JP2016202360A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバの曲げにかかわらず、標本を任意かつ高解像度な光強度パターンで照明して高解像度なイメージングを行う。【解決手段】撮像装置は100、複数のシングルモードファイバを含む波面伝達部101と、光の波面を成形し、該波面を波面伝達部の一端に入射させる波面生成部102と、波面伝達部の他端の側に設けられ、波面伝達部により伝達された波面を変換して、標本を照明する特定の光強度分布を有する光強度パターンを生成する変換部103と、波面伝達部の上記一端の側に設けられ、光強度パターンで照明された標本からの反射光または蛍光の強度を、変換部と波面伝達部とを介して観測する観測部104とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、内視鏡等に好適な光ファイバを用いた撮像装置に関する。
シングルモードファイババンドル(Single Mode Fiber Bundle:SMFB)やマルチモードファイバ(Multi Mode Fiber:MMF)光ファイバを用いた様々な構成によってイメージングを行う内視鏡が従来提案されている。例えば、一般的に用いられているファイバスコープは、SMFBの標本側の端に結像光学系を設け、観測側の端にイメージセンサを設けた構成を有する。この構成では、結像光学系によってSMFBの標本側の端に標本の光学像を形成し、その光学像の光強度分布をSMFBを介して観測側の端に伝達してイメージセンサにより観測することでイメージングを行う。また、照明系(光学系およびこれに光を導く光ファイバ等)は別途用意されているのが一般的である。
非特許文献1では、MMFと、その観測側の端に設けられたイメージセンサからなる干渉系と、ガルバノミラーからなる照明系とを、光路を分岐して設置した構成が開示されている。この構成では、標本からの反射波面をMMFを介して観測側の端まで伝達してイメージセンサで観測することでイメージングを行う。また、ガルバノミラーにより角度を振った平面波をMMFへ入射させることで、標本側に生成した高解像度のスペックルパターンにより標本を照明する。
特許文献1には、SMFBと、その標本側の端に設けた結像兼照明光学系と、観測側の端に設けたフォトディテクタと、空間光変調器(Spatial Light Modulator:SLM)からなる照明系とを、光路を分岐して設置した構成が開示されている。この構成では、標本をフォーカススポットによりスキャンし、そのときの反射光または蛍光強度をSMFBを介してフォトディテクタで観測することでイメージングを行う。また、標本上で1点に収束する波面が形成されるようにSLMにより成形した波面を観測側の端から入射させることでフォーカススポットが形成される。
特表2011−527218号公報
Youngwoon Choi, Changyyeong Yoon, Moonseok Kim, Taeseok Daniei Yang, Christopher Fang-Yen, Ramachandra R. Dasari, Kyoung Jin Lee, Wonshik Choi, "Scanner-Free and wide-field endoscopic imaging by using a single multimode optical fiber",Physical Review Letters,アメリカ合衆国, 2012, p.203901-1-203901-5
従来のファイバスコープの構成では、SMFBの太さ(サブミリ径)ほどの微小な結像光学系を標本側の端に設置する必要がある。一般に光学系が微小になるほど、得られる光学性能(解像度)は低下する。このため、従来のファイバスコープの構成では、得られる画像の解像度が低下する。
非特許文献1にて開示された構成では、標本側の端に光学系を設けていないため、解像度低下は比較的少ないが、MMFが曲がるとその波面伝達特性(後述する透過行列)が変化するため、イメージングが困難になる。
また、特許文献1にて開示された構成では、光ファイバの曲げの影響はないが、前述したように標本側の端に設けた結像兼照明光学系の光学性能が低いため、標本上のフォーカススポットがぼけることが予想される。このため、得られる画像は低解像度となる。また、特許文献1にはフォーカススポットをスキャンする方法のみが開示されており、標本を任意の光強度パターンで照明することができない。
本発明は、光ファイバの曲げにかかわらず、標本を任意かつ高解像度な光強度パターンで照明して高解像度なイメージングを行えるようにした撮像装置を提供する。
本発明の一側面としての撮像装置は、複数のシングルモードファイバを含む波面伝達部と、光の波面を成形し、該波面を波面伝達部の一端に入射させる波面生成部と、波面伝達部の他端の側に設けられ、波面伝達部により伝達された波面を変換して、標本を照明する特定の光強度分布を有する光強度パターンを生成する変換部と、波面伝達部の上記一端の側に設けられ、光強度パターンで照明された標本からの反射光または蛍光の強度を、変換部と波面伝達部とを介して観測する観測部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、光ファイバの曲げにかかわらず、標本を任意かつ高解像度な光強度パターンで照明して高解像度なイメージングを行える撮像装置を実現することができる。
本発明の実施例である撮像装置の構成を示すブロック図。 実施例の撮像装置を用いたイメージングの手順の例を示すフローチャート。 実施例1の撮像装置の構成を示すブロック図。 実施例1の撮像装置である内視鏡の図。 実施例2の撮像装置の構成を示すブロック図。 実施例2の撮像装置の波面伝達部の断面図。 実施例3の撮像装置の構成を示すブロック図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。まず、具体的な実施例の説明に先立って、各実施例に共通する事項について説明する。各実施例の撮像装置は、主として体内の標本を観測する内視鏡としての利用が好適である。このため、以下では、内視鏡としての利用を前提として説明する。ただし、本発明の実施例としての撮像装置は、内視鏡に限らず、様々な用途の撮像装置を含む。
図1には、各実施例の撮像装置の基本的な構成を示している。撮像装置100は、波面伝達部101と、波面生成部102と、変換部103と、観測部104とにより構成されている。
波面伝達部101は、シングルモードファイババンドル(SMFB)により構成されている。以下の説明において、波面伝達部101のうち標本を照明するための光(波面)を入射させ、かつ標本からの光を観測する側の端を観測端(一端)といい、標本側の端を標本端(他端)という。波面伝達部101は、その観測端の側に設けられた波面生成部102で成形された既知の波面を標本端の側に設けられた変換部103に伝達する。また、波面伝達部101は、標本からの反射光または蛍光を、変換部103を介して標本端から観測端に伝達する。すなわち、波面伝達部101は、標本を照明するための波面の伝達と、標本からの反射光または蛍光の伝達とを行う。
SMFBの波面伝達特性については、例えば特許文献1に開示されている。簡単には、SMFBはシングルモードファイバ間の相対的な位相遅れを伝達することで波面を伝達する。このため、SMFBの標本端から標本に向かって収束する波面(フォーカススポット)を形成するためには、SMFBの観測端から、シングルモードファイバ間にそのような位相遅れを与えた波面を入射させればよい。
波面生成部102は、例えばレーザー光源と光学系と空間光変調器SLMとにより構成されている。波面生成部102は、例えばレーザー光源から発せられたレーザー光(ビーム)を、光学系によりコリメート光に変換し、該コリメート光をSLMに入射させて特定(所望または任意)の波面を持つように成形した後、波面伝達部101に入射させる。波面の成形とは、光の位相および振幅のうち少なくとも一方を変調して特定の位相分布および特定の振幅分布のうち少なくとも一方を有する特定の波面を生成することを意味する。波面生成部102は、波面伝達部101の観測端の側に設けられる。
なお、成形した波面を波面伝達部101に入射させるために、波面生成部102に、必要に応じて別途、光学系を設けてもよい。また、光学系は、ビームの径を絞るための絞りや、レーザー光の強度の変動を計測するためのパワーメータや、レーザー光の強度(光量)を減衰させるためのND(Neutral Density)フィルタ等を含んでもよい。
また、図ではSLMとして透過型SLMを示しているが、これに代えて、反射型SLMを用いてもよい。
また、波面生成部102は上記構成に限らず、任意に成形した波面を波面伝達部101に入射させることができればどのような構成を有していてもよい。光源の波長も任意の波長を用いてよいが、標本を蛍光観察する場合には、対応する励起光波長の光源を用いる必要がある。また、光源の波長は単波長に限らず、多波長(複数の波長)でもよいが、その場合は波長ごとにSLMを用意したり1つのSLMを波長ごとに時分割で用いたりする必要がある。以下の説明では、単波長光源により生成された波面を、単波長の波面という。同様に、多波長光源により生成された波面のことを、多波長の波面という。
変換部103は、例えば散乱媒質によって構成され、波面伝達部101の標本端の側に設けられる。変換部103は、波面伝達部101を介して伝達された波面を特定(所望または任意)の光強度分布を有する光強度パターンに変換して標本を照明する。なお、ここでの散乱媒質とは、入射した波面に応じて、変調した波面を出射する媒質であり、一般にScatter MediumまたはTurbid Mediumとして知られている。また、後述の理由により、散乱媒質を変換部103として用いると、高解像度な光強度パターンを得ることができる。これにより、各実施例では、変換部103として散乱媒質を用いている。
散乱媒質としては、例えば、拡散板や、ZnO等のナノ粒子を押し固めたものを用いることができる。また、散乱媒質ではないが、MMFも上記性質を持つものとして知られており、これを用いて変換部103を構成してもよい。また、散乱媒質やMMFの波面伝達特性は、透過行列(Transmission Matrix)の形で予め計測可能である。透過行列とは、簡単には、散乱媒質やMMFの入射端から様々な角度で平面波を入射させた際に、出射端から得られる波面(応答特性)を行成分または列成分として持つ行列である。透過行列を用いると、所望の光強度パターンを得るためには、どのような波面を散乱媒質やMMFへ入射させればよいのかを予め解析的に求めることが可能となる。
各実施例でも、変換部103の透過行列を、予め計測しておく。これにより、波面伝達部101を介して伝達された波面を所望の光強度パターンへ変換して標本を照明することができる。なお、多波長の波面を用いる場合は、波長ごとに変換部103の透過行列を予め計測しておく必要がある。
なお、散乱媒質やMMFの透過行列を計測して、所望の光強度パターンを得る方法として、下記の文献Aに記載された方法がある。文献Aの方法では、MMFの標本端の側に散乱媒質を設け、観測端の側に設けられたSLMにより成形した波面をMMFを介して散乱媒質に入射させることで、標本上でフォーカススポットをスキャンする。なお、文献Aの方法では、正確には、散乱媒質とMMFを合わせた系の透過行列を計測しているわけではないが、各実施例において容易に利用可能である。また、上記系の透過行列を計測すれば、フォーカススポットに限らず、任意の光強度パターンで標本を照明することができる。
また、各実施例は、特許文献1に開示されたSMFBと文献A中の散乱媒質との単純な組み合わせには該当しない。これは、文献Aの方法は散乱媒質の透過行列のみを計測しただけでは機能しないからである。すなわち、各実施例は、波面伝達部101を構成するSMFBと透過行列を予め計測した変換部103を構成する散乱媒質とを組み合わせた点で、上記単純な組み合わせとは異なる。
また、散乱媒質を利用して高解像度な光強度パターンを得る方法として、下記の文献Bに記載された方法がある。文献Bの方法では、散乱媒質中を伝搬する光線が散乱によっての位置と方向がランダマイズされ、通常の光学系では伝達することが不可能な高入射角の光線であっても散乱媒質を介することで伝達可能となることが説明されている。これにより、散乱媒質を用いることで、通常の光学系の回折限界を超える高解像度なイメージング(Turbid Lens Imaging:TLI)が可能となる。
なお、文献Bの方法では、対象からの透過光または反射光のTLI手法が示されているが、このTLI手法は、波面伝達部101によって散乱媒質に伝達された波面を高解像度な光強度パターンに変換する手法と等価に置き換えて考えることができる。
このため、各実施例の装置構成により、光ファイバの曲げにかかわらず、標本を任意かつ高解像度な光強度パターンで照明することができる。これは、特許文献1や文献A,Bの方法では不可能なことである。
観測部104は、例えば、光学系とフォトディテクタとにより構成される。観測部104は、例えば、標本からの反射光または蛍光を波面伝達部101と変換部103を介して光学系まで導いた後、光学系によりフォトディテクタ上へ集光することで、その光強度を観測する。また、観測部104は、波面伝達部101の観測端の側に設けられる。また、観測部104は、上記光強度をその強度に応じた電気信号に変換できれば、どのような構成を有していてもよい。例えば、フォトディテクタの代わりに、イメージセンサを用いてもよい。
多波長の波面を用いる場合は、波長ごとの反射光または蛍光の光強度を観測する必要がある。この場合は、例えば、カラーフィルタを用いて波長ごとに別々の光学系とフォトディテクタにより光強度を観測すればよい。カラーフィルタとは、例えば、顔料や染料により構成され、特定波長のみを透過する光学フィルタである。適切に設計されたカラーフィルタを光学系とフォトディテクタの前面に配置することで、各フォトディテクタによって対応する波長の光強度を観測することが可能となる。また、スペクトロメータを用いて同様に波長ごとの光強度を観測してもよい。
また、フォトディテクタにより観測した光強度からイメージングを行う手法として、例えば下記の文献Cに記載された手法がある。文献Cに記載されたイメージング手法は、通称「1画素カメラ」と呼ばれる。この手法は、簡単には、結像光学系の像面位置に形成される像(光強度分布)の一部を、特定かつ複数のランダムパターンに従って、ランダムに積算して取得し、該複数の光強度の積算値とそれらを取得した際のランダムパターンとから像を再構成する。なお、ランダムパターンが高解像度であるほど、再構成される像は高解像度となる。ただし、結像光学系の解像力を超えることはできない。また、再構成にCompressed Sensingを用いることで、画像の全画素数(像の全サンプリング数)より少ないランダムパターン数で像を再構成することができる。また、文献cでは、結像光学系の像面位置にDMD(Digital Micromirror Device)を設置し、DMDの画素をランダムにオン・オフすることで、ランダムパターンを生成し、像の一部をランダムに積算して取得している。
1画素カメラを応用すれば、標本を特定の高解像度なランダムパターンで照明し、その際の反射光の強度を取得することで、高解像度なイメージングを行うことができる。このため、各実施例によれば、標本を任意かつ高解像度な光強度パターンで照明できるので、高解像度なイメージングを行うことが可能となる。
また、図中のBSは、波面生成部102と観測部104とに光を分岐させるビームスプリッタである。Lは、波面生成部102からの光を波面伝達部101に導く又は波面伝達部101からの光を観測部104に導く光学系である。励起光と蛍光を分離するためのフィルタは図示していない。波面生成部102を制御する制御部、観測部104から出力される電気信号を処理する信号処理部、入力装置であるキーボードやマウおよび出力装置であるディスプレイやUSBインターフェース等も不図示である。
また、以下の説明では、特に断らない限り、説明を簡単にするために、波面は単波長であるとする。ただし、前述したような装置構成とすれば、容易に多波長の波面に拡張することが可能である。
次に、図2のフローチャートを用いて、各実施例の撮像装置を用いたイメージングの手順について説明する。イメージングは、各実施例の撮像装置により得られた電気信号を不図示の信号処理部で処理することで行う。また、イメージングのための波面生成部102(SLM)の制御は、不図示の制御部が行う。また、以下のイメージングの手順は例にすぎず、他の手順を用いてもよい。
まず、ステップS201では、標本を照明する複数の光強度パターンを決定する。光強度パターンは任意のパターンを用いてよいが、直交性の高いパターンを用いることが望ましい。また、光強度パターン数は任意でよいが、標本の全画素数(=サンプリング数)と比べて少なすぎると再構成される画像の画質が劣化する。ただし、光強度パターン数が多すぎるとイメージングに時間を要する。このため、これらのバランスから光強度パターン数を決定すればよい。また、各実施例では、標本を照明する光強度パターンを予め知っておく必要がある。すなわち、特定の光強度パターンで標本を照明する必要がある。
次に、ステップS202では、決定した複数の光強度パターンを生成するための、SLMの振幅パターンおよび位相パターンを決定する。なお、ある光強度パターンを実現するSLMの振幅パターンampおよび位相パターンphaseは、前述した透過行列を用いて、例えば以下の式(1)で求められる。
ここで、Xはある光強度パターンを実現する波面であり、YはSLMの振幅および位相の角スペクトル(Angular Spectrum)である。Hは透過行列である。なお、invは括弧()内の擬似逆行列を算出する演算子であり、IFTは括弧()内の逆フーリエ変換を行う演算子である。angleは括弧[]内の位相角を算出する演算子であり、
はその内側の絶対値を算出する演算子である。
なお、以上の手順はイメージングを行うごとに行う必要はなく、予め行っておき、SLMと接続されている不図示の制御部の記憶部に記憶しておけばよい。
次に、ステップS203では、ある光強度パターンで標本を照明した際に観測される反射光または蛍光の強度和を記憶する。これを、ステップS201で決定した全光強度パターンで行う。
最後に、ステップS204では、標本を照明した複数の光強度パターンとその際に観測された反射光または蛍光の強度から、前述した1画素カメラの原理に従ってイメージングを行う。簡単には、以下の式(2)に従って標本の反射光または蛍光の強度分布を算出(=イメージング)する。
ここで、yは観測された反射光または蛍光の強度をスタックしたベクトルであり、Φは観測行列である。Ψはスパース変換行列であり、θは標本のスパース変換係数である。Iは再構成された標本の画像である。観測行列とは、標本を照明した複数の光強度パターンを行成分として持つ行列であり、1画素カメラの観測過程(順問題)を表している。また、スパース変換とは、例えば離散コサイン変換やウェーブレット変換であり、Ψはその行列表現で、θは標本をスパース変換した際に得られるスパースな係数ベクトルである。また、スパース(sparse)であるとは、非ゼロの要素が少なく表現できることを指す。さらに、
はL1ノルムであり、その内側の絶対値の和である。スパース係数θの上の^は、これが推定解であることを表している。
以上の手順により、各実施例の撮像装置を用いたイメージングを行うことができる。
文献A: Ioannis N. Papadopoulos, Salma Farahi, Christophe Moser, Demetri Psaltis, “Increasing the imaging capabilities of multimode fibers by exploiting the properties of highly scattering media”,Optics Letters,アメリカ合衆国,2013,p.2776-2778
文献B: Youngwoon Choi, Taeseok Daniel Yang, Christopher Fang-Yen, Pilsung Kang, Kyoung Jin Lee, Ramachandra R. Dasari, Michael S. Feld, Wonshik Choi, “Overcoming the diffraction limit using multiple light scattering in a highly disordered medium”、PysicalReviewLetters, アメリカ合衆国
文献C: Dharmpal Takhar、Jason N. Laska, Michael B. Wakin, Marco F. Duarte, Dror Baron, Shriram Sarvotham, Kevin F. Kelly, Richard G. Baraniuk, “A new compressive imaging camera architecture using optical-domain compression”, SPIE Proceedings, アメリカ合衆国, p.606509-1-606509-10
以下、本発明の撮像装置のより具体的な実施例について説明する。
図3には、実施例1の撮像装置としての内視鏡の構成を示す。内視鏡300は、SMFB301により構成される波面伝達部と、レーザー光源302、光学系303およびSLM304により構成される波面生成部と、散乱媒質305により構成される変換部とを有する。さらに、内視鏡300は、光学系306およびフォトディテクタ307により構成される観測部を有する。
内視鏡300は、例えば、図4に示すように、SMFB301の標本側の端が人間の腹腔に挿入され、胃の内部からの胃壁の観察に用いられる。
観測の際は、まずSMFB301の観測端の側に設けられた波面生成部(レーザー光源302、光学系303およびSLM304)により成形した波面を生成し、ビームスプリッタBSと光学系Lを介してSMFB301に入射させる。
そして、SMFB301は、観測端に入射した波面を該SMFB301の標本端まで伝達する。こうして伝達された波面は、SMFB301の標本端の側に設けられた散乱媒質305によって所望の光強度パターンに変換され、標本(胃壁)を胃の内部から照明する。
胃壁を照明する光強度パターンとしては、アダマール変換基底や離散コサイン変換基底を用いたパターンが好ましい。ただし、光強度パターンはこれらに限らず、任意のパターンを用いてよい。この際、前述したように直交性の高いパターンを用いることが望ましく、どのようなパターンが標本の表面に投影されるのかを予め知っておく必要がある。
散乱媒質305を介して標本(胃壁)からの反射光が入射したSMFB301は、該SMFB301の観測端まで該反射光を伝達する。
光学系LとビームスプリッタBSは、こうして伝達された反射光を光学系306まで導き、さらに光学系306は該反射光をフォトディテクタ307上に集光する。この後、フォトディテクタ307は反射光の強度を観測する。
なお、観察する対象は胃壁に限らず、腸壁面、血管壁面、乳管壁面等でもよい。また、人体の内部に限らず、人体の外部(皮膚表面等)や、建造物、装置、部品等の内部および外部を観察してもよい。
また、光源の波長として蛍光の励起光波長を用いることで、蛍光観察を行ってもよい。蛍光観察とは、蛍光染色された標本に対して励起光を照射し、標本から発せられる蛍光を観察することである。蛍光観察の際は上記説明が、反射光の強度から蛍光の強度に変わる。ただし、蛍光観察のためには、励起光と蛍光を分離するためのフィルタを、観測部の前面に配置する必要がある。
図5には、実施例2の撮像装置としての内視鏡の構成を示す。本実施例の内視鏡は、波面伝達部として用いられるSMFBにおいて曲げや温度変化等の外乱の影響によって生じる波面伝達特性の微妙な変化を補償するための構成を有する。本実施例において、実施例1と共通する構成については、その説明を省略する。
内視鏡500は、SMFBG501により構成される波面伝達部と、SLM502により構成される波面生成部と、散乱媒質503により構成される変換部と、フォトディテクタ504により構成される観測部とを有する。さらに、内視鏡500は、変位計測部505と、調整部506とを有する。SMFBGとは、発明者による造語であるが、束になったシングルモードファイバのうちいくつかをファイバブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating:FBG)で置き換えたものを意味する。
図6には、SMFBGの断面構造例を示す。FBGとは、シングルモードファイバを用いた変位センサである。具体的には、シングルモードファイバの内部に屈折率の周期的なパターンを形成することで特定波長の光を反射する1次元回折格子を設け、該1次元回折格子での反射光の波長シフトを観測することで微小変位を計測可能とする変位センサである。
変位計測部505は、光学的または電気的にSMFBの変位を計測する。SMFBG501を用いて光学的に変位を計測する場合は、変位計測部505は、例えば光源と、SMFBG501に光を導く光学系と、FBGでの反射波の波長シフトを観測する検出器により構成される。
なお、変位計測部は、FBGを用いなくても、波面伝達部としてのSMFBの変位が計測できればどのような構成を用いてもよい。例えば、変位に応じた電気信号を出力するピエゾ素子(変位検出手段)をSMFBの側面または内部に設け、該ピエゾ素子からの電気信号を用いてSMFBの変位を計測するように構成してもよい。この場合は、SMFBとピエゾ素子を組み合わせたものが、波面伝達部および変位計測部に相当する。
調整部506は、SMFBG501と変位計測部505によって計測されたSMFBの変位に応じて、SLM502から入射する波面に対する波面成形量としての位相または振幅を調整し、SMFBの波面伝達特性の変化を補償する。波面の位相または振幅の調整方法としては、例えば、シングルモードファイバの変位と波面の位相遅れとの関係を予め計測し、その計測結果に基づいてSLM502からSMFBG501に入射する波面の位相にオフセットを加える方法を用いることがきる。また、シングルモードファイバの変位と波面の振幅の変化との関係を予め計測し、その計測結果に基づいてSLM502からSMFBG501に入射する波面の振幅にオフセットを加える方法を用いることもできる。ただし、SMFBの波面伝達特性の変化を補償する方法はこれらに限らず、SMFBの変位から上記変化が補償できればどのような方法でもよい。
ビームスプリッタBSは、例えば、波長や偏光を利用してSLM502、フォトディテクタ504および変位計測部505の3つに光を分岐する。
以上の装置構成により、外乱によらず所望の光強度パターンで標本を照明することができる。SMFBG501、変位計測部505および調整部506によって、SMFBの波面伝達特性の変化を補償すること以外は、実施例1と同様である。また、外乱の影響が無視できるほど微小であれば、本実施例で説明したような補償機構は不要である。
図7には、実施例3としての内視鏡の構成を示す。本実施例の内視鏡は、標本を多波長観察するための構成を有する。多波長観察とは、多波長(複数の波長)の照明によって標本を観察することである。例えば、多波長としてRGBの3波長を選択すれば、標本をカラーで観察することができる。本実施例において、実施例1と共通する構成については、その説明を省略する。
本実施例の内視鏡700は、SMFB701により構成される波面伝達部と、レーザー光源702およびSLM703により構成される波面生成部と、散乱媒質704により構成される変換部とを有する。さらに、内視鏡700は、カラーフィルタ705およびフォトディテクタ706により構成される観測部を有する。
レーザー光源702およびSLM703は、複数の波長のそれぞれに対して設けられた複数のレーザー光源および複数のSLMを含む。同様に、カラーフィルタ705およびフォトディテクタ706は、複数の波長のそれぞれに対して設けられた複数のカラーフィルタおよび複数のフォトディテクタを含む。前述したように、適切に設計されたカラーフィルタを各フォトディテクタの前面に配置することで、各フォトディテクタによって対応する波長の光強度を観測することが可能となる。
図中の合波FBは、レーザー光源702とSLM703によって波長ごとに成形された波面を合波してSMFB701に導く光ファイバ群である。また、分波FBは、SMFB701と散乱媒質704を介してSMFB701の観測端まで伝達された標本からの反射光を分波して、波長ごとにカラーフィルタ705およびフォトディテクタ706に導く光ファイバ群である。
観測の際には、まずSMFB701の観測端の側に設けられたレーザー光源702とSLM703とにより波長ごとに成形した波面(すなわち、多波長の波面)を、合波FBとビームスプリッタBSと光学系Lを介してSMFB701に入射させる。
多波長の波面は、SMFB701を介して該SMFB701の標本端まで伝達される。多波長の波面は、一括でSMFB701へ入射しているが、前述したように波長ごとに時分割で入射してもよい。
次に、SMFB701の標本端の側に設けられた散乱媒質704は、ここまでSMFB701によって伝達された波面を波長ごとに所望の光強度パターンに変換し、標本を照明させる。前述したように、散乱媒質704は、予め波長ごとに透過行列が計測されている。これにより、SMFB701の標本端まで伝達された多波長の波面を変換して、標本を任意の光強度パターンで多波長照明することが可能となる。なお、光強度パターンは、実施例1と同様である。
次に、散乱媒質704を介して標本からの多波長の反射光が入射したSMFB701は、該SMFB701の観測端までこれら反射光を伝達する。
最後に、光学系L、ビームスプリッタBSおよび分波FBは、SMFB701の観測端に伝達された多波長の反射光をカラーフィルタ705に導き、フォトディテクタ706はこれら波長ごとの反射光の強度を観測する。これにより、標本を多波長観察することができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
100 撮像装置
101 波面伝達部
102 波面生成部
103 変換部
104 観測部

Claims (10)

  1. 複数のシングルモードファイバを含む波面伝達部と、
    光の波面を成形し、該波面を前記波面伝達部の一端に入射させる波面生成部と、
    前記波面伝達部の他端の側に設けられ、前記波面伝達部により伝達された前記波面を変換して、標本を照明する特定の光強度分布を有する光強度パターンを生成する変換部と、
    前記波面伝達部の前記一端の側に設けられ、前記光強度パターンで照明された前記標本からの反射光または蛍光の強度を、前記変換部と前記波面伝達部とを介して観測する観測部とを有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記波面生成部は、入射した光から、特定の位相分布および特定の振幅分布のうち少なくとも一方を有する波面を生成することで前記波面を成形することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記変換部は、計測された波面伝達特性を有し、
    前記波面生成部は、前記波面伝達特性に応じた前記波面を成形することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記波面伝達特性は、透過行列の形で計測されていることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記光強度パターンは、アダマール変換基底または離散コサイン変換基底を用いたパターンであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
  6. 前記観測部は、前記反射光または蛍光の強度に応じた電気信号を出力することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記波面伝達部は、複数のファイバブラッググレーティングを含み、
    前記波面伝達部の前記一端の側に設けられ、前記ファイバブラッググレーティングでの反射波の波長シフトを観測することで前記波面伝達部の変位を計測する変位計測部と、
    計測された前記変位に基づいて前記波面生成部での波面成形量を調整する調整部とを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記調整部は、前記変位と、前記波面伝達部に入射した前記波面の位相遅れまたは振幅の変化との関係に基づいて、前記波面生成部から前記波面伝達部に入射する前記波面の位相または振幅にオフセットを加えることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記波面伝達部の側面または内部に設けられて該波面伝達部の変位に応じた電気信号を出力する変位検出手段を用いて、前記波面伝達部の変位を計測する変位計測部と、
    計測された前記変位に基づいて前記波面生成部での波面成形量を調整する調整部とを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
  10. 前記波面生成部は、前記波面として、複数の波長の波面を波長ごとに成形して前記波面伝達部の前記一端に入射させ、
    前記変換部は、前記複数の波長の波面を変換して、前記標本を照明する複数の波長の前記光強度パターンを生成し、
    前記観測部は、前記標本を前記複数の波長の光強度パターンで照明された前記標本からの反射光または蛍光の強度を、前記変換部と前記波面伝達部とを介して観測することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の撮像装置。
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