JP2019502125A - 電子励起状態の平均寿命時間を測定するための発光寿命時間測定方法及び装置 - Google Patents

電子励起状態の平均寿命時間を測定するための発光寿命時間測定方法及び装置 Download PDF

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Abstract

発光寿命時間測定方法、特に試料の電子励起状態の平均寿命時間を測定するための方法は、少なくとも1つの励起光パルスで試料を照射する段階と、試料からの発光応答を時間分解検出し、時間的な検出器応答関数を形成する段階と、検出器応答関数に基づいて電子励起状態の平均寿命時間を計算する段階と、を含み、少なくとも1つの励起光パルスが、試料が線形増加する、または一定の数の電子励起状態を含む平衡励起定常状態を達成するような形状であり、検出器応答関数が一定の傾きを有する線形応答関数区間を有し、電子励起状態の平均寿命時間(τ)が、少なくとも1つの励起光パルスの参照時間に対する線形応答関数区間の時間位置及び線形応答関数区間の傾きの少なくとも1つに基づいて計算される。さらに、発光寿命時間測定装置(100)が記載される。

Description

本発明は、特に、平均寿命時間、例えば蛍光もしくは燐光の平均寿命時間、または試料の電子励起状態の時間的な減衰を特徴づける等価な特徴を測定するための、発光寿命時間測定方法及び装置に関する。本発明の応用例は、例えば、生物学、医薬、材料科学または環境技術における試料調査の分野に利用可能である。
例えば蛍光または燐光発光に基づく発光寿命時間(励起状態寿命時間)の推定は、基礎科学及び応用科学において不可欠な技術である。寿命時間(タウ、τ)の決定は、結合やその他の分子相互作用、たんぱく質や核酸などの巨大分子の立体配座状態、及びそれらの微小環境の物理的特性(例えば、粘性、極性、pH)の高感度測定をもたらす。時間分解分光分析のよく知られた応用例は、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動、Forster Resonance Energy Transfer)であり、FRETではドナー蛍光の量子収率(及び、すなわち寿命時間)がドナー分子のアクセプター分子に対する配向及び距離(6次依存)に従って変化する。
発光寿命時間を測定するために、調べられる試料はパルス状の励起光で照射される。試料からの発光反応は、時間分解能力を有する検出器デバイスを用いて検出される。検出器デバイスは、例えば、試料内の電子励起状態の寿命時間が計算されるのに基づいて、試料からの発光反応の時間依存性を表す時間的検出器応答関数(出力信号関数)を生成する。
発光寿命時間は、単一の試料位置において、または複数の試料位置で空間分解性を伴って測定されうる。この場合、蛍光の場合には蛍光寿命時間画像化(Fluorescence Lifetime Imaging、FLIM)と呼ばれる画像判別方法が提供される。FLIMは、信号変換を伴う鍵となる分子の立体配座状態、活性、相互作用及び再配置を決定するために、生物学的画像化(顕微鏡法)に拡張的に適用される。バイオテクノロジーの分野では、蛍光減衰測定は、指定された目標の予想される診断または治療分子の高スループットのスクリーニング(例えば結合分析)のために使用される。
電子励起状態(一重項または三重項)の減衰は、一般に様々な減少プロセス(特に、自発発光、共鳴エネルギー遷移、非放射性減衰)の組合せで与えられる、定義された確率によって特徴づけられ、一般に励起源の停止後、本質的には指数関数的である。寿命時間決定の従来の方法は、指数関数の時定数(寿命時間τの逆数)または不均質な系の場合には複数の時定数を、発光性減衰曲線の時間的経過から求めようとするものであり、時定数は測定された検出器応答関数に含まれる。
利用可能な技術は、離散的な試料(例えばキュベット、マイクロタイタープレートウェル)または顕微鏡下における複合化学種に適したものに分けられる。後者は、画像判別法FLIMを構成し、2D画像の時間的シーケンスを取得することが可能な1つ(もしくは数個の)検出器を有する走査システムまたは1つのカメラのいずれかの使用を必要とする。FLIM技術の大規模アレイ、それらの相対的な利点及び生物学的用途は、例えば非特許文献1や2等の多数の報告にまとめられている。材料科学及びその他の応用分野でも、関連するFLIMの多数の実装例が存在する。
共焦点顕微鏡に組み込まれる走査システムは、一般に時間相関単一光子計数(Time−Correlated Single−Photon Counting、TCSPC)技術を利用し、これは大きな固有感度及び時間分解能を提供する。時間領域で動作し、一連の非常に狭い励起パルスを使用するカメラベースのシステムは、検出ウィンドウと励起パルスとの間のプログラム可能な時間的関係を定義するゲート増倍器フロントエンドを必要とする。周波数領域で動作する同様の装置は、周期的(サイン関数的)励起及び位相感受性検出を採用する。この場合、寿命時間は検出された信号の、励起源に対する変調強度及び位相から求められる。さらに新しいカメラシステムは、検出器チップ表面上で直接、位相感受性検出を実行する。
細いが有限な幅を有する励起光パルスを用いる従来の時間領域測定、特にFLIMの実験上の難しさは、検出器応答関数が指数関数的発光減衰関数を有する励起光パルスの畳み込みによって与えられ、そのため形状が任意に複雑であるという事実に起因する。結果として、短い励起光パルス(減衰時間よりも小さい、または減衰時間と同程度の持続時間)が必要となる。
さらに、減衰時間を得るための検出器応答関数のデータ分析は、応答の解析及び/または減衰の最終セグメントへのデータセットの制限を必要とする。いずれの場合でも、反復最小化に基づく複雑な数学的手順を伴う。これらは、現在のコンピュータでもある程度の計算時間を必要とし、1つより多い減衰成分が存在する事象では数分にもなる。ほとんどのFLIM応用例は、個々の減衰時間及びそれらの対応する強度から計算された平均減衰寿命時間に基づいている。平均値を求めることは、複数の成分及びそれらのパラメータを得るために依然として完全な減衰分析を必要とする。この制限は、現在すべてのFLIMまたは単一チャンネル寿命時間技術に当てはまる。
W. Becker著、"J. Microsc." 247: 119-136 (2012) M. Y. Berezinら著、"Chem. Rev." 110:2641-2684 (2010) de Vriesら著、"SPIE Proc." 9376-12, 2015
本発明の目的は、従来の技術の欠点を避けつつ、改善された発光寿命時間測定方法及び装置を提供することである。特に、本方法及び装置は、励起パルスの持続時間に対する要件を低減し、及び/または減衰分析の複雑さを低減して発光寿命時間を測定することを可能にし、そのため特にFLIM測定を容易に行う。
本発明の第1の一般的な態様によれば、前述の目的は、発光寿命時間測定方法、特に試料の電子励起状態の平均寿命時間を測定するための方法であって、少なくとも1つの励起光パルス、特に少なくとも2つの励起光パルスで試料を照射する段階と、試料からの発光応答を時間分解検出し、時間的な検出器応答関数を形成する段階と、検出器応答関数に基づいて電子励起状態の平均寿命時間を計算する段階と、を含む方法によって解決される。
試料の照射は、試料の電子励起状態が得られるように、固体、液体または気体状態の試料を、単一の励起光パルスまたは一連の別個の励起光パルスで照射することを含む。「電子励起状態」との用語は、特に、ある光学波長(UV、VIS及びIR波長の少なくとも1つを含む)を有する少なくとも1つの励起光パルスを吸収することによって励起された、試料内の原子、分子、または原子もしくは分子の凝集体の電子状態を指す。少なくとも1つの励起光パルスは、収束され、または広視野で、静止している、または移動している状態の試料に向けられる。1つまたは複数の電子遷移に沿った励起状態の発光減衰は、試料からの検出可能な発光応答(発光率)となる。試料の組成、特に1つの単一の電子遷移または複数の異なる電子遷移に沿った発光に応じて、発光応答の時間依存性は、単一の電子遷移の単一の寿命時間または異なる電子遷移の寿命時間によって決定される。「平均寿命時間」との用語は、電子励起状態の分布の発光性減衰の定量的測定を表す単一の寿命時間または異なる寿命時間の重みづけされた重畳(例えば強度平均寿命)を指す。
本発明によれば、少なくとも1つの励起光パルスが、試料が線形増加する、または一定の数の電子励起状態を含む平衡励起定常状態(平衡励起定常状態分布ともいう)を達成するようなパルス形状を有する。換言すれば、パルスの時間的強度関数が、試料の電子励起状態の数が時間とともに線形的に増加し、または定常状態励起区間の間一定であるように選択された持続時間を有する少なくとも1つの区間を有する。試料のこの状態は、単位時間ごとの吸収及び発光事象の数がバランスし、誘発される発光応答が線形的に増大し、または定常状態励起区間の間一定である特性を有するため、定常状態励起状態平衡と呼ばれる。発光応答が線形的に増加する場合または一定の場合のどちらにおいても、検出器応答関数は、一定の正の傾きを有する線形応答関数区間(線形出力信号区間)を含むように生成される。
少なくとも1つの励起光パルス、特にその定常状態励起区間は、試料の発光寿命時間よりも長い持続時間を有する。これは、測定される寿命時間よりも実質的に短い超短時間励起パルスによる試料の非平衡状態の励起後に寿命時間が測定される従来の技術とは対照的である。そのため、本発明の第1の主要な利点として、少なくとも1つの励起光パルスの生成及び制御が、従来の技術と比較して本質的に容易にされる。第2の重要な利点は、励起パルスの強度及びエネルギーがより大きいことであり、これは検出される発光の信号対雑音特性の向上につながる。
さらに、本発明によれば、電子励起状態の平均寿命時間は、例えば定常状態励起区間の最初の少なくとも1つの励起光パルスの参照時間に対する線形応答関数区間の時間的位置に基づいて、及び/または線形応答関数区間の傾きに基づいて計算される。特に、電子励起状態の平均寿命時間は、励起パルスを直接表す参照信号の対応する応答、または既知の発光減衰特性を有する材料の応答に対する少なくとも1つの励起光パルスによって誘発された線形応答関数区間の時間的位置に基づいて計算される。線形応答関数区間は、参照応答との比較を可能にする方法で評価される時間軸上の傾き及び切片によって特徴づけられる。発明者らは、平均寿命時間が検出器応答関数の線形応答関数区間から直接得られうることを発見した。そのため、本発明の第2の主要な利点として、応答関数区間の分析が実質的に容易になる。従来技術とは対照的に、検出器信号は線形代数的手順によって、特にデコンボリューションの必要なく分析され、その結果、信号処理の複雑さを大きく減少させることとなる。これは、発光寿命時間画像が、増加した速度で、及び/または画像取得システムの場合には空間的分解能の損失なく測定可能であるため、特に本発明のFLIM用途を改善する。
本発明の第2の一般的な態様によれば、前述の目的は、特に試料の電子励起状態の平均寿命時間を測定するための発光寿命時間測定装置であって、少なくとも1つの励起光パルス、特に少なくとも2つの励起光パルスを有する試料を照射するために配置された励起源デバイスと、試料からの発光応答を時間分解検出し、時間的検出器応答関数を生成するために配置された検出器デバイスと、検出器応答関数に基づいて電子励起状態の平均寿命時間を計算するために配置された分析デバイスと、を含む発光寿命測定装置によって解決される。本発明によれば、試料が、線形増加するまたは一定数の電子励起状態を含む平衡励起定常状態を達成し、検出器応答関数が一定の傾きを有する線形応答関数区間を有するように、励起源デバイスが少なくとも1つの励起光パルスを成形するように適合される。さらに、分析デバイスが、少なくとも1つの励起光パルスの参照時間に対する線形応答関数区間の時間位置並びに/または線形応答関数区間の傾き及び切片に基づいて、電子励起状態の平均寿命時間を計算するために適合される。好適には、本発明の第1の態様の方法は、本発明の第2の態様の装置で実行される。
有利には、本発明の基本的な概念は、励起状態の減衰の推定(例えば蛍光寿命時間)に現在使用される非常に狭いパルスを、試料の最も長い励起状態の寿命時間よりも長い(例えば8倍長い)一定の傾きまたは一定の平坦部(プラトー)を含む少なくとも1つの励起パルスによって置き換えることである。単一の検出器素子(例えばAPD、PMT,ハイブリッド、SPAD)を含みうる検出器デバイス及び検出器素子のアレイまたはカメラ、好適にはゲート増倍カメラの出力信号は、瞬間で、または異なる、ほぼ選択された時間点(少なくとも2つの決定が必要である)まで積分されて測定される。励起定常状態の間、検出器応答関数は、全体として線形的な時間増加を示し、そのことから、任意に複合不均一溶液または顕微鏡試料について強度で重みづけされた寿命時間が、デコンボリューション、特に反復技術の必要なく短時間で推定可能である。非常に短い(サブナノ秒ですらある)寿命時間が長い励起光パルスで決定可能であるという事実は、直観的に自明でなく、従来技術においてこの手法が存在しないことの主要因である。従来の技術と比較して、本発明の技術は、発光応答検出の感度、光子効率、信号処理の速度、及び信号処理におけるアルゴリズムの複雑さの低減の点で利点を有する。さらに、本発明は、平均寿命時間を直接、サンプルの複雑さとは無関係に提供するという点で特異的である。またさらに、装置の改良の必要なく、個別の減衰の測定の能力を組み込む。
本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つの励起光パルスの定常状態励起区間は、線形上昇区間(または線形励起上昇区間)である。一連の励起光パルスで、励起は鋸刃型の強度形状を有し、それによって、減衰リムは線形である必要がない。励起パルスの定常状態励起区間は、線形的に増加するパルス強度を有し、上昇部の長さは、試料の平衡励起定常状態が、対応する検出時間ウィンドウ内で達成されるように選択される。線形上昇区間の間、試料の電子励起状態の数は、時間とともに線形的に増加している。したがって、検出器応答関数は、試料からの時間依存の発光応答を含む。線形応答関数区間は、0ネット信号強度で定義される時間軸上の切片によって、または適切に規格化された信号の時間変位によって定義された時間的減衰を有する線形上昇区間の後に続き、どちらの場合も、測定される平均発光寿命時間に対応する。
好適には、電子励起状態の平均寿命時間τは、方程式τ=t−rf(t)/srf(t)またはこれから得られる方程式を用いる本発明の第1の実施形態で計算され、tはパルス開始後の時間位置であり、rf(t)は考慮される時間位置における発光応答であり、srf(t)は時間tにおける線形応答関数区間の傾きである。線形領域において、srf[t]は一定である。好適には、平均寿命時間τは、寿命時間測定装置の分析デバイスによって計算される。
本発明の第2の実施形態によれば、少なくとも1つの励起光パルスの定常状態励起区間は、一定の強度を有するパルス区間である。励起光パルスは、例えば矩形パルスまたは曲線状の縁の間の平坦区間を有するパルスである。一定強度を有するパルス区間の持続時間は、試料の平衡励起定常状態がいずれかの検出時間ウィンドウで達成されるように選択される。一定強度を有するパルス区間の間、試料の電子励起状態の数は時間的に一定である。したがって、検出器応答関数は、試料からの時間積分発光応答を含むように生成される。線形応答関数区間は、測定される平均発光寿命時間によって決定される傾きを有する。
好適には、電子励起状態の平均寿命時間τは、方程式τ=t−rfi(t)/srfi[t]またはそれから得られる方程式を用いる本発明の第2の実施形態で計算され、tは考慮される時間位置であり、rfi(t)は考慮される時間位置で積分された発光応答であり、srfi(t)は、時間tにおける線形応答関数区間の傾きである。線形領域において、srfi[t]は一定である。好適には、平均寿命時間τは、寿命時間測定装置の分析デバイスで計算される。
有利には、試料から時間積分された発光応答を収集する様々な方法が利用可能である。第1の変形例によれば、時間積分された発光応答は、一定強度を有するパルス区間の開始後に、少なくとも2つの積分時間間隔で収集される。第2の変形例によれば、時間積分された発光応答は、試料からの少なくとも1つの時間依存発光応答及び、励起パルスが終了した後の時間依存発光応答の最後の値を収集することによって得られる。
本発明の第3の実施形態によれば、少なくとも1つの励起光パルスは、一連の強度が増加する区間及びそれに続く強度が一定のパルス区間を含む。検出器応答関数は、正確なパルス形状に基づく数学的な計算により、有効開始時間点を定義することによって、このより複雑なパルス形状に適合することができる。経験的決定は、既知の較正試料の応答関数の決定によって提供される。発光応答の時間関数の線形応答を検出または試料からの時間積分の発光応答を収集するための積分ウィンドウは、一定強度のパルス区間内で選択される。
少なくとも1つの励起光パルスの定常状態励起区間の持続時間は、測定される発光寿命時間よりも長くなるように選択される。試料が既知の発光寿命時間を有する物質を含有する場合、持続時間は、既知のデータに基づいて選択可能である。代替的に、特に試料が未知の物質を含有する場合、定常状態励起区間の持続時間は、パルス形状を変化させ、十分な信号対雑音比、精度及び再現性を有して分析可能な検出器応答関数を提供する定常状態励起区間の持続時間を有するパルス形状を選択した初期測定に基づいて、選択可能である。
好適には、少なくとも1つの励起光パルスの線形上昇区間及び/または一定パルス区間はある持続時間を有し、この持続時間は、寿命時間及び測定の所望の精度に応じた因子によって、励起状態の最も長い寿命時間よりも長い。与えられた方程式を使用する、測定された寿命時間は、真の寿命時間τに、因子=1+γ/(1−eγ)を乗じたものに等しくなり、γ=t/τである。γ=1、5、8に対して、この因子は0.418、0.966、0.977である。そのため、99%を超える精度の計算された寿命時間について、線形上昇区間及び/または一定パルス区間の持続時間は、7*τを超え、好適には10*τに達すべきである。
本発明のさらなる利点は、幅広い時間範囲、特に蛍光または燐光事象をカバーする発光寿命時間を測定するために使用可能であることである。したがって、線形上昇区間または一定強度のパルス区間の持続時間は、10nsから10msの幅広い範囲で選択可能である。本発明の好適な応用例では、励起源デバイスは、持続時間が少なくとも10ns、特に50ns、少なくとも100ns、特に500ns、少なくとも1μs、特に5μs、少なくとも10μs、特に50μs、少なくとも100μs、特に500μs、及び/または1ms、特に5msでありうるように、特定のパルス制御範囲での動作のために適合することができる。
励起源デバイスは、好適には、例えば少なくとも1つのLED、少なくとも1つのレーザーダイオード素子、及び/または少なくとも1つのパルスレーザー源などの少なくとも1つの励起光源素子を含み、励起光源素子は、励起光源素子に電流制御をもたらす制御デバイスと接続される。励起光源素子のパルス形状化駆動電流は、少なくとも1つの励起光パルスの形状及び持続時間、特にその線形上昇区間または一定強度のパルス区間を生成するために制御される。特に好適には、励起源デバイスは、少なくとも1つの励起光パルスの繰返し速度、強度、持続時間(幅)及びトリガリングの制御をもたらす駆動回路を含む。励起源デバイスのトリガリング及び応答に関するジッターを、寿命時間の決定の所望の精度よりも小さい値、好適には蛍光の場合には50ps未満に維持することが重要である。
本発明によれば、少なくとも1つの励起光パルスの参照時間に対する線形応答関数区間の時間位置は、電子励起状態の平均寿命時間を計算するために、及び/または線形応答関数区間の傾きを推定するために使用される。好適には、少なくとも1つの励起光パルスの参照時間は、参照試料または参照光学素子で測定された較正応答関数から得られうる。したがって、寿命時間測定装置は、好適には較正の目的のために配置された参照光学素子を含む。特に、「IRF(Instrument Response Function、計器応答関数)キューブ」が、寿命時間測定装置のビーム経路に提供可能であり、これは線形偏光器及び四分の一波長遅延器から構成され、試料表面、例えば顕微鏡検査におけるスライド表面によって反射された励起光からの「ゼロ」寿命時間を有する参照検出器信号を得る。既知の寿命時間を有する試料も、較正参照を提供することができる。
本発明のさらに好適な特徴によれば、試料からの発光応答は、単一の検出器素子もしくは複数の検出器素子で、または試料の平均寿命時間画像を提供する時間ゲートカメラで検出可能である。検出器素子は、好適には固体または真空電子素子及び光子計数情報、特に光子の数及び到達時間を提供する、関連する検出器プロセッサを含む。時間ゲートカメラは、好適には、プログラム可能なゲート遅延及び幅を有し、励起源デバイスと同期するための信号を提供し、好適にはパルス持続時間の制御も提供するゲート増倍カメラを含む。
本発明のさらなる特定の好適な特徴によれば、検出器デバイスは、50ps未満、特に20ps未満、例えば10ps以下の時間分解能、及び/または70ps未満、特に50ps未満、例えば35ps以下のジッターで、試料からの発光応答を検出するように適合される。これらのパラメータは、時間ゲートカメラまたは単一の検出器で得られうる。
本発明の特定の好適な応用例によれば、励起源デバイス及び検出器デバイスは、走査顕微鏡、特に超解像度能力を有する顕微鏡、または光学区画能力を有する広視野顕微鏡に統合される。有利には、これにより本発明の技術を、利用可能な顕微鏡技術、特に生物学的材料を調べるための顕微鏡技術と組み合わせることができる。
本発明の好適な変形例によれば、検出器応答関数は、一連の励起パルスの間、試料からの発光応答を検出することによって生成可能である。この場合、発光応答は、検出シフトまたは積分ウィンドウを使用する検出器デバイスでサンプリングされる。代替的に、検出器応答関数は、2つの適切なタイミングの励起光パルスまたはただ1つの励起光パルスで試料からの発光応答を検出することによって生成され、それによって、非常に高い取得率を提供する。検出器応答関数はまた、光子数と到達時間のヒストグラムを提供する時間相関単一光子計数によって発光応答を検出することによって生成されることも可能であり、これは感度、精度及び雑音の低減の点で特に利点を有する。
本発明のさらなる利点として、幅広い範囲の試料を調べることができ、特に、少なくとも1つの励起光パルスによって励起される単一の電子的遷移を有する試料であって、平均寿命時間が、単一の電子的遷移の単一の発光寿命時間である、試料、または少なくとも1つの励起光パルスによって励起された複数の電子的遷移を有する試料であって、平均寿命時間が電子的遷移の強度平均発光寿命時間である、試料を含む。
本発明を以下の列挙に限定するのではなく、調べられる試料の例は、例えば、物質、特に巨大分子、配位子及び小分子の混合物、微小環境のプローブ、共振エネルギー遷移を受ける成分、生物学的物質、特に生物学的細胞、生物学的物質、特に細胞小器官、病理学的生物学的物質、特に沈着物、アレイ、特にマルチウェルアッセイプレート内に分布する成分、流動流体、特にフロー血球計算器内の流動流体、流路内の物質、特に微小流動流路内の物質、視覚系の構造、特に眼科学における構造、皮膚の構造、特に皮膚科学における構造、歯に関する構造、特に歯科学における構造、組織、特に生体組織検査における組織、組織、特に蛍光ガイド外科手術における組織、組織、特に血管内ロボットによりアクセスされる組織、自己蛍光物質、特に組織内の自己蛍光物質、組織、特に小動物画像取得時の組織、法医学的検査における物質、及び/または固体材料、特に表面を含みうる。
本発明の技術は、以下のように、従来の時間領域(例えばTCSPC)及びゲート増倍カメラの決定と比較されうる。従来のTCSCP法は、高いパルス反復周波数(例えば40MHzを超える)を提供するが、「パイルアップ」なく単一光子検出の必要があるために、取得率がずっと低く(例えば1%)、そのため本方法は低レベル信号に制限される。さらに、点走査(共焦点)システムでは励起デューティサイクルが低く、信号分析は一般に反復曲線フィッティングを必要とする。狭いパルスを有する従来のゲート増倍カメラFLIMは、ゲートウィンドウが狭く、減衰曲線を画定するために時間的に連続的に変位させる必要があるため、発光検出効率が低く、狭く低エネルギーの励起パルスを使用する必要があるため信号強度が低く、信号分析は反復曲線フィッティングを必要とする。従来の方法はまた、可変持続時間で少数の検出ウィンドウで構成可能であるが、複雑な混合物の信頼性の高い寿命時間を提供することができず、狭い励起パルスの使用のため感度に制限がある。
対照的に、本発明は、単純な高強度、高エネルギーの「長い」パルスによる効率的な励起、全ての信号レベル(非常に低いレベルから非常に高いレベルまで、単一光子または複数光子)に対する応用可能性、検出器応答関数信号の単純な性質、及び試料の非均一性に関係ない平均寿命時間の応用可能性を提供する。平均寿命時間の推定は、単純に、即時読出しで非反復分析で提供され、本発明は、全ての時間領域(psからs)で適用可能である。直接減衰曲線分析などの追加的な測定モードも、同じ装置によって対応可能である。本発明は、非常に高い取得速度(2つのほぼ選択されたゲート幅で十分である)を提供し、これは既存の市販のシステムでは到達不可能であり、また、特に市販のカメラに組み込まれた増幅器及びemCCD検出器によって高い感度を提供する。さらに、平均発光寿命時間は、従来の点ごとの減衰分析によって得ることが可能であるが、従来のFLIMシステムの場合よりもはるかに高い信号レベルを得る。最後に、寿命時間測定装置は、極めて低いシステムコスト及び複雑さの点で利点を有する。
本発明のさらなる詳細及び利点は、添付した図面を参照して以下に説明される。
本発明に従う発光寿命時間測定装置の好適な実施形態を概略的に表す。 図1の発光寿命時間測定装置に含まれる参照光学要素を概略的に表す。 本発明に従う発光寿命時間測定装置の実施形態を示す励起曲線である。 本発明に従う発光寿命時間測定装置の実施形態を示す応答曲線である。 矩形励起パルスを用いた信号取得を示す励起源の時間関数及び検出器の関数である。 本発明の技術で得られた実験結果である。 本発明の技術で得られた実験結果である。
本発明は、線形上昇区間または一定強度のパルス区間を有する少なくとも1つの励起光パルスを用いた第1及び第2の実施形態を例示的に参照して、以下に説明される。本発明はこれらの実施形態に限定されるのではなく、線形上昇区間及び一定強度のパルス区間の組合せを含む第3の実施形態の変形例でも実装されうる。さらに、本発明の応用例についての例示的な参照もなされ、少なくとも検出器デバイスがカメラ検出器を有する顕微鏡に統合される。本発明はこの応用例に限定されるのではなく、従来の寿命時間測定におけるもののような、画像判別法を有さない走査顕微鏡または光学的セットアップを有する対応する方法でも実装されうる。
発光寿命時間測定装置の実施形態
図1は、本発明に従う発光寿命時間測定装置100の好適な実施形態を概略的に示しており、この装置は励起源デバイス10と、検出器デバイス20と、分析デバイス30と、を含む。
励起源デバイス10は、それぞれがパルス電流、幅及び形状の制御を可能にする駆動回路12及びコリメーション光学系13を有する2つのレーザーダイオード11を含む。レーザーダイオード11(製造者:例えばOSRAM、例えばモデルTB450B)は、例えば405nm、450nm、520nm及び661nmから選択された様々な波長で発光する。駆動回路12(製造者:例えば、PICOLas、Highland Technologies、またはThorlabs)は、検出器デバイス20の検出器プロセッサ22と接続される。レーザーダイオード11のコリメートされた出力は、ダイクロイックミラー14で共通ビーム経路に結合され、サーキュラライザー15(90度回転して示されている)、レーザースペックル低減器、拡散器16(製造者:Optotune)及び非球面コンデンサ17を介して、対物レンズ及びフィルタ(詳細には示されていない)を含む顕微鏡19、例えばOlympus IX71内の試料へ導かれる。現在動作中のレーザーダイオード11の出力は、レーザーダイオード出力の一部を、被覆されていないビームスプリッタ及び集束光学系を介して受け取る、高速フォトダイオードパルスモニター18(製造者:New Focus、例えばモデル1621)で光学的に監視される。この検出器の出力はオシロスコープ(図示されない)で監視される。本発明の代替的な実施形態によれば、発光寿命時間測定装置100は、単一のレーザーダイオードもしくは2つ以上のレーザーダイオード、またはLEDもしくはパルスレーザーのような少なくとも1つのその他の光源素子で提供されうる。
有利には、レーザーダイオードは、フェムトレーザーに基づく市販のシステムや、非常に狭い(10−1000)ps信号を発生させるために構成されたレーザーダイオードよりも多用途であり、はるかに安価である。さらに、本発明の装置で達成可能なパルスエネルギーは、強度が1から2桁大きく、光子ノイズを大きく低減し、画質を向上させることになる。
レーザーダイオード11の出力は、好適にはPAMセットアップ(Programmable Array Microscopy、プログラム可能アレイ顕微鏡法セットアップ、詳細には示されない)を採用することによって、顕微鏡19に結合される。詳細には非特許文献3で説明されるPAMセットアップは、蛍光顕微鏡法で励起及び相関する検出のシステマティックなパターンを生成するためにプログラム可能なマイクロミラーアレイ(Texas Instrumentsデジタルミラーデバイス、DMD)を含む。このシステムは非常に高速であり、生きている細胞及び組織並びに固定された細胞及び組織の、光学的に区分された画像の大きなフォーマットの生成において感度が高い。全ての発光パラメータ(強度、スペクトル、偏光、寿命時間)が採用されうる。
顕微鏡19は、顕微鏡19のサイドポートに結合されたゲート増倍カメラ21及び集積された検出器プロセッサ22を含む検出器デバイス20を有して提供される。ゲート増倍カメラ21は、好適にはGen−III増倍器及び最適化された双増幅機構を有し、最小0.5nsのゲート幅、CCD上蓄積で高いゲーティング反復率(最大1MHz)、及び/または読み出しノイズを無視可能なemCCD検出器を有する。ゲート増倍カメラ21のさらに有利な特徴は、高い線形性、光子計数能力、及び大きな1K×1Kフォーマットであり、パルス励起源デバイス10の同期を含む取得及び読み出しを構成するための多用途電子部品及びソフトウェア、10psのタイミング分解能及び35psのタイミングジッターを有する。正確な信号統合は、特にゲート幅及び位置の精密な制御を伴う、ゲート増倍カメラ21の固有の特徴である。
検出器プロセッサ22の第1の出力、例えばPI−MAX4タイミングユニットの補助出力は駆動回路12と結合され、検出器プロセッサ22の第2の出力は分析デバイス30と結合される。第1の出力を介して、トリガー及びパルス幅制御信号は、駆動回路12に送信され、試料1の照射のために励起光パルスの時間位置及びパルス幅を制御する。第2の出力を介して、検出器応答関数が、試料1の平均寿命時間計算のために分析デバイス30に送信される。さらに、分析デバイス30は、レーザーダイオード11のダイオード電流制御を提供するために構成される。
分析デバイス30は、特に、LightField動作制御ソフトウェアのような制御ソフトウェアを走らせるコンピュータ回路を含み、カメラ21内に集積されたSuperSynchroタイミングジェネレータのようなタイミングジェネレータと結合される。パルス幅及び/または遅延の自動的な連続増加を伴う複合方式が、検出器タイミング回路及びプロセッサ22とともに実装されうる。
ゲート増倍カメラ21は、例えばPI−MAX4 1024EMDカメラ(製造者:Princeton Instruments)である。PI−MAX4カメラは、特に1秒当たり複数の収集フレーム(10MHzのデジタル処理で10から300の範囲)及び収集時間(平均なし2フレームで7から230ms、2フレーム10回の繰り返しで65から2300ms、または200フレーム5回の繰り返しで3から115秒の範囲)の点で、利点を提供する。さらに、PIMAX−4はまた、カメラが約450nmの遅延で2フレームを取得する(燐光減衰時間で制限される)ことを可能にするダブルイメージ機能を特徴とする。
しかし、本発明はPI−MAX4カメラに限定されるのではなく、1素子または数素子(<100)を含む検出器などのその他のゲート増倍カメラを有して実装可能である。
発光寿命時間測定方法の実施形態
本発明の発光寿命時間測定方法を実施するために、顕微鏡19内の試料1が、励起源デバイス10からの少なくとも1つの励起光パルスで照射される。試料1からの発光反応、例えば蛍光反応は、時間的分解能を有して検出される。時間分解検出は、単一の励起パルスまたはサンプリングされた一連の励起パルスで、例えば最大1MHzの繰り返し率で得られる。カメラ21のゲート幅に応じて、収集された時間検出器応答関数は、試料1からの時間依存の発光応答または積分された時間依存応答を含む。収集された時間検出器応答関数に基づいて、試料1の電子励起状態の平均寿命時間が、以下に概説されるように計算される。
励起状態の寿命時間は、デルタパルス励起後の発光光子の平均到達時間として解釈可能である。すなわち、寿命時間は、励起と発光信号との間の遅延を構成する。発明者らは、この遅延が単にデルタパルス励起後に測定可能なだけでなく、電子励起状態が線形増加または一定である試料1の平衡励起定常状態においても測定可能であることを発見した。この状況、すなわちこの遅延の直接測定は、本発明の発光寿命時間測定方法の基礎を形成する。
好適には、励起光パルスは線形増大区間2(本発明の第1の実施形態、図3参照)または一定強度のパルス区間3(本発明の第2の実施形態、図4参照)を有し、後述のように、これらは試料1の平衡励起定常状態及び一定の傾きの線形応答関数区間を有する検出器応答関数を形成する。
図3によれば、点線は本発明の第1の実施形態に従う励起光パルスの増大区間2を表す。試料1の平衡励起定常状態において、試料の時間依存励起応答rfは、線形応答関数区間(線形的に増加する増大形状)も有する。図3Aに示された曲線rf1及びrf2は、2ns(rf1)及び5ns(rf2)の蛍光寿命時間を有する試料の2つの例を示している。より長い蛍光寿命時間に起因して、発光応答rf2の線形応答関数区間は、発光応答rf1の線形応答関数区間よりも急な傾き及び高い最終値を有する。発光応答rf1及びrf2は、励起光パルスに対して、及び互いに対してずらされる。図3Bで規格化された検出器応答関数でさらに示されるこのずれは、試料の平均寿命時間に線形依存し、0または既知の最終寿命時間を有する参照試料との比較に基づく寿命時間と等しい。
励起光パルス2の初期上昇及び最終降下直後の応答関数曲線は指数関数的であり、従来の技術に従って寿命時間を得るための追加的なデータを提供する。
少なくとも1つの励起光パルスの参照時間及び線形応答関数区間の傾きに対する線形応答関数区間の時間位置の少なくとも1つに基づく平均寿命時間の推定は、以下の第1の実施形態の実際の例で実行される(時間単位:ns)。励起光パルス(増大パルス)は、t1=10で始まり、60で終了する。rfの線形関数区間(約8τから10τ)は、t〜50から60に対応する。
rfIRF[t]=(t−t1)・sIRF nrf1=rf1・sIRF/s1
s1=rf1の傾き=0.0016 nrf2=rf2・sIRF/s2
s2=rf2の傾き=0.0024
sIRF=rfIRFの傾き=0.004
(IRF:計器応答関数、すなわち、τ=0での発光反応であり、励起光パルスの上昇区間2に対応する)
この分析方法はrfデータを必要とするのみであり、原理的には、線形応答関数区間内の2点のみを必要とする。プロットのために(しかし、寿命時間計算には必要ではない)、発光応答曲線をそれらの傾きs1及びs2(線形応答関数区間における)の比で割ってirf曲線のそれ(sIRF)に対して規格化し、図3Bとする。
寿命時間は線形応答関数区間の水平移動によって得られる。
ここで、所定のtにおけるnrf1は、対応するtIRFにおけるrfIRFに等しく、nr1についても同様である。
これは、次の通りになる。
τ=t−tIRF=t−t1−nrf[t]/s(計算により、元のrf値及び線形領域におけるそれらの傾きのみが必要になる)。実験的に、t1はIRF曲線から決定される。
t1=t−rfIRF[t]/sIRF
例えば、t=55、rf1=0.0688及びrf2=0.096において、
τ1=55−10−0.0688/0.0016=2nsであり、
τ2=55−10−0.096/0.0024=5ns
そのため、この例における寿命時間についての入力値が再び得られることが確かめられる。
本発明の第1のの実施形態において、狭いゲート幅を用いる点ごとの測定がなされなければならないため、記録された信号(及びすなわち達成可能なSNR)は、必然的に第2の実施形態(下記参照)よりも低くなる。それでもなお、従来の狭いパルス励起によるものと比較してより高い(例えば3倍の)信号レベルが、依然として利用可能である。
図4Aによれば、点線は、本発明の第2の実施形態に従う一定強度の励起光パルスのパルス区間3を表す。延長された矩形の励起光パルス3は、励起エネルギーの急速な増大及びそれに続く、測定される寿命時間の数倍に対応する時間の間維持される一定レベルをもたらす。励起光パルス3の初期上昇後及び最終的な下降直後の応答関数曲線は、指数関数的であり、従来の技術に従って寿命時間を得るために追加的なデータを提供する。
図4Aに描かれた曲線rf1及びrf2は、2ns(rf1)及び5ns(rf2)の蛍光寿命時間を有する試料の2つの例を示している。試料1の平衡励起定常状態において、試料の時間依存する発光応答rfは平坦な形状を有し(図4A)、実験において実際に記録された試料の時間積分した発光応答rfi1、rfi2はそれぞれ、線形応答関数区間を有する(ゲート幅の積分時間に応じて線形的に上昇する形状、図4B)。定常状態に到達した後の積分時間(検出器デバイス、例えばカメラ21の検出ゲート幅)を伴う線形変化、及び寿命時間の違い(例えば2及び5nsの信号に対して3ns)に正確に対応するこの線形領域の時間軸上の分離が得られる。
線形rfi応答の原因は、以下の数学的計算から得られうる。ステップ(または矩形)励起に対する応答は、指数増加関数τ・(1−Exp[−t/τ])である。この信号の積分はτ・[t−τ・(1−Exp[−t/τ])]で与えられ、t>>τではτ[t−τ]へ減少し、tの線形関数部分は定常状態励起状態平衡の達成を反映している。この線形応答の強度(傾き)は、τとともに(また、プローブ濃度及び分光分析特性、並びに様々な装置パラメータとともに)変化し、その一方、線形領域の位置は、時間(ゲート幅)軸上でτに等しい値、すなわち発光の確率的性質から生じ、先に触れた遅延だけ移動する。
各終端(プラトー)値によって規格化された、すなわち励起パルスの停止後の全てのrfi応答は、図4Cに示されるようにτ及び強度で変化する成分の数に関係なく同じ線形応答を示す。規格化された積分応答関数の全般的な一定の傾きは、パルスパラメータによって一意に決定され(図4Aの矩形パルスについて、傾き=1/パルス幅)、時間的ずれは、τ値の平均(またはそれらの差)に対応する。これらのずれは、0信号強度に対応する時間軸への非規格化rfiの外挿によって計算可能である。絶対寿命時間の計算は、線形偏光子及び四分の一波波長遅延器からなり、実験的eeFLIMシステム(図1)の顕微鏡19に統合された「IRF(計器応答関数)キューブ」などの、光学セットアップに対する参照光学要素23を積分することによって容易になる。参照光学要素は、試料のスライド表面によって反射された励起光からの「ゼロ」寿命時間を有する参照信号を生じさせる。既知の寿命時間を有する試料も、較正参照を提供しうる。
参照光学要素23の例は、図2に示されている。参照光学要素23は、線形s偏光子23.1、広帯域ビームスプリッター23.2(例えば80%T、20%R)、四分の一波長板23.3、顕微鏡対物レンズ23.4、顕微鏡ステージ上のミラー23.5、線形p偏光子23.6、及び中立密度フィルター23.7を含む。ミラー23.5で反射された部分は、特に絶対寿命時間測定について安定な参照信号(「0」寿命時間)を提供する。
(最終信号値を用いた)規格化は、2点で傾きの決定が可能になるけれども、厳密に必要となるわけではない。規格化参照信号(IRF)のそれに対する値は、参照値と両立できるように信号値を調節するために使用可能であり、これによって寿命時間と等しい時間的な「ずれ」の計算が可能になる。
少なくとも1つの励起光パルスの参照時間及び線形応答関数区間の傾きに対する線形応答関数区間の時間位置の少なくとも1つに基づく平均寿命時間の推定は、以下のように第2の実施形態の実際的な例で行われる。
矩形パルスはt1=10で開始し、50で終了する。rfの線形応答関数区間(すなわち6τから8τ)はtが約40から50であることに対応する。
fr=最終rfi1=4(=amp1・τ1) nrfi1=rfi1/fr
fb=最終rfi2=15(=amp2・τ2) nrfi2=rfi2/fb
firf=最終rfiIRF=5(=ampIRF) nrfiIRF=
rfiIRF/firf
s1=傾きrfi1=0.1(=rf1,max) nsIRF=sIRF/firf
(rfiIRFの規格化された傾き)
s2=傾きrfi2=0.375(=rf2,max)
sIRF=傾きrfiIRF=0.125(=rfIRF,max)
この分析方法はrfiデータを必要とするのみであり、原理的に2点のみを必要とし、その1つは線形応答関数区間内にあり、もう一方は最終減衰の終端部にある。図4Cに示されるように、rfデータを線形領域内で各最終rfi値によって割ることによって規格化する。rfの傾きはここでは全て等しくなる。
全てのnrf1またはnfr1点について(各時間tにおいて)、tIRF(<t)の値とともにnifrの対応する値が存在する。そのため、対応するtIRFにおける所定のt=nrfiIRFにおいて、nrfi1であり、nrfi2についても同様である。
τ=t−tIRF=t−t1−nfr[t]/nsIRF
例えばt=45、nrf1=0.825、nrf2=0.75について、
nsIRF=0.025
τ1=45−10−0.825/0.025=2ns、
τ2=40−10−0.75/0.025=5nsである。
本発明では、矩形以外のパルス形状、すなわち異なる形状(有限の立ち上がり時間)も使用可能である(第3の実施形態)。対応するrfi曲線に関する応答曲線及び解析数学表現を、多数の例について計算した。全ての場合において、定常状態の達成後、すなわち矩形パルスの図4Bに示されるのと同じrfi信号の挙動が観察される。
(一定強度のパルス区間3を用いた)第2の実施形態に従う実際の測定で、積分は励起光パルス3の前に開始され、ゲート幅を励起が完了するまで(励起光パルスの終了まで)増加させたままにする(常に同じ点から開始する)。100から200点(フレーム)で、積分応答関数を詳細に定義する。矩形励起光パルス3の場合には、即時「動的応答」(励起状態の集団動力学)は、寿命時間によって表される時間スケールで行われる。数寿命時間時間が経過後、システムは一定の励起率(照射*吸収断面積)及び減衰率(励起状態の寿命時間の逆数)の組合せによって定義される定常状態を達成する。照射が一定なので発光率は一定であり、そのため時間経過とともに、積分応答が線形的に増加することとなる。パルスが終了する(「ランアウト」する)と、システムは、デルタ関数励起を使用する場合、「通常」減衰するように減衰する。理論では(及び実際には)、寿命時間を決定するために線形応答関数区間で得られる2点で十分である。
図5は、矩形励起光パルスを用いた画像取得を示している。各パネルAからDの上側の軌跡は、励起光パルスを監視するフォトダイオード18の信号を示している。下側の軌跡は、増倍器ゲート(カメラ21からのモニター出力)を示している。図5Aは画像取得の開始を示している。増倍器ゲートは、励起光パルス内に延び(図5B)、全励起光パルスを覆う(図5D)まで、レーザーパルスを通って移動する(図5C)。囲まれた領域は、一定照射強度の領域である。
処理された積分応答関数が図6に示されており、これは、IRF及び3つの蛍光色素溶液からの規格化されたrfi信号の平均を示している。IRFからのrfi信号は、顕微鏡焦点面から反射された励起光から得られる。蛍光寿命時間は、一定照射の期間(囲まれた領域、図4も参照)に対応する平行な線形応答関数区間のずれによって与えられる。囲み部は、測定された色素であるローダミンB(1.6ns)、クマリン6(2.5ns)及び2価陰イオンフルオレセイン(4.1ns)の水平(時間的)ずれ(寿命時間に等しい)をハイライトしている。
図7は、アクチン細胞骨格についてボディパイFL−ファラシジンで染色された3T3細胞の顕微鏡画像の例を示している。図7Aは、最後に取得されたフレームの全積分rfi信号(最長で200ゲート幅の増加、各0.3ns)をしめしており、図7Bはτ値の画像を示している。
前述の説明、図面及び特許請求の範囲における本発明の特徴は、様々な実施形態における本発明の実現のために、個別に、また組合せまたは下位組合せで重要でありうる。
1 試料
2 線形増大区間
3 一定強度のパルス区間
10 励起源デバイス
11 レーザーダイオード
12 駆動回路
14 ダイクロイックミラー
15 サーキュラライザー
16 拡散器
17 非球面コンデンサ
18 高速フォトダイオードパルスモニター18
19 顕微鏡
20 検出器デバイス
21 カメラ
22 プロセッサ
23 参照光学要素
23.1 線形s偏光子
23.2 広帯域ビームスプリッター
23.3 四分の一波長板
23.4 顕微鏡対物レンズ
23.5 ミラー
23.6 線形p偏光子
23.7 中立密度フィルター
30 分析デバイス
100 発光寿命時間測定装置

Claims (39)

  1. 発光寿命時間測定方法、特に試料の電子励起状態の平均寿命時間を測定するための方法であって、
    少なくとも1つの励起光パルスで試料を照射する段階と、
    前記試料からの発光応答を時間分解検出し、時間的な検出器応答関数を形成する段階と、
    前記検出器応答関数に基づいて前記電子励起状態の前記平均寿命時間を計算する段階と、を含み、
    前記少なくとも1つの励起光パルスが、前記試料が線形増加する、または一定の数の前記電子励起状態を含む平衡励起定常状態を達成するような形状であり、
    前記検出器応答関数が一定の傾きを有する線形応答関数区間を有し、
    前記電子励起状態の前記平均寿命時間(τ)が、前記少なくとも1つの励起光パルスの参照時間に対する前記線形応答関数区間の時間位置及び前記線形応答関数区間の傾きの少なくとも1つに基づいて計算されることを特徴とする、発光寿命時間測定方法。
  2. 前記少なくとも1つの励起光パルスが線形増大区間(2)を含み、
    前記検出器応答関数が、前記線形応答関数区間を含む前記試料からの時間依存発光応答を含む、請求項1に記載の寿命時間測定方法。
  3. 前記電子励起状態の前記平均寿命時間(τ)が、τ=t−rf(t)/srf(t)に基づいて計算され、
    tが前記パルスの開始後の時間位置であり、rf(t)が考慮される時間位置における前記発光応答であり、srf(t)が時間tにおける前記線形応答関数区間の傾きである、請求項2に記載の寿命時間測定方法。
  4. 前記少なくとも1つの励起光パルスが一定強度のパルス区間(3)を含み、
    前記検出器応答関数が、前記線形応答関数区間を含む前記試料からの時間積分発光応答を含む、請求項1に記載の寿命時間測定方法。
  5. 前記電子励起状態の前記平均寿命時間(τ)がτ=t−rfi(t)/srfi(t)に基づいて計算され、
    tは考慮される時間位置であり、rfi(t)は前記考慮される時間位置における積分された発光応答であり、srfi(t)は時間tにおける前記線形応答関数区間の傾きである、請求項4に記載の寿命時間測定方法。
  6. 前記試料からの時間積分された発光応答が、一定の強度を有する前記パルス区間(3)の開始後に、少なくとも2つの積分時間間隔で収集される、請求項4または5に記載の寿命時間測定方法。
  7. 前記試料からの前記時間積分された発光応答が、前記試料からの時間依存する発光応答及び前記時間依存する発光応答の最終的な不変の値の少なくとも1つを収集することによって得られる、請求項4または5に記載の寿命時間測定方法。
  8. 前記少なくとも励起光パルスが、ある持続時間を有する前記線形増大区間(2)または一定強度を有する前記パルス区間(3)を含み、これが前記試料の前記励起状態の最長寿命時間の少なくとも5倍、特に少なくとも7倍よりも長く、及び/または最大12倍、特に最大10倍である、請求項2から7のいずれか一項に記載の寿命時間測定方法。
  9. 前記線形増大区間(2)及び/または一定強度の前記パルス区間(3)の前記持続時間が、10nsから10msの範囲で選択される、請求項8に記載の寿命時間測定方法。
  10. 前記平均寿命時間(τ)が、参照試料または参照光学要素から得られる較正応答関数を用いて計算される、請求項1から9のいずれか一項に記載の寿命時間測定方法。
  11. 前記試料からの前記発光応答が、単一の検出器素子または検出器素子のアレイで検出される、請求項1から10のいずれか一項に記載の寿命時間測定方法。
  12. 前記試料からの前記発光応答が、前記試料の平均寿命時間画像を提供する時間ゲートカメラで検出される、請求項1から11のいずれか一項に記載の寿命時間測定方法。
  13. 前記試料が、前記少なくとも1つの励起光パルスによって励起される単一電子遷移を含み、
    前記平均寿命時間(τ)が前記単一電子遷移の単一の発光寿命時間である、請求項1から12のいずれか一項に記載の寿命時間測定方法。
  14. 前記試料が前記少なくとも1つの励起光パルスによって励起される複数の電子遷移を含み、
    前記平均寿命時間(τ)が前記電子遷移の強度の平均発光寿命時間である、請求項1から12のいずれか一項に記載の寿命時間測定方法。
  15. 前記検出器応答関数が、1つの単一励起パルスの間に、前記試料からの前記発光応答を検出することによって生成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の寿命時間測定方法。
  16. 前記検出器応答関数が、一連の励起パルスの間に、前記試料からの前記発光応答を検出することによって生成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の寿命時間測定方法。
  17. 前記検出器応答関数が、時間相関単一光子計数で前記発光応答を検出することによって生成される、請求項1から16のいずれか一項に記載の寿命時間測定方法。
  18. 前記試料が、
    物質、特に巨大分子、配位子及び小分子の混合物、
    微小環境のプローブ、
    共振エネルギー遷移を受ける成分、
    生物学的物質、特に生物学的細胞、
    生物学的物質、特に細胞小器官、
    病理生物学的物質、特に沈着物、
    アレイ内、特にマルチウェルアッセイプレート内に分布する成分、
    流動流体、特にフロー血球計算器内の流動流体、
    流路内の物質、特に微小流動流路内の物質、
    視覚系の構造、特に眼科学における構造、
    皮膚の構造、特に皮膚科学における構造、
    歯に関する構造、特に歯科学における構造、
    組織、特に生体組織検査における組織、
    組織、特に蛍光ガイド外科手術における組織、
    組織、特に血管内ロボットによりアクセスされる組織、
    自己蛍光物質、特に組織内の自己蛍光物質、
    組織、特に小動物画像取得時の組織、
    法医学的検査における物質、
    固体材料、特に表面、
    の少なくとも1つを含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の寿命時間測定方法。
  19. 特に試料の電子励起状態の平均寿命時間(τ)を測定するための発光寿命時間測定装置(100)であって、
    少なくとも1つの励起光パルスを有する前記試料を照射するために配置された励起源デバイス(10)と、
    前記試料からの発光応答を時間分解検出し、時間的検出器応答関数を生成するために配置された検出器デバイス(20)と、
    前記検出器応答関数に基づいて前記電子励起状態の前記平均寿命時間(τ)を計算するために配置された分析デバイス(30)と、を含み、
    前記試料が、線形増加するまたは一定数の前記電子励起状態を含む平衡励起定常状態を達成し、前記検出器応答関数が一定の傾きを有する線形応答関数区間を有するように、前記励起源デバイス(10)が前記少なくとも1つの励起光パルスを成形するように適合され、
    前記分析デバイス(30)が、前記少なくとも1つの励起光パルスの参照時間に対する前記線形応答関数区間の時間位置及び前記線形応答関数区間の傾きの少なくとも1つに基づいて、前記電子励起状態の前記平均寿命時間(τ)を計算するために適合されたことを特徴とする、発光寿命時間測定装置(100)。
  20. 前記励起源デバイス(10)が、線形増大区間(2)を有する少なくとも1つの励起光パルスを生成するために適合され、
    前記検出器デバイス(20)が、前記線形応答関数区間を含む前記試料からの時間依存発光応答を含む前記時間的検出器応答関数を生成するために適合された、請求項19に記載の寿命時間測定装置。
  21. 前記分析デバイス(30)が、τ=t−t−rf(t)/sに基づいて前記電子励起状態の前記平均寿命時間(τ)を計算するために適合され、
    tは考慮される時間位置であり、tは前記線形増大区間(2)の参照開始時間であり、rf(t)は前記考慮される時間位置における前記発光応答であり、sは前記線形応答関数区間の傾きである、請求項20に記載の寿命時間測定装置。
  22. 前記励起源デバイス(10)が、一定強度のパルス区間(3)を有する前記少なくとも1つの励起光パルスを生成するために適合され、
    前記検出器デバイス(20)が、前記線形応答関数区間を含む前記試料からの前記時間積分された発光応答を含む前記時間的検出器応答関数を生成するために適合された、請求項19に記載の寿命時間測定装置。
  23. 前記分析デバイス(30)が、τ=t−t−rfi(t)/sに基づいて、前記電子励起状態の前記平均寿命時間(τ)を計算するように適合され、
    tは考慮される時間位置であり、tは前記一定パルス区間の参照開始時間であり、rfi(t)は前記考慮される時間位置における積分発光応答であり、sは前記線形応答関数区間の傾きである、請求項22に記載の寿命時間測定装置。
  24. 前記検出器デバイス(20)が、少なくとも2つの積分時間間隔で、一定強度の前記パルス区間(3)の開始後に前記試料から前記時間積分発光応答を収集するように適合された、請求項22または23に記載の寿命時間測定装置。
  25. 前記検出器デバイス(20)が、前記試料からの少なくとも1つの時間依存発光応答及び、前記励起光パルスの終了後に達成される前記時間依存発光応答の最終値を収集するために適合された、請求項22または23に記載の寿命時間測定装置。
  26. 前記励起源デバイス(10)が、ある持続時間を有する前記線形増大区間(2)または一定強度の前記パルス区間(3)を含む前記少なくとも1つの励起光パルスを生成するように適合され、これが前記試料の励起状態の最長寿命時間の少なくとも5倍、特に少なくとも7倍よりも長く、及び/または最大12倍、特に最大10倍である、請求項20から25のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
  27. 前記線形増大区間(2)または一定強度の前記パルス区間(3)の持続時間が10nsから10msの範囲で選択されるように、前記励起源デバイス(10)が前記少なくとも1つの励起光パルスを生成するために適合された、請求項20から26のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
  28. 前記励起源デバイス(10)が、レーザーダイオード(11)、LED及びパルスレーザーの少なくとも1つを含む、請求項19から27のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
  29. 前記励起源デバイス(10)が、反復率、強度、トリガリング及び/またはゲート幅制御を提供する駆動回路(12)を含む、請求項19から28のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
  30. 較正の目的のために配置された参照光学要素をさらに含む、請求項19から29のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
  31. 前記検出器デバイス(20)が、
    単一の検出器素子、
    検出器素子のアレイ、及び
    前記試料の平均寿命時間画像を提供する時間ゲートカメラ、の1つを含む、請求項19から30のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
  32. 前記検出器デバイス(20)が、単一または複数の固体または真空電子素子並びに、光子計数情報、特に光子数及び到達時間を提供する関連する検出器プロセッサを含む、請求項31に記載の寿命時間測定装置。
  33. 前記検出器デバイス(20)が、プログラム可能なゲート遅延及び幅を有し、前記励起源デバイスを同期するための信号を提供するゲート増倍カメラ(21)を含む、請求項31に記載の寿命時間測定装置。
  34. 前記検出器デバイス(20)が、1つの単一の励起パルスの間に、前記試料からの前記発光応答を検出することによって、前記検出器応答関数を生成するために適合された、請求項19から33のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
  35. 前記検出器デバイス(20)が、一連の励起パルスの間に、前記試料からの前記発光応答を検出することによって、前記検出器応答関数を生成するために適合された、請求項19から33のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
  36. 前記検出器デバイス(20)が時間相関単一光子計数のために適合された、請求項19から35のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
  37. 前記検出器デバイス(20)が、50ps未満の時間分解能及び/または70ps未満のジッターで、前記試料からの前記発光応答を検出するために適合された、請求項19から36のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
  38. 前記励起源デバイス(10)及び前記検出器デバイス(20)が、顕微鏡(19)、特に超解像能力を有する走査顕微鏡に統合された、請求項19から37のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
  39. 前記励起源デバイス(10)及び前記検出器デバイス(20)が、光学区画能力を有する広視野顕微鏡に統合された、請求項19から37のいずれか一項に記載の寿命時間測定装置。
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