JP2019501922A - ポリカルボジイミドを含有するケラチン基質処理のための組成物 - Google Patents

ポリカルボジイミドを含有するケラチン基質処理のための組成物 Download PDF

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Abstract

ポリカルボジイミドとその誘導体を、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のポリカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質とともに含む、ケラチン基質の質を増強するための組成物。本発明は、ケラチン物質の処理、特にヘアケアおよびヘアスタイリングのための美容的処理および工程に関するものであり、組成物は、ポリカルボジイミドと、少なくとも1つの追加の活性物質を、毛髪繊維を含めたケラチン基質への適用時に、それに疎水性を与えるのに十分な量で含み得る。本発明は特に、耐久性のある非永久的成形および毛髪のカールの増強、湿度下における成形の保持、ならびに縮れ耐性のための毛髪処理組成物および工程に関する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本特許出願は、2015年12月31日に出願された「COMPOSITIONS AND METHODS FOR TREATING KERATINOUS SUBSTRATES」と題する米国特許出願第14,986、370号、「COMPOSITIONS AND METHODS FOR TREATING KERATINOUS SUBSTRATES」と題される米国特許出願第14,986,385号、および「COMPOSITIONS CONTAINING POLYCARBODIIMIDES FOR TREATING KERATINOUS SUBSTRATES」と題される米国特許出願第14,986,047号の利益を主張するものであり、上記出願の開示は、本明細書において完全に書き直されたかのように参照により組み込まれる。
発明の分野
本発明は一般に、ケラチン基質を処理する組成物および方法に関する。より具体的には、本発明は、ポリカルボジイミド化合物と、種々の実施形態では、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択される1つまたは複数のカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のポリカルボン酸化合物、ならびにカチオン性ポリマーから選択される少なくとも1つの追加の活性物質とを有するケラチン処理組成物に関し、該活性物質の組合せは、1つまたは複数の耐久性のある非永久的毛髪成形のために、または少なくとも1つのケラチン繊維の非永久的成形の耐久性のある保持のために使用され、ケラチン繊維の外因性損傷からの保護またはケラチン繊維の熱、UV照射/または化学的損傷により受けた影響の修復を可能とする。
ケラチン基質、例えば毛髪、皮膚、爪および唇などのケラチン繊維の外観および/または状態は、外的因子および加齢などの内的因子の両方による影響を受けることが多い。特に、ケラチン基質が環境条件、例えば高湿度もしくは低湿度または太陽からの紫外線に曝されると、その望ましい特性の多くが失われ、場合によっては損傷を受けることもある。ケラチン繊維、特に毛髪は、厳しい外的条件、例えば、太陽、例えば界面活性剤、脱色、弛緩、染色およびパーマネントウェービングによる化学的損傷、例えばヘアドライヤまたはカーラによる熱ならびに例えばブラッシング行動または身繕い行動による機械的応力または機械的摩耗などに常に曝されている。さらに、いかなるタイプの毛髪でも、加齢による時間の経過ならびに/あるいは自然な脂によるべたつき、発汗、頭皮からの皮膚細胞の脱落、汚染、汚れおよび極端な湿度条件などの諸因子により量ならびに/あるいは質が低下することがある。
上記の因子は、薄毛をもたらし、かつ/または毛髪の外観および感触を損ない、毛髪のやせ細りおよびボリュームの減少を引き起こすことがある。例えば、低湿度条件下および高湿度条件下では、毛髪が乾燥してその輝きを失うか、または縮れて扱いにくくなることがある。低湿度条件下では、毛髪が乾燥することがあり、乾燥した毛髪は輝きが低下し脆くなる傾向がある。逆に高湿度条件下では、毛髪が水分を吸収して形崩れを起こし、扱いにくく魅力のないものとなる傾向がある。さらに、毛髪に対するブラッシングおよび加熱などの物理的ストレスにより、毛髪がその望ましい特性を失うことがある。これらの因子による影響の大きさは、例えば髪質、長さ、スタイルおよび環境因子によって様々である。このように、これらの因子は一般に、毛髪表面の保護物質(キューティクル)に影響を及ぼすことにより、または毛髪繊維内部(コルテックス)を変化させることにより、ケラチン繊維に損傷をもたらす。
より具体的には、外的条件によって毛髪表面から保護物質が剥がれ、かつ/または毛髪繊維のα構造と呼ばれる組織化された構造が崩壊し、それに伴い引張強度が低下し得る。外的因子による毛髪へのこのような損傷は、毛髪繊維が根から成長するほど毛髪がこのような外的因子に長期間曝されるため、より顕著になる。実際、毛髪には成長に伴う「損傷歴」とも呼べるものが備わっている、すなわち、根から離れているほど引張強度が低く、それまでに起こったα構造の破壊が大きい。その結果、消費者は、毛髪の外観を保護して増強し、かつ有害な環境条件、光損傷および物理的ストレスによる有害作用を軽減するヘアケア組成物およびヘア化粧品組成物などの製品を求め続けている。
形態学的には、毛髪繊維には4つの構造単位、すなわち、キューティクル、コルテックス、メデュラおよび細胞間セメントが含まれている。Robbins,C.R.Chemical and Physical Behavior of Human Hair,第3版,Springer−Verlag(1994)。キューティクル層は毛髪表面に位置し、平たい重なった細胞(「スケール」)からなる。このスケールは根端に付着し、繊維の遠位端(頂端)の方向を向いており、毛髪コルテックスを囲む層を形成している。コルテックスは毛髪繊維の主要な部分を占めている。コルテックスは繊維軸に沿って並んだ紡錘形の細胞、すなわちマクロフィブリルからなる。マクロフィブリルはさらに、不定形のタンパク質構造のマトリックスに埋め込まれたミクロフィブリル(高度に組織化されたタンパク質単位)からなる。メデュラは繊維の中心にある多孔性の領域である。メデュラは羊毛繊維と共通する部分であるが、太いヒト毛髪繊維にのみみられる。最後に、細胞間セメントは、細胞同士を結合させ繊維内への拡散のための主要経路を形成している材料である。
毛髪の機械的特性はコルテックスによって決まる。コルテックス組織化については2相モデルが提唱されている。Milczarekら,Colloid Polym.Sci.,270,1106−1115(1992)。このモデルでは、非透水性のマイクロフィラメント(「ロッド」)が繊維軸と平行に配向されている。マイクロフィラメントは透水性のマトリックス(「セメント」)に埋め込まれている。マイクロフィラメント内では、コイル状のタンパク質分子が特有の高度に組織化された方法で配置されており、毛髪繊維の結晶化度を示す。
毛髪繊維には他の結晶構造と同じように、広角X線回折により調べると明確な回折パターンがみられる。通常の伸長させていない毛髪繊維では、このパターンは「アルファパターン」と呼ばれる。毛髪のアルファパターンまたはα構造は特有の反復する間隔(9.8Å、5.1Åおよび1.5Å)を特徴とする。このX線回折パターンを示すタンパク質はいずれもαタンパク質と呼ばれ、特にヒトの毛髪および爪、羊毛ならびにヤマアラシの棘がこれに含まれる。毛髪繊維を水中で伸長させると、新たな間隔(9.8Å、4.65Åおよび3.3Å)をもつ「ベータパターン」と呼ばれる新たなX線回折パターンが現れる。
毛髪の損傷はキューティクルおよび/またはコルテックスで起こり得る。正常な毛髪が熱、化学処理、UV照射および/または物理的/機械的手段によって損傷を受けると、毛髪に無数の化学的および物理的変化が誘発される。例えば、これらの損傷過程は、キューティクルのスケールを剥がすか、もしくはこれに損傷を与え、または毛髪に疎水性18−メチルエイコサン酸(「18−MEA」)層を保持するチオエステル結合を切断することが知られている。このため、損傷を受けていない毛髪が顕著な疎水性を示すのに対し、損傷を受けた毛髪は表面の脂質が除去されたことによる顕著な親水性を示すのがよく観察されている。
このため、ケラチン繊維の化学的および物理的構造を厳しい外部条件から保護し、外部条件による損傷後に毛髪の物理的特性を損傷前の状態に回復させるのに有用な化粧品が必要とされている。より具体的には、毛髪にそのコルテックスを保護するバリアをもたらし得る耐水性かつ/または疎水性かつ/または保護性の物質、組成物または方法が必要とされている。このような保護バリアは、通常の日常的活動により時間の経過とともに基質から容易に移動するものであってはならない。さらに、保護バリアは、容易に除去されないよう耐シャンプー性、耐洗浄性または耐水性のものであるべきである。非移動性で耐シャンプー性、耐洗浄性または耐水性の化粧品組成物、ヘアケア組成物およびスキンケア組成物であって、それが接触する基質(例えば、衣類)に一部さえ移動しない沈着物を形成するという利点を有する組成物が求められている。水、雨または涙に曝されても皮膚および唇から容易に「流出」することも洗い流されることもない組成物を有することも望ましい。したがって、基質に保護バリアをもたらし、耐シャンプー性、耐洗浄性または耐水性かつ非移動性でもある製品は、化粧品の分野に有益なものであると思われる。このため、ヘアケア製品およびスキンケア製品などの化粧品の製造業者は、そのような有益性をもたらし得る物質および成分を求め続けている。
さらに、今日の市場では、非永久的ヘアスタイル、すなわち、非永久的毛髪成形によって得られるスタイルの柔軟性を好む消費者が多い。このような非永久的スタイルは通常、毛髪が濡れたとき、特に毛髪を水および/またはシャンプーで洗浄したとき、あるいは毛髪が高湿度条件に曝されたときに消失する。ケラチン繊維を非永久的に成形する方法としては、例えば、任意選択で市販のスタイリング製品を用いたブラッシング、逆毛立て、髪編み、ヘアローラの使用および加熱スタイリングが挙げられる。加熱スタイリングの非限定的な例としては、高温を用いるブロー乾燥、縮毛化、カーリングならびに縮毛矯正(例えば、カーラおよび加熱による毛髪のセッティング、カーリングアイロンおよび/またはホット/スチームローラおよび/またはフラットアイロンによるカーリングなど)が挙げられる。
このような組成物および方法はケラチン繊維の非永久的成形をもたらし得るが、多くの消費者が、大部分の既知の物質(例えば、フィルム形成剤、レジン、ガムおよび/または接着性ポリマー)、市販製品(例えば、従来のヘアスプレー、ムース、ジェルおよびローション)ならびにこれらの物質および製品を用いる方法がもたらすよりも長期間持続する、または耐久性のあるスタイリング/成形も望んでいる。例えば、多くの消費者が、非永久的なカール形成またはヘアスタイルを改善および保持する組成物および方法を望んでいる。
さらに、多くの人々は、特定の非永久的な形状またはスタイルの毛髪などのケラチン繊維を保持する組成物および方法を望んでいる。特定のヘアスタイルを保持するのによく用いられる方法の1つが、通常髪を整えた後に塗布するヘアスプレーを使用するものである。ヘアスタイルまたはケラチン繊維の形状を保持するその他の方法としては、ムース、ジェルおよびローションの使用が挙げられる。これらの組成物中の物質には一般に、フィルム形成剤、レジン、ガムおよび/または接着性ポリマーがある。
このため、整えた/成形した/カールした毛髪を有害な環境因子および物理的因子に曝したとき、ならびに/あるいは濡れたとき、洗浄したとき、またはシャンプーしたときでも、より耐久性のある、または長期間持続する形状またはスタイルがもたらされる物質、組成物および方法が必要とされている。
上記およびその他の利点の少なくとも1つを得るため、本発明は、ポリカルボジイミド化合物と、脂肪酸、それらの塩およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物とをケラチン繊維の疎水性を付与または改善するのに有効な量で含む組成物をケラチン繊維に塗布することにより、ケラチン基質、より具体的には、毛髪、睫毛および眉から選択される前述のケラチン繊維を加熱、UV照射または化学処理によって引き起こされる外因性損傷から保護および/または修復する方法を提供する。
ある例示的実施形態では、ポリカルボジイミド化合物と、脂肪酸、それらの塩およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物とを含む、ケラチン処理組成物が開示される。この組成物は、ポリカルボジイミド化合物と、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物とを、組成物の総重量に基づき、総量約0.25〜約10.0重量%、または約0.5〜約8重量%、または約1〜約5重量%含む。この組成物は、ポリカルボジイミド化合物と、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物とをそれぞれ、ケラチン基質に塗布後それに疎水性または増大した疎水性およびケラチン基質の形状または外形に増大した保持力のうち1つまたは複数のものを与えるのに十分な量で含む。
別の例示的実施形態では、毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射もしくは化学処理によって引き起こされる外因性損傷から保護する、または毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射もしくは化学処理によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法。この方法は、ポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物とを含む組成物をケラチン基質を保護または修復するのに有効な量でケラチン基質に塗布することを含み;ポリカルボジイミド化合物は、組成物の総重量に基づき、約0.15重量%〜約8重量%の濃度で存在する。
別の例示的実施形態では、ポリカルボジイミド化合物とポリカルボン酸化合物とを含むケラチン処理組成物が開示される。この組成物は、ポリカルボジイミド化合物とポリカルボン酸とを、組成物の総重量に基づき、総量約0.1重量%〜約20.0重量%含む。この組成物は、塗布時にケラチン繊維または毛髪などのケラチン基質に疎水性を付与したり、またはケラチン基質の疎水性を改善したりするのに十分な、ポリカルボジイミド化合物と、ポリカルボン酸化合物のそれぞれの量を含む。
別の例示的実施形態では、毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン繊維を加熱、UV照射もしくは化学処理によって引き起こされる外因性損傷から保護する、または毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン繊維を加熱、UV照射もしくは化学処理によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法。この方法は、ポリカルボジイミドと、ポリカルボン酸化合物とを含む組成物をケラチン繊維を保護または修復するのに有効な量でケラチン繊維に塗布することを含み;ポリカルボジイミド化合物は、組成物の総重量に基づき、約0.05重量%〜約18.0重量%の濃度で存在する。
別の例示的実施形態では、少なくとも1つのケラチン繊維の耐久性のある非永久的成形または少なくとも1つのケラチン繊維の非永久的形状の耐久性のある保持の方法が開示される。この方法は、ポリカルボジイミドとポリカルボン酸化合物を含む組成物を、少なくとも1つのケラチン繊維に塗布することを含む。
さらに別の例示的実施形態では、ポリカルボジイミド化合物と陽イオンポリマーとを含むケラチン処理組成物が開示される。この組成物は、ポリカルボジイミド化合物と陽イオンポリマーとを、組成物の総重量に基づき、総量約0.5重量%〜約40.0重量%、ある特定の実施形態では、約2重量%〜約4重量%含む。この組成物は、塗布時にケラチン繊維または毛髪などのケラチン基質に疎水性を付与したり、またはケラチン基質の疎水性を改善したりするのに十分な、ポリカルボジイミド化合物と、陽イオンポリマーのそれぞれの量を含む。
別の例示的実施形態では、毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン繊維を加熱、UV照射もしくは化学処理によって引き起こされる外因性損傷から保護する、または毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン繊維を加熱、UV照射もしくは化学処理によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法。この方法は、ポリカルボジイミドと、陽イオンポリマーとを含む組成物をケラチン繊維を保護または修復するのに有効な量でケラチン繊維に塗布することを含み;ポリカルボジイミド化合物は、組成物の総重量に基づき、0.25〜20.0重量%の濃度で存在する。
本発明の別の実施形態は、毛髪から選択されるケラチン基質を保護する方法であって、毛髪を化学的に処理する(例えば、永久染料組成物、半永久(semi−permanent)染色組成物または半永久(demi−permanent)染色組成物を用いて毛髪を染める、化学的酸化剤により毛髪の色を脱色する/増白する、または明るくする、化学的還元剤/酸化剤を用いて毛髪にパーマをかける、苛性アルカリ溶液組成物および非苛性アルカリ溶液組成物を用いて毛髪を弛緩させる、化学的縮毛矯正剤を用いて毛髪を縮毛矯正する)前、間または後に、前述のケラチン基質を保護または修復するのに有効な量の本発明の組成物をケラチン繊維に塗布することを含む、方法である。
いくつかの実施形態では、いずれか1つの上記の組成物のケラチン基質を加熱し、基質を加熱する前、間または後に組成物を基質に塗布する。
別の例示的実施形態では、少なくとも1つのケラチン基質の耐久性のある非永久的成形または少なくとも1つのケラチン基質の非永久的形状の耐久性のある保持の方法が開示される。この方法は、ポリカルボジイミド化合物と、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質とを含む組成物を、前述の少なくとも1つのケラチン基質に塗布することを含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法は、いずれかの上記の組成物の塗布前、塗布中または塗布後にケラチン基質を加熱する段階を含む。
別の例示的実施形態では、少なくとも1つのケラチン繊維の耐久性のある非永久的成形または少なくとも1つのケラチン繊維の非永久的形状の耐久性のある保持の方法が開示される。この方法は、上記で準備した組成物を、少なくとも1つのケラチン繊維に塗布することを含む。
いくつかのこのような実施形態では、方法は、1段階工程を含み、この工程では、ポリカルボジイミドおよび少なくとも1つの追加の活性物質、ならびに溶媒を含む組成物がケラチン基質上で調製および塗布される。
その他の実施形態では、方法は、2段階塗布工程を含み、この工程では、個々の成分(溶媒と混合したポリカルボジイミドおよび溶媒と混合した少なくとも1つの追加の活性物質)を任意の順序で段階的にケラチン基質に塗布して基質を処理する。このような一実施形態では、ケラチン基質は、最初に、ポリカルボジイミド相で処理され、続けて、少なくとも1つの追加の活性物質を含む相で処理される。
いくつかの実施形態では、上記の方法は、上記の組成物の塗布前、塗布中または塗布後にケラチン繊維を加熱する段階を含む。
本発明は、いずれか1つの上に開示される組成物をケラチン組織の表面、例えば毛髪繊維のキューティクルなどに塗布することによる、ケラチン繊維などのケラチン組織の美容処理の方法にも関する。
本発明は、いずれか1つの上に開示される組成物をケラチン組織の表面、例えば毛髪繊維のキューティクルなどに段階的方法で塗布することによる、ケラチン繊維などのケラチン組織の美容処理のための方法およびキットにも関する。いくつかのこのような実施形態では、キットは、1つまたは複数の粘度を高めたまたは粘度を高めていない水相および非水相中に準備した本発明の組成物の1つまたは複数の活性物質を包装したものと、上記のいずれかのものを着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤およびハイライト処理剤から選択される1つまたは複数の処理剤と包装したものとを別個に含む。
本発明のその他の特徴および利点は、例として本発明の原理を説明する代表的実施形態に関する以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
実施例または別途明記される場合以外、成分および/または反応条件の量を表すあらゆる数値は、いずれの場合も示される数値の10%以内であることを意味する(例えば、「約10%」は9%〜11%を意味し、「約2%」は1.8%〜2.2%を意味する)「約」という用語によって修飾されているものとして解釈するべきである。
本明細書で使用される冠詞「a」および「an」は、本明細書および請求項に記載される本発明の実施形態の任意の特徴に適用される場合、1つまたは複数を意味する。「a」および「an」の使用は、限定されることが具体的に記載される場合を除き、その意味を単一の特徴に限定するものではない。単数形または複数形の名詞または名詞句の前にある冠詞「the」は、1つまたは複数の特定の具体的特徴を表し、それが使用される文脈に応じて単数または複数の意味を含み得る。形容詞「any」は、あらゆる量のうちの1つ、一部または全部を無差別に意味する。
本明細書で成分または原料のパーセント量に関して使用される「活性物質」は、成分または原料の100%の活性を指す。
本明細書で使用される「ケラチン繊維に組成物を塗布すること」および「毛髪に組成物を塗布すること」という用語ならびにこれらの語句の変化形は、任意の方法で繊維または毛髪と本発明の少なくとも1つの組成物とを接触させることを意味するものとする。
本明細書で使用される「少なくとも1つ」は、1つまたは複数を意味し、したがって、個々の構成要素および混合物/組合せを包含する。
本明細書で使用される「comprising(含む)」という用語(およびその文法的変化形)は、「having(有する)」または「including(含む)」という包括的な意味で使用されるものであり、「consisting only of(〜のみからなる)」という排他的な意味で使用されるものではない。
本明細書で使用される「コンディショニング」は、毛髪に櫛通り、扱いやすさ、保湿性、艶、光沢、柔らかさおよびハリの内の少なくとも1つのものを与えることを意味する。
本明細書で使用される「耐久性のあるコンディショニング」は、毛髪などのケラチン繊維を本開示の組成物で処理した後、シャンプー/洗浄/すすぎを少なくとも1回実施してもなお、処理毛髪が未処理毛髪よりもコンディションの整った状態にあることを意味する。コンディショニングの状態は、櫛通し作業(gm−in)からみた処理毛髪と未処理毛髪の櫛の通りやすさおよび/またはコンディショニング剤の毛髪に対する定着性および/または接触角測定値(毛髪表面での水滴の広がり)により評価することができる毛髪の疎水性を測定および比較することにより評価することができる。
本明細書で使用される「耐久性のある形状保持」は、毛髪などのケラチン繊維を本開示の組成物で処理した後、シャンプー/洗浄/すすぎを少なくとも1回実施してもなお、未処理毛髪が示すスタイリング後の特定の形状または望ましい形状を保持する能力と比較して処理毛髪がスタイリング後の特定の形状または望ましい形状を保持する能力を示すことを意味する。「耐久性のある形状保持」は、接触角測定値(毛髪表面での水滴の広がり)により評価することができる毛髪の疎水性とも関係がある。
本明細書で使用される「耐久性のある成形」は、ケラチン繊維が水および/またシャンプーで洗浄されるまでケラチン繊維の形状を保持あるいは維持することを指す。形状の保持は、相対湿度の高い条件下での処理毛髪および未処理毛髪のカール保持能力をカール効率から測定および比較することにより評価することができる。「耐久性のある成形」は、接触角測定値(毛髪表面での水滴の広がり)により評価することができる疎水性の毛髪に与えることとも関係がある。
「加熱」は、高温(すなわち、室温を上回る温度、例えば40℃以上など)の使用を指す。一実施形態では、本発明の方法における加熱は、少なくとも1つのケラチン繊維と熱源とを直接接触させること、例えば少なくとも1つのケラチン繊維の加熱スタイリングによりもたらされ得る。少なくとも1つのケラチン繊維と直接接触させることによる加熱スタイリングの非限定的な例としては、高温を用いるフラットアイロン法およびカーリング法(例えば、カーラおよび加熱による毛髪のセッティング、カーリングアイロンおよび/またはホットローラを用いるカーリング)が挙げられる。別の実施形態では、本発明の方法における加熱は、少なくとも1つのケラチン繊維と直接接触し得ない熱源で少なくとも1つのケラチン繊維を加熱することによりもたらされ得る。少なくとも1つのケラチン繊維と直接接触し得ない熱源の非限定的な例としては、ブロードライヤ、フードドライヤ、加熱キャップおよびスチーマが挙げられる。
本明細書で使用される「熱活性化した」組成物は、例えば、組成物の塗布時または塗布後に加熱しない同じ組成物よりも良好に少なくとも1つのケラチン繊維を成形する組成物を指す。別の例としては、塗布時または塗布後に加熱しない同じ組成物よりも良好に少なくとも1つのケラチン繊維の形状を保持する組成物が挙げられる。
本明細書で定義される「高湿度」は、40%を上回る大気湿度を指す。
本明細書で使用される「洗浄サイクル」という用語は、ケラチン基質を洗浄する段階または工程を指し、界面活性剤系の製品(例えば、シャンプー、コンディショナまたはボディウォッシュ)で基質を処理し、次いで基質を水で洗浄する、またはすすぐことを包含し得る。「洗浄サイクル」という用語は、基質を水で洗浄する、またはすすぐことも包含し得る。
「均一」は、全体が実質的に一様である外観を呈している、すなわち、視覚的に単相のエマルションおよび/または分散液のように見えることを意味する。
本明細書で使用される「ケラチン基質」は、特に限定されないが、皮膚、毛髪および爪を包含する。本明細書で使用される「ケラチン基質」は「ケラチン組織」または「ケラチン繊維」も包含し、本明細書で定義されるこれらのものは、ヒトケラチン繊維であり得、例えば、ヒト頭髪などの毛髪または睫毛を構成する毛髪もしくは体毛から選択され得る。
本明細書で使用される「スタイル」または「スタイリング」という用語は、毛髪などのケラチン繊維を特定の配置、形態もしくは外形に成形、縮毛矯正、カールまたは配置すること;またはケラチン繊維もしくはその他の基質の曲率を変化させること;またはケラチン繊維もしくはその他の基質を異なる配置、形態もしくは外形に再配置すること;またはケラチン繊維の形状もしくは外形に保持力をもたらす/維持させることを包含する。いくつかの実施形態では、繊維の外形の形状に対する保持力は、曲げ力特性の改善として表し得る。
本明細書で使用される「ケラチン繊維のスタイリング」という用語およびその変化形は、ケラチン繊維または毛髪の空間的配置、外形、曲率または形態の外観を修正する任意の手段または方法を指すものと理解される。ケラチン繊維がヒト頭髪を含む場合、「ケラチン繊維のスタイリング」または「毛髪のスタイリング」という用語はまた、毛髪にカール、ウェーブもしくはエンボスを施すこと、毛髪にスムージングもしくは縮毛矯正を施すこと、毛髪を尖らせること、またはケラチン繊維の形状もしくは外形に保持力をもたらす/維持させることを包含するものと理解される。
本明細書で使用される「処理する」という用語(およびその文法的変化形)は、ケラチン繊維、毛髪または皮膚などのケラチン基質への本発明の組成物の塗布を指す。
本明細書では、特に限定されないがポリマーおよび任意選択の成分を含めた物質に対して商品名が引用される。本発明者らは本明細書において、特定の商品名により記載および引用される物質に限定されることを意図するものではない。本明細書に記載および特許請求される方法では、等価な物質(例えば、商品名により引用されるものとは異なる供給源から異なる名称またはカタログ(参照番号)で入手されるもの)で代用してもよい。
百分率および比はいずれも、特に明示されない限り重量により算出される。百分率はいずれも、特に明示されない限り組成物の総重量に基づき、算出される。あらゆる成分または組成物のレベルは、その成分または組成物の活性レベルに関するものであり、不純物、例えば、市販の入手源中に存在し得る残留溶媒または残留副産物を除外したものである。
本発明の目的の1つは、毛髪、特に損傷した毛髪に天然の/損傷してない物理的特性、例えば疎水性、櫛の通りやすさなどを与える保護バリアを毛髪などのケラチン基質にもたらすとともに、天然の/損傷していない毛髪を模倣する耐久性のある、または長期間持続する物理的特性を処理毛髪に与える、物質、組成物および方法を提供することである。少なくとも1つのケラチン繊維の耐久性のある非永久的成形の保持または非永久的形状の耐久性のある保持が保たれるようケラチン基質の湿度およびその他の環境条件に対する耐性を改善する、物質、組成物および方法を提供することも本発明の目的の1つである。
本発明者らは、驚くべきことに、また予想外にも、ポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のポリカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質との組合せを含有する化粧用途のための組成物を毛髪などのケラチン基質に塗布すると、同組成物が諸特性(疎水性、付着力、耐化学性、耐水性など)を増強し、基質に対して優れた性能を発揮することを発見した。本開示の諸実施形態では、ポリカルボジイミド化合物と、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物との組合せが毛髪の諸特性を増強し、この組合せは、コンディショニング効果(例えば、疎水性、光沢および滑らかさ)を増大させ、毛髪の強度を高め、毛髪の硬さおよび耐湿性を増大させ、損傷した毛髪のコンディションを毛髪の外観および質の改善(例えば、より滑らかな感触、より柔らかい感触、縮れの軽減、乾燥の軽減、まとまりやすさ)により改善する。さらに、本開示による組成物は、毛髪に櫛が通りやすく、かつ/または毛髪が絡まりにくいことを示す櫛通り力の有意な減少をもたらす。ポリカルボン酸化合物は、本明細書の以降でさらに記載のように、溶媒系および水系とすることができる。
本開示による組成物は、カール/成形した毛髪にパーセントカール保持の増大をもたらし、高湿度および高温に対する毛髪の耐性がいずれかの物質を単独で含む組成物と比較して高いことが示された。
本発明者らは、驚くべきことに、また予想外にも、本開示による組成物で処理しカール/成形した毛髪が毛髪のシャンプー/洗浄後にもその形状を維持する(すなわち、カール保持度が同じまたはほぼ同じである)ことも発見した。
さらに、本開示による組成物は、1段階工程で、または2段階工程などの多段階工程で塗布し得る。
いかなる理論にも束縛されるものではないが、本開示の発明者らは、ポリカルボジイミド化合物と、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のポリカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質とを含む本発明のケラチン処理組成物を毛髪または皮膚などのケラチン基質に塗布すると、その組成物が互いにおよびケラチン基質と反応すると考えている。さらに、本開示の組成物は、ヘアケア、毛髪スタイリング、ネイルケア、メーキャップ、スキンケア、およびサンケア製品などの化粧用途に有用な保護バリアをもたらすことにより、ケラチン基質の疎水性が改善または回復し、顕著に良好な化粧特性、感触および外観ならびに毛髪および皮膚などの基質の損傷状態の軽減がもたらされるとも考えている。
本発明による組成物は、ポリカルボジイミド化合物と、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のポリカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質とを含む組成物である。組成物は、毛髪処理または毛髪修復に適した他の成分を含み得る。例えば、ポリカルボジイミド化合物と、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物とに加えて、既知の溶媒および/または添加剤を用いて組成物にさらなる有益性をもたらし得る。ポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物の両方を組み合わせて用いて本発明の組成物を形成する場合、ケラチン繊維の疎水性の有意な増大がもたらされる。
会合がケラチン基質の形状または外形に疎水性および/または保持力をもたらす組成物の重量濃度の範囲は、ポリカルボジイミド化合物と、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物の総量約0.1%〜約10%である。ポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物の会合が毛髪などのケラチン基質に疎水性をもたらすその重量比の範囲は、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、約20:1〜約20:1または例えば約10:1〜約1:10などもしくは例えば約20:1〜約1:1などである。ある特定の実施形態では、ケラチン基質に疎水性を与える本開示の組成物中のポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物の重量比は、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:7、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1または約2:1である。
さらに、会合がケラチン基質の形状または外形の疎水性および/または保持力をもたらす組成物の重量濃度の範囲は、ポリカルボジイミド化合物と、ポリカルボン酸化合物の総量約0.1%〜約20%である。ポリカルボジイミドと、ポリカルボン酸化合物の会合が毛髪などのケラチン基質に疎水性をもたらす重量比の範囲は、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、約1:1〜約1:20または例えば約1:1〜約1:10などである。ある特定の実施形態では、ケラチン基質に疎水性を与える本開示の組成物中のポリカルボジイミドと、ポリカルボン酸の重量比は、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:7、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10である。
さらに、他の実施形態では、本発明による組成物は、ポリカルボジイミド化合物と陽イオンポリマー化合物とを含む組成物である。会合が疎水性をもたらす組成物の重量濃度の範囲は、合計活性物質の0.5%〜40%である。ポリカルボジイミドと、陽イオンポリマー化合物の比率の範囲は、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、約1:10〜約10:1または約1:5〜約5:1、または例えば、約1:1または約1:2または約1:3または約1:4または約1:5または約1:7または約1:7または約1:8または約1:9または約1:10または約10:1または約9:1または約8:1または約7:1または約8:1または約7:1または約6:1または約5:1または約4:1または約3:1または約2:1などである。
活性物質
ポリカルボジイミド
カルボジイミド基は、一般に式(I):*−(N=C=N)−*(I)によって表される直鎖状の三原子部分である。
少なくとも1つの窒素が主鎖または他の架橋基と結合するか、またはその中に組み込まれて、少なくとも2つのカルボジイミド基を有する分子を生じる。
ポリカルボジイミド
一実施形態では、上記のように少なくとも2つのカルボジイミド単位からなるポリカルボジイミドを式(II):
Figure 2019501922
によって表すことができ、
式中、XおよびXはそれぞれ独立して、O、SまたはNHを表す。RおよびRは、1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)の窒素、硫黄および酸素などのヘテロ原子を含む炭化水素基およびイオン性もしくは非イオン性のセグメントであり得る直鎖状もしくは分岐鎖状および環状もしくは非環状の基または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る一部もしくは全部がフッ素化された炭化水素基から選択され;nおよびzはそれぞれ独立して、0〜20の整数であり;L(カルボジイミド基のリンカー)は、C〜C18二価脂肪族炭化水素基、C〜C13二価脂環式炭化水素基、C〜C14二価芳香族炭化水素基およびC〜C12二価複素環基から選択され;複数のLは互いに同一であっても異なっていてもよく、別の実施形態では、式(II)のLは、C〜C18二価脂肪族炭化水素基、C〜C13二価脂環式炭化水素基、m−テトラメチルキシリレンから選択されないC〜C14二価芳香族炭化水素基およびC〜C12二価複素環基から選択され;複数のLは互いに同一であっても異なっていてもよく;
Eは以下の式
O−R−O;S−R−S;および
−N−R−N−R
から選択されるラジカルであり、
式中、RおよびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)(すなわち、鎖中で炭素のみと結合している)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る、芳香族ラジカル、脂環式ラジカル、アリールラジカルおよびアルキルラジカル(直鎖状または分岐鎖状)を含めた炭化水素ラジカルであり、Rは、水素あるいはハロゲン原子または1つもしくは複数のカテナリ型(catenary)(すなわち、鎖中で炭素のみと結合している)もしくは非カテナリ型(non−catenary)ヘテロ原子を含み得る炭化水素ラジカルである。
R1およびR2の例は、グリコール酸メチル、乳酸メチル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジアルキルアミノアルコールであり得る。
L1の例は、トリレン、ヘキサメチレン、水素化キシリレン、キシリレン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン、1,12−ドデカン、ノルボルナン、2,4−ビス−(8−オクチル)−1,3−ジオクチルシクロブタン、4,4’−ジシクロヘキシルメタン、テトラメチルキシリレン、イソホロン、1,5−ナフチレン、4、4’ジフェニルメタン、4、4’ジフェニルジメチルメタン、フェニレンのジラジカルであり得る。
ポリカルボジイミドは、複数のカルボジイミド基がポリマー主鎖に付加されたポリマーを含み得る。例えば、米国特許第5,352,400号(その開示は全体が記載された場合と同様にあらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる)には、アルファ−メチルスチリル−イソシアナートから誘導されたポリマーおよびコポリマーが開示されている。このようなポリマーは式(III)
Figure 2019501922
で表され、式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基(いくつかの特定の実施形態では1〜24個の炭素原子を有する)である。
別の実施形態では、本開示によるポリカルボジイミドは、式(IV)で示されるような分岐鎖構造を有するポリカルボジイミドおよびTechnology for Waterborne Coatings,E.J.Glass編,ACS Symposium 663,1997の第8章;The Application of Carbodiimide Chemistry〜Coating,by J.W.TaylorおよびD.R.Bassett(その開示は全体が記載された場合と同様にあらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている分岐鎖構造を有するポリカルボジイミドを含む。
Figure 2019501922
(式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基(いくつかの特定の実施形態では1〜24個の炭素原子を有する)である。)
一実施形態では、本開示の組成物は、m−テトラメチルキシリレンから選択されるリンカーLを有するポリカルボジイミドを用いないものである。
適切なポリカルボジイミド化合物としては、特に限定されないが、供給業者のNisshinbo社、Picassian社および3M社から販売されているものが挙げられる。特に適切なポリカルボジイミド化合物としては、特に限定されないが、Nisshinbo社から市販されCARBODILITEシリーズ、V−02、V02−L2、SV−02、E−02、V−10、SW−12G、E−03Aの名称で知られるものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリカルボジイミドは、式(II)の化合物から選択され、L1(カルボジイミド基のリンカー)が、C1〜C18二価脂肪族炭化水素基、C3〜C13二価脂環式炭化水素基、C3〜C12二価複素環基またはC6〜C14二価芳香族炭化水素基を表し、複数のLが互いに同一であっても異なっていてもよい。
他の実施形態では、本開示のポリカルボジイミドは、式(II)の化合物から選択され、式中、L1はm−テトラメチルキシリレンから選択されない。
ある特定の実施形態では、本開示の組成物は、m−テトラメチルキシリレンから選択されるリンカーL1を有するポリカルボジイミドを含まない。
ポリカルボジイミドが、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物と組み合わされる様々な実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は、本開示による組成物中に約0.01%〜約10%、いくつかの実施形態では約0.15%〜約8%、いくつかの実施形態では約0.2%〜約7%、およびいくつかのさらなる実施形態では約0.25%〜約5%の範囲の量で存在する。いくつかの代表的実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は、約0.1%〜約5%および約0.2%〜約3%存在する。さらに他の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は少なくとも0.15%存在する。また、さらに他の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は少なくとも0.25%〜最大約10%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約3%、または約2.75%、または約2.5%、または約2%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約0.75%、または約0.5%存在する。いくつかの他の特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約0.25%存在する。
したがって、ポリカルボジイミド化合物は、中および間の増分および範囲を含め、約0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%〜約10重量%存在し得る。
ポリカルボジイミドがポリカルボン酸化合物と組み合わされるその他の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は、本開示による組成物中に約0.01%〜約20%、いくつかの実施形態では約0.25%〜約18%、いくつかのさらなる実施形態では約0.25%〜約10%の範囲の量で存在する。いくつかの代表的実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は、約0.1%〜約5%存在する。さらに他の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は少なくとも0.1%存在する。また、さらに他の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は少なくとも0.1%〜最大約18%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約2.5%、または約3%、または約4%、または約5%、または約6%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約2%〜約4%存在する。いくつかのその他の特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約5%〜約8%存在する。
したがって、ポリカルボジイミド化合物は、中および間の増分および範囲を含め、約0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%〜約20重量%存在し得る。
ポリカルボジイミドが陽イオンポリマーと組み合わされるさらに他の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は、本開示による組成物中に約0.01%〜約20%、いくつかの実施形態では約0.01%〜約15%、いくつかのさらなる実施形態では約0.5%〜約10%の範囲の量で存在する。いくつかの代表的実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は、約0.5%〜約5%存在する。また別の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は少なくとも0.5%存在する。また別の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は少なくとも0.5%〜最大約20%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約2%、または約3%、または約4%、または約5%、または約6%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約3%〜約4%存在する。いくつかの他の特定の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は約6%〜約8%存在する。
したがって、ポリカルボジイミド化合物は、中および間の増分および範囲を含め、約0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%〜約20重量%存在し得る。
脂肪酸から選択されるカルボン酸化合物
本開示の組成物は、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのカルボン酸化合物を用いる。
本開示のカルボン酸化合物は一般に、6〜30個の炭素原子、ある特定の実施形態では9〜30個の炭素原子、ある特定の実施形態では9〜22個の炭素原子を含む炭素鎖を有し、炭素鎖が任意選択で、例えば1つまたは複数の(特に1〜4つの)ヒドロキシル基で置換されている、飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸から選択され得る。本開示の脂肪酸が不飽和である場合、これらの化合物は1〜3個の共役または非共役炭素間二重結合を含み得る。
本開示のカルボン酸化合物の適切な例には、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘニン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ヒドロキシステアリン酸、ジリノール酸、オクタデセン二酸、およびそれらの混合物がある。
本開示のカルボン酸化合物は、脂肪酸の塩、特に脂肪酸のアルカリ金属塩(金属石鹸)および脂肪酸の有機塩基塩からも選択され得る。
使用し得るアルカリ金属には、ナトリウム、カリウム、リチウムおよびこれらの混合物が挙げられる。ある特定の実施形態では、アルカリ金属はナトリウムである。
いくつかの実施形態では、脂肪酸のアルカリ金属塩の金属は特に、ナトリウム、亜鉛またはマグネシウムであり得る。
他の実施形態では、脂肪酸の有機塩基塩は、脂肪酸をアンモニア、モノエタノールアミンまたはトリエタノールアミンなどの有機塩基で中和することによって得られる。
脂肪酸の中和率は、70〜90%の範囲であり得、ある特定の実施形態では、大部分が80〜85%の範囲であり得る。
本開示で使用し得る脂肪酸のアルカリ金属塩および脂肪酸の有機塩基塩には、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、ノナン酸アンモニウムおよびこれらの混合物が挙げられる。
脂肪酸のアルカリ金属塩の別の例には、ヤシ油中に存在する脂肪酸から作られるカリウムココ石鹸としても知られるココ酸カリウムが挙げられる。
ある特定の実施形態では、本開示のカルボン酸化合物は、ある特定の実施形態では、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ジリノール酸、オクタデセン二酸、およびこれらの混合物である。
他の実施形態では、本開示に適切するカルボン酸化合物は、コプラ油(coprah oilまたはcopra oil)としても知られる、ヤシ油中に含まれる混合物などの植物または動物起源のC10−C30脂肪酸の混合物から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示のカルボン酸化合物は、塩の形態ではなく、すなわち、存在する場合、組成物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニアなどの有機または無機アルカリ剤を含まなくてもよい。
ポリカルボジイミドが、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物と組み合わされる様々な実施形態では、カルボン酸化合物は、本開示による組成物中に約0.01%〜約10%、いくつかの実施形態では約0.15%〜約8%、いくつかの実施形態では約0.2%〜約7%、およびいくつかのさらなる実施形態では約0.25%〜約5%の範囲の量で存在する。いくつかの代表的実施形態では、カルボン酸化合物は、約0.1%〜約5%および約0.2%〜約3%存在する。さらに他の実施形態では、カルボン酸化合物は少なくとも0.15%存在する。また、さらに他の実施形態では、ポリカルボジイミド化合物は少なくとも0.25%〜最大約10%存在する。いくつかの特定の実施形態では、カルボン酸化合物は約3%、または約2.75%、または約2.5%、または約2%存在する。いくつかの特定の実施形態では、カルボン酸化合物は約0.75%、または約0.5%存在する。いくつかの他の特定の実施形態では、カルボン酸化合物は約0.25%存在する。
したがって、カルボン酸化合物は、中および間の増分および範囲を含め、約0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%〜約10重量%存在し得る。
(本発明の脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物以外の)ポリカルボン酸ポリマー化合物
本開示の化合物であるポリカルボン酸は、陰イオンポリマー、非イオンポリマーおよび両性ポリマーから選択され得る。
陰イオンポリマーは、化粧品に許容される媒体に可溶性または同じ媒体に不溶性であり得るため、ポリマーの固体分散液または液体粒子(ラテックスまたはシュードラテックス)の形態で使用し得る。
陰イオンポリマーは、カルボン酸から誘導される基を含むポリマーから選択され、約500〜5,000,000の数平均分子量を有するものであり得る。カルボン酸基は、不飽和の一酸または二酸カルボン酸モノマー、例えば式:
Figure 2019501922
を有するものなどによってもたらされ、式中、nは0〜10の整数であり、Aは、任意選択で酸素または硫黄などのヘテロ原子を介して不飽和基の炭素原子またはnが1より大きい場合は近隣するメチレン基と結合したメチレン基を表し、Rは水素原子またはフェニル基もしくはベンジル基を表し、Rは水素原子または低級アルキル基もしくはカルボキシル基を表し、Rは、水素原子、低級アルキル基、CH−COOH基、フェニル基またはベンジル基を表す。
上記の式中、低級アルキル基は、ある特定の実施形態では、1〜4個の炭素原子を含む基、特にメチル基およびエチル基を表す。
ポリカルボン酸化合物としては、アクリル酸もしくはメタクリル酸のコポリマーまたはその塩、特にナトリウム塩の形態で販売されているアクリル酸とアクリルアミドのコポリマーが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、アクリル酸またはメタクリル酸と、任意選択でポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトされ、任意選択で架橋されたモノエチレンモノマー、例えばエチレン、スチレン、ビニルエステルおよびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルなどとのコポリマーが挙げられる。ポリカルボン酸化合物としては、水分散液中のメタクリル酸/アクリル酸/エチルアクリル酸/メチルメタクリルラートコポリマーが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、クロトン酸コポリマー、例えば鎖中に酢酸ビニル単位またはプロピオン酸ビニル単位と、任意選択でアリルエステルまたはメタリルエステル、少なくとも5個の炭素原子を含む炭化水素系鎖などの長い炭化水素系鎖を有する直鎖状または分岐鎖状の飽和カルボン酸のビニルエーテルまたはビニルエステルなどの他のモノマーとを含むものなどが挙げられ、これらのポリマーは任意選択で、グラフトまたは架橋されているか、あるいは別の[アルファ]環状カルボン酸または[ベータ]環状カルボン酸のビニルエステルモノマー、アリルエステルモノマーまたはメタリルエステルモノマーであり得る。
ポリカルボン酸化合物としては、(i)1つまたは複数のマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アリルオキシ酢酸、メタリルオキシ酢酸、3−アリルオキシプロピオン酸、アリルチオ酢酸、アリルアミノ酢酸、ビニル酢酸、ビニルオキシ酢酸、クロチルオキシ酢酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、10−ウンデセン酸、アリルマロン酸、マレアミド酸、イタコナミン酸、N−モノヒドロキシアルキル−マレアミド酸またはN−ジヒドロキシ−アルキル−マレアミド酸と、(ii)ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アクリル酸およびそのエステルから選択される少なくとも1つのモノマーとを含むコポリマーから選択されるC4〜C8モノ飽和カルボン酸のコポリマーが挙げられ、上記コポリマーの無水官能基は任意選択でモノエステル化またはモノアミド化されている。ポリカルボン酸化合物としては、(i)1つまたは複数のマレイン酸無水物単位、シトラコン酸無水物単位またはイタコン酸無水物単位と、(ii)任意選択で鎖中に1つまたは複数のアクリルアミド、メタクリルアミド、[アルファ]−オレフィン、アクリルエステルもしくはメタクリルエステル、アクリル酸もしくはメタクリル酸またはビニルピロリドン基を含むアリルエステルまたはメタリルエステルから選択される1つまたは複数のモノマーと含むコポリマーが挙げられ、上記コポリマーの無水官能基は任意選択でモノエステル化またはモノアミド化されている。ポリカルボン酸化合物としては、カルボキシラート基を含むポリアクリルアミドが挙げられる。
本開示のポリカルボン酸としては、Lubrizol社からFIXATEシリーズとして市販されている陰イオンポリマー、例えばFIXATE G−100として販売されている分岐鎖状ブロック陰イオンポリマー、分岐鎖状陰イオンアクリル酸コポリマーのポリアクリル酸−2クロスポリマー(FIXATE SUPERHOLDポリマー)、アクリル酸クロスポリマー−3(FIXATE FREESTYLEポリマー)、ポリアクリル酸−14(FIXATE PLUSポリマー)など、Lubrizol社からCARBOPOLシリーズとして市販されているもの、例えばアクリル酸クロスポリマー−4(CARBOPOL AQUA SF−2)、アクリル酸クロスポリマー−4(CARBOPOL AQUA CC)などならびにInterpolymer社からSYNTRANシリーズとして市販されているもの、例えばアクリル酸コポリマー(SYNTRAN5190)、スチレン/アクリラート/アンモニウムメタクリラートコポリマー(SYNTRAN5760)およびアンモニウムアクリラートコポリマー(SYNTRAN KL−219C)も挙げられる。
本開示のポリカルボン酸化合物としては、アクリルコポリマーおよび(メタ)アクリラートコポリマー分散液などの陰イオンラテックスポリマーも挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、アクリル酸またはアクリル酸エステルのコポリマー、例えば、ULTRAHOLD8として販売されているアクリラート/t−ブチルアクリルアミドコポリマー、特にBASF社からULTRAHOLD STRONGとして販売されているアクリル酸/アクリル酸エチル/N−tert−ブチルアクリルアミドターポリマー、酢酸ビニル/tert−ブチル安息香酸ビニル/クロトン酸ターポリマーおよび特にAzko Nobel社からRESYN28−29−30として販売されているクロトン酸/酢酸ビニル/ネオドデカン酸ビニルターポリマーなどのクロトン酸から誘導されたコポリマー、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体ならびにアクリル酸およびそのエステルとマレイン酸、フマル酸またはイタコン酸または無水物から誘導された例えばISP社からGANTREZ ANまたはESとして販売されているメチルビニルエーテル/モノエステル化無水マレイン酸コポリマーなどのポリマー、Rohm Pharma社からEUDRAGIT Lとして販売されているメタクリル酸とメタクリル酸メチルのコポリマー、BASF社からLUVIMER MAEXまたはMAEとして販売されているメタクリル酸とアクリル酸エチルのコポリマー、BASF社からLUVISET CA66として販売されている酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、BASF社からARISTOFLEX Aとして販売されているポリエチレングリコールをグラフトした酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、Noveon社からFIXATE G−100として販売されているポリマー、ならびにClariant社からLICOCARE CM 401 LP 3345(または「Clariant CM 401」)の商品名で市販されているアルファオレフィン炭化水素−無水マレイン酸コポリマーワックスなどが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、以下のポリマーから選択され得る両性ポリマーが挙げられる:酸性ビニル単位と塩基性ビニル単位とを有するコポリマー、例えば、カルボン酸基、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アルファ−クロロアクリル酸などのカルボン酸基を有するビニル化合物から誘導されるモノマーと、少なくとも1つの塩基性原子を含む置換ビニル化合物から誘導される塩基性モノマーとの共重合によって得られるコポリマーなど、例えば、より具体的にはジアルキルアミノアルキルメタクリラートおよびアクリラート、ジアルキルアミノアルキルメタリルアミドおよびアクリルアミドなど。このような化合物については米国特許第3,836,537号に記載されている。
ポリカルボン酸化合物としては、
窒素原子がアルキル基で置換されたアクリルアミおよびメタクリルアミドから選択される少なくとも1つのモノマー、
より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸ならびに1〜4個の炭素原子を有するマレイン酸もしくはフマル酸または無水物のアルキルモノエステルから選択される1つまたは複数の反応性カルボン酸基を含む、少なくとも1つの酸性コモノマーならびに
少なくとも1つの塩基性コモノマー、例えばアクリル酸およびメタクリル酸ならびにジメチルまたはジエチル硫酸エステルによるジメチルアミノエチルメタクリラートの四級化産物の第一級、第二級、第三級または第四級アミン置換基を有するエステルなど
から誘導される単位を含むポリマーが挙げられる。
本発明による特に代表的なN置換アクリルアミドまたはN置換メタクリルアミドは、アルキル基が2〜12個の炭素原子を含む化合物であり、より具体的にはN−エチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−デシルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミドおよび対応するメタクリルアミドである。代表的な塩基性コモノマーには、アミノエチルメタクリラート、ブチルアミノエチルメタクリラート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリラートおよびN−tert−ブチルアミノエチルメタクリラートがある。
CTFA(第4版、1991)名がオクチルアクリルアミド/アクリラート/ブチルアミノエチルメタクリラートコポリマーであるコポリマー、例えばNational Starch社からAMPHOMER LV71として販売されている製品、AMPHOMER 28−4961またはLOVOCRYL47として販売されているアクリラート/オクチルアクリルアミドコポリマーなどが特に使用される。
ポリカルボン酸化合物としては、架橋およびアシル化されたポリアミノアミドが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、6〜10個の炭素原子を有する酸、例えばアジピン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸および2,4,4−トリメチルアジピン酸、テレフタル酸など、エチレン二重結合を含む酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸などから選択されるカルボン酸が挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、式:
Figure 2019501922
の双性イオン単位を含むポリマーが挙げられ、式中、R11は、アクリラート基、メタクリラート基、アクリルアミド基またはメタクリルアミド基などの重合可能な不飽和基を表し、yおよびzは1〜3の整数を表し、R12およびR13は、水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を表し、R14およびR15は、水素原子またはR14およびR15の炭素原子の合計が10を超えないようなアルキル基を表す。
このような単位を含むポリマーは、非双性イオンモノマー、例えばジメチルアミノエチルもしくはジエチルアミノエチルアクリラートもしくはメタクリラートまたはアルキルアクリラートもしくはメタクリラート、アクリルアミドもしくはメタクリルアミドまたは酢酸ビニルなどから誘導される単位、例えば、Sandoz社からDIAFORMER Z301として販売されているものなどのメタクリル酸メチル/メチルジメチルカルボキシメチルアンモニオエチルメタクリラートコポリマーも含み得る。ポリカルボン酸化合物としては、下式:
Figure 2019501922

に対応するモノマー単位を含むキトサンから誘導されるものが挙げられ、単位(D)は0〜30パーセントの割合で存在し、単位(E)は5パーセント〜50パーセントの割合で存在し、単位(F)は30パーセント〜90パーセントの割合で存在し、この単位(F)のR16は式:
Figure 2019501922
の基を表すことが理解され、式中、q=0である場合、R17、R18およびR19は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、メチル残基、ヒドロキシル残基、アセトキシ残基もしくはアミノ残基、任意選択で1つもしくは複数の窒素原子が散在し、かつ/または1つもしくは複数のアミン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキルチオ基もしくはスルホン基で任意に置換されてもよいモノアルキルアミン残基またはジアルキルアミン残基、アルキル基がアミノ残基を有するアルキルチオ残基を表し、この場合、基R17、R18およびR19のうち少なくとも1つが水素原子であるか;あるいはq=1である場合、R17、R18およびR19はそれぞれ、水素原子およびこれらの化合物と塩基または酸によって形成された塩も表す。
ポリカルボン酸化合物としては、例えば仏国特許第1400366号に記載されている、以下の一般式(VI’):
Figure 2019501922
に対応する単位を有するポリマーが挙げられ、式中、R20は、水素原子、CH3O基、CH3CH2O基またはフェニル基を表し、R21は、水素原子またはメチルもしくはエチルなどの低級アルキル基を表し、R22は、水素原子またはメチルもしくはエチルなどのC1〜C6低級アルキル基を表し、R23は、メチルもしくはエチルなどのC1〜C6低級アルキル基または式:−R24−N(R22)2に対応する基を表し、R24は基−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−または−CH2−CH(CH3)−を表し、R22は上記の意味を有する。
ポリカルボン酸化合物としては、キトサンのN−カルボキシアルキル化から誘導されるポリマー、例えばN−カルボキシメチルキトサンまたはN−カルボキシブチルキトサンなどが挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、以下のものから選択される−D−X−D−Xタイプの両性ポリマーが挙げられる:
a)式:−D−X−D−X−D−(VII’)(式中、Dは、
Figure 2019501922
基を表し、Xは記号EまたはE’を表し;
EまたはE’は同一であっても異なっていてもよく、主鎖中に最大7個の炭素原子を含み、ヒドロキシル基により置換されていないか、または置換されており、酸素原子、窒素原子および硫黄原子に加えて1〜3個の芳香族環および/または複素環を含み得る、直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基である二価の基を表し;酸素原子、窒素原子および硫黄原子はエーテル基、チオエーテル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニウム基、アルキルアミン基またはアルケニルアミン基、ヒドロキシル基、ベンジルアミン基、アミンオキシド基、第四級アンモニウム基、アミド基、イミド基、アルコール基、エステル基および/またはウレタン基の形態で存在する)の単位を少なくとも1つ含む化合物に対するクロロ酢酸またはクロロ酢酸ナトリウムの作用によって得られるポリマー。
b)式:−D−X−D−X−(X’)
(式中、Dは、
Figure 2019501922
基を表し、Xは記号EまたはE’、少なくとも1回はE’を表し;Eは上記の意味を有し、E’は、主鎖中に最大7個の炭素原子を有し、1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されていないか、または置換されており、1つまたは複数の窒素原子を含む、直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基である二価の基であり、窒素原子は、任意選択で酸素原子が散在し、必ず1つもしくは複数のカルボキシル官能基または1つもしくは複数のヒドロキシル官能基を含み、クロロ酢酸またはクロロ酢酸ナトリウムとの反応によりベタイン化されたアルキル鎖で置換されている)
を有するポリマー。
ポリカルボン酸化合物としては、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンなどのN,N−ジアルキルアミノアルキルアミンによる半アミド化またはN,N−ジアルキルアミノアルカノールによる半アミド化により部分的に修飾した(C1〜C5)アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。これらのコポリマーは、ビニルカプロラクタムなどの他のビニルコモノマーも含み得る。
上記の両性ポリマーのうち最も典型的なものは、オクチルアクリルアミド/アクリラート/ブチルアミノエチルメタクリラートコポリマー、例えばNational Starch社からAMPHOMER、AMPHOMER LV71またはLOVOCRYL47として販売されているなどおよび例えばSandoz社からDIAFORMER Z301として販売されているメタクリル酸メチル/メチルジメチルカルボキシ−メチルアンモニオエチルメタクリラートのコポリマーである。
本開示のポリカルボン酸は、化粧品組成物にレオロジー調節剤または増粘剤として使用されることが知られている化合物から選択され得る。このようなポリマーとしては、陰イオンポリマーおよび両性ポリマー、例えば、アクリル酸の架橋ホモポリマー、会合性ポリマー、非会合性増粘ポリマーおよび水溶性増粘ポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性および両性の両親媒性ポリマーからも選択され得る。使用し得るレオロジー調節剤または増粘剤としては、上記のポリカルボン酸化合物が挙げられる。
両親媒性ポリマーは任意選択で、任意選択で1つまたは複数のオキシアルキレン(オキシエチレンおよび/またはオキシプロピレン)単位を含む飽和または不飽和、芳香族または非芳香族、直鎖状または分岐鎖状のC6〜C30炭化水素系鎖である疎水性鎖を含み得る。
このような両親媒性ポリマーの代表例には:
疎水性鎖を含む非イオン性両親媒性ポリマー、例えば:
C1〜C6アルキル(メタ)アクリル酸のコポリマーおよび疎水性鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー;
親水性(メタ)アクリル酸のコポリマーおよび少なくとも1つの疎水性鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー、例えばポリエチレングリコールメタクリラート/メタクリル酸ラウリルコポリマー;などがあり
架橋されているか、または架橋されていない少なくとも1つの疎水性鎖を含む陰イオン性両親媒性ポリマーは、遊離であるか、または一部もしくは全部が中和されたカルボン酸官能基を有する1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの親水性単位と、疎水性側鎖を有する1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの疎水性単位と、任意選択で1つまたは複数の多価不飽和モノマーから誘導される少なくとも1つの架橋単位とを含む。
陰イオン性両親媒性ポリマーの例としては、CARBOPOL ETD−2020(Noveon社から販売されているアクリル酸/C10〜C30アルキルメタクリラート架橋コポリマー);CARBOPOL1382、PEMULEN TR1およびPEMULEN TR2(Noveon社から販売されているアクリル酸/C10〜C30アルキルアクリラート架橋コポリマー)、メタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシエチレン化ステアリルメタクリラートコポリマー(55/35/10);(メタ)アクリル酸/アクリル酸エチル/25EOオキシエチレン化ベヘニルメタクリラートコポリマー(Rohm and Haas社から販売されているACULYN28)ならびにメタクリル酸/アクリル酸エチル/steareth−10アリルエーテル架橋コポリマーが挙げられる。
その他の例としては、架橋アクリルポリマー、例えばCARBOPOL SFシリーズとして市販されているもの、例えばLUBRIZOL社からCARBOPOL SF1の名称で販売されておりINCI名がアクリラートコポリマーであるアクリル酸エチル/メタクリル酸コポリマーなどが挙げられる。
また別の例としては、カルボマー、アクリラートコポリマーならびにメタクリル酸、アクリル酸エチルおよびポリエチレングリコール(10EOステアリルアルコールエーテル(Steareth10)の架橋ターポリマーから選択される陰イオン性増粘ポリマーとしても知られる陰イオンポリマー、例えば、メタクリル酸、アクリル酸エチルおよびsteareth−10−アリルエーテル(40/50/10)の架橋ターポリマーを30パーセント含有する水性エマルションでありALLIED COLLOIDS社からSALCARE SC80およびSALCARE SC90の名称で販売されている製品などが挙げられる。
陰イオン性増粘ポリマーは:
無水マレイン酸/C30〜C38アルファ−オレフィン/マレイン酸アルキルから形成されるターポリマー、例えばNEWPHASE TECHNOLOGIES社からPERFORMA1608の名称で販売されている製品(無水マレイン酸/C30〜C38アルファ−オレフィン/マレイン酸イソプロピルコポリマー)など;
(a)アルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸20重量パーセント〜70重量パーセント;(b)(a)とは異なるアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有する非界面活性剤モノマー20重量パーセント〜80重量パーセント;および(c)一水酸基界面活性剤とモノエチレン性不飽和を有するモノイソシアナートとの反応産物である非イオン性モノウレタン0.5重量パーセント〜60重量パーセントから形成されるアクリルターポリマー;(3)少なくとも2つのモノマーから形成され、2つのモノマーのうち少なくとも一方がアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸、アルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸のエステルおよびオキシアルキレン化脂肪アルコールから選択される、コポリマー;ならびに(4)少なくとも3つのモノマーから形成され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがアルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸から選択され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがアルファベータ−モノエチレン性不飽和を有するカルボン酸のエステルから選択され、3つのモノマーのうち少なくとも1つがオキシアルキレン化脂肪アルコールから選択される、コポリマー
から選択され得る。
さらに、これらの化合物は、モノマーとして、アルファ,ベータ−モノエチレン性不飽和を含むカルボン酸エステルおよびC1〜C4アルコールも含み得る。このタイプの化合物の例として、オキシアルキレン化ステアリルメタクリラート/アクリル酸エチル/メタクリル酸ターポリマーでありROHM and HAAS社から販売されているACULYN2が挙げられる。
ポリカルボン酸化合物としては、会合性ポリウレタン、会合性不飽和ポリ酸およびエチレン性不飽和を含むモノマーを少なくとも1つ含む会合性ポリマーまたはコポリマーが挙げられる。
会合性ポリウレタン代表例には、商品名VISCOPHOBE DB1000として知られAmerchol社から市販されている25パーセント水分散液のメタクリル酸/アクリル酸メチル/エトキシ化(40EO)ベヘニルアルコールジメチル(メタ−イソプロペニル)ベンジルイソシアナートターポリマーがある。
本発明のいくつかの実施形態では、ポリカルボン酸化合物は、陰イオン性官能基および/または陽イオン性官能基を有するアクリル酸系、(メタ)アクリル酸系、アクリラート系または(メタ)アクリラート系のモノマーを少なくとも1つ含む。適切な化合物としては、特に限定されないが、ポリアクリル酸を含むポリマー、例えばInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(第9版,2002)で確認されるものなど、例えばポリアクリル酸−1、ポリアクリル酸−2、ポリアクリル酸−3、ポリアクリル酸−4、ポリアクリル酸−16、ポリアクリル酸−17、ポリアクリル酸−18、ポリアクリル酸−19、ポリアクリル酸−21およびその混合物などが挙げられる。このような(コ)ポリマーまたはこれと類似した(コ)ポリマーは、個々に組み合わせても、あるいは陽イオン性官能基および陰イオン性官能基の両方を有する適切な二峰性薬剤が形成されるよう他の(コ)ポリマーと組み合わせてもよい。特定の実施形態では、二峰性薬剤は、ポリアクリル酸−21とアクリラート/ジメチルアミノエチルメタクリラートコポリマー(Interpolymer社からSYNTRAN PC5100の名称で市販されている)、ポリアクリル酸−16(Interpolymer社からSYNTRAN PC5112の名称で市販されている)およびポリアクリル酸−18とポリアクリル酸−19(Interpolymer社からSYNTRAN PC5107またはSYNTRAN PC5117の名称で市販されている)からなるポリマーからなる群より選択される。
ある特定の実施形態では、本開示の少なくとも1つのポリカルボン酸化合物は、オクチルアクリルアミド/アクリラート/ブチルアミノエチル(メタ)アクリラートコポリマー、アクリル酸/C10〜C30アルキルアクリラート架橋コポリマー、クロトン酸/酢酸ビニル/ネオドデカン酸ビニルターポリマー、アクリラートコポリマー、ポリアクリラート−2、ポリアクリラート−21、オキシアルキレン化ステアリルメタクリラート/メタクリラート/エチルアクリラート/メタクリル酸ターポリマー、メタクリル酸/エチルアクリラート/オキシエチレン化ステアリルメタクリラートコポリマー(55/35/10)、(メタ)アクリル酸/エチルアクリラート/25EOオキシエチレン化ベヘニルメタクリラートコポリマー、メタクリル酸/エチルアクリラート/steareth−10アリルエーテル架橋コポリマー、アルファオレフィン炭化水素−無水マレイン酸コポリマーワックスおよびこれらの混合物から選択される。
ポリカルボジイミドがポリカルボン酸化合物と組み合わされるその他の実施形態では、少なくとも1つのポリカルボン酸化合物は、本開示による組成物中に約0.01%〜約20%、いくつかの実施形態では約0.01%〜約15%、いくつかのさらなる実施形態では約0.05%〜約10%の範囲の量で存在する。いくつかの代表的実施形態では、ポリカルボン酸化合物は、約0.1%〜約5%存在する。さらに他の実施形態では、ポリカルボン酸化合物は少なくとも0.1%存在する。また、さらに他の実施形態では、ポリカルボン酸化合物は少なくとも0.1%〜最大約18%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボン酸化合物は約2.5%、または約3%、または約4%、または約5%、または約6%存在する。いくつかの特定の実施形態では、ポリカルボン酸化合物は約2%〜約4%存在する。いくつかのその他の特定の実施形態では、ポリカルボン酸化合物は約5%〜約8%存在する。
したがって、ポリカルボン酸化合物は、中および間の増分および範囲を含め、約0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%〜約20重量%存在し得る。
陽イオンポリマー
本開示の陽イオンポリマーは、少なくとも1つのカルボキシル基を含む。
陽イオンポリマーは負電荷を有し得るが、全体としては陽イオン性の状態であり、pHに基づく陽イオン電荷を有し得る両性ポリマーであり得るか、またはいずれのpHでも両性の状態であるベタインポリマーであり得る。
陽イオンポリマーは、(i)少なくとも1つの非イオン性モノマー、例えば(アルキル)(メタ)アクリルアミド、(アルキル)(メタ)アクリル酸エステル、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾールなど;(ii)少なくとも1つの陽イオン性モノマー、例えばエチルトリモニウム(アルキル)(メタ)アクリルアミド、エチルトリモニウム(アルキル)(メタ)アクリル酸エステル、ビニルイミダゾリン、ジメチルアミノプロピル(アルキル)(メタ)アクリルアミド、メタクリルアミドプロピルトリエチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)など;(iii)少なくとも1つの(アルキル)アクリル酸;(iv)少なくとも1つの両性モノマー、例えばカルボキシベタイン双性イオン性モノマーなどから選択されるエチレン性不飽和モノマーの単独重合または共重合により生じるポリマーである。
このような陽イオンポリマーの適切な例には、Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT280 POLYMER、MERQUAT280NP POLYMER、MERQUAT281 POLYMERまたはMERQUAT295 POLYMERの名称で販売されているジアリイジメチルアンモニウムクロリド(diallyidimethylammonium chloride)/アクリル酸コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−22);Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT2001 POLYMERまたはMERQUAT2001N POLYMERの名称で販売されているメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、アクリル酸および/またはアクリル酸メチルのコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−47);Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT3330DRY POLYMER、MERQUAT3330PR POLYMER、MERQUAT3331PR POLYMER、MERQUAT3940 POLYMER、MERQUAT PLUS3330 POLYMERまたはMERQUAT PLUS3331 POLYMERの名称で販売されているアクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸ターポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−39);Nalco(Lubrizol)社からMERQUAT2003PR POLYMERの名称で販売されているメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)とアクリルアミドとアクリル酸とからなる両性ターポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−53);ポリクオタニウム−30、ポリクオタニウム−35、ポリクオタニウム−45、ポリクオタニウム−50、ポリクオタニウム−54;ポリクオタニウム−57;ポリクオタニウム−63;ポリクオタニウム−74;ポリクオタニウム−76;ポリクオタニウム−86;ポリクオタニウム−89;ポリクオタニウム−95;ポリクオタニウム−98、ポリクオタニウム−104;ポリクオタニウム−111;ポリクオタニウム−112ならびにその混合物がある。
ポリカルボジイミドが陽イオンポリマーと組み合わされるさらに他の実施形態では、少なくとも1つの陽イオンポリマー化合物は、本開示による組成物中に約0.01%〜約20%、いくつかの実施形態では約0.01%〜約15%、いくつかのさらなる実施形態では約0.05%〜約10%の範囲の量で存在する。いくつかの代表的実施形態では、陽イオンポリマーは、約0.5%〜約5%存在する。さらに他の実施形態では、陽イオンポリマーは少なくとも0.5%存在する。また、さらに他の実施形態では、陽イオンポリマーは少なくとも0.5%〜最大約20%存在する。いくつかの特定の実施形態では、陽イオンポリマーは約2%、または約3%、または約4%、または約5%、または約6%存在する。いくつかの特定の実施形態では、陽イオンポリマーは約3%〜約4%存在する。いくつかの他の特定の実施形態では、陽イオンポリマーは約6%〜約8%存在する。
したがって、陽イオンポリマーは、中および間の増分および範囲を含め、約0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%〜約20重量%存在し得る。
溶媒
本開示による組成物は、ケラチン繊維の処理に適した溶媒をさらに含む。適切な溶媒の例としては、ポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物の1つまたは複数および脂肪酸、それらの塩、ならびにそれらの混合物から選択されるもの以外のカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーから選択される少なくとも1つの追加の活性物質のための担体および溶媒としての水、いくつかの実施形態では、蒸留水もしくは脱イオン水、または有機溶媒が挙げられる。
適切な有機溶媒は、揮発性物質有機溶媒および不揮発性有機溶媒から選択され得る。
適切な有機溶媒は通常、C1〜C4低級アルコール、グリコール、ポリオール、ポリオールエーテル、炭化水素および油である。有機溶媒の例としては、特に限定されないが、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、イソドデカン、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロールおよびその混合物が挙げられる。
その他の適切な有機溶媒としては、グリコールエーテル、例えばエチレングリコールおよびそのエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなど、プロピレングリコールおよびそのエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなど、ジプロピレングリコールアルキルエーテルおよびジエチレングリコールアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールn−ブチルエーテルなどが挙げられる。グリコールエーテルは、Dow Chemical Company社からDOW EシリーズおよびDOW Pシリーズとして市販されている。本発明に使用される例示的グリコールエーテルには、DOWANOL DPnBの商品名で知られるジプロピレングリコールn−ブチルエーテルがある。
適切な有機溶媒としては、鉱油、ペトロラタムおよびC10〜C40炭化水素を含めた合成油および炭化水素油も挙げられ、これらは脂肪族油(直鎖、分岐鎖または環状鎖)、芳香族油、アリール脂肪族油、例えばパラフィン、イソ−パラフィン、イソドデカン、芳香族炭化水素、ポリブテン、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデセン、ポリデセン、スクアレン、ペトロラタムおよびイソパラフィンなど、シリコーン油、フッ化油ならびにその混合物であり得る。
「炭化水素系油」または「炭化水素油」という用語は、水素と炭素原子および可能性として酸素原子、窒素原子、硫黄原子および/またはリン原子を主として含有する油を指す。炭化水素系油の代表例としては、8〜16個の炭素原子を含有する油、特に分岐鎖状C8 C16アルカン(イソパラフィンとしても知られる)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6ペンタメチルヘプタンとしても知られる)、イソデカンおよびイソヘキサデカンが挙げられる。
本発明に有用であり得るシリコーン油の例としては、不揮発性シリコーン油、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)、ペンダントでありかつ/またはシリコーン鎖の末端にあり、それぞれ2〜24個の炭素原子を含有するアルキル基またはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサンなど、フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサンおよび2フェニルエチルトリメチルシロキシケイ酸などならびに粘度が100cSt以下のジメチコンまたはフェニルトリメチコンが挙げられる。
本発明に有用であり得るシリコーン油の他の代表例としては、揮発性シリコーン油、例えば直鎖状または環状のシリコーン油、特に2〜10個のケイ素原子、特に2〜7個のケイ素原子を含有するものなどが挙げられ、これらのシリコーンは、任意選択で1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基またはアルコキシ基を含む。具体例としては、粘度が5cStおよび6cStのジメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサンおよびドデカメチルペンタシロキサンならびにその混合物が挙げられる。
本発明での使用に適し得るフッ化油の代表例としては、ナノフルオロメトキシブタンおよびペルフルオロメチルシクロペンタンなどの揮発性物質フッ化油が挙げられる。
本開示の組成物に特に適した溶媒としては、水、イソドデカン、エタノールおよびその組合せが挙げられる。溶媒は通常、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約60重量%〜98重量%、いくつかの実施形態では80重量%〜96重量%の範囲内の総量で存在する。したがって、溶媒は、約40重量%〜約98重量%の中および間の増分および範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約98重量%、97重量%、96重量%、95重量%、94重量%、93重量%、92重量%、91重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%および約55重量%、50重量%、48重量%、46重量%、45重量%、44重量%、42重量%、40重量%の量で存在し得る。
また別のいくつかの実施形態では、本開示の溶媒は、それ自体が別個の成分として本発明の本発明中に添加される水および/または有機溶媒を含まないため、本発明の組成物中に添加される原料の1つまたは複数の成分を伴う場合に水および/または有機溶媒が本発明の組成物中に存在する。
様々な実施形態で本開示の組成物が水を含有する場合、水は、中および間の増分および範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約98重量%以下、例えば約96重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、48重量%、46重量%、45重量%、44重量%、42重量%、40重量%、35重量%、30重量%、20重量%、10重量%または5重量%以下などの量で存在し得る。
様々な実施形態で本開示の組成物が有機溶媒(1つまたは複数)を含有する場合、有機溶媒(1つまたは複数)は、中および間の増分および範囲を含め、組成物の総重量に基づき、約98重量%以下、例えば約96重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、48重量%、46重量%、45重量%、44重量%、42重量%、40重量%、35重量%、30重量%、20重量%、10重量%または5重量%以下などの総量で存在し得る。
添加剤
本開示による組成物は、ケラチン繊維の処理に適した添加剤をさらに含む。
本開示による組成物は、アミン化合物またはアミノ化合物(例えば、アミノシリコーン、ポリアミン、ジアミン、アルキルモノアミン、アルコキシル化モノアミン、アルコキシル化ポリアミン、およびアミノ官能化シラン化合物)、界面活性剤(陰イオン性、非イオン性、陽イオン性および両性/双性イオン性)ならびに本発明のポリカルボジイミド化合物以外のポリマー、例えば陰イオンポリマー、非イオンポリマー、両性ポリマー、ポリマーレオロジー調節剤、増粘剤および/または粘度調整剤、会合性または非会合性ポリマー性増粘剤などから選択される添加剤も含み得る。その他の適切な添加剤は、非ポリマー性増粘剤、真珠様光沢付与剤、乳白剤、染料または色素、香料、鉱油、植物油または合成油、セラミドを含めたワックス、ビタミン類、UVスクリーン剤、フリーラジカルスカベンジャー、ふけ防止剤、脱毛防止剤、育毛剤、保存剤、pH安定剤および溶媒ならびにその混合物から選択され得る。
本開示の組成物に用い得るレオロジー調節剤および増粘剤/粘度調整剤としては、ポリカルボジイミド、陽イオンポリマー、および本開示の組成物と適合性のある任意の水溶性化合物または水分散性化合物、例えばアクリルポリマー(特に、アクリラート/C10−30アルキルアクリラートクロスポリマー、カルボマー、アクリラートコポリマー、アクリラートクロスポリマー)、非アクリルポリマー、デンプン、サッカリド系ポリマー(例えば、グアー、グアーガム)、セルロース系ポリマー(特に、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースガム、アルキルヒドロキシエチルセルロース、カルボン酸含有セルロース/炭水化物)、非ポリマー性ゲル化剤およびポリマー性ゲル化剤、シリカ粒子、粘土、ヒアルロン酸、アルギン酸およびその混合物が挙げられる。
特定の実施形態の組成物は、安定剤、例えば塩化ナトリウム、二塩化マグネシウムまたは硫酸マグネシウムを含み得る。
アミノ化合物
本開示による組成物は、1つまたは複数のアミノ化合物を含む。「アミノ化合物」という用語は、少なくとも1つの第一級アミン基、第二級アミン基、第三級アミン基または第四級アンモニウム基を含む任意の化合物を意味するものとする。
本開示のアミノ化合物は、アルキルモノアミン、アルコキシル化ポリアミン、アルコキシル化モノアミン、ポリアミンおよびその混合物から選択される。ある特定の実施形態では、本開示のアミノ化合物は、ケイ素原子もシリコーン部分も含まない。他の実施形態では、本開示のアミノ化合物は、ケイ素原子またはシリコーン部分を含む。
アルキルモノアミン
本開示のアルキルモノアミンは、1つのアミノ基を有するアミノ化合物である。
代表的アルキルモノアミンの非限定的な例としては、式(IA)に対応する脂肪族アミン化合物:
RN(R’) (IA)
およびその塩が挙げられ、式中、
Rは、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。さらに、Rは、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換であり得る。通常、Rは、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;および
基R’は、同一であっても異なっていてもよく、Hまたは6個未満の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを表す。さらに、基R’は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、置換または非置換である。ある特定の実施形態では、基R’は、同一であっても異なっていてもよく、Hまたはメチル基である。
代表的アルキルモノアミンとしては、特に限定されないが、以下の例が挙げられる:ジメチルラウラミン、ジメチルベヘナミン、ジメチルコカミン、ジメチルミリスタミン、ジメチルパルミタミン、ジメチルステアラミン、ジメチル獣脂アミン、ジメチルソイアミン、ステアラミン、ソイアミン、コカミン、ラウラミン、パルミタミン、オレアミン、獣脂アミンおよびその混合物。
好ましいアルキルモノアミンのその他の非限定的な例としては、式(IIA)に対応するアミドアミン化合物:
RCONHR’N(R”) (IIA)
およびその塩が挙げられ、式中、
Rは、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。さらに、Rは、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換であり得る。通常、Rは、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;および
R’は、6個未満の炭素原子、ある特定の実施形態では2個または3個の炭素原子を含む、二価炭化水素ラジカルであり、および
R”は、Hまたは6個未満の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。さらに、R”は、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、置換または非置換である。R”は通常、直鎖状または分岐鎖状の非環状アルキル基またはアルケニル基である。ある特定の実施形態では、R”はHまたはメチル基である。
代表的アミドアミンとしては、次の例:オレアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン、ミリスタミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ジリノールアミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、リシノールアミドプロピルジメチルアミン、ソイアミドプロピルジメチルアミン、コムギ胚芽アミドプロピルジメチルアミン、ヒマワリ種アミドプロピルジメチルアミン、アーモンドアミドプロピルジメチルアミン、アボカドアミドプロピルジメチルアミン、ババスアミドプロピルジメチルアミン、コカミドプロピルジメチルアミン、ミンクアミドプロピルジメチルアミン、エンバクアミドプロピルジメチルアミン、ゴマアミドプロピルジメチルアミン、トールアミドプロピルジメチルアミン、アブラナアミドプロピルジメチルアミン、オリーブアミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
アルコキシル化ポリアミン
本開示のアルコキシル化ポリアミンは、少なくとも2つのアミノ基と少なくとも1のアルコキシル化度とを有するアミン化合物から選択される。アルコキシル化は、ある特定の実施形態ではエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから選択される、アルキレンオキシド基によってもたらされる。
適切なアルコキシル化ポリアミンの非限定的な代表例としては、式(IB)に対応する化合物:
NHR(R’CHCHO)(R’CHCHO)(R’CHCHO)RNH (IB)
が挙げられ、式中、Rは、−CH2−基、−CHCH−基、−CHCH−基もしくは−C(CH−基または少なくとも3個の炭素原子を含み直鎖状もしくは分岐鎖状、非環状もしくは環状、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは芳香族、置換もしくは非置換である炭化水素ラジカルを表し;
x、yおよびzは互いに独立して、0〜約100の数を表し;
R’は、水素またはアルキル基、ある特定の実施形態ではメチル基を表し;
x+y+zの合計は少なくとも1である。
式(IB)において、Rは、ある特定の実施形態では、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;x、yおよびzは互いに独立して、ある特定の実施形態では2〜100の範囲の数を表す。
式(IB)に対応し本開示で使用されるアルコキシル化ポリアミンの例としては、例えば、テトラデシルオキシプロピル−1,3−ジアミノプロパン;C12−14アルキルオキシプロピル−1,3−ジアミノプロパン;C12−15アルキルオキシプロピルアミンおよびTomah社からTOMAH DA−17の商品名で市販されているその他の同様の物質が挙げられる。
式(IB)のアルコキシル化ポリアミンの他の例には、ユタ州ソルトレイクシティのHuntsman社から入手可能なJEFFAMINE DシリーズおよびJEFFAMINE EDシリーズなどのJEFFAMINEシリーズに属するジアミン化合物がある。これらのJeffamine化合物の例には、JEFFAMINE D230、JEFFAMINE D400、JEFFAMINE D2000、JEFFAMINE D4000、JEFFAMINE HK−511、JEFFAMINE ED600、JEFFAMINE ED900およびJEFFAMINE ED2003がある。JEFFAMINE Dシリーズの化合物はアミン終端PPG(ポリプロピレングリコール)であり、JEFFAMINE EDシリーズの化合物はPEG(ポリエチレングリコール)主鎖を主体とするポリエーテルジアミン系である。
ジアミン形態の適切なアルコキシル化ポリアミンのその他の非限定的な代表例としては、式(IIB)に対応する化合物:
NH(CHOCHCHO(CHNH (IIB)
が挙げられ、式中、xは2または3である。
式(IIB)のアルコキシル化ポリアミンの例には、ユタ州ソルトレイクシティのHuntsman社から入手可能なJEFFAMINEシリーズ、例えばJEFFAMINE EDR148およびJEFFAMINE EDR176などに属するジアミン化合物がある。
トリアミン形態のアルコキシル化ポリアミンのさらなる非限定的な好ましい例としては、式(IIIB):
Figure 2019501922

に対応する化合物が挙げられ、式中、Rは、水素、−CHまたは−Cであり、
n=0または1であり、
x、yおよびzは互いに独立して、0〜100の数を表し、x+y+zの合計は少なくとも1である。
式(IIIB)に対応し本開示で使用されるアルコキシル化ポリアミンの例には、ユタ州ソルトレイクシティのHuntsman社から入手可能なJEFFAMINE TシリーズなどのJEFFAMINEシリーズに属するトリアミン化合物がある。JEFFAMINE Tシリーズの化合物の例には、JEFFAMINE T403、JEFFAMINE T3000およびJEFFAMINE T5000がある。JEFFAMINE Tシリーズの化合物は、POとトリオール開始剤とを反応させた後、末端ヒドロキシル基をアミノ化することにより作製されるトリアミンである。
別のタイプの代表的アルコキシル化ポリアミンとしては、以下の式(IVB)および(VB)の化合物:
Figure 2019501922
が挙げられ、式中、
式(IVB)中のRは獣脂由来のアルキル基を表し、式(VB)中のRはヤシ油由来のアルキル基を表し;
式(IVB)および(VB)の両式中のnは、合計値が10〜20の範囲内にあり;
式(IVB)および(VB)の両式中のmは、2〜6の範囲内の値を有し;
式(IVB)および(VB)の両式中のxは、2〜4の範囲内の値を有する。
具体的なアルコキシル化ポリアミンポリアミン化合物の1つに式(VIB)のJEFFAMINE T−500ポリエーテルアミンがある:
Figure 2019501922
その他の代表的タイプのアルコキシル化ポリアミンとしては、少なくとも1のアルコキシル化度を有するアミノシリコーンが挙げられる。
本開示で使用されるアルコキシル化ポリアミンの代表例としては、上の式(IVB)、(VB)および(VIB)の化合物、例えば、それぞれPEG−15獣脂ポリアミン、PEG−15ココポリアミンおよびJEFFAMINE T−500ポリエーテルアミンなどが挙げられる。
アルコキシル化モノアミン
本開示のアルコキシル化モノアミンは、1つのアミノ基と少なくとも1のアルコキシル化度とを有するアミン化合物から選択される。アルコキシル化は、ある特定の実施形態ではエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから選択される、アルキレンオキシド基によってもたらされる。
適切なアルコキシル化モノアミンの非限定的な好ましい例としては、式(IC)に対応する化合物:
RN[(R’CHCHO)H][(R’CHCHO)H] (IC)
が挙げられ、式中、Rは、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。Rは、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換であり得;
xおよびyは互いに独立して、0〜100の数を表し、ただし、x+yの合計は0より大きく;
基R’は、同一であっても異なっていてもよく、水素またはメチル基などのアルキル基を表す。
通常、Rは、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;xおよびyは互いに独立して、それぞれ通常0〜30の数である。通常、一方のR’基は水素であり、他方のR’基はメチルである。
式(IC)に対応し本開示で使用される代表的アルコキシル化モノアミンの例には、PEG−2コカミン、PEG−3コカミン、PEG−5コカミン、PEG−10コカミン、PEG−15コカミン、PEG−20コカミン、PEG−2ラウラミン、PEG−12パルミタミン、PEG−2菜種アミン、PEG−2オレアミン、PEG−5オレアミン、PEG−6オレアミン、PEG−10オレアミン、PEG−15オレアミン、PEG−20オレアミン、PEG−25オレアミンおよびPEG−30オレアミンがある。その他の例には、ソイアミン、ステアラミンおよび獣脂アミンのアルコキシル化誘導体がある。
適切なアルコキシル化モノアミンのその他の非限定的な例としては、式(IIC)に対応する化合物:
RNR”[(R’CHCHO)H] (IIC)
が挙げられ、式中、Rは、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。Rは、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換であり得;
xは1〜100の数を表し;
R’は、水素または特にメチル基などのアルキル基を表し;
R”は水素または炭化水素ラジカルである。
通常、Rは、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;xは通常1〜30の数である。
式(IIC)中のR”が炭化水素ラジカル基である場合、この基は直鎖状または分岐鎖状、飽和または不飽和、置換または非置換であり得る。R”によって表される炭化水素ラジカルは、アルコキシル化部分([(R’CHCH2O)yH]によって定義される)および/または窒素などのヘテロ原子も含み得る。R”が少なくとも1つのアルコキシル化部分を含む場合、式中のアルコキシル化の総数は1〜120の範囲内にあり得る。
式(IIC)に対応し本開示で使用されるアルコキシル化モノアミンの例には、PEG−3獣脂アミノプロピルアミン、PEG−10獣脂アミノプロピルアミン、PEG−15獣脂アミノプロピルアミンおよびPEG−105ベヘニルプロピレンジアミンがある。
アルコキシル化モノアミンのさらなる非限定的な例としては、式(IIIC)に対応する化合物:
R(R’CHCHO)(R’CHCHO)NH (IIIC)
が挙げられ、式中、Rは、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである。Rは、直鎖状または分岐鎖状、非環状または環状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換であり得;
xおよびyは互いに独立して、0〜100の数を表し、ただし、x+yの合計は0より大きく;
基R’は、同一であっても異なっていてもよく、水素または特にメチル基などのアルキル基を表す。
通常、Rは、直鎖状もしくは分岐鎖状の非環状アルキル基もしくはアルケニル基またはアルキルフェニル基であり;xおよびyは互いに独立して、それぞれ通常0〜30の数である。
式(IIIC)に対応し本開示で使用されるアルコキシル化モノアミンの例には、モノアミン基を含むポリエーテルアミンがある。これらのポリエーテルアミンは、Hunstman社から商品名JEFFAMINE(M−600、M−1000、M−2005およびM−2070などのMシリーズ)およびSURFONAMINEシリーズ(B−60、B−100、B−200、L−100、L−200、L−207、L−300)で市販されている。
ポリアミン
ポリアミンは特に、ポリビニルアミン、アミノ化多糖、アミン置換ポリアルキレングリコール、アミン置換ポリアクリラートクロスポリマー、アミン置換ポリアクリラート、アミン置換ポリメタクリラート、タンパク質、タンパク質誘導体、アミン置換ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリアルキルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、スペルミジン、スペルミンおよびその混合物から選択され得る。本開示で使用されるポリアミンは、少なくとも2つのアミノ基を有するアミノシリコーンからも選択され得る。
ポリアミンから選択される本開示のアミノ化合物は、特に500〜1,000,000の範囲内、ある特定の実施形態では500〜500,000の範囲内、優先的には500〜100,000の範囲内の重量平均分子量を有するアミン含有ポリマーから選択され得る。アミンを含むポリマーとして、ポリアミン、例えば、ポリ((C2〜C5)アルキレンイミン)、特にポリエチレンイミンおよびポリプロピレンイミン、特にポリ(エチレンイミン);ポリ(アリルアミン);ポリビニルアミンおよび特にビニルアミドとのそのコポリマー;NH基を有するポリアミノ酸;アミノデキストラン;アミノポリビニルアルコール;アクリルアミドプロピルアミン系コポリマー;ならびにキトサンなどが使用され得る。
本開示のポリアミンは、ある特定の実施形態では、BASF社から商品名LUPAMINEまたはLUVIQUATで一般に販売されているポリビニルアミンからも選択される。このようなポリアミンの1つの代表例には、BASF社からLUVIQUATシリーズで販売されているポリビニルアミン、例えばLUVIQUAT9030として販売されているビニルアミン/ビニルホルムアミドコポリマー(INCI名)などがある。
本開示のポリアミンは、ビニルアミン/ビニルアルコールコポリマー(INCI名)からも選択され得る。
その他の代表的な本開示のポリアミンには、PEG−15ココポリアミンおよびPEG−15獣脂ポリアミンなどのアミン置換ポリアルキレングリコールならびにアミン置換ポリアクリラートクロスポリマー、例えばLubrizol Advanced Materials社からCARBOPOL AQUA CCポリマーの名称で販売されている製品などがある。
本開示のポリアミン化合物は、タンパク質およびタンパク質誘導体、例えばコムギタンパク質、ダイズタンパク質、エンバクタンパク質、コラーゲンおよびケラチンタンパク質などからも選択され得る。
本開示の一実施形態では、ポリアミン化合物は、リジンを含むポリアミノ酸化合物、アルギニンを含む化合物、ヒスチジンを含む化合物およびヒドロキシリジンを含む化合物から選択される。非限定的な例としては、キトサンおよびポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリリジンなどのポリアミノ酸ならびにその混合物が挙げられる。
本開示の代表的な一実施形態では、本開示のアミノ化合物は、ポリビニルアミン、例えばBASF社からLUVIQUAT9030として販売されているビニルアミン/ビニルホルムアミドコポリマー(INCI名)など;式(IIIB)に対応するアルコキシル化ポリアミン例えばJEFFAMINE T403、JEFFAMINE T3000およびJEFFAMINE T5000(特に式(VIB)に対応する)など;式(IIIC)に対応するアルコキシル化モノアミン、例えばJEFFAMINE M−600など;ならびに脂肪族アミンおよびアミドアミンから選択されるアルキルアミン;ならびにその混合物から選択される。
脂肪族アミンから選択されるアルキルアミンは、ある特定の実施形態では、ジメチルラウラミン、ジメチルベヘナミン、ジメチルコカミン、ジメチルミリスタミン、ジメチルパルミタミン、ジメチルステアラミン、ジメチル獣脂アミン、ジメチルソイアミン、ステアラミン、ソイアミン、コカミン、ラウラミン、パルミタミン、オレアミン、獣脂アミンおよびその混合物から選択される。
アミドアミンから選択されるアルキルアミンは、ある特定の実施形態では、ステアラミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ジリノールアミドプロピルジメチルアミン、ババスアミドプロピルジメチルアミン、コカミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびその混合物から選択される。
少なくとも1つのカルボン酸基を有するシリコーンポリマー(カルボキシシリコーンポリマー)。
本明細書ではカルボキシシリコーンポリマーと呼ばれる、本開示による少なくとも1つのカルボン酸基を有するシリコーンポリマーは、
(A)以下の式:
Figure 2019501922
(式中、RおよびRは独立して、2〜20個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状アルキレンラジカルを表し、Rは、ヒドロキシル基を含み得る1〜50個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状アルキレンラジカルを表し、aは0または1を表し、bは0〜200の範囲内の数であり、Mは、水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、NH4または第四級アンモニウム基、例えばモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラ(C1〜C4アルキルアンモニウム)基などを表し、RおよびRは例えばエチレン、プロピレンまたはブチレンを表し得る)を有する化合物、または
(B)以下の式:
Figure 2019501922
(式中、Rはメチルまたはフェニルから選択され;R8は水素またはメチルであり、mは1〜1000の整数である)を有するピロリドンカルボン酸単位を少なくとも1つ含む基、または
(C)ジビニル−PDMS、クロトン酸、酢酸ビニルおよびビニルイソアルキルエステルの重合から生じるポリビニル酸/エステル単位(C)を少なくとも1つ含む基、
ならびに(A)、(B)および(C)の組合せを含む、オルガノポリシロキサンであり得る。
適切なカルボキシシリコーンポリマーとしては、例えば式:
Figure 2019501922
のオルガノポリシロキサンから選択される、少なくとも1つのカルボン酸基を含むシリコーンポリマーが挙げられ、式中、ラジカルR4、R4’は、互いに同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐鎖状C1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカルおよびフェニルラジカルから選択され、ラジカルR5、R5’、R5”、R6、R6’、R6”、R7およびR7’は、互いに同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐鎖状C1〜C22アルキルラジカル、C1〜C22アルコキシラジカル、フェニルラジカル、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択され;
ラジカルR5、R6およびR7のうち少なくとも1つは、ラジカル−(R1O)a−R2−(OR3)b−COOM、ピロリドンカルボン酸を含むラジカル、ポリビニル酸/エステルのラジカルから選択されるラジカルであり;
R1、R2、R3、a、bおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有し;
cおよびdは0〜1000の整数であり、c+dの合計は、いくつかの特定の実施形態では1〜1000または2〜1000の範囲内にある。
単位(I”)を少なくとも1つ含む式(III”)のカルボキシシリコーンポリマーには、いくつかの特定の実施形態では、下式:
Figure 2019501922

の化合物があり、式中、R2およびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有し、nは1〜1000の整数である。例として、Shin Etsu社の両末端型カルボキシシリコーンX−22−162CおよびMomentive社のSilform INX(INCI名:ビス−カルボキシデシルジメチコン)がある。
式(III”)のオルガノポリシロキサンの他の例示的実施形態には式:
Figure 2019501922
のものがあり、式中、R、R、nおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有する。1つの例には、一例として、Shin Etsu社の片末端型カルボキシシリコーンX−22−3710がある。
式(III”)のオルガノポリシロキサンの他の例示的実施形態には式:
Figure 2019501922
のものがあり、式中、Xはラジカル−(R1O)−R2−(OR3)−COOMであり、R1、R2、R3、a、bおよびMは、上の単位(A)に記載したものと同じ意味を有する。
さらにより具体的には、aおよびbが0に等しく、R2が(CH2)9、(CH2)10または−CH(CH3)−などの直鎖状または分岐鎖状C2〜C12アルキレン基である式(VI’)の化合物が例示的実施形態である。一例として、Shin Etsu社の側鎖カルボキシシリコーンX−22−3701Eがある。
単位(B)を含む式(III”)のオルガノポリシロキサンのうち、例示的実施形態としては下式の化合物:
Figure 2019501922
が挙げられ、式中、R8、mは上の単位(B)で定義した通りであり、nは1〜1000の整数である。一例として、Grant Industries社のGrandsil SiW−PCA−10(INCI名:ジメチコン(および)PCAジメチコン(および)ブチレングリコール(および)デシルグルコシド)などのGrandsil PCAがある。
ポリビニル酸/エステル単位(C)を含む式(III”)のオルガノポリシロキサンのうち、例示的実施形態には、有機ポリマーブロックとシリコーンとからなりマルチブロックポリマー構造を生じる架橋陰イオンコポリマーがある。特に、本発明のシリコーン−有機ポリマー化合物は、少なくとも1つの架橋ポリシロキサン構造単位を含む架橋陰イオンコポリマーから選択され得る。このような分岐鎖マルチブロックカルボキシシリコーンポリマーの一例として、Wacker ChemieAGのBelsil(登録商標)P1101(商品名Belsil(登録商標)P1101として知られていることもある)(INCI名:クロトン酸/ビニルC8−12イソアルキルエステル/VA/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマー、化学名クロトン酸/ビニルC8−12イソアルキルエステル/VA/ジビニルジメチコンクロスポリマーとしても知られる)がある。
追加の適切なカルボキシシリコーンポリマーが、例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる特許出願、国際公開第95/23579号および欧州特許出願公開第0,219,830(A)号に記載されている。
上の式(VI”)に対応する化合物は、例えば、Wacker社からHUILE M642の名称、Wacker社からSLM23000/1およびSLM23000/2の名称、General Electric社から176−12057の名称、OSI社からFZ3703の名称およびToray Silicone社からBY16880の名称で販売されている。
カルボキシシリコーンポリマーのその他の非限定的な例には、シリコーンカルボキシラート含有ポリマー(複数のシリコーンカルボキシラート)がある。
適切なシリコーンカルボキシラートは、少なくとも1つのカルボン酸基を含む水溶性シリコーン化合物、少なくとも1つのカルボン酸基を含む油溶性シリコーン化合物、少なくとも1つのカルボン酸基を含む水分散性シリコーンおよび少なくとも1つのカルボン酸基を含み有機溶媒に可溶性であるシリコーンから選択され得る。一実施形態では、シリコーンカルボキシラートは少なくとも1つのアルコキシル化鎖をさらに含み、少なくとも1つのアルコキシ基は、末端アルコキシ基、ペンダントアルコキシ基および少なくとも1つのシリコーンの骨格内に組み込まれたアルコキシ基から選択され得る。少なくとも1つのアルコキシ基の非限定的な例としては、エチレンオキシド基およびプロピレンオキシド基が挙げられる。
少なくとも1つのカルボン酸基は、末端カルボン酸基およびペンダントカルボン酸基から選択され得る。さらに、少なくとも1つのカルボン酸は、遊離酸形態のカルボン酸基、すなわち−COOHおよび塩形態のカルボン酸基、すなわち−COOMから選択され得るものであり、ここでは、式中、Mは無機陽イオン、例えばカリウム陽イオンおよびナトリウム陽イオンならびに有機陽イオンから選択され得る。
一実施形態では、シリコーンカルボキシラートは式:
Figure 2019501922
の化合物であり、式中、aは1〜100の範囲内の整数であり、bは0〜500の範囲内の整数であり、Rは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1〜9個の炭素原子を含む任意に置換されてもよい炭化水素基、任意に置換されてもよいフェニル基および以下の式の基:
−(CH−O−(EO)−(PO)−(EO)−C(O)−R’−C(O)−OH
(IX”)
(式中、c、dおよびeは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ0〜20の範囲内の整数であり;EOはエチレンオキシド基であり;POはプロピレンオキシド基である)から選択され;R’は、任意に置換されてもよい二価炭化水素、例えば2〜22個の炭素原子を含むアルキレン基およびアルケニレン基などならびに任意選に置換されてもよい二価芳香族基、例えば以下の式:
Figure 2019501922
の基および以下の式:
Figure 2019501922

の基などから選択される。但し、少なくとも1つのR基は、式(XIV)の基から選択され、さらに、1つのみのR基が式(XIV)の基から選択される場合、その他のR基はすべてがメチル基ではない。
シリコーンカルボキシラートの非限定的な例としては、Noveon社からUltrasil(登録商標)CA−1 Silicone(ジメチコンPEG−7フタラート)およびUltrasil(登録商標)CA−2 Silicone(ジメチコンPEG−7スクシネート)の名称で市販されているものが挙げられ、いずれの下式(XV)に対応する。したがって、一実施形態では、少なくとも1つのシリコーンカルボキシラートは下式の化合物:
Figure 2019501922
およびその塩から選択され、式中、aは1〜100の範囲内の整数であり、bは0〜500の範囲内の整数であり、AOは以下の式:
−(EO)−(PO)−(EO)
式中、c、dおよびeは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ0〜20の範囲内の整数であり;EOはエチレンオキシド基であり;POはプロピレンオキシド基である)から選択され;xは0〜60の範囲内の整数であり;R’は、任意に置換されてもよい二価炭化水素、例えば2〜22個の炭素原子を含むアルキレン基およびアルケニレン基などならびに任意に置換されてもよい二価芳香族基、例えば以下の式:
Figure 2019501922
の基および式:
Figure 2019501922
の基などから選択される。
シリコーンカルボキシラートの非限定的な例としては、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,248,783号および同第5,739,371号に記載されているものが挙げられ、これらは式(XII”)のシリコーン化合物である。
ラテックスポリマー
様々な例示的実施形態では、本発明の組成物は、カルボキシル官能性アクリラートラテックスポリマー、カルボキシル官能性ポリウレタンラテックスポリマー、カルボキシル官能性シリコーンラテックスポリマー、カルボキシル官能性非アクリラートラテックスポリマーおよびその混合物から選択され得る1つまたは複数のラテックスポリマー(本願では「ラテックスポリマー」とも呼ばれる)をさらに含み得る。
様々な実施形態では、本発明のラテックスポリマーは、フィルム形成ラテックスポリマーまたは非フィルム形成ラテックスポリマーであり得る。
本開示の少なくとも特定の実施形態では、本開示の組成物を調製する前にラテックスポリマーを水分散液の形態で準備する。様々な実施形態では、水分散液はモノマーの乳化重合により得られるものであり得、得られたラテックスポリマーは粒子径が約1ミクロン未満である。少なくとも1つの例示的実施形態では、重合可能な二重結合を有する1つまたは複数のモノマーを水中で重合させることにより調製された分散液を選択し得る。別の例示的実施形態では、乳化重合により得られた水分散液を噴霧乾燥し得る。
他の実施形態では、モノマー間の縮合反応によりラテックスポリマーを作製し、次いで水性媒体中に分散させる。
したがって、ラテックスポリマーは、様々な例示的実施形態では、水性分散媒などの分散媒中に分散したポリマー粒子として存在し得る。ラテックスポリマーは、様々な実施形態では、それぞれが個別の分散媒中に分散していても、同じ分散媒中に一緒に分散していてもよい。
分散媒は、水から選択される少なくとも1つの溶媒を含む。分散媒は、化粧品に許容される有機溶媒、例えば上に記載した有機溶媒などから選択される少なくとも1つの溶媒をさらに含み得る。
本開示による実施形態では、ラテックスポリマー粒子は分散媒の溶媒に可溶性ではない、すなわち、水溶性ではなく、かつ/または少なくとも1つの化粧品に許容される有機溶媒に可溶性ではない。したがって、ラテックスポリマーは、選択した1つまたは複数の溶媒中でその粒子形態を保持する。
少なくとも特定の例示的実施形態では、本開示によるラテックスポリマー粒子は、最大約1000nm、例えば約50nm〜約800nmまたは約100nm〜約500nmの範囲内の平均径を有し得る。このような粒子径はレーザー粒度計(例えば、Brookhaven BI90)で測定され得る。
様々な実施形態では、ラテックスポリマーは独立して、中和されている、一部中和されている、または中和されていないものであり得る。ラテックスポリマーが中和されている、または一部中和されている例示的実施形態では、粒子径は例えば約800nm超であり得る。少なくとも特定の実施形態では、分散媒中でラテックスポリマーの粒子形態が保持されている。
さらなる実施形態では、ラテックスポリマーは非荷電ラテックスポリマーおよび荷電ラテックスポリマーから選択され得る。したがって、ラテックスポリマーは、様々な例示的実施形態では、非イオン性ラテックスポリマー、陽イオン性ラテックスポリマー、陰イオン性ラテックスポリマーおよび両性ラテックスポリマーから選択され得る。
単なる非限定的な例として、ラテックスポリマーは、カルボキシル官能性アクリラートラテックスポリマー、例えば、ビニルモノマー、(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー、モノカルボキシル不飽和酸およびジカルボキシル不飽和酸、(メタ)アクリルモノマーのエステルならびに(メタ)アクリルモノマーのアミドから選択されるエチレン性不飽和モノマーの単独重合または共重合により得られるものなどから選択され得る。本明細書で使用される「(メタ)アクリル」という用語およびその変化形は、アクリルまたはメタクリルを意味する。
(メタ)アクリルモノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸および無水マレイン酸から選択され得る。(メタ)アクリルモノマーのエステルは、非限定的な例として、C1〜C8アルキル(メタ)アクリラート、例えばメチル(メタ)アクリラート、エチル(メタ)アクリラート、プロピル(メタ)アクリラート、イソプロピル(メタ)アクリラート、ブチル(メタ)アクリラート、tert−ブチル(メタ)アクリラート、ペンチル(メタ)アクリラート、イソペンチル(メタ)アクリラート、ネオペンチル(メタ)アクリラート、ヘキシル(メタ)アクリラート、イソヘキシル(メタ)アクリラート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリラート、シクロヘキシル(メタ)アクリラート、イソヘキシル(メタ)アクリラート、ヘプチル(メタ)アクリラート、イソヘプチル(メタ)アクリラート、オクチル(メタ)アクリラート、イソオクチル(メタ)アクリラート、アリル(メタ)アクリラートおよびその組合せであり得る。(メタ)アクリルモノマーのアミドは、例えば、(メタ)アクリルアミド、特にN−アルキル(メタ)アクリルアミド、特にN−(C1〜C12)アルキル(メタ)アクリラート、例えばN−エチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドおよびN−ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどおよびその任意の組合せで作製されたものであり得る。
ビニルモノマーとしては、特に限定されないが、シアン化ビニル化合物、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなど;ビニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニルおよびt−ブチル安息香酸ビニル、シアヌル酸トリアリルなど;ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニルおよび塩化ビニリデンなど;芳香族モノビニルまたはジビニル化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼンおよびフタル酸ジアリルなどならびにパラ−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピルスルホン酸ならびにその混合物が挙げられる。
記載したモノマーのリストは限定的なものではなく、(シリコーン鎖で修飾したモノマーを含めた)アクリルモノマーおよび/またはビニルモノマーを含む当業者に公知の任意のモノマーを使用することが可能であることを理解するべきである。
少なくとも特定の非限定的な例示的実施形態では、カルボキシル官能性アクリラートラテックスポリマーは、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー(INCI:アクリラートコポリマー、例えばBASF社のLuviflex(登録商標)SOFTなど)、PEG/PPG−23/6シトラコン酸ジメチコン/C10−30アルキルPEG−25メタクリラート/アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチル/トリメチロールプロパンPEG−15トリアクリラートコポリマー(INCI:ポリアクリラート−2クロスポリマー、例えばLubrizol社のFixate Superhold(登録商標)など)、スチレン/アクリルコポリマー(Dow Chemical社のAcudyne Shineなど)、アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸/メタクリル酸コポリマー(INCI:アクリラート/アクリル酸エチルヘキシルコポリマー、例えばDaito Kasei Kogyo社のDaitosol 5000SJなど)、アクリル/アクリラートコポリマー(INCI名:アクリラートコポリマー、例えばDaito Kasei Kogyo社のDaitosol 5000ADなど)、アクリラートコポリマー、例えば商品名Dermacryl AQF(Akzo Nobel社)、商品名LUVIMER(登録商標)MAE(BASF社)または商品名BALANCE CR(AKZO NOBEL社)として知られるものなど、商品名ACUDYNE180 POLYMWE(Dow Chemical社)として知られるアクリラート/ヒドロキシエステルアクリラートコポリマー、Dow Chemical社の商品名Acudyne Boldとして知られるスチレン/アクリラートコポリマー、Interpolymer社の商品名SYNTRAN PC5620 CGとして知られるスチレン/アクリラート/アンモニウムメタクリラートコポリマーおよびその混合物の水分散液から選択され得る。
さらなる代表的で非限定的の実施形態では、ラテックスポリマーは、カルボキシル官能性ポリウレタンラテックスポリマー、例えば水性ポリウレタン分散液などから選択され得る。これらのポリウレタンは、従来の方法でプレポリマー(i)と共反応物(ii)とを反応させてカルボキシル末端またはペンダントポリウレタンポリマーを生成させることにより形成される。プレポリマー(i)は、式(I”):
Figure 2019501922

の構造を有し得るものであり、式中、R1はジヒドロキシル官能性化合物の二価ラジカルから選択され、R2は脂肪族ポリイソシアナートまたは脂環式ポリイソシアナートの炭化水素ラジカルから選択され、R3は、イオン性または潜在的にイオン性の基で任意に置換されてもよい低分子量ジオールのラジカルから選択され、nは約0〜約5の範囲内にあり、mは約1より大きい。
二価ラジカルRをもたらすのに適したジヒドロキシル化合物としては、少なくとも2つのヒドロキシ基を有し、約700〜約16,000、例えば約750〜約5000などの数平均分子量を有するものが挙げられる。高分子量化合物の非限定的な例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリヒドロキシポリカルボネート、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリラート、ポリヒドロキシポリエステルアミド、ポリヒドロキシポリアルカジエンおよびポリヒドロキシポリチオエーテルが挙げられる。様々な実施形態では、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリヒドロキシポリカルボネートが選択され得る。このような化合物の混合物も本開示の範囲内にある。
炭化水素系ラジカルR2をもたらすための任意選択のポリイソシアナートとしては、例えば、約100〜約1500、例えば約112〜約1000または約140〜約400などの範囲内の分子量を有する有機ジイソシアナートが挙げられる。
任意選択のジイソシアナートは一般式R2(NCO)2から選択され、式中、R2は、約4〜18個の炭素原子を含む二価脂肪族炭化水素基、約5〜15個の炭素原子を含む二価脂環式炭化水素基、約7〜15個の炭素原子を含む二価芳香族炭化水素基または約6〜15個の炭素原子を含む二価芳香族炭化水素基を表す。
ジオール、例えば低分子量ジオールであるR3の使用は、少なくとも特定の実施形態では、ポリマー鎖を硬化させる。「低分子量ジオール」という表現は、約50〜約800、例えば約60〜700または約62〜200などの範囲内の分子量を有するジオールを意味する。これらは、様々な実施形態では、脂肪族基、脂環式基または芳香族基を含み得る。特定の例示的実施形態では、では、化合物は脂肪族基のみを含む。選択され得るジオールは、任意選択で最大約20個の炭素原子を有し得るものであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ヘキサン−1,6−ジオール、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、水素化ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)およびその混合物から選択され得る。例えば、R3はネオペンチルグリコールから誘導され得る。
任意選択で、低分子量ジオールはイオン性または潜在的にイオン性の基を含み得る。イオン性または潜在的にイオン性の基を含む適切な低分子量ジオールは、米国特許第3,412,054号に開示されているものから選択され得る。様々な実施形態では、化合物は、ジメチロールブタン酸(DMBA)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)およびカルボキシル含有カプロラクトンポリエステルジオールから選択され得る。イオン性または潜在的にイオン性の基を含む低分子量ジオールが選択される場合、それらは例えば、ポリウレタン分散液中、ポリウレタン1グラム当たり約0.30meq未満の−COOHが存在する量で使用され得る。少なくとも特定の代表的な非限定的実施形態では、イオン性または潜在的にイオン性の基を含む低分子量ジオールを使用しない。
共反応物(ii)は、官能基、例えばカルボキシル基よりもイソシアナート基と優先的に反応するようになっているヒドロキシ基またはアミン基など、ある特定の実施形態では第一級アミンを含む、式(II”):
X−R4−X X=OH、NH2
(II”)
の化合物であり、式中、Rは、イオン性の基または潜在的にイオン性の基で任意に置換されてもよい二価脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す。様々な実施形態では、化合物は、任意選択でアルキレンジアミン、例えばヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミンおよびピペラジンなどから選択され得る。様々な実施形態では、化合物は、任意選択でアルキレンジオール、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール(1,4−BDOまたはBDO)、1,6−ヘキサンジオールなどから選択され得る。
本明細書で使用されるイオン性または潜在的にイオン性の基としては、第三級または第四級アンモニウム基を含む基、そのような基に変換可能な基、カルボキシル基、カルボキシラート基、スルホン酸基およびスルホネート基が挙げられる。上記のタイプの塩の基に変換可能な基の少なくとも部分的な変換は、水との混合前または混合時に起こり得る。ジメチロールブタン酸(DMBA)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)または少ない当量のグリコールもしくはカルボキシル含有カプロラクトンポリエステルジオールと反応する過剰当量のジカルボン酸を含むカルボキシル官能性ポリエステルから特別の化合物が選択され得る。
R1、R2、R3、R4は独立して、少なくとも1つのカルボキシル基を有し得る。
非限定的な例として、このようなラテックスとしては、特に限定されないが、イソフタル酸/アジピン酸/ヘキシレングリコール/ネオペンチルグリコール/ジメチロールプロパン酸/イソホロンジイソシアナートコポリマー(INCI名:ポリウレタン−1、例えばBASF社のLuviset(登録商標)P.U.Rなど)、ヘキシレングリコールモノマー、ネオペンチルグリコールモノマー、アジピン酸モノマー、飽和メチレンジフェニルジイソシアナートモノマーおよびジメチロールプロパン酸モノマーのコポリマー(INCI名:ポリウレタン2)、PPG−17モノマー、PPG−34モノマー、イソホロンジイソシアナートモノマーおよびジメチロールプロパン酸モノマーのコポリマー(INCI名:ポリウレタン4)、イソフタル酸モノマー、アジピン酸モノマー、ヘキシレングリコールモノマー、ネオペンチルグリコールモノマー、ジメチロールプロパン酸モノマー、イソホロンジイソシアナートモノマーおよびビス−エチルアミノイソブチル−ジメチコンモノマーのコポリマー(INCI名:ポリウレタン6)、イソホロンジイソシアナート、シクロヘキサンジメタノール、ジメチロールブタン酸、ポリアルキレングリコールおよびN−メチルジエタノールアミンコポリマー(INCI名:ポリウレタン10)、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびイソシアナートメチルエチルベンゼンコポリマー(INCI名:ポリウレタン12)、プロピレンオキシド、エチレンオキシドおよびPEG/PPG−17/3コポリマーと反応させたイソホロンジイソシアナート、ジメチロールプロピオン酸および4,4’−イソプロピリデンジフェノール(INCI名:ポリウレタン14)、イソホロンジイソシアナート、アジピン酸、トリエチレングリコールおよびジメチロールプロピオン酸コポリマー(INCI名:ポリウレタン15)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサン二酸、メチレンジシクロヘキサンジイソシアナートおよび2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロパン酸とのポリマー、加水分解したトリス(2−ヒドロキシエチル)アミン塩、1,2−エタンジアミンとの反応産物(INCI名:ポリウレタン17)の水性ポリウレタン分散液が挙げられ、ポリウレタン−27は、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロヒドロキシエチルエーテルとイソホロンジイソシアナート(IPDI)が反応してプレポリマーを形成することにより形成される複合ポリマーである。プレポリマーをさらに、ジメチロールプロピオン酸およびアジピン酸、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコールからなるポリエステルと、メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(SMDI)が反応してプレポリマーを形成することにより形成される複合ポリマーである3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチル−1−プロピオン酸(INCI名:ポリウレタン27)のトリエチルアミン塩と反応させる。プレポリマーをトリエチルアミンで中和し、次いでヒドラジンにより鎖を伸長させる(INCI名:ポリウレタン33)。
組成物中に存在する場合、上記の添加剤は一般に、間のあらゆる範囲および部分範囲を含め、組成物の総重量に基づき、最大約95重量%、例えば組成物の総重量に基づき、最大約50重量%、最大約40重量%、最大約30重量%、最大約20重量%、最大約15重量%、最大約10重量%、最大約5重量%など、例えば約0.001重量%〜約50重量%、約0.001重量%〜約40重量%、約0.001重量%〜約30重量%、約0.001重量%〜約20重量%または約0.001重量%〜約10重量%などの範囲内の量で存在する。
当業者であれば、本発明による組成物の有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けない、または実質的に受けないよう、このもしくはこれらの任意選択の追加の化合物および/またはその量を慎重に選択することは言うまでもない。
調製法および使用法
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、ポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質とを混合することにより調製される。
他の実施形態では、本開示の組成物は、ポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質と、水、有機溶媒、およびこれらの混合物から選択される溶媒とを混合することにより調製される。
さらに他の実施形態では、本開示の組成物は、ポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質と、水および有機溶媒を含む溶媒とを混合することにより調製される。
1段階の塗布工程
一実施形態では、少なくとも1つのポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質とを含む組成物は、本開示にしたがって、毛髪などのケラチン基質上に1段階塗布工程により塗布される。1段階塗布に使用する組成物は、ポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質と、溶媒とを含む成分を混合し、その後、ケラチン基質上に塗布される組成物を得ることにより調製される。
一実施形態では、1段階塗布工程用の組成物が水および有機溶媒を含む溶媒を含む場合、ポリカルボジイミドは水と混合されて水相を形成し、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質は、適切な溶媒と混合されて第2の活性相を形成し、これは、いくつかの実施例では、非水相である。次いで、両相を混合して攪拌し、エマルションを形成させる。その後、形成したエマルションを毛髪などのケラチン基質に塗布して処理する。
別の実施形態では、ポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質とを、それぞれ、または一緒に水と混合して水性組成物を形成し、これを毛髪などのケラチン基質に塗布して処理する。
2段階の塗布工程
他の実施形態では、本開示の組成物を毛髪などのケラチン基質に2段階の塗布工程で塗布する。2段階塗布工程では、個々の成分(溶媒と混合されたポリカルボジイミド、および溶媒と混合された、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質)を任意の順序で段階的にケラチン基質に塗布して処理する。
本開示による毛髪などのケラチン基質上への組成物の塗布は、室温で実施し得る。
他の実施形態では、本開示による組成物の塗布は、毛髪に熱を加えること、または毛髪を高温に曝すことにより、高温(または室温より高い温度)で実施し得る。特に限定されるわけではないが、加熱は、例えば、よく用いられる加熱手段、例えばヘルメット型ドライヤもしくはブロードライヤ(40℃以上)またはホットアイロンもしくはフラットアイロン(120℃〜250℃)またはスチーム/ホットローラにより実施され得る。
本開示による組成物および処理は有利な特性をケラチン繊維にもたらす。一実施形態では、本開示による組成物および処理を親水性のまたは損傷したケラチン繊維、例えば損傷した(プラチナブリーチを実施した)毛髪などに塗布すると、それに疎水性をもたらすか、または疎水性を付与する。ある特定の実施形態では、室温で、すなわち、毛髪を加熱することも、毛髪に熱を加えることもせずに疎水性がもたらされる。他の実施形態では、(毛髪に組成物を塗布する前もしくは後または毛髪に組成物を塗布するとき)毛髪に熱を使用したときに疎水性がもたらされる。一実施形態では、疎水性の低い、または親水性のケラチン繊維にもたらされる疎水性は、50°超または60°超または70°超、または約50°〜約80°の範囲、例えば約60°〜約80°、もしくは例えば約70°〜約80°などの範囲の接触角を含む。いくつかの実施形態では、疎水性の低い、または親水性のケラチン繊維にもたらされる疎水性は、50°超または60°超または70°超または80°超または90°超の接触角を含む。
例えば、本発明の組成物で処理した毛髪を50℃で30分間加熱し、次いで室温で一定時間冷却させたところ、パーセントカール保持の増大がみられ、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことが示された。熱(オーブンでの乾燥)を使用しても、本発明の組成物を用いて保持されたパーセントカールは、毛髪に熱を加えることも用いることもしなかった場合に得られた値よりも高かった。したがって、本開示による組成物は、特に、良く用いられる加熱手段、例えばブロードライヤ(60℃)またはホットアイロンもしくはフラットアイロン(120℃〜250℃)または加熱ランプ、加熱棒もしくは他の同様の装置などにケラチン繊維が曝されるときに用いると、カーリング面での有益性をもたらす。
本発明の組成物を使用する方法または工程は、目的とする毛髪のタイプ、したがって、毛髪の形状を整える、成形する、または維持するのに使用する組成物に含まれる具体的成分によって決まる。
本発明の1つの実施形態は、毛髪の形状を整える、成形する、または維持する方法である。
本発明の別の実施形態は、毛髪に耐久性のある、または長期間持続するスタイルまたは形状を与える方法であって、毛髪に本開示のいずれか1つの組成物を塗布することを含む方法である。
少なくとも1つの実施形態では、このような方法は、毛髪に本開示のいずれか1つの組成物を有効量塗布することを含む。
本開示の組成物は、毛髪の繊維の表面を十分に覆い、望ましい、または効果的な毛髪のスタイルまたは形状および望ましい保持力の大きさを得るのに有効な量で用い得る。したがって、毛髪に塗布する組成物の正確な量は、望まれる処理/スタイリング/成形/保持力の程度によって決まる。
有効量の組成物は通常、約0.1グラム〜約50グラム、いくつかの毛髪処理のための塗布では約20〜60グラムの量、豊富な毛髪のためのさらなる実施形態では約20〜約80グラムまたはそれを超える量である。したがって、塗布する量は、処理するケラチン物質、例えば毛髪などの量またはボリュームによって決まり、したがって、毛髪の量または部分が少ない場合に対する少ない方の範囲から毛髪の量または部分が多い場合に対する多い方の範囲およびそれ以上の範囲内に収まり得ることが理解されよう。毛髪の処理の場合、典型的な塗布は頭部全体に対するものである。毛髪への塗布は通常、組成物を毛髪全体に有効に作用させることを含むことが理解されよう。
本明細書にはさらに、毛髪の成形もしくはスタイリングおよび/またはヘアスタイルの保持への本開示の組成物の使用が開示される。また、毛髪への疎水性の付与による毛髪修復処理などの毛髪のケア、毛髪への損傷の軽減、または毛髪の感触の改善への本開示の組成物の使用が開示される。
組成物は、成形前または成形後に濡れた毛髪または乾いた毛髪に塗布し得る。組成物は、すすぎを実施しない方法に使用し得る。いくつかの他の実施形態では、組成物を毛髪からすすぎ得る。
本発明の組成物と接触させた毛髪は、空気乾燥させ、かつ/あるいはさらに、毛髪に熱を加えることおよび/または毛髪に櫛、ブラシもしくは指を通すことにより整える、または成形し得る。その他の成形手段は櫛およびブラシから選択され得る。
ある特定の実施形態では、組成物を例えば、約1〜約60分、または例えば約5〜約45分など、または例えば約5〜約30分など、または例えば約10〜約20分など、または例えば約20分、または例えば約10分などの間、ケラチン繊維上に保持させる(放置時間)。
スムージング作業は、ヘアブラシ、櫛またはフラットアイロンを含めた毛髪のブラッシングまたはスムージングのための適切な装置の使用により実施し得る。毛髪に対するスムージング作業は、毛髪に指を通すことも含み得る。
適切な塗布用装置には塗布用ブラシがある。ブラシは特に毛髪に適した塗布具の一例であるが、特に限定されないが、スプレーボトル、スクイズボトル、1チャンバおよび2チャンバポンプ、チューブ、櫛ならびに当該技術分野で公知のその他の塗布具を含めた他の塗布具も使用し得ることが理解されよう。
毛髪にスムージング作業を実施している間、毛髪に(温度が少なくとも40℃の)熱を加えることができる。熱源は、ブロードライヤ、フラットアイロン、ヘアドライヤ、加熱ランプ、加熱棒またはその他の同様の装置から選択され得る。
さらに、実施形態の使用とは関係なく、繊維または毛髪上に存在する組成物を一定時間、一般には約1〜約60分、例えば約5〜約45分など、または例えば約5〜約20分など、または例えば約10〜約20分など、または例えば約20分など、または例えば約10分などの間放置する。代替実施形態では、処理時間はさらに長く、いくつかの実施形態では相当長くなり得、塗布が最大24時間〜約48時間放置され得る。
本発明の組成物は毛髪上で容易に広がる。
驚くべきことに、また予想外にも、毛髪への組成物の塗布により毛髪の形状、スタイルもしくはカールまたは毛髪の耐湿化が保持されることを発見した。驚くべきことに、また予想外にも、毛髪への組成物の塗布により、毛髪の質の改善、例えば毛髪のより良好な感触および外観がもたらされることも発見した。
また、本発明の組成物および方法を用いて得られる形状/スタイリング管理、カール保持力、耐湿性およびヘアケア効果は、耐久性のある、または長期間持続する、すなわち、洗浄またはシャンプーに耐性を示すものであり得る。
本明細書で使用される「長期間持続する」または「耐久性のある」は、本発明の組成物により毛髪に付与される有益性が一定期間にわたり、かつ/または高湿度条件下でも、かつ/または1回もしくは複数回の洗浄サイクル(水、シャンプー/水、シャンプー/水/コンディショナ/水もしくはコンディショナ/水)の後も持続することを意味するものと理解される。複数回の洗浄サイクルは、2回以上の洗浄サイクル、例えば2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回の洗浄サイクルなどを意味するものと理解される。
本発明の別の実施形態は、毛髪に耐久性のある、または長期間持続するスタイル/形状および/またはカールおよび/またはケアを与える方法であって、(a)本発明の組成物を準備することと、(b)組成物を毛髪に塗布するための説明書を提供することとを含む方法である。
頭髪または睫毛などのケラチン基質に本発明の組成物を塗布するための説明書は、末端使用者が従うべき組成物の使用に関する指示を含み得る。末端使用者は、消費者、美容専門家または美容院の美容師であり得る。指示は、組成物が毛髪繊維を十分に覆い、毛髪繊維に所望の形状、スタイルまたは保持力を与えるのに十分な量で一定量の組成物を取るよう末端使用者に説明することを含み得る。指示はさらに、櫛、ブラシ(例えば、ヘアブラシまたはブラシ棒)、フラットアイロンプレート、ブロードライヤなどの装置または指を用いて毛髪を成形もしくはスタイリングする、または毛髪の繊維を分離するよう末端使用者に説明するものであり得る。指示はさらに、毛髪をドライヤで乾かすことまたは毛髪に加熱装置を用いることなどにより毛髪に熱を加えることも末端使用者に説明するものであり得る。
毛髪などのケラチン繊維に本発明の組成物を塗布するための説明書は、本発明の組成物の入った容器(缶、ボトルもしくはジャーなど)または組成物の入った容器を含む箱、ボール箱もしくはその他の包装の上に表示されたものであり得る。
本発明の別の実施形態は、毛髪から選択されるケラチン繊維を保護する方法であって、毛髪を化学的に処理する(例えば、永久染色組成物、半永久(semi−permanent)染色組成物または半永久(demi−permanent)染色組成物を用いて毛髪を染めること、化学的酸化剤により毛髪の色を脱色する/軽くする、または明るくする、化学的還元/酸化剤を用いて毛髪にパーマをかける、苛性アルカリ溶液組成物および非苛性アルカリ溶液組成物を用いて毛髪を弛緩させる、化学的縮毛矯正剤を用いて毛髪を縮毛矯正する)前、間または後に、前述のケラチン繊維を保護または修復するのに有効な量の本発明の組成物をケラチン繊維に塗布することを含む、方法である。
上記の組成物は、ヒト個人の頭髪などのケラチン基質への塗布に有用である。
したがって、本発明の組成物は、ヘアケア製品、ヘアスタイリング製品およびメイクアップ製品などの様々な化粧品にすることができる。
本発明のヘア化粧品組成物およびヘアスタイリング組成物を含めたヘアケア組成物の代表的なタイプとしては、毛髪の成形、毛髪の形状の維持、スタイリング製品(例えば、ジェル、クリーム、乳液、ペースト、ワックス、軟膏、セラム、フォーム、ヘアローション、ムース、ポンプ式スプレー、非エアロゾルスプレーおよびエアロゾルスプレー)、熱損傷からのコンディショニングまたは保護、リーブイン毛髪処理、リンスオフ毛髪処理のための組成物、シャンプー/スタイリング組合せ組成物およびヘアボリュームアップ組成物が挙げられる。
本発明の組成物は、ローションまたはクリームなどの水性組成物またはエマルションの形態であり得、いくつかの実施形態では、別の形態、例えば無水セラムのようなセラムなどの形で塗布され得る。
一実施形態では、本発明の組成物は、いくつかの実施形態では揮発性有機溶媒/化合物を含有する、非エアロゾルスプレーの形態である。
一実施形態では、本発明の組成物はクリームの形態である。
別の実施形態では、本発明の組成物は水性ローション(非エマルション)の形態である。
組成物は、様々な形態、特にチューブ、ジャーもしくはボトル、ポンプ式ボトル、スクイズボトルまたは組成物を気化形態もしくはムースの形態で塗布するエアロゾル容器に包装し得る。組成物を塗布具、特に手袋または拭取り紙に染み込ませてもよい。
組成物は、塗布用ノズルまたはアクチュエータポンプ、ポンプ、塗布具および塗布用櫛を備えた容器または組成物を染み込ませた不溶性基質を用いて手作業で塗布し得る。
本明細書で使用される場合、本明細書に開示される工程および組成物は、人為的に染色も着色もパーマも実施していない毛髪に使用され得る。
本明細書で使用される場合、本明細書に開示される工程および組成物は、人為的に染色、着色またはパーマ、弛緩、縮毛矯正またはその他の化学的工程を実施した毛髪にも使用され得る。
本開示による組成物は、当業者に周知の技術により調製され得る。
上では様々な例示的実施形態に言及しているが、本開示はそのように限定されるわけではないことが理解されよう。当業者であれば、本開示の実施形態には様々な修正を施すことができ、そのような修正は本開示の範囲内に含まれることが意図されることがわかるであろう。本開示に特定の構造および/または構成を用いる実施形態が示される場合、本開示を機能的に等価である任意の他の適合可能な構造および/または構成で実施してもよいが、ただし、そのような置換は、明確に禁じられているか当業者に不可能であるとわかっているものではないことが理解される。
以下の例は、本発明をさらに説明することを意図するものである。これらは決して本発明を限定することを意図するものではない。特に明示されない限り、割合はいずれも重量によるものである。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリカルボジイミド化合物;およびポリクアテルニウム陽イオンポリマーから選択される少なくとも1つの陽イオンポリマーを含む、ケラチン基質の処理のための組成物を提供し、少なくとも1つのポリカルボジイミド化合物およびポリクアテルニウム陽イオンポリマーは、ポリカルボジイミド化合物と陽イオンポリマー化合物は約1:1の比率で存在し、組成物は、組成物の約0.1〜約40重量%のポリカルボジイミド化合物および陽イオンポリマー化合物の総量を含み、組成物は、それぞれのポリカルボジイミド化合物および陽イオンポリマー化合物を、ケラチン基質に塗布後それに増大した疎水性およびケラチン基質の形状または外形に増大した保持力の増大のうち1つまたは複数を与えるのに十分な量で含む。
いくつかの実施形態では、それぞれのポリカルボジイミド化合物およびポリクアテルニウム陽イオンポリマーは、約0.01重量%〜約20重量%の濃度で存在する。
いくつかの実施形態では、それぞれのポリカルボジイミド化合物およびポリクアテルニウム陽イオンポリマーは、約0.01重量%〜約10重量%の濃度で存在する。
いくつかの実施形態では、それぞれのポリカルボジイミド化合物およびポリクアテルニウム陽イオンポリマーは、約1重量%〜約6重量%の濃度で存在する。
いくつかの実施形態では、組成物は、カルボキシシリコーンポリマー、陽イオンポリマー化合物、およびラテックスポリマーの内の1つまたはこれらの組み合わせから選択される添加剤を含む。
いくつかの実施形態では、陽イオンポリマーは、ポリクアテルニウム22、ポリクアテルニウム−39、ポリクアテルニウム−47、ポリクアテルニウム−53;ポリクアテルニウム−30、ポリクアテルニウム−35、ポリクアテルニウム−45、ポリクアテルニウム−50、ポリクアテルニウム−54;ポリクアテルニウム−57;ポリクアテルニウム−63;ポリクアテルニウム−74;ポリクアテルニウム−76;ポリクアテルニウム−86;ポリクアテルニウム−89;ポリクアテルニウム−95;ポリクアテルニウム−98、ポリクアテルニウム−104;ポリクアテルニウム−111;ポリクアテルニウム−112、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、陽イオンポリマー化合物は、ポリクアテルニウム−22、ポリクアテルニウム−39、ポリクアテルニウム−47、ポリクアテルニウム−53からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、親水性のケラチン基質に付与された疎水性は、高湿度の条件下での縮毛抑制、分配のし易さ、ブラシ掛けのし易さ、および付着力の内の1つまたは複数を与える。
いくつかの実施形態では、親水性のケラチン基質に付与された疎水性は、コンディショニング、ブラシ掛けのし易さおよび良好な付着力を与える。
いくつかの実施形態では、ポリカルボジイミドおよび陽イオンポリマー化合物の組み合わせは、1:1のポリカルボジイミドとポリクアテルニウム陽イオンポリマーの比率で、約3重量%〜約4重量%の範囲の量で存在し、陽イオンポリマー化合物は、ポリクアテルニウム−39、ポリクアテルニウム−47、およびポリクアテルニウム−53の内の1つまたは複数を含むか、またはこれらから構成される。
いくつかの実施形態では、本発明は、毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷から保護する、または毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法を提供し、該方法では、請求項1に記載の組成物のそれぞれのポリカルボジイミドおよび陽イオンポリマー化合物を少なくとも1つの溶媒を含む予混合物として準備し、該予混合物を1段階の工程および2段階の工程から選択される工程に従いケラチン基質に塗布する。
いくつかの実施形態では、工程は、ポリカルボジイミドと陽イオンポリマー化合物を含む組成物を予混合物として準備し、また、ポリカルボジイミドと陽イオンポリマー化合物と少なくとも1つの溶媒とを混合することにより調製し、それにより、予混合組成物をケラチン基質上に塗布する1段階工程;組成物を、それぞれが別々にポリカルボジイミドと陽イオンポリマー化合物を含む別々の予混合物として準備し、予混合物をポリカルボジイミドと少なくとも1つの溶媒とを混合して第1の相を形成し、陽イオンポリマー化合物と少なくとも1つの溶媒とを混合して第2の相を形成し、使用時に、予混合相を混合して、ケラチン基質上に塗布される組成物を形成する1段階工程;ならびに組成物を別々の予混合物として準備し、予混合物を、ポリカルボジイミドと水とを混合して第1の相を形成し、陽イオンポリマー化合物と、水および有機溶媒の内の1つまたは複数から選択される溶媒とを別に混合して第2の相を形成することにより調製し、使用時に、それぞれの予混合相を任意の順序でケラチン基質に別々に塗布する2段階工程、から選択される少なくとも1つの段階の工程である。
いくつかの実施形態では、工程は2段階工程であり、(i)ポリカルボジイミド相を塗布する段階、次いで、(ii)ポリクアテルニウム陽イオンポリマー相を塗布する段階を含み、この工程が高湿度条件下で、より長時間持続する縮毛抑制特性を与え、陽イオンポリマー化合物としては少なくともポリクアテルニウム−22を含む。
いくつかの実施形態では、本発明はキットを含む製品を提供し、該キットは、別個に包装された形態で、ポリカルボジイミドと、陽イオンポリマー化合物が混合され、予混合物が少なくとも1つの溶媒を含む、請求項1に記載の組成物;およびポリカルボジイミドと少なくとも1つの水含有溶媒を含む包装された水相予混合物を含み、また、陽イオンポリマー化合物と少なくとも1つの有機溶媒とを含む包装された非水相予混合物も含む、ポリカルボジイミドと、陽イオンポリマー化合物を別々の包装で準備し、それにより、使用時に、予混合相が混合、攪拌されてエマルジョンを形成する、請求項1に記載の組成物、の内の少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、キットは、着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤、およびハイライト処理剤から選択される処理剤を含む別に包装された予混合物;ならびに請求項1に記載の組成物のポリカルボジイミドと陽イオンポリマー化合物の内の少なくとも1つ、および任意選択で、着色剤、色素沈着剤、パーマ処理剤、弛緩処理剤、縮毛矯正処理剤、およびハイライト処理剤から選択される少なくとも1つの処理剤を含む別に包装された予混合物の内の少なくとも1つを含む。
(毛髪修復またはヘアスタイリングのための)毛髪処理組成物の調製方法
選択した量または重量百分率の活性RM(原料)を選択した溶媒(水、水とイソドデカン(IDD)またはエタノールなどの有機溶媒との混合物のいずれか)中で攪拌することにより各相のストック溶液を作製した。塗布直前、所望の比の部(通常、活性物質1:1)をバイアル内に量り取り、震盪して毛髪処理溶液にした。毛髪1gに対し通常、製品1gを塗布した。2段階処理の場合、ストック溶液を予め混合せずに毛髪に直接塗布した。
実施例
1:ポリカルボジイミドと、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物を用いた実施例
以下の実施例は本発明を例示するためのものであり、非限定的なものである。
実施例に用いた原料
Figure 2019501922
A.試験方法
1)高湿度カール保持(HHCR)試験を用いて耐久性を求める方法
毛髪処理
通常の脱色毛髪見本(IHIP社製、長さ13.5cm、重量約0.5g)を活性物質4重量%の試験溶液で処理した(0.5g溶液/g毛髪)。溶液が毛髪見本の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通した。その後、処理毛髪をスパイラルロッド(直径0.5インチ)に巻き付け、
a)室温で一晩乾燥させるか、または
b)50Cのオーブンで30分間乾燥させた後、室温で一晩乾燥させた。
カール保持の測定
ロッドからコイル状に巻かれた毛髪を取り外し、90%RH、40℃の加湿チャンバ内に5時間置いた。下式を用いて%カール保持を算出した:
%カール保持=(Lo−Lt)/(Lo−Li)x100
式中:Lo=元の毛髪の長さ(完全に伸長した毛髪の長さ)
Li=最初の毛髪の長さ(湿気に曝露する前の毛髪の長さ)
Lt=湿気に5時間曝露した後の毛髪の長さ
接触角を用いた疎水性試験方法
毛髪処理
2回脱色した毛髪片または見本(IHIP社製、幅0.5cm、約0.75g)を本発明の組成物で処理し(1g処理/g毛髪)、50℃のオーブン内に30分間置き、次いで一晩乾燥させた。翌朝、毛髪をDOPシャンプーで洗浄し、すすぎ、ヘルメット型ドライヤで乾燥させ、残存している疎水性を測定した。
疎水性の測定
Biolin Scientific社のContact Angle Tensiometer、Model C204Aを用いた接触角測定により各見本の疎水性を測定した。30〜50本からなる繊維の束を表面が平らになるように締め付けた。脱イオン(DI)H20の3uLの液滴を繊維表面に置き、接触角を10秒間測定した。下に報告する数値は、10秒後の接触角を用いた3回の測定値の平均値である。
B.実施例
I.イソステアリン酸とポリカルボジイミド1で処理した毛髪の高湿度カール保持
3つの毛髪見本を次の4%活性物質処理溶液で処理した(0.5g製品/g毛髪):
1)ポリカルボジイミド1の4%水溶液
2)2%ポリカルボジイミド1+2%イソステアリン酸(水酸化アンモニウムでpH6に中和)
3)4%イソステアリン酸水溶液(水酸化アンモニウムでpH6に中和)
その後、毛髪見本をスパイラルカーリングロッドに巻き付けて一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では保持されるパーセントカールの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方がカール保持値が高いことからわかるように、高湿度条件で経時的により高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、高湿度下で一定期間にわたりスタイリング保持力が低いことがわかった。ポリカルボジイミドを組み込むことにより、カルボン酸および毛髪との架橋相互作用により向上した耐湿性を有する毛髪コーティングがもたらされる。
II.イソステアリン酸とポリカルボジイミド1を用い、加熱と共に処理した毛髪の高湿度カール保持
3つの毛髪見本を次の4%活性物質処理溶液で処理した(0.5g/g製品):
1)4%活性物質ポリカルボジイミド1水溶液
2)2%ポリカルボジイミド1+2%イソステアリン酸(水酸化アンモニウムでpH6に中和)
3)4%イソステアリン酸水溶液(水酸化アンモニウムでpH6に中和)
次いで、毛髪見本を、スパイラルカーリングロッド上で、50℃のオーブン内で30分間乾燥させ、続けて、室温でさらに一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、本発明の組成物で処理し、50℃で30分間乾燥し、その後室温で乾燥した毛髪では、保持されるパーセントカールの増大がみられ、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。熱(オーブンでの乾燥)を使用しても、本発明の組成物を用いて保持されたパーセントカールは、実施例Iで毛髪に熱を加えなかった場合に得られた値よりも高かった。ブロードライヤ(60℃)、フラットアイロン(120〜250℃)、ホットアイロン、スチーム/ホットローラなどの他のタイプの加熱手段を用いても、本発明により得られるものと同じまたはほぼ同じ成績が得られることが予測できる。
III.ステアリン酸ナトリウムとポリカルボジイミド1を用い、加熱と共に処理した毛髪の高湿度カール保持
3つの毛髪見本を次の4%活性物質処理溶液で処理した(0.5g/g製品):
4%ステアリン酸ナトリウム水溶液
2%ステアリン酸ナトリウム+2%ポリカルボジイミド1
4%ポリカルボジイミド1水溶液
次に、毛髪をスパイラルカーリングロッド上、50Cのオーブン内で30分間乾燥させ、続けて、室温で一晩、さらに乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、本発明の組成物で処理し、50℃で30分間乾燥し、その後室温で乾燥した毛髪では、保持されるパーセントカールの増大がみられ、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。ブロードライヤ、フラットアイロン、スチーム/ホットローラなどの他のタイプの加熱手段を用いても、本発明により得られるものと同じまたはほぼ同じ成績が得られることが予想できる。
上の実施例は、脂肪酸とカルボジイミドおよび毛髪との間の架橋が、高湿度に対する復元力によるより優れたスタイルおよび形状の記憶をもたらすことを示している。
IV.イソステアリン酸とポリカルボジイミド1で処理した毛髪の疎水性
3つの毛髪見本を以下の処理溶液で処理した(1g製品/g毛髪):
2%イソステアリン酸水溶液(アンモニアでpH6に調節)
2%Caポリカルボジイミド1水溶液
2%イソステアリン酸(pH6)+2%ポリカルボジイミド1
その後、毛髪を50℃のオーブン内に30分間置き、続けて、室温で一晩乾燥させた。シャンプー後、これらの見本は、下記の疎水性を示した:
Figure 2019501922
上記実施例は、脂肪酸とポリ(カルボジイミド)との間の反応により、極めて親水性の毛髪に、シャンプー処理に耐えることができる疎水性が付与されることを示す。
V.ステアリン酸ナトリウムとポリカルボジイミド1で処理した毛髪の疎水性
3つの毛髪見本を以下の処理溶液で処理した(1g製品/g毛髪):
2%ステアリン酸ナトリウム水溶液
2%ポリカルボジイミド1水溶液。
2%ステアリン酸ナトリウム+2%ポリカルボジイミド1
その後、毛髪を50℃のオーブン内に30分間置き、続けて、室温で一晩乾燥させた。シャンプー後、これらの見本は、下記の疎水性を示した:
Figure 2019501922
上記実施例は、脂肪酸とポリ(カルボジイミド)との間の反応により、極めて親水性の毛髪(損傷した毛髪)に、シャンプー処理に耐えることができる疎水性が付与されることを示す。
2:ポリカルボン酸化合物を用いた実施例
毛髪修復処理組成物の一般的調製方法
活性物質RMを各溶媒(水、イソドデカン(IDD)またはエタノールのいずれか)中で攪拌することにより各相のストック溶液を作製した。塗布直前、所望の比率の部(通常、活性物質1:1)をバイアル内に量り取り、溶液を手で1g当たり10秒間激しく振盪してミルク状のエマルションを生成させた。毛髪1gに対し、製品1gを塗布した。2段階処理の場合、ストック溶液を予め混合せずに毛髪に直接塗布した。
毛髪スタイリング組成物の調製方法
活性物質RMを各溶媒(水またはイソドデカン(IDD)のいずれか)中で攪拌することにより各相の4%ストック溶液を作製した。塗布直前、所望の比率の部(通常、活性物質1:1)をバイアル内に量り取り、手で10秒間激しく振盪してミルク状のエマルションを生成させた。
以下の実施例は、本発明をさらに例示することを意図するものである。これらは決して本発明を限定することを意図するものではない。特に明示されない限り、割合はいずれも重量によるものである。
実施例
以下の実施例は本発明を例示するためのものであり、非限定的なものである。
毛髪用途のためのポリマー会合を含むポリカルボジイミドおよび非シリコーンカルボン酸の化粧品適用
試験方法
高湿度カール保持(HHCR)試験を用いて耐久性を求める方法
毛髪処理
通常の脱色毛髪見本(IHIP社製、長さ13.5cm、重量約0.5g)を活性物質4重量%の試験溶液で処理する(0.5g溶液/g毛髪)。溶液が毛髪見本の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通す。その後、処理毛髪をスパイラルロッド(直径0.5インチ)に巻き付け、
室温で一晩乾燥させるか、または
50Cのオーブンで30分間乾燥させた後、室温で一晩乾燥させる。
カール保持の測定
ロッドからコイル状に巻かれた毛髪を取り外し、90%RH、40℃の加湿チャンバ内に5時間置く。下式を用いて%カール保持を算出した:
%カール保持=(Lo−Lt)/(Lo−Li)x100
式中、Lo=元の毛髪の長さ(完全に伸長した毛髪の長さ)
Li=最初の毛髪の長さ(湿気に曝露する前の毛髪の長さ)
Lt=湿気に5時間曝露した後の毛髪の長さ
三点曲げを用いて処理毛髪の機械的特性を求める方法
毛髪処理
正常毛髪片(IHIP社製、幅1cm、長さ15cm、約2.0〜2.5gの毛髪)を試験溶液で処理した(0.5g水溶液/g毛髪)。溶液が房の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通した。次いで、真っ直ぐな形状の処理毛髪を室温で一晩乾燥させた。
三点曲げ測定
J.Cosmet.Sci.,53,345−362(2002年11月/12月)に記載されている通りに、毛髪取り付け用の付属品を備えたテクスチャーアナライザ(Model TA−XTPlus、Texture Technologies社)を用いて試験を実施した。カンチレバー曲げ実験は以下の一連の段階で構成された:毛束を幅6cmの2点上に置き、3点目となるプローブを毛束の中央に降ろし、毛束に10mmのひずみを10サイクル加えた。試験プロトコルは以下の通りとした:
試験モード=圧縮
試験前速度=2mm/秒
試験速度=2mm/秒
試験後速度=2mm/秒
標的モード=距離
距離=10mm
カウント=10
トリガータイプ=自動(力)
トリガー力=1g
10サイクルの曲げが終了した後、力のプロットを10サイクルのひずみの大きさの関数として作成した。プロットから最初のひずみの最大力を求めた。
最大力が大きいことは、毛髪が固く強い保持力を有して剛性であることを示し、最大力が小さいことは、毛髪が柔らかく弱い保持力を有することを示す。
各実験を3回実行し、結果を3回の実験の平均値から報告する。
接触角を用いた疎水性試験方法
毛髪処理
2回脱色した毛髪片(IHIP社製、幅0.5cm、約0.75g)を試験組成物(1g処理/g毛髪)で処理し、50℃のオーブン内に30分間置き、次いで一晩乾燥させた。翌朝、毛髪を従来の硫酸エステル系シャンプー(DOPシャンプー)で洗浄し、すすぎ、ヘルメット型ドライヤで乾燥させ、残存している疎水性を測定した。
疎水性の測定
Biolin Scientific社のContact Angle Tensiometer、Model C204Aを用いた接触角測定により各見本の疎水性を測定した。30〜50本からなる繊維の束を表面が平らになるように締め付けた。DI HOの3〜5uLの液滴を繊維表面に置き、接触角を10秒間測定した。下に報告する数値は、10秒後の接触角を用いた3回の測定値の平均値である。
多孔性が十分な毛髪または親水性毛髪は全10秒間にわたり液滴を保持することはないであろう。このような場合、代わりに液滴が完全に吸収される/拡散するのに要した時間を報告する。
実施例に用いた原料
Figure 2019501922
PEMULEN TR 2とCarbodilite V02−L2で処理した毛髪の高湿度カール保持
3つの毛髪見本を次の処理溶液で処理した(0.5g/g製品):
4%活性物質Carbodilite V02−L2水溶液
0.2%Pemulen TR−2をアンモニアでpH6.5〜7に中和し、水に溶解して透明溶液を形成
2%Carbodilite V02−L2+0.1%Pemulen TR−2(アンモニアでpH6.5〜7に中和し、水に溶解)。
その後、毛髪をカーリングロッドに巻き付けた状態で一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では保持されるパーセントカールの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方がカール保持値が高いことからわかるように、高湿度条件で一定期間にわたりより高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、高湿度下で一定期間にわたりスタイリング保持力が低いことがわかった。Carbodiliteのコーティングへの組み込みにより、架橋による耐湿性が向上する。
PEMULEN TR 2とCarbodilite V02−L2を用いて、加熱と共に処理した毛髪の高湿度カール保持
3つの毛髪見本を次の処理溶液で処理した(0.5g/g製品):
4%活性物質Carbodilite V02−L2水溶液
0.2%Pemulen TR−2(53971)をアンモニアでpH6.5〜7に中和し、水に溶解して透明溶液を形成
その後、毛髪をスパイラルカーリングロッド上、50Cのオーブン内で30分間乾燥させ、続けて、室温でさらに一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、本発明の組成物で処理し、50Cで30分間乾燥し、その後室温で乾燥した毛髪では、保持されるパーセントカールの増大がみられ、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。熱(オーブンでの乾燥)を使用しても、本発明の組成物を用いて保持されたパーセントカールは、実施例Iで毛髪に熱を加えなかった場合に得られた値よりも高く、これは、ブロードライヤ(60C)、フラットアイロン(120C〜250C)などのよく使われる加熱手段を用いて優れた性能が得られることを示す。
さらに、本発明の組成物は、耐湿性を示す主要な2つの業界ベンチマークより優れた成績を示す。
無水マレイン酸(Licocare CM 401)とCarbodilite V02−L2を用いて、加熱と共に処理した毛髪の高湿度カール保持
3つの毛髪見本を次の処理溶液で処理した(0.5g/g製品):
4%活性物質Carbodilite V02−L2水溶液
4%MA
2%Carbodilite V02−L2+2%MA
その後、毛髪をスパイラルカーリングロッド上、50Cのオーブン内で30分間乾燥させ、続けて、室温でさらに一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、本発明の組成物で処理し、50Cで30分間乾燥し、その後室温で乾燥した毛髪では、保持されるパーセントカールの増大がみられ、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。熱(オーブンでの乾燥)を使用しても、本発明の組成物を用いて保持されたパーセントカールは、実施例Iで毛髪に熱を加えなかった場合に得られた値よりも高く、これは、ブロードライヤ(60C)、フラットアイロン(120C〜250C)などのよく使われる加熱手段を用いて優れた性能が得られることを示す。
さらに、本発明の組成物は、耐湿性を示す主要な2つの業界ベンチマークより優れた成績を示す。
Pemulen TR 2とCarbodilite V02−L2で処理した毛髪の機械的性質
正常な未処理毛髪見本(約2.0〜2.5g)を以下の水溶液で処理した(0.5g製品/g毛髪)。
4%活性物質Carbodilite V02−L2水溶液
0.2%Pemulen TR−2をアンモニアでpH6.5〜7に中和し、水に溶解して透明溶液を形成
2%Carbodilite V02−L2+0.1%Pemulen TR−2(アンモニアでpH6.5〜7に中和し、水に溶解)
処理した毛髪見本を室温で一晩乾燥させた。これらの毛髪見本で三点曲げ試験を実施して(3回の実験)、毛髪を10cm下方に曲げるため要する最大力(FMax)を求めた。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では硬さの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも保持力がほぼ4倍高いことがわかる。Carbodiliteのコーティングへの組み込みにより、架橋による硬さが向上する。この膜硬さの増大により、コーティングの成形性能が改善されたと解釈される。
上の実施例は、カルボジイミドによる非シリコーンカルボキシル化ポリマーの架橋が、高湿度に対する復元力により高い硬さ/剛性、優れたスタイルおよび形状の記憶をもたらすことを示している。
Carbodilite V−02 L2およびClariant CM401で処理した2回脱色毛髪の疎水性
2回脱色毛髪見本(約0.75g)を以下の水溶液で処理した(1g製品/g毛髪)。
50:50の水/イソドデカン混合物中の2%Carbodilite V−02 L2
50:50の水/イソドデカン混合物中の2%加水分解Clariant CM401
50:50の水/イソドデカン混合物中の2%Carbodilite V02−L2+2%加水分解Clariant CM401
処理、加熱および乾燥後、見本を洗浄し、再度乾燥して、残存疎水性を測定した:
Figure 2019501922
上記実施例は、この共有結合複合体の付着力の堅牢さの恩恵(疎水性の増大)によりシャンプーに耐えられることを示している。
試験方法1を用いた実施例
ResynとCarbodilite V02−L2で処理した毛髪の高湿度カール保持
毛髪見本を次の組成物の4%活性物質溶液で処理した(0.5g/g毛髪):
4%活性物質Carbodilite V02−L2水溶液
4%Resynのエタノール中溶液
2%Carbodilite V02−L2+2%Resyn(塗布前に震盪)
その後、毛髪をカーリングロッドに巻き付けた状態で一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では保持されるパーセントカールの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方がカール保持値が高いことからわかるように、高湿度条件で一定期間にわたりより高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、高湿度下で一定期間にわたりスタイリング保持力が低いことがわかった。Carbodiliteのコーティングへの組み込みにより、架橋による耐湿性が向上する。
Resyn(52375)とCarbodilite V02−L2を用いて、加熱と共に処理した毛髪の高湿度カール保持
毛髪見本を次の組成物の4%活性物質溶液で処理した(0.5g/g毛髪):
4%活性物質Carbodilite V02−L2水溶液
4%Resynのエタノール中溶液
2%Carbodilite V02−L2+2%Resyn(塗布前に震盪)
その後、毛髪をスパイラルカーリングロッド上、50Cのオーブン内で30分間乾燥させ、続けて、室温でさらに一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、本発明の組成物で処理し、50Cで30分間乾燥し、その後室温で乾燥した毛髪では、保持されるパーセントカールの増大がみられ、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。熱(オーブンでの乾燥)を使用しても、本発明の組成物を用いて保持されたパーセントカールは、実施例Iで毛髪に熱を加えなかった場合に得られた値よりも高く、これは、ブロードライヤ(60C)、フラットアイロン(120C〜250C)などのよく使われる加熱手段を用いて優れた性能が得られることを示す。
Amphomer(52240)とCarbodilite V02−L2で処理した毛髪の高湿度カール保持
毛髪見本を次の組成物の4%活性物質溶液で処理した(0.5g/g毛髪):
4%活性物質Carbodilite V02−L2水溶液
4%Amphomerのエタノール中溶液
2%Carbodilite V02−L2+2%Amphomer(塗布前に震盪)
その後、毛髪をカーリングロッドに巻き付けた状態で一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では保持されるパーセントカールの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方がカール保持値が高いことからわかるように、高湿度条件で一定期間にわたりより高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、高湿度下で一定期間にわたりスタイリング保持力が低いことがわかった。Carbodiliteのコーティングへの組み込みにより、架橋による耐湿性が向上する。
AmphomerとCarbodilite V02−L2を用いて、加熱と共に処理した毛髪の高湿度カール保持
毛髪見本を次の組成物の4%活性物質溶液で処理した(0.5g/g毛髪):
4%Carbodilite V02−L2水溶液
4%Amphomerのエタノール中溶液
2%Carbodilite V02−L2+2%Amphomer(塗布前に震盪)
その後、毛髪をスパイラルカーリングロッド上、50Cのオーブン内で30分間乾燥させ、続けて、室温でさらに一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、本発明の組成物で処理し、50Cで30分間乾燥し、その後室温で乾燥した毛髪では、保持されるパーセントカールの増大がみられ、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。熱(オーブンでの乾燥)を使用しても、本発明の組成物を用いて保持されたパーセントカールは、実施例Iで毛髪に熱を加えなかった場合に得られた値よりも高く、これは、ブロードライヤ(60C)、フラットアイロン(120C〜250C)などのよく使われる加熱手段を用いて優れた性能が得られることを示す。
新規試験方法4
高湿度カール保持(HHCR)試験を用いて耐シャンプー性を求める方法
毛髪処理
試験法1(製品に塗布し、熱を加えて、または熱を加えずに乾燥させる、40C、湿度90%で高湿度カール保持試験を実施する)で得た毛髪見本を洗浄する。加湿チャンバから見本を取り出し、周囲室温下に置く。
洗浄処理
市販シャンプーの使用。
毛髪1g当たり0.4gのシャンプーで毛髪を洗浄する。毛髪をシャンプーを用いて10秒間もみ、水で20秒間すすぐ。毛髪に櫛を2回通して毛髪のほつれをほぐす。毛髪見本をカーリングロッドに巻き付ける。室温で一晩乾燥させる。
カール保持の測定
ロッドからコイル状に巻かれた毛髪を取り外し、90%RH、40℃の加湿チャンバ内に5時間置く。下式を用いて%カール保持を算出した:
%カール保持=(Lo−Lt)/(Lo−Li)x100
式中、
Lo=元の毛髪の長さ(完全に伸長した毛髪の長さ)
Li=最初の毛髪の長さ(湿気に曝露する前の毛髪の長さ)
Lt=湿気に5時間曝露した後の毛髪の長さ
次に、1回のシャンプー後、毛髪をカーリングロッドに巻き付けた状態で一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では保持されるパーセントカールの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりもシャンプー、高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方がカール保持値が高いことからわかるように、高湿度条件でのシャンプー処理により一定の期間にわたりより高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、高湿度でのシャンプーにより一定の期間にわたりスタイリング保持力が低いことがわかった。Carbodiliteのコーティングへの組み込みにより、架橋による耐洗浄性および耐湿性が向上する。
これらの見本は最初に50Cのオーブン内で30分間乾燥させて、次いで、シャンプーを1回実施した後に室温で乾燥させた。見本を洗浄した後、それ以上熱を用いて乾燥させることはなかった。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では保持されるパーセントカールの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりもシャンプー、高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方がカール保持値が高いことからわかるように、高湿度条件でのシャンプー処理により一定の期間にわたりより高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、高湿度でのシャンプーにより一定の期間にわたりスタイリング保持力が低いことがわかった。Carbodiliteのコーティングへの組み込みにより、加熱ありおよびなしの場合に、架橋による耐洗浄性および耐湿性が向上する。
3:陽イオンポリマーを用いた実施例
実施例I:
以下の実施例は本発明を例示するためのものであり、非限定的なものである。
試験方法
高湿度カール保持(HHCR)試験を用いて耐久性を求める方法
毛髪処理
通常の脱色毛髪見本(IHIP社製、長さ13.5cm、重量約0.5g)を活性物質4重量%の試験溶液で処理する(0.5g溶液/g毛髪)。溶液が毛髪見本の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通す。その後、処理毛髪をスパイラルロッド(直径0.5インチ)に巻き付け、
室温で一晩乾燥させるか、または
50℃のオーブンで30分間乾燥させた後、室温で一晩乾燥させる。
カール保持の測定
ロッドからコイル状に巻かれた毛髪を取り外し、90%RH、40℃の加湿チャンバ内に5時間置く。下式を用いて%カール保持を算出した:
%カール保持=(Lo−Lt)/(Lo−Li)x100
式中、
Lo=元の毛髪の長さ(完全に伸長した毛髪の長さ)
Li=最初の毛髪の長さ(湿気に曝露する前の毛髪の長さ)
Lt=湿気に5時間曝露した後の毛髪の長さ
三点曲げを用いて処理毛髪の機械的特性を求める方法
毛髪処理
正常毛髪片(IHIP社製、幅1cm、長さ15cm、約2.0〜2.5gの毛髪)を試験溶液で処理した(0.5g水溶液/g毛髪)。溶液が房の表面に均一に分布するまで毛髪に櫛を通した。次いで、真っ直ぐな形状の処理毛髪を室温で一晩乾燥させた。
三点曲げ測定
J.Cosmet.Sci.,53,345−362(2002年11月/12月)に記載されている通りに、毛髪取り付け用の付属品を備えたテクスチャーアナライザ(Model TA−XTPlus、Texture Technologies社)を用いて試験を実施した。カンチレバー曲げ実験は以下の一連の段階で構成された:毛束を幅6cmの2点上に置き、3点目となるプローブを毛束の中央に降ろし、毛束に10mmのひずみを10サイクル加えた。試験プロトコルは以下の通りとした:
Figure 2019501922
10サイクルの曲げが終了した後、力のプロットを10サイクルのひずみの大きさの関数として作成した。プロットから最初のひずみの最大力を求めた。
最大力が大きいことは、毛髪が固く強い保持力を有して剛性であることを示し、最大力が小さいことは、毛髪が柔らかく弱い保持力を有することを示す。
各実験を3回実行し、結果を3回の実験の平均値から報告する。
接触角を用いた疎水性試験方法
毛髪処理
2回脱色した毛髪片(IHIP社製、幅0.5cm、約0.75g)を本発明の組成物の水溶液で処理した。これらの見本をオーブン内50℃で30分間乾燥させた後、一晩乾燥させた。翌朝、見本をDOPシャンプーで洗浄し、ヘルメット型ドライヤで乾燥させ、残存している疎水性を測定した。
疎水性の測定
Biolin Scientific社のContact Angle Tensiometer、Model C204Aを用いた接触角測定により各見本の疎水性を測定した。30〜50本からなる繊維の束を表面が平らになるように締め付けた。DI HOの3〜5uLの液滴を繊維表面に置き、接触角を10秒間測定した。下に報告する数値は、10秒後の接触角を用いた3回の測定値の平均値である。
ポリクアテルニウム−22(PQ−22)とCarbodilite V02−L2で処理した毛髪の高湿度カール保持
3つの毛髪見本を下記の4%活性物質溶液で処理する(0.5g/g製品):
Figure 2019501922
その後、毛髪をカーリングロッドに巻き付けた状態で一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では保持されるパーセントカールの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方がカール保持値が高いことからわかるように、高湿度条件で一定期間にわたりより高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、高湿度下で一定期間にわたりスタイリング保持力が低いことがわかった。
ポリクアテルニウム−47とCarbodilite V02−L2で処理した毛髪の高湿度カール保持
3つの毛髪見本を下記の4%活性物質溶液で処理する(0.5g/g製品):
Figure 2019501922
その後、毛髪をカーリングロッドに巻き付けた状態で一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では保持されるパーセントカールの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方がカール保持値が高いことからわかるように、高湿度条件で一定期間にわたりより高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、高湿度下で一定期間にわたりスタイリング保持力が低いことがわかった。
ポリクアテルニウム−22とCarbodilite V02−L2を用いて、加熱と共に処理した毛髪の高湿度カール保持
3つの毛髪見本を下記の4%活性物質溶液で処理する(0.5g/g製品):
Figure 2019501922
次いで、毛髪を50℃のオーブン内で30分間乾燥させ、次いで、スパイラルカーリングロッド上で一晩、室温でさらに乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、本発明の組成物で処理し、50℃で30分間乾燥し、その後室温で乾燥した毛髪では、保持されるパーセントカールの増大がみられ、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。熱(オーブンでの乾燥)を使用しても、本発明の組成物を用いて保持されたパーセントカールは、実施例Iで毛髪に熱を加えなかった場合に得られた値よりも高く、これは、ブロードライヤ(60℃)、フラットアイロン(120℃〜250℃)などのよく使われる加熱手段を用いて優れた性能が得られることを示す。
さらに、本発明の組成物は、耐湿性を示す主要な2つの業界ベンチマークより優れた成績を示す。
ポリクアテルニウム−47とCarbodilite V02−L2を用いて、加熱と共に処理した毛髪の高湿度カール保持
3つの毛髪見本を下記の4%活性物質溶液で処理する(0.5g/g製品):
Figure 2019501922
次いで、毛髪を50℃のオーブン内で30分間乾燥させ、次いで、スパイラルカーリングロッド上で一晩、室温でさらに乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、本発明の組成物で処理し、50℃で30分間乾燥し、その後室温で乾燥した毛髪では、保持されるパーセントカールの増大がみられ、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりも高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。熱(オーブンでの乾燥)を使用しても、本発明の組成物を用いて保持されたパーセントカールは、毛髪に熱を加えなかった場合に得られた値よりも高く、これは、ブロードライヤ(60℃)、フラットアイロン(120℃〜250℃)などのよく使われる加熱手段を用いて優れた性能が得られることを示す。
さらに、本発明の組成物は、耐湿性を示す主要な2つの業界ベンチマークより優れた成績を示す。
ポリクアテルニウム−22とCarbodilite V02−L2で処理した毛髪の機械的性質
正常な未処理毛髪見本(約2.0〜2.5g)を以下の水溶液で処理した(0.5g製品/g毛髪)。
Figure 2019501922
処理した毛髪見本を室温で一晩乾燥させた。これらの毛髪見本で三点曲げ試験を実施して(3回の実験)、毛髪を10cm下方に曲げるため要する最大力(FMax)を求めた。
Figure 2019501922
結果は、いずれかの物質単独で、または別々に加えられたいずれかの物質で処理した毛髪に比べて、本発明の組成物で処理した毛髪では硬さの増大がみられることを示している。Carbodiliteのコーティングへの組み込みにより、ポリマーと毛髪との架橋による硬さが向上する。この膜硬さの増大により、コーティングの成形性能が改善されたと解釈される。
ポリクアテルニウム−47とCarbodilite V02−L2で処理した毛髪の機械的性質
正常な未処理毛髪見本(約2.0〜2.5g)を以下の水溶液で処理した(0.5g製品/g毛髪)。
Figure 2019501922
処理した毛髪見本を室温で一晩乾燥させた。これらの毛髪見本で三点曲げ試験を実施して(3回の実験)、毛髪を10cm下方に曲げるため要する最大力(FMax)を求めた。
Figure 2019501922
結果は、いずれかの物質単独で、または別々に加えられたいずれかの物質で処理した毛髪に比べて、本発明の組成物で処理した毛髪では硬さの増大がみられることを示している。Carbodiliteのコーティングへの組み込みにより、ポリマーと毛髪との架橋による硬さが向上する。この膜硬さの増大により、コーティングの成形性能が改善されたと解釈される。
上の実施例は、カルボジイミドおよびケラチン基質によるカルボン酸ポリマー含有ポリクアテルニウムの架橋が、高湿度に対する復元力により高い硬さ/剛性、優れたスタイルおよび形状の記憶をもたらすことを示している。
ポリクアテルニウム−22の疎水性
2回脱色毛髪見本(約0.75g)を以下の水溶液で処理した(1g製品/g毛髪)。
Figure 2019501922
シャンプーおよび乾燥後、以下のような接触角が測定された:
Figure 2019501922
ポリクアテルニウム−53の疎水性
2回脱色毛髪見本(約0.75g)を以下の水溶液で処理した(1g製品/g毛髪)。
Figure 2019501922
シャンプーおよび乾燥後、以下のような接触角が測定された:
Figure 2019501922
上記2つの実施例は、PQ処理の恩恵としての毛髪上でのPQ膜の架橋により、PQ単独では得られない耐シャンプー性が得られることを示している。
高湿度カール保持(HHCR)試験を用いて耐シャンプー性を求める方法
毛髪処理
試験法1(製品に塗布し、熱を加えて、または熱を加えずに乾燥させる、40C、湿度90%で高湿度カール保持試験を実施する)で得た毛髪見本を洗浄する。加湿チャンバから見本を取り出し、周囲室温下に置く。
洗浄処理
市販シャンプーの使用。
毛髪1g当たり0.4gのシャンプーで毛髪を洗浄する。毛髪をシャンプーを用いて10秒間もみ、水で20秒間すすぐ。毛髪に櫛を2回通して毛髪のほつれをほぐす。毛髪見本をカーリングロッドに巻き付ける。室温で一晩乾燥させる。
カール保持の測定
ロッドからコイル状に巻かれた毛髪を取り外し、90%RH、40℃の加湿チャンバ内に5時間置く。下式を用いて%カール保持を算出した:
%カール保持=(Lo−Lt)/(Lo−Li)x100
式中、Lo=元の毛髪の長さ(完全に伸長した毛髪の長さ)
Li=最初の毛髪の長さ(湿気に曝露する前の毛髪の長さ)
Lt=湿気に5時間曝露した後の毛髪の長さ
ポリクアテルニウム−47の高湿度を経た後の耐シャンプー性
次に、1回のシャンプー後、毛髪をカーリングロッドに巻き付けた状態で一晩乾燥させた。高湿度カール保持の結果を下に示す。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では保持されるパーセントカールの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりもシャンプー、高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方がカール保持値が高いことからわかるように、高湿度条件でのシャンプー処理により一定の期間にわたりより高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、高湿度でのシャンプーにより一定の期間にわたりスタイリング保持力が低いことがわかった。Carbodiliteのコーティングへの組み込みにより、架橋による耐洗浄性および耐湿性が向上する。
ポリクアテルニウム−47の高湿度を経た後の耐シャンプー性(加熱)
これらの見本は最初は50Cのオーブン内で30分間乾燥させて、次いで、シャンプーを1回実施した後に室温で乾燥させた。見本を洗浄した後、それ以上熱を用いて乾燥させることはなかった。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では保持されるパーセントカールの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりもシャンプー、高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方がカール保持値が高いことからわかるように、高湿度条件でのシャンプー処理により一定の期間にわたりより高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、高湿度でのシャンプーにより一定の期間にわたりスタイリング保持力が低いことがわかった。Carbodiliteのコーティングへの組み込みにより、加熱ありおよびなしの場合に、架橋による耐洗浄性および耐湿性が向上する。
ポリクアテルニウム−22の高湿度を経た後の耐シャンプー性(加熱)
これらの見本は最初に50Cのオーブン内で30分間乾燥させて、次いで、シャンプーを1回実施した後に室温で乾燥させた。見本を洗浄した後、それ以上熱を用いて乾燥させることはなかった。
Figure 2019501922
結果は、室温にて本発明の組成物で処理した毛髪では保持されるパーセントカールの増大がみられることを示しており、いずれかの物質単独で処理した毛髪よりもシャンプー、高湿度および高温に対する耐性が高いことがわかる。本発明の組成物の方がカール保持値が高いことからわかるように、高湿度条件でのシャンプー処理により一定の期間にわたりより高いスタイリング特性を示した。それとは対照的に、いずれかの物質単独で処理した毛髪は低いカール保持値を示し、高湿度でのシャンプーにより一定の期間にわたりスタイリング保持力が低いことがわかった。Carbodiliteのコーティングへの組み込みにより、架橋による耐洗浄性および耐湿性が向上する。
ポリクアテルニウム−22の耐シャンプー疎水性
2回脱色毛髪見本(約0.75g)を以下の水溶液で処理した(1g製品/g毛髪)。
Figure 2019501922
これらの試料をDOPシャンプーで1回洗浄して反応を停止後、乾燥した。その後、それらを市販のシャンプーを用いて追加して5回洗浄した後、乾燥した。一晩の完全乾燥後、以下のような接触角が測定された:
Figure 2019501922
ポリクアテルニウム−53の耐シャンプー疎水性
2回脱色毛髪見本(約0.75g)を以下の水溶液で処理した(1g製品/g毛髪)。
Figure 2019501922
これらの試料をDOPシャンプーで1回洗浄して反応を停止後、乾燥した。その後、それらを市販のシャンプーを用いて追加して5回洗浄した後、乾燥した。一晩の完全乾燥後、以下のような接触角が測定された:
Figure 2019501922
上記2つの実施例は、毛髪上でのPQ膜の架橋によりコーティングに対する顕著な耐シャンプー性が得られることを示している。
実施例II
毛髪用途のためのカルボン酸会合を含むポリカルボジイミドおよびポリクアテルニウムの化粧品適用
1a)毛髪をドライヤで乾かすことへの適用(加熱)のための縮毛抑制試験およびブラシ掛けの容易さ
毛髪見本(IHIP縮れ毛髪)を主にラウレス硫酸ナトリウム、ココベタインおよび水を含有するDOPシャンプーで洗浄した。下表のそれぞれの製品を指定毛髪見本上に塗布した(0.1gの製品/g毛髪)。見本をドライヤで乾燥した(ブロードライヤで30秒間大まかに乾燥して過剰水分を除去した後、1分間ドライヤで毛髪を乾かした)。ブラシ掛けの容易さを評価した。
その後、毛髪見本を加湿チャンバ(90%RH+40℃)に5時間置いた。縮毛抑制を1〜5のスケールでランク付けし、5が最高の抑制で最少量の縮毛に対応し、1が最小の抑制で最大量の縮毛に対応する。
Figure 2019501922
結果は、高湿度条件に曝露した場合、いずれかの物質単独で処理した毛髪に比べて、本発明の組成物で処理した毛髪では、ブラシ掛けの容易さおよび縮毛抑制の継続性に関して増大したまたは向上した特性がみられることを示している。ポリカルボジイミドのポリクアテルニウム−53含有溶液への組み込みにより、高湿度条件中での性能の耐久性の向上がもたらされた。
1b)風乾への適用のための縮毛抑制試験および分配の容易さ
毛髪見本(IHIP縮れ毛髪)をDOPシャンプーで洗浄した。下表のそれぞれの製品を指定毛髪見本上に塗布した(0.05gの製品/g毛髪)。溶液の見本上への分配の容易さを評価した。見本を一晩乾燥させた後、加湿チャンバ(90%RH+40℃)に5時間置いた。縮毛抑制を1〜5のスケールでランク付けし、5が最高の抑制で最少量の縮毛に対応し、1が最小の抑制で最大量の縮毛に対応する。
Figure 2019501922
結果は、高湿度条件に曝露した場合、いずれかの物質単独で処理した毛髪に比べて、本発明の組成物で処理した毛髪では、毛髪への分配の容易さに関して増大したまたは向上した特性がみられることを示している。ポリカルボジイミドのポリクアテルニウム−53含有溶液への組み込みにより、高湿度条件中での性能の耐久性の向上がもたらされた。
2a)毛髪をドライヤで乾かすことへの適用(加熱)のための縮毛抑制試験およびブラシ掛けの容易さ
毛髪見本(IHIP縮れ毛髪)を主にラウレス硫酸ナトリウム、ココベタインおよび水を含有するDOPシャンプーで洗浄した。下表のそれぞれの製品を指定毛髪見本上に塗布した(0.1gの製品/g毛髪)。見本をドライヤで乾燥した(ブロードライヤで30秒間大まかに乾燥して過剰水分を除去した後、1分間ドライヤで毛髪を乾かした)。ブラシ掛けの容易さを評価した。
その後、毛髪見本を加湿チャンバ(90%RH+40℃)に5時間置いた。縮毛抑制を1〜5のスケールでランク付けし、5が最高の抑制で最少量の縮毛に対応し、1が最小の抑制で最大量の縮毛に対応する。
Figure 2019501922
結果は、高湿度条件に曝露した場合、いずれかの物質単独で処理した毛髪に比べて、本発明の組成物で処理した毛髪では、ブラシ掛けの容易さおよび縮毛抑制の継続性に関して増大したまたは向上した特性がみられることを示している。ポリカルボジイミドのポリクアテルニウム−39含有溶液への組み込みにより、高湿度条件中での性能の耐久性の向上がもたらされた。
3)風乾への適用のための縮毛抑制試験および分配の容易さ
毛髪(IHIP縮れ毛髪)をDOPで洗浄する。溶液を塗布する(0.05g/g毛髪)。溶液の見本上への分配の容易さを評価する。晩乾燥させる。加湿チャンバ中に置く。縮毛抑制を1〜5のスケールでランク付けし、5が最高の抑制で最少縮毛であり、1が最小の抑制で最大縮毛である。
Figure 2019501922
結果は、高湿度条件に曝露した場合、いずれかの物質単独で処理した毛髪に比べて、本発明の組成物で処理した毛髪では、毛髪への分配の容易さに関して増大したまたは向上した特性がみられることを示している。ポリカルボジイミドのポリクアテルニウム−47含有溶液への組み込みにより、高湿度条件中での性能の耐久性の向上がもたらされた。
4)Carbodilite V02−L2含有ラテックスの付着力+コンディショニング試験
4重量%の活性物質溶液をポリプロピレン秤量ボート(毛髪と類似の表面エネルギーを有する)中に注ぎ込んだ。得られたフィルムを剥離した場合の接着強度を、膜の剥離の困難さに基づいて評価した(1が剥離が最も容易で、5が剥離が最も困難)。コンディショニングは、処理毛髪にブラシを通すことの容易さとして定義される。毛髪を0.25g製品/g毛髪を用いて処理する。
Figure 2019501922
上記表中の結果は、ポリクアテルニウム化合物単独に対する接着強度は極めて不十分であったことを示す。この結果はまた、たとえ接着強度が極めて高い場合でもあった場合でも、カルボジイミド単独を用いた毛髪に対するコンディショニングおよびブラシ掛けの容易さの特性は不十分であったことも示している。対照的に、ポリクアテルニウム化合物がポリカルボジイミドと混合された場合、上表中のそれぞれのポリクアテルニウム化合物の接着強度は、顕著に向上した。同時に、表中の値からも明らかなように、この本発明の組み合わせは、毛髪に対する非常に良好なコンディショニングおよび付着力特性をもたらした。
5)2段階スタイリング(毛髪を乾かすこと)
単一段階(1段階)系では、ポリカルボジイミドおよびラテックスポリマーが一緒に混合され、得られた混合物が毛髪に塗布される(0.2g/g毛髪)。
2段階系では、毛髪見本は、最初にポリカルボジイミド溶液(0.1g/g毛髪)で処理され、その後、ラテックス溶液(0.1g/g毛髪)で処理される。
毛髪見本(IHIP縮れ毛髪)を洗浄剤組成物で洗浄した。
単一段階または2段階系に準じて、試験溶液を見本に塗布した(0.2g製品/g毛髪)。見本を大まかに30秒間乾燥した後、高熱で1分間ドライヤで毛髪を乾かした後、加湿チャンバ中に置いた。
Figure 2019501922
上記結果から、毛髪に対する1ステップおよび2段階系のいずれかの使用は、非常に良好な縮毛抑制評点をもたらし、評点は、高湿度環境/温度において、初期および長時間持続する縮毛抑制の観点から、2段階系で最も高かった。
上記は本開示の例示的実施形態を記載するものであり、請求項に記載される本開示の趣旨からも範囲からも逸脱することなくそれに修正を施し得ることを理解するべきである。

Claims (20)

  1. ケラチン基質の処理のための組成物であって、
    ポリカルボジイミド化合物と、
    脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物、ならびに脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のポリカルボン酸化合物、ならびに陽イオンポリマーの内の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの追加の活性物質と
    を含み、
    前記組成物の、0.01重量%〜40.0重量%の前記ポリカルボジイミド化合物と前記少なくとも1つの追加の活性物質との総量を含み、
    前記ケラチン基質に塗布後に前記ケラチン基質に疎水性または増大した疎水性および前記ケラチン基質の形状もしくは外形の増大した保持力の内の1つまたは複数を付与するのに十分な、前記ポリカルボジイミド化合物と、前記少なくとも1つの追加の活性物質のそれぞれの量を含む、
    組成物。
  2. 前記ポリカルボジイミド化合物が次の式:
    Figure 2019501922
    (式中、X1およびX2はそれぞれ独立して、O、SまたはNHを表し;R1およびR2はそれぞれ独立して、1つまたは複数のカテナリ型もしくは非カテナリ型ヘテロ原子を含み、イオン性もしくは非イオン性のセグメントである直鎖状もしくは分岐鎖状および環状もしくは非環状の基を含む炭化水素基または1つまたは複数のカテナリ型もしくは非カテナリ型ヘテロ原子を含む一部もしくは全部がフッ素化された炭化水素基であり;nおよびzはそれぞれ独立して、0〜20の整数であり;L1は、C1〜C18二価脂肪族炭化水素基、C3〜C13二価脂環式炭化水素基、C6〜C14二価芳香族炭化水素基、C3〜C12二価複素環基またはm−テトラメチルキシリレンから選択されないC6〜C14二価芳香族炭化水素基を表し、複数のL1基は互いに同一であっても異なっていてもよく;Eは、O−R−O;S−R−S;およびR−N−R−N−Rからなる群より選択されるラジカルであり;
    式中、RおよびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または1つまたは複数のカテナリ型もしくは非カテナリ型ヘテロ原子を含み得る、芳香族ラジカル、脂環式ラジカル、アリールラジカルおよび直鎖状もしくは分岐鎖状アルキルラジカルを含めた炭化水素ラジカルであり、Rは、水素または炭化水素ラジカルであり、前記炭化水素ラジカルは、存在する場合、ハロゲン原子または1つまたは複数のカテナリ型もしくは非カテナリ型ヘテロ原子を含む)
    を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ポリカルボジイミド化合物が、下式:
    Figure 2019501922
    (式中、Rは、1〜24個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である)
    を有するアルファメチルスチリルイソシアナートから誘導されるコポリマーである、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記ポリカルボジイミド化合物が、以下の構造:
    Figure 2019501922
    (式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である)
    を有する化合物である、請求項2に記載の組成物。
  5. Rが、1〜24個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記少なくとも1つの追加の活性物質が、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物であり、前記ポリカルボジイミドおよび前記少なくとも1つの活性物質が、約0.1重量%〜約8重量%の濃度でそれぞれ存在する、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記少なくとも1つの追加の活性物質が、脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるもの以外のポリカルボン酸化合物であり、前記ポリカルボジイミドおよび前記少なくとも1つの活性物質が、約0.1重量%〜約18重量%の濃度でそれぞれ存在する、請求項2に記載の組成物。
  8. 前記少なくとも1つの追加の活性物質が、陽イオンポリマーであり、前記ポリカルボジイミドおよび前記少なくとも1つの活性物質が、約0.1重量%〜約20重量%の濃度でそれぞれ存在する、請求項2に記載の組成物。
  9. 前記脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物が、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘニン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ヒドロキシステアリン酸、ジリノール酸、オクタデセン二酸、およびこれらの混合物から選択される脂肪酸から選択される、請求項6に記載の組成物。
  10. ケラチン基質に与えられる前記疎水性が、50°超の接触角、5時間曝露後に約50%〜90%の範囲の高湿度カール保持、1回または複数回の洗浄サイクル後の約50°〜約80°の接触角を特徴とする耐久性、の内の1つまたは複数を含む、請求項6に記載の組成物。
  11. 前記ポリカルボン酸化合物が、不飽和モノまたは二塩基酸カルボン酸モノマー、およびアクリル酸またはメタクリル酸もしくはこれらの塩のコポリマー、および特に、アクリル酸およびアクリルアミドのそれらのナトリウム塩の形態で販売されているコポリマーを含むポリカルボン酸化合物を含むカルボン酸基を含む陰イオン性、非イオン性、および両性ポリマーから選択される化合物である、請求項7に記載の組成物。
  12. 親水性ケラチン基質に与えられる前記疎水性が、5時間の曝露後に約50%〜約90%の範囲の高湿度カール保持、前記基質に対する曲げ力特性の改善、および1回または複数回の洗浄サイクル後の100°〜約120°の接触角を特徴とする耐久性、の内の1つまたは複数をもたらす、請求項7に記載の組成物。
  13. 前記陽イオンポリマーが、ジアリイジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸コポリマー、メタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリル酸および/またはアクリル酸メチルのコポリマー、アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸ターポリマー、およびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、アクリルアミドおよびアクリル酸/からなる両性ターポリマーの内の1つまたは複数から選択される、請求項8に記載の組成物。
  14. 親水性ケラチン基質に与えられる前記疎水性が、5時間の曝露後に約30%〜約60%の範囲の高湿度カール保持、前記ケラチン基質に対する曲げ力特性の改善、および洗浄およびドライヤで毛髪を乾かした後の75°〜約85°の接触角を特徴とする耐久性、の内の1つまたは複数をもたらす、請求項8に記載の組成物。
  15. 前記組成物は、水、C1〜C4低級アルコール、グリコール、ポリオール、ポリオールエーテル、炭化水素、油およびその混合物から選択される有機溶媒、ならびにこれらの混合物から選択される溶媒、ならびに前記組成物は、任意選択で、本発明のアミノシリコーン以外のアミノ化合物(例えば、アミノシリコーン、ポリアミン、ジアミン、モノアミンおよびアミノ官能化シラン化合物)から選択される少なくとも1つの添加剤、界面活性剤(陰イオン性、非イオン性、カチオン性および両性/双性イオン性)、および本発明のポリカルボジイミド以外のポリマー、例えば、陰イオンポリマー、非イオン性ポリマー、両性ポリマー、ポリマーレオロジー調整剤、増粘剤および/または粘度調節剤、会合性または非会合性ポリマー増粘剤、非高分子増粘剤、真珠光沢剤、乳白剤、染料または色素、鉱物、植物または合成油、セラミドを含むワックスビタミン、UV遮断剤、ラジカルスカベンジャー、フケ防止剤、脱毛防止剤、育毛剤、保存剤、pH安定剤および媒体、ならびにこれらの混合物をさらに含み、レオロジー調整剤および増粘剤/粘度変性剤の内の1つまたは複数を含む少なくとも1つの添加剤は、水溶性または水分散性化合物であり、アクリルポリマー、非アクリルポリマー、デンプン、糖系ポリマー(例えば、グアー、グアーガム)、セルロース系ポリマー(特に、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースガム、アルキルヒドロキシエチルセルロース、カルボン酸含有セルロース/炭水化物)、非ポリマー性ゲル化剤およびポリマー性ゲル化剤、シリカ粒子、粘土、ヒアルロン酸、アルギン酸ならびにこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
  16. 毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン繊維を加熱、UV照射もしくは化学処理によって引き起こされる外因性損傷から保護する方法、または毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン繊維を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法であって、請求項1に記載の組成物を、ケラチン基質に塗布して前記ケラチン繊維を保護または修復することを含み、任意選択で、前記ケラチン基質を加熱することをさらに含み、前記熱を、前記組成物を前記ケラチン基質に塗布する前、その間、その後に加える、方法。
  17. 毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷から保護する、または毛髪、睫毛および眉から選択されるケラチン基質を加熱、UV照射、化学処理もしくは機械的応力によって引き起こされる外因性損傷後に修復する方法であって、請求項1に記載の組成物の、前記ポリカルボジイミドと、前記脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物とのそれぞれを、少なくとも1つの溶媒を含む予混合物の形で準備し、1段階の工程および2段階の工程から選択される工程に従い前記予混合物を前記ケラチン基質に塗布することを含む、方法。
  18. 前記工程が、
    前記ポリカルボジイミドおよび前記脂肪酸、それらの塩、およびそれらの混合物から選択されるカルボン酸化合物を含む前記組成物を、予混合物として準備し、前記ポリカルボジイミドと、前記少なくとも1つの追加の活性物質と、少なくとも1つの溶媒とを混合することにより調製し、前記予混合組成物を前記ケラチン基質に塗布する、1段階の工程;
    前記組成物を別々の予混合物として準備し、それぞれの予混合物を、前記ポリカルボジイミドと、前記少なくとも1つの追加の活性物質を含み、前記予混合物を、前記ポリカルボジイミドと溶媒とを混合して第1の相を形成し、別に前記少なくとも1つの追加の活性物質を適切な溶媒と混合して第2の相を形成することにより調製し、使用時に前記予混合物相が混合して組成物を形成し、これを前記ケラチン基質に塗布する、1段階の工程;ならびに
    前記組成物を別々の予混合物の形で準備し、前記予混合物を、前記ポリカルボジイミドと1つの溶媒とを混合して第1の相を形成し、別に前記少なくとも1つの追加の活性物質と適切な溶媒とを混合して第2の相を形成することにより調製し、使用時にそれぞれの前記予混合物相を任意の順序で別々に前記ケラチン基質に塗布する、2段階の工程
    から選択される少なくとも1つの段階の工程である、請求項20に記載の方法。
  19. 前記工程が、
    前記ケラチン基質に熱を加える段階であって、前記熱が前記ケラチン基質に1つまたは複数の予混合組成物を塗布する前、その間、その後に加えられる段階、ならびに
    着色、色素沈着、パーマ、弛緩、縮毛矯正、およびハイライト処理から選択されるどれか1つまたは複数の工程により前記ケラチン基質を処理する段階
    から任意の順序で選択される追加の工程段階の内の1つまたは複数を含む、請求項21に記載の方法。
  20. 別個に包装された形態で含むキットを含み、前記キットが、
    前記ポリカルボジイミドと前記少なくとも1つの追加の活性物質が、混合され、前記予混合物が少なくとも1つの溶媒を含む、請求項1に記載の組成物、ならびに
    前記ポリカルボジイミドと少なくとも1つの追加の活性物質が、ポリカルボジイミドと少なくとも1つの水を含む溶媒を含む包装された第1の相の予混合物;および同様に前記少なくとも1つの追加の活性物質と少なくとも1つの水を含む溶媒を含む包装された第2の相の予混合物を含む、別々の包装で準備し、使用時に、前記予混合相を混合して前記組成物を形成する、請求項1に記載の組成物
    の内の少なくとも1方を含む、製品。

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