JP2019506161A - 定められるグリコシル化パターンを有する抗体を調製するための方法 - Google Patents

定められるグリコシル化パターンを有する抗体を調製するための方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、定められるグリコシル化パターンを有する抗体、特にN−アセチルグルコサミンで終結するグリカンを有する抗体を調製するための工程に関する。本開示の抗体は、それにペイロードをコンジュゲートするための工程での使用に適切である。本開示は、本明細書中で開示される工程から得られるかまたは得ることが可能な分子、新規分子および中間体、この分子を含む組成物および特に治療における、例えば癌の治療における、この分子および組成物の使用にも拡大される。

Description

本開示は、定められるグリコシル化パターンを有する抗体、特にN−アセチルグルコサミンで終結するグリカンを有する抗体を調製するための工程に関する。本開示の抗体は、それにペイロードをコンジュゲートするための工程での使用に適切である。本開示は、本明細書中で開示される工程から得られるかまたは得ることが可能な分子、新規分子および中間体、この分子を含む組成物および特に治療における、例えば癌の治療における、前記分子および組成物の使用にも拡大される。
抗体は、非常に重要な治療カテゴリーになっており、患者の治療に顕著な進歩をもたらしてきた。2012年には、売り上げ上位20の薬物のうち5つの薬物が抗体であった。コンジュゲート抗体は、第2世代抗体製品の重要な部分をなすと思われる。
抗体製造は、比較的複雑で費用が嵩む。通常、正確な折り畳みおよび活性を確実にするために、CHO細胞株などの哺乳動物細胞株を使用して抗体を発現させる。
CHO細胞において作製される抗体の翻訳後修飾はグリコシル化である。グリコシル化は、抗体の免疫認識に関連し、ある一定の抗体の免疫原性および他の特性、例えばエフェクター機能などに影響を及ぼし得る。さらには、ある種の抗体に対する抗体グリコシル化は均一ではない可能性がある。これは、抗体の分子量が、個別の値ではなく、ある範囲内に入るということにつながり得る。
抗体などの生物学的製剤に対する規制基準が徐々に高まっている。グリコシル化が調節されるかまたは定められる新規抗体製品を提供することは将来的に必要であり得る。
したがって、定められたグリコシル化パターンを有する抗体を製造することが可能なことは有用である。さらには、グリコシル化の構造が調節され得る場合、さらに加工するために、例えばペイロードに抗体をコンジュゲートするために適切な方式で抗体が提供され得る。
国際公開第2004/063344号パンフレットは、酵素ガラクトシダーゼでの処理によってグリカンがどこでG0型(特定のグリカン型)に変換されるかを開示する。この酵素処理によって、末端ガラクトース糖残基が全て除去され、末端N−アセチルグルコサミン糖残基が残される。したがって、理論的には、抗体上でグリカンを修飾するためにベータ−1,4ガラクトシダーゼなどの酵素およびEndoSなどの他の酵素が使用され得るが、その一方で、このアプローチにはいくつかの難点が伴う。一部の問題は、実験室または研究スケールよりも市販製造スケールで深刻である。市販製造スケールで行われる工程に対して、十分な量の純粋な活性酵素を確保することが困難であり得る。これは、至適活性のために、正確に折り畳まれた天然の高次構造で酵素が発現されなければならないからである。さらに、活性が保持されることを確実にするために、酵素は適切な条件下で保管され、輸送される必要がある。さらに、EndoSなどの切断酵素に抗体を供することは、抗体の折り畳みおよび活性を妨害する可能性がある。これらの態様が管理され得るとしても、市販スケールで調製用の酵素処理に抗体を供する段階は、処理時間の延長、使用材料の増加および工数増加につながり、これらは全て商品原価に影響を及ぼす。
したがって、市販スケールでの抗体製造工程について、グリカンを切断して均一な抗体製品を提供するために酵素処理段階を使用することは望ましくない。
さらに、ポリペプチドまたはタンパク質の塩基性アミノ酸配列の修飾を必要としない部位特異的なコンジュゲーション法を有することは有用である。
さらに、金属および無機触媒は、最終医薬製品において除去することが困難である混入物になり得るため、コンジュゲーション反応において金属および無機触媒の使用を回避することは有用である。これらのタイプの混入物の除去には、さらなる精製段階が必要であり得、さらなる精製後でさえも、規制当局の要求を満たすために十分に低いレベルまで混入を低下させることが困難なことがある。
発明者らは、酵素処理を必要とせず、抗体の塩基性アミノ酸配列を修飾することなく使用し得る方法を明らかにした。さらに、銅触媒化学に頼ることなくペイロードへの抗体のコンジュゲーションをもたらし得る。
したがって、一態様において、前記抗体をコードするCHOグリコシル化突然変異体細胞株から抗体を発現させることを含む方法であって、前記CHO細胞株に対して、その細胞により発現される抗体上のN−グリカンが、N−アセチルグルコサミンである末端糖を有するように、例えばその細胞により発現される抗体上のN−グリカンの末端糖残基全てがN−アセチルグルコサミンであるように、変異が導入されている、方法が提供される。
一実施形態において、本細胞株は、例えばLec3.2.8、Lec4.8、Lec4A.8、Lec8、Lec10.8、Lec19およびLec20、例えばLec3.2.8、Lec4.8、Lec4A.8、Lec8およびLec10.8など、レクチン耐性CHO突然変異細胞株または対応するグリカン合成経路に有効な突然変異を有するCHO細胞株である。これらの細胞株は一般にそれらのN−グリカン合成経路に影響を及ぼす突然変異、例えば少なくともUDP−Galゴルジ輸送体において下方制御を提供する突然変異を有する。
一実施形態において、細胞株は、対応する突然変異または関連するN−グリカン合成経路における突然変異を有するLec8またはCHOである。
一実施形態において、本突然変異は、遺伝子Slc35aにおけるもの、例えばSlc35a1、Slc35a2または両方、特に少なくともSlc35a2における突然変異である。さらなる突然変異は、Mgat3、Mgat5、Gneおよびそれらの組み合わせから選択される1つ以上の遺伝子におけるものを含み得る。
代替的またはさらなる突然変異は、B4galt遺伝子、例えばB4galt1、B4galt6およびそれらの組み合わせなどの下方制御または不活性化を含み得る。これらの突然変異はβ4GalT−1およびβ−1、4−ガラクトシルトランスフェラーゼの下方制御につながる。
一実施形態において、突然変異の結果、次の特性のうち1つ以上:CMP−シアル酸ゴルジ輸送体における下方制御、GlcNAc−TVの下方制御または誤った局在化および/またはGlcNAc−TIIIの上方制御が生じる。
一実施形態において、突然変異CHO細胞株は、抗体重鎖の定常領域においてN−グリカンがアミノ酸Asn297を通じて連結されるグリコシル化抗体を提供する。
あるいはまたはさらに、アミノ酸、例えばアスパラギン(Asn)などは、N−グリコシル化に対する基質を提供するために、例えばヒンジまたは定常領域において、抗体に操作され得る。
一実施形態において、細胞株は、N−グリカン合成経路における突然変異、特に本明細書中に記載の突然変異を含むように改変された生産細胞株である。生産細胞株としては、例えばCHOS細胞株および国際公開第2011/036455号パンフレット、同第2011/086136号パンフレット、同第2011/086138号パンフレット、同第2011/086139号パンフレットおよび同第2013/007388号パンフレットで開示される細胞株が挙げられる。
独立した態様における本開示は、N−グリカン合成経路において改変される生産細胞およびこれを調製するための工程に拡大する。
一実施形態において、本工程は、コンジュゲーション基質(本明細書中で化学官能基とも呼ぶ)を含む反応性糖をグリカン上に転移させることによって本開示による抗体においてN−アセチルグルコサミン末端グリカンを拡張するさらなる段階を含む。この転移は、例えば、反応性糖を特異的にグリカン上の末端N−アセチルグルコサミンに転移させるためのGal−トランスフェラーゼなどのトランスフェラーゼを使用してもたらされ得る。
一実施形態において、トランスフェラーゼは、例えばY289L、Y289F、Y289N、Y、Y289M、289IおよびR228K、例えばY289Lなどを含む群から選択される、1または2個のアミノ酸が置換、欠失または付加される、その突然変異型を含むGalT酵素であり、例えば参照により本明細書中に組み込まれるBojarovaら、Glycobiology 2009,19,509を参照のこと。
有利に、本方法により、穏やかな条件が使用される場合でも、グリカン上に反応性糖を転移させる高レベルの特異的な変換が起こる。1つ以上の実施形態において、例えば得られる収率および/または含まれる工程段階数に関して、本開示の方法は効率的である。
一実施形態において、反応性糖はガラクトサミン由来である。
一般に、反応性糖は、ペイロードがコンジュゲートされ得る、ケトン、アルキニルおよびアジドから選択される化学官能基を含む。
一実施形態において、糖残基は、
GalNAz:
Figure 2019506161
またはその単一のエナンチオマーおよび
ケト−Gal:
Figure 2019506161
またはその単一のエナンチオマーから選択される。
上記の反応性ガラクトース糖残基は、Xがアジド、ケト、アルデヒドまたはアルキンであるGalXとして本明細書中で表され得る。
糖残基は、UDP−糖残基の形態、例えばGalNAz−UDP:
Figure 2019506161
もしくはその単一のエナンチオマーまたは
ケト−Gal−UDP:
もしくはその単一のエナンチオマーの形態で提供され得る。
一実施形態において、糖残基はUDP−Gal−アルキンとして提供される。
UDPは、転移において脱離基として作用し、反応性糖は特異的に酵素によってN−アセチルグルコサミンに転移させられる。
続くコンジュゲーションは、現状で、抗体上のグリカンの末端の反応性糖中の化学官能基に特異的であり、無機触媒を使用せずに非常に効率的に進行する。有利には、これは、抗体の天然の形態および機能において破壊を殆ど引き起こさない。
したがって、一実施形態において、本開示の工程は、本開示のコンジュゲーション反応において無機触媒、例えば銅触媒などを使用しない。
さらに、天然のグリカンと比較して少なくとも2つの糖類/糖分子によって抗体上のグリカンが短縮され得るので、ペイロードに対する空間が増加する。したがって、本方法により、抗体構造および/または機能を破壊することなく、大きなペイロードのコンジュゲーションが可能になる。
したがって、一実施形態において、本方法は、本開示により調製される抗体分子のグリカン上の反応性糖残基において化学官能基にペイロードをコンジュゲートするさらなる段階を含む。
一実施形態において、ペイロードは、毒素、薬物分子(細胞毒性剤など)、ポリマー、抗体またはそれらの結合断片を含む群から選択される。一実施形態において、薬物分子は、例えばメイタンシノイド、例えばN2’−デアセチル−N2’−(3−メルカプト−1−オキソプロピル)−メイタンシン(DM1)、N2’−デアセチル−N2’−(4−メルカプト−1−オキソペンチル)−メイタンシン(DM3)およびN2’−デアセチル−N2’(4−メチル−4−メルカプト−1−オキソペンチル)−メイタンシン(DM4)を含む群から選択される。一実施形態において、ペイロードは毒素である。一実施形態において、ペイロードはポリマーであり、例えばポリマーは天然ポリマーであり、このようなデンプンまたはアルブミンまたは合成ポリマー、例えばポリエチレン(PEG)などである。
一実施形態において、本開示の抗体にペイロードを連結するために使用される化学基をコンジュゲートすることは、クリック化学、例えば銅フリークリック化学である。
一態様において、本開示は、本明細書中に記載の方法から得られるかまたは得ることが可能な抗体または抗体分子およびこれを含む組成物に拡大する。
本開示は、治療における、特に癌の治療における使用のための、本明細書中で開示される抗体または抗体分子または組成物にも拡大する。
図1Aおよび1Bは、様々なグリカンの図表示である。 図2は、ある種のCHOグリコシル化突然変異体における、変異N−グリカン、ムチンO−グリカン、O−フルクトースおよびO−マンノースグリカンの図表示である。特定の位置での特定の糖の喪失または減少はマイナス(−)の印により示し、一方で糖残基の増加はプラス(+)の印により示す。様々なグリカンを有するアスパラギン、スレオニンまたはセリン残基は、それらの一文字アミノ酸コードにより示す。糖のシンボル:灰色の三角形−フルクトース、灰色の丸-マンノース、白色の丸−ガラクトース;黒色の四角−N−アセチルグルコサミン、白色の四角−N−アセチルガラクトサミン、灰色の台形−シアル酸。 図3は、様々な特異的なLec細胞株により合成された、N−グリカンの構造、タンパク質を示す。 図4Aは、G0Fグリカン型としてCHO−LEC8細胞において発現されるIgG抗体のHPLC分析を示す。G0Fグリカン断片を図4Bで示す。 図5は、抗CD105抗体のG0F N−グリコフォームの質量分析を示す。 図6Aは、実施例4の抗体上でのG0F型グリカンへのUDP−ケトGal転移についての略図および条件を示す。 図6Bは、反応性糖ケト−Galの転移前のG0F抗体の質量分析を示す。 図6Cは、反応性糖ケト−Galの転移後の図6Bの抗体の質量分析を示す。 図7Aは、GalNAzで修飾される抗体CD105に対する質量分析を示す。 図7Bは、DIBOへのコンジュゲーション後の図5Aからの抗体CD105の質量分析を示す。 図8は、LEC8細胞から発現され、UDP−GalNAzと反応させられたG0F型抗体の略図を示す。 図9は、DBCO−Fluor(登録商標)488にコンジュゲートされる抗体のSDS PAGEを示す。コンジュゲート体における抗体のN−グリカンはLEC8細胞において発現され、G0F型であり、突然変異体GalT(Y289L)によってそれにGalNAzが転移され、その後DBCO−Fluor(登録商標)488に付加させるためのクリック化学が続く。 図10Aは、突然変異体GalTによりそれに転移されている反応性糖GalNAzを伴うLEC8細胞で発現される抗体の質量分析を示す。 図10Bは、クリック化学により反応性糖を通じてDBCO−Fluor(登録商標)488にコンジュゲートされる図10Aの抗体である。 図11Aは、得られる分子比における突然変異体GalT酵素の濃度の影響を示す。 図11Bは、得られる分子比に対する、反応性糖試薬UDP−GalNAzの濃度の影響を示す。 図12は、得られる分子比に対する、ペイロードの同等物の影響を示す。
CHO細胞は、当業者によって理解され、本明細書中で使用される場合の技術用語であり、チャイニーズハムスター卵巣由来の細胞を指す。
本明細書中で使用される場合のN−グリカンは、例えばAsn、例えばAsn297などの側鎖を通じて抗体に連結される多糖鎖である。
本明細書中で使用される場合のG0グリカンという用語は、図面から確認され得る。この用語は、一般的に、文脈からの別段の指示がない限り、G0F構造を指すためにも使用される。一般に、グリカンが連結されるアミノ酸から出発するグリカン構造は、GlcNAc−GlcNAc−Man(Man−GlcNAc)Man−GlcNAcである。最初のGlcNAcは、任意選択によりフコース残基を保有し得、これはG0Fである。最初のマンノース残基は、任意選択によりさらなるGlcNAc残基を保有し得る。
本明細書中の図面は、G1の正確な構造に関して矛盾する。しかし、この用語は、本明細書中で使用される場合、構造G0の各枝がガラクトース残基をさらに含む、すなわちグリカンにおいて2個のガラクトース残基があることを指す。G1Fコンストラクトは、最初のGlcNAc残基(G0Fと類似)上にフコース残基を含む。このG1という用語は、本明細書中で使用される場合、文脈から別段示されない限り、一般的にG1Fを指す。
定められるグリコシル化パターンは、本明細書中で使用される場合、例えば、抗体など、組み換えタンパク質において1つまたは複数のグリカンの構造を定め、発現する能力を指す。特に定められるグリコシル化パターンは、抗体分子の大部分が予想されるグリカン構造(本明細書中でグリコシル化パターンも指す)を有することを確実にする。
一実施形態において、発現される抗体分子の80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%が、予想されるかまたは予測されるグリカン構造を有する。
したがって、一態様において、定められたグリコシル化パターンを有する抗体の集団が提供され、例えば集団中の抗体の大部分がG0グリカンを含み、例えば抗体グリコシル化パターンがG0グリカンからなり、特にAsn297に位置する。
いくつかのLec細胞株が由来する親細胞株はPro5であり、これはB4galt6の発現を生じさせない遺伝子変化を有し、参照により本明細書中に組み込まれるLeeら、J Biol Chem 2001,April 27;276(17);13924−34を参照のこと。
CMP−シアル酸ゴルジ輸送体およびまたUDP−Galゴルジ輸送体の発現においてLec3.2.8細胞株が下方制御される。遺伝子レベルで、遺伝子GneおよびSlc35a1およびSlc35a2において突然変異があり、参照により本明細書中に組み込まれるHongおよびStanley 2003 J.Biol.Chem.278,53045−53054を参照のこと。
Lec4.8細胞株は、CMP−シアル酸ゴルジ輸送体、UDP−Galゴルジ輸送体、GlcNAc−TI、GlcNAc−TVおよび誤って局在化するGlcAc−TVの発現において下方制御される。遺伝子レベルでSlc35a2およびMgat5の欠失があり、参照により本明細書中に組み込まれるOlemannら、2001 J.Biol.Chem.276,26291−26300を参照のこと。
Lec 4A.8細胞株は、UDP−Galゴルジ輸送体において下方制御され、GlcAc−TVに関して誤った局在化が起こる。遺伝子レベルでSlc35a2およびMgat5における欠失があり、Olemannら、2001 J.Biol.Chem.276,26291−26300を参照のこと。
Lec8細胞株はUDP−Galゴルジ輸送体において下方制御される。遺伝子レベルで、これらはSlc35a2 ORFにおいて変異導入され、参照により本明細書中に組み込まれるOlemannら、2001 J.Biol.Chem.276,26291−26300を参照のこと。この細胞から産生される抗体は、N−アセチルグリコサミンにおいてN−グリカン末端を有し、すなわちこれらはG0またはG0Fグリカンである。
Lec10.8細胞株は、UDP−Galゴルジ輸送体において下方制御されており、GlcNAc−TIIIにおいて上方制御されている。遺伝子レベルで、Mgat3およびSlc35a2において突然変異があり、参照により本明細書中に組み込まれるStanleyら 1991 Glycobiology 1,307−314を参照のこと。
Lec19は、β−1,4−ガラクトシル−トランスフェラーゼにおいて下方制御される。遺伝子レベルで、6つのB4galt6遺伝子の発現の下方制御があり、参照により本明細書中に組み込まれるLeeら、2003 Biochemistry 42,12349−12357を参照のこと。
Lec20は、β4−GalT1において下方制御される。遺伝子レベルで、遺伝子B4galt1の発現の不活性化または下方制御があり、参照により本明細書中に組み込まれるLeeら、2001 J.Biol.Chem.276,13924−13934を参照のこと。
一実施形態において、突然変異CHO細胞株、例えばB4galtbが発現されないかまたは活性型で発現されない突然変異を含む群から独立に選択される少なくとも1つの突然変異がある産生細胞株が提供される;
CMP−シアル酸の下方制御を提供する突然変異;UDP−Galゴルジ輸送体の下方制御を提供する突然変異;G1cNAc−TIの下方制御を提供する突然変異;G1CNAC−TVの下方制御およびG1cAc−TVの誤った局在化を提供する突然変異;B−1,4ガラクトシル−トランスフェラーゼの下方制御を提供する突然変異;β4−Galt1の下方制御を提供する突然変異;および前記突然変異の2つ以上の組み合わせ。
一実施形態において、B4galt6;Gne;Slc35a1;Slc35a2;Mgat5;Mgat3;およびそれらのうち2つ以上の組み合わせから独立に選択される少なくとも1つの遺伝子において突然変異がある突然変異CHO細胞株、例えば生産細胞株が提供される。
通常の技術のみを使用して、本明細書中に記載の官能基を有するようにCHO細胞株などの組み換え細胞株を当業者が操作し得る多くの方法がある。
生産細胞株は、本明細書中で使用される場合、特徴がよく分かっており、抗体およびその結合断片などの、ヒト治療での使用のための組み換えタンパク質の生産に安全な細胞株である。細胞株は、例えば抗体生産での使用について、規制当局により承認されているものであり得る。一般に生産細胞株は、市販スケール生産のために最適化されており、通常は、抗体およびその結合断片など、必要とされる折り畳みおよび活性がある組み換えタンパク質の「良好な」収率をもたらす。
本明細書中で開示される場合の酵素の突然変異型は、酵素配列中の1または2個(1個など)のアミノ酸が、独立に置換されるか、付加されるかまたは欠失しており、同時に野生型非突然変異酵素と比較して酵素機能が保持されるかまたは促進されている、活性酵素である。「活性酵素」は、本明細書中で使用される場合、反応を触媒し、対応する非突然変異酵素(出発または野生型酵素)の活性の少なくとも50%を有するものである。
本明細書中で使用される場合、酵素機能を保持または促進することは、酵素が「上記で定義されるような活性酵素」であること、または突然変異酵素が、非突然変異/野生型酵素と比較してより高い活性またはさらなる活性を有することを指す。「さらなる活性」は、本明細書中で使用される場合、非突然変異酵素により保持されない活性である。より高い活性は、上昇している突然変異酵素における活性を指し;対応する非突然変異酵素と比較して増強または向上している。
一実施形態において、酵素は、GalT酵素、すなわちガラクトース−1−ホスフェートウリジリルトランスフェラーゼ(EC2.7.7.12)、例えばGalT野生型またはベータ−(1,4)Gal−T1突然変異体、例えば野生型アミノ酸配列中のY289が代替的なアミノ酸により置換されるもの、特にGalT(Y289L)、GalT(Y289N)、GalT(Y289F)およびGalT(Y289M)、より具体的にはGalT(Y289L)である。突然変異酵素は、(例えばUDP−GalNAzからの)GalNAzおよび(例えばUDP−ケト−Galからの)ケト−Galなどの反応性糖を転移可能である。
「抗体」または「免疫グロブリン」という用語は、本明細書中で交換可能に使用され、全長抗体全体および何らかの抗原結合断片、その1本鎖およびそれらを含む多特異性(2特異性など)抗体分子を含む。
一実施形態において、GalTは組み換えられている。一実施形態において、酵素は哺乳動物、例えばヒトまたはウシである。
一実施形態において、本開示によりコードされ発現される抗体は、少なくとも1つ、例えば1つのN−グリコシル化部位、例えばAsn297などを含む。一実施形態において、本開示の抗体は、CH2ドメインまたはAsn297残基を含むその断片を含む。一実施形態において、CH3ドメインが存在する。一実施形態において、CH3ドメインは存在しない。
一実施形態において、本開示の抗体分子はFc領域を含む。
Fc領域は、第1の定常領域免疫グロブリンドメインを除く抗体の定常領域を含むポリペプチド、およびその断片を含む。したがって、IgGについて、「Fc領域」は、CH2およびCH3ならびに場合により、それらのドメインに対するフレキシブルヒンジ領域N末端の全部または一部を指す。用語「Fc領域」は、単離されたこの領域、または抗体、抗体断片、もしくはFc融合タンパク質に関するこの領域を指し得る。
一実施形態において、本開示の抗体分子は軽鎖を含む。
各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書中でVL、VL領域またはVLドメインと略称)および軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は1つのドメイン、CLから構成される。
一実施形態において、本開示の抗体分子は、可変重鎖領域(本明細書中でVH、VH領域またはVHドメインと略称)を有する重鎖を含む。
VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FW)と称されるより保存されている領域が散在する相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域にさらに下位分類することができる。それぞれのVHおよびVLは、以下の順序でアミノ末端からカルボキシ末端へ配置された3つのCDRおよび4つのFWから構成される:FW1、CDR1、FW2、CDR2、FW3、CDR3、FW4。フレームワーク領域は、それらのそれぞれのVHおよびVL領域により指定することができる。したがって、例えば、VH−FW1は、VHの第1のフレームワーク領域を指す。
重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、宿主組織または因子、例として、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典補体系の第1成分(C1q)への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
典型的な全長抗体は、ジスルフィド結合により相互連結される少なくとも2本の重(H)鎖および2本の軽(L)鎖を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書中でVH、VH領域またはVHドメインと略称)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3または4つの定常ドメイン、CH1、CH2、CH3およびCH4を含む。
用語「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位(結合部位とも称される)を介して標的、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、または上記の組合せを認識し、それに特異的に結合する免疫グロブリン分子またはその抗原結合断片を意味する。本明細書において使用される用語「抗体」は、インタクトポリクローナル抗体、インタクトモノクローナル抗体、抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFv断片)、単鎖抗体断片(scFvおよびジスルフィド安定化scFv(dsFv))、少なくとも2つの異なる抗体から生成される多重特異的抗体、例えば、二重特異的抗体または抗体断片から形成される多重特異的抗体(例えば、PCT出願公開の国際公開第96/27011号パンフレット,国際公開第2007/024715号パンフレット、国際公開第2009018386号パンフレット、国際公開第2009/080251号パンフレット、国際公開第2013006544号パンフレット、国際公開第2013/070565号パンフレット、および国際公開第2013/096291号パンフレット参照)、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原結合断片を含む融合タンパク質、および抗原結合断片を含む任意の他の改変免疫グロブリン分子を、その抗体が所望の生物学的活性を示す限り、包含する。
抗体は、任意の5つの主要なクラスの免疫グロブリン:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM、またはサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)、またはアロタイプ(例えば、Gm、例えば、G1m(f、z、aまたはx)、G2m(n)、G3m(g、b、またはc)、Am、Em、およびKm(1、2または3))のものであり得る。異なるクラスの免疫グロブリンは、異なる周知のサブユニット構造および三次元立体配置を有する。抗体は、任意の哺乳動物、例として、限定されるものではないが、ヒト、サル、ブタ、ウマ、ラマ、ラクダ、ウサギ、イヌ、ネコ、マウスなど、または他の動物、例えば、鳥類(例えば、ニワトリ)から誘導することができる。
用語「抗原結合断片」は、インタクト抗体の抗原決定可変領域を含む断片を指す。抗体の抗原結合機能が全長抗体の断片により実施され得ることは、当分野において公知である。抗体断片の例としては、限定されるものではないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、scFv、直鎖抗体、単鎖抗体、および抗体断片から形成される多重特異的抗体が挙げられる。
したがって、一実施形態において、本発明において使用される抗体は、全長重鎖および軽鎖を有する完全抗体分子またはその断片を含み得、限定されるものではないが、Fab、改変Fab、Fab’、改変Fab’、F(ab’)、Fv、単一ドメイン抗体(例えば、VHまたはVLまたはVHH)、scFv、二価、三価または四価抗体、ビス−scFv、ダイアボディ(diabody)、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)、それらの組合せおよび上記のいずれかのエピトープ結合断片であり得る。
しかし、抗体およびその結合断片は、N−グリコシル化部位など、少なくとも1つのグリコシル化部位を含まなくてはならない。
一実施形態において、グリコシル化部位はCDRに配置されない。
一実施形態において、scFvsなどの小さな抗体結合断片について、リンカーにおいてグリコシル化部位が改変されている。
一実施形態において、本開示の抗体はモノクローナルである。
具体的に企図される他の抗体は、区別されるモノクローナル抗体の所定の混合物である「オリゴクローナル」抗体である。例えば、PCT出願公開の国際公開第95/20401号パンフレット;米国特許第5,789,208号明細書および米国特許第6,335,163号明細書参照。好適には、オリゴクローナル抗体は、1つ以上のエピトープに対する抗体の所定の混合物からなり、単一細胞中で生成される。より好適には、オリゴクローナル抗体は、共通の軽鎖と対合して複数の特異性を有する抗体を生成し得る複数の重鎖を含む(例えば、PCT出願公開の国際公開第04/009618号パンフレット)。単一標的分子上の複数のエピトープを標的化することが望ましい場合、オリゴクローナル抗体は特に有用である。当業者は、どのタイプの抗体または抗体の混合物が意図される目的および所望の必要性に適用可能であるかを知っており、または決定し得る。
本開示の方法における使用に具体的に企図される他の結合タンパク質部分は、小型遺伝子操作タンパク質ドメイン、例えば、足場(例えば、米国特許出願公開第2003/0082630号明細書および米国特許出願公開第2003/0157561号明細書参照)である。足場は、公知の天然存在、非抗体ドメインファミリー、具体的には、タンパク質細胞外ドメインをベースとし、典型的には、小サイズ(約100から約300AA)で、挿入、欠失または他の置換を可能とする高い立体構造トレランスの可変ドメインと会合している高度に構造化されたコアを含有する。これらの可変ドメインは、任意の標的化タンパク質のための推定結合界面を作出し得る。一般に、一般的なタンパク質足場の設計は、2つの主要なステップからなる:(i)所望の特徴部を有する好適なコアタンパク質の選択および(ii)高い構造可変性を許容するドメインの一部または全部の突然変異誘発による複雑なコンビナトリアルライブラリーの生成、適切なフォーマット(すなわち、ファージ、リボソーム、細菌、または酵母)のこれらのライブラリーのディスプレイおよび所望の結合特徴(例えば、標的特異性および/または親和性)を有する突然変異誘発足場についてのライブラリーのスクリーニング。親足場の構造は、高度に多様であり得、高度に構造化されたタンパク質ドメイン、例として、限定されるものではないが、FnIIIドメイン(例えば、AdNectin、例えば、Protein Eng.Des.Sel.18、435−444(2005)、米国特許出願公開第2008/00139791号明細書、および国際公開第2005/056764号パンフレット参照、TN3、例えば、国際公開第2009/058379号パンフレットおよび国際公開第2011/130324号パンフレット参照);プロテインAのZドメイン(Affibody、例えば、Protein Eng.Des.Sel.17,455−462(2004)および欧州特許出願公開第1641818A1号明細書参照);LDL受容体からのドメインA(アビマー、例えば、Nature Biotechnology 23(12),1556−1561(2005)およびExpert Opinion on Investigational Drugs 16(6)、909−917(June 2007)参照);アンキリンリピートドメイン(DARPin、J.Mol.Biol.332,489−503(2003)、PNAS(2003)およびBiol.369、(2007)および国際公開第02/20565号パンフレット);C型レクチンドメイン(テトラネクチン、例えば、国際公開第02/48189号パンフレット参照)を含む。所望により、2つ以上のそのような遺伝子操作足場ドメインを一緒に結合させて多価結合タンパク質を形成させることができる。個々のドメインは、使用/疾患適応症に応じて単一タイプのタンパク質またはいくつかのタンパク質を標的化し得る。
上記で論じられる部分は、少なくとも1つのグリコシル化部位を必要とし、これは、必要に応じて、通常の方法を使用して組み換え分子に改変され得る。
したがって、一独立態様において、結合タンパク質分子へと適切なグリコシル化部位、例えばN−グリコシル化部位を操作する前段階が提供される。
実質的に任意の分子(またはその一部、例えば、サブユニット、ドメイン、モチーフまたはエピトープ)は、抗体、例として、限定されるものではないが、内在性膜タンパク質、例として、イオンチャネル、イオンポンプ、Gタンパク質共役受容体、構造タンパク質;接着タンパク質、例えば、インテグリン;トランスポーター;シグナル伝達に関与するタンパク質および脂質固定タンパク質、例として、Gタンパク質、酵素、例えば、キナーゼ、例として、膜固定キナーゼ、膜結合酵素、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスファターゼ、脂肪酸合成酵素、消化酵素、例えば、ペプシン、トリプシン、およびキモトリプシン、リゾチーム、ポリメラーゼ;受容体、例えば、ホルモン受容体、リンホカイン受容体、モノカイン受容体、成長因子受容体、サイトカイン受容体;サイトカインなどにより標的化することができる。
一部の態様において、本開示の方法において用いられる抗体は、例えば、BMP1、BMP2、BMP3B(GDF10)、BMP4、BMP6、BMP8、CSF1(M−CSF)、CSF2(GM−CSF)、CSF3(G−CSF)、EPO、FGF1(αFGF)、FGF2(βFGF)、FGF3(int−2)、FGF4(HST)、FGF5、FGF6(HST−2)、FGF7(KGF)、FGF9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF12B、FGF14、FGF16、FGF17、FGF19、FGF20、FGF21、FGF23、FGFR、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFRL1、FGFR6、IGF1、IGF2、IGF1R、IGF2R、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNAR1、IFNAR2、IFNB1、IFNG、IFNW1、FIL1、FIL1(EPSILON)、FIL1(ZETA)、IL1A、IL1B、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12A、IL12B、IL13、IL14、IL15、IL16、IL17、IL17B、IL18、IL19、IL20、IL22、IL23、IL24、IL25、IL26、IL27、IL28A、IL28B、IL29、IL30、IL2RA、IL1R1、IL1R2、IL1RL1、IL1RL2、IL2RA、IL2RB、IL2RG、IL3RA、IL4R、IL5RA、IL6R、IL7R、IL8RA、IL8RB、IL9R、IL10RA、IL10RB、IL11RA、IL12RB1、IL12RB2、IL13RA1、IL13RA2、IL15RA、IL17R、IL17RA、IL17RB、IL17RC、IL17RD、IL18R1、IL20RA、IL20RB、IL21R、IL22R、IL22RA1、IL23R、IL27RA、IL28RA、PDGFA、PDGFB、PDGFRA、PDGFRB、TGFA、TGFB1、TGFB2、TGFB3、TGFBR1、TGFBR2、TGFBR3、ACVRL1、GFRA1、LTA(TNF−ベータ)、LTB、TNF(TNF−アルファ)、TNFSF4(OX40リガンド)、TNFSF5(CD40リガンド)、TNFSF6(FasL)、TNFSF7(CD27リガンド)、TNFSF8(CD30リガンド)、TNFSF9(4−1BBリガンド)、TNFSF10(TRAIL)、TNFSF11(TRANCE)、TNFSF12(APO3L)、TNFSF13(April)、TNFSF13B、TNFSF14(HVEM−L)、TNFSF15(VEGI)、TNFSF18、TNFRSF1A、TNFRSF1B、TNFRSF10A(Trail受容体)、TNFRSF10B(Trail受容体2)、TNFRSF10C(Trail受容体3)、TNFRSF10D(Trail受容体4)、FIGF(VEGFD)、VEGF、VEGFB、VEGFC、KDR、FLT1、FLT4、NRP1、IL1HY1、IL1RAP、IL1RAPL1、IL1RAPL2、IL1RN、IL6ST、IL18BP、IL18RAP、IL22RA2、AIF1、HGF、LEP(レプチン)、PTN、ALKおよびTHPOの中から選択される成長因子、サイトカイン、サイトカイン関連タンパク質、成長因子、受容体リガンドまたは受容体の全部または一部(例えば、サブユニット、ドメイン、モチーフまたはエピトープ)を標的化し、および/または取り込む。
一部の態様において、本開示の方法において用いられる抗体は、例えば、CCL1(I−309)、CCL2(MCP−1/MCAF)、CCL3(MIP−1a)、CCL4(MIP−1b)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP−3)、CCL8(mcp−2)、CCL11(エオタキシン)、CCL13(MCP−4)、CCL15(MIP−1d)、CCL16(HCC−4)、CCL17(TARC)、CCL18(PARC)、CCL19(MIP−3b)、CCL20(MIP−3a)、CCL21(SLC/エクソダス(exodus)−2)、CCL22(MDC/STC−1)、CCL23(MPIF−1)、CCL24(MPIF−2/エオタキシン−2)、CCL25(TECK)、CCL26(エオタキシン−3)、CCL27(CTACK/ILC)、CCL28、CXCL1(GRO1)、CXCL2(GRO2)、CXCL3(GRO3)、CXCL5(ENA−78)、CXCL6(GCP−2)、CXCL9(MIG)、CXCL10(IP10)、CXCL11(I−TAC)、CXCL12(SDF1)、CXCL13、CXCL14、CXCL16、PF4(CXCL4)、PPBP(CXCL7)、CX3CL1(SCYD1)、SCYE1、XCL1(リンホタクチン)、XCL2(SCM−1b)、BLR1(MDR15)、CCBP2(D6/JAB61)、CCR1(CKR1/HM145)、CCR2(mcp−1RB/RA)、CCR3(CKR3/CMKBR3)、CCR4、CCR5(CMKBR5/ChemR13)、CCR6(CMKBR6/CKR−L3/STRL22/DRY6)、CCR7(CKR7/EBI1)、CCR8(CMKBR8/TER1/CKR−L1)、CCR9(GPR−9−6)、CCRL1(VSHK1)、CCRL2(L−CCR)、XCR1(GPR5/CCXCR1)、CMKLR1、CMKOR1(RDC1)、CX3CR1(V28)、CXCR4、GPR2(CCR10)、GPR31、GPR81(FKSG80)、CXCR3(GPR9/CKR−L2)、CXCR6(TYMSTR/STRL33/Bonzo)、HM74、IL8RA(IL8Ra)、IL8RB(IL8Rb)、LTB4R(GPR16)、TCP10、CKLFSF2、CKLFSF3、CKLFSF4、CKLFSF5、CKLFSF6、CKLFSF7、CKLFSF8、BDNF、C5R1、CSF3、GRCC10(C10)、EPO、FY(DARC)、GDF5、HIF1A、IL8、PRL、RGS3、RGS13、SDF2、SLIT2、TLR2、TLR4、TREM1、TREM2、およびVHLの中から選択されるケモカイン、ケモカイン受容体、またはケモカイン関連タンパク質の全部または一部(例えば、サブユニット、ドメイン、モチーフまたはエピトープ)を標的化し、および/または取り込む。
一部の態様において、本開示の方法において用いられる抗体は、例えば、レニン;成長ホルモン、例として、ヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;アルファ−1−アンチトリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;凝固因子、例えば、第VII因子、第VIIIC因子、第IX因子、組織因子(TF)、およびフォンウィルブランド因子;抗凝固因子、例えば、プロテインC;心房性ナトリウム利尿因子;肺サーファクタント;プラスミノーゲンアクチベーター、例えば、ウロキナーゼまたはヒト尿または組織型プラスミノーゲンアクチベーター(t−PA);ボンベシン;トロンビン;造血成長因子;腫瘍壊死因子−アルファおよびベータ;エンケファリナーゼ;RANTES(活性化調節型の正常T細胞発現および分泌物(regulated on activation normally T−cell expressed and secreted);ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP−1−アルファ);血清アルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン;ミュラー管阻害因子;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;微生物タンパク質、例えば、ベータ−ラクタマーゼ;DNアーゼ;IgE;細胞毒性Tリンパ球性関連抗原(CTLA)、例えば、CTLA−4;インヒビン;アクチビン;プロテインAまたはD;リウマチ因子;神経栄養因子、例えば、骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、−4、−5、もしくは−6(NT−3、NT−4、NT−5、またはNT−6)、または神経成長因子;上皮成長因子(EGF);インスリン様成長因子結合タンパク質;CDタンパク質、例えば、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11a、CD14、CD18、CD19、CD20、CD22、CD23、CD25、CD33、CD34、CD40、CD40L、CD52、CD63、CD64、CD80およびCD147;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;分解促進因子;ウイルス抗原、例えば、例えば、AIDSエンベロープの一部、例えば、gp120;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;調節タンパク質;細胞接着分子、例えば、LFA−1、Mac 1、p150.95、VLA−4、ICAM−1、ICAM−3およびVCAM、a4/p7インテグリン、および(Xv/p3インテグリン、例として、その1つまたは複数のサブユニットのいずれか、インテグリンアルファサブユニット、例えば、CD49a、CD49b、CD49c、CD49d、CD49e、CD49f、アルファ7、アルファ8、アルファ9、アルファD、CD11a、CD11b、CD51、CD11c、CD41、アルファIIb、アルファIELb;インテグリンベータサブユニット、例えば、CD29、CD18、CD61、CD104、ベータ5、ベータ6、ベータ7およびベータ8;インテグリンサブユニット組合せ、例として、限定されるものではないが、αVβ3、αVβ5およびα4β7;アポトーシス経路のメンバー;IgE;血液群抗原;flk2/flt3受容体;肥満(OB)受容体;mpl受容体;CTLA−4;プロテインC;Eph受容体例えば、EphA2、EphA4、EphB2など;ヒト白血球抗原(HLA)例えば、HLA−DR;補体タンパク質、例えば、補体受容体CR1、C1Rqおよび他の補体因子、例えば、C3、およびC5;糖タンパク質受容体、例えば、GpIbα、GPIIb/IIIaおよびCD200の中から選択されるタンパク質の全部または一部(例えば、サブユニット、ドメイン、モチーフまたはエピトープ)を標的化し、および/または取り込む。
癌抗原、例として、限定されるものではないが、ALK受容体(プレイオトロフィン受容体)、プレイオトロフィン、KS1/4汎癌抗原;卵巣癌抗原(CA125);前立腺酸性ホスフェート(acid phosphate);前立腺特異的抗原(PSA);黒色腫関連抗原p97;黒色腫抗原gp75;高分子量黒色腫抗原(HMW−MAA);前立腺特異的膜抗原;癌胎児性抗原(CEA);多形上皮ムチン抗原;ヒト乳脂肪球抗原;結腸直腸腫瘍関連抗原、例えば、CEA、TAG−72、CO17−1A、GICA19−9、CTA−1およびLEA;バーキットリンパ腫抗原−38.13;CD19;ヒトBリンパ腫抗原−CD20;CD33;黒色腫特異的抗原、例えば、ガングリオシドGD2、ガングリオシドGD3、ガングリオシドGM2およびガングリオシドGM3;腫瘍特異的移植型細胞表面抗原(TSTA);ウイルス誘導腫瘍抗原、例として、T抗原、DNA腫瘍ウイルスおよびRNA腫瘍ウイルスのエンベロープ抗原;癌胎児性抗原−アルファ−フェトプロテイン、例えば、結腸のCEA、5T4癌胎児性栄養芽層糖タンパク質および膀胱腫瘍癌胎児性抗原;分化抗原、例えば、ヒト肺癌抗原L6およびL20;線維肉腫の抗原、ヒト白血病T細胞抗原−Gp37;ネオ糖タンパク質;スフィンゴ脂質;乳癌抗原、例えば、EGFR(上皮増殖因子受容体);NY−BR−16、NY−BR−16;HER2抗原(p185HER2)およびHER3;多形上皮ムチン(PEM);悪性ヒトリンパ球抗原−APO−1;分化抗原、例えば、胎児赤血球中に見出されるI抗原;成人赤血球中に見出される一次内胚葉I抗原;着床前胚;胃腺癌中に見出されるI(Ma);乳房上皮中に見出されるM18、M39;骨髄性細胞中に見出されるSSEA−1;VEP8;VEP9;Myl;VIM−D5;結腸直腸癌中に見出されるD156−22;TRA−1−85(血液型H);精巣および卵巣癌中に見出されるSCP−1;結腸腺癌中に見出されるC14;肺腺癌中に見出されるF3;胃癌中に見出されるAH6;Yハプテン;胚性癌細胞中に見出されるLey;TL5(血液型A);A431細胞中に見出されるEGF受容体;膵臓癌中に見出されるE1系列(血液型B);胚性癌細胞中に見出されるFC10.2;胃腺癌抗原;腺癌中に見出されるCO−514(血液型Lea);腺癌中に見出されるNS−10;CO−43(血液型Leb);A431細胞のEGF受容体中に見出されるG49;結腸腺癌中に見出されるMH2(血液型ALeb/Ley);結腸癌中に見出される19.9;胃癌ムチン;骨髄性細胞中に見出されるT5A7;黒色腫中に見出されるR24;胚性癌細胞中に見出される4.2、GD3、D1.1、OFA−1、GM2、OFA−2、GD2、およびM1:22:25:8ならびに4〜8細胞期胚中に見出されるSSEA−3およびSSEA−4;皮膚T細胞リンパ腫抗原;MART−1抗原;シアリ(Sialy)Tn(STn)抗原;結腸癌抗原NY−CO−45;肺癌抗原NY−LU−12バリアントA;腺癌抗原ART1;腫瘍随伴性脳−精巣−癌抗原(腫瘍および神経細胞の共通抗原(onconeuronal antigen)MA2;傍腫瘍性神経抗原);神経腫瘍腹側抗原2(Neuro−oncological ventral antigen 2)(NOVA2);肝細胞癌抗原遺伝子520;腫瘍関連抗原CO−029;腫瘍関連抗原MAGE−C1(癌/精巣抗原CT7)、MAGE−B1(MAGE−XP抗原)、MAGE−B2(DAM6)、MAGE−2、MAGE−4a、MAGE−4bおよびMAGE−X2;癌−精巣抗原(NY−EOS−1);ならびに上記に列記されたポリペプチドのいずれかの抗体に特異的に結合し、および/またはそれを含む部分も企図される。
一実施形態において、本開示による方法は、抗体上のグリカンが均一であることを確実にするためにガラクトシダーゼ酵素またはその突然変異型で本開示の工程から発現されるグリコシル化抗体を処理する前段階を含む。しかし、通常、有利に、本開示の方法により発現される抗体が、産生される抗体集団のグリカン翻訳後修飾パターンに関して均一であるので、この段階は必要とされない。
基質は、本明細書中で使用される場合、文脈からの別段の指示がない限り、酵素が作用する分子またはそれらの断片を指す。
本方法において、(反応性糖がトランスフェラーゼにより転移される)基質における特徴となる実体は、それが、抗体に連結されるN−グリカン上で末端N−アセチルグルコサミン残基を含むことである。
N−アセチルグルコサミンは次の構造:
Figure 2019506161
を有する。
反応性糖は、本明細書中で使用される場合、化学コンジュゲーション反応に関与可能であり、最終的にはペイロードが抗体上のグリカンに連結される、化学官能基、例えば、アジド、ケトまたはアルキニル基を含む糖残基を指す。
糖残基中の化学官能基は、本明細書中で使用される場合、化学結合(特に共有結合)を介してペイロード中の官能基をコンジュゲート可能な基である。
アジド、ケト、アルデヒドおよびアルキニルは、本明細書の内容におけるそれらの通常の化学的な意味が与えられる。
通常、化学官能基は糖環に付加され、糖がその独自性/名称(後者は環構造に基づく)を保持するようになる。したがって、糖、例えばガラクトースに由来するとは、本明細書中で使用される場合、元の糖環構造が保持され、官能基が環に付け加えられることを指し、例えば実施例中で提供される合成経路を参照のこと。したがって、一般に官能基は糖環の構造の一部ではない。
コンジュゲーション反応において適切な共有結合を形成可能な化学の例は当業者にとって周知であり、以下で例示されるものが挙げられるが限定されない。
官能性化学基がアジドクリック化学である場合、例えば銅フリークリック化学は、コンジュゲーションに対してペイロード中の適切な官能基と組み合わせて使用され得、例えばDIBO修飾ペイロードが使用され得る。
コンジュゲートされる、とは、本明細書中で使用される場合、化学共有結合を形成することにより一緒に2個の化合物または分子または断片を連結することを指す。クリック化学は、適切な化学官能基をそれぞれ含む2つの実体を迅速にコンジュゲートするように設計されている。
1つが抗体中のものであり、1つがペイロード中のものである官能基の対が反応して、共有結合を形成し、2つの実体を一緒にコンジュゲートし、例えばアジドがコンジュゲーション反応においてアルキンと反応し得ることは当業者にとって明らかであろう。抗体および合成または半合成ペイロード分子を設計するとき、官能性化学基がどの実体に組み込まれるかについて選択肢がある。
一実施形態において、反応性糖中のアジド実体は本開示の抗体分子上のグリカンに連結される。対応するペイロードにおいて、官能基は、例えばアルキニルを含むが限定されないアジドとの反応に適切な複数の反応パートナーのうちの1つであり得る。
一実施形態において、例えば、本開示の抗体上のグリカンに連結される反応性糖において−C(O)CHを含むケト官能基は、例えばペイロードへ抗体をコンジュゲートさせるためにオキシム化反応において使用され得る。
一実施形態において、ペイロード中の一級アミンまたは二級アミンなど、ペイロード中のアミンとの反応において、本開示の抗体上のグリカンに連結される反応性糖中のアルデヒド官能基が使用され得る。
一実施形態において、本開示の抗体中のグリカンに連結される反応性糖中のアルキニル官能基は、ペイロード中のアジドとの反応において使用され得、例えばクリック化学などの化学を使用し、特に適切であるものは銅フリークリック化学である。
クリック化学
クリック化学コンジュゲーション反応の例としては、例えばClick−mates(商標)アルキン、例えば5−プロパルギルオキシ−dU CEP、5−オクタジイニル−du CEP、アルキニル−修飾因子−C6−dT CEP、5−(プロパルギルオキシ)−2’−デオキシウリジン、5−(1,7−オクタジイン−1−イル)−2’−デオキシウリジン、5−オクタジイニル−TMS−dU CEP、5−オクタジイニル−TMS−dC CEP、5−オクタジイニル−dC CEP、5−オクタジイニル−TIPS−dU CEPを含む構成要素と反応するアジドを含む分子を使用するものが挙げられる。この化学は銅触媒を使用し、医薬品については、そこでの銅触媒の使用を回避することが望ましいものであり得る。
上記で論じられるように、抗体構成要素は、必要に応じてアジド、アルデヒドまたはアルキン官能基(特にアジドまたはアルデヒド官能基)を含有するために設計され得、ペイロードは、適切なコンジュゲーションパートナーを含むために設計され得る。しかし、一実施形態において、ペイロードはアルキン官能基を含み、抗体はアジド官能基を含む。
銅フリー反応での使用に適切な試薬は、例えばBCN CEP I、BCN CEP II、BCN−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルI、BCN−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルII、MFCO−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルおよびMFCO CEPを含むClick−easy(登録商標)alkynesから入手可能である。これらの試薬は一般に、関心のある分子中のアジドと反応する。
一実施形態において、例えばペイロードに連結されるアルキンクリック試薬は、OCT、DIFO、DIBO、BCN、BARAC、DIFBO、thiaOct、thiaDIFBO、TMTH、ジベンゾシクロオクチル(DBCO)および
Figure 2019506161
から選択される。
これらの試薬は、例えば下記スキームで示されるタイプの反応で使用され得、生体分子は抗体−グリカン反応性糖に相当し、タグはペイロードに相当する。
Figure 2019506161
これらの試薬の化学構造を下記で示す。
Figure 2019506161
示される構造は、銅フリークリック化学に対するチアシクロアルキンからの抽出物であるAngew.Chem Int Ed.2012,51,2443−2447)。
DBCOは次の構造:
Figure 2019506161
を有する。
一実施形態において、例えば多環系の一部としてアルキンを含む断片は、ペイロードにおける組み込みに対して最も適切であり得る。
一実施形態において、ペイロード中の官能基は、クリック化学試薬の誘導体、例えば次の構造:
Figure 2019506161
(式中、ビオチンはペイロードである)を有するビオチンDIBOアルキンである。
明らかに、ビオチンは、多数の合成分子、半合成分子、生体分子、ポリマー、毒素、放射性ヌクレオチド、蛍光標識などのうち何れか1つにより置換され得る。
Click−IT(登録商標)マレイミドDIBOアルキンは市販されており、所望のペイロードにDIBOをコンジュゲートするためにマレイミドを使用し得る。
一実施形態において、本開示の方法は、本開示による工程、例えば本開示の抗体とペイロードとの間のコンジュゲーション段階において、銅フリーのクリック化学を使用する。様々な銅フリークリック化学試薬が市販されており、本開示による方法において使用され得る。次のものは、Invitrogenから入手可能である(括弧内はカタログ番号):
(C10405)Click−iT(登録商標)DIBO−Alexa Fluor(登録商標)488、Cuフリークリック化学用
(C10406)Click−iT(登録商標)DIBO−Alexa Fluor(登録商標)555、Cuフリークリック化学用
(C10407)Click−iT(登録商標)DIBO−Alexa Fluor(登録商標)594、Cuフリークリック化学用
(C10408)Click−iT(登録商標)DIBO−Alexa Fluor(登録商標)647、Cuフリークリック化学用
(C10410)Click−iT(登録商標)DIBO TAMRA、Cuフリークリック化学用
(C10411)Click−iT(登録商標)DIBOアミン、Cuフリークリック化学用
(C10412)Click−iT(登録商標)DIBOビオチン、Cuフリークリック化学用
(C10413)Click−iT(登録商標)DIBOマレイミド、Cuフリークリック化学用および
(C10414)Click−iT(登録商標)DIBOスクシンイミジルエステル、Cuフリークリック化学用
適切な化学官能基を含む関連製品としては、次の蛍光標識(すなわち後者はペイロード)が挙げられる:
(A10044)EdU(5−エチニル−2’−デオキシウリジン):(A10266)Alexa Fluor(登録商標)488アジド(Alexa Fluor(登録商標)488 5−カルボキサミド−(6−アジドヘキサニル)ビス(トリエチルアンモニウム塩)):(A10267)Alexa Fluor(登録商標)488アルキン(Alexa Fluor(登録商標)488 5−カルボキサミド−(プロパルギル)、ビス(トリエチルアンモニウム塩)):(A20012)Alexa Fluor(登録商標)555アジド、トリエチルアンモニウム塩、(A20013)Alexa Fluor(登録商標)555アルキン、トリエチルアンモニウム塩;(A10270)Alexa Fluor(登録商標)594アジド(Alexa Fluor(登録商標)594カルボキサミド−(6−アジドヘキサニル)、ビス(トリエチルアンモニウム塩));(A10275)Alexa Fluor(登録商標)594アルキン(Alexa Fluor(登録商標)594カルボキサミド−(5−(および6−)プロパルギル)、ビス(トリエチルアンモニウム塩));(A10277)Alexa Fluor(登録商標)647アジド、トリエチルアンモニウム塩;(A10278)Alexa Fluor(登録商標)647アルキン、トリエチルアンモニウム塩;(A10279)アルキン、スクシンイミジルエステル(3−プロパルギルオキシプロパン酸、スクシンイミジルエステル);(A10280)アジド(PEO)4プロピオン酸、スクシンイミジルエステル(3−(アジドテトラ(エチレンオキシ))プロピオン酸、スクシンイミジルエステル);(B10184)ビオチンアジド;(B10185)ビオチンアルキン;(C10102)Click−iT(登録商標)AHA(L−アジドホモアラニン)、新生タンパク質合成用;(C10186)Click−iT(登録商標)HPG(L−ホモプロパルギルグリシン)、新生タンパク質合成用;(C10248)Click−iT(登録商標)ファルネシルアルコール、アジド混合異性体;(C10249)Click−iT(登録商標)ゲラニルゲラニルアルコール、アジド混合異性体;(C10264)Click−iT(登録商標)フコースアルキン(テトラアセチルフコースアルキン);(C10265)Click−iT(登録商標)パルミチン酸、アジド(15−アジドペンタデカン酸);(C10268)Click−iT(登録商標)ミリスチン酸、アジド(12−アジドドデカン酸);(10269)Click−iT(登録商標)Cell Reaction Buffer Kit;(C10276)Click−iT(登録商標)Protein Reaction Buffer Kit;(C33365)Click−iT(登録商標)GalNAz代謝性糖タンパク質標識試薬(テトラアセチル化N−アジドアセチルガラクトサミン)−O結合型糖タンパク質用;(C33366)Click−iT(登録商標)ManNAz代謝性糖タンパク質標識試薬(テトラアセチル化N−アジドアセチル−D−マンノサミン)−シアル酸糖タンパク質用;(C33367)Click−iT(登録商標)GlcNAz代謝性糖タンパク質標識試薬(テトラアセチル化N−アジドアセチルグルコサミン)、−O−GlcNAC−修飾タンパク質用;(C33368)Click−iT(登録商標)O−GlcNAc Enzymatic Labeling System、−O結合型GlcNAc糖タンパク質用;(C33370)Click−iT(登録商標)テトラメチルローダミン(TAMRA)Protein Analysis Detection Kit;(C33371)Click−iT(登録商標)Dapoxyl(登録商標)Protein Analysis Detection Kit;(C33372)Click−iT(登録商標)Biotin Protein Analysis Detection Kit;(10187)EdU(5−エチニル−2’−デオキシウリジン);(I10188)ヨードアセトアミドアジド;(I10189)ヨードアセトアミドアルキン;(O10180)Oregon Green(登録商標)488アジド(Oregon Green(登録商標)488 6−カルボキサミド−(6−アジドヘキサニル)、トリエチルアンモニウム塩);(O10181)Oregon Green(登録商標)488アルキン6−異性体;(T10182)テトラメチルローダミン(TAMRA)アジド(テトラメチルローダミン5−カルボキサミド−(6−アジドヘキサニル))5−異性体;(T10183)テトラメチルローダミン(TAMRA)アルキン(5−カルボキシテトラメチルローダミン、プロパルギルアミド)5−異性体
結局、アルキニル官能基は本開示の抗体上のグリカンに連結される反応性糖中に存在し、例えばペイロード中でClick Mate’s(登録商標)アジド化学が使用され得る。ペイロードに組み込むための適切な試薬としては、(BT−107s)デスチオビオチン−TEGアジド;(BT−1085)ビオチン−TEGアジド;(FC−8150)葉酸−TEGアジド;(BT−8160)トコフェロール−TEG;(FD−13005)水溶性ダンシル−TEGアジド;(FF6110)6−カルボキシフルオレセイン−TEGアジド;(LK4270)アミノオキシ−TEGアジド;(BL3030)BBQ−650(商標)−TEGアジド;(FF6130)6−TET−TEGアジド;(LK4310)アミノ−TEGアジド;(FC8170)PQQ−TEGアジド;(FC8180)コレステリル−TEGアジド;(PS5030)ソラレン−TEGアジド;(DB8010)ダブシル−TEGアジド;(FC8190)DTPA−キナロン(quinalone)−TEGアジド;(FC8200)アジドクマリンN−ヒドロキシスクシンイミドエステル;(F8205)アジドクマリン−スペーサー−12−アミンギ酸塩;(FC8210)アジドクマリン−スペース−6ギ酸塩;(FC8215)アジドクマリン−スペーサー−12マレイミドが挙げられる。
処理パラメータ
抗体の発現後の処理パラメータは、グリカンおよび得られたコンジュゲート製品を調節するために使用され得る。図10で示されるように、GalTなどの突然変異酵素の濃度は、抗体中で利用可能な全4種類の可能性のあるN−グリカン基質への糖に対する反応性を付加するために使用され得る。したがって、酵素の4.0μM以上、例えば4.5μMなどの濃度は、抗体あたり4個の反応性糖という分子比を提供する。
4μM未満、例えば3.5μMなどの酵素濃度を使用することによって、抗体あたり3個の反応性糖という分子比が提供され得る。
各抗体に転移される反応性糖の比を調節するために、反応性糖試薬、例えばUDP−GalNAzなどの濃度も使用し得、例えば0.5mM以上の濃度は、抗体あたり4個の反応性糖の比を提供する。対照的に、約0.4mM以下、例えば0.3mMなどの濃度により、抗体分子あたり3個の反応性糖という比がもたらされる。
一実施形態において、コンジュゲーション反応で使用されるペイロードの分子同等物は、抗体分子あたりの最終製品中で得られるペイロードの比を調節するために使用され得、例えば5以上の比、例えば抗体あたり少なくとも6個のペイロード分子は、4個のペイロード分子が抗体にコンジュゲートされた最終製品を提供する。当然ではあるが、これは、各抗体分子中に4個の反応性糖が存在することを必要とする(および、上記で論じられるように、これが当てはまる場合があるし、または当てはまらない場合もある)。対照的に、コンジュゲーション反応において抗体あたり5個未満のペイロード分子の比を使用することは、抗体あたり3個のペイロード分子とコンジュゲートされる最終抗体を提供するために使用され得る。
ペイロード分子
本明細書において用いられるペイロードは、所望する位置へと「導く」抗体へのコンジュゲーションによる標的領域への「送達」を目的とする分子または構成要素(断片や化学的実体を含む)を指す。一般に、ペイロードは、例えば、毒素、例えば、細胞毒素、例えば、化学療法剤、薬物、プロドラッグ、酵素、免疫調節剤、抗血管新生剤、アポトーシス促進剤、サイトカイン、ホルモン、抗体またはその断片、合成また天然存在ポリマー、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドおよびその断片、例えば、DNA、RNAおよびそれらの断片(例えば、アンチセンス分子または遺伝子)、放射性核種、特に放射性ヨウ化物、放射性同位体、キレート金属、ナノ粒子およびレポーター基、例えば、蛍光化合物またはNMRもしくはESR分光法により検出することができる化合物からなる群から選択されるエフェクター分子である。
一実施形態において、ペイロードは、毒素、薬物、放射性核種、免疫調節剤、サイトカイン、リンホカイン、ケモカイン、成長因子、腫瘍壊死因子、ホルモン、ホルモンアンタゴニスト、酵素、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、siRNA、RNAi、マイクロRNA、ペプチド核酸、光活性治療剤、抗血管新生剤、アポトーシス促進剤、非天然アミノ酸、ペプチド、脂質、ポリマー、炭水化物、足場分子、蛍光タグ、可視化ペプチド、ビオチン、血清半減期延長剤、捕捉タグ、キレート剤、固体担体、またはそれらの組合せを含む群から選択される。
一実施形態において、ペイロードは、薬物分子(本明細書において薬物とも称される)である。本開示において使用される薬物分子の例としては、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、ゲムシタビン、トリアゼン、葉酸アナログ、アントラサイクリン、タキサン、COX−2阻害剤、ピリミジンアナログ、プリンアナログ、抗生物質、酵素阻害剤、エピポドフィロトキシン、白金配位錯体、ビンカアルカロイド、置換ウレア、メチルヒドラジン誘導体、副腎皮質抑制剤、ホルモンアンタゴニスト、エンドスタチン、タキソール、カンプトテシン、ドキソルビシン、ドキソルビシンアナログ、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗有糸分裂薬、抗血管新生剤、チロシンキナーゼ阻害剤、mTOR阻害剤、熱ショックタンパク質(HSP90)阻害剤、プロテオソーム阻害剤、HDAC阻害剤、アポトーシス促進剤、メトトレキセート、CPT−11、またはそれらの組合せが挙げられ、それらにおいてコンジュゲーションが存在する。
特定の態様において、薬物は、アミフォスチン、シスプラチン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、メクロレタミン、ストレプトゾシン、シクロホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、ドキソルビシンリポ、ゲムシタビン、ダウノルビシン、ダウノルビシンリポ、プロカルバジン、マイトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキセート、5−フルオロウラシル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、アルデスロイキン、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クラドリビン、10−ヒドロキシ−7−エチル−カンプトテシン(SN38)、ゲフィチニブ、ダカルバジン、フロクスウリジン、フルダラビン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、イダルビシン、メスナ、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、イリノテカン、ミトキサントロン、トポテカン、ロイプロリド、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、プリカマイシン、ミトタン、ペガスパルガーゼ、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、ウラシルマスタード、ビノレルビン、クロラムブシルアロマターゼ阻害剤、およびそれらの組合せである。
一実施形態において、薬物は、アルキルホスホコリン、トポイソメラーゼI阻害剤、タキソイドおよびスラミンを含む群から選択される。
一実施形態において、毒素は、細胞毒素または細胞毒性剤、例として、細胞に有害な(例えば、細胞を殺傷する)任意の薬剤を意味する。例としては、アプリジン、アナストロゾール、アザシチジン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン−1、ブスルファン、コンブレスタチン、カルムスチン、ドラスタチン、エポチロン、スタウロスポリン、メイタンシノイド、スポンジスタチン、リゾキシン、ハリコンドリン、ロリジン、ヘミアステリン、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムプロミド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、糖質コルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロールおよびピューロマイシンならびにそれらのアナログまたはホモログが挙げられる。
一実施形態において、薬物(この場合、細胞毒素とも)は、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキセート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパ クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロトスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、カルボプラチン、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(旧名ダウノマイシン)およびドキソルビシンまたはドキソルビシングルクロニド)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(旧名アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、アントラマイシン(AMC)、カリケアミシンまたはデュオカルマイシン)、ならびに抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)を含む。
一部の態様において、薬物は、アウリスタチン(米国特許第5,635,483号明細書;米国特許第5,780,588号明細書)、例えば、MMAE(モノメチルアウリスタチンE)またはMMAF(モノメチルアウリスタチンF)である。他の態様において、薬物は、ドラスタチンまたはドラスタチンペプチド性アナログまたは誘導体である。ドラスタチンおよびアウリスタチンは、微小管ダイナミクス、GTP加水分解、ならびに核および細胞分裂を妨害し(Woyke et al.,Antimicrob.Agents and Chemother.45:3580−3584(2001))、抗癌活性を有することが示されている(米国特許第5,663,149号明細書)。ドラスタチンまたはアウリスタチン薬物部分は、コンジュゲート化合物にペプチド性薬物部分のN(アミノ)末端またはC(カルボキシル)末端を介して付着させることができる。例えば、参照により全体として本明細書に組み込まれる国際特許出願公開の国際公開第2002/088172号パンフレット参照。
他の態様において、薬物は、メイタンシノイドである。一部の態様において、メイタンシノイドは、N2’−デアセチル−N2’−(3−メルカプト−1−オキソプロピル)−メイタンシン(DM1)、N2’−デアセチル−N2’−(4−メルカプト−1−オキソペンチル)−メイタンシン(DM3)またはN2’−デアセチル−N2’(4−メチル−4−メルカプト−1−オキソペンチル)−メイタンシン(DM4)である。メイタンシノイドは、チューブリン重合を阻害することにより作用する有糸分裂阻害剤である。メイタンシンは、最初に西アフリカ低木メイテナス・セラタ(Maytenus serrata)から単離された(米国特許第3,896,111号明細書)。続いて、ある微生物も、メイタンシノイド、例えば、メイタンシノールおよびC−3メイタンシノールエステルを産生することが発見された(米国特許第4,151,042号明細書)。合成メイタンシノールならびにその誘導体およびアナログは、例えば、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第4,137,230号明細書;米国特許第4,248,870号明細書;米国特許第4,256,746号明細書;米国特許第4,260,608号明細書;米国特許第4,265,814号明細書;米国特許第4,294,757号明細書;米国特許第4,307,016号明細書;米国特許第4,308,268号明細書;米国特許第4,308,269号明細書;米国特許第4,309,428号明細書;米国特許第4,313,946号明細書;米国特許第4,315,929号明細書;米国特許第4,317,821号明細書;米国特許第4,322,348号明細書;米国特許第4,331,598号明細書;米国特許第4,361,650号明細書;米国特許第4,364,866号明細書;米国特許第4,424,219号明細書;米国特許第4,450,254号明細書;米国特許第4,362,663号明細書;および米国特許第4,371,533号明細書に開示されている。
メイタンシノイド薬物部分は、抗体薬物コンジュゲート中の魅力的な薬物部分である。それというのも、それらは(i)発酵または化学改変、発酵産物の誘導体化による調製に相対的に利用しやすいため、(ii)抗体への非ジスルフィドリンカーを介するコンジュゲーションに好適な官能基による誘導体化を受けやすいため、(iii)血漿中で安定であるため、および(iv)種々の腫瘍細胞系に対して有効であるためである。メイタンシノイドを含有するコンジュゲート、それを作製する方法、およびその治療的使用は、例えば、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第5,208,020号明細書、米国特許第5,416,064号明細書および欧州特許第0425235号明細書;Liu et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:8618−8623(1996)(DM1と命名されるメイタンシノイドを含む免疫コンジュゲートを記載);ならびにChari et al.,Cancer Research 52:127−131(1992)に開示されている。
メイタンシノイドは当分野において周知であり、公知技術により合成し、または天然源から単離することができる。好適なメイタンシノイドは、例えば、米国特許第5,208,020号明細書に開示されている。例示的なメイタンシノイド薬物部分としては、改変芳香族環を有するもの、例えば、C−19−デクロロ(米国特許第4,256,746号明細書)(アンサマイトシンP2の水素化アルミニウムリチウム還元により調製);C−20−ヒドロキシ(またはC−20−デメチル)+/−C−19−デクロロ(米国特許第4,361,650号明細書および米国特許第4,307,016号明細書)(ストレプトミセス属(Streptomyces)またはアクチノミセス属(Actinomyces)を使用する脱メチル化またはLAHを使用する脱塩素化により調製);およびC−20−デメトキシ、C−20−アシルオキシ(−OCOR)、+/−デクロロ(米国特許第4,294,757号明細書)(塩化アシルを使用するアシル化により調製)ならびに他の位置における改変を有するものが挙げられる。例示的なメイタンシノイド薬物部分としては、改変を有するもの、例えば、メイタンシノールとH2SまたはP2S5との反応により調製されるC−9−SH(米国特許第4,424,219号明細書);C−14−アルコキシメチル(デメトキシ/CH2OR)(米国特許第4,331,598号明細書);ノカルディア属(Nocardia)から調製されるC−14−ヒドロキシメチルまたはアシルオキシメチル(CH2OHまたはCH2OAc)(米国特許第4,450,254号明細書);ストレプトミセス属(Streptomyces)によるメイタンシノールの変換により調製されるC−15−ヒドロキシ/アシルオキシ(米国特許第4,364,866号明細書);トレウイア・ヌディフロラ(Trewia nudiflora)から単離されるC−15−メトキシ(米国特許第4,313,946号明細書および米国特許第4,315,929号明細書);ストレプトミセス属(Streptomyces)によるメイタンシノールの脱メチル化により調製されるC−18−N−デメチル(米国特許第4,362,663号明細書および米国特許第4,322,348号明細書);およびメイタンシノールの三塩化チタン/LAH還元により調製される4,5−デオキシ(米国特許第4,371,533号明細書)も挙げられる。メイタンシン化合物上の多くの位置は、結合のタイプに応じて結合位置として有用であることが公知である。例えば、エステル結合の形成のため、ヒドロキシル基を有するC−3位、ヒドロキシメチルにより修飾されているC−14位、ヒドロキシル基により修飾されているC−15位およびヒドロキシル基を有するC−20位が全て好適である。
一部の態様において、薬物は、カリケアミシンである。抗生物質のカリケアミシンファミリーは、サブピコモル濃度において二本鎖DNA分解を産生し得る。カリケアミシンファミリーのコンジュゲートの調製については、例えば、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第5,712,374号明細書、米国特許第5,714,586号明細書、米国特許第5,739,116号明細書、米国特許第5,767,285号明細書、米国特許第5,770,701号明細書、米国特許第5,770,710号明細書、米国特許第5,773,001号明細書、米国特許第5,877,296号明細書を参照。使用することができるカリケアミシンの構造的アナログとしては、限定されるものではないが、γ1I、α2I、α3I、N−アセチル−γ1I、PSAGおよびθ11が挙げられる(Hinman et al.,Cancer Research 53:3336−3342(1993),Lode et al.,Cancer Research 58:2925−2928(1998)およびAmerican Cyanamidの上記米国特許)。一部の態様において、薬物は、チューブリシンである。チューブリシンは、粘液細菌種から単離された天然生成物のクラスのメンバーである(Sasse et al.,J.Antibiot.53:879−885(2000))。細胞骨格相互作用剤として、チューブリシンは、チューブリン重合を阻害し、細胞周期停止およびアポトーシスをもたらす有糸分裂毒である(Steinmetz et al.,Chem.Int.Ed.43:4888−4892(2004);Khalil et al.,ChemBioChem.7:678−683(2006);Kaur et al.,Biochem.J.396:235−242(2006))。チューブリシンは、任意の臨床関連慣習的化学療法薬、例えば、エポチロン、パクリタキセル、およびビンブラスチンの細胞成長阻害を上回る非常に強力な細胞毒性分子である。さらに、これらは多剤耐性細胞系に対して強力である(Domling et al.,Mol.Diversity 9:141−147(2005))。これらの化合物は、癌細胞系のパネルに対して試験される高い細胞毒性を示し、IC50値は低ピコモル範囲内であり;したがって、それらは、抗癌治療薬として興味深い。例えば、参照により全体として本明細書に組み込まれる国際特許出願公開の国際公開第2012019123号パンフレット参照。チューブリシンコンジュゲートは、例えば、米国特許第7,776,814号明細書に開示されている。
一部の態様において、薬物は、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)である。PBDは、比較的小さい分子であり、一部は、DNAの副溝中の特異的配列を認識し、それに共有結合する能力を有し、したがって、抗生物質/抗腫瘍活性を示す。多数のPBDおよびそれらの誘導体、例えば、PBD二量体(例えば、SJG−136またはSG2000)、C2−不飽和PBD二量体、C2アリール置換を担持するピロロベンゾジアゼピン二量体(例えば、SG2285)、加水分解により活性化されるPBD二量体プロドラッグ(例えば、SG2285)、およびポリピロール−PBD(例えば、SG2274)が、当分野において公知である。PBDは、それぞれが参照により全体として本明細書に組み込まれる国際特許出願公開の国際公開第2000/012507号パンフレット、国際公開第2007/039752号パンフレット、国際公開第2005/110423号パンフレット、国際公開第2005/085251号パンフレット、および国際公開第2005/040170号パンフレット、ならびに米国特許第7,612,062号明細書にさらに開示されている。
一部の態様において、毒素は、例えば、アブリン、ブルシン、シクトキシン、ジフテリア毒素、ボツリヌス毒素、志賀毒素、内毒素、破傷風毒素、百日咳毒素、炭疽菌毒素、コレラ毒素、ファルカリノール、アルファ毒素、ゲルダナマイシン、ゲロニン、ロタウストラリン、リシン、ストリキニーネ、テトロドトキシン、サポニン、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)、DNアーゼI、ブドウ球菌腸毒素A、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、緑膿菌外毒素、緑膿菌内毒素、またはそれらの組合せを含む。他の態様において、毒素は、例えば、モデシンA鎖、アルファ−サルシン、アブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、ツルレイシ(Momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(Saponaria officinalis)阻害剤、マイトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン、フェノマイシン、ネオマイシン、トリコテセン、またはそれらの組合せを含む。例えば、国際特許出願公開の国際公開第93/021232号パンフレット参照。
一部の態様において、キレート剤は、DTPA、EC、DMSA、EDTA、Cy−EDTA、EDTMP、DTPA、CyDTPA、Cy2DTPA、BOPTA、DTPA−MA、DTPA−BA、DTPMP、DOTA、TRITA、TETA、DOTMA、DOTA−MA、HP−DO3A、pNB−DOTA、DOTP、DOTMP、DOTEP、DOTPP、DOTBzP、DOTPME、HEDP、DTTP、N3Sトリアミドチオール、DADS、MAMA、DADT、N2S4ジアミンテトラチオール、N2P2ジチオール−ビスホスフィン、6−ヒドラジノニコチン酸、プロピレンアミンオキシム、テトラアミン、シクラム、またはそれらの組合せである。
一実施形態において、薬物は、アウリスタチン、チューブリシンまたはピロロベンゾジアゼピン(PBD)である。
一実施形態において、アウリスタチンは、MMAE(モノメチルアウリスタチンE)またはMMAF(モノメチルアウリスタチンF)である。
一実施形態において、薬物は、メイタンシノイド、例えば、N2’−デアセチル−N2’−(3−メルカプト−1−オキソプロピル)−メイタンシン(DM1)、N2’−デアセチル−N2’−(4−メルカプト−1−オキソペンチル)−メイタンシン(DM3)またはN2’−デアセチル−N2’(4−メチル−4−メルカプト−1−オキソペンチル)−メイタンシン(DM4)である。
化学療法剤は薬物であるが、また、合法的に毒素とも記載され得る。独立のまたは独立型の治療剤としての使用について登録されていない毒素は、本明細書の文脈において薬物とはみなされない。
放射性核種の例としては、H、11C、13N、15O、18F、32P、33P、35S、47Sc、51Cr、54Mn、57Co、58Co、59Fe、62Cu、65Zn、67Cu、67Ga、68Ge、75Br、75Se、76Br、77Br、77As、80mBr、85Sr、89Sr、90Y、95Ru、97Ru、99Moおよび99mTc、103Pd、103mRh、103Ru、105Rh、105Ru、107Hg、109Pd、109Pt、111Ag、111In、112In、113mIn、113Sn、115In、117Sn、119Sb、121mTe、121I、122mTe、125mTe、125I、126I、131I、133I、133Xe、140La、142Pr、143Pr、149Pm、152Dy、153Sm、153Gd、159Gd、161Ho、161Tb、165Tm、166Dy、166Ho、167Tm、168Tm、169Er、169Yb、175Yb、177Lu、186Re、188Re、188W、189mOs、189Re、192Ir、194Ir、197Pt、198Au、199Au、201Tl、203Hg、211At、211Bi、211Pb、212Pb、212Bi、213Bi、215Po、217At、219Rn、221Fr、223Ra、224Ac、225Ac、225Fm、252Cfならびにそれらの組合せが挙げられる。
一実施形態において、放射性核種は、クロム(51Cr)、コバルト(57Co)、フッ素(18F)、ガドリニウム(153Gd、159Gd)、ゲルマニウム(68Ge)、ホルミウム(166Ho)、インジウム(115In、113In、112In、111In)、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、ランタン(140La)、ルテチウム(177Lu)、マンガン(54Mn)、モリブデン(99Mo)、パラジウム(103Pd)、リン(32P)、プラセオジム(142Pr)、プロメチウム(149Pm)、レニウム(186Re、188Re)、ロジウム(105Rh)、ルテニウム(97Ru)、サマリウム(153Sm)、スカンジウム(47Sc)、セレン(75Se)、ストロンチウム(85Sr)、硫黄(35S)、テクネチウム(99Tc)、タリウム(201Tl)、スズ(113Sn、117Sn)、トリチウム(H)、キセノン(133Xe)、イッテルビウム(169Yb、175Yb)、イットリウム(90Y)、亜鉛(65Zn)、またはそれらの組合せを含み、またはそれからなる群から選択される。
一実施形態において、放射性核種は、本開示のコンジュゲート化合物にキレート剤により付着している。
一実施形態において、ペイロードは、例えば、アルブミン、アルブミン結合ポリペプチド、PAS、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのC末端ペプチド(CTP)のβサブユニット、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、XTEN、アルブミン結合小分子、またはそれらの組合せを含む血清半減期延長剤である。
エフェクター分子がポリマーである場合、それは、一般に、合成または天然存在ポリマー、例えば、場合により置換されている直鎖もしくは分枝鎖ポリアルキレン、ポリアルケニレンもしくはポリオキシアルキレンポリマーまたは分枝鎖もしくは非分枝鎖多糖、例えば、ホモもしくはヘテロ多糖であり得る。
上記合成ポリマー上に存在し得る具体的な任意選択置換基としては、1つ以上のヒドロキシ、メチルまたはメトキシ基が挙げられる。
具体的な天然存在ポリマーとしては、ラクトース、ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、アルギン酸塩、セルロースアミロース、デキストラン、グリコゲンまたはそれらの誘導体が挙げられる。
一部の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、分枝鎖PEG、ポリシアル酸(PSA)、ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)、ヒドロキシルエチルデンプン(HES)、炭水化物、多糖、プルラン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、デンプン、デキストラン、カルボキシメチル−デキストラン、ポリアルキレンオキシド(PAO)、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリプロピレングリコール(PPG)ポリオキサゾリン、ポリアクリロイルモルホリン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン、ポリエチレン−co−無水マレイン酸、ポリスチレン−co−無水マレイン酸、ポリ(1−ヒドロキシメチルエチレンヒドロキシメチルホルマール)(PHF)、2−メタクリロイルオキシ−2’−エチルトリメチルアンモニウムホスフェート(MPC)である。一部の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコールである。本発明の一実施形態において、ポリエチレングリコールは、300から10,000,000、500から100,000、1000から50,000、1500から30,000、2,000から20,000Da、3,000から5,000Da、および4,000から5,000Daの分子量範囲を有する。他の実施形態において、ポリエチレングリコールは、約1,000Da、約1,500Da、約2,000Da、約3,000Da、約4,000Da、約5,000Da、約10,000Da、または約20,000Daの分子量を有する。
一実施形態において、ペイロードは、可視化標識を含む。可視化標識としては、限定されるものではないが、発色団、フルオロフォア、蛍光タンパク質、リン光色素、タンデム色素、粒子、ハプテン、酵素、放射性同位体、またはそれらの組合せが挙げられる。
一実施形態において、可視化標識は、可視化ペプチドである。一部の態様において、可視化ペプチドは、インビトロ、インビボ、エクスビボ、または任意のそれらの組合せのコンジュゲート化合物の可視化または局在化を可能とする。一部の態様において、可視化ペプチドは、例えば、ビオチンアクセプターペプチド、リポ酸アクセプターペプチド、蛍光タンパク質、重ヒ素色素のライゲーションまたは準安定テクネチウムをコンジュゲートさせるためのシステイン含有ペプチド、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ベース近接アッセイのためのユーロピウム包接化合物をコンジュゲートさせるためのペプチド、または任意のそれらの組合せである。一部の態様において、蛍光タンパク質は、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、強化型緑色蛍光タンパク質(EGFP)、強化型黄色蛍光タンパク質(EYFP)、または任意のそれらの組合せである。一部の態様において、蛍光タンパク質は、フィコビリタンパク質、またはその誘導体である。
蛍光タンパク質、特にフィコビリタンパク質は、タンデム色素により標識された標識試薬を作出するために有用である。これらのタンデム色素は、蛍光タンパク質および発光スペクトルが蛍光タンパク質吸収スペクトルの波長からさらにシフトする場合により大きいストークスシフトを得る目的のためのフルオロフォアを含む。これは、発光蛍光が最大に最適化される場合、換言すると、皆無かそれに近い発光が蛍光タンパク質により再吸収される場合、試料中の低い量の標的を検出するために有効であり得る。この作業のため、蛍光タンパク質およびフルオロフォアは、エネルギー移動ペアとして機能し、蛍光タンパク質はフルオロフォアが吸収する波長において発光し、次いでフルオロフォアが、蛍光タンパク質のみを用いて得ることができたものよりも蛍光タンパク質から遠い波長において発光する。機能的組合せは、当分野において公知のフィコビリタンパク質およびスルホローダミンフルオロフォア、またはスルホン化シアニンフルオロフォアであり得る。フルオロフォアはエネルギードナーとして機能することもあり、蛍光タンパク質はエネルギーアクセプターである。
他の態様において、ペイロードとして用いられる重ヒ素色素は、4’,5’−ビス(1,3,2−ジチオアルソラン−2−イル)フルオレセイン(FlAsH)である。一部の態様において、ビオチンアクセプターペプチドは、アビジンおよびストレプトアビジンベース試薬のコンジュゲーションを容易にする。一部の態様において、リポ酸アクセプターペプチドは、結合したリポ酸へのチオール反応性プローブのコンジュゲーションまたは蛍光リポ酸アナログの直接的ライゲーションを容易にする。
一実施形態において、ペイロードまたはポリペプチドは、蛍光タグを含む。一部の態様において、蛍光タグは、例えば、フルオレセイン型色素、ローダミン型色素、ダンシル型色素、リサミン型色素、シアニン型色素、フィコエリスリン型色素、Texas Red型色素、または任意のそれらの組合せを含む。本明細書に開示のシステイン遺伝子操作抗体またはその抗原結合断片へのコンジュゲーションに好適なフルオロフォアとしては、限定されるものではないが、ピレン(対応する誘導体化合物のいずれかを含む)、アントラセン、ナフタレン、アクリジン、スチルベン、インドールまたはベンズインドール、オキサゾールまたはベンズオキサゾール、チアゾールまたはベンゾチアゾール、4−アミノ−7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール(NBD)、シアニン(任意の対応する化合物を含む)、カルボシアニン(任意の対応する化合物を含む)、カルボスチリル、ポルフィリン、サリチレート、アントラニレート、アズレン、ペリレン、ピリジン、キノリン、ボラポリアザインダセン(任意の対応する化合物を含む)、キサンテン(任意の対応する化合物を含む)、オキサジン(任意の対応する化合物を含む)またはベンズオキサジン、カルバジン(任意の対応する化合物を含む)、フェナレノン、クマリン(対応する開示化合物を含む)、ベンゾフラン(対応する化合物を含む)およびベンズフェナレノン(任意の対応する化合物を含む)ならびにそれらの誘導体が挙げられる。本明細書において使用されるオキサジンとしては、レゾルフィン(任意の対応する化合物を含む)、アミノオキサジノン、ジアミノオキサジン、およびそれらのベンゾ置換アナログ、または任意のそれらの組合せが挙げられる。
ある態様において、フルオロフォアとしては、例えば、キサンテン(ロドール、ローダミン、フルオレセインおよびそれらの誘導体)クマリン、シアニン、ピレン、オキサジン、ボラポリアザインダセン、または任意のそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態において、このようなフルオロフォアは、例えば、スルホン化キサンテン、フッ素化キサンテン、スルホン化クマリン、フッ素化クマリン、スルホン化シアニン、または任意のそれらの組合せである。ALEXA FLUOR(登録商標)、DYLIGHT(登録商標)、CY DYES(登録商標)、BODIPY(登録商標)、OREGON GREEN(登録商標)、PACIFIC BLUE(登録商標)、IRDYES(登録商標)、FAM(登録商標)、FITC(登録商標)、およびROX(登録商標)の商品名のもと販売され、一般に公知の色素も挙げられる。
リンカーを介して付着しているフルオロフォアの選択は、最終化合物の吸収および蛍光発光特性を決定する。使用することができるフルオロフォア標識の物理的特性としては、限定されるものではないが、スペクトル特徴(吸収、発光およびストークスシフト)、蛍光強度、寿命、分極および光退色速度、またはそれらの組合せが挙げられる。これらの物理的特性の全てを使用してあるフルオロフォアを別のものから区別し、それにより多重化分析を可能とすることができる。ある態様において、フルオロフォアは、480nmよりも長い波長における吸収最大を有する。一部の態様において、フルオロフォアは、488nmから514nm(特にアルゴンイオンレーザー励起源の出力による励起に好適)においてもしくはその近くで、または546nm(特に水銀アークランプによる励起に好適)の近くで吸収する。一部の態様において、フルオロフォアは、組織または生物全体の適用についてNIR(近赤外領域)中で発光し得る。蛍光標識の他の所望の特性としては、例えば、抗体の標識を細胞または生物(例えば、生存動物)中で実施すべき場合、細胞浸透性および低い毒性を挙げることができる。
一実施形態において、ポリペプチドまたはペイロードは、捕捉タグを含む。一部の態様において、捕捉タグは、ビオチンまたはHis6タグである。ビオチンは、有用である。それというのも、それは酵素系中で機能して検出可能なシグナルをさらに増幅させ得、単離目的のための親和性クロマトグラフィー中で使用することができるタグとしても機能し得るためである。検出目的のため、ビオチンについての親和性を有する酵素コンジュゲート、例えば、アビジン−HRPを使用することができる。
続いて、ペルオキシダーゼ基質を添加して検出可能なシグナルを生成することができる。ビオチンに加え、他のハプテン、例として、ホルモン、天然存在および合成薬物、汚染物質、アレルゲン、エフェクター分子、成長因子、ケモカイン、サイトカイン、リンホカイン、アミノ酸、ペプチド、化学中間産物、ヌクレオチドなどを使用することができる。
一実施形態において、ペイロードは、酵素を含む。酵素は、有効な標識である。それというのも、検出可能なシグナルの増幅を得ることができ、アッセイ感度の増加をもたらすためである。酵素自体は検出可能な応答を生成しないことが多いが、それが適切な基質により接触される場合に基質を分解するように機能し、その結果、変換された基質が蛍光、発色または発光シグナルを生成する。酵素は、検出可能なシグナルを増幅させる。それというのも、標識試薬上の1つの酵素が、検出可能なシグナルに変換される複数の基質をもたらし得るためである。酵素基質は、計測可能な生成物、例えば、発色、蛍光または化学ルミネセンスを生じさせるように選択する。このような基質は、当分野において広く使用され、当分野において公知である。
一部の実施形態において、発色または蛍光発生基質および酵素の組合せは、酸化還元酵素、例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼおよび基質、例えば、区別される色を生じさせる3,3’−ジアミノベンジジン(DAB)および3−アミノ−9−エチルカルバゾール(AEC)(それぞれ、褐色および赤色)を使用する。検出可能産物を生じさせる他の発色オキシドレダクターゼ基質としては、限定されるものではないが、2,2−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)(ABTS)、o−フェニレンジアミン(OPD)、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、o−ジアニシジン、5−アミノサリチル酸、4−クロロ−1−ナフトールが挙げられる。蛍光発生基質としては、限定されるものではないが、ホモバニリン酸または4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル酢酸、還元フェノキサジンおよび還元ベンゾチアジン、例として、Amplex(登録商標)Red試薬およびそのバリアントならびに還元ジヒドロキサンテン、例として、ジヒドロフルオレセインおよびジヒドロローダミン、例として、ジヒドロローダミン123が挙げられる。
本開示は、チラミド試薬であるペルオキシダーゼ基質を用いることに及び、それは、酵素の作用前に固有に検出可能であり得るが、チラミドシグナル増幅(TSA)として記載される方法におけるペルオキシダーゼの作用により「位置固定される」という点で、ペルオキシダーゼ基質のユニーククラスを表す。これらの基質は、顕微鏡観察、フローサイトメトリー、光学走査および蛍光光度法によるそれらの後続の検出のために細胞、組織またはアレイである試料中の標的を標識するために広く活用される。
本開示は、発色(および一部の場合、蛍光発生)基質および酵素組合せに及び、それは、ホスファターゼ酵素、例えば、酸性ホスファターゼ、アルカリ性ホスファターゼ、またはそのようなホスファターゼの組換え型を、発色基質、例えば、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリルホスフェート(BCIP)、6−クロロ−3−インドリルホスフェート、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリルホスフェート、p−ニトロフェニルホスフェート、もしくはo−ニトロフェニルホスフェートとの、または蛍光発生基質、例えば、4−メチルウンベリフェリルホスフェート、6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−4−メチルクマリニルホスフェート(DiFMUP、米国特許第5,830,912号明細書)フルオレセインジホスフェート、3−O−メチルフルオレセインホスフェート、レゾルフィンホスフェート、9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)ホスフェート(DDAOホスフェート)、もしくはELF97、ELF39もしくは関連ホスフェートとの組合せで使用することもある。
本開示はまた、グリコシダーゼ、特にベータ−ガラクトシダーゼ、ベータ−グルクロニダーゼおよびベータ−グルコシダーゼを含むペイロードに及び、それらは追加の好適な酵素である。適切な発色基質としては、限定されるものではないが、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルベータ−D−ガラクトピラノシド(X−gal)および類似のインドリルガラクトシド、グルコシド、ならびにグルクロニド、o−ニトロフェニルベータ−D−ガラクトピラノシド(ONPG)およびp−ニトロフェニルベータ−D−ガラクトピラノシドが挙げられる。一部の実施形態において、蛍光発生基質としては、レゾルフィンベータ−D−ガラクトピラノシド、フルオレセインジガラクトシド(FDG)、フルオレセインジグルクロニドおよびそれらの構造バリアント、4−メチルウンベリフェリルベータ−D−ガラクトピラノシド、カルボキシウンベリフェリルベータ−D−ガラクトピラノシドならびにフッ素化クマリンベータ−D−ガラクトピラノシドが挙げられる。追加の酵素としては、限定されるものではないが、ヒドロラーゼ、例えば、コリンエステラーゼおよびペプチダーゼ、オキシダーゼ、例えば、グルコースオキシダーゼおよびシトクロムオキシダーゼ、ならびに好適な基質が公知のレダクターゼが挙げられる。
酵素および化学ルミネセンスを生成するその適切な基質は、本開示の分子中への取り込みに有用である。これらとしては、限定されるものではないが、天然および組換え形態のルシフェラーゼおよびエクオリンが挙げられる。ホスファターゼ、グリコシダーゼおよびオキシダーゼのための化学ルミネセンス生成基質、例えば、安定なジオキセタン、ルミノール、イソルミノールおよびアクリジニウムエステルを含有するものも有用であり得る。
用いられる核酸は、DNA、RNA、短鎖干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA、ヘアピンまたは核酸模倣体、例えば、ペプチド核酸からなる群から選択することができる。ある態様において、コンジュゲート核酸は、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも5000以上の塩基対である。コンジュゲート核酸は、一本鎖であり得る。種々の態様において、コンジュゲート核酸は、二本鎖であり得る。一部の態様において、コンジュゲート核酸は、オープンリーディングフレームをコードする。一部の態様において、コンジュゲート核酸によりコードされるオープンリーディングフレームは、アポトーシス誘導タンパク質、ウイルスタンパク質、酵素、または腫瘍抑制タンパク質に対応する。細胞へのこのような核酸の送達のための技術は、当分野において公知である。
一実施形態において、本開示の抗体中のグリカンに反応性糖を通じてコンジュゲートされるペイロードは下記:
Figure 2019506161
(式中、Asn297は抗体中の位置297のAsn残基に相当する)で示されるとおりである。
一実施形態において、調製される分子は安定であるか、または例は(or example)物理的、化学的および/または熱的に安定である。物理的不安定性の証拠は、例えば凝集であり、これは、サイズ排除クロマトグラフィーなど、通常の技術により測定され得る。化学的不安定性の証拠は、例えば分子の分解または崩壊であり、ペイロードの連結切断などである。熱的不安定性の証拠は、例えば変性である。
他の定義
本明細書および付属の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が特に明示しない限り、複数の参照物を含む。用語「a」(または「an」)は、ならびに用語「1つ以上の」および「少なくとも1つ」は、本明細書において互換的に使用することができる。
さらに「および/または」は、本明細書で使用される場合、他方を伴ってまたは伴わずに、2つの規定の特徴部または構成要素のそれぞれを具体的に開示すると解釈すべきである。したがって、本明細書において「Aおよび/またはB」などの語句において使用されるおよび/または」という用語は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)、および「B」(単独)を含むものとする。同様に、「A、B、および/またはC」などの語句において使用される用語「および/または」は、以下の態様のそれぞれを包含するものとする:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)。
特に定義のない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が関する技術分野の当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei−Show、2nd ed.,2002,CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999、Academic Press;およびOxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは、本開示において使用される用語の多くについて一般的辞書を当業者に提供する。
単位、接頭辞、および記号は、それらの国際単位系(SI)により容認された形式で表示される。数値範囲は、その範囲を定義する数を包含する。特に記載のない限り、アミノ酸配列は、アミノからカルボキシの方向で、左から右に記載される。本明細書に提供される見出しは、本開示の種々の態様を限定するものではなく、本明細書を全体として参照することにより把握され得るものである。したがって、この直後に定義される用語は、本明細書を全体として参照することにより、さらに完全に定義される。
アミノ酸は、それらの一般に公知の三文字記号、またはIUPAC−IUB生化学命名委員会により推奨される一文字記号のいずれかにより、本明細書において言及される。同様にヌクレオチドは、それらの一般に認められた一文字コードにより言及される。
用語「対象」は、特定の治療のレシピエントになり得る任意の動物(例えば、哺乳動物)、例として、限定されるものではないが、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類などを指す。典型的には、用語「対象」および「患者」は、ヒト対象への言及において互換的に使用することができる。
用語「医薬組成物」は、活性成分(例えば、本明細書に開示のコンジュゲート抗体)の生物学的活性が有効であることを許容するような形態であり、組成物が投与される対象に対して許容されない毒性である追加の構成要素を含有しない製剤を指す。このような組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含み得る。このような組成物は、無菌であり得る。
本明細書に開示のコンジュゲート化合物の「有効量」は、具体的に記述される目的を実施するために十分な量である。「有効量」は、記述される目的に関して経験的に、および定型的に決定することができる。
用語「治療有効量」は、対象または哺乳動物における疾患または障害を「治療する」ために有効な本明細書に開示のコンジュゲート化合物または他の薬物の量を指す。
語「標識」は、本明細書において使用される場合、「標識された」コンジュゲート化合物を生成するために本明細書に開示の抗体またはその断片(例えば、グリカン遺伝子操作抗体またはその断片)に直接または間接的にコンジュゲートしている検出可能な化合物または組成物を指す。標識は、それ自体により検出可能であり得(例えば、放射性同位体標識または蛍光標識)、または酵素標識の場合、検出可能である基質化合物または組成物の化学変化を触媒し得る。
例えば、「治療する」または「治療」または「治療すること」という用語は、(1)診断された病態または障害の症状を治癒し、減速させ、改善し、および/またはその進行を停止させる治療的措置、ならびに(2)標的化される病状または障害の発症を予防し、および/または遅延させる予防(prophylactic)または予防(preventative)的措置の両方を指す。したがって、治療を必要とされる者としては、すでに障害を有する者;障害に罹患しやすい者;および障害を予防すべき者が挙げられる。ある態様において、患者が、例えば、疾患または病態、例えば、あるタイプの癌の完全、部分的または一過的寛解を示す場合、対象は、本開示の方法により疾患または病態、例えば、癌について良好に「治療」される。
用語「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、本明細書において互換的に使用され、任意の長さのヌクレオチドのポリマー、例として、DNAおよびRNAを指す。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチドもしくは塩基、および/もしくはそれらのアナログ、またはDNAもしくはRNAポリメラーゼによりポリマー中に取り込むことができる任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、例えば、メチル化ヌクレオチドおよびそれらのアナログを含み得る。
「オリゴヌクレオチド」という用語は、本明細書中で使用される場合、短いポリヌクレオチド、例えば100塩基長以下、例えば50塩基以下を指すものとする。
本明細書において使用される用語「ベクター」は、宿主細胞中に目的の1つ以上の遺伝子または配列を送達し、一部の態様において、発現し得る構築物を指す。ベクターの例としては、限定されるものではないが、ウイルス性ベクター、ネイキッドDNAもしくはRNA発現ベクター、プラスミド、コスミドまたはファージベクター、カチオン縮合剤と会合しているDNAもしくはRNA発現ベクター、リポソーム中に封入されたDNAもしくはRNA発現ベクター、ならびにある真核細胞、例えば、プロデューサー細胞が挙げられる。
本明細書において使用される用語「〜を含む」は、本明細書に関して「例として、〜が挙げられる」と解釈すべきである。
本明細書において使用される「本開示において用いられる」は、本開示の方法において用いられること、本開示の中間体を含む分子中で用いられること、またはその両方を、使用される用語の文脈に応じて適宜指す。
言語「含む」によりどの態様が本明細書に記載されようとも、「〜からなる」および/または「本質的に〜からなる」に関して記載される他の点で類似の態様も提供されることが理解される。
本明細書に記載の任意の積極的実施形態またはそれらの組合せは、消極的除外、すなわち、ディスクレーマーを基礎とし得る。
組成物
本開示は、本明細書に記載の抗体分子(例えばペイロードを含む)を含む組成物、特に、本開示の分子および医薬賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物(または診断組成物)に及ぶ。
組成物は、通常、薬学的に許容可能な担体を通常含む無菌医薬組成物の一部として供給される。
本開示はまた、前記組成物を調製する方法、例えば、本開示の分子を、薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体の1つ以上と一緒に添加し、混合することを含む、医薬または診断組成物の調製に及ぶ。
本開示の抗体は、医薬もしくは診断組成物中の唯一の活性成分であり得、または他の活性成分を伴い得る。
医薬組成物は、好適には、治療有効量の本開示による分子を含む。本明細書において使用される用語「治療有効量」は、標的疾患もしくは病態を治療、改善もしくは予防するため、または検出可能な治療もしくは予防効果を示すために必要とされる治療剤の量を指す。治療有効量は、細胞培養アッセイまたは動物モデル、通常、げっ歯類、ウサギ、イヌ、ブタもしくは霊長類のいずれかにおいて最初に推定することができる。動物モデルを使用して適切な濃度範囲および投与経路を決定することもできる。次いで、このような情報を使用してヒトにおける有用な用量および投与経路を決定することができる。
ヒト対象のための正確な治療有効量は、病状の重症度、対象の全身健康状態、対象の年齢、体重および性別、食事ならびに投与時間および頻度、薬物の組合せ、反応感受性および治療法に対するトレランス/応答に依存する。医薬組成物は、所定量の本発明の活性薬剤を用量ごとに含有する単位投与形態で簡便に提供することができる。本開示の分子が投与される実際の用量は、治療すべき病態の性質、例えば、存在する疾患/炎症の程度および分子が予防的に使用されるか既存の病態を治療するために使用されるかに依存する。
組成物は、患者に個々に投与することができ、または他の薬剤、薬物もしくはホルモンとの組合せで(例えば、同時に、連続的にまたは別個に)投与することができる。
薬学的に許容可能な担体は、それ自体、組成物を受ける個体に有害な抗体の産生を誘導すべきでなく、毒性であるべきでない。好適な担体は、大型の緩慢に代謝される巨大分子、例えば、タンパク質、ポリペプチド、リポソーム、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマーおよび不活性ウイルス粒子であり得る。
治療組成物中の薬学的に許容可能な担体は、液体、例えば、水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノールをさらに含有し得る。さらに、助剤物質、例えば、湿潤剤および乳化剤またはpH緩衝物質がそのような組成物中に存在し得る。このような担体により、医薬組成物を患者による摂取のために錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤および懸濁液として配合することができる。
好適な投与形態としては、非経口投与に好適な形態、例えば、注射または注入によるもの、例えば、ボーラス注射または連続注入によるものが挙げられる。生成物が注射または注入用である場合、それは油性または水性ビヒクル中の懸濁液剤、液剤、またはエマルジョンの形態をとり得、それは配合剤、例えば、懸濁化剤、保存剤、安定剤および/または分散剤を含有し得る。あるいは、本開示の分子は、適切な無菌液体による使用前の再構成のための乾燥形態であり得る。
本開示による配合物において、好適には、最終配合物のpHは、抗体の等電点の値と類似せず、例えば、配合物のpHが7である場合、8〜9以上のpIが適切であり得る。理論により拘束されるものではないが、これは、最終的に、改善された安定性を有する最終配合物を提供し得、例えば、抗体は溶液中で残留することが考えられる。
本開示の医薬組成物は、任意数の経路、例として、限定されるものではないが、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、心室内、経皮(transdermal)、経皮(transcutaneous)(例えば、国際公開第98/20734号パンフレット参照)、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、局所、舌下、膣内または直腸経路により投与することができる。皮下噴射器を使用して本発明の医薬組成物を投与することもできる。典型的には、治療組成物は、注射剤として、溶液剤または懸濁液剤のいずれかとして調製することができる。注射前の液体ビヒクル(等張液など)中の液剤、または懸濁液剤に好適な固体形態を調製することもできる。
組成物の直接送達は、一般に、注射、皮下、腹腔内、静脈内もしくは筋肉内送達により達成することができ、または組織の間質腔に送達される。組成物は、病変または腫瘍中に投与することもできる。投薬治療は、単回用量スケジュールまたは複数回用量スケジュールであり得る。
組成物はポリペプチド(例えば抗体またはそれらの結合断片)を含み、したがって、それは消化管中の分解を受けやすい場合があることが認識される。したがって、消化管を使用する経路により組成物を投与すべき場合、組成物は、ポリペプチドを分解から保護するが、組成物が消化管から吸収されたら抗体を放出する薬剤を含有することが必要である。
薬学的に許容可能な担体の詳細な考察は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company,N.J.1991)において入手可能である。
治療
本開示はまた、治療有効量の本開示による分子または組成物、例えば、それを含む医薬組成物を投与することにより、治療が必要とされる患者を治療する方法に及ぶ。
一実施形態において、治療において使用される、特に、本明細書に記載の疾患または病態、例えば、癌の治療において使用される本開示の分子またはそれを含む組成物が提供される。
一実施形態において、本明細書に記載の病態または疾患、例えば、癌を治療するための医薬品の製造における、本開示の分子またはそれを含む組成物の使用が提供される。
したがって、本発明の分子は、病態の治療および/または予防において有用である。
したがって、例えば、医薬配合物中で治療有効量を投与することにより治療において使用される本発明による分子が提供される。一実施形態において、本開示による分子は、例えば、吸入により肺に局所投与される。
本発明により提供される抗体は、疾患または障害、例として、炎症疾患および傷害、免疫疾患および障害、線維障害および癌の治療において有用である。
用語「炎症疾患」または「障害」および「免疫障害または障害」は、関節リウマチ、乾癬性関節炎、スティル病、マックス・ウェルズ病、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、SLE(全身性エリテマトーデス)、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、血管炎、I型糖尿病、移植および移植片対宿主病を含む。
用語「線維障害」は、特発性肺線維症(IPF)、全身性硬化症(または強皮症)、腎線維症、糖尿病性腎症、IgA腎症、高血圧症、末期腎不全、腹膜線維症(連続携行式腹膜透析)、肝硬変、加齢黄斑変性(ARMD)、網膜症、心反応性線維症、瘢痕化、ケロイド、火傷、皮膚潰瘍、血管形成術、冠状動脈バイパス外科手術、関節形成および白内障手術を含む。
用語「癌」は、皮膚中に見出される上皮、またはより一般に、身体器官の内層、例えば、乳房、卵巣、前立腺、結腸、肺、腎臓、膵臓、胃、膀胱または腸から生じる悪性新生物を含む。癌は、隣接組織中に浸潤し、遠位器官、例えば、骨、肝臓、肺または脳に拡散(転移)する傾向がある。
一実施形態において、治療は、原発癌のために施される。一実施形態において、治療は転移癌のためである。一実施形態において、治療は、原発癌および転移癌の組み合わせのためである。
治療しようとする対象は動物であり得る。しかし、1つ以上の実施形態において、本組成物はヒト対象に対する投与のために適応させられる。
糖の合成
実施例1a UDP−GalNAzの化学合成
Figure 2019506161
2つの代替的方法によるG0Fグリコシル化抗体の作製
実施例2 CHO−LEC8宿主細胞は、IgG抗体のG0F N−グリコフォームを発現可能である。
オービタルシェーカーにおいて、37℃、8%CO、80%湿度および120rpm(Infors USA,Laurel,MD)で、2Lベントキャップ付き振盪フラスコ中のM30V2(社内の培地)増殖培地中で懸濁順応(suspension adapted)CHO LEC8細胞を維持した。遺伝子移入の前日に細胞6x10個/mLで細胞を播種し、遺伝子移入当日に細胞を対数期に維持するために細胞1x10個/mLに調整した。PEImax(Polysciences)および関心のあるプラスミドDNA保有抗体を150mM NaClでそれぞれ240μg/mLおよび60μg/mLの最終濃度に希釈した。等体積の希釈PEIを希釈したプラスミドDNAに添加した。室温で1分間温置した後、培養体積の1μg/mLの最終濃度でPEI/DNA混合物をCHO−LEC8細胞に添加した。遺伝子移入後第3日から1日おきに、細胞培養物に0.8%のフィード培地F09(社内の培地)および0.05%のフィード培地F10(社内の培地)を供給した。遺伝子移入後第10日または第14日に細胞培養物を回収し、プロテインAカラムを使用し、アフィニティークロマトグラフィーによって抗体を精製した。産生された抗体のHPLC分析を図4Aで示す。図4Aは、CHO−LEC8細胞で発現された抗体においてG0Fのみが見出されたことを示す。他の哺乳動物細胞(例えばCHOおよびHEK293)から産生された抗体のN−グリカンは、その殆どがG0F、G1FおよびG2FであるN−グリカンの混合物である。
実施例3 実施例1aで調製されたUDP−GalNAzからGalNAzを転移させるためにGalT(Y289L)で処理される実施例3からの基質
150mM NaClおよび5mM MnClを含有する25mM Tris緩衝液、pH7.2中で突然変異体Y289L GalT(最終濃度、0.20mg/mL、4.5μM)を溶解させた。UDP−GalNAzおよび抗体をそれぞれ最終濃度0.6mMおよび1.0mg/mL(6.7μM)になるように添加した。30℃で16時間、反応物を温置した。50kDaカットオフスピンフィルター(Amicon(登録商標)Ultra−4遠心フィルター)を使用してTris緩衝液で洗浄することによって試薬の過剰量を除去し、その後、LC−ESI−MSによる製品分析のために、アジド修飾抗体のアリコートを取り出した(図5A)。ビシンコニン酸アッセイ(PierceTM BCAタンパク質アッセイ)によって抗体濃度を決定し、Tris緩衝液(25mM Tris−Cl、150mM NaCl、pH7.2)によって1mg/mL濃度に希釈した。
得られた抗体GalNAz製品に対するMALDI TOF分析を図7Aで示す。DIBO−修飾プローブに対するコンジュゲーション後のMALDI TOF分析を図7Bで提供するが、ここで「星」で終わっているグリカンは、ペイロードにコンジュゲートされたグリカンを表す。コンジュゲートされた分子に対するLCMSデータを下記:
Figure 2019506161
で示す。このデータは、4個のペイロード分子が抗体にコンジュゲートされるという結論を裏付ける。
実施例4 ケト−GalをUDP−ケトGalから転移させるためにGalT(Y289L)で処理した実施例2からの基質
それぞれ3.4mM、10mMおよび4mMの最終濃度まで、25mMのMnClを含有する30mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に、G0F抗体、ヒトGalT(Y285L)突然変異体およびUDP−2−ケト−Gal1を添加した。反応混合物を30℃で16時間暗所にて温置した。PBS 1X中で透析することによって過剰な試薬を除去した。還元MSによって生成物を確認したが、その結果を図6Aで示す。
実施例5 クリック化学を使用したDIBO−Alexa Fluor(登録商標)488にコンジュゲートされる実施例3の抗体
DIBO−Alexa Fluor(登録商標)488(最終濃度、19.8μM)をTris緩衝液(25mM Tris−Cl、150mM NaCl、pH7.2)中のGalNaz修飾抗体(最終濃度、0.5mg/mL、3.3μM)に添加した。反応混合物を25℃で16時間温置した。50kDaカットオフスピンフィルター(Amicon(登録商標)Ultra−4遠心フィルター)を使用してTris緩衝液で洗浄することによって、過剰な試薬を除去し、その後、LC−ESI−MSによる製品分析のために、DIBO−Alexa Fluor(登録商標)488修飾抗体のアリコートを取り出した。
実施例6
実施例3に記載の方法を使用して、反応性糖GalNAzの酵素による転移において使用される突然変異体GalTの至適濃度を調べた。6.7μMの濃度の抗体、0.6mM濃度のUDP−GalNAz、5mMのMnCl、150mMのNaClおよび25mM(pH7.2)のTris緩衝液とともに反応を行った。試験した酵素濃度は3.5、4.5および6μMであった。4.5μMの突然変異体GalTは抗体あたり4個のGalNazをコンジュゲートするのに十分であるので、さらなる実験のためにこれを選択した。
次の式:
Figure 2019506161
を使用して比を計算した。
結果を図11Aで示す。
反応性糖GalNAzの酵素による転移のためのUDP−GalNAz濃度の至適濃度を調べた。抗体濃度は6.7μMであった。4.5mMの濃度でGalTを使用した。5mMのMnCl、150mMのNaClおよび25mMのTris緩衝液(pH7.2)であった。試験したUDP−糖濃度は、0.3、0.6、1.2および1.8mMであった。さらなる反応のために0.6mMのUDP−糖を使用した。上記式を使用して分子比を計算した。結果を図11Bで示す。
実施例7
アジド−アルキン環化付加(cycloadition)反応におけるペイロード(フルオロフォア−DIBO)濃度の至適濃度。10.1μMの濃度で(反応性糖GalNAzを含む)修飾抗体を使用した。5mMのMnCl、150mMのNaCl、25mMのTris緩衝液(pH7.2)を使用した。4、6、8または10当量を使用してペイロードを試験した。上記で示されるように分子比を計算した。結果を図12で示す。

Claims (23)

  1. 抗体をコードするCHOグリコシル化突然変異細胞株から前記抗体を発現させることを含む方法であって、前記CHO細胞により産生される抗体上のN−グリカンが、N−アセチルグルコサミンである末端糖を有するように、前記CHO細胞株に対して変異導入されている、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記突然変異が、少なくともUDP−Galゴルジ輸送体における下方制御をもたらす、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記突然変異が、少なくともCMP−シアル酸ゴルジ輸送体における下方制御、GlcNAc−TVの下方制御または誤った局在化、GlcNAc−TIIIの上方制御およびそれらの組み合わせをさらに提供する、方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の方法であって、N−グランス(N−glans)上の末端糖残基がN−アセチルグルコサミンである、方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法であって、前記細胞株が生産細胞株である、方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の方法であって、前記細胞株がLec3.2.8、Lec4.8、Lec4A.8、Lec8およびLec10.8を含む群から選択される、方法。
  7. 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法であって、前記CHO突然変異細胞株から発現される前記抗体上のN−グリカンにおいてN−アセチルグリコサミン基質を酵素触媒の存在下で反応性糖と反応させて、前記グリカンに対して前記反応性糖残基を付加させる段階をさらに含む、方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、前記酵素がトランスフェラーゼである、方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、前記トランスフェラーゼが、1または2個のアミノ酸が置換されているか、欠失しているかまたは付加されているその突然変異体型を含むGalT酵素である、方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、前記GalT酵素が、Y289L、Y289N、Y289IおよびR228Kを含む群から選択される突然変異型である、方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、前記GALT酵素が突然変異Y289Lを有する、方法。
  12. 請求項7に記載の方法であって、前記反応性糖がケトン、アルキニル、アジドから選択される化学官能基を含む、方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記反応性糖がガラクトサミンの誘導体である、方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、前記反応性糖がGalAzまたはケト−Gal残基を含む、方法。
  15. 請求項7〜14の何れか1項に記載の方法であって、前記反応性糖が、転移型の酵素基質UDP−GalXであり、UDPがウリジン−二リン酸を表し、Galがガラクトース残基を表し、Xがアルデヒド、アルキニルまたはアジドの形態の官能基を表す、方法。
  16. 請求項7〜15の何れか1項に記載の方法であって、酵素転移によりグリカンに付加されたガラクトース残基中のアルデヒド、アルキニルまたはアジド官能基にペイロードをコンジュゲートするさらなる段階を含む、方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、前記ペイロードが、毒素、薬物分子(細胞毒性剤など)、ポリマー、抗体またはそれらの結合断片を含む群から選択される、方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、前記薬物分子が、メイタンシノイド、例えばN2’−デアセチル−N2’−(3−メルカプト−1−オキソプロピル)−メイタンシン(DM1)、N2’−デアセチル−N2’−(4−メルカプト−1−オキソペンチル)−メイタンシン(DM3)およびN2’−デアセチル−N2’(4−メチル−4−メルカプト−1−オキソペンチル)−メイタンシン(DM4)を含む群から選択される、方法。
  19. 請求項17に記載の方法であって、前記ペイロードが毒素である、方法。
  20. 請求項17に記載の方法であって、前記ポリマーが天然ポリマー、例えばデンプンまたはアルブミンなど、または合成ポリマー、例えばPEGなどである、方法。
  21. 請求項16〜20の何れか1項に記載の方法であって、使用されるコンジュゲーション化学がクリック化学である、方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、前記クリック化学が銅フリー化学である、方法。
  23. 請求項1〜22の何れか1項から得られるかまたは得ることが可能な分子。
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