図面を参照して、本発明の実施形態に係る流体圧制御装置について説明する。
流体圧制御装置は、例えばパワーショベル等の建設機械に適用される。パワーショベルは、エンジン(図示せず)と、エンジンにより駆動され作動流体としての作動油を吐出する流体圧ポンプとしての第1ポンプ101及び第2ポンプ102と、第1ポンプ101及び第2ポンプ102から供給される作動油を油圧モータである走行用モータ及び旋回用モータ、並びに油圧シリンダであるブーム駆動用のシリンダ、アーム駆動用のシリンダ、バケット駆動用のシリンダ等に給排する流体圧制御装置としての油圧制御装置100と、油圧制御装置100から作動油が還流するタンクTと、を備える。油圧モータ及び油圧シリンダについては、総称してアクチュエータとも記す。
油圧制御装置100は、第1ポンプ101に接続され第1ポンプ101から吐出される作動油が供給される第1回路系統HC1と、第2ポンプ102に接続され第2ポンプ102から吐出される作動油が供給される第2回路系統HC2と、を備える。なお、後述するように、走行直進用制御弁25が切り換えられることにより、第1ポンプ101から吐出される作動油は、第2回路系統HC2へも供給され、第2ポンプ102から吐出される作動油は、第1回路系統HC1へも供給される。
第1回路系統HC1は、第1ポンプ101から供給される作動油をタンクTへ導く第1中立通路11と、第1中立通路11に直列に接続される複数のアクチュエータ制御弁12と、後述する第1走行用制御弁12Aより上流側の第1中立通路11から分岐する第1パラレル通路13と、を備える。第1パラレル通路13は、後述する走行直進用制御弁25より上流側の上流側パラレル通路13aと、走行直進用制御弁25より下流側の下流側パラレル通路13bとを有する。
各アクチュエータ制御弁12は、第1中立通路11と第1パラレル通路13により接続される。第1パラレル通路13は、第1走行用制御弁12Aより上流側の第1中立通路11を介して第1ポンプ101に接続されるとともに、各アクチュエータ制御弁12、すなわち第1走行用制御弁12A及び第1作業用制御弁(12B〜12E)に対して並列に接続される。
複数のアクチュエータ制御弁12は、第1走行用制御弁12A、予備用制御弁12B、旋回用制御弁12C、ブーム2速用制御弁12D、アーム1速用制御弁12Eを有し、この順に上流から配置される。予備用制御弁12B、旋回用制御弁12C、ブーム2速用制御弁12D及びアーム1速用制御弁12Eは、第1回路系統HC1に設けられる第1作業用制御弁である。つまり、各第1作業用制御弁(12B,12C,12D,12E)は、第1走行用制御弁12Aより下流側に設けられる。
第1走行用制御弁12Aは、パワーショベルの車体の右側に設けられる走行用モータ111への作動油の給排を切り換える。予備用制御弁12Bは、後述するバケットの代わりに取り付けられるブレーカやクラッシャ等のアタッチメントを駆動する油圧シリンダへの作動油の給排を切り換える。旋回用制御弁12Cは、車体の上部に配置される旋回体を旋回させる旋回用モータへの作動油の給排を切り換える。ブーム2速用制御弁12Dは、ブームを駆動する油圧シリンダへの作動油の給排を切り換える。アーム1速用制御弁12Eは、アームを駆動する油圧シリンダへの作動油の給排を切り換える。
このように、複数のアクチュエータ制御弁12は、第1ポンプ101または第2ポンプ102から複数のアクチュエータへ供給される作動油の流れを制御する。第1パラレル通路13における各アクチュエータ制御弁12の上流側には、第1パラレル通路13から各アクチュエータに向かって作動油が流れることのみを許容するチェック弁16が設けられる。
第1回路系統HC1の全てのアクチュエータ制御弁12が中立位置にある場合、第1ポンプ101から吐出される作動油は、第1中立通路11を通じてタンクTへ導かれる。少なくとも一つのアクチュエータ制御弁12が作動位置に切り換わった場合、作動油の第1中立通路11を通じたタンクTへの流れが遮断される。
第1パラレル通路13は、第1回路系統HC1のいずれかのアクチュエータ制御弁12が作動位置に切り換えられた場合に、第1ポンプ101から供給される作動油をアクチュエータ制御弁12に供給する。
一方、第2回路系統HC2は、第2ポンプ102から供給される作動油をタンクTへ導く第2中立通路21と、第2中立通路21に直列に接続される複数のアクチュエータ制御弁22と、後述するアーム2速用制御弁22Dより下流側の第2中立通路21に接続される中立カット弁24と、後述する第2走行用制御弁22Aより上流側の第2中立通路21に接続される切換弁としての走行直進用制御弁25と、走行直進用制御弁25より上流側の第2中立通路21から分岐する第2パラレル通路23と、を備える。第2中立通路21は、走行直進用制御弁25より上流側の上流側中立通路21aと、走行直進用制御弁25より下流側の下流側中立通路21bとを有する。
各アクチュエータ制御弁22は、第2中立通路21と第2パラレル通路23により接続される。第2パラレル通路23は、上流側中立通路21aを介して第2ポンプ102に接続されるとともに、各アクチュエータ制御弁22、すなわち第2走行用制御弁22A及び第2作業用制御弁(22B〜22D)に対し並列に接続される。
複数のアクチュエータ制御弁22は、第2走行用制御弁22A、バケット用制御弁22B、ブーム1速用制御弁22C、アーム2速用制御弁22Dから構成され、この順に上流から配置される。バケット用制御弁22B、ブーム1速用制御弁22C、アーム2速用制御弁22Dは、第2回路系統HC2に設けられる第2作業用制御弁である。つまり、各第2作業用制御弁(22B〜22D)は、第2走行用制御弁22Aより下流側に設けられる。
第2走行用制御弁22Aは、パワーショベルの車体の左側に設けられる走行用モータ112への作動油の給排を切り換える。バケット用制御弁22Bは、バケットを駆動する油圧シリンダ113への作動油の給排を切り換える。ブーム1速用制御弁22Cは、ブームを駆動する油圧シリンダへの作動油の給排を切り換える。アーム2速用制御弁22Dは、アームを駆動する油圧シリンダへの作動油の給排を切り換える。
このように、複数のアクチュエータ制御弁22は、第1ポンプ101または第2ポンプ102から複数のアクチュエータへ供給される作動油の流れを制御する。第2パラレル通路23における各アクチュエータ制御弁22の上流側には、第2パラレル通路23から各アクチュエータに向かって作動油が流れることのみを許容するチェック弁26が設けられる。
第2回路系統HC2の全てのアクチュエータ制御弁22が中立位置にある場合、第2ポンプ102から吐出される作動油は、第2中立通路21を通じてタンクTへ導かれる。少なくとも一つのアクチュエータ制御弁22が作動位置に切り換わった場合、作動油の第2中立通路21を通じたタンクTへの流れが遮断される。
第2パラレル通路23は、第2回路系統HC2のいずれかのアクチュエータ制御弁22が作動位置に切り換えられた場合に、第2ポンプ102から供給される作動油をアクチュエータ制御弁22に供給する。
中立カット弁24は、通常位置にある場合、第2中立通路21を開放し、閉塞位置に切り換わると第2中立通路21を閉塞する。なお、本実施形態に係る油圧制御装置100では、中立カット弁24の上流の第2中立通路21から分岐する分岐通路28を通じて、第2ポンプ102の作動油を他の制御弁(図示せず)に導くことができるように構成されている。
走行直進用制御弁25は、アクチュエータ制御弁12,22の上流側における、第2中立通路21及び第1パラレル通路13に設けられる。換言すれば、走行直進用制御弁25は、第1パラレル通路13の上流側パラレル通路13aと下流側パラレル通路13bとの間であって、第2中立通路21の上流側中立通路21aと下流側中立通路21bとの間に介装される。走行直進用制御弁25は、3つのポジションに切り換えられる切換弁である。
走行直進用制御弁25は、第1ポンプ101及び第2ポンプ102から供給される作動油の流れを第1の状態とする第1の位置としての中立位置A(図2参照)と、第1ポンプ101及び第2ポンプ102から供給される作動油の流れを第1の状態とは異なる第2の状態とする第2の位置としての走行直進位置B(図3参照)と、第1ポンプ101及び第2ポンプ102から供給される作動油をタンクTに導き、第1ポンプ101及び第2ポンプ102をアンロードするアンロード位置Cと、の間でスプール40(図2〜図4参照)が切り換えられる。
走行直進用制御弁25の切換位置(A,B,C)は、走行直進用制御弁25の両端に設けられるパイロット室25a,25bに作用するパイロット圧に応じて変化する。パイロット圧がいずれのパイロット室25a,25bにも作用していない場合には、スプリング25cにより走行直進用制御弁25は中立位置Aとなる。
中立位置Aでは、上流側パラレル通路13aが下流側パラレル通路13bに接続されるとともに、上流側中立通路21aが下流側中立通路21bに接続される。なお、第2パラレル通路23は上流側中立通路21aに接続されている。したがって、中立位置Aでは、第1ポンプ101から吐出される作動油が、第1回路系統HC1の各アクチュエータ制御弁12に導かれるとともに、第2ポンプ102から吐出される作動油が、第2回路系統HC2の各アクチュエータ制御弁22に導かれる。
走行直進位置Bでは、上流側パラレル通路13aが下流側中立通路21bに接続されるとともに、上流側中立通路21aが下流側パラレル通路13bに接続される。したがって、走行直進位置Bでは、第1ポンプ101から吐出される作動油が、第1回路系統HC1の第1走行用制御弁12A及び第2回路系統HC2の第2走行用制御弁22Aに導かれるとともに、第2ポンプ102から吐出される作動油が、第1回路系統HC1の第1作業用制御弁(12B〜12E)及び第2回路系統HC2の第2作業用制御弁(22B〜22D)に導かれる。
パワーショベルが、ブーム、アーム、バケット等からなる掘削部を駆動しない状態で走行しているとき、あるいは、走行をしていない状態で、掘削部を駆動しているときには、第1パイロット室25a及び第2パイロット室25bはタンク圧となっており、走行直進用制御弁25は中立位置Aに維持される。一方、走行用モータ111,112が駆動しているときに、掘削部のアクチュエータが駆動すると、第1パイロット室25aにパイロット圧が作用し、走行直進用制御弁25が走行直進位置Bに切り換えられる。これにより、走行用の回路と走行以外の回路とが独立することになるので、車体の走行直進性が確保される。
アンロード位置Cでは、上流側パラレル通路13aがタンク通路29に接続される。タンク通路29は、作動油を貯留するタンクTに接続される。つまり、アンロード位置Cでは、上流側パラレル通路13aの作動油がタンクTに導かれ、第1ポンプ101がアンロードされる。さらに、アンロード位置Cでは、第1パラレル通路13を通じた第1ポンプ101と第1回路系統HC1のアクチュエータ制御弁(12B〜12E)との連通が遮断される。
また、アンロード位置Cでは、上流側中立通路21aがタンク通路29に接続される。つまり、アンロード位置Cでは、上流側中立通路21aの作動油がタンクTに導かれ、第2ポンプ102がアンロードされる。さらに、アンロード位置Cでは、上流側中立通路21aから分岐する第2パラレル通路23の作動油がタンクTに導かれる。
パワーショベルは、パワーショベルの各部の動作を制御するコントローラ108と、各アクチュエータ制御弁12,22を切り換えるためのアクチュエータ操作装置(図示せず)と、走行直進用制御弁25をアンロード位置Cに切り換えるためのアンロード操作装置107と、を備える。アクチュエータ操作装置及びアンロード操作装置107は、パワーショベルの運転室内に設けられる。
アンロード操作装置107は、スイッチ、レバー等の操作部107bを有し、操作検出部107aにより操作状態が検出される。操作検出部107aは、コントローラ108に接続され、検出信号をコントローラ108に出力する。アンロード操作装置107が、アンロード位置に操作されると、操作検出部107aからの検出信号に基づいて、コントローラ108が電磁比例弁109のソレノイドにオン信号(励磁電流)を出力する。これにより、パイロット油圧源105の作動油が減圧されることによりパイロット圧が生成され、このパイロット圧が走行直進用制御弁25の第2パイロット室25bに作用する。
第2パイロット室25bにパイロット圧が作用すると、走行直進用制御弁25がアンロード位置Cに切り換わり、第1ポンプ101及び第2ポンプ102がアンロードされる。また、第1ポンプ101及び第2ポンプ102と下流側パラレル通路13bとの連通が遮断されるため、第1パラレル通路13の下流側パラレル通路13bは、第1ポンプ101及び第2ポンプ102により積極的に加圧されない非加圧状態となる。さらに、第2パラレル通路23がタンクTに連通するため、第2パラレル通路23は、第2ポンプ102により積極的に加圧されない非加圧状態となる。
このとき、第1ポンプ101及び第2ポンプ102の駆動が維持されるとともに、エンジンにより駆動されるパイロットポンプ(図示せず)の駆動も維持されている。パイロットポンプから吐出される作動油は、アクチュエータ操作装置(図示せず)の操作量に応じて減圧され、アクチュエータ制御弁12,22を切り換え操作するパイロット圧として、アクチュエータ制御弁12,22のパイロット室に入力される。つまり、本実施形態では、走行直進用制御弁25がアンロード位置Cに切り換えられている場合に、複数のアクチュエータ制御弁12,22が切り換え可能とされている。
図2〜図4を参照して、走行直進用制御弁25の構造について説明する。図2は、走行直進用制御弁25が中立位置Aである場合の断面を示す断面図である。図3は、走行直進用制御弁25が走行直進位置Bである場合の断面を示す断面図である。図4は、走行直進用制御弁25がアンロード位置Cである場合の断面を示す断面図である。
図2に示すように、走行直進用制御弁25は、断面が円形状の孔30aを有するバルブボディ30と、孔30a内に挿入され、スプール40の中心軸方向(以下、単に軸方向とも記す)に摺動可能な円柱状のスプール40と、を備える。つまり、バルブボディ30には、スプール40が摺動自在に収容されている。なお、以下の説明において、バルブボディ30の一端側は図2における左端側を指し、バルブボディ30の他端側は図2における右端側を指す。
バルブボディ30の孔30aの内周面には、タンク通路29を通じてタンクTに連通するタンクポート35と、上流側パラレル通路13aに連通する第1入口ポート31と、下流側中立通路21bに連通する第2出口ポート34と、上流側中立通路21aに連通する第2入口ポート32と、下流側パラレル通路13bに連通する第1出口ポート33と、が一端側から他端側に向かってこの順に設けられる。また、バルブボディ30の孔30aの内周面には、タンクポート35と第1入口ポート31との間に環状凹部37が設けられ、第1出口ポート33の他端側に環状凹部38が設けられる。この環状凹部37と環状凹部38とは、バルブボディ30に設けられる通路36によって連通する。
スプール40には、孔30aの内周面に摺動するランド部としての第1ランド部51、第2ランド部52、第3ランド部53及び第4ランド部54が、一端側から他端側に向かってこの順に設けられる。第1ランド部51は、タンクポート35を遮断可能に設けられる。第2ランド部52は、第1入口ポート31と第2出口ポート34との連通を遮断可能に、かつ、第2出口ポート34と第2入口ポート32との連通を遮断可能に設けられる。第3ランド部53は、第2入口ポート32と第1出口ポート33との連通を遮断可能に、かつ、第1出口ポート33と環状凹部38との連通を遮断可能に設けられる。
スプール40の外周面には、環状溝としての第1環状溝61、第2環状溝62及び第3環状溝63、が一端側から他端側に向かってこの順に設けられる。第1環状溝61は第1ランド部51と第2ランド部52との間に設けられ、第2環状溝62は第2ランド部52と第3ランド部53との間に設けられ、第3環状溝63は第3ランド部53と第4ランド部54との間に設けられる。
スプール40の内部には、中空部41が設けられる。中空部41は、スプール40の軸方向に延在する第1内部通路としての軸方向通路42と、軸方向通路42からスプール40の外周面に亘って延在する一対の第2内部通路としての径方向通路43,44と、を有する。
軸方向通路42は、第2パイロット室25bに臨むスプール40の他端面からドリル加工等を施すことにより形成される。スプール40の他端側の開口部は、プラグ49によって閉塞される。
径方向通路43は、軸方向通路42からスプール40の径方向に延在し、第2環状溝62の底面に開口している。径方向通路44は、軸方向通路42からスプール40の径方向に延在し、第1ランド部51の外周面に開口している。
バルブボディ30の一端には、スプール40を軸方向に付勢するスプリング25cと、スプール40を他端側に付勢するパイロット圧が導かれる第1パイロット室25aと、が設けられる。バルブボディ30の他端には、スプール40を一端側に付勢するパイロット圧が導かれる第2パイロット室25bが設けられる。
第1パイロット室25a及び第2パイロット室25bのいずれにもパイロット圧が導かれていない場合、スプール40は図2に示す中立位置Aに保持される。第1パイロット室25aにパイロット圧が供給された場合、スプリング25cの付勢力に抗してスプール40は他端側に摺動して図3に示す走行直進位置Bに保持される。第2パイロット室25bにパイロット圧が供給された場合、スプリング25cの付勢力に抗してスプール40は一端側に摺動して図4に示すアンロード位置Cに保持される。
図2に示すように、第1パイロット室25a及び第2パイロット室25bのいずれにもパイロット圧が供給されていない場合、スプール40が中立位置Aに保持される。このとき、上流側パラレル通路13aから導かれる作動油は、第1入口ポート31、第1環状溝61、環状凹部37、通路36、環状凹部38、第3環状溝63、第1出口ポート33を通じて下流側パラレル通路13bに導かれる。また、上流側中立通路21aから導かれる作動油は、第2入口ポート32、第2環状溝62、第2出口ポート34を通じて下流側中立通路21bに導かれる。なお、スプール40が中立位置Aに保持されているとき、スプール40の外周面における径方向通路44の開口部が、バルブボディ30の内周面によって覆われている。これにより、中空部41を通じたタンクポート35と第2入口ポート32及び第2出口ポート34との連通は遮断される。つまり、第2ポンプ102とタンクTとの連通は遮断される。
図3に示すように、第1パイロット室25aにパイロット圧が供給された場合、スプール40が走行直進位置Bに切り換えられる。これにより、上流側パラレル通路13aから導かれる作動油は、第1入口ポート31、第1環状溝61、第2出口ポート34を通じて下流側中立通路21bに導かれる。また、上流側中立通路21aから導かれる作動油は、第2入口ポート32、第2環状溝62、第1出口ポート33を通じて下流側パラレル通路13bに導かれる。なお、スプール40の外周面における径方向通路44の開口部は、バルブボディ30の内周面によって覆われている。これにより、中空部41を通じたタンクポート35と第2入口ポート32及び第1出口ポート33との連通は遮断される。つまり、第2ポンプ102とタンクTとの連通は遮断される。
図4に示すように、第2パイロット室25bにパイロット圧が供給された場合、スプール40がアンロード位置Cに切り換えられる。これにより、上流側パラレル通路13aから導かれる第1ポンプ101の作動油は、第1入口ポート31、第1環状溝61、タンクポート35を通じてタンク通路29に導かれ、タンク通路29を通じてタンクTに導かれる。また、上流側中立通路21aから導かれる第2ポンプ102の作動油は、第2入口ポート32、第2環状溝62、中空部41、タンクポート35を通じてタンク通路29に導かれ、タンク通路29を通じてタンクTに導かれる。つまり、上流側パラレル通路13aから導かれる作動油、及び、上流側中立通路21aから導かれる作動油は、走行直進用制御弁25内で合流してタンク通路29に導かれる。
スプール40がアンロード位置Cに切り換えられると、第1入口ポート31と第2出口ポート34との連通は、第2ランド部52によって遮断され、第2入口ポート32と第1出口ポート33との連通は、第3ランド部53によって遮断される。さらに、第1出口ポート33と環状凹部38との連通は、第4ランド部54によって遮断される。
ここで、中空部41に代えて、第2環状溝62の軸方向長さを長くして、第2ポンプ102をタンクTに接続することもできる。この場合、スプール40がアンロード位置Cに切り換えられているときに、第2環状溝62を通じて、第2入口ポート32、第2出口ポート34、第1入口ポート31、タンクポート35の全てが連通する。その結果、第1ポンプ101及び第2ポンプ102の双方をアンロードさせることができる。しかしながら、この場合、スプール40が走行直進位置Bに切り換えられているときに、第2入口ポート32と第2出口ポート34とが連通しないように、寸法調整をする必要があり、バルブボディ30の大型化を招くおそれがある。
これに対して、本実施形態では、スプール40の内部に作動油が流通する中空部41を設け、中空部41の径方向通路44の開口部がバルブボディ30の内周面に覆われることにより、第2ポンプ102とタンクTとの連通を遮断するようにした。このため、スプール40及びバルブボディ30の形状が大型化することなく、簡素な形状で第2ポンプ102とタンクTとの連通及び遮断を制御することができる。
図1を参照して、アクチュエータの解体作業について説明する。解体作業の一例として、第2回路系統HC2のアクチュエータであるバケット駆動用の油圧シリンダ113をパワーショベルから取り外す作業について説明する。
アンロード操作装置107の操作部107bをアンロード位置に操作すると、操作検出部107aで検出された検出信号に基づいて、コントローラ108は、第1ポンプ101及び第2ポンプ102をアンロードさせる処理を含む解体作業準備モードを実行する。解体作業準備モードが実行されると、例えば、コントローラ108は、エンジンの回転速度を予め定めた回転速度まで低下させるとともに第1ポンプ101及び第2ポンプ102の押しのけ容量を最小値まで低下させる。さらに、コントローラ108は、電磁比例弁109にオン信号を出力して、走行直進用制御弁25の第2パイロット室25bに所定のパイロット圧を作用させる。
走行直進用制御弁25の第2パイロット室25bに所定のパイロット圧が供給されると、走行直進用制御弁25が中立位置Aからアンロード位置Cへ切り換わる。このとき、エンジンは駆動された状態が維持されている。つまり、この状態では、エンジンによって駆動するパイロットポンプをパイロット油圧源として、アクチュエータ操作装置の操作量に応じたパイロット圧(二次圧力)をアクチュエータ制御弁12,22のパイロット室に作用させることができる。つまり、走行直進用制御弁25がアンロード位置Cに切り換えられている場合に、複数のアクチュエータ制御弁12,22を切り換えることができる。
このため、バケット用のアクチュエータ操作装置の操作レバーを中立位置から所定の操作量だけ操作すると、バケット用制御弁22Bが中立位置から所定の作動位置に切り換えられる。
バケット用の操作レバーをシリンダ伸長側に操作すると、バケット用制御弁22Bが伸長作動位置に切り換えられ、油圧シリンダ113のボトム側室113bが第2パラレル通路23に接続されるとともにロッド側室113rがタンク通路29に接続される。
第2パラレル通路23は、上流側中立通路21a及び走行直進用制御弁25を通じてタンク通路29に連通している。したがって、第2パラレル通路23は、第2ポンプ102によって積極的に加圧されない非加圧状態となる。第2パラレル通路23がタンクTに連通するため、ボトム側室113bに作動油が供給されることが防止される。つまり、ボトム側室113bが加圧されることが防止される。なお、第2パラレル通路23におけるバケット用制御弁22Bの上流側にはチェック弁26が設けられているので、ボトム側室113bから第2パラレル通路23を通じてタンクTに作動油が導かれることはない。
つまり、ロッド側室113rは作動油がタンク通路29を通じてタンクTに排出可能な状態となり、ボトム側室113bは作動油の給排がない状態となっている。その結果、油圧シリンダ113は、ボトム側室113bが加圧されることなく、ロッド側室113rの圧力がタンク圧まで低下する。
ここで、ボトム側室113bの圧力が低く、油漏れ等が発生する懸念がない場合には、バケット用制御弁22Bを中立位置に戻す。バケット用制御弁22Bを中立位置にすれば、作動油の給排は行われないので、油圧シリンダ113の取り外しが可能となる。なお、ボトム側室113bの圧力が高く、油漏れ等が発生する懸念がある場合には、バケット用の操作レバーをシリンダ収縮側に操作して、バケット用制御弁22Bを収縮作動位置に切り換える。これにより、油圧シリンダ113のロッド側室113rが第2パラレル通路23に接続されるとともに、ボトム側室113bがタンク通路29に接続される。油圧シリンダ113のボトム側室113bがタンク通路29に接続されることにより、ボトム側室113bがタンク圧まで低下する。なお、ロッド側室113rは第2パラレル通路23に接続されているが、第2パラレル通路23はタンクTに連通しているため、ロッド側室113rに作動油が供給されることが防止されている。つまり、ロッド側室113rが加圧されることが防止される。その後、バケット用制御弁22Bを中立位置に戻して油圧シリンダ113をパワーショベルから取り外す。油圧シリンダ113内の圧力を低下させた後に、油圧シリンダ113をパワーショベルから取り外すので、解体作業時における油漏れ、油はね等の発生を防止することができる。
なお、走行直進用制御弁25をアンロード位置Cに切り換えて、第2パラレル通路23をタンクTに連通させたときに、第2パラレル通路23は、第2ポンプ102によって積極的に加圧されない非加圧状態となっていればよい。つまり、走行直進用制御弁25を通過する作動油の圧損等により、第2パラレル通路23内の圧力がタンク圧よりも高い状態となっていてもよい。この場合、第2パラレル通路23内の圧力が、各アクチュエータ制御弁22の上流側のチェック弁26を開かない程度の圧力となるように、各配管、走行直進用制御弁25を構成することが好ましい。
このように、本実施形態では、解体作業において、走行直進用制御弁25がアンロード位置Cに切り換えられた状態で、油圧シリンダ113の一方の圧力室をタンクTに接続し、他方の圧力室を第2パラレル通路23に接続するようにバケット用制御弁22Bを切り換える。これにより、第1、第2ポンプ101,102を駆動している状態であっても、油圧シリンダ113の他方の圧力室を加圧することなく、一方の圧力室を減圧することができる。
解体作業の別の例として、アーム駆動用の油圧シリンダをパワーショベルから取り外す作業について説明する。解体作業の手順及び走行直進用制御弁25の切り換え動作等は同様であるので、バケット駆動用の油圧シリンダ113の解体作業と異なる点のみ記載する。
走行直進用制御弁25がアンロード位置Cに切り換えられると、第1パラレル通路13を通じた第1ポンプ101及び第2ポンプ102とアクチュエータ制御弁(12B〜12E)との連通が遮断される。つまり、第1パラレル通路13の下流側パラレル通路13bは、第1ポンプ101及び第2ポンプ102によって積極的に加圧されない非加圧状態となる。
この状態で、アーム1速用制御弁12Eを切り換えると、アーム駆動用の油圧シリンダの一方の圧力室を加圧することなく、他方の圧力室を減圧することができる。
なお、本実施形態では、第1、第2走行用制御弁12A,22Aが中立位置にある場合、走行用モータ111,112の出入口はタンクTに連通するため、走行用モータ111,112の減圧作業は省略することができる。
このように、本実施形態では、走行直進用制御弁25をアンロード位置Cに切り換え、第1、第2ポンプ101,102をアンロード状態とすることで、エンジンを停止させずにアクチュエータ内の圧力を低下させ、アクチュエータを取り外すことができる。エンジン及び各ポンプ(第1、第2ポンプ101,102、パイロットポンプ)を駆動させたまま、複数のアクチュエータを同時に取り外すことができるので、解体作業の作業効率を向上することができる。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
油圧制御装置100は、中立位置Aと、走行直進位置Bと、アンロード位置Cと、の間でスプール40が切り換えられる走行直進用制御弁25を備え、走行直進用制御弁25がアンロード位置Cに切り換えられている場合に、複数のアクチュエータ制御弁12,22が切り換え可能とされている。これにより、アクチュエータの解体作業の際に、走行直進用制御弁25をアンロード位置Cに切り換えた状態で、アクチュエータ制御弁12,22を切り換え、アクチュエータをタンクに連通させることにより、アクチュエータ内の圧力を低下させることができる。このように、本実施形態では、中立位置Aと走行直進位置Bとの間で切り換えられる走行直進用制御弁25にアンロード位置Cを設けた。つまり、走行直進用制御弁25は、走行中に掘削部が動作したときに走行直進性を確保する機能に加え、アンロード機能を有している。これにより、専用の圧抜き装置等の付属品を新たに設けずに、アクチュエータの減圧を行うことができる。つまり、本実施形態によれば、部品点数及びコストを増加させることなく、アクチュエータ内の圧力を低下させることができ、アクチュエータの解体作業時における油漏れ、油はね等の発生を防止することができる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、走行直進用制御弁25がアンロード位置Cを有する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、中立カット弁224がアンロード位置C2を有していてもよい。本変形例に係る油圧制御装置200では、中立カット弁224が、第1の位置としての通常位置A2、第2の位置としての閉塞位置B2及びアンロード位置C2の3つのポジションに切り換えられる切換弁である。
通常位置A2では、アーム2速用制御弁22Dより下流側の第2中立通路21が開放され、第2回路系統HC2の全てのアクチュエータ制御弁22が中立位置にある場合、第2ポンプ102から供給される作動油がタンクTに導かれる第1の状態となる。閉塞位置B2では、第2中立通路21が閉塞され、アーム2速用制御弁22Dと中立カット弁224との間の第2中立通路21から分岐する分岐通路28を通じて他の制御弁(図示せず)に、第2ポンプ102の作動油が導かれる第2の状態となる。
アンロード位置C2では、第1パラレル通路13及び第2パラレル通路23がタンク通路29に接続され、第2中立通路21が開放される。なお、通常位置A2及び閉塞位置B2では、第1パラレル通路13及び第2パラレル通路23とタンク通路29との連通は遮断される。
したがって、中立カット弁224をアンロード位置C2に切り換えると、第1パラレル通路13及び第2パラレル通路23の作動油がタンクTに導かれ、第1パラレル通路13及び第2パラレル通路23が非加圧状態となる。この状態で、第1作業用制御弁(12B〜12E)及び第2作業用制御弁(22B〜22D)を中立位置から作動位置へ切り換えることで、各アクチュエータ内の圧力を低下させることができる。さらに、第1作業用制御弁(12B〜12E)及び第2作業用制御弁(22B〜22D)を中立位置に戻すことで、各アクチュエータをパワーショベルから取り外すことができる。つまり、上記実施形態と同様、エンジン及び各ポンプ(第1、第2ポンプ101,102、パイロットポンプ)を駆動させたまま、各アクチュエータ内の圧力を低下させ、各アクチュエータを取り外すことができる。
<変形例2>
上記実施形態では、第1回路系統HC1及び第2回路系統HC2を備える油圧制御装置100を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。回路系統は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
<変形例3>
上記実施形態では、第1ランド部51に設けられた径方向通路44の開口部がバルブボディ30の内周面によって覆われることにより、第2ポンプ102とタンクTとの連通が遮断される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2ランド部52に径方向通路43を設け、第2ランド部52の径方向通路43の開口部をバルブボディ30の内周面によって覆うことにより、第2ポンプ102とタンクTとの連通を遮断してもよい。
<変形例4>
上記実施形態では、第1、第2走行用制御弁12A,22Aが中立位置にある場合、走行用モータ111,112の出入口がタンクTに連通していた。このため、走行用モータ111,112をパワーショベルから取り外す解体作業に際し、走行用モータ111,112の減圧作業は不要であった。これに対し、第1、第2走行用制御弁12A,22Aが中立位置にある場合、走行用モータ111の出入口とタンクTとの連通が遮断される場合、走行用モータ111,112についても減圧作業が必要になる。
この場合、走行直進用制御弁25をアンロード位置Cに切り換えた後に、第1、第2走行用制御弁12A,22A及び第1、第2作業用制御弁(12B〜12E,22B〜22D)を同時に切り換えると、第1パイロット室25aにも所定のパイロット圧が導かれる。つまり、走行直進用制御弁25の第1パイロット室25a及び第2パイロット室25bの双方にパイロット圧が導かれる。このため、第1パイロット室25aにパイロット圧が導かれた場合であっても、アンロード位置Cが維持されるように構成することが好ましい。
例えば、第1パイロット室25aに作用するパイロット圧よりも第2パイロット室25bに作用するパイロット圧が大きくなるようにする。または、第1パイロット室25aに導かれるパイロット圧に対するスプール40の受圧面積よりも第2パイロット室25bに導かれるパイロット圧に対するスプール40の受圧面積を大きくする。このように、アンロード操作装置107の操作部107bがアンロード位置に操作されたときに、走行直進用制御弁25がアンロード位置Cに優先的に切り換えられるようにすることで、走行用モータ及び油圧シリンダを含む各アクチュエータ内の圧力を同時に減圧することができる。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、および効果をまとめて説明する。
流体圧制御装置としての油圧制御装置100,200は、流体圧ポンプ(第1ポンプ101、第2ポンプ102)から複数のアクチュエータへ供給される作動流体としての作動油の流れを制御する複数のアクチュエータ制御弁12,22と、流体圧ポンプ(第1ポンプ101、第2ポンプ102)から供給される作動油の流れを第1の状態とする第1の位置(中立位置A,通常位置A2)と、流体圧ポンプ(第1ポンプ101、第2ポンプ102)から供給される作動油の流れを第1の状態とは異なる第2の状態とする第2の位置(走行直進位置B,閉塞位置B2)と、流体圧ポンプ(第1ポンプ101、第2ポンプ102)から供給される作動油をタンクTに導き流体圧ポンプ(第1ポンプ101、第2ポンプ102)をアンロードするアンロード位置C,C2と、の間でスプール40が切り換えられる切換弁(走行直進用制御弁25、中立カット弁224)と、を備え、切換弁(走行直進用制御弁25、中立カット弁224)がアンロード位置C,C2に切り換えられている場合に、複数のアクチュエータ制御弁12,22が切り換え可能とされている。
この構成では、アクチュエータの解体作業の際に、切換弁(走行直進用制御弁25、中立カット弁224)をアンロード位置C,C2に切り換えた状態で、アクチュエータ制御弁12,22を切り換えることで、アクチュエータ内の圧力を低下させることができる。第1の位置(中立位置A、通常位置A2)と第2の位置(走行直進位置B、閉塞位置B2)との間で切り換えられる所定の機能を有する切換弁(走行直進用制御弁25、中立カット弁224)にアンロード位置Cを設け、アンロード機能を持たせた。これにより、専用の圧抜き装置等の付属品を新たに設けずに、アクチュエータの減圧を行うことができる。したがって、部品点数及びコストを増加させることなく、アクチュエータ内の圧力を低下させることができ、アクチュエータの解体作業時における油漏れ、油はね等の発生を防止することができる。
油圧制御装置100,200は、流体圧ポンプ(第1ポンプ101、第2ポンプ102)に接続されるとともに複数のアクチュエータ制御弁12,22に並列に接続されるパラレル通路(第1パラレル通路13、第2パラレル通路23)をさらに備え、切換弁(走行直進用制御弁25、中立カット弁224)がアンロード位置C,C2に切り換えられると、パラレル通路(第1パラレル通路13、第2パラレル通路23)が非加圧状態とされる。
この構成では、切換弁(走行直進用制御弁25、中立カット弁224)がアンロード位置C,C2に切り換えられた状態で、アクチュエータ(例えば、油圧シリンダ113)の一方の圧力室(例えば、ロッド側室113r)にタンクTを接続し、他方の圧力室(例えば、ボトム側室113b)にパラレル通路(第1パラレル通路13、第2パラレル通路23)を接続するようにアクチュエータ制御弁12,22を切り換えたときに、アクチュエータの他方の圧力室(例えば、ボトム側室113b)が流体圧ポンプ(第1ポンプ101、第2ポンプ102)により加圧されることがない。これにより、流体圧ポンプ(第1ポンプ101、第2ポンプ102)を駆動している状態であっても、アクチュエータ内の圧力を低下させることができる。その後、アクチュエータ制御弁12,22を中立位置にすれば、作動油の給排は行われないので、アクチュエータの取り外しが可能となる。つまり、流体圧ポンプ(第1ポンプ101、第2ポンプ102)を駆動したまま、アクチュエータ内の圧力を低下させ、アクチュエータを取り外すことができる。
油圧制御装置100は、流体圧ポンプ(第1ポンプ101、第2ポンプ102)が、第1回路系統HC1に作動油を供給する第1ポンプ101と、第2回路系統HC2に作動油を供給する第2ポンプ102と、を有し、アクチュエータ制御弁が、第1回路系統HC1に設けられる第1走行用制御弁12A及び第1走行用制御弁12Aより下流側に設けられる複数の第1作業用制御弁(12B〜12E)と、第2回路系統HC2に設けられる第2走行用制御弁22A及び第2走行用制御弁22Aより下流側に設けられる複数の第2作業用制御弁(22B〜22D)と、を有し、パラレル通路(第1パラレル通路13、第2パラレル通路23)が、第1ポンプ101に接続されるとともに第1走行用制御弁12A及び第1作業用制御弁(12B〜12E)に対して並列に接続される第1パラレル通路13と、第2ポンプ102に接続されるとともに第2走行用制御弁22A及び第2作業用制御弁(22B〜22D)に対して並列に接続される第2パラレル通路23と、を有し、第1の位置(中立位置A)では、第1ポンプ101の作動油が第1走行用制御弁12A及び第1作業用制御弁(12B〜12E)に導かれるとともに第2ポンプ102の作動油が第2走行用制御弁22A及び第2作業用制御弁(22B〜22D)に導かれ、第2の位置(走行直進位置B)では、第1ポンプ101の作動油が第1走行用制御弁12A及び第2走行用制御弁22Aに導かれるとともに第2ポンプ102の作動油が第1作業用制御弁(12B〜12E)及び第2作業用制御弁(22B〜22D)に導かれ、スプール40が、外周面に設けられる環状溝(第1環状溝61)と、内部に設けられる中空部41と、を有し、スプール40がアンロード位置Cにあるときには、第1ポンプ101の作動油が環状溝(第1環状溝61)を通じてタンクTに導かれ、第2ポンプ102の作動油が中空部41を通じてタンクTに導かれる。
この構成では、切換弁としての走行直進用制御弁25を第2の位置である走行直進位置Bに切り換えることにより、車体の走行直進性を確保することができ、走行直進用制御弁25をアンロード位置Cに切り換えることにより、第1ポンプ101及び第2ポンプ102をアンロードさせ、第1回路系統HC1及び第2回路系統HC2に設けられる複数のアクチュエータ制御弁12,22を切り換えることにより、複数のアクチュエータ内の圧力を低下させることができる。
油圧制御装置100は、スプール40が摺動自在に収容されるバルブボディ30をさらに備え、中空部41が、スプール40の軸方向に延在する第1内部通路としての軸方向通路42と、軸方向通路42からスプール40の外周面に亘って延在する第2内部通路としての径方向通路43,44と、を有し、スプール40の外周面における径方向通路43,44の開口部が、バルブボディ30の内周面によって覆われることにより、第2ポンプ102とタンクTとの連通が遮断される。
油圧制御装置100は、バルブボディ30が、タンクTに連通するタンクポート35を有し、スプール40が、タンクポート35を遮断するランド部(第1ランド部51)を有し、ランド部(第1ランド部51)に設けられる径方向通路44の開口部が、バルブボディ30の内周面によって覆われることにより、第2ポンプ102とタンクTとの連通が遮断される。
これらの構成では、スプール40及びバルブボディ30の形状が大型化することなく、簡素な形状で第2ポンプ102とタンクTとの連通及び遮断を制御することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。