以下、図面を参照して、実施形態にかかる表示制御プログラム、表示制御方法および表示制御装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する表示制御プログラム、表示制御方法および表示制御装置は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
[システム構成]
図1は、実施形態にかかる授業支援システム1の構成を示す図である。図1に示す授業支援システム1は、デジタル教材を通じた授業支援の一形態として、ある課題に対する生徒の回答の一覧表示情報(以下、意見板と言う)を電子黒板20上で公開し、教師と生徒および生徒同士が教え学び合う協働教育を支援する協働教育支援サービスを提供する。
かかる協働教育支援サービスの一環として、授業支援システム1は、課題に対する複数の論点が順序立てられたシナリオが進行する度にシナリオの表示のうち進行中の論点を強調表示すると共に課題への回答の一覧表示のうち進行中の論点に対応する回答を強調表示し、もって授業の進行を支援する。
図1に示すように、授業支援システム1には、教師端末10と、電子黒板20と、生徒端末30A〜30Cと、サーバ装置40とが収容される。なお、図1には、3つの生徒端末30A〜30Cを図示したが、授業支援システム1は任意の数の生徒端末を収容できる。以下では、生徒端末30A〜30Cの各装置を区別なく総称する場合には、「生徒端末30」と記載する場合がある。
教師端末10、電子黒板20、生徒端末30およびサーバ装置40の間は、ネットワーク5を介して相互に通信可能に接続される。かかるネットワーク5には、有線または無線を問わず、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの構内通信網を始め、インターネット(Internet)などの任意の種類の通信網を採用できる。
教師端末10は、教師が使用する端末装置である。ここで言う「教師」とは、授業の参加者のうち教える側の人物を指す。一例としては、各種の教員が挙げられるが、必ずしも各種の教員免許を有する有資格者でなくともかまわない。
一実施形態として、教師端末10には、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記の協働教育支援サービスを実現する教師端末用の協働教育支援プログラムがインストールされる。かかる教師端末用の協働教育支援プログラムを教師端末10のプロセッサ上で動作させることによって、一例として、協働教育を実施する課題の選択、各生徒端末30への課題の送信、各生徒端末30から回答された意見の一覧表示などの各種機能を実現できる。
例えば、教師端末10には、タブレット型の情報処理端末、いわゆるタブレット端末を採用できる。このように教師端末10にタブレット端末を採用することによって、教師端末10では、タッチペンや手指を介して各種の指示操作を受け付けることができる。この他、教師端末10では、タッチパネル等の操作部102(図2参照)上で、文字列やマークなどの手書き入力を受け付けることができる。以下では、タッチペンや手指によって手書きの文字列やマークをタッチパネルへ入力することを「手書き入力」と記載するとともに、タッチパネルが手書き入力を介して受け付ける文字列やマークのことを「マーク記述」と記載する場合がある。
電子黒板20は、所定のプロジェクタ等から出力される画像を表示する装置である。一実施形態として、電子黒板20には、インタラクティブ・ホワイトボードを採用できる。この電子黒板20には、図示しないプロジェクタが接続される。このプロジェクタによって、教師端末10が表示を指示する映像が電子黒板20に投影される。かかる電子黒板20には、教師端末10によって表示される画像と同一の画像を表示させることもできるし、あるいは異なる画像を表示させることもできる。なお、上記の電子黒板20には、ユニット型、ボード型あるいは一体型のいずれのタイプを採用することもできるのは言うまでもない。
生徒端末30は、生徒が使用する端末装置である。ここで言う「生徒」とは、授業の参加者のうち教わる側の人物を指す。一例としては、各種の学生が挙げられるが、必ずしも学生でなくともかまわない。
一実施形態として、生徒端末30には、生徒端末用の協働教育支援プログラムがインストールされる。かかる生徒端末用の協働教育支援プログラムを生徒端末30のプロセッサ上で動作させることによって、一例として、教師端末10からの課題の受信、課題に対する意見(回答)の入力、入力された回答の送信などの機能を実現できる。
例えば、生徒端末30には、上記の教師端末10と同様に、タブレット端末を採用できる。かかるタブレット端末を採用することによって、生徒端末30では、タッチペンや手指を介して協働教育支援プログラムに対する各種の指示操作を受け付けることができる。
サーバ装置40は、教師端末10、電子黒板20および生徒端末30をクライアント端末として収容するクライアントサーバシステムのサーバ装置である。一実施形態として、サーバ装置40には、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報処理装置を採用できる。サーバ装置40には、サーバ装置用の協働教育支援プログラムがインストールされる。サーバ装置40は、この協働教育支援プログラムをプロセッサ上で動作させることによって、例えば、教師端末10、電子黒板20および生徒端末30をクライアント端末とする協働教育支援サービスを提供するWebサーバとして機能する。具体的には、サーバ装置40は、教師端末10による課題の選択、各生徒端末30への課題の送信、各生徒端末30からの回答の取得、取得した回答の電子黒板20への表示などの各種機能を実現できる。
図2は、教師端末10、電子黒板20、生徒端末30およびサーバ装置40の構成例を示すブロック図である。教師端末10、電子黒板20、生徒端末30およびサーバ装置40は、タブレット型の情報処理端末、インタラクティブ・ホワイトボード、パーソナルコンピュータ等であり、通信部101、操作部102、表示部103、制御部104および記憶部105を有する。
通信部101は、制御部104の制御のもと、ネットワーク5を介して接続する他の装置との間で通信を行うインタフェースである。操作部102は、キーボード、マウス、タッチパネルなどのデバイスであり、ユーザからの操作を受け付けて制御部104へ出力する。表示部103は、LCD(Liquid Crystal Display)などのデバイスであり、制御部104の制御のもと表示を行う。
制御部104は、各種プログラムや制御データを格納する内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するものである。一実施形態として、制御部104は、中央処理装置、いわゆるCPU(Central Processing Unit)として実装される。なお、制御部104は、必ずしも中央処理装置として実装されずともよく、MPU(Micro Processing Unit)として実装されることとしてもよい。また、制御部104は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによっても実現できる。
記憶部105は、制御部104で実行されるOS(Operating System)を始め、上記の協働教育支援プログラムなどの各種プログラムに用いられるデータを記憶する記憶デバイスである。一実施形態として、記憶部105は、装置における主記憶装置として実装される。例えば、記憶部105には、各種の半導体メモリ素子、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリを採用できる。また、記憶部105は、補助記憶装置として実装することもできる。この場合、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスクやSSD(Solid State Drive)などを採用できる。
図3は、実施形態にかかる授業支援システム1の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ装置40のクライアント端末である教師端末10は、設定部110を有する。同様に、生徒端末30は回答部111を有し、電子黒板20は回答表示部114を有する。クライアント端末である教師端末10、生徒端末30および電子黒板20のサーバ装置40は、取得部112、生成部113、生徒データ120、課題データ121および回答データ122を有する。これらクライアント端末側の設定部110、回答部111および回答表示部114は、サーバ装置40から提供される情報の表示や、サーバ装置40への指示を行うUI(ユーザインタフェース)を実現し、例えば、サーバ装置40がWebサーバである場合はWebブラウザである。
設定部110は、協働教育を実施する課題の設定、課題の選択、各生徒端末30への課題の送信などの教師側の設定をサーバ装置40に対して行う。回答部111は、設定された課題の受信、課題に対する意見(回答)の入力、入力された回答の送信などの生徒側の設定をサーバ装置40に対して行う。回答表示部114は、生徒端末30より取得した回答の表示など、サーバ装置40から送信された情報の表示を行う。
サーバ装置40の取得部112は、クライアント端末である教師端末10、生徒端末30および電子黒板20からの情報の取得を行う。例えば、取得部112は、クライアント端末のWebブラウザ上で指示入力された情報を取得する。また、サーバ装置40の生成部113は、クライアント端末である教師端末10、生徒端末30および電子黒板20へ提供して表示させる情報を生成する。例えば、生成部113は、クライアント端末のWebブラウザ上に表示する表示データを生成してクライアント端末へ送信する。この表示データには、例えば、HTML(HyperText Markup Language)、XML(eXtensible Markup Language)、プラグイン表示データなどが採用できる。
生徒データ120、課題データ121および回答データ122は、協働教育支援サービスにかかる情報としてサーバ装置40の記憶部105に記憶され、管理される情報である。
生徒データ120は、生徒に関するデータである。一実施形態として、生徒データ120には、生徒ID(IDentifier)、生徒名および生徒端末IPアドレス、座席位置、グループIDなどの項目が対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「生徒ID」とは、授業に参加する生徒を識別する識別情報を指し、ある一面で生徒が使用する生徒端末30の識別情報であるともいえる。また、「生徒名」とは、生徒の氏名を指す。また、「生徒端末IPアドレス」とは、各生徒端末30が持つIPアドレスを指す。「座席位置」とは、教室内において生徒が座る位置(座席)を示す位置情報であり、例えば、生徒の座席を(縦列,横列)の2次元配列で示したものである。「グループID」とは、生徒が属する班などのグループを識別する識別情報を指す。なお、上記の生徒データ120は、予め格納しておくこともできるし、教師が教師端末10を通じて入力する設定を登録することとしてもかまわない。
図4は、生徒データ120の一例を示す図である。図4には、8名の生徒に関する生徒ID、生徒名、生徒端末IPアドレス、座席位置、グループIDが図示されている。例えば、1番目のレコードの例で言えば、生徒ID「1001」によって識別される生徒名が「田中」であり、かかる田中が使用する生徒端末のIPアドレスが「XX.YY.ZZ.A1」であることを意味する。また、この田中は、縦列,横列の位置が(1,1)の座席におり、グループID「001」によって識別されるグループに所属している。この他の2番目以降のレコードについても項目が持つ値は異なるがその意味合いは同様である。なお、図4には、生徒のエントリが8つである場合を例示したが、エントリ数は任意の数であってよい。また、生徒がクラス分けされている場合には、クラス別に生徒ID、生徒名、生徒端末IPアドレス、座席位置およびグループIDを管理することもできる。
課題データ121は、課題に関するデータである。一実施形態として、課題データ121には、課題ID、課題内容、選択肢および設定内容などの項目が対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「課題ID」とは、協働教育等の授業で生徒に与える課題を識別する識別情報を指す。また、「課題内容」とは、課題の内容を指し、例えば、教師と生徒間および生徒間で議論する議題などが挙げられる。また、「選択肢」とは、課題において生徒が選択して回答する項目である。「設定内容」とは、課題の表示や課題に対する回答を表示する際の表示設定、課題を提示する際に参照するファイルなどの参照設定、回答の制限時間等の各課題における各種設定を指す。なお、上記の課題データ121は、予め支援教材として格納しておくこともできるし、教師が教師端末10を通じて入力する課題を登録することとしてもかまわない。
図5は、課題データ121の一例を示す図である。図5に示す2番目のレコードの例で言えば、課題ID「0002」によって識別される課題の内容が「この国をリードする最適な歴史上の人物は誰か?」である。この課題における選択肢には、「AAAA」、「BBBB」などの人物が用意されている。また、この課題には、「AAAA」、「BBBB」などの選択肢の表示や、選択肢に対する回答の表示を行う際の表示設定および課題を提示する際の参照ファイル(例えば選択肢に対応する人物の画像ファイル)等の参照設定がある。
回答データ122は、課題への回答に関するデータである。一実施形態として、回答データ122には、課題ID、生徒ID、回答内容、選択肢、回答順などの項目が対応付けられたデータを採用できる。
ここで言う「回答内容」とは、課題に対する生徒の主張や考えの内容を指し、例えば、賛否の理由や課題へのアプローチなどが挙げられる。より具体的には、生徒端末30より入力された回答内容を示すデータである。例えば、回答がタッチパネル上の手書き入力で行われた場合には、手書き文字を変換した画像データが回答内容として格納される。また、回答がタッチパネル上の操作による文字入力で行われた場合には、入力文字のテキストデータが回答内容として格納される。「選択肢」とは、複数の選択肢が設定された課題において生徒端末30により生徒が選択したものを示すデータである。「回答順」とは、各生徒端末30に課題を提示した後に、各生徒端末30から回答された順序を指す。
図6は、回答データ122の一例を示す図である。図6には、図5に示した課題ID「0002」によって識別される課題に対し、図4に示した8名の生徒が回答した回答内容が示されている。
例えば、図6に示す生徒ID「1003」のレコードの例で言えば、この生徒の回答内容は、生徒端末30のタッチパネルによる手書き文字を画像に変換した「回答00021003.jpg」の画像ファイルである。また課題の選択肢において、この生徒は2番目の項目を選択しており、8名の生徒の中で回答が行われた回答順は2番目である。
[授業支援処理]
ここで、上述した授業支援システム1の機能構成による授業支援処理の詳細を説明する。図7は、実施形態にかかる授業支援処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、一例として、教師端末10の操作部102より課題を用いた授業の開始を指示する操作等が行われ、授業支援の開始が指示された場合に実行される。
図7に示すように、処理が開始されると、教師端末10の設定部110は、サーバ装置40へアクセスして生徒に提供する課題の設定を行う(S1)。この課題の設定では、課題ID、課題内容、選択肢、設定内容などを課題データ121へ登録する登録用のGUI(グラフィカルユーザインタフェース)により新たに登録された課題を生徒に提供する課題として設定してもよい。
具体的には、設定部110はサーバ装置40に対して課題の設定をブラウザ上で行う課題作成画面を要求し、サーバ装置40の生成部113は教師端末10の要求に応じた課題作成画面をブラウザに表示させる表示データを生成し、教師端末へ送信する。これにより、設定部110は、ブラウザ上に表示された課題作成画面の操作により生徒に提供する課題を設定し、サーバ装置40へ送信する。サーバ装置40の取得部112は、設定部110により設定された課題を受信し、課題データ121に登録する。
また、S1における課題の設定では、課題データ121に予め登録されている課題の中から生徒に提供する課題を選択してもよい。本実施形態では、課題データ121に予め登録されている課題の中から生徒に提供する課題を選択して設定するものとする。
次いで、サーバ装置40は、生徒端末30への課題の提示と生徒端末30からの回答の受け付けを行う(S2)。具体的には、サーバ装置40の生成部113は、課題データ121に登録されている課題の中から生徒に提示する課題の選択を教師端末10の設定部110より受け付け、選択された課題の回答画面を作成して生徒端末30へする。そして、サーバ装置40の取得部112は、各生徒端末30の回答画面から入力された回答を受け付ける。
図8は、課題の提示と回答の受け付けの手順を示すフローチャートであり、具体的には、S2における処理の詳細を示すフローチャートである。
図8に示すように、処理が開始されると、サーバ装置40の生成部113は課題IDの選択肢や課題の配信を要求する課題送信ボタンなどを含む課題選択画面を作成して教師端末10に送信する。教師端末10の設定部110は、課題選択画面を表示部103に表示する(S10)。
図9は、課題選択画面G2の一例を示す図である。この課題選択画面G2は、一例として、図5に示した課題データ121から作成される。図9に示すように、課題選択画面G2には、課題データ121に含まれる課題IDおよび課題内容が一覧表示される。また、課題選択画面G2には、一覧表示された課題の中から生徒端末30へ配信する課題を選択する選択ボタンが表示される。また、課題選択画面G2には、課題の送信を指示する操作ボタンB21および課題選択の指示をキャンセルする操作ボタンB22が表示される。
かかる選択ボタンのチェックボックスにチェックを入れた状態、すなわち図示の例では課題ID「0002」のチェックボックスにチェックを入れた状態で操作ボタンB21が押下操作される。この場合、チェックが入れられた課題ID「0002」の課題に回答させる回答画面が生徒端末30へ配信される。一方、操作ボタンB22が押下操作された場合には、生徒端末30に課題が配信されることなく、メニュー画面の表示に戻る。なお、ここでは、課題ID「0002」だけが選択される場合を例示したが、1度に複数の課題を選択させることとしてもかまわない。
S10に次いで、サーバ装置40の生成部113は、課題選択画面G2において課題IDと課題送信要求とを受け付けたか否かを判定する(S11)。生成部113は、課題IDと課題送信要求とを受け付けていない場合は処理を待機する。
課題選択画面G2で課題IDと課題送信要求とを受け付け、課題IDが選択された上で操作ボタンB21が押下された場合(S11:YES)、生成部113は、次のような処理を実行する。すなわち、生成部113は、課題データ121に含まれる課題内容のうち課題選択画面G2で選択を受け付けた課題IDに対応する課題内容を含む回答画面を生成する(S12)。続いて、生成部113は、S12で生成された回答画面を生徒データ120に登録された生徒の生徒端末30へ送信する(S13)。この回答画面を送信する際に、生成部113は、課題データ121より課題における表示設定および参照設定を読み出して生徒端末30へ送信する。
図10は、回答画面G3の一例を示す図である。図10に示すように回答画面G3には、生徒に回答させる課題ID「0002」の課題内容、課題において回答する選択肢の選択を行う操作ボタンB31〜B35が含まれる。また、回答画面G3には、課題への意見(回答)を記入する入力ボックスG31と、回答をサーバ装置40へ送信する操作ボタンB36と、意見をクリアする操作ボタンB37とが含まれる。
また、回答画面G3における操作ボタンB31〜B35や入力ボックスG31の表示は、サーバ装置40より受信した課題の表示設定および参照設定に基づいた内容で行われる。具体的には、選択肢ごとに設定されている表示属性(例えば、背景色)に従って操作ボタンB31〜B35の各々が表示される。例えば、選択肢「AAAA」、「BBBB」、「CCCC」、「DDDD」、「その他」の背景色が「青」、「緑」、「白」、「黄」、「赤」である場合、操作ボタンB31〜B35は設定された背景色で表示される。
また、操作ボタンB31〜B35の選択が行われた後の入力ボックスG31の表示は、選択された操作ボタンにおける選択肢の表示属性に従ったもので行われる。例えば、操作ボタンB31の選択肢「AAAA」の背景色が「青」である場合、操作ボタンB31を選択することで、入力ボックスG31の背景色は「青」とされる。これにより、ユーザ(生徒)は、入力ボックスG31の表示をもとに、選択した項目を容易に認識できる。
なお、入力ボックスG31に入力された回答は、選択された操作ボタンにおける選択肢の表示属性が指定されてサーバ装置40へ送信される。例えば、上述した操作ボタンB31を選択した回答の例では、背景色として「青」が指定されてサーバ装置40へ送信される。なお、入力ボックスG31に入力された回答は、表示属性が設定された画像としてサーバ装置40へ送信されてもよい。
なお、入力時においては、入力ボックスG31の背景色を選択肢の表示属性に変更させなくともよい。この場合、サーバ装置40へ回答が送信される時に、選択肢の表示属性に従って背景色が指定され、表示属性が設定された画像がサーバ装置40へ送信されてもよいし、意見板へ表示する時に、回答データ122の回答内容に対応する選択肢を取得して、表示属性を変更するようにしてもよい。
回答画面G3におけるこれらのGUIコンポーネントの配置の下、ユーザ(生徒)は、操作ボタンB31〜B35を選択することで、課題に対する回答を選択することができる。また、ユーザは、入力ボックスG31に対し、手書き入力や文字列のテキスト入力を行うことによって、課題に対する主張や考えなどの意見を記述することができる。このように、入力ボックスG31に文字が入力された状態で操作ボタンB36が押下操作された場合、入力ボックスG31に入力されていた文字が回答として生徒端末30からサーバ装置40へ返信される。なお、操作ボタンB37が押下操作された場合には、それまでに入力された選択肢および意見の入力をクリアし、最初から入力をやり直すことができる。
S13に次いで、生成部113は、課題データ121に含まれる回答の制限時間のうち課題選択画面G2で選択を受け付けた課題IDに対応付けられた回答の制限時間を取得する(S14)。
次いで、取得部112は、生徒端末30から回答の記入結果を受信したか否か、すなわち回答画面G3に記入された課題への回答を取得したか否かを判定する(S15)。回答画面G3に記入された課題への回答を受け付けた場合(S15:YES)、取得部112は、次のような処理を実行する。
すなわち、取得部112は、回答データ122に含まれるレコードのうち当該回答を受け付けた生徒端末30に対応する生徒IDのレコードに回答を登録する(S16)。そして、取得部112は、生徒データ120に登録された生徒全ての生徒端末30から回答を受け付けたか否かを判定する(S17)。このとき、全ての生徒端末30から回答を受け付けた場合(S17:YES)には、そのまま処理を終了する。
一方、生徒端末30から回答を受信しなかった場合、あるいは全ての生徒端末30から回答を受け付けていない場合(S15:NOまたはS17:NO)には、取得部112は、次のような処理を実行する。すなわち、取得部112は、回答制限時間を経過したか否かを判定する(S18)。
その後、回答制限時間を経過するまで(S18:NO)、取得部112は、上記のS15〜S18の処理を繰返し実行する。その後、回答制限時間が経過すると(S18:YES)、取得部112は、処理を終了する。
図7に戻り、S2において生徒端末30への課題の提示と生徒端末30からの回答の受け付けを行った後、サーバ装置40の生成部113は、課題データ121における課題の表示設定をもとに、意見板における各選択肢に対応する表示色を設定する(S3)。具体的には、生成部113は、課題データ121における各課題の表示設定を参照し、各選択肢の表示色(例えば背景色)を設定する。これにより、意見板における各選択肢の表示属性は、生徒端末30からの各回答(入力ボックスG31で入力された回答)の表示属性と対応するものとなる。
なお、本実施形態では、生徒端末30からの各回答(入力ボックスG31で入力された回答)の表示属性は、回答画面G3上で設定される構成を例示した。しかしながら、生徒端末30からの各回答の表示属性の設定は、意見板における各選択肢の表示属性とともに、このS3において行ってもよい。具体的には、生徒端末30からの各回答について、操作ボタンB31〜B35により選択された選択肢に対応する表示属性をS3で設定してもよい。この表示色の設定は、回答そのものの表示色であってもよいし、回答を表示する際のバックグラウンドの表示色の設定であってもよい。このように、選択肢に対応する表示色を設定することで、回答がどの選択肢に対応するものであるかを識別可能とする。
次いで、生成部113は、回答データ122をもとに、設定した表示属性で選択肢一覧と、生徒端末30からの各回答とを一覧表示する意見板の表示データを生成して電子黒板20へ送信し、電子黒板20に意見板を表示させる(S4)。
図11は、意見板G4の一例を示す図である。図11に示すように、意見板G4は、回答一覧表示領域G41、選択肢一覧表示領域G42、操作ボタンB41、B42およびB43を有する。
回答一覧表示領域G41は、課題について生徒端末30から取得した各回答の回答画像G44を一覧表示する領域である。回答画像G44は、入力ボックスG31より入力された回答の画像であり、選択肢に対応する表示色で表示されている。したがって、ユーザは、回答画像G44の表示色をもとに、回答時に選択した選択肢を識別できる。
また、各生徒の生徒端末30から得られた回答画像G44は、生徒データ120における各生徒の座席位置をもとに、座席順に沿って一覧表示される。具体的には、座席位置が(1,1)の生徒の回答画像G44を左上に表示し、座標位置(1,2)の生徒の回答画像G44をその下に表示する。また、右に一つ列のずれた座標位置(2,1)の生徒の回答画像G44を(1,1)の右隣に表示する。このように、座席順に回答を表示することで、ユーザは、回答一覧表示領域G41に表示された回答画像G44の位置から各生徒の回答を識別できる。なお、回答画像G44の表示順序は、生徒の座席順だけでなく、回答データ122に記載された回答順、生徒データ120に記載された生徒名やグループIDによる五十音順またはグループ順などであってもよい。
選択肢一覧表示領域G42は、課題の選択肢に対応する選択肢画像G45を一覧表示する領域である。具体的には、選択肢一覧表示領域G42には、課題データ121に記述された選択肢に対応する選択肢画像G45の一覧が表示設定に従って表示される。また、選択肢一覧表示領域G42には、選択肢ごとに、回答において選択された数や、回答総数に対する選択された数の割合などの数値を表示してもよい。
操作ボタンB41は、課題における各回答(回答画像G44)を所定の順序でスライド表示するスライドショーの実行を指示するボタンである。ユーザは、操作ボタンB41を押下操作することで、スライド表示を開始させる。
ここでいう、スライド表示とは、各回答から一つの回答を取り上げて議論を行うため、回答画像G44を一枚ずつ所定の順序で切り替えて表示(再生)する表示方法である。スライド表示中の切り替えは、表示開始後または切り替え後に計時されるタイマーが所定の時間経過した場合や、ユーザにより切り替え操作が行われたことをトリガとして実施される。また、スライド表示中の切り替えは、回答画像G44を一枚ずつ切り替えて表示を行うものであればよく、フェードアウト/フェードイン(クロスフェード)のトランジションを入れてもよい。
操作ボタンB42は、スライド表示の再生順を指示するボタンである。この再生順には、回答のあった生徒の座席順、回答の多い選択肢の順(多答順)、回答のあった順序(回答順)、グループごとのグループ順などがある。ユーザは、操作ボタンB42を押下操作することで、スライド表示の再生順を指示する。図示例では、座席順を指示する場合が示されている。
操作ボタンB43は、スライド表示における初期の切り替え速度を指示するボタンである。この切り替え速度には、標準の他、標準よりも遅い切り替えとする「遅い」、標準よりも速い切り替えとする「速い」などがある。この切り替え速度は、例えば、表示開始後または切り替え後に計時を開始して切り替えタイミングを計るタイマーにおける時間長である。標準におけるタイマーの時間長を「5秒」とした場合、「遅い」では「7秒」とし、「速い」では「4秒」としてもよい。ユーザは、操作ボタンB43を押下操作することで、スライド表示の初期の切り替え速度を指示する。図示例では、標準を指示する場合が示されている。
図7に戻り、S4に次いで、サーバ装置40の生成部113は、操作ボタンB41の押下操作の有無をもとに、スライドショーを行うか否かを判定する(S5)。スライドショーを行う場合(S5:YES)、生成部113はスライドショーを行うための表示データを生成して電子黒板20へ送信し、電子黒板20はサーバ装置40からの表示データをもとにスライド表示を行う(S6)。
スライドショーを行わない場合(S5:NO)、サーバ装置40は、教師端末10による課題の終了などの指示をもとに、処理を終了するか否かを判定する(S7)。処理を継続する場合(S7:NO)、サーバ装置40は、S2へ処理を戻す。これにより、サーバ装置40では、新たな課題の提示や回答の受け付けを行い、処理を継続する。
図12は、スライド表示の手順を示すフローチャートであり、具体的には、S6における処理の詳細を示すフローチャートである。
図12に示すように、処理が開始されると、生成部113は、意見板G4の操作ボタンB42で指示された再生順に従い、課題の各回答を表示する順序を生成する(S20)。
具体的には、操作ボタンB42により座席順が指示されている場合、生成部113は、生徒データ120の座席位置に基づいた座席順に生徒IDを読み出し、読み出した生徒IDの回答を回答データ122より取得する。これにより、生成部113は、座席順に従った回答の表示順序を得る。
図13は、回答の順序を説明する説明図である。図13の上段に示すように、座席順である場合は、回答一覧表示領域G41の座席順(図示例では左上から順)で回答画像G44を再生する表示順序を得ることができる。
また、操作ボタンB42により多答順が指示されている場合、生成部113は、回答データ122における課題(例えば図6では課題ID「0002」)の選択肢を数の多い順にソートする。これにより、生成部113は、多答順に従った回答の表示順序を得る。具体的には、図13の下段に示すように、回答一覧表示領域G41の中から選択肢として選ばれた数(同一の表示色の数)の多い回答画像G44を順に再生し、次に数の多い回答画像G44を順に再生する表示順序を得る。
また、操作ボタンB42により回答順が指示されている場合、生成部113は、回答データ122における課題(例えば図6では課題ID「0002」)の回答順を昇順でソートする。これにより、生成部113は、回答順に従った表示順序を得る。
次いで、生成部113は、S20で生成した順序に従って各回答を表示する表示データを生成する(S21)。この表示データは、表示する回答の画像データと、回答の表示順序を記述した順序情報とを含めたデータであり、クライアント端末のブラウザ等で表示可能なものであればいずれであってもよい。例えば、表示データは、各回答を生成した順序で表示するスクリプトを記述したHTML、XML、プラグイン表示データなどが採用できる。具体的には、生成部113は、回答データ122における課題の回答内容を読み出し、S20で生成した順序に従い、電子黒板20のブラウザ等で回答内容を順に表示する表示データを生成する。この表示データにおいて、回答を順に表示する切り替え速度は、操作ボタンB43において設定された値が初期値として設定されるものとする。
また、生成部113は、各種操作を受け付ける操作ボタンやステータス表示等を行う表示コンポーネント用のコード(例えばスクリプト)を表示データに含めて生成する。したがって、表示データをブラウザ等で表示する場合、ブラウザ上の操作に応じた表示の更新や、ステータス表示の更新を行うことができる。
また、生成部113は、所定の再生ポイント(回答)へジャンプするためのインデックスを表示データ含めて生成してもよい。例えば、座席順に従って各回答を表示する表示データでは、座席の列ごとに、列の先頭または最後尾に対応する回答へジャンプするインデックを付けてもよい。また、多答順に従って各回答を表示する再生データでは、異なる選択肢の回答へ切り替わるところへジャンプするインデックスを付けてもよい。また、グループ順に従って各回答を表示する再生データでは、異なるグループの回答へ切り替わるところへジャンプするインデックスを付けてもよい。このようにインデックスを付けて、回答の頭出しを容易に行うようにしてもよい。
次いで、生成部113は、S21で生成した表示データを電子黒板20に送信する(S22)。電子黒板20の回答表示部114は、サーバ装置40より受信した表示データをもとに、表示する回答数、表示時間についての値を算出する(S23)。具体的には、回答表示部114は、回答の順序が示された順序情報を参照して、表示する回答の総数を回答数として求める。また、回答表示部114は、初期値として設定された切り替え速度と、表示する回答の総数とをもとに、(1回答あたりの時間)×(回答総数)として回答の表示時間を求める。表示時間における残り時間は、(1回答あたりの時間)×(未表示の回答数(=(回答総数)−(表示済の回答数)))として求める。次いで、回答表示部114は、回答のスライド表示を開始するためのスタート画面を電子黒板20の表示部103に表示する(S24)。
図15は、スタート画面G5の一例を示す図である。図5に示すように、スタート画面G5は、残り時間G51、回答数G52、切り替え速度G53および操作ボタンB51〜B54を有する。
残り時間G51は、回答の再生にかかる残り時間(表示時間)であり、S23において算出された値が表示される。回答数G52は、表示済みの回答数/回答総数である。スタート時は表示済みが「0」であることから、表示済みの回答数は「0」と表示される。また、回答総数は、S23において算出された回答総数が表示される。切り替え速度G53は、回答の表示を切り替えるトリガの一つであり、回答を切り替える時間間隔(速さ)を例えば矢印の数などで表示する。このスタート画面G5における切り替え速度G53は、初期値として設定された切り替え速度に応じたものが表示される。
操作ボタンB51は、回答のスライド表示の開始を指示するボタンである。操作ボタンB52は、スライド表示の終了を指示するボタンである。操作ボタンB53、B54は、切り替え速度G53の変更を指示するボタンである。例えば、操作ボタンB53を押下操作することで切り替え速度G53を下げ、操作ボタンB54を押下操作することで切り替え速度G53を上げることができる。
スタート画面G5の表示の後(S24)、回答表示部114は、電子黒板20におけるユーザの操作内容を判定する(S25)。操作内容が操作ボタンB52による処理の「終了」である場合、回答表示部114は、処理を終了する。
操作内容が操作ボタンB53、B54により切り替え速度G53を変更する「設定」である場合、回答表示部114は、S23へ処理を戻す(S26)。回答表示部114は、変更後の切り替え速度G53により表示時間を再計算し(S23)、スタート画面G5への表示を行う。これにより、スタート画面G5では、切り替え速度G53に応じた表示時間が表示されることとなる。
操作内容が操作ボタンB51によりスライド表示を開始する「再生」である場合、回答表示部114は、表示データに含まれる順序情報に従って回答を読み出す(S27)。次いで、回答表示部114は、未表示である回答の数をもとに、S23と同様の演算により回答数、表示時間を算出する(S28)。次いで、回答表示部114は、読み出した回答を順に表示部103に表示するスライド画面の表示を行う(S29)。
図14は、スライド画面G6の一例を示す図である。図14に示すように、スライド画面G6は、残り時間G61、回答数G62、切り替え速度G63、付加情報G64および操作ボタンB61〜B68を有する。
残り時間G61は、回答の再生にかかる残り時間(表示時間)であり、S28において算出された値が表示される。回答数G62は、表示済みの回答数/回答総数である。スライド表示時においては、S27〜S29の処理を繰り返して表示された回答の数が、表示済み回答数として表示される。また、回答総数は、S23において算出された回答総数が表示される。切り替え速度G63は、回答の表示を切り替えるトリガの一つであり、回答を切り替える時間間隔(速さ)を例えば矢印の数などで表示する。このスライド画面G6における切り替え速度G63は、設定中の切り替え速度に応じたものが表示される。ユーザは、残り時間G61を確認することで、各回答のスライド表示による授業の進行具合を確認できる。
付加情報G64は、回答に付与されている情報が表示される。具体的には、表示データには、回答データ122における回答ごとの情報が予め付与されており、この付与された情報が付加情報G64に表示される。例えば、付加情報G64には、回答データ122における回答の生徒IDに対応する生徒名、選択肢、回答順などであってもよい。図示例では、生徒名を付加情報G64として表示する場合を例示している。
操作ボタンB61は、回答のスライド表示の停止/再生を指示するボタンである。操作ボタンB62は、スライド表示の終了を指示するボタンである。操作ボタンB63、B64は、切り替え速度G63の変更を指示するボタンである。例えば、操作ボタンB63を押下操作することで切り替え速度G63を下げ、操作ボタンB64を押下操作することで切り替え速度G63を上げることができる。これにより、ユーザ(教師)は、切り替え速度G63を調整することで、授業の進行具合の調整を図ることができる。
操作ボタンB65〜B68は、回答の先送り/後戻りを指示するボタンである。例えば、操作ボタンB65を押下操作することで、回答の1つ先送り表示を指示できる。また、操作ボタンB66を押下操作することで、回答の1つ後戻り表示を指示できる。また、操作ボタンB67を押下操作することで、1つ先のインデックスまでの先送り表示を指示できる。また、操作ボタンB68を押下操作することで、1つ前のインデックスまでの後戻り表示を指示できる。
回答のスライド表示(S29)を開始すると、回答表示部114は、回答を切り替えるタイミングを計時するタイマーのカウントを開始する(S30)。
次いで、回答表示部114は、電子黒板20におけるユーザの操作内容を判定する(S31)。操作内容が操作ボタンB62による処理の「終了」である場合、回答表示部114は、処理を終了する。
操作内容が操作ボタンB65〜B68による先送り/後戻り、操作ボタンB63またはB64による切り替え速度G63の設定を行う「先送り/後戻り/設定」である場合、回答表示部114は、S27へ処理を戻す(S32)。
例えば、操作ボタンB63またはB64による切り替え速度G63の設定では、回答表示部114は、設定後の切り替え速度G63により表示時間を再計算し(S28)、スライド画面G6への表示を行う。これにより、スライド画面G6では、切り替え速度G63に応じた表示時間が表示されることとなる。
また、操作ボタンB65〜B68による先送り/後戻りでは、回答表示部114は、先送り/後戻りの指示に対応する回答を順序情報から読み出し(S27)、回答数、表示時間の算出を行った後に(S28)、スライド表示を行う(S29)。これにより、操作ボタンB65〜B68により指示された回答がスライド画面G6に表示されることとなる。
操作内容が「なし」である場合、回答表示部114は、S30で計時を開始したタイマーのカウンターが切り替え速度G63に対応する設定値であるか否かを判定する(S33)。設定値でない場合(S33:NO)、回答表示部114は、S31へ処理を戻して操作の受け付け待ちとする。
設定値である場合(S33:YES)、回答表示部114は、スライド表示の回答を順序情報に従って1つ送る順送りとして(S34)、S27へ処理を戻す。この順送りでは、回答表示部114は、表示中の回答から1つ先の回答を順序情報から読み出し(S27)、回答数、表示時間の算出を行った後に(S28)、スライド表示を行う(S29)。これにより、授業支援システム1では、切り替え速度G63に応じた時間間隔で、順序情報にしたがった回答が順に表示されることとなる。
以上のように、授業支援システム1では、サーバ装置40が生徒端末30から提出されたコメント(回答)を取得し、取得された回答に対応づけてコメントを表示する順序を生成する。また、スタート画面G5またはスライド画面G6において、次の回答を表示する切り替え速度G53、G63の設定を受け付け、受け付けられた設定に基づいて、生成された順序を参照して取得された回答を電子黒板20に表示する。したがって、授業支援システム1では、各生徒の回答を容易に順次取り上げることができ、授業の進行が滞ることを抑止できる。
[他の実装例]
上記の実施形態では、教師端末10や生徒端末30がタブレット端末として実装される場合を例示するが、教師端末10や生徒端末30の実装形態はこれに限定されない。例えば、教師端末10や生徒端末30は、スマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)などの移動体通信端末を含む携帯端末装置として実装されることとしてもかまわない。また、教師端末10および生徒端末30は、パーソナルコンピュータを始めとする据置き型の情報処理装置やノート型のパーソナルコンピュータとして実装されることとしてもかまわない。
また、上記の実施形態では、授業支援システム1にサーバ装置40を設置し、教師端末10、電子黒板20および生徒端末30をクライアント端末として収容するクライアントサーバシステムを例示した。しかしながら、授業支援システム1の物理的構成はこれに限定されない。例えば、授業支援システム1は、教師端末10または電子黒板20をサーバ装置として機能させる一方で生徒端末30等をクライアント端末として機能させるクライアントサーバシステムとしてもよい。この場合、サーバ装置として機能させる教師端末10または電子黒板20が、サーバ装置40の各機能を実装する。また、サーバ装置40は、アウトソーシングによって協働教育支援サービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。
また、本実施形態では、S3において回答の選択肢に対応する表示色の設定を例示したが、回答の選択肢を識別可能な表示態様であれば、表示色の設定に限定しない。例えば、回答の選択肢ごとに、選択肢に対応する表示様式(点滅、色温度、透過率)を変更してもよい。また、回答の選択肢ごとに、選択肢を示すアイコン画像を設定してもよい。
[表示制御プログラム]
また、上記の実施形態で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図16を用いて、上記の実施形態と同様の機能を有する制御プログラム(表示制御プログラム)を実行するコンピュータの一例について説明する。
図16は、制御プログラム270aを実行するコンピュータ200の一例について説明する説明図である。図16に示すように、コンピュータ200は、操作部210aと、スピーカ210bと、カメラ210cと、ディスプレイ220と、通信部230とを有する。さらに、このコンピュータ200は、CPU250と、ROM260と、HDD270と、RAM280とを有する。これら210〜280の各部はバス240を介して接続される。
HDD270には、上記の実施形態で示した設定部110、取得部112、生成部113および回答表示部114と同様の機能を発揮する制御プログラム270aが予め記憶される。この制御プログラム270aについては、図3に示した設定部110、取得部112、生成部113および回答表示部114との各構成要素と同様、適宜統合又は分離してもよい。また、HDD270に格納される各データは、必ずしも全てのデータがHDD270に格納されておらずともよく、処理に用いるデータがHDD270に格納されればよい。
CPU250は、制御プログラム270aをHDD270から読み出してRAM280に展開する。これによって、制御プログラム270aは、制御プロセス280aとして機能する。この制御プロセス280aは、HDD270から読み出した各種データをRAM280上の制御プロセス280aに割り当てられた領域に展開し、この展開した各種データに基づいて各種処理を実行する。なお、制御プロセス280aは、図3に示した設定部110、取得部112、生成部113および回答表示部114にて実行される処理、例えば図7などに示す処理を含む。また、CPU250上で仮想的に実現される各処理部は、必ずしも全ての処理部がCPU250上で動作せずともよく、処理に用いる処理部のみが仮想的に実現されればよい。
なお、上記の制御プログラム270aについては、必ずしも最初からHDD270やROM260に記憶させておかずともよい。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に制御プログラム270aを記憶させる。そして、コンピュータ200がこれらの可搬用の物理媒体から制御プログラム270aを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ200に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに制御プログラム270aを記憶させておき、コンピュータ200がこれらから制御プログラム270aを取得して実行するようにしてもよい。