JP2019218128A - ボトル缶及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献3に開示のボトル缶のように、縮径部に凹凸形状を付与したものも提案されているが、縮径部の意匠性を高めることはできても、ボトル缶全体の外形形状は特許文献1や特許文献2記載のボトル缶と同様の形状である。
また、これらのボトル缶では、製造ラインにおいて搬送される際に、缶どうしが衝突すると、円筒部の上端部の肩部付近で変形するおそれもある。
前記凹凸状肩部における前記凹部は、缶軸に対して傾斜して設けられており、凹部の底部は、缶軸を通る縦断面において、缶軸に対する傾斜角度が前記縮径部の傾斜角度より小さい直線状又は円弧状、もしくは直線と円弧を組み合わせた形状に形成されている。
この凹凸状肩部は、傾斜角度が小さいので、搬送中に他の缶に衝突することが少なく、変形しにくい。また、凹凸状肩部において、凹部の間に形成される凸部は、缶軸と直交する横断面で視ると、半径方向外方に小さい曲率半径で突出した形状となる。このため、凹凸状肩部付近の強度が高められ、より変形しにくい缶となる。
さらに、この凹凸状肩部が凹部を周方向に間隔をおいて配置していることから、ボトル缶を把持したときに、指に凹凸が触れるので、グリップ感があり、滑り止めとなって把持し易い。この点、特許文献3記載のボトル缶のように縮径部のみに凹凸形状を付与したとしても、傾斜角度の大きい縮径部では、一般には手で把持することはなく、滑り止め効果は期待できない。
なお、凹凸状肩部における凹部の底部は、缶軸を通る縦断面形状が、直線状又は円弧状、、もしくは直線と円弧を組み合わせた形状のいずれも含まれるが、直線と円弧の組み合わせは滑らかに連続する。
(第1実施形態)
図1〜図5は第1実施形態のボトル缶101を示しており、図1は斜視図、図2は正面図、図3は上面図である。図4及び図5は、その缶軸を通って縦方向に切断したときの端面図である。
このボトル缶101は、アルミニウム又はアルミニウム合金等の薄板金属からなり、胴部10とドーム状をなす底部20とを備える有底円筒状に形成されている。
縮径部13は、その外面が円錐台状の傾斜面に形成され、縮径部13と胴部10の缶軸Cとがなす傾斜角度をαとすると、傾斜角度αは25°以上35°以下に形成されている。
これら凹部121は、その底部121aが缶軸Cに直交する横断面でV字状となるように形成されており、その底部121aは、缶軸C方向の下側から上側に向けて凹部121の相互間隔が漸次小さくなるように形成される。
凹部121の深さdは、円筒部11から缶軸Cの上方に向かうにしたがって漸次深くなり、缶軸C方向の長さの中間位置で最も深く、さらに上方に向かうにしたがって漸次浅くなっている。最も深い位置での凹部121の深さdは1mm以上6mm以下、好ましくは2mm以上4mm以下である。
なお、凹部121の底部121aにおける缶軸Cに対する傾斜角度βは、凹部121の缶軸C方向の長さの中間位置における接線Sと缶軸Cとのなす角度とする。この傾斜角度βは、5°以上20°以下、好ましくは10°以上15°以下に形成されており、β<αの関係である。
一方、凸部122の頂部(稜線)122aについては、缶軸Cを通る縦断面において、図5に示すように、缶の外方に向けて凸となる円弧状に形成されている。この凸部122の頂部122aにおける曲率半径R2は、5mm以上120mm以下である。
また、この凹凸状肩部12の缶軸C方向の長さL1は10mm以上70mm以下、縮径部13の缶軸C方向の長さL2は10mm以上30mm以下である。
この凹部121の底部121aは、前述したように缶軸Cを通る縦断面において、直線状又は円弧状、もしくは直線と円弧を組み合わせた形状に形成されるが、缶の外方に向けて凸となる凸円弧状に形成される場合の円弧の曲率半径R1は、20mm以上である。
凹部121の間に形成される凸部122の頂部122aも、缶軸Cを通る縦断面において、缶の外方に向けて凸となる円弧状、直線状、あるいは缶の内方に向けて凹となる円弧状、もしくはこれら直線と円弧との組み合わせの形状のいずれの形状にも形成することができる。
したがって、凹凸状肩部12としては、凹部121の底部121aと凸部122の頂部122aとの組み合わせとして、これら複数種類ずつの形状を相互に組み合わせた形状が存在する。いずれの場合も、凹部121の底部121aの傾斜角度βは、凹部121の缶軸C方向の長さの中間位置における接線S(円弧状の場合)又は直線状の底部121aの場合はその直線と缶軸Cとのなす角度により定義される。なお、凸部122の頂部122aの傾斜角度も、凸部122の缶軸C方向の長さの中間位置における頂部122aの接線又は直線状の頂部122aの場合はその直線と缶軸Cとのなす角度として定義される。このため、凸部122の頂部122aの傾斜角度と凹部121の底部121aの傾斜角度βとはほぼ等しくなる。
このダイネッキング加工は、成形部の直径の異なる複数のネッキング成形金型を成形部の径が大きい順に用いながら複数回加工して、筒体41の上部を縮径する加工である。図6(b)に二点鎖線でネッキング成形金型45の一例を示しており、ネッキング成形金型45を缶軸C方向に移動して、その成形部45aにより筒体41の上端部を矢印で示すように押圧して縮径する。
この肩部成形金型60は、全体として筒状に形成され、その内周部の先端部が、先端方向に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成されていることにより、軸方向の先端部にテーパ状成形部61、基端部に円筒状案内部62が形成されている。そして、そのテーパ状成形部61に、その傾斜方向に沿って延びる凸条63が周方向に相互間隔をおいて等間隔で複数形成されている。この場合、凸条63の稜線部63a金型60の軸C2を通る縦断面において直線状に形成されており、その稜線部63aと金型60の軸C2とのなす角度γ(図9参照)が、前述したボトル缶101の凹部121の底部121aにおける傾斜角度βとほぼ同じに設定される。凸条63の間の凹条64は、その底部が肩部成形金型60の周方向に沿う円弧面に形成される。また、円筒状案内部62の内径はネッキング缶50の円筒部51の外径より小さいが、口部用筒部54の外径より大きく、テーパ状成形部61の最大外径部(先端)は、ネッキング缶50の円筒部51の外径より大きく形成される。
そして、図10に示すように、この肩部成形金型60の軸C2とネッキング缶50の缶軸Cとを一致させた状態で、肩部成形金型60のテーパ状成形部61をネッキング缶50の口部用筒部54の開口端に対向配置し、これらを缶軸C方向に接近させることにより、テーパ部53の下端部から円筒部51の上端部までを成形するように缶軸C方向に押圧する。
このとき、凹凸状肩部12における凹部121の底部121aは、ネッキング缶50において半径方向外方に凸状であった肩部52を半径方向内方に押圧して形成されるので、わずかに半径方向内方に凸となる凹円弧状の外面に形成される。ネッキング缶50の肩部52の曲率半径等によっては、凹部121の底部121aは直線状となる場合もある。
このねじ部形成工程では、口部用筒部54に内駒を挿入するとともに、口部用筒部54の外側に外駒(いずれも図示略)を押し当て、これら内駒と外駒との間に口部用筒部54の周方向の一箇所を挟み込み、その状態で口部用筒部54の周方向に沿って内駒と外駒とを転動させることにより、ねじ部16を形成する。
カール部形成工程では、ねじ部16の上方の開口端部の上端からカール用金型(図示略)を缶軸方向下方に押すことにより開口端部を半径方向外方に押し開くようにして折り返し、折り返した部分をさらに整形用金型(図示略)によって半径方向外方から内方に向けて押して、カール形状に整えることにより、カール部17を形成する。
この凹凸状肩部12は、傾斜角度βが小さいので、搬送中に他の缶に衝突することが少なく、変形しにくい。また、凹凸状肩部12において、凹部121の間に形成される凸部122は、缶軸Cと直交する横断面で視ると、半径方向外方に小さい曲率半径R0で突出した形状となる。このため、凹凸状肩部12付近の強度が高められ、より変形しにくい缶となる。
さらに、この凹凸状肩部12が凹部121を周方向に間隔をおいて配置していることから、ボトル缶101を把持したときに、指に凹凸が触れるので、グリップ感があり、滑り止めとなって把持し易い。
また、縮径部13はもちろん、凹凸状肩部12も、従来のボトル缶における縮径部を形成するダイネッキング加工と同様の加工方法によって形成できるので、製造も容易である。
図11〜図15は第2実施形態のボトル缶を示している。以下では、第1実施形態と共通する要素には同一符号を付して説明を簡略化する。また、必要に応じて第1実施形態で用いた図面を参照する。
第2実施形態のボトル缶102は、第1実施形態のボトル缶101に対して、凹凸状肩部12の缶軸方向に沿う長さL1が大きく、凹部121の深さdも大きく形成されている。
第1実施形態では、肩部成形金型60(図7〜図9参照)におけるテーパ状成形部61の軸方向の中間部分を用いて凹凸状肩部12を形成したが、第2実施形態では、テーパ状成形部61の後端部から円筒状案内部62との接続部付近をも用いて凹凸状肩部12を形成している。このため、凹凸状肩部12における各凹部121の下端部は、第1実施形態のものと同様、正面視で、凹部121の底部121aが缶軸C方向に突出した三角形状のものとして視認できるが、上端の終端形状は、ほぼ円弧状に形成されている。
この第2実施形態のボトル缶102は、凹凸状肩部12の長さL1及び凹部121の深さdが大きいので、独特の外観を呈しており、また、より把持し易くなっている。
図16〜図20は第3実施形態のボトル缶103を示している。この第3実施形態のボトル缶103は、凹凸状肩部12の長さL1及び凹部121の深さdが第1実施形態及び第2実施形態のものより小さく、また、凹部121の底部121aが半径方向外方にわずかに凸となる凸円弧状に形成されている。
この第3実施形態のボトル缶103を成形するための肩部成形金型65は、図21及び図22に示すように、テーパ状成形部61の凸条63の稜線部63aが凹円弧状に形成されている。また、凸条63の間に形成される凹条64も凹円弧状に形成されている。この凹条64は底部が肩部成形金型65の周方向に沿う円弧面に形成され、その底部の幅が第1実施形態のものより大きく形成されている。
この肩部成形金型65を用いて成形される凹凸状肩部12は、その凹部121の底部121aが、凸部122と同様、外方に向けて凸となる凸円弧状に形成される。先の実施形態で述べたように、この凹部121の底部121aの曲率半径は40mm以上である。
また、凹凸状肩部12が滑り止めとなって把持し易いという、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
例えば、ボトル缶として、予め有底円筒状の筒体41を形成して、その開口端部を成形したが、筒体は底部を有していないものも含むものとし、筒体に、別に形成した底部を巻き締めるようにしてもよい。
10a 開口端部
11 円筒部
12 凹凸状肩部
13 縮径部
14 口部
16 ねじ部
17 カール部
20 底部
50 ネッキング缶
52 肩部
53 テーパ部
54 口部用筒部
60,65 肩部成形金型
61 テーパ状成形部
62 円筒状案内部
63 凸条
63a 稜線部
64 凹条
101,102,103 ボトル缶
121 凹部
121a 底部
C 缶軸
C2 軸
Claims (4)
- 円筒部と、該円筒部の上端部から缶軸の上方に向かうに従って漸次縮径され、溝状の凹部が周方向に間隔をおいて形成された凹凸状肩部と、該凹凸状肩部の上端に形成され缶軸方向上方に向かうに従って漸次縮径された円錐台状の外面を有する縮径部と、該縮径部の上端に形成された口部とを有し、
前記凹凸状肩部における前記凹部は、缶軸に対して傾斜して設けられており、凹部の底部は、缶軸を通る縦断面において、缶軸に対する傾斜角度が前記縮径部の傾斜角度より小さい直線状又は円弧状、もしくは直線と円弧を組み合わせた形状に形成されていることを特徴とするボトル缶。 - 前記凹凸状肩部において前記凹部の間に形成される凸部は、缶軸方向に沿う縦断面において、前記円筒部から前記縮径部を連結し、外方に向けて凸となる円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のボトル缶。
- 前記凹凸状肩部において前記凹部の底部は、缶軸方向に沿う縦断面において、内方に向けて凸となる円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のボトル缶。
- 請求項1から3のいずれか一項記載のボトル缶を製造する方法であって、円筒状の筒体を成形する筒体成形工程と、前記筒体の上部を半径方向内方に屈曲して前記円筒部の上端で屈曲する肩部及び該肩部から缶軸方向上方に向かうに従い漸次縮径されたテーパ部を成形する縮径工程と、内周のテーパ状成形部にその傾斜方向に沿う複数の凸条を周方向に間隔をおいて形成した金型を前記縮径工程後に前記テーパ部の下端部から前記円筒部の上端部にかけて缶軸方向に押圧することにより前記凹凸状肩部を形成する肩部リフォーム工程とを有し、前記凸条は、缶軸方向に対する傾斜角度が前記テーパ部の傾斜角度より小さく形成され、前記縮径部は、前記テーパ部のうち、前記凹凸状肩部を形成した残部により形成されることを特徴とするボトル缶の製造方法。
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US20150360279A1 (en) * | 2014-06-12 | 2015-12-17 | Ball Corporation | System for compression relief shaping |
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