエーション情報に基づいて元の量子鍵から最終的な量子鍵を決定する。送信装置は、サービス情報送信機を使用することによって、受信装置のサービス情報受信機にサービス情報を送信する。
量子鍵配布プロセスは具体的に、送信装置が量子光信号に元鍵を追加して、受信装置に量子光信号を送信することと、量子光信号を受信した後、受信装置が量子光信号から元鍵を復元することと、さらに、送信装置と受信装置との間でのネゴシエーションを通じて、最終的に使用される鍵が元鍵から決定されることとを備える。
従来技術においては、送信装置が局部発振器光信号を生成し、同じ光ファイバを通じて局部発振器光信号および量子光信号を伝送する。この場合、受信装置が元鍵を正確に復元する必要がある場合、局部発振器光信号および量子光信号が2:2結合器の入力端に到着する時間が厳密に保証される必要がある。具体的には、受信装置は、局部発振器光信号および量子光信号が通過する経路に対して厳密な等長制御を行う必要がある。この技術的解決手段をエンジニアリングで使用するは非常に困難である。
要約すると、受信された量子光信号からより簡単かつ正確に元鍵を復元するための元鍵復元装置および方法が至急必要である。
本発明の実施形態は、受信された量子光信号からより簡単かつ正確に元鍵を復元するための元鍵復元装置および方法を提供する。
本発明の実施形態は元鍵復元装置を提供する。当該装置は、コヒーレント結合ユニットと、コヒーレント結合ユニットに接続された参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットと、参照光平衡検出ユニットに接続された搬送波復元ユニットと、量子光平衡検出ユニットに接続された鍵復元ユニットとを備え、搬送波復元ユニットは鍵復元ユニットに接続され、コヒーレント結合ユニットは、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行うよう構成され、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含み、参照光平衡検出ユニットは、少なくとも1つの第1の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、搬送波復元ユニットに少なくとも1つの第1の電気信号を伝送するよう構成され、量子光平衡検出ユニットは、少なくとも1つの第2の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、鍵復元ユニットに少なくとも1つの第2の電気信号を伝送するよう構成され、搬送波復元ユニットは、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を少なくとも1つの第1の電気信号から決定し、鍵復元ユニットに位相周波数情報を送信するよう構成され、 鍵復元ユニットは、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元するよう構成される。
伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行う。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。この解決手段は、送信装置および受信装置の2本の光ファイバ間の長さの差に対する厳密な等長制御を必要とせず、それにより、技術的困難性を低減することが分かる。
任意選択で、参照光平衡検出ユニットに含まれるトランスインピーダンス増幅器の増幅係数は、量子光平衡検出ユニットに含まれるトランスインピーダンス増幅器の増幅係数より小さい。
任意選択で、参照光平衡検出ユニットの帯域幅は、量子光平衡検出ユニットの帯域幅より高く、参照光平衡検出ユニットの利得は、量子光平衡検出ユニットの利得より低い。
さらに、本発明のこの実施形態において、第1のコヒーレントに結合された光信号と第2のコヒーレントに結合された光信号とは、別々に増幅されてよい。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から、元鍵が復元される。ゆえに、第1のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、参照光信号から位相周波数情報をより正確に復元することができ、第2のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、量子光信号から元鍵もより正確に復元することができる。
任意選択で、当該装置は、搬送波復元ユニットおよびコヒーレント結合ユニットに接続された局部発振器ユニットをさらに備え、局部発振器ユニットは、搬送波復元ユニットによって送信された位相周波数情報を受信し、受信された位相周波数情報に基づいて局部発振器光信号を生成し、コヒーレント結合ユニットに局部発振器光信号を送信するよう構成される。
このように、伝送光信号に対してコヒーレント結合を行うために使用される局部発振器光信号は、より正確に変調され得る。具体的には、局部発振器光信号は、受信された位相周波数情報に基づいてより正確に生成され、次に、鍵復元ユニットは、コヒーレントに結合された量子光信号に基づいてより正確に元鍵を復元できる。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号よび量子光信号を含み、コヒーレント結合ユニットは、第1の光分割ユニットと、第1の光分割ユニットに接続された第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットとを有し、第1の結合ユニットは、参照光平衡検出ユニットに接続され、第2の結合ユニットは、量子光平衡検出ユニットに接続され、局部発振器ユニットは、具体的に、局部発振器光信号を2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第1の局部発振器光副信号をそれぞれ第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットに送信するよう構成され、第1の光分割ユニットは、伝送光信号を受信し、2つの光学的に分割された光信号を取得するよう、伝送光信号に対して光分割処理を行い、2つの光学的に分割された光信号をそれぞれ第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットに入力するよう構成され、第1の結合ユニットは、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの一方に対してコヒーレント結合を行うよう構成され、第2の結合ユニットは、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちのもう一方を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの他方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの他方に対してコヒーレント結合を行うよう構成される。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、コヒーレント結合ユニットは、第3の結合ユニットと、第3の結合ユニットに接続された第2の光分割ユニットおよび第3の光分割ユニットとを有し、第2の光分割ユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続され、第3の光分割ユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続され、第3の結合ユニットは、局部発振器光信号を使用して、伝送光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第1のコヒーレント光信号へと分割し、2つの第1のコヒーレント光信号をそれぞれ第2の光分割ユニットおよび第3の光分割ユニットに入力するよう構成され、第2の光分割ユニットは、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの一方に対して光分割処理を行うよう構成され、第1の比率と第2の比率との和は1であり、第3の光分割ユニットは、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの他方に対して光分割処理を行うよう構成され、各々が各第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
上述の2つの方式においては、たとえ伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送され、伝送光信号が時分割多重の参照光信号および量子光信号を含んでいたとしても、第1のコヒーレントに結合された光信号および第2のコヒーレントに結合された光信号は別々に増幅され得ることが分かる。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から、元鍵が復元される。
任意選択で、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送され、Nが1よりも大きい整数である場合、コヒーレント結合ユニットは、偏光光分割ユニットと、偏光光分割ユニットに接続されたコヒーレント結合サブユニットとを含み、コヒーレント結合サブユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続され、偏光光分割ユニットは、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行うよう構成され、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応し、コヒーレント結合サブユニットは、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいてN個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行うよう構成される。
任意選択で、N個の初期光信号は、各々が時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも2つの初期光信号を有するか、または、N個の初期光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号、参照光信号を含む初期光信号、または、量子光信号を含む初期光信号のうちの少なくとも何れか2つを有する。
任意選択で、コヒーレント結合サブユニットは具体的に、参照光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、参照光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第3の比率を占める局部発振器光信号を使用して、参照光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行うよう構成されるか、量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、量子光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第4の比率を占める局部発振器光信号を使用して、量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行うか、または、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、2つのコヒーレントに結合された光信号であって、その各々が参照光信号および量子光信号を含む2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行うよう構成される。
任意選択で、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、局部発振器ユニットは具体的に、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を2つの第2の局部発振器光副信号へと分割し、コヒーレント結合サブユニットに2つの第2の局部発振器光副信号を送信するよう構成され、コヒーレント結合サブユニットは具体的に、2つの光学的に分割された初期光信号を取得するよう、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対して光分割処理を行い、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの2つを取得するよう、受信された2つの第2の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、2つの光学的に分割された初期光信号のうちの一方に対してコヒーレント結合を行い、受信された2つの第2の局部発振器光副信号のうちのもう一方を使用して、2つの光学的に分割された初期光信号のうちのもう一方に対してコヒーレント結合を行うよう構成される。
任意選択で、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、当該装置は具体的に、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第2のコヒーレント光信号へと分割し、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、2つの第2のコヒーレント光信号の各々に対して光分割処理を行うよう構成され、ここで、第6の比率と第7の比率との和は1であり、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
任意選択で、搬送波復元ユニットは、参照光平衡検出ユニットに接続された第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)ユニットと、第1のADCユニットに接続された第1の処理ユニットとを有し、第1のADCユニットは、少なくとも1つの第1の電気信号を受信し、参照信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第1の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行い、第1の処理ユニットに参照信号サンプリング系列を送信するよう構成され、対応する第1の電気信号における、各第1のコヒーレントに結合された光信号に含まれる参照光信号に対応する、電気信号振幅は、第1のADCユニットの第1の事前設定された振幅範囲内にあり、第1の処理ユニットは、受信された参照信号サンプリング系列に基づいて、局部発振器光信号と参照光信号の間の位相周波数情報を決定し、鍵復元ユニットに位相周波数情報を送信するよう構成される。
任意選択で、鍵復元ユニットは、量子光平衡検出ユニットに接続された第2のADCユニットと、第2のADCユニットに接続された第2の処理ユニットとを有し、第2のADCユニットは、少なくとも1つの第2の電気信号を受信し、量子信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第2の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行い、第2の処理ユニットに量子信号サンプリング系列を送信するよう構成され、対応する第2の電気信号における、各第2のコヒーレントに結合された光信号に含まれる量子光信号に対応する、電気信号振幅は、第2のADCユニットの第2の事前設定された振幅範囲内にあり、第2の処理ユニットは、受信された量子信号サンプリング系列および受信された位相周波数情報に基づいて、元鍵を復元するよう構成される。
任意選択で、当該装置は、コヒーレント結合ユニットに接続された偏光制御ユニットをさらに備え、ここで、偏光制御ユニットは、伝送光信号を受信し、受信された伝送光信号の偏光状態を固定偏光状態に調整し、コヒーレント結合ユニットに固定偏光状態の伝送光信号を送信するよう構成される。
任意選択で、局部発振器光信号は、伝送光信号における参照光信号に適合させるために使用される第1の局部発振器光信号と、伝送光信号における量子光信号に適合させるために使用される第2の局部発振器光信号とを含み、第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値である。
上述の解決手段によると、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送されるとき、伝送光信号は、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットを使用することによって別々に処理され得て、さらに、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットのパラメータは、別々に設定され得ることが分かる。例えば、参照光信号を含む光信号に対応する増幅係数は、より小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。量子光信号を含む光信号に対応する増幅係数は、より大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵が復元される。
本発明の一実施形態は、元鍵復元方法を提供する。当該方法は、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階であって、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含む、段階と、少なくとも1つの第1の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、少なくとも1つの第2の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う段階と、少なくとも1つの第1の電気信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定し、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元する段階とを備える。
任意選択で、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して行われる光/電気変換および増幅中に使用される増幅係数は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して行われる光/電気変換および増幅中に使用される増幅係数より小さい。
任意選択で、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の帯域幅は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の帯域幅より高く、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の利得は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の利得より低い。
本発明のこの実施形態において、第1のコヒーレントに結合された光信号と第2のコヒーレントに結合された光信号とは別々に増幅されてよい。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵が復元される。ゆえに、第1のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、参照光信号から位相周波数情報をより正確に復元することができ、第2のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、量子光信号から元鍵もより正確に復元することができる。
任意選択で、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階の前に、当該方法は、位相周波数情報に基づいて局部発振器光信号を生成する段階をさらに備える。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、伝送光信号を受信し、2つの光学的に分割された光信号を取得するよう、伝送光信号に対して光分割処理を行う段階と、局部発振器光信号を2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、2つの第1の局部発振器光副信号を使用して、2つの光学的に分割された光信号に対してそれぞれコヒーレント結合を行う段階であって、一方の第1の局部発振器光副信号は、一方の光学的に分割された光信号に対応する、段階とを有する。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、局部発振器光信号を使用して、伝送光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第1のコヒーレント光信号へと分割する段階と、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの一方に対して光分割処理を行う段階であって、第1の比率と第2の比率との和は1である、段階と、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの他方に対して光分割処理を行う段階とを有し、各々が各第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
任意選択で、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送され、Nが1よりも大きい整数である場合、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行う段階であって、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応する、段階と、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいてN個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行う段階とを有する。
任意選択で、N個の初期光信号は、各々が時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも2つの初期光信号を有するか、または、N個の初期光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号、参照光信号を含む初期光信号、または、量子光信号を含む初期光信号のうちの少なくとも何れか2つを有する。
任意選択で、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいてN個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行う段階は、参照光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、参照光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第3の比率を占める局部発振器光信号を使用して、参照光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行う段階、量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、量子光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第4の比率を占める局部発振器光信号を使用して、量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行う段階、または、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、2つのコヒーレントに結合された光信号であって、その各々が参照光信号および量子光信号を含む2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階を含む。
任意選択で、2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階は、2つの光学的に分割された初期光信号を取得するよう、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対して光分割処理を行う段階と、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を2つの第2の局部発振器光副信号へと分割し、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの2つを取得するよう、2つの第2の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、2つの光学的に分割された初期光信号のうちの一方に対してコヒーレント結合を行い、2つの第2の局部発振器光副信号のうちのもう一方を使用して、2つの光学的に分割された初期光信号のうちのもう一方に対してコヒーレント結合を行う段階を含む。
任意選択で、2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階は、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第2のコヒーレント光信号へと分割する段階と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、2つの第2のコヒーレント光信号の各々に対して光分割処理を行う段階であって、第6の比率と第7の比率との和は1である、段階とを含み、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
任意選択で、少なくとも1つの第1の電気信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する段階は、少なくとも1つの第1の電気信号を受信し、参照信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第1の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行う段階であって、対応する第1の電気信号における、各第1のコヒーレントに結合された光信号に含まれる参照光信号に対応する、電気信号振幅は、第1の事前設定された振幅範囲内にある、段階と、受信された参照信号サンプリング系列に基づいて、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する段階とを有する。
任意選択で、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元する段階は、少なくとも1つの第2の電気信号を受信し、量子信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第2の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行う段階であって、対応する第2の電気信号における、各第2のコヒーレントに結合された光信号に含まれる量子光信号に対応する、電気信号振幅は、第2の事前設定された振幅範囲内にある、段階と、受信された量子信号サンプリング系列および受信された位相周波数情報に基づいて元鍵を復元する段階とを有する。
任意選択で、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階の前に、当該方法は、伝送光信号を受信し、受信された伝送光信号の偏光状態を固定偏光状態に調整する段階をさらに備える。
任意選択で、局部発振器光信号は、伝送光信号における参照光信号に適合させるために使用される第1の局部発振器光信号と、伝送光信号における量子光信号に適合させるために使用される第2の局部発振器光信号とを含み、第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値である。
本発明の実施形態において、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、ここで、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含む。少なくとも1つの第1の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅が行われ、少なくとも1つの第2の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅が行われる。局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報は、少なくとも1つの第1の電気信号から決定され、元鍵は、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から復元される。 伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行う。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。この解決手段は、送信装置および受信装置の2本の光ファイバ間の長さの差に対する厳密な等長制御を必要とせず、それにより、技術的困難性を低減することが分かる。
本発明の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するべく、実施形態を説明するために必要な添付の図面を以下で簡潔に説明する。
従来技術による、量子通信が適用されるシステムの概略構造図である。
本発明の一実施形態に適用可能なシステムの概略構造図である。
本発明の一実施形態に適用可能な別のシステムの概略構造図である。
本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態による別の元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるさらに別の元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態による伝送光信号の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまた別の元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるさらにまた別の元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態による別の伝送光信号の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるさらに別の伝送光信号の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまた別の伝送光信号の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまたさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまたさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまたさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまたさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態によるまたさらなる元鍵復元装置の概略構造図である。
本発明の一実施形態による元鍵復元方法の概略フローチャートである。
本発明の目的、技術的解決手段、および利点をより明確かつより分かり易いものにするべく、以下ではさらに、添付の図面および実施形態に関連して本発明を詳細に説明する。本明細書において説明される特定の実施形態は本発明を説明するために使用されるに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
本発明の一実施形態において、元鍵復元装置は受信装置に含まれ、受信装置側において、より簡単かつ正確な方法を使用することによって、受信された量子光信号から元鍵を復元するよう構成される。元鍵復元装置は、限定されないが、基地局、ステーションコントローラ、アクセスポイント(Access Point、略してAP)、または無線環境で動作できる任意の他のタイプのインタフェース装置を含む。
図2aは、本発明の一実施形態に適用可能なシステムの概略構造図の例を示し、図2bは、本発明の一実施形態に適用可能な別のシステムの概略構造図の例を示す。
図2aに示すように、本発明のこの実施形態に適用可能なシステムアーキテクチャにおいて、ノードAは送信装置1101のみを備え、ノードBは受信装置1102のみを備え、受信装置1102は、元鍵復元装置1103を有する。本システムアーキテクチャは、単方向システムアーキテクチャと称される。ノードAの送信装置1101は、量子光信号に元鍵を追加し、受信装置1102に量子光信号を送信する。受信装置1102に含まれる元鍵復元装置1103は、量子光信号から元鍵を復元する。これにより、送信装置1101および受信装置1102は、ネゴシエーションを通じて元鍵から最終的な量子鍵を決定する。さらに、ノードAの送信装置1101は、入力されたサービス情報を受信し、暗号化された信号を取得するよう、最終的な量子鍵を使用してサービス情報に対して暗号化プロセスを行い、受信装置1102に暗号化された信号を送信する。暗号化された信号を受信した後、受信装置1102は、サービス情報を復号して出力するよう、同じ最終的な量子鍵を使用して復号プロセスを行い、古典的なチャネルを通じて送信装置1101に情報を送信する。
具体的な実装例において、サービスは通常双方向であり、例えば、音声通話およびビデオ通話などのサービスである。双方向のサービスでは、各ノードは暗号化処理および復号処理を必要とし、それに対応して、各ノードはQKDシステムを必要とする。図2bに示すように、本発明の一実施形態に適用可能なシステムアーキテクチャにおいて、ノードAは、送信装置1201と受信装置1203とを備え、受信装置1203は元鍵復元装置1205を有する。ノードBは、受信装置1202と送信装置1204とを備え、受信装置1202もまた、元鍵復元装置1206を有する。送信装置1201と受信装置1202とはペアであり、送信装置1204と受信装置1203とはペアである。このシステムアーキテクチャは、双方向システムアーキテクチャと称される。このシステムアーキテクチャにおいて、複数の情報伝送方式が実装されてよい。送信装置1201と受信装置1202とのペアが、説明のための例として使用される。例えば、ノードAの送信装置1201は、量子光信号に元鍵を追加し、受信装置1202に量子光信号を送信する。受信装置1202の元鍵復元装置1206は、量子光信号から元鍵を復元する。これにより、送信装置1201および受信装置1202は、ネゴシエーションを通じて元鍵から最終的な量子鍵を決定する。
ノードAの送信装置1201は、最終的な量子鍵を使用して、受信されたサービス情報に対して暗号化を行い、次に、ノードBの受信装置1202に暗号化されたサービス情報を送信する。受信装置1202は、同じ最終的な量子鍵を使用することによって復号を行い、サービス情報を出力する。受信装置1202は、古典的なチャネルを通じて送信装置1201に情報を送信する。あるいは、受信装置1202は、送信装置1204および受信装置1203を使用することによって、送信装置1201に情報をフィードバックする。
本発明の実施形態は、QKD技術に適用可能である。QKD技術は、離散変数量子鍵配布(Discrete Variable−Quantum Key Distribution、略してDV−QKD)と、連続変数量子鍵配布(Continuous Variable−Quantum Key Distribution、略してCV−QKD)とを含む。CV−QKDは低温で動作する単一光子検出器を必要としないので、CV−QKDは、エンジニアリングにおいてより広く使用されている。ゆえに、本発明の実施形態では、CV−QKD技術が適用されるのが好ましい。
本発明の実施形態において言及されるコヒーレント結合、光/電気変換、および増幅は全て、コヒーレント通信の専門用語である。本発明の実施形態において、コヒーレント通信の動作原理は具体的に次の通りである。送信装置が、伝送のために、外部変調方式で信号を光搬送波に乗せて変調する。送信装置からの伝送光信号が受信装置に伝送されたとき、受信装置は、受信された伝送光信号および局部発振器光信号に対してコヒーレント結合を行う。次に、平衡検出器が検出を行うか、あるいは、平衡受信機が検出のために使用される。コヒーレント通信は、局部発振器光信号の周波数と伝送光信号の周波数とが等しいかまたは等しくないかに基づいて、ヘテロダイン検出とホモダイン検出とに分類され得る。
上述のシステムアーキテクチャに基づいて、受信装置が量子光信号から元鍵をどのように復元するかという重要な問題について、次の可能な解決手段が提供される。
送信装置は、受信装置に伝送光信号を送信し、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。受信装置が伝送光信号を受信した後、受信装置は、局部発振器光信号を使用して、コヒーレント通信技術を通じて伝送光信号に対してコヒーレント結合および検出を行い、次に、コヒーレントに結合され、検出された光信号を、光/電気変換技術を通じて電気信号へと変換し、電気信号を増幅し、増幅された電気信号をアナログ/デジタル変換器(Analog−to−Digital Converter、略してADC)に入力して、電気信号における参照光信号に対応する部分から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定し、位相周波数情報に基づいて、電気信号における量子光信号に対応する部分から元鍵を復元する。
この解決手段において、伝送光信号の量子光信号から元鍵を復元するために、増幅された電気信号における量子光信号に対応する部分に対して高ビット幅のサンプリング量子化を行うために高精度のADCが使用される必要があることが発見された。具体的には、増幅された電気信号における量子光信号に対応する部分からADCが確実に元鍵を復元できるようにするために、増幅された電気信号における量子光信号に対応する部分の電気信号振幅が、ADCの事前設定された振幅範囲と確実に一致することが必要である。加えて、伝送光信号における参照光信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定するために、増幅された電気信号における参照光信号に対応する部分の電気信号振幅が、ADCの事前設定された振幅範囲と確実に一致することが必要である。
上述の解決手段において、電気信号へと変換されるべき光信号はM倍増幅され、Mはゼロより大きい数であることが分かる。この場合、変換された電気信号における量子光信号と参照光信号とに対応する部分は、両方ともM倍増幅される。ある場合では、増幅された電気信号における量子光信号の振幅が、ADCの事前設定された振幅範囲と確実に一致するよう、Mは比較的大きな数に設定される。この場合、光信号に含まれる参照光信号の光強度は、元々、量子光信号の光強度よりはるかに高い。ゆえに、増幅された電気信号における参照光信号に対応する部分は飽和状態にあり、参照光信号における位相周波数情報は失われることがある。その結果、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を参照光信号から決定することができない。別の場合では、増幅された電気信号における参照光信号の振幅が、ADCの事前設定された振幅範囲と確実に一致するよう、Mは比較的小さい数に設定される。この場合、光信号に含まれる参照光信号の光強度は、元々、量子光信号の光強度よりはるかに高い。ゆえに、増幅された電気信号における量子光信号は、極めて弱い信号である。その結果、元鍵を量子光信号から復元することができない。
上述の問題に対して、本発明の実施形態は、元鍵復元装置および方法を提供する。 伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行う。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。具体的には、第1のコヒーレントに結合された光信号と第2のコヒーレントに結合された光信号とは別々に増幅されてよい。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から、元鍵が復元される。本発明の実施形態において提供される方法は、上述の解決手段に存在する問題を解決できることが分かる。以下では、本発明の実施形態についてのより詳細な説明を提供する。
図3aは、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。
上述のシステムアーキテクチャおよび関連する説明に基づいて、図3aに示すように、本発明のこの実施形態において提供される元鍵復元装置は、コヒーレント結合ユニット3101と、コヒーレント結合ユニット3101に接続された参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103と、参照光平衡検出ユニット3102に接続された搬送波復元ユニット3104と、量子光平衡検出ユニット3103に接続された鍵復元ユニット3105とを備え、搬送波復元ユニット3104は鍵復元ユニット3105に接続される。
コヒーレント結合ユニット3101は、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行うよう構成され、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含む。伝送光信号は具体的に、送信装置によって受信装置に伝送される光信号である。
参照光平衡検出ユニット3102は、少なくとも1つの第1の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、搬送波復元ユニット3104に少なくとも1つの第1の電気信号を伝送するよう構成される。任意選択で、参照光平衡検出ユニット3102は、参照光平衡検出器を有してよく、または、参照光平衡検出受信機を有してよい。
量子光平衡検出ユニット3103は、少なくとも1つの第2の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、鍵復元ユニット3105に少なくとも1つの第2の電気信号を伝送するよう構成される。任意選択で、量子光平衡検出ユニット3103は、量子光平衡検出器を有してよく、または、量子光平衡検出受信機を有してよい。
搬送波復元ユニット3104は、少なくとも1つの第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定し、鍵復元ユニット3105に位相周波数情報を送信するよう構成される。任意選択で、位相周波数情報は、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相差および周波数差などの情報を含んでよい。
鍵復元ユニット3105は、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元するよう構成される。
具体的には、本発明のこの実施形態において、受信された位相周波数情報に基づいて第2の電気信号から元鍵を復元するために鍵復元ユニット3105によって使用される動作原理は、次の通りである。検出を通じて、例えば参照光信号と局部発振器光信号との間の位相差といった位相周波数情報が取得され、次に、参照光信号と局部発振器光信号との間の位相周波数情報が局部発振器ユニットに送信され、これにより、局部発振器ユニットは、参照光信号と局部発振器光信号との間の位相周波数情報に基づいて、量子光信号と局部発振器光信号との間の推定位相周波数情報を推定する。次に、量子光信号と局部発振器光信号との間の推定位相周波数情報は、量子光信号に対してコヒーレント結合を行うために使用される局部発振器光信号に対して変調位相補償を行うために使用され、変調された局部発振器光信号と量子光信号とは、コヒーレント結合を行うために使用される。鍵復元ユニットはさらに、搬送波復元ユニットによってフィードバックされた位相周波数情報に準拠して補償を行い、コヒーレントに結合された量子光信号から元鍵を復元する。
本発明のこの実施形態において、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行う。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。
任意選択で、参照光平衡検出ユニットに含まれるトランスインピーダンス増幅器の増幅係数は、量子光平衡検出ユニットに含まれるトランスインピーダンス増幅器の増幅係数より小さい。
任意選択で、参照光平衡検出ユニットの帯域幅は、量子光平衡検出ユニットの帯域幅より高く、参照光平衡検出ユニットの利得は、量子光平衡検出ユニットの利得より低い。
本発明のこの実施形態において、第1のコヒーレントに結合された光信号と第2のコヒーレントに結合された光信号とは、別々に増幅されてよい。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から、元鍵が復元される。ゆえに、第1のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、参照光信号から位相周波数情報をより正確に復元することができ、第2のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、量子光信号から元鍵もより正確に復元することができる。
図3bは、本発明の一実施形態による別の元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図3bに示すように、コヒーレント結合ユニット3101と、コヒーレント結合ユニット3101に接続された参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103と、参照光平衡検出ユニット3102に接続された搬送波復元ユニット3104と、量子光平衡検出ユニット3103に接続された鍵復元ユニット3105とに加えて、元鍵復元装置はさらに、搬送波復元ユニット3104およびコヒーレント結合ユニット3101に接続された局部発振器ユニット3201を備える。ここで、局部発振器ユニットは、搬送波復元ユニットによって送信された位相周波数情報を受信し、受信された位相周波数情報に基づいて局部発振器光信号を生成し、コヒーレント結合ユニットに局部発振器光信号を送信するよう構成される。
任意選択で、局部発振器光信号は、伝送光信号における参照光信号に適合させるために使用される第1の局部発振器光信号と、伝送光信号における量子光信号に適合させるために使用される第2の局部発振器光信号とを含み、第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値である。
図3cは、本発明の一実施形態によるさらに別の元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図3cに示すように、コヒーレント結合ユニット3101と、コヒーレント結合ユニット3101に接続された参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103と、参照光平衡検出ユニット3102に接続された搬送波復元ユニット3104と、量子光平衡検出ユニット3103に接続された鍵復元ユニット3105とに加えて、元鍵復元装置はさらに、コヒーレント結合ユニット3101に接続された偏光制御ユニット3301を備える。ここで、偏光制御ユニット3301は、伝送光信号を受信し、受信された伝送光信号の偏光状態を固定偏光状態に調整し、コヒーレント結合ユニットに固定偏光状態の伝送光信号を送信するよう構成される。
具体的には、送信装置が、光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号は、まず、偏光制御ユニット3301に入り、偏光制御ユニット3301に入った伝送光信号の偏光状態はリアルタイムで変化する。この場合、伝送光信号の偏光状態は、偏光制御ユニット3301を使用することによってリアルタイムでトラッキングされ調整され得る。これにより、コヒーレント結合ユニット3101に出力された伝送光信号は、決定された偏光状態にあり、さらに、コヒーレント結合ユニット3101に出力された伝送光信号の偏光状態が局部発振器光信号の偏光状態と完全に同じであることが保証される。任意選択で、偏光制御ユニット3301は、動的な偏光制御器であってよい。
図3cは、本発明の一実施形態によるさらに別の元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図3cに示すように、図3aに基づいて、可能な搬送波復元ユニットの内部構造の概略図と、可能な鍵復元ユニットの内部構造の概略図とが追加される。
図3cに示すように、搬送波復元ユニット3104は、参照光平衡検出ユニット3102に接続された第1のADCユニット3302と、第1のADCユニット3302に接続された第1の処理ユニット3303とを有する。
第1のADCユニット3302は、少なくとも1つの第1の電気信号を受信し、参照信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第1の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行い、第1の処理ユニット3303に参照信号サンプリング系列を送信するよう構成され、対応する第1の電気信号における、各第1のコヒーレントに結合された光信号に含まれる参照光信号に対応する、電気信号振幅は、第1のADCユニット3302の第1の事前設定された振幅範囲内にある。
第1の処理ユニット3303は、受信された参照信号サンプリング系列に基づいて、局部発振器光信号と参照光信号の間の位相周波数情報を決定し、鍵復元ユニット3105に位相周波数情報を送信するよう構成される。
図3cに示すように、鍵復元ユニット3105は、量子光平衡検出ユニット3103に接続された第2のADCユニット3304と、第2のADCユニット3304に接続された第2の処理ユニット3305とを有する。任意選択で、第1の処理ユニット3303は、第2の処理ユニット3305に接続される。
第2のADCユニット3304は、少なくとも1つの第2の電気信号を受信し、量子信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第2の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行い、第2の処理ユニット3305に量子信号サンプリング系列を送信するよう構成され、対応する第2の電気信号における、各第2のコヒーレントに結合された光信号に含まれる量子光信号に対応する、電気信号振幅は、第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲内にある。
第2の処理ユニット3305は、受信された量子信号サンプリング系列および受信された位相周波数情報に基づいて、元鍵を復元するよう構成される。
具体的な実装例において、第1のADCユニット3302は、1または複数のADCを含んでよく、第2のADCユニット3304は、1または複数のADCを含んでよい。第1のADCユニット3302の第1の事前設定された振幅範囲は、第1のADCユニット3302に含まれるADCがサンプリング量子化を行うことができる振幅範囲であり、第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲は、第2のADCユニット3304に含まれるADCがサンプリング量子化を行うことができる振幅範囲である。
本発明のこの実施形態において、送信装置によって送信された光信号は、1つの偏光状態に基づいて送信されてよく、または、複数の偏光状態を使用することによって送信されてよい。種々のケースについて、本発明のこの実施形態において元鍵復元装置が別々に説明される。
ケース1:伝送光信号は、1つの偏光状態に基づいて伝送される。
伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。図4aは、本発明の一実施形態による伝送光信号の概略構造図の例を示す。図4aに示すように、横軸は時間軸4101であり、縦軸は光強度4102である。任意選択で、量子光信号4103と参照光信号4104とは、時間と共に交互に送信される。任意選択で、複数の参照光信号4104が続けて送信された後に1つの量子光信号4103が送信されてよく、または、複数の量子光信号4103が続けて送信された後に1つの参照光信号4104が送信されてよい。本発明のこの実施形態において、時分割多重の参照光信号および量子光信号の具体的な形は限定されない。
伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送されるとき、コヒーレント結合ユニットは、複数の形態を有してよい。以下では、実施形態a1および実施形態a2という2つの任意選択的な実施形態を列挙する。
[実施形態a1]
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号よび量子光信号を含み、コヒーレント結合ユニットは、第1の光分割ユニットと、第1の光分割ユニットに接続された第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットとを有し、第1の結合ユニットは、参照光平衡検出ユニットに接続され、第2の結合ユニットは、量子光平衡検出ユニットに接続される。
局部発振器ユニットは具体的に、局部発振器光信号を2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第1の局部発振器光副信号をそれぞれ第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットに送信するよう構成される。
第1の光分割ユニットは、伝送光信号を受信し、2つの光学的に分割された光信号を取得するよう、伝送光信号に対して光分割処理を行い、2つの光学的に分割された光信号をそれぞれ第1の結合ユニットおよび第2の結合ユニットに入力するよう構成される。
第1の結合ユニットは、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの一方に対してコヒーレント結合を行うよう構成される。
第2の結合ユニットは、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちのもう一方を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの他方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの他方に対してコヒーレント結合を行うよう構成される。
実施形態a1の元鍵復元装置の具体的な構造および動作原理をより明確に説明するべく、図4bは、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図4bに示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、第1の光分割ユニット4206と、第1の光分割ユニット4206に接続された第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208とを有し、第1の結合ユニット4207は参照光平衡検出ユニット3102に接続され、第2の結合ユニット4208は量子光平衡検出ユニット3103に接続される。
具体的には、第1の光分割ユニット4206の入力端が偏光制御ユニット3301に接続され、第1の光分割ユニット4206の2つの出力端がそれぞれ第1の結合ユニット4207と第2の結合ユニット4208とに接続され、第1の結合ユニット4207の2つの入力端がそれぞれ第1の光分割ユニット4206と局部発振器ユニット3201の局部発振器光分割ユニット4205とに接続され、第2の結合ユニット4208の2つの入力端がそれぞれ第1の光分割ユニット4206と局部発振器ユニット3201の局部発振器光分割ユニット4205とに接続される。第1の結合ユニット4207の2つの出力端は、参照光平衡検出ユニット3102に別々に接続され、第2の結合ユニット4208の2つの出力端は、量子光平衡検出ユニット3103に別々に接続される。任意選択で、第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208はそれぞれ2:2結合器であってよく、第1の光分割ユニット4206は、光分割器であってよい。
図4bに示すように、局部発振器ユニット3201は、局部発振器レーザ4201と、局部発振器レーザ4201に接続されたパルス整形変調器4202と、パルス整形変調器4202に接続された位相変調器4204と、位相変調器4204およびパルス整形変調器4202の両方に接続された信号生成器4203とを有する。信号生成器4203は、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303に接続される。局部発振器ユニット3201はさらに、局部発振器光分割ユニット4205を有し、局部発振器光分割ユニット4205の一端は位相変調器4204に接続され、局部発振器光分割ユニット4205の他端はそれぞれ第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208に接続される。局部発振器光分割ユニット4205は、光分割器であってよい。
図4bに示す元鍵復元装置の概略構造図に基づいて、以下では元鍵復元装置のワークフローを詳細に説明する。
図4bに示すように、送信装置が、光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号はまず偏光制御ユニット3301に入る。偏光制御ユニット3301は、伝送光信号の偏光状態をリアルタイムでトラッキングし調整し、これにより、第1の光分割ユニット4206に出力された伝送光信号は、決定された偏光状態にあり、さらに、第1の光分割ユニット4206に出力された伝送光信号の偏光状態が局部発振器光信号の偏光状態と完全に同じであることが保証される。偏光制御ユニット3301は、第1の光分割ユニット4206の入力端に、偏光状態の固定された伝送光信号を入力する。
局部発振器レーザ4201は、パルス整形変調器4202に連続的な局部発振器光パルスを出力する。パルス整形変調器4202は、受信された連続的な局部発振器光パルスを変調し、位相変調器4204にパルス光を出力する。受信されたパルス光にさらなる位相変調を行った後、位相変調器4204は、局部発振器光分割ユニットに位相周波数情報を運ぶ局部発振器光信号を出力する。コヒーレント結合ユニットは、第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208を有し、第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208は別々にコヒーレント結合操作を行う必要がある。ゆえに、第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208は共に、局部発振器光信号を必要とする。このことに基づいて、局部発振器光分割ユニットは、受信された局部発振器光信号を2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第1の局部発振器光副信号をそれぞれ第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208に送信する。
具体的には、局部発振器ユニット3201が1つの局部発振器光信号のみを出力すればよいとき、局部発振器ユニットは、局部発振器ユニット3201の位相変調器4204を使用することによってコヒーレント結合ユニット3101に1つの局部発振器光信号を直接出力してよい。局部発振器ユニット3201が複数の局部発振器光副信号を出力する必要がある場合、局部発振器ユニット3201の位相変調器4204は、局部発振器光分割ユニット4205に接続される必要があり、局部発振器光分割ユニット4205は、コヒーレント結合ユニット3101に接続される。この場合、局部発振器ユニット3201の位相変調器4204は、局部発振器光分割ユニット4205に局部発振器光信号を出力し、局部発振器光分割ユニット4205は、局部発振器光信号を複数の局部発振器光副信号へと分割し、コヒーレント結合ユニット3101に複数の分割された局部発振器光副信号を出力する。具体的には、局部発振器ユニット3201の局部発振器光分割ユニット4205は、コヒーレント結合ユニット3101の結合器に局部発振器光副信号を伝送する。
例えば、第1の光分割ユニット4206は、偏光制御ユニット3301によって入力された受信された伝送光信号を、伝送光信号において10%を占める伝送光信号、および伝送光信号において90%を占める伝送光信号へと分割し、局部発振器光分割ユニットはまた、位相変調器4204によって入力された受信された局部発振器光信号を、2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、ここで、一方の第1の局部発振器光副信号は、局部発振器光信号において10%を占め、他方の第1の局部発振器光副信号は、局部発振器光信号において90%を占める。任意選択で、局部発振器光分割ユニットの光分割比率は、代替的に、第1の光分割ユニット4206の光分割比率と異なっていてよい。本発明のこの実施形態において具体的な制限は課されない。
信号生成器4203は、パルス整形変調器4202に入力されるべき電気パルス信号と、位相変調器4204に入力されるべき位相変調信号とを生成するよう構成される。これにより、パルス整形変調器4202は、受信された電気パルス信号に基づいて、受信された連続的な局部発振器光パルスを変調し、位相変調器4204は、受信された位相変調信号に基づいて、受信されたパルス光に対して位相変調を行う。
任意選択で、偏光制御ユニット3301によって受信された伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含む。第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208が、伝送光信号に適合させるよう、2つの第1の局部発振器光副信号をそれぞれ使用するとき、2つの第1の局部発振器光副信号における各第1の局部発振器光副信号について、各第1の局部発振器光副信号は、伝送光信号における参照光信号に適合させるために使用される第1の局部発振器光信号と、伝送光信号における量子光信号に適合させるために使用される第2の局部発振器光信号とを含む。言い換えれば、局部発振器ユニット3201の位相変調器4204によって出力された局部発振器光信号は、時分割多重の第1の局部発振器光信号および第2の局部発振器光信号を含む。
第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値である。事前設定された固定位相値は、例えば0およびπ/2であってよい。第1の局部発振器光信号の位相が事前設定された固定位相値のうちの1つであることは具体的に、第1の局部発振器光信号の位相が全て、0またはπ/2であることを意味する。第2の局部発振器光信号の位相が事前設定された固定位相値のうちの無作為な値であることは具体的に、第2の局部発振器光信号の位相が、現時点では0であり、次の瞬間にはπ/2であるかまたは次の瞬間には再び0であることを意味する。
具体的に、第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、これにより、2:2結合器の入力端において偏光制御ユニット3301によって入力された光信号と、第1の局部発振器光信号との間で、例えば0またはπ/2といった固定差が維持される。第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値であり、これにより、2:2結合器の入力端において偏光制御ユニット3301によって入力された光信号と、第2の局部発振器光信号との間の位相差が、0およびπ/2のうちの無作為な数であり、0とπ/2とは、異なる測定基底に対応する。
さらに、理想的なケースでは、局部発振器ユニット3201によって出力される局部発振器光信号とコヒーレント結合ユニットによって受信される伝送光信号とは、同じ周波数および位相を有する。しかしながら、実際の動作システムでは、局部発振器ユニット3201と、伝送光信号を生成する送信装置とは、2つの位置に位置付けられ、局部発振器ユニット3201の出力周波数と送信装置の出力周波数とは別々に制御される。局部発振器ユニット3201の周波数と送信装置の周波数とが同一であることは保証され得ず、さらに、局部発振器ユニット3201の位相と送信装置の位相とが同一であることも保証され得ない。加えて、外部環境の温度変化が光ファイバの長さの変化を引き起こすことがあり、その結果、必然的にシステムの乱れが生じ、新しい位相差が生成される。コヒーレント結合ユニットの入力端において受信される局部発振器光信号と、偏光制御ユニット3301によって入力される伝送光信号との間の位相関係を保証するよう、局部発振器ユニット3201の信号生成器4203は、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303によって出力される、同期クロックパラメータと位相補償パラメータなどの位相周波数情報とを受信する必要があり、次に、信号生成器4203は、パルス整形変調器4202に入力される電気パルス信号と位相変調器4204に入力される位相変調信号とをリアルタイムで調整し、これにより、コヒーレント結合ユニットに入力される局部発振器光信号の位相周波数情報をリアルタイムで調整する。
第1の光分割ユニット4206は、伝送光信号を受信し、2つの光学的に分割された光信号を取得するよう、伝送光信号に対して光分割処理を行い、2つの光学的に分割された光信号をそれぞれ第1の結合ユニット4207および第2の結合ユニット4208に入力する。
任意選択で、量子光信号は極めて弱い光信号であり、伝送リンク全体における挿入損失値が量子光信号の伝送距離に深刻な影響を及ぼす。ゆえに、参照光信号に対して光/電気変換および増幅が行われた後、通常のサンプリングが保証され得ること、および正確な位相周波数情報が復元され得ることを前提として、量子光平衡検出ユニット3103に入力される光の強度比率はできる限り大幅に改善され得ることが好ましい。例えば、第1の光分割ユニット4206は、受信された伝送光信号を、伝送光信号において20%を占める伝送光信号、および伝送光信号において80%を占める伝送光信号へと分割し、20%を占める伝送光信号を第1の結合ユニット4207に送信し、80%を占める伝送光信号を第2の結合ユニット4208に送信する。
第1の結合ユニット4207は、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの一方に対してコヒーレント結合を行う。
第2の結合ユニット4208は、他方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第1の局部発振器光副信号のうちの他方を使用して、受信された2つの光学的に分割された光信号のうちの他方に対してコヒーレント結合を行うよう構成される。
この場合、伝送光信号は1つの偏光状態に基づいて伝送され、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含むことが分かる。ゆえに、第1の結合ユニット4207によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、第2の結合ユニット4208によって出力されるコヒーレントに結合された光信号もまた、参照光信号および量子光信号を含む。この場合、第1の結合ユニット4207によって出力されるコヒーレントに結合された光信号が第1のコヒーレントに結合された光信号として使用される場合、第2の結合ユニット4208によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、第2のコヒーレントに結合された光信号として使用される。
参照光平衡検出ユニット3102は、受信された第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。送信装置によって送信された光信号における参照光信号の光強度は、量子光信号の光強度よりはるかに高いので、通常、参照光平衡検出ユニット3102のトランスインピーダンス増幅器の増幅係数は、変換された電気信号に対して参照光平衡検出ユニット3102がトランスインピーダンス増幅を行った後、出力された第1の電気信号の振幅が第1のADCユニット3302の第1の事前設定された振幅範囲内にあることを保証するよう、比較的小さい値である。ゆえに、第1のADCユニット3302は、第1の電気信号に対してサンプリング量子化を正確に行う。この場合、対応する第1の電気信号における、参照光信号に対応する、電気信号振幅は、第1のADCユニット3302の第1の事前設定された振幅範囲内にある。しかしながら、対応する第1の電気信号における、量子光信号に対応する、電気信号振幅は非常に小さい、すなわち、第1のADCユニット3302は、サンプリング量子化を通じて第1の電気信号から元鍵を抽出することができない。
量子光平衡検出ユニット3103は、受信された第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。送信装置によって送信される光信号における参照光信号の光強度は、量子光信号の光強度よりはるかに高いので、通常、量子光平衡検出ユニット3103のトランスインピーダンス増幅器の増幅係数は、変換された電気信号に対して量子光平衡検出ユニット3103がトランスインピーダンス増幅を行った後、出力された第2の電気信号の振幅が第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲内にあることを保証するよう、比較的大きい値である。ゆえに、第2のADCユニット3304は、第2の電気信号に対してサンプリング量子化を正確に行う。この場合、対応する第2の電気信号における、量子光信号に対応する、電気信号振幅は、第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲内にある。しかしながら、対応する第2の電気信号における、参照光信号に対応する、電気信号振幅は非常に大きく、トランスインピーダンス増幅器(Trans−Impedance Amplifier、略してTIA)の最大出力値によって制限され、既に飽和状態にある。すなわち、第2のADCユニット3304は、サンプリング量子化を通じて第2の電気信号から位相周波数情報を抽出することができない。
第1のADCユニット3302は、参照光平衡検出ユニット3102によって出力された第1の電気信号を受信し、受信された第1の電気信号に対してサンプリング量子化を行い、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303に参照信号サンプリング系列を出力する。搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303は、参照信号サンプリング系列から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する。任意選択で、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303は、参照信号サンプリング系列から、参照光信号のクロックサイクル情報等を決定する。
第2のADCユニット3304は、受信された第2の電気信号に対してサンプリング量子化を行い、鍵復元ユニット3105の第2の処理ユニット3305に量子信号サンプリング系列を出力する。鍵復元ユニット3105の第2の処理ユニット3305は、受信された位相周波数情報に基づいて量子信号サンプリング系列から元鍵を復元する。具体的な実装例において、鍵復元ユニット3105は、搬送波復元ユニット3104によって入力された位相周波数情報に基づいて、受信された量子信号サンプリング系列の計算および補償を行い、これにより、量子信号サンプリング系列から元鍵を復元する。任意選択で、本発明のこの実施形態において、参照光信号および量子光信号は、同じ結合器において互いに干渉し合わない。ゆえに、第1の結合器および第2の結合器によってそれぞれ出力された結合された光信号間には固定位相差が存在する。元鍵の復元中、固定位相差が考慮される必要がある。
[実施形態a2]
伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、コヒーレント結合ユニットは、第3の結合ユニットと、第3の結合ユニットに接続された第2の光分割ユニットおよび第3の光分割ユニットとを有し、第2の光分割ユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続され、第3の光分割ユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続される。
第3の結合ユニットは、局部発振器光信号を使用して、伝送光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第1のコヒーレント光信号へと分割し、2つの第1のコヒーレント光信号をそれぞれ第2の光分割ユニットおよび第3の光分割ユニットに入力するよう構成される。
第2の光分割ユニットは、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの一方に対して光分割処理を行うよう構成され、ここで、第1の比率と第2の比率との和は1である。
第3の光分割ユニットは、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの他方に対して光分割処理を行うよう構成される。
各々が各第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
実施形態a2の元鍵復元装置の具体的な構造および動作原理をより明確に説明するべく、図4cは、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図4cに示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、第3の結合ユニット4301と、第3の結合ユニット4301に接続された第2の光分割ユニット4302および第3の光分割ユニット4303とを有し、第2の光分割ユニット4302は、参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103に接続され、第3の光分割ユニット4303は、参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103に接続される。
具体的には、第3の結合ユニット4301の2つの入力端がそれぞれ、偏光制御ユニット3301と局部発振器ユニット3201の位相変調器4204とに接続され、第3の結合ユニット4301の2つの出力端がそれぞれ、第2の光分割ユニット4302と第3の光分割ユニット4303とに接続される。第2の光分割ユニット4302の2つの出力端がそれぞれ、参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103に接続され、第3の光分割ユニット4303の2つの出力端がそれぞれ、参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103に接続される。任意選択で、第3の結合ユニット4301は2:2結合器であってよく、第2の光分割ユニット4302は光分割器であってよく、第3の光分割ユニット4303は光分割器であってよい。任意選択で、第2の光分割ユニット4302の光分割比率と第3の光分割ユニット4303の光分割比率とは同じである。
図4cに示すように、局部発振器ユニット3201は、局部発振器レーザ4201と、局部発振器レーザ4201に接続されたパルス整形変調器4202と、パルス整形変調器4202に接続された位相変調器4204と、位相変調器4204およびパルス整形変調器4202の両方に接続された信号生成器4203とを有する。信号生成器4203は、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303に接続される。
図4cに示す元鍵復元装置の概略構造図に基づいて、以下では元鍵復元装置のワークフローを詳細に説明する。
図4cに示すように、送信装置が光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号はまず偏光制御ユニット3301に入り、偏光制御ユニット3301は、第3の結合ユニット4301の入力端に、偏光状態の固定された伝送光信号を入力する。
図4bと比較して、図4cの局部発振器ユニット3201は、局部発振器光分割ユニット4205を有さない。図4bにおいて説明したように、局部発振器ユニット3201が1つの局部発振器光信号のみを出力すればよいとき、局部発振器ユニット3201において局部発振器光分割ユニット4205は必要ない。局部発振器ユニット3201の位相変調器4204は、コヒーレント結合ユニット3101の第3の結合ユニット4301に直接接続され得る。局部発振器ユニット3201の構成要素は、図4bで説明されており、ここで再び詳細は説明されない。
第3の結合ユニット4301は、2つの第1のコヒーレント光信号を取得するよう、受信された局部発振器光信号に基づいて、偏光制御ユニット3301によって入力された伝送光信号に対してコヒーレント結合を行い、2つの第1のコヒーレント光信号をそれぞれ第2の光分割ユニット4302および第3の光分割ユニット4303に入力する。任意選択で、第2の光分割ユニット4302の光分割比率と第3の光分割ユニット4303の光分割比率とは同じである。
例えば、第1の比率は10%であり、第2の比率は90%である。第2の光分割ユニット4302は、一方の受信された第1のコヒーレント光信号を、10%を占める第1のコヒーレント光信号および90%を占める第1のコヒーレント光信号へと分割する。第3の光分割ユニット4303は、受信された他方の第1のコヒーレント光信号を、10%を占める第1のコヒーレント光信号および90%を占める第1のコヒーレント光信号へと分割する。第2の光分割ユニット4302は、10%を占める第1のコヒーレント光信号を参照光平衡検出ユニット3102に入力し、第3の光分割ユニット4303は、10%を占める第1のコヒーレント光信号を参照光平衡検出ユニット3102に入力する。第2の光分割ユニット4302は、90%を占める第1のコヒーレント光信号を量子光平衡検出ユニット3103に入力し、第3の光分割ユニット4303は、90%を占める第1のコヒーレント光信号を量子光平衡検出ユニット3103に入力する。言い換えれば、各々が10%を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、一方のコヒーレントに結合された光信号であり、各々が90%を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、他方のコヒーレントに結合された光信号である。第1のコヒーレントに結合された光信号は、各々が10%を占める2つの第1のコヒーレント光信号であってよく、第2のコヒーレントに結合された光信号は、各々が90%を占める2つの第1のコヒーレント光信号であってよい。
本発明のこの実施形態において、第1の比率および第2の比率の具体的な値は限定されない。 任意選択で、量子光信号は極めて弱い光信号であり、伝送リンク全体における挿入損失値が量子光信号の伝送距離に深刻な影響を及ぼす。ゆえに、参照光信号に対して光/電気変換および増幅が行われた後、通常のサンプリングが保証され得ること、および正確な位相周波数情報が復元され得ることを前提として、量子光平衡検出ユニット3103に入力される光の強度比率はできる限り大幅に改善され得ることが好ましい。
さらに、伝送光信号は参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は少なくとも量子光信号を含む。言い換えれば、参照光平衡検出ユニット3102に入る一方のコヒーレントに結合された光信号は、第1のコヒーレントに結合された光信号であり、量子光平衡検出ユニット3103に入る一方のコヒーレントに結合された光信号は、第2のコヒーレントに結合された光信号である。
参照光平衡検出ユニット3102は、第2の光分割ユニット4302および第3の光分割ユニット4303によって出力された第1のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。量子光平衡検出ユニット3103は、第2の光分割ユニット4302および第3の光分割ユニット4303によって出力された第2のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。搬送波復元ユニット3104および鍵復元ユニット3105の具体的な処理手順については、上述の説明を参照されたい。
上述の内容は、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送されたときに元鍵復元装置によって使用されるいくつかの可能な構造の概略図を説明している。本発明のこの実施形態において、送信装置は、代替的に、複数の偏光状態を使用することによって伝送光信号を伝送してよい。詳細な説明が以下で提供される。
ケース2:伝送光信号は、N個の偏光状態に基づいて伝送され、Nは1よりも大きい整数である。
任意選択で、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送されるとき、各偏光状態の上述の伝送された光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号、参照光信号を含む初期光信号、または、量子光信号を含む初期光信号のうちの任意の1つであってよい。
例えば、送信装置は、2つの偏光状態に基づいて伝送光信号を送信し、各偏光状態において、時分割多重の参照光信号および量子光信号が含まれる。別の例では、送信装置は、2つの偏光状態に基づいて伝送光信号を送信し、一方の偏光状態に基づいて参照光信号を伝送し、他方の偏光状態に基づいて量子光信号を伝送する。別の例では、送信装置は2つの偏光状態に基づいて伝送光信号を送信し、一方の偏光状態に基づいて時分割多重の参照光信号および量子光信号を伝送し、他方の偏光状態に基づいて量子光信号を伝送する。任意選択で、送信装置は、代替的に、3つの偏光状態または4つの偏光状態等に基づいて伝送光信号を送信してよい。
図5aは、本発明の一実施形態による伝送光信号の概略構造図の例を示す。図5aに示すように、横軸は時間軸5101であり、縦軸は、偏光状態Xの光強度5102および偏光状態Yの光強度5105を含む。任意選択で、偏光状態Xに基づいて量子光信号5103が送信され、偏光状態Yに基づいて参照光信号5104が送信される。参照光信号と量子光信号とは時間的に互いに重なり合う。ゆえに、図5aに示す参照光信号および量子光信号は偏光多重信号に属する。
さらに、参照光信号と量子光信号との間の分離を増大させ、参照光信号の量子光信号に対する干渉を低減するよう、参照光信号と量子光信号との間に特定の相対遅延が設定されてよい。図5bは、本発明の一実施形態によるさらに別の伝送光信号の概略構造図の例を示す。図5bに示すように、横軸は時間軸5201であり、縦軸は、偏光状態Xの光強度5202および偏光状態Yの光強度5205を含む。任意選択で、偏光状態Xに基づいて量子光信号5203が送信され、偏光状態Yに基づいて参照光信号5204が送信される。参照光信号と量子光信号とは、時間的に交互に配列される。言い換えれば、図5bにおいて、偏光状態Yの参照光信号および偏光状態Xの量子光信号は、偏光多重信号に属すのみならず、時分割多重信号にも属する。
図5cは、本発明の一実施形態によるまた別の伝送光信号の概略構造図の例を示す。図5cに示すように、横軸は時間軸5301であり、縦軸は、偏光状態Xの光強度5302および偏光状態Yの光強度5305を含む。任意選択で、偏光状態Xに基づいて量子光信号5303が送信され、偏光状態Yに基づいて時分割多重の参照光信号5304および量子光信号5303が送信される。図5cにおいて、偏光状態Xの量子光信号と、偏光状態Yの参照光信号および量子光信号とは共に、時間的に交互に配列されることが分かる。
本発明のこの実施形態において、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送されるとき、偏光状態に基づいて伝送された光信号は、時間的に重なり合ってよく、または、時間的に重なり合わなくてよい。このことは、本発明のこの実施形態において限定されない。
任意選択で、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送され、Nが1よりも大きい整数である場合、コヒーレント結合ユニットは、偏光光分割ユニットと、偏光光分割ユニットに接続されたコヒーレント結合サブユニットとを有し、コヒーレント結合サブユニットは、参照光平衡検出ユニットおよび量子光平衡検出ユニットに接続され、偏光光分割ユニットは、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行うよう構成され、ここで、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応し、コヒーレント結合サブユニットは、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいて、N個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行うよう構成される。
図5dは、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。図5dに示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、偏光光分割ユニット5401と、偏光光分割ユニット5401に接続されたコヒーレント結合サブユニット5402とを有し、コヒーレント結合サブユニット5402は、参照光平衡検出ユニット3102および量子光平衡検出ユニット3103に接続される。
任意選択で、偏光光分割ユニット5401は、偏光光分割器であってよい。任意選択で、N個の初期光信号は、各々が時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも2つの初期光信号を有するか、または、N個の初期光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号、参照光信号を含む初期光信号、または量子光信号を含む初期光信号のうちの少なくとも何れか2つを有する。
任意選択で、N個の初期光信号の各々について、コヒーレント結合サブユニット5402は具体的に、参照光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、参照光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第3の比率を占める局部発振器光信号を使用して、参照光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行うか、量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が含むとき、量子光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第4の比率を占める局部発振器光信号を使用して、量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行うか、または、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が含むとき、2つのコヒーレントに結合された光信号であって、その各々が参照光信号および量子光信号を含む2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行うよう構成される。
時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、複数の具体的な実装例が存在する。以下では、次の実施形態b1、実施形態b2、および実施形態b3を使用することによって、実装例を詳細に説明する。
[実施形態b1]
伝送光信号はN個の偏光状態に基づいて送信され、各偏光状態において量子光信号または参照光信号のみが含まれる。この場合、偏光光分割ユニット5401は、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行うよう構成され、ここで、各初期光信号は、量子光信号または参照光信号のみを含む。
図5eは、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。2つの偏光状態に基づいて送信装置が受信装置に伝送光信号を送信する。伝送光信号の具体的な構造が、図5bに示されている。偏光状態Xに基づいて量子光信号が送信され、偏光状態Yに基づいて参照光信号が送信される。この場合、図5eに示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、偏光光分割ユニット5401と、偏光光分割ユニット5401に接続されたコヒーレント結合サブユニット5402とを有し、コヒーレント結合サブユニット5402は、第4の結合ユニット5502と第5の結合ユニット5503とを含み、第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503はそれぞれ2:2結合器であってよい。第4の結合ユニット5502の2つの入力端はそれぞれ偏光光分割ユニット5401および局部発振器ユニット3201に接続され、第4の結合ユニット5502の2つの出力端は、参照光平衡検出ユニット3102に別々に接続される。第5の結合ユニット5503の2つの入力端はそれぞれ偏光光分割ユニット5401および局部発振器ユニット3201に接続され、第5の結合ユニット5503の2つの出力端は、量子光平衡検出ユニット3103に別々に接続される。
図5eに示すように、局部発振器ユニット3201の内部構造は、図4bに示す局部発振器ユニット3201の内部構造と同じである。詳細な内容については、上述の内容を参照されたい。局部発振器ユニット3201において、局部発振器光分割ユニット4205の一端は位相変調器4204に接続され、局部発振器光分割ユニット4205の他端はそれぞれ、第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503に接続される。
図5eに示す元鍵復元装置の概略構造図に基づいて、以下では、元鍵復元装置のワークフローを詳細に説明する。
図5eに示すように、送信装置は、光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号はまず偏光制御ユニット3301に入り、偏光制御ユニット3301は、偏光状態の固定された伝送光信号を偏光光分割ユニット5401に入力する。
伝送光信号は、N個の偏光状態に基づいて伝送され、偏光光分割ユニット5401は、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行い、ここで、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応する。
例えば、伝送光信号について、量子光信号が偏光状態Xに基づいて伝送され、参照光信号が偏光状態Yに基づいて伝送される場合、偏光光分割ユニット5401は、偏光状態Xに基づいて伝送された量子光信号を1つの出力ポートを通じて出力し、偏光状態Yに基づいて伝送された参照光信号の偏光状態を90度回転させる、すなわち偏光状態Xまで回転させ、次に、別の出力ポートから出力する。
偏光光分割ユニット5401は、参照光信号を含む1つの初期光信号を第4の結合ユニット5502に入力し、量子光信号を含む1つの初期光信号を第5の結合ユニット5503に入力する。第4の結合ユニット5502の他方の入力端および第5の結合ユニット5503の他方の入力端はさらに、局部発振器ユニット3201によって入力された局部発振器光信号を受信する。
コヒーレント結合サブユニット5402は、第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503を含み、第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503は別々にコヒーレント結合操作を行う必要がある。ゆえに、第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503は共に、局部発振器光信号を必要とする。このことに基づいて、局部発振器光分割ユニット4205は、受信された局部発振器光信号を2つの第3の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第3の局部発振器光副信号をそれぞれ第4の結合ユニット5502および第5の結合ユニット5503に送信する。
第4の結合ユニット5502は、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第3の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
第5の結合ユニット5503は、他方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第3の局部発振器光副信号のうちの他方を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行うよう構成される。
この場合、伝送光信号は2つの偏光状態に基づいて伝送され、各偏光状態に基づいて参照光信号または量子光信号のみが伝送され、第4の結合ユニット5502は、偏光状態Yに基づいて伝送された参照光信号を受信し、第5の結合ユニット5503は、偏光状態Xに基づいて伝送された量子光信号を受信することが分かる。ゆえに、第4の結合ユニット5502によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は参照光信号のみを含み、第5の結合ユニット5503によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、量子光信号のみを含む。この場合、第4の結合ユニット5502によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、第1のコヒーレントに結合された光信号として使用され、第5の結合ユニット5503によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は第2のコヒーレントに結合された光信号として使用される。
参照光平衡検出ユニット3102は、第4の結合ユニット5502によって出力された第1のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。量子光平衡検出ユニット3103は、第5の結合ユニット5503によって出力された第2のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。搬送波復元ユニット3104および鍵復元ユニット3105の具体的な処理手順については、上述の説明を参照されたい。
[実施形態b2]
伝送光信号はN個の偏光状態に基づいて送信され、偏光状態において、時分割多重の量子光信号および参照光信号が含まれる。この場合、偏光光分割ユニットは、伝送光信号を偏光光分割処理を通じてN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行うよう構成され、ここで、1つの初期光信号は、時分割多重の量子光信号および参照光信号を含む。
任意選択で、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、当該装置は具体的に、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第2のコヒーレント光信号へと分割し、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、2つの第2のコヒーレント光信号の各々に対して光分割処理を行うよう構成され、ここで、第6の比率と第7の比率との和は1であり、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
実施形態b2をより明確に説明するべく、以下では、図5f−1および図5f−2に関連して説明を提供する。図5f−1および図5f−2は、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。2つの偏光状態に基づいて送信装置が受信装置に伝送光信号を送信する。伝送光信号の具体的な構造が、図5cに示されている。量子光信号は、偏光状態Xに基づいて送信され、時分割多重の参照光信号および量子光信号は、偏光状態Yに基づいて送信される。この場合、図5f−1および図5f−2に示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、偏光光分割ユニット5401と、偏光光分割ユニット5401に接続されたコヒーレント結合サブユニット5402とを有し、コヒーレント結合サブユニット5402は、第6の結合ユニット5603と第7の結合ユニット5602とを含み、第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602はそれぞれ2:2結合器であってよい。第6の結合ユニット5603の2つの入力端がそれぞれ偏光光分割ユニット5401および局部発振器ユニット3201に接続され、第6の結合ユニット5603の2つの出力端が量子光平衡検出ユニット3103に別々に接続される。
具体的には、本発明のこの実施形態において、参照光平衡検出ユニット3102は、1または複数の参照光平衡検出器を有してよく、量子光平衡検出ユニット3103は、1または複数の量子光平衡検出器を有してよい。参照光平衡検出ユニット3102の各参照光平衡検出器は、一方の第1のコヒーレントに結合された光信号を対応して検出する。具体的には、参照光平衡検出ユニット3102の各参照光平衡検出器は、一方の第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。量子光平衡検出ユニット3103の各量子光平衡検出器は、一方の第2のコヒーレントに結合された光信号を対応して検出する。具体的には、量子光平衡検出ユニット3103の各量子光平衡検出器は、一方の第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。
図5f−1および図5f−2に示すように、量子光平衡検出ユニット3103は、第1の量子光平衡検出器5609と第2の量子光平衡検出器5608とを有する。次に、第6の結合ユニット5603の2つの出力端がそれぞれ、第1の量子光平衡検出器5609の2つの入力端に接続される。第7の結合ユニット5602の2つの入力端がそれぞれ、偏光光分割ユニット5401および局部発振器ユニット3201に接続され、第7の結合ユニット5602の2つの出力端がそれぞれ、第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606に接続される。第4の光分割ユニット5605の2つの出力端がそれぞれ、参照光平衡検出ユニット3102および第2の量子光平衡検出器5608に接続され、第5の光分割ユニット5606の2つの出力端がそれぞれ、参照光平衡検出ユニット3102および第2の量子光平衡検出器5608に接続される。
さらに、参照光平衡検出ユニット3102に含まれる参照光平衡検出器の数は、第1のADCユニット3302に含まれるADCの数と同じである。言い換えれば、1つの参照光平衡検出器が第1のADCユニット3302の1つのADCに接続される。同様に、量子光平衡検出ユニット3103に含まれる量子光平衡検出器の数は、第2のADCユニット3304に含まれるADCの数と同じである。言い換えれば、1つの量子光平衡検出器が第2のADCユニット3304の1つのADCに接続される。
図5f−1および図5f−2に示すように、第1の量子光平衡検出器5609は、第2のADCユニット3304のADC I 5611に接続され、第2の量子光平衡検出器5608は、第2のADCユニット3304のADC II 5612に接続される。参照光平衡検出ユニット3102は、第1のADCユニット3302のADC III 5613に接続される。ADC I 5611およびADC II 5612は、鍵復元ユニット3105の第2の処理ユニット3305に接続され、第2の処理ユニット3305または第1の処理ユニット3303は1または複数の処理モジュールを含んでよく、1つのADCは1つの処理モジュールに対応する。例えば、ADC I 5611は、第2の処理ユニット3305の処理モジュールI 5614に対応し、ADC II 5612は、第2の処理ユニット3305の処理モジュールII 5615に対応する。ADC III 5613は、搬送波復元ユニット3104の第1の処理ユニット3303に接続される。局部発振器光分割ユニット4205の一端が位相変調器4204に接続され、局部発振器光分割ユニット4205の他端がそれぞれ、第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602に接続される。
図5f−1および図5f−2に示す元鍵復元装置の概略構造図に基づいて、以下では、元鍵復元装置のワークフローを詳細に説明する。
図5f−1および図5f−2に示すように、送信装置は光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号はまず、偏光制御ユニット3301に入り、偏光制御ユニット3301は、偏光状態の固定された伝送光信号を偏光光分割ユニット5401に入力する。伝送光信号は、N個の偏光状態に基づいて伝送され、偏光光分割ユニット5401は、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力し、ここで、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応する。
偏光光分割ユニット5401は、量子光信号を含む1つの初期光信号を第6の結合ユニット5603に入力し、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む1つの初期光信号を第7の結合ユニット5602に入力する。第6の結合ユニット5603の他方の入力端および第7の結合ユニット5602の他方の入力端はさらに、局部発振器ユニット3201によって入力された局部発振器光信号を受信する。
図5f−1および図5f−2に示すように、局部発振器ユニット3201の内部構造は、図4bに示す局部発振器ユニット3201と同じである。詳細な内容については、上述の内容を参照されたい。コヒーレント結合サブユニット5402は、第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602を含み、第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602は別々にコヒーレント結合操作を行う必要がある。ゆえに、第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602は共に、局部発振器光信号を必要とする。このことに基づいて、局部発振器光分割ユニット4205は、受信された局部発振器光信号を2つの第4の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第4の局部発振器光副信号をそれぞれ第6の結合ユニット5603および第7の結合ユニット5602に入力する。
第6の結合ユニット5603は、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第4の局部発振器光副信号のうちの一方を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
第7の結合ユニット5602は、他方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された2つの第4の局部発振器光副信号のうちの他方を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。第7の結合ユニット5602は、2つの第2のコヒーレント光信号をそれぞれ第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606に送信する。
第4の光分割ユニット5605は、第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める第2のコヒーレント光信号と、第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第2のコヒーレント光信号のうちの一方に対して光分割処理を行い、ここで、第6の比率と第7の比率との和は1である。
第5の光分割ユニット5606は、第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める第2のコヒーレント光信号と、第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第2のコヒーレント光信号のうちの他方に対して光分割処理を行う。
各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
例えば、第6の比率は10%であり、第7の比率は90%である。第4の光分割ユニット5605は、受信された一方の第2のコヒーレント光信号を、10%を占める第2のコヒーレント光信号および90%を占める第2のコヒーレント光信号へと分割する。第5の光分割ユニット5606は、受信された他方の第2のコヒーレント光信号を、10%を占める第2のコヒーレント光信号および90%を占める第2のコヒーレント光信号へと分割する。第4の光分割ユニット5605は、10%を占める第2のコヒーレント光信号を参照光平衡検出ユニット3102に入力し、第5の光分割ユニット5606は、10%を占める第2のコヒーレント光信号を参照光平衡検出ユニット3102に入力する。第4の光分割ユニット5605は、90%を占める第2のコヒーレント光信号を量子光平衡検出ユニット3103に入力し、第5の光分割ユニット5606は、90%を占める第2のコヒーレント光信号を量子光平衡検出ユニット3103に入力する。言い換えれば、各々が10%を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、一方のコヒーレントに結合された光信号であり、各々が90%を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、他方のコヒーレントに結合された光信号である。第1のコヒーレントに結合された光信号は、各々が10%を占める2つの第2のコヒーレント光信号であってよく、第2のコヒーレントに結合された光信号は、各々が90%を占める2つの第2のコヒーレント光信号であってよい。
さらに、各々が10%を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、一方のコヒーレントに結合された光信号であり、参照光平衡検出ユニット3102に入り、各々が90%を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、一方のコヒーレントに結合された光信号であり、量子光平衡検出ユニット3103の第2の量子光平衡検出器5608に入る。
本発明のこの実施形態において、第6の比率および第7の比率の具体的な値は限定されない。 任意選択で、量子光信号は極めて弱い光信号であり、伝送リンク全体における挿入損失値が量子光信号の伝送距離に深刻な影響を及ぼす。ゆえに、参照光信号に対して光/電気変換および増幅が行われた後、通常のサンプリングが保証され得ること、および正確な位相周波数情報が復元され得ることを前提として、量子光平衡検出ユニット3103に入力される光の強度比率はできる限り大幅に改善され得ることが好ましい。
この場合、伝送光信号は2つの偏光状態に基づいて伝送され、第6の結合ユニット5603に入る光信号は量子光信号のみを含むことが分かる。ゆえに、第6の結合ユニット5603によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、量子光信号のみを含む。ゆえに、第6の結合ユニット5603によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、第2のコヒーレントに結合された光信号である。第7の結合ユニット5602に入る光信号は、時分割多重の量子光信号および参照光信号を含む。ゆえに、第7の結合ユニット5602によって出力される2つの第2のコヒーレント光信号の各々は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。次に、第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606による光分割処理を通じて、取得された2つのコヒーレントに結合された光信号の各々は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。この場合、第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606による光分割処理を通じて取得された2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方は、第1のコヒーレントに結合された光信号として使用され、他方は、第2のコヒーレントに結合された光信号として使用される。
参照光平衡検出ユニット3102は、第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606によって出力された第1のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。
量子光平衡検出ユニット3103は、第1の量子光平衡検出器5609と第2の量子光平衡検出器5608とを有する。
第1の量子光平衡検出器5609は、第6の結合ユニット5603によって出力された第2のコヒーレントに結合された光信号を受信し、出力された第2の電気信号の振幅が第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲内にあることを保証するよう、受信された第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。
第2の量子光平衡検出器5608は、第4の光分割ユニット5605および第5の光分割ユニット5606によって出力された第2のコヒーレントに結合された光信号を受信し、出力された第2の電気信号の振幅が第2のADCユニット3304の第2の事前設定された振幅範囲内にあることを保証するよう、受信された第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う。
第1のADCユニットのADC III 5613は、参照光平衡検出ユニットによって出力された第1の電気信号を受信し、受信された第1の電気信号に対してサンプリング量子化を行い、搬送波復元ユニットの第1の処理ユニット3303に参照信号サンプリング系列を出力する。これにより、第1の処理ユニット3303は、参照信号サンプリング系列から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する。
第2のADCユニット3304は、ADC I 5611およびADC II 5612を含み、ADC I 5611は第1の量子光平衡検出器5609に接続され、ADC II 5612は第2の量子光平衡検出器5608に接続される。
ADC I 5611は、第1の量子光平衡検出器5609によって出力された第2の電気信号を受信し、受信された第2の電気信号に対してサンプリング量子化を行い、処理モジュールI 5614に量子信号サンプリング系列を出力する。
ADC II 5612は、第2の量子光平衡検出器5608によって出力された第2の電気信号を受信し、受信された第2の電気信号に対してサンプリング量子化を行い、処理モジュールII 5615に量子信号サンプリング系列を出力する。処理モジュールI 5614および処理モジュールII 5615は、受信された位相周波数情報に基づいて、量子信号サンプリング系列から元鍵を復元する。
[実施形態b3]
任意選択で、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、局部発振器ユニットは具体的に、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を2つの第2の局部発振器光副信号へと分割し、コヒーレント結合サブユニットに2つの第2の局部発振器光副信号を送信するよう構成され、コヒーレント結合サブユニットは具体的に、2つの光学的に分割された初期光信号を取得するよう、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対して光分割処理を行い、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの2つを取得するよう、受信された2つの第2の局部発振器光副信号を使用して、2つの光学的に分割された初期光信号の各々に対してそれぞれコヒーレント結合を行うよう構成され、ここで、一方の局部発振器光信号は一方の光学的に分割された初期光信号に対応する。
実施形態b3をより明確に説明するべく、以下では、図5g−1および図5g−2に関連して説明を提供する。図5g−1および図5g−2は、本発明の一実施形態による元鍵復元装置の概略構造図の例を示す。2つの偏光状態に基づいて送信装置が受信装置に伝送光信号を送信する。伝送光信号の具体的な構造が、図5cに示されている。量子光信号は、偏光状態Xに基づいて送信され、時分割多重の参照光信号および量子光信号は、偏光状態Yに基づいて送信される。図5g−1および図5g−2に示すように、コヒーレント結合ユニット3101は、偏光光分割ユニット5401と、偏光光分割ユニット5401に接続されたコヒーレント結合サブユニット5402とを有し、コヒーレント結合サブユニット5402は、第6の結合ユニット5603と第6の光分割ユニット5702と第8の結合ユニット5703と第9の結合ユニット5704とを含み、第6の結合ユニット5603、第8の結合ユニット5703、および第9の結合ユニット5704はそれぞれ2:2結合器であってよい。第6の結合ユニット5603の2つの入力端がそれぞれ偏光光分割ユニット5401および局部発振器ユニット3201に接続され、第6の結合ユニット5603の2つの出力端が量子光平衡検出ユニット3103に別々に接続される。
図5g−1および図5g−2に示すように、量子光平衡検出ユニット3103は、第1の量子光平衡検出器5609および第2の量子光平衡検出器5608を有する。さらに、第6の結合ユニット5603の2つの出力端はそれぞれ、第1の量子光平衡検出器5609の2つの入力端に接続される。第6の光分割ユニット5702の入力端が偏光光分割ユニット5401に接続され、第6の光分割ユニット5702の2つの出力端がそれぞれ、第8の結合ユニット5703および第9の結合ユニット5704に接続される。
第8の結合ユニット5703の2つの入力端はそれぞれ、第6の光分割ユニット5702および局部発振器ユニット3201に接続され、第8の結合ユニット5703の2つの出力端は、参照光平衡検出ユニット3102に別々に接続される。第9の結合ユニット5704の2つの入力端はそれぞれ、第6の光分割ユニット5702および局部発振器ユニット3201に接続され、第9の結合ユニット5704の2つの出力端は、量子光平衡検出ユニット3103の第2の量子光平衡検出器5608に別々に接続される。
図5g−1および図5g−2に示すように、局部発振器ユニット3201の内部構造は、図4bに示す局部発振器ユニット3201の内部構造と同じである。詳細な内容については、上述の内容を参照されたい。局部発振器光分割ユニット4205の一端は、位相変調器4204に接続され、局部発振器光分割ユニット4205の他端はそれぞれ、第6の結合ユニット5603、第8の結合ユニット5703、および第9の結合ユニット5704に接続される。局部発振器光分割ユニット4205は、光分割器であってよい。
図5g−1および図5g−2に示す元鍵復元装置の概略構造図に基づいて、以下では、元鍵復元装置のワークフローを詳細に説明する。
図5g−1および図5g−2に示すように、送信装置は光ファイバを通じて元鍵復元装置に伝送光信号を伝送し、伝送光信号はまず、偏光制御ユニット3301に入り、偏光制御ユニット3301は、偏光状態の固定された伝送光信号を偏光光分割ユニット5401に入力する。伝送光信号は、N個の偏光状態に基づいて伝送され、偏光光分割ユニット5401は、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力する。
具体的に、偏光光分割ユニット5401は、量子光信号を含む1つの初期光信号を第6の結合ユニット5603に入力し、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む1つの初期光信号を第6の光分割ユニット5702に入力する。第6の光分割ユニット5702は、2つの光学的に分割された初期光信号を取得するよう、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む受信された初期光信号に対して光分割処理を行い、2つの光学的に分割された初期光信号をそれぞれ第8の結合ユニット5703および第9の結合ユニットに出力する。第6の結合ユニット5603の他方の入力端と、第8の結合ユニット5703の他方の入力端と、第9の結合ユニットの他方の入力端とはさらに、局部発振器ユニット3201によって入力された局部発振器光信号を受信し、次に、第6の結合ユニット5603、第8の結合ユニット5703、または第9の結合ユニットのうちの任意の1つが、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、受信された一方の局部発振器光信号を使用して、受信された光学的に分割された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
この場合、局部発振器ユニット3201は、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を2つの第2の局部発振器光副信号へと分割し、2つの第2の局部発振器光副信号をそれぞれ、第8の結合ユニット5703および第9の結合ユニットに送信する。
コヒーレント結合サブユニット5402は、第6の結合ユニット5603と第8の結合ユニット5703と第9の結合ユニット5704とを含み、第6の結合ユニット5603、第8の結合ユニット5703、および第9の結合ユニット5704はそれぞれ、コヒーレント結合操作を行う必要がある。ゆえに、第6の結合ユニット5603、第8の結合ユニット5703、および第9の結合ユニット5704は全て、局部発振器光信号を必要とする。このことに基づいて、局部発振器光分割ユニット4205は、受信された局部発振器光信号を3つの信号へと分割する。
第6の結合ユニット5603は、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、1つの局部発振器光信号を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
第8の結合ユニット5703は、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、1つの局部発振器光信号を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
第9の結合ユニットは、一方のコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、1つの局部発振器光信号を使用して、受信された初期光信号に対してコヒーレント結合を行う。
この場合、伝送光信号は2つの偏光状態に基づいて伝送され、第6の結合ユニット5603に入る光信号は量子光信号のみを含むことが分かる。ゆえに、第6の結合ユニット5603によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、量子光信号のみを含む。ゆえに、第6の結合ユニット5603によって出力されるコヒーレントに結合された光信号は、第2のコヒーレントに結合された光信号である。第6の光分割ユニット5702に入る光信号は、時分割多重の量子光信号および参照光信号を含む。ゆえに、第6の光分割ユニット5702によって第8の結合ユニット5703および第9の結合ユニットに出力される光学的に分割された初期光信号はそれぞれ、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。次に、第8の結合ユニット5703および第9の結合ユニットによるコヒーレント結合処理を通じて、取得された2つのコヒーレントに結合された光信号の各々は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む。この場合、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方は、第1のコヒーレントに結合された光信号として使用され、他方は第2のコヒーレントに結合された光信号として使用される。
参照光平衡検出ユニット3102は、第8の結合ユニット5703によって出力された第1のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。量子光平衡検出ユニット3103は、第9の結合ユニット5704によって出力された第2のコヒーレントに結合された光信号を受信する。具体的な処理手順は上述されている。搬送波復元ユニット3104および鍵復元ユニット3105の具体的な処理手順については、上述の説明を参照されたい。
上述の内容から、本発明のこの実施形態において、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行うことが分かる。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。この解決手段は、送信装置および受信装置の2本の光ファイバ間の長さの差に対する厳密な等長制御を必要とせず、それにより、技術的困難性を低減することが分かる。
図6aは、本発明の一実施形態による元鍵復元方法の概略フローチャートの例を示す。
同じ考えに基づいて、図6aに示すように、本発明のこの実施形態において提供される元鍵復元方法は、以下の段階を備える。
段階601:少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階であって、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号と少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号とを有し、各第1のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも参照光信号を含み、各第2のコヒーレントに結合された光信号は、少なくとも量子光信号を含む、段階。
段階602:少なくとも1つの第1の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行い、少なくとも1つの第2の電気信号を取得するよう、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う段階。
段階603:少なくとも1つの第1の電気信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定し、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元する段階。
任意選択で、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して行われる光/電気変換および増幅中に使用される増幅係数は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して行われる光/電気変換および増幅中に使用される増幅係数より小さい。
任意選択で、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の帯域幅は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の帯域幅より高く、少なくとも1つの第1のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の利得は、少なくとも1つの第2のコヒーレントに結合された光信号に対して光/電気変換および増幅を行う平衡検出受信機の利得より低い。
本発明のこの実施形態において、第1のコヒーレントに結合された光信号と第2のコヒーレントに結合された光信号とは、別々に増幅されてよい。この場合、第1のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより小さな値に調整され、これにより、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が決定される。第2のコヒーレントに結合された光信号に対応する増幅係数はより大きい値に調整され、これにより、少なくとも1つの第2の電気信号から、元鍵が復元される。ゆえに、第1のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、参照光信号から位相周波数情報をより正確に復元することができ、第2のコヒーレントに結合された光信号に基づいて、量子光信号から元鍵もより正確に復元することができる。
任意選択で、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階の前に、当該方法は、位相周波数情報に基づいて局部発振器光信号を生成する段階をさらに備える。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、伝送光信号を受信し、2つの光学的に分割された光信号を取得するよう、伝送光信号に対して光分割処理を行う段階と、局部発振器光信号を2つの第1の局部発振器光副信号へと分割し、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、2つの第1の局部発振器光副信号を使用して、2つの光学的に分割された光信号に対してそれぞれコヒーレント結合を行う段階であって、一方の第1の局部発振器光副信号は、一方の光学的に分割された光信号に対応する、段階とを有する。
任意選択で、伝送光信号が1つの偏光状態に基づいて伝送される場合、伝送光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、局部発振器光信号を使用して、伝送光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第1のコヒーレント光信号へと分割する段階と、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの一方に対して光分割処理を行う段階であって、第1の比率と第2の比率との和は1である、段階と、第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める第1のコヒーレント光信号と、第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める第1のコヒーレント光信号とを取得するよう、受信された2つの第1のコヒーレント光信号のうちの他方に対して光分割処理を行う段階とを有し、各々が各第1のコヒーレント光信号において第1の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第1のコヒーレント光信号において第2の比率を占める2つの第1のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
任意選択で、伝送光信号がN個の偏光状態に基づいて伝送され、Nが1よりも大きい整数である場合、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階は、偏光光分割処理を通じて伝送光信号をN個の光信号へと分割し、同じ偏光状態のN個の初期光信号を出力するよう、少なくとも(N−1)個の光信号に対して偏光回転を行う段階であって、1つの初期光信号は1つの偏光状態に対応する、段階と、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいてN個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行う段階とを有する。
任意選択で、N個の初期光信号は、各々が時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも2つの初期光信号を有するか、または、N個の初期光信号は、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号、参照光信号を含む初期光信号、または、量子光信号を含む初期光信号のうちの少なくとも何れか2つを有する。
任意選択で、少なくともN個のコヒーレントに結合された光信号を出力するよう、受信された局部発振器光信号に基づいてN個の初期光信号の各々に対して少なくともコヒーレント結合を行う段階は、参照光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、参照光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第3の比率を占める局部発振器光信号を使用して、参照光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行う段階、量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、量子光信号を含むコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第4の比率を占める局部発振器光信号を使用して、量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行う段階、または、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む少なくとも1つの初期光信号をN個の初期光信号が有するとき、2つのコヒーレントに結合された光信号であって、その各々が参照光信号および量子光信号を含む2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階を含む。
任意選択で、2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階は、2つの光学的に分割された初期光信号を取得するよう、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対して光分割処理を行う段階と、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を2つの第2の局部発振器光副信号へと分割し、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの2つを取得するよう、2つの第2の局部発振器光副信号を使用して、2つの光学的に分割された初期光信号の各々に対してそれぞれコヒーレント結合を行う段階であって、一方の局部発振器光信号は、一方の光学的に分割された初期光信号に対応する、段階とを含む。
任意選択で、2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合および光分割処理を行う段階は、局部発振器光信号において第5の比率を占める局部発振器光信号を使用して、時分割多重の参照光信号および量子光信号を含む初期光信号に対してコヒーレント結合を行い、コヒーレントに結合された光信号を2つの第2のコヒーレント光信号へと分割する段階と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号と、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号とを取得するよう、2つの第2のコヒーレント光信号の各々に対して光分割処理を行う段階であって、第6の比率と第7の比率との和は1である、段階とを含み、各々が各第2のコヒーレント光信号において第6の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの一方として使用され、各々が各第2のコヒーレント光信号において第7の比率を占める2つの第2のコヒーレント光信号は、2つのコヒーレントに結合された光信号のうちの他方として使用される。
任意選択で、少なくとも1つの第1の電気信号から局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する段階は、少なくとも1つの第1の電気信号を受信し、参照信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第1の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行う段階であって、対応する第1の電気信号における、各第1のコヒーレントに結合された光信号に含まれる参照光信号に対応する、電気信号振幅は、第1の事前設定された振幅範囲内にある、段階と、受信された参照信号サンプリング系列に基づいて、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報を決定する段階とを有する。
任意選択で、受信された位相周波数情報に基づいて、少なくとも1つの第2の電気信号から元鍵を復元する段階は、少なくとも1つの第2の電気信号を受信し、量子信号サンプリング系列を取得するよう、少なくとも1つの第2の電気信号の各々に対してサンプリング量子化を行う段階であって、対応する第2の電気信号における、各第2のコヒーレントに結合された光信号に含まれる量子光信号に対応する、電気信号振幅は、第2の事前設定された振幅範囲内にある、段階と、受信された量子信号サンプリング系列および受信された位相周波数情報に基づいて元鍵を復元する段階とを有する。
任意選択で、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号に基づいて、受信された伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合を行う段階の前に、当該方法は、伝送光信号を受信し、受信された伝送光信号の偏光状態を固定偏光状態に調整する段階をさらに備える。
任意選択で、局部発振器光信号は、伝送光信号における参照光信号に適合させるために使用される第1の局部発振器光信号と、伝送光信号における量子光信号に適合させるために使用される第2の局部発振器光信号とを含み、第1の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの1つであり、第2の局部発振器光信号の位相は、事前設定された固定位相値のうちの無作為な値である。
上述の内容から、本発明のこの実施形態において、伝送光信号は、参照光信号および量子光信号を含み、少なくとも2つのコヒーレントに結合された光信号を取得するよう、局部発振器光信号を使用することによって伝送光信号に対して光分割処理およびコヒーレント結合が行われ、次に、第1の電気信号および第2の電気信号を取得するよう、参照光信号を含む第1のコヒーレントに結合された光信号と量子光信号を含む第2のコヒーレントに結合された光信号とに対して別々に光/電気変換および増幅を行うことが分かる。次に、第1の電気信号から、局部発振器光信号と参照光信号との間の位相周波数情報が取得され、位相周波数情報に基づいて、第2の電気信号から元鍵が復元される。この解決手段は、送信装置および受信装置の2本の光ファイバ間の長さの差に対する厳密な等長制御を必要とせず、それにより、技術的困難性を低減することが分かる。
当業者であれば、本発明の実施形態が、方法またはコンピュータプログラム製品として提供されてよいことを理解すべきである。ゆえに、本発明は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみ実施形態、または、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによる実施形態の形式を使用してよい。加えて、本発明は、コンピュータが利用可能なプログラムコードを有する、(限定されないが、ディスクメモリ、CD−ROM、および光メモリ等を含む)1または複数のコンピュータが利用可能な記憶媒体において実装されるコンピュータプログラム製品の形式を使用してよい。
本発明は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図に関連して説明されている。コンピュータプログラム命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の各プロセスおよび/または各ブロック、ならびにフローチャートおよび/またはブロック図のプロセスおよび/またはブロックの組み合わせを実装するために使用されてよいことを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを生成するよう、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または任意の他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてよく、これにより、コンピュータまたは別のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令は、フローチャートの1または複数のプロセスにおける、および/またはブロック図の1または複数のブロックにおける特定された機能を実装するための装置を生成する。
特定の方式で作動するようコンピュータまたは別のプログラム可能なデータ処理装置に命令できるこれらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読メモリに記憶されてよい。これにより、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、命令装置を含むアーティファクトを生成する。命令装置は、フローチャートの1または複数のプロセスおよび/またはブロック図の1または複数のブロックにおける特定の機能を実装する。
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは別のプログラム可能なデータ処理装置にロードされてよい。これにより、一連の操作および段階がコンピュータまたは別のプログラム可能な装置において行われ、それにより、コンピュータ実装処理を生成する。ゆえに、コンピュータまたは別のプログラム可能な装置において実行される命令は、フローチャートの1または複数のプロセスおよび/またはブロック図の1または複数のブロックにおける特定の機能を実装するための段階を提供する。
本発明のいくつかの好適な実施形態が説明されてきたが、一たび基本的な発明概念を習得すれば、当業者であれば、これらの実施形態に変更および修正を施すことができる。ゆえに、以下の特許請求の範囲は、好適な実施形態ならびに本発明の範囲内に含まれる全ての変更および修正を包含するものと解釈されることが意図されている。
当業者であれば、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な修正および変形を施すことができるのは明らかである。本発明は、これらの修正および変形が以下の特許請求の範囲およびそれらの均等技術によって定義される範囲内に含まれるならば、当該修正および変形を包含することが意図されている。