JP6676949B2 - 金属容器の製法 - Google Patents
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Description
この方法は、金属板を使用し、この金属板を打ち抜いて円形のブランクを作製し、このブランクを絞り、再絞り成形した後、しごき成形を行って薄肉化を図ることにより、缶体を成形するという手法である。
もう1つのやり方は、缶径が同じ缶型の中で最も缶高さが高い缶型のスラグを作製し、それから素缶を作製し、必要な高さでトリミング加工を行うことで種々の缶高さの缶型を作製するという方法であり、缶高さが低い缶形ほど著しく材料ロスが多いという欠点がある。
またいずれにしても、素板からスラグを打ち抜く工程で打ち抜き屑が発生して材料ロスが多い。
本発明の他の目的は、光沢ある金属容器を、材料ロスを少なくして製造し得る金属容器の製法を提供することにある。
金属製のロッドを用意する工程;
前記ロッドを剪断加工により一定高さで切断し且つプレス加工することにより、所定高さの容器用スラグを作製する工程;
前記容器用スラグをインパクト成形してカップを成形する工程;
前記カップを絞り成形することにより、前記カップの外径より小さな外径の有底筒状の絞り成形体を成形する工程;
前記有底筒状の絞り成形体をしごき成形することにより、該絞り成形体よりも薄肉化された側壁と高いハイトを有する容器の形状に成形する工程;
を含む金属容器の製法が提供される。
(1)前記ロッドとして、アルミニウム製またはアルミニウム合金製のものを使用すること、
(2)前記ロッドとして、アルミニウム含量が99.0質量%以上の純アルミニウム製のものを使用すること、
(3)前記塑性加工を、インパクト成形、絞り成形、再絞り成形、しごき成形のうち1つ以上含むことにより行うこと、
が好適である。
かかる本発明の金属容器の製法は、特にアルミニウムもしくはアルミニウム合金製の容器の製造に適しており、所謂アルミニウム缶の製造に最も適している。
また、さらに、得られる容器が耐食性に優れており、さらに、展延性が優れ、塑性加工性に優れているなどの観点から、アルミニウム含量が99.0質量%以上の純アルミニウム製のもの、例えばA1070等からなるロッド1が最も好適に使用される。あるいは、純アルミニウムに使用済み飲料缶を混合してリサイクル性を向上させたアルミニウム素材からなるロッド1も使用できる。
容器の寸法を変更する際に、素材の変更はロッドの径を変更する以外に、同じロッドでカッティング高さhを変更するだけで対応することが可能である。
これにより、材料ロスを大きく低減させ、100%に近い材料利用率で成形を行うことができるとともに缶種の変更が容易になる。
高さh’が過度に大きくなると、次の工程での塑性加工が困難となるおそれがあるので、ロッド1の径tも、最終的に得られる金属容器5の大きさに応じて適宜の大きさのものとしておき、この高さh’が数ミリ程度となるようにすることが望ましい。
円板状のスラグを作製するにはロッド1をカッティングした部材を高さ方向にプレスすればよいが、例えば、角形容器(図示せず)であればプレス方向を変更してもよい。なお、プレスする装置としては、動力プレスの他、スラグの形状ならびに寸法により、圧延機、鍛圧機等が使用できる。
この方法は、特に薄肉で且つハイトの高い金属缶を製造するのに適している。
この得られたカップ11の外径は、スラグ3の径t’と同じである(図1(c))。
このような再絞り成形は、必要に応じて複数回行われ、これにより、さらなる小径化を行うこともできる。
かかるしごき成形は、目的とする金属容器5の薄肉の程度やハイトの程度に応じて、複数段で行うことができる。なお、絞り用パンチ27としごき用パンチ31を共用して、同一行程において再絞り成形としごき成形を連続して行うことが可能である。
さらに、上記のように得られた金属容器5は、電池用容器部材として使用することができる。
なお本発明の製法において、ロッド1の断面形状は円形に限定されず、必要とする金属容器の形状によって適宜、選択可能である。
アルミニウム含量が99.7質量%以上の純アルミA1070製のロッド(20mm径、長さ4m)を用意し、このロッドを長さ約20mmになるようにカッティング及びプレスして、径が48mm、厚みが約3.5mmの円板状スラグを得た。
この円板状スラグを350℃で1時間焼き鈍しした後、インパクト成形を行い、底部径が48mm、底部の厚みが約0.9mm、側壁の平均厚みが約1.3mm、高さが約27mmのカップを成形した。成形に際しては、水性エマルジョンを潤滑剤として使用した。このカップの側壁はインパクト成形特有の肌荒れが生じていた。
次いで、上記で得られたカップを、上記と同様の潤滑剤を使用して再絞り成形し、底部径が約36mm、側壁厚みが約1.4mm及び高さが約38mmの有底筒状絞り成形体を得た。
さらに、上記と同様の水性エマルジョンのクーラントを使用し且つ加工面にダイヤモンド膜が形成されているしごき用ダイスを使用してしごき成形を3段行い、底部径が約35mm、側壁厚みが約0.35mm及び高さが約150mmの純アルミ製絞りしごき缶を得た。
さらに、上記成形後の残りの純アルミ製ロッドを使用し、同様の操作で純アルミ製の絞りしごき缶を繰り返し成形した。これにより、先に用意した純アルミ製ロッドの99%を純アルミ製絞りしごき缶の製造に使用することができ、材料ロスを有効に回避することができた。
実験例1と同一のロッドを、長さ約17mmになるようにカッティング及びプレスして、径が48mm、実験例1と同じスラグ径にすべくプレスの押圧位置のみを変更して厚みが約3.0mmの円板状スラグを得た。
この円板状スラグを350℃で1時間焼き鈍しした後、インパクト成形を行い、底部径が48mm、底部の厚みが約0.9mm、側壁の平均厚みが約1.3mm、高さが約22mmのカップを成形した。成形に際しては、水性エマルジョンを潤滑剤として使用した。
次いで、上記で得られたカップを、上記と同様の潤滑剤を使用して再絞り成形し、底部径が約36mm、側壁厚みが約1.4mm及び高さが約32mmの有底筒状絞り成形体を得た。
さらに、上記と同様の条件でしごき成形を3段行い、底部径が約35mm、側壁厚みが約0.35mm及び高さが約127mmの純アルミ製絞りしごき缶を得た。
実験例1と比べてロッドのカッティング長さとスラグを作製するプレスの押圧位置を変更するだけで純アルミ製絞りしごき缶の高さの異なる缶を得ることができ、缶種の変更が極めて容易になった。
3:スラグ
5:金属容器
11:カップ
13:絞り成形体
Claims (3)
- 金属製のロッドを用意する工程;
前記ロッドを剪断加工により一定高さで切断し且つプレス加工することにより、所定高さの容器用スラグを作製する工程;
前記容器用スラグをインパクト成形してカップを成形する工程;
前記カップを絞り成形することにより、前記カップの外径より小さな外径の有底筒状の絞り成形体を成形する工程;
前記有底筒状の絞り成形体をしごき成形することにより、該絞り成形体よりも薄肉化された側壁と高いハイトを有する容器の形状に成形する工程;
を含む金属容器の製法。 - 前記ロッドとして、アルミニウム製またはアルミニウム合金製のものを使用する請求項1に記載の金属容器の製法。
- 前記ロッドとして、アルミニウム含量が99.0質量%以上の純アルミニウム製のものを使用する請求項2に記載の金属容器の製法。
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