JP2019506422A - Jak阻害剤およびこれらの利用 - Google Patents
Jak阻害剤およびこれらの利用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019506422A JP2019506422A JP2018544171A JP2018544171A JP2019506422A JP 2019506422 A JP2019506422 A JP 2019506422A JP 2018544171 A JP2018544171 A JP 2018544171A JP 2018544171 A JP2018544171 A JP 2018544171A JP 2019506422 A JP2019506422 A JP 2019506422A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alkyl
- pruritus
- jak inhibitor
- itch
- itching
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- YZJCFAJCKPQDHK-VURMDHGXSA-N CCC(C)(C)CNC(C)/C=C\C Chemical compound CCC(C)(C)CNC(C)/C=C\C YZJCFAJCKPQDHK-VURMDHGXSA-N 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K39/395—Antibodies; Immunoglobulins; Immune serum, e.g. antilymphocytic serum
- A61K39/39533—Antibodies; Immunoglobulins; Immune serum, e.g. antilymphocytic serum against materials from animals
- A61K39/3955—Antibodies; Immunoglobulins; Immune serum, e.g. antilymphocytic serum against materials from animals against proteinaceous materials, e.g. enzymes, hormones, lymphokines
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/495—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
- A61K31/505—Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
- A61K31/519—Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim ortho- or peri-condensed with heterocyclic rings
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P17/00—Drugs for dermatological disorders
- A61P17/04—Antipruritics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Public Health (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Mycology (AREA)
- Endocrinology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
【選択図】図3A
Description
本出願は、2016年2月16日出願、米国特許仮出願第62/295、875号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
適用なし。
配列リストは、本開示の一部であり、本発明のヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列を含むコンピュータ読み取り可能な形式を含む。配列リストの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は全般的には、この方法を必要とする被験体における慢性特発性掻痒症を含む掻痒症、および本明細書で説明される他の掻痒性障害の掻痒性成分を治療するための方法に関するものであり、JAK阻害剤の治療上効果的な量を投与することを含む。
U、V、W、X、Y、およびZはCおよびNからなる群から選択され、
R1、R2、R3、またはR4は独立して、水素;非置換または置換アルキル;非置換または置換アルケン;非置換または置換アルキン;アセトアミド;
R1、R2、R3、またはR4は、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリール;非置換フェニル環;置換フェニル環;非置換ヘテロシクリル;および置換ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
非置換フェニル環または置換フェニル環は、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
非置換ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルは、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;ヘテロシクリル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換される。
本開示の別の態様は、JAK阻害剤を提供する。「JAK阻害剤」または「ヤヌスキナーゼ阻害剤」は、ヤヌスキナーゼファミリー(例えば、JAK1、JAK2、JAK3、TYK2)の1種類以上の酵素の活性を阻害することによって機能し、これによってJAK−STATシグナル化経路を干渉する、医薬品として有効な成分を意味することができる。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK3を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1およびJAK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK2およびJAK3を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1およびJAK3を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK2およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK3およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1、JAK2、およびJAK3を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1、JAK2、およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1、JAK3、およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK2、JAK3、およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1、JAK2、JAK3、およびTYK2を阻害する。適切なJAK阻害剤の非限定的な例には、イタシチニブ(INCB039110)、バリシチニブ、ククルビタシン(JSI124)、フェドラチニブ、フィルゴチニブ(GLPG0634)、ガンドチニブ(LY2784544)、レスタウルチニブ、モメロチニブ(CYT387)、パクリチニブ、ペフィシチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、ウパダシチニブ、AZD1480、BMS911543、CHZ868、ソルシチニブ(GSK2586184)、NS−018、およびXL−019が含まれる。例示的な実施形態では、JAK阻害剤はルキソリチニブおよびトファシチニブから選択される。
非置換フェニル環または置換フェニル環は、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
非置換ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルは、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;ヘテロシクリル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換される。
JAK阻害剤は、本明細書で使用されるように、掻痒症および徴候として掻痒症と関連する症状を治療することができる。掻痒症は引っ掻きたい欲求を生じる知覚として意味することができる。本明細書で説明されるように、困難な慢性痒みを有する患者は、JAK阻害剤によって治療されるとき、著しく改善することが示される。
「慢性掻痒症」は6週より長く続く掻痒症であることができる。「慢性特発性掻痒症」または「CIP」は、6週より長く続く原因不明の痒みを意味する。痒みは原因不明であるため、慢性特発性掻痒症を有する被験体は表1に示される疾患を有さない。慢性特発性掻痒症と診断された被験体は、アトピー性皮膚炎のような他の炎症性掻痒性疾患で認められる明白な皮膚炎症を有さない。慢性特発性掻痒症を有する患者の最初の評価には、一般的に、分画数を伴う全血球数、胸部X線像、ならびに肝臓、腎臓、および甲状腺の機能試験が含まれる。多くの症例では、慢性特発性掻痒症と診断された被験体は、少なくとも6週間にわたる2種類以上の治療にも関わらず掻痒症を有する。治療の例には、限定されないが、穏やかな洗剤、柔軟剤、局所麻酔剤、冷却剤、抗ヒスタミン剤、抗痙攣剤、抗うつ剤、μ−オピオイド拮抗剤、向神経活性医薬品(例えば、ガバペンチン、プレガバリンなど)、コルチコステロイド、および光線療法が含まれ得る。
次の定義および方法が、本発明をより良く定めて、本発明の実施において当業者を手引きするために提供される。他に注釈がない限り、用語は関連技術における従来技術の当業者による通常使用に従って理解されるべきである。
Tm = 81.5℃+16.6(log10[Na+])+0.41(分数G/C含量)−0.63(%ホルムアミド)−(600/l)
を用いて判断することができる。従って、DNA:DNAハイブリッドのTmは、ヌクレオチド同一性における1%低下毎に1〜1.5℃低下する(SambrookおよびRussel,2006を参照)。
本明細書で説明される薬剤および組成物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(A.R.Gennaro,Ed.),21st edition,ISBN:0781746736(2005)に記載されている1種類以上の医薬的に許容される担体または賦形剤を用いていずれかの従来の方法によって製剤化することができる。このような製剤は、精製型であり得る本明細書で説明される生物学的に活性な薬剤の治療上効果的な量を担体の適切な量とともに含み、被験体への適切な投与のための剤形を提供する。
また、この方法を必要とする被験体における慢性特発性掻痒症を治療するプロセスが提供される。プロセスには、JAK阻害剤の治療上効果的な量の投与を含み、掻痒症の徴候を予防、低下、または緩和する。
本開示の別の態様は、JAK阻害剤の治療上効果的な量を期間にわたった全身投与することを提供する。
JAK阻害剤は医薬組成物に製剤化し、多くの種々の手段によって全身に投与して、治療上効果的な量を送達し得る。このような組成物は、例えば、鼻腔投与、経口投与、非経口投与、結腸投与、局所投与、経皮投与、または経粘膜投与によって、必要に応じて、従来の非毒性な医薬的に許容される担体、補助剤、および賦形剤を含む投与単位剤形で投与され得る。薬剤の製剤化は、例えば、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.(1975)、およびLiberman,H. A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.(1980)で考察されている。
本明細書において説明される薬剤および組成物は、当該技術分野で良く知られている様々な方法で投与することができる。投与には、例えば、経口摂取、直接注射(例えば、全身または定位的)、対象の因子を分泌するように工学処理された細胞の埋め込み、薬剤放出生体材料、ポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透システム、多層コーティング、マイクロ粒子、埋め込み可能なマトリックスデバイス、ミニ浸透ポンプ、埋め込み可能なポンプ、注射可能なゲルおよびハイドロゲル、リポソーム、ミセル(例えば、30μmまで)、ナノスフェア(例えば、1μm未満)、マイクロスフェア(例えば、1〜100μm)、リサーバーデバイス、上記の任意の組み合わせ、または比率を変化させて所望の放出プロファイルを得る他の適切な送達媒体を含むことができる。薬剤または組成物の制御放出送達の他の方法は、当業者に知られており、本開示の範囲内である。
本発明の方法により、JAK阻害剤の治療上効果的な量がこの方法を必要とする被験体にCIPを治療するのに十分な期間(治療期間)投与される。JAK阻害剤が投与される期間は、「治療期間」と呼ばれる。
また、JAK阻害剤をスクリーニングするための方法が提供される。
またキットも提供される。このようなキットは、本明細書で説明される薬剤または組成物、および特定の実施形態では、投与のための説明書を含むことができる。このようなキットは、本明細書で説明される方法の実施を容易にすることができる。キットとして提供されるとき、組成物の異なる成分は別々の容器にパッケージ化されて使用直前に混合することができる。成分には、限定されないが、JAK阻害剤およびJAK阻害剤の送達用成分が含まれる。成分のこのような別々のパッキングは、必要に応じて、組成物を含む1回以上の単位投与剤形を含み得るパックまたは分配デバイス中に存在することができる。パックは、例えばブリスターパックのような金属またはプラスチックホイルを含み得る。成分のこのような別々のパッキングはまた、特定の例では、成分の活性を失うことなく長期保存を可能にすることができる。
次の非限定的な例が、本開示をさらに説明するために示される。後述の例で開示される技術は本開示の実施において十分機能することを本発明者らが認めている方法を代表し、そのためその実施のための方式の例を構成すると考えることができることは、当業者によって認識されるべきである。しかし、当業者は、本開示に照らし合わせ、多くの変更が開示される特定の実施形態でなされ得、本開示の精神および範囲を逸脱することなく同様または類似の結果をさらに得ることができることを認識するべきである。
慢性掻痒症は、慢性特発性掻痒症(CIP)、または6週間を超えて継続する原因不明の痒みを有する高齢者の多くに偏って影響を及ぼす非常に衰弱的な症状である。複数の因子がCIPの根拠になると考えられ、加齢関連皮膚障壁機能不全、感覚ニューロパチー、および「アレルギー性」ヘルパー2型(Th2)細胞反応を生じる免疫機能の欠如である免疫老化が含まれる。しかし、CIP患者の免疫学的プロファイルは理解が乏しいままである。
炎症促進性2型サイトカインIL−4、IL−5、およびIL−13は、アトピー性皮膚炎(AD)発症を促進することが知られている(Gittlerら,2012、WeidingerおよびNovak,2016)。重要なことに、AD患者におけるアレルギー性炎症を抑制するためにIL−4/13受容体(IL−4Rα)拮抗剤であるデュピルマブを使用するフェーズIIおよびIII臨床試験は、疾患および痒み重症度の両方における顕著な改善を示した(Beckら,2014、Simpsonら,2016、Thaciら,2016)。IL−4/13依存性炎症プロセスはADにおける皮膚炎症の十分確立された仲介物質であるが、これらのサイトカインが直接的に慢性痒みを促進しているかどうか知られていない。2型サイトカインが直接的に知覚ニューロンを活性化することができるか試験するため、野生型(WT)マウスから得る後根神経節(DRG)のRT−PCRを実施し、IL−4Rα(Il4ra)およびIL−13受容体α1(IL−13Rα1;Il13ra1)の発現を認めたが、IL−5受容体α(IL−5Rα;Il5ra)は認めなかった(例えば、図5Aを参照)。予想されたように、既知のサイトカイン起痒物質IL−31に対する受容体(Il31ra)の発現も検出することができた(例えば、図5Aを参照)(Cevikbasら,2014、Dillonら,2004、Sonkolyら,2006)。同様に、ヒト死体ドナーから得られるDRGも、IL−4Rα(IL4RA),IL−13Rα1(IL13RA1)、およびIL−31RA(IL31RA)を発現したが、IL−5Rα(IL5RA)は発現しなかった(例えば、図5Bを参照)。際立ったことに、知覚神経節がI14raを、Il13ra1およびIl31raと比べて非常に高い量を発現することを認めた(例えば、図5Cを参照)。まとめると、これらの結果は、知覚ニューロンが2型サイトカインIL−4およびIL−13によって直接的に刺激され得るという仮説を引き起こす。
インビボでの2型サイトカインの痒みに対する関与を探求するため、マウスを局所刺激性カルシポトリオール(MC903)によって処置する、アトピー性皮膚炎(AD)様皮膚炎症の既に確立されているネズミモデルを使用した(例えば、図6Aを参照)(Kimら,2013a,2014、Liら,2006,2009、Moritaら,2015、Notiら,2013,2014、Siracusaら,2011)。賦形剤(エタノール、EtOH)のみで処置されたコントロールマウスと比べて、MC903処置マウスは耳皮膚厚によって測定される頑強な皮膚炎症を発症し(例えば、図6Bを参照)、炎症の組織学的特徴には、角質層厚化(角化症)、表皮過形成(表皮肥厚)、および混合皮膚炎症性浸潤が含まれる(例えば、図6Cを参照)。従って、既に確立されている組織病理学的等級付けシステム(Kimら,2014)を用いて、MC903処置マウスが炎症の高い組織学的スコアを示すことを認めた(例えば、図6Dを参照)。重要なことに、皮膚炎症の特徴に加え、MC903処置マウスは時間経過で引っ掻き動作を定量化することによって測定するとき、顕著な慢性痒み表現型を示す(例えば、図6Eを参照)。
2型サイトカイン発現細胞が皮膚を神経支配する知覚神経線維と近接化するかどうか試験するため、知覚神経線維がtdTomatoを知覚ニューロン特異的(Nav1.8)Creリコンビナーゼ下で発現し(Agarwalら,2004)、2型免疫細胞が増強されたGFP(eGFP)をIL−4レポーター下で発現する(Mohrsら,2001)、新しい二重レポーターマウスを作製した。従って、これらの二重レポーターマウスは、2型免疫細胞(IL−4−eGFP+)が知覚神経線維(Nav1.8−tdTomato+)と相互作用するかどうか、視覚化することができる。そしてこれらの二重レポーターマウスを、一つの耳は賦形剤コントロール(EtOH)で、第二の耳はMC903で処置し、両耳の皮膚の生体内二光子イメージングを実施した(例えば、図7Aを参照)(Zinselmeyerら,2009)。コントロール皮膚ではIL−4−eGFP+細胞がほとんど認められなかったが(例えば、図7B、図16を参照)、MC903で処置した皮膚において知覚神経線維に近接する多くの運動性2型免疫細胞を認めた(例えば、図7C,図17を参照)。単一細胞レベルで、2型免疫細胞のサブセットが知覚神経線維との相互作用でのこれらの瞬時速度を著しく低下したが、線維を去った後に迅速な通過を再開したことを認めた(例えば、図7D、図18を参照)。全体として、NaV1.8−tdTomato+と関連するIL−4−eGFP+2型免疫細胞が、知覚線維と関連しなかったものと比べて画像化経緯にわたって低い平均速度を有した(例えば、図7Eを参照)。まとめると、これらの結果は、変化した免疫細胞輸送および知覚線維の活性化の両方をもたらす、免疫系と知覚神経系の間の頑強な二方向性相互作用の存在を示唆する。2型免疫細胞がインビボで知覚線維と物理学的に相互作用するという観察は、2型サイトカインシグナル化が直接的なニューロン刺激を介して慢性痒みを仲介し得るという仮説にさらなる裏付けを与える。
知覚ニューロン内在性2型サイトカインシグナル化を研究するため、NaV1.8−Creマウスを用いて知覚ニューロンに対して特異的にIL−4Rαを欠如するマウス(NaV1.8−Cre+ Il4rafl/fl;IL−4RαΔneuron)を作製した(例えば、図8Aを参照)。IL−4RαΔneuronマウスを正常なメンデルの法則で出生させ、Il4raの欠如を知覚神経節で確証した(例えば、図8Bを参照)。そしてIL−4RαΔneuronマウスをMC903で処置して、慢性痒みに対するIL−4/13シグナル化の直接的なニューロン関与を探索した(例えば、図8Aを参照)。際立ったことに、皮膚炎症の導入では、IL−4RαΔneuronマウスは同腹仔コントロールと比べて期間にわたって引っ掻き動作の有意な低下を示した(例えば、図8Cを参照)。さらに、皮膚炎症は耳厚測定(例えは、図8Dを参照)および組織病理学的評価(例えば、図8E〜Fを参照)によって測定されたとき著しく低下した。まとめると、これらの試験は以前には認められていない知覚ニューロン制限化IL−4Rαシグナル化が慢性痒みの誘発、ならびに皮膚炎症の発症の両方で重要であることを示す。
2型サイトカインが免疫細胞におけるJAK依存経路を通してシグナル化することが知られており(Kelly−Welchら,2003、Schwartzら,2016)、知覚ニューロンが単一細胞レベルでJAKシグナル化成分を発現することを確証する試みをした。このことを試験するため、DRGニューロンの単一細胞RNAシークエンシングの既に公表されているデータセット(Usoskinら,2015)を再度分析し、JAK1が掻痒受容器ニューロンにおいて高度に発現されることを特定した(例えば、図15を参照)。そして、JAK阻害が慢性痒みの新規治療戦略を示し得るという仮説を立てた。インビボでのJAKシグナル化の薬理学的阻害が痒みを低下するかどうか試験するため、MC903処置を使用してWTマウスにAD関連痒みを誘発し、同時にJAK阻害剤ルキソリチニブによって治療した(例えば、図9Aを参照)。実際、ルキソリチニブの全身性腹腔内(i.p.)送達は、MC903処置マウスにおける引っ掻き動作を有意に低下した(例えば、図9Bを参照)。驚くべきことに、耳皮膚厚化(例えば、図9Cを参照)および疾患の組織学的パラメータ(例えば、図9D〜Eを参照)は、その十分確立された抗炎症特性にも関わらず、全身ルキソリチニブ治療の設定で、統計的に有意だが、ごくわずかな低下を示した。このため、ルキソリチニブの抗痒み効果は、皮膚炎症の抑制によるよりも、直接的なニューロンJAK阻害によって主として仲介され得ると推測した。
ADの設定における皮膚炎症と痒みの間に強い関連があるため、慢性痒みの理解を広げるために明白な皮膚炎症が存在せずに現れる別の痒み障害である慢性特発性掻痒症(CIP)を試験することを考えた。CIPは加齢と強く関連し、全身性免疫老化の発現であると考えられる(Norman,2003、PatelおよびYosipovitch,2010、Reichら,2011)。結果として、CIP患者は1型免疫の喪失による2型免疫プロファイルを示すことが提唱されている(BergerおよびSteinhoff,2011)。このことの裏付けとして、本発明者らは、CIP患者が低度末梢好酸球増加およびIgEの増加と関連する全身性2型炎症の特徴を現わすことを最近示した(Xuら,2016)。ADにおける皮膚炎症の良好な排除は、痒みの徴候を消失させることが知られているが、CIPを有する患者はしばしば抗炎症剤に対して難治性である。
アトピー性皮膚炎(AD)を有する患者における最近の概念実証パイロット試験およびフェーズII臨床試験は、市販のJAK阻害剤トファシチニブによる治療に反応する痒み徴候の迅速で有意な低下を示している(Bissonnetteら,2016、Levyら,2015)。これらの試験はJAK阻害をADのための抗炎症治療として検討することを考えたが、薬理学的なJAK阻害(例えば、図9A〜Jを参照)および系統特異的ニューロンJAK1欠如(例えば、図9K〜Oを参照)の両方が痒みを制限するという本発明者らの前臨床結果は、JAK阻害が選択的に痒みを標的にする新規神経調節方法を示すことを示唆する。従って、CIPに明白な皮膚炎症が存在しないにも関わらず、CIP患者はJAK遮断から恩恵を得ると仮定した。
慢性痒みは、侵入する病原体を取り除くために哺乳動物によって通常使用される知覚反応の病的調節不全の一般的な例である。これは複数の皮膚科学的、神経学的、および全身性医学的症状における非常に衰弱的な徴候である。さらに、慢性痒みはまたCIPのように、明確に定められた障害が存在せずに現れ得る(BergerおよびSteinhoff,2011、Mollanazarら,2016、Xuら,2016、YosipovitchおよびBernhard,2013)。痒みはしばしば患者看護においてしばしば見過ごされる症状であるが、臨床試験は慢性痒みが生活の質のおいて深刻な負の影響を有することを確証している(Kini SPら,2011、Matterneら,2011、Standerら,2007、YosipovitchおよびBernhard,2013)。しかし、社会におけるその相当な負担にもかかわらず、現在のところ慢性痒みに適応される特定の治療はない。
次の例は、他に記載がない限り、前述の例2〜8で使用された方法を説明する。
マウスはすべて、ワシントン大学メディカルスクールで標準的な環境条件(12時間明暗サイクル、23℃、食餌および水を自由摂取)において飼育した。C57Bl/6およびRosa26−tdTomatoマウスをJackson Laboratoryから購入した。NaV1.8−CreマウスはDr.Rohini Kuner(ハイデンベルグ大学)によって提供された。IL−4−eGFP(4get)マウスはDr.Edward Pearce(MPI−IE)によって提供された。Il4rafloxマウスはDr.Ajay Chawla(UCSF)によって提供された。Jak1floxマウスは南京大学南京生物医学研究所から購入した。NaV1.8−tdTomato+IL−4−eGFP+レポーターマウスは、NaV1.8−Cre+とRosa26−tdTomato+マウスを最初に交配し、ついで子孫をIL−4−eGFP+マウスと交配して作製した。IL−4RαΔneuron(NaV1.8−Cre+Il4rafl/fl)マウスは、NaV1.8−Cre+とIl4rafloxマウスを交配して作製した。JAK1Δneuron (NaV1.8−Cre+ JAK1fl/fl)マウスは、NaV1.8−Cre+とJak1floxマウスを交配して作製した。マウスのジェノタイピングを標準的なPCRを用いて実施した。ネズミの作業はすべて、医学実験動物委員会(Comparative Medicine Animal Care and Use Committee)におけるワシントン大学医学部のガイドライン(プロトコル番号20140170)に従って実施した。
RNA単離のため、ネズミ後根神経節(DRG)または三叉神経節(TG)を収集し、結合組織を除去して1mLのトリゾール試薬(Life Technologies)中でホモジナイズした。全RNAをRNeasy Miniキット(キアゲン)を製造業者の取扱説明書に従って用いて抽出した。抽出後、サンプルをDNアーゼ(Turbo DNA−Free Kit,Thermo Scientific)によって製造業者の取扱説明書に従って処理した。次いで、cNDAをHigh−Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(高容量cDNA逆転写キット)(Applied Biosystems)を用いて合成した。遺伝発現量をRT−qPCR(StepOnePlus;Applied Biosystems)によって測定した。簡単に説明すると、遺伝子発現をGapdhに対して基準化して、相対発現を必要に応じてeΔCtまたはΔΔCt法のどちらかを用いて計算した。ゲル電気泳動では、RT−qPCR反応から得られる産物を、臭化エチジウム(1μg/mL)添加した2%アガロースゲルに加えて140Vで25分間泳動した。各遺伝子で使用したプライマーおよびプローブ配列は、事前に検証されたPrimeTime qPCR Assay(Integrated DNA Technologies)から選択した。使用したプライマーおよびプローブは次の通りである。
1.Gapdh−プローブ:/56−FAM/TGCAAATGG/ZEN/CAGCCCTGGTG/3IABkFQ/(SEQ ID NO:1)
プライマー1:GTGGAGTCATACTGGAACATGTAG(SEQ ID NO:2)
プライマー2:AATGGTGAAGGTCGGTGTG(SEQ ID NO:3)
2.Il4ra−プローブ:/56−FAM/CAGAACCAG/ZEN/CAAGCACGCAGA/3IABkFQ/(SEQ ID NO:4)
プライマー1:GTTACAGGAACAAGACCAGCA(SEQ ID NO:5)
プライマー2:TGGAGCCTGAACTCGCA(SEQ ID NO:6)
3.Il5ra−プローブ:/56−FAM/TGAGCAAGC/ZEN/TTCTCCCACTGAGC/3IABkFQ/(SEQ ID NO:7)
プライマー1:AGAATTAGTAACACAGGCACCA(SEQ ID NO:8)
プライマー2:CAAGGATCTAACCAGGGTCTTC(SEQ ID NO:9)
4.Il13ra1−プローブ:/56−FAM/ACAGGTGGC/ZEN/TGAACTTCTGTGGC/3IABkFQ/(SEQ ID NO:10)
プライマー1:GAGATTTTCGACAGAGACGCT(SEQ ID NO:11)
プライマー2:CTGTTGGTGCTGCTACTGT(SEQ ID NO:12)
5.Il31ra−プローブ:/56−FAM/TCGTCATCT/ZEN/GAGAGGCCATAAACAACTC/3IABkFQ/(SEQ ID NO:13)
プライマー1:GATCGTCTGCTTCTCTTACACC(SEQ ID NO:14)
プライマー2:TAGTGCCGTTCTGTGATCAG(SEQ ID NO:15)
ヒト後根神経節(hDRG)をIRB承認プロトコル下で匿名化されたUS移植ドナーから得た。hDRG採取後、脂肪、硬膜、および結合組織を既に報告されている方法(Valtchevaら,2016)に従って取り除いた。hDRGは続いて、RNA単離が実施されるまで、RNAlater(Life Technologies)中で−80℃に保存した。RNA単離では、一つのhDRGの半分から得る組織を1mLトリアゾール試薬((Life Technologies)中で製造業者の取扱説明書に従ってホモジナイズした。全RNA抽出後、ゲノムDNAを除去し、Maxima H Minus First Strand cDNA Synthesis Kit with dsDNase(Thermo Scientific)を用いて製造業者の取扱説明書に従ってcDNAを合成した。RT−qPCR産物を、臭化エチジウム(1μg/mL)添加した2%アガロースゲルに加えて100Vで45分間泳動した。RT−PCRは次のプライマーセットを用いて実施した。
1.IL4RA−プライマー1:GACGTGGTCAGTGCGGATAA(SEQ ID NO:16)
プライマー2:CTGAAATCTGCCGGGTCGTT(SEQ ID NO:17)
2.IL5RA−プライマー1:CTTGCGGTGCTTGTTAACGG(SEQ ID NO:18)
プライマー2:CGAGTGAACGGGTACGTTTCT(SEQ ID NO:19)
3.IL13RA1−プライマー1:CCTACGGAAACTCAGCCACC (SEQ ID NO:20)
プライマー2:CGAGTGAACGGGTACGTTTCT(SEQ ID NO:21)
4.IL31RA−プライマー1:CACAAGAAAAGCTCGCAGACA(SEQ ID NO:22)
プライマー2:GGTGGTTCAGTTTTCGCTATGTT(SEQ ID NO:23)
ネズミDRGニューロンを単離して、既に公開されているプロトコルにわずかな変更を加えて用いて培養した(Malinら,2007)。簡単に説明すると、マウスに椎弓切除を実施して両側DRGを取り出した。結合組織の除去後、DRGを1μLの飽和NaHCO3、0.35mgのL−システイン、および20Uパパイン(Worthington)を含む1mLのCa2+/Mg2+無含有ハンクス平衡化塩溶液(HBSS)に移して、37℃で20分間インキュベーションした。懸濁液を遠心分離し、上清を取り除いて、3.75mgコラゲナーゼII型(Worthington)および7.5mgディスパーゼ(Worthington)を含む1mLのCa2+/Mg2+無含有HBSSで置換し、37℃で20分間インキュベーションした。消化後、ニューロンを優しく粉砕し、ペレット化してから、2%B−27サプリメント(ギブコ)、100U/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシン(シグマ)、100ng/mL神経増殖因子(シグマ)、および10%熱不活化FBS(シグマ)を含むNeurobasal−A培地に再懸濁させた。そしてニューロンをポリ−L−リジン(シグマ)およびラミニン(シグマ)によってプレコーティングした12mmガラスカバースリップに載せ、使用前に37℃で5%CO2の加湿大気下において18〜24時間培養した。
培養したDRGニューロンを4μMのFura−2AM(Life Technologies)とともに一昼夜DRG培養培地に37℃で45分間加えた。そして細胞を3回洗浄して、使用前にカルシウム画像化緩衝液(130mMのNaCl、3mMのKCl、2.5mMのCaCl2、0.6mMのMgCl2、10mMのHEPES、10mMのグルコース、1.2mMのNaHCO3、pH7.45)中で室温、30分間インキュベーションした。すべての組換えネズミサイトカイン(IL−4、IL−5、およびIL−13:Peprotech、IL−31:Bristol−Myers Squibb)を300nMで使用したが、ヒスタミン(シグマ)およびカプサイシン(シグマ)はそれぞれ50μMおよび300nMで使用した。100mMのKClの最終添加に反応した知覚ニューロンのみを分析に使用した。蛍光をNIS−Elements画像ソフトウェア(Nikon Instrumets)を備えたニコンTi−E倒立顕微鏡を用いて340nmおよび380nm(F340、F380)励起波長で記録した。蛍光比(F340/F380)をベースラインに対して基準化して、刺激に対する細胞内部Ca2+およびニューロン活性の変化を反映させた。細胞は、これらがベースラインの>10%蛍光比の変化を示す場合に反応性と考えられた。データを2〜3回の独立した実験から得た。
AD様炎症および痒みの誘発では、マウスを2nmolのMC903(カルシポトリオール、Tocris Bioscience)によって7日間、または1nmolのMC903によって12日間、既に報告されているようにエタノール(賦形剤)20μL中で両耳に毎日1回局所処置した(Kimら,2013a,2014、Siracusaら,2011,2013b)。耳厚測定を既に報告されているようにダイアル式カルパスによって実施した(Kimら,2013a,2014)。MC903処置の最後に、ネズミ耳皮膚組織を4%パラホルムアルデヒド(PFA)で固定して、パラフィン包理してから、切片化してヘマトキシリン・エオシン(H&E)によって染色した。組織学的スコアを既に報告されているように、ImageJ分析ソフトウェア(NIH)を用いて式として、
(高倍率視野当たりの全リンパ球数(HPF)+角質層の基層から最上部までのミクロンで測定した表皮の厚み)/100
によって決定した(Kimら,2014)。全ての画像をNanoZoomer2.0−HT System(Hamamatsu)によって撮像した。ネズミ疾患および行動的評価データ(後述)を2〜3回の独立した実験から得た。
行動評価では、試験する前にマウスを最初に記録室および行動チャンバーに少なくとも1日順応させた。試験する日に、マウスを記録室および行動チャンバーに再度順応させて動画に記録した。そして動画記録を30分のブロックごとに引っ掻き動作の回数についてマニュアルでスコア化した。1回の引っ掻き動作は、後足を床から持ち上げて、引っ掻き、足を床に戻す、または足を自分の口に位置する1つの過程として定めた。全ての行動試験を、性別および齢の一致した成体マウス(8〜12週齢)で実施した。
ネズミ皮膚のサンプルを得て、製造業者の取扱説明書に従って処理する前に、RNAlater(シグマ)中で−80℃に保存した。ヒト皮膚組織を4mmパンチバイオプシーとして得、処理する前にRNAlater(シグマ)中で−80℃に保存した。全組織RNAを抽出するため、サンプルをビーズホモジナイザーを用いてホモジナイズし、Qiagen RNeasyキットを製造業者の取扱説明書に従って用いて処理した。全RNA抽出後、サンプルをDNアーゼ(Turbo DNA−Free Kit,Thermo Scientific)によって製造業者の取扱説明書に従って処理してからライブラリー調製物をシークエンシングした。RNAシークエンシング分析のためのすべてのヒト皮膚サンプルは、セントルイスIRBにおけるワシントン大学によって承認されたプロトコル(プロトコルNo.201410014、No.201412117、およびNo.201507042)で採取した。
ライブラリー調製物、シークエンスアラインメント、および転写量の測定はワシントン大学メディカルスクールのGenome Technology Access Center(GTAC)によって実施された。簡単に説明すると、ライブラリー調製を全RNAの1μgで実施し、RNA完全性をAgilent Bioanalyzerを用いて測定した。リボソームRNAをRibo−ZEROキット(Illumina−EpiCentre)を用いたハイブリダイゼーション法によって取り出した。そしてmRNAを40mMトリス酢酸(pH8,2)、100mM酢酸カリウム、および30mM酢酸マグネシウムを含む緩衝液中でフラグメント化し、94℃で150秒間加熱した。mRNAを逆転写してSuperScript III RT酵素(Life Technologies、製造業者の取扱説明書に従う)を用いてcDNAおよびランダムヘキサマーを得た。第二鎖反応を実施してds−cDNAを得た。cDNAを平滑端化して、3’端にA塩基を加えてから、端にイルミナシークエンシングアダプターを連結させた。そして連結したフラグメントを独自のインデックスタグを組み込んだプライマーを用いて12サイクルで増幅させた。フラグメントを単一読み取り伸長50塩基を用いたイルミナHiSeq−3000でシークエンシングした。
RNAシークエンスデータからの差次的遺伝子発現分析およびサンプルクラスタリングをデフォルト構成で用いたRが利用可能なDESeq2パッケージによって実施した。2倍以上大きい変化および補正p値<0.1を有する遺伝子が有意と考えられた。ヒートマップにおけるデンドログラムをサンプル間のユークリッド距離での階層クラスタリングによって実施した。遺伝子セットエンリッチメント分析(GSEA)を、オンラインで利用可能なjavaGSEAアプリケーションで利用できるプレランク化遺伝子リスト特性を用いて実施した(http://www.broadinstitute.org/gsea/downloads.jsp)。遺伝子を倍数変化の生成およびDESeq2によって測定される差次的発現の補正p値の逆数によってプレランク化した。遺伝子セットは生物学的プロセス概念体系(Biological Process Ontology)から引き出した。
低速度イメージングを、前述のように、1.0NA 20×水浸対物レンズ(オリンパス)を備えた特注二光子顕微鏡を用いて、ImageWarp取得ソフトウェア(A&Bソフトウェア)を作動させて実施した(Zinselmeyerら,2009)。簡単に説明すると、マウスに麻酔をかけて、VetBond(3M)を用いて、加熱した支持体に固定されたプラスチック製カバーガラスに耳を接着させた。マウスを加温パッドの上に置き、90分を超えて継続するイメージング実験のため、水分補給用に所定の腹腔内(i.p.)生理食塩水を与えた。水滴を皮膚に置き、耳を水浸対物レンズによって直接画像化した。ビデオレートイメージングを使用して、NaV1.8−tdTomato+神経線維を有する部位を特定した。IL−4−eGFP+細胞移動動態について3D低速イメージングを用いて、各時点について3時間まで分析した。組織を915nmに設定したChameleon Vision II Ti:Sapphireレーザー(Coherent)によって画像化し、蛍光放出を495nmおよび560nmの二色性フィルターを用いてPMTによって同時に、青色(<495nm、SHGコラーゲン)、緑色(495〜560nm、eGFP)、および赤色(>560nm、tdTomato)を検出した。表皮の自己蛍光は色の混合(495〜600nm)として現れ、そのため、IL−4−eGFP+細胞と区別することができる。低速イメージングでは、約42秒の時間分解能を用いて31コマの連続した2.5μmのzステップとして220×240×75μm容積を取得した。X、Yは分解能0.75μm/ピクセルであり、個別のIL−4−eGFP+細胞および神経線維を分析するに十分だった。多次元データセットはImaris(Bitplane)を用いて3Dで得た。細胞追跡およびデータ分析は、ImarisおよびMotility Lab(2ptrack.net)を用いて実施した。IL−4−eGFP+細胞は、これらが知覚線維と重なり、IL−4−eGFP+細胞とNaV1.8−tdTomato+神経線維の間の接触が3D画像で相互にマニュアルで確証された場合、知覚線維関連として定めた。
ストックルキソリチニブ(Selleck Chemicals)溶液を製造業者の取扱説明書に従ってDMSO(シグマ)で調製した。全身処置では、マウスは100μLのPBSで希釈された100μgのルキソリチニブを用いて、腹腔内(i.p.)注射によって毎日2回処置した。髄腔内(i.t.)ルキソリチニブの処置では、マウスは行動測定の24時間前に、10μLのPBSで希釈された10μgのルキソリチニブを用いて注射した。コントロールマウスは、等容量の適切な賦形剤コントロール(PBS中のDMSO)によって注射した。
ヒト皮膚組織を4mmパンチバイオプシー標本として得、ついで10%パラホルムアルデヒド(PFA)で固定して、パラフィンで包理した。切片をH&Eによって染色した。患者バイオプシーの臨床分析を、ワシントン大学皮膚病理学センターで実施した。すべてのサンプルは完全に同意された個人から収集され、ヒト試験はWashington University in St. Louis IRBによって承認された(プロトコルNo.201410014およびNo.201412117)。組織学的スコアを既に報告されているImageJ分析ソフトウェア(NIH)を用いて、式として
(高倍率視野当たりの全リンパ球数(HPF)+角質層の基層から最上部までのミクロンで測定した表皮の厚み)/100
によって決定した(Kimら,2014)。
ワシントン大学メディカルスクール、先進医療センター(CAM)の痒み専門外来の患者は、各自のNRS痒みスコアについて日常的にあらかじめ評価されている。簡単に説明すると、患者は自分の痒み強度を過去24時間にわたって0から10まで等級付けし、ここで0は「痒みがない」を表し、10は「考えられ最悪の痒み」を表す。ADおよびCIP患者比較では、NRS痒みスコアは2014年8月と2016年2月の間で認められた患者から得たチャートの後向き分析によって得た。経口によるトファシチニブ5mg治療を毎日2回受けた患者では、NRS痒みスコアは治療の最初から前向きで得られた。患者2名の毎日のNRS痒みスコアの記録が、トファシチニブ治療の際に図7Bに示すように報告されている。これらの分析は、セントルイスIRB(プロトコルNo.201605144)におけるワシントン大学によって承認された。
データは他に指示がない限り、平均±SEMとして示される。統計的有意は、他に注釈がない限り、ウェルチの補正によるアンペアードスチューデントのt検定によって判断された。統計的分析はPrism GraphPadソフトウェアv7.0を用いて実施された。有意は、***p<0.001、**p<0.01、*p<0.05、N.S.:有意でない、として表示される。
Claims (22)
- その方法を必要とする被験体における掻痒症を治療するための方法であって、前記被験体にJAK阻害剤の治療上効果的な量を投与することを含む、方法。
- 前記被験体が掻痒症または慢性特発性掻痒症と診断され、治療が前記被験体における掻痒症を防止または低下する、請求項1に記載の方法。
- 前記被験体が極めて重度の痒みまたは重度の痒みを有する、あるいは前記被験体が中度または軽度の痒みを有する、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
- 前記掻痒症が少なくとも7週間継続している、前記掻痒症が少なくとも8週間継続している、前記掻痒症が少なくとも9週間継続している、または前記掻痒症が少なくとも10週間継続している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 治療が被験体における痒みの重症度を低下する、前記被験体における痒みのない日数を増加する、前記被験体の生活の質を改善する、またはこれらのいずれかの組み合わせである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験体が掻痒症または慢性特発性掻痒症に罹り易く、治療が前記被験体における慢性掻痒症の再発を防止、または前記被験体における急性掻痒症の頻度を低下する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記JAK阻害剤が式(I)、
U、V、W、X、Y、およびZはCおよびNからなる群から選択され、
R1、R2、R3、またはR4は独立して、水素;非置換または置換ピラゾール;非置換または置換アルキル;非置換または置換アルケン;非置換または置換アルキン;アセトアミド;ヘテロアリール、−カルボシクリル−ヘテロアリール、−C2−6アルケニルヘテロアリール、−C1−6アルキルヘテロアリール、または(CH2)aCR5R6(CH2)bヘテロアリールで、ここでaおよびbは独立して整数0〜5を表してa+b=0〜5であり、R5およびR6はこれらが結合されてC3−C5アシクロアルキル基を形成する炭素をともに有するアルキレン、
R1、R2、R3、またはR4は、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリール;非置換フェニル環;置換フェニル環;非置換ヘテロシクリル;および置換ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
非置換ピラゾール環または置換ピラゾール環は、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
非置換フェニル環または置換フェニル環は、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
非置換ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルは、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;ヘテロシクリル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
前記ヘテロアリール基は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、−C1−6チオアルキル、−SOC1−4アルキル、−SO2C1−4アルキル、C1−6アルコキシ−、−O−C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキル、−SO2C3−8シクロアルキル、−SOC3−6シクロアルキル、C3−6アルケニルオキシ−、C3−6アルキニルオキシ−、−C(O)C1−6アルキル、−C(O)OC1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル−、ニトロ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、−C(O)OH、−NH2、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)、−C(O)N(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−4アルキル)、および−C(O)NH(C3−10シクロアルキル)から選択される1つ以上の基によって任意に置換され得、
前記カルボシクリル基は、C1−4アルキル、オキソ、ハロゲン、およびC1−4アルコキシから選択される1つ以上の基によって任意に置換され得、
またはR1およびR2は結合されてカルボシクリル環を形成し、1つ以上のC1−2アルキル基によって任意に置換され;
またはR1およびR2は結合されてカルボシクリル環を形成してフェニルに融合され、ここで前記カルボシクリルおよび/またはフェニルはC1−4アルキル、ハロゲン、およびC1−4アルコキシから選択される1つ以上の基によって任意に置換され得;
またはR1およびR2は結合されてカルボシクリル環を形成して単環ヘテロアリールに融合され、ここで前記カルボシクリルおよび/またはヘテロアリールはC1−4アルキル、ハロゲン、およびC1−4アルコキシから選択される1つ以上の基によって任意に置換され得;
またはR3およびR4は結合されてカルボシクリル環を形成し、1つ以上のC1−2アルキル基によって任意に置換され;
またはR3およびR4は結合されてカルボシクリル環を形成してフェニルに融合され、ここで前記カルボシクリルおよび/またはフェニルはC1−4アルキル、ハロゲン、およびC1−4アルコキシから選択される1つ以上の基によって任意に置換され得;
またはR3およびR4は結合されてカルボシクリル環を形成して単環ヘテロアリールに融合され、ここで前記カルボシクリルおよび/またはヘテロアリールはC1−4アルキル、ハロゲン、およびC1−4アルコキシから選択される1つ以上の基によって任意に置換され得る、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。 - 前記JAK阻害剤が、トファシチニブ、ルキソリチニブ、バリシチニブ、INCB039110、オクラシチニブ、AZD1480、フェデラチニブ、AT9283、AG−490、モメロチニブ、WP1066、TG101209、ガンドチニブ、NVP−BSK805、AZ960、CEP−33779、パクリチニブ、WHI−P154、XL019、S−ルキソリチニブ、ZM39923、デセルノチニブ、セルデュラチニブ、フィルゴニブ、FLLL32、BMS−911543、ペフィシチニブ、GLPG0634、GLPG0634アナログ、Go6976、クルクモール、ククルビタシン、レスタウルチニブ、ウパダシチニブ、CHZ868、ソルシチニブ(GSK2586184)、NS−018、またはこれらの誘導体、あるいはこれらの医薬的に許容される塩からなる群の1つ以上から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記JAK阻害剤が非経口投与される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記JAK阻害剤が髄腔内投与される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記JAK阻害剤が鼻腔内投与される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記JAK阻害剤が経口投与される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記JAK阻害剤が毎日を基本として投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記JAK阻害剤が少なくとも連続した7日間、毎日投与される、請求項14に記載の方法。
- 前記JAK阻害剤が少なくとも連続した14日間、毎日投与される、請求項14に記載の方法。
- 前記JAK阻害剤が少なくとも連続した30日間、毎日投与される、請求項14に記載の方法。
- 前記掻痒症が、免疫反応の広範な活性化、またはニューロンプロセスおよび知覚認知の調節不全の徴候である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験体が次からなる群の1つ以上から選択される疾患または症状を有すると診断される、または掻痒症はこれらの徴候であり、アレルギー反応、節足動物咬傷、水虫、アトピー性皮膚炎(AD)、アトピー性痒み、アトピー性皮膚炎関連痒み、自己免疫性結合組織病、細菌感染症、胆汁性痒み、免疫応答の広範な活性化、コロモジラミ、水疱性疾患、腕橈骨掻痒症、脳腫瘍、慢性特発性掻痒症、接触性皮膚炎、胆汁うっ滞、皮膚幼虫移行症、皮膚T細胞リンパ腫、神経系損傷、頭垢、皮膚寄生虫妄想、皮膚筋炎、妊娠皮膚症、糖尿病、薬疹、ニューロンプロセスおよび知覚認知の調節不全、湿疹、好酸球性毛包炎、皮膚上の異物またはデバイス、真菌感染症、妊娠性類天疱瘡、アタマジラミ、疱疹、化膿性汗腺炎、皮疹、ホジキン病、副甲状腺機能亢進症、特発性慢性痒み、炎症、昆虫外寄生、昆虫咬傷、昆虫刺傷、妊娠性肝内胆汁うっ滞症、鉄欠乏性貧血、外因性オピオイドまたは合成オピオイドの蓄積増加、内臓癌、黄疸、扁平苔癬、硬化性苔癬、紅斑性狼瘡、リンパ腫、リンパ腫関連痒み、白血病関連痒み、悪性腫瘍、マスト細胞症、閉経、多発性硬化症、新生物、神経刺激、神経原性痒み、神経障害性痒み、錯感覚性背痛、錯感覚性強迫性障害、感覚異常症、寄生虫感染症、丘疹状蕁麻疹、シラミ寄生症、末梢性神経障害、光線皮膚炎、真性多血症、精神病、心因性痒み、HIVの掻痒性流行性発疹、妊娠性そう痒性蕁麻疹様丘疹(PUPPP)、乾癬、乾癬関連痒み、乾癬性痒み、ケジラミ、斑点状手掌足底角化症、腎臓性痒み、関節リウマチ、疥癬、瘢痕成長、剃毛、脂漏性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、日焼け、水泳性痒疹、全身免疫老化、幻触、Th17関連炎症、甲状腺疾患、尿毒症、掻痒症または尿毒性痒み、蕁麻疹、蕁麻疹性痒み、水痘、ウイルス感染症、創傷または痂皮の治癒、および乾皮症が挙げられる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記掻痒症が炎症性病因を有する、前記掻痒症が神経機能障害病因を有する、または前記掻痒症が未知の病因を有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
- 前記JAK阻害剤がTRPV1阻害剤であり、IL−4またはIL−13経路のシグナル化を調節する、またはIL−4Rαシグナル化経路を標的にする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
- TRPV1阻害剤、デュピルマブ、またはセクキヌマブの投与をさらに含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201662295875P | 2016-02-16 | 2016-02-16 | |
US62/295,875 | 2016-02-16 | ||
PCT/US2017/018097 WO2017143014A1 (en) | 2016-02-16 | 2017-02-16 | Jak inhibitors and uses thereof |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019506422A true JP2019506422A (ja) | 2019-03-07 |
JP7096592B2 JP7096592B2 (ja) | 2022-07-06 |
Family
ID=59625391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018544171A Active JP7096592B2 (ja) | 2016-02-16 | 2017-02-16 | Jak阻害剤およびこれらの利用 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US10973913B2 (ja) |
JP (1) | JP7096592B2 (ja) |
WO (1) | WO2017143014A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021193224A1 (ja) * | 2020-03-24 | 2021-09-30 | 国立大学法人東海国立大学機構 | 遺伝性対側性色素異常症治療用医薬組成物、遺伝性対側性色素異常症モデルマウス、および、遺伝性対側性色素異常症治療用化合物のスクリーニング方法 |
JP2023506118A (ja) * | 2019-10-16 | 2023-02-15 | インサイト・コーポレイション | 皮膚エリテマトーデス及び扁平苔癬(lp)の治療のためのjak1阻害剤の使用 |
US11992490B2 (en) | 2019-10-16 | 2024-05-28 | Incyte Corporation | Use of JAK1 inhibitors for the treatment of cutaneous lupus erythematosus and Lichen planus (LP) |
Families Citing this family (23)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10550126B2 (en) | 2015-10-16 | 2020-02-04 | Abbvie Inc. | Processes for the preparation of (3S,4R)-3-ethyl-4-(3H-imidazo[1,2-A]pyrrolo[2,3-e]-pyrazin-8-yl)-N-(2,2,2-trifluoroethyl)pyrrolidine-1-carboxamide and solid state forms thereof |
US11524964B2 (en) | 2015-10-16 | 2022-12-13 | Abbvie Inc. | Processes for the preparation of (3S,4R)-3-ethyl-4-(3H-imidazo[1,2-a]pyrrolo[2,3-e]-pyrazin-8-yl)-n-(2,2,2-trifluoroethyl)pyrrolidine-1-carboxamide and solid state forms thereof |
MX2018004605A (es) | 2015-10-16 | 2018-11-29 | Abbvie Inc | Procesos para la preparacion de (3s,4r)-3-etil-4-(3h-imidazo-[1,2- a]-pirrolo-[2,3-e]-pirazin-8-il)-n-(2,2,2-trifluoroetil)-pirrolid in-1-carboxamida y formas en estado solido de la misma. |
US11512092B2 (en) | 2015-10-16 | 2022-11-29 | Abbvie Inc. | Processes for the preparation of (3S,4R)-3-ethyl-4-(3H-imidazo[1,2-a]pyrrolo[2,3-e]-pyrazin-8-yl)-n-(2,2,2-trifluoroethyl)pyrrolidine-1-carboxamide and solid state forms thereof |
US11365198B2 (en) | 2015-10-16 | 2022-06-21 | Abbvie Inc. | Processes for the preparation of (3S,4R)-3-ethyl-4-(3H-imidazo[1,2-a]pyrrolo[2,3-e]-pyrazin-8-yl)-N-(2,2,2-trifluoroethyl)pyrrolidine-1-carboxamide and solid state forms thereof |
US11780848B2 (en) | 2015-10-16 | 2023-10-10 | Abbvie Inc. | Processes for the preparation of (3S,4R)-3-ethyl-4-(3H-imidazo[1,2-a]pyrrolo[2,3-e]-pyrazin-8-yl)-n-(2,2,2-trifluoroethyl)pyrrolidine-1- carboxamide and solid state forms thereof |
WO2017143014A1 (en) * | 2016-02-16 | 2017-08-24 | Brian Kim | Jak inhibitors and uses thereof |
UA125318C2 (uk) | 2017-08-01 | 2022-02-16 | Тереванс Байофарма Ар Енд Ді Айпі, Елелсі | Піразоло- і триазолобіциклічні сполуки як інгібітори jak-кінази |
KR101953994B1 (ko) * | 2017-09-26 | 2019-03-04 | 국립해양생물자원관 | 쿠커르비타신에 특이적으로 결합하는 핵산 앱타머 및 그 용도 |
UA127925C2 (uk) * | 2018-03-30 | 2024-02-14 | Інсайт Корпорейшн | Лікування гнійного гідраденіту з використанням інгібіторів jak |
WO2020092015A1 (en) * | 2018-11-02 | 2020-05-07 | University Of Rochester | Therapeutic mitigation of epithelial infection |
CN113498352A (zh) | 2019-01-23 | 2021-10-12 | 施万生物制药研发Ip有限责任公司 | 作为jak抑制剂的咪唑并[1,5-a]吡啶、1,2,4-三唑并[4,3-a]吡啶和咪唑并[1,5-a]吡嗪 |
CA3135344A1 (en) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | Nippon Chemiphar Co., Ltd. | Use of t-type calcium channel blocker for treating pruritus |
EP3955920A1 (en) * | 2019-04-16 | 2022-02-23 | Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale (INSERM) | Use of jak inhibitors for the treatment of painful conditions involving nav1.7 channels |
US20220233534A1 (en) * | 2019-07-08 | 2022-07-28 | Dermavant Sciences GmbH | Cerdulatinib-containing topical skin pharmaceutical compositions and uses thereof |
CN110403944A (zh) * | 2019-08-07 | 2019-11-05 | 中南大学湘雅医院 | Decernotinib在制备治疗银屑病的外用药物中的应用、药物及制备方法 |
KR20220079550A (ko) | 2019-09-05 | 2022-06-13 | 인사이트 코포레이션 | 아토피성 피부염의 가려움증 감소를 위한 룩솔리티닙 제형 |
BR112022004221A2 (pt) * | 2019-09-11 | 2022-05-31 | Pfizer | Tratamento de hidradenite com inibidores de jak |
EP4065578A1 (en) | 2019-11-26 | 2022-10-05 | Theravance Biopharma R&D IP, LLC | Fused pyrimidine pyridinone compounds as jak inhibitors |
CA3166545A1 (en) * | 2020-01-29 | 2021-08-05 | Igor THEURL | Methods of using momelotinib to treat joint inflammation |
AU2021267373A1 (en) | 2020-05-06 | 2022-12-08 | Ajax Therapeutics, Inc. | 6-heteroaryloxy benzimidazoles and azabenzimidazoles as JAK2 inhibitors |
AU2022388555A1 (en) | 2021-11-09 | 2024-05-02 | Ajax Therapeutics, Inc. | 6-he tero aryloxy benzimidazoles and azabenzimidazoles as jak2 inhibitors |
CN116969828A (zh) * | 2022-04-29 | 2023-10-31 | 南京迈诺威医药科技有限公司 | 一种具备抗雄激素受体活性的化合物及其用途 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013518882A (ja) * | 2010-02-05 | 2013-05-23 | ファイザー・インク | JAK阻害剤としてのピロロ[2,3−d]ピリミジン尿素化合物 |
JP2015522620A (ja) * | 2012-07-20 | 2015-08-06 | ゾエティス・エルエルシー | ヤヌスキナーゼ(jak)阻害剤の投与計画 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2647525T3 (es) * | 2013-02-22 | 2017-12-22 | Pfizer Inc. | Derivados de pirrolo[2,3-d]pirimidina como inhibidores de janus cinasas (JAK) |
WO2015042596A1 (en) | 2013-09-23 | 2015-03-26 | Kindred Biosciences, Inc | Treatment of atopic dermatitis in non-human animals |
WO2017143014A1 (en) * | 2016-02-16 | 2017-08-24 | Brian Kim | Jak inhibitors and uses thereof |
-
2017
- 2017-02-16 WO PCT/US2017/018097 patent/WO2017143014A1/en active Application Filing
- 2017-02-16 JP JP2018544171A patent/JP7096592B2/ja active Active
- 2017-02-16 US US15/998,614 patent/US10973913B2/en active Active
-
2021
- 2021-02-04 US US17/167,261 patent/US11931412B2/en active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013518882A (ja) * | 2010-02-05 | 2013-05-23 | ファイザー・インク | JAK阻害剤としてのピロロ[2,3−d]ピリミジン尿素化合物 |
JP2015522620A (ja) * | 2012-07-20 | 2015-08-06 | ゾエティス・エルエルシー | ヤヌスキナーゼ(jak)阻害剤の投与計画 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
J. DERMATOLOG. TREAT. (2015) VOL.26, NO.2, P.121-123, JPN6021001458, ISSN: 0004607880 * |
J. VET. PHARMACOL. THER. (2015) VOL.38, SUPPL.1, P.60-61(19.4.), JPN6021001460, ISSN: 0004607881 * |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023506118A (ja) * | 2019-10-16 | 2023-02-15 | インサイト・コーポレイション | 皮膚エリテマトーデス及び扁平苔癬(lp)の治療のためのjak1阻害剤の使用 |
US11992490B2 (en) | 2019-10-16 | 2024-05-28 | Incyte Corporation | Use of JAK1 inhibitors for the treatment of cutaneous lupus erythematosus and Lichen planus (LP) |
WO2021193224A1 (ja) * | 2020-03-24 | 2021-09-30 | 国立大学法人東海国立大学機構 | 遺伝性対側性色素異常症治療用医薬組成物、遺伝性対側性色素異常症モデルマウス、および、遺伝性対側性色素異常症治療用化合物のスクリーニング方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20210338812A1 (en) | 2021-11-04 |
WO2017143014A1 (en) | 2017-08-24 |
US20200282051A1 (en) | 2020-09-10 |
US10973913B2 (en) | 2021-04-13 |
US11931412B2 (en) | 2024-03-19 |
JP7096592B2 (ja) | 2022-07-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11931412B2 (en) | JAK1 inhibitors and uses thereof | |
Wang et al. | Therapeutic nuclear shuttling of YB-1 reduces renal damage and fibrosis | |
US20220096435A1 (en) | Fabp4 as a therapeutic target in skin diseases | |
CA3095366A1 (en) | Treatment of trk-associated cancers | |
US20230035892A1 (en) | Methods and compositions for treating cancer | |
US20210290623A1 (en) | Methods for treating or preventing cardiovascular disorders and lowering risk of cardiovascular events | |
US20240024304A1 (en) | Methods of managing conditioned fear with neurokinin receptor antagonists | |
US10426815B2 (en) | Prevention and treatment of itch with an MRGPR antagonist | |
EP3866799B1 (en) | Compositions for treating vascular ehlers danlos syndrome | |
EP2575853A1 (en) | Methods and pharmaceutical composition for the treatment of a feeding disorder with early-onset in a patient | |
US20190276445A1 (en) | Blockers of the growth hormone receptor in disease prevention and treatment | |
US20210236594A1 (en) | Methods for improving frailty and aging | |
US10987343B2 (en) | Compositions and methods for treating pulmonary diseases | |
CA3216296A1 (en) | Inhibitors of ubiquitin specific peptidase 22 (usp22) and uses thereof for treating diseases and disorders | |
KR20230083613A (ko) | Nurr1 억제제를 포함하는 자폐 스펙트럼 장애의 치료 또는 예방용 약학 조성물 | |
CA3126323A1 (en) | Methods for treating or preventing heart failure and reducing risk of heart failure | |
US20150037350A1 (en) | Negative modulator of hedgehog signalling for use in treating th2-mediated diseases |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181102 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210119 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20210419 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20210618 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210714 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20211005 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220201 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20220201 |
|
C11 | Written invitation by the commissioner to file amendments |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C11 Effective date: 20220215 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20220311 |
|
C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21 Effective date: 20220315 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20220411 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20220411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220510 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220601 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220614 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220617 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7096592 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |