JP2019506992A5 - - Google Patents

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本開示は、テクスチャ表面を有する摺洗物品に関する。より詳細には、テクスチャ層とステインリリース剤(stain release agent)とを有する摺洗物品に関する。
消費者は、摺洗物品が汚れにくく、及び/又は摺洗物品に形成された汚れが容易に除去又は剥離(released)できることを望むことがある。残念ながら、多くの市販の洗浄用品(スポンジタイプの洗浄用品、摺洗タイプの洗浄用品など)は、この特徴を提供しない。織物製品(例えば衣類)の処理として、予め汚れ遮断剤やステインリリース剤が使用されているが、これらの薬剤は、ジョンソンのような摺洗物品の構造体と共に使用するのに適切ではないと捉えられてきた。例えば、Kimらの米国特許出願公開第2013/0209735号は、ポリマーの硬さ又は低表面エネルギーのいずれか一方を汚れに抵抗するために使用する、織物コーティングを開示している。汚れに抵抗する材料は、印刷されたテクスチャ層の接着を損ないがちなので、これら及び類似の技法は、印刷されたテクスチャ層を組み込む摺洗物品には実用的でない可能性がある。硬質ポリマーコーティングも、摺洗物品の順応性を損なう可能性がある。
摺洗物品の摺洗表面(例えば、付与されるテクスチャ層)の特性を改良することが有益であり、望ましい場合がある。したがって、強化されたステインリリース(stain release)特性を備える、テクスチャ表面の利益及び利点を含む摺洗物品に対する需要が存在する。
本開示のいくつかの態様は、基材と、ステインリリースコーティングと、テクスチャ層とを含む摺洗物品に関する。基材は、互いに反対側を向いた第1主表面及び第2主表面を画定する。ステインリリースコーティングは、少なくとも第1の主表面上に存在するように基材に適用される。テクスチャ層は、基材と向かい合うステインリリースコーティング上に形成される。いくつかの実施形態において、テクスチャ層は、ステインリリースコーティング上に形成される。基材は、不織布、(例えば、織られた又は編まれた)布地、発泡体、フィルム、及びスポンジ材料、又はこれらの組み合わせなどの種々の形態をとることができる。ステインリリースコーティングは、ステインリリース剤を含む。いくつかの実施形態において、ステインリリース剤は、ポリエチレンオキシドを含有するポリマー(例えば、米国ミネソタ州セントポールの3M Company社から「FC−226」の商品名で入手可能な薬剤)、又はスルホン化ポリエステル(例えば、米国ミネソタ州セントポールの3M Company社から「FC−258」の商品名で入手可能な薬剤)を含む。テクスチャ層は個別の部分を含むことができ、ステインリリースコーティングのセグメントは個別の部分同士の間で露出しており、それによって汚れの形成に抵抗できる。本開示の摺洗物品は、ステインリリース機能を提供し、テクスチャ層(例えば印刷されたテクスチャ層)をステインリリースコーティングに適切に接着させることが意外にも判明した。
本開示の他の態様は、摺洗物品の製造方法に関する。方法は、互いに反対側を向いた第1及び第2の主要面を画定する基材を準備する工程を含む。ステインリリースコーティングは基材に適用され、第1の主面上に存在する。テクスチャ層は、基材と向かい合うステインリリースコーティング上に形成される。いくつかの実施形態では、ステインリリースコーティングは、ポリエチレンオキシド又はポリビニルピロリドンを含むポリマーのような、非フルオロケミカルステインリリース剤を含む。いくつかの実施形態では、テクスチャ層は、ステインリリースコーティングに印刷され、個別のテクスチャ層部分のパターンを形成する。いくつかの実施形態では、ステインリリースコーティングは、基材の第1及び第2の主表面の両方に存在する。
物品10は、基材構造体12とテクスチャ層14とを備える(全体的に図1を参照)。基材構造体12及びテクスチャ層14は、以下で更に詳細に記載されるように、種々の異なる材料を含むことができる。概括的に言うと、テクスチャ層14は、基材構造体12のステインリリースコーティング上に形成される。言及すべき点として、図1は、摺洗物品10が、基材構造体12が取り付けられる1つ以上の相補体又は補助体15(仮想線で描かれている)を、任意に含むことができることを更に示す。基材構造体12の基材、及び補助体15は、異なる材料で形成することができる(例えば、基材構造体12の基材は薄い不織布材料であり、補助体15はスポンジである)。他の実施形態では、補助体15は省略される。
図2を更に参照すると、基材構造体12は、少なくとも基材20と、ステインリリースコーティング22とを含む。基材20は、互いに反対側を向いた第1及び第2の表面30、32を画定する。説明のために、図2では、基材20、ステインリリースコーティング22、及びテクスチャ層14の厚さは、誇張するか又は小さく表現されている可能性がある。ステインリリースコーティング22は、基材20の少なくとも第1の表面30に、又はその上に適用され、いくつかの実施形態において、ステインリリースコーティング22は、基材20のある程度又は完全に第1の表面30に浸透し得る(例えば、ステインリリースコーティング22は、基材20の互いに反対側を向いた表面30、32の両方に存在する)。いくつかの実施形態において、ステインリリースコーティング22は、基材構造体12の主面34を画定(又は主面34に存在)する。他の実施形態において、(テクスチャ層14とは別の)1つ以上の追加の層又はコーティングが、ステインリリースコーティング22上に適用又は形成されてよく、基材構造体12の主面34を画定する。テクスチャ層14は、ステインリリースコーティング22上に形成することができる(即ち、主面34上にテクスチャ層14を形成する)ことができる。テクスチャ層14はまた、ステインリリースコーティング22に浸透することができ、関連する実施形態においては、基材20の第1の表面30にある程度浸透できる。他の実施形態において、テクスチャ層14は、基材表面30、32の両方の上に設けることができる。いくつかの実施形態において、摺洗物品10は、化学溶液(図示せず)を更に含み、この化学溶液は、基材20及び/若しくは任意の補助体15に充填されるか、又は基材20及び/若しくは任意の補助体15によって吸収される。適用可能な化学溶液も同様に、下記でより詳細に説明される。テクスチャ層14は、中性、カチオン性、又はアニオン性であるものを含む広範な化学溶液に対応するように構成され得る。更に、摺洗物品10は、化学溶液を有していなくても同等に有用である。
テクスチャ層14、基材20、及びステインリリースコーティング22の組成、並びにそれらの処理が、以下に提供される。摺洗物品10は、「摺洗性」属性を提供するものとして説明され得る。「摺洗性」という用語は、表面に付着した比較的小さい望ましくない物を、物品がその物の上を往復する際に研磨又は除去する能力を言う。硬化させた(即ち、基材20自体よりもより硬質な)摺洗材料を基材の表面上に形成することだけでなく、摺洗材料の個々のセクション間の横の間隔と併せて、このように形成された材料が基材表面から、又は基材表面を超えて延びる程度によっても、おそらくはより顕著に、基材に摺洗性質を付与することができる。
更なる説明として、テクスチャ層14はドット又はアイランドなどの複数の個別の部分を画定する(例えば、図1に種々のドットが示され、全体として40a、40bで参照される)。個別の部分40a、40bは、ランダムにテクスチャ化された表面を形成してもよいし、ステインリリースコーティング22上(したがって基材構造体面34上)に識別可能なパターンを形成してもよい。更に、個別の部分(例えば、40a、40b)は、様々な相対的なサイズからなってもよく、又はサイズが実質的に均一であってもよい。例えば、また図1Aでより明確に示されるように、ドット40aはドット40bと比較して大きい。図2で判るように、個別の部分(例えば、40a、40b)は各々、基材構造体の主面34に対する高さXを画定する。個別の部分(例えば、40a、40b)は、基材構造体の主面34から実質的に均一な距離で外側に延びるか、若しくは突出してもよく、又は代替として、主面34から様々な距離で外側に延びるか、若しくは突出してもよい(即ち、個別の部分40a、40bは、主面34に対して同程度の高さ又は様々な高さを有し得る)。いくつかの実施形態において、個別の部分(例えば、40a、40b)は、主面34から外側へ約10〜約1000マイクロメートルの範囲内で、任意の距離まで延びてもよい。他の実施形態において、個別の部分(例えば、40a、40b)は、主面34から外側へ少なくとも10、少なくとも50、少なくとも500、又は少なくとも1000マイクロメートル延びてもよい。更に別の実施形態において、個別の部分(例えば、40a、40b)は、主面34から外側へ10〜20マイクロメートル以下の距離まで延びてもよい。いずれにせよ、種々のテクスチャ及び/又はパターンを基材構造体12上に提供することができる。本開示で有用であるパターンの代替の例示的な実施形態が、図5A〜図5Bに示される。
パターン、デザイン、及び/又は主面34から個別の部分(例えば、40a、40b)が延びる距離に関わらず、摺洗の適用中に使用者(図示せず)は、通常、テクスチャ層14が摺洗される表面に面するように摺洗物品10を配置する。この方向付けの例が図3に提供されており、ここでは、摺洗物品10が表面50を洗浄するか、その他の方法で処理するように配置されている。理解されるように、洗浄される表面50は用途に固有であり、比較的硬質(例えば、テーブルの上面又は調理用フライパン)又は比較的軟質(例えば、ヒトの皮膚、ポリマー製ベーキング器など)であり得る。いずれにせよ、図3の例示的な実施形態において、摺洗される表面50は、表面50に不必要に付着した塊52を有し得る。この場合も、塊52は特定の摺洗用途に特有のものであるが、汚れ、乾燥した食品、乾燥した血液など物質を含む。本開示の摺洗物品10は、使用者がテクスチャ層14(又はその一部分)を塊52の全体に繰り返し押し付けて往復させると、塊52の摺洗除去が容易になる。テクスチャ層14の各セクション(例えば、セクション40a、40b)は、摺洗運動中に塊52を研磨するため、又は完全に除去するために十分に硬質でなければならない。更に、テクスチャ層14は、主面34からかなりの程度延びることにより、最外表面60だけでなく側面62にも沿って塊52と表面が互いと密に接触することを確実にしなければならない。部分40a、40bは、均一で尖った角部又は縁部を(表面60と側面62との交点にて)有するように描かれているが、同様に若しくは代わりに、丸みを帯びた縁部若しくは角部を有してもよく、又は断面が非均一であってもよい。テクスチャ層14の延長は、所望の摺洗性が達成される程度であることが重要である。特に、ブローン繊維「摺洗」又はテクスチャ層を組み込む多くの洗浄用拭き取り布は、基材表面に対する最低限の厚さ又は延長しか提供せず、望ましいものを下回る摺洗性特徴を生じさせる可能性が高い。更に、本開示のテクスチャ層14によって提供される個別の部分(例えば、部分40a、40b)同士が十分に間隔を空けて、洗浄作業中に、塊52と特定のテクスチャ層部分40a、40bの側壁62との間の密な接触を確実にすることが好ましい。更に、物品10を使用して表面50を摺洗する最中及び摺洗後、テクスチャ層14を形成する組成物が基材構造体12上で実質的に無傷のままであるように、テクスチャ層14が摩耗耐性を有することが望ましい。最後に、ステインリリースコーティング22は、洗浄作業中に基材20上に汚れが形成されるのを最小限に抑え、下記で説明するように基材構造体12からの汚れの除去を促進する。
ステインリリースコーティング
ステインリリースコーティング22は、様々な形態をとることができ、一般にステインリリース剤を含む。いくつかの実施形態において、ステインリリースコーティング22は、実質的にフルオロケミカルを含まない(即ち、フルオロケミカル0.1重量%未満)である。言及すべき点として、本開示の摺洗物品を家庭用又は台所用の洗浄作業で使用する間、摺洗物品が時折食品に接触することがある。したがって、いくつかのフルオロケミカル薬剤は、(たとえ所望のステインリリース特性を呈しても)これらの物品には望ましくないことがある。本開示において有用である非フルオロケミカルステインリリース剤の非限定例として、ミネソタ州セントポールの3M Company社からFC−226の商品名で入手可能な、ステインリリース剤を含有するポリエチレンオキシドと、ニュージャージー州フローラムパークのBASF Corp.社からSokalan K−230の商品名で入手可能な、ポリビニルピロリドンステインリリース剤とが挙げられる。以下でより詳細に説明するように、ポリエチレンオキシド系ステインリリース剤又はポリビニルピロリドン系ステインリリース剤を使用したステインリリースコーティングは、テクスチャ層14がステインリリースコーティング22上にプリントされる実施形態で、意外にも、テクスチャ層14との良好な接着又は接合をもたらすことが判明した。本開示において有用な他の例示的な非フルオロケミカルステインリリース剤として、スチレン−無水マレイン酸ポリマー、アクリレート、及びフェノールが挙げられる。
他の実施形態において、ステインリリースコーティング22のステインリリース剤は、フルオロケミカルステインリリース剤であってもよい。フルオロケミカルステインリリース剤は、更に、防汚(即ち、汚れ防止)特性を付与し得る。例示的なフルオロケミカルステインリリース剤として、非限定で、フルオロケミカルウレタン(例えば、ミネソタ州セントポールの3M Company社からPM−930及びPM−938の商品名で入手可能)が挙げられる。
摺洗物品の形成
本開示の摺洗物品10の製造又は形成は、図4の簡易ブロック形態で図示されており、一般的に、基材構造体12を準備する工程と、適切なテクスチャ層組成物を構築する工程と、次にこの組成物を(例えば、印刷、コーティング、エッチング、エンボス加工、マイクロレプリケーション、成形などにより)基材構造体12上に付与する工程と、を含む。図4に示すように、本開示のいくつかの方法の一部又は全体は、連続的であり、即ち一列に並んでいる。例えば、基材構造体12のウェブは、第1の操作において準備することができ、後に基材構造体12の連続ウェブは他の処理ステーションに搬送され、テクスチャ層14の付与を実行することができる。いずれにせよ、下記でより詳細に説明するように、テクスチャ層14が基材構造体12に印刷される実施形態によれば、意外にも、テクスチャ層14は、洗浄及び摺洗用途で得られた摺洗物品10の使用に十分なレベルで、ステインリリースコーティング22に接着することが確認された。
基材構造体12は、図4に示すように、ステインリリースコーティング22の選択した組成を、選択した基材20の連続ウェブに適用することによって、形成することができる。ステインリリースコーティング22は、ロールコーティング又はスプレーコーティングを含む、当技術分野で公知の様々な方法で適用することができる。他の実施形態において、基材20は、ステインリリースコーティング22の容積内に埋め込むことができる。いずれにせよ、ステインリリースコーティング22は、基材20の少なくとも第1の表面30に、又は第1の表面30の上に存在する。本開示の有益な方法は、適用されたステインリリースコーティング22の固化又は乾燥を(例えば熱で)促進する更なる処理を含むことができる。着色剤、殺生物剤などの他の材料が、ステインリリースコーティング22の前、最中、又は後に、任意で基材20に適用され得る。いくつかの実施形態において、ステインリリースコーティング22は、最も外側の層又はコーティングであり、最終的な基材構造体12の主面34を画定する。即ち、ステインリリースコーティング22は主面34に存在する。
ステインリリースを伴う基材構造体の実施例
基材に処理組成物を適用して、ステインリリースコーティングを含む実施例の基材構造体を準備した。実施例A〜Oの処理組成物は、以下に述べる以外は、表1−1及び表1〜2に挙げた割合で25℃において脱イオン水(DI)と混合した(表1−1及び表1〜2に挙げた)、選択されたステインリリース剤(RA)からなる。RA8(実施例M)は固形物であり、20グラムのRA8に80グラムのホット脱イオン水を予め混合して、固形分20%のポリマー溶液を作った。実施例P〜Rの処理組成物は、表1〜2に挙げたように、25℃の脱イオン水と混合した、選択されたステインリリース剤(RA)、ラテックス(ラテックス1)、顔料(顔料1)、及び殺生物剤(殺生物剤)からなる。全ての成分は、別個のプラスチック容器に、所望の量で、ほぼ0.1グラムの単位まで量り取られた。実施例A〜Oの処理組成物は、基材1の乾燥サンプルに適用された。実施例Pの処理組成物は、基材2の乾燥サンプルに適用された。実施例Qの処理組成物は、基材3の乾燥サンプルに適用された。実施例Rの処理組成物は、基材4の乾燥サンプルに適用された。全てのケースにおいて、処理組成物は、ニップ圧を5.5×10Pa(80psi)に設定したパディング設備(米国サウスカロライナ州グリーンビルのPoterala Manufacturing Co.社から市販されている、Model HP−1700)を使用して乾燥基材に適用した。基材1の含浸量は概ね95%であり、実施例A〜G及び実施例M〜Oの処理組成物は、対応する基材に適用したステインリリース剤の固形分(即ち、0.57%の「布地上固形分」(% SOF))に匹敵するレベルに作られた。他のSOFレベルが、表1−1、及び表1〜2に挙げたように、実施例H及び実施例J〜Lのために準備された。基材2の含浸量は概ね104%であり、実施例Pの処理組成物は、0.62% SOFのステインリリース剤の固形分レベルで適用した。基材3の含浸量は概ね90%であり、実施例Qの処理組成物は、0.54% SOFのステインリリース剤の固形分レベルで適用した。基材4の含浸量は概ね104%であり、実施例Rの処理組成物は、0.62% SOFのステインリリース剤の固形分レベルで適用した。処理組成物の適用後、試験サンプルは、試験室の熱風循環式オーブン(米国ミネソタ州ミネアポリスのDespatch Industries社から市販されている、Model V−35HD)で、2分間177℃(350°F)で乾燥、硬化させた。比較例Aは、(処理組成物を含まない)基材1単独のサンプルからなる。
実施例A〜R及び比較例1では、米国線繊化学染色協会(AATCC)の標準試験方法第TM−130−2010によって、ステインリリース性質を評価した。下記のように、4種の異なる汚損又は汚れ組成物が、各基材サンプルに沿って別々の場所に適用された。第1の汚れ組成物(「汚れE」)は、米国アイオワ州アンケニーのACH Food Companies,Inc.社から「MAZOLA(登録商標)」の商品名で市販されている、コーン油であった。第2の汚れ組成物(「汚れK」)は、米国ニューヨーク州タリータウンのSonneborn,Inc.社から「KAYDOL(登録商標)」の商品名で市販されている、白色鉱油であった。第3の汚れ組成物(「汚れD」)は、米国イリノイ州ノースフィールドのKraft Foods社から「CATALINA」の商品名で市販されている、サラダドレッシングであった。第4の汚れ組成物(「汚れS」)は、米国ニュージャージー州キャムデンのCampbell Soup Co.社から「Prego Traditional Italian Sauce」の商品名で入手可能な、スパゲティソースであった。各試験サンプルについては、5滴の汚れE、5滴の汚れK、合計1.5グラム(±0.3グラム)の汚れD、及び合計1.5グラム(±0.3グラム)の汚れSが適用された。AATCCのTM−130−2010の洗濯条件プロトコルが完了した後、4種の汚れの各々に対するステインリリース特性が、視覚的に評価された。AATCCのTM−130−2010における評定尺度基準は、「1」の評定が非常にしつこい汚れに相当し、「8」が完全な汚れ除去に相当する。結果を表2に示す。合格評定は、4種全ての汚れについて概ね6以上の評定とする。
表2の結果は、ポリマーFC−226(RA 10)を含むポリエチレンオキシドが、広範囲のレベル(0.28% SOF〜少なくとも1.14% SOF)で良好なステインリリースをもたらしたことを示している。2種のフルオロケミカルPM−930(RA 6)及びPM−938(RA 8)は、ポリビニルピロリドン(RA 5)のように、良好なステインリリースを示した。他の全ての処理組成物は、試験された濃度(0.57% SOF)において、より低い性能を示した。全てのステインリリース処理は、未処理の比較例よりも良好なステインリリースを示した。
印刷及び硬化後、汚れを適用しなかったことを除いてAATCCのTM−130−210のステインリリースの標準試験方法に記載された洗濯条件を用いて、基材構造体に印刷されたテクスチャ層の接着性を試験した。印刷されたテクスチャ層の対応する基材構造体への接着性について、起こり得るテクスチャ層の(detachment)又は消失を視覚的に評価した。この試験の結果が表4に示されている。テスト中の全てのケースにおいて、印刷されたテクスチャ層の接着性が良好であり、試験中に、印刷されたテクスチャ層を損失することはなかった。
本開示の摺洗物品は、従前のデザインに対する顕著な改善を提供する。テクスチャ層の下の基材の面に、ステインリリースコーティング又はステインリリース剤を組み込むことにより、ステインリリースに対する使用者の好みを満たす(又は、摺洗若しくは擦り取り能力を提供する)。更に、意外にも、印刷されたオプションのテクスチャ層が、非フルオロケミカルステインリリース剤を組み込んだステインリリースコーティングを含む、ステインリリース処理された又はステインリリースコーティングされた基材に対する、強い接着をもたらすことが確認された。また意外にも、フルオロケミカルステインリリース剤を組み込んだステインリリースコーティングを伴う、テクスチャ層の適切な接着レベルも確認された。

Claims (10)

  1. 互いに反対側を向いた第1及び第2の主表面を画定する基材と、
    ステインリリース剤を含み、前記基材に適用され、少なくとも前記第1の主表面上に存在する、ステインリリースコーティングと、
    前記基材と向かい合う前記ステインリリースコーティング上に形成されたテクスチャ層と、
    を備える摺洗物品。
  2. 前記ステインリリース剤が非フルオロケミカルステインリリース剤である、請求項1に記載の摺洗物品。
  3. 前記ステインリリース剤が、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、並びに、スチレン−無水マレイン、アクリレート、及びフェノールからなる群から選択されるポリマーのうちの1種を含む、請求項2に記載の摺洗物品。
  4. 前記ステインリリース剤がフルオロケミカルステインリリース剤である、請求項1に記載の摺洗物品。
  5. 前記ステインリリース剤がフルオロケミカルウレタンを含む、請求項4に記載の摺洗物品。
  6. 前記テクスチャ層の外面全てが前記ステインリリースコーティングに対して露出されている、請求項1に記載の摺洗物品。
  7. 前記テクスチャ層がパターンを画定する、請求項1に記載の摺洗物品。
  8. 前記第2の主面に取り付けられた補助的基材を更に備える、請求項1に記載の摺洗物品。
  9. 互いに反対側を向いた第1及び第2の主表面を画定する基材を準備する工程と、
    ステインリリースコーティングが少なくとも前記第1の主表面上に存在するように、前記ステインリリースコーティングを前記基材に適用する工程と、
    前記ステインリリースコーティング上に、前記基材と向かい合うテクスチャ層を形成する工程と
    を含む、摺洗物品を製造する方法。
  10. テクスチャ層を形成する前記工程が、
    流動性テクスチャ層組成物を準備する工程と、
    前記流動性テクスチャ層組成物を前記ステインリリースコーティング上に転写する工程と、
    を含む、請求項9に記載の方法。
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