JP6988180B2 - 純アルミニウム製シームレス缶 - Google Patents

純アルミニウム製シームレス缶 Download PDF

Info

Publication number
JP6988180B2
JP6988180B2 JP2017117111A JP2017117111A JP6988180B2 JP 6988180 B2 JP6988180 B2 JP 6988180B2 JP 2017117111 A JP2017117111 A JP 2017117111A JP 2017117111 A JP2017117111 A JP 2017117111A JP 6988180 B2 JP6988180 B2 JP 6988180B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seamless
pure aluminum
ironing
slag
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017117111A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019001500A (ja
Inventor
具実 小林
勇貴 山村
武志 藍原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Group Holdings Ltd filed Critical Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Priority to JP2017117111A priority Critical patent/JP6988180B2/ja
Publication of JP2019001500A publication Critical patent/JP2019001500A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6988180B2 publication Critical patent/JP6988180B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Description

本発明は、金属容器の製法に関する。
従来、アルミニウム缶の製法として、絞りしごき成形(DI成形)が広く採用されている(例えば、特許文献1)。
この方法は、金属板を使用し、この金属板を打ち抜いて円形のブランクを作製し、このブランクを絞り、再絞り成形した後、しごき成形を行って薄肉化を図ることにより、缶体を成形するという手法である。
かかる方法は、缶胴側壁や缶底を薄肉化でき、軽量性に優れた缶を得ることができ、さらにはハイトが高く、外面に光沢のある缶を得ることができるという利点を有しているのであるが、打ち抜き屑が発生して材料ロスが多いという欠点がある。
また、DI成形とは別に、インパクト成形という手法も広く採用されている(例えば特許文献2参照)。この方法は、薄い円板形のスラグを使用し、このスラグをダイ(雌型)とパンチ(雄型)の間に置いて、プレスすることにより金属(スラグ)を押し出すことにより、一気に缶体を成形するという手法であり、1型1工程で缶体を得ることができるというメリットがあるが、缶胴壁の肌荒れが著しく、光沢がある外面を得ることが困難であるという欠点がある。またインパクト成形により缶径や缶高さが異なる種々の缶型を製造するにあたっては2つの従来方法が例示できる。1つには、スラグの直径を缶の径とほぼ等しく設定し、スラグの厚みは目的の缶高さと直径から算出した値に精緻に設定する方法である。そのため、スラグの直径ごとに打ち抜き金型が必要なことと、板厚が異なる多種の素板を用意する必要がある、という欠点がある。
もう1つのやり方は、缶径が同じ缶型の中で最も缶高さが高い缶型のスラグを作製し、それから素缶を作製し、必要な高さでトリミング加工を行うことで種々の缶高さの缶型を作製するという方法であり、缶高さが低い缶形ほど著しく材料ロスが多いという欠点がある。
またいずれにしても、素板からスラグを打ち抜く工程で打ち抜き屑が発生して材料ロスが多い。
このように、何れの製法も一長一短があり、その改善が求められているのが現状である。
ところで、本出願人は、上記のような問題が解決された製造方法として、金属製のロッドを用い、このロッドを一定の高さで切断して容器用スラグを作製し、該容器用スラグをインパクト成形し、次いで、適宜、絞り成形或いは再絞り成形を行い、さらにしごき成形を行うことにより、シームレス容器を製造する方法を提案した(特願2015−243928号)。
かかる製造方法は、材料ロスが少なく、得られる容器の径や長さに応じて、種々の大きさの容器を得ることができるという利点がある。
本発明者等は上記の製造方法をさらに推し進めて検討した結果、かかる方法を利用して純アルミニウム製シームレス缶を製造した時、所謂絞りしごき加工により得られる缶と、インパクト成形により得られる缶との特性を持った独特のシームレス缶が得られることを見出した。
特公平2−30930号公報 特開平6−279888号公報
従って、本発明の目的は、絞りしごき加工により得られる缶とインパクト成形により得られる缶との特性を併せ持つ純アルミニウムシームレス缶を提供することにある。
本発明によれば、アルミニウム含量が99.0質量%以上の純アルミニウム製のシームレス缶において、
底部及び円筒状の胴部を有しており、胴部でのビッカース硬さの周方向の標準偏差が1.4以下であることを特徴とするシームレス缶が提供される。
本発明の純アルミニウム製シームレス缶(以下、単に純アルミシームレス缶と呼ぶ)は、通常、
(1)前記胴部の外面での60度鏡面光沢度が300%以上であり、
(2)前記胴部の外面と底部の外面との境界部に存在する変曲点を基準位置とし、該胴部は、基準位置から上方に向かって厚みが漸次減少しているテーパー領域と、該テーパー領域に連なり且つ厚みが一定のストレート領域とを有していること、
という形態を有している。
本発明の純アルミシームレス缶は、アルミニウム含量が99.0質量%以上の純アルミニウムからなるものであるが、一つの特性として、胴部外面での60度鏡面光沢度が300%以上であり、極めて高い光沢性を有している。このような高い光沢性は、純アルミから形成されていることに加え、絞りしごき加工を経て製造されていることを示している。即ち、インパクト成形により得られる缶では、外面が粗くなり、このような高い光沢性は得られない。
また、本発明の純アルミシームレス缶が有するもう一つの特性は、胴部でのビッカース硬さの周方向の標準偏差が1.4以下であり、周方向での強度のバラツキが極めて小さく、高い等方性を示すことである。このような等方性は、従来公知の絞りしごき加工により得られるシームレス缶には全く認められない性質である。
即ち、圧延板を基材とし、これを打ち抜き、絞りしごき加工することにより得られるシームレス缶では、缶胴部は、圧延方向に対して異方性を有しているため、どうしても周方向での強度にバラツキを示してしまう。従って、胴部周方向の強度についてバラつきが少なく、等方性を有しているということは、本発明の純アルミシームレス缶が、圧延板からではなく、ロッドを切断して作製されるスラグをインパクト成形し、このインパクト成形の後に絞りしごき加工が行われたことを意味している。このような方法で得られたシームレス缶の胴部周方向は異方性を示さないからである。
このように、本発明の純アルミシームレス缶は、絞りしごき加工により得られる独特の金属光沢と、インパクト成形により得られる強度の等方性という独特の特性を併せ持つものである。
また、かかる純アルミシームレス缶は、材料ロスを極めて少なくして製造されるという利点も有している。
本発明の純アルミシームレス缶を製造するに際して、カップ状成形体が作製される工程までを示す図。 本発明の純アルミシームレス缶を製造するに際して、カップ状成形体を再絞りおよびしごき成形する工程を示す図。 本発明の純アルミシームレス缶の形態の一例を示す概略側断面図及び要部拡大断面図。 本発明の純アルミシームレス缶の形態の他の例を示す概略側断面図及び要部拡大断面図。
<純アルミシームレス缶の製造>
本発明の純アルミシームレス缶の製造プロセスを示す図1及び図2を参照して、このシームレス缶は、ロッド1(図1(a)参照)を使用し、これを切断して所定長さの円板状のスラグ3を作製し(図1(b)参照)、このスラグ3をインパクト成形に供し(図1(c)参照)、最後に再絞りとしごき加工を行うことにより得られる(図2参照)。
尚、最終的に得られるシームレス缶は、図3において50で示されている。
本発明において、図1(a)に示されている上記のロッド1は、たとえば熱間鍛造や冷間鍛造、熱間圧延、冷間圧延、押出し成形、引き抜き成形、鋳造法等により製造された丸棒形状を有するものであり、アルミニウム含量が99.0質量%以上の純アルミニウム製のもの、例えばA1070等からなるものである。
このような純アルミ製のロッド1を用いて、以下の工程の成形を行うことにより、優れた高い金属光沢を発現させることができ、また得られるシームレス缶50は、耐食性にも優れたものとなる。
上記純アルミ製のロッド1(その径はtで示されている)は、先ず、図1(a)に示されているように、高さhの位置でカッティングし、適宜、プレスして、底部径がt’、高さh’の円板形状のブランク(スラグ)3にされる。
なお、ロッド1をカッティングする手段として、公知の切断方法により行うことが可能であり、例えば図示しないが、せん断加工等の切り屑が発生しない切断方法は材料ロスが少なく好ましい。
ブランク3の直径t′は次の工程となるインパクト成形のダイ21の内径より若干小さく設定される。
目的とするシームレス缶50の寸法を変更する際に、素材の変更はロッドの径を変更する以外に、同じロッドでカッティング高さhを変更するだけで対応することが可能である。
これにより、材料ロスを大きく低減させ、100%に近い材料利用率で成形を行うことができるとともに缶種の変更が容易になる。
高さhが過度に大きくなると、次の工程での塑性加工が困難となるおそれがあるので、ロッド1の径tも、最終的に得られるシームレス缶50の大きさに応じて適宜の大きさのものとしておき、この高さhがロッド1の径tの2倍以下程度となるようにすることが望ましい。
また、円板状のスラグ3を作製するにはロッド1をカッティングした部材を高さ方向にプレスすればよいが、例えば、角形容器(図示せず)であればプレス方向を変更してもよい。なお、プレスする装置としては、動力プレスの他、スラグの形状ならびに寸法により、圧延機、鍛圧機等が使用できる。
上記のようにして作製されたスラグ3は塑性加工に供されるが、この塑性加工に先立っては、焼き鈍しを行い、残留応力の除去や粗大化した結晶粒の回復、加工硬化した組織の回復等により、純アルミ製のスラグ3を柔らかくするというものであり、350〜500℃程度に加熱した後、徐冷して行う。なお、焼き鈍しは必要に応じてスラグを作製する工程途中において行うこともできる。
上記のようにして作製されたスラグ3は、インパクト成形に供される。
このインパクト成形は、図1(c)に示されているように、雌型のダイ21とパンチ23を使用し、スラグ3をダイ21内で衝撃押出しすることにより、カップ状成形体11を成形するものである。
この得られたカップ状成形体11の外径は、スラグ3の径t’と同じである。
この方法では、カップ状成形体11をそのまま容器とすることもできるのであるが、表面粗れや表面平滑性の問題があり、金属光沢性を発現させることができない。このため、図2に示されているように、さらに絞り、しごき加工が行われ、これにより、小径化、薄肉化が行われ、高い金属光沢を実現することができる。
また、絞り成形を、前述したスラグ3に直接行った場合、過酷な面圧がかかり、成形困難となることがあるが、一旦、インパクト成形によりカップ形状に成形した後、このカップについて、絞り成形(再絞り成形)を行うことにより、成形不良を確実に回避することができる。
このような絞り成形では、図2(a)に示されているように、径がt1(t1<t’)の開口25aを有するダイ31を使用し、保持具35によりリドローダイ31に保持し、パンチ37を用い、カップ状成形体11をダイ31の開口25a内に押し込むことにより、有底筒状の絞り成形体13を得る。この絞り成形で得られる絞り成形体13の外径は、上記開口25aの径t1に相当し、上記カップ状成形体11(或いはスラグ3)の径t’よりも小さい。
尚、上記の絞り成形において、ダイ31の開口の上端のコーナー部(カップ状成形体11を保持している側)にはアール(曲率部)が形成されており、カップ状成形体11が速やかに且つ折れることなく、ダイ31の開口25a内に押し込まれるようになっており、パンチ37の外径は、カップ状成形体11のほぼ厚みの2.5倍に相当する分だけ、開口25aの径t1よりも小さく設定されている。即ち、この絞り加工では、薄肉化はほとんど行われない。
このような再絞り成形は、必要に応じて複数回行われ、これにより、さらなる小径化を行うこともできる。
このようにして得られた絞り成形体13は、図2(c)に示されているしごき成形に供せられる。
かかるしごき工程では、リドローダイ31の下方に、複数のしごきダイ33a〜33cが設けられており、絞り加工により成形された絞り成形体13について、しごきパンチ37を用いてしごき加工が行われる。
最終段のしごきダイ33cの下方には、ストリッパフィンガ39、ドーミングダイ43が配置されており、しごき加工された成形体は、ストリッパフィンガ39を通過して、ドーミングダイ43によるドーミング加工が行われ、これによりドーム形状の底部が形成され、目的とする本発明の純アルミシームレス缶50が得られる。
得られた純アルミシームレス缶50は、パンチ37が上昇する際に、ストリッパフィンガ39でパンチ37から引き抜かれる(図示せず)。
上記のようなしごき工程において、図2では、しごきダイが3個配置されており、3段でしごき加工が行われるようになっているが、このしごきダイの数は3個に限定されるものではなく、目的とする薄肉化の程度に応じて、適宜の数とすることができ、1個のダイで1段でのしごき加工とすることもできるし、2またはそれ以上の数のダイを配置して、複数段でのしごき加工とすることができる。勿論、しごきダイを複数個、加工方向に沿って配列し、しごき加工を多段で行う場合には、加工方向下流側にいくにしたがい、その内径(加工径)が小さくなっている。
何れにしろ、本発明の純アルミシームレス缶50では、最後のしごきダイ(図2の例ではダイ33c)の内径が、最も薄肉化された胴部の外径t2(t2<t1)にほぼ相当する。
尚、このようなしごき加工において、上記のパンチ37は、下方部分が先細形状となっており、このようなパンチ43を用いてのしごき加工及びドーミング加工により、接地した状態で安定した直立形態が保持されるように、底部をドーム形状とすることができる。
また、しごき加工に際しては、潤滑液のエマルジョン等がクーラントとして使用され、このようなクーラントを流しての冷却が行われながら、しごき加工が行われることとなる。
図3に示すように、このようにして得られる本発明の純アルミシームレス缶50は、胴部51と底部53とを有している。
底部53は、胴部51に比して厚肉となっており、上に凸の形状(即ち、ドーム形状)を有しており、中央部53aが上方に膨出していると共に、その周縁部は接地部53bとなっており、この接地部53bの外周側は若干立ち上がった曲率面53cとなっている。
底部53が、このような形態を有していることにより、この純アルミシームレス缶50は、直立状態が安定に保持されるように設置することができる。
なお、本発明において底部53の形状は図3に示す態様に限定されるものではなく、例えば、図4に示すように接地部53bと曲率面53cとの間にチャイム部53dを形成することもでき、このような形態のものについても同様に考えることができる。
また、胴部51は、その外面が上記の底部53から上方に立ち上がった領域であり、底部53との境界部X(曲率面53cの上端に相当)は、変曲点となっている。
このような胴部51は、上記の境界部X(変曲点)を基準位置として、この基準位置から上方に向かって厚みが漸次減少しているテーパー領域Yが形成されており、このテーパー領域Yに連なって、厚みが一定のストレート領域Zが形成されている。
即ち、上記のストレート領域Zは、最も薄肉化された部分であり、その外径t2は、先にも述べたように、最後のしごきダイ(図2においてダイ33c)の内径にほぼ相当している。
胴部51に形成されているテーパー領域Yは、しごきダイを多段に配置して行われるしごき加工に特有のものであり、それぞれの段で設定されるしごき率やダイとパンチのクリアランス(すきま)によっても異なるが、通常、5mmから40mm程度の長さであり、また、基準位置Xでの厚みの10〜60%程度の厚みとなるように、胴部51のストレート領域Zは薄肉化されている。もしストレート領域Zにおいて板厚変化を設ける必要があれば対応する位置のしごきパンチの直径を若干増減させることにより板厚変化を設けることも可能である。
インパクト成形のみで容器を成形したときには、このようなテーパー領域Yは形成されず、胴部51の厚みは一様である。
このようにして得られる本発明の純アルミシームレス缶50は、アルミニウム含量が99.0質量%以上の高純度の純アルミニウムからなり、且つ絞りしごき加工を経て成形されているため、高い金属光沢を示し、胴部51の外面(特にはストレート領域Zでの外面)での60度鏡面光沢度が、300%以上、特に350%以上となっている。このような高い鏡面光沢度を示すのは、アルミ表面において、算術平均粗さRa(JIS B−0601:2013)で表される表面粗さが0.3μm以下、特に0.1μm以下であり、且つ二乗平均平方根傾斜角△qで表される表面の傾斜が6°以下、特に3°以下の極めて平滑な表面になっていることに起因するためである。
先にも述べたように、このような高い金属光沢は、インパクト成形のみによって得られる缶では発現しない。
さらに、本発明の純アルミシームレス缶50は、圧延板を用いての絞りしごき加工により得られるものではなく、ロッド1を基材とし、これを切断加工して得られたスラグについて、インパクト成形を行った後の絞りしごき加工により得られるものである。従って、この缶50の胴部51は、等方性を示し、胴部51について測定したビッカース硬さは、周方向についての標準偏差が1.4以下である。圧延板を用いての絞りしごき加工により得られるシームレス缶では、胴部51の周方向が圧延方向に対して異方性を示すため、このようなビッカース硬さについて、周方向のバラツキは大きく、その標準偏差は大きい。
このように、本発明の純アルミ製シームレス缶50は、高い金属光沢と同時に、等方性が高く、胴部51の周方向についての物性のバラツキが極めて小さい。
このような本発明の純アルミ製シームレス缶50は、清涼飲料、ビール類、食品、エアゾール製品、等の缶として適用可能で、必要に応じて、トリミング、内外面塗装、外面印刷、装飾的加工、ネックイン加工、フランジ加工、ビード成形、ノズルねじ成形、等の口端部の成形を行い、内容物の充填及び蓋体の装着を行い、市販に供される。
<実験例>
アルミニウム含量が99.7質量%以上の純アルミA1070製のロッド(20mm径、長さ4m)を用意し、このロッドを長さ約20mmになるようにカッティング及びプレスして、径が48mm、厚みが約3.5mmの円板状スラグを得た。
この円板状スラグを350℃で1時間焼き鈍しした。焼き鈍しした円板状スラグの硬さはビッカース硬さでHV20であった。この円板状スラグを、インパクト成形を行うことで、底部径が48mm、底部の厚みが約0.9mm、側壁の平均厚みが約1.3mm、高さが約27mmのカップ状成形体を成形した。成形に際しては、絞り成形用潤滑剤を使用した。
このカップの側壁はインパクト成形特有の肌荒れが生じていた。
次いで、上記で得られたカップ状成形体に付着している潤滑剤を除去することなく再絞り成形金型により絞り成形し、底部径が約36mm、側壁厚みが約1.4mm及び高さが約38mmの有底筒状絞り成形体を得た。
次いで、水性エマルジョンのクーラントを使用し且つ加工面にダイヤモンド膜が形成されているしごき用ダイスを使用してしごき成形を3段行い、底部径が約35mm、側壁厚みが約0.35mm及び高さが約150mmの純アルミ製シームレス缶を得た。
得られた純アルミ製シームレス缶は、胴部における高さ方向に中間の位置で硬さ試験を行ったところ、ビッカース硬さの周方向に等間隔に32点試験を行った平均値はHV40.0で標準偏差が1.2(試験機:AKASHI製 MVK−G3)であり、且つ胴部外面での60度鏡面光沢度が320〜410%(測定器:スガ試験機株式会社製 測色色差計SM−4)であった。
さらに、上記成形後の残りの純アルミ製ロッドを使用し、同様の操作で純アルミ製の絞りしごき缶を繰り返し成形した。これにより、先に用意した純アルミ製ロッドの約99%を純アルミ製シームレス缶の製造に使用することができ、材料ロスを有効に回避することができた。
1:純アルミ製ロッド
3:スラグ
11:カップ状成形体
13:絞り成形体
15:しごき成形体
50:純アルミシームレス缶
51:胴部
53:底部
X:胴部と底部との境界部(基準位置)
Y:テーパー領域
Z:ストレート領域

Claims (3)

  1. アルミニウム含量が99.0質量%以上の純アルミニウム製のシームレス缶において、
    底部及び円筒状の胴部を有しており、胴部でのビッカース硬さの周方向の標準偏差が1.4以下であることを特徴とするシームレス缶。
  2. 前記胴部の外面での60度鏡面光沢度が300%以上である請求項1に記載のシームレス缶。
  3. 前記胴部の外面と底部の外面との境界部に存在する変曲点を基準位置とし、該胴部は、基準位置から上方に向かって厚みが漸次減少しているテーパー領域と、該テーパー領域に連なり且つ厚みが一定のストレート領域とを有している請求項1または2に記載のシームレス缶。
JP2017117111A 2017-06-14 2017-06-14 純アルミニウム製シームレス缶 Active JP6988180B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017117111A JP6988180B2 (ja) 2017-06-14 2017-06-14 純アルミニウム製シームレス缶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017117111A JP6988180B2 (ja) 2017-06-14 2017-06-14 純アルミニウム製シームレス缶

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019001500A JP2019001500A (ja) 2019-01-10
JP6988180B2 true JP6988180B2 (ja) 2022-01-05

Family

ID=65007291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017117111A Active JP6988180B2 (ja) 2017-06-14 2017-06-14 純アルミニウム製シームレス缶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6988180B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3919200A4 (en) * 2019-01-30 2022-11-02 Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. SEAMLESS CAN BODY AND METHOD FOR PRODUCING SEAMLESS CAN BODY
JP6760460B1 (ja) * 2019-10-17 2020-09-23 東洋製罐グループホールディングス株式会社 シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62244536A (ja) * 1986-04-17 1987-10-24 Asia Kinzoku Kogyo Kk 有底筒状体の製造方法
US4834256A (en) * 1987-07-31 1989-05-30 Pac International, Inc. Can with domed bottom structure
JP3604835B2 (ja) * 1996-09-11 2004-12-22 大和製罐株式会社 胴部に凹凸模様をもつアルミニウムdi缶の製造方法
JP3689667B2 (ja) * 2000-12-26 2005-08-31 松下電器産業株式会社 角形電池缶およびその製造方法並びにそれを用いた角形電池
JP4607690B2 (ja) * 2005-07-11 2011-01-05 昭和アルミニウム缶株式会社 絞り/しごき成形装置および成形方法
JP2008132503A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Naoi Kanagata Seisakusho:Kk 有底容器及びその製造方法
JP6225017B2 (ja) * 2013-12-25 2017-11-01 三習工業株式会社 ローラーの製造方法及びそれに用いるローラーの製造装置
AR105391A1 (es) * 2015-07-27 2017-09-27 Constellium Neuf-Brisach Proceso de embutido y estirado de la pared optimizado de recipientes de aluminio

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019001500A (ja) 2019-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2035166B1 (en) Method of manufacturing containers
EP2119515B1 (en) Method for manufacturing an aluminium aerosol can from coil feedstock
CA2807696C (en) Shaped metal container and method for making same
JP4761786B2 (ja) 側壁部に環状の厚肉部を有するテーパ缶の製造方法
EP4116006A2 (en) Shaped metal container, microstructure, a method for making a shaped metal container
US10807140B2 (en) Optimized drawing and wall ironing process of aluminum containers
JP2018520008A (ja) 大型アルミニウムボトルを製造するプロセス及びそれよって製造されるアルミニウムボトル
JP6676949B2 (ja) 金属容器の製法
JP6988180B2 (ja) 純アルミニウム製シームレス缶
JP2016107339A (ja) Di缶の製造方法
CN113260468A (zh) 锥形金属杯及其形成方法
GB2551514A (en) Draw Die
WO2018193524A1 (ja) 金属容器の製法
CN116634908A (zh) 锥形杯及其形成方法
JP6977302B2 (ja) アルミシームレス缶

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6988180

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150