JP2019219046A - スラストころ軸受 - Google Patents

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【課題】逆組防止突起の割れや欠けを抑制可能なスラストころ軸受を提供する。【解決手段】複数のころ2と、複数のころ2を転動可能に保持する環状の保持器3と、複数のころ2が転動する軌道面4a(5a)が形成された環状の軌道盤4(5)と、を備え、軌道盤4(5)は、軌道面4a(5a)を有しかつ保持器3の軸方向一方側に配置された円環状で板状の軌道部41(51)と、軌道部41(51)の径方向における外方又は内方のいずれか一方の端部から軸方向他方側に延びる円筒状のつば42(52)と、を有し、つば42(52)には、つば42(52)の軸方向他方側の端部から離間した位置においてつば42(52)の一部を塑性変形させることで、径方向におけるころ2と反対側に突出する逆組防止用突起43(53)が形成されており、逆組防止用突起43(53)は、つば42(52)の軸方向における中央から軸方向にずれた位置に形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、スラストころ軸受に関する。
スラストころ軸受は、例えば車両のトランスミッションにおいて非回転部材としてのハウジングと回転部材としての軸との間に介挿され、軸の軸方向のスラスト力を受けながら回転部材の回転を円滑にするために用いられる。スラストころ軸受は、放射状に配置された複数のころと、複数のころを転動可能に保持する複数のポケットを有する環状の保持器と、保持器の軸方向一方側に配置され、複数のころが転動する軌道面が軸方向に対して垂直に形成された環状の軌道盤と、を備えている。軌道盤は、軌道面を有する円環状で板状の軌道部と、軌道部の径方向外方又は内方のいずれか一方の端部から軸方向他方側に延びる円筒状のつばと、を有している。軌道盤としては、軌道部の径方向外方の端部につばが形成されたハウジング軌道盤と、軌道部の径方向内方の端部につばが形成された軸軌道盤とが用いられる。
このようなスラストころ軸受として、軌道盤のつばに、スラストころ軸受の組み付け方向を規制するための逆組防止突起を有するものが知られている。例えば、ハウジング軌道盤においては、逆組防止突起は、つばの先端部に径方向外方に突出するように形成される。この逆組防止突起は、スラストころ軸受を設ける位置の周辺の部材(トランスミッションのハウジング等)に干渉することで、スラストころ軸受の逆組、すなわち指定された向きと反対向きにスラストころ軸受を取り付けてしまうことを防止する。従来のスラストころ軸受では、軌道盤のつばの先端部に、ステーキングにより逆組防止突起を形成していた。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、特許文献1がある。
特開2006−258173号公報
しかしながら、ステーキングにより逆組防止用突起を形成した場合、熱処理加工し硬度を高くすると、逆組防止用突起に割れや欠けが生じ易くなるという課題があった。特にハウジング軌道盤では、つばから径方向外方に突出するように逆組防止突起が形成されるため、逆組防止突起が周囲の部材に打ち当たることによって割れや欠けが生じ易く、改善が求められていた。
そこで本発明は、逆組防止突起の割れや欠けを抑制可能なスラストころ軸受を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、放射状に配置された複数のころと、前記複数のころを転動可能に保持する複数のポケットを有する環状の保持器と、前記複数のころが転動する軌道面が形成された環状の軌道盤と、を備え、前記軌道盤は、前記軌道面を有しかつ前記保持器の軸方向一方側に配置された円環状で板状の軌道部と、前記軌道部の径方向における外方又は内方のいずれか一方の端部から軸方向他方側に延びる円筒状のつばと、を有し、前記つばには、前記つばの軸方向他方側の端部から離間した位置において前記つばの一部を塑性変形させることで、前記径方向における前記ころと反対側に突出するように形成された逆組防止用突起が形成されており、前記逆組防止用突起は、前記つばの軸方向における中央から軸方向にずれた位置に形成されている、スラストころ軸受を提供する。
本発明によれば、逆組防止突起の割れや欠けを抑制できる。
本発明の一実施の形態に係るスラストころ軸受を示す図であり、(a)は断面図、(b)はそのA部拡大図である。 保持器の平面図である。 軸軌道盤の保持器側から見た平面図である。 (a)はハウジング軌道盤の保持器側から見た平面図であり、(b)はその逆組防止用突起の近傍を拡大した断面図及び側面図である。 (a),(b)は、逆組防止用突起による逆組防止を説明する説明図である。 (a),(b)は、逆組防止用突起の形成方法を説明する説明図である。 (a),(b)は、逆組防止用突起の形成位置を説明する説明図である。 本発明の一変形例に係るスラストころ軸受に用いる軸軌道盤を示す図であり、(a)は平面図、(b)はそのB−B線断面図である。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図8を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
(スラストころ軸受1の全体構成)
図1は、本実施の形態に係るスラストころ軸受を示す図であり、(a)は断面図、(b)はそのA部拡大図である。図1に示すように、スラストころ軸受1は、放射状に配置された複数の円柱状のころ2と、複数のころ2を転動可能に保持する環状の保持器3と、保持器3の軸方向一方側(図1(a)における下側)に配置され、複数のころ2が転動する軌道面4aが形成された環状の軌道盤としてのハウジング軌道盤4と、軸軌道盤5と、を備えている。
このスラストころ軸受1は、例えば車両のトランスミッションや産業機械において回転部材と非回転部材との間に介挿され、保持器3に保持された複数のころ2の転動により、軸方向のスラスト力を受けながら回転部材の回転を円滑にするものである。
(保持器3の構成)
図2は、保持器3の平面図である。図1及び図2に示すように、保持器3は、複数のころ2を保持する複数のポケット3aの径方向の外側に形成された外側環状体31と、ポケット3aの径方向の内側に形成された内側環状体32と、外側環状体31と内側環状体32とを径方向に連結する複数の柱33とを一体に備える。外側環状体31及び内側環状体32は同心状に形成されて対をなし、柱33と共にポケット3aを形成する。
保持器3には、放射状に配置された複数のころ2を転動可能に保持するように、複数のころ2と同数の複数(本実施の形態では24個)のポケット3aが放射状に形成されている。ポケット3aは、保持器3の径方向に沿って長辺が延び、保持器3を厚さ方向(軸方向)貫通する略長方形状の貫通孔である。
外側環状体31は、軸方向に対して垂直に延設された円環状で板状の第1垂直部311と、第1垂直部311の径方向外方の端部から軸方向一方側(ハウジング軌道盤4側)に延設された短円筒状の第1筒状部312と、第1筒状部312の先端部(第1垂直部311と反対側の端部)から径方向外側に延設された円環状で板状の第2垂直部313と、を一体に有する。第1及び第2垂直部311,313と第1筒状部312との接続部分は、図1(b)に示す断面において丸みを帯びた形状に形成されている。
内側環状体32は、中心軸Oと平行な軸方向に対して垂直に延設された円環状で板状の第3垂直部321と、第3垂直部321の内周側の端部から軸方向一方側(ハウジング軌道盤4側)に延設された短円筒状の第2筒状部322と、第2筒状部322の先端部(第3垂直部321と反対側の端部)から径方向内側に延設された円環状で板状の第4垂直部323と、を一体に有する。第3及び第4垂直部321,323と第2筒状部322との接続部分は、図1(b)に示す断面において丸みを帯びた形状に形成されている。
外側環状体31の第1垂直部311と内側環状体32の第3垂直部321とは、軸方向における同じ位置に同軸に配置されている。また、外側環状体31の第1筒状部312と内側環状体32の第2筒状部322とは、第1及び第3垂直部311,321から軸方向の同じ方向に延出されている。柱33は、外側環状体31の第1垂直部311と内側環状体32の第3垂直部321とを連結している。
(軸軌道盤5の構成)
図3は、軸軌道盤5の保持器3側から見た平面図である。図1及び図3に示すように、軸軌道盤5は、保持器3の軸方向他方側(図1(a)における上側)に配置され、軸方向に対して垂直な円環状で板状の軌道部51と、軌道部51の径方向内方の端部から軸方向一方側(図1(a)における下側)に延びる短円筒状のつば52と、を一体に有している。軌道部51は、保持器3の軸方向他方側に配置され、その保持器3側の面に複数のころ2が転動する軌道面5aを有している。
軸軌道盤5は、ころ2が転がる軌道面5aを構成する部材であるため、比較的硬質なものを用いることが望ましく、ロックウェル硬さ(HRC)が58以上のものを用いるとよい。軸軌道盤5は、例えば、SAE1075やSK85等の炭素鋼板からなる。
なお、図示していないが、つば52の先端部(軌道部51と反対側の端部)には、保持器3を係止する係止突起が形成されていてもよい。係止突起は、軌道面5aから離間する方向の保持器3の移動を規制するものであり、つば52の外周面から径方向外側に向かって突出するようにステーキングにより形成されるとよい。
(ハウジング軌道盤4の構成)
図4は、ハウジング軌道盤4の保持器3側から見た平面図である。図1及び図4に示すように、ハウジング軌道盤4は、保持器3の軸方向一方側(図1(a)における下側)に配置され、軸方向に対して垂直な円環状で板状の軌道部41と、軌道部41の径方向外方の端部から軸方向他方側(図1(a)における上側)に延びる短円筒状のつば42と、を一体に有している。軌道部41は、保持器3の軸方向一方側に配置され、その保持器3側の面に複数のころ2が転動する軌道面4aを有している。
ハウジング軌道盤4は、ころ2が転がる軌道面4aを構成する部材であるため、比較的硬質なものを用いることが望ましく、ロックウェル硬さ(HRC)が58以上のものを用いるとよい。ハウジング軌道盤4は、例えば、SAE1075やSK85等の炭素鋼板からなる。
ハウジング軌道盤4のつば42には、つば42の一部を塑性変形させることで、径方向におけるころ2と反対側に突出するように形成された逆組防止用突起43が形成されている。逆組防止用突起43は、例えばトランスミッションのハウジングに干渉することによって、スラストころ軸受1の逆組を抑制するためのものである。以下、つば42における逆組防止用突起43が形成されていない部分(短円筒状の部分)をつば本体部42aと呼称する。本実施の形態では、逆組防止用突起43は、つば本体部42aの外周面から径方向外方に突出するように形成されている。逆組防止用突起43は、つば42の軸方向における中央から軸方向にずれた位置に形成されている。ここでは、逆組防止用突起43は、つば42の軸方向における中央から、つば42の先端側(軌道部41と反対側に)ずれた位置に形成されている。なお、本明細書において、「つば42の軸方向における中央」は、「ハウジング軌道盤4の軸方向における中央」と同意である。
逆組防止用突起43は、つば42の軸方向他方側の端部から軸方向に離間した位置に形成される。従来のようにステーキングによりつば42の端部に逆組防止用突起を形成すると、開口の周縁がエッジとなり薄く延ばされた突起先端が保持されない状態となるため、熱処理により硬度が高めた状態において逆組防止用突起に割れや欠けが生じ易くなってしまう。本実施の形態では、つば42の端部から離間したつば42の中部に逆組防止用突起43を形成するため、逆組防止用突起43の基端部全体がつば42に連結された状態となっているため、熱処理により硬度が高めた状態においても、逆組防止用突起43に割れや欠けが生じ難くなっている。
なお、例えば、逆組防止用突起43の先端が尖っていたり、逆組防止用突起43のつば本体部42との接続部(裾野部分)43bにエッジが形成されていると、逆組防止用突起43に割れや欠けが生じ易くなる。そこで、本実施の形態では、逆組防止用突起43は、その先端部43a、及びそのつば本体部42aとの接続部43bが、丸みを帯びた形状に形成されている。ここでは、先端部43aを略半球状に形成するとともに、先端部43aと接続部43bとがなだらかな曲面で接続されるように逆組防止用突起43を構成したが、例えば、先端部43aと接続部43bとの間に、先端部43a側から接続部43b側にかけて徐々に拡径されるテーパ部を有してもよい。このように、本実施の形態では、逆組防止用突起43の接続部43bが丸みを帯びた形状に形成されているため、この接続部43bがつば42の端部に重ならない位置に、逆組防止用突起43を形成するとよい。
逆組防止用突起43のつば本体部42aからの突出長については、特に限定するものではないが、トランスミッションのハウジング等の周囲の部材とつば本体部42aとの間のクリアランスや、各部材の製造公差を考慮し、逆組を抑止可能な長さとすればよい。本実施の形態では、径方向に対向する位置に、一対の逆組防止用突起43を形成している。ただし、逆組防止用突起43の数や形成位置については、これに限定されるものではなく、例えば、3つの逆組防止用突起43を周方向に略等間隔に形成する等してもよい。なお、一対の逆組防止用突起43のそれぞれのつば本体部42aからの突出長は共通である。
ここで、図5(a),(b)に示すように、ハウジング7の収容凹部7aにハウジング軌道盤4を挿入する場合について考える。図5(a)に示すように、つば2の先端側、すなわち逆組防止用突起43を設けた側から、収容凹部7a内にハウジング軌道盤4を挿入しようとすると、逆組防止用突起43が収容凹部7aの開口周縁のハウジング7に干渉して、収容凹部7a内にハウジング軌道盤4を挿入することができない。これに対して、図5(b)に示すように、軌道部41側から収容凹部7a内にハウジング軌道盤4を挿入すると、逆組防止用突起43が収容凹部7aの開口周縁のハウジング7に干渉しないので、収容凹部7a内にハウジング軌道盤4を挿入することができる。このように、逆組防止用突起43を有することで、ハウジング軌道盤4の収容凹部7aへの挿入方向を規制することができ、スラストころ軸受1の逆組を防止することが可能になる。
また、本実施の形態では、ハウジング軌道盤4のつば42の先端部(軌道部41と反対側の端部)には、4つの係止突起44が形成されている。係止突起44は、保持器3を係止して軌道面4aから離間する方向の保持器3の移動を規制するものであり、つば42の内周面から径方向内側に向かって突出するようにステーキングにより形成されている。ここでは、4つの係止突起44をハウジング軌道盤4の周方向に沿って等間隔に設けているが、係止突起44の数は形成位置はこれに限定されるものではない。なお、係止突起44のそれぞれの形状及び突出量は共通である。保持器3がハウジング軌道盤4に対して軌道面4aから離間する方向に移動すると、保持器3の外周側の端部(第2垂直部313)が係止突起44に当接し、保持器3のハウジング軌道盤4に対するさらなる軸方向の移動が抑止される。
ハウジング軌道盤4を製造する際には、プレス装置を用いて金属板に円形状の穴を打ち抜くと共に、当該穴と同心状に円形状の切れ込みを入れて円板状の基材を取得し、当該基材の外縁にしごき曲げ加工を施すことによって、軌道部41とつば42とを形成する。その後、つば42に、逆組防止用突起43と係止突起44とを形成する。
逆組防止用突起43を形成する際には、図6(a),(b)に示すように、つば42の外周面に沿うように、外型(ダイス)61を配置すると共に、つば42の内側(径方向における内側)に内型(パンチ)62を配置する。外型61の逆組防止用突起43を形成する位置には凹溝61aが形成されており、内型62の凹溝61aと対応する位置には凸部62aが形成されている。内型62を外型61側へとカム機構等によって押し付けると、内型62の凸部62aに押し出されるようにつば42の一部が塑性変形され、逆組防止用突起43が形成される。
なお、本実施の形態では、逆組防止用突起43の先端部43a及び接続部43bを丸みを帯びた形状としているため、凹溝61aや凸部62aの形状もこれに対応した丸みを帯びた形状に形成される。外型61や内型62にエッジがあると負荷が集中して短寿命となりやすいが、凹溝61aや凸部62aを丸みを帯びた形状とすることにより、外型61及び内型62の寿命が延長され、製造コストの削減に寄与する。また、外型61及び内型62は簡単な形状で容易に作成可能であり、また逆組防止用突起43を形成する位置についても厳密な調整は不要であるため、良好な生産性を維持することが可能である。
なお、製造工程数の削減のため、逆組防止用突起43の形成は、ステーキングによる係止突起44の形成と同時に行うことがより望ましい。係止突起44の形成も外型と内側とを用いて行うことから、逆組防止用突起43と係止突起44とを同時に形成可能とするために、逆組防止用突起43は、ハウジング軌道盤4の周方向において係止突起44と重ならない位置に形成されることが望ましい。また、ハウジング軌道盤4に用いる金属板が厚すぎると逆組防止用突起43の形状の制御等が困難となるおそれがあるため、金属板としては厚さ1.0mm以下のものを用いるとよく、より好ましくは、厚さ0.6mm以上0.8mm以下のものを用いるとよい。
本実施の形態では、図7(a)に示すように、逆組防止用突起43を、つば42の軸方向における中央(図示の一点鎖線C)よりも軸方向の他方向側(図示上側、先端側)のつば42に形成している。なお、つば42の軸方向における中央は、ハウジング軌道盤4の軸方向における中央と換言することもできる。これにより、逆組防止用突起43のハウジング7への干渉により、つば42の先端側からスラストころ軸受1を挿入することができなくなる(図5(a)参照)。この場合、正しい向きで挿入(軌道部41側から挿入)した場合に逆組防止用突起43がハウジング7に干渉してしまわないように、逆組防止用突起43は、つば42の先端部の近傍に設けることが望ましい。
他方、スラストころ軸受1の用途によっては、スラストころ軸受1を挿入する際の正しい向きが図7(a)の場合と逆になる場合も考えられる。この場合、図7(b)に示すように、逆組防止用突起43を、つば42の軸方向における中央(図示の一点鎖線C)よりも軸方向の一方向側(図示下側、基端側)のつば42に形成するとよい。この場合、つば42と軌道部41とを連結する湾曲部に重ならないように逆組防止用突起43を形成するとよい。これは、つば42と軌道部41とを連結する湾曲部に逆組防止用突起43が重なると、円板状の基材の外縁に曲げ加工を施し軌道部41とつば42とを形成した後に逆組防止用突起43を形成することが困難となり、従来と比較して製造工程の大幅な変更が必要となるおそれがあるためである。
(変形例)
上記実施の形態では、ハウジング軌道盤4に逆組防止用突起43を形成する場合について説明したが、図8(a),(b)に示すように、軸軌道盤5に逆組防止用突起53を形成してもよい。逆組防止用突起53は、つば52の一部を塑性変形させることで、径方向におけるころ2と反対側、すなわち径方向内方に突出するように形成される。逆組防止用突起53は、例えば軸に干渉することによって、スラストころ軸受1の逆組を抑制する。なお、ハウジング軌道盤4と軸軌道盤5の両方に逆組防止用突起43,53を形成してもよい。
また、係止突起44についても、破損が問題となる場合には、逆組防止用突起43,53と同様に、つば42,52の端部から離れた位置に形成してもよい。なお、係止突起44は必須のものではなく、省略することも可能である。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係るスラストころ軸受1では、つば42(又は52)の先端部から離間した位置においてつば42(又は52)の一部を塑性変形させることで、径方向におけるころ2と反対側に突出するように形成された逆組防止用突起43(又は53)を有している。逆組防止用突起43(又は53)をつば42(又は52)の先端部から離間した位置に形成することで、逆組防止用突起43(又は53)をつば42(又は52)の先端部に形成した場合と比較して、逆組防止用突起43(又は53)に割れや欠けが生じ難くなる。その結果、熱処理により硬度が高めた状態においても、逆組防止用突起43(又は53)の割れや欠けを抑制することが可能になる。その結果、軌道盤(ハウジング軌道盤4又は軸軌道盤5)の廃却不良を削減できると共に、軌道盤の寿命を向上でき、それに伴ってスラストころ軸受1の寿命の向上にも寄与する。
なお、軸軌道盤5では、逆組防止用突起43がつば52の内側へと突出するため、逆組防止用突起43が周囲の部材に打ち当たって破損してしまう可能性はそれほど高くない。つまり、本発明は、ハウジング軌道盤4に逆組防止用突起43を形成する場合において、特に有効である。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、これらの実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…スラストころ軸受 2…ころ
3…保持器 3a…ポケット
4…ハウジング軌道盤 4a…軌道面
41…軌道部 42…つば
43…逆組防止用突起 5…軸軌道盤
5a…軌道面 51…軌道部
52…つば 53…逆組防止用突起

Claims (5)

  1. 放射状に配置された複数のころと、
    前記複数のころを転動可能に保持する複数のポケットを有する環状の保持器と、
    前記複数のころが転動する軌道面が形成された環状の軌道盤と、を備え、
    前記軌道盤は、前記軌道面を有しかつ前記保持器の軸方向一方側に配置された円環状で板状の軌道部と、前記軌道部の径方向における外方又は内方のいずれか一方の端部から軸方向他方側に延びる円筒状のつばと、を有し、
    前記つばには、前記つばの軸方向他方側の端部から離間した位置において前記つばの一部を塑性変形させることで、前記径方向における前記ころと反対側に突出するように形成された逆組防止用突起が形成されており、
    前記逆組防止用突起は、前記つばの軸方向における中央から軸方向にずれた位置に形成されている、
    スラストころ軸受。
  2. 前記逆組防止用突起は、その先端部、及びその前記逆組防止用突起が形成されていない部分の前記つばとの接続部が、丸みを帯びた形状に形成されている、
    請求項1に記載のスラストころ軸受。
  3. 前記軌道盤は、前記軌道部の前記径方向における外方の端部から前記軸方向他方側に延びるように形成された前記つばを有するハウジング軌道盤であり、
    前記逆組防止用突起は、前記径方向における外方に突出するように形成されている、
    請求項1または2に記載のスラストころ軸受。
  4. 前記逆組防止用突起は、前記つばの軸方向における中央よりも軸方向の他方向側の前記つばに形成されている、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のスラストころ軸受。
  5. 前記逆組防止用突起は、前記つばの軸方向における中央よりも軸方向の一方向側の前記つばに形成されている、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のスラストころ軸受。
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