JP2019507822A - ポリマーのスルホン化のための方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、スルホン化芳香族ポリマーの製造のための方法、そのようにして製造されたスルホン化芳香族ポリマー、ならびにスルホン化芳香族ポリマーの、膜の製造のための使用に関する。
Description
詳細な説明
本発明は、スルホン化芳香族ポリマーの製造のための方法、そのようにして製造されるスルホン化芳香族ポリマー、ならびにスルホン化芳香族ポリマーの、膜の製造のための使用に関する。
本発明は、スルホン化芳香族ポリマーの製造のための方法、そのようにして製造されるスルホン化芳香族ポリマー、ならびにスルホン化芳香族ポリマーの、膜の製造のための使用に関する。
芳香族ポリマー、とりわけポリアリーレンエーテルスルホン−ポリマーは、高性能熱可塑性樹脂であり、高い耐熱保形性、優れた機械的特性および固有難燃性を特徴としている(E.M. Koch, H.−M. Walter, Kunststoffe 80,(1990)1146;E. Doering, Kunststoffe 80,(1990)1149;N. Inchaurondo−Nehm, Kunststoffe 98,(2008)190)。それらの生体適合性が優れているため、ポリアリーレンエーテルスルホンは、透析膜の製造のための材料としても使用される。とりわけスルホン化ポリアリーレンエーテルスルホン−ポリマーは、膜およびフィルム、例えば限外ろ過法および精密ろ過法のための、ならびに逆浸透、正浸透およびイオン交換のための膜およびフィルムの製造に好適である。先行技術では、スルホン化芳香族ポリマーの製造、とりわけポリアリーレンエーテルスルホンの製造のための種々の方法が記載されている。
独国特許出願公開第112012005418号明細書(DE112012005418)は、スルホン化芳香族ポリマーの製造のための方法であって、芳香族ポリマーが、スルホランおよびジメチルスルホンから選択される溶媒の存在下に、スルホン化剤、例えばクロロスルホン酸、無水硫酸、硫酸、発煙硫酸またはポリアルキルベンゼンスルホン酸によりスルホン化される方法を記載している。芳香族ポリマーとしては、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリエーテルケトン、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリスルホキシド、芳香族ポリスルフィド、芳香族ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエーテルエーテルスルホン、芳香族ポリエステルおよびポリスチレンが記載されている。
C. Klaysom et al., Journal of Membrane Science 368 (2011) 48〜53は、ジクロロメタンの存在下でのポリエーテルスルホンのクロロスルホン酸によるスルホン化を記載している。
J.F. Blanco, Journal of Applied Polymer Science, Volume 84(2002)2461〜2473は、溶媒としての硫酸の存在下でのポリエーテルスルホンの三酸化硫黄によるスルホン化、ならびに溶媒としてのジクロロエタンにおけるクロロスルホン酸によるスルホン化を記載している。
米国特許第2,809,959号明細書(US2,809,959)は、ビニル芳香族炭化水素ポリマーのスルホン化のための方法を記載している。スルホン化は、溶媒としての二酸化硫黄の存在下にクロロスルホン酸により行われる。
米国特許第2,691,644号明細書(US2,691,644)は、同様に、芳香族ポリマー、例えばポリスチレンのスルホン化のための方法を記載している。溶媒としては、二酸化硫黄および塩素化脂肪族炭化水素からの混合物が使用される。スルホン化剤としては、三酸化硫黄が使用される。
先行技術に記載されるスルホン化芳香族ポリマーの製造のための方法の欠点は、一方では、しばしば、鎖分解による芳香族ポリマーの分解が起こり、それにより、ポリマーの鎖長ひいてはその特性が変化されることである。その他に、いずれの方法においてもスルホン化芳香族ポリマーの分離後には酸性溶媒または有機溶媒が残留し、これらを再びスルホン化法で使用するためには費用をかけて後処理する必要がある。
したがって、本発明の基礎をなす課題は、先行技術に記載されるスルホン化芳香族ポリマーの製造のための方法の欠点を軽減された程度で有するにすぎないか、またはそれどころかまったく有していないスルホン化芳香族ポリマーの製造のための方法を提供することである。
本課題は、二酸化硫黄を含む溶媒の存在下での芳香族ポリマーと少なくとも1種のスルホン化剤との反応によるスルホン化芳香族ポリマーの製造のための方法により解決される。
さらに、本課題は、二酸化硫黄を含む溶媒の存在下での芳香族ポリマーと少なくとも1種のスルホン化剤との反応によるスルホン化芳香族ポリマーの製造のための方法であって、ここで、芳香族ポリマーは、一般式(I)
[式中、以下の意味を有する:
t、q:互いに無関係に0、1、2または3であり、
Q、T、Y:互いに無関係にそれぞれ化学結合または−O−、−S−、−SO2−、S=O、C=O、−N=N−および−CRaRb−から選択される基であり、ここで、RaおよびRbは、互いに無関係にそれぞれ水素原子またはC1〜C12−アルキル基、C1〜C12−アルコキシ基またはC6〜C18−アリール基を表し、ならびに
Ar、Ar1:互いに無関係に6個から18個までの炭素原子を有するアリーレン基である]
の構成要素を含むポリアリーレンエーテルであり、
ここで、少なくとも1種のスルホン化剤は、三酸化硫黄、硫酸、発煙硫酸およびポリアルキルベンゼンスルホン酸からなる群から選択され、かつ
ここで、溶媒は、溶媒の全質量を基準として少なくとも80質量%の二酸化硫黄を含む方法により解決される。
t、q:互いに無関係に0、1、2または3であり、
Q、T、Y:互いに無関係にそれぞれ化学結合または−O−、−S−、−SO2−、S=O、C=O、−N=N−および−CRaRb−から選択される基であり、ここで、RaおよびRbは、互いに無関係にそれぞれ水素原子またはC1〜C12−アルキル基、C1〜C12−アルコキシ基またはC6〜C18−アリール基を表し、ならびに
Ar、Ar1:互いに無関係に6個から18個までの炭素原子を有するアリーレン基である]
の構成要素を含むポリアリーレンエーテルであり、
ここで、少なくとも1種のスルホン化剤は、三酸化硫黄、硫酸、発煙硫酸およびポリアルキルベンゼンスルホン酸からなる群から選択され、かつ
ここで、溶媒は、溶媒の全質量を基準として少なくとも80質量%の二酸化硫黄を含む方法により解決される。
驚くべきことに、二酸化硫黄は、芳香族ポリマーのためのきわめて優れた溶媒であることが判明した。さらに、驚くべきことに、二酸化硫黄に溶解した芳香族ポリマーは、スルホン化剤に対して高い反応性を有することが判明した。さらに、本発明による方法においては、二酸化硫黄が、製造されたスルホン化芳香族ポリマーから容易に分離できることが有利である。したがって、使用された溶媒の費用の掛かる後処理は、とりわけ、溶媒が二酸化硫黄からなる特に好ましい実施形態では必要ではない。
さらに、本発明による方法により、芳香族ポリマーの鎖分解は起こらず、したがって、本発明による方法で製造されたスルホン化芳香族ポリマーは、さらに、高い分子量を有することが有利である。
さらに、反応が、すでに例えば−30℃から+100℃までのきわめて低温で、0.1barから100barまでの範囲の圧力で実施することができることが有利である。
以下において、本発明による方法が詳述される。
本発明によれば、スルホン化芳香族ポリマーは、二酸化硫黄を含む溶媒の存在下での芳香族ポリマーと少なくとも1種のスルホン化剤との反応により製造される。
「少なくとも1種のスルホン化剤」は、本発明の範囲では、正確に1種のスルホン化剤も、2種または複数のスルホン化剤からの混合物も意味する。
「溶媒」は、本発明の範囲では、正確に1種の溶媒も、2種または複数の溶媒からの混合物も意味する。本発明によれば、正確に1種の溶媒が好ましい。この場合、本発明によれば、溶媒が二酸化硫黄からなることが特に好ましい。
芳香族ポリマーと少なくとも1種のスルホン化剤との反応は、スルホン化反応(スルホン化)である。したがって、「反応」「スルホン化反応」および「スルホン化」という用語は、本発明の範囲では同義語として用いられて、同一の意味を有する。
本発明による方法における反応は、つまり、スルホン化反応である。この反応は、当業者に自体公知である。スルホン化反応とは、SO2X−基の芳香族ポリマーへの、とりわけその芳香環への導入であると理解される。SO2X−基中のXは、ClまたはOZを意味し、ここで、Zは、水素またはカチオン等価体を表す。「カチオン等価体」という用語は、本発明の範囲では、一価の正のカチオンまたは多価の正に帯電したカチオンの電荷等価体、例えばLi、Na、K、Mg、Ca、NH4を意味する。Zは、好ましくは、H、Li、Na、K、Ca、MgおよびNH4からなる群から選択される。SO2X−基は、好ましくはスルホン酸基(−SO3H)または水との反応において反応してスルホン酸基をもたらす基である。とりわけ好ましくは、SO2X−基は、スルホン酸基(−SO3H)である。
水との反応において反応してスルホン酸基(−SO3H)をもたらす基は、当業者に公知であり、例えばクロロスルホン基(−SO2Cl)である。
したがって、本発明の対象は、反応がスルホン化反応である方法において、SO2X−基、ここで、Xは、ClまたはOZを意味し、ここで、Zは、H、Li、Na、K、Mg、CaおよびNH4からなる群から選択される、が芳香族ポリマーに導入される方法でもある。
芳香族ポリマーと少なくとも1種のスルホン化剤の反応は、任意の温度で行われてよい。好ましくは、反応の間の温度は、−30℃から+100℃までの範囲、特に好ましくは−10℃から+20℃までの範囲にある。
したがって、本発明の対象は、反応の間の温度が、−30℃から+100℃までの範囲にある方法でもある。
反応の間の圧力は、同じく任意である。例えば、反応の間の圧力は、0.1barから100barまでの範囲、好ましくは0.9barから3.5barまでの範囲にある。
したがって、本発明の対象は、反応の間の圧力が、0.1barから100barまでの範囲にある方法でもある。
さらに、本発明の対象は、反応の間の温度が、−30℃から+100℃までの範囲にある、および/または反応の間の圧力が、0.1barから100barまでの範囲にある方法である。
好ましくは、反応は、溶媒中に含まれる二酸化硫黄が液状で存在している温度および圧力で行われる。つまり、溶媒中に含まれる二酸化硫黄が、反応の間、液状で存在していることも好ましい。
したがって、本発明の対象は、溶媒中に含まれる二酸化硫黄が、反応の間、液状で存在している方法でもある。
芳香族ポリマーと溶媒との質量比は、任意であってよい。本発明によれば、好ましくは、芳香族ポリマー対溶媒の質量比は、0.1対100から1対1までの範囲、特に好ましくは1対100から4対10までの範囲、とりわけ好ましくは3対100から2対10までの範囲にある。
したがって、本発明の対象は、芳香族ポリマー対溶媒の質量比が、0.1対100から1対1までの範囲にある方法でもある。
芳香族ポリマー対溶媒の質量比は、反応の開始時、つまり、芳香族ポリマーが少なくとも1種のスルホン化剤と反応される前の、芳香族ポリマー対溶媒の質量比を基準としていることは自明である。芳香族ポリマーと少なくとも1種のスルホン化剤との反応の間、芳香族ポリマー対溶媒の質量比は、変化してよい。
少なくとも1種のスルホン化剤は、同じく任意の量で使用されてよい。好ましくは、少なくとも1種のスルホン化剤は、芳香族ポリマーのスルホン化反応において完全に反応される量で使用される。
反応は、本発明による方法で使用される温度および圧力での使用に好適であり、かつその反応器材料が、本発明による方法で使用される化合物に対して、とりわけ少なくとも1種のスルホン化剤および溶媒中に含まれる二酸化硫黄に対して不活性に挙動する、当業者に公知のあらゆる反応器で行われてよい。好適な反応器は、例えば、撹拌装置を備えるガラス反応器である。
好ましくは、本発明による方法は、以下の工程:
a)溶媒の存在下に芳香族ポリマーと二酸化硫黄を含む少なくとも1種のスルホン化剤を反応させて、二酸化硫黄を含む溶媒に溶解したスルホン化芳香族ポリマーを得る工程、
b)二酸化硫黄を含む溶媒をスルホン化芳香族ポリマーから分離し、固体形態のスルホン化芳香族ポリマーを得る工程
を含む。
a)溶媒の存在下に芳香族ポリマーと二酸化硫黄を含む少なくとも1種のスルホン化剤を反応させて、二酸化硫黄を含む溶媒に溶解したスルホン化芳香族ポリマーを得る工程、
b)二酸化硫黄を含む溶媒をスルホン化芳香族ポリマーから分離し、固体形態のスルホン化芳香族ポリマーを得る工程
を含む。
したがって、本発明の対象は、以下の工程:
a)溶媒の存在下に芳香族ポリマーと少なくとも1種のスルホン化剤を反応させて、溶媒に溶解したスルホン化芳香族ポリマーを得る工程、
b)溶媒をスルホン化芳香族ポリマーから分離して、固体形態のスルホン化芳香族ポリマーを得る工程
を含む方法でもある。
a)溶媒の存在下に芳香族ポリマーと少なくとも1種のスルホン化剤を反応させて、溶媒に溶解したスルホン化芳香族ポリマーを得る工程、
b)溶媒をスルホン化芳香族ポリマーから分離して、固体形態のスルホン化芳香族ポリマーを得る工程
を含む方法でもある。
工程a)における芳香族ポリマーの反応には、前述の反応に関する実施態様および選好性が相応して適用される。
工程a)においては、溶媒に溶解したスルホン化芳香族ポリマーが得られる。つまり、スルホン化芳香族ポリマーおよび溶媒からの均質な溶液が得られる。均質な溶液とは、スルホン化芳香族ポリマーが、分子分散して溶媒に溶解して存在していることであると理解される。溶液は、追加的にさらなる成分、例えば少なくとも1種のスルホン化剤の残留物または未反応の芳香族ポリマーを含んでよい。
「少なくとも1種のスルホン化剤の残留物」とは、それぞれ溶液の全質量を基準として最大で1質量%、好ましくは最大で0.1質量%、特に好ましくは最大で0.01質量%の少なくとも1種のスルホン化剤であると理解される。
溶液は、通常、それぞれ溶液の全質量を基準として最大で1質量%、好ましくは最大で0.1質量%、とりわけ好ましくは最大で0.01質量%の未反応の芳香族ポリマーを含む。
工程b)においては、溶媒が、スルホン化芳香族ポリマーから分離される。
工程b)における溶媒のスルホン化芳香族ポリマーからの分離は、当業者に公知のあらゆる手法により行われてよい。例えば、工程b)における溶媒の分離は、蒸発を用いて行われることが可能である。
したがって、本発明の対象は、工程b)における溶媒の分離が蒸発を用いて行われる方法でもある。
蒸発を用いる工程b)における溶媒の分離は、溶媒が蒸発する任意の温度で行われてよい。好ましくは、分離は、−20℃から+100℃までの範囲の温度で行われる。
蒸発を用いる工程b)における溶媒の分離は、さらに、任意の圧力で行われてよい。好ましくは、分離は、0.001barから1barまでの範囲の圧力で行われる。
本発明のさらなる実施形態では、さらに、工程b)における溶媒の分離が、溶媒に溶解したスルホン化芳香族ポリマーを沈殿浴に導入することによって行われることが可能である。沈殿浴中で、スルホン化芳香族ポリマーが沈殿する。
沈殿浴は、少なくとも1種のさらなる溶媒を含む。
「少なくとも1種のさらなる溶媒」とは、本発明の範囲では、正確に1種のさらなる溶媒であるとも、2種または複数のさらなる溶媒からの混合物であるとも理解される。
沈殿浴に含まれる、少なくとも1種のさらなる溶媒は、スルホン化芳香族ポリマーが難溶またはまったく不溶の溶媒である。そのようなさらなる溶媒は、当業者に公知であり、例えば水および/またはアルコールである。
したがって、本発明の対象は、工程b)における溶媒の分離が、溶媒に溶解したスルホン化芳香族ポリマーが沈殿浴に導入されることによって行われる方法でもある。
さらに、本発明の対象は、沈殿浴が少なくとも1種のさらなる溶媒を含む方法であり、ここで、さらなる溶媒は、スルホン化芳香族ポリマーを溶解しにくいか、またはまったく溶解しないものである。
さらに、本発明の対象は、少なくとも1種のさらなる溶媒が、水およびアルコールからなる群から選択される方法である。
水としては、鉱水または脱塩水が使用されてよい。アルコールとしては、一価アルコールおよび/または二価アルコールが使用されてよい。好ましくは、一価アルコールが使用される。一価アルコールとしては、とりわけメタノール、エタノール、1−プロパノールおよび/または2−プロパノールが使用されてよい。
溶媒に溶解したスルホン化芳香族ポリマーの沈殿浴への導入により、スルホン化芳香族ポリマーが沈殿する。スルホン化芳香族ポリマーがあらかじめ溶解した溶媒は、少なくとも1種のさらなる溶媒と完全に混和するか、部分的に混和するか、または混和できなくてよい。溶媒が混合不可能である場合、2つの液相が形成される;それに対して、溶媒が混合可能である場合、1つの均質な液相が形成される。
次に、沈殿したスルホン化芳香族ポリマーは、当業者に公知のあらゆる手法により、例えば分級法により、ふるい分け、ろ過により、または液相の蒸発により液相から分離されて、固体形態のスルホン化芳香族ポリマーを得ることができる。
少なくとも1種のさらなる溶媒とともに沈殿浴中に残留する溶媒は、当業者に公知のあらゆる手法により少なくとも1種のさらなる溶媒から分離することができる。好ましくは、分離は、蒸発により行われる。
少なくとも1種のさらなる溶媒から分離するための溶媒のこの蒸発は、任意の温度で、および任意の圧力で行われてよい。
以下において、反応で使用される成分が詳述される。
芳香族ポリマー
本発明による方法では、芳香族ポリマーとして、当業者に公知の任意の芳香族ポリマーが使用されてよい。
本発明による方法では、芳香族ポリマーとして、当業者に公知の任意の芳香族ポリマーが使用されてよい。
「芳香族ポリマー」とは、本発明の範囲では、ポリマーが製造されるモノマーの少なくとも1つが、芳香環を有するポリマーであると理解される。好ましくは、芳香族ポリマーの製造に使用されるモノマーはいずれも、少なくとも1つの芳香環を有する。
モノマーに含まれていてよい芳香環は、当業者に公知であり、例えばフェニレン基、例えば1,2−フェニレン、1,3−フェニレンおよび1,4−フェニレン、ナフチレン基、例えば1,6−ナフチレン、1,7−ナフチレン、2,6−ナフチレンおよび2,7−ナフチレン、ならびにアントラセン、フェナントレンおよびナフタセンから誘導される芳香環である。
例えば、芳香族ポリマーは、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、ポリアリーレンエーテル、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリスルフィド、芳香族ポリスルホキシド、ポリアリーレンエーテルスルホン、芳香族ポリエステルおよびポリスチレンならびにその2種または複数からのコポリマーからなる群から選択される。好ましくは、芳香族ポリマーは、ポリアリーレンエーテルからなる群から選択される。
したがって、本発明の対象は、芳香族ポリマーが、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、ポリアリーレンエーテル、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリスルフィド、芳香族ポリスルホキシド、ポリアリーレンエーテルスルホン、芳香族ポリエステルおよびポリスチレンならびにその2種または複数からのコポリマーからなる群から選択される方法でもある。
ポリアリーレンエーテルは、当業者に自体公知である。好ましくは、芳香族ポリマーは、一般式(I)
[式中、記号t、q、Q、T、Y、ArおよびAr1は、以下の意味を有する:
t、q:互いに無関係に0、1、2または3であり、
Q、T、Y:互いに無関係にそれぞれ化学結合または−O−、−S−、−SO2−、S=O、C=O、−N=N−および−CRaRb−から選択される基であり、ここで、RaおよびRbは、互いに無関係にそれぞれ水素原子またはC1〜C12−アルキル基、C1〜C12−アルコキシ基またはC6〜C18−アリール基を表し、かつここで、Q、TおよびYの少なくとも1つは、−SO2−を表し、ならびに
Ar、Ar1:互いに無関係に6個から18個までの炭素原子を有するアリーレン基である]
の構成要素を含むポリアリーレンエーテルである。
t、q:互いに無関係に0、1、2または3であり、
Q、T、Y:互いに無関係にそれぞれ化学結合または−O−、−S−、−SO2−、S=O、C=O、−N=N−および−CRaRb−から選択される基であり、ここで、RaおよびRbは、互いに無関係にそれぞれ水素原子またはC1〜C12−アルキル基、C1〜C12−アルコキシ基またはC6〜C18−アリール基を表し、かつここで、Q、TおよびYの少なくとも1つは、−SO2−を表し、ならびに
Ar、Ar1:互いに無関係に6個から18個までの炭素原子を有するアリーレン基である]
の構成要素を含むポリアリーレンエーテルである。
したがって、本発明の対象は、芳香族ポリマーが、一般式(I)
[式中、以下の意味を有する:
t、q:互いに無関係に0、1、2または3であり、
Q、T、Y:互いに無関係にそれぞれ化学結合または−O−、−S−、−SO2−、S=O、C=O、−N=N−および−CRaRb−から選択される基であり、ここで、RaおよびRbは、互いに無関係にそれぞれ水素原子またはC1〜C12−アルキル基、C1〜C12−アルコキシ基またはC6〜C18−アリール基を表し、ならびに
Ar、Ar1:互いに無関係に6個から18個までの炭素原子を有するアリーレン基である]
の構成要素を含むポリアリーレンエーテルである方法でもある。
t、q:互いに無関係に0、1、2または3であり、
Q、T、Y:互いに無関係にそれぞれ化学結合または−O−、−S−、−SO2−、S=O、C=O、−N=N−および−CRaRb−から選択される基であり、ここで、RaおよびRbは、互いに無関係にそれぞれ水素原子またはC1〜C12−アルキル基、C1〜C12−アルコキシ基またはC6〜C18−アリール基を表し、ならびに
Ar、Ar1:互いに無関係に6個から18個までの炭素原子を有するアリーレン基である]
の構成要素を含むポリアリーレンエーテルである方法でもある。
Q、TまたはYが、上述の前提条件下で化学結合である場合、左隣の基および右隣の基は、直接相互に化学結合を介して結合して存在していると理解される。
しかし、好ましくは、式(I)のQ、TおよびYは、互いに無関係に−O−および−SO2−から選択されるが、ただし、Q、TおよびYからなる群の少なくとも1つは、−SO2−を表す。
Q、TおよびYからなる群の少なくとも1つが−SO2−を表す場合、一般式(I)の構成要素を含むポリアリーレンエーテルは、ポリアリーレンエーテルスルホンである。
Q、TおよびYからなる群の少なくとも1つが−SO2−を表す場合、式(I)に含まれているQ、TおよびYの少なくとも1つは、−SO2−を表すことは自明である。これは、例えば、q=0である場合、TおよびYの少なくとも1つは、−SO2−を表し;例えばt=0である場合、QおよびYの少なくとも1つは、−SO2−を表すことを意味する。
したがって、本発明によれば、ポリアリーレンエーテルは、一般式(I)の構成要素を含むポリアリーレンエーテルスルホンであることが好ましく、式中、Q、TおよびYの少なくとも1つは、−SO2−を表す。
したがって、本発明の対象は、ポリアリーレンエーテルが、式(I)の構成要素を含むポリアリーレンエーテルスルホンであり、式中、Q、TおよびYの少なくとも1つは、−SO2−を表す方法でもある。
Q、TまたはYが−CRaRb−である場合、RaおよびRbは、互いに無関係にそれぞれ水素原子またはC1〜C12−アルキル基、C1〜C12−アルコキシ基またはC6〜C18−アリール基を表す。
好ましいC1〜C12−アルキル基には、1個から12個までの炭素原子を有する直鎖および分岐鎖の飽和アルキル基が含まれる。とりわけ、以下の基が挙げられる:C1〜C6−アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、2−メチル−ペンチルまたは3−メチル−ペンチルおよび長鎖基、例えば非分岐鎖のヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ラウリルおよび単一分岐または多分岐のそれらの類似体。
前述の使用可能なC1〜C12−アルコキシ基中のアルキル基としては、さらに上に記載される、1個から12個までの炭素原子を有するアルキル基が考慮される。好ましく使用可能なシクロアルキル基には、とりわけC3〜C12−シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルプロピル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルエチル、シクロペンチルプロピル、シクロペンチルブチル、シクロペンチルペンチル、シクロペンチルヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルジメチル、およびシクロヘキシルトリメチルが含まれる。
ArおよびAr1は、互いに無関係にC6〜C18−アリーレン基を意味する。Arは、好ましくは、電子が豊富な、求電子攻撃を受けやすい芳香族物質に誘導されるものであり、その物質は、好ましくは、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシナフタリン、とりわけ2,7−ジヒドロキシナフタレン、および4,4’−ビスフェノールからなる群から選択される。好ましくは、Ar1は、非置換のC6−アリーレン基またはC12−アリーレン基である。
C6〜C18−アリーレン基であるArおよびAr1としては、とりわけフェニレン基、例えば1,2−フェニレン、1,3−フェニレンおよび1,4−フェニレン、ナフチレン基、例えば1,6−ナフチレン、1,7−ナフチレン、2,6−ナフチレンおよび2,7−ナフチレン、ならびにアントラセン、フェナントレンおよびナフタセンから誘導されるアリーレン基が考慮される。
好ましくは、式(I)による好ましい実施形態におけるArおよびAr1は、互いに無関係に1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、ナフチレン、とりわけ2,7−ジヒドロキシナフチレン、および4,4’−ビスフェニレンからなる群から選択される。
好ましい構成要素laからloまでの他に、ヒドロキノンに由来する1つまたは複数の1,4−フェニレン単位が、レゾルシノールに由来する1,3−フェニレン単位、またはジヒドロキシナフタレンに由来するナフチレン単位に置き換えられている構成要素も好ましい。
一般式(I)の構成要素として特に好ましいのは、構成要素la、lgおよびlkである。さらに、成分(A)のポリアリーレンエーテルが、実質的に一般式(I)の構成要素の少なくとも1つの種類、とりわけla、lgおよびlkから選択される少なくとも1つの構成要素で構成されている場合が特に好ましい。
特に好ましい実施形態では、Ar=1,4−フェニレン、t=1、q=0、Tは化学結合であり、かつY=SO2である。前述の繰り返し単位で構成される特に好ましいポリアリーレンエーテルスルホン(A)は、ポリフェニレンスルホン(PPSU)と呼ばれる(式lg)。
さらなる特に好ましい実施形態では、Ar=1,4−フェニレン、t=1、q=0、T=C(CH3)2、かつY=SO2である。前述の繰り返し単位で構成される特に好ましいポリアリーレンエーテルスルホン(A)は、ポリスルホン(PSU)と呼ばれる(式la)。
さらなる特に好ましい実施形態では、Ar=1,4−フェニレン、t=1、q=0、T=Y=SO2である。前述の繰り返し単位で構成される特に好ましいポリアリーレンエーテルスルホンは、ポリエーテルスルホン(PESU)と呼ばれる(式lk)。
PPSU、PESUおよびPSUなどの略語は、本発明の範囲では、DIN EN ISO 1043−1(Kunststoffe−Kennbuchstaben und Kurzzeichen−Teil 1:Basis−Polymere und ihre besonderen Eigenschaften(ISO 1043−1:2001);Deutsche Fassung EN ISO 1043−1:2002)に適合する。
本発明によれば、好ましくは、芳香族ポリマーは、ポリスルホン−単位(PSU単位)、ポリエーテルスルホン単位(PESU単位)およびポリフェニレンスルホン単位(PPSU単位)からなる群から選択される構成要素を含む。
本発明によれば、特に好ましくは、芳香族ポリマーは、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリフェニレンスルホン(PPSU)およびこれらのコポリマーからなる群から選択される。
したがって、本発明の対象は、芳香族ポリマーが、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリフェニレンスルホン(PPSU)およびこれらのコポリマーからなる群から選択される方法でもある。
とりわけ好ましくは、芳香族ポリマーは、ポリエーテルスルホン(PESU)およびポリフェニレンスルホン(PPSU)からのコポリマーである。
したがって、本発明の対象は、芳香族ポリマーが、ポリエーテルスルホン(PESU)およびポリフェニレンスルホン(PPSU)からのコポリマーである方法でもある。
芳香族ポリマーとして好適な、ポリエーテルスルホン(PESU)およびポリフェニレンスルホン(PPSU)からのコポリマーは、例えばランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであってよい。好ましくは、ポリエーテルスルホン(PESU)およびポリフェニレンスルホン(PPSU)からのランダムコポリマーである。
芳香族ポリマーとして好適な、ポリエーテルスルホン(PESU)およびポリフェニレンスルホン(PPSU)からのコポリマーは、例えば、それぞれコポリマーの全物質量を基準として1mol%から20mol%までの範囲のポリフェニレンスルホン(PPSU)および80mol%から99mol%までの範囲のポリエーテルスルホン(PESU)を含む。
ポリアリーレンエーテルは、好ましくは、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、溶媒のジメチルアセトアミド中で標準としての分布の狭いポリメチルメタクリレートに対して測定されて、10000g/molから150000g/molまで、とりわけ15000g/molから120000g/molまで、特に好ましくは18000g/molから100000g/molまでの質量平均分子量(Mw)を有する。
前述のポリアリーレンエーテルをもたらす製造方法は、当業者に自体公知であり、例えば、Herman F. Mark, “Encyclopedia of Polymer Science and Technology”,third edition,Volume 4,2003,Kapitel “Polysulfones”、2〜8ページ、ならびにHans R. Kricheldorf,Handbook of Polymer Synthesis内の“Aromatic Polyethers”, second edition, 2005、427〜443ページに記載されている。
スルホン化剤
少なくとも1種のスルホン化剤としては、芳香族ポリマーの芳香環に、SO2X−基(ここで、Xは、ClまたはOZを意味し、ここで、Zは、H、Li、Na、K、Mg、CaおよびNH4からなる群から選択される)を導入するのに適している当業者に公知のあらゆる化合物が好適である。好ましくは、SO2X−基は、スルホン酸基(−SO3H)であるか、または水との反応によりスルホン酸基に転化しうる基である。そのような基は、当業者に公知であり、例えばクロロスルホン基(−SO2Cl)である。したがって、特に好ましくは、SO2X−基は、スルホン酸基(−SO3H)またはクロロスルホン基(−SO2Cl)であり、最も好ましくは、SO2X−基は、スルホン酸基(−SO3H)である。
少なくとも1種のスルホン化剤としては、芳香族ポリマーの芳香環に、SO2X−基(ここで、Xは、ClまたはOZを意味し、ここで、Zは、H、Li、Na、K、Mg、CaおよびNH4からなる群から選択される)を導入するのに適している当業者に公知のあらゆる化合物が好適である。好ましくは、SO2X−基は、スルホン酸基(−SO3H)であるか、または水との反応によりスルホン酸基に転化しうる基である。そのような基は、当業者に公知であり、例えばクロロスルホン基(−SO2Cl)である。したがって、特に好ましくは、SO2X−基は、スルホン酸基(−SO3H)またはクロロスルホン基(−SO2Cl)であり、最も好ましくは、SO2X−基は、スルホン酸基(−SO3H)である。
本発明によれば、好ましくは、少なくとも1種のスルホン化剤は、クロロスルホン酸、三酸化硫黄、硫酸、発煙硫酸およびポリアルキルベンゼンスルホン酸からなる群から選択される。より好ましくは、少なくとも1種のスルホン化剤は、三酸化硫黄、硫酸、発煙硫酸およびポリアルキルベンゼンスルホン酸からなる群から選択される。特に好ましくは、少なくとも1種のスルホン化剤は、三酸化硫黄である。
つまり、本発明によれば、三酸化硫黄である正確に1種のスルホン化剤が使用されることが特に好ましい。
したがって、本発明の対象は、少なくとも1種のスルホン化剤が、クロロスルホン酸、三酸化硫黄、硫酸、発煙硫酸およびポリアルキルベンゼンスルホン酸からなる群から選択される方法でもある。
さらに、本発明の対象は、少なくとも1種のスルホン化剤が三酸化硫黄である方法である。
クロロスルホン酸が少なくとも1種のスルホン化剤として使用される場合、クロロスルホン基が、水との反応によりスルホン酸基に転化しうるSO2X−基として芳香族ポリマーの芳香環に導入されることは自明である。
三酸化硫黄、硫酸、発煙硫酸および/またはポリアルキルベンゼンスルホン酸が少なくとも1種のスルホン化剤として使用される場合、スルホン酸基が、SO2X−基として芳香族ポリマーの芳香環に導入される。
溶媒
本発明によれば、溶媒は、二酸化硫黄を含む。その他に、溶媒は、さらに追加的な溶媒を含んでよい。好適な追加的な溶媒は、芳香族ポリマーならびに少なくとも1種のスルホン化剤を溶解し、かつ完全に二酸化硫黄と混合可能である溶媒である。
本発明によれば、溶媒は、二酸化硫黄を含む。その他に、溶媒は、さらに追加的な溶媒を含んでよい。好適な追加的な溶媒は、芳香族ポリマーならびに少なくとも1種のスルホン化剤を溶解し、かつ完全に二酸化硫黄と混合可能である溶媒である。
例えば、追加的な溶媒として、環状スルホン化合物、例えばスルホランおよび/またはジアルキルスルホン、例えばジメチルスルホキシドおよびジブチルスルホキシドが使用されてよい。その他に、例えば硫酸が追加的な溶媒として使用されてよい。硫酸は、とりわけ、スルホン化剤として硫酸が使用される場合に、追加的な溶媒として使用される。
本発明によれば、好ましくは、溶媒は、溶媒の全質量を基準として少なくとも80質量%の二酸化硫黄を含む。特に好ましくは、溶媒は、それぞれ溶媒の全質量を基準として少なくとも90質量%、とりわけ好ましくは少なくとも95質量%の二酸化硫黄を含む。
最も好ましくは、溶媒は、二酸化硫黄からなる。
つまり、本発明によれば、最も好ましくは、追加的な溶媒は使用されない。
したがって、本発明の対象は、溶媒が、溶媒の全質量を基準として少なくとも80質量%の二酸化硫黄を含む方法でもある。
スルホン化芳香族ポリマー
本発明による方法における芳香族ポリマーと少なくとも1種のスルホン化剤との反応においては、芳香族ポリマーの芳香環の少なくとも1つが、少なくとも部分的にスルホン化される。
本発明による方法における芳香族ポリマーと少なくとも1種のスルホン化剤との反応においては、芳香族ポリマーの芳香環の少なくとも1つが、少なくとも部分的にスルホン化される。
スルホン化の機構は、当業者に自体公知である。スルホン化においては、芳香環の水素原子がSO2X−基(ここで、Xは、ClまたはOZを意味し、ここで、Zは、H、Li、Na、K、Mg、CaおよびNH4からなる群から選択される)に置き換えられる。SO2X−基は、好ましくは、スルホン酸基(−SO3H)または水と反応してスルホン酸基(−SO3H)をもたらすことができる基である。特に好ましくは、SO2X−基は、スルホン酸基(−SO3H)である。
つまり、スルホン化において、芳香環の水素原子がスルホン酸基(−SO3H)に置き換えられることが特に好ましい。
さらに、本発明の対象は、本発明による方法により得られるスルホン化芳香族ポリマーである。
通常、芳香環1つあたり0.001個から1個まで、好ましくは0.005個から0.1個まで、特に好ましくは0.01個から0.08個までのSO2X−基が芳香族ポリマーに導入される。したがって、スルホン化芳香族ポリマーは、通常、芳香環1つあたり0.001個から1個まで、好ましくは0.005個から0.1個まで、特に好ましくは0.01個から0.08個までのスルホン酸基を有する。
したがって、本発明の対象は、芳香環1つあたり0.001個から1個までのSO2X−基(ここで、Xは、ClまたはOZを意味し、ここで、Zは、水素またはカチオン等価体を表す)を有することを特徴とするスルホン化芳香族ポリマーでもある。
芳香環1つあたりのSO2X−基の数は、スルホン化芳香族ポリマーのすべての芳香環の平均化により決定される。そのためには、スルホン化芳香族ポリマー中のSO2X−基の数が、スルホン化芳香族ポリマー中の芳香環の数で割られる。それぞれスルホン化芳香族ポリマー中のSO2X−基の数および芳香環の数の決定のための方法は、当業者に公知である。SO2X−基の数は、例えば、酸塩基滴定により、または分光法、例えばH−NMR分光法もしくはIR分光法(赤外分光法)により決定することができる。芳香環にSO2X−基を有するスルホン化芳香族ポリマーは、特性ピークおよび帯を示し、それらによって、芳香環1つあたりのSO2X−基の数の決定が可能になる。スルホン化された芳香環対スルホン化されていない芳香環の比も、これらの方法により、とりわけH−NMR−分光法により決定することができる。
本発明の範囲では、「SO2X−基」中のXは、ClまたはOZを意味し、ここで、Zは、H、Li、Na、K、Mg、CaおよびNH4からなる群から選択される。SO2X−基は、好ましくは、スルホン酸基(−SO3H)または水と反応してスルホン酸基(−SO3H)をもたらすことができる基、例えばクロロスルホン基(−SO2Cl)である。したがって、特に好ましくは、SO2X−基は、スルホン酸基(−SO3H)またはクロロスルホン基(−SO2Cl)であり、最も好ましくは、SO2X−基は、スルホン酸基(−SO3H)である。
芳香族ポリマーがさまざまに置換されている芳香環を有する場合、通常、好ましくは、最も強い求核性の芳香環がスルホン化される。
芳香族ポリマーが、好ましい実施形態において、例えばポリエーテルスルホン(PESU)およびポリフェニレンスルホン(PPSU)からのコポリマーである場合、ポリフェニレンスルホン(PPSU)のビフェニレン単位の芳香環は、コポリマーのビフェニルスルホン単位の芳香環よりも求核性が強い。その場合、芳香族ポリマーの反応の間、好ましくは、ポリフェニレンスルホン(PPSU)のビフェニレン単位の芳香環がスルホン化される。
ポリフェニレンスルホン(PPSU)のビフェニレン単位の芳香環のスルホン化は、通常、3位および/または3’位で行われる。
スルホン化芳香族ポリマーは、好ましくは、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、溶媒のジメチルアセトアミド中で標準としての分布の狭いポリメチルメタクリレートに対して測定されて、10000g/molから35000g/molまでの範囲の数平均分子量(Mn)を有する。
使用
さらに、本発明の対象は、本発明によるスルホン化芳香族ポリマーの、膜を製造するための使用である。
さらに、本発明の対象は、本発明によるスルホン化芳香族ポリマーの、膜を製造するための使用である。
好ましくは、本発明によるスルホン化芳香族ポリマーは、限外ろ過、精密ろ過、逆浸透および/または正浸透のための膜に使用される。
本発明によるスルホン化芳香族ポリマーから膜を製造するための方法は、当業者に自体公知である。
通常、そのような膜を製造するための方法は、以下の工程:
i)本発明によるスルホン化芳香族ポリマーおよび少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒を含む溶液を準備する工程、ならびに
ii)本発明によるスルホン化芳香族ポリマーを非プロトン性極性溶媒から分離して、膜を得る工程
を含む。
i)本発明によるスルホン化芳香族ポリマーおよび少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒を含む溶液を準備する工程、ならびに
ii)本発明によるスルホン化芳香族ポリマーを非プロトン性極性溶媒から分離して、膜を得る工程
を含む。
そのような膜の親水性を高めるために、工程i)で準備される溶液に、少なくとも1種の親水性ポリマーが添加されてよい。好適な親水性ポリマーは、例えば10000g/molから2000000g/molまでの範囲、好ましくは200000g/molから1600000g/molまでの範囲の質量平均分子量(Mw)を有するポリビニルピロリドンである。
したがって、好ましくは、膜の製造のための方法は、以下の工程:
i)本発明によるスルホン化芳香族ポリマー、少なくとも1種の親水性ポリマーおよび少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒を含む溶液を準備する工程、ならびに
ii)本発明によるスルホン化芳香族ポリマーおよび親水性ポリマーからの混合物を非プロトン性極性溶媒から分離して、膜を形成する工程
を含む。
i)本発明によるスルホン化芳香族ポリマー、少なくとも1種の親水性ポリマーおよび少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒を含む溶液を準備する工程、ならびに
ii)本発明によるスルホン化芳香族ポリマーおよび親水性ポリマーからの混合物を非プロトン性極性溶媒から分離して、膜を形成する工程
を含む。
したがって、工程i)では、非プロトン性極性溶媒中のスルホン化芳香族ポリマーおよび場合によって親水性ポリマーの溶液の準備が行われる。非プロトン性極性溶媒としては、スルホン化芳香族ポリマーが可溶である非プロトン性極性溶媒が考慮され、ここで、「可溶」とは、この関連では、室温(20℃)で、それぞれ非プロトン性極性溶媒中の溶液の全質量を基準として少なくとも10質量%、好ましくは少なくとも20質量%、とりわけ好ましくは少なくとも25質量%のスルホン化芳香族ポリマーが溶解することであると理解される。
「スルホン化芳香族ポリマー」は、本発明の範囲では、正確に1種のスルホン化芳香族ポリマーも、2種または複数のスルホン化芳香族ポリマーからの混合物も意味する。そのような2種または複数のスルホン化芳香族ポリマーの混合物は、ブレンドとも呼ばれる。
好ましくは、工程i)において得られる溶液は、工程ii)の実施の前に脱気される。そのための方法は、当業者に公知である。
好ましくは、工程i)における非プロトン性極性溶媒は、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、スルホラン(テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド)およびそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましくは、非プロトン性極性溶媒は、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
工程i)における溶液の製造は、通常の容器内で、とりわけ、撹拌装置および好ましくは温度制御用装置を含む容器内で行われてよい。工程i)による溶液の製造は、好ましくは撹拌下に行われる。本発明によるスルホン化芳香族ポリマーおよび場合によって親水性ポリマーの溶解は、連続して行われるか、または同時に行われてよい。
工程i)の期間は、広範囲に変化してよく、好ましくは、工程i)の期間は、10分から48時間まで、とりわけ10分から12時間まで、特に好ましくは15分から6時間までである。通常、工程i)の期間は、非プロトン性極性溶媒中の本発明によるスルホン化芳香族ポリマーおよび場合によって親水性ポリマーの均質な溶液が得られるように調整される。
工程i)の間の温度は、好ましくは20℃から120℃まで、特に好ましくは40℃から100℃までの範囲にある。非プロトン性極性溶媒中の本発明によるスルホン化芳香族ポリマーおよび場合によって親水性ポリマーの濃度は、とりわけ工程ii)の実施の方法による。
好ましくは、工程i)において準備される溶液は、溶液の全質量を基準として5質量%から40質量%までの範囲、特に好ましくは10質量%から30質量%までの範囲の本発明によるスルホン化芳香族ポリマーを含む。
工程i)において準備される溶液が、さらに親水性ポリマーを含む場合、本発明によるスルホン化芳香族ポリマーおよび親水性ポリマーの質量パーセントの合計は、それぞれ溶液の全質量を基準として5質量%から40質量%までの範囲、特に好ましくは10質量%から30質量%までの範囲にあることが好ましい。この場合、工程i)における溶液中の本発明によるスルホン化芳香族ポリマー対親水性ポリマーの質量パーセント比は、総じて98:2から50:50までの範囲にある。
続いて、工程ii)により、本発明によるスルホン化芳香族ポリマー、またはスルホン化芳香族ポリマーおよび親水性ポリマーからの混合物の、非プロトン性極性溶媒からの分離が行われて膜が得られる。膜は、当業者に公知の形態を有してよい。好ましくは、膜は、シート、担体上の層または繊維である。
例えば、工程ii)における分離のために、スルホン化芳香族ポリマー、場合によって親水性ポリマーおよび非プロトン性極性溶媒からの溶液が流し込まれてフィルムにされ、次に、このフィルムが例えば沈殿浴に入れられる、および/または乾燥されて膜が得られる。
以下において、本発明は、実施例をもとに詳述されるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例
例1
芳香族ポリマーとしては、芳香族ポリマーの全物質量を基準として10mol%のポリフェニルスルホンの割合を有するポリエーテルスルホン−ポリフェニレンスルホン−ランダムコポリマー(PESU−PPSU−コポリマー)を使用した。粘度数(VZ)は、DIN ISO 1628−1に準拠して、1質量%NMP溶液中で25℃にて測定した。コポリマーの粘度数は、52ml/gであった。
例1
芳香族ポリマーとしては、芳香族ポリマーの全物質量を基準として10mol%のポリフェニルスルホンの割合を有するポリエーテルスルホン−ポリフェニレンスルホン−ランダムコポリマー(PESU−PPSU−コポリマー)を使用した。粘度数(VZ)は、DIN ISO 1628−1に準拠して、1質量%NMP溶液中で25℃にて測定した。コポリマーの粘度数は、52ml/gであった。
芳香族ポリマーおよび二酸化硫黄の全質量を基準として20質量%の芳香族ポリマーを、−15℃および1bar(周囲圧力)で液状の二酸化硫黄に溶解した。
続いて、0.9質量%の三酸化硫黄を添加して、混合物を5時間にわたって−15℃で反応させた。続いて、二酸化硫黄および場合によって依然として存在している三酸化硫黄を、二酸化硫黄および場合によって存在している三酸化硫黄を65℃および1barの圧力(周囲圧力)で1時間にわたって蒸発させることによって、得られたスルホン化芳香族ポリマーから分離した。
得られたスルホン化芳香族ポリマーの粘度数は、53ml/gであった。
コポリマーのスルホン化度(芳香環1つあたりのスルホン酸基の数)を、H−NMR分光法およびIR分光法を用いて求めた。
H−NMR分光測定を、Agilent Technologies MR 400 DD2、400MHzを用いて、ジメチルスルホキシド−d6中で23℃にて実施した。スルホン化度は、スルホン酸基に隣接する芳香族プロトン(δ=8.13ppm、一重項)のスルホン架橋に対してオルト位のプロトン(δ=8.03ppmおよびδ=8.01ppm、二重項)に対する比から求めた。スルホン化芳香族ポリマーは、H−NMR分光法によれば、芳香環1つあたり0.015個のスルホン酸基を含んでいた。
IR分光測定を、Nicolet 6700 FTIRを用いて実施した。スルホン化芳香族ポリマーをDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解し、フィルムとしてKRS5−Fenster上に施与して、160℃で真空乾燥した。室温(25℃)に冷却したフィルムを透過光で測定した。スルホン化芳香族ポリマーのスペクトルは、v=1023cm-1で、SO3−基の特性帯を示す。導入されたSO3H−基の数は、v=1023cm-1での帯面積の、較正後のv=1012cm-1での標準帯に対する比から求めることができる。較正のために、公知のスルホン化度を有するスルホン化芳香族ポリマーを使用する(公知のスルホン化度を有するスルホン化芳香族ポリマーは、例えば公知のスルホン化度を有するモノマーの使用下でのスルホン化芳香族ポリマーの合成により得ることができる)。スルホン化芳香族ポリマーは、IR分光法によれば、芳香環1つあたり0.021個のスルホン酸基を含んでいた。
比較例2
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーおよびスルホランの全質量を基準として20質量%の芳香族ポリマーを、25℃および1bar(周囲圧力)でスルホランと混合して、三酸化硫黄を添加する。得られた粘性の混合物を、5時間にわたって25℃および1bar(周囲圧力)に保った。
三酸化硫黄およびスルホランの除去後、スルホン化芳香族ポリマーは得られないが、最初に使用した芳香族ポリマーのみが得られる。
スルホラン中における芳香族ポリマーの三酸化硫黄によるスルホン化は、室温(25℃)でさえも不可能であることが分かる。
比較例3
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーおよびスルホランの全質量を基準として20質量%の芳香族ポリマーを、85℃および1bar(周囲圧力)でスルホランに溶解して、三酸化硫黄を添加する。
高粘度の溶液が得られ、その溶液は、加工しにくく、とりわけ容易には反応させることができない。
二酸化硫黄の代わりに溶媒としてスルホランを使用する場合、比較的高い濃度の芳香族ポリマーを有する溶液は、反応させることができない、それというのは、例えば85℃の高温でさえもきわめて高粘度の溶液が形成されるにすぎないからである。
比較例4
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーおよびスルホランの全質量を基準として8質量%の芳香族ポリマーを、90℃および1bar(周囲圧力)でスルホランに溶解する。
続いて、三酸化硫黄を添加して、混合物を1時間にわたって90℃で反応させる。
スルホランならびに場合によって依然として存在している三酸化硫黄を、反応で得られたスルホン化芳香族ポリマーからスルホランおよび三酸化硫黄の蒸発により分離させることは、ほぼ不可能であり、それというのは、スルホランが、わずかな揮発性しか有しておらず、かつ比較的高温では、反応で得られた混合物が分解するからである。比較的低い温度が使用される場合、蒸発時間は不経済に長くなり、スルホランの不完全な分離が続く。したがって、まず、得られた反応混合物をN−メチルピロリドンに溶解し、続いてエタノールに沈殿させることによって分離が行われる。ろ過の後、得られた沈殿物を熱水抽出で20h(時間)にわたって90℃で洗浄して、15hにわたって150℃で真空乾燥する。
スルホン化芳香族ポリマー中のスルホランの残留含有率は、スルホン化芳香族ポリマーの質量を基準としてスルホラン0.7質量%である。
比較例5
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーおよび硫酸の全質量を基準として8質量%の芳香族ポリマーを、50℃で濃硫酸(水中98質量%)に溶解する。混合物を80℃および1bar(周囲圧力)で5時間にわたって反応させる。
分離後に得られたスルホン化芳香族ポリマーは、使用された芳香族ポリマーよりも20%低い分子量を有する。これは、硫酸中におけるスルホン化が鎖分解を引き起こすことを示す。
比較例6
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーおよびスルホランの全質量を基準として10質量%の芳香族ポリマーを、90℃および1bar(周囲圧力)でスルホランに溶解する。
続いて、20%の芳香族ポリマーのスルホン化度に対する化学量論的量の濃縮硫酸(水中98質量%)を添加して、得られた混合物を90℃で1時間にわたって反応させる。
得られた生成物の分離は、エタノールへの沈殿により行われる。H−NMR−分光試験は、スルホン化芳香族ポリマーが得られないことを示している。最初に使用された芳香族ポリマーのH−NMR−スペクトルが得られる。
比較例7
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーおよびスルホランの全質量を基準として10質量%の芳香族ポリマーを、90℃および1bar(周囲圧力)でスルホランに溶解する。
続いて、100%の芳香族ポリマーのスルホン化度に対する化学量論的量の濃縮硫酸(水中98質量%)を添加して、得られた混合物を90℃で1時間にわたって反応させる。
得られた生成物の分離は、エタノールへの沈殿により行われる。H−NMR−分光試験は、スルホン化芳香族ポリマーが得られないことを示している。最初に使用した芳香族ポリマーのH−NMR−スペクトルが得られる。
比較例8
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーとしては、例1のPESU−PPSU−コポリマーを使用する。
芳香族ポリマーおよびスルホランの全質量を基準として10質量%の芳香族ポリマーを、90℃および1bar(周囲圧力)でスルホランに溶解する。
続いて、100%の芳香族ポリマーのスルホン化度に対する5倍の化学量論的過剰の濃縮硫酸(水中98質量%)を添加して、得られた混合物を90℃で1時間にわたって反応させた。
得られた生成物の分離は、エタノールへの沈殿により行われる。H−NMR−分光試験は、スルホン化芳香族ポリマーが得られないことを示している。最初に使用した芳香族ポリマーのH−NMR−スペクトルが得られる。
比較例6、7および8は、溶媒としての純粋なスルホラン中におけるスルホン化剤としての濃縮硫酸の反応性は、90℃の温度でさえも芳香族ポリマーをスルホン化するには充分に高くないことを示している。
Claims (12)
- 二酸化硫黄を含む溶媒の存在下での芳香族ポリマーと少なくとも1種のスルホン化剤との反応によるスルホン化芳香族ポリマーを製造するための方法であって、ここで前記芳香族ポリマーは、一般式(I)
t、q:互いに無関係に0、1、2または3であり、
Q、T、Y:互いに無関係にそれぞれ化学結合または−O−、−S−、−SO2−、S=O、C=O、−N=N−および−CRaRb−から選択される基であり、ここで、RaおよびRbは、互いに無関係にそれぞれ水素原子またはC1〜C12−アルキル基、C1〜C12−アルコキシ基またはC6〜C18−アリール基を表し、ならびに
Ar、Ar1:互いに無関係に6個から18個までの炭素原子を有するアリーレン基である]
の構成要素を含むポリアリーレンエーテルであり、
ここで、前記少なくとも1種のスルホン化剤は、三酸化硫黄、硫酸、発煙硫酸およびポリアルキルベンゼンスルホン酸からなる群から選択され、かつ
ここで、前記溶媒は、該溶媒の全質量を基準として少なくとも80質量%の二酸化硫黄を含む方法。 - 前記ポリアリーレンエーテルは、一般式(I)の構成要素を含むポリアリーレンエーテルスルホンであり、前記式中、Q、TおよびYの少なくとも1つは、―SO2−を表すことを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記芳香族ポリマーは、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリフェニレンスルホン(PPSU)およびこれらのコポリマーからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
- 前記少なくとも1種のスルホン化剤は、三酸化硫黄であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 前記芳香族ポリマー対前記溶媒の質量比は、0.1対100から1対1までの範囲にあることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 前記溶媒中に含まれる二酸化硫黄は、反応の間、液状で存在していることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
- 前記反応の間の温度は、−30℃から+100℃までの範囲にある、および/または前記反応の間の圧力は、0.1barから100barまでの範囲にあることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
- 以下の工程:
a)前記溶媒の存在下に前記芳香族ポリマーと前記少なくとも1種のスルホン化剤を反応させて、前記溶媒に溶解したスルホン化芳香族ポリマーを得る工程、
b)前記溶媒を前記スルホン化芳香族ポリマーから分離して、固体形態のスルホン化芳香族ポリマーを得る工程
を含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。 - 工程b)における前記溶媒の分離は、蒸発を用いて行われることを特徴とする、請求項8記載の方法。
- 請求項1から9までのいずれか1項記載の方法により得られるスルホン化芳香族ポリマー。
- 芳香環1つあたり0.001個から1個までのSO2X−基を有し、ここで、Xは、ClまたはOZを意味し、ここで、Zは、水素またはカチオン等価体を表すことを特徴とする、請求項10記載のスルホン化芳香族ポリマー。
- 請求項10または11記載のスルホン化芳香族ポリマーの、膜の製造のための使用。
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