JP2019218128A - ボトル缶及びその製造方法 - Google Patents

ボトル缶及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019218128A
JP2019218128A JP2018118820A JP2018118820A JP2019218128A JP 2019218128 A JP2019218128 A JP 2019218128A JP 2018118820 A JP2018118820 A JP 2018118820A JP 2018118820 A JP2018118820 A JP 2018118820A JP 2019218128 A JP2019218128 A JP 2019218128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bottle
concave
axis
shoulder
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018118820A
Other languages
English (en)
Inventor
一 実末
Hajime Jitsusue
一 実末
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Altemira Can Co Ltd
Original Assignee
Universal Can Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Universal Can Corp filed Critical Universal Can Corp
Priority to JP2018118820A priority Critical patent/JP2019218128A/ja
Publication of JP2019218128A publication Critical patent/JP2019218128A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Abstract

【課題】円筒部から小さい傾斜角で延びる、いわゆる「なで肩」形状のボトル缶であり、搬送時に衝突しても変形しにくいボトル缶を提供する。【解決手段】円筒部と、円筒部の上端部から缶軸の上方に向かうに従って漸次縮径され、溝状の凹部が周方向に間隔をおいて形成された凹凸状肩部と、凹凸状肩部の上端に形成され缶軸方向上方に向かうに従って漸次縮径された円錐台状の外面を有する縮径部と、縮径部の上端に形成された口部とを有し、凹凸状肩部における凹部は、缶軸に対して傾斜して設けられており、凹部の底部は、缶軸を通る縦断面において、缶軸に対する傾斜角度が縮径部の傾斜角度より小さい直線状又は円弧状、もしくは直線と円弧を組み合わせた形状に形成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、開口部に金属製キャップが装着され、飲料等の内容物が充填されるボトル缶及びその製造方法に関する。
飲料等の内容物が充填される容器として、ボトル形状の缶(ボトル缶)の開口部に、金属製キャップを装着して密封する容器が知られている。ボトル缶は、一般に、胴部と底部とを有する有底円筒状に形成され、その胴部の開口部側に上方へ向かうに従い漸次縮径する肩部、縮径部(ネック部)が設けられ、縮径部の上端に口部が設けられた構成とされている。このようなボトル缶は、金属板材(アルミニウム合金材料の板材)にカッピング工程(絞り工程)及びDI工程(絞りしごき工程、Drawing & Ironing)を施すことにより、胴部及び底部を有する有底円筒状の缶をまず形成し、その有底円筒状の缶の胴部に縮径加工を施すことにより、円筒部の上に縮径部を形成し、最後に口部を加工してボトル缶となる。
縮径部を成形する縮径加工として、例えば特許文献1又は特許文献2に記載されているように、複数の成形金型を使用して缶の胴部を逐次変形させることにより、縮径部を階段状に形成することなくテーパ面状の滑らかな形状(スムースネック)とする成形方法が提案されている。これらの縮径加工では、有底円筒状の缶と各成形金型との間に缶の軸線方向に沿う相対移動を生じさせ、各成形金型の成形面を複数回にわたって缶の胴部外面に押し当てることにより胴部の開口部側を段階的に縮径して縮径部を成形する。
特開平7‐185707号公報 特表平3‐502551号公報 国際公開第2006/043347号
しかしながら、特許文献1又は特許文献2に記載される従来の方法では、縮径部を成形するための成形金型の内周面が円錐面に形成されていることから、縮径部の缶軸方向に対する傾斜角を小さくしようとすると、大きなしわが発生し易い。このため、縮径部の傾斜角が比較的大きいボトル缶に適用される。また、肩部の曲率半径も比較的小さく、肩が張った状態のボトル缶となる。このため、ボトル缶のデザイン上の制約となっていた。
特許文献3に開示のボトル缶のように、縮径部に凹凸形状を付与したものも提案されているが、縮径部の意匠性を高めることはできても、ボトル缶全体の外形形状は特許文献1や特許文献2記載のボトル缶と同様の形状である。
また、これらのボトル缶では、製造ラインにおいて搬送される際に、缶どうしが衝突すると、円筒部の上端部の肩部付近で変形するおそれもある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、円筒部から小さい傾斜角で延びる、いわゆる「なで肩」形状のボトル缶であり、搬送時に衝突しても変形しにくいボトル缶を提供することを目的とする。
本発明のボトル缶は、円筒部と、該円筒部の上端部から缶軸の上方に向かうに従って漸次縮径され、溝状の凹部が周方向に間隔をおいて形成された凹凸状肩部と、該凹凸状肩部の上端に形成され缶軸方向上方に向かうに従って漸次縮径された円錐台状の外面を有する縮径部と、該縮径部の上端に形成された口部とを有し、
前記凹凸状肩部における前記凹部は、缶軸に対して傾斜して設けられており、凹部の底部は、缶軸を通る縦断面において、缶軸に対する傾斜角度が前記縮径部の傾斜角度より小さい直線状又は円弧状、もしくは直線と円弧を組み合わせた形状に形成されている。
このボトル缶は、円筒部の上端部から縮径部にかけて、縮径部よりも傾斜角度の小さい凹凸状肩部が形成されており、この凹凸状肩部が従来のボトル缶の肩部の位置に配置されるので、全体として視たときになだらかな「なで肩」状の外観であり、凹凸形状も付与されているため、購買意欲を喚起させる独特の意匠を呈する。
この凹凸状肩部は、傾斜角度が小さいので、搬送中に他の缶に衝突することが少なく、変形しにくい。また、凹凸状肩部において、凹部の間に形成される凸部は、缶軸と直交する横断面で視ると、半径方向外方に小さい曲率半径で突出した形状となる。このため、凹凸状肩部付近の強度が高められ、より変形しにくい缶となる。
さらに、この凹凸状肩部が凹部を周方向に間隔をおいて配置していることから、ボトル缶を把持したときに、指に凹凸が触れるので、グリップ感があり、滑り止めとなって把持し易い。この点、特許文献3記載のボトル缶のように縮径部のみに凹凸形状を付与したとしても、傾斜角度の大きい縮径部では、一般には手で把持することはなく、滑り止め効果は期待できない。
なお、凹凸状肩部における凹部の底部は、缶軸を通る縦断面形状が、直線状又は円弧状、、もしくは直線と円弧を組み合わせた形状のいずれも含まれるが、直線と円弧の組み合わせは滑らかに連続する。
ボトル缶の一つの実施態様として、前記凹凸状肩部において前記凹部の間に形成される凸部は、缶軸方向に沿う縦断面において、前記円筒部から前記縮径部を連結し、外方に向けて凸となる円弧状に形成されていてもよい。
このボトル缶の形状では、外方に向けて凸となる円弧状の凸部により、比較的大きい曲率半径の肩部を有する外観を呈する。この場合も、搬送途中の衝突による変形を防止するとともに、円筒部の上端部に形成される凹凸形状により、把持したときに適度なグリップ感があり、滑り止め効果も良好である。
ボトル缶の一つの実施態様として、前記凹凸状肩部において前記凹部の底部は、缶軸方向に沿う縦断面において、内方に向けて凸となる円弧状に形成されていてもよい。
凹部の底部は、缶軸を通る縦断面では直線状又は円弧状、もしくは直線と円弧を組み合わせた形状に形成されるが、これを内方に向けて凸となる円弧状、外面から視れば凹円弧状に形成することができる。この場合、凸部の稜線は外方に向けて凸になる傾向にあり、これに対して凹部の底部が内方に向けて凸となる対照的な形状であるため、凹凸形状が際立って、独特の意匠を呈する。
本発明のボトル缶の製造方法は、円筒状の筒体を成形する筒体成形工程と、前記筒体の上部を半径方向内方に屈曲して前記円筒部の上端で屈曲する肩部及び該肩部から缶軸方向上方に向かうに従い漸次縮径されたテーパ部を成形する縮径工程と、内周のテーパ状成形部にその傾斜方向に沿う複数の凸条を周方向に間隔をおいて形成した金型を前記縮径工程後に前記テーパ部の下端部から前記円筒部の上端部にかけて缶軸方向に押圧することにより前記凹凸状肩部を形成する肩部リフォーム工程とを有し、前記凸条は、缶軸方向に対する傾斜角度が前記テーパ部の傾斜角度より小さく形成され、前記縮径部は、前記テーパ部のうち、前記凹凸状肩部を形成した残部により形成される。
この製造方法によれば、従来から行われているダイネッキング加工と同様の方法により、凹部を形成することができるので、製造も容易である。
本発明によれば、円筒部から小さい傾斜角で延びる「なで肩」形状のボトル缶を得ることができ、凹凸形状を有しているため、把持し易いとともに、購買意欲を喚起させる独特の意匠を呈することができる。また、従来の縮径部を形成するダイネッキング加工と同様の加工方法によって形成できるので、製造も容易である。
本発明の第1実施形態に係るボトル缶の斜視図である。 図1のボトル缶の正面図である。 図1のボトル缶の上面図である。 図1のボトル缶における凹凸状肩部の凹部の部分を缶軸を通って切断した端面図である。 図1のボトル缶における凹凸状肩部の凸部の部分を缶軸を通って切断した端面図である。 第1実施形態のボトル缶を製造する方法において、ネッキング缶を製造するまでの工程を示す縦断面図である。 第1実施形態のボトル缶を製造する方法に用いられる肩部成形金型の軸を通る縦断面図である。 図7の肩部成形金型のテーパ状成形部の開口端から視た正面図である。 図7の肩部成形金型の要部の拡大図である。 図6の肩部成形金型をネッキング缶の缶軸上に配置した状態を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るボトル缶の斜視図である。 図11のボトル缶の正面図である。 図11のボトル缶の上面図である。 図11のボトル缶における凹凸状肩部の凹部の部分を缶軸を通って切断した端面図である。 図11のボトル缶における凹凸状肩部の凸部の部分を缶軸を通って切断した端面図である。 本発明の第3実施形態に係るボトル缶の斜視図である。 図16のボトル缶の正面図である。 図16のボトル缶の上面図である。 図16のボトル缶における凹凸状肩部の凹部の部分を缶軸を通って切断した端面図である。 図16のボトル缶における凹凸状肩部の凸部の部分を缶軸を通って切断した端面図である。 第3実施形態のボトル缶を製造する方法に用いられる肩部成形金型の軸を通る縦断面図である。 図21の肩部成形金型の要部の拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1〜図5は第1実施形態のボトル缶101を示しており、図1は斜視図、図2は正面図、図3は上面図である。図4及び図5は、その缶軸を通って縦方向に切断したときの端面図である。
このボトル缶101は、アルミニウム又はアルミニウム合金等の薄板金属からなり、胴部10とドーム状をなす底部20とを備える有底円筒状に形成されている。
胴部10及び底部20は互いに同軸に配置されており、本実施形態において、これらの共通軸を缶軸Cと称して説明を行う。また、缶軸Cに沿う方向(缶軸C方向)のうち、胴部10の開口端部10aから底部20側へ向かう方向を下方、底部20から開口端部10a側へ向かう方向を上方とし、以下の説明においては、図2、図4、図5に示す向きと同様に上下方向を定めるものとする。また、缶軸Cに直交する方向を径方向といい、径方向のうち、缶軸Cに接近する向きを径方向の内側(内方)、缶軸Cから離間する向きを径方向の外側(外方)とする。また、缶軸C回りに周回する方向を周方向とする。
胴部10は、底部20側において円筒状に形成された円筒部11と、円筒部11の上端に連続して形成され、缶軸方向上方に向かうに従って漸次縮径され、缶軸Cに対して所定角度で傾斜して延びる溝状の凹部121が周方向に間隔をおいて形成された凹凸状肩部12と、凹凸状肩部12の上端に連続して形成され、缶軸C方向上方に向かうに従って漸次縮径された縮径部13と、縮径部13の上端に連続して形成された口部14とを有している。これら円筒部11と、凹凸状肩部12と、縮径部13とは、互いの間に段差を形成することなく滑らかに接続されている。
縮径部13は、その外面が円錐台状の傾斜面に形成され、縮径部13と胴部10の缶軸Cとがなす傾斜角度をαとすると、傾斜角度αは25°以上35°以下に形成されている。
凹凸状肩部12は、凹部121が円筒部11の上部から縮径部13にかけて形成されている。この凹部121は周方向に8個以上30個以下、好ましくは12個以上24個以下の数の範囲で形成されている。図3に示す例では18個形成されている。この凹部121の数が少ないと、成形時にしわが生じ易く、多過ぎると加工しにくくなる。
これら凹部121は、その底部121aが缶軸Cに直交する横断面でV字状となるように形成されており、その底部121aは、缶軸C方向の下側から上側に向けて凹部121の相互間隔が漸次小さくなるように形成される。
この場合、缶軸Cを通る縦断面において、缶軸Cに対する凹部121の底部121aの傾斜角度βが縮径部13の傾斜角度αより小さい直線状又は円弧状、もしくは直線と円弧を滑らかに組み合わせた形状に形成されている。図4に示す例では、凹部121の底部121aは、缶軸Cを通る縦断面形状が缶の内方に向けて凸となっており、外面から視れば凹円弧状に形成されている。この凹部121の底部121aが凹円弧状に形成される場合の底部121aの曲率半径R1は100mm以上に形成される。
凹部121の深さdは、円筒部11から缶軸Cの上方に向かうにしたがって漸次深くなり、缶軸C方向の長さの中間位置で最も深く、さらに上方に向かうにしたがって漸次浅くなっている。最も深い位置での凹部121の深さdは1mm以上6mm以下、好ましくは2mm以上4mm以下である。
なお、凹部121の底部121aにおける缶軸Cに対する傾斜角度βは、凹部121の缶軸C方向の長さの中間位置における接線Sと缶軸Cとのなす角度とする。この傾斜角度βは、5°以上20°以下、好ましくは10°以上15°以下に形成されており、β<αの関係である。
また、凹部121の間に形成される凸部122は、図3に示すように、缶軸Cに直交する横断面では、缶の外方に向けて円弧状に凸となるように形成されており、その凸部122の曲率半径R0は、缶軸Cの下側から上側に向けて漸次変化しており、缶軸方向の長さの中間位置で最も小さく、缶軸C方向の両端部で大きくなっている。
一方、凸部122の頂部(稜線)122aについては、缶軸Cを通る縦断面において、図5に示すように、缶の外方に向けて凸となる円弧状に形成されている。この凸部122の頂部122aにおける曲率半径R2は、5mm以上120mm以下である。
また、この凹凸状肩部12の缶軸C方向の長さL1は10mm以上70mm以下、縮径部13の缶軸C方向の長さL2は10mm以上30mm以下である。
なお、凹部121の底部121aは、缶軸Cを通る縦断面において、缶の外方に向けて凸となる円弧状に形成されていてもよい。その場合も、缶軸Cの長さの中間位置における接線と缶軸Cとのなす傾斜角度βは、β<αの関係とされる。
この凹部121の底部121aは、前述したように缶軸Cを通る縦断面において、直線状又は円弧状、もしくは直線と円弧を組み合わせた形状に形成されるが、缶の外方に向けて凸となる凸円弧状に形成される場合の円弧の曲率半径R1は、20mm以上である。
凹部121の間に形成される凸部122の頂部122aも、缶軸Cを通る縦断面において、缶の外方に向けて凸となる円弧状、直線状、あるいは缶の内方に向けて凹となる円弧状、もしくはこれら直線と円弧との組み合わせの形状のいずれの形状にも形成することができる。
したがって、凹凸状肩部12としては、凹部121の底部121aと凸部122の頂部122aとの組み合わせとして、これら複数種類ずつの形状を相互に組み合わせた形状が存在する。いずれの場合も、凹部121の底部121aの傾斜角度βは、凹部121の缶軸C方向の長さの中間位置における接線S(円弧状の場合)又は直線状の底部121aの場合はその直線と缶軸Cとのなす角度により定義される。なお、凸部122の頂部122aの傾斜角度も、凸部122の缶軸C方向の長さの中間位置における頂部122aの接線又は直線状の頂部122aの場合はその直線と缶軸Cとのなす角度として定義される。このため、凸部122の頂部122aの傾斜角度と凹部121の底部121aの傾斜角度βとはほぼ等しくなる。
このように構成されるボトル缶101のその他の諸寸法について一例を挙げると、ボトル缶101の板厚は、成形前の元板厚が0.250mm〜0.500mmである。また、ボトル缶101の缶軸Cを通る縦断面視において、製品となる円筒部11の外径Dbが52mm〜68mm、縮径部13の上端の外径Ds(縮径部13と口部15との接点)は例えば22mm〜30mmの範囲内とされる。ただし、上記寸法は、上記数値範囲に限られるものではない。
このように形成されるボトル缶101を製造するには、まず、アルミニウム合金等のアルミニウム板材を打ち抜いて絞り加工することにより、図6(a)に示すように比較的大径で浅いカップ40を成形(カップ成形工程)した後、このカップ40に再度の絞り加工及びしごき加工(DI加工)を加えて、図6(b)に示すようにカップ40より小径で所定高さの有底円筒状の筒体41を成形し、その上端をトリミングにより切り揃える(筒体成形工程)。このDI工程により、筒体41の底部は最終のボトル缶101としての底部20の形状に成形される。
次いで、筒体41の上部にダイネッキング加工を施して、円筒部51の上に、肩部52、テーパ部53、口部用筒部54を有するネッキング缶50を形成する(縮径工程)。
このダイネッキング加工は、成形部の直径の異なる複数のネッキング成形金型を成形部の径が大きい順に用いながら複数回加工して、筒体41の上部を縮径する加工である。図6(b)に二点鎖線でネッキング成形金型45の一例を示しており、ネッキング成形金型45を缶軸C方向に移動して、その成形部45aにより筒体41の上端部を矢印で示すように押圧して縮径する。
複数のネッキング成形金型を用いた複数回のダイネッキング加工により、図6(c)に示すネッキング缶50が形成される。このネッキング缶50においては、肩部52は外方に向けて凸となる特定の曲率半径の円弧によって形成され、その肩部52の上に円錐台形状のテーパ部53が形成され、テーパ部53の上に小径円筒状の口部用筒部54が連続して形成されている。この段階のネッキング缶50は、従来のボトル缶の製造において縮径工程を経た缶(口部を成形する前の缶)とほぼ同じ形状である。また、テーパ部53の缶軸Cとのなす角度は縮径部13の傾斜角度αとなる。
次いで、図7〜図9に示す肩部成形金型60を用いて、凹凸状肩部12を成形する(肩部リフォーム工程)。
この肩部成形金型60は、全体として筒状に形成され、その内周部の先端部が、先端方向に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成されていることにより、軸方向の先端部にテーパ状成形部61、基端部に円筒状案内部62が形成されている。そして、そのテーパ状成形部61に、その傾斜方向に沿って延びる凸条63が周方向に相互間隔をおいて等間隔で複数形成されている。この場合、凸条63の稜線部63a金型60の軸C2を通る縦断面において直線状に形成されており、その稜線部63aと金型60の軸C2とのなす角度γ(図9参照)が、前述したボトル缶101の凹部121の底部121aにおける傾斜角度βとほぼ同じに設定される。凸条63の間の凹条64は、その底部が肩部成形金型60の周方向に沿う円弧面に形成される。また、円筒状案内部62の内径はネッキング缶50の円筒部51の外径より小さいが、口部用筒部54の外径より大きく、テーパ状成形部61の最大外径部(先端)は、ネッキング缶50の円筒部51の外径より大きく形成される。
そして、図10に示すように、この肩部成形金型60の軸C2とネッキング缶50の缶軸Cとを一致させた状態で、肩部成形金型60のテーパ状成形部61をネッキング缶50の口部用筒部54の開口端に対向配置し、これらを缶軸C方向に接近させることにより、テーパ部53の下端部から円筒部51の上端部までを成形するように缶軸C方向に押圧する。
肩部成形金型60の凸条63の傾斜角度γがネッキング缶50のテーパ部53の傾斜角度αより小さいので、ネッキング缶50の肩部52付近が凸条63により半径方向内方に押圧される。この凸条63が周方向に等間隔で複数形成されていることにより、ネッキング缶50の肩部52からテーパ部53にかけて、缶軸Cとの角度がテーパ部53より大きい凹部121が周方向に複数形成された凹凸状肩部12が形成される。そして、この凹凸状肩部12が形成されることにより、その下方の円筒部51がボトル缶101の円筒部11となり、凹凸状肩部12の上方に残ったテーパ部53の残部が縮径部13となる。
このとき、凹凸状肩部12における凹部121の底部121aは、ネッキング缶50において半径方向外方に凸状であった肩部52を半径方向内方に押圧して形成されるので、わずかに半径方向内方に凸となる凹円弧状の外面に形成される。ネッキング缶50の肩部52の曲率半径等によっては、凹部121の底部121aは直線状となる場合もある。
なお、この第1実施形態では、肩部成形金型60のテーパ状成形部61のうち、先端部及び後端部を除く軸方向の中間部分を用いてネッキング缶50の肩部52付近を押圧成形して、凹凸状肩部12を形成している。このため、凹部121の上端部及び下端部は、正面視で、凹部121の底部121aが缶軸C方向に突出した三角形状のものとして視認できる。ただし、凹凸状肩部12の各凹部121の上端部はテーパ部53の下端部を加工して形成され、凹部121の下端部は円筒部51の上端部を加工して形成されるため、三角形の斜辺の角度は上端部が下端部より若干大きく形成される。
次いで、上端部に形成されている口部用筒部54を加工してねじ部16等を形成し(ねじ部形成工程)、そのねじ部16の上方部分にカール部17を成形する(カール部形成工程)。
このねじ部形成工程では、口部用筒部54に内駒を挿入するとともに、口部用筒部54の外側に外駒(いずれも図示略)を押し当て、これら内駒と外駒との間に口部用筒部54の周方向の一箇所を挟み込み、その状態で口部用筒部54の周方向に沿って内駒と外駒とを転動させることにより、ねじ部16を形成する。
カール部形成工程では、ねじ部16の上方の開口端部の上端からカール用金型(図示略)を缶軸方向下方に押すことにより開口端部を半径方向外方に押し開くようにして折り返し、折り返した部分をさらに整形用金型(図示略)によって半径方向外方から内方に向けて押して、カール形状に整えることにより、カール部17を形成する。
このようにして製造したボトル缶101は、縮径部13よりも傾斜角度の小さい凹凸状肩部12が従来のボトル缶の肩部の位置に配置されるので、全体として視たときになだらかな「なで肩」状の外観であり、凹凸形状も付与されているため、購買意欲を喚起させる独特の意匠を呈する。
この凹凸状肩部12は、傾斜角度βが小さいので、搬送中に他の缶に衝突することが少なく、変形しにくい。また、凹凸状肩部12において、凹部121の間に形成される凸部122は、缶軸Cと直交する横断面で視ると、半径方向外方に小さい曲率半径R0で突出した形状となる。このため、凹凸状肩部12付近の強度が高められ、より変形しにくい缶となる。
さらに、この凹凸状肩部12が凹部121を周方向に間隔をおいて配置していることから、ボトル缶101を把持したときに、指に凹凸が触れるので、グリップ感があり、滑り止めとなって把持し易い。
また、縮径部13はもちろん、凹凸状肩部12も、従来のボトル缶における縮径部を形成するダイネッキング加工と同様の加工方法によって形成できるので、製造も容易である。
(第2実施形態)
図11〜図15は第2実施形態のボトル缶を示している。以下では、第1実施形態と共通する要素には同一符号を付して説明を簡略化する。また、必要に応じて第1実施形態で用いた図面を参照する。
第2実施形態のボトル缶102は、第1実施形態のボトル缶101に対して、凹凸状肩部12の缶軸方向に沿う長さL1が大きく、凹部121の深さdも大きく形成されている。
第1実施形態では、肩部成形金型60(図7〜図9参照)におけるテーパ状成形部61の軸方向の中間部分を用いて凹凸状肩部12を形成したが、第2実施形態では、テーパ状成形部61の後端部から円筒状案内部62との接続部付近をも用いて凹凸状肩部12を形成している。このため、凹凸状肩部12における各凹部121の下端部は、第1実施形態のものと同様、正面視で、凹部121の底部121aが缶軸C方向に突出した三角形状のものとして視認できるが、上端の終端形状は、ほぼ円弧状に形成されている。
この第2実施形態のボトル缶102は、凹凸状肩部12の長さL1及び凹部121の深さdが大きいので、独特の外観を呈しており、また、より把持し易くなっている。
(第3実施形態)
図16〜図20は第3実施形態のボトル缶103を示している。この第3実施形態のボトル缶103は、凹凸状肩部12の長さL1及び凹部121の深さdが第1実施形態及び第2実施形態のものより小さく、また、凹部121の底部121aが半径方向外方にわずかに凸となる凸円弧状に形成されている。
この第3実施形態のボトル缶103を成形するための肩部成形金型65は、図21及び図22に示すように、テーパ状成形部61の凸条63の稜線部63aが凹円弧状に形成されている。また、凸条63の間に形成される凹条64も凹円弧状に形成されている。この凹条64は底部が肩部成形金型65の周方向に沿う円弧面に形成され、その底部の幅が第1実施形態のものより大きく形成されている。
この肩部成形金型65を用いて成形される凹凸状肩部12は、その凹部121の底部121aが、凸部122と同様、外方に向けて凸となる凸円弧状に形成される。先の実施形態で述べたように、この凹部121の底部121aの曲率半径は40mm以上である。
この第3実施形態のボトル缶103は、凹凸状肩部12の長さL2及び凹部121の深さdが小さいので、従来のボトル缶との外観上の差は小さいが、凹部121の傾斜角度βが小さく、凸部122も横断面形状では半径方向外方に円弧状に突出しているため、搬送中の衝突による変形が生じにくい。
また、凹凸状肩部12が滑り止めとなって把持し易いという、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ボトル缶として、予め有底円筒状の筒体41を形成して、その開口端部を成形したが、筒体は底部を有していないものも含むものとし、筒体に、別に形成した底部を巻き締めるようにしてもよい。
10 胴部
10a 開口端部
11 円筒部
12 凹凸状肩部
13 縮径部
14 口部
16 ねじ部
17 カール部
20 底部
50 ネッキング缶
52 肩部
53 テーパ部
54 口部用筒部
60,65 肩部成形金型
61 テーパ状成形部
62 円筒状案内部
63 凸条
63a 稜線部
64 凹条
101,102,103 ボトル缶
121 凹部
121a 底部
C 缶軸
C2 軸

Claims (4)

  1. 円筒部と、該円筒部の上端部から缶軸の上方に向かうに従って漸次縮径され、溝状の凹部が周方向に間隔をおいて形成された凹凸状肩部と、該凹凸状肩部の上端に形成され缶軸方向上方に向かうに従って漸次縮径された円錐台状の外面を有する縮径部と、該縮径部の上端に形成された口部とを有し、
    前記凹凸状肩部における前記凹部は、缶軸に対して傾斜して設けられており、凹部の底部は、缶軸を通る縦断面において、缶軸に対する傾斜角度が前記縮径部の傾斜角度より小さい直線状又は円弧状、もしくは直線と円弧を組み合わせた形状に形成されていることを特徴とするボトル缶。
  2. 前記凹凸状肩部において前記凹部の間に形成される凸部は、缶軸方向に沿う縦断面において、前記円筒部から前記縮径部を連結し、外方に向けて凸となる円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のボトル缶。
  3. 前記凹凸状肩部において前記凹部の底部は、缶軸方向に沿う縦断面において、内方に向けて凸となる円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のボトル缶。
  4. 請求項1から3のいずれか一項記載のボトル缶を製造する方法であって、円筒状の筒体を成形する筒体成形工程と、前記筒体の上部を半径方向内方に屈曲して前記円筒部の上端で屈曲する肩部及び該肩部から缶軸方向上方に向かうに従い漸次縮径されたテーパ部を成形する縮径工程と、内周のテーパ状成形部にその傾斜方向に沿う複数の凸条を周方向に間隔をおいて形成した金型を前記縮径工程後に前記テーパ部の下端部から前記円筒部の上端部にかけて缶軸方向に押圧することにより前記凹凸状肩部を形成する肩部リフォーム工程とを有し、前記凸条は、缶軸方向に対する傾斜角度が前記テーパ部の傾斜角度より小さく形成され、前記縮径部は、前記テーパ部のうち、前記凹凸状肩部を形成した残部により形成されることを特徴とするボトル缶の製造方法。
JP2018118820A 2018-06-22 2018-06-22 ボトル缶及びその製造方法 Pending JP2019218128A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018118820A JP2019218128A (ja) 2018-06-22 2018-06-22 ボトル缶及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018118820A JP2019218128A (ja) 2018-06-22 2018-06-22 ボトル缶及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019218128A true JP2019218128A (ja) 2019-12-26

Family

ID=69095571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018118820A Pending JP2019218128A (ja) 2018-06-22 2018-06-22 ボトル缶及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019218128A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006043347A1 (ja) * 2004-10-20 2006-04-27 Universal Can Corporation ボトル缶の製造方法およびボトル缶
US20150360279A1 (en) * 2014-06-12 2015-12-17 Ball Corporation System for compression relief shaping

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006043347A1 (ja) * 2004-10-20 2006-04-27 Universal Can Corporation ボトル缶の製造方法およびボトル缶
US20150360279A1 (en) * 2014-06-12 2015-12-17 Ball Corporation System for compression relief shaping

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6931397B2 (ja) テーパ状の金属カップおよびテーパ状の金属カップを形成する方法
US20210114077A1 (en) Shaped metal container, microstructure, a method for making a shaped metal container
JP2005536411A (ja) アルミニウム製エアゾール缶及びアルミニウム製ボトル並びにこれらをコイル材から製造する方法
JP2016147310A (ja) 缶の製造方法及び缶
JP2021167024A (ja) 缶体の製造方法
JP4553350B2 (ja) ミニボトル型アルミ缶の製造方法
CN113260468A (zh) 锥形金属杯及其形成方法
CN116634908A (zh) 锥形杯及其形成方法
JP7275664B2 (ja) ボトル缶の製造方法
JP2019218128A (ja) ボトル缶及びその製造方法
JP7120810B2 (ja) 缶体及びその製造方法
JP7060349B2 (ja) ボトル缶の製造方法
JP2016107341A (ja) 缶の製造方法
JP6988180B2 (ja) 純アルミニウム製シームレス缶
JP2022120828A (ja) 金属製カップの製造方法
JP6948843B2 (ja) 缶の製造方法
JP7260980B2 (ja) ボトル缶の製造方法
JP7260979B2 (ja) ボトル缶の製造方法
JP7484148B2 (ja) ボトル缶及びその製造方法
JP2018140832A (ja) ボトル型缶
US12097991B2 (en) Bottle can, manufacturing method of bottle can, and design method of bottle can
JP7089398B2 (ja) 缶体の製造方法
JP7293715B2 (ja) ボトル缶の製造方法
JP7120809B2 (ja) 缶体及びその製造方法
EP3919400A1 (en) Bottle can, production method for bottle cans, and design method for bottle cans

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220428

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220823