JP2019510066A - 置換アミノプリン化合物、その組成物、及びそれらを用いた治療方法 - Google Patents

置換アミノプリン化合物、その組成物、及びそれらを用いた治療方法 Download PDF

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Abstract

本明細書では、有効量の式(I)のアミノプリン化合物と、有効量のこのような化合物を含む組成物とを投与すること、を含む、がん(固形癌及び血液癌を含む)を治療または予防するための方法を提供する。
【化1】
Figure 2019510066

【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年4月1日出願の米国特許仮出願番号62/317,412に対する優先権を主張するものであり、その全体はあらゆる目的において参照として本明細書に組み込まれる。
本明細書では、本明細書に記載の有効量の特定アミノプリン化合物と、有効量のこのような化合物を含む組成物とを投与すること、を含む、がん(固形癌及び血液癌を含む)を治療または予防するための方法を提供する。
がんは主に、任意の正常組織から誘導された異常細胞数の増加、これら異常細胞による隣接組織への浸潤、または、悪性細胞の、局所リンパ節及び遠隔部位へのリンパ液または血液による拡散(転移)を特徴とする。臨床データ及び分子生物学的研究は、がんが新生物発生前のわずかな変化(一定条件下で腫瘍形成へと進展し得る)から始まる多段階プロセスであることを示している。腫瘍性病変は、特に腫瘍性細胞が宿主の免疫監視機構を回避する条件下において、クローン的に発達して、浸潤、増殖、転移及び不均一性のための容積増加を起こし得る(Roitt,I.,Brostoff,J and Kale,D.,Immunology,17.1−17.12(3rd ed.,Mosby,St.Louis,Mo.,1993))。
がんは全世界における主要な死因の1つと考えられており、2012年度には8200万人が死亡している。がんの年間症例数は、次の20年以内に2012年度の1400万人から2200万人へと増加すると予測されている(Cancer Fact sheet No 297,World Health Organization,February 2014,retrieved 10 June 2014 and Globocan 2012,IARCを参照のこと)。
がん治療に用いられている現行の薬剤は非常に毒性が高く、また非特異的である場合が多い。現行の抗がん治療方針は一般的に、急速に増殖する細胞に焦点を置いて原発性腫瘍及び転移性腫瘍を退縮させ得るが、このような効果は通常一時的なものであり、ほとんどの転移性がんにおいて腫瘍再発が頻繁に起こってしまう。失敗について考えられる1つの原因は、がん幹細胞の存在である。腫瘍内のほとんどの細胞とは異なり、がん幹細胞は明確な化学療法に対する耐性を示し、治療後、がん幹細胞は、その幹細胞のような振る舞い(ほぼ静止性)及び薬物トランスポーターの豊富な発現により、腫瘍内の全ての細胞型を再生させることができる。
医学文献に詳細が記載されている極めて多様ながんが存在している。がんの発症率は、人口全体が高年齢化するにつれ、新しいがんが発生するにつれ、また罹患しやすい人口(例えば、AIDSに感染している人々、または過度に太陽光に曝された人々)が増加するにつれ、上昇し続けている。しかしながら、がん治療の選択肢は限られている。それゆえ、がん患者の治療に利用可能な新規方法及び組成物への極めて大きな需要が存在している。
本出願のセクションにおけるいずれの参照文献の引用または同定も、それら参照文献が本出願の先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
本明細書では、本明細書で提供する方法に使用可能なアミノプリン化合物(このようなアミノプリン化合物を含む組成物(例えば、医薬組成物)を含む)を提供する。
本明細書では、がん、特に、固形癌または血液癌を治療するための方法を提供する。本明細書で提供するアミノプリン化合物は、本明細書に記載のがん、特に、固形癌または血液癌を治療または予防するための方法に使用可能である。方法は、それを必要とする対象に、有効量のアミノプリン化合物1を投与することを含む。本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書で提供する有効量のアミノプリン化合物を投与することを含む、がん転移を治療及び予防するための方法を提供する。本明細書で提供するアミノプリン化合物は、がん転移を治療及び予防するための方法に使用可能である。加えて、本明細書では、それを必要とする対象に、本明細書で提供する有効量のアミノプリン化合物を投与することを含む、対象内のがん幹細胞を根絶するための方法を提供する。本明細書で提供するアミノプリン化合物は、対象内のがん幹細胞を根絶するための方法に使用可能である。それを必要とする対象に、本明細書で提供する有効量のアミノプリン化合物を投与することを含む、対象内のがん幹細胞における分化を誘導するための方法もまた提供する。本明細書で提供するアミノプリン化合物は、対象内のがん幹細胞における分化を誘導するための方法に使用可能である。別の態様では、それを必要とする対象に、本明細書で提供する有効量のアミノプリン化合物を投与することを含む、対象内のがん幹細胞死を誘導するための方法を提供する。本明細書で提供するアミノプリン化合物は、対象内のがん幹細胞死を誘導するための方法に使用可能である。
本明細書では、本明細書に記載のアミノプリン化合物を含む医薬組成物を用いて、がん、特に、固形癌または血液癌を治療するための方法を提供する。本明細書で提供するアミノプリン化合物医薬組成物は、本明細書に記載のがん、特に、固形癌または血液癌を治療または予防するための方法に使用可能である。方法は、それを必要とする対象に、アミノプリン化合物1を含む有効量の医薬組成物を投与することを含む。本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書で提供するアミノプリン化合物を含む有効量の医薬組成物を投与することを含む、がん転移を治療及び予防するための方法を提供する。本明細書で提供するアミノプリン化合物医薬組成物は、がん転移を治療及び予防するための方法に使用可能である。加えて、本明細書では、それを必要とする対象に、本明細書で提供するアミノプリン化合物を含む有効量の医薬組成物を投与することを含む、対象内のがん幹細胞を根絶するための方法を提供する。本明細書で提供するアミノプリン化合物医薬組成物は、対象内のがん幹細胞を根絶するための方法に使用可能である。それを必要とする対象に、本明細書で提供するアミノプリン化合物を含む有効量の医薬組成物を投与することを含む、対象内のがん幹細胞における分化を誘導するための方法もまた提供する。本明細書で提供するアミノプリン化合物医薬組成物は、対象内のがん幹細胞における分化を誘導するための方法に使用可能である。別の態様では、それを必要とする対象に、本明細書で提供するアミノプリン化合物を含む有効量の医薬組成物を投与することを含む、対象内のがん幹細胞死を誘導するための方法を提供する。本明細書で提供するアミノプリン化合物医薬組成物は、対象内のがん幹細胞死を誘導するための方法に使用可能である。
本明細書で開示する方法に有用な化合物は、本明細書に記載のアミノプリン化合物(例えば、表1に記載の化合物など)または薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、光学異性体、もしくはその同位体分子、及びアミノプリン化合物の医薬組成物である。
発明を実施するための形態及び実施例(非限定実施形態を例示することを目的としている)を参照することにより、本実施形態をより完全に理解することができる。
化合物1処理が、Colo 205(BRAFV600E変異)細胞において、ERK基質pRSK1 S380の持続性阻害を生じさせることを示す図である。Colo 205細胞を、DMSOまたは0.5μMの化合物1で指定時間処理した。MSDアッセイを用いてpRSK1 S380を測定した(上部)。ウェスタンブロット法を用いてDUSP4及びDUSP6を検出した(下部)。
Colo 205におけるMAPキナーゼシグナル伝達及び下流標的遺伝子を強力に阻害する化合物1を示す図である。結腸癌細胞株Colo 205(BRAF V600E)培養液を、DMSOまたは高濃度の化合物1で、2時間、8時間または24時間処理した。図2Aは、処理済み細胞からタンパク質を抽出し、DUSP4、DUSP6、サイクリンD1、c−Myc、YAPまたはβ−アクチンに対する抗体を用いたウェスタンブロット法による解析を示す。図2B〜図2Cは、Cell−To−CTキットを用いてRNAを抽出し、DUSP4、DUSP6、SPRY2、c−Myc及びサイクリンD1に特異的なプローブを用いた定量PCRの実施を示す。β−アクチンに特異的なプローブを正規化に用いた。図2D〜図2Iは、化合物1処理が、Colo 205(BRAFV600E変異)細胞及びHT−29(BRAFV600E変異)細胞におけるMAPK駆動mRNAレベルを調節することを示す。Colo 205細胞またはHT−29細胞を、DMSO、または0.3または1μMの化合物1で6時間処理した。MagMAX総RNA単離キットを用いてmRNAを抽出し、定量PCRを実施した。
Colo 205におけるWNT/β−カテニンシグナル伝達経路及びHIPPO/YAPシグナル伝達経路の標的遺伝子に対する化合物1の効果を示す図である。結腸癌細胞株Colo 205(BRAF V600E)培養液を、DMSOまたは高濃度の化合物1で、2時間、8時間または24時間処理した。Cell−To−CTキットを用いてRNAを抽出し、Axin2、CTGF及びAREGに特異的なプローブを用いて定量PCRを実施した。β−アクチンに特異的なプローブを正規化に用いた。 化合物1処理が、Colo 205(BRAFV600E変異)細胞及びHT−29(BRAFV600E変異)細胞におけるYAP駆動mRNAレベルを調節することを示す図である。Colo 205細胞またはHT−29細胞を、DMSO、または0.3または1μMの化合物1で6時間処理した。MagMAX総RNA単離キットを用いてRNAを抽出し、定量PCRを実施した。
化合物1が、複数のがん細胞株におけるPD−L1レベルを下方制御することを示す図である。図4Aは、Hop66、Karpas−299及びLOX−IMVIにおける総PD−L1のウェスタンブロットを示す。化合物1の有無で細胞を指定時間培養してから、ウェスタンブロット法でPD−L1、DUSP4及びα−チューブリンまたはα−アクチンの発現レベルを測定した。図4Bは、蛍光活性化セルソーター(FACS)によるPD−L1の表面染色を示す。細胞を、DMSOまたは指定濃度の化合物1で48時間処理してから、PD−L1に対するAPC標識抗体(clone 29E.1A3.;BioLegend,San Diego,CA)を用いたFACS解析を利用して、PD−L1の細胞表面発現を検出した。FlowJo 10(Treestar,Ashland,OR)を用いて、PD−L1陽性細胞の幾何平均を求めた。
化合物1処理済みKARPAS−299細胞が、インビトロで、スーパー抗原(SEB)で刺激したPBMC由来T細胞により、IL−2(図5A)及びIFNγ(図5B)の産生を増加させること示す図である。KARPAS−299細胞を、指定濃度のDMSO(D)または化合物1で48時間処理した。健康ドナー由来のPBMCを、20ng/mlのSEBで、またはそれ無しで48時間処理した。PBSで洗浄した後、PBMCをがん細胞と共に24時間インキュベートしてから、上清を回収し、MSDアッセイを用いてIL−2及びIFNγを測定した。図5Cは、PBMC培地で測定した、IL−8レベルに対する化合物1処理の効果を示す。PBMCを全血から単離して、RPMI培地(10% FBS添加)で培養した。PBMCを、ミリリットルあたり1×10で、10cmの皿に播種した。PBMCを、0.1% DMSOまたは0.5μM 化合物1で処理した。指定の時点に処理を記録した。PBMCをペレット状にしてからウェスタンブロット法に用い、IL−8の解析用に1mLの培地を採取した。製造業者の取扱説明書に従いMesoscale V−Plex Human IL−8キットを用いて、IL−8解析を実施した。化合物1は、別々の時点において、IL−8レベルを阻害するように示された。
LOX−IMVI異種移植モデルにおける化合物1の抗腫瘍活性を示す図である。雌SCIDマウスの右脇腹に、1×10個のLOX−IMVI腫瘍細胞を接種した。治療開始時に、マウスを治療群(n=9匹/群)に無作為化した。腫瘍が約240mmとなった13日目に、試験薬による治療を開始した。
LOX IMVI異種移植モデルにおける化合物1の抗腫瘍活性を示す図である。雌重症複合免疫不全症(SCID)マウスの右脇腹に、1×10個のLOX−IMVI腫瘍細胞を接種した。治療開始時に、マウスを治療群(n=10匹/群)に無作為化した。腫瘍が約300mmとなった13日目に、試験薬による治療を開始した。パーセント阻害については、最終試験日に、溶媒対照と比較して算出し、治療群における対応する腫瘍容積の隣の括弧内に記載している。点線は、投与開始時の腫瘍容積である。
Colo 205異種移植モデルにおける化合物1の抗腫瘍活性を示す図である。雌SCIDマウスの右脇腹に、2×10個のColo 205腫瘍細胞を接種した。治療開始時に、マウスを治療群(n=10匹/群)に無作為化した。腫瘍が約160mmとなった10日目に、試験薬による治療を開始した。パーセント阻害については、最終試験日に、溶媒対照と比較して算出し、治療群における対応する腫瘍容積の隣の括弧内に記載している。点線は、投与開始時の腫瘍容積である。
Colo 205異種移植モデルにおける化合物1の抗腫瘍活性を示す図である。雌SCIDマウスの右脇腹に、2×10個のColo 205腫瘍細胞を接種した。治療開始時に、マウスを治療群(n=10匹/群)に無作為化した。腫瘍が約130または160mmとなった10日目に、試験薬による治療を開始した。パーセント阻害については、最終試験日に、溶媒対照と比較して算出し、治療群における対応する腫瘍容積の隣の括弧内に記載している。点線は、投与開始時の腫瘍容積である。
PDX146異種移植モデルにおける化合物1の抗腫瘍活性を示す図である。雌NSGマウスの右脇腹に、細胞スラリー中の25μgのPDX146腫瘍を接種した。治療開始時に、マウスを治療群(n=8〜10匹/群)に無作為化した。腫瘍が約100〜110mmとなった19日目に、試験薬による治療を開始した。図10Aは、時間の関数としての腫瘍容積を示す。図10Bは、最終試験日、40日目における個々の腫瘍容積を示す。パーセント阻害については、最終試験日に、溶媒対照と比較して算出し、治療群における対応する腫瘍容積の隣の括弧内に記載している。点線は、投与開始時の腫瘍容積である。Camp = カンプトサール。
PDX146異種移植モデルにおける連続的な化合物1治療による腫瘍増殖遅延を示す図である。雌NSGマウスの右脇腹に、細胞スラリー中の25μgのPDX146腫瘍を接種した。治療開始時に、マウスを治療群(n=8〜10匹/群)に無作為化した。腫瘍が約100〜110mmとなった16日目に、試験薬による治療を開始した。黒色の点線は投与開始時の腫瘍容積であり、赤色の点線は、溶媒対照群終了時の43日目における腫瘍容積である。
化合物1の単回用量が、PDX146異種移植モデルにおけるMAPKシグナル伝達経路、Wntシグナル伝達経路及びHippoシグナル伝達経路のバイオマーカーを阻害することを示す図である(化合物1で治療したPDX146腫瘍におけるMAPK経路、Wnt経路及びHippo経路の調節)。投与後の指定の時点において、PDX146腫瘍から抽出したRNAに対し、qRT−PCRアッセイを実施した。データは、平均±SEMとして表す。P値は、ダネットの事後解析を用いたone−way ANOVAから導く。
化合物1が単回用量投与後に、PDX146腫瘍におけるMAPKシグナル伝達経路、Wntシグナル伝達経路及びHippoシグナル伝達経路のバイオマーカーを阻害することを示す図である(化合物1で治療したPDX146腫瘍におけるMAPK経路、Wnt経路及びHippo経路の調節)。投与後の指定の時点において、PDX146腫瘍から抽出したRNAに対し、qRT−PCRアッセイを実施した。YAPのデータは、5mg/kg治療群由来腫瘍のウェスタンブロット解析から作成し、YAPタンパク質発現とβ−アクチンタンパク質発現の比率として表す。データは、平均±SEMとして表す。P値は、ダネットの事後解析を用いたone−way ANOVAから導く。
リン酸化RSK(pRSK)及びリン酸化ERK(pERK)のタンパク質レベル(MAPKシグナル伝達経路のバイオマーカー)が、化合物1の単回用量投与により調節されたことを示す図である。投与後の指定の時点において、PDX146腫瘍から抽出したタンパク質に対し、ウェスタンブロット(pRSK)アッセイまたはMesoscale(pERK)アッセイを実施した。リン酸化RSKのデータは、溶媒対照の%として表す。リン酸化ERKのデータは、平均±SEMとして表す。
β−カテニン変異SW48結腸直腸異種移植モデルにおける化合物1の抗腫瘍活性を示す図である。雌SCIDマウスの右脇腹に、2×10個のSW48腫瘍細胞を接種した。治療開始時に、マウスを治療群(n=10匹/群)に無作為化した。腫瘍が約110及び105mmとなった10日目に、試験薬による治療を開始した(それぞれ図15A及び図15B)。黒色の点線は、投与開始時の腫瘍容積である。左側のグラフは用量反応試験である(グラフA)。図15Bは、動物が試験期間中にわたり薬剤を投与され続けた無増悪期間試験を示す(グラフB)。点線は、溶媒対照群終了時の28日目における腫瘍容積である。
同所性Hep3B2.1−7肝細胞癌異種移植における抗腫瘍活性を示す図である。雌SCIDマウスに、動物あたり2×10個のHep3B2.1−7腫瘍細胞を同所接種した。接種の7日後に、体重及び開始した治療に基づいて、動物を治療群に無作為化した(試験0日目)。サテライト群の割合評価を行うことにより、動物の100%に肝臓内腫瘍の存在が確認された。化合物1を、21日間にわたりQD経口投与した。試験終了日に、腫瘍を取り出して重量を測定した。個々の腫瘍重量、及びそれぞれの群の平均腫瘍重量±SEMをプロットする。パーセント阻害については、溶媒対照と比較して算出し、治療群における対応する腫瘍重量上に記載している。P値は、ダネットの事後解析を用いたone−way ANOVAから導く。*** = p<0.001。化合物1は、溶媒対照と比較して、統計上有意な腫瘍重量低下を示した。
C−Met増幅肝細胞癌患者由来異種移植モデルLI0612における化合物1の抗腫瘍活性を示す図である。雌SCIDマウスの右脇腹に、肝細胞癌PDXモデルLI0612腫瘍断片(直径2〜4mm)を接種した。治療開始時に、マウスを治療群(n=10匹/群)に無作為化した。腫瘍が約150mmとなった18日目に、試験薬による治療を開始した。溶媒対照群及び化合物1治療群の腫瘍増殖は、投与期間中にわたり進行した。化合物1投与における増殖動態に変化が認められ、30mg/kgの治療に有意な腫瘍増殖抑制(TGI)(溶媒対照と比較して、p=0.038)がもたらされることになった。
β−カテニン変異を有する細胞株の、化合物1処理に対する感受性を示す図である(変異β−カテニンを有する細胞株が通常、化合物1処理により影響を受けやすいということを示している)。
化合物1による処理に対する細胞株の感受性及び耐性を示す図である。図19A〜図19Cは、BRAF変異及びCTNNB1変異を有する細胞株が、野生型のBRAF及びCTNNB1を有する細胞株と比較して、化合物1による処理により影響を受けやすいということを示す。図19D及び図19Eは、RB及びPI3K/PTEN経路に変異を有する細胞株が、インビトロで、化合物1処理に対する耐性に関連していることを示す。
化合物1が、BRAF及びCTNNB1変異細胞株SW48におけるMAPK、β−カテニン及びYAPを調節することを示す図である。
化合物1が、BRAF及びCTNNB1変異細胞株SW48におけるMAPK、β−カテニン及びYAPにより制御される標的遺伝子発現を調節することを示す図である。
化合物1が、ヒト気管支上皮細胞においてAxin2発現を阻害することを示す図である。24時間時点の遺伝子発現を測定した。
化合物1が、MEK阻害剤(トラメチニブ)及びERK阻害剤(GDC0994)より高いレベルで、β−カテニン変異細胞のコロニー形成を阻害することを示す図である。図23Aは、SW48(colo)細胞のコロニー形成阻害を示す。図23Bは、HCT−116(colo)細胞のコロニー形成阻害を示す。図23Cは、AGS(胃)細胞のコロニー形成阻害を示す。図23Dは、Hep3B(HCC)細胞のコロニー形成阻害を示す。
MEK阻害剤トラメチニブに対する耐性を示すAGS細胞が、コロニー形成アッセイにおいて、化合物1の影響を受けやすいことを示す図である。
化合物1及びトラメチニブで72時間処理した8xGTIIC−ルシフェラーゼWI38 VA13細胞におけるTEADレポーター活性を示す図である。Bright Gloルシフェラーゼアッセイ(Promega)を用いて、ルシフェラーゼ活性を解析した。化合物1は、TEADレポーター活性を阻害した(24時間アッセイにおいて>10μMの平均IC50、72時間アッセイにおいて1.85μMの平均IC50(3回の実験による累積データ))。生存能は、3回のアッセイにわたって、再現可能に、化合物1の影響を受けなかった。トラメチニブは、24時間または72時間時点において、TEADレポーター活性を阻害しなかった。
定義
「アルキル基」とは、1〜10個の炭素原子、通常は1〜8個の炭素、または、一部の実施形態では、1〜6個、1〜4個または2〜6個の炭素原子を有する、飽和、部分的に飽和、または不飽和の直鎖または分枝鎖の非環式炭化水素のことである。代表的なアルキル基としては、−メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチル及び−n−ヘキシルが挙げられ、更に、飽和分枝鎖アルキルとしては、−イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、−tert−ブチル、−イソペンチル、−ネオペンチル、−tert−ペンチル、−2−メチルペンチル、−3−メチルペンチル、−4−メチルペンチル、−2,3−ジメチルブチルなどが挙げられる。不飽和アルキル基の例としては、とりわけ、ビニル、アリール、−CH=CH(CH)、−CH=C(CH、−C(CH)=CH、−C(CH)=CH(CH)、−C(CHCH)=CH、−C≡CH、−C≡C(CH)、−C≡C(CHCH)、−CHC≡CH、−CHC≡C(CH)及び−CHC≡C(CHCH)が挙げられるがこれらに限定されない。アルキル基は、置換または非置換されていてもよい。本明細書に記載のアルキル基について「置換」されたと言う際、それらアルキル基は、本明細書で開示する代表的な化合物及び実施形態にみられるような任意の1個の置換基または複数の置換基に加えて、ハロゲン(クロロ、ヨード、ブロモまたはフルオロ)、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノ、アルキルアミノ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、チオール、チオエーテル、イミン、イミド、アミジン、グアニジン、エナミン、アミノカルボニル、アシルアミノ、ホスホネート、ホスフィン、チオカルボニル、スルフィニル、スルホン、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、尿素、ウレタン、オキシム、ヒドロキシルアミン、アルコキシアミン、アリールオキシアミン、アラルコキシアミン、N−オキシド、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドラゾン、アジド、イソシアネート、イソチオシアネート、シアネート、チオシアネート、B(OH)、または、O(アルキル)アミノカルボニルで置換されてもよい。
「シクロアルキル」基とは、1〜3個のアルキル基で任意選択的に置換されてもよい、単環、または、複数環からなる縮合環もしくは橋かけ環を有する3〜10個の炭素原子の飽和または部分的に飽和した環式アルキル基のことである。一部の実施形態において、シクロアルキル基が3〜8つの員環を有するのに対し、その他の実施形態では、環炭素原子の数は、3〜5個、3〜6個、または、3〜7個の範囲である。このようなシクロアルキル基としては、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロペンチル、2−メチルシクロオクチルなどの単環構造、または、1−ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチルなどの複数環構造もしくは橋かけ環構造が挙げられる。不飽和シクロアルキル基の例としては、とりわけ、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニルが挙げられる。シクロアルキル基は、置換または非置換されていてもよい。このような置換シクロアルキル基としては、例として、シクロヘキサノールなどが挙げられる。
「アリール」基とは、単環(例えば、フェニル)、または、複数環からなる縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する6〜14個の炭素原子の芳香族炭素環基のことである。一部の実施形態では、アリール基は、基の環部に6〜14個の炭素を含有し、その他の実施形態では、6〜12個の炭素原子を含有し、または更に、6〜10個の炭素原子を有する。特定のアリールとしては、フェニル、ビフェニル、ナフチルなどが挙げられる。アリール基は、置換または非置換されていてもよい。語句「アリール基」としてはまた、縮合環、例えば、縮合芳香族−脂肪族環系(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)などを含有する基が挙げられる。
「ヘテロアリール」基とは、芳香族複素環系内の環原子として1〜4個のヘテロ原子を有するアリール環系(残りの原子は炭素原子)のことである。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、基の環部に3〜6個の環原子を含有し、その他の実施形態では、6〜9個の原子を含有し、または更に、6〜10個の原子を含有する。好適なヘテロ原子としては、酸素、硫黄及び窒素が挙げられる。特定の実施形態では、ヘテロアリール環系は、単環式または二環式である。非限定的例としては、例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ベンズイソキサゾリル(例えば、ベンゾ[d]イソキサゾリル)、チアゾリル、ピロリル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、ベンゾフラニル、インドリル(例えば、インドリル−2−オニルまたはイソインドリン−1−オニル)、アザインドリル(ピロロピリジルまたは1H−ピロロ[2,3−b]ピリジル)、インダゾリル、ベンズイミダゾリル(例えば、1H−ベンゾ[d]イミダゾリル)、イミダゾピリジル(例えば、アザベンズイミダゾリルまたは1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジル)、ピラゾロピリジル、トリアゾロピリジル、ベンゾトリアゾリル(例えば、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾリル)、ベンズオキサゾリル(例えば、ベンゾ[d]オキサゾリル)、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イソオキサゾロピリジル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル(例えば、3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オニル)、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、及びキナゾリニル基などの基が挙げられるがこれらに限定されない。
「ヘテロシクリル」とは、環炭素原子のうちの1〜4個がO、S及びNからなる群からなるヘテロ原子で独立して置換される、芳香族シクロアルキル(ヘテロアリールとも呼ばれる)または非芳香族シクロアルキルである。一部の実施形態において、ヘテロシクリル基が3〜10の員環を含むのに対し、その他のこのような基は、3〜5つ、3〜6つ、または、3〜8つの員環を有する。ヘテロシクリルはまた、任意の環原子(すなわち、複素環の任意の炭素原子またはヘテロ原子)において、その他の基に結合してもよい。ヘテロシクロアルキル基は、置換または非置換されていてもよい。ヘテロシクリル基は、不飽和環系、部分的に飽和した環系及び飽和環系、例えば、イミダゾリル基、イミダゾリニル基及びイミダゾリジニル(例えば、イミダゾリジン−4−オンまたはイミダゾリジン−2,4−ジオニル)基などを包含する。語句ヘテロシクリルとしては、縮合した芳香族基及び非芳香族基、例えば、1−及び2−アミノテトラリン、ベンゾトリアゾリル(例えば、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾリル)、ベンズイミダゾリル(例えば、1H−ベンゾ[d]イミダゾリル)、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、及び、ベンゾ[1,3]ジオキソリルなどを含む縮合環種を含む縮合環種が挙げられる。この語句としてはまた、ヘテロ原子を含有する橋かけ多環式環系、限定するわけではないが例えば、キヌクリジルが挙げられる。ヘテロシクリル基の代表例としては、アジリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、オキセタニル、ピロリジル、イミダゾリジニル(例えば、イミダゾリジン−4−オニルまたはイミダゾリジン−2,4−ジオニル)、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ベンズイソキサゾリル(例えば、ベンゾ[d]イソキサゾリル)、チアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピペリジル、ピペラジニル(例えば、ピペラジン−2−オニル)、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル(例えば、テトラヒドロ−2H−ピラニル)、テトラヒドロチオピラニル、オキサチアニル、ジオキシル、ジチアニル、ピラニル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニル、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカニル、ホモピペラジニル、キヌクリジル、インドリル(例えば、インドリル−2−オニルまたはイソインドリン−1−オニル)、インドリニル、イソインドリル、イソインドリニル、アザインドリル(ピロロピリジルまたは1H−ピロロ[2,3−b]ピリジル)、インダゾリル、インドリジニル、ベンゾトリアゾリル(例えば、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾリル)、ベンズイミダゾリル(例えば、1H−ベンゾ[d]イミダゾリルまたは1H−ベンゾ[d]イミダゾル−2(3H)−オニル)、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジチイニル、ベンズオキサチイニル、ベンゾチアジニル、ベンズオキサゾリル(すなわち、ベンゾ[d]オキサゾリル)、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ピラゾロピリジル(例えば、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジル、1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジル)、イミダゾピリジル(例えば、アザベンズイミダゾリルまたは1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジル)、トリアゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル(例えば、3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オニル)、キノリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、チアナフタレニル、ジヒドロベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロベンズイミダゾリル、テトラヒドロベンゾトリアゾリル、テトラヒドロピロロピリジル、テトラヒドロピラゾロピリジル、テトラヒドロイミダゾピリジル、テトラヒドロトリアゾロピリジル、テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン、及びテトラヒドロキノリニル基が挙げられるがこれらに限定されない。代表的な非芳香族ヘテロシクリル基は、縮合芳香族基を含む縮合環種を含まない。非芳香族ヘテロシクリル基の例としては、アジリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、ピロリジル、イミダゾリジニル(例えば、イミダゾリジン−4−オニルまたはイミダゾリジン−2,4−ジオニル)、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジル、ピペラジニル(例えば、ピペラジン−2−オニル)、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル(例えば、テトラヒドロ−2H−ピラニル)、テトラヒドロチオピラニル、オキサチアニル、ジチアニル、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカニル、ホモピペラジニル、キヌクリジル、またはテトラヒドロピリミジン−2(1H)−オンが挙げられる。代表的な置換ヘテロシクリル基は、以下に記載するような様々な置換基で、モノ置換されるかまたは2ヵ所以上置換されてもよく、限定するわけではないが例えば、ピリジル基またはモルホリニル基は、2−、3−、4−、5−もしくは−6置換されるかまたはジ置換されてもよい。
「シクロアルキルアルキル」基とは、式、−アルキル−シクロアルキルのラジカルのことである(式中、アルキル及びシクロアルキルは上で定義したとおり)。置換シクロアルキルアルキル基は、基のアルキル部分において、シクロアルキル部分において、または、アルキル部分とシクロアルキル部分の両方において置換されてもよい。代表的なシクロアルキルアルキル基としては、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロプロピル、エチルシクロブチル、エチルシクロペンチル、エチルシクロヘキシル、プロピルシクロペンチル、プロピルシクロヘキシルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
「アラルキル」基とは、式、−アルキル−アリールのラジカルのことである(式中、アルキル及びアリールは上で定義したとおり)。置換アラルキル基は、基のアルキル部分において、アリール部分において、または、アルキル部分とアリール部分の両方において置換されてもよい。代表的なアラルキル基としては、ベンジル基及びフェネチル基、ならびに、4−エチル−インダニルなどの縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基が挙げられるがこれらに限定されない。
「ヘテロシクリルアルキル」基とは、式、−アルキル−ヘテロシクリルのラジカルのことである(式中、アルキル及びヘテロシクリルは上で定義したとおり)。置換ヘテロシクリルアルキル基は、基のアルキル部分において、ヘテロシクリル部分において、または、アルキル部分とヘテロシクリル部分の両方において置換されてもよい。代表的なヘテロシクリルアルキル基としては、4−エチル−モルホリニル、4−プロピルモルホリニル、フラン−2−イルメチル、フラン−3−イルメチル、ピリジン−3−イルメチル、テトラヒドロフラン−2−イルエチル、及びインドール−2−イルプロピルが挙げられるがこれらに限定されない。
「ハロゲン」とは、クロロ、ヨード、ブロモまたはフルオロのことである。
「ヒドロキシアルキル」基とは、1個または複数個のヒドロキシ基で置換された本明細書に記載のアルキル基のことである。
「アルコキシ」基とは、−O−(アルキル)のことである(式中、アルキルは本明細書で定義したとおり)。
「アルコキシアルキル」基とは、−(アルキル)−O−(アルキル)のことである(式中、アルキルは本明細書で定義したとおり)。
「アミン」基とは、式、−NHのラジカルのことである。
「ヒドロキシルアミン」基とは、式、−N(R)OHまたは−NHOHのラジカルのことである(式中、Rは、本明細書で定義する置換または非置換アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロシクリル基またはヘテロシクリルアルキル基)。
「アルコキシアミン」基とは、式、−N(R)O−アルキルまたは−NHO−アルキルのラジカルのことである(式中、R及びアルキルは本明細書で定義したとおり)。
「アリールオキシアミン」基とは、式、−N(R)O−アリールまたは−NHO−アリールのラジカルのことである(式中、R及びアリールは本明細書で定義したとおり)。
「アラルコキシアミン」基とは、式、−N(R)O−アラルキルまたは−NHO−アラルキルのラジカルのことである(式中、R及びアラルキルは本明細書で定義したとおり)。
「アルキルアミン」基とは、式、−NH−アルキルまたは−N(アルキル)のラジカルのことである(式中、それぞれのアルキルは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「アミノカルボニル」基とは、式、−C(=O)N(R、−C(=O)NH(R)または−C(=O)NHのラジカルのことである(式中、それぞれのRは本明細書で定義したとおり)。
「アシルアミノ」基とは、式、−NHC(=O)(R)または−N(アルキル)C(=O)(R)のラジカルのことである(式中、それぞれのアルキル及びRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「O(アルキル)アミノカルボニル」基とは、式、−O(アルキル)C(=O)N(R、−O(アルキル)C(=O)NH(R)または−O(アルキル)C(=O)NHのラジカルのことである(式中、それぞれのR及びアルキルは独立して本明細書で定義したとおり)。
「N−オキシド」基とは、式、−N−Oのラジカルのことである。
「カルボキシ」基とは、式、−C(=O)OHのラジカルのことである。
「ケトン」基とは、式、−C(=O)(R)のラジカルのことである(式中、Rは本明細書で定義したとおり)。
「アルデヒド」基とは、式、−CH(=O)のラジカルのことである。
「エステル」基とは、式、−C(=O)O(R)または−OC(=O)(R)のラジカルのことである(式中、Rは本明細書で定義したとおり)。
「尿素」基とは、式、−N(アルキル)C(=O)N(R、−N(アルキル)C(=O)NH(R)、−N(アルキル)C(=O)NH、−NHC(=O)N(R、−NHC(=O)NH(R)または−NHC(=O)NH のラジカルのことである(式中、それぞれのアルキル及びRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「イミン」基とは、式、−N=C(Rまたは−C(R)=N(R)のラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「イミド」基とは、式、−C(=O)N(R#)C(=O)(R)または−N((C=O)(R))のラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「ウレタン」基とは、式、−OC(=O)N(R、−OC(=O)NH(R)、−N(R)C(=O)O(R)または−NHC(=O)O(R)のラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「アミジン」基とは、式、−C(=N(R))N(R、−C(=N(R))NH(R)、−C(=N(R))NH、−C(=NH)N(R、−C(=NH)NH(R)、−C(=NH)NH、−N=C(R)N(R、−N=C(R)NH(R)、−N=C(R)NH、−N(R)C(R)=N(R)、−NHC(R)=N(R)、−N(R)C(R)=NHまたは−NHC(R)=NHのラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「グアニジン」基とは、式、−N(R)C(=N(R))N(R、−NHC(=N(R))N(R、−N(R)C(=NH)N(R、−N(R)C(=N(R))NH(R)、−N(R)C(=N(R))NH、−NHC(=NH)N(R、−NHC(=N(R))NH(R)、−NHC(=N(R))NH、−NHC(=NH)NH(R)、−NHC(=NH)NH、−N=C(N(R、−N=C(NH(R))または−N=C(NHのラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「エナミン」基とは、式、−N(R)C(R)=C(R、−NHC(R)=C(R、−C(N(R)=C(R、−C(NH(R))=C(R、−C(NH)=C(R、−C(R)=C(R)(N(R)、−C(R)=C(R)(NH(R))または−C(R)=C(R)(NH)のラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「オキシム」基とは、式、−C(=NO(R))(R)、−C(=NOH)(R)、−CH(=NO(R))または−CH(=NOH)のラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「ヒドラジド」基とは、式、−C(=O)N(R)N(R、−C(=O)NHN(R、−C(=O)N(R)NH(R)、−C(=O)N(R)NH、−C(=O)NHNH(Rまたは−C(=O)NHNHのラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「ヒドラジン」基とは、式、−N(R)N(R、−NHN(R、−N(R)NH(R)、−N(R)NH、−NHNH(Rまたは−NHNHのラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「ヒドラゾン」基とは、式、−C(=N−N(R)(R、−C(=N−NH(R))(R、−C(=N−NH)(R、−N(R)(N=C(R)または−NH(N=C(R)のラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「アジド」基とは、式、−Nのラジカルのことである。
「イソシアネート」基とは、式、−N=C=Oのラジカルのことである。
「イソチオシアネート」基とは、式、−N=C=Sのラジカルのことである。
「シアネート」基とは、式、−OCNのラジカルのことである。
「チオシアネート」基とは、式、−SCNのラジカルのことである。
「チオエーテル」基とは、式、−S(R)のラジカルのことである(式中、Rは本明細書で定義したとおり)。
「チオカルボニル」基とは、式、−C(=S)(R)のラジカルのことである(式中、Rは本明細書で定義したとおり)。
「スルフィニル」基とは、式、−S(=O)(R)のラジカルのことである(式中、Rは本明細書で定義したとおり)。
「スルホン」基とは、式、−S(=O)(R)のラジカルのことである(式中、Rは本明細書で定義したとおり)。
「スルホニルアミノ」基とは、式、−NHSO(R)または−N(アルキル)SO(R)のラジカルのことである(式中、それぞれのアルキル及びRは本明細書で定義したとおり)。
「スルホンアミド」基とは、式、−S(=O)N(R、−S(=O)NH(R)または−S(=O)NHのラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「ホスホネート」基とは、式、−P(=O)(O(R))、−P(=O)(OH)、−OP(=O)(O(R))(R)または−OP(=O)(OH)(R)のラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
「ホスフィン」基とは、式、−P(Rのラジカルのことである(式中、それぞれのRは独立して、本明細書で定義したとおり)。
本明細書に記載の基(アルキル基を除く)について「置換」されたと言う際、それらの基は、任意の好適な1個の置換基または複数の置換基で置換されてもよい。置換基の実例は、本明細書で開示する代表的な化合物及び実施形態にみられるような置換基に加えて、ハロゲン(クロロ、ヨード、ブロモまたはフルオロ);アルキル;ヒドロキシル;アルコキシ;アルコキシアルキル;アミノ;アルキルアミノ;カルボキシ;ニトロ;シアノ;チオール;チオエーテル;イミン;イミド;アミジン;グアニジン;エナミン;アミノカルボニル;アシルアミノ;ホスホネート;ホスフィン;チオカルボニル;スルフィニル;スルホン;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;尿素;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アリールオキシアミン;アラルコキシアミン;N−オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;イソシアネート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;酸素(=O);B(OH)、O(アルキル)アミノカルボニル;シクロアルキル(単環式または縮合多環式もしくは非縮合多環式(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)であってもよい)、または、ヘテロシクリル(単環式または縮合多環式もしくは非縮合多環式(例えば、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチアジニル)であってもよい);単環式または縮合多環式もしくは非縮合多環式のアリールまたはヘテロアリール(例えば、フェニル、ナフチル、ピロリル、インドリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニルまたはベンゾフラニル)アリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロシクリルオキシ;及びヘテロシクリルアルコキシ;である。
本明細書で使用する場合、用語「アミノプリン化合物」とは、式(I)の化合物に加えて、本明細書で提供する更なる実施形態のことを意味する。一実施形態では、「アミノプリン化合物」は、表1に記載の化合物である。一実施形態では、「アミノプリン化合物」は、化合物1の式を有する化合物である。用語「アミノプリン化合物」は、本明細書で提供する化合物の薬学的に許容される塩、互変異性体、同位体分子及び立体異性体を含む。
「化合物1」とは、名称、シス−4−[2−{[(3S,4R)−3−フルオロオキサン−4−イル]アミノ}−8−(2,4,6−トリクロロアニリノ)−9H−プリン−9−イル]−1−メチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド、及び、別の名称、(1s,4s)−4−(2−(((3S,4R)−3−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−8−((2,4,6−トリクロロフェニル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)−1−メチルシクロヘキサンカルボキサミドを有する化合物(薬学的に許容される塩、互変異性体、同位体分子及びその立体異性体を含む)、ならびに、以下に示す化合物(薬学的に許容される塩、互変異性体、同位体分子及びその立体異性体を含む)のことを意味する。
Figure 2019510066
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される塩(複数可)」とは、薬学的に許容される非毒性の酸または塩基(無機酸及び無機塩基、ならびに有機酸及び有機塩基を含む)から調製される塩のことを意味する。式(I)の化合物の薬学的に許容される好適な塩基付加塩としては、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から形成される金属塩、または、リジン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチル−グルカミン)、及びプロカインから形成される有機塩が挙げられるがこれらに限定されない。好適な非毒性酸としては、無機酸及び有機酸、例えば、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、及びp−トルエンスルホン酸などが挙げられるがこれらに限定されない。特定の非毒性酸としては、塩酸、臭化水素酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及びメタンスルホン酸が挙げられる。それゆえ、特定の塩の例としては、塩酸塩及びメシル酸塩が挙げられる。その他の塩については当該技術分野において周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th eds.,Mack Publishing,Easton PA(1990)、または、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19th eds.,Mack Publishing,Easton PA(1995)を参照されたい。
本発明で使用する場合、また特に明記しない限り、用語「立体異性体」または「立体異性的に純粋」とは、アミノプリン化合物のその他の立体異性体を実質的に含まない、アミノプリン化合物の1種の立体異性体のことを意味する。例えば、1つのキラル中心を有する立体異性的に純粋な化合物は、その化合物の逆の光学異性体を実質的に含まない。2つのキラル中心を有する立体異性的に純粋な化合物は、その化合物のその他のジアステレオマーを実質的に含まない。立体異性的に純粋な化合物は通常、約80重量%超の化合物の1種の立体異性体及び約20重量%未満の化合物のその他の立体異性体、約90重量%超の化合物の1種の立体異性体及び約10重量%未満の化合物のその他の立体異性体、約95重量%超の化合物の1種の立体異性体及び約5重量%未満の化合物のその他の立体異性体、または、約97重量%超の化合物の1種の立体異性体及び約3重量%未満の化合物のその他の立体異性体を含む。アミノプリン化合物はキラル中心を有し得、ラセミ体、個々の光学異性体またはジアステレオマー、及びこれらの混合物として生じ得る。これらの組み合わせを含む全てのこのような異性体形態は、本明細書で開示する実施形態に含まれる。
このようなアミノプリン化合物の立体異性的に純粋な形態の使用に加えて、これら形態の混合物の使用は、本明細書で開示する実施形態に包含される。例えば、特定アミノプリン化合物の等量または不等量の光学異性体を含む混合物を、本明細書で開示する方法及び組成物に使用してもよい。これらの異性体を非対称に合成してもよく、または、標準的な技術(キラルカラムまたはキラル分割剤など)を用いて分割してもよい。例えば、Jacques,J.,et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981);Wilen,S.H.,et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,E.L.,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw Hill,NY,1962);及び、Wilen,S.H.,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN,1972)を参照されたい。
アミノプリン化合物が、E異性体及びZ異性体またはこれらの混合物、ならびに、シス及びトランス異性体またはこれらの混合物を含み得るということもまた留意すべきである。特定の実施形態では、アミノプリン化合物は、E異性体またはZ異性体のいずれかとして単離される。その他の実施形態では、アミノプリン化合物は、E異性体とZ異性体の混合物である。
「互変異性体」とは、互いに平衡状態にある化合物の異性体形態のことを意味する。異性体形態の濃度は化合物がみつかる環境によって決まり、例えば、化合物が固体であるか、または、有機溶液または水溶液中に存在しているかどうかに応じて異なり得る。例えば、水溶液中において、ピラゾールは、以下の異性体形態
Figure 2019510066
(互いに互変異性体と呼ばれる)を示し得る。
当業者には容易に理解されるであろうが、多種多様な官能基及びその他構造体は互変異性を示し得、式(I)の化合物の全ての互変異性体は本発明の範囲内である。
アミノプリン化合物が1種または複数種の原子について不自然な比率の原子同位体を含有し得るということもまた留意すべきである。例えば、放射性同位体、例えば、三重水素(H)、ヨウ素125(125I)、硫黄35(35S)または炭素14(14C)などで化合物を放射能標識してもよく、または、重水素(H)、炭素13(13C)または窒素15(15N)などを利用して化合物を同位体的に濃縮してもよい。本明細書で使用する場合、「同位体分子」とは、同位体的に濃縮された化合物のことである。用語「同位体的に濃縮された」とは、原子の天然同位体組成以外の同位体組成を有する原子のことを意味する。「同位体的に濃縮された」とはまた、原子の天然同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1種の原子を含有する化合物のことを意味する。用語「同位体組成」とは、任意の原子において存在するそれぞれの同位体の量のことを意味する。放射能標識及び同位体的に濃縮された化合物は、治療薬、例えば、がん治療薬及び炎症治療薬、研究用試薬、例えば、結合アッセイ用試薬及び診断薬(例えば、インビボイメージング剤)として有用である。本明細書に記載のアミノプリン化合物における全ての同位体のバリエーションは、放射性であろうとなかろうと、本明細書で提供する実施形態の範囲内に包含されることを意図する。一部の実施形態では、アミノプリン化合物の同位体分子を提供し、同位体分子は例えば、重水素、炭素13または窒素15で濃縮したアミノプリン化合物である。
本明細書で使用する場合、「治療すること」とは、障害、疾患もしくは病状の、または、障害、疾患もしくは病状に関連する1つまたは複数の症状の、全部または一部を緩和すること、これら症状の更なる進行または悪化を遅らせるまたは止めること、または、障害、疾患またはその病状の原因(複数可)を軽減または根絶させることを意味する。一実施形態では、障害とは、がん、特に、固形癌または血液癌のことである。一部の実施形態では、「治療すること」とは、がん(特に、固形癌または血液癌)またはがんに関連する症状の全部または一部を緩和すること、または、これら症状の更なる進行または悪化を遅らせるまたは止めることを意味する。
本明細書で使用する場合、「予防すること」とは、がん、特に、固形癌または血液癌の発症、再発または拡大の全部または一部を遅延及び/または排除するための方法、対象ががん、特に、固形癌または血液癌にかかることを防止するための方法、または、対象ががん、特に、固形癌または血液癌にかかるリスクを軽減するための方法を意味する。
アミノプリン化合物と関連させた用語「有効量」とは、本明細書で開示するがん(特に、固形癌または血液癌)またはその症状を治療または予防することが可能な量のことを意味する。有効量のアミノプリン化合物(例えば、医薬組成物中の)は所望の効果を発揮する濃度であってもよく、例えば、非経口投与の単位用量において、約0.005mg/kg(対象の体重)〜約100mg/kg(患者の体重)であってもよい。当業者には明白であるが、本明細書で開示する有効量のアミノプリン化合物が治療する適応症の重症度に応じて変化し得ることが予想される。
本明細書で使用する場合、用語「患者」及び「対象」としては、ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギまたはモルモットなどの動物を含むがこれらに限定されない動物が挙げられ、一実施形態では哺乳動物であり、別の実施形態ではヒトである。一実施形態では、対象は、がん(特に、固形癌または血液癌)またはその症状を有するまたは有するリスクのあるヒトである。一実施形態では、患者は、組織学的または細胞学的に確認された固形癌または血液癌を有するヒトであり、標準的な抗がん治療で進行した対象、標準的な抗がん治療に耐えることができない対象、または、標準的な抗がん治療が存在しない対象を含む。
本発明で使用する場合、また特に明記しない限り、用語「がん」とは、通常は不規則な細胞増殖を特徴とする哺乳動物の生理学的状態のことを意味するまたは表す。がんの例としては、固形癌及び血液癌が挙げられる。一部の実施形態において、がんは原発性がんであり、その他の実施形態では、がんは転移がんである。
本明細書で使用する場合、「固形癌」としては、膀胱癌(表在性膀胱癌を含むがこれらに限定されない)、乳癌(luminal B型、ER+、PR+及びHer2+の乳癌を含むがこれらに限定されない)、中枢神経系癌(多形膠芽腫(GBM)、神経膠腫、髄芽腫及び星状細胞腫を含むがこれらに限定されない)、結腸直腸癌、胃腸癌(胃癌、食道癌及び直腸癌を含むがこれらに限定されない)、内分泌腺癌(甲状腺癌及び副腎癌を含むがこれらに限定されない)、眼球癌(網膜芽細胞腫を含むがこれらに限定されない)、女性泌尿生殖器癌(胎盤、子宮、外陰部、卵巣、子宮頸部のがんを含むがこれらに限定されない)、頭頸部癌(咽頭、食道及び舌のがんを含むがこれらに限定されない)、肝臓癌、肺癌(非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌(SCLC)、粘膜表皮、気管支原性の扁平上皮細胞癌(SQCC、及び未分化/NSCLC)を含むがこれらに限定されない)、皮膚癌(黒色腫及びSQCCを含むがこれらに限定されない)、軟組織癌(肉腫、ユーイング肉腫及び横紋筋肉腫を含むがこれらに限定されない)、骨癌(肉腫、ユーイング肉腫及び骨肉腫を含むがこれらに限定されない)、扁平上皮細胞癌(肺癌、食道癌、子宮頸部癌及び頭頸部癌を含むがこれらに限定されない)、膵臓癌、腎臓癌(腎臓ウィルムス腫瘍及び腎細胞癌を含むがこれらに限定されない)、及び前立腺癌が挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、固形癌は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)ではない。一部の実施形態では、固形癌は、乳癌、結腸癌、肺癌または膀胱癌である。1つのこのような実施形態では、固形癌は表在性膀胱癌である。別の実施形態では、固形癌は肺扁平上皮癌である。更に別の実施形態では、固形癌はluminal B型乳癌である。
本明細書で使用する場合、「血液癌」としては、白血病(急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性T細胞性白血病、B細胞前駆体白血病、急性前骨髄性白血病(APML)、形質細胞性白血病、骨髄単芽球性/T−ALL、B骨髄単球性白血病、赤白血病及び急性骨髄性白血病(AML)を含むがこれらに限定されない)、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、バーキットリンパ腫(BL)、B細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、大細胞型免疫芽球性リンパ腫を含むがこれらに限定されない)、及び多発性骨髄腫が挙げられるがこれらに限定されない。
がんに関しては、とりわけ、疾患進行の阻害、腫瘍増殖の阻害、原発性腫瘍の縮小、腫瘍関連症状の軽減、腫瘍分泌因子の阻害(腫瘍分泌ホルモン、例えば、カルチノイド症候群の一因となる腫瘍分泌ホルモンなどを含む)、原発性腫瘍または二次性腫瘍の出現の遅延、原発性腫瘍または二次性腫瘍の進行遅延、原発性腫瘍または二次性腫瘍の発生率低下、疾患二次作用における重篤さの遅延または低減、腫瘍増殖の停止及び腫瘍の退縮、無増悪期間(TTP)の延長、無増悪生存期間(PFS)の延長、全生存期間(OS)の延長により、阻害を評価してもよい。本明細書で使用する場合、OSとは、治療開始から任意の原因による死亡までの期間のことを意味する。本明細書で使用する場合、TTPとは、治療開始から腫瘍増悪までの期間のことを意味する(TTPは死亡を含まない)。本明細書で使用する場合、PFSとは、治療開始から腫瘍増悪または死亡までの期間のことを意味する。一実施形態では、PFS率は、カプランマイヤー推定量を用いて算出される。極端な場合、完全阻害は本明細書において予防または化学的予防と呼ばれる。この場合、用語「予防」は、臨床的に明白ながんの発症を全体的に予防すること、または、前臨床的に明白ながんステージを予防することのいずれかを含む。悪性細胞への形質転換を予防すること、または、前がん性細胞の悪性細胞への進行を停止または逆転させることもまた、この定義に包含されることを意味する。予防とは、がんを発症するリスクのある前がん性細胞における予防療法を含む。
特定の実施形態では、以下に示す効果判定及びエンドポイントの定義を用いた、非ホジキンリンパ腫(NHL)についての国際ワークショップ規準(IWC)(Cheson BD,Pfistner B,Juweid,ME,et.al.Revised Response Criteria for Malignant Lymphoma.J.Clin.Oncol:2007:(25)579−586を参照のこと)により、リンパ腫の治療を評価してもよい。
Figure 2019510066
Figure 2019510066
略語:CR、完全寛解;FDG、[18F]フルオロデオキシグルコース;PET、陽電子放射断層撮影法;CT、コンピュータ断層撮影法;PR、部分寛解;SPD、二方向積和;SD、安定;PD、進行。
Figure 2019510066
略語:CR:完全寛解;PR:部分寛解。
一実施形態では、リンパ腫のエンドポイントは、臨床効果の根拠である。臨床効果は、生活の質の向上、患者の症状の軽減、輸血条件、頻繁な感染、またはその他パラメータを反映してもよい。リンパ腫関連症状の無再発期間または無増悪期間もまた、このエンドポイントに用いることができる。
特定の実施形態では、以下に示す効果判定及びエンドポイントの定義を用いた、非ホジキンリンパ腫(NHL)についての国際ワークショップ規準(IWC)(Cheson BD,Pfistner B,Juweid,ME,et.al.Revised Response Criteria for Malignant Lymphoma.J.Clin.Oncol:2007:(25)579−586を参照のこと)により、リンパ腫の治療を評価してもよい。
Figure 2019510066
Figure 2019510066
略語:CR、完全寛解;FDG、[18F]フルオロデオキシグルコース;PET、陽電子放射断層撮影法;CT、コンピュータ断層撮影法;PR、部分寛解;SPD、二方向積和;SD、安定;PD、進行。
Figure 2019510066
略語:CR:完全寛解;PR:部分寛解。
一実施形態では、リンパ腫のエンドポイントは、臨床効果の根拠である。臨床効果は、生活の質の向上、もしくは患者の症状の軽減、輸血条件、頻繁な感染、またはその他パラメータを反映してもよい。リンパ腫関連症状の無再発期間または無増悪期間もまた、このエンドポイントに用いることができる。
特定の実施形態では、CLLの国際ワークショップガイドライン、及び、特に以下に示す効果判定及びエンドポイントの定義を用いた、CLLの国際ワークショップガイドライン(Hallek M,Cheson BD,Catovsky D,et al.Guidelines for the diagnosis and treatment of chronic lymphocytic leukemia:a report from the International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia updating the National Cancer Institute−Working Group 1996 guidelines.Blood,2008;(111)12:5446−5456を参照のこと)により、CLLの治療を評価してもよい。
Figure 2019510066
A群基準は腫瘍量を定義し、B群基準は造血系(または骨髄)の機能を定義する。CR(完全寛解):基準の全てを満たさなければならず、かつ患者は疾患関連の全身症状を有していない必要がある;PR(部分寛解):A群基準の少なくとも2つに加えてB群基準の1つを満たさなければならない;SDは、進行(PD)がなく、かつ少なくともPRとはなっていない;PD:上記A群基準またはB群基準のうち少なくとも1つを満たさなければならない。複数のリンパ節の積和(臨床試験においてCTスキャンで評価、または、一般診療における理学的検査による)。これらのパラメータは、一定の効果判定分類とは無関係である。
特定の実施形態では、以下に示す効果判定及びエンドポイントの定義を用いた、多発性骨髄腫の効果判定国際統一基準(IURC)(Durie BGM,Harousseau J−L,Miguel JS,et al.International uniform response criteria for multiple myeloma.Leukemia,2006;(10)10:1−7を参照のこと)により、多発性骨髄腫の治療を評価してもよい。
Figure 2019510066
略語:CR、完全寛解;FLC、遊離軽鎖;PR、部分寛解;SD、安定;sCR、厳密完全寛解;VGPR、非常に良い部分寛解;全ての効果判定分類には、任意の新規治療開始前において常に行われる2回の連続評価が必要;全ての分類において、X線撮影検査が実施されている場合、進行性病変または新規骨病変の証拠が認められていないことが必要。X線撮影検査は、これらの効果判定条件を満たす上で必要ではない;骨髄の反復生検による確認は不要;クローン性細胞の有/無は、κ/λ比に基づいている。免疫組織化学及び/または免疫蛍光法による異常なκ/λ比は、解析に最低100個の形質細胞を必要とする。異常クローンの存在を反映する異常な比率は、>4:1または<1:2のκ/λである。測定可能な病変は、以下の測定値のうちの少なくとも1つによって定義される:骨髄形質細胞≧30%;血清Mタンパク質≧1g/dl(≧10gm/l)[10g/l];尿Mタンパク質≧200mg/24時間;血清FLCアッセイ:involved FLC濃度≧10mg/dl(≧100mg/l);もたらされた血清FLC比が異常。
特定の実施形態では、がんの治療は、固形癌の効果判定基準(RECIST 1.1)(Thereasse P.,et al.New Guidelines to Evaluate the Response to Treatment in Solid Tumors.J.of the National Cancer Institute;2000;(92)205−216、及びEisenhauer E.A.,Therasse P.,Bogaerts J.,et al.New response evaluation criteria in solid tumours:Revised RECIST guideline(version 1.1).European J.Cancer;2009;(45)228−247を参照のこと)を用いて評価してもよい。新病変出現の有無を含む標的病変及び非標的病変の腫瘍効果の全ての可能な組み合わせによる総合効果について、以下に示す。
Figure 2019510066
CR = 完全寛解;PR = 部分寛解;SD = 安定;及びPD = 進行。
標的病変の評価に関すると、完全寛解(CR)とは、全標的病変が消失することであり、部分寛解(PR)とは、ベースライン時の合計最大直径を基準として、標的病変の最大直径の合計が少なくとも30%減少することであり、進行(PD)とは、治療開始時からまたは1ヵ所または複数ヵ所の新病変の出現から記録している最小の合計最大直径を基準として、標的病変の最大直径の合計が少なくとも20%増加することであり、また安定(SD)とは、治療開始時からの最小の合計最大直径を基準として、部分寛解とするには縮小が不十分であり、進行とするには増大が不十分であることである。
非標的病変の評価に関すると、完全寛解(CR)とは、全非標的病変が消失すること及び腫瘍マーカーレベルが正常化することであり、不完全寛解/安定(SD)とは、1ヵ所または複数ヵ所の非標的病変(複数可)が残存すること及び/または腫瘍マーカーレベルが正常限界値を超えて維持されることであり、また進行(PD)とは、1ヵ所または複数ヵ所の新病変が出現すること及び/または現存する非標的病変が明らかに増悪することである。
以下に記載する手順、慣習及び定義は、悪性神経膠腫の効果判定基準(Wen P.,Macdonald,DR.,Reardon,DA.,et al.Updated response assessment criteria for high−grade gliomas:Response assessment in neuro−oncology working group.J Clin Oncol 2010;28:1963−1972)に関する神経腫瘍の効果判定(RANO)ワーキンググループによる勧告を実施するためのガイダンスを提供する。時点効果(TPR)基準のためのRANO基準の主な変更点としては、グルココルチコイド投与量の変更を設定するための業務慣習を追加すること、及び、客観的な放射線評価に焦点をあてるために対象における臨床上の悪化要素を取り除くことを挙げることができる。ベースラインMRIスキャンは、化合物治療の開始前または再開前の、術後休薬期間終了時に実施される評価と定義される。ベースラインMRIは、完全寛解(CR)及び部分寛解(PR)を判定するための基準として用いられる。これに対して、ベースライン時またはその後の判定時のいずれかにおいて得た最小SPD(垂直直径の積和)は、nadir評価と呼ばれ、進行を測定するための基準に利用されている。任意のプロトコル規定MRIスキャンの5日前において、対象は、グルココルチコイドの投与を受けないか、または、一定用量のグルココルチコイド投与を受ける。一定用量は、MRIスキャン前の5連続日における同一の1日量と定義される。ベースラインスキャン前の5日間において規定グルココルチコイド投与量が変化する場合、グルココルチコイドの使用には上記の基準を満たす新しいベースラインスキャンが必要となる。以下の定義が用いられる。
測定可能な病変:測定可能な病変とは、二次元測定可能なコントラスト増強病変のことである。測定は、最大増強腫瘍直径(最大直径、LDとしても周知)について行われる。同一の画像において最大垂直直径を測定する。二次元測定の十字線は交差するはずであり、これら直径の積を算出する。
最小直径:セクションが5mm(1mmのスキップを伴う)であるT1強調画像。測定可能な病変の最小LDは、5mm×5mmに設定される。標的病変の包含及び/または選定には、より大きな直径が必要となり得る。ベースライン後、測定の最小条件より小さくなった標的病変、または、もはや二次元測定の対象とならなくなった標的病変について、5mm未満のそれぞれの直径は、デフォルト値の5mmと記録される。消失病変は、0mm×0mmと記録される。
多中心性病変:多中心性(連続ではない)とみなされる病変は、2ヶ所(またはそれ以上)の病変間に正常脳組織が介在している病変である。増強が離散的な病変である多中心性病変におけるアプローチは、包含基準を満たすそれぞれの増強病変を個別に測定することである。2ヶ所(またはそれ以上)の病変間に正常脳組織が存在しない場合、それらは同一病変とみなされる。
測定不可能な病変:上で定義した測定可能な病変の基準を満たさない全ての病変は、測定不可能な病変に加えて、全ての非増強病変及びその他の真に測定不可能な病変とみなされる。測定不可能な病変としては、規定最小直径未満(すなわち、5mm×5mm未満)の増強病変、非増強病変(例えば、コントラスト後T1強調画像、T2強調画像または液体減衰反転回復(FLAIR)画像にみられる)、出血性病変または大部分が嚢胞性または壊死性である病変、及び軟膜腫瘍が挙げられる。出血性病変は多くの場合、増強腫瘍と誤って解釈され得る固有のT1強調超強度を示す。この理由から、コントラスト前のT1強調画像を確認して、ベースラインまたはインターバルの亜急性出血を排除してもよい。
ベースラインにおいて、病変は以下のように分類される。標的病変:それぞれが最低10mm×5mmの大きさの標的病変(対象の代表的な病変)として選択可能な最大5ヶ所の測定可能な病変、非標的病変:全ての測定不可能な病変(質量効果及びT2/FLAIR所見を含む)、及び標的病変としては選択されない任意の測定可能な病変を含む、全てのその他病変。ベースラインにおいて、標的病変は、測定可能な病変の定義に記載のとおりに測定され、全ての標的病変のSPDが決定する。全てのその他病変の存在は記録される。全ての治療後評価において、病変のベースライン分類(標的病変及び非標的病変)は維持され、病変は、一貫した方式で経時的に記録及び記載される(例えば、ソースドキュメント及びeCRFに同一順序で記録される)。全ての測定可能な病変及び測定不可能な病変は、変化解釈上の難点を軽減するために、試験期間中、ベースライン時と同一の手法を用いて評価される必要がある(例えば、同一のMRIスキャナまたは少なくとも同一の磁石強度で対象を撮影する必要がある)。それぞれの評価時において、標的病変を測定してSPDを算出する。非標的病変は質的に評価され、新病変は、もしあるとすれば、個々に記録される。それぞれの評価時において、標的病変、非標的病変及び新病変の時点効果を測定する。たとえ病変の部分集合のみを評価する場合であったとしても、腫瘍増悪を立証することは可能である。しかしながら、増悪が観察されない限りにおいては、客観的な状態(安定、PRまたはCR)は、全ての病変が評価されたときにのみ決定可能となる。
CR及びPRの総合的な時点効果の確定評価は、次回の計画評価時に行われるが、スキャンのインターバルが<28日間である場合、確定が行われない場合がある。最良効果(確定条件を含む)は、一連の時点から導かれる。
アミノプリン化合物
本明細書では以下の式(I)、
Figure 2019510066
ならびに薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、光学異性体、及びその同位体分子を有する化合物を提供し、
式中、
は、置換または非置換C1−8アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、または、置換または非置換の非芳香族ヘテロシクリルであり、
は、H、または、置換または非置換C1−3アルキルであり、
はフェニルであり、1個または複数個のハロゲンで置換され、任意選択的に、置換または非置換C1−3アルキル、CN及び−OR’から独立して選択される1個または複数個の置換基で更に置換され、式中、それぞれのR’は独立して、置換または非置換C1−3アルキルである。
一部の実施形態では、化合物は、4−[2−[(1−メチルエチル)アミノ]−8−[(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミノ]−9H−プリン−9−イル]−シス−シクロヘキサンカルボキサミド
Figure 2019510066
または4−[8−[(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ]−2−[(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−9−イル]−シス−シクロヘキサンカルボキサミド
Figure 2019510066
ではない。
一実施形態では、化合物は、式(II)
Figure 2019510066
の化合物である。
一部の実施形態または式(I)の化合物では、Rは、置換または非置換C1−8アルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換または非置換メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、イソペンチルまたはネオペンチルである。一部の実施形態では、Rは、ハロゲン及びORから独立して選択される1個または複数個の置換基で置換され、式中、それぞれのRは独立して、H、または置換または非置換C1−3アルキルである。例えば、Rは、F、OH及びOCHから独立して選択される1個または複数個の置換基で置換される。一部の実施形態では、Rは、エチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、CHCHF、CHCHF、CHCF、CHCH(CH)OH、CHCH(CH)OCH、CH(CH)CHOH、CH(CH)CHOCH、CHC(F)CHOH、CHC(F)CHOCH、CH(CF)CHOH、CH(CF)CHOCH、CH(CHOH)CHCH、CH(CHOCH)CHCH、CHC(CHCHOH、またはCHC(CHCHOCHである。例えば、Rは、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、CHCF、CHCH(CH)OH、CH(CH)CHOH、CH(CH)CHOCH、CHC(F)CHOH、CH(CF)CHOH、CH(CHOH)CHCH、またはCHC(CHCHOHである。
一実施形態では、Rは、イソプロピル、CH(CH)CHOH、またはCH(CHOH)CHCHである。一部の実施形態では、Rは、(S)−2−プロパン−1−オール
Figure 2019510066
である。
一部の実施形態では、Rは、置換または非置換シクロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換または非置換シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。一部の実施形態では、Rは、ハロゲン、OR、SOR’、置換または非置換C1−3アルキル、及び置換または非置換ヘテロシクリルから独立して選択される1個または複数個の置換基で置換され、式中、それぞれのRは独立して、H、または置換または非置換C1−3アルキルであり、それぞれのR’は独立して、置換または非置換C1−3アルキルである。一部の実施形態では、Rは、F、OH、OCH、SOCH、メチル、及び置換または非置換5員環ヘテロシクリル、例えば、ピロリジンジオニルまたはオキサジアゾリルから独立して選択される1個または複数個の置換基で置換される。一部のその他の実施形態では、Rは、F、OH、OCH、SOCH、メチル、ピロリジンジオニル及びオキサジアゾリルから独立して選択される1個または複数個の置換基で任意選択的に置換されたシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。一部の実施形態では、Rは、
Figure 2019510066
であり、
式中、
それぞれのR1aは独立して、F、OH、OCH、SOCHまたはメチルであり、
1bはHまたはCHであり、
aは0〜4である。
一部の実施形態では、Rは、置換または非置換シクロアルキルアルキルである。一部の実施形態では、Rは、置換または非置換(C1−3アルキル)−(C1−8シクロアルキル)であり、例えば、Rは、置換または非置換CH−シクロプロピル、CH−シクロブチル、CH−シクロペンチル、CH−シクロヘキシル、またはCH−シクロヘプチルである。一部の実施形態では、Rは、(C1−3アルキル)ORまたはORから独立して選択される1個または複数個の置換基で置換され、式中、それぞれのRは独立して、H、または置換または非置換C1−3アルキルである。例えば、Rは、1個または複数個のCHOHまたはOHで任意選択的に置換されたCH−シクロプロピル、CH−シクロブチル、CH−シクロペンチル、またはCH−シクロヘキシルである。
一部の実施形態では、Rは、置換または非置換非芳香族ヘテロシクリルである。一部の実施形態では、Rは、置換または非置換オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロ−チオピランジオキシド、ピペリジル、オキセパニルまたはオキサスピロヘプチルである。一部の実施形態では、Rは、ハロゲン、OR、SO、C(=O)R、C(=O)OR、C(=O)NRR、置換または非置換C1−3アルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換またはアルキルアリールから独立して選択される1個または複数個の置換基で置換され、式中、それぞれのRは独立して、H、または置換または非置換C1−3アルキルであり、Rは、置換または非置換C1−3アルキル、または置換または非置換アリールであり、Rは、置換または非置換C1−3アルキルであり、Rは、置換または非置換C1−6アルキルであり、Rは、置換または非置換C1−3アルキル、または置換または非置換アリールである。例えば、Rは、F、OH、SOCH、SO−トシル、C(=O)CH、C(=O)OCH、C(=O)O−tert−ブチル、C(=O)O−イソプロピル、C(=O)NHCH、C(=O)NH−フェニル、メチル、エチル、イソプロピル、CHOH、フェニル、ピリジルまたはベンジルから独立して選択される1個または複数個の置換基で任意選択的に置換されたオキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロ−チオピランジオキシド、ピペリジル、オキセパニルまたはオキサスピロヘプチルである。一実施形態では、Rは、
Figure 2019510066
であり、
式中、各R1cは独立して、F、OH、メチルまたはCHOHであり、
cは0〜3である。
一部のこのような実施形態では、R1cはFまたはメチルであり、cは1または2である。
式(I)の化合物の一部の実施形態では、RはHである。その他の実施形態では、RはCHである。
式(I)の化合物の一部の実施形態では、Rは、オルト−ハロゲン置換フェニルである。一実施形態では、Rは、o−フルオロまたはo−クロロ置換フェニルである。一部の実施形態では、フェニルは更にパラ置換され、例えば、フェニルは、p−クロロ、p−ブロモ、p−フルオロ、p−CN、p−メチル、p−CFまたはp−OCHで更に置換される。その他の実施形態では、Rはパラ−ハロゲン置換フェニルである。一部の実施形態では、Rは、p−フルオロまたはp−クロロ置換フェニルである。一部の実施形態では、フェニルは更にオルト置換され、例えば、フェニルは、o−クロロ、o−フルオロまたはo−メチルで更に置換される。その他の実施形態では、Rはパラ−CN置換フェニルである。一部の実施形態では、フェニルは更にオルト置換され、例えば、フェニルは、o−クロロまたはo−フルオロで更に置換される。更にその他の実施形態では、Rは、オルト、オルト−ジハロゲン置換フェニルである。一実施形態では、Rは、o,o−ジフルオロまたはo,o−ジクロロ置換フェニルである。一部の実施形態では、フェニルは更にパラ置換され、例えば、フェニルは、p−クロロ、p−ブロモ、p−フルオロ、p−CN、p−メチル、p−CFまたはp−OCHで更に置換される。更にその他の実施形態では、Rは、オルト、パラ−ジハロゲン置換フェニルである。一実施形態では、Rは、o,p−ジフルオロ置換フェニルまたはo,p−ジクロロ置換フェニルである。一部の実施形態では、フェニルは更にオルト置換され、例えば、フェニルは、o−クロロ、o−フルオロまたはo−メチルで更に置換される。更にその他の実施形態では、Rは、2,4,6−トリハロゲン置換フェニルである。一実施形態では、Rは、2,4,6−トリフルオロ置換フェニル、4−クロロ−2,6−ジフルオロ置換フェニル、または2,4,6−トリクロロ置換フェニルである。更に別の実施形態では、Rは、オルト−ハロゲン、パラ−CN置換フェニルである。一実施形態では、Rは、o−フルオロ−p−CN置換フェニル、またはo−クロロ−パラ−CN置換フェニルである。一部の実施形態では、フェニルは更にオルト置換され、例えば、フェニルは、o−クロロまたはo−フルオロで更に置換される。
本明細書で提供する更なる実施形態は、上記の特定の実施形態のうちの1つまたは複数の組み合わせを含む。
表1:代表的な式(I)の化合物
Figure 2019510066
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アミノプリン化合物の調製方法
通常の有機合成法及び市販の出発物質を用いて、アミノプリン化合物を調製してもよい。例として、また限定するわけではないが、米国特許番号7,723,340、米国特許番号8,158,635及び米国特許出願番号14/874,513に記載のように、または、本明細書中に記載する例に加えて以下に示すスキーム1で概説するように、式(I)のアミノプリン化合物を調製してもよい。例示的なスキーム及び例に記載の手順をどのように変更して所望の生成物を得るかということは当業者に周知であるという点に留意すべきである。
Figure 2019510066
スキーム1
スキーム1に示すとおり、式(I)の化合物(式中、R、R及びRは本明細書で定義したとおり)は、適宜誘導体化したニトロピリミジン(式中、HalはClであり、HalはCl)から開始して調製することができる。ジハロゲン化ニトロピリミジンを、溶媒中(例えば、DCMまたはTHFなど)、塩基(例えば、DIEA、TEAまたはピリジンなど)存在下、適切な4−アミノシクロヘキサン−1−カルボキサミド誘導体を用いて低温(例えば、−78℃)で処理することにより、シクロヘキシルアミド側鎖を導入した。この生成物を、溶媒中(例えば、DCM、THF、ジオキサンまたはDMFなど)、塩基(例えば、DIEA、TEAまたはピリジンなど)存在下、RNHを用いて高温(例えば、25〜80℃)で処理することにより、R側鎖を導入した。例えば水素を用いて、溶媒中(例えば、MeOHまたはエチルアセテートなど)、触媒(例えば、Pd/Cなど)存在下、ニトロ部分を還元することにより、アミノピリミジン誘導体を得た。このアミノピリミジン誘導体を、溶媒中(例えば、THF、DMF、NMP、ジオキサンまたはEtOHなど)、RNCSで処理してチオ尿素誘導体を得た(任意選択的に単離)。それからこのチオ尿素誘導体を、溶媒中(例えば、THF、ジオキサン、NMPまたはDMFなど)、例えばEDCまたはDICを用いて、任意選択的に高温(例えば、40〜80℃)で環化することにより、式(I)の化合物を得た。
Figure 2019510066
スキーム2
あるいは、スキーム2に示すとおり、式(I)の化合物(式中、R、R及びRは本明細書で定義したとおりであり、RはC1−2アルキル)は、先に示したとおり、適宜誘導体化したニトロピリミジン(式中、HalはClであり、HalはCl)から開始して調製することができる。ジハロゲン化ニトロピリミジンを、溶媒中(例えば、DCMまたはTHFなど)、塩基(例えば、DIEA、TEAまたはピリジンなど)存在下、適切な4−アミノシクロヘキサン−1−カルボン酸アルキルエステル誘導体を用いて低温(例えば、−78℃)で処理することにより、シクロヘキシルアルキルエステル側鎖を導入した。この生成物を、溶媒中(例えば、DCM、THF、ジオキサンまたはDMFなど)、塩基(例えば、DIEA、TEAまたはピリジンなど)存在下、RNHを用いて高温(例えば、25〜80℃)で処理することにより、R側鎖を導入した。例えば水素を用いて、溶媒中(例えば、MeOHまたはエチルアセテートなど)、触媒(例えば、Pd/Cなど)存在下、ニトロ部分を還元することにより、アミノピリミジン誘導体を得た。このアミノピリミジン誘導体を、溶媒中(例えば、THF、DMF、NMP、ジオキサンまたはEtOHなど)、RNCSで処理してチオ尿素誘導体を得た(任意選択的に単離)。それからこのチオ尿素誘導体を、溶媒中(例えば、THF、NMP、ジオキサンまたはDMFなど)、例えばEDCまたはDICを用いて、任意選択的に高温(例えば、40℃〜80℃)で環化することにより、誘導体化ジアミノプリン誘導体を得た。溶媒中(例えば、THF水溶液、MeOH水溶液またはEtOH水溶液など)、塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなど)を用いて、任意選択的に高温(例えば、40〜80℃)でアルキルエステルをけん化した。続いて、溶媒中(例えば、DMF)、カップリング剤(例えば、任意選択的にHOBtと混合したHATU、CDI、HBTU、EDC、または、エチルクロロホルメートなど)及び塩基(例えば、DIEA、TEA、ピリジン、DBUまたはNMMなど)の存在下、NHClで処理してアミドを形成することにより、式(I)の化合物を得た。
Figure 2019510066
スキーム3
第3のアプローチでは、式(I)の化合物(式中、R、R及びRは本明細書で定義したとおりであり、Pは樹脂などの固体支持体)は、先に示したとおり、適宜誘導体化したニトロピリミジン(式中、HalはClであり、HalはCl)から開始して調製することができる。ジハロゲン化ニトロピリミジンを、溶媒中(例えば、DCMまたはTHFなど)、塩基(例えば、DIEA、TEAまたはピリジンなど)存在下、適切な4−アミノシクロヘキサン−1−カルボン酸誘導体を用いて低温(例えば、−78℃)で処理することにより、シクロヘキシルアルキルカルボン酸側鎖を導入した。この生成物を、溶媒中(例えば、DCM、THF、ジオキサンまたはDMFなど)、塩基(例えば、DIEA、TEAまたはピリジンなど)存在下、RNHを用いて高温(例えば、25〜80℃)で処理することにより、R側鎖を導入した。この中間体を、溶媒中(例えば、DMFなど)、カップリング剤(例えば、任意選択的にHOBtと混合したHATU、CDI、HBTU、EDC、または、エチルクロロホルメートなど)を用いて、高温(例えば、50℃)で固体支持体、ポリマー樹脂(例えば、Rink−H樹脂)などに結合させた。この樹脂結合中間体を、溶媒中(例えば、DMF/MeOH混合液など)、還元剤(例えば、塩化クロム(II)など)で処理することにより、ニトロ基を還元した。得られたアミン部分を、溶媒中(例えば、EtOHなど)、高温(例えば、40℃〜60℃)でRNCSと反応させることにより、チオ尿素誘導体中間体を得た。それからこの中間体を、溶媒中(例えば、THF、NMP、ジオキサンまたはDMFなど)、例えばEDCまたはDICを用いて、任意選択的に高温(例えば、40℃〜80℃)で環化することにより、樹脂結合ジアミノプリン誘導体を得た。最後に、酸処理(例えば、DCMなどの溶媒中、TFAで処理)して、式(I)の化合物を樹脂から開裂させた。
使用方法
本アミノプリン化合物は、動物またはヒトの症状を治療、予防または改善する医薬品としての有用性を有している。したがって、本明細書では、本明細書で提供する全ての方法に使用可能なアミノプリン化合物及びその医薬組成物を提供する。特に、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、がんの治療または予防に用いられる。本明細書で提供する方法は、それを必要とする対象に、有効量の1種または複数種のアミノプリン化合物(複数可)を投与することを含む。本明細書に記載の方法がまた、以下に示すような医薬組成物による治療を含み、その医薬組成物が、本明細書に記載のアミノプリン化合物及び任意選択的に少なくとも1種の薬学的に許容される添加剤を含むということを理解すべきである。
別の態様において、本明細書では、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、がんを治療または予防するための方法を提供する。一部の実施形態では、がんは、固形癌または血液腫瘍である。一部の実施形態では、癌は黒色腫ではない。
一部の実施形態では、固形癌は、黒色腫、結腸直腸癌、胃癌、頭頸部癌、甲状腺癌、膀胱癌、CNS癌、肺癌、膵臓癌及び軟組織癌である。一実施形態では、固形癌は、内分泌腺癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、十二指腸癌、神経膠腫、頭頸部癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌NSCLC)、食道癌、甲状腺癌または膵臓癌である。
その他の実施形態では、がんは、膀胱癌、乳癌(例えば、Her陽性、Her陰性またはEGFR陽性)、CNS癌(神経芽細胞腫及び神経膠腫を含む)、結腸癌、胃腸癌(例えば、胃癌及び結腸癌)、内分泌腺癌(例えば、甲状腺癌または副腎癌)、女性泌尿生殖器癌(例えば、子宮頸癌、卵巣明細胞癌、外陰部癌、子宮癌または卵巣癌)、頭頸部癌、造血系癌(例えば、白血病または骨髄腫)、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(例えば、NSCLCまたはSCLC)、黒色腫、膵臓癌、前立腺癌、または軟組織癌(例えば、肉腫または骨肉腫)である。
別の実施形態では、がんは、膀胱癌、乳癌(例えば、Her陽性、Her陰性またはEGFR陽性)、CNS癌(例えば、神経膠腫または神経芽細胞腫)、結腸癌、胃腸癌(例えば、胃癌)、内分泌腺癌(例えば、甲状腺癌または副腎癌)、女性泌尿生殖器癌(例えば、子宮癌、子宮頸部癌、卵巣明細胞癌または外陰部癌)、頭頸部癌、造血系癌(例えば、白血病または骨髄腫)、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(例えば、NSCLCまたはSCLC)、黒色腫、膵臓癌、前立腺癌、または軟組織癌(例えば、肉腫または骨肉腫)である。
更に別の実施形態では、がんは、表3に記載のがんである。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、肝細胞癌(HCC)を治療または予防するための方法を提供する。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、結腸直腸癌(CRC)、黒色腫、胃癌、HCC、肺癌、膵臓癌、白血病または多発性骨髄腫を治療または予防するための方法を提供する。一実施形態では、CRC、胃またはHCCは、β−カテニン変異を特徴とするがんである。本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを含む、結腸直腸癌(CRC)、胃癌、HCC、肺癌、膵臓癌、白血病及び多発性骨髄腫を治療または予防するための方法を提供する。
別の実施形態において、本明細書では、アミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、白血病を治療するための方法を提供する。白血病は、慢性骨髄性白血病(CML)であってもよい。別の実施形態では、白血病は急性骨髄性白血病(AML)である。一実施形態では、白血病はFLT−3変異AMLである。
別の実施形態において、本明細書では、アミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、リンパ腫を治療するための方法を提供する。リンパ腫はバーキットリンパ腫であってもよい。一実施形態では、白血病はホジキンリンパ腫である。別の実施形態では、白血病はB細胞リンパ腫である。別の実施形態では、白血病はT細胞リンパ腫である。更に別の実施形態では、リンパ腫は原発性滲出性リンパ腫(PEL)である。
アミノプリン化合物(化合物1に例示される)は、様々ながん細胞株(表3)において抗増殖活性を示す。これらがん細胞株における抗増殖活性は、アミノプリン化合物が、造血系癌及び固形癌を含むがんの治療に有用であることを示している。一実施形態では、造血系癌及び固形癌は、膀胱癌、乳癌、CNS癌(例えば、神経芽細胞腫、髄芽腫及び神経膠腫)、結腸癌、十二指腸癌、内分泌腺癌(例えば、甲状腺癌及び副腎癌)、女性泌尿生殖器癌(例えば、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌及び外陰部癌)、頭頸部癌(例えば、食道癌)、造血系癌及びリンパ癌(例えば、リンパ腫、白血病及び骨髄腫)、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(例えば、NSCLC及びSCLC)、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌(例えば、黒色腫及びがん腫)、軟組織癌(例えば、肉腫及び骨肉腫)、胃癌、ならびに、精巣癌から選択される。一実施形態では、造血系癌及び固形癌は、膀胱癌、乳癌、CNS癌(例えば、神経芽細胞腫、髄芽腫及び神経膠腫)、結腸癌、十二指腸癌、内分泌腺癌(例えば、甲状腺癌及び副腎癌)、女性泌尿生殖器癌(例えば、子宮癌、子宮頸癌及び外陰部癌)、頭頸部癌、造血系癌及びリンパ癌(例えば、リンパ腫、白血病及び骨髄腫)、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(例えば、NSCLC及びSCLC)、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌(例えば、黒色腫及びがん腫)、軟組織癌(例えば、肉腫及び骨肉腫)、胃癌、ならびに、精巣癌から選択される。一実施形態では、がんはHCCである。一実施形態では、がんは胃癌である。一実施形態では、がんはCRCである。このようながんは、β−カテニン変異を特徴とし得る。更に別の実施形態では、このようながんは、BRAF変異を特徴とし得る。更に別の実施形態では、このようながんは、β−カテニン変異とBRAF変異の両方を有することを特徴とする。
別の実施形態では、アミノプリン化合物(化合物1に例示される)は、様々ながん細胞株においてアポトーシスを誘導する。アポトーシス誘導は、アミノプリン化合物が、造血系癌及び固形癌を含むがんの治療に有用であることを示している。一実施形態では、造血系癌及び固形癌は、膀胱癌、乳癌、CNS癌(例えば、神経芽細胞腫及び神経膠腫)、結腸癌、十二指腸癌、内分泌腺癌(例えば、甲状腺癌及び副腎癌)、女性泌尿生殖器癌(例えば、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌及び外陰部癌)、頭頸部癌(例えば、食道癌)、造血系癌及びリンパ癌(例えば、リンパ腫、白血病及び骨髄腫)、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(例えば、NSCLC及びSCLC)、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌(例えば、黒色腫及びがん腫)、軟組織癌(例えば、肉腫及び骨肉腫)、胃癌、ならびに、精巣癌から選択される。一実施形態では、造血系癌及び固形癌は、膀胱癌、乳癌、CNS癌(例えば、神経芽細胞腫及び神経膠腫)、結腸癌、十二指腸癌、内分泌腺癌(例えば、甲状腺癌及び副腎癌)、女性泌尿生殖器癌(例えば、外陰部癌)、頭頸部癌(例えば、食道癌)、造血系癌及びリンパ癌(例えば、リンパ腫及び白血病)、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(例えば、NSCLC及びSCLC)、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌(例えば、黒色腫)、軟組織癌(例えば、肉腫及び骨肉腫)、胃癌、ならびに、精巣癌から選択される。一実施形態では、造血系癌及び固形癌は、膀胱癌、乳癌、CNS癌(例えば、髄芽腫、神経芽細胞腫及び神経膠腫)、結腸癌、十二指腸癌、内分泌腺癌(例えば、甲状腺癌及び副腎癌)、女性泌尿生殖器癌(例えば、胎盤癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌及び外陰部癌)、頭頸部癌(例えば、食道癌)、造血系癌及びリンパ癌(例えば、リンパ腫、白血病及び骨髄腫)、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(例えば、NSCLC及びSCLC)、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌(例えば、黒色腫及びがん腫)、軟組織癌(例えば、肉腫及び骨肉腫)、胃癌、ならびに、精巣癌から選択される。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、BRAF変異及び/またはβ−カテニン変異(あるいは、CTNNB1変異と呼ばれる)を特徴とするがんを治療または予防するための方法を提供する。一部のこのような実施形態では、がんはBRAF変異を特徴とする。他の実施形態では、がんはβ−カテニン変異を特徴とする。更に別の実施形態では、がんは活性化β−カテニン経路を特徴とする。一部のこのような実施形態では、がんは、BRAF変異を特徴とするCRCまたは黒色腫である。その他の実施形態では、がんは、EGFR変異またはEGFR活性増加を更に含む、β−カテニン変異を特徴とするCRC(例えば、活性化β−カテニン経路及びEGFR変異を特徴とするCRC、または、活性化β−カテニン経路及びEGFR活性増加を特徴とするCRC)である。更にその他の実施形態では、がんは、KRAS変異を更に含む、β−カテニン変異を特徴とする胃癌(すなわち、活性化β−カテニン経路及びKRAS変異を特徴とする胃癌)である。別の実施形態では、がんは、活性化β−カテニン経路を特徴とするHCCである。一部のこのような実施形態では、BRAF変異はBRAF V660Eである。その他の実施形態では、BRAF変異は、BRAF V600E、BRAF T119S、またはBRAF G596Rのうちの1種または複数種である。一部のこのような実施形態では、β−カテニン変異は、β−カテニンS33Y、G34E、S45delまたはS33Cのうちの1種または複数種である。一部のこのような実施形態では、EGFR変異は、EGFR E282K、G719S、P753SまたはV1011Mのうちの1種または複数種である。一部のこのような実施形態では、KRAS変異は、A146T、G12C、G12D、G12V、G13DまたはQ61Lである。
本明細書では、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、β−カテニン変異(β−カテニン変異は、β−カテニンS33Y、G34E、S45delまたはS33Cのうちの1種または複数種)を特徴とするCRCを治療するための方法を提供する。一実施形態では、アミノプリン化合物は化合物1である。本明細書では更に、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、EGFR変異またはEGFR活性増加を更に含むβ−カテニン変異(β−カテニン変異は、β−カテニンS33Y、G34E、S45delまたはS33Cのうちの1種または複数種であり、EGFR変異は、EGFR E282K、G719S、P753SまたはV1011Mのうちの1種または複数種である)を特徴とするCRCを治療するための方法を提供する。一実施形態では、アミノプリン化合物は化合物1である。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、PD−L1を発現するがんを治療または予防するための方法を提供する。一部のこのような実施形態では、PD−L1発現癌は、黒色腫、肺癌、腎細胞癌(RCC)またはHCCである。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、BRAF変異を特徴とするがんを治療または予防するための方法を提供する。一部のこのような実施形態では、BRAF変異を特徴とするがんは、CRC、甲状腺癌、黒色腫または肺癌である。一部のこのような実施形態では、BRAF変異を特徴とするがんは、CRC、甲状腺癌または肺癌である。一部のこのような実施形態では、BRAF変異はBRAF V660Eである。その他の実施形態では、BRAF変異は、BRAF V600E、BRAF T119S、またはBRAF G596Rのうちの1種または複数種である。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、NRAS変異を特徴とするがんを治療または予防するための方法を提供する。一部のこのような実施形態では、NRAS変異を特徴とするがんは黒色腫である。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、KRAS変異を特徴とするがんを治療または予防するための方法を提供する。一部のこのような実施形態では、KRAS変異を特徴とするがんは、CRC、膵臓癌または肺癌である。KRAS変異は、上記のKRAS変異であってもよい。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、β−カテニン変異を特徴とするがんを治療または予防するための方法を提供する。本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを含む、活性化β−カテニン経路を特徴とするがんを治療または予防するための方法を提供する。一部のこのような実施形態では、β−カテニン変異を特徴とするがんは、CRC、胃癌、HCCまたは肉腫である。一部のこのような実施形態では、活性化β−カテニン経路を特徴とするがんは、CRC、胃癌、HCCまたは肉腫である。β−カテニン変異は、本明細書に記載の変異であってもよい。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、肝細胞癌(HCC)を治療または予防するための方法を提供する。一部のこのような実施形態では、HCCは、β−カテニン変異及び/またはYAP発現増加を特徴とする。一部のこのような実施形態では、HCCは、活性化β−カテニン経路及び/またはYAP増幅発現増加を特徴とする。一部の実施形態では、YAP発現増加は、増幅または変異に起因する。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、結腸直腸癌(CRC)を治療または予防するための方法を提供する。一部のこのような実施形態では、CRCは、BRAF変異及び/またはβ−カテニン変異を特徴とする。一部のこのような実施形態では、CRCは、BRAF変異及び/または活性化β−カテニン経路を特徴とする。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、胃癌を治療または予防するための方法を提供する。一部のこのような実施形態では、胃癌は、β−カテニン変異を特徴とする。一部のこのような実施形態では、胃癌は、活性化β−カテニン活性を特徴とする。β−カテニン変異は、本明細書に記載の変異であってもよい。
本明細書ではまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、黒色腫を治療または予防するための方法を提供する。一部のこのような実施形態では、黒色腫は、BRAF変異及び/またはNRAS変異を特徴とする。
本明細書ではまた、C−Met増幅肝細胞癌(HCC)を治療または予防するための方法を提供する。一実施形態では、方法は、C−Met増幅HCCを有する対象に本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することにより、C−Met増幅HCCを治療することを含む。別の実施形態では、方法は、C−Met増幅HCCを有する対象に本明細書に記載の予防量のアミノプリン化合物を投与することにより、C−Met増幅HCCを予防することを含む。
本明細書では、遺伝子変異を特徴とするがんを有する患者におけるアミノプリン化合物治療に対する効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内のBRAF、NRAS、KRAS及び/またはCTNNB1から選択される1種または複数種の遺伝子の遺伝子配列を得ること、c)上記遺伝子配列(複数可)を生物学的野生型試料の遺伝子配列(複数可)と比較することを含む(変異の存在は、上記患者のがんにおけるアミノプリン化合物治療に対する効果である可能性が高いことを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを更に含む。
本明細書では、遺伝子変異を特徴とするがんを有する患者におけるアミノプリン化合物治療の治療効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内のBRAF、NAS、KRAS及び/またはCTNNB1から選択される1種または複数種の遺伝子の遺伝子配列(複数可)を得ること、c)上記遺伝子配列(複数可)を生物学的野生型試料の遺伝子配列(複数可)と比較することを含む(変異の存在は、上記患者における上記アミノプリン化合物治療の治療効果が高くなる可能性を示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを更に含む。
一部の実施形態において、本明細書では、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、がん転移を治療及び予防するための方法を提供する。一部の実施形態では、がんは、転移性癌、特に、転移性固形癌または転移性血液癌である(固形癌及び血液癌は本明細書に記載のとおり)。その他の実施形態において、本明細書では、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、がん転移を治療及び予防するための方法を提供する。
更に別の態様において、本明細書では、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、対象内のがん幹細胞を根絶するための方法を提供する。
更に別の態様において、本明細書では、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、対象内のがん幹細胞における分化を誘導するための方法を提供する。その他の実施形態において、本明細書では、それを必要とする対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、対象内のがん幹細胞死を誘導するための方法を提供する。一部のこのような実施形態では、がんは、本明細書に記載の固形癌または血液癌である。
一実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、固形癌の効果判定基準(RECIST 1.1)における患者の完全寛解、部分寛解または安定を達成するための方法を提供する。別の実施形態において、本明細書では、カプランマイヤー推定量を用いて求めた無増悪生存率を上げるための方法を提供する。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
一実施形態において、本明細書では、本明細書に記載の固形癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、固形癌の効果判定基準(RECIST 1.1)における患者の進行を予防または遅延させるための方法を提供する。一実施形態では、進行の予防または遅延は、標的病変における全体サイズの変化(治療前と比較して、例えば、−30%〜+20%)を特徴とするか、または、標的病変における全体サイズの変化により達成される。別の実施形態では、標的病変におけるサイズ変化は、治療前と比較した、全体サイズにおける30%超の縮小、例えば、標的病変サイズにおける50%超の縮小である。別の実施形態では、予防は、治療前と比較した、非標的病変のサイズ縮小または進行遅延を特徴とするか、または、非標的病変のサイズ縮小または進行遅延により達成される。一実施形態では、予防は、治療前と比較した、標的病変数の減少により達成されるか、または、標的病変数の減少を特徴とする。別の実施形態では、予防は、治療前と比較した、非標的病変数の減少または質の低下により達成されるか、または、非標的病変における数の減少または質の低下を特徴とする。一実施形態では、予防は、治療前と比較した、標的病変の欠如または消失により達成されるか、または、標的病変の欠如または消失を特徴とする。別の実施形態では、予防は、治療前と比較した、非標的病変の欠如または消失により達成されるか、または、標的病変の欠如または消失を特徴とする。別の実施形態では、予防は、治療前と比較した、新病変の予防により達成されるか、または、新規病変の予防を特徴とする。更に別の実施形態では、予防は、治療前と比較した、増悪の臨床的徴候または症候(例えば、がん関連悪液質または疼痛増加など)の予防により達成されるか、または、増悪の臨床的徴候または症候の予防を特徴とする。一実施形態では、がんは表3に記載のがんである。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
特定の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、治療前と比較した、患者の標的病変のサイズを縮小させるための方法を提供する。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
特定の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、治療前と比較した、患者の非標的病変のサイズを縮小させるための方法を提供する。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
特定の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物を投与することを含む、治療前と比較した、患者の標的病変数の減少を達成するための方法を提供する。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
特定の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、治療前と比較した、患者の非標的病変数の減少を達成するための方法を提供する。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
特定の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、患者の全標的病変の消失を達成するための方法を提供する。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
特定の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、患者の全非標的病変の消失を達成するための方法を提供する。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
特定の実施形態において、本明細書では、がん、特に、固形癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を治療するための方法を提供する(治療は、固形癌の効果判定基準(RECIST 1.1)に基づいて判定した完全寛解、部分寛解または安定をもたらす)。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
特定の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を治療するための方法を提供する(治療は、治療前と比較した、標的病変サイズの縮小、非標的病変サイズの縮小、及び/または、新規標的病変及び/または新規非標的病変の欠如をもたらす)。一実施形態では、がんは、表3に記載のがんである。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
特定の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、がん、特に、本明細書に記載の固形癌を治療するための方法を提供する(治療は、臨床的進行(例えば、がん関連悪液質または疼痛増加など)の予防または遅延をもたらす)。
別の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の血液癌(例えば、リンパ腫など)を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、患者におけるNHLの国際ワークショップ規準(IWC)(Cheson BD,Pfistner B,Juweid,ME,et.al.Revised Response Criteria for Malignant Lymphoma.J.Clin.Oncol:2007:(25)579−586を参照のこと)が定める、治療効果を誘導するための方法を提供する。別の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の血液癌(例えば、リンパ腫など)を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物を投与することを含む、患者におけるNHLの国際ワークショップ規準(IWC)が定める完全寛解、部分寛解または安定を達成するための方法を提供する。別の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の血液癌(例えば、リンパ腫など)を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物を投与することを含む、患者におけるNHLの国際ワークショップ規準(IWC)が定める全生存期間、無増悪生存期間、無イベント生存期間、無病生存期間または無リンパ腫生存期間の延長を達成するための方法を提供する。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
別の実施形態において、本明細書では、がん、特に、多発性骨髄腫を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、患者における多発性骨髄腫の効果判定国際統一基準(IURC)(Durie BGM,Harousseau J−L,Miguel JS,et al.International uniform response criteria for multiple myeloma.Leukemia,2006;(10)10:1−7を参照のこと)が定める治療効果を誘導するための方法を提供する。別の実施形態において、本明細書では、がん、特に、多発性骨髄腫を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、患者における多発性骨髄腫の効果判定国際統一基準(IURC)が定める厳密完全寛解、完全寛解、非常に良い部分寛解または部分寛解を達成するための方法を提供する。別の実施形態において、本明細書では、がん、特に、多発性骨髄腫を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、患者の全生存期間、無増悪生存期間、無イベント生存期間、無増悪期間または無病生存期間の延長を達成するための方法を提供する。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
別の実施形態において、本明細書では、がん、特に、多形膠芽腫(GBM)を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、患者におけるGBMの神経腫瘍の効果判定(RANO)ワーキンググループ(Wen P.,Macdonald,DR.,Reardon,DA.,et al.Updated response assessment criteria for high−grade gliomas:Response assessment in neuro−oncology working group.J.Clin.Oncol.2010;28:1963−1972を参照のこと)が定める治療効果を誘導するための方法を提供する。一実施形態では、RANOは、GBMタイプの効果判定可能な対象に関する、治療1日目から6ヶ月時における対象の無増悪割合を明らかにするために用いられる。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
別の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌または血液癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、患者におけるEastern Cooperative Oncology Group Performance Status(ECOG)を改善するための方法を提供する。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
別の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌または血液癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、患者における陽電子放射断層撮影法(PET)結果により評価される治療効果を誘導するための方法を提供する。特定の実施形態において、本明細書では、がん、特に、本明細書に記載の固形癌または血液癌を有する患者に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む、がん、特に、本明細書に記載の固形癌または血液癌を治療するための方法を提供する(治療は、例えば、PETイメージングで測定した腫瘍代謝活性の低下をもたらす)。このような方法は応用可能であり、本明細書に記載のがん治療法に加えることができる。
本明細書に記載の方法に関する一部の実施形態では、アミノプリン化合物は、本明細書に記載の化合物である。一実施形態では、アミノプリン化合物は式(I)の化合物である。別の実施形態では、アミノプリン化合物は表1の化合物である。一実施形態では、アミノプリン化合物は、分子式、C2427FClを有する本明細書に記載のアミノプリン化合物である。一実施形態では、アミノプリン化合物は、(1s,4s)−4−(2−(((3S,4R)−3−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−8−((2,4,6−トリクロロフェニル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)−1−メチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド、あるいは、名称、シス−4−[2−{[(3S,4R)−3−フルオロオキサン−4−イル]アミノ}−8−(2,4,6−トリクロロアニリノ)−9H−プリン−9−イル]−1−メチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド(化合物1)である。
本明細書では、がん、特に、以前から本明細書に記載の固形癌または血液癌の治療を受けている患者に加え、以前には治療を受けていない患者を治療するための方法を更に提供する。一実施形態では、がんは、表3に示すがんである。このようながんは、表1に記載の化合物及び/または化合物1を含む本明細書に記載のアミノプリン化合物を用いて治療することができる。がん患者は異なる臨床症状を呈し臨床結果も異なるため、患者へと提供される治療は、彼/彼女の予後に応じて変化し得る。熟練した臨床医であれば、過度な実験をすることなく、個々のがん患者の治療に用いるのに有効となり得る、特定の第2薬剤、手術種、及び、非薬物ベース標準療法の種類を容易に決定することが可能であろう。
バイオマーカー
一実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のがんを有する対象内におけるバイオマーカーのレベルを調節するための方法を提供し、上記対象に、有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む。一部のこのような実施形態では、バイオマーカーの調節は、対象の生体試料、例えば、循環血液、皮膚生検材料、腫瘍生検材料、循環腫瘍細胞、毛髪及び/または尿などを用いて評価される。一実施形態では、生体試料は末梢血単核球(PBMC)である。このような実施形態では、バイオマーカーの調節量は、アミノプリン化合物またはその医薬組成物の投与前後におけるバイオマーカー量を比較することにより評価される。一部の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の低下である。一部のその他の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の上昇である。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、ERK、RSK1、DUSP4、DUSP5、DUSP6、BMF、EFNA1、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、GJA1、IL−8、cMyc、サイクリンD1、YAP、SPRY2、SPRY4、Axin2、CTGF、AREG、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1、MAFF、CITED2、ELF3またはPD−L1である。一部のこのような実施形態では、調節は、ERK及びRSK1のうちの1種または複数種のリン酸化レベルにおける測定値低下により測定される。一部の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の低下である。一部のその他の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の上昇である。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、DUSP4、DUSP6、サイクリンD1、c−Myc、SPRY2及びYAPのうちの1種または複数種である。一部のこのような実施形態では、調節は、DUSP4、DUSP6、サイクリンD1、c−Myc及びYAPのうちの1種または複数種におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの測定値低下により測定される。一部のこのような実施形態では、調節は、DUSP4、DUSP6、SPRY2、c−Myc及びサイクリンD1のうちの1種または複数種におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの測定値低下により測定される。一部の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の低下である。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、DUSP4、DUSP6、サイクリンD1、c−Myc、SPRY2及びYAPのうちの1種または複数種である。一部のこのような実施形態では、調節は、DUSP4、DUSP6、サイクリンD1、c−Myc及びYAPのうちの1種または複数種におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの測定値低下により測定される。一部のこのような実施形態では、調節は、DUSP4、DUSP6、SPRY2、c−Myc及びサイクリンD1のうちの1種または複数種におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの測定値低下により測定される。一部の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の低下である。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、DUSP5、DUSP6、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、IL−8、SPRY2及びSPRY4のうちの1種または複数種である。一部のこのような実施形態では、調節は、DUSP5、DUSP6、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、IL−8、SPRY2及びSPRY4のうちの1種または複数種におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの測定値低下により測定される。一部の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の低下である。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、BMF及びEFNAのうちの1種または複数種である。一部のこのような実施形態では、調節は、BMF及びEFNA1のうちの1種または複数種におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの測定値上昇により測定される。一部の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の上昇である。
一部の実施形態では、バイオマーカーはGJA1である。一部のこのような実施形態では、調節は、GJA1のうちの1種または複数種におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの測定値調節により測定される。一部のこのような実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の低下である。一部の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の上昇である。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、Axin2、CTGF、Cur61及びAREGのうちの1種または複数種である。一部のこのような実施形態では、調節は、Axin2、CTGF及びAREGのうちの1種または複数種におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの測定値低下により測定される。一部の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の低下である。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1及びMAFFのうちの1種または複数種である。一部のこのような実施形態では、調節は、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1及びMAFFのうちの1種または複数種におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの測定値低下により測定される。一部の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の低下である。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、CITED2及びELF3のうちの1種または複数種である。一部のこのような実施形態では、調節は、CITED2及びELF3のうちの1種または複数種におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの測定値上昇により測定される。一部の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の上昇である。
一部の実施形態では、バイオマーカーはPD−L1である。一部の実施形態では、バイオマーカーレベルの調節は、PD−L1の細胞表面発現レベル低下である。一部の実施形態では、バイオマーカーの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の低下である。
別の実施形態では、バイオマーカーはIFNγまたはIL−2である。一部のこのような実施形態では、バイオマーカーレベルの調節は、IFNγまたはIL−2におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの上昇である。一部のこのような実施形態では、IFNγまたはIL−2におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の上昇である。
別の実施形態では、バイオマーカーはIL−8である。一部のこのような実施形態では、バイオマーカーレベルの調節は、IL−8におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの低下である。一部のこのような実施形態では、IL−8におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの調節は、ベースラインレベルと比較して、約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または約100%の低下である。
一実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のがんを有する対象内のERK及び/またはRSK1のリン酸化を阻害するための方法を提供し、上記対象に、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを含む。一部のこのような実施形態では、リン酸化の阻害は、対象の生体試料(循環血液及び/または腫瘍細胞、皮膚生検材料及び/または腫瘍生検材料または腫瘍吸引物など)を用いて評価される。このような実施形態では、リン酸化阻害量は、本明細書で提供するアミノプリン化合物またはその医薬組成物の投与前後におけるリン酸化ERK及び/またはリン酸化RSK1の量を比較することにより評価される。特定の実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のがんを有する対象内のERK及び/またはRSK1のリン酸化阻害を測定するための方法を提供し、上記対象に、本明細書で提供する有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与すること、上記対象内におけるリン酸化ERK及び/またはリン酸化RSK1の量を測定すること、及び、本明細書で提供する有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与する前に、リン酸化ERK及び/またはリン酸化RSKの上記量を上記対象内における量と比較することを含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
特定の実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のがんを有する対象の生体試料内のERK及び/またはRSK1のリン酸化を阻害するための方法を提供し、上記対象に、本明細書で提供する有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与すること、及び、本明細書で提供する上記アミノプリン化合物またはその医薬組成物の投与前後における対象の生体試料内のリン酸化ERK及び/またはリン酸化RSK1の量を比較することを含む(本明細書で提供する上記アミノプリン化合物またはその医薬組成物の投与前に得た上記生体試料内のリン酸化ERK及び/またはリン酸化RSK1の量と比較して、本明細書で提供する上記アミノプリン化合物の投与後に得た上記生体試料内のリン酸化ERK及び/またはリン酸化RSK1がより少ないということは、阻害を示す)。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者がアミノプリン化合物またはその医薬組成物の影響を受けやすいかどうかを決定するための方法を更に提供し、上記患者に、上記アミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与すること、及び、上記患者へのアミノプリン化合物またはその医薬組成物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるリン酸化ERK及び/またはリン酸化RSK1の量を測定することにより、上記患者内においてERK及び/またはRSK1のリン酸化が阻害されるか否かを決定することを含む(ERKリン酸化及び/またはRSK1リン酸化の阻害は、上記患者が上記アミノプリン化合物の影響を受けやすいということを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者におけるERK及び/またはRSK1のリン酸化を阻害することで治療可能ながんを治療するための有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を測定するための方法を更に提供し、上記患者に、様々な用量の上記アミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与すること、及び、上記患者へのそれぞれの用量のアミノプリン化合物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるリン酸化ERK及び/またはリン酸化RSK1の量を測定することにより、それぞれの用量の上記アミノプリン化合物またはその医薬組成物による上記患者におけるERK及び/またはRSK1リン酸化阻害の量を測定することを含む(少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、または、約50%超のERK及び/またはRSK1のリン酸化阻害は、有効量のアミノプリン化合物に相当する)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物またはその医薬組成物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、がんを有する患者におけるアミノプリン化合物治療に対する効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内におけるDUSP4、DUSP5、DUSP6、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、IL−8、cMyc、サイクリンD1、YAP、SPRY2、SPRY4、Axin2、CTGF、AREG、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1及びMAFFのうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを得ること、c)上記mRNA及び/またはタンパク質発現レベルを生物学的野生型試料のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルと比較することを含む(上記生物学的野生型試料と比較した、上記患者の生物学的試験用試料におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの低下は、上記患者のがんにおけるアミノプリン化合物治療に対する効果である可能性が高いことを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、がんを有する患者におけるアミノプリン化合物治療に対する治療効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内におけるDUSP4、DUSP5、DUSP6、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、IL−8、cMyc、サイクリンD1、YAP、SPRY2、SPRY4、Axin2、CTGF、AREG、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1及びMAFFのうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを得ること、c)上記mRNA及び/またはタンパク質発現レベルを生物学的野生型試料のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルと比較することを含む(mRNA及び/またはタンパク質発現レベルの低下は、上記患者における上記アミノプリン化合物治療に対する治療効果である可能性が高いことを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者がアミノプリン化合物の影響を受けやすいかどうかを決定するための方法を更に提供し、上記患者に上記アミノプリン化合物を投与すること、及び、上記患者へのアミノプリン化合物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるDUSP4、DUSP5、DUSP6、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、IL−8、cMyc、サイクリンD1、YAP、SPRY2、SPRY4、Axin2、CTGF、AREG、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1及びMAFFのうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの量を測定することにより、上記患者内において、DUSP4、DUSP5、DUSP6、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、IL−8、cMyc、サイクリンD1、YAP、SPRY2、SPRY4、Axin2、CTGF、AREG、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1及びMAFFのうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルが阻害されるか否かを決定することを含む。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者内におけるDUSP4、DUSP5、DUSP6、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、IL−8、cMyc、サイクリンD1、YAP、SPRY2、SPRY4、Axin2、CTGF、AREG、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1及びMAFFのうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを阻害することで治療可能ながんを治療するための有効量のアミノプリン化合物を測定するための方法を更に提供し、上記患者に、様々な用量の上記アミノプリン化合物を投与すること、及び、上記患者へのそれぞれの用量のアミノプリン化合物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるDUSP4、DUSP5、DUSP6、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、IL−8、cMyc、サイクリンD1、YAP、SPRY2、SPRY4、Axin2、CTGF、AREG、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1及びMAFFのうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの量を測定することにより、上記患者内におけるそれぞれの用量の上記アミノプリン化合物に起因する、DUSP4、DUSP5、DUSP6、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、IL−8、cMyc、サイクリンD1、YAP、SPRY2、SPRY4、Axin2、CTGF、AREG、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1及びMAFFのうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの阻害量を測定することを含む。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、がんを有する患者におけるアミノプリン化合物治療に対する効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内におけるBMF、EFNA1、CITED2及びELF3のうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを得ること、c)上記mRNA及び/またはタンパク質発現レベルを生物学的野生型試料のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルと比較することを含む(上記生物学的野生型試料と比較した、上記患者の生物学的試験用試料におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの上昇は、上記患者のがんにおけるアミノプリン化合物治療に対する効果である可能性が高いことを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、がんを有する患者におけるアミノプリン化合物治療に対する治療効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内におけるBMF、EFNA1、CITED2及びELF3のうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを得ること、c)上記mRNA及び/またはタンパク質発現レベルを生物学的野生型試料のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルと比較することを含む(mRNA及び/またはタンパク質発現レベルの上昇は、上記患者における上記アミノプリン化合物治療に対する治療効果である可能性が高いことを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者がアミノプリン化合物の影響を受けやすいかどうかを決定するための方法を更に提供し、上記患者に上記アミノプリン化合物を投与すること、及び、上記患者へのアミノプリン化合物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるBMF、EFNA1、CITED2及びELF3のうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの量を測定することにより、上記患者内において、BMF、EFNA1、CITED2及びELF3のうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルが上昇するか否かを決定することを含む。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者内におけるBMF、EFNA1、CITED2及びELF3のうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを上昇させることで治療可能ながんを治療するための有効量のアミノプリン化合物を測定するための方法を更に提供し、上記患者に、様々な用量の上記アミノプリン化合物を投与すること、及び、上記患者へのそれぞれの用量のアミノプリン化合物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるBMF、EFNA1、CITED2及びELF3のうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの量を測定することにより、上記患者内におけるそれぞれの用量の上記アミノプリン化合物に起因する、BMF、EFNA1、CITED2及びELF3のうちの1種または複数種のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの上昇量を測定することを含む。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、がんを有する患者におけるアミノプリン化合物またはその医薬組成物治療に対する効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内におけるGJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを得ること、c)上記mRNA及び/またはタンパク質発現レベルを生物学的野生型試料のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルと比較することを含む(上記生物学的野生型試料と比較した、上記患者の生物学的試験用試料におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの低下は、上記患者のがんにおけるアミノプリン化合物治療に対する効果である可能性が高いことを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、がんを有する患者におけるアミノプリン化合物治療に対する治療効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内におけるGJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを得ること、c)上記mRNA及び/またはタンパク質発現レベルを生物学的野生型試料のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルと比較することを含む(mRNA及び/またはタンパク質発現レベルの低下は、上記患者における上記アミノプリン化合物治療に対する治療効果である可能性が高いことを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者がアミノプリン化合物の影響を受けやすいかどうかを決定するための方法を更に提供し、上記患者に上記アミノプリン化合物を投与すること、及び、上記患者へのアミノプリン化合物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるGJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの量を測定することにより、上記患者内において、GJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルが阻害されるか否かを決定することを含む。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者内におけるGJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを阻害することで治療可能ながんを治療するための有効量のアミノプリン化合物を測定するための方法を更に提供し、上記患者に、様々な用量の上記アミノプリン化合物を投与すること、及び、上記患者へのそれぞれの用量のアミノプリン化合物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるGJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの量を測定することにより、上記患者内におけるそれぞれの用量の上記アミノプリン化合物に起因する、GJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの阻害量を測定することを含む。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、がんを有する患者におけるアミノプリン化合物治療に対する効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内におけるGJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを得ること、c)上記mRNA及び/またはタンパク質発現レベルを生物学的野生型試料のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルと比較することを含む(上記生物学的野生型試料と比較した、上記患者の生物学的試験用試料におけるmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの上昇は、上記患者のがんにおけるアミノプリン化合物治療に対する効果である可能性が高いことを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、がんを有する患者におけるアミノプリン化合物治療に対する治療効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内におけるGJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを得ること、c)上記mRNA及び/またはタンパク質発現レベルを生物学的野生型試料のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルと比較することを含む(mRNA及び/またはタンパク質発現レベルの上昇は、上記患者における上記アミノプリン化合物治療に対する治療効果である可能性が高いことを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者がアミノプリン化合物の影響を受けやすいかどうかを決定するための方法を更に提供し、上記患者に上記アミノプリン化合物を投与すること、及び、上記患者へのアミノプリン化合物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるGJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの量を測定することにより、上記患者内において、GJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルが上昇するか否かを決定することを含む。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者内におけるGJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルを上昇させることで治療可能ながんを治療するための有効量のアミノプリン化合物を測定するための方法を更に提供し、上記患者に、様々な用量の上記アミノプリン化合物を投与すること、及び、上記患者へのそれぞれの用量のアミノプリン化合物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるGJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの量を測定することにより、上記患者内におけるそれぞれの用量の上記アミノプリン化合物に起因する、GJA1のmRNA及び/またはタンパク質発現レベルの上昇量を測定することを含む。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、がんを有する患者におけるアミノプリン化合物治療に対する効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内におけるPD−L1の細胞表面発現レベルを得ること、c)PD−L1の上記細胞表面発現レベルを生物学的野生型試料におけるPD−L1の細胞表面発現レベルと比較することを含む(PD−L1の細胞表面発現レベルの低下は、上記患者のがんにおけるアミノプリン化合物治療に対する効果である可能性が高いことを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、がんを有する患者におけるアミノプリン化合物治療に対する治療効果を予測するための方法を更に提供し、方法は、a)患者のがん由来の生物学的試験用試料を得ること、b)上記生物学的試験用試料内におけるPD−L1の細胞表面発現レベルを得ること、c)PD−L1の上記細胞表面発現レベルを生物学的野生型試料におけるPD−L1の細胞表面発現レベルと比較することを含む(PD−L1の細胞表面発現レベルの低下は、上記患者における上記アミノプリン化合物治療に対する治療効果である可能性が高いことを示す)。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者がアミノプリン化合物の影響を受けやすいかどうかを決定するための方法を更に提供し、上記患者に上記アミノプリン化合物を投与すること、及び、上記患者へのアミノプリン化合物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるPD−L1の細胞表面発現レベルの量を測定することにより、上記患者内において、PD−L1の細胞表面発現レベルが阻害されるか否かを決定することを含む。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
本明細書では、患者内におけるPD−L1の細胞表面発現レベルにより治療可能ながんを治療するための有効量のアミノプリン化合物を測定するための方法を更に提供し、上記患者に、様々な用量の上記アミノプリン化合物を投与すること、及び、上記患者へのそれぞれの用量のアミノプリン化合物の投与前後における上記患者由来の生体試料内におけるPD−L1の細胞表面発現レベルの量を測定することにより、上記患者内におけるそれぞれの用量の上記アミノプリン化合物に起因する、PD−L1の細胞表面発現レベルの阻害量を測定することを含む。一部のこのような実施形態では、方法は、本明細書に記載の有効量のアミノプリン化合物を投与することを更に含む。一部の実施形態では、生体試料は腫瘍生検材料である。別の実施形態では、生体試料はPBMCである。更に別の実施形態では、生体試料は循環腫瘍細胞である。
併用療法
本明細書で提供するアミノプリン化合物はまた、本明細書に記載のがんの治療及び/または予防に有用なその他の治療薬と組み合わせられ得るか、それと組み合わせて使用され得る。
一実施形態において、本明細書では、患者に、1種または複数種の第2の活性薬剤と組み合わせて、また任意選択的に放射線治療、輸血または外科手術と組み合わせて、本明細書で提供するアミノプリン化合物を投与することを含む、がんを治療、予防または管理するための方法を提供する。第2の活性薬剤の例は、本明細書に開示されている。
本明細書で使用する場合、用語「組み合わせて」は、2種以上の治療薬(例えば、1種または複数種の予防薬及び/または治療薬)の使用を含む。しかしながら、用語「組み合わせて」の使用は、治療薬(例えば、予防薬及び/または治療薬)が疾患または障害を有する患者に投与される順序を制限しない。第1の治療薬(例えば、予防薬または治療薬、例えば、本明細書で提供するアミノプリン化合物など)は、第2の治療薬(例えば、予防薬または治療薬)の投与前(例えば、5分、15分、30分間、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)に、それと同時に、またはその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後)に、対象へと投与され得る。本明細書においては、3剤併用もまた検討される。
本明細書で提供するアミノプリン化合物及び1種または複数種の第2の活性薬剤の患者への投与は、同一または別々の投与経路を用いて、同時または連続的に行ってもよい。特定の活性剤に用いる特定の投与経路の適性は、活性剤そのもの(例えば、活性剤が血流に入る前に分解されずに経口投与可能であるかどうか)、及び、治療するがんによって異なる。
アミノプリン化合物の投与経路は、第2の治療薬の投与経路に依存しない。したがって、これらの実施形態によれば、アミノプリン化合物は、静脈内投与され、第2の治療薬は、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸、経頬、鼻腔内、リポソーム、吸入により、膣内、眼内、カテーテルまたはステントによる局所送達により、皮下、脂肪内、関節内、硬膜内、または徐放剤形により投与され得る。一実施形態では、アミノプリン化合物及び第2の治療薬は、同一の投与方法、例えば、経口で投与される。別の実施形態において、アミノプリン化合物が、ある投与方法、例えば、経口で投与される一方、第2の薬剤(抗がん剤)は、別の投与方法、例えば、IVで投与される。
一実施形態では、第2の活性薬剤を、約1〜約1000mg、約5〜約500mg、約10〜約350mg、約50〜約200mg、約1〜約100mg、約1〜約200mg、約1〜約300mg、約1〜約400mg、または、約1〜約500mgの量で、1日1回または1日2回、例えば、経口、静脈内または皮下で投与する。第2の活性薬剤の特定の量は、用いる特定の薬剤、治療または管理する疾患の種類、疾患の重症度及びステージ、ならびに、患者へと同時に投与される本明細書に記載のアミノプリン化合物及び任意の追加の活性薬剤の量によって決まる。一実施形態では、本明細書に記載の投与量はヒト患者用である。
本明細書で提供する方法及び組成物において、1種または複数種の第2の活性成分または活性薬剤を、アミノプリン化合物と共に用いてもよい。第2の活性薬剤は、大分子(例えば、タンパク質)または小分子(例えば、合成無機分子、有機金属分子または有機分子)であってもよい。
大分子活性薬剤の例としては、造血成長因子、サイトカイン、ならびにモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、特に、がん抗原への治療抗体が挙げられるがこれらに限定されない。典型的な大分子活性薬剤は、天然タンパク質、合成タンパク質または組換えタンパク質などの生体分子である。本明細書で提供する方法及び組成物に特に有用なタンパク質としては、インビトロまたはインビボでの造血前駆細胞及びリンパ球産生細胞の生存及び/または増殖を促進するタンパク質が挙げられる。その他の有用なタンパク質は、インビトロまたはインビボで、細胞内における委任造血前駆細胞の分裂及び分化を刺激する。特定のタンパク質としては、インターロイキン、例えば、IL−2(組換えIL−2(「rIL2」)及びカナリア痘IL−2を含む)、IL−10、IL−12及びIL−18など、インターフェロン、例えば、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−n1、インターフェロンα−n3、インターフェロンβ−Ia及びインターフェロンγ−Ibなど、GM−CF及びGM−CSF、ならびに、EPOが挙げられるがこれらに限定されない。
特定の実施形態では、GM−CSF、G−CSF、SCFまたはEPOを、4週間サイクルまたは6週間サイクルにおける約5日間にわたり、約1〜約750mg/m/日、約25〜約500mg/m/日、約50〜約250mg/m/日、または、約50〜約200mg/m/日の範囲の量で皮下投与する。特定の実施形態では、GM−CSFを、2時間にわたり約60〜約500mcg/mの量で静脈内投与してもよく、あるいは、約5〜約12mcg/m/日の量で皮下投与してもよい。特定の実施形態では、G−CSFを、最初に約1mcg/kg/日の量で皮下投与してもよく、また、総顆粒球数の増加に応じて調節してもよい。維持量のG−CSFを、約300mcg(小柄な患者)または480mcgの量で皮下投与してもよい。特定の実施形態では、EPOを、週に3回、10,000単位の量で皮下投与してもよい。
本方法及び本組成物に使用可能な特定のタンパク質としては、フィルグラスチム、サルグラモスチム及び組換えEPOが挙げられるがこれらに限定されない。
GM−CSFの組換え及び変異形態は、米国特許番号5,391,485、5,393,870及び5,229,496に記載のとおりに調製可能である(それら全ては参照として本明細書に組み込まれる)。G−CSFの組換え及び変異形態は、米国特許4,810,643、4,999,291、5,528,823及び5,580,755に記載のとおりに調製可能である(それら全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
また、本明細書で提供するアミノプリン化合物と組み合わせて使用するために提供されるタンパク質は、未変性タンパク質、天然タンパク質及び組換えタンパク質である。元となるタンパク質の薬理活性のうち少なくとも一部をインビボで示す天然タンパク質の変異体及び誘導体(例えば、修飾形態)もまた包含される。変異体の例としては、天然形態のタンパク質中の対応する残基とは異なる1つまたは複数のアミノ酸残基を有するタンパク質が挙げられるがこれらに限定されない。また、用語「変異体」に包含されるのは、通常は天然形態(例えば、非グリコシル化形態)で存在する、炭水化物部分を欠くタンパク質である。誘導体の例としては、PEG化誘導体、及び、IgG1またはIgG3をタンパク質または目的タンパク質の活性部位に融合することにより形成されたタンパク質などの融合タンパク質が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、Penichet,M.L.and Morrison,S.L.,J.Immunol.Methods 248:91−101(2001)を参照されたい。
本明細書で提供するアミノプリン化合物と組み合わせて使用可能な抗体としては、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が挙げられる。抗体の例としては、トラスツズマブ、リツキシマブ、ベバシズマブ、ペルツズマブ、トシツモマブ、エドレコロマブ及びG250が挙げられるがこれらに限定されない。アミノプリン化合物はまた、抗TNF−α抗体及び/または抗EGFR抗体(例えば、セツキシマブまたはパニツムマブなど)と組み合わせてもよく、または、それらと組み合わせて使用してもよい。
本明細書で提供するアミノプリン化合物と組み合わせて使用可能な抗体としては、免疫チェックポイント阻害薬(例えば、抗CTLA4抗体、抗PD1抗体、抗PD−L1抗体、抗Tim−3抗体、抗Lag−3抗体など)が挙げられる。一部のこのような実施形態では、PD−1抗体またはPD−L1抗体は、例えば、アベルマブ、デュルバルマブ、MEDI0680、アテゾリズマブ、BMS−936559、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブまたはPDR−001である。1つのこのような実施形態では、抗Lag−3抗体はBMS−986016である。
本明細書で提供するアミノプリン化合物と組み合わせて使用可能な別の抗体としては、抗RSPO抗体が挙げられる。
大分子活性薬剤は、抗がんワクチンの形態で投与され得る。例えば、IL−2、G−CSF及びGM−CSFなどのサイトカインを分泌するか、またはその分泌を引き起こすワクチンは、提供する方法及び医薬組成物に使用可能である。例えば、Emens,L.A.,et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.3(1):77 84(2001)を参照されたい。
小分子である第2の活性薬剤はまた、本明細書で提供するアミノプリン化合物の投与に関連する副作用を軽減するために使用することができる。しかしながら、一部の大分子と同様、多くは、本明細書で提供するアミノプリン化合物と共に投与する場合(例えば、投与前、投与後または同時に)、相加効果または相乗効果をもたらすことが可能であると考えられている。小分子の第2の活性薬剤の例としては、抗がん剤、抗生物質、免疫抑制剤及びステロイドが挙げられるがこれらに限定されない。
特定の実施形態では、第2の薬剤は、BRAF阻害剤、HSP阻害剤、プロテアソーム阻害剤、FLT3阻害剤、MEK阻害剤、PI3K阻害剤、EGFR阻害剤、免疫調節化合物、またはTORキナーゼ阻害剤である。一部のこのような実施形態では、BRAF阻害剤は、ソラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブまたはベムラフェニブである。一部のこのような実施形態では、HSP阻害剤は、ゲルダナマイシン、ガミトリニブ、ルミネスピブまたはラディシコールである。一部の実施形態では、プロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ、ジスルフィラム、オプロゾミブ、デランゾミブまたはイキサゾミブである。その他の実施形態では、FLT3阻害剤は、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、スニチニブまたはレスタウルチニブである。一部のこのような実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、PD−325901、CI−1040(PD184352)またはTAK−733である。一部のその他の実施形態では、PI3K阻害剤は、AT7867、AZD8055、BX−912、シルミタセルチブ、ピクチリシブ、MK−2206またはピララリシブである。別の実施形態では、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ(TAGRISSO)、ロシレチニブまたはラパチニブである。一部のその他の実施形態では、TORキナーゼ阻害剤は、CC−115、CC−223、OSI−027、AZD8055、サパニセルチブ、ダクトリシブ、BGT226、ボクスタリシブ(SAR−245409)、アピトリシブ、オミパリシブ(GSK−2126458)、PF−04691502、ゲダトリシブまたはPP242である。一部の実施形態では、免疫調節化合物は、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、CC−220またはCC−122である。
本明細書に記載の方法または組成物に使用される別の抗がん剤の例としては、アシビシン、アクラルビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アンボマイシン、酢酸アメタントロン、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタット、ベンゾデパ、ビカルタミド、塩酸ビサントレン、ビスナフィドジメシレート、ビゼレシン、硫酸ブレオマイシン、ブレキナールナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、塩酸カルビシン、カルゼレシン、セデフィンゴール、セレコキシブ(COX−2阻害剤)、クロラムブシル、シロレマイシン、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、メシル酸クリスナトール、シクロホスファミド、アラビノキシルシトシン、ダカルバジン、ダブラフェニブ、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、デシタビン、デキソルマプラチン、デザグアニン、メシル酸デザグアニン、ジアジクオン、ドセタキセル、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、デュアゾマイシン、エダトレキサート、塩酸エフロルニチン、エルサミトルシン、エンロプラチン、エンプロマート、エピプロピジン、塩酸エピルビシン、エルブロゾール、塩酸エソルビシン、エストラムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルロシタビン、ホスキドン、ホストリエシンナトリウム、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、塩酸イダルビシン、イホスファミド、イルモホシン、イプロプラチン、イリノテカン、塩酸イリノテカン、酢酸ランレオチド、レトロゾール、酢酸ロイプロリド、塩酸リアロゾール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、塩酸ロソキサントロン、マソプロコール、マイタンシン、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メトプリン、メツレデパ、ミチンドミド、ミトカルシン、ミトクロミン、ミトギリン、ミトマルシン、マイトマイシン、ミトスペル、ミトタン、塩酸ミトキサントロン、ミコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマイシン、オマセタキシン、オルマプラチン、オキシスラン、パクリタキセル、注射懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子(アルブミン結合)(ABRAXANE(登録商標))、ペグアスパルガーゼ、ペリオマイシン、ペンタムスチン、硫酸ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピポブロマン、ピポスルファン、塩酸ピロキサントロン、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、塩酸プロカルバジン、ピューロマイシン、塩酸ピューロマイシン、ピラゾフリン、リボプリン、サフィンゴール、塩酸サフィンゴール、セムスチン、シムトラゼン、ソラフェニブ、スパルホサートナトリウム、スパルソマイシン、塩酸スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌル、タリソマイシン、テコガランナトリウム、ドセタキセル、テガフール、塩酸テロキサントロン、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、クエン酸トレミフェン、酢酸トレストロン、リン酸トリシリビン、トリメトレキセート、グルクロン酸トリメトレキセート、トリプトレリン、塩酸ツブロゾール、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシナート、硫酸ビンロイロシン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン、硫酸ビンゾリジン、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、及び塩酸ゾルビシンが挙げられるがこれらに限定しない。
本方法または本組成物に含まれるその他の抗がん剤としては、20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3、5−エチニルウラシル、アビラテロン、アクラルビシン、アシルフルベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、全TK型拮抗薬、アルトレタミン、アンバムスチン、アミドックス、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラホリド、血管新生阻害剤、拮抗薬D、拮抗薬G、アンタレリックス、抗背方化形態形成タンパク質1、抗アンドロゲン剤、前立腺癌、抗エストロゲン剤、抗新生物剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、グリシン酸アフィジコリン、アポトーシス遺伝子調節因子、アポトーシス調節因子、アプリン酸、ara−CDP−DL−PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、バッカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、BCR/ABL拮抗薬、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、βアレチン、βクラマイシンB、ベツリン酸、bFGF阻害剤、ビカルタミド、ビサントレン、ビスアジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレフレート、ブロピリミン、ブドチタン、ブチオニンスルホキシミン、カルシポトリオール、カルホスチンC、カンプトテシン誘導体、カペシタビン、カルボキサミド−アミノ−トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、CaRest M3、軟骨由来阻害剤、カルゼレシン、カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS)、カスタノスペルミン、セクロピンB、セトロレリクス、クロリン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シスポルフィリン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類似体、コナゲニン、クランベシジン816、クリスナトール、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、クラシンA、シクロペンタントラキノン、シクロプラタム、シペマイシン、シタラビンオクホスファート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダクリキシマブ、デシタビン、デヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキサメタゾン、デキシホスファミド、デキスラゾキサン、デクスベラパミル、ジアジクオン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ−5−アザシチジン、ジヒドロタキソール、9−ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロロキシフェン、ドロナビノール、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エレメン、エミテフール、エピルビシン、エプリステリド、エストラムスチン類似体、エストロゲン作動薬、エストロゲン拮抗薬、エタニダゾール、リン酸エトポシド、エキセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フルアステロン、フルダラビン、塩酸フルオロダウノルビシン、ホルフェニメクス、ホルメスタン、ホストリエシン、ホテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリクス、ゼラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ヒペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イルモホシン、イロマスタット、イマチニブ、イミキモド、免疫促進ペプチド、インスリン様成長因子1受容体阻害剤、インターフェロン作動薬、インターフェロン、インターロイキン、ヨーベングアン、ヨードドキソルビシン、4−イポメアノール、イロプラクト、イルソグラジン、イソベンガゾール、イソホモハリコンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン−Nトリアセテート、ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病阻害因子、白血球αインターフェロン、ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン、リュープロレリン、レバミゾール、リアロゾール、直鎖ポリアミン類似体、親油性二糖ペプチド、親油性白金化合物、リッソクリナミド7、ロバプラチン、ロンブリシン、ロメトレキソール、ロニダミン、ロソキサントロン、ロキソリビン、ラルトテカン、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解性ペプチド、マイタンシン、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリライシン阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メノガリル、メルバロン、メテレリン、メチオニナーゼ、メトクロプラミド、MIF阻害剤、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン類似体、ミトナフィド、マイトトキシン線維芽細胞増殖因子−サポリン、ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチム、セツキシマブ、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、モノホスホリルリピドA+マイコバクテリウム細胞壁sk、モピダモール、マスタード抗がん剤、ミカペルオキシドB、マイコバクテリア細胞壁抽出物、ミリアポロン、N−アセチルジナリン、N置換ベンズアミド、ナファレリン、ナグレスチップ、ナロキソン+ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、ニルタミド、ニサマイシン、一酸化窒素調節因子、窒素酸化物抗酸化剤、ニトルリン、オブリメルセン、O−ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オンダンセトロン、オラシン、経口サイトカイン誘導物質、オルマプラチン、オサテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、パクリタキセル、パクリタキセル類似体、パクリタキセル誘導体、注射懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子(アルブミン結合)(ABRAXANE(登録商標))、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペグアスパルガーゼ、ペルデシン、ペントサン多硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール、ペルフルブロン、ペルホスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、酢酸フェニル、ホスファターゼ阻害剤、ピシバニール、塩酸ピロカルピン、ピラルビシン、ピリトレキシム、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤、白金錯体、白金化合物、白金−トリアミン錯体、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プロピルビス−アクリドン、プロスタグランジンJ2、プロテアソーム阻害剤、タンパク質A系免疫調節因子、プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤、プルプリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体、raf拮抗薬、ラルチトレキセド、ラモセトロン、rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、ras阻害剤、ras−GAP阻害剤、脱メチル化レテリプチン、エチドロン酸レニウムRe186、リゾキシン、リボザイム、RIIレチンアミド、ロヒツキン、ロムルチド、ロキニメックス、ルビギノンB1、ルボキシル、サフィンゴール、サイントピン、サルムスチン、サルコフィトールA、サルグラモスチム、Sdi1模倣薬、セムスチン、老化誘導阻害剤1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害剤、シゾフィラン、ソブゾキサン、ボロカプテイトナトリウム、フェニルアセテートナトリウム、ソルベロール、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン、スパルホス酸、スピカマイシンD、スピロムスチン、スプレノペンチン、スポンジスタチン1、スクアラミン、スチピアミド、ストロメリシン阻害剤、スルフィノシン、超活性血管活性腸管ペプチド拮抗薬、スラジスタ、スラミン、スワインソニン、タリムスチン、タモキシフェンメチオジド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフール、テルラピリリウム、テロメラーゼ阻害剤、テモポルフィン、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、タリブラスチン、チオコラリン、トロンボポイエチン、トロンボポイエチン模倣薬、チマルファシン、チモポエチン受容体作動薬、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、エチルエチオプルプリンスズ、チラパザミン、チタノセンビクロリド、トプセンチン、トレミフェン、翻訳阻害剤、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、トリメトレキセート、トリプトレリン、トロピセトロン、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チルホスチン、UBC阻害剤、ウベニメクス、尿生殖洞由来増殖阻害因子、ウロキナーゼ受容体拮抗薬、バプレオチド、バリオリンB、ベラレソール、ベラミン、ベルディンス、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビンキサルチン、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ、及びジノスタチンスチマラマーが挙げられるがこれらに限定されない。
本方法または本組成物に特に有用な特定の第2の活性薬剤としては、リツキシマブ、オブリメルセン、インフリキシマブ、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、デキサメタゾン、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチン、テモゾロミド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、カルムスチン、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキサート、ゲフィチニブ、パクリタキセル、フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、カペシタビン、インターフェロンα、PEG化インターフェロンα、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノルビシン、シタラビン、ビンブラスチン、IL−2、GM−CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロネート、クラリスロマイシン、ブスルファン、プレドニゾン、ビスホスホネート、三酸化ヒ素、ビンクリスチン、ドキソルビシン、ガンシクロビル、リン酸エストラムスチンナトリウム、クリノリル、及びエトポシドが挙げられるがこれらに限定されない。
本方法または本組成物に特に有用なその他特定の第2の活性薬剤としては、ソラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、PD−325901、CI−1040(PD184352)、TAK−733、AT7867、AZD8055、BX−912、シルミタセルチブ、ピクチリシブ、MK−2206、ピララリシブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、オシメルチニブ、CC−115、CC−223、OSI−027、AZD8055、サパニセルチブ、ダクトリシブ、BGT226、ボクスタリシブ、アピトリシブ、オミパリシブ、PF−04691502、ゲダトリシブ、PP242、レナリドミド、ポマリドミド、またはCC−122が挙げられるがこれらに限定されない。
本方法または本組成物に特に有用なその他特定の第2の活性薬剤としては、アベルマブ、デュルバルマブ、MEDI0680、アテゾリズマブ、BMS−936559、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、PDR−001、ソラフェニブ、セツキシマブ、パナツムマブ、エルロチニブ、トラメチニブ、トラスツズマブ、CC−223、CC−122またはラパチニブが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で提供する方法の特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物と組み合わせた第2の活性薬剤の使用は、当業者によって適切であるとみなされるように、本明細書で提供するアミノプリン化合物の投与中または投与直後に変更または遅延され得る。特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物を単剤でまたはその他の治療薬と組み合わせて投与される対象は、必要に応じて支持療法(制吐薬、骨髄増殖因子、及び血液製剤の輸注を含む)を受けてもよい。一部の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物を投与される対象は、当業者の判断に従い、第2の活性薬剤として増殖因子を投与されてもよい。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、局所進行性または転移性の尿路上皮癌を有する患者に、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、マイトマイシン、メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、カルボプラチン、チオテパ、パクリタキセル、注射懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子(アルブミン結合)(ABRAXANE(登録商標))、またはドセタキセルと共に投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、以下の第2の活性成分、再発性または進行性の脳腫瘍または再発性神経芽細胞腫を有する小児患者に対してはテモゾロミド;再発性または進行性のCNS癌に対してはセレコキシブ、エトポシド及びシクロホスファミド;再発性または進行性の髄膜腫、悪性髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、再発性脳腫瘍、または新たに診断された多形膠芽腫を有する患者に対してはテモゾロミド;再発性膠芽腫を有する患者に対してはイリノテカン;脳幹神経膠腫を有する小児患者に対してはカルボプラチン;進行性悪性神経膠腫を有する小児患者に対してはプロカルバジン;予後不良の悪性脳腫瘍、新たに診断されたまたは再発性の多形膠芽腫を有する患者に対してはシクロホスファミド;高悪性度の再発性悪性神経膠腫に対してはカルムスチン;退形成星状細胞腫に対してはテモゾロミド及びタモキシフェン;または、神経膠腫、膠芽腫、退形成星状細胞腫または退形成型希突起膠腫に対してはトポテカンと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、転移性乳癌を有する患者に、メトトレキサート、シクロホスファミド、5−フルオロウラシル、エベロリムス、パクリタキセル、注射懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子(アルブミン結合)(ABRAXANE(登録商標))、ラパチニブ、トラスツズマブ、パミドロン酸二ナトリウム、メシル酸エリブリン、エベロリムス、ゲムシタビン、パルボシクリブ、イクサベピロン、アドトラスツズマブエムタンシン、ペルツズマブ、チオテパ、アロマターゼ阻害薬、エキセメスタン、選択的エストロゲン調節薬、エストロゲン受容体拮抗薬、アントラサイクリン、エムタンシン及び/またはペキシダルチニブと共に投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、神経内分泌腫瘍を有する患者に、テモゾロミド、ドキソルビシン、エベロリムス、フルオロウラシル、5−フルオロウラシルまたはストレプトゾシンと共に投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、再発性または転移性の頭部癌または頸部癌を有する患者に、メトトレキサート、ゲムシタビン、シスプラチン、セツキシマブ、5−フルオロウラシル、ブレオマイシン、ドセタキセルまたはカルボプラチンと共に投与される。一実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、頭部癌または頸部癌を有する患者に、セツキシマブと共に投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、膵臓癌を有する患者に、ゲムシタビン、パクリタキセル、注射懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子(アルブミン結合)(ABRAXANE(登録商標))、5−フルオロウラシル、エベロリムス、イリノテカン、マイトマイシンC、スニチニブまたはエルロチニブと共に投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、結腸癌を有する患者に、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オキサリプラチン、5−フルオロウラシル、イリノテカン、カペシタビン、セツキシマブ、ラムシルマブ、パニツムマブ、ベバシズマブ、ロイコボリンカルシウム、LONSURF、レゴラフェニブ、ジブアフリベルセプト、トラメチニブ、パクリタキセル、注射懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子(アルブミン結合)(ABRAXANE(登録商標))及び/またはドセタキセルと組み合わせて投与される。特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、結腸癌を有する患者に、ベバシズマブ、塩酸イリノテカン、カペシタビン、セツキシマブ、ラムシルマブ、オキサリプラチン、セツキシマブ、フルオロウラシル、ロイコボリンカルシウム、トリフルリジン及びチピラシル塩酸塩、パニツムマブ、レゴラフェニブまたはジブアフリベルセプトと組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、結腸癌を有する患者に、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブまたはエルロチニブ)及び/またはBRAF阻害剤(例えば、ソラフェニブ、ダブラフェニブまたはベムラフェニブ)と組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、不応性の結腸直腸癌を有する患者、または第一選択治療に失敗した患者、もしくは結腸腺癌または直腸腺癌における成績が不良である患者に、カペシタビン、セツキシマブ、エルロチニブ、トラメチニブ及び/またはベムラフェニブと共に投与される。一部の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、不応性の結腸直腸癌を有する患者、または第一選択治療に失敗した患者、もしくは結腸腺癌または直腸腺癌における成績が不良である患者に、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブまたはエルロチニブ)及びBRAF阻害剤(例えば、ソラフェニブ、ダブラフェニブまたはベムラフェニブ)と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、不応性の結腸直腸癌を有する患者、または第一選択治療に失敗した患者、もしくは結腸腺癌または直腸腺癌における成績が不良である患者に、抗RSPO抗体と組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、ステージIIIa〜IVの結腸直腸癌を有する患者、または以前より転移性結腸直腸癌の治療を受けている患者に、フルオロウラシル、ロイコボリン、トラメチニブ及び/またはイリノテカンと組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、ステージIIIa〜IVの結腸直腸癌を有する患者、または以前より転移性結腸直腸癌の治療を受けている患者に、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブまたはエルロチニブ)及びBRAF阻害剤(例えば、ソラフェニブ、ダブラフェニブまたはベムラフェニブ)と組み合わせて投与される。特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、不応性の結腸直腸癌を有する患者に、カペシタビン、ゼローダ、トラメチニブ、オキサリプラチン及び/またはイリノテカンと組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、不応性の結腸直腸癌を有する患者に、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブまたはエルロチニブ)及びBRAF阻害剤(例えば、ソラフェニブ、ダブラフェニブまたはベムラフェニブ)と組み合わせて投与される。特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、不応性の結腸直腸癌を有する患者、または切除不能または転移性の結腸直腸癌を有する患者に、カペシタビン、トラメチニブ及び/またはイリノテカンと共に投与される。一部の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、不応性の結腸直腸癌を有する患者、または切除不能または転移性の結腸直腸癌を有する患者に、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブまたはエルロチニブ)及びBRAF阻害剤(例えば、ソラフェニブ、ダブラフェニブまたはベムラフェニブ)と組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、切除不能または転移性の肝細胞癌を有する患者に、単剤で、またはインターフェロンα、5−フルオロウラシル/ロイコボリンまたはカペシタビンと組み合わせて投与されるか、または、原発性または転移性の肝臓癌を有する患者に、単剤で、シスプラチン及びチオテパと組み合わせて、またはソラフェニブと組み合わせて投与される。特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、切除不能または転移性の肝細胞癌を有する患者に、単剤で、またはソラフェニブ、スニチニブ、エルロチニブ及び/またはシロリムスと組み合わせて投与されるか、または、原発性または転移性の肝臓癌を有する患者に、単剤で、またはソラフェニブ、スニチニブ、エルロチニブ及び/またはラパマイシンと組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、原発性、切除不能または転移性の肝臓癌を有する患者に、免疫チェックポイント阻害薬(例えば、抗CTLA4抗体、抗PD1抗体、抗PD−L1抗体、抗Tim−3抗体または抗Lag−3抗体)またはBRAF阻害剤(例えば、ソラフェニブ、ダブラフェニブまたはベムラフェニブ)と組み合わせて投与される。一部のこのような実施形態では、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体は、アベルマブ、デュルバルマブ、MEDI0680、アテゾリズマブ、BMS−936559、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブまたはPDR−001である。特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、原発性、切除不能または転移性の肝細胞癌を有する患者に、単剤で、またはレナリドミド、ポマリドミドまたはCC−122と組み合わせて投与される。特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、原発性、切除不能または転移性の肝細胞癌を有する患者に、単剤で、またはCC−223と組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、胃癌を有する患者に、シスプラチン/5−フルオロウラシル、ラムシルマブ、ドセタキセル、塩酸ドキソルビシン、フルオロウラシル注射液、トラスツズマブ及び/またはマイトマイシンCと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、様々なタイプまたはステージの黒色腫を有する患者に、免疫チェックポイント阻害薬(例えば、抗CTLA4抗体、抗PD1抗体、抗PD−L1抗体、抗Tim−3抗体または抗Lag−3抗体)及び/またはBRAF阻害剤(例えば、ソラフェニブ、ダブラフェニブまたはベムラフェニブ)と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、様々なタイプまたはステージの黒色腫を有する患者に、アルデスロイキン、コビメチニブ、ダブラフェニブ、ダカルバジン、IL−2、タリモジーンラハーパレプベック、組換えインターフェロンα−2b、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、ラパチニブ、トラメチニブ、ニボルマブ、ペグインターフェロンα−2b、アルデスロイキン、ダブラフェニブ及び/またはベムラフェニブと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、カポジ肉腫を有する患者に、ドキソルビシン、パクリタキセル、注射懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子(アルブミン結合)(ABRAXANE(登録商標))、ビンブラスチンまたはPEG化インターフェロンαと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、非小細胞肺癌を有する患者に、メトトレキサート、塩酸メクロレタミン、アファチニブ二マレイン酸塩、ペメトレキセド、ベバシズマブ、カルボプラチン、シスプラチン、セリチニブ、クリゾチニブ、ラムシルマブ、ペンブロリズマブ、ドセタキセル、酒石酸ビノレルビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、注射懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子(アルブミン結合)(ABRAXANE(登録商標))、エルロチニブ、ゲフィチニブ及び/またはイリノテカンと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、非小細胞肺癌を有する患者に、カルボプラチン及びイリノテカンと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、以前よりカルボプラチン/エトポシド及び放射線治療による治療を受けている、非小細胞肺癌を有する患者に、ドセタキセルと共に投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、非小細胞肺癌を有する患者に、カルボプラチン及び/またはドセタキセルと組み合わせて、または、カルボプラチン、パクリタキセル、注射懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子(アルブミン結合)(ABRAXANE(登録商標))及び/または胸部放射線治療と組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、ステージIIIB〜IVの非小細胞肺癌を有する患者に、ドセタキセルと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、小細胞肺癌を有する患者に、オブリメルセン、メトトレキサート、塩酸メクロレタミン、エトポシド、トポテカンまたはドキソルビシンと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物及びドキセタキソールは、以前よりカルボ/VP16及び放射線治療を受けている、小細胞肺癌を有する患者に投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、様々なタイプまたはステージの卵巣癌(例えば、腹膜癌、乳頭漿液性癌、不応性の卵巣癌または再発性の卵巣癌など)を有する患者に、カルボプラチン、ドキソルビシン、ゲムシタビン、シスプラチン、カペシタビン、パクリタキセル、注射懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子(アルブミン結合)(ABRAXANE(登録商標))、デキサメタゾン、アバスチン、シクロホスファミド、トポテカン、オラパリブ、チオテパまたはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、様々なタイプまたはステージの前立腺癌を有する患者に、カペシタビン、5−フルオロウラシル+ロイコボリン、ゲムシタビン、イリノテカン+ゲムシタビン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾン、GM−CSF、セレコキシブ、ガンシクロビル、パクリタキセル、注射懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子(アルブミン結合)(ABRAXANE(登録商標))、ドセタキセル、エストラムスチン、デンデロン、アビラテロン、ビカルタミド、カバジタキセル、デガレリクス、エンザルタミド、ゴセレリン、酢酸ロイプロリド、塩酸ミトキサントロン、プレドニゾン、シプリューセル−T、二塩化ラジウム223またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、様々なタイプまたはステージの腎細胞癌を有する患者に、カペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL−2、GM−CSF、セレコキシブまたはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、様々なタイプまたはステージの婦人科癌、子宮癌または軟部組織肉腫癌を有する患者に、IFN、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、メシル酸イマチニブ、パゾパニブ、塩酸塩、トラベクテジン、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ及び/またはスリンダクなど)と組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、様々なタイプまたはステージの固形腫瘍を有する患者に、セレコキシブ、エトポシド、シクロホスファミド、ドセタキセル、アペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL−2、GM−CSFまたはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、悪性中皮腫、またはpleural implantsまたは悪性中皮腫症候群を伴うステージIIIBの非小細胞肺癌を有する患者に、単剤で、またはビノレルビンと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、リンパ腫及びその他の血液癌を有する患者に、ナビトクラックス、ベネトクラックス及び/またはオバトクラックスと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、急性骨髄性白血病(不応性もしくは再発性または高リスクの急性骨髄性白血病を含む)を有する患者に、三酸化ヒ素、フルダラビン、カルボプラチン、ダウノルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、ドキソルビシン、イダルビシン、塩酸ミトキサントロン、チオグアニン、ビンクリスチン及び/またはトポテカンと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、好ましくない核型の急性骨髄芽球性白血病を有する患者に、リポソームダウノルビシン、トポテカン及び/またはシタラビンと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、様々なタイプのリンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、または再発性または不応性の低悪性度の濾胞性リンパ腫を含むがこれらに限定されない)を有する患者に、単剤で、または第2の活性成分、例えば、ビンブラスチンもしくはフルダラビン、クロラムブシル、ブレオマイシン、ブレンツキシマブベドチン、カルムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、ダカルバジン、ドキソルビシン、ロムスチン、塩酸メクロレタミン、プレドニゾン、塩酸プロカルバジンまたはビンクリスチンと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、様々なタイプまたはステージの多発性骨髄腫を有する患者に、デキサメタゾン、ゾレドロン酸、パミトロン酸、GM−CSF、クラリスロマイシン、ビンブラスチン、メルファラン、ブスルファン、シクロホスファミド、IFN、プレドニゾン、ビスホスホネート、セレコキシブ、三酸化ヒ素、ペグインターフェロンα−2b、ビンクリスチン、カルムスチン、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、ドキソルビシン、パノビノスタット、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、プレリキサフォルまたはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、様々なタイプまたはステージの多発性骨髄腫を有する患者に、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞と組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、再発性または不応性の多発性骨髄腫を有する患者に、ドキソルビシン、ビンクリスチン及び/またはデキサメタゾンと組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、強皮症または皮膚血管炎を有する患者に、セレコキシブ、エトポシド、シクロホスファミド、ドセタキセル、カペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL−2、GM−CSFまたはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
患者に安全かつ効果的に投与され得る抗がん薬物または薬剤の投薬量の増加方法も本明細書に包含され、本方法は、患者(例えばヒト)に、本明細書で提供するアミノプリン化合物を投与することを含む。この方法の利益を得ることができる患者は、特定の皮膚癌、皮下組織癌、リンパ節癌、脳癌、肺癌、肝臓癌、骨癌、腸癌、結腸癌、心臓癌、膵臓癌、副腎癌、腎臓癌、前立腺癌、乳癌、結腸直腸癌、またはこれらの組み合わせを治療するための抗がん薬物に関連する副作用に苦しむ可能性が高い者である。本明細書で提供するアミノプリン化合物を投与することで、副作用は緩和または軽減される。さもなければ(重篤であれば)、抗がん薬物の量は制限されるであろう。
一実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、患者に投与した抗がん薬物に関連する副作用が表れる前、表れている最中、または、表れた後に、約0.1〜約150mg、約1〜約100mg、約2〜約50mg、または、約1〜約10mgの範囲の量で毎日投与される。特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、抗がん薬物に関連する副作用(限定するわけではないが例えば、血栓塞栓症、好中球減少症または血小板減少症など)を回避するために、特定の薬剤(ヘパリン、アスピリン、クマジン、抗因子XaまたはG−CSFなど)と組み合わせて投与される。
一実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、望ましくない血管新生に関連するか、またはそれを特徴とする疾患及び障害を有する患者に、別の活性成分(抗がん薬物、抗炎症剤、抗ヒスタミン薬、抗生物質及びステロイドを含むがこれらに限定されない)と組み合わせて投与される。
別の実施形態において、本明細書では、がんを治療、予防及び/または管理するための方法が包含され、本方法は、がんを治療、予防及び/または管理するために現在使用されている外科手術、免疫療法、生物学的治療、放射線治療またはその他非薬物ベース療法を含むがこれらに限定されない通常の治療法と共に(例えば、その治療法を行う前、行っている最中、または行った後に)、本明細書で提供するアミノプリン化合物を投与することを含む。本明細書で提供する化合物と通常の治療法を併用することにより、特定の患者において予想外に効果的な固有の治療レジメンを提供することが可能となる。理論によって制限されるものではないが、通常の治療法と同時に実施する場合、本明細書で提供するアミノプリン化合物が相加効果または相乗効果をもたらし得ると考えられる。
本明細書の他の箇所に記載されているとおり、本明細書は、通常の治療法(外科手術、化学療法、放射線治療、ホルモン療法、生物学的治療または免疫療法が挙げられるがこれらに限定されない)に関連する副作用または望ましくない影響を軽減、治療及び/または予防するための方法を包含する。通常の治療法に関連する副作用が表れる前、表れている最中、または、表れた後に、本明細書で提供するアミノプリン化合物及びその他活性成分を患者に投与してもよい。
サイクリング療法
特定の実施形態では、本明細書で提供する予防薬または治療薬を、患者にサイクルで投与する。サイクリング療法とは、一定期間にわたり活性薬剤の投与を行った後、一定の休薬期間をおき、この連続的投与を繰り返すことを意味する。サイクリング療法により、1種または複数種の治療に対する耐性獲得を抑制すること、治療の1つによる副作用を回避または軽減すること、及び/または、治療効果を向上させることが可能となる。
したがって、特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、約1週間または2週間の休薬期間を設けた、4〜6週間のサイクルで毎日、単回用量または分割用量で投与される。特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物は、28日サイクルのうちの連続1〜10日間にわたり毎日、単回用量または分割用量で投与され、その後、28日サイクルの残りの期間は投与をしない休薬期間とする。サイクル法では更に、投与サイクルの頻度、回数、及び、期間を増やすことも可能である。それゆえ、特定の実施形態において、本明細書は、本明細書で提供するアミノプリン化合物を単独投与する場合、通常よりも多いサイクル数で投与することを包含する。特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物を、通常は用量制限毒性を示すことになる、より多い投与サイクル数で、第2の活性成分を投与されていない患者に投与する。
一実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物を、3週間または4週間にわたり、約0.1〜約150mg/日の用量で、毎日連続的に投与してから、1週間または2週間にわたり休薬する。
別の実施形態では、4〜6週間のサイクル期間中、本明細書で提供するアミノプリン化合物は静脈内投与され、第2の活性成分は経口投与される(アミノプリン化合物の投与は、第2の活性成分の投与の30〜60分前に行う)。特定の実施形態では、本明細書で提供するアミノプリン化合物と第2の活性成分の組み合わせは、サイクル毎に約90分間にわたり静脈内注射で投与される。特定の実施形態では、1サイクルには、3〜4週間にわたり毎日、約0.1〜約150mg/日の本明細書で提供するアミノプリン化合物及び約50〜約200mg/m/日の第2の活性成分を投与してから、1週間または2週間の休薬を行うことが含まれる。特定の実施形態では、患者に併用療法を行う間のサイクル数は、約1〜約24サイクル、約2〜約16サイクル、または、約4〜約3サイクルの範囲である。
医薬組成物及び投与経路
アミノプリン化合物を、通常の製剤形態、例えば、カプセル剤、マイクロカプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、丸剤、坐剤、注射剤、懸濁剤、シロップ剤、貼付剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、噴霧剤、液剤及びエマルション剤などで、対象に経口、局所または非経口で投与してもよい。好適な製剤は、通常の有機添加剤または無機添加剤、例えば、賦形剤(例えば、スクロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウム)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、スクロースまたはデンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、重炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたはクエン酸カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルクまたはラウリル硫酸ナトリウム)、香味剤(例えば、クエン酸、メンソール、グリシン、またはオレンジパウダー)、防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベンまたはプロピルパラベン)、安定化剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウムまたは酢酸)、懸濁化剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例えば、水)、及びベースワックス(例えば、カカオバター、白色ワセリンまたはポリエチレングリコール)などを使用する、一般に用いられる方法により調製可能である。医薬組成物中の有効量のアミノプリン化合物は所望の効果を発揮する濃度であってもよく、例えば、経口投与と非経口投与の両方の単位用量において、約0.005mg/kg(対象の体重)〜約10mg/kg(対象の体重)であってもよい。
対象に投与するアミノプリン化合物の用量はかなり広範に変動し、医療従事者の判断に依存し得る。一般的に、アミノプリン化合物は、約0.005mg/kg(対象の体重)〜約10mg/kg(対象の体重)の用量で、1日1回〜4回、対象に投与してもよいが、上記用量を、対象の年齢、体重及び医学的状態、ならびに投与形態に応じて、適切に変化させてもよい。一実施形態では、用量は、約0.01mg/kg(対象の体重)〜約10mg/kg(対象の体重)、約0.1mg/kg(対象の体重)〜約10mg/kg(対象の体重)、約1mg/kg(対象の体重)〜約10mg/kg(対象の体重)、または、約1mg/kg(対象の体重)〜約5mg/kg(対象の体重)である。一実施形態では、1日1回投与する。任意の症例において、投与するアミノプリン化合物の量は、活性成分の溶解度、用いる剤形、及び投与経路のような因子によって決まる。一実施形態では、局所濃縮剤を塗布することにより、細胞内曝露または約0.01〜10μMの濃度がもたらされる。
別の実施形態において、本明細書では、それを必要とする対象に、約1mg/日〜約1000mg/日、約1mg/日〜約750mg/日、約1mg/日〜約500mg/日、約1mg/日〜約250mg/日、または、約100mg/日〜約1000mg/日のアミノプリン化合物を投与することを含む、疾患または障害を治療または予防するための方法を提供する。
別の実施形態において、本明細書では、約1mg〜1000mg、約5mg〜約1000mg、約10mg〜約1000mg、約25mg〜約1000mg、約50mg〜約1000mg、約100mg〜約1000mg、または、約250mg〜約1000mgのアミノプリン化合物を含む単位投与剤形を提供する。
アミノプリン化合物を毎日1回、2回、3回、4回またはそれ以上の回数で投与してもよい。特定の実施形態では、600mg以下の用量を1日1回の用量で投与し、600mg超の用量を総1日投与量の2分の1に相当する量で1日2回投与する。
利便性の理由から、アミノプリン化合物を経口投与してもよい。一実施形態では、経口投与する際、アミノプリン化合物を食事及び水と共に投与する。別の実施形態では、アミノプリン化合物を水またはジュース(例えば、アップルジュースまたはオレンジジュース)に分散させて懸濁剤として経口投与する。
アミノプリン化合物はまた、皮膚内、筋肉内、腹腔内、経皮(percutaneously)、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、舌下、大脳内、膣内、経皮(transdermally)、直腸、粘膜、吸入、または、局所(耳、鼻、眼または皮膚に)で投与してもよい。投与方法は医療従事者の裁量に任せられ、ある程度、医学的症状部位に依存し得る。
一実施形態において、本明細書では、アミノプリン化合物を含有するカプセル剤(追加の担体、添加剤または溶媒を含有しない)を提供する。
別の実施形態において、本明細書では、有効量のアミノプリン化合物及び薬学的に許容される担体または溶媒を含む組成物を提供し、薬学的に許容される担体または溶媒は、添加剤、希釈剤またはこれらの混合物を含んでいてもよい。一実施形態では、組成物は医薬組成物である。
組成物は、錠剤、咀しゃく錠剤、カプセル剤、液剤、非経口液剤、トローチ剤、坐剤及び懸濁剤などの形態であってもよい。組成物は、1日量、または使いやすい1日量の一部を投与単位で含有するように製剤化されてもよく、単一の錠剤もしくはカプセル剤、または使いやすい容量の液剤であってもよい。一実施形態では、液剤は、塩酸塩などの水溶性塩から調製される。一般的に、組成物の全ては、製薬化学における周知の方法に従って調製される。カプセル剤は、アミノプリン化合物を好適な担体または賦形剤と混合してから、適量の混合物をカプセル内に充填することにより調製可能である。通常の担体及び賦形剤としては、不活性で粉末状の物質、例えば、多くの異なる種類のデンプン、粉末状のセルロース、特に、結晶セルロース及び微結晶セルロース、糖類、例えば、フルクトース、マンニトール及びスクロース、穀物粉末及び類似の食用粉末が挙げられるがこれらに限定されない。
錠剤は、直接圧縮法、湿式造粒法または乾式造粒法により調製可能である。それらの製剤は通常、賦形剤、結合剤、滑沢剤及び崩壊剤に加えて化合物を含む。標準的な賦形剤としては、例えば、様々な種類のデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウムまたは硫酸カルシウム、無機塩(塩化ナトリウムなど)及び粉糖が挙げられる。粉末状のセルロース誘導体もまた利用可能である。標準的な錠剤用結合剤は、デンプン、ゼラチン及び糖類(ラクトース、フルクトース、グルコースなど)などの物質である。アカシア、アルギン酸塩、メチルセルロース、ポリビニルピロリジンなどを含む天然ゴム及び合成ゴムもまた使いやすい。ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びワックスもまた結合剤として機能し得る。
滑沢剤は、錠剤の製剤化において、錠剤及びパンチが染料内に固着するのを防止するために必要となり得る。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム、ステアリン酸などの滑りやすい固体、ならびに硬化植物油から選択可能である。錠剤用の崩壊剤は、湿潤時に膨潤することで錠剤を崩壊させて化合物を放出させる物質である。それらとしては、デンプン、クレイ、セルロース、アルギン及びゴムが挙げられる。より詳細には、例えば、コーンスターチ及びポテトスターチ、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、木材セルロース、粉末状天然スポンジ、陽イオン交換樹脂、アルギン酸、グアーガム、柑橘類の果肉及びカルボキシルメチルセルロースもまた、ラウリル硫酸ナトリウムと同様に利用可能である。錠剤を砂糖(風味剤及び密封剤として)またはフィルム形成保護剤でコーティングして、錠剤の溶出特性を調節してもよい。組成物はまた例えば、マンニトールなどの物質を製剤中に用いることで、咀しゃく錠剤として製剤化されてもよい。
アミノプリン化合物を座薬として投与することが望まれる場合、標準的な基剤を用いてもよい。カカオバターは通常の坐剤基剤であり、ワックスを添加して調節し、その融点をわずかに上昇させることができる。特に、様々な分子量のポリエチレングリコールを含む水混和性の坐剤基剤は、広く用いられている。
適切に配合することにより、アミノプリン化合物の効果を遅延または持続させることができる。例えば、徐々に溶解するアミノプリン化合物の顆粒剤を調製して、錠剤またはカプセル剤の内部に含ませてもよく、または、徐放性の埋め込み型デバイスの内部に含ませてもよい。本技術はまた、いくつかの異なる溶解速度を有する顆粒剤を調製して、その顆粒剤の混合物をカプセルに充填することを含む。錠剤またはカプセル剤を、予測可能な期間にわたって溶解に耐えるフィルムでコーティングしてもよい。更に、血清中にアミノプリン化合物を徐々に分散させることができる油性溶媒または乳化溶媒中に、アミノプリン化合物を溶解または懸濁させることで、非経口製剤を長時間作用性とすることも可能である。
以下の実施例は、例示として提示されており、限定するものではない。化合物は、Chemdraw Ultra 9.0(Cambridgesoft)において提供される自動名称作成ツールを用いて命名する。このツールは、立体化学のカーン・インゴルド・プレローグ順位則に対応して化学構造の系統名を作成する。
細胞アッセイ
マルチプレックス細胞傷害性アッセイ。RPMI1640(10% FBS、L−アラニル−L−グルタミン(2mM)、ピルビン酸Na(1mM))または特殊培地を用いて、5%COの加湿雰囲気下、37℃で細胞を増殖させる。細胞を384ウェルプレート内に播種してから、5% COの加湿雰囲気下、37℃でインキュベートする。細胞播種の24時間後に化合物を添加する。同時に、0時間の未処理細胞プレートを作製する。72時間のインキュベーション期間終了後、細胞を固定してから、蛍光標識抗体及び核染料で染色して、細胞核、アポトーシス細胞及び有糸分裂細胞を可視化する。アポトーシス細胞は、抗活性カスパーゼ3抗体を用いて検出する。有糸分裂細胞は、抗リン酸ヒストン3抗体を用いて検出する。化合物を3.16倍に系列希釈し、10μMの最高試験濃度から0.1% DMSOの最終アッセイ濃度まで、10点超の濃度でアッセイする。Molecular Devices ImageXpress Micro XLハイコンテントイメージャーを用いて自動蛍光顕微鏡検査を実施して、4X対物レンズで画像を収集する。
データ解析。16ビットのTIFFイメージを取得してから、MetaXpress 5.1.0.41ソフトウェアを用いて解析を行う。取り込んだ核染料のシグナル強度により細胞増殖を測定する。細胞増殖アッセイの出力については、相対細胞カウントを参照する。細胞増殖のエンドポイントを測定するために、以下の式を用いて、細胞増殖データの出力を対照の百分率(POC)に変換する。
POC = 相対細胞カウント(化合物ウェル)/相対細胞カウント(溶媒ウェル)×100
相対細胞カウントIC50とは、DMSO対照を基準として、最大可能反応の50%を示す試験化合物濃度のことである。GI50とは、観察された増殖が半減するのに必要な濃度のことである。これは、未処理細胞における増殖とウェルに播種した細胞数の中間レベルにまで増殖を阻害する濃度のことである(0時間値)。IC50値は、非線形回帰を用いて、データをシグモイド4ポイント、4パラメータの一部位用量反応モデルにフィッティングして算出する。
y(フィッティング) = A+[(B−A)/(1+((C/x)^D))]
初期ステージアポトーシスから後期ステージアポトーシスの細胞に活性化カスパーゼ3マーカーを標識する。カスパーゼ3シグナルの5倍誘導(Cal_X5)を生じさせる試験化合物濃度は、有意なアポトーシス誘導を示す。DMSO対照と比較した場合の化合物によるカスパーゼ3の最大誘導については、最大倍率変化で記録する。
表2:マルチプレックス細胞傷害性アッセイに用いた細胞株
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アミノプリン化合物(化合物1に例示される)は、様々ながん細胞株において、抗増殖活性を示す、または、抗増殖活性を有するように示される。これらがん細胞株における抗増殖活性は、アミノプリン化合物が、黒色腫、結腸直腸癌、胃癌、頭頸部癌、甲状腺癌、膀胱癌、CNS癌、肺癌、膵臓癌及び軟組織癌により例示されるような固形腫瘍を含むがんの治療に有用であり得ることを示す。
別の実施形態では、アミノプリン化合物(化合物1に例示される)は、様々ながん細胞株において、アポトーシスを示す、または、アポトーシスを誘導するように示される。アポトーシス誘導は、アミノプリン化合物が、膀胱癌、乳癌、CNS癌(神経芽細胞腫及び神経膠腫を含む)、結腸癌、胃腸癌(例えば、胃癌または結腸癌)、内分泌腺癌(例えば、甲状腺癌または副腎癌)、女性泌尿生殖器癌(例えば、子宮頸癌、卵巣明細胞癌、外陰部癌、子宮癌または卵巣癌)、頭頸部癌、造血系癌(例えば、白血病または骨髄腫)、腎臓癌、肝臓癌、肺(例えば、NSCLCまたはSCLC)、黒色腫、膵臓癌、前立腺癌、または軟組織癌(例えば、肉腫または骨肉腫)により例示されるような固形腫瘍を含むがんの治療に有用であり得ることを示す。
別の実施形態では、アミノプリン化合物(化合物1に例示される)は、様々ながん細胞株において、G1/S停止を示す、または、G1/S停止を引き起こすように示される。これらがん細胞株においてG1/S停止を引き起こすことは、アミノプリン化合物が、膀胱癌、乳癌、CNS癌(例えば、神経膠腫または神経芽細胞腫)、結腸癌、胃腸癌(例えば、胃癌)、内分泌腺癌(例えば、甲状腺癌または副腎癌)、女性泌尿生殖器癌(例えば、子宮癌、子宮頸癌、卵巣明細胞癌または外陰部癌)、頭頸部癌、造血系癌(例えば、白血病または骨髄腫)、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(例えば、NSCLCまたはSCLC)、黒色腫、膵臓癌、前立腺癌、または軟組織癌(肉腫または骨肉腫)により例示されるような固形腫瘍を含むがんの治療に有用であり得ることを示す。
マルチプレックス細胞傷害性アッセイ。別の実験では、RPMI1640(10% FBS、L−アラニル−L−グルタミン(2mM)、ピルビン酸Na(1mM))または特殊培地を用いて、5%COの加湿雰囲気下、37℃で細胞を増殖させた。細胞を384ウェルプレート内に播種してから、5% COの加湿雰囲気下、37℃でインキュベートした。細胞播種の24時間後に化合物を添加した。同時に、0時間の未処理細胞プレートを作製した。72時間のインキュベーション期間終了後、細胞を固定してから、蛍光標識抗体及び核染料で染色して、細胞核、アポトーシス細胞及び有糸分裂細胞を可視化した。アポトーシス細胞は、抗活性カスパーゼ3抗体を用いて検出した。有糸分裂細胞は、抗リン酸ヒストン3抗体を用いて検出した。化合物を3.16倍に系列希釈し、10μMの最高試験濃度から0.1% DMSOの最終アッセイ濃度まで、10点超の濃度でアッセイした。Molecular Devices ImageXpress Micro XLハイコンテントイメージャーを用いて自動蛍光顕微鏡検査を実施して、4X対物レンズで画像を収集した。
データ解析。16ビットのTIFFイメージを取得してから、MetaXpress 5.1.0.41ソフトウェアを用いて解析を行った。取り込んだ核染料のシグナル強度により細胞増殖を測定した。細胞増殖アッセイの出力については、相対細胞カウントを参照した。細胞増殖のエンドポイントを測定するために、以下の式を用いて、細胞増殖データの出力を対照の百分率(POC)に変換した。
POC = 相対細胞カウント(化合物ウェル)/相対細胞カウント(溶媒ウェル)x100
相対細胞カウントIC50を、DMSO対照を基準として、最大可能反応の50%を示す試験化合物濃度のこととした。GI50とは、観察された増殖が半減するのに必要な濃度のことを意味する。これは、未処理細胞における増殖とウェルに播種した細胞数の中間レベルにまで増殖を阻害する濃度に相当する(0時間値)。IC50値は、非線形回帰を用いて、データをシグモイド4ポイント、4パラメータの一部位用量反応モデルにフィッティングして算出した。
y(フィッティング) = A+[(B−A)/(1+((C/x)^D))]
初期ステージアポトーシスから後期ステージアポトーシスの細胞に活性化カスパーゼ3マーカーを標識する。カスパーゼ3シグナルの2倍誘導(Cal−X2)または5倍誘導(Cal_X5)を生じさせる試験化合物濃度は、有意なアポトーシス誘導を示した。DMSO対照と比較した場合の化合物によるカスパーゼ3の最大誘導については、最大倍率変化で記録した。
表3.細胞傷害性アッセイの結果
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HCC増殖に対する効果。HCC細胞株を、DMSOまたは高濃度の化合物1で72時間処理した。具体的には、ジメチルスルホキシド(DMSO)中の様々な濃度の化合物1を、超音波ディスペンサー(EDC ATS−100)を用いて、空の384ウェルプレートに分注した。化合物1を、10点系列希釈法(3倍希釈)で、プレート内の複製に分注した。別の細胞株に用いるために、化合物1を分注したプレートの複製を作製した。化合物プレートの複製後、全てのプレートを密閉(Agilent ThermoLoc)し、−20℃で最大1ヶ月間保存した。試験の準備ができたときに、プレートをフリーザーから取り出して解凍し、試験用細胞を添加する直前に開封した。
試験前に培養フラスコ内で細胞を成長及び増殖させて、十分な量の出発物質を得た。その後、細胞を適切な密度になるまで希釈してから、化合物を分注した384ウェルプレートに直接添加した。細胞を、5% CO、37℃で、72時間増殖させた。化合物を添加した時点(t)において、生存アッセイ(Cell Titer−Glo)を用いて、生存細胞内に存在するATPが発する蛍光のレベルを定量することにより、初期細胞数を評価した。72時間後、Cell Titer−Glo及び蛍光測定装置を用いて、化合物で処理した細胞の細胞生存能を評価した。処理細胞及びDMSO対照細胞におけるカスパーゼ3活性及びカスパーゼ7活性を定量(カスパーゼ3/7−Glo)することにより、化合物1に対するアポトーシス反応を評価した。
GI50値及びIC50値の測定。4パラメータロジスティックモデル(シグモイド用量反応モデル)を用いて、化合物のGI50値を測定した。
y = (A+((B−A)/(1+((C/x)^D))))
A = YMin
B = Ymax
C = EC50
D = ヒルスロープ
GI50は、Y = (YMax+Yt)/2のときの化合物の濃度
IC50は、Y = DMSO対照の50%のときの化合物の濃度
Y = 蛍光装置で測定した細胞生存能
= 化合物を添加した時間
CellTiter−Glo及びカスパーゼ3/7−Gloを用いて、増殖及びアポトーシスを測定した。CalX2値は、化合物1が、DMSO対照と比較して、開裂したカスパーゼ3/7の2倍増加を誘導するときの最低濃度である。増殖及びアポトーシスのデータは、3回の実験の平均である。
表4:HCC細胞株増殖に対する化合物1の効果
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化合物1は、複数のHCC株において、増殖を阻害してアポトーシスを誘導する。
64種のがん細胞株からなるパネルに対する抗増殖活性。細胞を、DMSOまたは高濃度の化合物1で72時間処理した。上記のCellTiter−Gloを用いて、増殖を測定した。結果を表5に示す。
表5:64種のがん細胞株からなるパネルに対する化合物1の抗増殖活性
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化合物1は、CRC、黒色腫、胃癌、HCC、肺癌、膵臓癌、白血病及び多発性骨髄腫から誘導した複数のがん細胞株の増殖を阻害するように示された。
BRAF変異及びβ−カテニン変異または活性がん細胞株における抗増殖活性及びアポトーシス活性。評価した5種類の細胞株におけるBRAF、CTNNB1、KRAS及びEGFRの変異状態は公開データ(COSMIC及びCCLE)に基づいており、内部で確認した。β−カテニンの状態は、一過性トランスフェクションによるTOP Flashレポーター系を用いて評価した。Fop Flashレポーターと比較したTop Flashレポーターの比率が2超である場合、細胞株をβ−カテニン活性であると定義した。N/A:該当なし。Colo 205(BRAF V600E)におけるトランスフェクション効率は、このアプローチを用いたそのβ−カテニン活性を評価するには低過ぎた。5種類の細胞株における化合物1の抗増殖活性及びアポトーシス活性を上記のように測定した。
表6:BRAF変異及びβ−カテニン変異ならびに活性細胞株における化合物1の抗増殖活性及びアポトーシス活性。
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化合物1は、増殖を強力に阻害し、BRAF変異CRC、BRAF変異黒色腫、β−カテニン変異/EGFR変異CRC(すなわち、β−カテニン活性/EGFR変異CRC)、β−カテニン変異/KRAS変異胃癌(すなわち、β−カテニン活性/KRAS変異胃癌)、及びHCCを含む、BRAF変異とβ−カテニン変異の両方または活性がん細胞株におけるアポトーシスを強力に誘導する。
発がん経路阻害。MAPKシグナル伝達に対する効果。がん細胞を、ウェルあたり25,000細胞の密度で96ウェル組織培養プレートに播種し、COインキュベータ内、37℃で一晩インキュベートした。化合物1を用いて37℃で2時間処理した後、Mesoscale溶解緩衝液で細胞を溶解し、それぞれの溶解液中のpRSK S380レベルをMesoscale ELISA技術で測定した。
結論。化合物1は、複数のがん細胞株においてpRSK1を強力に阻害した(表7)。
表7:BRAF変異LOX−IMVI及びColo 205がん細胞株における、化合物1 pRSK1 S380 IC50
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時間経過試験では、Colo−205がん細胞を0.5μMの化合物1で様々な期間処理した。pRSK S380に対する化合物1の効果を上記のように測定した。その他のMAPK経路マーカー(DUSP4及びDUSP6)に対する化合物1の効果を、特異的抗体を用いたウェスタンブロット法で測定した。図1の時間経過データは、化合物1が、以下のERK標的:pRSK1、DUSP4及びDUSP6の持続性阻害(最大72時間)を生じさせることを示している。BRAF阻害剤(BRAFi)は、BRAF変異CRC株において、持続性のERK阻害を生じさせない(Corcoran et al.,Cancer Discov.2012,2:227−35)。ERKの十分かつ持続的な阻害は、BRAF変異黒色腫(Bollag et al.,Nat Rev Drug Disc.2012;11,873−886)及びCRC患者(Corcoran et al.,Cancer Discov.2012,2:227−35)におけるBRAFi及びMEK阻害剤(MEKi)の臨床的有効度において重要であるようだ。BRAFiによるERK持続性阻害の欠如は、BRAF変異CRC患者におけるBRAFiの臨床活性の欠如の一因となり得る。化合物1によるERKの持続性阻害は、BRAF変異CRC患者において、BRAFiより優れた利点をもたらし得る。
DUSP4タンパク質発現及びDUSP6タンパク質発現を測定することにより、化合物1のMAPKシグナル伝達阻害能を評価した。結腸癌細胞株Colo 205(BRAF V600E)培養液を、DMSOまたは高濃度の化合物1で、2時間、8時間または24時間処理した。処理済み細胞からタンパク質を抽出し、DUSP4、DUSP6、サイクリンD1、c−Myc、YAPまたはβ−アクチンに対する抗体を用いたウェスタンブロット法で解析した。Cell−To−CTキットを用いてRNAを抽出し、DUSP4、DUSP6、SPRY2、c−Myc及びサイクリンD1に特異的なプローブを用いて定量PCRを実施した。β−アクチンに特異的なプローブを正規化に用いた。
Colo 205(BRAF V600E)において、DUSP4及びDUSP6は、化合物1によって早くも2時間ほどで有意に減少し、その減少は24時間にわたって持続した(図2A)。化合物1による処理は、Colo 205における濃度依存的なSPRY2転写の減少をもたらしており(図2B)、強力なERK阻害と一致する。サイクリンD1及びc−Myc(標準的なWntとMAPKシグナル伝達の両方の下流)のレベルを評価した。化合物1は、Colo 205細胞におけるサイクリンD1、c−Myc RNA及びタンパク質のレベルを有意に低下させた(図2A〜図2C)。化合物1による処理は、Colo 205における24時間時点のYAPタンパク質減少をもたらした(図2A)。まとめると、本発明の細胞データは、強力な持続的MAPK経路阻害と一致する。
化合物1のMAPKシグナル伝達阻害能を更に評価するために、別のMAPK標的(BMF、DUSP5、DUSP6、EFNA1、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、GJA1、IL−8、SPRY2及びSPRY4)のRNA発現を評価した。結腸癌細胞株Colo 205(BRAF V600E変異を特徴とする)及びHT−29(BRAF V600E変異を特徴とする)の培養液を、DMSO、または0.3または1μMの化合物1で6時間処理した。MagMAX総RNA単離キットを用いてRNAを抽出し、BMF、DUSP5、DUSP6、EFNA1、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、GJA1、IL−8、SPRY2、SPRY4に特異的なプローブを用いて定量PCRを実施した。18S rRNAに特異的なプローブを正規化に用いた。
両方の細胞株において、化合物1により、DUSP5、DUSP6、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、IL−8、SPRY2、SPRY4のmRNAレベルが低下しており(図2D〜図2I)、ERK阻害と一致する。GJA1のmRNAレベルがColo205細胞において低下しHT29において上昇するという研究結果は、化合物1がColo205において細胞傷害性でありHT29において細胞増殖抑制性であるという本発明の研究結果と関連し得る。化合物1による処理は、Colo 205及びHT−29における6時間時点のBMF及びEFNA1のmRNAレベル上昇をもたらした。まとめると、本発明の細胞データは、MAPK経路阻害と一致する。
β−カテニンシグナル伝達及びYAPシグナル伝達に対する効果。化合物1によるβ−カテニン標的遺伝子及びYAP標的遺伝子に対する細胞活性を評価した。結腸癌細胞株Colo 205(BRAF V600E)培養液を、DMSOまたは高濃度の化合物1で、2時間、8時間または24時間処理した。Cell−To−CTキットを用いてRNAを抽出し、Axin2、CTGF及びAREGに特異的なプローブを用いて定量PCRを実施した。β−アクチンに特異的なプローブを正規化に用いた。
化合物1による処理は、Axin2 RNAの上昇をもたらした(図3A)。化合物1は、Colo 205(BRAF V600E)における2時間、8時間及び24時間時点のHippo/YAP標的遺伝子(CTGF、AREG)の発現を有意に低下させた(図3A)。まとめると、これらのデータは、化合物1が、Colo 205がん細胞において、Wntシグナル伝達に影響を与えHippoシグナル伝達を阻害していることを示唆している。
化合物1による別のYAP標的遺伝子に対する細胞活性を評価した(図3B〜図3E)。結腸癌細胞株Colo 205及びHT−29の培養液を、DMSO、または0.3または1μMの化合物1で6時間処理した。MagMAX総RNA単離キットを用いてRNAを抽出し、CYR61、CITED2、CXCL1、ELF3、HAS2、HES1及びMAFFに特異的なプローブを用いて定量PCRを実施した。18S rRNAに特異的なプローブを正規化に用いた。
両方の細胞株において、化合物1により、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1及びMAFFのmRNAレベルが低下した。CYR61のmRNAレベルはColo205細胞において低下するがHT29においては低下しないという研究結果、及び、CITED2のmRNAレベルはHT29において上昇するがColo205においては上昇しないという研究結果は、化合物1がColo205において細胞傷害性でありHT29において細胞増殖抑制性であるという本発明の研究結果と関連し得る。化合物1による処理は、Colo 205及びHT−29における6時間時点のCITED2及びELF3 mRNAのmRNAレベル上昇をもたらした(図3B)。まとめると、本発明の細胞データは、YAP経路阻害と一致する。
β−カテニン変異を有する細胞株の感受性評価。β−カテニン変異を有する細胞株に対する化合物1の効果を評価した。(図18及び図19A〜図19B)。化合物1は、変異β−カテニンを有する細胞株に対する効果を示した。このような細胞株は、変異β−カテニンを特徴とするがんが化合物1による処理により影響を受けやすいということを示している。図20に示すとおり、化合物1が、BRAF変異細胞株及びCTNNB1変異細胞株におけるβ−カテニン及びYAPを調節することが更に示された。図21A及び図21Bに示すとおり、化合物1はまた、BRAF変異細胞株及びCTNNB1変異細胞株におけるMAPK、β−カテニン及びYAPにより制御される標的遺伝子発現を調節する。
ウェスタンブロット法。標準的なウェスタンブロット法を用いて、MAPK経路マーカー、WNT/β−カテニン経路マーカー及びHippo/YAP経路マーカーの化合物1による調節を評価した。LOX−IMVI細胞、SW48細胞及びColo−205細胞を、ウェルあたり250,000細胞の密度で6ウェルプレートに播種し、一晩付着させた。2時間、8時間及び24時間にわたり、0.03、0.1、0.3、1及び3μMの濃度の化合物1を細胞に添加した。細胞を回収し、RIPA緩衝液(50mM トリス−HCl、pH7.4、150mM 塩化ナトリウム[NaCl]、0.25% デオキシコール酸、1% Nonidet P−40、1mM エチレンジアミン四酢酸[EDTA]、プロテアーゼ阻害剤及びホスファターゼ阻害剤)中に溶解させた。細胞溶解液をドデシル硫酸ナトリウム(SDS)試料緩衝液中で加熱し、条件毎40μgの細胞溶解物をゲル上に流し込んでから、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を用いて分離させた。タンパク質をニトロセルロース膜に転写してから、抗DUSP4抗体、抗DUSP6抗体、抗cMyc抗体、抗サイクリンD1抗体、抗YAP抗体、抗Axin2抗体、抗HDAC5(phospho S498)抗体及び抗β−アクチン抗体を用いてイムノブロットした。Licor Odysseyシステムを用いて膜をスキャンした。
定量的ポリメラーゼ連鎖反応。リアルタイム(RT)qPCRを用いて、MAPK経路遺伝子、WNT/β−カテニン経路遺伝子及びHippo/YAP経路遺伝子の化合物1による調節を評価した。リシルオキシダーゼIMVI細胞、SW48細胞及びColo−205細胞を、ウェルあたり20,000細胞の密度で96ウェルプレートに播種し、一晩付着させた。2時間、8時間及び24時間にわたり、1nM〜10μMの半対数濃度の化合物1を細胞に添加した。製品マニュアルに従いTaqMan Gene Expression Cells−to−CTキットを用いて、細胞を回収した。次に、RT−PCRを実施してから、得られたcDNAを、ViiA7 Real−Time PCR System(Thermo Fisher Scientific)を用いたqPCR反応に利用した。TaqManプローブを用いて、DUSP4遺伝子、DUSP6遺伝子、SPRY2遺伝子、MYC遺伝子、CCND1遺伝子、AXIN2遺伝子、CTGF遺伝子、Cyr61遺伝子、AREG遺伝子及びACTB遺伝子の変化をモニターした。全ての遺伝子をACTB発現に正規化し、DMSOのみの対照の百分率で記録した。
遺伝子発現解析:ヒト気管支上皮細胞を、BEpiCM増殖培地を入れたT−150フラスコ内で、80%コンフルエントになるまで培養した。細胞を、ウェルあたり150,000細胞で、BEpiCM培地を入れた12ウェルプラスチック培養皿に播種してから、24時間培養した。24時間のインキュベーション終了後、細胞を、対照のジメチルスルホキシド(DMSO)、0.1、1、10μMの化合物1で30分間処理した。その後、細胞を、100ng/mlの組換えWnt3a(リン酸緩衝食塩水[PBS]中に配合)、350pMのRSPO3(PBS中に配合)、またはWnt3とRSPO3の組み合わせで24時間刺激した。製造業者の取扱説明書に従いQiagen Rneasy Miniキットを用いて、リボ核酸(RNA)を単離した。逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)Taq−Manアッセイを用いて、Axin2発現及び遺伝子発現を測定した。SuperScript(登録商標)III One−Step RT−PCR Systemを用いて、またViia 7 Real−Time PCR Systemを実行して、定量PCR(qPCR)を実施した。データをグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼに正規化した。化合物1は、ヒト気管支上皮細胞においてAxin2発現を阻害する。24時間時点の遺伝子発現を測定した。これらの結果から、化合物1がヒト気管支上皮細胞においてAxin2発現を阻害することが示された。(図22)。
長期間コロニーアッセイ。長期間コロニー形成アッセイを用いて、化合物1のがん細胞コロニー形成阻害能を評価した。細胞及び化合物を96ウェルプレートに添加して、最長8週間にわたりコロニー形成をモニターした。アッセイ期間中にわたり1週間毎に、化合物及び培地を補充した。IncuCyte ZOOM System上の4×画像で、コロニー形成を検出した。化合物1は、MEK阻害剤(トラメチニブ)及びERK阻害剤(GDC0994)より高いレベルで、β−カテニン変異細胞のコロニー形成阻害を示した。SW48(colo)細胞、HCT−116(colo)細胞、AGS(胃)細胞及びHep3B(HCC)細胞を化合物1で処理すると、MEK阻害剤またはERK阻害剤を用いた処理に見られたよりも高いレベルの阻害を示した。(図23A〜図23D)。化合物1は更に、驚くべきことに、トラメチニブによるMEK阻害剤処理に耐性を有するAGS細胞において、コロニー形成の阻害を示した。このような結果は、本明細書に記載のアミノプリン化合物(例えば、化合物1など)が、その他の治療薬に耐性を有するがんを治療するのに有用であり得るということを示唆している。
免疫調節作用の評価。PD−L1発現レベルについて、化合物1の効果を評価した。化合物1の有無で細胞を指定時間培養してから、ウェスタンブロット法でPD−L1、DUSP4及びα−チューブリンまたはα−アクチンの発現レベルを測定した。PD−L1の表面レベルを検出するために、細胞を、DMSOまたは指定濃度の化合物1で48時間処理してから、PD−L1に対するAPC標識抗体(clone 29E.1A3.;BioLegend,San Diego,CA)を用いたフローサイトメトリー解析(FACS)を利用して、PD−L1の細胞表面発現を検出した。FlowJo 10(Treestar,Ashland,OR)を用いて、PD−L1陽性細胞の幾何平均を求めた。
結論。化合物1は、HOP62、KARPAS−299及びLOX−IMVI(BRAFV600E)を含む複数のがん細胞内のPD−L1発現を直接阻害する(図4A)。FACS解析は、複数のがん細胞株における表面PD−L1レベルもまた化合物1によって阻害されることを示している(図4B)。
化合物1によるPD−L1の下方制御がT細胞活性を高めるかどうかを決定するために、化合物処理したKARPAS−299がん細胞を、低濃度のスーパー抗原(SEB)で刺激したPBMC由来T細胞と共培養した。KARPAS−299細胞を、指定濃度のDMSO(D)または化合物1で48時間処理した。健康ドナー由来のPBMCを、20ng/mlのSEBで、またはそれ無しで48時間処理した。PBSで洗浄した後、PBMCをがん細胞と共に24時間インキュベートしてから、上清を回収し、Mesoscaleアッセイを用いてIL−2及びIFNγを測定した。
IL−2及びIFNγの上清液を、T細胞活性化の機能的マーカーとして用いた。SEBの不存在下、化合物1処理済みKARPAS−299細胞と共培養したPBMCは、IL−2またはIFNγをほとんど産生しなかった。低濃度のSEB(20ng/ml)の存在下、PBMCと共培養した化合物1処理済みがん細胞は、IL−2産生とIFNγ産生の両方において高レベルを示した(図5A〜図5B)。化合物1処理済みがん細胞における高レベルのIL−2及びIFNγは、抗PD−L1(Ultra−LEAFTM from Biolegend)処理で観察されたレベルと類似していた。
IL−8のレベルに対する化合物1処理の効果を、PBMC培地で測定した。PBMCを全血から単離して、RPMI培地(10% FBS添加)で培養した。PBMCを、ミリリットルあたり1×10で、10cmの皿に播種した。PBMCを、0.1% DMSOまたは0.5μM 化合物1で処理した。指定の時点に処理を記録した。IL−8解析に培地(1mL)を使用した。製造業者の取扱説明書に従いMesoscale V−Plex Human IL−8キットを用いて、IL−8解析を実施した。化合物1は、別々の時点において、IL−8レベルを阻害するように示された(図5C)。
TEADレポーターアッセイ。ルシフェラーゼ発現(8xGTIIC−ルシフェラーゼ)を駆動するYAP/TAZ応答性合成プロモーターを安定的に発現するWI38 VA13細胞を用いて、TEADレポーター活性を解析した。ウェルあたり10,000個の細胞を白壁96ウェルプレートに播種し、一晩静置した。16〜20時間後、細胞を化合物で処理し、製造業者の取扱説明書に従いBright Gloルシフェラーゼアッセイ(Promega)を用いて、24時間後または72時間後のTEADレポーター活性を測定した。このアッセイを化合物1に対して3回実施し、トラメチニブに対して2回実施した。図25を参照されたい。
生存アッセイ。並行して、8xGTIIC−ルシフェラーゼを発現する10,000個のWI38 VA13細胞を、黒壁96ウェルプレートのそれぞれのウェルに播種した。16〜20時間後、細胞を化合物で24時間または72時間処理した。この時点で、血清及び化合物を含有する培地を除去し、100μlの無血清培地及び100μlのCell Titer Fluor(Promega)に交換した。プレートを37℃で2時間インキュベートしてから、蛍光出力を読んだ。このアッセイは、生細胞のプロテアーゼ活性を測定することに基づいている。TEADレポーターに対する化合物のあらゆる影響が生存能に対する化合物の影響によるものではないことを確認するために、生存アッセイを実施した。このアッセイを化合物1に対して3回実施し、トラメチニブに対して2回実施した。
結論。これらのデータは、化合物1による処理がT細胞活性を増強することを示唆する別の治療仮説をもたらす。インビトロデータは、化合物1が、MAPK経路などの鍵となる発がん経路を阻害して、腫瘍微環境における免疫チェックポイント分子PD−L1の発現を下方制御することによって、がん細胞に対するT細胞性免疫を高め得ることを示唆している。それゆえ、高レベルのPD−L1を発現するがんのタイプ(例えば、黒色腫、肺、RCCまたはHCC)は、化合物1の影響を受けやすくなり得る。
動物モデル
異種移植モデル。異種移植モデル試験を行うために、ヒトがん細胞株をSCID(重症複合免疫不全症)マウスに注入した。がん細胞株を、インビトロ培養で増殖させた。正確に測定した数の細胞をマウスに注入することにより、腫瘍を有する動物を作製した。動物への接種後、腫瘍を特定のサイズまで成長させてから、無作為化を行った。所定のサイズ範囲の異種移植腫瘍を有するマウスを共にプールし、様々な治療群に無作為化した。標準的な効果試験デザインは、腫瘍を有するマウスに、1種または複数種の化合物を様々な投与濃度で投与することを含んでいた。加えて、基準化学療法剤(陽性対照)及び陰性対照を同様に投与して維持した。試験期間中にわたり、腫瘍及び体重の測定を行った。
吸入イソフルランでマウスに麻酔をかけてから、26ゲージ針を取り付けた滅菌1mL注射器を用い、0.1mLのPBS中単一細胞懸濁液で、LOX IMVI腫瘍細胞を右後肢表面に皮下接種した。動物への接種後、約75〜125mmまで、場合によっては250〜400mmまで腫瘍を成長させてから、マウスを無作為化した。それぞれの動物の腫瘍を測定して、適切な範囲の腫瘍を有する動物を試験に組み込んだ。その後、試験プールの動物を様々なケージへと無作為に分配し、それらケージを、溶媒群、陽性対照群または試験薬群に無作為に割り当てた。全てのマウスの右耳に金属製の耳タグを付けた。標準的な群を、8〜10匹の動物で構成した。標準的な異種移植試験では、腫瘍を有するSCIDマウスを無作為化してから、例えば、100mg/kg〜0.1mg/kgの範囲の化合物を、qd、q2d、q3d、q5d、q7d及びbidを含むがこれらに限定されない別々の投与スケジュールで投与した。1〜4週間にわたりマウスに投与を行った。キャリパーを用いて週に2回腫瘍を測定し、W×L/2の式を用いて腫瘍容積を算出した。
これら試験の目的は、細胞株由来の異種移植モデル、LOX−IMVI(黒色腫)異種移植モデル、Colo205(結腸直腸)異種移植モデル、及びPDX1994060146(患者由来異種移植[PDX146])結腸直腸異種移植モデルにおける化合物1の効果を試験することであった。V600E BRAF変異を宿していたため、これらのモデルを選択した。PDX146異種移植モデルにおける経路バイオマーカーの化合物1介在性阻害を試験するために、別のPK/PDを解析実施した。
LOX−IMVI皮下黒色腫異種移植モデル。この試験の目的は、LOX−IMVI黒色腫異種移植モデルにおける化合物1の効果を確認することであった。2つの投与濃度の化合物1(15及び30mg/kg)について試験するLOX−IMVI異種移植モデルの1つの試験(図6)では、溶媒対照と比較して有意な腫瘍容積減少を示した(両方の投与濃度において、p<0.001)。両方の投与濃度において、9匹の動物中9匹に腫瘍退縮が認められ、それぞれの群における9匹の動物中1匹は、試験終了時において無腫瘍状態であった。
独立した実験では、化合物1を、0.2、1、5、10及び15mg/kgで、8日間にわたりQD経口投与した。LOX−IMVI異種移植モデルにおける化合物1治療では、用量依存的な抗腫瘍活性が認められた(図7)。10及び15mg/kgの投与濃度において、腫瘍退縮が認められた。
Colo 205皮下結腸直腸異種移植モデル。これら試験の目的は、Colo 205結腸直腸癌異種移植モデルにおける化合物1の効果を試験すること、及び、1日2回の投与(BID)が抗腫瘍活性に影響を与えるかどうかを決定することであった。第1の実験では、化合物1を、0.2、1、5、10及び15mg/kgで、15日間にわたりQD経口投与した。Colo 205異種移植モデルにおける化合物1治療では、用量依存的な抗腫瘍活性が認められた(図8)。BID投与が化合物1の抗腫瘍活性を上昇させるかどうかを決定するために、計画試験を実施した。Colo 205異種移植モデルにおける化合物1治療では、用量依存的な抗腫瘍活性が認められた(図9)。
PDX1994060146皮下結腸直腸患者由来異種移植モデル。これら試験の目的は、PDX1994060146(PDX146)結腸直腸癌異種移植モデルにおける化合物1の効果を試験すること、及び、BID投与が抗腫瘍活性に影響を与えるかどうかを決定することであった。腫瘍増殖に対する長期間治療の効果を明らかにするために、無増悪期間(TTP)試験を実施した。
第1の実験では、化合物1を、22日間にわたり、1、5及び15mg/kgでQD経口投与、または、5及び15mg/kgでBID経口投与した。PDX146異種移植モデルにおける化合物1治療では、用量依存的な抗腫瘍活性が認められた(図10A〜図10B)。15mg/kgのBID投与では、15mg/kgのQD投与と比較して、化合物1の抗腫瘍活性に上昇がみられた。
TTP試験では、化合物1を、1、5及び15mg/kgで、49〜77日間にわたりBID経口投与した。群の平均値が所定のエンドポイント(約1200mm)に達するまたは試験が終了するまでの試験期間中にわたり、化合物1治療群に対して投与を行った。腫瘍増殖遅延(TGD)を、溶媒対照群の終了(43日目)と化合物1治療群との間の時間として算出した。TGDは、1、5及び15mg/kgの治療群において、それぞれ8日間、12日間、及び>37日間であった(図11)。
3つの異なる経路(MAPK、Wnt及びHippo)に活性を示すバイオマーカーは、PDX146異種移植モデルにおいて阻害された。これらの経路バイオマーカーにおける持続性阻害は、24時間にわたり認められた。
β−カテニン変異SW48結腸直腸異種移植モデルにおける化合物1の抗腫瘍活性。雌SCIDマウスの右脇腹に、2×10個のSW48腫瘍細胞を接種した。治療開始時に、マウスを治療群(n=10匹/群)に無作為化した。腫瘍が約110及び105mmとなった10日目に、試験薬による治療を開始した(図15A〜図15Bを参照のこと)。黒色の点線は、投与開始時の腫瘍容積である。左側のグラフは用量反応試験である。右側のグラフは、動物が試験期間中にわたり薬剤を投与され続けた無増悪期間試験である。点線は、溶媒対照群終了時の28日目における腫瘍容積である。
同所性Hep3B2.1−7肝細胞癌異種移植における抗腫瘍活性。雌SCIDマウスに、動物あたり2×10個のHep3B2.1−7腫瘍細胞を同所接種した。接種の7日後に、体重及び開始した治療に基づいて、動物を治療群に無作為化した(試験0日目)。サテライト群の割合評価を行うことにより、動物の100%に肝臓内腫瘍の存在が確認された。化合物1による治療を開始した(化合物1を、21日間にわたりQD経口投与した)。このモデルで予測された有意な平均体重減少は、溶媒対照群に認められた。15mg/kgの化合物1で治療した動物は最小限の体重減少を示し、30mg/kgの化合物1治療群に有意な平均体重増加が認められた。試験終了日に、腫瘍を取り出して重量を測定した。個々の腫瘍重量、及びそれぞれの群の平均腫瘍重量±SEMをプロットした(図16)。溶媒対照と比較したパーセント阻害を算出した。P値は、ダネットの事後解析を用いたone−way ANOVAから導いた。*** = p<0.001。
C−Met増幅肝細胞癌患者由来異種移植モデルLI0612における化合物1の抗腫瘍活性。雌SCIDマウスの右脇腹に、肝細胞癌PDXモデルLI0612腫瘍断片(直径2〜4mm)を接種した。治療開始時に、マウスを治療群(n=10匹/群)に無作為化した。腫瘍サイズが約150mmとなった18日目に、試験薬による治療を開始した。溶媒対照群及び化合物1治療群の腫瘍増殖は、投与期間中にわたり進行した。化合物1投与における増殖動態に変化が認められ、30mg/kgの治療に有意な腫瘍増殖抑制(TGI)(溶媒対照と比較して、p=0.038)がもたらされることになった。図17を参照されたい。
BRAF変異患者由来異種移植モデルにおける薬物動態/薬理データ。化合物1が阻害する周知のキナーゼ(ERK 1/2、NLK及びSIK)に基づいて、異種移植マウス由来のPDX146腫瘍におけるMAPK経路バイオマーカー、β−カテニン経路バイオマーカー及びHippo経路バイオマーカーに対する化合物治療の影響を評価した。腫瘍を有するマウス(腫瘍は約400mm)を、1または5mg/kgの化合物1の単回用量で治療した。投与の1時間後、2時間後、4時間後、8時間後及び24時間後に、腫瘍組織を採取した。
腫瘍のDUSP4、DUSP6及びSprouty(SPRY2)のmRNAレベル、及び、pRSK及びpERKのタンパク質レベルを検査することにより、MAPK経路の調節を評価した。DUSP6のmRNAレベルは、化合物治療において有意に低下し(投与の2時間後に低下し始めた)、両方の投与濃度において24時間にわたり抑制を維持した(図12A)。DUSP4及びSPRY2のmRNAレベルにおいて、同様のパターンが認められた(図13A〜図13B)。リン酸化RSK(pRSK)及びリン酸化ERK(pERK)のタンパク質レベルを、化合物1治療により用量依存的及び時間依存的に調節した(図14A〜図14D)。cMyc(図12B)及びサイクリンD1(図13C)(MAPKシグナル伝達経路とWntシグナル伝達経路の両方の下流)のレベルを、化合物1治療で阻害した。化合物1治療は、Wnt標的遺伝子、Axin2を上方制御した。両方の投与濃度における化合物1治療は、投与の24時間後におけるAxin2 mRNAレベルの有意な上昇を示した。AREG(Hippo経路における下流標的遺伝子)mRNAレベルにおける持続性阻害は、24時間にわたり認められた。加えて、化合物1は、YAPタンパク質レベルを時間依存的に阻害した(統計上有意ではない(図13Dを参照のこと))。このことは、SIK阻害及びHippo経路制御、またはMAPK阻害によって生じる間接的な影響によるものであり得る。
これらのデータは、化合物1が単回用量投与後に、このBRAF変異結腸直腸PDXモデルにおける3つの異なる経路(MAPK、Wnt及びHippo)に影響を与えることを示唆している。
結論:3つの全BRAF変異異種移植モデルに、有意な用量依存的抗腫瘍活性が認められた(図15A〜図15B、図16及び図17を参照のこと)。モデル全体にわたる化合物1治療に腫瘍退縮が認められ、PDX146モデルの長期間治療では有意な増殖遅延が認められた。
患者エンリッチメント及び腫瘍適応症。化合物1のインビトロデータ及びインビボデータに基づいた患者エンリッチメント仮説及び腫瘍適応症について、表8及び表9に概要を示す。
表8:患者エンリッチメントバイオマーカー及び腫瘍適応症
Figure 2019510066
表9.
Figure 2019510066
多数の参照文献を引用してきたが、それら開示全体は参照として本明細書に組み込まれる。
開示実施形態を参照しながら本発明について説明してきたが、当業者は、上で詳細に記載した特定の実施例及び試験が本発明の例示に過ぎないということを容易に理解するであろう。本発明の趣旨から逸脱することなく様々な変更を行なうことができるということを理解すべきである。それゆえ、本発明は以下の特許請求の範囲によってのみ制限される。

Claims (36)

  1. 固形癌または血液癌を治療または予防するための方法であって、前記方法は、前記固形癌または血液癌を有する対象に、有効量の式(I)、
    Figure 2019510066
    のアミノプリン化合物、または薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、光学異性体、もしくはその同位体分子を投与することを含み、
    式中、
    は、置換または非置換C1−8アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、または、置換または非置換の非芳香族ヘテロシクリルであり、
    は、H、または、置換または非置換C1−3アルキルであり、
    はフェニルであり、1個または複数個のハロゲンで置換され、任意選択的に、置換または非置換C1−3アルキル、CN及び−OR’から独立して選択される1個または複数個の置換基で更に置換され、式中、それぞれのR’は独立して、置換または非置換C1−3アルキルである、前記方法。
  2. 前記式(I)の化合物は表1から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記固形癌は、黒色腫、結腸直腸癌、胃癌、頭頸部癌、甲状腺癌、膀胱癌、CNS癌、肺癌、膵臓癌または軟組織癌である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記がんは、膀胱癌、乳癌、CNS癌、結腸癌、胃腸癌、内分泌腺癌、女性泌尿生殖器癌、頭頸部癌、造血系癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、黒色腫、膵臓癌、前立腺癌または軟組織癌である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記がんは、神経膠腫、神経芽細胞腫、胃癌、甲状腺癌、副腎癌、子宮癌、子宮頸部癌、卵巣明細胞癌または外陰部癌、白血病、骨髄腫、NSCLC、SCLC、肉腫または骨肉腫である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記がんは肝細胞癌(HCC)である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記がんは、結腸直腸癌(CRC)、黒色腫、胃癌、肝細胞癌(HCC)、肺癌、膵臓癌、白血病または多発性骨髄腫である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記がんは、PD−L1を発現するがんである、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記PD−L1発現がんは、黒色腫、肺癌、腎細胞癌(RCC)またはHCCである、請求項8に記載の方法。
  10. BRAF変異を特徴とするがんを治療または予防するための方法であって、前記方法は、BRAF変異を特徴とするがんを有する対象に、有効量の式(I)、
    Figure 2019510066
    のアミノプリン化合物、または薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、光学異性体、もしくはその同位体分子を投与することを含み、
    式中、
    は、置換または非置換C1−8アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、または、置換または非置換の非芳香族ヘテロシクリルであり、
    は、H、または、置換または非置換C1−3アルキルであり、
    はフェニルであり、1個または複数個のハロゲンで置換され、任意選択的に、置換または非置換C1−3アルキル、CN及び−OR’から独立して選択される1個または複数個の置換基で更に置換され、式中、それぞれのR’は独立して、置換または非置換C1−3アルキルである、前記方法。
  11. BRAF変異を特徴とする前記がんは、CRC、甲状腺癌、黒色腫または肺癌である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記BRAF変異はBRAF V660Eである、請求項10に記載の方法。
  13. NRAS変異を特徴とするがんを治療または予防するための方法であって、前記方法は、NRAS変異を特徴とするがんを有する対象に、有効量の式(I)、
    Figure 2019510066
    のアミノプリン化合物、または薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、光学異性体、もしくはその同位体分子を投与することを含み、
    式中、
    は、置換または非置換C1−8アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、または、置換または非置換の非芳香族ヘテロシクリルであり、
    は、H、または、置換または非置換C1−3アルキルであり、
    はフェニルであり、1個または複数個のハロゲンで置換され、任意選択的に、置換または非置換C1−3アルキル、CN及び−OR’から独立して選択される1個または複数個の置換基で更に置換され、式中、それぞれのR’は独立して、置換または非置換C1−3アルキルである、前記方法。
  14. NRAS変異を特徴とする前記がんは黒色腫である、請求項13に記載の方法。
  15. KRAS変異を特徴とするがんを治療または予防するための方法であって、前記方法は、KRAS変異を特徴とするがんを有する対象に、有効量の式(I)、
    Figure 2019510066
    のアミノプリン化合物、または薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、光学異性体、もしくはその同位体分子を投与することを含み、
    式中、
    は、置換または非置換C1−8アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、または、置換または非置換の非芳香族ヘテロシクリルであり、
    は、H、または、置換または非置換C1−3アルキルであり、
    はフェニルであり、1個または複数個のハロゲンで置換され、任意選択的に、置換または非置換C1−3アルキル、CN及び−OR’から独立して選択される1個または複数個の置換基で更に置換され、式中、それぞれのR’は独立して、置換または非置換C1−3アルキルである、前記方法。
  16. KRAS変異を特徴とする前記がんは、CRC、膵臓癌または肺癌である、請求項15に記載の方法。
  17. β−カテニン変異を特徴とするがんを治療または予防するための方法であって、前記方法は、β−カテニン変異を特徴とするがんを有する対象に、有効量の式(I)、
    Figure 2019510066
    のアミノプリン化合物、または薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、光学異性体、もしくはその同位体分子を投与することを含み、
    式中、
    は、置換または非置換C1−8アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、または、置換または非置換の非芳香族ヘテロシクリルであり、
    は、H、または、置換または非置換C1−3アルキルであり、
    はフェニルであり、1個または複数個のハロゲンで置換され、任意選択的に、置換または非置換C1−3アルキル、CN及び−OR’から独立して選択される1個または複数個の置換基で更に置換され、式中、それぞれのR’は独立して、置換または非置換C1−3アルキルである、前記方法。
  18. 前記β−カテニン変異は、β−カテニンS33Y、G34E、S45delまたはS33Cのうちの1種または複数種である、請求項17に記載の方法。
  19. β−カテニン変異を特徴とする前記がんは、CRC、胃癌、HCCまたは肉腫である、請求項17に記載の方法。
  20. 活性化β−カテニン経路を特徴とするがんを治療または予防するための方法であって、前記方法は、活性化β−カテニン経路を特徴とするがんを有する対象に、有効量の式(I)、
    Figure 2019510066
    のアミノプリン化合物、または薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、光学異性体、もしくはその同位体分子を投与することを含み、
    式中、
    は、置換または非置換C1−8アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、または、置換または非置換の非芳香族ヘテロシクリルであり、
    は、H、または、置換または非置換C1−3アルキルであり、
    はフェニルであり、1個または複数個のハロゲンで置換され、任意選択的に、置換または非置換C1−3アルキル、CN及び−OR’から独立して選択される1個または複数個の置換基で更に置換され、式中、それぞれのR’は独立して、置換または非置換C1−3アルキルである、前記方法。
  21. 前記β−カテニン経路を特徴とする前記がんは、CRC、胃癌、肝細胞癌または肉腫である、請求項19に記載の方法。
  22. 前記がんは、肝細胞癌、胃癌、黒色腫である、請求項17から請求項21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記HCCは、β−カテニン変異及び/またはYAP発現増加を特徴とする、請求項22に記載の方法。
  24. EGFR変異またはEGFR活性増加を更に含む、請求項17から請求項23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記EGFR変異は、EGFR E282K、G719S、P753SまたはV1011Mのうちの1種または複数種である、請求項24に記載の方法。
  26. BRAF変異を更に含む、請求項17から請求項25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記BRAF変異は、BRAF V660E変異、BRAF T119S変異またはBRAF G596R変異を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記BRAF変異はBRAF V660Eを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記黒色腫は、BRAF変異及び/またはNRAS変異を特徴とする、請求項17から請求項28のいずれか1項に記載の方法。
  30. がんを有する対象内におけるバイオマーカーのレベルを調節するための方法であって、前記方法は、前記対象に、有効量の式(I)、
    Figure 2019510066
    のアミノプリン化合物、または薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、光学異性体、及びその同位体分子を投与することを含み、
    式中、
    は、置換または非置換C1−8アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、または、置換または非置換の非芳香族ヘテロシクリルであり、
    は、H、または、置換または非置換C1−3アルキルであり、
    はフェニルであり、1個または複数個のハロゲンで置換され、任意選択的に、置換または非置換C1−3アルキル、CN及び−OR’から独立して選択される1個または複数個の置換基で更に置換され、式中、それぞれのR’は独立して、置換または非置換C1−3アルキルである、前記方法。
  31. 前記バイオマーカーの前記調節は、循環血液、皮膚生検材料、腫瘍生検材料、循環腫瘍細胞、毛髪または尿から選択される前記対象の生体試料を用いて評価される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記バイオマーカーは、ERK、RSK1、DUSP4、DUSP5、DUSP6、BMF、EFNA1、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、GJA1、IL−8、cMyc、サイクリンD1、YAP、SPRY2、SPRY4、Axin2、CTGF、AREG、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1、MAFF、CITED2、ELF3またはPD−L1である、請求項30に記載の方法。
  33. 前記調節は、ERK及びRSK1のうちの1種または複数種のリン酸化レベルにおける測定値低下により測定される、請求項30に記載の方法。
  34. 前記調節は、DUSP4、DUSP5、DUSP6、EGR1、ETV5、FOS、FOSL1、IL−8、cMyc、サイクリンD1、YAP、SPRY2、SPRY4、Axin2、CTGF、AREG、CYR61、CXCL1、HAS2、HES1及びMAFFのうちの1種または複数種におけるmRNAまたはタンパク質発現レベルの測定値低下により測定される、請求項27に記載の方法。
  35. 前記調節は、BMF、EFNA1、CITED2及びELF3のうちの1種または複数種におけるmRNAまたはタンパク質発現レベルの測定値上昇により測定される、請求項30に記載の方法。
  36. 前記アミノプリン化合物は、少なくとも1種の薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物として投与される、請求項1から請求項35のいずれか1項に記載の方法。
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