JP2019500400A - ケラチン基質を処理するための組成物および方法 - Google Patents

ケラチン基質を処理するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

カルボキシシリコーンポリマーとともにポリカルボジイミドを含む、ケラチン基質の質を増強するための処理組成物。ケラチン基質の処理、特にヘアケアのための処理組成物およびそれに関連する工程であって、この工程では、単一段階のエマルションである処理剤の形で、または少なくとも2つの連続する段階で、ポリカルボジイミドおよびカルボキシシリコーンポリマー活性物質を塗布し得る。組成物は、ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーとを合わせて、毛髪繊維を含めたケラチン基質への適用時にそれに疎水性を与えるのに十分な量である組成物の0.1〜40.0重量%の量で含む。それは特に、毛髪の疎水性を増強することにより、持続的な保護を与え、また損傷した毛髪を改善して、カール保持を増強し、メイクヘアの櫛通りを容易にし、その感触を改善するための処理組成物および工程である。
【選択図】なし

Description

(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2015年12月31日に出願され「COMPOSITIONS AND METHODS FOR TREATING KERATINOUS SUBSTRATES」と題される米国特許出願第14,985,975号の利益を主張するものであり、上記出願の開示は、本明細書に全体が記載された場合と同様に参照により組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、ケラチン基質を処理するための組成物および方法に関する。より具体的には、本発明は、ポリカルボジイミド化合物、ある特定の実施形態では少なくとも1つのカルボキシシリコーンポリマーを有し、ケラチン基質に疎水性を付与するか、またはケラチン基質の疎水性を改善して、ケラチン基質、特にケラチン繊維、より具体的には毛髪を修復すること、ケラチン基質、特にケラチン繊維、より具体的には毛髪に外因性損傷からの保護をもたらすこと、ケラチン基質、特にケラチン繊維、より具体的には毛髪の耐久性のある非永久的成形を増強すること、ケラチン基質、特にケラチン繊維、より具体的には毛髪の非永久的形状の耐久性のある保持を増強することのうち1つまたは複数のものを達成するためのケラチン基質処理組成物に関する。
ケラチン基質、例えば毛髪、皮膚、爪および唇などのケラチン繊維の外観および/または状態は、外的因子および加齢などの内的因子の両方による影響を受けることが多い。特に、ケラチン基質が環境条件、例えば高湿度もしくは低湿度または太陽からの紫外線に曝されると、その望ましい特性の多くが失われ、場合によっては損傷を受けることもある。ケラチン繊維、特に毛髪は、厳しい外的条件、例えば、太陽、例えば界面活性剤、脱色、弛緩、染色およびパーマネントウェービングによる化学的損傷、例えばヘアドライヤまたはカーラによる熱ならびに例えばブラッシング行動または身繕い行動による機械的応力または機械的摩耗などに常に曝されている。さらに、いかなるタイプの毛髪でも、加齢による時間の経過ならびに/あるいは自然な脂によるべたつき、発汗、頭皮からの皮膚細胞の脱落、汚染、汚れおよび極端な湿度条件などの諸因子により量ならびに/あるいは質が低下することがある。
上記の因子は、薄毛をもたらし、かつ/または毛髪の外観および感触を損ない、毛髪のやせ細りおよびボリュームの減少を引き起こすことがある。例えば、低湿度条件下および高湿度条件下では、毛髪が乾燥してその輝きを失うか、または縮れて扱いにくくなることがある。低湿度条件下では、毛髪が乾燥することがあり、乾燥した毛髪は輝きが低下し脆くなる傾向がある。逆に高湿度条件下では、毛髪が水分を吸収して形崩れを起こし、扱いにくく魅力のないものとなる傾向がある。さらに、毛髪に対するブラッシングおよび加熱などの物理的ストレスにより、毛髪がその望ましい特性を失うことがある。これらの因子による影響の大きさは、例えば髪質、長さ、スタイルおよび環境因子によって様々である。このように、これらの因子は一般に、毛髪表面の保護物質(キューティクル)に影響を及ぼすことにより、または毛髪繊維内部(コルテックス)を変化させることにより、ケラチン繊維に損傷をもたらす。
より具体的には、外的条件によって毛髪表面から保護物質が剥がれ、かつ/または毛髪繊維のα構造と呼ばれる組織化された構造が崩壊し、それに伴い引張強度が低下し得る。外的因子による毛髪へのこのような損傷は、毛髪繊維が根から成長するほど毛髪がそのような外的因子に長期間曝されるため、より顕著になる。実際、毛髪には成長に伴う「損傷歴」とも呼べるものが備わっている、すなわち、根から離れているほど引張強度が低く、それまでに起こったα構造の破壊が大きい。その結果、消費者は、毛髪の外観を保護して増強し、かつ有害な環境条件、光損傷および物理的ストレスによる有害作用を軽減するヘアケア組成物およびヘア化粧品組成物などの製品を求め続けている。
形態学的には、毛髪繊維には4つの構造単位、すなわち、キューティクル、コルテックス、メデュラおよび細胞間セメントが含まれている。Robbins,C.R.Chemical and Physical Behavior of Human Hair,第3版,Springer−Verlag(1994)。キューティクル層は毛髪表面に位置し、平たい重なった細胞(「スケール」)からなる。このスケールは根端に付着し、繊維の遠位端(頂端)の方向を向いており、毛髪コルテックスを囲む層を形成している。コルテックスは毛髪繊維の主要な部分を占めている。コルテックスは繊維軸に沿って並んだ紡錘形の細胞、すなわちマクロフィブリルからなる。マクロフィブリルはさらに、不定形のタンパク質構造のマトリックスに埋め込まれたミクロフィブリル(高度に組織化されたタンパク質単位)からなる。メデュラは繊維の中心にある多孔性の領域である。メデュラは羊毛繊維と共通する部分であるが、太いヒト毛髪繊維にのみみられる。最後に、細胞間セメントは、細胞同士を結合させ繊維内への拡散のための主要経路を形成している材料である。
毛髪の機械的特性はコルテックスによって決まる。コルテックス組織化については2相モデルが提唱されている。Milczarekら,Colloid Polym.Sci.,270,1106−1115(1992)。このモデルでは、非透水性のマイクロフィラメント(「ロッド」)が繊維軸と平行に配向されている。マイクロフィラメントは透水性のマトリックス(「セメント」)に埋め込まれている。マイクロフィラメント内では、コイル状のタンパク質分子が特有の高度に組織化された方法で配置されており、毛髪繊維の結晶化度を示す。
毛髪繊維には他の結晶構造と同じように、広角X線回折により調べると明確な回折パターンがみられる。通常の伸長させていない毛髪繊維では、このパターンは「アルファパターン」と呼ばれる。毛髪のアルファパターンまたはα構造は特有の反復する間隔(9.8Å、5.1Åおよび1.5Å)を特徴とする。このX線回折パターンを示すタンパク質はいずれもαタンパク質と呼ばれ、特にヒトの毛髪および爪、羊毛ならびにヤマアラシの棘がこれに含まれる。毛髪繊維を水中で伸長させると、新たな間隔(9.8Å、4.65Åおよび3.3Å)をもつ「ベータパターン」と呼ばれる新たなX線回折パターンが現れる。
毛髪の損傷はキューティクルおよび/またはコルテックスで起こり得る。正常な毛髪が熱、化学処理、UV照射および/または物理的/機械的手段によって損傷を受けると、毛髪に無数の化学的および物理的変化が誘発される。例えば、これらの損傷過程は、キューティクルのスケールを剥がすか、もしくはこれに損傷を与え、または毛髪に疎水性18−メチルエイコサン酸(「18−MEA」)層を保持するチオエステル結合を切断することが知られている。このため、損傷を受けていない毛髪が顕著な疎水性を示すのに対し、損傷を受けた毛髪は表面の脂質が除去されたことによる顕著な親水性を示すのがよく観察されている。
このため、ケラチン繊維の化学的および物理的構造を厳しい外部条件から保護し、外部条件による損傷後に毛髪の物理的特性を損傷前の状態に回復させるのに有用な化粧品が必要とされている。より具体的には、毛髪にそのコルテックスを保護するバリアをもたらし得る耐水性かつ/または疎水性かつ/または保護性の物質、組成物または方法が必要とされている。このような保護バリアは、通常の日常的活動により時間の経過とともに基質から容易に移動するものであってはならない。さらに、保護バリアは、容易に除去されないよう耐シャンプー性、耐洗浄性または耐水性のものであるべきである。非移動性で耐シャンプー性、耐洗浄性または耐水性の化粧品組成物、ヘアケア組成物およびスキンケア組成物であって、それが接触する基質(例えば、衣類)に一部さえ移動しない沈着物を形成するという利点を有する組成物が求められている。水、雨または涙に曝されても皮膚および唇から容易に「流出」することも洗い流されることもない組成物を有することも望ましい。したがって、基質に保護バリアを与え、耐シャンプー性、耐洗浄性または耐水性かつ非移動性でもある製品は、化粧品の分野に有益なものであると思われる。このため、ヘアケア製品およびスキンケア製品などの化粧品の製造業者は、そのような有益性をもたらし得る物質および成分を求め続けている。
さらに、今日の市場では、非永久的ヘアスタイル、すなわち、非永久的毛髪成形によって得られるスタイルの柔軟性を好む消費者が多い。このような非永久的スタイルは通常、毛髪が濡れたとき、特に毛髪を水および/またはシャンプーで洗浄したとき、あるいは毛髪が高湿度条件に曝されたときに消失する。ケラチン繊維を非永久的に成形する方法としては、例えば、任意選択で市販のスタイリング製品を用いるブラッシング、逆毛立て、髪編み、ヘアローラの使用および加熱スタイリングが挙げられる。加熱スタイリングの非限定的な例としては、高温を用いるブロー乾燥、縮毛化、カーリングならびに縮毛矯正(例えば、カーラおよび加熱による毛髪のセッティング、カーリングアイロンおよび/またはホット/スチームローラおよび/またはフラットアイロンによるカーリングなど)が挙げられる。
このような組成物および方法はケラチン繊維の非永久的成形をもたらし得るが、多くの消費者が、大部分の既知の物質(例えば、フィルム形成剤、レジン、ガムおよび/または接着性ポリマー)、市販製品(例えば、従来のヘアスプレー、ムース、ジェルおよびローション)ならびにこれらの物質および製品を用いる方法がもたらすよりも長期間持続する、または耐久性のあるスタイリング/成形も望んでいる。例えば、多くの消費者が、非永久的なカール形成またはヘアスタイルを改善および保持する組成物および方法を望んでいる。
このため、整えた/成形した/カールした毛髪を有害な環境因子および物理的因子に曝したとき、ならびに/あるいは濡れたとき、洗浄したとき、またはシャンプーしたときでも、より耐久性のある、または長期間持続する形状またはスタイルがもたらされる物質、組成物および方法が必要とされている。
上記およびその他の利点の少なくとも1つを得るため、本発明は、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとを含む組成物をケラチン繊維の疎水性を付与または改善するのに有効な量でケラチン繊維に塗布することにより、ケラチン基質、より具体的には、毛髪、睫毛および眉から選択される前述のケラチン繊維を加熱、UV照射または化学処理によって引き起こされる外因性損傷から保護および/または修復する方法を提供する。
(発明の簡単な要旨)
ある例示的実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとを含むケラチン処理組成物が開示される。組成物は、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとを合わせて、組成物の総重量に基づき、約0.1〜約40.0重量%の量を含む。組成物は、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとをそれぞれ、ケラチン基質に塗布後それに疎水性または増大した疎水性およびケラチン基質の形状または外形に増大した保持力のうち1つまたは複数のものを与えるのに十分な量で含む。
別の例示的実施形態では、毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン繊維を加熱、UV照射もしくは化学処理によって引き起こされる外因性損傷から保護する、または毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン繊維を加熱、UV照射もしくは化学処理によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法。この方法は、ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーとを含む組成物をケラチン繊維を保護または修復するのに有効な量でケラチン繊維に塗布することを含み;ポリカルボジイミド化合物は、組成物の総重量に基づき、約0.1〜約40.0重量%の濃度で存在する。
本発明の別の実施形態は、毛髪から選択されるケラチン繊維を保護する方法であって、毛髪を化学的に処理する(例えば、永久染料組成物、半永久(semi−permanent)染色組成物または半永久(demi−permanent)染色組成物を用いて毛髪を染める、化学的酸化剤により毛髪の色を脱色する/軽くする、または明るくする、化学的還元剤/酸化剤を用いて毛髪にパーマをかける、苛性アルカリ溶液組成物および非苛性アルカリ溶液組成物を用いて毛髪を弛緩させる、化学的縮毛矯正剤を用いて毛髪を縮毛矯正する)前、間または後に、前述のケラチン繊維を保護または修復するのに有効な量の本発明の組成物をケラチン繊維に塗布することを含む、方法である。
いくつかの実施形態では、上記の組成物中のケラチン繊維を加熱し、繊維を加熱する前、間または後に組成物を繊維に塗布する。
別の例示的実施形態では、少なくとも1つのケラチン繊維の耐久性のある非永久的成形または少なくとも1つのケラチン繊維の非永久的形状の耐久性のある保持の方法が開示される。この方法は、ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーとを含む組成物を、少なくとも1つのケラチン繊維に塗布することを含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法は、上記の組成物の塗布前、塗布中または塗布後にケラチン繊維を加熱する段階を含む。
本発明は、上に開示される組成物をケラチン組織の表面、例えば毛髪繊維のキューティクルなどに塗布することによる、ケラチン繊維などのケラチン組織の美容処理の方法にも関する。
本発明は、上に開示される組成物をケラチン組織の表面、例えば毛髪繊維のキューティクルなどに段階的方法で塗布する方法にも関し、その段階は、1段階の工程および2段階、3段階もしくはそれ以上の段階およびそれらの組合せを含めた多段階の工程を含む。
いくつかのこのような実施形態では、方法は、ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーと溶媒とを含む組成物を調製してケラチン基質に塗布する、1段階の工程を含む。
別の実施形態では、方法は、個々の成分(溶媒と組み合わせたポリカルボジイミドおよび溶媒と組み合わせたカルボキシシリコーンポリマー)を段階的方法でケラチン基質に任意の順序で塗布して基質を処理する、2段階の塗布工程を含む。1つのこのような実施形態では、ケラチン基質を最初にポリカルボジイミド相で処理し、次いでカルボキシシリコーンポリマー相で処理する。
別の実施形態では、方法は、少なくとも1つのポリカルボジイミドと少なくとも1つのカルボキシシリコーンポリマーとを含む組成物を別個の相として調製し、各相を別個に毛髪などのケラチン基質に塗布する、逆段階方式を含む。1つのこのような実施形態では、ケラチン基質を最初にカルボキシシリコーンポリマー相で処理し、次いでポリカルボジイミド相で処理する。
また別の実施形態では、方法は、個々の成分(溶媒と組み合わせたポリカルボジイミドおよび溶媒と組み合わせたカルボキシシリコーンポリマー)を段階的方法でケラチン基質に任意の順序で塗布して基質を処理する、3段階の塗布工程を含む。1つのこのような実施形態では、ケラチン基質を最初にカルボキシシリコーンポリマー相で処理し、次いでポリカルボジイミド相で処理し、次いでカルボキシシリコーンポリマー相で処理する。
本発明は、上に開示される組成物をケラチン組織の表面、例えば毛髪繊維のキューティクルなどに段階的方法で塗布することによる、ケラチン繊維などのケラチン組織の美容処理のための方法およびキットにも関する。いくつかのこのような実施形態では、キットは、1つまたは複数の粘度を高めたまたは粘度を高めていない水相および非水相中に準備した本発明の組成物の1つまたは複数の活性物質を包装したものと、上記のいずれかのものを着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤およびハイライト処理剤から選択される1つまたは複数の処理剤と包装したものとを別個に含む。
本発明のその他の特徴および利点は、例として本発明の原理を説明する例示的実施形態に関する以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
(発明の詳細な説明)
実施例または別途明記される場合以外、成分および/または反応条件の量を表すあらゆる数値は、いずれの場合も示される数値の10%以内であることを意味する(例えば、「約10%」は9%〜11%を意味し、「約2%」は1.8%〜2.2%を意味する)「約」という用語によって修飾されているものとして解釈するべきである。
本明細書で使用される冠詞「a」および「an」は、本明細書および請求項に記載される本発明の実施形態の任意の特徴に適用される場合、1つまたは複数を意味する。「a」および「an」の使用は、限定されることが具体的に記載される場合を除き、その意味を単一の特徴に限定するものではない。単数形または複数形の名詞または名詞句の前にある冠詞「the」は、1つまたは複数の特定の具体的特徴を表し、それが使用される文脈に応じて単数または複数の意味を含み得る。形容詞「any」は、あらゆる量のうちの1つ、一部または全部を無差別に意味する。
本明細書で成分または原料のパーセント量に関して使用される「活性物質」は、成分または原料の100%の活性を指す。
本明細書で使用される「ケラチン繊維に組成物を塗布すること」および「毛髪に組成物を塗布すること」という用語ならびにこれらの語句の変化形は、任意の方法で繊維または毛髪と本発明の少なくとも1つの組成物とを接触させることを意味するものとする。
本明細書で使用される「少なくとも1つ」は、1つまたは複数を意味し、したがって、個々の構成要素および混合物/組合せを包含する。
本明細書で使用される「comprising(含む)」という用語(およびその文法的変化形)は、「having(有する)」または「including(含む)」という包括的な意味で使用されるものであり、「consisting only of(〜のみからなる)」という排他的な意味で使用されるものではない。
本明細書で使用される「コンディショニング」は、毛髪に櫛通り、扱いやすさ、保湿性、艶、光沢、柔らかさおよびこしのうち少なくとも1つのものを与えることを意味する。
本明細書で使用される「耐久性のあるコンディショニング」は、毛髪などのケラチン繊維を本開示の組成物で処理した後、シャンプー/洗浄/すすぎを少なくとも1回実施してもなお、処理毛髪が未処理毛髪よりもコンディションの整った状態にあることを意味する。コンディショニングの状態は、櫛通し作業(gm−in)からみた処理毛髪と未処理毛髪の櫛の通りやすさおよび/またはコンディショニング剤の毛髪に対する定着性および/または接触角測定値(毛髪表面での水滴の広がり)により評価することができる毛髪の疎水性を測定および比較することにより評価することができる。
本明細書で使用される「耐久性のある形状保持」は、毛髪などのケラチン繊維を本開示の組成物で処理した後、シャンプー/洗浄/すすぎを少なくとも1回実施してもなお、未処理毛髪が示すスタイリング後の特定の形状または望ましい形状を保持する能力と比較して処理毛髪がスタイリング後の特定の形状または望ましい形状を保持する能力を示すことを意味する。「耐久性のある形状保持」は、接触角測定値(毛髪表面での水滴の広がり)により評価することができる毛髪の疎水性とも関係がある。
本明細書で使用される「耐久性のある成形」は、ケラチン繊維が水および/またシャンプーで洗浄されるまでケラチン繊維の形状を保持あるいは維持することを指す。形状の保持は、相対湿度の高い条件下での処理毛髪および未処理毛髪のカール保持能力をカール効率から測定および比較することにより評価することができる。「耐久性のある成形」は、接触角測定値(毛髪表面での水滴の広がり)により評価することができる疎水性を毛髪に与えることとも関係がある。
「加熱」は、高温(すなわち、室温を上回る温度、例えば40℃超など)の使用を指す。一実施形態では、本発明の方法における加熱は、少なくとも1つのケラチン繊維と熱源とを直接接触させること、例えば少なくとも1つのケラチン繊維の加熱スタイリングによりもたらされ得る。少なくとも1つのケラチン繊維と直接接触させることによる加熱スタイリングの非限定的な例としては、高温を用いるフラットアイロン法およびカーリング法(例えば、カーラおよび加熱による毛髪のセッティング、カーリングアイロンおよび/またはホットローラを用いるカーリング)が挙げられる。別の実施形態では、本発明の方法における加熱は、少なくとも1つのケラチン繊維と直接接触し得ない熱源で少なくとも1つのケラチン繊維を加熱することによりもたらされ得る。少なくとも1つのケラチン繊維と直接接触し得ない熱源の非限定的な例としては、ブロードライヤ、フードドライヤ、加熱キャップおよびスチーマが挙げられる。
本明細書で使用される「熱活性化した」組成物は、例えば、組成物の塗布時または塗布後に加熱しない同じ組成物よりも良好に少なくとも1つのケラチン繊維を成形する組成物を指す。別の例としては、塗布時または塗布後に加熱しない同じ組成物よりも良好に少なくとも1つのケラチン繊維の形状を保持する組成物が挙げられる。
本明細書で定義される「高湿度」は、40%を上回る大気湿度を指す。
「均一」は、全体が実質的に一様である外観を呈している、すなわち、視覚的に単相のエマルションおよび/または分散液のように見えることを意味する。
本明細書で使用される「ケラチン基質」は、特に限定されないが、皮膚、毛髪および爪を包含する。本明細書で使用される「ケラチン基質」は「ケラチン組織」または「ケラチン繊維」も包含し、本明細書で定義されるこれらのものは、ヒトケラチン繊維であり得、例えば、ヒト頭髪などの毛髪または睫毛を構成する毛髪もしくは体毛から選択され得る。
本明細書で使用される「スタイル」または「スタイリング」という用語は、毛髪などのケラチン繊維を特定の配置、形態もしくは外形に成形、縮毛矯正、カールまたは配置すること;またはケラチン繊維もしくはその他の基質の曲率を変化させること;またはケラチン繊維もしくはその他の基質を異なる配置、形態もしくは外形に再配置すること;またはケラチン繊維の形状もしくは外形に保持力をもたらす/維持させることを包含する。いくつかの実施形態では、繊維の外形の形状に対する保持力は、曲げ力特性の改善として表され得る。
本明細書で使用される「ケラチン繊維のスタイリング」という用語およびその変化形は、ケラチン繊維または毛髪の空間的配置、外形、曲率または形態の外観を修正する任意の手段または方法を指すものと理解される。ケラチン繊維がヒト頭髪を含む場合、「ケラチン繊維のスタイリング」または「毛髪のスタイリング」という用語はまた、毛髪にカール、ウェーブもしくはエンボスを施すこと、毛髪にスムージングもしくは縮毛矯正を施すこと、毛髪を尖らせること、またはケラチン繊維の形状もしくは外形に保持力をもたらす/維持させることを包含するものと理解される。
本明細書で使用される「処理する」という用語(およびその文法的変化形)は、ケラチン繊維、毛髪または皮膚などのケラチン基質への本発明の組成物の塗布を指す。
本明細書で使用される「洗浄サイクル」という用語は、ケラチン基質を洗浄する段階または工程を指し、界面活性剤系の製品(例えば、シャンプー、コンディショナまたはボディウォッシュ)で基質を処理し、次いで基質を水で洗浄する、またはすすぐことを包含し得る。「洗浄サイクル」という用語は、基質を水で洗浄する、またはすすぐことも包含し得る。
本明細書では、特に限定されないがポリマーおよび任意選択の成分を含めた物質に対して商品名が引用される。本発明者らは本明細書において、特定の商品名により記載および引用される物質に限定されることを意図するものではない。本明細書に記載および特許請求される方法では、等価な物質(例えば、商品名により引用されるものとは異なる供給源から異なる名称またはカタログ(参照番号)で入手されるもの)で代用してもよい。
百分率および比はいずれも、特に明示されない限り重量により算出される。百分率はいずれも、特に明示されない限り組成物の総重量に基づき、算出される。あらゆる成分または組成物のレベルは、その成分または組成物の活性レベルに関するものであり、不純物、例えば、市販の入手源中に存在し得る残留溶媒または残留副産物を除外したものである。
本発明の目的の1つは、毛髪、特に損傷した毛髪に天然の/損傷してない物理的特性、例えば疎水性、櫛の通りやすさなどを与える保護バリアを毛髪などのケラチン基質にもたらすとともに、天然の/損傷していない毛髪を模倣する耐久性のある、または長期間持続する物理的特性を処理毛髪に与える、物質、組成物および方法を提供することである。コスメティックケア組成物およびパーソナルケア組成物の耐シャンプー性、耐洗浄性または耐水性を改善する、物質、組成物および方法を提供することも本発明の目的の1つである。
本発明者らは、驚くべきことに、また予想外にも、少なくとも1つのカルボン酸基を含むシリコーンポリマーまたはカルボキシシリコーンポリマーと、ポリカルボジイミドとの組合せを含有する化粧用途のための組成物を毛髪などのケラチン基質に塗布すると、同組成物が諸特性(疎水性、付着力、耐化学性、耐水性など)を増強し、基質に対して優れた性能を発揮することを発見した。活性物質の塗布は、混合物の形であっても、連続的なものであっても、あるいはそれらの組合せであってもよい。本開示の諸実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとの組合せが毛髪の諸特性を増強し、この組合せは、コンディショニング効果(例えば、疎水性、光沢および滑らかさ)を増大させ、毛髪の強度を高め、毛髪の硬さおよび耐湿性を増大させ、損傷した毛髪のコンディションを毛髪の外観および質の改善(例えば、より滑らかな感触、より柔らかい感触、縮れの軽減、乾燥の軽減、まとまりやすさ)により改善する。さらに、本開示による組成物は、毛髪に櫛が通りやすく、かつ/または毛髪が絡まりにくいことを示す櫛通り力の大幅な減少をもたらす。本開示による組成物は、カール/成形した毛髪にパーセントカール保持の増大をもたらし、高湿度および高温に対する毛髪の耐性がいずれかの物質を単独で含む組成物と比較して高いことが示された。さらに、本開示による組成物を1段階の工程もしくは多段階の工程、例えば2段階の工程もしくは3段階の工程などまたは逆工程で塗布してよく、任意の多段階の工程の順序は様々なものであり得る。
本発明者らは、驚くべきことに、また予想外にも、本発明者らは、毛髪を含むケラチン基質に塗布するとき、1つまたは複数のポリカルボジイミドおよびカルボキシシリコーンポリマーから選択される活性物質をそれぞれ連続して塗布すると、いくつかの実施形態では、2つの活性物質をいくつか組み合わせて塗布した場合と比較して増強された結果が得られることも発見した。したがって、このような連続塗布によってもたらされる有益性としては、毛髪キューティクルの摩擦の減少および最大10回の洗浄サイクルにわたる切れ毛耐性の延長が挙げられる。これらの有益性は、より滑らかな感触、濡れた毛髪または乾いた毛髪の櫛通しに対する耐性の増強、はりおよび光沢の延長ならびに目に見える程度に最小限に抑えられた先端の乾燥をもたらす。
いかなる理論にも束縛されるものではないが、本開示の発明者らは、本発明のケラチン処理組成物を構成するポリカルボジイミド化合物およびカルボキシシリコーンポリマーが、そのような組成物を毛髪または皮膚などのケラチン基質に塗布したときに互いにおよびケラチン基質と反応するものと考える。また、本開示の組成物は、ヘアケア製品、ヘアスタイリング製品、ネイルケア製品、メイクアップ製品、スキンケア製品およびサンケア製品などの美容用途に有用な保護バリアをもたらし、ケラチン基質の疎水性を改善する、または回復させることにより、毛髪および皮膚などの基質の美容性、感触および外観を大幅に向上させ、毛髪および皮膚などの基質の損傷状態を大幅に軽減するものと考えられる。
本発明による組成物は、ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーとを含む組成物である。組成物は、毛髪処理または毛髪修復のための他の適切な成分を含み得る。例えば、ポリカルボジイミドおよびカルボキシシリコーンポリマーに加えて、既知の溶媒および/または添加剤を用いて組成物にさらなる有益性をもたらし得る。ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンの両方を組み合わせて用いて本発明の組成物を形成すると、ケラチン繊維の疎水性の大幅な増大がもたらされる。会合物がケラチン基質の形状または外形に疎水性および/または保持力をもたらす組成物の重量濃度の範囲は、総活性物質約0.1%〜約40%である。間のあらゆる範囲および部分範囲を含めた約1:10〜約10:1もしくは約1:5〜約5:1のポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーの比の範囲または例えば約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:7、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1もしくは約2:1など。
様々な実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとの組合せは、本開示による組成物中に約0.1%〜約40%、いくつかの実施形態では約0.01%〜約20%、いくつかのさらなる実施形態では約1%〜約10%の範囲の量で存在する。いくつかの代表的な実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとの組合せは、約0.5%〜約10%および約0.5%〜約5%存在する。また別の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとの組合せは、少なくとも0.5%存在する。また別の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとの組合せは、少なくとも0.5%〜最大約40%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとの組合せは約5%存在する。いくつかの他の特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとの組合せは約2.5%存在する。いくつかの他の特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとの組合せは約0.75%存在する。
したがって、ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとの組合せは、中および間の増分および範囲を含め、約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%〜約40重量%存在し得る。
ポリカルボジイミド化合物
カルボジイミド基は、一般に式(I):
*−(N=C=N)−*
(I)
によって表される直鎖状の三原子部分である。少なくとも1つの窒素が主鎖または他の架橋基と結合するか、またはその中に組み込まれて、少なくとも2つのカルボジイミド基を有する分子を生じる。
ポリカルボジイミド
一実施形態では、上記のように少なくとも2つのカルボジイミド単位からなるポリカルボジイミドを式(II):
Figure 2019500400
によって表すことができ、
式中、XおよびXはそれぞれ独立して、O、SまたはNHを表す。RおよびRは、1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)の窒素、硫黄および酸素などのヘテロ原子を含む炭化水素基およびイオン性もしくは非イオン性のセグメントであり得る直鎖状もしくは分岐鎖状および環状もしくは非環状の基または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る一部もしくは全部がフッ素化された炭化水素基から選択され;nおよびzはそれぞれ独立して、0〜20の整数であり;L(カルボジイミド基のリンカー)は、C〜C18二価脂肪族炭化水素基、C〜C13二価脂環式炭化水素基、C〜C14二価芳香族炭化水素基およびC〜C12二価複素環基から選択され;複数のLは互いに同一であっても異なっていてもよく、別の実施形態では、式(II)のLは、C〜C18二価脂肪族炭化水素基、C〜C13二価脂環式炭化水素基、m−テトラメチルキシリレンから選択されないC〜C14二価芳香族炭化水素基およびC〜C12二価複素環基から選択され;複数のLは互いに同一であっても異なっていてもよく;
Eは以下の式
O−R−O;S−R−S;および
−N−R−N−R
から選択されるラジカルであり、
式中、RおよびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)(すなわち、鎖中で炭素のみと結合している)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る、芳香族ラジカル、脂環式ラジカル、アリールラジカルおよびアルキルラジカル(直鎖状または分岐鎖状)を含めた炭化水素ラジカルであり、Rは、水素あるいはハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)(すなわち、鎖中で炭素のみと結合している)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る炭化水素ラジカルである。
およびRの例は、グリコール酸メチル、乳酸メチル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジアルキルアミノアルコールであり得る。
の例は、トリレン、ヘキサメチレン、水素化キシリレン、キシリレン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン、1,12−ドデカン、ノルボルナン、2,4−ビス−(8−オクチル)−1,3−ジオクチルシクロブタン、4,4’−ジシクロヘキシルメタン、テトラメチルキシリレン、イソホロン、1,5−ナフチレン、4、4’ジフェニルメタン、4、4’ジフェニルジメチルメタン、フェニレンのジラジカルであり得る。
ポリカルボジイミドは、複数のカルボジイミド基がポリマー主鎖に付加されたポリマーを含み得る。例えば、米国特許第5,352,400号(その開示は全体が記載された場合と同様にあらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる)には、アルファ−メチルスチリル−イソシアナートから誘導されたポリマーおよびコポリマーが開示されている。このようなポリマーは式(III)
Figure 2019500400
で表され、式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基(いくつかの特定の実施形態では1〜24個の炭素原子を有する)である。
別の実施形態では、本開示によるポリカルボジイミドは、式(IV)で示されるような分岐鎖構造を有するポリカルボジイミドおよびTechnology for Waterborne Coatings,E.J.Glass編,ACS Symposium 663,1997の第8章;The Application of Carbodiimide Chemistry〜Coating,by J.W.TaylorおよびD.R.Bassett(その開示は全体が記載された場合と同様にあらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている分岐鎖構造を有するポリカルボジイミドを含む。
Figure 2019500400
(式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基(いくつかの特定の実施形態では1〜24個の炭素原子を有する)である。)
一実施形態では、本開示の組成物は、m−テトラメチルキシリレンから選択されるリンカーLを有するポリカルボジイミドを用いないものである。
適切なポリカルボジイミド化合物としては、特に限定されないが、供給業者のNisshinbo社、Picassian社および3M社から販売されているものが挙げられる。特に適切なポリカルボジイミド化合物としては、特に限定されないが、Nisshinbo社から市販されCARBODILITEシリーズ、V−02、V02−L2、SV−02、E−02、V−10、SW−12G、E−03Aの名称で知られるものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリカルボジイミドは、式(II)の化合物から選択され、L(カルボジイミド基のリンカー)が、C〜C18二価脂肪族炭化水素基、C〜C13二価脂環式炭化水素基、C〜C12二価複素環基またはC〜C14二価芳香族炭化水素基を表し、複数のLが互いに同一であっても異なっていてもよい。
他の実施形態では、本開示のポリカルボジイミドは、式(II)の化合物から選択され、式中、Lはm−テトラメチルキシリレンから選択されない。
ある特定の実施形態では、本開示の組成物は、m−テトラメチルキシリレンから選択されるリンカーLを有するポリカルボジイミドを含まない。
ポリカルボジイミドは通常、本開示の組成物中に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約0.01重量%〜約20重量%、いくつかの特定の実施形態では約0.5重量%〜約10重量%および約0.5重量%〜約5.0重量%の量で存在する。
様々な実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は、本開示による組成物中に約0.01%〜約20%、いくつかの実施形態では約0.1%〜約15%、いくつかのさらなる実施形態では約0.1%〜約10%の範囲の量で存在する。いくつかの代表的な実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は、約0.1%〜約5%および約0.2%〜約3%存在する。また別の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は少なくとも0.2%存在する。また別の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は少なくとも0.2%〜最大約40%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約1.5%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約0.75%存在する。いくつかの他の特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約0.25%存在する。
したがって、ポリカルボジイミド化合物は、中および間の増分および範囲を含め、約0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%〜約20重量%存在し得る。
少なくとも1つのカルボン酸基を有するシリコーンポリマー(カルボキシシリコーンポリマー)。
本明細書ではカルボキシシリコーンポリマーと呼ばれる、本開示による少なくとも1つのカルボン酸基を有するシリコーンポリマーは、
(A)以下の式(VI):
Figure 2019500400
(式中、RおよびRは独立して、2〜20個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状アルキレンラジカルを表し、Rは、ヒドロキシル基を含み得る1〜50個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状アルキレンラジカルを表し、aは0または1を表し、bは0〜200の範囲内の数であり、Mは、水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、NH4または第四級アンモニウム基、例えばモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラ(C1〜C4アルキルアンモニウム)基などを表し、RおよびRは例えばエチレン、プロピレンまたはブチレを表し得る)を有する化合物または
(B)以下の式(VII):
Figure 2019500400
(式中、Rはメチルまたはフェニルから選択され;R8は水素またはメチルであり、mは1〜1000の整数である)を有するピロリドンカルボン酸単位を少なくとも1つ含む基
または
(C)ジビニル−PDMS、クロトン酸、酢酸ビニルおよびビニルイソアルキルエステルの重合から生じるポリビニル酸/エステル単位(C)を少なくとも1つ含む基
ならびに(A)、(B)および(C)の組合せ
を含む、オルガノポリシロキサンであり得る。
適切なカルボキシシリコーンポリマーとしては、例えば式(VIII):
Figure 2019500400
のオルガノポリシロキサンから選択される、少なくとも1つのカルボン酸基を含むシリコーンポリマーが挙げられ、式中、
ラジカルR4、R4’は、互いに同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐鎖状C1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカルおよびフェニルラジカルから選択され、ラジカルR5、R5’、R5’’、R6、R6’、R6’’、R7およびR7’は、互いに同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐鎖状C1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカル、フェニルラジカル、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択され;
ラジカルR5、R6およびR7のうち少なくとも1つは、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択されるラジカルであり;
R1、R2、R3、a、bおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有し;
cおよびdは0〜1000の整数であり、c+dの合計は、いくつかの特定の実施形態では1〜1000または2〜1000の範囲内にある。
単位(VI)を少なくとも1つ含む式(VIII)のカルボキシシリコーンポリマーには、いくつかの特定の実施形態では、以下の式(IX):
Figure 2019500400
の化合物があり、式中、R2およびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有し、nは1〜1000の整数である。化合物(IX)の例として、Shin Etsu社の両末端型カルボキシシリコーンX−22−162CおよびMomentive社のSilform INX(INCI名:ビス−カルボキシデシルジメチコン)がある。
式(VIII)のオルガノポリシロキサンの他の例示的実施形態には式(X):
Figure 2019500400
のものがあり、式中、R、R、nおよびMは、上の単位(I)に記載したものと同じ意味を有する。化合物(X)の例には、Shin Etsu社の片末端型カルボキシシリコーンX−22−3710がある。
式(VIII)のオルガノポリシロキサンの他の例示的実施形態には式(XI):
Figure 2019500400
のものがあり、式中、Xはラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOMであり、R1、R2、R3、a、bおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有する。
さらにより具体的には、aおよびbが0に等しく、Rが(CH、(CH10または−CH(CH)−などの直鎖状または分岐鎖状C〜C12アルキレン基である式(XI)の化合物が例示的実施形態である。化合物(XI)の一例として、Shin Etsu社の側鎖カルボキシシリコーンX−22−3701Eがある。
単位(B)を含む式(VIII)のオルガノポリシロキサンのうち、例示的実施形態としては以下の式(XII)の化合物:
Figure 2019500400
が挙げられ、式中、R8、mは上の単位(B)で定義した通りであり、nは1〜1000の整数である。式(XII)の化合物の一例として、Grant Industries社のGrandsil SiW−PCA−10(INCI名:ジメチコン(および)PCAジメチコン(および)ブチレングリコール(および)デシルグルコシド)などのGrandsil PCAがある。
ポリビニル酸/エステル単位(C)を含む式(VIII)のオルガノポリシロキサンのうち、例示的実施形態には、有機ポリマーブロックとシリコーンとからなりマルチブロックポリマー構造を生じる架橋陰イオンコポリマーがある。特に、本発明のシリコーン−有機ポリマー化合物は、少なくとも1つの架橋ポリシロキサン構造単位を含む架橋陰イオンコポリマーから選択され得る。このような分岐鎖マルチブロックカルボキシシリコーンポリマーの一例として、Wacker Chemie AGのBelsil(登録商標)P1101(商品名Belsil(登録商標)P1101として知られていることもある)(INCI名:クロトン酸/ビニルC8〜12イソアルキルエステル/VA/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマー、化学名クロトン酸/ビニルC8〜12イソアルキルエステル/VA/ジビニルジメチコンクロスポリマーとしても知られる)がある。
ほかの適切なカルボキシシリコーンポリマーが、例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる特許出願、国際公開第95/23579号および欧州特許出願公開第0,219,830(A)号に記載されている。
上の式(XI)に対応する化合物は、例えば、Wacker社からHUILE M642の名称、Wacker社からSLM23000/1およびSLM23000/2の名称、General Electric社から176−12057の名称、OSI社からFZ3703の名称およびToray Silicone社からBY16880の名称で販売されている。
カルボキシシリコーンポリマーのその他の非限定的な例には、シリコーンカルボキシラート含有ポリマー(複数のシリコーンカルボキシラート)がある。
適切なシリコーンカルボキシラートは、少なくとも1つのカルボン酸基を含む水溶性シリコーン化合物、少なくとも1つのカルボン酸基を含む油溶性シリコーン化合物、少なくとも1つのカルボン酸基を含む水分散性シリコーンおよび少なくとも1つのカルボン酸基を含み有機溶媒に可溶性であるシリコーンから選択され得る。一実施形態では、シリコーンカルボキシラートは少なくとも1つのアルコキシル化鎖をさらに含み、少なくとも1つのアルコキシ基は、末端アルコキシ基、ペンダントアルコキシ基および少なくとも1つのシリコーンの骨格内に組み込まれたアルコキシ基から選択され得る。少なくとも1つのアルコキシ基の非限定的な例としては、エチレンオキシド基およびプロピレンオキシド基が挙げられる。
少なくとも1つのカルボン酸基は、末端カルボン酸基およびペンダントカルボン酸基から選択され得る。さらに、少なくとも1つのカルボン酸は、遊離酸形態のカルボン酸基、すなわち−COOHおよび塩形態のカルボン酸基、すなわち−COOMから選択され得るものであり、ここでは、式中、Mは無機陽イオン、例えばカリウム陽イオンおよびナトリウム陽イオンならびに有機陽イオンから選択され得る。
一実施形態では、シリコーンカルボキシラートは式(XIII):
Figure 2019500400
の化合物であり、式中、aは1〜100の範囲内の整数であり;bは0〜500の範囲内の整数であり;Rは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1〜9個の炭素原子を含む任意選択で置換された炭化水素基、任意選択で置換されたフェニル基および以下の式(XIV)の基:
−(CH−O−(EO)−(PO)−(EO)−C(O)−R’−C(O)−OH
(XIV)
から選択され、式中、c、dおよびeは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ0〜20の範囲内の整数であり;EOはエチレンオキシド基であり;POはプロピレンオキシド基であり;R’は、任意選択で置換された二価炭化水素、例えば2〜22個の炭素原子を含むアルキレン基およびアルケニレン基などならびに任意選択で置換された二価芳香族基、例えば以下の式:
Figure 2019500400
の基および以下の式:
Figure 2019500400
の基などから選択され、ただし、R基のうち少なくとも1つは式(XIV)の基から選択され、さらに、R基のうち1つのみが式(XIV)の基から選択され、それ以外のR基はすべてがメチル基というわけではない。
シリコーンカルボキシラートの非限定的な例としては、Noveon社からUltrasil(登録商標)CA−1 Silicone(ジメチコンPEG−7フタラート)およびUltrasil(登録商標)CA−2 Silicone(ジメチコンPEG−7スクシナート)の名称で市販されているものが挙げられ、いずれも以下の式(XV)に対応する。したがって、一実施形態では、少なくとも1つのシリコーンカルボキシラートは式(XV)の化合物:
Figure 2019500400
およびその塩から選択され、式中、aは1〜100の範囲内の整数であり、bは0〜500の範囲内の整数であり、AOは以下の式:
−(EO)c−(PO)d−(EO)e−
の基(式中、c、dおよびeは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ0〜20の範囲内の整数であり;EOはエチレンオキシド基であり;POはプロピレンオキシド基である)から選択され;xは0〜60の範囲内の整数であり;R’は、任意選択で置換された二価炭化水素、例えば2〜22個の炭素原子を含むアルキレン基およびアルケニレン基などならびに任意選択で置換された二価芳香族基、例えば以下の式
Figure 2019500400
の基および式:
Figure 2019500400
の基などから選択される。
シリコーンカルボキシラートの非限定的な例としては、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,248,783号および同第5,739,371号に記載されているものが挙げられ、これらは式(XIII)のシリコーン化合物である。
カルボキシシリコーンは通常、本開示の組成物中に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約0.01重量%〜約20重量%、いくつかの特定の実施形態では約0.5重量%〜約10重量%、いくつかの特定の実施形態では約0.5重量%〜約5.0重量%の量で存在する。
様々な実施形態では、カルボキシシリコーン化合物は、本開示による組成物中に約0.01%〜約20%、いくつかの実施形態では約0.1%〜約15%、いくつかのさらなる実施形態では約0.1%〜約10%の範囲の量で存在する。いくつかの代表的な実施形態では、カルボキシシリコーン化合物は、約0.1%〜約5%および約0.2%〜約3%存在する。また別の実施形態では、カルボキシシリコーン化合物は少なくとも0.2%存在する。また別の実施形態では、カルボキシシリコーン化合物は少なくとも0.2%〜最大約40%存在する。いくつかの特定の実施形態では、カルボキシシリコーン化合物は約1.5%存在する。いくつかの特定の実施形態では、カルボキシシリコーン化合物は約0.75%存在する。いくつかの他の特定の実施形態では、カルボキシシリコーン化合物は約0.25%存在する。
したがって、カルボキシシリコーン化合物は、中および間の増分および範囲を含め、約0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%〜約20重量%存在し得る。
溶媒
本開示による組成物は、ケラチン繊維の処理に適した溶媒をさらに含む。適切な溶媒の例としては、ポリカルボジイミドおよびカルボキシシリコーンポリマーのための担体および溶媒としての水、いくつかの特定の実施形態では蒸留水もしくは脱イオン水または有機溶媒が挙げられる。
適切な有機溶媒は、揮発性物質有機溶媒および不揮発性有機溶媒から選択され得る。
適切な有機溶媒は通常、C1〜C4低級アルコール、グリコール、ポリオール、ポリオールエーテル、炭化水素および油である。有機溶媒の例としては、特に限定されないが、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロールおよびその混合物が挙げられる。
その他の適切な有機溶媒としては、グリコールエーテル、例えばエチレングリコールおよびそのエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなど、プロピレングリコールおよびそのエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなど、ジプロピレングリコールアルキルエーテルおよびジエチレングリコールアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールn−ブチルエーテルなどが挙げられる。グリコールエーテルは、Dow Chemical Company社からDOW EシリーズおよびDOW Pシリーズとして市販されている。1つの例示的実施形態では、本発明に使用するグリコールエーテルは、DOWANOL DPnBの商品名で知られるジプロピレングリコールn−ブチルエーテルがある。
適切な有機溶媒としては、鉱油、ペトロラタムおよびC10〜C40炭化水素を含めた合成油および炭化水素油も挙げられ、これらは脂肪族油(直鎖、分岐鎖または環状鎖)、芳香族油、アリール脂肪族油、例えばパラフィン、イソ−パラフィン、イソドデカン、芳香族炭化水素、ポリブテン、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデセン、ポリデセン、スクアレン、ペトロラタムおよびイソパラフィンなど、シリコーン油、フッ化油ならびにその混合物であり得る。
「炭化水素系油」または「炭化水素油」という用語は、水素と炭素原子および可能性として酸素原子、窒素原子、硫黄原子および/またはリン原子を主として含有する油を指す。炭化水素系油の代表例としては、8〜16個の炭素原子を含有する油、特に分岐鎖状C8 C16アルカン(イソパラフィンとしても知られる)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6ペンタメチルヘプタンとしても知られる)、イソデカンおよびイソヘキサデカンが挙げられる。
本発明に有用であり得るシリコーン油の例としては、不揮発性シリコーン油、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)、ペンダントでありかつ/またはシリコーン鎖の末端にあり、それぞれ2〜24個の炭素原子を含有するアルキル基またはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサンなど、フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサンおよび2フェニルエチルトリメチルシロキシケイ酸などならびに粘度が100cSt(100mm/秒)以下のジメチコンまたはフェニルトリメチコンが挙げられる。
本発明に有用であり得るシリコーン油の他の代表例としては、揮発性シリコーン油、例えば直鎖状または環状のシリコーン油、特に2〜10個のケイ素原子、特に2〜7個のケイ素原子を含有するものなどが挙げられ、これらのシリコーンは、任意選択で1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基またはアルコキシ基を含む。具体例としては、粘度が5cSt(5mm/秒)および6cSt(6mm/秒)のジメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサンおよびドデカメチルペンタシロキサンならびにその混合物が挙げられる。
本発明での使用に適し得るフッ化油の代表例としては、ナノフルオロメトキシブタンおよびペルフルオロメチルシクロペンタンなどの揮発性物質フッ化油が挙げられる。
本開示の組成物に特に適した溶媒としては、水、イソドデカン、エタノールおよびその組合せが挙げられる。溶媒は通常、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約60重量%〜98重量%、いくつかの実施形態では80重量%〜96重量%の範囲内の総量で存在する。したがって、溶媒は、約40重量%〜約98重量%の中および間の増分および範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約98重量%、97重量%、96重量%、95重量%、94重量%、93重量%、92重量%、91重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%および約55重量%、50重量%、48重量%、46重量%、45重量%、44重量%、42重量%、40重量%の量で存在し得る。
また別のいくつかの実施形態では、本開示の溶媒は、それ自体が別個の成分として本発明の本発明中に添加される水および/または有機溶媒を含まないため、本発明の組成物中に添加される原料の1つまたは複数の成分を伴う場合に水および/または有機溶媒が本発明の組成物中に存在する。
様々な実施形態で本開示の組成物が水を含有する場合、水は、中および間の増分および範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約98重量%以下、例えば約96重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、48重量%、46重量%、45重量%、44重量%、42重量%、40重量%、35重量%、30重量%、20重量%、10重量%または5重量%以下などの量で存在し得る。
様々な実施形態で本開示の組成物が有機溶媒(1つまたは複数)を含有する場合、有機溶媒(1つまたは複数)は、中および間の増分および範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約98重量%以下、例えば約96重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、48重量%、46重量%、45重量%、44重量%、42重量%、40重量%、35重量%、30重量%、20重量%、10重量%または5重量%以下などの総量で存在し得る。
添加剤
本開示による組成物は、ケラチン繊維の処理に適した添加剤をさらに含む。
本開示による組成物は、アミンまたはアミノ化合物(例えば、アミノシリコーン、ポリアミン、ジアミン、アルキルモノアミン、アルコキシル化モノアミン、アルコキシル化ポリアミンおよびアミノ官能化シラン化合物)、界面活性剤(陰イオン、非イオン性、陽イオン性および両性/双性イオン性)ならびに本発明のポリカルボジイミド以外のポリマーおよびカルボキシシリコーンポリマー、例えば陰イオンポリマー、非イオンポリマー、両性ポリマー、ポリマーレオロジー調節剤、増粘剤および/または粘度調整剤、会合性または非会合性ポリマー性増粘剤などから選択される添加剤も含み得る。その他の適切な添加剤は、非ポリマー性増粘剤、真珠様光沢付与剤、乳白剤、染料または色素、香料、鉱油、植物油または合成油、セラミドを含めたワックス、ビタミン類、UVスクリーン剤、フリーラジカルスカベンジャー、ふけ防止剤、脱毛防止剤、育毛剤、保存剤、pH安定剤および溶媒ならびにその混合物から選択され得る。
特定の実施形態の組成物は、安定剤、例えば塩化ナトリウム、二塩化マグネシウムまたは硫酸マグネシウムを含み得る。
本開示の組成物に用い得るアミン化合物またはアミノ化合物はアミノシリコーンを含み得る。「アミノ」という用語は、第一級アミン基、第二級アミン基、第三級アミン基または第四級アンモニウム基を指すものとする。
本開示の組成物に用い得るアミノシリコーンは、少なくとも1つの第一級アミン基、第二級アミン基または第三級アミン基を有するポリシロキサン、例えばトリメチルシリルアモジメチコン、第四級アンモニウムシリコーン、AがポリシロキサンブロックでありBが少なくとも1つのアミン基を含むポリオキシアルキレン化ブロックである(AB)nタイプのマルチブロックポリオキシアルキレン化アミノシリコーン、アルキルアミノシリコーンおよびその混合物などから選択され得る。
アミン化合物またはアミノ化合物の適切な例としては、アモジメチコン(例えば、Shin Etsu社からKF8020の名称で販売されているものまたはDow Corning社からXIAMETER(登録商標)MEM−8299 Cationic Emulsionの名称で販売されているもの)およびビス−セテアリルアモジメチコン(Momentive社からSILSOFT AXの名称で販売されているもの)が挙げられる。
本開示の組成物に用い得るアミン化合物またはアミノ化合物は、アルキルモノアミン、アルコキシル化ポリアミン、アルコキシル化モノアミンおよびポリアミン、特にケイ素原子もシリコーン部分も含まないものからも選択され得る。
アルキルモノアミンの適切な例としては、特に限定されないが、以下の例が挙げられる:ジメチルラウラミン、ジメチルベヘナミン、ジメチルコカミン、ジメチルミリスタミン、ジメチルパルミタミン、ジメチルステアラミン、ジメチル獣脂アミン、ジメチルソイアミン、ステアラミン、ソイアミン、コカミン、ラウラミン、パルミタミン、オレアミン、獣脂アミンおよびその混合物。
アルキルモノアミンは、特に限定されないが、以下の例を含めたアミドアミンからも選択され得る:オレアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびその混合物。
本開示の組成物に用い得るアルコキシル化ポリアミンは、少なくとも2つのアミノ基と、ある特定の実施形態ではエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから選択されるアルキレンオキシド基によってもたらされる少なくとも1のアルコキシル化度とを有する、アミノ化合物から選択される。
アルコキシル化ポリアミンの適切な例としては、特に限定されないが、Huntsman社から入手可能なJEFFAMINEシリーズ、例えばJEFFAMINE Dシリーズ、JEFFAMINE EDシリーズ、JEFFAMINE EDRシリーズおよびJEFFAMINE Tシリーズなどに属するジアミン化合物およびトリアミン化合物が挙げられる。
本開示の組成物に用い得るアルコキシル化モノアミンは、1つのアミノ基と、ある特定の実施形態ではエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから選択されるアルキレンオキシド基によってもたらされる少なくとも1のアルコキシル化度とを有する、アミノ化合物から選択される。
適切な例には、コカミン、ラウラミン、パルミタミン、菜種アミン、オレアミン、ソイアミン、ステアラミン、獣脂アミン、獣脂アミノプロピルアミン、ベヘニルプロピレンジアミンのアルコキシル化誘導体およびHuntsman社のJEFFAMINE Mシリーズのものが挙げられる。
本開示の組成物に用い得るポリアミンは、特にアミノシリコーン、ポリビニルアミン、アミノ化多糖、アミン置換ポリアルキレングリコール、アミン置換ポリアクリル酸クロスポリマー、アミン置換ポリアクリル酸、アミン置換ポリメタクリル酸、タンパク質、タンパク質誘導体、アミン置換ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリアルキルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、スペルミジン、スペルミンおよびその混合物からも選択され得る。
本開示の組成物に用い得るレオロジー調節剤および増粘剤/粘度調整剤としては、ポリカルボジイミド、カルボキシシリコーンポリマーおよび本開示の組成物と適合性のある任意の水溶性化合物または水分散性化合物、例えばアクリルポリマー(特に、アクリル酸/C10〜30アルキルアクリル酸クロスポリマー、カルボマー、アクリル酸コポリマー、アクリル酸クロスポリマー)、非アクリルポリマー、デンプン、サッカリド系ポリマー(例えば、グアー、グアーガム)、セルロース系ポリマー(特に、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースガム、アルキルヒドロキシエチルセルロース、カルボン酸含有セルロース/炭水化物)、非ポリマー性ゲル化剤およびポリマー性ゲル化剤、シリカ粒子、粘土、ヒアルロン酸、アルギン酸およびその混合物が挙げられる。
その他の添加剤
少なくとも1つのカルボキシル基を含む陽イオンポリマー。
陽イオンポリマーは負電荷を有し得るが、全体としては陽イオン性の状態であり、pHに基づく陽イオン電荷を有し得る両性ポリマーであり得るか、またはいずれのpHでも両性の状態であるベタインポリマーであり得る。
陽イオンポリマーは、(i)少なくとも1つの非イオン性モノマー、例えば(アルキル)(メタ)アクリルアミド、(アルキル)(メタ)アクリル酸エステル、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾールなど;(ii)少なくとも1つの陽イオン性モノマー、例えばエチルトリモニウム(アルキル)(メタ)アクリルアミド、エチルトリモニウム(アルキル)(メタ)アクリル酸エステル、ビニルイミダゾリン、ジメチルアミノプロピル(アルキル)(メタ)アクリルアミド、メタクリルアミドプロピルトリエチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)など;(iii)少なくとも1つの(アルキル)アクリル酸;(iv)少なくとも1つの両性モノマー、例えばカルボキシベタイン双性イオン性モノマーなどから選択されるエチレン性不飽和モノマーの単独重合または共重合により生じるポリマーである。
このような陽イオンポリマーの適切な例には、Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT280 POLYMER、MERQUAT280NP POLYMER、MERQUAT281 POLYMERまたはMERQUAT295 POLYMERの名称で販売されているジアリイジメチルアンモニウムクロリド(diallyidimethylammonium chloride)/アクリル酸コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−22);Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT2001 POLYMERまたはMERQUAT2001N POLYMERの名称で販売されているメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、アクリル酸および/またはアクリル酸メチルのコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−47);Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT3330DRY POLYMER、MERQUAT3330PR POLYMER、MERQUAT3331PR POLYMER、MERQUAT3940 POLYMER、MERQUAT PLUS3330 POLYMERまたはMERQUAT PLUS3331 POLYMERの名称で販売されているアクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸ターポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−39);Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT2003PR POLYMERの名称で販売されているメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)とアクリルアミドとアクリル酸とからなる両性ターポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−53);ポリクオタニウム−30、ポリクオタニウム−35、ポリクオタニウム−45、ポリクオタニウム−50、ポリクオタニウム−54;ポリクオタニウム−57;ポリクオタニウム−63;ポリクオタニウム−74;ポリクオタニウム−76;ポリクオタニウム−86;ポリクオタニウム−89;ポリクオタニウム−95;ポリクオタニウム−98、ポリクオタニウム−104;ポリクオタニウム−111;ポリクオタニウム−112ならびにその混合物がある。
ポリカルボン酸ポリマー化合物
本開示の化合物であるポリカルボン酸は、陰イオンポリマー、非イオンポリマーおよび両性ポリマーから選択され得る。
陰イオンポリマーは、化粧品に許容される媒体に可溶性または同じ媒体に不溶性であり得るため、ポリマーの固体分散液または液体粒子(ラテックスまたはシュードラテックス)の形態で使用し得る。
陰イオンポリマーは、カルボン酸から誘導される基を含むポリマーから選択され、約500〜5,000,000の数平均分子量を有するものであり得る。カルボン酸基は、不飽和の一酸または二酸カルボン酸モノマー、例えば式:
Figure 2019500400
を有するものなどによってもたらされ、式中、nは0〜10の整数であり、Aは、任意選択で酸素または硫黄などのヘテロ原子を介して不飽和基の炭素原子またはnが1より大きい場合は近隣するメチレン基と結合したメチレン基を表し、Rは水素原子またはフェニル基もしくはベンジル基を表し、Rは水素原子または低級アルキル基もしくはカルボキシル基を表し、Rは、水素原子、低級アルキル基、CH−COOH基、フェニル基またはベンジル基を表す。
上記の式中、低級アルキル基は、ある特定の実施形態では、1〜4個の炭素原子を含む基、特にメチル基およびエチル基を表す。
ポリカルボン酸化合物としては、アクリル酸もしくはメタクリル酸のコポリマーまたはその塩、特にナトリウム塩の形態で販売されているアクリル酸とアクリルアミドのコポリマーが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、アクリル酸またはメタクリル酸と、任意選択でポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトされ、任意選択で架橋されたモノエチレンモノマー、例えばエチレン、スチレン、ビニルエステルおよびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルなどとのコポリマーが挙げられる。ポリカルボン酸化合物としては、水分散液中のメタクリル酸/アクリル酸/エチルアクリル酸/メチルメタクリルラートコポリマーが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、クロトン酸コポリマー、例えば鎖中に酢酸ビニル単位またはプロピオン酸ビニル単位と、任意選択でアリルエステルまたはメタリルエステル、少なくとも5個の炭素原子を含む炭化水素系鎖などの長い炭化水素系鎖を有する直鎖状または分岐鎖状の飽和カルボン酸のビニルエーテルまたはビニルエステルなどの他のモノマーとを含むものなどが挙げられ、これらのポリマーは任意選択で、グラフトまたは架橋されているか、あるいは別の[アルファ]環状カルボン酸または[ベータ]環状カルボン酸のビニルエステルモノマー、アリルエステルモノマーまたはメタリルエステルモノマーであり得る。
ポリカルボン酸化合物としては、(i)1つまたは複数のマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アリルオキシ酢酸、メタリルオキシ酢酸、3−アリルオキシプロピオン酸、アリルチオ酢酸、アリルアミノ酢酸、ビニル酢酸、ビニルオキシ酢酸、クロチルオキシ酢酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、10−ウンデセン酸、アリルマロン酸、マレアミド酸、イタコナミン酸、N−モノヒドロキシアルキル−マレアミド酸またはN−ジヒドロキシ−アルキル−マレアミド酸と、(ii)ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アクリル酸およびそのエステルから選択される少なくとも1つのモノマーとを含むコポリマーから選択されるC4〜C8モノ飽和カルボン酸のコポリマーが挙げられ、上記コポリマーの無水官能基は任意選択でモノエステル化またはモノアミド化されている。ポリカルボン酸化合物としては、(i)1つまたは複数のマレイン酸無水物単位、シトラコン酸無水物単位またはイタコン酸無水物単位と、(ii)任意選択で鎖中に1つまたは複数のアクリルアミド、メタクリルアミド、[アルファ]−オレフィン、アクリルエステルもしくはメタクリルエステル、アクリル酸もしくはメタクリル酸またはビニルピロリドン基を含むアリルエステルまたはメタリルエステルから選択される1つまたは複数のモノマーと含むコポリマーが挙げられ、上記コポリマーの無水官能基は任意選択でモノエステル化またはモノアミド化されている。ポリカルボン酸化合物としては、カルボキシラート基を含むポリアクリルアミドが挙げられる。
本開示のポリカルボン酸としては、Lubrizol社からFIXATEシリーズとして市販されている陰イオンポリマー、例えばFIXATE G−100として販売されている分岐鎖状ブロック陰イオンポリマー、分岐鎖状陰イオンアクリル酸コポリマーのポリアクリル酸−2クロスポリマー(FIXATE SUPERHOLDポリマー)、アクリル酸クロスポリマー−3(FIXATE FREESTYLEポリマー)、ポリアクリル酸−14(FIXATE PLUSポリマー)など、Lubrizol社からCARBOPOLシリーズとして市販されているもの、例えばアクリル酸クロスポリマー−4(CARBOPOL AQUA SF−2)、アクリル酸クロスポリマー−4(CARBOPOL AQUA CC)などならびにInterpolymer社からSYNTRANシリーズとして市販されているもの、例えばアクリル酸コポリマー(SYNTRAN5190)、スチレン/アクリラート/アンモニウムメタクリラートコポリマー(SYNTRAN5760)およびアンモニウムアクリラートコポリマー(SYNTRAN KL−219C)も挙げられる。
本開示のポリカルボン酸化合物としては、アクリルコポリマーおよび(メタ)アクリラートコポリマー分散液などの陰イオンラテックスポリマーも挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、アクリル酸またはアクリル酸エステルのコポリマー、例えば、ULTRAHOLD8として販売されているアクリラート/t−ブチルアクリルアミドコポリマー、特にBASF社からULTRAHOLD STRONGとして販売されているアクリル酸/アクリル酸エチル/N−tert−ブチルアクリルアミドターポリマー、酢酸ビニル/tert−ブチル安息香酸ビニル/クロトン酸ターポリマーおよび特にAzko Nobel社からRESYN28−29−30として販売されているクロトン酸/酢酸ビニル/ネオドデカン酸ビニルターポリマーなどのクロトン酸から誘導されたコポリマー、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体ならびにアクリル酸およびそのエステルとマレイン酸、フマル酸またはイタコン酸または無水物から誘導された例えばISP社からGANTREZ ANまたはESとして販売されているメチルビニルエーテル/モノエステル化無水マレイン酸コポリマーなどのポリマー、Rohm Pharma社からEUDRAGIT Lとして販売されているメタクリル酸とメタクリル酸メチルのコポリマー、BASF社からLUVIMER MAEXまたはMAEとして販売されているメタクリル酸とアクリル酸エチルのコポリマー、BASF社からLUVISET CA66として販売されている酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、BASF社からARISTOFLEX Aとして販売されているポリエチレングリコールをグラフトした酢酸ビニル/クロトン酸コポリマーならびにNoveon社からFIXATE G−100として販売されているポリマーなどが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、以下のポリマーから選択され得る両性ポリマーが挙げられる:
酸性ビニル単位と塩基性ビニル単位とを有するコポリマー、例えば、カルボン酸基、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アルファ−クロロアクリル酸などのカルボン酸基を有するビニル化合物から誘導されるモノマーと、少なくとも1つの塩基性原子を含む置換ビニル化合物から誘導される塩基性モノマーとの共重合によって得られるコポリマーなど、例えば、より具体的にはジアルキルアミノアルキルメタクリラートおよびアクリラート、ジアルキルアミノアルキルメタリルアミドおよびアクリルアミドなど。このような化合物については米国特許第3,836,537号に記載されている。
ポリカルボン酸化合物としては、
窒素原子がアルキル基で置換されたアクリルアミおよびメタクリルアミドから選択される少なくとも1つのモノマー、
より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸ならびに1〜4個の炭素原子を有するマレイン酸もしくはフマル酸または無水物のアルキルモノエステルから選択される1つまたは複数の反応性カルボン酸基を含む、少なくとも1つの酸性コモノマーならびに
少なくとも1つの塩基性コモノマー、例えばアクリル酸およびメタクリル酸ならびにジメチルまたはジエチル硫酸エステルによるジメチルアミノエチルメタクリラートの四級化産物の第一級、第二級、第三級または第四級アミン置換基を有するエステルなど
から誘導される単位を含むポリマーが挙げられる。本発明においてさらに特に好ましいN置換アクリルアミドまたはN置換メタクリルアミドは、アルキル基が2〜12個の炭素原子を含む化合物であり、より具体的にはN−エチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−デシルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミドおよび対応するメタクリルアミドである。好ましい塩基性コモノマーには、アミノエチルメタクリラート、ブチルアミノエチルメタクリラート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリラートおよびN−tert−ブチルアミノエチルメタクリラートがある。
CTFA(第4版、1991)名がオクチルアクリルアミド/アクリラート/ブチルアミノエチルメタクリラートコポリマーであるコポリマー、例えばNational Starch社からAMPHOMER LV71として販売されている製品、28−4961またはLOVOCRYL47として販売されているアクリラート/オクチルアクリルアミドコポリマーなどが特に使用される。
ポリカルボン酸化合物としては、架橋およびアシル化されたポリアミノアミドが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、6〜10個の炭素原子を有する酸、例えばアジピン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸および2,4,4−トリメチルアジピン酸、テレフタル酸など、エチレン二重結合を含む酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸などから選択されるカルボン酸が挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、式:
Figure 2019500400
の双性イオン単位を含むポリマーが挙げられ、式中、R11は、アクリラート基、メタクリラート基、アクリルアミド基またはメタクリルアミド基などの重合可能な不飽和基を表し、yおよびzは1〜3の整数を表し、R12およびR13は、水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を表し、R14およびR15は、水素原子またはR14およびR15の炭素原子の合計が10を超えないようなアルキル基を表す。
このような単位を含むポリマーは、非双性イオンモノマー、例えばジメチルアミノエチルもしくはジエチルアミノエチルアクリラートもしくはメタクリラートまたはアルキルアクリラートもしくはメタクリラート、アクリルアミドもしくはメタクリルアミドまたは酢酸ビニルなどから誘導される単位、例えば、Sandoz社からDIAFORMER Z301として販売されているものなどのメタクリル酸メチル/メチルジメチルカルボキシメチルアンモニオエチルメタクリラートコポリマーも含み得る。ポリカルボン酸化合物としては、以下の式:
Figure 2019500400
に対応するモノマー単位を含むキトサンから誘導されるが挙げられ、
単位(D)は0〜30パーセントの割合で存在し、単位(E)は5パーセント〜50パーセントの割合で存在し、単位(F)は30パーセント〜90パーセントの割合で存在し、この単位(F)のR16は式:
Figure 2019500400
の基を表すことが理解され、式中、
q=0である場合、R17、R18およびR19は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、メチル残基、ヒドロキシル残基、アセトキシ残基もしくはアミノ残基、任意選択で1つもしくは複数の窒素原子が散在し、かつ/または任意選択で1つもしくは複数のアミン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキルチオ基もしくはスルホン基で置換されたモノアルキルアミン残基またはジアルキルアミン残基、アルキル基がアミノ残基を有するアルキルチオ残基を表し、この場合、基R17、R18およびR19のうち少なくとも1つが水素原子であるか;あるいは
q=1である場合、R17、R18およびR19はそれぞれ、水素原子およびこれらの化合物と塩基または酸によって形成された塩も表す。
ポリカルボン酸化合物としては、例えば仏国特許第1400366号に記載されている、一般式(VI’):
Figure 2019500400
に対応する単位を有するポリマーが挙げられ、式中、R20は、水素原子、CH3O基、CH3CH2O基またはフェニル基を表し、R21は、水素原子またはメチルもしくはエチルなどの低級アルキル基を表し、R22は、水素原子またはメチルもしくはエチルなどのC1〜C6低級アルキル基を表し、R23は、メチルもしくはエチルなどのC1〜C6低級アルキル基または式:−R24−N(R22)2に対応する基を表し、R24は基−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−または−CH2−CH(CH3)−を表し、R22は上記の意味を有する。
ポリカルボン酸化合物としては、キトサンのN−カルボキシアルキル化から誘導されるポリマー、例えばN−カルボキシメチルキトサンまたはN−カルボキシブチルキトサンなどが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、以下のものから選択される−D−X−D−Xタイプの両性ポリマーが挙げられる:
a)式:
−D−X−D−X−D− (VII’)
(式中、Dは
Figure 2019500400
基を表し、Xは記号EまたはE’を表し;EまたはE’は同一であっても異なっていてもよく、主鎖中に最大7個の炭素原子を含み、ヒドロキシル基により置換されていないか、または置換されており、酸素原子、窒素原子および硫黄原子に加えて1〜3個の芳香族環および/または複素環を含み得る、直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基である二価の基を表し;酸素原子、窒素原子および硫黄原子はエーテル基、チオエーテル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニウム基、アルキルアミン基またはアルケニルアミン基、ヒドロキシル基、ベンジルアミン基、アミンオキシド基、第四級アンモニウム基、アミド基、イミド基、アルコール基、エステル基および/またはウレタン基の形態で存在する)
の単位を少なくとも1つ含む化合物に対するクロロ酢酸またはクロロ酢酸ナトリウムの作用によって得られるポリマー。
b)式:
−D−X−D−X− (X’)
(式中、Dは
Figure 2019500400
基を表し、Xは記号EまたはE’、少なくとも1回はE’を表し;Eは上記の意味を有し、E’は、主鎖中に最大7個の炭素原子を有し、1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されていないか、または置換されており、1つまたは複数の窒素原子を含む、直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基である二価の基であり、窒素原子は、任意選択で酸素原子が散在し、必ず1つもしくは複数のカルボキシル官能基または1つもしくは複数のヒドロキシル官能基を含み、クロロ酢酸またはクロロ酢酸ナトリウムとの反応によりベタイン化されたアルキル鎖で置換されている)
を有するポリマー。
ポリカルボン酸化合物としては、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンなどのN,N−ジアルキルアミノアルキルアミンによる半アミド化またはN,N−ジアルキルアミノアルカノールによる半アミド化により部分的に修飾した(C1〜C5)アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。これらのコポリマーは、ビニルカプロラクタムなどの他のビニルコモノマーも含み得る。
上記の両性ポリマーのうち最も好ましいものは、オクチルアクリルアミド/アクリラート/ブチルアミノエチルメタクリラートコポリマー、例えばNational Starch社からAMPHOMER、AMPHOMER LV71またはLOVOCRYL47として販売されているなどおよび例えばSandoz社からDIAFORMER Z301として販売されているメタクリル酸メチル/メチルジメチルカルボキシ−メチルアンモニオエチルメタクリラートのコポリマーである。
本開示のポリカルボン酸は、化粧品組成物にレオロジー調節剤または増粘剤として使用されることが知られている化合物から選択され得る。このようなポリマーとしては、陰イオンポリマーおよび両性ポリマー、例えば、アクリル酸の架橋ホモポリマー、会合性ポリマー、非会合性増粘ポリマーおよび水溶性増粘ポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性および両性の両親媒性ポリマーからも選択され得る。使用し得るレオロジー調節剤または増粘剤としては、上記のポリカルボン酸化合物が挙げられる。
両親媒性ポリマーは任意選択で、任意選択で1つまたは複数のオキシアルキレン(オキシエチレンおよび/またはオキシプロピレン)単位を含む飽和または不飽和、芳香族または非芳香族、直鎖状または分岐鎖状のC6〜C30炭化水素系鎖である疎水性鎖を含み得る。
このような両親媒性ポリマーの代表例には:
疎水性鎖を含む非イオン性両親媒性ポリマー、例えば:
C1〜C6アルキル(メタ)アクリル酸のコポリマーおよび疎水性鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー;
親水性(メタ)アクリル酸のコポリマーおよび少なくとも1つの疎水性鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー、例えばポリエチレングリコールメタクリラート/メタクリル酸ラウリルコポリマー;などがあり
架橋されているか、または架橋されていない少なくとも1つの疎水性鎖を含む陰イオン性両親媒性ポリマーは、遊離であるか、または一部もしくは全部が中和されたカルボン酸官能基を有する1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの親水性単位と、疎水性側鎖を有する1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの疎水性単位と、任意選択で1つまたは複数の多価不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの架橋単位とを含む。
陰イオン性両親媒性ポリマーの例としては、CARBOPOL ETD−2020(Noveon社から販売されているアクリル酸/C10〜C30アルキルメタクリラート架橋コポリマー);CARBOPOL1382、PEMULEN TR1およびPEMULEN TR2(Noveon社から販売されているアクリル酸/C10〜C30アルキルアクリラート架橋コポリマー)、メタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシエチレン化ステアリルメタクリラートコポリマー(55/35/10);(メタ)アクリル酸/アクリル酸エチル/25EOオキシエチレン化ベヘニルメタクリラートコポリマー(Rohm and Haas社から販売されているACULYN28)ならびにメタクリル酸/アクリル酸エチル/steareth−10アリルエーテル架橋コポリマーが挙げられる。
その他の例としては、架橋アクリルポリマー、例えばCARBOPOL SFシリーズとして市販されているもの、例えばLUBRIZOL社からCARBOPOL SF1(登録商標)の名称で販売されておりINCI名がアクリラートコポリマーであるアクリル酸エチル/メタクリル酸コポリマーなどが挙げられる。
また別の例としては、カルボマー、アクリラートコポリマーならびにメタクリル酸、アクリル酸エチルおよびポリエチレングリコール(10EOステアリルアルコールエーテル(Steareth10)の架橋ターポリマーから選択される陰イオン性増粘ポリマーとしても知られる陰イオンポリマー、例えば、メタクリル酸、アクリル酸エチルおよびsteareth−10−アリルエーテル(40/50/10)の架橋ターポリマーを30パーセント含有する水性エマルションでありALLIED COLLOIDS社からSALCARE SC80およびSALCARE SC90の名称で販売されている製品などが挙げられる。
陰イオン性増粘ポリマーは:
無水マレイン酸/C30〜C38アルファ−オレフィン/マレイン酸アルキルから形成されるターポリマー、例えばNEWPHASE TECHNOLOGIES社からPERFORMA1608の名称で販売されている製品(無水マレイン酸/C30〜C38アルファ−オレフィン/マレイン酸イソプロピルコポリマー)など;
(a)アルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸20重量パーセント〜70重量パーセント;(b)(a)とは異なるアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有する非界面活性剤モノマー20重量パーセント〜80重量パーセント;および(c)一水酸基界面活性剤とモノエチレン性不飽和を有するモノイソシアナートとの反応産物である非イオン性モノウレタン0.5重量パーセント〜60重量パーセントから形成されるアクリルターポリマー;(3)少なくとも2つのモノマーから形成され、2つのモノマーのうち少なくとも一方がアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸、アルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸のエステルおよびオキシアルキレン化脂肪アルコールから選択される、コポリマー;ならびに(4)少なくとも3つのモノマーから形成され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸から選択され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがアルファベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸のエステルから選択され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがオキシアルキレン化脂肪アルコールから選択される、コポリマー
から選択され得る。
さらに、これらの化合物は、モノマーとして、アルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を含むカルボン酸エステルおよびC1〜C4アルコールも含み得る。このタイプの化合物の例として、オキシアルキレン化ステアリルメタクリラート/アクリル酸エチル/メタクリル酸ターポリマーでありROHM and HAAS社から販売されているACULYN2が挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、会合性ポリウレタン、会合性不飽和ポリ酸およびエチレン性不飽和を含むモノマーを少なくとも1つ含む会合性ポリマーまたはコポリマーが挙げられる。
会合性ポリウレタン代表例には、商品名VISCOPHOBE DB1000として知られAmerchol社から市販されている25パーセント水分散液のメタクリル酸/アクリル酸メチル/エトキシ化(40EO)ベヘニルアルコールジメチル(メタ−イソプロペニル)ベンジルイソシアナートターポリマーがある。
本発明のいくつかの実施形態では、ポリカルボン酸化合物は、陰イオン性官能基および/または陽イオン性官能基を有するアクリル酸系、(メタ)アクリル酸系、アクリラート系または(メタ)アクリラート系のモノマーを少なくとも1つ含む。適切な化合物としては、特に限定されないが、ポリアクリル酸を含むポリマー、例えばInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(第9版,2002)で確認されるものなど、例えばポリアクリル酸−1、ポリアクリル酸−2、ポリアクリル酸−3、ポリアクリル酸−4、ポリアクリル酸−16、ポリアクリル酸−17、ポリアクリル酸−18、ポリアクリル酸−19、ポリアクリル酸−21およびその混合物などが挙げられる。このような(コ)ポリマーまたはこれと類似した(コ)ポリマーは、個々に組み合わせても、あるいは陽イオン性官能基および陰イオン性官能基の両方を有する適切な二峰性薬剤が形成されるよう他の(コ)ポリマーと組み合わせてもよい。特定の実施形態では、二峰性薬剤は、ポリアクリル酸−21とアクリラート/ジメチルアミノエチルメタクリラートコポリマー(Interpolymer社からSYNTRAN PC5100の名称で市販されている)、ポリアクリル酸−16(Interpolymer社からSYNTRAN PC5112の名称で市販されている)およびポリアクリル酸−18とポリアクリル酸−19(Interpolymer社からSYNTRAN PC5107またはSYNTRAN PC5117の名称で市販されている)からなるポリマーからなる群より選択される。
ラテックスポリマー
様々な例示的実施形態では、本発明の組成物は、本発明のカルボキシシリコーンポリマーとは異なり、カルボキシル官能性アクリラートラテックスポリマー、カルボキシル官能性ポリウレタンラテックスポリマー、カルボキシル官能性シリコーンラテックスポリマー、カルボキシル官能性非アクリラートラテックスポリマーおよびその混合物から選択され得る、1つまたは複数のラテックスポリマー(本願では「ラテックスポリマー」とも呼ばれる)をさらに含み得る。
様々な実施形態では、本発明のラテックスポリマーは、フィルム形成ラテックスポリマーまたは非フィルム形成ラテックスポリマーであり得る。
本開示の少なくとも特定の実施形態では、本開示の組成物を調製する前にラテックスポリマーを水分散液の形態で準備する。様々な実施形態では、水分散液はモノマーの乳化重合により得られるものであり得、得られたラテックスポリマーは粒子径が約1ミクロン未満である。少なくとも1つの例示的実施形態では、重合可能な二重結合を有する1つまたは複数のモノマーを水中で重合させることにより調製された分散液を選択し得る。別の例示的実施形態では、乳化重合により得られた水分散液を噴霧乾燥し得る。
他の実施形態では、モノマー間の縮合反応によりラテックスポリマーを作製し、次いで水性媒体中に分散させる。
したがって、ラテックスポリマーは、様々な例示的実施形態では、水性分散媒などの分散媒中に分散したポリマー粒子として存在し得る。ラテックスポリマーは、様々な実施形態では、それぞれが個別の分散媒中に分散していても、同じ分散媒中に一緒に分散していてもよい。
分散媒は、水から選択される少なくとも1つの溶媒を含む。分散媒は、化粧品に許容される有機溶媒、例えば上に記載した有機溶媒などから選択される少なくとも1つの溶媒をさらに含み得る。
本開示による実施形態では、ラテックスポリマー粒子は分散媒の溶媒に可溶性ではない、すなわち、水溶性ではなく、かつ/または少なくとも1つの化粧品に許容される有機溶媒に可溶性ではない。したがって、ラテックスポリマーは、選択した1つまたは複数の溶媒中でその粒子形態を保持する。
少なくとも特定の例示的実施形態では、本開示によるラテックスポリマー粒子は、最大約1000nm、例えば約50nm〜約800nmまたは約100nm〜約500nmの範囲内の平均径を有し得る。このような粒子径はレーザー粒度計(例えば、Brookhaven BI90)で測定され得る。
様々な実施形態では、ラテックスポリマーは独立して、中和されている、一部中和されている、または中和されていないものであり得る。ラテックスポリマーが中和されている、または一部中和されている例示的実施形態では、粒子径は例えば約800nm超であり得る。少なくとも特定の実施形態では、分散媒中でラテックスポリマーの粒子形態が保持されている。
さらなる実施形態では、ラテックスポリマーは非荷電ラテックスポリマーおよび荷電ラテックスポリマーから選択され得る。したがって、ラテックスポリマーは、様々な例示的実施形態では、非イオン性ラテックスポリマー、陽イオン性ラテックスポリマー、陰イオン性ラテックスポリマーおよび両性ラテックスポリマーから選択され得る。
単なる非限定的な例として、ラテックスポリマーは、カルボキシル官能性アクリラートラテックスポリマー、例えば、ビニルモノマー、(メタ)アクリル酸モノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー、モノカルボキシル不飽和酸およびジカルボキシル不飽和酸、(メタ)アクリルモノマーのエステルならびに(メタ)アクリルモノマーのアミドから選択されるエチレン性不飽和モノマーの単独重合または共重合により得られるものなどから選択され得る。本明細書で使用される「(メタ)アクリル」という用語およびその変化形は、アクリルまたはメタクリルを意味する。
(メタ)アクリルモノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸および無水マレイン酸から選択され得る。(メタ)アクリルモノマーのエステルは、非限定的な例として、C1〜C8アルキル(メタ)アクリラート、例えばメチル(メタ)アクリラート、エチル(メタ)アクリラート、プロピル(メタ)アクリラート、イソプロピル(メタ)アクリラート、ブチル(メタ)アクリラート、tert−ブチル(メタ)アクリラート、ペンチル(メタ)アクリラート、イソペンチル(メタ)アクリラート、ネオペンチル(メタ)アクリラート、ヘキシル(メタ)アクリラート、イソヘキシル(メタ)アクリラート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリラート、シクロヘキシル(メタ)アクリラート、イソヘキシル(メタ)アクリラート、ヘプチル(メタ)アクリラート、イソヘプチル(メタ)アクリラート、オクチル(メタ)アクリラート、イソオクチル(メタ)アクリラート、アリル(メタ)アクリラートおよびその組合せであり得る。(メタ)アクリルモノマーのアミドは、例えば、(メタ)アクリルアミド、特にN−アルキル(メタ)アクリルアミド、特にN−(C1〜C12)アルキル(メタ)アクリル酸、例えばN−エチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドおよびN−ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどおよびその任意の組合せで作製されたものであり得る。
ビニルモノマーとしては、特に限定されないが、シアン化ビニル化合物、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなど;ビニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニルおよびt−ブチル安息香酸ビニル、シアヌル酸トリアリルなど;ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニルおよび塩化ビニリデンなど;芳香族モノビニルまたはジビニル化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼンおよびフタル酸ジアリルなどならびにパラ−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピルスルホン酸ならびにその混合物が挙げられる。
記載したモノマーのリストは限定的なものではなく、(シリコーン鎖で修飾したモノマーを含めた)アクリルモノマーおよび/またはビニルモノマーを含む当業者に公知の任意のモノマーを使用することが可能であることを理解するべきである。
少なくとも特定の非限定的な例示的実施形態では、カルボキシル官能性アクリラートラテックスポリマーは、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー(INCI:アクリラートコポリマー、例えばBASF社のLUVIFLEX(登録商標)SOFTなど)、PEG/PPG−23/6シトラコン酸ジメチコン/C10〜30アルキルPEG−25メタクリラート/アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチル/トリメチロールプロパンPEG−15トリアクリラートコポリマー(INCI:ポリアクリラート−2クロスポリマー、例えばLubrizol社のFIXATE SUPERHOLD(商標)など)、スチレン/アクリルコポリマー(Dow Chemical社のAcudyne Shineなど)、アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸/メタクリル酸コポリマー(INCI:アクリラート/アクリル酸エチルヘキシルコポリマー、例えばDaito Kasei Kogyo社のDaitosol 5000SJなど)、アクリル/アクリラートコポリマー(INCI名:アクリラートコポリマー、例えばDaito Kasei Kogyo社のDAITOSOL 5000ADなど)、アクリラートコポリマー、例えば商品名Dermacryl AQF(Akzo Nobel社)、商品名LUVIMER(登録商標)MAE(BASF社)または商品名BALANCE CR(AKZO NOBEL社)として知られるものなど、商品名ACUDYNE180 POLYMWE(Dow Chemical社)として知られるアクリラート/ヒドロキシエステルアクリラートコポリマー、Dow Chemical社の商品名Acudyne Boldとして知られるスチレン/アクリラートコポリマー、Interpolymer社の商品名SYNTRAN PC5620 CGとして知られるスチレン/アクリラート/アンモニウムメタクリラートコポリマーおよびその混合物の水分散液から選択され得る。
さらなる例示的な非限定的実施形態では、ラテックスポリマーは、カルボキシル官能性ポリウレタンラテックスポリマー、例えば水性ポリウレタン分散液などから選択され得る。これらのポリウレタンは、従来の方法でプレポリマー(i)と共反応物(ii)とを反応させてカルボキシル末端またはペンダントポリウレタンポリマーを生成させることにより形成される。プレポリマー(i)は式(I’’):
Figure 2019500400
の構造を有し得るものであり、式中、R1はジヒドロキシル官能性化合物の二価ラジカルから選択され、R2は脂肪族ポリイソシアナートまたは脂環式ポリイソシアナートの炭化水素ラジカルから選択され、R3は、任意選択でイオン性または潜在的にイオン性の基で置換された低分子量ジオールのラジカルから選択され、nは約0〜約5の範囲内にあり、mは約1より大きい。
二価ラジカルR1をもたらすのに適したジヒドロキシル化合物としては、少なくとも2つのヒドロキシ基を有し、約700〜約16,000、例えば約750〜約5000などの数平均分子量を有するものが挙げられる。高分子量化合物の非限定的な例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリヒドロキシポリカルボナート、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリラート、ポリヒドロキシポリエステルアミド、ポリヒドロキシポリアルカジエンおよびポリヒドロキシポリチオエーテルが挙げられる。様々な実施形態では、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリヒドロキシポリカルボナートが選択され得る。このような化合物の混合物も本開示の範囲内にある。
炭化水素系ラジカルRをもたらすための任意選択のポリイソシアナートとしては、例えば、約100〜約1500、例えば約112〜約1000または約140〜約400などの範囲内の分子量を有する有機ジイソシアナートが挙げられる。
任意選択のジイソシアナートは一般式R(NCO)から選択され、式中、Rは、約4〜18個の炭素原子を含む二価脂肪族炭化水素基、約5〜15個の炭素原子を含む二価脂環式炭化水素基、約7〜15個の炭素原子を含む二価芳香族炭化水素基または約6〜15個の炭素原子を含む二価芳香族炭化水素基を表す。
ジオール、例えば低分子量ジオールであるR3の使用は、少なくとも特定の実施形態では、ポリマー鎖を硬化させる。「低分子量ジオール」という表現は、約50〜約800、例えば約60〜700または約62〜200などの範囲内の分子量を有するジオールを意味する。これらは、様々な実施形態では、脂肪族基、脂環式基または芳香族基を含み得る。特定の例示的実施形態では、化合物は脂肪族基のみを含む。選択され得るジオールは、任意選択で最大約20個の炭素原子を有し得るものであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ヘキサン−1,6−ジオール、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、水素化ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)およびその混合物から選択され得る。例えば、R3はネオペンチルグリコールから誘導され得る。
任意選択で、低分子量ジオールはイオン性または潜在的にイオン性の基を含み得る。イオン性または潜在的にイオン性の基を含む適切な低分子量ジオールは、米国特許第3,412,054号に開示されているものから選択され得る。様々な実施形態では、化合物は、ジメチロール−ブタン酸(DMBA)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)およびカルボキシル含有カプロラクトンポリエステルジオールから選択され得る。イオン性または潜在的にイオン性の基を含む低分子量ジオールが選択される場合、それらは例えば、ポリウレタン分散液中、ポリウレタン1グラム当たり約0.30meq未満の−COOHが存在する量で使用され得る。少なくとも特定の例示的な非限定的実施形態では、イオン性または潜在的にイオン性の基を含む低分子量ジオールを使用しない。
共反応物(ii)は、官能基、例えばカルボキシル基よりもイソシアナート基と優先的に反応するようになっているヒドロキシ基またはアミン基など、ある特定の実施形態では第一級アミンを含む、式(II’’):
X−R4−X X=OH、NH2
(II’’)
の化合物であり、式中、Rは、任意選択でイオン性の基または潜在的にイオン性の基で置換された二価脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す。様々な実施形態では、化合物は、任意選択でアルキレンジアミン、例えばヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミンおよびピペラジンなどから選択され得る。様々な実施形態では、化合物は、任意選択でアルキレンジオール、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール(1,4−BDOまたはBDO)、1,6−ヘキサンジオールなどから選択され得る。
本明細書で使用されるイオン性または潜在的にイオン性の基としては、三元または第四級アンモニウム基を含む基、そのような基に変換可能な基、カルボキシル基、カルボキシラート基、スルホン酸基およびスルホナート基が挙げられる。上記のタイプの塩の基に変換可能な基の少なくとも部分的な変換は、水との混合前または混合時に起こり得る。ジメチロールブタン酸(DMBA)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)または少ない当量のグリコールもしくはカルボキシル含有カプロラクトンポリエステルジオールと反応する過剰当量のジカルボン酸を含むカルボキシル官能性ポリエステルから特別の化合物が選択され得る。
R1、R2、R3、R4は独立して、少なくとも1つのカルボキシル基を有し得る。
非限定的な例として、このようなラテックスとしては、特に限定されないが、イソフタル酸/アジピン酸/ヘキシレングリコール/ネオペンチルグリコール/ジメチロールプロパン酸/イソホロンジイソシアナートコポリマー(INCI名:ポリウレタン−1、例えばBASF社のLUVISET(登録商標)P.U.Rなど)、ヘキシレングリコールモノマー、ネオペンチルグリコールモノマー、アジピン酸モノマー、飽和メチレンジフェニルジイソシアナートモノマーおよびジメチロールプロパン酸モノマーのコポリマー(INCI名:ポリウレタン2)、PPG−17モノマー、PPG−34モノマー、イソホロンジイソシアナートモノマーおよびジメチロールプロパン酸モノマーのコポリマー(INCI名:ポリウレタン4)、イソフタル酸モノマー、アジピン酸モノマー、ヘキシレングリコールモノマー、ネオペンチルグリコールモノマー、ジメチロールプロパン酸モノマー、イソホロンジイソシアナートモノマーおよびビス−エチルアミノイソブチル−ジメチコンモノマーのコポリマー(INCI名:ポリウレタン6)、イソホロンジイソシアナート、シクロヘキサンジメタノール、ジメチロールブタン酸、ポリアルキレングリコールおよびN−メチルジエタノールアミンコポリマー(INCI名:ポリウレタン10)、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびイソシアナートメチルエチルベンゼンコポリマー(INCI名:ポリウレタン12)、プロピレンオキシド、エチレンオキシドおよびPEG/PPG−17/3コポリマーと反応させたイソホロンジイソシアナート、ジメチロールプロピオン酸および4,4’−イソプロピリデンジフェノール(INCI名:ポリウレタン14)、イソホロンジイソシアナート、アジピン酸、トリエチレングリコールおよびジメチロールプロピオン酸コポリマー(INCI名:ポリウレタン15)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサン二酸、メチレンジシクロヘキサンジイソシアナートおよび2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロパン酸とのポリマー、加水分解したトリス(2−ヒドロキシエチル)アミン塩、1,2−エタンジアミンとの反応産物(INCI名:ポリウレタン17)の水性ポリウレタン分散液が挙げられ、ポリウレタン−27は、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロヒドロキシエチルエーテルとイソホロンジイソシアナート(IPDI)が反応してプレポリマーを形成することにより形成される複合ポリマーである。プレポリマーをさらに、ジメチロールプロピオン酸およびアジピン酸、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコールからなるポリエステルと、メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(SMDI)が反応してプレポリマーを形成することにより形成される複合ポリマーである3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチル−1−プロピオン酸(INCI名:ポリウレタン27)のトリエチルアミン塩と反応させる。プレポリマーをトリエチルアミンで中和し、次いでヒドラジンにより鎖を伸長させる(INCI名:ポリウレタン33)。
脂肪酸
脂肪酸、その塩およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物。
カルボン酸化合物は一般に、6〜30個の炭素原子、ある特定の実施形態では9〜30個の炭素原子、ある特定の実施形態では9〜22個の炭素原子を含む炭素鎖を有し、炭素鎖が任意選択で、例えば1つまたは複数の(特に1〜4つの)ヒドロキシル基で置換されている、飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸から選択され得る。本開示の脂肪酸が不飽和である場合、これらの化合物は1〜3個の共役または非共役炭素間二重結合を含み得る。
本開示のカルボン酸化合物の適切な例には、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘニン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸およびその混合物がある。
本開示のカルボン酸化合物は、脂肪酸の塩、特に脂肪酸のアルカリ金属塩(金属石鹸)および脂肪酸の有機塩基塩からも選択され得る。
脂肪酸のアルカリ金属塩の金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムおよびその混合物が挙げられる。脂肪酸の有機塩基塩は、脂肪酸をアンモニア、モノエタノールアミンまたはトリエタノールアミンなどの有機塩基で中和することによって得られる。適切な例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ヤシ脂肪酸カリウムステアリン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、ノナン酸アンモニウムおよびその混合物が挙げられる。
アミノ化合物
本開示による組成物は1つまたは複数のアミノ化合物を含む。「アミノ化合物」という用語は、少なくとも1つの第一級アミン基、第二級アミン基、第三級アミン基または第四級アンモニウム基を含む任意の化合物を意味するものとする。
本開示のアミノ化合物は、アルキルモノアミン、アルコキシル化ポリアミン、アルコキシル化モノアミン、ポリアミンおよびその混合物から選択される。ある特定の実施形態では、本開示のアミノ化合物はケイ素原子もシリコーン部分も含まない。他の実施形態では、本開示のアミノ化合物はケイ素原子またはシリコーン部分を含む。
アルキルモノアミン
本開示のアルキルモノアミンは、1つのアミノ基を有するアミノ化合物である。
好ましいアルキルモノアミンの非限定的な例としては、式(IA)に対応する脂肪族アミン化合物:
RN(R’) (IA)
およびその塩が挙げられ、式中、Rは、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。さらに、Rは、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換であり得る。Rは通常、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;
基R’は、同一であっても異なっていてもよく、Hまたは6個未満の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを表す。さらに、基R’は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、置換または非置換である。ある特定の実施形態では、基R’は、同一であっても異なっていてもよく、Hまたはメチル基である。
好ましいアルキルモノアミンとしては、特に限定されないが、以下の例が挙げられる:ジメチルラウラミン、ジメチルベヘナミン、ジメチルコカミン、ジメチルミリスタミン、ジメチルパルミタミン、ジメチルステアラミン、ジメチル獣脂アミン、ジメチルソイアミン、ステアラミン、ソイアミン、コカミン、ラウラミン、パルミタミン、オレアミン、獣脂アミンおよびその混合物。
好ましいアルキルモノアミンのその他の非限定的な例としては、式(IIA)に対応するアミドアミン化合物:
RCONHR’N(R’’) (IIA)
およびその塩が挙げられ、式中、Rは、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。さらに、Rは、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換であり得る。Rは通常、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;
R’は、6個未満の炭素原子、ある特定の実施形態では2個または3個の炭素原子を含む、二価炭化水素ラジカルであり
R’’は、Hまたは6個未満の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。さらに、R’’は、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、置換または非置換である。R’’は通常、直鎖状または分岐鎖状の非環状アルキル基またはアルケニル基である。ある特定の実施形態では、R’’はHまたはメチル基である。
好ましいアミドアミンとしては、特に限定されないが、以下の例が挙げられる:オレアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン、ミリスタミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ジリノールアミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、リシノールアミドプロピルジメチルアミン、ソイアミドプロピルジメチルアミン、コムギ胚芽アミドプロピルジメチルアミン、ヒマワリ種アミドプロピルジメチルアミン、アーモンドアミドプロピルジメチルアミン、アボカドアミドプロピルジメチルアミン、ババスアミドプロピルジメチルアミン、コカミドプロピルジメチルアミン、ミンクアミドプロピルジメチルアミン、エンバクアミドプロピルジメチルアミン、ゴマアミドプロピルジメチルアミン、トールアミドプロピルジメチルアミン、アブラナアミドプロピルジメチルアミン、オリーブアミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびその混合物。
アルコキシル化ポリアミン
本開示のアルコキシル化ポリアミンは、少なくとも2つのアミノ基と少なくとも1のアルコキシル化度とを有するアミン化合物から選択される。アルコキシル化は、ある特定の実施形態ではエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから選択される、アルキレンオキシド基によってもたらされる。
適切なアルコキシル化ポリアミンの非限定的な好ましい例としては、式(IB)に対応する化合物:
NHR(R’CHCHO)(R’CHCHO)(R’CHCHO)RNH
(IB)
が挙げられ、式中、
Rは、−CH2−基、−CHCH−基、−CHCH−基もしくは−C(CH基または少なくとも3個の炭素原子を含み直鎖状もしくは分岐鎖状、非環状もしくは環状、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは芳香族、置換もしくは非置換である炭化水素ラジカルを表し;
x、yおよびzは互いに独立して、0〜約100の数を表し;
R’は、水素またはアルキル基、ある特定の実施形態ではメチル基を表し;
x+y+zの合計は少なくとも1である。
式(IB)において、Rは、ある特定の実施形態では、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;x、yおよびzは互いに独立して、ある特定の実施形態では2〜100の範囲内の数を表す。
式(IB)に対応し本開示で使用されるアルコキシル化ポリアミンの例としては、例えば、テトラデシルオキシプロピル−1,3−ジアミノプロパン;C12〜14アルキルオキシプロピル−1,3−ジアミノプロパン;C12〜15アルキルオキシプロピルアミンおよびTomah社からTOMAH DA−17の商品名で市販されているその他の同様の物質が挙げられる。
式(IB)のアルコキシル化ポリアミンの他の例には、ユタ州ソルトレイクシティのHuntsman社から入手可能なJEFFAMINE DシリーズおよびJEFFAMINE EDシリーズなどのJEFFAMINEシリーズに属するジアミン化合物がある。これらのJeffamine化合物の例には、JEFFAMINE D230、JEFFAMINE D400、JEFFAMINE D2000、JEFFAMINE D4000、JEFFAMINE HK−511、JEFFAMINE ED600、JEFFAMINE ED900およびJEFFAMINE ED2003がある。JEFFAMINE Dシリーズの化合物はアミン終端PPG(ポリプロピレングリコール)であり、JEFFAMINE EDシリーズの化合物はPEG(ポリエチレングリコール)主鎖を主体とするポリエーテルジアミン系である。
ジアミン形態の適切なアルコキシル化ポリアミンのその他の非限定的な好ましい例としては、式(IIB)に対応する化合物:
NH(CHOCHCHO(CHNH (IIB)
が挙げられ、式中、xは2または3である。
式(IIB)のアルコキシル化ポリアミンの例には、ユタ州ソルトレイクシティのHuntsman社から入手可能なJEFFAMINEシリーズ、例えばJEFFAMINE EDR148およびJEFFAMINE EDR176などに属するジアミン化合物がある。
トリアミン形態のアルコキシル化ポリアミンのさらなる非限定的な好ましい例としては、式(IIIB):
Figure 2019500400
に対応する化合物が挙げられ、式中、
Rは、水素、−CHまたは−Cであり、
n=0または1であり、
x、yおよびzは互いに独立して、0〜100の数を表し、x+y+zの合計は少なくとも1である。
式(IIIB)に対応し本開示で使用されるアルコキシル化ポリアミンの例には、ユタ州ソルトレイクシティのHuntsman社から入手可能なJEFFAMINE TシリーズなどのJEFFAMINEシリーズに属するトリアミン化合物がある。JEFFAMINE Tシリーズの化合物の例には、JEFFAMINE T403、JEFFAMINE T3000およびJEFFAMINE T5000がある。JEFFAMINE Tシリーズの化合物は、POとトリオール開始剤とを反応させた後、末端ヒドロキシル基をアミノ化することにより作製されるトリアミンである。
別のタイプの好ましいアルコキシル化ポリアミンとしては、以下の式(IVB)および(VB)の化合物:
Figure 2019500400
が挙げられ、
式(IVB)中のRは獣脂由来のアルキル基を表し、式(VB)中のRはヤシ油由来のアルキル基を表し;
式(IVB)および(VB)の両式中のnは、合計値が10〜20の範囲内にあり;
式(IVB)および(VB)の両式中のmは、2〜6の範囲内の値を有し;
式(IVB)および(VB)の両式中のxは、2〜4の範囲内の値を有する。
具体的なトリアミンアルコイル化(alkoylated)ポリアミン化合物の1つに式:
Figure 2019500400
のJEFFAMINE T−500ポリエーテルアミンがある。
その他の好ましいタイプのアルコキシル化ポリアミンとしては、少なくとも1のアルコキシル化度を有するアミノシリコーンが挙げられる。
本開示で使用されるアルコキシル化ポリアミンの好ましい例としては、上の式(IVB)、(VB)および(VIB)の化合物、例えば、それぞれPEG−15獣脂ポリアミン、PEG−15ココポリアミンおよびJEFFAMINE T−500ポリエーテルアミンなどが挙げられる。
アルコキシル化モノアミン
本開示のアルコキシル化モノアミンは、1つのアミノ基と少なくとも1のアルコキシル化度とを有するアミン化合物から選択される。アルコキシル化は、ある特定の実施形態ではエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから選択される、アルキレンオキシド基によってもたらされる。
適切なアルコキシル化モノアミンの非限定的な好ましい例としては、式(IC)に対応する化合物:
RN[(R’CHCHO)H][(R’CHCHO)H] (IC)
が挙げられ、式中、Rは、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。Rは、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換であり得;
xおよびyは互いに独立して、0〜100の数を表し、ただし、x+yの合計は0より大きく;
基R’は、同一であっても異なっていてもよく、水素またはメチル基などのアルキル基を表す。
通常、Rは、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;xおよびyは互いに独立して、それぞれ通常0〜30の数である。通常、一方のR’基は水素であり、他方のR’基はメチルである。
式(IC)に対応し本開示で使用される好ましいアルコキシル化モノアミンの例には、PEG−2コカミン、PEG−3コカミン、PEG−5コカミン、PEG−10コカミン、PEG−15コカミン、PEG−20コカミン、PEG−2ラウラミン、PEG−12パルミタミン、PEG−2菜種アミン、PEG−2オレアミン、PEG−5オレアミン、PEG−6オレアミン、PEG−10オレアミン、PEG−15オレアミン、PEG−20オレアミン、PEG−25オレアミンおよびPEG−30オレアミンがある。その他の例には、ソイアミン、ステアラミンおよび獣脂アミンのアルコキシル化誘導体がある。
適切なアルコキシル化モノアミンのその他の非限定的な例としては、式(IIC)に対応する化合物:
RNR’’[(R’CHCHO)H] (IIC)
が挙げられ、式中、Rは、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。Rは直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換であり得;
xは1〜100の数を表し;
R’は、水素または特にメチル基などのアルキル基を表し;
R’’は水素または炭化水素ラジカルである。
Rは通常、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;xは通常、1〜30の数である。
式(IIC)中のR’’が炭化水素ラジカル基である場合、この基は直鎖状または分岐鎖状、飽和または不飽和、置換または非置換であり得る。R’’によって表される炭化水素ラジカルは、アルコキシル化部分([(R’CHCH2O)yH]によって定義される)および/または窒素などのヘテロ原子も含み得る。R’’が少なくとも1つのアルコキシル化部分を含む場合、式中のアルコキシル化の総数は1〜120の範囲内にあり得る。
式(IIC)に対応し本開示で使用されるアルコキシル化モノアミンの例には、PEG−3獣脂アミノプロピルアミン、PEG−10獣脂アミノプロピルアミン、PEG−15獣脂アミノプロピルアミンおよびPEG−105ベヘニルプロピレンジアミンがある。
アルコキシル化モノアミンのさらなる非限定的な例としては、式(IIIC)に対応する化合物:
R(R’CHCHO)(R’CHCHO)NH (IIIC)
が挙げられ、式中、Rは、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。Rは、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換であり得;
xおよびyは互いに独立して、0〜100の数を表し、ただし、x+yの合計は0より大きく;
基R’は、同一であっても異なっていてもよく、水素または特にメチル基などのアルキル基を表す。
通常、Rは、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;xおよびyは互いに独立して、それぞれ通常0〜30の数である。
式(IIIC)に対応し本開示で使用されるアルコキシル化モノアミンの例には、モノアミン基を含むポリエーテルアミンがある。これらのポリエーテルアミンは、Hunstman社から商品名JEFFAMINE(M−600、M−1000、M−2005およびM−2070などのMシリーズ)およびSURFONAMINEシリーズ(B−60、B−100、B−200、L−100、L−200、L−207、L−300)で市販されている。
ポリアミン
ポリアミンは特に、ポリビニルアミン、アミノ化多糖、アミン置換ポリアルキレングリコール、アミン置換ポリアクリル酸クロスポリマー、アミン置換ポリアクリル酸、アミン置換ポリメタクリル酸、タンパク質、タンパク質誘導体、アミン置換ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリアルキルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、スペルミジン、スペルミンおよびその混合物から選択され得る。本開示で使用されるポリアミンは、少なくとも2つのアミノ基を有するアミノシリコーンからも選択され得る。
ポリアミンから選択される本開示のアミノ化合物は、特に500〜1,000,000の範囲内、ある特定の実施形態では500〜500,000の範囲内、優先的には500〜100,000の範囲内の重量平均分子量を有するアミン含有ポリマーから選択され得る。アミンを含むポリマーとして、ポリアミン、例えば、ポリ((C2〜C5)アルキレンイミン)、特にポリエチレンイミンおよびポリプロピレンイミン、特にポリ(エチレンイミン);ポリ(アリルアミン);ポリビニルアミンおよび特にビニルアミドとのそのコポリマー;NH基を有するポリアミノ酸;アミノデキストラン;アミノポリビニルアルコール;アクリルアミドプロピルアミン系コポリマー;ならびにキトサンなどが使用され得る。
本開示のポリアミンは、ある特定の実施形態では、BASF社から商品名LUPAMINEまたはLUVIQUATで一般に販売されているポリビニルアミンからも選択される。このようなポリアミン1つの好ましい例には、BASF社からLUVIQUATシリーズで販売されているポリビニルアミン、例えばLUVIQUAT9030として販売されているビニルアミン/ビニルホルムアミドコポリマー(INCI名)などがある。
本開示のポリアミンは、ビニルアミン/ビニルアルコールコポリマー(INCI名)からも選択され得る。
その他の好ましい本開示のポリアミンには、PEG−15ココポリアミンおよびPEG−15獣脂ポリアミンなどのアミン置換ポリアルキレングリコールならびにアミン置換ポリアクリル酸クロスポリマー、例えばLubrizol Advanced Materials社からCARBOPOL AQUA CCポリマーの名称で販売されている製品などがある。
本開示のポリアミン化合物は、タンパク質およびタンパク質誘導体、例えばコムギタンパク質、ダイズタンパク質、エンバクタンパク質、コラーゲンおよびケラチンタンパク質などからも選択され得る。
本開示の一実施形態では、ポリアミン化合物は、リジンを含むポリアミノ酸化合物、アルギニンを含む化合物、ヒスチジンを含む化合物およびヒドロキシリジンを含む化合物から選択される。非限定的な例としては、キトサンおよびポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリリジンなどのポリアミノ酸ならびにその混合物が挙げられる。
本開示の好ましい一実施形態では、本開示のアミノ化合物は、ポリビニルアミン、例えばBASF社からLUVIQUAT9030として販売されているビニルアミン/ビニルホルムアミドコポリマー(INCI名)など;式(IIIB)に対応するアルコキシル化ポリアミン例えばJEFFAMINE T403、JEFFAMINE T3000およびJEFFAMINE T5000(特に式(VIB)に対応する)など;式(IIIC)に対応するアルコキシル化モノアミン、例えばJEFFAMINE M−600など;ならびに脂肪族アミンおよびアミドアミンから選択されるアルキルアミン;ならびにその混合物から選択される。
脂肪族アミンから選択されるアルキルアミンは、ある特定の実施形態では、ジメチルラウラミン、ジメチルベヘナミン、ジメチルコカミン、ジメチルミリスタミン、ジメチルパルミタミン、ジメチルステアラミン、ジメチル獣脂アミン、ジメチルソイアミン、ステアラミン、ソイアミン、コカミン、ラウラミン、パルミタミン、オレアミン、獣脂アミンおよびその混合物から選択される。
アミドアミンから選択されるアルキルアミンは、ある特定の実施形態では、ステアラミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ジリノールアミドプロピルジメチルアミン、ババスアミドプロピルジメチルアミン、コカミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびその混合物から選択される。
アミノシリコーン化合物
本発明による組成物は、1つまたは複数のアミノシリコーン化合物を含む。「アミノシリコーン化合物」という用語は、少なくとも1つの第一級アミン基、第二級アミン基、第三級アミン基または第四級アンモニウム基を含む任意のシリコーンを意味するものとする。
本発明の範囲内で使用され得るアミノシリコーン化合物として、以下のものが挙げられる:
式(A)に対応するポリシロキサン:
Figure 2019500400
(式中、x’およびy’は、重量平均分子量(Mw)が約5000〜500,000に収まる整数である);
b)式(B)に対応するアミノシリコーン化合物:
R’G3−a−Si(OSiG2)−(OSiGbR’2−b)−O−SiG3−a−R’ (B)
(式中、
Gは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子またはフェニル基、OH基もしくはC1〜C8アルキル基、例えばメチルまたはC1〜C8アルコキシ、例えばメトキシを表し、
aは、同一であっても異なっていてもよく、0または1〜3の整数、特に0を表し;
bは、0または1、特に1を表し;
mおよびnは、合計(n+m)が1〜2000、特に50〜150の範囲内に収まる数であり、nが0〜1999、特に49〜149の数を表し、mが1〜2000、特に1〜10の数を表すことが可能である;
R’は、同一であっても異なっていてもよく、式−CqH2qLを有する一価ラジカルを表し、式中、qは2〜8の範囲内の数であり、Lは以下の基:
−NR’’−Q−N(R’’)
−N(R’’)
−N+(R’’)A−
−N+H(R’’)A−
−N+H(R’’)A−
−N(R’’)−Q−N+R’’HA−
−NR’’−Q−N+(R’’)HA−
−NR’’−Q−N+(R’’)A−
(式中、R’’は、同一であっても異なっていてもよく、水素、フェニル、ベンジルまたは飽和一価炭化水素系ラジカル、例えばC1〜C20アルキルラジカルを表し;Qは直鎖状または分岐鎖状CrH2r基を表し、rは2〜6、ある特定の実施形態では2〜4の範囲内の整数であり;A−は、化粧品に許容されるイオン、特にハロゲン化物、例えばフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物などを表す)
から選択される、任意選択で四級化されたアミノ基である。
この定義(B)に対応するアミノシリコーン化合物のグループは、式(C):
Figure 2019500400
を有し「トリメチルシリルアモジメチコン」と呼ばれるシリコーンによって表され、式中、nおよびmは式Bで上に記載した意味を有する。
この定義に対応するアミノシリコーン化合物の別のグループは、以下の式(D)または(E):
Figure 2019500400
を有するシリコーンによって表され、
式中、
mおよびnは、合計(n+m)が1〜1000、特に50〜250、より具体的には100〜200の範囲内に収まり得る数であり、nが0〜999、特に49〜249、より具体的には125〜175の数を表し、mが1〜1000、特に1〜10、より具体的には1〜5の数を表すことが可能であり;
R1、R2、R3は、同一であっても異なっていてもよく、ヒドロキシまたはC1〜C4アルコキシラジカルを表し、この場合、ラジカルR1〜R3のうち少なくとも1つはアルコキシラジカルを表す。
アルコキシラジカルは、ある特定の実施形態ではメトキシラジカルである。
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、ある特定の実施形態では0.2:1〜0.4:1、ある特定の実施形態では0.25:1〜0.35:1の範囲内にあり、より具体的には0.3:1に等しい。
シリコーンの重量平均分子量(Mw)は、ある特定の実施形態では2000〜1000000、より具体的には3500〜200000の範囲内にある。
Figure 2019500400
式中、
pおよびqは、合計(p+q)が1〜1000、具体的には50〜350、より具体的には150〜250の範囲内に収まる数であり;pが0〜999、特に49〜349、より具体的には159〜239の数を表し、qが1〜1000、特に1〜10、より具体的には1〜5の数を表すことが可能であり;
R1、R2は異なるものであり、ヒドロキシまたはC1〜C4アルコキシラジカルを表し、この場合、ラジカルR1またはR2のうち少なくとも一方はアルコキシラジカルを表す。
アルコキシラジカルは、ある特定の実施形態ではメトキシシラジカルである。
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、一般には1:0.8〜1:1.1、ある特定の実施形態では1:0.9〜1:1の範囲内にあり、より具体的には1:0.95に等しい。
シリコーンの重量平均分子量(Mw)は、ある特定の実施形態では2000〜200000、さらにより具体的には5000〜100000、より具体的には10000〜50000の範囲内にある。
構造(D)または(E)を有する上記のシリコーンに対応する市販製品は、その組成中に式(D)または(E)と異なる構造の他のアミノシリコーン化合物を1つまたは複数含み得る。
構造(D)を有するアミノシリコーン化合物を含有する製品がWacker社からBELSIL ADM652の名称で販売されている。
構造(E)を有するアミノシリコーン化合物を含有する製品がWacker社からFLUID WR1300(登録商標)の名称で販売されている。
これらのアミノシリコーン化合物を使用する場合、特に有利な実施形態の1つは、それを水中油型エマルションの形態で使用することにある。水中油型エマルションは1つまたは複数の界面活性剤を含み得る。界面活性剤は任意の性質のものであってよいが、ある特定の実施形態では陽イオン性および/または非イオン性である。エマルション中のシリコーン粒子の大きさの数平均は一般に、3nm〜500nmの範囲内にある。ある特定の実施形態では、特に式(E)を有するアミノシリコーン化合物の場合、粒子径が5nm〜60nm(境界値を含む)、ある特定の実施形態では10nm〜50nm(境界値を含む)の範囲内にあるマイクロエマルションを使用する。したがって、本発明では、Wacker社からFINISH CT96E(登録商標)またはSLM28020(登録商標)として販売されている式(E)を有するアミノシリコーン化合物のマイクロエマルションを使用することができる。
この定義に対応するアミノシリコーン化合物のまた別のグループは、以下の式(F):
Figure 2019500400
によって表され、式中、
mおよびnは、合計(n+m)が1〜2000、特に50〜150の範囲内に収まる数であり、nが0〜1999、特に49〜149の数を表し、mが1〜2000、特に1〜10を表すことが可能であり;
Aは、4〜8個の炭素原子、ある特定の実施形態では4個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状アルキレンラジカルを表す。このラジカルは、ある特定の実施形態では直鎖状である。
これらのアミノシリコーン化合物の重量平均分子量(Mw)は、ある特定の実施形態では2000〜1000000、さらにより具体的には3500〜200000の範囲内にある。
好ましい式(F)のシリコーンには、Dow Corning社から商品名XIAMETER(登録商標)MEM−8299 Cationic Emulsionで販売されているアモジメチコン(INCI名)がある。
この定義に対応するアミノシリコーン化合物のまた別のグループは、以下の式(G):
Figure 2019500400
によって表され、式中、
mおよびnは、合計(n+m)が1〜2000、特に50〜150の範囲内に収まる数であり、nが0〜1999、特に49〜149の数を表し、mが1〜2000、特に1〜10の数を表すことが可能であり;
Aは、4〜8個の炭素原子、ある特定の実施形態では4個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状アルキレンラジカルを表す。このラジカルは、ある特定の実施形態では分岐鎖状である。
これらのアミノシリコーン化合物の重量平均分子量(Mw)は、ある特定の実施形態では500〜1000000、さらにより具体的には1000〜200000の範囲内にある。
この式を有するシリコーンには、例えばDow Corning社のDC2−8566 Amino Fluidがある。
c)式(H)に対応するアミノシリコーン化合物:
Figure 2019500400
式中、
R5は、1〜18個の炭素原子を含む一価炭化水素系ラジカル、特にC1〜C18アルキルまたはC2〜C18アルケニルラジカル、例えばメチルを表し;
R6は、SiC結合を介してSiと結合している二価炭化水素系ラジカル、特にC1〜C18アルキレンラジカルまたは二価のC1〜C18アルキレンオキシラジカル、例えばC1〜C8アルキレンオキシラジカルを表し;
Q−は、ハロゲン化物イオン、特に塩化物などの陰イオンまたは有機酸塩(例えば、酢酸塩)であり;
rは、2〜20、特に2〜8の平均統計値を表し;
sは、20〜200、特に20〜50の平均統計値を表す。
米国特許第4185087号には、このようなアミノシリコーン化合物がより具体的に記載されている。
d)式(I)を有する第四級アンモニウムシリコーン:
Figure 2019500400
式中、
R7は、同一であっても異なっていてもよく、1〜18個の炭素原子を含む一価炭化水素系ラジカル、特にC1〜C18アルキルラジカル、C2〜C18アルケニルラジカルまたは5〜6個の炭素原子を含む環、例えばメチルを表し;
R6は、SiC結合を介してSiと結合している二価炭化水素系ラジカル、特にC1〜C18アルキレンラジカルまたは二価のC1〜C18アルキレンオキシラジカル、例えばC1〜C8アルキレンオキシラジカルを表し;
R8は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、1〜18個の炭素原子を含む一価炭化水素系ラジカル、特にC1〜C18アルキルラジカル、C2〜C18アルケニルラジカルまたは−R6−NHCOR7ラジカルを表し;
X−は、ハロゲン化物イオン、特に塩化物などの陰イオンまたは有機酸塩(例えば、酢酸塩)であり;
rは、2〜200、特に5〜100の平均統計値を表す;
これらのシリコーンについては、例えば、特許出願EP−A0530974に記載されている。
e)式(J)を有するアミノシリコーン化合物:
Figure 2019500400
式中、
R1、R2、R3およびR4は、同一であっても異なっていてもよく、C1〜C4アルキルラジカルまたはフェニル基を表し;
R5は、C1〜C4アルキルラジカルまたはヒドロキシル基を表し;
nは、1〜5の範囲内の整数であり;
mは、1〜5の範囲内の整数であり;
xは、アミン数が0.01〜1meq/gになるよう選択される;
f)Aがポリシロキサンブロックであり、Bが少なくとも1つのアミン基を含むポリオキシアルキレン化ブロックである、(AB)nタイプのマルチブロックポリオキシアルキレン化アミノシリコーン化合物。
前述のシリコーンは、ある特定の実施形態では、以下の一般式を有する反復単位:
[−(SiMeO)SiMe−R−N(R’’)−R’−O(CO)(CO)−R’−N(H)−R−]あるいは
[−(SiMeO)SiMe−R−N(R’’)−R’−O(CO)(CO)−]
から構成されており、式中、
aは、1以上の整数、ある特定の実施形態では5〜200の範囲内、より具体的には10〜100の範囲内の整数であり;
bは、0〜200に含まれる整数、ある特定の実施形態では4〜100の範囲内の整数、より具体的には5〜30の整数であり;
xは、1〜10000、より具体的には10〜5000の範囲内の整数であり;
R’’は、水素原子またはメチルであり;
Rは、同一であっても異なっていてもよく、任意選択で酸素などのヘテロ原子を1個または複数個含む、二価の直鎖状または分岐鎖状C2〜C12炭化水素系ラジカルを表し;ある特定の実施形態では、Rは、エチレンラジカル、直鎖状もしくは分岐鎖状プロピレンラジカル、直鎖状もしくは分岐鎖状ブチレンラジカルまたは−CHCHCHOCH(OH)CH−ラジカルを表し;優先的には、Rは−CHCHCHOCH(OH)CH−ラジカルを表し;
R’は、同一であっても異なっていてもよく、任意選択で酸素などのヘテロ原子を1個または複数個含む二価の直鎖状または分岐鎖状C2−C12炭化水素系ラジカルを表し;ある特定の実施形態では、R’は、エチレンラジカル、直鎖状もしくは分岐鎖状プロピレンラジカル、直鎖状もしくは分岐鎖状ブチレンラジカルまたは−CHCHCHOCH(OH)CH−ラジカルを表し;優先的には、R’は−CH(CH)−CH−を表す。
シロキサンブロックは、ある特定の実施形態ではシリコーンの総重量の50〜95mol%、より具体的には70〜85mol%を占める。
アミン含有量は、ある特定の実施形態では、30%ジプロピレングリコール溶液中、コポリマーの0.02〜0.5meq/g、より具体的には0.05〜0.2である。
シリコーンの重量平均分子量(Mw)は、ある特定の実施形態では5000〜1000000、より具体的には10000〜200000に含まれる。
特に、Momentive社からSILSOFT A−843またはSILSOFT A+の名称で販売されているシリコーンが挙げられる。
g)以下の式(K’およびK)に対応するアルキルアミノシリコーン化合物:
Figure 2019500400
式中、R、R’およびR’’は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれC1〜C4アルキル基またはヒドロキシル基を表し、AはC3アルキレン基を表し、mおよびnは、化合物の重量平均分子質量が約5000〜500,000になるものである;
Figure 2019500400
式中、
xおよびyは1〜5000の範囲内の数であり;ある特定の実施形態では、xは10〜2000、特に100〜1000の範囲内にあり;ある特定の実施形態では、yは1〜100の範囲内にあり;
R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよく、ある特定の実施形態では同一であり、6〜30個の炭素原子、ある特定の実施形態では8〜24個の炭素原子、特に12〜20個の炭素原子を含む、直鎖状または分岐鎖状の飽和または不飽和アルキルラジカルであり;
Aは、2〜8個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状アルキレンラジカルを表す。
ある特定の実施形態では、Aは3〜6個の炭素原子、特に4個の炭素原子を含み;ある特定の実施形態では、Aは分岐鎖状である。特に以下の二価ラジカル:−CHCHCHおよび−CHCH(CH)CH−が挙げられる。
ある特定の実施形態では、R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよく、6〜30個の炭素原子、ある特定の実施形態では8〜24個の炭素原子、特に12〜20個の炭素原子を含む飽和直鎖状アルキルラジカルであり;特にドデシルラジカル、テトラデシルラジカル、ペンタデシルラジカル、ヘキサデシルラジカル、ヘプタデシルラジカル、オクタデシルラジカル、ノナデシルラジカルおよびエイコシルラジカルが挙げられ;優先的には、R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよく、ヘキサデシル(セチル)ラジカルおよびオクタデシル(ステアリル)ラジカルから選択される。
優先的には、シリコーンは以下のような式(K)のものである:
xは10〜2000、特に100〜1000の範囲内にあり;
yは1〜100の範囲内にあり;
Aは3〜6個の炭素原子、特に4個の炭素原子を含み;ある特定の実施形態ではAは分岐鎖状であり;より具体的には、Aは以下の二価ラジカル:CH2CH2CH2および−CH2CH(CH3)CH2−から選択され;
R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよく、6〜30個の炭素原子、ある特定の実施形態では8〜24個の炭素原子、特に12〜20個の炭素原子を含む直鎖状の飽和アルキルラジカルであり;特にドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルラジカルおよびエイコシルラジカルから選択され;優先的には、R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよく、ヘキサデシル(セチル)ラジカルおよびオクタデシル(ステアリル)ラジカルから選択される。
好ましい式(K)のシリコーンにビス−セテアリルアモジメチコン(INCI名)がある。
特にMomentive社からSILSOFT AXの名称で販売されているシリコーンが挙げられる。
本開示のアミノシリコーン化合物は、鎖末端および側鎖上、例えばアミノプロピル末端または側基に第一級アミン基を含むポリジメチルシロキサン、例えば式(A)、(B)または(C):
Figure 2019500400
のポリジメチルシロキサンからも選択され得る。
式(A)中、nの値は、シリコーンの重量平均分子量が500〜55000になるものである。アミノシリコーン(A)の例として、Gelest社からDMS−A11、DMS−A12、DMS−A15、DMS−A21、DMS−A31、DMS−A32およびDMS−A35の名称で販売されているものが挙げられる。
式(B)中、nおよびmの値は、シリコーンの重量平均分子量が1000〜55000になるものである。シリコーン(B)の例として、Gelest社からAMS−132、AMS−152、AMS−162、AMS−163、AMS−191およびAMS−1203の名称で販売されているものが挙げられる。
式(C)中、nの値は、シリコーンの重量平均分子量が500〜3000になるものである。シリコーン(C)の例として、Gelest社からMCR−A11およびMCR−A12の名称で販売されているものが挙げられる。
ある特定の実施形態では、本発明によるアミノシリコーン化合物はアモジメチコン(INCI名)、例えば供給業者のShin Etsu社から商品名KF8020または供給業者のMOMENTIVE PERFORMANCE MARETERIALS社から商品名SILSOFT253で販売されているアモジメチコンなどがある。また別の好ましいアミノシリコーン化合物にDow Corning社から商品名XIAMETER(登録商標)MEM−8299 Cationic Emulsionで販売されている式(F)のアモジメチコンがある。
他の実施形態では、本発明によるアミノシリコーンはビス−セテアリルアモジメチコン(Momentive社からSILSOFT AXの名称で販売されている)から選択される。
組成物中に存在する場合、上記の添加剤は一般に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、最大約95重量%、例えば組成物の総重量に基づき、最大約50重量%、最大約40重量%、最大約30重量%、最大約20重量%、最大約15重量%、最大約10重量%、最大約5重量%など、例えば約0.001重量%〜約50重量%、約0.001重量%〜約40重量%、約0.001重量%〜約30重量%、約0.001重量%〜約20重量%または約0.001重量%〜約10重量%などの範囲内の量で存在する。
当業者であれば、本発明による組成物の有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けない、または実質的に受けないよう、このもしくはこれらの任意選択の追加の化合物および/またはその量を慎重に選択することは言うまでもない。
調製方法および使用方法
いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーと溶媒とを組み合わせることにより、本開示の組成物を調製する。
他の実施形態では、ポリカルボジイミドと、カルボキシシリコーンポリマーと、水、有機溶媒およびその混合物から選択される溶媒とを組み合わせることにより、本開示の組成物を調製する。
また別の実施形態では、ポリカルボジイミドと、カルボキシシリコーンポリマーと、水と有機溶媒とを含む溶媒とを組み合わせることにより、本開示の組成物を調製する。
1段階または多段階の塗布工程
様々な実施形態では、ケラチン基質の処理法は、ポリカルボジイミドおよびカルボキシシリコーンポリマーのうち1つまたは複数のものを含む組成物の単回塗布または連続塗布を含み得る。様々な1段階および多段階の実施形態では、各混合物または相の組成物を1回または2回以上塗布し得る。
1段階の塗布工程
一実施形態では、本開示の組成物を毛髪などのケラチン基質に1段階の塗布工程で塗布する。ポリカルボジイミド、カルボキシシリコーンポリマーおよび溶媒を含めた成分を組み合わせることにより1段階の塗布に使用する組成物を調製し、次いでケラチン基質に塗布する組成物を得る。
一実施形態では、1段階の塗布工程のための組成物が、水と有機溶媒とを含む溶媒を含む場合、ポリカルボジイミドと水とを組み合わせて水相上に形成させ、カルボキシシリコーンポリマーと有機溶媒とを組み合わせて非水相を形成させる。次いで、両相を組み合わせて攪拌し、エマルションを形成させる。次いで、形成したエマルションを毛髪などのケラチン基質に塗布して処理する。
2段階の塗布工程
他の実施形態では、本開示の組成物を毛髪などのケラチン基質に2段階の塗布工程で塗布する。2段階の塗布工程では、個々の成分(溶媒と組み合わせたポリカルボジイミドおよび溶媒と組み合わせたカルボキシシリコーンポリマー)を任意の順序で段階的にケラチン基質に塗布して基質を処理する。
1つのこのような実施形態では、ケラチン基質を最初にポリカルボジイミド相で処理し、次いでカルボキシシリコーンポリマー相で処理する。
本明細書で逆段階方式と呼ばれる別の実施形態では、少なくとも1つのポリカルボジイミドと少なくとも1つのカルボキシシリコーンポリマーとを含む組成物を別個の相として調製し、各相を別個に毛髪などのケラチン基質に塗布する。1つのこのような実施形態では、ケラチン基質を最初にカルボキシシリコーンポリマー相で処理し、次いでポリカルボジイミド相で処理する。
3段階の塗布工程
他の実施形態では、本開示の組成物を3段階の塗布工程で毛髪などのケラチン基質に塗布する。3段階の塗布工程では、個々の成分(溶媒と組み合わせたポリカルボジイミドおよび溶媒と組み合わせたカルボキシシリコーンポリマー)を段階的方法でケラチン基質に任意の順序で塗布して基質を処理する。
1つのこのような実施形態では、ケラチン基質を最初にカルボキシシリコーンポリマー相で処理し、次いでポリカルボジイミド相で処理し、次いでカルボキシシリコーンポリマー相で処理する。
本開示による毛髪などのケラチン基質への組成物の塗布は、室温で実施し得る。
他の実施形態では、本開示による組成物の塗布は、毛髪に熱を加えること、または毛髪を高温に曝すことにより、高温(または室温より高い温度)で実施し得る。特に限定されるわけではないが、加熱は、例えば、よく用いられる加熱手段、例えばヘルメット型ドライヤもしくはブロードライヤ(40℃以上)またはホットアイロンもしくはフラットアイロン(120℃〜250℃)またはスチーム/ホットローラにより実施され得る。
本開示による組成物および処理は有利な特性をケラチン繊維にもたらす。一実施形態では、本開示による組成物および処理を親水性のまたは損傷したケラチン繊維、例えば損傷した(プラチナブリーチを実施した)毛髪などに塗布すると、それに疎水性をもたらすか、または疎水性を与える。ある特定の実施形態では、室温で、すなわち、毛髪を加熱することも、毛髪に熱を加えることもせずに疎水性がもたらされる。他の実施形態では、(毛髪に組成物を塗布する前もしくは後または毛髪に組成物を塗布するとき)毛髪に熱を使用したときに疎水性がもたらされる。さらに別の実施形態では、ポリカルボジイミド成分およびカルボキシシリコーンポリマー成分それぞれを混合して塗布することおよび別個の形態で塗布することを含めた本明細書の組成物の塗布を実施する回数および順番により疎水性が与えられる。
いくつかの実施形態では、疎水性の低いケラチン繊維または親水性のケラチン繊維にもたらされる疎水性は、約50°超、約60°超、約70°超、約80°超または約90°超の接触角を含む。いくつかの実施形態では、疎水性の低いケラチン繊維または親水性のケラチン繊維にもたらされる疎水性は、約80°超、約90°超、約100°超、約120°超、約130°超または約140°超の接触角を含む。いくつかの実施形態では、接触角は最大約100°、最大約120°、最大約130°または最大約140°である。本開示による組成物を2段階以上の工程に従い塗布するいくつかの実施形態では、接触角は、1回のシャンプー、10回のシャンプー、20回のシャンプー、30回のシャンプー、40回のシャンプー、50回のシャンプーおよび60回のシャンプーのうち1つまたは複数のシャンプーの後でも100°以上で維持される。
例えば、本発明の組成物で処理した毛髪を50℃で30分間加熱し、次いで室温で一定時間冷却させたところ、パーセントカール保持の増大がみられ、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことが示された。熱(オーブンでの乾燥)を使用しても、本発明の組成物を用いて保持されたパーセントカールは、毛髪に熱を加えることも用いることもしなかった場合に得られた値よりも高かった。したがって、本開示による組成物は、特に、良く用いられる加熱手段、例えばブロードライヤ(60℃)またはホットアイロンもしくはフラットアイロン(120℃〜250℃)または加熱ランプ、加熱棒もしくは他の同様の装置などにケラチン繊維が曝されるときに用いると、カーリング面での有益性をもたらす。
本発明の組成物を使用する方法または工程は、目的とする毛髪のタイプ、したがって、毛髪の形状を整える、成形する、または維持するのに使用する組成物に含まれる具体的成分によって決まる。
本発明の1つの実施形態は、毛髪の形状を整える、成形する、または維持する方法である。
本発明の別の実施形態は、毛髪に耐久性のある、または長期間持続するスタイルまたは形状を与える方法であって、毛髪に本開示のいずれか1つの組成物を塗布することを含む方法である。
少なくとも1つの実施形態では、このような方法は、毛髪に本開示のいずれか1つの組成物を有効量塗布することを含む。
本開示の組成物は、毛髪の繊維の表面を十分に覆い、望ましい、または効果的な毛髪のスタイルまたは形状および望ましい保持力の大きさを得るのに有効な量で用い得る。したがって、毛髪に塗布する組成物の正確な量は、望まれる処理/スタイリング/成形/保持力の程度によって決まる。
有効量の組成物は通用、約0.1グラム〜約50グラム、いくつかの毛髪処理のための塗布では、約20〜60グラムの量、豊富な毛髪のためのさらなる実施形態では、約20〜約80グラムまたはそれ以上の量である。したがって、塗布する量は、処理するケラチン基質、例えば毛髪などの量またはボリュームによって決まり、したがって、毛髪の量または部分が少ない場合に対する少ない方の範囲から毛髪の量または部分が多い場合に対する多い方の範囲およびそれ以上の範囲内に収まり得ることが理解されよう。毛髪の処理の場合、典型的な塗布は頭部全体に対するものである。毛髪への塗布は通常、組成物を毛髪に浸透させることを含むことが理解されよう。
本明細書にはさらに、毛髪の成形もしくはスタイリングおよび/またはヘアスタイルの保持への本開示の組成物の使用が開示される。また、毛髪への疎水性の付与による毛髪修復処理などの毛髪のケア、毛髪への損傷の軽減、または毛髪の感触の改善への本開示の組成物の使用が開示される。
組成物は、成形前または成形後に濡れた毛髪または乾いた毛髪に塗布し得る。組成物は、すすぎを実施しない方法に使用し得る。いくつかの他の実施形態では、組成物を毛髪からすすぎ得る。
本発明の組成物と接触させた毛髪は、空気乾燥させ、かつ/あるいはさらに、毛髪に熱を加えることおよび/または毛髪に櫛、ブラシもしくは指を通すことにより整える、または成形し得る。その他の成形手段は櫛およびブラシから選択され得る。
ある特定の実施形態では、組成物を例えば、約1〜約60分、または例えば約5〜約45分など、または例えば約5〜約30分など、または例えば約10〜約20分など、または例えば約20分、または例えば約10分などの間、ケラチン繊維上に保持させる(放置時間)。
スムージング作業は、ヘアブラシ、櫛またはフラットアイロンを含めた毛髪のブラッシングまたはスムージングのための適切な装置の使用により実施し得る。毛髪に対するスムージング作業は、毛髪に指を通すことも含み得る。
適切な塗布用装置には塗布用ブラシがある。ブラシは特に毛髪に適した塗布具の一例であるが、特に限定されないが、スプレーボトル、スクイズボトル、1チャンバおよび2チャンバポンプ、チューブ、櫛ならびに当該技術分野で公知のその他の塗布具を含めた他の塗布具も使用し得ることが理解されよう。
毛髪にスムージング作業を実施している間、毛髪に(温度が少なくとも40℃の)熱を加えることができる。熱源は、ブロードライヤ、フラットアイロン、ヘアドライヤ、加熱ランプ、加熱棒またはその他の同様の装置から選択され得る。
さらに、実施形態の使用とは関係なく、繊維または毛髪上に存在する組成物を一定時間、一般には約1〜約60分、例えば約5〜約45分など、または例えば約5〜約20分など、または例えば約10〜約20分など、または例えば約20分など、または例えば約10分などの間放置する。別の実施形態では、処理時間はさらに長く、いくつかの実施形態では相当長くなり得、塗布が最大24時間〜約48時間放置され得る。
本開示の組成物は毛髪上で容易に広がる。
驚くべきことに、また予想外にも、毛髪への組成物の塗布により毛髪の形状、スタイルもしくはカールまたは毛髪を耐湿性にすることが保持されることを発見した。驚くべきことに、また予想外にも、毛髪への組成物の塗布により、毛髪の質の改善、例えば毛髪の感触および外観の改善がもたらされることも発見した。
また、本発明の組成物および方法を用いて得られる形状/スタイリング管理、カール保持力、耐湿性およびヘアケア効果は、耐久性のある、または長期間持続する、すなわち、洗浄またはシャンプーに耐性を示すものであり得る。
本明細書で使用される「長期間持続する」または「耐久性のある」は、本発明の組成物により毛髪に付与される有益性が一定期間にわたり、かつ/または高湿度条件下でも、かつ/または1回もしくは複数回の洗浄サイクル(水、シャンプー/水、シャンプー/水/コンディショナ/水もしくはコンディショナ/水)の後も持続することを意味するものと理解される。複数回の洗浄サイクルは、2回以上の洗浄サイクル、例えば2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回の洗浄サイクルなどを意味するものと理解される。
本発明の別の実施形態は、毛髪に耐久性のある、または長期間持続するスタイル/形状および/またはカールおよび/またはケアを与える方法であって、(a)本発明の組成物を提供することと、(b)組成物を毛髪に塗布するための説明書を提供することとを含む方法である。
頭髪または睫毛などのケラチン基質に本発明の組成物を塗布するための説明書は、末端使用者が従うべき組成物の使用に関する指示を含み得る。末端使用者は、消費者、美容専門家または美容院の美容師であり得る。指示は、組成物が毛髪繊維を十分に覆い、毛髪繊維に所望の形状、スタイルまたは保持力を与えるのに十分な量で一定量の組成物を取るよう末端使用者に説明することを含み得る。指示はさらに、櫛、ブラシ(例えば、ヘアブラシまたはブラシ棒)、フラットアイロンプレート、ブロードライヤなどの装置または指を用いて毛髪を成形もしくはスタイリングする、または毛髪の繊維を分離するよう末端使用者に説明するものであり得る。指示はさらに、毛髪をドライヤで乾かすことまたは毛髪に加熱装置を用いることなどにより毛髪に熱を加えることも末端使用者に説明するものであり得る。
毛髪などのケラチン繊維に本発明の組成物を塗布するための説明書は、本発明の組成物の入った容器(缶、ボトルもしくはジャーなど)または組成物の入った容器を含む箱、ボール箱もしくはその他の包装の上に表示されたものであり得る。
上記の組成物は、ヒト個人の頭髪などのケラチン基質への塗布に有用である。
したがって、本発明の組成物は、ヘアケア製品、ヘアスタイリング製品およびメイクアップ製品などの様々な化粧品にすることができる。
本発明のヘア化粧品組成物およびヘアスタイリング組成物を含めたヘアケア組成物の代表的なタイプとしては、毛髪の成形、毛髪の形状の維持、スタイリング製品(例えば、ジェル、クリーム、乳液、ペースト、ワックス、軟膏、セラム、フォーム、ヘアローション、ムース、ポンプ式スプレー、非エアロゾルスプレーおよびエアロゾルスプレー)、熱損傷からのコンディショニングまたは保護、リーブイン毛髪処理、リンスオフ毛髪処理のための組成物、シャンプー/スタイリング組合せ組成物およびヘアボリュームアップ組成物が挙げられる。
本発明の組成物は、ローションまたはクリームなどの水性組成物またはエマルションの形態であり得、いくつかの実施形態では、別の形態、例えば無水セラムのようなセラムなどの形で塗布され得る。
一実施形態では、本発明の組成物は、いくつかの特定の実施形態では揮発性有機溶媒/化合物を含有する、非エアロゾルスプレーの形態である。
一実施形態では、本発明の組成物はクリームの形態である。
組成物は、様々な形態、特にチューブ、ジャーもしくはボトル、ポンプ式ボトル、スクイズボトルまたは組成物を気化形態もしくはムースの形態で塗布するエアロゾル容器に包装し得る。組成物を塗布具、特に手袋または拭取り紙に染み込ませてもよい。
組成物は、塗布用ノズルまたはアクチュエータポンプ、ポンプ、塗布具および施剤用櫛を備えた容器または組成物を染み込ませた不溶性基質を用いて手作業で塗布し得る。
本明細書で使用される場合、本明細書に開示される工程および組成物は、人為的に染色も着色もパーマも実施していない毛髪に使用され得る。
本明細書で使用される場合、本明細書に開示される工程および組成物は、人為的に染色、着色またはパーマ、弛緩、縮毛矯正またはその他の化学的工程を実施した毛髪にも使用され得る。
本開示による組成物は、当業者に周知の技術により調製され得る。
上では様々な例示的実施形態に言及しているが、本開示はそのように限定されるわけではないことが理解されよう。当業者であれば、本開示の実施形態には様々な修正を施すことができ、そのような修正は本開示の範囲内に含まれることが意図されることがわかるであろう。本開示に特定の構造および/または構成を用いる実施形態が示される場合、本開示を機能的に等価である任意の他の適合可能な構造および/または構成で実施してもよいが、ただし、そのような置換は、明確に禁じられているか当業者に不可能であるとわかっているものではないことが理解される。
以下の例は、本発明をさらに説明することを意図するものである。これらは決して本発明を限定することを意図するものではない。特に明示されない限り、割合はいずれも重量によるものである。
(実施例)
以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、限定的なものではない。様々な実施形態では、評価および結果から一般に、本発明の組成物および方法が疎水性の改善を含めた有益な結果をもたらすことがわかる。
いくつかの実施形態では、ケラチン基質の処理のための組成物であって、少なくとも1つのポリカルボジイミド化合物と、ポリビニル酸/エステル単位を含むビス終端カルボキシシリコーン、モノ終端カルボキシシリコーン、側鎖カルボキシシリコーンおよびオルガノポリシロキサンからなる群より選択される少なくとも1つのカルボキシシリコーンポリマーとを含み;ポリカルボジイミド化合物とカルボキシシリコーンポリマーとを合わせて組成物の約0.1〜約40.0重量%含み、ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーン化合物の組合せが約1:1の比で存在し;ポリカルボジイミド化合物およびカルボキシシリコーンポリマーとをそれぞれ、ケラチン基質に塗布後それに増大した疎水性およびケラチン基質の形状または外形に増大した保持力のうち1つまたは複数のものを与えるのに十分な量で含む、組成物が提供される。
いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミド化合物およびカルボキシシリコーン化合物がそれぞれ、約0.01重量%〜約20重量%の濃度で存在する、組成物が提供される。
いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミド化合物およびカルボキシシリコーン化合物がそれぞれ、約0.5重量%〜約10重量%の濃度で存在する、組成物が提供される。
いくつかのこのような実施形態では、カルボイシリコーン(carboysilcone)化合物は、ビス−カルボキシデシルジメチコン、クロトン酸/ビニルC8〜12イソアルキルエステル/VA/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマーおよびPCAから選択される。
いくつかのこのような実施形態では、ケラチン基質に付与される疎水性は、約100°超の接触角を含む。
いくつかのこのような実施形態では、ケラチン基質に付与される疎水性は、約120°超の接触角を含む。
いくつかのこのような実施形態では、ケラチン基質に付与される疎水性は、1回または複数回の洗浄サイクルの後でも保持される。
いくつかのこのような実施形態では、組成物は、界面活性剤(陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性/双性イオン性)ならびに本発明のポリカルボジイミドおよびカルボキシシリコーンポリマー以外のポリマー、例えば陰イオンポリマー、非イオンポリマー、両性ポリマー、ポリマーレオロジー調節剤、増粘剤および/または粘度調整剤、会合性または非会合性ポリマー性増粘剤、非ポリマー性増粘剤、真珠様光沢付与剤、乳白剤、染料または色素、香料、鉱油、植物油または合成油、セラミドを含めたワックス、ビタミン類、UVスクリーン剤、フリーラジカルスカベンジャー、ふけ防止剤、脱毛防止剤、育毛剤、保存剤、pH安定剤および溶媒ならびにその混合物などから選択される少なくとも1つの添加剤を含み、1つまたは複数のレオロジー調節剤および増粘剤/粘度調整剤を含む少なくとも1つの添加剤は、アクリル性ポリマー(特に、アクリラート/C10〜30アルキルアクリラートクロスポリマー、カルボマー、アクリラートコポリマー、アクリラートクロスポリマー)、非アクリル性ポリマー、デンプン、サッカリド系ポリマー(例えば、グアー、グアーガム)、セルロース系ポリマー(特に、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースガム、アルキルヒドロキシエチルセルロース、カルボン酸含有セルロース/炭水化物)、非ポリマー性ゲル化剤およびポリマー性ゲル化剤、シリカ粒子、粘土、ヒアルロン酸、アルギン酸ならびにその混合物から選択される水溶性または水分散性の化合物である。
いくつかの実施形態では、毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷から保護する、または毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法であって、請求項1に記載の組成物をケラチン基質を保護または修復するのに有効な量でケラチン基質に塗布することを含み、ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーとを、それぞれ少なくとも1つの溶媒を含む予混合物の形で準備し、1段階の工程および多段階の工程から選択される工程に従い予混合物をケラチン基質に塗布する、方法が提供される。
いくつかのこのような実施形態では、工程は、ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーとを含む組成物を予混合物として準備し、ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーと少なくとも1つの溶媒とを組み合わせることにより調製し、予め混合した組成物をケラチン基質に塗布する、1段階の工程;それぞれがポリカルボジイミドおよびカルボキシシリコーンポリマーを別個に含む別個の予混合物の形で組成物を準備し、予混合物が、ポリカルボジイミドと少なくとも水とを組み合わせて水相を形成させ、別個にカルボキシシリコーンポリマーと少なくとも1つの有機溶媒とを組み合わせて非水相を形成させることにより調製したものであり、使用時に、予め混合した相を組み合わせて攪拌しエマルションを形成させ、それをケラチン基質に塗布する、1段階の工程;組成物を別個の予混合物の形で準備し、予混合物が、ポリカルボジイミドと適切な溶媒とを組み合わせ、別個にカルボキシシリコーンポリマーと適切な溶媒とを組み合わせることより調製したものであり、使用時に、予め混合した相をそれぞれ、任意の順序で、2つの連続する塗布の形で、別個にケラチン基質に塗布する、2段階の工程;および組成物を別個の予混合物の形で準備し、予混合物が、ポリカルボジイミドと適切な溶媒とを組み合わせ、別個にカルボキシシリコーンポリマーと適切な溶媒とを組み合わせることにより調製したものであり、使用時に、予め混合した相をそれぞれ、任意の順序で、3つの連続する塗布の形で、別個にケラチン基質に塗布する、3段階の工程から選択される。
いくつかのこのような実施形態では、方法は、2段階の工程および3段階の工程のうちの1つの諸段階を含み、ケラチン基質に付与される疎水性が約120°超の接触角を含む。
いくつかのこのような実施形態では、工程は、(i)カルボキシシリコーンポリマー相を塗布し、次いでポリカルボジイミド相を塗布することおよび(ii)ポリカルボジイミドポリマー相を塗布し、次いでカルボキシシリコーン相を塗布することから選択される段階を含む、2段階の工程である。
いくつかのこのような実施形態では、工程は、カルボキシシリコーンポリマー相を塗布する段階、次いでポリカルボジイミド相を塗布する段階、次いでカルボキシシリコーンポリマー相を塗布する段階を含む、3段階の工程である。
いくつかのこのような実施形態では、ケラチン基質に付与される疎水性は、5回以上の洗浄サイクルの後の約130°超の接触角を含む。
いくつかのこのような実施形態では、ケラチン基質に付与される疎水性は、10回以上の洗浄サイクルの後の約100°超の接触角を含む。
いくつかの実施形態では、別個に包装された形態で含むキットを含む製品であって、キットが、ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーとが、少なくとも1つの溶媒を含む予混合物の形で組み合わさっている、請求項1に記載の組成物;ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーとが、ポリカルボジイミドを含む包装された相予混合物を含み;カルボキシシリコーンポリマーを含む包装された相予混合物も含む、別個の包装の形で提供され、使用時に、予め混合した相を互いにまたはポリカルボジイミド相およびカルボキシシリコーンポリマー相のそれぞれに適切な溶媒と組み合わせる、請求項1に記載の組成物;ならびに任意選択で、1つまたは複数の別個に包装された溶媒、任意選択で、界面活性剤(陰イオン性、非イオン性、陽イオン性および両性/双性イオン性)ならびに本発明のポリカルボジイミドおよびカルボキシシリコーンポリマー以外のポリマー、例えば陰イオンポリマー、非イオンポリマー、両性ポリマー、ポリマー性レオロジー調節剤、増粘剤および/または粘度調整剤、会合性または非会合性ポリマー性増粘剤、非ポリマー性増粘剤、真珠様光沢付与剤、乳白剤、染料または色素、香料、鉱油、植物油または合成油、セラミドを含めたワックス、ビタミン類、UVスクリーン剤、フリーラジカルスカベンジャー、ふけ防止剤、脱毛防止剤、育毛剤、保存剤、pH安定剤および溶媒ならびにその混合物などから選択され、1つまたは複数のレオロジー調節剤および増粘剤/粘度調整剤を含む少なくとも1つの添加剤が、アクリル性ポリマー(特に、アクリラート/C10〜30アルキルアクリラートクロスポリマー、カルボマー、アクリラートコポリマー、アクリラートクロスポリマー)、非アクリル性ポリマー、デンプン、サッカリド系ポリマー(例えば、グアー、グアーガム)、セルロース系ポリマー(特に、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースガム、アルキルヒドロキシエチルセルロース、カルボン酸含有セルロース/炭水化物)、非ポリマー性ゲル化剤およびポリマー性ゲル化剤、シリカ粒子、粘土、ヒアルロン酸、アルギン酸ならびにその混合物から選択される水溶性または水分散性の化合物である、1つまたは複数の別個に包装された成分のうち少なくとも1つを含む、製品が提供される。
毛髪に塗布する組成物の調製方法:
組成物は2つの相を含むものとした。活性RM(原料)を各溶媒(水、イソドデカン(IDD)、エタノールまたはその混合物)中で攪拌することにより各相のストック溶液を作製した。塗布直前、所望の比の部(通常、活性物質1:1)をバイアル内に量り取り、溶液を1g当たり10秒間激しく浸透して乳白色のエマルションまたは水溶液を生じさせた。毛髪1g当たり製品1gを塗布した。2段階処理の場合、指定のまたは所望の量のストック溶液を予め混合せずに毛髪に直接塗布した。
疎水性評価−接触角測定
Scientific社のContact Angle Tensiometer、Model C204Aを用いた接触角測定により各見本の疎水性を測定した。30〜50本からなる繊維の束を表面が平らになるようやっとこで挟んだ。DI(脱イオン)HOの3μL滴を繊維表面に置き、接触角を10秒間測定した。下に報告する数値は、10秒後の接触角を用いた3つの測定値の平均値である。天然の損傷していない毛髪は疎水性であるが、(2回脱色またはプラチナブリーチを実施した)損傷した毛髪は親水性であり、接触角0°を示す。
ここおよびのちの表では、特に明示されない限り、「活性物質の重量%」とは、最終組成物(相Aと相Bの組合せ)中の活性物質(1つまたは複数)(pCDIもしくはカルボキシシリコーンまたはその両方)の総量のことである。
**ここおよびのちの表では、特に明示されない限り、相Aにはイソドデカンを含む溶媒が含まれており、相Bには水を含む溶媒が含まれており、相Aと相Bの組合せは100重量%に等しい。
Figure 2019500400
Figure 2019500400
実施例A:
対照:個々の成分による毛髪処理
供給業者IHIP社製のプラチナブリーチを実施した毛髪見本を単一成分処理(1g製品/1g毛髪)で処理し、ヘルメット型ドライヤ(50℃)で40分間乾燥させた。直ちに見本にシャンプーを実施し、ドライヤで高温にて2分間乾燥させた。接触角を測定した。
Figure 2019500400
Figure 2019500400
表2のまとめ:天然毛髪は毛髪上の18−MEAの相により疎水性である。毛髪が損傷するにつれて、この疎水性バリアが失われ、それにより繊維の疎水性が低くなり、親水性が高くなる。このことは表2の最初の2つの測定結果で確認される。
単一成分処理ではいずれも、損傷した毛髪繊維に本来の疎水性が回復することはなかった。ポリカルボジイミド4および6では疎水性が増大するが、天然毛髪で観察される疎水性よりも大幅に低い。活性物質20重量%〜0.25重量%の濃度の会合物の個々の成のうち、プラチナブリーチを実施した見本に天然毛髪レベルの疎水性を回復させるものはない。
両成分を含有する配合剤による毛髪処理(表2の実験と同じ方法で処理した)。
Figure 2019500400
表3のまとめ:両成分(1つはポリカルボジイミド1からなり、1つはカルボン酸官能化シリコーンであるカルボキシシリコーンポリマー)を組み合わせて用いて会合物を形成した場合、プラチナブリーチを実施した見本に疎水性の大幅な増大が観察される。会合物が疎水性をもたらす濃度の範囲は、総活性物質0.5重量%〜40重量%である。ポリカルボジイミド1のポリカルボジイミドは一定に保たれているが、カルボキシシリコーンは変化している。毛髪見本はまた、プラチナブリーチを実施した未処理の毛髪よりも視覚的に滑らかであり、櫛を通しやすかった。
毛髪の処理:ポリ(カルボジイミド)の種を変化させた(表1の実験と同じ方法で処理した)。
Figure 2019500400
Figure 2019500400
表4のまとめ:両活性物質(1つはポリカルボジイミドからなり、1つはカルボン酸官能化シリコーンからなる)を組み合わせて用いて会合物を形成した場合、プラチナブリーチを実施した見本に疎水性の大幅な増大が観察される。カルボキシシリコーンポリマー1のカルボキシシリコーンは一定に保たれ、ポリカルボジイミドは変化している。活性物質の濃度は総活性物質1重量%で保持されている。
1つの会合物の場合、会合物の疎水性は個々の成分のものを上回ったが、この疎水性の増大は、見本上で液滴を10秒間残存させるのに不十分なものであった。この会合物のみの場合、代わりに同じデータを用いて見本表面での液滴残存時間を測定した。
Figure 2019500400
表5のまとめ:ポリカルボジイミド8とカルボキシシリコーンポリマー1の会合物による処理では損傷した親水性の毛髪の疎水性の増大がみられたが、個々の成分では増大はみられなかった。
毛髪の処理:1段階の塗布工程対2段階の塗布工程
ポリ(カルボジイミド)処理の適用は、既に記載した単一段階で、または一続きの2層処理として実施することができる。例えば、水を用いたポリ(カルボジイミド)のエマルション/分散液/溶液を毛髪に塗布し、次いで、上にカルボン酸シリコーンまたはその他の化合物を含有する無水処理剤を塗布し得る。この場合、コーティングが層構造を保持し、付着性の高いポリ(カルボジイミド)により対のポリマーが下層の毛髪に固定され得る。
プラチナブリーチを実施した毛髪見本を0.55%ポリカルボジイミド1を含有する0.5重量%(総活性物質)処理剤で処理した(毛髪1g当たり処理剤0.5g)。次いで、ポリカルボジイミド1で処理した見本をカルボキシシリコーンポリマー1の5.5% IDD溶液で処理した(毛髪1g当たり処理剤0.05g)。この組み合わせにより、前節に記載したものと同じ量のポリカルボジイミド1とカルボキシシリコーンポリマー1が沈着する。処理した見本を50℃に設定したヘルメット型ドライヤセットで40分間乾燥させた。直ちに見本に従来の硫酸エステル系シャンプー(DOPシャンプー)によるシャンプーを実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた(シャンプーの段階またはサイクルでは毛髪のシャンプーおよび洗浄を実施する)。接触角を測定した。
Figure 2019500400
表6のまとめ:塗布を2つの溶液(AおよびB)を用いた1段階の工程として実施するか、2段階の工程として実施するかに関係なく、損傷した親水性の毛髪をポリ(カルボジイミド)会合物で処理することにより毛髪に疎水性コーティングが生じた。
毛髪の処理:カルボキシシリコーンポリマー1処理の耐久性
毛髪見本を表1および2の実験と同じ方法で処理した。
毛髪見本にDOPシャンプーでシャンプーを5回実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた。接触角を再び測定した。10回のシャンプーサイクルで接触角測定を実施するまでこのサイクルを繰り返した。
Figure 2019500400
表7のまとめ:ポリカルボジイミド(ポリカルボジイミド1またはポリカルボジイミド3)とビス終端カルボキシシリコーン(カルボキシシリコーンポリマー1)との間の会合物を含有する配合剤で処理した毛髪は、接触角測定値により明らかなように、10回のシャンプーサイクルを耐え抜くことがわかる。
毛髪の処理:カルボキシシリコーンポリマー2、3および4による処理の耐久性
毛髪見本を表1および2の実験と同じ方法で処理した。
毛髪見本にDOPシャンプーでシャンプーを5回実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた。接触角を再び測定した。
Figure 2019500400
表8のまとめ:ポリカルボジイミド1とビス終端カルボキシシリコーン(カルボキシシリコーンポリマー2)またはモノ終端シリコーン(カルボキシシリコーンポリマー3)または側鎖カルボキシル化シリコーン(カルボキシシリコーンポリマー4)との間の会合物を含有する配合剤で処理した毛髪は、接触角測定値により明らかなように、5回のシャンプーサイクルを耐え抜くことがわかる。
毛髪の処理:活性物質10重量%(カルボキシシリコーンポリマーとポリカルボジイミド1の重量比1:1)で加熱方法を変化させた
プラチナブリーチを実施した毛髪見本を総活性物質10重量%の処理剤で処理し、下に挙げる条件に従いヘルメット型ドライヤで乾燥させた。直ちに見本にシャンプーを実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた。接触角を測定した。
次いで、毛髪見本にDOPシャンプーでシャンプーを5回実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた。接触角を再び測定した。次いで、10回のシャンプーサイクルおよび接触角測定を実施するまでシャンプーサイクルを続行した。
Figure 2019500400
表9のまとめ:表8から、毛髪に本発明の組成物を用いた耐久性のある処理が、追加のドライヤ乾燥段階の有無を問わず、ヘルメット型ドライヤでの様々な加熱時間(10〜40分の範囲)、ヘルメット型ドライヤの様々な温度(50〜75℃)で達成されたことは明らかである。ヘルメット型ドライヤでの加熱時間が最も短い(50℃で10分間および75℃で15分間)ものについて、シャンプーに対する耐久性を試験したところ、両処理とも10回のシャンプーサイクル後も依然として高い疎水度を示し、毛髪の処理が残存することがわかった。ヘルメット型ドライヤで30分間および20分間については、両端(40分/10分)で耐久性がみられることから、その間の時点でもほぼ同程度または同程度の耐久性がみられると推定されるため、耐久性の値は測定しなかった。
毛髪の処理:活性物質1重量%(カルボキシシリコーンポリマーとポリカルボジイミド1の重量比1:1)で加熱方法を変化させた。
プラチナブリーチを実施した毛髪見本を1重量%(総活性物質)の処理剤で処理し、下に挙げる条件に従いヘルメット型ドライヤで乾燥させた。直ちに見本にシャンプーを実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた。接触角を測定した。
次いで、毛髪見本にDOPシャンプーでシャンプーを5回実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた。接触角を再び測定した。10回のシャンプーサイクルおよび接触角測定を実施するまでシャンプーサイクルを続行した。
Figure 2019500400
表10のまとめ:表9から、毛髪に本発明の組成物を用いた耐久性のある処理が、追加のドライヤ乾燥段階の有無を問わず、ヘルメット型ドライヤでの様々な加熱時間(10〜30分の範囲)、ヘルメット型ドライヤの様々な温度(50〜75℃)で達成されたことは明らかである。いずれの処理でも、10回のシャンプーサイクル後も依然として高い疎水度を示し、毛髪に対する処理が残存することがわかった。
毛髪の処理:総活性物質濃度10重量%を維持しながら活性物質原料の比を変化させた
総活性物質濃度10重量%の塗布を維持しながら、活性物質カルボキシシリコーンポリマー1:ポリカルボジイミド1の比を10:1〜1:10に変化させた。
表7の2行目の実験と同じ方法で処理した:IHIP社製のプラチナブリーチを実施した毛髪見本を処理剤で処理し(1g製品/1g毛髪)、ヘルメット型ドライヤ(50℃)で30分間乾燥させた。直ちに見本にシャンプーを実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた。接触角を測定した。
Figure 2019500400
表11のまとめ:上の表は、総活性物質濃度10重量%を維持しながら高carbodilite濃度(1:10)〜高カルボキシシリコーンポリマー濃度(10:1)の範囲で用いた比により得られた疎水度を示している。
毛髪の処理:処理と1回目のシャンプー(総活性物質濃度1重量、カルボキシシリコーンポリマー1とポリカルボジイミド1の比1:1)との間の時間を変化させた
IHIP社製のプラチナブリーチを実施した毛髪見本を処理剤で処理し(1g製品/1g毛髪)、ヘルメット型ドライヤ(50℃)で30分間乾燥させた。ヘルメット型ドライヤの直後、1つの見本にシャンプーを実施した。他の見本を周囲環境条件下で48時間静置し、48時間の時点でDOPシャンプーでシャンプーを1回実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた。接触角を測定した。
見本にDOPでシャンプーを5回実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させ、接触角を測定した。このサイクルを20回のシャンプーサイクルに達するまで繰り返した。
Figure 2019500400
表12のまとめ:処理と1回のシャンプーとの間の時間の長さを増大させると、接触角によって測定される毛髪に対する処理の耐久性が増大する。
毛髪の処理:化学処理への曝露
表5の3行目の実験と同じ方法で処理した:IHIP社製の脱色毛髪見本を総活性物質10重量%、カルボキシシリコーンポリマー1とポリカルボジイミド1の比1:1の処理剤で処理し(1g製品/1g毛髪)、ヘルメット型ドライヤ(50℃)で10分間乾燥させ、次いで、ドライヤで1.5分間、高熱で乾燥させた。直ちに見本に脱色処理または着色処理を実施した。接触角を測定した。(注:最初の2つの見本は対照であり、処理を実施していない)。
脱色処理
市販の脱色製品と市販の過酸化水素発色剤を1:1の比で混合したもの;毛髪の処理時間30分。見本から脱色剤をすすぎ、見本にDOPシャンプーでシャンプーを1回実施し、ドライヤで2分間乾燥させた。
着色処理
市販の染髪製品と市販の過酸化水素発色剤を1:1の比で混合したもの;毛髪の処理時間30分。見本から脱色剤をすすぎ、見本にDOPシャンプーでシャンプーを1回実施し、ドライヤで2分間乾燥させた。
Figure 2019500400
表13のまとめ:接触角測定値により明らかなように、化学処理への曝露、すなわち、本発明の活性成分と化学的毛髪処理との組合せにより、本発明の組成物の効果が変化することはなかった。
高粘度の相A配合剤:活性物質配合剤およびプラセボ配合剤を用いた塗布
店の現場での毛髪への塗布を実施しやすくするため、相A(既に無水である)を高粘度の油中水型エマルションに変換した。この新たな相Aはポリマー性乳化増粘剤Pemulen TR2(INCI:アクリラート/C10〜30アルキルアクリラートクロスポリマー)を用いて粘度を高めたものであり、Pemulen TR2はカルボン酸基も含有し、ポリ(カルボジイミド)と増粘剤との間の反応により架橋コーティング内に組み込むことができる。塗布時、少量の水相Bを加え、組成物を混合して以下の最終配合剤とし、それを毛髪の塗布する:
Figure 2019500400
関連するプラセボ配合剤は、同じ相Aを用いると同時にポリカルボジイミド含有相Bを完全に水からなるものに置き換えたものである。
混合後、毛髪に塗布したプラセボ組成物は以下の通りである:
Figure 2019500400
粘度の増大により滴下が防止され、製品が手および櫛で広げやすくなったため、相Aの粘度を高めた配合剤の塗布の方が、これまでに記載した毛髪処理配合剤の塗布よりはるかに容易であった。
IHIP社製のプラチナブリーチを実施した見本を各配合剤で処理し(1g製品/g毛髪)、ヘルメット(50℃)で40分間乾燥させた。それに直ちにDOPでシャンプーを1回実施した。接触角を測定した。
Figure 2019500400
これらの結果は、使用および塗布の質の改善に加え、本発明の組成物が、他の成分と組み合わせてもなお、損傷した毛髪にシャンプーを耐え抜く疎水性を付与することを示している。
高粘度の相B配合剤:活性物質配合剤およびプラセボ配合剤を用いた塗布
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を用いて、ポリカルボジイミドを含有する会合物の水相の粘度を高めた。これらの粘度を高めた配合剤をカルボキシル化シリコーンの10重量%溶液と混合して活性物質の比を1:1とした。
以下のものは、表11に用いた「高粘度相B」の活性物質配合剤およびプラセボ配合剤である:
Figure 2019500400
IHIP社製のプラチナブリーチを実施した見本を各配合剤で処理し(活性物質対プラセボ)、ヘルメット(75℃)で15分間乾燥させた。それに直ちにDOPでシャンプーを1回実施した。接触角を測定した。見本にDOPで5回シャンプーを実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させ、接触角を測定した。10回のシャンプーサイクルに達するまでこのサイクルを繰り返した。
Figure 2019500400
表18のまとめ:結果は、HECで水相の粘度を高めても活性物質配合剤を用いた処理の効果および耐久性は低下しなかったことを示している。
高粘度相B配合剤:湿った髪への高粘度配合剤の塗布
IHIP社製のプラチナブリーチを実施した毛髪見本にDOPシャンプーでシャンプーを1回実施し、タオルで乾燥させた。毛髪が濡れた状態で表18に記載した配合剤で処理し、表に挙げた条件に従い加熱した、つまり、直接ドライヤで乾燥させるか、または75℃のヘルメット型ドライヤで15分間加熱した。加熱後、直ちに見本にDOPシャンプーでシャンプーを実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた。接触角を測定した。
Figure 2019500400
表19のまとめ:表10に記載した高粘度配合剤を濡れた毛髪に塗布し、ヘルメット型ドライヤで乾燥させる(75℃で15分間)か、またはドライヤで乾燥させ(高熱で3分間)得る。10回のシャンプーサイクルにわたって疎水性が観察され、シャンプーに対して耐久性があることがわかる。
3種類の反応性種
カルボジイミドの化学反応では複数の反応経路が可能である。この技術注記を目的として、関心のある経路には以下のものがある:
カルボキシラートとの反応、次いで安定な最終形態(N−アシル尿素)への転移
カルボキシラート、次いでアミン(アミド)の連続反応。
先の実施例では、第一の経路に焦点を当てている。しかし、ポリ(カルボジイミド)は、第二の経路を介して共有結合網内へのアミノ化合物の組込みを可能にするものである。以下の実施例では、この代替的処理形態を示す。
プラチナブリーチを実施した毛髪見本を表1の実験と同じ方法で、0.25%のカルボキシシリコーンポリマー1と、アミン基を含む0.25%の第二のポリマーと、0.5%のポリ(カルボジイミド)とを含有する組成物またはカルボキシラート/アミンポリマーのみを含有する、もしくはポリ(カルボジイミド)のみを含有する組成物で処理した。
Figure 2019500400
Figure 2019500400
表21のまとめ:ポリカルボジイミド1、ビス終端カルボキシシリコーン(カルボキシシリコーンポリマー1)およびアミノ官能基を含む第三のポリマー(KF8020)との間の会合により耐シャンプー疎水性がもたらされる。
毛髪修復処理の解析−櫛通り力
ポリカルボジイミド1:カルボキシシリコーン1が1:1の10重量%会合物で処理した毛髪、ポリカルボジイミド1:カルボキシシリコーン1が1:1の1重量%会合物で処理した毛髪およびDOPシャンプー単独で処理した毛髪のスムージング特性をウェットコーミング試験により評価し比較した。製品の性能比較には、Instron 3343を用いてベースラインおよび処理後の櫛通り力の値を求めた。
見本を各配合剤で処理し、ヘルメット型ドライヤで乾燥させ(50℃で30分間)、周囲環境条件下で48時間静置した。次いで、見本にDOPシャンプーでシャンプーを実施し、その時点で各見本を蒸留水に10分間浸漬した後、Instronを用いて櫛を通した。
Figure 2019500400
これらの結果は、本発明の組成物によりスムーザーおよび毛髪の櫛通りが容易になったことを示しており、毛髪の損傷した状態が軽減されるか、または髪質が改善されたことがわかる。
毛髪修復処理の解析−高湿度カール保持
コイル状の毛髪を90%RH、40℃の加湿チャンバ内に5時間置いた。
以下の式:
%カール保持=(Lo−Lt)/(Lo−Li)×100
式中:Lo=本来の毛髪の長さ(完全に伸長した毛髪の長さ)
Li=最初の毛髪の長さ(湿度に曝露する前の毛髪の長さ)
Lt=湿気に5時間曝露した後の毛髪の長さ
を用いて%カール保持を算出した。
室温での処理の実施
通常の脱色毛髪見本(IHIP社製、長さ13.5cm、重量約0.5g)を試験溶液の活性物質4重量%の溶液で処理した(0.5g溶液/g毛髪)。溶液が毛髪見本の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通した。次いで、処理毛髪をスパイラルロッド(直径0.5)に巻き付け、室温で一晩乾燥させた。
Figure 2019500400
表23のまとめ:結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪にはパーセントカール保持の増大がみられたことを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物で処理した毛髪の方が、カール保持値が高かったことから明らかなように、経時的にも高湿度条件下でも高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、経時的にも高湿度でもスタイリング保持力が低いことがわかった。
熱を加えた処理の実施
見本を上記と同じ方法で処理した。ただし、見本を50℃のオーブン内で30分間乾燥させ、次いで室温で一晩乾燥させた。次いで、ロッドからコイル状に巻かれた毛髪を取り外し、高湿度カール保持を測定した。
Figure 2019500400
表24のまとめ:結果は、本発明の組成物で50℃にて30分間処理し、次いで室温で乾燥させた毛髪にパーセントカール保持の増大がみられたことを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。熱を使用しても(オーブン内で乾燥させても)、本発明の組成物のパーセントカール保持は、熱を用いなかった場合に観察されたものより大きかった。このことは、ブロードライヤ(60℃)、フラットアイロン(120℃〜250℃)などのよく用いられる加熱手段でも成績が優れていることを示している。
実施例B:
毛髪修復処理剤の調製方法
活性RM(カルボキシシリコーンポリマーおよびポリカルボジイミド)を各溶媒(水またはイソドデカン(IDD)もしくはエタノールなどの有機溶媒のいずれか)中で攪拌することにより各相(AおよびB)のストック溶液を作製した。2つの相を組み合わせる場合、塗布直前に所望の比の部(通常、活性物質1:1)をバイアル内に量り取り、手で溶液1g当たり10秒間激しく振盪して乳白色のエマルションを生じさせた。毛髪1gに対し乳白色のエマルション製品1gを塗布した(単一成分処理)。2段階処理の場合、ストック相溶液を予め混合せずに毛髪に直接塗布した。
毛髪修復処理の解析:接触角
Biolin Scientific社のContact Angle Tensiometer、Model C204Aを用いた接触角測定により各見本の疎水性を測定した。30〜50本からなる繊維の束を表面が平らになるようやっとこで挟んだ。DI HOの3uL滴を繊維表面に置き、接触角を10秒間測定した。下に報告する値は、10秒後の12FPS(1秒当たりのフレーム数)での接触角を用いた3つの測定値の平均値である。
対照:個々の成分による毛髪処理
Figure 2019500400
カルボキシシリコーンポリマー1 SILFORM INX、ビス−カルボキシデシルジメチコン、Momentive社から市販されているもの;ポリカルボジイミド1 CARBODILITE V−02−L2
IHIP(INTERNATIONAL HAIR IMPORTERS)社製のプラチナブリーチを実施した毛髪見本を単一成分処理剤で処理し(1g製品/1g毛髪)、ヘルメット型ドライヤ(50℃)で40分間乾燥させた。直ちに見本にシャンプーを実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた。毛髪見本の3つの異なる位置で接触角を測定した。
Figure 2019500400
活性物質単一配合剤:両活性成分による毛髪処理
Figure 2019500400
IHIP(INTERNATIONAL HAIR IMPORTERS)社製のプラチナブリーチを実施した毛髪見本を単一成分処理剤で処理し(1g製品/1g毛髪)、ヘルメット型ドライヤ(50℃)で40分間乾燥させた。直ちに見本にシャンプーを実施し、ドライヤで2分間、高熱で乾燥させた。毛髪見本の3つの異なる位置で接触角を測定した。
Figure 2019500400
表28のまとめ:両活性物質(ポリカルボジイミドV−02−L2およびカルボン酸官能化シリコーン)を組み合わせて用いて会合物を形成させた場合、プラチナブリーチを実施した毛髪見本の疎水性に大幅な増大が観察される。毛髪見本はまた、プラチナブリーチを実施した未処理の毛髪よりも視覚的に滑らかであり、櫛を通しやすかった。
1段階、2段階、3段階および逆段階の塗布方法
単一段階(1段階)方式では、ポリカルボジイミドを含有する、一実施形態ではCARBODILITE V−02 L2を含む第一の相と、シリコーンカルボキシラートを含有する、一実施形態ではSilform INXを含む第二の相をV−02−L2相とSilform INX相の重量比9:1になるよう混合した。
Figure 2019500400
単一段階(または1段階)方式では、プラチナブリーチを実施した毛髪見本を異なる成分を含有する総活性物質1%の処理剤で処理した。塗布時、毛髪見本試料を20%SLES(ラウレス硫酸ナトリウム)で洗浄し、次いで混合物で処理した(0.4g試料/1g見本)。次いで、試料を50℃に設定したオーブン内に40分間置き、外に出して一晩空気乾燥させた。試料を48時間の回復時間の間放置し、次いでDOPシャンプーで洗浄した(0.4g DOP/1g毛髪見本)。DOPシャンプーには、主として陰イオン性硫酸エステル系界面活性剤、両性界面活性剤および水が含まれていた。試料を放置して乾燥させ、接触角を測定した。シャンプー地点に応じて、その地点まで見本を洗浄し、放置して乾燥させ、三重反復で接触角を測定した。
2段階/3段階/逆方式では、CARBODILITE V−02 L2を含有する第一の配合剤およびシリコーンカルボキシラートであるカルボキシシリコーンポリマー1(Silform INX)を含有する第二の配合剤を調製した。
Figure 2019500400
2段階方式では、プラチナブリーチを実施した毛髪見本を最初に毛髪見本1g当たり0.36gのV02−L2配合剤で、次いで毛髪見本1g当たり0.04gの10%Silform INX配合剤で処理した。
3段階方式では、毛髪見本を最初に毛髪見本1g当たり0.04gのSilform INX配合剤で、次いで毛髪見本1g当たり0.04gのV−02−L2配合剤で、次いで最後に毛髪見本1g当たり0.04gのSilform INX配合剤で処理した。
逆2段階方式では、毛髪見本を最初に毛髪見本1g当たり0.04gのSilform INX配合剤で処理し、次いで毛髪見本1g当たり0.36gのV−02−L2配合剤で処理した。
毛髪見本を最初に20%SLESで洗浄し、次いで2段階、3段階または逆段階の方式に従い処理した。次いで、試料を50℃に設定したオーブン内に40分間置き、外に出して一晩空気乾燥させた。試料を48時間の回復時間の間放置し、次いでDOPで洗浄した(0.4g DOP/1g毛髪見本)。試料を放置して乾燥させ、接触角を測定した。シャンプー地点に応じて、その地点まで見本を洗浄し、接触角を三重反復で測定した。
接触角測定の結果
Figure 2019500400
表31のまとめ:親水性の損傷した毛髪をポリ(カルボジイミド)とカルボキシシリコーンポリマーとの会合物を含有する組成物で処理することにより毛髪に疎水性コーティングが生じ、2段階方式では、それが多数回のシャンプー処理にわたって、1段階方式での毛髪のコーティングより長く持続した。
Figure 2019500400
表32のまとめ:親水性の損傷した毛髪を逆2段階方式または3段階方式に従いポリ(カルボジイミド)会合物で処理することにより毛髪に疎水性コーティングが生じた。同時に、3段階方式に従って処理した毛髪の接触角は、逆2段階方式に従って処理した毛髪の角度よりもはるかに大きく、3段階方式に従って処理した毛髪が極めて疎水性であったことがわかる。
ここまで特定の例示的または好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、当業者には、その要素に関して、本発明の範囲から逸脱することなく様々な改変を施し得ることおよび均等物に置き換え得ることが理解されよう。さらに、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく、特定の状況または原料を本発明の教示に適合させるよう多数の修正を施し得る。したがって、本発明は、本発明の実施を企図した最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されるのではなく、添付の「特許請求の範囲」の範囲内に含まれるあらゆる実施形態を包含することが意図される。

Claims (20)

  1. ケラチン基質の処理のための組成物であって、
    ポリカルボジイミド化合物と、
    カルボキシシリコーンポリマーと
    を含み、
    前記組成物の約0.1〜約40.0重量%の総量の前記ポリカルボジイミド化合物と前記カルボキシシリコーンポリマーとを含み、
    前記ポリカルボジイミド化合物と前記カルボキシシリコーンポリマーとをそれぞれ、前記ケラチン基質に塗布後それに増大した疎水性および前記ケラチン基質の形状または外形に増大した保持力の増大のうち1つまたは複数のものを与えるのに十分な量で含む、
    組成物。
  2. 前記ポリカルボジイミド化合物が以下の式:
    Figure 2019500400
    (式中、XおよびXはそれぞれ独立して、O、SまたはNHを表し;RおよびRはそれぞれ独立して、1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み、イオン性もしくは非イオン性のセグメントである直鎖状もしくは分岐鎖状および環状もしくは非環状の基を含む炭化水素基または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含む一部もしくは全部がフッ素化された炭化水素基であり;nおよびzはそれぞれ独立して、0〜20の整数であり;Lは、C〜C18二価脂肪族炭化水素基、C〜C13二価脂環式炭化水素基、C〜C14二価芳香族炭化水素基、C〜C12二価複素環基またはm−テトラメチルキシリレンから選択されないC〜C14二価芳香族炭化水素基を表し、複数のL基は互いに同一であっても異なっていてもよく;Eは、
    O−R−O;S−R−S;および
    −N−R−N−R
    から選択されるラジカルであり、
    式中、RおよびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る、芳香族ラジカル、脂環式ラジカル、アリールラジカルおよび直鎖状もしくは分岐鎖状アルキルラジカルを含めた炭化水素ラジカルであり、Rは、水素または炭化水素ラジカルであり、前記炭化水素ラジカルは、存在する場合、ハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含む)
    を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ポリカルボジイミド化合物が、約0.5重量%〜約10重量%の濃度で存在する、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記カルボキシシリコーン化合物が、約0.5重量%〜約10重量%の濃度で存在する、請求項2に記載の組成物。
  5. 前記カルボキシシリコーン化合物が、前記ポリカルボジイミド化合物と同じ割合またはそれより大きい割合で存在する、請求項1に記載の組成物。
  6. ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーン化合物との組合せが、約1重量%〜約10重量%の範囲内の量で存在し、前記カルボキシシリコーンが、ポリビニル酸/エステル単位を含むビス終端カルボキシシリコーン、モノ−終端カルボキシシリコーン、側鎖カルボキシ−シリコーンおよびオルガノポリシロキサンのうち1つまたは複数のものを含む、請求項1に記載の組成物。
  7. 界面活性剤(陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性/双性イオン性)ならびに本発明のポリカルボジイミドおよびカルボキシシリコーンポリマー以外のポリマー、例えば陰イオンポリマー、非イオンポリマー、両性ポリマー、ポリマーレオロジー調節剤、増粘剤および/または粘度調整剤、会合性または非会合性ポリマー性増粘剤、非ポリマー性増粘剤、真珠様光沢付与剤、乳白剤、染料または色素、香料、鉱油、植物油または合成油、セラミドを含めたワックス、ビタミン類、UVスクリーン剤、フリーラジカルスカベンジャー、ふけ防止剤、脱毛防止剤、育毛剤、保存剤、pH安定剤および溶媒ならびにその混合物から選択される少なくとも1つの添加剤を含む、請求項1に記載の組成物。
  8. 1つまたは複数のレオロジー調節剤および増粘剤/粘度調整剤を含む前記少なくとも1つの添加剤が、アクリル性ポリマー(特に、アクリラート/C10〜30アルキルアクリラートクロスポリマー、カルボマー、アクリラートコポリマー、アクリラートクロスポリマー)、非アクリル性ポリマー、デンプン、サッカリド系ポリマー(例えば、グアー、グアーガム)、セルロース系ポリマー(特に、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースガム、アルキルヒドロキシエチルセルロース、カルボン酸含有セルロース/炭水化物)、非ポリマー性ゲル化剤およびポリマー性ゲル化剤、シリカ粒子、粘土、ヒアルロン酸、アルギン酸ならびにその混合物から選択される水溶性または水分散性の化合物である、請求項7に記載の組成物。
  9. 毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷から保護する、または毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法であって、
    請求項1に記載の組成物を前記ケラチン基質を保護または修復するのに有効な量で前記ケラチン基質に塗布することを含み、
    前記ポリカルボジイミド化合物が、前記組成物の総重量に対して約0.1〜約40.0重量%の濃度で存在する、
    方法。
  10. 前記ケラチン基質に熱を加えることをさらに含み、前記熱を前記ケラチン基質に前記組成物を塗布する前、間または後に加える、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ケラチン基質に疎水性を付与して約50°を上回る接触角をもたらす、請求項9に記載の方法。
  12. 前記ケラチン基質の形状または外形に増大した保持力を与えて前記ケラチン基質に曲げ力特性の改善をもたらす、請求項9に記載の方法。
  13. 少なくとも1つのケラチン基質の耐久性のある非永久的成形または少なくとも1つのケラチン基質の非永久的形状の耐久性のある保持のための方法であって、前記少なくとも1つのケラチン基質に請求項1に記載の組成物を塗布することと、任意選択で、前記少なくとも1つのケラチン基質を加熱することとを含み、加熱を用いる場合、前記加熱の前、前記加熱の間または前記加熱の後に前記組成物を塗布する、方法。
  14. 毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷から保護する、または毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法であって、請求項1に記載の組成物の前記ポリカルボジイミドと前記カルボキシシリコーンポリマーとを、それぞれ少なくとも1つの溶媒を含む予混合物の形で準備し、1段階の工程および2段階の工程から選択される工程に従い前記予混合物を前記ケラチン基質に塗布することを含む、方法。
  15. 前記工程が、
    前記ポリカルボジイミドと前記カルボキシシリコーンポリマーとを含む前記組成物を予混合物として準備し、前記ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーと少なくとも1つの溶媒とを組み合わせることにより調製し、予め混合した前記組成物を前記ケラチン基質に塗布する、1段階の工程;
    前記組成物を、それぞれが前記ポリカルボジイミドと前記カルボキシシリコーンポリマーとを別個に含む別個の予混合物の形で準備し、前記予混合物が、前記ポリカルボジイミドと少なくとも水とを組み合わせて水相を形成させ、別個に前記カルボキシシリコーンポリマーと少なくとも1つの有機溶媒とを組み合わせて非水相を形成させることにより調製したものであり、使用時に、予め混合した前記相を組み合わせて攪拌しエマルションを形成させ、それを前記ケラチン基質に塗布する、1段階の工程;および
    前記組成物を別個の予混合物の形で準備し、前記予混合物が、前記ポリカルボジイミドと水とを組み合わせて水相を形成させ、別個に前記カルボキシシリコーンポリマーと有機溶媒とを組み合わせて非水相を形成させることにより調製したものであり、使用時に、予め混合した前記相をそれぞれ任意の順序で別個に前記ケラチン基質に塗布する、2段階の工程
    から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記工程が、
    前記ケラチン基質に熱を加える段階であって、任意の1つまたは複数の予め混合した組成物を前記ケラチン基質に塗布する前、間または後に前記熱を加える段階、ならびに
    着色、色素沈着、パーマ、弛緩、縮毛矯正およびハイライトから選択されるいずれか1つまたは複数の工程により前記ケラチン基質を処理する段階
    から選択される1つまたは複数の追加の工程段階を任意の順序で含む、請求項14に記載の方法。
  17. 2つ以上の段階の任意の組み合わせにおいて、1つまたは複数の前記予混合物組成物を着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤およびハイライト処理剤のいずれか1つの塗布とともに、塗布の前に、または塗布の後に塗布するために提供する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ポリカルボジイミドおよび前記カルボキシシリコーンポリマーの一方または両方を含む前記少なくとも1つの予混合物が、着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤およびハイライト処理剤のうちの1つも含む、請求項17に記載の方法。
  19. 別個に包装された形態で含むキットを含む製品であって、前記キットが、
    前記ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーとが組み合わさっており、前記予混合物が少なくとも1つの溶媒を含む、請求項1に記載の組成物;および
    前記ポリカルボジイミドとカルボキシシリコーンポリマーとが、ポリカルボジイミドと水を含む少なくとも1つの溶媒とを含む包装された水相予混合物を含み;カルボキシシリコーンポリマーを少なくとも1つの有機溶媒とともに含む包装された非水相予混合物も含む、別個の包装の形で提供され、使用時に、予め混合した前記相を組み合わせて攪拌しエマルションを形成させる、請求項1に記載の組成物
    のうち少なくとも1つのものを含む、製品。
  20. 前記キットが、
    着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤およびハイライト処理剤から選択される処理剤を含む、別個に包装された予混合物;ならびに
    別個に包装された予混合物であって、
    請求項1に記載の組成物の前記ポリカルボジイミドおよび前記カルボキシシリコーンポリマーのうちの少なくとも1つと、
    着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤およびハイライト処理剤から選択される少なくとも1つの処理剤と
    を含む、予混合物
    のうち少なくとも1つのものを含む、請求項19に記載のキットを含む製品。
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