JP2019219713A - 生産計画立案装置、生産計画立案方法およびプログラム - Google Patents
生産計画立案装置、生産計画立案方法およびプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】製品を製造する生産現場において、生産能力をより活用し、生産リードタイムを短縮し、かつ、小ロット化による仕掛り削減効果を増加させる。【解決手段】生産計画立案装置1の生産計画部13は、記憶部12が記憶する、段取り時間情報121、生産時間情報122および稼働時間情報123に基づいて、生産リスト取得部11が取得する生産リスト情報が示す生産リストの生産する製品の生産機種、生産数量および納期に対して、生産数量を1ロットとして生産機種の生産順番を決定し、稼働日の中から納期に間に合うように生産予定日を割り当てて、製品を生産する生産計画を示す生産計画情報124を生成する。ロット分割部14は、生産予定日の稼働時間に空き時間がある生産計画情報124の生産機種のロットサイズを分割して生産順番を変更した生産計画情報124を生成する。生産計画出力部15は、生産計画情報124を出力する。【選択図】図1
Description
本発明は、生産計画立案装置、生産計画立案方法およびプログラムに関する。
製造業において、生産機種、生産ロット、稼働時間、段取り時間を考慮し、生産現場の目的に合わせた生産計画を作成する様々な生産計画立案システムが提案されている。
特許文献1には、納期厳守、リードタイムの最小化、段取り時間の最小化などの目的に応じて、各項目の重み付けを行い、遺伝的アルゴリズムを活用することで最適な生産計画のスケジューリングを行うスケジューリング装置が開示されている。
機械加工工場、板金部品加工工場など、ライン化されていないバッチ生産で一度に1つの製品を大量生産する生産現場では、需要の変動への対応や在庫の削減のため、生産ロットの小ロット化が図られている。しかし、従来このような生産現場で生産計画を作成する場合、一度決定したロットサイズの変更は定期的にしか行われず、生産現場の生産能力が余っている状態でもロットサイズの変更はされない。そのため、各稼働日に割り当てられた生産計画を処理するための処理時間がその日の稼働時間に満たない場合も存在し、処理時間と稼働時間と差には日々バラつきがある。このような状況では作業者に空き時間が発生することになるため、生産能力を活用しきれていないという課題がある。また、ロットサイズの変更が定期的にしか行われないことにより、生産リードタイムが長くなると共に、小ロット化による仕掛り削減の効果が少なくなる。
特許文献1に記載の生産計画のスケジューリング装置は、生産現場の生産能力が余っている状態でもロットサイズの変更を行わないので、この課題は解消されない。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、製品を製造する生産現場において、生産能力をより活用し、生産リードタイムを短縮し、かつ、小ロット化による仕掛り削減効果を増加させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る生産計画立案装置は、生産リスト取得部と、記憶部と、生産計画部と、ロット分割部と、生産計画出力部とを備える。生産リスト取得部は、生産する製品の生産機種、生産数量および納期を含む生産リストを示す生産リスト情報を取得する。記憶部は、生産機種ごとの製品1個あたりの生産時間を示す生産時間情報、生産機種間の段取り替えにかかる段取り時間を示す段取り時間情報、および、稼働日別の稼働時間を示す稼働時間情報を記憶する。生産計画部は、生産時間情報、段取り時間情報および稼働時間情報に基づいて、生産リスト情報が示す生産リストについて、生産数量を1ロットとして、生産機種の生産順番を決定し、稼働日の中から納期に間に合うように生産予定日を割り当てて、製品を生産する生産計画を示す生産計画情報を生成する。ロット分割部は、稼働時間情報に基づいて、生産計画部が生成した生産計画情報が示す生産計画の生産予定日の稼働時間に空き時間がある場合に、稼働時間内で分割可能な生産機種のロットサイズを分割して生産順番を変更した生産計画情報を生成する。生産計画出力部は、生産計画部およびロット分割部が生成した生産計画情報を出力する。
本発明によれば、製品を製造する生産現場において、生産計画立案装置が生産予定日の稼働時間に空き時間がある生産計画の生産機種のロットサイズを分割した生産計画情報を生成して出力し、稼働日の処理時間と稼働時間との差を小さくしてバラつきを抑えることで、生産能力をより活用することができ、生産リードタイムを短縮し、かつ、小ロット化による仕掛り削減効果を増加させることができる。
以下に、本発明の実施の形態に係る生産計画立案装置、生産計画立案方法およびプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同じ符号を付す。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る生産計画立案装置は、生産する製品の生産機種、生産数量および納期を含む生産リストを示す生産リスト情報の入力を受け付ける。生産計画立案装置は、入力された生産リスト情報が示す生産リストについて、製品を生産する生産計画を示す生産計画情報を生成し、ユーザに提示する。生産計画立案装置は、生産計画情報が示す生産計画において生産機種のロットサイズの分割が可能な場合には、生産機種のロットサイズを分割した生産計画情報を生成し、ユーザに提示する。まず、図1を用いて生産計画立案装置の機能構成を説明する。
実施の形態1に係る生産計画立案装置は、生産する製品の生産機種、生産数量および納期を含む生産リストを示す生産リスト情報の入力を受け付ける。生産計画立案装置は、入力された生産リスト情報が示す生産リストについて、製品を生産する生産計画を示す生産計画情報を生成し、ユーザに提示する。生産計画立案装置は、生産計画情報が示す生産計画において生産機種のロットサイズの分割が可能な場合には、生産機種のロットサイズを分割した生産計画情報を生成し、ユーザに提示する。まず、図1を用いて生産計画立案装置の機能構成を説明する。
図1に示すように、生産計画立案装置1は、ユーザ端末2から生産リスト情報を取得する生産リスト取得部11と、生産計画の立案に必要な各種情報を記憶する記憶部12と、生産リスト情報が示す生産リストについて製品を生産する生産計画を示す生産計画情報を生成する生産計画部13と、稼働時間に空き時間がある生産計画情報の生産機種のロットサイズを分割して生産順番を変更した生産計画情報を生成するロット分割部14と、生産計画情報を出力する生産計画出力部15とを備える。生産リスト取得部11、記憶部12、生産計画部13、ロット分割部14および生産計画出力部15はそれぞれ、本発明における生産リスト取得部、記憶部、生産計画部、ロット分割部および生産計画出力部の例である。本実施の形態では、生産計画部13およびロット分割部14が生成した生産計画情報は、記憶部12に記憶される。
生産リスト取得部11が生産リスト情報を取得する方法は、ユーザ端末2から取得する方法に限らない。ユーザが生産リスト情報を生産リスト取得部11に直接入力してもよいし、生産リスト取得部11が外部の記憶装置から生産リスト情報を取得してもよい。ここで、図2を用いて、生産リスト情報について説明する。図2に示す生産リスト情報は、2018/04/02までに、生産機種A、B、Cでそれぞれ100個の製品を生産し、生産機種Dで50個の製品を生産する生産リストを示している。図2の例では、生産リストの各製品の納期は同じであるが、生産リストの製品は、連続して生産する製品であれば納期が異なってもよい。また、生産リストは、製品名、生産ライン、納品先などその他の情報を含んでいてもよい。
図1に戻り、記憶部12は、生産機種間の段取り替えにかかる時間を示す段取り時間情報121と、生産機種ごとの製品1個あたりの生産時間を示す生産時間情報122と、稼働日ごとの稼働時間を示す稼働時間情報123と、生産計画部13およびロット分割部14が生成した生産計画情報124を記憶する。ここで、図3、図4および図5を用いて、段取り時間情報121、生産時間情報122および稼働時間情報123について説明する。生産計画情報124については後ほど説明する。図3に示す段取り時間情報121は、例えば、生産機種AからBへの段取り替えにかかる段取り替え時間は、0.8時間、生産機種AからCへの段取り替えにかかる段取り替え時間は、0.7時間、生産機種AからDへの段取り替えにかかる段取り替え時間は、0.9時間であることを示している。図4に示す生産時間情報122は、生産機種A、B、C、Dの製品1個あたりの生産時間がそれぞれ、0.01時間、0.03時間、0.005時間、0.02時間であることを示している。図5に示す稼働時間情報123は、2018年の稼働日別の稼働時間を示している。図示されている範囲では、4月4日、6日、11日、13日は稼働時間が8時間になっており、4月2日、3日、5日、9日、10日、12日の稼働時間は10時間になっている。
図1に戻り、生産計画部13について説明する。生産計画部13は、合計段取り時間が最小となる生産順番を算出する生産順番算出部131と、算出した生産順番に生産予定日を割り当てる生産予定日割当部132と、割り当てた生産予定日の生産計画を示す生産計画情報を生成する生産計画生成部133とを備える。生産リスト取得部11は、取得した生産リスト情報を、生産順番算出部131に送る。生産順番算出部131は、受け取った生産リスト情報が示す生産リストの生産機種のすべての組み合わせの生産順番を算出する。生産順番算出部131は、記憶部12から段取り時間情報121を読み出す。生産順番算出部131は、段取り時間情報121に基づいて、算出したすべての生産順番について、段取り替えの段取り時間を合計した合計段取り時間をそれぞれ算出する。生産順番算出部131は、合計段取り時間が最小となる生産順番(以下、最小生産順番という)を算出する。生産順番算出部131は、生産リスト情報と、最小生産順番を示す最小生産順番情報と、最小生産順番の合計段取り時間を示す合計段取り時間情報と、段取り時間情報121とを生産予定日割当部132に送る。生産順番算出部131は、本発明における生産順番算出部の例である。
ここで、生産計画部13の処理を図2および図3を用いて具体的に説明する。生産順番算出部131は、図2に示す生産リスト情報を受け取った場合、生産機種A、B、C、Dのすべての組み合わせの24通りの生産順番を算出する。生産順番算出部131は、図3に示す段取り時間情報121を読み出し、読み出した段取り時間情報121に基づいて、算出した24通りの生産順番について、それぞれ合計段取り時間を算出する。生産順番算出部131は、合計段取り時間が0.8+0.6+0.6=2.0時間の生産順番A→B→C→Dを最小生産順番として算出する。生産順番算出部131は、最小生産順番A→B→C→Dを示す最小生産順番情報と、最小生産順番A→B→C→Dの合計段取り時間である2.0時間を示す合計段取り時間情報と、生産リスト情報と、段取り時間情報121とを生産予定日割当部132に送る。
図1に戻り、生産予定日割当部132は、生産リスト情報と、最小生産順番情報と、合計段取り時間情報と、段取り時間情報121とを受け取ると、記憶部12から生産時間情報122を読み出す。生産予定日割当部132は、生産時間情報122に基づいて、生産リスト情報が示す生産リストの生産数量をすべて生産するのに必要な生産時間である合計生産時間を算出する。次に、生産予定日割当部132は、記憶部12から稼働時間情報123を読み出す。生産予定日割当部132は、合計段取り時間情報および稼働時間情報123に基づいて、合計生産時間と合計段取り時間との和である処理時間を稼働時間内に確保できる割り当て可能な稼働日のうち、納期に間に合う稼働日に生産予定日を割り当てる。例えば、納期に納品する場合には、生産予定日割当部132は、割り当て可能な稼働日のうち、納期に間に合う一番遅い稼働日に生産予定日を割り当てる。納期に間に合う一番遅い稼働日に生産予定日を割り当てることで、製品の保管期間を最も短くすることができる。製品を1ロット完成するごとに納品する場合には、生産予定日割当部132は、納期に間に合う割り当て可能な稼働日のうち、決められた条件を満たす稼働日に生産予定日を割り当てる。
生産予定日割当部132は、記憶部12に生産計画情報124がすでに記憶されている場合には、記憶されている生産計画情報124が示す生産計画が割り当てられた時間帯または日を除外して、生産予定日を割り当てる。具体的には、生産予定日割当部132は、すでに記憶されている生産計画情報124が示す生産予定日の稼働時間の空き時間内に、処理時間を確保できない場合は、当該生産予定日は割り当て不可の稼働日とする。あるいは、生産予定日割当部132は、すでに記憶されている生産計画情報124が示す生産予定日は、割り当て不可の稼働日とする。また、生産予定日割当部132が、割り当ての対象から、生産計画が割り当てられた時間帯または日を除外する生産計画情報は、同じ生産現場について他のシステムで生成された生産計画情報であってもよい。生産予定日割当部132は、最小生産順番に割り当てた生産予定日を示す生産予定日情報と、最小生産順番情報と、生産リスト情報と、段取り時間情報121と、生産時間情報122と、稼働時間情報123とを生産計画生成部133に送る。生産予定日割当部132は、本発明における生産予定日割当部の例である。
ここで、生産予定日割当部132の処理を図2、図4および図5を用いて具体的に説明する。生産予定日割当部132は、図2に示す生産リスト情報を受け取ると、図4に示す生産時間情報122を読み出し、読み出した生産時間情報122に基づいて、生産機種A、B、Cで100個の製品、生産機種Dで50個の製品をすべて生産するのに必要な合計生産時間0.01×100+0.03×100+0.005×100+0.02×50=5.5時間を算出する。生産予定日割当部132は、図5に示す稼働時間情報123を読み出し、読み出した稼働時間情報123と受け取った合計段取り時間情報とに基づいて、合計生産時間5.5時間と合計段取り時間2.0時間とを合算した7.5時間の処理時間を稼働時間内に確保できる割り当て可能な稼働日を抽出する。最初に生産リスト情報を取得した場合には、すべての稼働日が空いているので、生産予定日割当部132は、納期に間に合う一番遅い日2018/04/02に生産予定日を割り当てる。なお、納期に間に合う一番遅い日は納期の当日に限らず、納期よりも前の日であればよい。また、割り当てる生産予定日は、納期に間に合う一番遅い日に限らず、納期に間に合う割り当て可能な稼働日のうち、決められた条件を満たす日であればよい。生産予定日割当部132は、最小生産順番A→B→C→Dに割り当てた生産予定日2018/04/02を示す生産予定日情報と、最小生産順番情報と、生産リスト情報と、段取り時間情報121と、生産時間情報122と、稼働時間情報123とを生産計画生成部133に送る。
図1に戻り、生産計画生成部133は、生産予定日割当部132から、生産予定日情報と、最小生産順番情報と、生産リスト情報と、段取り時間情報121と、生産時間情報122と、稼働時間情報123とを受け取ると、これらの情報に基づいて、生産計画情報を生成する。生産計画情報は、生産予定日情報が示す生産予定日と、最小生産順番情報が示す最小生産順番と、生産リスト情報が示す生産リストの生産機種のロットサイズと、生産リスト情報が示す生産リストの生産機種の1ロットあたりの生産時間であるロット生産時間と、最小生産順番情報が示す最小生産順番における段取り時間と、最小生産順番情報が示す最小生産順番における処理時間と、を含む。生産計画生成部133は、生成した生産計画情報を記憶部12に記憶する。生産計画生成部133は、本発明における生産計画生成部の例である。
ここで、図6を用いて、記憶部12が記憶する生産計画情報124について説明する。図6に示す生産計画情報124は、「生産予定日」、「生産機種」、「ロットサイズ」、「生産時間」、「ロット生産時間」、「段取り替え」、「段取り時間」および「累計時間」の項目で構成される。「生産予定日」の項目には、生産予定日情報が示す2018/04/02が記録されている。「生産機種」の項目には、最小生産順番情報が示す最小生産順番A→B→C→Dの順に生産機種が記録されている。「ロットサイズ」の項目には、生産リストの生産機種A、B、C、Dの生産数量がロットサイズとして記録されている。「生産時間」の項目には、生産時間情報122が示す生産機種A、B、C、Dの製品1個あたりの生産時間が記録されている。「ロット生産時間」の項目には、生産機種A、B、C、Dのロットサイズの値と生産時間の値を掛けた1ロットあたりの生産時間であるロット生産時間が記録されている。「段取り替え」の項目には、最小生産順番A→B→C→Dにおける段取り替え、A→B、B→C、C→Dが記録されている。「段取り時間」の項目には、段取り時間情報121が示すA→Bの段取り時間、B→Cの段取り時間、C→Dの段取り時間が記録されている。「累計時間」の項目には、ロット生産時間および段取り時間の累計時間が記録されている。「累計時間」の項目の最終的な累計時間は、処理時間である。
図6では、理解を容易にするため「生産時間」および「段取り替え」の項目を含む生産計画情報124の例を示したが、生産計画情報124は、少なくとも「生産予定日」、「生産機種」、「ロットサイズ」、「ロット生産時間」、「段取り時間」および「累計時間」の項目を含めばよく、「累計時間」の項目は処理時間だけを示す項目であってもよい。
図1に戻り、生産計画出力部15は、生産計画生成部133が記憶部12に記憶した生産計画情報124をユーザ端末2に送信する。生産計画情報124の出力方法はこれに限らず、生産計画情報124を画面表示してユーザに提示してもよいし、生産計画情報124をプリントアウトしてユーザに提示してもよい。
上記の説明では、生産順番算出部131は生産予定日割当部132に、生産予定日割当部132は生産計画生成部133に、受け取った情報および読み出した情報を送る構成になっているが、生産予定日割当部132および生産計画生成部133は、生産リスト情報を生産リスト取得部11から受け取ってもよいし、段取り時間情報121、生産時間情報122および稼働時間情報123を記憶部12から読み出してもよい。
続いて、ロット分割部14について説明する。ロット分割部14は、稼働時間に空き時間のある生産計画情報を抽出する生産計画抽出部141と、稼働時間に空き時間のある生産計画情報の生産機種のロットサイズを分割するロット分割実行部142とを備える。生産計画抽出部141は、記憶部12が記憶する稼働時間情報123と生産計画情報124とに基づいて、処理時間である最終的な累計時間が稼働時間に満たない生産予定日の生産計画情報124を、稼働時間に空き時間のある生産計画情報として抽出する。生産予定日の稼働時間から処理時間を減算した値が稼働時間の空き時間である。生産計画抽出部141は、抽出した稼働時間に空き時間のある生産計画情報をロット分割実行部142に送る。生産計画抽出部141は、本発明における生産計画抽出部の例である。
生産計画抽出部141は、生産計画生成部133が記憶部12に生産計画情報124を記憶したことをトリガとして、稼働時間に空き時間のある生産計画情報を抽出してもよいし、定期的に稼働時間に空き時間のある生産計画情報を抽出してもよい。あるいは、生産計画抽出部141は、図1の破線矢印で示すように、ユーザ端末2からロットサイズを分割する指示を受信したことをトリガとして、稼働時間に空き時間のある生産計画情報を抽出してもよい。ロットサイズを分割する指示には、稼働時間に空き時間のある生産計画情報を抽出する抽出範囲を含んでもよい。
ロット分割実行部142は、生産計画抽出部141から受け取った稼働時間に空き時間のある生産計画情報に対し、まず、ロット生産時間が最大の生産機種をロット分割対象の生産機種として抽出する。ロット分割実行部142は、ロット分割対象の生産機種のロットサイズを2分割して、既存の生産順番に入れ込み可能な箇所があるか否かを判定する。ここでは、同一の生産機種が連続する箇所には入れ込み不可という制約条件を設ける。入れ込み可能な箇所がある場合、ロット分割実行部142は、ロット分割対象の生産機種のロットサイズを2分割して入れ込んだ生産順番の処理時間を算出する。入れ込み可能な箇所が複数ある場合には、それぞれの処理時間を算出する。
ロット分割実行部142は、ロット分割対象の生産機種のロットサイズを2分割して入れ込んだ生産順番のうち、処理時間が最小の生産順番を算出する。ロット分割実行部142は、算出した処理時間が最小の生産順番について、稼働時間情報123を参照し、生産予定日の稼働時間よりも処理時間が小さい場合には、ロットサイズを分割可能と判定し、生産予定日の稼働時間よりも処理時間が大きい場合には、ロットサイズを分割不可と判定する。ロット分割実行部142は、ロットサイズを分割可能と判定した場合、ロット分割対象の生産機種のロットサイズを2分割して入れ込んだ処理時間が最小の生産順番に変更した生産計画情報を生成する。
ロット分割実行部142は、変更した生産計画情報に対し、再びロット生産時間が最大の生産機種をロット分割対象の生産機種として抽出する。ロットサイズを2分割してもなお当該生産機種のロット生産時間が最大である場合には、同じ生産機種をロット分割対象の生産機種として抽出してもよい。ロット分割実行部142は、ロット分割対象の生産機種のロットサイズを分割不可と判定するまで上記の処理を繰り返す。ロット分割実行部142は、生成した生産計画情報を記憶部12に記憶する。ロット分割実行部142は、本発明におけるロット分割実行部の例である。
ここで、図7を用いて、ロット分割部14の処理について詳しく説明する。図7(a)には、生産計画抽出部141が抽出した、処理時間である最終的な累計時間が7.5時間で稼働時間が10時間である生産予定日2018/04/02の生産計画情報を示す。ロット分割実行部142は、生産計画抽出部141が抽出した生産予定日2018/04/02の生産計画情報に対し、ロット生産時間が3.0時間で最大の生産機種Bをロット分割対象の生産機種として抽出する。ロット分割実行部142は、生産機種Bのロットサイズを2分割して、既存の生産順番A→B→C→Dに入れ込み可能な箇所があるか否かを判定する。ここでは、同一の生産機種が連続する箇所には入れ込み不可という制約条件があるので、Aの前、Cの後、Dの後に入れ込み可能である。
ロット分割実行部142は、生産機種Bのロットサイズを2分割して入れ込み可能な箇所に入れ込んだ生産順番の処理時間をそれぞれ算出する。生産機種Bのロットサイズ100を2分割してAの前に入れ込んだ生産順番の処理時間は、8.4時間である。生産機種Bのロットサイズ100を2分割してCの後に入れ込んだ生産順番の処理時間は、8.3時間である。生産機種Bのロットサイズ100を2分割してDの後に入れ込んだ生産順番の処理時間は、8.4時間である。ロット分割実行部142は、生産機種Bのロットサイズ100を2分割してCの後に入れ込んだ生産順番を処理時間が最小の生産順番として算出する。ロット分割実行部142は、最小の生産順番として算出した生産機種Bのロットサイズ100を2分割してCの後に入れ込んだ生産順番について、稼働時間情報123を参照し、生産予定日2018/04/02の稼働時間10時間よりも処理時間8.3時間が小さいのでロットサイズを分割可能と判定し、生産機種Bのロットサイズ100を2分割してCの後に入れ込んで生産順番を変更した生産計画情報を生成する。
図7(b)には、ロット分割実行部142が生成した生産機種Bのロットサイズ100を2分割してCの後に入れ込んで生産順番を変更した生産計画情報を示す。図7(b)に示す生産計画情報では、生産順番がA→B→C→B→Dになっており、生産機種Bの「ロットサイズ」と、「ロット生産時間」と、生産機種Cの後の「段取り替え」と、生産機種Dの前の「段取り替え」と、「累計時間」が変更されている。ロット分割実行部142は、図7(b)に示す変更した生産計画情報に対し、ロット生産時間が最大の生産機種Bをロット分割対象の生産機種として抽出する。ロット分割実行部142は、ロット分割対象の生産機種のロットサイズを分割不可と判定するまでこのような処理を繰り返し、ロット分割実行部142は、ロット分割対象の生産機種のロットサイズを分割不可と判定すると、生成した生産計画情報を記憶部12に記憶する。
図1に戻り、生産計画出力部15は、ロット分割実行部142が記憶部12に記憶した生産計画情報124をユーザ端末2に送信する。前述のように、生産計画情報124の出力方法はこれに限らない。
上記の説明では、記憶部12が生産計画情報124を記憶する構成になっているが、生産計画情報124は記憶部12に記憶されない構成にしてもよい。例えば、生産計画生成部133およびロット分割実行部142は、生成した生産計画情報を生産計画出力部15に送り、生産計画出力部15は、受け取った生産計画情報をユーザ端末2に送信する。この場合、生産計画抽出部141は、例えば、ユーザ端末2からロットサイズを分割する指示と共に生産計画情報を受信し、稼働時間に空き時間のある生産計画情報であるか否かを判定する。稼働時間に空き時間のある生産計画情報である場合には、ロット分割実行部142に送る。稼働時間に空き時間のある生産計画情報でない場合には、稼働時間に空き時間がないことを示すエラー情報をユーザ端末2に送信する。あるいは、生産計画生成部133およびロット分割実行部142は、生成した生産計画情報を生産計画出力部15に送り、生産計画出力部15は、受け取った生産計画情報を外部の記憶装置に送信する。この場合、生産計画抽出部141は、外部の記憶装置から稼働時間に空き時間のある生産計画情報を抽出する。
ここで、図8を用いて、ロット分割部14による処理の前後で稼働時間と処理時間と差と、そのバラつきがどのように変化するかを説明する。図8(a)は、ロット分割部14による処理の前の2018/04/02〜2018/04/13までの稼働日の処理時間、稼働時間、および、処理時間と稼働時間との差を示すグラフである。図8(b)は、ロット分割部14による処理の後の2018/04/02〜2018/04/13までの稼働日の処理時間、稼働時間、および、処理時間と稼働時間との差を示すグラフである。ロット分割部14が実行する処理によって稼働時間の範囲内で可能なかぎり生産機種のロットサイズが分割されるので、図8(b)に示すように、各稼働日の処理時間と稼働時間との差が縮小され、バラつきを抑えることができる。
続いて、生産計画立案装置1が実行する生産計画生成処理について、図2〜図6、図9を用いて説明する。図9に示す生産計画生成処理は、生産計画立案装置1の電源が投入されたことで開始する。生産計画立案装置1の生産リスト取得部11は、ユーザ端末2から、生産リスト情報を取得しない場合(ステップS11;NO)、ステップS11を繰り返して生産リスト情報の取得を待機する。生産リスト取得部11は、生産リスト情報を取得した場合(ステップS11;YES)、取得した生産リスト情報を生産計画部13の生産順番算出部131に送る。生産順番算出部131は、生産リスト情報を受け取ると、生産リストの生産機種のすべての組み合わせの生産順番を算出する(ステップS12)。
ステップS11で生産リスト取得部11が取得する生産リスト情報は、例えば、図2に示す生産リスト情報である。図2に示す生産リスト情報を取得した場合、ステップS12で、生産順番算出部131は、生産機種A、B、C、Dのすべての組み合わせの24通りの生産順番を算出する。
図9に戻り、生産順番算出部131は、記憶部12から読み出した段取り時間情報121に基づいて、算出したすべての生産順番について、それぞれの合計段取り時間を算出する(ステップS13)。生産順番算出部131は、合計段取り時間が最小となる最小生産順番を算出する(ステップS14)。生産順番算出部131は、生産リスト情報と、最小生産順番を示す最小生産順番情報と、最小生産順番の合計段取り時間を示す合計段取り時間情報と、段取り時間情報121とを生産予定日割当部132に送る。
生産順番算出部131は、ステップS12で、生産機種A、B、C、Dのすべての組み合わせの24通りの生産順番を算出した場合、ステップS13で、図3に示す段取り時間情報121を読み出し、読み出した段取り時間情報121に基づいて、算出した24通りの生産順番について、それぞれ合計段取り時間を算出する。ステップS14で、生産順番算出部131は、合計段取り時間が2.0時間の生産順番A→B→C→Dを最小生産順番として算出する。
図9に戻り、生産予定日割当部132は、生産リスト情報と、最小生産順番情報と、合計段取り時間情報と、段取り時間情報121とを受け取ると、記憶部12から読み出した生産時間情報122に基づいて、生産リストの生産数量をすべて生産するのに必要な合計生産時間を算出する(ステップS15)。
ステップS14で、生産順番算出部131が生産順番A→B→C→Dを最小生産順番として算出した場合、ステップS15で、生産予定日割当部132は、図4に示す生産時間情報122を読み出し、読み出した生産時間情報122に基づいて、図2の例の生産リストの生産機種A、B、C、Dの生産数量をすべて生産するのに必要な合計生産時間5.5時間を算出する。
図9に戻り、生産予定日割当部132は、記憶部12から読み出した稼働時間情報123に基づいて、算出した合計生産時間と合計段取り時間情報が示す合計段取り時間との和である処理時間を稼働時間内に確保できる割り当て可能な稼働日を抽出する(ステップS16)。
生産予定日割当部132は、ステップS15で、合計生産時間5.5時間を算出した場合、ステップS16で、図5に示す稼働時間情報123を読み出し、読み出した稼働時間情報123に基づいて、合計生産時間5.5時間と合計段取り時間2.0時間とを合算した7.5時間の処理時間を稼働時間内に確保できる割り当て可能な稼働日を抽出する。
図9に戻り、生産予定日割当部132は、割り当て可能な稼働日のうち、納期に間に合う一番遅い日に生産予定日を割り当てる(ステップS17)。ステップS17で、生産予定日割当部132は、記憶部12に生産計画情報124がすでに記憶されている場合には、記憶されている生産計画情報124が示す生産計画が割り当てられた時間帯または日を除外して、生産予定日を割り当てる。生産予定日割当部132は、最小生産順番に割り当てた生産予定日を示す生産予定日情報と、最小生産順番情報と、生産リスト情報と、段取り時間情報121と、生産時間情報122と、稼働時間情報123とを生産計画生成部133に送る。
生産予定日割当部132は、ステップS16で、7.5時間の処理時間を稼働時間内に確保できる割り当て可能な稼働日を抽出すると、ステップS17で、図2の例の生産リストの納期に間に合う一番遅い日2018/04/02に生産予定日を割り当てる。
図9に戻り、生産計画生成部133は、生産予定日割当部132から、生産予定日情報と、最小生産順番情報と、生産リスト情報と、段取り時間情報121と、生産時間情報122と、稼働時間情報123とを受け取ると、これらの情報に基づいて、生産計画情報を生成する(ステップS18)。生産計画情報は、生産予定日情報が示す生産予定日と、最小生産順番情報が示す最小生産順番と、生産リストの生産機種のロットサイズと、生産リストの生産機種の1ロットあたりの生産時間であるロット生産時間と、最小生産順番情報が示す最小生産順番における段取り時間と、最小生産順番情報が示す最小生産順番における処理時間と、を含む。生産計画生成部133は、生成した生産計画情報を記憶部12に記憶する。
ステップS17で、生産予定日割当部132が2018/04/02に生産予定日を割り当てた場合、生産計画生成部133は、2018/04/02を示す生産予定日情報と、最小生産順番A→B→C→Dを示す最小生産順番情報と、図2に示す生産リスト情報と、図3に示す段取り時間情報121と、図4に示す生産時間情報122と、図5に示す稼働時間情報123とを受け取る。これらの情報に基づいて、ステップS18で、生産計画生成部133は、図6に示す生産計画情報を生成する。
図9に戻り、生産計画出力部15は、生産計画生成部133が記憶部12に記憶した生産計画情報124をユーザ端末2に送信する(ステップS19)。生産計画立案装置1の電源がOFFになっていない場合(ステップS20;NO)、処理はステップS11に戻り、ステップS11〜ステップS20を繰り返す。生産計画立案装置1の電源がOFFになると(ステップS20;YES)、処理を終了する。
生産計画立案装置1は、生産計画生成処理が終了すると、稼働時間に空き時間がある生産計画情報の生産機種のロットサイズを分割して生産順番を変更した生産計画情報を生成するロット分割処理を行う。
ここから、生産計画立案装置1が実行するロット分割処理について、図7および図10を用いて説明する。図10に示すロット分割処理は、生産計画生成部133が記憶部12に生産計画情報を記憶したことで開始する。あるいは、決められた時刻になったことで開始してもよいし、ユーザ端末2からロットサイズを分割する指示を受信したことで開始してもよい。生産計画立案装置1のロット分割部14の生産計画抽出部141は、記憶部12が記憶する稼働時間情報123と生産計画情報124とに基づいて、稼働時間に空き時間のある生産計画情報を抽出する(ステップS21)。生産計画抽出部141は、抽出した稼働時間に空き時間のある生産計画情報をロット分割実行部142に送る。ロット分割実行部142は、生産計画抽出部141から受け取った稼働時間に空き時間のある生産計画情報に対し、まず、ロット生産時間が最大の生産機種をロット分割対象の生産機種として抽出する(ステップS22)。
ステップS21で、生産計画抽出部141が図7(a)に示す生産予定日2018/04/02の生産計画情報を抽出した場合、ステップS22で、ロット分割実行部142は、ロット生産時間が3.0時間で最大の生産機種Bをロット分割対象の生産機種として抽出する。
図10に戻り、ロット分割実行部142は、ロット分割対象の生産機種のロットサイズを2分割して、既存の生産順番に入れ込み可能な箇所があるか否かを判定する(ステップS23)。入れ込み可能な箇所がない場合(ステップS23;NO)、処理はステップS29に移行し、未処理の稼働時間に空き時間のある生産計画情報があるか否かを判定する。入れ込み可能な箇所がある場合(ステップS23;YES)、ロット分割実行部142は、ロット分割対象の生産機種のロットサイズを2分割して入れ込んだ生産順番の処理時間を算出する(ステップS24)。ロット分割実行部142は、ロット分割対象の生産機種のロットサイズを2分割して入れ込んだ生産順番のうち、処理時間が最小の生産順番を算出する(ステップS25)。
ロット分割実行部142は、ステップS22で、図7(a)に示す生産計画情報に対し、ロット生産時間が最大の生産機種Bをロット分割対象の生産機種として抽出した場合、ステップS23で、生産機種Bのロットサイズ100を2分割して、既存の生産順番A→B→C→Dに入れ込み可能な箇所があるか否かを判定する。ここでは、Aの前、Cの後、Dの後に入れ込み可能である。ロット分割実行部142は、ステップS24で、生産機種Bのロットサイズ100を2分割してAの前に入れ込んだ生産順番の処理時間8.4時間と、生産機種Bのロットサイズ100を2分割してCの後に入れ込んだ生産順番の処理時間8.3時間と、生産機種Bのロットサイズ100を2分割してDの後に入れ込んだ生産順番の処理時間8.4時間とを算出する。したがって、ロット分割実行部142は、ステップS25で、生産機種Bのロットサイズ100を2分割してCの後に入れ込んだ生産順番を処理時間が最小の生産順番として算出する。
図10に戻り、ロット分割実行部142は、算出した処理時間が最小の生産順番について、稼働時間情報123を参照し、生産予定日の稼働時間よりも処理時間が小さいか否かを判定する(ステップS26)。生産予定日の稼働時間よりも処理時間が小さい場合(ステップS26;YES)、ロットサイズを分割可能と判定し、ロット分割対象の生産機種のロットサイズを2分割して入れ込んで生産順番を変更した生産計画情報を生成する(ステップS27)。処理はステップS22に戻り、ロット分割実行部142は、ステップS27で変更した生産計画情報に対し、ステップS22〜ステップSS26の処理を繰り返す。
ロット分割実行部142は、ステップS25で、図7(a)に示す生産計画情報が示す生産計画の生産機種Bのロットサイズ100を2分割してCの後に入れ込んだ生産順番を処理時間が最小の生産順番として算出した場合、稼働時間情報123を参照して、生産予定日の稼働時間よりも処理時間が小さいか否かを判定する。ロット分割実行部142は、ステップS26で、生産予定日2018/04/02の稼働時間10時間よりも、生産機種Bのロットサイズ100を2分割してCの後に入れ込んだ生産順番の処理時間8.3時間が小さいので、生産機種Bのロットサイズを分割可能と判定する。ロット分割実行部142は、ステップS27で、図7(b)に示す、生産機種Bのロットサイズ100を2分割してCの後に入れ込んで生産順番を変更した生産計画情報を生成する。
図10に戻り、ロット分割実行部142は、ステップS26で生産予定日の稼働時間よりも処理時間が大きく(ステップS26;NO)、これ以上ロットサイズを分割できないと判定するまで、ステップS22〜ステップSS26の処理を繰り返す。これ以上ロットサイズを分割できないと判定した場合、ロット分割実行部142は、生成した生産計画情報を記憶部12に記憶する。生産計画出力部15は、ロット分割実行部142が記憶部12に記憶した生産計画情報124をユーザ端末2に送信する(ステップS28)。ロット分割実行部142は、未処理の稼働時間に空き時間のある生産計画情報があるか否かを判定する(ステップS29)。未処理の稼働時間に空き時間のある生産計画情報がある場合(ステップS29;YES)、処理はステップS22に戻り、ロット分割実行部142は、未処理の稼働時間に空き時間のある生産計画情報に対し、ステップS22〜ステップSS26の処理を繰り返す。未処理の稼働時間に空き時間のある生産計画情報がない場合(ステップS29;NO)、処理を終了する。
以上説明したように実施の形態1の生産計画立案装置1が、生産予定日の稼働時間に空き時間がある生産計画の生産機種のロットサイズを分割した生産計画情報を生成して出力し、稼働日の処理時間と稼働時間との差を小さくしてバラつきを抑えることで、生産能力をより活用することができ、生産リードタイムを短縮し、かつ、小ロット化による仕掛り削減効果を増加させることができる。例えばロットサイズを2分割することによって、次工程で処理する前に溜まる仕掛りが半分になり、後の半分が溜まるまでに前の半分を処理することによって、リードタイムが短縮され、仕掛りが削減される。
(実施の形態2)
生産現場では生産ロットの小ロット化を目指し、段取り改善が行われている。実施の形態1では、段取り時間情報121は、生産計画立案装置1の記憶部12にあらかじめ記憶されている。実施の形態2では、段取り改善が行われて改善された段取り時間をユーザ端末2から改善情報として取得し、取得した改善情報に基づいて、段取り時間情報121を更新する。以下、実施の形態2について説明する。
生産現場では生産ロットの小ロット化を目指し、段取り改善が行われている。実施の形態1では、段取り時間情報121は、生産計画立案装置1の記憶部12にあらかじめ記憶されている。実施の形態2では、段取り改善が行われて改善された段取り時間をユーザ端末2から改善情報として取得し、取得した改善情報に基づいて、段取り時間情報121を更新する。以下、実施の形態2について説明する。
図11に示すように、実施の形態2に係る生産計画立案装置1の機能構成は、実施の形態1に係る生産計画立案装置1の機能構成に加え、改善情報取得部16と段取り時間更新部17とを備える。改善情報取得部16は、ユーザ端末2から改善された段取り時間を示す改善情報を取得する。改善情報取得部16は、取得した改善情報を段取り時間更新部17に送る。段取り時間更新部17は、受け取った改善情報に基づいて、記憶部12が記憶する段取り時間情報121の該当する段取り時間を改善された段取り時間に更新する。また、段取り時間更新部17は、記憶部12が記憶する生産計画情報124についても、該当する段取り時間を改善された段取り時間に変更して更新する。改善情報取得部16および段取り時間更新部17はそれぞれ、本発明における改善情報取得部および段取り時間更新部の例である。
ここで、図12を用いて、段取り時間更新部17が生産計画情報124を更新する処理について詳しく説明する。図12には、改善情報取得部16が取得した改善情報がB→Cの段取り時間を0.4時間に、B→Dの段取り時間を0.6時間に短縮したことを示す場合、生産計画情報124がどのように更新されるかを示す。図12(a)には、記憶部12が記憶する更新される前の生産予定日2018/04/02の生産計画情報を示す。改善情報取得部16がB→Cの段取り時間を0.4時間に、B→Dの段取り時間を0.6時間に短縮したことを示す改善情報を取得すると、段取り時間更新部17は、図12(b)に示すように、生産予定日2018/04/02の生産計画情報のB→Cの段取り時間を0.4時間に、B→Dの段取り時間を0.6時間に変更し、これに合わせて累計時間も変更する。図12の例では、段取り時間の改善によって、処理時間である最終的な累計時間が8.3時間から8.0時間に短縮されている。
図11に戻り、ロット分割部14は、段取り時間更新部17が更新した生産計画情報124に対して、ロット分割処理を実行する。生産計画出力部15は、段取り時間更新部17が更新した生産計画情報124をユーザ端末2に送信してもよいし、段取り時間更新部17が更新する前の生産計画情報124と更新した後の生産計画情報124とをユーザ端末2に送信してもよい。
以上説明したように実施の形態2の生産計画立案装置1によれば、段取り改善により処理時間がどの程度短くなるかを確認することができ、具体的な改善目標値が設定し易くなる。段取り時間を更新する前後の生産計画情報124をユーザに提示すれば、より比較しやすく、段取り時間の改善効果を把握しやすい。また、段取り時間が更新された生産計画情報124のロットサイズを分割することができれば、ロットサイズを分割した生産計画情報124をユーザに提示することで、段取り時間の改善によってさらにロットサイズを分割できたことを確認することができる。
上述の実施の形態では、生産計画立案装置1の生産計画部13が生成した生産計画情報と、ロット分割部14が生成した生産計画情報との両方をユーザ端末2に送信するが、本発明の適用はこれに限らない。例えば、生産計画立案装置1は、ロットサイズの分割が可能な生産計画情報は、すべてロットサイズの分割を行ってからユーザ端末2に送信する構成にしてもよい。この場合、生産計画部13の生産計画生成部133は、生成した生産計画情報を生産計画抽出部141に送る。生産計画抽出部141は、生産計画生成部133から受け取った生産計画情報が稼働時間に空き時間のある生産計画情報でない場合は、記憶部12に記憶し、生産計画情報が稼働時間に空き時間のある生産計画情報である場合は、ロット分割実行部142に送る。ロット分割実行部142は、受け取った生産計画情報に対し、前述のロットサイズを分割する処理を行い、生成した生産計画情報を記憶部12に記憶する。このとき、ロット分割実行部142は、受け取った生産計画情報のロットサイズの分割ができない場合は、受け取った生産計画情報をそのまま記憶部12に記憶する。生産計画出力部15は、記憶部12に記憶された生産計画情報124をユーザ端末2に送信する。
続いて、本発明の実施の形態に係る生産計画立案装置1のハードウェア構成について説明する。図13に示すように、生産計画立案装置1は、一時記憶部101、記憶部102、計算部103、入力部104、外部出力部105および表示部106を備える。一時記憶部101、記憶部102、入力部104、外部出力部105および表示部106はいずれもBUSを介して計算部103に接続されている。
計算部103は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。計算部103は、記憶部102に記憶されている制御プログラムに従って、生産計画立案装置1の生産リスト取得部11、生産計画部13、ロット分割部14、生産計画出力部15、改善情報取得部16および段取り時間更新部17の各処理を実行する。
一時記憶部101は、例えばRAM(Random-Access Memory)である。一時記憶部101は、記憶部102に記憶されている制御プログラムをロードし、計算部103の作業領域として用いられる。
記憶部102は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM、DVD−RWなどの不揮発性メモリである。記憶部102は、生産計画立案装置1の処理を計算部103に行わせるためのプログラムをあらかじめ記憶し、また、計算部103の指示に従って、このプログラムが記憶するデータを計算部103に供給し、計算部103から供給されたデータを記憶する。記憶部12は、記憶部102に構成される。
入力部104は、キーボード、ポインティングデバイスなどの入力装置と、キーボード、ポインティングデバイスなどの入力装置をBUSに接続するインタフェース装置である。ユーザが生産計画立案装置1に情報を入力すると、入力部104を介して、入力された情報が計算部103に供給される。生産リスト取得部11が、生産リスト情報をユーザからの直接入力によって取得する場合、入力部104は、生産リスト取得部11として機能する。
外部出力部105は、ネットワークに接続する網終端装置または無線通信装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースである。外部出力部105は、生産リスト取得部11、生産計画出力部15、改善情報取得部16および段取り時間更新部17として機能する。
表示部106は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置である。表示部106は、ユーザが生産計画立案装置1に情報を直接入力する場合は、操作画面を表示する。生産計画出力部15が生産計画情報124を画面表示する場合、表示部106は、生産計画出力部15として機能する。
図1および図8に示す生産計画立案装置1の生産リスト取得部11、記憶部12、生産計画部13、ロット分割部14、生産計画出力部15、改善情報取得部16および段取り時間更新部17の処理は、制御プログラムが、一時記憶部101、計算部103、記憶部102、入力部104、外部出力部105および表示部106などを資源として用いて処理することによって実行する。
その他、前記のハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
計算部103、一時記憶部101、記憶部102、入力部104、外部出力部105、表示部106などの生産計画立案装置1の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなど)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する生産計画立案装置1を構成してもよい。また、インターネットなどの通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロードなどすることで生産計画立案装置1を構成してもよい。
また、生産計画立案装置1の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して提供することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、通信ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを提供してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行可能にしてもよい。
1 生産計画立案装置、2 ユーザ端末、11 生産リスト取得部、12 記憶部、13 生産計画部、14 ロット分割部、15 生産計画出力部、16 改善情報取得部、17 段取り時間更新部、101 一時記憶部、102 記憶部、103 計算部、104 入力部、105 外部出力部、106 表示部、121 段取り時間情報、122 生産時間情報、123 稼働時間情報、124 生産計画情報、131 生産順番算出部、132 生産予定日割当部、133 生産計画生成部、141 生産計画抽出部、142 ロット分割実行部。
Claims (6)
- 生産する製品の生産機種、生産数量および納期を含む生産リストを示す生産リスト情報を取得する生産リスト取得部と、
生産機種ごとの製品1個あたりの生産時間を示す生産時間情報、生産機種間の段取り替えにかかる段取り時間を示す段取り時間情報、および、稼働日別の稼働時間を示す稼働時間情報を記憶する記憶部と、
前記生産時間情報、前記段取り時間情報および前記稼働時間情報に基づいて、前記生産リスト情報が示す生産リストについて、生産数量を1ロットとして、生産機種の生産順番を決定し、稼働日の中から納期に間に合うように生産予定日を割り当てて、製品を生産する生産計画を示す生産計画情報を生成する生産計画部と、
前記稼働時間情報に基づいて、前記生産計画部が生成した生産計画情報が示す生産計画の生産予定日の稼働時間に空き時間がある場合に、稼働時間内で分割可能な生産機種のロットサイズを分割して生産順番を変更した生産計画情報を生成するロット分割部と、
前記生産計画部および前記ロット分割部が生成した生産計画情報を出力する生産計画出力部と、
を備える生産計画立案装置。 - 前記生産計画部は、
前記段取り時間情報に基づいて、前記生産リストの生産機種について、段取り替えの段取り時間を合計した合計段取り時間が最小となる生産順番を算出する生産順番算出部、
前記生産時間情報、前記段取り時間情報および前記稼働時間情報に基づいて、前記生産順番算出部が算出した生産順番の合計段取り時間と、前記生産リストの生産数量の製品をすべて生産するのに必要な生産時間である合計生産時間との和である処理時間を稼働時間内に確保できる稼働日のうち、前記生産リストの納期に間に合う一番遅い日に生産予定日を割り当てる生産予定日割当部、ならびに、
前記生産時間情報および前記段取り時間情報に基づいて、前記生産予定日割当部が割り当てた生産予定日と、前記生産順番算出部が算出した生産順番と、前記生産リストの生産数量を1ロットとした生産機種のロットサイズと、前記生産リストの生産機種の1ロットあたりの生産時間であるロット生産時間と、前記生産順番算出部が算出した生産順番における段取り時間と、前記生産順番算出部が算出した生産順番における処理時間と、を含む生産計画情報を生成する生産計画生成部、
を備え、
前記ロット分割部は、
前記稼働時間情報に基づいて、前記生産計画生成部が生成した生産計画情報から、処理時間が稼働時間に満たない生産予定日の生産計画情報を、稼働時間に空き時間のある生産計画情報として抽出する生産計画抽出部、および、
前記生産計画抽出部が抽出した稼働時間に空き時間のある生産計画情報に対し、ロット生産時間が最大の生産機種のロットサイズを分割して生産順番を変更した場合の処理時間が生産予定日の稼働時間よりも小さい場合には、ロット生産時間が最大の生産機種のロットサイズを分割する処理を繰り返し、稼働時間内で分割可能なすべての生産機種のロットサイズを分割して生産順番を変更した生産計画情報を生成するロット分割実行部、
を備える請求項1に記載の生産計画立案装置。 - 改善された生産機種間の段取り時間を示す改善情報を取得する改善情報取得部と、
前記改善情報に基づいて、前記段取り時間情報、前記生産計画部が生成した生産計画情報、および、前記ロット分割部が生成した生産計画情報を更新する段取り時間更新部と、
さらに備え、
前記生産計画出力部は、前記段取り時間更新部が更新した生産計画情報を出力する請求項1または2に記載の生産計画立案装置。 - 前記生産計画部は、
生産計画が割り当てられた稼働日がすでにある場合には、すでに生産計画が割り当てられた時間帯または日を除外して、生産予定日を割り当てる請求項1から3のいずれか1項に記載の生産計画立案装置。 - 生産計画立案装置が実行する生産計画立案方法であって、
生産機種ごとの製品1個あたりの生産時間を示す生産時間情報、生産機種間の段取り替えにかかる段取り時間を示す段取り時間情報、および、稼働日別の稼働時間を示す稼働時間情報に基づいて、生産する製品の生産機種、生産数量および納期を含む生産リストについて、生産数量を1ロットとして、生産機種の生産順番を決定し、稼働日の中から納期に間に合うように生産予定日を割り当てて、製品を生産する生産計画を示す生産計画情報を生成する生産計画ステップと、
前記稼働時間情報に基づいて、前記生産計画ステップで生成した生産計画情報が示す生産計画の生産予定日の稼働時間に空き時間がある場合に、稼働時間内で分割可能な生産機種のロットサイズを分割して生産順番を変更した生産計画情報を生成するロット分割ステップと、
少なくとも前記ロット分割ステップで生成した生産計画情報を出力する生産計画出力ステップと、
を備える生産計画立案方法。 - コンピュータを、
生産機種ごとの製品1個あたりの生産時間を示す生産時間情報、生産機種間の段取り替えにかかる段取り時間を示す段取り時間情報、および、稼働日別の稼働時間を示す稼働時間情報に基づいて、生産する製品の生産機種、生産数量および納期を含む生産リストについて、生産数量を1ロットとして、生産機種の生産順番を決定し、稼働日の中から納期に間に合うように生産予定日を割り当てて、製品を生産する生産計画を示す生産計画情報を生成する生産計画部、
前記稼働時間情報に基づいて、前記生産計画部が生成した生産計画情報が示す生産計画の生産予定日の稼働時間に空き時間がある場合に、稼働時間内で分割可能な生産機種のロットサイズを分割して生産順番を変更した生産計画情報を生成するロット分割部、ならびに、
少なくとも前記ロット分割部が生成した生産計画情報を出力する生産計画出力部、
として機能させるプログラム。
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JP2018114337A JP2019219713A (ja) | 2018-06-15 | 2018-06-15 | 生産計画立案装置、生産計画立案方法およびプログラム |
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JP7353420B1 (ja) | 2022-05-24 | 2023-09-29 | 株式会社アマダ | スケジューリング装置、スケジューリング方法、及びスケジューリングプログラム |
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2018
- 2018-06-15 JP JP2018114337A patent/JP2019219713A/ja active Pending
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WO2023228748A1 (ja) * | 2022-05-24 | 2023-11-30 | 株式会社アマダ | スケジューリング装置、スケジューリング方法、及びスケジューリングプログラム |
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