JP2019216663A - 植物栽培方法及び植物栽培用照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物の成長を促進させると共に葉を薄く拡げる形態形成を行わせることができるようにする。【解決手段】ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射されるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、植物栽培方法及び植物栽培用照明装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、例えば、人工光を利用して植物を栽培する植物工場において葉菜の類いの栽培に用いて特に好適な植物栽培方法及び植物栽培用照明装置に関する。
植物の成長/生長を促進する方法として、人工光源から発生する光を植物に照射する試みが従来から行われている。
人工光源から発生する光を植物に照射して植物を育成する従来の植物育成方法として、光源より発せられる光を植物に照射して植物を育成する際に、蛍光灯から波長530〜570 nm の光を含む光源光を発光し、前記光源光をナイルレッドを含有する透明フィルムで受光して、波長620〜660 nm の範囲内の照射光とし、当該照射光を植物に照射して植物を育成する方法がある(特許文献1)。
特開2013−153666号公報
特許文献1の植物育成方法では、波長620〜660 nm の範囲内の照射光を植物に照射するようにしている。
しかしながら、本発明者は、植物の成長/生長を促進する方法の検討を行う中で、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光またはピーク波長が600 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光を照射することにより、またそのような光を特に強光で照射することにより、成長が促進されること及び葉を薄く拡げる形態形成が行われることを突き止めた。
そこで、本発明は、植物の成長を促進させると共に葉を薄く拡げる形態形成を行わせることができる植物栽培方法及び植物栽培用照明装置を提供することを目的とする。
本発明は発明者独自の新たな知見に基づくものであり、本発明に係る植物栽培方法は、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射されるようにしている。
本発明に係る植物栽培方法は、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射されるようにしても良い。
本発明に係る植物栽培方法は、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光,ピーク波長が500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光,及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が600 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射されるようにしても良い。
また、本発明に係る植物栽培用照明装置は、植物に対して人工光を照射する装置であり、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部を備え、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光を照射するようにしている。
本発明に係る植物栽培用照明装置は、植物に対して人工光を照射する装置であり、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部を備え、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光を照射するようにしても良い。
本発明に係る植物栽培用照明装置は、植物に対して人工光を照射する装置であり、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部,ピーク波長が500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部,及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部を備え、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光,ピーク波長が500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光,及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が600 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光を照射するようにしても良い。
これらの植物栽培方法や植物栽培用照明装置によると、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光またはピーク波長が600 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射されることにより、植物の成長が促進されると共に葉を薄く拡げる形態形成が行われる。
ここで、従来の人工光栽培は、基本的に赤色光(具体的には、ピーク波長が凡そ600〜700 nm の範囲である光)を用いた上で青色光や遠赤色光を添加することで成育を制御しようとしており、すなわち、赤色光を含むことを前提としている。また、赤色光を含まない光照射下では植物が徒長してしまって健全に育成することができないとこれまでは一般的には考えられており、赤色光を含まない光照射条件が選択されることはなかった。
これに対して本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、赤色光を含まない光照射条件としている点において従来とは異なる考え方に基づいている。
また、遠赤色光は青色光と比較して強い伸長・伸展促進効果を発揮するため、青色光と遠赤色光との組み合わせを用いることで、一層高い光合成有効光量子束密度環境下での栽培が可能となって成長促進が図られる。なお、遠赤色光は通常は光合成有効光量子束密度にカウントしないが、照射される光に遠赤色光が含まれる場合は、遠赤色光の光量子束密度を含むものを「光合成有効光量子束密度」として表記して説明する。
本発明の植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、植物が受ける光の強さとしての光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であるように光が照射されるようにしても良い。この場合には、上述のような所定の光が特に強光で照射されることにより、植物の成長促進と葉を薄く拡げる形態形成とが一層良好に行われる。
ここで、強光下では一般に植物は萎縮した形態になり、受光面積が小さいことに起因して純光合成速度が低くなることが成長促進の障害になると考えられる。また、萎縮した農作物は、外観評価が低く、商品価値が低下してしまう。しかしながら本発明者の知見によると、青色光及び/又は遠赤色光を強光条件で照射することにより、萎縮を防ぎ、葉の伸展や茎の伸長を促進することが可能である。ただし、この伸展・伸長促進効果は赤色光によって打ち消されたり弱められたりする。このため、青色光及び/又は遠赤色光を含む一方で赤色光を含まない光を照射することにより、強光下でも植物の萎縮を防ぎつつ葉の伸展や茎の伸長を促進することが可能であり、結果として成長/生長を促進することが可能である。
本発明の植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光のピーク波長が414 nm 以上且つ438 nm 以下の範囲であるようにしても良い。この場合には、植物の成長促進と葉を薄く拡げる形態形成とに対して一層望ましい光が照射される。
本発明の植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、ピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光のピーク波長が720 nm 以上且つ744 nm 以下の範囲であるようにしても良い。この場合には、植物の成長促進と葉を薄く拡げる形態形成とに対して一層望ましい光が照射される。
本発明の植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、照射される光が24時間当たり14時間以上照射されるようにしても良い。上述のような所定の光が適当な時間に亙って照射されることにより、植物の成長促進と葉を薄く拡げる形態形成とが一層良好に行われる。
本発明の植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、葉菜に前記光を照射するようにしても良い。この場合には、葉菜の栽培において上述の作用が奏される。なお、本発明者の知見によると、上述のような所定の波長の光を含む光を照射することによる植物の成長促進と葉を薄く拡げる形態形成とは、葉菜の栽培において特に顕著に見られる。
本発明の植物栽培方法や植物栽培用照明装置によれば、所定の波長の光を含む一方で赤色光を含まない光が照射されることにより、植物の成長を促進させると共に葉を薄く拡げる形態形成を行わせて植物の成長速度(言い換えると、重量増加速度)を向上させることができ、延いては人工光を利用する植物栽培手法としての有用性の向上を図ることが可能になる。
本発明の植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、植物が受ける光の強さとしての光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であるように光が照射されるようにした場合には、植物の成長促進と葉を薄く拡げる形態形成とを一層良好に行わせることができる。
本発明の植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、24時間当たり14時間以上照射されるようにした場合には、植物の成長促進と葉を薄く拡げる形態形成とを一層良好に行わせることができる。
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置の実施形態の例を説明する概念図である。(A)は第一の実施形態の一例を説明する概念図である。(B)は第二の実施形態の一例を説明する概念図である。(C)は第三の実施形態の一例を説明する概念図である。 実施例1の各光照射パターンの構成を説明する概念図である。 参考例で用いられた白色発光ダイオードの発光スペクトルを示す図である。 参考例で用いられた青色発光ダイオードの発光スペクトル及び赤色発光ダイオードの発光スペクトルを示す図である。 実施例1の光照射パターン毎の成長/成長の態様を示す図である。 実施例1の光照射パターン毎の地上部生体重を示す図である。 実施例1の光照射パターン毎の葉面積を示す図である。 実施例1の光照射パターン毎の葉長を示す図である。 実施例1の光照射パターン毎の葉幅を示す図である。 参考例の光合成有効光量子束密度の日平均が50 μmolm-2-1 である場合の各光照射パターンの構成を説明する概念図である。 参考例の光合成有効光量子束密度の日平均が100 μmolm-2-1 である場合の各光照射パターンの構成を説明する概念図である。 参考例の光合成有効光量子束密度の日平均が200 μmolm-2-1 である場合の各光照射パターンの構成を説明する概念図である。 参考例の光合成有効光量子束密度の日平均が50 μmolm-2-1 である場合の光照射パターン毎の成長/生長の態様を示す図である。 参考例の光合成有効光量子束密度の日平均が100 μmolm-2-1 である場合の光照射パターン毎の成長/生長の態様を示す図である。 参考例の光合成有効光量子束密度の日平均が200 μmolm-2-1 である場合の光照射パターン毎の成長/生長の態様を示す図である。 参考例の光合成有効光量子束密度の日平均が50 μmolm-2-1 である場合の光照射パターン毎の成長/生長の体相を示す図である。(A)は地上部乾物重を示す図である。(B)は葉面積を示す図である。(C)は葉長を示す図である。 参考例の光合成有効光量子束密度の日平均が100 μmolm-2-1 である場合の光照射パターン毎の成長/生長の体相を示す図である。(A)は地上部乾物重を示す図である。(B)は葉面積を示す図である。(C)は葉長を示す図である。 参考例の光合成有効光量子束密度の日平均が200 μmolm-2-1 である場合の光照射パターン毎の成長/生長の体相を示す図である。(A)は地上部乾物重を示す図である。(B)は葉面積を示す図である。(C)は葉長を示す図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の例に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明に係る植物栽培方法及び植物栽培用照明装置の実施形態の例を示す。
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、例えば、人工光を利用して植物を栽培する植物工場で利用され得る手法や仕組みである。なお、図1は、本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置の構成を説明するためのあくまでも概念図であり、形状・構造や相互の寸法関係などを厳密に表すものではない。
植物20は、例えば、培養土や栽培用の培地等が入れられたプランター、或いは、水耕栽培用の培養液等が入れられた水槽などの、栽培容器19に栽植される(図1)。
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、特に、植物のうち葉菜の栽培に用いられることにより、葉菜の成長を促進させる(言い換えると、成長速度を向上させる)と共に葉を薄く拡げる形態形成を行わせることが可能である。なお、本発明の成長促進効果は主に葉の伸展による受光面積拡大(付け加えると、受光面積拡大の結果としての光合成促進)によるものである。したがって、栽植密度が高いために相互遮蔽が発生する状況では葉の伸展による受光面積拡大効果が小さく、結果的に成長促進効果も小さくなると考えられる。このため、本発明は相互遮蔽が発生していない状況で特に効果を発揮する(但し、相互遮蔽が発生していない状況であることが本発明の必須の要件ではない)。
(1)第一の実施形態:青色光の単独照射を含む態様
本実施形態の植物栽培方法は、植物20に対して、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射されるようにしている。
本実施形態の植物栽培方法は、一層特定された態様としては、植物20に対して、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光のみが照射されるようにしている。
本実施形態の植物栽培方法は、また、植物20が受ける光の強さとしての光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であるように光が照射されるようにしている。
また、本実施形態の植物栽培用照明装置11(単に「照明装置11」とも記載する)は、植物20に対して人工光を照射する装置であり、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部(「青色光出射部1」と呼ぶ)を備え、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光を照射するようにしている(図1(A))。
本実施形態の植物栽培用照明装置11は、また、植物20が受ける光の強さとしての光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であるように光が照射されるようにしている。
すなわち、本実施形態の植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、赤色光を含む領域の光(具体的には、ピーク波長((即ち、発光強度が最大になる波長))が凡そ500〜700 nm の範囲である光)を用いないことを特徴とし、青色光(具体的には、ピーク波長が凡そ400〜500 nm の範囲である光)を植物20に対して照射すること、特に前記青色光を強光(具体的には、光合成有効光量子束密度が凡そ200 μmolm-2-1 以上)で植物20に対して照射することを特徴とする。
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置では、上記青色光として、光受容体であるフィトクロムの反応を一層良好に促すため、ピーク波長が凡そ410 nm 以上且つ470 nm 以下の範囲である光が含まれることが好ましく、ピーク波長が凡そ414 nm 以上且つ438 nm 以下の範囲である光が含まれることが更に好ましく、ピーク波長が424 nm 程度である光が含まれることが最も好ましい。
照明装置11は、植物20に照射するための光を出射する(言い換えると、発光する)光出射部(即ち本実施形態では、青色光出射部1)を備え、植物20の通常は上方に配置されることが考えられる。ただし、照明装置11は、植物20の上方に加えて側方にも配置されるようにしても良く、或いは、植物20の側方のみに配置されるようにしても良い。
青色光出射部1は、ピーク波長が凡そ400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射/発光する。なお、上述した理由から、ピーク波長が、凡そ410 nm 以上且つ470 nm 以下の範囲であることが好ましく、凡そ414 nm 以上且つ438 nm 以下の範囲であることが更に好ましく、424 nm 程度であることが最も好ましい。
青色光出射部1が植物20に受光させる光の光合成有効光量子束密度は、200〜500 μmolm-2-1 程度であることが好ましく、200〜450 μmolm-2-1 程度であることが一層好ましく、250〜400 μmolm-2-1 程度であることが更に一層好ましく、250〜350 μmolm-2-1 程度であることが最も好ましい。
青色光出射部1は、上記の波長に対応する単色光を出射/発光する仕組みでも良く、或いは、凡そ400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲に少なくとも一つの波長のピークを有していれば混色光を出射/発光する仕組みでも良いものの、ピーク波長が凡そ500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光は出射/発光しない仕組みである。
青色光出射部1は、所定の光を出射/発光する仕組みの纏まりとして、一基が備えられるようにしても良く、或いは、複数基が備えられるようにしても良い。また、各青色光出射部1は、一個の光源を有するものとして構成されるようにしても良く、或いは、複数個の光源を有するものとして構成されるようにしても良い。
青色光出射部1は、具体的には例えば、発光ダイオードなどの半導体発光素子を一個若しくは複数個有するものとして構成され得る。
青色光出射部1は、或いは、適当なカラーフィルタやバンドパスフィルタなどの光線を操作する手段や機序が利用されて特定の波長域の光を発するようにした光源を有するものとして構成されるようにしても良い。具体的には例えば、白色光を発光する蛍光灯にカラーフィルタが取り付けられてピーク波長が凡そ400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を発するようにした光源を有するものとして構成されるようにしても良い。
青色光出射部1によって一日中24時間連続で光照射が行われる(即ち、光照射が中断される暗期処理が行われない)ようにしても良く、或いは、光照射が行われる明期と光照射が中断される暗期とが所定の周期で繰り返される、即ち明暗周期があるようにしても良い。
明暗周期があるように構成される場合、光照射(即ち、青色光の単独照射)が行われる明期が、一日24時間のうち、14〜24時間であることが好ましく、16〜22時間であることが一層好ましく、18〜20時間であることが更に好ましい。
上記の内容による光の照射が行われる期間(別言すると、日数)は、植物(本発明では特に、葉菜)の種類によって異なり、植物(本発明では特に、葉菜)の種類によって適切な期間(日数)が適宜調節されて設定される。具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、レタスやほうれん草の場合、播種後7日程度経過した苗が栽培容器19に移植/栽植されてから大凡21日程度にわたって上記の内容による光の照射が行われることが考えられる。
以上のように構成された第一の実施形態の植物栽培方法や植物栽培用照明装置によれば、青色光を照射するようにしているので、光受容体であるフォトトロピンの反応が促されて葉の平坦化(言い換えると、葉全体がお椀状に丸まることがないと共に葉の表面に凹凸が少ないフラットな形態形成)を促進させることができると共に、単独照射することで光受容体であるフィトクロムの反応が促されて伸長・伸展(言い換えると、葉を薄く拡げる形態形成)を促進させることができる。このため、葉の受光面積を大きくして純光合成速度を高めて植物(本発明では特に、葉菜)の成長/生長を促進させることができる。
(2)第二の実施形態:青色光及び遠赤色光の照射を含む態様
本実施形態の植物栽培方法は、植物20に対して、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射されるようにしている。
本実施形態の植物栽培方法は、一層特定された態様としては、植物20に対して、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光のみが照射されるようにしている。
本実施形態の植物栽培方法は、また、植物20が受ける光の強さとしての光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であるように光が照射されるようにしている。すなわち、ピーク波長が上記の範囲である光の合計の光合成有効光量子束密度(尚、遠赤色光の光量子束密度を含む)が200 μmolm-2-1 以上であるようにしている。
また、本実施形態の植物栽培用照明装置12(単に「照明装置12」とも記載する)は、植物20に対して人工光を照射する装置であり、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部(「青色光出射部1」と呼ぶ)及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部(「遠赤色光出射部2」と呼ぶ)を備え、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光を照射するようにしている(図1(B))。
本実施形態の植物栽培用照明装置12は、また、植物20が受ける光の強さとしての光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であるように光が照射されるようにしている。すなわち、ピーク波長が上記の範囲である光の合計の光合成有効光量子束密度(尚、遠赤色光の光量子束密度を含む)が200 μmolm-2-1 以上であるようにしている。
すなわち、本実施形態の植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、赤色光を含む領域の光(具体的には、ピーク波長が凡そ500〜700 nm の範囲である光)を用いないことを特徴とし、青色光(具体的には、ピーク波長が凡そ400〜500 nm の範囲である光)と遠赤色光(具体的には、ピーク波長が凡そ700〜800 nm の範囲である光)とを植物20に対して照射すること、特に前記青色光と遠赤色光とからなる多色光を強光(具体的には、光合成有効光量子束密度が凡そ200 μmolm-2-1 以上)で植物20に対して照射することを特徴とする。
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置では、上記青色光として、光受容体であるフィトクロムの反応を一層良好に促すため、ピーク波長が凡そ410 nm 以上且つ470 nm 以下の範囲である光が含まれることが好ましく、ピーク波長が凡そ414 nm 以上且つ438 nm 以下の範囲である光が含まれることが更に好ましく、ピーク波長が424 nm 程度である光が含まれることが最も好ましい。
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置では、上記遠赤色光として、光受容体であるフィトクロムの反応を一層良好に促すため、ピーク波長が凡そ716 nm 以上且つ780 nm 以下の範囲である光が含まれることが好ましく、ピーク波長が凡そ720 nm 以上且つ744 nm 以下の範囲である光が含まれることが更に好ましく、ピーク波長が734 nm 程度である光が含まれることが最も好ましい。
照明装置12は、植物20に照射するための光を出射する(言い換えると、発光する)光出射部(即ち本実施形態では、青色光出射部1及び遠赤色光出射部2)を備え、植物20の通常は上方に配置されることが考えられる。ただし、照明装置12は、植物20の上方に加えて側方にも配置されるようにしても良く、或いは、植物20の側方のみに配置されるようにしても良い。
青色光出射部1は、ピーク波長が凡そ400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射/発光する。なお、上述した理由から、ピーク波長が、凡そ410 nm 以上且つ470 nm 以下の範囲であることが好ましく、凡そ414 nm 以上且つ438 nm 以下の範囲であることが更に好ましく、424 nm 程度であることが最も好ましい。
青色光出射部1が植物20に受光させる光の光合成有効光量子束密度は、200〜500 μmolm-2-1 程度であることが好ましく、200〜450 μmolm-2-1 程度であることが一層好ましく、250〜400 μmolm-2-1 程度であることが更に一層好ましく、250〜350 μmolm-2-1 程度であることが最も好ましい。
遠赤色光出射部2は、ピーク波長が凡そ700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を出射/発光する。なお、上述した理由から、ピーク波長が、凡そ716 nm 以上且つ780 nm 以下の範囲であることが好ましく、凡そ720 nm 以上且つ744 nm 以下の範囲であることが更に好ましく、734 nm 程度であることが最も好ましい。
遠赤色光出射部2が植物20に受光させる光の光量子束密度は、5〜500 μmolm-2-1 程度であることが好ましく、10〜300 μmolm-2-1 程度であることが一層好ましく、10〜100 μmolm-2-1 程度であることが最も好ましい。
青色光出射部1や遠赤色光出射部2は、上記波長のそれぞれに対応する単色光を出射/発光する仕組みでも良く、或いは、凡そ400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲または凡そ700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲に少なくとも一つの波長のピークを有していれば混色光を出射/発光する仕組みでも良いものの、ピーク波長が凡そ500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光は出射/発光しない仕組みである。
青色光出射部1や遠赤色光出射部2は、所定の光を出射/発光する仕組みの纏まりとして、一基が備えられるようにしても良く、或いは、複数基が備えられるようにしても良い。また、青色光出射部1及び遠赤色光出射部2のそれぞれは、一個の光源を有するものとして構成されるようにしても良く、或いは、複数個の光源を有するものとして構成されるようにしても良い。
青色光出射部1や遠赤色光出射部2は、具体的には例えば、発光ダイオードなどの半導体発光素子を一個若しくは複数個有するものとして構成され得る。
青色光出射部1や遠赤色光出射部2は、或いは、適当なカラーフィルタやバンドパスフィルタなどの光線を操作する手段や機序が利用されて特定の波長域の光を発するようにした光源を有するものとして構成されるようにしても良い。具体的には例えば、白色光を発光する蛍光灯にカラーフィルタが取り付けられてピーク波長が凡そ400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光やピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を発するようにした光源を有するものとして構成されるようにしても良い。
青色光出射部1や遠赤色光出射部2によって一日中24時間連続で光照射が行われる(即ち、光照射が中断される暗期処理が行われない)ようにしても良く、或いは、光照射が行われる明期と光照射が中断される暗期とが所定の周期で繰り返される、即ち明暗周期があるようにしても良い。
明暗周期があるように構成される場合、光照射が行われる明期が、一日24時間のうち、14〜24時間であることが好ましく、16〜22時間であることが一層好ましく、18〜20時間であることが更に好ましい。
また、青色光出射部1と遠赤色光出射部2との両方から光が同時に出射/発光される時間帯と、青色光出射部1と遠赤色光出射部2とのうちの一方のみから光が出射/発光される時間帯とが混在するようにしても良い。
具体的には、下記のI乃至IVに挙げる時間帯が適宜の順番でそれぞれ適宜の時間長さで行われるようにしても良い。
I)青色光出射部1のみから光が出射される時間帯
II)遠赤色光出射部2のみから光が出射される時間帯
III)青色光出射部1と遠赤色光出射部2との両方から光が出射される時間帯
IV)青色光出射部1と遠赤色光出射部2とのどちらからも光が出射されない時間帯
上記のうち、Iの時間帯とIIIの時間帯とのうちのどちらか一方が0(零)時間であっても良い。IIの時間帯とIIIの時間帯とのうちのどちらか一方が0(零)時間であっても良い。また、IVの時間帯は0(零)時間であっても良い。
複数の光照射パターンが混在する場合、青色光出射部1のみから光が出射される時間帯(即ち、青色光の単独照射の時間帯)が、一日24時間のうち、14〜24時間であることが好ましく、16〜22時間であることが一層好ましく、18〜20時間であることが更に好ましい。
上記の内容による光の照射が行われる期間(別言すると、日数)は、植物(本発明では特に、葉菜)の種類によって異なり、植物(本発明では特に、葉菜)の種類によって適切な期間(日数)が適宜調節されて設定される。具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、レタスやほうれん草の場合、播種後7日程度経過した苗が栽培容器19に移植/栽植されてから大凡21日程度にわたって上記の内容による光の照射が行われることが考えられる。
以上のように構成された第二の実施形態の植物栽培方法や植物栽培用照明装置によれば、青色光を照射すると共に遠赤色光を照射するようにしているので、光受容体であるフォトトロピンの反応が促されて葉の平坦化(言い換えると、葉全体がお椀状に丸まることがないと共に葉の表面に凹凸が少ないフラットな形態形成)を促進させることができると共に、光受容体であるフィトクロムの反応が促されて伸長・伸展(言い換えると、葉を薄く拡げる形態形成)を促進させることができる。なお、遠赤色光は青色光と比較して強い伸長・伸展促進効果を発揮するため、青色光と遠赤色光との組み合わせを用いることで良好な環境下での栽培が可能となって成長/生長促進が図られる。このため、葉の受光面積を大きくして純光合成速度を高めて植物(本発明では特に、葉菜)の成長/生長を促進させることができる。
(3)第三の実施形態:青色光,遠赤色光,及び緑色光の照射を含む態様
本実施形態の植物栽培方法は、植物20に対して、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光,ピーク波長が500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光,及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が600 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射されるようにしている。
本実施形態の植物栽培方法は、一層特定された態様としては、植物20に対して、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光,ピーク波長が500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光,及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光のみが照射されるようにしている。
本実施形態の植物栽培方法は、また、植物20が受ける光の強さとしての光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であるように光が照射されるようにしている。すなわち、ピーク波長が上記の範囲である光の合計の光合成有効光量子束密度(尚、遠赤色光の光量子束密度を含む)が200 μmolm-2-1 以上であるようにしている。
また、本実施形態の植物栽培用照明装置13(単に「照明装置13」とも記載する)は、植物20に対して人工光を照射する装置であり、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部(「青色光出射部1」と呼ぶ),ピーク波長が500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部(「緑色光出射部3」と呼ぶ),及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部(「遠赤色光出射部2」と呼ぶ)を備え、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光,ピーク波長が500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光,及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が600 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光を照射するようにしている(図1(C))。
本実施形態の植物栽培用照明装置13は、また、植物20が受ける光の強さとしての光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であるように光が照射されるようにしている。すなわち、ピーク波長が上記の範囲である光の合計の光合成有効光量子束密度(尚、遠赤色光の光量子束密度を含む)が200 μmolm-2-1 以上であるようにしている。
すなわち、本実施形態の植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、赤色光(具体的には、ピーク波長が凡そ600〜700 nm の範囲である光)を用いないことを特徴とし、青色光(具体的には、ピーク波長が凡そ400〜500 nm の範囲である光)と緑色光(具体的には、ピーク波長が凡そ500〜600 nm の範囲である光)と遠赤色光(具体的には、ピーク波長が凡そ700〜800 nm の範囲である光)とを植物20に対して照射すること、特に前記青色光と遠赤色光と緑色光とからなる多色光を強光(具体的には、光合成有効光量子束密度が凡そ200 μmolm-2-1 以上)で植物20に対して照射することを特徴とする。
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置では、上記青色光として、光受容体であるフィトクロムの反応を一層良好に促すため、ピーク波長が凡そ410 nm 以上且つ470 nm 以下の範囲である光が含まれることが好ましく、ピーク波長が凡そ414 nm 以上且つ438 nm 以下の範囲である光が含まれることが更に好ましく、ピーク波長が424 nm 程度である光が含まれることが最も好ましい。
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置では、上記緑色光のピーク波長は、緑色光の葉の透過の程度を高めるため、光が照射される(言い換えると、栽培対象の)植物(本発明では特に、葉菜)の葉の色調に応じて適当なピーク波長が適宜選択されて設定されることが好ましい。
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置では、上記遠赤色光として、光受容体であるフィトクロムの反応を一層良好に促すため、ピーク波長が凡そ716 nm 以上且つ780 nm 以下の範囲である光が含まれることが好ましく、ピーク波長が凡そ720 nm 以上且つ744 nm 以下の範囲である光が含まれることが更に好ましく、ピーク波長が734 nm 程度である光が含まれることが最も好ましい。
照明装置13は、植物20に照射するための光を出射する(言い換えると、発光する)光出射部(即ち本実施形態では、青色光出射部1,遠赤色光出射部2,及び緑色光出射部3)を備え、植物20の通常は上方に配置されることが考えられる。ただし、照明装置13は、植物20の上方に加えて側方にも配置されるようにしても良く、或いは、植物20の側方のみに配置されるようにしても良い。
青色光出射部1は、ピーク波長が凡そ400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射/発光する。なお、上述した理由から、ピーク波長が、凡そ410 nm 以上且つ470 nm 以下の範囲であることが好ましく、凡そ414 nm 以上且つ438 nm 以下の範囲であることが更に好ましく、424 nm 程度であることが最も好ましい。
青色光出射部1が植物20に受光させる光の光合成有効光量子束密度は、200〜500 μmolm-2-1 程度であることが好ましく、200〜450 μmolm-2-1 程度であることが一層好ましく、250〜400 μmolm-2-1 程度であることが更に一層好ましく、250〜350 μmolm-2-1 程度であることが最も好ましい。
遠赤色光出射部2は、ピーク波長が凡そ700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を出射/発光する。なお、上述した理由から、ピーク波長が、凡そ716 nm 以上且つ780 nm 以下の範囲であることが好ましく、凡そ720 nm 以上且つ744 nm 以下の範囲であることが更に好ましく、734 nm 程度であることが最も好ましい。
遠赤色光出射部2が植物20に受光させる光の光量子束密度は、5〜500 μmolm-2-1 程度であることが好ましく、10〜300 μmolm-2-1 程度であることが一層好ましく、10〜100 μmolm-2-1 程度であることが最も好ましい。
緑色光出射部3は、ピーク波長が凡そ500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光を出射/発光する。
緑色光出射部3が植物20に受光させる光の光合成有効光量子束密度は、青色光出射部1が植物に受光させる光の光合成有効光量子束密度との合計で200〜500 μmolm-2-1 程度であることが好ましく、200〜450 μmolm-2-1 程度であることが一層好ましく、250〜400 μmolm-2-1 程度であることが更に一層好ましく、250〜350 μmolm-2-1 程度であることが最も好ましい。
青色光出射部1,遠赤色光出射部2,更に緑色光出射部3は、上記波長のそれぞれに対応する単色光を出射/発光する仕組みでも良く、或いは、凡そ400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲,凡そ500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲,又は凡そ700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲に少なくとも一つの波長のピークを有していれば混色光を出射/発光する仕組みでも良いものの、ピーク波長が凡そ600 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光は出射/発光しない仕組みである。
青色光出射部1,遠赤色光出射部2,更に緑色光出射部3は、所定の光を出射/発光する仕組みの纏まりとして、一基が備えられるようにしても良く、或いは、複数基が備えられるようにしても良い。また、青色光出射部1,遠赤色光出射部2,及び緑色光出射部3のそれぞれは、一個の光源を有するものとして構成されるようにしても良く、或いは、複数個の光源を有するものとして構成されるようにしても良い。
青色光出射部1,遠赤色光出射部2,更に緑色光出射部3は、具体的には例えば、発光ダイオードなどの半導体発光素子を一個若しくは複数個有するものとして構成され得る。
青色光出射部1,遠赤色光出射部2,更に緑色光出射部3は、或いは、適当なカラーフィルタやバンドパスフィルタなどの光線を操作する手段や機序が利用されて特定の波長域の光を発するようにした光源を有するものとして構成されるようにしても良い。具体的には例えば、白色光を発光する蛍光灯にカラーフィルタが取り付けられてピーク波長が凡そ400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光,ピーク波長が凡そ500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光,更にピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を発するようにした光源を有するものとして構成されるようにしても良い。
青色光出射部1,遠赤色光出射部2,更に緑色光出射部3によって一日中24時間連続で光照射が行われる(即ち、光照射が中断される暗期処理が行われない)ようにしても良く、或いは、光照射が行われる明期と光照射が中断される暗期とが所定の周期で繰り返される、即ち明暗周期があるようにしても良い。
明暗周期があるように構成される場合、光照射が行われる明期が、一日24時間のうち、14〜24時間であることが好ましく、16〜22時間であることが一層好ましく、18〜20時間であることが更に好ましい。
また、青色光出射部1,遠赤色光出射部2,及び緑色光出射部3の三つの出射部から光が同時に出射/発光される時間帯と、青色光出射部1,遠赤色光出射部2,及び緑色光出射部3の三つの出射部のうちの一つ若しくは二つから光が出射/発光される(但し、緑色光出射部3から光が出射される際には遠赤色光出射部2からも光が同時に出射される)時間帯とが混在するようにしても良い。
具体的には、下記のi乃至viに挙げる時間帯が適宜の順番でそれぞれ適宜の時間長さで行われるようにしても良い。
i)青色光出射部1のみから光が出射される時間帯
ii)遠赤色光出射部2のみから光が出射される時間帯
iii)青色光出射部1及び遠赤色光出射部2のみから光が出射される時間帯
iv)遠赤色光出射部2及び緑色光出射部3のみから光が出射される時間帯
v)青色光出射部1,遠赤色光出射部2,及び緑色光出射部3の全てから光が出射される時間帯
vi)青色光出射部1,遠赤色光出射部2,及び緑色光出射部3のいずれからも光が出射されない時間帯
上記のうち、iの時間帯,iiiの時間帯,及びvの時間帯のうちの一つ若しくは二つが0(零)時間であっても良い。iiの時間帯が0(零)時間であっても良い。ivの時間帯とvの時間帯とのうちのどちらか一方が0(零)時間であっても良い。また、viの時間帯は0(零)時間であっても良い。
複数の光照射パターンが混在する場合、青色光出射部1から光が出射される時間帯(即ち、青色光が照射される時間帯)が、一日24時間のうち、14時間以上であることが好ましく、16時間以上であることが一層好ましく、18時間以上であることが更に好ましい。
上記の内容による光の照射が行われる期間(別言すると、日数)は、植物(本発明では特に、葉菜)の種類によって異なり、植物(本発明では特に、葉菜)の種類によって適切な期間(日数)が適宜調節されて設定される。具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、レタスやほうれん草の場合、播種後7日程度経過した苗が栽培容器19に移植/栽植されてから大凡21日程度にわたって上記の内容による光の照射が行われることが考えられる。
以上のように構成された第三の実施形態の植物栽培方法や植物栽培用照明装置によれば、青色光を照射すると共に緑色光及び遠赤色光を照射するようにしているので、光受容体であるフォトトロピンの反応が促されて葉の平坦化(言い換えると、葉全体がお椀状に丸まることがないと共に葉の表面に凹凸が少ないフラットな形態形成)を促進させることができると共に、光受容体であるフィトクロムの反応が促されて伸長・伸展(言い換えると、葉を薄く拡げる形態形成)を促進させることができる。なお、遠赤色光は青色光と比較して強い伸長・伸展促進効果を発揮するため、青色光と遠赤色光との組み合わせを用いることで良好な環境下での栽培が可能となって成長/生長促進が図られる。このため、葉の受光面積を大きくして純光合成速度を高めて植物(本発明では特に、葉菜)の成長/生長を促進させることができる。また、緑色光は葉の伸展抑制効果があるものの、この効果は遠赤色光で打ち消されるため、緑色光を遠赤色光と同時に照射する場合には伸展は抑制されない。そして、緑色光は葉の透過率が高く群落内部まで高い割合で到達するという利点を有するため、青色光を照射することに加えて緑色光と遠赤色光とを同時に照射することで良好な環境下での栽培が可能となって成長/生長促進が図られる。このため、葉の受光面積を大きくして純光合成速度を高めて植物(本発明では特に、葉菜)の成長/生長を促進させることができる。
上述の第一乃至第三の実施形態は本発明を実施する際の好適な形態の例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。
例えば、上述の第一乃至第三の実施形態では植物20に対して照射される単色光や多色光の光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であるようにしているが、光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であることは本発明において好ましい水準であるものの必須の水準では無く、光合成有効光量子束密度が例えば100 μmolm-2-1 程度でも構わない。
また、上述の第一乃至第三の実施形態の説明における「以上」と「より大きく/より大きい」とは境界値の扱いが整合するように相互に入れ替えられても良く、また、「以下」と「より小さく/より小さい」とは同様に境界値の扱いが整合するように相互に入れ替えられも良い。具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、上述の第一の実施形態の説明における「ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射される」は「ピーク波長が400 nm より大きく且つ500 nm より小さい範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm 以上且つ700 nm 以下の範囲である光を含まない光が照射される」とされても良い。また、「光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上である」は「光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 より大きい」とされても良い。
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置の効果を検証した実施例を図2乃至図9を用いて説明する。
<供試植物>
本実施例では、供試植物を得るため、湿らせたウレタンキューブにロメインレタス種子が播種され、気温が25℃に設定されると共に光照射が行われる明期16時間と光照射が行われない暗期8時間とが周期的に繰り返されるように設定された温度管理チャンバー内に静置されて育苗が行われた。
明期には、白色蛍光灯の光が、光合成有効光量子束密度が凡そ100 μmolm-2-1 である光量で照射された。
播種後7日目に、第一本葉が約1 cm となった苗が栽培実験に供試された。
<光照射パターン>
光照射パターンとして、四種類の光合成有効光量子束密度の時間変化パターンが設定された。四種類の光照射パターンを光照射パターン(ア),(イ),(ウ),及び(エ)とする。
四種類の光照射パターン(ア)乃至(エ)の内容は下記の通りであり、光照射パターン(ア)乃至(エ)のそれぞれの概念図を図2に示す。なお、図2においては、青色光は「BL」,赤色光は「RL」,遠赤色光は「FRL」でそれぞれ表される。また、青色光と赤色光との同時照射は「R>B」又は「R<B」,青色光の単独照射は「B」,更に青色光と遠赤色光との同時照射は「B+FR」でそれぞれ表される。
(ア)R>B
光合成有効光量子束密度が210 μmolm-2-1 である赤色光及び光合成有効光量子束密度が90 μmolm-2-1 である青色光の同時照射18時間と光照射が中断される暗期処理6時間とが繰り返し行われる。
(イ)R<B
光合成有効光量子束密度が30 μmolm-2-1 である赤色光及び光合成有効光量子束密度が270 μmolm-2-1 である青色光の同時照射18時間と光照射が中断される暗期処理6時間とが繰り返し行われる。
(ウ)B
光合成有効光量子束密度が300 μmolm-2-1 である青色光の単独照射18時間と光照射が中断される暗期処理6時間とが繰り返し行われる。
(エ)B+FR
光合成有効光量子束密度が300 μmolm-2-1 である青色光及び光量子束密度が100 μmolm-2-1 である遠赤色光の同時照射18時間と光照射が中断される暗期処理6時間とが繰り返し行われる。
光合成有効光量子束密度はロメインレタスを植えたウレタンキューブの上面から2 cm 上方で計測された値である。
本実施例では、青色光としてピーク波長が470 nm である光が用いられ、赤色光としてピーク波長が625 nm である光が用いられ、さらに、遠赤色光としてピーク波長が740 nm である光が用いられた。
そして、四種類の光照射パターン(ア)乃至(エ)のそれぞれに対応する四つの試験区が設定された。
<栽培実験>
24株のロメインレタス苗が、ウレタンキューブごと、四枚のアクリルボードに空けられた六つの穴に一つずつ移植された。四枚のアクリルボードはそれぞれエアレーションされている2Lの培養液で満たされたプラスチックコンテナ上に置かれた。
四台のグロースチャンバーのそれぞれに一つ当たりロメインレタス六株が置かれたコンテナが一つずつ設置され、チャンバー毎に異なる光照射パターンで栽培が行われた。
四台のチャンバー内はいずれも25±1 ℃ であった。
移植後17日目(即ち、播種後24日目)に全ての株が収穫されて測定が行われた。
地上部生体重は、収穫後にそのまま(即ち、乾燥処理が施されることなく)測定された。
葉面積は、一株当たりの総葉面積がスキャナおよび葉面積算出ソフト(具体的には、LIA32,名古屋大学)が用いられて測定された。
また、葉長及び葉幅として、各株の中で最も大きい葉の葉長及び葉幅が測定された。
<光源>
栽培実験前の育苗には白色蛍光灯が用いられた。
栽培実験には、砲弾型の青色発光ダイオード(青色LED;具体的には、OSUB5161P,OptoSupply製),赤色発光ダイオード(赤色LED;具体的には、OS5RKA5B61P,OptoSupply製),及び遠赤色発光ダイオード(遠赤色光LED;具体的には、IR749JQ−5AJ2−F1,株式会社トリコン製)を有して構成される自製のLEDアレイが用いられた。
LEDへの電流供給には直流電源装置(具体的には、PAS60−4.5,菊水電子工業株式会社製)が用いられた。
電流制御によって各試験区の青色光,赤色光,及び遠赤色光のそれぞれの光合成有効光量子束密度が調節された。また、プログラムリレー(具体的には、ZEN−20C1DR−D−V2,オムロン株式会社製)が用いられて照射時間が制御された。
<実験結果>
上述の条件や仕様に従って栽培実験が行われ、光照射パターン(ア)乃至(エ)毎の成長/生長の態様の状態について図5に示す結果が得られた。
また、光照射パターン(ア)乃至(エ)毎の成長/生長の体相の状態について図6乃至図9に示す結果が得られた。
図5に示す結果から、優勢赤色光と劣勢青色光との同時照射の光照射パターン(ア)R>B及び劣勢赤色光と優勢青色光との同時照射の光照射パターン(イ)R<Bでは葉が大勢としては横向きに生長して横(別言すると、水平)方向に展開した外観となったのに対し、青色光の単独照射の光照射パターン(ウ)B及び青色光と遠赤色光との同時照射の光照射パターン(エ)B+FRでは葉が大勢としては上向きに伸び拡がりつつ生長して縦(別言すると、鉛直)方向に展開した外観となったことが確認された。
図7乃至図9に示す結果から、葉面積,葉長,及び葉幅は、いずれも、青色光の単独照射の光照射パターン(ウ)Bや青色光と遠赤色光との同時照射の光照射パターン(エ)B+FRの方が優勢赤色光と劣勢青色光との同時照射の光照射パターン(ア)R>Bや劣勢赤色光と優勢青色光との同時照射の光照射パターン(イ)R<Bと比べて値が大きくなっており、赤色光を含まない光照射パターンの方が特に葉の成長が促進されることが確認された。
図6に示す結果から、地上部生体重は、青色光の単独照射の光照射パターン(ウ)Bの値が最も大きくなり、優勢赤色光と劣勢青色光との同時照射の光照射パターン(ア)R>Bに次いで青色光と遠赤色光との同時照射の光照射パターン(エ)B+FRの値が続き、これらは劣勢赤色光と優勢青色光との同時照射の光照射パターン(イ)R<Bと比べて値が大きくなった。
図6に示す結果から、すなわち、青色光の単独照射によって成長が最も効率的に促進されることが確認された。また、赤色光を強光で照射することによって成長が促進されるもののこの場合には葉が大勢としては横向きに生長する(謂わば、横臥状態で成長する;図5(ア)R>Bを参照)一方で、青色光と遠赤色光とを同時照射することによっても成長が良好に促進され且つこの場合には葉が大勢としては上向きに伸び拡がりつつ生長する(謂わば、起立状態で成長する;図5(エ)B+FRを参照)ことが確認された。そして、特に葉菜としては、葉が横向きに横臥状態で成長している外観よりも、葉が上向きに起立状態で成長している外観の方が、外観評価が高く商品価値が高いと言える。
<青色光の単独照射の影響>
青色光が単独で照射されることにより、植物は伸長して葉が伸び拡がった外観となり、赤色光を含む光照射パターン(即ち、青色光が単独で照射されないとき)と比べて葉長や葉幅が大きくなった。
この伸長の機構は光受容体のうちのフィトクロム(特に、フィトクロムB)の反応によるものと考えられる。フィトクロムは活性型(Pfr)と非活性型(Pr)との間で可逆的に変化する光受容体であり(Borthwick 他,1952年;Butler 他,1959年)、避陰反応を引き起こす。一般的に、全フィトクロムに占める活性型フィトクロムの割合が高いと茎の伸長が促進され (Franklin 他,2010年)、この割合はフィトクロム光平衡(「PSS」とも表記される)として照射光スペクトルから推定することができる(Sager 他,1988年)。
青色光と赤色光との同時照射下のフィトクロム光平衡は赤色光の単独照射下と同程度に高いと計算され、青色光の単独照射下でのみフィトクロム光平衡は低い値をとる(表2;Sager 他,1988年 に基づいて計算した)。青色光の単独照射を含む光照射パターン(ウ)B及び(エ)B+FRで葉の伸長が促進されたのは、青色光の単独照射によってフィトクロム光平衡が低下したためであると考えられた。
<青色光と遠赤色光との同時照射の影響>
青色光と遠赤色光とが同時に照射されることによっても、植物は伸長して葉が伸び拡がった外観となり、赤色光を含む光照射パターン(即ち、青色光が単独で照射されないとき)と比べて葉長や葉幅が大きくなった。
この伸長の機構は、光受容体のうちのフィトクロムの反応が青色光に加えて遠赤色光によっても促進されたものと考えられる。
<成長を促進するための光照射法>
青色光の照射は葉を伸長させると共に平坦に押し拡げて成長を促進する。すなわち、青色光は植物の成長/生長に有効な光受容体反応のために必要な光であり且つ光合成にも高い効率で利用可能である。フィトクロム反応及びフォトトロピン反応を介した植物の形態形成を青色光の単独照射や青色光及び遠赤色光の照射によってコントロールすることにより、植物の成長を管理することが可能である。
<結論>
青色光の単独照射或いは青色光の照射に加えての遠赤色光の照射を含む光照射パターンで、おそらくはフィトクロム反応により、ロメインレタス葉は伸長が促進された。また、青色光が照射されることにより、フォトトロピン反応によって葉が平坦に伸び拡がる形態形成(言い換えると、葉全体がお椀状に丸まることがないと共に葉の表面に凹凸が少ないフラットな形態形成)が促進された。すなわち、人工光を用いた植物栽培において青色光の照射(特に、単独照射)や青色光の照射に加えての遠赤色光の照射が有効であることが確認された。
[[参考例]]
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置の効果を傍証するための参考例を図10乃至図18を用いて説明する。
<供試植物>
本参考例では、供試植物を得るため、湿らせたウレタンキューブにコスレタス種子が播種され、気温が25℃に設定されると共に光照射が行われる明期16時間と光照射が行われない暗期8時間とが周期的に繰り返されるように設定された温度管理チャンバー内に静置されて育苗が行われた。
明期には、白色発光ダイオード(白色LED)の光が(波長別の相対発光強度について図3参照)、光合成有効光量子束密度が凡そ100 μmolm-2-1 である光量で照射された。
播種後7日目に、第一本葉が約1 cm となった苗が栽培実験に供試された。
<光照射パターン>
光照射パターンとして、光合成有効光量子束密度の日平均が50 μmolm-2-1 ,100 μmolm-2-1 ,及び200 μmolm-2-1 である場合のそれぞれについて四種類の光合成有効光量子束密度の時間変化パターンが設定された。四種類の光照射パターンを光照射パターン(カ),(キ),(ク),及び(ケ)とする。
四種類の光照射パターン(カ)乃至(ケ)の内容は下記の通りであり、光照射パターン(カ)乃至(ケ)のそれぞれの概念図を、光合成有効光量子束密度の日平均の値別に図10乃至図12に示す。なお、図10乃至図12においては、青色光は「BL」で表されると共に赤色光は「RL」で表される。また、青色光と赤色光との同時照射は「BR」,青色光の単独照射は「B」,更に赤色光の単独照射は「R」でそれぞれ表される。
(カ)BR/BR
青色光及び赤色光の同時照射が24時間行われる。
(キ)R/BR
赤色光の単独照射12時間と青色光及び赤色光の同時照射12時間とが繰り返し行われる。
(ク)B/BR
青色光の単独照射12時間と青色光及び赤色光の同時照射12時間とが繰り返し行われる。
(ケ)B/R
青色光の単独照射12時間と赤色光の単独照射12時間とが繰り返し行われる。
本参考例では、青色光としてピーク波長が460 nm である光が用いられ、赤色光としてピーク波長が660 nm である光が用いられた(波長別の相対発光強度について図4参照)。
そして、四種類の光照射パターン(カ)乃至(ケ)のそれぞれに対応する四つの試験区が設定された。
各試験区の間で青色光及び赤色光の日積算での光合成有効光量子束密度を揃えるために、一日あたり12時間照射の光は24時間照射の光に対して照射時の光合成有効光量子束密度が2倍に設定された。光合成有効光量子束密度はコスレタスを植えたウレタンキューブの上面から2 cm 上方で計測された値である。
<栽培実験>
16株のコスレタス苗が、ウレタンキューブごと、四枚のアクリルボードに空けられた四つの穴に一つずつ移植された。四枚のアクリルボードはそれぞれエアレーションされている5Lの培養液で満たされたプラスチックコンテナ上に置かれた。
一台のグロースチャンバー内部がダンボールと黒い紙とで上下二つのコンパートメントに分割された。二台のグロースチャンバー内の合計四つのコンパートメントのそれぞれに一つ当たりコスレタス四株が置かれたコンテナが一つずつ設置され、コンパートメント毎に異なる光照射パターンで栽培が行われた。
四つのコンパートメント内はいずれも25±1 ℃ であった。グロースチャンバー内のCO2濃度の低下を防ぐためにエアポンプが用いられて外気が常に導入された。
移植後14日目(即ち、播種後21日目)に全ての株が収穫されて測定が行われた。
地上部乾物重は、収穫後に100℃で1時間乾燥された後に80℃で3日間乾燥された上で測定された。
葉面積は、一株当たりの総葉面積が葉面積計(具体的には、AAM−9,林電工株式会社製)が用いられて測定された。
また、葉長として、各株の中で最も大きい葉の葉長が測定された。
栽培実験は、光合成有効光量子束密度の日平均の値の設定のそれぞれについて光照射パターン毎に2回ずつ繰り返して行われ、各設定・各光照射パターンが適用されるコンパートメントは実験毎に任意に選択された。
<光源>
栽培実験前の育苗には、砲弾型の白色LED(具体的には、NSPW310DS−b2W,日亜化学工業株式会社製;波長別の相対発光強度について図3参照)からなる自製のLEDアレイが用いられた。
栽培実験には、砲弾型の青色発光ダイオード(青色LED;具体的には、HBL3−3S55−LE,株式会社トリコン製;波長別の相対発光強度について図4参照)と赤色発光ダイオード(赤色LED;具体的には、SRK1−3A80−LE,株式会社トリコン製;波長別の相対発光強度について図4参照)とを有して構成される自製のLEDアレイが用いられた。
LEDへの電流供給には直流電源装置(具体的には、赤色LEDに対してはPMC35−1,青色LEDに対してはPAS60−4.5,どちらも菊水電子工業株式会社製)が用いられた。
電流制御によって各試験区の青色光と赤色光とのそれぞれの光合成有効光量子束密度が調節された。12時間照射が含まれる試験区では、デジタルタイマ(具体的には、H5CX,オムロン株式会社製)が用いられて直流電源装置がリモートコントロールされて照射時間が制御された。
<実験結果>
上述の条件や仕様に従って栽培実験が行われ、光照射パターン(カ)乃至(ケ)毎の成長/生長の態様の状態について、光合成有効光量子束密度の日平均の値別に図13乃至図15に示す結果が得られた。
また、光照射パターン(カ)乃至(ケ)毎の成長/生長の体相の状態について、光合成有効光量子束密度の日平均の値別に図16乃至図18に示す結果が得られた。
図13乃至図15に示す結果から、光合成有効光量子束密度の日平均が50 μmolm-2-1 ,100 μmolm-2-1 ,及び200 μmolm-2-1 である場合のいずれについても、青色光の単独照射を含む光照射パターン(ク)B/BR及び(ケ)B/Rで葉が薄く伸長した外観となったことが確認された。
光合成有効光量子束密度の日平均が50 μmolm-2-1 である場合には、青色光の単独照射を含む光照射パターン(ク)B/BR及び(ケ)B/Rで植物が過度に伸長して倒伏したことが確認された(図13)。地上部乾物重,葉面積,及び葉長には各光照射パターン間で有意な差は見られないことが確認された(図16)。
光合成有効光量子束密度の日平均が100 μmolm-2-1 である場合には、青色光の単独照射を含まない光照射パターン(カ)BR/BR及び(キ)R/BRでは葉が反り返ったり萎縮したりした外観であるのに対し、青色光の単独照射を含む光照射パターン(ク)B/BR及び(ケ)B/Rでは葉が平坦に展開して伸び拡がった外観であることが確認された(図14)。地上部乾物重には各光照射パターン間で有意な差は見られないものの、葉面積は青色光の単独照射を含む光照射パターン(ク)B/BRで青色光の単独照射を含まない光照射パターン(キ)R/BRよりも有意に大きく、葉長は青色光の単独照射を含む光照射パターン(ク)B/BR及び(ケ)B/Rで青色光の単独照射を含まない光照射パターン(カ)BR/BR及び(キ)R/BRよりも有意に大きいことが確認された(図17)。
光合成有効光量子束密度の日平均が200 μmolm-2-1 である場合には、青色光の単独照射を含まない光照射パターン(カ)BR/BR及び(キ)R/BRでは葉が反り返ったり萎縮したりした外観であるのに対し、青色光の単独照射を含む光照射パターン(ク)B/BR及び(ケ)B/Rでは葉が平坦に展開して伸び拡がった外観であることが確認された(図15)。地上部乾物重,葉面積,及び葉長のいずれについても青色光の単独照射を含む光照射パターン(ク)B/BR及び(ケ)B/Rで青色光の単独照射を含まない光照射パターン(カ)BR/BR及び(キ)R/BRよりも有意に大きいことが確認された(図18)。
青色光の照射,赤色光の照射,及び光合成有効光量子束密度の日平均の値(表2中では「平均PPFD」と表記)を変動要因として地上部乾物重,葉面積,及び葉長に及ぼす影響の三元配置の分散分析を行い、表2に示す結果が得られた。
表2に示す結果から、青色光の単独照射と光合成有効光量子束密度の日平均の値とが地上部乾物重と葉面積とに有意に影響を及ぼすことが確認された。さらに、青色光の単独照射と光合成有効光量子束密度の日平均の値とが地上部乾物重,葉面積,及び葉長に及ぼす影響には交互作用があることが確認された。
表2に示す結果から、また、赤色光の単独照射は葉面積及び葉長に有意に影響を及ぼすことが確認された。
<青色光の単独照射の影響>
青色光が単独で照射されることにより、光合成有効光量子束密度の日平均の値にかかわらず植物は伸長して葉が伸び拡がった外観となり、光合成有効光量子束密度の日平均が100 μmolm-2-1 である場合及び200 μmolm-2-1 である場合には青色光が単独で照射されないときよりも有意に葉長が大きくなった。
この伸長の機構は光受容体のうちのフィトクロム(特に、フィトクロムB)の反応によるものと考えられる。フィトクロムは活性型(Pfr)と非活性型(Pr)との間で可逆的に変化する光受容体であり(Borthwick 他,1952年;Butler 他,1959年)、避陰反応を引き起こす。一般的に、全フィトクロムに占める活性型フィトクロムの割合が高いと茎の伸長が促進され (Franklin 他,2010年)、この割合はフィトクロム光平衡(「PSS」とも表記される)として照射光スペクトルから推定することができる(Sager 他,1988年)。
青色光と赤色光との同時照射下のフィトクロム光平衡は赤色光の単独照射下と同程度に高いと計算され、青色光の単独照射下でのみフィトクロム光平衡は低い値をとる(上述の表2)。青色光の単独照射を含む光照射パターン(ク)B/BR及び(ケ)B/Rで葉の伸長が促進されたのは、青色光の単独照射によってフィトクロム光平衡が低下したためであると考えられた。
光合成有効光量子束密度の日平均が200 μmolm-2-1 である場合では、青色光の単独照射を含む光照射パターン(ク)B/BR及び(ケ)B/Rで地上部乾物重が有意に大きかった。この成長促進は、葉の伸長が促進されたことにより、栽培中の受光量が増えたことによると考えられた。
<青色光の単独照射と光合成有効光量子束密度の日平均の値との交互作用>
分散分析の結果、青色光の単独照射と光合成有効光量子束密度の日平均の値とが地上部乾物重,葉面積,及び葉長に及ぼす影響には交互作用があることが確認された(表2参照)。青色光の単独照射は、光合成有効光量子束密度の日平均が高いときに、地上部乾物重,葉面積,及び葉長を大きくした。これらの交互作用は形態形成に関係していると考えられた。
レタスの比葉面積(即ち、葉乾物重当たりの葉面積)は光合成有効光量子束密度が高い場合には低くなり(Kitaya 他,1998年)、葉が分厚く萎縮する。そのため、光合成有効光量子束密度が高い条件では、葉の伸長が効率的に受光量の増大に寄与し、結果として成長を促進させたと考えられた。一方で、弱光条件はそれ自体が植物の伸長を促進する。そのため、低い光合成有効光量子束密度と青色光の単独照射との組み合わせによってコスレタスを過度に伸長させて倒伏させたと考えられた。倒伏した植物は、葉面を光源に向けて効率的に受光することができず、そのために成長も促進されなかったと考えられた。
<赤色光の単独照射の影響,青色光の照射時間の影響>
分散分析の結果、赤色光の単独照射は葉面積及び葉長に有意に影響を及ぼすことが確認された(表2参照)。青色光の単独照射を含む光照射パターン同士(即ち、(ク)B/BRと(ケ)B/R)の比較、並びに、青色光の単独照射を含まない光照射パターン同士(即ち、(カ)BR/BRと(キ)R/BR)の比較を行うと、それぞれ赤色光の単独照射を含む光照射パターン(即ち、(ケ)B/R及び(キ)R/BR)で葉面積及び葉長が小さい傾向があった(図16乃至図18参照)。言い換えると、赤色光の単独照射は葉の展開を抑制しているようにも捉えられた。
しかしながら、光受容体を考慮すると、この結果は、赤色光の単独照射の影響というよりも寧ろ、青色光の照射時間の影響として説明できると考えられた。
本実施例の光照射パターンの設定では、赤色光の単独照射を含む光照射パターン(キ)R/BR及び(ケ)B/Rでは青色光の照射時間が12時間と短くなっている。青色光は青色光受容体であるフォトトロピンの反応を介して葉の平坦な展開を促すことが知られている(Inoue 他,2008年)。赤色光の単独照射を含む光照射パターンでは、青色光の照射が短かったために葉の展開が抑制されていたと考えられた。
青色光の照射は、また、光受容体であるクリプトクロムの反応を介して茎の伸長と葉の展開とを抑制すると報告されている(Eskins,1992年;Huche−Thelier 他,2016年)。しかし、これらの影響は本実施例では観察されなかった。これらの青色光の反応は12時間照射と24時間照射との間での差が小さいと考えられる。
<成長を促進するための光照射法>
青色光の単独照射は葉を伸長させると共に平坦に伸び拡げ、光合成有効光量子束密度の日平均が所定の水準以上であるときには成長を促進する。すなわち、青色光は植物の成長/生長に有効な光受容体反応のために必要な光であり且つ光合成にも高い効率で利用可能である。フィトクロム反応及びフォトトロピン反応を介した植物の形態形成を青色光の単独照射によってコントロールすることにより、植物の成長を支配し管理することが可能である。
また、フィトクロム反応を介した形態形成の変化が成長促進の要因であるならば、遠赤色光を用いることでも青色光の単独照射と同様の成長促進効果を得られる可能性があることが知見された。
<結論>
青色光の単独照射を含む光照射パターンで、おそらくはフィトクロム反応により、コスレタス葉は伸長が促進された。青色光が照射されることにより、また、フォトトロピン反応によって葉が平坦に伸び拡がる形態形成(言い換えると、葉全体がお椀状に丸まることがないと共に葉の表面に凹凸が少ないフラットな形態形成)が促進された。光合成有効光量子束密度が所定の水準以上であるときには、葉の伸長促進及び平坦化は受光量を大きくして成長を促進する。すなわち、人工光を用いた植物栽培において青色光の照射(特に、単独照射)が有効であることが確認された。
本発明に係る植物栽培方法や植物栽培用照明装置は、例えば、植物(特に、葉菜)の栽培を良好に促進させることができるので、植物(特に、葉菜)の人工光栽培等の分野で利用価値が高い。
1 青色光出射部
2 遠赤色光出射部
3 緑色光出射部
11 植物栽培用照明装置/照射装置(第一の実施形態)
12 植物栽培用照明装置/照射装置(第二の実施形態)
13 植物栽培用照明装置/照射装置(第三の実施形態)
19 栽培容器
20 植物

Claims (16)

  1. ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射されることを特徴とする植物栽培方法。
  2. ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射されることを特徴とする植物栽培方法。
  3. ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光,ピーク波長が500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光,及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が600 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光が照射されることを特徴とする植物栽培方法。
  4. 光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であるように前記光が照射されることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一つに記載の植物栽培方法。
  5. 前記ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光のピーク波長が414 nm 以上且つ438 nm 以下の範囲であることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一つに記載の植物栽培方法。
  6. 前記ピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光のピーク波長が720 nm 以上且つ744 nm 以下の範囲であることを特徴とする請求項2または3記載の植物栽培方法。
  7. 前記照射される光が24時間当たり14時間以上照射されることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一つに記載の植物栽培方法。
  8. 前記照射される光が葉菜に照射されることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一つに記載の植物栽培方法。
  9. 植物に対して人工光を照射する装置であり、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部を備え、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光を照射することを有することを特徴とする植物栽培用照明装置。
  10. 植物に対して人工光を照射する装置であり、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部を備え、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が500 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光を照射することを特徴とする植物栽培用照明装置。
  11. 植物に対して人工光を照射する装置であり、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部,ピーク波長が500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部,及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を出射する光出射部を備え、ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光,ピーク波長が500 nm より大きく且つ600 nm 以下の範囲である光,及びピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光を含む一方でピーク波長が600 nm より大きく且つ700 nm より小さい範囲である光を含まない光を照射することを特徴とする植物栽培用照明装置。
  12. 光合成有効光量子束密度が200 μmolm-2-1 以上であるように前記光が照射されることを特徴とする請求項9から11のうちのいずれか一つに記載の植物栽培用照明装置。
  13. 前記ピーク波長が400 nm 以上且つ500 nm 以下の範囲である光のピーク波長が414 nm 以上且つ438 nm 以下の範囲であることを特徴とする請求項9から11のうちのいずれか一つに記載の植物栽培用照明装置。
  14. 前記ピーク波長が700 nm 以上且つ800 nm 以下の範囲である光のピーク波長が720 nm 以上且つ744 nm 以下の範囲であることを特徴とする請求項10または11記載の植物栽培用照明装置。
  15. 前記照射される光が24時間当たり14時間以上照射されることを特徴とする請求項9から11のうちのいずれか一つに記載の植物栽培用照明装置。
  16. 前記植物が葉菜であることを特徴とする請求項9から11のうちのいずれか一つに記載の植物栽培用照明装置。
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