JP2019505401A - 燃焼室及び打込み装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、円筒軸を定める中空円筒形の燃焼室壁と、中空円筒内で燃焼室壁に対して円筒軸沿いに位置調整が可能な底部と、円筒軸の径方向において、一方は底部、もう一方は燃焼室壁に接するシールとを備える、燃焼室に関する。シールは、第1の隙間(合口)を有し、円筒軸に対して周方向に延びる第1の密封リングと、第2の隙間(合口)を有し、円筒軸に対して周方向に延びる第2の密封リングとを備える。第1の隙間は周方向沿いに第1の角度位置を有し、第2の隙間は周方向沿いに第2の角度位置を有する。本発明は、第1の角度位置と第2の角度位置が角をなす、ことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼室及びかかる燃焼室を有する留め具打込み工具に関する。
燃焼室、特に留め具打込み工具の燃焼室は既知であり、かかる燃焼室は、円筒軸を定める中空円筒の形状の燃焼室壁と、中空円筒内で燃焼室壁に対して円筒軸沿いに位置調整が可能な底部と、例えば、底部と燃焼室壁の間の間隙を密封するために、円筒軸の径方向において、一方は底部、もう一方は燃焼室壁に接するシールとを備える。密封効果は、通常、柔軟な密封材、例えばエラストマから成るシールにより発揮される。
硬い密封材、例えば、熱可塑性若しくはデュロプラスチック物質又は金属若しくは合金を用いても密封効果をもたらすことができ、形状弾性、換言すると外形に基づく弾性によりシールを動かすことができる。例えば、シールは、円筒軸に対して周方向に延び、第1の隙間(合口)を備える、第1の密封リングからなる。この隙間により、密封リングの剛性は低下し、密封リング全体が、例えば、収縮自在に燃焼室壁に接する。隙間による漏れを低減するために、第2の隙間(合口)を有する第2の密封リングを使用することが知られており、この第2の密封リングは円筒軸に対して周方向に延び、第2の隙間は第1の隙間に対して周方向に沿って配置されている。第1の隙間と第2の隙間の対向する位置関係は所定の固定装置により固定される。
ところで、燃焼室が氷点下の温度で保管された場合には、2つの密封リングの間にあるかも知れない水蒸気が凍結するため、2つの密封リングの使用は不都合を生ずることが知られている。2つの密封リングは互いに凍結してそれらの形状が剛性を持つようになるため、底部が燃焼室壁に固着して動かなくなる。燃焼室を使用できるようにするためには、保管後に最初に2つの密封リングを接合する氷を破壊する必要があって、それには事前に加熱するか、あるいは強い力を加えることによってのみ可能となる。
特許文献1は、被打込み材に釘を打込む留め具打込み工具であって、燃焼室は燃焼ガスにより充填され、その発火プロセス後に駆動ピストンが加速されて釘へ打ち込まれる留め具打込み工具を記載している。この燃焼室は位置調節可能な底部を有し、調節ロッドが通路を通じて燃焼室のハウジングを通り、燃焼室の位置調節可能な底部に連結されている。燃焼室の底部は、円周シールによって燃焼室壁に密封されている。
独国特許出願公開第10226878号明細書
本発明の目的は、特に低い室温で安定した動作を行うことができる燃焼室及び留め具打込み工具を提供することである。
この目的は以下のように達成される。燃焼室の場合、第1の隙間(合口)が周方向沿いに第1の角度位置を有し、第2の隙間(合口)が周方向沿いに第2の角度位置を有し、この第1の角度位置と第2の角度位置が0°より大きく、180°未満の角度をなす。本発明は、第1及び第2の密封リングが互いに重なり合って凍結したとき、2つの密封リングの円周全体にわたって両密封リングを接合する氷を砕く必要はない、という認識に基づいている。その代わりに、第1と第2の隙間(合口)間の円周部の一か所を砕くことで十分で、そうすれば両隙間は互いに対して移動可能になる。2つの密封リングの相互の補強作用は、実質的になくなっている。2つの隙間間の円周部の1か所を短縮することで、2つの密封リング間での望ましくない氷の形成による弱点を解消し、それにより氷を砕くことが促されるか又は可能とされる。
本発明の優れた態様において、燃焼室壁は中空円筒の形状を有する。円筒軸が筒の底面の重心を通るような、他の筒形が優位性を発揮する状況もある。
優れた態様において、第1の角度位置と第2の角度位置は120°未満、好ましくは90°未満、特に好ましくは60°未満の角をなす。また、第1の角度位置と第2の角度位置が30°を超える角を形成すると優位性がある。
優れた態様において、第2の密封リングは、円筒軸の軸方向に第1の密封リングに配置される。第2の密封リングが第1の密封リングに対して全面で接することが好ましく、第1及び第2の隙間(合口)を除いて円周全体で接することが特に好ましい。
優れた態様において、シールは第1及び第2の角度位置で形成された角を固定するための固定装置を有する。この固定装置は第1の密封リングの凸部と、第2の密封リングの凹部とからなり、この凸部が凹部へと突出することが好ましい。
優れた態様において、第1及び/又は第2の密封リングは硬い密封材から成る。この密封材は硬いプラスチックからなることが好ましく、繊維強化された硬いプラスチック、例えば、熱可塑性若しくはデュロプラスチック物質又は金属若しくは合金からなることが特に好ましい。エラストマ、ゴム、又はシリコーン等の柔軟な密封材は前者とは区別され、シールとして用いられる際には、材料弾性により十分な密封効果を発揮するように変形させられる。
優れた態様において、底部には周方向に延びる溝があり、その溝へ第1及び/又は第2の密封リングが突出する。
優れた態様において、燃焼室は、底部とシールの間に配置された弾性支持要素を有し、この弾性支持要素は径方向に設けられることがある溝に配置されることが好ましく、第1及び/又は第2の密封リングを燃焼室壁に対して付勢させる。この支持要素は、例えば、エラストマから成る材料弾性を有する要素であるか、又は例えば、板バネとして形成される形状弾性を有する要素であることが好ましい。この支持要素は、円周リングとして構成されることが好ましい。さらに、この支持要素は、複数の個別の弾性部材から成ることが好ましい。
優れた態様において、底部を燃焼室壁に対して円筒軸の軸方向における位置を調整して、底部と燃焼室壁との間に燃焼室の入口及び/又は出口開口部が形成されるようにする。
優れた態様において、燃焼室が、留め具要素を被打込み材に打込むための駆動ピストンを有する留め具打込み工具において用いられ、駆動ピストンを駆動するための推進材はこの燃焼室内で燃焼させられ得る。
優れた態様において、留め具打込み工具はハウジングを有し、燃焼室壁はハウジングと強固に連結されている。底部は、留め具打込み工具の移動可能な部分である。さらなる優れた態様において、留め具打込み工具はハウジングを有し、底部はハウジングと強固に連結されている。燃焼室壁は、留め具打込み工具の移動可能な部分である。
一般的に、工具が適切に被打込み材上に設定されていない場合、燃焼室壁に対して位置調整が可能な燃焼室の底部により、例えば、安全装置の一部分として、燃焼室の形状を変更することができる。このような工具の場合、燃焼室は各設定プロセス前に設置により拡張され、燃焼室壁がいずれの場合も変位されてしまう。
本発明の態様において、水を導出するために、シールから取り除かれた水の導出のための凹部が燃焼室の底部及び/又は燃焼室壁に設けられる。これにより、燃焼室壁に凝縮した水を導出することができ、したがって状況によっては、第1と第2の密封リングの間に形成される氷が少なくなることもある。
本発明のさらなる優位性及び特徴は、下記の実施例及び従属項から明らかになる。
以下では、本発明の実施例について、添付の図面に基づき詳細に記載及び説明する。
燃焼室の断面を含む、留め具打込み工具全体の空間図である。 図1の燃焼室の詳細な拡大図である。 燃焼室のシールの分解図である。
図1の留め具打込み工具は、ハウジング19と、燃焼室壁2を有する燃焼室1とを備える手持ち工具で、燃焼室1は特定の部分で円筒形であるとともにハウジング19と強固に連結されている。燃焼室1には、その中で案内される駆動ピストン4を有するシリンダ3が付随する。工具の安全機構は、被打込み材(非表示)上に設定され、ばねの圧力に対して押し込まれる押設スリーブ5を備える。この状態においてのみ、燃焼室での燃焼ガス状態にある推進材の発火により、打込みプロセスの実行が可能である。さらに、スワール板6(Wirbelplatte)が燃焼室1に配置され、このスワール板6は発火前に燃焼室1内を移動することができる。
燃焼室1の底部7は、燃焼室の容積が可変になるように、打込み方向と一致する軸に沿って移動し得る。このため、円周シール8により、底部7は円筒燃焼室壁2に対し封止される。図1及び図2では、シール8が概略的にのみ示されている。本発明のシール8の構成の詳細は、図3に詳しく示されている。
示されてはいない実施例においては、底部はハウジングと強固に連結され、燃焼室壁は軸方向に移動可能なスリーブとして構成される。示されてはいない実施例においては、底部と燃焼室壁との間に、空気及び/又は燃料のための、燃焼室の入口及び/又は出口開口部が形成されるように、燃焼室壁を底部に対して調節できる。
底部7は調節ロッド9で軸方向に動かすことができ、調節ロッド9は燃焼室の前方の第2の底部の通路を通る。押設スリーブ5を押圧すると張力が最初にばね、そして調節ロッド9に働き、それにより底部7が変位する。結果として、発火に十分な燃焼室の容積が最初に拡大される。燃焼室壁に沿った底部のこの動きの間に、凝縮した水が規則的に取り除かれる。機構の動作が遅くなるのを防ぐため、シール8の領域に浸透して凍結する水の量はできるだけ少なくすべきである。
図3は、シール8の分解図である。シール8は、第1の隙間(合口)22を有し、ここでは示されていない燃焼室壁の円筒軸20に対して周方向に延びる円形の第1の密封リング21と、第2の隙間(合口)24を有し、円筒軸20に対して周方向に延びる円形の第2の密封リング23とを備える。詳細は表示されてはいないが、燃焼室が組み立てられた状況において、第2の密封リング23は、円筒軸20の方向、好ましくは隙間22、24を除く円筒軸20の周りの円周全体で、第1の密封リング21に対し平らに重なっている。
周方向沿いに、第1の隙間22は第1の角度位置25を有する一方、第2の隙間24は第2の角度位置26を有する。第1の角度位置25と第2の角度位置26は、45°の角αをなす。この角αは、固定装置27によってその位置に固定される。この固定装置27は、第2の密封リングの凹部28へ突出し係合する第1の密封リング21の、ここでは示されていない凸部と、第1の密封リング21の、ここでは示されていない凹部へ突出及び係合する第2の密封リング23の凸部29とを備え、それにより周方向の密封リング21、22の間で形状どうしの噛み合わせが起こり、換言すると、周方向の密封リング21、22間での相対的運動の発生が防止される。

Claims (13)

  1. 円筒軸を定める中空円筒形の燃焼室壁と、前記中空円筒内で前記燃焼室壁に対して前記円筒軸沿いに位置調整が可能な底部と、前記円筒軸の径方向において、一方は前記底部、もう一方は前記燃焼室壁に接するシールとを備え、
    前記シールは、第1の隙間を有し、前記円筒軸に対して周方向に延びる第1の密封リングと、第2の隙間を有し、前記円筒軸に対して前記周方向に延びる第2の密封リングとを備え、
    前記第1の隙間は前記周方向沿いに第1の角度位置を有し、前記第2の隙間は前記周方向沿いに第2の角度位置を有し、前記第1の角度位置と前記第2の角度位置が0°より大きく、180°未満の角をなす、
    燃焼室。
  2. 前記第1の角度位置と前記第2の角度位置が120°未満、好ましくは90°未満、特に好ましくは60°未満の角をなす、ことを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
  3. 前記第1の角度位置と前記第2の角度位置が30°を超える角をなす、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼室。
  4. 前記第2の密封リングは、前記円筒軸に対して軸方向に前記第1の密封リングに付随する、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の燃焼室。
  5. 前記シールは前記第1及び前記第2の角度位置で形成された前記角を固定するための固定装置を有する、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の燃焼室。
  6. 前記固定装置は前記第1の密封リングの凸部と、前記第2の密封リングの凹部とを備え、前記凸部が前記凹部へと突起する、ことを特徴とする請求項5に記載の燃焼室。
  7. 前記第1及び/又は前記第2の密封リングは硬い密封材から成る、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の燃焼室。
  8. 前記底部には前記周方向に延びる溝があり、前記第1及び/又は前記第2の密封リングが前記溝へと突出している、ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1つに記載の燃焼室。
  9. 前記燃焼室は、前記径方向で前記底部と前記シールの間に配置され、前記第1及び/又は前記第2の密封リングを前記燃焼室壁に対して付勢させる弾性支持要素を備える、ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載の燃焼室。
  10. 前記底部と前記燃焼室壁の間に前記燃焼室の入口及び/又は出口開口部が形成されるように、前記底部は前記円筒軸の軸方向において前記燃焼室壁に対して位置調整されている、ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1つに記載の燃焼室。
  11. 留め要素を工作物に打込むための駆動ピストンと、前記駆動ピストンを駆動するための推進薬を燃焼させることができる燃焼室とを有し、前記燃焼室が請求項1乃至10の記載の通りに構成されている、ことを特徴とする留め具打込み工具。
  12. 前記留め具打込み工具はハウジングを有し、前記燃焼室壁は前記ハウジングと強固に連結されている、ことを特徴とする請求項11に記載の燃焼室。
  13. 前記留め具打込み工具はハウジングを有し、前記底部は前記ハウジングと強固に連結されている、ことを特徴とする請求項11に記載の燃焼室。

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