JPWO2013057967A1 - 光受信器、光受信装置および光受信強度補正方法 - Google Patents
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Abstract
光受信器においては、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正できないため、本発明の光受信器は、第1の光信号を受光し正信号を出力する第1のフォトダイオードと、第2の光信号を受光し補信号を出力する第2のフォトダイオードと、正信号と補信号を入力とし、正信号入力および補信号入力に対する帰還閉ループをそれぞれ備えた差動型トランスインピーダンスアンプと、帰還閉ループにおける信号レベルを調整するレベル調整部と、第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードで発生する光電流をそれぞれ検出する光電流検出部を有し、レベル調整部は、光電流検出部の出力に基づいて信号レベルを調整する。
Description
本発明は、光受信器、光受信装置および光受信強度補正方法に関し、特に、変調符号として四相位相偏移変調(Quadrature Phase−Shift Keying:QPSK)方式に対応したコヒーレント検波方式による光受信器に関する。また、変調符号としてゼロ復帰符号(Return−to―Zero:RZ)を用いた差動位相偏移変調(Differential Phase−Shift Keying:DPSK)方式または差動四相位相偏移変調(Differential Quadrature Phase−Shift Keying:DQPSK)方式に対応した光受信器、光受信装置および光受信強度補正方法に関する。
長距離光伝送システムでは、1本の光ファイバー中に複数の波長の光信号を多重化して伝送する波長分割多重(wavelength division multiplexing:WDM)伝送技術を適用し、経済的かつ大容量の情報伝送を実現している。WDM伝送装置では装置コストを低減するために、一波長当たりの伝送速度の高速化が図られている。現在、一波長当たり10ギガビット毎秒(Gbit/s)の伝送速度が実用化されており、さらに40Gbit/s、100Gbit/sの伝送技術が検討されている。
このような伝送技術の一つとして、信号光と参照光を混合させ、このときに発生する干渉信号(ビート信号)を検出することにより検波するコヒーレント検波方式が知られている。図12に、このようなコヒーレント検波方式に用いられる関連するコヒーレント光受信装置の構成例を示す。関連するコヒーレント光受信装置5000には、光受信信号5001と、局部発振光源から光受信信号5001と略同一波長の局部発振光5002が入力され、局部発振光5002と光受信信号5001を干渉させて電気信号に変換(コヒーレント検波)している。コヒーレント検波方式には強い偏波依存性があるため、一台の光受信器では局部発振光と同一の偏波状態の光信号しか受信できない。そこで、光受信信号5001の入力部に偏波分離部5010を備え、偏波分離部5010によって光受信信号5001を二つの直交偏波成分に分離している。この結果、一の光信号の受信に2台の光受信器が必要となるが、偏波多重により情報伝送量を2倍にすることによって、かかる不利益を補うことができる。
光受信信号5001の各偏波光と局部発振光5002が光90度ハイブリッド回路5100に入力される。光90度ハイブリッド回路5100からは、各偏波光と局部発振光を互いに同相および逆相で干渉させた1組の出力光と、直交(90度)および逆直交(−90度)の位相関係で干渉させた1組の出力光、の合計4種類の出力光が得られる。これらの出力光信号を、1組についてそれぞれ2個のフォトダイオード5200によって電流信号に変換し、差動型トランスインピーダンスアンプ5300に入力する。その結果、直流成分が相殺(キャンセル)され、光受信信号5001と局部発振光5002のビート成分のみを効率的に抽出することができる。差動型トランスインピーダンスアンプ5300から出力される電気信号は、それぞれ光受信信号と局部発振光の同相干渉成分(I成分)と直交干渉成分(Q成分)となる。
このときの各偏波ごとの出力、すなわちX偏波のI成分とQ成分およびY偏波のI成分とQ成分とからなる合計4種の電気信号は、アナログ・デジタル変換部(ADC)5400でそれぞれ高速にアナログ・デジタル(AD)変換される。そして、デジタル情報信号に変換された後に、デジタル信号処理部(DSP)5500に入力される。このようにして得られたデジタル信号は、無線通信で広く用いられているデジタル信号処理技術によって、各種の等化・判定処理が可能となる。このようなデジタル信号処理が施され、誤り訂正処理がされた後に、超高速(例えば、100Gbit/s)の情報信号が出力される。
一方、伝送速度を10Gbit/sから40Gbit/s、100Gbit/sに高速化するにあたり、光雑音に対する耐力(S/N比:Signal to Noise ratio)の向上が主要な課題となっている。すなわち長距離伝送では、伝送路及び光送受信器において用いられる光増幅器で発生する光雑音により伝送距離が制限されるが、伝送速度40Gbit/sにおいて10Gbit/sにおける場合と同じ変復調方式を用いると、雑音耐力は1/4になってしまう。このため、伝送速度が40Gbit/sの場合には光雑音耐力の高い変復調方式を用いる必要がある。現在では、変復調方式としてRZ−DPSKまたはRZ−DQPSK方式を用い、受信側で遅延干渉計を用いたバランスド受信器を用いる構成も代表的な方式の一つとなっている。
このような光受信装置の一例が特許文献1に記載されている。図14に、特許文献1に記載された関連する光受信装置600の構成を示す。光受信装置600はRZ−DPSK信号を復調する光受信装置であり、関連する光受信器610と1ビット遅延干渉計650を備える。1ビット遅延干渉計650は一組の光導波路の一方に1ビット遅延素子を備え、一の光入力信号651に対して、互いに隣接するビット間の位相差に応じた一組の2つの光信号652、653を出力する。
光受信器610は2つのフォトダイオード(PD)611、612とトランスインピーダンスアンプ620を有する。フォトダイオード(PD)611、612は1ビット遅延干渉計650から出力される2つの光信号を強度変調信号に変換する。トランスインピーダンスアンプ620は差動型の負帰還(帰還抵抗622)を有する差動アンプを備え、フォトダイオード(PD)611、612に接続されている。トランスインピーダンスアンプ620はフォトダイオード(PD)611、612から強度変調信号を取得し、その差分を出力することによりRZ−DPSK信号を復調する。
このようなRZ−DPSK変調に対応した関連する光受信装置においては、復調されるまでに2つの信号に1ビットの位相差が精度良く保たれること、および信号の強度が等しいことが必要である。しかしながら、光入力信号が1ビット遅延干渉計やレンズを透過してフォトダイオード(PD)に入力されるまでの経路における2つの光信号の強度差や光路差によって、2つの信号の受信強度が保持されない場合がある。これらの信号の受信強度の違いは、同相信号除去比(Common Mode Rejection Ratio:CMRR)を悪化させ、復調後の波形の乱れやジッタの増加を生じさせる。また、上述した光の受信強度を高精度に制御することは困難である。
このような問題を解決する技術が特許文献1に記載されている。図15に示すように、特許文献1に記載された別の関連する光受信装置700は関連する光受信器710と1ビット遅延干渉計650を備える。光受信器710は、2つのフォトダイオード(PD)711、712と、差動型の負帰還を有するトランスインピーダンスアンプ720と、レベル調整部730を有する。トランスインピーダンスアンプ720は差動型の負帰還(帰還抵抗722)を有する差動アンプ721を備え、フォトダイオード(PD)711、712に接続されている。レベル調整部730はトランスインピーダンスアンプ720の内部に設けられており、2つの帰還閉ループの正補する信号のレベルを調整する機能を有する。そして、2つの帰還閉ループの正補する信号のレベルを調整することによって、復調前の2つの信号の強度差を補正することとしている。
国際公開第2009/069814号(図1、図11)
このような伝送技術の一つとして、信号光と参照光を混合させ、このときに発生する干渉信号(ビート信号)を検出することにより検波するコヒーレント検波方式が知られている。図12に、このようなコヒーレント検波方式に用いられる関連するコヒーレント光受信装置の構成例を示す。関連するコヒーレント光受信装置5000には、光受信信号5001と、局部発振光源から光受信信号5001と略同一波長の局部発振光5002が入力され、局部発振光5002と光受信信号5001を干渉させて電気信号に変換(コヒーレント検波)している。コヒーレント検波方式には強い偏波依存性があるため、一台の光受信器では局部発振光と同一の偏波状態の光信号しか受信できない。そこで、光受信信号5001の入力部に偏波分離部5010を備え、偏波分離部5010によって光受信信号5001を二つの直交偏波成分に分離している。この結果、一の光信号の受信に2台の光受信器が必要となるが、偏波多重により情報伝送量を2倍にすることによって、かかる不利益を補うことができる。
光受信信号5001の各偏波光と局部発振光5002が光90度ハイブリッド回路5100に入力される。光90度ハイブリッド回路5100からは、各偏波光と局部発振光を互いに同相および逆相で干渉させた1組の出力光と、直交(90度)および逆直交(−90度)の位相関係で干渉させた1組の出力光、の合計4種類の出力光が得られる。これらの出力光信号を、1組についてそれぞれ2個のフォトダイオード5200によって電流信号に変換し、差動型トランスインピーダンスアンプ5300に入力する。その結果、直流成分が相殺(キャンセル)され、光受信信号5001と局部発振光5002のビート成分のみを効率的に抽出することができる。差動型トランスインピーダンスアンプ5300から出力される電気信号は、それぞれ光受信信号と局部発振光の同相干渉成分(I成分)と直交干渉成分(Q成分)となる。
このときの各偏波ごとの出力、すなわちX偏波のI成分とQ成分およびY偏波のI成分とQ成分とからなる合計4種の電気信号は、アナログ・デジタル変換部(ADC)5400でそれぞれ高速にアナログ・デジタル(AD)変換される。そして、デジタル情報信号に変換された後に、デジタル信号処理部(DSP)5500に入力される。このようにして得られたデジタル信号は、無線通信で広く用いられているデジタル信号処理技術によって、各種の等化・判定処理が可能となる。このようなデジタル信号処理が施され、誤り訂正処理がされた後に、超高速(例えば、100Gbit/s)の情報信号が出力される。
一方、伝送速度を10Gbit/sから40Gbit/s、100Gbit/sに高速化するにあたり、光雑音に対する耐力(S/N比:Signal to Noise ratio)の向上が主要な課題となっている。すなわち長距離伝送では、伝送路及び光送受信器において用いられる光増幅器で発生する光雑音により伝送距離が制限されるが、伝送速度40Gbit/sにおいて10Gbit/sにおける場合と同じ変復調方式を用いると、雑音耐力は1/4になってしまう。このため、伝送速度が40Gbit/sの場合には光雑音耐力の高い変復調方式を用いる必要がある。現在では、変復調方式としてRZ−DPSKまたはRZ−DQPSK方式を用い、受信側で遅延干渉計を用いたバランスド受信器を用いる構成も代表的な方式の一つとなっている。
このような光受信装置の一例が特許文献1に記載されている。図14に、特許文献1に記載された関連する光受信装置600の構成を示す。光受信装置600はRZ−DPSK信号を復調する光受信装置であり、関連する光受信器610と1ビット遅延干渉計650を備える。1ビット遅延干渉計650は一組の光導波路の一方に1ビット遅延素子を備え、一の光入力信号651に対して、互いに隣接するビット間の位相差に応じた一組の2つの光信号652、653を出力する。
光受信器610は2つのフォトダイオード(PD)611、612とトランスインピーダンスアンプ620を有する。フォトダイオード(PD)611、612は1ビット遅延干渉計650から出力される2つの光信号を強度変調信号に変換する。トランスインピーダンスアンプ620は差動型の負帰還(帰還抵抗622)を有する差動アンプを備え、フォトダイオード(PD)611、612に接続されている。トランスインピーダンスアンプ620はフォトダイオード(PD)611、612から強度変調信号を取得し、その差分を出力することによりRZ−DPSK信号を復調する。
このようなRZ−DPSK変調に対応した関連する光受信装置においては、復調されるまでに2つの信号に1ビットの位相差が精度良く保たれること、および信号の強度が等しいことが必要である。しかしながら、光入力信号が1ビット遅延干渉計やレンズを透過してフォトダイオード(PD)に入力されるまでの経路における2つの光信号の強度差や光路差によって、2つの信号の受信強度が保持されない場合がある。これらの信号の受信強度の違いは、同相信号除去比(Common Mode Rejection Ratio:CMRR)を悪化させ、復調後の波形の乱れやジッタの増加を生じさせる。また、上述した光の受信強度を高精度に制御することは困難である。
このような問題を解決する技術が特許文献1に記載されている。図15に示すように、特許文献1に記載された別の関連する光受信装置700は関連する光受信器710と1ビット遅延干渉計650を備える。光受信器710は、2つのフォトダイオード(PD)711、712と、差動型の負帰還を有するトランスインピーダンスアンプ720と、レベル調整部730を有する。トランスインピーダンスアンプ720は差動型の負帰還(帰還抵抗722)を有する差動アンプ721を備え、フォトダイオード(PD)711、712に接続されている。レベル調整部730はトランスインピーダンスアンプ720の内部に設けられており、2つの帰還閉ループの正補する信号のレベルを調整する機能を有する。そして、2つの帰還閉ループの正補する信号のレベルを調整することによって、復調前の2つの信号の強度差を補正することとしている。
上述した関連するコヒーレント光受信装置5000においては、フォトダイオード5200の光入力に対する同相雑音成分除去比(CMRR)がコヒーレント光受信器に求められる性能を決定する最も重要な要因の1つである。CMRRは2つのフォトダイオードに生じる光電流をそれぞれI1、I2とすると次式で表される。
したがって、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差によってCMRRは低下する。CMRRが低下すると、局部発振光のパルス繰り返し周波数およびその高調波の余剰成分がトランスインピーダンスアンプを飽和させ、その直線性を低下させる。その結果、後段のデジタル信号処理において高精度な波形歪等化が困難になる。しかしながら、関連するコヒーレント光受信器においては、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正できないという問題があった。
一方、上述した関連する光受信装置700においては、2つの帰還閉ループの正補する信号のレベルを調整することによって、復調前の2つの信号の強度差を補正することとしている。このとき、帰還閉ループの正補する信号のレベルを調整するには、復調後の信号の波形を観測して行う必要があるため、レベルの調整を自動的に補正することができないという問題があった。このようにRZ−DPSK変調方式に対応した関連する光受信器においては、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正できないという問題があった。
本発明の目的は、上述した課題である、関連する光受信器においては、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正できない、という課題を解決する光受信器、光受信装置および光受信強度補正方法を提供することにある。
したがって、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差によってCMRRは低下する。CMRRが低下すると、局部発振光のパルス繰り返し周波数およびその高調波の余剰成分がトランスインピーダンスアンプを飽和させ、その直線性を低下させる。その結果、後段のデジタル信号処理において高精度な波形歪等化が困難になる。しかしながら、関連するコヒーレント光受信器においては、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正できないという問題があった。
一方、上述した関連する光受信装置700においては、2つの帰還閉ループの正補する信号のレベルを調整することによって、復調前の2つの信号の強度差を補正することとしている。このとき、帰還閉ループの正補する信号のレベルを調整するには、復調後の信号の波形を観測して行う必要があるため、レベルの調整を自動的に補正することができないという問題があった。このようにRZ−DPSK変調方式に対応した関連する光受信器においては、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正できないという問題があった。
本発明の目的は、上述した課題である、関連する光受信器においては、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正できない、という課題を解決する光受信器、光受信装置および光受信強度補正方法を提供することにある。
本発明の光受信器は、第1の光信号を受光し正信号を出力する第1のフォトダイオードと、第2の光信号を受光し補信号を出力する第2のフォトダイオードと、正信号と補信号を入力とし、正信号入力および補信号入力に対する帰還閉ループをそれぞれ備えた差動型トランスインピーダンスアンプと、帰還閉ループにおける信号レベルを調整するレベル調整部と、第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードで発生する光電流をそれぞれ検出する光電流検出部を有し、レベル調整部は、光電流検出部の出力に基づいて信号レベルを調整する。
本発明の光受信強度補正方法は、第1の光信号を受光し、電気信号に変換して正信号を出力し、第2の光信号を受光し、電気信号に変換して補信号を出力し、正信号と補信号を入力とし正信号電圧と補信号電圧を出力するとともに入力側に帰還させ、第1の光信号および第2の光信号による光電流を検出し、光電流に基づいて帰還時における信号レベルを調整する。
本発明の光受信強度補正方法は、第1の光信号を受光し、電気信号に変換して正信号を出力し、第2の光信号を受光し、電気信号に変換して補信号を出力し、正信号と補信号を入力とし正信号電圧と補信号電圧を出力するとともに入力側に帰還させ、第1の光信号および第2の光信号による光電流を検出し、光電流に基づいて帰還時における信号レベルを調整する。
本発明の光受信器によれば、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正することが可能となる。
図1は本発明の第1の実施形態に係るコヒーレント光受信装置の構成を示すブロック図である。
図2は本発明の第2の実施形態に係るコヒーレント光受信器の構成を示す回路構成図である。
図3は本発明の第2の実施形態に係るコヒーレント光受信器の動作を説明するための回路構成図である。
図4は本発明の実施形態に係るコヒーレント光受信器を用いた場合におけるQPSK復調後の信号波形である。
図5は本発明の第3の実施形態に係るコヒーレント光受信器の構成を示す回路構成図である。
図6は本発明の第3の実施形態に係るコヒーレント光受信器の別の構成を示す回路構成図である。
図7は本発明の第4の実施形態に係る光受信装置の構成を示すブロック図である。
図8は本発明の第5の実施形態に係る光受信器の構成を示す回路構成図である。
図9は本発明の第5の実施形態に係る光受信器の動作を説明するための回路構成図である。
図10は本発明の第6の実施形態に係る光受信器の構成を示す回路構成図である。
図11は本発明の実施形態に係る光受信装置によるRZ−DPSK復調後の信号波形である。
図12は関連するコヒーレント光受信装置の構成を示すブロック図である。
図13は関連するコヒーレント光受信装置によるQPSK復調後の信号波形である。
図14は関連する光受信装置の構成を示すブロック図である。
図15は関連する別の光受信装置の構成を示すブロック図である。
図2は本発明の第2の実施形態に係るコヒーレント光受信器の構成を示す回路構成図である。
図3は本発明の第2の実施形態に係るコヒーレント光受信器の動作を説明するための回路構成図である。
図4は本発明の実施形態に係るコヒーレント光受信器を用いた場合におけるQPSK復調後の信号波形である。
図5は本発明の第3の実施形態に係るコヒーレント光受信器の構成を示す回路構成図である。
図6は本発明の第3の実施形態に係るコヒーレント光受信器の別の構成を示す回路構成図である。
図7は本発明の第4の実施形態に係る光受信装置の構成を示すブロック図である。
図8は本発明の第5の実施形態に係る光受信器の構成を示す回路構成図である。
図9は本発明の第5の実施形態に係る光受信器の動作を説明するための回路構成図である。
図10は本発明の第6の実施形態に係る光受信器の構成を示す回路構成図である。
図11は本発明の実施形態に係る光受信装置によるRZ−DPSK復調後の信号波形である。
図12は関連するコヒーレント光受信装置の構成を示すブロック図である。
図13は関連するコヒーレント光受信装置によるQPSK復調後の信号波形である。
図14は関連する光受信装置の構成を示すブロック図である。
図15は関連する別の光受信装置の構成を示すブロック図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
本実施形態では、光受信装置としてコヒーレント検波方式によるコヒーレント光受信装置を用いる場合について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るコヒーレント光受信装置の構成を示すブロック図である。図1では、コヒーレント光受信装置のうち、一の偏波(X)部のみを示す。コヒーレント光受信装置10000はコヒーレント光受信器1000と光90度ハイブリッド回路1100を有する。
光90度ハイブリッド回路1100は、光位相器1101と光ミキサ1102を備える。光90度ハイブリッド回路1100には光受信信号1001と、光受信信号1001と略同一波長の第1の局部発振光1002が局部発振光源から入力される。ここで光受信信号1001は、偏光ビームスプリッタ(PBS)により、X偏波またはY偏波に分離された後の信号である。
光90度ハイブリッド回路1100は、光受信信号1001と第1の局部発振光1002を干渉させ、第1の光信号として第1の干渉光信号を出力する。また、光受信信号1001と、第1の局部発振光と位相が反転した第2の局部発振光を干渉させ、第2の光信号として第2の干渉光信号を出力する。具体的には、四位相偏移変調(QPSK)光信号をコヒーレント受信する場合、図1に示すように、光受信信号1001は光90度ハイブリッド回路1100内で光カプラにより4分岐される。第1の局部発振光1002も光カプラで4分岐され、それぞれの位相を0、π、π/2、3π/2だけシフトされた後、光受信信号1001とそれぞれ干渉させられる。
コヒーレント光受信器1000は、第1のフォトダイオード1210、第2のフォトダイオード1220、差動型トランスインピーダンスアンプ1300、レベル調整部1400、および光電流検出部1500を有する。差動型トランスインピーダンスアンプ1300の出力にはアンプ回路を介してアナログ・デジタル変換部(ADC)1600およびデジタル信号処理部(DSP)1700が接続される。
第1のフォトダイオード1210は、光90度ハイブリッド回路1100から第1の干渉光信号1110を受光して正信号を出力する。第2のフォトダイオード1220は第2の干渉光信号1120を受光して補信号を出力する。
差動型トランスインピーダンスアンプ1300には、第1のフォトダイオード1210から正信号が、第2のフォトダイオード1220から補信号が入力される。そして差動型トランスインピーダンスアンプ1300は、補信号に対する帰還閉ループを構成する帰還抵抗1310および正信号に対する帰還閉ループを構成する帰還抵抗1320をそれぞれ備えている。
光電流検出部1500は第1のフォトダイオード1210および第2のフォトダイオード1220で発生する光電流をそれぞれ検出する。そして、レベル調整部1400は光電流検出部1500の出力に基づいて、帰還閉ループにおける信号レベルを調整する。
次にコヒーレント光受信装置10000の動作について説明する。光受信信号1001と第1の局部発振光1002が光90度ハイブリッド回路1100に入力される。光90度ハイブリッド回路1100は、光受信信号1001と第1の局部発振光1002を干渉させて第1の干渉光信号1110を出力する。また、光受信信号1001と第1の局部発振光と位相が反転した第2の局部発振光と光受信信号1001を干渉させて第2の干渉光信号1120を出力する。第1の干渉光信号1110と第2の干渉光信号1120はそれぞれ第1のフォトダイオード1210と第2のフォトダイオード1220に入力され、光−電気変換によって電流の強度変調信号に変換される。変換された電流信号は、負帰還ループを有する差動型トランスインピーダンスアンプ1300に入力され、電流信号から電圧信号に変換される。差動型トランスインピーダンスアンプ1300は2つの入力信号の差分を得ることによって入力信号を復調し、正補する2つの復調信号(OUTP、OUTN)を出力する。
このとき、第1の干渉光信号1110と第2の干渉光信号1120の間に強度の差があると、その差は第1および第2のフォトダイオード1210、1220における光電流の差として現れる。
次に、CMRRがコヒーレント光受信器に影響を及ぼす理由について、四位相偏移変調(QPSK)光信号を例として説明する。上述したように、光受信信号1001は光90度ハイブリッド回路1100において光カプラにより4分岐される。また、第1の局部発振光1002は光カプラで4分岐され、それぞれの位相を0、π、π/2、3π/2だけシフトされた後、光受信信号1001とそれぞれ干渉させられる。そして、これらの干渉光が第1のフォトダイオード1210および第2のフォトダイオード1220に入力される。
光受信信号をS(t)、第1の局部発振光をL(t)とすると、それぞれ下記のように表わされる。
ここで、ω1、ωはそれぞれ光受信信号および第1の局部発振光の周波数(=光速/波長)である。また、φは位相であり、位相変調方式ではこの位相に送信情報が乗せられる。例えば、QPSK方式では0、π、π/2、3π/2である。
光受信信号1001と第1の局部発信光1002の光の波長が一致している(ω1=ω)とすると、光受信信号と局部発信光との干渉光が入力される第1のフォトダイオード1210および第2のフォトダイオード1220の出力は次のように表わされる。
ここで、a、b、c、dは第1のフォトダイオード1210と第2のフォトダイオード1220の量子効率、および光90度ハイブリッド回路1100における損失に起因する係数である。式(1)から式(4)における第1項と第2項はDC成分(オフセット成分)であり、第3項が信号の位相情報である。
式(1)から式(4)より、差動型トランスインピーダンスアンプ1300の出力は、以下のように表わされる。
上式のうち、式(5)と式(6)、式(7)と式(8)の差動信号が差動型トランスインピーダンスアンプ1300の後段のアンプ回路にそれぞれ入力される。
ここで、局部発信光の光強度B2は光受信信号の強度A2の10倍以上であるため、局部発信光の光強度B2が支配的になる。そのため、式(5)と式(6)の係数aと係数b、および式(7)と式(8)の係数cと係数dに差が生じると、差動型トランスインピーダンスアンプ1300の出力信号におけるDCレベルに大きく差が現れる。しかし、本実施形態のコヒーレント光受信器1000によれば、差動型トランスインピーダンスアンプ1300内に設けたレベル調整部1400によって、DCレベルを略等しくすることができる。これにより、差動型トランスインピーダンスアンプ1300の出力信号のレベル差が解消される。
さらに、本実施形態のコヒーレント光受信装置10000では、2つのフォトダイオード1210、1220に発生する光電流を光電流検出部1500によって検出し、差動型トランスインピーダンスアンプ1300に接続されるレベル調整部1400にフィードバックする構成としている。この構成により、2つの帰還閉ループにおける正補する信号のレベルが調整され、第1の干渉光信号1110と第2の干渉光信号1120の強度の差が自動的に補正される。その結果、復調前の2つの信号の強度の差が補正された2つの復調信号が得られる。この復調信号はアンプ回路で増幅され、後段に接続されたアナログ・デジタル変換部(ADC)1600によりAD変換され、デジタル信号処理部(DSP)1700において偏波分離、光源周波数オフセット補償、位相補償などのデジタル信号処理が行われる。
図4に、本実施形態のコヒーレント光受信装置10000によるQPSK復調後の信号波形を示す。ビットレートは31.78911Gb/sである。同図から明らかなように、復調前の光信号に強度差が生じている場合であっても、光信号の強度差を自動的に補正することができ、良好な復調信号波形を得ることができる。比較のため図13に、関連するコヒーレント光受信装置における復調後の信号波形を示す。同図より、この場合には、差動型トランスインピーダンスアンプの後段に配置したアンプ回路の直線性を低下させることから、この復調信号に対して別途、補正処理を施す必要があることがわかる。
以上説明したように、本実施形態によれば、コヒーレント光受信器において、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正することが可能となる。すなわち、フォトダイオードで生じたCMRRの劣化を自動的に補償することでき、良好なQPSK復調信号が得られる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、光受信器としてコヒーレント検波方式によるコヒーレント光受信器を用いた場合について説明する。図2は、本発明の第2の実施形態に係るコヒーレント光受信器2000の構成を示す回路構成図である。図2では、コヒーレント光受信器のうち、一の偏波(X)部のIチャネル(Ix)のみを示す。コヒーレント光受信器2000は、第1のフォトダイオード2210、第2のフォトダイオード2220、差動型トランスインピーダンスアンプ2300、レベル調整部2400、および光電流検出部2500を有する。なお、コヒーレント光受信器2000は光90度ハイブリッド回路1100と共にコヒーレント光受信装置を構成する。
第1のフォトダイオード2210と第2のフォトダイオード2220はそれぞれ、光受信信号と局部発振光が干渉して得られる干渉光信号を受光する。すなわち、第1のフォトダイオード2210は光90度ハイブリッド回路1100から第1の干渉光信号を受光し、正信号を出力する。第2のフォトダイオード2220は光90度ハイブリッド回路1100から第2の干渉光信号を受光し、補信号を出力する。
光電流検出部2500は第1のフォトダイオード2210と第2のフォトダイオード2220に流れる光電流をそれぞれ検出する。
差動型トランスインピーダンスアンプ2300は第1のフォトダイオード2210と第2のフォトダイオード2220の出力に接続され、第1のフォトダイオード2210から正信号を、第2のフォトダイオード2220から補信号が入力される。また、差動型トランスインピーダンスアンプ2300は帰還抵抗2310、2320により帰還閉ループを構成している。
本実施形態では、レベル調整部2400は以下のように構成した。すなわち、第1の干渉光信号により第1のフォトダイオード2210で発生する光電流に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ2300の正信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗2320)における信号レベルを調整する構成とした。また、第2の干渉光信号により第2のフォトダイオード2220で発生する光電流に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ2300の補信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗2310)における信号レベルを調整する構成とした。
次に、本実施形態のコヒーレント光受信器2000の構成について、さらに具体的に説明する。差動型トランスインピーダンスアンプ2300は、正信号と補信号を入力とする差動アンプ2330と、差動アンプ2330の出力に接続されたエミッタフォロワ回路2340(またはソースフォロワ回路)を備える。そして、エミッタフォロワ回路2340の出力と差動アンプ2330の入力との間に接続された帰還抵抗2310、2320によって帰還閉ループを構成している。
レベル調整部2400は、差動アンプ2330の出力とエミッタフォロワ回路2340の入力との間に接続された差動回路2410を備え、帰還閉ループの正補するそれぞれの信号レベルを調整する。
光電流検出部2500は、第1のフォトダイオード2210または第2のフォトダイオード2220で発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路2511、2512を備える。そして、比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部としての抵抗部2521、2522によって、調整電圧が差動回路2410の入力に正補そのまま入力されるように構成されている。すなわち、第1のフォトダイオード2210が出力する正信号に基づく調整電圧(抵抗部2521で発生)は、レベル調整部2400を構成する差動回路2410の、差動アンプ2330の正信号出力に接続された側に入力される。一方、第2のフォトダイオード2220が出力する補信号に基づく調整電圧(抵抗部2522で発生)は、レベル調整部2400を構成する差動回路2410の、差動アンプ2330の補信号出力に接続された側に入力される。
次に、本実施形態のコヒーレント光受信器2000の動作について説明する。図3は、本実施形態のコヒーレント光受信器2000の動作を説明するための回路構成図である。コヒーレント光受信器2000の構成は図2と同じである。
第1のフォトダイオード2210が受光する第1の干渉光信号と、第2のフォトダイオード2220が受光する第2の干渉光信号との間に強度差がない場合、光電流検出部2500の2つのカレントミラー回路2511、2512には同じ電流(αIPD1=αIPD2)が流れる。そのため、抵抗部2521、2522に同じ電圧(VPD1=VPD2)が発生し、この等しい電圧がレベル調整部2400に付加される。したがって、この場合は、正補する信号にDCレベルの差がなく、そのまま復調、増幅されて出力(OUTP、OUTN)される。
第1の干渉光信号と第2の干渉光信号との間に強度差が生じた場合には、第1のフォトダイオード2210に流れる光電流(IPD1)と第2のフォトダイオード2220に流れる光電流(IPD2)との間に電流差(例えば、IPD1<IPD2)が生じる。そのため、光電流検出部2500にはフォトダイオードに流れる電流差に対応した電流(αIPD1<αIPD2)および電圧(VPD1<VPD2)が発生する。
このとき、差動型トランスインピーダンスアンプ2300の差動アンプ2330の出力は、IPD1<IPD2であるため、正信号と補信号にはDCレベルの差が生じ、正信号より補信号のDCレベルが高くなる。しかしながら本実施形態のコヒーレント光受信器2000の構成によれば、レベル調整部2400を構成する差動回路2410の、差動アンプ2330の正信号に接続された側に、より低い電圧(VPD1)が印加される。一方、差動アンプ2330の補信号に接続された側には、より高い電圧(VPD2)が印加されるので補信号側の電位が低下し、正信号と補信号のDCレベルの差は解消される。その結果、第1の干渉光信号と第2の干渉光信号との強度差が自動的に補正され、復調波形が出力される。
図4に、復調前の光信号に強度差が生じている場合における、QPSK復調後の信号波形を示す。ビットレートは31.78911Gb/sである。このように、復調前の光信号に強度差が生じている場合であっても、本実施形態のコヒーレント光受信器2000によれば、受信強度の差を自動的に補正することが可能であり、良好な復調信号波形を得ることができる。
図2、図3では、バイポーラトランジスタを用いた場合について図示したが、これに限らず、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型等の電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)を用いることとしてもよい。
以上説明したように本実施形態のコヒーレント光受信器2000では、フォトダイオードで発生する光電流を光電流検出部2500によって検出し、レベル調整部2400にフィードバックする構成としている。これによって、差動型トランスインピーダンスアンプ2300の2つの帰還閉ループにおける正補する信号のDCレベルが自動的に調整されるので、復調前の2つの光信号の強度差を自動的に補正して信号を増幅することが可能となる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、光受信器としてコヒーレント検波方式によるコヒーレント光受信器を用いた場合について説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係るコヒーレント光受信器3000の構成を示す回路構成図である。図5では、コヒーレント光受信器のうち、一の偏波(X)部のIチャネル(Ix)のみを示す。コヒーレント光受信器3000は、第1のフォトダイオード3210、第2のフォトダイオード3220、差動型トランスインピーダンスアンプ3300、レベル調整部3400、および光電流検出部3500を有する。なお、コヒーレント光受信器3000は光90度ハイブリッド回路1100と共にコヒーレント光受信装置を構成する。本実施形態のコヒーレント光受信器3000は、レベル調整部3400および光電流検出部3500の構成が第2の実施形態のコヒーレント光受信器2000と異なる。
第1のフォトダイオード3210と第2のフォトダイオード3220はそれぞれ、光受信信号と局部発振光が干渉して得られる干渉光信号を受光する。すなわち、第1のフォトダイオード3210は光90度ハイブリッド回路1100から第1の干渉光信号を受光し、正信号を出力する。第2のフォトダイオード3220は光90度ハイブリッド回路1100から第2の干渉光信号を受光し、補信号を出力する。
光電流検出部3500は第1のフォトダイオード3210と第2のフォトダイオード3220に流れる光電流をそれぞれ検出する。
差動型トランスインピーダンスアンプ3300は第1のフォトダイオード3210と第2のフォトダイオード3220の出力に接続され、第1のフォトダイオード3210から正信号を、第2のフォトダイオード3220から補信号が入力される。また、差動型トランスインピーダンスアンプ3300は帰還抵抗3310、3320により帰還閉ループを構成している。
本実施形態では、レベル調整部3400は以下のように構成した。すなわち、第1の干渉光信号により第1のフォトダイオード3210で発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ3300の補信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗3310)における信号レベルを調整する構成とした。また、第2の干渉光信号により第2のフォトダイオード3220で発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ3300の正信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗3320)における信号レベルを調整する構成とした。
次に、本実施形態のコヒーレント光受信器3000の構成について、さらに具体的に説明する。差動型トランスインピーダンスアンプ3300は、正信号と補信号を入力とする差動アンプ3330と、差動アンプ3330の出力に接続されたエミッタフォロワ回路3340(またはソースフォロワ回路)を備える。そして、エミッタフォロワ回路3340の出力と差動アンプ3330の入力との間に接続された帰還抵抗3310、3320によって帰還閉ループを構成している。
レベル調整部3400は、差動アンプ3330の出力とエミッタフォロワ回路3340の入力との間に接続された差動回路3410を備え、帰還閉ループの正補するそれぞれの信号レベルを調整する。
光電流検出部3500は、第1のフォトダイオード3210または第2のフォトダイオード3220で発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路3511、3512を備える。さらに、比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部としての抵抗部3521、3522と、調整電圧を反転してレベルを調整したレベル調整電圧を出力するインバータ回路部3530を有する。そして、このレベル調整電圧がレベル調整部3400を構成する差動回路3410に入力される構成とした。すなわち、第1のフォトダイオード3210が出力する正信号に基づく調整電圧(抵抗部3521で発生)はインバータ回路部3530によって反転され、レベル調整部3400を構成する差動回路3410の、差動アンプ3330の補信号出力に接続された側に入力される。一方、第2のフォトダイオード3220が出力する補信号に基づく調整電圧(抵抗部3522で発生)はインバータ回路部3530によって反転され、レベル調整部3400を構成する差動回路3410の、差動アンプ3330の正信号出力に接続された側に入力される。
次に、本実施形態のコヒーレント光受信器3000の動作について説明する。第1のフォトダイオード3210が受光する第1の干渉光信号と、第2のフォトダイオード3220が受光する第2の干渉光信号との間に強度差がない場合、光電流検出部3500の2つのカレントミラー回路3511、3512には同じ電流が流れる。そのため、インバータ回路部3530の出力であるレベル調整電圧は等しくなり、この等しい電圧がレベル調整部3400を構成する差動回路3410に入力される。したがって、この場合は、正補する信号にDCレベルの差がなく、そのまま復調、増幅されて出力(OUTP、OUTN)される。
第1の光信号と第2の光信号との間に強度差が生じた場合には、第1のフォトダイオード3210に流れる光電流と第2のフォトダイオード3220に流れる光電流との間に電流差が生じる。このときインバータ回路部3530は、各フォトダイオードに流れる電流に対応した調整電圧を反転してレベルを調整したレベル調整電圧を出力する。そして、このレベル調整電圧がレベル調整部3400を構成する差動回路3410に入力される。
このように本実施形態のコヒーレント光受信器3000の構成によれば、第1の干渉光信号と第2の干渉光信号の強度差を補正する量に応じてインバータ回路部3530がレベル調整電圧を出力するので、第1の干渉光信号と第2の干渉光信号との強度差が自動的に補正される。図4に、復調前の光信号に強度差が生じている場合における、QPSK復調後の信号波形を示す。ビットレートは31.78911Gb/sである。図4からわかるように、復調前の光信号に強度差が生じている場合であっても、本実施形態のコヒーレント光受信器3000によれば、受信強度の差を自動的に補正することが可能であり、良好な復調信号波形を得ることができる。
図5では、バイポーラトランジスタを用いた場合について図示したが、これに限らず、MOS型等の電界効果トランジスタを用いることとしてもよい。
また上記説明では、レベル調整部3400は、差動アンプ3330の出力とエミッタフォロワ回路3340の入力との間に接続された差動回路3410を備えることとした。しかし、これに限らず、図6に示すように、エミッタフォロワ回路3340にレベル調整部3400を設けた構成としてもよい。この場合であっても、レベル調整部3400は差動型トランスインピーダンスアンプ3300の帰還閉ループの正補するそれぞれの信号レベルを調整することができる。
以上説明したように本実施形態のコヒーレント光受信器3000では、フォトダイオードで発生する光電流を光電流検出部3500によって検出し、レベル調整部3400にフィードバックする構成としている。これによって、差動型トランスインピーダンスアンプ3300の2つの帰還閉ループにおける正補する信号のレベルが自動的に調整されるので、復調前の2つの光信号の強度差を自動的に補正して信号を増幅することが可能となる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図7は、本発明の第4の実施形態に係る光受信装置100の構成を示すブロック図である。光受信装置100は、ゼロ復帰符号(RZ)を用いた差動位相偏移変調(例えば、DPSK方式、DQPSK方式)された光変調信号(以下では、「RZ−DPSK信号」という)を受光し復調する光受信装置である。光受信装置100は1ビット遅延干渉計200と光受信器300を有する。
1ビット遅延干渉計200は一組の光導波路の一方に1ビット遅延素子を備え、RZ−DPSK変調された一組の光入力信号210に対して、互いに隣接するビット間の位相差に応じた第1の光信号221と第2の光信号222からなる一組の光信号を出力する。ここで、1ビット遅延干渉計200の第1の出力端からは正相である第1の光信号221が、第2の出力端からは逆相である第2の光信号222が出力されるものとする。
光受信器300は、第1のフォトダイオード301と、第2のフォトダイオード302と、差動型トランスインピーダンスアンプ310と、レベル調整部320と、光電流検出部330とを有する。
第1のフォトダイオード301は1ビット遅延干渉計200の第1の出力端から正相である第1の光信号221を受光し、正信号を出力する。第2のフォトダイオード302は1ビット遅延干渉計200の第2の出力端から逆相である第2の光信号222を受光し補信号を出力する。
差動型トランスインピーダンスアンプ310には、第1のフォトダイオード301から正信号を、第2のフォトダイオード302から補信号が入力される。そして差動型トランスインピーダンスアンプ310は、補信号に対する帰還閉ループを構成する帰還抵抗311および正信号に対する帰還閉ループを構成する帰還抵抗312をそれぞれ備えている。
光電流検出部330は第1のフォトダイオード301および第2のフォトダイオード302で発生する光電流をそれぞれ検出する。そして、レベル調整部320は光電流検出部330の出力に基づいて、帰還閉ループにおける信号レベルを調整する。
次に光受信装置100の動作について説明する。RZ−DPSK変調された一組の光入力信号210が1ビット遅延干渉計200に入力されると、1ビット遅延干渉計200から互いに隣接するビット間の位相差に応じた第1の光信号221と第2の光信号222が出力される。第1の光信号221と第2の光信号222はそれぞれ第1のフォトダイオード301と第2のフォトダイオード302に入力され、光−電気変換によって電流の強度変調信号に変換される。変換された電流信号は、負帰還ループを有する差動型トランスインピーダンスアンプ310に入力され、電流信号から電圧信号に変換される。差動型トランスインピーダンスアンプ310は2つの入力信号の差分を得ることによって入力信号を復調し、正補する2つのRZ−DPSK復調信号(OUT、OUTB)を出力する。
このとき、復調前の一組となる2つの光入力信号221、222に強度の差があると、その差は第1および第2のフォトダイオード301、302における光電流の差として現れる。
ここで本実施形態の光受信装置100では、2つのフォトダイオード301、302に発生する光電流を光電流検出部330によって検出し、差動型トランスインピーダンスアンプ310に接続されるレベル調整部320にフィードバックする構成としている。この構成により、2つの帰還閉ループにおける正補する信号のレベルが調整され、一組となる2つの光入力信号221、222の強度の差が自動的に補正される。その結果、復調前の2つの信号の強度の差が補正された2つのRZ−DPSK復調信号が得られる。図11に、本実施形態の光受信装置100によるRZ−DPSK復調後の信号波形を示す。図から明らかなように、復調前の光信号に強度差が生じた場合であっても、光信号の強度差を自動的に補正することができ、良好な復調信号波形を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、RZ−DPSK変調方式に対応した光受信装置において、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正することが可能となる。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図8は、本発明の第5の実施形態に係る光受信器400の構成を示す回路構成図である。光受信器400は、第1のフォトダイオード401と、第2のフォトダイオード402と、差動型トランスインピーダンスアンプ410と、レベル調整部420と、光電流検出部430とを有する。これらの構成は第4の実施形態の光受信器300と同じである。なお、光受信器400は1ビット遅延干渉計200と共に光受信装置を構成する。
第1のフォトダイオード401と第2のフォトダイオード402はそれぞれ、互いに隣接するビット間の位相差に応じた光信号を受光する。すなわち、第1のフォトダイオード401は1ビット遅延干渉計200の第1の出力端から正相である第1の光信号を受光し、正信号を出力する。第2のフォトダイオード402は1ビット遅延干渉計200の第2の出力端から逆相である第2の光信号を受光し補信号を出力する。
光電流検出部430は第1のフォトダイオード401と第2のフォトダイオード402に流れる光電流をそれぞれ検出する。
差動型トランスインピーダンスアンプ410は第1のフォトダイオード401と第2のフォトダイオード402の出力に接続され、第1のフォトダイオード401から正信号を、第2のフォトダイオード402から補信号が入力される。また、差動型トランスインピーダンスアンプ410は帰還抵抗411、412により帰還閉ループを構成している。なお、図8に示すように、差動型トランスインピーダンスアンプ410の後段に出力アンプ440を接続する。
本実施形態では、レベル調整部420は以下のように構成した。すなわち、正相の光信号により第1のフォトダイオード401で発生する光電流に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ410の補信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗411)における信号レベルを調整する構成とした。また、逆相の光信号により第2のフォトダイオード402で発生する光電流に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ410の正信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗412)における信号レベルを調整する構成とした。
次に、本実施形態の光受信器400の構成について、さらに具体的に説明する。差動型トランスインピーダンスアンプ410は、正信号と補信号を入力とする差動アンプ413と、差動アンプ413の出力に接続されたエミッタフォロワ回路414(またはソースフォロワ回路)を備える。そして、エミッタフォロワ回路414の出力と差動アンプ413の入力との間に接続された帰還抵抗411、412によって帰還閉ループを構成している。
レベル調整部420は、差動アンプ413の出力とエミッタフォロワ回路414の入力との間に接続された差動回路415を備え、帰還閉ループの正補するそれぞれの信号レベルを調整する。
光電流検出部430は、第1のフォトダイオード401または第2のフォトダイオード402で発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路431、432を備える。そして、比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部としての抵抗部433、434によって、調整電圧が差動回路415の入力に正補反転して入力されるように構成されている。すなわち、第1のフォトダイオード401が出力する正信号に基づく調整電圧(抵抗部433で発生)は、レベル調整部420を構成する差動回路415の、差動アンプ413の補信号出力に接続された側に入力される。一方、第2のフォトダイオード402が出力する補信号に基づく調整電圧(抵抗部434で発生)は、レベル調整部420を構成する差動回路415の、差動アンプ413の正信号出力に接続された側に入力される。ここで、抵抗部433、434の抵抗値は等しくした。
次に、本実施形態の光受信器400の動作について説明する。図9は、本実施形態の光受信器400の動作を説明するための回路構成図である。受信器400の構成は図8と同じである。
第1のフォトダイオード401が受光する第1の光信号と、第2のフォトダイオード402が受光する第2の光信号との間に強度差がない場合、光電流検出部430の2つのカレントミラー回路431、432には同じ電流(αIPD1=αIPD2)が流れる。そのため、抵抗部433、434に同じ電圧(VPD1=VPD2)が発生し、この等しい電圧がレベル調整部420に付加される。したがって、この場合は、正補する信号がそのまま復調、増幅されて出力(OUT、OUTB)される。
第1の光信号と第2の光信号との間に強度差が生じた場合には、第1のフォトダイオード401に流れる光電流(IPD1)と第2のフォトダイオード402に流れる光電流(IPD2)との間に電流差(例えば、IPD1<IPD2)が生じる。そのため、光電流検出部430にはフォトダイオードに流れる電流差に対応した電流(αIPD1<αIPD2)および電圧(VPD1<VPD2)が発生する。
このとき本実施形態の光受信器400の構成によれば、レベル調整部420を構成する差動回路415の、差動アンプ413の正信号に接続された側には、より高い電圧(VPD2)が印加される。一方、差動アンプ413の補信号に接続された側には、より低い電圧(VPD1)が印加される。その結果、正信号と補信号の振幅の大きさの差が減少するように調整されるので、第1の光信号と第2の光信号との強度差が自動的に補正される。図11に、RZ−DPSK復調後の信号波形を示す。このように、復調前の光信号に強度差が生じている場合であっても、本実施形態の光受信器400によれば、受信強度の差を自動的に補正することが可能であり、良好な復調信号波形を得ることができる。
図8、図9では、バイポーラトランジスタを用いた場合について図示したが、これに限らず、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型等の電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)を用いることとしてもよい。
以上説明したように本実施形態の光受信器400では、フォトダイオードで発生する光電流を光電流検出部430によって検出し、レベル調整部420にフィードバックする構成としている。これによって、差動型トランスインピーダンスアンプ410の2つの帰還閉ループにおける正補する信号のレベルが自動的に調整されるので、復調前の2つの光信号の強度差を自動的に補正して信号を増幅することが可能となる。
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図10は、本発明の第6の実施形態に係る光受信器500の構成を示す回路構成図である。光受信器500は、第1のフォトダイオード501と、第2のフォトダイオード502と、差動型トランスインピーダンスアンプ510と、レベル調整部520と、光電流検出部530とを有する。なお、光受信器500は1ビット遅延干渉計200と共に光受信装置を構成する。本実施形態の光受信器500は、レベル調整部520および光電流検出部530の構成が第5の実施形態の光受信器400と異なる。
第1のフォトダイオード501と第2のフォトダイオード502はそれぞれ、互いに隣接するビット間の位相差に応じた光信号を受光する。すなわち、第1のフォトダイオード501は1ビット遅延干渉計200の第1の出力端から正相である第1の光信号を受光し、正信号を出力する。第2のフォトダイオード502は1ビット遅延干渉計200の第2の出力端から逆相である第2の光信号を受光し補信号を出力する。
光電流検出部530は第1のフォトダイオード501と第2のフォトダイオード502に流れる光電流をそれぞれ検出する。
差動型トランスインピーダンスアンプ510は第1のフォトダイオード501と第2のフォトダイオード502の出力に接続され、第1のフォトダイオード501から正信号を、第2のフォトダイオード502から補信号が入力される。また、差動型トランスインピーダンスアンプ510は帰還抵抗511、512により帰還閉ループを構成している。なお、図10に示すように、差動型トランスインピーダンスアンプ510の後段に出力アンプ540を接続する。
本実施形態では、レベル調整部520は以下のように構成した。すなわち、正相の光信号により第1のフォトダイオード501で発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ510の正信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗512)における信号レベルを調整する構成とした。また、逆相の光信号により第2のフォトダイオード502で発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ510の補信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗511)における信号レベルを調整する構成とした。
次に、本実施形態の光受信器500の構成について、さらに具体的に説明する。差動型トランスインピーダンスアンプ510は、正信号と補信号を入力とする差動アンプ513と、差動アンプ513の出力に接続されたエミッタフォロワ回路514(またはソースフォロワ回路)を備える。そして、エミッタフォロワ回路514の出力と差動アンプ513の入力との間に接続された帰還抵抗511、512によって帰還閉ループを構成している。
レベル調整部520は、差動アンプ513の出力とエミッタフォロワ回路514の入力との間に接続された差動回路515を備え、帰還閉ループの正補するそれぞれの信号レベルを調整する。
光電流検出部530は、第1のフォトダイオード501または第2のフォトダイオード502で発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路531、532を備える。さらに、比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部としての抵抗部533、534と、調整電圧を反転してレベルを調整したレベル調整電圧を出力するインバータ回路部535を有する。そして、このレベル調整電圧がレベル調整部520を構成する差動回路515に入力される構成とした。すなわち、第1のフォトダイオード501が出力する正信号に基づく調整電圧(抵抗部533で発生)はインバータ回路部535によって反転され、レベル調整部520を構成する差動回路515の、差動アンプ513の正信号出力に接続された側に入力される。一方、第2のフォトダイオード502が出力する補信号に基づく調整電圧(抵抗部534で発生)はインバータ回路部535によって反転され、レベル調整部520を構成する差動回路515の、差動アンプ513の補信号出力に接続された側に入力される。ここで、抵抗部533、534の抵抗値は等しくした。
次に、本実施形態の光受信器500の動作について説明する。第1のフォトダイオード501が受光する第1の光信号と、第2のフォトダイオード502が受光する第2の光信号との間に強度差がない場合、光電流検出部530の2つのカレントミラー回路531、532には同じ電流が流れる。そのため、インバータ回路部535の出力であるレベル調整電圧は等しくなり、この等しい電圧がレベル調整部520を構成する差動回路515に入力される。したがって、この場合は、正補する信号がそのまま復調、増幅されて出力(OUT、OUTB)される。
第1の光信号と第2の光信号との間に強度差が生じた場合には、第1のフォトダイオード501に流れる光電流と第2のフォトダイオード502に流れる光電流との間に電流差が生じる。このときインバータ回路部535は、各フォトダイオードに流れる電流に対応した調整電圧を反転してレベルを調整したレベル調整電圧を出力する。そして、このレベル調整電圧がレベル調整部520を構成する差動回路515に入力される。
このように本実施形態の光受信器500の構成によれば、第1の光信号と第2の光信号の強度差を補正する量に応じてインバータ回路部535がレベル調整電圧を出力するので、第1の光信号と第2の光信号との強度差が自動的に補正される。図11に、RZ−DPSK復調後の信号波形を示す。図11からわかるように、復調前の光信号に強度差が生じている場合であっても、本実施形態の光受信器500によれば、受信強度の差を自動的に補正することが可能であり、良好な復調信号波形を得ることができる。
図10では、バイポーラトランジスタを用いた場合について図示したが、これに限らず、MOS型等の電界効果トランジスタを用いることとしてもよい。
以上説明したように本実施形態の光受信器500では、フォトダイオードで発生する光電流を光電流検出部530によって検出し、レベル調整部520にフィードバックする構成としている。これによって、差動型トランスインピーダンスアンプ510の2つの帰還閉ループにおける正補する信号のレベルが自動的に調整されるので、復調前の2つの光信号の強度差を自動的に補正して信号を増幅することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
この出願は、2011年10月21日に出願された日本出願特願2011−231281を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
〔第1の実施形態〕
本実施形態では、光受信装置としてコヒーレント検波方式によるコヒーレント光受信装置を用いる場合について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るコヒーレント光受信装置の構成を示すブロック図である。図1では、コヒーレント光受信装置のうち、一の偏波(X)部のみを示す。コヒーレント光受信装置10000はコヒーレント光受信器1000と光90度ハイブリッド回路1100を有する。
光90度ハイブリッド回路1100は、光位相器1101と光ミキサ1102を備える。光90度ハイブリッド回路1100には光受信信号1001と、光受信信号1001と略同一波長の第1の局部発振光1002が局部発振光源から入力される。ここで光受信信号1001は、偏光ビームスプリッタ(PBS)により、X偏波またはY偏波に分離された後の信号である。
光90度ハイブリッド回路1100は、光受信信号1001と第1の局部発振光1002を干渉させ、第1の光信号として第1の干渉光信号を出力する。また、光受信信号1001と、第1の局部発振光と位相が反転した第2の局部発振光を干渉させ、第2の光信号として第2の干渉光信号を出力する。具体的には、四位相偏移変調(QPSK)光信号をコヒーレント受信する場合、図1に示すように、光受信信号1001は光90度ハイブリッド回路1100内で光カプラにより4分岐される。第1の局部発振光1002も光カプラで4分岐され、それぞれの位相を0、π、π/2、3π/2だけシフトされた後、光受信信号1001とそれぞれ干渉させられる。
コヒーレント光受信器1000は、第1のフォトダイオード1210、第2のフォトダイオード1220、差動型トランスインピーダンスアンプ1300、レベル調整部1400、および光電流検出部1500を有する。差動型トランスインピーダンスアンプ1300の出力にはアンプ回路を介してアナログ・デジタル変換部(ADC)1600およびデジタル信号処理部(DSP)1700が接続される。
第1のフォトダイオード1210は、光90度ハイブリッド回路1100から第1の干渉光信号1110を受光して正信号を出力する。第2のフォトダイオード1220は第2の干渉光信号1120を受光して補信号を出力する。
差動型トランスインピーダンスアンプ1300には、第1のフォトダイオード1210から正信号が、第2のフォトダイオード1220から補信号が入力される。そして差動型トランスインピーダンスアンプ1300は、補信号に対する帰還閉ループを構成する帰還抵抗1310および正信号に対する帰還閉ループを構成する帰還抵抗1320をそれぞれ備えている。
光電流検出部1500は第1のフォトダイオード1210および第2のフォトダイオード1220で発生する光電流をそれぞれ検出する。そして、レベル調整部1400は光電流検出部1500の出力に基づいて、帰還閉ループにおける信号レベルを調整する。
次にコヒーレント光受信装置10000の動作について説明する。光受信信号1001と第1の局部発振光1002が光90度ハイブリッド回路1100に入力される。光90度ハイブリッド回路1100は、光受信信号1001と第1の局部発振光1002を干渉させて第1の干渉光信号1110を出力する。また、光受信信号1001と第1の局部発振光と位相が反転した第2の局部発振光と光受信信号1001を干渉させて第2の干渉光信号1120を出力する。第1の干渉光信号1110と第2の干渉光信号1120はそれぞれ第1のフォトダイオード1210と第2のフォトダイオード1220に入力され、光−電気変換によって電流の強度変調信号に変換される。変換された電流信号は、負帰還ループを有する差動型トランスインピーダンスアンプ1300に入力され、電流信号から電圧信号に変換される。差動型トランスインピーダンスアンプ1300は2つの入力信号の差分を得ることによって入力信号を復調し、正補する2つの復調信号(OUTP、OUTN)を出力する。
このとき、第1の干渉光信号1110と第2の干渉光信号1120の間に強度の差があると、その差は第1および第2のフォトダイオード1210、1220における光電流の差として現れる。
次に、CMRRがコヒーレント光受信器に影響を及ぼす理由について、四位相偏移変調(QPSK)光信号を例として説明する。上述したように、光受信信号1001は光90度ハイブリッド回路1100において光カプラにより4分岐される。また、第1の局部発振光1002は光カプラで4分岐され、それぞれの位相を0、π、π/2、3π/2だけシフトされた後、光受信信号1001とそれぞれ干渉させられる。そして、これらの干渉光が第1のフォトダイオード1210および第2のフォトダイオード1220に入力される。
光受信信号をS(t)、第1の局部発振光をL(t)とすると、それぞれ下記のように表わされる。
ここで、ω1、ωはそれぞれ光受信信号および第1の局部発振光の周波数(=光速/波長)である。また、φは位相であり、位相変調方式ではこの位相に送信情報が乗せられる。例えば、QPSK方式では0、π、π/2、3π/2である。
光受信信号1001と第1の局部発信光1002の光の波長が一致している(ω1=ω)とすると、光受信信号と局部発信光との干渉光が入力される第1のフォトダイオード1210および第2のフォトダイオード1220の出力は次のように表わされる。
ここで、a、b、c、dは第1のフォトダイオード1210と第2のフォトダイオード1220の量子効率、および光90度ハイブリッド回路1100における損失に起因する係数である。式(1)から式(4)における第1項と第2項はDC成分(オフセット成分)であり、第3項が信号の位相情報である。
式(1)から式(4)より、差動型トランスインピーダンスアンプ1300の出力は、以下のように表わされる。
上式のうち、式(5)と式(6)、式(7)と式(8)の差動信号が差動型トランスインピーダンスアンプ1300の後段のアンプ回路にそれぞれ入力される。
ここで、局部発信光の光強度B2は光受信信号の強度A2の10倍以上であるため、局部発信光の光強度B2が支配的になる。そのため、式(5)と式(6)の係数aと係数b、および式(7)と式(8)の係数cと係数dに差が生じると、差動型トランスインピーダンスアンプ1300の出力信号におけるDCレベルに大きく差が現れる。しかし、本実施形態のコヒーレント光受信器1000によれば、差動型トランスインピーダンスアンプ1300内に設けたレベル調整部1400によって、DCレベルを略等しくすることができる。これにより、差動型トランスインピーダンスアンプ1300の出力信号のレベル差が解消される。
さらに、本実施形態のコヒーレント光受信装置10000では、2つのフォトダイオード1210、1220に発生する光電流を光電流検出部1500によって検出し、差動型トランスインピーダンスアンプ1300に接続されるレベル調整部1400にフィードバックする構成としている。この構成により、2つの帰還閉ループにおける正補する信号のレベルが調整され、第1の干渉光信号1110と第2の干渉光信号1120の強度の差が自動的に補正される。その結果、復調前の2つの信号の強度の差が補正された2つの復調信号が得られる。この復調信号はアンプ回路で増幅され、後段に接続されたアナログ・デジタル変換部(ADC)1600によりAD変換され、デジタル信号処理部(DSP)1700において偏波分離、光源周波数オフセット補償、位相補償などのデジタル信号処理が行われる。
図4に、本実施形態のコヒーレント光受信装置10000によるQPSK復調後の信号波形を示す。ビットレートは31.78911Gb/sである。同図から明らかなように、復調前の光信号に強度差が生じている場合であっても、光信号の強度差を自動的に補正することができ、良好な復調信号波形を得ることができる。比較のため図13に、関連するコヒーレント光受信装置における復調後の信号波形を示す。同図より、この場合には、差動型トランスインピーダンスアンプの後段に配置したアンプ回路の直線性を低下させることから、この復調信号に対して別途、補正処理を施す必要があることがわかる。
以上説明したように、本実施形態によれば、コヒーレント光受信器において、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正することが可能となる。すなわち、フォトダイオードで生じたCMRRの劣化を自動的に補償することでき、良好なQPSK復調信号が得られる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、光受信器としてコヒーレント検波方式によるコヒーレント光受信器を用いた場合について説明する。図2は、本発明の第2の実施形態に係るコヒーレント光受信器2000の構成を示す回路構成図である。図2では、コヒーレント光受信器のうち、一の偏波(X)部のIチャネル(Ix)のみを示す。コヒーレント光受信器2000は、第1のフォトダイオード2210、第2のフォトダイオード2220、差動型トランスインピーダンスアンプ2300、レベル調整部2400、および光電流検出部2500を有する。なお、コヒーレント光受信器2000は光90度ハイブリッド回路1100と共にコヒーレント光受信装置を構成する。
第1のフォトダイオード2210と第2のフォトダイオード2220はそれぞれ、光受信信号と局部発振光が干渉して得られる干渉光信号を受光する。すなわち、第1のフォトダイオード2210は光90度ハイブリッド回路1100から第1の干渉光信号を受光し、正信号を出力する。第2のフォトダイオード2220は光90度ハイブリッド回路1100から第2の干渉光信号を受光し、補信号を出力する。
光電流検出部2500は第1のフォトダイオード2210と第2のフォトダイオード2220に流れる光電流をそれぞれ検出する。
差動型トランスインピーダンスアンプ2300は第1のフォトダイオード2210と第2のフォトダイオード2220の出力に接続され、第1のフォトダイオード2210から正信号を、第2のフォトダイオード2220から補信号が入力される。また、差動型トランスインピーダンスアンプ2300は帰還抵抗2310、2320により帰還閉ループを構成している。
本実施形態では、レベル調整部2400は以下のように構成した。すなわち、第1の干渉光信号により第1のフォトダイオード2210で発生する光電流に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ2300の正信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗2320)における信号レベルを調整する構成とした。また、第2の干渉光信号により第2のフォトダイオード2220で発生する光電流に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ2300の補信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗2310)における信号レベルを調整する構成とした。
次に、本実施形態のコヒーレント光受信器2000の構成について、さらに具体的に説明する。差動型トランスインピーダンスアンプ2300は、正信号と補信号を入力とする差動アンプ2330と、差動アンプ2330の出力に接続されたエミッタフォロワ回路2340(またはソースフォロワ回路)を備える。そして、エミッタフォロワ回路2340の出力と差動アンプ2330の入力との間に接続された帰還抵抗2310、2320によって帰還閉ループを構成している。
レベル調整部2400は、差動アンプ2330の出力とエミッタフォロワ回路2340の入力との間に接続された差動回路2410を備え、帰還閉ループの正補するそれぞれの信号レベルを調整する。
光電流検出部2500は、第1のフォトダイオード2210または第2のフォトダイオード2220で発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路2511、2512を備える。そして、比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部としての抵抗部2521、2522によって、調整電圧が差動回路2410の入力に正補そのまま入力されるように構成されている。すなわち、第1のフォトダイオード2210が出力する正信号に基づく調整電圧(抵抗部2521で発生)は、レベル調整部2400を構成する差動回路2410の、差動アンプ2330の正信号出力に接続された側に入力される。一方、第2のフォトダイオード2220が出力する補信号に基づく調整電圧(抵抗部2522で発生)は、レベル調整部2400を構成する差動回路2410の、差動アンプ2330の補信号出力に接続された側に入力される。
次に、本実施形態のコヒーレント光受信器2000の動作について説明する。図3は、本実施形態のコヒーレント光受信器2000の動作を説明するための回路構成図である。コヒーレント光受信器2000の構成は図2と同じである。
第1のフォトダイオード2210が受光する第1の干渉光信号と、第2のフォトダイオード2220が受光する第2の干渉光信号との間に強度差がない場合、光電流検出部2500の2つのカレントミラー回路2511、2512には同じ電流(αIPD1=αIPD2)が流れる。そのため、抵抗部2521、2522に同じ電圧(VPD1=VPD2)が発生し、この等しい電圧がレベル調整部2400に付加される。したがって、この場合は、正補する信号にDCレベルの差がなく、そのまま復調、増幅されて出力(OUTP、OUTN)される。
第1の干渉光信号と第2の干渉光信号との間に強度差が生じた場合には、第1のフォトダイオード2210に流れる光電流(IPD1)と第2のフォトダイオード2220に流れる光電流(IPD2)との間に電流差(例えば、IPD1<IPD2)が生じる。そのため、光電流検出部2500にはフォトダイオードに流れる電流差に対応した電流(αIPD1<αIPD2)および電圧(VPD1<VPD2)が発生する。
このとき、差動型トランスインピーダンスアンプ2300の差動アンプ2330の出力は、IPD1<IPD2であるため、正信号と補信号にはDCレベルの差が生じ、正信号より補信号のDCレベルが高くなる。しかしながら本実施形態のコヒーレント光受信器2000の構成によれば、レベル調整部2400を構成する差動回路2410の、差動アンプ2330の正信号に接続された側に、より低い電圧(VPD1)が印加される。一方、差動アンプ2330の補信号に接続された側には、より高い電圧(VPD2)が印加されるので補信号側の電位が低下し、正信号と補信号のDCレベルの差は解消される。その結果、第1の干渉光信号と第2の干渉光信号との強度差が自動的に補正され、復調波形が出力される。
図4に、復調前の光信号に強度差が生じている場合における、QPSK復調後の信号波形を示す。ビットレートは31.78911Gb/sである。このように、復調前の光信号に強度差が生じている場合であっても、本実施形態のコヒーレント光受信器2000によれば、受信強度の差を自動的に補正することが可能であり、良好な復調信号波形を得ることができる。
図2、図3では、バイポーラトランジスタを用いた場合について図示したが、これに限らず、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型等の電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)を用いることとしてもよい。
以上説明したように本実施形態のコヒーレント光受信器2000では、フォトダイオードで発生する光電流を光電流検出部2500によって検出し、レベル調整部2400にフィードバックする構成としている。これによって、差動型トランスインピーダンスアンプ2300の2つの帰還閉ループにおける正補する信号のDCレベルが自動的に調整されるので、復調前の2つの光信号の強度差を自動的に補正して信号を増幅することが可能となる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、光受信器としてコヒーレント検波方式によるコヒーレント光受信器を用いた場合について説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係るコヒーレント光受信器3000の構成を示す回路構成図である。図5では、コヒーレント光受信器のうち、一の偏波(X)部のIチャネル(Ix)のみを示す。コヒーレント光受信器3000は、第1のフォトダイオード3210、第2のフォトダイオード3220、差動型トランスインピーダンスアンプ3300、レベル調整部3400、および光電流検出部3500を有する。なお、コヒーレント光受信器3000は光90度ハイブリッド回路1100と共にコヒーレント光受信装置を構成する。本実施形態のコヒーレント光受信器3000は、レベル調整部3400および光電流検出部3500の構成が第2の実施形態のコヒーレント光受信器2000と異なる。
第1のフォトダイオード3210と第2のフォトダイオード3220はそれぞれ、光受信信号と局部発振光が干渉して得られる干渉光信号を受光する。すなわち、第1のフォトダイオード3210は光90度ハイブリッド回路1100から第1の干渉光信号を受光し、正信号を出力する。第2のフォトダイオード3220は光90度ハイブリッド回路1100から第2の干渉光信号を受光し、補信号を出力する。
光電流検出部3500は第1のフォトダイオード3210と第2のフォトダイオード3220に流れる光電流をそれぞれ検出する。
差動型トランスインピーダンスアンプ3300は第1のフォトダイオード3210と第2のフォトダイオード3220の出力に接続され、第1のフォトダイオード3210から正信号を、第2のフォトダイオード3220から補信号が入力される。また、差動型トランスインピーダンスアンプ3300は帰還抵抗3310、3320により帰還閉ループを構成している。
本実施形態では、レベル調整部3400は以下のように構成した。すなわち、第1の干渉光信号により第1のフォトダイオード3210で発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ3300の補信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗3310)における信号レベルを調整する構成とした。また、第2の干渉光信号により第2のフォトダイオード3220で発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ3300の正信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗3320)における信号レベルを調整する構成とした。
次に、本実施形態のコヒーレント光受信器3000の構成について、さらに具体的に説明する。差動型トランスインピーダンスアンプ3300は、正信号と補信号を入力とする差動アンプ3330と、差動アンプ3330の出力に接続されたエミッタフォロワ回路3340(またはソースフォロワ回路)を備える。そして、エミッタフォロワ回路3340の出力と差動アンプ3330の入力との間に接続された帰還抵抗3310、3320によって帰還閉ループを構成している。
レベル調整部3400は、差動アンプ3330の出力とエミッタフォロワ回路3340の入力との間に接続された差動回路3410を備え、帰還閉ループの正補するそれぞれの信号レベルを調整する。
光電流検出部3500は、第1のフォトダイオード3210または第2のフォトダイオード3220で発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路3511、3512を備える。さらに、比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部としての抵抗部3521、3522と、調整電圧を反転してレベルを調整したレベル調整電圧を出力するインバータ回路部3530を有する。そして、このレベル調整電圧がレベル調整部3400を構成する差動回路3410に入力される構成とした。すなわち、第1のフォトダイオード3210が出力する正信号に基づく調整電圧(抵抗部3521で発生)はインバータ回路部3530によって反転され、レベル調整部3400を構成する差動回路3410の、差動アンプ3330の補信号出力に接続された側に入力される。一方、第2のフォトダイオード3220が出力する補信号に基づく調整電圧(抵抗部3522で発生)はインバータ回路部3530によって反転され、レベル調整部3400を構成する差動回路3410の、差動アンプ3330の正信号出力に接続された側に入力される。
次に、本実施形態のコヒーレント光受信器3000の動作について説明する。第1のフォトダイオード3210が受光する第1の干渉光信号と、第2のフォトダイオード3220が受光する第2の干渉光信号との間に強度差がない場合、光電流検出部3500の2つのカレントミラー回路3511、3512には同じ電流が流れる。そのため、インバータ回路部3530の出力であるレベル調整電圧は等しくなり、この等しい電圧がレベル調整部3400を構成する差動回路3410に入力される。したがって、この場合は、正補する信号にDCレベルの差がなく、そのまま復調、増幅されて出力(OUTP、OUTN)される。
第1の光信号と第2の光信号との間に強度差が生じた場合には、第1のフォトダイオード3210に流れる光電流と第2のフォトダイオード3220に流れる光電流との間に電流差が生じる。このときインバータ回路部3530は、各フォトダイオードに流れる電流に対応した調整電圧を反転してレベルを調整したレベル調整電圧を出力する。そして、このレベル調整電圧がレベル調整部3400を構成する差動回路3410に入力される。
このように本実施形態のコヒーレント光受信器3000の構成によれば、第1の干渉光信号と第2の干渉光信号の強度差を補正する量に応じてインバータ回路部3530がレベル調整電圧を出力するので、第1の干渉光信号と第2の干渉光信号との強度差が自動的に補正される。図4に、復調前の光信号に強度差が生じている場合における、QPSK復調後の信号波形を示す。ビットレートは31.78911Gb/sである。図4からわかるように、復調前の光信号に強度差が生じている場合であっても、本実施形態のコヒーレント光受信器3000によれば、受信強度の差を自動的に補正することが可能であり、良好な復調信号波形を得ることができる。
図5では、バイポーラトランジスタを用いた場合について図示したが、これに限らず、MOS型等の電界効果トランジスタを用いることとしてもよい。
また上記説明では、レベル調整部3400は、差動アンプ3330の出力とエミッタフォロワ回路3340の入力との間に接続された差動回路3410を備えることとした。しかし、これに限らず、図6に示すように、エミッタフォロワ回路3340にレベル調整部3400を設けた構成としてもよい。この場合であっても、レベル調整部3400は差動型トランスインピーダンスアンプ3300の帰還閉ループの正補するそれぞれの信号レベルを調整することができる。
以上説明したように本実施形態のコヒーレント光受信器3000では、フォトダイオードで発生する光電流を光電流検出部3500によって検出し、レベル調整部3400にフィードバックする構成としている。これによって、差動型トランスインピーダンスアンプ3300の2つの帰還閉ループにおける正補する信号のレベルが自動的に調整されるので、復調前の2つの光信号の強度差を自動的に補正して信号を増幅することが可能となる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図7は、本発明の第4の実施形態に係る光受信装置100の構成を示すブロック図である。光受信装置100は、ゼロ復帰符号(RZ)を用いた差動位相偏移変調(例えば、DPSK方式、DQPSK方式)された光変調信号(以下では、「RZ−DPSK信号」という)を受光し復調する光受信装置である。光受信装置100は1ビット遅延干渉計200と光受信器300を有する。
1ビット遅延干渉計200は一組の光導波路の一方に1ビット遅延素子を備え、RZ−DPSK変調された一組の光入力信号210に対して、互いに隣接するビット間の位相差に応じた第1の光信号221と第2の光信号222からなる一組の光信号を出力する。ここで、1ビット遅延干渉計200の第1の出力端からは正相である第1の光信号221が、第2の出力端からは逆相である第2の光信号222が出力されるものとする。
光受信器300は、第1のフォトダイオード301と、第2のフォトダイオード302と、差動型トランスインピーダンスアンプ310と、レベル調整部320と、光電流検出部330とを有する。
第1のフォトダイオード301は1ビット遅延干渉計200の第1の出力端から正相である第1の光信号221を受光し、正信号を出力する。第2のフォトダイオード302は1ビット遅延干渉計200の第2の出力端から逆相である第2の光信号222を受光し補信号を出力する。
差動型トランスインピーダンスアンプ310には、第1のフォトダイオード301から正信号を、第2のフォトダイオード302から補信号が入力される。そして差動型トランスインピーダンスアンプ310は、補信号に対する帰還閉ループを構成する帰還抵抗311および正信号に対する帰還閉ループを構成する帰還抵抗312をそれぞれ備えている。
光電流検出部330は第1のフォトダイオード301および第2のフォトダイオード302で発生する光電流をそれぞれ検出する。そして、レベル調整部320は光電流検出部330の出力に基づいて、帰還閉ループにおける信号レベルを調整する。
次に光受信装置100の動作について説明する。RZ−DPSK変調された一組の光入力信号210が1ビット遅延干渉計200に入力されると、1ビット遅延干渉計200から互いに隣接するビット間の位相差に応じた第1の光信号221と第2の光信号222が出力される。第1の光信号221と第2の光信号222はそれぞれ第1のフォトダイオード301と第2のフォトダイオード302に入力され、光−電気変換によって電流の強度変調信号に変換される。変換された電流信号は、負帰還ループを有する差動型トランスインピーダンスアンプ310に入力され、電流信号から電圧信号に変換される。差動型トランスインピーダンスアンプ310は2つの入力信号の差分を得ることによって入力信号を復調し、正補する2つのRZ−DPSK復調信号(OUT、OUTB)を出力する。
このとき、復調前の一組となる2つの光入力信号221、222に強度の差があると、その差は第1および第2のフォトダイオード301、302における光電流の差として現れる。
ここで本実施形態の光受信装置100では、2つのフォトダイオード301、302に発生する光電流を光電流検出部330によって検出し、差動型トランスインピーダンスアンプ310に接続されるレベル調整部320にフィードバックする構成としている。この構成により、2つの帰還閉ループにおける正補する信号のレベルが調整され、一組となる2つの光入力信号221、222の強度の差が自動的に補正される。その結果、復調前の2つの信号の強度の差が補正された2つのRZ−DPSK復調信号が得られる。図11に、本実施形態の光受信装置100によるRZ−DPSK復調後の信号波形を示す。図から明らかなように、復調前の光信号に強度差が生じた場合であっても、光信号の強度差を自動的に補正することができ、良好な復調信号波形を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、RZ−DPSK変調方式に対応した光受信装置において、光信号の強度差や光路差によって生ずる受信強度の差を自動的に補正することが可能となる。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図8は、本発明の第5の実施形態に係る光受信器400の構成を示す回路構成図である。光受信器400は、第1のフォトダイオード401と、第2のフォトダイオード402と、差動型トランスインピーダンスアンプ410と、レベル調整部420と、光電流検出部430とを有する。これらの構成は第4の実施形態の光受信器300と同じである。なお、光受信器400は1ビット遅延干渉計200と共に光受信装置を構成する。
第1のフォトダイオード401と第2のフォトダイオード402はそれぞれ、互いに隣接するビット間の位相差に応じた光信号を受光する。すなわち、第1のフォトダイオード401は1ビット遅延干渉計200の第1の出力端から正相である第1の光信号を受光し、正信号を出力する。第2のフォトダイオード402は1ビット遅延干渉計200の第2の出力端から逆相である第2の光信号を受光し補信号を出力する。
光電流検出部430は第1のフォトダイオード401と第2のフォトダイオード402に流れる光電流をそれぞれ検出する。
差動型トランスインピーダンスアンプ410は第1のフォトダイオード401と第2のフォトダイオード402の出力に接続され、第1のフォトダイオード401から正信号を、第2のフォトダイオード402から補信号が入力される。また、差動型トランスインピーダンスアンプ410は帰還抵抗411、412により帰還閉ループを構成している。なお、図8に示すように、差動型トランスインピーダンスアンプ410の後段に出力アンプ440を接続する。
本実施形態では、レベル調整部420は以下のように構成した。すなわち、正相の光信号により第1のフォトダイオード401で発生する光電流に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ410の補信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗411)における信号レベルを調整する構成とした。また、逆相の光信号により第2のフォトダイオード402で発生する光電流に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ410の正信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗412)における信号レベルを調整する構成とした。
次に、本実施形態の光受信器400の構成について、さらに具体的に説明する。差動型トランスインピーダンスアンプ410は、正信号と補信号を入力とする差動アンプ413と、差動アンプ413の出力に接続されたエミッタフォロワ回路414(またはソースフォロワ回路)を備える。そして、エミッタフォロワ回路414の出力と差動アンプ413の入力との間に接続された帰還抵抗411、412によって帰還閉ループを構成している。
レベル調整部420は、差動アンプ413の出力とエミッタフォロワ回路414の入力との間に接続された差動回路415を備え、帰還閉ループの正補するそれぞれの信号レベルを調整する。
光電流検出部430は、第1のフォトダイオード401または第2のフォトダイオード402で発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路431、432を備える。そして、比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部としての抵抗部433、434によって、調整電圧が差動回路415の入力に正補反転して入力されるように構成されている。すなわち、第1のフォトダイオード401が出力する正信号に基づく調整電圧(抵抗部433で発生)は、レベル調整部420を構成する差動回路415の、差動アンプ413の補信号出力に接続された側に入力される。一方、第2のフォトダイオード402が出力する補信号に基づく調整電圧(抵抗部434で発生)は、レベル調整部420を構成する差動回路415の、差動アンプ413の正信号出力に接続された側に入力される。ここで、抵抗部433、434の抵抗値は等しくした。
次に、本実施形態の光受信器400の動作について説明する。図9は、本実施形態の光受信器400の動作を説明するための回路構成図である。受信器400の構成は図8と同じである。
第1のフォトダイオード401が受光する第1の光信号と、第2のフォトダイオード402が受光する第2の光信号との間に強度差がない場合、光電流検出部430の2つのカレントミラー回路431、432には同じ電流(αIPD1=αIPD2)が流れる。そのため、抵抗部433、434に同じ電圧(VPD1=VPD2)が発生し、この等しい電圧がレベル調整部420に付加される。したがって、この場合は、正補する信号がそのまま復調、増幅されて出力(OUT、OUTB)される。
第1の光信号と第2の光信号との間に強度差が生じた場合には、第1のフォトダイオード401に流れる光電流(IPD1)と第2のフォトダイオード402に流れる光電流(IPD2)との間に電流差(例えば、IPD1<IPD2)が生じる。そのため、光電流検出部430にはフォトダイオードに流れる電流差に対応した電流(αIPD1<αIPD2)および電圧(VPD1<VPD2)が発生する。
このとき本実施形態の光受信器400の構成によれば、レベル調整部420を構成する差動回路415の、差動アンプ413の正信号に接続された側には、より高い電圧(VPD2)が印加される。一方、差動アンプ413の補信号に接続された側には、より低い電圧(VPD1)が印加される。その結果、正信号と補信号の振幅の大きさの差が減少するように調整されるので、第1の光信号と第2の光信号との強度差が自動的に補正される。図11に、RZ−DPSK復調後の信号波形を示す。このように、復調前の光信号に強度差が生じている場合であっても、本実施形態の光受信器400によれば、受信強度の差を自動的に補正することが可能であり、良好な復調信号波形を得ることができる。
図8、図9では、バイポーラトランジスタを用いた場合について図示したが、これに限らず、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型等の電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)を用いることとしてもよい。
以上説明したように本実施形態の光受信器400では、フォトダイオードで発生する光電流を光電流検出部430によって検出し、レベル調整部420にフィードバックする構成としている。これによって、差動型トランスインピーダンスアンプ410の2つの帰還閉ループにおける正補する信号のレベルが自動的に調整されるので、復調前の2つの光信号の強度差を自動的に補正して信号を増幅することが可能となる。
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図10は、本発明の第6の実施形態に係る光受信器500の構成を示す回路構成図である。光受信器500は、第1のフォトダイオード501と、第2のフォトダイオード502と、差動型トランスインピーダンスアンプ510と、レベル調整部520と、光電流検出部530とを有する。なお、光受信器500は1ビット遅延干渉計200と共に光受信装置を構成する。本実施形態の光受信器500は、レベル調整部520および光電流検出部530の構成が第5の実施形態の光受信器400と異なる。
第1のフォトダイオード501と第2のフォトダイオード502はそれぞれ、互いに隣接するビット間の位相差に応じた光信号を受光する。すなわち、第1のフォトダイオード501は1ビット遅延干渉計200の第1の出力端から正相である第1の光信号を受光し、正信号を出力する。第2のフォトダイオード502は1ビット遅延干渉計200の第2の出力端から逆相である第2の光信号を受光し補信号を出力する。
光電流検出部530は第1のフォトダイオード501と第2のフォトダイオード502に流れる光電流をそれぞれ検出する。
差動型トランスインピーダンスアンプ510は第1のフォトダイオード501と第2のフォトダイオード502の出力に接続され、第1のフォトダイオード501から正信号を、第2のフォトダイオード502から補信号が入力される。また、差動型トランスインピーダンスアンプ510は帰還抵抗511、512により帰還閉ループを構成している。なお、図10に示すように、差動型トランスインピーダンスアンプ510の後段に出力アンプ540を接続する。
本実施形態では、レベル調整部520は以下のように構成した。すなわち、正相の光信号により第1のフォトダイオード501で発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ510の正信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗512)における信号レベルを調整する構成とした。また、逆相の光信号により第2のフォトダイオード502で発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、差動型トランスインピーダンスアンプ510の補信号に対する帰還閉ループ(帰還抵抗511)における信号レベルを調整する構成とした。
次に、本実施形態の光受信器500の構成について、さらに具体的に説明する。差動型トランスインピーダンスアンプ510は、正信号と補信号を入力とする差動アンプ513と、差動アンプ513の出力に接続されたエミッタフォロワ回路514(またはソースフォロワ回路)を備える。そして、エミッタフォロワ回路514の出力と差動アンプ513の入力との間に接続された帰還抵抗511、512によって帰還閉ループを構成している。
レベル調整部520は、差動アンプ513の出力とエミッタフォロワ回路514の入力との間に接続された差動回路515を備え、帰還閉ループの正補するそれぞれの信号レベルを調整する。
光電流検出部530は、第1のフォトダイオード501または第2のフォトダイオード502で発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路531、532を備える。さらに、比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部としての抵抗部533、534と、調整電圧を反転してレベルを調整したレベル調整電圧を出力するインバータ回路部535を有する。そして、このレベル調整電圧がレベル調整部520を構成する差動回路515に入力される構成とした。すなわち、第1のフォトダイオード501が出力する正信号に基づく調整電圧(抵抗部533で発生)はインバータ回路部535によって反転され、レベル調整部520を構成する差動回路515の、差動アンプ513の正信号出力に接続された側に入力される。一方、第2のフォトダイオード502が出力する補信号に基づく調整電圧(抵抗部534で発生)はインバータ回路部535によって反転され、レベル調整部520を構成する差動回路515の、差動アンプ513の補信号出力に接続された側に入力される。ここで、抵抗部533、534の抵抗値は等しくした。
次に、本実施形態の光受信器500の動作について説明する。第1のフォトダイオード501が受光する第1の光信号と、第2のフォトダイオード502が受光する第2の光信号との間に強度差がない場合、光電流検出部530の2つのカレントミラー回路531、532には同じ電流が流れる。そのため、インバータ回路部535の出力であるレベル調整電圧は等しくなり、この等しい電圧がレベル調整部520を構成する差動回路515に入力される。したがって、この場合は、正補する信号がそのまま復調、増幅されて出力(OUT、OUTB)される。
第1の光信号と第2の光信号との間に強度差が生じた場合には、第1のフォトダイオード501に流れる光電流と第2のフォトダイオード502に流れる光電流との間に電流差が生じる。このときインバータ回路部535は、各フォトダイオードに流れる電流に対応した調整電圧を反転してレベルを調整したレベル調整電圧を出力する。そして、このレベル調整電圧がレベル調整部520を構成する差動回路515に入力される。
このように本実施形態の光受信器500の構成によれば、第1の光信号と第2の光信号の強度差を補正する量に応じてインバータ回路部535がレベル調整電圧を出力するので、第1の光信号と第2の光信号との強度差が自動的に補正される。図11に、RZ−DPSK復調後の信号波形を示す。図11からわかるように、復調前の光信号に強度差が生じている場合であっても、本実施形態の光受信器500によれば、受信強度の差を自動的に補正することが可能であり、良好な復調信号波形を得ることができる。
図10では、バイポーラトランジスタを用いた場合について図示したが、これに限らず、MOS型等の電界効果トランジスタを用いることとしてもよい。
以上説明したように本実施形態の光受信器500では、フォトダイオードで発生する光電流を光電流検出部530によって検出し、レベル調整部520にフィードバックする構成としている。これによって、差動型トランスインピーダンスアンプ510の2つの帰還閉ループにおける正補する信号のレベルが自動的に調整されるので、復調前の2つの光信号の強度差を自動的に補正して信号を増幅することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
この出願は、2011年10月21日に出願された日本出願特願2011−231281を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10000 コヒーレント光受信装置
1000、2000 コヒーレント光受信器
1001 光受信信号
1002 第1の局部発振光
1100 光90度ハイブリッド回路
1101 光位相器
1102 光ミキサ
1110 第1の干渉光信号
1120 第2の干渉光信号
1210、2210、3210 第1のフォトダイオード
1220、2220、3220 第2のフォトダイオード
1300、2300、3300 差動型トランスインピーダンスアンプ
1310、1320、2310、2320、3310、3320 帰還抵抗
1400、2400、3400 レベル調整部
1500、2500、3500 光電流検出部
1600 アナログ・デジタル変換部(ADC)
1700 デジタル信号処理部(DSP)
2330、3330 差動アンプ
2340、3340 エミッタフォロワ回路
2410、3410 差動回路
2511、2512、3511、3512 カレントミラー回路
2521、2522、3521、3522 抵抗部
3530 インバータ回路部
5000 関連するコヒーレント光受信装置
5001 光受信信号
5002 局部発振光
5010 偏波分離部
5100 光90度ハイブリッド回路
5200 フォトダイオード
5300 差動型トランスインピーダンスアンプ
5400 アナログ・デジタル変換部(ADC)
5500 デジタル信号処理部(DSP)
100 光受信装置
200 1ビット遅延干渉計
210 光入力信号
221 第1の光信号
222 第2の光信号
300、400、500 光受信器
301、401、501 第1のフォトダイオード
302、402、502 第2のフォトダイオード
310、410、510 差動型トランスインピーダンスアンプ
311、312、411、412、511、512 帰還抵抗
320、420、520 レベル調整部
330、430、530 光電流検出部
440、540 出力アンプ
413、513 差動アンプ
414、514 エミッタフォロワ回路
415、515 差動回路
431、432、531、532 カレントミラー回路
433、434、533、534 抵抗部
535 インバータ回路部
600、700 関連する光受信装置
610、710 関連する光受信器
611、612、711、712 フォトダイオード(PD)
620、720 トランスインピーダンスアンプ
622、722 帰還抵抗
650 1ビット遅延干渉計
651 光入力信号
652、653 光信号
721 差動アンプ
730 レベル調整部
1000、2000 コヒーレント光受信器
1001 光受信信号
1002 第1の局部発振光
1100 光90度ハイブリッド回路
1101 光位相器
1102 光ミキサ
1110 第1の干渉光信号
1120 第2の干渉光信号
1210、2210、3210 第1のフォトダイオード
1220、2220、3220 第2のフォトダイオード
1300、2300、3300 差動型トランスインピーダンスアンプ
1310、1320、2310、2320、3310、3320 帰還抵抗
1400、2400、3400 レベル調整部
1500、2500、3500 光電流検出部
1600 アナログ・デジタル変換部(ADC)
1700 デジタル信号処理部(DSP)
2330、3330 差動アンプ
2340、3340 エミッタフォロワ回路
2410、3410 差動回路
2511、2512、3511、3512 カレントミラー回路
2521、2522、3521、3522 抵抗部
3530 インバータ回路部
5000 関連するコヒーレント光受信装置
5001 光受信信号
5002 局部発振光
5010 偏波分離部
5100 光90度ハイブリッド回路
5200 フォトダイオード
5300 差動型トランスインピーダンスアンプ
5400 アナログ・デジタル変換部(ADC)
5500 デジタル信号処理部(DSP)
100 光受信装置
200 1ビット遅延干渉計
210 光入力信号
221 第1の光信号
222 第2の光信号
300、400、500 光受信器
301、401、501 第1のフォトダイオード
302、402、502 第2のフォトダイオード
310、410、510 差動型トランスインピーダンスアンプ
311、312、411、412、511、512 帰還抵抗
320、420、520 レベル調整部
330、430、530 光電流検出部
440、540 出力アンプ
413、513 差動アンプ
414、514 エミッタフォロワ回路
415、515 差動回路
431、432、531、532 カレントミラー回路
433、434、533、534 抵抗部
535 インバータ回路部
600、700 関連する光受信装置
610、710 関連する光受信器
611、612、711、712 フォトダイオード(PD)
620、720 トランスインピーダンスアンプ
622、722 帰還抵抗
650 1ビット遅延干渉計
651 光入力信号
652、653 光信号
721 差動アンプ
730 レベル調整部
Claims (21)
- 第1の光信号を受光し正信号を出力する第1のフォトダイオードと、
第2の光信号を受光し補信号を出力する第2のフォトダイオードと、
前記正信号と前記補信号を入力とし、前記正信号入力および前記補信号入力に対する帰還閉ループをそれぞれ備えた差動型トランスインピーダンスアンプと、
前記帰還閉ループにおける信号レベルを調整するレベル調整部と、
前記第1のフォトダイオードおよび前記第2のフォトダイオードで発生する光電流をそれぞれ検出する光電流検出部を有し、
前記レベル調整部は、前記光電流検出部の出力に基づいて前記信号レベルを調整する
光受信器。 - 請求項1に記載した光受信器において、
前記第1の光信号は、光受信信号と、前記光受信信号と略同一波長の第1の局部発振光が干渉して得られる第1の干渉光信号であり、
前記第2の光信号は、前記光受信信号と、前記第1の局部発振光と位相が反転した第2の局部発振光が干渉して得られる第2の干渉光信号である
光受信器。 - 請求項2に記載した光受信器において、
前記レベル調整部は、
前記第1の干渉光信号により発生する光電流に基づいて、前記正信号に対する帰還閉ループにおける信号レベルを調整し、
前記第2の干渉光信号により発生する光電流に基づいて、前記補信号に対する帰還閉ループにおける信号レベルを調整する
光受信器。 - 請求項2または3に記載した光受信器において、
前記差動型トランスインピーダンスアンプは、前記正信号と前記補信号を入力とする差動アンプと、前記差動アンプの出力に接続されたエミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路を備え、
前記帰還閉ループは、前記エミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路の出力と前記差動アンプの入力との間に接続された帰還抵抗を備え、
前記レベル調整部は、前記差動アンプの出力と前記エミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路の入力との間に接続された差動回路を備え、
前記光電流検出部は、前記第1のフォトダイオードまたは前記第2のフォトダイオードで発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路と、前記比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部をそれぞれ備え、前記調整電圧が前記差動回路の入力部に入力される
光受信器。 - 請求項2に記載した光受信器において、
前記レベル調整部は、
前記第1の干渉光信号により発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、前記補信号に対する帰還閉ループにおける信号レベルを調整し、
前記第2の干渉光信号により発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、前記正信号に対する帰還閉ループにおける信号レベルを調整する
光受信器。 - 請求項2または5に記載した光受信器において、
前記差動型トランスインピーダンスアンプは、前記正信号と前記補信号を入力とする差動アンプと、前記差動アンプの出力に接続されたエミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路を備え、
前記帰還閉ループは、前記エミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路の出力と前記差動アンプの入力に接続された帰還抵抗を備え、
前記レベル調整部は、前記差動アンプの出力と前記エミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路の入力との間に接続された差動回路を備え、
前記光電流検出部は、前記第1のフォトダイオードまたは前記第2のフォトダイオードで発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路と、前記比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部と、前記調整電圧を反転してレベル調整したレベル調整電圧を出力するインバータ回路部を備え、前記レベル調整電圧が前記差動回路に入力される
光受信器。 - 請求項2または5に記載した光受信器において、
前記差動型トランスインピーダンスアンプは、前記正信号と前記補信号を入力とする差動アンプと、前記差動アンプの出力に接続されたエミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路を備え、
前記帰還閉ループは、前記エミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路の出力と前記差動アンプの入力に接続された帰還抵抗を備え、
前記レベル調整部は、前記エミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路の出力部に差動回路を備え、
前記光電流検出部は、前記第1のフォトダイオードまたは前記第2のフォトダイオードで発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路と、前記比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部と、前記調整電圧を反転してレベル調整したレベル調整電圧を出力するインバータ回路部を備え、前記レベル調整電圧が前記差動回路に入力される
光受信器。 - 請求項2から7のいずれか一項に記載したコヒーレント光受信器と、光90度ハイブリッド回路を有し、
前記光90度ハイブリッド回路は、前記光受信信号と前記第1の局部発振光を干渉させて前記第1の干渉光信号を出力し、前記光受信信号と前記第2の局部発振光を干渉させて前記第2の干渉光信号を出力する
光受信装置。 - 請求項1に記載した光受信器において、
前記第1の光信号は、1ビット遅延干渉計の第1の出力端から送出される正相の光信号であり、
前記第2の光信号は、前記1ビット遅延干渉計の第2の出力端から送出される逆相の光信号である
光受信器。 - 請求項9に記載した光受信器において、
前記レベル調整部は、
前記正相の光信号により発生する光電流に基づいて、前記補信号に対する帰還閉ループにおける信号レベルを調整し、
前記逆相の光信号により発生する光電流に基づいて、前記正信号に対する帰還閉ループにおける信号レベルを調整する
光受信器。 - 請求項9または10に記載した光受信器において、
前記差動型トランスインピーダンスアンプは、前記正信号と前記補信号を入力とする差動アンプと、前記差動アンプの出力に接続されたエミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路を備え、
前記帰還閉ループは、前記エミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路の出力と前記差動アンプの入力との間に接続された帰還抵抗を備え、
前記レベル調整部は、前記差動アンプの出力と前記エミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路の入力との間に接続された差動回路を備え、
前記光電流検出部は、前記第1のフォトダイオードまたは前記第2のフォトダイオードで発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路と、前記比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部をそれぞれ備え、前記調整電圧が前記差動回路の入力に正補反転して入力される
光受信器。 - 請求項9に記載した光受信器において、
前記レベル調整部は、
前記正相の光信号により発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、前記正信号に対する帰還閉ループにおける信号レベルを調整し、
前記逆相の光信号により発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、前記補信号に対する帰還閉ループにおける信号レベルを調整する
光受信器。 - 請求項9または12に記載した光受信器において、
前記差動型トランスインピーダンスアンプは、前記正信号と前記補信号を入力とする差動アンプと、前記差動アンプの出力に接続されたエミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路を備え、
前記帰還閉ループは、前記エミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路の出力と前記差動アンプの入力に接続された帰還抵抗を備え、
前記レベル調整部は、前記差動アンプの出力と前記エミッタフォロワ回路またはソースフォロワ回路の入力との間に接続された差動回路を備え、
前記光電流検出部は、前記第1のフォトダイオードまたは前記第2のフォトダイオードで発生する光電流に比例した比例電流をそれぞれ出力するカレントミラー回路と、前記比例電流に応じて調整電圧を発生する調整電圧発生部と、前記調整電圧を反転してレベル調整したレベル調整電圧を出力するインバータ回路部を備え、前記レベル調整電圧が前記差動回路に入力される
光受信器。 - 請求項9から13に記載の光受信器と1ビット遅延干渉計を有し、
前記1ビット遅延干渉計はゼロ復帰符号を用いた差動位相偏移変調された光変調信号を受光し、前記正相の光信号および前記逆相の光信号を出力する
光受信装置。 - 第1の光信号を受光し、電気信号に変換して正信号を出力し、
第2の光信号を受光し、電気信号に変換して補信号を出力し、
前記正信号と前記補信号を入力とし正信号電圧と補信号電圧を出力するとともに入力側に帰還させ、
前記第1の光信号および前記第2の光信号による光電流を検出し、
前記光電流に基づいて前記帰還時における信号レベルを調整する
光受信強度補正方法。 - 請求項15に記載した光受信強度補正方法において、
前記第1の光信号は、光受信信号と、前記光受信信号と略同一波長の第1の局部発振光が干渉して得られる第1の干渉光信号であり、
前記第2の光信号は、前記光受信信号と、前記第1の局部発振光と位相が反転した第2の局部発振光が干渉して得られる第2の干渉光信号である
光受信強度補正方法。 - 請求項16に記載した光受信強度補正方法において、
前記帰還時における信号レベルの調整は、
前記第1の干渉光信号により発生する光電流に基づいて、前記正信号に対する帰還時における信号レベルを調整し、
前記第2の干渉光信号により発生する光電流に基づいて、前記補信号に対する帰還時における信号レベルを調整する
光受信強度補正方法。 - 請求項16に記載した光受信強度補正方法において、
前記帰還時における信号レベルの調整は、
前記第1の干渉光信号により発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、前記補信号に対する帰還時における信号レベルを調整し、
前記第2の干渉光信号により発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、前記正信号に対する帰還時における信号レベルを調整する
光受信強度補正方法。 - 請求項15に記載した光受信強度補正方法において、
前記第1の光信号は、1ビット遅延干渉計の第1の出力端から送出される正相の光信号であり、
前記第2の光信号は、前記1ビット遅延干渉計の第2の出力端から送出される逆相の光信号である
光受信強度補正方法。 - 請求項19に記載した光受信強度補正方法において、
前記帰還時における信号レベルの調整は、
前記正相の光信号により発生する光電流に基づいて、前記補信号に対する帰還時における信号レベルを調整し、
前記逆相の光信号により発生する光電流に基づいて、前記正信号に対する帰還時における信号レベルを調整する
光受信強度補正方法。 - 請求項19に記載した光受信強度補正方法において、
前記帰還時における信号レベルの調整は、
前記正相の光信号により発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、前記正信号に対する帰還時における信号レベルを調整し、
前記逆相の光信号により発生する光電流に応じて発生する電圧の反転値に基づいて、前記補信号に対する帰還時における信号レベルを調整する
光受信強度補正方法。
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