JP2019500401A - ポリカルボジイミドおよびラテックスポリマーを含有するケラチン基質処理のための組成物 - Google Patents
ポリカルボジイミドおよびラテックスポリマーを含有するケラチン基質処理のための組成物 Download PDFInfo
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Abstract
ラテックスポリマーおよびその誘導体とともにポリカルボジイミドおよびその誘導体を含む、ケラチン基質の質を増強するための組成物。本発明は、ケラチン物質の処理、特にヘアケアおよびヘアスタイリングのための美容処理および工程に関する。毛髪のスタイリングまたは成形の方法も開示される。単一段階または少なくとも2つの連続する段階である爪処理で塗布するポリカルボジイミドおよびラテックス活性物質を含む爪処理および工程のための組成物が提供され、この組成物および工程は、活性物質間の架橋を介して、改善された接着性、耐水性および光沢のうち1つまたは複数のものをもたらし、それにより耐久性、優れた光沢、爪保護および容易な除去をもたらす。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2015年12月31日に出願され「NAIL POLISH COMPOSITIONS」と題される米国特許出願第14/986,019号および2015年12月31日に出願され「COMPOSITIONS CONTAINING POLYCARBODIIMIDES AND LATEX POLYMERS FOR TREATING KERATINOUS SUBSTRATES」と題される米国特許出願第14/986,019号の利益を主張するものであり、上記出願の開示は、本明細書に全体が記載された場合と同様に参照により組み込まれる。
本特許出願は、2015年12月31日に出願され「NAIL POLISH COMPOSITIONS」と題される米国特許出願第14/986,019号および2015年12月31日に出願され「COMPOSITIONS CONTAINING POLYCARBODIIMIDES AND LATEX POLYMERS FOR TREATING KERATINOUS SUBSTRATES」と題される米国特許出願第14/986,019号の利益を主張するものであり、上記出願の開示は、本明細書に全体が記載された場合と同様に参照により組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は全般的には、皮膚および爪などのケラチン基質を処理するための組成物および方法に関する。より具体的には、本発明は、ポリカルボジイミド化合物と、ある特定の実施形態では、少なくとも1つのケラチン繊維の耐久性のある非永久的成形または非永久的形状の耐久性のある保持のためのラテックスポリマーを有し、毛髪などのケラチン繊維の外因性損傷からの保護またはケラチン繊維の修復をもたらす、ケラチン処理組成物に関する。本発明はまた、ポリカルボジイミド化合物とラテックスを有する、爪に塗布するためのケラチン処理組成物に関する。
本発明は全般的には、皮膚および爪などのケラチン基質を処理するための組成物および方法に関する。より具体的には、本発明は、ポリカルボジイミド化合物と、ある特定の実施形態では、少なくとも1つのケラチン繊維の耐久性のある非永久的成形または非永久的形状の耐久性のある保持のためのラテックスポリマーを有し、毛髪などのケラチン繊維の外因性損傷からの保護またはケラチン繊維の修復をもたらす、ケラチン処理組成物に関する。本発明はまた、ポリカルボジイミド化合物とラテックスを有する、爪に塗布するためのケラチン処理組成物に関する。
ケラチン基質、例えば毛髪、皮膚、爪および唇などのケラチン繊維の外観および/または状態は、外的因子および加齢などの内的因子の両方による影響を受けることが多い。特に、ケラチン基質が環境条件、例えば高湿度もしくは低湿度または太陽からの紫外線に曝されると、その望ましい特性の多くが失われ、場合によっては損傷を受けることもある。ケラチン繊維、特に毛髪は、厳しい外的条件、例えば、太陽、例えば界面活性剤、脱色、弛緩、染色およびパーマネントウェービングによる化学的損傷、例えばヘアドライヤまたはカーラによる熱ならびに例えばブラッシング行動または身繕い行動による機械的応力または機械的摩耗などに常に曝されている。さらに、いかなるタイプの毛髪でも、加齢による時間の経過ならびに/あるいは自然な脂によるべたつき、発汗、頭皮からの皮膚細胞の脱落、汚染、汚れおよび極端な湿度条件などの諸因子により量ならびに/あるいは質が低下することがある。
上記の因子は、薄毛をもたらし、かつ/または毛髪の外観および感触を損ない、毛髪のやせ細りおよびボリュームの減少を引き起こすことがある。例えば、低湿度条件下および高湿度条件下では、毛髪が乾燥してその輝きを失うか、または縮れて扱いにくくなることがある。低湿度条件下では、毛髪が乾燥することがあり、乾燥した毛髪は輝きが低下し脆くなる傾向がある。逆に高湿度条件下では、毛髪が水分を吸収して形崩れを起こし、扱いにくく魅力のないものとなる傾向がある。さらに、毛髪に対するブラッシングおよび加熱などの物理的ストレスにより、毛髪がその望ましい特性を失うことがある。これらの因子による影響の大きさは、例えば髪質、長さ、スタイルおよび環境因子によって様々である。このように、これらの因子は一般に、毛髪表面の保護物質(キューティクル)に影響を及ぼすことにより、または毛髪繊維内部(コルテックス)を変化させることにより、ケラチン繊維に損傷をもたらす。より具体的には、外的条件によって毛髪表面から保護物質が剥がれ、かつ/または毛髪繊維のα構造と呼ばれる組織化された構造が崩壊し、それに伴い引張強度が低下し得る。外的因子による毛髪へのこのような損傷は、毛髪繊維が根から成長するほど毛髪がそのような外的因子に長期間曝されるため、より顕著になる。実際、毛髪には成長に伴う「損傷歴」とも呼べるものが備わっている、すなわち、根から離れているほど引張強度が低く、それまでに起こったα構造の破壊が大きい。その結果、消費者は、毛髪の外観を保護して増強し、かつ有害な環境条件、光損傷および物理的ストレスによる有害作用を軽減するヘアケア組成物およびヘア化粧品組成物などの製品を求め続けている。
形態学的には、毛髪繊維には4つの構造単位、すなわち、キューティクル、コルテックス、メデュラおよび細胞間セメントが含まれている。Robbins,C.R.Chemical and Physical Behavior of Human Hair,第3版,Springer−Verlag(1994)。キューティクル層は毛髪表面に位置し、平たい重なった細胞(「スケール」)からなる。このスケールは根端に付着し、繊維の遠位端(頂端)の方向を向いており、毛髪コルテックスを囲む層を形成している。コルテックスは毛髪繊維の主要な部分を占めている。コルテックスは繊維軸に沿って並んだ紡錘形の細胞、すなわちマクロフィブリルからなる。マクロフィブリルはさらに、不定形のタンパク質構造のマトリックスに埋め込まれたミクロフィブリル(高度に組織化されたタンパク質単位)からなる。メデュラは繊維の中心にある多孔性の領域である。メデュラは羊毛繊維と共通する部分であるが、太いヒト毛髪繊維にのみみられる。最後に、細胞間セメントは、細胞同士を結合させ繊維内への拡散のための主要経路を形成している材料である。
毛髪の機械的特性はコルテックスによって決まる。コルテックス組織化については2相モデルが提唱されている。Milczarekら,Colloid Polym.Sci.,270,1106−1115(1992)。このモデルでは、非透水性のマイクロフィラメント(「ロッド」)が繊維軸と平行に配向されている。マイクロフィラメントは透水性のマトリックス(「セメント」)に埋め込まれている。マイクロフィラメント内では、コイル状のタンパク質分子が特有の高度に組織化された方法で配置されており、毛髪繊維の結晶化度を示す。
毛髪繊維には他の結晶構造と同じように、広角X線回折により調べると明確な回折パターンがみられる。通常の伸長させていない毛髪繊維では、このパターンは「アルファパターン」と呼ばれる。毛髪のアルファパターンまたはα構造は特有の反復する間隔(9.8Å、5.1Åおよび1.5Å)を特徴とする。このX線回折パターンを示すタンパク質はいずれもαタンパク質と呼ばれ、特にヒトの毛髪および爪、羊毛ならびにヤマアラシの棘がこれに含まれる。毛髪繊維を水中で伸長させると、新たな間隔(9.8Å、4.65Åおよび3.3Å)をもつ「ベータパターン」と呼ばれる新たなX線回折パターンが現れる。
毛髪の損傷はキューティクルおよび/またはコルテックスで起こり得る。正常な毛髪が熱、化学処理、UV照射および/または物理的/機械的手段によって損傷を受けると、毛髪に無数の化学的および物理的変化が誘発される。例えば、これらの損傷過程は、キューティクルのスケールを剥がすか、もしくはこれに損傷を与え、または毛髪に疎水性18−メチルエイコサン酸(「18−MEA」)層を保持するチオエステル結合を切断することが知られている。このため、損傷を受けていない毛髪が顕著な疎水性を示すのに対し、損傷を受けた毛髪は表面の脂質が除去されたことによる顕著な親水性を示すのがよく観察されている。
このため、ケラチン繊維の化学的および物理的構造を厳しい外部条件から保護し、外部条件による損傷後に毛髪の物理的特性を損傷前の状態に回復させるのに有用な化粧品が必要とされている。より具体的には、毛髪にそのコルテックスを保護するバリアをもたらし得る耐水性かつ/または疎水性かつ/または保護性の物質、組成物または方法が必要とされている。このような保護バリアは、通常の日常的活動により時間の経過とともに基質から容易に移動するものであってはならない。さらに、保護バリアは、容易に除去されないよう耐シャンプー性、耐洗浄性または耐水性のものであるべきである。非移動性で耐シャンプー性、耐洗浄性または耐水性の化粧品組成物、ヘアケア組成物およびスキンケア組成物であって、それが接触する基質(例えば、衣類)に一部さえ移動しない沈着物を形成するという利点を有する組成物が求められている。水、雨または涙に曝されても皮膚および唇から容易に「流出」することも洗い流されることもない組成物を有することも望ましい。したがって、基質に保護バリアをもたらし、耐シャンプー性、耐洗浄性または耐水性かつ非移動性でもある製品は、化粧品の分野に有益なものであると思われる。このため、ヘアケア製品およびスキンケア製品などの化粧品の製造業者は、そのような有益性をもたらし得る物質および成分を求め続けている。
さらに、今日の市場では、非永久的ヘアスタイル、すなわち、非永久的毛髪成形によって得られるスタイルの柔軟性を好む消費者が多い。このような非永久的スタイルは通常、毛髪が濡れたとき、特に毛髪を水および/またはシャンプーで洗浄したとき、あるいは毛髪が高湿度条件に曝されたときに消失する。ケラチン繊維を非永久的に成形する方法としては、例えば、任意選択で市販のスタイリング製品を用いるブラッシング、逆毛立て、髪編み、ヘアローラの使用および加熱スタイリングが挙げられる。加熱スタイリングの非限定的な例としては、高温を用いるブロー乾燥、縮毛化、カーリングならびに縮毛矯正(例えば、カーラおよび加熱による毛髪のセッティング、カーリングアイロンおよび/またはホット/スチームローラおよび/またはフラットアイロンによるカーリングなど)が挙げられる。
このような組成物および方法はケラチン繊維の非永久的成形をもたらし得るが、多くの消費者が、大部分の既知の物質(例えば、フィルム形成剤、レジン、ガムおよび/または接着性ポリマー)、市販製品(例えば、従来のヘアスプレー、ムース、ジェルおよびローション)ならびにこれらの物質および製品を用いる方法がもたらすよりも長期間持続する、または耐久性のあるスタイリング/成形も望んでいる。例えば、多くの消費者が、非永久的なカール形成またはヘアスタイルを改善および保持する組成物および方法を望んでいる。
さらに、多くの人々は、特定の非永久的な形状またはスタイルの毛髪などのケラチン繊維を保持する組成物および方法を望んでいる。特定のヘアスタイルを保持するのによく用いられる方法の1つが、通常髪を整えた後に塗布するヘアスプレーを使用するものである。ヘアスタイルまたはケラチン繊維の形状を保持するその他の方法としては、ムース、ジェルおよびローションの使用が挙げられる。これらの組成物中の物質には一般に、フィルム形成剤、レジン、ガムおよび/または接着性ポリマーがある。
このため、整えた/成形した/カールした毛髪を有害な環境因子および物理的因子に曝したとき、ならびに/あるいは濡れたとき、洗浄したとき、またはシャンプーしたときでも、より耐久性のある、または長期間持続する形状またはスタイルがもたらされる物質、組成物および方法が必要とされている。
上記およびその他の利点を少なくとも1つ達成するため、本発明は、ポリカルボジイミド化合物とラテックスポリマーとを含む組成物ならびに前記組成物をケラチン繊維に塗布することによるケラチン基質、より具体的には毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン繊維のスタイリングまたは成形の方法を提供する。
本発明は、ケラチン繊維の疎水性を付与または改善するのに有効な量のポリカルボジイミド化合物とラッテクスポリマーとを含む組成物を前記ケラチン繊維に塗布することにより、ケラチン基質、より具体的には、毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン繊維を加熱、UV照射または化学処理によって引き起こされる外因性損傷から保護および/または修復することも提供する。
さらに、良好に接着し光沢度を含めた美的特性を有し、接着性に優れ耐久性のある、爪などのケラチン基質のための組成物が同様に必要とされている。従来のネイルポリッシュ製品にはニトロセルロースなどのセルロース系ポリマーが大量に含まれており、それには主として、セルロース系ポリマーが塗布時に組成物の爪への優れた接着をもたらすという理由がある。ニトロセルロースは、従来のネイルポリッシュ組成物に使用するのに好ましい接着剤であり、ネイルポリッシュ組成物中の接着剤の「ゴールドスタンダード」を構成するものであるが、ニトロセルロースを含有する従来の爪用組成物は一般に、耐久性のない特性で知られている。ニトロセルロースを低レベルで使用すると、コートされたフィルムが容易に損傷するようになるという傾向がある。一方、ニトロセルロースを高レベルで使用すると、ネイルポリッシュが硬すぎて柔軟性に欠けるものとなる。さらに、ニトロセルロースでは高い光沢性が得られない。
過去に、接着および光沢を改善するために提案された解決法として、ニトロセルロースを含有する組成物に高レベルの可塑剤を組み込み、ニトロセルロースを他の原料に置き換えるというものがあった。例えば、米国特許第6,939,551号は、ブチルフタルイミドイソプロピルフタルイミドの存在下でのニトロセルロースの使用に関するものであり、米国特許第8,790,669号は、ニトロセルロースの代わりにラテックスフィルム形成剤を使用することを開示している。
したがって、本発明は、爪を含めたケラチン基質を保護および/または修復するのに適した組成物であって、優れた接着性を有し、光沢があり、耐久性があり、技術的に欠陥がない組成物も提供し、この組成物には、ポリカルボジイミド化合物とラテックスポリマーとを含む。
ある例示的実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とラテックスポリマーとを含むケラチン処理組成物が開示される。この組成物は、ポリカルボジイミド化合物とラテックスポリマーとを、組成物の総重量に基づき、総量約0.2〜約20.0重量%含む。この組成物は、ポリカルボジイミド化合物とラテックスポリマーとをそれぞれ、ケラチン基質に塗布後それに増大した疎水性およびケラチン基質の形状または外形に増大した保持力のうち1つまたは複数のものを与えるのに十分な量で含む。いくつかの特定の実施形態では、組成物は、ポリカルボジイミド化合物とともに少なくとも2つのラテックスポリマーを含む。
別の例示的実施形態では、毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン繊維のスタイリングまたは成形の方法が開示され、この方法は、ポリカルボジイミドとラテックスポリマーとを含む組成物をケラチン繊維に塗布することを含む。いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミドとラテックスポリマーはそれぞれ、ケラチン繊維の形状または外形に保持力を与えるのに十分な量である。
また別の例示的実施形態では、毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射もしくは化学処理によって引き起こされる外因性損傷から保護する、または毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射もしくは化学処理によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法が開示される。この方法は、ポリカルボジイミドとラテックスポリマーとを含む組成物を前記ケラチン繊維を保護または修復するのに有効な量で前記ケラチン繊維に塗布することを含み;ポリカルボジイミド化合物は、組成物の総重量に基づき、約0.1〜約10重量%の濃度で存在する。
本発明の別の実施形態は、毛髪から選択されるケラチン基質を保護する方法であって、毛髪を化学的に処理する(例えば、永久染料組成物、半永久(semi−permanent)染色組成物または半永久(demi−permanent)染色組成物を用いて毛髪を染める、化学的酸化剤により毛髪の色を脱色する/軽くする、または明るくする、化学的還元剤/酸化剤を用いて毛髪にパーマをかける、苛性アルカリ溶液組成物および非苛性アルカリ溶液組成物を用いて毛髪を弛緩させる、化学的縮毛矯正剤を用いて毛髪を縮毛矯正する)前、間または後に、前記ケラチン基質を保護または修復するのに有効な量の本発明の組成物をケラチン繊維に塗布することを含む、方法である。
いくつかの実施形態では、上記の組成物中のケラチン基質を加熱し、基質を加熱する前、間または後に組成物を基質に塗布する。
別の例示的実施形態では、少なくとも1つのケラチン繊維の耐久性のある非永久的成形または少なくとも1つのケラチン繊維の非永久的形状の耐久性のある保持の方法が開示される。この方法は、ポリカルボジイミド化合物とラテックスポリマーとを含む組成物を、前記少なくとも1つのケラチン繊維に塗布することを含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法は、上記の組成物の塗布前、塗布中または塗布後にケラチン繊維を加熱する段階を含む。
本開示の組成物中のラテックスポリマーは、カルボキシル官能性ラテックスポリマーから選択される。これらのカルボキシル官能性ラテックスポリマーは、アクリラートラテックスポリマー、ポリウレタンラテックスポリマー、シリコーンラテックスポリマーおよびその混合物から選択され得る。
本発明は、上に開示される組成物をケラチン組織の表面、例えば毛髪繊維のキューティクルなどに塗布することによる、ケラチン繊維などのケラチン組織の美容処理の方法にも関する。
本発明は、上に開示される組成物をケラチン組織の表面、例えば毛髪繊維のキューティクルなどに段階的方法で塗布する方法にも関し、その段階は、1段階の工程ならびに2段階、3段階もしくはそれ以上の段階およびそれらの組合せを含めた多段階の工程を含む。
いくつかのこのような実施形態では、方法は、ポリカルボジイミドとラテックスポリマーと溶媒とを含む組成物を調製してケラチン基質に塗布する、1段階の工程を含む。
他の実施形態では、方法は、個々の成分(溶媒と組み合わせたポリカルボジイミドおよび溶媒と組み合わせたラテックスポリマー)を段階的方法でケラチン基質に任意の順序で塗布して基質を処理する、2段階の塗布工程を含む。1つのこのような実施形態では、ケラチン基質を最初にポリカルボジイミド相で処理し、次いでラテックスポリマー相で処理する。
他の実施形態では、方法は、少なくとも1つのポリカルボジイミドと少なくとも1つのラテックスポリマーとを含む組成物を別個の相として調製し、各相を別個に毛髪などのケラチン基質に塗布する、逆段階方式を含む。1つのこのような実施形態では、ケラチン基質を最初にラテックスポリマー相で処理し、次いでポリカルボジイミド相で処理する。
本発明は、上に開示される組成物をケラチン組織の表面、例えば毛髪繊維のキューティクルなどに段階的方法で塗布することによる、ケラチン繊維などのケラチン組織の美容処理のための方法およびキットにも関する。いくつかのこのような実施形態では、キットは、1つまたは複数の粘度を高めたまたは粘度を高めていない水相および非水相中に準備した本発明の組成物の1つまたは複数の活性物質を包装したものと、上記のいずれかのものを着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤およびハイライト処理剤から選択される1つまたは複数の処理剤と包装したものとを別個に含む。
本発明は、少なくとも1つのポリカルボジイミド化合物と、フィルム形成剤としての少なくとも1つのラテックス化合物とを含有する、ネイルポリッシュ組成物にも関する。このような爪用組成物は、爪への損傷を少なくして、耐久特性を犠牲にすることも塗布を複雑にすることもなく、容易に除去することができる。
ある例示的実施形態では、ポリカルボジイミドは1つまたは複数のカルボジイミド官能基を含むオリゴマー構造またはポリマー構造からなり、ラテックスフィルム形成剤はラテックスまたはシュードラテックスを含む。例示的諸実施形態では、ラテックス化合物は、一般に当業者に周知の工程によるモノマーの懸濁重合、乳化重合または共重合によって得られる、水性液相を用いたポリマー粒子のコロイド分散溶液を含む。
ある例示的実施形態では、ラテックス化合物とポリカルボジイミド化合物とを含む少なくとも1つの主要なフィルム形成剤を含む、爪用組成物が提供される。様々な実施形態では、ラテックス化合物とポリカルボジイミド化合物の比は、約50:50〜約95:5の範囲内にあり、組成物は、ポリカルボジイミド化合物とラテックス化合物とを合わせて、組成物全体の10〜95重量%含む。いくつかの実施形態では、組成物は、特に限定されないが、少なくとも1つの溶媒、少なくとも1つの接着剤および少なくとも1つの第二のフィルム形成剤を含めた1つまたは複数の添加剤を含む。
このような実施形態では、少なくとも1つのラテックスと少なくとも1つのポリカルボジイミドの比は、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、約50:50〜約95:5、より具体的には約70:30〜約90:10、さらにより具体的には約80:20の範囲内にある。様々な実施形態では、ラテックスとポリカルボジイミドの組合せは、爪用組成物の重量百分率で、約10%〜95%、いくつかの実施形態では、約20%〜約75%、いくつかの特定の実施形態では、約28%〜35%を占める。
いくつかの特定の実施形態では、ラテックス化合物とポリカルボジイミド化合物の比が約70:30〜約90:10の範囲内にある爪用組成物が提供される。ある特定の実施形態では、ラテックス化合物とポリカルボジイミド化合物の比は約80:20である。
本発明は、上に開示される組成物をケラチン組織の表面に塗布することによるケラチン組織の美容処理の方法にも関する。
本発明のその他の特徴および利点は、例として本発明の原理を説明する好ましい実施形態に関する以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
(発明の詳細な説明)
実施例または別途明記される場合以外、成分および/または反応条件の量を表すあらゆる数値は、いずれの場合も示される数値の10%以内であることを意味する(例えば、「約10%」は9%〜11%を意味し、「約2%」は1.8%〜2.2%を意味する)「約」という用語によって修飾されているものとして解釈するべきである。
実施例または別途明記される場合以外、成分および/または反応条件の量を表すあらゆる数値は、いずれの場合も示される数値の10%以内であることを意味する(例えば、「約10%」は9%〜11%を意味し、「約2%」は1.8%〜2.2%を意味する)「約」という用語によって修飾されているものとして解釈するべきである。
本明細書で使用される冠詞「a」および「an」は、本明細書および請求項に記載される本発明の実施形態の任意の特徴に適用される場合、1つまたは複数を意味する。「a」および「an」の使用は、限定されることが具体的に記載される場合を除き、その意味を単一の特徴に限定するものではない。単数形または複数形の名詞または名詞句の前にある冠詞「the」は、1つまたは複数の特定の具体的特徴を表し、それが使用される文脈に応じて単数または複数の意味を含み得る。形容詞「any」は、あらゆる量のうちの1つ、一部または全部を無差別に意味する。
本明細書で成分または原料のパーセント量に関して使用される「活性物質」は、成分または原料の100%の活性を指す。
本明細書で使用される「接着」は、コーティングと基質との間の化学的および/または物理的結合を指す。ネイルポリッシュと爪表面との間の優れた接着は、消費者に対して優れた耐久特性に変換されるべきである。
「接着剤(adhesive angentまたはadhesive)」は、コーティングと基質との間の化学的および/または物理的結合を改善するポリマーを意味する。本発明では、接着剤は組成物と爪表面または他の組成物との間の結合を改善する。
本明細書で使用される「ケラチン繊維に組成物を塗布すること」および「毛髪に組成物を塗布すること」という用語ならびにこれらの語句の変化形は、任意の方法で繊維または毛髪と本発明の少なくとも1つの組成物とを接触させることを意味するものとする。
本明細書で使用される「少なくとも1つ」は、1つまたは複数を意味し、したがって、個々の構成要素および混合物/組合せを包含する。
本明細書で使用される「comprising(含む)」という用語(およびその文法的変化形)は、「having(有する)」または「including(含む)」という包括的な意味で使用されるものであり、「consisting only of(〜のみからなる)」という排他的な意味で使用されるものではない。
本明細書で使用される「コンディショニング」は、毛髪に櫛通り、扱いやすさ、保湿性、艶、光沢、柔らかさおよびこしのうち少なくとも1つのものを与えることを意味する。
本明細書で使用される「耐久性のあるコンディショニング」は、毛髪などのケラチン繊維を本開示の組成物で処理した後、シャンプー/洗浄/すすぎを少なくとも1回実施してもなお、処理毛髪が未処理毛髪よりもコンディションの整った状態にあることを意味する。コンディショニングの状態は、櫛通し作業(gm−in)からみた処理毛髪と未処理毛髪の櫛の通りやすさおよび/またはコンディショニング剤の毛髪に対する定着性および/または接触角測定値(毛髪表面での水滴の広がり)により評価することができる毛髪の疎水性を測定および比較することにより評価することができる。
本明細書で使用される「耐久性のある形状保持」は、毛髪などのケラチン繊維を本開示の組成物で処理した後、シャンプー/洗浄/すすぎまたは高湿度条件への曝露を少なくとも1回実施してもなお、未処理毛髪が示すスタイリング後の特定の形状または望ましい形状を保持する能力と比較して処理毛髪がスタイリング後の特定の形状または望ましい形状を保持する能力を示すことを意味する。「耐久性のある形状保持」は、接触角測定値(毛髪表面での水滴の広がり)により評価することができる毛髪の疎水性とも関係がある。
本明細書で使用される「耐久性のある成形」は、ケラチン繊維が水および/またシャンプーで洗浄されるか、あるいは高湿度条件に曝されるまでケラチン繊維の形状を保持あるいは維持することを指す。形状の保持は、相対湿度の高い条件下での処理毛髪および未処理毛髪のカール保持能力をカール効率から測定および比較することにより評価することができる。「耐久性のある成形」は、接触角測定値(毛髪表面での水滴の広がり)により評価することができる疎水性を毛髪に与えることとも関係がある。
本明細書で使用される「フィルム形成剤(film former)」、「フィルム形成ポリマー」、「フィルム形成剤(film forming agent)」または「共フィルム形成剤」は、単独で、または補助フィルム形成剤の存在下、例えば、フィルム形成剤に伴う溶媒が蒸発した後、基質内に吸収された後および/または基質上で消失した後、それを塗布した基質に接着する肉眼的に連続したフィルムを形成することが可能なポリマーまたは樹脂を意味する。さらに、本明細書で使用される非フィルム形成ポリマーは、周囲温度でフィルムを形成しないポリマーを包含するものとする。本開示の目的には、周囲温度は40℃未満、例えば15℃〜30℃の範囲内であるものと解釈される。
「〜を含まない」(free ofまたはdevoid of)は、本明細書で使用される場合、特定の成分が組成物中に全く存在しないのが好ましいが、ごく少量であれば、本発明の組成物の有利な特性の少なくとも1つ、いくつかの実施形態では大部分に実質的に影響を及ぼさない量である限り本発明の組成物中に存在してもよいことを意味する。したがって、例えば「溶媒を含まない」は、非水性溶媒が、いくつかの実施形態では含まれていない(つまり、0重量%である)が、組成物の総重量に基づき、約0.25重量%未満、通常約0.1重量%未満、通常は約0.05重量%未満の量で存在してもよいことを意味する。
本明細書で使用される「硬度」は、力を加えたとき、材料が永久的形状変化に対して示す耐性の程度を意味する。力は、本願でのちに記載する通りに測定および定量化することができる。
「加熱」は、高温(すなわち、室温を上回る温度、例えば40℃超など)の使用を指す。一実施形態では、本発明の方法における加熱は、少なくとも1つのケラチン繊維と熱源とを直接接触させること、例えば少なくとも1つのケラチン繊維の加熱スタイリングによりもたらされ得る。少なくとも1つのケラチン繊維と直接接触させることによる加熱スタイリングの非限定的な例としては、高温を用いるフラットアイロン法およびカーリング法(例えば、カーラおよび加熱による毛髪のセッティング、カーリングアイロンおよび/またはホットローラを用いるカーリング)が挙げられる。別の実施形態では、本発明の方法における加熱は、少なくとも1つのケラチン繊維と直接接触し得ない熱源で少なくとも1つのケラチン繊維を加熱することによりもたらされ得る。少なくとも1つのケラチン繊維と直接接触し得ない熱源の非限定的な例としては、ブロードライヤ、フードドライヤ、加熱キャップおよびスチーマが挙げられる。
本明細書で使用される「熱活性化した」組成物は、例えば、組成物の塗布時または塗布後に加熱しない同じ組成物よりも良好に少なくとも1つのケラチン繊維を成形する組成物を指す。別の例としては、塗布時または塗布後に加熱しない同じ組成物よりも良好に少なくとも1つのケラチン繊維の形状を保持する組成物が挙げられる。
本明細書で定義される「高湿度」は、40%を上回る大気湿度を指す。
本明細書で使用される「洗浄サイクル」という用語は、ケラチン基質を洗浄する段階または工程を指し、界面活性剤系の製品(例えば、シャンプー、コンディショナまたはボディウォッシュ)で基質を処理し、次いで基質を水で洗浄する、またはすすぐことを包含し得る。「洗浄サイクル」という用語は、基質を水で洗浄する、またはすすぐことも包含し得る。
「均一」は、全体が実質的に一様である外観を呈している、すなわち、視覚的に単相のエマルションおよび/または分散液のように見えることを意味する。
本明細書で使用される「ケラチン基質」は、特に限定されないが、皮膚、毛髪および爪を包含する。本明細書で使用される「ケラチン基質」は「ケラチン組織」または「ケラチン繊維」も包含し、本明細書で定義されるこれらのものは、ヒトケラチン繊維であり得、例えば、ヒト頭髪などの毛髪または睫毛を構成する毛髪もしくは体毛から選択され得る。
「爪用組成物」、「ネイルラッカー」、「ネイルポリッシュ」、「ネイルエナメル」、「ネイルコーティング」または「ネイルフィルム」は、爪に別個に塗布するベースコート、カラーコート、トップコート、クリアコートおよび保護コートとして、ならびに/あるいは上記のものを組み合わせて塗布するものして使用可能なネイルエナメルを指す。
「爪処理システム」は爪の表面に塗布する複数の組成物を意味する。
「爪」、「手指爪」または「足指爪」は、単一または複数の爪化粧品組成物で処理(装飾)することができる手指または足指上のヒトケラチン基質を指す。
「酸価(数)の高いポリマーまたはコポリマー」は、ポリマーの試料1グラム中に存在する酸を中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)の(ミリグラムでの)量(すなわち、1グラム当たりのKOHのmg)が多いポリマーまたはコポリマーを意味する。
「除去」または「容易な除去」は、組成物が実質的に水、アセトンまたは酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、エタノール、酢酸エチル、酢酸メチル、メチルエチルケトンに限定されないその他の有機溶媒およびその混合物で除去され得ることを意味する。
本明細書で使用される「光沢(shine)」または「光沢(gloss)」は表面の輝きを指す。光沢計は、ネイルポリッシュの分野およびその他の美容分野でよく用いられ、目的の表面またはフィルムから反射される光の量を測定するものである。光沢は、例えば20°での%反射率のように定量化され得る。
本発明による「光沢増強剤」または「光沢増加剤」は、光沢を増加させる、場合によっては、対応する量の非光沢増強原料により生じ得る何らかの光沢の減少を和らげる、または軽減することを意味する。
本明細書で使用される「スタイル」または「スタイリング」という用語は、毛髪などのケラチン繊維を特定の配置、形態もしくは外形に成形、縮毛矯正、カールまたは配置すること;またはケラチン繊維もしくはその他の基質の曲率を変化させること;またはケラチン繊維もしくはその他の基質を異なる配置、形態もしくは外形に再配置すること;またはケラチン繊維の形状もしくは外形に保持力をもたらす/維持させることを包含する。いくつかの実施形態では、繊維の外形の形状に対する保持力は、曲げ力特性の改善として表され得る。
本明細書で使用される「ケラチン繊維のスタイリング」という用語およびその変化形は、ケラチン繊維または毛髪の空間的配置、外形、曲率または形態の外観を修正する任意の手段または方法を指すものと理解される。ケラチン繊維がヒト頭髪を含む場合、「ケラチン繊維のスタイリング」または「毛髪のスタイリング」という用語はまた、毛髪にカール、ウェーブもしくはエンボスを施すこと、毛髪にスムージングもしくは縮毛矯正を施すこと、毛髪を尖らせること、またはケラチン繊維の形状もしくは外形に保持力をもたらす/維持させることを包含するものと理解される。
本明細書で使用される「置換されている」は、少なくとも1つの置換基を含むことを意味する。置換のための置換基の非限定的な例としては、酸素原子および窒素原子などの原子ならびに官能基、例えばヒドロキシル基、エーテル基、アルコキシ基、アシルオキシアルキル基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、カルボン酸基、アミン基、アシルアミノ基、アミド基、ハロゲン含有基、エステル基、チオール基、スルホン酸基、チオスルホン酸基、シロキサン基およびポリシロキサン基などが挙げられる。置換基(1つまたは複数)はさらに置換されていてよい。
本明細書で使用される「処理する」という用語(およびその文法的変化形)は、ケラチン繊維、毛髪または皮膚などのケラチン基質への本発明の組成物の塗布を指す。
本明細書の「無水」または「水を含まない」は、水が組成物中に、いくつかの実施形態では含まれていない(すなわち、0重量%である)が、組成物の総重量に基づき、約0.25重量%未満、通常約0.1重量%未満、通常約0.05重量%未満の量で存在し得ることを意味する。
本明細書で使用される「耐水性」は、原料の分解を引き起こし得る水の侵入に対する材料の耐性を意味する。本発明の評価がさらに開示される場合に実施される方法。
本明細書では、特に限定されないがポリマーおよび任意選択の成分を含めた物質に対して商品名が引用される。本発明者らは本明細書において、特定の商品名により記載および引用される物質に限定されることを意図するものではない。本明細書に記載および特許請求される方法では、等価な物質(例えば、商品名により引用されるものとは異なる供給源から異なる名称またはカタログ(参照番号)で入手されるもの)で代用してもよい。
百分率および比はいずれも、特に明示されない限り重量により算出される。百分率はいずれも、特に明示されない限り組成物の総重量に基づき、算出される。あらゆる成分または組成物のレベルは、その成分または組成物の活性レベルに関するものであり、不純物、例えば、市販の入手源中に存在し得る残留溶媒または残留副産物を除外したものである。
本発明の目的の1つは、毛髪、特に損傷した毛髪に有益な物理的特性、例えば疎水性、櫛の通りやすさなどを与える保護バリアまたはコーティングを毛髪などのケラチン基質にもたらすとともに、天然の/損傷していない毛髪を模倣さえし得る耐久性のある、または長期間持続する物理的特性を処理毛髪に与える、物質、組成物および方法を提供することである。少なくとも1つのケラチン繊維の耐久性のある非永久的成形の保持または非永久的形状の耐久性のある保持が保たれるようケラチン基質の湿度およびその他の環境条件に対する耐性を改善する、物質、組成物および方法を提供することも本発明の目的の1つである。
毛髪などのケラチン基質の非永久的形状もしくはスタイルが保持されるように、または非永久的形状またはスタイルの耐久性のある保持のために、湿気およびその他の環境条件ならびにクレンジング/洗浄に対するケラチン基質の耐性を改善する原料、組成物および方法を提供することも本発明の目的である。さらに、本発明の1つの目的は、ケラチン基質、例えば毛髪に毛髪の形状、スタイルまたは外形に保持力を与える保護バリアまたはコーティングをもたらす原料、組成物および方法を提供することである。
本発明者らは、驚くべきことに、また予想外にも、ラテックスポリマーとポリカルボジイミドとの組合せを含有する化粧用途のための組成物を毛髪などのケラチン基質に塗布すると、ある範囲の保持力(すなわち、軽度〜中程度〜強度のスタイリング保持力)を特徴とし得るスタイリング面または成形面の有益性を基質に与え得ることを発見した。
本発明者らは、驚くべきことに、また予想外にも、上記の組成物を毛髪などのケラチン基質に塗布すると、毛髪の疎水性、付着性、耐化学性、耐水性などに関する特性を増強し、基質に対して優れた性能を発揮することも発見した。
本開示の諸実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とラテックスポリマーとの組合せが毛髪の諸特性を増強し、この組合せは、コンディショニング効果(例えば、疎水性、光沢および滑らかさ)を増大させ、毛髪の強度を高め、毛髪の硬さおよび耐湿性を増大させ、損傷した毛髪のコンディションを毛髪の外観および質の改善(例えば、より滑らかな感触、より柔らかい感触、縮れの軽減、乾燥の軽減、まとまりやすさ)により改善する。さらに、本開示による組成物は、毛髪に櫛が通りやすく、かつ/または毛髪が絡まりにくいことを示す櫛通り力の有意な減少をもたらす。
本開示による組成物は、カール/成形した毛髪にパーセントカール保持の増大をもたらし、高湿度および高温に対する毛髪の耐性がいずれかの物質を単独で含む組成物と比較して高いことが示された。
本発明者らは、驚くべきことに、また予想外にも、本開示による組成物で処理しカール/成形した毛髪が毛髪のシャンプー後にもその形状を維持する(すなわち、カール保持度が同じまたはほぼ同じである)ことも発見した。
本発明者らは、驚くべきことに、また予想外にも、1つまたは複数のポリカルボジイミドおよびラテックスポリマーから選択される活性物質をそれぞれ連続的に塗布することにより、いくつかの実施形態では、毛髪を含むケラチン基質に2つの活性物質をいくつか組み合わせて一緒に塗布するよりも結果が改善されることも発見した。このような連続塗布により与えられる有益性としては、ブラッシング性の増強および湿度制御下での泡立ちの持続のうちの1つまたは複数のものが挙げられる。
本発明者らは、驚くべきことに、また予想外にも、2つ以上のラテックスポリマー、例えば陽イオン性ラテックスポリマーと非イオン性ラテックスポリマーの組合せと、ポリカルボジイミドとを一緒に含有する本発明の組成物で処理した毛髪が、ブラッシング性の増大、ブラッシング後の最初の縮れの制御および高湿度条件に曝露したときの持続的な縮れ制御効果を示すことも発見した。さらに、ラテックスポリマー2つとポリカルボジイミドとを有する組成物は、驚くべきことに、また予想外にも、ラテックスポリマー1つのみとポリカルボジイミドとを有する組成物よりも高い耐シャンプー性を示す。
また、ある重量比のポリカルボジイミドとラテックスポリマーとの間で相互作用が起こることにより、様々な物理的および機械的特性を有するフィルムまたはコーティングを形成し、ケラチン基質、例えば毛髪に塗布すると、基質に様々なスタイリング/成形保持力が得られる組成物が生じることがわかった。
さらに、特に爪を含めたケラチン基質の処理において、驚くべきことに、また予想外にも、本発明者らは、ポリカルボジイミドとラテックス、特にカルボン酸含有ラテックスポリマーとの会合がケラチン基質、特に爪に諸特性の増強をもたらすことを発見した。この会合は爪などのケラチン基質への化粧用途に有用であり、ラテックスポリマーとポリカルボジイミドとの組み合わせが互いに、かつケラチン基質と反応して、特に限定されないが、接着性、耐化学性および耐水性などを含めた諸特性を増強し、基質に対して優れた性能を発揮する。いくつかの実施形態では、本開示による水性爪用組成物は、少なくとも1つカルボン酸官能化ラテックスポリマーと少なくとも1つのポリカルボジイミドポリマーとを含む。少なくとも1つのポリカルボジイミドポリマーおよびラテックスポリマーはそれぞれ、乾燥後、爪表面上で室温にて互いに反応して架橋し、5日間にわたって架橋を継続し得る。ネイルエナメルは、他の水性ネイルエナメルと比較して優れた接着性、光沢、耐水性および硬度を有する。ネイルエナメルは容易に除去することも可能であり、このことは、溶媒系リムーバーで迅速に溶かすことができないラテックス系ネイルエナメルに有利である。
ネイルポリッシ組成物には従来、主要なフィルム形成剤であるニトロセルロースが有機溶媒とともに含まれており、この有機溶媒が強い臭いをもたらすことがある。近年、消費者は従来のニトロセルロース系ネイルエナメルを塗布および除去すると同時に、これらの溶媒の副作用に懸念を抱くようになっている。優れた耐久特性を示すラテックスフィルム形成剤のほとんどが、比較的光沢が少なく、除去しにくい特性という問題を抱えている。ラテックスフィルム形成剤の除去は、水またはアセトンに最大10分間浸漬することからなる。除去時に長時間溶媒に曝すと、爪が乾燥して脆くなることにより損傷を来たし得る。消費者は、耐久特性があるとともに、迅速かつ安全に除去でき、爪に損傷を与えない水性ネイルエナメルを求めている。ポリカルボジイミドとラテックスフィルム形成剤とを反応させることにより、爪に損傷を与えずにネイルポリッシュを容易に除去できると同時に、耐水性、接着性および耐化学性を含めた諸特性の増強がもたらされ得る。
本開示では、様々な実施形態において、ニトロセルロースも強い有機溶媒も含有しない低VOC水性ネイルエナメルが提供され、このネイルエナメルは、ポリカルボジイミドと、主要なフィルム形成剤として水性ラテックスとを含み、優れた接着性および光沢をもたらす。ポリカルボジイミドは、そのポリマー主鎖に沿ってカルボジイミド(N=C=N)基を含む多官能性ポリマーであり、このN=C=N基は室温で水性ラテックス樹脂上のカルボン酸基(−COOH)と反応して多次元的架橋網フィルムを形成することができ、それにより水性ラテックス樹脂単独と比較して耐水性、硬度および接着性を増大させることができる。
いかなる理論にも束縛されるものではないが、本開示の発明者らは、本発明のケラチン処理組成物を構成するポリカルボジイミド化合物ならびにカルボキシル官能性アクリラートラテックスポリマー、カルボキシル官能性ポリウレタンラテックスポリマー、カルボキシル官能性シリコーンラテックスポリマーおよびその混合物から選択されるラテックスポリマーが、そのような組成物を毛髪、爪または皮膚などのケラチン基質に塗布したときに互いに、かつケラチン基質と反応するものと考える。また、本開示の組成物は、ヘアケア製品、ヘアスタイリング製品、ネイルケア製品、メイクアップ製品、スキンケア製品およびサンケア製品などの美容用途に有用な保護バリアをもたらし、ケラチン基質の疎水性を改善する、または回復させることにより、毛髪および皮膚などの基質に美容性、感触および外観を大幅に向上させ、毛髪および皮膚などの基質の損傷状態を大幅に軽減するものと考えられる。
以下の説明および様々な実施例を読めば、本開示の実施形態のその他の目的、特徴、態様および利点が一層明らかになるであろう。
会合が有益な特性および美容特性(例えば、疎水性または保持力)をケラチン基質にもたらす組成物の重量濃度の範囲は、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、ポリカルボジイミド化合物とラテックスポリマーの総量約0.2重量%〜約20重量%、約0.5〜約10重量%または約1〜約5重量%である。
いくつかの実施形態では、会合が毛髪などのケラチン基質の形状または外形に疎水性および/または保持力をもたらす組成物中のポリカルボジイミドとラテックスポリマーの重量比の範囲は、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め約1:50約20:1、約1:40〜約10:1、約20:1〜約10:1、約1:10〜約10:1、約1:2〜約2:1もしくは約1:5〜約5:1または例えば約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:7、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:20、約1:40、約1:50、約50:1、約40:1、約20:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1もしくは約2:1などである。
いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミドとラテックスポリマーとを含む組成物は、基質に塗布したときにフィルムを形成し得る。フィルムは、本開示の少なくとも特定の実施形態では、約0.05MPa〜約5GPaの範囲内のヤング率および/または0.6MPaの応力下での最大約50%超、例えば最大約300%までの範囲の歪を有し得る。単なる例を挙げれば、フィルムは、約500MPa〜約5GPaの範囲内のヤング率および0.6MPaの応力下での約0.001%〜約1%未満の範囲内の歪を有し得る。
さらに例を挙げれば、フィルムは、約100MPa〜約800MPa、約100MPa〜約700MPaまたは約150MPa〜約675MPaの範囲内のヤング率を有し得る。いくつかの例では、フィルムは、約150MPa、約175MPa、約200MPa、約250MPa、約300MPa、約350MPa、約400MPa、約450MPa、約500MPa、約550MPa、600MPa、約650MPa、約700MPa、約750MPaまたは約800MPaのヤング率を有し得る。
いくつかの例では、ポリカルボジイミドとラテックスポリマーの比が約1:1〜約1:3〜約1:5である組成物により形成されるフィルムは、約175MPa〜約675MPaの範囲内のヤング率を有し、いくつかのこのような実施形態では、ポリカルボジイミドとラテックスポリマーの比が1:1に近づくにつれてヤング率が大きくなる。
さらに例を挙げれば、フィルムは、約0.05MPa〜約100MPaの範囲内のヤング率および0.6MPaの応力下での約0.1%〜約50%超または約0.1%〜約1%の範囲内の歪を有し得る。さらに例を挙げれば、フィルムは、約0.05MPa〜約10MPaの範囲内のヤング率および0.6MPaの応力下での約1%〜約50%超または約1%〜約5%の範囲内の歪を有し得る。
ポリカルボジイミド化合物
カルボジイミド基は、一般に式(I):
*−(N=C=N)−*
(I)
によって表される直鎖状の三原子部分である。
カルボジイミド基は、一般に式(I):
*−(N=C=N)−*
(I)
によって表される直鎖状の三原子部分である。
少なくとも1つの窒素が主鎖または他の架橋基と結合するか、またはその中に組み込まれて、少なくとも2つのカルボジイミド基を有する分子を生じる。
ポリカルボジイミド
一実施形態では、上記のように少なくとも2つのカルボジイミド単位からなるポリカルボジイミドを式(II):
によって表すことができ、
式中、X1およびX2はそれぞれ独立して、O、SまたはNHを表す。R1およびR2は、1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)の窒素、硫黄および酸素などのヘテロ原子を含む炭化水素基およびイオン性もしくは非イオン性のセグメントであり得る直鎖状もしくは分岐鎖状および環状もしくは非環状の基または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る一部もしくは全部がフッ素化された炭化水素基から選択され;nおよびzはそれぞれ独立して、0〜20の整数であり;L1(カルボジイミド基のリンカー)は、C1〜C18二価脂肪族炭化水素基、C3〜C13二価脂環式炭化水素基、C6〜C14二価芳香族炭化水素基およびC3〜C12二価複素環基から選択され;複数のL1は互いに同一であっても異なっていてもよく、別の実施形態では、式(II)のL1は、C1〜C18二価脂肪族炭化水素基、C3〜C13二価脂環式炭化水素基、m−テトラメチルキシリレンから選択されないC6〜C14二価芳香族炭化水素基およびC3〜C12二価複素環基から選択され;複数のL1は互いに同一であっても異なっていてもよく;
Eは以下の式
O−R3−O;S−R4−S;および
R5−N−R4−N−R5;
から選択されるラジカルであり、
式中、R3およびR4はそれぞれ独立して、ハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)(すなわち、鎖中で炭素のみと結合している)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る、芳香族ラジカル、脂環式ラジカル、アリールラジカルおよびアルキルラジカル(直鎖状または分岐鎖状)を含めた炭化水素ラジカルであり、R5は、水素あるいはハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)(すなわち、鎖中で炭素のみと結合している)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る炭化水素ラジカルである。
一実施形態では、上記のように少なくとも2つのカルボジイミド単位からなるポリカルボジイミドを式(II):
式中、X1およびX2はそれぞれ独立して、O、SまたはNHを表す。R1およびR2は、1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)の窒素、硫黄および酸素などのヘテロ原子を含む炭化水素基およびイオン性もしくは非イオン性のセグメントであり得る直鎖状もしくは分岐鎖状および環状もしくは非環状の基または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る一部もしくは全部がフッ素化された炭化水素基から選択され;nおよびzはそれぞれ独立して、0〜20の整数であり;L1(カルボジイミド基のリンカー)は、C1〜C18二価脂肪族炭化水素基、C3〜C13二価脂環式炭化水素基、C6〜C14二価芳香族炭化水素基およびC3〜C12二価複素環基から選択され;複数のL1は互いに同一であっても異なっていてもよく、別の実施形態では、式(II)のL1は、C1〜C18二価脂肪族炭化水素基、C3〜C13二価脂環式炭化水素基、m−テトラメチルキシリレンから選択されないC6〜C14二価芳香族炭化水素基およびC3〜C12二価複素環基から選択され;複数のL1は互いに同一であっても異なっていてもよく;
Eは以下の式
O−R3−O;S−R4−S;および
R5−N−R4−N−R5;
から選択されるラジカルであり、
式中、R3およびR4はそれぞれ独立して、ハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)(すなわち、鎖中で炭素のみと結合している)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る、芳香族ラジカル、脂環式ラジカル、アリールラジカルおよびアルキルラジカル(直鎖状または分岐鎖状)を含めた炭化水素ラジカルであり、R5は、水素あるいはハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)(すなわち、鎖中で炭素のみと結合している)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る炭化水素ラジカルである。
R1およびR2の例は、グリコール酸メチル、乳酸メチル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジアルキルアミノアルコールであり得る。
L1の例は、トリレン、ヘキサメチレン、水素化キシリレン、キシリレン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン、1,12−ドデカン、ノルボルナン、2,4−ビス−(8−オクチル)−1,3−ジオクチルシクロブタン、4,4’−ジシクロヘキシルメタン、テトラメチルキシリレン、イソホロン、1,5−ナフチレン、4、4’ジフェニルメタン、4、4’ジフェニルジメチルメタン、フェニレンのジラジカルであり得る。
ポリカルボジイミドは、複数のカルボジイミド基がポリマー主鎖に付加されたポリマーを含み得る。例えば、米国特許第5,352,400号(その開示は全体が記載された場合と同様にあらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる)には、アルファ−メチルスチリル−イソシアナートから誘導されたポリマーおよびコポリマーが開示されている。このようなポリマーは式(III)
で表され、式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基(いくつかの特定の実施形態では1〜24個の炭素原子を有する)である。
別の実施形態では、本開示によるポリカルボジイミドは、式(IV)で示されるような分岐鎖構造を有するポリカルボジイミドおよびTechnology for Waterborne Coatings,E.J.Glass編,ACS Symposium 663,1997の第8章;The Application of Carbodiimide Chemistry〜Coating,by J.W.TaylorおよびD.R.Bassett(その開示は全体が記載された場合と同様にあらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている分岐鎖構造を有するポリカルボジイミドを含む。
一実施形態では、本開示の組成物は、m−テトラメチルキシリレンから選択されるリンカーL1を有するポリカルボジイミドを用いないものである。
適切なポリカルボジイミド化合物としては、特に限定されないが、供給業者のNisshinbo社、Picassian社および3M社から販売されているものが挙げられる。特に適切なポリカルボジイミド化合物としては、特に限定されないが、Nisshinbo社から市販されCARBODILITEシリーズ、V−02、V02−L2、SV−02、E−02、V−10、SW−12G、E−03Aの名称で知られるものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリカルボジイミドは、式(II)の化合物から選択され、L1(カルボジイミド基のリンカー)が、C1〜C18二価脂肪族炭化水素基、C3〜C13二価脂環式炭化水素基、C3〜C12二価複素環基またはC6〜C14二価芳香族炭化水素基を表し、複数のL1が互いに同一であっても異なっていてもよい。
他の実施形態では、本開示のポリカルボジイミドは、式(II)の化合物から選択され、式中、L1はm−テトラメチルキシリレンから選択されない。
ある特定の実施形態では、本開示の組成物は、m−テトラメチルキシリレンから選択されるリンカーL1を有するポリカルボジイミドを含まない。
いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は、本開示による組成物中に約0.1%〜約10%、いくつかの実施形態では約0.1%〜約8%、いくつかのさらなる実施形態では約0.1%〜約6%の範囲の量で存在する。いくつかの代表的な実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は、約0.1%〜約5%および約0.2%〜約3%存在する。また別の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は少なくとも0.25%存在する。また別の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は少なくとも0.22%〜最大約10%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は、約3%、約2.75%、約2.5%または約2%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約0.75%または約0.5%存在する。いくつかの他の特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約0.25%存在する。このような組成物の具体例としては、毛髪に塗布するための組成物が挙げられる。
したがって、ポリカルボジイミド化合物は、中および間の増分および範囲を含め、約0.1重量パーセント、0.2重量パーセント、0.3重量パーセント、0.4重量パーセント、0.5重量パーセント、0.6重量パーセント、0.7重量パーセント、0.8重量パーセント、0.9重量パーセント、1重量パーセント、2重量パーセント、3重量パーセント、4重量パーセント、5重量パーセント、6重量パーセント、7重量パーセント、8重量パーセント、9重量パーセント〜約10重量パーセント存在し得る。
いくつかの他の実施形態では、特に爪への塗布に関して、ポリカルボジイミドは通常、本開示の組成物中に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約1重量%〜約30重量%、いくつかの実施形態では約5重量%〜約20重量%、いくつかの実施形態では約6重量%〜約15重量%の量で存在する。
したがって、様々な実施形態では、本開示の組成物中のポリカルボジイミドの量は、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約0.25重量%、0.5重量%、0.55重量%、0.9重量%、1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%、3重量%、3.5重量%、4重量%、4.5重量%、5重量%、5.5重量%、6重量%、6.5重量%、7重量%、7.5重量%、8重量%、8.5重量%、9重量%、9.5重量%、10重量% 12重量%、14重量%、15重量%、16重量%、18重量%、20重量%および30重量%である。
ラテックスポリマー
本開示による組成物は1つまたは複数のラテックスポリマーを含む。これらのラテックスポリマーは、アクリラートラテックスポリマー、ポリウレタンラテックスポリマー、シリコーンラテックスポリマーおよびその混合物から選択され得るカルボキシル官能性ラテックスポリマーから選択され得る。カルボキシル官能性ポリマーから選択されるラテックスポリマーは、非アクリラート型、非ポリウレタン型または非シリコーン型のラテックスポリマーに属するものであってもよい。
本開示による組成物は1つまたは複数のラテックスポリマーを含む。これらのラテックスポリマーは、アクリラートラテックスポリマー、ポリウレタンラテックスポリマー、シリコーンラテックスポリマーおよびその混合物から選択され得るカルボキシル官能性ラテックスポリマーから選択され得る。カルボキシル官能性ポリマーから選択されるラテックスポリマーは、非アクリラート型、非ポリウレタン型または非シリコーン型のラテックスポリマーに属するものであってもよい。
様々な実施形態では、本発明の1つまたは複数のラテックスポリマーは、フィルム形成ラテックスポリマーまたは非フィルム形成ラテックスポリマーであり得る。
本開示による様々な実施形態では、ラテックスポリマーは、ポリマー活性物質(乾燥重量基準)として、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約0.1%〜約10重量%、約0.1%〜約8重量%または約0.1%〜約6重量%の範囲の量で存在する。いくつかの代表的な実施形態では、ラテックスポリマーは、約0.25%〜約10%および約0.5%〜約5%存在する。また別の実施形態では、ラテックスポリマーは少なくとも0.5%存在する。また別の実施形態では、ラテックスポリマーは少なくとも0.5%〜最大約40%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ラテックスポリマーは約1.5%存在する。いくつかの他の特定の実施形態では、ラテックスポリマーは約0.75%存在する。いくつかの他の特定の実施形態では、ラテックスポリマーは約0.25%存在する。
その他の様々な実施形態では、ラテックスポリマーをポリマー活性物質(乾燥重量基準)として、組成物の総重量に基づき、約0.10重量パーセント、0.15重量パーセント、0.18重量パーセント、0.2重量パーセント、0.25重量パーセント、0.30重量パーセント、0.33重量パーセント、0.37重量パーセント、0.40重量パーセント、0.45重量パーセント、0.5重量パーセント、0.55重量パーセント、0.6重量パーセント、0.67重量パーセント、0.70重量パーセント、0.75重量パーセント、0.8重量パーセント、0.85重量パーセント、0.90重量パーセント、0.95重量パーセント、1重量パーセント、1.2重量パーセント、1.3重量パーセント、1.4重量パーセント、1.5重量パーセント、1.6重量パーセント、1.67重量パーセント、1.70重量パーセント、1.8重量パーセント、1.9重量パーセント、2重量パーセント、2.2重量パーセント、2.3重量パーセント、2.4重量パーセント、2.5重量パーセント、2.6重量パーセント、2.7重量パーセント、2.8重量パーセント、2.9重量パーセント、3重量パーセント、3.1重量パーセント、3.2重量パーセント、3.3重量パーセント、3.4重量パーセント、3.5重量パーセント、3.6重量パーセント、3.7重量パーセント、3.7重量パーセント、3.8重量パーセント、3.9重量パーセント、4重量パーセント、4.1重量パーセント、4.2重量パーセント、4.3重量パーセント、4.4重量パーセント、4.5重量パーセント、4.6重量パーセント、4.7重量パーセント、4.8重量パーセント、4.9重量パーセント、5重量パーセント、5.1重量パーセント、5.2重量パーセント、5.3重量パーセント、5.4重量パーセント、5.5重量パーセント、5.6重量パーセント、5.7重量パーセント、5.8重量パーセント、5.9重量パーセント、6重量パーセント、6.25重量パーセント、6.5重量パーセント、6.75重量パーセント、7重量パーセント、7.25重量パーセント、7.5重量パーセント、7.75重量パーセント、8重量パーセント、8.25重量パーセント、8.5重量パーセント、8.75重量パーセント、9重量パーセント、9.5重量パーセントおよび10重量パーセントの量で用い得る。
本開示の少なくとも特定の実施形態では、本開示の組成物を調製する前に1つまたは複数のラテックスポリマーを水分散液の形態で準備する。様々な実施形態では、水分散液はモノマーの乳化重合により得られるものであり得、得られたラテックスポリマーは粒子径が約1ミクロン未満である。少なくとも1つの例示的実施形態では、重合可能な二重結合を有する1つまたは複数のモノマーを水中で重合させることにより調製された分散液を選択し得る。別の例示的実施形態では、乳化重合により得られた水分散液を噴霧乾燥し得る。
他の実施形態では、モノマー間の縮合反応によりラテックスポリマーを作製し、次いで水性媒体中に分散させる。
したがって、ラテックスポリマーは、様々な例示的実施形態では、水性分散媒などの分散媒中に分散したポリマー粒子として存在し得る。ラテックスポリマーを、特定の実施形態では、それぞれ個別の分散媒中に分散させ得る。さらなる実施形態では、ラテックスポリマーを同じ分散媒中に一緒に分散させ得る。
分散媒は、水から選択される少なくとも1つの溶媒を含む。分散媒は、化粧品に許容される有機溶媒から選択される少なくとも1つの溶媒をさらに含み得る。化粧品に許容される有機溶媒は、様々な実施形態では、水混和性のもの、例えば、見た目には透明または実質的に透明な均一な混合物を25℃で形成することが可能なものであり得る。例えば、化粧品に許容される有機溶媒は、低級モノアルコール、例えば約1〜5個の炭素原子を含む低級モノアルコールなど、例えばエタノールおよびイソプロパノール;グリコールを含めたポリオール、例えば約2〜8個の炭素原子を含むものなど、例えばプロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコールおよびグリセリン;炭化水素、例えばイソドデカンおよび鉱油など;ならびにシリコーン、例えばジメチコン、シクロメチコンおよびシクロペンタシロキサン;ならびにその混合物から選択され得る。
少なくとも1つの実施形態では、分散媒の溶媒は水からなる。他の実施形態では、分散媒の溶媒は、水と少なくとも1つの化粧品に許容される有機溶媒とからなる。さらなる実施形態では、溶媒は水を含む。さらなる実施形態では、分散媒の溶媒は主として水を含む。例えば、分散媒の溶媒は、少なくとも特定の例示的実施形態では50%超の水、例えば55%超の水、60%超の水、65%超の水、70%超の水、75%超の水、80%超の水、85%超の水、90%超の水、95%超の水、96%超の水、97%超の水、98%超の水または99%超の水などを含み得る。
本開示による実施形態では、ラテックスポリマー(a)粒子は分散媒の溶媒に可溶性ではない、すなわち、水溶性ではなく、かつ/または少なくとも1つの化粧品に許容される有機溶媒に可溶性ではない。したがって、ラテックスポリマーは、選択した1つまたは複数の溶媒中でその粒子形態を保持する。
少なくとも特定の例示的実施形態では、本開示によるラテックスポリマー(a)粒子は、最大約1000nm、例えば約50nm〜約800nmまたは約100nm〜約500nmの範囲内の平均径を有し得る。このような粒子径はレーザー粒度計(例えば、Brookhaven BI90)で測定され得る。
様々な実施形態では、ラテックスポリマーは独立して、中和されている、一部中和されている、または中和されていないものであり得る。ラテックスポリマーが中和されている、または一部中和されている例示的実施形態では、粒子径は例えば約800nm超であり得る。少なくとも特定の実施形態では、分散媒中でラテックスポリマーの粒子形態が保持されている。
さらなる実施形態では、ラテックスポリマーは非荷電ラテックスポリマーおよび荷電ラテックスポリマーから選択され得る。したがって、ラテックスポリマーは、様々な例示的実施形態では、非イオン性ラテックスポリマー、陽イオン性ラテックスポリマー、陰イオン性ラテックスポリマーおよび両性ラテックスポリマーから選択され得る。
使用し得るカルボキシル官能性ラテックスポリマーの非限定的な例としては、アクリラートラテックスポリマー、ポリウレタンラテックスポリマーおよびシリコーンラテックスポリマーが独立して挙げられる。
ある特定の実施形態では、本発明のラテックスポリマーは、アクリラートラテックスポリマーもしくはポリウレタンラテックスポリマーまたはその混合物から選択されるカルボキシル官能性ラテックスポリマーである。
単なる非限定的な例を挙げれば、ラテックスポリマーは、アクリラートラテックスポリマー、例えばモノマー、(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー、不飽和モノカルボン酸および不飽和ジカルボン酸から選択されるエチレン性不飽和モノマーの単独重合または共重合から得られるものなどから選択され得る。本明細書で使用される「(メタ)アクリル」およびその変化形は、アクリルまたはメタクリルを意味する。
(メタ)アクリルモノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸および無水マレイン酸から選択され得る。(メタ)アクリルモノマーのほかの非限定的な例としては、C1〜C8アルキル(メタ)アクリルモノマー、例えば、メチル(メタ)アクリルモノマー、エチル(メタ)アクリルモノマー、プロピル(メタ)アクリルモノマー、イソプロピル(メタ)アクリルモノマー、ブチル(メタ)アクリルモノマー、tert−ブチル(メタ)アクリルモノマー、ペンチル(メタ)アクリルモノマー、イソペンチル(メタ)アクリルモノマー、ネオペンチル(メタ)アクリルモノマー、ヘキシル(メタ)アクリルモノマー、イソヘキシル(メタ)アクリルモノマー、2−エチルヘキシル(メタ)アクリルモノマー、シクロヘキシル(メタ)アクリルモノマー、イソヘキシル(メタ)アクリルモノマー、ヘプチル(メタ)アクリルモノマー、イソヘプチル(メタ)アクリルモノマー、オクチル(メタ)アクリルモノマー、イソオクチル(メタ)アクリルおよび上記のいずれかのモノマーの組合せなどが挙げられる。
(メタ)アクリルモノマーのエステルは、非限定的な例として、C1〜C8アルキル(メタ)アクリラート、例えばメチル(メタ)アクリラート、エチル(メタ)アクリラート、プロピル(メタ)アクリラート、イソプロピル(メタ)アクリラート、ブチル(メタ)アクリラート、tert−ブチル(メタ)アクリラート、ペンチル(メタ)アクリラート、イソペンチル(メタ)アクリラート、ネオペンチル(メタ)アクリラート、ヘキシル(メタ)アクリラート、イソヘキシル(メタ)アクリラート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリラート、シクロヘキシル(メタ)アクリラート、イソヘキシル(メタ)アクリラート、ヘプチル(メタ)アクリラート、イソヘプチル(メタ)アクリラート、オクチル(メタ)アクリラート、イソオクチル(メタ)アクリラート、アリル(メタ)アクリラートおよびその組合せであり得る。ほかの非限定的な例としては、C1〜C8アルコキシ(メタ)アクリラート、例えばメトキシ(メタ)アクリラート、エトキシ(メタ)アクリラート、プロピルオキシド(メタ)アクリラート、イソプロピルオキシド(メタ)アクリラート、ブチルオキシド(メタ)アクリラート、tert−ブチルオキシド(メタ)アクリラート、ペンチルオキシド(メタ)アクリラート、イソペンチルオキシド(メタ)アクリラート、ネオペンチルオキシド(メタ)アクリラートなどが挙げられる。エステルは、非限定的な例として、C2〜C6ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、グリシジル(メタ)アクリラート、エチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリラート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリラート、1,6,ヘキサンジオールジ(メタ)アクリラートおよびその任意の組合せであり得る。エステルは、非限定的な例として、アリール(メタ)アクリラート、例えばベンジル(メタ)アクリラート、フェニル(メタ)アクリラートおよびその任意の組合せであり得る。エステルは、アミノ基、例えばアミノエチル(メタ)アクリラート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリラート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリラート、N,N−ジメチルアミノジメチルプロピル(メタ)アクリラート、N,N−ジエチレアミノエチル(diethyleaminoethyl)(メタ)アクリラートおよびN,N,N−トリメチルアミノエチル(メタ)アクリラートなど;ならびにエチレン性アミンの塩をさらに含み得る。
少なくとも特定の例示的実施形態では、エステルのアルキル基は、フッ素化または過フッ素化されていてよく、例えば、アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されている。モノマーは、フッ素含有モノマー、例えば非限定的な例として、トリフルオロエチルメタクリラート,2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリラート,2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリラート,ペルフルオロオクチルメタクリラートおよびペルフルオロオクチルアクリラートなど;ならびにシリコーンマクロモノマーであってもよい。
(メタ)アクリルモノマーのアミドは、例えば、(メタ)アクリルアミド、特にN−アルキル(メタ)アクリルアミド、特にN−(C1〜C12)アルキル(メタ)アクリル酸、例えばN−エチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドおよびN−ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどおよびその任意の組合せで作製されたものであり得る。
ビニルモノマーとしては、特に限定されないが、シアン化ビニル化合物、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなど;ビニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニルおよびt−ブチル安息香酸ビニル、シアヌル酸トリアリルなど;ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニルおよび塩化ビニリデンなど;芳香族モノビニルまたはジビニル化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼンおよびフタル酸ジアリルならびにその組合せなどが挙げられる。その他の非限定的なイオン性モノマーとしては、パラ−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピルスルホン酸が挙げられる。
記載したモノマーのリストは限定的なものではなく、(シリコーン鎖で修飾したモノマーを含めた)アクリルモノマーおよび/またはビニルモノマーを含む当業者に公知の任意のモノマーを使用することが可能であることを理解するべきである。
少なくとも特定の非限定的な例示的実施形態では、カルボキシル官能性アクリラートラテックスポリマーは、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー(INCI:アクリラートコポリマー、例えばBASF社のLUVIFLEX(登録商標)SOFTなど)、PEG/PPG−23/6シトラコン酸ジメチコン/C10〜30アルキルPEG−25メタクリラート/アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチル/トリメチロールプロパンPEG−15トリアクリラートコポリマー(INCI:ポリアクリラート−2クロスポリマー、例えばLubrizol社のFIXATE SUPERHOLD(商標)など)、スチレン/アクリルコポリマー(Dow Chemical社のAcudyne Shineなど)、アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸/メタクリル酸コポリマー(INCI:アクリラート/アクリル酸エチルヘキシルコポリマー、例えばDaito Kasei Kogyo社のDAITOSOL 5000SJなど)、アクリル/アクリラートコポリマー(INCI名:アクリラートコポリマー、例えばDaito Kasei Kogyo社のDaitosol 5000ADなど)、アクリラートコポリマー、例えば商品名Dermacryl AQF(Akzo Nobel社)、商品名LUVIMER(登録商標)MAE(BASF社)または商品名BALANCE CR(AKZO NOBEL社)として知られるものなど、商品名ACUDYNE180 POLYMWE(Dow Chemical社)として知られるアクリラート/ヒドロキシエステルアクリラートコポリマー、Dow Chemical社の商品名ACUDYNE BOLDとして知られるスチレン/アクリラートコポリマー、Interpolymer社の商品名SYNTRAN PC5620 CGとして知られるスチレン/アクリラート/アンモニウムメタクリラートコポリマーおよびその混合物の水分散液から選択され得る。
さらなる例示的な非限定的実施形態では、フィルム形成ラテックスポリマーは、カルボキシル官能性ポリウレタンラテックスポリマー、例えば水性ポリウレタン分散液などから選択され得る。これらのポリウレタンは、従来の方法でプレポリマー(i)と共反応物(ii)とを反応させて終端またはペンダントカルボキシル官能性ポリウレタンポリマーを生成させることにより形成される。プレポリマー(i)は式(I’’’):
の構造を有し得るものであり、式中、R1はジヒドロキシル官能性化合物の二価ラジカルから選択され、R2は脂肪族ポリイソシアナートまたは脂環式ポリイソシアナートの炭化水素ラジカルから選択され、R3は、任意選択でイオン性または潜在的にイオン性の基で置換された約0〜約5の範囲内の低分子量ジオールのラジカルから選択され、mは約1より大きい。
二価ラジカルR1をもたらすのに適したジヒドロキシル化合物としては、少なくとも2つのヒドロキシ基を有し、約700〜約16,000、例えば約750〜約5000などの数平均分子量を有するものが挙げられる。高分子量化合物の非限定的な例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリヒドロキシポリカルボナート、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリラート、ポリヒドロキシポリエステルアミド、ポリヒドロキシポリアルカジエンおよびポリヒドロキシポリチオエーテルが挙げられる。様々な実施形態では、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリヒドロキシポリカルボナートが選択され得る。このような化合物の混合物も本開示の範囲内にある。
ポリエステルジオール(1つまたは複数)は任意選択で、脂肪族、脂環式もしくは芳香族ジカルボン酸もしくはポリカルボン酸またはその無水物;および二価アルコール、例えば脂肪族ジオール、脂環式ジオールまたは芳香族ジオールから選択されるジオールなどから調製し得る。
脂肪族ジカルボキシル酸または脂肪族ポリカルボンは、例えば、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、イタコン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、マロン酸、2,2−ジメチルマロン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボランジカルボン酸、ジグリコール酸、チオジプロピオン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オキサン(oxanic)酸、o−フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸またはトリメリット酸から選択され得る。
酸無水物は、さらなる例示的実施形態では、無水o−フタル酸、無水トリメリット酸もしくは無水コハク酸またはその混合物から選択され得る。単なる非限定的な例を挙げれば、ジカルボン酸はアジピン酸であり得る。
二価アルコールは、例えば、エタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコールおよびその混合物から選択され得る。脂環式および/または芳香族ジヒドロキシル化合物もポリエステルポリオール(1つまたは複数)の調製のための二価アルコール(1つまたは複数)として適し得る。
ポリエステルジオールは、少なくとも特定の実施形態ではラクトンまたはラクトン混合物、例えばブチロラクトン、ε−カプロラクトンおよび/またはメチル−ε−カプロラクトンなどと、適切な多官能性、例えば二官能性の出発分子、例えば上記の二価アルコールなどとの付加反応によって得られる、ラクトンのホモポリマーまたはコポリマーからも選択され得る。少なくともいくつかの実施形態では、対応するε−カプロラクトンのポリマーが選択され得る。
ポリエステルポリオール、例えばポリエステルジオールであるラジカルR1は、アジピン酸などのジカルボン酸と、ポリオール、例えば、ヘキサンジオールなどのジオール、ネオペンチルグリコールおよびその混合物との重縮合によって得られるものであり得る。
ヒドロキシル基を含有するポリカルボナートは、それ自体が既知のもの、例えば、(1,3)−プロパンジオール、(1,4)−ブタンジオールおよび/または(1,6)−ヘキサンジオールなどのジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールと、ジアリールカルボナート、例えばジフェニルカルボナートまたはホスゲンと反応させることにより得られる生成物などを含む。
任意選択のポリエーテルポリオールは、任意の既知の方法で、反応性水素原子を含む出発化合物とアルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド;プロピレンオキシド;ブチレンオキシド;スチレンオキシド;テトラヒドロフラン;もしくはエピクロロヒドリンなどまたは上記のアルキレンオキシの混合物とを反応させることにより得られるものであり得る。少なくとも特定の実施形態では、ポリエーテルはエチレンオキシド単位を最大約10重量%含む。例えば、エチレンオキシドを付加せずに得られるポリエーテルが選択され得る。
本開示の様々な実施形態では、ビニルポリマーで修飾したポリエーテルも適している。このタイプの生成物は、例えば米国特許第3,383,351号;同第3,304,273号;同第3,523,095号;同第3,110,695号;および独国特許第1152536号に記載されているように、例えばポリエーテルの存在下でのスチレンとアクリロニトリルの重合により得ることができる。
選択され得るポリチオエーテルとしては、チオジグリコール自体ならびに/あるいはチオジグリコールと他のグリコール、ジカルボン酸、ホルムアルデヒド、アミノカルボン酸および/またはアミノアルコールとから得られる縮合物が含まれる。得られる生成物は、共成分に応じて混合ポリチオエーテル、ポリチオエーテルエステルまたはポリチオエーテルエステルアミドのいずれかである。
任意選択のポリアセタールとしては、特に限定されないが、アルデヒド、例えばホルムアルデヒドならびにグリコール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エトキシ化4,4’−(ジヒドロキシ)ジフェニル−ジメチルメタンおよび(1,6)−ヘキサンジオールなどから調製することができる化合物が挙げられる。本開示の様々な非限定的実施形態で有用なポリアセタールは、環状アセタールの重合により調製することもできる。
任意選択のポリヒドロキシポリエステルアミドおよびポリアミンとしては、例えば、飽和もしくは不飽和多塩基カルボン酸またはその無水物から、および飽和または不飽和多価アミノアルコールから、ジアミンから、またはポリアミンから得られる主として直鎖状の縮合物ならびにその混合物が挙げられる。
ヒドロキシル官能基を有するポリアクリル酸生成のための任意選択のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、2−ヒドロキシエチルアクリラート、2−ヒドロキシエチルメタクリラート、2−ヒドロキシプロピルアクリラート、2−ヒドロキシプロピルメタクリラート、3−ヒドロキシプロピルアクリラート、3−ヒドロキシプロピルメタクリラート、グリシジルアクリラート、グリシジルメタクリラート、2−イソシアナトエチルアクリラートおよび2−イソシアナトエチルメタクリラートを含む。
ジヒドロキシ化合物の混合物も選択され得る。
炭化水素系ラジカルR2をもたらすための任意選択のポリイソシアナートとしては、例えば、約100〜約1500、例えば約112〜約1000または約140〜約400などの範囲内の分子量を有する有機ジイソシアナートが挙げられる。
任意選択のジイソシアナートは一般式R2(NCO)2から選択され、式中、R2は、約4〜18個の炭素原子を含む二価脂肪族炭化水素基、約5〜15個の炭素原子を含む二価脂環式炭化水素基、約7〜15個の炭素原子を含む二価芳香族炭化水素基または約6〜15個の炭素原子を含む二価芳香族炭化水素基を表す。選択され得る有機ジイソシアナートの例としては、特に限定されないが、テトラメチレンジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアナートおよびシクロヘキサン−1,4−ジイソシアナート、1−イソシアナート−3−イソシアナート−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアナートまたはIPDI)、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)−メタン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンおよび1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンおよびビス(4−イソシアナート−3−メチルシクロヘキシル)メタンが挙げられる。ジイソシアナートの混合物を使用してもよい。
少なくとも特定の実施形態では、ジイソシアナートは、脂肪族ジイソシアナートおよび脂環式ジイソシアナートから選択される。例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートおよびジシクロヘキシルメタンジイソシアナートならびにその混合物が選択され得る。
ジオール、例えば低分子量ジオールであるR3の使用は、少なくとも特定の実施形態では、ポリマー鎖を硬化させる。「低分子量ジオール」という表現は、約50〜約800、例えば約60〜700または約62〜200などの範囲内の分子量を有するジオールを意味する。これらは、様々な実施形態では、脂肪族基、脂環式基または芳香族基を含み得る。特定の例示的実施形態では、化合物は脂肪族基のみを含む。選択され得るジオールは、任意選択で最大約20個の炭素原子を有し得るものであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ヘキサン−1,6−ジオール、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、水素化ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)およびその混合物から選択され得る。例えば、R3はネオペンチルグリコールから誘導され得る。
任意選択で、低分子量ジオールはイオン性または潜在的にイオン性の基を含み得る。イオン性または潜在的にイオン性の基を含む適切な低分子量ジオールは、米国特許第3,412,054号に開示されているものから選択され得る。様々な実施形態では、化合物は、ジメチロール−ブタン酸(DMBA)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)およびカルボキシル含有カプロラクトンポリエステルジオールから選択され得る。イオン性または潜在的にイオン性の基を含む低分子量ジオールが選択される場合、それらは例えば、ポリウレタン分散液中、ポリウレタン1グラム当たり約0.30meq未満の−COOHが存在する量で使用され得る。少なくとも特定の例示的な非限定的実施形態では、イオン性または潜在的にイオン性の基を含む低分子量ジオールを使用しない。
共反応物(ii)は、官能基、例えばカルボキシル基よりもイソシアナート基と優先的に反応するようになっているヒドロキシ基またはアミン基など、いくつかの実施形態では第一級アミンを含む、式:
X−R4−X X=OH、NH2
の化合物であり、式中、R4は、任意選択でイオン性の基または潜在的にイオン性の基で置換された二価脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す。様々な実施形態では、化合物は、任意選択でアルキレンジアミン、例えばヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミンおよびピペラジンなどから選択され得る。様々な実施形態では、化合物は、任意選択でアルキレンジオール、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール(1,4−BDOまたはBDO)、1,6−ヘキサンジオールなどから選択され得る。
X−R4−X X=OH、NH2
の化合物であり、式中、R4は、任意選択でイオン性の基または潜在的にイオン性の基で置換された二価脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す。様々な実施形態では、化合物は、任意選択でアルキレンジアミン、例えばヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミンおよびピペラジンなどから選択され得る。様々な実施形態では、化合物は、任意選択でアルキレンジオール、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール(1,4−BDOまたはBDO)、1,6−ヘキサンジオールなどから選択され得る。
本明細書で使用されるイオン性または潜在的にイオン性の基としては、三元または第四級アンモニウム基を含む基、そのような基に変換可能な基、カルボキシル基、カルボキシラート基、スルホン酸基およびスルホナート基が挙げられる。上記のタイプの塩の基に変換可能な基の少なくとも部分的な変換は、水との混合前または混合時に起こり得る。ジメチロールブタン酸(DMBA)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)または少ない当量のグリコールもしくはカルボキシル含有カプロラクトンポリエステルジオールと反応する過剰当量のジカルボン酸を含むカルボキシル官能性ポリエステルから特別の化合物が選択され得る。
R1、R2、R3、R4は独立して、少なくとも1つのカルボキシル基を有し得る。
非限定的な例として、このようなラテックスとしては、特に限定されないが、イソフタル酸/アジピン酸/ヘキシレングリコール/ネオペンチルグリコール/ジメチロールプロパン酸/イソホロンジイソシアナートコポリマー(INCI名:ポリウレタン−1、例えばBASF社のLUVISET(登録商標)P.U.Rなど)、ヘキシレングリコールモノマー、ネオペンチルグリコールモノマー、アジピン酸モノマー、飽和メチレンジフェニルジイソシアナートモノマーおよびジメチロールプロパン酸モノマーのコポリマー(INCI名:ポリウレタン2)、PPG−17モノマー、PPG−34モノマー、イソホロンジイソシアナートモノマーおよびジメチロールプロパン酸モノマーのコポリマー(INCI名:ポリウレタン4)、イソフタル酸モノマー、アジピン酸モノマー、ヘキシレングリコールモノマー、ネオペンチルグリコールモノマー、ジメチロールプロパン酸モノマー、イソホロンジイソシアナートモノマーおよびビス−エチルアミノイソブチル−ジメチコンモノマーのコポリマー(INCI名:ポリウレタン6)、イソホロンジイソシアナート、シクロヘキサンジメタノール、ジメチロールブタン酸、ポリアルキレングリコールおよびN−メチルジエタノールアミンコポリマー(INCI名:ポリウレタン10)、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびイソシアナートメチルエチルベンゼンコポリマー(INCI名:ポリウレタン12)、プロピレンオキシド、エチレンオキシドおよびPEG/PPG−17/3コポリマーと反応させたイソホロンジイソシアナート、ジメチロールプロピオン酸および4,4’−イソプロピリデンジフェノール(INCI名:ポリウレタン14)、イソホロンジイソシアナート、アジピン酸、トリエチレングリコールおよびジメチロールプロピオン酸コポリマー(INCI名:ポリウレタン15)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサン二酸、メチレンジシクロヘキサンジイソシアナートおよび2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロパン酸とのポリマー、加水分解したトリス(2−ヒドロキシエチル)アミン塩、1,2−エタンジアミンとの反応産物(INCI名:ポリウレタン17)の水性ポリウレタン分散液が挙げられ、ポリウレタン−27は、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロヒドロキシエチルエーテルとイソホロンジイソシアナート(IPDI)が反応してプレポリマーを形成することにより形成される複合ポリマーである。プレポリマーをさらに、ジメチロールプロピオン酸およびアジピン酸、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコールからなるポリエステルと、メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(SMDI)が反応してプレポリマーを形成することにより形成される複合ポリマーである3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチル−1−プロピオン酸(INCI名:ポリウレタン27)のトリエチルアミン塩と反応させる。プレポリマーをトリエチルアミンで中和し、次いでヒドラジンにより鎖を伸長させる(INCI名:ポリウレタン33)。
いくつかの実施形態では、本発明のラテックスポリマーはフィルム形成ラテックスポリマーである。
特定の他の実施形態では、本発明のラテックスポリマーは非フィルム形成ラテックスポリマーである。
本明細書で使用される「フィルム形成ポリマー」は、単独で、または補助フィルム形成剤の存在下、ケラチン物質に接着する肉眼的に連続したフィルム、いくつかの実施形態では接着性フィルム、さらに良いのは、接着特性および機械的特性が、例えば、テフロンまたはシリコーンでコートした表面などの非接着表面に注ぐことにより前記フィルムを調製する際に前記フィルムを個別に単離および操作することができるようなものであるフィルムを形成することが可能なポリマーを包含するものとする。さらに、本明細書で使用される非フィルム形成ポリマーは、周囲温度以下ではフィルムを形成しない、あるいは換言すれば、周囲環境よりも高い温度でのみフィルムを形成するポリマーを包含するものとする。本開示の目的には、周囲温度は40℃未満、例えば15℃〜30℃の範囲内であるものと解釈される。
単なる非限定的な例を挙げれば、ラテックスポリマーは、少なくとも1つのカルボキシル官能性シリコーンラテックスポリマーから選択され得る。
カルボキシル官能性シリコーンラテックスポリマーは、
(A)下式の単位(A):
(式中、R1およびR3は独立して、2〜20個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状アルキレンラジカルを表し、R2は、ヒドロキシル基を含み得る1〜50個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状アルキレンラジカルを表し、aは0または1を表し、bは0〜200の範囲内の数であり、Mは、水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、NH4または第四級アンモニウム基、例えばモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラ(C1〜C4アルキルアンモニウム)基などおよび任意選択で置換された二価芳香族基、例えば式(A’):
の基および式(A’’):
の基などを表し、R1およびR3は、例えばエチレン、プロピレンまたはブチレンを表し得る)
を有する化合物あるいは
(B)下式の単位(B):
(式中、Rはメチルまたはフェニルから選択され;R8は水素またはメチルであり、mは1〜1000の整数である)
を有するピロリドンカルボン酸単位を少なくとも1つ含む基あるいは
(C)ジビニル−PDMS、クロトン酸、酢酸ビニルおよびビニルイソアルキルエステルの重合から得られるポリビニル酸/エステル単位(C)を少なくとも1つ含む基ならびに
(A)、(B)および(C)の組合せ
を含む、オルガノポリシロキサンであり得る。
(A)下式の単位(A):
を有する化合物あるいは
(B)下式の単位(B):
を有するピロリドンカルボン酸単位を少なくとも1つ含む基あるいは
(C)ジビニル−PDMS、クロトン酸、酢酸ビニルおよびビニルイソアルキルエステルの重合から得られるポリビニル酸/エステル単位(C)を少なくとも1つ含む基ならびに
(A)、(B)および(C)の組合せ
を含む、オルガノポリシロキサンであり得る。
適切なシリコーンラテックスポリマーとしては、例えば、式(IA):
のオルガノポリシロキサンから選択される、少なくとも1つのカルボン酸基を含むシリコーンが挙げられ、
式中、ラジカルR4、R4’は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカルおよびフェニルラジカルから選択され、ラジカルR5、R5’、R5’’、R6、R6’、R6’’、R7およびR7’は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカル、フェニルラジカル、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択され;
ラジカルR5、R6およびR7のうち少なくとも1つは、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択されるラジカルであり;
R1、R2、R3、a、bおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有し;
cおよびdは0〜1000の整数であり、c+dの合計は、いくつかの実施形態では1〜1000または2〜1000の範囲内にある。
式中、ラジカルR4、R4’は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカルおよびフェニルラジカルから選択され、ラジカルR5、R5’、R5’’、R6、R6’、R6’’、R7およびR7’は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカル、フェニルラジカル、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択され;
ラジカルR5、R6およびR7のうち少なくとも1つは、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択されるラジカルであり;
R1、R2、R3、a、bおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有し;
cおよびdは0〜1000の整数であり、c+dの合計は、いくつかの実施形態では1〜1000または2〜1000の範囲内にある。
単位(A)を少なくとも1つ含む式(IA)の化合物のうち、好ましいものは下式(IIA):
の化合物であり、式中、R2およびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有し、nは1〜1000の整数である。
その他の好ましい式(IA)の化合物には式(IVA):
のものがあり、式中、Xはラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOMであり、R1、R2、R3、a、bおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有する。
さらにより具体的には、aおよびbが0であり、R2が、(CH2)9、(CH2)10または−CH(CH3)−などの直鎖状または分岐鎖状のC2〜C12アルキレン基である式(IVA)の化合物が好ましい。
ポリビニル酸/エステル単位(C)を含む式(IA)のオルガノポリシロキサンのうち、好ましいものには、有機ポリマーブロックとシリコーンブロックとからなりマルチブロックポリマー構造を生じる架橋陰イオンコポリマーがある。特に、本発明のシリコーン−有機ポリマー化合物は、少なくとも1つの架橋ポリシロキサン構造単位を含む架橋陰イオンコポリマーから選択され得る。このような分岐鎖マルチブロックカルボキシシリコーンポリマーの一例として、Wacker Chemie社のBELSIL P1101(商品名BELSIL P101として知られていることもある)(INCI名:クロトン酸/ビニルC8〜12イソアルキルエステル/VA/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマー、化学名クロトン酸/ビニルC8〜12イソアルキルエステル/VA/ジビニルジメチコンクロスポリマーとして知られる)がある。
ほかの適切なカルボキシシリコーンポリマーが、例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる特許出願、国際公開第95/23579号および欧州特許出願公開第0,219,830号に記載されている。
溶媒
本開示による組成物は、ケラチン繊維の処理に適した溶媒をさらに含む。適切な溶媒の例としては、そのポリカルボジイミドおよびラテックスポリマーのための担体および溶媒としての水、いくつかの実施形態では蒸留水もしくは脱イオン水または有機溶媒が挙げられる。
本開示による組成物は、ケラチン繊維の処理に適した溶媒をさらに含む。適切な溶媒の例としては、そのポリカルボジイミドおよびラテックスポリマーのための担体および溶媒としての水、いくつかの実施形態では蒸留水もしくは脱イオン水または有機溶媒が挙げられる。
適切な有機溶媒は、揮発性物質有機溶媒および不揮発性有機溶媒から選択され得る。
適切な有機溶媒は通常、C1〜C4低級アルコール、グリコール、ポリオール、ポリオールエーテル、炭化水素および油である。有機溶媒の例としては、特に限定されないが、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、イソドデカン、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロールおよびその混合物が挙げられる。
その他の適切な有機溶媒としては、グリコールエーテル、例えばエチレングリコールおよびそのエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなど、プロピレングリコールおよびそのエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなど、ジプロピレングリコールアルキルエーテルおよびジエチレングリコールアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールn−ブチルエーテルなどが挙げられる。グリコールエーテルは、Dow Chemical Company社からDOW EシリーズおよびDOW Pシリーズとして市販されている。本発明に使用される例示的グリコールエーテルには、DOWANOL DPnBの商品名で知られるジプロピレングリコールn−ブチルエーテルがある。
適切な有機溶媒としては、鉱油、ペトロラタムおよびC10〜C40炭化水素を含めた合成油および炭化水素油も挙げられ、これらは脂肪族油(直鎖、分岐鎖または環状鎖)、芳香族油、アリール脂肪族油、例えばパラフィン、イソ−パラフィン、イソドデカン、芳香族炭化水素、ポリブテン、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデセン、ポリデセン、スクアレン、ペトロラタムおよびイソパラフィンなど、シリコーン油、フッ化油ならびにその混合物であり得る。
「炭化水素系油」または「炭化水素油」という用語は、水素と炭素原子および可能性として酸素原子、窒素原子、硫黄原子および/またはリン原子を主として含有する油を指す。炭化水素系油の代表例としては、8〜16個の炭素原子を含有する油、特に分岐鎖状C8 C16アルカン(イソパラフィンとしても知られる)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6ペンタメチルヘプタンとしても知られる)、イソデカンおよびイソヘキサデカンが挙げられる。
本発明に有用であり得るシリコーン油の例としては、不揮発性シリコーン油、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)、ペンダントでありかつ/またはシリコーン鎖の末端にあり、それぞれ2〜24個の炭素原子を含有するアルキル基またはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサンなど、フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサンおよび2フェニルエチルトリメチルシロキシケイ酸などならびに粘度が100cSt以下のジメチコンまたはフェニルトリメチコンが挙げられる。
本発明に有用であり得るシリコーン油の他の代表例としては、揮発性シリコーン油、例えば直鎖状または環状のシリコーン油、特に2〜10個のケイ素原子、特に2〜7個のケイ素原子を含有するものなどが挙げられ、これらのシリコーンは、任意選択で1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基またはアルコキシ基を含む。具体例としては、粘度が5cStおよび6cStのジメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサンおよびドデカメチルペンタシロキサンならびにその混合物が挙げられる。
本発明での使用に適し得るフッ化油の代表例としては、ナノフルオロメトキシブタンおよびペルフルオロメチルシクロペンタンなどの揮発性物質フッ化油が挙げられる。
本開示の組成物に特に適した溶媒としては、水、イソドデカン、エタノールおよびその組合せが挙げられる。溶媒は通常、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約60重量%〜98重量%、いくつかの実施形態では80重量%〜96重量%の範囲内の総量で存在する。したがって、溶媒は、約40重量%〜約98重量%の中および間の増分および範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約98重量%、97重量%、96重量%、95重量%、94重量%、93重量%、92重量%、91重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%および約55重量%、50重量%、48重量%、46重量%、45重量%、44重量%、42重量%、40重量%の量で存在し得る。
また別のいくつかの実施形態では、本開示の溶媒は、それ自体が別個の成分として本発明の本発明中に添加される水および/または有機溶媒を含まないため、本発明の組成物中に添加される原料の1つまたは複数の成分を伴う場合に水および/または有機溶媒が本発明の組成物中に存在する。
様々な実施形態で本開示の組成物が水を含有する場合、水は、中および間の増分および範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約98重量%以下、例えば約96重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、48重量%、46重量%、45重量%、44重量%、42重量%、40重量%、35重量%、30重量%、20重量%、10重量%または5重量%以下などの量で存在し得る。
様々な実施形態で本開示の組成物が有機溶媒(1つまたは複数)を含有する場合、有機溶媒(1つまたは複数)は、中および間の増分および範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約98%以下、例えば約96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、48%、46%、45%、44%、42%、40%、35%、30%、20%、10%または5%以下などの総量で存在し得る。
添加剤
本開示による組成物は、ケラチン繊維の処理に適した添加剤をさらに含む。これらの添加剤は、本開示のラテックスポリマー以外の化合物である。
本開示による組成物は、ケラチン繊維の処理に適した添加剤をさらに含む。これらの添加剤は、本開示のラテックスポリマー以外の化合物である。
本開示による組成物は、アミノ化合物(例えば、アミノシリコーン、アルキルモノアミン、ポリアミン、アルコキシル化モノアミン、アルコイル化(alkoylated)ポリアミンおよび官能化シラン化合物)、界面活性剤(陰イオン性、非イオン性、陽イオン性および両性/双性イオン性)ならびに本発明のポリカルボジイミド化合物およびラテックスポリマー以外のポリマー、例えば陰イオンポリマー、非イオンポリマー、両性ポリマー、ポリマーレオロジー調節剤、増粘剤および/または粘度調整剤、会合性または非会合性ポリマー性増粘剤などから選択される添加剤も含み得る。その他の適切な添加剤は、非ポリマー性増粘剤、真珠様光沢付与剤、乳白剤、染料または色素、香料、鉱油、植物油または合成油、セラミドを含めたワックス、ビタミン類、UVスクリーン剤、フリーラジカルスカベンジャー、ふけ防止剤、脱毛防止剤、育毛剤、保存剤、pH安定剤および溶媒ならびにその混合物から選択され得る。
特定の実施形態の組成物は、安定剤、例えば塩化ナトリウム、二塩化マグネシウムまたは硫酸マグネシウムを含み得る。
本開示の組成物に用い得るアミン化合物またはアミノ化合物は、本発明のアミノシリコーンから選択されない。「アミノ」という用語は、第一級アミン基、第二級アミン基、第三級アミン基または第四級アンモニウム基を指すものとする。
本開示の組成物に用い得るアミン化合物またはアミノ化合物は、アルキルモノアミン、アルコキシル化ポリアミン、アルコキシル化モノアミンおよびポリアミン、特にケイ素原子もシリコーン部分も含まないものからも選択され得る。
アルキルモノアミンの適切な例としては、特に限定されないが、以下の例が挙げられる:ジメチルラウラミン、ジメチルベヘナミン、ジメチルコカミン、ジメチルミリスタミン、ジメチルパルミタミン、ジメチルステアラミン、ジメチル獣脂アミン、ジメチルソイアミン、ステアラミン、ソイアミン、コカミン、ラウラミン、パルミタミン、オレアミン、獣脂アミンおよびその混合物。
アルキルモノアミンは、特に限定されないが、以下の例を含めたアミドアミンからも選択され得る:オレアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびその混合物。
本開示の組成物に用い得るアルコキシル化ポリアミンは、少なくとも2つのアミノ基と、いくつかの実施形態ではエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから選択されるアルキレンオキシド基によってもたらされる少なくとも1のアルコキシル化度とを有する、アミノ化合物から選択される。
アルコキシル化ポリアミンの適切な例としては、特に限定されないが、Huntsman社から入手可能なJEFFAMINEシリーズ、例えばJEFFAMINE Dシリーズ、JEFFAMINE EDシリーズ、JEFFAMINE EDRシリーズおよびJEFFAMINE Tシリーズなどに属するジアミン化合物およびトリアミン化合物が挙げられる。
本開示の組成物に用い得るアルコキシル化モノアミンは、1つのアミノ基と、いくつかの実施形態ではエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから選択されるアルキレンオキシド基によってもたらされる少なくとも1のアルコキシル化度とを有する、アミノ化合物から選択される。
適切な例には、コカミン、ラウラミン、パルミタミン、菜種アミン、オレアミン、ソイアミン、ステアラミン、獣脂アミン、獣脂アミノプロピルアミン、ベヘニルプロピレンジアミンのアルコキシル化誘導体およびHuntsman社のJEFFAMINE Mシリーズのものが挙げられる。
本開示の組成物に用い得るポリアミンは、特にアミノシリコーン、ポリビニルアミン、アミノ化多糖、アミン置換ポリアルキレングリコール、アミン置換ポリアクリル酸クロスポリマー、アミン置換ポリアクリル酸、アミン置換ポリメタクリル酸、タンパク質、タンパク質誘導体、アミン置換ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリアルキルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、スペルミジン、スペルミンおよびその混合物からも選択され得る。
本開示の組成物に用い得るアミノシリコーンは、少なくとも1つの第一級、第二級または第三級アミン基を有するポリシロキサン、例えばトリメチルシリルアモジメチコンなど、AがポリシロキサンブロックでありBが少なくとも1つのアミン基を含むポリオキシアルキレン化ブロックである(AB)nタイプのマルチブロックポリオキシアルキレン化アミノシリコーン、アルキルアミノシリコーンおよびその混合物から選択され得る。
アミン化合物またはアミノシリコーン化合物の適切な例としては、アモジメチコン(例えば、Shin Etsu社からKF8020の名称で販売されているものまたはDow Corning社からXIAMETER(登録商標)MEM−8299 Cationic Emulsionの名称で販売されているもの)およびビス−セテアリルアモジメチコン(Momentive社からSILSOFT AXの名称で販売されているもの)が挙げられる。
本開示の組成物に用い得るレオロジー調節剤および増粘剤/粘度調整剤としては、ポリカルボジイミド、アミノ化合物および本開示の組成物と適合性のある任意の水溶性化合物または水分散性化合物、例えばアクリルポリマー(特に、アクリル酸/C10〜30アルキルアクリル酸クロスポリマー、カルボマー、アクリル酸コポリマー、アクリル酸クロスポリマー)、非アクリルポリマー、デンプン、サッカリド系ポリマー(例えば、グアー、グアーガム)、セルロース系ポリマー(特に、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースガム、アルキルヒドロキシエチルセルロース)、非ポリマー性ゲル化剤およびポリマー性ゲル化剤、シリカ粒子、粘土ならびにその混合物が挙げられる。
その他の添加剤
ポリカルボン酸ポリマー化合物
本開示の化合物であるポリカルボン酸は、陰イオンポリマー、非イオンポリマーおよび両性ポリマーから選択され得る。
ポリカルボン酸ポリマー化合物
本開示の化合物であるポリカルボン酸は、陰イオンポリマー、非イオンポリマーおよび両性ポリマーから選択され得る。
陰イオンポリマーは、化粧品に許容される媒体に可溶性または同じ媒体に不溶性であり得るため、ポリマーの固体分散液または液体粒子(ラテックスまたはシュードラテックス)の形態で使用し得る。
陰イオンポリマーは、カルボン酸から誘導される基を含むポリマーから選択され、約500〜5,000,000の数平均分子量を有するものであり得る。カルボン酸基は、不飽和の一酸または二酸カルボン酸モノマー、例えば式:
を有するものなどによってもたらされ、式中、nは0〜10の整数であり、A1は、任意選択で酸素または硫黄などのヘテロ原子を介して不飽和基の炭素原子またはnが1より大きい場合は近隣するメチレン基と結合したメチレン基を表し、R7は水素原子またはフェニル基もしくはベンジル基を表し、R8は水素原子または低級アルキル基もしくはカルボキシル基を表し、R9は、水素原子、低級アルキル基、CH2−COOH基、フェニル基またはベンジル基を表す。
上記の式中、低級アルキル基は、いくつかの実施形態では、1〜4個の炭素原子を含む基、特にメチル基およびエチル基を表す。本発明によるカルボキシル基を含む陰イオンポリマーには以下のものがある:
ポリカルボン酸化合物としては、アクリル酸もしくはメタクリル酸のコポリマーまたはその塩、特にナトリウム塩の形態で販売されているアクリル酸とアクリルアミドのコポリマーが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、アクリル酸またはメタクリル酸と、任意選択でポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトされ、任意選択で架橋されたモノエチレンモノマー、例えばエチレン、スチレン、ビニルエステルおよびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルなどとのコポリマーが挙げられる。ポリカルボン酸化合物としては、水分散液中のメタクリル酸/アクリル酸/エチルアクリル酸/メチルメタクリルラートコポリマーが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、クロトン酸コポリマー、例えば鎖中に酢酸ビニル単位またはプロピオン酸ビニル単位と、任意選択でアリルエステルまたはメタリルエステル、少なくとも5個の炭素原子を含む炭化水素系鎖などの長い炭化水素系鎖を有する直鎖状または分岐鎖状の飽和カルボン酸のビニルエーテルまたはビニルエステルなどの他のモノマーとを含むものなどが挙げられ、これらのポリマーは任意選択で、グラフトまたは架橋されているか、あるいは別の[アルファ]環状カルボン酸または[ベータ]環状カルボン酸のビニルエステルモノマー、アリルエステルモノマーまたはメタリルエステルモノマーであり得る。
ポリカルボン酸化合物としては、(i)1つまたは複数のマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アリルオキシ酢酸、メタリルオキシ酢酸、3−アリルオキシプロピオン酸、アリルチオ酢酸、アリルアミノ酢酸、ビニル酢酸、ビニルオキシ酢酸、クロチルオキシ酢酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、10−ウンデセン酸、アリルマロン酸、マレアミド酸、イタコナミン酸、N−モノヒドロキシアルキル−マレアミド酸またはN−ジヒドロキシ−アルキル−マレアミド酸と、(ii)ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アクリル酸およびそのエステルから選択される少なくとも1つのモノマーとを含むコポリマーから選択されるC4〜C8モノ飽和カルボン酸のコポリマーが挙げられ、上記コポリマーの無水官能基は任意選択でモノエステル化またはモノアミド化されている。ポリカルボン酸化合物としては、(i)1つまたは複数のマレイン酸無水物単位、シトラコン酸無水物単位またはイタコン酸無水物単位と、(ii)任意選択で鎖中に1つまたは複数のアクリルアミド、メタクリルアミド、[アルファ]−オレフィン、アクリルエステルもしくはメタクリルエステル、アクリル酸もしくはメタクリル酸またはビニルピロリドン基を含むアリルエステルまたはメタリルエステルから選択される1つまたは複数のモノマーと含むコポリマーが挙げられ、上記コポリマーの無水官能基は任意選択でモノエステル化またはモノアミド化されている。ポリカルボン酸化合物としては、カルボキシラート基を含むポリアクリルアミドが挙げられる。
本開示のポリカルボン酸としては、Lubrizol社からFIXATEシリーズとして市販されている陰イオンポリマー、例えばFIXATE G−100として販売されている分岐鎖状ブロック陰イオンポリマー、分岐鎖状陰イオンアクリル酸コポリマーのポリアクリル酸−2クロスポリマー(FIXATE SUPERHOLDポリマー)、アクリル酸クロスポリマー−3(FIXATE FREESTYLEポリマー)、ポリアクリル酸−14(FIXATE PLUSポリマー)など、Lubrizol社からCARBOPOLシリーズとして市販されているもの、例えばアクリル酸クロスポリマー−4(CARBOPOL AQUA SF−2)、アクリル酸クロスポリマー−4(CARBOPOL AQUA CC)などならびにInterpolymer社からSYNTRANシリーズとして市販されているもの、例えばアクリル酸コポリマー(SYNTRAN5190)、スチレン/アクリラート/アンモニウムメタクリラートコポリマー(SYNTRAN5760)およびアンモニウムアクリラートコポリマー(SYNTRAN KL−219C)も挙げられる。
本開示のポリカルボン酸化合物としては、アクリルコポリマーおよび(メタ)アクリラートコポリマー分散液などの陰イオンラテックスポリマーも挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、アクリル酸またはアクリル酸エステルのコポリマー、例えば、ULTRAHOLD8として販売されているアクリラート/t−ブチルアクリルアミドコポリマー、特にBASF社からULTRAHOLD STRONGとして販売されているアクリル酸/アクリル酸エチル/N−tert−ブチルアクリルアミドターポリマー、酢酸ビニル/tert−ブチル安息香酸ビニル/クロトン酸ターポリマーおよび特にAzko Nobel社からRESYN28−29−30として販売されているクロトン酸/酢酸ビニル/ネオドデカン酸ビニルターポリマーなどのクロトン酸から誘導されたコポリマー、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体ならびにアクリル酸およびそのエステルとマレイン酸、フマル酸またはイタコン酸または無水物から誘導された例えばISP社からGANTREZ ANまたはESとして販売されているメチルビニルエーテル/モノエステル化無水マレイン酸コポリマーなどのポリマー、Rohm Pharma社からEUDRAGIT Lとして販売されているメタクリル酸とメタクリル酸メチルのコポリマー、BASF社からLUVIMER MAEXまたはMAEとして販売されているメタクリル酸とアクリル酸エチルのコポリマー、BASF社からLUVISET CA66として販売されている酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、BASF社からARISTOFLEX Aとして販売されているポリエチレングリコールをグラフトした酢酸ビニル/クロトン酸コポリマーならびにNoveon社からFIXATE G−100として販売されているポリマーなどが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、以下のポリマーから選択され得る両性ポリマーが挙げられる:
酸性ビニル単位と塩基性ビニル単位とを有するコポリマー、例えば、カルボン酸基、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アルファ−クロロアクリル酸などのカルボン酸基を有するビニル化合物から誘導されるモノマーと、少なくとも1つの塩基性原子を含む置換ビニル化合物から誘導される塩基性モノマーとの共重合によって得られるコポリマーなど、例えば、より具体的にはジアルキルアミノアルキルメタクリラートおよびアクリラート、ジアルキルアミノアルキルメタリルアミドおよびアクリルアミドなど。このような化合物については米国特許第3,836,537号に記載されている。
酸性ビニル単位と塩基性ビニル単位とを有するコポリマー、例えば、カルボン酸基、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アルファ−クロロアクリル酸などのカルボン酸基を有するビニル化合物から誘導されるモノマーと、少なくとも1つの塩基性原子を含む置換ビニル化合物から誘導される塩基性モノマーとの共重合によって得られるコポリマーなど、例えば、より具体的にはジアルキルアミノアルキルメタクリラートおよびアクリラート、ジアルキルアミノアルキルメタリルアミドおよびアクリルアミドなど。このような化合物については米国特許第3,836,537号に記載されている。
ポリカルボン酸化合物としては、
窒素原子がアルキル基で置換されたアクリルアミおよびメタクリルアミドから選択される少なくとも1つのモノマー、
より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸ならびに1〜4個の炭素原子を有するマレイン酸もしくはフマル酸または無水物のアルキルモノエステルから選択される1つまたは複数の反応性カルボン酸基を含む、少なくとも1つの酸性コモノマーならびに
少なくとも1つの塩基性コモノマー、例えばアクリル酸およびメタクリル酸ならびにジメチルまたはジエチル硫酸エステルによるジメチルアミノエチルメタクリラートの四級化産物の第一級、第二級、第三級または第四級アミン置換基を有するエステルなど
から誘導される単位を含むポリマーが挙げられる。本発明においてさらに特に好ましいN置換アクリルアミドまたはN置換メタクリルアミドは、アルキル基が2〜12個の炭素原子を含む化合物であり、より具体的にはN−エチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−デシルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミドおよび対応するメタクリルアミドである。好ましい塩基性コモノマーには、アミノエチルメタクリラート、ブチルアミノエチルメタクリラート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリラートおよびN−tert−ブチルアミノエチルメタクリラートがある。
窒素原子がアルキル基で置換されたアクリルアミおよびメタクリルアミドから選択される少なくとも1つのモノマー、
より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸ならびに1〜4個の炭素原子を有するマレイン酸もしくはフマル酸または無水物のアルキルモノエステルから選択される1つまたは複数の反応性カルボン酸基を含む、少なくとも1つの酸性コモノマーならびに
少なくとも1つの塩基性コモノマー、例えばアクリル酸およびメタクリル酸ならびにジメチルまたはジエチル硫酸エステルによるジメチルアミノエチルメタクリラートの四級化産物の第一級、第二級、第三級または第四級アミン置換基を有するエステルなど
から誘導される単位を含むポリマーが挙げられる。本発明においてさらに特に好ましいN置換アクリルアミドまたはN置換メタクリルアミドは、アルキル基が2〜12個の炭素原子を含む化合物であり、より具体的にはN−エチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−デシルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミドおよび対応するメタクリルアミドである。好ましい塩基性コモノマーには、アミノエチルメタクリラート、ブチルアミノエチルメタクリラート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリラートおよびN−tert−ブチルアミノエチルメタクリラートがある。
CTFA(第4版、1991)名がオクチルアクリルアミド/アクリラート/ブチルアミノエチルメタクリラートコポリマーであるコポリマー、例えばNational Starch社からAMPHOMER LV71として販売されている製品、28−4961またはLOVOCRYL47として販売されているアクリラート/オクチルアクリルアミドコポリマーなどが特に使用される。
ポリカルボン酸化合物としては、架橋およびアシル化されたポリアミノアミドが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、6〜10個の炭素原子を有する酸、例えばアジピン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸および2,4,4−トリメチルアジピン酸、テレフタル酸など、エチレン二重結合を含む酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸などから選択されるカルボン酸が挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、式:
の双性イオン単位を含むポリマーが挙げられ、式中、R11は、アクリラート基、メタクリラート基、アクリルアミド基またはメタクリルアミド基などの重合可能な不飽和基を表し、yおよびzは1〜3の整数を表し、R12およびR13は、水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を表し、R14およびR15は、水素原子またはR14およびR15の炭素原子の合計が10を超えないようなアルキル基を表す。
このような単位を含むポリマーは、非双性イオンモノマー、例えばジメチルアミノエチルもしくはジエチルアミノエチルアクリラートもしくはメタクリラートまたはアルキルアクリラートもしくはメタクリラート、アクリルアミドもしくはメタクリルアミドまたは酢酸ビニルなどから誘導される単位、例えば、Sandoz社からDIAFORMER Z301として販売されているものなどのメタクリル酸メチル/メチルジメチルカルボキシメチルアンモニオエチルメタクリラートコポリマーも含み得る。ポリカルボン酸化合物としては、下式:
に対応するモノマー単位を含むキトサンから誘導されるが挙げられ、
単位(D)は0〜30パーセントの割合で存在し、単位(E)は5パーセント〜50パーセントの割合で存在し、単位(F)は30パーセント〜90パーセントの割合で存在し、この単位(F)のR16は式:
の基を表すことが理解され、式中、
q=0である場合、R17、R18およびR19は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、メチル残基、ヒドロキシル残基、アセトキシ残基もしくはアミノ残基、任意選択で1つもしくは複数の窒素原子が散在し、かつ/または任意選択で1つもしくは複数のアミン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキルチオ基もしくはスルホン基で置換されたモノアルキルアミン残基またはジアルキルアミン残基、アルキル基がアミノ残基を有するアルキルチオ残基を表し、この場合、基R17、R18およびR19 のうち少なくとも1つが水素原子であるか;あるいは
q=1である場合、R17、R18およびR19はそれぞれ、水素原子およびこれらの化合物と塩基または酸によって形成された塩も表す。
単位(D)は0〜30パーセントの割合で存在し、単位(E)は5パーセント〜50パーセントの割合で存在し、単位(F)は30パーセント〜90パーセントの割合で存在し、この単位(F)のR16は式:
q=0である場合、R17、R18およびR19は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、メチル残基、ヒドロキシル残基、アセトキシ残基もしくはアミノ残基、任意選択で1つもしくは複数の窒素原子が散在し、かつ/または任意選択で1つもしくは複数のアミン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキルチオ基もしくはスルホン基で置換されたモノアルキルアミン残基またはジアルキルアミン残基、アルキル基がアミノ残基を有するアルキルチオ残基を表し、この場合、基R17、R18およびR19 のうち少なくとも1つが水素原子であるか;あるいは
q=1である場合、R17、R18およびR19はそれぞれ、水素原子およびこれらの化合物と塩基または酸によって形成された塩も表す。
ポリカルボン酸化合物としては、例えば仏国特許第1400366号に記載されている、以下の一般式:
に対応する単位を有するポリマーが挙げられ、式中、R20は、水素原子、CH3O基、CH3CH2O基またはフェニル基を表し、R21は、水素原子またはメチルもしくはエチルなどの低級アルキル基を表し、R22は、水素原子またはメチルもしくはエチルなどのC1〜C6低級アルキル基を表し、R23は、メチルもしくはエチルなどのC1〜C6低級アルキル基または式:−R24−N(R22)2に対応する基を表し、R24は基−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−または−CH2−CH(CH3)−を表し、R22は上記の意味を有する。
ポリカルボン酸化合物としては、キトサンのN−カルボキシアルキル化から誘導されるポリマー、例えばN−カルボキシメチルキトサンまたはN−カルボキシブチルキトサンなどが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、以下のものから選択される−D−X−D−Xタイプの両性ポリマーが挙げられる:
a)式:
−D−X−D−X−D− (V’)
(式中、Dは
基を表し、Xは記号EまたはE’を表し;EまたはE’は同一であっても異なっていてもよく、主鎖中に最大7個の炭素原子を含み、ヒドロキシル基により置換されていないか、または置換されており、酸素原子、窒素原子および硫黄原子に加えて1〜3個の芳香族環および/または複素環を含み得る、直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基である二価の基を表し;酸素原子、窒素原子および硫黄原子はエーテル基、チオエーテル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニウム基、アルキルアミン基またはアルケニルアミン基、ヒドロキシル基、ベンジルアミン基、アミンオキシド基、第四級アンモニウム基、アミド基、イミド基、アルコール基、エステル基および/またはウレタン基の形態で存在する)
の単位を少なくとも1つ含む化合物に対するクロロ酢酸またはクロロ酢酸ナトリウムの作用によって得られるポリマー。
−D−X−D−X−D− (V’)
(式中、Dは
の単位を少なくとも1つ含む化合物に対するクロロ酢酸またはクロロ酢酸ナトリウムの作用によって得られるポリマー。
b)式:
−D−X−D−X− (VI’)
(式中、Dは
基を表し、Xは記号EまたはE’、少なくとも1回はE’を表し;Eは上記の意味を有し、E’は、主鎖中に最大7個の炭素原子を有し、1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されていないか、または置換されており、1つまたは複数の窒素原子を含む、直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基である二価の基であり、窒素原子は、任意選択で酸素原子が散在し、必ず1つもしくは複数のカルボキシル官能基または1つもしくは複数のヒドロキシル官能基を含み、クロロ酢酸またはクロロ酢酸ナトリウムとの反応によりベタイン化されたアルキル鎖で置換されている)
を有するポリマー。
−D−X−D−X− (VI’)
(式中、Dは
を有するポリマー。
ポリカルボン酸化合物としては、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンなどのN,N−ジアルキルアミノアルキルアミンによる半アミド化またはN,N−ジアルキルアミノアルカノールによる半アミド化により部分的に修飾した(C1〜C5)アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。これらのコポリマーは、ビニルカプロラクタムなどの他のビニルコモノマーも含み得る。
上記の両性ポリマーのうち最も好ましいものは、オクチルアクリルアミド/アクリラート/ブチルアミノエチルメタクリラートコポリマー、例えばNational Starch社からAMPHOMER、AMPHOMER LV71またはLOVOCRYL47として販売されているなどおよび例えばSandoz社からDIAFORMER Z301として販売されているメタクリル酸メチル/メチルジメチルカルボキシ−メチルアンモニオエチルメタクリラートのコポリマーである。
本開示のポリカルボン酸は、化粧品組成物にレオロジー調節剤または増粘剤として使用されることが知られている化合物から選択され得る。このようなポリマーとしては、陰イオンポリマーおよび両性ポリマー、例えば、アクリル酸の架橋ホモポリマー、会合性ポリマー、非会合性増粘ポリマーおよび水溶性増粘ポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性および両性の両親媒性ポリマーからも選択され得る。使用し得るレオロジー調節剤または増粘剤としては、上記のポリカルボン酸化合物が挙げられる。
両親媒性ポリマーは任意選択で、任意選択で1つまたは複数のオキシアルキレン(オキシエチレンおよび/またはオキシプロピレン)単位を含む飽和または不飽和、芳香族または非芳香族、直鎖状または分岐鎖状のC6〜C30炭化水素系鎖である疎水性鎖を含み得る。
このような両親媒性ポリマーの代表例には:
疎水性鎖を含む非イオン性両親媒性ポリマー、例えば:
C1〜C6アルキル(メタ)アクリル酸のコポリマーおよび疎水性鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー;
親水性(メタ)アクリル酸のコポリマーおよび少なくとも1つの疎水性鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー、例えばポリエチレングリコールメタクリラート/メタクリル酸ラウリルコポリマー;などがあり
架橋されているか、または架橋されていない少なくとも1つの疎水性鎖を含む陰イオン性両親媒性ポリマーは、遊離であるか、または一部もしくは全部が中和されたカルボン酸官能基を有する1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの親水性単位と、疎水性側鎖を有する1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの疎水性単位と、任意選択で1つまたは複数の多価不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの架橋単位とを含む。
疎水性鎖を含む非イオン性両親媒性ポリマー、例えば:
C1〜C6アルキル(メタ)アクリル酸のコポリマーおよび疎水性鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー;
親水性(メタ)アクリル酸のコポリマーおよび少なくとも1つの疎水性鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー、例えばポリエチレングリコールメタクリラート/メタクリル酸ラウリルコポリマー;などがあり
架橋されているか、または架橋されていない少なくとも1つの疎水性鎖を含む陰イオン性両親媒性ポリマーは、遊離であるか、または一部もしくは全部が中和されたカルボン酸官能基を有する1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの親水性単位と、疎水性側鎖を有する1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの疎水性単位と、任意選択で1つまたは複数の多価不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの架橋単位とを含む。
陰イオン性両親媒性ポリマーの例としては、CARBOPOL ETD−2020(Noveon社から販売されているアクリル酸/C10〜C30アルキルメタクリラート架橋コポリマー);CARBOPOL1382、PEMULEN TR1およびPEMULEN TR2(Noveon社から販売されているアクリル酸/C10〜C30アルキルアクリラート架橋コポリマー)、メタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシエチレン化ステアリルメタクリラートコポリマー(55/35/10);(メタ)アクリル酸/アクリル酸エチル/25EOオキシエチレン化ベヘニルメタクリラートコポリマー(Rohm and Haas社から販売されているACULYN28)ならびにメタクリル酸/アクリル酸エチル/steareth−10アリルエーテル架橋コポリマーが挙げられる。
その他の例としては、架橋アクリルポリマー、例えばCARBOPOL SFシリーズとして市販されているもの、例えばLUBRIZOL社からCARBOPOL SF1(登録商標)の名称で販売されておりINCI名がアクリラートコポリマーであるアクリル酸エチル/メタクリル酸コポリマーなどが挙げられる。
また別の例としては、カルボマー、アクリラートコポリマーならびにメタクリル酸、アクリル酸エチルおよびポリエチレングリコール(10EOステアリルアルコールエーテル(Steareth10)の架橋ターポリマーから選択される陰イオン性増粘ポリマーとしても知られる陰イオンポリマー、例えば、メタクリル酸、アクリル酸エチルおよびsteareth−10−アリルエーテル(40/50/10)の架橋ターポリマーを30パーセント含有する水性エマルションでありALLIED COLLOIDS社からSALCARE SC80およびSALCARE SC90の名称で販売されている製品などが挙げられる。
陰イオン性増粘ポリマーは:
無水マレイン酸/C30〜C38アルファ−オレフィン/マレイン酸アルキルから形成されるターポリマー、例えばNEWPHASE TECHNOLOGIES社からPERFORMA1608の名称で販売されている製品(無水マレイン酸/C30〜C38アルファ−オレフィン/マレイン酸イソプロピルコポリマー)など;
(a)アルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸20重量パーセント〜70重量パーセント;(b)(a)とは異なるアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有する非界面活性剤モノマー20重量パーセント〜80重量パーセント;および(c)一水酸基界面活性剤とモノエチレン性不飽和を有するモノイソシアナートとの反応産物である非イオン性モノウレタン0.5重量パーセント〜60重量パーセントから形成されるアクリルターポリマー;(3)少なくとも2つのモノマーから形成され、2つのモノマーのうち少なくとも一方がアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸、アルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸のエステルおよびオキシアルキレン化脂肪アルコールから選択される、コポリマー;ならびに(4)少なくとも3つのモノマーから形成され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸から選択され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがアルファベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸のエステルから選択され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがオキシアルキレン化脂肪アルコールから選択される、コポリマー
から選択され得る。
無水マレイン酸/C30〜C38アルファ−オレフィン/マレイン酸アルキルから形成されるターポリマー、例えばNEWPHASE TECHNOLOGIES社からPERFORMA1608の名称で販売されている製品(無水マレイン酸/C30〜C38アルファ−オレフィン/マレイン酸イソプロピルコポリマー)など;
(a)アルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸20重量パーセント〜70重量パーセント;(b)(a)とは異なるアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有する非界面活性剤モノマー20重量パーセント〜80重量パーセント;および(c)一水酸基界面活性剤とモノエチレン性不飽和を有するモノイソシアナートとの反応産物である非イオン性モノウレタン0.5重量パーセント〜60重量パーセントから形成されるアクリルターポリマー;(3)少なくとも2つのモノマーから形成され、2つのモノマーのうち少なくとも一方がアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸、アルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸のエステルおよびオキシアルキレン化脂肪アルコールから選択される、コポリマー;ならびに(4)少なくとも3つのモノマーから形成され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸から選択され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがアルファベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸のエステルから選択され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがオキシアルキレン化脂肪アルコールから選択される、コポリマー
から選択され得る。
さらに、これらの化合物は、モノマーとして、アルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を含むカルボン酸エステルおよびC1〜C4アルコールも含み得る。このタイプの化合物の例として、オキシアルキレン化ステアリルメタクリラート/アクリル酸エチル/メタクリル酸ターポリマーでありROHM and HAAS社から販売されているACULYN2が挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、会合性ポリウレタン、会合性不飽和ポリ酸およびエチレン性不飽和を含むモノマーを少なくとも1つ含む会合性ポリマーまたはコポリマーが挙げられる。
会合性ポリウレタン代表例には、商品名VISCOPHOBE DB1000として知られAmerchol社から市販されている25パーセント水分散液のメタクリル酸/アクリル酸メチル/エトキシ化(40EO)ベヘニルアルコールジメチル(メタ−イソプロペニル)ベンジルイソシアナートターポリマーがある。
本発明のいくつかの実施形態では、ポリカルボン酸化合物は、陰イオン性官能基および/または陽イオン性官能基を有するアクリル酸系、(メタ)アクリル酸系、アクリラート系または(メタ)アクリラート系のモノマーを少なくとも1つ含む。適切な化合物としては、特に限定されないが、ポリアクリル酸を含むポリマー、例えばInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(第9版,2002)で確認されるものなど、例えばポリアクリル酸−1、ポリアクリル酸−2、ポリアクリル酸−3、ポリアクリル酸−4、ポリアクリル酸−16、ポリアクリル酸−17、ポリアクリル酸−18、ポリアクリル酸−19、ポリアクリル酸−21およびその混合物などが挙げられる。このような(コ)ポリマーまたはこれと類似した(コ)ポリマーは、個々に組み合わせても、あるいは陽イオン性官能基および陰イオン性官能基の両方を有する適切な二峰性薬剤が形成されるよう他の(コ)ポリマーと組み合わせてもよい。特定の実施形態では、二峰性薬剤は、ポリアクリル酸−21とアクリラート/ジメチルアミノエチルメタクリラートコポリマー(Interpolymer社からSYNTRAN PC5100の名称で市販されている)、ポリアクリル酸−16(Interpolymer社からSYNTRAN PC5112の名称で市販されている)およびポリアクリル酸−18とポリアクリル酸−19(Interpolymer社からSYNTRAN PC5107またはSYNTRAN PC5117の名称で市販されている)からなるポリマーからなる群より選択される。
少なくとも1つのカルボン酸基を有するシリコーンポリマー(カルボキシシリコーンポリマー)。
本明細書ではカルボキシシリコーンポリマーと呼ばれる、本開示による少なくとも1つのカルボン酸基を有するシリコーンポリマーは、
(A)以下の式:
(式中、R1およびR3は独立して、2〜20個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状アルキレンラジカルを表し、R2は、ヒドロキシル基を含み得る1〜50個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状アルキレンラジカルを表し、aは0または1を表し、bは0〜200の範囲内の数であり、Mは、水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、NH4または第四級アンモニウム基、例えばモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラ(C1〜C4アルキルアンモニウム)基などを表し、R1およびR3は例えばエチレン、プロピレンまたはブチレを表し得る)を有する化合物または
(B)以下の式:
(式中、Rはメチルまたはフェニルから選択され;R8は水素またはメチルであり、mは1〜1000の整数である)を有するピロリドンカルボン酸単位を少なくとも1つ含む基または
(C)ジビニル−PDMS、クロトン酸、酢酸ビニルおよびビニルイソアルキルエステルの重合から生じるポリビニル酸/エステル単位(C)を少なくとも1つ含む基
ならびに(A)、(B)および(C)の組合せ
を含む、オルガノポリシロキサンであり得る。
本明細書ではカルボキシシリコーンポリマーと呼ばれる、本開示による少なくとも1つのカルボン酸基を有するシリコーンポリマーは、
(A)以下の式:
(B)以下の式:
(C)ジビニル−PDMS、クロトン酸、酢酸ビニルおよびビニルイソアルキルエステルの重合から生じるポリビニル酸/エステル単位(C)を少なくとも1つ含む基
ならびに(A)、(B)および(C)の組合せ
を含む、オルガノポリシロキサンであり得る。
適切なカルボキシシリコーンポリマーとしては、例えば式:
のオルガノポリシロキサンから選択される、少なくとも1つのカルボン酸基を含むシリコーンポリマーが挙げられ、式中、
ラジカルR4、R4’は、互いに同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐鎖状C1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカルおよびフェニルラジカルから選択され、ラジカルR5、R5’、R5’’、R6、R6’、R6’’、R7およびR7’は、互いに同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐鎖状C1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカル、フェニルラジカル、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択され;
ラジカルR5、R6およびR7のうち少なくとも1つは、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択されるラジカルであり;
R1、R2、R3、a、bおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有し;
cおよびdは0〜1000の整数であり、c+dの合計は、いくつかの特定の実施形態では1〜1000または2〜1000の範囲内にある。
ラジカルR4、R4’は、互いに同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐鎖状C1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカルおよびフェニルラジカルから選択され、ラジカルR5、R5’、R5’’、R6、R6’、R6’’、R7およびR7’は、互いに同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐鎖状C1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカル、フェニルラジカル、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択され;
ラジカルR5、R6およびR7のうち少なくとも1つは、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択されるラジカルであり;
R1、R2、R3、a、bおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有し;
cおよびdは0〜1000の整数であり、c+dの合計は、いくつかの特定の実施形態では1〜1000または2〜1000の範囲内にある。
単位(I’’)を少なくとも1つ含む式(III’’)のカルボキシシリコーンポリマーには、いくつかの特定の実施形態では、下式:
の化合物があり、式中、R2およびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有し、nは1〜1000の整数である。例として、Shin Etsu社の両末端型カルボキシシリコーンX−22−162CおよびMomentive社のSilform INX(INCI名:ビス−カルボキシデシルジメチコン)がある。
式(III’’)のオルガノポリシロキサンの他の例示的実施形態には式:
のものがあり、式中、
R2、R4、nおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有する。1つの例には、一例として、Shin Etsu社の片末端型カルボキシシリコーンX−22−3710がある。
R2、R4、nおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有する。1つの例には、一例として、Shin Etsu社の片末端型カルボキシシリコーンX−22−3710がある。
式(III’’)のオルガノポリシロキサンの他の例示的実施形態には式:
のものがあり、式中、Xはラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOMであり、R1、R2、R3、a、bおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有する。
さらにより具体的には、aおよびbが0に等しく、R2が(CH2)9、(CH2)10または−CH(CH3)−などの直鎖状または分岐鎖状C2〜C12アルキレン基である式(VI’)の化合物が例示的実施形態である。一例として、Shin Etsu社の側鎖カルボキシシリコーンX−22−3701Eがある。
単位(B)を含む式(III’’)のオルガノポリシロキサンのうち、例示的実施形態としては下式の化合物:
が挙げられ、式中、R8、mは上の単位(B)で定義した通りであり、nは1〜1000の整数である。一例として、Grant Industries社のGrandsil SiW−PCA−10(INCI名:ジメチコン(および)PCAジメチコン(および)ブチレングリコール(および)デシルグルコシド)などのGrandsil PCAがある。
ポリビニル酸/エステル単位(C)を含む式(III’’)のオルガノポリシロキサンのうち、例示的実施形態には、有機ポリマーブロックとシリコーンとからなりマルチブロックポリマー構造を生じる架橋陰イオンコポリマーがある。特に、本発明のシリコーン−有機ポリマー化合物は、少なくとも1つの架橋ポリシロキサン構造単位を含む架橋陰イオンコポリマーから選択され得る。このような分岐鎖マルチブロックカルボキシシリコーンポリマーの一例として、Wacker Chemie社のBelsil(登録商標)P1101(商品名Belsil(登録商標)P1101として知られていることもある)(INCI名:クロトン酸/ビニルC8〜12イソアルキルエステル/VA/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマー、化学名クロトン酸/ビニルC8〜12イソアルキルエステル/VA/ジビニルジメチコンクロスポリマーとしても知られる)がある。
ほかの適切なカルボキシシリコーンポリマーが、例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる特許出願、国際公開第95/23579号および欧州特許出願公開第0,219,830(A)号に記載されている。
上の式(VI’’)に対応する化合物は、例えば、Wacker社からHUILE M642の名称、Wacker社からSLM23000/1およびSLM23000/2の名称、General Electric社から176−12057の名称、OSI社からFZ3703の名称およびToray Silicone社からBY16880の名称で販売されている。
カルボキシシリコーンポリマーのその他の非限定的な例には、シリコーンカルボキシラート含有ポリマー(複数のシリコーンカルボキシラート)がある。
適切なシリコーンカルボキシラートは、少なくとも1つのカルボン酸基を含む水溶性シリコーン化合物、少なくとも1つのカルボン酸基を含む油溶性シリコーン化合物、少なくとも1つのカルボン酸基を含む水分散性シリコーンおよび少なくとも1つのカルボン酸基を含み有機溶媒に可溶性であるシリコーンから選択され得る。一実施形態では、シリコーンカルボキシラートは少なくとも1つのアルコキシル化鎖をさらに含み、少なくとも1つのアルコキシ基は、末端アルコキシ基、ペンダントアルコキシ基および少なくとも1つのシリコーンの骨格内に組み込まれたアルコキシ基から選択され得る。少なくとも1つのアルコキシ基の非限定的な例としては、エチレンオキシド基およびプロピレンオキシド基が挙げられる。
少なくとも1つのカルボン酸基は、末端カルボン酸基およびペンダントカルボン酸基から選択され得る。さらに、少なくとも1つのカルボン酸は、遊離酸形態のカルボン酸基、すなわち−COOHおよび塩形態のカルボン酸基、すなわち−COOMから選択され得るものであり、ここでは、式中、Mは無機陽イオン、例えばカリウム陽イオンおよびナトリウム陽イオンならびに有機陽イオンから選択され得る。
一実施形態では、シリコーンカルボキシラートは式:
の化合物であり、式中、aは1〜100の範囲内の整数であり;bは0〜500の範囲内の整数であり;Rは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1〜9個の炭素原子を含む任意選択で置換された炭化水素基、任意選択で置換されたフェニル基および以下の式の基:
−(CH2)3−O−(EO)c−(PO)d−(EO)e−C(O)−R’−C(O)−OH
(IX’’)
から選択され、式中、c、dおよびeは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ0〜20の範囲内の整数であり;EOはエチレンオキシド基であり;POはプロピレンオキシド基であり;R’は、任意選択で置換された二価炭化水素、例えば2〜22個の炭素原子を含むアルキレン基およびアルケニレン基などならびに任意選択で置換された二価芳香族基、例えば以下の式:
の基および以下の式:
の基などから選択され、ただし、R基のうち少なくとも1つは式(XIV)の基から選択され、さらには、R基のうち1つのみが式(XIV)の基から選択される場合、それ以外のR基は全部がメチル基であるというわけではない。
−(CH2)3−O−(EO)c−(PO)d−(EO)e−C(O)−R’−C(O)−OH
(IX’’)
から選択され、式中、c、dおよびeは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ0〜20の範囲内の整数であり;EOはエチレンオキシド基であり;POはプロピレンオキシド基であり;R’は、任意選択で置換された二価炭化水素、例えば2〜22個の炭素原子を含むアルキレン基およびアルケニレン基などならびに任意選択で置換された二価芳香族基、例えば以下の式:
シリコーンカルボキシラートの非限定的な例としては、Noveon社からUltrasil(登録商標)CA−1 Silicone(ジメチコンPEG−7フタラート)およびUltrasil(登録商標)CA−2 Silicone(ジメチコンPEG−7スクシナート)の名称で市販されているものが挙げられ、いずれも下式(XV)に対応する。したがって、一実施形態では、少なくとも1つのシリコーンカルボキシラートは下式の化合物:
およびその塩から選択され、式中、aは1〜100の範囲内の整数であり、bは0〜500の範囲内の整数であり、AOは以下の式:
−(EO)c−(PO)d−(EO)e−
の基(式中、c、dおよびeは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ0〜20の範囲内の整数であり;EOはエチレンオキシド基であり;POはプロピレンオキシド基である)から選択され;xは0〜60の範囲内の整数であり;R’は、任意選択で置換された二価炭化水素、例えば2〜22個の炭素原子を含むアルキレン基およびアルケニレン基などならびに任意選択で置換された二価芳香族基、例えば以下の式:
の基および式:
の基などから選択される。
−(EO)c−(PO)d−(EO)e−
の基(式中、c、dおよびeは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ0〜20の範囲内の整数であり;EOはエチレンオキシド基であり;POはプロピレンオキシド基である)から選択され;xは0〜60の範囲内の整数であり;R’は、任意選択で置換された二価炭化水素、例えば2〜22個の炭素原子を含むアルキレン基およびアルケニレン基などならびに任意選択で置換された二価芳香族基、例えば以下の式:
シリコーンカルボキシラートの非限定的な例としては、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,248,783号および同第5,739,371号に記載されているものが挙げられ、これらは式(VII’’)のシリコーン化合物である。
少なくとも1つのカルボキシル基を含む陽イオンポリマー。
陽イオンポリマーは負電荷を有し得るが、全体としては陽イオン性の状態であり、pHに基づく陽イオン電荷を有し得る両性ポリマーであり得るか、またはいずれのpHでも両性の状態であるベタインポリマーであり得る。
陽イオンポリマーは負電荷を有し得るが、全体としては陽イオン性の状態であり、pHに基づく陽イオン電荷を有し得る両性ポリマーであり得るか、またはいずれのpHでも両性の状態であるベタインポリマーであり得る。
陽イオンポリマーは、(i)少なくとも1つの非イオン性モノマー、例えば(アルキル)(メタ)アクリルアミド、(アルキル)(メタ)アクリル酸エステル、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾールなど;(ii)少なくとも1つの陽イオン性モノマー、例えばエチルトリモニウム(アルキル)(メタ)アクリルアミド、エチルトリモニウム(アルキル)(メタ)アクリル酸エステル、ビニルイミダゾリン、ジメチルアミノプロピル(アルキル)(メタ)アクリルアミド、メタクリルアミドプロピルトリエチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)など;(iii)少なくとも1つの(アルキル)アクリル酸;(iv)少なくとも1つの両性モノマー、例えばカルボキシベタイン双性イオン性モノマーなどから選択されるエチレン性不飽和モノマーの単独重合または共重合により生じるポリマーである。
このような陽イオンポリマーの適切な例には、Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT280 POLYMER、MERQUAT280NP POLYMER、MERQUAT281 POLYMERまたはMERQUAT295 POLYMERの名称で販売されているジアリイジメチルアンモニウムクロリド(diallyidimethylammonium chloride)/アクリル酸コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−22);Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT2001 POLYMERまたはMERQUAT2001N POLYMERの名称で販売されているメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、アクリル酸および/またはアクリル酸メチルのコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−47);Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT3330DRY POLYMER、MERQUAT3330PR POLYMER、MERQUAT3331PR POLYMER、MERQUAT3940 POLYMER、MERQUAT PLUS3330 POLYMERまたはMERQUAT PLUS3331 POLYMERの名称で販売されているアクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸ターポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−39);Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT2003PR POLYMERの名称で販売されているメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)とアクリルアミドとアクリル酸とからなる両性ターポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−53);ポリクオタニウム−30、ポリクオタニウム−35、ポリクオタニウム−45、ポリクオタニウム−50、ポリクオタニウム−54;ポリクオタニウム−57;ポリクオタニウム−63;ポリクオタニウム−74;ポリクオタニウム−76;ポリクオタニウム−86;ポリクオタニウム−89;ポリクオタニウム−95;ポリクオタニウム−98、ポリクオタニウム−104;ポリクオタニウム−111;ポリクオタニウム−112ならびにその混合物がある。
脂肪酸、その塩およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物。
カルボン酸化合物は一般に、6〜30個の炭素原子、いくつかの実施形態では9〜30個の炭素原子、いくつかの実施形態では9〜22個の炭素原子を含む炭素鎖を有し、炭素鎖が任意選択で、例えば1つまたは複数の(特に1〜4つの)ヒドロキシル基で置換されている、飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸から選択され得る。本開示の脂肪酸が不飽和である場合、これらの化合物は1〜3個の共役または非共役炭素間二重結合を含み得る。
カルボン酸化合物は一般に、6〜30個の炭素原子、いくつかの実施形態では9〜30個の炭素原子、いくつかの実施形態では9〜22個の炭素原子を含む炭素鎖を有し、炭素鎖が任意選択で、例えば1つまたは複数の(特に1〜4つの)ヒドロキシル基で置換されている、飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸から選択され得る。本開示の脂肪酸が不飽和である場合、これらの化合物は1〜3個の共役または非共役炭素間二重結合を含み得る。
本開示のカルボン酸化合物の適切な例には、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘニン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸およびその混合物がある。
本開示のカルボン酸化合物は、脂肪酸の塩、特に脂肪酸のアルカリ金属塩(金属石鹸)および脂肪酸の有機塩基塩からも選択され得る。
脂肪酸のアルカリ金属塩の金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムおよびその混合物が挙げられる。脂肪酸の有機塩基塩は、脂肪酸をアンモニア、モノエタノールアミンまたはトリエタノールアミンなどの有機塩基で中和することによって得られる。適切な例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ヤシ脂肪酸カリウムステアリン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、ノナン酸アンモニウムおよびその混合物が挙げられる。
組成物中に存在する場合、上記の添加剤は一般に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、最大約95重量%、例えば組成物の総重量に基づき、最大約50重量%、最大約40重量%、最大約30重量%、最大約20重量%、最大約15重量%、最大約10重量%、最大約5重量%など、例えば約0.001重量%〜約50重量%、約0.001重量%〜約40重量%、約0.001重量%〜約30重量%、約0.001重量%〜約20重量%または約0.001重量%〜約10重量%などの範囲内の量で存在する。
当業者であれば、本発明による組成物の有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けない、または実質的に受けないよう、このもしくはこれらの任意選択の追加の化合物および/またはその量を慎重に選択することは言うまでもない。
調製法および使用法
いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミドと、ラテックスポリマーと、溶媒とを組み合わせることにより、本開示の組成物を調製する。
いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミドと、ラテックスポリマーと、溶媒とを組み合わせることにより、本開示の組成物を調製する。
他の実施形態では、ポリカルボジイミドと、ラテックスポリマーと、水、有機溶媒およびその混合物から選択される溶媒とを組み合わせることにより、本開示の組成物を調製する。
また別の実施形態では、ポリカルボジイミドと、ラテックスポリマーと、水と有機溶媒とを含む溶媒とを組み合わせることにより、本開示の組成物を調製する。
1段階または多段階の塗布工程
様々な実施形態では、ケラチン基質の処理法は、ポリカルボジイミドおよびラテックスポリマーのうち1つまたは複数のものを含む組成物の単回塗布または連続塗布を含み得る。様々な1段階および多段階の実施形態では、各混合物または相の組成物を1回または2回以上塗布し得る。
様々な実施形態では、ケラチン基質の処理法は、ポリカルボジイミドおよびラテックスポリマーのうち1つまたは複数のものを含む組成物の単回塗布または連続塗布を含み得る。様々な1段階および多段階の実施形態では、各混合物または相の組成物を1回または2回以上塗布し得る。
1段階の塗布工程
一実施形態では、本開示の組成物を毛髪などのケラチン基質に1段階の塗布工程で塗布する。ポリカルボジイミド、ラテックスポリマーおよび溶媒を含めた成分を組み合わせることにより1段階の塗布に使用する組成物を調製し、次いでケラチン基質に塗布する組成物を得る。
一実施形態では、本開示の組成物を毛髪などのケラチン基質に1段階の塗布工程で塗布する。ポリカルボジイミド、ラテックスポリマーおよび溶媒を含めた成分を組み合わせることにより1段階の塗布に使用する組成物を調製し、次いでケラチン基質に塗布する組成物を得る。
一実施形態では、1段階の塗布工程のための組成物が、水と有機溶媒とを含む溶媒を含む場合、ポリカルボジイミドと水とを組み合わせて水相上に形成させ、ラテックスポリマーと有機溶媒とを組み合わせて非水相を形成させる。次いで、両相を組み合わせて攪拌し、エマルションを形成させる。次いで、形成したエマルションを毛髪などのケラチン基質に塗布して処理する。
2段階の塗布工程
他の実施形態では、本開示の組成物を毛髪などのケラチン基質に2段階の塗布工程で塗布する。2段階の塗布工程では、個々の成分(溶媒と組み合わせたポリカルボジイミドおよび溶媒と組み合わせたラテックスポリマー)を任意の順序で段階的にケラチン基質に塗布して基質を処理する。
他の実施形態では、本開示の組成物を毛髪などのケラチン基質に2段階の塗布工程で塗布する。2段階の塗布工程では、個々の成分(溶媒と組み合わせたポリカルボジイミドおよび溶媒と組み合わせたラテックスポリマー)を任意の順序で段階的にケラチン基質に塗布して基質を処理する。
1つのこのような実施形態では、ケラチン基質を最初にポリカルボジイミド相で処理し、次いでラテックスポリマー相で処理する。
本明細書で逆段階方式と呼ばれる別の実施形態では、少なくとも1つのポリカルボジイミドと少なくとも1つのラテックスポリマーとを含む組成物を別個の相として調製し、各相を別個に毛髪などのケラチン基質に塗布する。1つのこのような実施形態では、ケラチン基質を最初にラテックスポリマー相で処理し、次いでポリカルボジイミド相で処理する。
3段階の塗布工程
他の実施形態では、本開示の組成物を3段階の塗布工程で毛髪などのケラチン基質に塗布する。3段階の塗布工程では、個々の成分(溶媒と組み合わせたポリカルボジイミドおよび溶媒と組み合わせたラテックスポリマー)を段階的方法でケラチン基質に任意の順序で塗布して基質を処理する。
他の実施形態では、本開示の組成物を3段階の塗布工程で毛髪などのケラチン基質に塗布する。3段階の塗布工程では、個々の成分(溶媒と組み合わせたポリカルボジイミドおよび溶媒と組み合わせたラテックスポリマー)を段階的方法でケラチン基質に任意の順序で塗布して基質を処理する。
1つのこのような実施形態では、ケラチン基質を最初にラテックスポリマー相で処理し、次いでポリカルボジイミド相で処理し、次いでラテックスポリマー相で処理する。
本開示による毛髪などのケラチン基質への組成物の塗布は、室温で実施し得る。
他の実施形態では、本開示による組成物の塗布は、毛髪に熱を加えること、または毛髪を高温に曝すことにより、高温(または室温より高い温度)で実施し得る。特に限定されるわけではないが、加熱は、例えば、よく用いられる加熱手段、例えばヘルメット型ドライヤもしくはブロードライヤ(40℃以上)またはホットアイロンもしくはフラットアイロン(120℃〜250℃)またはスチーム/ホットローラにより実施され得る。
本開示による組成物および処理は有利な特性をケラチン繊維にもたらす。一実施形態では、本開示による組成物および処理を親水性のまたは損傷したケラチン繊維、例えば損傷した(プラチナブリーチを実施した)毛髪などに塗布すると、それに疎水性をもたらすか、または疎水性を与える。ある特定の実施形態では、室温で、すなわち、毛髪を加熱することも、毛髪に熱を加えることもせずに疎水性がもたらされる。他の実施形態では、(毛髪に組成物を塗布する前もしくは後または毛髪に組成物を塗布するとき)毛髪に熱を使用したときに疎水性がもたらされる。
一実施形態では、疎水性の低い、または親水性のケラチン繊維にもたらされる疎水性は、50°超、70°超、90°超もしくは100°超の接触角または約50°〜約120°、例えば約50°〜約110°などの範囲内の接触角を含む。
例えば、本発明の組成物で処理した毛髪を50℃で30分間加熱し、次いで室温で一定時間冷却させたところ、パーセントカール保持の増大がみられ、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことが示された。熱(オーブンでの乾燥)を使用しても、本発明の組成物を用いて保持されたパーセントカールは、毛髪に熱を加えることも用いることもしなかった場合に得られた値よりも高かった。したがって、本開示による組成物は、特に、良く用いられる加熱手段、例えばブロードライヤ(60℃)またはホットアイロンもしくはフラットアイロン(120℃〜250℃)または加熱ランプ、加熱棒もしくは他の同様の装置などにケラチン繊維が曝されるときに用いると、カーリング面での有益性をもたらす。
本発明の組成物を使用する方法または工程は、目的とする毛髪のタイプ、したがって、毛髪の形状を整える、成形する、または維持するのに使用する組成物に含まれる具体的成分によって決まる。
本発明の1つの実施形態は、毛髪の形状を整える、成形する、または維持する方法である。
本発明の別の実施形態は、毛髪に耐久性のある、または長期間持続するスタイルまたは形状を与える方法であって、毛髪に本開示のいずれか1つの組成物を塗布することを含む方法である。
少なくとも1つの実施形態では、このような方法は、毛髪に本開示のいずれか1つの組成物を有効量塗布することを含む。
本開示の組成物は、毛髪の繊維の表面を十分に覆い、望ましい、または効果的な毛髪のスタイルまたは形状および望ましい保持力の大きさを得るのに有効な量で用い得る。したがって、毛髪に塗布する組成物の正確な量は、望まれる処理/スタイリング/成形/保持力の程度によって決まる。
有効量の組成物は通用、約0.1グラム〜約50グラム、いくつかの毛髪処理のための塗布では、約20〜60グラムの量、豊富な毛髪のためのさらなる実施形態では、約20〜約80グラムまたはそれ以上の量である。したがって、塗布する量は、処理するケラチン物質、例えば毛髪などの量またはボリュームによって決まり、したがって、毛髪の量または部分が少ない場合に対する少ない方の範囲から毛髪の量または部分が多い場合に対する多い方の範囲およびそれ以上の範囲内に収まり得ることが理解されよう。毛髪の処理の場合、典型的な塗布は頭部全体に対するものである。毛髪への塗布は通常、組成物を毛髪に浸透させることを含むことが理解されよう。
本明細書にはさらに、毛髪の成形もしくはスタイリングおよび/またはヘアスタイルの保持への本開示の組成物の使用が開示される。また、毛髪への疎水性の付与による毛髪修復処理などの毛髪のケア、毛髪への損傷の軽減、または毛髪の感触の改善への本開示の組成物の使用が開示される。
組成物は、成形前または成形後に濡れた毛髪または乾いた毛髪に塗布し得る。組成物は、すすぎを実施しない方法に使用し得る。いくつかの他の実施形態では、組成物を毛髪からすすぎ得る。
本発明の組成物と接触させた毛髪は、空気乾燥させ、かつ/あるいはさらに、毛髪に熱を加えることおよび/または毛髪に櫛、ブラシもしくは指を通すことにより整える、または成形し得る。その他の成形手段は櫛およびブラシから選択され得る。
ある特定の実施形態では、組成物を例えば、約1〜約60分、または例えば約5〜約45分など、または例えば約5〜約30分など、または例えば約10〜約20分など、または例えば約20分、または例えば約10分などの間、ケラチン繊維上に保持させる(放置時間)。
スムージング作業は、ヘアブラシ、櫛またはフラットアイロンを含めた毛髪のブラッシングまたはスムージングのための適切な装置の使用により実施し得る。毛髪に対するスムージング作業は、毛髪に指を通すことも含み得る。
適切な塗布用装置には塗布用ブラシがある。ブラシは特に毛髪に適した塗布具の一例であるが、特に限定されないが、スプレーボトル、スクイズボトル、1チャンバおよび2チャンバポンプ、チューブ、櫛ならびに当該技術分野で公知のその他の塗布具を含めた他の塗布具も使用し得ることが理解されよう。
毛髪にスムージング作業を実施している間、毛髪に(温度が少なくとも40℃の)熱を加えることができる。熱源は、ブロードライヤ、フラットアイロン、ヘアドライヤ、加熱ランプ、加熱棒またはその他の同様の装置から選択され得る。
さらに、実施形態の使用とは関係なく、繊維または毛髪上に存在する組成物を一定時間、一般には約1〜約60分、例えば約5〜約45分など、または例えば約5〜約20分など、または例えば約10〜約20分など、または例えば約20分など、または例えば約10分などの間放置する。別の実施形態では、処理時間はさらに長く、いくつかの実施形態では相当長くなり得、塗布が最大24時間〜約48時間放置され得る。
本開示の組成物は毛髪上で容易に広がる。
驚くべきことに、また予想外にも、毛髪への組成物の塗布により毛髪の形状、スタイルもしくはカールまたは毛髪を高湿度条件下を含めた湿度に対して耐性にすることが保持されることを発見した。驚くべきことに、また予想外にも、毛髪への組成物の塗布により、毛髪の質の改善、例えば毛髪の感触および外観の改善がもたらされることも発見した。
また、本発明の組成物および方法を用いて得られる形状/スタイリング管理、カール保持力、耐湿性およびヘアケア効果は、耐久性のある、または長期間持続する、すなわち、洗浄またはシャンプーに耐性を示すものであり得る。
本明細書で使用される「長期間持続する」または「耐久性のある」は、本発明の組成物により毛髪に付与される有益性が一定期間にわたり、かつ/または高湿度条件下でも、かつ/または1回もしくは複数回の洗浄サイクル(水、シャンプー/水、シャンプー/水/コンディショナ/水もしくはコンディショナ/水)の後も持続することを意味するものと理解される。前記複数回の洗浄サイクルは、2回以上の洗浄サイクル、例えば2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回の洗浄サイクルなどを意味するものと理解される。
本発明の別の実施形態は、毛髪に耐久性のある、または長期間持続するスタイル/形状および/またはカールおよび/またはケアを与える方法であって、(a)本発明の組成物を提供することと、(b)組成物を毛髪に塗布するための説明書を提供することとを含む方法である。
少なくとも特定の例示的実施形態では、組成物は任意の形態、例えば、毛髪に噴霧するか、または別の方法で毛髪に塗布し得るジェル、クリーム、フォーム、ローション、エマルションまたは液体などのヘアスタイリング組成物の形態である。様々な実施形態では、組成物をジェル、ムースまたはスプレーの形態で提供し得る。少なくとも特定の実施形態では、最初に組成物を手に塗布し、次いで毛髪をその手に接触させることにより組成物を毛髪に塗布してよく、他の実施形態では、組成物を噴霧などにより毛髪に直接塗布してよい。様々な実施形態では、組成物を放置処理として毛髪に塗布し得る。
様々な実施形態では、熱などの外部刺激を加えることがヘアスタイリング工程の一環として望ましいものであり得る。単なる例を挙げれば、組成物を濡れた毛髪または乾いた毛髪に塗布する前、間または後に、毛髪を任意選択で外部刺激、例えば約25℃〜約250℃の範囲内の熱でさらに処理し得る。少なくとも特定の実施形態では、毛髪を外部刺激に曝している間、例えば加熱している、または熱に曝している間、毛髪を所望の形状または位置に整えてもよい。
上記のような専門家用および消費者用の加熱用具を毛髪に熱または高温を加える手段として使用することができる。
記載されるように、本開示による組成物は、毛髪に塗布する間または後に毛髪または手などの基質にフィルムまたはコーティングをもたらし得る。組成物により形成されるフィルムは驚くべきことに、従来のヘアスタイリング組成物と同じく滑らかな感触でべとつかないものであり得る。また驚くべきことに、組成物は、毛髪を比較的自然な状態で滑らかな感触にしておくうえ、柔軟なコーティングを有し、残渣をほとんどまたは全く残さず、毛髪を縮れも剥離もほとんどまたは全くない軽くて弾力性のあるものにするフィルムを毛髪にもたらし得るものであり、個別化されたカール、スタイル管理、ボリュームおよび光沢に関して比較的高い明確性を与え得るものであり、かつ/あるいは比較的長期間持続する保持力およびスタイル記憶を可能にし得るものである。さらに、本開示による少なくとも特定の実施形態では、組成物は、べとつきも粘着性も示さない。したがって、本明細書に記載される様々な実施形態による毛髪組成物の使用者は、この組成物が知覚できないものまたは「目に見えないもの」であり、そのうえでなお毛髪を効率的に整え、かつ/または保持するものであると感じ得る。さらに、組成物は、湿度が高いまたは比較的高い条件下でも効果的なヘアスタイリング特性および/または保持特性を有し得る。本開示による少なくとも特定の実施形態では、組成物は速乾性であり得、それにより乾燥および/またはスタイリングの時間が短縮され、さらにはスタイリング性およびカール保持が改善し得る。
さらに、記載されるように、様々な実施形態に従って調製される組成物は、ヘアスタイルに与えるべき様々な程度の保持力をもたらし得る。単なる非限定的な例を挙げれば、極めて短い毛髪にスパイキーな外見をもたらすには、高レベルのスタイリング保持力(「強い保持力」)が望ましいものであり得る。あるいは、さらなる非限定的な例として、中程度の長さの毛髪または長い毛髪に流れるような外見をもたらす、またはヘアカールを維持するには、低レベルないし中レベルのスタイル保持力が望ましいものであり得る。ラテックスポリマーとポリカルボジイミドの重量比を変化させることにより、高レベルのスタイル保持力、中レベルないし高レベルのスタイル保持力、中レベルのスタイル保持力または低レベルないし中レベルのスタイル保持力を有する組成物を処方することが可能である。
ある特定の実施形態では、ポリカルボジイミドとラテックスポリマーの重量比が約1:50約10:1、約1:40〜約10:1、約20:1〜約10:1、約1:10〜約10:1、約5:1〜約1:5もしくは約2:1〜約1:2または約1:1である場合、弱い保持力から強い保持力までの範囲の様々な程度のスタイル保持力がもたらされ得る。
いくつかの特定の実施形態では、組成物は、ラテックスポリマーとポリカルボジイミドを約1:1〜約10:1、いくつかの実施形態では約2:1、約3:1、約4:1または約5:1の重量比で含む。いくつかの実施形態では、組成物中に少なくとも2つの異なるラテックスポリマーが存在し、各ラテックスポリマーとポリカルボジイミドの重量比は約1:1:1〜約5:1:1、いくつかの実施形態では約2:1:1、約3:1:1または約4:1:1である。
少なくとも特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物により形成されるフィルムは、透明かつ/または安定なものであり得る。さらに、本開示による組成物でヘアスタイリングまたは処理を実施した毛髪は、本開示による組成物でスタイリングまたは処理を実施していない以外同じ条件に曝した毛髪に比べて、少なくとも特定の例示的実施形態では疎水性であり、かつ/または縮れが少なく見え、かつ/または切れ毛が起こりにくいものであり得る。
ただし、本開示による組成物およびフィルムならびに組成物またはフィルムを塗布した毛髪は、本明細書で言及する特性のうち1つまたは複数のものを有さないことがあるが、本開示の範囲内には含まれることに留意するべきである。
本明細書には毛髪のスタイリングのための方法も開示され、前記方法は、毛髪のスタイリングの前、間または後に本開示による組成物を毛髪に塗布することを含む。組成物を毛髪に塗布する前、間または後に毛髪を熱などの外部刺激で処理する1つまたは複数の段階も企図される。
頭髪または睫毛などのケラチン基質に本発明の組成物を塗布するための説明書は、末端使用者が従うべき組成物の使用に関する指示を含み得る。末端使用者は、消費者、美容専門家または美容院の美容師であり得る。指示は、組成物が毛髪繊維を十分に覆い、毛髪繊維に所望の形状、スタイルまたは保持力を与えるのに十分な量で一定量の組成物を取るよう末端使用者に説明することを含み得る。指示はさらに、櫛、ブラシ(例えば、ヘアブラシまたはブラシ棒)、フラットアイロンプレート、ブロードライヤなどの装置または指を用いて毛髪を成形もしくはスタイリングする、または毛髪の繊維を分離するよう末端使用者に説明するものであり得る。指示はさらに、毛髪をドライヤで乾かすことまたは毛髪に加熱装置を用いることなどにより毛髪に熱を加えることも末端使用者に説明するものであり得る。
毛髪などのケラチン繊維に本発明の組成物を塗布するための説明書は、本発明の組成物の入った容器(缶、ボトルもしくはジャーなど)または前記組成物の入った容器を含む箱、ボール箱もしくはその他の包装の上に表示されたものであり得る。
本発明の別の実施形態は、毛髪から選択されるケラチン繊維を保護する方法であって、毛髪を化学的に処理する(例えば、永久染色組成物、半永久(semi−permanent)染色組成物または半永久(demi−permanent)染色組成物を用いて毛髪を染めること、化学的酸化剤により毛髪の色を脱色する/軽くする、または明るくする、化学的還元/酸化剤を用いて毛髪にパーマをかける、苛性アルカリ溶液組成物および非苛性アルカリ溶液組成物を用いて毛髪を弛緩させる、化学的縮毛矯正剤を用いて毛髪を縮毛矯正する)前、間または後に、前記ケラチン繊維を保護または修復するのに有効な量の本発明の組成物をケラチン繊維に塗布することを含む、方法である。
上記の組成物は、ヒト個人の頭髪などのケラチン基質への塗布に有用である。
したがって、本発明の組成物は、ヘアケア製品、ヘアスタイリング製品およびメイクアップ製品などの様々な化粧品にすることができる。
本発明のヘア化粧品組成物およびヘアスタイリング組成物を含めたヘアケア組成物の代表的なタイプとしては、毛髪の成形、毛髪の形状の維持、スタイリング製品(例えば、ジェル、クリーム、乳液、ペースト、ワックス、軟膏、セラム、フォーム、ヘアローション、ムース、ポンプ式スプレー、非エアロゾルスプレーおよびエアロゾルスプレー)、熱損傷からのコンディショニングまたは保護、リーブイン毛髪処理、リンスオフ毛髪処理のための組成物、シャンプー/スタイリング組合せ組成物およびヘアボリュームアップ組成物が挙げられる。
本発明の組成物は、ローションまたはクリームなどの水性組成物またはエマルションの形態であり得る。
一実施形態では、本発明の組成物は、いくつかの実施形態では揮発性有機溶媒/化合物を含有する、非エアロゾルスプレーの形態である。
一実施形態では、本発明の組成物はクリームの形態である。別の実施形態では、本発明の組成物は水性組成物の形態である。
組成物は、様々な形態、特にチューブ、ジャーもしくはボトル、ポンプ式ボトル、スクイズボトルまたは組成物を気化形態もしくはムースの形態で塗布するエアロゾル容器に包装し得る。組成物を塗布具、特に手袋または拭取り紙に染み込ませてもよい。
組成物は、塗布用ノズルまたはアクチュエータポンプ、ポンプ、塗布具および施剤用櫛を備えた容器または組成物を染み込ませた不溶性基質を用いて手作業で塗布し得る。
本明細書で使用される場合、本明細書に開示される工程および組成物は、人為的に染色も着色もパーマも実施していない毛髪に使用され得る。
本明細書で使用される場合、本明細書に開示される工程および組成物は、人為的に染色、着色またはパーマを実施した毛髪にも使用され得る。
本開示による組成物は、当業者に周知の技術により調製され得る。
上では様々な例示的実施形態に言及しているが、本開示はそのように限定されるわけではないことが理解されよう。当業者であれば、本開示の実施形態には様々な修正を施すことができ、そのような修正は本開示の範囲内に含まれることが意図されることがわかるであろう。本開示に特定の構造および/または構成を用いる実施形態が示される場合、本開示を機能的に等価である任意の他の適合可能な構造および/または構成で実施してもよいが、ただし、そのような置換は、明確に禁じられているか当業者に不可能であるとわかっているものではないことが理解される。
以下の例は、本発明をさらに説明することを意図するものである。これらは決して本発明を限定することを意図するものではない。特に明示されない限り、割合はいずれも重量によるものである。
(毛髪修復またはヘアスタイリングのための)毛髪処理組成物の調製方法
選択した量または重量百分率の活性RM(原料)を選択した溶媒(水、水とイソドデカン(IDD)もしくはエタノールなどの有機溶媒との混合物または有機溶媒のいずれか)中で攪拌することにより各相のストック溶液を作製した。塗布直前、所望の比の部(通常、活性物質1:1)をバイアル内に量り取り、混合して毛髪処理溶液を作製した。2つの相が水相と非水相とを含む場合、バイアル内の2つの相を攪拌または振盪してエマルションにした。毛髪0.5〜1gに対し通常、製品0.5〜1gを塗布した。2段階処理の場合、ストック溶液を予め混合せずに毛髪に直接塗布する。
選択した量または重量百分率の活性RM(原料)を選択した溶媒(水、水とイソドデカン(IDD)もしくはエタノールなどの有機溶媒との混合物または有機溶媒のいずれか)中で攪拌することにより各相のストック溶液を作製した。塗布直前、所望の比の部(通常、活性物質1:1)をバイアル内に量り取り、混合して毛髪処理溶液を作製した。2つの相が水相と非水相とを含む場合、バイアル内の2つの相を攪拌または振盪してエマルションにした。毛髪0.5〜1gに対し通常、製品0.5〜1gを塗布した。2段階処理の場合、ストック溶液を予め混合せずに毛髪に直接塗布する。
実施例
実施例I:
A.試験方法
1)本発明の組合せによるフィルムの物理的特性の決定
フィルム被覆
ラテックス+ポリカルボジイミドポリマーを様々な比で4g(活性物質固体量)含有する水溶液30gを100ml PFAペトリ皿(直径100mm×高さ15mm)で少なくとも3日間、室温で除去に乾燥させることによりラテックスフィルムを得る。ラテックスフィルム形成剤は、高Tg(60℃超)、中Tg(10〜60℃)および低Tg(10℃未満)を有するものである。
A.試験方法
1)本発明の組合せによるフィルムの物理的特性の決定
フィルム被覆
ラテックス+ポリカルボジイミドポリマーを様々な比で4g(活性物質固体量)含有する水溶液30gを100ml PFAペトリ皿(直径100mm×高さ15mm)で少なくとも3日間、室温で除去に乾燥させることによりラテックスフィルムを得る。ラテックスフィルム形成剤は、高Tg(60℃超)、中Tg(10〜60℃)および低Tg(10℃未満)を有するものである。
フィルムの測定
寸法(長さ、幅、厚さ)がわかっているラテックスをTA Instrument社のQ800 Dynamic Mechanical Analysisに載せ、DMA Control Forceモードで試験する。以下の手順を用いて応力/歪試験を実施する:
a.初期歪:0.01%
b.等温性:25℃
c.歪速度:5%/分
d.最終歪:50%。
寸法(長さ、幅、厚さ)がわかっているラテックスをTA Instrument社のQ800 Dynamic Mechanical Analysisに載せ、DMA Control Forceモードで試験する。以下の手順を用いて応力/歪試験を実施する:
a.初期歪:0.01%
b.等温性:25℃
c.歪速度:5%/分
d.最終歪:50%。
応力/歪曲線から、約0.01%の歪〜約0.1%の歪および示される応力での歪における直線部分の傾きとしてヤング率を算出する。高いヤング率は硬いフィルムを表し、より低いヤング率はより柔らかいフィルムを表す。歪の増大は、より柔軟なフィルムを表した。
2)本発明の組合せで処理した毛髪の機械的特性の決定
毛髪処理
一片の正常毛髪(IHIP社製、幅1cm、長さ15cm、約2〜2.5gの毛髪)を本発明の溶液で処理した(0.5g水溶液/g毛髪)。溶液が房の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通した。真っ直ぐな外形の処理毛髪を室温で一晩乾燥させた。
毛髪処理
一片の正常毛髪(IHIP社製、幅1cm、長さ15cm、約2〜2.5gの毛髪)を本発明の溶液で処理した(0.5g水溶液/g毛髪)。溶液が房の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通した。真っ直ぐな外形の処理毛髪を室温で一晩乾燥させた。
毛髪の測定
J.Cosmet.Sci.,53,345−362(2002年11月/12月)に記載されている通りに、毛髪搭載用の付属品を備えたテクスチャーアナライザ(Model TA−XTPlus、Texture Technologies社)を用いて試験を実施する。カンチレバー曲げ実験は以下の一連の段階から構成される:毛髪の房を幅6cmの2点上に置き、3点目となるプローブを毛髪の房の中央に降ろし、毛髪の房に10mmの歪を10回サ実施する。試験プロトコルは以下の通りとする:
試験モード=圧縮
試験前速度=2mm/秒
試験速度=2mm/秒
試験後速度=2mm/秒
標的モード=距離
距離=10mm
カウント=10
トリガータイプ=自動(力)
トリガー力=1g
J.Cosmet.Sci.,53,345−362(2002年11月/12月)に記載されている通りに、毛髪搭載用の付属品を備えたテクスチャーアナライザ(Model TA−XTPlus、Texture Technologies社)を用いて試験を実施する。カンチレバー曲げ実験は以下の一連の段階から構成される:毛髪の房を幅6cmの2点上に置き、3点目となるプローブを毛髪の房の中央に降ろし、毛髪の房に10mmの歪を10回サ実施する。試験プロトコルは以下の通りとする:
試験モード=圧縮
試験前速度=2mm/秒
試験速度=2mm/秒
試験後速度=2mm/秒
標的モード=距離
距離=10mm
カウント=10
トリガータイプ=自動(力)
トリガー力=1g
10サイクルの曲げが終了した後、10の歪の距離の関数として力のプロットを作成する。プロットから最初の歪の最大力(FMax)を求めた。
最大力が大きいことは、毛髪が硬く強い保持力を有することを表し;最大力が小さいことは、毛髪が柔らかく弱い保持力を有していたことを表す。
3回の実験の平均値から結果を得る。
3)高湿度カール保持の決定
毛髪処理
通常の脱色毛髪見本(IHIP社製、長さ14.5cm、約0.5g)を本発明の組合せの溶液で処理した(0.5g溶液/g毛髪)。溶液が毛髪見本の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通した。次いで、処理毛髪をスパイラルロッド(直径0.5)に巻き付け、a)室温で一晩乾燥させるか;またはb)60℃のオーブンで30分間硬化させた後、室温で一晩平衡化する。
毛髪処理
通常の脱色毛髪見本(IHIP社製、長さ14.5cm、約0.5g)を本発明の組合せの溶液で処理した(0.5g溶液/g毛髪)。溶液が毛髪見本の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通した。次いで、処理毛髪をスパイラルロッド(直径0.5)に巻き付け、a)室温で一晩乾燥させるか;またはb)60℃のオーブンで30分間硬化させた後、室温で一晩平衡化する。
カール保持の測定
ロッドからコイル状に巻かれた毛髪を取り外し、90%RH、25℃の加湿チャンバ内に24時間置いた。カール保持を:(Lo−Lf)/(Lo−Li)×100(式中、Lo=完全に伸長した毛髪の長さ(14.5cm)、Li=湿気に曝露する前の最初のコイル状毛髪の長さ、Lf=24時間曝露した後の最終的な毛髪の長さである)として算出した。
ロッドからコイル状に巻かれた毛髪を取り外し、90%RH、25℃の加湿チャンバ内に24時間置いた。カール保持を:(Lo−Lf)/(Lo−Li)×100(式中、Lo=完全に伸長した毛髪の長さ(14.5cm)、Li=湿気に曝露する前の最初のコイル状毛髪の長さ、Lf=24時間曝露した後の最終的な毛髪の長さである)として算出した。
4)疎水性の決定
毛髪処理
2回脱色した毛髪の見本(IHIP社製、幅0.5cm、0.75g)をラテックスとポリカルボジイミドの様々な溶液で処理し、次いで50℃のオーブン内に30分間置き、次いで室温で一晩乾燥させた。翌朝、それらを従来の硫酸エステル系シャンプー(DOPシャンプー)で洗浄し、ヘルメット型ドライヤで乾燥させ、次いで残存している疎水性(すなわち、シャンプー/洗浄サイクルを耐え抜いた疎水性)を測定した。
毛髪処理
2回脱色した毛髪の見本(IHIP社製、幅0.5cm、0.75g)をラテックスとポリカルボジイミドの様々な溶液で処理し、次いで50℃のオーブン内に30分間置き、次いで室温で一晩乾燥させた。翌朝、それらを従来の硫酸エステル系シャンプー(DOPシャンプー)で洗浄し、ヘルメット型ドライヤで乾燥させ、次いで残存している疎水性(すなわち、シャンプー/洗浄サイクルを耐え抜いた疎水性)を測定した。
疎水性測定
Biolin Scientific社のContact Angle Tensiometer、Model C204Aを用いた接触角測定により各見本の疎水性を測定した。30〜50本からなる繊維の束を表面が平らになるようやっとこで挟んだ。DI H2Oの3-5uL滴を繊維表面に置き、接触角を10秒間測定した。下に報告する数値は、10秒後の接触角を用いた3つの測定値の平均値である。
Biolin Scientific社のContact Angle Tensiometer、Model C204Aを用いた接触角測定により各見本の疎水性を測定した。30〜50本からなる繊維の束を表面が平らになるようやっとこで挟んだ。DI H2Oの3-5uL滴を繊維表面に置き、接触角を10秒間測定した。下に報告する数値は、10秒後の接触角を用いた3つの測定値の平均値である。
B.実施例I.物理的特性
1)高Tgラテックス+ポリカルボジイミド
ラテックス1(Tg約128℃、活性物質27%)とpCDI 1(活性物質40%)の様々な比での組合せから透明なフィルムを得た。フィルムの組成および物理的特性を下に示す。
1)高Tgラテックス+ポリカルボジイミド
ラテックス1(Tg約128℃、活性物質27%)とpCDI 1(活性物質40%)の様々な比での組合せから透明なフィルムを得た。フィルムの組成および物理的特性を下に示す。
結果は、ポリカルボジイミドの量が少ないほどフィルムは硬く柔軟性の低いものとなり;ラテックスポリマーに対するポリカルボジイミドの量が増大するにつれて、フィルムは柔らかく柔軟なものになったことを示している。これらの結果から、一般に単独では硬く柔軟性の低いフィルムを形成する高Tgラテックスポリマーでは、ポリカルボジイミドの添加がラテックスポリマーの物理的特性に影響を及ぼす、またはこれを「調整する」ことにより、様々な量のポリカルボジイミドで、フィルムの柔軟性および柔らかさ/硬さに関する様々な物理的特性が得られることがわかる。このことは、本発明の組成物が、毛髪に様々なタイプのスタイリング保持力または成形保持力(中程度ないし強い保持力)をもたらし得るフィルムまたはコーティングを毛髪に形成することが可能であると解釈される。
2)中Tgラテックス+ポリカルボジイミド
ラテックス2(Tg約35℃、活性物質30%)とpCDI SV02(活性物質40%)の様々な比での組合せから透明なフィルムを得る。フィルムの組成および物理的特性を下に示す。
ラテックス2(Tg約35℃、活性物質30%)とpCDI SV02(活性物質40%)の様々な比での組合せから透明なフィルムを得る。フィルムの組成および物理的特性を下に示す。
結果は、ポリカルボジイミドの量が少ないほどフィルムは硬く柔軟性の低いものとなり;ラテックスポリマーに対するポリカルボジイミドの量が増大するにつれて、フィルムは柔らかく柔軟なものになったことを示している。これらの結果から、中Tgラテックスポリマーでは、ポリカルボジイミドの添加がラテックスポリマーの物理的特性に影響を及ぼす、またはこれを「調整する」ことにより、様々な量のポリカルボジイミドで、フィルムの柔軟性および柔らかさ/硬さに関する様々な物理的特性が得られることがわかる。このことは、本発明の組成物が、毛髪に低〜中程度の保持力の範囲にわたって様々なタイプのスタイリング保持力または成形保持力をもたらし得るフィルムまたはコーティングを毛髪に形成することが可能であると解釈される。
3)低Tgラテックス+ポリカルボジイムデ(Polycarbodiimde)
ラテックス3(Tg約−67℃、活性物質55%)とポリカルボジイミド1(活性物質40%)の様々な比での組合せから透明なフィルムを得る。フィルムの組成および物理的特性を下に示す。
ラテックス3(Tg約−67℃、活性物質55%)とポリカルボジイミド1(活性物質40%)の様々な比での組合せから透明なフィルムを得る。フィルムの組成および物理的特性を下に示す。
結果は、室温で粘稠性フィルムを形成する低Tgラテックスポリマーでは、様々な量のポリカルボジイミド(最大1:1の比)を添加することにより、フィルムの様々な程度の柔軟性および柔らかさなどの様々な物理的特性を有する優れたフィルムを得ることができた。このことは、本発明の組成物が、毛髪に様々な程度の低いスタイリング保持力または成形保持力をもたらし得るフィルムまたはコーティングを毛髪に形成することが可能であると解釈される。
II.毛髪の機械的特性
通常のバージン毛髪見本(約2g)を3%のラテックス2と0〜6%のpCDI SV02を含有する水溶液で処理した(2g製品/g毛髪)。処理した毛髪見本を室温で一晩乾燥させた。これらの毛髪見本に三点曲げ実験を実施して、毛髪を10cm下方に曲げるための最大力(FMax)を求めた。
通常のバージン毛髪見本(約2g)を3%のラテックス2と0〜6%のpCDI SV02を含有する水溶液で処理した(2g製品/g毛髪)。処理した毛髪見本を室温で一晩乾燥させた。これらの毛髪見本に三点曲げ実験を実施して、毛髪を10cm下方に曲げるための最大力(FMax)を求めた。
上の結果は、ポリカルボジイミドにより毛髪に対するラテックスポリマーの保持力が増大すること、およびポリカルボジイミドの量の増大とともに保持力(毛髪の硬さに基づく)が増大することを示している。
III.毛髪の高湿度カール保持(HHCR試験)
1)中Tgラテックス+ポリカルボジイムデ(Polycarbodiimde)
毛髪見本を様々な比のラテックス2とポリカルボジイミドSV02の溶液で処理し、次いで室温で一晩乾燥させた。それらの高湿度カール保持の結果を下に示す。
1)中Tgラテックス+ポリカルボジイムデ(Polycarbodiimde)
毛髪見本を様々な比のラテックス2とポリカルボジイミドSV02の溶液で処理し、次いで室温で一晩乾燥させた。それらの高湿度カール保持の結果を下に示す。
2)低Tgラテックス+ポリカルボジイムデ(Polycarbodiimde)
毛髪見本を様々な比のラテックス3とポリカルボジイミドSV02の2%溶液で処理し、次いで60℃のオーブン内で30分間硬化させ、次いで室温で一晩、さらに乾燥させた。それらの高湿度カール保持の結果を下に示す。
毛髪見本を様々な比のラテックス3とポリカルボジイミドSV02の2%溶液で処理し、次いで60℃のオーブン内で30分間硬化させ、次いで室温で一晩、さらに乾燥させた。それらの高湿度カール保持の結果を下に示す。
表6および7の結果は、ラテックスポリマー/ポリカルボジイミド組成物のHHCR値の方がラテックスポリマー単独またはポリカルボジイミド単独それぞれのHHCR値よりも大きいことを示している。このことから、本発明の組成物が毛髪に高湿度耐性特性をもたらすことにより、高湿度条件下でも毛髪が毛髪に対する大幅に優れたスタイリング保持力または成形保持力を維持することが可能になることがわかる。
IV.毛髪の疎水性
1)中Tgラテックス+ポリカルボジイムデ(Polycarbodiimde)
毛髪見本を上記のようにラテックス4およびポリポリカルボジイミド(Polypolycarbodiimide)SV02または両者の混合物の2%溶液で処理する。次いで、疎水性の測定値を得た。
1)中Tgラテックス+ポリカルボジイムデ(Polycarbodiimde)
毛髪見本を上記のようにラテックス4およびポリポリカルボジイミド(Polypolycarbodiimide)SV02または両者の混合物の2%溶液で処理する。次いで、疎水性の測定値を得た。
2)低Tgラテックス+ポリカルボジイムデ(Polycarbodiimde)
毛髪見本を上記のようにラテックス3およびポリポリカルボジイミド(Polypolycarbodiimide)SV02または両者の混合物の2%溶液で処理する。次いで、疎水性の測定値を得た。
毛髪見本を上記のようにラテックス3およびポリポリカルボジイミド(Polypolycarbodiimide)SV02または両者の混合物の2%溶液で処理する。次いで、疎水性の測定値を得た。
上の接触角測定値は、ポリカルボジイミドとラテックスポリマーとの組合せが毛髪に疎水性の増大をもたらしたことを示している。それとは対照的に、ポリカルボジイミドおよびラテックスポリマーは、接触角がゼロであることからわかるように、毛髪に疎水性を与えることはなかった。
まとめると、上の実施例は、ラテックスポリマーとポリカルボジイミドとの組合せにより独特の特性(物理的特性、機械的特性、疎水性)を有するフィルムが生じることを示している。同時に、上の実施例の結果から、ラテックスポリマー、ポリカルボジイミドおよび毛髪の間の相互作用により、低い〜中程度〜強い保持力、高湿度条件に対する増大した疎水性および耐久性のあるカールなどの形状またはスタイルならびに毛髪の形状または外形を維持させる曲げ力特性を得るために制御することができるスタイリング性能または成形性能などの利益が毛髪にもたらされることがわかる。これらの結果は、多様なタイプの毛髪(例えば、短髪〜長髪、直毛〜縮毛)を有する個人の毛髪形状/スタイルに、所望に応じて硬さまたは硬度/柔らかさ、剛性/柔軟性、形状制御/スタイル記憶、外部因子、例えば低/高湿度条件、化学処理、シャンプー/洗浄処理および身繕い、身体動作、風、頭部を覆うものによって生じる歪などに対する耐性/復元力の制御および改善をもたらす能力および手段を化粧品の製造業者および使用者に与えるものである。
実施例II:
毛髪塗布のためのポリカルボジイミドおよびカルボン酸会合物を含むラテックスの化粧用途
A.試験方法
高湿度カール保持(HHCR)試験を用いて耐久性を求める方法
毛髪処理
通常の脱色毛髪見本(IHIP社製、長さ13.5cm、重量約0.5g)を試験溶液の4重量%の活性物質の溶液で処理する(0.5g溶液/g毛髪)。溶液が毛髪見本の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通す。次いで、処理毛髪をスパイラルロッド(直径0.5)に巻き付け、
a)室温で一晩乾燥させるか、または
b)50Cのオーブンで30分間乾燥させ、次いで室温で一晩乾燥させる。
毛髪塗布のためのポリカルボジイミドおよびカルボン酸会合物を含むラテックスの化粧用途
A.試験方法
高湿度カール保持(HHCR)試験を用いて耐久性を求める方法
毛髪処理
通常の脱色毛髪見本(IHIP社製、長さ13.5cm、重量約0.5g)を試験溶液の4重量%の活性物質の溶液で処理する(0.5g溶液/g毛髪)。溶液が毛髪見本の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通す。次いで、処理毛髪をスパイラルロッド(直径0.5)に巻き付け、
a)室温で一晩乾燥させるか、または
b)50Cのオーブンで30分間乾燥させ、次いで室温で一晩乾燥させる。
カール保持の測定
ロッドからコイル状に巻かれた毛髪を取り外し、90%RH、40℃の加湿チャンバ内に5時間置く。下式:
%カール保持=(Lo−Lt)×100
式中:Lo=本来の毛髪の長さ(完全に伸長した毛髪の長さ)
Li=最初の毛髪の長さ(湿気に曝露する前の毛髪の長さ)
Lt=湿気に5時間曝露した後の毛髪の長さ
を用いて%カール保持を算出した。
ロッドからコイル状に巻かれた毛髪を取り外し、90%RH、40℃の加湿チャンバ内に5時間置く。下式:
%カール保持=(Lo−Lt)×100
式中:Lo=本来の毛髪の長さ(完全に伸長した毛髪の長さ)
Li=最初の毛髪の長さ(湿気に曝露する前の毛髪の長さ)
Lt=湿気に5時間曝露した後の毛髪の長さ
を用いて%カール保持を算出した。
1a)カルボン酸基を有する陽イオン性ラテックスポリマーのSyntran PC5330(ポリクオタニウム−91(および)ポリアクリル酸−15)およびポリカルボジイミドV02−L2で処理した毛髪の高湿度カール保持
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
次いで、見本をカーリングロッドに巻き付けて一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪には保持されるパーセントカールの増大がみられたことを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方が、カール保持値が高かったことから明らかなように、経時的にも高湿度条件下でも高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、経時的にも高湿度でもスタイリング保持力が低いことがわかった。
1b)カルボン酸基を有する陽イオン性ラテックスポリマーのSyntran PC5330およびポリカルボジイミドSV02で処理した毛髪の高湿度カール保持
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
次いで、見本をカーリングロッドに巻き付けて一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した蓬髪には保持されるパーセントカールの増大がみられたことを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方が、カール保持値が高かったことから明らかなように、経時的にも高湿度条件下でも高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、経時的にも高湿度でもスタイリング保持力が低いことがわかった。
2a)カルボン酸基を有する陽イオン性ラテックスポリマーのSyntran PC5500(ポリアクリル酸−15)およびポリカルボジイミドV02−L2で処理した毛髪の高湿度カール保持
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
次いで、見本をカーリングロッドに巻き付けて一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪には保持されるパーセントカールの増大がみられたことを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方が、カール保持値が高かったことから明らかなように、経時的にも高湿度条件下でも高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、経時的にも高湿度でもスタイリング保持力が低いことがわかった。
2b)カルボン酸基を有する陽イオン性ラテックスポリマーのSyntran PC5500(ポリアクリル酸−15)およびポリカルボジイミドSV02で処理した毛髪の高湿度カール保持
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
次いで、見本をカーリングロッドに巻き付けて一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪には保持されるパーセントカールの増大がみられたことを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方が、カール保持値が高かったことから明らかなように、経時的にも高湿度条件下でも高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、経時的にも高湿度でもスタイリング保持力が低いことがわかった。
3)カルボン酸基を有する両性ラテックスポリマーのSyntran PC5100(活性物質重量24.3%、ポリアクリル酸21(および)アクリラート/ジメチルアミノエチルメタクリラートコポリマー)およびポリカルボジイミドV02−L2で処理した毛髪の高湿度カール保持
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
次いで、見本をカーリングロッドに巻き付けて一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪には保持されるパーセントカールの増大がみられたことを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方が、カール保持値が高かったことから明らかなように、経時的にも高湿度条件下でも高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、経時的にも高湿度でもスタイリング保持力が低いことがわかった。
4)カルボン酸基を有する両性ラテックスポリマーのSyntran PC5775(アクリラートをグラフトしたオレフィンポリマー−アクリラート/エチルヘキシルアクリラート/HEMAコポリマー(および)アクリラート/ジエチルアミノエチルメタクリラート/エチルヘキシルアクリラートコポリマー(および)イソデセス−6(および)カプリリルグリコール(および)ラウレス硫酸ナトリウムおよびポリカルボジイミドV02−L2で処理した毛髪の高湿度カール保持
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
5つの毛髪見本を下の溶液で処理した(製品0.5g/g):
次いで、見本をカーリングロッドに巻き付けて一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪には保持されるパーセントカールの増大がみられたことを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方が、カール保持値が高かったことから明らかなように、経時的にも高湿度条件下でも高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、経時的にも高湿度でもスタイリング保持力が低いことがわかった。
5)ラテックスとポリカルボジイミドV02−L2の接着およびコンディショニングに関する試験
4%溶液をポリプロピレン製計量ボート(毛髪とほぼ同じ表面エネルギー)に注いだ。生じたフィルムを剥がしたとき、フィルムの剥がしにくさに基づき接着値を評価した(1が最も剥がしやすく、5が最も剥がしにくい)。コンディショニングは、処理毛髪へのブラシの通しやすさと定義される。毛髪を0.25g製品/g毛髪で処理する。
4%溶液をポリプロピレン製計量ボート(毛髪とほぼ同じ表面エネルギー)に注いだ。生じたフィルムを剥がしたとき、フィルムの剥がしにくさに基づき接着値を評価した(1が最も剥がしやすく、5が最も剥がしにくい)。コンディショニングは、処理毛髪へのブラシの通しやすさと定義される。毛髪を0.25g製品/g毛髪で処理する。
ラテックスポリマー単独の接着特性は極めて乏しいものであった。それとは対照的に、ラテックスポリマーとポリカルボジイミドV02−L2との組合せ(本発明の組成物)では接着特性の増大がみられた。さらに、ポリカルボジイミド単独でのコンディショニングおよびブラッシング性はきわめて困難なものであったが、ポリカルボジイミドにラテックスポリマーを添加することにより、ラテックスポリマー単独から得られるコンディショニングと同等のコンディショニングが得られた(ラテックスポリマーにより与えられるコンディショニング特性に対して際立った悪影響はみられないことを示している)。このように、ラテックス+ポリカルボジイミドの会合物を含有する本発明の組成物により、コンディショニングおよび接着の両方の利益(コンディショニングと接着の最高のバランス)がもたらされた。
5)動的粘弾性測定(DMA)の結果
本発明の組合せにより形成されるフィルムの物理的特性の決定
フィルム被覆
ラテックスとポリカルボジイミドポリマーを様々な比で4g(総活性物質固体量)含有する水溶液30gを100ml PFAペトリ皿(直径100mm×高さ15mm)で少なくとも3日間、室温で徐々に乾燥させることによりフィルムを得た。ラテックスフィルム形成剤は、高Tg(60℃超)、中Tg(10〜60℃)および低Tg(10℃未満)を有するものである。
本発明の組合せにより形成されるフィルムの物理的特性の決定
フィルム被覆
ラテックスとポリカルボジイミドポリマーを様々な比で4g(総活性物質固体量)含有する水溶液30gを100ml PFAペトリ皿(直径100mm×高さ15mm)で少なくとも3日間、室温で徐々に乾燥させることによりフィルムを得た。ラテックスフィルム形成剤は、高Tg(60℃超)、中Tg(10〜60℃)および低Tg(10℃未満)を有するものである。
フィルムの測定
寸法(長さ、幅、厚さ)がわかっているフィルムをTA Instrument社のQ800 Dynamic Mechanical Analysisに載せ、DMA Temperature Rampモードで試験した。以下の手順を用いて応力/歪試験を実施した:
温度範囲:0〜150℃
温度勾配率:3℃/分。
寸法(長さ、幅、厚さ)がわかっているフィルムをTA Instrument社のQ800 Dynamic Mechanical Analysisに載せ、DMA Temperature Rampモードで試験した。以下の手順を用いて応力/歪試験を実施した:
温度範囲:0〜150℃
温度勾配率:3℃/分。
曲線から25℃での貯蔵率を求めた。高い貯蔵率は硬いフィルムを表し、より低い貯蔵率はより柔らかいフィルムを表す。
結果は、本発明の組成物のフィルムにいずれかの物質単独よりも硬さの増大がみられたことを示している。ラテックスポリマー溶液にポリカルボジイミドを組み込むことにより、ポリマーの架橋により硬さが増大したコーティングがもたらされた。このフィルムの硬さの増大は、コーティングの毛髪に対する成形性能の改善であると解釈される。
6a)縮れ制御ドライヤ乾燥−ラテックス会合物(少なくとも2つのラテックス)を用いた実施例。
2つのラテックスポリマーを試験した。Syntran PC5330は陽イオン性ラテックスポリマーであり、Daitosol 5000ADは非イオンラテックスである。
2つのラテックスポリマーを試験した。Syntran PC5330は陽イオン性ラテックスポリマーであり、Daitosol 5000ADは非イオンラテックスである。
毛髪見本(IHIP社の縮れ毛髪)を主としてラウレス硫酸ナトリウム、ココ−ベタインおよび水を含有するDOPシャンプーで洗浄し、次いで製品を毛髪に塗布した(0.1g製品/g毛髪)。見本をドライヤで乾燥させた(ブロードライヤで30秒間大まかに乾燥させて余分な水分を取り除き、次いでラウンドブラシで1分間スタイリングした)。ドライヤ乾燥段階でのブラッシング性に順位を付けることにより毛髪を評価した。
次いで、毛髪見本を加湿チャンバ内の振盪装置に高湿度、高温で5時間載せた(実際の生活での動きを模倣するため)。次いで、専門の評価者が順位付けにより縮れ制御を評価した。
結果は、陽イオン性ラテックスポリマーと非イオン性ラテックスポリマーとポリカルボジイミドの組合せを含有する組成物(2ラテックス−pCDIの組合せ)で処理した毛髪には、いずれかの物質単独または非イオン性ラテックスポリマーとポリカルボジイミドの組合せで処理した毛髪と比較して、ブラッシング性の増大、ブラッシング後の最初の縮れ制御および高湿度条件に曝露したときの持続性のある縮れ制御効果がみられたことを示している。2ラテックス−pCDIの組合せはまた、ブラッシング性および最初の縮れ制御に関して2ラテックスの組合せと同等の性能を示し、高湿度条件での縮れ制御性能の耐久性増大をもたらした。
6b)縮れ制御空気乾燥−ラテックス会合物(少なくとも2つのラテックス)を用いた実施例。
2つのラテックスポリマーを試験した。Syntran PC5330は陽イオン性ラテックスポリマーであり、Daitosol 5000ADは非イオン性ラテックスである。
2つのラテックスポリマーを試験した。Syntran PC5330は陽イオン性ラテックスポリマーであり、Daitosol 5000ADは非イオン性ラテックスである。
毛髪見本(IHIP社の縮れ毛髪)を主としてラウレス硫酸ナトリウム、ココ−ベタインおよび水を含有するDOPシャンプーで洗浄し、次いで製品を毛髪に塗布した(0.5g製品/g毛髪)。製品を塗布する際に溶液を見本に均一に分布させやすさの順位を付けることにより毛髪を評価した。毛髪見本に2回櫛を通した。毛髪を室温で一晩乾燥させた。
次いで、毛髪見本を加湿チャンバ内の振盪装置に高湿度、高温で5時間載せた(実際の生活での動きを模倣するため)。次いで、専門の評価者が順位付けにより縮れ制御を評価した。
結果は、空気乾燥法の後、陽イオン性ラテックスポリマーと非イオン性ラテックスポリマーとポリカルボジイミドの組合せを含有する組成物(2ラテックス−pCDIの組合せ)で処理した毛髪がブラッシング性の増大、ブラッシング後の最初の縮れ制御および高湿度条件に曝露したときの持続性のある縮れ制御効果の3つの特性すべてについて順位が高かったことを示している。
7)洗浄試験−シャンプー後の高湿度における縮れ制御
様々な処理剤で処理した(0.25g溶液/g毛髪)見本を一晩空気乾燥させた。次いで、DOPシャンプーで1回洗浄した。毛髪を室温で一晩乾燥させ、次いで、湿度80%、25Cの加湿チャンバ内に8時間置いた。
様々な処理剤で処理した(0.25g溶液/g毛髪)見本を一晩空気乾燥させた。次いで、DOPシャンプーで1回洗浄した。毛髪を室温で一晩乾燥させ、次いで、湿度80%、25Cの加湿チャンバ内に8時間置いた。
洗浄試験は、本発明の組成物を用いない原料単独では、3つの原料すべての会合物と比較すると、耐シャンプー性が低く性能面の利益が減少していることがわかる。
洗浄試験は、各原料単独および2つのラテックスポリマーの組合せの順位が低かったことを示しており、3つの原料を含有する組成物によりもたらされる優れた耐シャンプー性よりも耐シャンプー性が低いことがわかる。
上の実施例は、カルボン酸基を含有する架橋ラテックスポリマー(1つのラテックスポリマーまたは陽イオン性ラテックスポリマーと非イオン性ラテックスポリマーの会合物)とポリカルボジイミドおよびケラチン基質(毛髪)が高湿度およびシャンプーに対する復元力を通して、より高い硬さ/剛性、スタイル記憶および形状記憶をもたらすことを示している。
8a)1段階または2段階または逆段階の方式またはレジメンを用いた毛髪の処理。
毛髪見本(IHIP社の縮れ毛髪)をクレンジング組成物で洗浄した。
毛髪見本(IHIP社の縮れ毛髪)をクレンジング組成物で洗浄した。
単一段階(1段階)方式では、ポルカルボジイミド(polcarbodiimide)とラテックスポリマーとを混合し、得られた混合物を毛髪に塗布した。段階1では毛髪1g当たり0.1g塗布する。
2段階方式では、毛髪見本を最初に活性物質2重量%のポリカルボジイミドV02−L2水溶液、次いでラテックス(活性物質2重量%の水溶液)で処理した。
2段階:第一段階で毛髪1g当たり溶液0.05gを塗布し、第二段階で毛髪1g当たり溶液0.05gを塗布する。30秒間大まかに乾燥させ、次いで高熱で1分間、ドライヤ乾燥させる。加湿チャンバ内に置く。
逆段階方式では、毛髪見本を最初にラテックス溶液で処理し、次いでポリカルボジイミド溶液で処理した。
8b)2段階のスタイリング(空気乾燥)
2段階の実施例(0.2g製品/g毛髪)4%ラテックス空気乾燥
Redken Cleansing Creamで毛髪(IHIP社の縮れ毛髪)を洗浄する。溶液を塗布する(毛髪1g当たり0.1g)。段階1では毛髪1g当たり0.1g塗布する。2段階:第一段階で毛髪1g当たり0.05g塗布し、第二段階で毛髪1g当たり0.05g塗布する。加湿チャンバ内に置く。
2段階の実施例(0.2g製品/g毛髪)4%ラテックス空気乾燥
Redken Cleansing Creamで毛髪(IHIP社の縮れ毛髪)を洗浄する。溶液を塗布する(毛髪1g当たり0.1g)。段階1では毛髪1g当たり0.1g塗布する。2段階:第一段階で毛髪1g当たり0.05g塗布し、第二段階で毛髪1g当たり0.05g塗布する。加湿チャンバ内に置く。
上の結果は、上記の組成物を用いた3つの方法のうちいずれか1つに従って毛髪を処理することにより、毛髪にスタイリング特性および/または成形特性および/または扱いやすさの特性がもたらさせたことを示している。
様々な実施形態では、少なくとも1つのポリカルボジイミド化合物と、アクリラートラテックスポリマーから選択される少なくとも1つのラテックスポリマーとを含む、ケラチン基質処理のための組成物であって、ポリカルボジイミド化合物とラテックスポリマーとを合わせて組成物の約0.01重量%〜約20.0重量%含み、ポリカルボジイミド化合物とラテックスポリマー化合物の組合せが約1:1〜約1:5の比で存在し、組成物が、ポリカルボジイミド化合物およびラテックスポリマーをそれぞれ、ケラチン基質に塗布後それに増大した疎水性およびケラチン基質の形状または外形に増大した保持力のうち1つまたは複数のものを与える十分な量で含む、組成物が提供される。
いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミド化合物およびラテックスポリマーはそれぞれ約0.01重量%〜約10重量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミド化合物およびラテックスポリマーはそれぞれ約0.01重量%〜約8重量%の濃度で存在する。
いくつかの実施形態では、ラテックスポリマーはアクリル酸系または(メタ)アクリル酸系モノマーから形成される。
いくつかの実施形態では、ラテックスポリマーは、アクリラート/エチルヘキシルアクリラートコポリマー、アクリラートコポリマー、ポリアクリラート−2クロスポリマー、アクリラート/エチルヘキシルアクリラートコポリマー、アクリラート/ヒドロキシエステルアクリラートコポリマー、スチレン/アクリラートコポリマー、スチレン/アクリラート/アンモニウムメタクリラートコポリマーおよびその混合物から選択される。
いくつかの実施形態では、ラテックスポリマーは、ポリクオタニウム−91(および)ポリアクリラート−15、ポリアクリラート−15、ポリアクリラート21(および)アクリラート/ジメチルアミノエチルメタクリラートコポリマーならびにアクリラートをグラフトしたオレフィンポリマー−アクリラート/エチルヘキシルアクリラート/HEMAコポリマー(および)アクリラート/ジエチルアミノエチルメタクリラート/エチルヘキシルアクリラートコポリマー(および)イソデセス−6(および)カプリリルグリコール(および)ラウレス硫酸ナトリウムから選択される。
いくつかの実施形態では、組成物は少なくとも2つのラテックスポリマーを含む。
いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とラテックスポリマーの比は約1:1〜1:5の範囲内にある。
いくつかの実施形態では、組成物は、約175MPa〜約675Mpaの範囲内のヤング率を有するフィルムを生じる。いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミドとラテックスポリマーの比が1:1に近づくにつれてヤング率が大きくなる。
爪用組成物:
様々な実施形態では、本発明のラテックスポリマーは、本明細書で上に記載したように、フィルム形成ラテックスポリマーまたは非フィルム形成ラテックスポリマーであり得る。
様々な実施形態では、本発明のラテックスポリマーは、本明細書で上に記載したように、フィルム形成ラテックスポリマーまたは非フィルム形成ラテックスポリマーであり得る。
本開示によるいくつかの具体例では、ラテックスはモノマー、特にスチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、クロロプレン、酢酸ビニル、ウレタン、イソプレン、イソブチレンおよびアクリル酸またはメタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸またはイタコン酸あるいはそのエステルまたはアミドから形成され選択される。ラテックスポリマー粒子は、アクリル酸系または(メタ)アクリル酸系のモノマーを少なくとも1つ含む。適切な市販のラテックスの代表例としては、Euperlan PCO、Balance CR、Neocryl A45、Daitosol 3000 SLPNおよびDaitosol 3000 VP3などのアクリルコポリマー分散液が挙げられる。
ラテックスは通常、本開示の組成物中に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約5重量%〜約95重量%、いくつかの実施形態では約50重量%〜約95重量%、いくつかの実施形態では約60重量%〜約80重量%の量で存在する。
したがって、様々な実施形態では、本開示の組成物中のラテックスの量は、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約5重量%、5.5重量%、6重量%、6.5重量%、7重量%、7.5重量%、8重量%、8.5重量%、9重量%、9.5重量%、10重量% 12重量%、14重量%、15重量%、16重量%、18重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%および95重量%である。
ポリカルボジイミドおよびラテックスフィルム形成剤を含む爪用組成物
本発明では、少なくとも1つラテックスと少なくとも1つのポリカルボジイミドとの組合せを含むフィルム形成剤を含み、ラテックスおよびポリカルボジイミドが、本明細書で上に記載した様々な代替的実施形態から選択される、爪用組成物が提供される。このような実施形態では、少なくとも1つのラテックスと少なくとも1つのポリカルボジイミドの比は、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、約50:50〜約95:5、より具体的には約70:30〜約90:10、さらにより具体的には約80:20の範囲内にある。様々な実施形態では、ラテックスとポリカルボジイミドの組合せは、爪用組成物の重量百分率で約10%〜100%、いくつかの実施形態では約40%〜約95%、いくつかの特定の実施形態では約60%〜95%を占める。
本発明では、少なくとも1つラテックスと少なくとも1つのポリカルボジイミドとの組合せを含むフィルム形成剤を含み、ラテックスおよびポリカルボジイミドが、本明細書で上に記載した様々な代替的実施形態から選択される、爪用組成物が提供される。このような実施形態では、少なくとも1つのラテックスと少なくとも1つのポリカルボジイミドの比は、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、約50:50〜約95:5、より具体的には約70:30〜約90:10、さらにより具体的には約80:20の範囲内にある。様々な実施形態では、ラテックスとポリカルボジイミドの組合せは、爪用組成物の重量百分率で約10%〜100%、いくつかの実施形態では約40%〜約95%、いくつかの特定の実施形態では約60%〜95%を占める。
したがって、様々な実施形態では、本開示の組成物中のラテックスとポリカルボジイミドの組合せの量は、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約10重量% 30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量% 80重量%、85重量%、90重量%、95重量%および100重量%である。
本発明では、爪用組成物は、ベースコート、カラーコートまたはトップコートであり得る。ただし、爪用組成物中の各コート自体が1つまたは複数の層を含み得ることを理解するべきである。したがって、例えば、少なくとも1つのカラーコートが1つまたは複数のカラーコート層を含み、少なくともトップコートが1つまたは複数のトップコート層を含み、少なくとも1つのベースコートが1つまたは複数のベースコート層を含み得る。様々な実施形態では、ベースコート組成物、カラーコート組成物およびトップコート組成物はそれぞれ、3層以下の組成物、いくつかの実施形態では2層以下の組成物、いくつかのさらなる実施形態では単一層の組成物を含有する。
爪用組成物を塗布するとき、ベースコートは通常、爪に直接塗布し、カラーコートは通常、爪に直接塗布するか、またはベースコートに塗布し、トップコートは通常、カラーコートに塗布する。
本発明の爪用組成物は、爪に対する極めて強い接着、優れた耐久性、損傷に対する耐性および光沢を示す。
理論に束縛されるものではないが、本発明のポリカルボジイミドを含むフィルム形成剤とラテックスとの間の架橋により、本発明の爪用組成物の接着が当該技術分野の他のラテックス系爪用組成物と比較して改善されると考えられる。本発明の組成物の特性の独自の組合せは、消費者が付けることができ、1〜5日にわたって経時的にさらなる架橋を受けて長期間にわたる耐損傷性、優れた光沢および接着をもたらし、他のラテックス爪用組成物と比較して容易に除去される、爪用組成物をもたらす。
様々な実施形態では、ポリカルボジイミドとラテックスとを含む組成物は、溶媒、接着剤、可塑剤、第二のフィルム形成剤および共フィルム形成剤、揺変剤/レオロジー調節剤、充填剤、色素およびその他の添加剤、例えば保存剤、消泡剤および当該技術分野で公知のその他のものなどをいずれか1つまたは組み合わせて含有し得る。
溶媒
いくつかの実施形態では、本発明の組成物を爪の処理に使用する場合、組成物は任意選択で、有機溶媒および無機溶媒から選択される少なくとも1つの溶媒も含み得る。適切な溶媒は、特に周囲温度で液体のケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンおよびアセトンなど、周囲温度で液体のアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、ジアセトン−アルコール、2−ブトキシエタノールおよびシクロヘキサノールなど、周囲温度で液体のグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコールおよびグリセロールなど、周囲温度で液体のプロピレングリコールエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタートおよびジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなど、短鎖エステル(合計3〜8個の炭素原子を含むもの)、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチル、iso−酢酸ブチル、ter−酢酸ブチルおよび酢酸イソペンチルなど、周囲温度で液体のアルカン、例えばデカン、ヘプタン、ドデカンおよびシクロヘキサンなど、周囲温度で液体の芳香族炭化水素、例えばトルエンおよびキシレンなど、周囲温度で液体のシリコーンならびにその混合物から選択され得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物を爪の処理に使用する場合、組成物は任意選択で、有機溶媒および無機溶媒から選択される少なくとも1つの溶媒も含み得る。適切な溶媒は、特に周囲温度で液体のケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンおよびアセトンなど、周囲温度で液体のアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、ジアセトン−アルコール、2−ブトキシエタノールおよびシクロヘキサノールなど、周囲温度で液体のグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコールおよびグリセロールなど、周囲温度で液体のプロピレングリコールエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタートおよびジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなど、短鎖エステル(合計3〜8個の炭素原子を含むもの)、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、n−酢酸プロピル、iso−酢酸プロピル、n−酢酸ブチル、iso−酢酸ブチル、ter−酢酸ブチルおよび酢酸イソペンチルなど、周囲温度で液体のアルカン、例えばデカン、ヘプタン、ドデカンおよびシクロヘキサンなど、周囲温度で液体の芳香族炭化水素、例えばトルエンおよびキシレンなど、周囲温度で液体のシリコーンならびにその混合物から選択され得る。
本発明による組成物は、いわゆる揮発性溶媒も含み得る。「揮発性溶媒」という用語は、ケラチン物質と接触したとき、周囲温度および大気圧下で1時間未満で蒸発させることが可能な溶媒を指す。
本発明による揮発性溶媒は、いくつかの実施形態では、周囲温度および大気圧下でゼロと異なる蒸気圧、特に0.13Pa〜40,000Pa(10−3〜300mmHg)の範囲内、特に1.3Pa〜13,000Pa(0.01〜100mmHg)の範囲内、より具体的には1.3Pa〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲内の蒸気圧を有し周囲温度で液体の溶媒である。
一方、「不揮発性溶媒」は、ケラチン物質と接触したとき、周囲温度および大気圧下で1時間超で蒸発する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、アセトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコールおよびその混合物から選択される溶媒を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の爪用組成物中の総溶媒含有量は、組成物の総重量に対して約15重量%超、いくつかの実施形態では約20重量%超、いくつかの実施形態では約30重量%超である。
消泡剤
消泡剤/泡立ち防止剤は、油性、水性、粉末系およびシリコーン系のうちの1つまたは複数のものである化粧品に許容される消泡剤から選択される。いくつかの非限定的な例では、消泡剤は、ジメチコンおよびジメチコン含有物質、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマー、アルキルポリアクリラート、鉱油または植物油、疎水性シリカおよびワックスを含めたシリコーン油から選択される。消泡剤の代表的な例には、本明細書の実施例で使用されるジメチコン(および)ポリソルベート65(および)シメチコンがある。
消泡剤/泡立ち防止剤は、油性、水性、粉末系およびシリコーン系のうちの1つまたは複数のものである化粧品に許容される消泡剤から選択される。いくつかの非限定的な例では、消泡剤は、ジメチコンおよびジメチコン含有物質、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマー、アルキルポリアクリラート、鉱油または植物油、疎水性シリカおよびワックスを含めたシリコーン油から選択される。消泡剤の代表的な例には、本明細書の実施例で使用されるジメチコン(および)ポリソルベート65(および)シメチコンがある。
接着剤
本発明では、少なくとも1つの接着剤を含む爪用組成物が提供される。いくつかの実施形態では、接着剤は、ラジカル型または重縮合物型の合成ポリマー、天然起源のポリマーおよびその混合物からなる群より選択される。
本発明では、少なくとも1つの接着剤を含む爪用組成物が提供される。いくつかの実施形態では、接着剤は、ラジカル型または重縮合物型の合成ポリマー、天然起源のポリマーおよびその混合物からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、接着剤は、セルロース誘導体またはグアーガム誘導体などの多糖誘導体から選択される。いくつかの実施形態では、多糖誘導体としては、ニトロセルロース、多糖エステルまたはアルキルエーテルが挙げられる。「多糖エステルまたはアルキルエーテル」という用語は、同一の環または異なる環を少なくとも2つ含む反復単位からなり、多糖単位当たりの置換度が1.9〜3、いくつかの実施形態では2.2〜2.9、より具体的には2.4〜2.8である多糖を指す。置換という用語は、ヒドロキシル基からエステル官能基および/またはアルキルエーテル官能基への官能基化ならびに/あるいはカルボキシル基からエステル官能基への官能基化を指す。
換言すれば、それは一部分または全体がエステル基および/またはアルキルエーテル基で置換された多糖からなるものであり得る。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル基はC2〜C4エステルおよび/またはアルキルエーテル官能基で置換されていてよい。
特にセルロースエステル(セルロースアセトブチラートまたはセルロースアセトプロピオナートなど)、セルロースアルキルエーテル(エチルセルロースなど)およびエチルグアーを挙げ得る。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの接着剤は、本発明の爪用組成物中に組成物の総重量に対して0.1重量%以上、いくつかの実施形態では約0.2重量%〜約25重量%、いくつかの実施形態では約1重量%〜約20重量%、優先的には約3重量%〜約18重量%の総含有量で存在する。
可塑剤
本発明では、少なくとも1つの可塑剤を含む爪用組成物が提供される。一般的に言えば、可塑剤とは、フィルムの機械的特性を最適化するのに使用する添加剤のことである。可塑剤には、フィルムのガラス転移温度(Tg)を低下させ、柔らかさおよび柔軟性を増大させる傾向がある。
本発明では、少なくとも1つの可塑剤を含む爪用組成物が提供される。一般的に言えば、可塑剤とは、フィルムの機械的特性を最適化するのに使用する添加剤のことである。可塑剤には、フィルムのガラス転移温度(Tg)を低下させ、柔らかさおよび柔軟性を増大させる傾向がある。
いくつかの実施形態では、適切な可塑剤は、周囲圧力で測定した沸点が285℃以下、いくつかの実施形態では270℃以下、いくつかの実施形態では250℃以下である。本明細書では、沸点測定の不確実性により、沸点の値は±2℃まで正確であるものと考えるべきである。
ネイルポリッシュ組成物中に通常みられる任意の可塑剤を使用することができる。適切な可塑剤の例としては、特に限定されないが、グリコールとそのエステル誘導体、酸、特にカルボン酸のエステル、例えばクエン酸エステル、アジピン酸エステル、炭酸エステル、酒石酸エステル、リン酸エステルまたはセバシン酸エステルなど、オキシエチレン化誘導体、例えばオキシエチレン化油などおよびその混合物が挙げられる。例えば、適切な可塑剤としては、特に限定されないが、アジピン酸ジイソブチル、テリブチル(teributyl)酸と2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールのエステル、アジピン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチル2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、リン酸トリブチル、リン酸トリブトキシエチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、グリセロールトリアセタート、ステアリン酸ブチル、グリコール酸ブチル、安息香酸ベンジル、ブチルアセチルトリシノレアート、グリセリルアセチルトリシノレアート、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジメトキシエチル、フタル酸ジアミル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ(2−エチルヘキシル)、酒石酸ジブチル、樟脳、エチルトシルアミドおよびその混合物が挙げられる。
いくつかの実施形態では、可塑剤は組成物中に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、いくつかの実施形態では組成物の総重量の約0.1重量%〜約25重量%、いくつかの実施形態では約0.5重量%〜約20重量%、いくつかの実施形態では約1重量%〜約10重量%の量で存在する。
第二のフィルム形成剤
本発明では、少なくとも1つの第二のフィルム形成剤を含む爪用組成物が提供される。第二のフィルム形成剤の一部の例としては、特に限定されないが、いくつかの実施形態では固体粉末(フレーク)および無溶媒の形態である、アクリル性ポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)が挙げられる。適切な第二のフィルム形成剤の具体例としては、以下のものが挙げられる:
本発明では、少なくとも1つの第二のフィルム形成剤を含む爪用組成物が提供される。第二のフィルム形成剤の一部の例としては、特に限定されないが、いくつかの実施形態では固体粉末(フレーク)および無溶媒の形態である、アクリル性ポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)が挙げられる。適切な第二のフィルム形成剤の具体例としては、以下のものが挙げられる:
重縮合物型またはフリーラジカル型の合成ポリマー;
アクリル酸および/またはメタクリル酸のエステルおよび/またはアミドから選択されるモノマーの共重合から生じるアクリル性ポリマー。エステル型のモノマーの例としては、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラート、イソブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラートおよびラウリルメタクリラートを挙げ得る。アミド型のモノマーの例としては、N−t−ブチルアクリルアミドおよびN−t−オクチルアクリルアミドを挙げ得る;ならびに
アクリル酸および/またはメタクリル酸のエステルおよび/またはアミドから選択されるモノマーの共重合から生じるアクリル性ポリマー。エステル型のモノマーの例としては、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラート、イソブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラートおよびラウリルメタクリラートを挙げ得る。アミド型のモノマーの例としては、N−t−ブチルアクリルアミドおよびN−t−オクチルアクリルアミドを挙げ得る;ならびに
いくつかの実施形態では非イオン性である親水性基を含むエチレン性不飽和モノマーの共重合によって得られるアクリル性ポリマー、例えばヒドロキシエチルアクリラート、2−ヒドロキシプロピルアクリラート、ヒドロキシエチルメタクリラートおよび2−ヒドロキシプロピルメタクリラートなど。
一般的に言えば、第二のフィルム形成ポリマーは、合成ポリマー、例えばポリウレタン、アクリル性ポリマー、スチレンアクリラートコポリマー、アクリラートシリコーンコポリマー、ビニルポリマー、ポリビニルブチラール、アルキド樹脂、ケトン/アルデヒド樹脂およびアルデヒド縮合物由来の樹脂など、例えばトルエンまたはスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂などのアリールスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂などから選択され得る。
本発明のいくつかの実施形態では、第二のフィルム形成剤は、中程度〜高いガラス転移温度(Tg)値を有するカルボキシル官能性アクリラートポリマーから選択される。本発明において使用される「中程度〜高いガラス転移」は、約40℃〜約95℃、いくつかの実施形態では約60℃〜約90℃、いくつかの実施形態では約70℃〜約85℃の範囲内のTg値を有するアクリラートコポリマーを指す。
いくつかの実施形態では、第二のフィルム形成剤は、比較的高い酸価、例えば約40〜約95の範囲内の酸価(数)などを有する。間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、いくつかの実施形態では約50〜約90、いくつかの実施形態では約60〜約80。
第二のフィルム形成ポリマーで市販されているものの例としては、特に限定されないが、例えばEstron Chemicals社からIsocryl(登録商標)の名称で販売されているもの、例えばIsocryl C−70(スチレン/アクリラートコポリマー)、Isocryl N−2513、Isocryl H−60およびIsocryl H−1871が挙げられる。
いくつかの実施形態では、第二のフィルム形成剤(1つまたは複数)は本発明の組成物中に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約0.5重量%〜約20重量%、いくつかの実施形態では約1重量%〜約15重量%、いくつかの実施形態では約2重量%〜約10重量%の量で存在する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、エポキシ樹脂から選択される少なくとも1つの第二のフィルム形成剤も含み得る。エポキシ樹脂の適切な例としては、内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,001,175号に開示されているものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、適切なエポキシ樹脂は、約100℃未満、いくつかの実施形態では約80℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する。適切なエポキシ樹脂の非限定的な例としては、トシルアミドエポキシ樹脂、例えばEstron Chemical社から商品名Polytex(商標)で販売されているもの、例えばE−75、E−100およびNX−55、NX−3214などが挙げられる。適切なエポキシ樹脂の他の非限定的な例としては、アリール−スルホンアミドエポキシ樹脂が挙げられる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第二のフィルム形成剤が存在する場合、それは本発明の組成物中に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、約0.1重量%〜約50重量%、いくつかの実施形態では約1重量%〜約40重量%、いくつかの実施形態では約3%〜約15重量%の範囲内の量で存在し、重量はいずれも組成物の総重量に基づくものである。
共フィルム形成剤
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、少なくとも1つの共フィルム形成剤も含み得る。適切な共フィルム形成剤としては、特に限定されないが、(メタ)アクリラートホモポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリメタクリル、セルロース系ポリマー、スチレン−アクリルコポリマー、ポリスチレン−ポリアクリル混合物、ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリエステル、ウレタン−アクリルコポリマー、セルロースアセタートプロピオナート、シロキサン−ウレタンコポリマー、ポリウレタン−ポリメタクリル混合物、シリコーン−アクリルコポリマー、酢酸ビニルポリマーおよびその混合物が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、少なくとも1つの共フィルム形成剤も含み得る。適切な共フィルム形成剤としては、特に限定されないが、(メタ)アクリラートホモポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリメタクリル、セルロース系ポリマー、スチレン−アクリルコポリマー、ポリスチレン−ポリアクリル混合物、ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリエステル、ウレタン−アクリルコポリマー、セルロースアセタートプロピオナート、シロキサン−ウレタンコポリマー、ポリウレタン−ポリメタクリル混合物、シリコーン−アクリルコポリマー、酢酸ビニルポリマーおよびその混合物が挙げられる。
適切な共フィルム形成剤としては、アルデヒド縮合物、例えばアリールスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂、具体的にはホルムアルデヒドとトルエンスルホンアミドの縮合物であるトルエンスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂など、トルエンスルホンアミド/エポキシ樹脂、例えばトシルアミドおよび非乾燥性アルキド樹脂、アクリル性ポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリメタクリル、スチレン−アクリルコポリマー、ポリスチレン−ポリアクリル混合物、ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリエステル、ウレタン−アクリルコポリマー、シロキサン−ウレタンコポリマー、ポリウレタン−ポリメタクリル混合物、酢酸ビニルポリマーならびにその混合物も挙げられる。
適切な共フィルム形成剤としては、多価アルコールと多塩基酸、例えばフタル酸とを反応させることにより形成されるポリエステル樹脂、例えば、トリメリット酸、ネオペンチルグリコールおよびアジピン酸を反応させることにより得られるポリエステル樹脂であり、Unitex Chemical社からUNIPLEX 670−Pの名称で販売されている市販品なども挙げられる。本開示による(メタ)アクリル樹脂は、メチルメタクリラートとブチルアクリラート、ブチルメタクリラート、イソブチルメタクリラートまたはイソボルニルメタクリラートのコポリマー、例えば市販品のPARALOID DM−55、PARALOID B48N、PARALOID B66およびELVACITE 2550;イソブチルメタクリラートとブチルメタクリラートのコポリマー、例えば市販品のELVACITE 2046;ならびにイソブチルメタクリラートポリマー、例えばPARALOID B67を含み得る。
適切な共フィルム形成剤としては、天然起源のポリマー、例えばダンマル、エレミ、コーパル、ベンゾインなどの植物樹脂など;セラック、サンダラックおよびマスチックなどのガムも挙げられる。
適切な共フィルム形成剤の具体例としては、特に限定されないが、無水フタル酸/グリセリン/グリシジルデカノアートコポリマー、アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリット酸コポリマー、トシルアミド/エポキシ樹脂、酢酸ブチル(および)アクリラートコポリマーおよび水素化アセトフェノン/オキシメチレンコポリマーが挙げられる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの共フィルム形成剤が存在する場合、それを本発明の爪用組成物に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量の約0.1〜10重量パーセント、いくつかの実施形態では約0.2〜8重量パーセント、いくつかの実施形態では約0.5〜約5重量パーセントの範囲内の量で添加する。
シリコーンアクリラートコポリマー
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、少なくとも1つのシリコーンアクリラートコポリマーも含み得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、少なくとも1つのシリコーンアクリラートコポリマーも含み得る。
いくつかの実施形態では、適切なシリコーンアクリラートコポリマーは、20℃超、いくつかの実施形態では約25℃超のガラス転移温度(Tg)を有する。
シリコーンアクリラートコポリマーの適切な例としては、シリコーン/(メタ)アクリラートコポリマー、例えば米国特許第5,061,481号、同第5,219,560号、同第5,262,087号および米国特許出願公開第2012/0301415号(いずれもその内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものなどが挙げられる。
適切な例としては、少なくとも1つの極性(メタ)アクリラート単位の反復単位を含む非極性シリコーンコポリマーおよび少なくとも1つの非極性シリコーン鎖をグラフトしたビニルコポリマーから誘導されたポリマーも挙げられる。このようなコポリマーの非限定的な例にはアクリラート/ジメチコンコポリマー、例えばShin−Etsu社から市販されているもの、例えば、商品名KP−545(シクロペンタシロキサン(および)アクリラート/ジメチコンコポリマー)、KP−543(酢酸ブチル(および)アクリラート/ジメチコンコポリマー)、KP−549(メチルトリメチコン(および)アクリラート/ジメチコンコポリマー)、KP−550(暫定的なINCI名:イソドデカン(および)アクリラート/ジメチコンコポリマー)として販売されている製品およびその混合物などがある。ほかの例としては、Dow Corning社から商品名FA4001CM SILICONE ACRYLATE(シクロペンタシロキサン(および)アクリラート/ポリトリメチルシロキシメタクリラートコポリマー)およびFA4002IDSILICONE ACRYLATE(イソドデカン(および)アクリラート/ポリトリメチルシロキシメタクリラートコポリマー)として販売されているアクリラート/ジメチコンコポリマーならびにその混合物が挙げられる。
適切な例としては、ビニルポリマー、メタクリル性ポリマーおよびアクリル性ポリマーから選択される主鎖と、ペンダントシロキサン基から選択される少なくとも1つの鎖とを含む、ポリマーも挙げられる。このようなポリマーの非限定的な例およびその合成については、例えば、米国特許第4,972,037号、同第5,061,481号、同第5,209,924号、同第5,849,275号および同第6,033,650号ならびに国際公開第93/23446号、同第95/06078号および同第01/32737号(いずれの開示も参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。これらのポリマーは様々な会社から調達し得る。このような会社の1つにMinnesota Mining and Manufacturing社があり、同社は上記のタイプのポリマーを商品名「Silicone Plus」ポリマー(例えば、商品名SA 70−5 IBMMFとして販売されているポリ(イソブチルメタクリラート−コ−メチルFOSEA)−g−ポリ(ジメチルシロキサン))として提供している。
適切な例としては、シリコーン/アクリル性グラフトターポリマー、例えば、開示が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第01/32727(A1)号に記載されているコポリマーも挙げられる。
適切な例としては、ビニル主鎖、メタクリル主鎖およびアクリル性ポリマー主鎖から選択される主鎖と、さらに少なくとも1つのペンダントシロキサン基とを含む、ポリマーも挙げられる。このようなポリマーの非限定的な例が、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,693,935号、同第4,981,903号および同第4,981,902号に開示されている。
適切な例としては、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,468,477号に記載されているものも挙げられる。これらのポリマーの非限定的な例にはポリ(ジメチルシロキサン)−g−ポリ(イソブチルメタクリラート)があり、3M社から商品名VS70IBMとして市販されている。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシリコーンアクリラートコポリマーが存在する場合、それは本発明の組成物中に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、約0.1重量パーセント〜約10重量パーセント、いくつかの実施形態では約0.5重量パーセント〜約8.5重量パーセント、いくつかの実施形態では約0.25重量パーセント〜約5重量パーセントの範囲内の量で存在し、重量はいずれも組成物の総重量に基づくものである。
揺変剤
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、組成物に所望の質感および揺変挙動を与えるのに十分な静止時粘度を組成物に与えるのに十分な量の少なくとも1つの揺変剤も含み得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、組成物に所望の質感および揺変挙動を与えるのに十分な静止時粘度を組成物に与えるのに十分な量の少なくとも1つの揺変剤も含み得る。
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの揺変剤の性質および/または量は、爪への組成物の塗布の前に、またはこれと同時に非化学的作用、例えば機械的作用に応答して、組成物の粘度が0.4Pa・s以下、例えば0.3Pa・s以下の値まで可逆的に低下し得るものである。
少なくとも1つの揺変剤は、例えば、親水性または有機親和性粘土、親水性または疎水性ヒュームドシリカ、エラストマー系オルガノポリシロキサンおよびその混合物から選択され得る。
粘土とは、カルシウム陽イオン、マグネシウム陽イオン、アルミニウム陽イオン、ナトリウム陽イオン、カリウム陽イオンおよびリチウム陽イオンならびにその混合物から選択され得る陽イオンを含むケイ酸塩のことである。本明細書で使用される「親水性粘土」という用語は、水中で膨張することが可能な粘土を意味し、この粘土は水中で膨張し、水和後にコロイド分散液を形成する。
このような製品の例としては、特に限定されないが、スメクタイト族の粘土、例えばモンモリロナイト、ヘクトライト、ベントナイト、バイデライトおよびサポナイトなど、バーミキュライト族の粘土、ステベンス石および緑泥石が挙げられる。
これらの粘土は、天然起源のものであっても合成起源のものであってもよい。
親水性粘土の非限定的な例としては、スメクタイト、例えばサポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライトなどならびに少なくとも1つの実施形態では合成ヘクトライト(ラポナイトとしても知られる)、例えばLaporte社からLaponite XLG、Laponite RDおよびLaponite RDSの名称で販売されている製品(これらの製品には、例えば、ケイ酸ナトリウムマグネシウムおよびケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムが含まれている);ベントナイト、例えばRheox社からBentone HCの名称で販売されている製品;水和されていてよいケイ酸マグネシウムアルミニウム、例えばVanderbilt社からVeegum Ultra、Veegum HSおよびVeegum DGTの名称で販売されている製品ならびにケイ酸カルシウム、例えば会社からMicro−cel Cの名称で販売されている合成形態の製品などが挙げられる。
有機親和性粘土とは、粘土を溶媒中で膨張できるようにする化学的化合物で修飾した粘土のことである。
粘土は、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライトおよびその混合物から選択され得る。一実施形態では、粘土はベントナイトおよびヘクトライトから選択される。
有機親和性粘土を修飾するのに使用する化学的化合物は、例えば、第四級アミン、第三級アミン、酢酸アミン、イミダゾリン、アミン石鹸、脂肪硫酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アミンオキシドおよびその混合物から選択され得る。
適切な有機親和性粘土としては、特に限定されないが、クオタニウム−18ベントナイト、例えばElementis社からBentone 3、Bentone 38、Bentone 27V CGおよびBentone 38Vの名称で、United Catalyst社からTixogel VPの名称で、Southern Clay社からClaytone 34、Claytone 40およびClaytone XLの名称でそれぞれ販売されているものなど;ステアラルコニウムベントナイト、例えばElementis社からBentone 27Vの名称で、United Catalyst社からTixogel LGの名称で、Southern Clay社からClaytone AFおよびClaytone APAの名称でそれぞれ販売されているものなど;ならびにクオタニウム−18/ベンザルコニウムベントナイト、例えばSouthern Clay社からClaytone HTおよびClaytone PSの名称で販売されているものなどが挙げられる。
親水性ヒュームドシリカは、揮発性ケイ素化合物を酸水素炎中で高温加水分解して微粉化シリカを生成させることにより得られる。親水性シリカは、その表面にシラノール基を多数有する。このような親水性シリカは、例えば、Degussa社からAerosil 130(登録商標)、Aerosil 200(登録商標)、Aerosil 255(登録商標)、Aerosil 300(登録商標)およびAerosil 380(登録商標)、CabotからCab−O−Sil HS−5(登録商標)、Cab−O−Sil EH−5(登録商標)、Cab−O−Sil LM−130(登録商標)、Cab−O−Sil MS−55(登録商標)およびCab−O−Sil M−5(登録商標)の名称で販売されている。
疎水性ヒュームドシリカは、シラノール基の数を減少させる化学反応を介してシリカの表面を改変することによって得られ、これらの基は可能性として、例えば疎水性基で置換される。
疎水性基は、例えば、ヘキサメチルジシラザンの存在下でヒュームドシリカを処理することにより得られるトリメチルシロキシル基から選択され得る。このように処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995)では「シリル化シリカ」として知られている。これらは例えば、Degussa社からAerosil R812(登録商標)、Cabot社からCab−O−Sil TS−530(登録商標)の表示で販売されており、ポリジメチルシロキサンまたはジメチルジクロロシランの存在下でヒュームドシリカを処理することにより得られるジメチルシリルオキシル基またはポリジメチルシロキサン基である。このように処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995)では「ジメチルシリル化シリカ」として知られている。これらは例えば、Degussa社からAerosil R972(登録商標)およびAerosil R974(登録商標)、Cabot社からCab−O−Sil TS−610(登録商標)およびCab−O−Sil TS−720(登録商標)の表示で販売されている。
一実施形態では、少なくとも1つの揺変剤は、有機親和性修飾粘土、例えばベンジルジメチルアンモニウムステアラートで修飾したヘクトライトなどから選択される。
揺変剤が存在する場合、それは組成物中に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に対し0.05重量パーセント以上、例えば0.05重量パーセント〜15重量パーセントの範囲内、または0.5重量パーセント以上、例えば0.5重量パーセント〜10重量パーセントの範囲内または0.9重量パーセント〜7.5重量パーセントの範囲内の量で存在する。
充填剤
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、少なくとも1つの充填剤も含み得る。充填剤の適切な例としては、結晶学的形状(例えば、シート、立方晶系、六方晶系、斜方晶系など)を問わず、任意の形状、シート形、球形または長方形の鉱物粒子または有機粒子が挙げられる。タルク、雲母、カオリン、ポリアミド(Nylon(登録商標))(Atochem社のOrgasol(登録商標))、ポリ−b−アラニンおよびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末(Teflon(登録商標))、ラウロイル−リジン、デンプン、窒化ホウ素、アクリル酸コポリマー(Dow Corning社のPolytrap(登録商標))およびシリコーン樹脂マイクロビーズ(例えばToshiba社のTospearls(登録商標))、エラストマーポリオルガノシロキサン粒子、沈殿炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、ガラスまたはセラミックマイクロカプセル、8〜22個の炭素原子、いくつかの実施形態では12〜18個の炭素原子を有するカルボン酸系有機酸から誘導される金属石鹸、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウムを挙げ得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、少なくとも1つの充填剤も含み得る。充填剤の適切な例としては、結晶学的形状(例えば、シート、立方晶系、六方晶系、斜方晶系など)を問わず、任意の形状、シート形、球形または長方形の鉱物粒子または有機粒子が挙げられる。タルク、雲母、カオリン、ポリアミド(Nylon(登録商標))(Atochem社のOrgasol(登録商標))、ポリ−b−アラニンおよびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末(Teflon(登録商標))、ラウロイル−リジン、デンプン、窒化ホウ素、アクリル酸コポリマー(Dow Corning社のPolytrap(登録商標))およびシリコーン樹脂マイクロビーズ(例えばToshiba社のTospearls(登録商標))、エラストマーポリオルガノシロキサン粒子、沈殿炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、ガラスまたはセラミックマイクロカプセル、8〜22個の炭素原子、いくつかの実施形態では12〜18個の炭素原子を有するカルボン酸系有機酸から誘導される金属石鹸、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウムを挙げ得る。
充填剤が存在する場合、それは具体的には、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、本発明の組成物の総重量に対し約0.01重量%〜約10重量%の範囲内、いくつかの実施形態では約0.1重量%〜約5重量%の範囲内、いくつかの実施形態では約0.5%〜約1.5%の濃度で存在し得る。
着色剤
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、少なくとも1つの着色剤も含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの着色剤は、可溶性染料、色素、真珠層およびグリッターからなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、少なくとも1つの着色剤も含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの着色剤は、可溶性染料、色素、真珠層およびグリッターからなる群より選択される。
「可溶性染料」という用語は、本発明による組成物に可溶性であり、前記組成物を着色することを目的とする有機化合物、無機化合物または有機金属化合物を指すものと理解されるべきである。
適切な染料には、例えば、スーダンレッド、DCレッド17、DCグリーン6、β−カロテン、ダイズ油、スーダンブラウン、DCイエロー11、DCバイオレット2、DCオレンジ5およびキノリンイエローがある。
「真珠層」という用語は、具体的には一部の軟体動物がその殻の中で産生する、または合成手段によって作製される、任意の形状の虹色の粒子を指すものと理解されるべきである。
「色素」という用語は、本発明による組成物に可溶性であり、前記組成物を着色することを目的とする、任意の形状の無機性または有機性の白色粒子または着色粒子を指すものと理解されるべきである。
色素は、白色であるか着色している無機性および/または有機性のものであり得る。無機色素のうち、任意選択で表面処理した二酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムとともに、酸化亜鉛、酸化鉄(黒、黄または赤)または酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物および鉄青、アルミニウム粉末、銅粉末などの金属粉末を挙げ得る。
オレンジ色素のうち、カーボンブラック、D & Cタイプ色素およびコチニールカルミン、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、アルミニウムをベースとするラッカーを挙げ得る。
エフェクトピグメント、例えば、天然または合成の有機または無機基質、例えばガラス、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタラート、セラミック、アルミナを含み、任意選択でアルミニウム、金、銅、青銅などの金属物質または二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロムなどの金属酸化物でコートした粒子、有機色素あるいは無機色素およびその混合物も挙げ得る。
真珠光沢色素は、チタンまたはビスマスオキシクロリドでコートした雲母などの白色真珠光沢色素、着色真珠光沢色素、酸化鉄でコートしたチタン雲母、鉄青および酸化クロムでコートしたチタン雲母、特に上記のタイプの色素でコートしたチタン雲母、ビスマスオキシクロリドをベースとする真珠光沢色素から選択され得る。
ゴニオクロマチック(goniochromatic)特性を有する色素、特に液晶色素または多層色素を使用し得る。
蛍光増白剤または任意選択で蛍光増白剤でコートした繊維も使用し得る。
少なくとも1つの着色剤が存在する場合、それは、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、いくつかの実施形態では層の総重量に対して0.1重量%以上、いくつかの実施形態では約0.1〜約5重量%の範囲内、有利には、組成物の総重量に対し約0.2〜約3重量%の総含有量で存在する。
助剤/添加剤
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、化粧品組成物によく用いられ、当業者に前記組成物への組込みが可能であることがわかっている少なくとも1つの添加剤または助剤も含み得る。このような添加剤または助剤は、保存剤、香料、油、ワックス、界面活性剤、抗酸化剤、フリーラジカル除去剤薬剤、展着剤、湿潤剤、分散剤、消泡剤、安定剤、精油、UVスクリーニング剤、日焼け止め、保湿剤、ビタミン、活性物質、タンパク質、セラミド、植物抽出物、繊維などから選択される有効成分、湿潤剤およびその混合物から選択され得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は任意選択で、化粧品組成物によく用いられ、当業者に前記組成物への組込みが可能であることがわかっている少なくとも1つの添加剤または助剤も含み得る。このような添加剤または助剤は、保存剤、香料、油、ワックス、界面活性剤、抗酸化剤、フリーラジカル除去剤薬剤、展着剤、湿潤剤、分散剤、消泡剤、安定剤、精油、UVスクリーニング剤、日焼け止め、保湿剤、ビタミン、活性物質、タンパク質、セラミド、植物抽出物、繊維などから選択される有効成分、湿潤剤およびその混合物から選択され得る。
当業者であれば、想定される添加によって本発明による組成物の有利な特性が悪影響または実質的な悪影響を受けないよう任意選択の追加の添加剤および/またはその量を慎重に選択するであろう。
これらの物質は、所望の特性、例えば稠度または質感を有する組成物を調製するため当業者により様々に選択され得る。
これらの添加剤はカラーコート組成物またはトップコート組成物中に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、約0%〜約10%、例えば組成物の総重量に対し約0.01%〜約7%など、さらには例えば約0.1%〜約5%などの割合で存在し得る。
本発明の組成物は、化粧品にまたは皮膚科学的に許容されるものであるべきである、つまり、無毒性の生理的に許容されるものを含有するべきであることは言うまでもない。組成物は、化粧品および皮膚科学の分野で通常に用いられ、爪への局所塗布に適した生薬形態であり得る。
本発明のいくつかの実施形態では、爪をメイクアプおよび/また保護する方法であって、少なくとも1つの本発明の爪用組成物を爪をメイクアップまたは保護するのに十分な量で爪に塗布することを含む、方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態では、爪用組成物で少なくとも1つの接着剤;少なくとも1つの第二のフィルム形成剤;および少なくとも1つの可塑剤を組み合わせることを含む、爪用組成物を作製する方法が提供される。
爪用組成物:
以下の実施例は単に非限定的で説明的なものであり、本発明の範囲は請求項によって定められるものとする。
以下の実施例は単に非限定的で説明的なものであり、本発明の範囲は請求項によって定められるものとする。
調製
Red 7色素ペースト
最初に、下の表に占めす成分を用いてRed 7色素ペーストを調製した。ディスコンティミル(disconti mill)を用いて全成分を混合した。
Red 7色素ペースト
最初に、下の表に占めす成分を用いてRed 7色素ペーストを調製した。ディスコンティミル(disconti mill)を用いて全成分を混合した。
カルボジイミド系ネイルエナメル
表2に挙げる成分を高速混合カップに入れ、2500RPMで2分間混合した。
表2に挙げる成分を高速混合カップに入れ、2500RPMで2分間混合した。
接着性、粘着性および柔軟性に関する試験
試料(3g)をポリスチレン製計量ボートに入れ、一晩乾燥させた。手で試料を触る、剥がすおよび曲げることにより試料の接着性、粘着性および柔軟性を測定した。
試料(3g)をポリスチレン製計量ボートに入れ、一晩乾燥させた。手で試料を触る、剥がすおよび曲げることにより試料の接着性、粘着性および柔軟性を測定した。
安定性
8週間の期間にわたって配合剤の安定性を測定した。毎週、試料を45℃のオーブンから取り出して評価した。試料のレオロジープロファイルを視覚的におよびレオメータを用いて求めた。
8週間の期間にわたって配合剤の安定性を測定した。毎週、試料を45℃のオーブンから取り出して評価した。試料のレオロジープロファイルを視覚的におよびレオメータを用いて求めた。
硬度試験
3MILドローダウンバーを用いてフィルムを薄いガラス基質上にドローダウンした。フィルムが乾いた後、BYK鉛筆硬度試験を用いて硬度を測定した。
3MILドローダウンバーを用いてフィルムを薄いガラス基質上にドローダウンした。フィルムが乾いた後、BYK鉛筆硬度試験を用いて硬度を測定した。
光沢試験
光沢計を用いて光沢を測定した。この測定には、試験する組成物の層を自動散布機を用いてコントラストカードに散布した。層により少なくともカードの白いバックグラウンドを覆った。フィルムを乾燥させた。表示名microTRI−GLOSSのByk Gardner光沢計を用いて20°での光沢を測定した。この測定を3回反復し、光沢の平均値(光沢単位(GU))は実施した3回の測定の平均値である。
光沢計を用いて光沢を測定した。この測定には、試験する組成物の層を自動散布機を用いてコントラストカードに散布した。層により少なくともカードの白いバックグラウンドを覆った。フィルムを乾燥させた。表示名microTRI−GLOSSのByk Gardner光沢計を用いて20°での光沢を測定した。この測定を3回反復し、光沢の平均値(光沢単位(GU))は実施した3回の測定の平均値である。
水性ネイルエナメルの除去
水性ネイルエナメルのカラーコートを1つ重ね塗りした。3分後、第一のカラーコートの上に第二のカラーコートを重ね塗りした。40℃で24時間乾燥させた後、任意の従来のアセトン系ネイルエナメルで他の水性ネイルエナメルよりも速くエナメルを除去することができる(表2を参照されたい)。
水性ネイルエナメルのカラーコートを1つ重ね塗りした。3分後、第一のカラーコートの上に第二のカラーコートを重ね塗りした。40℃で24時間乾燥させた後、任意の従来のアセトン系ネイルエナメルで他の水性ネイルエナメルよりも速くエナメルを除去することができる(表2を参照されたい)。
実施例
少量のポリカルボジイミドを添加して化学的架橋が起こるかどうかを明らかにすることにより、選択した水性ラテックスをスクリーニングした。
少量のポリカルボジイミドを添加して化学的架橋が起こるかどうかを明らかにすることにより、選択した水性ラテックスをスクリーニングした。
2種類の異なるポリカルボジイミド(Carbodilite SV−02およびCarbodilite V02−L2)と10種類の異なるカルボン酸官能化ラテックスとを1:1で混合し、架橋が起こるかどうか、またラテックス単独と比較して接着性が増大するかどうかを明らかにした。10種類の異なるラテックスのうち、4種類がポリカルボジイミドとの混合後に接着性が改善するという点で最も有望であった(図2)。4つの有望な候補のうち、Daitosol 3000 SLPNは、Carbodilite SV−02と混合したとき、Daitosol 3000 SLPNラテックス単独と比較して接着性の増大が最も大きかった。
ネイルエナメル中の活性化合物、具体的にはCarbodilite SV−02に対するDaitosol 3000 SLPNを変化させ、Daitosol 3000 SLPNとCarbodilite SV−02の比1:1と比較した性能を明らかにした。Daitosol 3000 SLPNとCarbodilite SV−02の重量比90:10、80:20、70:30および60:40を試験した。フィルムの特性を以下のように評価し順位を付けた:接着性(5は最も接着性が高く、0は接着性がない);粘着性(5は粘着性がなく、0は極めて粘着性が高い);柔軟性(5は最も柔軟性が高く、0は柔軟性がない)、除去(5は最も除去しやすく、0は最も除去しにくい)。5が最も優れているとする1〜5の尺度では、80:20のDaitosol 3000 SLPN/Carbodilite SV−02が最も高い接着性を示し、粘着性は低く、柔軟性は中程度であった(表3)。ポリカルボジイミドとラテックスとを組み合わせることにより、大幅に接着性が増大し粘着性が低下することがわかった。
フィルム内の80:20のDaitosol 3000 SLPN/Carbodilite SV−02混合物が架橋されるかどうか、あるいは個々のポリマーの粘着性混合物が形成されるかどうかを明らかにするため、フーリエ変換赤外線(FT−IR)分光測定法を用いた。ポリカルボジイミド(Carbodilite SV−02、20重量%)にカルボン酸官能化水性ラテックス(Daitosol 3000 SLPN、80重量%)を加え、フィルムをドローダウンし、フィルムを乾燥させ、架橋させて、アシル−尿素誘導体を形成させた。ポリカルボジイミド(R−N=C=N−R)のFT−IR伸縮振動(データ不掲載)を測定することにより架橋を確認した。室温で第1〜6日にわたり経時的に測定したところ、スペクトルのピークの大きさが他のすべてのピークと比較して減少し、ポリカルボジイミド結合がカルボン酸(R1−COOH)と反応して架橋生成物(R1−C(=O)−N(−R)−CO−NH−R)を形成することがわかった。
得られた結果に基づき、80:20の比のDaitosol 3000 SLPNとCarbodilite SV−02を含有するネイルエナメルを主要なフィルム形成剤として調製し、これに色素分散を促進するためのポリメタクリル酸ナトリウムを含有する色素ペースト、泡立ち防止剤および保存剤も添加した。任意選択の添加剤としては、可塑剤、合体剤、カルボン酸基を含まない他のフィルム形成剤、増粘剤、ナノ粒子、香料、シリコーン、中和剤およびネイルケア用の活性薬剤が挙げられる。
表4に、従来の溶媒系(ニトロセルロース)ネイルエナメル(市販基準物質1)、ラテックスを含有する水性ネイルエナメル(比較物質1)およびカルボジイミド水性ネイルエナメル(本発明物質1)のin vitro特性の比較を示す。本発明物質1には、ラテックス水性ネイルエナメルと比較して優れたin vitro特性がみられる。本発明のポリカルボジイミドネイルエナメルでは、高温下で反応性の架橋により45℃での安定性が損なわれ、ゲル化が生じることが観察された。
ほとんどのラテックスは乾燥すると、従来の溶媒系ネイルエナメル(手1つ当たり1分未満)と比較して極めて除去しにくい(手1つ当たり最大5分かかることがある)。本発明物質1と様々な市販基準物質(溶媒系および水性)および1つの比較用水性配合剤とで除去性を評価した。いずれの配合剤もネイルスプーンに塗布し(2カラーコート)、一晩乾燥させた。綿パッドにアセトン0.5mLを用いてネイルエナメルを除去した。大部分のネイルエナメルを除去するのに必要なストロークの数を記録し、表4に示した。本発明物質1には、他のラテックス水性ネイルエナメル(比較物質1、25ストローク)および市販基準物質の水性ネイルエナメル(30ストローク)と比較して優れた除去特性(12ストローク)がみられる。溶媒系市販基準物質を対照として用いると、わずか5ストロークでネイルエナメルが除去される。本発明の組成物に使用するカルボン酸官能化ラテックス(Daitosol 3000 SLPN)は溶媒系の除去に対して極めて感度の高いため、本発明物質1には優れた除去特性がみられる。
様々な実施形態では、ラテックス化合物とポリカルボジイミド化合物とを含む少なくとも1つのフィルム形成剤を含み、ラテックス化合物とポリカルボジイミド化合物の比が、約50:50〜約95:5の範囲内にあり、組成物が、ポリカルボジイミド化合物とラテックス化合物とを合わせて組成物の約10重量%〜約95重量%含む、爪用組成物が提供される。
いくつかの実施形態では、ラテックス化合物とポリカルボジイミド化合物の比は、約70:30〜約90:10の範囲内にある。
いくつかの実施形態では、ラテックス化合物とポリカルボジイミド化合物の比は約80:20である。
いくつかの実施形態では、ラテックス化合物は、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、クロロプレン、酢酸ビニル、ウレタン、イソプレン、イソブチレン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、そのエステルおよびアミドから選択されるモノマーから形成される。いくつかの実施形態では、ラテックス化合物は、アクリル酸系モノマーまたは(メタ)アクリル酸系モノマーから形成される。いくつかの実施形態では、ラテックス化合物は、
(A)下式:
(式中、R1およびR3は独立して、2〜20個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキレンラジカルを表し、R2は、ヒドロキシル基を含み得る1〜50個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキレンラジカルを表し、aは0または1を表し、bは0〜200の範囲内の数であり、Mは、水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、NH4または第四級アンモニウム基、例えばモノ、ジ、トリもしくはテトラ(C1〜C4アルキルアンモニウム)基などを表し、R1およびR3は、例えばエチレン、プロピレンまたはブチレンを表し得る)
を有する化合物あるいは
(B)下式:
(VII)
式中、Rはメチルまたはフェニルから選択され;R8は水素またはメチルであり、mは1〜1000の整数である)
を有するピロリドンカルボン酸単位を少なくとも1つ含む基;
(C)ジビニル−PDMS、クロトン酸、酢酸ビニルおよびビニルイソアルキルエステルならびにその組合せの重合から得られるポリビニル酸/エステル単位を少なくとも1つ含む基
からなる群より選択されるカルボキシシリコーンポリマー化合物である。
(A)下式:
を有する化合物あるいは
(B)下式:
式中、Rはメチルまたはフェニルから選択され;R8は水素またはメチルであり、mは1〜1000の整数である)
を有するピロリドンカルボン酸単位を少なくとも1つ含む基;
(C)ジビニル−PDMS、クロトン酸、酢酸ビニルおよびビニルイソアルキルエステルならびにその組合せの重合から得られるポリビニル酸/エステル単位を少なくとも1つ含む基
からなる群より選択されるカルボキシシリコーンポリマー化合物である。
いくつかの実施形態では、ラテックス化合物は下式:
を有するカルボキシシリコーンポリマー化合物であり、
式中、ラジカルR4は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカルおよびフェニルラジカルから選択され、ラジカルR5、R5’、R5’’、R6、R6’、R6’’、R7およびR7’は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカル、フェニルラジカル、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択され;ラジカルR5、R6およびR7のうち少なくとも1つは、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択されるラジカルであり;R1およびR3は独立して、2〜20個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキレンラジカルを表し、R2は、ヒドロキシル基を含み得る1〜50個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキレンラジカルを表し、aは0または1を表し、bは0〜200の範囲内の数であり、Mは、水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、NH4または第四級アンモニウム基、例えばモノ、ジ、トリもしくはテトラ(C1〜−C4アルキルアンモニウム)基などを表し、R1およびR3は、例えばエチレン、プロピレンまたはブチレンを表し得;cおよびdは0〜1000の整数であり、c+dの合計は2〜1000の範囲内にある。
式中、ラジカルR4は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカルおよびフェニルラジカルから選択され、ラジカルR5、R5’、R5’’、R6、R6’、R6’’、R7およびR7’は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカル、フェニルラジカル、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択され;ラジカルR5、R6およびR7のうち少なくとも1つは、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択されるラジカルであり;R1およびR3は独立して、2〜20個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキレンラジカルを表し、R2は、ヒドロキシル基を含み得る1〜50個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキレンラジカルを表し、aは0または1を表し、bは0〜200の範囲内の数であり、Mは、水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、NH4または第四級アンモニウム基、例えばモノ、ジ、トリもしくはテトラ(C1〜−C4アルキルアンモニウム)基などを表し、R1およびR3は、例えばエチレン、プロピレンまたはブチレンを表し得;cおよびdは0〜1000の整数であり、c+dの合計は2〜1000の範囲内にある。
ここまで例示的実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、当業者には、その要素に関して、本発明の範囲から逸脱することなく様々な改変を施し得ることおよび均等物に置き換え得ることが理解されよう。さらに、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく、特定の状況または原料を本発明の教示に適合させるよう多数の修正を施し得る。したがって、本発明は、本発明の実施を企図した最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されるのではなく、添付の「特許請求の範囲」の範囲内に含まれるあらゆる実施形態を包含することが意図される。
Claims (20)
- ケラチン基質の処理のための組成物であって、
ポリカルボジイミド化合物と、
ラテックスポリマーと
を含み、
前記ポリカルボジイミド化合物と前記ラテックスポリマーとを合わせて前記組成物の約0.01重量%〜約20.0重量%含み、
前記ポリカルボジイミド化合物と前記ラテックスポリマーとをそれぞれ、前記ケラチン基質に塗布後それに増大した疎水性および前記ケラチン基質の形状または外形に増大した保持力のうち1つまたは複数のものを与えるのに十分な量で含む、
組成物。 - 前記ポリカルボジイミド化合物が下式:
O−R3−O;S−R4−S;および
R5−N−R4−N−R5;
から選択されるラジカルであり、
式中、R3およびR4はそれぞれ独立して、ハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る、芳香族ラジカル、脂環式ラジカル、アリールラジカルおよび直鎖状もしくは分岐鎖状アルキルラジカルを含めた炭化水素ラジカルであり、R5は、水素または炭化水素ラジカルであり、前記炭化水素ラジカルは、存在する場合、ハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含む)
を有する、請求項1に記載の組成物。 - 前記ラテックスポリマーがカルボキシル官能性ラテックスポリマーから選択される、請求項2に記載の組成物。
- 前記ラテックスポリマーが、アクリラートラテックスポリマー、ポリウレタンラテックスポリマー、シリコーンラテックスポリマー、非アクリラート/非シリコーンラテックスポリマー、非ポリウレタン/非シリコーンラテックスポリマーおよびその混合物から選択される、請求項3に記載の組成物。
- 前記ケラチン基質に与えられる前記疎水性が、50°超の接触角を含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記ケラチン基質に与えられる前記疎水性が、5時間の曝露後に約65%〜約90%の範囲内にある高湿度カール保持をもたらす、請求項1に記載の組成物。
- 約0.05MPa〜約5GPaの範囲内のヤング率および応力0.6MPa下で最大50%超の範囲の歪を有するフィルムを生じる、請求項1に記載の組成物。
- ポリカルボジイミドとラテックスポリマーとの組合せが、1重量%〜5重量%の範囲内の量で存在し、前記ラテックスポリマーが、アクリラート/エチルヘキシルアクリラートコポリマー、アクリラートコポリマー、ポリアクリラート−2クロスポリマー、アクリラート/エチルヘキシルアクリラートコポリマー、アクリラート/ヒドロキシエステルアクリラートコポリマー、スチレン/アクリラートコポリマー、スチレン/アクリラート/アンモニウムメタクリラートコポリマー、ポリウレタン14、ポリウレタン33、ポリウレタン34、ポリウレタン48、およびクロトン酸/ビニルC8〜12イソアルキルエステル/VA/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマー、ならびにその混合物のうち1つまたは複数のものを含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記ラテックスポリマーが、
(i)(A)下式:
を有する化合物;ならびに
(B)下式:
を有するピロリドンカルボン酸単位を少なくも1つ含む基を有する化合物;ならびに
(C)ジビニル−PDMS、クロトン酸、酢酸ビニルおよびビニルイソアルキルエステルならびにその組合せの重合から生じるポリビニル酸/エステル単位を少なくとも1つ含む化合物
からなる群より選択されるカルボキシシリコーンポリマー化合物;ならびに
(ii)下式:
ラジカルR4は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカルおよびフェニルラジカルから選択され、ラジカルR5、R5’、R5’’、R6、R6’、R6’’、R7およびR7’は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカル、フェニルラジカル、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択され;
ラジカルR5、R6およびR7のうち少なくとも1つは、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択されるラジカルであり;
R1およびR3は独立して、2〜20個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキレンラジカルを表し、R2は、ヒドロキシル基を含み得る1〜50個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキレンラジカルを表し、aは0または1を表し、bは0〜200の範囲内の数であり、Mは、水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、NH4または第四級アンモニウム基、例えばモノ、ジ、トリもしくはテトラ(C1〜C4アルキルアンモニウム)基などを表し、R1およびR3は、例えばエチレン、プロピレンまたはブチレンを表し得;
cおよびdは0〜1000の整数であり、c+dの合計は2〜1000の範囲内にある)
を有するカルボキシシリコーンポリマー化合物
からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。 - 少なくとも1つのケラチン基質耐久性のある非永久的成形または少なくとも1つのケラチン基質の非永久的形状の耐久性のある保持のための方法であって、前記少なくとも1つのケラチン基質に請求項1に記載の組成物を塗布することと、任意選択で、前記少なくとも1つのケラチン基質を加熱することとを含み、加熱を用いる場合、前記加熱の前、前記加熱の間または前記加熱の後に前記組成物を塗布し、5時間の曝露後に約65%〜約90%の範囲内の高湿度カール保持をもたらす疎水性を前記ケラチン基質にもたらす、方法。
- 毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質をスタイリングする、成形する、または加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷から保護する、あるいは毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法であって、請求項1に記載の組成物の前記ポリカルボジイミドとラテックスポリマーとを、それぞれ少なくとも1つの溶媒を含む予混合物の形で準備し、1段階の工程および2段階の工程から選択される工程に従い前記予混合物を前記ケラチン基質に塗布することを含む、方法。
- 前記工程が、
前記ポリカルボジイミドと前記ラテックスポリマーとを含む前記組成物を予混合物として準備し、前記ポリカルボジイミドと、前記ラテックスポリマーと、少なくとも1つの溶媒とを組み合わせることにより調製し、予め混合した前記組成物を前記ケラチン基質に塗布する、1段階の工程、
前記ポリカルボジイミドとラテックスポリマーとをそれぞれ別個に含む別個の予混合物の形で前記組成物を準備し、前記予混合物が、前記ポリカルボジイミドと溶媒とを組み合わせて第一の相を形成させ、別個に前記ラテックスポリマーと溶媒とを組み合わせて第二の相を形成させることにより調製されたものであり、使用時に、予め混合した前記相を組み合わせて組成物を形成させ、それを前記ケラチン基質に塗布する、1段階の工程、ならびに
前記組成物を別個の予混合物の形で準備し、前記予混合物が、前記ポリカルボジイミドと溶媒とを組み合わせて第一の相を形成させ、別個に前記ラテックスポリマーと溶媒とを組み合わせて第二の相を形成させることにより調製したものであり、使用時に、予め混合した前記相をそれぞれ任意の順序で別個に前記ケラチン基質に塗布する、2段階の工程
から選択される少なくとも1つの段階の工程であり、
任意選択で、前記工程が、
前記ケラチン基質に熱を加える段階であって、任意の1つまたは複数の予め混合した組成物を前記ケラチン基質の塗布する前、間または後に前記熱を加える段階、ならびに
着色、色素沈着、パーマ、弛緩、縮毛矯正およびハイライトから選択されるいずれか1つまたは複数の工程により前記ケラチン基質を処理する段階
から選択される1つまたは複数の追加の工程段階を任意の順序で含む、請求項10に記載の方法。 - 2つ以上の工程段階の任意の組合せにおいて、予め混合した前記組成物のいずれか1つまたは複数のものを着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤およびハイライト処理剤のいずれか1つとともに塗布用に提供する、請求項11に記載の方法。
- 別個に包装された形態で含むキットを含み、前記キットが、
前記ポリカルボジイミドとラテックスポリマーとが組み合わされており、前記予混合物が少なくとも1つの溶媒を含む、請求項1に記載の組成物、および
前記ポリカルボジイミドとラテックスポリマーとが別個に包装された形で提供され、ポリカルボジイミドと、水を含む少なくとも1つの溶媒とを含む包装された第一の相の予混合物を含み、ラテックスポリマーと水を含む少なくとも1つの溶媒とともに含む包装された第二の相の予混合物も含み、使用時に、予め混合した前記相を組み合わせて組成物を形成させる、請求項1に記載の組成物
のうちの少なくとも一方を含む、製品。 - 請求項14に記載のキットを含み、前記キットが、
着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤およびハイライト処理剤から選択される処理剤を含む、別個に包装された予混合物;ならびに
別個に包装された予混合物であって
請求項1に記載の組成物の前記ポリカルボジイミドおよび前記ラテックスポリマーのうちの少なくとも1つと、
着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤およびハイライト処理剤から選択される少なくとも1つの処理剤と
を含む、予混合物
のうち少なくとも1つのものを含む、製品。 - 請求項15に記載のキットを含み、
前記予混合物のうちいずれか1つまたは複数のものが、
1つまたは複数のアミノ化合物、界面活性剤(陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性/双性イオン性)ならびに本発明のポリカルボジイミドおよびラテックスポリマー以外のポリマー、例えば陰イオンポリマー、非イオンポリマー、両性ポリマー、ポリマーレオロジー調節剤、増粘剤および/または粘度調整剤、会合性または非会合性ポリマー性増粘剤、非ポリマー性増粘剤、真珠様光沢付与剤、乳白剤、染料または色素、香料、鉱油、植物油または合成油、セラミドを含めたワックス、ビタミン、UVスクリーン剤、フリーラジカルスカベンジャー、ふけ防止剤、脱毛防止剤、育毛剤、保存剤、pH安定剤および溶媒ならびにその混合物
から選択される少なくとも1つの添加剤を含み、
1つまたは複数のレオロジー調節剤および増粘剤/粘度調整剤が、アクリル性ポリマー、非アクリル性ポリマー、デンプン、サッカリド系ポリマー(例えば、グアー、グアーガム)、セルロース系ポリマー(特に、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースガム、アルキルヒドロキシエチルセルロース、カルボン酸含有セルロース/炭水化物)、非ポリマー性ゲル化剤およびポリマー性ゲル化剤、シリカ粒子、粘土、ヒアルロン酸、アルギン酸ならびにその混合物から選択される水溶性または水分散性の化合物である、
製品。 - 爪用組成物であって、
ラテックス化合物と、
請求項2に記載のリカルボジイミド化合物と
を含む、少なくとも1つの主要なフィルム形成剤を含み、
前記ラテックス化合物と前記ポリカルボジイミド化合物の比が、約50:50〜約95:5の範囲内にあり、
前記ポリカルボジイミド化合物と前記ラテックス化合物とを合わせて前記組成物の約10重量%〜約95重量%の量で含む、
爪用組成物。 - 溶媒、接着剤、第二のフィルム形成剤、消泡剤、揺変剤のうち1つまたは複数のものをさらに含む、請求項17に記載の爪用組成物。
- 前記ラテックス化合物が、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、クロロプレン、酢酸ビニル、ウレタン、イソプレン、イソブチレン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、そのエステルおよびアミドから選択されるモノマーから形成される、請求項1に記載の爪用組成物。
- 前記ラテックスポリマーが、
(i)(A)下式:
を有する化合物
(B)下式:
を有するピロリドンカルボン酸単位を少なくも1つ含む基を有する化合物;ならびに
(C)ジビニル−PDMS、クロトン酸、酢酸ビニルおよびビニルイソアルキルエステルならびにその組合せの重合から生じるポリビニル酸/エステル単位を少なくとも1つ含む化合物
からなる群より選択されるカルボキシシリコーンポリマー化合物;ならびに
(ii)下式:
ラジカルR4は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカルおよびフェニルラジカルから選択され、ラジカルR5、R5’、R5’’、R6、R6’、R6’’、R7およびR7’は互いに同一であるか、または異なっており、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカル、フェニルラジカル、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択され;
ラジカルR5、R6およびR7のうち少なくとも1つは、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択されるラジカルであり;
R1およびR3は独立して、2〜20個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキレンラジカルを表し、R2は、ヒドロキシル基を含み得る1〜50個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキレンラジカルを表し、aは0または1を表し、bは0〜200の範囲内の数であり、Mは、水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、NH4または第四級アンモニウム基、例えばモノ、ジ、トリもしくはテトラ(C1〜C4アルキルアンモニウム)基などを表し、R1およびR3は、例えばエチレン、プロピレンまたはブチレンを表し得;
cおよびdは0〜1000の整数であり、c+dの合計は2〜1000の範囲内にある)
を有するカルボキシシリコーンポリマー化合物
からなる群より選択される、請求項1に記載の爪用組成物。
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