JP2019503516A - 光ファイバーのバンドルを使用した高分解能撮像のためのシステム及び方法 - Google Patents

光ファイバーのバンドルを使用した高分解能撮像のためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

一態様によれば、本発明は、光ファイバーコア(A)のアレイを備え、対象物の空間的にインコヒーレントな複数の点源から発せられた複数の光線を受けるようになっているファイバーバンドル(1)とを備える対象物の高分解能撮像システムに関し、本システムは、検出平面を有し、ファイバーバンドルの近位端に位置し、複数のスペックルパターンを受けるようになっている二次元検出器(240)であって、スペックルパターンの各々は前記光線の1つがファイバーバンドル内の少なくとも複数のコアを伝送する結果生じるものであり、前記二次元検出器によって検出された複数のスペックルパターンの集合体によりスペックル群画像が形成される、二次元検出器(240)と、前記スペックル群画像から対象物の画像を求めるようになっている処理ユニット(250)とを更に備える。

Description

本記述は、光ファイバーのバンドルを使用した高分解能撮像のためのシステム及び方法に関する。これは、内視鏡での撮像に適用可能であるが、それに限られない。
柔軟性のある光学式内視鏡は、生物医学的調査及び臨床診断において最も重要なツールの1つである。これによって、複雑な試料の、従来の非侵襲的な顕微鏡検査が散乱により妨害される深い内部の撮像が可能になる。理想的なマイクロ内視鏡プローブは、組織の損傷を最小限にするために可能な限り小さな断面積を有するとともに、その面(遠位端)からの様々な軸方向距離においてリアルタイムで回折限界撮像を行える必要がある。
最近では、単一のマルチモードファイバーを用いたレンズの無いマイクロ内視鏡のための波面整形を採用した研究が盛んに行われている。例えば、特許文献1には、マルチモード導波路によるモードスクランブリング及び光分散を補償する作用をする波面整形システムに依存する、マルチモード導波路照明・撮像器が示されている。しかし、波面整形に基づく補正を実際の内視鏡に適用する上での主な障害は、ファイバーの曲げ変形に対する波面歪みの感度であり、波面補正を再較正するために遠位端へアクセスできること、又は計算によって波面補償を行うために曲げ形状を正確に知ることが必要である。
より一般的で広く使用されている種類の光学内視鏡は、数千の独立した光ファイバーコアが束ねられて構成されたファイバーバンドルによるものであり、それぞれのコアは1つの画像ピクセル情報を運ぶ。
目的の対象物がバンドル面に直に隣接して配置される場合や、それと同等となるファイバーの遠位端に取り付けられた小型対物レンズの焦点面に配置される場合には、様々なモードの撮像が簡単に行われる。図1A、図1B、及び図1Cは、ファイバーバンドル1内の光ファイバーコア1の配置と、ファイバーバンドルの遠位面11に隣接して配置した目的の対象物2の画像3の形成と、本方法を用いて得たテストチャート4の一部4の画像5の例とをそれぞれ示す。このような従来のファイバーバンドルでの撮像においては、ファイバーバンドルの遠位面11に隣接して置かれた対象物2の強度画像がファイバーバンドルの近位面12に転送される。このようなファイバーバンドルによる技術は、実現するのは簡単であるが、個々のコア及びクラッドの径により決まる分解能の制限及びピクシレーションアーチファクトという欠点や、作動距離が固定されているため、マイクロ加工されたレンズが無い場合、目的の対象物をバンドル表面に直接位置させる必要があるという欠点がある。
本発明は、遠位側に光学系を必要とせず単なる従来のファイバーバンドル及びカメラのみを使用して任意の距離での撮像が可能な、広視野でピクシレーションのない撮像方法及びシステムを提供する。
米国特許出願公開第2015/0015879号
Labeyrie他:「Attainment of diffraction limited resolution in large telescopes by Fourier analyzing speckle patterns in star images(星像のスペックルパターンをフーリエ解析することによる大型望遠鏡の回折限界分解能の実現)」、Astronomy and Astrophysics,6:85,1970 Fienup,J.R他:「Phase retrieval algorithms: a comparison.(位置取得アルゴリズム:比較)」Applied Optics,21:2758{2769,1982) J.C.Dainty:「Laser speckle and related phenomena(レーザースペックルとその関連現象)」,Springer,Topics in applied physics,Vol.9 1975,ISBN: 978−3−540−07498−4
一態様によれば、本記述は、
光ファイバーコアのアレイを備え、対象物の空間的にインコヒーレントな複数の点源から発せられた複数の光線を受けるようになっているファイバーバンドルと、
ファイバーバンドルの近位端に位置し、複数のスペックルパターンを受けるようになっている二次元検出器であって、スペックルパターンの各々は前記光線の1つがファイバーバンドル内の少なくとも複数のコアを伝送する結果生じるものであり、二次元検出器によって検出された複数のスペックルパターンの集合体によりスペックル群画像が形成される、二次元検出器と、
前記スペックル群画像から対象物の画像を求めるようになっている処理ユニットと
を備える対象物の高分解能撮像システムに関する。
ファイバーバンドル内のコア間の屈折率及び幾何形状の固有のばらつきによって、コアを通過する光に予測不可能なファイバー対ファイバーの位相遅延が生じる。図1Bに示すように、従来のバンドルによる撮像手法は、位相情報はバンドルを通って伝播する際に失われるため、そこを通る強度のみの情報伝送に頼るという仮定の下で動作する。マルチモード導波路撮像方法においては(例えば、上記の特許文献1参照)、これらの位相関係を測定し、空間光変調器を使用して補償する。
これらの一見基本的な制限にもかかわらず、発明者らは、従来のファイバーバンドルを通って伝播する際にも、いくつかの位相情報は保持されることを示した。より正確には、発明者らは、対象物の空間的にインコヒーレントな点源から発せられた光線の、ファイバーバンドルを通した伝播によって生成されるスペックルパターンに、固有の角度及びスペクトル相関が存在することを示した。
本記述のシステム及び方法は、バンドルの遠位端からの任意の距離に置かれた対象物を撮像するために、何らかの位相補正や事前較正を行うことなく、スペックルパターンの相関を利用する。
1つ又は複数の実施形態によれば、対象物の高分解能撮像システムは、対象物を照らす光源を備える。
1つ又は複数の実施形態によれば、光源は、空間的にインコヒーレントな光源であり、反射又は透過によって対象物を照らす。
1つ又は複数の実施形態によれば、光源は、第1の波長(励起波長)で、光を発するようになっており、これによって、対象物は、励起波長とは異なる第2の波長(発光波長)で光を発する。対象物によって発せられた光は、例えば、本質的に空間的にインコヒーレントな蛍光、又はラマン光であってよい。
1つ又は複数の実施形態によれば、
処理ユニットが、
スペックル群画像の自己相関の生成と、
前記スペックル群画像の自己相関の生成に基づいて、対象物の画像を求めることと
を行うようになっている。
1つ又は複数の実施形態によれば、スペックル群画像の自己相関生成に基づく対象物の画像の決定は、位相回復アルゴリズムを使用して行われる。
1つ又は複数の実施形態によれば、高分解能撮像システムは、ファイバーバンドルの遠位端に配置され、最適な信号対雑音比で対象物を撮像可能な最小距離を短くするレンズを更に備える。
1つ又は複数の実施形態によれば、高分解能撮像システムは、
可変長の基準アームと、
光源によって発せられる空間的にインコヒーレントな光を、対象物を照らすための光と、基準アーム内送られる光とに分割するビームスプリッタと、
基準アームからの光と、対象物によって反射して戻り、検出平面における.ファイバーバンドルのコアの少なくとも一部によって伝送された光とを混合するビームスプリッタと
を更に備える。
第2の態様によれば、本記述は、
光ファイバーコアのアレイを備えるファイバーバンドルの遠位端において、対象物の空間的にインコヒーレントな複数の点源から発せられた複数の光線を受けることと、
ファイバーバンドルの近位端に位置する二次元検出器を使用して、複数のスペックルパターンを受け、スペックルパターンの各々は光線の1つがファイバーバンドル内の少なくとも複数のコアを伝送した結果生じるスペックルパターンであって、二次元検出器によって検出された複数のスペックルパターンの集合体がスペックル群画像を形成することと、
前記スペックル群画像を処理して対象物の画像を求めることと
を含む対象物を高分解能で撮像する方法に関する。
1つ又は複数の実施形態によれば、方法は、空間的にインコヒーレント光を使用して対象物を照らすことを更に含み、対象物は、反射又は透過によって照らされる。
1つ又は複数の実施形態によれば、対象物を照らすことは、ファイバーバンドルの少なくとも一部の光ファイバーコアを通して行われる。
1つ又は複数の実施形態によれば、対象物を照らす光は、狭いスペクトル帯域幅を有す、すなわち、ファイバーバンドルのスペクトル相関幅以下のスペクトル帯域幅、典型的には数十nmより小さく、有利には10nm以下であり、有利には5nm以下である。
1つ又は複数の実施形態によれば、方法は、第1の波長(励起波長)の光を使用して、対象物を照らすことを更に含み、対象物は、励起波長とは異なる,第2の波長(発光波長)で光を発し、上記の前記複数の光線を形成する。対象物から発せられた光は、例えば、蛍光、又はラマン光でよく、これらは、本質的に空間的にインコヒーレントであり、従って励起光は空間的にインコヒーレントである必要がない。
1つ又は複数の実施形態によれば、スペックル群画像を処理することが、
スペックル群画像の自己相関の生成を計算することと、
スペックル群画像の自己相関の生成に基づいて、前記対象物の前記画像を求めることと
を含む。
1つ又は複数の実施形態によれば、スペックル群画像の自己相関生成に基づいて対象物の画像を求めることが、位相回復アルゴリズムを使用することによって行われる。
1つ又は複数の実施形態によれば、方法は、近位端のファイバーバンドルをランダムに動かすことにより、スペックルパターンの数を増加することを更に含む。
1つ又は複数の実施形態によれば、方法は、対象物を照らす光の波長をランダムに変化させることにより、スペックルパターンの数を増加することを更に含む。
1つ又は複数の実施形態によれば、方法は、対象物を照らす光の偏向状態をランダムに変化させることにより、スペックルパターンの数を増加することを更に含む。
1つ又は複数の実施形態によれば、方法は、
空間的にインコヒーレントな光を、対象物を照らすための光と、可変長の基準アームに送られる光とに分割すること、
準アームからの光と、対象物から反射して戻り、コアの少なくとも一部によって伝送された光とを検出器平面で混合すること、及び
基準アームの長さを変化させることにより、検出器平面において干渉縞を生成すること
によって、対象物とファイバーバンドルの遠位面との間の距離を求めることを更に含む。
更なる態様によれば、本記述は、高分解能撮像のためのシステムを備える装置に関し、これらの装置には、生物化学用の内視鏡装置、生物化学以外の用途には遠隔撮像装置、遠隔分光装置等が含まれる。
本発明の他の利点及び特徴は、以下の図によって示す説明を読むことによって明らかになろう。
(説明済)ファイバーバンドル面に隣接して位置する目的の対象物の画像を形成するファイバーバンドル内の光ファイバーコアの配置の例である。 (説明済)ファイバーバンドル面に隣接して位置する目的の対象物の画像を形成するファイバーバンドル内の光ファイバーコアの配置の例である。 (説明済)テストチャートの一部の画像の例である。 本記述の一実施形態に係る光ファイバーのバンドルを使用する高分解能撮像システムの概略図である。 2つの空間的にインコヒーレントな点源から発せられ、ファイバーバンドルを通して伝播した2つの傾いた波面を表す概略図である。 ファイバーバンドルの角度スペックル相関を点源の位置δθの関数として示す実験による測定値である。 本記述の一実施形態に係る、高分解能で撮像する方法の一実施形態における異なるステップの概略図である。 本記述の一実施形態に係る、高分解能で撮像する方法の一実施形態におけるスペックル群画像の例(数値シミュレーション)である。 本明記述の一実施形態に係る、高分解能に撮像する方法の実現性を実証するために使用した実験構成の概略図である。 対象物をファイバーバンドルの遠位面に隣接して配置した場合と、バンドルの遠位面から離して配置した場合の、端面の画像の図である。 異なる対象物(「4」、「3」、及び「6」)に関し、図5の構成を使用して実施された方法の、異なるステップの画像である。 図8aは、図5の構成を使用して、ファイバーバンドル面からの対象物の距離を変化させて得た、画像の分解能を示す(実験による)カーブであり、図8b〜hは(実験による)画像を示す。 図9aは元の対象物の画像、図9b及び図9cはそれぞれはシングルショット及び20ショットの測定を用いて測定された対象物を示す(実験による)画像、図9は、同じ対象物(「5」)に関して、図5の構成を使用して実施した撮像方法の、バンドルのスペクトル相関を相対波長の関数として示す(実験による)カーブである。 本記述に係るデバイスの別の実施形態の概略図である。 本記述に係るデバイスの別の実施形態の概略図である。
図中、同じ要素には、同じ符号が付されている。
図2は、本記述の第1の実施形態に係る、対象物の高分解能撮像システムの一例を示す。
図2に示すシステムは、対象物と検出器の間でファイバーバンドルを有利に使用する、内視鏡の撮像又は任意の遠隔撮像に適用可能である。
高分解能撮像システムは、長さLのファイバーバンドル1を備える。ファイバーバンドルは、図1Aに示すファイバーバンドルであってよく、光ファイバーコア1のアレイを備える。高分解能撮像システムは、ファイバーバンドルの近位端に、二次元検出器240と、処理ユニット250とを更に備える。二次元検出器240は、ファイバーバンドルの基端面からゼロではない距離に置かれている。
高分解能撮像システムは、例えば、化学発光を押圧する物体である場合等、対象物が自発光性ではない用例においては、対象物100を照らすための光源200を更に備えてもよい。
図2の例において、光源200は、ファイバーバンドル1の近位端に位置し、反射によって対象物を照らすことが可能である。しかし、用例によっては、対象物を透過によって照らしてもよい。
1つ又は複数の実施形態において、対象物による反射光(又は、対象物を透過した光)は、ファイバーバンドルのコア(「伝送コア」)の全て又は一部を通って伝送される、上記対象物の点源から発せられた複数の光線を直接形成する。上記点源が、確実に空間的にインコヒーレントな点源となるように、光源200によって発せられる光は、空間的にインコヒーレントな光であってよい。
1つ又は複数の実施形態において、光源は、対象物を照らすために第1の波長(励起波長)で光を発光し、その結果、対象物の各点源は、励起波長とは異なる第2の波長(発光波長)の光を発光する。例えば、発光光は、蛍光、ラマン光、ドップラーシフト光等でよい。例えば、蛍光、及びラマン光の場合、光はもともと空間的にインコヒーレントであり、励起光は、空間的にインコヒーレントである必要はない。
1つ又は複数の実施形態において、ファイバーバンドルのコアを通って伝送される光は、ファイバーバンドルの性質に適合した波長を有する。すなわち、ファイバーバンドルのコアによって伝送される光の波長、より好ましくは、コア間の結合が、必ずしもゼロではないが最小限である光の波長を有する。このような波長は、特定の用途に使用されるファイバーバンドルに依存するが、撮像用途に使用されるファイバーバンドルでは、通常、350nmと3μmの間に含まれる波長を有する光を伝送することができる。
1つ又は複数の実施形態において、光源200が発する光は、所与の中心波長及び狭い帯域幅、すなわち、以下に更に詳細を説明するように、上記発光波長でのファイバーバンドルのスペクトル相関幅以下の帯域幅を有する。典型的には、一般的に光学撮像用途に使用されるファイバーバンドルの場合、光源のスペクトル帯域幅は、数十nmより小さくてよく、例えば、10nm以下でよい。また、更なる実施形態では、5nm以下の場合もある。
1つ又は複数の実施形態において、光源が発する光は、ファイバーバンドルのスペクトル相関幅より大きなスペクトル帯域幅を有し、検出光のスペクトル帯域幅をファイバーバンドルのスペクトル相関幅以下の値に制限するために、二次元検出器240の前のファイバーバンドルの近位端に、スペクトルフィルタを配置してもよい。
1つ又は複数の実施形態において、光源が発する光は、連続波、又はパルス状の光である。
1つ又は複数の実施形態において、光源は、熱ランプ、LED、空間的にインコヒーレントなスーパーコンティニューム光源、空間的にインコヒーレントなソリトン光源、空間的にインコヒーレントなレーザ光源等を備えてよい。
図2の例では、光源200から発せられた光201は、直接、又は対物レンズ212を使用して、ファイバーバンドル1のコアの少なくとも一部(「照明コア」)へと送られる。更なる実施形態においては、光源200から発せられた光201は、ファイバーバンドル1の一部ではなく、対象物(100)の照明に特に使用される、1つ又は複数の光ファイバーのコアに送られてもよい。
照明コアを通って伝送される光202は、ファイバーバンドルの遠位端に位置し、ファイバーバンドルの遠位面11(「対象物面」)からゼロでない距離Uの対象物100を照らす。対象物によって返されて発せられた光203は、例えば、反射光、透過光、蛍光、ラマン光は、ファイバーバンドル1のコアを照らす対象物の、空間的にインコヒーレントな点源から発せられる複数の光線を形成する。
1つ又は複数の実施形態において、対象物は、ファイバーバンドルの遠位面11の所与の距離より遠くに位置し、ファイバーバンドルのコアを照らす光線は、バンドルのコアを通って伝送される。
1つ又は複数の実施形態において、対象物が、ファイバーバンドルの遠位面11の近い側に位置する場合、コアの開口数によっては、少なくともコアの一部において、対象物の点源のいくつかによって発せられた光線が伝送されない可能性がある。
以下では、「伝送コア」を、対象物の同じ点源から発せられた光線を伝送する全てのファイバーバンドルのコアの集合体と定義する。上記コアの集合体が、ファイバーバンドルの全てのコアを含まない場合、全ての伝送コアが、対象物の同じ点源から発せられた光線を確実に放出するように、例えば、マスクを使用して、伝送コアとして使用するコアの集合体を物理的に制限することは有利である可能性がある。
ファイバーバンドルの有効径は、この場合、2つの伝送コア間の最大距離として定義される。
以下に更に説明するように、バンドルの有効径及び伝送コアの数は、撮像方法の十分な感度と分解能を保証するために、十分に大きく選ぶことができる。
以下に更に説明するように、最適化された信号対雑音比で対象物を撮像可能な、対象物とファイバーバンドルの遠位面との間の最小距離(臨界距離)を定義することも可能であろう。
図2に示すように、上記複数の伝送コアを通して伝送される光204は、例えば、CCDやCMOSカメラ等の二次元検出器240によって捕捉され、処理ユニット250によって処理される。
カメラ240は、バンドルの近位面12(「画像平面」)からゼロでない距離、又は対物レンズ230の後に置かれる。この対物レンズは、検出器上にバンドルの近位面の像を生成しないが、ファイバーバンドルから発せられた光204をカメラに向けることができる。
図2の配置においては、発光光201と伝送光204をファイバーバンドル1の近位端にて分離するために、ビームスプリッタ220が使用される。例えば、図2に示すように、ビームスプリッタは、発光光201を照明コアに反射し、伝送光をカメラ240に伝送する。しかし、別の実施形態では、ビームスプリッタが、発光光201を照明コアに伝送し、伝送光をカメラ240へと反射させてもよい。
1つ又は複数の実施形態によれば、例えば、発光光201及び伝送光204が異なる波長を有する場合、ビームスプリッタ220は、ダイクロイックプレートでもよい。
次に、一実施形態に係る、高分解能撮像方法の原理を図3A、図3B、及び図4A、図4Bを参照して説明する。
図3Aに示すように、撮像用ファイバーバンドル1を通る光の伝播は、1で表すバンドル内の各コアが、それに連結された光の強度は保存するが、その位相にはコア毎に異なる未知の位相φ1を加えるという特徴がある。このような未知の位相φ1は、各個々のコアの組成、ファイバーバンドルの長さ、又は曲げに依存し得る。従って、バンドルの遠位面から距離Uの対象物面に置かれ、球面波面301を発し、ファイバーバンドル1のコアを照らす点源101が、バンドルの近位面12から距離Vの画像平面に、球面波面に加えられたランダムな位相パターンの為に、ランダムなスペックルパターン321を作成する。加えられたランダムな位相φ1は、点源の位置とは無関係であるため、対象物面に置かれ、しかし、第1の点源に対して距離δXだけ横方向位置にシフトされ、球面波面302を発する第2の点源102が、画像平面にほぼ同一のスペックルパターン322を、
だけずれた位置に作成する。実際、各コア1の出力において、点源102によって、コア1を通して発せられた波面302の伝送によって生じる局所波面312は、点源101によって、同じコア1を通って発せられた波面301の伝送によって生じる局所波面311とは、直線的な傾斜(傾き)が異なる。
出願人らは、所与の角度範囲内、及び所与のスペクトル帯域幅において、2つの点源が、相関性は高いが、
だけずれたスペックルパターンを作成することを示した。このように、ファイバーバンドルは、このスペックルパターンどおりの、複雑ではあるが、シフト不変の点拡がり関数(PSF)を有する光学システムと考えることができる。従って、2つの光源が存在する場合に、画像平面に得られるスペックル強度パターンを解析することによって、光源の相対位置を直接的に得ることができる。
図3Bは、ラジアンで測定された2つのスペックルパターン間の角度相関の測定値を、0radの点源の位置を基準にしたピンホールシフトδθの関数として示す。ピンホールシフトは、以下の式により、2つの点源の距離δX(図3A)に、直接的に関係する。
図3Bに示す測定値は、λ=532nmで発せられた狭帯域幅(典型的には20nm未満)の空間的にインコヒーレントな光源を使用して、ピンホールをその後ろから照らすことによって得たものである。測定に使用されたピンホールの直径dpinholeは、ファイバーのアパーチャーによって解像可能なものより小さく、すなわち、
であり、ここで、λは光源の中心波長、Dbundleは2つのコア間の最大距離によって測定されたバンドルの直径である。これらの実験に使用されたファイバーバンドルは、長さが105cm、直径Dbundle=0.53mmであり、7.5μmのコア間距離で約4500のコアが存在するものである。
出願人らは、ランダムに配置したシングルモードのコアを有し、コア対コアの結合をしない理想的なファイバーバンドルの場合、ファイバーバンドルの角度相関δθawcは、本質的にコアの開口数(NA)であることを、理論的に実証した。すなわち
ここで、dmodeは、コアのモードの直径であり、シングルモードファイバーの場合、コア自体の直径dcoreで近似可能である。
理論的な結論は、図3Bに示す実験で実験的に検証される。ファイバーバンドルの角度相関幅δθawcの理論値は、ファイバーバンドルの商用仕様によると約0.07である。図示のように、図3Bに示す、実験による点の正規分布への適合度330は、FWHM(full width half maximum 半値全幅)と同じ程度の大きさである。すなわち、FWHM〜0.09である。
上記の結論の直接的な結果として、空間的にインコヒーレントに照らされた対象物400(図4A参照)が、ファイバーバンドルの遠位面11から十分に大きな距離Uに置かれると、対象物の全ての点からの光は、相関はあるがシフトしたスペックルパターンをファイバーバンドルの近位面12から十分な距離Vに形成する。本記述において「スペックル群画像」と称する、この画像平面に得られる光の強度402(図4Bにも示す)は、重畳されたシフトしたスペックルパターンのインコヒーレントな強度の合計である。
その結果、角度及びスペクトル相関幅内では、ファイバーバンドルの近位面の遠視野で測定された光の強度を、対象物の強度パターンO(r)と単一の(未知の)スペックルパターンPSF(r)との単純な畳み込みによって説明することができる。
1つ又は複数の実施形態によれば、当技術分野で知られているように、対象物の画像は、このスペックル群画像の自己相関から再構成可能である(非特許文献1参照)。
対象物の画像は、例えば、既知の位相回復アルゴリズムを使って求めることができる。例えば、非特許文献2に記載されている。
対象物対自己相関のデータベースを使用して、対象物の自己相関を比較することによって、スペックル群画像の自己相関生成から、対象物の画像を求めることも可能である。
なお、対象物の画像をスペックル群画像から直接取得するために、自己相関及び位相回復とは別の他のアルゴリズムも使用可能であり、例えば、非特許文献3に例が記載されている。このようなアルゴリズムには、バイスペクトル解析、Knox−Thompsonアルゴリズム、及びスペックルホログラフィが挙げられる。
上述の高分解能撮像を、図5の実験的構成を使用して、実験的に試験した。
図5の実験構成では、目的の対象物400が、コア間距離7.5umで4500のコアを有する、直径530μm、長さ105cmのファイバーバンドル1から、様々な距離に置かれ、空間的にインコヒーレントな狭帯域光源500によって照らされる。光源500は、Coherent Compass 215M−50 532nm CW レーザで構成された、疑似熱空間インコヒーレント光源であり、この光源のビームは、望遠鏡502によって、約50倍に拡大され、フォーカスレンズ503を通り、次に高速で回転するディフューザ504を通る。対象物400を通り抜けた光は、ファイバーバンドル1によって集められ、撮像用対物レンズ530の有り無しにかかわらず、スペックルパターンを形成した後、カメラ540によって撮像される。使用されたカメラは、積分時間が10ミリ秒から2秒で変化する(典型的には、数百ミリ秒の)pco.edge(登録商標)5.5(画素数2,560×2,160)である。
図6は、図5に示す構成を使用して実施された、上記の撮像原理の実験的な実証結果を示す。
図6aは、対象物をU=0mmの位置に置くことが必要な、ファイバーバンドルを通した従来の撮像(ファイバーバンドル近位面の平面における画像)を示す。図6bは、元の対象物を示す。図6cは、対象物がバンドルの遠位面からU=8.5mm離れている場合の、ファイバーバンドルを通した従来の撮像を示す。見てわかるように、なんの情報も得られない。図6dは、バンドルの入力面から8.5mm離して配置した対象物のスペックル画像を示す。全てのスケールバーは100μmであり、スペックル画像において、スケールバーによって対象物面の同じスケールがわかるようになっている。
図7は、図7d、図7h、図7Iにそれぞれ示す、USAF 1951 ターゲットの「4」、「3」、及び「6」の3つの異なる対象物を使い、図5の構成を使用して得られた本記述に係る高分解能撮像方法における異なるステップの幾つかの例を示している。図7d及び図7h)は、バンドルの遠位面からU=161mmに配置したUSAFチャートグループ0からの対象物を示し、図7iは、バンドルの遠位面からU=65mmに配置したUSAFチャートグループ1からの対象物を示す。図7に示す画像中のスケールバーは、図7a、図7e、図7iでは2600μm、図7b、図7c、図7f、図7g、図7j、図7kでは130μm、図7d、図7hでは500μm、図7iでは、250μmである。
図7a、図7e、図7iは、異なる対象物のシングルショットの撮像によって得られた未処理のカメラ画像示す。図7b、図7f、及び図7jは、異なる対象物のカメラ画像の自己相関を示し、図7c,図7g,図7kは、計算された自己相関から対象物を再構成したものを示し、その次に元の対象物を図7d、図7h、図7iにそれぞれ示す。
図7に示す実験結果は、本記述による新規の高分解能撮像方法の実現性を示し、この方法は任意の撮像平面においてシングルショットで実行可能であり、ファイバーバンドルによる内視鏡に既に使用されているのと本質的に同じ構成を使用する。
次に、本記述による撮像方法の幾つかのパラメータについて説明する。
視野(FOV:Field of view
FOVは、式(1)で説明したように、光学システムの角度相関幅δθawcによって制限される。ファイバーバンドルにおいては、この幅は、コアの開口数(NA)によって与えられ、FOVは下記式によって説明できる。
コア対コアの結合をしないシングルモードコアの場合、FOVはモードの直径dmodeによって与えられ、コアの直径dcoreと実質的に等しい。しかし、バンドルを形成する光ファイバーのコアが完全には分離されてないか、又はコアが純粋なシングルモードではない実際的な場合では、モードの直径dmodeは、コア自体の直径よりより大きくなり得、FOVは減少する。
現実には、実際のコアの開口数(NA)は、ファイバーバンドルの商用仕様から知り得る、又は所与のファイバーバンドルに対して実験的に求めることができる。
出願人らは、バンドルの遠位面から1cm以上の距離Uに置かれた対象物に関して、数ミリメートル程度の視野が得られることを実験的に示した。
ファイバーバンドルの遠位面と対象物間の最小距離U crit
すでに示したように、本記述のシステム及び方法は、バンドルの遠位端から任意の距離に置かれた対象物を撮像するために、スペックルパターンの相関を利用する。
しかし、本記述に係る高分解能撮像方法においては、対象物がファイバーバンドルの遠位面から最小距離Ucritに置かれるとき、FOV内の各点が、「伝送コア」と定義した十分な数のファイバーバンドルのコアに確実に光を結合するように、信号対雑音比は最適化され、従って、同じスペックルパターンを遠方側に生成する。
最小距離Ucritは、このように、バンドルの有効径及びコアの開口数(NA)の両方に関係する。
ここで、λは中心波長、dmodeは、内側バンドルコア内のモードフィールド径、NAはシングルコアの開口数である。
伝送コアが、バンドルの全てのコアを含む場合、バンドルの有効径は、バンドル自体の直径に等しい。
分解能
スペックル粒寸法より小さく分離された対象物の特徴を識別することはできないため、本記述に係る撮像方法の分解能は、ファイバーバンドルの幾何学的開口数(NA)特性によって決まる回析限界スペックルの粒子寸法に制限される。
回折限界分解能は、ウィーナ−ヒンチンの定理を使用して、上記式3のフーリエ変換から導くことができる。
は、ファイバーバンドル開口のサイズの窓であり、対象物のフーリエスペクトラムは、回折限界分解能にフィルタリングされる。
スペックルの粒子サイズδX(及び分解能)は、ほぼ以下の式に従う。
これは、コアからの回折から導かれ、ここで、λは波長、Dbundleはファイバーバンドルの直径、dmodeはシングルコアモードのフィールド径である.
図8aは、スペックルの粒子サイズによって与えられる分解能の実験的な特徴を、対象物からファイバーバンドル面(U)までの距離の関数として提示し、同時に従来のバンドルを使用した撮像技術の分解能(点線)と、従来のレンズを使用した撮像技術の分解能(連続細線)との比較も提示している。実験構成は図5に示したものと同じである。より具体的には、図8aは、測定された分解能(回折限界スペックル粒子サイズ)をファイバーバンドルの遠位面からの距離(U)の関数として示す。測定されたスペックル粒子サイズは、最終値がファイバーバンドルの仕様とよく一致するDbundle及びdmodeを変数として使用して、式(7)に示すように、回折限界に適合される。
高信号対雑音比のシングルショット撮像の最小距離は、
である。すなわち、スペックルフィールド(FOV)の各点がバンドルの有効径を定義する全ての伝送バンドルコアに光を結合させている最小距離である。
図8aの例では、Ucritは、約3mmに等しいと計算される。
グラフの最上部には、他の従来方法での分解能の推定が示されている(従来のレンズを使用したものは、U=5mmでファイバーの遠位面を撮像するリレーレンズを想定している)。
図8bは、図8cに示す、USAFチャートグループ3、スケールバー=100μmのUSAF1951ターゲットからの対象物の、ファイバーバンドルを通した従来の画像を示す。
図8d〜図8hは、図5に示す実験構成によって、対象物のファイバーバンドルの遠位面までの距離を変化させて取得した画像である。
ファイバーからの任意の距離で得られる回折限界分解能によって、USAFターゲットの数字を様々な距離で撮像することによって実証されるように、極めて大きな範囲の作動距離が得られる(図8d〜図8h)。
使用するスペックルパターンの数
本記述に係る撮像方法の他のパラメータは、使用するスペックルパターンの数であるが、これは、ファイバーバンドルにおける有効な伝送コアの数によって制限される。低い結合の場合、有効な伝送コアの数は、実際の伝送コアの数でよく、実施形態によっては、ファイバーバンドル内の実際のコアの数でよい。しかし、コア間の結合は、独立したコアの実際の数を低下させる可能性がある。
スペックルの数が少ないと、集合体の平均化が不十分になることがあり、これは、強度画像の自己相関における信号対雑音比(SNR)を低下させる。
これは、撮像分解能を低下させるだけでなく、対象物の中央は、その縁部より多くのスペックルパターンで平均化されるため、バンドルのNAに匹敵するサイズの大きな対象物の撮像に影響を与える。
シングルショット撮像において、出願人らは、100を超える伝送コア、有利には500を超える伝送コア、有利には2000を超える伝送コアを有することが有利であることを示した。
しかし、1つ又は複数の実施形態によれば、以下、図9に示すように、2つ以上のスペックル群画像の自己相関を平均化することによって、シングルショット技術ではなくマルチショット技術が使用できる。
1つ又は複数の実施形態によれば、2つ以上のスペックル群画像は、複数の異なる方法によって得ることができる。例えば、異なる相関関係の無いスペックルパターンの数を増加させる方法は、単純にバンドルの物理的な配置を変える、及び曲げるや、対象物を照らす光の異なる直交偏光状態を使用する、対象物を照らす光、又は二次元検出器によって検出される光の波長を変える、更に別の方法等が挙げられる。
光源のスペクトル帯域幅
広帯域照明や蛍光イメージングへのアプローチの適用可能性を検討するために、広帯域照明光源で図7の実験を繰り返した。
実験構成は、図5に示すものと本質的に同等である。光源は、約800nmを中心としスペクトル幅10nmのSpectra−physics(登録商標)Mai Tai広帯域レーザーを使用し、フォーカスレンズ503は使用しない。広帯域撮像に使用したファイバーバンドルは、長さ48.5cm、直径1.1mmで、8μmのコア間距離で約18000のコアを含むものである。
出願人らは、照明の帯域幅がファイバーバンドルのスペックルスペクトル相関帯域幅より狭ければ、本方法の性能に明らかな影響を与えずに広帯域照明が使用可能であることを示した。この帯域幅内で、バンドルによって作成された波長依存のスペックルパターンは、良い相関を保ち、フーリエ変換によって、異なるコア内を伝搬する光の時間遅延の広がりに関連付けられる。
これを実証するために、また、蛍光イメージングへのステップとして、広帯域光源を使用して、図9に提示したように、ファイバーバンドルのスペクトル相関幅を測定し、撮像を実証する。
より具体的には、図9aは、元の対象物パターンを示す(スケールバーは100μmである)。図9bは、シングルショットの広帯域スペックル像を示し、図9cは、20ショットの広帯域スペックル像を示す。
図9cにおいて、各ショットは、バンドルの物理形状を変えることによって作成された異なる相関関係の無いスペックルパターンで取得される。先に論じたように、自己相関の信号対雑音比を改善するために追加のショットが取得された。
図9dは、実験的に測定されたファイバーバンドルのスペクトル相関を、「中心波長」(図9d中では「0」で示す)との関係において定義される相対波長の関数として示す。各測定点は、中心波長で得られたスペックルと相対波長で得られたスペックルとの自己相関に対応している。
図9から分かるように、対象物を照らす光の帯域幅は、スペクトル相関幅まで拡大でき、本例では、約8nm(FWHM)である。従って、本記述に係る撮像方法においては、極めて短いパルスを使用することが可能であり、短いパルスとしては、例えば150fsのパルスは、典型的には10nmのスペクトル帯域幅を有する。
代替として、広帯域光源を使用し、検出側でフィルタリングを実現できる。
図10及び図11は、本記述に係る高分解能撮像システムの2つの実施形態を示す。
1つ又は複数の実施形態において、図10に示すように、本記述に係る高分解能システムは、対象物を撮像可能な臨界距離Ucritを短くするために、ファイバーバンドルの遠位端にレンズ110を更に備えてよい。レンズ110は、対象物100の仮想イメージ100を生成し、対象物100の仮想イメージ100は、実際の対象物100より遠い距離に位置する。
図11は、本記述に係る高分解能撮像方法の実施形態を実現するようになっており、ファイバーバンドルの遠位面からの対象物の距離Uを求めることができる、本記述に係るデバイスの他の実施形態の概略図を示す。
全ての要素は本質的に、図2に示す要素と同様であり、撮像方法は、同じ処理ステップが適用可能である。
本実施形態において、光源200によって発せられた光201は、空間的にインコヒーレントで狭いスペクトル帯域幅、すなわち、バンドルのスペクトル相関幅以下のスペクトル帯域幅を示す(図9d参照)。例えば、バンドル1のコアの一部を通って伝送された光203は、対象物を照らし、対象物100によって反射され、従って、発せられた光201に一時的にコヒーレントである。
対象物がファイバーバンドルの遠位面から位置する距離Uを求めるために、光源200によって発せられた光201は、例えば、ビームスプリッタ220を使用して(長さdの)基準アームに分割され、これによって光205が生じる。光205は、サンプルから反射された光204と検出器240で再度混合されファイバーバンドル1の伝送コアを通して伝送される。基準アームは、例えば、長さdを変更するために軸方向の位置を変更できるミラー120を備える。
Lがファイバーの長さ、Uがファイバー遠位面と対象物間の距離を表す場合、d=L+Uに一致させることによって、カメラ平面状に縞が発生する。
従って、dを求めることが可能であり、その結果、対象物100が、ファイバーバンドルの遠位面から位置する距離Uを求めることが可能になる。
以上、堅牢で、簡単で、且つ較正不要の高分解能撮像システム及び方法を提示した。他の内視鏡技術(マルチモードファイバー伝送マトリックス手法、デジタル位相共役手法等)と比較して、本記述に係る高分解能撮像方法は、ファイバーの動きに影響を受けず、シングルショットの空間的にインコヒーレントな照明で本質的に動作するのに対し、他のほとんどの伝送マトリックス技術はコヒーレントな照明を必要とし、焦点を合わせたコヒーレントスポットを走査することによってインコヒーレントな撮像を行う。
本記述に係る高分解能撮像システムと方法について、複数の詳細な実施形態の例によって説明を行ったが、本記述に係る高分解能撮像システムと方法は、当業者にとって明白な様々な変形、修正、及び改善を含み、これらの様々な変形、修正、及び改善は、以下の特許請求の範囲によって定義される等の本発明の範囲内であることが理解されるであろう。

Claims (15)

  1. 光ファイバーコア(1)のアレイを備え、対象物の空間的にインコヒーレントな複数の点源から発せられた複数の光線を受けるようになっているファイバーバンドル(1)と、
    検出平面を有し、前記ファイバーバンドルの近位端に位置し、複数のスペックルパターンを受けるようになっている二次元検出器(240)であって、前記スペックルパターンの各々は前記光線の1つが前記ファイバーバンドル内の少なくとも複数のコアを伝送する結果生じるものであり、前記二次元検出器によって検出された複数のスペックルパターンの集合体によりスペックル群画像が形成される、二次元検出器(240)と、
    前記スペックル群画像から前記対象物の画像を求めるようになっている処理ユニット(250)と
    を備える対象物の高分解能撮像システム。
  2. 前記処理ユニットが、
    前記スペックル群画像の自己相関の生成と、
    前記スペックル群画像の前記自己相関の生成に基づいて、前記対象物の前記画像を求めることと
    を行うようになっている、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記対象物(100)を照らすようになっている光源(200)を更に備える、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記ファイバーバンドルの遠位端に配置され、最適な信号対雑音比で対象物を撮像可能な最小距離を短くするレンズを更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 可変長(d)の基準アームと、
    光源によって発せられる空間的にインコヒーレントな光を、前記対象物を照らすための光(201)と、前記基準アーム内に送られる光(205)とに分割するビームスプリッタ(220)と、
    前記基準アームからの前記光と、前記対象物から反射して戻り、前記検出平面における前記ファイバーバンドルの前記コアの前記少なくとも一部によって伝送された前記光とを混合するビームスプリッタ(220)と
    を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 光ファイバーコア(1)のアレイを備えるファイバーバンドル(1)の遠位端において、対象物の空間的にインコヒーレントな複数の点源から発せられた複数の光線を受けることと、
    前記ファイバーバンドルの近位端に位置する二次元検出器(200)の検出平面上で複数のスペックルパターンを受け、前記スペックルパターンの各々は前記光線の1つが前記ファイバーバンドル内の少なくとも複数のコアを伝送した結果生じるスペックルパターンであって、前記二次元検出器によって検出された複数のスペックルパターンの集合体がスペックル群画像を形成することと、
    前記スペックル群画像を処理して前記対象物の画像を求めることと
    を含む対象物を高分解能で撮像する方法。
  7. 前記スペックル群画像を処理することが、
    前記スペックル群画像の自己相関の生成を計算することと、
    前記スペックル群画像の前記自己相関の生成に基づいて、前記対象物の前記画像を求めることと
    を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 光源(200)によって発せられた光を使用して前記対象物を照らすことを更に含む、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記対象物を照らすことが、前記ファイバーバンドル(1)の前記光ファイバーコア(1)の少なくとも一部を通してなされる、請求項8に記載の方法。
  10. 空間的にインコヒーレントな光を使用し、透過又は反射によって前記対象物が照らされる、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記対象物が前記光源の前記波長と異なる波長の光を発して前記複数の光線を形成する、請求項8又は9に記載の方法。
  12. 前記近位端の前記ファイバーバンドルをランダムに動かすことにより、スペックルパターンの数を増加することを更に含む、請求項6〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記対象物を照らす光の波長をランダムに変化させることにより、スペックルパターンの数を増加することを更に含む、請求項6〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記対象物を照らす光の偏向状態をランダムに変化させることにより、スペックルパターンの数を増加することを更に含む、請求項6〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 空間的にインコヒーレントな光を、前記対象物を照らすための光(201)と、可変長(d)の基準アームに送られる光(205)とに分割すること、
    前記基準アームからの前記光と、前記対象物から反射して戻り、前記コアの少なくとも一部によって伝送された光とを検出器平面で混合すること、及び
    前記基準アームの長さ(d)を変化させることにより、前記検出器平面において干渉縞を生成すること、
    によって、前記対象物と前記ファイバーバンドルの遠位面との間の距離(U)を求める、請求項6〜14のいずれか一項に記載の方法。
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