JP2010206459A - 量子鍵配付システムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長多重または偏波多重によるクロック同期を用いた一方向型量子鍵配付において、量子信号光に混入するクロック信号光のクロストーク雑音を低減する。
【解決手段】本発明では一方向型の量子鍵配付において、量子信号光の受信機がクロック信号用レーザーダイオードを持ち、クロック信号光を送信する。そして量子信号光の送信機がフォトダイオードおよびクロックデータ再生器を持ち、クロック信号を抽出してこれに同期させて量子鍵を発生する構成とする。このとき波長多重フィルタのアイソレーションIとダイレクティビティDがD>Iという関係にあることを利用してクロストーク雑音を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は量子鍵を配付する量子鍵配付システムおよび方法に関し、特に、送信機から受信機に量子鍵を配付する一方向型での量子鍵を配付する量子鍵配付システムおよび方法に関する。
近年、盗聴行為に対する絶対安全性を持つ暗号化通信を実現する方法として量子鍵配付が盛んに研究され、実用化開発が進んでいる(非特許文献1参照)。量子鍵配付における重要課題の1つに、送信機と受信機のクロック同期が挙げられる。
通常の光通信では送信される信号光が充分に大きな強度(古典的強度)を持つため、受信機では信号光からクロックを抽出することが可能である。ところが量子鍵配付では単一光子レベルの非常に微弱な信号光(量子信号光)を用いるため、受信機でこの量子信号光からクロックを抽出することは困難である。
しかし、量子鍵配付で一般的に用いられる単一光子検出器は、光子の到着タイミングに合わせてパルス電圧を加える必要がある(ゲート動作)ため、送受信機間の同期は不可欠である。
そこで、量子鍵配付では量子信号光とは別に、古典的強度を持った同期用のクロック信号光を同時に送信する方法が一般的である。この時2つの信号光は波長多重や偏波多重を利用して送信される。
波長多重を用いた場合の典型的な一方向型の量子鍵配付システムを図2に示す。ここでは主にクロック同期に関する要素について詳しく記載する。
システム全体のクロックは送信機201内部にあるクロック信号源202から生成される。このクロック信号により量子信号用レーザーダイオード(Q−LD)203が駆動され、発生した光パルスは干渉計や変調器から構成される符号化装置204によって量子鍵配付に必要な符号化を受ける。
その後、光パルスは光減衰器205によって単一光子レベルの強度に調整され、安全な秘密鍵情報を持つ量子信号光206となる。
また、クロック信号源202はクロック信号用レーザーダイオード(C−LD)207も同時に駆動し、古典的強度を持ったクロック信号光208が生成される。波長多重を利用する方式ではQ−LD203とC−LD207の波長は互いに異なるように選択する。これら2つの信号光は波長多重フィルタ209によって合波され、伝送ファイバ210を通じて受信機211へと送信される。
受信機211では、波長多重フィルタ212を用いて合波された光を再び波長の異なる光に分離し、量子信号光213とクロック信号光214を再生する。
量子信号光213は送信機201と同様に干渉計や変調器から構成される復号化装置215によって復号され、単一光子検出器216に入射する。
一方、クロック信号光214はフォトダイオード217によって電気信号に変換され、CDR(Clock Data Recovery)218などを用いることで送信機のクロック信号源202と同期したクロック信号を抽出することができる。このクロック信号をもとに単一光子検出器216に印加するゲートパルス219のタイミングを調整すれば、量子信号光213が単一光子検出器216に入射するのと同時にゲートパルス219を印加することができ、正しく光子を検出することができる。
ベネット(Bennett)、ブラサール(Brassard)著 IEEEコンピュータ、システム、信号処理国際会議(IEEE Int. Conf. on Computers, Systems,and Signal Processing, Bangalore, India, p.175,1984)
図2に示した背景技術において、受信機211の持つ波長多重フィルタ212による信号光の分離は完全ではないため、古典的強度のクロック信号光214の一部が微弱な量子信号光213の出力側に漏れこみ、クロストーク雑音となってしまうという問題がある。
また、これを防ぐために量子信号光213側に狭帯域フィルタなどを何段か挿入して不要な波長の光を取り除いた場合、コストの増大や装置の煩雑化を招くだけでなく量子信号光213の一定量の損失が避けられず、秘密鍵の生成速度が低下してしまう。
したがって本発明の目的は、クロック信号光の一部が量子信号光へ漏れこむことによるクロストーク雑音を低減した量子鍵配付システムおよび方法を提供することにある。
本発明の量子鍵配付システムは、光ファイバ伝送路と、前記光ファイバ伝送路へ量子鍵を送信する送信機と、前記光ファイバ伝送路を介して前記量子鍵を受信する受信機とを備える量子鍵配付システムであって、
前記受信機は、
クロック信号を発生するクロック信号源と、
前記クロック信号に応じて第1の波長のクロック信号光を発生するクロック信号用レーザーダイオードと、
第1および第2のポートを具備し、前記第1のポートを介して入力された前記クロック信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、また、前記光ファイバ伝送路を介して入力された前記量子鍵である第2の波長の量子信号光を選択的に前記第2のポートより出力する受信機側波長多重フィルタと、
前記量子信号光を復号する復号化装置と、
前記クロック信号がゲートに印加され、前記復号された量子信号光の光子を検出する単一光子検出器と、を有し、
前記送信機は、
前記光ファイバ伝送路と接続し、前記量子信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、前記クロック信号光を選択的に出力する送信機側波長多重フィルタと、
前記量子信号光を発生するための量子信号用レーザーダイオードと、
前記送信機側波長多重フィルタが出力した前記クロック信号光に基いてクロック信号を抽出し、該抽出したクロック信号に基いて前記量子信号用レーザーダイオードを駆動して光パルスを発生させるクロックデータ再生器と、
前記量子信号用レーザーダイオードが発生した光パルスに対し、量子鍵配付に必要な符号化を行って前記量子信号光とし、前記送信機側波長多重フィルタに対して出力する符号化装置と、を有することを特徴とする量子鍵配付システム。
本発明の他の形態による量子鍵配付システムは、光ファイバ伝送路と、前記光ファイバ伝送路へ量子鍵を送信する送信機と、前記光ファイバ伝送路を介して前記量子鍵を受信する受信機とを備える量子鍵配付システムであって、
前記受信機は、
クロック信号を発生するクロック信号源と、
前記クロック信号に応じてクロック信号光を発生するクロック信号用レーザーダイオードと、
前記クロック信号光を第1の偏光状態とする受信機側偏光子と、
第1および第2のポートを具備し、前記第1のポートを介して入力された前記第1の偏光状態のクロック信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、また、前記光ファイバ伝送路を介して入力された前記量子鍵である第2の偏光状態の量子信号光を選択的に前記第2のポートより出力する受信機側ビームスプリッタと、
前記量子信号光を復号する復号化装置と、
前記クロック信号がゲートに印加され、前記復号された量子信号光の光子を検出する単一光子検出器と、を有し、
前記送信機は、
前記光ファイバ伝送路と接続し、前記量子信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、前記第1の偏光状態のクロック信号光を選択的に出力する送信機側ビームスプリッタと、
前記量子信号光を発生するための量子信号用レーザーダイオードと、
前記送信機側ビームスプリッタが出力した前記クロック信号光に基いてクロック信号を抽出し、該抽出したクロック信号に基いて前記量子信号用レーザーダイオードを駆動して光パルスを発生させるクロックデータ再生器と、
前記量子信号用レーザーダイオードが発生した光パルスを第2の偏光状態とする送信機側偏光子と、
前記送信機側偏光子により第2の偏光状態とされた光パルスに対し、量子鍵配付に必要な符号化を行って前記量子信号光とし、前記送信機側ビームスプリッタに対して出力する符号化装置と、を有することを特徴とする。
本発明の量子鍵配付方法は、光ファイバ伝送路と、前記光ファイバ伝送路へ量子鍵を送信する送信機と、前記光ファイバ伝送路を介して前記量子鍵を受信する受信機とを備えるシステムで行われる量子鍵配付方法であって、
前記受信機では、
クロック信号に応じて第1の波長のクロック信号光を発生し、
第1および第2のポートを具備する受信機側波長多重フィルタが、前記第1のポートを介して入力された前記クロック信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、また、前記光ファイバ伝送路を介して入力された前記量子鍵である第2の波長の量子信号光を選択的に前記第2のポートより出力し、
前記量子信号光を復号し、
単一光子検出器のゲートに前記クロック信号を印加して前記復号された量子信号光の光子を検出し、
前記送信機では、
前記光ファイバ伝送路と接続する送信機側波長多重フィルタが前記量子信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出するとともに、前記クロック信号光を選択的に出力し、
クロックデータ再生器が、前記送信機側波長多重フィルタが出力した前記クロック信号光に基いてクロック信号を抽出し、該抽出したクロック信号に基いて量子信号用レーザーダイオードを駆動して光パルスを発生させ、
符号化装置が、前記量子信号用レーザーダイオードが発生した光パルスに対し、量子鍵配付に必要な符号化を行って前記量子信号光とし、前記送信機側波長多重フィルタに対して出力することを特徴とする。
本発明の他の形態による量子鍵配付方法は、光ファイバ伝送路と、前記光ファイバ伝送路へ量子鍵を送信する送信機と、前記光ファイバ伝送路を介して前記量子鍵を受信する受信機とを備えるシステムで行われる量子鍵配付方法であって、
前記受信機では、
クロック信号に応じて発生したクロック信号光を第1の偏光状態とし、
第1および第2のポートを具備する受信機側ビームスプリッタが、前記第1のポートを介して入力された前記第1の偏光状態のクロック信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、また、前記光ファイバ伝送路を介して入力された前記量子鍵である第2の偏光状態の量子信号光を選択的に前記第2のポートより出力し、
前記量子信号光を復号し、
単一光子検出器のゲートに前記クロック信号を印加して前記復号された量子信号光の光子を検出し、
前記送信機では、
前記光ファイバ伝送路と接続する送信機側ビームスプリッタが、前記量子信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出するとともに、前記第1の偏光状態のクロック信号光を選択的に出力し、
クロックデータ再生器が、前記送信機側ビームスプリッタが出力した前記クロック信号光に基いてクロック信号を抽出し、該抽出したクロック信号に基いて量子信号用レーザーダイオードを駆動して光パルスを発生させ、
前記量子信号用レーザーダイオードが発生した光パルスを第2の偏光状態としたうえで符号化装置が、量子鍵配付に必要な符号化を行って前記量子信号光とし、前記送信機側ビームスプリッタに対して出力することを特徴とする。
本発明によれば、波長多重および偏波多重によるクロック同期を利用した一方向型量子鍵配付システムにおいて、クロック信号光の一部が量子信号光へ漏れこむことによるクロストーク雑音を低減できる。
本発明の一実施例の構成を示す図である。 背景技術の構成を示す図である。
本発明では一方向型の量子鍵配付において量子信号光の受信機がC−LDを持ち、クロック信号光を送信する。そして量子信号光の送信機がフォトダイオードおよびCDR(クロックデータ再生器)を持ち、クロック信号を抽出する構成とする。
以下では混乱を避けるため、量子信号光の送信機をAlice、量子信号光の受信機をBobと呼ぶ。すなわちAliceは量子信号光を送信する一方クロック信号光を受信し、Bobは量子信号光を受信する一方クロック信号光を送信する構成とする。
この場合、量子信号光とクロック信号光とは対向した進行方向となる。ここで量子信号光のクロストーク雑音に寄与するのはBobの持つ波長多重フィルタにおいてクロック信号光が入力されるポート(λclkポートと呼ぶ)から量子信号光が出力されるポート(λqポート)への漏れこみである。波長多重フィルタにおけるこの漏れこみの大きさはダイレクティビティ(D)というパラメータで表され、通常50dB程度である。
一方、従来技術の同期方法においてクロストーク雑音に寄与するのは両信号光が入力されるポート(λcomポート)からλqポートへの漏れこみである。この大きさはアイソレーション(I)というパラメータで表され、通常30dB程度しかない。本発明ではこのような波長多重フィルタのD>Iという特性を利用することにより、クロック信号光によるクロストーク雑音の影響を低減することができる。
この際、量子信号光とクロック信号光の波長は伝送損失の小さい波長帯から選ぶと良く、ファイバ伝送時には1550nm付近、空間伝送時には800nm付近とする。
また、強いクロック信号光から発生する非線形散乱光はクロック信号光の波長付近に広く分布するため波長多重時には雑音要因となるが、この非線形散乱光は短波長側には発生しにくいため、量子信号光の波長はクロック信号光よりも短波長側とすることが重要である。
さらに、量子信号光とクロック信号光とが波長多重フィルタを通過するタイミングをずらすことにより、量子信号光を検出するためのゲート時間内にクロック信号光の一部が入射するのを防ぐことができ、雑音を低減することができる。
なお、偏波多重の場合にも偏光ビームスプリッタの消光比EとダイレクティビティDがD>Eという関係を持つため、クロック信号光によるクロストーク雑音の影響を同様に低減することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明による量子鍵配付システムの一実施形態の構成を示すブロック図である。図1では波長多重によるクロック同期を利用した場合が示されているが、偏波多重の場合にもほぼ同様の構成で本発明の効果を得ることができる。
システム全体のクロックはBob101内部にあるクロック信号源102から生成される。このクロック信号によりクロック信号用レーザーダイオード(C−LD)103が駆動され、古典的強度を持ったクロック信号光104が生成される。
ここでは伝送路に光ファイバである伝送ファイバ108を使用し、クロック信号光104の波長は1570nmとする。このクロック信号光104は波長多重フィルタ105のλclkポート106に入力され、λcomポート107から出力される。その後、伝送ファイバ108を通じてAlice109へとクロック信号光110が送信される。
Alice109において、クロック信号光110は波長多重フィルタ111に入力され、波長1570nmのクロック信号光113がλclkポート112から選択的に出力される。その後、クロック信号光113はフォトダイオード114によって電気信号に変換され、CDR115を用いることでBob101のクロック信号源102と同期したクロック信号を抽出することができる。
CDR115は抽出したクロック信号により量子信号用レーザーダイオード(Q−LD)116を駆動し、波長1550nmの光パルスを発生させる。この波長はファイバ伝送による損失が最小となる波長であり、また、1570nmのクロック信号光104よりも短波長であるために非線形散乱光による雑音の影響が少ない。
発生した光パルスは干渉計や変調器から構成される符号化装置117によって量子鍵配付に必要な符号化を受ける。その後、光パルスは光減衰器118によって単一光子レベルの強度に調整され、安全な秘密鍵情報を持つ量子信号光119となる。
波長多重を利用する方式ではQ−LD116とC−LD103の波長は互いに異なるように選択しておく。このようにした上で量子信号光119を波長多重フィルタ111のλqポート120に入力する。波長多重フィルタ111から出力された量子信号光121はクロック信号光110と共通の伝送ファイバ108を通ってBob101へと送信される。
量子信号光121はBob101の持つ波長多重フィルタ105によって、波長1550nmの量子信号光123が、クロック信号光104が入力されたλclkポート106とは異なるポート(λqポート)122から選択的に出力される。
ここで、量子信号光121が波長多重フィルタ105に入射するタイミングが、クロック信号光104が波長多重フィルタ105に入射するタイミングとは重ならないようにすることによって時間的にも量子信号光とクロック信号光を分離することができ、雑音をさらに低減することが可能である。
量子信号光121とクロック信号光104の波長多重フィルタ105への入射タイミングが重ならないようにすることは、CDR115により行われる。
伝送ファイバ108の長さが既知のものであることから、クロック信号光104が波長多重フィルタ105に入射してからCDR115がクロック信号を抽出するまでの時間、および、Q−LD116が光パルスを発生してから量子信号光121が波長多重フィルタ105に入射するまでの時間は既知であり、CDR115は量子信号光121とクロック信号光104の波長多重フィルタ105への入射タイミングが重ならないように、クロック信号を抽出してから所定の遅延時間の後にQ−LD116を駆動する。
その後、量子信号光123はAlice109と同様に干渉計や変調器から構成される復号化装置124によって復号され、単一光子検出器125に入射する。
一方、単一光子検出器125に印加するゲートパルス126はクロック信号源102を用いて発生させることにより、量子信号光123と同期させることができる。ここでゲートパルス126の印加タイミングを適切に調整すれば、量子信号光123が単一光子検出器125に入射するのと同時にゲートパルス126を印加することができ、正しく光子を検出することができる。
以下では本発明を用いた場合に量子信号光123に混入するクロストーク雑音が従来方法よりも低減される理由について説明する。
図2に示される従来方法で量子信号光213に含まれるクロストーク雑音の大きさN0[dBm]は、クロック信号光208の強度をCin[dBm]、伝送ファイバ210の光学損失をL[dB]、波長多重フィルタ212のアイソレーションをI[dB]とすると、N0=Cin−L−Iと表すことができる。
一方、本発明において量子信号光123に含まれるクロストーク雑音の大きさN1[dBm]は、クロック信号光104の強度を従来方法と同じくCin[dBm]とし、波長多重フィルタ105のダイレクティビティをD[dB]とすると、N1=Cin−Dと表すことができる。
この2式から、低減されたクロストーク雑音の大きさΔNは、ΔN=N0−N1=D−L−Iと計算され、この値が正であれば本発明によるクロストーク雑音低減の効果があることになり、ΔNの値が大きいほど効果が大きいことになる。
前述のように、一般的な波長多重フィルタではD=50dB、I=30dB程度である。また、一般的な伝送ファイバの光学損失は0.2dB/km程度であり、実用的な量子鍵配付の通信距離を50kmとすると伝送ファイバでの光学損失はL=0.2×50=10dBと計算される。
これら典型的なD、I、Lの値を用いるとΔN=10dBとなり、クロストーク雑音を10dBすなわち10分の1に低減できていることが分かる。
上記の説明からも分かる通り、本発明の効果ΔNは伝送距離に依存する。この理由は、従来方法ではクロストーク雑音の大きさは受信機211に到達するクロック信号光214の強度に依存するためフォトダイオード217やCDR218の性能が同じであれば伝送距離とは無関係であったのに対し、本発明ではクロストーク雑音の大きさはクロック信号光104の送信時の強度に依存し、Alice109までの伝送ファイバ108の光学損失Lに応じて送信するクロック信号光104の強度を変化させる必要があるためである。
従って、短距離では送信するクロック信号光104の強度を小さくすることができるため、本発明の効果ΔNはより大きくなる。
以上、本発明により波長多重によるクロック同期を用いた一方向型量子信号光において、量子信号光に混入するクロック信号光からのクロストーク雑音を低減することができる。また、この効果により余分なフィルタを追加する必要がなくなるため、コスト削減や秘密鍵の生成速度の向上が可能である。
また、本発明は上記のような波長多重によるクロック同期の場合だけでなく、偏波多重を用いた場合にも適用できる。偏波多重を用いる場合には、クロック信号光112および量子信号光123がそれぞれ異なる偏光状態となるものとする偏光子をC−LD103およびQ−LD116の出射部に設け、波長多重フィルタ105、111のそれぞれをクロック信号光112および量子信号光123を選択的に出力する偏光ビームスプリッタとすればよい。このような構成とすることで、本実施形態に示した波長多重によるクロック同期と同様の効果を得ることができる。
また、偏波多重を用いる場合には、伝送ファイバ108として偏波面保存ファイバを用いることが好ましいが、一般的なファイバを用い、偏光状態を補正する偏光コントローラを送信機および受信機のそれぞれに設けることとしてもよい。
101 Bob
102 クロック信号源
103 C−LD
104 クロック信号光
105 波長多重フィルタ
106 λclkポート
107 λcomポート
108 伝送ファイバ
109 Alice
110 クロック信号光
111 波長多重フィルタ
112 λclkポート
113 クロック信号光
114 フォトダイオード
115 CDR
116 Q−LD
117 符号化装置
118 光減衰器
119 量子信号光
120 λqポート
121 量子信号光
122 λqポート
123 量子信号光
124 復号化装置
125 単一光子検出器
126 ゲートパルス
201 送信機
202 クロック信号源
203 量子信号用レーザーダイオード
204 符号化装置
205 光減衰器
206 量子信号光
207 クロック信号用レーザーダイオード
208 クロック信号光
209 波長多重フィルタ
210 伝送ファイバ
211 受信機
212 波長多重フィルタ
213 量子信号光
214 クロック信号光
215 復号化装置
216 単一光子検出器
217 フォトダイオード
218 CDR
219 ゲートパルス

Claims (10)

  1. 光ファイバ伝送路と、前記光ファイバ伝送路へ量子鍵を送信する送信機と、前記光ファイバ伝送路を介して前記量子鍵を受信する受信機とを備える量子鍵配付システムであって、
    前記受信機は、
    クロック信号を発生するクロック信号源と、
    前記クロック信号に応じて第1の波長のクロック信号光を発生するクロック信号用レーザーダイオードと、
    第1および第2のポートを具備し、前記第1のポートを介して入力された前記クロック信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、また、前記光ファイバ伝送路を介して入力された前記量子鍵である第2の波長の量子信号光を選択的に前記第2のポートより出力する受信機側波長多重フィルタと、
    前記量子信号光を復号する復号化装置と、
    前記クロック信号がゲートに印加され、前記復号された量子信号光の光子を検出する単一光子検出器と、を有し、
    前記送信機は、
    前記光ファイバ伝送路と接続し、前記量子信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、前記クロック信号光を選択的に出力する送信機側波長多重フィルタと、
    前記量子信号光を発生するための量子信号用レーザーダイオードと、
    前記送信機側波長多重フィルタが出力した前記クロック信号光に基いてクロック信号を抽出し、該抽出したクロック信号に基いて前記量子信号用レーザーダイオードを駆動して光パルスを発生させるクロックデータ再生器と、
    前記量子信号用レーザーダイオードが発生した光パルスに対し、量子鍵配付に必要な符号化を行って前記量子信号光とし、前記送信機側波長多重フィルタに対して出力する符号化装置と、を有することを特徴とする量子鍵配付システム。
  2. 請求項1に記載の量子鍵配付システムにおいて、
    前記量子信号光の第2の波長が前記クロック信号光の第1の波長よりも短波長であることを特徴とする量子鍵配付システム。
  3. 請求項1または請求項2記載の量子鍵配付システムにおいて、
    前記クロックデータ再生器は、前記量子信号光と前記クロック信号光が前記受信機側波長多重フィルタに入射するタイミングが重ならないように前記量子信号用レーザーダイオードを駆動することを特徴とする量子鍵配付システム。
  4. 光ファイバ伝送路と、前記光ファイバ伝送路へ量子鍵を送信する送信機と、前記光ファイバ伝送路を介して前記量子鍵を受信する受信機とを備える量子鍵配付システムであって、
    前記受信機は、
    クロック信号を発生するクロック信号源と、
    前記クロック信号に応じてクロック信号光を発生するクロック信号用レーザーダイオードと、
    前記クロック信号光を第1の偏光状態とする受信機側偏光子と、
    第1および第2のポートを具備し、前記第1のポートを介して入力された前記第1の偏光状態のクロック信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、また、前記光ファイバ伝送路を介して入力された前記量子鍵である第2の偏光状態の量子信号光を選択的に前記第2のポートより出力する受信機側ビームスプリッタと、
    前記量子信号光を復号する復号化装置と、
    前記クロック信号がゲートに印加され、前記復号された量子信号光の光子を検出する単一光子検出器と、を有し、
    前記送信機は、
    前記光ファイバ伝送路と接続し、前記量子信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、前記第1の偏光状態のクロック信号光を選択的に出力する送信機側ビームスプリッタと、
    前記量子信号光を発生するための量子信号用レーザーダイオードと、
    前記送信機側ビームスプリッタが出力した前記クロック信号光に基いてクロック信号を抽出し、該抽出したクロック信号に基いて前記量子信号用レーザーダイオードを駆動して光パルスを発生させるクロックデータ再生器と、
    前記量子信号用レーザーダイオードが発生した光パルスを第2の偏光状態とする送信機側偏光子と、
    前記送信機側偏光子により第2の偏光状態とされた光パルスに対し、量子鍵配付に必要な符号化を行って前記量子信号光とし、前記送信機側ビームスプリッタに対して出力する符号化装置と、を有することを特徴とする量子鍵配付システム。
  5. 請求項4記載の量子鍵配付システムにおいて、
    前記クロックデータ再生器は、前記量子信号光と前記クロック信号光が前記受信機側ビームスプリッタに入射するタイミングが重ならないように前記量子信号用レーザーダイオードを駆動することを特徴とする量子鍵配付システム。
  6. 光ファイバ伝送路と、前記光ファイバ伝送路へ量子鍵を送信する送信機と、前記光ファイバ伝送路を介して前記量子鍵を受信する受信機とを備えるシステムで行われる量子鍵配付方法であって、
    前記受信機では、
    クロック信号に応じて第1の波長のクロック信号光を発生し、
    第1および第2のポートを具備する受信機側波長多重フィルタが、前記第1のポートを介して入力された前記クロック信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、また、前記光ファイバ伝送路を介して入力された前記量子鍵である第2の波長の量子信号光を選択的に前記第2のポートより出力し、
    前記量子信号光を復号し、
    単一光子検出器のゲートに前記クロック信号を印加して前記復号された量子信号光の光子を検出し、
    前記送信機では、
    前記光ファイバ伝送路と接続する送信機側波長多重フィルタが前記量子信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出するとともに、前記クロック信号光を選択的に出力し、
    クロックデータ再生器が、前記送信機側波長多重フィルタが出力した前記クロック信号光に基いてクロック信号を抽出し、該抽出したクロック信号に基いて量子信号用レーザーダイオードを駆動して光パルスを発生させ、
    符号化装置が、前記量子信号用レーザーダイオードが発生した光パルスに対し、量子鍵配付に必要な符号化を行って前記量子信号光とし、前記送信機側波長多重フィルタに対して出力することを特徴とする量子鍵配付方法。
  7. 請求項6に記載の量子鍵配付方法において、
    前記量子信号光の第2の波長が前記クロック信号光の第1の波長よりも短波長であることを特徴とする量子鍵配付方法。
  8. 請求項6または請求項7記載の量子鍵配付方法において、
    前記クロックデータ再生器は、前記量子信号光と前記クロック信号光が前記受信機側波長多重フィルタに入射するタイミングが重ならないように前記量子信号用レーザーダイオードを駆動することを特徴とする量子鍵配付方法。
  9. 光ファイバ伝送路と、前記光ファイバ伝送路へ量子鍵を送信する送信機と、前記光ファイバ伝送路を介して前記量子鍵を受信する受信機とを備えるシステムで行われる量子鍵配付方法であって、
    前記受信機では、
    クロック信号に応じて発生したクロック信号光を第1の偏光状態とし、
    第1および第2のポートを具備する受信機側ビームスプリッタが、前記第1のポートを介して入力された前記第1の偏光状態のクロック信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出し、また、前記光ファイバ伝送路を介して入力された前記量子鍵である第2の偏光状態の量子信号光を選択的に前記第2のポートより出力し、
    前記量子信号光を復号し、
    単一光子検出器のゲートに前記クロック信号を印加して前記復号された量子信号光の光子を検出し、
    前記送信機では、
    前記光ファイバ伝送路と接続する送信機側ビームスプリッタが、前記量子信号光を前記光ファイバ伝送路へ送出するとともに、前記第1の偏光状態のクロック信号光を選択的に出力し、
    クロックデータ再生器が、前記送信機側ビームスプリッタが出力した前記クロック信号光に基いてクロック信号を抽出し、該抽出したクロック信号に基いて量子信号用レーザーダイオードを駆動して光パルスを発生させ、
    前記量子信号用レーザーダイオードが発生した光パルスを第2の偏光状態としたうえで符号化装置が、量子鍵配付に必要な符号化を行って前記量子信号光とし、前記送信機側ビームスプリッタに対して出力することを特徴とする量子鍵配付方法。
  10. 請求項9記載の量子鍵配付方法において、
    前記クロックデータ再生器は、前記量子信号光と前記クロック信号光が前記受信機側ビームスプリッタに入射するタイミングが重ならないように前記量子信号用レーザーダイオードを駆動することを特徴とする量子鍵配付方法。
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