以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明に係る動作補助装置は、索状体を用いて身体を伸ばす方向に腰を回転させる動作を補助するものである。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係る動作補助装置1の概略を示す正面図である。図1では、使用者が紙面手前側を向いたときの様子を示す。
動作補助装置1は、主として、使用者の右側面に装着される補助ユニット10と、使用者の左側面に装着される補助ユニット20と、補助ユニット10、20を使用者に装着させるための部材である背当て部31、肩紐部32、腰紐部33及びパッド34と、を有する。
背当て部31は、補助ユニット10の上端近傍に設けられる右プレート31aと、補助ユニット20の上端近傍に設けられる左プレート31bと、右プレート31aと左プレート31bとを連結する連結部31cと、を有する。肩紐部32は、右プレート31aと左プレート31bとにそれぞれ設けられる。使用者が、肩紐部32を肩にかけることで、背当て部31が使用者の背部に装着される。
腰紐部33は、補助ユニット10、20を使用者の腰部に装着させる。使用者が、腰紐部33を腰に巻回することで、補助ユニット10、20が使用者の側面に装着される。
パッド34は、使用者の大腿部の前側を覆う湾曲形状を有する。パッド34は、補助ユニット10、20にそれぞれ設けられる。使用者が、パッド34を使用者の大腿部前側に引っ掛けることで、補助ユニット10、20が使用者の大腿部側面に装着される。
このように、背当て部31、肩紐部32、腰紐部33及びパッド34を用いて補助ユニット10、20を使用者の側面に固定することで、動作補助装置1、すなわち補助ユニット10、20が使用者の動作を補助できるようになる。なお、補助ユニット10、20を使用者の側面に固定する形態はこれに限られない。
図2は、補助ユニット20の概略を示す斜視図である。補助ユニット10と補助ユニット20とは左右対称形状であり、同様の構成を有する。補助ユニット10、20は、主として、腰部アーム11と、大腿部アーム12と、索状体13(図2では図示省略)と、パッド支持体50と、を有する。パッド支持体50は、上端が大腿部アーム12の下側に連結されている。
以下、補助ユニット10、20の詳細な構成について説明する。補助ユニット10と補助ユニット20とは左右対称形状であるため、以下、補助ユニット10を用いて補助ユニット10、20について説明する。
図3は、補助ユニット10の概略を示す側面図である。補助ユニット10は、主として、腰部アーム11と、大腿部アーム12と、索状体13と、弾性部材14と、腰部回動軸15と、腰部プーリ16と、腰部ガイドローラ17と、を有する。
腰部アーム11は、主として、略板状の腰部第1アーム11aと、腰部第1アーム11aの下側に設けられた略板状の腰部第2アーム11bと、腰部第1アーム11aと腰部第2アーム11bとを連結する腰部ヒンジ11cと、を有する。腰部ヒンジ11cは、x方向に略沿っており、腰部第1アーム11a及び腰部第2アーム11bの端面に沿って設けられる。腰部ヒンジ11cが腰部第1アーム11aの下端と腰部第2アーム11bの上端とを連結することで、腰部第1アーム11aと腰部第2アーム11bとは相互に回動可能となっている。
腰部第2アーム11bには、腰紐部33(図3では図示せず、図1、2参照)が設けられる。また、腰部第2アーム11bには、索状体13をガイドするために、複数のローラ11d、11e、11f、11gが設けられる。なお、ローラ11d、11e、11f、11gの位置及び数は、これに限られない。また、ローラ11d、11e、11f、11gは必須ではない。
腰部第2アーム11bと大腿部アーム12とは、腰部回動軸15により相互に回動可能に連結される。したがって、腰部第2アーム11bは、使用者に固定された大腿部アームに対し、腰部回動軸15を中心に回動する。
大腿部アーム12は、腰部アーム11の奥側(図3における紙面裏側)かつ腰部アーム11の下側に設けられる。大腿部アーム12の下端近傍には、パッド34を支持するパッド支持体50が設けられている。パッド支持体50の詳細な構造については、後述する。
索状体13は、例えばワイヤロープであり、腰部アーム11及び大腿部アーム12を駆動させる駆動ロープとして機能する。なお、本実施の形態では、ワイヤロープを索状体13として用いたが、紐、鋼線等を索状体13として用いてもよい。索状体13の第1端は、弾性部材14を介して腰部第1アーム11aに設けられ、索状体13の第2端は、パッド支持体50に設けられる。
弾性部材14は、例えばぜんまいばねであり、索状体13の延設方向に沿って索状体13を引っ張る。弾性部材14は、ケース14aの内側に設けられる。なお、弾性部材14はぜんまいばねに限定されず、例えば引っ張りばねでもよい。
弾性部材14は、腰部第1アーム11aと索状体13の端との間に設けられる。具体的には、弾性部材14の内側の端が固定され、弾性部材14が巻きつけられた棒材(図示せず)及びケース14aが腰部第1アーム11aに固定され、ケース14aに形成された孔14bを通って索状体13の端がケース14aの内部に入り、弾性部材14の外側の端に索状体13の端が固定される。
なお、本実施の形態では、腰部第1アーム11aと索状体13の端との間に弾性部材14が設けられたが、取付部51と索状体13の端との間に弾性部材が設けられていてもよい。
腰部プーリ16は、主として、腰部第1プーリ16aと腰部第2プーリ16bとを有する。腰部第1プーリ16a及び腰部第2プーリ16bにはそれぞれ溝が形成され、それぞれの溝には索状体13が巻き掛けられる。
腰部第1プーリ16a及び腰部第2プーリ16bの中心軸16e、16fは、腰部第2アーム11bから突出するように設けられる。腰部第1プーリ16a及び腰部第2プーリ16bは、それぞれ中心軸16e、16fに対して回動可能である。
腰部第1プーリ16a及び腰部第2プーリ16bは、腰部回動軸15と異なる位置に設けられる。また、腰部第1プーリ16a及び腰部第2プーリ16bは、索状体13を挟む位置に設けられる。
なお、本実施の形態では、腰部第1プーリ16a及び腰部第2プーリ16bが腰部回動軸15よりも腰部第2アーム11bの下端に近い位置に設けられるが、腰部第1プーリ16a及び腰部第2プーリ16bが腰部第2アーム11bの下端近傍以外の位置に設けられてもよい。また、腰部第1プーリ16aは必須ではない。
腰部ガイドローラ17は、主として、腰部ヒンジ11cの上下にそれぞれ設けられた腰部第1ガイドローラ17a及び腰部第2ガイドローラ17bと、腰部第1ガイドローラ17a及び腰部第2ガイドローラ17bを腰部第2アーム11bに取り付ける取付部材17cと、を有する。腰部第1ガイドローラ17a及び腰部第2ガイドローラ17bにはそれぞれ図示しない溝が形成され、溝にはそれぞれ索状体13が巻き掛けられる。
図4は、補助ユニット10を背面からみたときの部分拡大図である。腰部第1ガイドローラ17a及び腰部第2ガイドローラ17bは、それぞれの中心軸17d、17eが腰部ヒンジ11cと略平行であり、それぞれ中心軸17d、17eに対して回動可能である。
腰部第1ガイドローラ17aは腰部ヒンジ11cの上側に設けられ、腰部第2ガイドローラ17bは腰部ヒンジ11cの下側に設けられる。また、腰部第1ガイドローラ17a及び腰部第2ガイドローラ17bは、索状体13を挟む位置に設けられる。
図3の説明に戻る。腰部アーム11が図3の矢印A方向に傾くと、腰部ガイドローラ17とパッド支持体50との間に存在する索状体13の長さが短くなる。それに伴い、弾性部材14により索状体13が巻き取られる。腰部アーム11が図3の矢印B方向に傾くと、腰部ガイドローラ17とパッド支持体50との間に存在する索状体13の長さが長くなり、索状体13が弾性部材14を引っ張る。その結果、弾性部材14は、索状体13の延設方向に沿って索状体13を引っ張り、腰部アーム11が図3の矢印B方向に傾く動作、すなわち動作補助装置1を装着した使用者の腰を伸ばす動作を補助する。
次に、パッド支持体50について説明する。図5は、パッド支持体50を示す概略斜視図である。図6は、パッド支持体50の分解斜視図である。図5以降の図面においては、説明のため、図5において左斜め奥側から右斜め手前側へ向かう方向を+x方向とし、図5において左斜め手前側から右斜め奥側へ向かう方向を+y方向とする。また、図5における上下方向をz方向とする。
パッド支持体50は、索状体13に発生する応力をパッド34(図5、6では図示省略、図1、2参照)に伝える部材であり、パッド34が使用者の大腿部前面側にある補助状態と、パッド34が使用者の大腿部前面側から退避している解除状態と、が切替可能に構成されている。パッド支持体50は、主として、取付部51と、フレーム52と、腿パッドシャフト53と、ロックシャフト54と、回動制限機構55と、回転角度誘導機構56と、押当機構60と、カバー70と、切替部材80と、抜け落ち防止ピン90と、を備える。切替部材80は、腿パッドシャフト53が回動不能なロック状態と、腿パッドシャフト53が回動可能なアンロック状態と、を切り替える。以降の図面では、説明のため、カバー70が適宜省略されている。
取付部51は、パッド支持体50の上端部分を構成する部材であり、フレーム52に対して回動可能に設けられている。取付部51は、取付部材51aと、取付部シャフト51bを有する。取付部材51aは、略U字形状(略コの字形状)の部材であり、対向する2つの両端部がフレーム52の上端を両側面から挟み込むように配置されている。取付部材51aには、索状体13の第2端が連結される。取付部シャフト51bは、取付部材51aの両端部にそれぞれ設けられた1対の孔51cに挿入される棒状の部材である。取付部シャフト51bは、フレーム52が有する1対の取付部シャフト嵌合孔52b及び孔51cに挿通され、取付部材51aとフレーム52とを回動可能に連結している。
フレーム52は、略直方体状の部材であり、パッド支持体50の基部となる部材である。フレーム52は、主として、切欠部52aと、取付部シャフト嵌合孔52bと、弾性部材収容部52cと、腿パッドシャフト固定孔52dと、回動ピン孔52eと、腿パッドシャフト回動孔52fと、ロックシャフト回動孔52gと、を備える。
図7は、フレーム52の概略を示す斜視図である。切欠部52aは、フレーム52の上端側略中央に設けられている。切欠部52aの両側の壁には、x方向に貫通する1対の取付部シャフト嵌合孔52bがそれぞれ形成されている。取付部シャフト嵌合孔52bには取付部シャフト51bが挿通されている。
弾性部材収容部52cは、フレーム52の+x側の側面に設けられており、−x方向に向かって略U字形状(略コの字形状)に切り欠かれた切欠きである。弾性部材収容部52cには、スライダプレート57(後に詳述)を付勢するスライダ弾性部材59が収容されている。
腿パッドシャフト固定孔52dは、フレーム52をy方向に貫通する孔であり、x方向に並んで2個設けられている。腿パッドシャフト固定孔52dには抜け落ち防止ピン90(図6参照)がそれぞれ挿入される。
抜け落ち防止ピン90が腿パッドシャフト固定孔52dに挿入されると、抜け落ち防止ピン90は、腿パッドシャフト53の全周にわたって形成された略円板形状の凹部53b(後に詳述)と、腿パッドシャフト固定孔52dとに当接する。これにより、フレーム52に対して腿パッドシャフト53を回転可能に固定し、かつ、腿パッドシャフト53がフレーム52から抜け落ちないようにしている。なお、抜け落ち防止ピン90は、1本であってもよい。また、抜け落ち防止ピン90は、なくてもよい。
回動ピン孔52eは、フレーム52の上端近傍に設けられた孔であり、内部に回動ピン53dが挿入される。回動ピン孔52e及び回動ピン53dは、腿パッドシャフト53の回動範囲を制限する機構を構成する。
図8は、腿パッドシャフト53の回動範囲を制限する機構を説明する図であり、(a)はパッド34が使用者の前面側から退避した解除状態の横断面図、(b)は解除状態の縦断面図であり、(c)はパッド34が使用者の前面側にある補助状態の横断面図であり、(d)補助状態の縦断面図である。
回動ピン孔52eは、フレーム52の正面視略中央に、フレーム52をy方向に貫通するように設けられている孔である。回動ピン孔52eは、y方向に伸びる内壁521e、522eと、x方向に伸びる内壁523e、524eと、を有する。本実施の形態においては、回動ピン孔52eは、一対の内壁521e、522eと、一対の内壁523e、524eとを有したが、内壁521e、522eはいずれか一方であってもよいし、内壁523e、524eはいずれか一方であってもよい。回動ピン孔52eの略中央には、腿パッドシャフト53が挿通される。
腿パッドシャフト53には、長手方向(z方向)と略直交する方向(径方向)に腿パッドシャフト53を貫通するように回動ピン53dが設けられている。回動ピン53dは、腿パッドシャフト53の回動にともなって回動ピン孔52eの内部を回動する。本実施形態においては、回動ピン53dは腿パッドシャフト53の径方向の両側に突出する凸部を構成しているが、片側のみに突出する凸部であってもよい。また、回動ピン53dは腿パッドシャフト53の孔に挿通されて凸部を構成しているが、腿パッドシャフト53自体に突出部が形成されていてもよいし、突出する部材が腿パッドシャフト53の外側面に接着等の手段により固定されていることで、凸部を構成していてもよい。
回動ピン53dは、内壁521e〜524eに当接する。回動ピン孔52eのz方向の長さは、回動ピン53dのz方向の長さ、すなわち外径に対応しており、回動ピン53d及び腿パッドシャフト53がz方向に大きく動いたり、腿パッドシャフト53がフレーム52から抜けたりすることを防止する。
解除状態において、回動ピン53dは、x方向に伸びており、内壁521e、522eに当接している。補助状態において、回動ピン53dは、x方向に伸びており、内壁523e、524eに当接している。この構成により、回動ピン53dの回動角度、すなわち腿パッドシャフト53の回動角度が制限されている。
本実施形態では、内壁521e、522eと、内壁523e、524eとは略直交しているため、回動ピン53d及び腿パッドシャフト53の回転角度範囲は略90度であるが、回動ピン孔52e及び回動ピン53dが制限する腿パッドシャフト53の回動範囲は略90度に限られない。内壁521e、522eと、内壁523e、524eとのなす角度を略90度でない角度とすれば、腿パッドシャフト53の回転角度範囲を略90度以外にも設定することができる。
図7の説明に戻る。腿パッドシャフト回動孔52fは、フレーム52を+z方向に貫通して設けられている孔であり、孔の径は腿パッドシャフト53の外径に対応している。腿パッドシャフト回動孔52fには、腿パッドシャフト53が挿入される。なお、腿パッドシャフト回動孔52fは、貫通していなくてもよい。
ロックシャフト回動孔52gは、腿パッドシャフト回動孔52fと略直交する方向に設けられる孔であり、本実施形態においては、フレーム52の奥行方向(y方向)に貫通している。ロックシャフト回動孔52gには、ロックシャフト54が挿入される。
図5、6の説明に戻る。腿パッドシャフト53は、先端が屈曲した略棒状の部材である。腿パッドシャフト53は、上端側が腿パッドシャフト回動孔52fに回動可能に挿入される。腿パッドシャフト53を回動させると、パッド34が使用者の大腿部前面側にある補助状態と、パッド34が使用者の大腿部前面側から退避している解除状態とが切り替えられる。
本実施形態では、先端の屈曲角度は略直角であるが、異なる角度であってもよい。腿パッドシャフト53の屈曲した側の先端(下端)にはパッド34が固定されている。したがって、腿パッドシャフト53の回動にともなって、パッド34が腿パッドシャフト53の回転軸から屈曲部分の長さだけ離れた位置で回動するため、パッド34を使用者の大腿部前面側から確実に退避させることができる。
腿パッドシャフト53は、主として、腿パッドシャフト切欠部53aと、円環状の凹部53bと、操作部材53cと、を有する。
腿パッドシャフト切欠部53aは、腿パッドシャフト53の側面の一部に設けられている切欠きである。腿パッドシャフト切欠部53aは、腿パッドシャフト53の一部を軸方向(z方向)と略直交するに沿って切除することで形成される。腿パッドシャフト切欠部53aの形状は、半円筒形状、略蒲鉾形状、又は略矩形形状である。
凹部53bは、周方向に沿って略円環形状に形成されている凹部である。抜け落ち防止ピン90が凹部53bの壁面に当接するため、腿パッドシャフト53がフレーム52から抜け落ちないように保持される。
操作部材53cは、腿パッドシャフト53の半径方向において少なくとも一方向に突出した部材であり、腿パッドシャフト53に固定されている。使用者は、操作部材53cを掴んで腿パッドシャフト53を回転させる。操作部材53cは、腿パッドシャフト53の上端寄りに配置されていて、使用者が装着状態において把持しやすいようになっている。特に、使用者が腰を大きく曲げなくても操作部材53cを把持することができる。
ロックシャフト54は、腿パッドシャフト53と略直交するように配置される棒状の部材である。ロックシャフト54は、ロックシャフト回動孔52gに回動可能に挿入される。腿パッドシャフト53とロックシャフト54とは隣接して設けられる。
ロックシャフト54には、ロックシャフト切欠部54aが設けられている。ロックシャフト54は、腿パッドシャフト53の側面に形成された腿パッドシャフト切欠部53aと干渉する位置に設けられる。
ロックシャフト54及び腿パッドシャフト53の軸間距離は、ロックシャフト54の半径及び腿パッドシャフト53の半径の和よりも短い。すなわち、ロックシャフト54は腿パッドシャフト53に当接可能な位置に配置されている。ロックシャフト54が腿パッドシャフト53に当接しているとき、腿パッドシャフト53の軸方向(z軸周り)の回動が規制される(後に詳述)。
切替部材80は、ロックシャフト54の一端に嵌合されている部材であり、腿パッドシャフト53とロックシャフト54との嵌合及び非嵌合を切り替える。切替部材80は、略円柱形状の軸部に、径方向に突出するレバーが形成されている。ロックシャフト54には略小判形状の嵌合部54bが形成されており、切替部材80の軸部には嵌合部54bに対応する形状の穴(図示せず)が形成されており、嵌合部54bと穴とが嵌合することで、切替部材80の回動にともなってロックシャフト54が回動する。ロックシャフト54が回動することで、腿パッドシャフト53とロックシャフト54とが当接するロック状態と、腿パッドシャフト53とロックシャフト54とが当接しないアンロック状態と、が切り替わる。
なお、切替部材80の形状は任意であり、例えば蝶ネジ様であってもよい。本実施形態のように径方向に突出した部材であれば、切替部材80を目視することでロック状態かアンロック状態かを知ることができる。
ここで、腿パッドシャフト53の軸方向の回動を規制する動作について詳細に説明する。図9は、アンロック状態を示す概略図であり、(a)は斜視図であり、(b)は縦断面図である。アンロック状態では、腿パッドシャフト切欠部53aにロックシャフト54が挿入されていない。また、アンロック状態では、ロックシャフト切欠部54a(底面54d)と腿パッドシャフト53との間に隙間を有する。このようにアンロック状態では、腿パッドシャフト53とロックシャフト54とが当接しておらず、腿パッドシャフト53はz軸まわりに自由に回動可能である。
図10は、ロック状態を示す概略図であり、(a)は斜視図であり、(b)は縦断面図である。切替部材80及びロックシャフト54が回動してロックシャフト54が腿パッドシャフト切欠部53aの内部に入り込むと、腿パッドシャフト53とロックシャフト54とが当接するロック状態となる。ロック状態では、腿パッドシャフト53及びロックシャフト54が当接し、腿パッドシャフト53がz軸回りに回動しようとしてもロックシャフト54に邪魔されて回動することができない。
なお、図9に示すアンロック状態では、腿パッドシャフト53の軸(z方向)と、ロックシャフト切欠部54aの底面54dとは非平行である。z方向と底面54dとが略平行だとすると、アンロック状態からわずかにロックシャフト54が回転した際、腿パッドシャフト53の縁にロックシャフト切欠部54aが当たって、ロックシャフト切欠部54aの面が腿パッドシャフト53の外周面に沿うようにロックシャフト54が押し戻されてしまう。これに対し、z方向と底面54dとが非平行だとすると、ロックシャフト54がわずかに回転した場合にも、ロックシャフト54の外周面が腿パッドシャフト切欠部53aに入り込み、図10に示すロック状態となるので、ロックシャフト54が押し戻されることを防止することができる。
なお、本実施形態においては、腿パッドシャフト切欠部53aは1か所であったが、複数設けられることにより、互いに異なる複数の回転角度において腿パッドシャフト53をロックすることが可能である。例えば、腿パッドシャフト切欠部53aとxy平面上において90度離れた位置に第2腿パッドシャフト切欠部を備える構成によれば、解除状態においても腿パッドシャフトの回転動作をロックすることができる。
なお、本実施形態においては、腿パッドシャフト53及びロックシャフト54はそれぞれ腿パッドシャフト切欠部53a及びロックシャフト切欠部54aを有することでロック状態、アンロック状態が切り替え可能であったが、他の構造によりロック状態、アンロック状態が切り替え可能であってもよい。例えば、一方に凸部が突設され、他方に当該凸部と嵌合する凹部が形成されていてもよい。ただし、腿パッドシャフト53とロックシャフト54とを当接させることでロック状態とする本実施の形態では、腿パッドシャフト53やロックシャフト54に負荷がかかりにくく、破損等のおそれを減らすことができる。
次に、パッド支持体50が有する回動制限機構55について説明する。図11は、回動制限機構55を説明する図であり、(a)はロック状態を示し、(b)はアンロック状態を示す。回動制限機構55は、主として、回動制限プレート55aと、回動制限ピン55bとを有する。
回動制限プレート55aは、少なくとも一部分が切除された略円板形状の部材である。回動制限プレート55aの略中央には略小判形状のロックシャフト嵌合孔55cが設けられている。ロックシャフト嵌合孔55cにロックシャフト54(ここでは嵌合部54b)が嵌合することで、回動制限プレート55aはロックシャフト54の回動(切替部材80の動作)にともなって回動する。
回動制限プレート55aの切除部分の形状は、2つの凹部55d、55eと、凹部55d、55eの間を滑らかに連結する凸部55fと、により構成されている。凹部55d及び凹部55eの形状は、略同一である。
回動制限ピン55bは、フレーム52に設けられており、フレーム52の正面側(−y側)に突出する略円柱状のピン(凸部)である。回動制限ピン55bの外周形状は、凹部55d、及び凹部55eの形状に対応している。回動制限プレート55aは、回動制限ピン55bが凹部55d、凸部55f、及び凹部55eに沿って摺動する範囲で回動する。回動制限ピン55bは、凹部55d、凸部55f、及び凹部55eのいずれかに当接している。
回動制限ピン55bが凹部55d、55eに当接することで、回動制限プレートの回動が規制される。図11(a)に示すロック状態において、回動制限ピン55bは凹部55eに当接している。図11(a)の状態から切替部材80が操作されると、ロックシャフト54が回動し、これにともなって回動制限プレート55aが回動する。回動制限プレート55aが回動すると、凹部55eに嵌合されていた回動制限ピン55bは、凸部55fに沿って摺動して、図11(b)に示すように凹部55dに嵌合する。回動制限ピン55bが凹部55dに嵌合されているときは、腿パッドシャフト53とロックシャフト54とが当接していないアンロック状態である。
回動制限ピン55bが凹部55dに嵌合し、また回動制限ピン55bが凹部55eに嵌合すると、ロックシャフト54の回動が停止する。すなわち、回動制御機構55により、ロックシャフト54の回転角度範囲を制限し、ロックシャフト54不要に回転し過ぎてしまうのを防ぐことができる。また、ロックシャフト54の回動がロック状態又はアンロック状態で停止するため、ロック状態とアンロック状態とを確実に切り替えることができる。また、凸部55fは凸形状であるため、回動制限ピン55bが凸部55fに安定して位置せず、凸部55f又は凹部55eに向けて回動制限ピン55bが移動する。
ただし、回動制限ピン55bが凸部55fに沿って摺動する構成は必須ではない。少なくとも、ロック状態とアンロック状態で回動制限ピン55bが凹部55d、55eに当接すればよく、ロック状態とアンロック状態を移行する間において回動制限ピン55bが凸部55fに当接していなくてもよい。
さらに、回動制限機構55は、回動制限プレート55aの厚さ、又は回動制限ピン55bの突出量分の厚さのスペースで実現でき、パッド支持体50を薄く構成することができる。
本実施の形態においては、ロックシャフト54の回動範囲は略90度であるが、ロックシャフト54の回動範囲は略90度でなくてもよく、腿パッドシャフト53及びロックシャフト54の外径、ならびに腿パッドシャフト切欠部53a及びロックシャフト切欠部54aの形状に応じて異なる回動範囲としてもよい。例えば、ロックシャフト54の径を大きくして、ロックシャフト切欠部54aの大きさを小さくすると、必要な回動範囲は90度よりも小さくなる。また、回動範囲を大きく設定すると、ロックシャフト54の径を小さくすることができる。
また、本実施の形態の回動制限機構55では、回動制限ピン55bは回動制限プレート55aの外周面に当接していたが、回動制限機構55の形態はこれに限られない。例えば、回動制限プレートに長孔が設けられ、回転制限ピンが当該長孔の中を摺動するように構成されていてもよい。
次に、パッド支持体50が有する回転角度誘導機構56について説明する。図12は、回転角度誘導機構56を説明する図であり、(a)、(b)はアンロック状態における横断面図及び正面図であり、(c)、(d)はアンロック状態からロック状態に至る、又はロック状態からアンロック状態に至る途中の状態を示す横断面図及び正面図である。なお、図12では、回転角度誘導機構56が視認できるようにカバー70等を外した正面図を示している。
回転角度誘導機構56は、腿パッドシャフト53のフレーム52に対する回動角度が、あらかじめ定められる所定位置になるよう誘導する機構であり、回動制限機構55の表側(−y側)に設けられている。回転角度誘導機構56は、主として、カムプレート58と、スライダプレート57と、スライダプレート57に力を付勢するスライダ弾性部材59と、を有する。
カムプレート58は、略正方形の平板状の部材であり、ロックシャフト54の回動にともなって回動する。カムプレート58は、略中央に、カムプレート58を厚さ方向に貫通するカム孔58b(図6参照)を有する。カム孔58bにロックシャフト54の嵌合部54bが嵌合することで、カムプレート58がロックシャフト54の回動にともなって回転する。
カムプレート58の側面は、隣接する2個の直線部58d、58eと、直線部58dと直線部58eとの間に設けられた略円弧形状の角部58cを有する。角部58cは、径方向外側に突出している。カムプレート58の回転中心と角部58cとの距離をA、カムプレート58の回転中心と直線部58d、58eとの最短距離をBとすると、A>Bである。
本実施形態では、カムプレート58は、y方向から見て略正方形であり、直線部58dと直線部58eとのなす角度は略90度であるが、カムプレート58の形態はこれに限られない。カムプレート58は、突出した角部を有し、かつ外周面の回転中心から端部までの距離が異なるいわゆるカムであれば、形状は問わない。例えば、カムプレート58は、略長方形であってもよいし、略楕円形、略長円形、その他これらを組み合わせたような形状であってもよい。
スライダプレート57は、平板状の部材であり、カムプレート58に隣接して配置される。スライダプレート57とカムプレート58とは面で接触する。スライダプレート57は、主として、スライダ孔57bと、リブ57cと、弾性部材当接部57dとを有する(図7参照)。
スライダ孔57bは、スライダプレート57を厚さ方向に貫通する孔である。スライダ孔57bは、内部でロックシャフト54が回転するのに十分な大きさを有する。スライダ孔57bとロックシャフト54は嵌合しておらず、ロックシャフト54の回動に伴ってスライダプレート57は回転しない。
リブ57cは、スライダプレート57の−x側の端部に突設されている凸部である。リブ57cは、スライダプレート57の+z方向に渡って形成されている。リブ57cは、カムプレート58に当接する。リブ57cの突出量は、カムプレート58の厚さと同等又は同等以上である。
弾性部材当接部57dは、スライダプレート57の+y側に突出する凸部である。弾性部材当接部57dは、フレーム52が有する弾性部材収容部52cの開口部分を覆うように突出している。
スライダ弾性部材59は、例えばコイルバネであり、フレーム52の弾性部材収容部52cに収容される。スライダ弾性部材59の一端は弾性部材当接部57dの内側の側面(−x方向を向く面)に設けられ、他端はフレーム52に設けられる。これにより、スライダ弾性部材59は、リブ57cをカムプレート58に押し付ける。
図12(a)、(b)に示すように、ロックシャフト54がアンロック状態にあるとき、カムプレート58の直線部58dとリブ57cとが当接している。直線部58dとリブ57cは、略平行である。
図12(c)、(d)に示すように、ロックシャフト54が図(a)、(b)に示す状態から反時計回りに略45度回動すると、リブ57cと角部58cとが当接する。カムプレート58の回転中心と角部58cとの距離Aは、カムプレート58の回転中心と直線部58d、58eとの最短距離Bより大きい(A>B)ため、スライダプレート57はスライダ弾性部材59の付勢力に抗して−x側へ移動する。
ロックシャフト54が反時計回りにさらに略45度回動してロック状態となると、直線部58eとリブ57cとが当接する。このとき、スライダプレート57はスライダ弾性部材59の付勢力により+x方向に移動される。
ロックシャフト54の回転範囲のうち、アンロック状態とロック状態との間の状態においては、カムプレート58の回転中心と外周面との距離が徐々に長くなっていくため、スライダプレート57はスライダ弾性部材59の付勢力に抗して−x方向に徐々に移動する。このとき、スライダプレート57には、スライダ弾性部材59により、スライダプレート57を+x方向に移動させようとする力が付勢される。つまり、スライダ弾性部材59は、カムプレート58の回転中心と外周面との距離が短くなるようにカムプレート58を回動させる。このように、カムプレート58は、スライダプレート57及びスライダ弾性部材59により、ロック状態とアンロック状態との間の位置では安定せず、ロック状態又はアンロック状態となるように誘導される。
なお本実施形態では、回動制限機構55と回転角度誘導機構56は、互いに異なる部材により構成されていたが、回動制限機構と回転角度誘導機構とが同一の部材により構成されていてもよい。例えば、カムプレート58が回動制限機構を備えていてもよい。より具体的には、カムプレート58の角部58c、直線部58d、58e以外の部分に凹部を設け、スライダプレート57の対応する位置にピンが設けられていてもよい。
次に、パッド支持体50が有する押当機構60について説明する。図13は、パッド支持体50の縦断面図であって、押当機構60の近傍を拡大表示した図である。図14は、押当機構60の近傍におけるパッド支持体50の横断面図である。押当機構60は、主として、押当部材60aと、弾性部材60bと、押当弾性部材保持部60cと、腿パッドシャフト53が有する押当部材嵌合部53e及び53fと、により構成される。
押当部材60aは、押当部材嵌合部53e、53fに挿入される略球状の部材である。押当部材60aの腿パッドシャフト53側の領域は、押当部材嵌合部53e、53fに当接可能である。押当部材60aの腿パッドシャフト53と反対側の領域には、弾性部材60bの一端が設けられている。
弾性部材60bは、例えばコイルバネであり、一端が押当部材60aに設けられ、他端が押当弾性部材保持部60cに設けられている。押当弾性部材保持部60cは、フレーム52に+x方向に沿って設けられた穴52hを覆うように設けられている。弾性部材60bは、押当弾性部材保持部60c及び穴52hの内部に収容されている。これにより、弾性部材60bは、押当部材60aを押当部材嵌合部53e、53fの底面に向けて押圧する。
押当部材嵌合部53e、53fは、腿パッドシャフト53の側面に形成された凹部であり、本実施形態においては、押当部材嵌合部53e及び53fは、略半球状の窪みである。平面視において(図14参照)、押当部材嵌合部53eと腿パッドシャフト53の中心軸とを結ぶ線と、押当部材嵌合部53fと腿パッドシャフト53の中心軸とを結ぶ線とは略90度の角度をなす。
補助状態と解除状態との間の状態においては、押当部材60aが腿パッドシャフト53の側面(外周面)に当接し、弾性部材60bが圧縮されるが、補助状態又は解除状態においては、弾性部材60bが伸びることで押当部材60aが押当部材嵌合部53e、53fに挿入される。この構成により、腿パッドシャフト53が補助状態又は解除状態に配置されたときに、使用者がクリック感を与えられるため、使用者が補助状態又は解除状態にあることを容易に認識することができる。
なお、押当部材60aは略球状に限られない。ただし、押当部材60aの押当部材嵌合部53e及び53fとの当接領域が曲面であると、押当部材60aが押当部材嵌合部53e及び53fに滑り込むように挿入されるため、好適である。
また、押当機構60の形態はこれに限られない。例えば腿パッドシャフト53に細長い窪みを配置して、押当部材60aを当該窪みに沿って摺動させてもよい。すなわち、腿パッドシャフト53の外側面が円筒カムの機能を有し、押当部材60aがこの円筒カムにより押当部材嵌合部53e及び53fに誘導されるように構成してもよい。
次に、腿パッドシャフト53を内側に付勢する付勢機構について説明する。図15は、動作補助装置1の部分拡大図である。付勢機構は、フレーム52と取付部51との間に設けられた弾性部材91を有する。
弾性部材91は、例えばねじりコイルばねであり、2本の腕91a、91bと、巻回部91cと、を有する。弾性部材91の第1端である腕91aは取付部51に設けられ、第2弾性部材のである腕91bはフレーム52に設けられている。本実施形態では、巻き込み、巻き戻し方向の負荷がかかっていない状態において、腕91a、91bのなす角度は略90度である。弾性部材91の巻回部91cには、取付部シャフト51bが挿入される。
図16は、弾性部材91が腿パッドシャフト53を付勢する様子を模式的に示す図であり、(a)は通常状態を示し、(b)は(a)に示す状態から腿パッドシャフト53が外側に開かれている状態を示す図である。図16(a)に示す通常状態では、取付部材51aとフレーム52とのなす角度は、腕91a、91bのなす角度と同じであり、略90度である。
図14(b)に示すように、取付部材51aとフレーム52とのなす角度が90度より大きくなると、弾性部材91は、取付部材51aとフレーム52とのなす角度が小さくなる方向の力を取付部材51a及びフレーム52に付勢する。
使用者がパッド34を装着している状態において、使用者が身体の左右外側に向けて開脚すると、フレーム52及び腿パッドシャフト53が、取付部シャフト51bを中心に回動するため、使用者の開脚の動きを妨げることがない。また、弾性部材91は、使用者の開脚を戻す(取付部材51aとフレーム52とのなす角度が略90度となる)ように使用者を補助することができる。
本実施の形態によれば、腿パッドシャフト53を回動させることで、パッド34が使用者の大腿部前面側にある補助状態から、パッド34が使用者の大腿部前面側から退避している解除状態にすることができる。つまり、動作補助装置1を装着した状態でも容易に動作補助機能を解除することができ、解除状態において使用者の動作を妨げないようにすることができる。
また、本実施の形態によれば、腿パッドシャフト53が回動できないロック状態と、腿パッドシャフト53が回動可能なアンロック状態とを容易に切り替えることができる。また、ロック状態とすることで、意図に反して腿パッドシャフト53が回動してしまうことを防止することができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、切替部材80の回転操作によりロック状態とアンロック状態とを切り替えたが、切り替え操作の形態はこれに限られない。本発明の第2の実施形態は、切替部材80の押し引き操作によりロック状態とアンロック状態とを切り替える形態である。以下、本発明の第2の実施形態に係る動作補助装置ついて、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。以下、第1の実施形態と同一の部材については、同じ符号を付し、説明を省略する。
図17は、動作補助装置が備えるパッド支持体150の斜視図である。図18(a)は、パッド支持体150の要部斜視図であり、図18(b)はパッド支持体150の縦断面図である。パッド支持体150は、主として、取付部51と、腿パッドシャフト153と、ロックシャフト154と、ブラケット160と、フレーム170と、プッシュ式切替部材180と、を備える。プッシュ式切替部材180は、腿パッドシャフト153が回動不能なロック状態と、腿パッドシャフト153が回動可能なアンロック状態と、を切り替える。
プッシュ式切替部材180は、フレーム170に設けられた部材であり、y方向に移動である(図18(b)の矢印参照)。プッシュ式切替部材180は、フレーム170の正面視略中央に設けられている。プッシュ式切替部材180は、使用者により、外部からフレーム170に向けて押し込むことが可能であり、フレーム170から引き出すことが可能である。プッシュ式切替部材180には、ロックシャフト154が嵌合している。プッシュ式切替部材180を押し込み、又は引き出すことで、ロックシャフト154はプッシュ式切替部材180と同じ方向に移動する。
フレーム170は、x方向、y方向に幅を有する中空の部材であり、中空部分は空間170bである。フレーム170は、腿パッドシャフト153に固定されており、ロックシャフト154及びプッシュ式切替部材180を保持する。フレーム170には、ロックシャフト154が挿通される孔170aが設けられている。
ブラケット160は、空間170b内に設けられており、フレーム170に当接する。ブラケット160は、略中央にロックシャフト154が挿入される孔が形成される。
ロックシャフト154は、半径方向に突出するピン154aを備える。ピン154aは、ロックシャフト154の軸と略直交する方向(ここではz方向)に設けられ、ロックシャフト154の両側から突出している。なお、ピン154aは、片側からのみ突出していてもよい。また、ピン154aは、x方向に設けられていてもよい。
ピン154aは空間170bの内部に配置されており、ロックシャフト154の押し込み及び引き出しの動作にともなって空間170bの内部をy方向に移動する。
腿パッドシャフト153は、軸方向(z方向)と異なる方向(ここでは、略直交する方向)に設けられたロックシャフト穴153gを有する。ロックシャフト穴153gには、ロックシャフト154が挿入される。
なお本実施の形態では、ロックシャフト穴153gは、腿パッドシャフト53の中心軸を通るように設けられていたが、腿パッドシャフト53外周面寄りに設けられていてもよい。
プッシュ式切替部材180が押し込まれた状態においては、ロックシャフト154の先端部154bがロックシャフト穴153gに挿入されており、腿パッドシャフト153がz軸回りに回転することができないロック状態である。ロック状態では、ピン154aが腿パッドシャフト153に当接し、プッシュ式切替部材180及びロックシャフト154をこれ以上押し込むことはできない。
プッシュ式切替部材180が引き出された状態においては、ロックシャフト154の先端部154bはロックシャフト穴153gに挿入されておらず、腿パッドシャフト53がz軸回りに回動可能なアンロック状態である。このとき、ピン154aはブラケット160に当接し、プッシュ式切替部材180はこれ以上引き出されない。
ロックシャフト154の外周面には、略円環形状の溝154c、154dが形成されている。溝154cには、図示しない押当部材が挿入される。図示しない押当部材は、弾性部材155により、溝154c、154dの底面に向けて押圧される。ロック状態では図示しない押当部材が溝154cに当接し、アンロック状態では図示しない押当部材が溝154dに当接する。これにより、アンロック状態又はロック状態に配置されたときに、使用者がクリック感を与えられる。なお、溝154c、154dのかわりに凹部が形成されていてもよい。
本実施の形態によれば、腿パッドシャフト153を回動させることで、パッド34が使用者の大腿部前面側にある補助状態から、パッド34が使用者の大腿部前面側から退避している解除状態にすることができる。また、腿パッドシャフト153が回動できないロック状態と、腿パッドシャフト153が回動可能なアンロック状態とを容易に切り替えることができる。また、ロック状態とすることで、意図に反して腿パッドシャフト153が回動してしまうことを防止することができる。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の技術的思想は、動作補助装置以外にも適用可能である。
また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、略平行、略直交とは、厳密に平行、直交の場合には限られない。また、例えば、単に平行、直交等と表現する場合においても、厳密に平行、直交等の場合のみでなく、略平行、略直交等の場合を含むものとする。また、本発明において「近傍」とは、例えばAの近傍であるときに、Aの近くであって、Aを含んでも含まなくてもよいことを示す概念である。