JP2019218317A - 低体温の予防又は改善剤 - Google Patents

低体温の予防又は改善剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2019218317A
JP2019218317A JP2018118278A JP2018118278A JP2019218317A JP 2019218317 A JP2019218317 A JP 2019218317A JP 2018118278 A JP2018118278 A JP 2018118278A JP 2018118278 A JP2018118278 A JP 2018118278A JP 2019218317 A JP2019218317 A JP 2019218317A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hypothermia
wheat bran
body temperature
food
agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018118278A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7096082B2 (ja
Inventor
義隆 古賀
Yoshitaka Koga
義隆 古賀
史明 岡原
Fumiaki Okahara
史明 岡原
卓也 森
Takuya Mori
卓也 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2018118278A priority Critical patent/JP7096082B2/ja
Publication of JP2019218317A publication Critical patent/JP2019218317A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7096082B2 publication Critical patent/JP7096082B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】低体温の予防若しくは改善に有用な、低体温の予防若しくは改善剤、並びに低体温の予防若しくは改善用飲食品組成物を提供する。【解決手段】小麦ふすまを有効成分とする低体温の予防若しくは改善剤、並びに小麦ふすまを有効成分として含有する低体温の予防若しくは改善用飲食品組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、低体温の予防若しくは改善剤、並びに低体温の予防又は改善用飲食品組成物に関する。
ヒトの体温の平均は概ね36.5℃であり、これは体内の酵素が最も活性化されて機能する温度である。
しかしながら、近年、平熱が0.5〜1.5℃低下する低体温のヒトが増加している。その原因は、ミネラル、ビタミン、タンパク質の不足、運動不足、過度のストレスによる血行不良、自律神経の乱れ等が考えられている。また、ヒトの平熱は乳児で最も高く、加齢により徐々に低下する。青年期に体温の低下は止まるが、高齢者になると再び体温が低下し、平熱は若い時よりも凡そ0.2℃前後低い傾向がみられる。その一因として、熱産生を担う褐色脂肪組織の機能低下が関わっていると考えられている。
斯かる低体温は、免疫力の低下、基礎代謝の低下、体内酵素活性の低下を招き、カゼなどの感染症にかかりやすくなり、花粉症などのアレルギー症状が出やすくなる。また、血行不良、リンパの流れや新陳代謝力の低下、自律神経のバランスの崩れを引き起こす。したがって、低体温では、内臓の機能低下に伴う諸症状、下痢や脱水症状、手足の冷え、肩こり、頭痛、腰痛、腹痛、生理痛、不眠、睡眠の質の低下、疲労感、活動量の低下といった症状がしばしば現れる。
このような実情から、体温の低下を効果的に予防又は改善できる、低体温の予防若しくは改善剤が望まれている。
一方、小麦ふすまは、食後の胃内pH低下とペプシン濃度の上昇を誘導することが報告されている(非特許文献1参照)。また、小麦ふすまの抗肥満作用も知られている(非特許文献2及び3参照)。しかし、小麦ふすまによる、加齢による体温の低下を予防若しくは改善する作用については、これまで報告がない。
Rydning A, et al., Scand J. Gastroenterol., 1984, vol. 19(8), p. 1039-1044 Shufen Han, et al., Scientific Reports, 2015, vol. 5, p. 15256 Harding S.V., et al., Eur. J. Nutr., 2014, vol. 53(3), p. 793-802
本発明は、低体温の予防若しくは改善に有用な、低体温の予防若しくは改善剤、並びに低体温の予防若しくは改善用飲食品組成物の提供を課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み、低体温を予防若しくは改善しうる物質について鋭意検討を行った。その結果、小麦ふすまに低体温を予防若しくは改善する作用があり、低体温の予防若しくは改善に有用であることを見出した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明は、小麦ふすまを有効成分とする、低体温の予防又は改善剤に関する。
また本発明は、小麦ふすまを有効成分として含有する、低体温の予防又は改善用飲食品組成物に関する。
本発明の低体温の予防若しくは改善剤、並びに低体温の予防若しくは改善用飲食品組成物は、体温の低下を抑制する効果を発揮する。したがって、低体温に起因して生じる免疫力の低下、基礎代謝の低下、血行不良や、リンパの流れ、新陳代謝力などの低下、自律神経のバランスの崩れ等の予防又は改善に有用である。
加齢に伴うマウスの深部体温の経時的変化を示すグラフ。 若齢マウスに対する小麦ふすま継続摂取後の深部体温を示すグラフ。 老齢マウスに対する小麦ふすま継続摂取期間中の深部体温を示すグラフ。 小麦ふすま摂取後の深部体温の推移を示すグラフ。
本明細書において「予防」とは、個体における疾患若しくは症状の発症の防止若しくは遅延、又は個体の疾患若しくは症状の発症の危険性を低下させることをいう。
また、本明細書において「改善」とは、疾患、症状若しくは状態の好転、疾患、症状若しくは状態の悪化の防止若しくは遅延、又は疾患、症状若しくは状態の進行の逆転、防止若しくは遅延をいう。
後記の実施例で示すように、小麦ふすまは、体温低下を抑制する作用を有する。例えば、老齢マウスにおける慢性的低体温を改善する作用を有する。したがって、小麦ふすまは、低体温(好ましくは加齢に伴う体温の低下若しくは慢性的な体温の低下、より好ましくは加齢に伴う慢性的な体温の低下)の予防又は改善剤となり得、またこれを製造するために使用できる。また小麦ふすまは、低体温の予防又は改善のために使用することができる。
上記使用は、治療的使用(即ち医療行為)であっても非治療的使用(非医療的な行為)であってもよい。また、上記使用の対象は、ヒト、非ヒト動物、又はそれらに由来する検体であり得る。なお、前記「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処理行為を含まない概念である。
本発明において「低体温」とは、深部体温が平熱より0.5℃以上低いことを意味する。そして、「低体温の予防又は改善」とは、深部体温が低下し低体温となることを抑制すること、又は深部体温を上げて低体温を改善することを意味する。ここで、「深部体温」とは、体の深部(例えば、直腸、食道、心臓、脳等)の温度を意味し、通常は直腸温である。深部体温は、ヒトの場合、腋下温、口腔(舌下)温、皮膚温等から算出することができる。
低体温の原因は、ミネラル、ビタミン、若しくはタンパク質の不足、運動不足、過度のストレスによる血行不良若しくは自律神経の乱れ、加齢等が挙げられ、本発明は特にこれらに限定されない。本発明においては、加齢に伴って生じる低体温の予防又は改善に適する。
本発明の低体温の予防又は改善剤(以下「本発明の予防又は改善剤」とも表記する)は、小麦ふすまを有効成分とする。また本発明の低体温の予防又は改善用飲食品組成物(以下「本発明の飲食品組成物」とも表記する)は、小麦ふすまを有効成分として含有する。
本発明で用いる「小麦ふすま」とは、全粒小麦の表皮(外皮)部分を指す。小麦ふすまは、質量換算で全粒小麦の15%に相当する。そして、小麦ふすまには食物繊維、ミネラル(鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅など)、ビタミンなどの栄養成分が豊富に含まれる。
小麦ふすまに含まれる成分のうち約50%がアラビノキシラン、セルロース、リグニン、フラクタン、βグルカンなどの食物繊維である。ここで「食物繊維」とは、ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体をいう。本発明で用いる小麦ふすま中の食物繊維の含有量は、適宜設定することができる。本発明では、小麦ふすま乾燥重量に対して、食物繊維が30質量%以上、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、含まれる小麦ふすまを用いることが好ましい。また食物繊維の含有量の上限値は、80質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、60質量%がより好ましい。あるいは、30〜80質量%が好ましく、35〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
本発明で用いる小麦ふすまは市販のものを使用してもよい。例えば、ウィートブランDF(商品名、日清ファルマ社製)、小麦ふすま(商品名、日本製粉社製)を用いることができる。あるいは、常法に従い全粒小麦から小麦ふすまを調製することもできる。
さらに、本発明の予防若しくは改善剤、並びに本発明の組成物を医療用途や飲食品用途で適用することを考慮し、適宜処理を施してもよい。例えば、小麦ふすまの風味を改善するために、水洗処理、蒸煮処理、脱脂処理、焙煎処理、粉砕処理、湿熱処理、造粒処理、等を必要により適宜組合せて施すことが好ましい。
蒸煮処理をした小麦ふすま(以下、蒸煮処理小麦ふすま)は、小麦ふすまと水とを共存させた状態で熱処理に付したものを意味する。例えば、小麦ふすまをオートクレーブにより処理したり、小麦ふすまと水とを混合してエクストルーダーにより混練処理したり、小麦ふすまと水とを混合してニーダーを用いて混練処理したりして、その後、乾燥し、蒸煮処理小麦ふすまを得ることができる。蒸煮処理により、小麦ふすま特有の臭気、舌上に感じるざらつき感、唾液の吸収感等を改善し、小麦ふすまを食べやすい性状に改質することができる。
本発明で用いる小麦ふすまの含水率は、13質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の予防又は改善剤は、上記使用の具体的態様の1つであり、治療的用途(医療用途)、非治療用途(非医療用途)のいずれにも適用することができる。具体的には、医薬品、医薬部外品等としての使用することができる他、各種の飲食品、飼料、ペットフード等に本発明の予防又は改善剤を配合することもできる。
本発明の予防又は改善剤は、液状、固形状、乳液状、ペースト状、ゲル状、パウダー状(粉末状)、顆粒状、ペレット状、スティック状等、ヒトや動物に適用されうる各種剤型をとることができる。
また、本発明の予防又は改善剤は、小麦ふすまのみからなるものであってもよいし、効果に影響を与えない範囲で他の成分を含有するものであってもよい。他の成分とは、例えば下記の添加剤が挙げられる。
本発明の予防又は改善剤を医薬品、医薬部外品に適用する場合、小麦ふすまを有効量含有させ、必要により添加剤を配合して各種剤形に調製することができる。例えば、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、腸溶剤、トローチ剤、ドリンク剤等の経口医薬として、又は、注射剤、坐剤、経皮吸収剤、外用剤等といった非経口医薬として調製することができる。これらの形態のうち、好ましい形態は経口医薬である。
種々の剤型に調製するには、添加剤を用いて常法に従って製造すればよい。添加剤は、通常用いられているものを使用することができる。添加剤の例としては、薬学的に許容される賦形剤、液体担体、油性担体、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤、崩壊剤、滑沢剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、光沢剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、矯臭剤、細菌抑制剤等が挙げられる。
本発明の予防若しくは改善剤、又は前述の有効成分を飲食品、飼料、ペットフード等に配合適用し、飲食品組成物、飼料組成物、ペットフード組成物等とする場合、食用又は飲料用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペーストなどに成形して提供することができる。さらに、前記飲食品組成物は、一般飲食品の他、低体温の予防若しくは改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した美容食品、病者用食品、栄養機能食品、特定保健用食品又は機能性表示食品等の機能性飲食品の形態の飲食品組成物とすることができる。
飲食品への配合の例としては、小麦粉加工食品、米加工食品、菓子類、飲料類、乳製品、調味料、蓄肉加工食品、水産加工食品、調理油等が挙げられる。また、錠剤(タブレット)、カプセル等の錠剤食、濃厚流動食、自然流動食、半消化態栄養食、成分栄養食、ドリンク栄養食等の経口経腸栄養食品、機能性食品等の形態としてもよい。
飼料組成物としては、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、犬、猫、小鳥、リス等に用いるペットフード等が挙げられる。
これらの飲食品組成物、飼料組成物及びペットフード組成物等は、本発明の予防若しくは改善剤、又は前述の有効成分を含有し、これに食品原料、例えば、甘味剤、着色剤、抗酸化剤、ビタミン類、香料、ミネラル等の添加剤、タンパク質、脂質、糖質、炭水化物、食物繊維等を適宜組み合わせて、常法に従って調製することができる。
本発明の予防若しくは改善剤、並びに飲食品組成物における前記有効成分の配合量又は含有量は、その使用形態により適宜決定することができる。
本発明の予防又は改善剤を医薬品、医薬部外品に適用する場合、例えば、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の経口用固形製剤組成物、内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤組成物の場合は、組成物(本発明の予防又は改善剤)の総量中、固形分濃度(固形分換算)として5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。またその上限値は、80質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。あるいは、5〜80質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
本発明で用いる有効成分を飲食品やペットフード等に配合する場合は、組成物の総量中、前記有効成分の配合量は固形分濃度として5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。またその上限値は、99質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。あるいは、5〜99質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
本発明の予防若しくは改善剤、並びに飲食品組成物の投与又は摂取量は、個体の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って適宜選択、決定できる。例えば、成人(体重60kg)の1日の投与又は摂取量としては、前記有効成分とする小麦ふすまの乾燥重量として、4g以上が好ましく、5g以上がより好ましく、8g以上がより好ましい。またその上限値は、140gが好ましく、70gがより好ましく、40gがより好ましい。あるいは、4〜140gが好ましく、5〜70gがより好ましく、8〜40gがより好ましい。本発明の予防若しくは改善剤、並びに飲食品組成物は、1日1回〜数回に分け、又は任意の期間及び間隔で摂取又は投与され得る。
また、前記有効成分の投与又は摂取は、全身への投与又は摂取でもよいし、局所への投与又は摂取でもよい。また、本発明の予防若しくは改善剤、並びに飲食品組成物は、低体温状態、若しくは低体温が誘発される条件下で適用することが好ましい。
上記医薬品、医薬部外品又は飲食品組成物の摂取又は投与対象として特に限定されないが、低体温の予防、改善、治療を目的とするヒトやヒト以外の哺乳動物が好ましい。なお、摂取又は投与対象には、低体温の症状が認められるヒトやヒト以外の哺乳動物、及びそのおそれがあるヒトやヒト以外の哺乳動物、その疾患若しくは症状の予防を期待するヒトやヒト以外の哺乳動物も含まれる。特に、本発明における投与又は摂取対象としては、深部体温が36℃以下のヒトが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 深部体温の加齢性変化
(1)動物および飼育方法
C57BL/6J雄性マウス(日本クレア(株))を4週齢で搬入後(室温23℃,湿度55±10%,明期;7:00〜19:00)、自由摂餌、自由飲水下で飼育した。餌はCE−2(日本クレア(株))で1週間馴化を行った後、通常食(D12450K,Research Diets,Inc)、又は高脂肪食(D12451,Research Diets,Inc)で95週間飼育した。5週齢より毎週、マウス直腸へプローブを挿入し、体温(直腸温)を計測した。
(2)体温(直腸温)測定
5週齢より毎週、マウス直腸へプローブ(RET-3(19×0.7mmシャフト径),Physitemp社製)を挿入し、体温(直腸温)を計測した。直腸温測定はデジタル直腸温度計(NS-TC10,Neuroscience社製)を用いた。実験動物ハンドブック(養賢堂、1983年発行)に従い、無麻酔下でマウスを保定後、プローブの先端をマウス直腸に0.5〜1cm挿入し,15〜30秒間計測した。
(3)統計解析
解析結果は平均値(Ave.)±標準誤差(SE)で示した。統計解析には2−way
ANOVA followed by Bonferroni’s post hoc検定を用い、P値が0.05以下の場合においては統計学的に有意差ありと判定した。
(4)結果
加齢に伴って体温の低下が観察され、特に高脂肪食摂取群では通常食群と比較して、急速な体温低下が認められた(図1参照)。
製造例1 小麦ふすまの調製
日清ファルマ社より購入した小麦ふすまをエクストルーダーにて120℃で蒸煮処理し、小麦ふすま(以下、「蒸煮処理小麦ふすま製剤」ともいう)として使用した。
得られた小麦ふすまの栄養組成の測定は、食品成分分析センターに委託した(表1参照)。
製造例2 動物用飼料の調製
本試験に用いた試験食(粉末飼料)中の餌組成を表2に示す。小麦ふすまは各栄養組成を考慮し、対照食と同等の栄養組成及びカロリーとなるように成分を置き換える形で混合した。
試験食中のコーン油、ラード、カゼイン、セルロース、AIN76ミネラル混合、AIN76ビタミン混合、及びα化ポテト澱粉はオリエンタル酵母工業(株)社製より入手し、使用した。また、ショ糖は和光純薬(株)製のスクロース細粒(特級)を使用した。
実施例2 高脂肪食摂取若齢マウスに対する小麦ふすまの体温低下抑制作用
(1)動物および飼育方法
C57BL/6J雄性マウス(日本クレア社より入手)を7週齢で搬入後(室温23℃,湿度55±10%,明期;7:00〜19:00)、自由摂餌、自由飲水下で飼育した。8週齢時の体重、および8〜9週齢にかけての体重の増加を考慮して群分けを行い、10週齢より試験食給餌を開始した。
試験食として、30%の脂質を含む高脂肪食(対照群)、又は30%小麦ふすまを含む30%高脂肪食(小麦ふすま摂取群)をそれぞれ16週間給餌した。試験開始12週間後(22週齢)に深部体温を計測した。
(2)試験食
上記製造例2の表2に記載した組成比の粉末飼料を用いた。飼育期間中、摂食量は週3回測定した。
(3)深部体温(直腸温)測定
直腸温測定はデジタル直腸温度計(NS-TC10,Neuroscience社製)を用いた。実験動物ハンドブック(養賢堂、1983年発行)に従い、無麻酔下でマウスを保定後、プローブ(RET-3(19×0.7mmシャフト径),Physitemp社製)の先端をマウス直腸に0.5〜1cm挿入し、15〜30秒間計測した。
(4)統計解析
得られた数値は平均±標準誤差で示し、有意差検定はGraphpad prism 6を用いて、多重比較検定であるDunnett’s testを用いて比較を行い、有意差水準を5%とした。
(5)結果
深部体温は対照群と比較して小麦ふすま摂取群で高く推移し、22週齢時において有意に高値を示した(図2参照)。
実施例3 高脂肪食摂取老齢マウスに対する小麦ふすまの低体温改善作用
(1)動物および飼育方法
C57BL/6J雄性マウス(日本クレア(株))を4週齢で搬入後(室温23℃,湿度55±10%,明期;7:00〜19:00)、自由摂餌、自由飲水下で飼育した。餌は高脂肪食(D12451,Research Diets,Inc)で57週間(61週齢まで)飼育を行った後、各群の体重、および深部体温が同等になるように群分けした。試験食として、30%の脂質を含む対照食(対照群)、又は30%小麦ふすまを含む30%高脂肪食(小麦ふすま摂取群)をそれぞれ19週間(80週齢)給餌した。
なお、飼育期間中は自由摂食、自由摂水とした。試験開始前(45週齢及び55週齢)、試験開始10週間後(70週齢)、15週間後(75週齢)、及び20週間後(80週齢)に深部体温を計測した。
(2)試験食
上記製造例2の表2に記載した組成比の粉末飼料を用いた。飼育期間中、摂食量は週3回測定した。
(3)深部体温測定
実施例2と同様の深部体温測定方法により測定した。
(4)統計解析
解析結果は平均値(Ave.)±標準誤差(SE)で示した。統計解析には2−way ANOVA followed by Dunnett’s post hoc検定を用い、P値が0.05以下の場合においては統計学的に有意差ありと判定した。
(5)結果
対照群では加齢に伴った深部体温の低下が認められ、試験食摂取開始後、深部体温の低下は加速された。一方で、小麦ふすま摂取群では深部体温の低下が抑制され、摂取開始15週間以降で、対照群と比較して有意に高値を示した(図3参照)。
実施例4 小麦ふすまの食後体温上昇促進作用(単回摂餌試験)
(1)動物および飼育方法
C57BL/6J雄性マウス(日本クレア(株))を4週齢で搬入後(室温23℃,湿度55±10%,明期;7:00〜19:00)、自由摂餌、自由飲水下で飼育した。餌は高脂肪食(D12451,Research Diets,Inc)で42週間(46週齢まで)飼育を行った後、各群の体重、および深部体温が同等になるように群分けした。飼育期間中は自由摂食、自由摂水とした。
(2)試験食
上記製造例2の表2に記載した組成比の粉末飼料を用いた。
(3)単回食餌試験
46週齢時に18時間以上絶食し、200mgの粉末試料(表2)を1時間、自由摂取させた。試験食摂取前、及び摂取1、2、3時間後にて深部体温を測定した。
(4)深部体温測定
実施例2と同様の深部体温測定方法により測定した。
(5)統計解析
解析結果は平均値(Ave.)±標準誤差(SE)で示した。統計解析には2−way ANOVA followed by Dunnett’s post hoc検定を用い、P値が0.05以下の場合においては統計学的に有意差ありと判定した。
(6)結果
摂餌後の深部体温は、対照群と比較して小麦ふすま摂取群で有意に高値を示した(図4参照)。
以上の結果から、小麦ふすまは低体温の予防又は改善効果を有し、これを投与又は摂取することにより低体温を予防若しくは改善できることが明らかとなった。特に、小麦ふすまを有効成分とする本発明の予防若しくは改善剤、並びに飲食品組成物は、加齢による慢性的な低体温の予防又は改善に有用である。

Claims (8)

  1. 小麦ふすまを有効成分とする、低体温の予防又は改善剤。
  2. 前記剤の総量に対する、前記有効成分の配合量又は含有量が固形物換算で5質量%以上80質量%以下である、請求項1に記載の低体温の予防又は改善剤。
  3. 小麦ふすまを有効成分として含有する、低体温の予防又は改善用飲食品組成物。
  4. 前記飲食品組成物の総量に対する、前記有効成分の配合量又は含有量が固形物換算で5質量%以上99質量%以下である、請求項3に記載の低体温の予防又は改善用飲食品組成物。
  5. 加齢に伴う体温の低下を予防又は改善する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の剤又は組成物。
  6. 加齢に伴う体温の恒常的な低下を予防又は改善する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の剤又は組成物。
  7. 前記低体温が、深部体温が平熱より0.5℃以上低い状態である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の剤又は組成物。
  8. 深部体温が低下し低体温となることを抑制する、又は深部体温を上げて低体温を改善する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の剤又は組成物。




JP2018118278A 2018-06-21 2018-06-21 低体温の予防又は改善剤 Active JP7096082B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018118278A JP7096082B2 (ja) 2018-06-21 2018-06-21 低体温の予防又は改善剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018118278A JP7096082B2 (ja) 2018-06-21 2018-06-21 低体温の予防又は改善剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019218317A true JP2019218317A (ja) 2019-12-26
JP7096082B2 JP7096082B2 (ja) 2022-07-05

Family

ID=69095858

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018118278A Active JP7096082B2 (ja) 2018-06-21 2018-06-21 低体温の予防又は改善剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7096082B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182395A (ja) * 2006-01-05 2007-07-19 Nisshin Pharma Inc 脂肪低下組成物
JP2018087172A (ja) * 2016-11-29 2018-06-07 花王株式会社 脂質燃焼促進剤

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182395A (ja) * 2006-01-05 2007-07-19 Nisshin Pharma Inc 脂肪低下組成物
JP2018087172A (ja) * 2016-11-29 2018-06-07 花王株式会社 脂質燃焼促進剤

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
NEW FOOD INDUSTRY, 2015, VOL.57, NO.5, PP.1-8, JPN6022004348, ISSN: 0004700864 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP7096082B2 (ja) 2022-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7163460B2 (ja) 桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物並びにかかる組成物の使用方法
US20220133782A1 (en) Methods and compositions for using cinnamaldehyde and zinc for weight management
JP6869286B2 (ja) 桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物並びにかかる組成物の使用方法
AU2020202020A1 (en) Methods and compositions for increasing energy expenditure using cinnamaldehyde
JP7096082B2 (ja) 低体温の予防又は改善剤
JP2018087172A (ja) 脂質燃焼促進剤
JP6842308B2 (ja) 夜間食後血糖上昇抑制剤
JP2018090530A (ja) 食後gip上昇抑制剤
JP2018123085A (ja) 脂質燃焼促進剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220623

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7096082

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151