JP2019506422A - Jak阻害剤およびこれらの利用 - Google Patents

Jak阻害剤およびこれらの利用 Download PDF

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Abstract

本発明はこの方法を必要とする被験体における掻痒症を治療するための方法を提供し、JAK阻害剤の治療上効果的な量を投与することを含む。また、掻痒症を治療するのに使用するため、JAK阻害剤の鼻腔内投与の方法が提供される。
【選択図】図3A

Description

関連案件の相互参照
本出願は、2016年2月16日出願、米国特許仮出願第62/295、875号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
適用なし。
参考によって組み込まれている材料
配列リストは、本開示の一部であり、本発明のヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列を含むコンピュータ読み取り可能な形式を含む。配列リストの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本開示は全般的には、この方法を必要とする被験体における慢性特発性掻痒症を含む掻痒症、および本明細書で説明される他の掻痒性障害の掻痒性成分を治療するための方法に関するものであり、JAK阻害剤の治療上効果的な量を投与することを含む。
痒み、すなわち引っ掻きたいという欲求を生じる感覚が「掻痒症」として臨床的に意味される。掻痒症について複数の病因論があり、十分な治療するために潜在的な原因を診断することは、しばしば重要な臨床的難題である。
痒み経験の多次元的な特徴は、脳における痒み処理の複雑性に反映される。痒みの感覚を生じるために関与する複数の神経経路および分子メカニズムが、ヒスタミン依存性およびヒスタミン非依存性経路を含めて特定されている。理想的には、掻痒症の有効な治療は、各特定疾患に含まれる潜在的な病因および神経経路の理解によって分かるであろう。最近の神経生理学的研究は、痒み反応に含まれる神経経路のより優れた理解をもたらしているが、病態生理学は依然として完全には理解されていない。従って、従来技術の状態では、特に掻痒症の原因が特定できないとき、治療が異なる病因の掻痒症を効果的に管理するかどうか、医師は予測することができない。
本開示の様々な態様では、JAK阻害剤を用いた掻痒症の治療方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本方法は被験体にJAK阻害剤の治療上効果的な量を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、被験体は掻痒症または慢性特発性掻痒症を有すると診断され、治療が被験体における掻痒症を防止または低下させる。
いくつかの実施形態では、被験体は極めて重度の痒みまたは重度の痒みを有する、あるいは被験体は中度または軽度の痒みを有する。
いくつかの実施形態では、掻痒症は少なくともせめて7週間継続している、掻痒症は少なくともせめて8週間継続している、掻痒症は少なくともせめて9週間継続している、または掻痒症は少なくともせめて10週間継続している。
いくつかの実施形態では、治療は被験体における痒みの重症度を低下させ、被験体における痒みのない日数を増加させ、被験体の生活の質を改善し、あるいはこれらのいずれかの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、被験体は掻痒症または慢性特発性掻痒症に罹り易く、治療は被験体における慢性掻痒症の再発を防止し、または被験体における急性掻痒症の頻度を低下させる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は式(I)、
Figure 2019506422
または、この医薬的に許容される塩であり、これらのすべての互変異性体および立体異性体を含み、ここで
U、V、W、X、Y、およびZはCおよびNからなる群から選択され、
、R、R、またはRは独立して、水素;非置換または置換アルキル;非置換または置換アルケン;非置換または置換アルキン;アセトアミド;
Figure 2019506422
Figure 2019506422
からなる群から選択され、
、R、R、またはRは、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリール;非置換フェニル環;置換フェニル環;非置換ヘテロシクリル;および置換ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
非置換フェニル環または置換フェニル環は、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
非置換ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルは、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;ヘテロシクリル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換される。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は、トファシチニブ、ルキソリチニブ、バリシチニブ、INCB039110、オクラシチニブ、AZD1480、フェデラチニブ、AT9283、AG−490、モメロチニブ、WP1066、TG101209、ガンドチニブ、NVP−BSK805、AZ960、CEP−33779、パクリチニブ、WHI−P154、XL019、S−ルキソリチニブ、ZM39923、デセルノチニブ、セルデュラチニブ、フィルゴチニブ、FLLL32、BMS−911543、ペフィシチニブ、GLPG0634、GLPG0634アナログ、Go6976、クルクモール、ククルビタシン、レスタウルチニブ、ウパダシチニブ、CHZ868、ソルシチニブ(GSK2586184)、NS−018、またはこれらの誘導体、あるいはこれらの医薬的に許容される塩からなる群の1つ以上から選択される。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は、
Figure 2019506422
または
Figure 2019506422
である。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は非経口投与される。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は髄腔内投与される。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は鼻腔内投与される。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は経口投与される。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は毎日を基本として投与される。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は少なくとも連続した7日間、毎日投与される。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は少なくとも連続した14日間、毎日投与される。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は少なくとも連続した30日間、毎日投与される。
いくつかの実施形態では、掻痒症は、免疫反応の広範な活性化、またはニューロンプロセスおよび知覚認知の調節不全の徴候である。
いくつかの実施形態では、被験体は次からなる群の1つ以上から選択される疾患または症状を有すると診断される、または掻痒症はこれらの徴候であり、アレルギー反応、節足動物咬傷、水虫、アトピー性皮膚炎(AD)、アトピー性痒み、アトピー性皮膚炎関連痒み、自己免疫性結合組織病、細菌感染症、胆汁性痒み、免疫応答の広範な活性化、コロモジラミ、水疱性疾患、腕橈骨掻痒症、脳腫瘍、慢性特発性掻痒症、接触性皮膚炎、胆汁うっ滞、皮膚幼虫移行症、皮膚T細胞リンパ腫、神経系損傷、頭垢、皮膚寄生虫妄想、皮膚筋炎、妊娠皮膚症、糖尿病、薬疹、ニューロンプロセスおよび知覚認知の調節不全、湿疹、好酸球性毛包炎、皮膚上の異物またはデバイス、真菌感染症、妊娠性類天疱瘡、アタマジラミ、疱疹、化膿性汗腺炎、皮疹、ホジキン病、副甲状腺機能亢進症、特発性慢性痒み、炎症、昆虫外寄生、昆虫咬傷、昆虫刺傷、妊娠性肝内胆汁うっ滞症、鉄欠乏性貧血、外因性オピオイドまたは合成オピオイドの蓄積増加、内臓癌、黄疸、扁平苔癬、硬化性苔癬、紅斑性狼瘡、リンパ腫、リンパ腫関連痒み、白血病関連痒み、悪性腫瘍、マスト細胞症、閉経、多発性硬化症、新生物、神経刺激、神経原性痒み、神経障害性痒み、錯感覚性背痛、錯感覚性強迫性障害、感覚異常症、寄生虫感染症、丘疹状蕁麻疹、シラミ寄生症、末梢性神経障害、光線皮膚炎、真性多血症、精神病、心因性痒み、HIVの掻痒性流行性発疹、妊娠性そう痒性蕁麻疹様丘疹(PUPPP)、乾癬、乾癬関連痒み、乾癬性痒み、ケジラミ、斑点状手掌足底角化症、腎臓性痒み、関節リウマチ、疥癬、瘢痕成長、剃毛、脂漏性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、日焼け、水泳性痒疹、全身免疫老化、幻触、Th17関連炎症、甲状腺疾患、尿毒症、掻痒症または尿毒性痒み、蕁麻疹、蕁麻疹性痒み、水痘、ウイルス感染症、創傷または痂皮の治癒、および乾皮症が挙げられる。
いくつかの実施形態では、掻痒症は炎症性病因を有し、掻痒症は神経機能障害病因を有し、または掻痒症は未知の病因を有する。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はTRPV1阻害剤であり、IL−4またはIL−13経路のシグナル化を調節し、あるいはIL−4Rαシグナル化経路を標的にする。
いくつかの実施形態では、本方法はさらにTRPV1阻害剤、デュピルマブ、またはセクキヌマブの投与を含む。
他の目的および特徴は、後述で部分的に明らかになり、部分的に指摘されるであろう。
当業者は、後述の図が説明の目的のみのためのものであることを理解するであろう。図は本教示の範囲を限定することは何ら意図されていない。
出願はカラーでなされた少なくとも1つの図を含む。カラーの図を伴う本特許出願公開のコピーは、請求および必要な費用の支払いによって特許庁により提供される。
(A)アトピー性皮膚炎を有する被験体、および(B)CIPを有する被験体の代表的な写真を示す図である。CIPを有する被験体は、アトピー性皮膚炎で認められる明らかな皮膚炎症を欠いている。 CIPを有する被験体から得られる皮膚バイオプシーの代表的な写真および組織病理学的所見を示す図である。(図2A)症例1で説明される患者の臨床写真(例1、表2を参照)。多くのCIP患者における症例のように、明確な発赤は認められない。皮膚バイオプシーを矢印で示される部位で採取した。(図2B)および(図2C)症例4(例1、表2を参照)で説明される患者から得た皮膚バイオプシーは、(図2B)低倍率(スケールバーは500μmを示す)で密度の高いリンパ球浸潤(矢印)を有する海綿状変化、および(図2C)高倍率(スケールバーは50μmを示す)で多量な好酸球を示す。 CIPを有する被験体(n=5)へのJAK阻害剤の投与がこれらの掻痒症を改善したことを説明するグラフを示す図である。(図3A)痒みスコア平均は、JAK阻害剤による1ヶ月間の治療によって約50%低下した。痒みは数値評価スケール(NRS)を用いて評価した。(図3B)図3Aから得る単一被験体における70日間(x軸)にわたる毎日の痒みスコア(y軸、NRS)。被験体はシクロスポリン単独によって治療されたとき掻痒症の改善を示さなかったが、JAK阻害剤(ゼルヤンツまたはトファシチニブ)に切り換えられたときに著しい改善を示した。 JAK仲介CIPのモデルを示す図である。複数のサイトカイン(TSLP、IL−4、IL−31)および他の因子(例えば、セロトニンなど)が知覚神経に作用して痒みを仲介し得る。しかし、単一サイトカインの遮断は痒みを和らげるのに十分ではない可能性がある。ニューロンレベルでのJAK阻害は、複数の痒み活性化経路を遮断する治療戦略を示し得る。 2型サイトカインが痒み知覚経路を直接的に活性化することを示す図である。(図5A)全マウス後根神経節(DRG)のRT−PCR産物の代表的なゲル、n=4。(図5B)全ヒトDRGのRT−PCR産物の代表的なゲル、n=3。(図5C)全マウスDRGにおけるRT−qPCRによるIl4ra、Il13ra1、およびIl31raの定量、n=4。((図5D)組換えネズミ(rm)IL−4および塩化カリウム(KCl)に反応するマウスDRGニューロンの代表的なカルシウム画像トレース。(図5E)rmIL−13およびKClに反応するマウスDRGニューロンの代表的なカルシウム画像トレース。(図5F)rmIL−31およびKClに反応するマウスDRGニューロンの代表的なカルシウム画像トレース。(図5G)全マウスDGRニューロンのパーセントとしてのrmIL−4−、rmIL−13−、rmIL−31−、およびヒスタミン−反応性ニューロン、n>500ニューロン。(図5Hおよび図5I)(図5H)rmIL−4または(図5I)rmIL−13および引き続きrmIL−31およびヒスタミン負荷による刺激に対するマウスDRGニューロンの反応を重ねたベンの図、n>300ニューロン。データは平均±SEMとして示す。図12および図13も参照されたい。 慢性痒みが知覚神経節における2型サイトカイン受容体の発現増加と関連することを示す図である。(図6A)野生型(WT)マウスの耳に対する賦形剤コントロール(エタノール、EtOH)またはMC903による毎日の局所処置を示す実験概略。(図6B)コントロールまたはMC903処置の経過におけるベースラインからの変動率としての耳厚測定、群あたりn≧4。コントロールおよびMC903処置マウスの(図6C)代表的な組織病理学および(図6D)組織学スコア、群あたりn≧4。(図6E)0、4、8、および12日目におけるコントロールおよびMC903処置マウスの引っ掻き行動、群あたりn≧4。(図6F)コントロールおよびMC903処置マウスの皮膚における選択したアトピー性皮膚炎(AD)関連遺伝子の規則化対数発現値の遺伝子列Zスコアの比較。群あたりn=4。(図6G)コントロールおよびM903処置マウスから得られる知覚三叉神経節におけるIl4ra、Il5ra、およびIl13ra1のRT−qPCR、群あたりn=8。スケールバーは100μmを示す。データは平均±SEMとして表す。図14も参照されたい。 2型免疫細胞が皮膚における知覚神経線維と相互作用することを示す図である。(図7A)Na1.8−tdTomato IL−4−eGFPマウスの1つの耳に対する賦形剤コントロール(EtOH)および第二耳に対するMC903による毎日の局所処置を示す実験概略。(図7Bおよび図7C)(図7B)コントロールおよび(図7C)MC903処置した耳の生体内二光子イメージングの代表的な画像。赤色矢印はNa1.8−tdTomato知覚線維を示す。緑色矢印はIL−4−eGFP細胞を示す。動画からの代表的な静止画を図16および図17に示す。(図7D)Na1.8−tdTomato IL−4−eGFPマウスのMC903処置皮膚における知覚神経線維との相互作用の際の代表的なIL−4−eGFP細胞の瞬時速度。グラフは3成分に分割され、これが接近、相互作用、そして知覚神経線維を離れる時の細胞の速度を示す。この細胞追跡の動画から得た静止画を図18に示す。(図7E)Na1.8−tdTomato IL−4−eGFPマウスのMC903処理皮膚において、神経線維と関連させないときと比較した、知覚神経線維と関連させたときのIL−4−eGFP細胞の画像化期間における平均速度、群あたりn>40。誤差バーはSDを表す。スケールバーは100μmを示す。図16〜図18も参照されたい。 ニューロンのIL−4Rα発現が慢性痒みに必要であることを示す図である。(図8A)IL−4RαΔneuronの耳へのMC903による毎日の局所処置および同腹仔コントロールマウスを示す実験概略。(図8B)IL−4RαΔneuronマウスの知覚三叉神経節のRT−qPCR、群あたりn≧7。(図8C)MC903処置の経過にわたって同腹仔コントロールと比較したIL−4RαΔneuronマウスの引っ掻き行動、群あたりn≧7。同腹仔コントロールと比較したMI903処置IL−4RαΔneuronマウスの(図8D)耳厚測定、(図8E)代表的な組織病理学、および(図8F)組織学スコア、群あたりn≧4。スケールバーは100μmを示す。データは平均±SEMとして表す。 神経JAK1の中断が慢性の痒みを低下することを示す図である。(図9A)野生型(WT)マウスの耳へのMC903処置の間のコントロール賦形剤または高用量ルキソリチニブ(rux)(100μg)の1日2回の腹腔内(i.p.)注射を示す実験概略。i.p.コントロールおよびrux処置マウスの7日目における、(図9B)引っ掻き行動、(図9C)耳厚測定、(図9D)代表的な組織病理学、および(図9E)組織学スコア、群あたりn≧10。(図9F)MC903処置WTマウスの行動測定の24時間前における、コントロール賦形剤または低用量rux(10μg)の単回髄腔内(i.t.)注射を示す実験概略。i.t.コントロールおよびrux処置マウスの7日目における(図9G)引っ掻き行動、(図9H)耳厚測定、(図9I)代表的な組織病理学、および(図9J)組織学スコア、群あたりn≧10。(図9K)JAK1ΔneuronのMC903処置および同腹仔コントロールマウスを示す実験概略。7日目に同腹仔マウスと比べたJAK1Δneuronマウスの、(図9L)引っ掻き行動、(図9M)耳厚測定、(図9N)代表的な組織病理学、および(図9O)組織学スコア、群あたりn≧8。スケールバーは100μmを示す。データは平均±SEMとして表す。図15も参照されたい。 CIPが最小の皮膚炎症にも関わらずニューロン調節不全および重度の痒みを示す明らかな慢性痒み障害であることを示す図である。(図10Aおよび図10B)(図10A)アトピー性皮膚炎(AD)および(図10B)慢性特発性掻痒症(CIP)の代表的な肉眼的な臨床写真。(図10Cおよび図10D)(図10C)ADおよび(図10D)CIPの代表的な組織病理学画像。(図10E)ADおよびCIP患者バイオプシーの組織学スコア、群あたりN≧4。(図10F)ADおよびCIP患者の数値評価スケール(NRS)痒みスコア、群あたりN≧22。(図10G)AD対健常コントロール皮膚において上位100種の差次的に発現された遺伝子の規則化対数発現値の遺伝子列Z−スコアによるAD、CIP、および健常コントロール皮膚サンプルのクラスタリング。(図10H)CIPおよびAD皮膚間の直接的な比較の遺伝子セットエンリッチメント分析(GSEA)。陽性エンリッチメントスコアはCIPにおける増加を示す。スケールバーは100μmを示す。データは平均±SEMとして表す。表3および表4も参照されたい。 難治性CIPを有する患者がJAK阻害剤によって治療されたときに改善することを示す図である。(図11A)JAK阻害剤トファシチニブが与えられたCIP患者(N=5)のコホートにおけるNRS痒みスコア。各ポイントはトファシチニブによる治療前後の患者を表す。有意はペアードt検定を用いて計算した。誤差バーはSDを表す。(図11B)トファシチニブによって治療された2名のCIP患者における毎日のNRS痒みスコアであり、1名はトファシチニブによる治療の直前にシクリスポリンによって治療された(黒色)。表5も参照されたい。 IL−5がDRGニューロンを活性化しないことを示す図である。図5と関連する。組換えネズミIL−5、ヒスタミン(Hist)、カプサイシン(Cap)、および塩化カリウム(KCl)を負荷されたマウスDRGニューロンの代表的なカルシウム画像トレース、n>300ニューロン。 予測される掻痒受容性経路が、他の予測される知覚モダリティと比べてニューロン発現性2型サイトカイン受容体を豊富化していることを示す図である。図5と関連する。予測される知覚モダリティにおけるクラスター明確化および選択された痒み関連遺伝子の単一細胞レベルでのマウスDRGニューロン内の発現プロファイル。ヒートマップ中の数値は閾値法による陽性細胞の割合を示す。全データセットおよび方法は、Usoskinら、2015で利用可能である。 MC903治療が皮膚における炎症変化をもたらし、またヒトアトピー性皮膚炎(AD)でも観察されることを示す図である。図6と関連する。p値によって判断されたコントロールと比較されたMC903処置マウスの皮膚における、上位100種の差次的に発現される遺伝子の規則化対数発現値の遺伝子列Z−スコアの比較。遺伝子は高めて調整されたp値に基づいてリスト化される。 予測された痒み知覚ニューロンがJAKシグナル化成分を発現することを示す図である。図9と関連する。予測される知覚モダリティにおけるタンパク質のJAKファミリーに関する単一細胞レベルでのマウスDRGニューロン内の発現プロファイル。ヒートマップ中の数値は閾値法による陽性細胞の割合を示す。全データセットおよび方法は、Usoskinら、2015で利用可能である。 コントロール処置が皮膚における2型免疫細胞をほとんどもたらさないことを示す動画の静止画を示す図である。図7と関連する。Na1.8−tdTomato IL−4−eGFPコントロール耳の生体内二光子画像の代表的な低速度撮影動画。動画は耳皮膚におけるIL−4−eGFP細胞をほとんど示さない。 MC903処置が皮膚における知覚神経線維付近に多くの2型免疫細胞をもたらすことを示す動画の静止画を示す図である。図6と関連する。Na1.8−tdTomato IL−4−eGFPMC903で処置した耳の生体内二光子画像の代表的な低速度撮影動画。動画は耳皮膚における知覚神経線維付近に多くのIL−4−eGFP細胞を示す。 2型免疫細胞が皮膚における知覚神経線維と相互作用することを示す動画の静止画を示す図である。図7と関連する。知覚神経線維に近づき、それと相互作用して、線維の領域から離れるIL−4−eGFP細胞の軌跡の例を示すNa1.8−tdTomato IL−4−eGFPMC903で処置した耳の生体内二光子画像の代表的な低速度撮影動画。
本開示は、免疫防御メカニズムがホストの行動を直接的に調節する、2型免疫細胞が皮膚において知覚神経線維と相互作用する、IL−4RαまたはJAK1の知覚ニューロン特異的欠損が慢性痒みを低下する、および臨床試験がJAK阻害剤が慢性痒みを緩和することを実証している、という発見に少なくとも部分的に基づいている。本明細書で示されるように、本開示はこの方法を必要とする被験体における慢性特発性掻痒症(CIP)を治療するための方法を提供する。
特に、現在まで、CIPの治療は成功していない。本明細書において、CIPを治療する上で未対処のままである必要性に対する解決が説明される。さらに、JAK阻害剤の鼻腔内投与を用いて成功した治療が本明細書で示されている。鼻腔内投与は、利用し易く、患者コンプライアンスを高めるため、臨床的に有用である。
局所および全身の両抗炎症剤に一般的に反応する多くの炎症性掻痒性疾患と対照的に、慢性特発性掻痒症は多くの異なるタイプの抗炎症性治療に対してしばしば耐性である。驚くべきことに、本出願者らは抗炎症性化合物であることもできるJAK阻害剤が、慢性特発性掻痒症を効果的に治療するために使用できることを発見している。本発明のさらなる態様は、後述でさらに詳細に説明される。
哺乳動物は侵入する病原体および有害な環境因子を追い払うために、咳および引っ掻きのような神経生理学的な反射作用を進化させている。これらの反応はまた、喘息およびアトピー性皮膚炎のような慢性炎症性疾患とも関連することが十分確立されている。しかし、炎症経路が痒みのような知覚を促進するメカニズムはほとんど理解されていないままである。
本明細書で説明されるように、2型サイトカインであるIL−4およびIL−13は知覚ニューロンを直接的に刺激し、慢性痒みはニューロンのIL−4RαおよびJAK1シグナル化に依存している。本明細書で説明されるように、困難な慢性痒みを有する患者は、JAK阻害剤によって治療されるとき、著しく改善する。このため、免疫系に対して既に説明されているシグナル化メカニズムは、神経系内の新規治療標的を示し得る。まとめると、これらの試験は知覚神経系が古典的な免疫シグナル化経路を使用して哺乳動物の行動に影響を及ぼす、進化的に保存されたパラダイムを明らかにする。
本明細書で説明されるように、知覚ニューロンが既に定められている痒み知覚経路に沿って古典的免疫シグナル化分子IL−4およびIL−13によって直接的に活性化されることが実証されており、ニューロン2型サイトカインシグナル化が慢性痒みを仲介するという仮説を引き起こす。実際、IL−4Rαの知覚ニューロン特異的遺伝子欠失を使用して、IL−4Rαのニューロン発現が頑強な痒みと関連するアトピー性皮膚炎(AD)の確立されたマウスモデルにおける慢性痒みの発症に必要とされることが発見された。IL−4Rαシグナル化生物学に基づき、調節不全化したニューロンのヤヌスキナーゼ(JAK)シグナル化は、そのため慢性痒みが仲介される保存的メカニズムであり得ると仮定される。際立ったことに、薬理学的JAK阻害およびJAK1の知覚ニューロン特異的遺伝子欠失の両方が慢性痒みの減少を示した。JAK阻害剤は抗炎症剤として十分確立されているが(Hiraharaら,2016、Schwartzら,2016)、これらがさらなる神経調節特性を示すかどうかは分かっていない。これらの可能性を支持するものとして、JAK阻害剤トファシチニブによって、他の広範な抗炎症療法が失敗した後に適応外で治療されたCIP患者の小コホートにおける痒み徴候の劇的な改善が認められた。このため、免疫系に既に帰せられているこれらのシグナル化メカニズムはまた、慢性痒みの治療のための知覚神経系内の新規標的を示し得る。痒みを超えて、IL−4RαおよびJAK1シグナル化を含むこれらの新しい神経免疫学的経路の発見は、複数の障壁面における知覚認識への新たな洞察およびこれらの経路がホスト行動をいかに調節するかを明らかにし得る。IL−4およびIL−13以上に多くのサイトカイン、神経伝達物質(例えば、セロトニン)さえもJAKを通してシグナルを送ることが認められている。このため、JAK阻害の作用メカニズムは、アトピー性皮膚炎またはCIPのような2型サイトカイン関連痒みを超えて多くの他の痒み疾患まで拡大する可能性がある。
JAK阻害剤
本開示の別の態様は、JAK阻害剤を提供する。「JAK阻害剤」または「ヤヌスキナーゼ阻害剤」は、ヤヌスキナーゼファミリー(例えば、JAK1、JAK2、JAK3、TYK2)の1種類以上の酵素の活性を阻害することによって機能し、これによってJAK−STATシグナル化経路を干渉する、医薬品として有効な成分を意味することができる。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK3を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1およびJAK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK2およびJAK3を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1およびJAK3を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK2およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK3およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1、JAK2、およびJAK3を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1、JAK2、およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1、JAK3、およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK2、JAK3、およびTYK2を阻害する。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はJAK1、JAK2、JAK3、およびTYK2を阻害する。適切なJAK阻害剤の非限定的な例には、イタシチニブ(INCB039110)、バリシチニブ、ククルビタシン(JSI124)、フェドラチニブ、フィルゴチニブ(GLPG0634)、ガンドチニブ(LY2784544)、レスタウルチニブ、モメロチニブ(CYT387)、パクリチニブ、ペフィシチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、ウパダシチニブ、AZD1480、BMS911543、CHZ868、ソルシチニブ(GSK2586184)、NS−018、およびXL−019が含まれる。例示的な実施形態では、JAK阻害剤はルキソリチニブおよびトファシチニブから選択される。
「JAK阻害剤」または「ヤヌスキナーゼ阻害剤」は、ヤヌスキナーゼファミリー(例えば、JAK1、JAK2、JAK3、TYK2)の1種類以上の酵素の活性を阻害することによって機能し、これによってJAK−STATシグナル化経路を干渉する、医薬品として有効な成分であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は、
ベンゾイミダゾール核、
Figure 2019506422
プリン核、
Figure 2019506422
または、
ピロロピリジン核
Figure 2019506422
に基づくことができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は式(I)であることができ、
Figure 2019506422
ここで、U、V、W、X、Y、およびZはCおよびNからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、R、R、R、またはRは、水素、アルキル(例えば、メチル)、アセトアミド;
Figure 2019506422
Figure 2019506422
Figure 2019506422
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、R、R、R、またはRは、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリール;非置換フェニル環;置換フェニル環;非置換ヘテロシクリル;および置換ヘテロシクリルを含むアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
非置換フェニル環または置換フェニル環は、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
非置換ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルは、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;ヘテロシクリル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換される。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はトファシチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はルキソリチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はバリシチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はイタシチニブ(INCB039110)、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はオクラシチブ、
Figure 2019506422

であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はAZD1480、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はフェドラチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はAT9283、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はAG−490、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はモメロチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はWP1066、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はTG101209、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はガンドチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はNVP−BSK805・2HCl、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はAZ960、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はCEP−33779、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はパクリチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はWHI−P154、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はXL019、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はS−ルキソリチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はZM39923・HCl、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はデセルノチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はセルデュラチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はフィルゴチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はFLLL32、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はBMS−911543、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はペフィシチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はGLPG0634アナログ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はGo6976、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はクルクモール、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はククルビタシン、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はレスタウルチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はウパダシチニブ、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はCHZ868、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はソルシチニブ(GSK2586184)、
Figure 2019506422
であることができる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤はNS−018、
Figure 2019506422
であることができる。
用語「イミン」または「イミノ」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、炭素−窒素二重結合を含む官能基または化学化合物を含む。表現「イミノ化合物」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、本明細書で定められる「イミン」または「イミノ」基を含む化合物を意味する。
用語「ヒドロキシル」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、−OHを含む。
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、塩素、クロロ、Cl;フッ素、フルオロ、F;臭素、ブロモ、Br;あるいはヨウ素、ヨード、またはIを含む。
用語「アリール」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、炭素環芳香族を含む。アリール基の例には、限定されないが、フェニル、ベンジル、ナフチル、またはアントラセニルが含まれる。
用語「アミン」および「アミノ」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、孤立電子対を有する窒素原子を含み、ここで1つ以上の水素原子が、限定されないが、アルキル基またはアリール基のような置換基によって置換されている官能基を含む。
用語「アルキル」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル基などの直鎖または分枝部分を有する飽和一価炭化水素ラジカルを含む。代表的な直鎖低級アルキル基には、限定されないが、−メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチル、−n−ヘキシル、−n−ヘプチル、および−n−オクチルが含まれ、一方、分枝低級アルキル基には、限定されないが、−イソプロピル、−s−ブチル、−イソブチル、−t−ブチル、−イソペンチル、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、2,3,4−トリメチルペンチル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルヘキシル、2,4−ジメチルヘキシル、2,5−ジメチルヘキシル、3,5−ジメチルヘキシル、2,4−ジメチルペンチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチルが含まれ、不飽和C〜Cアルキルには、限定されないが、−ビニル、−アリル、−1−ブテニル、−2−ブテニル、−イソブチレニル、−1−ペンテニル、−2−ペンテニル、−3−メチル−1−ブテニル、−2−メチル−2−ブテニル、−2,3−ジメチル−2−ブテニル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、−アセチレニル、−プロピニル、−1−ブチニル、−2−ブチニル、−1−ペンチニル、−2−ペンチニル、または−3−メチル−1−ブチニルが含まれる。アルキルは、飽和、部分的に飽和、または不飽和であることができる。
用語「カルボキシル」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、酸素原子と二重結合され、ヒドロキシル基と単結合された炭素原子からなる官能基(−COOH)を含む。
用語「アルケニル」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有するアルキル部分を含み、ここでアルキルは前述の通り定められ、当該アルケニル部分のEおよびZアイソマーを含む。アルケニルは部分的に飽和または不飽和であることができる。
用語「アルキニル」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有するアルキル部分を含み、ここでアルキルは前述で定められる通りである。アルキニルは部分的に飽和または不飽和であることができる。
用語「アシル」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、脂肪族カルボン酸から、ヒドロキシル(−OH)基を除くことによって引き出される官能基を含む。
用語「アルコキシル」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、O−アルキル基を含み、ここでアルキルは前述で定められる通りであり、Oは酸素を表す。代表的なアルコキシル基には、限定されないが、−O−メチル、−O−エチル、−O−n−プロピル、−O−n−ブチル、−O−n−ペンチル、−O−n−ヘキシル、−O−n−ヘプチル、−O−n−オクチル、−O−イソプロピル、−O−s−ブチル、−O−イソブチル、−O−t−ブチル、−O−イソペンチル、−O−2−メチルブチル、−O−2−メチルペンチル、−O−3−メチルペンチル、−O−2,2−ジメチルブチル、−O−2,3−ジメチルブチル、−O−2,2−ジメチルペンチル、−O−2,3−ジメチルペンチル、−O−3,3−ジメチルペンチル、−O−2,3,4−トリメチルペンチル、−O−3−メチルヘキシル、−O−2,2−ジメチルヘキシル、−O−2,4−ジメチルヘキシル、−O−2,5−ジメチルヘキシル、−O−3,5−ジメチルヘキシル、−O−2,4−ジメチルペンチル、−O−2−メチルヘプチル、−O−3−メチルヘプチル、−O−ビニル、−O−アリル、−O−1−ブテニル、−O−2−ブテニル、−O−イソブチレニル、−O−1−ペンテニル、−O−2−ペンテニル、−O−3−メチル−1−ブテニル、−O−2−メチル−2−ブテニル、−O−2,3−ジメチル−2−ブテニル、−O−1−ヘキシル、−O−2−ヘキシル、−O−3−ヘキシル、−O−アセチレニル、−O−プロピニル、−O−1−ブチニル、−O−2−ブチニル、−O−1−ペンチニル、−O−2−ペンテニル、−O−3−メチル−1−ブチニル、−O−シクロプロピル、−O−シクロブチル、−O−シクロペンチル、−O−シクロヘキシル、−O−シクロヘプチル、−O−シクロオクチル、−O−シクロノニル、−O−シクロデシル、−O−CH−シクロプロピル、−O−CH−シクロブチル、−O−CH−シクロペンチル、−O−CH−シクロヘキシル、−O−CH−シクロヘプチル、−O−CH−シクロオクチル、−O−CH−シクロノニル、−O−CH−シクロデシル、−O−(CH−シクロプロピル、−O−(CH−シクロブチル、−O−(CH−シクロペンチル、−O−(CH−シクロヘキシル、−O−(CH−シクロヘプチル、−O−(CH−シクロオクチル、−O−(CH−シクロノニル、または−O−(CH−シクロデシルが含まれる。アルコキシルは飽和、部分的に飽和、または不飽和であることができる。
用語「シクロアルキル」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、非芳香族、飽和、部分的飽和、または不飽和、単環または融合、スピロまたは非融合二環または三環炭化水素を含み、本明細書では全3〜10個の炭素原子、好ましくは3〜8個の環炭素原子を含むことを意味する。シクロアルキルの例には、限定されないが、−シクロプロピル、−シクロブチル、−シクロペンチル、−シクロペンタジエニル、−シクロヘキシル、−シクロヘキセニル、−1,3−シクロヘキサジエニル、−1,4−シクロヘキサジエニル、−シクロヘプチル、−1,3−シクロヘプタジエニル、−1,3,5−シクロヘプタトリエニル、−シクロオクチル、および−シクロオクタジエニルを限定されないが含むC3−シクロアルキル基が含まれる。
用語「シクロアルキル」はまた、−低級アルキル−シクロアルキルを含み、ここで低級アルキルおよびシクロアルキルは前述で定められる通りである。−低級アルキル−シクロアルキル基の例には、限定されないが、−CH−シクロプロピル、−CH−シクロブチル、−CH−シクロペンチル、−CH−シクロペンタジエニル、−CH−シクロヘキシル、−CH−シクロヘプチル、または−CH−シクロオクチルが含まれる。
用語「複素環」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、環炭素原子の1〜4個がO、S、およびNからなる群からのヘテロ原子で独立して置換されている芳香族または非芳香族シクロアルキルを含む。複素環の代表的な例には、限定されないが、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェン、インドリル、ベンゾピラゾリル、クマリニル、イソキノリニル、ピロリル、ピロリジニル、チオフェニル、フラニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、キノリニル、ピリミジニル、ピリジニル、ピリドニル、ピラジニル、ピリダジニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、(1,4)−ジオキサン、(1,3)−ジオキソラン、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾリル、またはテトラゾリルが含まれる。複素環は置換または非置換であることができる。複素環はまた、いずれかの環原子(すなわち、複素環の任意の炭素原子またはヘテロ原子)で結合され得る。複素環は飽和、部分的に飽和、または不飽和であることができる。
用語「シアノ」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、−CN基を含む。
用語「アルコール」は、本明細書で使用されるとき、他に指示がない限り、ヒドロキシル基(−OH)が炭素原子と結合される化合物を含む。特に、この炭素中心は飽和であり、3つの他の原子との単結合を有する。
カルボシクリルおよびヘテロシクリルが置換されるとき、これらは一般的に1または2つの置換基によって置換される(例えば、1置換基)。一般的に置換基はメチルである。より一般的には、カルボシクリルおよびヘテロシクリル基は非置換である。
アリールおよびヘテロアリールが置換されるとき、これらは一般的に1、2、または3つ(例えば、1または2つ)の置換基によって置換される。アリールおよびヘテロアリールの置換基は、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C2−6アルケニル(例えば、ブテン−3−イル)、C2−6アルキニル(例えば、ブチン−3−イル)、C1−6ハロアルキル(例えば、フルオロメチル、トリフルオロメチル)、−C1−6チオアルキル(例えば、−S−メチル)、−SOC1−4アルキル(例えば、−SOメチル)、−SO1−4アルキル(例えば、−SOメチル)、C1−6アルコキシ−(例えば、メトキシ、エトキシ)、−O−C3−8シクロアルキル(例えば、−O−シクロペンチル)、C3−8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロヘキシル)、−SO3−8シクロアルキル(例えば、−SOシクロヘキシル)、−SOC3−6シクロアルキル(例えば、−SOシクロプロピル)、C3−6アルケニルオキシ−(例えば、−O−ブテン−2−イル)、C3−6アルキニルオキシ−(例えば、−O−ブテン−2−イル)、−C(O)C1−6アルキル(例えば、−C(O)エチル)、−C(O)OC1−6アルキル(例えば、−C(O)O−メチル)、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル−(例えば、メトキシ−エチル−)、ニトロ、ハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ)、シアノ、ヒドロキシル、−C(O)OH、−NH、−NHC1−4アルキル(例えば、−NHメチル)、−N(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)(例えば、−N(メチル))、−C(O)N(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)(例えば、−C(O)N(メチル))、−C(O)NH、−C(O)NH(C1−4アルキル)(例えば、−C(O)NHメチル)、−C(O)NH(C3−10シクロアルキル)(例えば、−C(O)NHシクロプロピル)から選択される。より一般的には、置換基は、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6ハロアルキル(例えば、C1−6フルオロアルキル、例えばCF)、C1−6アルコキシ(例えば、OMe)、ハロゲン、およびヒドロキシから選択される。
R基がヘテロアリールを表すとき、例には単環(例えば、5および6員)および二環(例えば、9および10員、特に9員)ヘテロアリール環が含まれ、特に環は窒素原子(例えば、1または2個の窒素原子)を含む。適切な二環ヘテロアリール環は、1または2個の窒素原子を含む9員ヘテロアリール環であり、特に1または2個の窒素原子を含む5員環と融合されるベンゼン環(例えば、1H−ベンゾイミダゾリル)である。最も好適には、結合点はベンゼン環を通るものであり、例えば、基は1H−ベンゾイミダゾール−5−イルである。前述のヘテロアリール基は非置換(より一般的である)であり得、あるいは好適にはアルキル(例えば、MeのようなC1−4アルキル)、アルコキシ−(例えば、OMeのようなC1−4アルコキシ)、およびハロゲン(例えば、F)から選択される1つ以上(例えば、1または2つ)の置換基によって置換され得る。
R基が−C3−8カルボシクリル−ヘテロアリールを表すとき、カルボシクリルの例には、シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)およびシクロアルケニル(例えば、シクロヘキセニル)が含まれ、ヘテロアリール基の例には、単環(例えば、5または6員、特に5員)が含まれ、特に環は窒素原子、例えば、1または2個の窒素原子を含む。前述のヘテロアリール基は非置換(より一般的である)であり得、あるいは好適にはアルキル(例えば、MeのようなC1−4アルキル)、アルコキシ−(例えば、OMeのようなC1−4アルコキシ)、およびハロゲン(例えば、F)から選択される1つ以上(例えば、1または2つ)の置換基によって置換され得る。適切なヘテロアリール基はイミダゾール−1−イルである。例示的な−C3−8カルボシクリル−ヘテロアリール基は3−イミダゾール−1−イル−シクロヘキシル−である。
R基が−C2−6アルキニルヘテロアリールを表すとき、C2−6アルキニルの例にはC2−4アルケニル、特にプロペニルが含まれ、ヘテロアリール基の例には単環(例えば、5または6員、特に5員)が含まれ、特に環は窒素原子、例えば、1または2個の窒素原子を含む。前述のヘテロアリール基は非置換(より一般的である)であり得、あるいは好適にはアルキル(例えば、MeのようなC1−4アルキル)、アルコキシ−(例えば、OMeのようなC1−4アルコキシ)、およびハロゲン(例えば、F)から選択される1つ以上(例えば、1または2つ)の置換基によって置換され得る。適切なヘテロアリール基はイミダゾリル、特にイミダゾール−1−イルである。例示的な−アルケニルヘテロアリール基は3−イミダゾール−1−イル−プロプ−2−エニル−である。
R基が−C1−6アルキルヘテロアリールを表すとき、C1−6アルキルの例にはC1−5アルキルまたはC1−4アルキル、特にC2−5アルキルまたはC2−4アルキル、特にプロピルが含まれ、ヘテロアリール基の例には単環(例えば、5または6員、特に5員)が含まれ、特に環は窒素原子、例えば、1または2個の窒素原子を含む。前述のヘテロアリール基は非置換(最も一般的である)であり得、あるいは好適にはアルキル(例えば、MeのようなC1−4アルキル)、アルコキシ−(例えば、OMeのようなC1−4アルコキシ)、およびハロゲン(例えば、F)から選択される1つ以上(例えば、1または2つ)の置換基によって置換され得る。適切なヘテロアリール基はイミダゾール−1−イルである。特に適切な−アルキルヘテロアリール基は3−イミダゾール−1−イル−プロピル−である。
Rが−C1−6アルキルヘテロアリールを表すとき、例としてアルキルは分枝であり、
Figure 2019506422
を含む。
R基が(CHCR(CHヘテロアリールを表し、ここでaおよびbは独立して整数0〜5を表してa+b=0〜5であり、RおよびRはこれらが結合されてC−Cアシクロアルキル基を形成する炭素をともに有するアルキレンであるとき、例には
Figure 2019506422
を含む。
Rヘテロアリール基の特定な例は2または3個の窒素原子を含む5員環を含み、環は任意に置換され得(例えば、特にメチルのような1または2つの基によって)、例えば、
Figure 2019506422
が挙げられる。
Rヘテロアリール基の他の例には、2個の窒素原子を含む9員二環が含まれ、環は任意に置換され得、例えば、
Figure 2019506422
が挙げられる。
明らかに、前述で示されるヘテロアリール基はまた、−C3−8カルボシクリル−ヘテロアリール、−C2−6アルケニルヘテロアリール、または−C1−6アルキルヘテロアリールのような大きなR基の一部として存在し得る。
R基が−C1−8アルキルを表すとき、例にはメチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピル、イソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチ−s−ブチル、イソブチル、およびt−ブチル)、ペンチル(例えば、n−ペンチル、3,3−ジメチルプロピル)、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチルが含まれる。
R基が任意に置換されたアリールを表すとき、アリールは一般的にフェニルを表し得る。例示的な置換フェニル基には、3−メチルフェニル−、2,3−ジクロロフェニル−、2,3−ジフルオロフェニル−、2,4−ジクロロフェニル−、2,4−ジフルオロフェニル−、2,4−ジメトキシフェニル−、2,4−ジメチルフェニル−、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−、2,4,6−トリフルオロフェニル−、2,4,6−トリメチルフェニル−、2,6−ジクロロフェニル−、2,6−ジフルオロフェニル−、2,6−ジメトキシフェニル−、2,6−ジフルオロ−4−(メトキシ)フェニル−、2−イソプロピル−6−メチルフェニル−、3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル−、3,4,5−トリメトキシフェニル−、3,4−ジメトキシフェニル−、3,4−ジクロロフェニル−、3,4−ジフルオロフェニル−、3,4−ジメチルフェニル−、3,4,5−トリフルオロフェニル−、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−、3,5−ジメトキシフェニル−、2−メトキシフェニル−、3−メトキシフェニル−、4−(トリフルオロメチル)フェニル−、4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェニル−、4−ブロモフェニル−、4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル−、4−クロロフェニル−、4−シアノフェニル−、4−エトキシフェニル−、4−エチルフェニル−、4−フルオロフェニル−、4−イソプロピルフェニル−、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−プロポキシフェニル−、4−ブトキシフェニル−、4−ペントキシフェニル−、4−イソプロピルオキシフェニル−、4−テトラフルオロエチルオキシフェニル−が含まれる。あるいは、Rは非置換フェニル−を表し得る。さらなる置換フェニル基の例には、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,3−ジフルオロ−4−メチルフェニル、2−ブロモ−4−フルオロフェニル−、2−ブロモ−5−フルオロフェニル−、2−クロロフェニル−、2−フルオロフェニル−、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル−、2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル−、2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−、3−クロロフェニル−、3−フルオロフェニル−、3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル−、3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル−、2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル−、3−フルオロ−4−(メトキシ)フェニル−、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル−、4−ブロモ−2−フルオロフェニル−、4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル−、4−クロロ−3−メチルフェニル、4−クロロフェニル−、4−フルオロフェニル−、および4−プロポキシフェニル−が含まれる。
R基が任意に置換されたアリールを表し、アリールがナフチルを表すとき、例には非置換ナフチル(例えば、ナフタレン−1−イル、ナフタレン−2−イル、ナフタレン−3−イル)、ならびに置換ナフチル(例えば、4−メチル−ナフタレン−2−イル−、5−メチル−ナフタレン−3−イル−、7−メチル−ナフタレン−3−イル−、および4−フルオロ−ナフタレン−2−イル−)が含まれる。
R基が任意に置換ヘテロアリールを表すとき、例には任意に置換され得る単環(例えば、5または6員環)および二環(例えば、9または10員環)が含まれる。5員環の例には、ピロリル(例えば、ピロール−2−イル)およびイミダゾリル(例えば、1H−イミダゾール−2−イルまたは1H−イミダゾール−4−イル)、ピラゾリル(例えば、1H−ピラゾール−3−イル)、フラニル(例えば、フラン−2−イル)、チアゾリル(例えば、チアゾール−2−イル)、チオフェニル(例えば、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル)が含まれる。6員環の例には、ピリジニル(例えば、ピリジン−2−イルおよびピリジン−4−イル)が含まれる。言及される特定の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル(例えば、メチル)、およびアルコキシ−(例えば、メトキシ−)から選択される1つ以上、例えば、1、2、または3つの基であり得る。置換5員環の例には、4,5−ジメチル−フラン−2−イル−、5−ヒドロキシメチル−フラン−2−イル−、5−メチル−フラン−2−イル−、および6−メチル−ピリジン−2−イル−が含まれる。置換6員環の例には、1−オキシ−ピリジン−4−イル−が含まれる。9員環の例には、1H−インドリル(例えば、1H−インドール−3−イル、1H−インドール−5−イル)、ベンゾチオフェニル(例えば、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、特に2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)、ベンゾ[1,2,5]−オキサジアゾリル(例えば、ベンゾ[1,2,5]−オキサジアゾール−5−イル)、ベンゾ[1,2,5]−チアジアゾリル(例えば、ベンゾ[1,2,5]−チアジアゾール−5−イル、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−6−イル)が含まれる。10員環の例にはキノリニル(例えば、キノリン−3−イル、キノリン−4−イル、キノリン−8−イル)が含まれる。言及される特定の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル(例えば、メチル)、およびアルコキシ−(例えば、メトキシ−)から選択される1つ以上、例えば、1、2、または3つの基であり得る。置換9員環の例には、1−メチル−1H−インドール−3−イル、2−メチル−1H−インドール−3−イル、6−メチル−1H−インドール−3−イルが含まれる。置換10員環の例には、2−クロロ−キノリン−3−イル、8−ヒドロキシ−キノリン−2−イル、オキソ−クロメニル(例えば、4−オキソ−4H−クロメン−3−イル)、および6−メチル−4−オキソ−4H−クロメン−3−イルが含まれる。
R基がカルボシクリルを表すとき、例にはシクロアルキルおよびシクロアルケニルが含まれる。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが含まれる。シクロアルケニルの例には、シクロヘキセニル(例えば、シクロヘキサ−2−エニル、シクロヘキサ−3−エニル)が含まれる。置換カルボシクリルの例には、2−メチル−シクロヘキシル−、3−メチル−シクロヘキシル−、4−メチル−シクロヘキシル−、2−メチル−クロヘキサ−2−エニル、2−メチル−シクロヘキサ−3−エニル、3−メチル−シクロヘキサ−3−エニル、3−メチル−シクロヘキサ−3−エニルが含まれる。
R基がヘテロシクリル(任意に置換され得る)を表すとき、例には、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ピペリジニル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、ピロリジニル、メチルテトラヒドロフラニル−(例えば、5−メチルテトラヒドロフラン−2−イル−)が含まれる。
R基が−C1−4アルキルアリールを表すとき、例には、−アルキル(置換フェニル)が含まれ、例えば、ここでフェニルはアルキル、フルオロアルキル、ハロゲン、およびアルコキシ(例えばメチル、トリフルオロメチル、t−ブチル、クロロ、フルオロ、およびメトキシ)から選択される1つ以上の基で置換されており、例えば、アルキルはC1−4アルキルである。別の特定の基は−アルキル(二環アリール)であり、例えば、ここで二環アリールは任意に置換されたナフチルである。さらなる特定な例はベンジルである。
R基が、ヘテロアリールが任意に置換されている−C1−4アルキルヘテロアリールを表すとき、例にはヘテロアリールが任意に置換れているメチルヘテロアリールおよび−エチルヘテロアリール(例えば1−ヘテロアリールエチルおよび2−ヘテロアリールエチル−)、−プロピルヘテロアリール、および−ブチルヘテロアリールが含まれる。−アルキルヘテロアリール基の特定の例には、ピリジニルメチル−、N−メチル−ピロール−2−メチル−、N−メチル−ピロール−2−エチル−、N−メチル−ピロール−3−メチル−、N−メチル−ピロール−3−エチル−、2−メチル−ピロール−1−メチル−、2−メチル−ピロール−1−エチル−、3−メチル−ピロール−1−メチル−、3−メチル−ピロール−1−エチル−、4−ピリジノ−メチル−、4−ピリジノ−エチル−、2−(チアゾール−2−イル)−エチル−、2−エチル−インドール−1−メチル−、2−エチル−インドール−1−エチル−、3−エチル−インドール−1−メチル−、3−エチル−インドール−1−エチル−、4−メチル−ピリジン−2−メチル−、4−メチル−ピリジン−2−イル−エチル−、4−メチル−ピリジン−3−メチル−、4−メチル−ピリジン−3−エチル−が含まれる。
R基が−C1−4アルキル−カルボシクリル(任意に置換され得る)を表すとき、例には、−メチル−シクロペンチル、−メチル−シクロヘキシル、−エチル−シクロヘキシル、−プロピル−シクロヘキシル、−メチル−シクロヘキセニル、−エチル−シクロヘキセニル、−メチル(4−メチルシクロヘキシル)、および−プロピル(3−メチルシクロヘキシル)が含まれる。
R基が−C1−4アルキルヘテロシクリル(任意に置換され得る)を表すとき、例には、−メチル−テトラヒドロフラニル(例えば、−メチル−テトラヒドロフラン−2−イル、−メチル−テトラヒドロフラン−3−イル)、−エチル−テトラヒドロフラニル、−メチル−ピペリジニルが含まれる。
R基がフェニル基によって置換されたフェニル、または単環ヘテロアリール基によって置換されたフェニルを表すとき、上記フェニルおよびヘテロアリール基のいずれかは任意に置換され得、一般的には窒素原子と直接的に結合されるフェニル環が非置換であり、末端フェニル環または単環ヘテロアリール環は任意に1、2、または3つの置換基(例えば、1または2つ、例えば、1つ)によって置換される。一般的に末端フェニルまたは単環ヘテロアリール基は非置換である。一般的に末端フェニルまたは単環ヘテロアリール基は4位で他のフェニル基を置換する。
R基がフェニルによって置換されるフェニルを表すとき、上記フェニル基のいずれかは任意に置換され得、例には、−ビフェニル−4−イルを含む。
R基が単環ヘテロアリールによって置換されるフェニルを表すとき、上記フェニルおよびヘテロアリール基のいずれかは任意に置換され得、例には、−4−(オキサゾール−5−イル)フェニル−を含む。
R基がベンジルオキシによって置換されるフェニルを表すとき、上記フェニルおよびベンジルオキシ基のいずれかは任意に置換され得、例えば、4−ベンジルオキシ−フェニル−、4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル−、および4−(4−メチルベンジルオキシ)フェニル−を含む。
R基が任意に置換されたカルボシクリルと融合された任意に置換されたフェニルを表すとき、例にはインダニル(例えば、インダン−4−イル−、2−メチル−インダン−4−イル−)、インデニル、およびテトラリニルを含む。
R基が任意に置換されたヘテロシクリルに融合された任意に置換されたフェニルを表すとき、例にはベンゾ[1,3]ジオキソ−4−イル−および2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−4−イル−を含む。
R基が−C1−4アルキル(フェニルによって置換されたフェニル)を表すとき、例にはビフェニル−4−イル−メチル−を含む。
R基が−C1−4アルキル(単環ヘテロアリールによって置換されたフェニル)を表すとき、例には4−(オキサゾール−5−イル)フェニル−メチル−を含む。
R基が−C1−4アルキル(ベンジルオキシによって置換されたフェニル)を表すとき、上記フェニルおよびベンジルオキシ基のいずれかは任意に置換され得、例えば、4−ベンジルオキシ−フェニル−メチル−、4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル−メチル−、および4−(4−メチルベンジルオキシ)フェニル−メチル−を含む。
R基が−C1−4アルキル(任意に置換されたカルボシクリルと融合された任意に置換されたフェニル)を表すとき、例にはインダニル−メチル−(例えば、インダン−4−イル−メチル−、2−メチル−インダン−4−イル−メチル−)、インデニル−メチル−、およびテトラリニル−メチル−を含む。
R基が−C1−4アルキル(任意に置換されたヘテロシクリルに融合された任意に置換されたフェニル)を表すとき、例にはベンゾ[1,3]ジオキソ−4−イル−メチル−および2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−4−イル−メチル−を含む。
R基が−C1−4アルキルを表すとき、例にはメチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピル、イソプロピル)、およびブチル(例えば、n−ブチ−s−ブチル、イソブチル、およびt−ブチル)を含む。
R基が任意に置換されたアリールを表すとき、アリールは一般的にフェニルを表し得る。例示的な置換フェニル基には、2,4−ジクロロフェニル−、2,4−ジフルオロフェニル−、2,4−ジメトキシフェニル−、2,4−ジメチルフェニル−、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−、2,4,6−トリフルオロフェニル−、2,4,6−トリメチルフェニル−、2,6−ジクロロフェニル−、2,6−ジフルオロフェニル−、2,6−ジメトキシフェニル−、2−イソプロピル−6−メチルフェニル−、3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル−、3,4,5−トリメトキシフェニル−、3,4−ジメトキシフェニル−、3,4−ジクロロフェニル−、3,4−ジメチルフェニル−、3,4,5−トリフルオロフェニル−、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−、3,5−ジメトキシフェニル−、3−メトキシフェニル−、4−(トリフルオロメチル)フェニル−、4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェニル−、4−ブロモフェニル−、4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル−、4−クロロフェニル−、4−シアノフェニル−、4−エトキシフェニル−、4−エチルフェニル−、4−フルオロフェニル−、4−イソプロピルフェニル−、4−メトキシフェニル−が含まれる。あるいは、Rは非置換フェニル−を表し得る。さらなる置換フェニル基の例には、2−ブロモ−4−フルオロフェニル−、2−ブロモ−5−フルオロフェニル−、2−クロロフェニル−、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル−、2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル−、2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−、3−クロロフェニル−、3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル−、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル−、4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル−、4−クロロフェニル−、4−フルオロフェニル−、および4−プロポキシフェニル−が含まれる。
およびRまたはRおよびRが結合されてカルボシクリル環を形成するとき、1つ以上のC1−2アルキル基によって任意に置換され、例にはシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル)およびシクロアルケニル(例えば、シクロヘキセニル)を含む。
およびRまたはRおよびRが結合されてフェニルと融合されるカルボシクリル環を形成するとき、例にはインダニル(例えば、インダン−2−イル)およびテトラリニルを含む。
およびRまたはRおよびRが結合されて単環ヘテロアリールと融合されるカルボシクリル環を形成するとき、例には6員ヘテロアリールと融合された5員カルボシクリル、6員ヘテロアリールと融合された6員カルボシクリル、5員ヘテロアリールと融合された5員カルボシクリル、および5員ヘテロアリールと融合された6員カルボシクリルを含む。カルボシクリルが融合される単環ヘテロアリールは、少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、1、2または3個のヘテロ原子、例えば、1または2個、例えば、1個のヘテロ原子)を含む。
R基が−C1−8アルキルを表すとき、例にはメチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピル、イソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル−、s−ブチル、イソブチル、およびt−ブチル)、ペンチル(例えば、n−ペンチル、3,3−ジメチルプロピル)、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチルを含む。
R基が−C(O)C1−6アルキルを表すとき、例には、−C(O)メチル、−C(O)エチル、−C(O)プロピル、および−C(O)ブチルのような−C(O)C1−4アルキルを含む。
用語「溶媒和物」は、特定された化合物の溶媒和物型を意味することが意図され、当該化合物の有効性を保持する。溶媒和物の例には、例えば、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、酢酸エチル、酢酸、またはエタノールアミンと組み合わせた本発明の化合物を含む。
用語「mmol」は、本明細書で使用されるとき、ミリモルを意味することが意図される。用語「当量」は、本明細書で使用されるとき、等価である量を意味することが意図される。用語「mL」は、本明細書で使用されるとき、ミリリットルを意味することが意図される。用語「g」は、本明細書で使用されるとき、グラムを意味することが意図される。用語「kg」は、本明細書で使用されるとき、キログラムを意味することが意図される。用語「μg」は、本明細書で使用されるとき、マイクログラムを意味することが意図される。用語「h」は、本明細書で使用されるとき、時間を意味することが意図される。用語「min」は、本明細書で使用されるとき、分を意味することが意図される。用語「M」は、本明細書で使用されるとき、モルを意味することが意図される。用語「μL」は、本明細書で使用されるとき、マイクロリットルを意味することが意図される。用語「μM」は、本明細書で使用されるとき、マイクロモルを意味することが意図される。用語「nM」は、本明細書で使用されるとき、ナノモルを意味することが意図される。用語「N」は、本明細書で使用されるとき、規定を意味することが意図される。用語「amu」は、本明細書で使用されるとき、原子量単位を意味することが意図される。用語「℃」は、本明細書で使用されるとき、摂氏度を意味することが意図される。用語「wt/wt」は、本明細書で使用されるとき、重量/重量を意味することが意図される。用語「v/v」は、本明細書で使用されるとき、容量/容量を意味することが意図される。用語「MS」は、本明細書で使用されるとき、マススペクトロメトリーを意味することが意図される。用語「HPLC」は、本明細書で使用されるとき、高性能液体クロマトグラフィーを意味することが意図される。用語「RT」は、本明細書で使用されるとき、室温を意味することが意図される。用語「例えば」は、本明細書で使用されるとき、例を意味することが意図される。用語「N/A」は、本明細書で使用されるとき、試験されていないことを意味することが意図される。
本明細書で使用されるとき、語句「医薬的に許容される塩」は、本発明の化合物の医薬的に許容される有機または無機の塩を意味する。好ましい塩には、限定されないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、またはパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸))塩が含まれる。医薬的に許容される塩は、酢酸イオン、コハク酸イオン、または他の対イオンのような別の分子の包含を含み得る。対イオンは親化合物における電荷を安定化する任意の有機または無機部分であり得る。さらに、医薬的に許容される塩は、その構造に1つを超える荷電原子を有し得る。複数の荷電原子が医薬的に許容される塩の一部である場合は、複数の対イオンを有することができる。そのため、医薬的に許容される塩は1つ以上の荷電原子および/または1つ以上の対イオンを有することができる。本明細書で使用されるとき、語句「医薬的に許容される溶媒和物」は、1つ以上の溶媒分子と本発明の化合物の会合を意味する。医薬的に許容される溶媒和物を形成する溶媒の例には、限定されないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、およびエタノールアミンが含まれる。本明細書で使用されるとき、語句「医薬的に許容される水和物」は、本発明の化合物、またはこの塩を意味し、さらに非共有分子内力によって結合される水の化学量論的または非化学量論的な量を含む。
掻痒症および掻痒症と関連する症状
JAK阻害剤は、本明細書で使用されるように、掻痒症および徴候として掻痒症と関連する症状を治療することができる。掻痒症は引っ掻きたい欲求を生じる知覚として意味することができる。本明細書で説明されるように、困難な慢性痒みを有する患者は、JAK阻害剤によって治療されるとき、著しく改善することが示される。
本明細書で使用されるとき、用語「掻痒症」および「痒み」は交換可能であることができる。
下記の表1は、主徴候として掻痒症と関連する一般的な疾患または症状のまとめを示す。掻痒症の原因が特定されないとき(すなわち、既知疾患に起因しない、例えば表1を参照)、症状は特発性掻痒症と呼ばれる。
Figure 2019506422
慢性掻痒症および慢性特発性掻痒症
「慢性掻痒症」は6週より長く続く掻痒症であることができる。「慢性特発性掻痒症」または「CIP」は、6週より長く続く原因不明の痒みを意味する。痒みは原因不明であるため、慢性特発性掻痒症を有する被験体は表1に示される疾患を有さない。慢性特発性掻痒症と診断された被験体は、アトピー性皮膚炎のような他の炎症性掻痒性疾患で認められる明白な皮膚炎症を有さない。慢性特発性掻痒症を有する患者の最初の評価には、一般的に、分画数を伴う全血球数、胸部X線像、ならびに肝臓、腎臓、および甲状腺の機能試験が含まれる。多くの症例では、慢性特発性掻痒症と診断された被験体は、少なくとも6週間にわたる2種類以上の治療にも関わらず掻痒症を有する。治療の例には、限定されないが、穏やかな洗剤、柔軟剤、局所麻酔剤、冷却剤、抗ヒスタミン剤、抗痙攣剤、抗うつ剤、μ−オピオイド拮抗剤、向神経活性医薬品(例えば、ガバペンチン、プレガバリンなど)、コルチコステロイド、および光線療法が含まれ得る。
JAK阻害剤によって治療可能な掻痒症と関連する症状は、徴候が掻痒症である疾患または症状であることができる。例えば、慢性特発性掻痒症と関連する疾患または症状は、掻痒症と関連するものとして当業者によって知られているこれらの疾患または症状のいずれかであることができる。本明細書で使用されるとき、用語「徴候」および「臨床的前兆」は交換可能であり得る。徴候は、これらの観察可能または測定可能な症状または行動を含み、既知または確立された診断評価で測定される。例えば、掻痒症の判断のための診断評価は、数値評価スケール(NRS)スコア、視覚的アナログスケール(VAS)スコア、または痒みのない日数(IFD)スコアによって、あるいはエッペンドルフ痒み質問表または患者ベネフィットインデックスの掻痒症を有する患者版(PBI−P)、または5−D痒みスケールのようなスコア化システムによって実施することができる。慢性特発性掻痒症のいくつかの徴候の非限定例は、このような評価またはスコア化システムにおいて使用され得、生活の質または痒み(例えば、分布、期間、程度、改善/悪化、睡眠への影響、レジャー、社会性、家事、用事、仕事/学校など)を含む。痒みは、極めて重度(例えば、VASを用いて9.0〜10.0)から、重度(例えば、VASを用いて7.0〜8.9)まで、中度(例えば、VASを用いて3.0〜6.9)まで、軽度(例えば、VASを用いて0.1〜2.9)までの等級分けとして報告され得る。
本開示の一つの態様は、慢性特発性掻痒症(CIP)の治療を必要とする被験体を示す。いくつかの実施形態では、CIPの治療を必要とする被験体は、CIPと診断された被験体である。CIPと診断された被験体は、少なくとも6週間継続している原因不明の掻痒症を有する。例えば、掻痒症は少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、または少なくとも12週間継続している。被験体は極めて重度の痒み、重度の痒み、中度の痒み、または軽度の痒みを有し得る。別の実施形態では、CIPの治療を必要とする被験体は、CIPに対する素因がある被験体である。例えば、被験体が過去にCIPについて治療されて掻痒症が回復した場合、被験体はCIPに対する素因があり得る。被験体は極めて重度の痒み、重度の痒み、中度の痒み、または軽度の痒みを有していたことがあり得る。本明細書ではいずれの年齢の被験体の治療も考慮される。
上記実施形態のいくつかにおいて、CIPの治療を必要とする被験体は、Th2分極化と関連する免疫学的な欠如を有し得、限定されないが、血清IgE量の増加、末梢好酸球増加、組織好酸球浸潤、CD8リンパ球減少症、またはこれらのいずれかの組み合わせが含まれる。被験体は≧50歳、≧55歳、≧60歳、または≧65歳であり得る。あるいは、被験体は≦50歳であり得る。
掻痒症と関連し、JAK阻害剤によって治療可能である症状は、限定されないが、アレルギー反応、節足動物咬傷、水虫、アトピー性皮膚炎(AD)、アトピー性痒み、アトピー性皮膚炎関連痒み、自己免疫性結合組織病、細菌感染症、胆汁性痒み、免疫応答の広範な活性化、コロモジラミ、水疱性疾患、腕橈骨掻痒症、脳腫瘍、慢性特発性掻痒症、接触性皮膚炎、胆汁うっ滞、皮膚幼虫移行症、皮膚T細胞リンパ腫、損傷した神経系、頭垢、皮膚寄生虫妄想、皮膚筋炎、妊娠皮膚症、糖尿病、薬疹、ニューロンプロセスおよび知覚認知の調節不全、湿疹、好酸球性毛包炎、皮膚上の異物またはデバイス、真菌感染症、妊娠性類天疱瘡、アタマジラミ、疱疹、化膿性汗腺炎、皮疹、ホジキン病、副甲状腺機能亢進症、特発性慢性痒み、炎症、昆虫外寄生、昆虫咬傷、昆虫刺傷、妊娠性肝内胆汁うっ滞症、鉄欠乏性貧血、外因性オピオイドまたは合成オピオイドの蓄積増加、内臓癌、黄疸、扁平苔癬、硬化性苔癬、紅斑性狼瘡、リンパ腫、リンパ腫関連痒み、白血病関連痒み、悪性腫瘍、マスト細胞症、閉経、多発性硬化症、新生物、神経刺激、神経原性痒み、神経障害性痒み、錯感覚性背痛、錯感覚性強迫性障害、感覚異常症、寄生虫感染症、丘疹状蕁麻疹、シラミ寄生症、末梢性神経障害、光線皮膚炎、真性多血症、精神病、心因性痒み、HIVの掻痒性流行性発疹、妊娠性そう痒性蕁麻疹様丘疹(PUPPP)、乾癬、乾癬関連痒み、乾癬性痒み、ケジラミ、斑点状手掌足底角化症、腎臓性痒み、関節リウマチ、疥癬、瘢痕成長、剃毛、脂漏性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、日焼け、水泳性痒疹、全身免疫老化、幻触、Th17関連炎症、甲状腺疾患、尿毒症、掻痒症または尿毒性痒み、蕁麻疹、蕁麻疹性痒み、水痘、ウイルス感染症、創傷または痂皮の治癒、あるいは乾皮症を含むことができる。
分子工学
次の定義および方法が、本発明をより良く定めて、本発明の実施において当業者を手引きするために提供される。他に注釈がない限り、用語は関連技術における従来技術の当業者による通常使用に従って理解されるべきである。
用語「異種DNA配列」、「外因性DNAセグメント」、または「異種核酸」は、本明細書で使用されるとき、特定のホスト細胞にとって外来である起源から生じる、または同一起源である場合、その本来の形態から改変されている配列をそれぞれ意味する。このため、ホスト細胞における異種遺伝子は、特定のホスト細胞に内因性であるが、例えば、DNA組換えの使用によって改変されている。本用語はまた、自然発生DNA配列の非自然発生する複数コピーを含む。このため、本用語は細胞に対して外来または異種である、あるいは細胞に対して同種であるが構成要素が本来認められないホスト細胞核酸内の位置にあるDNAセグメントを意味する。外因性DNAセグメントが発現されて、外因性ポリペプチドを生じる。「同種」DNA配列は、それが導入されるホスト細胞と本来関連しているDNA配列である。
発現ベクター、発現構築体、プラスミド、または組換えDNA構築体は、ヒトの介入によって生じている核酸を意味すると一般的に理解され、例えばホスト細胞における特定核酸の転写または翻訳を可能にする一連の特定核酸構成要素を用いた組換え手段または直接的な化学的合成によることを含む。発現ベクターは、プラスミド、ウイルス、または核酸フラグメントの一部であることができる。一般的に、発現ベクターはプロモーターと操作可能に連結された転写されるべき核酸を含むことができる。
「プロモーター」は、核酸の転写を指示する核酸制御配列として一般的に理解される。誘導性プロモーターは、特定の刺激物質に反応する、操作可能に連結された遺伝子の転写を仲介するプロモーターとして一般的に理解される。プロモーターは、ポリメラーゼII型プロモーター、TATA構成要素の例のように、転写の開始部位付近に必要な核酸配列を含むことができる。プロモーターは任意に遠位エンハンサーまたはリプレッサー構成要素を任意に含むことができ、転写の開始部位から数千塩基対のような大きさで配置することができる。
本明細書で使用される「転写可能な核酸分子」は、RNA分子に転写されることが可能な任意の核酸分子を意味する。構築体を細胞に導入するために、転写可能な核酸分子が、翻訳され、従ってタンパク質産物として発現される機能的mRNA分子に転写される手段などの方法が知られている。構築体はまた、対象の特定RNA分子の翻訳を阻害するため、アンチセンスRNA分子を発現することができるように構築され得る。本開示の実施のため、構築体およびホスト細胞を調製して用いる従来の組成物および方法が、当業者に良く知られている(例えば、Sambrook and Russel(2006)Condensed Protocols from Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ISBN−10:0879697717、Ausubelら(2002)Short Protocols in Molecular Biology,5th ed.,Current Protocols,ISBN−10:0471250929、Sambrook and Russel(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ISBN−10:0879695773、Elhai,J.and Wolk,C.P.1988.Methods in Enzymology 167,747−754を参照)。
「転写開始部位」または「開始部位」は、転写される配列の一部である第一ヌクレオチドを囲む位置であり、+1位としても定められる。この部位に対して、遺伝子のすべての他の配列およびその制御領域が付番される。下流配列(すなわち、3’方向におけるさらなるタンパク質コード配列)はプラスで名付けることができ、一方、上流配列(5’方向における制御配列のほとんど)はマイナスで名付けられる。
「操作可能で連結された」または「機能的に連結された」は、好ましくは、単一核酸フラグメントにおける核酸配列の結合を意味し、一つのものの機能は他によって影響される。例えば、調節DNA配列は、RNAまたはポリペプチドをコードするDNA配列と「操作可能で連結される」または「結合される」といわれ、調節DNA配列がコード化DNA配列の発現に影響するように2つの配列が条件化される場合である(すなわち、コード化配列または機能的RNAがプロモーターの転写制御下にある)。コード化配列はセンスまたはアンチセンス方向で調節配列と操作可能で連結することができる。2つの核酸分子は単一連続核酸分子の一部であり得、隣接し得る。例えば、プロモーターが細胞における対象の遺伝子の転写を調節または仲介する場合、プロモーターは対象の遺伝子に操作可能で連結される。
「構築体」は、任意の組換え核酸分子として理解され、いずれかの起源由来で、ゲノム統合または自律的複製が可能であり、1つ以上の核酸分子が操作可能で連結されている核酸分子を含み、プラスミド、コスミド、ウイルス、自律的複製核酸分子、ファージ、あるいは線状または環状一本鎖または二本鎖DNAまたはRNA核酸分子が挙げられる。
本開示の構築体は、3’転写末端核酸分子と操作可能で連結された転写可能な核酸分子と操作可能に連結されたプロモーターを含むことができる。さらに、構築体は、限定されないが、例えば3’非翻訳領域(3’UTR)由来のさらなる調節核酸分子を含むことができる。構築体は、限定されないが、転写開始において重要な役割を演じることができ、また発現構築体における遺伝子成分であることができるmRNA核酸分子の5’非翻訳領域(5’UTR)を含むことができる。これらの追加の上流および下流調節核酸分子は、プロモーター構築体に存在する他の構成要素に本来的または異種である起源由来であり得る。
用語「形質転換」は、核酸フラグメントのホスト細胞ゲノムへの移行を意味し、遺伝子的に安定な遺伝を生じる。形質転換された核酸フラグメントを含むホスト細胞は、「遺伝子導入」細胞として意味され、遺伝子導入細胞を含む生物は「遺伝子導入生物」と呼ばれる。
「形質転換された」、「遺伝子導入」、および「組換え」は、異種核酸分子が導入されている細菌、藍藻、動物、または植物のようなホスト細胞または生物を意味する。核酸分子は、当該技術分野で一般的に知られている、および開示されているように、ゲノムに安定して統合することができる(Sambrook,1989、Innis,1995、Gelfand,1995、InnisおよびGelfand,1999)。PCRの既知の方法には、限定されないが、プライマー対、ネスティドプライマー、単一特異的プライマー、縮重プライマー、遺伝子特異的プライマー、ベクター特異的プライマー、部分的ミスマッチプライマーなどを用いる方法が含まれる。用語「非形質転換」は、形質転換過程を経ていない通常細胞を意味する。
「野生型」は、いずれかの既知変異を有さない自然で認められるウイルスまたは生物を意味する。
上記の要求される割合の同一性を有し、発現されるタンパク質の要求される活性を維持する変異ヌクレオチドおよびこれらのコード化ポリペプチドの設計、作製、および試験は、従来技術の範囲内である。例えば、変異体の指示された展開および迅速な単離は、参考で報告される方法に従うことができ、限定されないが、Linkら,(2007)Nature Reviews 5(9),680−688、Sangerら,(1991)Gene 97(1),119−123、Ghadessyら(2001)Proc Natl Acad Sci USA 98(8),4552−4557が含まれる。従って、当業者は、本明細書において説明される対照配列と、例えば少なくとも95〜99%の同一性を有する非常に多くのヌクレオチドおよび/またはポリペプチド変異体を作製し、従来技術において定型的である方法に従って所望の表現型についてスクリーニングすることができる。
ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列の同一性割合(%)は、候補配列におけるヌクレオチドまたはアミノ酸残基と対照配列を、2つの配列を整列させて比較して、同一であるヌクレオチドまたはアミノ酸残基のパーセンテージとして理解される。パーセント同一性を測定するため、配列を整列させ、必要に応じて、ギャップを導入して最大パーセント配列同一性を達成する。パーセント同一性を測定するための配列整列処理は、当業者に良く知られている。しばしば、BLAST、BLAST2、ALIGN2、またはMegalign(DNASTAR)のような公衆に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用して配列を整列させる。当業者は、配列を測定するために適切なパラメータを決定することができ、比較される配列の全長にわたって最大整列化を達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む。配列が整列化されるとき、所定配列Aの所定配列Bとの、による、または、に対するパーセント配列同一性(あるいは、所定配列Bとの、による、または、に対する特定のパーセント配列同一性を有するまたは含む所定配列Aとして表現することができる)は、パーセント配列同一性=X/Y×100として計算することができ、ここでXはAとBの配列整列プログラムまたはアルゴリズムの整列による同一のマッチングとしてスコア化される残基の数であり、YはBにおける残基の全数である。配列Aの長さが配列Bの長さと等しくないとき、Bに対するAのパーセント配列同一性は、Aに対するBのパーセント配列同一性と等しくない。
一般的に、保存的置換は、要求される活性が維持される限りいずれの位置でも実施することができる。いわゆる保存的交換は、置換されるアミノ酸は元のアミノ酸と類似した特性を有することで実施することができ、例えば、AspによるGlu、AsnによるGln、IleによるVal、IleによるLeu、およびThrによるSerの交換が挙げられる。例えば、類似した特性を有するアミノ酸は、脂肪族アミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン)、ヒドロキシルまたはイオウ/セレン含有アミノ酸(例えば、セリン、システイン、セレノシステイン、トレオニン、メチオニン)、環状アミノ酸(例えば、プロリン)、芳香族アミノ酸(例えば、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)、塩基性アミノ酸(例えば、ヒスチジン、リジン、アルギニン、)、または酸性およびこれらのアミド(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン)であることができる。欠失は直接結合によるアミノ酸の置換である。欠失の位置は、ポリペプチドの末端および個別タンパク質領域間の結合を含む。挿入はポリペプチド鎖へのアミノ酸の導入であり、直接結合は1つ以上のアミノ酸によって形式的に置換される。アミノ酸配列は、当該技術分野で知られているコンピュータシミレーションプログラムの支援によって調節することができ、例えば改善された活性または変化した調節を有するポリペプチドを産生することができる。この人工的に作製されたポリペプチド配列に基づいて、このような調節されたポリペプチドをコードする相当する核酸分子を、所望のホスト細胞の特異的コドン利用を用いてインビトロで合成することができる。
「高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、6×SSC緩衝液(すなわち、0.9M塩化ナトリウムおよび0.09Mクエン酸ナトリウム)における65℃でのハイブリダイゼーションとして定められる。これらの条件で、測定は所定の配列セットが2つの配列間のDNA二本鎖の融解温度(T)を計算することによってハイブリダイゼーションするかどうかについて行うことができる。特定の二本鎖が6×SSCの塩条件において65℃よりも低い融解温度を有する場合、2つの配列はハイブリダイゼーションしないであろう。他方、融解温度が同一塩条件において65℃を超える場合、配列はハイブリダイゼーションするであろう。一般的に、いずれかのハイブリダイゼーションしたDNA:DNA配列に関する融解温度は、式として
= 81.5℃+16.6(log10[Na])+0.41(分数G/C含量)−0.63(%ホルムアミド)−(600/l)
を用いて判断することができる。従って、DNA:DNAハイブリッドのTは、ヌクレオチド同一性における1%低下毎に1〜1.5℃低下する(SambrookおよびRussel,2006を参照)。
ホスト細胞は当該技術で知られている様々な標準的技術を用いて形質転換することができる(例えば、Sambrook and Russel(2006)Condensed Protocols from Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ISBN−10:0879697717、Ausubelら(2002)Short Protocols in Molecular Biology, 5th ed.,Current Protocols,ISBN−10:0471250929、Sambrook and Russel(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ISBN−10:0879695773、Elhai,J. and Wolk,C.P.1988.Methods in Enzymology 167,747−754を参照)。このような技術には、限定されないが、ウイルス感染、リン酸カルシウムトランスフェクション、リポソーム仲介トランスフェクション、マイクロプロジェクティル仲介送達、受容体仲介取り込み、細胞融合、エレクトロポレーションなどが含まれる。遺伝子導入された細胞は、選択および増殖させて、ホスト細胞のゲノムに安定的に統合された発現ベクターを含む組換えホスト細胞を得ることができる。
ホスト細胞に導入され得る例示的な核酸には、例えば、別の種由来のDNA配列または遺伝子、あるいは同一種由来または同一種に存在するが、遺伝子工学法によってレシピエント細胞に組み込まれる遺伝子または配列さえ含まれる。用語「外因性」はまた、形質転換される細胞に通常存在しない、またはおそらく単に形質転換するDNAセグメントまたは遺伝子に認められるような形態、構造などで存在しない遺伝子、あるいは通常存在するが、本来の発現パターンと、例えば、過剰発現して異なるような手段で発現することが望まれる遺伝子を意味することが意図される。このため、用語「外因性」遺伝子またはDNAは、類似遺伝子が既に当該細胞に存在し得るかどうかに関わらず、レシピエント細胞に導入されるいずれかの遺伝子またはDNAセグメントを意味することが意図される。外因性DNAに含まれるDNA型は、細胞に既に存在するDNA、同型生物の別の個体由来のDNA、異なる生物由来のDNA、あるいは、遺伝子のアンチセンスメッセージを含むDNA配列あるいは遺伝子の合成または改良型をコードするDNA配列のような外因的に作製されるDNAを含む。
本明細書において説明される方法に従って開発されたホスト株は、当該技術分野で知られている多くの手段によって評価することができる(例えば、Studier(2005)Protein Expr Purif.41(1),207−234、Gellissen,ed.(2005)Production of Recombinant Proteins:Novel Microbial and Eukaryotic Expression Systems,Wiley−VCH,ISBN−10:3527310363、Baneyx(2004)Protein Expression Technologies,Taylor & Francis,ISBN−10:0954523253を参照)。
遺伝子を下方調節またはサイレンシングする方法は当該技術分野で知られている。例えば、発現されるタンパク質活性は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、タンパク質アプタマー、ヌクレオチドアプタマー、およびRNA干渉(RNAi)(例えば、小干渉RNA(siRNA)、短ヘアピンRNA(shRNA)、およびマイクロRNA(miRNA))を用いて下方調節または排除することができる(例えば、Fanning and Symonds(2006)Handb Exp Pharmacol.173,289−303G,describing hammerhead ribozymes and small hairpin RNA;Helene,C.,ら(1992)Ann.N.Y.Acad.Sci.660,27−36、Maher(1992)Bioassays14(12):807−15,describing targeting deoxyribonucleotide sequences;Leeら(2006)Curr Opin Chem Biol.10,1−8,describing aptamers;Reynoldsら2004) Nature Biotechnology22(3),326− 330,describing RNAi;Pushparaj and Melendez(2006)Clinical and Experimental Pharmacology and Physiology33(5−6),504−510,describing RNAi、;Dillonら(2005) Annual Review of Physiology67,147−173,describing RNAi;Dykxhoorn and Lieberman(2005)Annual Review of Medicine56,401−423,describingRNAiを参照)。RNAi分子は様々な供給元から市販されている(例えば、Ambion,TX;Sigma Aldrich,MO;Invitrogen)。様々なアルゴリズムを用いたいくつかのsiRNA分子設計プログラムが当該技術分野で知られている(例えば、Cenix algorithm,Ambion;BLOCK−iT(商標) RNAi Designer,Invitrogen;siRNA Whitehead Institute Design Tools,Bioinofrmatics & Research Computingを参照)。最適なsiRNAを定める上で有力な特性には、siRNAの末端におけるG/C含量、siRNAの特異的な内部領域のTm、siRNA長、CDS(コード化領域)内の標的配列の位置、および3’オーバーハングのヌクレオチド含量が含まれる。
製剤化
本明細書で説明される薬剤および組成物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(A.R.Gennaro,Ed.),21st edition,ISBN:0781746736(2005)に記載されている1種類以上の医薬的に許容される担体または賦形剤を用いていずれかの従来の方法によって製剤化することができる。このような製剤は、精製型であり得る本明細書で説明される生物学的に活性な薬剤の治療上効果的な量を担体の適切な量とともに含み、被験体への適切な投与のための剤形を提供する。
用語「治療上効果的な量」は、疾患を治療するために被験体に投与されるとき、別の薬剤と併用または単独で、1回以上の投与で、疾患の当該治療に効果を及ぼすのに十分である化合物の量を意味する。「治療上効果的な量」は、化合物、疾患の重症度、および治療される被験体の年齢、体重などに応じて変化し得る。本開示の目的のため、「JAK阻害剤の治療上効果的な量」は、1日あたり約0.01〜約100mg/kg体重、好ましくは1日あたり約0.1〜約10mg/kg体重、あるいは高または低頻度で投与される等量の投与量を意味する。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤の治療上効果的な量は、1日あたり約0.01〜約100mg/kg体重であることができる。例えば、デバイス径は、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、約18mg/kg、約19mg/kg、約20mg/kg、約21mg/kg、約22mg/kg、約23mg/kg、約24mg/kg、約25mg/kg、約26mg/kg、約27mg/kg、約28mg/kg、約29mg/kg、約30mg/kg、約31mg/kg、約32mg/kg、約33mg/kg、約34mg/kg、約35mg/kg、約36mg/kg、約37mg/kg、約38mg/kg、約39mg/kg、約40mg/kg、約41mg/kg、約42mg/kg、約43mg/kg、約44mg/kg、約45mg/kg、約46mg/kg、約47mg/kg、約48mg/kg、約49mg/kg、約50mg/kg、約51mg/kg、約52mg/kg、約53mg/kg、約54mg/kg、約55mg/kg、約56mg/kg、約57mg/kg、約58mg/kg、約59mg/kg、約60mg/kg、約61mg/kg、約62mg/kg、約63mg/kg、約64mg/kg、約65mg/kg、約66mg/kg、約67mg/kg、約68mg/kg、約69mg/kg、約70mg/kg、約71mg/kg、約72mg/kg、約73mg/kg、約74mg/kg、約75mg/kg、約76mg/kg、約77mg/kg、約78mg/kg、約79mg/kg、約80mg/kg、約81mg/kg、約82mg/kg、約83mg/kg、約84mg/kg、約85mg/kg、約86mg/kg、約87mg/kg、約88mg/kg、約89mg/kg、約90mg/kg、約91mg/kg、約92mg/kg、約93mg/kg、約94mg/kg、約95mg/kg、約96mg/kg、約97mg/kg、約98mg/kg、約99mg/kg、約100mg/kg、約101mg/kg、約102mg/kg、約103mg/kg、約104mg/kg、約105mg/kg、約106mg/kg、約107mg/kg、約108mg/kg、約109mg/kg、約110mg/kg、約111mg/kg、約112mg/kg、約113mg/kg、約114mg/kg、約115mg/kg、約116mg/kg、約117mg/kg、約118mg/kg、約119mg/kg、約120mg/kg、約121mg/kg、約122mg/kg、約123mg/kg、約124mg/kg、約125mg/kg、約126mg/kg、約127mg/kg、約128mg/kg、約129mg/kg、約130mg/kg、約131mg/kg、約132mg/kg、約133mg/kg、約134mg/kg、約135mg/kg、約136mg/kg、約137mg/kg、約138mg/kg、約139mg/kg、約140mg/kg、約141mg/kg、約142mg/kg、約143mg/kg、約144mg/kg、約145mg/kg、約146mg/kg、約147mg/kg、約148mg/kg、約149mg/kg、約150mg/kg、約151mg/kg、約152mg/kg、約153mg/kg、約154mg/kg、約155mg/kg、約156mg/kg、約157mg/kg、約158mg/kg、約159mg/kg、約160mg/kg、約161mg/kg、約162mg/kg、約163mg/kg、約164mg/kg、約165mg/kg、約166mg/kg、約167mg/kg、約168mg/kg、約169mg/kg、約170mg/kg、約171mg/kg、約172mg/kg、約173mg/kg、約174mg/kg、約175mg/kg、約176mg/kg、約177mg/kg、約178mg/kg、約179mg/kg、約180mg/kg、約181mg/kg、約182mg/kg、約183mg/kg、約184mg/kg、約185mg/kg、約186mg/kg、約187mg/kg、約188mg/kg、約189mg/kg、約190mg/kg、約191mg/kg、約192mg/kg、約193mg/kg、約194mg/kg、約195mg/kg、約196mg/kg、約197mg/kg、約198mg/kg、約199mg/kg、または約200mg/kgであることができる。これらの個別値のそれぞれの列挙は、各値の間の範囲を含むものと理解される。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤の治療上効果的な量は、1日あたり約0.01〜約100mg/kg体重、好ましくは1日あたり約0.1〜約10mg/kg体重であり得る。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤の治療上効果的な量は、1日あたり約0.1〜約1mg/kg体重であり得る。他の実施形態では、JAK阻害剤の治療上効果的な量は、1日あたり約0.25〜約2.5mg/kg体重であり得る。さらに他の実施形態では、JAK阻害剤の治療上効果的な量は、1日あたり約0.5〜約5mg/kg体重であり得る。なお他の実施形態では、JAK阻害剤の治療上効果的な量は、1日あたり約0.75〜約7.5mg/kg体重であり得る。異なる実施形態では、JAK阻害剤の治療上効果的な量は、1日あたり約1〜約10mg/kg体重であり得る。これらの範囲のそれぞれの列挙は、各値の間の個別値を含むものと理解される。
用語「治療上効果的な量」は1日あたりのJAK阻害剤の量として説明されるが、当業者は、1日の量は、1日に1回、2回、3回、またはそれ以上投与される1回以上の投与量に分割され得ることを認識するであろう。あるいは、JAK阻害剤をより少ない頻度に基づいて投与することが望ましい可能性があり得る(例えば、週あたり1回、2回、または3回、あるいは月あたり1回、2回、または3回)。当業者は、投与頻度は投与される量に影響し得(例えば、一般的にいうと、毎月投与>毎週投与>毎日投与>1日あたり複数回投与)、本明細書における開示に基づいたJAK阻害剤の治療上効果的な量を得るように医薬組成物を製剤化することができることを認識するであろう。
本開示の別の態様は、JAK阻害剤と併用して1種類以上の「追加有効成分」を投与することを提供する。追加有効成分は、同一または異なる投与経路によって投与され得る。同一投与経路によって投与されるとき、追加有効成分はJAK阻害剤とともに(すなわち、同一医薬組成物)、またはJAK阻害剤と別々に製剤化され得る。本開示のJAK阻害剤と併用して投与され得る追加有効成分の非限定的な例には、限定されないが、抗ヒスタミン剤(例えば、セチリジン、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ロラタジン、デスロラチジン)、コルチコステロイド(例えば、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン)、局所麻酔剤(例えば、ベンゾカイン、カプサイシン、ジペロドン、リドカイン、メントール、ポリドカノール、プラモキシン、プリロカイン)、局所免疫調節剤(例えば、ピメクロリムス、タクロリムスなどのカルシニューリン阻害剤)、μ−オピオイド受容体拮抗剤およびκ−オピオイド受容体作用剤(例えば、ブトルファノール、ナルフラフィン、メチルナルトレキソン、ナルメフェン、ナルトレキソン)、抗生物質(リファンピシン)、コレスチラミン、サリチル酸、抗うつ剤(例えば、フルボキサミン、ミルタザピン、パロキセチン、セルトラリン)、および神経遮断薬(例えば、ガバペンチン、プレガブリン)が含まれる。
用語「製剤化」は、ヒトのような被験体への投与に適した剤形に薬剤を調製することを意味する。このため、「製剤化」は、希釈剤または担体を含む、医薬的に許容される賦形剤を含むことができる。
本明細書で使用される用語「医薬的に許容される」は、薬理学的活性の許容できない損失または許容できない有害副作用を生じない物質または成分を説明することができる。医薬的に許容される原料の例には、米国薬局方(USP29)および国民医薬品集(NF24),米国薬局方協会、ロックビル、メリーランド州、2005(USP/NF)またはさらに最新版におけるモノグラフに記載されるもの、ならびにFDAの継続的に更新される不活性原料検索オンラインデータベースに示される成分であることができる。USP/NFなどに記載されない他の有用な成分も使用され得る。
本明細書で使用される用語「医薬的に許容される賦形剤」は、任意およびすべての溶媒、分散メディウム、コーティング、抗細菌および抗真菌剤、等張剤、または吸収遅延剤を含むことができる。医薬品として活性な物質のためのこのようなメディウムおよび薬剤の使用は、当該技術分野で良く知られている(一般的に、Remington’s Pharmaceutical Sciences(A.R.Gennaro, Ed.),21st edition,ISBN:0781746736(2005)を参照)。従来のメディウムまたは薬剤が有効成分と不適合性でない限り、治療用組成物におけるその使用が考えられる。補助有効成分も組成物に組み込むことができる。
「安定な」製剤または組成物は、約0〜約60℃のような通常温度で、少なくとも約1日、少なくとも約1週間、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、または少なくとも約2年のような商業的に妥当な期間、保存可能である十分な安定性を有する組成物を意味することができる。
製剤化は投与方式に適しているべきである。本開示による使用の薬剤は、いくつかの経路を用いた被験体への投与のために既知の方法によって製剤化することができ、限定されないが、非経口、肺、経口、局所、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、眼、口腔内、および直腸が含まれる。個別薬剤はまた、1種類以上の追加薬剤と併用して、または他の生物学的に活性または生物学的に不活性な薬剤とともに投与され得る。このような生物学的に活性または不活性な薬剤は、本薬剤と流体または機械的に接続され得、あるいは本薬剤とイオン、共有、ファンデルワース、疎水性、親水性、または他の物理学的力によって結合され得る。
制御放出(または持続放出)調製物が、薬剤活性を延長して投与頻度を低下するために製剤化され得る。制御放出調製物はまた、作用の開始時間、または薬剤の血中量のような他の特性に効果をもたらし、結果として副作用の発生に影響を及ぼすことができるようにも使用することができる。制御放出調製物は、所望の治療効果を生じる薬剤の量を最初に放出し、そして徐々に継続して薬剤の他の量を放出して延長された期間にわたって治療効果のレベルを維持するように設計され得る。薬剤を体内でほぼ一定量に維持するため、薬剤は代謝または体から排出される薬剤量を交換する速度で投与剤形から放出させることができる。薬剤の制御放出は、様々な誘発因子、例えば、pHの変化、温度の変化、酵素、水、あるいは他の生理学的条件または分子によって刺激され得る。
本明細書で説明される薬剤または組成物はまた、さらに後述される他の治療方式と併用して使用することができる。このため、本明細書で説明される療法に加えて、疾患、障害、または症状の治療のために有効であることが知られている他の療法を被験体にもたらし得る。
治療方法
また、この方法を必要とする被験体における慢性特発性掻痒症を治療するプロセスが提供される。プロセスには、JAK阻害剤の治療上効果的な量の投与を含み、掻痒症の徴候を予防、低下、または緩和する。
本明細書で説明されるように、困難な慢性痒みを有する患者は、JAK阻害剤によって治療されるとき、著しく改善することが示される。
本開示の別の態様は、慢性特発性掻痒症の治療を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の方法は本疾患に対する素因があり得る被験体にCIPの臨床徴候を発症させない(すなわち、掻痒症を予防する)。他の実施形態では、本開示の方法は、CIPの進行またはCIPの徴候を停止または低下させる。他の実施形態では、本開示の方法は、CIPまたはCIPの徴候を後退させる。
特定の実施形態では、被験体における痒みのない日数が、治療期間の最後に、治療期間の最初と比べて増加される。例えば、痒みのない日数は、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、または少なくとも9日増加し得る。あるいは、痒みのない日数は、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日、少なくとも17日、少なくとも18日、または少なくとも19日増加し得る。
特定の実施形態では、被験体における痒みの重症度は、治療期間の最後に、治療期間の最初と比べて低下される。例えば、痒みのVASスコアは、約0.5、約1.0、または約1.5低下し得る。あるいは、痒みのVASスコアは、約1.5、約2.0、約2.5、または約3.0低下し得る。別の代替例では、痒みのVASスコアは、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5低下し得る。さらに別の代替例では、痒みの重症度は、極めて重度から重度、好ましくは極めて重度から中度、またはより好ましくは極めて重度から軽度に改善し得る。さらに別の代替例では、痒みの重症度は、重度から中度、または好ましくは重度から軽度に改善し得る。別の例では、痒み重症度は中度から軽度に改善し得る。
特定の実施形態では、被験体の生活の質は、治療期間の最後に、治療期間の開始と比べて低下される。
当業者は、投与経路が治療効果を達成するために投与される必要がある量に影響し得ることを認識する。一般的には、経口>IV>経皮>経粘膜>鼻腔内>髄腔内>硬膜外である。
当業者は、投与量もGoodman & Goldman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,Tenth Edition (2001),Appendix II,pp.475−493、およびPhysicians’Desk Referenceの手引きによって判断され得ることを認識するであろう。
本明細書で説明される方法は、この方法を必要とする被験体に一般的に実施される。本明細書で説明される治療方法を必要とする被験体は掻痒症を、有する、診断された、有することが疑われる、または発症するリスクがある被験体であることができる。治療が必要なことの判断は、一般的には問題となる疾患または症状と一致する病歴および身体検査によって評価される。本明細書において説明される方法によって治療可能である様々な症状の診断は、当該技術分野の範囲内である。被験体は動物被験体であることができ、ウマ、ウシ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ブタ、マウス、ラット、サル、ハムスター、モルモット、およびニワトリ、ならびにヒトのような哺乳動物を含む。例えば、被験体はヒト被験体であることができる。別の例として、被験体は哺乳動物であることができる。哺乳動物には、限定されないが、ヒト、愛玩動物、家畜動物、動物園動物、または研究動物を含むことができる。愛玩動物の非限定的な例にはイヌまたはネコを含む。家畜動物の非限定的な例にはウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギを含む。研究動物の非限定的な例には非ヒト霊長類またはげっ歯類を含む。
用語「治療する」は本明細書で使用されるとき、慢性特発性掻痒症の進行を制御または防止することを意味する。慢性特発性掻痒症の用語「制御する」、「治療する」、または「治療」は、(1)慢性特発性掻痒症を予防する(すなわち、疾患に対する素因があり得るが、疾患の徴候/前兆をまだ有さないまたは現わさない被験体に、慢性特発性掻痒症の臨床的徴候または前兆を発症させない)、(2)慢性特発性掻痒症を阻害する(すなわち、疾患の進行あるいはその臨床的徴候または前兆を停止または低下する)、または(3)慢性特発性掻痒症を緩和する(すなわち、疾患あるいはその臨床的徴候または前兆を後退させる)、ことを含むことができる。
一般的に、JAK阻害剤の安全で有効な量は、例えば、被験体における所望の治療効果を、望まれない副作用を最小限にしながら生じる量である。様々な実施形態では、本明細書において説明されるJAK阻害剤の有効な量は、掻痒症を著しく阻害する、掻痒症の進行を遅らせる、または掻痒症の発症を制限することができる。
本明細書において説明される方法により、投与は非経口、肺、経口、局所、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、髄腔内、皮下、鼻腔内、硬膜外、眼、口腔内、および直腸投与であることができる。
非経口投与は、本明細書で使用されるとき、注射、注入、または埋め込みによる投与であることができる。非限定的な例には、硬膜外、動脈内、心臓内、筋肉内、腹腔内、脊髄内、胸腔内、髄腔内、静脈内、または皮下の技術を含む。
本明細書で説明される治療において使用されるとき、JAK阻害剤の治療上効果的な量は、純粋型、または当該型が存在する場合は医薬的に許容される塩型で、医薬的に許容される賦形剤の添加または無添加とともに使用することができる。例えば、本開示の化合物は、掻痒症を低下、予防、または治療するのに十分な量において、いずれかの医療処置に適用可能である妥当な利益/リスク比で投与することができる。
単回投与剤形を製造するために医薬的に許容される担体と組み合わされ得る本明細書において説明される組成物の量は、治療されるホストおよび特定の投与方式に応じて変化する。各投与剤形の個別用量に含まれる薬剤の単位含量は、必要な治療上効果的な量が個別用量数の投与によって達せられるため、それ自体で治療上効果的な量を構成する必要がないことは、当業者によって認識されるであろう。
本明細書で説明される組成物の毒性および治療効果は、LD50(集団の50%までの致死用量)およびED50(集団の50%における用量治療効果)を測定する、細胞培養または実験動物における標準的な医薬品手順によって判断することができる。毒性と治療効果の間の用量比は、比LD50/ED50として表すことができる治療インデックスであり、治療インデックスが大きいほど最適であると当該技術分野で一般的に理解される。
いずれかの特定の被験体における具体的な治療上効果的な用量レベルは、様々な要因に依存し、治療される障害および障害の重症度;使用される特定化合物の活性;使用される特定組成物;被験体の年齢、体重、健康全般、性別、および食事制限;投与時期;投与経路;使用される組成物の排泄速度;治療期間;使用される特定化合物と併用または同時に使用される薬剤;および医療技術で良く知られているような要因が含まれる(例えば、Koda−Kimbleら(2004)Applied Therapeutics:The Clinical Use of Drugs,Lippincott Williams & Wilkins,ISBN 0781748453、Winter(2003)Basic Clinical Pharmacokinetics,4th ed.,Lippincott Williams&Wilkins,ISBN 0781741475、Sharqel(2004)Applied Biopharmaceutics&Pharmacokinetics,McGraw−Hill/Appleton&Lange,ISBN 0071375503を参照)。例えば、組成物の用量を所望の治療効果を達成するために必要とされるよりも低い量で開始し、所望の効果が達成されるまで用量を徐々に増加させることは当該技術分野の十分範囲内である。必要に応じて、効果的な一日用量は、投与の目的のために複数用量に分割され得る。結果として、単回用量組成物は一日用量になるまでの量またはその約数を含み得る。しかし、本開示の化合物および組成物の1日の全用法は、確実な医療判断の範囲内で担当医師によって決定されるものと理解される。
また、本明細書で説明される状態、疾患、障害、および症状のそれぞれ、ならびに他は、本明細書で説明される組成物および方法から効果を受けることができる。一般的に、状態、疾患、障害、または症状を治療することは、状態、疾患、障害、または症状に罹るまたは素因があり得るが、まだこの臨床的または亜臨床的徴候を有さないまたは現わさない哺乳動物における臨床徴候の出現を予防または遅延することを含む。治療することはまた、状態、疾患、障害、または症状を阻害することを含み、例えば、疾患またはこの少なくとも1つの臨床的または亜臨床的徴候の発症を停止または低下することが挙げられる。さらに、治療することは疾患を緩和することを含むことができ、例えば、状態、疾患、障害、または症状、あるいは臨床的または亜臨床的徴候の少なくとも1つの後退を生じることが挙げられる。治療される被験体に対する効果は、統計的に有意、あるいは被験体または医師に少なくとも認知されることであり得る。
JAK阻害剤の投与は、単一事象として、または治療の時間経過にわたってもたらすことができる。例えば、JAK阻害剤は、毎日、毎週、隔週、または毎月投与することができる。急性症状の治療では、治療期間は通常少なくとも数日である。特定の症状は、治療を数日から数週間延長することができる。例えば、治療は1週間、2週間、または3週間にわたって延長することができる。より慢性的な症状では、治療は数週間から数ヶ月、または1年以上にさえ延長することができる。
本明細書で説明される方法による治療は、掻痒症の従来治療方式の前、同時、または後に実施することができる。従来治療は、しばしば市販されるクリームおよびスプレーの剤形での局所抗掻痒剤または経口抗痒み剤を含むことができる。例えば、従来治療には、ジフェンヒドラミン(Benadryl)などの抗ヒスタミン剤;コルチコステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン局所クリーム、局所ステロイド);ミントオイル、メントール、またはカンフルのような反対刺激剤;クロタミトン(商品名:Eurax);ベンゾカイン局所用クリーム(Lanacane)などの局所麻酔剤;適切な皮膚水分を維持する光線療法(例えば、UVB);または局所軟化剤を含むことができる。さらに、TRPV1阻害剤、デュピルマブ、またはセクキヌマブを使用して痒みを治療することができる。
JAK阻害剤は、抗生物質、抗炎症剤、または別の薬剤(例えば、前述のパラグラフにおける上記のいずれか)のような、別の薬剤と同時または連続的に投与することができる。例えば、JAK阻害剤は抗生物質または抗炎症剤のような別の薬剤と同時に投与することができる。同時投与は、それぞれがJAK阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、または別の薬剤の1種類以上を含む別々の組成物の投与によってもたらされ得る。同時投与は、JAK阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、または別の薬剤の2種類以上を含む1つの組成物の投与によってもたらされ得る。JAK阻害剤は、抗生物質、抗炎症剤、または別の薬剤と連続して投与することができる。例えば、JAK阻害剤は、抗生物質、抗炎症剤、または別の薬剤の投与の前または後に投与することができる。
投与
本開示の別の態様は、JAK阻害剤の治療上効果的な量を期間にわたった全身投与することを提供する。
本明細書において説明される薬剤および組成物は、当該技術分野で知られている様々な手段で、本明細書において説明される方法に従って投与することができる。薬剤および組成物は外因性物質または内因性物質のどちらかとして治療によって使用することができる。外因性薬剤は、体の外部で産生または調製されて体に投与されるものである。内因性薬剤は、ある種のタイプのデバイス(生物製剤またはその他)によって体内で産生または調製されるものであり、体の他の器官の内部または器官へ送達する。
投与経路
JAK阻害剤は医薬組成物に製剤化し、多くの種々の手段によって全身に投与して、治療上効果的な量を送達し得る。このような組成物は、例えば、鼻腔投与、経口投与、非経口投与、結腸投与、局所投与、経皮投与、または経粘膜投与によって、必要に応じて、従来の非毒性な医薬的に許容される担体、補助剤、および賦形剤を含む投与単位剤形で投与され得る。薬剤の製剤化は、例えば、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.(1975)、およびLiberman,H. A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.(1980)で考察されている。
経口投与用の調製物は、一般的に有効な医薬品成分に加えて不活性賦形剤を含む。経口調製物は、ゼラチンカプセルに封入または錠剤に圧縮され得る。このような調製物に使用される一般的な賦形剤には、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、第二リン酸カルシウム、または炭酸カルシウムのような医薬品として適合性の増量剤/希釈剤;アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、ゼラチン、トラガカントゴム、またはポリビニルピロリドンのような結合剤;アルギン酸、セルロース、デンプン、またはポリビニルピロリドンのような崩壊剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、またはステアリルフマル酸ナトリウムのような滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素のような滑剤;スクロースまたはサッカリンのような甘味剤;ペパーミント、サリチル酸メチル、または柑橘類香料のような香味剤;着色剤;および抗酸化剤(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、またはパルミチン酸レチニル)、クエン酸、またはクエン酸ナトリウムのような保存剤が含まれる。経口調製物はまた、水性懸濁液、エリキシル、またはシロップとして投与され得る。これらでは、有効成分は様々な甘味または香料剤、着色剤、および必要に応じて、乳化および/または懸濁化剤、ならびに水、エタノール、グリセリン、およびこれらの組み合わせのような希釈剤と混合され得る。
非経口投与では、調製物は水性またはオイルベース溶液であり得る。水性溶液は、水、生理食塩水、グリセロール、プロピレングリコール、または他の合成溶媒のような医薬的に許容されるポリオールのような無菌希釈剤;ベンジルアルコール、メチルパラベン、クロロブタノール、フェノール、チメロサールなどの抗細菌剤および/または抗真菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩のような緩衝剤;および/または塩化ナトリウム、デキストロース、あるいはマンニトールまたはソルビトールのようなポリアルコールなどの浸透圧調整剤を含み得る。水性溶液のpHは塩酸または水酸化ナトリウムのような酸または塩基によって調整され得る。オイルベース溶液または懸濁液はさらにゴマ、ラッカセイ、オリーブオイル、またはミネラルオイルを含み得る。組成物はまた、限定されないが無菌のパイロジェンフリー水を含む安定した媒体による再構成のための粉末剤形で提供され得る。
局所、経皮、または経粘膜投与では、透過されるべき障壁に適した浸透剤が一般的に調製物に含まれる。経粘膜投与は、鼻腔スプレー、エアゾールスプレー、錠剤、または坐薬の使用によって実施され得、経皮投与は当該技術分野で一般的に知られている軟膏、膏薬、ゲル、パッチ、またはクリームを介し得る。経皮の実施形態に適した担体の非限定的な例には、ミネラルオイル、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が含まれる。これらの実施形態では、組成物の分子量は約1〜約50ダルトンの範囲であり得る。
鼻腔投与では、組成物は溶液、懸濁液、またはエマルションとして製剤化され得、乾燥粉末あるいはジクロロジフルオロメタンまたはトリクロロフルオロメタンのような高圧ガスを用いたエアゾール剤形として投与され得る。鼻腔スプレーは生理食塩水スプレーを含むことができる。
いくつかの実施形態では、投与経路は皮下、硬膜外、髄腔内、静脈内、鼻腔、経口、または局所から選択される。他の好ましい実施形態では、投与経路は髄腔内および鼻腔から選択される。
前述で考察されるように、投与は非経口、肺、経口、局所、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、眼、口腔内、および直腸投与であることができる。
送達方法
本明細書において説明される薬剤および組成物は、当該技術分野で良く知られている様々な方法で投与することができる。投与には、例えば、経口摂取、直接注射(例えば、全身または定位的)、対象の因子を分泌するように工学処理された細胞の埋め込み、薬剤放出生体材料、ポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透システム、多層コーティング、マイクロ粒子、埋め込み可能なマトリックスデバイス、ミニ浸透ポンプ、埋め込み可能なポンプ、注射可能なゲルおよびハイドロゲル、リポソーム、ミセル(例えば、30μmまで)、ナノスフェア(例えば、1μm未満)、マイクロスフェア(例えば、1〜100μm)、リサーバーデバイス、上記の任意の組み合わせ、または比率を変化させて所望の放出プロファイルを得る他の適切な送達媒体を含むことができる。薬剤または組成物の制御放出送達の他の方法は、当業者に知られており、本開示の範囲内である。
送達システムは、例えば、薬剤または組成物を、特定器官または腫瘍にインスリンまたは化学療法剤を送達するために使用されるのと類似な手段で投与するために使用され得るインフュージョンポンプを含み得る。一般的に、このようなシステムを用いて、薬剤または組成物は、選択された部位に制御された期間にわたって薬剤を放出する生体分解性で生物適合性のポリマーインプラントと組み合わせて投与することができる。ポリマー材の例には、ポリアンヒドリド、ポリオルトエステル、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリエチレン酢酸ビニル、およびコポリマー、ならびにこれらの組み合わせが含まれる。さらに、制御放出システムは、治療標的の近位に配置することができ、このため、全身投与量の一部のみを必要とする。
薬剤は様々な担体送達システムにカプセル化して投与することができる。担体送達システムの例には、マイクロスフェア、ハイドロゲル、ポリマーインプラント、スマートポリマー担体、およびイポソームが含まれる(一般的に、Uchegbu and Schatzlein, eds.(2006)Polymers in Drug Delivery,CRC,ISBN−10:0849325331を参照)。分子または生体分子薬剤の担体ベースシステムは、細胞内送達のために調製する、生体分子/薬剤放出速度に適合する、その作用部位に到達する生体分子の割合を増加する、その作用部位への薬剤の輸送を改善する、他の薬剤または賦形剤と共存した沈着を可能にする、インビボでの薬剤の安定性を改善する、クリアランスを低下させることによってその作用部位での薬剤の滞留時間を延長する、非標的組織に対する薬剤の非特異的送達を低下する、薬剤によって生じる刺激を低下する、薬剤の高い初期投与による毒性を低下する、薬剤の免疫原性を変化する、投与頻度を低下する、調製物の味を改善する、または生成物の寿命を改善することができる。
治療期間
本発明の方法により、JAK阻害剤の治療上効果的な量がこの方法を必要とする被験体にCIPを治療するのに十分な期間(治療期間)投与される。JAK阻害剤が投与される期間は、「治療期間」と呼ばれる。
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤の量および投与の頻度は治療期間の間、変化しない。例えば、JAK阻害剤は約1、2,3、4、5、6、または7日間、毎日投与され得る。あるいは、JAK阻害剤は約2、3,4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間、毎日投与され得る。別の代替例では、JAK阻害剤は3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月またはそれ以上、毎日投与され得る。さらに他の代替例では、JAK阻害剤は約2、3、4、5、6、7,8、9、10、11、または12週間、毎週投与され得る。さらに別の代替例では、JAK阻害剤は3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月またはそれ以上、毎週投与され得る。別の代替例では、JAK阻害剤は3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月またはそれ以上、毎月投与され得る。あるいは、JAK阻害剤は「必要とされる」基準に基づいて投与され得る。
他の実施形態では、JAK阻害剤の量および投与の頻度は治療期間の間、変化し得る。例えば、治療期間は第一期および第二期を含み得、ここで、(a)第一期に投与されるJAK阻害剤の量は、第二期に投与されるJAK阻害剤の量よりも多い、(b)JAK阻害剤は第一期において第二期よりも多い頻度で投与される、または(c)第一期に投与されるJAK阻害剤の量は、第二期におけるJAK阻害剤の量よりも多く、投与は第一期において第二期よりも高い頻度である。また、投与の経路は第一期と第二期の間で異なることも考慮される。第一期の期間は、約2、3、4、5,6、7、8、9、10、11、または12週であり得、第二期は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11週であり得る。治療期はまた、2期を超えて含み得る(例えば、3、4、5、またはそれ以上の期)。
スクリーニング
また、JAK阻害剤をスクリーニングするための方法が提供される。
対象方法は、様々な異なる候補分子(例えば、可能性がある治療候補分子)のスクリーニングにおいて用途を見つけ出す。本明細書で説明される方法によるスクリーニングのための候補物質には、限定されないが、組織または細胞の一部、核酸、ポリペプチド、siRNA、アンチセンス分子、アプタマー、リボザイム、三重らせん化合物、抗体、および小さい(例えば、約2000MW未満、または約1000MW未満、または約800MW未満)有機分子あるいは塩または金属を限定されずに含む無機分子が含まれる。
候補分子は多くの化学的クラス、例えば、50ダルトンを超えて約2,500ダルトン未満の分子量を有する小有機化合物のような有機分子を包含する。候補分子は、タンパク質との構造的相互作用、特に水素結合に必要な官能基を含むことができ、一般的には少なくともアミン、カルボニル、ヒドロキシル、またはカルボキシル基、および通常少なくとも官能的化学基の少なくとも2つを含むことができる。候補分子は、上記官能基の1つ以上で置換された環状炭素または複素環構造、および/または芳香族またはポリ芳香族構造を含むことができる。
候補分子は、化合物のライブラリーデータベースにおける化合物であることができる。当業者は、例えば、スクリーニングのために市販の化合物に関する多数のデータベースを一般的に熟知しているであろう(例えば、ZINCデータベース,UCSF,分子の異なる12サブセットにおける2.7百万種の化合物、Irwin and Shoichet(2005)J Chem Inf Model45,177−182を参照)。当業者はまた、販売元または所望の化合物およびさらに試験するために化合物のクラスを特定する様々な検索エンジンを熟知しているであろう(例えば、ZINCデータベース、eMolecules.com、および供給者によって提供される市販化合物の電子ライブラリー、例えば、ChemBridge、Princeton BioMolecular、Ambinter SARL、Enamine、ASDI、Life Chemicalsなどを参照)。
本明細書において説明される方法によるスクリーニングのための候補分子には、リードライク化合物およびドラッグライク化合物の両方が含まれる。リードライク化合物は、一般的に、比較的少ない特徴(例えば、約3個未満の水素ドナーおよび/または約6個未満の水素アクセプター、約−2〜約4の疎水性指標xlogP)を有する比較的小さいスキャホルド様構造(例えば、約150〜約350kDの分子量)を有するものと理解される(例えば、Angewante(1999)Chemie Int.ed.Engl.24,3943−3948を参照)。これに対し、ドラッグライク化合物は、一般的に、比較的多くの特徴(例えば、約10個未満の水素アクセプターおよび/または約8個未満の回転可能な結合、約5未満の疎水性指標xlogP)を有する比較的大きいスキャホルド(例えば、約150〜約500kDの分子量)を有するものと理解される(例えば、Lipinski(2000)J.Pharm.Tox.Methods 44,235−249を参照)。最初のスクリーニングはリードライク化合物で実施することができる。
空間配向データからリードを設計するとき、特定の分子構造が「ドラッグライク」であるとして特徴付けられると理解することが有用であり得る。このような特徴付けは、薬局方内の幅広い既知薬剤と類似性を比較することによって引き出される一連の実験的に認められた質に基づくことができる。薬剤がこれらの特徴付けのすべてまたはいずれかにさえ適合することは要求されないが、これがドラッグライクである場合、薬剤候補として臨床的に成功する可能性がかなり高くなる。
これらの「ドラッグライク」特性のいくつかは、リピンスキーの4つの規則にまとめられている(これらの中で数字5が多いため、「ルールオブファイブ」として一般的に知られている)。これらの規則は一般的に経口吸収と関連し、リード最適化の際の化合物の生物学的利用能を予測するために使用されるが、本開示の方法を用いることによって実施され得る理論的薬剤設計取り組みの際に、リード分子を構築するための効果的なガイドラインとして利用することができる。
4つの「ルールオブファイブ」は、ドラッグライク化合物候補が、(i)500ダルトン未満の分子量、(ii)5未満のlogP、(iii)5個以下の水素結合ドナー(OHおよびNH基の合計として表される)、および(iv)10個以下の水素結合アクセプター(NおよびO原子の合計)の特徴の少なくとも3つを有するべきであると述べている。また、ドラッグライク分子は一般的に約8〜約15Åのスパン(幅)を有する。
キット
またキットも提供される。このようなキットは、本明細書で説明される薬剤または組成物、および特定の実施形態では、投与のための説明書を含むことができる。このようなキットは、本明細書で説明される方法の実施を容易にすることができる。キットとして提供されるとき、組成物の異なる成分は別々の容器にパッケージ化されて使用直前に混合することができる。成分には、限定されないが、JAK阻害剤およびJAK阻害剤の送達用成分が含まれる。成分のこのような別々のパッキングは、必要に応じて、組成物を含む1回以上の単位投与剤形を含み得るパックまたは分配デバイス中に存在することができる。パックは、例えばブリスターパックのような金属またはプラスチックホイルを含み得る。成分のこのような別々のパッキングはまた、特定の例では、成分の活性を失うことなく長期保存を可能にすることができる。
キットはまた別々の容器に試薬を含み、例えば、無菌水または生理食塩水を別にパッキングされた凍結乾燥有効成分に加える。例えば、密封ガラスアンプルが凍結乾燥成分を含み、別のアンプルに無菌水、無菌生理食塩水、または窒素のような中性非反応性ガス下でパッキングされている無菌のそれぞれを含み得る。アンプルはいずれかの適切な材料からなり得、ガラス、ポリカーボネートのような有機ポリマー、ポリスチレン、セラミック、金属、または試薬を保持するために一般的に使用されるいずれかの他の材料からなり得る。適切な容器の他の例には、アンプルと同様な物質から加工されるボトル、およびアルミニウムまたは合金のようなホイル裏打ちされた内部からなるエンベロープが含まれる。他の容器には、試験管、バイアル、フラスコ、ボトル、シリンジなどが含まれる。容器は、皮下注射針によって穿刺することができる栓を有するボトルのような、無菌的なアクセルポートを有し得る。他の容器は、容易に取り外し可能な膜によって分離され、この取り外しで成分を混合することができる2つの区画を有し得る。取り外し可能な膜はガラス、プラスチック、ラバーなどであり得る。
特定の実施形態では、キットは取扱説明書材料とともに提供され得る。取扱説明書は、紙または他の物質に印刷され得、および/または電子による読み取り可能メディアとして提供され得、フロッピーディスク、ミニCD−ROM、CD−ROM、DVD−ROM、ジップディスク、ビデオテープ、オーディオテープなどが挙げられる。詳細な取扱説明書は、キットと物理的に組み合わされ得ず、代わりに、使用者はキットの製造業者または販売業者によって特定されるインターネットウェブサイトで指示され得る。
分子生物学プロトコルを使用する本明細書において説明される組成物および方法は、当該技術分野で知られている様々な標準的技術に従うことができる(例えば、Sambrook and Russel(2006)Condensed Protocols from Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ISBN−10:0879697717、Ausubelら(2002)Short Protocols in Molecular Biology,5th ed.,Current Protocols,ISBN−10:0471250929、Sambrook and Russel(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ISBN−10:0879695773、Elhai,J. and Wolk,C.P.1988.Methods in Enzymology 167, 747−754、Studier(2005)Protein Expr Purif.41(1),207−234、Gellissen,ed.(2005)Production of Recombinant Proteins:Novel Microbial and Eukaryotic Expression Systems,Wiley−VCH,ISBN−10:3527310363、Baneyx(2004)Protein Expression Technologies,Taylor & Francis,ISBN−10:0954523253を参照)。
本明細書で説明される定義および方法が、本開示をより良く定めて、本開示の実施において当業者を手引きするために提供される。他に注釈がない限り、用語は関連技術において当業者による通常使用に従って理解されるべきである。
いくつかの実施形態では、本開示の特定の実施形態を説明および請求するために使用される原料の量、分子量のような特性、反応条件などを表す数値は、用語「約」によっていくつかの場合には修飾されると理解されるべきである。いくつかの実施形態では、用語「約」は値が、値を測定するために使用されるデバイスまたは方法における平均の標準偏差を含むことを示すために使用される。いくつかの実施形態では、記載される説明および添付される請求項において示される数値パラメータは、特定の実施形態によって得られると考えられる所望の特性に依存して変化し得る近似値である。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告された多くの重要な数字に照らし合わせて、標準的な周辺技術を適用することによって解釈されるべきである。本開示のいくつかの実施形態の広範な範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるにも関わらず、具体的な例で示される数値は、実行可能な正確さによって報告される。本開示のいくつかの実施形態で示される数値は、これらの各試験測定で認められる標準偏差から必ず生じる特定の誤差を含み得る。本明細書における値の範囲の列挙は、範囲内にあるそれぞれ別の値を個別に意味する簡略な方法として用いられる。本明細書に他の指示がない限り、各個別値は、それが本明細書で個別に列挙されているように本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、特定の実施形態で説明される文脈で使用される用語「一つ(a、an)」および「その(the)」、あるいは同様な意味は(特に、後述の請求項の特定の文脈において)、特に他に記載がない限り、単一および複数の両方を網羅すると解釈することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される用語「または」は、請求項を含め、二者択一のみまたは二者択一が相互に排他的であることを意味することが明白に示されていない限り、「および/または」を意味するために使用される。
用語、「含む(comprise)」、「有する(have)」および「含む(include)」は、制限のない連結動詞である。「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含む(includes)」、および「含んでいる(including)」のような、これらの動詞の1つ以上のいずれかの形態または時制もまた、制限がない。例えば、1つ以上のステップを「含む(comprises)」、「有する(have)」、または「含む(includes)」いずれかの方法は、これらの1つ以上のステップのみを保有することに限定されず、他の記載されないステップも網羅することができる。同様に、1つ以上の特性を「含む(comprises)」、「有する(have)」、または「含む(includes)」いずれかの組成物またはデバイスは、これらの1つ以上の特性のみを保有することに限定されず、他の記載されない特性も網羅することができる。
本明細書において説明されるすべての方法は、本明細書に他に指示がない、または文脈によって他に明確に矛盾しない限り、いずれかの適切な順序で実施することができる。本明細書における特定の実施形態に関して提供されるいずれかまたはすべての例、または例示的な用語(例えば、「のような」)の使用は、単に本開示をより良く説明することが意図され、他で請求される本開示の範囲に制限をもたらさない。本明細書の用語は、本開示の実施に必須であるいずれかの請求されていない要素を示すと解釈されるべきでない。
本明細書で開示される本開示の二者択一要素または実施形態の群分けは限定されると解釈されるべきでない。各群要素は個別、あるいは群の他の要素または本明細書で認められる他の要素とのいずれかの組み合わせで言及および請求され得る。群の1つ以上の要素は、便宜的または特許性の理由のため、群に含める、または群から排除することができる。いずれかのこのような包含または除外が生じる場合、本明細書は添付請求項で使用されるすべてのマーカッシュ群の記載説明を満たすように改善された群を含むように考えられる。
本明細書における参照の引用は、これが本開示に先立つ技術であるという容認として解釈されるべきでない。
本開示を詳細に説明しており、修正、変更、および均等な実施形態は、添付請求項で定められる本開示の範囲を逸脱せずに可能であることは明らかであろう。さらに、本開示におけるすべての例は、非限定的な例として提供されると認識されるべきである。

次の非限定的な例が、本開示をさらに説明するために示される。後述の例で開示される技術は本開示の実施において十分機能することを本発明者らが認めている方法を代表し、そのためその実施のための方式の例を構成すると考えることができることは、当業者によって認識されるべきである。しかし、当業者は、本開示に照らし合わせ、多くの変更が開示される特定の実施形態でなされ得、本開示の精神および範囲を逸脱することなく同様または類似の結果をさらに得ることができることを認識するべきである。
例1:慢性特発性掻痒症を有する患者のサブセットの根拠となる免疫調節不全
慢性掻痒症は、慢性特発性掻痒症(CIP)、または6週間を超えて継続する原因不明の痒みを有する高齢者の多くに偏って影響を及ぼす非常に衰弱的な症状である。複数の因子がCIPの根拠になると考えられ、加齢関連皮膚障壁機能不全、感覚ニューロパチー、および「アレルギー性」ヘルパー2型(Th2)細胞反応を生じる免疫機能の欠如である免疫老化が含まれる。しかし、CIP患者の免疫学的プロファイルは理解が乏しいままである。
本例は、掻痒症の他の皮膚および全身発生の排除後に著しい免疫調節不全のエビデンスを有する老齢CIP患者4名について説明する。原発性皮膚科学的過程の欠如にも関わらず、患者4名中3名が皮膚バイオプシーでリンパ球浸潤を示し、そのうち2名が好酸球の増加を示した(図2Bおよび図2C、ならびに表2を参照)。免疫グロブリンパネルおよび血液フローサイトメトリーは、過去に認められない体液性および細胞性免疫欠如を示し、TおよびB細胞リンパ球減少、好酸球増加、および低ガンマグロブリン血症が含まれた(表2を参照)。
患者の広範な免疫性欠如が得られ、分類不能型免疫不全症(CVID)のような原発性免疫不全が最初に考えられた。しかし、患者の低下したIgG値は、CVIDにおけるようなIgAまたはIgMの低下と関連しなかった。患者はまた、再発性感染症、自己免疫、および悪性腫瘍のようなCVID関連合併症のいずれの病歴もなかった。これらの所見は、CIP患者が加齢過程の結果としてCVIDと類似する二次性免疫欠如を獲得し得ることを示唆する。
免疫老化は、アレルギー性Th2反応に向かって進むことに関与するTヘルパー細胞1型(Th1)細胞由来防護免疫の欠如をもたらす。実際、CIP患者は血清IgEの増加、末梢好酸球増加、および/または組織好酸球浸潤によって証明されるTh2分極化を示した(表2を参照)。さらに、これらのCD8リンパ球減少はTh1反応の喪失、さらに慢性痒みの発症に関与する可能性がある加齢依存性Th2分極化を裏付ける。際立ったことに、年齢の一致するコントロール集団との比較は、これらのCIP患者が同様な年齢の同等者を超えて免疫学的アンバランスを有することを示す。4名のうち3名の患者のCD8+T細胞数は、一致する年齢のコントロール被験体と比べて有意に低下しおり、例えば、症例3における67個/mm3のCD8+T細胞数はProvinciallらによって報告される平均よりもほぼ2標準偏差低かった。同様に、患者4名のうちの2名(症例1および3)のIgG量は、年齢の一致するコントロールで報告されている最低値よりも2.5%低下した。これらの結果は、CIP患者が老齢者で既に認められているリスク増加さえ超えて、慢性掻痒症に対する増加した感受性を生じる免疫機能不全をより高い程度で有し得ることを示唆する。
結論として、これらのCIP患者はTh2分極化と関連する免疫性欠如を示す。これらの所見は、加齢関連免疫老化が、老齢者における慢性特発性掻痒症の増加した罹患率を部分的に説明し得る免疫調節不全を促進し得ることを示唆する。このため、組換えサイトカインまたは免疫グロブリン補充による免疫恒常性の回復が、CIPのための新規治療方法を示し得る。
表2の注釈:(a)本発明者らの病院に紹介された時点でのそれぞれ平均および最大の数値評価スケール(NRS)痒みスコア。(b)徹底的な精密検査を実施して、精神的および神経的症状、腎不全、胆汁機能不全、甲状腺異常、HIV/AIDS、B型肝炎、およびC型肝炎を含む掻痒症の他の皮膚および全身の原因を除外することによってCIPの診断を確立した。再発性感染症、自己免疫症状、または悪性腫瘍の病歴を有する患者はいなかった。(c)とりわけ、症例2のリウマチ性多発筋痛症のために処方された経口プレドニゾンの経過は、患者の筋肉弱化を改善したが、掻痒症は回復しなかった。(d)膝置換術から生じている化膿性関節炎の2件のエピソードを除いて、患者は持続的または再発性の感染症、自己免疫、あるいは悪性腫瘍の病歴を有さなかった。(e)症例3の患者は、329IU/mLの初期IgE量を有したが、2ヶ月後に195IU/mLに正常化した。
Figure 2019506422
Figure 2019506422
例2:痒み知覚経路に従って2型サイトカインに反応する知覚ニューロン
炎症促進性2型サイトカインIL−4、IL−5、およびIL−13は、アトピー性皮膚炎(AD)発症を促進することが知られている(Gittlerら,2012、WeidingerおよびNovak,2016)。重要なことに、AD患者におけるアレルギー性炎症を抑制するためにIL−4/13受容体(IL−4Rα)拮抗剤であるデュピルマブを使用するフェーズIIおよびIII臨床試験は、疾患および痒み重症度の両方における顕著な改善を示した(Beckら,2014、Simpsonら,2016、Thaciら,2016)。IL−4/13依存性炎症プロセスはADにおける皮膚炎症の十分確立された仲介物質であるが、これらのサイトカインが直接的に慢性痒みを促進しているかどうか知られていない。2型サイトカインが直接的に知覚ニューロンを活性化することができるか試験するため、野生型(WT)マウスから得る後根神経節(DRG)のRT−PCRを実施し、IL−4Rα(Il4ra)およびIL−13受容体α1(IL−13Rα1;Il13ra1)の発現を認めたが、IL−5受容体α(IL−5Rα;Il5ra)は認めなかった(例えば、図5Aを参照)。予想されたように、既知のサイトカイン起痒物質IL−31に対する受容体(Il31ra)の発現も検出することができた(例えば、図5Aを参照)(Cevikbasら,2014、Dillonら,2004、Sonkolyら,2006)。同様に、ヒト死体ドナーから得られるDRGも、IL−4Rα(IL4RA),IL−13Rα1(IL13RA1)、およびIL−31RA(IL31RA)を発現したが、IL−5Rα(IL5RA)は発現しなかった(例えば、図5Bを参照)。際立ったことに、知覚神経節がI14raを、Il13ra1およびIl31raと比べて非常に高い量を発現することを認めた(例えば、図5Cを参照)。まとめると、これらの結果は、知覚ニューロンが2型サイトカインIL−4およびIL−13によって直接的に刺激され得るという仮説を引き起こす。
知覚ニューロンが2型サイトカインによって活性化され得るかどうか試験するため、ネズミDRGニューロンのレシオ測定によるカルシウム画像化を使用した。組換えネズミIL−4(例えば、図5Dを参照)またはIL−13(例えば、図5Eを参照)による培養されたニューロンの体外刺激は、ニューロンサブセットにおける細胞内カルシウムの急速な上昇を示した。これらの反応は、IL−31刺激によって認められるものと同様だった(例えば、図5Fを参照)。つぎに、DRGにおけるIL−4およびIL−13反応性ニューロンの組成を広範に試験するために探索した。培養したニューロンのIL−4またはIL−13による刺激は、それぞれ全DRGニューロンの4.1±0.5%および3.3±0.8%にカルシウム反応をもたらした(例えば、図5Gを参照)。過去の報告(Cevikbasら,2014、Liuら,2009)と一致して、ニューロンの約5%および25%がそれぞれIL−31およびヒスタミンに対して反応性だった(例えば、図5Gを参照)。予想されたように、DRGにおけるIl5raの発現が欠如すると(例えば、図5A〜Bを参照)、DRGニューロンがIL−5によって刺激されたときに反応が認められなかった(例えば、図12を参照)。まとめると、これらの試験は、知覚ニューロンが2型サイトカインIL−4およびIL−13と選択的に反応することを示す。
つぎに、所定の起痒原の連続的な負荷に反応するDRGニューロンのカルシウム画像化を実施して、IL−4またはIL−13が既定の痒み知覚経路を活性化するかどうか試験した。DRGニューロンがIL−4、ならびにIL−31およびヒスタミンによって連続して刺激されたとき、IL−4反応性ニューロンの88.9%がIL−31またはヒスタミンにも反応した(例えば、図5Hを参照)。同様に、IL−13反応性ニューロンの75.0%がIL−31またはヒスタミンにも反応した(例えば、図5Iを参照)。合わせると、これらの試験はIL−4およびIL−13の両方が、既定の痒み知覚経路を含むニューロンのファミリーを活性化できることを示す。しかし、IL−4およびIL−13がともにL−31またはヒスタミンのどちらと反応しない知覚ニューロンも活性化することができることを認めている。
結果を単一細胞レベルで検証するため、マウスにおける予測される知覚モダリティに対して単一ニューロンの転写プロファイルを関連付けた既に公表されている単一細胞RNAシークエンシングデータを再分析した(Usoskinら,2015)。このデータセットの再試験は、痒みを仲介することが予測される小直径ニューロンのファミリー(NP1、NP2、およびNP3)は、侵害受容(PEP1およびPEP2)および機械受容(TH)を仲介することが予測される小直径ニューロンの他のファミリーと比べて、Il4raおよびIl13ra1を発現するニューロンが豊富化されることを示した(例えば、図13を参照)。Mas関連Gタンパク質結合受容体A3(MrgprA3)およびIL−31RAのような既定の掻痒受容器は、それぞれNP2およびNP3のような定められた痒みクラスターに対して高い特異性であるが(Usoskinら,2015)、Il4raの発現は複数の掻痒受容器クラスターに及んでいる(例えば、図13を参照)。これらの分析および本発明者らの機能的カルシウム画像結果は、2型サイトカインが複数の痒み経路を同時に活性化することができることを示す。まとめると、これらの試験は2型サイトカインが、免疫細胞に対するこれらの十分定められた効果に加えて、ニューロンの直接的な刺激を介して慢性痒みを促進するという仮説を引き起こす。
例3:慢性痒みの設定における知覚神経節で高まる2型サイトカイン受容体発現
インビボでの2型サイトカインの痒みに対する関与を探求するため、マウスを局所刺激性カルシポトリオール(MC903)によって処置する、アトピー性皮膚炎(AD)様皮膚炎症の既に確立されているネズミモデルを使用した(例えば、図6Aを参照)(Kimら,2013a,2014、Liら,2006,2009、Moritaら,2015、Notiら,2013,2014、Siracusaら,2011)。賦形剤(エタノール、EtOH)のみで処置されたコントロールマウスと比べて、MC903処置マウスは耳皮膚厚によって測定される頑強な皮膚炎症を発症し(例えば、図6Bを参照)、炎症の組織学的特徴には、角質層厚化(角化症)、表皮過形成(表皮肥厚)、および混合皮膚炎症性浸潤が含まれる(例えば、図6Cを参照)。従って、既に確立されている組織病理学的等級付けシステム(Kimら,2014)を用いて、MC903処置マウスが炎症の高い組織学的スコアを示すことを認めた(例えば、図6Dを参照)。重要なことに、皮膚炎症の特徴に加え、MC903処置マウスは時間経過で引っ掻き動作を定量化することによって測定するとき、顕著な慢性痒み表現型を示す(例えば、図6Eを参照)。
ADと関連した慢性痒みの設定で誘発される炎症変化を広範に試験するため、コントロールおよびMC903処置マウスの両方から得る皮膚サンプルのRNAシークエンシングを実施した。予想されるように、MC903処置マウスから得られる皮膚はコントロール皮膚と比べて明確な転写プログラムを示し、IL−4(Il4)、IL−13(Il13)、IL−4Rα(Il4ra)、およびIL−13Rα1(Il13ra1)のような主要なAD関連サイトカインシグナル化分子転写の上方調節を含む(例えば、図6Fを参照、例えば、図15を参照)。さらに、Il4raおよびIl13ra1の発現はまた、AD関連痒みを有するマウスから得られる知覚神経節で有意に上方調節されるが、Il5raの発現では認められない(例えば、図6Gを参照)。このため、これらのデータは、知覚神経系が慢性痒みの設定でIL−4およびIL−13の両受容体の上方調節を介して2型サイトカインシグナル化を選択的に高めることができることを示唆し、知覚ニューロンにおける調節不全化2型サイトカインシグナル化が病理的な慢性痒みを促進するという仮説を引き起こす。
例4:知覚神経線維と直接的に相互作用する2型免疫細胞
2型サイトカイン発現細胞が皮膚を神経支配する知覚神経線維と近接化するかどうか試験するため、知覚神経線維がtdTomatoを知覚ニューロン特異的(Na1.8)Creリコンビナーゼ下で発現し(Agarwalら,2004)、2型免疫細胞が増強されたGFP(eGFP)をIL−4レポーター下で発現する(Mohrsら,2001)、新しい二重レポーターマウスを作製した。従って、これらの二重レポーターマウスは、2型免疫細胞(IL−4−eGFP)が知覚神経線維(Na1.8−tdTomato)と相互作用するかどうか、視覚化することができる。そしてこれらの二重レポーターマウスを、一つの耳は賦形剤コントロール(EtOH)で、第二の耳はMC903で処置し、両耳の皮膚の生体内二光子イメージングを実施した(例えば、図7Aを参照)(Zinselmeyerら,2009)。コントロール皮膚ではIL−4−eGFP細胞がほとんど認められなかったが(例えば、図7B、図16を参照)、MC903で処置した皮膚において知覚神経線維に近接する多くの運動性2型免疫細胞を認めた(例えば、図7C,図17を参照)。単一細胞レベルで、2型免疫細胞のサブセットが知覚神経線維との相互作用でのこれらの瞬時速度を著しく低下したが、線維を去った後に迅速な通過を再開したことを認めた(例えば、図7D、図18を参照)。全体として、Na1.8−tdTomatoと関連するIL−4−eGFP2型免疫細胞が、知覚線維と関連しなかったものと比べて画像化経緯にわたって低い平均速度を有した(例えば、図7Eを参照)。まとめると、これらの結果は、変化した免疫細胞輸送および知覚線維の活性化の両方をもたらす、免疫系と知覚神経系の間の頑強な二方向性相互作用の存在を示唆する。2型免疫細胞がインビボで知覚線維と物理学的に相互作用するという観察は、2型サイトカインシグナル化が直接的なニューロン刺激を介して慢性痒みを仲介し得るという仮説にさらなる裏付けを与える。
例5:慢性痒みの発症に必要とされるニューロン2型サイトカインシグナル化
知覚ニューロン内在性2型サイトカインシグナル化を研究するため、Na1.8−Creマウスを用いて知覚ニューロンに対して特異的にIL−4Rαを欠如するマウス(Na1.8−Cre Il4rafl/fl;IL−4RαΔneuron)を作製した(例えば、図8Aを参照)。IL−4RαΔneuronマウスを正常なメンデルの法則で出生させ、Il4raの欠如を知覚神経節で確証した(例えば、図8Bを参照)。そしてIL−4RαΔneuronマウスをMC903で処置して、慢性痒みに対するIL−4/13シグナル化の直接的なニューロン関与を探索した(例えば、図8Aを参照)。際立ったことに、皮膚炎症の導入では、IL−4RαΔneuronマウスは同腹仔コントロールと比べて期間にわたって引っ掻き動作の有意な低下を示した(例えば、図8Cを参照)。さらに、皮膚炎症は耳厚測定(例えは、図8Dを参照)および組織病理学的評価(例えば、図8E〜Fを参照)によって測定されたとき著しく低下した。まとめると、これらの試験は以前には認められていない知覚ニューロン制限化IL−4Rαシグナル化が慢性痒みの誘発、ならびに皮膚炎症の発症の両方で重要であることを示す。
例6:慢性痒みを低下するニューロンJAK1シグナル化の中断
2型サイトカインが免疫細胞におけるJAK依存経路を通してシグナル化することが知られており(Kelly−Welchら,2003、Schwartzら,2016)、知覚ニューロンが単一細胞レベルでJAKシグナル化成分を発現することを確証する試みをした。このことを試験するため、DRGニューロンの単一細胞RNAシークエンシングの既に公表されているデータセット(Usoskinら,2015)を再度分析し、JAK1が掻痒受容器ニューロンにおいて高度に発現されることを特定した(例えば、図15を参照)。そして、JAK阻害が慢性痒みの新規治療戦略を示し得るという仮説を立てた。インビボでのJAKシグナル化の薬理学的阻害が痒みを低下するかどうか試験するため、MC903処置を使用してWTマウスにAD関連痒みを誘発し、同時にJAK阻害剤ルキソリチニブによって治療した(例えば、図9Aを参照)。実際、ルキソリチニブの全身性腹腔内(i.p.)送達は、MC903処置マウスにおける引っ掻き動作を有意に低下した(例えば、図9Bを参照)。驚くべきことに、耳皮膚厚化(例えば、図9Cを参照)および疾患の組織学的パラメータ(例えば、図9D〜Eを参照)は、その十分確立された抗炎症特性にも関わらず、全身ルキソリチニブ治療の設定で、統計的に有意だが、ごくわずかな低下を示した。このため、ルキソリチニブの抗痒み効果は、皮膚炎症の抑制によるよりも、直接的なニューロンJAK阻害によって主として仲介され得ると推測した。
ニューロンコンパートメントにおけるJAK遮断だけで慢性痒みを低下するのに十分であるかどうか試験するため、WTマウスにMC903によってAD様痒みを誘発させ、ルキソリチニブの単回低用量を髄腔内(i.t.)で送達させた(例えば、図9Fを参照)。際立ったことに、i.t.ルキソリチニブを受けたマウスは、単回注射の24時間後、末梢皮膚炎症に効果がないにも関わらず(例えば、図9H〜Jを参照)、引っ掻き動作の著しい低下を示した(例えば、図9Gを参照)。このため、神経系に限定された薬理学的なJAK遮断は痒みを和らげるのに十分だった。まとめると、これらの試験はJAK阻害が慢性痒みの実行可能な治療戦略を示すことを実証する。さらに、これらの観察は、知覚ニューロンにおけるJAKシグナル化が、慢性痒みが皮膚炎症と無関係で仲介される主要なメカニズムであるという仮説を引き起こす。
知覚ニューロン特異的JAKシグナル化が慢性痒みの誘発に必要かどうか検討するため、知覚ニューロンで条件的に欠失され、掻痒受容器におけるJAK1の頑強な発現が与えられたマウス(Na1.8−Cre JAK1fl/fl;JAK1Δneuron)を作製した(例えば、図15を参照)。AD様痒みの誘発では(例えば、図9Kを参照)、JAK1Δneuronマウスは頑強な皮膚炎症の存在下でさえ(例えば、図9M〜Oを参照)、慢性痒みにおける著しい低下を示した(例えば、図9Lを参照)。まとめると、これらの試験はニューロンJAK1が慢性痒みの誘発に極めて重要であることを示す。そのため、JAK1は炎症病因の存在において現れる慢性痒み障害の治療に関連する標的であることが示される。
例7:明白な皮膚炎症が存在せずに重度痒みおよびニューロン調節不全を示す慢性特発性掻痒症(CIP)患者
ADの設定における皮膚炎症と痒みの間に強い関連があるため、慢性痒みの理解を広げるために明白な皮膚炎症が存在せずに現れる別の痒み障害である慢性特発性掻痒症(CIP)を試験することを考えた。CIPは加齢と強く関連し、全身性免疫老化の発現であると考えられる(Norman,2003、PatelおよびYosipovitch,2010、Reichら,2011)。結果として、CIP患者は1型免疫の喪失による2型免疫プロファイルを示すことが提唱されている(BergerおよびSteinhoff,2011)。このことの裏付けとして、本発明者らは、CIP患者が低度末梢好酸球増加およびIgEの増加と関連する全身性2型炎症の特徴を現わすことを最近示した(Xuら,2016)。ADにおける皮膚炎症の良好な排除は、痒みの徴候を消失させることが知られているが、CIPを有する患者はしばしば抗炎症剤に対して難治性である。
特徴的な炎症性皮膚疾患であるAD(例えば、図10Aを参照)とは異なり、CIPは肉眼的に正常な皮膚所見を示す(例えば、図10Bを参照)。さらに、AD組織病理学は角化症、表皮肥厚、および頑強な混合皮膚炎症浸潤を含む皮膚炎症の明確な特徴を示す(例えば、図10Cを参照)。しかし、CIP患者の組織病理学は最も痒みのある皮膚部位から得るバイオプシーでさえ最小の炎症のみを示し、積層した健康な「バスケット織り模様」の角質層(角化症がない)を有する正常な表皮(表皮肥厚がない)によって証明される(例えば、図10Dを参照)。実際、患者バイオプシーの組織学的な等級付けは、CIP患者がAD患者と比べて皮膚炎症の著しく低いレベルを示すことを実証した(例えば、図10Eを参照)。注目すべきことは、かなり軽度な皮膚炎症にも関わらず、CIP患者はAD患者と比べて高い数値評価スケール(NRS)痒みスコアを示す(ADのNRS痒みスコア:5.55±0.51、CIPのNRS痒みスコア:7.07±0.26)(例えば、図10Fを参照)。まとめると、これらの結果はAD患者と比べて皮膚炎症が低いにも関わらず、CIP患者はより衰弱的な痒みの徴候を有する。このため、これらの結果は慢性痒みが、頑強な皮膚炎症の設定ならびに顕著な炎症プロセスが存在しない両方で現れ得ることを示す。
分子レベルでCIPを特徴付けするため、4名のCIP患者から得る皮膚、4名のAD患者から得る病変皮膚、および4名のコントロール被験体から得る健常皮膚についてRNAシークエンシングを実施した。コントロールおよびAD皮膚間で最も差次的に発現された上位100種の発現された遺伝子による各群のクラスタリングによって、CIP皮膚がコントロール皮膚よりもAD皮膚と密接に関連することが示された(例えば、図10Gを参照)。これらの結果は、CIPがADと皮膚炎症に関する著しい差にもかかわらず共有される分子署名を示すことを示唆する。しかし、CIPとAD皮膚を比較する遺伝子セットエンリッチメント分析(GSEA)(Subramanianら,2005)は、CIPをADと区別する特異的な転写プログラムを示した。この分析は、AD皮膚が免疫反応の広範な活性化と関連し(例えば、図10H、表3を参照)、CIP皮膚がニューロンプロセスおよび知覚認知の調節不全と関連することを示した(例えば、図10H、表4を参照)。まとめると、これらのデータは、ADの顕著な炎症促進性署名にも関わらず、CIPは最少の炎症を関連するニューロン機能不全のプロファイルによって主に特徴付けられる原発性痒み症状であることを示す。このため、JAK1は炎症性病因が存在しないまたは最少の炎症性病因で現れる慢性痒み障害の治療と関連する標的であることが示される。
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例8:CIPを有する患者における掻痒症を改善するJAK阻害
アトピー性皮膚炎(AD)を有する患者における最近の概念実証パイロット試験およびフェーズII臨床試験は、市販のJAK阻害剤トファシチニブによる治療に反応する痒み徴候の迅速で有意な低下を示している(Bissonnetteら,2016、Levyら,2015)。これらの試験はJAK阻害をADのための抗炎症治療として検討することを考えたが、薬理学的なJAK阻害(例えば、図9A〜Jを参照)および系統特異的ニューロンJAK1欠如(例えば、図9K〜Oを参照)の両方が痒みを制限するという本発明者らの前臨床結果は、JAK阻害が選択的に痒みを標的にする新規神経調節方法を示すことを示唆する。従って、CIPに明白な皮膚炎症が存在しないにも関わらず、CIP患者はJAK遮断から恩恵を得ると仮定した。
CIPの適応に特定的なFDA承認治療剤が欠如しているため、重度なCIPを有する患者5名に対するJAK阻害剤トファシチニブによる適応外治療を処方した。これらの患者のすべてが、強力な免疫抑制を含む複数の他の適応外治療で既に失敗している(表5)。しかし、経口トファシチニブによる治療1ヶ月後、5名の患者すべてが各自のNRS痒みスコアにおける顕著な改善を示した(例えば、図11Aを参照)。際立ったことに、患者は過去の免疫抑制療法にも関わらず、JAK遮断によって痒みの緩和の迅速な発生を報告した(例えば、図11Bを参照)。このため、これらの結果は、JAK阻害が従来の抗炎症剤だけでは耐性である慢性痒み障害を有する患者のための新規治療戦略を示し得る。まとめると、本発明者らの試験は、古典的な免疫シグナル化経路が慢性痒みを仲介する知覚神経系で機能することを示す。慢性痒みについて特定的にFDA承認された治療は現在ないが、知覚神経系におけるこれらの免疫シグナル化経路の重要性に関する本発明者らの発見は、これらの共有された経路を標的にする新規治療の開発を促進し得る。
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アザチオプリンまたはシクロスポリン
考察
慢性痒みは、侵入する病原体を取り除くために哺乳動物によって通常使用される知覚反応の病的調節不全の一般的な例である。これは複数の皮膚科学的、神経学的、および全身性医学的症状における非常に衰弱的な徴候である。さらに、慢性痒みはまたCIPのように、明確に定められた障害が存在せずに現れ得る(BergerおよびSteinhoff,2011、Mollanazarら,2016、Xuら,2016、YosipovitchおよびBernhard,2013)。痒みはしばしば患者看護においてしばしば見過ごされる症状であるが、臨床試験は慢性痒みが生活の質のおいて深刻な負の影響を有することを確証している(Kini SPら,2011、Matterneら,2011、Standerら,2007、YosipovitchおよびBernhard,2013)。しかし、社会におけるその相当な負担にもかかわらず、現在のところ慢性痒みに適応される特定の治療はない。
ADの設定では、2型サイトカインIL−4、IL−5、およびIL−13が疾患発病で重要である複雑な炎症反応を調整する。この炎症カスケードは衰弱的な慢性痒みをもたらす。しかし、2型サイトカインのような炎症促進性仲介物質が痒みを誘発するメカニズムは、ほとんど理解されないままである。本明細書で説明されるように、慢性痒みの理解を広げる3つの概念的な進歩が得られた。第一に、古典的な免疫シグナル化分子IL−4およびIL−13が痒み知覚ニューロンを直接的に活性化し、IL−4Rαの知覚ニューロン特異的欠如がインビボで慢性痒みを弱めるのに十分であることが実証された。第二に、本発明者らは、免疫細胞における2型サイトカインに対する主要な下流シグナル化分子であるJAK1の知覚ニューロン特異的欠如が慢性痒みを低下することを示す。第三に、本発明者らは、皮膚炎症のレベルに関わりなく、薬理学的なJAK阻害が痒みを弱めるのに十分であることを実証する。重要なことに、本発明者らは、標準的な免疫抑制療法に不応性である慢性痒みの特発性型を有する患者でさえ、全身性JAK阻害剤で改善することを示す。まとめると、本試験は、知覚認知を調節する古典的な免疫シグナル化経路の新規機能を特定する。
古典的に、AD病変皮膚における2型サイトカインの有力な供給源は、Tヘルパー2型(Th2)細胞を介した適応免疫系であると考えられた(WeidingerおよびNovak,2016)。さらに、最近の研究は、Th2細胞由来IL−31がインビボで引っ掻きを誘発することができることを示している(Cevikbasら,2014、Dillonら,2004、Sonkolyら,2006)。このため、AD関連の炎症および痒みの両方が適応免疫系によって仲介されていると広く考えられた。しかし、本発明者らおよび他は最近、2群自然リンパ系細胞(ILC2)および好塩基球のような自然免疫細胞集団が、適応免疫系の皮膚炎症を独立して決定的に仲介することを示している(Imaiら,2013、Kimら,2013a,2014、Roedigerら,2013、Salimiら,2013)。この裏付けとして、多数の試験がILC2および好塩基球の両方がインビボで2型サイトカインの重要な供給源であることを実証している(Imaiら,2013、Kimら,2013a,2014、Roedigerら,2013、Salimiら,2013)。ニューロンIL−4/13シグナル化が慢性痒みを決定的に仲介することを示す本発明者らの新しいデータに基づき、適応Th2細胞に加え、ILC2および好塩基球のような自然免疫細胞が痒みを仲介する決定的な役割を演じると本発明者らは推測している。今後試験が実施されて、適応および自然の両免疫細胞の慢性痒みの発症に対する機能的関与を完全に定めるであろう。
2型サイトカイン関連免疫反応の上流で、優勢な上皮細胞由来サイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)およびIL−33は、Th2細胞ならびにILC2sおよび好塩基球を含む様々な細胞に対するこれらの影響を介した2型炎症の支配的な開始物質であることが示されている(HammadおよびLambrecht,2015、KimおよびArtis,2015、Kimら,2013b、Oetjenら,2016、Siracusaら,2013a)。際立ったことに、2件の最近の試験は、TSLPおよびIL−33が知覚ニューロンに直接作用して、起痒原として機能することができることを実証している(Liuら,2016、Wilsonら,2013)。実際、本発明者らおよび他は、TSLPおよびIL−33がMC903誘発AD様疾患の設定で高度に発現されることを示している(Kimら,2013a、Liら,2006,2009、Salimiら,2013)。ADにおけるこれらのサイトカインの高い発現および多数の下流サイトカイン経路の頑強な活性化にも関わらず、本発明者らの試験は、IL−4Rαのみの知覚ニューロン特異的欠如が痒みを弱めるのに十分であることを特定している。このため、ニューロンIL−4Rαシグナル化はAD関連痒みの対する非常に頑強な標的であると考えられる。しかし、IL−4Rαが新たな痒み知覚経路を表す、またはIL−31、TSLP、およびIL−33のような既に特定されている起痒原に対する知覚ニューロンの反応性を調節するかどうかは、判断されるべきものとして残っている。
痒み知覚の伝達に加え、IL−4RαΔneuronマウスにおける疾患重症度の著しい低下は、2型サイトカインによるニューロン活性化も神経原性炎症を仲介し得るという仮定を引き起こす。際立ったことに、臨床報告は、ADおよび乾癬病変の両方における、病変皮膚の除神経後の改善を報告しており、両疾患の神経原性成分を示唆する(AmonおよびWolff,1994、Azimiら,2015、RaychaudhuriおよびFarber,1993)。これらの可能性の裏付けとして、最近の試験は、皮膚における知覚ニューロンがTh17関連炎症および乾癬を促進できることを示している(Kashemら,2015、Riol−Blancoら,2014)。神経原性プロセスが皮膚における2型炎症を調節することができるかどうかは、明確に決定されるべきこととして残っている。肺ではTalbotらは最近、2型サイトカインIL−5が下神経節から突起するニューロンを刺激して、血管作用性小腸ペプチド(VIP)の放出を介してアレルギー性気道炎症を仲介することを示している(Talbotら,2015)。しかし、本発明者らは、IL−5が皮膚を神経支配する知覚ニューロンを活性化する証拠を見つけることができなかった。このため、2型炎症による知覚ニューロンの活性化のメカニズムおよび機能的な帰結は組織特異的であり得る。将来的な試験は、どのようなパラダイムが皮膚および神経原性2型皮膚炎症の基礎となる分子メカニズムに適用されるか判断することが要求されるであろう。
抗IL−4Rαモノクローナル抗体であるデュピルマブに関するフェーズIIおよびIII臨床試験は、患者における痒み徴候の顕著な改善を繰り返し実証している(Beckら,2014、Simpsonら,2016、Thaciら,2016)。さらに、JAK阻害剤を使用する初期臨床試験は、ADを有する患者における痒みの有意な改善を実証している(Bissonnetteら,2016、Levyら,2015)。現在まで、これらの変化はIL−4RαおよびJAK遮断の抗炎症特性に帰されている。しかし、本発明者らの試験は、痒み徴候のこのような改善は、これらの療法の特定な抗炎症特性と無関係に生じ得、むしろこれらの以前に認識されていない神経調節効果に帰することができ得ることを示唆する。マウスにおけるJAK阻害の有力な神経調節効果および条件的な遺伝子欠如に基づき、本発明者らはJAK阻害が頑強な皮膚炎症の存在しないときでさえ、抗痒み療法として作用するものと仮定した。このことの裏付けとして、本発明者らは、明確な皮膚炎症を伴わずに現れるCIPを有する患者が、トファシチニブによって治療されたときに有意に改善したことを認めた。まとめると、これらの結果はJAK阻害が抗炎症および神経調節の二重の役割を果たすことができることを示唆する。重要なことに、本発明者らの最近の試験に基づき、本発明者らはCIPを有する患者における新規JAK1選択的阻害剤(INCB039110)の使用を探索する前向き臨床試験を設計している(clinicaltrials.gov ID:NCT02909569)。しかし、大規模な前向き無作為対照試験が、このような治療の効能を完全に判断するために必要とされる。
上皮障壁表面での免疫は、病原体ならびに可能性がある毒素の迅速な排除を仲介するために進化していると考えられる。上皮は物理的障壁のみとして以前は考えられたが、最近の進歩は様々な免疫機能におけるその直接的役割を強調している(ArtisおよびSpits,2015、HammadおよびLambrecht,2015、Palmら,2012)。免疫系および上皮障壁それ自体に加え、哺乳動物ホストは組織損傷の前に有害な刺激を機械的に取り除くために咳および引っ掻きのような行動的な反応も使用する。本発明者らの最近の試験は、古典的免疫介在物質がホスト行動を調節する知覚回路で必須な部分を演じることを実証する。過去に認められていない神経免疫経路を特定することによって、本発明者らは慢性痒みのような病的知覚障害の治療のために新規治療方法を明らかにしている。
例9:方法
次の例は、他に記載がない限り、前述の例2〜8で使用された方法を説明する。
マウス
マウスはすべて、ワシントン大学メディカルスクールで標準的な環境条件(12時間明暗サイクル、23℃、食餌および水を自由摂取)において飼育した。C57Bl/6およびRosa26−tdTomatoマウスをJackson Laboratoryから購入した。Na1.8−CreマウスはDr.Rohini Kuner(ハイデンベルグ大学)によって提供された。IL−4−eGFP(4get)マウスはDr.Edward Pearce(MPI−IE)によって提供された。Il4rafloxマウスはDr.Ajay Chawla(UCSF)によって提供された。Jak1floxマウスは南京大学南京生物医学研究所から購入した。Na1.8−tdTomatoIL−4−eGFPレポーターマウスは、Na1.8−CreとRosa26−tdTomatoマウスを最初に交配し、ついで子孫をIL−4−eGFPマウスと交配して作製した。IL−4RαΔneuron(Na1.8−CreIl4rafl/fl)マウスは、Na1.8−CreとIl4rafloxマウスを交配して作製した。JAK1Δneuron (Na1.8−Cre JAK1fl/fl)マウスは、Na1.8−CreとJak1floxマウスを交配して作製した。マウスのジェノタイピングを標準的なPCRを用いて実施した。ネズミの作業はすべて、医学実験動物委員会(Comparative Medicine Animal Care and Use Committee)におけるワシントン大学医学部のガイドライン(プロトコル番号20140170)に従って実施した。
ネズミDRGおよびTGからのRNA単離ならびにRT−qPCR
RNA単離のため、ネズミ後根神経節(DRG)または三叉神経節(TG)を収集し、結合組織を除去して1mLのトリゾール試薬(Life Technologies)中でホモジナイズした。全RNAをRNeasy Miniキット(キアゲン)を製造業者の取扱説明書に従って用いて抽出した。抽出後、サンプルをDNアーゼ(Turbo DNA−Free Kit,Thermo Scientific)によって製造業者の取扱説明書に従って処理した。次いで、cNDAをHigh−Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(高容量cDNA逆転写キット)(Applied Biosystems)を用いて合成した。遺伝発現量をRT−qPCR(StepOnePlus;Applied Biosystems)によって測定した。簡単に説明すると、遺伝子発現をGapdhに対して基準化して、相対発現を必要に応じてeΔCまたはΔΔC法のどちらかを用いて計算した。ゲル電気泳動では、RT−qPCR反応から得られる産物を、臭化エチジウム(1μg/mL)添加した2%アガロースゲルに加えて140Vで25分間泳動した。各遺伝子で使用したプライマーおよびプローブ配列は、事前に検証されたPrimeTime qPCR Assay(Integrated DNA Technologies)から選択した。使用したプライマーおよびプローブは次の通りである。
1.Gapdh−プローブ:/56−FAM/TGCAAATGG/ZEN/CAGCCCTGGTG/3IABkFQ/(SEQ ID NO:1)
プライマー1:GTGGAGTCATACTGGAACATGTAG(SEQ ID NO:2)
プライマー2:AATGGTGAAGGTCGGTGTG(SEQ ID NO:3)
2.Il4ra−プローブ:/56−FAM/CAGAACCAG/ZEN/CAAGCACGCAGA/3IABkFQ/(SEQ ID NO:4)
プライマー1:GTTACAGGAACAAGACCAGCA(SEQ ID NO:5)
プライマー2:TGGAGCCTGAACTCGCA(SEQ ID NO:6)
3.Il5ra−プローブ:/56−FAM/TGAGCAAGC/ZEN/TTCTCCCACTGAGC/3IABkFQ/(SEQ ID NO:7)
プライマー1:AGAATTAGTAACACAGGCACCA(SEQ ID NO:8)
プライマー2:CAAGGATCTAACCAGGGTCTTC(SEQ ID NO:9)
4.Il13ra1−プローブ:/56−FAM/ACAGGTGGC/ZEN/TGAACTTCTGTGGC/3IABkFQ/(SEQ ID NO:10)
プライマー1:GAGATTTTCGACAGAGACGCT(SEQ ID NO:11)
プライマー2:CTGTTGGTGCTGCTACTGT(SEQ ID NO:12)
5.Il31ra−プローブ:/56−FAM/TCGTCATCT/ZEN/GAGAGGCCATAAACAACTC/3IABkFQ/(SEQ ID NO:13)
プライマー1:GATCGTCTGCTTCTCTTACACC(SEQ ID NO:14)
プライマー2:TAGTGCCGTTCTGTGATCAG(SEQ ID NO:15)
ヒトDRGからのRNA単離ならびにRT−PCR
ヒト後根神経節(hDRG)をIRB承認プロトコル下で匿名化されたUS移植ドナーから得た。hDRG採取後、脂肪、硬膜、および結合組織を既に報告されている方法(Valtchevaら,2016)に従って取り除いた。hDRGは続いて、RNA単離が実施されるまで、RNAlater(Life Technologies)中で−80℃に保存した。RNA単離では、一つのhDRGの半分から得る組織を1mLトリアゾール試薬((Life Technologies)中で製造業者の取扱説明書に従ってホモジナイズした。全RNA抽出後、ゲノムDNAを除去し、Maxima H Minus First Strand cDNA Synthesis Kit with dsDNase(Thermo Scientific)を用いて製造業者の取扱説明書に従ってcDNAを合成した。RT−qPCR産物を、臭化エチジウム(1μg/mL)添加した2%アガロースゲルに加えて100Vで45分間泳動した。RT−PCRは次のプライマーセットを用いて実施した。
1.IL4RA−プライマー1:GACGTGGTCAGTGCGGATAA(SEQ ID NO:16)
プライマー2:CTGAAATCTGCCGGGTCGTT(SEQ ID NO:17)
2.IL5RA−プライマー1:CTTGCGGTGCTTGTTAACGG(SEQ ID NO:18)
プライマー2:CGAGTGAACGGGTACGTTTCT(SEQ ID NO:19)
3.IL13RA1−プライマー1:CCTACGGAAACTCAGCCACC (SEQ ID NO:20)
プライマー2:CGAGTGAACGGGTACGTTTCT(SEQ ID NO:21)
4.IL31RA−プライマー1:CACAAGAAAAGCTCGCAGACA(SEQ ID NO:22)
プライマー2:GGTGGTTCAGTTTTCGCTATGTT(SEQ ID NO:23)
一昼夜ネズミDRGニューロン培養
ネズミDRGニューロンを単離して、既に公開されているプロトコルにわずかな変更を加えて用いて培養した(Malinら,2007)。簡単に説明すると、マウスに椎弓切除を実施して両側DRGを取り出した。結合組織の除去後、DRGを1μLの飽和NaHCO、0.35mgのL−システイン、および20Uパパイン(Worthington)を含む1mLのCa2+/Mg2+無含有ハンクス平衡化塩溶液(HBSS)に移して、37℃で20分間インキュベーションした。懸濁液を遠心分離し、上清を取り除いて、3.75mgコラゲナーゼII型(Worthington)および7.5mgディスパーゼ(Worthington)を含む1mLのCa2+/Mg2+無含有HBSSで置換し、37℃で20分間インキュベーションした。消化後、ニューロンを優しく粉砕し、ペレット化してから、2%B−27サプリメント(ギブコ)、100U/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシン(シグマ)、100ng/mL神経増殖因子(シグマ)、および10%熱不活化FBS(シグマ)を含むNeurobasal−A培地に再懸濁させた。そしてニューロンをポリ−L−リジン(シグマ)およびラミニン(シグマ)によってプレコーティングした12mmガラスカバースリップに載せ、使用前に37℃で5%COの加湿大気下において18〜24時間培養した。
カルシウム画像化
培養したDRGニューロンを4μMのFura−2AM(Life Technologies)とともに一昼夜DRG培養培地に37℃で45分間加えた。そして細胞を3回洗浄して、使用前にカルシウム画像化緩衝液(130mMのNaCl、3mMのKCl、2.5mMのCaCl、0.6mMのMgCl、10mMのHEPES、10mMのグルコース、1.2mMのNaHCO、pH7.45)中で室温、30分間インキュベーションした。すべての組換えネズミサイトカイン(IL−4、IL−5、およびIL−13:Peprotech、IL−31:Bristol−Myers Squibb)を300nMで使用したが、ヒスタミン(シグマ)およびカプサイシン(シグマ)はそれぞれ50μMおよび300nMで使用した。100mMのKClの最終添加に反応した知覚ニューロンのみを分析に使用した。蛍光をNIS−Elements画像ソフトウェア(Nikon Instrumets)を備えたニコンTi−E倒立顕微鏡を用いて340nmおよび380nm(F340、F380)励起波長で記録した。蛍光比(F340/F380)をベースラインに対して基準化して、刺激に対する細胞内部Ca2+およびニューロン活性の変化を反映させた。細胞は、これらがベースラインの>10%蛍光比の変化を示す場合に反応性と考えられた。データを2〜3回の独立した実験から得た。
MC903処置および病理学的評価
AD様炎症および痒みの誘発では、マウスを2nmolのMC903(カルシポトリオール、Tocris Bioscience)によって7日間、または1nmolのMC903によって12日間、既に報告されているようにエタノール(賦形剤)20μL中で両耳に毎日1回局所処置した(Kimら,2013a,2014、Siracusaら,2011,2013b)。耳厚測定を既に報告されているようにダイアル式カルパスによって実施した(Kimら,2013a,2014)。MC903処置の最後に、ネズミ耳皮膚組織を4%パラホルムアルデヒド(PFA)で固定して、パラフィン包理してから、切片化してヘマトキシリン・エオシン(H&E)によって染色した。組織学的スコアを既に報告されているように、ImageJ分析ソフトウェア(NIH)を用いて式として、
(高倍率視野当たりの全リンパ球数(HPF)+角質層の基層から最上部までのミクロンで測定した表皮の厚み)/100
によって決定した(Kimら,2014)。全ての画像をNanoZoomer2.0−HT System(Hamamatsu)によって撮像した。ネズミ疾患および行動的評価データ(後述)を2〜3回の独立した実験から得た。
行動評価
行動評価では、試験する前にマウスを最初に記録室および行動チャンバーに少なくとも1日順応させた。試験する日に、マウスを記録室および行動チャンバーに再度順応させて動画に記録した。そして動画記録を30分のブロックごとに引っ掻き動作の回数についてマニュアルでスコア化した。1回の引っ掻き動作は、後足を床から持ち上げて、引っ掻き、足を床に戻す、または足を自分の口に位置する1つの過程として定めた。全ての行動試験を、性別および齢の一致した成体マウス(8〜12週齢)で実施した。
ネズミおよびヒト皮膚RNA抽出
ネズミ皮膚のサンプルを得て、製造業者の取扱説明書に従って処理する前に、RNAlater(シグマ)中で−80℃に保存した。ヒト皮膚組織を4mmパンチバイオプシーとして得、処理する前にRNAlater(シグマ)中で−80℃に保存した。全組織RNAを抽出するため、サンプルをビーズホモジナイザーを用いてホモジナイズし、Qiagen RNeasyキットを製造業者の取扱説明書に従って用いて処理した。全RNA抽出後、サンプルをDNアーゼ(Turbo DNA−Free Kit,Thermo Scientific)によって製造業者の取扱説明書に従って処理してからライブラリー調製物をシークエンシングした。RNAシークエンシング分析のためのすべてのヒト皮膚サンプルは、セントルイスIRBにおけるワシントン大学によって承認されたプロトコル(プロトコルNo.201410014、No.201412117、およびNo.201507042)で採取した。
ライブラリー調製物およびRNAシークエンシング
ライブラリー調製物、シークエンスアラインメント、および転写量の測定はワシントン大学メディカルスクールのGenome Technology Access Center(GTAC)によって実施された。簡単に説明すると、ライブラリー調製を全RNAの1μgで実施し、RNA完全性をAgilent Bioanalyzerを用いて測定した。リボソームRNAをRibo−ZEROキット(Illumina−EpiCentre)を用いたハイブリダイゼーション法によって取り出した。そしてmRNAを40mMトリス酢酸(pH8,2)、100mM酢酸カリウム、および30mM酢酸マグネシウムを含む緩衝液中でフラグメント化し、94℃で150秒間加熱した。mRNAを逆転写してSuperScript III RT酵素(Life Technologies、製造業者の取扱説明書に従う)を用いてcDNAおよびランダムヘキサマーを得た。第二鎖反応を実施してds−cDNAを得た。cDNAを平滑端化して、3’端にA塩基を加えてから、端にイルミナシークエンシングアダプターを連結させた。そして連結したフラグメントを独自のインデックスタグを組み込んだプライマーを用いて12サイクルで増幅させた。フラグメントを単一読み取り伸長50塩基を用いたイルミナHiSeq−3000でシークエンシングした。
RNAシークエンシング読み取りは、STARバージョン2.0.4bを用いたEnsemblリリース76アセンブリーに配列させた。遺伝子数は、Subread:featureCountバージョン1.4.5によって独自に配列した明確な読み取りによって引き出された。転写数はSailfishバージョン0.6.3によって得られた。シークエンス性能は、配列した読み取りの全数、独自配列した読み取りの全数、検出された遺伝子および転写、リボソーム分画、既知の結合飽和、およびRSeQCバージョン2.3による既知遺伝子モデルにおける分布読み取りについて評価した。
差次的遺伝子発現および遺伝子セットエンリッチメント分析
RNAシークエンスデータからの差次的遺伝子発現分析およびサンプルクラスタリングをデフォルト構成で用いたRが利用可能なDESeq2パッケージによって実施した。2倍以上大きい変化および補正p値<0.1を有する遺伝子が有意と考えられた。ヒートマップにおけるデンドログラムをサンプル間のユークリッド距離での階層クラスタリングによって実施した。遺伝子セットエンリッチメント分析(GSEA)を、オンラインで利用可能なjavaGSEAアプリケーションで利用できるプレランク化遺伝子リスト特性を用いて実施した(http://www.broadinstitute.org/gsea/downloads.jsp)。遺伝子を倍数変化の生成およびDESeq2によって測定される差次的発現の補正p値の逆数によってプレランク化した。遺伝子セットは生物学的プロセス概念体系(Biological Process Ontology)から引き出した。
生体内二光子イメージング
低速度イメージングを、前述のように、1.0NA 20×水浸対物レンズ(オリンパス)を備えた特注二光子顕微鏡を用いて、ImageWarp取得ソフトウェア(A&Bソフトウェア)を作動させて実施した(Zinselmeyerら,2009)。簡単に説明すると、マウスに麻酔をかけて、VetBond(3M)を用いて、加熱した支持体に固定されたプラスチック製カバーガラスに耳を接着させた。マウスを加温パッドの上に置き、90分を超えて継続するイメージング実験のため、水分補給用に所定の腹腔内(i.p.)生理食塩水を与えた。水滴を皮膚に置き、耳を水浸対物レンズによって直接画像化した。ビデオレートイメージングを使用して、Na1.8−tdTomato神経線維を有する部位を特定した。IL−4−eGFP細胞移動動態について3D低速イメージングを用いて、各時点について3時間まで分析した。組織を915nmに設定したChameleon Vision II Ti:Sapphireレーザー(Coherent)によって画像化し、蛍光放出を495nmおよび560nmの二色性フィルターを用いてPMTによって同時に、青色(<495nm、SHGコラーゲン)、緑色(495〜560nm、eGFP)、および赤色(>560nm、tdTomato)を検出した。表皮の自己蛍光は色の混合(495〜600nm)として現れ、そのため、IL−4−eGFP細胞と区別することができる。低速イメージングでは、約42秒の時間分解能を用いて31コマの連続した2.5μmのzステップとして220×240×75μm容積を取得した。X、Yは分解能0.75μm/ピクセルであり、個別のIL−4−eGFP細胞および神経線維を分析するに十分だった。多次元データセットはImaris(Bitplane)を用いて3Dで得た。細胞追跡およびデータ分析は、ImarisおよびMotility Lab(2ptrack.net)を用いて実施した。IL−4−eGFP細胞は、これらが知覚線維と重なり、IL−4−eGFP細胞とNa1.8−tdTomato神経線維の間の接触が3D画像で相互にマニュアルで確証された場合、知覚線維関連として定めた。
薬理学的JAK阻害
ストックルキソリチニブ(Selleck Chemicals)溶液を製造業者の取扱説明書に従ってDMSO(シグマ)で調製した。全身処置では、マウスは100μLのPBSで希釈された100μgのルキソリチニブを用いて、腹腔内(i.p.)注射によって毎日2回処置した。髄腔内(i.t.)ルキソリチニブの処置では、マウスは行動測定の24時間前に、10μLのPBSで希釈された10μgのルキソリチニブを用いて注射した。コントロールマウスは、等容量の適切な賦形剤コントロール(PBS中のDMSO)によって注射した。
ヒト組織病理学
ヒト皮膚組織を4mmパンチバイオプシー標本として得、ついで10%パラホルムアルデヒド(PFA)で固定して、パラフィンで包理した。切片をH&Eによって染色した。患者バイオプシーの臨床分析を、ワシントン大学皮膚病理学センターで実施した。すべてのサンプルは完全に同意された個人から収集され、ヒト試験はWashington University in St. Louis IRBによって承認された(プロトコルNo.201410014およびNo.201412117)。組織学的スコアを既に報告されているImageJ分析ソフトウェア(NIH)を用いて、式として
(高倍率視野当たりの全リンパ球数(HPF)+角質層の基層から最上部までのミクロンで測定した表皮の厚み)/100
によって決定した(Kimら,2014)。
数値評価スケール(NRS)痒みスコア化
ワシントン大学メディカルスクール、先進医療センター(CAM)の痒み専門外来の患者は、各自のNRS痒みスコアについて日常的にあらかじめ評価されている。簡単に説明すると、患者は自分の痒み強度を過去24時間にわたって0から10まで等級付けし、ここで0は「痒みがない」を表し、10は「考えられ最悪の痒み」を表す。ADおよびCIP患者比較では、NRS痒みスコアは2014年8月と2016年2月の間で認められた患者から得たチャートの後向き分析によって得た。経口によるトファシチニブ5mg治療を毎日2回受けた患者では、NRS痒みスコアは治療の最初から前向きで得られた。患者2名の毎日のNRS痒みスコアの記録が、トファシチニブ治療の際に図7Bに示すように報告されている。これらの分析は、セントルイスIRB(プロトコルNo.201605144)におけるワシントン大学によって承認された。
統計的分析
データは他に指示がない限り、平均±SEMとして示される。統計的有意は、他に注釈がない限り、ウェルチの補正によるアンペアードスチューデントのt検定によって判断された。統計的分析はPrism GraphPadソフトウェアv7.0を用いて実施された。有意は、***p<0.001、**p<0.01、*p<0.05、N.S.:有意でない、として表示される。

Claims (22)

  1. その方法を必要とする被験体における掻痒症を治療するための方法であって、前記被験体にJAK阻害剤の治療上効果的な量を投与することを含む、方法。
  2. 前記被験体が掻痒症または慢性特発性掻痒症と診断され、治療が前記被験体における掻痒症を防止または低下する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記被験体が極めて重度の痒みまたは重度の痒みを有する、あるいは前記被験体が中度または軽度の痒みを有する、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記掻痒症が少なくとも7週間継続している、前記掻痒症が少なくとも8週間継続している、前記掻痒症が少なくとも9週間継続している、または前記掻痒症が少なくとも10週間継続している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 治療が被験体における痒みの重症度を低下する、前記被験体における痒みのない日数を増加する、前記被験体の生活の質を改善する、またはこれらのいずれかの組み合わせである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記被験体が掻痒症または慢性特発性掻痒症に罹り易く、治療が前記被験体における慢性掻痒症の再発を防止、または前記被験体における急性掻痒症の頻度を低下する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記JAK阻害剤が式(I)、
    Figure 2019506422
    または、この医薬的に許容される塩であり、これらのすべての互変異性体および立体異性体を含み、ここで
    U、V、W、X、Y、およびZはCおよびNからなる群から選択され、
    、R、R、またはRは独立して、水素;非置換または置換ピラゾール;非置換または置換アルキル;非置換または置換アルケン;非置換または置換アルキン;アセトアミド;ヘテロアリール、−カルボシクリル−ヘテロアリール、−C2−6アルケニルヘテロアリール、−C1−6アルキルヘテロアリール、または(CHCR(CHヘテロアリールで、ここでaおよびbは独立して整数0〜5を表してa+b=0〜5であり、RおよびRはこれらが結合されてC−Cアシクロアルキル基を形成する炭素をともに有するアルキレン、
    Figure 2019506422
    Figure 2019506422
    からなる群から選択され、
    、R、R、またはRは、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリール;非置換フェニル環;置換フェニル環;非置換ヘテロシクリル;および置換ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
    非置換ピラゾール環または置換ピラゾール環は、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
    非置換フェニル環または置換フェニル環は、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;ヘテロシクリル;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
    非置換ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルは、ヒドロキシル;C1−10アルキルヒドロキシル;アミン;C1−10カルボン酸;C1−10カルボキシル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキル;任意に不飽和を含む直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;任意に不飽和あるいは1つの酸素または窒素原子を含むC2−6シクロアルキル;ヘテロシクリル;直鎖または分枝C1−10アルキルアミン;複素環アミン;フェニルを含むアリール;および1〜4個のN、O、またはS原子を含むヘテロアリールからなる群から独立して選択される1つ以上の基で任意に置換され、
    前記ヘテロアリール基は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、−C1−6チオアルキル、−SOC1−4アルキル、−SO1−4アルキル、C1−6アルコキシ−、−O−C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキル、−SO3−8シクロアルキル、−SOC3−6シクロアルキル、C3−6アルケニルオキシ−、C3−6アルキニルオキシ−、−C(O)C1−6アルキル、−C(O)OC1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル−、ニトロ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、−C(O)OH、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)、−C(O)N(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)、−C(O)NH、−C(O)NH(C1−4アルキル)、および−C(O)NH(C3−10シクロアルキル)から選択される1つ以上の基によって任意に置換され得、
    前記カルボシクリル基は、C1−4アルキル、オキソ、ハロゲン、およびC1−4アルコキシから選択される1つ以上の基によって任意に置換され得、
    またはRおよびRは結合されてカルボシクリル環を形成し、1つ以上のC1−2アルキル基によって任意に置換され;
    またはRおよびRは結合されてカルボシクリル環を形成してフェニルに融合され、ここで前記カルボシクリルおよび/またはフェニルはC1−4アルキル、ハロゲン、およびC1−4アルコキシから選択される1つ以上の基によって任意に置換され得;
    またはRおよびRは結合されてカルボシクリル環を形成して単環ヘテロアリールに融合され、ここで前記カルボシクリルおよび/またはヘテロアリールはC1−4アルキル、ハロゲン、およびC1−4アルコキシから選択される1つ以上の基によって任意に置換され得;
    またはRおよびRは結合されてカルボシクリル環を形成し、1つ以上のC1−2アルキル基によって任意に置換され;
    またはRおよびRは結合されてカルボシクリル環を形成してフェニルに融合され、ここで前記カルボシクリルおよび/またはフェニルはC1−4アルキル、ハロゲン、およびC1−4アルコキシから選択される1つ以上の基によって任意に置換され得;
    またはRおよびRは結合されてカルボシクリル環を形成して単環ヘテロアリールに融合され、ここで前記カルボシクリルおよび/またはヘテロアリールはC1−4アルキル、ハロゲン、およびC1−4アルコキシから選択される1つ以上の基によって任意に置換され得る、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記JAK阻害剤が、トファシチニブ、ルキソリチニブ、バリシチニブ、INCB039110、オクラシチニブ、AZD1480、フェデラチニブ、AT9283、AG−490、モメロチニブ、WP1066、TG101209、ガンドチニブ、NVP−BSK805、AZ960、CEP−33779、パクリチニブ、WHI−P154、XL019、S−ルキソリチニブ、ZM39923、デセルノチニブ、セルデュラチニブ、フィルゴニブ、FLLL32、BMS−911543、ペフィシチニブ、GLPG0634、GLPG0634アナログ、Go6976、クルクモール、ククルビタシン、レスタウルチニブ、ウパダシチニブ、CHZ868、ソルシチニブ(GSK2586184)、NS−018、またはこれらの誘導体、あるいはこれらの医薬的に許容される塩からなる群の1つ以上から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記JAK阻害剤が、
    Figure 2019506422

    または
    Figure 2019506422

    である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記JAK阻害剤が非経口投与される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記JAK阻害剤が髄腔内投与される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記JAK阻害剤が鼻腔内投与される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記JAK阻害剤が経口投与される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記JAK阻害剤が毎日を基本として投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記JAK阻害剤が少なくとも連続した7日間、毎日投与される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記JAK阻害剤が少なくとも連続した14日間、毎日投与される、請求項14に記載の方法。
  17. 前記JAK阻害剤が少なくとも連続した30日間、毎日投与される、請求項14に記載の方法。
  18. 前記掻痒症が、免疫反応の広範な活性化、またはニューロンプロセスおよび知覚認知の調節不全の徴候である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記被験体が次からなる群の1つ以上から選択される疾患または症状を有すると診断される、または掻痒症はこれらの徴候であり、アレルギー反応、節足動物咬傷、水虫、アトピー性皮膚炎(AD)、アトピー性痒み、アトピー性皮膚炎関連痒み、自己免疫性結合組織病、細菌感染症、胆汁性痒み、免疫応答の広範な活性化、コロモジラミ、水疱性疾患、腕橈骨掻痒症、脳腫瘍、慢性特発性掻痒症、接触性皮膚炎、胆汁うっ滞、皮膚幼虫移行症、皮膚T細胞リンパ腫、神経系損傷、頭垢、皮膚寄生虫妄想、皮膚筋炎、妊娠皮膚症、糖尿病、薬疹、ニューロンプロセスおよび知覚認知の調節不全、湿疹、好酸球性毛包炎、皮膚上の異物またはデバイス、真菌感染症、妊娠性類天疱瘡、アタマジラミ、疱疹、化膿性汗腺炎、皮疹、ホジキン病、副甲状腺機能亢進症、特発性慢性痒み、炎症、昆虫外寄生、昆虫咬傷、昆虫刺傷、妊娠性肝内胆汁うっ滞症、鉄欠乏性貧血、外因性オピオイドまたは合成オピオイドの蓄積増加、内臓癌、黄疸、扁平苔癬、硬化性苔癬、紅斑性狼瘡、リンパ腫、リンパ腫関連痒み、白血病関連痒み、悪性腫瘍、マスト細胞症、閉経、多発性硬化症、新生物、神経刺激、神経原性痒み、神経障害性痒み、錯感覚性背痛、錯感覚性強迫性障害、感覚異常症、寄生虫感染症、丘疹状蕁麻疹、シラミ寄生症、末梢性神経障害、光線皮膚炎、真性多血症、精神病、心因性痒み、HIVの掻痒性流行性発疹、妊娠性そう痒性蕁麻疹様丘疹(PUPPP)、乾癬、乾癬関連痒み、乾癬性痒み、ケジラミ、斑点状手掌足底角化症、腎臓性痒み、関節リウマチ、疥癬、瘢痕成長、剃毛、脂漏性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、日焼け、水泳性痒疹、全身免疫老化、幻触、Th17関連炎症、甲状腺疾患、尿毒症、掻痒症または尿毒性痒み、蕁麻疹、蕁麻疹性痒み、水痘、ウイルス感染症、創傷または痂皮の治癒、および乾皮症が挙げられる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記掻痒症が炎症性病因を有する、前記掻痒症が神経機能障害病因を有する、または前記掻痒症が未知の病因を有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記JAK阻害剤がTRPV1阻害剤であり、IL−4またはIL−13経路のシグナル化を調節する、またはIL−4Rαシグナル化経路を標的にする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. TRPV1阻害剤、デュピルマブ、またはセクキヌマブの投与をさらに含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
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