JP2019216516A - 車両用インバータの冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動流体内にインバータを浸漬したヒートパイプにおいて、十分な冷却能力を確保することができる車両用インバータの冷却構造を提供する。【解決手段】複数の半導体素子を有するパワーモジュールPと、このパワーモジュールPの動作を制御可能な制御部Cと、パワーモジュールPと制御部Cを電気的に接続するハードワイヤWとを備えたインバータ10の冷却機構Fにおいて、ヒートパイプの熱サイクルを実行する収容器40を設け、制御部Cは、収容器40内において、車両静止状態の気液界面内であって、パワーモジュールP上方を部分的に覆うことによりパワーモジュールPから上方の気液界面に到達する経路が制御部Cに規制されて蛇行する蛇行通路を形成する位置に取り付けられ、制御部CとパワーモジュールPが上下方向にハードワイヤWで電気的に接続された。【選択図】 図8

Description

本発明は、車両用インバータの冷却構造に関し、特にヒートパイプの熱サイクルを用いて冷却を行う車両用インバータの冷却構造に関する。
従来より、直流電源バッテリの電圧を昇圧した後に交流に変換してモータに供給し、また、モータが発電した交流電流を直流電流に変換した後にその電圧を降圧して直流電源バッテリに供給するインバータ(電力変換装置)は知られている。
このようなインバータは、複数の半導体素子(例えば、IGBT、サイリスタ等)を有するパワーモジュールと、制御用電源部やゲート駆動回路等を有する制御部等から構成され、これらを電気的に接続してセラミック等の絶縁基板上に組み込んだ状態で用いられている。
ハイブリッド自動車や電気自動車等の大型の電力制御装置に用いられるインバータは、高電圧、大電流が通電され、電流密度増加に伴って熱密度が増大することから、放熱性を向上するための冷却機構が必要である。
一般に、インバータの冷却は、絶縁基板の底面を金属製放熱板及び放熱グリスを介してヒートシンクに接触させる片面間接冷却方式、絶縁基板の底面を放熱板を介して直接ヒートシンクに接合する片面直接冷却方式、パワーモジュールの両面に放熱板を設けて両面を直接ヒートシンクに接合する両面直接冷却方式に代表される3つの方式に分類されている。
特許文献1の基板実装インバータ装置は、放熱板の一側面部に基板を介してパワーモジュール、制御部及びフィルタコンデンサ等を実装し、放熱板の他側面部にフィン部を形成すると共にこのフィン部を内部に収容したヒートシンクを放熱板と一体的に形成している。
また、半導体素子等の各部品は、絶縁保護を目的としてシリコンゲル等により全体が液密状に被覆されているため、インバータを直接的に冷却媒体内に浸漬する技術も提案されている(特許文献2参照)。
近年、冷却機構として、ヒートパイプが注目されている。
ヒートパイプは、蒸発部と凝縮部とを備えた収容器(チャンバー)内に冷却媒体としての作動流体が封入され、作動流体による蒸発・凝縮現象を利用している。
蒸発部において、作動流体が入熱した際、潜熱を吸収し、液相である作動流体(液相流体)が蒸発して凝縮部に移動する。凝縮部において、気相流体が外部との熱交換によって潜熱を放出し、気相流体が凝縮して相変化された液相流体は蒸発部に還流する。
ヒートパイプ内では、潜熱吸収、蒸発移動、潜熱放出、凝縮還流からなる熱サイクルが繰り返されている。
特開2001−286156号公報 特開平9−283677号公報
ヒートパイプは、非フロン系の冷媒を使用することができ、コンパクトで且つ別途動力を必要としない等の利点を有しているため、インバータに対して大きな効果が期待される。
しかし、ヒートパイプを車両用冷却構造に適用した場合、期待される十分な冷却能力を獲得できない虞がある。
前述したように、ヒートパイプの冷却能力は、作動流体の蒸発・凝縮現象に依存しているため、蒸発部に貯留された作動流体が多い場合、体積に比例して熱抵抗が大きくなり、これに伴い、熱輸送機能(伝熱特性)が低下し、ヒートパイプの冷却効率が低下する。
従って、蒸気圧との関係から十分な冷却能力を発揮可能な気液界面の適正高さが存在している。
一方、車両は走行状態に応じて、加減速或いは旋回による慣性力が発生する。
例えば、ステアリング操舵により遠心力(横G)が生じる場合、気液界面の揺動によってインバータが作動流体から露出する現象、所謂ドライアウトが生じ、熱輸送機能を維持することが機構的に困難になる虞がある。
即ち、ヒートパイプの作動流体内にインバータを浸漬した車両用インバータの冷却構造では、インバータのドライアウトを回避しつつ熱輸送機能を確保することは容易ではない。
本発明の目的は、作動流体内にインバータを浸漬したヒートパイプにおいて、十分な冷却能力を確保可能な車両用インバータの冷却構造等を提供することである。
請求項1のインバータの冷却構造は、複数の半導体素子を有するパワーモジュールと、このパワーモジュールを制御する基板状の制御部と、前記パワーモジュールと制御部を電気的に接続する接続手段とを備えた車両用インバータの冷却構造において、前記パワーモジュールを浸漬する下部の液相の作動流体が潜熱吸収後気化して上方移動すると共に上部凝縮部にて気相流体が潜熱を放出して再び液相流体に変移して降下することによりヒートパイプの熱サイクルを実行する収容器を設け、前記制御部は、前記収容器内において、車両静止状態の気液界面内であって、前記パワーモジュール上方を部分的に覆うことにより前記パワーモジュールから上方の気液界面に到達する経路が前記制御部に規制されて蛇行する蛇行通路を形成する位置に取り付けられ、前記制御部と前記パワーモジュールが上下方向にハードワイヤで電気的に接続されたことを特徴としている。
このインバータの冷却構造では、前記パワーモジュールを浸漬する下部の液相の作動流体が潜熱吸収後気化して上方移動すると共に上部凝縮部にて気相流体が潜熱を放出して再び液相流体に変移して降下することによりヒートパイプの熱サイクルを実行する収容器を設けたため、コンパクトで且つ別途動力を必要としないインバータの冷却機構を確保することができる。
前記制御部は、前記収容器内において、車両静止状態の気液界面内であって、前記パワーモジュール上方を部分的に覆うことにより前記パワーモジュールから上方の気液界面に到達する経路が前記制御部に規制されて蛇行する蛇行通路を形成する位置に取り付けられ、前記制御部と前記パワーモジュールが上下方向にハードワイヤで電気的に接続されたため、作動流体の揺動に伴うパワーモジュールのドライアウトを回避することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記収容器の頂部から上方に突出すると共に内部が中空状に形成された複数の熱交換部を設けたことを特徴としている。
この構成によれば、簡単な構成で外部との熱交換可能なヒートパイプの凝縮部を形成することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記収容器の内部に前記収容器の底面部から気液界面までの経路を規制して蛇行通路をなす複数のバッフル部材を設け、前記複数のバッフル部材は、長手方向寸法が前記収容器の長手方向寸法と略同等で且つ長手直交方向が前記収容器の長手直交方向よりも短い板状部材によって形成され、前記パワーモジュールを前記収容器の底部に固定すると共に前記制御部を前記複数のバッフル部材のうち最下部のバッフル部材に配設したことを特徴としている。
この構成によれば、接続手段をハードワイヤで構成することができると共に短縮化することができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記少なくとも1つのバッフル部材に前記作動流体の蒸気を排出するための開口が設けられたことを特徴としている。
この構成によれば、熱サイクルによって発生した気相流体を早期に凝縮部に誘導することができ、熱輸送機能を向上することができる。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記収容器が、左右1対のサスペンション支持部間を連結する閉断面状のクロスメンバ内に設置されたことを特徴としている。
この構成によれば、クロスメンバ内のデッドスペースを利用してヒートパイプを車体に設置することができる。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記クロスメンバ内の前記収容器の上方であって前記熱交換部が存在する空間に接続される、空気排出用の排出手段と、空気導入用の導入開口とを設けたことを特徴としている。
この構成によれば、インバータの冷却能力を一層高くすることができる。
本発明の車両用インバータの冷却構造によれば、作動流体内にインバータを浸漬したヒートパイプにおいて、十分な冷却能力を確保することができる。
実施例1に係る冷却機構を搭載した車両のレイアウト図である。 インバータの回路構成を示す図である。 車体前部の平面図である。 図3のIV-IV線断面図である。 サスペンション支持構造体の外観斜視図である。 冷却機構が組み込まれたクロスメンバの斜視図である。 収容器の斜視図である。 図7のVIII-VIII線断面図である。 図8のIX-IX線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1〜図9に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施例の車両Vは、インバータ10の冷却機構Fが車体前部に搭載されたハイブリッド自動車である。
インバータ10の冷却機構Fの説明の前に、車両Vの前提構造について説明する。
この車両Vは、車体前部に内燃機関であるエンジン3が搭載され、主駆動輪である左右1対の後輪2を駆動するFR(Front engine Rear drive)車である。
また、主駆動輪の後輪2は、エンジン3の代わりに主駆動モータ4によっても駆動され、副駆動輪である左右1対の前輪1は、副駆動モータであるインホイールモータ(以下、IWMという)5によって所定の運転領域に駆動されている。
エンジン3と主駆動モータ4は、クラッチ(図示略)を介して締結解除可能に接続されている。
エンジン3は、フライホイールを省略したフライホイールレスエンジンに構成され、動力伝達機構6を介して後輪2を駆動している。
動力伝達機構6は、プロペラシャフト6aと、クラッチ6bと、後輪2に車軸(図示略)を介して接続された有段変速機としてのトランスミッション6c等を備えている。
主駆動モータ4は、例えば、48Vで駆動される25kWの永久磁石同期モータ(PMモータ)によって構成され、48Vのバッテリ8(例えば、3.5kWhのリチウムイオンバッテリ等)の電流を変換するインバータ7から交流電流が供給されている。
この主駆動モータ4は、エンジン3と直列に接続され、主駆動モータ4が発生した駆動力は、エンジン3の駆動力と同様に、動力伝達機構6を介して後輪2に伝達される。
IWM5は、例えば、120Vで駆動される17kWの三相誘導モータ(SRモータ)によって構成され、キャパシタCp(図2参照)の電流を変換するインバータ10から交流電流が供給されている。
ここで、インバータ10について説明する。
図2に示すように、インバータ10は、パワーモジュールPと、このパワーモジュールPの動作を制御する制御部Cと、パワーモジュールPと制御部Cとを電気的に接続するハードワイヤW(接続手段)を主な構成要素としている。
パワーモジュールPと制御部Cは、各々のセラミック製絶縁基板上に組み込まれ、各々の絶縁基板上においてシリコンゲルにより全体が液密状に被覆された液密封止構造である。
これらパワーモジュールPと制御部Cは、高圧電源ラインLhとアースラインLeとによって構成されたハードワイヤWによって接続されている。
パワーモジュールPは、IWM5の各相に対応する3組の各相用スイッチングユニットSu,Sv,Swを有している。各相用スイッチングユニットSu,Sv,Swは、直列接続された1対のスイッチング素子(トランジスタ)と、各スイッチング素子に並列接続されたダイオードとによって構成されている。
各相用スイッチングユニットSu,Sv,Swは、互いに並列に接続されており、何れのユニットSu,Sv,Swも、直列接続された2個のスイッチング素子の一端は高圧電源ラインLhに接続され、他端はアースラインLeに接続されている。また、2個のスイッチング素子の中間点はIWM5の各相に接続されている。
制御部Cは、昇圧用スイッチングユニットSaと、第1コンデンサC1と、第2コンデンサC2と、リアクトルLと、リレーR1及びR2と、指令部Ca等を有している。
これらの各回路構成部品のうち、第1コンデンサC1、昇圧用のリアクトルL、及び昇圧用スイッチングユニットSaが、昇圧回路を構成している。
昇圧用スイッチングユニットSaは、直列接続された2個のスイッチング素子と、各スイッチング素子に並列接続されたダイオードとを有し、直列接続された2個のスイッチング素子の一端は高圧電源ラインLhに接続され、他端はアースラインLeに接続されている。2個のスイッチング素子の中間点はリアクトルLの他方端に接続されている。
第1コンデンサC1は、キャパシタCpに並列に接続されている。
第2コンデンサC2は、昇圧用スイッチングユニットSa及び各相用スイッチングユニットSu,Sv,Swに並列接続されている。
リアクトルLは、一端がキャパシタCpの正極側に接続され、他端が昇圧用スイッチングユニットSaの直列接続された2個のスイッチング素子の中間点に接続されている。
IWM5を駆動する場合、以下のように動作している。
第1コンデンサC1は、キャパシタCpから供給された直流電圧を平滑化してリアクトルLに供給する。昇圧用スイッチングユニットSaは、指令部Caからの制御信号に応じてスイッチング動作を行い、リアクトルLに流れる電流を制御し、スイッチング素子のオン時間に応じて昇圧した直流電圧を第2コンデンサC2に供給する。
第2コンデンサC2は、昇圧用スイッチングユニットSaから出力された昇圧後の直流電圧を平滑化して各相用スイッチングユニットSu,Sv,Swに供給する。
各相用スイッチングユニットSu,Sv,Swは、指令部Caからの制御信号に応じてスイッチング動作を行い、直流電圧を交流電圧に変換してIWM5の各相に供給する相電流を生成している。
また、IWM5が発電する場合、以下のように動作している。
各相用スイッチングユニットSu,Sv,Swは、指令部Caからの制御信号に応じてスイッチング動作を行い、IWM5が発電した交流電圧を直流電圧に変換して第2コンデンサC2に供給する。第2コンデンサC2は、供給された直流電圧を平滑化して昇圧用スイッチングユニットSaに供給する。昇圧用スイッチングユニットSaは、指令部Caからの制御信号に応じてスイッチング動作を行い、リアクトルLに流れる電流を制御し、供給された直流電圧を降圧する。そして、降圧した直流電圧を、第1コンデンサC1を介してキャパシタCpを充電している。
次に、制御装置9の説明に戻る。
図1に示すように、制御装置9は、エンジン3、主駆動モータ4及びIWM5を制御している。キャパシタの近傍には、電圧変換器である高圧DC/DCコンバータと低圧DC/DCコンバータが夫々配設されている(何れも図示略)。
制御装置9は、切替スイッチ(図示略)によってEVモードが選択されたとき、発進時及び低速走行時、主駆動モータ4のみで車両Vを駆動し、高車速領域である加速走行時、IWM5を作動させて主駆動モータ4とIWM5が協働して車両Vを駆動している。
また、減速時、主駆動モータ4とIWM5は、発電機として機能し、運動エネルギーを回生して電力を生成する。主駆動モータ4によって回生された電力は、バッテリ8に蓄積され、IWM5によって回生された電力は、キャパシタに蓄積されている。
キャパシタの電荷が不足する場合、バッテリ8の電圧を昇圧してキャパシタに充電し、キャパシタの端子間電圧が過剰に上昇した場合、キャパシタの電荷を降圧してバッテリ8に充電している。
次に、フロントサスペンション(以下、サスペンションと略す)15と、このサスペンション15を支持するサスペンション支持構造体20について説明する。
尚、図において、矢印F方向を前方向とし、矢印L方向を左方向とし、矢印U方向を上方向としている。
図3,図4に示すように、車両Vは、前後に延びる左右1対のサイドシル11と、サイドシル11の上方に配設された左右1対のフロントピラー(図示略)と、サイドシル11の前端及びフロントピラーの前端を上下に連結する左右1対のヒンジピラー(図示略)と、車幅方向略中央の位置において、前後に延びるセンタトンネルフレーム12及びトンネルサイドフレーム(図示略)と、左右のヒンジピラーを車幅方向に連結して車室内外を隔てる隔壁をなすダッシュパネル13及びカウルパネル14等を備えている。
図5に示すように、サスペンション15は、ダブルウィッシュボーン式サスペンション構造であって、車両Vの前輪1を回転自在に支持するナックル16と、車幅方向外側がナックル16の下部に連結され且つ車幅方向内側が車体に連結されたロアアーム17と、車幅方向外側がナックル16の上部に連結され且つ車幅方向内側が車体に連結されたアッパアーム18と、上端が車体に連結され且つ下端がロアアーム17に連結された伸縮可能なフロントサスダンパ(以下、ダンパと略す)19等を主な構成要素としている。
サスペンション支持構造体20は、左右に所定間隔を隔てて立設された左右1対の骨格メンバ21と、1対の骨格メンバ21の下端近傍を連結するサスクロス22と、サスクロス22よりも僅かに上方の位置において1対の骨格メンバ21の下部を連結する下側クロスメンバ23と、1対の骨格メンバ21の上部を連結する上側クロスメンバ24と、骨格メンバ21及びサスクロス22を連結する左右1対の傾斜フレーム25等を備えている。
骨格メンバ21は、前部車体を構成する車体骨格部材として前面衝突(前突)時に前方から伝達される衝突荷重をフレーム部材26a〜26fを介して車室部2側(後方)へ伝達するロードパスの一部を成す機能と、サスペンション15を揺動可能に支持する機能とを有するアルミダイキャスト製の部材である。
フレーム部材26a〜26fは、サイド側アッパフレーム26aと、センタ側フレーム26bと、サイド側フレーム26cと、サイド側ロアフレーム26dと、センタ側ロアフレーム26eと、補強フレーム26fとを夫々左右1対備えている。
これらフレーム部材26a〜26fは、何れも押出成形された中空状に構成されており、補強フレーム26fは、前方程上方に延在する一方で、該補強フレーム26f以外のフレーム部材26a〜26eは直線状に延在しており、左右各側において車室部と骨格メンバ21とを連結している。
サスクロス22は、アルミダイキャスト製であって、骨格メンバ21の下部を左右に連結すると共に平面視にて略H字状に形成されている。
下側クロスメンバ23は、押出し成型されたアルミ合金製の押出部材であって、上下に間隔を隔てて対向する上壁部と下壁部とを有する略矩形の閉断面を左右に延設した略筒状体に形成されている。この下側クロスメンバ23は、骨格メンバ21の車幅方向内面側部分に接合されている。
上側クロスメンバ24は、押出し成形されたアルミ合金製の押出部材であって、略矩形の閉断面を左右に延設した略筒状体に形成されている。この上側クロスメンバ24は、骨格メンバ21における車幅方向の内面側部分に接合されている。
左右1対の傾斜フレーム25は、押出し成型されたアルミ合金製の押出部材であって、略矩形の閉断面を所定方向に延設した略筒状体に形成されており、下端部同士が車幅方向に近接状態で突き合うように配置されると共に上方程互いの間隔が広がるように傾斜して正面視でV字状に配置されている。
次に、インバータ10の冷却機構Fについて説明する。
図6,図7に示すように、冷却機構Fは、電動ファン31(排出手段)と、左右1対の導入開口部32と、左右に延びる上側クロスメンバ24の閉断面内に収容された左右に延びる(車幅方向に長い)略直方体状の収容器40等を備えている。
この冷却機構Fは、収容器40内に冷却媒体としての作動流体が封入され、インバータ10を熱源として、潜熱吸収、蒸発移動、潜熱放出、凝縮還流からなる熱サイクルを繰り返すヒートパイプを構成している。
電動ファン31は、導入開口部32を介して上側クロスメンバ24の閉断面内に走行風(空気)を導入可能に構成されている。この電動ファン31は、上側クロスメンバ24の後側に配設され、電動ファン31と上側クロスメンバ24の閉断面内とを連通する扁平状のダクト33を有している。
図3〜図6に示すように、ダクト33は、上側クロスメンバ24の車幅方向中央部分から電動ファン31に向けて後方に延設されている。
上側クロスメンバ24の上壁部には、左右両端部及び中央部に閉断面内外を連通する開口が夫々形成され、中央部に形成された開口にダクト33の前端が連結され、左右両端部に形成された開口に上方に延びる導入開口部32が連結されている。
これにより、電動ファン31が駆動されたとき、収容器40から入熱された空気が上側クロスメンバ24の閉断面内からダクト33を介して排出され、走行風が上側クロスメンバ24の閉断面内に導入開口部32を介して導入されている。
図7,図8に示すように、収容器40は、蒸発部に相当する本体部41と、この本体部41の頂部に形成され且つ凝縮部に相当する複数の熱交換部42等を備え、上側クロスメンバ24の上壁部から下方に若干離隔した状態で上側クロスメンバ24内に収容されている。冷却媒体である作動流体は、蒸気圧との関係に基づき、高い熱輸送機能を確保可能な最適液面レベル(例えば、気液界面が全高に対して30〜50%の高さ位置)になるように本体部41に封入されている。尚、作動流体は、気相と液相との間で相変化可能であれば何れの冷媒でも適用可能であり、弗化炭素系冷媒(例えば、エタノール、フロン等)や水であっても良い。
収容器40が車幅方向に長い略直方体形状であることから、作動流体の気液界面は、前後方向に向かう慣性力(加速G又は減速G)よりも、左右方向に向かう遠心力(横G)の影響を大きく受ける。車両Vが旋回走行を行う場合、作動流体に旋回時の横Gが作用する。横Gの影響を受け易い作動流体は、気液界面が傾斜し、インバータ10が作動流体から露出するドライアウトが発生する可能性がある。
そこで、本発明では、作動流体の気液界面の揺動を抑制する、複数のバッフルプレートを設けている。
図8に示すように、本体部41は、バッフルプレート43と、このバッフルプレート43よりも上方に位置するバッフルプレート44とを備えている。
バッフルプレート43は、本体部41の中段部において左右方向全域に亙って形成され、本体部41の前壁部から後壁部近傍位置に亙って後方程高くなるように形成されている(例えば、傾斜角度5〜15°)。
バッフルプレート44は、作動流体の最適液面レベルよりも下側位置において本体部41の左右方向全域に亙って形成され、本体部41の後壁部から前壁部近傍位置に亙って前方程高くなるように形成されている(例えば、傾斜角度5〜15°)。
バッフルプレート43,44は、バッフルプレート43の後端部とバッフルプレート44の下面とが僅かに離隔しているため、協働して蛇行通路を形成している。
本体部41の底部上面には、インバータ10のパワーモジュールPがエポキシ樹脂を介して固定され、バッフルプレート43の下面には、インバータ10の制御部CがパワーモジュールPの上方近傍位置においてエポキシ樹脂を介して固定されている。パワーモジュールPの前端部と制御部Cの前端部とがハードワイヤWにより接続されている。
これにより、インバータ10を作動流体内に全体的且つ直接的に浸漬することができ、制御部Cによりバッフルプレート43、換言すれば、蛇行通路の一部を形成している。
バッフルプレート43の途中部には、作動流体が蒸発することにより生成された気相流体をバッフルプレート43の下部から上部に開放する1又は複数の開口43aが形成されている。本実施例では、開口43aが、制御部Cよりも前側位置に形成されたため、制御部Cによって集められた気相流体を積極的に上部に開放している。
図7に示すように、複数の熱交換部42は、本体部41の車幅方向一端から他端に亙って一様に設けられている。
図8,図9に示すように、各熱交換部42は、側面視にて略台形状に形成されると共に正面視にて略三角形状に形成され、その内部は中空状に構成されている。
これにより、熱交換させるための内外表面積を確保している。そして、蛇行通路に沿って流動してきた気相流体は、各熱交換部42の中空部に誘導され、上側クロスメンバ24内に導入された新気と熱交換を行う。凝縮により気相流体から液相流体に相変化した作動流体は、熱交換部42の内壁面に沿って流れて滴下し、本体部41に還流される。
次に、上記インバータ10の冷却機構Fの作用、効果について説明する。
この冷却機構Fでは、パワーモジュールPを浸漬する下部の液相の作動流体が潜熱吸収後気化して上方移動すると共に上部凝縮部にて気相流体が潜熱を放出して再び液相流体に変移して降下することによりヒートパイプの熱サイクルを実行する収容器40を設けたため、コンパクトで且つ別途動力を必要としないインバータ10の冷却機構Fを確保することができる。
制御部Cは、収容器40内において、車両静止状態の気液界面内であって、パワーモジュールP上方を部分的に覆うことによりパワーモジュールPから上方の気液界面に到達する経路が制御部Cに規制されて蛇行する蛇行通路を形成する位置に取り付けられ、制御部CとパワーモジュールPが上下方向にハードワイヤWで電気的に接続されたため、作動流体の揺動に伴うパワーモジュールPのドライアウトを回避することができる。
収容器40の頂部から上方に突出すると共に内部が中空状に形成された複数の熱交換部42を設けたため、簡単な構成で外部との熱交換可能なヒートパイプの凝縮部を形成することができる。
収容器40の内部に収容器40の底面部から気液界面までの経路を規制して蛇行通路をなす複数のバッフルプレート43,44を設け、複数のバッフルプレート43,44は、長手方向寸法が収容器40の長手方向寸法と略同等で且つ長手直交方向が収容器40の長手直交方向よりも短い板状部材によって形成され、パワーモジュールPを収容器40の底部に固定すると共に制御部Cを複数のバッフルプレート43,44のうち最下部のバッフルプレート43に配設したため、接続手段をハードワイヤWで構成することができると共に短縮化することができる。
少なくとも1つのバッフルプレート43に作動流体の蒸気を排出するための開口43aが設けられたため、熱サイクルによって発生した気相流体を早期に熱交換部42(凝縮部)に誘導することができ、熱輸送機能を向上することができる。
収容器40が、サスペンション支持構造体20の左右1対の骨格メンバ21間を連結する閉断面状の上側クロスメンバ24内に設置されたため、上側クロスメンバ24内のデッドスペースを利用してヒートパイプを車体に設置することができる。
上側クロスメンバ24内の収容器40の上方であって熱交換部42が存在する空間に接続される、空気排出用の電動ファン31と、空気導入用の導入開口部32とを設けたため、インバータ10の冷却能力を一層高くすることができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、乗用車用駆動モータの冷却に適用した例を説明したが、振動等による作動流体の流動が大きい使用環境であれば、乗用車以外の車両に適用しても同様の効果を奏することができる。
また、副駆動モータであるIWMのインバータの冷却に適用した例を説明したが、主駆動モータのインバータの冷却に適用しても良い。
2〕前記実施例においては、2枚のバッフルプレートで蛇行通路を形成した例を説明したが、3枚以上で蛇行通路を形成しても良い。また、制御部でバッフルプレートの一部を形成した例を説明したが、制御部でバッフルプレートを兼用しても良い。
3〕前記実施例においては、頂部が前後方向に延びる複数の熱交換部の例を説明したが、頂部が左右方向に延びる複数の熱交換部であっても良い。また、正面視にて三角形状の熱交換部の例を説明したが、矩形状であっても良い。
4〕前記実施例においては、制御部が固定された最下部のバッフルプレートにのみ蒸気抜きの開口を形成した例を説明したが、他のバッフルプレートに形成しても良く、他のバッフルプレートのみに形成しても良い。
5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態や各実施形態を組み合わせた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
10 インバータ
21 骨格メンバ
24 上側クロスメンバ
31 電動ファン
32 導入開口部
40 収容器
42 熱交換部
43 バッフルプレート
43a 開口
44 バッフルプレート
P パワーモジュール
C 制御部
F 冷却機構

Claims (6)

  1. 複数の半導体素子を有するパワーモジュールと、このパワーモジュールを制御する基板状の制御部と、前記パワーモジュールと制御部を電気的に接続する接続手段とを備えた車両用インバータの冷却構造において、
    前記パワーモジュールを浸漬する下部の液相の作動流体が潜熱吸収後気化して上方移動すると共に上部凝縮部にて気相流体が潜熱を放出して再び液相流体に変移して降下することによりヒートパイプの熱サイクルを実行する収容器を設け、
    前記制御部は、前記収容器内において、車両静止状態の気液界面内であって、前記パワーモジュール上方を部分的に覆うことにより前記パワーモジュールから上方の気液界面に到達する経路が前記制御部に規制されて蛇行する蛇行通路を形成する位置に取り付けられ、
    前記制御部と前記パワーモジュールが上下方向にハードワイヤで電気的に接続されたことを特徴とする車両用インバータの冷却構造。
  2. 前記収容器の頂部から上方に突出すると共に内部が中空状に形成された複数の熱交換部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用インバータの冷却構造。
  3. 前記収容器の内部に前記収容器の底面部から気液界面までの経路を規制して蛇行通路をなす複数のバッフル部材を設け、
    前記複数のバッフル部材は、長手方向寸法が前記収容器の長手方向寸法と略同等で且つ長手直交方向が前記収容器の長手直交方向よりも短い板状部材によって形成され、
    前記パワーモジュールを前記収容器の底部に固定すると共に前記制御部を前記複数のバッフル部材のうち最下部のバッフル部材に配設したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用インバータの冷却構造。
  4. 前記少なくとも1つのバッフル部材に前記作動流体の蒸気を排出するための開口が設けられたことを特徴とする請求項3に記載の車両用インバータの冷却構造。
  5. 前記収容器が、左右1対のサスペンション支持部間を連結する閉断面状のクロスメンバ内に設置されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用インバータの冷却構造。
  6. 前記クロスメンバ内の前記収容器の上方であって前記熱交換部が存在する空間に接続される、空気排出用の排出手段と、空気導入用の導入開口とを設けたことを特徴とする請求項5に記載の車両用インバータの冷却構造。
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